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特表2024-542263ポリマーを形成するためのプラント及びプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ポリマーを形成するためのプラント及びプロセス
(51)【国際特許分類】
   C08F 10/00 20060101AFI20241106BHJP
   C08F 2/01 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C08F10/00
C08F2/01
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531067
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 US2022080038
(87)【国際公開番号】W WO2023097161
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/282,424
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】カクダマン ハミドレザ
(72)【発明者】
【氏名】ライマーズ ジェイ エル
【テーマコード(参考)】
4J011
4J100
【Fターム(参考)】
4J011AA01
4J011AA05
4J011AB02
4J011AB04
4J011AB08
4J011AC01
4J011AC03
4J011DA04
4J011DB13
4J011DB16
4J011DB23
4J011DB26
4J011DB27
4J011DB28
4J011DB30
4J011DB32
4J011DB35
4J011HA03
4J011HB02
4J011HB04
4J011HB12
4J100AA02P
4J100AA03P
4J100AA04P
4J100AA05P
4J100AA06P
4J100AA19P
4J100CA01
4J100CA03
4J100FA10
4J100FA19
4J100FA28
4J100FA29
4J100GB12
4J100GB18
(57)【要約】
本開示は、ポリマーを形成するためのプラント及びプロセスに関する。一部の実施形態では、ポリマーの形成プロセスは、1種以上のオレフィンモノマー及び溶媒を有するフィードを供給するステップを含む。プロセスは、フィードを触媒と共に反応器に導入して反応混合物を形成するステップを含む。プロセスは、反応器から反応器流出物を除去し、ミキサー又はライン内で、反応器流出物を第1の濃縮ポリマー溶液と混合して混合物を形成するステップを含む。プロセスは、混合物を熱交換器に導入して加熱混合物を形成し、加熱混合物を圧力レットダウンバルブに導入した後に加熱混合物を相分離器に導入するステップを含む。プロセスは、相分離器から第2の濃縮ポリマー溶液を除去するステップを含む。プロセスは、第2の濃縮ポリマー溶液をミキサー又はラインに導入するステップを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーの形成プロセスであって、
1種以上のオレフィンモノマー及び溶媒を有するフィードを供給するステップと、
前記フィードを触媒と共に反応器に導入して反応混合物を形成するステップと、
前記反応器から反応器流出物を除去するステップと、
ミキサー又はライン内で、前記反応器流出物を第1の濃縮ポリマー溶液と混合して混合物を形成するステップと、
前記混合物を熱交換器に導入して加熱混合物を形成するステップと、
前記加熱混合物を圧力レットダウンバルブに導入した後に前記加熱混合物を相分離器に導入するステップと、
前記相分離器から第2の濃縮ポリマー溶液を除去するステップと、
前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入するステップと
を含む、前記プロセス。
【請求項2】
前記反応器が連続撹拌槽型反応器である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入するステップが、約227t(500,000lb)/hr以下の速度で行われる、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2の濃縮ポリマー溶液を、
前記ミキサー又はラインに導入された前記第2の濃縮ポリマー溶液である第1の部分と、
第2の部分と
に分配するように構成されたストリームスプリッターに前記第2の濃縮ポリマー溶液を導入するステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセスであって、
前記第2の部分を第2の相分離器に導入するステップをさらに含む、前記プロセス。
【請求項5】
前記モノマーが、オクテン、ブテン、プロピレン及びエチレンを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入している時に、前記第2の濃縮ポリマー溶液が、
約101.67℃(215°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約204,120t(450Mlb)/hr~約244,944t(540Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約25wt%~約50wt%のポリマー含量
を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記加熱混合物を前記圧力レットダウンバルブに導入している時に、前記加熱混合物が、
約115.56℃(240°F)~約171.11℃(340°F)の温度、
約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約15wt%~約40wt%のポリマー含量
を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
さらに、
前記第2の濃縮ポリマー溶液の前記ミキサー又はラインへの導入を停止するステップと、
前記反応器流出物と前記第1の濃縮ポリマー溶液の混合を停止するステップと、
前記反応器流出物を前記熱交換器に導入して加熱反応器流出物を形成するステップと、
前記加熱反応器流出物を前記圧力レットダウンバルブに導入した後に前記加熱反応器流出物を前記相分離器に導入するステップと、
前記相分離器から第3の濃縮ポリマー溶液を除去するステップと
を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記加熱反応器流出物を前記圧力レットダウンバルブに導入している時に、前記加熱反応器流出物が、
約115.56℃(240°F)~約165.56℃(330°F)の温度、
約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、
約204,120t(450Mlb)/hr~約254,016t(560Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量
を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記混合物を前記熱交換器に導入して前記加熱混合物を形成している時に、前記加熱混合物が、
約82.22℃(180°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約464,940t(1025Mlb)/hr~約487,620t(1075Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有し、かつ
前記反応器流出物を前記熱交換器に導入して前記加熱反応器流出物を形成している時に、前記加熱反応器流出物が、
約60℃(140°F)~約160℃(320°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約5wt%~約35wt%のポリマー含量を有する、
請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記加熱混合物を前記相分離器に導入している時に、前記加熱混合物が、
約83.33℃(200°F)~約132.22℃(270°F)の温度、
約0.483MPa(70psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、
約181,440t(400Mlb)/hr~約498,960t(1,100Mlb)/hrのマスフローレート、
約15wt%~約50wt%の蒸気量、及び
約15wt%~約40wt%のポリマー含量を有し、かつ
前記加熱反応器流出物を前記相分離器に導入している時に、前記加熱反応器流出物が、
約87.78℃(190°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、
約20wt%~約40wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有する、
請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
第2の部分を前記第2の相分離器に導入している時に、前記第2の部分が、
約104.44℃(220°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.792MPa(550psig)~約5.171MPa(750psig)の圧力、
約99,792t(220Mlb)/hr~約122,472t(270Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約25wt%~約60wt%のポリマー含量
を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記加熱混合物を前記相分離器に導入するステップが、前記加熱混合物を前記相分離器の入口に導入することによって行われ、第2の熱交換器が前記相分離器の入口と連結されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記加熱混合物を前記相分離器に導入するステップが、前記相分離器内に前記第2の熱交換器の下に配置された第3の熱交換器に前記加熱混合物を導入するステップをさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記第2の熱交換器が第1の複数の管を含み、前記第3の熱交換器が第2の複数の管を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第2の熱交換器が、
約101.67℃(215°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hrのマスフローレート
で操作される、請求項1~15のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第3の熱交換器が、
約101.67℃(215°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約344,736t(760Mlb)/hrのマスフローレート
で操作される、請求項1~16のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記第1の熱交換器が、約26,375MJ(25MMBtu)/hr~約52,750MJ(50MMBtu)/hrで操作される、
請求項1~17のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記第2の熱交換器が、約10,550MJ(10MMBtu)/hr~約31,650MJ(30MMBtu)/hrで操作され、かつ
前記第3の熱交換器が、約10,550MJ(10MMBtu)/hr~約31,650MJ(30MMBtu)/hrで操作される、
請求項1~18のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第1の熱交換器が、約36,925MJ(35MMBtu)/hr~約42,200MJ(40MMBtu)/hrで操作され、
前記第2の熱交換器が、約18,990MJ(18MMBtu)/hr~約23,210MJ(22MMBtu)/hrで操作され、かつ
前記第3の熱交換器が、約18,990MJ(18MMBtu)/hr~約23,210MJ(22MMBtu)/hrで操作される、
請求項1~19のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記相分離器を、
約104.44℃(220°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約351,540t(775Mlb)/hrのマスフローレート
で操作するステップをさらに含む、請求項1~21のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項22】
ポリマーを形成するためのプラントであって、
相分離器と連結された重合反応器と、
前記重合反応器と前記相分離器の間に配置された熱交換器及び圧力レットダウンバルブであって、前記熱交換器は前記重合反応器及び前記圧力レットダウンバルブと連結され、前記圧力レットダウンバルブは前記相分離器と連結されている、前記熱交換器及び前記圧力レットダウンバルブと、
前記相分離器と連結され、かつ前記熱交換器及び前記圧力レットダウンバルブの上流の位置でラインと連結されたストリームスプリッターと
を含む、前記プラント。
【請求項23】
前記ストリームスプリッターと連結された第2の相分離器をさらに含む、請求項22に記載のプラント。
【請求項24】
前記第2の相分離器と連結された真空脱揮押出器をさらに含む、請求項22又は23に記載のプラント。
【請求項25】
第2のラインと連結された1つ以上のバルブをさらに含み、これらの1つ以上のバルブは、前記第2のライン内の物質の流れが、前記熱交換器及び前記圧力レットダウンバルブの上流の位置で第1のラインに入るのを阻止するように構成されている、請求項22~24のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項26】
前記相分離器が、前記相分離器の入口と連結された第2の熱交換器を含む、請求項22~25のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項27】
前記相分離器が、前記相分離器内に前記第2の熱交換器の下に配置された第3の熱交換器をさらに含む、請求項22~26のいずれか1項に記載のプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照することによりその全開示内容を本明細書に援用する2021年11月23日に出願された米国仮出願第63/282,424号の利益を主張する。
【0002】
分野
本開示は、ポリマーを形成するためのプラント及びプロセス(process, 方法)に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
連続的溶液重合プロセスは、一般的にモノマーと、コモノマーと、溶媒との混合物に触媒を添加して反応混合物を形成することを含む。反応混合物は、逆混合されて均一なポリマーを与え得る。発熱と呼ばれる重合反応の熱は、反応混合物によって吸収され得る。代わりに、又はこれに加えて、反応熱は、冷却システムによって、例えば、反応容器壁の外部冷却によって、又は熱交換流体により冷却された内部配置された熱交換表面によって除去され得る。
重合の過程で、モノマーの大部分が消費され、形成されたポリマーは、重合中に使用された溶媒に溶解したままである。典型的に、ポリマーの濃度が高いほど、ポリマーと、溶媒と、未反応成分とを含有する重合反応混合物の粘度が高くなる。重合後、反応混合物は、重合反応器から仕上げセクションへ移動し、この仕上げセクションで、ポリマー、溶媒、及び未反応モノマーが分離される(例えば、脱揮によって)。この仕上げプロセスにおいて、ポリマーが固体ペレット又はベールに形成され得るまで、反応混合物から溶媒及び未反応モノマーが徐々に除去される。分離された溶媒及びモノマーは、重合反応器へ再循環され得る。
ポリマーの脱揮は、ポリマーの品質を改善するための技術であり、接着剤、エラストマー、表面コーティング、及びプラスチック材料(例えば熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂)の工業生産に利用される。脱揮プロセスでは、重合に関与するモノマー、オリゴマー、添加剤、及び溶媒等の揮発性成分のみならず、副生物がポリマーから脱揮され得る。脱揮プロセスは、ポリマーから残留揮発性有機化合物(voltaile organic compound)(VOC)を除去して、政府規制の順守を促進できるようにする。
【0004】
揮発性有機化合物からポリマーを分離するための1つの方法は蒸発によるものであり、ポリマー溶液が揮発性成分の気化温度以上に加熱される。利用される装置及び方法は、ポリマー溶液の粘度に左右されることが多く、これらのデバイスは初期費用が高く、操業費用がかさむことが多い。ポリマーの高生産量を得るために、通常は超大型装置及び機械エネルギーの多量の消費が必要とされる。さらに、これらの装置は、ポリマーに高温及び機械的せん断を与え、場合によってはポリマーの物理的性質の劣化を引き起こす可能性がある。さらに、熱交換ゾーン内でポリマー溶液を加熱する技術は、ポリマー溶液を長時間にわたって高温にさらすことを含む。このような熱への曝露は、感熱性ポリマーの熱分解を引き起こして、ポリマーの脱色及び/又は例えば衝撃強度等の特性の損失をもたらし得る。さらに、感熱性ポリマーの分解を回避する技術は生産量が少ない可能性がある。例えば、ポリマーは一般的に脱揮装置内で温和な温度及び長い滞留時間を受ける。これが起こる場合には、脱揮装置を通る流量が少ないため生産量が損なわれる。
【0005】
重合反応器から流出物が除去されるとき、重合反応器からの流出物に熱交換器によって熱を導入することができ、その後に反応器流出物は脱揮容器に導入される。しかしながら、このような熱交換器は、脱揮容器内で起こるその後の脱揮のために相当な熱を供給しなければならず、これはポリマーの分解及び反応器流出物を移動させるラインや脱揮容器内の汚染を助長する。これとは別に、脱揮容器から除去された濃縮ポリマーが、熱交換器と連結されたラインを経て脱揮容器にそのまま再循環されることがある。この熱交換器は、脱揮が起こるように相当な熱を供給しなければならず、結果としポリマーの分解及び再循環ラインや脱揮容器の汚染が起こる。さらに、上記熱交換器は、高温で作動しながら、高圧を維持して、熱交換器内部のポリマーと揮発性物質の混合物の望ましくない相分離を防止する必要がある。
【0006】
さらに、上記再循環ラインの存在(及びポリマー再循環により脱揮容器内に再循環された濃縮ポリマーが存在すること)は、再循環ラインのない容器を用いる脱揮プロセスに比べて脱揮プロセスの滞留時間を著しく長くする。この滞留時間は、再循環熱交換器のサイズが多量の所要熱(再循環濃縮ポリマーによってもたらされる)のために大きい必要がある場合にはさらに長くなり得る。例えば、典型的に脱揮容器から1時間当たり328,860kg/hr(時)(725,000lb/hr)以上の再循環濃縮ポリマーという再循環が熱交換器(再循環ストリームへの58,025MJ(55MMBtu)/hr以上の熱付加で作動する)にもたらされて(ライン経由で)から、加熱された再循環ポリマーが脱揮容器にそのまま再導入される。このような追加の加熱はポリマーの分解を促すのみならず、複数の異なるグレードのポリマーを生産するプラントにおいては、異なるポリマーグレードの生産間の移行時間をも非常に長くし、費用もかかる(再循環ラインが、異なるポリマーグレードに移行するめに遮断されるときに再循環ラインに存在する大量のポリマーのため)。
例えば、生成される規格外物(off-spec material)(例えば、分解ポリマー及び再循環ライン内のあまり再循環されない濃縮ポリマー)の量をも減らす方法でポリマーグレード間の短い移行時間を可能にする脱揮プラント及びプロセスが必要である。
【発明の概要】
【0007】
概要
一部の実施形態では、ポリマーの形成プロセスは、1種以上のオレフィンモノマー及び溶媒を有するフィードを供給するステップを含む。プロセスは、反応器にフィードを触媒と共に導入して反応混合物を形成するステップを含む。プロセスは、反応器から反応器流出物を除去し、ミキサー又はライン内で、反応器流出物を第1の濃縮ポリマー溶液と混合して混合物を形成するステップを含む。プロセスは、混合物を熱交換器に導入して加熱混合物を形成し、加熱混合物を圧力レットダウンバルブ(pressure let down valve)に導入した後に加熱混合物を相分離器に導入するステップを含む。プロセスは、相分離器から第2の濃縮ポリマー溶液を除去するステップを含む。プロセスは、第2の濃縮ポリマー溶液をミキサー又はラインに導入するステップを含む。
一部の実施形態では、ポリマーを形成するためのプラントは、相分離器と連結された重合反応器を含む。プラントは、熱交換器及び重合反応器と相分離器との間に配置された圧力レットダウンバルブを含む。熱交換器は重合反応器及び圧力レットダウンバルブと連結される。圧力レットダウンバルブは相分離器と連結される。プラントは、相分離器と連結され、かつ熱交換器及び圧力レットダウンバルブの上流の位置でラインと連結されたストリームストリッパーを含む。
本開示の粘度調整剤のこれらと他の特徴及び特質並びにそれらの有利な応用及び/又は用途は、下記詳細な説明から明白だろう。
【0008】
本開示の上述した特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した開示のより詳細な説明は、いくつかを添付図面に示す態様を参照することにより分かるだろう。しかしながら、添付図面は本開示の典型的態様を説明しているに過ぎず、本開示は他の同様に有効な態様を認め得るのだから、本開示の範囲の限定とみなすべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に従う重合及び脱揮のためのプラント及びプロセスフローの概略レイアウトである。
図2】実施形態に従う図1(通常操作モード中)のプラント及びプロセスフローの一部の概略レイアウトである。
図3A】実施形態に従うプラント及びプロセスフローの相分離器を示す。
図3B】実施形態に従うプラント及びプロセスフローの相分離器を示す。
図4】実施形態に従う熱交換器である。
図5】実施形態に従うプレート式熱交換器である。
図6】実施形態に従うプレート式熱交換器である。
図7】実施形態に従うプレート式熱交換器である。
【0010】
理解を容易にするため、可能であれば、図に共通している同一要素を指定するためには同一の参照番号を使用した。図は、正確な比率ではなく、明瞭さのために単純化していることがある。ある態様の要素及び特徴は、さらに記述しなくても他の態様に有利に組み込み得ると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
本開示は、ポリマーを形成するためのプラント及びプロセスに関する。
一部の実施形態では、ポリマーの形成プロセスは、1種以上のオレフィンモノマー及び溶媒を有するフィードを供給するステップを含む。プロセスは、反応器にフィードを触媒と共に導入して反応混合物を形成し、反応器から反応器流出物を除去するステップを含む。プロセスは、ミキサー又はライン内で、反応器流出物を第1の濃縮ポリマー溶液と混合して混合物を形成するステップを含む。プロセスは、混合物を熱交換器に導入して加熱混合物を形成するステップを含む。プロセスは、加熱混合物を圧力レットダウンバルブに導入した後に加熱混合物を相分離器に導入するステップを含む。プロセスは、相分離器から第2の濃縮ポリマー溶液を除去するステップを含む。プロセスは、第2の濃縮ポリマー溶液をミキサー又はラインに導入するステップを含む。
【0012】
一部の実施形態では、ポリマーを形成するためのプラントは、相分離器と連結された重合反応器を含む。プラントは、熱交換器及び重合反応器と相分離器との間に配置された圧力レットダウンバルブを含む。熱交換器は重合反応器及び圧力レットダウンバルブと連結され、圧力レットダウンバルブは相分離器と連結される。プラントは、相分離器と連結され、かつ熱交換器及び圧力レットダウンバルブの上流の位置でラインと連結されたストリームストリッパーを含む。
【0013】
本開示のプラント及びプロセスは、濃縮ポリマー溶液の再循環ストリーム(脱揮容器とも呼ばれる相分離器から)と混合された反応器流出物を与える。この混合物は、相分離器に入る前に熱交換器を通過し得る。熱交換はまた、相分離器内に配置された熱交換器を用いて達成され得る。熱交換が2つ以上の場所で混合物にもたらされるので、2以上の各熱交換プロセス(2つ以上の熱交換器の)は、従来の単一熱交換器より低い温度で行うことができ、生成されるポリマー生成物中の規格外物(例えば、分解ポリマー)の量の減少をもたらす。そうでなければ、最初の熱交換器における全ての熱の付加が熱交換器の出口温度をかなり上昇させることになり、流出物の望ましくない相分離につながる。さらに、それ以外に相分離器自体に大量の熱を供給するのは容器を超大型にすることになる。
【0014】
さらに、本開示の脱揮容器内に配置された熱交換器が、相分離器を出る濃縮ポリマー溶液に熱を供給し、このことは、最初の熱交換の前に濃縮ポリマー溶液を反応器流出物と混合することに加えて、最初の熱交換に使用され得る熱の量の低減をもたらす(さらにポリマーの分解を減少させる)。最初の熱交換(反応器流出物と再循環濃縮ポリマー溶液の)はそれほど熱を必要としないので、プラントの通常操作モード中は少ない量の再循環濃縮ポリマー溶液が使用され得る。通常操作モード中は少ない量の再循環濃縮ポリマー溶液が使用され得るので、生成される規格外物(例えば、分解ポリマー及び再循環ライン内のあまり再循環されない濃縮ポリマー溶液)の量の減少に加えて、ポリマーグレード間の移行時間の短縮がもたらされる。例えば、一部の実施形態では、本開示のプラント及び/又はプロセスにおいて、1時間当たり226,800kg/hr(500,000lb/hr)以下、例えば181,440kg/hr(400,000lb/hr)以下、例えば約45,360kg/hr(100,000lb/hr)~約181,440kg/hr(400,000lb/hr)、例えば約90,720kg/hr(200,000lb/hr)~約136,080kg/hr(300,000lb/hr)の、脱揮から再循環される濃縮ポリマーという再循環が用いられる。
【0015】
さらに、最初の熱交換器内の再循環濃縮ポリマー溶液の存在は、さもなくば熱移動及び操作上の問題を引き起こすことになる熱交換器内部の混合物の相分離(液体-液体又は気体-液体)の低減又は排除をもたらす。
移行モードのために、本開示のプラント及びプロセスは、グレード移行中に相当量の規格外物(例えば、再循環ライン及びラインの熱交換器の内側に停滞する濃縮ポリマー)が生じないように濃縮ポリマー溶液の再循環ストリームを閉じられるようにする。言い換えれば、脱揮は、脱揮滞留時間の短縮、例えば、従来の脱揮プロセスに比べて、1/3以上短縮された脱揮滞留時間を有し得る。
さらに、本開示の熱交換器(例えば、脱揮容器内に配置される)は、菅-管デザインを有することができ、このデザインでは管を集めて束にされて、例えば、8000m2までの表面積を与える。従来の管束に比べて、本開示の熱交換器は、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の相当な分布をもたらして、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の気液界面を増大させることができる。
【0016】
重合条件
一部の実施形態では、ポリマーの形成プロセスであって、(a)1種以上のモノマー及び溶媒を有するフィードを供給するステップと、(b)このフィードを反応器に触媒と共に導入するステップと、(c)反応器から反応器流出物をさらなるプロセスのために除去するステップとを含むプロセスを提供する。
1つ以上の実施形態では、反応器は単一の反応器又は複数の反応器、例えば、並列又は直列に配置された2つの反応器であり得る。反応器の1つ以上はループ反応器であり得る。さらに又はこれとは別に、反応器は連続撹拌槽型反応器である。1つ以上の実施形態では、2つの反応器が並列又は直列に配置され、第1の反応器の内容積と第2の反応器の内容積の比は、最大比の値が最小比の値より大きい限り、50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、80:10、85:15、又は90:10の最小比の値、及び55:45、60:40、65:35、70:30、80:20、85:15、90:10、又は95:5の最大比の値を有し得る。2つの反応器からの反応混合物は、混ぜ合わされてから相分離器に送られる。
【0017】
モノマー及び触媒は、任意の適切なユニット又は装置によって反応器に供給され得る。本プラントは、溶媒、例えば、炭化水素溶媒中に1種以上のオレフィンモノマーを有するフィードを供給するためのフィード供給ユニットを含み得る。本開示のプラントは、触媒を反応器に供給するのに適した触媒供給ユニットをも含み得る。溶媒中の1種以上のオレインモノマーのフィードを反応器に供給するのに適したフィード供給ユニットは、いずれの適切な装置であってもよいが、典型的に、各モノマーの供給用導管と、再循環溶媒の供給用導管と、未使用溶媒の供給用導管とを含むだろう。これらの各導管は、反応器への流入前の共通フィード導管に供給され得る。フィードを1つ又は複数の反応器に供給して、フィードを所望圧力まで加圧するために1つ又は複数のポンプが使用され得る。反応器に触媒を供給するのに適した触媒供給ユニットは、いずれの適切な装置であってもよいが、典型的に、触媒の供給用導管と、場合によっては触媒を1つ又は複数の反応器に送り込むための1つ又は複数のポンプとを含むだろう。
【0018】
重合のために用いられる溶媒は、任意の適切な溶媒、例えばヘキサン及び/又はイソヘキサンであり得る。例えば、溶媒は、触媒系の触媒作用を阻害しないという意味で、触媒に配位しないか又は触媒と相互作用しない非極性溶媒である。本出願のプロセスは、低沸点アルカン系溶媒、又はその混合物を使用することができ、これらは、直鎖であるか又は分岐していてよく、例えば、4~10個の炭素原子、好ましくは5~7個の炭素原子を有するものであるか、場合によってはより高分子量又は低分子量の他のアルカンとの混合物で使用してもよい。
ポリマーは、モノオレフィン、例えばエチレン若しくはプロピレン又は4~10個の炭素原子を有する他の高級αオレフィンを含むモノマー由来であり得る。この組み合わせは、液体相分離器内で容易に分離され得る混合物を与える。
【0019】
本明細書に記載の反応器の作業圧力は、8MPa以上、9MPa以上;10MPa以上、12MPa以上、又は14MPa以上であり得る。上限圧力は、厳密に制約されることはないが、典型的に20MPa以下、例えば18MPa以下、又は15MPa以下、又は14MPa以下、又は12MPa以下であり得る。一部の実施形態では、圧力は、反応混合物を単相の中に入った状態を保ち、かつプラントを通じて流体を運ぶ作業圧力を与えるのに十分な圧力である。
フィード温度は、重合温度に到達するために望ましいモノマー変換の利用可能な発熱及び程度に応じて変動し得る。一部の実施形態では、温度は、40℃以下、又は20℃以下、又は0℃以下、又は-20℃以下である。重合温度は、いずれの連鎖移動剤、例えば添加される水素の影響をも許容するポリマーの望ましい分子量によって異なり得る。直列反応器プロセスでは、一連の反応器内の温度は、該反応器内で起こる重合の性質に応じた増分で漸進的に上昇し得る。一部の実施形態では、主に(例えば、50wt%以上)エチレン由来単位を含むポリマーの重合温度は、少なくとも100℃、又は少なくとも150℃、又は200℃以上であり、合成される特定ポリマーによって異なる。この温度は、重合分解温度又は触媒が重合反応を持続し得る温度を超えるべきでない。
【0020】
全体的に見て、発熱は、50℃~220℃又は250℃までの、重合反応器の入口温度と出口温度の間の温度差をもたらし得る。1つ以上の実施形態では、フィードをマイナス40℃で供給し、発熱に210℃まで温度を上げさせることによって、プロセスがより低分子量のポリマーを生産することになり得る。より高分子量のポリマーのためには、反応器の混合性能を劣化させ、それによって不均一ポリマーをもたらすことになる反応器溶液の過剰な粘度を回避するため、より温かいフィード及び/又はより低い反応器温度によって温度上昇を制約する必要があり得る。
モノマー濃度は、目標とするポリマーのタイプ及び分子量、モノマーからポリマーへの関連変換や操作温度に左右され得る。例えば、モノマー濃度は10wt%、又は15wt%より高く、80wt%、70wt%、又は60wt%より低い可能性がある。全ての成分の総蒸気圧は、蒸気泡の形成を避けるためにストリーム温度における反応器圧力の100wt%未満であり得る。
【0021】
重合は、任意の適切な触媒、例えば、チーグラー・ナッタ触媒、シングルサイト触媒(SSC)又はメタロセン触媒を用いて行われ得る。1つ以上の実施形態では、SSC又はメタロセン触媒が使用され得る。用語「メタロセン」は、元素周期表の遷移金属と組み合わされた1つ以上のシクロペンタジエニル部分を意味する。本明細書で使用する場合、元素周期表の付番規定は、CHEMICAL AND ENGINEERING NEWS, 63(5), 27 (1985)に記載されたとおりに用いる。
メタロセン触媒は、一般的に周期表の第3~10族の遷移金属と、重合中は遷移金属に結合されたままである少なくとも1つの補助配位子とを含有する。一部の実施形態では、遷移金属はカチオン状態で使用され、共触媒又は活性化剤によって安定化される。一部の実施形態では、重合において一価カチオン状態で用いられ、1又は2つの補助配位子を有する、周期表の第4族、例えばチタン、ハフニウム又はジルコニウム等のメタロセンが用いられる。
【0022】
一部の実施形態では、触媒は嵩高い配位子の遷移金属触媒である。この「嵩高い配位子」は、例えば炭素原子等の多様な結合原子を含有して、1個以上のヘテロ原子と共に環状であり得る基を形成している。嵩高い配位子は、メタロセン型シクロペンタジエニル誘導体であってよく、これは単核又は多核であり得る。1つ以上の嵩高い配位子が遷移金属原子に結合され得る。他の配位子は、遷移金属に結合又は配位され、例えば共触媒又は活性化剤により取り外し可能な、例えばヒドロカルビル又はハロゲン脱離基であり得る。いずれの該配位子の脱離も、オレフィンモノマーがポリマー鎖に挿入され得る配位サイトの生成につながる。一部の実施形態では、遷移金属原子は、元素周期表の第4、5又は6族遷移金属、例えば第4族原子である。
【0023】
メタロセン触媒は、例えば蒸気圧浸透圧法によって決定される4~30の平均オリゴマー化度を有するメチルアルモキサン等のアルモキサンであり得る共触媒と共に使用可能である。アルモキサンは、修飾されて直鎖アルカンの溶解度をもたらすか又はスラリーで用いられることもあるが、一般的にトルエン溶液から使用され得る。該溶液は、未反応トリアルキルアンモニウムを含んでよく、アルモキサン濃度は、一般的に1リットル当たりのAlのモル数として示すことができ、この数は、オリゴマーを形成するために反応しなかったいずれのトリアルキルアルミニウムをも含む。アルモキサンは、共触媒として用いられるとき、一般的に遷移金属に対してモル過剰で、例えば50以上、例えば100以上、例えば1000以下、例えば500以下のモル比で使用され得る。
SSCは、作製されるポリマーのタイプ及びそれと関連するプロセスウィンドウを、1グラムのSSC(又はメタロセン)当たり少なくとも40,000g、例えば少なくとも60,000gのポリマー、又は1グラムのSSC当たり100,000gさえ超えるポリマーの活性のプロセス条件下で生成され得るように適合させるために利用可能な広範なSSCの中から選択され得る。適切な触媒の選択と共に様々な操作ウィンドウで様々なポリマーを生成できるようにすることによって、SSC及び補助触媒成分は少量で使用可能であり、場合によっては少量のスカベンジャーを使用することもある。
【0024】
メタロセンは、非配位性アニオンであり得る共触媒と共に使用してもよい(本明細書で使用する用語「非配位性アニオン」は弱配位アニオンを包含し、この配位は、重合の進行から明らかないずれの事象においても十分に弱くて、不飽和モノマー成分の挿入を可能にし得る)。非配位性アニオンは、いずれの適切な方法でも供給され、メタロセンと反応し得る。
非配位性アニオンの前駆体は、低減した原子価状態で供給されたメタロセンと共に使用してよい。この前駆体は酸化還元反応を受け得る。前駆体はイオン対であってよく、その前駆体カチオンは何らかの方法で中和及び/又は除去され得る。
非配位性アニオンは、ハロゲン化され、テトラアリール置換された第10~14族の非炭素元素系アニオン、特にアリール基又は当該アリール基のアルキル置換基の水素原子と置き換わったフッ素基を有するものであり得る。
【0025】
一部の実施形態では、イオン性塩由来の有効な第10~14族元素の共触媒錯体としては4配位第10~14族元素アニオン錯体があり、該アニオンは下記式で表すことができる。
[(M)Q1Q2...Qi]-
式中、Mは、1種以上の第10~14族半金属又は金属、好ましくはホウ素又はアルミニウムであり、各Qは、非配位性アニオンとして適切な[(M)Q1Q2...Qi]-を与える電子的又は静的効果をもたらすために有効な配位子であるか、又は十分な数のQが、全体としての[(M)Q1Q2...Qi]-が有効な非配位性若しくは弱配位性アニオンであるようなものである。例となるQ置換基は、特にフッ素化アリール基、好ましくはペルフルオロアリール基を含み、かつフッ素置換に加えて置換基を有する置換Q基、例えばフッ素化ヒドロカルビル基を含む。好ましいフッ素化アリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びその誘導体を含む。
非配位性アニオンは遷移金属成分に対してほぼ等モル量、例えば少なくとも0.25、好ましくは0.5、特に0.8、かつ例えば4、好ましくは2、特に1.5以下で使用され得る。
【0026】
代表的なメタロセン化合物は、下記式を有し得る。
LALBLC iMDE
式中、LAは、Mにπ結合した置換シクロペンタジエニル又はヘテロシクロペンタジエニル補助配位子であり;LBは、LAについて定義した補助配位子クラスのメンバーであるか、又はJ、すなわちMにσ結合したヘテロ原子補助配位子であり;LA配位子とLB配位子が一緒に第14族元素連結基を介して共有結合により架橋されるてもよく;LC iは、Mへの配位結合を有する任意的な中性の非酸化性配位子であり(iは0~3に等しい);Mは、第4又は5族遷移金属であり;かつ、D及びEは、独立に、それぞれMへのσ結合を有し、場合によっては互いに又はLA若しくはLBに架橋された不安定なモノアニオン性配位子である。モノアニオン性配位子は、遷移金属成分の空の配位サイト上の配位重合のための重合可能モノマー又はマクロモノマーの挿入を可能にするのに適した活性化剤によって置換可能である。
【0027】
SSCとして使用できる代表的な非メタロセン遷移金属化合物には、テトラベンジルジルコニウム、テトラビス(トリメチルシリルメチル)ジルコニウム、オキソトリス(トリメチルシリルメチル)バナジウム、テトラベンジルハフニウム、テトラベンジルチタン、ビス(ヘキサメチルジシラジド)ジメチルチタン、トリス(トリメチルシリルメチル)ニオブジクロリド、及びトリス(トリメチルシリルメチル)タンタルジクロリドも含まれる。
本明細書に記載の態様に従ってオレフィン重合触媒として適切なさらなる有機金属遷移金属化合物は、配位子引き抜きによって触媒的に活性なカチオンに変換され、かつその活性電子状態でエチレン等のオレフィン性不飽和モノマーによって置換されるのに十分に不安定な非配位性又は弱配位性アニオンによって安定化され得る第3~10族化合物のいずれかであろう。
例えば、WO99/41294に開示されているように、第4族遷移金属、好ましくはジルコニウム又はハフニウムのビスシクロペンタジエニル誘導体であるメタロセンが使用可能である。これらは、例えば、WO99/45040及びWO99/45041に開示されているように、有利には単一の炭素及びケイ素原子によって連結されたフルオレニル配位子及びシクロペンタジエニル配位子を含有する誘導体であり得る。一部の実施形態では、例えばWO00/24792及びWO00/24793に開示されているように、Cp環は非置換であり及び/又はメタロセンのアルカン溶解性を補助するために橋がアルキル置換基、好適にはアルキルシリル置換基を含有する。他の可能なメタロセンとしてはWO01/58912に記載のものがある。
【0028】
参照することにより本明細書に援用するWO97/03992は、単一のCp種とフェノールがC又はSi結合によって連結されている触媒、例えばMe2C(Cp)(3-tBu-5-Me-2-フェノキシ)TiCl2を示している。参照することにより本明細書に援用するWO2001/05849は、Cp-ホスフィンイミン触媒、例えば(Cp)((tBu)3P=N-)TiCl2を開示している。
他の適切なメタロセンは、例えば、EP0693506及びEP0780395に記載されているような、縮合環の1つ以上の位置で、分子量を増やす効果を有し、間接的により高温での重合を可能にする成分で置換され得るビスフルオレニル誘導体又は非架橋インデニル誘導体であり得る。
上記触媒を使用するとき、全触媒系は、一般的にさらに1種以上の有機金属化合物をスカベンジャーとして含む。該スカベンジャーは、反応環境から極性不純物を除去するため及び触媒活性を高めるために有効な当該化合物を含む。不純物は、重合反応成分のいずかと共に、特に溶媒、モノマー及び触媒フィードと共に不注意に導入される恐れがあり、触媒の活性及び安定性に悪影響を及ぼし、特に電離アニオン前駆体が触媒系を活性化すると、触媒活性を低下させ又は排除することにさえなり得る。不純物又は触媒毒としては、水、酸素、極性有機化合物、金属不純物等がある。一部の実施形態では、これらの毒物をその反応容器への導入前に、例えば種々の成分の合成若しくは調製の後又はその最中に化学的処理又は慎重な分離技術によって除去するステップを取り入れるが、それでも通常はいくらかの少量の有機金属化合物が重合プロセス自体で使用されることになる。
【0029】
スカベンジャーは有機金属化合物、例えば米国特許第5,153,157号及び第5,241,025号、国際公開第WO91/09882号、第WO94/03506号、第WO93/14132号及び第WO95/07941号の第13族有機金属化合物であり得る。例となる化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリエチルボラン、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、メチルアルモキサン、及びイソブチルアルモキサンが挙げられる。アルモキサンは、例えば、メチルアルモキサン及びトリイソブチルアルモキサンとホウ素系活性化剤のように、活性化の他の手段と共にスカベンジング量で使用されることもある。過剰な量は触媒毒として作用する可能性があるので、触媒化合物と共に使用すべきスカベンジャーの量は、重合反応中は活性を増強させるのに有効なくらいの量まで(二重の役割で使用される場合は触媒化合物の活性化に必要なくらいの量で)最小化され得る。
【0030】
多種多様のポリマータイプ及び分子量を与える重合が達成可能である。一般的に言えば、ポリマーは、主(例えば、50wt%超の)成分としてエチレン又はプロピレンのどちらかに由来する。ポリマーは、結晶化度及びフレキシビリティを変えるために好ましくは5モル%~40モル%のコモノマーを含有し得る。コモノマーは、2~20個の炭素原子を有するαオレフィン(この用語には環状オレフィン、例えばスチレンが含まれる)、例えばエチレン(主にプロピレン由来単位から成るポリマーの場合)、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンであり得る。例えばヘキサジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン(ENB)、ノルボルナジエン等のジエン量を含めて、不飽和及び/又は重合化モノマー由来単位から生じるより長い分枝自体の形成を促してよい。
【0031】
プラストマーの場合、生成され得るポリマーは、下記態様を含む可能性がある:コモノマーは、3~15個の炭素原子、例えば4~12個の炭素原子、例えば4~10個の炭素原子を有するαオレフィンである。エチレンが少なくとも2つのコモノマーと重合されてターポリマーを形成し得る。エチレンは、70モル%~99.99モル%、例えば70モル%~97モル%、例えば80モル%~95モル%のエチレンと、0.01モル%~30モル%、例えば3モル%~30モル%、例えば5モル%~20モル%のコモノマーとの比率で重合され得る。ポリマーの分子量分布は、Ultraスティラゲルカラム及び屈折率検出器を備えたWatersゲル浸透クロマトグラフで決定可能である。この機器の操作温度は145℃に設定することができ、溶出溶媒はトリクロロベンゼンであり得、較正標準は、500の分子量から520万の分子量の範囲の正確に知られている分子量の16種のポリスチレン、及びポリエチレン標準物質、NBS 1475.10を含み得る。生成されるプラストマーの分子量分布は、狭い分子量分布を有する可能性があり、すなわち、Mw/Mnが3以下、例えば2.5以下であり得る。ポリマーのMIは、0.01dg/分~200dg/分、例えば0.1dg/分~100dg/分、例えば0.2dg/分~50dg/分、例えば10dg/分未満であり得る。プラストマーは0.85g/cm3~0.93g/cm3、例えば0.87g/cm3~0.92g/cm3、例えば0.88g/cm3~0.91g/cm3の密度を有し得る。
【0032】
本明細書に記載のプロセスは、1種以上のモノマー、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1,4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンのαオレフィンモノマー及び環状オレフィン、例えばスチレンの重合を含む共重合反応を含み得る。他のモノマーとしては、極性ビニル、ジエン、ノルボルネン、アセチレン、及びアルデヒドモノマーが挙げられる。
エラストマーの場合、生成され得るポリマーには、高Mwかつ0.3wt%超、例えば2wt%超のジエン含量のエチレン-αオレフィン-ジエンエラストマー(EODE)が含まれる。これらのポリマーは、大部分は非晶質であり、低いか又はゼロの融解熱を有し得る。本明細書で使用する場合、用語「EODE」は、エチレン、αオレフィン、及び1種以上の非共役ジエンモノマーが含まれるエラストマーポリマーを包含する。非共役ジエンモノマーは、6~15個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖又は環状炭化水素ジエンであり得る。適切な非共役ジエンの例は、直鎖非環式ジエン、例えば1,4-ヘキサジエン及び1,6-オクタジエン;分岐鎖非環式ジエン、例えば5-メチル-1,4-ヘキサジエン;3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン;3,7-ジメチル-1,7-オクタジエン及びジヒドロミリセンとジヒドロオシネンの混合異性体;単環脂環式ジエン、例えば1,4-シクロヘキサジエン及び1,5-シクロドデカジエン;及び多環脂環式縮合環及び架橋環ジエン、例えばテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン;ビシクロ-1,5-(2,2,1)-ヘプタ-2,5-ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルキリデンノルボルネン、例えば5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB);5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン及びノルボルナジエンである。
【0033】
エチレン-プロピレン-ジエンエラストマー(EPDM)の調製に用いる適切なジエンは、1,4-ヘキサジエン(HD)、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ビニリデン-2-ノルボルネン(VNB)、5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB)、及びジシクロペンタジエン(DCPD)であり得る。少なくとも1つの実施形態では、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)及び1,4-ヘキサジエン(HD)であり、例えばEODエラストマーは、EODエラストマーの質量に基づいて、20wt%から90wt%までのエチレン、例えば30wt%~85wt%のエチレン、例えば35wt%~80wt%のエチレンを含有し得る。エチレン及びジエンによるエラストマーの調製に用いるのに適したαオレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン及び1-ドデセンであり得る。少なくとも1つの実施形態では、αオレフィンは、EODEポリマーの質量に基づいて、10wt%~80wt%で、例えば20wt%~65wt%でEODEポリマーに組み込まれる。非共役ジエンは、一般的にEODEポリマーの質量に基づいて、0.5wt%~20wt%で、例えば1wt%~15wt%で、例えば2wt%~12wt%でEODEに組み込まれる。必要に応じて、複数のジエン、例えばHD及びENBが、上記制限内の総ジエン組み込みで同時に組み込まれることがある。本開示の少なくとも1つの実施形態では、エラストマーは、低粘度ポリマー、例えば低粘度Vistamaxx(商標)(LVV)であり得る。
【0034】
少なくとも1つの実施形態では、適切なエラストマーは2種のモノマーのコポリマーであってもよい。該コポリマーは比較的高いMw、低結晶化度、及び低灰分のエラストマーであり得る。コポリマーは高Mwのエチレン-αオレフィン-コポリマーであり得る。エチレン-αオレフィン-コポリマーは、エチレンと、必ずしもプロピレンでないαオレフィンとの、エラストマーの特性を示すコポリマーであってよい。エチレンを含むエラストマーの調製に用いるのに適したαオレフィンはC3-C10αオレフィンであり得る。該αオレフィンの説明に役立つ非限定例はプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン及び1-ドデセンである。少なくとも1つの実施形態では、複数のαオレフィンが組み込まれ得る。エチレン-αオレフィン-コポリマーは、20wt%から90wt%までのエチレン、例えば30wt%~85wt%のエチレン、例えば35wt%~80wt%のエチレンを含有し得る。
少なくとも1つの実施形態では、エラストマーは、主に(50wt%以上の)プロピレン由来単位を有するプロピレン系ポリマーであり得る。
【0035】
少なくとも1つの実施形態では、プロピレン系ポリマーは、プロピレンと、少なくとも1種のコモノマーと、場合によりジエンとで構成され得る。コモノマーはエチレン又はαオレフィンであり得る。コモノマーとしては、エチレン及び直鎖又は分岐C4-C30αオレフィン、又はその組み合わせが挙げられる。適切な直鎖αオレフィンとしては、エチレン及びC4-C8αオレフィン、例えばエチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテン、例えばエチレン又は1-ブテンが挙げられる。適切な分岐αオレフィンとしては、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、及び3,5,5-トリメチル-1-ヘキセンが挙げられる。少なくとも1つの実施形態では、プロピレンコポリマーはランダムコポリマーであり得る。この用語は本明細書で以下に定義するとおりである。ジエンが、プロピレン系ポリマーに含まれることもある。少なくとも1つの実施形態では、ジエンには、直鎖非環式ジエン、例えば1,4-ヘキサジエン及び1,6-オクタジエン;分岐鎖非環式ジエン、例えば5-メチル-1,4-ヘキサジエン;3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン;3,7-ジメチル-1,7-オクタジエン及びジヒドロミリセンとジヒドロオシネンの混合異性体;単環脂環式ジエン、例えば1,4-シクロヘキサジエン及び1,5-シクロドデカジエン;及び多環脂環式縮合環及び架橋環ジエン、例えばテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン;ビシクロ-1,5-(2,2,1)-ヘプタ-2,5-ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルキリデンノルボルネン、例えば5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB);5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン及びノルボルナジエンである非共役ジエンが含まれる。プロピレン系ポリマーは、1,4-ヘキサジエン(HD)、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ビニリデン-2-ノルボルネン(VNB)、5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB)、及びジシクロペンタジエン(DCPD)を含み得る。
【0036】
少なくとも1つの実施形態では、プロピレン系ポリマーは、2%~65%の結晶化度を有し得る。この結晶化度の範囲内で、結晶化度のオルタナティブな制限は、約5%~約50%、例えば約10%~約45%、例えば約15%~約40%であり得る。プロピレン系ポリマーの結晶化度は、コポリマー中のアイソタクチック(又は二者択一的にシンジオタクチック)ポリプロピレン配列から導かれる。少なくとも1つの実施形態では、プロピレンの量は65wt%~95wt%、例えば約70wt%~92%、例えば約80wt%~89wt%であり得る。
少なくとも1つの実施形態では、プロピレン系ポリマーは、単一のブロードな融解転移(melting transition)を有する。プロピレン系ポリマーのサンプルは、主ピークに隣接する二次融解ピーク又は肩部(shoulder)を示すことがあり、この組み合わせは、まとめて単一融点、すなわち、単一のブロードな融解転移とみなされる。これらのピークの高さが融点とみなされる。少なくとも1つの実施形態では、プロピレン系ポリマーは、25℃~110℃、例えば30℃~105℃、例えば35℃~90℃の融点を有する。
【0037】
プロピレン系ポリマーは、狭い組成分布を有する結晶化可能ランダムコポリマーであり得る。ポリマーの分子間組成分布は、溶媒中での熱的分別によって決定される。適切な溶媒は飽和炭化水素、例えばイソヘキサン又はヘキサンであり得る。熱的分別手順について以下に述べる。少なくとも1つの実施形態では、約75wt%以上、例えば約85wt%のポリマーが1又は2つの隣接する可溶性フラクションとして分離され、ポリマーの残余は直前又は後続フラクションに入る。これらの各フラクションは、プロピレン系ポリマーの平均wt%エチレン含量から20%以下(相対的)以下、例えば10%以下(相対的)の差の組成(wt%エチレン含量)を有する。本開示の目的では、プロピレン系ポリマーは、それが上述した分別試験をクリアすれば「狭い」組成分布を有するとみなされ得る。
適切なプロピレン系ポリマー中の立体規則性プロピレン配列の長さ及び分布は、実質的にランダムな統計学的共重合と一致し得る。理論によって束縛されるものではないが、配列の長さと分布は、共重合の反応性比に関係している。本明細書で使用する場合、用語「実質的にランダム」は、反応性比の積が約2以下であるコポリマーを意味する。対照的に、ステレオブロック構造では、PP配列の長さは、同様の組成を有する実質的にランダムなコポリマーの長さより長い。
ポリマーの反応性比及び配列分布は、隣のプロピレン残基に関してエチレン残基を位置づける13C NMRによって決定され得る。必要な量のランダムさ及び狭い組成分布を有する結晶化可能コポリマーを作製するためには、(1)シングルサイト触媒及び(2)適切なプロピレン系ポリマーのポリマー鎖の実質的に全てについて単一の重合環境だけを許容する十分に混合されるループ重合反応器を使用することが望ましいだろう。
適切なプロピレン-エチレンコポリマーは、参照することによりその内容を本明細書に援用する米国特許第6,635,715号に記載されている。
【0038】
本開示のプロセス及びプラントによって形成されるポリマーの市販例としては、ExxonMobil Chemical CompanyからのVistamaxx(商標)コポリマー、Mitsui ChemicalsからのTafmer(商標)エラストマー、及びDow Chemical CompanyからのVersify(商標)エラストマーが挙げられる。
例えば、Vistamaxx(商標)は、フィルム、コンパウンド、不織布及び成形/押出製品の性能及び加工性を拡張するプロピレン系エラストマーである。Vistamaxx(商標)の自由流動ペレットは組み入れやすく、広い適合性は乾式ブレンディング操作を可能にする。Vistamaxx(商標)は、例えば、1)不織布(弾性、柔らかさ及び強靭性;ドロップイン加工性能と共に供給される);2)フィルム(弾性、密閉性、強靭性及びタック);3)ポリマーの改変及びコンパウンド(衝撃強度、透明度、フレキシビリティ/堅さ、柔らかさ、高フィラー充填)のような広範な応用を提供する。Vistamaxx(商標)コポリマーはプロピレンとエチレンのコポリマーである。Vistamaxx(商標)はプロピレンリッチ(>80%)であり、高非晶質量を有する半結晶性材料である。Vistamaxx(商標)ポリマーの合成は、典型的にExxonMobil ChemicalのExxpol(商標)技術に基づいている。
Vistamaxx(商標)6102(「VM6102」)は、0.862g/cm3の密度、1.4g/10分のメルトインデックス(190℃、2.16kgで)、3g/10分のMFR、及び16wt%のエチレン含量を有するプロピレン-エチレンコポリマーである。
Vistamaxx(商標)3980プロピレン-エチレン性能ポリマー(「VM3980」)はExxonMobil Chemical Companyから入手可能である。VM3980は、9wt%のエチレン含量を有し、残りはプロピレンである。VM3980の特性は下記を含む:0.879g/cm3の密度(ASTM D1505);3.6g/10分(ASTM D1238;190℃、2.16kg)のメルトインデックス;8g/10分のメルトマスフローレート(230℃、2.16kg);34のショアD硬度(ASTM D2240);及び77.3℃のビカット軟化温度(VST)。
【0039】
Vistamaxx(商標)6502(VM6502)は、ランダムなエチレン分布でアイソタクチックプロピレン反復単位を有するポリマーであり;ポリマーは0.865g/cm3の密度;45.2g/10分のメルトマスフローレート(230℃、2.16kg);及び13.1wt%のエチレン含量を有する。
Vistamaxx(商標)3000プロピレン-エチレン性能ポリマー(「VM3000」)はExxonMobil Chemical Companyから入手可能である。VM3000は、11wt%のエチレンを有し、残りはプロピレンである。VM3000の特性は下記を含む:0.873g/cm3の密度(ASTM D1505);3.7g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238;190℃、2.16kg);8g/10分のメルトマスフローレート(230℃、2.16kg);27のショアD硬度(ASTM D2240);及び65.1℃のビカット軟化温度(VST)。
Vistamaxx(商標)3588プロピレン-エチレン性能ポリマー(「VM3588」)はExxonMobil Chemical Companyから入手可能である。VM3588は、4wt%のエチレン含量を有し、残りはプロピレンである。VM3588の特性は下記を含む:0.889g/cm3の密度(ASTM D1505);8g/10分のメルトマスフローレート(230℃、2.16kg);50のショアD硬度(ASTM D2240);及び103℃のビカット軟化温度(VST)。
Vistamaxx(商標)6202(「VM6202」)は、0.863g/cm3の密度、9.1g/10分のメルトインデックス(190℃、2.16kgで)、20g/10分のMFR、及び15wt%のエチレン含量を有するプロピレン-エチレンコポリマーである。
Vistamaxx(商標)3020(「VM3020」)は、0.874g/cm3の密度、1.1g/10分のメルトインデックス(190℃、2.16kgで)、3g/10分のMFR、及び11wt%のエチレン含量を有するプロピレン-エチレンコポリマーである。
本開示のプラント及びプロセスは、従来のプラント及びプロセスに比べて、低減した量の規格外物(例えば、分解ポリマー及び/又は望ましい規格範囲外の非分解ポリマー)を有する異なるグレードのポリマー、例えばVistamaxx(商標)グレードのポリマー間の移行を、ポリマーグレード間の移行時間の短縮及び再循環ライン内の再循環ポリマー量の低減をももたらすような方法で提供する。
【0040】
プラント及びプロセスフロー
図1は、実施形態に従う重合及び脱揮のためのプラント(100)及びプロセスフローである。
図1に示すように、モノマーストリーム(101)及び触媒化合物ストリーム(102)がプラント100に導入され、混合されて溶液を形成し得る。溶媒(例えばイソヘキサン)も存在する。モノマーと触媒化合物の溶液は、冷却器又は加熱器(103)を通って移動して適切な温度に達し得る。モノマーと触媒化合物の冷却又は加熱された溶液は次にポンプ(104)を介して反応ゾーン内の第1の熱交換器(105)に送り込まれ得る。第1の熱交換器への導入前に、触媒化合物は、本明細書に記載の活性化剤と接触されて(図示せず)触媒系を形成し得る。一部の実施形態では、触媒化合物は、第1の熱交換器に入る直前に活性化剤と接触される。
【0041】
第1の熱交換器(105)内で、溶液中にて触媒系がモノマーと接触すると、ポリマーが得られる。モノマー、触媒系、及びポリマーは、第1の熱交換器(105)に対して直交流方向に第1の熱交換器(105)を通って流れ得る。第1の熱交換器(105)を出るモノマー、触媒系、及びポリマーの一部は、第1の熱交換器(105)に戻って再循環され、第1の熱交換器(105)を出るモノマー、触媒系及びポリマーの別の部分は、別のポンプ(106)によって反応ゾーン内の第2の熱交換器(107)に送り込まれ得る。第2の熱交換器(107)を出るモノマー、触媒系、及びポリマーの一部は第2の熱交換器(107)に戻って再循環され、第2の熱交換器(107)を出るモノマー、触媒系、及びポリマーの別の部分は相分離器/脱揮容器(14)へ移動され得る。さらに又はこれとは別に、活性化剤が再循環ストリーム(図示せず)に導入され得る。第1の熱交換器(105)及び第2の熱交換器(107)は直列に示してあるが、代わりに並列であってもよい。
【0042】
相分離器(14)内では、モノマー及び/又は溶媒がポリマーから分離される。濃縮ポリマー溶液が相分離器(14)の下部を出ることができ、ストリームスプリッター(70)に通される。このストリームスプリッター(70)は、濃縮ポリマー溶液を、ライン(72)を経て低圧分離器(34)に移動される第1のストリームに分配する。低圧分離器(34)では、相分離器(14)から出てくるさらに濃縮されたポリマー溶液から蒸発溶媒及びモノマーが分離される。ストリームスプリッター(70)はまた濃縮ポリマー溶液を第2のストリーム(再循環ストリーム)に分配し、これは、ライン(74)を経て、反応器流出物と混合するために熱交換器(図示せず)の上流の位置でライン(11)に移される。一部の実施形態では、第3の分離器(図示せず)が利用されることがある。第3の分離器は、典型的に分離器(34)より低い圧力及び高い温度で操作される。一部の実施形態では、第3の分離器は約667Pa(5トル)~約5333Pa(40トル)の圧力及び/又は約130℃~約220℃の温度で操作され得る。
【0043】
加熱濃縮ポリマー溶液を形成するためのライン(72)の加熱器(109)。加熱濃縮ポリマー溶液の一部は相分離器(14)へ再循環され得る。加熱濃縮ポリマー溶液の残りの部分は、ライン(72)の加熱器(110)内でさらに加熱されて、加熱濃縮ポリマー溶液を溶融相状態に保ってから、低圧分離器(34)に移されて、加熱濃縮ポリマー溶液からいずれの残留モノマー及び/又は溶媒をも除去し得る。より濃縮されたポリマー溶液(約100%ポリマーまで)が低圧分離器(34)の下部を出て、それは、(1)第3段階脱揮(例えば、低圧分離器)(図示せず)で処理されるか又は(2)さらなる適切な添加剤(112)と混合され、冷却器(113)で冷却されてからペレット化及び梱包に送られ得る。同様に、より濃縮されたポリマー溶液が、第3段階脱揮容器(図示せず)を出て、適切な添加剤(112)と混合され、冷却器(113)で冷却されてから、ペレット化及び梱包に送られ得る。
【0044】
脱揮中の相分離器(14)の条件は、約150℃~約180℃の温度(例えば、相分離器の内容積の平均温度)、約0.517MPa(75psig)~約1.034MPa(150psig)の圧力、及び/又は約90,720t(トン)(200Mlb)/hr~約453,600t(1000Mlb)/hr、例えば約113,400t(113,400t(250Mlb))/hr~約351,540t(775Mlb)/hrのマスフローレート(例えば、第1及び/又は第2の濃縮ポリマー溶液の)を含み得る。相分離器(14)に入る反応器流出物のポリマー含量は約10wt%~約25wt%である。
低圧分離器(34)に入る相分離器(14)の流出物のポリマー含量は約25wt%~約45wt%である。低圧分離器(34)は、約180℃~約200℃及び約0.1724MPa(25psig)~約0.345MPa(50psig)の圧力で操作され得る。
低圧分離器(34)を出る流出物のポリマー含量は約80wt%~約95wt%、例えば約88wt%~約91wt%であり得る。第3段階脱揮が行われる場合、第3の分離器(図示せず)は約200℃~約220℃の温度及び約2666Pa(20トル(0.39psig))~約6666Pa(50トル(0.97psig))の圧力で操作され得る。第3の分離器を出る流出物は、約500wppm未満の揮発性有機化合物(VOC)を有し得る。
【0045】
相分離器(14)の上部を出るモノマー及び溶媒は、次に冷却器(114)で冷却され、凝縮器(115)に移動され得る。濃縮されたモノマー及び/又は溶媒は、凝縮器(115)の下部を出て、混合フィードドラム(120)に移動され、その結果、それはシステムに戻って供給され得る。非凝縮性ガス(例えば、水素ガス、エチレンガス)は、凝縮器(115)の上部を出て、圧縮器(118)及び別の冷却器(119)に移動されてガスを液体に変換することができ、これは次にシステムで再び用いるために混合フィードドラム(120)に移動され得る。同様に、低圧分離器(34)の上部を出るモノマー及び/又は溶媒は圧縮器(116)、別の冷却器(117)、圧縮器(118)及び冷却器(119)を通過して液体を形成することができ、これは次にシステムで再び用いるために混合フィードドラム(120)に移動され得る。
【0046】
非限定重合例
表1は、上述したように重合される低分子量プラストマー、高分子量エラストマー、及び高プロピレン含量エチレンコポリマーを作製するための重合プロセス例を示す。一部の実施形態では、プラントは、表1に示す条件の1つ以上で操作される。
【0047】
【表1】
【0048】
図1のプラントを用いてプラストマーを作製するために、フィード温度が加熱器/冷却器(103)によって0℃まで下げられ得る。アルミニウムアルキルがスカベンジャーとしてフィードの毒含有量に適した量で添加される。遠心ポンプによって120バールまで圧力が上げられる。次に、主に溶媒を含み、かつエチレンとプロピレン又はブテン又はヘキセン又はオクテンコモノマーとの50バールまでの分圧を有するフィードが第1の熱交換器(105)(例えば、直列反応器の第1の反応器)に入る。所望の重合温度をもたらす量で触媒及び活性化剤が第1の熱交換器(105/107)に添加され、この温度は、形成されるポリマーの所望の分子量に関連がある。重合熱は、水素を使用せずに(H2が使用されることもあるが)温度を150~200℃まで上昇させてプラストマーを形成する。第2の直列反応器の出口で、ポリマー濃度は10~25wt%の範囲内である。
次に水がライン(図示せず)経由で供給されて重合反応をクエンチする。さもなくば重合反応は残存触媒、未反応モノマー、及び上昇した温度の存在下で継続するだろう。
最初に熱交換器が温度を上昇させ、再循環ライン(74)(以下にさらに詳細に述べる相分離器(14)内に配置された熱交換器に加えて)の濃縮ポリマー溶液がさらなる温度上昇を引き起こす。圧力が速く降下しながら、重合混合物がレットダウンバルブ(18)(図2の)を通って相分離器(14)に入るので急速な圧力降下が起こる。反応器のポンプの出口とレットダウンバルブ(18)の出口との間の圧力差が、フィード及び重合混合物に熱交換器(105/107)と、熱交換器(12)を含むライン(11)とを通って流れさせるのに関与している。
【0049】
このプラントの使用を、表1のエラストマーと印した行と比較すると、重合温度はプラストマーに関するより低く、反応器から出てくる反応器流出物は少ない(その粘度はプラストマーの粘度に類似するだろう)が、同一の分離プロセスとプラントを用いて、いくらか少ない(より低い温度での重合プロセスの効率低下を反映している)生産量を与え得ることが分かる。2つの直列反応器があれば、第1の反応器は0~110℃の温度で作動し、かつ第2の反応器は40~140℃の温度で作動し、例えば第1の反応器は10~90℃の温度で作動し、かつ第2の反応器は50~120℃の温度で作動し、例えば第1の反応器は20~70℃の温度で作動し、かつ第2の反応器は60~110℃の温度で作動するのが好ましい可能性がある。プロセス条件及び毒物レベルを適切に制御すれば、1つの反応器のみを使用するか又は2つの反応器を同一プロセス条件下で使用する場合にもこの桁の温度を得ることができる。
反応性の低いプロピレンモノマーが十分に高い分子量を形成できるように温度を下げている「主プロピレン含量コポリマー」と印した表1の行についても同じことが言える。
【0050】
本開示のプラント及びプロセスは、重合及びその後のポリマー分離が、広範な温度にわたって、高低の操作温度での操作に適した触媒を用いて多種多様の平均分子量及びコモノマー含量のポリマーをもたらすことを可能にする。本開示のプロセスプラントは、重合開始物質(例えば、触媒、モノマー、及び/又はコモノマー)及びプロセス条件を変えるだけで、プラストマー、エラストマー、及び/又は主プロピレン含量コポリマーを生産する能力がある。
【0051】
図2は、実施形態に従う通常操作モード中のプラント(100)の一部である。図2に示すように、ライン(11)は、再循環ライン(74)の濃縮ポリマー溶液と混合される反応器流出物を移動させる。反応器流出物と濃縮ポリマー溶液は直接混合されてライン(11)に入り得る。又は、図2に示すように、ミキサー(76)を介して混合された後に混合物はライン(11)を経て熱交換器(12)へ移動し続け得る。
上述したように、本開示のプラントは、再循環ライン(74)の濃縮ポリマー溶液がライン(11)の反応器流出物と混合される通常操作モード下で操作され得る。或いは、移行モード中は、反応器流出物だけがライン(11)を経て相分離器(14)に供給され、濃縮ポリマー溶液の再循環は停止される。例えば、再循環ライン(74)の濃縮ポリマー溶液とライン(11)の反応器流出物の混合を停止するためにはバルブ(310a)及び/又は(310b)(それぞれ図2に開放位置で示してある)が閉位置にあり得る。移行モードは、ポリマーのグレードを移行するか又は全体的に異なるポリマー間で移行する場合に実施され得る。
【0052】
通常操作モード又は移行モード中、ミキサー(76)に導入されるライン(11)の反応器流出物は、約54.44℃(130°F)~約165.56℃(330°F)、例えば約60℃(140°F)~約160℃(320°F)の温度、約3.792MPa(550psig)~約5.516MPa(800psig)、例えば約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、約181,440t(400Mlb)/hr~約317,520t(700Mlb)/hr、例えば約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%の蒸気量、及び/又は約5wt%~約35wt%、例えば約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有し得る。ミキサー(76)に導入される(ストリームスプリッター(70)から)再循環ライン(74)の濃縮ポリマー溶液は、約83.33℃(200°F)~約148.89℃(300°F)、例えば約101.67℃(215°F)~約137.78℃(280°F)の温度、約3.792MPa(550psig)~約5.516MPa(800psig)、例えば約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、約158,760t(350Mlb)/hr~約285,768t(630Mlb)/hr、例えば約204,120t(450Mlb)/hr~約244,944t(540Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%の蒸気量、及び/又は約20wt%~約60wt%、例えば約25wt%~約50wt%のポリマー含量を有し得る。
【0053】
ミキサー(76)から、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)が熱交換器(12)に移動される。通常操作モード(反応器流出物と濃縮ポリマー溶液が混合される)中は、ミキサー(76)と熱交換器(12)の間のライン(11)の反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物は、約65.56℃(150°F)~約154.44℃(310°F)、例えば約82.22℃(180°F)~約137.78℃(280°F)の温度、約3.792MPa(550psig)~約5.516MPa(800psig)、例えば約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、約362,880t(800Mlb)/hr~約544,320t(1200Mlb)/hr、例えば約464,940t(1025Mlb)/hr~約487,620t(1075Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%の蒸気量、及び/又は約10wt%~約30wt%、例えば約18wt%~約22wt%のポリマー含量を有し得る。移行モード(反応器流出物と濃縮ポリマー溶液が混合されない)中は、ミキサー(76)と熱交換器(12)の間のライン(11)の反応器流出物は、約54.44℃(130°F)~約165.56℃(330°F)、例えば約60℃(140°F)~約160℃(320°F)の温度、約3.792MPa(550psig)~約5.516MPa(800psig)、例えば約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、約181,440t(400Mlb)/hr~約317,520t(700Mlb)/hr、例えば約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%の蒸気量、及び/又は約5wt%~約35wt%、例えば約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有し得る。
【0054】
熱交換器(12)から、反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物がレットダウンバルブ(18)へ移動される。通常操作モード中は、熱交換器(12)からレットダウンバルブ(18)へ移動されるライン(11)の反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物は、約104.44℃(220°F)~約182.22℃(360°F)、例えば約115.56℃(240°F)~約171.11℃(340°F)の温度、約2.758MPa(400psig)~約4.137MPa(600psig)、例えば約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、約181,440t(400Mlb)/hr~約498,960t(1100Mlb)/hr、例えば約226,800t(500Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%~約1wt%、例えば約0wt%の蒸気量及び/又は約10wt%~約50wt%、例えば約15wt%~約40wt%のポリマー含量を有し得る。移行モード中は、熱交換器(12)からレットダウンバルブ(18)へ移動されるライン(11)の反応器流出物は、約104.44℃(220°F)~約350°F、例えば約115.56℃(240°F)~約165.56℃(330°F)の温度、約2.758MPa(400psig)~約4.137MPa(600psig)、例えば約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、約181,440t(400Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hr、例えば約204,120t(450Mlb)/hr~約254,016t(560Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%~約1wt%、例えば約0wt%の蒸気量、及び/又は約5wt%~約35wt%、例えば約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有し得る。
【0055】
レットダウンバルブ(18)から、反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物が相分離器(14)に移動される。通常操作モード中は、レットダウンバルブ(18)から相分離器(14)へ移動されるライン(11)の反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物は、約76.67℃(170°F)~約148.89℃(300°F)、例えば約83.33℃(200°F)~約132.22℃(270°F)の温度、約0.345MPa(50psig)~約1.379MPa(200psig)、例えば約0.483MPa(70psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、約158,760t(350Mlb)/hr~約498,960t(1100Mlb)/hr、例えば約181,440t(400Mlb)/hr~約498,960t(1100Mlb)/hrのマスフローレート、約10wt%~約60wt%、例えば約15wt%~約50wt%の蒸気量、及び/又は約10wt%~約50wt%、例えば約15wt%~約40wt%のポリマー含量を有し得る。移行モード中は、レットダウンバルブ(18)から相分離器(14)へ移動されるライン(11)の反応器流出物は、約76.67℃(170°F)~約148.89℃(300°F)、例えば約87.78℃(190°F)~約137.78℃(280°F)の温度、約0.345MPa(50psig)~約1.379MPa(200psig)、例えば約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、約181,440t(400Mlb)/hr~約317,520t(700Mlb)/hr、例えば約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、約10wt%~約50wt%、例えば約20wt%~約40wt%の蒸気量、及び/又は約5wt%~約35wt%、例えば約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有し得る。
【0056】
相分離器(14)から、相分離器(14)内で形成された濃縮ポリマー溶液がライン(302)を経てポンプ(304)に移動される。通常操作モード及び/又は移行モード中、相分離器(14)からポンプ(304)へ移動されるライン(302)の濃縮ポリマー溶液は、約76.67℃(170°F)~約148.89℃(300°F)、例えば約83.33℃(200°F)~約132.22℃(270°F)の温度、約0.345MPa(50psig)~約1.379MPa(200psig)、例えば約0.448MPa(65psig)~約1.103MPa(160psig)の圧力、約90,720t(200Mlb)/hr~約362,880t(800Mlb)/hr、例えば約99,792t(220Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hr、例えば約99,792t(220Mlb)/hr~約344,736t(760Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%~約1wt%、例えば約0wt%の蒸気量、及び/又は約20wt%~約70wt%、例えば約25wt%~約60wt%のポリマー含量を有し得る。
【0057】
ポンプ(304)から、濃縮ポリマー溶液がライン(306)を経てストリームスプリッター(70)へ移動される。通常操作モード及び/又は移行モード中、ポンプ(304)からストリームスプリッター(70)へ移動されるライン(306)の濃縮ポリマー溶液は、約76.67℃(170°F)~約148.89℃(300°F)、例えば約83.33℃(200°F)~約132.22℃(270°F)の温度、約3.447MPa(500psig)~約5.516MPa(800psig)、例えば約3.792MPa(550psig)~約5.171MPa(750psig)の圧力、約90,720t(200Mlb)/hr~約362,880t(800Mlb)/hr、例えば約99,792t(220Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hr、例えば約99,792t(220Mlb)/hr~約344,736t(760Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%~約1wt%、例えば約0wt%の蒸気量、及び/又は約20wt%~約70wt%、例えば約25wt%~約60wt%のポリマー含量を有し得る。
ストリームスプリッター(70)から、ライン(72)の濃縮ポリマー溶液はライン(72)を経て分離器(34)へ移動される。通常操作モード及び/又は移行モード中、ストリームスプリッター(70)から分離器(34)へ移動されるライン(72)の濃縮溶液相は、約83.33℃(200°F)~約148.89℃(300°F)、例えば約104.44℃(220°F)~約137.78℃(280°F)の温度、約3.447MPa(500psig)~約5.516MPa(800psig)、例えば約3.792MPa(550psig)~約5.171MPa(750psig)の圧力、約90,720t(200Mlb)/hr~約158,760t(350Mlb)/hr、例えば約99,792t(220Mlb)/hr~約122,472t(270Mlb)/hrのマスフローレート、約0wt%~約1wt%、例えば約0wt%の蒸気量、及び/又は約20wt%~約70wt%、例えば約25wt%~約60wt%のポリマー含量を有し得る。
【0058】
図3Aは、実施形態に従うプラント(100)の相分離器(14)である。図3Aに示すように、相分離器(14)は静的脱揮分離器である。相分離器(14)は、熱交換器(400)と、圧力レットダウンバルブ(18)からライン(11)を経て流出物(402)(例えば、反応器流出物又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)を受け取るための入口(410)とを含む。図3Aに示すように、熱交換器(400)は部分的に相分離器(14)内に配置されているが、代わりに全体的に相分離器(14)内に配置され得る。相分離器(14)は、第1の濃縮ポリマー溶液(421)を受け取るための容器(403)を含む。容器(403)は、第2の濃縮ポリマー溶液(422)を収集するための下部サンプ領域(404)を含む。容器(403)は、揮発性物質(406)を放出するための上部領域(405)を有する。容器(403)は、下部サンプ領域(404)と上部領域(405)の間に中心領域(407)を有する。下部サンプ領域(404)と流体連絡している放出ポンプ(408)が容器(403)から第2の濃縮ポリマー溶液(422)を放出する。抽出ライン(409)が、容器(403)からの揮発性物質(406)の放出を可能にし、抽出ライン(409)は相分離器(14)の上部領域(405)に配置され、例えば、抽出ライン(409)は、相分離器(14)の頂部1/3部分にある。
熱交換器(400)は、揮発性物質(406)を抽出ライン(409)の方へ放出するための揮発性物質放出領域(434)を有する。
【0059】
熱交換器(400)の放出開口部(424)が、下部サンプ領域(404)と、第1の濃縮ポリマー溶液(421)を受け取るように構成された第2の熱交換器(500)とに向けて下方へ第1の濃縮ポリマー溶液(421)を放出する。第2の熱交換器(500)は、入口(520)(内側移行部である)を経て第1の濃縮ポリマー溶液(421)を受け取り、第1の濃縮ポリマー溶液(421)に熱交換をもたらして、第1の濃縮ポリマー溶液(421)に比べて減少した揮発性物質含量を有する第2の濃縮ポリマー溶液(422)を形成するように構成されている。第2の濃縮ポリマー溶液(422)は、出口(530)(外側移行部である)を経て熱交換器(500)を出て、下部サンプ領域(404)に向かって移動し得る。第2の熱交換器(500)によってもたらされる分離された揮発性物質は、出口(540)で第2の熱交換器(500)を出て、上部領域(405)、最終的に抽出ライン(409)の方へ移動し得る。
【0060】
熱交換器(400)及び熱交換器(500)は、独立に、約76.67℃(170°F)~約165.56℃(330°F)、例えば約101.67℃(215°F)~約148.89℃(300°F)の温度、約0.345MPa(50psig)~約1.379MPa(200psig)、例えば約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び/又は約90,720t(200Mlb)/hr~約362,880t(800Mlb)/hr、例えば約113,400t(250Mlb)/hr~約344,736t(760Mlb)/hrのマスフローレートで操作され得る。
熱交換器(400)及び熱交換器(500)は、独立に10,550MJ(10MMBtu)/hr~約31,650MJ(30MMBtu)/hr、例えば約15,825MJ(15MMBtu)/hr~約26,375MJ(25MMBtu)/hr、例えば約(18,990MJ(18MMBtu)/hr~約23,210MJ(22MMBtu)/hrで操作され得る。「MMBtu/hr」は百万英国熱量単位(Millions of British Thermal Unit)/時である。該熱交換器が熱交換器(12)に加えて利用されるので、熱交換器(12)は、約63,000MJ(60MMBtu)/hrで作動することが多い従来の再循環ラインの従来の熱交換器に比べて低い入熱で操作され得る。例えば、熱交換器(12)は約26,375MJ(25MMBtu)/hr~約52,750MJ(52,750MJ(50MMBtu))/hr、例えば約36,925MJ(36,925MJ(35MMBtu))/hr~約47,475MJ(47,475MJ(45MMBtu))/hr、例えば約36,925MJ(36,925MJ(35MMBtu))/hr~約42,200MJ(40MMBtu)/hrで操作され得る。
【0061】
1つ以上の熱交換器を有する相分離器は、特に大量の揮発性物質を含有する高粘性ポリマー生成物のため及び/又は最終生成物の規格が超低濃度の残留揮発性物質のみを許容する場合に脱揮改善をもたらすことができる。相分離器内にそれぞれ配置された(部分的又は完全に)第1の熱交換器及び第2の熱交換器の使用は、相分離器を出る第2の濃縮ポリマー相の揮発性物質含量の低減(相分離器内に配置された熱交換器が1つだけ使用されるか又は使用されない場合に比べて)をもたらすことができる。
さらに、本開示の熱交換器は束に集められた管-管デザインを有して、例えば、8000m2までの表面積を与えることができる。従来の管束に比べて、本開示の熱交換器は、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の相当な分布をもたらして、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の伝熱表面積及び気液界面を増大させる。
脱揮中の相分離器(14)の条件は、約150℃~約180℃の温度(例えば、相分離器の内容積の平均温度)、約0.517MPa(75psig)~約1.0342MPa(150psig)の圧力、及び/又は約90,720t(200Mlb)/hr~約453,600t(1000Mlb)/hr、例えば約113,400t(250Mlb)/hr~約351,540t(775Mlb)/hrのマスフローレート(例えば、第1及び/又は第2の濃縮ポリマー溶液の)を含み得る。
第2の濃縮ポリマー溶液(422)は、上述したように、相分離器(14)からライン(302)を経てポンプ(304)へ移動され得る。
【0062】
図3Bは、実施形態に従うプラント(100)の相分離器(14)である。図3Bに示すように、相分離器(14)は静的脱揮分離器である。相分離器(14)は、流出物(402)と、圧力レットダウンバルブ(18)からライン(11)経由で流出物(402)(例えば、反応器流出物又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)を受け取るための入口多岐管(410)とを含む。図3Bに示すように、入口多岐管(410)は、相分離器(14)内に配置され、流出物(402)を相分離器(14)の内部空洞へ供給するように構成された複数の出口(480)を有する。例えば、相分離器(14)は、第1の濃縮ポリマー溶液(421)を受け取るための容器(403)を含む。容器(403)は、第2の濃縮ポリマー溶液(422)を収集するための下部サンプ領域(404)を有する。容器(403)は、揮発性物質(406)を放出するための上部領域(405)を有する。容器(403)は、下部サンプ領域(404)と上部領域(405)の間に中心領域(407)を有する。下部サンプ領域(404)と流体連絡している放出ポンプ(408)が容器(403)から第2の濃縮ポリマー溶液(422)を放出する。抽出ライン(409)が容器(403)からの揮発性物質(406)の放出を可能にし、抽出ライン(409)は、相分離器(14)の上部領域(405)に配置され、例えば、抽出ライン(409)は、相分離器(14)の頂部1/3部分にある。
【0063】
入口多岐管(410)は、揮発性物質(406)を抽出ライン(409)の方へ放出するための揮発性物質放出領域(434)を有する。入口多岐管(410)の出口(480)は、下部サンプ領域(404)及び第1の濃縮ポリマー溶液(421)を受け取るように構成された熱交換器(500)に向けて下方へ第1の濃縮ポリマー溶液(421)を放出する。熱交換器(500)は、1つ以上の入口(図示せず)経由で第1の濃縮ポリマー溶液(421)を受け取り、第1の濃縮ポリマー溶液(421)に熱交換をもたらして、第1の濃縮ポリマー溶液(421)に比べて減少した揮発性物質含量を有する第2の濃縮ポリマー溶液(422)を形成するように構成されている。第2の濃縮ポリマー溶液(422)は、1つ以上の出口(図示せず)を経て熱交換器(500)を出て、下部サンプ領域(404)の方へ移動し得る。第2の熱交換器(500)によってもたらされる分離された揮発性物質は、1つ以上の出口(図示せず)で第2の熱交換器(500)を出て、上部領域(405)、最終的に抽出ライン(409)の方へ移動し得る。
熱交換器(500)は、約76.67℃(170°F)~約165.56℃(330°F)、例えば約101.67℃(215°F)~約148.89℃(300°F)の温度、約0.345MPa(50psig)~約1.379MPa(200psig)、例えば約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び/又は約90,720t(200Mlb)/hr~約362,880t(800Mlb)/hr、例えば約113,400t(250Mlb)/hr~約344,736t(760Mlb)/hrのマスフローレートで操作され得る。
熱交換器(500)は、10,550MJ(10MMBtu)/hr~約31,650MJ(30MMBtu)/hr、例えば約15,825MJ(15MMBtu)/hr~約26,375MJ(25MMBtu)/hr、例えば約18,990MJ(18MMBtu)/hr~約23,100MJ(22MMBtu)/hrで操作され得る。熱交換器(12)に加えて該熱交換器が利用されるので、図1の熱交換器(12)は、約63,300MJ(60MMBtu)/hrで作動することが多い従来の再循環ラインの従来の熱交換器に比べて低い入熱で操作され得る。例えば、熱交換器(12)は、約26,375MJ(25MMBtu)/hr~約52,750MJ(50MMBtu)/hr、例えば約36,925MJ(35MMBtu)/hr~約47,475MJ(45MMBtu)/hr、例えば約36,925MJ(35MMBtu)/hr~約47,475MJ(45MMBtu)/hrで操作され得る。
【0064】
1つ以上の熱交換器を有する相分離器は、特に大量の揮発性物質を含有する高粘性ポリマー生成物のため及び/又は最終生成物の規格が超低濃度の残留揮発性物質のみを許容する場合に脱揮改善をもたらすことができる。相分離器内に配置された熱交換器の使用は、相分離器を出る第2の濃縮ポリマー相の揮発性物質含量の低減(相分離器内に配置された熱交換器が使用されない場合に比べて)をもたらすことができる。
さらに、本開示の熱交換器は、束に集めらた管-管デザインを有して、例えば、8000m2までの表面積を与えることができる。従来の管束に比べて、本開示の熱交換器は、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の相当な分布をもたらして、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の伝熱表面積及び気液界面を増大させる。
脱揮中の相分離器(14)の条件は、約150℃~約180℃の温度(例えば、相分離器の内容積の平均温度)、約0.517MPa(75psig)~約1.0342MPa(150psig)の圧力、及び/又は約90,720t(200Mlb)/hr~約453,600t(1000Mlb)/hr、例えば約113,400t(250Mlb)/hr~約351,540t(775Mlb)/hrのマスフローレート(例えば、第1及び/又は第2の濃縮ポリマー溶液の)を含み得る。
第2の濃縮ポリマー溶液(422)は、上述したように、相分離器(14)からライン(302)を経てポンプ(304)へ移動され得る。
【0065】
図4は、実施形態に従って図3Aの熱交換器として使用可能な熱交換器(550)である。熱交換器(550)は、図3の熱交換器(400)及び/又は熱交換器(500)であり得る。図4に示すように、熱交換器(550)は、中心体(510)、2つの内側移行部(520)、2つの外側移行部(530)、及び3つの管接続部(540)を含む。2つの内側移行部(520)のうち、一方は、中心体(510)の第1端部(520a)から伸長し、他方は、中心体(510)の第2端部(520b)から伸長している。2つの各移行部(530)は、それぞれの内側移行部(520)のどちらかの外端部(520b)から伸長している。各接続部(540)は、それぞれの外側移行部(530)の第1端部及び第2端部(530b)、(530c)のそれぞれ1つの外側エンベロープ面と一体に形成され、該外側エンベロープ面から伸長する管壁部分を有する。管接続部(540)は円形であり、(A)反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)を受け取るか、(B)相分離器の容器(403)への揮発性物質の出口を与えるか、又は(C)濃縮ポリマー溶液(422)の出口を与えるように適合され得る。熱交換器(550)(例えば、熱交換器(550)の構成要素、例えば中心体(510))は、鋼又は合金鋼で形成され得る。
熱交換器(550)は、その中に配置された複数のチャネル(図示せず)を有し得る。複数のチャネルは、例えば、参照することによりその内容全体を本明細書に援用する米国公開第2020/0300561号に記載されているように、市松模様を形成し得る。内側移行部(520)は、中心体(510)内に配置されたいずれものチャネルの最大幅Wの少なくとも3倍の主方向長さLを有する。
【0066】
これとは別に、熱交換器はプレート式熱交換器、例えば図3Bの熱交換器であり得る。プレート式熱交換器は、複数の第1の熱交換器プレート及び複数の第2の熱交換器プレートを有することができ、これらが互いに連結され、隣接する第1の熱交換器プレートと第2の熱交換器プレートの各対間に第1のプレート間空間が形成され、かつ隣接する第2の熱交換器プレートと第1の熱交換器プレートの各対間に第2のプレート間空間が形成されるように並べて配置される。第1のプレート間空間及び第2のプレート間空間は、互いに隔てられ、プレートパッケージ内に交互の順序で並べて設けられる。実質的に各熱交換器プレートは、少なくとも第1のポートホール及び第2のポートホールを有し、第1のポートホールは第1のプレート間空間への第1の入口チャネルを形成し、第2のポートホールは第1のプレート間空間からの第1の出口チャネルを形成する。
例えば、プレート式熱交換器は、揮発性物質出口となる第1の出口及び濃縮ポリマー溶液(421)又は(422)用出口となる第2の出口を有し得る。
【0067】
図5~7は、プレート式熱交換器(600)を示す。プレート式熱交換器(600)は、複数の熱交換器プレート(601)を含み、これらがプレートパッケージ(602)を形成し、それぞれ主拡張平面(main extension plane)pを含む(図5参照)。熱交換器プレート(601)は、プレートが互いに並んでプレートパッケージ(602)に設けられると、プレート間空間がプレート(601)の各対間に形成されるような形状に押圧される。プレート間空間は、全体的又は部分的に、プレート間に与えられる間隔部材、例えばガスケットによって形成されることもあり、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)用の複数の第1の通路(603)及び媒体(例えば、加熱流体)用の複数の第2の通路(604)を形成するように配置される。第1の通路(603)は、第2の通路(604)から隔てられている。さらに、第1の通路(603)及び第2の通路(604)は、互いに並んで交互の順序で配置され、例えば、実質的に第1の各通路(603)は2つの第2の通路(604)に囲まれている。
【0068】
プレートパッケージ(602)は、熱交換器プレート(601)を含み、これらは互いに任意の適切な方法、例えばろう付けによって接続され、熱交換器プレート(601)は、開示実施形態においてポートホールのない、エンドプレートの1つを除き、実質的に同一である。さらに、プレートパッケージ(602)は、4つのポートチャネル(606)、(607)、(608)及び(609)を含む。各ポートチャネル(606)、(607)、(608)及び(609)は、前記1つのエンドプレートを除き、プレート(601)の中を通って伸長している。2つのポートチャネル(606)及び(607)は、第1の通路(603)と流体連絡しており、ポートチャネル(606)は第1の入口ポートチャネルを形成し、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)用の第1の入口(611)まで伸長し、ポートチャネル(607)は第1の出口ポートチャネルを形成し、揮発性物質及び濃縮ポリマー溶液用の第1の出口(612)まで伸長している。2つの他のポートチャネル(608)及び(609)は、第2の通路(604)と流体連絡しており、ポートチャネル(608)は第2の入口ポートチャネル(608)を形成し、媒体(加熱流体)用の第2の入口(613)まで伸長し、ポートチャネル(609)は第2の入口ポートチャネルを形成し、媒体用の第2の出口(614)まで伸長している。プレート式熱交換器デバイスは、別の数のポートチャネル、例えば2又は6個のポートチャネル及び/又は別の数の通路を有するタイプのものであってもよいことに留意すべきである。
【0069】
1つのエンドプレートを除き、各ポートチャネル(606)、(608)、及び(609)は、プレートパッケージ(602)内の各熱交換器プレート(601)中の開口部又はポートホールによって形成される。ポートチャネル(606)、(608)、及び(609)を形成するポートホールは、ポートチャネル(606)、(608)、及び(609)の方向に見ると円形である。各ポートチャネル(606)、(608)、及び(609)は、それぞれ、媒体(例えば反応器流出物、反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物、揮発性物質、第1/第2の濃縮ポリマー溶液、又は加熱流体)の供給及び除去のためにプレートパッケージ(602)から伸長するそれぞれの導管パイプ(221)、(222)、(223)に接続される。例えば、パイプ(221)とポートチャネル(606)は、反応器流出物又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物の第1の通路(603)への供給及び輸送を可能にする。パイプ(622)とポートチャネル(608)は、媒体(例えば加熱流体)の第2の通路(604)への供給及び輸送を可能にし、パイプ(623)とポートチャネル(609)は、媒体(加熱流体)の第2の通路(604)からの放出及び輸送を可能にする。
プレートパッケージ(602)は、使用中は上端部と、重力の方向に関して上端部の下にある下端部とを有し、第1の入口(611)は上端部の近傍にあり、第1の出口(612)は下端部の近傍にある。下端部にある第2の入口(613)は向流原理に従って作動し、一方で第2の出口(614)は上端部にある。プレート式熱交換器は、並流原理に従って作動するようにもデザインされ得ることに留意すべきである。
【0070】
プレート式熱交換器は、第2の通路(604)内の媒体(加熱流体)の使用により第1の通路(603)内で反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の加熱を可能にするように配置される。例えば、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の加熱に起因して、揮発性物質が反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)から除去されることになる。1つ以上の熱交換器プレートは、隆起部と谷部を含む波形を有する伝熱領域を含み得る。
第1の出口(612)を形成するポートチャネル(607)は、反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の揮発性物質の放出を可能にするように配置される揮発性物質出口(631)と、濃縮ポリマー溶液の放出を可能にするように配置される液体出口(632)とを含むか又は形成する。液体出口(632)は、ガス出口(631)の中又はその近傍に設けられる。第1の実施形態では、第1の出口(612)は、ポートホールによって形成される。しかしながらポートチャネル(607)は、上部揮発性物質出口(631)及び下部揮発性物質出口(632)が形成されるように、前記1つのエンドプレートからポートチャネル(607)に伸長する分割要素(633)を利用して分割される。このようにして揮発性物質出口(631)は濃縮ポリマー出口(632)から隔てられることになる。
【0071】
揮発性物質出口(631)の出口開口部は、通常使用中は重力に関して液体出口(632)の出口開口部の中心点より高いレベルにある中心点を有する。図7は、ポートチャネル(607)の中に短距離伸長している分割要素(633)を実線で示している。しかしながら、破線によって、分割要素は実質的にポートチャネル(607)の全長まで伸長し得ることが分かる。分割要素(633)は、ガス出口(631)から見ると凸状のいくらか曲がった形状を有してもよい単純なシートを含むか又はそれで形成され得る。この場合、分割要素(633)上の濃縮ポリマーは、揮発性物質出口(631)、又は好ましくは、濃縮ポリマー出口(632)から外方及び下方へ流れ得る。代替実施形態では、プレート式熱交換器は分割要素(633)を有しない。
揮発性物質出口(631)は、揮発性物質の放出及び輸送のためにプレートパッケージ(602)から伸長する揮発性物質放出導管(635)を含むか又は該導管に接続可能である。濃縮ポリマー出口(632)は、放出導管(636)を含むか又は該導管に接続可能であり、これもプレートパッケージ(602)から伸長し、濃縮ポリマーの別の放出及び輸送のために揮発性物質放出導管から隔てられている。
実質的に各通路(603)を区切る熱交換器プレートは、第1の通路(603)と第1の出口(612)のポートチャネル(607)との間の移行が、ポートチャネル(607)の中に流れ出る反応器流出物(又は反応器流出物と濃縮ポリマー溶液の混合物)の加熱された成分のためのスロットリングを形成するように構成される。スロットリングは、少なくとも第1の出口(612)の周囲に、かつ第1の通路(603)を形成するプレート間空間の中心平面の方へ内向きに伸長するエッジ領域(646)によって形成される。
【0072】
追加態様
本開示は、とりわけ、下記態様を提供し、各態様は、場合によりいずれの代替態様をも含むとみなされ得る。
条項1. ポリマーの形成プロセスであって、
1種以上のオレフィンモノマー及び溶媒を有するフィードを供給するステップと、
フィードを触媒と共に反応器に導入して反応混合物を形成するステップと、
反応器から反応器流出物を除去するステップと、
ミキサー又はライン内で、反応器流出物を第1の濃縮ポリマー溶液と混合して混合物を形成するステップと、
混合物を熱交換器に導入して加熱混合物を形成するステップと、
加熱混合物を圧力レットダウンバルブに導入した後に加熱混合物を相分離器に導入するステップと、
相分離器から第2の濃縮ポリマー溶液を除去するステップと、
第2の濃縮ポリマー溶液をミキサー又はラインに導入するステップと
を含む、プロセス。
条項2. 反応器が連続撹拌槽型反応器である、条項1に記載のプロセス。
条項3. 第2の濃縮ポリマー溶液をミキサー又はラインに導入するステップが、約227t(500,000lb)/hr以下の速度で行われる、条項1又は2に記載のプロセス。
【0073】
条項4. 第2の濃縮ポリマー溶液を、
ミキサー又はラインに導入された第2の濃縮ポリマー溶液である第1の部分と、
第2の部分と
に分配するように構成されたストリームスプリッターに第2の濃縮ポリマー溶液を導入するステップをさらに含む、条項1~3のいずれか1項に記載のプロセスであって、
第2の部分を第2の相分離器に導入するステップをさらに含む、プロセス。
条項5. モノマーが、オクテン、ブテン、プロピレン及びエチレンを含む、条項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
条項6. 第2の濃縮ポリマー溶液をミキサー又はラインに導入している時に、第2の濃縮ポリマー溶液が、
約101.67℃(215°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約204,120t(450Mlb)/hr~約244,944t(540Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約25wt%~約50wt%のポリマー含量
を有する、条項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
条項7. 加熱混合物を圧力レットダウンバルブに導入している時に、加熱混合物が、
約115.56℃(240°F)~約171.11℃(340°F)の温度、
約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約15wt%~約40wt%のポリマー含量
を有する、条項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【0074】
条項8. さらに、
第2の濃縮ポリマー溶液のミキサー又はラインへの導入を停止するステップと、
反応器流出物と第1の濃縮ポリマー溶液の混合を停止するステップと、
反応器流出物を熱交換器に導入して加熱反応器流出物を形成するステップと、
加熱反応器流出物を圧力レットダウンバルブに導入した後に加熱反応器流出物を相分離器に導入するステップと、
相分離器から第3の濃縮ポリマー溶液を除去するステップと
を含む、条項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
条項9. 加熱反応器流出物を圧力レットダウンバルブに導入している時に、加熱反応器流出物が、
約115.56℃(240°F)~約165.56℃(330°F)の温度、
約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、
約204,120t(450Mlb)/hr~約254,016t(560Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量
を有する、条項1~8のいずれか1項に記載のプロセス。
条項10. 混合物を熱交換器に導入して加熱混合物を形成している時に、加熱混合物が、
約82.22℃(180°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約464,940t(1025Mlb)/hr~約487,620t(1075Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有し、かつ
反応器流出物を熱交換器に導入して加熱反応器流出物を形成している時に、加熱反応器流出物が、
約60℃(140°F)~約160℃(320°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約5wt%~約35wt%のポリマー含量を有する、
条項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【0075】
条項11. 加熱混合物を相分離器に導入している時に、加熱混合物が、
約83.33℃(200°F)~約132.22℃(270°F)の温度、
約0.483MPa(70psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、
約181,440t(400Mlb)/hr~約498,960t(1,100Mlb)/hrのマスフローレート、
約15wt%~約50wt%の蒸気量、及び
約15wt%~約40wt%のポリマー含量を有し、かつ
加熱反応器流出物を相分離器に導入している時に、加熱反応器流出物が、
約87.78℃(190°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、
約20wt%~約40wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有する、
条項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
条項12. 第2の部分を第2の相分離器に導入している時に、第2の部分が、
約104.44℃(220°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.792MPa(550psig)~約5.171MPa(750psig)の圧力、
約99,792t(220Mlb)/hr~約122,472t(270Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約25wt%~約60wt%のポリマー含量
を有する、条項1~11のいずれか1項に記載のプロセス。
【0076】
条項13. 加熱混合物を相分離器に導入するステップが、加熱混合物を相分離器の入口に導入することによって行われ、第2の熱交換器が相分離器の入口と連結されている、条項1~12のいずれか1項に記載のプロセス。
条項14. 加熱混合物を相分離器に導入するステップが、相分離器内に第2の熱交換器の下に配置された第3の熱交換器に加熱混合物を導入するステップをさらに含む、条項1~13のいずれか1項に記載のプロセス。
条項15. 第2の熱交換器が第1の複数の管を含み、第3の熱交換器が第2の複数の管を含む、条項1~14のいずれか1項に記載のプロセス。
条項16. 第2の熱交換器が、
約101.67℃(215°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hrのマスフローレート
で操作される、条項1~15のいずれか1項に記載のプロセス。
条項17. 第3の熱交換器が、
約101.67℃(215°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約344,736t(760Mlb)/hrのマスフローレート
で操作される、条項1~16のいずれか1項に記載のプロセス。
【0077】
条項18. 第1の熱交換器が、約26,375MJ(25MMBtu)/hr~約52,750MJ(50MMBtu)/hrで操作される、
条項1~17のいずれか1項に記載のプロセス。
条項19. 第2の熱交換器が、約10,550MJ(10MMBtu)/hr~約31,650MJ(30MMBtu)/hrで操作され、かつ
第3の熱交換器が、約10,550MJ(10MMBtu)/hr~約31,650MJ(30MMBtu)/hrで操作される、
条項1~18のいずれか1項に記載のプロセス。
条項20. 第1の熱交換器が、約36,925MJ(35MMBtu)/hr~約47,475MJ(45MMBtu)/hrで操作され、
第2の熱交換器が、約18,990MJ(18MMBtu)/hr~約23,100MJ(22MMBtu)/hrで操作され、かつ
第3の熱交換器が、約18,990MJ(18MMBtu)/hr~約23,100MJ(22MMBtu)/hrで操作される、
条項1~19のいずれか1項に記載のプロセス。
条項21. 相分離器を、
約104.44℃(220°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約351,540t(775Mlb)/hrのマスフローレート
で操作するステップをさらに含む、条項1~21のいずれか1項に記載のプロセス。
【0078】
条項22. ポリマーを形成するためのプラントであって、
相分離器と連結された重合反応器と、
重合反応器と相分離器の間に配置された熱交換器及び圧力レットダウンバルブであって、熱交換器は重合反応器及び圧力レットダウンバルブと連結され、圧力レットダウンバルブは相分離器と連結されている、熱交換器及び圧力レットダウンバルブと、
相分離器と連結され、かつ熱交換器及び圧力レットダウンバルブの上流の位置でラインと連結されたストリームスプリッターと
を含む、プラント。
条項23. ストリームスプリッターと連結された第2の相分離器をさらに含む、
条項22に記載のプラント。
条項24. 第2の相分離器と連結された真空脱揮押出器をさらに含む、
条項22又は23に記載のプラント。
条項25. 第2のラインと連結された1つ以上のバルブをさらに含み、これらの1つ以上のバルブは、第2のライン内の物質の流れが、熱交換器及び圧力レットダウンバルブの上流の位置で第1のラインに入るのを阻止するように構成されている、
条項22~24のいずれか1項に記載のプラント。
条項26. 相分離器が、相分離器の入口と連結された第2の熱交換器を含む、
条項22~25のいずれか1項に記載のプラント。
条項27. 相分離器が、相分離器内に第2の熱交換器の下に配置された第3の熱交換器をさらに含む、条項22~26のいずれか1項に記載のプラント。
【0079】
全体的に見て、本開示のプラント及びプロセスは、従来のプラント及びプロセスに比べて、規格外物(例えば、分解ポリマー及び再循環ライン内のあまり再循環されない濃縮ポリマー)の量をも減らすようにポリマーグレード間の移行時間の短縮を可能する。
「から本質的に成る(consists essentially of及びconsisting essentially of)」という表現は、特別の定めのない限り、本明細書に具体的に述べているか否かに関わらず、他のステップ、要素、又は材料の存在を、このようなステップ、要素、又は材料が本開示の基本的及び新規な特徴に影響を及ぼさない限り除外せず、さらに、それらは、使用される要素及び材料に一般的に付随する不純物及び変化を除外しない。
簡潔にするために、本明細書では特定の範囲のみを明示的に開示している。しかしながら、任意の下限からの範囲は、任意の上限と組み合わせて、明示的に記載していない範囲を記述できのみならず、任意の下限からの範囲を任意の他の下限と組み合わせて、明示的に記載していない範囲を記述することができ、同様に、任意の上限からの範囲を任意の他の上限と組み合わせて、明示的に記載していない範囲を記述することができる。さらに、明示的に記載していなくてもそのエンドポイント間のあらゆるポイント又は個々の値が範囲内に含まれる。従って、あらゆるポイント又は個々の値は、任意の他のポイント若しくは個々の値又は任意の他の下限若しくは上限と組み合わせたそれ自体の下限又は上限として働いて、明示的に記載していない範囲を記述することができる。
本明細書の詳細な説明内の全ての数値は、「約」によって表示値が修飾され、当業者が予測するであろう実験誤差及び変動を考慮する。
【0080】
本明細書に記載の全ての文書は、いずれの優先権書類又は試験手順をも含め、それらが本テキストと矛盾しない程度まで、参照することにより本明細書に援用される。前述の一般的記述及び具体的実施形態から明らかなように、本開示の形態を説明及び記載したが、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更を加えることができる。従って、本開示はそれらによって限定されることを意図しない。同様に、用語「含む(comprising)」は、米国法のための用語「含む(including)」と同義とみなされる。同様に、組成物、要素又は要素群に移行句「comprising」が先行するときはいつでも、我々は、組成物、要素、又は複数要素の記載に先行する移行句「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、「から成る群より選択される(selected from the group of consisting of)」、又は「である(is)」を有する同一の組成物又は要素群をも企図し、逆も同様であることを理解すべきである。
本開示をいくつかの実施形態及び実施例に関して説明したが、本開示の利益を得る当業者は、本開示の範囲及び精神を逸脱しない他の実施形態を工夫することができるだろう。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーの形成プロセスであって、
1種以上のオレフィンモノマー及び溶媒を有するフィードを供給するステップと、
前記フィードを触媒と共に連続撹拌槽型反応器に導入して反応混合物を形成するステップと、
前記反応器から反応器流出物を除去するステップと、
ミキサー又はライン内で、前記反応器流出物を第1の濃縮ポリマー溶液と混合して混合物を形成するステップと、
前記混合物を熱交換器に導入して加熱混合物を形成するステップと、
前記加熱混合物を圧力レットダウンバルブに導入した後に前記加熱混合物を相分離器に導入するステップと、
前記相分離器から第2の濃縮ポリマー溶液を除去するステップと、
前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入するステップと
を含む、前記プロセス。
【請求項2】
前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入するステップが、約227t(500,000lb)/hr以下の速度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第2の濃縮ポリマー溶液を、
前記ミキサー又はラインに導入された前記第2の濃縮ポリマー溶液である第1の部分と、
第2の部分と
に分配するように構成されたストリームスプリッターに前記第2の濃縮ポリマー溶液を導入するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載のプロセスであって、
前記第2の部分を第2の相分離器に導入するステップをさらに含む、前記プロセス。
【請求項4】
前記モノマーが、オクテン、ブテン、プロピレン及びエチレンを含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入している時に、前記第2の濃縮ポリマー溶液が、
約101.67℃(215°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約204,120t(450Mlb)/hr~約244,944t(540Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約25wt%~約50wt%のポリマー含量
を有する、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項6】
前記加熱混合物を前記圧力レットダウンバルブに導入している時に、前記加熱混合物が、
約115.56℃(240°F)~約171.11℃(340°F)の温度、
約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約15wt%~約40wt%のポリマー含量
を有する、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項7】
さらに、
前記第2の濃縮ポリマー溶液の前記ミキサー又はラインへの導入を停止するステップと、
前記反応器流出物と前記第1の濃縮ポリマー溶液の混合を停止するステップと、
前記反応器流出物を前記熱交換器に導入して加熱反応器流出物を形成するステップと、
前記加熱反応器流出物を前記圧力レットダウンバルブに導入した後に前記加熱反応器流出物を前記相分離器に導入するステップと、
前記相分離器から第3の濃縮ポリマー溶液を除去するステップと
を含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項8】
前記加熱反応器流出物を前記圧力レットダウンバルブに導入している時に、前記加熱反応器流出物が、
約115.56℃(240°F)~約165.56℃(330°F)の温度、
約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、
約204,120t(450Mlb)/hr~約254,016t(560Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量
を有する、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項9】
前記混合物を前記熱交換器に導入して前記加熱混合物を形成している時に、前記加熱混合物が、
約82.22℃(180°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約464,940t(1025Mlb)/hr~約487,620t(1075Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有し、かつ
前記反応器流出物を前記熱交換器に導入して前記加熱反応器流出物を形成している時に、前記加熱反応器流出物が、
約60℃(140°F)~約160℃(320°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約5wt%~約35wt%のポリマー含量を有する、
請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項10】
前記加熱混合物を前記相分離器に導入している時に、前記加熱混合物が、
約83.33℃(200°F)~約132.22℃(270°F)の温度、
約0.483MPa(70psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、
約181,440t(400Mlb)/hr~約498,960t(1,100Mlb)/hrのマスフローレート、
約15wt%~約50wt%の蒸気量、及び
約15wt%~約40wt%のポリマー含量を有し、かつ
前記加熱反応器流出物を前記相分離器に導入している時に、前記加熱反応器流出物が、
約87.78℃(190°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、
約20wt%~約40wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有する、
請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項11】
第2の部分を前記第2の相分離器に導入している時に、前記第2の部分が、
約104.44℃(220°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.792MPa(550psig)~約5.171MPa(750psig)の圧力、
約99,792t(220Mlb)/hr~約122,472t(270Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約25wt%~約60wt%のポリマー含量
を有する、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項12】
前記加熱混合物を前記相分離器に導入するステップが、前記加熱混合物を前記相分離器の入口に導入することによって行われ、第2の熱交換器が前記相分離器の入口と連結されている、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項13】
前記加熱混合物を前記相分離器に導入するステップが、前記相分離器内に前記第2の熱交換器の下に配置された第3の熱交換器に前記加熱混合物を導入するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
本明細書に記載の全ての文書は、いずれの優先権書類又は試験手順をも含め、それらが本テキストと矛盾しない程度まで、参照することにより本明細書に援用される。前述の一般的記述及び具体的実施形態から明らかなように、本開示の形態を説明及び記載したが、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更を加えることができる。従って、本開示はそれらによって限定されることを意図しない。同様に、用語「含む(comprising)」は、米国法のための用語「含む(including)」と同義とみなされる。同様に、組成物、要素又は要素群に移行句「comprising」が先行するときはいつでも、我々は、組成物、要素、又は複数要素の記載に先行する移行句「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、「から成る群より選択される(selected from the group of consisting of)」、又は「である(is)」を有する同一の組成物又は要素群をも企図し、逆も同様であることを理解すべきである。
本開示をいくつかの実施形態及び実施例に関して説明したが、本開示の利益を得る当業者は、本開示の範囲及び精神を逸脱しない他の実施形態を工夫することができるだろう。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕ポリマーの形成プロセスであって、
1種以上のオレフィンモノマー及び溶媒を有するフィードを供給するステップと、
前記フィードを触媒と共に反応器に導入して反応混合物を形成するステップと、
前記反応器から反応器流出物を除去するステップと、
ミキサー又はライン内で、前記反応器流出物を第1の濃縮ポリマー溶液と混合して混合物を形成するステップと、
前記混合物を熱交換器に導入して加熱混合物を形成するステップと、
前記加熱混合物を圧力レットダウンバルブに導入した後に前記加熱混合物を相分離器に導入するステップと、
前記相分離器から第2の濃縮ポリマー溶液を除去するステップと、
前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入するステップと
を含む、前記プロセス。
〔2〕前記反応器が連続撹拌槽型反応器である、前記〔1〕に記載のプロセス。
〔3〕前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入するステップが、約227t(500,000lb)/hr以下の速度で行われる、前記〔1〕又は〔2〕に記載のプロセス。
〔4〕前記第2の濃縮ポリマー溶液を、
前記ミキサー又はラインに導入された前記第2の濃縮ポリマー溶液である第1の部分と、
第2の部分と
に分配するように構成されたストリームスプリッターに前記第2の濃縮ポリマー溶液を導入するステップをさらに含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載のプロセスであって、
前記第2の部分を第2の相分離器に導入するステップをさらに含む、前記プロセス。
〔5〕前記モノマーが、オクテン、ブテン、プロピレン及びエチレンを含む、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔6〕前記第2の濃縮ポリマー溶液を前記ミキサー又はラインに導入している時に、前記第2の濃縮ポリマー溶液が、
約101.67℃(215°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約204,120t(450Mlb)/hr~約244,944t(540Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約25wt%~約50wt%のポリマー含量
を有する、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔7〕前記加熱混合物を前記圧力レットダウンバルブに導入している時に、前記加熱混合物が、
約115.56℃(240°F)~約171.11℃(340°F)の温度、
約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約15wt%~約40wt%のポリマー含量
を有する、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔8〕さらに、
前記第2の濃縮ポリマー溶液の前記ミキサー又はラインへの導入を停止するステップと、
前記反応器流出物と前記第1の濃縮ポリマー溶液の混合を停止するステップと、
前記反応器流出物を前記熱交換器に導入して加熱反応器流出物を形成するステップと、
前記加熱反応器流出物を前記圧力レットダウンバルブに導入した後に前記加熱反応器流出物を前記相分離器に導入するステップと、
前記相分離器から第3の濃縮ポリマー溶液を除去するステップと
を含む、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔9〕前記加熱反応器流出物を前記圧力レットダウンバルブに導入している時に、前記加熱反応器流出物が、
約115.56℃(240°F)~約165.56℃(330°F)の温度、
約2.999MPa(435psig)~約3.792MPa(550psig)の圧力、
約204,120t(450Mlb)/hr~約254,016t(560Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量
を有する、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔10〕前記混合物を前記熱交換器に導入して前記加熱混合物を形成している時に、前記加熱混合物が、
約82.22℃(180°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約464,940t(1025Mlb)/hr~約487,620t(1075Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有し、かつ
前記反応器流出物を前記熱交換器に導入して前記加熱反応器流出物を形成している時に、前記加熱反応器流出物が、
約60℃(140°F)~約160℃(320°F)の温度、
約3.999MPa(580psig)~約4.482MPa(650psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約5wt%~約35wt%のポリマー含量を有する、
前記〔1〕~〔9〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔11〕前記加熱混合物を前記相分離器に導入している時に、前記加熱混合物が、
約83.33℃(200°F)~約132.22℃(270°F)の温度、
約0.483MPa(70psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、
約181,440t(400Mlb)/hr~約498,960t(1,100Mlb)/hrのマスフローレート、
約15wt%~約50wt%の蒸気量、及び
約15wt%~約40wt%のポリマー含量を有し、かつ
前記加熱反応器流出物を前記相分離器に導入している時に、前記加熱反応器流出物が、
約87.78℃(190°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、
約226,800t(500Mlb)/hr~約272,160t(600Mlb)/hrのマスフローレート、
約20wt%~約40wt%の蒸気量、及び
約10wt%~約30wt%のポリマー含量を有する、
前記〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔12〕第2の部分を前記第2の相分離器に導入している時に、前記第2の部分が、
約104.44℃(220°F)~約137.78℃(280°F)の温度、
約3.792MPa(550psig)~約5.171MPa(750psig)の圧力、
約99,792t(220Mlb)/hr~約122,472t(270Mlb)/hrのマスフローレート、
約0wt%~約1wt%の蒸気量、及び
約25wt%~約60wt%のポリマー含量
を有する、前記〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔13〕前記加熱混合物を前記相分離器に導入するステップが、前記加熱混合物を前記相分離器の入口に導入することによって行われ、第2の熱交換器が前記相分離器の入口と連結されている、前記〔1〕~〔12〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔14〕前記加熱混合物を前記相分離器に導入するステップが、前記相分離器内に前記第2の熱交換器の下に配置された第3の熱交換器に前記加熱混合物を導入するステップをさらに含む、前記〔1〕~〔13〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔15〕前記第2の熱交換器が第1の複数の管を含み、前記第3の熱交換器が第2の複数の管を含む、前記〔1〕~〔14〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔16〕前記第2の熱交換器が、
約101.67℃(215°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約480,816t(1060Mlb)/hrのマスフローレート
で操作される、前記〔1〕~〔15〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔17〕前記第3の熱交換器が、
約101.67℃(215°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約344,736t(760Mlb)/hrのマスフローレート
で操作される、前記〔1〕~〔16〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔18〕前記第1の熱交換器が、約26,375MJ(25MMBtu)/hr~約52,750MJ(50MMBtu)/hrで操作される、
前記〔1〕~〔17〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔19〕前記第2の熱交換器が、約10,550MJ(10MMBtu)/hr~約31,650MJ(30MMBtu)/hrで操作され、かつ
前記第3の熱交換器が、約10,550MJ(10MMBtu)/hr~約31,650MJ(30MMBtu)/hrで操作される、
前記〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔20〕前記第1の熱交換器が、約36,925MJ(35MMBtu)/hr~約42,200MJ(40MMBtu)/hrで操作され、
前記第2の熱交換器が、約18,990MJ(18MMBtu)/hr~約23,210MJ(22MMBtu)/hrで操作され、かつ
前記第3の熱交換器が、約18,990MJ(18MMBtu)/hr~約23,210MJ(22MMBtu)/hrで操作される、
前記〔1〕~〔19〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔21〕前記相分離器を、
約104.44℃(220°F)~約148.89℃(300°F)の温度、
約0.414MPa(60psig)~約1.172MPa(170psig)の圧力、及び
約113,400t(250Mlb)/hr~約351,540t(775Mlb)/hrのマスフローレート
で操作するステップをさらに含む、前記〔1〕~〔21〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔22〕ポリマーを形成するためのプラントであって、
相分離器と連結された重合反応器と、
前記重合反応器と前記相分離器の間に配置された熱交換器及び圧力レットダウンバルブであって、前記熱交換器は前記重合反応器及び前記圧力レットダウンバルブと連結され、前記圧力レットダウンバルブは前記相分離器と連結されている、前記熱交換器及び前記圧力レットダウンバルブと、
前記相分離器と連結され、かつ前記熱交換器及び前記圧力レットダウンバルブの上流の位置でラインと連結されたストリームスプリッターと
を含む、前記プラント。
〔23〕前記ストリームスプリッターと連結された第2の相分離器をさらに含む、前記〔22〕に記載のプラント。
〔24〕前記第2の相分離器と連結された真空脱揮押出器をさらに含む、前記〔22〕又は〔23〕に記載のプラント。
〔25〕第2のラインと連結された1つ以上のバルブをさらに含み、これらの1つ以上のバルブは、前記第2のライン内の物質の流れが、前記熱交換器及び前記圧力レットダウンバルブの上流の位置で第1のラインに入るのを阻止するように構成されている、前記〔22〕~〔24〕のいずれか1項に記載のプラント。
〔26〕前記相分離器が、前記相分離器の入口と連結された第2の熱交換器を含む、前記〔22〕~〔25〕のいずれか1項に記載のプラント。
〔27〕前記相分離器が、前記相分離器内に前記第2の熱交換器の下に配置された第3の熱交換器をさらに含む、前記〔22〕~〔26〕のいずれか1項に記載のプラント。
【国際調査報告】