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特表2024-542288摂取可能なカプセルの位置を判定するための方法、プログラム、及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】摂取可能なカプセルの位置を判定するための方法、プログラム、及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
A61B10/02 160
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024547799
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 AU2022051270
(87)【国際公開番号】W WO2023064996
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】2021903378
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2022900873
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】524154005
【氏名又は名称】アトモ バイオサイエンシーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ビリーン,カイル
(72)【発明者】
【氏名】ヘブルホワイト,マルコム
(72)【発明者】
【氏名】クライムス,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ロール,エドゥアルド ラス
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,スペンサー テリー
(57)【要約】
対象哺乳動物の消化管内の摂取可能なカプセルの位置を判定する方法であって、摂取可能なカプセルを、摂取のために対象哺乳動物に提供することであって、摂取可能なカプセルが、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を含む、提供することと、摂取可能なカプセルの読み取り値を時間の関数として記録することであって、読み取り値が、TCDガスセンサ読み取り値と、VOCガスセンサ読み取り値と、を含む、記録することと、記録された読み取り値を処理することと、を含み、処理することが、胃十二指腸移行のタイミングを判定することであって、タイミングを判定することが、記録されたTCDガスセンサの読み取り値を含む記録された読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することを含む、タイミングを判定することと、摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングを判定することであって、タイミングを判定することが、VOCガスセンサの読み取り値を含む記録された読み取り値における回盲接合部インジケータを検出することを含む、タイミングを判定することと、を含む、方法。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象哺乳動物の胃腸(GI)管内の摂取可能なカプセルの位置を判定する方法であって、
前記摂取可能なカプセルを摂取のために前記対象哺乳動物に提供することであって、前記摂取可能なカプセルが、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を備える、提供することと、
時間の関数としての前記摂取可能なカプセルの読み取り値を記録することであって、前記読み取り値が、TCDガスセンサ読み取り値と、VOCガスセンサ読み取り値と、を含む、記録することと、
前記記録された読み取り値を処理することであって、
第1の移行イベントタイミングを判定することであって、前記第1の移行イベントタイミングが、前記摂取可能なカプセルによる胃十二指腸移行のタイミングであり、前記第1の移行イベントタイミングを判定することが、前記記録された読み取り値の第1のサブセットにおける胃十二指腸移行インジケータを検出することを含み、前記第1のサブセットが、前記記録されたTCDガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、
第2の移行イベントタイミングを判定することであって、前記第2の移行イベントタイミングが、前記摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングであり、前記第2の移行イベントタイミングを判定することが、前記記録された読み取り値の第2のサブセットにおける回盲接合部インジケータを検出することを含み、前記第2のサブセットが、前記VOCガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、を含む、処理することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記摂取可能なカプセルが、環境センサを含み、前記読み取り値が、環境センサ読み取り値を含み、
前記第1の移行イベントタイミングを判定することが、検出された胃十二指腸移行インジケータのタイミング若しくはその近くの前記環境温度センサ読み取り値のうちの1つ以上をベースライン環境温度値と比較することと、前記比較の結果に基づいて、前記検出された胃十二指腸移行インジケータの前記タイミングが前記第1の移行イベントタイミングに関連付けられるかどうかを判定することと、を更に含むか、又は
前記胃十二指腸移行インジケータを検出することが、前記それぞれの同時環境温度センサ読み取り値に従って前記TCDガスセンサ読み取り値を調節することと、前記調節されたTCDガスセンサ読み取り値における前記胃十二指腸移行インジケータを検出することと、を含む、のいずれかである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記胃十二指腸移行インジケータが、前記記録された読み取り値からの前記TCDガスセンサ読み取り値におけるスパイク、ステップ変化、又は屈折であり、前記環境温度値が、前記胃十二指腸移行インジケータの前記タイミングに先行する所定の期間の間、ベースライン環境温度値の所定の閾値距離内にあった場合、前記胃十二指腸移行インジケータの前記タイミングは、前記第1の移行イベントタイミングに関連付けられると判定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記VOCガスセンサが、加熱要素を備え、前記加熱要素をパルス駆動するように構成されており、前記VOCガスセンサ読み取り値が各々、前記加熱要素のそれぞれのパルスの位相における同じ点で取得される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記摂取可能なカプセルが、アンテナを備える一次トランシーバを更に備え、前記方法が、
前記アンテナによって、前記摂取可能なカプセルの前記読み取り値を、前記読み取り値を記録するように構成された前記対象哺乳動物の外部のレシーバ装置に送信することを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記摂取可能なカプセルが、一次トランシーバにおいて、反射計を形成するように前記アンテナと直列である方向性カプラを更に備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記摂取可能なカプセルが、ダイオード検出器を更に備え、前記ダイオード検出器が、前記反射計の一部を形成しており、前記ダイオード検出器が、前記アンテナから反射信号を受信し、前記反射信号の振幅を測定するように構成されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記摂取可能なカプセルが、直交復調器を更に備え、前記直交復調器が、前記反射計の一部を形成しており、前記直交復調器が、前記方向性カプラを介して前記アンテナから前記反射信号を受信し、キャリア信号に対する前記反射信号の位相情報を抽出するように構成されており、前記キャリア信号が、前記摂取可能なカプセルから前記レシーバ装置にデータを送信するための前記キャリア信号である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記摂取可能なカプセルが、前記アンテナのインピーダンスを変化させるように構成された可変コンデンサと、コントローラと、を含むアンテナインピーダンス制御機構を更に備え、前記反射計及び前記アンテナインピーダンス制御機構が、閉ループ又はフィードバックループを形成しており、前記コントローラが、前記ダイオード検出器から前記反射信号の前記振幅の測定値を受信し、制御アルゴリズムを実行して、前記振幅測定値を使用して、前記反射信号の振幅を減少させるように前記アンテナのインピーダンスを変化させるように前記可変コンデンサのキャパシタンスを設定するアンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記閉ループ又はフィードバックループが、前記直交復調器を更に備え、前記直交復調器によって抽出された前記位相情報が前記コントローラに出力され、前記コントローラが、前記振幅情報及び前記位相情報を使用して、前記アンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている、請求項8及び9に記載の方法。
【請求項11】
前記ガスセンサカプセルの前記記録された読み取り値が、
前記ダイオード検出器によって測定された前記反射信号の前記振幅の読み取り値、
前記直交復調器によって抽出された前記反射信号の前記位相情報の読み取り値、及び
前記アンテナインピーダンス制御信号のうちの1つ以上のアンテナ反射率関連読み取り値を含み、
第1の移行イベントタイミングが判定される前記記録された読み取り値の第1のサブセットが、前記アンテナ反射率関連読み取り値を含み、かつ/又は前記第2の移行イベントタイミングが判定される前記記録された読み取り値の第2のサブセットが、前記アンテナ反射率関連読み取り値を含む、請求項6~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のサブセットは、前記アンテナ反射率関連読み取り値を含み、前記第1の移行イベントタイミングを判定することは、
前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、
前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値において検出された前記胃十二指腸移行インジケータに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、
前記第1のサブセットからの前記TCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第1の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、
前記検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第2の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、
前記第1及び第2の胃十二指腸移行インジケータを検出したことに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記摂取可能なカプセルが、加速度計を更に備え、前記摂取可能なカプセルの前記読み取り値が、加速度計読み取り値を含み、前記第1のサブセットが、加速度計読み取り値を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の移行イベントタイミングを判定することが、
前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、
前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値において検出された前記胃十二指腸移行インジケータに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、
前記第1のサブセットからの前記TCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸接合部インジケータを、第1の胃十二指腸接合部インジケータとして検出することと、
前記検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値における胃十二指腸接合部インジケータを、第2の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、
前記第1及び第2の胃十二指腸移行インジケータを検出したことに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、
前記第1のサブセットからの前記TCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第1の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、
前記TCDガスセンサ読み取り値における前記検出された胃十二指腸移行インジケータが、前記摂取可能なカプセルが前記胃十二指腸接合部を横断することによって生じた尤度を表す信頼スコアを計算することと、
前記計算された信頼スコアを閾値と比較し、前記信頼スコアが前記閾値を満たしている場合に、前記検出された胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定し、前記信頼スコアが前記閾値を満たしていない場合に、前記TCDガスセンサ読み取り値からの前記検出された胃十二指腸移行インジケータを第1の胃十二指腸移行インジケータとして割り当て、前記TCDガスセンサ読み取り値以外の前記第1のサブセットからの読み取り値に、かつ前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内に第2の胃十二指腸移行インジケータが存在するか否かを検出し、前記第2の胃十二指腸移行インジケータが検出される場合に、前記第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記TCDガスセンサ読み取り値以外の前記第1のサブセットからの読み取り値に、かつ前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内に、第2の胃十二指腸移行インジケータが存在するか否かを検出することが、
第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値に存在するか否かについての第1の検出を行うことと、
前記第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値において検出される場合に、
前記第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、
前記第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値に存在しない場合に、
前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値に第2の胃十二指腸移行インジケータが存在するか否かについての第2の検出を行うことと、
前記第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値において検出される場合に、
前記第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、
前記第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値において検出されない場合に、
手動レビューを要求する通知を発行し、第1の胃十二指腸移行インジケータの別のインスタンスについて前記第1のサブセットを監視し続けることと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記加速度計読み取り値が、重力ベクトルと固定関係にある基準系に対する前記摂取可能なカプセルの向きの読み取り値を提供し、前記加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することが、
第1の加速度計読み取り値によって与えられた前記摂取可能なカプセルの向きを基準の向きとして記録することと、各連続する加速度計読み取り値に対して時系列的に繰り返して、
前記それぞれの加速度計読み取り値によって与えられた前記摂取可能なカプセルの前記向きが、前記基準の向きからの閾値角変位よりも大きいかどうかを判定し、前記閾値角変位が満たされていない場合に、前記基準の向きを変更することなく次の加速度計読み取り値に進み、前記閾値角変位が満たされている場合に、前記基準の向きを変更して、前記それぞれの加速度計読み取り値によって与えられた前記摂取可能なカプセルの前記向きと揃えることと、を含み、
前記加速度計読み取り値における前記胃十二指腸移行インジケータが、前記基準の向きの変化率の増加である、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記加速度計読み取り値が、重力ベクトルと固定関係にある基準系に対する前記摂取可能なカプセルの向きの読み取り値を提供し、前記加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することが、
前記向きの前記読み取りから導出可能な前記摂取可能なカプセルと固定空間関係にある3つの直交軸の各々について、各連続する加速度計読み取り値に対して時系列的に繰り返して、
先行する加速度計読み取り値からの前記重力ベクトルに対する前記直交軸の変化をスカラ値として計算することと、
前記計算された変化にローパスフィルタを適用することと、
累積的なフィルタリングされた計算された変化を記録することと、
前記加速度計読み取り値における前記胃十二指腸移行インジケータが、前記累積的なフィルタリングされた計算された変化の増加速度のステップ変化である、請求項14~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のサブセットが、前記アンテナ反射率関連読み取り値を含み、前記第2の移行イベントタイミングを判定することが、
前記第2のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値における回盲接合部移行インジケータを検出することと、
前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値において検出された前記回盲接合部移行インジケータに基づいて、前記第2の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
前記回盲接合部移行インジケータが、H2濃度の同時増加を伴うセンサ側VOCガスセンサ読み取り値の増加を含み、前記H2濃度が、前記TCDガスセンサのTCD読み取り値及び/又は前記VOCガスセンサのヒータ側読み取り値から導出される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記回盲接合部移行インジケータが、CH4濃度の同時増加を伴うセンサ側VOCガスセンサ読み取り値の増加を含み、前記CH4濃度が、前記TCDガスセンサのTCD読み取り値及び/又は前記VOCガスセンサのヒータ側読み取り値から導出される、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記摂取可能なカプセルが、環境センサを含み、前記読み取り値が、前記環境センサの読み取り値を含み、前記環境センサが、環境温度センサ、環境相対湿度センサ、又は環境温度センサ及び環境湿度センサであり、
前記記録された読み取り値を前記処理することが、排泄インジケータを検出することによって排泄イベントタイミングを判定することを含み、前記排泄インジケータが、前記対象哺乳動物の内部環境条件と前記対象哺乳動物の位置における外部環境条件との間の前記環境センサ読み取り値の変化であり、前記排泄イベントタイミングが、前記対象哺乳動物による前記摂取可能なカプセルの排泄のタイミングである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記レシーバ装置が、摂取イベントを記録するための摂取イベントボタンを有するユーザインターフェースを備え、
かつ
前記摂取イベントタイミングを判定することが、前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出可能でない場合、又は前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出され、追加の摂取インジケータが求められる場合に、
前記摂取イベントボタンのボタン押下を摂取インジケータとして検出することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記摂取可能なカプセルが、環境センサを含み、前記読み取り値が、前記環境センサの読み取り値を含み、前記環境センサが、環境温度センサ、環境相対湿度センサ、又は環境温度センサ及び環境湿度センサであり、
前記記録された読み取り値を前記処理することが、摂取インジケータを検出することによって摂取イベントタイミングを判定することを含み、前記摂取インジケータが、前記対象哺乳動物の内部環境条件と前記対象哺乳動物の位置における外部環境条件との間の前記環境センサ読み取り値の変化であり、前記摂取イベントタイミングが、前記対象哺乳動物による前記摂取可能なカプセルの摂取のタイミングである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記摂取イベントタイミングを判定することが、前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出可能でない場合、又は前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出され、追加の摂取インジケータが求められる場合、又はそれ以外の場合に、
前記アンテナ反射率関連読み取り値における摂取インジケータを検出することであって、前記摂取インジケータが、前記アンテナ反射率関連読み取り値におけるステップ変化である、検出することを含む、請求項7、及び任意選択で請求項1~26のうちの任意の他の請求項に記載の方法。
【請求項28】
前記レシーバ装置が、摂取イベントを記録するための摂取イベントボタンを有するユーザインターフェースを備え、
かつ
前記摂取イベントタイミングを判定することが、前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出可能でない場合、又は前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出され、追加の摂取インジケータが求められる場合、又はそれ以外の場合に、
前記摂取イベントボタンのボタン押下を摂取インジケータとして検出することを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記摂取可能なカプセルが、二次トランシーバを更に備え、前記二次トランシーバが、前記摂取可能なカプセルのリスニングフェーズにおいて動作可能であり、前記リスニングフェーズの間、摂取可能なカプセルの前記一次トランシーバ、センサ、及びオンボードプロセッサの電源が切られており、前記二次トランシーバが、リスニングモード中に、符号化されたアクティブ化制御信号の送信デバイスから符号化されたアクティブ化制御信号を受信し、前記リスニングフェーズを終了し、前記摂取可能なカプセルのライブフェーズを開始することによって応答するように構成されており、前記ライブフェーズの間、前記一次トランシーバ、センサ、及びオンボードプロセッサ、及びメモリに電源が投入されており、前記読み取り値が、記録され、任意選択でレシーバ装置に送信される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記二次トランシーバが、NFCトランシーバであり、前記符号化されたアクティブ化制御信号が、NFC信号である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記レシーバ装置が、前記符号化されたアクティブ化制御信号の送信デバイスであり、前記レシーバ装置が、アプリケーションを実行するスマートフォン又はタブレットコンピュータであり、前記アプリケーションが、前記スマートフォン又はタブレットコンピュータに、前記符号化されたアクティブ化制御信号を生成及び送信させ、前記一次トランシーバによって前記カプセルから送信された前記記録された読み取り値を受信させ、任意選択で処理及び送信させる、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
対象哺乳動物の胃腸(GI)管内の摂取可能なカプセルの位置を判定するための装置であって、
対象哺乳動物によって摂取可能である摂取可能なカプセルであって、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を備える、摂取可能なカプセルと、
レシーバ装置であって、前記レシーバ装置が、前記対象哺乳動物の外部の位置において、前記対象哺乳動物の内部の位置における前記摂取可能なカプセルからの読み取り値を受信し、前記摂取可能なカプセルの前記読み取り値を、前記摂取可能なカプセルが前記対象哺乳動物の前記胃腸(GI)管内にある期間を含む時間の関数として記録するように構成されており、前記読み取り値が、TCDガスセンサ読み取り値と、VOCガスセンサ読み取り値と、を含む、レシーバ装置と、
処理装置であって、前記処理装置が、前記記録された読み取り値をプロセスによって処理するように構成されており、前記プロセスが、
第1の移行イベントタイミングを判定することであって、前記第1の移行イベントタイミングが、前記摂取可能なカプセルによる胃十二指腸移行のタイミングであり、前記第1の移行イベントタイミングを判定することが、前記記録された読み取り値の第1のサブセットにおける胃十二指腸移行インジケータを検出することを含み、前記第1のサブセットが、前記記録されたTCDガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、
第2の移行イベントタイミングを判定することであって、前記第2の移行イベントタイミングが、前記摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングであり、前記第2の移行イベントタイミングを判定することが、前記記録された読み取り値の第2のサブセットにおける回盲接合部インジケータを検出することを含み、前記第2のサブセットが、前記VOCガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、を含む、処理装置と、を含む、装置。
【請求項33】
前記摂取可能なカプセルが、環境センサを含み、前記読み取り値が、環境センサ読み取り値を含み、
前記第1の移行イベントタイミングを判定することが、検出された胃十二指腸移行インジケータのタイミング若しくはその近くの前記環境温度センサ読み取り値のうちの1つ以上をベースライン環境温度値と比較することと、前記比較の結果に基づいて、前記検出された胃十二指腸移行インジケータの前記タイミングが前記第1の移行イベントタイミングに関連付けられるかどうかを判定することと、を更に含むか、又は
前記胃十二指腸移行インジケータを検出することが、前記それぞれの同時環境温度センサ読み取り値に従って前記TCDガスセンサ読み取り値を調節することと、前記調節されたTCDガスセンサ読み取り値における前記胃十二指腸移行インジケータを検出することと、を含む、のいずれかである、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記胃十二指腸移行インジケータが、前記記録された読み取り値からの前記TCDガスセンサ読み取り値におけるスパイク、ステップ変化、又は屈折であり、前記環境温度値が、前記胃十二指腸移行インジケータの前記タイミングに先行する所定の期間の間、ベースライン環境温度値の所定の閾値距離内にあった場合、前記胃十二指腸移行インジケータの前記タイミングは、前記第1の移行イベントタイミングに関連付けられると判定される、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記VOCガスセンサが、加熱要素を備え、前記加熱要素をパルス駆動するように構成されており、前記VOCガスセンサ読み取り値が各々、前記加熱要素のそれぞれのパルスの位相における同じ点で取得される、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記摂取可能なカプセルが、アンテナを含む一次トランシーバを更に備え、前記摂取可能なカプセルが、前記アンテナによって、前記摂取可能なカプセルの前記読み取り値を前記レシーバ装置に送信するように構成されている、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記摂取可能なカプセルが、反射計を形成するように前記アンテナと直列である方向性カプラを更に備える、請求項32~36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記摂取可能なカプセルが、ダイオード検出器を更に備え、前記ダイオード検出器が、前記反射計の一部を形成しており、前記ダイオード検出器が、前記方向性カプラを介して前記アンテナから前記反射信号を受信し、前記反射信号の振幅を測定するように構成されている、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記摂取可能なカプセルが、直交復調器を更に備え、前記直交復調器が、前記反射計の一部を形成し、前記直交復調器が、前記方向性カプラを介して前記アンテナから前記反射信号を受信し、キャリア信号に対する前記反射信号の位相情報を抽出するように構成されており、前記キャリア信号が、前記摂取可能なカプセルから前記レシーバ装置にデータを送信するための前記キャリア信号である、請求項37又は38に記載の装置。
【請求項40】
前記摂取可能なカプセルが、アンテナインピーダンス制御機構を更に備え、前記アンテナインピーダンス制御機構が、前記アンテナのインピーダンスを変化させるように構成された可変コンデンサと、コントローラと、を備え、前記反射計及び前記アンテナインピーダンス制御機構が、閉ループ又はフィードバックループを形成しており、前記コントローラが、前記ダイオード検出器から前記反射信号の前記振幅の前記測定値を受信し、制御アルゴリズムを実行して、前記振幅測定値を使用して、前記反射信号の振幅を減少させるように前記アンテナのインピーダンスを変化させるように前記可変コンデンサのキャパシタンスを設定するアンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている、請求項38又は39に記載の装置。
【請求項41】
前記閉ループ又はフィードバックループが、前記直交復調器を更に備え、前記直交復調器によって抽出された前記位相情報が、前記コントローラに出力され、前記コントローラが、前記振幅情報及び前記位相情報を使用して前記アンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている、請求項39及び40に記載の装置。
【請求項42】
前記ガスセンサカプセルの前記記録された読み取り値が、
前記ダイオード検出器によって測定された前記反射信号の前記振幅の読み取り値、
前記直交復調器によって抽出された前記反射信号の前記位相情報の読み取り値、及び
前記アンテナインピーダンス制御信号のうちの1つ以上のアンテナ反射率関連読み取り値を含み、
前記第1の移行イベントタイミングが判定される前記記録された読み取り値の第1のサブセットが、前記アンテナ反射率関連読み取り値を含み、かつ/又は前記第2の移行イベントタイミングが判定される前記記録された読み取り値の第2のサブセットが、前記アンテナ反射率関連読み取り値を含む、請求項37~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
前記第1のサブセットが、前記アンテナ反射率関連読み取り値を含み、前記第1の移行イベントタイミングを判定することが、
前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、
前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値において検出された前記胃十二指腸移行インジケータに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記プロセスが、
前記第1のサブセットからの前記TCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第1の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、
前記検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第2の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、
前記第1及び第2の胃十二指腸移行インジケータを検出したことに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記摂取可能なカプセルが、加速度計を更に備え、前記摂取可能なカプセルの前記読み取り値が、加速度計読み取り値を含み、前記第1のサブセットが、加速度計読み取り値を含む、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記第1の移行イベントタイミングを判定することは、
前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、
前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値において検出された前記胃十二指腸移行インジケータに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記プロセスが、
前記第1のサブセットからの前記TCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸接合部インジケータを、第1の胃十二指腸接合部インジケータとして検出することと、
前記検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値における胃十二指腸接合部インジケータを、第2の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、
前記第1及び第2の胃十二指腸移行インジケータを検出したことに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記プロセスが、
前記第1のサブセットからの前記TCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第1の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、
前記TCDガスセンサ読み取り値における前記検出された胃十二指腸移行インジケータが、前記摂取可能なカプセルが前記胃十二指腸接合部を横断することによって生じた尤度を表す信頼スコアを計算することと、
前記計算された信頼スコアを閾値と比較し、前記信頼スコアが前記閾値を満たしている場合に、前記検出された胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定し、前記信頼スコアが前記閾値を満たしていない場合に、前記TCDガスセンサ読み取り値からの前記検出された胃十二指腸移行インジケータを第1の胃十二指腸移行インジケータとして割り当て、前記TCDガスセンサ読み取り値以外の前記第1のサブセットからの読み取り値に、かつ前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内に第2の胃十二指腸移行インジケータが存在するか否かを検出し、前記第2の胃十二指腸移行インジケータが検出される場合に、前記第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項41~47のいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
前記TCDガスセンサ読み取り値以外の前記第1のサブセットからの読み取り値に、かつ前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内に、第2の胃十二指腸移行インジケータが存在するか否かを検出することが、
第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値に存在するか否かについての第1の検出を行うことと、
前記第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値において検出される場合に、
前記第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、
前記第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値に存在しない場合に、
前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内に、前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値に第2の胃十二指腸移行インジケータが存在するか否かについての第2の検出を行うことと、
前記第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値において検出される場合に、
前記第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、前記第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、
前記第2の胃十二指腸移行インジケータが、前記第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の前記第1のサブセットからの前記加速度計読み取り値において検出されない場合に、
手動レビューを要求する通知を発行し、前記第1のサブセットを、第1の胃十二指腸移行インジケータの別のインスタンスについて監視し続けることと、を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記加速度計読み取り値が、重力ベクトルと固定関係にある基準系に対する前記摂取可能なカプセルの向きの読み取り値を提供し、前記加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することが、
第1の加速度計読み取り値によって与えられた前記摂取可能なカプセルの向きを基準の向きとして記録することと、各連続する加速度計読み取り値に対して時系列的に繰り返して、
前記それぞれの加速度計読み取り値によって与えられた前記摂取可能なカプセルの前記向きが、前記基準の向きからの閾値角変位よりも大きいかどうかを判定し、前記閾値角変位が満たされていない場合に、前記基準の向きを変更することなく次の加速度計読み取り値に進み、前記閾値角変位が満たされている場合に、前記基準の向きを変更して、前記それぞれの加速度計読み取り値によって与えられた前記摂取可能なカプセルの前記向きと揃えることと、を含み、
前記加速度計読み取り値における前記胃十二指腸移行インジケータが、前記基準の向きの変化率の増加である、請求項45~49のいずれか一項に記載の装置。
【請求項51】
前記加速度計読み取り値が、重力ベクトルと固定関係にある基準系に対する前記摂取可能なカプセルの向きの読み取り値を提供し、前記加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することが、
前記向きの前記読み取り値から導出可能な前記摂取可能なカプセルと固定空間関係にある3つの直交軸の各々について、各連続する加速度計読み取り値に対して時系列的に繰り返して、
先行する加速度計読み取り値からの前記重力ベクトルに対する前記直交軸の変化をスカラ値として計算することと、
前記計算された変化にローパスフィルタを適用することと、
累積的なフィルタリングされた計算された変化を記録することと、
前記加速度計読み取り値における前記胃十二指腸移行インジケータが、前記累積的なフィルタリングされた計算された変化の増加速度のステップ変化である、請求項45~50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記第2のサブセットが、前記アンテナ反射率関連読み取り値を含み、前記第2の移行イベントタイミングを判定することが、
前記第2のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値における回盲接合部移行インジケータを検出することと、
前記第1のサブセットからの前記アンテナ反射率関連読み取り値において検出された前記回盲接合部移行インジケータに基づいて、前記第2の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む、請求項42~51のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
前記回盲接合部移行インジケータが、H2濃度の同時増加を伴うセンサ側VOCガスセンサ読み取り値の増加を含み、前記H2濃度が、前記TCDガスセンサのTCD読み取り値及び/又は前記VOCガスセンサのヒータ側読み取り値から導出される、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記回盲接合部移行インジケータが、CH4濃度の同時増加を伴うセンサ側VOCガスセンサ読み取り値の増加を含み、前記CH4濃度が、前記TCDガスセンサのTCD読み取り値及び/又は前記VOCガスセンサのヒータ側読み取り値から導出される、請求項52又は53に記載の装置。
【請求項55】
前記摂取可能なカプセルが、環境センサを含み、前記読み取り値が、前記環境センサの読み取り値を含み、前記環境センサが、環境温度センサ、環境相対湿度センサ、又は環境温度センサ及び環境湿度センサであり、
前記プロセスが、排泄インジケータを検出することによって、排泄イベントタイミングを判定することを更に含み、前記排泄インジケータが、前記対象哺乳動物の内部環境条件と、前記対象哺乳動物の位置における外部環境条件との間の前記環境センサ読み取り値の変化であり、前記排泄イベントタイミングが、前記対象哺乳動物による前記摂取可能なカプセルの排泄のタイミングである、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
前記レシーバ装置が、摂取イベントを記録するための摂取イベントボタンを有するユーザインターフェースを備え、
かつ
前記摂取イベントタイミングを判定することが、前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出可能でない場合、又は前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出され、追加の摂取インジケータが求められる場合、又はそれ以外の場合に、
前記摂取イベントボタンのボタン押下を摂取インジケータとして検出することを含む、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
前記摂取可能なカプセルが、環境センサを含み、前記読み取り値が、前記環境センサの読み取り値を含み、前記環境センサが、環境温度センサ、環境相対湿度センサ、又は環境温度センサ及び環境湿度センサであり、
前記プロセスが、摂取インジケータを検出することによって、摂取イベントタイミングを判定することを更に含み、前記摂取インジケータが、前記対象哺乳動物の内部環境条件と、前記対象哺乳動物の位置における外部環境条件との間の前記環境センサ読み取り値の変化であり、前記摂取イベントタイミングが、前記対象哺乳動物による前記摂取可能なカプセルの摂取のタイミングである、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記摂取イベントタイミングを判定することが、前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出可能でない場合、又は前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出され、追加の摂取インジケータが求められる場合、又はそれ以外の場合に、
前記アンテナ反射率関連読み取り値における摂取インジケータを検出することであって、前記摂取インジケータが、前記アンテナ反射率関連読み取り値におけるステップ変化である、検出することを含む、請求項38、及び任意選択で請求項32~57のうちの任意の他の請求項に記載の装置。
【請求項59】
前記レシーバ装置が、摂取イベントを記録するための摂取イベントボタンを有するユーザインターフェースを備え、
かつ
前記摂取イベントタイミングを判定することが、前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出可能でない場合、又は前記摂取インジケータが前記環境センサ読み取り値において検出され、追加の摂取インジケータが求められる場合、又はそれ以外の場合に、
前記摂取イベントボタンのボタン押下を摂取インジケータとして検出することを含む、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項60】
前記レシーバ装置及び前記処理装置が、同一コンピューティングデバイスであるか、又は
前記レシーバ装置は第1のデバイスであり、前記処理装置は第2のデバイスであり、前記第2のデバイスは、前記第1のデバイスとは異なるコンピューティングデバイスであり、前記第1のデバイスによって記録された前記読み取り値にアクセスするように構成される、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記摂取可能なカプセルが、二次トランシーバを更に備え、前記二次トランシーバが、前記摂取可能なカプセルのリスニングフェーズにおいて動作可能であり、前記リスニングフェーズの間、前記一次トランシーバ、センサ、及び摂取可能なカプセルのオンボードプロセッサの電源が切られており、前記二次トランシーバが、前記リスニングモード中に、符号化されたアクティブ化制御信号の送信デバイスから符号化されたアクティブ化制御信号を受信し、前記リスニングフェーズを終了し、前記摂取可能なカプセルのライブフェーズを開始することによって応答するように構成されており、前記ライブフェーズの間、前記一次トランシーバ、センサ、及びオンボードプロセッサ、及びメモリに電源が投入されており、前記読み取り値が記録され、任意選択でレシーバ装置に送信される、先行装置請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記二次トランシーバが、NFCトランシーバであり、前記符号化されたアクティブ化制御信号が、NFC信号である、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記レシーバ装置が、前記符号化されたアクティブ化制御信号の送信デバイスであり、前記レシーバ装置が、アプリケーションを実行するスマートフォン又はタブレットコンピュータであり、前記アプリケーションが、前記スマートフォン又はタブレットコンピュータに、前記符号化されたアクティブ化制御信号を生成及び送信させ、かつ前記一次トランシーバによって前記カプセルから送信された前記記録された読み取り値を受信させ、任意選択で処理及び送信させる、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
対象哺乳動物の胃腸(GI)管内の摂取可能なカプセルの位置を判定するためのコンピュータプログラムであって、前記摂取可能なカプセルが、対象哺乳動物によって摂取可能であり、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を備え、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサと、メモリと、を備えるコンピューティング装置によって実行可能であり、実行時に、前記コンピューティング装置にプロセスを実施させ、前記プロセスが、
前記摂取可能なカプセルが前記対象哺乳動物の前記GI管内にある期間を含む時間の関数として、前記摂取可能なカプセルの記録された読み取り値にアクセスすることであって、前記読み取り値が、TCDガスセンサ読み取り値と、VOCガスセンサ読み取り値と、を含む、アクセスすることと、
前記記録された読み取り値を処理することと、を含み、処理することが、
第1の移行イベントタイミングを判定することであって、前記第1の移行イベントタイミングが、前記摂取可能なカプセルによる胃十二指腸移行のタイミングであり、前記第1の移行イベントタイミングを判定することが、前記記録された読み取り値の第1のサブセットにおける胃十二指腸移行インジケータを検出することを含み、前記第1のサブセットが、前記記録されたTCDガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、
第2の移行イベントタイミングを判定することであって、前記第2の移行イベントタイミングが、前記摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングであり、前記第2の移行イベントタイミングを判定することが、前記記録された読み取り値の第2のサブセットにおける回盲接合部インジケータを検出することを含み、前記第2のサブセットが、前記VOCガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、を含む、処理することと、を含む、コンピュータプログラム。
【請求項65】
請求項64に記載のコンピュータプログラムを記憶する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項66】
対象哺乳動物によって摂取可能である、摂取可能なカプセルであって、前記摂取可能なカプセルが、
ハウジングと、
電源と、
アンテナを備える一次トランシーバと、
プロセッサ及びメモリであって、前記プロセッサ及び前記メモリが、前記摂取可能なカプセルの1つ以上のセンサからの読み取り値を記録し、前記記録された読み取り値を、前記一次トランシーバによってレシーバ装置に送信するために記憶するように構成されている、プロセッサ及びメモリと、
反射計を形成するように前記アンテナと直列である方向性カプラと、を備え、
前記1つ以上のセンサが、前記反射計を含む、摂取可能なカプセル。
【請求項67】
ダイオード検出器であって、前記ダイオード検出器が、前記反射計の一部を形成しており、前記ダイオード検出器が、前記方向性カプラを介して前記アンテナから反射信号を受信し、前記反射信号の振幅を測定するように構成されており、前記記録された読み取り値が、前記反射信号の前記振幅の前記測定値を含む、前記ダイオード検出器と、を更に備える、請求項66に記載の摂取可能なカプセル。
【請求項68】
前記摂取可能なカプセルが、直交復調器を更に備え、前記直交復調器が、前記反射計の一部を形成しており、前記直交復調器が、前記方向性カプラを介して前記アンテナから前記反射信号を受信し、キャリア信号に対する前記反射信号の位相情報を抽出するように構成されており、前記キャリア信号が、前記摂取可能なカプセルから前記レシーバ装置にデータを送信するための前記キャリア信号である、請求項66又は67に記載の摂取可能なカプセル。
【請求項69】
アンテナインピーダンス制御機構を更に備え、前記アンテナインピーダンス制御機構が、前記アンテナのインピーダンスを変化させるように構成された可変コンデンサと、コントローラと、を備え、前記反射計及び前記アンテナインピーダンス制御機構が、閉ループ又はフィードバックループを形成しており、前記コントローラが、前記ダイオード検出器から前記反射信号の前記振幅の前記測定値を受信し、制御アルゴリズムを実行して、前記振幅測定値を使用して、前記反射信号の振幅を減少させるように前記アンテナのインピーダンスを変化させるように前記可変コンデンサのキャパシタンスを設定するアンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている、請求項66~68のいずれか一項に記載の摂取可能なカプセル。
【請求項70】
前記閉ループ又はフィードバックループが、前記直交復調器を更に備え、前記直交復調器によって抽出された前記位相情報が、前記コントローラに出力され、前記コントローラが、前記振幅情報及び前記位相情報を使用して前記アンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている、請求項69に記載の摂取可能なカプセル。
【請求項71】
前記ガスセンサカプセルの前記記録された読み取り値が、
前記ダイオード検出器によって測定された前記反射信号の前記振幅の読み取り値、
前記直交復調器によって抽出された前記反射信号の前記位相情報の読み取り値、及び
前記アンテナインピーダンス制御信号のうちの1つ以上のアンテナ反射率関連信号を備える、請求項66~70のいずれか一項に記載の摂取可能なカプセル。
【請求項72】
前記プロセッサが、前記アンテナ反射率関連読み取り値におけるスパイク又はステップ変化に基づき、かつ/又は前記アンテナ反射率関連読み取り値によって表される物理量のレベルに基づいて、前記摂取可能なカプセルが前記対象哺乳動物の胃、小腸、及び大腸のうちの1つに位置することを検出するように構成されている、請求項66~71のいずれか一項に記載の摂取可能なカプセル。
【請求項73】
1つ以上のガスセンサを更に備え、前記1つ以上のセンサが、前記1つ以上のガスセンサを含む、請求項66~72のいずれか一項に記載の摂取可能なカプセル。
【請求項74】
請求項66~73のいずれか一項に記載の摂取可能なカプセルと、レシーバ装置であって、前記一次レシーバの前記アンテナによって送信された前記記録された読み取り値を受信し、前記記録された読み取り値を処理して、前記アンテナ反射率関連読み取り値におけるスパイク又はステップ変化を特定し、かつ/又は特定のアンテナ反射率関連読み取り値によって表される物理量のレベルに基づいて、前記特定されたスパイク又はステップ変化の前記記録された読み取り値又は前記特定の記録された読み取り値の前記タイミングにおいて、前記摂取可能なカプセルが、前記対象哺乳動物の前記胃、前記小腸、及び前記大腸のうちの1つに位置することを検出するように構成されたレシーバ装置と、を備えるシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトを含む哺乳動物の胃腸(GI)管における医療及び健康用途用の摂取可能なセンサカプセルにおいて有用なセンサに関し、具体的には、摂取可能なカプセルからのセンサ読み取り値を記録し、読み取り時のGI管内の位置を判定することに関する。
【背景技術】
【0002】
EP3497437A1に開示されているようなガスセンサカプセルは、摂取可能なカプセル内にガスセンサを収容し、それによって、読み取り値が哺乳動物の胃腸(GI)管内から得られ得、そこから分析物ガスの読み取り値濃度が判定され得る。
【0003】
摂取可能なカプセルに搭載されたガスセンサによってGI管内から得られた読み取り値に基づいて、マルチガス混合物中の特定のガスの種類及び濃度を判定するためのプロセスが、EP3619526A1に開示されている。
【0004】
これらのガス成分が異なる疾患、状態などに関連し、かつガスと腸の健康、したがって健康全般が関連する可能性が高いという多くの報告がある。
【0005】
しかしながら、ガス成分を異なる疾患、状態などに関連付けるには、ガスセンサ読み取り値が取得される瞬間の、GI管内のカプセルの位置を知っているか、又は正確に予測することができることが望ましい。GI管のある部分で予想される特定のガス又はガス濃度は、GI管内の別の場所における疾患又は状態のインジケータであり得る。
【0006】
更に、腸の健康は、健康全般に寄与するものとしてますます認められている。摂取可能なカプセルの運動性(関連するガス成分測定の有無にかかわらず)は、腸の健康の評価に重要な情報を提供する。
【発明の概要】
【0007】
対象哺乳動物の胃腸(GI)管内の摂取可能なカプセルの位置を判定する方法であって、摂取可能なカプセルを摂取のために対象哺乳動物に提供することであって、摂取可能なカプセルが、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を備える、提供することと、摂取可能なカプセルの読み取り値を時間の関数として記録することであって、読み取り値が、TCDガスセンサ読み取り値と、VOCガスセンサ読み取り値と、を含む、記録することと、記録された読み取り値を処理することであって、第1の移行イベントタイミングを判定することを含み、第1の移行イベントタイミングが、摂取可能なカプセルによる胃十二指腸移行のタイミングであり、第1の移行イベントタイミングを判定することが、記録された読み取り値の第1のサブセットにおける胃十二指腸移行インジケータを検出することを含み、第1のサブセットが、記録されたTCDガスセンサ読み取り値を含む、処理することと、第2の移行イベントタイミングを判定することであって、第2の移行イベントタイミングが、摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングであり、第2の移行イベントタイミングを判定することが、記録された読み取り値の第2のサブセットにおける回盲接合部インジケータを検出することを含み、第2のサブセットが、VOCガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、を含む、方法。
【0008】
運動性の診断は、GI管を通る摂取可能なカプセルの輸送内の主要なメトリクスを理解することに依存する。主要なメトリクスには、胃排出時間(GET)、小腸通過時間(SBTT)、大腸通過時間(LBTT)、及び全腸通過時間(WGTT)が含まれる。複数のこれらのメトリクスのうちのいずれか1つ又は組み合わせは、対象のヒトの健康を評価し、及び/又は疾患若しくは状態を診断することにおいて、医師にとって有益であり得る。
【0009】
更に、ガスセンサからの読み取り値は、摂取可能なカプセルの位置におけるガス混合物中の成分ガス及びその濃度を判定するために使用され得る。ガスセンサの読み取り時にカプセルがGI管のどの臓器内に位置するかという観点からカプセルの位置を判定することは、成分ガス及びその濃度の判定にコンテキストを追加し、このことは、対象のヒトの健康を評価し、及び/又は疾患又は状態を診断する際に医師に有益である。
【0010】
更に、特定の医療上の腸健康データ収集目的又はより一般的な腸健康データ収集目的のためにカプセル上のセンサによって収集されたデータは、データ収集のインスタンスでの腸内のカプセル位置の指標に関連付けられる場合、改善された情報価値を有する。
【0011】
腸の健康は、ヒト及び他の哺乳動物の健康の主要な構成要素である。腸の健康は、腸内からの読み取り値を取得することが困難であるか、又は腸の外部からの読み取り値に基づいて腸の健康パラメータを正確に評価することが困難であるので、分析が非常に困難である。
【0012】
実施形態は、GI管内からセンサ読み取り値を取得し、上記読み取り値のインスタンスにおけるセンサの位置を判定するための機構を提供する。
【0013】
実施形態は、物品がGI管を通過し、GI管の特定の領域を通過するためのタイミング情報を取得するための機構を提供する。そのようなタイミング情報自体が、腸の健康及び腸関連の医学的用途において有用な人工物である。
【0014】
実施形態は、摂取可能なカプセルに搭載されたセンサから読み取り値を取得して記録し、読み取り値を処理して、読み取り時にGI管内のカプセルの位置を判定する機構を提供する。上記処理は、カプセル内で実施されるか、又はカプセルから(直接的又は間接的に)データを受信する遠隔装置で実施され得る。
【0015】
実施形態は、センサ読み取り値を活用して、GI管内のカプセルの位置を判定する。しかしながら、実施形態は、上記読み取り値を成分ガス濃度の測定値に変換することに依存しない。センサ出力自体におけるパターン及び特徴(すなわち、生読み取り値)は、どの物理的イベントが発生したか(すなわち、カプセルがどの腸セクション又は接合部を通過したか)を判定するためのマーカー/インジケータとして利用され得る。したがって、較正の精度及びガス濃度の正確で厳密な測定値を導出する能力に関する問題は、カプセルを配置するプロセスにおいて回避され得る。もちろん、ガス濃度はコンパニオン情報として興味深いが、運動性情報の判定にはガス濃度自体が必要である。例えば、胃排出は間違いなくCO2濃度の変化に関連しているが、胃排出が発生したかどうかを判断するために、カプセルの周りの実際のCO2濃度を知る必要はない(読み取り値が分析される場合)。CO2の変化によって生じ得るか、又は胃排出に関連する他の物理的変化によって生じ得るセンサ読み取り値における1つ以上のインジケータが、検出され、(読み取り値が分析される場合に)胃排出が発生したか否かを判定するために組み合わされる。
【0016】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、環境センサを含み、読み取り値は、環境センサ読み取り値を含み、第1の移行イベントタイミングを判定することが、検出された胃十二指腸移行インジケータのタイミング若しくはその近くの環境温度センサ読み取り値のうちの1つ以上をベースライン環境温度値と比較することと、比較の結果に基づいて、検出された胃十二指腸移行インジケータのタイミングが第1の移行イベントタイミングに関連付けられるか否かを判定することと、を更に含むか、又は胃十二指腸移行インジケータを検出することが、それぞれの同時環境温度センサ読み取り値に従ってTCDガスセンサ読み取り値を調節することと、調節されたTCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、を含む、のいずれかである。
【0017】
任意選択で、胃十二指腸移行インジケータは、記録された読み取り値からのTCDガスセンサ読み取り値におけるスパイク、ステップ変化、又は屈折であり、環境温度値が胃十二指腸移行インジケータのタイミングに先立つ所定の期間にわたって、ベースライン環境温度値の所定の閾値距離内にあった場合、胃十二指腸移行インジケータのタイミングが第1の移行イベントタイミングに関連付けられると判定される。
【0018】
任意選択で、VOCガスセンサは、加熱要素を含み、加熱要素をパルス駆動するように構成されており、VOCガスセンサ読み取り値は各々、加熱要素のそれぞれのパルスの位相の同じ点で取得される。
【0019】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、アンテナを備える一次トランシーバを更に備え、方法は、アンテナによって、読み取り値を記録するように構成された対象哺乳動物の外部のレシーバ装置に摂取可能なカプセルの読み取り値を送信することを更に含む。
【0020】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、反射計を形成するようにアンテナと直列である方向性カプラを更に備え、摂取可能なカプセルの読み取り値は、反射計の読み取り値を含み、第1のサブセットは、反射計の読み取り値を含む。
【0021】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、一次トランシーバにおいて、反射計を形成するようにアンテナと直列である方向性カプラを更に備える。
【0022】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、ダイオード検出器を更に備え、ダイオード検出器は、反射計の一部を形成しており、ダイオード検出器は、方向性カプラを介してアンテナから反射信号を受信し、反射信号の振幅を測定するように構成される。
【0023】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、直交復調器を更に備え、直交復調器は、反射計の一部を形成しており、直交復調器は、方向性カプラを介してアンテナから反射信号を受信し、キャリア信号に対する反射信号の位相情報を抽出するように構成されており、キャリア信号は、摂取可能なカプセルからレシーバ装置にデータを送信するためのキャリア信号である。
【0024】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、アンテナのインピーダンスを変化させるように構成された可変コンデンサと、コントローラとを備えるアンテナインピーダンス制御機構であって、反射計及びアンテナインピーダンス制御機構は、閉ループ又はフィードバックループを形成しており、コントローラは、反射信号の振幅の測定値をダイオード検出器から受信し、制御アルゴリズムを実行して、振幅測定値を使用して、反射信号の振幅を減少させるようにアンテナのインピーダンスを変化させるように可変コンデンサのキャパシタンスを設定するアンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている。
【0025】
任意選択で、閉ループ又はフィードバックループは、直交復調器を更に備え、直交復調器によって抽出された位相情報は、コントローラに出力され、コントローラは、振幅情報及び位相情報を使用してアンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている。
【0026】
任意選択で、ガスセンサカプセルの記録された読み取り値は、
ダイオード検出器によって測定された反射信号の振幅の読み取り値と、
直交復調器によって抽出された反射信号の位相情報の読み取り値と、
アンテナインピーダンス制御信号のうちの1つ以上のアンテナ反射率関連読み取り値を備え、
第1の移行イベントタイミングが判定される記録された読み取り値の第1のサブセットが、アンテナ反射率関連読み取り値を備え、かつ/又は第2の移行イベントタイミングが判定される記録された読み取り値の第2のサブセットが、アンテナ反射率関連読み取り値を備える。
【0027】
任意選択で、反射計は、ダイオード検出器を更に含み、アンテナ反射率関連読み取り値は、アンテナからの反射信号の振幅の、ダイオード検出器による測定値である。
【0028】
任意選択で、第1の移行イベントタイミングを判定することは、第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値において検出された胃十二指腸接合部インジケータに基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む。
【0029】
任意選択で、方法は、第1のサブセットからのTCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを第1の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを第2の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、第1及び第2の胃十二指腸移行インジケータの検出に基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む。
【0030】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、加速度計を更に備え、摂取可能なカプセルの読み取り値は、加速度計読み取り値を含み、第1のサブセットは、加速度計読み取り値を含む。
【0031】
任意選択で、第1の移行イベントタイミングを判定することは、第1のサブセットからの加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、第1のサブセットからの加速度計読み取り値において検出された胃十二指腸移行インジケータに基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む。
【0032】
任意選択で、第1のサブセットは、アンテナ反射率関連読み取り値を含み、第1の移行イベントタイミングを判定することは、第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを、第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値において検出された胃十二指腸移行インジケータに基づいて判定することと、を更に含む。
【0033】
任意選択で、方法は、第1のサブセットからのTCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第1の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第2の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、第1及び第2の胃十二指腸移行インジケータを検出することに基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を含む。
【0034】
任意選択で、方法は、第1のサブセットからのTCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸接合部インジケータを、第1の胃十二指腸接合部インジケータとして検出することと、検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の第1のサブセットからの加速度計読み取り値における胃十二指腸接合部インジケータを、第2の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、第1及び第2の胃十二指腸移行インジケータの検出に基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を更に含む。
【0035】
任意選択で、方法は、第1のサブセットからのTCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを、第1の胃十二指腸移行インジケータとして検出することと、TCDガスセンサ読み取り値における検出された胃十二指腸移行インジケータが、摂取可能なカプセルが胃十二指腸接合部を横断することによって生じた尤度を表す信頼スコアを計算することと、計算された信頼スコアを閾値と比較し、信頼スコアが閾値を満たす場合に、検出された胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定し、信頼スコアが閾値を満たさない場合に、TCDガスセンサ読み取り値からの検出された胃十二指腸移行インジケータを第1の胃十二指腸移行インジケータとして割り当て、第2の胃十二指腸移行インジケータが、TCDガスセンサ読み取り値以外の第1のサブセットからの読み取り値内及び第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内に存在するかどうかを検出し、第2の胃十二指腸移行インジケータが検出される場合に、第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を含む。
【0036】
任意選択で、第2の胃十二指腸移行インジケータが、TCDガスセンサ読み取り値以外の第1のサブセットからの読み取り値内及び第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内に存在するか否かを検出することは、第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値に第2の胃十二指腸移行インジケータが存在するか否かの第1の検出を行うことと、第2の胃十二指腸移行インジケータが、第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値において検出される場合に、第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、第2の胃十二指腸移行インジケータが、第1のサブセットからのアンテナ反射率関連読み取り値に存在しない場合に、第2の胃十二指腸移行インジケータが、第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の第1のサブセットからの加速度計読み取り値に存在するか否かの第2の検出を行うことと、第2の胃十二指腸移行インジケータが、第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の第1のサブセットからの加速度計読み取り値において検出される場合に、第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて、第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、第2の胃十二指腸移行インジケータが、第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の第1のサブセットからの加速度計読み取り値において検出されない場合に、手動レビューを要求する通知を発行し、第1のサブセットを、第1の胃十二指腸移行インジケータの別のインスタンスについて監視し続けることと、を含む。
【0037】
任意選択で、加速度計読み取り値は、重力ベクトルと固定関係にある基準系に対する摂取可能なカプセルの向きの読み取り値を提供し、加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することは、第1の加速度計読み取り値によって与えられた摂取可能なカプセルの向きを基準の向きとして記録し、各連続する加速度計読み取り値に対して時系列的に繰り返して、それぞれの加速度計読み取り値によって与えられた摂取可能なカプセルの向きが基準の向きからの閾値角変位を超えているかどうかを判定し、閾値角変位が満たされていない場合に、基準の向きを変更することなく次の加速度計読み取り値に進み、閾値角変位が満たされている場合に、基準の向きを変更して、それぞれの加速度計読み取り値によって与えられた摂取可能なカプセルの向きに揃えることと、を含み、加速度計読み取り値における胃十二指移行インジケータは、基準の向きの変化率の増加である。
【0038】
任意選択で、加速度計読み取り値は、重力ベクトルと固定関係にある基準系に対する摂取可能なカプセルの向きの読み取り値を提供し、加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することは、向きの読み取り値から導出可能な摂取可能なカプセルと固定空間関係にある3つの直交軸の各々について、各連続する加速度計読み取り値に対して時系列的に繰り返して、先行する加速度計読み取り値からの重力ベクトルに対する直交軸の変化をスカラ値として計算することと、ローパスフィルタを計算された変化に適用することと、累積的なフィルタリングされた計算された変化を記録することと、を含み、加速度計読み取り値における胃十二指腸移行インジケータは、累積的なフィルタリングされた計算された変化の増加率のステップ変化である。
【0039】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、環境センサを含み、読み取り値は、環境センサの読み取り値を含み、環境センサは、環境温度センサ、環境相対湿度センサ、又は環境温度センサ及び環境湿度センサであり、記録された読み取り値を処理することは、対象哺乳動物の位置における対象哺乳動物の内部環境条件と外部環境条件との間の環境センサ読み取り値の変化を検出することによって排泄イベントタイミングを判定することを含み、排泄イベントタイミングは、対象哺乳動物による摂取可能なカプセルの排泄のタイミングである。
【0040】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、環境センサを含み、読み取り値は、環境センサの読み取り値を含み、環境センサは、環境温度センサ、環境相対湿度センサ、又は環境温度センサ及び環境湿度センサであり、記録された読み取り値を処理することは、対象哺乳動物の位置における対象哺乳動物の内部環境条件と外部環境条件との間の環境センサ読み取り値の変化を検出することによって摂取イベントタイミングを判定することを含み、摂取イベントタイミングは、対象哺乳動物による摂取可能なカプセルの摂取タイミングである。
【0041】
実施形態は、対象哺乳動物の胃腸(GI)管内の摂取可能なカプセルの位置を判定するための装置を含み、装置は、対象哺乳動物によって摂取可能である摂取可能なカプセルであって、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を備える摂取可能なカプセルと、レシーバ装置であって、対象哺乳動物の外部の位置において、対象哺乳動物の内部の位置における摂取可能なカプセルからの読み取り値を受信し、摂取可能なカプセルが、対象哺乳動物の胃腸(GI)管内にある期間を含む時間の関数として摂取可能なカプセルの読み取り値を記録する位置を判定するように構成されており、読み取り値が、TCDガスセンサ読み取り値と、VOCガスセンサ読み取り値とを含む、レシーバ装置と、処理装置であって、プロセスによって、記録された読み取り値を処理するように構成された処理装置と、を備え、プロセスが、第1の移行イベントタイミングを判定することであって、第1の移行イベントタイミングが、摂取可能なカプセルによる胃十二指腸移行のタイミングであり、第1の移行イベントタイミングを判定することが、記録された読み取り値の第1のサブセットにおける胃十二指腸移行インジケータを検出することを含み、第1のサブセットが、記録されたTCDガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、第2の移行イベントタイミングを判定することであって、第2の移行イベントタイミングが、摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングであり、第2の移行イベントタイミングを判定することが、記録された読み取り値の第2のサブセットにおける回盲接合部移行インジケータを検出することを含み、第2のサブセットが、VOCガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、を含む。
【0042】
任意選択で、レシーバ装置及び処理装置は、同じコンピューティングデバイスである。代替的に、レシーバ装置は第1のデバイスであり、処理装置は第2のデバイスであり、第2のデバイスは、第1のデバイスとは異なるコンピューティングデバイスであり、第1のデバイスによって記録された読み取りにアクセスするように構成される。処理装置は、本開示の他の箇所でリモートコンピュータと呼ばれ得る。レシーバ装置は、カプセル10から受信されたデータの記憶、処理、及び送信のうちの1つ以上についてのアプリケーションを実行するスマートフォンであってもよい。レシーバ装置は、カプセル10から受信されたデータの記憶、処理、及び送信のうちの1つ以上を行うように構成された専用デバイスであり得る。
【0043】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、二次トランシーバを更に備え、二次トランシーバは、摂取可能なカプセルの一次トランシーバ、センサ、及びオンボードプロセッサの電源が遮断される摂取可能なカプセルのリスニングフェーズで動作可能であり、二次トランシーバは、リスニングモード中に、符号化されたアクティブ化制御信号の送信デバイスから符号化されたアクティブ化制御信号を受信し、リスニングフェーズを終了し、一次トランシーバ、センサ、並びにオンボードプロセッサ及びメモリに電源が投入され、読み取り値が記録され、任意選択でレシーバ装置に送信される摂取可能なカプセルのライブフェーズを開始することによって応答するように構成される。
【0044】
任意選択で、二次トランシーバは、NFCトランシーバであり、符号化されたアクティブ化制御信号は、NFC信号である。
【0045】
任意選択で、レシーバ装置は、符号化されたアクティブ化制御信号の送信デバイスであり、レシーバ装置は、アプリケーションを実行するスマートフォン又はタブレットコンピュータであり、アプリケーションは、スマートフォン又はタブレットコンピュータに、符号化されたアクティブ化制御信号を生成及び送信させ、一次トランシーバによってカプセルから送信された記録された読み取り値を受信させ、任意選択で処理及び送信させる。
【0046】
実施形態は、対象哺乳動物の胃腸(GI)管内の摂取可能なカプセルの位置を判定するためのコンピュータプログラムを含み得、摂取可能なカプセルは、対象哺乳動物によって摂取可能であり、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を含み、コンピュータプログラムは、プロセッサと、メモリと、を含むコンピューティング装置によって実行可能であり、実行時に、コンピューティング装置にプロセスを実施させ、プロセスは、摂取可能なカプセルが対象哺乳動物の胃腸(GI)管内にある期間を含む時間の関数として、摂取可能なカプセルの記録された読み取り値にアクセスすることであって、読み取り値が、TCDガスセンサ読み取り値と、VOCガスセンサ読み取り値と、を含む、アクセスすることと、記録された読み取り値を処理することと、を含み、処理することは、第1の移行イベントタイミングを判定することであって、第1の移行イベントタイミングが、摂取可能なカプセルによる胃-十二指腸移行のタイミングであり、第1の移行イベントタイミングを判定することが、記録された読み取り値の第1のサブセットにおける胃-十二指腸移行インジケータを検出することを含み、第1のサブセットが、記録されたTCDガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、第2の移行イベントタイミングを判定することであって、第2の移行イベントタイミングが、摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングであり、第2の移行イベントタイミングを判定することが、記録された読み取り値の第2のサブセットにおける回盲接合部インジケータを検出することを含み、第2のサブセットが、VOCガスセンサ読み取り値を含む、判定することと、を含む。
【0047】
別の態様の実施形態は、対象哺乳動物の胃腸(GI)管路内の摂取可能なカプセルの位置を判定する方法を含み、方法は、摂取可能なカプセルを摂取のために対象哺乳動物に提供することであって、摂取可能なカプセルが、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を含む、提供することと、摂取可能なカプセルの読み取り値を時間の関数として記録することであって、読み取り値が、TCDガスセンサの読み取り値と、VOCガスセンサの読み取り値と、を含む、記録することと、記録された読みを処理することと、を含み、処理することは、第1の移行イベントタイミングを判定することを含み、第1の移行イベントタイミングは、摂取可能なカプセルによる胃十二指腸移行のタイミングであり、第1の移行イベントタイミングを判定することは、記録された読み取り値の第1のサブセットにおける胃十二指腸移行インジケータを検出することを含み、第1のサブセットは、記録されたTCDガスセンサの読み取り値を含む。そのような実施形態はまた、上記に記載された任意選択の特徴のうちの1つ以上を含み得る。そのような実施形態は、第2の移行イベントタイミングを判定することを更に含み得、第2の移行イベントタイミングは、摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングであり、第2の移行イベントタイミングを判定することは、記録された読み取り値の第2のサブセットにおける回盲接合部インジケータを検出することを含み、第2のサブセットは、VOCガスセンサ読み取り値を含む。
【0048】
別の態様の実施形態は、対象哺乳動物の胃腸(GI)管内の摂取可能なカプセルの位置を判定する方法を含み、方法は、摂取可能なカプセルを対象哺乳動物に摂取のために提供することであって、摂取可能なカプセルが、ハウジングと、電源と、TCDガスセンサと、VOCガスセンサと、を含む、提供することと、摂取可能なカプセルの読み取り値を時間の関数として記録することであって、読み取り値が、TCDガスセンサの読み取り値と、VOCガスセンサの読み取り値と、を含む、記録することと、記録された読み取り値を処理することと、を含み、処理することは、移行イベントタイミングを判定することを含み、移行イベントタイミングは、摂取可能なカプセルによる回盲接合部を横切る移行のタイミングであり、移行イベントタイミングを判定することは、記録された読み取り値のサブセットにおける回盲接合部インジケータを検出することを含み、サブセットは、VOCガスセンサの読み取り値を含む。そのような実施形態はまた、上記に記載された任意選択の特徴のうちの1つ以上を含み得る。そのような実施形態は、第1の移行イベントタイミングを判定することを更に含み得、第1の移行イベントタイミングは、摂取可能なカプセルによる胃十二指腸移行のタイミングであり、第1の移行イベントタイミングを判定することは、記録された読み取り値の第1のサブセットにおける胃十二指腸移行インジケータを検出することを含み、第1のサブセットは、記録されたTCDガスセンサ読み取り値を含む。
【0049】
実施形態は、対象哺乳動物によって摂取可能である摂取可能なカプセルを備え得、摂取可能なカプセルは、ハウジングと、電源と、アンテナを含む一次トランシーバと、プロセッサ及びメモリであって、摂取可能なカプセルの1つ以上のセンサからの読み取り値を記録し、一次トランシーバによってレシーバ装置に送信するために記録された読み取り値を記憶するように構成されている、プロセッサ及びメモリと、反射計を形成するようにアンテナと直列である方向性カプラであって、1つ以上のセンサが、反射計を含む、方向性カプラと、を備える。
【0050】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、ダイオード検出器を更に備え、ダイオード検出器は、反射計の一部を形成しており、ダイオード検出器は、方向性カプラを介してアンテナから反射信号を受信し、反射信号の振幅を測定するように構成されており、記録された読み取り値は、反射信号の振幅の測定値を含む。
【0051】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、直交復調器を更に備え、直交復調器は、反射計の一部を形成しており、直交復調器は、方向性カプラを介してアンテナから反射信号を受信し、キャリア信号に対する反射信号の位相情報を抽出するように構成されており、キャリア信号は、摂取可能なカプセルからレシーバ装置にデータを送信するためのキャリア信号である。
【0052】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、アンテナのインピーダンスを変化させるように構成された可変コンデンサと、コントローラと、を備えるアンテナインピーダンス制御機構であって、反射計及びアンテナインピーダンス制御機構は、閉ループ又はフィードバックループを形成しており、コントローラは、反射信号の振幅の測定値をダイオード検出器から受信し、制御アルゴリズムを実行して、振幅測定値を使用して、反射信号の振幅を減少させるようにアンテナのインピーダンスを変化させるように可変コンデンサのキャパシタンスを設定するアンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている。
【0053】
任意選択で、閉ループ又はフィードバックループは、直交復調器を更に備え、直交復調器によって抽出された位相情報は、コントローラに出力され、コントローラは、振幅情報及び位相情報を使用してアンテナインピーダンス制御信号を生成するように構成されている。
【0054】
任意選択で、ガスセンサカプセルの記録された読み取り値は、ダイオード検出器によって測定された反射信号の振幅の読み取り値、直交復調器によって抽出された反射信号の位相情報の読み取り値、及びアンテナインピーダンス制御信号のうちの1つ以上のアンテナ反射率関連読み取り値を備える。
【0055】
任意選択で、プロセッサは、アンテナ反射率関連読み取り値のスパイク又はステップ変化に基づいて、及び/又はアンテナ反射率関連読み取り値によって表される物理量のレベルに基づいて、摂取可能なカプセルが対象哺乳動物の胃、小腸、及び大腸のうちの1つに位置することを検出するように構成される。
【0056】
任意選択で、摂取可能なカプセルは、1つ以上のガスセンサを更に含み、1つ以上のセンサは、1つ以上のガスセンサを含む。
【0057】
実施形態は、摂取可能なカプセルと、一次レシーバのアンテナによって送信された記録された読み取り値を受信し、記録された読み取り値を処理して、アンテナ反射率関連読み取り値のスパイク又はステップ変化を識別し、かつ/又は特定のアンテナ反射率関連読み取り値によって表される物理量のレベルに基づいて、識別されたスパイク又はステップ変化の記録された読み取り値又は特定の記録された読み取り値のタイミングで、摂取可能なカプセルが対象哺乳動物の胃、小腸、及び大腸のうちの1つに位置することを検出するように構成されたレシーバ装置と、を備えるシステムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0058】
実施形態は、添付図面を参照して説明される。
【0059】
図1A】摂取可能なカプセルの概略図である。
図1B】摂取可能なカプセルの断面図である。
図1C】システムの概略図である。
図2A】摂取可能なカプセルのライブフェーズ中のシステムを例示する。
図2B】摂取可能なカプセルを含むシステムを例示する。
図2C】レシーバ装置及び中継装置を例示する。
図2D】レシーバ装置のユーザインターフェースを例示する。
図3A】摂取可能なカプセルの電子構成の概略図である。
図3B】一次トランシーバの概略図である。
図4】GI管内の摂取可能なカプセルの位置を判定するための方法のフローチャートである。
図5】GI管内の摂取可能なカプセルの位置を判定するための方法のフローチャートである。
図6】時間及び関連する成分ガス濃度に対する熱伝導率のプロットである。
図7A】時間に対するカプセル読み取り値のプロットである。
図7B】時間に対するカプセル読み取り値のプロットである。
図7C】時間に対する環境温度の読み取り値及び環境湿度の読み取り値のプロットである。
図8A-8E】時間に対するセンサ読み取り値及び判定されたガス濃度のプロットである。
図9A-9D】時間に対する記録されたカプセル読み取り値のプロットである。
図10】胃十二指腸移行イベントのタイミングを判定するための方法のフローチャートである。
図11A】センサとアルゴリズムと処理結果との間の関係を例示する。
図11B】通過時間メトリックでマークされた例示的なデータ可視化を示す。
図12A-12D】処理アルゴリズムを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1A及び1Bは、摂取可能なカプセル10を示す。摂取可能なカプセル10のライブフェーズ中(すなわち、摂取可能なカプセル10が対象哺乳動物40のGI管内から読み取り値を取得している間)の、図1A及び1Bの摂取可能なカプセル10を含むシステムが、図2Aに示されている。図1A及び1Bに例示されるような摂取可能なカプセル10内の電子構成要素の例示的な配置の概略図は、図3Aに示される。
【0061】
図1A及びBに示されるように、カプセル10は、ガス透過性膜12によって覆われた開口部を有するガス不透過性シェル11などのハウジングからなる。
【0062】
システムアーキテクチャ
図1Cに示されるように、システムは、カプセル10に加えて、ライブフェーズ中に対象哺乳動物のGI管内からカプセルによって送信されたデータを受信するレシーバ装置30を更に備える。同時に又はその後、レシーバ装置30は、受信されたデータを処理し、更に処理するためにまた、受信されたデータの一部又は全てを、クラウドベースのサービスなどのリモート処理装置にアップロードし得る。リモートコンピュータは、クラウドリソースであり得るか、又は対象が患者である臨床医施設におけるスタンドアロンコンピュータであり得るか、又は臨床医が加入者/顧客/サービスユーザであるサービスプロバイダのサーバ(クラウドベースであるか否かにかかわらず)であり得る。
【0063】
レシーバ装置30は、専用デバイス(カプセル10から受信されたデータを記憶し、任意選択で処理するように設計された)であり得るか、又はスマートフォンなどの汎用デバイスであり得る。スマートフォンは、カプセル10から受信されたデータを記憶し、任意選択で処理するための(カプセル摂取の前にスマートフォにダウンロードされた)アプリを実行し得る。特に、カプセル10は、Bluetoothトランシーバを備えてもよく、レシーバ装置30は、Bluetooth対応タブレット、スマートフォン、又はパーソナルコンピュータであり得る。
【0064】
任意選択で、システムは、クラウドコンピューティング環境又は何らかの他の分散処理環境の一部を形成するサーバなどのリモート処理装置20を更に備え得る。リモート処理装置20は、対象40が患者であり、カプセル10によって生成された結果(すなわち、データ送信ペイロード)を解釈し、それらを対象40に報告する責任を負う臨床センターによって、又はそれに代わって提供されるサーバであり得る。
【0065】
カプセル構成要素
例として、図1Cに示されるカプセルは、センサハードウェアとして、温度センサ14a及び/又は湿度センサ14bの形態の環境センサ14、TCDガスセンサ131及びVOCガスセンサ132の形態のガスセンサ、加速度計19、及び反射計を収容する。実施形態は、それらの個々のセンサの任意の単一のセンサ又は組み合わせを含んでもよい。代替的又は追加的に、実施形態は、分光光度計、表面音波センサ、及び/又はバルク音響共振器アレイなど、図1Cに示されていない1つ以上のセンサを含み得る。反射計は、一次トランシーバと、関連する回路と、を含む。
【0066】
カプセルとレシーバ装置との間の通信
カプセル10とレシーバ装置30との間のカプセル接続のライブフェーズ中のは、カプセル上のデータトランスミッタを介して行われ、データトランスミッタは、ワイヤレストランシーバ、例えばBluetoothトランシーバの一部であり得、Bluetoothトランシーバは、標準的なBluetooth送信プロトコルに従うか、又はBluetooth低エネルギー送信プロトコルに従って動作し得る。他の動作可能な通信技術には、LoRa、wifi、及び433MHz無線が含まれる。
【0067】
任意選択で、Bluetoothトランシーバ又は一次トランシーバ、及びNFCトランシーバ又は二次トランシーバなど、カプセル10上に複数のワイヤレストランシーバがあり得る。単一の集積チップが両方のトランシーバを提供し得、それによって、回路の特定の部分を複製する必要はない。しかしながら、単一の統合チップは、Bluetooth通信用(例えば、2.4Ghz)の1つのアンテナ及びNFC通信用(例えば、13.6MHz)の1つのアンテナの、2つの別個のアンテナを含む。カプセル10は、2つの別個のワイヤレス通信機構を備え得、各ワイヤレス通信機構は、通信範囲内のスマートフォン又はタブレットに対するデータの送信及び受信のうちの少なくとも一方を行うように構成される。ワイヤレス通信機構は、一次ワイヤレス通信機構若しくはBluetoothワイヤレス通信機構、及び二次ワイヤレス通信機構若しくはNFCワイヤレス通信機構であり得る。
【0068】
例えば、スマートフォン又はタブレットは、カプセル10とのデータ通信を管理するアプリケーションを実行してもよく、特に、カプセル10からのデータの記憶、処理、及び送信のうちの少なくとも1つを行うように構成されていてもよい。同じアプリケーションは、例えば、コードを用いて、スマートフォン又はタブレットから送信された1つ以上の信号を符号化することによって、カプセル10上の通信機構との通信を容易にし得、カプセル10は、上記のコードを、機能をロック解除するためのキーとして受け入れるように事前に構成されている。すなわち、カプセル10は、コードを用いて符号化された受信信号にのみ応答するように事前に構成されている。コードは特定のカプセルインスタンスに一意である。
【0069】
一次トランシーバ
カプセル10が2つのワイヤレストランシーバを含む場合、第1のワイヤレストランシーバは、Bluetooth又は433MHz無線通信プロトコルを使用し得る一次トランシーバとして構成され得る。一次トランシーバは、カプセル10のライブフェーズ中に、データ送信ペイロードをレシーバ装置30に送信するように構成されている。データ送信ペイロードは、他の部分で説明されているが、読み取り値、読み取り値を表すメトリック、運動性イベントインジケータのタイミング若しくはレポート、及び/又は運動性イベントが発生したという判定及びそのタイミングのレポートを含み得る。一次トランシーバは、対象哺乳動物40のGI管を通過するカプセル10の通過中にアクティブであり、したがって、データ送信ペイロードを含む信号を、対象哺乳動物40のGI管内から対象哺乳動物の外部のレシーバ装置30に送信するように構成される。したがって、本開示がデータトランシーバ又はデータトランスミッタ、又はトランスミッタを参照する場合、二次トランシーバ又はNFCワイヤレストランシーバとして具体的に参照されない限り、それは議論されている一次ワイヤレストランシーバ(すなわち、Bluetoothトランシーバ又は433MHzトランシーバ)であると想定される。
【0070】
二次トランシーバ
第2のワイヤレストランシーバは、NFC通信プロトコルを使用し得る二次ワイヤレストランシーバである。二次トランシーバは、開梱段階で、又はそうでなければカプセル10の摂取前に、カプセル10のアクティブモードを開始するためなど、特定のアクティブ化制御シグナリングのみのためのものである。二次トランシーバは、カプセル10のライブフェーズ中、すなわち、対象哺乳動物のGI管を通過する間は、アクティブではない。二次トランシーバは、カプセル10からレシーバ装置30へのデータ送信ペイロードの送信に寄与しない。二次トランシーバは、いかなる送信も実施しなくてもよい場合があり、すなわち、二次トランシーバは、アプリケーションを実行しているスマートフォン又はタブレットからアクティブ化制御信号を受信するだけでよい場合がある。しかしながら、NFCプロトコルは、上記アクティブ化制御信号がスマートフォン又はタブレットから送信され、カプセル10によって受信されることを可能にするために、ハンドシェイク又は結合プロセスなどの信号の双方向交換を必要とする場合がある。それにもかかわらず、カプセル10が対象哺乳動物のGI管を通過している間、二次トランシーバは非アクティブであるので、一次トランシーバの場合とは異なり、二次トランシーバが対象哺乳動物40のGI管内から対象哺乳動物の外部のレシーバ装置30に信号を送信するように構成される必要はない。
【0071】
任意選択で、二次トランシーバは、スマートフォン又はタブレット(このコンテキストではタブレットコンピュータを意味するタブレット)とカプセル10との間の相互作用を管理するように構成されたアプリケーションを実行するスマートフォン又はタブレットから符号化されたアクティブ化制御信号を受信するように構成され得、この符号化されたアクティブ化制御信号は、カプセル10のライブフェーズを開始し、ライブフェーズの間、カプセルセンサが、読み取りを行い、読み取り値自体、又は読み取り値に基づくメトリック及び/若しくはレポートが、一次ワイヤレスデータトランシーバを介してカプセル10からスマートフォン又はテーブルに送信される。したがって、二次ワイヤレスデータトランシーバは、カプセルのライブフェーズに先行するリスニングフェーズにおいてアクティブである。一次ワイヤレスデータトランシーバは、リスニングフェーズ中に非アクティブ(すなわち、まったく電力を消費しない)である。符号化されたアクティブ化制御信号が受信されると(かつそれに応答してカプセル10に電源が投入されると)、リスニングフェーズは終了し、二次ワイヤレスデータトランシーバは非アクティブになる。一次ワイヤレスデータトランシーバは、ライブフェーズ中にアクティブである。
【0072】
バッテリ電力を節約するために、カプセル10は、製造から解放された後ライブフェーズが開始するまでの時間の間にスタンバイモード又はリスニングモードで動作し、スタンバイモード又はリスニングモードの間、読み取り値は、オンボードセンサによって記録され、カプセルから送信される。スタンバイモード又はリスニングモードは、極めて低電力のモードである。カプセルのライブフェーズは、対象哺乳動物による摂取の前に開始される。スタンバイモード又はリスニングモードを終了し、ライブフェーズに入るための機構は、パッケージング上の磁石に結合されたリードスイッチを含み、リードスイッチは、パッケージングからカプセルが解放されることによってトリガされ、トリガされるとプロセッサ、センサ、及び一次トランシーバに電源が投入される(すなわち、ライブフェーズを開始する)。代替機構は、近距離無線通信、NFCに基づいている。代替機構では、カプセル10は、対象に放出される前に、スタンバイモード又はリスニングモード(NFCの特定の例では、これはセンスモードである)に維持される。リスニングモードでは、適切に符号化されたアクティブ化制御メッセージを伴って電磁界が検出されると、オンボードマイクロコントローラ(すなわち、プロセッサ)は、ライブフェーズに入る。カプセル10との相互作用及びカプセル10から受信されたデータの処理を管理する目的で構成されたアプリケーションを実行し、NFC能力を有するタブレットコンピュータ又は携帯電話は、適切に符号化されたアクティブ化制御メッセージを生成することができる。特に、バックエンドサーバは、ユーザアカウントを特定のカプセルインスタンスにリンクし得、それによって、そのユーザがアプリケーションにログインし、カプセルをアクティブ化することを選択すると、アプリケーションは、バックエンドサーバへのルックアップを実施して、アクティブ化制御メッセージをどのようにエンコードすべきかを判定する。換言すると、任意選択で、符号化は、カプセルごとに一意である。代替的に、符号化は、カプセルのバッチ又は全てのカプセルにわたって均一であり得る。
【0073】
NFCトランシーバは、一次トランシーバと同じ集積チップ上にあり得る。NFCトランシーバは、タブレットコンピュータ又は携帯電話との通信を容易にするために、カプセルの端部においてハウジングの近くに位置決めされ得る。
【0074】
更なる例示的なシステムアーキテクチャ
図2Aに示されるように、システムは、カプセルに加えて、ライブフェーズ中に対象哺乳動物のGI管内からカプセルによって送信されたデータを受信するレシーバ装置30を更に備える。同時に又はその後、レシーバ装置30は、処理のために、記録された読み取り値をリモートコンピュータ20にアップロードする。リモートコンピュータは、クラウドリソースであり得るか、又は対象が患者である臨床医施設におけるスタンドアロンコンピュータであり得るか、又は臨床医が加入者/顧客/サービスユーザであるサービスプロバイダのサーバ(クラウドベースであるか否かにかかわらず)であり得る。
【0075】
図2Bは、システムの更なる例を例示する。システムは、摂取可能なカプセル10と、レシーバ装置30と、レシーバ装置用の充電器32と、レシーバ装置を中継装置50に接続するための通信ケーブル34と、クラウドを介してアクセス可能なリモートコンピュータ20と、を備える。摂取可能なカプセル10は、密封されたパッケージ内で患者に提供される。例えば、ライブフェーズ中に、摂取可能なカプセルは、433MHzトランシーバを介してレシーバ装置30にセンサ読み取り値を送信する。レシーバ装置30は、患者によって装着されるベルト上に取り付けられ、433MHzトランシーバも備える。レシーバ装置30は、充電器32を介して再充電可能である。ユーザインターフェースは、ボタンと、LEDディスプレイと、を備える。レシーバ装置30は、例えば、USB-C接続を介して中継装置50に接続可能である。レシーバ装置30上のファームウェア及びミッドウェアは、中継装置50を介して更新可能である。中継装置50は、アプリケーションを搭載したタブレットであり得、再充電可能でもあり得る。中継装置50は、臨床医によって保持され、それによって、レシーバ装置からアップロードされたデータを、リモートコンピュータ20による処理のために送信される前に患者IDに関連付けるように構成される。カプセルのライブフェーズが終了すると、レシーバ装置は患者によって臨床医に戻され、ライブフェーズ中にカプセル10によって送信された読み取り値は、患者データと関連付けられ、処理のためにリモートコンピュータ20に転送されるために中継装置50にアップロードされる。リモートコンピュータ20は、受信されたデータを分析して、インジケータを検出し、胃-十二指腸移行、回盲接合部移行、摂取、及び排泄を含む運動性イベントのタイミングを判定する。外部マグネットクリップは、保管及び輸送中にカプセルを電源遮断状態に保ち得る(開梱する前にカプセル10内のリードスイッチに磁気的に結合され得る)。代替的に、カプセル10は、二次NFCトランシーバが、リスニングモードにあり、かつ、カプセル10とのデータ通信を管理するためのアプリケーションを実行しているスマートフォン又はタブレットなどのNFC対応レシーバ装置30から符号化されたNFC制御信号を受信するように構成される非常に低い電力モードであり得、受信された信号は、カプセル10に電源を投入し、カプセル10のライブフェーズを開始する。
【0076】
図1Cに示されるように、Bluetooth対応カプセルは、カプセル10とのデータ通信を管理するためのアプリケーションを実行するスマートフォン又はタブレットと直接通信し得、スマートフォンは、アプリケーションを介して、本明細書に開示されるように、レシーバ装置として動作可能である。本開示の他の部分で論じられるように、カプセル10は、二次トランシーバとしてスマートフォン又はタブレットと通信するためのNFC通信機構を更に備え得る。
【0077】
ペアリング又はカップリング
一次ワイヤレスデータトランスミッタは、Bluetoothトランスミッタ、Wifiトランスミッタ、無線トランスミッタ、又は別の形態のワイヤレスデータトランスミッタであってもよい。一次無線トランスミッタは、433MHz帯域において送信するように構成され得る。いずれの場合にも、一次ワイヤレスデータトランスミッタは、一次ワイヤレスデータトランシーバの一部として提供され得る。例えば、一次ワイヤレスデータトランシーバは、少なくともペアリング又は受信側デバイス30への任意の他の形態のカップリングを実施する際に信号を受信し得る。カプセル10は、ライブフェーズの開始時に直ちにワイヤレスペアリング又はカップリングモードに入るように構成され得(すなわち、第1のフルパワーオン)、ここで、対象又は別のユーザは、(取扱説明書を介するか、又は受信側デバイス自体で実行されるアプリケーションを介して)カプセル10及び特にカプセル10の一次ワイヤレストランシーバと受信側デバイス30とのペアリング又はカップリングを、カプセル10を摂取する前に行うように指示される。しかしながら、実施形態は、ペアリング又はカップリングが必要ではないように構成されてもよく、例えば、カプセル10は、ペアリング又はカップリング状態に依存しないデータ送信技術で受信側デバイスにデータをブロードキャストするように構成され得る。ペアリング又はカップリングは、一次データトランシーバによって、カプセル10からレシーバ装置30へのデータ送信ペイロードの送信のためのデータ通信接続又は経路を確立する。
【0078】
データ送信ペイロードは、排泄前送信ルーチン、排泄後送信ルーチン、又はその両方のいずれかにおいて、カプセル10からレシーバ装置30に送信されるデータである。データ送信ペイロードは、カプセル10上のセンサ又は擬似センサからの生読み取り値、上記生読み取り値のオンボード処理によって計算されたメトリック、上記生読み取り値のオンボード処理によって識別された運動性イベントインジケータのうちの1つ以上を備え得る。
【0079】
一次トランレシーバ排泄後データ送信ルーチン
2つの主なデータ送信ルーチンがあり、摂取可能なカプセルは、実装形態の詳細(すなわち、ユースケース)に応じて、いずれか又は両方のデータ送信ルーチンを使用するように構成され得る。排泄後データ送信モデルでは、センサからの信号は、(メモリハードウェア152の記憶能力も利用して)プロセッサハードウェア151において受信され、運動性インジケータ(及び任意選択で、関心のあるセンサ出力若しくはセンサ読み取り値の他の特性又は関心のあるセンサ読み取り値のグループ)を識別及び記録するためにカプセル10上で処理され、記録された運動性インジケータ(及び任意選択で、ピークH2、時間に対するH2のプロット下の面積などの、関心のある他の特性、メトリック、及び読み取り値又は読み取り値のグループ)は、データ送信ペイロードとしてメモリハードウェア152上に記憶される。関心のある他の特性及び読み取り値又は読み取り値のグループは、例えば、特定のセンサからの最大又は最小読み取り値、又はセンサを組み合わせることによって計算されたメトリックからの最大又は最小読み取り値を含み得る。最大又は最小読み取り値は、局所的な最大読み取り値又は局所的な最小読み取り値であり得、局所は、例えば、カプセル10自体によって発生したと判定される所定のタイミング又は運動性イベントによって定義される。具体的な例は、最大又は最小H2濃度であり、これは、適切に較正されたプロセッサハードウェアによってガスセンサ読み取り値から計算されたメトリックである。
【0080】
排泄後データ送信ルーチンでは、(例えば、温度センサ14a信号及び/又は加速度計19信号によって)GI管からのカプセル10の排泄が検出された後、データ送信ペイロードが、ワイヤレストランシーバによって送信される。メトリックは、ピークH2レベル又は値、ピークH2のタイミング、及び総H2(曲線下の面積)を更に含む。そのようなメトリックは、対象のGI管を通過する間にオンボードプロセッサハードウェア151によって計算され、排泄後送信において、レポートの一部として又は他の方法によってカプセル10からレシーバデバイスに送信され得る。
【0081】
排泄後データ送信ルーチンでは、送信は、ペアリングステータスに依存しないBluetooth送信モードを介して行われ得る。すなわち、例えば、Bluetoothトランシーバは、レシーバ装置30にペアリングされている場合、データ送信ペイロードをペアリングされたレシーバデバイスに送信し、Bluetoothトランシーバは、ペアリングされていない場合、照会モード(検出モード又はビーコンモードと呼ばれることがある)においてペアリングがない状態でデータ送信ペイロードをレシーバ装置30にブロードキャストする。Bluetoothプロトコルは、デバイスが一意の識別子、名前、及び他の情報をブロードキャストする照会モードを有する。データ送信ペイロード又はその一部は、上記他の情報を備え得るか、又は上記他の情報に含まれ得る。特に、データ送信ペイロードは、プロセッサハードウェア151によって優先順位付けされるか、又は他の方法でフィルタリングされ得、それによって、排泄が発生したとの指標(カプセル10が排泄されたことを知ることは臨床的理由で重要である)などの特に重要と見なされる情報、及び潜在的には判定された運動性イベントのタイミングなどの情報が、他の情報に優先してカプセル10から転送される。
【0082】
照会モード送信に続いて、トランシーバは、再び、受信側デバイスとペアリング、接続、又はそうでなければカップリングを試み、成功した場合は、データ送信ペイロードの残りの送信を試みる。もちろん、上記ペアリング、接続、又はカップリングは、排泄後にBluetoothトランシーバがレシーバデバイス30との再ペアリング、再接続、又は再カップリングを試みるように、最初に摂取前に実施されていてもよい。本説明では、送信プロトコルの一例としてBluetoothを使用するが、同じ技術が異なる送信プロトコルに適用され得ることに留意されたい。
【0083】
Bluetooth照会モード中に一意の識別子、名前、及び他の情報のブロードキャストの後にカプセル10からの送信を保留するデータ送信ペイロードがある場合、カプセル10は、レシーバデバイス30とのデータ通信接続(すなわち、ペアリング又は再ペアリング)を開始又は再開始するように構成され得る。通信接続の開始又は再開始が成功すると、データ通信接続がアクティブのままである間に、カプセル10からの上記データ送信ペイロードの未解決の送信が実施される。
【0084】
Bluetooth、一次、トランシーバ18、又は任意の他の一次ワイヤレスデータトランシーバ18は、レシーバデバイス30への初期(すなわち、入力前)接続に続いて自動的に再接続するように構成され得る。レシーバデバイス30は、アプリ又はウエブアプリを実行して、カプセル10をどのように摂取するかに関して対象を案内し得、排泄イベントが判定されたことを対象に通知し得、任意選択でデータ送信ペイロードがレシーバデバイス30に正常に送信されたことを通知し得、したがってカプセル10は洗浄され得る。ペアリング、接続、及びカップリングという用語は、本明細書では交換可能であり、各々が、ワイヤレスデータ転送のための2つのデバイス間のワイヤレス接続の確立を表すことに留意されたい。
【0085】
データ送信ペイロードは、レシーバデバイス30へのペアリング、カップリング、又は接続に依存して、GI管におけるカプセル10の通過の初めから終わりまで送信され得ることに留意されたい。しかしながら、カプセル10の安全性は、カプセル10が排泄されることに依存するので、カプセルによって排泄イベントの発生が判定されたことの確認は、特に重要な情報である。したがって、排泄イベント(すなわち、そのレポート)の発生の判定を表す情報が優先され、ブロードキャストモード又は照会モードで送信され得るが、ワイヤレスデータトランスミッタ18とレシーバデバイス30との間の接続が確立された後、残りのデータ送信ペイロードが送信される。
【0086】
Bluetooth照会モードでは、データは、ペアリングすることなく、レシーバ装置30、又はカプセル10の範囲内の任意のBluetoothレシーバ装置に送信することができる。一次トランシーバ18は、Bluetooth照会モード又はBluetooth低エネルギーモードで動作可能である。カプセル10は、特定された運動性インジケータのいずれかの側の所定の期間を表す1つ以上のセンサからのデータ送信ペイロード読み取り値のうちの読み取り値を記憶及び送信し得る。例えば、ガスセンサ信号のみ、又は全てのセンサに対して。そのような読み取り値は、運動性イベントが発生したか否かを判定する観点から、特定された運動性インジケータに信頼度を追加するために使用され得、かつ/又は健康若しくは臨床コンテキストにおいて有用な他の情報を提供し得る。
【0087】
より一般的には、排泄後データ送信ルーチンに従って送信されるデータは、まだ送信されていないデータ送信ペイロードのいずれかであり得る。例えば、一次トランシーバ18は、依然としてGI管内にある間に、ペアリングされたレシーバ装置にデータ送信ペイロードを送信するように構成され得る(送信のこの要素は、本明細書では、排泄前データ送信ルーチンと称される)。しかしながら、信号減衰、ノイズ、電源の問題、一時的なペアリングの失敗などの問題、又はペアリングが最初に実施されなかった場合、又は任意の他の理由で、データ送信ペイロードの一部又は全てが、排泄の時点で送信を保留する可能性がある。その場合、残りのデータ送信ペイロードは、排泄が検出された後、排泄後データ送信ルーチンに従って送信される。データ送信ペイロードのダウンサンプリングは、排泄後データ送信ルーチンを介した送信の前に実施され得ることに留意されたい。更に、データ送信ペイロードのいくつかの要素は、排泄後データ送信ルーチンを介して送信されるのを阻止され得ることに留意されたい。例えば、帯域幅、及び送信を行う時間も制限され得るので、運動性イベントインジケータ及び診断インジケータ自体が含まれ得るが、センサ読み取り値は、排泄後データ送信ルーチンに従って送信されるデータから除外され得る。
【0088】
一次トランレシーバ排泄後データ送信ルーチン
排泄前データ送信技術において、センサ信号は、一次トランシーバ18によって連続的に(エラー、故障、及び他の意図しない中断にもかかわらず)送信される。排泄前データ送信ルーチンにおいて、プロセスハードウェア151は、ワイヤレストランシーバ18による送信のために、センサからの信号の受信及びメモリハードウェア152における記憶を調整する。
【0089】
Bluetooth一次トランシーバ18の例では、排泄前送信ルーチンでは、トランシーバは、BTLE Coded PHYなどの長距離Bluetooth送信手順又はcoded-phy Bluetooth送信手順に従って操作されてもよい。約10dBの信号電力拡張は、BTLE Coded PHY Bluetooth送信手順を介して達成可能である。
【0090】
摂取可能なカプセル10のデータ送信フェーズ中(すなわち、摂取可能なカプセル10が、使用中であり、すなわち、対象哺乳動物40のGI管内にあり、読み取り値を取得及び送信している間、摂取可能なカプセル10のデータ送信フェーズは、排泄後データ送信ルーチンにおいて排泄後ショートバーストであり、排泄前データ送信ルーチンにおいて連続的である)、ワイヤレストランスミッタ18は、読み取り値をレシーバ装置30に送信し、レシーバ装置30は、読み取り値を受信及び記憶する(かつ任意選択でユーザインターフェースを用いる)ための専用デバイスであり得るか、又は携帯電話(スマートフォンなど)などの多機能デバイスであり得る。携帯電話は、データ送信ペイロードのいくつか又は全てを処理して、データ送信ペイロードに含まれるか、又はデータ送信ペイロードから導出可能な運動性インジケータ及び診断インジケータに基づく運動性レポート又は病状の診断を生成するアプリケーションを実行してもよい。代替的に、アプリケーションは、データ送信ペイロードをサーバ又は別の処理装置に送信して、データ送信ペイロードに基づく運動性レポート又は診断を生成するように構成されてもよい。対象哺乳動物は、ライブフェーズ中にリモートコンピュータ20の特定の範囲内に留まる必要はない。Bluetoothトランシーバ18を備えたカプセル10は、ユーザのスマートフォンと直接通信し得、これによって、専用のレシーバ装置が不要になる(スマートフォンがレシーバ装置30の役割を担う)。レシーバ装置30(専用デバイスであれ、携帯電話であれ、タブレットコンピュータであれ)は、読み取り値自体を処理してもよく、又は処理(すなわち、運動性インジケータを特定し、運動性イベントタイミングを判定し、ガス分析物を分解する)のために読み取り値をリモートコンピュータ20にアップロードしてもよい。アップロードは、カプセルのライブフェーズ中に連続的に行われ得るか、又はアップロードは、カプセルのライブフェーズが終了した後に行われ得る。レシーバ装置30はまた、読み取り値を記憶し得、したがって、レシーバ装置30とリモート処理装置との間の接続の損失は重大ではない。
【0091】
前処理
オンボードプロセッサ151は、以下により詳細に論じられるように、1つ以上の処理ステップ又は前処理ステップを適用し得る。読み取り値のデジタル化は、センサ自体によって実施されるか、プロセッサ151によって実施されるか、又はワイヤレストランシーバ18によって実施される。デジタル化された読み取り値は、アンテナ17を介して送信される。カプセル10の読み取り値は、瞬間的に得られ、読み取り値が得られた瞬間的な時間に関連付けられる。例えば、タイムスタンプが、マイクロコントローラ15、ワイヤレストランスミッタ18による読み取り値、又はレシーバ装置30若しくはリモートコンピュータ20での読み取り値に関連付けられ得る。例えば、読み取り値がワイヤレストランスミッタ18によっておおよそ瞬間的に(すなわち、1秒又は数秒以内に)得られて送信される場合、レシーバ装置による受信時間は、タイムスタンプとして読み取り値に関連付けられ得る。以下で更に論じられる読み取り値の処理は、読み取り値の相対的なタイミングに多少依存する(すなわち、それによって、異なるセンサからの同時読み取り値が同時として特定され得る)が、1秒、数秒、又は10秒のレベルの精度で十分である。
【0092】
データ送信ルーチンの組み合わせ
ハイブリッドモードでは、カプセル10は、2つのデータ送信ルーチンを組み合わせ得る。例えば、カプセル10は、排泄直後のBluetooth照会モードで送信するために、センサ読み取り値をオンボードで処理して、運動性マーカー(及び任意選択で同じく、関心のある他の読み取り値又は読み取り値のグループ)を特定し得る。加えて、カプセル10は、センサ読み取り値をペアリングされたレシーバ装置に連続的に送信し得る。任意選択で、連続送信は、ガスセンサ信号のみ、又はガスセンサ信号を較正するために必要なガスセンサ信号及び温度センサ信号であってもよい。ガスセンサ信号は、特に、加速度計、反射計などの他のセンサによって提供される運動性インジケータと組み合わされると、健康及び臨床情報を提供するうえで特に有益である。ガスセンサ信号は、送信前に、オンボードプロセッサによってダウンサンプリングされるか、又は他の圧縮技術を受けられ得る。任意選択で、オンボードプロセッサハードウェア151は、特定の閾値を満たすガスセンサ信号のみがデータ送信ペイロードに含まれるように、値自体に適用されるか、又は時間に関して導関数に適用されるハイパスフィルタ又はローパスフィルタなどの1つ以上のフィルタを適用し得る。導出されたH2値のピーク、又は時間に関して導出されたH2値のプロット下の面積などのガスセンサ信号を表すメトリックは、維持され、カプセル10から送信され得る。
【0093】
GI管を通過する間にデータ送信を実施するように構成されたカプセル10(すなわち、排泄前データ送信ルーチン)について、この周波数範囲内の電磁波が哺乳動物組織40を安全に貫通できるように、商用バンド(433MHz、Bluetooth(2.4Ghz)など)がアンテナ17によって使用される。Bluetoothはまた、そのようなカプセルでも使用され得、Bluetoothは、特に対象(ヒト)のBMIが閾値を上回っている場合、又は何らかの他の理由で高レベルの減衰が予想される場合に、長距離Bluetoothであり得る。他の商用バンド及びプロトコルは、LoRaなどの様々なアプリケーションで使用され得る。コーディングは、カプセル10によって送信されたデータが、他の同様のカプセル10によって送信されたデータと区別可能であることを保証するために、デジタル化段階で適用され得る。送信アンテナ17は、例えば、本体データ取得システムの外部にデータを送信するための疑似パッチタイプであってもよい。
【0094】
電源
電源16は、プロセッサハードウェア151と、メモリハードウェア152と、を含むセンサ及び電子回路に電力を供給することができるバッテリ又はスーパーコンデンサである。消化管カプセルの最小要件として、少なくとも48時間の寿命が設定され得る。電源16内のいくつかの酸化銀電池は、カプセルについての必要な寿命及び他の仕様に応じて、構成可能である。例えば、長距離Bluetoothは、標準Bluetoothよりも多くの電力を消費し得る。カプセルは、バッテリ(又は複数のバッテリ)に蓄積されたエネルギーが所定の閾値を下回ると、長距離Bluetooth送信から標準Bluetooth送信に切り替わるように構成され得、オンボードプロセッサは、保存されたエネルギーレベルを監視するように構成されている。
【0095】
中継装置
図2Cは、中継装置50に接続されたレシーバ装置30を示す。例えば、中継装置50は、シリアル番号などのカプセルIDを、生成されたレポート上に表示される特許情報にペアリングするために使用される院内Androidタブレットであってもよい。Androidタブレットには、患者にカプセルを摂取するように指示することを含むカプセルの投与プロセスを臨床医に説明する一連の画面を備えたアプリケーションが搭載されている。いくつかの実装形態では、命令のタイムスタンプは、(例えば、摂取が臨床医によって目撃された場合)摂取イベントタイミングとして記録され得る。代替的に、(及び図2A~2Dに示されるように)摂取イベントタイミングは、対象とレシーバ装置30上のボタンとの相互作用を介して記録され得る。
【0096】
オンボード構成要素
カプセル10は、内部に、ガスセンサ13と、環境センサ14と、マイクロコントローラ15と、を含む。環境センサ14は、温度センサ14a又は湿度センサ14bであり得るか、又は温度センサ14a及び湿度センサ14bであり得る。内部エレクトロニクスはまた、電源16、例えば、酸化銀電池と、アンテナ17と、ワイヤレストランスミッタ18と、リードスイッチと、を含み得る。図3Aに示されるように、ガスセンサ13は、TCDガスセンサ131と、VOCガスセンサ132と、を含む。
【0097】
ガスセンサ13は、各々数mm未満の寸法であり、酸素、水素、二酸化炭素、及びメタンを含む特定のガス成分に感受性がある。実際、VOCセンサ132は、センサ側読み取り値及びドライバ又はヒータ側読み取り値を与えるように構成され得る。ヒータ側読み取り値は、周囲のガスの熱伝導率を判定するために使用され得、それによって、VOCのヒータ側読み取り値は、TCD読み取り値である。センサ側読み取り値は、周囲のガス中の揮発性有機化合物の濃度を判定するために使用され、VOC読み取り値である。TCDセンサ131は、例えば、サーモパイル出力に結合された加熱要素であってもよく、サーモパイル温度は、カプセル10の位置でガスに伝導されるエネルギーに起因して変化する。TCDセンサ131は、加熱要素からの熱拡散速度を測定する。
【0098】
図6に示されるように、VOCセンサのヒータ側(TCDセンサとして動作する)及びTCDセンサのセンサ側は動作範囲が異なるので、2つのセンサからのTCD読み取り値は集合的に、いずれかのセンサの個別の動作温度範囲よりも広い動作温度範囲に及ぶ。どちらのセンサも加熱要素を有する。TCDセンサの動作温度は低いが、精度は高い。VOCのヒータ側は、動作範囲を広げるが、TCDセンサよりもTCD読み取り値の精度が低い。2つのガスセンサ13によって一致して達成されるより大きな集合熱範囲は、第2の処理分岐における分析物のより良好な分解能を可能にする。GI管のガス混合物中の成分ガスの熱伝導率は、温度によって変化するので、異なる動作温度でTCD読み取り値を取得することによって、異なるガスが互いに分解され得る。このことは、第2の処理分岐において利用され、第2の処理分岐では、カプセル10を取り囲むガス混合物中の成分ガスの同一性及び濃度を判定する。
【0099】
ガスセンサ13は、電源16及び他の電子構成要素から密封されたカプセル10の一部分に含まれる。カプセルのこの部分の外面は、選択的透過膜で構成されている。例えば、ガスセンサ13は、それぞれのガスセンサ13の感知部分を、センサ読み取り値が取得される温度(すなわち、測定温度)まで加熱するように駆動されるそれぞれのヒータを含む。ヒータは、感知部分の温度が時間的に変化するようにパルス駆動され得、したがって、測定温度は、読み取りを行うのに十分な期間にわたって取得されるが、測定温度を連続的に維持するために必要とされる電力を消費することなく取得される。
【0100】
ガスセンサ13は、較正され、それによって、ガスセンサ読み取り値は、特定のガスの組成及び濃度を識別するために使用され得る。較正係数は、製造において収集され、処理段階で(すなわち、クラウド上のようなサーバによって)記録された読み取り値に適用される。それ以外の場合、この較正は、カプセル10上で実施されるか、レシーバ装置30において実施されるか、又は較正係数及びガスセンサ13からの記録された読み取り値にアクセスできる任意のデバイス上で実施され得る。そのような較正は、カプセル10におけるガス混合物中の成分ガスの濃度の測定に関連する処理の分岐に関する。処理のその分岐の出力についてのコンテキストは、処理の別の分岐によって提供され、処理の別の分岐は、上記ガス混合物が見出されるGI管内のカプセル10の位置を判定する(又は所定の信頼レベル内で予測する)。位置判定処理分岐では、異なる温度で摂取された食品が胃内の環境温度を変化させ、熱拡散速度に影響を与えるので、胃十二指腸移行インジケータを見つけるためにある較正も必要とされ得る。摂取後及び胃十二指腸移行前(すなわち、カプセル10が胃内にある間)に取得されたガスセンサ読み取り値の場合、読み取り値の処理は、環境温度センサ14aによる環境温度読み取り値に基づいて、環境温度の変化を補正するために、いずれかのガスセンサからのTCD読み取り値に調節を適用することを含み得る。TCD読み取り値は、周囲への熱損失率を効果的に測定するので、仮定(すなわち、対象哺乳動物の内部温度の事前知識)に依存するのではなく、周囲の温度を測定することによって精度が改善される。しかしながら、処理は、例えば、カプセル10が環境温度センサ14aを含まない場合、又は環境温度センサ読み取り値に何らかの問題がある場合、又は例えば、仮定によって提供される精度のレベルが特定の実装形態で許容される場合、仮定に依存し得る。胃の温度は、例えば、対象哺乳動物による液体又は食品の摂取、又は対象哺乳動物40によって行われる身体活動に基づいて変化し得る。環境温度は、ガスセンサ13の動作温度とは異なる、カプセル10が位置する環境の温度を指すために本明細書で使用される用語である。異なる成分ガスに対するガスセンサ13の感度は、センサの動作温度に従って変化し、読み取り値の処理は、同時動作温度に従って、及び任意選択で同時環境温度に従って、ガスセンサからの読み取り値を較正(調節又は補正とも呼ばれる)することを含む。
【0101】
ガスセンサ13及び環境センサ14に加えて、カプセル電子機器は、マイクロコントローラ15と、電源16と、アンテナ17又は複数のアンテナと、ワイヤレストランシーバ18又は複数のワイヤレストランシーバと、任意選択でリードスイッチと、を更に含む(ただし、2つのワイヤレストランシーバがある場合、リードスイッチは省略され得る)。ワイヤレストランスミッタ18は、一次トランシーバのアンテナ17と協働して動作して、センサ(集合的には、ガスセンサ13及び環境センサ14を指す)からの読み取り値を含むデータ送信ペイロードを、処理のためにレシーバ装置30及び/又はリモートコンピュータ20に送信する。
【0102】
摂取可能なカプセル10のライブフェーズの間(すなわち、摂取可能なカプセル10が使用されている間、すなわち、対象哺乳動物40のGI管内にあり、読み取り値を取得及び送信している間)、排泄前データ送信ルーチンを想定すると、一次トランシーバのワイヤレストランスミッタ18は、読み取り値をレシーバ装置30に送信し、レシーバ装置30は、読み取り値を受信及び記憶するための(かつ任意選択でユーザインターフェースを用いる)専用デバイスであり得るか、又はカプセル10からのデータを受信、処理、及び/又は送信する際のスマートフォンの役割を管理するアプリケーションを実行する携帯電話(スマートフォンなど)などの多機能デバイスであり得る。対象哺乳動物40は、ライブフェーズ中にリモートコンピュータ20の特定の範囲内に留まる必要はない。レシーバ装置30は、読み取り値をリモートコンピュータ20にアップロードする。アップロードは、カプセルのライブフェーズ中に連続的に行われ得るか、又はアップロードは、カプセルのライブフェーズが終了した後に行われ得る。連続送信の場合、レシーバ装置30はまた、レシーバ装置30とネットワークとの間の接続の損失が重大ではないように、読み取り値を記憶し得る。レシーバ装置30は、1つ以上の前処理ステップを適用し得る。読み取り値のデジタル化は、センサ自体によって実施されるか、マイクロコントローラ15によって実施されるか、又はワイヤレストランスミッタ18によって実施される。デジタル化された読み取り値は、アンテナ17を介して送信される。カプセル10の読み取り値は、瞬間的に得られ、読み取り値が得られた瞬間的な時間に関連付けられる。例えば、タイムスタンプが、マイクロコントローラ15、ワイヤレストランスミッタ18による読み取り値、又はレシーバ装置30若しくはリモートコンピュータ20での読み取り値に関連付けられ得る。例えば、読み取り値がワイヤレストランスミッタ18によっておおよそ瞬間的に(すなわち、1秒又は数秒以内に)得られて送信される場合、レシーバ装置による受信時間は、タイムスタンプとして読み取り値に関連付けられ得る。以下で更に論じられる読み取り値の処理は、読み取り値の相対的なタイミングに多少依存する(すなわち、それによって、異なるセンサからの同時読み取り値が同時として特定され得る)が、1秒、数秒、又は10秒のレベルの精度で十分である。
【0103】
図3Aは、一次トランシーバアンテナ17及び方向性カプラ171をワイヤレストランスミッタ18の要素として示している。この理由は、アンテナが、ワイヤレストランスミッタ18がレシーバ装置30にデータを送信する物理的手段であるからである。ワイヤレストランスミッタ18はまた、送信のためにデータをバッファリングするように構成される。ワイヤレストランスミッタ18はまた、同様のカプセル10の群の中でカプセル10に固有のコードを用いてデータを符号化するように構成され得る。
【0104】
図3Aの電子構成要素間の相互接続は、中央バスを介しているように示される。これは、電力及びデータが構成要素間でどのように分散され得るかの一例である。他の回路アーキテクチャが実装されてもよく、例えば、全ての接続は、構成要素間のデータ及び電力の分配を調整するマイクロコントローラ15を介してもよい。センサ(TCDセンサ131、VOCセンサ132、環境センサ14、加速度計19、及び方向性カプラ171)は、電源16によって給電されるマイクロコントローラ15の指示の下で読み取りを行い、アンテナ17を介したレシーバ装置への送信のために読み取り値をワイヤレストランスミッタ18に転送する。
【0105】
カプセルの寸法は、直径が11.2mm未満、長さが27.8mm未満であり得る。カプセル10のハウジングは、生体適合性を有する消化不能なポリマーで作製されてもよい。ハウジングは、可能な限り短い時間でのカプセルの通過を可能にし、任意のカプセル保持のリスクを最小限に抑えるために、滑らかで粘着性がなくてもよい。
【0106】
データ処理
処理は、ほぼリアルタイムで実施され得、送信及び処理によって引き起こされる待ち時間を許容する。代替的に、読み取り値は、レシーバ装置30によって受信され、アップロード及び遡及的な処理のために記憶され得る。そのような遡及的処理は、最初に(すなわち、逆の時系列で)最新の読み取り値を分析することによって実施され得るので、判定される最初のイベントタイミングは、排出時であり、その次のイベントタイミングはICJ時であり、次が取得時であり、次が摂取時である。又は、分析は、時系列における読み取り値の分析であり得る。
【0107】
リモートコンピュータ20は、読み取り値を処理し得、又は処理は、カプセル10内で実施され得るか、又はレシーバ装置30によって実施され得る。これらのデバイスの何らかの組み合わせによって処理を実施し得る。処理は、2つの分岐、すなわち、読み取りに基づいてGI管内の摂取可能なカプセル10の位置を判定するための第1の(運動性)分岐、及び摂取可能なカプセル10の位置でガス混合物中の成分ガス及びその濃度を判定するための任意選択の第2の(ガス組成物)分岐を含むと考えられ得る。本明細書で論じられる実施形態は、主に第1の(運動性)分岐に関するものであり、GI管内の摂取可能なカプセル10の位置を正確に判定することの特定の利点は、第2の(ガス組成)分岐の判定にコンテキストを提供することであることに留意されたい。しかしながら、処理の第1の(運動性)分岐の結果は、処理の第2の(ガス組成)分岐がない場合でも、腸の健康の評価において有用な情報を提供し、処理の第2の(ガス組成)分岐を上回る他の有用性を有し得ることに留意されたい。任意選択で、処理の第2の(ガス組成)分岐の判定は、処理の第1の(運動性)分岐の判定に信頼度を追加するために利用されてもよい。
【0108】
異なるセンサ又は疑似センサからの読み取り値は、必要に応じて、第1の(運動性)分岐及び/又は第2の(ガス組成)分岐において使用される。例えば、TCDガスセンサ読み取り値は、例えば、カプセル10の位置でのH2の濃度を判定するために、第1の(運動性)分岐及び第2の(ガス組成)分岐における胃十二指腸移行インジケータを検出するために利用される。VOCヒータ側からの読み取り値は、より高温のTCDセンサとして第2の(ガス組成)分岐において使用され、TCD読み取り値が取得される温度範囲を増加させ、したがって、検出可能なH2濃度の範囲を増加させる。VOCセンサ側は、O2及びH2の両方並びに他のガスに感受性があるので、これらの読み取り値は、第2の(ガス組成)分岐において利用され得る。他のガスとしては、CH4及びSCFAが挙げられる。任意選択で、VOCセンサ側読み取り値は、第2の(ガス組成)分岐では使用されず、VOCセンサ側読み取り値は、回盲接合部インジケータを検出するためにのみ使用される。任意選択で、VOCセンサ側(すなわち、VOC感知要素)は、分圧器ネットワーク内に抵抗器を形成しており、その出力は、VOCセンサ側のライブ読み取り値として測定される。分圧器ネットワークの出力を感知要素からの抵抗測定値に変換するために、カプセル10において、かつ/又は処理の一部として変換が適用され得る。VOCセンサ側は、一貫した(すなわち、繰り返される)電圧パルスプロファイルを用いて駆動され得る。VOCセンサ側読み取り値は、電圧パルスと読み取り値のタイミングとの間に位相シフトが起こらないように、電圧パルスプロファイルと同期して行われてもよい。CH4濃度は、TCDガスセンサ読み取り値及び/又はVOCヒータ側読み取り値から判定される。
【0109】
一次トランシーバ構成及びアンテナ反射率関連読み取り値
一次トランシーバのアンテナ17によって商用帯域(433MHz及びBluetooth 2.4GHzなど)が使用される。その理由は、この周波数範囲内の電磁波が哺乳動物組織40を安全に貫通することができるからである。他の商用帯域が使用され得る。コーディングは、カプセル10によって送信されるデータが他の同様のカプセル10によって送信されるデータと区別可能であることを確実にするために、デジタル化段階において適用されてもよい。送信アンテナ17は、例えば、本体データ取得システムの外部にデータを送信するための疑似パッチタイプであってもよい。電源16は、センサ及び電子回路に電力を供給することができるバッテリ又はスーパーコンデンサである。消化管カプセルには少なくとも48時間の寿命が必要である。電源16内のいくつかの酸化銀電池は、カプセルについての必要な寿命及び他の仕様に応じて、構成可能である。
【0110】
アンテナ17は、方向性カプラ171と直列であってもよい。方向性カプラ171及びアンテナ17は、反射計として構成されている。反射計は、ダイオード検出器によって反射信号の振幅を測定する。反射計の振幅測定値は、カプセルの近くにある材料の電磁特性を表す読み取り値である。例えば、アンテナとカプセル10を取り囲む環境との間の良好なインピーダンスマッチングが良好である場合、低振幅反射信号がもたらされ、したがって、低振幅測定がもたらされる。アンテナとカプセル10を取り囲む環境との間のインピーダンスマッチングが不十分である場合、高振幅反射信号がもたらされ、したがって、高振幅測定がもたらされる。
【0111】
上記の例では、反射計は、一次トランシーバのアンテナ17において反射信号の振幅を測定する。任意選択で、反射計は、反射信号の位相を測定するように構成され得る。例えば、カプセル10は、反射信号から位相情報を抽出するための直交復調器を含み得る。位相情報は、反射信号を表す振幅情報に加えて、次元を提供する。第1の例では、反射信号からの位相情報は、位相情報の分析が運動性イベントインジケータを提供するように、カプセルを取り囲む環境の変化におけるステップ変化を示し得る。以下でより詳細に説明される第2の例では、位相情報は、アンテナ制御信号をどのように修正してアンテナインピーダンスを環境のインピーダンスによりよく一致させるかの判定を行うことを可能にする。
【0112】
直交復調器は、反射率信号の変調を虚部信号及び実部ベースバンド信号に変換する。直交復調器は、90度の位相差を有するキャリア周波数(キャリア周波数は、一次トランシーバによる送信の周波数である)正弦波によって駆動され、位相情報を生成するために比較することができる2つのベースバンド信号を生成する。ローパスフィルタリングは、(虚部信号及びベースバンド信号の各々に)適用されて、元のベースバンド周波数の約2倍の周波数で高周波コンテンツをフィルタリングすることができる。
【0113】
反射計読み取り値(振幅読み取り値及び位相読み取り値の一方又は両方である)は、GI管内のカプセルの位置において気体と、液体と、固体の物質とを区別するための基礎を提供する。反射計読み取り値(振幅読み取り値及び位相読み取り値の一方又は両方である)は、カプセル10を取り巻く異なる物理環境を区別するための基礎を提供する。反射計の読み取り値は、アンテナ17及び方向性カプラ171が環境誘電及びインピーダンスセンサとして協働して動作することを可能にする。
【0114】
反射計チューナブルアンテナ
図3Bは、反射計の特定の例を示している。カプセル10は、オンボードセンサ及び擬似センサを介してキャプチャされたカプセル10のデータ送信ペイロードを無線信号を介してレシーバ装置30に送信するように構成されている。利用可能なエネルギーがカプセル10内で制限されるので、カプセル10は、エネルギー効率の良い様式で無線信号を送信するように構成され得る。カプセル10の拘束された体積及び形状を、対象哺乳動物のGI管を通過する間の周囲環境の変化する電磁特性と組み合わせることは、アンテナ17と周囲環境との間のインピーダンスマッチングを達成することが困難であることを意味する。より良好なインピーダンスマッチングによって、送信効率が向上する。トランスミッタ18は、例えば、送信のためのバッファリングデータを含むトランシーバの制御回路であり得る。
【0115】
図3Bに示されるトランシーバは、チューナブルアンテナ17を備える。アンテナ17からの反射信号は、送信中に生成され、方向性カプラにおいて受信され、反射信号から振幅情報及び位相情報の一方又は両方を抽出するためにコントローラ181において処理される。
【0116】
振幅は、反射エネルギーの量の尺度を提供する。位相情報は、送信信号と反射信号との間で位相がどのようにシフトするかについての情報を提供する。いずれか又は両方のステップ変化は、送信環境、すなわち、カプセル10が位置する環境の電磁特性の変化によって引き起こされ得る。したがって、反射計測定値(振幅情報及び位相情報のいずれか又は両方に適用される総称である)は、それらの絶対値によって(及びルックアップテーブルなどの較正情報への参照を介して)、及び/又はそれらの値のステップ変化の存在によって(この場合、較正情報は必要とされない)、カプセルを取り囲む環境又はカプセルを取り囲む環境の変化のインジケータを提供する。
【0117】
アンテナ17、方向性カプラ171、コントローラ181、可変コンデンサ172は、アンテナの効率を測定するための閉ループ機構を形成しており(ここで、反射信号の振幅は、効率を示し、低振幅は、効率的であることを示し、及び高振幅は、非効率的であることを示す)、コントローラ181による可変コンデンサ172への制御信号を生成して、アンテナの反射率を最小限に抑える。反射計がどのように構成されているかに応じて、コントローラ181は、可変コンデンサ172への制御信号を増分的に変更し、振幅読み取り値を、増分的変更前の振幅読み取り値と比較し、比較に基づいて、増分的変更の方向を逆にするかどうかを判定するように構成され得る。そうでない場合、位相情報を抽出する反射計では、位相情報自体が、振幅読み取り値を低減させるために制御信号をどちらの方向に変化させるべきかをコントローラ181に通知し得る。
【0118】
コントローラ181は、アンテナ反射率関連の読み取り値に基づいて、アンテナ17のインピーダンスを変化させる可変コンデンサ172のキャパシタンスを変化させるための制御信号を生成するように構成される。制御アルゴリズムは、アンテナ17からの反射信号の振幅を低減させるために、アンテナ17のインピーダンスを変化させるように可変コンデンサ172のキャパシタンスを変化させるためにコントローラ181によって出力される制御信号を決定する能力を有する。コントローラ181は、所与の方向に制御信号を周期的に調整し、反射計振幅読み取り値の事前及び事後調整を比較し、反射計振幅読み取り値が事前調整値から事後調整値に増加した場合には次の周期的な調整のための調整の方向を変更し、アンテナ反射率関連読み取り値が事前調整値から事後調製値に減少した場合には次の周期的な調整のための調整の方向を維持することによって、制御信号を経験的に生成し得る。コントローラは、反射計位相情報に基づいて制御信号を決定的に生成し得、特定の位相読み取り値範囲は、コントローラが制御信号を増加させることを示し、特定の位相読み取り値範囲は、コントローラが制御信号を減少させることを示し、任意選択で、特定の位相読み取り値範囲は、コントローラが制御信号を維持することを示す。コントローラ181によって生成される制御信号のレベルは、可変コンデンサ172のキャパシタンスに比例し、又は直接比例し、したがって、アンテナ17のインピーダンスに比例する。上述のように、アンテナ17、コントローラ181、及び可変コンデンサ172は、アンテナ17を周囲の環境にインピーダンス一致させる(すなわち、反射信号振幅を減少させる)ための閉ループ又はフィードバックループ機構を形成するので、論理的には、可変コンデンサのキャパシタンスを設定するためにコントローラ181によって生成される制御信号は、カプセル10を囲む環境のインピーダンスに比例する。したがって、制御信号自体が、カプセル10を取り巻く環境を表す、又は示すアンテナ反射率関連読み取り値として記録され得る。
【0119】
方向性カプラ171、コントローラ181、可変コンデンサ172、及びアンテナ17で構成されており、閉ループ(すなわち、フィードバックループ)を形成する反射計は、送信効率を高めるためにアンテナ17の自動調整を行う。更に、上述のように、コントローラ181から可変コンデンサ172への制御信号は、アンテナ17のインピーダンスを示し、したがって、カプセル10を取り囲む環境も示し、したがって、制御信号自体が、運動性処理において使用するためのアンテナ反射率関連読み取り値としてサンプリングされ得る。制御信号の変化、又は(較正されたルックアップテーブルと組み合わされた)制御信号自体の絶対値は、対象哺乳動物のGI管内のカプセル10の位置のインジケータを提供する。
【0120】
図3Bのコンテキストにおけるトランスミッタ18は、送信信号(すなわち、符号化されたデータ送信ペイロード、及び送信プロトコルによって必要とされる任意のメタデータなどを有する搬送波)を提供する回路である。トランスミッタ18は、Bluetoothトランスミッタであり得る。
【0121】
環境センサ14、VOCガスセンサ132のヒータ側132b、VOCガスセンサ132のセンサ側132a、及びTCDガスセンサ131からの読み取り値の中から1つ以上を含む、摂取可能なカプセル10の読み取り値は、反射計の読み取り値も含み得る。したがって、GI管内のカプセル位置の変化は、アンテナ反射率関連読み取り値の変化を引き起こし、したがって、GI管の2つのセクション間の移行イベントが発生したことを示すインジケータを提供する。
【0122】
摂取可能なカプセル:加速度計
摂取可能なカプセル10は、加速度計19を更に備えてもよい。加速度計19は、三軸加速度計であり得る。カプセル10の角度位置又は向きの変化率は、GI管内の位置にある程度依存しており、したがって、加速度計読み取り値は、GI管の2つのセクション間の移行イベントが発生したことを示すインジケータを提供する。加速度計読み取り値は、3つの回転軸の周りの角度加速度を測定し得、3つの回転軸は、相互に直交し得る。
【0123】
オフボード処理
図1A~3の摂取可能なカプセル10は、データ収集及びデータ送信デバイスである。本開示の他の箇所で言及されるように、収集されたデータ(すなわち、読み取り値)は、レシーバ装置30を介して、処理のためにリモートコンピュータ20にアップロードされ、レシーバ装置30は、読み取り値をリモートコンピュータに送信するための中継装置であってもよく、又は読み取り値をリモートコンピュータにアップロードするためにリモートコンピュータに直接接続可能であってもよい。例えば、レシーバ装置30は、リモートコンピュータ20によって読み取り可能なメモリを備え得る。レシーバ装置30は、有線接続、ネットワーク接続、又はプラグソケット接続などのデータ接続をリモートコンピュータ20に直接提供するか、又は読み取り値がリモートコンピュータ20に中継されるインターネットなどのネットワークを介して提供する。このようにして、カプセル10は、対象哺乳動物がライブフェーズ中にリモートコンピュータ20の特定の範囲内に留まる必要がないように、レシーバ装置30とのデータ接続を確立するように構成されるだけでよく、レシーバ装置30は、読み取り値を受信して記憶するための(かつ任意選択でユーザインターフェースを用いる)専用デバイスであり得るか、又は携帯電話(スマートフォンなど)などの多機能デバイスであり得る。レシーバ装置30は、読み取り値をリモートコンピュータ20にアップロードする。アップロードは、カプセルのライブフェーズ中に連続的に行われ得るか、又はアップロードは、カプセルのライブフェーズが終了した後に行われ得る。連続送信の場合、レシーバ装置30はまた、レシーバ装置30とネットワークとの間の接続の損失が重大ではないように、読み取り値を記憶し得る。
【0124】
記録された読み取り値の処理
読み取り値を取得し、読み取り値を処理することを含む方法が、図4及び5に示されている。処理は、2つの分岐、すなわち、読み取り値に基づいてGI管内で摂取可能なカプセル10の位置を判定するための第1の(運動性)分岐、及び摂取可能なカプセル10の位置におけるガス混合物中の成分ガス及びその濃度を判定するための第2の(ガス組成物)分岐を含むと見なされ得る。第2の(ガス組成)分岐は、任意選択であり、処理の第1の(運動性)分岐の結果の有用性の例である。本開示は、主に、第1の(運動性)分岐に関する。第2の(ガス組成物)分岐は、第1の(運動性)分岐と並行して行われるか、又は第2の(ガス組成物)分岐が第1の(運動性)分岐の判定を活用して疾患又は状態を検出するので、第1の(運動性)分岐に対して遅延され得る。例えば、第2の(ガス組成)分岐は、TCDガスセンサ131、VOCガスセンサ132の読み取り値を処理して、摂取可能なカプセル10の位置でガス混合物中の成分ガス及びその濃度を判定し、第1の(運動性)分岐の処理の判定を使用して、摂取可能なカプセル10の位置を判定することを含む。このようにして、判定されるガス及び濃度は、摂取後胃十二指腸前移行、又は胃十二指腸移行後回腸接合部前、又は回腸接合部後排泄前であると判定することができる。しかしながら、処理の第1の(運動性)分岐の結果は、処理の第2の(ガス組成)分岐がない場合でも、腸の健康の評価において有用な情報を提供し、処理の第2の(ガス組成)分岐を上回る他の有用性を有し得ることに留意されたい。任意選択で、処理の第2の(ガス組成)分岐の判定は、処理の第1の(運動性)分岐の判定に信頼性を追加するために利用されてもよい。
【0125】
方法は、分析のために、第1の移行イベント及び第2の移行イベント(及び任意選択で、摂取イベント及び排泄イベント)の判定されたタイミングとともに、時間の関数として記録された、読み取り値の中からTCDガスセンサ読み取り値及びVOCガスセンサ読み取り値を記憶及び/又は送信することを含み得る。例えば、分析は、GI管の特定の位置又はセクションでの特定の成分ガス又はその濃度の産生に関連付けられた1つ以上の状態又は疾患の診断を含み得る。
【0126】
図4は、摂取のために摂取可能なカプセル10を哺乳動物に提供しS100、カプセル10からの読み取り値を記録しS102、第1の移行イベントタイミングS104及び第2の移行イベントタイミングS106を判定することによって、GI管のセクションの観点からカプセル10の位置を判定する方法を例示する。
【0127】
図5は、摂取イベントタイミングS103及び排泄イベントタイミングS107を判定することを更に含む、図4の方法の特定の例を例示する。
【0128】
他の部分で述べられているように、読み取り値は、時系列的に処理され得るか、又は逆時系列的に処理され得る。したがって、図4でステップが実施される順序は、次の通りであり得る。
時系列処理:S100、S102、S104及びS104a、S106及びS106a、又は
逆時系列処理:S100、S102、S106及びS106a、S104及びS104a。
又は図5の場合:
時系列処理:S100、S102、S103及びS103a、S104及びS104a、S106及びS106a、S107及びS107a、又は
逆時系列処理:S100、S102、S107及びS107a、S106及びS106a、S104及びS104a、S103及びS103a。
【0129】
イベントのインジケータを検出するために分析された読み取り値に対するバインドは、既に判定されたイベントによって設定される。したがって、時系列処理の場合、イベントインジケータの検出において、読み取り値は、先行するイベントの判定されたタイミングから順次分析される(摂取を検出する場合、先行するイベントは開始である)。逆時系列処理の場合、イベントインジケータを検出する際、読み取り値は、処理イベントの判定タイミングから逆方向に順次分析される(排泄を検出する場合、後続のイベントは、それ以上の読み取り値がないことによって設定され得るか、又はユーザインターフェース上の対象によって設定され得る終了である)。したがって、処理は次の通りであり得る。
時系列処理:S100、S102、S104及びS104a、S106及びS106a(S104によって事前バインドが提供される)
逆時系列処理:S100、S102、S106及びS106a、S104及びS104a(S106によって遅延バインドが提供される)
又は図5の場合:
時系列処理:S100、S102、S103及びS103a(開始イベントによって事前バインドが提供される)、S104及びS104a(S103によって事前バインドが提供される)、S106及びS106a(S104によって事前バインドが提供される)、S107及びS107a(S106によって事前バインドが提供される)、又は
逆時系列処理:S100、S102、S107及びS107a(終了イベントによって遅延バインドが提供される)、S106及びS106a(S107によって遅延バインドが提供される)、S104及びS104a(S106によって遅延バインドが提供される)、S103及びS103a(S104によって遅延バインドが提供される)。
【0130】
簡潔さ及び理解のしやすさのために、図4及び5の考察は、ローリング平均が事前バインド開始点から順方向に進行する時系列処理例に関する。しかしながら、上記は、ローリング平均が遅延バインド開始点から逆方向に進行する逆時系列処理に本開示を適用することを可能にする指示を提供する。
【0131】
開始
開始イベントへの言及は、カプセルがアクティブであり、読み取り値がセンサによって生成され、レシーバ装置によって受信されるライブフェーズを開始するカプセルの電源投入イベント、又は(カプセルが既に給電されていることが可能になるような)レシーバ装置30のユーザインターフェース上のボタン押下による記録の開始を指す。ライブフェーズは、カプセルに電源が投入され、読み取り値がレシーバ装置30によって記録されている(すなわち、記憶又は中継されている)時間を指す。
【0132】
開始イベントは、カプセルにおいてNFCトランシーバである二次トランシーバによって受信された符号化されたアクティブ化制御信号であり得る。符号化されたアクティブ化制御信号は、レシーバ装置30のNFCトランシーバによって送信される。
【0133】
終了
終了イベントへの言及は、ライブフェーズの終了を指し、この終了イベントは、ライブフェーズを終了するカプセルの電源遮断イベント、又はレシーバ装置30のユーザインターフェース上でボタンを押すことによるライブフェーズの終了を指す。
【0134】
摂取
S100において、摂取可能なカプセル10が、摂取のために対象哺乳動物40に提供される。摂取可能なカプセル10は、図1A~3のいずれかに例示されるようなものであり、特に、ハウジング11と、電源16と、環境センサ14と、TCDガスセンサ131と、VOCガスセンサ132と、を含む。摂取可能なカプセル10は、パッケージングと接触して電源が切られた状態で保管されてもよく、摂取可能なカプセル10をパッケージングから分離すると、電源が切られた状態が終了し、カプセル10は給電状態に入る。給電状態に入ることは、開始イベントであり得、又は開始イベントは、カプセルが通電状態に入ること、及びレシーバ装置30上のユーザインターフェースを用いたボタン押下(又は他の相互作用)を必要とし得る。パッケージングからのカプセル10の分離は、カプセルに電源を投入させ、カプセル10による読み取り値の取得及び送信を開始させるイベントであり得る。
【0135】
摂取は、給電状態に入った直後に行われることが予想され、直後は、15分以内、30分以内、又は1時間以内を意味すると見なされる。対象は、アプリケーションを介し、かつ/又はカプセル10のパッケージング上の注意書きを介して、摂取の準備ができたときにのみカプセルをアクティブ化する(すなわち、アプリケーションを介したNFCアクティブ化)ように指示され得、それによって、アクティブ化と摂取との間の時間を1分以下に維持され得る。
【0136】
読み取り値を記録する
S102において、読み取り値の記録を開始する。読み取り値は、レシーバ装置30によって記録され、レシーバ装置30は、読み取り値を処理のために直ちにリモートコンピュータ20に中継するか、又は後でリモートコンピュータ20にアップロードするために記憶する。読み取り値は、TCDガスセンサ131の読み取り値、VOCガスセンサ132aのセンサ側の読み取り値を含み、環境センサ読み取り値、VOCセンサ132bのヒータ側からの読み取り値、アンテナ反射率関連読み取り値(すなわち、アンテナ17及び方向性カプラ171からの読み取り値)、及び加速度計19からの読み取り値のうちの1つ以上の読み取り値も含み得る。読み取り値は、時間の関数として記録される。各ライブ読み取り値に割り当てられる時間値は、例えば、マイクロコントローラ15及び/又はワイヤレストランスミッタ18によってカプセル10において割り当てられ得、カプセル10からのそれぞれの読み取り値の受信時間に基づいてレシーバ装置30によって割り当てられ得、かつ/又はカプセル10から又はレシーバ装置30からの受信時間に基づいてリモートコンピュータ20によって割り当てられ得る。代替的に又は追加的に、各ライブ読み取り値に割り当てられる時間値は、到達順序に基づき得る。例えば、TCDガスセンサ読み取り値がn秒ごとに取得されることが知られている場合、m番目の読み取り値は、ライブフェーズを開始する開始イベントからm×n秒(又は、実装形態に応じて、m-1×n秒)後のタイミングで取得される。時間値は、カレンダー及び時刻値に基づく時間の絶対値ではなく、カプセル10が給電状態に入ることなどのベースラインに対して相対的な値であり得ることに留意されたい。
【0137】
これらのステップは、図4及び5において連続して示されているが、実際には、読み取り値の取得及び記録S102は、処理ステップS103~S107が実施されている間に実施され得る(時系列処理の場合、逆時系列処理については、明らかに、処理ステップが実施される前にライブフェーズが終了される)。任意選択で、処理は、読み取りS102の記録が完了し、カプセルが排泄された後に実施され得る。処理は、クラウド上で実施され得る。処理は、レシーバ装置30へのインターネット接続を介してカプセル10に接続可能なサーバコンピューティング装置上で実施され得る。レシーバ装置自体は、処理ステップS103~S107の一部又は全てを実施し得る。
【0138】
運動性イベントタイミングを判定するための処理
ステップS103~S107は、処理ステップであり、GI管内のカプセル10の位置を判定することを可能にする特定のイベントが発生したか否かを判定するために、記録された読み取り値を分析することに関する。処理は、必ずしもカプセル10のライブ位置又は同時位置を判定することを意図しているわけではなく、記録された読み取り値のタイミングにおけるカプセル10の位置を判定することを意図している。読み取り値のサブセットのタイミングにおける位置は、処理のタイミングにおける位置ではなく、意図された出力である。例えば、VOCガスセンサ132又はTCDガスセンサ131から一連の読み取り値が取得されたタイミングにおいて、カプセルがGI管の特定のセクションにあったと判定する。又は、例えば、GI管のセクションを通過するタイミングを判定し、GI管のセクション自体が腸の健康のインジケータである。
【0139】
摂取イベントタイミングを判定することS103、第1の移行イベントタイミングを判定することS104、第2の移行イベントタイミングを判定することS106、排泄イベントタイミングを判定することS107の各判定ステップは、それぞれの関連付けられた検出ステップを有する。一般に、検出ステップは、記録された読み取り値を処理及び分析して、カプセル10の運動性に関連付けられたイベントが発生した可能性があることを示すインジケータ(すなわち、マーカー)を識別することを含む。それぞれの判定ステップは、検出に加えて、条件又はいくつかの他の論理を検出されたインジケータに適用して、インジケータが運動性イベントによって生じたと(信頼レベル内で)判定することを含み、したがって、運動性イベントは、検出されたインジケータのタイミングで(又はその前後に)発生したと判定され得る。運動性イベントには、摂取イベント、胃十二指腸移行、回盲接合部移行、及び排泄イベントのうちの1つ以上が含まれる。胃腸の運動性は、消化器系の動き及び消化器系の中の内容物の移動によって定義される。インジケータは、関連するセンサ又は疑似センサからの記録された読み取り値対時間のプロットにおける特徴である。特徴は、ステップ、バンプ、変曲点、又は勾配変化である。特定のインジケータは、より特異的であり得、例えば、条件は、単にステップ、バンプ、変曲点又は勾配変化であるインジケータよりもより特異的であり得る。
【0140】
インジケータは、第1のセンサからの読み取り値において検出され得る。インジケータは、インジケータがカプセルの運動性に関連付けられたイベントによって生じたという仮説に関連付けられる。信頼度は、インジケータのタイミング(及び上記タイミングの前後)で他のセンサから読み取り値を取得し、それらの読み取り値における確認インジケータを検出することによって、仮説に追加され得る。例えば、水素(H2)レベルは、GI管を通して変化するので、H2レベルの読み取り値は、他のセンサからの読み取り値に信頼度を追加するために使用され得る。H2レベルの読み取り値は、回盲接合部移行インジケータの基礎として使用され得る。特に、回盲接合部移行インジケータは、所定の閾値を超える(センサ側)VOCガスセンサ出力の増加を、所定の閾値を超えるH2レベルの同時増加、又はいずれかの側への所定の時間距離内において時間的に隣接した、所定の閾値を超えるH2レベルの増加とともに特定することによって検出され得る。H2レベルは、TCDガスセンサ出力及び/又はヒータ側VOCセンサ出力から判定されることに留意されたい。
【0141】
同様に、CH4レベルの読み取り値は、回盲接合部移行インジケータの基礎として使用され得る。特に、回盲接合部移行インジケータは、所定の閾値を超える(センサ側)VOCガスセンサ出力の増加を、所定の閾値を超えるCH4レベルの同時増加、又はいずれかの側への所定の時間距離内において時間的に隣接した、所定の閾値を超えるH2レベルの増加とともに識別することによって検出され得る。CH4レベルは、TCDガスセンサ出力及び/又はヒータ側VOCセンサの出力から判定され得ることに留意されたい。
【0142】
記録された読み取り値の異なるサブセットは、異なるインジケータを検出するために分析され得る。サブセットは、タイミングに従って、かつサブセットが得られたセンサに従って区分され得る。タイミングによる区分は、時系列処理及び逆時系列処理のための事前バインド及び遅延バインドに関して上記で論じた。
【0143】
センサという用語は、センサ自体(すなわち、TCDガスセンサ131、VOCガスセンサ132aのセンサ側、並びに任意選択で環境センサ14及び/又は加速度計19)だけでなく、方向性カプラ171及びVOCセンサ132bのヒータ側(これらの構成要素は、疑似センサと呼ばれ得る)など、読み取り値を提供し、センサ自体ではない構成要素も広く包含するために使用されることに留意されたい。センサという用語は、センサ自体及び疑似センサを包含する。
【0144】
S103aにおいて、環境センサ14からの記録された読み取り値が分析されて、摂取イベントを示す環境内の変化を検出する。このコンテキストでは、変化は、環境温度センサ14aの読み取り値によって示される環境温度の変化であり得、又は、変化は、環境湿度センサ14bの読み取り値によって示される環境湿度の変化であり得る。検出は、環境温度センサ14a及び環境湿度センサ14bの両方からの読み取り値に基づいて、互いに信頼度を追加するか、又は摂取時に他方の一方の状態の変化を低減させることがある異常な周囲湿度又は温度条件を考慮する(すなわち、暑い日の摂取は、著しい温度変化を記録しない場合があるが、多くの状況では、著しい湿度変化を記録する)。時系列処理では、分析は、開始イベント(カプセル10の電源投入など)から順方向への環境センサ読み取り値の分析であり得、時間上限は、摂取イベントタイミングの判定によって設定される。すなわち、環境センサ読み取り値の検出された変化が摂取イベントによるものであると判定された後、摂取イベントを検出するための更なる分析は実施されない。逆時系列処理では、分析は、摂取イベントタイミングの判定によって時間的下限が設定される、胃十二指腸移行イベントからの逆方向への環境センサ読み取り値であり得る。すなわち、環境センサ読み取り値の検出された変化が摂取イベントによって引き起こされると判定された後、摂取イベントを検出するための更なる分析は実施されない。処理方向にかかわらず(ここで、処理方向は、時系列又は逆時系列を指す)、S103aでの変化を検出することは、対象の1つ以上の読み取り値を所定の数の先行する読み取り値と比較することによって順次行われ得、閾値を超える差(すなわち、摂氏1度若しくは2度又は相対湿度1%若しくは2%)が、検出された変化である。摂取イベントタイミングを判定することは、対象読み取り値の温度又は湿度を、対象哺乳動物40のGI管の開始時の環境についての予想される温度又は湿度と比較することを含み得、閾値内にあることは、カプセル10が摂取されたという判定である。代替的に、条件は、所定の数以上の連続した読み取り値が、対象哺乳動物のGI管の開始時の環境についての予想される温度又は湿度の閾値内にあることであり得る。
【0145】
摂取タイミングの判定
図12aは、摂取タイミングを判定するための例示的なアルゴリズムを示している。S1201では、環境センサ読み取り値の急激な変化が潜在的な摂取インジケータとして検出され、例外捕捉及び摂取前フィルタリングが適用され、S1202では中央値フィルタリングが適用される。アルゴリズムは、S1203において、急激な変化の開始時の温度が室温についての所定の範囲内にあるかどうかをチェックすることによって、自動的に摂取を優先的に判定する。温度が室温についての所定の範囲内にない場合、S1204において、チェックが患者マーカーに対して実施される(すなわち、患者マーカーは、ボタン押下などのレシーバ装置30上のユーザインターフェースを介して患者によって提供される摂取インジケータ、又は対象が患者である病院においてデバイス上で実行されるアプリケーションを介して提供される摂取インジケータである)。したがって、S1204において結果が肯定的である場合、患者マーカーの存在は、摂取マーカーとして使用されるのに十分であり、S1206において、摂取タイミングは、患者マーカーのタイミングであると見なされる。S1204において患者マーカーが存在しない場合、S1205において、急激な変化の最初の読み取りのタイミングが摂取タイミングと見なされる。S1203において、検出された急激な変化の開始時の温度が所定の室温範囲内にある場合、処理はS1207に進み、S1207において、温度一次導関数が3標準偏差よりも大きい次の時間が見出され、S1208において、環境温度センサ読み取り値が、後続の5分間にわたって体温についての所定の範囲内への上昇を示しているかどうかに関するチェックが実施される。所定の範囲内への上昇を示していない場合、フローはS1207に戻る。所定の範囲内への上昇を示している場合、フローはS1209に進み、温度上昇のタイミングは、判定された摂取タイミングである。
【0146】
センサ、アルゴリズム、処理
図11aは、一実施形態におけるセンサとアルゴリズムと処理結果との間の関係を示す。較正データ1101は、VOCセンサを、異なる環境温度においてTCDセンサとして動作するように較正するためのルックアップテーブルなどであり、VOCセンサ132bのヒータ側と組み合わされて較正パラメータを提供する。臨床データ1102は、VOCセンサヒータ側読み取り値の変化が、S106及びS106aにおいてICJ検出に供給される、対象ガス混合物中のH2濃度の変化に関連付けられるという知識であり、臨床データ1102自体が1103での出力データエンティティである。同様の参照番号は、他の図の同等の特徴に使用されるので、図11aの特徴の完全な説明は、本明細書において他の図を参照することによって開示される。摂取アルゴリズムがステップS103及びS103aを実行し、排泄検出アルゴリズムがステップS107及びS107aを実行し、ICJ検出アルゴリズムがステップS106及びS106aを実行し、胃排出アルゴリズムがステップS104及びS104aを実行することに留意されたい。ステップS1110は、環境温度の変化を考慮して、TCDセンサ読み取り値を補正することである。ステップS1120は、第1の技術、すなわち角度移動技術に関連して以下に説明するように、アルゴリズムを適用して加速度計データを処理する。S1130は、アンテナ反射率関連読み取り値のための例示的な処理アルゴリズムであり、その出力信号におけるノイズの変化を判定する。他の処理アルゴリズムは、加速度計及び読み取り値に適用され得る。アルゴリズムS1110、S1120、及びS1130は、前処理アルゴリズムであると見なされ得る。アルゴリズムによって判定されたイベントタイミングは互いに組み合わされて、摂取、胃排出、回盲接合部移行、及び排泄のイベントタイミングを判定する。イベントタイミングは、順番に組み合わされて、胃排出タイミング1105と、小腸通過時間1106と、結腸通過時間1107と、全腸通過時間1108と、を含む通過時間メトリックを判定する。これらは、出力運動性レポート1104に含まれる。データ視覚化1103は、例えば、図7A、7B、7C、8、9A、及び9Bに図示されるようなものである。図11Bは、通過時間メトリックでマークされた例示的なデータ視覚化を示す。
【0147】
図7A及び7Bは、対象のヒトによって摂取され、GI管を通って進み、次いで排泄される摂取可能なカプセル10の開始イベント(ブート)以後のカプセル読み取り値対時間のプロットを示す。摂取イベント及び排泄イベントがマーク付けされている。この例では、外部温度は、対象のヒトの内部温度よりもはるかに低い。プロットはまた、水素読み取り値、運動性読み取り値、及びCO2読み取り値を示し、飲食物イベント及び排便イベント(これらのイベントは自動的に検出されるか又は手動で報告される)がマーク付けされている。摂取イベント及び排泄イベントに割り当てられる特定のタイミングは、いくつかの方法で判定され得る。図7Cは、対象のヒトによって摂取され、GI管を通って進み、次いで排泄される摂取可能なカプセル10の開始イベント(ブート)以後の時間に対する環境温度センサ読み取り値及び環境湿度センサ読み取り値を示す。摂取及び排泄インジケータは、図7Cにおいて検出可能である、イベントは、図7Aから明らかであるのでマーク付けされていない。摂取イベント及び排泄イベントに割り当てられる特定のタイミングは、いくつかの方法で判定され得、読み取り値の処理は、時系列的に又は逆時系列的に実施され得ることに留意されたい。摂取イベントの例:開始イベント(時系列の場合)又は胃十二指腸移行タイミング(逆時系列の場合)である開始点からの漸進的に(すなわち、順次)、3つの隣接する環境センサ読み取り値の平均値を判定し、平均値が、摂取後の予想される環境値の閾値距離内(すなわち、予想される温度の摂氏1度以内、又は予想される湿度の1、2、5、若しくは10%以内)に入ることを開始又は終了したタイミングを判定し、次いで、摂取イベントタイミングは、3つの読み取り値の間(例えば、中間点、最も早い点、又は最も最近の点)であると判定する。数3は例示的であり、ローリング平均のサンプル数についての異なる数、例えば、5、10、12、又は20を選択することができる。更に、摂氏1度の公差は、構成可能であり、例えば、2度、3度などであり得る。
【0148】
上記の例では、摂取イベントタイミングは、温度センサの読み取り値における摂取インジケータ(環境温度読み取り値の上昇)の検出によって判定される。摂取イベントタイミングは、摂取インジケータと同時である。摂取インジケータ(すなわち、マーカー)は、方向性カプラからのアンテナ反射率信号において検出され得、インジケータは、読み取り値におけるステップ変化である(このことは、アンテナ17及び方向性カプラ19が読み取り値が取得される反射計として動作する実施形態に固有である)。摂取イベントタイミングは、アンテナ反射率関連読み取り値の摂取インジケータと同時である。更なる例として、カプセルは、環境センサの形態として相対湿度センサを含み得、摂取インジケータは、上記相対湿度センサからの読み取り値を処理することによって検出され得る。インジケータは、相対湿度の最も早い(開始後のイベント)上昇であり、例えば、マイナス5%、又はマイナス1%など、100%の所定の閾値内に収まる。更なる摂取インジケータは、ユーザデバイスのユーザインターフェース上の摂取確認ボタンのボタン押下である。実施形態は、開示された摂取インジケータのうちの1つ以上を組み合わせて、摂取イベントタイミングを判定し得る。例えば、開示された摂取インジケータのうちの2つ以上が、互いの所定のタイミングウィンドウ内のタイミング、例えば、互いに1分以内に検出され、摂取イベントタイミングが判定される。
【0149】
排泄イベントの例:ICJイベント(時系列の場合)又は終了イベント(逆時系列の場合)である開始点から漸進的に(すなわち、順次)、3つの隣接する環境センサの読み取り値の平均値を判定し、平均値が、排泄前の予想される環境値の閾値距離の範囲内(すなわち、予想される温度の摂氏1度以内、又は予想される湿度の1、2、5、又は10%以内)に入ることを停止又は開始したタイミングを判定し、次いで、排泄イベントタイミングは、3つの読み取り値の間(例えば、中間点、最も早い点、又は最新点)であると判定する。数3は例示的であり、ローリング平均のサンプル数についての異なる数、例えば、5、10、12、又は20を選択することができる。更に、摂氏1度の公差は、構成可能であり、例えば、2度、3度などであり得る。排泄イベントは、自由落下イベントを示す加速度計読み取り値によって確認又は検出され得る。
【0150】
場合によっては、摂取又は排泄時に温度の変化がない場合があることに留意されたい。処理は、開始時の最も早い環境温度読み取り値(カプセル10がまだ摂取されていないと想定される)が、対象哺乳動物のGI管の開始時の環境についての予想される温度の閾値範囲内にある場合に実施されるバックアップアルゴリズムを含んでもよい。バックアップアルゴリズムは、他のセンサ(加速度計、及び/又は上述の他の摂取インジケータ又は排泄インジケータなど)からの記録された読み取り値において、排泄又は摂取イベントを示し得る他の摂取インジケータ又は排泄インジケータを探す。代替として、環境センサ14が環境湿度センサ14bを更に備える場合、相対湿度読み取り値は、温度のフォールバックとして使用されてもよい。更なる例は、デバイス(レシーバ装置30など)のユーザインターフェース上の手動ボタン押下である。実施形態は、階層的な様式でインジケータを組み合わせ得(すなわち、最初に温度読み取り値においてインジケータを探し、温度読み取り値においてインジケータが見つからない場合にのみ、他のセンサからの読み取り値においてインジケータを探し得る)、又はインジケータを等しく扱い得る(すなわち、任意の2つの同時インジケータを探し得る)。タイミングを判定するための他のアルゴリズムが実装され得、例えば、信頼レベルは、検出されたインジケータに帰属され得、次いで、信頼レベルが閾値を満足しない場合にのみ、信頼度を向上させるために、同時インジケータを見つけるために他のセンサからの読み取り値が処理される。本明細書では、湿度は相対湿度を指すことに留意されたい。
【0151】
環境温度読み取り値における排泄インジケータ(体温からの低下の開始)に信頼度を追加するために使用される特定の排泄インジケータは、レシーバ装置のユーザインターフェース上の排便ボタン上のボタン押下であり、更なる排泄インジケータは、レシーバにおける通信損失である。例えば、排便ボタンの記録されたボタン押下のタイミング(すなわち、所定のタイミングウィンドウ内)での通信損失は、排泄インジケータであり、これは、排泄イベントタイミングを判定するために、環境温度読み取り値における排泄インジケータの代わりに、又は信頼度を追加するために使用され得る。
【0152】
排泄タイミング
図12bは、排泄タイミングを判定するための例示的なアルゴリズムを示している。S1210では、終了イベント(カプセルの電源が切られることであり得るか、又はレシーバ装置30上のユーザインターフェース上のボタンを押すことなどの患者が提供するマーカーであり得る)のタイミングにおける温度、環境温度センサ読み取り値が、室温の範囲内にあるかどうかのチェックが実施される。S1211において室温の範囲内にない場合、終了イベントのタイミングの前後に排便についてのチェックが実施される。排便ではない場合、次いで、まだ排泄が行われていないと判定され、終了イベントは、S1212において、排泄イベントではなく、接続ドロップアウトであると判定される。S1213において、排便があった場合(ここで、排便は、例えば、レシーバ装置のユーザインターフェース上のボタンを押すことにより患者によって記録され得る)、排泄イベントタイミングは、最後に受信されたデータパケットのタイミングである。S1214において、アルゴリズムは、温度一次導関数が3標準偏差未満である次の時間を特定し、S1215において、環境温度センサ読み取り値が、前の5分間にわたって体温についての所定の範囲を下回る低下を示しているかどうかに関するチェックが実施される。所定の範囲を下回る低下を示していない場合、フローはS1214に戻る。所定の範囲を下回る低下を示している場合、フローはS1216に進み、温度低下のタイミングが、判定される排泄タイミングである。
【0153】
図2Dは、ボタンを手動で押すことによって排便イベントを記録するためのボタンを備えるレシーバ装置30上のユーザインターフェースを例示する。図2Dでは、5秒の例が、排便を記録するためにボタンが手で押される時間の長さとして提供される。LEDディスプレイは、排便イベントが記録されるというフィードバックを患者に提供する。
【0154】
図4のレイアウトは、胃十二指腸イベントタイミングが最初に判定され、回盲接合部インジケータの検出において分析される最も早い読み取り値の事前バインド(すなわち、下限)として使用される時系列処理方向を示す。処理は、図4において矢印によって示されるように、逆時系列方向に実施され得、ここで回盲接合部イベントタイミングが判定され、胃十二指腸移行インジケータを検出する際に分析される読み取り値についての遅延バインド(すなわち、上限)として使用される。
【0155】
胃排出
S104aでは、判定された摂取イベントタイミングよりも後の記録された読み取り値が、胃十二指腸移行インジケータについて分析されるか、又は逆時系列処理ケースでは、判定された回盲接合部移行イベントタイミングよりも前の読み取り値が分析される。したがって、記録された読み取り値は、判定された第1の移行イベントのタイミングまで、それぞれの処理方向に反復的に又は繰り返し進行することによって分析される。
【0156】
第1の移行イベントは、胃と十二指腸との間のインターフェースを空にするか、又は交差させることである。胃十二指腸インジケータは、記録された読み取り値の第1のサブセットにおいて検出され得、第1のサブセットは、上記で説明したように時間的に定義される。更に、第1のサブセットは、センサによって制約され得、TCDガスセンサ131からの読み取り値を含む。第1のサブセットは、アンテナ反射率関連読み取り値(すなわち、アンテナ17及び方向性カプラ171からの読み取り値)及び/又は加速度計19を更に含み得る。
【0157】
TCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータは、TCDガスセンサ読み取り値におけるスパイク、ステップ変化、又は変曲点であり得る。補正は、環境温度センサ14aからの記録された読み取り値に基づいて、環境温度の変化を考慮するためにTCDガスセンサ読み取り値に適用されてもよい。補正は、検出段階S104aにおいて適用され得、それによって、記録された読み取り値自体が、環境温度の変化から考慮するように補正され、補正された読み取り値において胃十二指腸移行インジケータが検出される。代替的に、胃十二指腸移行インジケータは、生読み取り値(すなわち、補正されていない読み取り値)において検出され得、次いで、判定ステップS104において、インジケータが環境温度の変化に起因するものであるか否かを判定するためのチェックが実施され得、インジケータが環境温度の変化に起因するものではない場合、胃十二指腸移行インジケータがカプセル10による胃十二指腸移行によるものであると判定されるか、又は判定に更なる条件が適用される(例えば、別のセンサからの記録された読み取り値が同時インジケータについてチェックされる)。代替的に、更なる条件は、検出されたスパイク、ステップ変化、又は変曲点自体に適用される閾値又は何らかの他の条件であり得る。
【0158】
胃十二指腸移行インジケータを検出する際にTCDガスセンサ読み取り値において感知される主な物理的メカニズムは以下の通りである。胃から出た胃液中の塩酸は、膵臓から放出される胆汁酸内の重炭酸塩と混合する。この胆汁酸は、液体のpHを中和する働きをし、この反応の副産物はCO2である。GI管のこの領域では、周囲のガスは主にN2及びO2であり、いくらかの微量のCO2を含む。この反応において生成されるCO2の量は、呼気を飲み込むことに起因して周囲の微量のCO2よりも著しく多い。したがって、CO2を計算せずに単にTCDセンサの出力を使用することが適切である。すなわち、TCDガスセンサ読み取り値は、環境温度の変化について補正された後、胃十二指腸移行の2つの側にわたるCO2濃度の変化によって引き起こされる熱伝導率の変化に起因して、読み取り値自体が胃十二指腸移行インジケータを提供する。運動性の目的のために(すなわち、摂取可能なカプセル10の位置を判定するために)、実際のCO2濃度を計算する必要は特にない。
【0159】
TCDセンサ131は、カプセルの位置でのガス混合物の温度の影響を受けるので、温度補正プロセスは、外部環境温度変化の変化、すなわち、冷水を飲むこと、運動すること、食べることなどを考慮する必要がある。判定された摂取イベントタイミングから開始して、環境温度変化に関連付けられていない、時間に対してプロットされたTCDガスセンサ131の読み取り値における最初のバンプ、ステップ変化又は大きな屈折は、胃十二指腸移行を特定する。
【0160】
図8aは、時間に対する環境温度センサ14aの記録された読み取り値(上部グラフ上の読み取り値の上の線)、及びGI管を通るカプセルの摂取及び進行の例についての時間に対する補正されたTCDガスセンサ読み取り値を示す。胃十二指腸移行インジケータは、胃排出とラベル付けされ得、補正されたTCDガスセンサ読み取り値の閾値の高さを超えるスパイクによって示される。スパイクの高さは、例えば、その点までの読み取り値に対して当てはめられた傾向線からの(例えば、比率として、絶対値として、又は標準偏差の数としての)距離によって測定されてもよい。
【0161】
ガス濃度は、オンボードセンサから取得された生データに基づいてオンボードプロセッサ又はリモート処理装置によって計算され得るメトリックの例である。例えば、カプセル10は、カプセル10からの送信のための1つ以上のそのようなメトリックを計算及び変換するように構成され得る。生データは、破棄され得るか又はカプセル10からの送信のために記憶され得る。任意選択で、メトリックは、計算されたガス濃度に基づいて、オンボード又はオフボードプロセッサによって計算され得る。そのようなメトリックの一例は、ピークH2であり、ピークH2は、排泄イベントのタイミングにおいて確定され、カプセル10からレシーバ装置30へのデータ送信ペイロードにおいてカプセル10から送信され得る。
【0162】
図8Bは、TCDセンサ出力及びCO2読み取り値において見られるような胃排出を示している。胃液中の塩酸が胃から出て、膵臓によって放出される胆汁酸中の重炭酸塩と混合するときにCO2が生成される。この反応はまた、液体のpHを中和する。実施形態は、このイベントを検出するために、計算されたCO2ではなく、温度補償された生のTCDセンサ出力を使用する。その理由は、温度補償された生のTCDセンサ出力の方がはるかにノイズが少ないからである。TCDセンサ出力は、環境温度センサ14aによって測定された温度変動を補償するように調整される。飲酒イベントを除去し、摂取とICJ移行との間のTCD出力における明確な不連続性を検索することによって、CO2が増加する瞬間を見つけるためにアルゴリズムが使用される。
【0163】
処理は、第1の胃十二指腸移行インジケータとして、記録された読み取り値の第1のサブセットからのTCDガスセンサ読み取り値における胃十二指腸移行インジケータを検出することと、TCDガスセンサ読み取り値における検出された胃十二指腸移行インジケータが、摂取可能なカプセル10が胃十二指腸接合部を横断することによって生じた尤度を表す信頼スコアを計算することと、を含み得る。信頼スコアは、例えば、傾向線に対するスパイクの高さに基づいてもよく、傾向線を上回るより多くの標準偏差がより高い信頼レベルを与える。スパイクの高さを信頼スコアに変換するために確率分布ルックアップテーブルが利用され得る。信頼スコアは、補正されたTCD読み取り値におけるスパイクが、補正されたTCD読み取り値におけるノイズ又は他のランダムな変化によって引き起こされるのではなく、第1の移行イベントによって引き起こされる尤度パーセンテージであり得る。
【0164】
処理は、計算された信頼スコアを閾値と比較することと、信頼スコアが閾値を満たす場合に、検出された胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、信頼スコアが閾値を満たさない場合に、検出された胃十二指腸移行インジケータを第1の胃十二指腸移行インジケータとしてTCDガスセンサ読み取り値から割り当てることと、第2の胃十二指腸移行インジケータがTCDガスセンサ読み取り値以外の第1のサブセットからの読み取り値に存在し、第1の胃十二指腸移行インジケータと同時に存在するかどうかを検出することと、第2の胃十二指腸移行インジケータが検出される場合に、第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングに基づいて第1の移行イベントが発生したこと及びそのタイミングを判定することと、を含み得る。
【0165】
実際には、第1の胃十二指腸移行インジケータが信頼スコア閾値を満たさない場合、第1の信頼度を追加するために、更なる胃十二指腸移行インジケータを検出するための更なる処理スレッドを開始する。他のセンサ又は擬似センサからの第1の胃十二指腸移行インジケータと同時に記録された読み取り値が分析されて、1つ以上の第2の胃十二指腸移行インジケータを特定する。分析に含まれる読み取り値の時間的バインドは、例えば、第1の胃十二指腸移行インジケータのいずれかの側、例えば、1秒、5秒、10秒、20秒、30秒、1分、2分、又は5分の所定の時間距離であり得る。1つ以上の第2の胃十二指腸移行インジケータを特定しようとする際に、アンテナ反射率関連読み取り値(すなわち、アンテナ17及び方向性カプラ171は、カプセル10を取り囲む環境の誘電体が変化するかどうか、及びどのように変化するかを感知する反射計として構成される)及び加速度計19(すなわち、カプセルの向きの変化率が変化するかどうか、及びどのように変化するかを感知する)の一方又は両方からの記録された読み取り値が分析され得る。
【0166】
図3Aに示されるように、回路は、アンテナ17と直列の方向性カプラ171を含み、方向性カプラ171及びアンテナ17は反射計として動作する。ダイオード検出器は、アンテナからの反射信号の振幅を測定する。ダイオード検出器の測定値は、アンテナ反射率関連読み取り値の例であり、アンテナからの反射エネルギー、すなわち、インピーダンスミスマッチに起因してアンテナ17から放射されなかったエネルギーを示す。反射計読み取り値は、カプセルを取り巻く材料の誘電体によって影響を受けるアンテナの放射効率を示す。別の例では、アンテナ反射率関連読み取り値は、アンテナを周囲環境とインピーダンスマッチングさせる可変コンデンサを制御するコントローラを含むフィードバックループによって生成される。コントローラから可変コンデンサへの制御信号は、アンテナを周囲の環境とインピーダンスマッチングさせるように作用し、したがって、カプセルを取り巻く環境の電磁特性を表すか、又は相関する)。
【0167】
読み取り値は、胃十二指腸移行イベントのタイミングにおいてノイズが発生し得、及び/又はベースラインシフトが発生し得る。例えば、ノイズの増加及び/又はベースラインシフトは、移行インジケータとして検出可能である。
【0168】
図9Dは、(軸の2つのセットのうちの下方のセット上の最上部プロット上で)時間に対するアンテナ反射率関連読み取り値(アンテナについての「Ant」とラベル付けされている)を示し、胃排出イベントでマークされている。アンテナ17及び方向性カプラ171は、アンテナからの反射エネルギー、すなわち、アンテナから放射されなかったエネルギーを測定するための反射計として機能する。このシグナルは、周囲の誘電特性が変化するにつれて変化し、カプセルが、海綿状の流体で満たされた胃を離れ、小腸の管状組織によって囲まれるように移行するときに最も顕著に変化する。アンテナ反射率関連読み取り値におけるシフトは、TCDマーカーと一致することが観測され、二次的な尺度として信頼度を追加する。
【0169】
図9Aは、カプセル10内のいくつかのセンサ及び疑似センサについての時間に対する記録された読み取り値(又はその処理されたバージョン)のプロットである。胃排出(胃十二指腸移行)イベントは標識されている。図9Aのグラフ内の上のプロットは、時間に対するアンテナ反射率関連読み取り値である(アンテナについての「Ant」とラベル付けされている)。補正されたTCDガスセンサ読み取り値のスパイクと一致する時間にベースラインシフトが発生することが分かる。したがって、例えば、スパイクが胃十二指腸移行によって引き起こされる尤度を表す信頼スコアが閾値を満たさない場合、アンテナ反射率関連読み取り値が分析されて、スパイクと一致するベースラインシフトを検出する。例えば、ベースラインシフトは、漸進的に/順次、最新のいくつかの(例えば、5、10、又は20)連続した読み取り値の平均値を、最新のいくつかの連続した読み取り値に先行する(又は逆時系列処理の場合には後続する)いくつかの読み取り値の平均値と比較することによって検出され得る。ベースラインシフトは、閾値を超える差によって示され得、閾値は、絶対値であるか、割合であるか、又は読み取り値における標準偏差に対して判定され得る。反射計の出力における同時の胃十二指腸インジケータを検出することは、最初の胃十二指腸移行インジケータがカプセル10の胃十二指腸移行によるものであることを確認し、したがって、胃十二指腸移行のタイミングを判定するのに十分であり得る。代替的に、2つのインジケータの組み合わせが確率モデルを介して評価されて、信頼スコアを改訂し、改訂された信頼スコアを閾値と比較し得、閾値を満たすことは、第1の胃十二指腸移行インジケータがカプセル10の胃十二指腸移行によるものであると判定し、したがって、胃十二指腸移行のタイミングを判定することである。
【0170】
加速度計及び加速度計データの処理
例示的な加速度計19は、3つの相互に直交する軸の周りのロールを測定する。加速度計19からの読み取り値は、軸ごとの構成要素を有するベクトルであり得、各構成要素は、対応する軸の周りの瞬間角加速度、又は先行するライブ読み取り以降の期間にわたる対応する軸の周りの平均加速度を示す。代替的に、読み取り値は、カプセルの三次元の向きを与え得る。レシーバ装置30又はリモートコンピュータ20において、加速度計からの読み取り値の処理が実施されて、集約された(すなわち、3つの軸全て)加速度計読み取り値の表現(プロット対時間など)を生成し得、これらの加速度計読み取り値から、マーカー(すなわち、胃十二指腸移行インジケータ)が特定可能であるそのようなプロット又は表現は、排泄イベントを含む他のイベントのマーカーを特定するために使用され得る。図9Aでは、「角度移動」プロットが生成される。これは、3つの軸全ての周りのスカラ角変位を経時的に累積した図であり、ローパスフィルタは、小さな角変位をフィルタリングするために適用されている。
【0171】
図9Cは、3つの相互に直交する次元の各々におけるロールを示し、胃排出イベントがマーク付けされており、この図から、加速度計読み取り値の変化は、補正されたTCD読み取り値の変化と時間的に相関することが分かる(すなわち、温度補正されたTCD読み取り値における胃十二指腸移行インジケータの検出に信頼度を追加するために使用され得る)。カプセルの向きは、三軸加速度計を使用して測定され、カプセル基準系に関して重力ベクトルを追跡する。カプセルの向きは、三軸加速度計を使用して測定され、カプセル基準系に関して重力ベクトルを追跡する。カプセルは、胃を離れると、十二指腸及び小腸を通過する際に、カプセルの向きの急激な変化を受ける傾向がある。「角度移動」は、単に、90度を超えるヒステリシス角度における向きの変化を累積する。このアルゴリズムは、胃において受ける向きの小さな変化に対して堅牢である傾向があり、他の手法の複雑さの一部を回避する。
【0172】
加速度計データを処理するための第1の技術は、角度移動と呼ばれることがある。角度移動は、ベクトル数学を使用して、重力ベクトルと一時ベクトルとの間の角度を計算する。一時ベクトルは、この角度が所与の閾値(現在90度)を超えるときにのみ、角度の変化方向に引っ張られる。次いで、マーカーが特定可能である表現において視覚化される一時ベクトルにおける変化が累積される。一般的に、重力ベクトルと一時ベクトルとの間の角度は、いずれの方向においても閾値を超えることはめったにないので、この尺度は、胃においてはそれほど変化せず(胃の小さな前後の向きの変化は、このアルゴリズムの固有のヒステリシスによって事実上無視される)、小腸の蛇行した管腔に入った後、カプセルのより大きく、より連続的な向きの変化に起因して有意に累積される、と考えられる。したがって、累積角度移動尺度のステップ変化は、胃十二指腸移行インジケータである。
【0173】
角度移動の例示的な実装形態では、加速度計読み取り値は、重力ベクトルとの固定関係における基準系に対する摂取可能なカプセルの向きの読み取り値を提供し得る。加速度計からの読み取り値の処理は、第1の加速度計読み取り値によって与えられる摂取可能なカプセルの向きを基準の向きとして記録することと、各連続する加速度計読み取り値に対して時系列的に繰り返して、それぞれの加速度計読み取りによって与えられる摂取可能なカプセルの向きが基準の向きからの閾値角変位よりも大きいかどうかを判定することと、閾値角変位が満たされない場合に、基準の向きを変更することなく次の加速度計読み取り値に進むことと、閾値角変位が満たされる場合に、それぞれの加速度計読み取り値によって与えられる摂取可能なカプセルの向きと整列するように基準の向きを変更することと、を含み得る。胃十二指腸移行インジケータなどのインジケータは、基準の向きの変化率におけるステップ変化であり得る。
【0174】
図9Bは、角度移動のプロットにおけるステップ変化が、TCDガスセンサ読み取り値における検出されたスパイクの閾値期間内に特定可能であることを示す。したがって、角度移動のプロットにおけるステップ変化は、TCDガスセンサ読み取り値における検出されたスパイクが胃十二指腸移行によるものであるという仮説の信頼度を高める。ほぼ同時の胃十二指腸移行インジケータが2つあり、これによって、インジケータのうちの一方(このインジケータが事前選択され得、例えば、TCDガスセンサ読み取り値であり得る)のタイミングを移行イベントのタイミングとして判定することが可能である。
【0175】
加速度計データを処理するための第2の技術は、全ロールと呼ばれることがある。全ロールは、重力ベクトルとカプセルX軸、Y軸、及びZ軸の各々との間の角度を計算し、これを360度を超えて累積することができる連続的な尺度として表される。例えば、カプセルx軸が350度の角度であり、更に20度回転する場合、結果として生じる角度は、10度ではなく370度として表される。このことは、ゼロ線を横切ることに関連付けられた突然の角度変化を回避するので、読み取り値をマーカーが特定されるプロットとして表すときに役立つ。この例では、340度の人工的な変化の代わりに、20度の実際の変化が視覚化される。この基本的な手法に加えて、ローパスフィルタリングを適用して、センサノイズを除去するために生データをフィルタリングし得る。追加的に、角度は、生の加速度計データが意味のある角度を計算するのに十分なデータを提供するときにのみ計算される。このことが当てはまらない例は、第3の軸の周りの向きの角度を計算するために使用される2つの加速度計軸値が両方ともゼロに近づくときである。この場合、計算はセンサノイズによって支配されるので、意味のある角度を判定することはできない。
【0176】
加速度計読み取り値は、重力ベクトルとの固定関係における基準系に対する摂取可能なカプセルの向きの読み取り値を提供する。加速度計からの読み取り値の例示的な処理は、向きの読み取り値から導出可能な摂取可能なカプセルとの固定空間関係における3つの直交軸の各々について、各連続する加速度計読み取り値に対して時系列的に繰り返して、先行する加速度計読み取り値からの重力ベクトルに対する直交軸の変化をスカラ値として計算することと、計算された変化にローパスフィルタを適用することと、累積的なフィルタリングされた計算された変化を記録することと、を含み得る。胃十二指腸移行インジケータとして働くマーカーは、例えば、累積的なフィルタリングされた計算された変化の増加率における増加(スパイク又はステップ変化など)であり得る。
【0177】
図12Dは、胃排出のタイミング(すなわち、胃十二指腸移行イベントタイミング)を判定するための例示的なアルゴリズムを示している。S1230において、温度補正されたTCD読み取り値が取得され、S1231において、(逆時系列処理の例では)判定されたICJイベントタイミングを遅延バインドとして使用することによって、検索ウィンドウが絞り込まれる。読み取り値において2つのインジケータが検出される。S1232において、温度補正されたTCD読み取り値の第2の導関数における最新の正のピークのタイミングが、マーカー1として検出され、S1233において、読み取り値における最大のステップ変化のタイミングが、マーカー2として検出される。S1234において、2つのインジケータのタイミングが比較され、それらが互いの30分以内などの所定の閾値距離内にある場合、S1235において、マーカー2のタイミングが、カプセルの胃十二指腸移行のタイミングであると判定される。
【0178】
2つのインジケータが一致しない場合、加速度計データが処理される。S1240において、角度移動データが取得され、S1241において、S1231と同様に検索ウィンドウが狭まった。S1242において、角度移動データの第2の導関数における最新の正のピークのタイミングとして、マーカー3が検出される。S1243では、マーカー1及びマーカー3のタイミングが互いの30分以内などの所定の閾値距離内で一致するかどうかに関するチェックが実施され、一致する場合、フローはS1244に進み、マーカー1のタイミングが、カプセルの胃十二指腸移行のタイミングであると判定される。マーカー1及びマーカー3が一致しない場合、フローはS1245に進み、マーカー2及びマーカー3のタイミングが互いの30分以内などの所定の閾値距離内で一致するかどうかに関するチェックが実施される。一致する場合、フローはS1246に進み、マーカー2のタイミングが、カプセルの胃十二指腸移行のタイミングであると判定される。そうでない場合、全ロールデータは、S1250において加速度計読み取り値から取得される。S1251では、加速度計全ロールデータにおけるベースラインシフト又はノイズフロア変化を検出することによって、胃十二指腸移行インジケータがマーカー4として検出される。S1252において、マーカー4のタイミングが、マーカー1、2、及び3のタイミングと比較される。マーカー4のタイミングが、他のマーカーのうちのいずれかの30分以内などの所定の閾値距離内にある場合、他のマーカーのタイミングが、S1253においてカプセルの胃十二指腸移行のタイミングであると判定される。マーカー4が、マーカー1、2、3のうちの>1と一致する場合、例えば、1、2、及び3のうちでマーカー4のタイミングに最も近いマーカーのタイミングが、カプセルの胃十二指腸移行のタイミングであると判定され得る。それ以外の場合、所定の階層が、例えば、マーカー1がマーカー2よりも優先され、マーカー2がマーカー3よりも優先されるようにアルゴリズムとしてプログラムされ得る。
【0179】
S1252において一致が見つからない場合、S1260において、反射計読み取り値が取得される(アンテナ17と直列の方向性カプラ171が反射計を形成することに起因して、「方向性カプラ」とマーク付けされている)。S1261において、処理が実施され、マーカー5として、反射計読み取り値におけるベースラインシフト又はノイズフロア変化のタイミングを検出する。S1262において、マーカー5のタイミングを、マーカー1、2、3、及び4のタイミングと比較される。マーカー5のタイミングが、他のマーカーのうちのいずれかの30分以内などの所定の閾値距離内にある場合、他のマーカーのタイミングが、S1253においてカプセルの胃十二指腸移行のタイミングであると判定される。マーカー5が、マーカー1、2、3、4のうちの>1に一致する場合、例えば、1、2、3、及び4のうちでマーカー4のタイミングに最も近いマーカーのタイミングが、カプセルの胃十二指腸移行のタイミングであると判定され得る。それ以外の場合、所定の階層が、例えば、マーカー1がマーカー2よりも優先され、マーカー2がマーカー3よりも優先され、マーカー3がマーカー4よりも優先されるように、アルゴリズムとしてプログラムされ得る。
【0180】
時系列処理の場合、S106aにおいて、判定された第1の移行イベントタイミングよりも後の記録された読み取り値が、回盲接合部インジケータについて分析される。又は、逆時系列処理の場合、判定された排泄イベントタイミングよりも前の読み取り値が回盲接合部インジケータについて分析される。したがって、それぞれの判定されたイベントタイミングからの記録された読み取り値は、判定された第2の移行イベントのタイミングまで、分析されている読み取り値を反復的に又は繰り返して進めることによって分析される。
【0181】
回盲接合部移行タイミングの判定
第2の移行イベントは、回盲接合部を通るカプセル10の通過である。回盲接合部インジケータは、記録された読み取り値の第2のサブセットにおいて検出され得、第2のサブセットは、時系列又は逆時系列処理に依存して、上記で説明したように時間的に定義される。更に、第2のサブセットは、センサによって制約され得、VOCガスセンサ132aのセンサ側からの読み取り値を含む。
【0182】
VOCガスセンサ読み取り値における回盲接合部インジケータは、VOCガスセンサ読み取り値におけるスパイク、ステップ変化、又は変曲点であり得る。
【0183】
第2の移行イベントタイミングを判定することS106は、検出された回盲接合部インジケータに1つ以上の条件を適用して、この回盲接合部インジケータが回盲接合部を横切るカプセル10の通過に起因し得る(すなわち、所定の信頼レベル内で通過を予測し得る)か否かを判定することである。
【0184】
小腸から大腸への移行の移行予測は、判定された第2の移行イベントタイミングである。小腸と大腸との間のガス環境変化は、大腸の細菌集団が有意に高い有病率で発生し、微生物叢による炭水化物及びタンパク質の発酵による揮発性物質の産生又は増加及びO2の減少を促進するので有意である。
【0185】
センサ側132aからのVOCガスセンサ出力132は、多くの異なる揮発性分析物に感受性があり、最大の応答は、H2及びO2に起因する。回盲弁を通過する移行時に、VOCセンサ上の大幅な低下が観測される。カプセルがGI管を通過すると、O2が細菌によって消費されるため、環境はますます嫌気性になる。図8Cは、VOCセンサ出力及び判定されたH2濃度のプロット上のICJのインジケータを例示する。VOCセンサ出力におけるインジケータは、センサが加熱されている間のVOCセンサ側読み取り値と時間との差をプロットし、最も高い負のピークを見つけることによって、S106aにおいて特定され得る。この差分は、移行に関連付けられるが、移行イベントの開始時には発生しない最大の変化点を特定する。移行イベントの開始は、一次導関数におけるベースラインからの初期変曲点によって見出され得る。したがって、インジケータは、最も高い負のピークによって検出され得、イベントタイミングは、変曲点によって判定され得る。最も高い負のピークは、判定された胃十二指腸移行イベントタイミングに後続するか、又は判定された排泄イベントタイミングに先行する(逆時系列処理の場合)所定の期間(例えば、1時間、2時間、4時間など)からのVOCガスセンサ読み取り値を分析することによって遡及的に見出され得る。代替的に、閾値の負のピークサイズが判定され得、閾値サイズを超える第1のピークが回盲接合部移行インジケータとして検出される。
【0186】
図8Dに示されるように、ICJインジケータは、カプセルが結腸に到達したときのH2の急激な増加として、判定されたH2濃度パーセンテージにも存在する。GI管で産生されるH2は、発酵の副産物である。細菌のコロニーは、結腸内では小腸内よりも桁違いに大きい。したがって、判定されたH2濃度は、VOCセンサ出力の回盲接合部インジケータに信頼度を追加するために使用され得る。
【0187】
図8Eは、検出されたCO2濃度の形態の回盲接合部移行の更なるフォールバックマーカーを例示する。GI管内のCO2は、発酵の副産物として産生される。細菌のコロニーは、結腸内では小腸内よりも桁違いに大きい。したがって、判定されたCO2濃度は、VOCセンサ出力の回盲接合部インジケータに信頼度を追加するために使用され得る。
【0188】
図12Cは、回盲接合部移行イベントタイミングを判定するために読み取り値を処理するための例示的なアルゴリズムを例示する。入力は、VOCセンサ感知側からの読み取り値及びH2読み取り値である(VOCセンサヒータ側の前処理出力によって判定される)。ステップS1220~S1223は、ICJインジケータ/マーカーの検索ウィンドウを、移行イベントの判定された時間と、カプセルガスセンサによって検出されたガス混合物中のH2の判定された濃度が最初に10%に達する時点との間に絞り込む。S1224において、VOCホットトレース(パルス駆動信号からのVOCセンサ感知側の最もホットな点である)の一次及び二次導関数が見出され、S1225において、一次導関数の最後の一致ピークのタイミング(すなわち、一次導関数からの最大の負のピーク)が見出される。S1226において、一次導関数の最後の一致ピークのタイミングは、二次導関数の検索ウィンドウを、最後の一致ピーク時間のいずれかの側で30分ごとに区切るために使用される。S1227において、VOCホットトレースの二次導関数のピークのタイミングが見出され、S1228において、回盲接合部移行イベントタイミングが、上記二次導関数ピークのタイミングであると判定される。S107aにおいて、環境センサ14からの記録された読み取り値が分析されて、排泄イベントを示す環境条件(環境温度及び環境相対湿度のうちの一方又は両方である)における変化を検出する。時系列処理の場合、分析は、第2の移行イベントの判定されたタイミング以降からの環境センサ読み取り値の分析である。環境温度における検出された変化が排泄イベントによるものであると判定されると、排泄イベントを検出するための更なる分析は実施されない。逆時系列処理の場合、S107aにおける分析は、終了イベント及びそれ以前からの読み取り値の分析である。例えば、S107aにおいて変化を検出することは、1つ以上の読み取り値を所定数の先行する読み取り値又は処理読み取り値と比較することによって順次行われ得、閾値(すなわち、摂氏1又は2度)を超える差が、検出される変化である。検出される変化は、地理的位置及び気候上の考慮事項に応じて、温度の変化、相対湿度の変化、又はその両方であり得る。排泄イベントタイミングS107を判定することは、1つ以上の読み取り値の温度を、対象哺乳動物40のGI管の端部における環境についての予想される温度と比較することを含み得、変化が閾値よりも高い(逆時系列処理の場合)か又は閾値よりも低い(時系列処理の場合)ことは、カプセル10が排泄されたという判定である。代替的に、条件は、所定数以上の連続した読み取り値が、対象哺乳動物のGI管の端部における環境についての予想される温度の閾値の範囲外であることであり得る。
【0189】
排泄イベントタイミングの判定
一般に、排泄時の温度低下は信頼度の高い信号である。しかし、データに温度低下が観測されない場合がある。図2Dに図示されるような排便ボタン押下は、フォールバックとして使用されてもよく、又は更なるセンサ読み取り値がフォールバックとして処理されてもよい。排泄イベントタイミングS107を判定することは、1つ以上の読み取り値の相対湿度を、対象哺乳動物40のGI管の端部における環境の予想される相対湿度と比較することを含み得、変化が閾値よりも高い(逆時系列処理の場合)か又は閾値よりも低い(時系列処理の場合)ことは、カプセル10が排泄されたという判定である。代替的に、条件は、所定の数以上の連続した読み取り値が、対象哺乳動物のGI管の端部における環境についての予想される相対湿度の閾値の範囲外であることであり得る。
【0190】
場合によっては、排泄時の温度に変化がないことがあることに留意されたい。処理は、バックアップアルゴリズムを含み得、バックアップアルゴリズムは、開始時の最も早い環境温度読み取り値(カプセル10がまだ摂取されていないと仮定される)が、対象哺乳動物のGI管の端部における環境についての予想される温度の閾値範囲内にある(このことは、対象が予想されるGI管温度又はそれに近い温度を有する環境にあることを示す)場合に実施される。バックアップアルゴリズムは、排泄イベントを示し得る他のセンサからの記録された読み取り値のマーカーを探す。排泄は一般的に物理的な落下に関連付けられるので、マーカーは加速度計読み取り値におけるインジケータであり得る。代替的又は追加的に、相対湿度の変化は、バックアップアルゴリズムによって検出され得る。
【0191】
胃排出
図10は、胃十二指腸移行イベントタイミングを判定するための方法、装置、及び処理のフローチャートである。胃十二指腸移行イベントは、胃排出と呼ばれる場合があることに留意されたい。イベントタイミングを判定することは、イベントの予測タイミングとも呼ばれ得る。
【0192】
S1002において、環境温度センサ14a及びTCDガスセンサ131からの記録された読み取り値が組み合わされて、TCDガスセンサ読み取り値を補正(すなわち、調節又は較正)し、カプセル10の位置での温度の変化を補正する。それによって、カプセル10の位置における温度変化の影響は、補正されたTCDガスセンサ読み取り値において補償され、補正されたTCDガスセンサ読み取り値から、S1004において第1の胃十二指腸インジケータが特定され得る。これは、上記で論じられたS104aの例である。カプセル10が対象哺乳動物内にある間に処理ステップが実施されると仮定すると、記録された読み取り値は、胃十二指腸移行インジケータについて継続的に監視される。例えば、胃十二指腸移行インジケータの監視は、摂取イベントタイミングが判定された後に開始され得る。処理が遡及的に適用される場合、記録された読み取り値は、胃十二指腸移行インジケータを特定しようとする際に、摂取イベントタイミングから順次処理される。胃十二指腸移行インジケータは、補正されたTCDガスセンサ読み取り値対時間のプロットにおけるバンプ、ステップ変化、又は屈折であり得る。検出アルゴリズムは、それぞれの大きさ閾値を下回るバンプ、ステップ変化、又は変曲点が胃十二指腸移行インジケータとして検出されるのを防止するために、ローパスフィルタリングを適用し得る。
【0193】
代替的に、上述のように、S1004で第1の胃十二指腸インジケータを検出するために、遡及的な逆時系列処理が実施され得る。
【0194】
S1006において、上記で論じられたように、検出されたインジケータについて信頼スコアが計算される。例えば、仮説では、(補正された記録されたTCDガスセンサ読み取り値における)検出されたインジケータがカプセル10の胃十二指腸移行イベントによって生じており、帰無仮説では、検出されたインジケータは、ノイズ又は胃内の物理的影響によって引き起こされた読み取り値のランダムな変動であった。信頼スコアは、確率分布(例えば、胃の中にあるときのTCDガスセンサ読み取り値の標準分布を知ることによる正規分布)、及び標準偏差のバンプのサイズを知ることによって生成され得る。同様に、確率分布から確率スコアを生成するために、標準偏差に対するステップ変化又は変曲点の大きさが使用され得る。閾値最小信頼スコアは、S1006において適用され得、計算された信頼スコアが閾値(例えば、0.9、0.92、0.95、又は0.99)を満たす場合、フローは、S1016に進み、検出された移行インジケータのタイミングは、胃十二指腸移行イベントのタイミングであると判定される。
【0195】
計算された信頼スコアが閾値を満たしていない場合、第2の胃十二指腸移行インジケータが求められる。代替的に、S1004において複数の移行インジケータが検出され、例えば、第1の非温度関連バンプ、ステップ変化、又は変曲点が第1の移行インジケータとして検出され、更なる非温度関連バンプ、ステップ変化、又は変曲点が代替的な第1の移行インジケータとして検出され得る。ここで、代替的な第1の移行インジケータは、第1の移行インジケータとは異なるそれぞれのタイミングにあり、したがって、どちらがカプセルの胃十二指腸移行イベントによるものであり、どちらがカプセルの胃十二指腸移行イベントによるものではないかが判定さなければならない。胃十二指腸移行におけるTCDガスセンサ読み取り値の変化は、カプセルを取り囲むガス混合物中のCO2の増加によって引き起こされることに留意されたい。実施形態は、第1の移行インジケータ及び代替的な第1の移行インジケータを検出するために生形式でTCDガスセンサ読み取り値を処理し得るか、又は実施形態は、例えば、検出を実行するデバイスに記憶された較正テーブルへのルックアップに基づいて、ガス混合物中のCO2濃度を表すように前処理されたTCDガスセンサ読み取り値の前処理バージョンを処理し得る。例えば、第1の移行インジケータ又は代替的な第1の移行インジケータ(第1の移行インジケータは最も早いインジケータであり、代替的な移行インジケータはより遅く、したがって、第1の移行インジケータが偽である、すなわち、胃十二指腸移行イベントによるものではないという仮定に基づいている)のいずれも信頼閾値を満足しない場合、1つ以上の他のセンサからの読み取り値が処理されて、第1の移行インジケータ又は代替的な第1の移行インジケータのいずれかと同時にインジケータを検出し得、別のセンサからの読み取り値における同時インジケータ(すなわち、第2の胃十二指腸移行インジケータ)がそれぞれの移行検出器に信頼度を追加する。別のセンサは、例えば、加速度計であり得、向き変化の速度の増加は、第2の移行インジケータである。代替的に、別のセンサは、方向性カプラ(すなわち、反射計)であり得、アンテナ反射率読み取り値におけるステップ変化は、第2のインジケータである。アンテナ反射率信号(すなわち、反射計読み取り値又は可変コンデンサ制御信号読み取り値)の高分散は、腸内の存在に関連付けられるので、ステップ変化又はスパイクは、カプセルが胃十二指腸移行を行ったことを示すインジケータである。更なる例として、別のセンサは温度センサであり得、大きな温度変化は胃の中の存在に関連付けられるが、小腸の温度ははるかに一貫している。したがって、大きな温度変化の終了は、第2の胃十二指腸移行インジケータと見なされ得る。同じ論理を使用して、第1の移行インジケータのタイミングでの急速な温度変化は、上記移行インジケータの信頼度を低下させ得る。温度変化を表現するためのメトリックとして、ローリング時間ウィンドウの平均変化率、例えば、30秒、又は1分などの量を使用して、温度変化の量を表現してもよい。先行する時間ウィンドウの平均変化率が閾値未満であることは、胃十二指腸移行が発生したことを示すインジケータであり、したがって、同時又は最近の第1の移行インジケータに信頼度を追加する。
【0196】
図10には、階層的な手順が示されており、最初に、アンテナ反射率関連読み取り値(すなわち、反射計として構成されたアンテナ17及び方向性カプラ171、又は可変コンデンサ172の制御信号)が、第2の胃十二指腸移行インジケータについて分析され、次に、反射計からの記録された読み取り値において特定可能な第2の胃十二指腸インジケータがない場合、加速度計19からの記録された読み取り値が分析される。しかしながら、方法は反転され得、加速度計読み取り値が最初に分析され、次に、加速度計19からの記録された読み取り値において特定可能な第2の胃十二指腸インジケータがない場合に、反射計からの記録された読み取り値が分析される。
【0197】
S1008において、検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の反射計(アンテナ17及び方向性カプラ171で構成される)からの記録された読み取り値が分析されて、第2の胃十二指腸移行インジケータを検出又は特定する。具体的には、反射計からの記録された読み取り値における第2の胃十二指腸移行インジケータは、ベースラインシフト及び/又はノイズフロア変化であり得る。いずれか又は両方が検出された場合、TCDガスセンサの記録された読み取り値において検出された第1の胃十二指腸インジケータは、S1016において、カプセル10が胃十二指腸移行イベントを受けることによるものであることが確認される。
【0198】
S1010a及びS1010bにおいて、検出された第1の胃十二指腸移行インジケータの所定の時間範囲内の加速度計19の読み取り値が分析されて、第2の胃十二指腸移行インジケータを検出又は特定する。方法は、ステップS1010a及びS1010bの一方又は両方を利用し得る。S1010aにおいて、加速度計読み取り値の記録された読み取り値の角度移動表現(上記で詳細に説明された)が分析されて、第2の胃十二指腸移行インジケータを検出又は特定する。具体的には、第2の胃十二指腸移行インジケータは、累積角度移動のステップ変化であり得る。S1010bにおいて、加速度計読み取り値の記録された読み取り値の全ロール表現(上記で詳細に説明された)が分析されて、第2の胃十二指腸移行インジケータを検出又は特定する。具体的には、第2の胃十二指腸移行インジケータは、全ロールの増加速度のステップ変化であり得る。
【0199】
S1012で、第2の胃十二指腸移行インジケータが加速度計読み取り値において検出されるかどうかのチェックが実施される。第2の胃十二指腸移行インジケータが検出されない場合、フローはS1014に進み、検出された第1の胃十二指腸インジケータは、カプセルの胃十二指腸移行イベントによるものであると判定されない(ただし、センサ出力の手動チェックのために、第1の胃十二指腸インジケータにフラグが付けられ得る)。TCDガスセンサ読み取り値の監視は、検出された第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングから続き、S1004において新しい第1の胃十二指腸移行インジケータを検出するか、又は逆時系列処理の場合、検出された第1の胃十二指腸移行インジケータのタイミングから逆方法に続く。
【0200】
S1016において、胃十二指腸移行イベントの判定されたタイミングにおいて記録された読み取り値にラベルが適用されて、例えば、医療専門家による更なる分析においてガスセンサからの読み取り値にコンテキストを追加し得る。代替的又は追加的に、アラート又は通知が生成されて受信者に送信され、胃十二指腸移行イベントのタイミングを通知し得る。
【0201】
本開示の広範な一般的な範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して多数の変形及び/又は修正が行われ得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、本実施形態は、全ての点で例示的であり、制限的ではないと見なされるべきである。

図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
【国際調査報告】