(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】五面体モジュールパズル
(51)【国際特許分類】
A63H 33/08 20060101AFI20241106BHJP
A63F 9/12 20060101ALI20241106BHJP
A63H 7/02 20060101ALI20241106BHJP
A63H 33/10 20060101ALI20241106BHJP
A63H 33/26 20060101ALI20241106BHJP
A63H 33/04 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
A63H33/08 A
A63F9/12 B
A63H7/02
A63H33/10 D
A63H33/26 B
A63H33/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533098
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 US2022051484
(87)【国際公開番号】W WO2023102095
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524208065
【氏名又は名称】シュラピック, ケビン, ディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】シュラピック, ケビン, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ション ユー
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA23
2C150BA27
2C150BA66
2C150DC07
2C150EH09
2C150FB28
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】本発明は、五面体モジュールパズルを提供する。
【解決手段】五面体モジュールパズルは、ヒンジによって連続する環状物として接続された複数の五面体モジュールを含む。各五面体モジュールは、少なくとも1つのマグネットを含む。前記五面体モジュールは、ヒンジによって交互の順番で接続される、鏡像化された五面体モジュールを含む。各五面体モジュールのマグネットは、前記交互の順番における各隣接する五面体モジュールのマグネットとは異なる極性を有する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
五面体モジュールパズルであって、
前記五面体モジュールパズルは、16個の五面体モジュールを含み、前記16個の五面体モジュールは、複数のヒンジによって接続されることで連続する環状物をなし、各五面体モジュールは、複数のマグネットを含む、五面体モジュールパズル。
【請求項2】
複数の五面体モジュールは、前記ヒンジによって交互の順番で接続される、鏡像化された五面体モジュールを含み、各五面体モジュールの前記複数のマグネットは、前記交互の順番における各隣接する五面体モジュールの前記複数のマグネットとは異なる極性を有する、請求項1に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項3】
前記複数のヒンジのうちの順次のヒンジは、垂直配向を有する、請求項2に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項4】
各五面体モジュールは、2つの二等辺三角形面を含む、請求項3に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項5】
各五面体モジュールにおいて、前記2つの二等辺三角形面は、直角二等辺三角形を呈する、請求項4に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項6】
各五面体モジュールにおいて、前記複数のマグネットは、4つのマグネットを含み、前記4つのマグネットのそれぞれは、前記五面体モジュールの異なる面に隣接するように設けられている、請求項5に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項7】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、キャビティを囲んで形成するケースとカバーとを含み、第1凹溝は、前記キャビティの第1内面に形成され、前記第1凹溝は、少なくとも部分的にストップブロックによって画定され、且つ前記複数のマグネットのうちの第1マグネットを収容する、請求項6に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項8】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第2内面から離れて延在する第1クランプブロックを含み、前記第1クランプブロックは、その遠位端にマグネット隣接面を有し、前記マグネット隣接面は、前記第1マグネットに近接するように位置決めされている、請求項7に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項9】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第3内面に形成される第2凹溝を含み、前記第2凹溝は、少なくとも部分的に保持部によって画定され、前記保持部は、前記第3内面から離れて延在し、且つ前記複数のマグネットのうちの第2マグネットを前記第2凹溝内に保持する、請求項8に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項10】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの前記第2内面から離れて延在する第2クランプブロックを含み、前記第2クランプブロックは、前記第2凹溝内に延入し、且つ前記第2マグネットを前記第2凹溝内に保持する、請求項9に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項11】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第4内面に形成される第3凹溝を含み、前記第3凹溝は、少なくとも部分的に第2ストップブロックによって画定され、且つ前記複数のマグネットのうちの第3マグネットを収容する、請求項10に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項12】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの前記第2内面上のボスを含み、前記ボスは、前記複数のマグネットのうちの第4マグネットを収容する第4凹溝を含む、請求項11に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項13】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、キャビティを囲んで形成するケースとカバーとを含み、且つ前記キャビティの第1内面に形成される第1凹溝を含み、前記第1凹溝は、少なくとも部分的にストップブロックによって画定され、前記複数のマグネットのうちの第1マグネットを収容する、請求項1に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項14】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第2内面から離れて延在する第1クランプブロックを含み、前記第1クランプブロックは、その遠位端にマグネット隣接面を有し、前記マグネット隣接面は、前記第1マグネットに近接するように位置決めされている、請求項13に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項15】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第3内面に形成される第2凹溝を含み、前記第2凹溝は、少なくとも部分的に保持部によって画定され、前記保持部は、前記第3内面から離れて延在し、且つ前記複数のマグネットのうちの第2マグネットを前記第2凹溝内に保持する、請求項14に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項16】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの前記第2内面から離れて延在する第2クランプブロックを含み、前記第2クランプブロックは、前記第2凹溝内に延入し、且つ前記第2マグネットを前記第2凹溝内に保持する、請求項15に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項17】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第4内面に形成される第3凹溝を含み、前記第3凹溝は、少なくとも部分的に第2ストップブロックによって画定され、且つ前記複数のマグネットのうちの第3マグネットを収容する、請求項16に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項18】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの前記第2内面上のボスを含み、前記ボスは、前記複数のマグネットのうちの第4マグネットを収容する第4凹溝を含む、請求項17に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項19】
前記複数の五面体モジュールは、前記ヒンジによって交互の順番で接続される、鏡像化された五面体モジュールを含む、請求項18に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項20】
前記複数のヒンジのうちの順次のヒンジは、垂直配向を有する、請求項19に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項21】
各五面体モジュールは、2つの直角二等辺三角形面を含む、請求項20に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項22】
前記複数の五面体モジュールは、前記ヒンジによって交互の順番で接続される、鏡像化された五面体モジュールを含み、各五面体モジュールの前記複数のマグネットは、異なる極性を有する、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項23】
前記複数の五面体モジュールは、前記ヒンジによって交互の順番で接続される、鏡像化された五面体モジュールを含み、各五面体モジュールの前記複数のマグネットは、異なる極性を有する、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項24】
前記複数のヒンジのうちの順次のヒンジは、垂直配向を有する、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項25】
各五面体モジュールは、2つの二等辺三角形面を含む、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項26】
各五面体モジュールにおいて、前記2つの二等辺三角形面は、直角二等辺三角形を呈する、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項27】
各五面体モジュールにおいて、前記複数のマグネットは、それぞれが前記五面体モジュールの異なる面に隣接するように設けられている4つのマグネットを含む、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項28】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、キャビティを囲んで形成するケースとカバーとを含み、且つ前記キャビティの第1内面に形成される第1凹溝を含み、前記第1凹溝は、少なくとも部分的にストップブロックによって画定され、且つ前記複数のマグネットのうちの第1マグネットを収容する、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項29】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第2内面から離れて延在する第1クランプブロックを含み、前記第1クランプブロックは、その遠位端にマグネット隣接面を有し、前記マグネット隣接面は、前記第1マグネットに近接するように位置決めされている、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項30】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第3内面に形成される第2凹溝を含み、前記第2凹溝は、少なくとも部分的に保持部によって画定され、前記保持部は、前記第3内面から離れて延在し、且つ前記複数のマグネットのうちの第2マグネットを前記第2凹溝内に保持する、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項31】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの前記第2内面から離れて延在する第2クランプブロックを含み、前記第2クランプブロックは、前記第2凹溝内に延入し、且つ前記第2マグネットを前記第2凹溝内に保持する、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項32】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第4内面に形成される第3凹溝を含み、前記第3凹溝は、少なくとも部分的に第2ストップブロックによって画定され、且つ前記複数のマグネットのうちの第3マグネットを収容する、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項33】
前記16個の五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの前記第2内面上のボスを含み、前記ボスは、前記複数のマグネットのうちの第4マグネットを収容する第4凹溝を含む、請求項1~21の何れか一項に記載の五面体モジュールパズル。
【請求項34】
五面体モジュールパズルであって、
前記五面体モジュールパズルは、複数の五面体モジュールを含み、
前記複数の五面体モジュールは、複数のヒンジによって接続されることで連続する環状物をなし、
各五面体モジュールは、複数のマグネットを含み、
前記複数の五面体モジュールのそれぞれは、2つの二等辺三角形面を有し、前記複数のヒンジのうちの順次のヒンジは、垂直配向を有することにより、前記複数の五面体モジュールを幾何学的に類似する形状の異なる倍数のものに操作可能にする、五面体モジュールパズル。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本願は、2021年12月1日に出願された米国仮特許出願第63/285,049号の優先権及びその利益を主張する。この米国仮特許出願の全ての内容は、参照として本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、玩具及びパズル(puzzle)分野に関する。
【背景技術】
【0003】
パズルは、ゲーム、玩具、教育支援ツール、治療機器等として世代を超えた魅力を持っている。このようなパズルは、例えば、Asanoの第GB2,107,200号英国特許出願及びSchaedelの第6,264,199B1号米国特許に示されるように、異なる幾何構成として配置され得る。従来技術で教示されているように、任意の特定の多面体パズルの属性は、その特定のパズルの幾何形状及びヒンジ接続形態に大きく依存する。例えば、Schaedelで教示されている折り畳みパズルは、約70.53°、54.74°及び54.74°の角度を持つ4つの三角形面によって形成される24個の同じ二等辺四面体本体からなる。四面体は、その基部(最も長い)辺で互いに接合され、「多くの異なる方法」で菱形十二面体に操作することができる。しかし、Schaedelは、菱形十二面体の幾何形状を実現するために多くの異なる方法で行うことができる他のいかなるものも教示していない。実際には、当業者であれば理解できるように、このようなパズルには、多面体の面と辺の数、多面体の内角と辺の長さ、多面体の数、すべての多面体が同じか否か、多面体がどのように配列されているか、多面体間のヒンジの位置及び他の変数を含む変数の無限の異なる組み合わせが存在する。また、変数のこのような無限に見える組み合わせと変数の変化との間の予測不可能な相互関係のため、1つの変数のわずかな変化でも、通常はパズル自体の機能に有害な方式でパズル全体の属性を変更する可能性がある。
【0004】
したがって、異なる幾何形状及びエキサイティングな新属性を持つ新たなパズルは、必要となっている。
【発明の概要】
【0005】
一態様において、本発明は、五面体モジュールパズルを提供する。前記五面体モジュールパズルは、複数の(例えば、16個の)五面体モジュールを含み、前記複数の五面体モジュールは、複数のヒンジによって接続されることで連続する環状物をなし、各五面体モジュールは、少なくとも1つのマグネット(例えば、複数のマグネット)を含む。
【0006】
別の態様において、本発明は、五面体モジュールパズルを提供する。前記五面体モジュールパズルは、複数の五面体モジュールを含み、前記複数の五面体モジュールは、複数のヒンジによって接続されることで連続する環状物をなし、各五面体モジュールは、少なくとも1つのマグネットを含み、前記複数の五面体モジュールのそれぞれは、2つの二等辺三角形面を有し、前記複数のヒンジのうちの順次のヒンジは、垂直配向を有することにより、前記複数の五面体モジュールを幾何学的に類似する形状の異なる倍数のものに操作可能にする。
【0007】
何れかの実施例において、複数の五面体モジュールは、前記ヒンジによって交互の順番で接続される、鏡像化された五面体モジュールを含んでもよく、各五面体モジュールの前記複数のマグネットは、前記交互の順番における各隣接する五面体モジュールの前記複数のマグネットとは異なる極性を有する。
【0008】
何れかの実施例において、前記複数のヒンジのうちの順次のヒンジは、垂直配向を有してもよい。
【0009】
何れかの実施例において、各五面体モジュールは、2つの二等辺三角形面、例えば、直角二等辺三角形面を含む。
【0010】
何れかの実施例において、各五面体モジュールは、1つ、2つ、3つ、4つ又はより多くのマグネットを含んでもよく、前記マグネットのそれぞれは、前記五面体モジュールの異なる面に隣接するように設けられている。
【0011】
何れかの実施例において、前記五面体モジュールのそれぞれは、キャビティを囲んで形成するケースとカバーとを含んでもよく、第1凹溝は、前記キャビティの第1内面に形成され、前記第1凹溝は、少なくとも部分的にストップブロックによって画定され、且つ第1マグネットを収容する。
【0012】
何れかの実施例において、前記五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第2内面から離れて延在する第1クランプブロックを含んでもよく、前記第1クランプブロックは、その遠位端にマグネット隣接面を有し、前記マグネット隣接面は、前記第1マグネットに近接するように位置決めされている。
【0013】
何れかの実施例において、前記五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第3内面に形成される第2凹溝を含んでもよく、前記第2凹溝は、少なくとも部分的に保持部によって画定され、前記保持部は、前記第3内面から離れて延在し、且つ前記複数のマグネットのうちの第2マグネットを前記第2凹溝内に保持する。
【0014】
何れかの実施例において、前記五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの前記第2内面から離れて延在する第2クランプブロックを含んでもよく、前記第2クランプブロックは、前記第2凹溝内に延入し、且つ前記第2マグネットを前記第2凹溝内に保持する。
【0015】
何れかの実施例において、前記五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの第4内面に形成される第3凹溝を含んでもよく、前記第3凹溝は、少なくとも部分的に第2ストップブロックによって画定され、且つ第3マグネットを収容する。
【0016】
何れかの実施例において、前記五面体モジュールのそれぞれは、前記キャビティの前記第2内面上のボスを含んでもよく、前記ボスは、第4マグネットを収容する第4凹溝を含む。
【0017】
代表的な実施例は、以下の図面を参照しながら記述されている。別途に説明されない限り、各図面に類似する符号は、類似する部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本発明の1つの代表的な実施例に関わる、3つの異なる時点で3つの異なる形態にある五面体モジュールパズルの斜視図をを示し、各形態は、異なる数の幾何学的に類似する形状を含む。
【
図1B】4つの異なる時点で4つの異なる形態にある
図1Aの五面体モジュールパズルの斜視図を示し、各形態は、異なる数の幾何学的に類似する形状を含む。
【
図2】本発明の1つの代表的な実施例に関わる、4つの異なる時点で4つの異なる形態にある五面体モジュールパズルの斜視図を示す。
【
図4】
図3の五面体パズルの1つの五面体モジュールの概略的な投影を示す。
【
図5A】
図1Aのパズルの1つの五面体モジュールの下分解斜視図を示す。
【
図5B】
図5Aの五面体モジュールのケースの下斜視図を示す。
【
図5C】
図5Aの五面体モジュールのカバーの上斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、五面体モジュールパズル(本明細書では、互換的に「パズル」という)を提供する。当該パズルは、ヒンジで接続された多面体モジュール(例えば、五面体モジュール)を含み、各多面体モジュールは、特定の幾何学的特性を有する。各五面体モジュールは、変換された2つの他の五面体モジュールにヒンジ接続され、好ましくは、独自の機能を実現し及び/又は独自の属性を示す構造的特徴を有する。
【0020】
図1Aは、本発明の1つの代表的な実施例に関わる、五面体モジュールパズル100(簡潔のために、以下では、パズルという)の1つの例示を示す。パズル100の各素子の詳細を記述する前に、先に高レベルの特徴及び属性を紹介する。
【0021】
本明細書に示され、記載されているように、パズル100は、ヒンジによって可撓性に接続されることで連続環状物をなす複数の五面体モジュールを含む。この構成により、パズル100を多くの異なる構成に操作することができる。特に、
図1Aは、3つの異なる時点で3つの異なる構成にある同じパズル100を示す。パズル100は、既知のパズルとは異なり、特定の順番で配置され、エキサイティングな新属性を生成する特定の特性を有する五面体モジュールを含む。
【0022】
パズル100の1つの重要な新属性は、「スケーリング」属性であり、即ち、幾何学的に類似する形状の異なる倍数に操縦する能力を指す。この属性は、各モジュールの幾何形状、モジュールの数及びその間のヒンジの置きによって生成される。例えば、幾つかの実施例において、前記モジュールのそれぞれは、2つの二等辺三角形面を有し、複数のヒンジのうちの順次のヒンジは、垂直配向を有し、それによって五面体モジュールは、幾何学的に類似する形状の異なる倍数のものに操縦され得る。
【0023】
例えば、
図1Aに示すように、パズル100は、単一の菱形六面体102、1群の2つの六面体104及び1群の4つの六面体106に操縦され得る。すべての六面体は、幾何学的に類似しているが、異なる絶対辺長(この場合、比率を除いて、それらは完全に等しい)を有する。つまり、六面体102は、辺長Xを有し、2つの六面体104のそれぞれは、辺長0.5Xを有し、4つの六面体106のそれぞれは、辺長0.25Xを有する。
【0024】
このスケーリング属性は、新規で魅力的であるだけでなく、ジグソーパズル100を対数、指数、体積などの概念を教示する支援ツールとして使用することができる。例えば、単一の六面体102が20表す場合に、当該群の2つの六面体104が21を表し、当該群の4つの六面体106が22を表す。別の例示として、六面体102、当該群の2つの六面体104、及び当該群の4つの六面体106のそれぞれは、同じ体積を有する(それぞれは、共通の1群の空間を五面体モジュールで充填することによって形成される)。更に、六面体102、当該群の2つの六面体104、及び当該群の4つの六面体106のそれぞれの辺は、同じ周長を有する。
【0025】
スケーリング属性の適用が菱形六面体に限定されないことを示すために、
図1Bは、幾何学的に類似する二等辺三角形として操縦される五面体のスケーリング数が同じであるパズル100を示す。具体的に、パズル100は、単一の二等辺三角形五面体108、1群の4つの五面体110、1群の8つの五面体112、又は1群の16個の五面体114に操縦され得る。五面体108、110、112と114のそれぞれは、幾何学的に類似する(即ち、同じ辺長比を有する)。また、単一の等腰五面体108、当該群の4つの五面体110、当該群の8つの五面体112と当該群の16個の五面体114は、共通の体積及び共通の周囲の辺長を有する。辺長比は、基本的な五面体モジュール116(即ち、16個の五面体114のそれぞれ)のサイズによって定めされる。以下では、前記五面体モジュールの詳細を記述する。
【0026】
幾つかの実施例において、複数の五面体モジュールのそれぞれは、2つの二等辺三角形面を有し、複数のヒンジのうちの順次のヒンジは、垂直配向を有し、それによって複数の五面体モジュールは、幾何学的に類似する形状の異なる倍数のものに操縦され得る。
【0027】
図2は、
図1Aのパズル100と同じな別の五面体モジュールパズル200を示す。
図示されているように、パズル200のもう1つの重要な新属性は、ユーザがその構造を大量の視覚的及び触覚的に魅力的な空間充填形状に操作する能力である。このような形状のサンプリングは、
図2に示されており、立方体202aと、三つ葉状多面体202bとを含み、その中、羽根のうちの少なくとも2つが二等辺三角形面、非立方体菱形角柱202cと凹形六角形角柱202d(即ち、矢印角柱)を有しており、これらのうちの後の3つは、これまでに既知のパズルでは実現され得ない。
【0028】
もう1つの魅力的な新属性は、パズル100が立方体202aを複数の異なる方法で実現する能力である。つまり、パズル100は、立方体202aの外面が根本的な五面体モジュールのある面からなる第1態様と、立方体202aの外面が根本的な五面体モジュールの少なくとも幾つかの異なる面からなる第2態様とで立方体202aを実現することができる。
【0029】
上記属性及び形態は、単にパズル200の五面体モジュールの特定の幾何形状及び配置によって実現されるメリットを示し、ここでその詳細について説明する。
【0030】
図3は、パズル100、200と同じ構造を有するパズル300を示す。パズル300は、複数の五面体モジュール330a―330p(以下では、モジュール)によって形成される。示される実施例において、モジュール330aは、合同な五面体であり、且つ各モジュールは、
図4に詳細に示される幾何形状を有する。
【0031】
代表的なパズル300は、16個のモジュール330a―330pを含む。他の実施例では、モジュール330a―330pのうちの1つ又は複数をサブ多面体に分割することで数のより多いモジュールを含んでもよい。例えば、1つの実施例では、モジュール330a―330pのそれぞれを2つの個別の相補的な多面体に分割してもよい。前記多面体は、組み合わせられる際に各モジュール330a―330pと同じ五面体形状を有する。よって、このような実施例では、32個の五面体を含む。このような方式により、本発明は、以下のパズルも含む。当該パズルは、32個の、48個の、又は、16の倍数のより多くの五面体を含む。
【0032】
モジュール330a―330pは、ヒンジ332a―332pのヒンジ式接続によって連続する環状物をなす。各モジュールの幾何形状(詳細は、
図4に記述される)のため、順次のヒンジは、互いに垂直である配向を有する。
【0033】
特に、モジュール330a―330pのそれぞれは、ヒンジ332a―332pのうちの2つのヒンジによってモジュール330a―330pのうちの2つの隣接するモジュールに接続される。例えば、ヒンジ332aは、モジュール330aの第1辺を鏡像化されたモジュール330bの対応する第1辺にヒンジ接続される。類似的に、ヒンジ332bは、モジュール330bの第2辺を鏡像化されたモジュール330cの対応する辺にヒンジ接続される。
【0034】
ヒンジにより、五面体モジュールを互いに対して操作することができる。このように、パズルは、異なる形態(例えば、
図1A―
図1Bのスケーリング形態)、及び
図2に示す形態と追加形態を実現することができる。それとともに、パズル全体は、依然として単一の装置であり、部分的な不調和な分類(assortment)ではない。
【0035】
本明細書に記載のパズルの五面体モジュールは、典型的には、隣接する五面体モジュールの対応する辺(直接隣接する辺)が隣接するか又は1mm未満、例えば0.5mmの間隔を立てるように組み立てられる。これは、
図3から明らかであり、
図3は、パズル300と隣接する多面体との間の代表的なヒンジ接続を示している。
【0036】
ヒンジ332a―332pは、多くの異なる形態をとることができる。幾つかの実施例では、ヒンジ332a―332pの各々は、モジュールの一方のモジュールから他方のモジュールにヒンジが直接延在するように、
図3に示すように、少なくとも2つの隣接する五面体モジュールの面(例えば、隣接するモジュールの鏡像化された面)に印加されるデカール(decal)又はステッカー(sticker)である。例えば、
図3を参照すると、ヒンジ332bは、モジュール330aに少なくとも印加され、モジュール330bの隣接する鏡像化された面に延在するデカールであるため、隣接するモジュールをヒンジ接続する。幾つかのそのような実施例では、デカールは、複数のヒンジを含むことができる。例えば、一実施例では、モジュール330a―330pに単一の連続したデカールが適用されるため、少なくともヒンジ332a―332pを含む。この形態の代表的なヒンジは、参照によって全体が本明細書に組み込まれたHoenigschmidの第10,569,185号及び第10,918,964号の米国特許に詳細に記載されている。
【0037】
他の実施例では、ヒンジは、モジュール(例えば、可動ヒンジ)と一体に形成され、モジュールの1つのモジュールから隣接するモジュールに直接延在する。このような実施例では、ヒンジをモジュールの筐体と同じ又は類似の材料の可撓性ポリマーテープとして形成することができる。例えば、
図3を参照すると、ヒンジ332bがそのような構造を有する場合に、ヒンジは、モジュール330b、330cと一体となってモジュール330b、330cの間(例えば、その隣接する辺の間に直接)に延在する少なくとも1つのポリマーテープとして形成され、それによってそれらの隣接する辺に沿って隣接するモジュールが結合される。この構成の代表的なヒンジは、全体を参照して本明細書に組み込まれる米国特許第11,358,070号に詳細に記載されている。
【0038】
更に他の実施例では、ヒンジは、隣接するモジュール間に延び、隣接する多面体の内腔内にアンカーされるように構成された1つ又は複数の内部可撓性連結ベルト(例えば、薄い可撓性ポリマー又は織物のベルト)として形成される。例えば、
図3を参照すると、ヒンジ332bがそのような構成を有する場合に、ヒンジ332bの一部は、モジュール330bの内腔内にアンカーされ、ヒンジ332bの他の部分は、332cの内腔内にアンカーされ、それによって隣接する対応する辺に沿って隣接するモジュールが連結される。この構成の代表的なヒンジは、参照によって全体が本明細書に組み込まれた第WO2022/030285号PCT公開物に詳細に記載されている。
【0039】
何れかの実施例において、複数のヒンジは、隣接するモジュールの隣接する辺の間に延在することができる。前記ヒンジ構造は、代表的であり、制限的ではない。
【0040】
1つの選択可能な特徴として、モジュール330a―330pの各々は、別の形態(
図1A―
図2に示すスケーリング形態など)においてパズル300を安定させるために、位置決めされ分極された(例えば、各モジュールのキャビティ内)1つ又は複数のマグネットを備えることができる。以下では、
図4―
図5Dに代表的なマグネット形態について詳細に説明する。幾つかの実施例では、各五面体モジュールは、五面体モジュールの異なる面に隣接するように配置された1つ、2つ、3つ、4つ又はより多くのマグネットを含む。
【0041】
図3において、モジュール330a―330pの各々は、内部に含まれるマグネットの極性を示すために、「+」又は「―」が設けられている。例えば、モジュール330a、330c、330e、330g、330i、330k、330m、330oは、内部に配置されたマグネットが第1(例えば、正)極性を有することを示す「+」マークを有する第1タイプ又は「タイプ1」の五面体モジュールである。一方、モジュール330b、330d、330f、330h、330j、330l、330n、330pは、タイプ1のモジュールのミラーであり、内部に配置されたマグネットが異なる第2(例えば、負)極性を有することを示す「―」マークを有する第2タイプ又は「タイプ2」の五面体モジュールである。鏡像化されたモジュール330a―330pは、ヒンジを介して交互に順番に接続され、各順番の五面体モジュールは、異なる極性を有するため、隣接するモジュールは、互いに磁気的に結合することができる。したがって、多くの形態(
図1A―
図2に示すものなど)においてパズル300を安定させることができる。
【0042】
図3において、「+」又は「―」マークは、以下の面に置かれている。当該面は、それに隣接するように位置決めされるマグネットを有することにより、当該マグネットからの磁束が延在して当該面を貫通する。図示されているように、マグネットは、モジュール内で位置決めされ分極されることにより、隣接するモジュールのヒンジ接続された面が互いに隣接して位置決めされたときに磁気的に結合できるようになっている。
【0043】
マグネットを位置決めするための代表的な構造を示す
図5A―
図5Dについて以下に説明する。マグネットを面に隣接して位置決めするための追加の代表的な構造は、米国特許第10,569,185号及び米国特許第10,918,964号並びに米国特許第US2022/0047960号に記載されているものを含み、上記米国特許及び米国特許公開物は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる。
【0044】
図3において、モジュール330a―330pの各々は、単一の極性を有するマグネットである。しかし、他の実施例では、少なくとも幾つかのモジュールは、2つの極性のマグネットを有し、特に各マグネットの極性がヒンジ接続されたモジュールの対応する面のマグネットの極性と逆である場合は、そうである。したがって、
図3に示す構成は、限定的なものではなく、代表的なものである。
【0045】
更に、
図3は、モジュールごとに単一の「+」又は「―」マークを示しているが、そのようなマークは、複数のマグネットを表すことができ、すなわち、幾つかの実施例は、各面に隣接して位置決めされた複数のマグネット、例えば、各面に2つ又は3つのマグネットを含む。このような構成は、隣接するモジュール間の磁力を増加させることができる。実際には、単一モジュールの片面は、2つの極性のマグネットを有していてもよく、例えば、各マグネットが隣接するヒンジ接続されたモジュール上の対応するマグネットの極性と逆の極性を有する。
【0046】
図4は、
図1A―
図3の五面体モジュールパズルの1つの五面体モジュール430の概略的な2次元投影を示す。五面体モジュール430の幾何形状は、前記パズル内の1つおきの五面体モジュールと同じである。
【0047】
図示のように、五面体モジュール430は、3つの矩形面432a―432cと面432bの反対側に配置された2つの直角二等辺三角形面432d―432eとを含む5つの面432a―432eと、9つの辺436a―436iとを有する。9つの辺436a―436iは、図例434によって表される2つ又は3つの辺長を有する。具体的には、2つの二等辺三角形面432d、432e(例えば、直角二等辺三角形面)のそれぞれは、長さXを有する2つの辺と、長さX√(2)を有する1つの辺とを有する。
図4において、辺436a、436b、436c及び436dは、(三角形記号によって示される)辺長Xを有する。したがって、辺436e、436fは、辺長X√(2)を有する。三角形面432d、432eが直角二等辺三角形である実施例では、パズルは、
図2に示す立方体形態を実現することができる。
【0048】
図示された実施例では、辺436g、436h、436i(V字形記号で示される)も、それぞれ辺長X(辺436a、436b、436c、436dと類似する)を有する。これら3つの辺は、通常同じ辺長Xを有するが、他の実施例では、辺436g、436h、436iの相対長さは、辺436a、436b、436c、436dの長さと等しくなくてもよい。辺436gが辺436h―436iと同じ辺長を有するため、直角二等辺三角形面432d―432dの各々は、面432bから垂直に延びている(そして互いに平行である)ことを理解されたい。
【0049】
図3を
図4と比較すると、パズルのヒンジが各五面体モジュールの2つの垂直な辺に沿って整合して配置されていることがわかる。例えば、一実施例では、ヒンジは、辺436b及び辺436hに沿って配置されてもよい。別の実施例では、ヒンジは、辺436d及び辺436hに沿って配置されてもよい。別の実施例では、ヒンジは、辺436a及び辺436iに沿って配置することができる。更に別の実施例では、ヒンジは、辺436c及び辺436iに沿って配置されてもよい。有利には、この垂直ヒンジ配置は、パズルの操作を容易にする。
【0050】
前述したように、好ましくは、各五面体モジュール430は、
図5A―
図5Dに後述する構造を利用して、1つ又は複数のマグネットを配置することができる。
図4において、五面体モジュール430は、5つのマグネット438a―438eを備え、438a―438eは、5つの面のそれぞれに隣接して配置された1つ又は複数のマグネットを表す。
【0051】
幾つかの実施例では、マグネットのうちの少なくとも幾つかは、ヒンジ接続されたモジュールの鏡像化された面が磁気的に結合されるように、接続されたヒンジを有する面に隣接して位置決めされる(
図3に示す)。例えば、一実施例では、五面体モジュール430は、マグネット438a―438dを含むが、マグネット438aを含まない。別の実施例では、五面体モジュール430は、マグネット438a―438c及びマグネット438eを含むが、マグネット438dを含まない。
【0052】
幾つかの実施例では、非ヒンジ接続された多面体の鏡像化された面が互いに隣接して位置決めされたときに磁気的に結合されるように、マグネットのうちの少なくとも幾つかが位置決めされ分極される。例えば、
図3を簡単に参照すると、マグネットは、幾つかの形態(例えば、
図2に示す菱形角柱202cの形態)において磁気的に結合されるように、モジュール330cと330pの内側二等辺面に配置されてもよい。
【0053】
図4は、五面体モジュール430の各面が当該面に隣接して配置された少なくとも1つのマグネットを有することを示しているが、本発明は、幾つかの実施例において、モジュールの幾つかの面が、それに隣接して配置された何れかのマグネットも含まないことを考慮する。マグネットの数を減らすことは、製造コストの低減に有利にすることができる。
【0054】
図5Aは、
図3のモジュール330a―330pの各々に対応し、
図4に示すのと同じ幾何形状を有する五面体モジュール530を示す。モジュール530は、ケース540とカバー542とを含む。ケース540は、高密度及び低密度ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS、ABS)、ポリエステル(PET)又は他の適切な耐久性及び安全性のある材料などの成形ポリマーから形成することができる。
【0055】
ケース540は、開放端、上板544、下板546及び2つの側板548、550を有する二等辺三角形角柱(例えば、直角二等辺三角形角柱)である。上板544及び下板546は、45°の底角を有する直角二等辺三角形である。2つの側板548、550は、上板544と下板546とを接続して開口を形成し、カバー542は、当該開口に取り付けるための寸法及び形態に設置されている。したがって、上板544、下板546、2つの側板548、550及びカバー542は、モジュールを形成するために組み立てられてもよく、板、カバー、及びその面は、その内部のキャビティ552を画定する。他の実施例では、モジュール530の面のいずれかは、取り外し可能なカバーであってもよい。
【0056】
モジュール530は、その内部に複数のマグネットを備えている。次に、側板548、550の各隣接するマグネットを保持するための構造について説明する。
【0057】
何れかの実施例では、ケースは、キャビティの内面又はキャビティの上に形成された1つ又は複数の凹溝を備え、前記凹溝は、少なくとも部分的にストップブロックによって画定され、且つその内部にマグネットを収容する。例えば、
図5Bを参照すると、側板548には、その内面に形成された凹部又は凹溝554が設けられ、ストップブロック556は、凹溝554の円周をU字形に部分的に囲んで延びている。
【0058】
図5Dを簡単に参照すると、ストップブロック556は、凹溝554内のマグネット558の移動を制限するように構成されたクランプブロック560を形成する。クランプブロック560の端部は、下方に延びてストップブロック556から離れてストップブロック562を形成することにより、マグネット558の移動を更に防止する。クランプブロック560、ストップブロック562及び溝554は、追加のクランプブロック(以下で説明する)の助けを得てマグネット558を包囲する。対向する側板550には、類似する凹溝、クランプブロック及びストップブロックが設けられ、それらは、共同してマグネットを内部に保持する。
【0059】
何れかの実施例において、16個の五面体モジュールの各五面体モジュールのケースは、キャビティの内面から離れて延在するクランプブロックを含み、当該クランプブロックは、その遠位端に第1マグネットに隣接して位置決めされたマグネット隣接面を有する。例えば、
図5Cを参照すると、カバー542には、2つのクランプブロック572a、572b及び第3凹溝566が設けられ、当該第3凹溝566は、マグネット568を収容するように寸法設定されている。
【0060】
クランプブロック572aは、カバープレート570の内面から離れて延在する基部574aと、基部574aの上端から上方に延在する突起576aとを含む。マグネット隣接面578a(隣接面と略称する)は、突起576aと基部574aの上端との間にクランプブロック572aの遠位端が設けられている。マグネット隣接面578aは、カバー542に対する傾斜面である。各マグネット隣接面578a、578bは、ケースの複数の凹溝のうちの1つに隣接して位置決めされるように構成されている。類似的に、クランプブロック572bは、基部574bと、突起576bと、マグネット隣接面578bとを含む。
【0061】
したがって、各凹溝(例えば、554及び566)は、対応する面に隣接して位置決めされたマグネットを備える(又は、備えるように構成される)。例えば、
図5Dを参照すると、マグネット558は、クランプブロック560及びストップブロック562によって位置決めされ、側板548に隣接するように保持される。マグネット隣接面578aは、マグネット558に隣接し、突起576aとストップブロック556は、マグネット558の上端を囲み、基部574aと凹溝554の側壁は、マグネット558の下端を囲む。
【0062】
したがって、本発明のモジュール530は、側板にクランプブロック、ストップブロック及び凹溝を配置することによって、マグネットを収容する第1収容溝を形成する。有利には、この構造は、傾斜した側板550にマグネットを固定するのを容易にし、マグネット558の安定性を確保する。
【0063】
次に、マグネットを上板544及び下板546のそれぞれに隣接して保持するための構造について説明する。
【0064】
何れかの実施例において、16個の五面体モジュールの各五面体モジュールのケースには、キャビティの内面又はキャビティの上に形成された凹溝が設けられ、前記凹溝は、少なくとも部分的に、内面から離れて延在し且つマグネットを凹溝に保持する保持部によって画定される。
図5Bに戻って、上板544は、そこに形成された第2収容溝564aを有する。類似的に、
図5Aに最もよく示されるように、下板546には、第2収容溝564bが設けられている。上板544と下板546のそれぞれの第2収容溝564a、564bが同じ構造設計を有するため、このような構造は、1つのみ詳細に説明する。
【0065】
上板544の中央には、
図5Bに最適に示すように、係止講582と、上板544の内面から離れて延在する保持部584とが設けられ、前記保持部は、前記係止講の両側に設けられている。2つの保持部584の頂端(即ち、対応する内面から離れて配置された端)は、それぞれ上板544の中心線の方向に湾曲している。したがって、2つの保持部584は、第2収容溝564aを取り囲む。
【0066】
何れかの実施例では、16個の五面体モジュールのそれぞれは、キャビティの内面から離れて延在する第2クランプブロックを含み、第2クランプブロックは、凹溝内に延入し、且つマグネットをその中に保持する。例えば、再び
図5Cを参照すると、カバー542には、2つの第2クランプブロック580a、580bが設けられている。カバー542がケース540に組み立てられると、
図5Dに示すように、第2クランプブロック580a、580bの位置決め柱が、下板546と上板544のそれぞれの溝564a、564bに挿入され、それによって、それぞれのマグネットが固定される。
【0067】
有利には、第2収容溝564a、564b及び第2クランプブロック580a、580bが線形及び平面的であるため、これら2つのクランプブロック及び凹溝は、マグネットをより良く規制し、安定させることができる。また、ケース540とカバー542が射出成形により形成される場合、この設計は、金型を離型するのに便利である。
【0068】
次に、カバー542を上板544に取り付けるための構造について説明する。
【0069】
まず、
図5Aを参照すると、ケース540には、上板544、下板546、側板548、及び/又は、側板550に取り付けられることができる586a、586bなどの複数の環状固定部が設けられている。各固定部586a、586bには、それぞれの固定溝588a、588bが設けられている。
【0070】
図5Cに最適に示すように、カバー542は、固定溝588aに相補的な固定柱状物590a、590bを複数設けている。したがって、カバー542とケース540とが結合されると、各固定柱状物590aが対応する固定溝588aに挿入される。固定柱状物590aと固定溝588aとの間は、好ましくは、遷移嵌合(transition fit)又は締め嵌合(interference fit)が実施される。例示した実施例では、4つの固定部分と4つの対応する固定柱状物が存在し、しかし、異なる実施例では、より多く又はより少なく存在することができる。
【0071】
次に、カバー542に隣接するマグネットを保持するための構造について説明する。
【0072】
図5Cを参照すると、ボス592は、カバー542の中心に設けられ、それによってボス592は、凹溝566を取り囲む。なお、ボス592には、凹溝566が形成されている。マグネット568は、遷移嵌合によって凹溝566に固定することができ、あるいは、カバープレートを凹溝566の開口に密封することでマグネット568を凹溝566に密封するなど、他の方式で固定することができる。
【0073】
図5Dを参照すると、各側板548、550の外端(すなわち、カバー542に向かって配置された端)には、規制壁(buttress)594が設けられ、規制壁594の外側(すなわち、開口に面する側)は、カバー542に隣接している。したがって、カバー542とケース540との間の位置は、規制壁594によって規制して固定することができる。
【0074】
本発明の代表的な実施例は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書で説明する実施例に限定されない。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本発明の開示をより徹底的且つ全面的にすることである。
【0075】
注意すべきこは、1つの構成部品が別の構成部品に「接続」されていると考えられる場合、別の構成部品に直接接続してもよいし、介在する構成部品が存在してもよい。本明細書で使用される用語「上」、「下」、「側」、「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似する表現は、例示的な目的のためにのみ使用される。
【0076】
別途に限定されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書における本発明の説明に使用される用語は、具体的な実施例を説明するためだけの目的であり、本発明を制限することを意図していない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連するリスト項目の任意の組合せ及びすべての組合せを含む。
【国際調査報告】