(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】イヤピースのための保持部品
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531126
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-23
(86)【国際出願番号】 US2021060683
(87)【国際公開番号】W WO2023096641
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エー・ザリスキ
(72)【発明者】
【氏名】リアム・アール・ケリー
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BE03
(57)【要約】
インイヤ型オーディオ出力デバイスのイヤピース(10)のための保持部品(200)は、リテーナ部分(210)と、片持ち部分(220)と、を備える。片持ち部分(220)は、結合縁部(224)と、結合縁部(224)の実質的に反対側にある自由縁部(223)と、を備える。片持ち部分(220)は、結合縁部(224)においてリテーナ部分(210)に結合され、耳甲介の外壁の少なくとも一部と係合するように構成されている。ユーザの耳介の(330)。(300)。片持ち部分(220)は、結合縁部(224)と自由縁部(223)との間に凸状に湾曲したセクションを含む。結合縁部(224)は、片持ち部分(220)が係合状態にあるとき、自由縁部(223)よりも内側にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インイヤ型オーディオデバイスのイヤピース(10)のための保持部品(200)であって、
リテーナ部分(210)と、
結合縁部(224)と、前記結合縁部(224)の実質的に反対側にある自由縁部(223)と、を備える片持ち部分(220)であって、前記片持ち部分(220)が、前記結合縁部(224)において前記リテーナ部分(210)に結合され、前記片持ち部分(220)が、ユーザの耳介(300)の耳甲介(330)の外壁の少なくとも一部と係合するように構成されている、片持ち部分(220)と、を備え、
前記片持ち部分(220)が係合状態にあるとき、前記結合縁部(224)は、前記自由縁部(223)よりも内側にあることを特徴とする、保持部品(200)。
【請求項2】
前記片持ち部分(220)が、トラフ形状を画定し、任意選択的に、前記トラフ形状が、前記片持ち部分(220)及び前記リテーナ部分(210)によって、特に前記片持ち部分(220)及び前記リテーナ部分(210)の外周面(214)によって形成される、請求項1に記載の保持部品(200)。
【請求項3】
前記トラフ形状の底部は、前記片持ち部分(220)が前記係合状態にあるとき、前記トラフ形状の開口部よりも内側にある、請求項2に記載の保持部品(200)。
【請求項4】
前記外壁が、前記ユーザの耳介(300)の対耳珠(310)及び対耳輪(320)のうちの少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項5】
前記保持部品(200)が、前記保持部品(200)の中心を通って延在する中心軸(x)と、前記保持部品(200)の半径方向において前記中心軸(x)に対して垂直に延在する半径方向軸(r)と、前記中心軸(x)の周方向において延在する周方向軸(u)と、を備え、任意選択的に、前記半径方向軸(r)が、第1の半径方向(r1)と、前記第1の半径方向(r1)に対して垂直に延在する第2の半径方向(r2)と、を画定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項6】
前記リテーナ部分(210)が、第1の端部(211)と、前記第1の端部(211)の実質的に反対側にある第2の端部(212)と、を備え、前記片持ち部分(220)が、前記第1の端部(211)と前記第2の端部(212)との間で前記リテーナ部分(210)に結合され、前記片持ち部分(220)が、前記リテーナ部分(210)から半径方向外向きに前記第2の端部(212)に向かって延在し、任意選択的に、前記結合縁部(224)が、前記第2の端部(212)よりも前記第1の端部(211)に近く配置され、前記自由縁部(223)が、前記結合縁部(224)と前記第2の端部(212)との間に配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項7】
前記片持ち部分(220)が、前記リテーナ部分(210)の外周面(214)の少なくとも部分的に周りで前記周方向(u)に前記リテーナ部分(210)に結合され、任意選択的に、前記片持ち部分(220)が、実質的に前記周方向(u)において、前記リテーナ部分(210)の前記外周面(214)の周りで長さ(l1)にわたって結合され、前記長さ(l1)が、前記自由縁部(223)に沿って前記周方向(u)において測定される、請求項5又は6に記載の保持部品(200)。
【請求項8】
前記片持ち部分(210)が、前記リテーナ部分(210)の全周の約30%~70%、より具体的には、40%~60%にわたって延在する、請求項7に記載の保持部品(200)。
【請求項9】
前記周方向(u)において前記長さ(l1)の大部分にわたって、前記自由縁部(223)が、前記結合縁部(224)に対して実質的に平行に延在する、請求項5に従属する、請求項7又は8に記載の保持部品(200)。
【請求項10】
前記片持ち部分(220)が、前記片持ち部分(220)に加えられた力(F)に応じて、前記中心軸(x)に向かう半径方向(r)において、及び/又は前記中心軸(x)の方向において、前記片持ち部分(220)の長さ(l1)に少なくとも部分的に沿って偏向する、より具体的には、弾性的に偏向するように構成されている、請求項7~9のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項11】
前記片持ち部分(220)が前記係合状態にあるとき、前記片持ち部分(220)の少なくとも一部は、前記中心軸(x)に向かって偏向し、かつ/又は前記片持ち部分(220)の少なくとも一部は、前記第1の端部(211)に向かって又は前記第2の端部(212)に向かって偏向する、請求項5に従属する、請求項6~10のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項12】
前記片持ち部分(220)は、前記半径方向(r)において前記中心軸(x)から実質的に離れる方向を向く外側片持ち部分表面(228)を備え、任意選択的に、前記外側片持ち部分表面(228)は、特に前記片持ち部分(220)が前記係合状態にあるとき、前記外壁の輪郭に少なくとも部分的に沿うように設計されている、請求項5~11のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項13】
前記片持ち部分(220)は、前記片持ち部分(220)の少なくとも一部が、前記耳甲介(330)の前記外壁に、より具体的には接触区域(231)において接触しているとき、前記係合状態にあり、前記接触区域(231)は、前記自由縁部(223)において、及び/又は前記外側片持ち部分表面(228)上の自由縁部(223)と結合縁部(224)との間に提供されている、請求項12に記載の保持部品(200)。
【請求項14】
前記力(F)は、前記保持部品(200)が前記係合状態にあるとき、前記片持ち部分(220)に接触する前記耳甲介(330)の前記外壁の前記一部によって、より具体的には前記接触区域(231)において、前記片持ち部分(220)に少なくとも部分的に加えられる、請求項10に従属する、請求項13に記載の保持部品(200)。
【請求項15】
前記片持ち部分(220)が、前記結合縁部(224)と前記自由縁部(223)との間に凸状に湾曲したセクションを備え、より具体的には、前記片持ち部分(220)が、前記半径方向軸(r)の前記方向において、任意選択的に前記半径方向軸(r)及び前記中心軸(x)によって画定される断面平面(r-x)内において、前記中心軸(x)から見て、前記凸状に湾曲したセクションを備える、請求項5~14のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項16】
前記半径方向軸(r)及び前記中心軸(x)によって画定される平面(r-x)において、前記結合縁部(224)から開始して前記自由縁部(223)に向かって、前記片持ち部分(220)、任意選択的に前記外側片持ち部分表面(228)が、前記凸状に湾曲したセクションと、それに少なくとも部分的に続く平坦セクションを備え、特に前記平坦セクションが、前記中心軸(x)に実質的に平行に延在するか、又は前記中心軸(x)から離れるようにわずかに傾斜している、請求項5に従属する、請求項15に記載の保持部品(200)。
【請求項17】
前記片持ち部分(220)の係合解除状態において、前記凸状に湾曲したセクションが、前記半径方向軸(r)及び前記中心軸(x)によって画定される平面(r-x)において、前記結合縁部(224)と前記自由縁部(223)との間で測定される第1の湾曲セクション半径(Rs1)を含む、請求項5に従属する、請求項15又は16に記載の保持部品(200)。
【請求項18】
前記係合状態において、前記凸状に湾曲したセクションが、前記第1の湾曲セクション半径(Rs1)よりも小さい第2の湾曲セクション半径(Rs2)を含む、請求項17に記載の保持部品(200)。
【請求項19】
前記リテーナ部分(210)が、前記第1の端部(211)と前記第2の端部(212)との間に延在する管状壁部分(213)を備え、任意選択的に、前記管状壁部分が、それぞれ、前記中心軸(x)から前記半径方向(r)において測定される、外壁部分半径(Ro)及び内壁部分半径(Ri)を画定する、請求項5に従属する、請求項6~18のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項20】
前記リテーナ部分(210)、より具体的には、前記管状壁部分(213)が、前記第1の半径方向(r1)及び前記第2の半径方向(r2)によって画定される平面(r1-r2)において、長円形又は円形又は楕円形である断面を備える、請求項5に従属する、請求項19に記載の保持部品(200)。
【請求項21】
前記外壁部分半径(Ro)は、6.0mm~12.0mm、より具体的には8.0mm~10.0mmであり、前記内壁部分半径(Ri)は、5.0mm~11.0mm、より具体的には7.0mm~9.0mmである、請求項19又は20に記載の保持部品(200)。
【請求項22】
前記第1の半径方向(r1)及び前記第2の半径方向(r2)によって画定される平面(r1-r2)において、前記片持ち部分(220)が、前記周方向(u)において測定して、120°<α<270°、より具体的には150°<α<250°、特に170°<α<240°である角度(α)にわたって、前記リテーナ部分(210)の前記外周面(214)の周りに延在する、請求項5に従属する、請求項7~21のいずれか1つに記載の保持部品(200)。
【請求項23】
前記片持ち部分(220)が、前記第1の半径方向(r1)及び前記第2の半径方向(r2)によって画定される平面(r1-r2)において外側輪郭(240)を備え、前記片持ち部分(220)の前記外側輪郭(240)と前記中心軸(x)との間で測定される外側輪郭半径(Rcon)が、8.0mm~14.0mmである、請求項5~22のいずれか1つに記載の保持部品(200)。
【請求項24】
係合解除状態において、前記外側輪郭(240)と前記リテーナ部分(210)の前記外周面(214)との間で前記半径方向(r)において測定して、前記片持ち部分(220)が、前記リテーナ部分(210)の前記外周面(214)を第1の差半径(ΔR1)だけ越えて延在し、前記第1の差半径(ΔR1)が、0.0mm~6.0mmである、請求項7に従属する場合の、請求項23に記載の保持部品(200)。
【請求項25】
前記係合状態において、前記リテーナ部分(210)の前記外側輪郭(240)と前記外周面(214)との間で前記半径方向(r)において測定して、前記片持ち部分(220)が、前記リテーナ部分(210)の外周を越えて第2の差半径(ΔR2)だけ延在し、前記第2の差半径(ΔR2)が、前記第1の差半径(ΔR1)以下であり、任意選択的に、前記第2の差半径(ΔR2)と前記第1の差半径(ΔR1)との比が、0.7~1.0である、請求項24に記載の保持部品(200)。
【請求項26】
前記リテーナ部分(210)の外周半径(Ro)と前記外側輪郭半径(Rcon)との間の比が、0.6~1.0、より具体的には、0.7~1.0である、請求項19に従属する、請求項23に記載の保持部品(200)。
【請求項27】
前記片持ち部分(220)が、前記片持ち部分(220)の両側において前記結合縁部(224)と前記自由縁部(223)との間に各々延在する、第1の側縁部(225)及び第2の側縁部(226)を備える、請求項1~26のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項28】
前記片持ち部分(220)が、前記結合縁部(224)、前記第1の側縁部(225)、及び前記第2の側縁部(226)において、前記リテーナ部分(210)に結合され、任意選択的に、前記自由縁部(223)が、前記第1の側縁部(225)及び/又は前記第2の側縁部(226)において前記リテーナ部分(210)に結合されている、請求項27に記載の保持部品(200)。
【請求項29】
前記片持ち部分(220)が、前記結合縁部(224)において前記リテーナ部分(210)に結合され、前記第1の側縁部(225)及び/又は前記第2の側縁部(226)が、前記リテーナ部分(210)から少なくとも部分的に離れている、請求項27に記載の保持部品(200)。
【請求項30】
前記片持ち部分(220)が、前記結合縁部(224)の長さ(l2)の全体にわたって前記リテーナ部分(210)に結合され、前記長さ(l2)が、前記周方向(u)において前記第1の側縁部(225)と前記第2の側縁部(226)との間で前記結合縁部(224)に沿って測定される、請求項5に従属する、請求項27~29のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項31】
前記保持部品(200)が、第1のポリマー材料を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項32】
前記第1のポリマー材料が、20~80、より具体的には30~70、特に40~60のショアAデュロメータを含む、請求項31に記載の保持部品(200)。
【請求項33】
前記第1のポリマー材料が、シリコーン又はゴムである、請求項31又は32に記載の保持部品(200)。
【請求項34】
前記リテーナ部分(210)及び/又は前記片持ち部分(220)が、前記第1のポリマー材料を含む、請求項31~33のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項35】
前記リテーナ部分(210)が、より高いデュロメータの材料を含み、前記片持ち部分(220)は、より低いデュロメータの材料を含む、請求項31~34のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項36】
前記片持ち部分(220)及び前記リテーナ部分(210)が、一体的に形成されている、請求項1~35のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項37】
前記結合縁部(224)が、その長さ(l2)の大部分にわたって、前記周方向(u)において前記第1の端部(211)に沿って延在する、請求項5又は請求項5を引用する請求項6に従属する、請求項30~36のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項38】
前記結合縁部(224)及び/若しくは前記自由縁部(223)が、前記片持ち部分(220)の長さ(l1)の大部分にわたって前記周方向(u)において直線的に延在し、又は前記結合縁部(224)及び/若しくは前記自由縁部(223)が、前記片持ち部分(220)の前記長さ(l1)の大部分にわたって前記周方向(u)において湾曲形状、任意選択的に波形状を含む、請求項5に従属する、請求項7~37のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項39】
前記片持ち部分(220)は、第1の片持ちサブ部分(221)及び第2の片持ちサブ部分(222)を備え、前記第1の片持ちサブ部分(221)が、前記対耳珠(310)と少なくとも部分的に係合するように構成されており、前記第2の片持ちサブ部分(222)が、前記ユーザの耳介(300)の前記対耳輪(320)と少なくとも部分的に係合するように構成されている、請求項1~38のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項40】
前記第1の片持ちサブ部分(221)及び前記第2の片持ちサブ部分(222)が、一体的に形成されている、請求項39に記載の保持部品(200)。
【請求項41】
前記結合縁部(224)が、前記第1の片持ちサブ部分(221)に関連付けられた第1の結合縁部(224a)を含み、前記第1の結合縁部(224a)が、前記中心軸(x)の方向において第1の平面(p1)まで延在し、かつ/又は前記周方向(u)において、主に前記第1の平面(p1)上を延在し、前記第1の平面(p1)が、第1の半径方向(r1)及び第2の半径方向(r2)によって画定される平面(r1-r2)に平行に延在し、
前記結合縁部(224)が、前記第2の片持ちサブ部分(222)に関連付けられた第2の結合縁部(224b)を含み、前記第2の結合縁部(224b)が、前記中心軸(x)の方向において第2の平面(p2)まで延在し、かつ/又は前記周方向(u)において、主に前記第2の平面(p2)上を延在する、請求項5に従属する、請求項39又は40に記載の保持部品(200)。
【請求項42】
前記第1の平面(p1)及び前記第2の平面(p2)が、互いに平行に延在し、前記第1の平面(p1)及び前記第2の平面(p2)が、互いに第1の距離(d1)だけ離れており、前記第1の距離(d1)が、前記中心軸(x)に平行に測定される、請求項41に記載の保持部品(200)。
【請求項43】
前記第1の平面(p1)が、前記中心軸(x)の方向において前記第2の端部(212)よりも前記第1の端部(211)に近く配置され、前記第2の平面(p2)が、前記第1の平面(p1)と前記第2の端部(212)との間に配置されている、請求項5又は請求項5を引用する請求項6に従属する、請求項41又は42に記載の保持部品(200)。
【請求項44】
前記自由縁部(223)が、前記第1の片持ちサブ部分(221)に関連付けられた第1の自由縁部(223a)を含み、前記第1の自由縁部(223a)が、前記中心軸(x)の方向において第3の平面(p3)まで延在し、かつ/又は前記周方向(u)において、主に前記第3の平面(p3)上を延在し、前記第3の平面(p3)が、第1の半径方向(r1)及び第2の半径方向(r2)によって画定される平面(r1-r2)に平行に延在し、
前記露出縁部(223)が、前記第2の片持ちサブ部分(222)に関連付けられた第2の自由縁部(223b)を含み、前記第2の自由縁部(223b)が、前記中心軸(x)の方向において第4の平面(p4)まで延在し、かつ/又は前記周方向(u)において、主に前記第4の平面(p4)上を延在する、請求項5に従属する、請求項39~43のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項45】
前記第3の平面(p3)及び前記第4の平面(p4)が、互いに平行であり、前記第3の平面(p3)及び前記第4の平面(p4)が、互いに第2の距離(d2)だけ離れており、前記第2の距離(d2)が、前記中心軸(x)に平行に測定される、請求項5に従属する、請求項44に記載の保持部品(200)。
【請求項46】
前記第3の平面(p3)が、前記中心軸(x)の方向において前記第2の端部(212)よりも前記第1の端部(211)に近く配置され、前記第4の平面(p4)が、前記第3の平面(p3)と前記第2の端部(212)との間に配置されている、請求項5又は請求項5を引用する請求項6に従属する、請求項44又は45に記載の保持部品(200)。
【請求項47】
前記中心軸(x)に平行にそれぞれ測定して、前記第1の片持ちサブ部分(221)が、第1の幅(w1)を備え、前記第2の片持ちサブ部分(222)が、第2の幅(w2)を備え、任意選択的に、前記第1の幅(w1)が、前記第2の幅(w2)よりも大きい、請求項5に従属する、請求項39~46のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項48】
前記第1の幅(w1)が、2.0mm~4.3mmであり、前記第2の幅(w2)が、0.9mm~3.3mmである、請求項47に記載の保持部品(200)。
【請求項49】
前記片持ち部分(220)が、前記第1の片持ちサブ部分(221)と前記第2の片持ちサブ部分(222)との間に延在する遷移領域(230)を備え、前記遷移領域(230)が、前記周方向(u)において湾曲形状、任意選択的に波形状を備える、請求項5に従属する、請求項39~48のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項50】
前記片持ち部分(220)が、その長さ(l1)に少なくとも部分的に沿って前記周方向(u)において、前記半径方向(r)において前記自由縁部(223)から前記結合縁部(224)に少なくとも部分的に向かって延在する溝(229)を備える、請求項5に従属する、請求項7~49のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項51】
前記片持ち部分(220)が、前記リテーナ部分(210)の前記外周面(214)に向かって配向された内側片持ち部分表面(227)を備える、請求項7~50のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項52】
前記片持ち部分(220)が、前記内側片持ち部分表面(227)と前記外側片持ち部分表面(228)との間の断面において測定される厚さ(t)を備え、前記厚さ(t)は、0.4mm~0.8mmである、請求項12に従属する、請求項51に記載の保持部品(200)。
【請求項53】
前記厚さ(t)が、前記片持ち部分(220)の前記長さ(l1)の全体に沿って実質的に一定であり、かつ/又は前記厚さ(t)が、前記自由縁部(223)と前記結合縁部(224)との間で実質的に一定である、請求項7に従属する、請求項52に記載の保持部品(200)。
【請求項54】
前記リテーナ部分(210)が、前記イヤピース(10)のハウジング(100)に結合されるように構成されている、請求項1~53のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項55】
パーツのキットであって、
請求項1~54のいずれか1項に記載の複数の保持部品(200)を備える保持部品ホルダを備える、パーツのキット。
【請求項56】
前記複数の保持部品(200)の各々が、同じ幾何学的寸法を有するリテーナ部分(210)を備え、かつ/又は前記複数の保持部品(200)のうちの少なくともいくつかの保持部品(200)が、ユーザの耳介(300)の異なるサイズに適合される異なる幾何学的寸法を有する片持ち部分(220)を備える、請求項55に記載のパーツのキット。
【請求項57】
インイヤ型オーディオデバイスのイヤピース(10)であって、
ユーザの耳の少なくとも一部と係合するように構成されたハウジング(100)と、
請求項1~54のいずれか1項に記載の保持部品(200)であって、前記保持部品(200)が、前記リテーナ部分(210)によって前記ハウジング(100)に結合されている、保持部品(200)と、を備える、イヤピース(10)。
【請求項58】
前記保持部品(200)が、前記ハウジング(100)に解放可能に結合され、任意選択的に、前記保持部品(200)が、前記ハウジング(100)の外周に結合され、前記保持部品(200)が、前記ハウジング(100)の前記外周の少なくとも部分的に周りに延在する、請求項57に記載のイヤピース(10)。
【請求項59】
前記ハウジング(100)が、前側(101)と、前記前側(101)の実質的に反対側の後側(102)と、を備え、前記ハウジング(100)がユーザの耳の前記少なくとも一部と係合されるとき、前記前側(101)は、前記後側(102)よりも内側にある、請求項57又は58に記載のイヤピース(10)。
【請求項60】
前記保持部品(200)の前記結合縁部(224)及び/又は第1の端部(211)が、前記後側(102)よりも前記前側(101)に近く配置され、前記保持部品(200)の前記自由縁部(223)及び/又は第2の端部(212)が、前記結合縁部(224)及び/又は前記第1の端部(211)と前記後側(102)との間に配置されている、請求項59に記載のイヤピース(10)。
【請求項61】
前記片持ち部分(220)が、トラフ形状を画定し、より具体的には、前記トラフ形状が、前記片持ち部分(220)及び前記リテーナ部分(210)によって形成され、前記トラフ形状の底部が、前記後側(102)よりも前記前側(101)に近く、前記トラフ形状の開口部は、前記トラフ形状の前記底部と前記後側(102)との間にある、請求項59又は60に記載のイヤピース(10)。
【請求項62】
前記イヤピース(10)が、中心軸(x)に平行な、前記前側(101)と前記後側(102)との間で測定されるイヤピース長を有し、前記第2の端部(212)が、前記前側(101)から前記後側(102)に向かって見て前記イヤピース長の30%~70%の範囲内、より具体的には40%~60%の範囲内に位置する、請求項59~61のいずれか1項に記載のイヤピース(10)。
【請求項63】
前記ハウジング(100)が、中心軸(x)によって及び半径方向(r)によって画定された方向において斜めに前記ハウジング(100)の前記前側(101)から延在するノズル(110)を備える、請求項59~62のいずれか1項に記載のイヤピース(10)。
【請求項64】
前記イヤピース(10)が、ユーザの耳と係合されたとき、前記ノズル(110)が、ユーザの耳の外耳道(390)に向かって延在する、請求項63に記載のイヤピース(10)。
【請求項65】
前記ノズル(110)が、平坦な遠位端(111)と、音響エネルギーを伝導するように構成された音響通路と、を備える、請求項63又は64に記載のイヤピース(10)。
【請求項66】
前記遠位端(111)が、前記音響通路のための実質的に楕円形の開口部を備える、請求項65に記載のイヤピース(10)。
【請求項67】
前記遠位端(111)において画定される平面(y1-y2)は、前記イヤピース(10)がユーザの耳に係合されたとき、前記ユーザの外耳道(390)の主軸に実質的に平行である、請求項65又は66に記載のイヤピース(10)。
【請求項68】
ユーザの耳の外耳道(390)と係合するように構成されたイヤチップ(120)を更に備え、前記イヤチップ(120)が、前記ノズル(110)の前記遠位端(111)に解放可能に結合され、任意選択的に、前記イヤチップ(120)が、実質的にドーム形状である、請求項65~67のいずれか1項に記載のイヤピース(10)。
【請求項69】
前記イヤチップ(120)が、狭い端部(121)と、より広い端部(122)と、前記狭い端部(121)と前記より広い端部(122)との間に延在する実質的にドーム形状の外壁部分(123)と、を備え、任意選択的に、前記より広い端部(122)が、前記外耳道(390)の直径よりも大きい直径を備え、かつ/又は前記狭い端部(121)が、前記外耳道(390)の入口の直径よりも小さい直径を有する、請求項68に記載のイヤピース(10)。
【請求項70】
前記外壁部分(123)が、前記ノズル(100)に向かって半径方向において少なくとも部分的に偏向するように構成されている、請求項69に記載のイヤピース(10)。
【請求項71】
前記イヤチップ(120)が、前記狭い端部(121)から前記より広い端部(122)に少なくとも部分的に向かって延在する内壁部分を備え、前記内壁部分が、中空の音通路を画定して取り囲み、前記外壁部分(123)が、前記狭い端部(121)において前記内壁部分に接続され、任意選択的に、前記より広い端部(122)が、前記内壁部分に対して離隔している、請求項69又は70に記載のイヤピース(10)。
【請求項72】
前記内壁部分が、前記イヤチップ(120)を前記ノズル(110)に結合するように構成されている管状形状を備える、請求項71に記載のイヤピース(10)。
【請求項73】
前記内壁部分が、前記ノズル(110)上の嵌合保持部材と係合するように構成されている保持部材を備える、請求項71又は72に記載のイヤピース(10)。
【請求項74】
前記イヤチップ(120)が、第2のポリマー材料を含む、請求項68~73のいずれか1項に記載のイヤピース(10)。
【請求項75】
前記第2のポリマー材料が、10~80、より具体的には15~75、特に20~70のショアAデュロメータを含む、請求項74に記載のイヤピース(10)。
【請求項76】
前記第2のポリマー材料が、シリコーン又はゴムである、請求項74又は75に記載のイヤピース(10)。
【請求項77】
前記内壁部分及び/又は前記外壁部分(123)が、前記第2のポリマー材料を含む、請求項69又は請求項69を引用する請求項71に従属する、請求項74~76のいずれか1項に記載のイヤピース(10)。
【請求項78】
前記内壁部分が、より高いデュロメータの材料を含み、前記外壁部分(123)が、より低いデュロメータの材料を含む、請求項69又は請求項69を引用する請求項71に従属する、請求項74~77のいずれか1項に記載のイヤピース(10)。
【請求項79】
前記ハウジング(100)が、硬質ポリマー材料で作られている、請求項58~78のいずれか1項に記載のイヤピース(10)。
【請求項80】
前記硬質ポリマー材料が、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PCB/ABS)、ポリエーテルイミド(PEI)、又はステレオリソグラフィ(SLA)樹脂からなる群からのものである、請求項79に記載のイヤピース(10)。
【請求項81】
前記ハウジング(100)は、電気音響変換器、電池、及び/又は電子回路が配設されるキャビティを備え、任意選択的に、前記電子回路が、無線送信機を含む、請求項58~80のいずれか1項に記載のイヤピース(10)。
【請求項82】
前記変換器は、前記イヤピース(10)が前記係合状態にあるとき、前記変換器の大部分が前記ユーザの耳介(300)の前記耳甲介の前記外壁内に位置するか又はそれによって取り囲まれるように、前記ハウジング(100)内に配置されている、請求項81に記載のイヤピース(10)。
【請求項83】
前記ハウジング(100)が、前記イヤピース(10)及び/若しくは前記インイヤ型オーディオデバイスの機能を制御するように構成された1つ以上の制御要素を備え、かつ/又は前記ハウジング(100)は、1つ以上のセンサを備える、請求項81又は82に記載のイヤピース(10)。
【請求項84】
インイヤ型オーディオデバイスであって、
請求項57~83のいずれか1項に記載の少なくとも1つのイヤピース(10)を備える、インイヤ型オーディオデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インイヤ型オーディオデバイスの分野に関し、より具体的には、イヤピースのための保持部品、そのような保持部品を備えるイヤピース、及び少なくとも1つのイヤピースを備えるインイヤ型オーディオデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザは、様々なタイプの活動に従事している間、及び長期間にわたって(例えば、通勤、仕事、及び運動をしている間、一日中)、インイヤ型イヤピースを有するイヤホンを装着する。したがって、インイヤ型イヤピースは、ユーザの日常生活においてますます重要なデバイスになりつつある。インイヤ型イヤピースが長期間にわたって装着される場合、これはユーザにとって不快になり得る。インイヤ型イヤピースは、外耳道又はユーザの耳介の部分(例えば、耳甲介の外壁)に圧力を加え得る。これは、いくつかの状況において装着快適性を低下させ得る。一方、装着されたインイヤ型イヤピースが運動及び仕事などの様々な日常活動中に適所に留まるように、いくらかの保持力が必要とされる場合がある。インイヤ型イヤピースの使用及び人気を考慮すると、イヤピースがユーザの耳の中に快適かつ確実に留まることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、独立請求項に記載のインイヤ型オーディオデバイスのイヤピースのための保持部品、パーツのキット、インイヤ型オーディオデバイスのイヤピース、及びインイヤ型オーディオデバイスに関する。有利な実施形態は、従属請求項に列挙されている。
【0004】
本開示の第1の態様によれば、インイヤ型オーディオデバイスのイヤピースのための保持部品は、リテーナ部分と、片持ち部分と、を備える。片持ち部分は、結合縁部と、結合縁部の実質的に反対側にある自由縁部と、を備える。片持ち部分は、結合縁部においてリテーナ部分に結合され、ユーザの耳介の耳甲介の外壁の少なくとも一部と係合するように構成されている。片持ち部分は、結合縁部と自由縁部との間に凸状に湾曲したセクションを備える。結合縁部は、片持ち部分が係合状態にあるとき、自由縁部よりも内側にある。このような保持部品は、イヤピースをユーザの耳の中に快適に保持し得る。保持部品は、ユーザの耳介の部分に対して過度の半径方向圧力を伴わずに、配向及び安定性を提供し得る。配向は、イヤピースがユーザの耳の中に適切に位置付けられることを確実にするのに役立つ。安定性を達成することは、イヤピースが適切に挿入されたとき、最小の動きでユーザの耳に留まることを指すことができる。記載される保持部品は、イヤピースがユーザの耳介及び/又は外耳道の中に長期間快適に装着されることを可能にするという利点をもたらし得、また、様々な活動中のユーザの耳介及び/又は外耳道内のイヤピースの適合又は保持を改善するという利点をもたらし得る。
【0005】
片持ち部分は、トラフ形状を画定してもよい。トラフ形状は、片持ち部分及びリテーナ部分によって形成されてもよい。実施形態では、トラフ形状は、片持ち部分及びリテーナ部分の外周面によって形成されてもよい。実施形態では、トラフ形状の底部は、片持ち部分が係合状態にあるとき、トラフ形状の開口部よりも内側にあり得る。
【0006】
実施形態では、外壁は、ユーザの耳介の対耳珠及び対耳輪のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0007】
保持部品は、保持部品の中心を通って延在する中心軸と、保持部品の半径方向において中心軸に対して垂直に延在する半径方向軸と、中心軸の周方向において延在する周方向軸と、を備えてもよい。半径方向軸は、第1の半径方向、及び第1の半径方向に垂直に延在する第2の半径方向を画定することができる。
【0008】
片持ち部分は、リテーナ部分から半径方向外向きに(すなわち、上で定義したような半径方向において)延在してもよい。例えば、結合縁部は、自由縁部よりも半径方向において内向きに位置することができる。
【0009】
リテーナ部分は、第1の端部と、第1の端部の実質的に反対側にある第2の端部と、を備えてもよい。片持ち部分は、第1の端部と第2の端部との間でリテーナ部分に結合されてもよく、片持ち部分は、リテーナ部分から半径方向外向きに第2の端部に向かって延在してもよい。任意選択的に、結合縁部は、第2の端部よりも第1の端部に近く配置されてもよく、自由縁部は、結合縁部と第2の端部との間に配置されてもよい。
【0010】
実施形態では、片持ち部分は、周方向においてリテーナ部分の外周面の少なくとも部分的に周りでリテーナ部分に結合されてもよい。片持ち部分は、リテーナ部分の外周面の周りの長さにわたって実質的に周方向において結合されてもよく、長さは、自由縁部に沿って周方向において測定されてもよい。実施形態では、片持ち部分は、リテーナ部分の全周の約30%~70%、より具体的には40%~60%にわたって延在してもよい。
【0011】
周方向において、長さの大部分にわたって、自由縁部は、結合縁部に実質的に平行に延在してもよい。
【0012】
片持ち部分は、片持ち部分に加えられる力に応じて、中心軸に向かう半径方向において、及び/又は中心軸の方向において、片持ち部分の長さに少なくとも部分的に沿って偏向する、より具体的には、弾性的に偏向するように構成されてもよい。片持ち部分が係合状態にあるとき、片持ち部分の少なくとも一部は、中心軸に向かって偏向してもよく、かつ/又は片持ち部分の少なくとも一部は、第1の端部に向かって又は第2の端部に向かって偏向してもよい。
【0013】
実施形態では、片持ち部分は、半径方向において中心軸から実質的に離れる方向に面する外側片持ち部分表面を備えてもよい。外側片持ち部分表面は、特に片持ち部分が係合状態にあるとき、外壁の輪郭に少なくとも部分的に沿うように設計されてもよい。片持ち部分は、片持ち部分の少なくとも一部が、任意選択的に接触区域において、耳甲介の外壁に接触するとき、係合状態にあってもよい。接触区域は、自由縁部に、及び/又は自由縁部と外側片持ち部分表面上の結合縁部との間に提供されてもよい。
【0014】
力は、保持部品が係合状態にあるとき、任意選択的に接触区域において、片持ち部分に接触する耳甲介の外壁の一部によって片持ち部分に少なくとも部分的に加えられてもよい。
【0015】
実施形態では、片持ち部分は、半径方向軸の方向において、より具体的には半径方向軸及び中心軸によって画定される断面平面において、中心軸から見て、凸状に湾曲したセクションを備えてもよい。半径方向軸及び中心軸によって画定される平面において、結合縁部から開始して自由縁部に向かって、片持ち部分、任意選択的に外側片持ち部分表面は、凸状に湾曲したセクションと、それに少なくとも部分的に続く平坦なセクションを備えてもよい。特に、平坦なセクションは、中心軸に対して実質的に平行に延在するか、又は中心軸から離れるようにわずかに傾斜していてもよい。
【0016】
片持ち部分の係合解除状態において、凸状に湾曲したセクションは、半径方向軸及び中心軸によって画定される平面において、結合縁部と自由縁部との間で測定される第1の湾曲セクション半径を備えてもよい。係合状態において、凸状に湾曲したセクションは、第1の湾曲セクション半径よりも小さくてもよい第2の湾曲セクション半径を備えてもよい。
【0017】
実施形態では、リテーナ部分は、第1の端部と第2の端部との間に延在する管状壁部分を備えることができる。いくつかの例では、管状壁部分は、中心軸から半径方向においてそれぞれ測定される、外壁部分半径及び内壁部分半径を画定してもよい。
【0018】
リテーナ部分、より具体的には管状壁部分は、第1の半径方向及び第2の半径方向によって画定される平面において、長円形又は円形又は楕円形であり得る断面を備えてもよい。
【0019】
外壁部分半径は、6.0mm~12.0mm、より具体的には8.0mm~10.0mmであってもよく、内壁部分半径は、5.0mm~11.0mm、より具体的には7.0mm~9.0mmであってもよい。
【0020】
実施形態では、第1の半径方向及び第2の半径方向によって画定される平面において、片持ち部分は、周方向において測定して、120°<α<270°、より具体的には150°<α<250°、特に170°<α<240°である角度にわたって、リテーナ部分の外周面の周りに延在してもよい。
【0021】
片持ち部分は、第1の半径方向及び第2の半径方向によって画定される平面において外側輪郭を備えてもよく、片持ち部分の外側輪郭と中心軸との間で測定される外側輪郭半径は、8.0mm~14.0mmであってもよい。
【0022】
係合解除状態において、外側輪郭とリテーナ部分の外周面との間で半径方向において測定して、片持ち部分は、リテーナ部分の外周面を第1の差半径だけ越えて延在する。実施形態では、第1の差半径は、0.0mm~6.0mmであってもよい。
【0023】
係合状態において、外側輪郭とリテーナ部分の外周面との間で半径方向において測定して、片持ち部分は、リテーナ部分の外周を第2の差半径だけ越えて延在してもよく、第2の差半径は、第1の差半径以下であってもよい。第2の差半径と第1の差半径との比は、0.7~1.0であってもよい。
【0024】
一実施形態では、リテーナ部分の外周半径と外側輪郭半径との比は、0.6~1.0、より具体的には0.7~1.0であってもよい。
【0025】
片持ち部分は、片持ち部分の両側において結合縁部と自由縁部との間に各々延在する、第1の側縁部及び第2の側縁部を備えてもよい。
【0026】
片持ち部分は、結合縁部、第1の側縁部、及び第2の側縁部においてリテーナ部分に結合されてもよい。いくつかの例では、自由縁部は、第1の側縁部及び/又は第2の側縁部においてリテーナ部分に結合されてもよい。
【0027】
他の実施形態では、片持ち部分は、結合縁部においてリテーナ部分に結合されてもよく、第1の側縁部及び/又は第2の側縁部は、リテーナ部分から少なくとも部分的に離れていてもよい。
【0028】
実施形態では、片持ち部分は、結合縁部の長さ全体にわたってリテーナ部分に結合されてもよく、長さは、周方向において第1の側縁部と第2の側縁部との間の結合縁部に沿って測定することができる。
【0029】
実施形態では、保持部品は、第1のポリマー材料を含むことができる(例えば、第1のポリマー材料から作ることができる)。第1のポリマー材料は、20~80、より具体的には30~70、特に40~60のショアAデュロメータを含んでもよい。第1のポリマー材料は、シリコーンであってもよい。他の実施形態では、第1のポリマー材料は、ゴムであってもよい。リテーナ部分及び/又は片持ち部分は、第1のポリマー材料を含んでもよい(又は第1のポリマー材料から作られてもよい)。上で定義した第1のポリマー材料は、保持部品がユーザの耳甲介(例えば、耳甲介の外壁)と係合されるときの快適性の増加をもたらし得るが、保持部品の十分な安定性も提供し得る。いくつかの例では、リテーナ部分は、より高いデュロメータ材料を含んでもよく、片持ち部分は、より低いデュロメータ材料を含んでもよい。したがって、リテーナ部分は、保持部品の増加した安定性をもたらし得、片持ち部分は、ユーザの耳甲介と係合したとき増加した快適性をもたらし得る。
【0030】
実施形態では、片持ち部分及びリテーナ部分は、一体的に形成されてもよい。
【0031】
一実施形態において、結合縁部は、その長さの大部分にわたって、周方向において第1の端部に沿って延在してもよい。
【0032】
実施形態では、結合縁部及び/又は自由縁部は、片持ち部分の長さの大部分にわたって、周方向において直線的に延在してもよい。代替的に、結合縁部及び/又は自由縁部は、片持ち部分の長さの大部分にわたって周方向において、湾曲形状、任意選択的に波形状を備えてもよい。
【0033】
片持ち部分は、第1の片持ちサブ部分及び第2の片持ちサブ部分を備えてもよく、第1の片持ちサブ部分は、対耳珠と少なくとも部分的に係合するように構成されてもよく、第2の片持ちサブ部分は、ユーザの耳介の対耳輪と少なくとも部分的に係合するように構成されてもよい。実施形態では、第1の片持ちサブ部分及び第2の片持ちサブ部分は一体的に形成され得る。
【0034】
実施形態では、結合縁部は、第1の片持ちサブ部分に関連付けられた第1の結合縁部を備えてもよく、第1の結合縁部は、中心軸の方向において第1の平面まで延在してもよく、かつ/又は周方向において、主に第1の平面上を延在してもよい。第1の平面は、第1の半径方向及び第2の半径方向によって画定される平面に平行に延在してもよい。追加的に又は代替的に、結合縁部は、第2の片持ちサブ部分に関連付けられた第2の結合縁部を備えてもよく、第2の結合縁部は、中心軸の方向において第2の平面まで延在してもよく、かつ/又は周方向において、主に第2の平面上を延在してもよい。
【0035】
第1の平面及び第2の平面は、互いに平行に延在してもよく、第1の平面及び第2の平面は、第1の距離だけ互いに離れていてもよく、第1の距離は、中心軸に平行に測定されてもよい。
【0036】
実施形態では、第1の平面は、中心軸の方向において第2の端部よりも第1の端部に近く配置されてもよく、第2の平面は、第1の平面と第2の端部との間に配置されてもよい。
【0037】
実施形態では、自由縁部は、第1の片持ちサブ部分に関連付けられた第1の自由縁部を備えてもよく、第1の自由縁部は、中心軸の方向において、第3の平面まで延在してもよく、かつ/又は周方向において、主に第3の平面上を延在してもよい。第3の平面は、第1の半径方向及び第2の半径方向によって画定される平面に平行に延在してもよい。追加的に又は代替的に、自由縁部は、第2の片持ちサブ部分に関連付けられた第2の自由縁部を備えてもよく、第2の自由縁部は、中心軸の方向において、第4の平面まで延在してもよく、かつ/又は周方向において、主に第4の平面上を延在してもよい。
【0038】
第3の平面及び第4の平面は、互いに平行であり得、第3の平面及び第4の平面は、互いに第2の距離だけ離れていてもよく、第2の距離は、中心軸に平行に測定されてもよい。
【0039】
実施形態では、第3の平面は、中心軸の方向において第2の端部よりも第1の端部に近く配置されてもよく、第4の平面は、第3の平面と第2の端部との間に配置されてもよい。
【0040】
中心軸に平行にそれぞれ測定して、第1の片持ちサブ部分は、第1の幅を備えてもよく、第2の片持ちサブ部分は、第2の幅を備えてもよい。実施形態では、第1の幅は第2の幅より大きくてもよい。実施形態では、第1の幅は、2.0mm~4.3mmであってもよく、第2の幅は、0.9mm~3.3mmであってもよい。
【0041】
片持ち部分は、第1の片持ちサブ部分と第2の片持ちサブ部分との間に延在する遷移領域を備えてもよく、遷移領域は、周方向において、湾曲形状、任意選択的に波形状を備えてもよい。
【0042】
実施形態では、片持ち部分は、その長さに少なくとも部分的に沿って周方向において、自由縁部から結合縁部に向かって半径方向において延在する溝を備えてもよい。
【0043】
片持ち部分は、リテーナ部分の外周面に向かって配向され得る内側片持ち部分表面を備えてもよい。
【0044】
実施形態において、片持ち部分は、内側片持ち部分表面と外側片持ち部分表面との間の断面において測定される厚さを備えてもよく、厚さは、0.4mm~0.8mmであってもよい。一実施形態では、厚さは、片持ち部分の長さ全体に沿って実質的に一定であってもよく、かつ/又は厚さは、自由縁部と結合縁部との間で実質的に一定であってもよい。
【0045】
一実施形態において、リテーナ部分は、イヤピースのハウジングに結合されるように構成されてもよい。
【0046】
本開示の第2の態様によれば、上述した複数の保持部品を備える保持部品ホルダを備えるパーツのキットが提供される。
【0047】
実施形態では、複数の保持部品の各々は、同じ幾何学的寸法を有するリテーナ部分を備えてもよい。追加的又は代替的に、複数の保持部品のうちの少なくともいくつかの保持部品は、ユーザの耳介の異なるサイズに適合される異なる幾何学的寸法を有する片持ち部分を備えてもよい。
【0048】
本開示の第3の態様によれば、インイヤ型オーディオデバイスのイヤピースは、ユーザの耳の少なくとも一部と係合するように構成されたハウジングと、上述のような保持部品と、を備える。保持部品は、リテーナ部分によってハウジングに結合されている。このようなイヤピースは、快適であり、ノイズ低減を容易にするための穏やかなシールを生み出し、圧力点を回避するためにユーザの耳にわたって均一に接触を広げ、ノイズ低減を最大にしながら一貫したオーディオ性能を提供するのに役立つ設計をもたらし得る。更に、イヤピースの配向及び安定性は、耳の特定の部分、すなわち、外耳道及び/又は耳介のいくつかの部分(例えば、耳介の耳甲介の外壁)に過度の半径方向圧力を提供することなく、改善され得る。イヤピースに結合された記載された保持部品は、ユーザの耳内にイヤピースが長期間快適に装着されることを可能にし、また、様々な活動中のユーザの耳の中のイヤピースの適合又は保持を改善するという利点をもたらし得る。
【0049】
実施形態では、保持部品は、ハウジングに解放可能に結合され得る。保持部品は、ハウジングの外周に結合されてもよく、保持部品は、ハウジングの外周の少なくとも部分的に周りに延在してもよい。
【0050】
ハウジングは、前側と、前側の実質的に反対側にある後側と、を備えることができる。ハウジングがユーザの耳の少なくとも一部と係合されるとき、前側は、後側よりも内側であってもよい。
【0051】
保持部品の結合縁部及び/又は第1の端部は、後側よりも前側に近く配置されてもよく、保持部品の自由縁部及び/又は第2の端部は、結合縁部及び/又は第1の端部と後側との間に配置されてもよい。実施形態では、片持ち部分は、トラフ形状を画定してもよい。実施形態では、トラフ形状は、片持ち部分及びリテーナ部分によって形成されてもよい。トラフ形状の底部は、後側よりも前側に近くてもよく、トラフ形状の開口部は、トラフ形状の底部と後側との間にあってもよい。
【0052】
イヤピースは、中心軸に平行な、前側と後側との間で測定されるイヤピース長さを有してもよい。第2の端部は、前側から後側に向かって見てイヤピース長の30%~70%の範囲内、より具体的には40%~60%の範囲内に位置してもよい。
【0053】
ハウジングは、中心軸によって及び半径方向によって画定される方向において斜めにハウジングの前側から延在するノズルを備えてもよい。イヤピースがユーザの耳に係合されるとき、ノズルは、ユーザの耳の外耳道に向かって延在してもよい。
【0054】
ノズルは、平面状の遠位端と、音響エネルギーを伝導するように構成された音響通路と、を備えてもよい。実施形態では、遠位端は、音響通路のための実質的に楕円形の開口部を備えてもよい。遠位端において画定される平面は、イヤピースがユーザの耳と係合されるとき、ユーザの外耳道の主軸に実質的に平行であってもよい。
【0055】
実施形態では、イヤピースは、ユーザの耳の外耳道と係合するように構成されたイヤチップを更に備えてもよい。イヤチップは、ノズルの遠位端に解放可能に結合されてもよい。実施形態では、イヤチップは、実質的にドーム形状であってもよい。
【0056】
イヤチップは、狭い端部、より広い端部、及び狭い端部とより広い端部との間に延在する実質的にドーム形状の外壁部分を備えてもよい。より広い端部は、外耳道の直径よりも大きい直径を備えてもよく、かつ/又は、狭い端部は、外耳道の入口の直径よりも小さい直径を有してもよい。
【0057】
実施形態では、外壁部分は、ノズルに向かって半径方向において少なくとも部分的に偏向するように構成されてもよい。
【0058】
更に、イヤチップは、狭い端部からより広い端部に少なくとも部分的に向かって延在する内壁部分を備えてもよく、内壁部分は、中空の音通路を画定し、取り囲むことができる。外壁部分は、狭い端部において内壁部分に接続されてもよい。いくつかの例では、より広い端部は、内壁部分に対して離隔されてもよい。
【0059】
実施形態では、内壁部分は、イヤチップをノズルに結合するように構成されてもよい管状形状を備えてもよい。内壁部分は、ノズル上の嵌合保持部材と係合するように構成された保持部材を備えてもよい。
【0060】
イヤチップは、第2のポリマー材料を含んでもよい。実施形態では、第2のポリマー材料は、10~80、より具体的には15~75、特に20~70のショアAデュロメータを含んでもよい。第2のポリマー材料は、シリコーンであってもよい。他の実施形態では、第2のポリマー材料は、ゴムであってもよい。内壁部分及び/又は外壁部分は、第2のポリマー材料を含んでもよい(又はそれから作られてもよい)。上で定義した第2のポリマー材料は、イヤチップがユーザの耳(例えば、外耳道)と係合されるときの快適性の増加をもたらし得るが、イヤチップの十分な安定性も提供し得る。いくつかの例では、内壁部分は、より高いデュロメータ材料を含んでもよく、外壁部分は、より低いデュロメータ材料を含んでもよい。したがって、内壁部分は、ノズルへの結合のためのイヤチップの安定性の増加をもたらし得、外壁部分は、イヤチップがユーザの耳と係合されるときの快適性の増加をもたらし得る。
【0061】
実施形態では、ハウジングは、任意選択的に、アクリロニトリルブタジエンスチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene、ABS)、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(Polycarbonate/Acrylonitrile Butadiene Styrene、PCB/ABS)、ポリエーテルイミド(polyetherimide、PEI)、又はステレオリソグラフィ(stereolithography、SLA)樹脂からなる群からの硬質ポリマー材料で作られていてもよい。
【0062】
ハウジングは、電気音響変換器、電池及び/又は電子回路が配設され得るキャビティを備えてもよい。電子回路は、無線送信機を含むことができる。
【0063】
実施形態では、変換器は、イヤピースが係合状態にあるとき、変換器の大部分がユーザの耳介の耳甲介の外壁内に位置してもよいか又はそれによって取り囲まれてもよいように、ハウジング内に配置されてもよい。
【0064】
ハウジングは、イヤピース及び/又はインイヤ型オーディオデバイスの機能を制御するための1つ以上の制御要素を含むことができる。追加的に又は代替的に、ハウジングは、1つ以上のセンサを含むことができる。
【0065】
本開示の第4の態様によれば、上で定義した少なくとも1つのイヤピースを備えるインイヤ型オーディオデバイスが提供される。
【0066】
更なる詳細及び特徴が、以下のように図面を参照して説明される。
【0067】
他の特徴は、本開示の一部を形成する添付の図面から明らかになるであろう。図面は、本開示を更に説明し、当業者がそれを実施することを可能にすることが意図されている。しかしながら、図面は非限定的な例であることが意図される。異なる図面上の共通の参照番号は、同様又は類似の特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図2A】本開示の態様による、保持部品、ハウジング、ノズル、及びイヤチップを含むインイヤ型イヤピースの第1の実施形態の側面斜視図である。
【
図3A】本開示の態様による保持部品の第1の実施形態の側面図である。
【
図3B】
図3Aに示す保持部品の第1の実施形態の側面斜視図である。
【
図3C】
図3Aに対して周方向において90°回転された、保持部品の第1の実施形態の側面図である。
【
図3D】本開示の態様による保持部品の第1の実施形態の底面図である。
【
図3E】
図3Dに示されるような位置A-Aで切断された、係合解除状態にある片持ち部分を示す、保持部品の第1の実施形態の断面側面図である。
【
図3F】
図3Dに示される位置A-Aで切断された、係合状態にある片持ち部分を示す、保持部品の第1の実施形態の断面側面図である。
【
図3G】本開示の態様による保持部品の第1の実施形態の上面図である。
【
図4A】本開示の態様による、保持部品、ハウジング、ノズル、及びイヤチップを含むインイヤ型イヤピースの第2の実施形態の側面斜視図である。
【
図4B】
図4Aに示すイヤピースの第2の実施形態の背面図である。
【
図4C】
図4Aに示すイヤピースの第2の実施形態に取り付けられたノズルの正面図である。
【
図5A】本開示の態様による、ユーザの耳介と係合されたイヤピースの側面斜視図である。
【
図5B】本開示の態様による、ユーザの耳介と係合された保持部品の側面斜視図である。
【
図5C】本開示の態様による、ユーザの耳の中に位置づけられたイヤピースの上面斜視図である。
【
図6A】本開示の態様による、保持部品の第2の実施形態の背面図である。
【
図6B】本開示の態様による、保持部品の第2の実施形態の斜視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、図面を参照して、保持部品、パーツのキット、インイヤ型イヤピース、及びインイヤ型オーディオデバイスの実施形態を説明する。本明細書で言及される全ての例及び特徴は、任意の技術的に可能な方式で組み合わせることができる。他の特徴、目的、及び利点は、以下の図面に関連して読まれるとき、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。例解された保持部品及びイヤピースは、ユーザの右耳と係合するように示されている。ユーザの左耳と係合するように構成される保持部品及びイヤピースは、本明細書に記載の保持部品及びイヤピースの鏡像であり、同じ原理に従って動作する。
【0070】
図1A~
図1Cは、識別されたいくつかの特徴を有する右側のヒトの耳の解剖学的領域を示す。ヒトの耳は、外耳、中耳、及び内耳380を備える。外耳(outer ear)又は外耳(external ear)は、耳介(auricle)又は耳介(pinna)300としても知られている。多くの異なる耳サイズ及び幾何学的形状が存在することに留意されたい。一例として、子供は、大人の耳と比較して、より小さいサイズ及び幾何学的寸法を有する、より小さい耳を有し得る。いくつかの耳は、
図1Aに示されない追加の特徴を有してもよく、又はいくつかの耳は、
図1Aに示される特徴のうちのいくつかを欠いてもよい。いくつかの特徴は、
図1Aに示されているものよりも顕著であってもよく、又は顕著でなくてもよい。
【0071】
耳介300は、ヒトの頭部の側面に近接して位置する、ほぼ原始的な通常は不動の外耳(shell)である。それは、密着した皮膚によって覆われた弾性軟骨の薄いプレートを備える。軟骨は、不規則な浅い漏斗を形成する明確に画定された窪み、隆線、及び筋に形作られている。外耳道390、すなわち音孔に直接つながる最も深い窪みは、耳甲介330と呼ばれる。耳甲介330は、耳甲介腔332(下部耳甲介)と、耳甲介舟331(上部耳甲介)と、を備える。耳甲介330は、耳珠350、切痕、対耳珠310、対耳輪320、対耳輪の下脚370、及び耳輪360の基部によって囲まれた窩である。下部耳甲介330は、2つの小さい突出部、すなわち前方の舌のような耳珠350及び後方の対耳珠310によって部分的に覆われている。耳珠の上には、耳甲介330の床から生じ、耳介の上側部分の内曲したリムとして続く、突出した隆線である、耳輪340がある。内側の湾曲した同心隆線である対耳輪320は、耳甲介330を取り囲み、筋、舟状窩、及び三角窩によって耳輪340を分離する。詳細には、対耳輪320は、耳甲介軟骨の折りを表す。ユーザの耳介300の耳甲介330の外壁は、対耳珠310及び/又は対耳輪320を少なくとも部分的に含んでもよい。いくつかの例では、耳甲介330の外壁は、対耳珠310及び/又は対耳輪320によって提供される隆線によって少なくとも部分的に画定されてもよい。任意選択的に、耳甲介330の外壁はまた、耳珠350及び/又は対耳輪の下脚370(又はこれらの部分によって提供される隆線)のいくつかの部分を備えてもよい。正常な対耳輪320の幹(分岐部の下の部分)は、緩やかに湾曲し、その進路に沿って約3分の2で分岐して、上対耳輪脚の広い折り目及びより鋭く折られた下脚370を形成する。耳輪340は、頭皮(根)上の耳の上挿入部から耳たぶにおける軟骨の終端まで延在する耳の外側リムである。耳介300の肉質の下側部分である耳たぶは、軟骨を含まない外側耳の唯一の区域である。舟状窩は、耳輪340と対耳輪320との間の溝であり、一方、耳珠350は、外耳道390の前方の、皮膚で覆われた軟骨の後方のわずかに下方の突起である。
【0072】
図1B及び
図1Cに示されるように、外耳道390は、耳甲介330の床から内向きに延在し、鼓膜381で行き止まりになって終端する、わずかに湾曲した管である。言い換えれば、外耳道390は、変化する断面積及び直線ではない中心線を有する不規則な形状の円筒である。その外側3分の1において、管の壁は軟骨からなり、その内側3分の2において、管の壁は骨からなる。最大およそ24mmであり得る通路の全長は、鼓膜の外面も覆う皮膚で被覆されている。外耳道の皮膚は、痛み及び圧力に非常に敏感である。本明細書において、外耳道390への入口とは、外耳道390の壁が外耳道390の中心線391aに対して実質的に非平行である、耳甲介330の床近くの外耳道の部分を指す。ヒトの耳の正確な構造は、個人によって大きく異なる。例えば、
図1Bの断面において、外耳道390への入口区域392aが比較的短いように、外耳道390の中心線391aに対して平行でない外耳道の壁から、外耳道390の中心線に対して実質的に平行である壁までの比較的急峻な遷移がある。
図1Cの断面において、外耳道390への入口392bが比較的長いように、外耳道390の中心線391bに平行でない外耳道壁から外耳道390の中心線391bに実質的に平行である壁までのより緩やかな遷移がある。
【0073】
薄い半透明の鼓膜(tympanic membrane)、すなわち鼓膜(eardrum)は、外耳と中耳との間の境界を形成し、外耳道390の端部を斜めに横切って伸びている。中耳腔は、鼓室387を含む空気で満たされた狭い空間である。鼓膜387を長円形窓及び内耳と連結する3つの小骨によって形成される短い耳小骨連鎖が、中耳腔を横切っている。それらは、外側から内側に向かって、槌骨(ハンマー)384、キヌタ骨(アンビル)386、及びアブミ骨(stapes)(アブミ骨(stirrup))385である。これらの骨は、鼓膜から内耳380へ音を伝達する際に鎖を自由に振動させる靭帯によって懸架されている。中耳は、中耳を換気し、鼓膜の両側で等しい空気圧を維持するのに役立つ耳管388を更に備える。とりわけ、内耳は、半規管383、前庭神経、蝸牛382、及び蝸牛神経389を備える。
【0074】
図2A~
図2Dは、インイヤ型イヤピース10の第1の実施形態の異なる図を示し、
図4A~
図4Cは、イヤピース10の第2の実施形態の異なる図を例解する。第1の実施形態に関連して以下に記載される特徴は、第2の実施形態に適用されてもよく、逆もまた同様である。また、記載されていない他の実施形態も、特許請求された特徴を実施する限り、本発明の範囲内に収まる。イヤピース10は、インイヤ型オーディオデバイスを備えていてもよい。イヤピース10は、ユーザの耳の少なくとも一部、より具体的には、外耳道390及び/又はユーザの耳介300の一部と係合するように構成されたハウジング100を備える。イヤピース10は、保持部品200を更に備え、保持部品200は、ハウジング100に結合されている。そのようなイヤピース10は、快適であり、ノイズ低減を容易にするための穏やかなシールを生み出し、圧点を回避するためにユーザの耳(任意選択的に外耳道390及び/又は耳介300の部分)にわたって均一に接触を広げ、ノイズ低減を最大にしながら一貫した音響性能を提供するのに役立つ設計をもたらし得る。
【0075】
保持部品200の第1の実施形態を、
図2A~
図3Gを参照して以下で説明し、保持部品200の第2の実施形態を、
図4A~
図6Bを参照して以下で説明する。例えば
図3Aに示されるように、保持部品200は、リテーナ部分210と、片持ち部分220と、を備える。片持ち部分220は、結合縁部224と、結合縁部224の実質的に反対側にある自由縁部223と、を備える。片持ち部分220は、結合縁部224においてリテーナ部分210に結合されている。片持ち部分220は、以下で詳細に説明するように、ユーザの耳介300の耳甲介330の外壁の少なくとも一部と係合するように構成されている。片持ち部分220は、結合縁部224と自由縁部223との間に凸状に湾曲したセクションを備える。片持ち部分220が係合状態にあるとき、結合縁部224は、自由縁部223よりも内側にある。保持部品200は、任意選択的にリテーナ部分210によって、イヤピース10のハウジング100に結合されるように構成されている。そのような保持部品200は、イヤピース10をユーザの耳の中に(実施形態では、ユーザの外耳道390及び/又はユーザの耳介300の部分の中に)快適に保持し得る。保持部品200は、以下で詳細に説明するように、ユーザの耳介300の部分に対する過度の半径方向圧力を伴わずに、配向及び安定性を提供し得る。配向は、イヤピース10がユーザの耳に適切に係合されることを確実にするのに役立ち得る。安定性を達成することは、イヤピース10が適切に係合されたとき、最小の動きでユーザの耳の中に留まることを指し得る。記載された保持部品200は、ユーザの耳の中にイヤピースが長期間快適に装着されることを可能にし、また、様々な活動中のユーザの耳の中のイヤピース10の適合は保持を改善するという利点をもたらし得る。
【0076】
仮想中心線(例えば、正中線)は、ヒトの身体の中央(又は中心)を通って延在し、その長さに沿って延在してもよい。横配向は、身体の正中線から離れた位置である。例えば、腕は胸の側方にあり、耳介300は頭部の側方にある。内側配向は、身体の内側線に向かう位置である。内側配向の例は目であり、目は頭部の耳(例えば、耳介300)の内側にある。この文脈において、前方とは、正中線から見て前方に向かう(ヒトの胸に向かう)ことを意味し、後方とは、正中線から見て(ヒトの)後方に向かうことを意味する。上で定義したように、保持部品200、より具体的には片持ち部分220が係合されるとき、結合縁部224は、自由縁部223よりも内側にある。言い換えれば、係合されたとき、結合縁部224は、自由縁部223よりもヒトの身体の内耳380及び/又は正中線に近い。「内側」の定義は、正中線に対してほぼ平行であるか又はわずかに傾斜しているだけである、平均的な耳(より詳細には、外耳、例えば、耳介、耳甲介、耳甲介床)を有するユーザに適用されてもよいことに留意されたい。しかしながら、正中線に対してより大きく傾斜し得る異なる幾何学的形状を有する他の耳(詳細には、外耳)が存在してもよい。この場合、「結合縁部224が自由側部223よりも内側にある」という定義(及び本開示における「内側」に関する他の全ての定義)は、中心軸xの方向に対する結合縁部224の異なる半径方向位置又は周方向位置(r-x平面内)及び自由縁部223の関連する周方向位置に適用してもよい。しかしながら、結合縁部224が自由縁部223よりもヒトの身体の内耳380及び/又は正中線に近い(又はより内側にある)という一般的な考え方は、この場合にも、たとえわずかに小さいとしても、依然として当てはまる。
【0077】
図2A及び
図3Bを参照すると、座標系は、保持部品200に対して画定され、イヤピース10にも適用され得る。保持部品200は、保持部品200の中心を通って延在する中心軸xと、保持部品200の半径方向において中心軸xに垂直に延在する半径方向軸rと、中心軸xの周方向において延在する周方向軸uと、を含む。半径方向軸rは、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2を画定してもよく、第2の半径方向r2は、第1の半径方向r1に対して垂直に延在する。言い換えれば、半径方向軸rは、中心軸xから延在する、保持部品のランダムな半径方向を画定し得る。中心及び関連する中心軸xは、リテーナ部分210の幾何学的中心であってもよい。第1の半径方向r1は、中心軸xから保持部品200の外側輪郭240まで測定して、保持部品200がその最大半径Rmaxを含む半径方向において延在してもよい。
【0078】
上述したように、保持部品200、特に片持ち部分220は、係合状態又は係合解除状態にあり得る。片持ち部分220は、片持ち部分220とユーザの耳介300の耳甲介330の外壁との間に接触がないとき、係合解除状態にある。言い換えれば、係合解除状態において、保持部品200は使用されず、すなわち、外力が保持部品200(特に片持ち部分220)に作用せず、かつ/又は力が保持部品200に加えられていない。これは特に、保持部品200がユーザの耳甲介330の外壁と係合していない場合に当てはまる。片持ち部分220は、保持部品200がユーザの耳甲介330と少なくとも部分的に係合されるとき、より具体的には、保持部品200がユーザの耳甲介腔内に挿入され、片持ち部分220の少なくとも一部が耳介300の耳甲介330の外壁の少なくとも一部に接触するとき、係合状態にあってもよい。言い換えれば、片持ち部分220は、片持ち部分220が対耳珠310及び/若しくは対耳輪320において耳甲介330の外壁に少なくとも部分的に接触(又は係合)し、かつ/又は対耳輪320及び/若しくは対耳珠310によって提供される隆線に少なくとも部分的に接触(若しくは係合)するとき、係合状態にあってもよい。特に言及しない限り、説明を通して、保持部品200及びイヤピース10の幾何学的形状及び特性は、係合解除状態について説明される。
【0079】
片持ち部分220は、リテーナ部分210から半径方向外向きに(すなわち、上で定義した半径方向rにおいて)延在する。例えば、結合縁部224は、自由縁部223よりも半径方向rにおいてより内側に位置することができる。片持ち部分220が係合状態にあるとき、結合縁部224は自由縁部223よりも内側にある。言い換えれば、片持ち部分220が係合され、中心軸xの方向にあるとき、結合縁部224は、自由縁部223よりも耳甲介330の床に、及び/又は外耳道390に、及び/又はユーザの頭に近い。上で定義した耳甲介330の外壁は、ユーザの耳介の対耳珠310及び対耳輪320のうちの少なくとも1つであり得る。しかしながら、他の実施形態では、外壁はまた、耳珠350及び対耳輪370の下脚を少なくとも部分的に含んでもよい。言い換えれば、片持ち部分220は、ユーザの耳介300の耳甲介330の床部とは反対の方向に傾斜している。
【0080】
リテーナ部分210は、第1の端部211と、第1の端部211の実質的に反対側にある第2の212と、を備える。これは、中心軸xの方向に対して画定されてもよい。片持ち部分220は、第1の端部211と第2の端部212との間でリテーナ部分210に結合されている。上述したように、片持ち部分220は、ユーザの耳介300の耳甲介330の外壁の少なくとも一部と係合するように構成されている。言い換えれば、片持ち部分220が係合されるとき、中心軸xの方向に関して、第1の端部211は、第2の端部212(すなわち、ユーザの頭、外耳道390、及び/又は耳甲介330の床に対して遠位)よりも内側(すなわち、ユーザの頭、外耳道390、及び/又は耳甲介330の床に近い)にある。係合されると、第1の端部211は、第2の端部212よりも、ユーザの外耳道390、耳甲介床、内耳380、及び/又は頭に近くてもよい。片持ち部分220は、リテーナ部分210から半径方向外向きに、第1の端部211に向かって、又は第2の端部212に向かって延在する。実施形態では、中心軸xの方向において見て、結合縁部224は、第2の端部212よりも第1の端部211に近く配置され、自由縁部223は、結合縁部224と第2の端部212との間に配置される。
【0081】
上述したように、片持ち部分220は、結合縁部224と、自由縁部223と、を備え、自由縁部223は、結合縁部224の実質的に反対側にある。言い換えれば、自由縁部223は、片持ち部分220から離れる方向に面し、結合縁部224が延在する片持ち部分220の側部と実質的に反対側にある片持ち部分220の側部に位置する片持ち部分220の縁部であってもよい。実施形態では、特に係合解除状態において、自由縁部223は、中心軸xの方向において結合縁部224から最も遠い片持ち部分220の縁部であってもよい(これは、平面r-xにおいて、周方向uの長さに沿った自由縁部223のいくつか又は全ての周方向位置に適用されてもよい)。実施形態では、自由縁部223は、第2の端部212に向かって実質的に中心軸xの方向に面していてもよい。任意選択的に、自由縁部223は、結合縁部224に対して片持ち部分220の反対側にあり、保持本体210に結合されていない縁部であってもよい(しかしながら、これは、以下で詳細に説明するように、第1の側縁部225及び第2の側縁部226の場合に当てはまり得る)。
【0082】
図3A~
図3Gに示されるように、片持ち部分220は、片持ち部分220の両側で結合縁部224と自由縁部223との間に各々延在する、第1の側縁部225と、第2の側縁部226と、を備える。片持ち部分220は、半径方向rにおいて中心軸xから実質的に離れる方向に面する外側片持ち部分表面228を備える。外側片持ち部分表面228は、自由縁部223と結合縁部224との間に、加えて、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間に(すなわち、以下で説明するように、その長さ全体l1に沿って)、リテーナ部分210から離れる方向に面する側に画定されてもよい。外側片持ち部分表面228は、特に片持ち部分220が係合状態にあるとき、耳甲介330の外壁の輪郭(例えば、対耳輪320及び/又は対耳珠310の外側輪郭又は湾曲形状)に少なくとも部分的に沿うように設計されている。更に、片持ち部分220は、内側片持ち部分表面227を備え、これは、外側片持ち部分表面228の反対側にあり、リテーナ部分210の外周面214に向かって配向されている。
【0083】
図3D及び
図3Gを参照すると、片持ち部分220は、周方向uにおいて、リテーナ部分210の外周面214の少なくとも部分的に周りにリテーナ部分210に結合されている(又はリテーナ部分210から延在する)。いくつかの例では、片持ち部分220は、実質的に周方向uにおいて、リテーナ部分210の外周面214の周りに長さl1にわたって結合されている(又は延在する)。長さl1は、自由縁部223に沿って、より具体的には第1の側縁部225と第2の側縁部226との間で周方向uにおいて測定されてもよい。実施形態では、片持ち部分210は、リテーナ部分210の全周の約30%~70%、より具体的には40%~60%にわたって延在する。
図3Dに最もよく示されるように、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2によって画定される平面r1-r2において、片持ち部分220は、周方向uにおいて測定して、120°<α<270°、より具体的には150°<α<250°、特に170°<α<240°であり得る角度αにわたって、リテーナ部分210の外周面214の周りに延在する。詳細には、角度αは、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の自由縁部223において測定される。自由縁部223は、周方向uにおいて結合縁部224に実質的に平行に、長さl1の大部分にわたって延在する。しかしながら、他の実施形態では、結合縁部224は、自由縁部223に少なくとも部分的に実質的に平行に延在してもよい。更に、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2によって画定される平面において、自由縁部223は、その長さl1に少なくとも部分的に沿って、リテーナ部分210の外周面214に平行に延在してもよい。
【0084】
図3A~
図3Gを参照すると、結合縁部224は、その長さl2の大部分にわたって、周方向uにおいて第1の端部211に沿って延在する。長さl2は、周方向uにおいて、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の結合縁部224に沿って測定される。実施形態では、結合縁部224及び/又は自由縁部223は、片持ち部分220の長さl1の大部分にわたって周方向uにおいて直線的に延在してもよい。代替的に、結合縁部224及び/又は自由縁部223は、片持ち部分220の長さl1の大部分にわたって周方向uにおいて、湾曲形状、任意選択的に波形状を備えてもよい。言い換えれば、結合縁部224及び/又は自由縁部223は、周方向uにおいて特定の形状を備えてもよい。結合縁部224は、その長さl2の大部分にわたって、第1の端部211に隣接するリテーナ部分210に結合されてもよい。言い換えれば、結合縁部は、その長さl2の大部分にわたって、周方向uにおいてかつ中心軸xの方向に対して、第1の端部211の輪郭に沿ってもよい。実施形態では、片持ち部分220は、結合縁部224の長さ全体l2にわたってリテーナ部分210に結合されている。詳細には、片持ち部分220は、結合縁部224の長さ全体l2にわたって、リテーナ部分210に連続的に及び/又は途切れずに結合されてもよい。
【0085】
図3E及び
図3Fは、
図3Dに示す位置A-Aで切断された、保持部品200の第1の実施形態の側断面図であり、係合解除状態にある片持ち部分220を示し(
図3E参照)、係合状態にある片持ち部分220を示している(
図3F参照)。すでに上述したように、片持ち部分220は、片持ち部分220の少なくとも一部が、任意選択的に接触区域231において、耳甲介330の外壁(の少なくとも一部)に接触するとき、係合状態にある。接触区域231は、自由縁部223において、及び/又は自由縁部223と外側片持ち部分表面228上の結合縁部224との間に提供されてもよい。実施形態では、片持ち部分220は、係合されたとき、耳珠350と耳輪下脚370との間の耳甲介330の外壁に接触し、任意選択的に少なくとも部分的に対耳珠310及び対耳輪320において接触してもよい。
【0086】
片持ち部分220は、片持ち部分220に加えられた力Fに応じて、その長さl1に少なくとも部分的に沿って周方向uにおいて、中心軸xに向かって半径方向rにおいて、及び/又は中心軸xの方向において偏向するように、より具体的には弾性的に偏向するように構成されている。力Fは、保持部品200が係合状態にあるとき、任意選択的に接触区域231において、片持ち部分220に接触する耳甲介330の外壁の一部によって片持ち部分220に少なくとも部分的に加えられる。
【0087】
図3Fに示されるように、片持ち部分220が係合状態にあるとき、耳甲介330の外壁に接触する片持ち部分220の少なくとも一部は、中心軸xに向かって偏向してもよく、かつ/又は片持ち部分220の少なくとも一部は、第1の端部211又は第2の端部212に向かって偏向してもよい。言い換えれば、片持ち部分220の少なくとも一部は、保持部品200が少なくとも部分的に耳甲介腔に挿入されたとき、中心軸xに向かって片持ち部分220自体の上に折り畳まれるか又は巻き上げられてもよい。片持ち部分220がそれ自体の上に偏向するか、折り畳まれるか、又は巻き上げられるとき、自由縁部223は、結合縁部224に向かって移動してもよく、より具体的には、結合縁部224と自由縁部223との間の距離は、係合解除状態においてよりも小さくてもよい。しかしながら、他の実施形態では、偏向されたとき、自由縁部223は、結合縁部224から離れる方向に移動されてもよい。保持部品200を中心軸xの方向においてユーザの耳甲介床に向かって(又はユーザの外耳道390に向かって)挿入して、保持部品200と耳介300との間、任意選択的に保持部品200と対耳珠310及び/又は対耳輪320との間の係合を提供するとき、接触が、耳甲介330の外壁の少なくとも一部(例えば、対耳珠及び/又は対耳輪)と片持ち部分220との間で生じ得る。それによって、接触力Fは、耳甲介330の外壁に接触する片持ち部分220の少なくとも一部に作用し得る。保持部品200を挿入する間、接触力Fは、係合状態におけるものよりも大きくてもよい。その理由は、係合状態において、片持ち部分220の一部が、対耳輪320及び/又は対耳珠310(隆線と耳甲介床との間)によって提供される溝又は筋と少なくとも部分的に係合してもよく、したがって、片持ち部分220の偏向が少なくとも部分的に減少し得るためであり得る。
【0088】
接触力Fは、中心軸xに向かって半径方向rに実質的に方向付けられる第1の力成分を有してもよい。更に、力Fは、中心軸xの方向に実質的に方向付けられる第2の力成分、及び/又は周方向uに実質的に方向付けられる第3の力成分を有してもよい。片持ち部分220は、ポリマー材料を含む(例えば、ポリマー材料から作る)ことができる。上述したように、片持ち部分220は、弾性的に偏向するように構成されてもよい。偏向に続いて、片持ち部分220は、復元力によって、任意選択的に弾性復元力によって、その初期位置に戻るように移動し得る。片持ち部分220の初期位置は、片持ち部分220が係合解除状態にある位置であってもよい。係合状態において、復元力は、接触力Fに少なくとも部分的に対抗して作用することができる。接触力Fが弾性復元力よりも大きい場合、片持ち部分220(詳細には、外壁と接触している部分)の偏向が生じ得る。言い換えれば、片持ち部分220は、ばね効果を提供し得る。復元力は、片持ち部分220に使用される材料の剛性に依存する。剛性は、材料の弾性係数、片持ち部分220の特定の幾何学的形状、及び材料の断面、並びに材料の加工に起因する。片持ち部分220の剛性はまた、異なる方向における偏向について異なってもよい。例えば、中心軸xに向かう偏向に対する材料の剛性は、周方向uにおける剛性よりも低くてもよい。係合状態において、相反する力(接触力F及び弾性復元力)は、耳甲介330における保持部品200のより良好な保持をもたらし得る。言い換えれば、相反する力によって、片持ち部分220が外壁に圧力を及ぼす。片持ち部分220は、対耳珠310及び/又は対耳輪320に少なくとも部分的に沿って耳介300の耳甲介330の外壁に圧力を加えてもよい。しかしながら、保持部品200によって耳甲介330の外壁に加えられる圧力は、耳甲介330の外壁の形状に意図的に影響を与えるために順向的ではなく、力Fを補償する(又は均衡させる)ために反応的であってもよいことに留意されたい。実施形態では、片持ち部分220は、対耳珠310及び対耳輪320の少なくとも下側部分(これは、対耳珠に隣接する)に沿って圧力を加えてもよい。結果として、保持部品200は、安定性を生み出すことができ、イヤピース10が装着されたとき、イヤピース10をユーザの外耳道390に向かって少なくともわずかに押すことができる。力が、片持ち部分220と耳甲介330の外壁との間のより大きい接触区域231にわたって分散される場合、これは、保持部品200(及びイヤピース10)がユーザによって装着されたとき、より長い期間にわたって改善された快適さ(低減された圧力に起因する)をもたらし得る。
【0089】
保持部品200が係合解除状態から係合状態に変化するとき(すなわち、保持部品がユーザの耳甲介330に挿入され、片持ち部分220が耳甲介330の外壁に接触するとき)、第2の力成分は、第2の端部212(例えば、
図3Fに示されるように)に向かって、又は第1の端部211に向かって方向付けられてもよい。第1の力成分及び第2の力成分の結果として生じる力成分は、
図3Fに示されるように、片持ち部分220の一部の偏向をもたらし得る。この場合、自由縁部223の少なくとも一部(及び片持ち部分220の関連する部分)は、第1の端部211に向かって又は第2の端部212に向かって軸方向に、及び中心軸xに向かって(及び/又はリテーナ部分210に向かって)半径方向に移動してもよい(又は折り畳んでもよい)。しかしながら、他の実施形態では、自由縁部223の少なくとも一部は、第1の端部211に向かって又は第2の端部212に向かって移動することなく、中心軸xに向かって(及び/又はリテーナ部分210に向かって)半径方向に移動してもよい(又は折り畳んでもよい)。保持部品200が係合状態から係合解除状態に変化するとき(すなわち、保持部品がユーザの耳甲介330から取り外されるとき)、第2の力成分は、中心軸xの方向において第1の端部211に向かって又は第2の端部212に向かって実質的に方向付けられてもよい。
【0090】
例えば、
図3A~
図3C及び
図3E~
図3Fに示されるように、片持ち部分220は、結合縁部224と自由縁部223との間に凸状に湾曲したセクションを備える。いくつかの実施形態では、凸状に湾曲したセクションは、半径方向軸r及び中心軸xによって画定される断面平面r-xにおいて画定されてもよい。片持ち部分220は、中心軸xから半径方向軸rの方向において見て凸状に湾曲したセクションを備える。言い換えれば、凸状に湾曲したセクションは、半径方向rに見て、中心軸x上の位置に対して画定される。凸状に湾曲したセクションは、片持ち部分220がユーザの耳介300の耳甲介330、任意選択的に対耳珠310及び/又は対耳輪320の外壁に少なくとも部分的に接触するとき、片持ち部分220の自由縁部223が中心軸xに向かって及び/又はリテーナ部分210に向かって緩やかに偏向する、より具体的には自由縁部223自体の上に折り重なるか又は巻き上がることを可能にする。このようにして、保持部品200は、広範囲の耳の幾何学的形状及びサイズに対してイヤピース10を保持してもよい。ユーザがより大きい耳を有する場合、イヤピース10がユーザの耳と係合されたとき、片持ち部分220の長さl1のより少ない部分が、リテーナ部分210に向かって巻き上げられてもよい。ユーザがより小さい耳を有する場合、片持ち部分220が対耳珠310及び対耳輪320に少なくとも部分的に接触するとき、片持ち部分220の長さl1のより多くがリテーナ部分210に向かって巻き上げられてもよい。しかしながら、両方の場合において、同じ保持部品200は、イヤピース10を所定位置に、及び適切な配向に維持する安定性を快適に提供し得、ユーザがイヤピース10を外耳道390から引き離すことによってイヤピース10を取り外すときに少なくともわずかな抵抗を提供し得る。しかしながら、以下で説明するように、保持部品220の異なるサイズ(より小さい耳及びより大きい耳と関連付けられる異なる幾何学的形状を有する)が、追加的又は代替的に提供されてもよいことを理解されたい。
【0091】
図に示されていない実施形態では、半径方向軸r及び中心軸xによって画定される平面r-xにおいて、結合縁部224から開始して自由縁部223に向かって、片持ち部分220、任意選択的に外側片持ち部分表面228は、凸状に湾曲したセクションと、それに続く少なくとも部分的に平坦なセクションと、を備えてもよく、特に、平坦なセクションは、中心軸xに実質的に平行に延在してもよく、又は中心軸xから離れる方向に(すなわち、半径方向rにおいてリテーナ部分210の外周面214から離れる方向に)わずかに傾斜して延在してもよい。部分的に平坦なセクションは、片持ち部分220が係合状態においてユーザの耳介300の耳甲介330の外壁に接触する接触区域231において提供されてもよい。言い換えれば、平坦なセクションは、耳甲介330の外壁の輪郭に少なくとも部分的に沿うように適合されてもよい。平坦なセクションは、実質的に周方向uにおいて、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の片持ち部分220の長さl1に少なくとも部分的に沿って提供されてもよい。実施形態では、平坦なセクションは、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の周方向uにおける片持ち部分220の長さl1の大部分にわたって又は長さ全体l1にわたって提供されてもよい。中心軸x(又は外周面214)に対する平坦なセクションの傾斜は、長さl1に沿って変化してもよく、又は第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の周方向uにおける片持ち部220の長さl1の大部分にわたって実質的に一定であってもよい。平坦なセクションの幅は、凸状に湾曲したセクションと自由縁部223との間で、片持ち部分220の異なる半径方向位置に対して外側片持ち部分表面228に平行に測定されてもよい。実施形態では、片持ち部分220の平坦なセクションの幅は、長さl1に沿って変化してもよく、又は第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の周方向uにおける長さl1の大部分にわたって実質的に一定であってもよい。
【0092】
上述したように、片持ち部分220は、凸状に湾曲したセクションを備える。しかしながら、図に示されていない他の実施形態では、片持ち部分220は、中心軸xから半径方向rに見て凹状に湾曲したセクション、又は凸状に湾曲したセクション及び凹状に湾曲したセクションを備えてもよい。一実施形態では、半径方向軸r及び中心軸xによって画定され、結合縁部224から開始して自由縁部223に向かう平面r-xにおいて、片持ち部分220は、凹状に湾曲したセクションと、それに続く凸状に湾曲したセクション及び/又は平坦なセクションと、を備えてもよい。更に他の実施形態では、片持ち部分220は、上で定義した方向及び平面に対して、凹状に湾曲したセクションと、それに続く凸状に湾曲したセクションと、それに続く平坦なセクション(又はその逆)と、を備えてもよい。
【0093】
図3Eに最もよく示されるように、片持ち部分220の係合解除状態において、凸状に湾曲したセクションを有する片持ち部分220は、半径方向r及び中心軸xによって画定される平面r-xにおいて、結合縁部224と自由縁部223との間で測定される第1の湾曲セクションの半径Rs1を備え得る。第1の湾曲セクション半径Rs1は、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の周方向uにおけるその長さl1に沿った片持ち部分220の異なる半径方向断面に対して記載された範囲内で変化し得ることに留意されたい。他の実施形態では、第1の湾曲セクション半径Rs1は、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の周方向uにおけるその長さl1に沿った片持ち部分220の異なる半径方向断面に対して実質的に一定であってもよい。第1の湾曲セクション半径Rs1は、r-x平面における結合縁部224と自由縁部223との間の片持ち部分220の異なる半径方向断面に対して変化してもよい。一実施形態では、第1の湾曲セクション半径Rs1は、自由縁部223に近い位置よりも結合縁部224に近い位置でより大きくてもよい。
【0094】
図3Fに示されるように、係合状態において、凸状に湾曲したセクションは、第1の湾曲セクション半径Rs1よりも小さい第2の湾曲セクション半径Rs2を備えてもよい。第2の湾曲セクション半径は、係合状態において偏向される片持ち部分220の部分に対して存在してもよい。第2の湾曲セクション半径Rs2は、任意選択的に、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の周方向uにおけるその長さl1に沿って、片持ち部分220の異なる半径方向断面に対して変化してもよい。一実施形態では、第2の湾曲セクション半径Rs2は、周方向uにおいて片持ち部分220の長さl1に沿って一定であってもよい。しかしながら、これは、片持ち部分220の長さl1に沿って片持ち部分220に一定の力(又は圧力)が加えられる場合にのみ当てはまる。しかしながら、片持ち部分220は、少なくとも部分的にのみ耳甲介330の外壁の輪郭に沿うことができるので、これは、標準的な係合状態においては当てはまらない場合がある。Rs1とRs2との間の半径変化は、とりわけ、片持ち部分220に加えられる力及び片持ち部分220の材料の剛性に依存し得る。
【0095】
図3Bに最もよく示されるように、リテーナ部分210は、第1の端部211と第2の端部212との間に延在する管状壁部分213を備える。管状壁部分213は、中心軸xから半径方向rにおいてそれぞれ測定される外壁部分半径Ro及び内壁部分半径Riを画定する。いくつかの例では、外壁部分半径Roは、中心軸xとリテーナ部分210の外周面214との間に画定されてもよい。内壁部分半径Riは、リテーナ部分210の内周面と中心軸xとの間に画定されてもよい。実施形態では、外壁部分半径Roは、6.0mm~12.0mm、より具体的には8.0mm~10.0mm、特に8.0mm~9.5mmであってもよい。内壁部分半径Riは、5.0mm~11.0mm、より具体的には7.0mm~9.0mm、特に7.3mm~8.9mmであってもよい。リテーナ部分210、より具体的には管状壁部分213は、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2によって画定される平面r1-r2において、長円形又は円形又は楕円形である断面を備えてもよい。他の実施形態では、リテーナ部分210は、管状壁部分213が実質的に円形の断面を画定することができるように、円筒形状を備えてもよい。他の実施形態では、管状壁部分213は、管状壁部分213内に形成された間隙を備えてもよく、間隙は、第1の端部211と第2の端部212との間で管状壁部分213を通って、任意選択的に中心軸xに平行に延在してもよい。ただし、この場合には、間隙は、片持ち部分220が結合されていないリテーナ部210の周方向位置において提供されてもよい。この場合、リテーナ部分210をハウジング100にクリップ留めすることが可能であってもよい。
【0096】
図2A~
図6Bに示される保持部品200の第1の実施形態及び第2の実施形態では、片持ち部分220は、トラフ形状を画定する。片持ち部分220(詳細にはトラフ形状)はまた、イヤピース10がユーザによって装着されたときに安定性を生み出し、イヤピース10をユーザの耳の中に保持し、かつ/又はイヤピース10をユーザの外耳道390に向かってわずかに押すためのばね要素として動作し得る「スクープ」又は「フラップ」として画定されてもよい。トラフ形状は、片持ち部分220及びリテーナ部分210によって、より具体的には、片持ち部分220及びリテーナ部分210の外周面214によって形成される。言い換えれば、トラフ形状は、底部によって互いに接続された2つの実質的に反対側にある側壁(1つは片持ち部分220であり、1つは外周面214である)によって画定されてもよい。片持ち部分220が係合状態にあるとき、トラフ形状の底部は、トラフ形状の開口部よりも内側にある。トラフ形状は、開口部(又は凹部)によって画定されてもよく、開口部(又は凹部)は、実質的に第2の端部212に向かって配向されてもよく、片持ち部分220と、片持ち部分220が周方向uにおいて延在するリテーナ部分210の外周面214の一部とによって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。トラフ形状の底部は、周方向uにおける片持ち部分220の長さl1に沿ったあらゆる半径方向位置について、第2の端部212よりも第1の端部211に近くてもよい。トラフ形状の底部は、結合縁部224に隣接して(又は結合縁部224において)延在してもよい。自由縁部223は、トラフ形状の底部の実質的に反対側にあってもよく、任意選択的に、自由縁部223は、トラフ形状の底部と第2の端部212との間に提供される。実施形態では、底部は、結合縁部224に隣接する片持ち部分220のみによって形成されてもよく(例えば、底部が結合縁部224においてリテーナ部分210から直接延在する場合)、又はリテーナ部分210のみによって形成されてもよい。他の実施形態では、底部は、片持ち部分220及びリテーナ部分210によって形成されてもよい。しかしながら、更に他の実施形態では、トラフ形状は、片持ち部分220のみによって(特に、結合縁部220と自由縁部223との間に凸状に湾曲したセクションを備える片持ち部分220によって)形成され、例えば、結合縁部224において、又はウェブ(若しくは支柱)を介して、リテーナ部分210に結合されてもよい。この場合、底部は、凸状に湾曲したセクションにおいて結合縁部224と自由縁部223との間の位置に形成されてもよい。
【0097】
図2A~
図3Gに示される保持部品200の第1の実施形態では、片持ち部分220は、結合縁部224、第1の側縁部225、及び第2の側縁部226においてリテーナ部分210に結合される。この場合、トラフ形状は、第1の側縁部225とリテーナ部分210とにおいて(又はそれらの間で)、及び第2の側縁部226とリテーナ部分210との間で閉じられる。したがって、トラフ形状の開口部は、実質的に第2の端部212に向かって配向されてもよく、片持ち部分220と、片持ち部分220が延在する外周面214の一部とによって完全に取り囲まれてもよい。言い換えれば、片持ち部分220は、リテーナ部分210の外周面214と一緒に、閉じた「スクープ」又は「フラップ」構造を画定することができる。例えば
図3Bに示されるように、結合縁部224は、第1の側縁部225及び第2の側縁部226において、それぞれ、自由縁部223に向かって周方向u及び中心軸xの方向において湾曲していてもよい。この構成では、第1の側縁部225及び第2の側縁部226は、結合縁部224と一体的に形成されるものとして画定することができ、又は結合縁部224と自由縁部225との間で線形状であるものとして画定することができる。言い換えれば、この場合、第1の側縁部225は、自由縁部223の第1の端部を画定することができ、第2の側縁部226は、自由縁部223の第2の端部を画定することができる。
図2A~
図3Gに示す実施形態では、自由縁部223は、第1の側縁部225(又は第1の端部)及び第2の側縁部226(又は第2の端部)においてのみリテーナ部分210に結合されている。
【0098】
図4A~
図4C、
図6A及び
図6Bは、保持部品200の第2の実施形態を示す。本開示全体を通して保持部品200の第1の実施形態について説明される特徴は、必要な変更を加えて、保持部品200の第2の実施形態にも適用され得ることに留意されたい。第2の実施形態による保持部品200の片持ち部分220もまた、上で定義したような凸状に湾曲したセクションを備える。第2の実施形態による保持部品200も、トラフ形状を備える。しかしながら、保持部品200の第2の実施形態では、片持ち部分220は、結合縁部224においてリテーナ部分210に結合される。しかしながら、第1の側縁部225及び第2の側縁部226は、リテーナ部分210から完全に(又は少なくとも部分的に)離れている。
図4A~
図4C、
図6A及び
図6Bに示す実施形態では、第1の側縁部210及び第2の側縁部226は、リテーナ部分210から完全に離れている。言い換えれば、片持ち部分220は、その第1の側縁部225及び第2の側縁部226においてリテーナ部分210に結合されていない。この場合、第1の側縁部225及び第2の側縁部226は、線形状でなくてもよいが、(
図6Aに最もよく示されるように)それぞれ実質的に周方向uにおいて配向され得る表面積を画定してもよい。しかしながら、結合縁部224が自由縁部223(又はその逆)に向かって湾曲していることも可能であり、第1の側縁部225及び第2の側縁部226は、結合縁部224及び/又は自由縁部223と一体であってもよい。したがって、トラフ形状の開口部は、実質的に第2の端部212に向かって、かつ周方向uにおいて配向されてもよい。開口部は、片持ち部分220が延在する外周面214の部分の反対側にある片持ち部分220によってのみ取り囲まれてもよい。しかしながら、片持ち部分220は、第1の側縁部225及び第2の側縁部226において周方向uに開いていてもよい。言い換えれば、片持ち部分220は、リテーナ部分210の外周面214と一緒に、開いた「スクープ」又は「フラップ」構造を画定することができる。
【0099】
他の実施形態(図示せず)では、片持ち部分220は、結合縁部224において、第1の側縁部225において、又は第2の側縁部226においてリテーナ部分210に結合される。それぞれの他の第1の側縁部225又は第2の側縁部226は、リテーナ部分210から少なくとも部分的に離れていてもよい。この場合、トラフ形状は、第1の側縁部225又は第2の側縁部226において(又はそれらの間で)部分的にのみ閉じられる。トラフ形状は、第1の側縁部225において閉じていてもよく、第2の側縁部226において開いていてもよく、又はその逆であってもよい。これは、保持部品200の第1の実施形態と第2の実施形態との組み合わせであってもよい。
【0100】
図3D~
図3Gに戻って参照すると、片持ち部分220は、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2によって画定される平面r1-r2内に外側輪郭240を備え、片持ち部分220の外側輪郭240と中心軸xとの間で測定される外側輪郭半径Rconは、8.0mm~14.0mm、より具体的には9.5mm~13.5mmであってもよい。いくつかの例では、外側輪郭240は、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間で片持ち部分220の周りに周方向に延在してもよい。第1の半径方向軸r1は、中心軸xからの方向において延在してもよく、片持ち部分220は、片持ち部分220の外側輪郭240と中心軸xとの間で測定される最大輪郭半径Rmaxを含む。言い換えれば、最大輪郭半径Rmaxは、「上部」にあってもよく、任意選択的に、第2の側縁部226に隣接する片持ち部分220の第2の片持ちサブ部分222(以下で詳細に説明する)にあってもよい。リテーナ部分210の外壁部分半径Roと外側輪郭半径Rconとの間の比は、0.6~1.0、より具体的には0.7~1.0であってもよい。値1.0は、片持ち部分220がその結合縁部224、第1の側縁部225、及び/又は第2の側縁部226上でリテーナ部分210に結合されるとき、片持ち部分220の第1の側縁部225及び/又は第2の側縁部226においてのみ生じてもよい。言い換えれば、外側輪郭半径Rconは、片持ち部分220がその結合縁部224、第1の側縁部225、及び/又は第2の側縁部226上でリテーナ部分210に結合されるとき、片持ち部分220の第1の側縁部225及び/又は第2の側縁部226における外壁部分半径Roに実質的に等しくてもよい。
【0101】
図3Eに示すような係合解除状態では、外側輪郭240とリテーナ部分210の外周面214との間で半径方向rにおいて測定して、片持ち部分220は、リテーナ部分210の外周面214を越えて第1の差半径ΔR1だけ延在し、第1の差半径ΔR1は、0.0mm~6.0mmであってもよい。第1の差半径ΔR1は、第1の側縁部225及び/又は第2の側部226において、これらの縁部225、226がリテーナ部分210に結合されるとき、0mmであってもよい。任意選択的に、第1の差半径ΔR1は、0.5mm~5.5mm、より具体的には1.0mm~5.0mm、特に1.3mm~4.9mmの平均値によって画定されてもよい。第1の差半径ΔR1は、長さl1に沿って、第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の周方向uにおける片持ち部分220の(平面r1-r2内の)異なる半径方向位置に対して変化してもよい。一実施形態では、第1の差半径ΔR1は、第1の側縁部225(片持ち部分220の下側部分)に近い位置よりも第2の側縁部226(片持ち部分220の上側部分)に近い位置の方が大きくてもよい。周方向uにおいて第1の側縁部225から第2の側縁部226に向かって片持ち部分220の外側輪郭に沿うと、第1の差半径ΔR1は、最大差半径まで増加してもよく、任意選択的に徐々に増加してもよく、次いで、第2の側縁部226に向かって更に移動するときに減少してもよい。係合状態において、
図3Fに示されるように、リテーナ部分210の外側輪郭240と外周面214との間で半径方向rにおいて測定して、片持ち部分220は、リテーナ部分210の外周を超えて第2の差半径ΔR2だけ延在し、第2の差半径ΔR2は、第1の差半径ΔR1以下である。第2の差半径ΔR2は、偏向される(すなわち、力Fが加えられる)片持ち部分220のそれぞれの部分について、第1の差半径ΔR1よりも小さいだけであってもよい。片持ち部分220の偏向されていない部分について、第2の差半径ΔR2は、第1の差半径ΔR1と実質的に等しくてもよい。第2の差半径ΔR2と第1の差半径ΔR1との比は、0.7~1.0であってもよい。
【0102】
保持部品200は、第1のポリマー材料を含むことができる(例えば、第1のポリマー材料から作ることができる)。第1のポリマー材料は、20~80、より具体的には30~70、特に40~60のショアAデュロメータを含んでもよい。一例では、第1のポリマー材料は、45~55のショアAデュロメータを含んでもよい。リテーナ部分210及び/又は片持ち部分220は、第1のポリマー材料を含んでもよい(又は第1のポリマー材料から作られてもよい)。上で定義した第1のポリマー材料は、保持部品200及び/又はイヤピース10がより長い期間にわたってユーザの耳甲介330(例えば、耳甲介300の外壁)と係合されたときの快適性の増加をもたらし得る。追加的に、第1のポリマー材料はまた、保持部品200の十分な安定性を提供し得る。第1のポリマー材料は、熱可塑性、熱硬化性、及び/又はエラストマーポリマーであってもよい。いくつかの例では、第1のポリマー材料は、熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomer、TPE)又はフルオロエラストマーであってもよい。実施形態では、第1のポリマー材料はシリコーンであってもよい。他の実施形態では、第1のポリマー材料は、ゴムであってもよい。特に、第1のポリマー材料は、シリコーン、ポリウレタン、又はポリノルボルネンからなる群からのものであってもよい。第1のポリマー材料は、生体適合性材料であってもよい。したがって、「生体適合性」という特徴は、有害作用を生じることなく生体系と接触する能力として定義され得る。いくつかの例では、リテーナ部分210は、より高いデュロメータ(ポリマー)材料を含んでもよく、片持ち部分220は、より低いデュロメータ(ポリマー)材料を含んでもよい。材料は、第1のポリマー材料について定義された特性を有してもよい。したがって、より高いデュロメータの材料を有するリテーナ部分210は、保持部品220をイヤピース10に結合するとき、保持部品200の安定性及び/又は剛性の増加をもたらし得、より低いデュロメータの材料を有する片持ち部分210は、保持部品220がより長い期間にわたってユーザの耳甲介330と係合されたとき、快適性の増加をもたらし得る。実施形態では、片持ち部分220及びリテーナ部分210は、一体的に形成されてもよい。
【0103】
例えば、
図3C、
図6A及び
図6Bを参照すると、片持ち部分220は、第1の片持ちサブ部分221及び第2の片持ちサブ部分222を備え、第1の片持ちサブ部分221は、対耳珠310と少なくとも部分的に係合するように構成されてもよく、第2の片持ちサブ部分222は、ユーザの耳介300の対耳輪320と少なくとも部分的に係合するように構成されてもよい。言い換えれば、保持部品200が係合状態にあるとき、第1の片持ちサブ部分221は、対耳珠310に少なくとも部分的に接触し、第2の片持ちサブ部分は、ユーザの耳介300の対耳輪320に少なくとも部分的に接触する。実施形態では、第1の片持ちサブ部分221及び第2の片持ちサブ部分222は、一体的に形成されてもよい。
【0104】
図5B及び
図5Cは、ユーザの耳甲介330と係合している保持部品200の側面斜視図及び上面斜視図を示す。
図5Bに示されるように、典型的な耳の幾何学的形状に起因して、対耳珠310及び対耳輪320は、異なる平面上に延在してもよい。ユーザの耳介300と、任意選択的に対耳珠310及び/又は対耳輪320と係合するために、第1の片持ちサブ部分221及び第2の片持ちサブ部分222は、主に異なる平面上に延在してもよい。言い換えれば、片持ち部分220が係合されたとき、第1の片持ちサブ部分221は、中心軸xの方向において第2の片持ちサブ部分222よりも内側にあってもよい(すなわち、第1の片持ちサブ部分221は、第2の片持ちサブ部分222よりも外耳道390及び/又はユーザの頭及び/又は耳甲介床に近い)。実施形態では、第1の片持ちサブ部分221は、対耳珠310によって(対耳珠隆線と耳甲介床との間に)提供された溝又は筋と少なくとも部分的に係合してもよく、第2の片持ちサブ部分222は、対耳輪320によって(対耳輪隆線と耳甲介床との間に)提供された溝又は筋と少なくとも部分的に係合してもよい。
【0105】
図3Cに示されるように、結合縁部224は、第1の片持ちサブ部分221に関連付けられた第1の結合縁部224aを含む。第1の結合縁部224aは、中心軸xの方向において第1の平面p1まで延在し、かつ/又は周方向uにおいて主に第1の平面p1上を延在する。第1の平面p1は、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2によって画定される平面r1-r2に平行に延在してもよい。結合縁部224は、第2の片持ちサブ部分222に関連付けられた第2の結合縁部224bを含む。第2の結合縁部224bは、中心軸xの方向において第2の平面p2まで延在し、かつ/又は周方向uにおいて主に第2の平面p2上を延在する。第2の平面p2は、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2によって画定される平面r1-r2に平行に延在してもよい。第1の平面p1及び第2の平面p2は、互いに平行に延在し、第1の平面p1及び第2の平面p2は、第1の距離d1だけ互いに離れており、第1の距離d1は、中心軸xに平行に測定される。第1の平面p1は、中心軸xの方向において第2の端部212よりも第1の端部211に近く配置されてもよく、第2の平面p2は、第1の平面p1と第2の端部212との間に配置されてもよい。
【0106】
自由縁部223は、第1の片持ちサブ部分221に関連付けられた第1の自由縁部223aを含む。第1の自由縁部223aは、中心軸xの方向において第3の平面p3まで延在し、かつ/又は周方向uにおいて主に第3の平面p3上を延在する。第3の平面p3は、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2によって画定される平面r1-r2に平行に延在してもよい。更に、自由縁部223は、第2の片持ちサブ部分222に関連付けられた第2の自由縁部223bを含む。第2の自由縁部223bは、中心軸xの方向において第4の平面p4まで延在し、かつ/又は周方向uにおいて主に第4の平面p4上を延在する。第4の平面p4は、第1の半径方向r1及び第2の半径方向r2によって画定される平面r1-r2に平行に延在してもよい。実施形態では、第3の平面p3及び第4の平面p4は、互いに平行であってもよい。第3の平面p3及び第4の平面p4は、第2の距離d2だけ互いに離れており、第2の距離d2は、中心軸xに平行に測定される。第3の平面p3は、中心軸xの方向において、第2の端部よりも第1の端部211に近く配置されてもよく、第4の平面p4は、第3の平面p3と第2の端部212との間に配置されてもよい。一実施形態では、第1の結合縁部224a及び/又は第2の結合縁部224bは、それぞれ、第1の自由縁部223a及び/又は第2の自由縁部223bに実質的に平行に延在することができる。
【0107】
図5Bでは、イヤピースがユーザの耳介300に挿入された(又は係合された)とき、第1の自由縁部223aに近接する第1の片持ちサブ部分221の小部分、及び第2の自由縁部223bに近接する第2の片持ちサブ部分222の小部分が上面図から見える。耳介300の対耳珠310及び/又は対耳輪320は、第1の片持ちサブ部分221及び第2の片持ちサブ部分222の残りの部分の視界を遮る。しかしながら、それらは両方とも、(中心軸xの方向においてユーザの耳甲介床又は外耳道390に関して見た)より深い断面でユーザの耳介300と係合された保持部品200の上面図を例解するために破線を使用して示されている。第1の結合縁部224aに近接する第1の片持ちサブ部分221の少なくとも一部は、ユーザの対耳珠310に接触して、第1の片持ちサブ部分221をリテーナ部分210に向かって及び/又は中心軸xに向かって少なくとも部分的に偏向させる。第2の結合縁部224bに近接する第2の片持ちサブ部分222の少なくとも一部は、ユーザの対耳輪320に接触して、第2の片持ちサブ部分222をリテーナ部分210及び/又は中心軸xに向かって少なくとも部分的に偏向させる。
【0108】
図3Fに示されるように、実施形態では、片持ち部分220は、中心軸xに平行な結合縁部224と自由縁部223との間で測定して、幅wを備えてもよい。幅wは、片持ち部分220の長さl1の大部分にわたって一定であってもよい。他の実施形態では、幅wは、片持ち部分220の長さl1に沿って変化してもよい。
図3Cに示されるように、それぞれ、中心軸xに平行に測定して、第1の片持ちサブ部分221は、第1の幅w1を含み、第2の片持ちサブ部分222は、第2の幅w2を含む。実施形態では、第1の幅w1は、第2の幅w2より大きくてもよい。いくつかの例では、第1の幅w1は、第1の平面p1と第3の平面p3との間、及び/又は第1の結合縁部224aと第1の自由縁部223aとの間で測定される。第2の幅w2は、第2の平面p2と第4の平面p4との間、及び/又は第2の結合縁部224aと第2の自由縁部223aとの間で測定される。実施形態では、第1の幅w1は、2.0mm~4.3mm、より具体的には2.1mm~4.2mmであってもよく、第2の幅w2は、0.9mm~3.3mm、より具体的には1.0mm~3.2mmであってもよい。
【0109】
片持ち部分220は、第1の片持ちサブ部分221と第2の片持ちサブ部分222との間に周方向uにおいて延在する遷移領域230を備え、遷移領域230は、周方向uにおいて湾曲形状、任意選択的に波形状を備えてもよい。遷移領域230は、第1の片持ちサブ部分221と第2の片持ちサブ部分222との間の部分として画定されてもよく、片持ち部分220は、その形状を第1の幅w1から第2の幅w2に変化させる。
図3Cに示す実施形態では、第1の結合縁部224a及び第2の結合縁部224bは一緒に、遷移領域230において波形を形成する。言い換えれば、波形は、凹形状及び凸形状によって画定されてもよい。一例として、第2の端部212から第1の端部211に向かって見ると、遷移領域230において、第1の結合縁部224aは凸形状を有してもよく、第2の結合縁部224bは凹形状を有してもよい。更に、第1の自由縁部223a及び第2の自由縁部223bは一緒に、遷移領域230において波形を形成してもよい。一例として、第2の端部212から第1の端部211に向かって見ると、第1の自由縁部223aは凸形状を有してもよく、第2の自由縁部223bは凹形状を有してもよい。
【0110】
図6A及び
図6Bに示されるように、片持ち部分220は、その長さl1に少なくとも部分的に沿って周方向uにおいて、自由縁部223から結合縁部224に向かって半径方向rにおいて少なくとも部分的に延在する溝229を備えてもよい。溝は、片持ち部分220の材料の剛性を低下させ、保持部品220がユーザの耳介300と係合されたときの快適性及び/又は可撓性の増加をもたらし得る。実施形態では、第1の片持ちサブ部分221及び/又は第2の片持ちサブ部分222及び/又は遷移領域230は、溝229を備えてもよい。実施形態では、片持ち部分220の長さl1に沿った、及び周方向uにおける溝229の距離は、変化してもよい。他の実施形態では、溝229間の距離は、一定であってもよい。更に、溝229は、周方向uにおいて測定して、幅を有してもよく、この幅は、一定であってもよく、又は片持ち部分220の長さl1に沿って変化してもよい。耳の幾何学的形状に急激な変化(例えば、湾曲)があるか、又は人によって大きく異なる(例えば、対耳輪320及び/又は対耳珠310の湾曲が人によって異なり得る)耳介300の外壁の領域においては、溝229の数又は幅を増加させてもよく、及び/又は隣接する溝229間の間隔を減少させてもよい。溝229は、単一の保持部品200が耳介300の耳甲介330の外壁に沿い、異なる幾何学的形状を有するほとんどの耳介300に嵌合するための増加した可撓性を提供し得る。
【0111】
図3D及び
図3Eに最もよく示されるように、片持ち部分220は、内側片持ち部分表面227と外側片持ち部分表面228との間の断面で測定して、厚さtを含む。実施形態では、厚さtは、0.4mm~0.8mm、より具体的には0.45mm~0.75mmであってもよい。厚さtは、片持ち部分220の長さ全体l1に沿って実質的に一定であり、及び/又は厚さtは、自由縁部223と結合縁部224との間で実質的に一定である。しかしながら、他の実施形態では、厚さtは、片持ち部分220の長さl1に沿って、及び/又は自由縁部223と結合縁部224との間で変化してもよい。例えば、第1の片持ちサブ部分221は、第1の厚さを含んでもよく、第2の片持ちサブ部分222は、第2の厚さを含んでもよい。第1の厚さは、第2の厚さより大きくても小さくてもよい。第1の厚さは、遷移領域230において第2の厚さに変化してもよい。厚さは、内側片持ち部分表面227と外側片持ち部分表面228との間の片持ち部分220の断面において、自由縁部223と結合縁部224との間、及び/又は第1の側縁部225と第2の側縁部226との間の任意の位置で測定されてもよい。実施形態では、厚さtは、自由縁部223から結合縁部224に向かって移動するときに増加してもよい。
図3Eに示す例では、片持ち部分220は、結合縁部224に近接して及び/又は結合縁部224の長さl2に沿って最大厚さtmaxを有し、自由縁部223に近接して及び/又は自由縁部223の長さl1に沿って最小厚さtminを有してもよい。
【0112】
本開示の第2の態様によれば、パーツのキット(図示せず)は、上述した実施形態による複数の保持部品200を備える保持部品ホルダを備える。複数の保持部品200の各々は、同じ幾何学的寸法を有するリテーナ部分210を備えてもよい。追加的又は代替的に、複数の保持部品200のうちの少なくともいくつかの保持部品200は、ユーザの耳介300の異なるサイズに適合される異なる幾何学的寸法を有する片持ち部分220を備える。ユーザの耳介300のサイズは個人によって異なり、特に子供及び大人によって異なるので、任意選択的に小、中、大の3つの異なるサイズの片持ち部分220を提供することが望ましい(追加的に、片持ち部分220が偏向する能力は、異なるサイズの耳介300との係合の帯域幅を増加させることができる)。言い換えれば、複数の保持部品200の各保持部品200は、リテーナ部分210の幾何学的寸法を画定する複数の標準幾何学的パラメータを有するリテーナ部分210を備えてもよい。標準的な幾何学的パラメータは、例えば、内壁部分半径Ri及び外壁部分半径Roであってもよいが、これらに限定されない。複数の保持部品200のうちの少なくとも1つの保持部品200は、それぞれの他の保持部品200の片持ち部分220よりも大きいか又は小さい片持ち部分220を備えてもよい。いくつかの例では、少なくとも1つの保持部品200の片持ち部分220の幾何学的寸法を画定するRcon、厚さt、w1、又はw2のような(しかし、これらに限定されない)幾何学的パラメータは、それぞれの他の保持部品200の幾何学的パラメータよりも大きくても小さくてもよい。
【0113】
本開示の第3の態様によれば、インイヤ型オーディオデバイスのイヤピース10は、上述したように、ハウジング100及び保持部品200を備える。
図2A~
図2Dは、インイヤ型イヤピース10の第1の実施形態の異なる図を示し、
図4A~
図4Cは、インイヤ型イヤピース10の第2の実施形態の異なる図を示す。保持部品200は、任意選択的にリテーナ部分210によって、ハウジング100に解放可能に結合され得る。これは、保持部品200が交換可能であり、異なるサイズの保持部品200(例えば、異なる幾何学的サイズの片持ち部分220を有する)がハウジング100に結合され得るという利点をもたらし得る。しかしながら、他の実施形態では、保持部品200は、ハウジング100に恒久的に結合されてもよい。いくつかの例では、保持部品200は、ハウジング100の外周に結合される。結合されると、保持部品200は、ハウジング100の外周の少なくとも部分的に周りに延在してもよい。
図2A~
図2D及び
図4A~
図4Cに示す実施形態では、リテーナ部分210は、ハウジング100(特に、下で定義する中間ハウジング部分)の外周の周りに嵌合するスリーブとして形成される。リテーナ部分210、任意選択的に管状壁部分213は、ハウジング100の外周面に少なくとも部分的に適合し得る内壁面を備える。一実施形態では、リテーナ部分210は、管状壁部分213内に形成され、第1の端部211と第2の端部212との間で中心軸xに実質的に平行に延在する間隙を備えてもよい。したがって、リテーナ部分210は、クリップとして適合されてもよく、ハウジング100上にクリップ留めされるように構成されてもよい(又は別様にハウジング100に取り外し可能に若しくは恒久的に結合されてもよい)。言い換えれば、管状壁部分213は、ハウジング100の全周にわたって部分的に延在してもよい。しかしながら、他の実施形態では、リテーナ部分210は、ハウジング100と一体的に形成されてもよく、片持ち部分220は、結合縁部224を介してリテーナ部分210に結合されてもよい。一実施形態では、片持ち部分220は、ハウジング100に直接結合されてもよく、この場合、保持部品200は、リテーナ部分210を備えなくてもよい。
【0114】
図2A及び
図2Bに最もよく示されるように、ハウジング100は、前側101と、前側101の実質的に反対側にある後側102と、を備える。ハウジング100がユーザの耳の少なくとも一部と係合されたとき、前側101は、後側102よりも内側にある。言い換えれば、係合されたとき、前側101は、後側102よりもユーザの外耳道390及び/又は頭部及び/又は耳甲介床に近くてもよい(すなわち、後側102は、前側101と比較してユーザの外耳道390に対して遠位にあってもよい)。保持部品200の結合縁部224及び/又は第1の端部211は、中心軸xの方向において、後側102よりも前側101に近く配置され、保持部品200の自由縁部223及び/又は第2の端部212は、結合縁部224及び/又は第1の端部211と後側102との間にある。言い換えれば、イヤピース10がユーザの耳に係合されたとき、前側101は、第1の側211よりも内側にあり、第2の側212は、後側102よりも内側にある。トラフ形状の底部は、後側102よりも前側101に近く、トラフ形状の開口部は、トラフ形状の底部と後側102との間にある。実施形態では、ハウジング100は、任意選択的に、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PCB/ABS)、ポリエーテルイミド(PEI)、又はステレオリソグラフィ(SLA)樹脂からなる群からの硬質ポリマー材料で作られてもよい。硬質ポリマー材料は、生体適合性材料であってもよい。いくつかの例では、硬質ポリマー材料は、熱可塑性物質、熱硬化性物質、又はエラストマーであってもよい。
【0115】
一実施形態において、イヤピース10は、中心軸xに平行な前側101と後側102との間で測定されるイヤピース長さを有する。第2の端部212は、前側101から後側102に向かって見てイヤピース長さの30%~70%の範囲内、より具体的には40%~60%の範囲内(すなわち、イヤピース長さの約半分)に位置してもよい。
【0116】
ハウジング100は、前側101の前方ハウジング部分と、後側102の後方ハウジング部分と、前方ハウジング部分と後方ハウジング部分とを接続する中間ハウジング部分と、を備える。ハウジング部分は、一体的に形成されてもよい。ハウジング部分の各々は、実質的に長円形の断面を有してもよい。
図2A~
図2Dに示す第1の実施形態では、第1の半径方向r1において測定して、後方ハウジング部分は、中間ハウジング部分の直径よりも大きい直径を有してもよく、中間ハウジング部分は、前方ハウジング部分の直径よりも大きい直径を有してもよい。言い換えれば、第1の半径方向軸r1及び第2の半径方向軸r2によって画定される平面r1-r2において測定して、後方ハウジング部分の断面は、中間ハウジング部分の断面よりも大きくてもよく、中間ハウジング部分の断面は、前方ハウジング部分の断面よりも大きくてもよい。しかしながら、
図4A~
図4Cに示す第2の実施形態では、後方ハウジング部分の断面及び/又は前方ハウジング部分の断面は、中間ハウジング部分の断面と実質的に等しいか、又はそれより小さくてもよい。例えば
図2Aに示すような後方ハウジング部分は、実質的に第1の半径方向r1に延在する最大直径を有する半径方向平面r1-r2において長円形断面を有する。
図2A~
図2Dに示されるように、結合されたとき、ハウジング100に対する保持部品200の配向は、最大輪郭半径Rmaxが、第1の半径方向r1に対してハウジング100の上側部分にあるようなものであってもよい。実施形態では、半径Rmaxは、後方ハウジング部分の最大直径の方向に実質的に平行である半径方向rにおいて延在してもよい。
【0117】
保持部品200は、中間ハウジング部分に結合されてもよい。実施形態では、中間ハウジング部分は、保持部品200上に提供された嵌合ロック特徴部と係合するように構成されるロック特徴部を備えてもよい。一例として、保持部品200は、管状壁部分213上に提供された凹部を備えてもよく、中間ハウジング部分は、凹部と係合するように構成された突起を備えてもよく、又はその逆であってもよい。追加的に又は代替的に、中間ハウジング部分は、中間ハウジング部分の外周の少なくとも一部の周りに延在する溝を備えてもよい。結合されると、保持部品200は、溝に少なくとも部分的に挿入されてもよい。係止特徴部は、ハウジング100に対する中心xの方向及び/又は周方向uにおける望ましくない移動を防止又は少なくとも低減し得る。更に、係止特徴部は、以下に説明するように、ハウジング100及び/又はノズル110に対する保持部品200の片持ち部分220の特定の配向を確実にし得る。他の実施形態では、係止特徴部はまた、結合されたとき、保持部品200がハウジング100の外周をしっかりと包囲し、したがって、管状壁部分213の内壁表面とハウジング100の外周面との間の摩擦力の増加に起因する、ハウジング100に対する中心xの方向及び/又は周方向uにおける望ましくない移動を防止又は少なくとも低減するように提供されてもよい。
【0118】
図2A~
図2D及び
図4A~
図5Aを参照すると、ハウジング100は、中心軸x及び半径方向rによって画定された方向において斜めにハウジング100の前側102から延在するノズル110を備える。したがって、イヤピース10がユーザの耳に係合されたとき、ノズル110は、ユーザの外耳道390に向かって延在してもよい。言い換えれば、ノズル110は、ハウジング100から中心軸x方向と半径方向rとを組み合わせた斜め方向において延在してもよい。
【0119】
ハウジング100は、電気音響変換器、電池、及び/又は電子回路が配設され得るキャビティを備えてもよい。変換器は、イヤピース10が係合状態にあるとき、変換器の大部分がユーザの耳介300の耳甲介330の外壁に位置するか又はそれによって取り囲まれるように、ハウジング100内に配置されてもよい。電気音響変換器は、電気(例えば、電流、電圧変動)を音響エネルギー(例えば、音振動、空気圧の発振)に変換するように、又はその逆に変換するように適合されたデバイスとして定義されてもよい。実施形態では、電気音響変換器は、スピーカ(又は音放出構成要素)、受信機、又はドライバであってもよい。電子回路は、(例えば、オーディオ及び/又は制御信号を無線で受信及び/又は送信するための)無線送信機を含み得る。ハウジング100は、イヤピース10及び/又はインイヤ型オーディオデバイスの機能(例えば、デバイスをオン又はオフに切り替えること、オーディオの音量を変更すること)を制御するために、1つ以上の制御要素(例えば、押しボタン又は容量性ボタン)を備えてもよい。ハウジング100は、1つ以上のセンサ(例えば、マイクロホン又は身体機能を検知するためのセンサ)を含むことができる。ハウジング100は、1つ以上のインジケータ要素(例えば、発光要素)を含むことができる。
【0120】
キャビティは、ノズル110内の音響通路に音響的に結合されており、その結果、イヤピース10が装着されたとき、電気音響変換器がユーザの耳に音響的に結合され得る。ハウジング100はまた、1つ以上のマイクロホンを支持してもよい。いくつかの例では、イヤピース10が装着されているとき、ノズル110は、ハウジング100から、任意選択的に電気音響変換器から、ユーザの外耳道390に向かって音響エネルギーを案内するように構成され得る。ノズル110の長さは、ノズル110の長さをユーザの耳の解剖学的構造に適合させるために変化してもよい。他の実施形態では、ハウジング100から斜めに延在するノズル110の角度は、ハウジング100に対して変化してもよい。
【0121】
図2A~
図2D及び
図4A~
図4Cに最もよく示されるように、ノズル110は、平坦な遠位端111と、音響エネルギー(すなわち、音波)を伝導するように構成された音響通路と、を備える。実施形態では、遠位端111は、音響通路のための実質的に楕円形の開口部を備えてもよい。他の実施形態では、遠位端111は、長円形状又はレーストラック形状を備えてもよい。
図1B、
図2D、
図4A、
図4C、及び
図5Aを参照すると、遠位端111において、特に実質的に楕円形の開口部において画定される平面y1-y2は、イヤピース10がユーザの耳に係合されたとき、ユーザの外耳道390の主軸(
図1Bを参照)に実質的に平行であってもよい。長軸は、特に外耳道390の入口に近い、ユーザの外耳道390の断面によって画定される平面を通って延在してもよい(又はそれに平行であってもよい)。したがって、長軸は、外耳道390の外壁及び/又は中心線391a、391bに対して垂直であってもよい。
【0122】
図2A~
図2D及び
図4A~
図4Cに示されるように、イヤピース10は、ユーザの耳の外耳道390に係合するように構成されたイヤチップ120を更に備える。いくつかの例では、イヤチップ120は、ユーザの外耳道390との音響シールを生み出すように適合されてもよい。
図5Aは、ユーザの耳の中に位置付けられたイヤピース10の側面斜視図である。実施形態では、イヤチップ120は、ノズル110の遠位端111に解放可能に結合され得る。イヤチップ120は、実質的にドーム形状であってもよい。イヤチップ120は、狭い端部121と、より広い端部122と、狭い端部121とより広い端部122との間に延在する実質的にドーム形状の外壁部分123と、を備える。言い換えれば、外壁部分123は、横長の断面形状、例えば、楕円形、長円形、又は丸みを帯びた端部及びそれらを接続する湾曲したスプラインを有する横長の形状を有してもよい。外壁部分123は、イヤピース10がユーザの耳に係合されたとき、ユーザの外耳道390に接触して適合し、それらの間に音響シールを形成するイヤチップ120の部分であってもよい。外壁部分123は、装着者の外耳道390に減圧を加えるように設計されてもよく、イヤピース10を装着者の外耳道390から押し出す力ベクトルを減少させてもよい。言い換えれば、直線状の接続部の代わりに、外壁部分123は、狭い端部121とより広い端部122との間のわずかに湾曲した(すなわち、上述したようなドーム形状の)接続部である。更に、狭い端部121に提供されたイヤチップの楕円形の開口部は、典型的な耳の幾何学的形状と位置合わせされてもよく、イヤピース10が様々なサイズの外耳道390に快適に適応することを可能にし得る。
【0123】
より広い端部122は、外耳道390の直径より大きい直径を備えてもよく、及び/又は狭い端部121は、外耳道390の入口の直径より小さい直径を有してもよい(イヤピース10が係合解除状態にあるとき)。しかしながら、外壁部123は、ユーザの外耳道390に少なくとも部分的に挿入されたとき、ノズル100に向かって半径方向において少なくとも部分的に偏向するように構成されてもよい。実施形態では、これは、イヤチップ120がユーザの外耳道390と係合される場合に当てはまり得る。イヤチップ120は、狭い端部121から少なくとも部分的により広い端部122に向かって延在する内壁部分を備えてもよい。内壁部分は、音響通路の延長部を画定し、取り囲んでもよい。外壁部分123は、狭い端部121において内壁部分に接続され、任意選択的に、より広い端部122は、内壁部分に対して離隔されてもよい(すなわち、内壁部分に接続されない)。内壁部分は、イヤチップ120をノズル110に結合するように構成された管状形状を備えてもよい。したがって、内壁部分は、円形、楕円形、又は長円形の断面を備えてもよい。実施形態では、内壁部分は、ノズル110上の嵌合保持部材と係合するように構成された保持部材を備えてもよい。一実施形態では、保持部材は、内壁部分の内面の周りに延在する突起であってもよい。嵌合保持部材は、ノズル110の外周面によって画定され、その周りに延在する凹部又は溝であってもよい。保持部材の係合は、イヤチップ120をノズル110上に保持するのを補助し得、それらの間に改善された音響シールを提供し得る。
【0124】
イヤチップ120は、第2のポリマー材料を含み得る(例えば、第2のポリマー材料から作ることができる)。第2のポリマー材料は、10~80、より具体的には15~75、特に20~70のショアAデュロメータを含んでもよい。内壁部分及び/又は外壁部分123は、第2のポリマー材料を含んでもよい(又は第2のポリマー材料から作られてもよい)。上で定義した第2のポリマー材料は、イヤピース10がより長い期間にわたってユーザの耳(例えば、外耳道390)と係合されるとき、快適性の増加をもたらし得る。追加的に、第2のポリマー材料は、特にノズル110に結合されたとき、イヤチップ120の十分な安定性を提供し得る。第2のポリマー材料は、熱可塑性、熱硬化性、及び/又はエラストマーポリマーであってもよい。いくつかの例では、第2のポリマー材料は、熱可塑性エラストマー(TPE)又はフルオロエラストマーであってもよい。実施形態では、第2のポリマー材料はシリコーンであってもよい。他の実施形態では、第2のポリマー材料は、ゴムであってもよい。特に、第2のポリマー材料は、シリコーン、ポリウレタン、又はポリノルボルネンからなる群からのものであってもよい。第2のポリマー材料は、生体適合性材料であってもよい(上の定義を参照)。いくつかの例では、内壁部分は、より高いデュロメータの(ポリマー)材料を含んでもよく、外壁部分123は、より低いデュロメータの(ポリマー)材料を含んでもよい。材料は、第2のポリマー材料について定義された特性を有してもよい。したがって、より高いデュロメータ硬度の材料を有する内壁部分は、イヤチップ120がノズル110に結合されたとき(又はイヤチップ120をノズルに結合するとき)、イヤチップ120の構造的安定性及び/又は剛性の増加をもたらし得る。より低いデュロメータ硬度の材料を有する外壁部分123は、イヤチップ120がより長い期間にわたってユーザの耳(例えば、外耳道390)と係合されるときの快適性の増加をもたらし得る。外壁部分123及び内壁部分は、一体的に形成されてもよい。
【0125】
本明細書に記載されるイヤピース10は、オーディオヘッドフォン、補聴器、補聴ヘッドフォン、ノイズマスキングイヤバッド、ANRヘッドフォン、航空ヘッドフォン、及びインイヤ型構成要素を含む他のデバイスを含む、様々なデバイスに適用可能であり得る。本開示の第4の態様(図示せず)によれば、
上述した少なくとも1つのイヤピース10(保持部品200を有する)を備えるインイヤ型オーディオデバイスが提供される。一例では、第1のイヤピース10は、ユーザの右耳と係合するように構成されてもよく、第1のイヤピース10の鏡像である第2のイヤピース10は、ユーザの左耳と係合するように構成される。インイヤ型オーディオデバイスは、無線ネットワーク(例えば、Bluetooth又はWiFiネットワーク)に接続するように構成されてもよい。インイヤ型オーディオデバイスは、異なるオーディオデバイス(例えば、携帯電話、テレビ、又はラジオ)から無線でパーソナライズされた音響信号を受信するように適合され得る。更に、インイヤ型オーディオデバイスは、入力デバイス及び/又は出力デバイスであってもよい。いくつかの例では、インイヤ型オーディオデバイスは、インイヤ型オーディオ出力デバイス(例えば、スピーカとして機能する)であってもよく、若しくはインイヤ型オーディオ入力デバイス(例えば、マイクロホンとして機能する)であってもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0126】
本発明は、上記に記載され、添付の特許請求の範囲において定義されているが、本発明は、代替的に、以下の実施形態に従って定義され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0127】
x 中心軸
r 半径方向軸
r1 第1の半径方向
r2 第2の半径方向
u 周方向
y1 ノズル端部によって画定される平面の第1の軸
y2 ノズル端部によって画定される平面の第2の軸
p1 第1の平面
p2 第2の平面
p3 第3の平面
p4 第4の平面
d1 第1の平面と第2の平面との間の第1の距離
d2 第3の平面と第4の平面との間の第2の距離
w1 第1の片持ちサブ部分の幅
w2 第2の片持ちサブ部分の幅
l1 片持ち部分の長さ
l2 結合縁部の長さ
α 片持ち部分が延在する角度
t 片持ち部分の厚さ
tmax 最大厚さ
tmin 最小厚さ
ΔR1 第1の差半径
ΔR2 第2の差半径
Rcon 輪郭半径
Rmax 最大半径
Ro 管状壁部分の外側半径
Ri 管状壁部分の内側半径
Rs1 凸状に湾曲したセクションの第1の半径
Rs2 凸状に湾曲したセクションの第2の半径
F 力
10 イヤピース
100 ハウジング
101 前側
102 後側
110 ノズル
111 遠位端
120 イヤチップ
121 狭い端部
122 より広い端部
123 外壁部分
200 保持部品
210 リテーナ部分
211 第1の端部
212 第2の端部
213 管状壁部分
214 リテーナ部分の外周面
220 片持ち部分
221 第1の片持ちサブ部分
222 第2の片持ちサブ部分
223 自由縁部
223a 第1の自由縁部
223b 第2の自由縁部
224 結合縁部
224a 第1の結合縁部
224b 第2の結合縁部
225 第1の側縁部
226 第2の側縁部
227 内側片持ち部分表面
228 外側片持ち部分表面
230 遷移領域
240 外側輪郭
300 耳介
310 対耳珠
320 対耳輪
330 耳甲介
331 上部耳甲介
332 下部耳甲介
340 耳輪
350 耳珠
360 耳輪の基部
370 耳輪の下腿
380 中耳及び内耳
381 鼓膜
382 蝸牛
383 三半規管
384 槌骨
385 アブミ骨
386 キヌタ骨
387 鼓室
388 耳管
389 蝸牛神経
390 外耳道
391a 中心線
391b 中心線
392a 入口区域
392b 入口区域
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インイヤ型オーディオデバイスのイヤピース(10)のための保持部品(200)であって、
リテーナ部分(210)と、
結合縁部(224)と、前記結合縁部(224)の実質的に反対側にある自由縁部(223)と、を備える片持ち部分(220)であって、前記片持ち部分(220)が、前記結合縁部(224)において前記リテーナ部分(210)に結合され、前記片持ち部分(220)が、ユーザの耳介(300)の耳甲介(330)の外壁の少なくとも一部と係合するように構成されている、片持ち部分(220)と、を備え、
前記片持ち部分(220)が係合状態にあるとき、前記結合縁部(224)は、前記自由縁部(223)よりも内側にあることを特徴とする、保持部品(200)。
【請求項2】
前記片持ち部分(220)が、トラフ形状を画定し、任意選択的に、前記トラフ形状が、前記片持ち部分(220)及び前記リテーナ部分(210)によって、特に前記片持ち部分(220)及び前記リテーナ部分(210)の外周面(214)によって形成される、請求項1に記載の保持部品(200)。
【請求項3】
前記トラフ形状の底部は、前記片持ち部分(220)が前記係合状態にあるとき、前記トラフ形状の開口部よりも内側にある、請求項2に記載の保持部品(200)。
【請求項4】
前記外壁が、前記ユーザの耳介(300)の対耳珠(310)及び対耳輪(320)のうちの少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項5】
前記保持部品(200)が、前記保持部品(200)の中心を通って延在する中心軸(x)と、前記保持部品(200)の半径方向において前記中心軸(x)に対して垂直に延在する半径方向軸(r)と、前記中心軸(x)の周方向において延在する周方向軸(u)と、を備え、任意選択的に、前記半径方向軸(r)が、第1の半径方向(r1)と、前記第1の半径方向(r1)に対して垂直に延在する第2の半径方向(r2)と、を画定する、請求項1~4のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項6】
前記リテーナ部分(210)が、第1の端部(211)と、前記第1の端部(211)の実質的に反対側にある第2の端部(212)と、を備え、前記片持ち部分(220)が、前記第1の端部(211)と前記第2の端部(212)との間で前記リテーナ部分(210)に結合され、前記片持ち部分(220)が、前記リテーナ部分(210)から半径方向外向きに前記第2の端部(212)に向かって延在し、任意選択的に、前記結合縁部(224)が、前記第2の端部(212)よりも前記第1の端部(211)に近く配置され、前記自由縁部(223)が、前記結合縁部(224)と前記第2の端部(212)との間に配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項7】
前記片持ち部分(220)が、前記リテーナ部分(210)の外周面(214)の少なくとも部分的に周りで前記周方向(u)に前記リテーナ部分(210)に結合され、任意選択的に、前記片持ち部分(220)が、実質的に前記周方向(u)において、前記リテーナ部分(210)の前記外周面(214)の周りで長さ(l1)にわたって結合され、前記長さ(l1)が、前記自由縁部(223)に沿って前記周方向(u)において測定される、請求項5又は6に記載の保持部品(200)。
【請求項8】
前記片持ち部分(210)が、前記リテーナ部分(210)の全周の約30%~70%、より具体的には、40%~60%にわたって延在する、請求項7に記載の保持部品(200)。
【請求項9】
前記周方向(u)において前記長さ(l1)の大部分にわたって、前記自由縁部(223)が、前記結合縁部(224)に対して実質的に平行に延在する、請求項5に従属する、請求項7又は8に記載の保持部品(200)。
【請求項10】
前記片持ち部分(220)が、前記片持ち部分(220)に加えられた力(F)に応じて、前記中心軸(x)に向かう半径方向(r)において、及び/又は前記中心軸(x)の方向において、前記片持ち部分(220)の長さ(l1)に少なくとも部分的に沿って偏向する、より具体的には、弾性的に偏向するように構成されている、請求項7~9のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項11】
前記片持ち部分(220)が前記係合状態にあるとき、前記片持ち部分(220)の少なくとも一部は、前記中心軸(x)に向かって偏向し、かつ/又は前記片持ち部分(220)の少なくとも一部は、前記第1の端部(211)に向かって又は前記第2の端部(212)に向かって偏向する、請求項5に従属する、請求項6~10のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項12】
前記片持ち部分(220)は、前記半径方向(r)において前記中心軸(x)から実質的に離れる方向を向く外側片持ち部分表面(228)を備え、任意選択的に、前記外側片持ち部分表面(228)は、特に前記片持ち部分(220)が前記係合状態にあるとき、前記外壁の輪郭に少なくとも部分的に沿うように設計されている、請求項5~11のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項13】
前記片持ち部分(220)は、前記片持ち部分(220)の少なくとも一部が、前記耳甲介(330)の前記外壁に、より具体的には接触区域(231)において接触しているとき、前記係合状態にあり、前記接触区域(231)は、前記自由縁部(223)において、及び/又は前記外側片持ち部分表面(228)上の自由縁部(223)と結合縁部(224)との間に提供されている、請求項12に記載の保持部品(200)。
【請求項14】
前記力(F)は、前記保持部品(200)が前記係合状態にあるとき、前記片持ち部分(220)に接触する前記耳甲介(330)の前記外壁の前記一部によって、より具体的には前記接触区域(231)において、前記片持ち部分(220)に少なくとも部分的に加えられる、請求項10に従属する、請求項13に記載の保持部品(200)。
【請求項15】
前記片持ち部分(220)が、前記結合縁部(224)と前記自由縁部(223)との間に凸状に湾曲したセクションを備え、より具体的には、前記片持ち部分(220)が、前記半径方向軸(r)の前記方向において、任意選択的に前記半径方向軸(r)及び前記中心軸(x)によって画定される断面平面(r-x)内において、前記中心軸(x)から見て、前記凸状に湾曲したセクションを備える、請求項5~14のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項16】
前記半径方向軸(r)及び前記中心軸(x)によって画定される平面(r-x)において、前記結合縁部(224)から開始して前記自由縁部(223)に向かって、前記片持ち部分(220)、任意選択的に前記外側片持ち部分表面(228)が、前記凸状に湾曲したセクションと、それに少なくとも部分的に続く平坦セクションを備え、特に前記平坦セクションが、前記中心軸(x)に実質的に平行に延在するか、又は前記中心軸(x)から離れるようにわずかに傾斜している、請求項5に従属する、請求項15に記載の保持部品(200)。
【請求項17】
前記片持ち部分(220)の係合解除状態において、前記凸状に湾曲したセクションが、前記半径方向軸(r)及び前記中心軸(x)によって画定される平面(r-x)において、前記結合縁部(224)と前記自由縁部(223)との間で測定される第1の湾曲セクション半径(Rs1)を含む、請求項5に従属する、請求項15又は16に記載の保持部品(200)。
【請求項18】
前記係合状態において、前記凸状に湾曲したセクションが、前記第1の湾曲セクション半径(Rs1)よりも小さい第2の湾曲セクション半径(Rs2)を含む、請求項17に記載の保持部品(200)。
【請求項19】
前記リテーナ部分(210)が、前記第1の端部(211)と前記第2の端部(212)との間に延在する管状壁部分(213)を備え、任意選択的に、前記管状壁部分が、それぞれ、前記中心軸(x)から前記半径方向(r)において測定される、外壁部分半径(Ro)及び内壁部分半径(Ri)を画定する、請求項5に従属する、請求項6~18のいずれか1項に記載の保持部品(200)。
【請求項20】
前記リテーナ部分(210)、より具体的には、前記管状壁部分(213)が、前記第1の半径方向(r1)及び前記第2の半径方向(r2)によって画定される平面(r1-r2)において、長円形又は円形又は楕円形である断面を備える、請求項5に従属する、請求項19に記載の保持部品(200)。
【請求項21】
前記外壁部分半径(Ro)は、6.0mm~12.0mm、より具体的には8.0mm~10.0mmであり、前記内壁部分半径(Ri)は、5.0mm~11.0mm、より具体的には7.0mm~9.0mmである、請求項19又は20に記載の保持部品(200)。
【国際調査報告】