(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ラテラルフローアッセイの電磁気感知デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/543 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
G01N33/543 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529812
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 IB2022061073
(87)【国際公開番号】W WO2023089511
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524188387
【氏名又は名称】11281232 カナダ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オニール、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】メルニク、アダム
(72)【発明者】
【氏名】クムヒル、マーク
(57)【要約】
少なくとも1つの被検物質を評価するための検査デバイスであって、平面要素と、少なくとも1つの被検物質を評価するためにラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの感知領域を感知するために平面要素上に配置された少なくとも1つの電子センサと、平面要素の表面に接続され、ラテラルフロー検査要素の表面に接続するように設定された粘着性基板とを備える検査デバイスが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの被検物質を評価するための検査デバイスであって、
平面要素と、
少なくとも1つの前記被検物質を評価するためにラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの感知領域を感知するために前記平面要素上に配置された少なくとも1つの電子センサと、
前記平面要素の表面に接続され、前記ラテラルフロー検査要素の表面に接続するように設定された粘着性基板と、
を含む、検査デバイス。
【請求項2】
前記粘着性基板が、前記平面要素の前記表面上に広げられ、前記ラテラルフロー検査要素の前記表面上に広がるように設定される、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項3】
前記粘着性基板が第1粘着対向面および第2粘着対向面を含み、
前記第1粘着対向面が前記平面要素の前記表面に接続され、
前記第2粘着対向面が前記ラテラルフロー検査要素の前記表面に接続するように設定される、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項4】
前記粘着性基板が、接着剤、テープ、自己粘着、スプレー式粘着剤からなる群から選択される、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項5】
前記ラテラルフロー検査要素をさらに備える、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項6】
前記粘着性基板が、少なくとも1つの前記感知領域を少なくとも1つの前記電子センサに近接して配置する、
請求項5に記載の検査デバイス。
【請求項7】
前記粘着性基板の分布は、少なくとも1つの前記感知領域と少なくとも1つの前記電子センサとの間に存在することから大量の空気を排除するように選択される、
請求項5に記載の検査デバイス。
【請求項8】
前記粘着性基板が、前記平面要素の前記表面と前記ラテラルフロー検査要素の前記表面との間に挟まれている、
請求項5に記載の検査デバイス。
【請求項9】
前記粘着性基板が、少なくとも1つの前記電子センサと、少なくとも1つの前記感知領域を含む前記ラテラルフロー検査要素の領域との間に挟まれる、
請求項5に記載の検査デバイス。
【請求項10】
前記粘着性基板が少なくとも1つの前記電子センサおよび少なくとも1つの前記感知領域の上に少なくとも配置され、
少なくとも1つの前記感知領域を含む前記ラテラルフロー検査要素の領域が少なくとも1つの前記電子センサに位置合わせされ、対向する、
請求項5に記載の検査デバイス。
【請求項11】
前記ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの前記感知領域が、前記ラテラルフロー検査要素に投与される少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む、
請求項5に記載の検査デバイス。
【請求項12】
前記平面要素は、前記ラテラルフロー検査要素の物理的支持構成要素として機能する前記ラテラルフロー検査要素のバッキングカードに代わる、
請求項5に記載の検査デバイス。
【請求項13】
前記粘着性基板の厚さは、少なくとも1つの前記被検物質の評価のために少なくとも1つの前記感知領域を感知する前記少なくとも1つの前記電子センサからの閾値を超える十分に強い信号を得るために薄くなるように選択される、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項14】
前記平面要素の前記表面が、前記ラテラルフロー検査要素の前記表面の少なくともサイズの前記サイズを有する、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項15】
前記平面要素はプリント基板(PCB)を含み、
少なくとも1つの前記電子センサは、前記プリント基板と接続されている、前記プリント基板と一体化されている、のうちの少なくとも1つである、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項16】
実質的に被検物質結合要素を含まない前記ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの基準領域を感知するために前記平面要素上に配置された少なくとも1つの第2電子センサをさらに含み、
前記ラテラルフロー検査要素に投与された少なくとも1つの前記被検物質は、実質的に選択的に前記基準領域に結合することなく、少なくとも1つの前記基準領域を横切って流れる、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項17】
少なくとも1つの第2領域を感知する少なくとも1つの前記第2電子センサによって出力された信号は、少なくとも1つの前記被検物質の計測を支援するために分析される、
請求項16に記載の検査デバイス。
【請求項18】
少なくとも1つの前記感知領域は、検査領域と、前記検査領域とは異なる基準領域とを含み、
少なくとも1つの前記電子センサは、前記検査領域を感知するために前記平面要素上に配置された検査電子センサと、前記基準領域を感知するために前記平面要素上に配置された基準電子センサとを含む、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項19】
少なくとも1つの前記感知領域は、ユーザにおける感染症の存在を評価するために、前記感染症のバイオマーカーに対応する少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項20】
前記感染症のバイオマーカーが、性感染症およびCOVID-19のうちの少なくとも1つのためのマーカーを含む、
請求項19に記載の検査デバイス。
【請求項21】
少なくとも1つの前記感知領域が、ユーザにおける関連する健康状態を評価するための健康関連バイオマーカーに対応する少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項22】
前記健康関連バイオマーカーが、コルチゾール、メラトニン、テストステロン、プロゲステロンからなる群から選択される、
請求項21に記載の検査デバイス。
【請求項23】
少なくとも1つの前記電子センサは、少なくとも1つの前記電子センサから生じ、前記粘着性基板を通過し、少なくとも1つの前記感知領域を通過し、少なくとも1つの前記粘着性基板を通過して戻り、少なくとも1つの前記電子センサに戻る、電場線に追従する電磁場を生成するように設計される、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項24】
少なくとも1つの前記電子センサは、静電容量検知のための少なくとも1つの静電容量性センサを含む、請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項25】
各容量性センサは、一対の電極の交互嵌合配置を含む、
請求項24に記載の検査デバイス。
【請求項26】
少なくとも1つの前記電子センサは、誘導検知のための少なくとも1つの誘導性センサを含む、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項27】
各誘導性センサが、少なくとも1つの層を有する少なくとも1つの平面コイルを含む、
請求項26に記載の検査デバイス。
【請求項28】
少なくとも1つの前記誘導性センサを共振周波数で作動させるように構成された回路をさらに含む、
請求項26に記載の検査デバイス。
【請求項29】
サンプリング周波数で動作し、少なくとも1つの前記感知領域への少なくとも1つの前記被検物質の結合を示す、少なくとも1つの前記電子センサの前記共振周波数の変化を測定するように構成されたコントローラをさらに含む、
請求項28に記載の検査デバイス。
【請求項30】
少なくとも1つの前記電子センサの前記共振周波数は、0.001~40メガヘルツ(MHz)の範囲内である、
請求項29に記載の検査デバイス。
【請求項31】
超常磁性特性を示すように選択された標識が、少なくとも1つの前記被検物質の存在を識別するために使用される、
請求項26に記載の検査デバイス。
【請求項32】
少なくとも1つの前記電子センサによって感知された信号を、少なくとも1つの前記被検物質の存在を測定するための前記信号の解析のために外部コンピューティングデバイスに送信するように構成された送信機をさらに含む、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項33】
前記検査デバイスは液体サンプルが前記ラテラルフロー検査要素に適用された後に廃棄されるように設計された使い捨て装置として実装され、
前記液体サンプルは毛細管現象によって前記ラテラルフロー検査要素を通って流れ、ウィックに達し、溶液中に存在するときに少なくとも1つの前記被検物質は少なくとも1つの前記感知領域の被検物質結合要素に結合する、
請求項1に記載の検査デバイス。
【請求項34】
少なくとも1つの被検物質を評価するためのコンピュータ実装方法であって、
検査デバイスの少なくとも1つの電子センサから得られる信号を受信し、
少なくとも1つの前記電子センサは、ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの感知領域を感知するために検査デバイスの平面要素上に配置され、
少なくとも1つの前記感知領域は、前記ラテラルフロー検査要素に投与される少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含み、
粘着性基板は少なくとも1つの前記感知領域を含むラテラルフロー検査要素の領域に面する位置に、少なくとも1つの前記電子センサを固定するために、前記平面要素の表面および前記ラテラルフロー検査要素の表面に接続され、
前記ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの前記感知領域における少なくとも1つの前記被検物質の蓄積を測定するための信号を分析し、
少なくとも1つの前記被検物質の存在を示す証拠、少なくとも1つの前記被検物質の濃度、および少なくとも1つの前記被検物質の存在の欠如を示す証拠、のうちの少なくとも1つを決定する、
コンピュータ実装方法。
【請求項35】
少なくとも1つの前記電子センサが、容量性検知のための少なくとも1つの容量性センサと、誘導性検知のための少なくとも1つの誘導性センサとからなる群から選択される、
請求項34に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項36】
少なくとも1つの前記被検物質が検出され、
少なくとも1つの前記被検物質が検出されず、
少なくとも1つの前記被検物質の濃度が閾値を上回り、
少なくとも1つの前記被検物質の濃度が前記閾値を下回る、の少なくとも1つに適合する場合、
医学的状態の診断、予後、または傾向、または健康状態の分析のうちの少なくとも1つを決定することをさらに含む、
請求項34に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項37】
前記診断、予後、または傾向に応答して、ヘルスケアプロバイダおよび/または公衆衛生エンティティのリモートクライアント端末との通信セッションを確立することをさらに含む、
請求項36に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項38】
前記医学的状態を治療するのに有効な治療をユーザに施すことをさらに含む、
請求項36に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項39】
非診断情報を含むウェルネスバイオマーカーの濃度を決定し、
接続されたスマートデバイスを介してクライアント端末に前記非診断情報を自動的に通信する、
ことをさらに含む、請求項34に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項40】
健康状態が、様々なバイオマーカーレベルによって分類される、医療専門家による診断を必要としない報告不能で生命を脅かさない健康状態である、
請求項39に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項41】
バイオマーカーが、唾液コルチゾール、血液ベースのコルチゾール、テストステロン、インターロイキン-6(IL-6)、テトラヒドロカンナビノール(THC)インフルエンザA、インフルエンザB、A群連鎖球菌、プロカルシトニン、C反応性タンパク質、および大腸菌(Ecoli)からなる群から選択される、
請求項39に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項42】
医学的状態が感染症病原体による感染症である、
請求項34に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項43】
前記感染症病原体が、性感染症およびCOVID-19からなる群から選択される、請求項42に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項44】
分析することが、複数のレコードを含むトレーニングデータセット上でトレーニングされた機械学習モデルに前記信号を供給することを含み、
各レコードが、少なくとも1つの前記被検物質の存在の証拠、少なくとも1つの前記被検物質の存在の欠如の証拠、および少なくとも1つの前記被検物質の濃度のうちの少なくとも1つのグラウンドトゥルース指標で標識されたサンプル信号を含む、
請求項34に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項45】
受信信号は、少なくとも1つの前記感知領域を感知する検査電子センサと、少なくとも1つの前記感知領域とは異なる基準領域を感知する基準電子センサとによって出力される信号から計算され、
少なくとも1つの前記感知領域内の前記被検物質結合要素に結合する少なくとも1つの前記被検物質は前記基準領域に選択的に結合しない、
請求項34に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項46】
複数の検査デバイスを作成するための構成要素を備える複数のロールを展開し、
配置された複数の離間した電子センサを有する可撓性平面要素のロールを展開し、
前記可撓性平面要素の表面上に粘着性基板を積層し、
複数の前記検査デバイスを作成するための構成要素を前記粘着性基板に積層して、マスタアセンブリを作成し、
前記マスタアセンブリを複数のスライスにスライスし、
各々のスライスは、適用されたサンプルの少なくとも1つの被検物質の存在、非存在、および/または濃度を評価するための複数の前記検査デバイスのそれぞれの検査デバイスを表す、
検査デバイス製造方法。
【請求項47】
前記可撓性平面要素は、可撓性プリント回路基板(PCB)を含む、
請求項46に記載の検査デバイス製造方法。
【請求項48】
自己接着テープのロールを展開し、
展開された前記自己接着テープを前記可撓性平面要素の前記表面上に積層する、
ことをさらに含み、
積層することが、前記自己接着テープを前記可撓性平面要素と前記複数の検査デバイスの前記構成要素との間に挟むことを含む、
請求項46に記載の検査デバイス製造方法。
【請求項49】
スライスすることは、隣接する電子センサ間で前記マスタアセンブリの幅に沿ってスライスすることを含む、
請求項46に記載の検査デバイス製造方法。
【請求項50】
各それぞれの検査デバイスが、
可撓性平面要素の前記ロールの平面要素と、
可撓性平面要素の前記ロールの複数の前記電子センサの少なくとも1つの電子センサと、
前記平面要素の表面と、ラテラルフロー検査要素の表面とに接続された、前記ラテラルフロー検査要素に投与された少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む少なくとも1つの感知領域に面する位置に少なくとも1つの前記電子センサを固定するための粘着性基板とを含む、
請求項46に記載の検査デバイス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はそのいくつかの実施形態では医療診断装置に関し、より具体的には限定はしないが、ラテラルフローベースの医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラテラルフローアッセイ(LFA)は迅速診断の分野において至る所に存在し、この技術の最も一般的な用途は妊娠検査である。今日、LFAはまた、COVID-19および前立腺特異的抗原のようなバイオマーカーのような感染症疾患を検出することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様は、少なくとも1つの被検物質を評価するための検査デバイスであって、平面要素と、少なくとも1つの前記被検物質を評価するためにラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの感知領域を感知するために前記平面要素上に配置された少なくとも1つの電子センサと、前記平面要素の表面に接続され、前記ラテラルフロー検査要素の表面に接続するように設定された粘着性基板と、を含む。
【0004】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、前記平面要素の前記表面上に広げられ、前記ラテラルフロー検査要素の前記表面上に広がるように設定される。
【0005】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が第1粘着対向面および第2粘着対向面を含み、前記第1粘着対向面が前記平面要素の前記表面に接続され、前記第2粘着対向面が前記ラテラルフロー検査要素の前記表面に接続するように設定される。
【0006】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、接着剤、テープ、自己粘着、スプレー式粘着剤からなる群から選択される。
【0007】
第1の態様の他の実装形態では、前記ラテラルフロー検査要素をさらに備える。
【0008】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、少なくとも1つの前記感知領域を少なくとも1つの前記電子センサに近接して配置する。
【0009】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板の分布は、少なくとも1つの前記感知領域と少なくとも1つの前記電子センサとの間に存在することから大量の空気を排除するように選択される。
【0010】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、前記平面要素の前記表面と前記ラテラルフロー検査要素の前記表面との間に挟まれている。
【0011】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、少なくとも1つの前記電子センサと、少なくとも1つの前記感知領域を含む前記ラテラルフロー検査要素の領域との間に挟まれる。
【0012】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が少なくとも1つの前記電子センサおよび少なくとも1つの前記感知領域の上に少なくとも配置され、少なくとも1つの前記感知領域を含む前記ラテラルフロー検査要素の領域が少なくとも1つの前記電子センサに位置合わせされ、対向する。
【0013】
第1の態様の他の実装形態では、前記ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの前記感知領域が、前記ラテラルフロー検査要素に投与される少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む。
【0014】
第1の態様の他の実装形態では、前記平面要素は、前記ラテラルフロー検査要素の物理的支持構成要素として機能する前記ラテラルフロー検査要素のバッキングカードに代わる。
【0015】
第1の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板の厚さは、少なくとも1つの前記被検物質の評価のために少なくとも1つの前記感知領域を感知する前記少なくとも1つの前記電子センサからの閾値を超える十分に強い信号を得るために薄くなるように選択される。
【0016】
第1の態様の他の実装形態では、前記平面要素の前記表面が、前記ラテラルフロー検査要素の前記表面の少なくともサイズの前記サイズを有する。
【0017】
第1の態様の他の実装形態では、前記平面要素はプリント基板(PCB)を含み、少なくとも1つの前記電子センサは、前記PCBと接続されている、前記PCBと一体化されている、のうちの少なくとも1つである。
【0018】
第1の態様の他の実装形態では、実質的に被検物質結合要素を含まない前記ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの基準領域を感知するために前記平面要素上に配置された少なくとも1つの第2電子センサをさらに含み、前記ラテラルフロー検査要素に投与された少なくとも1つの前記被検物質は、実質的に選択的に前記基準領域に結合することなく、少なくとも1つの前記基準領域を横切って流れる。
【0019】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの第2領域を感知する少なくとも1つの前記第2電子センサによって出力された信号は、少なくとも1つの前記被検物質の計測を支援するために分析される。
【0020】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記感知領域は、検査領域と、前記検査領域とは異なる基準領域とを含み、少なくとも1つの前記電子センサは、前記検査領域を感知するために前記平面要素上に配置された検査電子センサと、前記基準領域を感知するために前記平面要素上に配置された基準電子センサとを含む。
【0021】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記感知領域は、ユーザにおける感染症の存在を評価するために、前記感染症のバイオマーカーに対応する少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む。
【0022】
第1の態様の他の実装形態では、前記感染症のバイオマーカーが、性感染症およびCOVID-19のうちの少なくとも1つのためのマーカーを含む。
【0023】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記感知領域が、ユーザにおける関連する健康状態を評価するための健康関連バイオマーカーに対応する少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む。
【0024】
第1の態様の他の実装形態では、前記健康関連バイオマーカーが、コルチゾール、メラトニン、テストステロン、プロゲステロンからなる群から選択される。
【0025】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサは、少なくとも1つの前記電子センサから生じ、前記粘着性基板を通過し、少なくとも1つの前記感知領域を通過し、少なくとも1つの前記粘着性基板を通過して戻り、少なくとも1つの前記電子センサに戻る、電場線に追従する電磁場を生成するように設計される。
【0026】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサは、静電容量検知のための少なくとも1つの静電容量性センサを含む。
【0027】
第1の態様の他の実装形態では、各容量性センサは、一対の電極の交互嵌合配置を含む。
【0028】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサは、誘導検知のための少なくとも1つの誘導性センサを含む。
【0029】
第1の態様の他の実装形態では、各誘導性センサが、少なくとも1つの層を有する少なくとも1つの平面コイルを含む。
【0030】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記誘導性センサを共振周波数で作動させるように構成された回路をさらに含む。
【0031】
第1の態様の他の実装形態では、サンプリング周波数で動作し、少なくとも1つの前記感知領域への少なくとも1つの前記被検物質の結合を示す、少なくとも1つの前記電子センサの前記共振周波数の変化を測定するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0032】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサの前記共振周波数は、0.001~40メガヘルツ(MHz)の範囲内である。
【0033】
第1の態様の他の実装形態では、超常磁性特性を示すように選択された標識が、少なくとも1つの前記被検物質の存在を識別するために使用される。
【0034】
第1の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサによって感知された信号を、少なくとも1つの前記被検物質の存在を測定するための前記信号の解析のために外部コンピューティングデバイスに送信するように構成された送信機をさらに含む。
【0035】
第1の態様の他の実装形態では、前記検査デバイスは液体サンプルが前記ラテラルフロー検査要素に適用された後に廃棄されるように設計された使い捨て装置として実装され、前記液体サンプルは毛細管現象によって前記ラテラルフロー検査要素を通って流れ、ウィックに達し、前記溶液中に存在するときに少なくとも1つの前記被検物質は少なくとも1つの前記感知領域の被検物質結合要素に結合する。
【0036】
第2の態様は、少なくとも1つの被検物質を評価するためのコンピュータ実装方法であって、検査デバイスの少なくとも1つの電子センサから得られる信号を受信し、少なくとも1つの前記電子センサは、ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの感知領域を感知するために検査デバイスの平面要素上に配置され、少なくとも1つの前記感知領域は、前記ラテラルフロー検査要素に投与される少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含み、粘着性基板は少なくとも1つの前記感知領域を含むラテラルフロー検査要素の領域に面する位置に、少なくとも1つの前記電子センサを固定するために、前記平面要素の表面および前記ラテラルフロー検査要素の表面に接続され、前記ラテラルフロー検査の少なくとも1つの前記感知領域における少なくとも1つの前記被検物質の蓄積を測定するための信号を分析し、少なくとも1つの前記被検物質の存在を示す証拠、少なくとも1つの前記被検物質の濃度、および少なくとも1つの前記被検物質の存在の欠如を示す証拠、のうちの少なくとも1つを決定する。
【0037】
第2の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサが、容量性検知のための少なくとも1つの容量性センサと、誘導性検知のための少なくとも1つの誘導性センサとからなる群から選択される。
【0038】
第2の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記被検物質が検出され、少なくとも1つの前記被検物質が検出されず、少なくとも1つの前記被検物質の濃度が閾値を上回り、少なくとも1つの前記被検物質の濃度が前記閾値を下回る、の少なくとも1つに適合する場合、医学的状態の診断、予後、または傾向、または健康状態の分析のうちの少なくとも1つを決定することをさらに含む。
【0039】
第2の態様の他の実装形態では、前記診断、予後、または傾向に応答して、ヘルスケアプロバイダおよび/または公衆衛生エンティティのリモートクライアント端末との通信セッションを確立することをさらに含む。
【0040】
第2の態様の他の実装形態では、前記医学的状態を治療するのに有効な治療をユーザに施すことをさらに含む。
【0041】
第2の態様の他の実装形態では、非診断情報を含むウェルネスバイオマーカーの濃度を決定し、接続されたスマートデバイスを介してクライアント端末に前記非診断情報を自動的に通信する、ことをさらに含む。
【0042】
第2の態様の他の実装形態では、前記健康状態が、様々なバイオマーカーレベルによって分類される、医療専門家による診断を必要としない報告不能で生命を脅かさない健康状態である。
【0043】
第2の態様の他の実装形態では、前記バイオマーカーが、唾液コルチゾール、血液ベースのコルチゾール、テストステロン、インターロイキン-6(IL-6)、テトラヒドロカンナビノール(THC)インフルエンザA、インフルエンザB、A群連鎖球菌、プロカルシトニン、C反応性タンパク質、および大腸菌(Ecoli)からなる群から選択される。
【0044】
第2の態様の他の実装形態では、前記医学的状態が感染症病原体による感染症である。
【0045】
第2の態様の他の実装形態では、前記感染症病原体が、性感染症およびCOVID-19からなる群から選択される。
【0046】
第2の態様の他の実装形態では、分析することが、複数のレコードを含むトレーニングデータセット上でトレーニングされた機械学習モデルに前記信号を供給することを含み、各レコードが、少なくとも1つの前記被検物質の存在の証拠、少なくとも1つの前記被検物質の存在の欠如の証拠、および少なくとも1つの前記被検物質の濃度のうちの少なくとも1つのグラウンドトゥルース指標で標識されたサンプル信号を含む。
【0047】
第2の態様の他の実装形態では、前記受信信号は、少なくとも1つの前記感知領域を感知する検査電子センサと、少なくとも1つの前記感知領域とは異なる基準領域を感知する基準電子センサとによって出力される信号から計算され、少なくとも1つの前記感知領域内の前記被検物質結合要素に結合する少なくとも1つの前記被検物質は前記基準領域に選択的に結合しない。
【0048】
第3の態様は、検査デバイス製造方法であって、複数の検査デバイスを作成するための構成要素を備える複数のロールを展開し、配置された複数の離間した電子センサを有する可撓性平面要素のロールを展開し、前記可撓性平面要素の表面上に粘着性基板を積層し、複数の前記検査デバイスを作成するための構成要素を前記粘着性基板に積層して、マスタアセンブリを作成し、前記マスタアセンブリを複数のスライスにスライスし、各々のスライスは、適用されたサンプルの少なくとも1つの被検物質の存在、非存在、および/または濃度を評価するための複数の前記検査デバイスのそれぞれの検査デバイスを表す。
【0049】
第3の態様の他の実装形態では、前記可撓性平面要素は、可撓性プリント回路基板(PCB)を含む。
【0050】
第3の態様の他の実装形態では、自己接着テープのロールを展開し、展開された前記自己接着テープを前記可撓性平面要素の前記表面上に積層する、ことをさらに含み、積層することが、前記自己接着テープを前記平面要素と前記複数の検査デバイスの前記構成要素との間に挟むことを含む。
【0051】
第3の態様の他の実装形態では、スライスすることは、隣接する電子センサ間で前記マスタアセンブリの幅に沿ってスライスすることを含む。
【0052】
第3の態様の他の実装形態では、各それぞれの検査デバイスが、可撓性平面要素の前記ロールの平面要素と、可撓性平面要素の前記ロールの複数の前記電子センサの少なくとも1つの電子センサと、前記平面要素の表面と、前記ラテラルフロー検査要素の表面とに接続された、前記ラテラルフロー検査要素に投与された少なくとも1つの前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む少なくとも1つの前記感知領域に面する位置に少なくとも1つの前記電子センサを固定するための粘着性基板とを含む。
【0053】
第4の態様は、被検物質を評価するための検査デバイスであって、平面要素と、前記被検物質を評価するためにラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの感知領域を感知するために前記平面要素上に配置された少なくとも1つの電子センサと、前記平面要素の表面に接続され、前記ラテラルフロー検査要素の表面に接続するように設定された粘着性基板と、を含む。
【0054】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、前記平面要素の前記表面上および前記ラテラルフロー検査要素の前記表面上に広げられている。
【0055】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、粘着性基板は、信号の伝送に大きな影響を与えない些細な量の空気を含み、些細な量の空気は、少なくとも1つの電子センサと少なくとも1つの感知領域との間に連続的に接触する粘着性基板に存在する。
【0056】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が第1粘着対向面および第2粘着対向面を含む粘着性基板を含み、前記第1粘着対向面が前記平面要素の前記表面に接続され、前記第2粘着対向面が前記ラテラルフロー検査要素の前記表面に接続するように設定される。
【0057】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、接着剤を含む。
【0058】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、前記平面要素の前記表面と前記ラテラルフロー検査要素の前記表面との間に挟まれている。
【0059】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が、少なくとも1つの前記電子センサと、少なくとも1つの前記感知領域を含む前記ラテラルフロー検査要素の領域との間に挟まれる。
【0060】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記粘着性基板が少なくとも1つの前記電子センサおよび少なくとも1つの前記感知領域の上に少なくとも配置され、少なくとも1つの前記感知領域を含む前記ラテラルフロー検査要素の領域が少なくとも1つの前記電子センサに位置合わせされ、対向する。
【0061】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、粘着性基材の厚さは、被検物質の評価のために少なくとも1つの感知領域を感知する少なくとも1つの電子センサから閾値以上の十分に強い信号を得るために薄くなるように選択される。
【0062】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、平面要素の表面は、少なくともラテラルフロー試験要素の表面の大きさと同じ大きさを有する。
【0063】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、検査デバイスはラテラルフロー検査要素をさらに含む。
【0064】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの前記感知領域が、前記ラテラルフロー検査要素に投与される前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む。
【0065】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記平面要素はプリント基板(PCB)を含み、PCBはラテラルフロー検査要素のバッキングカードと代えられ、少なくとも1つの前記電子センサは、前記PCBと接続されている、前記PCBと一体化されている、のうちの少なくとも1つである。
【0066】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、ラテラルフロー検査要素のバッキングカードは、平面要素に貼り付けられ、バッキングカードはラテラルフロー検査要素の物理的支持構成要素として働く。
【0067】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、検査デバイスは、被検物質結合要素を除外する前記ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの基準領域を感知するために前記平面要素内に配置された少なくとも1つの第2電子センサをさらに含み、前記ラテラルフロー検査要素に投与された前記被検物質は、選択的に前記基準領域に結合することなく、少なくとも1つの前記基準領域を横切って流れる。
【0068】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの第2領域を感知する少なくとも1つの前記第2電子センサによって出力された信号は、前記被検物質の存在を検出を支援するために分析される。
【0069】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記感知領域は、検査領域と、前記検査領域とは異なる基準領域とを含み、少なくとも1つの前記電子センサは、前記検査領域を感知するために前記平面要素上に配置された検査電子センサと、前記基準領域を感知するために前記平面要素上に配置された基準電子センサとを含む。
【0070】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記感知領域は、ユーザにおける感染症の存在を評価するために、前記感染症のバイオマーカーを含む前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む。
【0071】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記感染症のバイオマーカーが、性感染症およびCOVID-19のうちの少なくとも1つのためのマーカーを含む。
【0072】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサは、少なくとも1つの前記電子センサから生じ、前記粘着性基板を通過し、少なくとも1つの前記感知領域を通過し、少なくとも1つの前記粘着性基板を通過して戻り、少なくとも1つの前記電子センサに戻る、電場線に追従する電磁場を生成するように設計される。
【0073】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサは、静電容量検知のための少なくとも1つの静電容量性センサを含む。
【0074】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、各容量性センサは、一対の電極の交互嵌合配置を含む。
【0075】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサは、誘導検知のための少なくとも1つの誘導性センサを含む。
【0076】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、各誘導性センサが、少なくとも1つの層を有する少なくとも1つの平面コイルを含む。
【0077】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記検査デバイスは、少なくとも1つの前記誘導性センサを共振周波数で作動させるように構成された回路をさらに含む。
【0078】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記検査デバイスは、サンプリング周波数で動作し、少なくとも1つの前記感知領域への前記被検物質の結合を示す、少なくとも1つの前記電子センサの前記共振周波数の変化を測定するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0079】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、少なくとも1つの前記電子センサの前記共振周波数は、1~10メガヘルツ(MHz)の範囲内である。
【0080】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、超常磁性特性を示すように選択された標識が、前記被検物質の存在を識別するために使用される。
【0081】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記検査デバイスは、少なくとも1つの前記電子センサによって感知された信号を、前記被検物質の存在を検出するための前記信号の解析のために外部コンピューティングデバイスに送信するように構成された送信機をさらに含む。
【0082】
第1の態様または第4の態様の他の実装形態では、前記検査デバイスは、液体サンプルが前記ラテラルフロー検査要素に適用された後に廃棄されるように設計された使い捨て装置であり、前記液体サンプルは毛細管現象によって前記ラテラルフロー検査要素を通って流れ、ウィックに達し、前記溶液中に存在するときに前記被検物質は少なくとも1つの前記感知領域の被検物質結合要素に結合する。
【0083】
第5の態様は、被検物質を評価するためのコンピュータ実装方法であって、検査デバイスの少なくとも1つの電子センサから得られる信号を受信し、少なくとも1つの前記電子センサは、静電容量検知のための少なくとも1つの静電容量性センサ及び誘導検知のための少なくとも1つの誘導性センサを含む群から選択され、少なくとも1つの電子センサは、ラテラルフロー検査要素の少なくとも1つの感知領域を感知するために検査デバイスの平面要素上に配置され、少なくとも1つの前記検査領域は、前記ラテラルフロー検査要素に投与される前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含み、粘着性基板は少なくとも1つの前記感知領域を含むラテラルフロー検査要素の領域に面する位置に、少なくとも1つの前記電子センサを固定するために、前記平面要素の表面および前記ラテラルフロー検査要素の表面に接続され、前記ラテラルフロー検査の少なくとも1つの前記感知領域における前記被検物質の蓄積を測定するための信号を分析し、前記被検物質の存在、前記被検物質の濃度、および前記被検物質の存在の証拠がないこと、のうちの少なくとも1つを決定する。
【0084】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、方法は、前記被検物質が存在し、前記被検物質が存在せず、前記被検物質の濃度が閾値を上回り、前記被検物質の濃度が前記閾値を下回る、の少なくとも1つに適合する場合、医学的状態の診断、予後、または傾向、または健康状態を決定することをさらに含む。
【0085】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、医学的状態は、感染症病原体による感染である。
【0086】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、感染症病原体は、COVID-19、および性感染症、呼吸器感染症、健康状態を示すホルモンマーカ、感染症または健康状態を示すタンパク質マーカ、感染症または健康状態を示す核酸ベースのマーカ、および乱用薬物の使用を示すマーカからなる群から選択される。
【0087】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、液体サンプルは、血液、唾液、尿、汗からなる群から選択される。
【0088】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、方法は、前記診断に応答して、ヘルスケアプロバイダおよび/または公衆衛生エンティティのリモートクライアント端末との通信セッションを確立することをさらに含む。
【0089】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、方法は、前記医学的状態を治療するのに有効な治療をユーザに施すことをさらに含む。
【0090】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、治療は、医学的(薬物、治療など)タイプの治療と、医学的でない(ダイエット、エクササイズ、サプリ、習慣など)タイプの治療の両方を指すことが理解できる。
【0091】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、分析することが、複数のレコードを含むトレーニングデータセット上でトレーニングされた機械学習モデルに前記信号を供給することを含み、各レコードが、前記被検物質の存在の証拠、前記被検物質の存在の証拠がないこと、および前記被検物質の濃度のうちの少なくとも1つのグラウンドトゥルース指標で標識されたサンプル信号を含む。
【0092】
第2の態様または第5の態様の他の実装形態では、前記受信信号は、少なくとも1つの前記検査領域を感知する検査電子センサと、少なくとも1つの前記検査領域とは異なる基準領域を感知する基準電子センサとによって出力される信号から計算され、少なくとも1つの前記感知領域内の前記被検物質結合要素に結合する前記被検物質は前記基準領域に選択的に結合しない。
【0093】
第6の態様は、ラテラルフロー検査デバイス製造方法であって、複数のラテラルフロー検査要素を作成するための構成要素を備える複数のロールを展開し、配置された複数の離間した電子センサを有する可撓性平面要素のロールを展開し、前記可撓性平面要素の表面上に粘着性基板を積層し、複数の前記ラテラルフロー検査要素を作成するための構成要素を前記粘着性基板に積層して、マスタアセンブリを作成し、前記マスタアセンブリを複数のスライスにスライスし、各々のスライスは、適用されたサンプルの被検物質の存在、存在の証拠がないこと、および/または濃度を評価するためのそれぞれの検査デバイスを表す。
【0094】
第3の態様または第6の態様の他の実装形態では、前記可撓性平面要素は、可撓性プリント回路基板(PCB)を含む。
【0095】
第3の態様または第6の態様の他の実装形態では、方法は、自己接着テープのロールを展開し、展開された前記自己接着テープを前記可撓性平面要素の前記表面上に積層する、ことをさらに含む。
【0096】
第3の態様または第6の態様の他の実装形態では、スライスすることは、隣接する電子センサ間で前記マスタアセンブリの幅に沿ってスライスすることを含む。
【0097】
第3の態様または第6の態様の他の実装形態では、各それぞれの検査デバイスが、複数のラテラルフロー検査要素の各々のラテラルフロー検査要素と、可撓性平面要素の前記ロールの平面要素と、可撓性平面要素の前記ロールの複数の前記電子センサの少なくとも1つの電子センサと、前記平面要素の表面と、前記ラテラルフロー検査要素の表面とに接続された、前記ラテラルフロー検査要素に投与された前記被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む少なくとも1つの前記感知領域に面する位置に少なくとも1つの前記電子センサを固定するための粘着性基板とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、被検物質を評価するためのシステムの構成要素のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、被検物質の評価のための例示的な検査デバイスを組み立てるための構成要素の概略図である。
【
図3】
図3は本発明のいくつかの実施形態による、
図2を参照して説明されるような構成要素から、検査デバイスを組み立てるプロセスを示す概略図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスの平面要素のセンサ間を通過する電場線の概略図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスの平面要素のセンサを通過する磁場線の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による、斜視図および断面図で示される、組み立てられた検査デバイスの概略図である。
【
図6】
図6は、本明細書に記載されるいくつかの実施形態による、検査デバイスへのサンプルの適用を描写する概略図である。
【
図7】
図7は本発明のいくつかの実施形態による、そのライフサイクルの終わり、すなわち、液体がLFAの複数の膜構成要素を通ってウィック内に移動したときの診断検査デバイスの状態を示す概略図である。
【
図8】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスから得られた信号を分析するための例示的なプロセスの概略図である。
【
図9】
図9は、本発明のいくつかの実施形態による、粘着性基板を介してPCBに接続されたLFAを含む検査デバイスのロールツーロール(R2R)製造の斜視図を示す概略図である。
【
図10】
図10は、本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスのR2R製造の例示的プロセスのフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明のいくつかの実施形態による、センサを含むPCBと接着テープを介して接続されたラテラルフローアッセイを含む検査デバイスの、使用および/または検査結果のための指示を提示する、スマートフォンのディスプレイ上に提示される例示的なGUIを示す概略図である。
【
図12A】
図12Aは、本発明のいくつかの実施形態による、粘着性基板を介してLFAに接続するように設計された共振磁力計を備えるPCBとして実装された例示的な平面要素の概略図である。
【
図12B】
図12Bは、本発明のいくつかの実施形態による、粘着性基板を介してLFAに接続し、例示的な共振磁力計に交換可能に接続するように設計されたPCBとして実装された例示的な平面要素の概略図である。
【
図13】
図13は、本発明のいくつかの実施形態による、本発明者らによって測定された、経時的な基準コイルからの応答曲線および検査コイルからの応答曲線を示すグラフである。
【
図14】
図14は、本発明のいくつかの実施形態による、本発明者らによって測定された、コイルの共振周波数および計算されたインダクタンスに対する変化を生成する、コイルを横切って流れるイオンの現象を描写するグラフである。
【
図15】
図15は、本発明のいくつかの実施形態による、より長い時間にわたって延びる、
図13のグラフからの曲線の続きである。
【
図16】
図16は、本発明のいくつかの実施形態による、インダクタンスが安定するのに十分長い間検査を行った後の基準コイルの正規化インダクタンスから検査コイルの正規化インダクタンスを減算することによって計算されたグラフである。
【
図17】
図17は、本発明のいくつかの実施形態による、発明者らによって製造された検査デバイスにおいて使用される電磁感知(EMS)モダリティの正の曲線と負の曲線との間の動的応答の差を示すグラフである。
【
図18】
図18は本明細書に記載の実施形態を用いて測定された電磁気データを、標準的な光学的アプローチを用いて測定された比色データと比較するグラフであり、ラテラルフロー産業において現在使用されている光学的感知方法に勝る有利な電磁感知(EMS)を示す。
【
図19】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、磁気IL-6ラテラルフローストリップの検査のための検査に使用される例示的な誘導性センサ構成および免疫センサアセンブリの概略図である。
【
図20】
図20は、本発明のいくつかの実施形態による、磁性IL-6ラテラルフローストリップの検査を評価した実験において使用された2つの誘導免疫センサ補償スキームの信号読出しに対するIL-6濃度の効果を示す標準曲線を含む。
【
図21】
図21は、本発明のいくつかの実施形態による、IL-6実験の10ng/mLのIL-6での検査実行のための2つの誘導免疫センサ補償スキームの時系列信号プロファイルを含む。
【
図22】
図22は本発明のいくつかの実施形態による、IL-6実験において実行された全ての検査についての2つの誘導性免疫センサ補償スキームの平均化された切り捨て時系列信号プロファイルを示す。
【
図23】
図23は、本明細書に記載されるいくつかの実施形態による、
図6を参照して説明される概略
図604A~604Dの上面図を示す概略図および対応するセンサ応答曲線を含む。
【発明を実施するための形態】
【0099】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の実施形態の実施または検査において、本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して本明細書に記載される。ここで、詳細に図面を特に参照すると、示される詳細は、例として、本発明の実施形態の例示的な議論の目的のためであることが強調される。この点に関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0101】
本発明はそのいくつかの実施形態では医療デバイスに関し、より具体的には限定はしないが、ラテラルフローアッセイに基づく医療デバイスに関する。
【0102】
本明細書で使用される被検物質結合要素という用語は、特定の被検物質と強力かつ選択的な親和性を共有する任意の生物学的または非生物学的試薬を指す。被検物質結合要素の例としては抗体、組換えタンパク質、ペプチド、酵素、アプタマー、核酸、および分子インプリントポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。被検物質結合要素は、互いに相互作用すると、特異的被検物質に選択的に結合することができる。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、被検物質を評価するための検査デバイスに関する。被検物質は、存在する場合、検査デバイスに接続されたラテラルフロー検査要素構成要素に適用された液体サンプル内にある。検査デバイスは、平面要素上に配置された1つまたは複数の電子センサ(本明細書では「センサ」と呼ばれることもある)を含む。センサは被検物質の評価のために、ラテラルフロー検査要素の1つまたは複数の感知領域を感知するように設定され、例えば、センサによって出力された信号は、感知領域における被検物質の存在および/または濃度を決定するために分析される。粘着性基板は、平面要素の表面に接続され、ラテラルフロー検査要素の表面に接続するように設定される。粘着性基板は、ラテラルフロー検査要素の感知領域に対して、センサを定位置に固定する。粘着性基板がセンサと感知領域との間に挟まれるとき、粘着性基板は厚さを有するように、および/またはセンサが正確な測定値(例えば、閾値を超える信号強度、閾値を超える信号に基づいて行われる測定確率)を得るのに十分な信号強度で感知領域を感知することを可能にする材料で作られるように選択される。
【0104】
検査デバイスは任意選択的に、ラテラルフロー検査要素を含む。ラテラルフロー検査要素は、ラテラルフロー検査用のスタンド、マイクロ流体、マイクロアレイ、または実質的に平面のインターフェースに沿った感知範囲を有する任意の他の検査フォーマットであってもよい。
【0105】
本明細書に記載される感知領域は、電子センサによってプローブされているラテラルフロー検査要素上の領域であることに留意されたい。感知領域は検査領域(複数可)(すなわち、被検物質結合要素が存在する場所)を含んでもよく、および/または基準領域(複数可)を含んでもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、検査デバイスがセンサを有する平面要素と、ラテラルフロー検査要素が接続される前にラテラルフロー検査要素の表面に接続するように設定された粘着性基板とを含む。本明細書では検査デバイスアセンブリとも呼ばれる他の実施形態では、検査デバイスが平面要素とセンサ、粘着性基板、およびラテラルフロー検査要素とのアセンブリを含む。
【0107】
本明細書に記載される検査デバイスはオールインワンシステム、またはマルチパートシステムの一部、例えば、カートリッジ(すなわち、検査デバイス)と、カートリッジから検査信号を収集するように設計された読取装置とを含む2パートシステムであってもよい。カートリッジという用語は、検査デバイスという用語と置き換えることができる。オールインワンおよびマルチパートシステムはさらに、近くに接続されたスマートデバイス(たとえば、スマートフォン)と通信して、たとえば、検査デバイスから収集されたデータを分析し、および/または検査デバイスからのインタラクティブな検査結果をユーザに表示することができる。マルチパートシステム、任意選択的に2パートシステムでは、ユーザがシステムの少なくとも1つの構成要素(例えば、読取装置)を異なる使い捨てカートリッジと共に再使用することができる。読取り装置を備えるツーパートシステムのいくつかの実施形態では使い捨てカートリッジが読取り装置に交換可能に(例えば、挿入によって)接続され、読取り装置は使い捨てカートリッジ上のセンサから信号を収集する。読み取り装置は、隣接する接続されたスマート装置に信号をさらに送信することができる。オールインワンシステムのいくつかの実施形態では検査デバイスが接続されたスマートデバイスと直接通信することができ、その結果、ユーザは検査結果を受信するために読み取りデバイスを必要としない。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態の態様は被検物質の評価のためのシステム、方法、装置、および/またはコード命令(例えば、データ記憶装置上に記憶され、1つまたは複数のハードウェアプロセッサによって実行可能である)に関する。信号は、被検物質を潜在的に含む液体サンプルが適用される検査デバイスのセンサから得られる。例示的なセンサは、容量性検知のための容量性センサ、および/または誘導性検知のための誘導性センサを含む。(1つまたは複数の)センサは液体サンプルが適用されたラテラルフロー検査要素の1つまたは複数の感知領域を感知するために、検査デバイスの平面要素上、その内部、および/またはその周囲に配置される(例えば、平面要素内に埋め込まれ、平面要素の上に配置される)。感知領域は、液体サンプル内の被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含むことができる。本明細書で使用される「検査領域」という用語は、被検物質結合要素を含む感知領域を指す。本明細書で使用される「基準領域」という用語は、被検物質に結合することを意図しない感知領域の部分を指す。検査領域から得られた信号は本明細書に記載されるように、基準領域を参照して分析され得る。粘着性基板は、平面要素の表面およびラテラルフロー検査要素の表面に接続され、センサを、感知領域の検査領域および基準領域を含むラテラルフロー検査要素の領域に面する位置に固定する。信号を分析して、ラテラルフロー検査の検査領域における被検物質の選択的結合および蓄積を測定する。被検物質の存在の証拠、結合した被検物質の量、被検物質の存在の証拠の欠如、および/または被検物質の濃度は、分析に従って決定される。医学的状態の診断および/または予後、例えば、感染症病原体による感染は、被検物質の存在の検出された証拠、被検物質の存在の証拠の欠如、および/または被検物質の濃度に従って行うことができる。例えば、スマートフォンなどのコンピューティングデバイス上に表示されてもよい。これは、明確に正確な結果をもたらし、標準的なラテラルフローアッセイの解釈中に、そうでなければ生じ得る潜在的なエラー(例えば、ユーザがあまりに長く待機し、結果が実際に否定的であるときに肯定的な結果を読み取るか、または淡い線を見逃し、それによって肯定的な結果を否定的として読み取る)を回避する。結果は例えば、健康関連状態、健康状態、またはサンプル中の一般化被検物質濃度(例えば、食品の安全性を評価するための細菌)であってもよい。健康状態は例えば、様々なバイオマーカーレベルによって分類される、医療専門家による診断を必要としない、報告不能で生命を脅かさない健康状態であり得る。
【0109】
本明細書に記載の接着剤は検査デバイスのアセンブリ(すなわち、接着剤を介して平面要素をラテラルフロー検査要素に接合すること)後に、ラテラルフロー検査要素に対する平面要素およびセンサの適切な位置合わせを確実にする。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、本明細書に記載の検査デバイスの製造方法に関する。検査デバイスは、ロールツーロール(R2R)製造方法(リールツーリール製造とも呼ばれる)の変更を用いて製造されてもよい。複数のラテラルフロー検査要素を作成するための構成要素のロールが展開される。可撓性平面要素のロールが広げられる。可撓性平面要素のロールは、その上に配置された複数の離間したセンサを有する。可撓性平面要素のロールは、センサ(複数可)を一体化および/または接続する可撓性プリント回路基板(PCB)であってもよい。粘着性基板は、フレキシブルボードの表面上に積層される。粘着性基板は例えば、巻き出された自己接着性テープのロール、スプレーオン接着剤、および/または噴霧器によって噴霧され、および/またはアプリケータによって塗布される接着剤であってもよい。ラテラルフロー検査要素を形成するための構成要素は、粘着性基板に積層されて、マスタアセンブリを形成する。マスタアセンブリは、多数のスライスにスライスされる。各スライスは本明細書に記載されるように、その上に適用されたサンプル中の被検物質を検査するためのそれぞれの検査デバイスを示す。
【0111】
本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態は、被検物質を測定する精度を改善すること、および/または被検物質を測定する検査デバイス、任意選択でラテラルフロー検査デバイスの有用性を改善することの技術的問題に対処する。本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態は被検物質を測定する精度を高めることによって、および/または検査デバイス(例えば、ラテラルフロー検査デバイス)の有用性を高めることによって、ラテラルフロー検査デバイスの技術分野を改善する。少なくともいくつかの実施形態では技術的問題に対する解決策、および/または技術分野に対する改善は検査デバイスの平面要素上に位置する電子センサと、電子センサに面する感知領域を含むラテラルフロー検査要素の領域を接続する際の一貫性のために平面要素の表面に塗布される粘着性基板とによって提供される。粘着性基板は感知領域に近接してセンサの位置を固定し、測定された信号の精度を向上させ、例えば、低濃度の被検物質の検出を可能にする。粘着性基板が電子センサと、感知領域を含むラテラル検査フロー要素の領域との間に挟まれるとき、粘着性基板の高さ(例えば、薄さ)は粘着性基板を介して感知領域を感知するセンサの十分な信号強度を可能にするように選択され、それは検査デバイスの感度および/または信号対雑音比を改善する。粘着性基板の高さは、最小化され得る。この改善は例えば、被検物質の存在の証拠または被検物質の存在の証拠の欠如を示すために視覚的インジケータを使用する比色ラテラルフローアッセイとは対照的である。そのようなラテラルフローアッセイはそれらが裸眼で解釈されたときに、バイナリの結果を効果的に提供し、被検物質の存在の証拠または被検物質の存在の証拠の欠如を示し、それは、視覚閾値未満の信号を示し、すなわち、眼によってまたはカメラによって理解可能なフロー被検物質の濃度を決定することおよび/または検出することを困難にする。粘着性基板によって定位置に設定されたセンサはユーザにとって明確で正確な結果に変換される信頼できる信号を収集し、標準的なラテラルフローアッセイにおいてそうでなければ生じ得る潜在的なエラー、例えば、ユーザが長く待ちすぎて、結果が実際に否定的であるときに肯定的な結果を読み取る、または薄い線を見逃して、それによって肯定的な結果を否定的として読み取るなど、を回避する。
【0112】
静電容量型または誘導型センサなどの電子測定装置の性能は、検知素子と、プローブされる物体および/または環境との間の距離が増加するにつれて低下する。本明細書で説明される少なくともいくつかの実装形態は本明細書で説明されるように、ラテラルフローアッセイと、ラテラルフロー検査要素の感知領域(複数可)を感知する電子センサを収容するプリント回路基板(PCB)との間の距離を低減するための粘着性基板を含む(たとえば、ナノ粒子のフローおよび/または蓄積(たとえば、検査領域における)をプローブする)。
【0113】
本明細書に記載の接着剤は検査デバイスのアセンブリ(すなわち、接着剤を介して平面要素をラテラルフロー検査要素に接合すること)後に、ラテラルフロー検査要素に対する平面要素およびセンサの適切な位置合わせを確実にする。
【0114】
本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態は、本明細書に記載される検査要素を製造する技術的問題に対処する。本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態は、検査要素を製造する技術を改善する。少なくともいくつかの実施形態では技術的問題に対する解決策、および/または技術分野に対する改善はロールツーロール製造アプローチを、その上に配置された、複数の離間した電子センサを有する、展開される可撓性平面要素のロールを使用することによって修正することによって提供される。可撓性平面要素は、可撓性PCBであり得る。粘着性基板は、可撓性平面ボードの表面上に塗布される。粘着性基板は、可撓性平面要素の表面上に展開される自己接着テープのロールであってもよい。多数のラテラルフロー検査要素を作製するための構成要素の展開されるロールが、粘着性基板に積層されて、マスタアセンブリを作製する。次に、マスタアセンブリをスライスして、個々の検査デバイスを作成する。この製造方法は、迅速かつ効率的に多数の検査デバイスを作り出す。
【0115】
本明細書で説明するシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態はLFAおよび/または他のポイントオブケア(POC)検査デバイスの精度を改善し、かつ/または使いやすさを改善するという技術的問題に対処する。本明細書で説明するシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、精度および/または使いやすさを改善することによって、LFAおよび/またはPOC検査デバイスの技術を改善する。
【0116】
LFAは迅速診断の分野において至る所に存在し、この技術の最も一般的な用途は妊娠検査である。今日、LFAはまた、COVID-19および前立腺特異的抗原のようなバイオマーカーのような感染症疾患を検出するために使用される。多用途ではあるが、LFAは特にユーザ(例えば、患者)への結果の解釈および伝達を取り巻くいくつかの欠点を提示する。伝統的に、LFA結果の解釈は、検査が実行される機会を得た後に目で解像することができる線またはドットの存在などの視覚信号読み出しを介して定性的に行われ、これは典型的には10~15分かかる。この解釈方法は例えば、視覚障害のある患者に課題を提示し、また、問題の被検物質の濃度についての定量的な結果を得ることを困難にする。加えて、被検物質濃度が患者に観察可能な視覚的読出しを生成するのに十分に高くない場合、偽陰性結果が生じ得、サンプルが適用された後に長すぎると検査が解釈される場合、偽陽性が生じ得る。
【0117】
少なくともいくつかの実装形態では、LFAの技術的問題に対処し、および/またはLFAの技術の改善は電子センサを使用して、1つまたは複数の感知領域を感知するための粘着性基板によって定位置に固定される連続(またはほぼ連続)電磁感知(たとえば、容量性、誘導性)を随意に実行することによって提供される。センサおよび/または他の電子構成要素は新しいおよび/または既存のLFAとインターフェースし、LFAを定性的物理検査から定量的なデジタル統合プラットフォームに変換することができる。粘着性基板によって1つまたは複数の感知領域を感知するための場所に固定されたセンサおよび/または関連する電子構成要素は、以下の1つもしくは複数を可能とする。
【0118】
●より低い濃度の被検物質を検出することは、必ずしも標準的なLFAにおいて検出可能な信号読取りを生じさせるとは限らない。
【0119】
●サンプル中の被検物質(例えば、濃度)の量の定量的測定は典型的にはバイナリの結果、すなわち、陽性または陰性を提供する標準的なLFAとは対照的である。
【0120】
●連続的な(またはほぼ連続的である)データモニタリングを用いて結果を得るためのより速い時間はアッセイから生じる統計的に有意な信号があるとすぐに、陽性結果を伝達することを可能にする。この有効化は、結果が利用可能になる前に固定の待機時間が必要とされる標準LFAとは対照的である。
【0121】
●電子的結果が利用可能であり、これは、例えば、クライアント端末のディスプレイ上に提示され、将来のアクセスのために記憶され(例えば、医学的状態の出現を示し得る、経時的なバイオマーカーレベルの増加または変化を検出するためなどの傾向を得るために)、および/または他の人、例えば、医療提供者に電子的に送信され得る。この実施可能性は、結果が物理的LFA自体上で視覚的にのみ示される標準的なLFAとは対照的である。いくつかのLFAでは、結果は短い時間ウィンドウの間のみ利用可能であり、ウィンドウの後に表示される結果は無効である。
【0122】
●検査室で日常的に行われる検査、および/または訓練を受けた専門家によって行われる検査は、自宅で行うことができる。一例では、クラミジアおよび淋病などの性感染症(STI)である。他の例では、他の感染症疾患またはバイオマーカーについての検査を行うことができる。さらに別の例では、ストレスおよび/または睡眠モニタリングのためのコルチゾールおよびメラトニンのうちの少なくとも1つが使用される。さらに別の例では、食品中の細菌のレベルをチェックして、安全な消費を確実にすることができる。
【0123】
本明細書に記載されるシステム、方法、検査デバイス、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、(例えば、(例えば、本明細書に記載されるような)容量性および/または誘導性ベースセンサの)センサベースのラテラルフローアッセイの感度、検出限界(LOD)、信号対雑音比(SNR)、および/または、ダイナミックレンジを改善するための技術的課題に対処する。説明されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、センサベースのラテラルフローアッセイの技術分野を改善する。
【0124】
本明細書で説明されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は医療状態、たとえば、感染症のための迅速で単純な検査を提供するという技術的課題に対処し、それは、家庭環境などにおいてユーザ自身によって実行され得る。本明細書に記載されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、感染症疾患およびバイオマーカーのための検査の技術を改善する。感染症の例は、クラミジアおよび淋病などの性感染症(STI)である。他の感染症疾患および/またはバイオマーカー(例えば、タンパク質、核酸、ホルモン、ビタミン、細菌、またはウイルス)としては、食物、水、糞便、尿、唾液、血液などに存在するものが挙げられ得る。
【0125】
本明細書に記載されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は信頼性があり、安価な在宅検査ソリューション、および遠隔医療サービスへのさらなる任意選択の私的かつ便利なアクセスを提供することによって、広範な感染症検査を可能にする。少なくともいくつかの実装形態は患者が医療サービスに期待する品質および信頼性を保証しながら、容易に治癒可能な感染症疾患(例えば、STI)についての検査、診断、および治療をすべて同じ日に行うことを可能にする。本明細書に記載される少なくともいくつかの実装形態は健康および健康の態様に関する洞察を提供するために、健康関連バイオマーカー(例えば、コルチゾール、メラトニン、テストステロン、プロゲステロン、テトラヒドロカンナビノール(THC)、インフルエンザA、インフルエンザB、A群連鎖球菌、プロカルシトニン、C反応性タンパク質、および大腸菌(Ecoli))を家庭で測定することを可能にする。
【0126】
本明細書に記載される少なくともいくつかの実装形態は、感染症などの検査のための他のアプローチよりも改善される。検査の標準的なアプローチには、医師のオフィス、研究室、および/またはセンドイン検査サービスで検査を受けることが含まれる。そのような標準的なアプローチは結果を受けるのに1~3週間かかることがあり、費用がかかり、訓練された人員が実行することを必要とし、および/または患者にとって不便である。対照的に、本明細書に記載される少なくともいくつかの実装形態は約5~15分で結果を提供し、患者自身、例えば自宅で個人的に使用され得る。
【0127】
本明細書で説明される少なくともいくつかの実装形態は、単一の使い捨てケーシングに埋め込まれた独自の電子リーダを追加して、従来のポイントオブケア(POC)検査を増強するオールインワンテストソリューションを提供する。
【0128】
本明細書で説明される少なくともいくつかの実装形態は使い捨て構成要素(すなわち、本明細書で説明される検査デバイス)と、使い捨て構成要素から測定値を取得するように設計された再使用可能リーダ構成要素とを含む、ツーパートシステムを提供する。
【0129】
本明細書で説明される少なくともいくつかの実装形態は、ユーザが自分のケアの質を損なうことなく、診療所及び結果までの長い時間ををスキップすることを可能にする、手頃な家庭でのテストソリューションをユーザに提供する。
【0130】
本明細書に記載されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、本明細書に記載される検査デバイスを製造する技術的課題に対処する。本明細書に記載されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、本明細書に記載される検査デバイスを製造するためのアプローチを提供することによって、製造プロセスを改善する。
【0131】
本明細書で使用するとき、用語「ラテラルフロー検査ストリップ」及び「ラテラルフロー検査要素」は、互換的に使用される。
【0132】
高スループットの製造プロセスは、低コストの迅速な診断の製造のために一般に使用される。LFAは紙ベースのバイオ検出技術の一種であり、これは、主に、LFAベースのデバイスを製造するために使用される安価な材料およびスケーラブルな製造プロセスに起因して、市場で最も普及している迅速診断フォーマットである。伝統的に、LFAはロールツーロール(R2R)製造プロセスを使用してスケールで製造され、それによって、紙ベースの膜のリール、およびラテラルフロー検査ストリップの他の多孔質材料、例えば、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、検査またはニトロセルロースパッド、およびウィックが、展開され、バッキングカードのリール上に順次置かれる。バッキングカードは一般に、感圧性自己接着剤でラミネートされたポリスチレン(PS)またはポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチックから作製され、LFAの主な機械的支持体として機能する。自己接着剤はR2R製造プロセス中に、バッキングカードとLFAの多孔質構成要素とを結合する。
【0133】
記載されたシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実施は、埋め込まれた伝導素子および他の電子機器をユビキタスバイオ検出テクノロジーに直接的に組み込む、固体生体電気インターフェースとしてバイオセンサを製造するためのスケーラブルな手法を提供する。説明されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、可撓性PCBのリールが膜ベースのラテラルフローストリップ構成要素のリールが組み立てられ、接着テープのリールを使用して定位置に固定され、個々の検査デバイスを作成するために個々のストリップに切断される、標準バッキングカードによって実行されるのであろう機能を実行する、R2R製造ラテラルフローストリップのアプローチを提供する。
【0134】
少なくともいくつかの実施形態では本明細書に記載されるように、LFAベースのバイオセンサにおけるラテラルフローストリップの従来のプラスチックバッキングカードを可撓性PCBに置き換えることは潜在的な利点および/または技術的改善を提供し、例えば、(1)製造プロセスを合理化するためにセンサ(例えば、伝導素子、平面コイル、および/またはコンデンサ)をラテラルフロー検査ストリップに直接埋め込むこと、(2)センサの感度を改善するためにセンサ(例えば、伝導素子、平面コイル、および/またはコンデンサ)とLFA上の関心領域との間の距離を低減すること、および(3)構造的完全性およびバイオセンシング機能性を維持しながら材料コストを低減するために、LFAのバッキング構造およびセンサ(例えば、伝導素子、平面コイル、および/またはコンデンサ)を組み合わせることを提供する。
【0135】
本明細書で説明するシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、ラテラルフローアッセイの精度、感度、LOD、SNR、および/またはダイナミックレンジを高めるという技術的問題に対処する。本明細書で説明されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、精度、感度、LOD、SNR、および/またはダイナミックレンジを増加させることによって、ラテラルフローアッセイの技術を改善する。少なくともいくつかの実装形態では、粘着性基板によってLFAに対して所定の位置に固定されたPCB内に配置された電磁センサに基づいて、技術的問題に対処し、および/または技術を改善する。
【0136】
本明細書に記載されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、家庭での個人による使用のために設計された単純なラテラルフローアッセイを提供するという技術的問題に対処する。本明細書に記載されるシステム、方法、装置、および/またはコード命令の少なくともいくつかの実装形態は、家庭での個人による使用のために設計された単純なラテラルフローアッセイを提供することによって、ラテラルフローアッセイの技術を改善する。少なくともいくつかの実装形態は、粘着性基板によってLFAに対して所定の位置に固定されたPCB内に配置された誘導性センサに基づく。そのような実装の少なくともいくつかは、例えば、ユーザのスマートフォンであり得るモバイルデバイスに、結果を提供する。
【0137】
磁性LFAはそれらの視覚的または蛍光的対応物とは異なり、一般に、金コロイド、ラテックスビーズ、色素、または他の光学検出標識ではなく磁性ナノ粒子の使用によって区別されるが、いくつかの実施形態では検査は同様に処理され、検査および管理ラインでの粒子の蓄積が検査結果を表す。磁気ラテラルフローリーダーはLFAの検査ラインに蓄積された極めて低濃度のナノ粒子の存在を同定する可能性があり、これは、従来の光学または蛍光リーダーを通して可視化することが不可能であるか、または困難であろう濃度である。このことは、LFAの感度の大幅な向上につながり、現在、光学式や蛍光式のLFAでは検出できない非常に低い生理的濃度を示す感染症やバイオマーカーを含む、感染症やバイオマーカーの診断、予後、モニタリングへの扉を開く可能性がある。本明細書に記載される少なくともいくつかの実装形態は検査ラインおよび管理ラインにおける磁性ナノ粒子の蓄積を測定するために磁気ラテラルフローアッセイを使用するための代替の既存のアプローチよりも改善され、例えば、巨大磁気抵抗(GMR)、ブリッジ回路(例えば、ホイートストンブリッジ)、または共鳴磁気測定法である。LFAに特有のベンチトップリーダを利用するそのような既存のアプローチはかさばり、高価であり、かつ/または必要な時点(PON、すなわち自宅)での診断および監視に適していない。さらに、検査ラインおよび管理ラインでナノ粒子の存在を検出するためにカメラ、レンズ、ダイオード、およびフィルタのシステムを使用するのではなく、本明細書に記載される少なくともいくつかの実装形態は本明細書に記載されるように、バッキングカード(従来、LFAを構成する膜のための物理的支持体)が、粘着性基板を使用してLFAの特定の位置に対して定位置に固定されるセンサを有するPCBによって置き換えられ得る、LFAを使用する。代替的に又は追加的に、PCBはバッキングカードに加えて追加され、例えば、PCBはバッキングカードがPCBとLFAの膜構成要素との間に挟まれるように、粘着性基板を介してバッキングLFA(すなわち、バッキングカードを含むLFA)に接続される。
【0138】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明および/または図面および/または実施例に示される構成要素および/または方法の構成および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であるか、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0139】
本発明は、システム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含み得る。
【0140】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用するための命令を保持および記憶することができる有形装置であり得る。コンピュータ可読記憶媒体はたとえば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または前述の任意の適切な組合せであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピー(登録商標)ディスク、および前述の任意の適切な組合せを含む。コンピュータ可読記憶媒体は本明細書で使用される場合、電波または他の自由に伝播する電磁波、導波管または他の伝送媒体(たとえば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)を通って伝播する電磁波、またはワイヤを通して送信される電気信号など、それ自体が一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0141】
本明細書で説明するコンピュータ可読プログラム命令はそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、コンピュータ可読記憶媒体から、またはネットワーク、たとえば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークおよび/またはワイヤレスネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含むことができる。それぞれのコンピューティング/処理装置内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースはネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために、コンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0142】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータがローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または接続は外部コンピュータに(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0143】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることを理解されたい。
【0144】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が流れ図および/またはブロックダイアグラムブロックまたはブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を生成することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、および/または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、その結果、その中に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図ブロックまたはブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含む。
【0145】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上で実行される命令がフローチャートおよび/またはブロック図ブロックまたはブロックにおいて指定される機能/動作を実装するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上で実行される一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行されるコンピュータ実装プロセスを生成させるために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードされ得る。
【0146】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を備える、モジュール、セグメント、または命令の一部を表し得る。いくつかの代替的な実装形態では、ブロックに記載された機能が図に記載された順序から外れて発生し得る。例えば、連続して示される2つのブロックは実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックが関与する機能に応じて、逆の順序で実行されてもよい。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組合せは、指定された機能もしくは行為を実行するか、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得ることにも留意されたい。
【0147】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、被検物質を評価するためのシステム100の構成要素のブロック図である
図1を参照する。本発明のいくつかの実施形態による、被検物質を評価するための例示的な検査デバイス250を組み立てるための構成要素の概略図である
図2も参照される。
図1に関して説明した他の構成要素は被検物質を検査するための検査装置250と共に、信号を処理するために、例えば、信号収集回路、バッテリ、ワイヤレス(例えば、ブルートゥース(登録商標))データインターフェースなどに使用されるように設計されていることに留意されたい。本発明のいくつかの実施形態による、
図2を参照して説明したように、構成要素252、254、および256から検査デバイス250を組み立てるプロセスを示す
図3も参照されたい。本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスの平面要素(例えば、PCB)のセンサ間の電場線の概略図である
図4A~4Bも参照される。本発明のいくつかの実施形態による、斜視
図502および断面
図504に示される、組み立てられた検査デバイス250の断面の概略図である
図5も参照される。本明細書に記載のいくつかの実施形態による、検査デバイス250へのサンプルの適用を示す概略図である
図6も参照する。本発明のいくつかの実施形態による、ライフサイクルの終わり、すなわち、液体がLFA252の複数の膜構成要素を通って、
図6の概略
図604Dに続くようなウィック266内に移動したときの、診断検査デバイス250の状態として示される概略
図702もまた、
図7を参照する。本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスから得られた信号を分析するための例示的なプロセスの概略図である
図8も参照される。本発明のいくつかの実施形態による、粘着性基板を介してPCBに接続されたLFAを含む検査デバイスのロールツーロール製造に典型的な積層プロセスの小部分の斜視図を示す概略図である
図9も参照される。本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスのR2R製造の例示的プロセスのフローチャートである
図10も参照される。本発明のいくつかの実施形態による、センサを含むPCBと接着テープを介して接続されたラテラルフローアッセイを含む検査デバイス1106の、使用および/または検査結果を提示するスマートフォン1104のディスプレイ上に提示される例示的GUI1102を示す概略図である
図11も参照されたい。本発明のいくつかの実施形態による、粘着性基板を介してLFAに接続するように設計された共振磁力計を備えるPCBとして実装される例示的な平面要素1202の概略図である
図12Aも参照される。本発明のいくつかの実施形態による、粘着性基板を介してLFAに接続し、例示的な共振磁力計に交換可能に接続するように設計されたPCBとして実装された例示的な平面要素の概略図である
図12Bも参照される。本発明のいくつかの実施形態による、参照コイル1302からの応答曲線と、発明者によって測定された、検査コイル1304からの応答曲線とを経時的に示すグラフである
図13も参照されたい。本発明のいくつかの実施形態による、本発明者らによって測定された、コイルの共振周波数および計算されたインダクタンスに対する変化を生成する、コイルを横切って流れるイオンの現象を描写するグラフである
図14も参照されたい。本発明のいくつかの実施形態による、
図13のグラフからの曲線1302および1304の続きであり、より長い時間にわたって延びる
図15も参照される。本発明のいくつかの実施形態による、インダクタンスが安定するのに十分な長さにわたって検査を行った後、基準コイルのインダクタンスから検査コイルのインダクタンスを差し引くことによって計算されるグラフである
図16も参照される。
図17も参照すると、これは、本発明のいくつかの実施形態に従って、発明者らによって製造された検査デバイスにおいて使用される電磁感知(EMS)モダリティの正の曲線1702と負の曲線1704との間の動的応答の差を示すグラフである。本明細書に記載の実施形態を用いて測定された電磁気データ1822を、標準的な光学的アプローチを用いて測定された比色データ1832と比較するグラフである
図18も参照され、ラテラルフロー産業において現在使用されている光学的感知方法に勝る有利な電磁感知(EMS)が示されている。
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、磁気IL-6ラテラルフローストリップ検査のための検査に使用される例示的な誘導性センサ構成および免疫センサアセンブリの概略図である。本発明のいくつかの実施形態による、磁性IL-6ラテラルフローストリップの検査を評価した実験で使用された2つの誘導免疫センサ補償スキームの信号読み出しに対するIL-6濃度の効果を示す標準曲線を含む
図20も参照されたい。本発明のいくつかの実施形態による、IL-6実験の10ng/mLのIL-6での検査実行のための2つの誘導免疫センサ補償スキームの時系列信号プロファイルを含む
図21も参照される。また、本発明のいくつかの実施形態による、IL-6実験において実行された全ての検査についての2つの誘導免疫センサ補償スキームの平均化された切り捨て時系列信号プロファイルを示す
図22を参照する。本発明のいくつかの実施形態による、
図6を参照して説明した概略
図604A~Dの上面図および対応するセンサ応答曲線を示す概略図を含む
図23も参照する。
【0148】
システム100は、
図2~
図23を参照して説明した方法の動作を、メモリ106(プログラムストアとも呼ばれる)に記憶されたコード命令を実行するコンピューティングデバイス104のプロセッサ102により、実施してもよい。
【0149】
システム100は本明細書に記載されるように、被検物質を検査するための検査デバイス150を含む。
【0150】
検査デバイス150は、平面要素156と、1つ以上の電子センサ152と、粘着性基板158とを含む。検査デバイス150は、ラテラルフロー検査要素160に適用される溶液中に存在する被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む1つ以上の感知領域162を含むラテラルフロー検査要素160に接続するように設計される。
【0151】
検査デバイス150は、液体サンプルが適用された後に廃棄される使い捨て装置として設計されてもよい。あるいは、検査デバイス150がサンプルを受け入れ、外部読取装置に接続するように設計された使い捨てカートリッジとして設計されてもよい。代替的に、検査デバイス150は使い捨てであってもよい、内蔵読取装置を有するオールインワンシステムとして実装されてもよい。
【0152】
検査デバイス150は、異なる可能な実装形態を有する高レベル設計に関することに留意されたい。さらなる例示的な実施形態は例えば、
図2、
図11、および
図12A~
図12Bを参照して、以下に説明される。.。
【0153】
粘着性基板158は、平面要素156の表面に接続され、ラテラルフロー検査要素160の表面に接続するように設定される。粘着性基板158は、電子センサ152に面して位置合わせされる感知領域162を含むラテラルフロー検査要素160の領域の位置および/または配向を固定するために適用される。感知領域162は、位置合わせされ、電子センサ152に面してもよい。
【0154】
粘着性基板は、平面要素156の表面およびラテラルフロー検査要素160の表面上に広げられる。粘着性基板158は、少なくとも1つの電子センサ152および/または感知領域162を含むラテラルフロー検査要素160の領域にわたって広げられてもよい。代替的に、または追加的に、粘着性基板158は、電子センサ152および/または感知領域162を含むラテラルフロー検査要素160の領域の外部に広げられてもよい。粘着性基板158は平面要素156の表面のサイズおよび/またはラテラルフロー検査要素160の表面のサイズ、例えば、少なくとも約80%、または90%、または100%に実質的に一致するようにサイズ決定されてもよい。平面要素は、少なくともニトロセルロース膜のサイズであってもよい。
【0155】
粘着性基板は感知領域162を電子センサ152に近接して、例えば、約5~100マイクロメートルに配置する。粘着性基板によって可能にされる感知領域162へのセンサ152の近接はセンサ152の出力(例えば、より高いSNR、より高い感度読み取り、および本明細書に記載される他の改善された測定)を改善する。
【0156】
粘着性基板158の分布は、感知領域162と電子センサ152との間にかなりの量の空気が存在しないように選択することができる。粘着性基板を通る信号の伝達に著しく影響を与えない無視できる量の空気が存在し得ることに留意されたい。非有意量の空気が、電子センサ152と感知領域162との間で連続的に接触して、粘着性基板158内に存在する。粘着性基板158がセンサ152と感知領域162との間に接触しているとき、センサ152と感知領域162との間に空気が存在しないことは、センサ152の出力(例えば、より高いSNR、より高い感度の読み取り値、および本明細書に記載される他の改善された測定値)を改善する。
【0157】
任意選択的に、粘着性基板158は、自己接着テープとして実装される。粘着性基板158は、対向する接着面を有する。1つの表面は、平面要素156の表面に接続される。反対側の接着面は、ラテラルフロー検査要素160の表面に接続するように設定される。
【0158】
代替的に又は追加的に、粘着性基板158は、接着剤、テープ等を含む。
【0159】
粘着性基板158、平面要素156、およびラテラルフロー検査要素160の各々は、互いに平行に配置され、サンドイッチ構造を形成する細長い要素であってもよい。粘着性基板158は、平面要素156の表面とラテラルフロー検査要素160の表面との間に挟まれる。粘着性基板は、電子センサ152と、感知領域162を含むラテラルフロー検査要素の領域との間に挟まれる。
【0160】
粘着性基板158の高さ(例えば、厚さ)は被検物質の評価のために、電子センサ152および感知領域162からの閾値を超える十分に強い信号を得るために十分に薄く、同時に、ラテラルフロー検査要素160に対して平面要素156を定位置に固定するために十分な結合力を提供するように選択される。
【0161】
センサ152は、被検物質の評価のためにラテラルフロー検査要素160の感知領域162からの十分な信号強度を測定するために選択された位置で平面要素156上に配置される。
【0162】
任意選択的に、感知領域162は、検査領域と、検査領域とは異なる基準領域とを含む。任意選択的に、少なくとも2つのセンサ152、検査領域を感知するための検査センサ、および基準領域を感知するための基準センサが提供される。検査領域は、被検物質に選択的に結合するように設計された被検物質結合要素を含む。基準領域は、被検物質結合要素を含まない。ラテラルフロー検査要素160に投与された被検物質は、それに選択的に結合することなく、基準領域を横切って流れる。検査センサは、ラテラルフロー検査要素160に投与される被検物質に選択的に結合するように設計された被検物質結合要素を含む検査領域を感知するように配置される。基準センサは、平面要素156内に配置され、基準領域を感知するために配置される。検査センサおよび/または基準センサによって出力される信号は本明細書に記載されるように、被検物質の存在の証拠、被検物質の濃度、および/または被検物質の存在の証拠の欠如を検出するために分析される。
【0163】
感知領域162の被検物質結合要素は被検物質、例えば、被験体が感染症に感染しているかどうかを評価するための感染症バイオマーカーなどの被験体における医学的状態の存在を評価するためのバイオマーカーに選択的に結合し、検出するように設計される。感染症バイオマーカーの例には、性感染症(例えば、淋病、クラミジア)のマーカー、ならびにCOVID-19(SARS-CoV-2およびコロナウイルスとしても知られる)のマーカーが含まれる。感知領域162の被検物質結合要素が結合するように設計される被検物質の他の例には、関連する健康状態の評価のための健康関連バイオマーカー、例えば、コルチゾール(例えば、ストレスモニタリングのための)、メラトニン(例えば、睡眠の評価のための)、テストステロン、インターロイコン-6(IL-6)(例えば、全身性炎症のための)、プロゲステロン(例えば、生殖能力の評価のための)、安全な消費を保証するための食物中の細菌のレベル、テトラヒドロカンナビノール(THC)(例えば、薬物使用者のためのスクリーニングのための)、インフルエンザA、インフルエンザB、A群連鎖球菌(例えば、感染症疾患のためのスクリーニングのための)、プロカルシトニン、C反応性タンパク質(例えば、全身性炎症のための)、および大腸菌(Ecoli)(例えば、食物安全性)が含まれる。被検物質は例えば、唾液、尿、血液など、例えば唾液コルチゾールおよび/または血液ベースのコルチゾールであってもよい。
【0164】
センサ152はセンサ152から生じ、粘着性基板158を通過し、感知領域162を通過し、粘着性基板158を通過して戻り、センサ152に戻る磁場線を有する電磁場を生成するように設計されてもよい。磁場線は、センサ152の1つの部分から生じ、センサ152の別の部分で終端することができる。磁場線は例えば、
図4A~4Bを参照して本明細書に記載されるように、センサ152の同じ部分で始まり、終端し得る。なお、
図4Aに示す静電容量検知における電場線は、
図4Bに示す誘導検知における磁場線と同じではない。
【0165】
センサ152は、容量性検知のための1つまたは複数の容量性センサとして、および/または誘導性検知のための1つまたは複数の誘導性センサとして実装され得る。容量性センサは、1対以上の電極の交互嵌合配置を含んでもよい。検査デバイス150は、誘導性センサをその共振周波数で作動させるように設計された回路を含むことができる。
【0166】
誘導感知を使用する実装形態では、検査デバイス150が少なくとも1つの感知領域への被検物質の結合を示すセンサ152の共振周波数の変化を測定するための、サンプリング周波数で動作するコントローラを含み得る。センサ152の共振周波数は、センサ152の物理的設計に基づいて選択することができる。センサ152の例示的な共振周波数は例えば、約1~50メガヘルツ(MHz)、または0.001~40MHz、または1~10MHz、または5~10MHz、または他の値の範囲内であり得る。超常磁性特性を示すように選択された標識を使用して、誘導性センサによる被検物質の存在を同定することができる。
【0167】
平面要素156の表面は、少なくともラテラルフロー検査要素160の表面に対応するように寸法決めされる。平面要素156の表面はラテラルフロー検査要素160の表面全体が平面要素156に接続されるように、ラテラルフロー検査要素160の表面と同じくらい大きくてもよく、またはそれより大きくてもよい。
【0168】
平面要素156は、ラテラルフロー検査要素160の構成要素の物理的支持体として機能する。バッキングカードが伝統的に使用される標準的なラテラルフロー検査要素が使用されるとき、平面要素156は、いくつかの実施形態ではバッキングカードを完全に置き換え得る。他の実施形態では、平面要素156が粘着性基板158を介してバッキングカードに取り付けられてもよい。平面要素156はPCBとして実装されてもよく、センサ152はPCB内に統合され、および/またはPCBに接続される。
【0169】
ラテラルフロー検査要素160の感知領域162の検査領域は本明細書に記載されるように、ラテラルフロー検査要素に投与されるサンプル中に存在する被検物質が存在する場合に、関心のある被検物質に選択的に結合するように設計された被検物質結合要素を含む。感知領域は、必ずしも検査領域と同じである必要はない。いくつかの実施形態では、検出領域が検査領域とは異なる。いくつかの実施形態では、検出領域が検査領域と同じである。
【0170】
検査デバイス150は被検物質の存在を検出するための信号を解析するためのセンサ152のアウトプットを別のコンピューティングデバイス104に提供するためのデータインターフェース154、例えば、送受信機、アンテナ、ワイヤレスインターフェース、ワイヤードインターフェース、ヴァーチャルインターフェースを含むことができる。2パートシステムに関して本明細書で説明されるリーダ構成要素は、コンピューティングデバイス104によって実装され得る。代替的に、単一コンポーネントシステムでは、検査デバイス150がコンピューティングデバイス104と通信することができる。
【0171】
ラテラルフロー検査要素160は例えば、ラテラルフローアッセイであってもよい。ラテラルフローアッセイ実施では、溶液が毛管作用によってラテラルフロー検査要素を通って流れる。
【0172】
いくつかの実施形態では、ラテラルフロー検査要素160(本明細書ではLFAとも呼ばれる)がサンドイッチアッセイフォーマットを使用して設計される。LFA160のこの構成は検査領域上にパターン化された被検物質結合要素を有し、この被検物質結合要素はサンプルが検査領域を通って流れるときに、サンプル中に存在する被検物質に結合する。同時に、相補的な被検物質結合要素で官能化された標識(例えば、ナノ粒子)もまた、検査領域に捕捉された被検物質に結合する。まとめると、これらの結合事象は、検査領域における被検物質-標識複合体の蓄積をもたらす。
【0173】
いくつかの実施形態では、ラテラルフロー検査要素160が競合アッセイフォーマットを使用して設計される。このアッセイフォーマットはホルモンおよびビタミンなどの小分子標的にとって好ましく、立体障害は2つの生体認識要素が1つの被検物質に結合する可能性を低くする。このフォーマットでは、LFA160がサンプルの適用前に検査領域上にパターン化された被検物質を有する。被検物質がサンプル中にほとんどまたは全く存在しない場合、標識は検査領域中に存在する被検物質に結合し、強い信号を生成する。サンプル中に十分な濃度の被検物質が存在する場合、標識の大部分は検査領域上にパターン化された被検物質の代わりに、サンプル中の被検物質に結合する。いったんこれが起こると、標識は、典型的には検査ライン上の被検物質に結合することができず、したがって、サンプル中の被検物質の濃度が増加することにつれて、検査領域からの信号は減少する。これはサンドイッチアッセイフォーマットとは異なり、サンプル中のより多くの被検物質がより多量の被検物質-標識蓄積のために、典型的にはより大きな検査領域信号をもたらす。
【0174】
LFA160の設計は、設計および/または他の設計の組合せが実装され得るので、必ずしも前述の設計に限定されないことに留意されたい。
【0175】
コンピューティングデバイス104は、任意選択でデータインターフェース154を介して、検査デバイス150の1つまたは複数の電子センサ152によって出力されたデータを取得する。コンピューティングデバイス104は電子センサ152によって出力された信号を分析して、例えば、特定のバイオマーカーについての陽性または陰性(例えば、感染症疾患を示す)、診断(例えば、感染症疾患についての)、および/またはバイオマーカーの量(例えば、濃度値、および/または範囲内)の結果を得ることができる。
【0176】
コンピューティングデバイス104はたとえば、接続されたデバイスの群、クライアント端末、サーバ、仮想サーバ、コンピューティングクラウド、仮想マシン、デスクトップコンピュータ、シンクライアント、ネットワークノード、および/またはモバイルデバイス(たとえば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、メガネコンピュータ、およびウォッチコンピュータ)のうちの1つまたは複数および/または組合せとして実装され得る。
【0177】
コンピューティングデバイス104に基づく装置100の多数のアーキテクチャを実施することができる。例えば、ローカルサービスを提供するように設計されたアーキテクチャである。コンピューティングデバイス104は
図2~23に関して説明した動作のうちの1つまたは複数を実装するローカルに記憶されたコード命令106Aを含むスタンドアロンデバイス(たとえば、キオスク、クライアント端末、スマートフォン)として実装され得る。ローカルに記憶された命令は例えば、ネットワークを介してコードをダウンロードすることによって、および/またはポータブル記憶デバイスからコードをロードすることによって、別のサーバから取得され得る。コンピューティングデバイス104は検査デバイス150のセンサ152によって出力された信号を、任意選択的に、短距離ワイヤレス接続および/またはケーブル接続(例えば、USB)などのネットワーク110を介して得ることができる。コンピューティングデバイス104はたとえば、機械学習モデル114Aに信号を供給すること、および/またはしきい値などの一組の規則を適用することによって、信号を局所的に分析する。結果(例えば、検査結果および/または診断)は特定のユーザのコンピューティングデバイス104のディスプレイ120上に提示するために提供され、および/または別のユーザが結果を取得することを可能にするためにサーバ112に転送され、例えば、医療提供者および/または公衆衛生機関のサーバは医師から支援を取得することができる。
【0178】
別の例では、アーキテクチャが集中型サービスを提供するように設計される。記憶されたコード命令106Aを実行するコンピューティングデバイス104はネットワーク110を介して1つまたは複数のクライアント端末108に集中型サービス(たとえば、
図2~
図23に関して説明した動作のうちの1つまたは複数)を提供する1つまたは複数のサーバ(たとえば、ネットワークサーバ、ウェブサーバ、コンピューティングクラウド、仮想サーバ)として実装され得る。各クライアント端末108はネットワーク110および/または短距離無線接続、ケーブル(例えば、USB)などの別の接続を介して、それぞれの検査デバイス150にローカルに接続される。コンピューティングデバイス104は例えば、クライアント端末108へのサービス(SaaS)としてのソフトウェア、ソフトウェアインターフェース(例えば、アプリケーションプログラミングキット(API)、ソフトウェアデベロップキット(SDK))を使用してアクセス可能なソフトウェアサービス、クライアント端末108へのローカルダウンロードのためのアプリケーション、クライアント端末108上で実行されるウェブブラウザへのアドオン、および/または、コンピューティングデバイス104によってホストされるウェブサイトにアクセスするクライアント端末108によって実行されるウェブブラウザを介するなど、クライアント端末108へのリモートアクセスセッションを使用する機能を提供することができる。それぞれの検査デバイス150のそれぞれのセンサ152からそれぞれのクライアント端末108によって取得された信号は、前述の手法のうちの1つ以上を介してコンピューティングデバイス104に提供される。コンピューティングデバイスは例えば、それぞれの信号を機械学習モデル114Aに供給すること、および/または一組の規則(例えば、しきい値)を適用することによって、それぞれの信号を集中的に分析し、結果(例えば、診断)をそれぞれのクライアント端末108に(例えば、ディスプレイ上に提示するために)、および/または医療提供者および/もしくは公衆衛生当局などのサーバ112に提供する。
【0179】
MLモデル114Aは本明細書で説明するように、訓練データ114B上で訓練され得ることに留意されたい。訓練は、コンピューティングデバイス104によって、および/または訓練されたMLモデル114Aをコンピューティングデバイス104に提供する別の装置によって実行されてもよい。
【0180】
コンピューティングデバイス104のハードウェアプロセッサ102はたとえば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および特定用途向け集積回路(ASIC)として実装され得る。(1つまたは複数の)プロセッサ102は、クラスタとして、および/または1つまたは複数のマルチコア処理デバイスとして、並列処理のために配置された単一のプロセッサ、または複数のプロセッサ(同種または異種)を含み得る。
【0181】
メモリ106はハードウェアプロセッサ102によって実行可能なコード命令、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、および/または記憶デバイス、例えば、不揮発性メモリ、磁気媒体、半導体メモリデバイス、ハードドライブ、リムーバブル記憶装置、および光学媒体(例えば、DVD、CD-ROM)を記憶する。メモリ106は、(1つまたは複数の)ハードウェアプロセッサ102によって実行されるとき、
図2~23を参照して説明した方法の1つまたは複数の特徴および/または動作を実装するコード106Aを記憶する。メモリ106は他のデータ、例えば、バッチ特有の較正データに関連する検査識別(ID)を記憶することができる。
【0182】
コンピューティングデバイス104はデータ、例えば、本明細書に記載される信号(例えば、規則のセット、しきい値)の解析のための機械学習モデル114Aおよび/または他のコード、ならびに/あるいはMLモデル114Aの訓練のためのデータを含む訓練データリポジトリ114B、ならびに/あるいはユーザのクライアント端末上で検査の結果を提示するための、および/または医療提供者などの遠隔エンティティとの通信セッションを確立するためのインタラクティブなディスプレイを提供するためのGUIコード114Cを記憶するためのデータ記憶装置114を含むことができる。データ記憶デバイス114は例えば、メモリ、ローカルハードドライブ、仮想記憶装置、リムーバブル記憶ユニット、光ディスク、記憶デバイスとして、および/またはリモートサーバおよび/またはコンピューティングクラウド(例えば、ネットワーク接続を使用してアクセスされる)として実装され得る。
【0183】
ネットワーク110はたとえば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、仮想ネットワーク、ワイヤレスネットワーク、セルラーネットワーク、ローカルバス、ポイントツーポイントリンク(たとえば、有線)、および/または前述の組合せとして実装され得る。
【0184】
コンピューティングデバイス104は、ネットワーク110に接続するためのネットワークインターフェース116を含むことができる。検査デバイス150のネットワークインターフェース104及び/又はデータインターフェース154のネットワークインターフェース116は例えば、ネットワークインターフェースカード、ワイヤレスネットワークに接続するためのワイヤレスインターフェース、ネットワーク接続のためのケーブルに接続するための物理インターフェース、ソフトウェアで実装された仮想コンピューティングデバイス、ネットワーク接続のより高い層を提供するネットワーク通信ソフトウェア、及び/又は他の実装のうちの1つ又は複数として実装されてもよい。ネットワークインターフェース116は必ずしもネットワーク110を通ることなく、および/または別の接続、例えば、短距離ワイヤレス接続および/またはケーブルを介して、検査デバイス150のデータインターフェース154に接続し得ることに留意されたい。
【0185】
コンピューティングデバイス104はネットワーク110(または直接リンク(例えば、有線、ワイヤレス)および/または間接リンク(例えば、サーバなどの中間コンピューティングユニットを介して、および/または記憶装置を介して)などの別の通信チャンネル)を使用して:
【0186】
*例えば、医療提供者および/または公衆衛生局のリモートサーバ112。クライアント端末108および/またはコンピューティングデバイス104および/またはサーバ112の間に通信セッションを確立して、例えば、結果に関する遠隔医療コンサルテーションを提供することができる。
【0187】
*クライアント端末108は、コンピューティングデバイス104が本明細書で説明される特徴および/または動作を遠隔で提供するサーバとして実装される場合に、その機能および/または動作を提供する。
【0188】
*検査デバイス150のデータインターフェース154は、センサ152によって出力されたデータを取得する。
【0189】
コンピューティングデバイス104および/またはクライアント端末108はユーザがGUI(例えば、GUIコード114Cに基づいて生成される)内でデータを入力する(例えば、遠隔医療コンサルトを要求する)および/または表示された結果を見る(例えば、診断する)ためのメカニズムを含む、および/またはそれを含む1つまたは複数の物理的なユーザインターフェース120を含む、および/またはそれと通信している。例示的なユーザインターフェース120は例えば、タッチスクリーン、ディスプレイ、ジェスチャ起動装置、キーボード、マウス、およびスピーカおよびマイクロフォンを使用して起動されるボイスソフトウェアのうちの1つまたは複数を含む。
【0190】
ここで
図8に戻って参照すると、802において、アッセイ(分析)を開始する前に、例えば、携帯機器および/または他のコンピューティングデバイスのディスプレイ上に指示を提示することができる。命令はユーザが例えば、アプリ内プロンプトを介して、自身のモバイルデバイス(例えば、スマートフォン)を検査デバイスに接続することを要求することができる。
【0191】
804において、モバイルデバイスと検査デバイスとの間の接続はたとえば、短距離ワイヤレス接続(たとえば、Bluetooth(登録商標)低エネルギー)および/または他の近距離接続技術を使用して確立され得る。検査デバイスは例えば、ユーザのモバイルデバイスとのインタラクションを介したワイヤレス充電によって、および/または小型バッテリによって、電力供給され得る。
【0192】
806において、接続が確立されると、アッセイ読み取り値が検査デバイス上で収集され、読み取り値は、Bluetooth(登録商標)低エネルギーなどのワイヤレスプロトコルを介して、近隣の接続されたスマートデバイスに連続的にストリーミング(および/または断続的に送信)され得る。いくつかの実施形態では、通信電子機器がセンサに直接隣接する検査デバイス上に埋め込まれる。他の実施形態では、通信エレクトロニクスおよび/または他の回路が検査デバイスとは別個である。
【0193】
データは、必ずしも装置上に格納される必要はない。メモリチップが含まれてもよいが、データは検査の開始からリアルタイムでストリーミングされてもよい。したがって、データは多次元時系列として構造化され得、各検査信号は検査の持続時間にわたって取得される、数千の検査および基準センササンプル読取り値を含む。
【0194】
808において、本明細書に記載されるように、検査デバイスのセンサから信号が取得される。信号はコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)によって、任意選択で、ネットワークを介したネットワーク接続、例えば、短距離の一時的に確立されたワイヤレス接続などの接続を介して、取得され得る。
【0195】
本明細書に記載されるように、液体が適用されるとき、および/または液体が適用される前に、液体が検査デバイスに適用された後に、信号が得られてもよく、液体はセンサに面する(例えば、毛細管現象によって引き出される)感知領域の上を流れている。
【0196】
信号は、容量性感知のための容量性センサ、および/または誘導性感知のための誘導性センサから取得され得る。
【0197】
信号は、ラテラルフロー検査要素の感知領域を検知するセンサから得られる。感知領域は、ラテラルフロー検査要素に投与される被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む。信号は、被検物質の濃度、および/または被検物質の存在の証拠、または被検物質結合要素に結合する被検物質の存在を示す証拠の欠如を示し得る。
【0198】
信号は、検査領域を感知する検査電子センサと、基準領域を感知する基準電子センサとによって出力される信号からさらに計算および/または取得され得る。基準領域は感知領域とは別個のものであり、感知領域から離れている。検査領域内の被検物質結合要素に選択的に結合する被検物質は、基準領域に選択的に結合しない。被検物質結合要素は、基準領域には存在しない。
【0199】
十分な濃度の被検物質がサンプル中に存在する場合、得られた信号(例えば、ナノ粒子によって生成された)は粘着性基板によって得られた感知領域へのセンサの近接性に基づいて、被検物質の存在を検出するのに十分な信号強度(例えば、閾値を超える)であると予想される。粘着性基板は本明細書に記載されるように、感知領域を含むラテラルフロー検査要素の領域に面する位置に電子センサを固定するために、平面要素の表面およびラテラルフロー検査要素の表面に接続されることによって近接性を提供する。
【0200】
810において、信号は、ラテラルフロー検査要素の感知領域における被検物質の蓄積を測定するために分析される。信号の解析はコンピューティングデバイス(たとえば、スマートフォン)によってローカルに、および/またはコンピューティングデバイスと通信するサーバによってリモートに実行され得る(たとえば、信号は、コンピューティングデバイスを介してサーバに送信される)。
【0201】
アッセイが実行され、関連するデータが付随する読み取りデバイス(例えば、スマートフォン、外部リーダ、またはオールインワンアーキテクチャの一部)にストリーミングされると、モバイルデバイスは、被検物質の存在を確認するためにデータを処理し始める。
【0202】
本明細書で使用するとき、用語「リーダ」又は「読み取り装置」はオールインワンシステム(すなわち、検査デバイス)に組み込まれてもよく、又はマルチパートシステムの一部として含まれてもよいリーダ構成要素を指す。
【0203】
データを分析するための1つまたは複数の例示的なアプローチがある:
【0204】
*検量線に対する読取値の値を取る。
【0205】
*分析変換およびフィルタは、診断精度を改善するために信号に対して実行される。これらには周波数空間変換、曲線当てはめ、直接分析等が含まれるが、これらに限定されない。
【0206】
*スマートデバイスアプリケーションは、検査シナリオに基づいて信号を分類するように訓練された機械学習モデルを記憶することができる。この機械学習モデルは、既知の濃度の被検物質を有する標識されたサンプルから収集された時系列データについて訓練され得る。このトレーニングは実験室設定で行われ、スマートデバイスに記憶される前に、機械学習(ML)モデルのアーキテクチャのパラメトリック重み付けをもたらすことができる。特に、このMLモデルは、ユーザの検査処理がリモートサーバとの通信なしに、完全にオンデバイスで行われ得るように作成される。MLモデルは各特定の検査シナリオで肯定的な結果を達成するためにカスタムフレームワークを使用することができるが、AIコミュニティの複数の貢献者によって開発され、オープンソース化された最新の時系列分析プロセスに基づく。
【0207】
信号はMLモデル、例えば、分類器、統計的分類器、様々なアーキテクチャの1つまたは複数のニューラルネットワーク(例えば、畳み込み、完全接続、ディープ、エンコーダデコーダ、反復、グラフ、複数のアーキテクチャの組み合わせ)、サポートベクトルマシン(SVM)、ロジスティック回帰、k最近傍、決定木、ブースティング、ランダムフォレスト、回帰器などに信号を供給することによって分析され得る。MLモデルは、教師ありアプローチおよび/または教師なしアプローチを使用して、訓練データセット上で訓練され得る。MLモデルは、記録を含む訓練データセット上で訓練され得、各記録は被検物質の存在、被検物質の存在を示す証拠の欠如(例えば、被検物質の欠如、被検物質の十分な濃度の欠如)、および被検物質の濃度のうちの少なくとも1つのグラウンドトゥルース指標で標識されたサンプル信号を含む。
【0208】
信号は他のアプローチ、例えば、ルールのセット、数学的方程式、および/または他の決定論的アプローチを使用して分析され得る。
【0209】
812において、被検物質の存在および/または被検物質の濃度が、分析に従って決定される。被検物質の存在の欠如は、分析に従って決定することができる。被検物質の存在の欠如は、被検物質の欠如、または被検物質の十分な検出可能な濃度の欠如に起因し得る。
【0210】
814において、被被検物質の医学的状態の診断が、被検物質の存在を示す証拠、被検物質の濃度、および/または被検物質の存在を示す証拠の欠如に従って決定される。
【0211】
診断は例えば、被検物質が存在するとき、被検物質が検出されないとき、被検物質の濃度が閾値を上回るとき、および被検物質の濃度が閾値を下回るときに行うことができる。例えば、被検物質の検出の欠如は医学的状態を除外するために、例えば、ユーザが感染症因子に感染していないことを確認するために使用され得る。
【0212】
医学的状態は例えば、COVID-19などの感染症病原体、またはクラミジア、もしくは淋病などのSTIによる感染症であり得る。
【0213】
任意選択的に、検査が実施されると、2つの可能な結果が存在し得る。第1に、検査は無効である。無効な検査は故障モード、例えば、期限切れの検査デバイスの使用、以前に使用された検査デバイスの再使用、および/または検査デバイスの構成要素(例えば、センサ、集積回路、検査ストリップを通る液体サンプルの流れ)に関する技術的問題から生じ得る。この場合、エラーを理解するための自動化された試みが行われ、問題は、ユーザのアプリ内に直接伝達される。追加検査を実施することが推奨される。第2に、有効な検査のケースでは、ユーザがユーザのスマートデバイス上のアプリケーションのインターフェースを介して、ユーザの成果を提供される。いくつかの実施形態ではこれは単一または多数の感染症についての陽性対陰性診断の形態であり得、他の実施形態では重要なバイオマーカーの検出された濃度であり得る。被検物質の存在ではなく、濃度によって決定される病気または感染症の場合、ユーザは、関連する情報を提示される。
【0214】
816において、有効な検査結果に応答して、ヘルスケアプロバイダおよび/または公衆衛生エンティティのリモートクライアント端末との通信セッションが確立され得る。例えば、ビデオ通話、チャットセッション、音声通話などである。
【0215】
代替的に又は追加的に、健康状態の診断に対応する有効な検査結果がユーザに提供されると、アプリケーションは、位置サービス又はユーザ入力データを利用して、検査が実行されている領域を確認することができる。この情報が与えられると、アプリケーションは、地域保健当局への遵守が必要かどうかを決定することができる。アプリケーションは例えば報告可能な疾患のように、管轄下で許容される限り多くの情報を匿名化しながら、状態を報告することができる。診断と同時に、ユーザは、遠隔医療サービスだけでなく、専門的に検証された学習教材へのアクセスを与えられてもよい。適切な地域的背景が与えられると、遠隔医療サービスは遠隔ケアおよび薬物の処方を含むがこれらに限定されない、ユーザに適切なケアを提供するために、API統合を介して検査結果を伝達され得る。
【0216】
818において、医学的状態を治療するために有効である治療が例えば、通信セッションに応答して医療提供者によってユーザ(例えば、患者)に処方され、および/または診断に応答して自動的に生成され得る。
【0217】
治療は例えば、性感染症を治療するための抗生物質の処方であってもよい。
【0218】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、被検物質の評価のための例示的な検査デバイス250を組み立てるための構成要素の概略図である
図2を再び参照する。検査デバイス250は、ラテラルフローアッセイ252(本明細書ではラテラルフロー検査要素とも呼ばれる)、粘着性基板254、および任意選択的に細長い平面要素256から組み立てられる。検査デバイス250は、
図1を参照して説明した検査デバイス150に基づいて実装することができる。
【0219】
LFA252はサンプルパッド260、コンジュゲートパッド262、検査パッド(例えば、ニトロセルロース(NC)膜、合成紙)264、およびウィック266の、標準であり得る以下の構成要素を含み得る。標準的なLFAは、バッキングカードと呼ばれる半剛性プラスチック構造によって物理的に支持される。LFA252は本明細書では裏打ちされていないLFAとも呼ばれる、標準的なバッキングカードのない(例えば、バッキングカードが取り外された、バッキングカードが組み立てられていない)標準的なLFAであってもよい。
【0220】
粘着性基板252は数十ミクロンの薄さ、例えば、Kenosha TapesからのKN2211接着剤であってもよく、他の実施形態では、10μmよりも薄い、例えば、日東電工からの超薄型PETベースの5μm両面テープ(No.5600)であってもよい。
【0221】
平面要素256は、プリント回路基板(PCB)として実装され得る。PCB256は標準的なバッキングカードに取って代わることができ、LFA252の物理的サポートを提供する。PCB256は、容量性センサおよび/または誘導性センサであり得るセンサ270を含む。センサ270は例えば、本明細書に記載されるように、検査センサ274および基準センサ272を含んでもよい。
【0222】
PCB256をLFA252に結合する粘着性基板252は任意選択でリアルタイムで、LFA252の特定の予め選択された位置におけるセンサ測定値(例えば、容量性および/または誘導性データ)の正確な収集を可能にする。
【0223】
ここで、
図3に戻って注目すると、
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、
図2に関して説明したような、構成要素252、254、および256からの検査デバイス250のアセンブリを示す。概略
図302は、PCB256に接続された粘着性基板254と、粘着性基板254にまだ接続されていない裏打ちされていないLFA252とを示す。LFA252はPCB256内のセンサに対してLFA252を位置決めするために、PCB256に接続された粘着性基板254に対して並べられる。特に、LFA252の検査ライン290は本明細書に記載されるように、粘着性基板254によって、PCB256のセンサ270の上および/またはその近傍の位置に固定される。概略
図304は本明細書に記載されるように、構成要素252、254、および256から組み立てられた、完全に組み立てられた検査デバイス205を示す。
【0224】
次に、
図4A~4Bに戻ると、これらは、本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスの平面要素(例えば、PCB)のセンサ間の電磁場線の概略図である。
図4A~4Bは本明細書に記載されるように、裏打ちされていないLFAの特定の領域に対するPCBのセンサの位置を固定する粘着性基板の重要性を示す。
【0225】
図4Aは、平面コンデンサとして実装された電極404Aと電極406Aとの間を通る電場線402Aを示す。1つのコンデンサが示されているが、2つ以上のコンデンサが実装されてもよいことを理解されたい。センサ404Aおよび406Aは、検査デバイスの平面要素450上に配置される。平面要素450は本明細書で説明されるように、PCBボードとして実装され得る。平面コンデンサなどの電極404Aおよび406Aは、平面に沿って配置される。電極404Aおよび406Aのそのような平面配置は、電極がその容量がプローブされる材料の両側に配置される、平行板キャパシタセットアップとは異なる。電場線402Aは電極404Aおよび406Aが存在する平面を離れ、円弧状の経路で上方に移動し、検査デバイスの接着フィルム408およびニトロセルロース膜410(または検査パッドのための他の実装形態)を通過し、接着フィルム408およびニトロセルロース膜410の静電容量をプロービングし、その後、他の電極404Aまたは406Aに戻る。
【0226】
図4Bは、平面誘導性センサとして実装されるコイルトレース(トレースと呼ばれる)404Bおよび406Bによって生成される磁場線402Bを示す。トレース404Bおよび406Bは、検査デバイスの平面要素450上に配置される。平面要素450は本明細書で説明されるように、PCBボードとして実装され得る。電場線402Bは検査デバイスの平面要素450、接着フィルム408、およびニトロセルロース膜410を通過し、平面要素450、接着フィルム408、およびニトロセルロース膜410のインダクタンスをプロービングする。
【0227】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、断面506の斜視
図502および断面
図504に示される、組み立てられた検査デバイス250の概略図を示す
図5を再び参照する。
図5は本明細書に記載されるように、裏打ちされていないLFAの特定の領域に対するPCBのセンサの位置を固定する粘着性基板254の重要性を示す。検査デバイス250およびその構成要素は、
図2~
図3など、本明細書に記載される通りである。
【0228】
LFAによって生成される信号は例えば、検査ライン290におけるナノ粒子標識の蓄積によって引き起こされる、検査の継続期間にわたる可視線の出現として光学的に分解され得る。本明細書に記載の容量性センサの実施形態では、ナノ粒子ラベルが金属(例えば、金、銀、鉄など)であってもよい。誘導性センサは磁性ナノ粒子ラベル(例えば、酸化鉄、マグネタイトなど)を使用することができる。検査ライン290とセンサとの間の位置合わせ(例えば、センサの長軸の中心線が検査ライン290の長軸の中心線と位置合わせされ、それに面する)を達成することは、粘着性基板254によって得られ、固定され、センサの電磁場線と、
図4A~4Bを参照して本明細書に記載されるように、検査ライン290によって示される、視覚信号出力の文脈においてナノ粒子が固定化されることになる容積との間の相互作用を最大にする。
【0229】
LFA252は特定の化学的および生物学的試薬、すなわち、構成要素260、262、264、および266で処理された一連の重なり合う膜を通って、対象の被検物質を含有するサンプル流体が流れることを可能にするように設計される。これらの試薬は、サンプルおよび被検物質の移動、ならびに検査パッド264に沿った特定の物理的位置での被検物質の捕捉を可能にする。ナノ粒子標識の蓄積に基づいて信号が視覚的に解釈され得る位置は経時的に現れ得る検査ライン290における光学的読出し(例えば、比色または蛍光)の展開によって描写され得る。検査ライン290は、検査センサ274と位置合わせされるように設定される。検査センサ274の左側には、検査センサ274の近くに配置され、アッセイの継続期間にわたる検査センサ274の応答を比較して、ナノ粒子の蓄積に基づいて陽性または陰性の結果を決定することができる陰性対照として使用される、基準(またはref)センサ272がある。
【0230】
ここで、本明細書に記載のいくつかの実施形態による、検査デバイス250へのサンプルの適用を示す概略図である
図6に戻って注目する。
【0231】
概略
図602は、生体液サンプル600の検査デバイス250への適用を示す。生体液サンプル600は診断検査装置250の特定の例のために、おそらく関心のある被検物質を含む。生体液サンプル600は、サンプルパッド260に加えられる。サンプルマトリクスおよびサンプルボリュームは、用途に応じて異なる。
【0232】
概略
図604A~Dは、LFA252を通るサンプル600の流れを示す。LFAの多孔質膜は、湿潤されると、毛管作用による液体の移動を可能にする。フロー線624A~Eは、検査デバイス260に沿って液体サンプル600が概略
図604A~Dに対してどれだけ遠くに移動したかの断面表示を提供する。
【0233】
概略
図604Aはサンプルパッド260からコンジュゲートパッド262に移動する液体サンプル600を示し、ここで、検出分子にコンジュゲートされたナノ粒子が待機する。
【0234】
概略
図604Bは両方のセンサ270(例えば、コンデンサおよび/またはインダクタ272、274)の上の検査パッド264を濡らす流体を示す。流体は多孔質膜を通って被検物質-標識複合体よりも速く移動し、参照符号272および検査274センサの上の領域は、液体サンプルで飽和する。
【0235】
概略
図604Cは、検査センサ274の上方の検査ライン290に蓄積し始める被検物質-標識複合体を示す。検査センサ274の上の検査パッド264上にパターン化された被検物質結合要素は複合体の蓄積を引き起こすが、そのような複合体は基準センサ272の上に選択的に結合しない。
【0236】
概略
図604Dは、ウィック266によって吸収されている液体サンプルを示す。ウィック266を含む高吸収性材料は流体シンクを形成し、センサ270を横切るサンプルボリュームの移動を可能にする。
【0237】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、そのライフサイクルの終わり、すなわち、
図6の概略
図604Dに続くように、液体がLFA252の複数の膜構成要素を通って移動したときの、診断検査デバイス250の状態として示される概略
図702である
図7に注目する。検査センサ274の上方の捕捉領域でのナノ粒子の蓄積は検査ライン290での光学的読出し(例えば、比色または蛍光)からなる光学的に分解可能な信号をもたらした。したがって、検査センサ274の上の検査パッド264のボリュームは基準センサ272の真上のボリュームを含む検査パッド264の残りの部分と比較したとき、ナノ粒子の蓄積に起因して、異なる誘電特性を徐々に発達させる。この蓄積プロセスは検査の全継続期間にわたって特定の選択された周波数(例えば、約1~50ヘルツ(Hz))の材料の容量性センサの場合の静電容量、または誘導性センサの場合はインダクタンスを周期的にプロービングすることによって監視され、検査274および基準272センサで生成された時系列静電容量/インダクタンス曲線の差を区別することを可能にする。これらの差異は電子的に、かつ、視覚信号出力に単独でまたは全く依存する必要なく、正の結果と負の結果とを区別することを可能にする。例えば、その適用可能な生物学的マトリックス中の被検物質の極めて高い濃度で使用者によって行われるアッセイの場合、検査ライン290での被検物質-標識複合体の蓄積は、任意の解像可能な視覚信号の出現前に陽性結果を確認することができるほど十分に有意であり得る。本明細書で説明される実施形態および/または実装形態の例示的な潜在的利点は、より高い感度、結果までのより速い時間、装置の使い勝手の改善、および/または結果の解釈の自動化を含む。
【0238】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、センサを含むPCBと接着テープを介して接続されたラテラルフローアッセイを含む検査デバイス1106の、スマートフォン1104のディスプレイ上に提示され、使用および/または検査結果のための指示を提示する例示的GUI1102を示す概略図である
図11に注目する。GUI1102は例えば、
図8を参照して説明したように、ヘルスケアプロバイダとの通信セッションを確立するための命令、検査結果、および/またはオプションを提示することができる。
【0239】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、粘着性基板を介してPCBに接続されたLFAを含む検査デバイスのロールツーロール製造の斜視図を示す概略図である
図9に注目する。
【0240】
センサ970を含むバッキング構造906(例えば、PCB)のリールは自己接着性のリール904(本明細書では接着テープとも呼ばれる)で積層され、サンプル膜910、コンジュゲート膜912、検査膜914、およびウィッキング膜916のリールと連続的に積層されて、マスタアセンブリを形成し、LFAの機能のために適切にオーバーラップすることを助ける。
【0241】
代替的に、または追加的に、他の実施形態ではカバーテープのリールならびに他のLFA構成要素がバッキング構造906のリール上に積層され得、膜ベースの構成要素910、912、914、および916のリールは対象のLFAベースのバイオセンサに応じて修正および/または除去され得る。
【0242】
検査膜914の一部は、検査膜914の長さに沿って固定化された捕捉ライン980でパターン化される。捕捉ライン980は被検物質結合要素、例えば、抗体、アプタマー、および/または酵素を含み、これらは、少なくとも1つの特定の目的の被検物質に対するそれらの親和性に基づいて選択される。捕捉ライン980は必ずしも、流体サンプルの適用前に肉眼で見ることができるわけではないが、参照のために示されている。捕捉ライン980はオレンジGなどの色素を使用してセンサ上の適切な位置合わせを確実にするために可視化され得、これは流体がストリップを通って流れるにつれて溶解し得、被検物質結合要素の機能性または検査の光学特性に影響を及ぼすべきではない。
【0243】
膜ベースの構成要素910、912、914、および916のリールは、アセンブリの一端においてバッキング構造906のリール上に連続的に積層される。その後、個々の診断検査装置を表す個々のラテラルフローストリップ952が、等間隔930でマスタアセンブリから切断される。積層は、平面要素と検査デバイスの構成要素との間に自己接着テープを挟むことによって行われてもよい。検査デバイスは、積層が終了するのと同じ端部から切断されてもよい。マスタアセンブリはラミネーション装置から、切断のためのリールフィードギロチンに移送されてもよい。ラテラルフローストリップ952はストリップ切断処理中の精度および再現性を改善するために、自動化されたギロチンを使用してマスタアセンブリから切断することができる。
【0244】
ラテラルフローストリップ952はバッキング構造956、自己接着層954、サンプルパッド960、コンジュゲートパッド962、検査パッド964、ウィッキングパッド966、および検査ライン990(ライン990は検査ラインである必要はなく、品質制御を提供するための管理ラインまたは他のタイプのラインであり得る)を備え、これらはバッキング構造906のリール、自己接着性のリール904、サンプル膜910のリール、コンジュゲート膜912、検査膜914、ウィッキング膜916、および捕捉ライン980とそれぞれ同じ組成を共有する。
【0245】
バッキング構造906のリールは、一般にポリイミドから構成される可撓性PCBを含むことができる。センサ970は、バッキング構造906のリール上にエッチングされ、一般に銅で作られた金属トレースから構成されてもよい。自己接着剤904のリールは典型的には100ミクロン未満の厚さの接着剤から構成され、一般に、アクリル接着剤の2つの層の間に挟まれたポリエステル層を含む。
【0246】
本実施形態では、各ラテラルフローストリップ上に2対のセンサ970があってもよく、検査感知領域のセンサ対はセンサ972および974を備え、補償または基準感知領域のセンサ対はセンサ976および978を備える。センサ970の各対は、検査センサおよび基準センサを含むことができる。検査感知領域のセンサ対内の検査センサ974は、ラテラルフローストリップ952上の検査ライン990上に位置合わせされ、任意選択で中心合わせされてもよい。位置合わせは、検査センサ974が検査ライン990に面していることであってもよい。
【0247】
検査感知領域の検査センサ974および基準センサ972は、捕捉された被検物質-標識複合体の蓄積による、検査ライン970におけるラテラルフローストリップ952の局所的特性の変化を測定するために使用される。センサ970(すなわち、各センサ)がインダクタンスの変化を測定するように設計された少なくとも1つの層を有する1つまたは複数の平面コイルを備える場合、ラベルは、酸化鉄ナノ粒子を備え得る。センサ976および978は、サンプルの流れ、標識および被検物質-標識複合体の非特異的結合、または環境因子による、ラテラルフローストリップ952の局所的特性の変化を測定するために使用される。補償領域のセンサ976および978からの測定値は、検査感知領域のセンサ972および974からの測定値の精度および再現性を向上させるための基準として機能することができる。
【0248】
センサ970は、他の実施形態では検出される被検物質の数、定量的、半定量的、または定性的な結果の読み取りの必要性、または検査されるサンプルマトリックスを含む、関心対象のLFAベースのバイオセンサの特定の要件に応じて、追加、除去、または修正され得る。信号を測定するために1つのセンサのみが必要とされるので、センサの対は絶対に必要ではないが、追加のセンサは検査デバイスの性能を改善することができる。
【0249】
異なる実施形態ではアナログ/デジタル変換器、演算増幅器、アンテナ、およびこれらの構成要素を接続するトレースなどの他の電子構成要素および回路はバッキング構造906のリール上に組み立てられるかまたはエッチングされてもよく、またはR2R製造プロセスに続いて外部リーダからラテラルフローストリップ952に接続されてもよい。
【0250】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、検査デバイスのR2R製造の例示的プロセスのフローチャートである
図10に戻る。検査デバイスは例えば、
図1および
図2を参照して、本明細書に記載される通りである。検査デバイスのR2R製造のプロセスは、
図9を参照して視覚的に示される。
【0251】
本明細書で使用するとき、用語「ロール」及び「リール」は交換可能である。
【0252】
1002において、可撓性平面要素のロールが展開される。可撓性平面要素のロールは、その上に配置された複数の離間した電子センサを含む。可撓性平面要素は、可撓性PCBとして実装されてもよい。
【0253】
1004において、粘着性基板が、可撓性平面要素の表面上に積層される。
【0254】
粘着性基板は、自己接着性テープのロールとして実施されてもよい。粘着テープのロールが広げられる。巻き出された自己接着テープは、可撓性平面要素の表面上に積層される。
【0255】
代替的に又は追加的に、粘着性基板は、接着剤として実装されてもよい。接着剤は例えば、噴霧器によって噴霧されることによって、および/またはノズルによって堆積されることによって、および/またはアプリケータによって塗布されてもよい。
【0256】
1006において、複数のラテラルフロー検査要素を作製するための構成要素のロールが展開され、積層される。
【0257】
1008において、ラテラルフロー検査要素を作製するための構成要素の全てが、粘着性基板に積層されて、マスタアセンブリを作製する。
【0258】
1002、1004、1006、および/または1008を参照して説明したプロセスはロールが巻き出され、層状にされ、実質的に平行に積層されるように、実質的に同時に行われてもよい。
【0259】
1010において、マスタアセンブリは、多数のスライスにスライスされる。各スライスは、その上に適用されたサンプル中の被検物質の存在を評価するためのそれぞれの検査デバイスを示す。
【0260】
スライスは、マスタアセンブリの幅方向に沿って実行されてもよく、その結果、それぞれの検査デバイス上に同一の個数の検査センサおよび基準センサが存在する。
【0261】
それぞれの検査デバイスは、可撓性平面要素のロールの平面要素と、可撓性平面要素のロールの1つまたは複数の電子センサと、粘着性基板とを含む。粘着性基板は、平面要素の表面と、ラテラルフロー検査要素に投与される被検物質に結合するように設計された被検物質結合要素を含む感知領域に面する位置に電子センサを固定するためのラテラルフロー検査要素の表面とに接続される。
【0262】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、PCBとして実装され、粘着性基板を介してLFAに接続するように設計された例示的な平面要素を備える共振磁力計の概略図を示す、
図12Aおよび
図12Bを再び参照する。
図12Aは、例示的な平面要素1202Aを備えるオールインワンシステムを示す。
図12Bは、例示的な平面要素1202Bと、例示的な外部リーダ1270Bとを備える2つの部分からなるシステムを示す。
【0263】
例示的な平面要素1202Aは、使い捨てPCBとして実装される。コイル1206Aを含む長い矩形領域1204A(ラテラルフローアッセイ接触領域とも呼ばれる)は本明細書に記載されるように、接着剤の薄層を介してPCBに直接貼り付けられ、および/またはR2R製造アプローチを使用して製造され得るラテラルフローアッセイの位置の輪郭を描く。PCB1202Aは、電力供給のための接続領域1210A、たとえば、使い捨てバッテリ、再充電可能バッテリ、および/またはワイヤレス充電モジュール;別のデバイス(たとえば、ユーザのスマートフォン)への検査結果の送信(たとえば、Bluetooth(登録商標))のための低エネルギー通信モジュール1212A;アナログデジタル変換器(ADC)1214A;ラテラルフローアッセイ接触領域1204A;異なる実施形態では検査コイルと基準コイルとの組合せとして働き得るコイル1206Aなどの例示的な領域および構成要素のうちの1つまたは複数を含む。
【0264】
例示的な平面要素1202Bは、再使用可能な例示的な外部リーダ1270Bに交換可能に接続され得る使い捨てPCBとして実装される。コイル1206Bを含む長い矩形領域1204Bは、接着剤の薄層を介してPCBに直接取り付けられ、かつ/または本明細書に記載されるようにR2R製造アプローチを使用して製造され得る、ラテラルフローアッセイの位置の輪郭を描く。PCB1202Bは、ラテラルフローアッセイ接触領域1204B;異なる実施形態において検査コイルと基準コイルの組合せとして機能し得るコイル1206B;および例示的なリーダー1270Bの例示的なコネクタ1260Bの相手コンタクトピン1252Bへの接続を形成するように設計された相手コンタクトパッド1250Bを含む。外部リーダ1270Bは、電源、たとえば、再充電可能バッテリのための接続領域1210B;電源および/またはデータ通信(たとえば、USB-Cポート)のためのコネクタ1256B;別のデバイス(たとえば、ユーザのスマートフォン)への検査結果の供給(たとえば、Bluetooth(登録商標))のための低エネルギー通信モジュール1212B;嵌合コンタクトピン1252B、およびADC1214B以下の例示的な領域および構成要素のうちの1つまたは複数を含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の共鳴磁力計LFAリーダが共鳴周波数の原理に基づく。コイルは直列に接続された導電性材料(例えば、4層コイルと呼ばれる銅)からなる4つのコイルのスタックとして実装されてもよい。コイルは代替的にまたは追加的に、並列に接続されてもよい。各コイルは、より多くの又はより少ない層及び/又は巻きを含むことができる。コイルの特定の設計は、特定の用途の最適化のために選択することができる。
【0266】
コイルは、コイルの共振周波数に一致する周波数で、誘導性センサによって変調されたAC電流を受ける。この周波数は可変であり、コイルの構造、形状、および/またはコイルを取り囲む環境内の電磁場の関数である。コイルが共振する周波数は、次いで、計算的にインダクタンス測定値に変換され、デジタル化され、その後、信号収集、処理、および/または解釈のためにプロセッサに渡される。電磁環境(例えば、磁石及び/又は外来信号)の変化、及び/又は物理的物体(すなわち、ラテラルフローアッセイ膜)とのコイルのアプローチ及び/又は接触はコイルの共振周波数の変化をもたらし、これは、例えば、28ビットの分解能で毎秒16回の率、又は他の値でプローブされる。コイルの共振周波数の経時的な変化が監視される。変化はアッセイの状態に関する情報を提供し、例えば、その中の被検物質の存在を決定する。
【0267】
検査パッド膜は薄い粘着性基板によってコイルと接触させられ、これは、検査の間、膜を固定位置に保ち、また、検査がさらに行われるべきである場合、信号が急速に減衰するので、膜をコイルにできるだけ近づけることに関与する。
【0268】
以下の「実施例」の項で考察するように、本発明者らは、検査パッド膜を通ってコイルを横切って移動するナノ粒子が存在しない場合でさえ、信号変化を観察した。本発明者らは、検査パッド膜を濡らす液体がコイルと直接接触する環境条件と同様に材料の特性を変化させ、これがインダクタンス変化に多少寄与することを発見した。本発明者らはまた、LFAを通過するサンプルおよび緩衝液の多くがイオン性であり、例えば、リン酸緩衝生理食塩水は150mMを超える塩イオン濃度を有し、膜を通過するコイルを横切るこれらのイオンの移動は、センサによってプローブされ、コイルの共振周波数および計算されたインダクタンスの変化をもたらすことを観察した。
【0269】
ラテラルフローアッセイの実行時間は極めて可変であり、多数の要因、例えば、選択される材料、サンプルマトリックスの粘度(例えば、唾液は尿よりもゆっくりと流れることができる)、検査デバイスの寸法、ならびにケーシング内の相対湿度および温度などの要因に依存し得る。安定性が決定された後、両方のコイルのインダクタンスが安定した後に、結果が確実に測定されるという発明者の認識(実験に基づく)に基づいて、コイルの相対値が分析され、例えば、以下の「実施例」の項に追加的に詳細に記載されるように、検査が陽性結果と見なされるために、検査ライン上に十分な量の磁性ナノ粒子が蓄積されたかどうか、または定量される濃度が決定される。
【0270】
誘導感知の実施形態では、本発明者らがナノ粒子のサイズが重要であり、それに応じて選択されることを(実験に基づいて)認識した。10~500ナノメートルの範囲のサイズの酸化鉄ナノ粒子を使用する実験を行った後、本発明者らは、超常磁性挙動が高品質で再現可能な結果を達成する上で重要な因子であることを発見した。酸化鉄またはマグネタイトナノ粒子については超常磁性挙動が一般に、粒径が16ナノメートル未満である場合に観察され、そうでない場合にはそれらは強磁性ドメインにある。これは、超常磁性レジームを達成するために、ナノ粒子が理想的には磁性モノドメインを含むべきであるために起こる。この現象は少なくとも酸化鉄およびマグネタイトの場合、非常に特定のサイズのナノ粒子、すなわち、10~14nmの範囲でのみ起こり得るが、他のものもある。例えば、100~300nmの平均総直径を有する超常磁性ナノ粒子のより大きなクラスターは、クラスターの多くのモノドメインの付加的特性に起因して、改善された信号読み出しを示す。16nmを超えるサイズでは酸化鉄またはマグネタイトナノ粒子が磁気単ドメインを呈する可能性が低く、各個々のドメインは温度および環境電磁ノイズのために異なる挙動を示す。この実現は例えば、マグネタイトまたは酸化鉄の質量が最大化されるとき、コイルの磁場(したがって、コイルの計算されたインダクタンス)が最も影響を受けると仮定することとは対照的である。
【0271】
いくつかの実施形態では、LFAを通る(例えば、本明細書に記載されるよう)およびコイルを横切る液体の流れを監視する能力、および/または液体の流れが停止したときを検出する能力に基づいて、管理ラインは必ずしも必要ではない。
【0272】
【0273】
概略
図2304Aはサンプルパッド260からコンジュゲートパッド262に移動する液体サンプル600を示し、ここで、検出分子にコンジュゲートされたナノ粒子が待機する。サンプルは、基準センサおよび検査センサそれぞれの上の基準領域および検査領域のいずれも濡らしていないので、応答曲線2310は比較的一定のままである。
【0274】
概略
図2304Bは、基準センサ272の上の液体サンプル600湿潤検査パッド264を示す。検査センサ274の前のサンプル600による基準センサ272の濡れは応答曲線2310の急速な増加2312を引き起こし、これは検査センサの応答が比較的一定のままである間、基準センサによって測定された基準領域の局所的材料特性(例えば、容量性および誘導性検知の場合、誘電率)の実質的に同等の変化に起因する。応答曲線2310のピーク2314は、液体サンプル600が基準センサ272に位置合わせされ、対向する検査パッド264の部分を完全に濡らすと生じる。
【0275】
概略
図2304Cは、検査センサ274の上の検査パッド264を濡らす液体サンプル600と、検査センサ274の上の検査ライン290に蓄積し始める被検物質-標識複合体とを示す。液体サンプル600による検査センサ274の濡れは応答曲線2310の急速な減少2316を引き起こし、これは液体サンプル600の流れに起因して生じる信号を打ち消す。応答曲線2310の基準点2318は、液体サンプル600が検査パッド264の整列され、検査センサ274に面する部分を完全に濡らすと生じる。検査センサ274の上の検査パッド264上にパターン化された被検物質結合要素は被検物質-標識複合体の蓄積を引き起こすが、そのような複合体は基準センサ272の上に選択的に結合しない。検査センサ274上の複合体の蓄積は、応答曲線2310の比例的増加2320をもたらす。
【0276】
概略
図2304Dは、ウィック266によって吸収されている液体サンプル600を示す。サンプル流体600の大部分がLFAを通過し、ウィック266によって吸収されると、被検物質-標識複合体の蓄積による応答曲線2310の変化は、検査の完了を示すプラトーになる。プラトーは、被検物質-標識複合体を有する検査ライン290上の結合部位の飽和、またはサンプルのバルクがウィック266によって吸収されるときのサンプル流体600の流れの減少に起因して生じ得る。信号読み出し2322は、基準点2318と検査の完了との間の応答曲線2310の信号強度の差として測定される。検査デバイス250の実際の実施形態では、被検物質標識蓄積前の完全に濡れたセンサの信号が濡れ前のセンサの信号と同等でなくてもよい。検査および参照センサの配置および構成に応じて、被検物質-標識複合体の蓄積は、応答曲線の信号強度の増加または減少によって示され得る。
【0277】
信号読み出しは、液体サンプル中の被検物質の存在または量(例えば、濃度)を決定するために使用され得る。
【0278】
本明細書において上記に描写され、以下の特許請求の範囲に特許請求される本発明の様々な実施形態および態様は、以下の実施例において実験的および/または計算的支持を見出す。
【0279】
例
ここで、以下の実施例を参照するが、これらの実施例は上記の説明と共に、本発明のいくつかの実施形態を非限定的に示す。
【0280】
発明者らは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実装に基づいて実験を行った。
【0281】
次に、本発明者らが実施した第1の実験について説明する。本発明者らは本明細書に記載されるように、検査デバイスのセンサの磁気インダクタンスコイル実装からの信号を評価した。
【0282】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、本発明者らによって測定された、基準コイル1302からの応答曲線および検査コイル1304からの応答曲線を経時的に示すグラフである
図13に注目する。時間隔にわたって、コイルの上方の膜は、液体サンプルで徐々に浸漬される。応答曲線1302および1304のピーク1314および1318は、液体サンプルの前部が各それぞれのコイルの中心に到達した時間に対応する。
【0283】
時間ゼロはサンプルがLFAサンプルパッドにいつ添加されたかを示し、そのようなグラフから収集された情報は、アッセイの結果について知らせることができる。
図14のグラフを生成するために使用されたデータの場合、ナノ粒子は検査ストリップに添加されず、緩衝液のみが添加された。本発明者らはニトロセルロース膜ではあるが、コイルを横切って移動するナノ粒子が存在しない場合でさえ、信号変化を発見した。本発明者らは、ニトロセルロース膜を浸漬する液体が材料の特性、ならびにコイルと直接接触する環境条件を変化させ、これがインダクタンス変化に多少寄与することを発見した。本発明者らはまた、LFAを通過するサンプルおよび緩衝液の多くがイオン性であり、例えば、リン酸緩衝生理食塩水は150mMを超える塩イオン濃度を有し、膜を通過するコイルを横切るこれらのイオンの移動は、センサによってプローブされ、コイルの共振周波数および計算されたインダクタンスに変化をもたらすことを発見した。
【0284】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、本発明者らによって測定された、コイルの共振周波数および計算されたインダクタンスに対する変化を生成する、コイルを横切って流れるイオンの現象を描写するグラフで
図14に注目する。最初にストリップをH
2Oで湿らせた2つの検査を実施した。その後、2分目盛り付近で、一滴(約10マイクロリットル(μL))のPBSをストリップに加え、移動させた。結果として生じる信号の増大は緩衝液中に存在する電荷の動きのおかげであり、曲線1402は経時的なH
2Oのインダクタンスを示し、曲線1404はH
2Oのインダクタンスを示し、その後、経時的なPBSの追加が続く。さらに10μLのH
2Oを約7分添加して、PBSを膜に押し通し、これは、7分を超えた検査1404の下向きの傾向として示される。2分および7分前後の両検査の信号読出しにおけるわずかな外乱は、両検査におけるLFAへの追加の流体の10μLの添加によるものである。
【0285】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、より長い時間にわたって延びる、
図13のグラフからの曲線1302および1304の続きである
図15に注目する。実験に使用された検査ストリップは、適切な緩衝液で実行された。使用されたストリップは
図14のように、それに適用されたナノ粒子を有していなかった。信号はバッファの追加後約50分で安定化し、これは、インダクタンス信号が実質的に安定化した時間1502であり、検査および基準検知素子にわたってほぼ同一の流れ/湿潤条件を示す。
【0286】
時間1502の後、およそ50分のマークにおいて、検査コイル曲線1304と基準コイル曲線1302とのインダクタンスの差は、検査のライフサイクルの初期の差と比較して比較的小さい。このアッセイにおいてナノ粒子および対応する被検物質が存在する場合、検査ラインにおけるナノ粒子の存在は、測定可能な信号出力を表す基準と比較して、そのコイルのインダクタンスを増加させたものであろう。
【0287】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、インダクタンスが安定化するのに十分な長さにわたって検査を実行した後に、基準コイルのインダクタンスから検査コイルのインダクタンスを減算することによって計算されるグラフである
図16に注目する。
図16のグラフは異なる日のそれぞれの第1の試行および第2の試行にわたって収集されたデータに基づいて計算された第1の線1622および第2の線1624を含み、各試行について5つのデータ点が収集される。第1の線1622および第2の線1624について0.99より大きい線形回帰(R
2)は、結果の再現性を示す。
【0288】
次に、本発明のいくつかの実施形態による、発明者らによって製造された検査デバイスにおいて使用される電磁感知(EMS)モダリティの正の曲線1702と負の曲線1704との間の動的応答の差を示すグラフである
図17に注目する。曲線1702と1704との間の区別は最初に、検査へのサンプルの適用後約96秒で見ることができる。ほぼこの時点で、動的信号は変曲点を示し、その後、検査ラインでのナノ粒子標識の蓄積は、電磁的にも光学的にも(この場合)解像することができる。ナノ粒子標識が検査ラインに経時的に蓄積することにつれて、陽性検査を測定するセンサのインダクタンスは増加し続けるが、陰性検査ではインダクタンスが安定する。この挙動の違い、ならびに信号の増加の大きさおよび速度は
図16の検量線などと併せて、サンプル中に存在する被検物質の量を決定し、定量化するために使用することができる。
【0289】
ここで、本明細書に記載の実施形態を用いて測定された電磁気データ1822を、標準的な光学的アプローチを用いて測定された比色データ1832と比較するグラフである
図18に戻って注目すると、ラテラルフロー産業において現在使用されている光学的感知方法に対して電磁感知(EMS)が有する利点が示されている。典型的には光検知技術の信号対雑音比(SNR)が検査領域に1億~10億個の比色標識が存在する場合、検出限界を下回り、これは比色データ1832を得るために使用される実験の場合、15ナノメートル(nm)の直径を有するコロイド状金ナノ粒子である。既存のアプローチを使用すると、スマートフォンカメラ、フォトダイオード、または別のタイプの光捕捉技術である光感知モダリティは、ラテラルフロー検査上の約1億未満の比色ラベルからなる比色線を解像することができない。これは、被検物質の濃度が低く、それにもかかわらずサンプル中に存在する場合、検査ラインで何億もの捕捉事象が存在する可能性があることを意味するが、検定は依然として偽陰性を報告するのであろう。
【0290】
次に、本発明者らが行った第2の実験について説明する。
【0291】
この実験において、本発明者らは、本明細書に記載の実施形態に基づく磁性IL-6検査ストリップの測定のための検査デバイスプロトタイプおよびデータ処理プロトコルを提示する。本発明者らは、本明細書に記載の実施形態によって得られた0.41ng/mLのIL-6のブランク(LOB)の限界を実証する。
【0292】
この実験の主な目的は、磁性IL-6ラテラルフロー検査ストリップを用いて、本明細書に記載の実施形態に基づいて、検査デバイスプロトタイプの感度およびダイナミックレンジを検証することであった。これらの重要な免疫センサ特性を決定することに加えて、この実験はまた、本明細書に記載される実施形態の信号対雑音比(SNR)を改善するための異なるセンサ補償スキームおよび分析技術を含む、検査デバイスプロトタイプから収集された時系列信号プロファイルを解釈するための様々なデータ処理プロトコルを調査するのに役立った。
【0293】
ここで、
図19に戻って注目すると、本発明のいくつかの実施形態による、磁気IL-6ラテラルフローストリップの検査のための検査に使用される例示的な誘導性センサ構成および免疫センサアセンブリの概略図である。概略
図1902は誘導性センサ構成および免疫センサアセンブリの分解図であり、サンプルパッド1960、検査パッド1964、およびウィック1966、ならびに管理ライン1991および検査ライン1990を備える磁気IL-6検査ストリップ1952、粘着性基板1954、ならびにコイル0(C0)1978、コイル1(C1)1976、コイル2(C2)1974、およびコイル3(C3)1972を備える可撓性PCBバッキング1956を含む。概略
図1904は、粘着性基板1954を介して可撓性PCBバッキング1956に接続され、C0およびC2がそれぞれ管理ライン1991および検査ライン1990に位置合わせされ、対向するように配置された磁気IL-6検査ストリップ1952を示す。
【0294】
実験を実施するために、IL-6サンプルを、IL-6制御を40μLのランニングバッファー(1X PBS、0.5% Brij 98、0.5% BSA)中で所望の濃度に希釈することによって調製した。磁性ナノ粒子(MNP)をIL-6サンプルに加え、続いて5μLの抗IL-6-ビオチンストック溶液を加えた。サンプルを室温で5分間インキュベートした後、検査ストリップに適用した。
【0295】
検査デバイスから測定値を収集するために、
図19の概略
図1904に示されるように、磁気検査ストリップを、センサのコイルの上に配置されたそれらの管理ラインおよび検査ラインと共に、可撓性PCBバッキングに接着した。ひとたびストリップが可撓性PCBバッキングにしっかりと接着されると、検査デバイスプロトタイプは、時系列測定値の収集を開始するために周辺電子ハードウェアを使用して活性化された。検査デバイスの活性化に続いて、50μLの所望のサンプル調製物を、接着した検査ストリップのサンプルパッドに適用し、15分間放置した。時系列測定は、各15分間の検査期間を通して毎秒約16回収集した。
【0296】
検査内および検査間の環境条件の変化を補償するために、検査ラインコイルC2から収集された誘導測定値を、隣接するコイルC1およびC3から同時に収集された測定値に対して参照した。
図19の概略
図1902には、番号が付けられたコイルが示されている。
図19の概略
図1904に示すように、MNPに選択的に結合することを意図しない、検査パッドのパターン化されていないセグメントの上に、参照コイルを配置した。この実験では、以下のように、検査コイル信号から異なる基準コイルの信号を減算することからなる2つの主な補償方式を評価した:C3-C2(C32)およびC1-C2(C12)。各補償スキームの標準曲線に4パラメータロジスティック回帰モデルを当てはめた。
【0297】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、磁性IL-6ラテラルフローストリップの検査を評価した実験において使用された2つの誘導免疫センサ補償スキームの信号読み出しに対するIL-6濃度の効果を示す標準曲線を含む
図20に注目する。曲線2022Aおよび2022Bは、それぞれC32およびC12補償スキームの標準曲線である。標準曲線の信号読み出しを、約13000データポイント(すなわち、サンプル投与後約13分)で測定した。
【0298】
すべてのエラーバーは、検査の標準偏差を三重反復で示す。曲線2022Aに示されるC32補償方式の動作範囲(すなわち、各曲線の上限と下限との間の差)は、曲線2022Bに示されるC12方式の動作範囲よりも1.23倍大きい。さらに、C32の平均標準偏差はC12のそれよりもわずか1.05倍大きく、これは、信号の大きさ(すなわち、動作範囲)が2つの補償スキームにわたって観察される測定変動に正比例しないことを示唆する。
【0299】
測定のばらつきは、検査プロセス中のヒューマンエラーによる可能性が高い。例えば、各補償スキームにおいて、30ng/mLで実行された三連の標準偏差は異常に大きい標準偏差を有し、これは検査中のストリップの位置決めまたは配置誤差によって引き起こされ得、これはC2に整列および対向する検査ラインの整列または接着接触の変動をもたらした。
【0300】
補償スキームC32およびC12は両方とも3ng/mLのIL-6のLODを示したが、それらはそれぞれ0.41および0.53ng/mLのIL-6の異なるLOBを示した。LOB近似は4パラメーターロジスティック回帰モデルを用いて計算し、各標準曲線について0ng/mLで標準偏差の3.3倍であった。この実験は最終的に、本発明者らの検査デバイスプロトタイプが、ポイントオブケア環境における健康関連バイオマーカーの検出および定量のための高感度検査を生成する可能性を有することを示す。
【0301】
本明細書に記載の実施形態に基づいて、発明者らの検査デバイスプロトタイプを用いて実施された各検査は、検査パッド1964に接着された可撓性PCBバッキング1956の平面コイルから誘導測定値の時系列プロファイルを生成する。
【0302】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、IL-6実験の10ng/mLのIL-6での検査実行のための2つの誘導免疫センサ補償スキームの時系列信号プロファイルを含む
図21に注目する。曲線2108Aおよび2108Bは、それぞれC32およびC12補償方式の例示的な時系列信号プロファイルである。これらの補償スキームの両方のプロファイルは特徴と呼ばれる別個の局所的なパターンを有し、これは、各検査を通る被検物質の濃度にかかわらず現れる。各特徴は、特徴点として知られる時系列プロファイルから単一の点に局在化される。特徴点は、異なる検査間で測定値を標準化するための基準として使用される。これらの特徴点を含まない任意の検査は無効と見なすことができるが、この実験における検査のいずれも、それらの予想されるプロファイルから逸脱しなかった。
【0303】
ここに提示されるデータ処理の方法に基づいて、各補償プロファイルは2つの特徴点、すなわち、大域極値とゼロ点とを有する。
図21の三角形2114Aおよび2114Bによって示されるように、C32およびC21方式の大域極値は、それぞれ、最小値および最大値である。ゼロ点は定義することがより困難であるが、概して、プロファイルの大域極値の後の第1の局所極値であると考えられ、
図21のC32については円2118Aによって示され、C21については円2118Bによって示される。信号読み出し2122Aおよび2122Bは、時系列信号のゼロ点と端部との間の信号振幅の差として測定される。
【0304】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、IL-6実験において実行された全ての検査についての2つの誘導免疫センサ補償スキームの平均化された切り捨て時系列信号プロファイルを示す
図22に注目する。グラフ2208Aおよび2208Bは、それぞれ、C32補償方式およびC12補償方式について、それらのゼロ点で切り捨てられた時系列信号プロファイルを示す。時系列信号プロファイル2200AおよびB、2201AおよびB、2211AおよびB、2213AおよびB、2221AおよびB、2223AおよびB、2233AおよびBは、それぞれ、0、0.1、1、3、10、30、および300ng/mLで実行される検査を示す。各プロファイルは、3回の平均である。2208Aに示されるC32プロファイルは、より低い濃度のIL-6(0~10ng/mL)で実施された検査の最初の1~2分間にわたるわずかな浸漬を示す。そうでなければ、
図22のプロファイルの大部分は、検査ラインに蓄積するMNPを反映する特徴的な対数傾向を示す。
【0305】
本発明の様々な実施形態の説明は例示の目的で提示されているが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることは意図されていない。記載された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は実施形態の原理、市場に見られる技術に対する実用的な適用または技術的改善を最もよく説明するために、または当業者が本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするために選択された。
【0306】
本出願から成熟する特許の継続期間の間に、多くの関連するLFAが開発されることが予想され、LFAという用語の範囲は、すべてのそのような新しい技術を先験的に含むことが意図される。
【0307】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は±10%を指す。
【0308】
「構成する」、「含む」、「有する」、およびそれらの共役語は、「~を含むが、~に限定されない」を意味する。この用語は、「~から成る」及び「~から基本的に成る」という用語を包含する。
【0309】
「から基本的になる」という語句は組成物または方法が追加の成分および/または工程を含み得ることを意味するが、追加の成分および/または工程が特許請求される組成物または方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変更しない場合に限られる。
【0310】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの」などは文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「化合物」または「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
【0311】
「例示的」という用語は、本明細書では「例、事例、または例示として働くこと」を意味するために使用される。「例示的」として説明される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではなく、および/または他の実施形態からの特徴の組み込みを除外するものでもない。
【0312】
用語「任意に」は、本明細書では「いくつかの実施形態で提供され、他の実施形態では提供されない」を意味するために使用される。本発明の任意の特定の実施形態はそのような特徴が矛盾しない限り、複数の「任意の」特徴を含み得る。
【0313】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態を範囲形式で提示することができる。範囲形式での説明は単に便宜上および簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、具体的に開示された全ての可能な部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数値を有すると考えられるべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの具体的に開示された部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、および6を有するとみなされるべきである。このことは、範囲の広さにかかわらず適用される。
【0314】
数値範囲が本明細書に示されるときはいつでも、示された範囲内の任意の引用された数字(小数または整数)を含むことが意味される。第1の指示番号と第2の指示番号との間の「範囲」という語句は第1の指示番号と第2の指示番号との間の「範囲」という語句が本明細書では互換的に使用され、第1の指示番号と第2の指示番号とを含み、それらの間のすべての小数および整数を含むことを意味する。
【0315】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴は別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで、または本発明の任意の他の記載された実施形態において適切なものとして提供することもできる。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は実施形態がそれらの要素なしに動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0316】
本発明をその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にあるそのような代替、修正、および変形のすべてを包含することを意図している。
【0317】
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は参照により本明細書に組み込まれるべきであると言及されたときに、個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別に示されたかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることが出願人の意図である。加えて、本出願における任意の参考文献の引用または同定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。セクション見出しが使用される限りにおいて、それらは、必ずしも限定するものとして解釈されるべきではない。加えて、本出願の任意の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0318】
関連出願
本出願は2021年11月17日に出願された米国仮特許出願第63/280,191号の優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】