(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】作業プラットフォームを伴う養魚場
(51)【国際特許分類】
A01K 61/60 20170101AFI20241106BHJP
A01K 61/65 20170101ALI20241106BHJP
【FI】
A01K61/60 323
A01K61/60 321
A01K61/65
A01K61/60 324
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024550771
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2022082963
(87)【国際公開番号】W WO2023094440
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524193897
【氏名又は名称】ウエストコン・ヤーズ・アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】マトレ,アルネ
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104CC07
2B104CC26
2B104CG13
(57)【要約】
本発明は、1つまたは複数の閉鎖網ケージ(2)と、サービスユニット(S)とを備えるモジュール式沖合養魚場(1)に関し、各閉鎖網ケージは、水域(W)で浮遊するように構成されている浮揚体(3)に支持されており、各閉鎖網ケージは、浮揚体に対して水域で垂直に移動するように構成されており、各浮揚体は、いくつかの浮揚要素を含み、各浮揚体は、隣接する浮揚体に接続するための接続手段を含み、浮揚体は、閉鎖網ケージ間に作業プラットフォームを設け、各閉鎖網ケージは、抑制装置(10)を含む。
【選択図】
図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の閉鎖網ケージ(2)と、
サービスユニット(S)と
を備え、
各閉鎖網ケージ(2)が、水域(W)で浮遊するように構成されている浮揚体(3)に支持されている、
モジュール式沖合養魚場(1)において、
各閉鎖網ケージ(2)が、前記閉鎖網ケージ(2)の浮力を変更することによって、前記浮揚体(3)に対して水域(W)で垂直に移動するように構成されており、
各閉鎖網ケージが、前記閉鎖網ケージ内に垂直に配置されている中心柱を含み、
各閉鎖網ケージ(2)が、抑制装置(10)を含み、
前記抑制装置(10)が、前記垂直に配置されている中心柱に沿って移動可能に配置されている
ことを特徴とする、モジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項2】
前記抑制装置(10)が、
内部中心リング(12)と外部リング(13)との間に延在する複数のリブ(11)と、
2つの隣接するリブ(11)間に延在する網(14)と
を含み、
前記網(14)が、前記網(14)の複数のメッシュを魚が通過するように構成されており、
前記網(14)が、開口部(O)を設けるように半径方向内側へ移動可能であるように構成されており、
前記内部中心リング(12)が、前記垂直に配置されている中心柱に沿って移動するように構成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項3】
前記リブ(11)の各々が、少なくとも1つのロープまたはワイヤ等を備えており、2つの隣接するリブ(11)が、前記網(14)を前記内部中心リング(12)と前記外部リング(13)との間で移動させるための、前記網(14)のための調整システムを形成することを特徴とする、請求項2に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項4】
前記網(14)が、その長手方向長さの少なくとも一部にわたって、水および空気不浸透性であることを特徴とする、請求項2または3に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項5】
前記外部リング(13)の外部周縁部が、洗浄手段(15)を備えていることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項6】
前記内部中心リング(12)の内部周縁部および/または前記リブ(11)の下側が、洗浄手段(15)を備えていることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項7】
前記洗浄手段(15)が、スクレーパーまたはブラシ等を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項8】
前記抑制装置(10)が、回転システムを通じて、前記閉鎖網ケージ(2)に設けられている中心柱を中心に回転させられるように配置されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項9】
前記中心柱が、前記中心柱の長手方向長さに沿って設けられている複数の調整可能な開口部および/または空気ノズルを備えており、前記複数の調整可能な開口部および/または空気ノズルが、1つまたは複数のパイプまたはホース等を通して酸素供給システムに接続されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項10】
ウインチシステムが、前記内部中心リング(12)および前記外部リング(13)の各々に接続されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項11】
前記サービスユニット(S)が、建物または異なる機器等を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項12】
各閉鎖網ケージ(2)が金属または複合材料から作製されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項13】
前記浮揚要素(4)の各々が、コンクリートまたは金属から作製されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項14】
魚を輸送するための少なくとも1つのシュート(7)、ダクト、またはチャネル
を備え、
前記閉鎖網ケージ(2)が、閉鎖可能な開口部であって、開位置にあるときに、魚を前記閉鎖網ケージ(2)から前記シュート(7)を経由して、船(V)または別の閉鎖網ケージ(2)に誘導するように適合されている閉鎖可能な開口部を伴って配置されている
ことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項15】
各閉鎖網ケージ(2)および浮揚体(3)が、誘導および係止システムを含むことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項16】
前記誘導および係止システムが、各閉鎖網ケージ(2)の外部円周の周りに配置されている複数の垂直に間隔を空けられたビーム(18)またはレール等を含み、各ビーム(18)またはレール等が、その長さに沿って複数の貫通穴(19)を備えており、対応する複数の垂直に延在する溝(20)またはスリットが、各浮揚体(3)の内側の周りに設けられており、係止ユニット(21)が、前記浮揚体(3)の上部端部および下部端部の両方の近傍で、前記垂直に延在する溝(20)またはスリットに配置されていることを特徴とする、請求項15に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項17】
前記抑制装置(10)が、前記閉鎖網ケージ(2)の前記上部縁部の近傍で最上部位置にあるときに下方に面する位置をとり、
前記抑制装置(10)が、前記閉鎖網ケージ(2)において最も低い位置にあるときに上方に面する位置をとる
ことを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、沖合養魚場に関し、より詳細には、いくつかの閉鎖網ケージと対応する浮揚体とを備えるモジュール式沖合養魚場に関する。
【背景技術】
【0002】
水産養殖は、急成長中の世界的な産業である。従来の漁業は、劇的に衰退しており、将来必要とされる海産食品は、かなり大幅に、水産養殖によって生産されなければならない。
【0003】
しかしながら、近年、この産業が向き合うべきより多くの困難が生じてきた。サケ亜目の養殖の場合、このことはとりわけ、サケジラミのような甲殻類の寄生虫に感染した魚の治療、浮遊養殖ケージからの魚の脱走、ウイルスによる疾患、バクテリアおよび寄生虫、野生の個体群のサケ亜目のいわゆる「遺伝子汚染」、およびケージから受容体への廃棄物の放出に関する。これらの困難は、特に、水の貫流を可能にする従来の浮遊ケージにおける魚の養殖に関する。そのような開放ケージは、特に魚用の閉鎖囲いを形成し、かつ周りの浮力システムによって浮かんだ状態に保たれる網によって構成されている。
【0004】
閉鎖養殖ケージは、当分野内で既知である。これらは、魚などの水生生物用の閉鎖囲いを形成する目の詰んだ織物材料で形成されている。水の交換率が、ケージ内の水において最低酸素レベルを維持するために十分であることを確実にするため、ケージの内側の水面がケージ外側の水面よりも高くなるように多くの水をポンプで送り込むことが一般的である。それによって、ケージ内の圧力は周囲圧力よりも高く、水は、形成された開口部を通ってケージから外に流れることになる。これにより、閉鎖ケージの浮力システムは、同じサイズの開放ケージの浮力システムよりも大きな力を受けることになる。浮力システムの浮力は、ケージの実際の織物または網を浮かんだ状態に保つことに加えて、周りの水の水面よりも上にあるケージ内に水量を保持するように寸法決めされなければならい。この水は、相当な質量を構成する。さらにこの水は、波動が実質的に妨げられずに浮力システムを通過してケージに入る開放ケージにおいてよりも、浮力システムに対する波の影響を大きくする慣性モーメントを有する。
【0005】
他者は、保護されていない海域用の別の剛性のある半潜水型海洋掘削養魚場を提案しており、これは、垂直および斜めのブラケットによって接続されている2つのブイを含む。養魚場のケージは、水面近傍での大きな波浪負荷を回避するために完全に海に沈んでおり、水中の空気袋が、空気を提供するように設計されている。この概念は、従来の重力ケージを使用し、この重力ケージは、容積を維持するために底部バラストに載っていることに留意されたい。そのようなケージは、保護されている区域でよりも保護されていない区域で、高速の水流におけるより大きな変形に遭う。これは、魚の健康を脅かす恐れがある。さらに、水中の空気袋の使用による困難もある。
【0006】
ボート状の養魚場もまた提案されており、ボート状の養魚場は、風向計として働く一点係留システムを有する。養魚場は、頭部構造の周りで様々な環境方向に回転し得る。そのようなシステムは、魚資源の消費の速度を増加させ、感染の可能性を低減することができる。しかしながら提案された概念は、以下の困難に直面する。このボート状の養魚場では、風向計システムが、大部分の環境条件においてシステムを水流および波の方向に向かって方向付けることを可能にするので、多数のケージがボート状の養魚場において互いに隣接する列に、すなわち小さな距離で配置されることが理由となり、下流のケージは、上流のケージよりも少ない水交換を受ける。したがって、下流のケージの溶解酸素レベルは、上流のケージでよりも低くなり、廃棄物量が増加し、このことは、魚の健康に深刻な影響を与える場合がある。水交換を改善するために、漁場を水流に対してある角度で方向付けするための動的な位置付けシステムが提案されているが、これは、エネルギー消費、ならびに運用費および整備費を著しく増加させる。
【0007】
このようにして、現在のところ、海洋養魚場、特に深海および遠洋における養魚場の新たな構造が絶えず出現している。しかしながら、新たな各養魚場システムは通常、例を挙げるだけでも、近海使用であること、建築費および整備費が高額であること、ならびに環境に優しくないことなど、それら自体の課題および/または困難を伴ってくる。
【0008】
NO338238B1は、円形形状の網ケージ用のモジュール式浮力システムを構築するための浮力要素に関し、浮力要素は、ケージ側部、逆側の長い直線側部、およびケージ側部と長い直線側部との間の連結側部を含み、ケージ側部は、網ケージの周縁部に続いて湾曲している。
【0009】
WO97/38573A1は、魚および甲殻類などの水生動物を育てるための水産養殖システムに関し、剛性のある壁付の浮遊タンクが水域に位置付けられており、タンクの外部の水域に位置付けられている浮遊ポンプ組立体によって、タンクに水の容積が与えられる。ポンプ組立体の入口は、移動可能であり、水域の所望の場所および深さに位置付けられることができ、そうして表面汚染物がなく選択された温度にある清潔な水が、タンクに与えられる。タンクへの新たな水の導入は、タンクから水の容積を押しのけ排出し、それによって、タンクに酸素源を補充し、アンモニアなどの固体廃棄物を取り除く。追加の酸素は、酸素拡散器によって異なる場所で水の中に注入され得る。
【0010】
NO344466B1は、水域で浮遊するように構成されている浮揚体に支持されているケージを含む浮遊魚養殖プラントに関する。養殖プラントは、浮揚体とケージとの間に配置されており、かつケージを、浮揚体の高さまたはより下の位置と、ケージの少なくとも一部分が浮揚体よりも上にある位置との間で移動させるように構成されている持上部分をさらに含む。ケージは、ケージの底部部分を形成する下部区画を少なくとも含み、前記下部区画は、弾性材料からなり、および/または中央区画に弾性的に接続されている壁を有する。これにより、下部区画と接合区画との間の動力の伝達が低減される。組立体は、複数の魚養殖プラントを備える。
【0011】
このようにして、今日の魚漁業養殖場に対する代替案、または少なくとも養魚場への補足の解決策の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】NO338238B1
【特許文献2】WO97/38573A1
【特許文献3】NO344466B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを除去もしくは低減し、または従来技術に対する有用な代替案を少なくとも提供することである。
【0014】
本発明の目的は、構造的な観点からシンプルかつ堅牢であり、特に強烈な波のうねりがある外洋域に曝されることを含めた様々な気候条件下で、崩壊の危険性なく使用され得るモジュール式沖合養魚場を提供することである。
【0015】
別の目的は、海で取り扱うことがより容易であるモジュール式沖合養魚場を提供することである。
【0016】
別の目的は、シラミの蔓延または藻類ブルーム等などの望ましくない環境の事態から、魚を守ることができるモジュール式沖合養魚場を提供することである。
【0017】
さらに別の目的は、各場所に適合されることができるモジュール式沖合養魚場を提供することである。
【0018】
これらの目的は、本発明に従って、独立請求項1において定義されるいくつかの網ケージおよび対応する浮揚体を備えるモジュール式沖合養魚場によって達成される。本発明のさらなる実施形態は、従属請求項において定義される。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、モジュール式沖合養魚場に関し、モジュール式沖合養魚場は、いくつかの閉鎖網ケージを備え、各閉鎖網ケージは、水域で浮遊するように構成されている浮揚体に支持されており、各閉鎖網ケージは、閉鎖網ケージの浮力を変更することによって、浮揚体に対して水域で垂直に移動するように構成されており、各閉鎖網ケージは、閉鎖網ケージ内に垂直に配置されている中心柱を含み、各閉鎖網ケージは、抑制装置を含み、抑制装置は、垂直に配置されている中心柱に沿って移動可能に配置されている。
【0020】
1つの態様において、各浮揚体は、いくつかの浮揚要素を含む。1つの態様において、各浮揚体は、隣接する浮揚体に接続するための接続手段を含む。1つの態様において、各浮揚体は、閉鎖網ケージ間に作業プラットフォームを設ける。
【0021】
1つの態様によれば、抑制装置は、内部中心リングと外部リングとの間に延在するいくつかのリブと、2つの隣接するリブ間に延在する網とを含み、網は、網の複数のメッシュを魚が通過するように構成されており、網は、開口部を設けるように半径方向内側へ移動可能であるように構成されており、内部中心リングが、垂直に配置されている中心柱に沿って移動するように構成されている。
【0022】
1つの態様において、垂直に配置されている中心柱に沿って抑制装置を移動させるとき、魚は、サイズに従って選別され得、より小さな魚は、網を通過することが可能である。
【0023】
1つの態様において、網のメッシュサイズは、最も大きな魚から分けられるべき魚のサイズに従って選ばれる。
【0024】
1つの実施形態において、モジュール式沖合養魚場は、サービスバージまたはサービスユニット等を備え得、サービスバージまたはサービスユニットは、モジュール式養魚場においてなされるべき異なることを実行および/または支援するために、浮揚体の浮揚要素のうちの1つまたは複数に接続され得る。1つの態様によれば、次いでサービスバージは、例えば、居住区などの建物、ポンプ、魚の食物用のサイロ、整備機器、洗浄機器、または酸素供給システム等などの異なる機器を装備し得る。
【0025】
モジュール式沖合養魚場の各閉鎖網ケージは、例えば、金属、複合材料、またはこれらの組合せから作製され得る。
【0026】
1つの実施形態によれば、浮揚要素は、溶接および/またはボルトによって互いに接続され得る。さらに各浮揚要素は、隣接する浮揚要素に面する一方の側に舌部を備え得、浮揚要素の逆側は溝を備え得る。浮揚要素の舌部を備えている側に面する隣接する浮揚要素は、次いでこの側に、舌部に対応する形態を有する溝を備え得、一方で浮揚要素の逆側は、続く浮揚要素の舌部と接続される溝を備え得る。
【0027】
1つの態様によれば、1つの浮揚体のいくつかの浮揚要素のうちの少なくとも1つは、バラストおよびデバラストシステムを備え得、そのようなシステムは、水域の所望の位置に浮揚体を位置付けるために使用され得る。さらに、1つの浮揚体のいくつかの浮揚要素のうちの少なくとも1つは、水用の1つまたは複数の入口および1つまたは複数の出口、ポンプ、ならびにフィルタなどについての、パイプまたは導管構成を備え得る。
【0028】
1つの実施形態によれば、浮揚体のいくつかの浮揚要素は、コンクリートまたは金属から作製され得る。しかしながら、浮揚要素が、複合材料などの他の材料から作製され、または材料の組合せから作製される可能性があることを想定されたい。さらに、浮揚要素が、異なる材料から作製される可能性があることを想定されたい。1つの態様によれば、閉鎖網ケージは、閉鎖網ケージの底部領域に、固体廃棄物すなわち飼料および糞便を集めることができる区間を作るために、円錐形底部表面を備えるように作成されることができる。各閉鎖網ケージの円錐形底部表面はさらに、固体廃棄物を閉鎖網ケージから洗浄システムに輸送するために、ホースまたはパイプ等を通してポンプ供給システムに接続されることができる。そのような洗浄システムは、例えば、サービスバージに配置され得る。
【0029】
1つの実施形態によれば、モジュール式養魚場はまた、シュート、ダクト、またはチャネル等を備え得、シュート、ダクト、またはチャネルは、魚を閉鎖網ケージから船等に輸送するために使用され得る。そして、シュート、ダクト、またはチャネル等は、浮揚体の1つの浮揚要素に適切に接続され、下方に傾斜するように配置され得る。この構成によれば、閉鎖網ケージは、閉鎖可能な開口部を伴って配置され得る。閉鎖網ケージにおいて魚が収集されているとき、閉鎖可能な開口部は開けられることができ、魚は、閉鎖網ケージから、シュート、ダクト、またはチャネル等を通して、船または別の閉鎖網ケージの中に誘導される。
【0030】
1つの実施形態によれば、各浮揚体は、水域において浮揚体および/または閉鎖網ケージを正しく位置付けることができるように、バラストおよびデバラストシステムを備え得る。
【0031】
モジュール式沖合養魚場はまた、酸素を豊富に含む海水を各閉鎖網ケージに支給するポンプ供給システムを備える。
【0032】
1つの態様において、抑制装置は、閉鎖網ケージの上部縁部の近傍で最上部位置にあるときに下方に面する位置をとり、抑制装置は、閉鎖網ケージにおいて最も低い位置にあるときに上方に面する位置をとる。
【0033】
本発明の他の利点および特徴は、以下の詳細な説明、添付の図面、および添付の特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】いくつかの浮揚体が養魚場を形成するように接続されている、本発明によるモジュール式沖合養魚場の第1の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図2】いくつかの閉鎖網ケージが浮揚体に配置されている、
図1によるモジュール式沖合養魚場を示す図である。
【
図3】運用位置にある閉鎖網ケージを示す図である。
【
図4】魚が1つの閉鎖網ケージからモジュール式沖合養魚場に接続されている船に出される位置にある、
図3の網ケージを示す図である。
【
図5】輸送および整備位置にある
図3の閉鎖網ケージを示す図である。
【
図6A】
図1によるモジュール式沖合養魚場の代替の例示的な実施形態を示し、沖合養魚場を斜視図で示す図である。
【
図6B】
図1によるモジュール式沖合養魚場の代替の例示的な実施形態を示し、沖合養魚場を上から示す図である。
【
図7A】本発明による魚用の抑制装置を示し、閉鎖網ケージの上部位置に配置されている抑制装置を示す図である。
【
図7B】本発明による魚用の抑制装置を示し、この上部位置にある抑制装置が、閉鎖網ケージから、チャネルまたはシュート等を通して、閉鎖網ケージに係留されている船に魚を出すために使用されている様子を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、モジュール式沖合養魚場の魚タンク内の異なる位置に配置されている抑制装置を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、モジュール式沖合養魚場の魚タンク内の異なる位置に配置されている抑制装置を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、抑制装置をより詳細に示し、最上部位置にある抑制装置を示す図である。
【
図9B】
図9Bは、抑制装置をより詳細に示し、最も低い位置にある抑制装置を示す図である。
【
図10A】
図10Aは、魚タンクの水の出し入れ用の入口および出口を示し、入口および出口が浮揚体の浮揚要素に配置されている様子を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、魚タンクの水の出し入れ用の入口および出口を示し、浮揚要素の内側のパイプ等の構成を示す図である。
【
図11A】
図11Aは、浮揚体に対する魚タンク用の係止システムを示し、魚タンクの外部周縁部の周りに配置されているレールを示す図である。
【
図11B】
図11Bは、浮揚体に対する魚タンク用の係止システムを示し、浮揚体の浮揚要素の内側の係止溝アレンジを示す図である。
【
図12】モジュール式沖合養魚場の入口および出口に接続されている構成のさらなる詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明によるモジュール式沖合養魚場1の第1の例示的な実施形態の斜視図であり、モジュール式沖合養魚場1は、5つの閉鎖網ケージ2を備え、各閉鎖網ケージ2は、水域Wで浮遊するように構成されている浮揚体3に支持されている。
【0036】
各閉鎖網ケージ2は、誘導および係止システムを含み、誘導および係止システムは、各閉鎖網ケージ2が浮揚体3に対して、例えば運用位置と輸送/整備位置との間、ならびに1つまたは複数の中間位置間で移動させられ、その後、所望の位置で係止させられることを可能にする。1つの中間位置は、閉鎖網ケージ2からモジュール式沖合養魚場1に接続されている船に魚が出される位置であり得、船Vは、魚を陸上の解体処理プラント等に輸送するために使用される。
【0037】
本発明によれば、各閉鎖網ケージ2は、閉鎖網ケージ2の浮力を変更すること、すなわち閉鎖網ケージ2の内側にある水量を変更することによって、浮揚体3に対して水域Wで上下に移動させられ得る。閉鎖網ケージ2が浮揚体3に対して下げられる場合、閉鎖網ケージ2の中にポンプで送り込まれる水量は、閉鎖網ケージ2の外にポンプで吸い出されまたは排水される水量よりも大きくなる。同様に、閉鎖網ケージ2が浮揚体3に対して持ち上げられる場合、閉鎖網ケージ2の外にポンプで吸い出されまたは排水される水量は、閉鎖網ケージ2の中にポンプで送り込まれる水量よりも大きくなる。
【0038】
船は、閉鎖網ケージ2の整備中に、魚を「保管」するためにも使用され得る。
【0039】
モジュール式沖合養魚場1の閉鎖網ケージ2が整備される場合、誘導および係止システムは、閉鎖網ケージ2を、魚が閉鎖網ケージ2から出されることができる位置に運ぶために使用され、この位置から魚が、魚の一時的な「保管」のために船に移送されるとき、誘導および係止システムは、閉鎖網ケージ2をさらに整備位置に移動させるために使用される。閉鎖網ケージ2の整備が実施された後、閉鎖網ケージ2は再び下げられ、魚を出すことが可能な位置または閉鎖網ケージ2の運用位置のいずれかにおいて、魚は船から再び閉鎖網ケージ2に移送されて戻り得る。
【0040】
図1は、モジュール式沖合養魚場1を示すが、本発明によるモジュール式沖合養魚場1が、例示的な実施形態による5つの閉鎖網ケージ2よりも少ないまたは多い閉鎖網ケージ2、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、または6つ以上の閉鎖網ケージ2を備える可能性があることを理解されたい。
【0041】
各閉鎖網ケージ2は、閉鎖網ケージ2の外部円周の周りに配置されている浮揚体3を備え、この例示的な実施形態における浮揚体3は、6つの浮揚要素4を備える。浮揚要素4が適切に互いに接続されているとき、浮揚要素4は、六角形形態の浮揚体3を形成する。しかしながら、浮揚体3は、異なる個数の浮力要素4、例えば8つの浮力要素4を備える可能性があり、それにより、そのような個数の浮力要素4は、八角形形態の浮揚体3を与えるであろうことを理解されたい。
【0042】
さらに、1つの閉鎖網ケージ2の浮揚体3の各浮揚要素4は、閉鎖網ケージ2から離れて向いている側に接続手段を備えており、そうして、1つの閉鎖網ケージ2の浮揚体3は、モジュール式沖合養魚場1を形成するために、閉鎖網ケージ2の隣接する浮揚体3の浮揚要素4に接続されることができる。
【0043】
1つの実施形態によれば、浮揚要素4は、浮揚体3に組み立てられるために、溶接またはボルトによって互いに接続され得る。
【0044】
さらに、各浮揚要素4は、浮揚要素4の片側に「舌部」を備え得、一方で浮揚要素4の逆側は、溝を備えている。浮揚要素4が互いに接続されると、浮揚要素4は、第1の浮揚要素4の「舌部」を備えている側が、第2の浮揚要素4の溝を備えている側に隣接して配置されるように配置され、そうして、第1の浮揚要素4の「舌部」は、第2の浮揚要素4の溝に接続されることができる。第2の浮揚要素4の逆側は「舌部」を備えており、第2の浮揚要素4の「舌部」は、第3の浮揚要素4の溝を備えている側に接続される。そして、浮揚体3の最後の浮揚要素4(すなわち第6の浮揚要素)は、第1の浮揚要素4に面する側に「舌部」を備えており、そうして第6の浮揚要素4の「舌部」は、第1の浮揚要素4の溝を備えている側に接続され得る。
【0045】
いくつかの浮揚体3が、モジュール式沖合養魚場1を形成するために互いに接続されているとき、浮揚体3の異なる浮揚要素4の長さおよび幅は、いくつかの閉鎖網ケージ2間に作業プラットフォームを設ける。
【0046】
本発明によるモジュール式沖合養魚場1の閉鎖網ケージ2は、金属、複合材料、またはこれらの組合せから作製され得る。
【0047】
浮揚体3の浮揚要素4は、コンクリートまたは金属から作製され得る。しかしながら、浮揚要素4が、複合材料などの他の材料から作製され、または材料の組合せから作製される可能性があることを想定されたい。
【0048】
さらに、浮揚要素4が、異なる材料から作製される可能性があることを理解されたい。
【0049】
図2は、閉鎖網ケージ2が各浮揚体3に配置されている、
図1によるモジュール式沖合養魚場1を示す。
【0050】
各浮揚体3の浮揚要素4は、浮揚体3を形成するように互いに接続されており、その後、2つの隣接する浮揚体3は、浮揚体3のそれぞれの浮揚要素4に設けられている接続手段を通じて互いに接続されている。
【0051】
さらに、浮揚体3の浮揚要素4のうちの少なくとも1つは、閉鎖網ケージ2に面する側に、誘導および係止システムのための凹部を備えており、そうして閉鎖網ケージ2は、浮揚体3に対して実質的に垂直に移動させられ、係止されることができる。
【0052】
各閉鎖網ケージ2は、垂直壁を伴う環状形状の上部部分と、閉鎖網ケージ2の下部に固体廃棄物すなわち飼料および糞便を集めることができる区間を作るための円錐形底部部分とを備える。各閉鎖網ケージ2の円錐形底部部分はさらに、固体廃棄物を閉鎖網ケージ2から洗浄システムに輸送するために、ホースまたはパイプ等を通してポンプ供給システムに接続されることができる。そのような洗浄システムは、例えば、サービスユニットSまたはサービスバージ等に配置され得る。
【0053】
図3は、モジュール式沖合養魚場1の閉鎖網ケージ2が運用位置に配置されている様子を示し、閉鎖網ケージ2は水域W中に下げられており、そうして閉鎖網ケージ2の上部のみが水域Wの上にある。
【0054】
図4は、誘導および係止システムが、それぞれの閉鎖網ケージ2を、運用位置と輸送または整備位置との間に配置されている中間位置まで持ち上げるために使用されている様子を示す。この位置において、閉鎖網ケージ2の構成は、閉鎖網ケージ2の中の魚が、閉鎖網ケージ2から、モジュール式沖合養魚場1に接続されている船V、またはモジュール式沖合養魚場1の別の閉鎖網ケージ2に出されること可能にする。
【0055】
魚がモジュール式沖合養魚場1の1つの閉鎖網ケージ2から出されるとき、閉鎖網ケージ2から、船Vまたはモジュール式沖合養魚場1の別の閉鎖網ケージ2に魚を誘導および移送するために、シュート7、ダクト、またはチャネル等が使用される。
【0056】
そして、シュート7、ダクト、またはチャネル等は、閉鎖網ケージ2に適切に接続されており、下方に傾斜するように配置されている。
【0057】
次いで、閉鎖網ケージ2は、閉鎖可能な開口部(図示せず)を備えている。閉鎖網ケージ2において魚が収集および/または抑制されているとき、閉鎖可能な開口部が開けられることができ、魚は、閉鎖網ケージ2から、シュート7、ダクト、またはチャネル等を通して、重力によって、船Vまたは隣接する閉鎖網ケージ2の中に誘導される。
【0058】
図5は、各個別の閉鎖網ケージ2が、2つの現場、例えば建設現場とモジュール式沖合養魚場1が位置すべき現場との間で輸送されるとき、またはモジュール式沖合養魚場1の運用中に閉鎖網ケージ2が整備されるとき、または魚が閉鎖網ケージ2から出されるときに、モジュール式沖合養魚場1の閉鎖網ケージ2が配置される様子を示す。
【0059】
閉鎖網ケージ2が整備される必要のある場合、誘導および係止システムは、閉鎖網ケージ2を、魚がまず閉鎖網ケージ2から出されなければならない位置に運ぶために使用される。この運用中、閉鎖網ケージ2は浮揚体3に係止されている。魚が、魚の一時的な「保管」のために船に移送された後、誘導および係止システムは、閉鎖網ケージ2をさらに上に、整備位置まで移動させるために使用される。閉鎖網ケージ2の整備が実施された後、閉鎖網ケージ2は再び下げられ、魚を出すことが可能な位置または閉鎖網ケージ2の運用位置のいずれかにおいて、魚は船から再び閉鎖網ケージ2に移送されて戻り得る。
【0060】
図6A~
図6Bは、
図1によるモジュール式沖合養魚場1の代替の実施形態を示し、この実施形態でも同様に、モジュール式沖合養魚場1は、6つの閉鎖網ケージ2を備え、各閉鎖網ケージ2は、水域Wで浮遊するように構成されている浮揚体3に支持されている。
【0061】
各閉鎖網ケージ2および浮揚体3は、各閉鎖網ケージ2を浮揚体3に対して、例えば運用位置と輸送/整備位置との間、ならびに1つまたは複数の中間位置間で移動させることを可能にするための誘導および係止システムを含む。1つの中間位置は、魚が閉鎖網ケージ2からモジュール式沖合養魚場1に接続されている船に出される位置であり得、船Vは、魚を陸上の解体処理プラント等に輸送するために使用される。
【0062】
6つの閉鎖網ケージ2は、サービスユニットSの周りに配置されており、それによって、サービスユニットSは、モジュール式沖合養魚場1におけるすべての閉鎖網ケージ2に役立つように使用される。この例示的な実施形態に示されているサービスユニットSは、職員または乗組員用の居住区、魚の餌用のサイロまたは貯蔵庫、酸素供給システム、ポンプ、およびアグリゲーター等を備える。
【0063】
船Vはまた、閉鎖網ケージ2の整備中に、魚を「保管」するためにも使用され得る。
【0064】
閉鎖網ケージ2が整備される場合、誘導および係止システムは、閉鎖網ケージ2を、魚が閉鎖網ケージ2から出されることができる位置に運ぶために使用され、魚が、魚の一時的な「保管」のために船に移送された後、誘導および係止システムは、閉鎖網ケージ2をさらに整備位置に移動させるために使用される。閉鎖網ケージ2の整備が実施された後、閉鎖網ケージ2は再び下げられ、魚を出すことが可能な位置または閉鎖網ケージ2の運用位置のいずれかにおいて、魚は船から再び閉鎖網ケージ2に移送されて戻り得る。
【0065】
本発明によるモジュール式沖合養魚場1が、例示的な実施形態による6つの閉鎖網ケージ2よりも少ないまたは多い閉鎖網ケージ2、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、または7つ以上の閉鎖網ケージ2を備える可能性があり、閉鎖網ケージ2の個数は、具体的な場所、魚の数、魚の種類(スモルトまたは大きな魚等)に適合されるべきであることを理解されたい。
【0066】
各閉鎖網ケージ2は、閉鎖網ケージ2の外部円周に配置されている浮揚体3を備え、この例示的な実施形態における浮揚体3は、6つの浮揚要素4を備える。浮揚要素4が適切に互いに接続されているとき、浮揚要素4は、六角形形態の浮揚体3を形成する。
【0067】
しかしながら、浮揚体3は、異なる個数の浮力要素4、例えば8つの浮力要素4を備える可能性があり、それにより、そのような個数の浮力要素4は、八角形形態の浮揚体3を形成するであろうことを想定されたい。
【0068】
さらに、1つの閉鎖網ケージ2の浮揚体3の各浮揚要素4は、閉鎖網ケージ2から離れて向いている側に接続手段を備えており、そうして1つの閉鎖網ケージ2の浮揚体3は、モジュール式沖合養魚場1を形成するために、閉鎖網ケージ2の隣接する浮揚体3の浮揚要素4に接続されることができる。
【0069】
いくつかの浮揚体3が互いに接続されているとき、浮揚体3の異なる浮揚要素4の長さおよび幅は、いくつかの閉鎖網ケージ2間に「作業スペース」を設け、この「作業スペース」は、車両を運転するため、異なる機器を上に輸送するため等に使用され得る。
【0070】
本発明によるモジュール式沖合養魚場1の閉鎖網ケージ2は、金属、複合材料、またはこれらの組合せから作製され得る。
【0071】
浮揚体3の浮揚要素4は、コンクリートまたは金属から作製され得る。しかしながら、浮揚要素4が、複合材料などの他の材料から作製され、または金属の組合せから作製される可能性があることを想定されたい。
【0072】
さらに、浮揚要素4が、異なる材料から作製される可能性があることを理解されたい。
【0073】
図7Aは、閉鎖網ケージ2内に配置されている抑制装置10を示し、抑制装置10は、例えば魚が、陸上の解体処理プラント等に輸送されるため、魚運搬船に移送されるために押しのけられるときに、閉鎖網ケージ2の内側の魚を抑制するために使用される。
【0074】
抑制装置10は、内部中心リング12と外部リング13との間に延在するいくつかのリブ11を備え、2つの隣接するリブ11間に網14が延在する。したがって、抑制装置10は、いくつかの「カットケーキ部」を備えることになる。内部中心リング12は、閉鎖網ケージ2に垂直に配置されている中心柱に接続されており、そうして抑制装置10は、中心柱に沿って誘導されることができる。
【0075】
リブ11の各々は、ロープ(図示せず)またはワイヤ等を備えており、2つの隣接するリブ11は、これらの2つの隣接するリブ11間に延在する網(14)用の調節システムを形成し、そうして網14は、(外部リング13まで延在する)閉位置と、(内部中心リング12と外部リング13との間に配置されている)開位置との間で調整されることができ、それによって、2つの隣接するリブ11間に開口部が設けられる。
【0076】
魚が集められて解体処理プラントに輸送される場合、網14のうちの1つまたは複数は、2つの隣接するリブ11間(すなわち「カットケーキ部」)に開口部Oを設けるように調整され、抑制装置10が閉鎖網ケージ2中で中心柱に沿って下方に移動するときに、魚がこの開口部を通って「脱走」し得る。
【0077】
網14の代わりに帆布が使用される可能性があることを理解されたい。
【0078】
抑制装置10が、閉鎖網ケージ2の上部縁部近傍で、最上部位置に配置されているとき、抑制装置10は、下方に面する開口部を有する。抑制装置10が、閉鎖網ケージ2の底部に向かって中心柱に沿って下方に移動させられるとき、まず1つまたは複数の網14が、いくつかの「カットケーキ部」に開口部Oを設けるように調整され、そうして魚は、開口部を通って、抑制装置10の下側から抑制装置10の上側に移動することができる。
【0079】
閉鎖網ケージ2における最上部位置から最も低い位置までの抑制装置の移動中、抑制装置10が、下方への開位置から上方への開位置へ移動することになるので、抑制装置10は、形態の変化を受ける。
【0080】
図7Bは、最上部位置にある抑制装置10を示し、魚は、閉鎖網ケージ2の底部から最上部位置までの抑制装置10の移動を通じて、1つまたは複数の「カットケーキ部」に設けられた1つまたは複数の開口部Oを通って移動しており、その後、それぞれの「カットケーキ部」の網14は、外部リング13に向かって移動させられて、閉じた抑制装置10を形成する。さらに、この最上部位置では、抑制装置10は、下方に面する開口部を有する(すなわち、内部中心リング12は、外部リング13よりも上に配置される)。
【0081】
閉鎖網ケージ2の垂直壁におよび抑制装置10よって境界付けられた容積にいる魚が、閉鎖網ケージ2に係留された船Vに移送されるときに、閉鎖網ケージ2の垂直壁に設けられた1つの開口部またはハッチ(図示せず)は開けられる。次いで、魚は、抑制装置10の形態および重力によって、シュート7、ダクト、またはチャネル等を通して、ポンプ等なしで、より優しく船Vに移送される。
【0082】
図8Aは、最下部位置(すなわち閉鎖網ケージ2の底部の近傍)にある抑制装置10を示し、「カットケーキ部」のうちの1つまたは複数が、開けられており(すなわち、網14が内部中心リング12に向かって移動させられており)、それによって、閉鎖網ケージ2の内部円周とこの「カットケーキ部」の網14の縁部との間に開口部Oを設けており、そうして魚は、抑制装置10よりも上に位置するべく、この開口部Oを通って「吸い込まれ」および/または泳ぎ得る。抑制装置10が最下部位置にあるとき、開口部Oを備えている「カットケーキ部」における網14は、「カットケーキ部」を閉じるために、外部リング13に向かって移動させられる。この最下部位置では、抑制装置10は、上方に面する開口部を有する(すなわち、内部中心リング12は、外部リング13よりも下に配置される)。
【0083】
開口部Oが閉じられると、抑制装置10は、再び最上部位置に向かって移動させられる。抑制装置10のこの移動中、抑制装置10は、上方に面する開口部から、
図8Bに示されている下方に面する開口部に形態をシフトする。抑制装置10が最上部位置に位置するとき、魚の移送は、
図7Bに従って説明されたように終えられまたは実施され得る。
【0084】
抑制装置10の内部中心リング12および外部リング13の各々は、ウインチシステムに接続されており、各ウインチシステムは、抑制装置10が閉鎖網ケージ2中で上下に移動させられおよび/または調整されることを可能にするように配置されているいくつかのワイヤ(図示せず)を備える。
【0085】
さらにウインチシステムは、内部中心リング12および外部リング13の独立した位置付けを可能にし、そうして例えば、内部中心リング12は、抑制装置10が(
図9Aに示されている)下方への開位置を有するべきか、それとも(
図9Bに示されている)上方への開位置を有するべきかに応じて、外部リング13よりも上または下に位置付けられ得る。
【0086】
閉鎖網ケージ2における最上部位置から最も低い位置への抑制装置の移動中、抑制装置10が、内部中心リング12および外部リング13のウインチシステムを別個に、または互いに独立して制御することによって、下方への開位置から上方への開位置へ移動するので、抑制装置10は形態の変化を受ける。ウインチシステムを同じ速度で運転しているとき、内部中心リング12および外部リング13は、互いに対して移動しない。
【0087】
わかりやすくするために、図は、抑制装置10の1つまたは2つの「カットケーキ部」しか示していないが、抑制装置10が、閉鎖網ケージ2の断面積全体を覆ういくつかの「カットケーキ部」を備えることを理解されたい。
【0088】
図9A~
図9Bは、抑制装置10をより詳細に示し、抑制装置10が、内部中心リング12と外部リング13との間に延在するいくつかのリブ11を備えることがわかる。網14は、2つの隣接するリブ11間に配置されており、網14は、この「カットケーキ部」に開口部Oを設けるために、ロープ(図示せず)またはワイヤ等を通じて、内部中心リング12と外部リング13との間で移動させられ得る。開口部Oのサイズは、網14を内部中心リング12のより近くに、または外部リング13のより近くに移動させることによって調整され得る。
【0089】
さらに、外部リング13の外部周縁部は、洗浄手段15を備え得、洗浄手段15は、抑制装置10が閉鎖網ケージ2中で上下に移動させられるときに、閉鎖網ケージ2の内部周縁部を洗浄するために使用される。
【0090】
洗浄手段15は、閉鎖網ケージ2の壁から植物の芽、藻類等を取り除くために、スクレープまたはブラシ等を備え得る。
【0091】
同様に、内部中心リング12の内部周縁部は、洗浄手段15を備え得、洗浄手段15は、抑制装置10が閉鎖網ケージ2中で上下に移動させられるときに、中心柱の外部周縁部を洗浄するために使用される。
【0092】
1つの実施形態では、抑制装置10はまた、閉鎖網ケージ2の底部を洗浄することを可能にするために、中心柱を中心に回転するように配置され得る。次いで、抑制装置10は、例えばギアシステム等を通じて、例えば、指定された開始点から、中心柱の各側に10度から30度回転するように配置され得る。そして、リブ11は、閉鎖網ケージ2の底部表面を洗浄するための洗浄手段15を備え得る。抑制装置10が回転させられるとき、全底部表面がリブ11上の洗浄手段15によって洗浄され得る。
【0093】
図9Aは、下方に面する開口部を伴う(すなわち、抑制装置10が、閉鎖網ケージ2における最上部位置に配置されているときの)抑制装置10を示し、一方で
図9Bは、上方に面する開口部を伴う(すなわち、抑制装置10が、閉鎖網ケージ2における最下部位置に配置されているときの)抑制装置10を示す。
【0094】
しかしながら、様々な理由によって、魚用の閉鎖網ケージ2の全体を空にすることが望ましくない場合があり、それにより、そのような実施形態での抑制装置10は、抑制装置10が(
図9Aに示されている)下方への開位置に配置されているときに、抑制装置10中に「エアポケット」を設け得るように配置され得る。そして、2つの隣接するリブ11間に延在し、抑制装置10に「カットケーキ部」を形成する各網14は、その長さにわたって少なくとも部分的に空気不浸透性であるように設けられ得る。網の各々は、例えば、内部中心リング12からその長さの半分(すなわち、内部中心リング12と外部リング13との間の距離の半分の長さ)が、空気不浸透性であり得る。
【0095】
そして、中心柱は、中心柱の長手方向長さに沿って、空気用の複数の開口部および/またはノズルを備え得、開口部および/またはノズルは、パイプまたはホース等を通して、例えばサービスユニットSに配置されている酸素供給システムに接続されている。
【0096】
次いで、酸素供給システムは、抑制装置10の内部中心リング12の下方に、酸素をポンプで送り下げるために使用され得、それによりこの酸素は、閉鎖網ケージ3の内側の水の中に送給されると上昇する。抑制装置10の「カットケーキ部」の網14が、閉鎖網ケージ2内に配置されている内部中心リングおよび中心柱に近い区域において、空気不浸透性であるように設けられており、抑制装置10が下方への開位置を有するので、酸素は抑制装置10の上部に捕らわれ、それによって抑制装置よりも下に位置する魚は、抑制装置10内に設けられ捕らえられている「エアポケット」からの酸素で、鰾を満たすことができる。
【0097】
図10A~
図10Bは、本発明による浮揚体3の例示的な実施形態を示し、浮揚体3は、浮揚体3を設けるために、適切に、例えば溶接および/またはボルト(図示せず)で互いに接続されている4つの浮揚要素4を備える。浮揚要素4のうちの2つは、バラスト可能/デバラスト可能であり、一方で残りの2つの浮揚要素4は、閉鎖網ケージ2への新鮮な海水の支給用のパイプの構成、および閉鎖網ケージ2からの海水の排水用のパイプの構成を備える。
【0098】
この実施形態では、2つの浮揚要素4の各々は、新鮮な海水の支給用の2つのパイプ16、および閉鎖網ケージ2からの海水の排水用の2つのパイプ17を備える。
【0099】
次いで、各パイプ16の新鮮な海水用の出口は、可撓性ホース(図示せず)の端部に接続されており、可撓性ホースの逆の端部は、閉鎖網ケージ2に設けられている新鮮な海水用の入口に接続されている。同様に、各パイプ17の閉鎖網ケージ2からの海水用の入口は、可撓性ホース(図示せず)の端部に接続されており、可撓性ホースの逆の端部は、閉鎖網ケージ2に設けられている閉鎖網ケージ2からの海水用の出口に接続されている。パイプ16、17、可撓性ホース、ならびに新鮮な海水用の入口および閉鎖網ケージ2からの海水用の出口のこの構成を通じて、閉鎖網ケージ2が浮揚体3に対して移動可能であることが得られる。
【0100】
図11A~
図11Bは、閉鎖網ケージ2用の誘導および係止システム、ならびに閉鎖網ケージ2の周りに配置されている浮揚体3を示す。
図11Aは、閉鎖網ケージ2が、その外部円周の周りに、いくつかの間隔を空けられているビーム18またはレール等を備えていることを示し、各ビーム18またはレール等は、その長さに沿っていくつかの貫通穴19を備えている。この例示的な実施形態では、各ビーム18またはレール等は、いくつかの群の貫通穴19を備えており、各群の穴19は、4つの貫通穴19を備える。
【0101】
図11Bは、浮揚体の浮揚要素4が、垂直に延在する溝20またはスリットを内側に備えており、係止ユニット21が、浮揚要素4の上部端部および下部端部の両方の近傍で、垂直に延在する溝20またはスリットに配置されている様子を示す。係止ユニット21は、溝20またはスリットに適切に固定されている。
【0102】
浮揚体3が閉鎖網ケージ2の周りに配置されているとき、閉鎖網ケージ2のビーム18またはレール等の各々は、浮揚体3の対応する溝20またはスリットに収容されている。
【0103】
この実施形態において、係止ユニット21は、4つのボルト(図示せず)を備え、ボルトは、閉鎖網ケージ2のビーム18またはレール等に設けられている貫通穴19に適合されており、そうして、閉鎖網ケージ2が具体的な位置、例えば
図3に示されている運用位置、または
図5に示されている整備もしくは輸送位置において、浮揚体3に係止されるときに、ボルトは、貫通穴19の中に延在させられ得る。
【0104】
図12は、新鮮な水の支給用のパイプ16と、閉鎖網ケージ2からの海水の排水用のパイプ17とに接続されているポンプ供給および洗浄システムをより詳細に示す。ポンプ供給および洗浄システムは、浮揚体3の浮揚要素4に配置されている。
【0105】
新鮮な水の支給用のパイプ16は、特定の温度、特定の塩分濃度である新鮮な海水をポンプで汲み上げ、および/またはフナムシのいない海水をポンプで汲み上げるために、伸縮可能であり得る。パイプ16は、1つまたは複数のポンプ22および1つまたは複数のフィルタ23に接続され得る。
【0106】
この例示的な実施形態では、新鮮な水の支給用のパイプ16は、2つのパイプ16A、16Bに分岐しており、2つのパイプ16A、16Bの各々は、ポンプ供給およびろ過システムに接続されている。この実施形態では、ポンプ供給および洗浄システムは、少なくとも1つのポンプ22および少なくとも1つのフィルタ23を備える。
【0107】
さらに、2つのパイプ16A、16Bの各々の出口は、可撓性ホース(図示せず)に接続されており、可撓性ホースの逆の端部は、閉鎖網ケージ2に設けられている新鮮な海水用の入口に接続されている。
【0108】
閉鎖網ケージ2からの海水の排水用のパイプ17は、同様に、2つのパイプ17A、17Bに分岐しており、2つのパイプ17A、17Bの各々は、別のポンプ供給およびろ過システムに接続されており、ポンプ供給および洗浄システムは、少なくとも1つのポンプ24および少なくとも1つのフィルタ25,26を備える。
【0109】
各パイプ17A、17Bの閉鎖網ケージ2からの海水用の入口は、可撓性ホース(図示せず)の端部に接続されており、可撓性ホースの逆の端部は、閉鎖網ケージ2に設けられている閉鎖網ケージ2からの海水用の出口に接続されている。
【0110】
パイプ16A、16Bおよび17A、17B、可撓性ホース、ならびに新鮮な海水用の入口および閉鎖網ケージ2からの海水用の出口のこの構成を通じて、閉鎖網ケージ2が浮揚体3に対して移動可能であることが得られる。
【0111】
閉鎖網ケージ2の底部はパイプ27に接続され得、パイプは、閉鎖網ケージ2から、モジュール式沖合養魚場1に、例えばサービスユニットSに配置されている沈殿タンク28まで延在する。この構成を通じて、閉鎖網ケージ2の底部に集められた固体廃棄物は、閉鎖網ケージ2から取り除かれ、さらに処理されるために沈殿タンク28に集められ得る。
【0112】
閉鎖網ケージ2は追加のパイプ29にも接続され得、このパイプ29は、閉鎖網ケージ2が何らかの理由で空にされる必要がある場合、例えば、閉鎖網ケージ2が整備され、1つの現場から別の現場に輸送され、または魚が治療等を受けるときに、使用され得る。追加のパイプ29に接続されている弁30が開けられ得、次いで、閉鎖網ケージ2からの海水は、洗浄された海水がパイプ17を通して海に戻される前に洗浄されるために、海水の排水用のポンプ供給およびろ過システムに導かれる。
【0113】
同様に、閉鎖網ケージ2は、さらに追加のパイプ31にも接続され得、パイプ29は、閉鎖網ケージ2からの死んだ魚、閉鎖網ケージ2の底部に収容されている死んだ魚が、閉鎖網ケージ2から取り除かれるときに使用され得る。追加のパイプ31は、少なくとも1つの真空タンク32に接続されており、少なくとも1つの真空タンク32は、制御および駆動ユニット33、ならびに粉砕および/または破砕装置34に接続されており、粉砕および/または破砕装置34はサイロ貯蔵装置35に接続されている。追加のパイプ31に接続されている弁36は、必要に応じて、および少なくとも1つの真空タンク32が、閉鎖網ケージ2から死んだ魚を「吸い」出す場合に開けられ得、その後死んだ魚等は、粉砕および/または破砕装置34に輸送される。死んだ魚が、粉砕および/または破砕装置34で処理された後、残留廃棄物は、サイロ貯蔵装置35に送られる。
【0114】
図13A~
図13Bは、閉鎖網ケージ2が、その周縁部の周りに複数の閉鎖可能ハッチ31またはドア等を備え得る様子を示し、これらの閉鎖可能ハッチ31またはドア等は、電力を使用せずに、手動で開けられ得る。
図13Aは、開状態にある閉鎖可能ハッチ31またはドア等を示し、一方で
図13Bは、閉状態にある閉鎖可能ハッチ31またはドア等を示す。
【0115】
1つの実施形態では、閉鎖網ケージ2は、その内部周縁部の周りに、壁の高さに沿って、複数の調整可能ノズル(図示せず)を備え得る。調整可能および/または回転可能ノズルは、閉鎖網ケージ2内に水流をもたらすために使用されて、閉鎖網ケージ2内の魚を従わせるために使用される方向の水流、またはさらには、例えば新しい魚が閉鎖網ケージ2に導入されるときの一定期間の対向流のいずれかを作り出す。
【0116】
本発明は、いまや複数の非限定的な例によって説明された。添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内で記載されるモジュール式沖合養魚場に対して、多様な変形形態および修正形態が作成され得ると当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の網ケージ(2)と、
サービスユニット(S)と
を備え、
各網ケージ(2)が、水域(W)で浮遊するように構成されている浮揚体(3)に支持されている、
モジュール式沖合養魚場(1)において、
各浮揚体(3)が、隣接する浮揚体(3)に接続するための接続手段を含み、
前記網ケージ(2)が、閉鎖網ケージ(2)であり、
各閉鎖網ケージ(2)が、前記閉鎖網ケージ(2)の浮力を変更することによって、前記浮揚体(3)に対して水域(W)で垂直に移動するように構成されており、
各閉鎖網ケージ(2)が、前記閉鎖網ケージ(2)内に垂直に配置されている中心柱を含み、
各閉鎖網ケージ(2)が、前記網ケージ(2)の内側の魚を抑制するための抑制装置(10)を含み、
前記抑制装置(10)が、前記垂直に配置されている中心柱に沿って移動可能に配置されている
ことを特徴とする、モジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項2】
前記抑制装置(10)が、
内部中心リング(12)と外部リング(13)との間に延在する複数のリブ(11)と、
2つの隣接するリブ(11)間に延在する網(14)と
を含み、
前記網(14)が、開口部(O)を設けるように半径方向内側へ移動可能であるように構成されており、
前記内部中心リング(12)が、前記垂直に配置されている中心柱に沿って移動するように構成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項3】
前記リブ(11)の各々が、少なくとも1つのロープまたはワイヤ等を備えており、2つの隣接するリブ(11)が、前記網(14)を前記内部中心リング(12)と前記外部リング(13)との間で移動させるための、前記網(14)のための調整システムを形成することを特徴とする、請求項2に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項4】
前記網(14)が、その長手方向長さの少なくとも一部にわたって、水および空気不浸透性であることを特徴とする、請求項2または3に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項5】
前記外部リング(13)の外部周縁部が、洗浄手段(15)を備えていることを特徴とする、請求項2に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項6】
前記内部中心リング(12)の内部周縁部および/または前記リブ(11)の下側が、洗浄手段(15)を備えていることを特徴とする、請求項2に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項7】
前記洗浄手段(15)が、スクレーパーまたはブラシ等を含むことを特徴とする、請求項5または6に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項8】
前記抑制装置(10)が、回転システムを通じて、前記閉鎖網ケージ(2)に設けられている前記中心柱を中心に回転させられるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項9】
前記中心柱が、前記中心柱の長手方向長さに沿って設けられている複数の調整可能な開口部および/または空気ノズルを備えており、前記複数の調整可能な開口部および/または空気ノズルが、1つまたは複数のパイプまたはホース等を通して酸素供給システムに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項10】
ウインチシステムが、前記内部中心リング(12)および前記外部リング(13)の各々に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項11】
前記サービスユニット(S)が、建物または異なる機器等を含むことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項12】
各閉鎖網ケージ(2)が金属または複合材料から作製されていることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項13】
前記浮揚要素(4)の各々が、コンクリートまたは金属から作製されていることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項14】
魚を輸送するための少なくとも1つのシュート(7)、ダクト、またはチャネル
を備え、
前記閉鎖網ケージ(2)が、閉鎖可能な開口部であって、開位置にあるときに、魚を前記閉鎖網ケージ(2)から前記シュート(7)を経由して、船(V)または別の閉鎖網ケージ(2)に誘導するように適合されている閉鎖可能な開口部を伴って配置されている
ことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項15】
各閉鎖網ケージ(2)および浮揚体(3)が、誘導および係止システムを含み、
前記誘導および係止システムが、各閉鎖網ケージ(2)が前記浮揚体(3)に対して移動させられ、その後、所望の位置で係止させられることを可能にする
ことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【請求項16】
前記抑制装置(10)が、前記閉鎖網ケージ(2)の上部縁部の近傍で最上部位置にあるときに下方に面する位置をとり、
前記抑制装置(10)が、前記閉鎖網ケージ(2)において最も低い位置にあるときに上方に面する位置をとる
ことを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式沖合養魚場(1)。
【国際調査報告】