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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】消耗品エアロゾル生成用加熱装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20241106BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20241106BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20241106BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F40/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024548517
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 US2022047135
(87)【国際公開番号】W WO2023069519
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/257,847
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/290,734
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/290,736
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/301,383
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524153628
【氏名又は名称】ソート リーダーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】Thought Leaders, Inc.
【住所又は居所原語表記】201 North Union Street, Suite 110, Alexandria, VA 22314, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーク シングルトン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェロニカ スペンサー
(72)【発明者】
【氏名】リー アン ブレビンズ ジョイス
(72)【発明者】
【氏名】スキート エム. シングルトン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB13
4B162AC12
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
吸入可能なエアロゾルを形成する加熱装置であって、1つもしくは複数の加熱エレメントと、当該加熱エレメントと当該加熱エレメントを取り囲む外部環境との間のバリアによって形成される、一時的にもしくは持続的に確立されたキャビティであって、消耗品のキャビティへの挿入およびキャビティからの除去ならびに装置内の加熱エレメントの交換を可能にするキャビティとを含む、加熱装置が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱装置であって、
1つもしくは複数の加熱エレメントと、
前記加熱エレメントを取り囲む確立されたキャビティであって、当該キャビティへの消耗品の挿入および当該キャビティからの消耗品の除去ならびに装置内の前記加熱エレメントの交換を可能にするキャビティと
を有している、加熱装置。
【請求項2】
前記装置はさらに、前記1つもしくは複数の加熱エレメントが高温である間、消費者による前記装置の開放を防止する制御機構を備えている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記装置はさらに、前記装置が開放されている間、前記1つもしくは複数の加熱エレメントがオンになることを防止する制御機構を備えている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記装置はさらに、ユーザおよび/またはユーザの年齢を確認する機構を備えている、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記装置はさらに、前記消耗品の周囲の容器を穿刺する構造を備えている、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記1つもしくは複数の加熱エレメントは、同一のもしくは鏡像の(すなわち対称性において逆の)形状を有する第1のヒータおよび第2のヒータである、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記消耗品が凸形状または両凸形状を有する、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記凸形状は、圧縮の際に、前記消耗品の断面積もしくは厚さに対する前記消耗品の加熱される表面積を最大化する、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記1つもしくは複数の加熱エレメントは、閉鎖位置において前記消耗品を保持する凹状の消耗品クレードルを形成する第1のヒータおよび第2のヒータである、請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記キャビティが、少なくとも約1:1である、空間的なエアポケットと前記消耗品クレードルとの容積比を有するエアポケットを形成する、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記エアポケットと前記消耗品クレードルとの容積比は約8:1以下である、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記装置は前記加熱エレメントにかかわらず一定の電流エネルギを伝導し、これにより、同一の電流エネルギを有するヒータ設計によって温度が決定される、請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記1つもしくは複数の加熱エレメントは、前記消耗品の配合のために特に設計された新たなもしくは交換可能なヒータである、請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記キャビティは、バッフルを有するエアポケットを形成している、請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記消耗品は、
タバコ、麻、植物、他のセルロース系材料、木質繊維、ビート繊維、微結晶セルロース、植物性物質、固形物または半固形物、フレーバー付け化合物、エアロゾル化物質、グリセリン、プロピレングリコール、他のグリコール、およびこれらの任意の混合物から形成され、カットされた、再構成された、細断された、ダイシングされた、押出成形された、もしくはペレット化された物質から成る群から選択される材料によって形成されている、請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記消耗品のうちの1つもしくは複数が、不正な消耗品使用を制限する目的で、前記装置に送信されて解釈される信号または他のデータを作成する、請求項1記載の装置。
【請求項17】
圧縮の際に、前記消耗品の凸形状または両凸形状により、静的な粒子結合の破壊によって空気流が改善される、請求項7記載の装置。
【請求項18】
前記消耗品は包装可能である、請求項15記載の装置。
【請求項19】
前記消耗品はポーラス性もしくは不透過性の包装材で包装されている、請求項15記載の装置。
【請求項20】
前記包装材が紙、タバコ、植物性シート、金属およびゲルから選択される、請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記確立されたキャビティは一時的なものである、請求項1記載の装置。
【請求項22】
前記1つもしくは複数の加熱エレメントは、それぞれが正しい位置に嵌め込まれて回転しないことを保証するスナップをそれぞれ有している、請求項1記載の装置。
【請求項23】
包装材により、粒子の通過が抑制されまたはスクリーニングされまたはブロックされ、これにより関連する健康リスクが低減される、請求項15記載の装置。
【請求項24】
前記消耗品はESGの影響を低減するフィルタを含まない、請求項15記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の背景
1.開示の分野
本開示は、エアロゾル生成配合物に熱を加えることによって吸入可能または消費可能なエアロゾルを生成する加熱装置であって、選択された化合物が効率的に抽出され、さらに直接にユーザまで伝達されるように構成された加熱装置に関する。より詳細には、本開示は、加熱装置に接続可能な、エアロゾルを生成する位置としての別個のカートリッジを必要とせずに、加熱装置内でエアロゾルを生成することに関する。
【0002】
2.関連技術の説明
ユーザによって吸入されるエアロゾルを生成する従来の装置は、概して、シガレットに類似した形状の消耗品またはエアロゾル生成配合物を含有する消耗品を含む別個のカートリッジのいずれかを使用している。別個のカートリッジが存在する場合、消耗品は、内蔵ヒータおよび/またはポリマー介在物を含みうる。したがって、これらの従来の装置におけるヒータは、望ましくないことに、消耗品内に隠れているかまたは消耗品に取り付けられており、使用のたびに一部が廃棄されることが意図されているために、廃棄物および屑が生じる。
【0003】
ユーザによって吸入されるエアロゾルを生成する他の従来の装置は、概して、装置に持続的に固定されるヒータを有する。よって、これらの持続的に固定されるヒータは、装置からの消耗品エアロゾルを最適に生成するために、望ましくないことではあるが洗浄されなければならない。洗浄プロセスがあまりに困難であれば、その潜在的な耐用期間が満了する前に装置全体が早期に廃棄されることになり、過剰な環境廃棄物が生じ、さらに物品を交換するための消費者コストがかかる可能性がある。
【0004】
したがって、本開示により、従来の装置の上述したおよび他の有害な作用のうちの1つもしくは複数を克服するかつ/または軽減するかつ/または軽減する装置が継続的に必要とされていることが判明している。
【0005】
概要
本開示は、消費者にとってより環境に配慮しておりかつより経済的である独自のエアロゾル生成消耗品を使用する加熱装置、例えば吸入デバイスを提供する。
【0006】
本開示はまた、消耗品の表面領域にわたって一貫して均一に熱を伝導させ、対流させかつ放射させる意図をもって特に配置された加熱エレメントを有するこのような加熱装置を提供する。
【0007】
加熱装置に配置される消耗品は、例えば、ペレット、カプセル、ピロー、タブレット、パウチ、ウェハ、粉末、顆粒、細片、麺状体、ストリップまたはシートであってよい。消耗品はパーフォレーションを有してもよいしまたはパーフォレーションを有していなくてもよい。消耗品は包装されていてよくまたは無包装であってもよい。包装材は、ポーラス性または非ポーラス性であることができる。包装材のポーラス率は、24CORESTA単位~30000CORESTA単位でありうる。
【0008】
本開示はさらに、消耗品が加熱エレメントにより部分的にまたは完全に包囲され、最小のエネルギ消費によって生成物収率および得られるエアロゾル量を最大化する加熱装置を提供する。
【0009】
本開示は、吸入可能なエアロゾルを形成する加熱装置であって、1つもしくは複数の加熱エレメントと、当該加熱エレメントと当該加熱エレメントを取り囲む外部環境との間のバリアによって形成される、一時的にもしくは持続的に確立されたキャビティであって、キャビティへの消耗品の挿入およびキャビティからの消耗品の除去ならびに装置の加熱エレメントの手動交換、機械的交換および/または電気的交換を可能にするキャビティとによって動作可能である加熱装置を提供する。
【0010】
本開示はさらに、ヒータが高温である間、消費者による装置の開放を防止する制御機構によって、加熱装置の動作中およびメンテナンス中にユーザを熱傷または電気ショックから保護する加熱装置を提供する。装置は、当該装置が開放されている間ヒータがオンとなることを防止する制御機構も有することができる。装置は、ユーザを認証する機構および/またはユーザの年齢を確認する機構も有することができる。
【0011】
本開示は、消耗品がタバコ、他の植物性物質、ハーブまたは植物および/または合成生成物(例えば医薬品)から製造可能であることも提供する。消耗品はまた、以下に限定されるものではないが、グリセリン、プロピレングリコールなどのエアロゾル形成成分を含有することができる。
【0012】
本開示は、吸入可能なエアロゾルを形成し、(1)1つもしくは複数の加熱エレメント、(2)一時的にもしくは持続的に確立されたキャビティであって、装置外部および装置の非加熱部の双方から、加熱エレメント、キャビティに充填された循環空気および活性消耗品を画定するキャビティ、(3)キャビティへ消耗品の挿入およびキャビティからの消耗品の除去を可能にする任意の方法または機構、ならびに(4)装置の加熱エレメントの手動交換、機械的交換および/または電気的交換を可能にする任意の方法または機構、によって動作可能である加熱装置を提供する。加えて、加熱装置は、以下に限定されるものではないが、(i)燃焼による害を被りうる程度にヒータが高温である間、消費者による加熱装置の開放を防止すること、(ii)加熱装置が開放されている間にヒータがオンとなることを防止すること、および/または(iii)未成年者またはその他の不適切なユーザによる加熱装置の不正使用を防止すること、を含む複数の手段を介して加熱装置の安全かつ合法の使用を可能にする制御機構を有する。消費者製品の安全性の目的で、ヒータは、約65℃、55℃、50℃、45℃、40℃またはそれ以下の温度範囲、例えば例示的な例では45℃以下の温度範囲まで冷却されるべきである。製品は、消耗品を取り巻く容器が存在する場合、この容器を穿刺する機能部を有していてよく、または有していなくてもよい。
【0013】
本開示は、付加的に、こうした加熱装置が、以下に限定されるものではないが光表示部、触覚表示部、音響表示部、振動モータ、ブザーおよびこれらの任意の組み合わせを含むインジケータであって、装置に関するバイタル情報、例えば、以下に限定されるものではないが、装置温度、バッテリレベル、装置の清浄度およびこれらに類する助言指示をユーザに伝達するために強度もしくはパターンの種々の組み合わせまたは強度もしくはパターンの変化を使用するインジケータを用いて装置の種々の状態を示すことができることも提供する。
【0014】
本開示の上記のおよび他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面および添付の特許請求の範囲から当業者に明らかとなり理解されるであろう。図面全体を通して示されているように、同様の参照番号は同様のもしくは対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】閉鎖位置にある本開示による吸入デバイスの第1の実施形態の底部前方を示す斜視図である。
図2】閉鎖位置にある図1の吸入デバイスの上部側面を示す斜視図である。
図3図1の吸入デバイスを分解して各側部を示す断面図である。
図4】閉鎖位置にある図1の吸入デバイスの側部を示す断面図である。
図5】閉鎖位置にある図1の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図6】閉鎖位置にある図1の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図7】閉鎖位置にある本開示による吸入デバイスの第2の実施形態の前方を示す斜視図である。
図8図7の吸入デバイスを分解して各側部を示す断面図である。
図9】閉鎖位置にある図7の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図10】開放位置にある図7の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図11】開放位置にある図7の吸入でバスの後方を示す斜視図である。
図12】閉鎖位置にある本開示による吸入デバイスの第3の実施形態の前方を示す斜視図である。
図13図12の吸入デバイスを分解して各側部を示す断面図である。
図14】閉鎖位置にある図12の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図15】消耗品を排出する開放位置にある図12の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図16】開放位置にある図12の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図17】閉鎖位置にある本開示による吸入デバイスの第4の実施形態の前方を示す斜視図である。
図18図17の吸入デバイスを分解して各側部を示す断面図である。
図19】閉鎖位置にある図17の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図20】端部キャップが解離された状態にある図17の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図21】端部キャップの扉が開放位置にある図17の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図22】閉鎖位置にある本開示による吸入デバイスの第5の実施形態の前方を示す斜視図である。
図23図22の吸入デバイスを分解して各側部を示す断面図である。
図24】開放位置にある図22の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図25】閉鎖位置にある本開示による吸入デバイスの第6の実施形態の上部側面を示す斜視図である。
図26】閉鎖位置にある図25の吸入デバイスの底部側面を示す斜視図である。
図27図25の吸入デバイスを分解して各側部を示す断面図である。
図28】閉鎖位置にある図25の吸入デバイスの側部を示す断面図である。
図29】閉鎖位置にある図25の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図30】開放位置にある図25の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図31】開放位置にある図25の吸入デバイスの後方を示す斜視図である。
図32】凹状の加熱エレメントの前方を示す斜視図である。
図33図32の加熱エレメントの前方を示す正投影図である。
図34】本開示の吸入デバイスの保護方法を示す図である。
図35】封止された消耗品のパッケージの前方を示す斜視図である。
図36】1区画が開放された図35のパッケージの前方を示す斜視図である。
図37】変更された形状を有する消耗品を示す斜視図である。
図38図37の消耗品の側部を示す図である。
図39A】消耗品についての計算を示す図である。
図39B】消耗品についての計算を示す図である。
図39C】消耗品についての計算を示す図である。
図39D】消耗品についての計算を示す図である。
図39E】消耗品についての計算を示す図である。
図39F】消耗品についての計算を示す図である。
図40】変更された形状を有する第2の消耗品を示す斜視図である。
図41図40の消耗品の上部を示す図である。
図42図40の消耗品の側部を示す図である。
図43】2つの別個のキャビティを有する図40の消耗品を示す断面図である。
図44】突起を備えたヒータを含むように変更された、閉鎖位置にある図1の吸入デバイスの部分的に拡大された側部を示す断面図である。
図45】突起を備えるように変更された加熱エレメントの前方を示す斜視図である。
図46】変更された形状を有する加熱エレメントを示す上面図である。
図47】別の変更された形状を有する加熱エレメントを示す上面図である。
図48】さらに別の変更された形状を有する加熱エレメントを示す上面図である。
図49】さらに別の変更された形状を有する加熱エレメントを示す上面図である。
図50】さらに別の変更された形状を有する加熱エレメントを示す上面図である。
図51】さらに別の変更された形状を有する加熱エレメントを示す上面図である。
図52図32の加熱エレメントおよび図40の消耗品を示す斜視図である。
図53】開放位置にある図1図7図12図17図22および図25の吸入デバイスを示す斜視図である。
【0016】
開示の詳細な説明
本開示は、吸入可能なエアロゾルを形成し、(1)1つもしくは複数の加熱エレメント、(2)装置外部および装置の非加熱部の双方から、加熱エレメント、循環空気および活性消耗品を画定する、一時的にもしくは持続的に確立されたキャビティ、(3)キャビティへの消耗品の挿入およびキャビティからの消耗品の除去を可能にする任意の方法または機構、ならびに(4)装置内の加熱エレメントの手動交換、機械的交換および/または電気的交換を可能にする任意の方法または機構、によって動作可能である加熱装置(「装置」)を提供する。
【0017】
加えて、装置は、ヒータが燃焼による害を起こす危険を有する程度に高温である間、消費者による装置の開放を防止する制御機構を有することができる。消費者製品の安全性の目的のために、ヒータは、約65℃以下の温度範囲、好ましくは60℃、55℃、50℃、45℃、40℃またはそれ以下の温度範囲、例えば例示的な例では45℃以下の温度範囲まで冷却されるべきである。装置は、当該装置が開放されている間ヒータがオンとなることを防止する制御機構を有することもできる。装置は、ユーザを認証するかつ/またはユーザに権限付与するための、かつ/またはユーザの年齢を確認するための制御部を有することもできる。1つもしくは複数の実施形態では、装置は1つもしくは複数のステータスインジケータを有することができる。これらのステータスインジケータは、装置に関するバイタル情報、例えば、以下に限定されるものではないが装置温度、バッテリレベル、装置清浄度およびこれらに類する助言指示をユーザに伝達する強度もしくはパターンの種々の組み合わせまたは強度もしくはパターンの変化を利用する、以下に限定されるものではないが光表示部、触覚表示部、音響表示部、振動モータ、ブザーおよびこれらの任意の組み合わせを含むことができる。また、装置は、物理的なデジタル保護機能の組み合わせ、例えば、装置の開放を阻止するためのロック機能部、または権限付与された携帯電話機への周辺で確立された接続による近接認証を有することもできる。
【0018】
加熱装置用の消耗品、例えば本明細書において説明する消耗品132は、例えば、ペレット、カプセル、ピロー、タブレット、パウチ、ウェハ、粉末、顆粒、細片、麺状体、ストリップまたはシートであることができる。消耗品は、パーフォレーションを有していてよく、またはパーフォレーションを有していなくてもよい。消耗品は、包装されていてよく、または無包装であってもよい。包装材は、ポーラス性または非ポーラス性であってよい。包装材のポーラス率は、24CORESTA単位~30000CORESTA単位でありうる。消耗品132は、以下に限定されるものではないが木質繊維もしくはパルプ、ビート繊維、微結晶セルロース、植物性物質、以下に限定されるものではないがグリセリン、プロピレングリコールもしくは他のグリコールなどのエアロゾル化物質を含む固形物もしくは半固形物、およびこれらの任意の混合物を含む、以下に限定されるものではないがタバコ、麻、他のセルロース材料を含む成分のうち任意のものを任意の割合で含む混合物を含む。消耗品の幾何学形状は、凸形状または両凸形状であってよい。本明細書における論述では、凸状とは両凸状も意味しうる。消耗品は、装置への挿入中に圧縮可能なものであってよく、または圧縮不能なものであってもよい。消耗品は、圧縮の際に、消耗品の断面積もしくは厚さに対する消耗品の加熱される表面積を最大化するものでありうる。このようにすることで、より多量の消耗品がヒータに接触する。消耗品の凸形状は、以下に限定されるものではないが長方形状、長円状、円状または楕円状を含むことができる。こうした凸形状は、消費者にとって、ヒータクレードルへのローディングを行いやすい。ヒータ消耗品クレードルを閉鎖することにより、凸状の消耗品を圧縮して良好に固定することができる。消耗品を加熱するヒータは、凸状部分を含むことができる。ヒータ形状の凸状性も同様に重要である。ここでのヒータの凸形状は、丸めによるものではなく複数次の曲げによるものとして定義することができる。なぜなら、丸められたステンレス材は形状記憶から元の形状に戻る傾向を有するが、曲げられたものはそうでないからである。しかも、丸め工具は曲げ工具よりも高価であり、摩耗がより速い。消耗品の圧縮により、空気流を形成し阻害しうる静的な基板結晶をさらに破壊することができる。圧縮されると、消耗品はいっそう均一に加熱可能となり、生成物収率が100%まで最大化され、得られるエアロゾルが最小のエネルギで最大化される。ただし、使用直前に消耗品が圧縮されれば生成物の最適化に十分な密度が生成されるが、本来の製造プロセス中に密度を圧縮すると、消耗品が過度に密となり、空気が消耗品を通過できなくなってしまう可能性がある。消耗品の密度および良好な空気流は、フレーバーおよび味ならびにエアロゾル成分の収率を強化し、ひいては消費者の感覚体験を改善する。装置は、必要に応じて、消耗品を取り巻く容器を穿刺する構造を有することもできる。
【0019】
本開示の装置は、最小限の粒子通過を伴って、好ましくは粒子通過を伴わずに、吸入可能なエアロゾルを形成すると考えることができるので、フィルタを必要としない。しかし、本開示の装置をフィルタと共に使用することもできる。加えて、消耗品は、包装されていてよく、または無包装であってもよい。包装材は、ポーラス性または非ポーラス性であってよい。包装材のポーラス率は、24CORESTA単位~30000CORESTA単位でありうる。包装材のポーラス率は、粒子通過の健康リスクを抑制するもしくはスクリーニングするもしくは阻止することによって、さらなる保護を付加する。
【0020】
上述した特徴を含む装置の例を、装置100,200,300,400,500,600として以下に説明する。ただし、本開示は、装置100、200、300、400、500および600に限定されない。上述した特徴を含む他の装置も本開示において企図されている。さらに、装置100、200、300、400、500および600はそれぞれ他の装置100、200、300、400、500および600の特徴のいずれかを含むように変更可能である。
【0021】
図1および図2には、本開示の複数の加熱装置の第1の実施形態が示されている。これらの図に示されているように、加熱装置は加熱吸入器または吸入デバイス100(「装置100」)である。装置100は、吸入可能なエアロゾルを生成するために、消耗品、例えばタバコを含む消耗品132を加熱する。有利には、内臓ヒータおよび/またはプラスチックを備えた消耗品を収容する従来の装置と直接に比較して、装置100はより経済的に効率的であって環境に配慮したプラットフォームである。装置100は、自己収容キャビティ101を有する。キャビティ101は、装置100の上方部分124とヒンジ式下方部分110とが図4に示されているような閉鎖位置にあるときにその内側に形成される内部容積である。上方部分124とヒンジ式下方部分110とは、加熱エレメントすなわち第1のヒータ128および第2のヒータ130(これらはキャビティ101内にある)と外部環境との間にバリアを形成する。外部環境は、図4に示されているように、上方部分124およびヒンジ式下方部分110の外側にある。
【0022】
装置100は、消耗品の表面領域にわたって一貫して均一に熱を伝導させ放射させる意図をもって特に配置された加熱エレメント、すなわち第1のヒータ128および第2のヒータ130を有している。加熱エレメントすなわち第1のヒータ128および第2のヒータ130によって消耗品を包囲することは、最小限のエネルギで生成物収率および得られるエアロゾルを最大化することに役立つ。本実施形態では、加熱エレメントすなわち第1のヒータ128および第2のヒータ130は抵抗性であるが、ヒータの配置構成を他の加熱技術に適用することも可能である。図4に示されている上方部分124とヒンジ式下方部分110との間のキャビティ101は、消耗品を収容するために繰り返し破壊可能、換言すれば開放可能であり、次いで再確立可能、換言すれば閉鎖可能であり、これにより消耗品が処理される。また、キャビティ101は、使用済み消耗品の手動排出、装置支援での排出または自動排出のいずれかを可能にするために破壊可能である。
【0023】
幾つかの現行の製品では、キャビティおよび関連する処理システムは、消耗品が装置部分内へ挿入されて加熱されるのではなく、別個の消耗品カートリッジに封入されている。現行の製品では、エアロゾルは別個のカートリッジ内で生成され、その後、装置の本体へ伝達される。これとは対照的に、装置100では、その端部に配置された加熱エレメントによってエアロゾルが生成される。
【0024】
加えて、装置100は、動作中の燃焼防止、消耗品交換およびヒータ交換および/または洗浄を含む安全措置を使用期間の全体を通して提供する。装置100はまた、例えば使い古されたまたは汚れたヒータを除去および交換するユーザフレンドリな手法を保証することにより、装置100のユーザのために洗浄をより容易にする方法も含む。これにより、消耗品コストが大幅に削減され、環境への影響が低減される。こうした措置は、幾つかの従来の装置におけるヒータが望ましくないことに消耗品構造の内部もしくはその一部に隠れており、使用終了のたびに廃棄されることが意図されていたり、またはヒータが持続的に取り付けられているために装置内にあるヒータを洗浄しなければならなかったりすることから、当該装置100に固有であって、消費者へのメンテナンス要求として望ましいものではない。
【0025】
図1および図2を参照すると、装置100はマウスピース102およびハウジング104を有している。マウスピース102は、1つもしくは複数の開口106、好ましくは少なくとも2つ以上の開口を有している。ユーザは、開口106を通して装置100内で生成されたエアロゾルを吸入することができる。当該実施形態では、ハウジング104は、ヒンジ式下方部分110に接続されている。ハウジング104は、加熱の開始もしくは停止のためのボタンカバー114を収容する開口112と、ロック解除および排出を開始するための第2のボタンカバー115を収容する開口107とを有している。ハウジング104はまた、キャビティ強制スライドロック136(「スライドロック」)を収容する凹状部分109も有している。
【0026】
図3を参照すると、装置100は、相互に接続されたコンポーネントとして、マウスピース102、ハウジング104、ヒンジ式下方部分110、ボタンカバー114、底部ボタンカバー115(図1)、内側チューブ116、シール118、ハウジングプレート120、電子回路アセンブリ122、上方部分124、外側チューブ126、第1のヒータ18、第2のヒータ130、使用中の消耗品132、ヒータ支持体134、およびスライドロック136を有している。
【0027】
マウスピース102は内部キャビティ138を有しており、これにより開口106(図2)とキャビティ138とが接続され、ここで、開放端部103は開口106の反対側に位置する。シール118は孔140を有しており、この孔140は自身を取り囲む連続面を貫通している。ハウジングプレート120は孔142を有しており、この孔142は自身を取り囲む連続面を貫通している。ハウジング104は、2つの開口すなわち開口107および開口112を有している。本開示のここでのおよび他の実施形態では、電子回路アセンブリ122は、制御および電力システムに使用される1つもしくは複数の従来のコンポーネント、例えば制御回路板、バッテリ、ボタン、ボタンカバー、光表示部およびモータを有することができる。制御回路板は、コントローラボードまたはコントローラとも称されうる。電子回路アセンブリ122は、無線でまたは有線の充電ポート接続を介して充電可能である。
【0028】
ハウジング104はまた、開放前方端部150および開放後方端部152も有している。ハウジング104は、状態指示灯のために、装置100の上部に開口113を有する。状態指示灯は1つもしくは複数の状態指示灯、例えば5つの状態指示灯であってよい。上方部分124は、開口154を有しており、外側チューブ126が開口154に重なってヒンジ開口156を形成するように外側チューブ126に接続されている。上方部分124は、この上方部分124の一部から延在する2つの端子収容室158(一方のみが示されている)と2つの端子160とを有しており、これにより、端子160はそれぞれ端子収容室158の一方内に収容されている。ヒータ支持体134は、プラットフォーム部分162とこのプラットフォーム部分162内の2つの端子164(一方のみが示されている)とを有する。ヒンジ式下方部分110は、ヒンジ開口166と、ワイヤを電子回路アセンブリ122へ戻し接続するためのワイヤルーティング孔133(図5)とを有する。
【0029】
再び図3を参照すると、第1のヒータ128は2つの導体168(図3では一方のみが示されている)を有しており、第2のヒータ130は2つの導体170(図3では一方のみが示されている)を有している。図45を参照すると、第1のヒータ128および第2のヒータ130は、好ましくは、例えば図45に示されているヒータ4300と同じ蛇行形状を有している。さらに、第1のヒータ128は、第2のヒータ130と同じ形状または異なる形状を有することができる。
【0030】
図3および図4を参照すると、組み立てられたとき、マウスピース102はハウジングプレート120に接続され、これにより、ハウジングプレート120がマウスピース102の開放端部103をカバーする。シール118は、その孔140がハウジングプレート120の孔142に重なるように、マウスピース102とハウジングプレート120との間に配置されている。内側チューブ116は、内側チューブ116の第1の開口がシール118に隣接するハウジングプレート120の第2の側とは反対の第1の側においてハウジングプレート120の孔142に重なるように、ハウジングプレート120に隣接している。したがって、マウスピースサブアセンブリは、マウスピース102、シール118、ハウジングプレート120および内側チューブ116を含むことができる。内側チューブ116は方向調整の方法として外側チューブ126内へスライドされ、マウスピースサブアセンブリの後方部分がハウジング104の開放前方端部150内へプレス嵌めされてシールされ、これにより、ハウジングプレート120がハウジング104の開放前方端部150を介して接続される。好ましくは、電子回路アセンブリ122は、ハウジング104において、装置100の本体のキャビティ内で自由浮動するように配置される。
【0031】
図1に示されているように、装置100は2つのボタンを有しており、一方は開口112に、他方は開口107に設けられている。ボタンカバー114は、加熱の開始もしくは停止のための開口112をカバーしており、第2のボタンカバー115は、ロック解除および排出の開始のための開口107をカバーしている。装置100は、電子的にロックされるスライダ、すなわちスライドロック136も有する。ユーザは、消耗品を加熱するために、ボタンカバー114を押圧するかまたは押し下げることができる。代替的に、消耗品は、ボタンカバー114を押圧して解放することによって加熱することもできる。ボタンカバー114は、製品が開放されている間は作動させることができない。ボタンカバー114は、装置100が開放位置にある間、「シャットオフ」されるまたは取り外される必要がある。
【0032】
再び図3を参照すると、ハウジング104は、電子回路アセンブリ122が内側チューブ116に隣接するように、内側チューブ116の上方に配置されている。上方部分124は、開放後方端部152をカバーするよう、ハウジング104へと接続される。全ての機構、すなわち外側チューブ126、第1のヒータ128、第2のヒータ130およびヒータ支持体コンポーネントの耐荷重は、全体として、ハウジング104の開放後方端部152内へスライド挿入される上方部分124の構造に基づく。ヒンジ式下方部分110は、ヒンジ式接続により上方部分124に接続されている。スライドロック136は、ヒンジ式下方部分110の開放位置への運動が防止されるよう、このヒンジ式下方部分110を閉鎖位置においてブロックする。シール125はヒンジ式下方部分110と上方部分124との間に設けられ、これにより、シール125が閉鎖位置においてヒータ支持体134に当接し、キャビティ101がシールされる。ヒータ支持体134は、ヒンジ式下方部分110へと接続されている。第1のヒータ128の各導体168は端子160のうちの1つに挿入され、第2のヒータ130の各導体170は端子164のうちの1つに挿入される。消耗品132は、第1のヒータ128と第2のヒータ130との間に位置している。
【0033】
図5および図6を参照すると、ユーザは、図5に示されている閉鎖位置と図6に示されている開放位置との間で装置100を運動させることができる。開放位置では、消耗品132を除去および交換することができ、第1のヒータ128を除去および交換することができ、第2のヒータ130を除去および交換することができる。
【0034】
再び図4を参照すると、ユーザは、閉鎖位置においてボタンカバー114を押圧して保持することによって装置100を作動させることができる。使用中、ボタンカバー114を保持することができ、ボタンカバー114を押圧して解放するかもしくは指定された時間にわたってオンにしておくことができる。製品が作動されるまたはオンにされると、電子回路アセンブリ122の電源はまず初めに電子回路アセンブリ122の制御回路板に電力を供給する。電子回路アセンブリ122は、熱が必要であることを示すここでの入力をユーザから受け取る。制御回路板は、適切な量の電流または電圧を、回路板上の端子を通して、回路板を端子160のうちの1つへ接続する線路を通して、導体168のうちの1つを通して、第1のヒータ128を通して、導体168および端子160のうちの他の1つから、第1のヒータ128の帰還線路もしくは第2のヒータ130用の接続された内部線路を通して、端子164のうちの1つを通して、導体170のうちの1つを通して、第2のヒータ130を通して、導体170(図3)および端子164のうちの他の1つから、第2のヒータ130の帰還線路を通して配向し、制御回路板へ戻す。「適切な量の電流または電圧」とは、こうした経路の抵抗が所望の量の熱エネルギを消耗品内へ直接に生成させるように、ヒータの分解長さの総計および断面積に合わせて調整される。電力は、第1のヒータ128および第2のヒータ130への電気的接続部に沿って回路を通流して消耗品132にそれぞれ熱を伝導し、閉鎖位置において共通にシールされた上方部分124とヒンジ式下方部分110との間に吸入可能なエアロゾルを生成する。したがって、ユーザが自身の唇をマウスピース102に当て、吸入によって孔106を通して負圧を形成すると、吸入可能なエアロゾルが、上方部分124の開口154、内側チューブ116、ハウジングプレートの孔142、シール118の孔140、マウスピース102の孔106を通って、ユーザの口内へ流入する。装置100は、ボタンカバー114を再び押圧することによってまたはボタンカバー114を解放することによって非作動状態とすることができ、これにより、電子回路アセンブリ122の電源は、装置100の第1のヒータ128および第2のヒータ130への電流もしくは電圧の供給を中断する。
【0035】
したがって、装置100は、装置100のハウジング104の上方部分124とヒンジ式下方部分110とによって画定された自己収容キャビティ101を有する加熱吸入デバイスである。
【0036】
図3を参照すると、第1のヒータ128および第2のヒータ130は、標準的な電気端子160,164を介して装置100に接続されている。装置100は、下方へスイングして消耗品すなわち消耗品132の上部を露出させる下部「ジョー」であるヒンジ式下方部分110を有する、消耗品露出タイプの装置として構成されている。よって、第1のヒータ128および第2のヒータ130へのアクセスならびに消耗品すなわち消耗品132へのアクセスは、好ましくは固定されたままの上方部分124からヒンジ式下方部分110を下げることによって提供される。したがって、装置100では、装置100を開放することによって、すなわち、ヒンジ式下方部分110を上方部分124から離れる方向へ運動させて、第1のヒータ128をハウジング104から離れる方向に、第2のヒータ130をヒンジ式下方部分110から離れる方向に、それぞれ端子160,164から分離されるまで引き出すことによって、第1のヒータ128および第2のヒータ130の交換が可能となる。これにより、使用済みの各ヒータを廃棄することができる。さらに、これらのヒータは、すなわち電気的接続が確立されるまで、端子160に第1のヒータ128と同種の新たなヒータを挿入し、端子164に第2のヒータ130と同種の新たなヒータを挿入することによって、交換可能である。
【0037】
また、装置100は、上述した消耗品132の排出方法を有しており、ここで、ユーザは、第2のボタンカバー115(図1)を押圧することによって(機械的なもしくは電気的な)排出をトリガし、これによりラッチがロック解除され、ヒンジ式下方部分110が重力によって上方部分124から離れるように運動する。戻り止め(図示せず)により、ヒンジ式下方部分110は、その経路に沿った所定の位置に停止する。ユーザは、開放されている間の消耗品132の唯一の支持体である第2のヒータ130から、使用済みの消耗品すなわち消耗品132を傾けて取り出す。装置100内の消耗品すなわち消耗品132を交換するために、ユーザは、新たな消耗品または消耗品132を第2のヒータ130内へインストールするだけで済む。次いで、ユーザは、ヒンジ式下方部分110を、戻り止めのロック位置から、上方部分124に対してしっかりと着座するまで押し出す。ヒンジ式下方部分110が上方部分124に向かって上方へスイングしてスライドロック136を通過すると、ラッチが再作動し、ユーザが意図的に開放するまで装置100の開放を防止する。
【0038】
装置100は熱傷防止も提供する。熱傷防止は、キャビティ101が十分に冷却されるまでボタンカバー114を押圧してもロックが解除されないスライドロック136により達成される。ここでの冷却は、多くの場合に、電子回路アセンブリ122のコントローラのタイムアウトによって行われる。例えば、コントローラは、装置100が非作動状態となった後に所定の値までカウントするタイマを使用し、これにより、スライドロック136は、第1のヒータ128および第2のヒータ130が熱を発生させなくなってから解除され、ヒンジ式下方部分110からの係合解除が可能となる。第2のボタンカバー115は装置100の付加的な安全保護機能部である。第2のボタン115を瞬時に押し下げて保持することにより、スライドロック136が解除される。次いで、ユーザは、ロック136をスライドさせて、ヒンジ式下方部分110を重力によって開放落下させることができる。
【0039】
図4図6を参照すると、装置100は付加的に電気的接続を保証する。例えば、上方部分124は運動せず、よって、ユーザが第1のヒータ128を不正操作しない限り、電子回路アセンブリ122の電源への確実な接続が保証される。同様に、ユーザが第2のヒータ130を不正操作しない限り、電子回路アセンブリ122の電源への端子164を介した持続的な電気的接続が確立される。メンテナンスは、ヒンジ式下方部分110が開放位置にある状態で行うことができる。ユーザに面しているコンポーネント、例えば装置100の上方部分124は、好ましくはポリマーを含む不十分な熱伝導体および導電体から形成されている。第1のヒータ128および第2のヒータ130は、装置100の外部から絶縁されている。ここでの絶縁材は、空気、絶縁材料、例えばガラスファイバもしくは他の高耐熱材料または任意の他の絶縁材料であってよい。さらに、装置100は、装置100の上部にアドレシング可能な状態指示灯を有することができ、この状態指示灯は、「装置が熱くなっています」、「電池残量が低下しています」、「装置が空です」、「装置を洗浄する必要があります」などの事項をユーザに通信する。当該通信は、例えば種々の色および/またはパターンで光を点滅させるなどの視覚インジケータによって行うことができる。代替的に、装置100は、装置100の種々の状態を示すために、カバーライト、触覚表示部または音響表示部を任意の組み合わせで使用することもできる。
【0040】
図7には、本開示による加熱吸入デバイス200(「装置200」)の第2の実施形態が示されている。装置200は、装置100について上述したのと同様の利点を有する。装置200は、マウスピース202およびハウジング204を有している。マウスピース202は、1つもしくは複数の開口、好ましくは2つ以上の開口206を有している。ユーザは、装置200内で生成されたエアロゾルを、開口206を通して吸入することができる。ヒンジ式上方部分211は装置の後方端部にある。ハウジング204は、スライドスイッチカバー214を収容する第1の開口212を有する。ハウジング204は、制御パネルインサート205を収容する第2の開口213を有する。制御パネルインサート205自体は、図示されているように、1つの大きな開口225と5つの小さな開口207とを有する。大きな開口225はボタンカバー215を受容し、各小さな開口207は1つずつの信号LED209を受容する。したがって、装置200は、1つのスライドスイッチ、1つのボタンおよび5つの信号LEDを有している。制御パネルインサート205および全てのコンポーネントは装置200の上部に配置されており、スライドスイッチカバー214は装置200の側部に存在している。
【0041】
図8を参照すると、装置200は、マウスピース202およびハウジング204のほか、ヒンジ式上方部分211、ヒンジ式下方部分210、スライドスイッチカバー214、ボタンカバー215、内側チューブ216、シール218、ハウジングプレート220、電子回路アセンブリ222、側方部分224、外側チューブ226、第1のヒータ228および第2のヒータ230を有している。マウスピース202は内部キャビティ238を有する。開口206とキャビティ238とは接続され、ここで、開放端部203は開口206の反対側に位置する。シール218は孔240を有しており、この孔240は自身を取り囲む連続面を貫通している。ハウジングプレート220は孔242を有しており、この孔242は自身を取り囲む連続面を貫通している。装置200において、電子回路アセンブリ222は、制御、電力およびステータスインジケータシステムのために使用される、制御回路板、ボタン、LEDおよびバッテリのうちの1つもしくは複数を有することができる。ここでも、制御回路板をコントローラボードまたはコントローラと称することができる。電子回路アセンブリ222は、有線の充電ポート接続部(図示せず)を介して充電することができる。ハウジング204は前方端部250と後方端部252とを有しており、双方とも開放されている。側方部分224は、開口254が貫通しているプレート形状256と、このプレート形状256の相互に反対の側部から延在する第1の側壁257(図11)および第2の側壁259とを有する。第1の側壁257および第2の側壁259は、それぞれ、開放後方端部252の形状に対して相補的な形状で形成されている。第2の側壁259は、上方ギヤ261および下方ギヤ263の妨げられない動きを可能にする上方凹状部分259aおよび下方凹状部分259bを有する。側方部分224は、外側チューブ226が開口254に重なるように外側チューブ226に接続されている。ヒンジ式上方部分211は、2つの端子260(図8では一方のみが示されている)と上方ギヤ261と上方シール(図示せず)とを有する。ヒンジ式下方部分210は、2つの端子264(図8では一方のみが示されている)と下方ギヤ263とを有する。第1のヒータ228および第2のヒータ230は、第1のヒータ128および第2のヒータ130と同じ形状もしくは類似の形状とすることができる。さらに、第1のヒータ228は、第2のヒータ230と同じ形状または異なる形状を有することができる。第1のヒータ228は2つの導体268(図8では一方のみが示されている)を有しており、第2のヒータ230は2つの導体270(図8では一方のみが示されている)を有している。
【0042】
図8および図9を参照すると、組み立てられたとき、図3に示されている装置100と同様に、装置200のマウスピース202は、ハウジングプレート220がマウスピース202の開放端部203をカバーするように、ハウジングプレート220に接続されている。シール218は、その孔240がハウジングプレート220の孔242に重なるように、マウスピース202とハウジングプレート220との間に配置されている。内側チューブ216は、その第1の開口がシール218に隣接するハウジングプレート220の第2の側とは反対の第1の側でハウジングプレート220の孔242に重なるように、ハウジング220に隣接している。電子回路アセンブリ222はハウジング204内に配置されている。ハウジング204は、電子回路アセンブリ222が内側チューブ216に隣接するように内側チューブ216の上方に配置され、さらにハウジングプレート220に接続されており、これによりハウジング204の開放前方端部250がカバーされる。外側チューブ226は内側チューブ216の上方に配置されており、側方部分224がハウジング204に接続されており、これにより開放後方端部252がカバーされる。ヒンジ式下方部分210は、下方ギヤ263が下方凹状部分259b内に位置するように、ヒンジ結合によって側方部分224に接続されている。ヒンジ式上方部分211はヒンジ結合によって側方部分224に接続され、これにより、上方ギヤ261が上方凹状部分259a内に位置決めされ、下方ギヤ263の歯が上方ギヤ261の歯に係合する。上方ギヤ261および下方ギヤ263は、それぞれ、ヒンジ式上方部分211およびヒンジ式下方部分210と同一のコンポーネントとして成形されている。第1のヒータ228の導体268は端子260の1つにそれぞれ挿入されており、第2のヒータ230の導体270は端子264の1つにそれぞれ挿入されている。ヒンジ式上方部分211は通路223を有しており、下方部分はフレキシブルな線路が電子回路アセンブリ222へ帰還することを可能にする通路221を有している。装置100と共に使用される消耗品132と同種の消耗品132が、第1のヒータ228と第2のヒータ230との間に嵌め込まれる。上方部分224は、ハウジング204内へ嵌合することによって、内側チューブ216、外側チューブ226および装置200の他の全ての可動部分を物理的に支持している。
【0043】
図9および図10を参照すると、ユーザは、図9に示されている閉鎖位置と図10に示されている開放位置との間で装置200を移行させることができる。図9に示されている閉鎖位置では、装置200は、ユーザがボタンカバー215(図7)を保持することによって、電子回路アセンブリ222(図8)の電源がまず初めに電子回路アセンブリ222の制御回路板に電力を供給するように作動させることができる。電子回路アセンブリ222は、熱が必要であることを示す当該入力をユーザから受け取る。制御回路板は、適切な量の電流または電圧を、回路板上の端子を通して、回路板を端子260のうちの1つへ接続する線路を通して、導体268のうちの1つを通して、第1のヒータ228を通して、導体268および端子260のうちの他の1つから、第1のヒータ228の帰還線路もしくは第2のヒータ230用の接続された内部線路を通して、端子264のうちの1つを通して、導体270のうちの1つを通して、第2のヒータ230を通して、導体270および端子264のうちの他の1つから、第2のヒータ230の帰還線路を通して配向し、制御回路板へ戻す。第1の実施形態と同様に、「適切な量の電流または電圧」とは、こうした経路の抵抗が所望の量の熱エネルギを消耗品内へ直接に生成させるように、ヒータの分解長さの総計および断面積に合わせて調整される。電力は、第1のヒータ228および第2のヒータ230への電気的接続部に沿って回路を通流して消耗品132を加熱し、閉鎖位置において共通に封止された側方部分224とヒンジ式下方部分210とヒンジ式上方部分211との間に吸入可能なエアロゾルを生成する。したがって、ユーザが自身の唇をマウスピース202に当て、吸入によって孔206を通して負圧を形成すると、吸入可能なエアロゾルが、側方部分224の開口254、内側チューブ216、ハウジングプレートの孔242、シール218の孔240、マウスピース202の孔206を通って、ユーザの口内へ流入する。装置200は、ボタンカバー215を解放することで非作動状態とすることができ、これにより、電子回路アセンブリ222の電源は、第1のヒータ228および第2のヒータ230への電流もしくは電圧の供給を中断する。
【0044】
開放位置では、消耗品132を除去および交換することができ、第1のヒータ228を除去および交換することができ、第2のヒータ230を除去および交換することができる。装置200を図9に示されている閉鎖位置から図10に示されている開放位置へ移行させるために、ユーザはヒンジ式上方部分211をヒンジ式下方部分210から離れるように押し上げ(図7)、これにより、上方ギヤ261と下方ギヤ263とが相互に反対の方向へ回転して戻り止めに達する。ユーザは、装置200を傾けることで第2のヒータ230から消耗品132を取り出す。
【0045】
装置200を図10に示されている開放位置から図9に示されている閉鎖位置へ移行させるために、ヒンジ式下方部分210およびヒンジ式上方部分211を共に運動させるトーションばね(図示せず)のバイアスが克服されるよう、ヒンジ式下方部分210およびヒンジ式上方部分211の双方にユーザによって力が加えられる。ヒンジ式上方部分211およびヒンジ式下方部分210が所定の位置に来ると、電磁ロック(図示せず)が係合し、装置が閉鎖位置において維持される。
【0046】
したがって、装置200は、側方部分224、ヒンジ式下方部分210、ヒンジ式上方部分211、および閉鎖位置にあるときにヒンジ式上方部分211とヒンジ式下方部分210との間のシールとなる上方シール(図示せず)によって形成されており、図9に示されているように装置200のハウジング204の端部に自己収容キャビティ201を有する、加熱吸入デバイスである。双方のヒータすなわち第1のヒータ228および第2のヒータ230へのアクセスならびに消耗品すなわち消耗品132へのアクセスは、ヒンジ式下方部分210およびヒンジ式上方部分211のヒンジ式ジョーによって提供される。ヒンジ式下方部分210およびヒンジ式上方部分211の双方のジョーは、完全開放経路に沿った開口内に可能ストッパを備えた状態で、相互に反対側へと開放される。消耗品132は、ヒンジ式下方部分210およびヒンジ式上方部分211の運動中、非加熱の支持機能部によって所定の位置に保持可能であるかまたは重力によって底部ヒータから落下させることができる。非加熱の支持機能部の形状は、消耗品の任意の可能なカバーオプションを穿刺できるものであってもよい。装置200は、スイングによって開放されて消耗品すなわち場合により所定の位置で懸架されている消耗品132を露出させるヒンジ式下方部分210およびヒンジ式上方部分211の双方のジョーを有する、消耗品露出タイプの装置である。
【0047】
第1のヒータ228および第2のヒータ230は、後述するように装置200の開放によって交換することができる。ユーザは、ヒンジ式下方部分210のジョーとヒンジ式上方部分211のジョーとを、第1の戻り止めを超えて相互に離れるように押しずらすことができる。ヒンジ式下方部分210のジョーとヒンジ式上方部分211とのジョーとは、第2の戻り止めまで開放することができ、これによりメンテナンスモードにあることが明らかとなる。第1のヒータ228の使用済みヒータがヒンジ式上方部分211から離れるように僅かにスライドされて、ヒンジ式上方部分211の端子260から解離され、これにより使用済みヒータ228が廃棄される。第1のヒータ228の新たなヒータは導体268を有し、この導体はヒンジ式上方部分211の端子260のうちの1つにそれぞれ押し込まれ、これにより、第1のヒータ228は、自身の運動が停止するまで、ヒンジ式上方部分211へ向かって端子260のうちの1つを滑り下りる。同様に、第2のヒータ230の使用済みヒータもヒンジ式下方部分210から離れるように僅かにスライドされて、ヒンジ式下方部分210の端子264のうちの1つから解離され、これにより使用済みヒータが廃棄される。第2のヒータ230の新たなヒータは導体270を有し、この導体270はヒンジ式下方部分210の端子264のうちの1つにそれぞれ押し込まれ、これにより、第2のヒータ230は、自身の運動が停止するまで、ヒンジ式下方部分210へ向かって端子264のうちの1つを滑り下りる。装置200の電子回路アセンブリ222は、所定の時間内にボタンカバー215が作動された場合に電磁ロックの係合を維持する内部カウンタを有する。すなわち、当該内部カウンタは、第1のヒータ228および第2のヒータ230が触れても問題ない程度に冷却されているかどうかの追跡を維持するタイマである。
【0048】
装置200は、ノーマリーオン型の電磁回路を介して熱傷防止を提供する。装置200の外側部分は、第1のヒータ228および第2のヒータ230を装置200のユーザから絶縁する。ここでの絶縁材は、空気、絶縁材料、例えばガラスファイバもしくは他の高耐熱性材料、または他の任意の非熱伝導性材料であってよい。装置200は、洗浄への最大のアクセスを提供するために、ヒンジ式上方部分211のジョーとヒンジ式下方部分210のジョーとが図10に示されているように僅かに開いた状態から完全に平坦となるまで相互に離れるように折り畳まれたときに、メンテナンスモードとなる。
【0049】
装置200は、電子回路アセンブリ222の部分である5つのLED灯209の連続体によって装置状態を伝達する。装置の上部にアドレシング可能な状態指示灯を有する装置100と比較して、代わりに、5つのLED灯209の照明パターンは、ユーザマニュアルにおけるユーザへの説明と同様に、照明の持続時間、強度およびパターンを変化させることによって、以下に限定されるものではないが、「装置が熱くなっています」、「電池残量が低下しています」、「装置が空です」、「装置を洗浄する必要があります」などの状態をユーザに通信する。
【0050】
第1のヒータ228および第2のヒータ230は、上述したように装置200を開放することによって交換することができる。
【0051】
ユーザは、ヒンジ式下方部分210のジョーとヒンジ式上方部分211のジョーとを第1の戻り止めを超えて相互に離れるように押しずらすことができる。ヒンジ式下方部分210のジョーとヒンジ式上方部分211のジョーとは第2の戻り止めまで開放することができ、これによりメンテナンスモードにあることが明らかとなる。第1のヒータ228の使用済みヒータがヒンジ式上方部分211から離れるように僅かにスライドされて、ヒンジ式上方部分211の端子260から解離され、これにより使用済みヒータ228が廃棄される。第1のヒータ228の新たなヒータは導体268を有しており、この導体がヒンジ式上方部分211の端子260のうちの1つにそれぞれ押し込まれ、これにより、第1のヒータ228は、自身の運動が停止するまで、ヒンジ式上方部分211へ向かって端子260のうちの1つを滑り下りる。同様に、第2のヒータ230の使用済みヒータもヒンジ式下方部分210から離れるように僅かにスライドされて、ヒンジ式下方部分210の端子264のうちの1つから解離され、これにより使用済みヒータが廃棄される。第2のヒータ230の新たなヒータは導体270を有し、この導体270はヒンジ式下方部分210の端子264のうちの1つにそれぞれ押し込まれ、これにより、第2のヒータ230は、自身の運動が停止するまで、ヒンジ式下方部分210へ向かって端子264のうちの1つを滑り下りる。装置200の電子回路アセンブリ222は、所定の時間内に第1のボタンカバー214が作動された場合にスライドロック219のロック解除を阻止する内部カウンタを有し、すなわち、当該内部カウンタは、第1のヒータ228および第2のヒータ230が触れても問題ない程度に冷却されているかどうかの追跡を維持するタイマである。
【0052】
装置200は、スライドロック219での電気的なロックまたは機械的なロックを介して熱傷防止を提供する。装置200の外側部分は、第1のヒータ228および第2のヒータ230を装置200のユーザから絶縁する。ここでの絶縁材は、空気、絶縁材料、例えばガラスファイバもしくは他の高耐熱性材料、または他の任意の非熱伝導性材料であってよい。装置200は、洗浄への最大のアクセスを提供するために、ヒンジ式上方部分211のジョーとヒンジ式下方部分210のジョーとが図10に示されているように僅かに開いた状態から完全に平坦となるまで相互に離れるように折り畳まれたときに、メンテナンスモードとなる。
【0053】
装置200は、状態の視覚表示部、すなわち状態指示灯207を有するものとして示されている。装置200は、電子回路アセンブリ222の部分である触覚技術によって装置状態を伝達することもできる。装置の上部にアドレシング可能な状態指示灯を有する装置100と比較して、装置200は、代わりに、ユーザマニュアルにおけるユーザへの説明と同様に、振動の期間、強度およびパターンを変化させることによって、以下に限定されるものではないが、「装置が熱くなっています」、「電池残量が低下しています」、「装置が空です」、「装置を洗浄する必要があります」などの状態をユーザに通信する触覚パルス形成部を有することができる。しかし、装置200を、装置100のアドレシング可能な状態指示灯を含むように変更してもよく、同様に、装置100を、装置200の振動モータを含むように変更してもよい。代替的に、装置200は、光、触覚、音響およびこれらの任意の組み合わせを使用して、装置200の種々の状態を示すこともできる。
【0054】
図12には、本開示による加熱吸入デバイス300(「装置300」)の第3の実施形態が示されている。装置300は、加熱キャビティを破壊して消耗品132を露出させる方法において行われる大きな機能変更を有するものの、装置100について上述したのと同様の利点を有する。装置300は、マウスピース302およびハウジング304を有している。マウスピース302は開口306、好ましくは少なくとも2つ以上の開口306を有している。ユーザは、好ましくは2つ以上の開口306を通して、装置300内で生成されたエアロゾルを吸入することができる。ハウジング304は、ヒンジ式扉310および上方部分324に接続されている。ハウジング304は、ボタンカバー314を収容する開口312を有する。本体308は、ハウジング304の一方の側に、充電ポート315を露出させる第2の開口313を有する。
【0055】
図13を参照すると、装置300は、マウスピース302、ハウジング304、ヒンジ式扉310、開口313、第1のボタンカバー314、内側チューブ316、シール318、キャビティ確率および強制スライドロック319(「スライドロック」)、ハウジングプレート320、電子回路アセンブリ322、上方部分324、外側チューブ326、チューブシール327、第1のヒータ328、第2のヒータ330、ヒータ支持体334およびヒンジ支持体336、ならびに装置300内で使用される消耗品132を有している。
【0056】
マウスピース302は内部キャビティ338を有しており、これにより開口306(図12)とキャビティ338とが接続され、ここで、開放端部303は開口306の反対側に位置する。シール318は孔340を有しており、この孔340は自身を取り囲む連続面を貫通している。ハウジングプレート320は孔342を有しており、この孔342は自身を取り囲む連続面を貫通している。電子回路アセンブリ322は、制御および電力システムに使用される制御回路板、バッテリ、ボタンカバー、光表示部およびモータのうちの1つもしくは複数を有しうる。本明細書で説明しているように、制御回路板は、コントローラボードまたはコントローラとも称することができる。電子回路アセンブリ322は、無線でもしくは充電ポート315を介して充電することができる。ハウジング304は開放前方端部350と開放後方端部352とを有している。上方部分324は開口354を有する。ヒンジ式扉310はヒンジ開口366を有する。ヒンジ支持体336は、上方開口336aと下方開口336bとを有する。第1のヒータ328および第2のヒータ330は、それぞれ装置100の第1のヒータ128および第2のヒータ130と同じ形状であってよいが、異なる形状であってもよい。さらに、第1のヒータ328は、第2のヒータ330と同じ形状または異なる形状を有することができる。第1のヒータ328は2つの導体368である部分を有しており、第2のヒータ330は2つの導体370である部分を有している。
【0057】
図13を参照すると、組み立てられたとき、図3に示されている装置100と同様に、マウスピース302は、ハウジングプレート320がマウスピース302の開放端部303をカバーするように、ハウジングプレート320に接続されている。シール318は、その孔340がハウジングプレート320の孔342に重なるように、マウスピース302とハウジングプレート320との間に配置されている。内側チューブ316は、その第1の開口がシール318に隣接するハウジングプレート320の第2の側とは反対の第1の側でハウジングプレート320の孔342に重なるように、ハウジングプレート320に隣接している。ハウジング304は、ボタンカバー314によってカバーされた開口312(図12)を有する。スライドロック319は、ハウジング304における凹状部分323(図14)に嵌合する。スライドロック319は、ハウジング304に接続されており、例えばばねによってハウジング304の開口350から離れる方向にバイアスされている。したがって、装置300は、ボタンカバー314によってカバーされたボタン、充電ポート315、および電子的にロックされたスライダすなわちスライドロック319を有する。ボタンカバー314は装置300の上部にあり、スライドロック319は装置300の底部にあり、充電ポート315は装置300の側部にある。ボタンカバー314は、消耗品132を加熱させるための信号を送信する。ボタンカバー314は、1回目の押下で装置300を作動させて第1のヒータ328および第2のヒータ330へ電流もしくは電圧を供給し、さらに2回目の押下で装置300を非作動状態にして第1のヒータ328および第2のヒータ330への電流もしくは電圧の供給を停止させる、プッシュボタンである。電子回路アセンブリ322のコントローラは、消耗品をいつ交換しなければならないかを判別するために、第1のヒータ328および第2のヒータ330が消耗品132上にある間に経過した秒数の追跡を維持する。
【0058】
図14を参照すると、電子回路アセンブリ322はハウジング304内に配置されている。ハウジング304は、電子回路アセンブリ322が内側チューブ316に隣接するように内側チューブ316の上方に配置され、さらにハウジングプレート320に接続されており、これにより、ハウジング304の開放前方端部350がカバーされる。外側チューブ326は内側チューブ316の上方に配置されており、上方部分324は、開放後方端部352をカバーするハウジング304へと接続されている。上方部分324は、外側チューブ326が上方部分324の開口355に重なり、かつチューブシール327が外側チューブ326と上方部分324との間に位置するように、外側チューブ326に接続されている。上方部分324は、上方部分324とハウジング304との間の嵌合によって、内側チューブ316、外側チューブ326および装置300の全ての他の可動部分を物理的に支持している。
【0059】
図14および図15を参照すると、任意のヒンジ機構を使用することができるものの、好ましくは、ヒンジ式扉310は、ヒンジ式扉310のヒンジ開口366とヒンジ支持体336の下方開口336b(図13)とを位置合わせし、これにより、開口366および開口366bを通してピン337を挿入することによって、ヒンジ支持体336に接続される。同様に、上方部分324は、上方部分324の開口354とヒンジ支持体336の上方開口336aとを位置合わせし、開口354および開口336bを通してピン339を挿入することによって、ヒンジ支持体336に接続される。ヒータ支持体334はヒンジ式扉310に接続されている。上方部分324は、この上方部分324の一部から延在する2つの端子収容室358(一方のみが示されている)を有しており、これにより、端子360はそれぞれ端子収容室358の一方内に収容されている。ヒンジ式扉310は、端子収容室362内に2つの端子364(一方のみが示されている)を有している。第1のヒータ328の各導体368は上方部分324の端子360のうちの1つに挿入されており、第2のヒータ330の各導体370はヒンジ式扉310の端子364のうちの1つに挿入されている。消耗品132は、第1のヒータ328と第2のヒータ330との間に嵌め込まれる。ヒンジ式扉310は、反対側の端部開口366(図13)にリップ321を有している。スライドロック319は閉鎖位置においてリップ321の上方に嵌合する。
【0060】
図14および図15を参照すると、ユーザは、図14に示されている閉鎖位置と図15に示されている開放位置との間で装置300を重力により移行させることができる。閉鎖位置では、装置300は、ユーザがボタンカバー314(図12)を押圧するまたは保持することによって作動させることができ、これにより、電子回路アセンブリ322の電源が、消耗品すなわち消耗品132を加熱するために、まず初めに電子回路アセンブリ322の制御回路板に電力を供給する。電子回路アセンブリ322は、熱が必要であることを示すここでの入力をユーザから受け取る。制御回路板は、適切な量の電流または電圧を、回路板上の端子を通して、回路板を端子360のうちの1つへ接続する線路を通して、導体368のうちの1つを通して、第1のヒータ328を通して、導体368および端子360のうちの他の1つから、第1のヒータ328の帰還線路もしくは第2のヒータ330用の接続された内部線路を通して、端子364のうちの1つを通して、導体370のうちの1つを通して、第2のヒータ330を通して、導体370および第2のヒータ330の端子364のうちの他の1つから、第2のヒータ330の帰還線路を通して配向し、制御回路板へ戻す。「適切な量の電流または電圧」とは、こうした経路の抵抗が所望の量の熱エネルギを消耗品内へ直接に生成させるように、ヒータの分解長さの総計および断面積に合わせて調整される。電力は、第1のヒータ328および第2のヒータ330への電気的接続部に沿って回路を通流して消耗品132を加熱し、キャビティ301が形成される閉鎖位置において共通にシールされた上方部分324とヒンジ式扉310との間に吸入可能なエアロゾルを生成する。したがって、ユーザが自身の唇をマウスピース302に当て、吸入によって孔306を通して負圧を形成すると、吸入可能なエアロゾルが、開口355、上方部分324、内側チューブ316、孔342、孔340(図13)、マウスピース302内の孔306を通って、ユーザの口内へ流入する。装置300は、ボタンカバー314を再び押圧することによって非作動状態とすることができ、これにより、電子回路アセンブリ322の電源は、第1のヒータ328および第2のヒータ330への電流もしくは電圧の供給を中断する。
【0061】
開放位置では、消耗品132を除去および交換することができ、第1のヒータ328を除去および交換することができ、第2のヒータ330を除去および交換することができる。装置300を図14に示されている閉鎖位置から図15に示されている開放位置へ移行させるために、ユーザはアクションをトリガしてスライドロック319をマウスピース302へ向かって方向Aで運動させることでヒンジ式扉310を開放し、スライドロック319をヒンジ式扉310のリップ321から離れるように移動させ、これにより、ヒンジ式扉310を上方部分324から離れるように開放位置へ運動させることができる。装置300を図15に示されている開放位置から図14に示されている閉鎖位置へ移動させるためには、ユーザは、ヒンジ式扉310が上方部分324へ向かって運動するようにヒンジ式扉310に力を加える。閉鎖位置への移行の際に、スライドロック319は、溝323に沿って一時的に方向Aとは反対の方向へ運動する。リップ321がスライドロック319の平面を通過すると、スライドロック319は所定の位置に戻ってリップ321に再係合し、これにより、ヒンジ式扉310が閉鎖位置において維持される。
【0062】
したがって、装置300は、ヒンジ式扉310と、装置300のハウジング304の端部における上方部分324とによって形成された自己収容キャビティ301を有する加熱吸入デバイスである。ヒンジ式扉310により、第1のヒータ328および第2のヒータ330へのアクセスならびに消耗品すなわち消耗品132へのアクセスが、装置300の端部で提供される。
【0063】
装置300は、装置300を開放させるユーザのトリガ動作によって、ヒンジ式扉310を保持する閉鎖されたロックが本明細書において説明しているように解除されることによる、第1のヒータ328および第2のヒータ330の交換を提供する。ユーザは、ヒンジ式扉310をメンテナンスモードすなわち図16に示されている開放位置へと押し開ける。第1のヒータ328は半径方向でヒンジ支持体336から離れるように引き出される。ユーザは、古い第1のヒータ328を廃棄する。新たな第1のヒータ328が半径方向でヒンジ支持体336へ向かって押し付けられ、第1のヒータ328の導体368によって電気的に接続され、それぞれの導体368が上方部分324の端子360のうちの1つに挿入される。同様に、第2のヒータ330も半径方向でヒンジ支持体336から離れるように引き出される。ユーザは、古い第2のヒータ330を廃棄する。新たな第2のヒータ330が半径方向でヒンジ支持体336へ向かって押し付けられ、第2のヒータ330の導体370によって電気的に接続され、それぞれの導体370がヒンジ式扉310の複数の端子364のうちの1つに挿入される。
【0064】
装置300は、ユーザが装置300を図14に示されている閉鎖位置から図15に示されている開放位置へ移行させ、これにより消耗品132を重力により装置300外へと落下させることによる消耗品132の排出を提供する。代替的に、非加熱の構造部、例えば、装置200に関して説明した機能部に類似したフォーク状構造により、ユーザが消耗品132を取り外すための位置において消耗品を保持する。装置300は、第1のヒータ328に新たなペレットを挿入するために、ユーザが装置を180°回転させることによって、または換言すれば装置を上向きにすることによって、消耗品132の交換を提供する。代替的に、ユーザは、新たな消耗品132を非加熱の構造機能部、例えば装置200に類似したフォーク状構造へ押し付けることもできる。この場合、ユーザは、装置300を図16に示されている開放位置から図14に示されている閉鎖位置へと移行させることによって、ヒンジ式扉310を閉鎖する。
【0065】
第1のヒータ328および第2のヒータ330は、装置300のポリマーによって装置300の外側部分から絶縁されている。ここでの絶縁材は、空気、絶縁材料、例えばガラスファイバもしくは他の高耐熱材料または任意の他の絶縁材料であってよい。スライドロック319および電子回路アセンブリ322のコントローラは、装置300が高温である間、ヒンジ式扉310の開放を防止する。
【0066】
装置300は、第1のヒータ328と第2のヒータ330との間の線路の電気的接続によって、装置300における電気的接続を保証する。システムが閉鎖されているときにコネクタ341がレセプタクル343内へ押し戻されると、第1のヒータ328と第2のヒータ330との間に電気的接続が確立され、電子回路アセンブリ322の電源が第1のヒータ328ひいては第2のヒータ330に電流を通電させることができる。代替的に、装置が開放されている間、第1のヒータ328と第2のヒータ330との間の電気的接続を必ずしも遮断しなくてもよい。上方部分324は、電子回路アセンブリ322のコントローラと通信するセンサ376を有しており、ヒンジ式扉310は、センサ376によって検出可能なセンサ部材378を有している。閉鎖位置にあるとき、センサ部材378はセンサ376によって検出可能である。開放位置にあるとき、センサ部材378はセンサ376によって検出されない。電子回路アセンブリ322のコントローラは、ヒンジ式扉310が閉鎖位置にあることを示すセンサ部材378をセンサ376が検出した場合にのみ、電子回路アセンブリ322からの電流または電圧を第1のヒータ328および第2のヒータ330に供給するよう、動作制御を行う。
【0067】
装置300は、メンテナンスモードを有する。メンテナンスモードは、装置300が開放位置にあり、磁気的接続、電気的接続または機械的接続によってヒンジ式扉310を開放状態に保持できるモードである。特に、ヒンジ式扉310がヒンジ支持体336に隣接する磁気部分372を有し、上方部分324がヒンジ支持体336の反対側に隣接する磁気部分374を有することができ、これにより、装置300が開放位置にあるとき、ヒンジ式扉310を開放位置に維持するために磁気部分372が磁気部分374に当接する。
【0068】
装置300は状態の視覚表示部を有さない。装置300は、目視ではなく音響によって状態を表すパルスを形成する(電子レンジの音響発生能力によく似た)トーン発生ブザーを有している。当該ブザーは、電子回路アセンブリ322の部分である。装置の上部にアドレシング可能な状態指示灯を有する装置100とは対照的に、装置300は、ブザーのパルス形成によって、以下に限定されるものではないが、「装置が熱くなっています」、「電池残量が低下しています」、「装置が空です」、「装置を洗浄する必要があります」などの装置状態をユーザに通信する。これは、音響の持続時間、ピッチ、パターンを種々のパターンで変化させることによって行われる。ただし、装置300を装置100のアドレシング可能な状態指示灯または装置200の触覚表示部を含むように変更することができ、同様に、装置100および装置200を装置300のブザーを含むように変更することもできる。代替的に、装置300は、触覚、音響およびこれらの任意の組み合わせを使用して、装置300の種々の状態を示すこともできる。
【0069】
装置300は、安全保護機能を有し、第1のヒータ328および第2のヒータ330が触れると危険なほど高温である間スライドロック319をロックしたまま保持する、電子回路アセンブリ322の内部カウンタを含む熱傷防止を提供する。この場合、ユーザは、必要な時間が経過した後、重力により下方へスイングするヒンジ式扉310の運動経路が確保されるよう、スライドロック319に運動を行わせることができる。消耗品132は落下する。メンテナンスモードでは、下方扉310が手動で、その限界まで、すなわち、ヒンジ扉310の磁気部分372が上方部分324の磁気部分374に当接する箇所まで押し下げられ、これにより、ヒンジ式扉310が開放位置に維持されることができる。装置300を閉鎖するには、ユーザは単に下方扉310を所定の位置へ回動させ、ラッチが再びかかって下方扉310が閉鎖状態に保持される箇所まで押し閉めればよい。
【0070】
図17には、本開示による加熱吸入デバイス400(「装置400」)の第4の実施形態が示されている。装置400は、加熱キャビティを破壊して消耗品132を露出させる方法において行われる大きな機能変更を有するものの、装置100について上述したのと同様の利点を有する。装置400は、マウスピース402およびハウジング404を有している。マウスピース402は、1つもしくは複数の開口406、好ましくは少なくとも2つ以上の開口を有している。ユーザは、開口406を通して、装置400内で生成されたエアロゾルを吸入することができる。ハウジング404はキャップ410に接続可能である。ハウジング404は、ボタンカバー414を収容する開口412を有する。キャップ410は、キャップ本体411と、好ましくはキャップ本体411にヒンジ結合されたキャップ扉413とを含んでいる。
【0071】
図18を参照すると、装置400は、マウスピース402、ハウジング404、キャップ本体411、キャップ扉413、内側チューブ416、シール418、ハウジングプレート420、電子回路アセンブリ422、外側チューブ426、排出機構427、第1のヒータ428、第2のヒータ430、キャップシール434、および装置400において使用される消耗品132を有している。マウスピース402は内部キャビティ438を有しており、これにより、開口406(図17)とキャビティ438とが接続され、ここで、開放端部403は開口406の反対側に位置する。シール418は孔440を有しており、この孔440は自身を取り囲む連続面を貫通している。ハウジングプレート420は孔442を有しており、この孔442は自身を取り囲む連続面を貫通している。電子回路アセンブリ422は、制御および電力システムのために使用される、制御回路板、バッテリ、ボタンカバー、光表示部およびモータのうちの1つもしくは複数を有することができる。ここでも、制御回路板をコントローラボードまたはコントローラと称することができる。電子回路アセンブリ422は、無線で充電することができ、充電ポートを有することができる。ハウジング404は、後端壁452から延在するコネクタ455を有する。第1のヒータ428および第2のヒータ430は、好ましくは、第1のヒータ128および第2のヒータ130と同じ蛇行形状を有するが、異なる形状を有することもできる。さらに、第1のヒータ428は、第2のヒータ430と同じ形状または異なる形状を有することができる。第1のヒータ428は2つの接続部468を有しており、第2のヒータ430は2つの接続部470を有している。キャップ本体411は、開放後面421と、上面を通る開口417と、開放後面421に隣接するヒンジ開口419とを有している。キャップ扉413は後面にヒンジ開口423を有している。
【0072】
図18を参照すると、組み立てられたとき、図3に示されている装置100と同様に、マウスピース402は、ハウジングプレート420がマウスピース402の開放端部403をカバーするように、ハウジングプレート420に接続されている。シール418は、その孔440がハウジングプレート420の孔442に重なるように、マウスピース402とハウジングプレート420との間に配置されている。内側チューブ416は、内側チューブ416の第1の開口がシール418に隣接するハウジングプレート420の第2の側とは反対の第1の側においてハウジングプレート420の孔442に重なるように、ハウジングプレート420に隣接している。電子回路アセンブリ422はハウジング404内に配置されている。ハウジング404は内側チューブ416の上方に配置されており、これにより、電子回路アセンブリ422が内側チューブ416に隣接し、ハウジング404がハウジングプレート420に接続され、これにより、ハウジング404の開放前方端部450がカバーされる。外側チューブ426は内側チューブ416の上方に配置されており、排出機構427が後端壁452を通って延在している。図19を参照すると、排出機構427は、ばね429と、このばね429によって方向BでバイアスされたL字状部材431とを有している。消耗品132は、第1のヒータ428と第2のヒータ430との間に嵌め込まれるかまたは配置される。L字状部材431は、消耗品132と第2のヒータ430との間に部分を有する。排出機構427の2つの端子460の1つずつには第1のヒータ428の接続部468が、排出機構427の2つの端子464の1つずつには第2のヒータ430の接続部470が、それぞれ挿入される。キャップ本体411は、自身とハウジング404との間にキャップシール434を有する摩擦嵌めまたはスナップ嵌めによって、ハウジング404のコネクタ455に取り外し可能に接続されている。キャップ扉413のヒンジ開口423(図18)およびキャップ本体411のヒンジ開口419(図18)を通してピン425が挿入され、これによりキャップ扉413とキャップ本体411との間にヒンジ結合が形成される。
【0073】
図19および図20を参照すると、ユーザは、図19に示されている閉鎖位置においてキャップ410(図17)をハウジング404に接続することができ、図20に示されているようにキャップ410をハウジング404から解離させることができる。キャップ410がハウジング404に接続されている場合、装置400は、ユーザがボタンカバー414(図17)を押圧するまたは保持することによって作動させることができ、これにより、電子回路アセンブリ422(図18)の電源は、消耗品すなわち消耗品132を加熱するために、まず初めに電子回路アセンブリ422の制御回路板に電力を供給する。電子回路アセンブリ422は、熱が必要であることを示すここでの入力をユーザから受け取る。制御回路板は、適切な量の電流または電圧を、回路板上の端子を通して、回路板を端子460のうちの1つへ接続する線路を通して、接続部468のうちの1つを通して、第1のヒータ428を通して、接続部468および端子460のうちの他の1つから、第1のヒータ428の帰還線路もしくは第2のヒータ430用の接続された内部線路を通して、端子464のうちの1つを通して、接続部470のうちの1つを通して、第2のヒータ430を通して、第2のヒータ430の接続部470および端子464のうちの他の1つから、第2のヒータ430の帰還線路を通して配向し、制御回路板へ戻す。「適切な量の電流または電圧」とは、こうした経路の抵抗が所望の量の熱エネルギを消耗品に直接に生成させるように、ヒータの分解長さの総計および断面積に合わせて調整される。電力は、第1のヒータ428および第2のヒータ430への電気的接続部に沿って回路を通流し、これらのヒータが消耗品132を加熱して、キャビティ401を形成する閉鎖位置において共通にシールされたキャップ410、排出機構427、キャップシール434および後端壁452の間に、吸入可能なエアロゾルを生成する。よって、再び図18を参照すると、ユーザが自身の唇をマウスピース402に当て、吸入によって孔406(図17)を通して負圧を形成すると、吸入可能なエアロゾルが開放後面421、開口453、内側チューブ416、孔442、孔440、マウスピース402の孔406を通って、ユーザの口内へ流入する。装置400は、ボタンカバー414(図17)を再び押圧することによって非作動状態とすることができ、これにより、電子回路アセンブリ422の電源は、装置400の第1のヒータ428および第2のヒータ430への電流もしくは電圧の供給を中断する。
【0074】
図20に示されているように、ユーザは、第1のヒータ428および第2のヒータ430の交換のためにキャップ410(図17)を解離させることができる。ユーザは、第1のヒータ428を軸線方向でハウジング404から離れるように引き出す。ユーザは、古い第1のヒータ428を廃棄する。次いで、ユーザは、新たな第1のヒータ428の接続部468を端子460に位置合わせし、このヒータを、軸線方向で、第1のヒータ428と端子460とを接続するハウジング404へ向かって押し付ける。同様に、ユーザは第2のヒータ430を軸線方向でハウジング404から離れるように引き出す。ユーザは、古い第2のヒータ430を廃棄する。次いで、ユーザは、新たな第2のヒータ430の接続部470を端子464に位置合わせし、このヒータを、軸線方向で、第2のヒータ430と端子464とを接続するハウジング404へ向かって押し付ける。
【0075】
図19および図21を参照すると、ユーザは、図19に示されている閉鎖位置と図21に示されている開放位置との間で装置400を移行させて、消耗品132を挿入することができる。装置400は、ユーザがボタンカバー414(図17)を2回以上、好ましくは3回、迅速に連続して押圧し、電子回路アセンブリ422の回路板(図18)がこれを変換してキャップ扉413を開放させ、消耗品の排出が可能となるようにすることによって、消耗品の排出を提供する。これは、消耗品を排出するための可能な一方式である。これは他の製品において使用される唯一の方式もしくは方法ではなく、例えば、装置100,200,300を装置400と共に使用できることに留意されたい。当該プロセスは、本開示の他の全ての実施形態に適合するように適応化可能である。キャップ扉413の運動により、ラッチ圧縮ばね429が解放される。キャップ扉413が開放位置へ運動したとき、端子460に接続された排出機構427のL字状部材431が端子460および第1のヒータ428と同時に回転する。L字状部材431は、消耗品すなわち消耗品132をキャップ本体411から押し出す。消耗品132は完全にまたは部分的に排出されうる。代替的に、装置400は、消耗品の偶発的な排出を防止するために、機械的、電気的またはこれらの幾つかの組み合わせを含むマルチアクションロックアウトトリガ装置を有することができる。次いで、ユーザは、L字状部材431と第1のヒータ428との間で新たな消耗品132をスライドさせることによって、消耗品を新たな消耗品132と交換する。次いで、ユーザは、キャップ扉413を押し下げて、ばね429を図19に示されているようにラッチさせ、閉鎖位置における所定の位置へ戻す。
【0076】
したがって、装置400は、装置本体の端部にキャビティ401を有する加熱装置であり、この場合、ヒータすなわち第1のヒータ428および第2のヒータ430は、装置への電気的接続を維持しつつ露出される。第1のヒータ428および第2のヒータ430は、装置400の機能を維持するために必要に応じて除去および交換することができる。キャップ410は、キャビティ401および装置400を完成させるために装置400の端部を覆うようにスライドされる。装置400は、ばね429によって開放されるキャップ410の上部に、消耗品露出タイプのヒンジ式扉すなわちキャップ扉413を有する。
【0077】
装置400は、キャップ410とハウジング404との間のキャビティが十分に冷却されるまでロックを解除しないキャップ扉413および排出機構427を有することによって、熱傷防止を提供する。キャップ扉413は、ラッチまたは磁力のいずれかによって保持されており、冷却されたときに、開放のための力に依拠したユーザの介入によってのみ、外側から開放させることができる。代替的な実施形態では、装置400は、蓋の偶発的な開放を防止するために、機械的、電気的またはこれらのいずれかの組み合わせを含むマルチアクションロックアウトトリガ装置を有する。
【0078】
状態の視覚表示部を有しない装置400が示されている。装置400は、目視ではなく音響によって状態を表すパルスを形成する(電子レンジの音響発生能力によく似た)トーン発生ブザーを有している。当該ブザーは、電子回路アセンブリ422の部分である。装置の上部にアドレシング可能な状態指示灯を有する装置100とは対照的に、装置400は、ブザーのパルス形成により、以下に限定されるものではないが、「装置が熱くなっています」、「電池残量が低下しています」、「装置が空です」、「装置を洗浄する必要があります」などの事項を、音響の持続時間、ピッチ、パターンを変化させることによってユーザに通信する。ただし、装置400を、装置100のアドレシング可能な状態指示灯または装置200の触覚表示部を含むように変更することもできる。代替的に、装置400は、カバーライト、触覚表示部、音響表示部およびこれらの任意の組み合わせを使用して種々の状態を示すこともできる。
【0079】
装置400は、1つのボタンカバー414と、傾斜センサもしくは振動センサと、電子的にロックされた排出装置とを有する。ボタンカバー414は装置400の側面にあり、ヒンジ式扉413を備えたキャップ本体410は、第1のヒータ428および第2のヒータ430からユーザを保護するために、ハウジング404の端部上をスライドされる。ユーザは、ボタンカバー414を押圧して消耗品132を加熱する。一実施形態では、装置400の全ての電子機能は、Wi-Fiとの互換性を有し、商標Bluetооth(登録商標)で販売されている、例えばユーザの携帯電話機などのペアリングされたBluetooth認証子または無線認証子の近接存在によってのみ、有効化することができる。これは、不正ユーザによるエアロゾルの発生を防止するものであり、安全保護機能である。装置400は、第1のヒータ428および第2のヒータ430が触れると危険なほど高温である場合にユーザによるボタンカバー414の信号を無効にすることのできる燃焼保護機能を有する。ばねを所定の位置に保持したロックが解除されると、第1のヒータ428および排出機構427の運動により、キャップ本体411のヒンジ式扉413がリフトアップする。消耗品132が露出されれば、ユーザは、消耗品132を傾けて装置400から取り出すことができる。装置400を閉鎖するには、ユーザは、ヒンジ式扉413が電子トーションばねロックに係合するまで、ヒンジ式扉413をキャップ本体411に穏やかに押し付ければよい。
【0080】
装置400は、第1のヒータ428および第2のヒータ430を排出機構427に組み込まれたレセプタクルすなわち端子460および464内に差し込むことによって、電気的接続を保証する。装置400は、キャップ410がハウジング404から解離された際に、第1のヒータ428および第2のヒータ430が交換のためにアクセス可能となり、キャップ410とハウジング404との間のキャビティを洗浄することのできるメンテナンスモードへ移行する。
【0081】
図22を参照すると、本開示の第5の実施形態による加熱吸入デバイス500(「装置500」)が示されている。装置500は、加熱キャビティを破壊して消耗品132を露出させる方法において行われる大きな機能変更を有するものの、装置100について上述したのと同様の利点を有する。装置500はマウスピース502およびハウジング504を有している。マウスピース502は、1つもしくは複数の開口506、好ましくは3つ以上の開口506を有している。ユーザは、開口506を通して、装置500内で生成されたエアロゾルを吸入することができる。ハウジング504はドロワ510に接続されている。ドロワ510は、ボタンカバー511を収容する開口512を有している。
【0082】
図23を参照すると、装置500は、マウスピース502およびハウジング504のほか、ドロワ510、状態指示灯514、第2のボタンカバー515、マウスピース502に接続された内側チューブ516、シール518、ハウジングプレート520、電子回路アセンブリ522、上方部分524、外側チューブ526、第1のヒータ528および第2のヒータ530、ならびに装置において使用される消耗品132を有している。マウスピース502は内部キャビティ538を有しており、これにより、開口506とキャビティ538とが接続され、ここで、開放端部503が開口506の反対側に位置する(図22)。シール518は孔540を有しており、この孔540は自身を取り囲む連続面を貫通している。ハウジングプレート520は孔542を有しており、この孔542は自身を取り囲む連続面を貫通している。電子回路アセンブリ522は、制御および電力システムのために使用される、制御回路板、バッテリ、ボタンカバー、光表示部およびモータのうちの1つもしくは複数を有することができる。ここでも、制御回路板は、コントローラボードまたはコントローラと称することができる。電子回路アセンブリ522は、無線で充電することができ、充電ポートを有することができる。ハウジング504は、その底部に、第2のボタンカバー515によってカバーされる開口を有する。ハウジング504は、開放前方端部550と開放後方端部552とを有する。上方部分524は開口554を有する。上方部分524は、外側チューブ526が開口554に重なるように外側チューブ526に接続されている。上方部分524は内側溝525を有している。第1のヒータ528は2つの導体568および消耗品支持体569を有しており、第2のヒータ530は2つの導体570および消耗品支持体571を有している。第1のヒータ528および第2のヒータ530は、好ましくは装置100の第1のヒータ128および第2のヒータ130と同じ形状であるが、異なる形状であってもよい。さらに、第1のヒータ528は、第2のヒータ530と同じ形状または異なる形状を有することができる。ドロワ510は、ドロワ510の相互に反対の側にあるボタン511に接続されている。各ボタン511は、上方および外方へ延在しており、上方部分524の相互に反対の側にある溝525に嵌合するようにサイズ設定されたペグ517に接続されている。
【0083】
図23を参照すると、組み立てられたとき、図3に示されている装置100と同様に、マウスピース502は、ハウジングプレート520がマウスピース502の開放端部503をカバーするように、ハウジングプレート520に接続されている。シール518は、このシール518の孔540がハウジングプレート520の孔542に重なるように、マウスピース502とハウジングプレート520との間に配置されている。内側チューブ516は、その第1の開口がシール518に隣接するハウジングプレート520の第2の側とは反対側の第1の側の孔542に重なるように、ハウジングプレート520に隣接している。電子回路アセンブリ522はハウジング504内に配置されている。ハウジング504は、電子回路アセンブリ522が内側チューブ516に隣接し、ハウジング504がハウジングプレート520に接続されて開放前方端部550をカバーするように、内側チューブ516の上方に配置されている。外側チューブ526は内側チューブ516の上方に配置されており、上方部分524は開放後方端部552をカバーするハウジング504へと接続されている。上方部分524は、ハウジング504内へ嵌め込まれることによって、内側チューブ516、外側チューブ526および装置500の他の全ての可動部を物理的に支持する。ドロワ510の相互に反対の側にそれぞれ接続されているボタン511は、上方部分524の相互に反対の側の溝525にもそれぞれ接続されており、これにより、各ボタン511のペグ517が1つずつの溝525に嵌合して内部でスライド可能となり、ドロワ510が上方部分524に接続される。したがって、装置500は、状態指示灯514の反対側のハウジング504の底部に第2のボタンカバー515を有し、残りのボタン511は、ドロワ510の反対側に位置する。第1のヒータ528の導体568はそれぞれ上方部分524内に位置する端子に差し込まれる。第2のヒータ530の導体570は、ドロワ510の内部に配置された端子に差し込まれる。
【0084】
図23および図24を参照すると、各ペグ517が1つずつの溝525においてスライドしてドロワ510が上方部分524に接続され、これにより、ドロワ510は図24に示されている開放位置と図22に示されている閉鎖位置との間でスライド可能となる。装置500は、ユーザが第2のボタンカバー515を押圧して解放することによってまたは押圧して保持することによって作動され、これにより、電子回路アセンブリ522の電源が電子回路アセンブリ522の制御回路板に電力を供給する。第2のボタンカバー515は、消耗品132を加熱するためにユーザが押圧するものである。電子回路アセンブリ522は、熱が必要であることを示すここでの入力をユーザから受け取る。制御回路板は、適切な量の電流または電圧を、回路板上の端子を通して、回路板を第1のヒータ528の端子のうちの1つに接続する線路を通して、導体568のうちの1つを通して、第1のヒータ528を通して、導体568のうちの他のものを通して配向し、第1のヒータ528の端子へ戻し、第1のヒータ528の帰還線路もしくは第2のヒータ530用の接続された内部線路を通して、第2のヒータ530の端子を通して、導体570のうちの1つを通して、第2のヒータ530を通して、導体570のうちの他のものを通して配向し、第2のヒータ530の端子へ戻し、第2のヒータ530の帰還線路を通して配向し、制御回路板へ戻す。「適切な量の電流または電圧」とは、こうした経路の抵抗が所望の量の熱エネルギを消耗品内へ直接に生成させるように、ヒータの分解長さの総計および断面積に合わせて調整される。電力は、電気的接続部に沿って回路を通流して、第1のヒータ528および第2のヒータ530からの熱を伝導して第1のヒータ528と第2のヒータ530との間に配置された消耗品132を加熱し、これにより、閉鎖位置において共通にシールされた上方部分524とドロワ510との間に吸入可能なエアロゾルを生成する。ユーザが唇をマウスピース502に当て、吸入によって孔506を通して負圧を形成すると、吸入可能なエアロゾルが、開口554、外側チューブ526と重なった上方部分524、内側チューブ516、孔542、孔540、マウスピース502の孔506を通って、ユーザの口内へ流入する。装置500は、第2のボタンカバー515を再び押圧して解放するかまたは解放のみすることによって非作動状態とすることができ、これにより、電源は装置500のヒータへの電力供給を中断する。
【0085】
開放位置では、消耗品132を除去および交換することができ、第1のヒータ528を交換することができ、第2のヒータ530を交換することができる。図22に示されている閉鎖位置から図24に示されている開放位置へ装置500を移行させるためには、ドロワ510が開放位置へスライドされ、この開放位置では、第2のヒータ530が第1のヒータ528から解離されているので、第1のヒータ528から第2のヒータ530へ電流が流れることはできない。第1のヒータ528は上方部分524内に維持される。図24に示されている開放位置から図22に示されている閉鎖位置へ装置500を移行させるためには、ユーザは、ハウジング504へ向かってドロワ510をスライドさせる力を加えればよい。
【0086】
したがって、装置500は、装置500のハウジング504の端部のドロワ510と上方部分524との間に自己収容キャビティを有する消耗品生成物加熱吸入デバイスである。第1のヒータ528および第2のヒータ530へのアクセスならびに消耗品すなわち消耗品132へのアクセスは、持続的に固定されたスライドドロワ510により提供される。装置500は、軸線方向でハウジング504から離れるように単純にスライドする消耗品露出ドロワ510を有する。
【0087】
装置は、ユーザが装置500を開放位置へとトリガし、古い消耗品132が存在する場合にこれを取り出したときに、第1のヒータ528および第2のヒータ530の交換を提供する。再び図24を参照すると、第1のヒータ528は半径方向で方向Cへ押圧されている。第1のヒータ528は、第1のばね電気的接続部からスライドによって外される。ユーザは第1のヒータ528を廃棄し、新たな第1のヒータ528が第1のばね電気的接続部上へとスライドされる。新たな第1のヒータ528は、半径方向で方向Cとは反対の方向へ押圧されている。第2のヒータ530は半径方向で方向Cとは反対の方向へ押圧されている。第2のヒータ530は、第2のばね電気的接続部からスライドによって外される。ユーザは第2のヒータ530を廃棄し、新たな第2のヒータ530が第2のばね電気的接続部上へとスライドされる。新たな第2のヒータ530は半径方向で方向Cへ押圧される。
【0088】
装置500は、重力によって補助される排出を提供し、これにより、図24に示されているようにドロワ510が開放されたとき、消耗品132は重力によって装置500から落下する。このようにして、消耗品132を一方の側から排出させ、他方の側で交換することができる。消耗品は、同じ位置から交互に出し入れすることができる。他のオプションには、消耗品のリフトアウト、装置表面でのタッピングなどが含まれる。
【0089】
装置500は、ドロワ510の運動についての電気的もしくは機械的なロックによる熱傷防止を提供する。ボタン511は装置500の安全保護機能の部分である。ロック解除してドロワ510を開放位置へスライドさせるためには、ドロワ510を手動でマウスピース502から離れるように軸線方向で引き出しつつ、同時にボタン511も押圧して保持する必要がある。電子回路アセンブリ522も、第1のヒータ528および第2のヒータ530が触れても問題ない程度に冷却される時点より前に第2のボタンカバー515が作動された場合にドロワ510の運動を阻止する内部制御部を有している。装置500の外側部分は、第1のヒータ528および第2のヒータ530を装置500のユーザから絶縁する。ここでの絶縁材は、空気、絶縁材料、例えばガラスファイバもしくは他の高耐熱材料または任意の他の絶縁材料であってよい。
【0090】
装置500は、装置の上部にアドレシング可能な状態指示灯を有し、この状態指示灯は、以下に限定されるものではないが、「装置が熱くなっています」、「電池残量が低下しています」、「装置が空です」、「装置を洗浄する必要があります」などの事項を、種々の色および/またはパターンで光を点滅させることによってユーザに通信する。ただし、装置500を、装置200の振動モータまたは装置300および装置400のブザーを含むように変更することができる。代替的に、装置500が、カバーライト、触覚表示部、音響表示部およびこれらの任意の組み合わせを使用して、装置300の種々の状態を示すこともできる。
【0091】
図25および図26には、本開示による加熱吸入デバイス600(「装置600」)の第6の実施形態が示されている。装置600は、上記の装置について説明したのと同様の利点を有する。装置600は、タバコを含む消耗品、例えば消耗品617(図28)を加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成する。有利には、内臓ヒータおよび/またはプラスチックを備えた消耗品を収容する従来の装置と直接に比較して、装置600は、より経済的に効率的であって環境に配慮したプラットフォームである。装置600は、装置600の上方扉602および下方扉601が図28に示されているような閉鎖位置にあるときにその内側に形成される内部容積である自己収容キャビティ621を有する。上方扉602および下方扉601は、加熱エレメントと第1のヒータ615および第2のヒータ616(これらはキャビティ621内にある)と外部環境との間にバリアを形成する。外部環境は、図28および図29に示されている上方扉602および下方扉601の外側にある。
【0092】
さらに図28を参照すると、装置600は、消耗品の表面領域にわたって一貫して均一に熱を伝導させ放射させる意図をもって特に配置された加熱エレメント、すなわち第1のヒータ615および第2のヒータ616を有している。加熱エレメントすなわち第1のヒータ615および第2のヒータ616によって消耗品を包囲することは、最小限のエネルギで生成物収率および得られるエアロゾルを最大化することに役立つ。本実施形態では加熱エレメントすなわち第1のヒータ615および第2のヒータ616は抵抗性であるが、ヒータの配置構成につき他の加熱技術を適用することもできる。図28に示されている上方扉602と下方扉601との間のキャビティ621は、消耗品を収容するために繰り返し破壊可能、換言すれば開放可能であり、次いで再確立可能、換言すれば閉鎖可能であり、これにより消耗品が処理される。また、キャビティ621は、使用済み消耗品の手動排出、装置支援での排出または自動排出のいずれかを可能にするために破壊可能である。
【0093】
現行の幾つかの製品では、キャビティおよび関連する処理システムは、消耗品が装置の一部に挿入されて加熱される形式のものではなく、別個のカートリッジ型消耗品内に封入されている。現行の製品では、エアロゾルは別個のカートリッジ内で生成された後に装置本体へ伝達される。対照的に、装置600では、その端部に配置された消耗品に接触している加熱エレメントによってエアロゾルが生成される。
【0094】
加えて、装置600は、動作中の燃焼保護、消耗品交換およびヒータ交換および/または洗浄を含む安全措置を使用中一貫して提供する。装置600はまた、例えば使い古されたまたは汚れたヒータを除去および交換するユーザフレンドリな手法を保証することにより、装置600のユーザのために洗浄をより容易にする方法も含む。これにより、消耗品コストが大幅に削減され、環境への影響が低減される。こうした措置は、幾つかの従来の装置におけるヒータが望ましくないことに消耗品構造の内部もしくはその一部に隠れており、使用終了のたびに廃棄されることが意図されていたり、またはヒータが持続的に取り付けられているために装置内にあるヒータを洗浄しなければならなかったりすることから、当該装置600に固有であって、消費者へのメンテナンス要求として望ましいものではない。
【0095】
図25および図26を参照すると、装置600は、マウスピース605、シェル604およびハウジング603を有する。マウスピース605は、1つもしくは複数の開口、好ましくは少なくとも2つ以上の開口を有している。ユーザは、マウスピース605の開口を通して、装置600内で生成されたエアロゾルを吸入することができる。当該実施形態では、シェル604がハウジング603に接続されている。ハウジング603は上方扉602および下方扉601に接続されており、これらの上方扉602および下方扉601が共にキャビティ621を画定している。シェル604は作動ボタン607を有する。ボタン607は装置をオンまたはオフし、1つもしくは複数の灯のセットを介して装置のバッテリ寿命の量を表示する。ハウジング603はまた、扉601および扉602を開放するためのロック609も有する。加えて、装置600が高温であるかまたは装置が開放されている場合、ロック609を操作不能にすることができる。上方扉602はまた、外気を装置600内へ吸引するための空気入口608も有する。シェル604は、装置600を充電するための充電ポート606を有する。
【0096】
図27を参照すると、装置600は、相互に動作可能に接続されたコンポーネントとして、マウスピース605、シェル604、ハウジング603、下方扉601、上方扉602、作動ボタン607、内側チューブ611、シャーシ610、充電ポート606、コントローラ620、バッテリ612、振動モータ619、eロックモータ618を備えたロック解除ボタン609、第1のヒータ615、第2のヒータ616、ヒータトレイ613,614、および消耗品617を有する。バッテリ612および消耗品617は、構造化された装置600のコンポーネントではない。
【0097】
マウスピース605は内部キャビティ631を有しており、これによりマウスピースの開口とマウスピース605内部のキャビティとが接続される。マウスピースキャビティ631は、ストロー611によってエアロゾル生成キャビティ621に接続されている。本開示のここでのおよび他の実施形態では、電子回路アセンブリは、制御および電力システムのために使用される1つもしくは複数の従来のコンポーネント、例えば制御回路板620、バッテリ612、ボタン607、光表示部およびモータ619を有することができる。ここでも、制御回路板はコントローラボードまたはコントローラとも称することができる。電子回路アセンブリは充電ポート606を有するものとして示されているが、ただし、充電は無線によって行うこともできる。バッテリ612は、充電ポート606を介して、電源、例えば電気コンセントにバッテリ612を接続するケーブルまたはコードをバッテリ612に接続することによって、充電可能である。代替的に、バッテリ612は交換可能であってよく、または無線で充電可能である。
【0098】
図32および図33を参照すると、第1のヒータ615および第2のヒータ616は好ましくは同じ形状を有している。さらに、第1のヒータ615は、第2のヒータ616と同じ形状または異なる形状を有することができる。ヒータは、図45図51に示されている形態のものまたはヒータ4300,6400,6500,6600,6701,6715,6750であってもよい。第1のヒータ615および第2のヒータ616は、好ましくは、消耗品の凸形状に共通に適合する形状である外凹状であり、例えば、第1のヒータ615および第2のヒータ616はそれぞれ、図52に示されているように、消耗品6751を包囲するヒータ6750である。ヒータは他の形状であってもよい。
【0099】
図32を参照すると、第1のヒータ615は、平坦部分629によって取り囲まれた凹状部分630を形成するように成形されたメッシュ材料627である。第1のヒータ615は、メッシュ材料627を通る4つの孔628を有する。4つの孔628により、第1のヒータ615を、装置600に接続されるヒータトレイ613に取り外し可能に接続することができ、これにより、第1のヒータ615は、装置600の使用中に加熱され、選択的に除去可能かつ交換可能となる。第1のヒータ615を交換するために、第1のヒータ615をヒータトレイ613から取り外し可能にすることで第1のヒータ615を装置600から除去するか、または代替的に第1のヒータ615に接続されたヒータトレイ613を装置600から取り外し可能にすることで第1のヒータ615およびヒータトレイ613の双方を装置600から除去することができる。第2のヒータ616は第1のヒータ615と同じものとすることができるので、第2のヒータ616も、平坦部分629によって取り囲まれておりかつメッシュ材料627を通る4つの孔628を有する凹状部分630を形成するように成形されたメッシュ材料627である。4つの孔628により、第2のヒータ616を、装置600に接続されるヒータトレイ614に取り外し可能に接続することができ、これにより、第2のヒータ616は、装置600の使用中に加熱され、選択的に除去可能かつ交換可能となる。第2のヒータ616を交換するために、第2のヒータ616をヒータトレイ614から取り外し可能にすることで第2のヒータ616を装置600から除去するか、または代替的に第2のヒータ616に接続されたヒータトレイ614を装置600から取り外し可能にすることで第2のヒータ616およびヒータトレイ614の双方を装置600から除去することができる。凹状部分630は、丸めによるものではなく複数次の曲げによるものとして定義することができる。なぜなら、丸められたステンレス材は形状記憶から元の形状に戻る傾向を有するが、曲げられたものはそうでないからである。別の代替例では、第1のヒータ615および第2のヒータ616を、スナップヒータまたはヒータトレイ613,614を備えないヒータとすることもできる。
【0100】
図49図51を参照すると、第1のヒータ615および第2のヒータ616は、代替的に、それぞれ異なるタイプのメッシュを含むヒータ、例えばヒータ6701,6715,6750であってよい。図49を参照すると、ヒータ6701は、第1の側にヒータ取り付け孔6700を有しかつ反対の第2の側にヒータ取り付け孔6710を有する、メッシュ6710を有している。ヒータ取り付け孔6700,6710により、ヒータ6701を装置600に接続させるためにヒータトレイ613またはヒータトレイ614に接続させることができ、これにより、装置600の使用中にヒータ6701が加熱され、選択的に除去可能かつ交換可能となる。ヒータ6701を交換するために、ヒータ6701をヒータトレイ613,614から取り外し可能にすることでヒータ6701を装置600から除去するか、または代替的に、ヒータ6701に接続されたヒータトレイ613,614のうちの一方を装置600から取り外し可能にすることで2つのヒータ6701およびヒータトレイ613,614のうちの一方を装置600から除去することができる。図50を参照すると、ヒータ6715は、ヒータ取り付け孔6720を有するメッシュ6730を有している。ヒータ取り付け孔6720により、ヒータ6715を、装置600に接続されるヒータトレイ613またはヒータトレイ614に接続することができ、これにより、ヒータ6715が装置600の使用中に加熱され、選択的に除去可能かつ交換可能となる。ヒータ6715を交換するために、ヒータ6715をヒータトレイ613,614から取り外し可能にすることでヒータ6715を装置600から除去するか、または代替的にヒータ6715に接続されたヒータトレイ613,614のうちの一方を装置600から取り外し可能にすることで双方のヒータ6715およびヒータトレイ613,614のうちの一方を装置600から除去することができる。図51を参照すると、ヒータ6750は、ヒータ取り付け孔6740を有するメッシュ6751を有している。ヒータ取り付け孔6740により、ヒータ6750を、装置600に接続されるヒータトレイ613またはヒータトレイ614に接続することができ、これにより、ヒータ6750は、装置600の使用中に加熱され、選択的に除去可能かつ交換可能となる。ヒータ6750を交換するために、ヒータ6750をヒータトレイ613,614から取り外し可能にすることでヒータ6750を装置600から除去するか、または代替的にヒータ6750に接続されたヒータトレイ613,614のうちの一方を装置600から取り外し可能にすることで双方のヒータ6750およびヒータトレイ613,614のうちの一方を装置600から除去することができる。各ヒータ6701,6715,6750は、図32に示されているヒータ615の凹状部分630を含むことができる。別の代替例では、第1のヒータ615および第2のヒータ616を、スナップヒータまたはヒータトレイ613,614を備えないヒータとすることもできる。
【0101】
図27および図28を参照すると、組み立てられたとき、マウスピース605は、シェル604と、このシェル604内に配置されたシャーシ610とに接続される。好ましくは、充電ポート606、バッテリ612、コントローラ620、ストロー611および振動モータ619が、シェル604とシャーシ610との間に収容されている。ストロー611は、エアロゾルが生成されるキャビティ621を、エアロゾルを消費者に送達するマウスピース605へと接続している。作動ボタン607は、シェル604の開口を貫通して延在するようにシェル604内に配置されている。シェル604は、ハウジング603に接続されている。eロックモータ618を備えたロック解除ボタン609は、シェル604とハウジング603との間に配置されており、これにより、ロック解除ボタン609がシェル604およびハウジング603の外側に配置され、eロックモータ618がシェル604およびハウジング603によって形成される内部容積内に配置される。上方扉602および下方扉601は、ハウジング603に回転可能に接続されている。上方扉602はギヤ部分623を有し、このギヤ部分623は、上方扉602および下方扉601がハウジング603に回転可能に接続されたときに下方扉601のギヤ部分625に係合する。ヒータトレイ613は、上方扉602に接続されて第1のヒータ615を支持する。ヒータトレイ614は、下方扉601に接続されて第2のヒータ616を支持する。消耗品617は、使用時に第1のヒータ615と第2のヒータ616との間に挿入可能である。
【0102】
図29図31を参照すると、ユーザは、図29に示されている閉鎖位置と図30および図31に示されている開放位置との間で装置600を移行させることができる。開放位置では、消耗品617を除去および交換することができ、第1のヒータ615を除去および交換することができ、第2のヒータ616を除去および交換することができる。加えて、上方扉602のみを開放することができ、下方扉601は図53に示されているように定置されたままである。こうした付加的な安定性により、消耗品617のより容易な除去および交換が可能となる。ヒータ615および616も、上方扉602のみを開放した状態で除去可能かつ交換可能である。代替的に、装置600は、下方扉601のみを開放させるように設計することもできる。
【0103】
図28に戻ると、閉鎖位置では、ユーザがボタン607を押圧して保持することによって装置600を作動させることができる。装置600を作動させるために、ボタン607を押圧して解放するか、または複数回押圧することもできる。装置600は、いったん作動されると、指定された期間にわたってオンにしておくことができる。装置600が開放されているときはボタン607を作動させることができない。装置600が作動されるかまたはオンにされると、バッテリ612およびコントローラ620を含む電子回路アセンブリから電力が供給される。「適切な量の電流または電圧」とは、こうした経路の抵抗が所望の量の熱エネルギを消耗品内へ直接に生成させるように、ヒータの総面積に合わせて調整される。電力が第1のヒータ615および第2のヒータ616へ通流され、それぞれのヒータが消耗品617に熱を伝導させることで、閉鎖位置において共通にシールされた上方扉602と下方扉601との間に吸入可能なエアロゾルが生成される。よって、ユーザが自身の唇をマウスピース605に当て、吸入によってマウスピース内の孔を通して負圧を生成すると、空気が開口608内へ流入し、消耗品617を横断して吸入可能なエアロゾルを生成する。吸入可能なエアロゾルは、キャビティ621からストロー611を通ってマウスピース605へ流入し、マウスピース605の孔を通してユーザの口内へ流入する。装置600は、ボタンカバー607を再び押圧することによってまたはボタン607を解放することによって非作動状態とすることができ、これにより、電子回路アセンブリの電源は、装置600の第1のヒータ615および第2のヒータ616への電流もしくは電圧の供給を中断する。
【0104】
したがって、装置600は、装置600のハウジング603の上方扉602および下方扉601によって画定された自己収容キャビティ621を有する加熱吸入デバイスである。
【0105】
図30を参照すると、装置600は、相互に離れる方向に開放される上方「ジョー」である上方扉602および下方扉601を有し、消耗品すなわち消耗品617の上部を露出させる。このようにして、下方扉601および上方扉602を開放することにより、第1のヒータ615および第2のヒータ616の双方へのアクセスならびに消耗品すなわち消耗品617へのアクセスが提供される。したがって、装置600は、自身を開放することによって、すなわち、下方扉601と上方扉602とを相互に離れるように運動させ、第1のヒータ615およびヒータトレイ613を上方扉602から離れるように、さらに第2のヒータ616およびヒータトレイ614を下方扉601から離れるように、これらが解離されるまでスライドさせることによって、第1のヒータ615および第2のヒータ616の交換を可能にする。これにより、使用済みの各ヒータをそれぞれ除去することができる。さらに、これらのヒータは、第1のヒータ615およびヒータトレイ613と同じ新たなヒータおよびヒータ支持体を上方扉602内へ、さらに第2のヒータ616およびヒータトレイ614と同じ新たなヒータおよびヒータ支持体を下方扉601内へ、これらの電気的接続が確立されるまですなわち挿入することによって、交換することができる。さらに、ヒータは、本明細書の他の箇所で言及しているスナップ、磁石または他の方法によって所定の位置に保持することができる。装置600は、図30に示されているように上方扉602および下方扉601の双方を開放させることができ、または上部602のみを開放させるまたは下部601のみを開放させることもできる。これにより、消耗品617の除去および交換のための容易なアクセスが可能となる。
【0106】
装置600は、熱傷防止も提供する。熱傷防止は、キャビティ621および/またはヒータ615,616が十分に冷却されるまでロックが解除されないロック609によって達成される。ここでの冷却は、多くの場合にコントローラのタイムアウトによって行われる。これは、温度センサを介して達成することもできる。例えば、コントローラは、装置600が非作動状態となった後に所定の値までカウントするタイマを使用し、これにより、第1のヒータ615および第2のヒータ616が熱を発生させなくなってから、ロック609が解除され、上方扉602および下方扉601の開放が可能となる。
【0107】
ユーザに面するコンポーネント、例えば装置600の上方扉602および下方扉601は、好ましくはポリマーを含む、不十分な熱伝導性および導電性を有する材料から形成されている。第1のヒータ615および第2のヒータ616は、装置600の外側部分から絶縁されている。ここでの絶縁材は、空気、絶縁材料、例えばガラスファイバもしくは他の高耐熱性材料または他の任意の絶縁材料であってよい。加えて、装置600は、その上部にアドレシング可能な状態指示灯を有することができ、この状態指示灯は、「装置が熱くなっています」、「電池残量が低下しています」、「装置が空です」、「装置を洗浄する必要があります」などの事項をユーザに通信する。当該通信は、例えば、種々の色および/またはパターンで光を点滅させるなどの視覚インジケータによって行うことができる。代替的に、装置600は、光、触覚または音響を、これらの任意の組み合わせと共に使用して、装置600の種々の状態を示すこともできる。
【0108】
図34を参照すると、熱傷防止のために装置600を使用する方法2700が示されている。なお、同様の論理構造を、装置100,200,300,400,500のそれぞれに対して使用し、調整することができる。ステップ2701において方法2700が開始され、ステップ2702へ進み、ユーザがボタン609を押圧してロック解除すると、方法2700はステップ2703へ進む。ステップ2703では、コントローラ620が、装置600が閉鎖位置から開放位置へ移行されるかどうかを判別する。装置600が閉鎖位置から開放位置へ移行していないことを制御装置620が判別した場合、方法2700はステップ2716およびステップ2719へ進む。
【0109】
ステップ2719において、コントローラ620は、上方扉602および下方扉601がロック解除されているかどうかを判別する。上方扉602および下方扉601がロック解除されている場合、方法2700は、ステップ2702を繰り返す。上方扉602および下方扉601がロック解除されていない場合、方法2700は、ステップ2720およびステップ2721へ進む。ステップ2721において、コントローラ620は、ヒータ615,616が前のセッションから高温になっていることを判別し、所定の時間が経過してヒータ615,616が冷却されるまで、上方扉602および下方扉601をロックしたまま維持し、この場合、方法2700はステップ2702を繰り返す。ステップ2703において、装置600が閉鎖位置から開放位置へ移行されたことをコントローラ620が判別した場合、方法はステップ2704およびステップ2705へ進む。ステップ2705において、ユーザが喫煙を望んでいる場合、方法2700はステップ2706へ進み、次いでステップ2707へ進む。ステップ2707において、ユーザは消耗品617を例えばブリスタパックから取り出すことによって取得し、方法2700はステップ2708へ進み、このステップ2708で、ユーザは消耗品617を上方扉602と下方扉601との間に挿入する。次いで、方法2700はステップ2709へ進む。ステップ2709においてユーザが装置600を閉鎖すると、方法2700はステップ2710へ進み、ここでユーザはボタン607を押圧して加熱を作動させ、方法はステップ2711へ進む。ステップ2711では、装置600は、自身が生成した吸入可能なエアロゾルの吸入のために自身が使用可能であることをユーザに示し、次いで方法2700はステップ2715へ進んで、方法2700を終了する。ステップ2705においてユーザが喫煙を望んでいない場合には、方法2700はステップ2712へ進み、次いでステップ2713へ進む。ステップ2713では、装置600がサービスを必要としていることをユーザが判別し、ステップ2714へ進む。ステップ2714においてユーザはヒータ615,616を交換し、方法2700がステップ2715へ進んで、方法2700を終了する。
【0110】
図35および図36を参照すると、1つもしくは複数の消耗品132をブリスタパッケージ2800内にパッケージングすることができる。消耗品132は、次の各品質、すなわち、第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616によって完全にもしくは大部分が包含されるサイズおよび形状を有し、代替的に、パウチ、カプセル、ウェハ、粉末、顆粒、ペレット、細片、麺状体、ストリップまたはシートであってもよく、作製処理に、以下に限定されるものではないが物質のカット、再構成、細断、ダイシング、押出成形またはペレット化を含みうること;以下に限定されるものではないが、木質繊維、ビート繊維、微結晶セルロース、植物性物質、以下に限定されるものではないがグリセリン、プロピレングリコール、他のグリコールもしくはこれらの任意の混合物を含むエアロゾル化物質を含有する固形物または半固形物を含む、タバコ、麻、他のセルロース材料から形成されていること;ここで、繊維は消耗品内の任意の方向で配置されているかまたは編成されていること;フレーバーも消耗品内へ組み込み可能であること;ここで、消耗品の本体が、以下に限定されるものではないが、内部結合剤もしくは外部結合剤、エアロゾル化物質から成るシェル、バインダから成るシェル、紙、箔、タバコ紙、タバコシート、パウチ材料、例えば不織布、紙および箔ラミネート、または熱伝導が可能な材料もしくは熱伝達を制限しない材料として熱伝導を促進する任意の物質、を含む物質によってカプセル化可能であること;ここで、カプセル化は、パーフォレーションを有していてよく、または有していなくてもよいこと;ここで、カプセル化方法により、スタンピング、プリンティング、焼き付け加工、エンボス加工または情報を付与する任意の他の方法を介してブランディングおよび/または制御の目的で個々のカプセルにマーキングを行う機会が提供されうること;ここで、本開示の一実施形態において、清浄度が維持され、不正操作が防止され、かつ湿度変化が防止されるよう、配布のために個々のカプセルがパッケージングされること;さらに、ここで、消耗品132の一実施形態において、消耗品の不正利用を制限する目的で加熱装置に伝達され解釈される信号もしくは他のデータが形成されること;を有する、相関加熱によって活性化される消耗品であってよい。湿分の取り込みは、消費される前には、ブリスタパッケージング、例えばブリスタパッケージ2800によって最小化可能であるかまたは排除可能である。
【0111】
装置100,200,300,400,500,600は、それぞれ、吸入可能なエアロゾルを形成し、(1)1つもしくは複数の加熱エレメント、(2)加熱エレメントとこれを取り囲む外部環境との間のバリアによって形成される一時的にもしくは持続的に確立されたキャビティ、(3)キャビティへの消耗品の挿入およびキャビティからの消耗品の除去を可能にする任意の方法または機構、および(4)装置内の加熱エレメントの手動交換、機械的交換および/または電気的交換を可能にする任意の方法および機構、によって動作可能な加熱装置である。さらに、製品は、ヒータが高温である間は消費者が装置を開放することを防止し、装置が開放されている間はヒータがオンになることを防止する制御機構を有する。装置はまた、ユーザの年齢確認を行う機構も有することができる。製品は、消耗品の周囲の容器が存在する場合、この容器の穿刺を提供しても提供しなくてもよい。ヒータおよび消耗品の個別での除去および交換により、環境への影響が最小化され、装置および消耗品コストが低減される。また、ヒータの個別での除去および交換により、ヒータの洗浄も不要となる。加熱エレメントは、消耗品の表面領域にわたって一貫して均一に熱を伝導させ放射するように設計することができる。ヒータと消耗品とは相互に適合するように形成可能である。したがって、人為的エラーおよび/または技術的エラーによる過熱のリスクが最小化される。また、チップおよび回路板の複雑性ならびに製造される物品の関連コストも低減される。消耗品を包囲する加熱エレメントにより、最小限のエネルギ消費で生成物収率およびエアロゾル品質が最大化される。
【0112】
装置100,200,300,400,500,600は、1つもしくは複数の加熱エレメント、例えば固形物の消耗品を封入して処理する第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616を有する電気加熱吸入器である。1つもしくは複数の加熱エレメントは、4秒未満の加熱時間、好ましくは2秒未満の加熱時間を有しうる。代替的に、1つもしくは複数の加熱エレメントは、4秒超の加熱時間を有してもよい。装置100,200,300,400,500,600は1つもしくは複数の加熱エレメントを有しており、ここで、加熱エレメントのコンフィグレーションが利用可能であり、これにより、動作コンフィグレーションにおいて、これらの加熱エレメントが部分的にもしくは完全に消耗品を包囲し、これらの加熱エレメントが、電気抵抗によって熱を生成し、次いで、熱エネルギを消耗品に伝達することを可能にする電気的に完全な回路を形成する。第1のヒータと第2のヒータとは、共生的に同一の(または鏡像の)設計コンフィグレーション、形状および/または特性を有していてよく、またはこれらは異なっていてもよい。開放コンフィグレーションでは、加熱エレメントにより消耗品の挿入および除去が可能となり、幾つかの実施形態では加熱エレメントの交換も可能となる。他の実施形態のオプションとしてのメンテナンスコンフィグレーションでは、加熱エレメントを交換することができる。各加熱エレメントは、エレメントの材料特性、断面積および経路長さに直接に関係する特定の電気抵抗によって熱を発生させることができ、以下に限定されるものではないが従来の端子コネクタ、バインダポスト、磁石、電気ばねコンタクト、はんだ付け、JST接続部などによって一時的にもしくは持続的に、機械的にかつ/または電気的に装置に取り付けることができ、意図された固形物の消耗品に完全にもしくは部分的に幾何学的に一致する形状を有すると想定することができる。
【0113】
1つもしくは複数のコンフィグレーションにおいて、外部環境と加熱エレメントとの間にバリアが設けられる。当該バリアは、以下に限定されるものではないが、木材、ポリマー、ゴム、金属、ガラス、セラミック、複合材料および/または空気を含む1つもしくは複数の材料から形成することができる。当該バリアならびに加熱エレメントと外部環境との間の当該バリアによって形成され画定されるキャビティは、コンフィグレーションのいずれかもしくは全ての期間における要求に応じて、ユーザによって除去可能、位置交換可能またはその他の形式で破壊可能である。当該バリアおよび当該バリアによって画定されるキャビティは、装置の外部環境から部分的にもしくは完全にシールされており、当該シールは、以下に限定されるものではないが、圧縮シール、材料オーバーラップ部、Oリングおよび/またはガスケットを追加することによって増大可能または強化可能である。バリアの少なくとも1つの壁または部分は、装置の残りの部分に隣接している。バリアの少なくとも1つの壁または部分は、キャビティから吸入可能な消費物のユーザへ向かってエアロゾル化された生成物を出力する機構を有するか、またはこうした出力を可能にしている。バリアの少なくとも1つの壁または部分は、以下に限定されるものではないが、周囲空気、純酸素および亜酸化窒素を含む気体の吸入可能物質をキャビティ内へ導入する機構を有するか、またはこうした導入が可能なキャビティを提供する。
【0114】
ユーザが装置100,200,300,400,500,600のコンフィグレーションの変更を作動させるまたはトリガする機構が提供される。例として、以下に限定されるものではないが、電気制御、機械制御、手動でのリコンフィグレーション、自動化および/または音声制御が含まれる。装置100,200,300,400,500,600の1つもしくは複数の電源および関連する充電方法は、次の機能、すなわち、以下に限定されるものではないが、装置のコンフィグレーションの変更、消耗品の処理、消耗品の排出もしくは除去、装置の状態の表示、キャビティからのエアロゾル化された物質の伝達、およびガス状の吸入可能物質のキャビティへの導出を含む機能のうちの1つもしくは複数を駆動するかつ/または支援する、電気、誘導、磁気、ばね、バッテリ、ソレノイド、圧電、音響、風力および太陽光によるものを含む。
【0115】
装置100,200,300,400,500,600の1つもしくは複数の制御システムまたはコントローラは、温度を監視し、動作をオンにし、動作させもしくは制限し、使用もしくは他の状態を監視し、かつ/または上記で指定した電源によって生成されるエネルギまたは電源に貯蔵されているエネルギをトリガするために含まれている。また、制御システムは、違法な消耗品、偽造された消耗品または権限のない消耗品について装置の使用を制限するために情報を使用しながら、消耗品が装置における使用のために権限付与されたものであるかどうかを判別する方法を提供することもできる。コントローラはプロセッサおよびメモリを含むことができる。装置100,200,300,400,500,600のバリアを破壊し、ヒータの交換、装置の洗浄、装置のメンテナンス、消耗品の挿入および除去または既知および未知の任意の他の理由に関する目的で、バリアによって画定されたキャビティ内へのユーザアクセスを可能にする機構が提供される。
【0116】
上述した特徴に加えて、装置100,200,300,400,500,600は、次の特徴、すなわち、1)以下に限定されるものではないが、バリアを断熱材料から形成することと、別途権限が付与されるまでキャビティの完全性を維持するバリア、電気的ロック、機械的ロックまたは電気機械的ロック、および/または以下に限定されるものではないがタイマ、温度検出システム、オーバーライドを含むロックのための1つもしくは複数のトリガによって画定されるキャビティ内に断熱材を付加することとを含みうる熱傷防止方法;2)動作中、メンテナンス中かつ/またはローディング中に消耗品、例えば消耗品132を所定の位置に保持する、キャビティ内部もしくはキャビティに隣接して配置された、熱伝導を行わない物理的支持体、これにより、オプションとして、支持体が、以下に限定されるものではないが、消耗品を穿刺すること、消耗品用の棚となること、消耗品のカッピングおよび/またはブレーシングを行うことを含むこと;3)装置100,200,300,400,500,600が適切に閉鎖されていない場合に、装置100,200,300,400,500,600の状態をユーザに通信する方法に対し、以下に限定されるものではないが電力状態、内部熱、残り時間、バッテリ寿命を含む、通信可能な状態を供給する方法、および/または以下に限定されるものではないが、リンクされた通信装置への視覚的報告、聴覚的報告、触覚的報告、ペリフェラル報告を含む通信のためのプロセスステップおよび方法、キャビティ内の加熱容器から消耗品を部分的もしくは完全に排出または除去するための機構または方法;ならびに部分的にもしくは完全に動作を抑制し、保護し、権限確認する任意の機構、方法またはアクセサリ、および/または封入されている間、取り付けられている間または直接に接続されている間もしくは間接的にWi-Fi,Bluetoothおよび/または無線(例えば充電)を介して接続されている間、装置を充電する任意の機構、方法またはアクセサリ;ならびに4)以下に限定されるものではないが、Bluetooth信号、無線信号、電話信号またはウェブアプリケーション信号、指紋スキャン、物理ボタン、呼気分析結果、年齢確認、顔認識、内部センサデータ、RFIDまたは装置内の消耗品および/またはWi-Fiによって通信される他の信号を含むソースからの2つ以上の同時入力または連続入力を有するマルチアクションロックアウトシステム、ここで、これらのデータの適切な入力が失敗した場合、装置の目標アクション、例えば、消耗品の加熱ひいてはエアロゾル生成物の生成、消耗品の排出、または内部温度が過度に高温である間のキャビティの破壊が意図的にロックアウトされること;のうちの1つもしくは複数を含むことができる。ヒータがまだ高温である間に装置が早期に開放されることによって消費者が熱傷を負うことを防止する安全措置を含めることができる。装置が開放されている間の電気的導通を防止することによる、電気ショックに対する安全措置も含まれうる。光表示部、触覚表示部、音響表示部、振動モータ、ブザーおよびこれらの任意の組み合わせを利用して、装置の種々の状態を示すことができ、装置が開放されているかまたは閉鎖されているか、またバッテリ容量などのような装置に関するバイタル情報をユーザに伝達することができる。
【0117】
図37および図38を参照すると、消耗品、例えば、図1の消耗品132および/または消耗品617は、凸形状を有する消耗品3600へと変更することができる。消耗品3600は、他の製品から区別される、当該凸形状の所望の機能に寄与する特定の幾何学形状特性およびトポロジ品質を有する。図39cを参照すると、本明細書で使用される場合、「凸状の消耗品」なる用語は、系C内の任意の要素を指す。C内の要素は、凸であることに加えて、中心のゼロの導関数によって連続的に微分可能であってよい。Cの他の要素は、1:2以下の厚さと幅との比を有する凸状であり、その多くは中心の近傍に最大値または最小値を獲得する。図37および図38に示されているように、消耗品3600は、特定の凸形状を有するが、凸形状の定義により、図39a~図39fに示されている数学的証明に準拠した、図示されていない任意の形状の解釈も可能である。図37を参照すると、消耗品3600の多軸凸状性は、図39a~図39fの計算によって数学的に定義することができ、ここで、セクション[36.1]は図37の参照番号1、セクション[36.2]は図37の参照番号2、セクション[36.3]は、図37の参照番号3によって識別される。図39a~図39fの計算に関しては、消耗品の特性を分析し、さらに、負荷のもとで気化中に装置と共に使用される消耗品の可鍛性および楕円性を最適化するために、統計的な機械的アプローチが使用される。対称型のヒータや伝熱システムとしてのバッフルも考察される。
【0118】
消耗品3600のこうした凸形状は、平坦な設計よりも望ましい。なぜなら、凸形状は、装置100,200,300,400,500,600のユーザにとって、消耗品3600を第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616内へローディングしやすいからである。また、消耗品3600の凸状性および前記消耗品内の粒子の配向により、第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616を閉鎖位置へと閉鎖することで、凸状の消耗品3600をより容易に圧縮して固定することができる。このような圧縮により、形成されうる望ましくない結晶を破壊することができる。これらの結晶は空気流を遮断する可能性があり、さらにこうした遮断によって消耗品の収率が低下する可能性もある。なお、消耗品3600が圧縮されると密度が増大し、これにより風味および味が強化され、エアロゾル成分(例えばニコチン収率)が増大し、よって、消費者の感覚体験が改善される。消耗品の凸形状により、消費者は、より容易にかつ直感的に触覚によって消耗品を装置にローディングすることができる。消耗品は使用直前に圧縮可能であり、これにより、消耗品を通過する空気流を妨げる静的な粒子結合が破壊される。消耗品の密度および最適化された空気流により、より新鮮でより強いタバコフレーバーに加え、より高い消耗品収率が得られる。粒子通過は、低温で生成され加熱されたタバコエアロゾルの副産物ではない。したがってフィルタは必要ないが、フィルタを使用することもできる。
【0119】
代替的に、消耗品132は、様々な形状およびサイズで形成することができる。図40図43の図示の実施形態では、消耗品3800は、図41に示されているように直交方向から見て、ほぼ直方体の形状を有する。消耗品3800は、対向する一対の主面3830および3832を有するが、各主面は他方の主面から離れる方向でほぼ凸状である。ただし、各主面は、少なくとも1つの方向において概ねプレーナの部分もしくは平坦な部分を含むことができる。消耗品3800はまた、概ね相互に平行な対向する2つの側縁3834と、概ね相互に平行であって側縁3834に対して概ね垂直な対向する2つの側縁3836とを有する。側縁3834は、直交方向から見て実質的に直線状であってよく、または凹状または凸状であってもよい。側縁3836は、直交方向から見て僅かに凹状の部分を有することができ、または直交方向から見て直線状または凸状であることができる。図41に示されている好ましい実施形態では、側縁3834,3836は、直交方向から見て直線状である。さらに、消耗品3800は、直行方向から見て直方体状である必要はないが、楕円状、長円状、円状などの別の形状を有することができる。図42および図43に示されている断面では、消耗品3800は、概ね楕円状または長円状または円形または長方形の形状を有することができる。
【0120】
消耗品3800は直方体状であり、その幅(側縁3836の最外部間で測定される)を超える長さ(側縁3834間で測定される)を有する。さらに、消耗品は、凹状であってもよい。
【0121】
消耗品3800は、消耗品材料の内部に1つもしくは複数のキャビティ、例えばキャビティ3822,3824を有することができる。第1のキャビティ3822および第2のキャビティ3824は幅方向で離間されている。キャビティ3822は有利にはキャビティ3824よりも大きい断面積を有するが、必ずしもそうでなくてもよい。断面において、キャビティ3822,3824は円形または非円形であることができる。図42に示されているように、キャビティ3822は、有利には、長径が消耗品3800の幅方向に延在しかつ短径が消耗品3800の高さ方向に延在する非円形(例えば楕円形または長円形)の形状を有する。キャビティ3822,3824には、液体3826または固体3828を充填することができる。固体は、以下に限定されるものではないが、タバコ、カプセル、セルロース材料、再構成タバコ、フレーバー付け材料およびこれらの任意の組み合わせを含みうる。キャビティ3822,3824は、消耗品材料のコア基板によって包囲された種々の基板によって充填することのできる1つもしくは複数のキャビティでありうる。
【0122】
消耗品3600,3800は、紙、タバコまたは植物性シート、金属またはゲルによって封入または包装することができる。ここでの包装材は、パーフォレーションを有するものであってよく、透過性または不透過性であってよい。消耗品の1つもしくは複数のキャビティ3822,3824は、カットタバコ、植物性物質、タバコ、麻、または植物性シート、医薬品、フレーバー付け物質、ペレットおよび/または液体を収容することができる。キャビティは、理想的なエアロゾル感覚または特定の用量レベルおよび/または製品組成を達成するために、液体を添加するフレキシビリティを提供する。消耗品3600,3800は、セルロース系材料、例えば、木質パルプ、タバコ繊維、ビート繊維、微結晶セルロース、植物性物質、以下に限定されるものではないがグリセリン、プロピレングリコール、他のグリコールなどおよびこれらの任意の混合物または他の形態のセルロースを含むエアロゾル化物質を含む固形物または半固形物を含有することもできる。
【0123】
装置100,200,300,400,500,600は、1つもしくは複数のエアポケットを有することができる。装置100は、図44においてハッチングされたエアポケット4200を有するように変更可能である。第1のヒータ128および第2のヒータ130は、コンベクションオーブンのような、閉鎖位置において消耗品132を保持する消耗品クレードルを形成する。エアポケット、例えばエアポケット4200は、空間的なエアポケット、換言すれば、少なくとも約1:1である、さらには約8:1以下である、エアポケットと消耗品クレードルとの容積比を有する。エアポケットの長さおよび幅の寸法は、実質的にかつ理想的には、消耗品クレードルの長さおよび幅の寸法に一致する。エアポケット4200は、クレードルの1つもしくは複数の側部に配置することができる。エアポケットの深さは、コンベクションオーブンエアポケットの容積と消耗品クレードルの容積との最適な比が達成されるように変化させることができ、これによりさらにエアロゾル内容物の収率および消費者の感覚体験が最大化される。エアポケットはバッフルを含むことができる。
【0124】
第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616は、それぞれ、磁石、突起および/またはスナップファスナを介して装置に取り付けることができる。スナップファスナは、衣類に見られるスナップと同様のものであってよい。これらは例えば円形、長円形、楕円形または他の形状であるが、好ましくは、正しい軸線方向位置に適合して、意図しないのに正しい軸線方向位置から回転してしまわないよう、長円形であることが望ましい。
【0125】
図45を参照すると、第1のヒータ128,228,328,428,528,615および/または第2のヒータ130,230,330,430,530,616は、プロングファスナ4302,4304を有する変更されたヒータ4300へと変更されている。第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616は、オプションとしてそれぞれ相互に同一のもしくは鏡像の(すなわち対称性において逆の)形状で共生的に形成可能であり、これにより、(1)第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616のヒータ深さを表している各側部が閉鎖時に組み合う設計溝を有し、(2)第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616は、選択されたプラグイン位置またはスナップファスナ位置にかかわらず適合して同様に動作を行う。このことは、消費者またはユーザが装置100,200,300,400,500,600内の各ヒータをインストールする場所を誤って選択することを心配しなくてよいことを意味する。代替的に、ヒータは異なっていてもよい。キャビティ面(天井または床)とヒータとが一体部品である場合、これらを一緒に除去することができ、さらにキャビティ面への粒子の溢れが除去され、場合により当該面を洗浄する必要性が排除される。
【0126】
ほとんどの装置は、消耗品、消費者の選択または技術インタフェースに基づいて温度を決定する。装置100,200,300,400,500,600の伝導される電流エネルギは、使用されるヒータ、例えば第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616または消耗品、例えば消耗品132にかかわらず一定である。装置100,200,300,400,500,600のヒータ設計は、代わりに、ヒータ温度を決定する電流の測定を使用する。ヒータ、例えば第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616は、140~300℃の温度範囲、より好ましくは約160~240℃の温度範囲、理想的には約200~220℃の温度範囲を有することができる。例えば、温度は、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃または240℃であることができる。こうした特徴によって、さらに、温度設定を正確に調整するために必要とされる複雑な電子回路および/または温度計を組み込む必要性を排除することができる。したがって、本開示により、人為的エラーおよび/または技術的エラーのリスクおよび関連製品の安全性リスクが低減される。代替的に、装置100,200,300,400,500,600に伝導される電流エネルギは、使用されるヒータおよび消耗品にかかわらず一定ではない、それぞれ異なるコンフィグレーションによって提供することもできる。
【0127】
図46図51は、それぞれ異なるサイズの消耗品に対応する能力を比較するための、第1のヒータ128,228,328,428,528,615および/または第2のヒータ130,230,330,430,530,616に対して付加的なヒータの種々のオプションである。装置100,200,300,400,500,600は、それぞれ異なる形状および/またはサイズを有することができる消耗品、例えば消耗品132,617,3600,3800を加熱することのできるそれぞれ異なる形状および/またはサイズを有するそれぞれ異なるヒータ、例えばヒータ6400、ヒータ6500およびヒータ6600を有することができる。これらのそれぞれ異なるヒータ、例えば、ヒータ6400、ヒータ6500およびヒータ6600ならびにそれぞれ異なる形状およびサイズを有する消耗品により、それぞれ異なる特性を有するエアロゾルの消費が可能となる。特に、装置100,200,300,400,500,600は、選択された化合物が効率的に抽出されるように適切な量の熱をエアロゾル生成消耗品に伝達するエアロゾル生成装置内で使用される、交換可能であって選択的にコンフィグレーションされる加熱エレメントのシステムを有することができ、これらの加熱エレメントの形状、設計および配置は、消耗品の形状、設計および配置に関して変化させることができ、これにより、1)消耗品の形状およびサイズの複数のオプションに対して同モデルの装置の互換性が得られ;2)装置内での消耗品の使用可能性が所定の時点で装置内に存在する加熱エレメントのタイプによって決定され;3)各加熱エレメントの形状が、内側ゾーン、外側ゾーンおよび装置接続ゾーンを含む3つの機能ゾーンが得られるように定められ;4)各加熱エレメントの装置接続ゾーンの形状が、交換可能性のために、加熱エレメントの全ての異なるコンフィグレーションの間で同一とされ;5)パートナであるもしくは対を成す加熱エレメントが、特定の加熱品質とそれぞれの適切なサイズの消耗品のための幾何学形状固有のクレードルとを提供するために、特に成形および配合される。
【0128】
加熱エレメントの機能は、特定の消耗品のサブタイプにとって理想的なコンフィグレーションタイプにかかわらず、次の指針および特性、すなわち、1)加熱エレメントの全てが電気抵抗によって熱を発生させ、加熱エレメントの抵抗が、以下に限定されるものではないが、螺旋状、蛇行状、格子状および/またはメッシュ状を含む任意の材料コンフィグレーションの組み合わせによって決定可能であること;2)装置によって消耗品に適用される温度が、加熱エレメントの電気抵抗のみによって、または加熱エレメントの電気抵抗と装置からの離散的な電圧の設定との組み合わせによって、ただし装置からの離散的な電圧の選択のみからでなく、決定されること;3)各加熱エレメントが(コンフィグレーションタイプにかかわらず)、以下に限定されるものではないが銅、ステンレス鋼またはグラフェンを含む少なくとも1つの導電性材料またはこれらの組み合わせから成っていなければならないこと;4)各加熱エレメントの外側ゾーンが、場合により電気的絶縁材料を含むことができるかまたは電気的絶縁材料によって被覆することができること;によって保証される。
【0129】
名目上の燃焼副産物を伴う消耗品エアロゾルを生成するために熱を適用する吸入デバイスは、さらに、以下のように説明可能である。
【0130】
当該装置は、吸入デバイス内の一時的なもしくは持続的なキャビティ内に個々にローディングされた消耗品からエアロゾルを生成する。ここでのキャビティには2つ以上の加熱エレメントが封入されており、これらの加熱エレメントは導電性であってよく、消耗品を包囲しておりかつ閉鎖時にこの消耗品を圧縮することができ、これにより「静的な」粒子結合を最小化して、空気流を改善する。ヒータは、特定の消耗品基板の温度を設定すると共にHPHCを最小化するように設計されている。この点で、ヒータおよび圧縮されたより稠密な消耗品基板は、エアロゾルの品質および収率が最大化される共生的関係を生成するように設計される。ヒータはリサイクル可能であってよい。使用済み消耗品は、名目上のESG影響を有する。これらは、キャビティからの挿入および除去によって個別に交換することができる。加えて、エアロゾルは名目上の危険因子を伴って生成される。
【0131】
実施形態の設計にかかわらず、キャビティは、各ヒータと外部環境との間のバリアによって形成される。ヒータは、消耗品を保持するクレードルを形成する。装置のキャビティが閉鎖位置にあるとき、1つもしくは複数のエアポケットが加熱エレメントを取り囲む。消耗品は、複数の形態であってよく、またエアロゾル形成成分を含有しうる。また、消耗品自体が種々の基板で充填された1つもしくは複数の内部キャビティを含むこともできる。
【0132】
可変電流を使用する代わりに、ヒータ設計により、定電流からキャビティ温度が決定される。当該アプローチにより、人為的なかつ/または技術的な適用誤りによる温度調整のリスクが排除される。加熱エレメントは、消耗品の表面領域にわたって一貫して均一に熱を伝導および放射するように配置されている。エレメント自体は、消費者のインストールの混乱またはエラーを低減するために、鏡像の(逆の)もしくは同一の交換可能な部品であってよい。最終的に、これらは容易に充電部にスナップ固定されてよく、危険で面倒な突起を用いたプラグインが排除される。包装材の絶縁係数に依存して、予想される加熱時間は2秒未満でありうる。代替的に、装置100,200,300,400,500,600は、第1のヒータ128,228,328,428,528,615および第2のヒータ130,230,330,430,530,616のために可変電流を使用することもできる。
【0133】
本開示の吸入デバイスには、従来の吸入器から区別される、(1)(内臓ヒータの有無にかかわらず)消耗品カートリッジの環境廃棄物の排除、(2)種々の基板を保持できる内部キャビティに結合された凸形状を有する消耗品、(3)消耗品を保持するための、独自に定義された「コンベクションオーブン」型のキャビティコンフィグレーション、および(4)特定の消耗品に対して特に設計および構成された加熱エレメントのペアリング;を含む新規な特徴を組み込むことができる。従来の吸入器は、(1)カートリッジまたはシガレット状のスティックが吸入器に持続的に取り付けられたヒータに取り付けられるかもしくは挿入されるもの、または(2)加熱エレメントが、吸入器に取り付けられているかまたは挿入されているカートリッジまたはシガレット状のスティック内に存在するもの、という2つの基本的なタイプを有することに留意されたい。前者は消耗品のエアロゾル品質を最適化するためにヒータの定期的な洗浄を要し、これが過度に困難であれば、消費者が装置を早期に廃棄して環境廃棄物および追加の消費者交換コストを生じさせる可能性がある。後者の場合、各内蔵ヒータが使用済み消耗品と共に廃棄されることが意図されており、ここでも廃棄物および屑を生じさせることにつながる。本開示の装置により、別個のカートリッジを排除することでこれらの悪影響が克服される一方、ヒータおよび消耗品の双方が挿入および除去により個別に交換可能となり、さらにそれぞれ潜在的にリサイクル可能であって潜在的に生分解性となる。
【0134】
有利には、凸形状の消耗品により、消耗品の断面積もしくは厚さに対する消耗品の加熱される表面積が最大化される。消耗品はヒータが閉鎖されると圧縮可能となり、これにより「静的な」粒子結合が最小化され、空気流が改善される。消耗品の凸形状により、消費者は消耗品をより容易にかつ直感的に装置内へとローディングすることができる。
【0135】
本開示の別の利点は、ヒータが、エアポケットの間に、閉鎖位置において「コンベクションオーブン」を形成する消耗品クレードルを形成することを含む。エアポケットの長さおよび幅の寸法は、実質的にかつ理想的には、消耗品クレードルの長さおよび幅の寸法に一致する。エアポケットの深さは、エアロゾル内容物の収率および消費者の感覚体験を最大化するために、エアポケットの容積と消耗品クレードルの容積との最適な比が得られるように変化させることができる。
【0136】
本開示の装置のさらなる利点は、消耗品の形状、設計および配置に対してそれぞれ異なる形状、設計および配置を有する加熱エレメントを収容できることである。これにより、それぞれ異なる加熱温度を有する消耗品を消費することができる。特に、装置は、適切な量の熱を消耗品に伝達する、交換可能であって選択的に構成された加熱エレメントのシステムを利用しており、これにより、選択された化合物がエアロゾルとして効率的に抽出される。消耗品の配合およびサイズの複数のオプションは、同モデルにおいて、適切な特定の消耗品に対して最適な加熱条件および周囲条件を提供するように特別に配合され構成されたパートナとしてのまたはペアリングされた加熱エレメントとの互換性を有する。
【0137】
本開示の装置は、エアロゾルを生成するための別個のカートリッジを必要とすることなく、加熱装置(産業における加熱タバコ製品[HTP]または非加熱燃焼[HNB]製品として知られる)内でエアロゾルを生成する。
【0138】
エアロゾルを生成する従来のHTP装置は、一般に、シガレットに類似した形状の消耗品またはエアロゾル生成配合物を含有する別個のカートリッジのいずれかを使用している。別個のカートリッジが存在する場合、消耗品は一般的に内蔵ヒータを含む。これらの従来の装置のヒータは、消耗品内に隠れているかまたは消耗品に取り付けられており、消耗品が使い古されると廃棄されることが意図されており、このため廃棄物および屑が生じる。HTP消耗品はシガレットに類似した外見を有しており、消耗品が消費されても消耗品コンフィグレーションの全体が残り、過剰な屑および高い製品コストが生じる。
【0139】
幾つかのHTP装置は、装置に持続的に固定されたヒータを有する。これらの持続的に固定されたヒータは、装置からエアロゾルを最適に生成するために洗浄されなければならない。洗浄プロセスが過度に困難である場合、消費者は苛々したり不快を覚えたりして装置全体を早期に廃棄してしまいかねず、これにより使用可能期間が浪費され、過剰な環境廃棄物および不必要な消費者交換コストの双方を生じさせる可能性がある。
【0140】
本開示の装置は、次のような製品属性のうちの幾つかを利用する他のHTP装置における上述した欠点のうちの1つもしくは複数を克服し、軽減し、かつ/または緩和する。
【0141】
本開示の装置の消耗品は、再構成タバコから製造された、凸形状のピロー、ペレットまたはウェハである。後続の製品のために、本明細書で説明しているように、他のハーブまたは植物および/または合成物(例えば医薬品)および他の成分から消耗品を製造することもできる。消耗品はさらに、グリセリン、プロピレングリコールなどのエアロゾル形成成分および前述した他の成分を含む。ここでの消耗品はヒータを有しないため、より環境に配慮した、消費者にとってより経済的なものとなっている。
【0142】
本開示の装置は、装置の端部におけるキャビティに配置された2つの加熱エレメントを有する。これらのヒータは、消耗品の表面にわたって熱を一貫して均一に伝導し放射するために、消耗品を包囲し、取り囲んでいる。これにより、生成物収率が最大化され、最小限のエネルギ消費によってエアロゾルが生成される。ここでのキャビティによれば、(i)消耗品の挿入および除去、ならびに(ii)装置の加熱エレメントの交換が個別に可能となる。こうしたコンフィグレーションにより、ユーザは、新たなヒータを装置に容易に挿入し、その後の使用のために「古い」ヒータを洗浄するかつ/またはリサイクルすることができる。
【0143】
本開示の装置はさらに、加熱装置の動作中およびメンテナンス中、熱傷または電気ショックからユーザを保護する安全措置を提供する。製品は、付加的に、装置が開放されているかまたは閉鎖されているかに関する装置の種々の状態およびバッテリ容量を示す光表示部および触覚表示部を有する。
【0144】
本開示の装置は、(1)2つの加熱エレメント、(2)装置端部のキャビティ、(3)キャビティからの消耗品の挿入および除去を可能にする方法または機構、(4)キャビティ内の加熱エレメントの交換を可能にする方法または機構、(5)消費者の熱傷防止方法、ならびに(6)消耗品に応じて異なるヒータを使用する方法、によって動作する、吸入可能なエアロゾルを生成するHTP装置である。当該装置は、再充電可能である。
【0145】
一実施形態による消耗品は、(1)凸状の直方体状の消耗品であって、(2)再構成タバコから形成されており、(3)グリセリン、プロピレングリコールなどのエアロゾル発生成分を含有する、消耗品である。凸形状により、消費者にとってヒータクレードルへのローディングが容易になる。なお、消耗品は、装置が挿入された後に閉鎖されたとき、十分に柔軟に圧縮されうる。これにより、より多量の消耗品がヒータと接触し、これにより、消耗品がいっそう均一に加熱される。本方法により、最小限のエネルギで、エアロゾルおよび生成物の収率が100%まで最大化される。消耗品は、複数の味覚プロファイルで利用可能である。消耗品は、湿分の変化を防止するために、ブリスタによってパッケージングされる。
【0146】
一実施形態における装置(「装置200」)は「ゲータ」とラベル付けされる。当該装置は、オンオフスイッチを有し、このオンオフスイッチは、装置を操作不能にするボタン215でありうる。これは、製品が意図されずにオンとなることがないことを保証し、装置を作動させるための副次的な方法を提供するために有用である。装置をオンにするために、ユーザはオンオフスイッチを「オン」位置へ移行させ、作動ボタン215を押圧して3秒間保持しなければならない。装置が作動されると、ユーザは僅かな振動を感じ、作動ボタンの周囲の光表示部が白色光で照明される。装置に問題(例えば、キャビティが開放されているなど)がある場合には、作動ボタンの周囲の光表示部が赤くなる。当該装置は、バッテリ充電レベルを示すための5つの小さな白色LED灯207を有する。バッテリが完全に充電されている場合、5つの白色光全てが照明される。バッテリの充電が低下すると、照明される灯の数が減少する。これらの灯は、装置が充電されている間、白色にて点滅する。装置200は、取り外し可能なマウスピース204を有する。マウスピースには、キャビティからマウスピースへのエアロゾルの流れを可能にするチューブが取り付けられている。チューブは使い捨て可能であることが意図されており、追加のチューブが消費者に提供される。マウスピース204は3つの開口206を有する。ユーザは、開口206を通して装置200内で生成されたエアロゾルを吸入することができる。当該装置は、フィルタを備えたものとしても使用可能であるものの、粒子を通過させることなく吸入可能なエアロゾルを生成すると考えられるため、フィルタは必須ではない。
【0147】
ユーザは、装置200を閉鎖位置と全開放位置との間で移行させることができる。開放位置では、消耗品132、第1のヒータ228および第2のヒータ230を除去および交換することができる。装置200を閉鎖位置から開放位置へ移行させるために、ユーザは、ヒンジ式下方部分210およびヒンジ式上方部分211を開放させるためのアクションをトリガする。当該装置は、電磁ロックにより閉鎖されている。装置は、2つの開放位置、すなわち、消耗品(図示せず)の除去および挿入のための部分的に開放された位置および装置の清掃もしくはメンテナンスのための完全に開放された位置を有する。こうした位置により、消費者はヒータを容易に交換することもできる。
【0148】
装置200は、電磁ロックを介して熱傷防止を提供する。キャビティの電磁ロックを制御するための1つもしくは複数の制御システムが含まれる。当該制御システムは、装置のオンモードもしくはオフモードを監視する。装置が「オン」位置または「オフ」位置にあり、非作動状態となった後に指定された時間が経過している場合、電磁ロックはキャビティの開放を許可しない。このことは、キャビティ内の高温のヒータにより消費者が熱傷を負わないことを保証する。加えて、装置の外側部分はキャビティ内の熱から絶縁されている。ここでの絶縁材は、空気、絶縁材料、例えばガラスファイバもしくは他の高耐熱材料または他の任意の非熱伝導性材料であってよい。
【0149】
各加熱エレメントは、エレメントの材料特性、断面積および経路長さに直接に関連する特定の電気抵抗を介して熱を発生させることができる。ヒータは、140℃~300℃の温度範囲、より好ましくは160℃~240℃の温度範囲、理想的には200℃~220℃の温度範囲を有することができる。ヒータは、突起、スナップまたは磁石によって装置に取り付けることができる。ヒータは、交換時にどのようにヒータを配置すべきかについて消費者を混乱させないよう、同一のもしくは鏡像の(すなわち逆の)形状を有する。第1のヒータ228および/または第2のヒータ230に対して付加的な種々のヒータのオプションを利用可能である。代替のヒータは、種々の消耗品サイズへの対応のために、またはそれぞれ異なる熱プロファイルを要するそれぞれ異なる材料から製造された消耗品への対応のために利用可能である。
【0150】
本開示を1つもしくは複数の例示的な実施形態を参照して説明してきたが、当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、またそれぞれの要素を等価物で置き換えられることが理解されるであろう。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適応化するための多くの変更を行うことができる。したがって、本開示は、本明細書に開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の公正な解釈の範囲に該当する全ての態様を含むことが意図されている。
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【国際調査報告】