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特表2024-542287機器のパフォーマンスデータを交換するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】機器のパフォーマンスデータを交換するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/22 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
G06F11/22 605Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547168
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022046669
(87)【国際公開番号】W WO2023069312
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】17/504,331
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/680,094
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】524149517
【氏名又は名称】エンドラ・ライフ・サイエンシズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・ギル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ソーントン
【テーマコード(参考)】
5B048
【Fターム(参考)】
5B048AA15
5B048EE09
(57)【要約】
機器のパフォーマンスデータを交換するための方法は、通信が遮断されたデバイスのパフォーマンスデータを取得するステップと、パフォーマンスデータをスキャン可能コードに変換するステップと、スキャン可能コードの画像をキャプチャするステップと、スキャン可能コードにエンコードされたアドレス文字列を抽出するために、通信可能デバイスを使用してスキャン可能コードをデコードするステップであって、アドレス文字列が、リモートサーバのアドレスとパフォーマンスデータとを備える、ステップと、通信可能デバイスによって、アドレス文字列を使用してリモートサーバとの通信リンクを開始し、それによってパフォーマンスデータをリモートサーバに提供するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信が遮断されたデバイスのパフォーマンスデータを取得するステップと、
前記パフォーマンスデータをスキャン可能コードに変換するステップと、
前記スキャン可能コードの画像をキャプチャするステップと、
前記スキャン可能コードにエンコードされたアドレス文字列を抽出するために、通信可能デバイスを使用して前記スキャン可能コードをデコードするステップであって、前記アドレス文字列が、リモートサーバのアドレスと前記パフォーマンスデータとを備える、ステップと、
前記通信可能デバイスによって、前記アドレス文字列を使用して前記リモートサーバとの通信リンクを開始し、それによって前記パフォーマンスデータを前記リモートサーバに提供するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
前記リモートサーバによって、前記パフォーマンスデータの分析を実行するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
履歴的デバイスパフォーマンスデータおよび/または分析結果をリモートコンピューティングデバイスに送信するステップと、
前記履歴的デバイスパフォーマンスデータおよび/または分析結果へのリンクを前記リモートコンピューティングデバイスに送信するステップと
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記通信が遮断されたデバイスが医用画像機器であり、前記パフォーマンスデータを取得するステップが、前記医用画像機器を使用してファントムをスキャンするステップおよび/または医用画像機器のセンサデータを獲得するステップと、前記医用画像機器の1つまたは複数の動作パラメータを識別するシステム状態レポートを生成するステップとを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記通信が遮断されたデバイスが包装機器であり、前記パフォーマンスデータを取得するステップが、
前記包装機器を通じて較正ファントムを実行するステップと、
較正ユニットを用いて前記較正ファントムをスキャンするステップと、
前記包装機器の1つまたは複数の動作パラメータを識別するシステム状態レポートを生成するために、前記較正ユニットを使用するステップと
を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記変換するステップの前に、前記パフォーマンスデータをエンコードするステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エンコードするステップが、前記パフォーマンスデータをシリアル化するステップと、前記パフォーマンスデータの改ざんを防止するために前記シリアル化されたパフォーマンスデータを変換するステップとを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記シリアル化されたパフォーマンスデータを変換するステップが、前記シリアル化されたパフォーマンスデータにチェックサム関数または暗号化プログラムのうちの1つを適用するステップを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記適用するステップが、前記シリアル化されたパフォーマンスデータに付加されるデジタル署名を生成するために、前記シリアル化されたパフォーマンスデータに前記チェックサム関数を適用するステップを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エンコードするステップが、前記変換されたシリアル化されたパフォーマンスデータをアドレス文字列フォーマットにサニタイズするステップと、前記リモートサーバの前記アドレスを前記サニタイズされたパフォーマンスデータの先頭に付加し、それによって前記アドレス文字列を形成するステップとをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スキャン可能コードがマトリックスコードである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記マトリックスコードはクイックレスポンス(QR)コードである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記変換するステップの後に、前記通信が遮断されたデバイスのディスプレイコンソール上に前記スキャン可能コードを提示するステップ、および/または物理媒体上に前記スキャン可能コードを印刷するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記通信可能デバイスを用いて前記スキャン可能コードの前記画像をキャプチャするステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
サーバによって、通信可能デバイスからネットワーク接続要求を受信するステップであって、前記ネットワーク接続要求が、スキャン可能コードの画像から抽出されたアドレス文字列を備え、前記アドレス文字列が、前記サーバのアドレスと、通信が遮断されたデバイスのパフォーマンスデータとを備える、ステップと、
前記サーバによって、ネットワーク接続要求から前記パフォーマンスデータを抽出するステップと、
前記サーバによって、前記パフォーマンスデータを検証するステップと
を備える、方法。
【請求項16】
前記検証するステップが、
署名を生成するために、前記抽出されたパフォーマンスデータにチェックサム関数を適用するステップと、
前記署名と生成された署名が一致するかどうかを決定するために、前記生成された署名をアドレス文字列内の署名と比較するステップと
を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
履歴的パフォーマンスデータを作成するために、前記サーバによって、データベース内の以前のパフォーマンスデータを用いて前記パフォーマンスデータをコンパイルするステップをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記パフォーマンスデータの分析を実行するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記履歴的パフォーマンスデータおよび/または前記分析結果をリモートコンピューティングデバイスに送信するステップと、
前記履歴的パフォーマンスデータおよび/または前記分析結果へのリンクを前記リモートコンピューティングデバイスに送信するステップと
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、機器のパフォーマンスデータを交換するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の世界では、ワイヤレスおよび/またはワイヤードネットワークを介して他のデバイスと自由に通信できる機能をデバイスに提供するのが一般的である。とはいえ、デバイスがこの方法で自由に通信できない、または望ましくない場合も多くある。これらのデバイスは、様々な理由で通信が遮断される可能性がある。たとえば、そのような通信機能を有することなく製造された多くのレガシデバイスが依然として存在し、使用され続けている。一部の環境において、サードパーティによるハッキングの試み、機密情報への望ましくないアクセス、または他の理由によるリスクを軽減するために、デバイスの接続が制限されている。これは、ファイアウォールおよび/または他のセキュリティ対策の結果であってもよく、単にデバイス所有者の選択であってもよい。一部の環境において、地理的な位置の結果としてデバイスの接続が制限される。
【0003】
理解されるように、デバイスの通信が遮断されている場合、パフォーマンスを監視し、分析をリモートで実行することが課題となる可能性がある。当然のことながら、通信が遮断されたデバイスの監視と評価の改善が所望される。
【0004】
したがって、機器のパフォーマンスデータを交換するための新規な方法およびシステムを提供することが目的である。
【0005】
この背景は、当業者が以下の簡潔で詳細な説明をより良く理解できるように場面を設定するだけの役割を果たす。上記の議論はいずれも、この議論が最先端技術の一部であるか、一般的な一般知識であるという認識として必ずしも受け取られるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この簡単な説明は、以下の詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されることを理解されたい。この簡単な説明は、請求される主題の範囲を制限するために使用されることが意図されるものではない。
【0007】
したがって、一態様では、通信が遮断されたデバイスのパフォーマンスデータを取得するステップと、パフォーマンスデータをスキャン可能コードに変換するステップと、スキャン可能コードの画像をキャプチャするステップと、スキャン可能コードにエンコードされたアドレス文字列を抽出するために、通信可能デバイスを使用してスキャン可能コードをデコードするステップであって、アドレス文字列が、リモートサーバのアドレスとパフォーマンスデータとを備える、ステップと、通信可能デバイスによって、アドレス文字列を使用してリモートサーバとの通信リンクを開始し、それによってパフォーマンスデータをリモートサーバに提供するステップとを備える方法が提供される。
【0008】
1つまたは複数の実施形態では、本方法は、リモートサーバによって、パフォーマンスデータの分析を実行するステップをさらに備える。
【0009】
1つまたは複数の実施形態では、本方法は、履歴的デバイスパフォーマンスデータおよび/または分析結果をリモートコンピューティングデバイスに送信するステップと、履歴的デバイスパフォーマンスデータおよび/または分析結果へのリンクをリモートコンピューティングデバイスに送信するステップとのうちの少なくとも1つをさらに備える。一形態では、通信可能デバイスおよびリモートデバイスは、同じデバイスであってもよく、異なるデバイスであってもよい。
【0010】
1つまたは複数の実施形態では、通信が遮断されたデバイスは医用画像機器であり、パフォーマンスデータを取得するステップは、医用画像機器を使用してファントムをスキャンするステップと、医用画像機器の1つまたは複数の動作パラメータを識別するシステム状態レポートを生成するステップとを備える。
【0011】
1つまたは複数の実施形態では、通信が遮断されたデバイスは包装機器であり、パフォーマンスデータを取得するステップは、包装機器を使用して較正ユニットをスキャンするステップと、包装機器の1つまたは複数の動作パラメータを識別するシステム状態レポートを生成するステップとを備える。
【0012】
1つまたは複数の実施形態では、本方法は、変換するステップの前に、パフォーマンスデータをエンコードするステップを備える。一形態では、エンコードするステップは、パフォーマンスデータをシリアル化するステップと、パフォーマンスデータの改ざんを防止するためにシリアル化されたパフォーマンスデータを変換するステップとを備える。一形態では、シリアル化されたパフォーマンスデータを変換するステップは、シリアル化されたパフォーマンスデータにチェックサム関数または暗号化プログラムのうちの1つを適用するステップを備える。一形態では、適用するステップは、シリアル化されたパフォーマンスデータに付加されるデジタル署名を生成するために、シリアル化されたパフォーマンスデータにチェックサム関数を適用するステップを備える。一形態では、エンコードするステップは、変換されたシリアル化されたパフォーマンスデータをアドレス文字列フォーマットにサニタイズするステップと、リモートサーバのアドレスをサニタイズされたパフォーマンスデータの先頭に付加し、それによってアドレス文字列を形成するステップとをさらに備える。
【0013】
1つまたは複数の実施形態では、スキャン可能コードはマトリックスコードである。一形態では、マトリックスコードはクイックレスポンス(QR)コードである。
【0014】
1つまたは複数の実施形態では、本方法は、変換するステップの後に、通信が遮断されたデバイスのディスプレイコンソール上にスキャン可能コードを提示するステップ、および/または物理媒体上にスキャン可能コードを印刷するステップをさらに備える。
【0015】
1つまたは複数の実施形態では、本方法は、通信可能デバイスを用いてスキャン可能コードの画像をキャプチャするステップを備える。
【0016】
別の態様によれば、サーバによって、通信可能デバイスからネットワーク接続要求を受信するステップであって、ネットワーク接続要求が、スキャン可能コードの画像から抽出されたアドレス文字列を備え、アドレス文字列が、サーバのアドレスと、通信が遮断されたデバイスのパフォーマンスデータとを備える、ステップと、サーバによって、ネットワーク接続要求からパフォーマンスデータを抽出するステップと、サーバによって、パフォーマンスデータを検証するステップとを備える方法が提供される。
【0017】
1つまたは複数の実施形態では、検証するステップは、署名を生成するために、抽出されたパフォーマンスデータにチェックサム関数を適用するステップと、署名と生成された署名が一致するかどうかを決定するために、生成された署名をアドレス文字列内の署名と比較するステップとを備える。
【0018】
1つまたは複数の実施形態では、本方法は、履歴的パフォーマンスデータを作成するために、サーバによって、データベース内の以前のパフォーマンスデータを用いてパフォーマンスデータをコンパイルするステップをさらに備える。
【0019】
1つまたは複数の実施形態では、本方法は、パフォーマンスデータの分析を実行するステップをさらに備える。
【0020】
1つまたは複数の実施形態では、本方法は、履歴的パフォーマンスデータおよび/または分析結果をリモートコンピューティングデバイスに送信するステップと、履歴的パフォーマンスデータおよび/または分析結果へのリンクをリモートコンピューティングデバイスに送信するステップとのうちの少なくとも1つをさらに備える。
【0021】
次に、添付の図面を参照して、実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】医用画像機器のパフォーマンスデータを交換するためのシステムの概略図である。
図2図1のシステムによって実行される医用画像機器パフォーマンスデータを交換するための方法のフローチャートである。
図3】医用画像機器のパフォーマンスパラメータを備えるシステム状態レポートと、医用画像機器のディスプレイコンソール上に提示されるシステム状態レポートを備えるマトリックスコードとを示す図である。
図4図2の方法中に実行されるパフォーマンスデータ処理のフローチャートである。
図5図2の方法中に実行されるパフォーマンスデータ処理の別のフローチャートである。
図6図1のシステムによって生成された例示的な履歴データである。
図7】包装機器パフォーマンスデータを交換するためのシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
前述の簡単な説明、ならびに特定の例に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばよりよく理解されるであろう。本明細書で使用される場合、単数形で導入され、単語「a」または「an」が前に付く機能、構造、要素、コンポーネントなどは、必ずしも複数の機能、構造、要素、コンポーネントなどを排除するものではないと理解されるべきである。さらに、「一例(one example)」または「一実施形態(one embodiment)」への言及は、記載された機能、構造、要素、コンポーネントなども組み込む追加の例または実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0024】
明示的に反対の記載がない限り、機能、構造、要素、コンポーネントなどを「備えている(comprising)」、「有している(having)」、または「含んでいる(including)」例または実施形態、あるいは特定の特性を有する複数の機能、構造、要素、コンポーネントなどは、その特性を有していない追加の機能、構造、要素、コンポーネントなどを含み得る。また、用語「備える(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」は「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」を意味し、用語「備えている」、「有している」、および「含んでいる」は同等の意味を有することが理解されよう。
【0025】
本明細書で使用される場合、「および/または(and/or)」という用語は、関連して列挙された機能、構造、要素、コンポーネントまたは他の主題のうちの1つまたは複数の任意のおよびすべての組合せを含むことができる。
【0026】
本明細書における「例(example)」への言及は、例に関連して説明される1つまたは複数の機能、構造、要素、コンポーネント、特徴および/または動作ステップが、主題による本開示による主題の少なくとも1つの実施形態および/または実装形態に含まれることを意味する。したがって、本開示による主題全体にわたる「一例(an example)」、「別の例(another example)」、および同様の表現は、同じ例を指し得るが、必ずしも同じ例を指すわけではない。さらに、任意の1つの例を特徴付ける主題は、他の任意の例を特徴付ける主題を含み得るが、必ずしもそうである必要はない。
【0027】
本明細書における「構成された(configured)」、「動作する(operative)」、および「適応した(adapted)」という用語は、機能、構造、要素、コンポーネント、または他の主題を、「~ように構成された(configured to)」、「~ように動作する(operative to)」、および「~に適応した(adapted to)」というフレーズの前にある、機能、構造、要素、コンポーネント、または他の主題の物理的特徴に基本的に結び付ける。したがって、「構成された」、「動作する」、および「適応した」は、機能、構造、要素、コンポーネント、または他の主題が、所与の機能を実行するように設計および/または意図されていることを意味する。その結果、「構成された」、「動作する」、および「適応した」という用語の使用は、所与の機能、構造、要素、コンポーネント、または他の主題が単に所与の機能を実行することが「できる(capable of)」ことを意味するものとして解釈されるべきではなく、機能を実行する目的で、機能、構造、要素、コンポーネント、および/または他の主題が特別に選択、作成、実装、利用、および/または設計されることを意味する。
【0028】
特に明記しない限り、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、本明細書では単にラベルとして使用されており、これらの用語が指す項目に順序、位置、または階層的な要件を課すことが意図されるものではない。さらに、「第2の」項目への参照は、より小さい番号の項目(たとえば、「第1の」項目)および/またはより大きい番号の項目(たとえば、「第3の」項目)の存在を要求したり排除したりするものではない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「およそ(approximately)」、「約(about)」、「実質的に(substantially)」、「一般に(generally)」などの用語は、所望の機能が実行される、または所望の結果が達成される、記載された量または条件に近い量または条件を表す。たとえば、「およそ」、「約」、「実質的に」、「一般に」などの用語は、当業者によって容易に理解される、指定された正確な値または条件に対する工学的許容範囲内の量または条件を指し得る。
【0030】
一般に、本明細書では、機器のパフォーマンスデータを交換するための方法およびシステムについて説明する。本方法およびシステムは、通信が遮断された機器の動作を監視および評価できるようにするために特に適している。このようにして、通信が遮断された機器は、必要に応じて修理され、機器の製造業者/供給業者またはメンテナンス/サービスプロバイダとの直接的または妨げられない接続がないにもかかわらず、その動作が較正される。
【0031】
本出願の文脈内での通信が遮断されたとは、パフォーマンスまたは他の選択されたデータを含む通信機能が意図的または他の方法で禁止または制限、あるいは制約されている機器を指す。たとえば、通信が遮断された機器は、通信機能を持たないレガシ機器であり得る。通信が遮断された機器は、通信リンクの確立が困難または不可能な地理的に離れた場所に配置され得る。通信が遮断された機器は、ファイアウォールおよび/または他のセキュリティ対策により、通信が遮断された機器が外部デバイスとの通信リンクを確立する能力を禁止または制限する環境に配置され得る。通信が遮断された機器の通信能力は、特定のデータが表示または提示されることを禁止したり、特定のデータが現場担当者によって通信が遮断された機器から直接ダウンロードされなければならないことを回避したりするために制約され得る。
【0032】
一形態では、本方法は、通信が遮断されたデバイスのパフォーマンスデータを取得するステップと、パフォーマンスデータをスキャン可能コードに変換するステップとを含む。スキャン可能コードにエンコードされたアドレス文字列を抽出するために、スキャン可能コードの画像がキャプチャされ、通信可能デバイスを使用してスキャン可能コードがデコードされる。アドレス文字列は、リモートサーバのアドレスとパフォーマンスデータとを備える。リモートサーバとの通信リンクは、アドレス文字列を使用して通信可能デバイスによって開始され、それによってパフォーマンスデータをリモートサーバに提供する。リモートサーバはアドレス文字列からパフォーマンスデータを抽出し、パフォーマンスデータを検証する。検証が完了すると、通信が遮断されたデバイスの動作を評価するために、パフォーマンスデータは履歴的パフォーマンスデータを用いてコンパイルされ、および/またはパフォーマンスデータに対して分析が実行される。次いで、履歴的パフォーマンスデータおよび/または分析の結果をデバイスの所有者/オペレータに送信するか、履歴的パフォーマンスデータおよび/または分析の結果へのリンクを通信が遮断されたデバイスの所有者/オペレータに送信することによって、通信が遮断されたデバイスの所有者/オペレータにフィードバックを提供することができる。次に、方法およびシステムに関するさらなる詳細について説明する。
【0033】
次に図1を参照すると、機器のパフォーマンスデータを交換するためのシステムが示されており、一般に参照符号100によって識別されている。この実施形態では、機器は、通信が遮断された医用画像機器102である。医用画像機器102は、それ自体の表示および処理能力を備えたスタンドアロンデバイスであってもよい。あるいは、医用画像機器102は、ワイヤードおよび/またはワイヤレス通信リンクを介して表示および処理機能を提供する1つまたは複数のコンピューティングデバイスとローカルまたはワイドエリアネットワークを介して通信する画像ユニットを備え得る。たとえば、医用画像機器102は、熱音響(TA)画像システム、超音波(US)画像システム、磁気共鳴(MR)画像システム、またはコンピュータ断層撮影(CT)画像システムであってもよい。もちろん、医用画像機器102は、治療機器などの他の形態をとってもよい。
【0034】
当業者には理解されるように、医用画像機器102は機密性の高い患者データを獲得し、したがって、通常、医用画像機器と外部のコンピューティングデバイス(たとえば、そのネットワークの外側のコンピューティングデバイス)との接続が禁止または制限されている環境に配置される。
【0035】
医用画像機器102の製造業者、あるいは医用画像機器製造業者の関連会社または支社に関連付けられるウェブサーバなどのリモートサーバ104は、医用画像機器102のパフォーマンスを監視および評価できるようにするために、通信可能デバイス106から医用画像機器102のパフォーマンスデータを受信することと、受信したパフォーマンスデータを処理することとを行うように構成されている。当業者にはよく知られているように、リモートサーバ104は、たとえば、1つまたは複数のプロセッサ、システムメモリ(揮発性および/または不揮発性メモリ)、他の取外し不可能または取外し可能メモリ(たとえば、ハードディスクドライブ、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリなど)、および様々なコンピュータコンポーネントを1つまたは複数のプロセッサに接続するシステムバスを備える。
【0036】
この実施形態では、通信可能デバイス106は、スマートモバイルまたはセルラー電話、タブレットまたはパッドコンピューティングデバイス、あるいは画像キャプチャおよびインターネット通信機能を有する他のポータブルコンピューティングデバイスである。この種のデバイスは当業者にはよく知られているため、通信可能デバイス106の詳細については本明細書では説明しない。通信可能デバイス106は、医用画像機器102によって生成されたエンコードされたパフォーマンスデータの画像をキャプチャすることと、後述するように、インターネット接続108などの通信リンクを介してエンコードされたパフォーマンスデータをリモートサーバ104に送信することとを行うように動作可能である。
【0037】
本実施形態では、医用画像機器102の動作を監視および評価できるようにするために、医用画像機器102は診断アプリケーションをインストールしている。診断アプリケーションは、オペレータの入力に応じて実行することもでき、プログラムされた間隔で自動的に実行することもできる。一般に、診断アプリケーションが開始されると、図2に示されるように、参照番号200によって一般に識別されるパフォーマンスデータ交換方法が実行される。特に、診断アプリケーションが開始されると、医用画像機器102のパフォーマンスデータを備えるレポートが生成される(ステップ202)。次いで、レポートのパフォーマンスデータは、パフォーマンスデータをエンコードして保護するために処理され(ステップ204)、処理されたパフォーマンスデータは、リモートサーバ104のユニフォームリソースロケータ(URL)(すなわち、ウェブアドレス)に付加される(ステップ206)。次いで、パフォーマンスデータを含むURLは、クイックレスポンス(QR)コードなどのスキャン可能マトリックスコードに変換され、医用画像機器102のディスプレイコンソール、スクリーン、モニタなどにURLを表示することによって、および/または物理媒体にURLを印刷することによって提示される(ステップ208)。次いで、提示されたマトリックスコードは、通信可能デバイス106によって画像化することができる(ステップ210)。
【0038】
画像化されると、通信可能デバイス106を、URLを抽出するためにマトリックスコードを処理およびデコードし、次いで、リモートサーバ104とのインターネット接続を確立するためにそのURLを使用するように調整することができる(ステップ212)。リモートサーバ104は、確立されたインターネット接続に応答して、医用画像機器102のパフォーマンスデータを抽出するためにURLを処理する(ステップ214)。次いで、パフォーマンスデータは、リモートサーバ104によって内部データベースに記憶され、医用画像機器102の動作を監視および評価できるようにするために、それによって評価される(ステップ216)。次いで、医用画像機器102の動作に関するフィードバックを医用画像機器102の所有者/オペレータに提供して、必要に応じて医用画像機器を再較正できるようにすることができる(ステップ218)。
【0039】
この実施形態では、ステップ202において診断アプリケーションが初期化されると、医用画像機器102は、ファントム110などの知られているパフォーマンス目標をスキャンまたは画像化することと、および/または医用画像機器102のオンボードセンサからデータを獲得することとを行うように調整される。知られているパフォーマンス目標がスキャンまたは画像化され、および/またはオンボードセンサデータが獲得されると、システム状態レポートの形式のパフォーマンスデータが医用画像機器102によって自動生成され、図3に示されるように、医用画像機器102のディスプレイコンソール上に提示される。この例では、システム状態レポートは、平均電圧定在波比(VSWR)、平均順方向電力、平均信号対雑音比(SNR)、SNR標準偏差、および医用画像機器102のSNRなどの医用画像機器102の複数のパフォーマンスパラメータ300を識別する。しかしながら、当業者であれば、システム状態レポートが医用画像機器102のより少ないまたはより多くのパフォーマンスパラメータを識別し得ることを理解するであろう。上述したように、システム状態レポートの生成に続いて、システム状態レポートはステップ204において処理され、ステップ206においてURLに変換される。次いで、URLはマトリックスコード302に変換され、医用画像機器102のディスプレイコンソール上に提示され、および/または物理媒体上に印刷される。当業者であれば、システム状態レポートが医用画像機器102のディスプレイコンソール上に提示される必要がないことも理解するであろう。システムステータスレポートは、生成されると、マトリックスコードのみが医用画像機器102のディスプレイコンソールに提示されるように、URLに直接変換され、次いで、マトリックスコード302に変換され得る。
【0040】
次に図4を参照すると、図2のステップ204におけるパフォーマンスデータの処理中に実行されるステップが示されている。見てわかるように、パフォーマンスデータをバイナリバイト文字列に変換するために、パフォーマンスデータが最初にシリアル化される。(ステップ402)。この実施形態では、パフォーマンスデータをバイナリバイト文字列に変換するためにGoogleプロトコルバッファが使用される。シリアル化されると、パフォーマンスデータのバイナリバイト文字列は、バイナリバイト文字列を保護するために変換され、それによってパフォーマンスデータの改ざんを防止する(ステップ404)。これにより、パフォーマンスデータの整合性が保証される。この実施形態では、パフォーマンスデータのシリアル化されたバイナリバイト文字列は、通常長さが160ビットの対称ハッシュベースの認証コード(HMAC)を生成するために、バイナリバイト文字列にSHA1ハッシュ関数などのチェックサム関数を適用することによってデジタル署名される。次いで、HMACがヘッダとしてバイナリバイト文字列の先頭に付加される。しかしながら、当業者であれば、パフォーマンスデータのシリアル化されたバイナリバイト文字列を変換する代替方法が使用され得ることを理解するであろう。たとえば、パフォーマンスデータのシリアル化されたバイナリバイト文字列は、x509公開キー暗号化、プリティグッドプライバシ(pretty good privacy、PGP)暗号化、ソルトパックなどを使用して変換され得る。
【0041】
パフォーマンスデータのシリアル化されたバイナリバイト文字列のデジタル署名に続いて、HMACヘッダおよびシリアル化されたバイナリバイト文字列を備えるデジタル署名されたバイナリバイトストリームが、インターネット接続108を介した送信を容易にするためにサニタイズされる(ステップ406)。この実施形態では、サニタイズ中に、デジタル署名されたバイナリバイトストリームが、URLセーフであるbase64表現に変換される。
【0042】
次いで、ステップ206において、アドレス文字列を得るために、リモートサーバ14および1つまたは複数のサーバルートパスを識別するURLがbase64表現の先頭に付加される。この実施形態では、結果として得られるアドレス文字列は、たとえば、https://webservername/webserverroutepath(s)/base64-encoded-byte-stringの形式のHTTP/1 GETスタイルのURLである。次いで、ステップ208において、URLは、標準QRコードライブラリを使用してQRコード302に変換され、QRコードは、医用画像機器102のディスプレイコンソール上に提示され、および/または物理媒体上に印刷される。
【0043】
医用画像機器102のディスプレイコンソール上に提示され、および/または物理媒体上に印刷されると、QRコード302の画像は、通信可能デバイス106を介してキャプチャすることができる。QRコードの画像が通信可能デバイス106によってキャプチャされると、QRコードは通信可能デバイス106によってデコードされ、その結果、HTTP/1 GETスタイルのURLが、通信可能デバイス106上のディスプレイ画面上のウェブブラウザ内に表示される。通信可能デバイス106のユーザが、表示されたHTTP/1 GETスタイルのURLを選択すると、通信可能デバイス106は、インターネット接続108を介してURLにおいて識別されるリモートサーバ104に配信されるHTTP GET要求を送信する。
【0044】
HTTP GET要求を受信すると、リモートサーバ104は、URLにおいて識別されたサーバルートパスに従ってHTTP GET要求をルーティングし、ステップ214においてURLを処理する。図5は、ステップ214におけるURLの処理中に実行されるステップを示している。特に、ステップ214中に、リモートサーバ104は、URLの末尾部分(すなわち、デジタル署名されたバイナリバイト文字列のbase64表現)を抽出し、それをbase64でエンコードされたペイロードとして解釈する(ステップ502)。次いで、リモートサーバ104は、base64でエンコードされたペイロードをデジタル署名されたバイナリバイト文字列に変換して戻す(ステップ504)。次いで、デジタル署名されたバイナリバイト文字列は、リモートサーバ104によってHMACヘッダと後続ペイロードに分割される(ステップ506)。次いで、リモートサーバ104は、別のHMAC署名を生成するために後続ペイロードに同じSHA1ハッシュ関数を適用し(ステップ508)、後続ペイロードのHMAC署名をHMACヘッダと比較する(ステップ510)する。後続ペイロードのHMAC署名がHMACヘッダと一致する場合、リモートサーバ104は、後続ペイロードが有効なパフォーマンスデータを備えると決定する。後続ペイロードのHMAC署名がHMACヘッダと一致しない場合、リモートサーバ104は後続ペイロードを無視し、パフォーマンスデータにエラーがあることを示すエラーメッセージを生成する。
【0045】
後続ペイロードが有効なパフォーマンスデータを備えると決定された場合、リモートサーバ104は、パフォーマンスレポートを再構築するために、たとえばGoogleプロトコルバッファを使用して後続ペイロードを逆シリアル化する(ステップ512)。次いで、リモートサーバ104は、パフォーマンスレポートが内部データベースにすでに存在するかどうかを決定するためのチェックを実行する。パフォーマンスレポートが内部データベースにすでに存在する場合、リモートサーバ104はパフォーマンスレポートを無視し、パフォーマンスレポートが重複していることを示すエラーメッセージを生成する。
【0046】
上記のステップ216に続いて、パフォーマンスレポートが内部データベースに存在しない場合、リモートサーバ104はパフォーマンスレポートを内部データベースに追加し、受け入れられたメッセージを生成する。パフォーマンスレポートが内部データベースに追加されると、たとえば、パフォーマンスレポートを以前のパフォーマンスレポート、動作基準/規範などと比較して、医用画像機器102の動作上の健全性を決定するために、パフォーマンスデータに対して分析を実行することができる。次いで、ダッシュボードを更新するために、分析の結果を使用することができる。次に、ダッシュボードまたはダッシュボードへのリンクを、インターネット接続108を介して医用画像機器102の所有者/オペレータに送信し(ステップ218)、それによって医用画像機器の所有者/オペレータにフィードバックを提供することができる。このステップ中、医用画像機器102の所有者/オペレータに送信されるダッシュボードまたはリンクは、医用画像機器102を再較正するために医用画像機器102に入力するための較正データを備え得る。較正データは、医用画像入力102への入力を容易にする形式で提供されてよく、スキャン可能なコードの形式をとり得る。
【0047】
たとえば、図6は、医用画像機器の所有者/オペレータにとってアクセス可能な医用画像機器102の例示的な履歴データを示している。特に、図6は、9か月にわたる品質保証ファントムの測定結果から導き出されたシステム信号対雑音(SNR)比の結果を示している。通常の動作では、医用画像機器の指定された信号対雑音比は20以上である。2018年4月における最後の測定は、医用画像機器が仕様を満たしておらず、修理が必要であることを示している。
【0048】
当業者には理解されるように、医用画像機器102のパフォーマンスデータをスキャン可能コード内に組み込むことは有利である可能性がある。たとえば、サービス中に、このようにパフォーマンスデータを提示することにより、機密パフォーマンスデータが表示されることが回避され、それによって、医用画像機器102の診断出力が顧客にとって不透明に保たれる。また、医用画像機器によって獲得されるデータの機密性により、サービス担当者は、パフォーマンスデータにアクセスするためにラップトップ、ジャンプドライブなどのデバイスを医用画像機器102に接続することを許可されない場合がある。そのような場合、スキャン可能コード内にパフォーマンスデータを組み込むことにより、サービス担当者がパフォーマンスデータにアクセスできるようになり、サービス担当者が表示された診断出力、一連の画像またはビデオを手動で記録する必要がなくなる。さらに、スキャン可能コード内にパフォーマンスデータを組み込むことにより、医用画像機器102が配置されている環境のネットワークおよびセキュリティポリシを回避しながら、パフォーマンスデータにアクセスすることが可能になる。さらに、スキャン可能コード内にパフォーマンスデータを組み込むことにより、パフォーマンスデータを分析のために簡単に送信することが可能になり、オンサイトの予防メンテナンス訪問の必要性が軽減される。
【0049】
上述のシステムおよび方法において、通信可能デバイス106は、マトリックスコードの画像をキャプチャし、リモートサーバ104のURLを抽出するためにマトリックスコードをデコードし、次いで、リモートサーバとのインターネット接続を確立するものとして説明されている。当業者であれば、これらのステップが医用画像機器106の近くで、マトリックスコードの画像が獲得された後にリアルタイムで実行され得ることを理解するであろう。あるいは、画像キャプチャ時にインターネット接続108が容易に利用できない場合には、必要に応じて、マトリックスコードの画像がキャプチャされた後十分にリモートサーバ104とのインターネット接続を確立するために、通信可能デバイスが調整され得る。
【0050】
当業者であれば、マトリックスコードの画像が通信可能デバイス106によって獲得される必要がないことを理解するであろう。代わりに、マトリックスコードの画像をキャプチャするために、従来のカメラなどの撮像デバイス106が使用され得る。次いで、パフォーマンスデータがリモートサーバ104にアップロードされることを可能にするために、キャプチャされた画像は、通信可能デバイス106によってオフサイトで再画像化またはスキャンされ、上述のように処理される。
【0051】
医用画像機器について具体的に言及するが、当業者であれば、機器が他の形態をとり得ることを理解するであろう。本発明の方法は、基本的に、そのパフォーマンスを監視および評価することが望まれるあらゆる通信が遮断された機器に適用可能である。
【0052】
たとえば、次に図7を参照すると、包装機器パフォーマンスデータを交換するためのシステムが示されており、一般に参照番号600によって識別される。システム600は、図1に示されるシステム100と同様であり、図1に示されており通信が遮断された包装機器602および較正ユニット612を備える。前の実施形態と同様に、システム600はまた、通信可能デバイス606から包装機器602のパフォーマンスデータを受信することと、包装機器602のパフォーマンスを監視および評価できるようにし、包装機器602の所有者/オペレータに較正データを返し、それによって包装機器を再較正できるようにするために受信したパフォーマンスデータを処理することとを行うように構成される、包装機器602の製造業者、あるいは包装機器製造業者の関連会社または支社に関連付けられるリモートサーバ104を備える。
【0053】
この実施形態では、包装機器602が較正から外れたと決定されたとき、または任意の所望の間隔で、包装機器メーカによって包装機器602の所有者/オペレータに包装ファントム610が提供される。この実施形態における包装ファントム610は、包装機器602がその充填およびシール動作を実行できるようにするために、包装機器602を通過するパッケージである。包装ファントム610には、包装ファントム610上で包装動作が実行された後に、較正ユニット612によってスキャンされるマーキングが印刷されるか、さもなければその上に設けられる。次に、較正ユニット612は、包装機器602の較正状態を表すエンジニアリングコードを生成し、そのエンジニアリングコードを、通信可能デバイス106によってスキャンされ、前の実施形態と同様の方法で処理できるQRコードなどのマトリックスコードに変換し、それによって、必要に応じて、包装機器602の較正状態を評価し、再較正データを包装機器602の所有者/オペレータに提供できるようにする。
【0054】
一実施形態では、較正ユニット612および包装機器602は、同じハウジングの有無にかかわらず、同じサブシステムに組み合わされる。
【0055】
理解されるように、本発明のシステムおよび方法により、マトリックスコードの画像キャプチャを通じたユーザ認証を必要とせずに、通信が遮断された機器のパフォーマンスデータをリモートサーバに安全にアップロードできるようになり、機器のパフォーマンスを監視および分析できるようになる。機器の履歴パフォーマンスおよび/または分析結果が、機器の所有者/オペレータにとって利用できるようになり、必要に応じて所有者/オペレータが機器を再較正できるようになる。
【0056】
実施形態を説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく変更および修正が行われ得ることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0057】
100 システム
102 医用画像機器
104 リモートサーバ
106 通信可能デバイス
108 インターネット接続
110 ファントム
200 参照番号
302 マトリックスコード
302 QRコード
600 参照番号
600 システム
602 包装機器
610 包装ファントム
612 較正ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】