(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C01B 21/086 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
C01B21/086
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531321
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 US2022080647
(87)【国際公開番号】W WO2023102417
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ポトラヴァ、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マウラー、ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー、クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ツェンカー、アンケ
(57)【要約】
高純度のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するためのプロセスは、ビス(フルオロスルホニル)イミドをリチウム塩と接触させ、続いてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを精製及び乾燥させることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するプロセスであって、
a)第1の溶媒中で水素ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)をリチウム塩で処理して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及び水を生成することと、
b)ハロゲン化炭化水素溶媒を用いて前記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を乾燥させて、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物を生成することと、
を含むプロセス。
【請求項2】
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するプロセスであって、
a)第1の溶媒中で塩化物イオン含有量が5ppm以下である水素ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)をリチウム塩で処理して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及び水を生成することと、
b)前記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物を乾燥させることと、
を含むプロセス。
【請求項3】
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するプロセスであって、
a)第1の溶媒中で5ppm未満の塩化物を含む水素ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)をリチウム塩で処理して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及び水を生成することと、
b)前記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を乾燥させて、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物を生成することと、
を含むプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年11月22日に出願された米国特許出願第17/992,680号、及び2021年12月2日に出願された米国特許仮出願第63/285,303号に対する優先権を主張するものであり、これらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)からリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するためのプロセスに関する。特に、本開示は、低濃度の塩化物及び水の両方を有するリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)は、リチウムイオン電池に使用されるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)の生成において重要な原料である。HFSIは、いくつかの方法によって調製することができる。例えば、HFSIは、式1に示される、尿素とフルオロスルホン酸との反応によって調製することができる:
式1 5HSO3F+2CO(NH2)2→HN(SO2F)2+2CO2+3NH4SO3F。
【0004】
Hondaらの米国特許第8,337,797号は、尿素及びフルオロスルホン酸からHFSIを生成するための2段階バッチプロセスを開示している。第1のステップでは、尿素とフルオロスルホン酸との間の式1の反応を防止するのに十分に低い温度で、尿素をフルオロスルホン酸に溶解する。第2のステップでは、尿素/フルオロスルホン酸溶液を、式1の反応が進むのに十分に加熱された反応媒体を含む別々の反応容器にゆっくりと加える。制御して加えることにより、式1の発熱反応によって発生する熱を制御することを可能にする。米国特許第8,337,797号は、加熱された反応媒体がフルオロスルホン酸又はHFSIになり得ることを開示しているが、フルオロスルホン酸とHFSIとの混合物を使用することが好ましく、HFSIは、特に開始時に、尿素/フルオロスルホン酸溶液が最初に加熱された反応媒体に添加されるときに、反応を更に制御するのに役立つ。
【0005】
やはりHondaらの国際公開第2011/111780号は、オーバーフロー出口などを介して、反応容器から反応液を連続的に除去し、スラリー状態(アンモニウム塩副生成物を含む)で反応液を連続的に排出するための回収プロセスを更に開示する。開示されたプロセスは、生成バッチで行われ、生成物HFSIは、次の生成バッチの反応の前に反応容器に再び加えられる。
【0006】
国際公開第2017/204225号は、HFSIとアルカリ金属化合物との反応を開示している。国際公開第2017/204302号も、有機溶媒中でHFSIをアルカリ金属化合物と組み合わせることを開示している。米国特許第10,505,228号は、低水分濃度のLiFSIの生成を開示している。Han et al.,Journal of Power Sources,vol.196,pp.3623-3632は、低含水量及び低塩化物含有量のLiFSIを開示しているが、上述の生成物を調製するプロセスは開示していない。
【0007】
低含水量及び低塩化物含有量のLiFSIを調製するプロセスが必要とされており、低含水量及び低塩化物含有量のLiFSIの組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するプロセスであって、a)第1の溶媒中で水素ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)をリチウム塩で処理して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及び水を生成することと、b)ハロゲン化炭化水素溶媒を用いてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を乾燥させて、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物を生成することと、を含むプロセスを提供する。本開示は更に、低含水量及び低塩化物含有量のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を提供する。特に、本開示は、180ppm未満の含水量及び5ppm未満の塩化物含有量を有するリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を提供する。本開示は更に、低含水量及び低塩化物含有量のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するためのプロセスを提供する。
【0009】
添付の図面を考慮して、実施形態についての以下の記載を参照することによって、本開示の上述及び他の特性、並びにそれらを達成する様式がより明らかになり、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドLiFSIの生成のための実験室規模のプロセスを示す。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドLiFSIの生成のための工業規模のプロセスを示す。
【
図3】実施例4に記載されるように、ジクロロメタン:LiFSIの比の関数としてのLiFSI沈殿のパーセント収率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)からリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するプロセスを提供する。以下で更に説明するように、HFSIは、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液から生成することができる。
【0012】
I.HFSIの合成
尿素及びフルオロスルホン酸の溶液は、尿素とフルオロスルホン酸とを、式1に示すように、尿素とフルオロスルホン酸との反応を実質的に防止するのに十分低い溶液温度で、ただし商業的プロセスに適した尿素の効率的な溶解のために十分高い溶液温度で混合することによって形成される。溶液温度は、約0℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃のように低い、又は約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、又は約70℃のように高い、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0℃~約70℃、約5℃~約65℃、約10℃~約60℃、約15℃~約55℃、約20℃~約50℃、約25℃~約45℃、約30℃~約40℃、約35℃~約55℃、約40℃~約50℃、又は約25℃~約65℃などであり得る。好ましくは、溶液温度は、約25℃~約60℃である。より好ましくは、溶液温度は、約30℃~約55℃である。最も好ましくは、溶液温度は、約30℃~約50℃である。
【0013】
尿素及びフルオロスルホン酸の溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、フルオロスルホン酸が全ての尿素を溶解して、溶液を輸送することをより困難にする可能性がある溶解していない尿素を含むスラリーではなく、均質な液相溶液を作成するのに十分に高くなければならない。しかしながら、フルオロスルホン酸を加えすぎると、溶液を輸送するのに対処し、かつ後で過剰なフルオロスルホン酸をHFSIから分離するためにより大きなシステム及びエネルギーの増加を必要とすることによって、プロセスの効率が低下する。したがって、溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、約2.0:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、又は約2.5:1のように低い、又は約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、又は3.0:1のように高い、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約2.0:1~約3.0:1、約2.1:1~約2.9:1、約2.2:1~約2.8:1、約2.3:1~約2.7:1、約2.4:1~約2.6:1、約2.5:1~約2.6:1、約2.4:1~約2.7:1、約2.4:1~約2.5:1、又は約2.6:1~約2.8:1などであり得る。好ましくは、溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、約2.2:1~約2.8:1である。より好ましくは、溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、約2.3:1~約2.7:1である。最も好ましくは、溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、約2.4:1~約2.6:1である。
【0014】
尿素及びフルオロスルホン酸の溶液を反応温度で反応媒体に添加して、フルオロスルホン酸及び尿素を反応させて、式1に示すように、HFSI、並びにフッ化アンモニウムを含む生成物流を生成する。生成された二酸化炭素ガスは、他の使用のために通気又は捕捉され得る。反応媒体は、フルオロスルホン酸を含む。反応媒体は、HFSIを更に含み得る。
【0015】
反応媒体は、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液を加熱し、反応を制御するのに役立つ。いくつかの実施形態において、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.1:1、約0.2:1、約0.3:1、約0.4:1、約0.5:1、約0.6:1又は約0.8:1のように低い、又は約1:1、約2:1、約4:1、約6:1、約8:1、又は約10:1のように高い、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.1:1~約10:1、約0.2:1~約8:1、約0.3:1~約6:1、約0.4:1~約4:1、約0.6:1~約2:1、約0.8:1~約1:1、約0.4:1~約1:1、又は約0.6:1~約0.8:1などであり得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、スラリーを処理する必要性を防ぐために、フルオロ硫酸アンモニウムを含む反応副生成物を完全に溶解するように十分に高い。したがって、フルオロ硫酸アンモニウムが完全に溶解されるいくつかの実施形態では、好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.3:1~約2:1である。より好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.4:1~約1:1である。最も好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.6:1~約0.8:1である。
【0017】
しかしながら、反応媒体の量を増加させると、反応媒体からHFSI生成物を分離するためにより大きなシステム及び増大したエネルギー使用量を必要とする程度まで、プロセスの効率を低下させる。したがって、いくつかの実施形態では、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液とのより低い重量比を使用し、未溶解のフルオロ硫酸アンモニウムを含むスラリーの形成をもたらすことが望ましい。フルオロ硫酸アンモニウムが完全に溶解しないこのような実施形態では、好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.1:1~約0.6:1である。より好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.1:1~約0.4:1である。最も好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.1:1~約0.3:1である。
【0018】
反応温度は、約80℃、約90℃、約100℃、約110℃、又は約120℃のように低い、又は約130℃、約140℃、約150℃、約160℃、又は170℃のように高い、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲、例えば、約80℃~約170℃、約90℃~約160℃、約100℃~約150℃、約110℃~約140℃、約120℃~約130℃、約130℃~約150℃、又は約110℃~約120℃などであり得る。好ましくは、反応温度は、約110℃~約140℃である。より好ましくは、反応温度は、約120℃~約140℃である。最も好ましくは、反応温度は、約120℃~約130℃である。
【0019】
フルオロ硫酸アンモニウムは、生成物流から分離される。フルオロ硫酸アンモニウムは、例えば、蒸発、濾過、又はそれらの任意の組み合わせによって分離され得る。
【0020】
生成物流は、濃縮生成物流及び第1のリサイクル流に分離される。濃縮生成物流は、第1のリサイクル流よりも高い濃度のHFSIを含む。いくつかの実施形態では、第1のリサイクル流は、反応媒体に再びリサイクルされる。いくつかの実施形態では、第1のリサイクル流は、代替的に、又は追加的に、後で使用するために貯蔵タンクに方向付けられ得る。分離は、例えば、蒸留によるものであり得る。
【0021】
反応媒体にHFSIを添加すると、システムにおけるHFSIの収率が低下することが見出された。したがって、第1のリサイクル流中のHFSIの濃度は、約50重量パーセント(wt%)未満、40wt%未満、30wt%未満、20wt%未満、10wt%未満、5wt%未満、3wt%未満、2wt%未満、1wt%未満、又は0.5wt%未満、又は前述の値のうちのいずれか2つの間の任意の値未満である。好ましくは、第1のリサイクル流中のHFSIの濃度は、20wt%未満である。より好ましくは、第1のリサイクル流中のHFSIの濃度は、10wt%未満である。最も好ましくは、第1のリサイクル流中のHFSIの濃度は、5wt%未満である。
【0022】
任意選択的に、濃縮生成物流は、更なる濃縮生成物流及び第2のリサイクル流に分離され得る。更なる濃縮生成物流は、第2のリサイクル流よりも高い濃度のHFSIを含む。いくつかの実施形態では、第2のリサイクル流は、反応媒体に再びリサイクルされる。代替的に、又は追加的に、いくつかの実施形態では、第2のリサイクル流は、後で使用するために貯蔵タンクに方向付けられる。分離は、例えば、蒸留によるものであり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、上記のプロセスは連続プロセスである。いくつかの他の実施形態では、上記のプロセスは半バッチである。半バッチとは、プロセスの有意な部分が連続的であるが、プロセス全体が連続的ではないことを意味する。例えば、いくつかの半バッチ実施形態では、生成物流は、一定期間にわたって連続的に生成及び保存され得、次いで、その後に、貯蔵された生成物流は、分離ステップを介して処理されて、生成物流からフルオロ硫酸アンモニウムを分離し、連続的に濃縮生成物流及び第1のリサイクル流を生成し、濃縮生成物流は貯蔵され、第1のリサイクル流は、後で別の生成物流の生成のための反応媒体として使用するために貯蔵される。いくつかの他の半バッチ実施形態では、中間生成物流は、一定期間にわたって連続的に生成及び貯蔵され得、次いで、その後に、貯蔵された中間生成物流は、分離ステップを介して処理されて、濃縮生成物流及び第1のリサイクル流を連続的に生成し得、濃縮生成物流が貯蔵され、第1のリサイクル流が後で別の生成物流の生成のための反応媒体として使用するために貯蔵される。
【0024】
II.LiFSIの合成
本開示は、ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)からリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成する方法を提供する。HFSIは、上記のように生成することができる。次いで、HFSIをリチウム塩で処理して、以下の式2に示すように、LiFSI及び水を生成することができ、式中、水酸化リチウムがリチウム塩として示されている。
式2 HN(SO2F)2+LiOH→LiN(SO2F)2+H2O
【0025】
好適なリチウム塩としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及び酸化リチウム(Li2O)を挙げることができる。
【0026】
リチウム塩を第1の溶媒に溶解させて、懸濁液を形成してもよい。好適な第1の溶媒としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、メチルエチルケトン、酢酸エチル、及びメチルイソブチルケトンを挙げることができる。
【0027】
第1の溶媒中のリチウム塩の懸濁液の形成に続いて、HFSIを混合物に添加してもよい。空気雰囲気中でのHFSIの発煙を防止するために、反応混合物は、HFSIの添加前に、例えば窒素又はアルゴンなどの不活性雰囲気下に置かれてもよい。
【0028】
反応混合物中に存在するHFSIのモル量に基づいて、リチウム塩は、約0.5当量以上、約0.6当量以上、約0.7当量以上、約0.8当量以上、約0.9当量以上、約1当量以上、約1.1当量以上、約1.2当量以上、約1.3当量以上、約1.4当量以上、約1.5当量以上、約1.6当量以下、約1.7当量以下、約1.8当量以下、約1.9当量以下、約2当量以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値の量で反応中に存在し得る。
【0029】
反応混合物のpHは、約1.5以上、約2.0以上、約2.5以下、約3.0以下、約3.5以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値であり得る。
【0030】
反応は、約35℃以下、約30℃以下、約25℃以下、約20℃以下、約15℃以下、約10℃以下、約5℃以下、又は約0℃以下の温度で行われ得る。
【0031】
反応は、約60分以上、約80分以上、約100分以上、約120分以上、約140分以上、約160分以下、約180分以下、約200分以下、約220分以下、約240分以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値の期間にわたって行われ得る。
【0032】
初期撹拌時間後、反応混合物は、LiFSIのモル量に基づいて、LiFSI、第1の溶媒、及び水、並びに残留HFSI及びリチウム塩を含み得る。次いで、LiFSI、水、及び第1の溶媒の混合物は、約30分以上、約1時間以上、約2時間以上、約5時間以上、約8時間以上、約12時間以上、約14時間以下、約16時間以下、約18時間以下、約20時間以下、約22時間以下、約24時間以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値の更なる期間にわたって撹拌され得る。
【0033】
この撹拌時間の間、反応温度は、約15℃以上、約20℃以上、約25℃以上、約30℃以下、約35℃以下、約40℃以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値であり得る。
【0034】
この撹拌時間の間、反応のpHは、約5.0以上、約5.5以上、約6.0以上、約6.5以下、約7.0以上、又はこれらの終点によって包含される任意の値であり得る。
【0035】
この撹拌時間の後、反応混合物を濾過し得る。濾過後、残った溶液を更に精製して水を除去し得る。理論に束縛されるものではないが、更なる炭酸ジエチルなどの更なる溶媒の添加は、水の除去を助け得る。水を除去するために、LiFSI、水、及び溶媒を含む混合物を蒸留に供し得る。好適な蒸留法としては、例えば共沸蒸留が挙げられる。
【0036】
共沸蒸留は、約60mbar以下、約55mbar以下、約50mbar以下、約45mbar以下、約40mbar以下、約35mbar以下、約30mbar以下、約25mbar以上、約20mbar以上、約15mbar以上、約10mbar以上、約5mbar以上、又はこれらの終点によって包含される任意の値の圧力で行われ得る。
【0037】
共沸蒸留は、圧力勾配を使用して行われ得る。例えば、圧力は、蒸留の過程にわたって約45mbarから約15mbarに低下させ得る。
【0038】
共沸蒸留は、約35℃以上、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以下、約55℃以下、約60℃以下、約65℃以下、約70℃以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値の温度で行われ得る。
【0039】
共沸蒸留は、温度勾配を使用して行われ得る。例えば、温度は、蒸留の過程にわたって約40℃から約60℃まで上昇させ得る。
【0040】
共沸蒸留後、LiFSIは、微量の水を依然として含有し得る。LiFSIから残留水を除去するために、LiFSI、第1の溶媒、及び水を含む混合物は、第2の蒸留工程に供され得る。第2の蒸留工程の前に、第2の溶媒を添加し得る。好適な第2の溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、ジメチルベンゼン、及びメシチレンが挙げられ得る。
【0041】
LiFSI、第1の溶媒、第2の溶媒、及び水を含む混合物は、約60mbar以下、約55mbar以下、約50mbar以下、約45mbar以下、約40mbar以下、約35mbar以下、約30mbar以下、約25mbar以上、約20mbar以上、約15mbar以上、約10mbar以上、約5mbar以上、又はこれらの終点によって包含される任意の値の圧力で蒸留に供され得る。
【0042】
蒸留は、圧力勾配を使用して行われ得る。例えば、圧力は、蒸留の過程にわたって約45mbarから約10mbarに低下させ得る。
【0043】
蒸留は、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以下、約55℃以下、約60℃以下、約65℃以下、約70℃以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値の温度で行われ得る。
【0044】
蒸留は、温度勾配を使用して行われ得る。例えば、温度は、蒸留の過程にわたって約50℃から約60℃まで上昇させ得る。
【0045】
次いで、LiFSIを沈殿によって精製し得る。LiFSI、第1の溶媒、及び微量の水を含む混合物に、第3の溶媒を添加し得る。適切な第3の溶媒は、ハロゲン化炭化水素、例えば、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエタン(DCE)、クロロホルム(CHCl3)、ブロモホルム(CHBr3)、四塩化炭素(CCl4)、四臭化炭素(CBr4)、及びヨウ化メチル(CH3I)を含み得る。
【0046】
LiFSIのDCMに対する重量比(w/w)は、約1:1w/w以上、約1:1.5w/w以上、約1:2w/w以上、約1:2.5w/w以上、約1:3w/w以下、約1:3.5以下w/w、約1:4以下w/w、又はこれらの端点によって包含される任意の値であり得る。一実施形態において、LiFSIのDCMに対する重量比は1:2(w/w)である。
【0047】
LiFSIが沈殿したら、第3の溶媒で洗浄しながら加圧濾過によって更に精製し得る。次いで、得られた固体LiFSIを乾燥させ得る。所望であれば、乾燥はグローブボックス内で行われ得る。固体LiFSIは、複数のステップにわたって乾燥され得る。例えば、固体LiFSIを最初に周囲温度及び圧力で乾燥させ、続いて真空下で乾燥させ得る。あるいは、固体LiFSIを1工程で乾燥させ得る。
【0048】
次いで、固体LiFSIを、約15℃以上、約20℃以上、約25℃以上、約30℃以下、約35℃以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値の温度で乾燥させ得る。
【0049】
固体LiFSIは、約1mbar以上、約5mbar以上、約10mbar以上、約15mbar以下、約20mbar以下、約25mbar以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値の圧力で乾燥され得る。
【0050】
LiFSIは、約12時間以上、約18時間以上、約24時間以上、約30時間以上、約36時間以下、約40時間以下、約48時間以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値の期間にわたって乾燥され得る。
【0051】
反応の収率は、HFSIの出発量に基づいて、約65%以上、約70%以上、又は約75%以上であり得る。
【0052】
乾燥LiFSI中に存在する水の量は、カールフィッシャー滴定によって測定される場合、約200ppm以下、約180ppm以下、約150ppm以下、約120ppm以下、約100ppm以下、約80ppm以下、約50ppm以下、約40ppm以下、約30ppm以下、約20ppm以下、約10ppm以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値又は範囲であり得る。
【0053】
例えば、乾燥LiFSI中に存在する水の量は、約10ppm~約200ppm、約40ppm~約120ppm、約50ppm~約80ppm、約20ppm~約50ppm、又は約20ppm~180ppmであり得る。
【0054】
乾燥LiFSI中に存在する塩化物イオンの量は、Turbidimeter2100ANを使用して比濁分析によって決定される場合、約10ppm以下、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、もしくは約1ppm以下、500ppb以下、250ppb以下、100ppb以下、10ppb以下、5ppb以下、1ppb以下、又はこれらの終点によって包含される任意の値もしくは範囲であり得る。
【0055】
例えば、乾燥LiFSI中に存在する塩化物イオンの量は、約1ppm~約10ppm、約2ppm~約4ppm、約1ppm~約5ppm、約1ppm~約2ppm、約1ppb~500ppb、約5ppb~1ppm、又は約10ppb~250ppbであり得る。
【0056】
本明細書に記載の方法でLiFSIを生成する実験室規模プロセスの概要を
図1に示す。この方法では、ステップ1において、炭酸ジエチル中のLiOHの混合物10を、入口14を通して不活性雰囲気下に置く。次いで、HFSIを、添加漏斗16を介して炭酸ジエチル中のLiOHの混合物に添加してもよい。ステップ2では、反応に続いて、真空ライン22に接続されたフリット漏斗20を通して混合物を濾過して、LiFSI、炭酸ジエチル、及び水の混合物24を得てもよい。ステップ3において、次いで、混合物をキシレンと混合し、共沸蒸留に供して、炭酸ジエチル、水、及びキシレンを含む留出物36、並びにLiFSIを含む溶液26を得てもよい。ステップ4(図示せず)において、ハロゲン化炭化水素溶媒などの溶媒を添加して、LiFSIを沈殿させてもよい。最後に、ステップ5(図示せず)において、LiFSIは、不活性雰囲気下で圧力フィルタを用いて単離され、室温で不活性ガス下で約45分間、次いで減圧下(5mbar)で50℃の最大温度で乾燥されてもよい。
【0057】
工業規模のプロセスの概要を
図2に示す。炭酸ジエチル(DEC)などの第1の溶媒中に水酸化リチウムなどのリチウム塩を含む流れ50を反応器54に通してもよい。液体HFSIを含む流れ52を反応器54に添加して、LiFSI、第1の溶媒、及び水を含む粗生成物の流れ56を提供してもよい。次いで、流れ56を濾過して、残っている(例えば、リチウム源と共に入れてもよい)任意の固体を除去してもよい。濾過された残留物は流れ58であり、LiFSI、第1の溶媒及び水を含む濾液流60は、第1の蒸留塔64に送られてもよい。追加の乾燥第1溶媒62を添加してもよく、混合物は共沸蒸留を受けてもよい。水及び第1の溶媒を含む第1の塔頂生成物66を除去してもよく、LiFSI、残留第1の溶媒及び残留水を含む第1の塔底生成物68を第2の塔70に通してもよく、キシレンなどの乾燥第2の溶媒72を加えてもよい。混合物を共沸蒸留して、第1及び第2の溶媒並びに水を含む第2の塔頂生成物74を得てもよい。LiFSI残留第1溶媒及び残留水を含む第2塔底生成物76を濾過78して不純物を除去し、LiFSI残留第1溶媒及び残留水を含む流れ80を提供してもよい。任意選択的に、流れ80を第3の蒸留塔82に通して、残留溶媒を第3の塔頂生成物84として除去し、第3の塔底生成物の流れ86を残すことができる。流れ80又は任意選択の流れ86のいずれかを第3の溶媒(ジクロロメタン(DCM)など)と混合してLiFSI(図示せず)を沈殿させ、次いでフィルタ88に通して、固体LiFSIを含む精製生成物の流れ90を提供してもよく、これを更に乾燥させて(図示せず)、所望の生成物を提供してもよい。
【0058】
本明細書で使用する場合、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちのいずれか2つから選択され得ることを意味する。例えば、一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択され得る。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数形を含む。範囲は、特に明記しない限り、0を含まない。
【0059】
不正確の用語に関して、用語「約」及び「およそ」が互換的に使用されてもよく、記述された測定値を含む測定値を指し、また、記載された測定値に合理的に近い任意の測定値も含む。記述された測定値に合理的に近い測定値は、当業者によって理解され、容易に確認されるように、合理的に小さい量だけ記述された測定値から逸脱する。そのような偏差は、例えば、性能を最適化するために行われる測定誤差又は微調整に起因し得る。当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判定された場合、「約」及び「およそ」という用語は、記述された値のプラスマイナス10%を意味すると理解され得る。
【0060】
前述の説明は、本開示の単なる例示に過ぎないことが理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、当業者によって様々な代替形態及び修正形態を考案することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全てのかかる代替形態、修正形態、及び変動を包含することを意図する。
【実施例】
【0061】
実施例1:LiFSIの合成
水酸化リチウムを室温で炭酸ジエチルに加え、不活性雰囲気下に置いた。次いで、HFSIを添加し、混合物を35℃で2時間撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、一晩撹拌した。次いで、混合物を濾過して、約30%のLiFSIを含有する透明な溶液を得た。
【0062】
実施例2:LiFSIの共沸蒸留
LiFSI、炭酸ジエチル、及び水の溶液に、追加の炭酸ジエチルを添加して、約17%のLiFSIを含有する透明な溶液を得た。次いで、混合物を、45mbarから15mbarへと増加する真空下で共沸蒸留に供した。温度を40℃から60℃に上昇させた。共沸蒸留を約8時間続け、その後、炭酸ジエチル中のLiFSIの溶液を回収した。
【0063】
実施例3:LiFSIの精製
LiFSIの炭酸ジエチル溶液にキシレンを添加した。次いで、混合物を、45mbarから10mbarへと増加する真空下で蒸留に供した。温度を50℃~60℃に維持して、炭酸ジエチル中のLiFSIの濃縮溶液を得た。
【0064】
炭酸ジエチル中のLIFSI溶液の濃縮溶液に、過剰のジクロロメタンを添加して、LiFSIを沈殿させた。次に、混合物を、ジクロロメタンで洗浄しながら、グローブボックス中で加圧濾過によって濾過した。回収したLiFSIを最初に室温で45分間、次いで5mbarの圧力で24時間乾燥させて、26ppmの含水量及び5ppm未満の塩化物含有量を有するLiFSIを、HFSIの量に基づいて70%の収率で得た。含水量及び塩化物含有量は、カールフィッシャー滴定/イオンクロマトグラフィーによって決定した。Turbidimeter2100ANによる比濁分析もまた使用され得る。
【0065】
実施例4:LiFSIの沈殿
炭酸ジエチル及びキシレン中のLiFSIの58%溶液からのLiFSIの沈殿を最適化するために、LiFSIに対するジクロロメタンの4つの異なる比を試験した。結果を
図3に示す。そこに見られるように、LiFSIの収率は、ジクロロメタンの量が増加するにつれて増加する。しかしながら、増加は線形ではない。3.5:1のジクロロメタン:LiFSI比を最適比として選択した。
【0066】
実施例5:LiFSIからの塩化物の除去
LiFSI合成は、(HClSIからの)塩化物によって汚染されたHFSIを使用して行った。汚染されたHFSIは、150重量ppmの塩化物を含有していた。合成は、上記の実施例に記載の手順を用いて行った。沈殿したLiFSI(収率35%)は、10~20ppm(比濁分析による)の塩化物含有量を有していた。2回目の実験では、塩化物含有量が10~20ppmであるLiFSIが収率49%で得られた。
【0067】
実施例6:精製LiFSIの分析
次いで、精製されたLiFSIを、金属含有量についてICP及びAASによって分析した。塩化物の量も測定した。硫酸塩の量をICによって分析し、塩化物の量を濁度によって決定した。結果を以下の表1に示す。
【0068】
【0069】
態様
態様1は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するプロセスであって、a)第1の溶媒中で水素ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)をリチウム塩で処理して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及び水を生成することと、b)ハロゲン化炭化水素溶媒を用いてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を乾燥させて、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物を生成することと、を含むプロセスである。
【0070】
態様2は、リチウム塩は、水酸化リチウム(LiOH)を含む、態様1に記載のプロセスである。
【0071】
態様3は、第1の溶媒は、炭酸ジエチルを含む、態様1又は2に記載のプロセスである。
【0072】
態様4は、第1の溶媒を共沸蒸留して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、第1の溶媒、及び水を含む二相留出物を生成することを更に含む、態様1~3のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0073】
態様5は、共沸蒸留を行うことを更に含む、態様4に記載のプロセスである。
【0074】
態様6は、共沸蒸留中に真空を45mbarから15mbarに増加させることを更に含む、態様5に記載のプロセスである。
【0075】
態様7は、二相留出物に第2の溶媒を添加することを更に含む、態様4~6のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0076】
態様8は、第2の溶媒は、トルエンを含む、態様7に記載のプロセスである。
【0077】
態様9は、キシレン、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、第1の溶媒、及び水の混合物を蒸留して単相留出物を提供することを更に含む、態様8に記載のプロセスである。
【0078】
態様10は、第3の溶媒を添加して、乾燥リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物を生成することを更に含む、態様1~9のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0079】
態様11は、第3の溶媒は、ジクロロメタン(DCM)を含む、態様10に記載のプロセスである。
【0080】
態様12は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)のジクロロメタン(DCM)に対する重量/重量(w/w)比が1:1~1:4である、態様11に記載のプロセスである。
【0081】
態様13は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)のジクロロメタン(DCM)に対する重量/重量(w/w)比が1:2である、態様12に記載のプロセスである。
【0082】
態様14は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物の含水量が180ppm以下である、態様1~13のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0083】
態様15は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するプロセスであって、a)5ppm以下の塩化物イオン含有量を有する水素ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)を第1の溶媒中でリチウム塩で処理して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及び水を生成することと、b)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物を乾燥させることと、を含むプロセスである。
【0084】
態様16は、リチウム塩は、水酸化リチウム(LiOH)を含む、態様15に記載のプロセスである。
【0085】
態様17は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物は、180ppm未満の水分を含む、態様15又は態様16に記載のプロセスである。
【0086】
態様18は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を生成するプロセスであって、a)5ppm未満の塩化物を含む水素ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)を第1の溶媒中でリチウム塩で処理して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)及び水を生成することと、b)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を乾燥させて、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物を生成することと、を含むプロセスである。
【0087】
態様19は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)生成物は、180ppm未満の水分及び5ppm未満の塩化物を含む、態様15に記載のプロセスである。
【0088】
態様20は、5ppm未満の塩化物及び180ppm未満の水分を含むリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)である。
【国際調査報告】