(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-14
(54)【発明の名称】ハイブリッド高速信号及び電力コネクタを備えたケーブルハーネス
(51)【国際特許分類】
H01B 7/00 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
H01B7/00 301
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519023
(86)(22)【出願日】2023-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 IB2023058286
(87)【国際公開番号】W WO2024042436
(87)【国際公開日】2024-02-29
(32)【優先日】2022-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】トミー ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ディルマン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル デビッド ロスト
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー アラン ヨニアック
【テーマコード(参考)】
5G309
【Fターム(参考)】
5G309AA01
5G309AA10
(57)【要約】
【解決手段】バックプレーンで使用するためのケーブルハーネスが提供されている。ケーブルハーネスは、一次ハウジングを有する一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタを含む。一次ハウジングは、一次信号対要素及び一次電力コネクタを含む。ケーブルハーネスはまた、二次ハイブリッド信号と、二次ハウジングを有する電力バックプレーンコネクタとを含む。二次ハウジングは、二次信号対要素及び二次電力コネクタを含む。一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタは、信号ケーブルによって二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタと接続される。一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ並びに二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタの各々は、電力ケーブルを介して各々電源ユニットと電気的に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックプレーンで使用するためのケーブルハーネスであって、
一次ハウジングと、該一次ハウジング内に位置し、一対の細長い一次端子を有する一次信号対要素と、前記一次ハウジング内に位置し、一対の高電流相互接続を含む一次電力コネクタとを有する一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタと、
二次ハウジングと、該二次ハウジング内に位置し、一対の細長い端子を有する二次信号対要素と、前記二次ハウジング内に位置し、一対の高電流相互接続を含む二次電力コネクタとを有する二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタと、
前記一次信号対要素を前記二次信号対要素に接続する一次信号ケーブルと、
前記一次電力コネクタを電源ユニットに接続する一対の一次電力ケーブルと、
前記二次電力コネクタを前記電源ユニットに接続する一対の二次電力ケーブルと、を備える、ケーブルハーネス。
【請求項2】
前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタの第1の代替信号対要素を、内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタの第2の代替信号対要素と接続する二次信号ケーブルを更に備える、請求項1に記載のケーブルハーネス。
【請求項3】
前記一次電力コネクタを、前記内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタの代替電力コネクタと接続する代替電力ケーブルを更に備える、請求項2に記載のケーブルハーネス。
【請求項4】
前記内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、ファンユニットに接続されており、前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、管理コンピュータと接続されており、該管理コンピュータが、前記ケーブルハーネスを介して前記ファンユニットの動作を制御する、請求項3に記載のケーブルハーネス。
【請求項5】
前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、複数の二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタを介して複数の計算ユニットとデータを通信し、かつ前記複数の計算ユニットに電力を提供し、各二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、前記計算ユニットのうちの1つと接続されて、該計算ユニットとデータを通信し、かつ前記計算ユニットに電力を提供する、請求項1に記載のケーブルハーネス。
【請求項6】
前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、管理コンピュータと接続されて、該管理コンピュータとデータを通信し、かつ前記管理コンピュータに電力を供給し、前記管理コンピュータが、前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタと、前記二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタとを介して、各計算ユニットからデータを受信し、かつ各計算ユニットに命令を送信する、請求項5に記載のケーブルハーネス。
【請求項7】
前記二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、前記二次信号対要素の上方の1つの高電流相互接続と、前記二次信号対要素の下方に位置する1つの高電流相互接続と、を含む、請求項1に記載のケーブルハーネス。
【請求項8】
前記二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、前記二次信号対要素の上方又は下方のいずれかに前記高電流相互接続の対を含む、請求項1に記載のケーブルハーネス。
【請求項9】
各一次端子が、長手方向に延在しており、かつ互いに離隔されており、各一次端子が、その両端に配置された接触部分とテール部分とを含み、前記接触部分及びテール部分が、本体部分によって相互接続されており、各一次端子がまた、各一次端子及び接地シールドを支持する絶縁支持フレームを含む、請求項1に記載のケーブルハーネス。
【請求項10】
前記接地シールドが、前記一次信号ケーブルを支持するケーブルネストを含み、前記一次信号ケーブルが、2つの導体を含み、前記一次信号ケーブルが、前記ケーブルネスト内に固定されており、前記2つの導体の各々1つが、各一次端子の前記テール部分に接続されている、請求項9に記載のケーブルハーネス。
【請求項11】
前記絶縁支持フレームが、前記本体部分の一部を空気に露出させる、前記絶縁支持フレームの前方部分と後方部分との間に配置された開口部を含む、請求項10に記載のケーブルハーネス。
【請求項12】
前記一次信号ケーブルが、前記ケーブルネストに取り付けられたドレインワイヤを含む、請求項10に記載のケーブルハーネス。
【請求項13】
前記ドレインワイヤが、折り返されて、前記一次信号ケーブルの側部に沿って前記ケーブルネストにはんだ付けされている、請求項12に記載のケーブルハーネス。
【請求項14】
前記絶縁支持フレームが、各一次端子の本体の一部分を空気中でエッジ結合することを可能にするように構成されている、請求項10に記載のケーブルハーネス。
【請求項15】
各高電流相互接続が、圧着ソケットを含む、請求項10に記載のケーブルハーネス。
【請求項16】
バックプレーンで使用するためのケーブルハーネスであって、
一次信号対要素と一次電力コネクタとを含む一次ハウジングを有する一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタと、
二次信号対要素と二次電力コネクタとを含む二次ハウジングを有する二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタと、を備え、前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、信号ケーブルによって前記二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタと接続されており、前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ並びに前記二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタの各々が、電力ケーブルを介して各々電源ユニットと電気的に接続されている、ケーブルハーネス。
【請求項17】
前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタの第1の代替信号対要素を、内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタの第2の代替信号対要素と接続する二次信号ケーブルを更に備える、請求項16に記載のケーブルハーネス。
【請求項18】
前記一次電力コネクタを、前記内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタの代替電力コネクタと接続する代替電力ケーブルを更に備える、請求項17に記載のケーブルハーネス。
【請求項19】
前記内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、ファンユニットと接続されており、前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、管理コンピュータと接続されており、該管理コンピュータが、前記ケーブルハーネスを介して前記ファンユニットの動作を制御する、請求項18に記載のケーブルハーネス。
【請求項20】
前記一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、複数の二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタを介して複数の計算ユニットとデータを通信し、かつ前記複数の計算ユニットに電力を提供し、各二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタが、前記計算ユニットのうちの1つと接続されて、該計算ユニットとデータを通信し、かつ前記計算ユニットに電力を提供する、請求項16に記載のケーブルハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2022年8月26日に出願された、米国特許仮出願第63/401,142号の利益、及びそれに対する優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、バックプレーンコネクタに関し、より具体的には、バックプレーン用途において利用される、組み合わされた高速信号及び電力コネクタを伴う、改善されたケーブルハーネスに関する。
【背景技術】
【0003】
既存のバックプレーンコネクタは、信号コネクタのためにウェハ化された構造を利用しており、これは、ツールアップに法外な費用がかかる可能性がある。ウェハは、設定された数の信号対及び信号対と関連付けられた接地要素を支持するように設計される。これらの要素は、典型的には熱可塑性樹脂から形成され、かつ信号要素及び接地要素の一部の上に成形されるフレームによって支持される。そのようなものとして、各特定のウェハは、それ自体のモールド並びにスタンピング及び形成動作を必要とする。したがって、ウェハ化されたコネクタを据え付けるのに必要なコストは大きい。
【0004】
ウェハ構造を利用する既存のバックプレーンケーブルコネクタは、1つの列から別の列への全ての対を接続するよりも複雑な配線方式を容易に支持しない。対が特定の文字の構成を追跡するW、X及びY配線方式などの「文字付き」配線方式は、構成することが困難である。したがって、製造コストを低減する信号対構成要素を利用する信号コネクタを有するバックプレーンコネクタが必要とされている。
【0005】
追加的に、既存のバックプレーンは、電力信号及び高速データ信号のために別個のコネクタを利用し、各コネクタは、それ自体のハウジングを有する。具体的には、従来の電力コネクタは、多くの場合、大型構造を形成し、ケースの外側からケースの内側への空気流を防止又は遮断し、バックプレーンは、電源などのいくつかの構成要素とともに存在する。ケース内への空気流を遮断すると、ケース内の温度が許容限度を超えて上昇し、電源及びCPUなどの特定の構成要素が適切な冷却を得られなくなる。したがって、改善された冷却を提供することができ、かつ製造コストを低減することができるバックプレーンコネクタが必要とされている。
【0006】
したがって、改善されたバックプレーンコネクタが必要とされている。本開示は、前述の欠点を克服するために、共通のハウジングを共有する組み合わされた信号対要素及び電力コネクタを利用する、改善されたバックプレーンコネクタを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
同様の参照番号が別個の図を通して同一又は機能的に類似の要素を指す添付の図面は、以下の発明を実施するための形態とともに、本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を形成し、特許請求される発明を含む概念の実施形態を更に例示し、かつそれらの実施形態の様々な原理及び利点を説明する働きをする。
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による、バックプレートのスロット内に装着されたケーブルハーネスの正面斜視図であって、ケーブルハーネスは、電力コネクタが信号対要素の下に位置する複数のハイブリッドバックプレーンコネクタを有する図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、
図1に示されたケーブルハーネスの部分後方斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、電力コネクタが信号対要素の上下に位置する複数のハイブリッドバックプレーンコネクタを有するケーブルハーネスの正面斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、
図3に示されたケーブルハーネスの部分後方斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、
図3に示されたケーブルハーネスの拡大部分正面斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、
図3に示されたケーブルハーネスの拡大部分後方斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、電力ケーブルから1つのハイブリッドバックプレーンコネクタが取り外され、電力コネクタと接続された電力ケーブルのピン及び内部接触を示す、
図3に示されたケーブルハーネスの拡大部分正面斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、複数の個々の信号対要素を利用するバックプレーンコネクタの斜視図である。
【
図9A】
図8と同じ図であるが、信号対要素の全てがバックプレーンコネクタフレームから取り外されている図である。
【
図9B】
図9Aに示されたバックプレーンコネクタフレームから取り外された信号対要素の斜視図である。
【
図10】
図8の線A-Aに沿った部分断面図である。
【
図12】
図8のバックプレーンコネクタの底面図であって、コネクタフレーム内に支持された個々の信号対要素の配置を示す図である。
【
図13】
図8のバックプレーンコネクタに利用される個々の信号対要素の斜視図であって、明確にするために後部のオーバーモールド部分が破線で示されている図である。
【
図15】
図13の信号対要素の部分分解図であるが、信号対アセンブリが接地シールド要素から取り外されている図である。
【
図16】
図15と同じ図であるが、明確にするために信号対ケーブルワイヤが信号対アセンブリから取り外されている図である。
【
図17】絶縁フレームによって支持された2つの信号端子の上面図である。
【
図19】
図17の端子アセンブリで使用され、かつ支持フレームから取り外された一対の信号端子の上面図である。
【
図20】明確にするために端子が取り外されている状態の支持フレームの底部から見た斜視図である。
【
図22】別の実施形態の斜視図であって、複数の信号対要素が単一の信号対要素の行に一体化されている図である。
【
図23】
図22と同じ図であるが、共通化ストラップが個々の信号対要素をどのように相互接続するかを示すために、明確にするために絶縁オーバーモールドが取り外されている図である。
【
図25】
図22の連結アセンブリで使用される単一信号対要素の斜視図である。
【
図26】
図25と同じ図であるが、明確にするために共通化ストラップが取り外されている図である。
【
図27】
図26と同じ図であるが、ワイヤネストの構造を示すためにケーブルワイヤ対が取り外されている図である。
【
図28】本発明の一実施形態による、電力コネクタが信号対要素の上下に位置する複数のハイブリッドバックプレーンコネクタを有するケーブルハーネスの正面斜視図である。
【
図29】本発明の一実施形態による、電力コネクタが信号対要素の下に位置する複数のハイブリッドバックプレーンコネクタを有するケーブルハーネスの正面斜視図である。
【
図30】本発明の一実施形態による、電力コネクタが信号対要素の下に位置し、かつラグを使用して終端される、複数のハイブリッドバックプレーンコネクタを有するケーブルハーネスの後方斜視図である。
【
図31】本発明の一実施形態による、電力コネクタが一緒に圧着され、かつ信号対要素の下に位置し、かつラグを使用して終端される、複数のハイブリッドバックプレーンコネクタを有するケーブルハーネスの後方斜視図である。
【
図32】本発明の一実施形態による、電力コネクタが一緒に圧着され、かつ信号対要素の下に位置し、かつラグを使用して終端される、複数のハイブリッドバックプレーンコネクタを有するケーブルハーネスの正面斜視図である。
【
図33】本発明の一実施形態による、バックプレートに接続された複数のハイブリッドバックプレーンコネクタを有するケーブルハーネスの拡大正面斜視図である。
【0009】
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解するであろう。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解を向上させるのに役立つように、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【0010】
装置及び方法の構成要素は、本明細書の説明の利益を有する当業者に容易に明らかになる詳細で本開示を不明瞭にしないように、本発明の実施形態を理解することに関連する特定の詳細のみを示す図面において、適切な場合に従来の記号によって表されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示と一致する方法及びデバイスは、従来のバックプレーンコネクタの欠点を克服する。本開示は、前述の欠点を克服し、かつ改善された冷却及び低減された製造コストを有するバックプレーンコネクタを提供するために、共通のハウジングを共有する組み合わされた信号対要素及び電力コネクタを利用する、改善されたバックプレーンコネクタを対象とする。
【0012】
本開示は、本開示の原理の例証とみなされるべきであり、本開示を例示されるように限定することを意図しないという理解のもとで、本開示は、異なる形態の実施形態が可能であり得るが、本明細書で図に示され、詳細に説明されるものは、特定の実施形態である。
【0013】
したがって、特徴又は態様への言及は、本開示の例の特徴又は態様を説明することを意図しており、全ての実施形態が、説明される特徴又は態様を有しなければならないことを暗示するものではない。更に、説明がいくつかの特徴を例示することに留意されたい。特定の特徴は、潜在的なシステム設計を例示するためにともに組み合わせられるが、それらの特徴は、明示的に説明されていない他の組み合わせでも使用され得る。したがって、説明される組み合わせは、別途注記のない限り、限定することを意図しない。
【0014】
図に例示される実施形態では、本開示の様々な要素の構造及び移動を説明するために使用される上、下、左、右、前、及び後などの方向の表現は、絶対的なものではなく、相対的なものである。これらの表現は、要素が図に示される位置にあるときに適切なものである。しかしながら、要素の位置の説明が変化した場合は、これらの表現がそれに応じて変化する。
【0015】
図1は、信号ケーブル48の束120a~120hを介して8つの二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ20a~20hと接続された一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102を備える、バックプレーンとして使用するためのケーブルハーネス100を示す。図示のように、ケーブルハーネスは、ケース(図示せず)のバックプレート180のスロット170の間に装着されている。各信号ケーブル48は、一次バックプレーンコネクタ102上に位置する一次信号対要素30aと、二次バックプレーンコネクタ20のうちの1つの上の対応する二次信号対要素30bとの間でデータを送信する。
【0016】
一次バックプレーンコネクタ102は、一次コネクタハウジング104内に位置する一次信号対要素30aのアレイを有する一次コネクタハウジング104と、一対の高電流相互接続112a及び112bを含む一次コネクタハウジング104内に位置する一次電力コネクタ110aとを含む。各バックプレーンコネクタ20又は102は、コネクタハウジング22と、コネクタハウジング22内に位置し、各々が一対の細長い信号端子32a及び32bを有する、信号対要素30のアレイと、コネクタハウジング22内に位置し、かつ一対の高電流相互接続を含む、電力コネクタ110とを含む。
【0017】
各二次バックプレーンコネクタ20は、コネクタハウジング22と、コネクタハウジング22内に位置し、各々が一対の細長い信号端子32a及び32bを有する、信号対要素30のアレイと、コネクタハウジング22内に位置し、かつ一対の高電流相互接続92a及び92bを含む、電力コネクタ110bとを含む。
図2を参照すると、一対の一次電力ケーブル116、117は、一次電力コネクタ110aを電源ユニットに接続し、一方で、一対の二次電力ケーブル98、99は、二次電力コネクタ110bを電源ユニットに接続する。
【0018】
図8は、平坦な基部部分24と、基部部分24から延在して、その間にスロットを画定する1つ以上の側壁25a及び25bとを有する、絶縁コネクタハウジング22を利用する1つの二次バックプレーンコネクタ20を示す。
図9に最もよく示されているように、ハウジング基部部分24は、所望の配置で形成された複数の開口部26を有する。
図9では、開口部が千鳥状に配置されている。導電性信号及び接地要素は、以下でより詳細に説明されるように、これらの開口部を通って、かつこれらの開口部から延在する。
【0019】
図3を参照すると、二次バックプレーンコネクタ20は、任意の二次バックプレーンコネクタ20a~20hを表しており、信号対要素30及び電力コネクタ110などの要素を有する。二次信号対要素30b及び電力コネクタ110bは、二次バックプレーンコネクタ20内に見られる。一次及び二次信号対要素30a、30bは各々、少なくとも1つ以上の信号対要素30を含み、一次及び二次電力コネクタ110a、110bは、少なくとも1つの電力コネクタ110を含む。
【0020】
一実施形態では、一次バックプレーンコネクタ102はまた、スイッチ又は制御カードから信号を受信し、かつそれらの信号を相互通信のためにサーバ、GPU、又は他のデバイスに送信する三次信号対要素30cを含む。三次信号対要素30cは、一次バックプレーンコネクタ102内に見られ、かつ信号対要素30のうちの少なくとも1つ以上を含む。
【0021】
図13に示されるように、本開示は、複数の個々の信号対要素又はチクレット30を提供し、これらは、コネクタハウジング22又はコネクタハウジング104に挿入可能であり、これにより、その導電性要素が、対向する嵌合コネクタ(図示せず)と位置合わせされてコネクタハウジング開口部26を通って突出するようになっている。各信号対要素30は、要素30の長手方向に延在している一対の細長い導電性信号端子32a及び32bを含む。信号端子32a及び32bは、それぞれ対向する接触部分38及びテール部分40を有し、これらは介在する本体部分39によって相互接続されている。
【0022】
実際には、端子は、接地シールド側壁の内面から距離Lだけ離隔され、対の端子は、好適な間隔として約2Lに等しい距離だけ離隔されることが好ましい。端子はまた、接地シールド基部の内面から上縁部までの高さの約40%の高さだけ接地シールドの上方に間隔を置いて配置されることが好ましく、「上」は
図12に示すような向きをとる。
【0023】
端子32a及び32bは、絶縁フレーム34に支持されており、絶縁フレーム34は、長手方向に互いに離隔された前方装着部分35と、後方装着部分36とを有している。これらの2つの装着部分35、36は、端子32a及び32bに対して横方向に延在しており、端子上にオーバーモールドされる。装着部分35、36は、端子対の間の空間に配置される本体部分を含み、
図16及び
図17に示すように、支持フレーム34の側壁37a及び37bを実質的に画定する長手方向部分に接合することができる。2つの装着部分35、36は、側壁37a及び37bに接合され、かつ協働して、端子本体部分39の一部を空気に露出させる開放窓42を画定する。側壁37a及び37bは、それらの上面にクラッシュリブ43として働く部分を含むことができ、クラッシュリブ43は、信号対要素30をコネクタハウジング22内の定位置に保持することを助ける。支持フレーム34の底面41は、
図20に示すように平坦であることが好ましい。底面41の後方部分は、支持フレームボタン63を受容する凹部41aを含むことができる。
【0024】
図13、
図17、及び
図18を参照すると、支持フレーム34は、横方向に延在する端壁44aと、端壁44aから長手方向後方に延在して、終端ネスト44cを画定する一対の肩部44bとを更に含むものとして示されており、終端ネスト44c内に端子テール部分40が延在する。この領域は、絶縁材料で作られたオーバーモールド部分45を形成し、このオーバーモールド部分45は、信号対要素30の終端を信号ケーブル48に固定する役割を果たすとともに、信号対の間隔及び位置合わせを維持する。信号対導電性要素は、前述の信号端子32a及び32bと、更に細長い接地シールド56として図に示されている接地面要素とを含む。
図15及び
図16を参照すると、接地シールド56は、ほぼ平坦な基部部分57を含み、シールドは、接地シールド56のほぼ全長にわたって延在する側壁58a及び58bを画定する、一対の上向きフランジを含む。接地シールド56が有する略U字形状は、端子対の4辺のうちの3辺に沿って延在する各端子対の接地面を提供する。このような構造は、3つの異なる方向における端子による結合を促進する。接地シールド56の前端部は、従来の嵌合コネクタの対向する接地要素に接触するための平坦面を提供する、図示されるような嵌合ブレードの形態をとってもよい。
【0025】
図13、
図14及び
図15を参照すると、接地シールド56の後端部には、外側絶縁被覆50によって囲まれた2本の信号ワイヤ49a及び49bを有する信号ケーブル48を受容して、かつ支持するケーブルネスト59が提供されている。ドレイン又は接地ワイヤ51は、典型的には、各ワイヤ対49a及び49bに提供され、外側導電性ラップ52の下でワイヤ対49a及び49bを通って縦方向に延在する。信号ケーブル48の自由端部は、終端として準備され、かつ露出された各ワイヤ導体49a、49bの自由端部の長さを有し、ケーブルドレインワイヤ51は、ケーブル外側導電性ラップ52上で信号ケーブル48上に折り返される。ケーブルネスト59は、
図16に最もよく示されているように、接地シールド基部57から離隔されており、かつ接地シールド基部57から垂直方向にタブ62によってオフセットされている。ケーブルネスト59は、信号ケーブル48の上に折り曲げられ、かつ圧着されるか、又は他の方法でケーブル外側ラップ52に接触される2つのアーム部分60aを有するケーブルクランプ60を更に含む。一対の安定化ウィング61は、ケーブルネスト59から外側に延在しており、要素の後方のオーバーモールド部分45に補強を提供する働きをする。これらのウィング61は、信号対要素のオーバーモールド部分45を補強するだけでなく、ケーブルドレインワイヤがはんだ付けのために位置付けられる接触プラットフォーム又は表面も提供する。重要なことに、ドレインワイヤ51は、信号ワイヤ49a及び49bの露出した自由端部の近くのどこにも延在しないように、ケーブル外側導電性ラップ52に沿って後方に折り曲げられる。この構造では、ドレインワイヤ51は、ケーブル信号ワイヤ49a及び49bの自由端部が延在している方向とは反対の方向に延在している。
【0026】
端壁44a及び肩部44bは、端子テール部分40を部分的に取り囲む水平方向に水平な略U字形状を形成し、これらは協働して、オーバーモールド部分45が支持フレーム34に付着するための基礎を形成する一方で、終端領域、ケーブルネスト59、並びに信号ワイヤ49a及び49bの自由端部を取り囲む。ケーブルネストウィング61は、オーバーモールド部分45によって捕捉され、ケーブルネストウィング61は、オーバーモールド部分45の領域を少なくとも部分的に補強して、信号対要素に応力が加えられた場合に組立プロセス中の破損に抵抗する。この領域は、
図13及び
図14に示されるように、露出されたワイヤ導体とそれらの関連するテール部分との間の領域も、終端領域におけるシステムのインピーダンスが所望のレベルに近く維持され得るように、ある誘電率を有するプラスチックタイプの材料で充填される。
【0027】
図17~
図19を参照すると、信号端子32a及び32bは不規則な形状を有するが、互いに実質的に鏡像であることに留意されたい。具体的には、端子32a及び32bの幅は、2つの領域A1及びB1において狭められ、これらの領域は、支持フレーム34の前方部分35及び後方部分36が端子32a及び32bと係合するところに生じる。これらの領域において、端子32aと32bとの間の空間は、支持フレーム34のプラスチック又は樹脂で充填されて、信号端子32aと32bとの間、並びに接地シールド56と2つの信号端子32a及び32bとの間の所望の量の容量結合を維持する。支持フレーム材料の誘電率は、空気の誘電率(1.0)よりも大きいことが好ましく、その結果、信号対30と信号対要素30を通るインピーダンスプロファイルとの間の所望のレベルの結合を維持するために、これらの領域の端子幅を狭くすることが好ましい。これらの2つの領域における端子の狭幅化はまた、端子32a及び32bの側部に沿って縁部を形成し、この縁部は、支持フレーム材料が端子を所望の間隔に固定する能力を高める。同様に、支持フレーム34の窓42内の信号端子32a及び32bの幅は、その領域内の端子が空気によってのみ分離されているので、他の領域よりも大きい。
【0028】
支持フレーム34は、接地シールド56及び信号端子32a及び32bを所望の適切な位置に保持するように接地シールド56と係合することが好ましい。
図17及び
図18に示すように、支持フレーム34を接地シールド56に固定するための1つの手段は、支持フレーム側壁37a及び37bから外向きに突出する第1及び第2の停止部46及び47の対をそれぞれ含むことができる。
図15を参照すると、第1及び第2の停止部46及び47は、好ましくは、第1及び第2のスロット65及び66の対応する対の中に受容され、その結果、第1及び第2の停止部46及び47並びに第1及び第2のスロット65及び66の対向する縁部は、互いに接触する。第1及び第2のスロット65及び66は、図示されるように、第1及び第2の停止部46及び47上の突起部と係合するくぼみなどを含むように構成され得る。係合の代替手段は、支持フレーム34上に形成されたへこみと、接地シールド側壁58a及び58b上に形成された相補的な形状のくぼみとを含むことができる。
【0029】
図15を参照すると、接地シールド56はまた、支持フレームを接地シールド56と位置合わせする細長いボタン63の形状の隆起部材を含むことができる。細長いボタン63は、スロット66の場所で接地シールド56の強度及び剛性を助けるためにエンボス加工され得る。信号対要素30をコネクタハウジング22内の所定の位置に保持するために、接地シールド56は、接地シールド基部57に打ち抜かれ、かつ
図10及び
図11に最もよく示されるように外向きの角度で形成された舌部又はタブ部材64として示されるキャッチ部分を含み、それにより、信号対要素30をコネクタハウジング開口部26から引き抜こうとする力に抵抗するために二次肩部28をキャッチする。支持フレーム端壁44aは、コネクタハウジング22に形成された一次肩部に面して接触し、信号対要素がハウジング開口部26内に挿入され得る範囲を制限する。開口部26は、図示のように、中央スロット26a及び肩部26bを備えた段付き構成を有し、これにより、肩部26bの内面が支持フレーム側壁クラッシュリブ43に係合し、スロット26aの内面(
図9のスロットの底部に示す)が接地シールドボタン63に係合するようになっている。
【0030】
信号対要素又はチクレット30の各々は、差動信号を送信するのに適した2つの端子を有する一体化された信号対を形成し、これらの端子は、端子の選択された表面を露出させた片側のみを残して、端子をその3つの異なる側で少なくとも部分的に囲む関連付けられた接地シールド内に支持されることが分かる。これらの露出された端子は、隣接する信号対要素の接地シールドとの結合が生じ得るように、上の(又は向きに応じて下の)信号対要素の接地シールド基部から離隔される。これは
図10に最もよく示されており、図示された千鳥配列では、奇数行の各信号対要素の2つの端子が互いに垂直に位置合わせされていることが分かる。同様に、偶数行の各信号対要素の端子は、垂直方向に一緒に位置合わせされる。更に、偶数行2、4、6及び8の各対の右端子は、奇数行の上又は下に位置する信号対要素の隣接する接地シールドに対してほぼ中心にあり、奇数行3、5及び7の各信号対の左端子は、その上及び下の信号対要素の隣接する接地シールドに対してほぼ中心にある。1つの行内の信号対要素は、約4.7mm、又は信号対要素の幅の約115~約120%だけ、隣接する行内の信号対要素からオフセットされる。
【0031】
これは、設計においてより大きな柔軟性を有する信号対要素を利用するコネクタを提供する。これらのチクレット30は、本質的に、信号コネクタの個々のビルディングブロックであり、C、H、O、U、X、Y又はW構成を表示する文字スタイルなど、コネクタハウジング内に様々な異なる配置で配置され得る。そのような個々のビルディングブロック信号対要素を使用することは、異なるインサートを有する単一のモールドのみを含み得る単純なコネクタハウジングに対してのみ加工コストを必要とし、複雑なウェハに対する複雑なものを必要としない。コネクタ設計における新しいペア数に対しては、コネクタハウジングのみが加工される必要がある。コネクタ内のいずれかの信号対が不良である場合、ウェハ全体を廃棄するのではなく、不良信号対要素のみを交換すればよい。したがって、単一信号対要素の設計は、必要とされる労力及び材料を、単一対要素の労力及び材料のみを最小化し、その導電性要素がコネクタハウジング内の複数の開口部内に挿入される必要がある複数対ウェハの労力及び材料を最小化しない。
【0032】
図22~
図27は、本開示による信号対要素70の代替的な実施形態、及び複数の信号対要素70が相互接続されて、このような要素70の線形アレイ71を形成する連結用途での使用に特に適しているものを示す。次に、アレイ70は、コネクタ組立プロセスをスピードアップするためにグループとして挿入され得るが、各信号対要素、すなわち端子対及び接地シールドは、コネクタハウジング22の対応する単一の開口部26内に依然として挿入される。
図22から分かるように、各信号対要素70は、一対の導電性端子72a及び72bと、絶縁支持フレーム73とを支持している。先の実施形態と同様に、支持フレーム73並びに端子対72a及び72bは、2つの側壁74b及び74cが側面に位置する平坦な基部74aを有する略U字形の構成を有する関連付けられた接地シールド74によって部分的に取り囲まれている。接地シールド基部74a並びに側壁74b及び74cは、端子72a及び72bの周りに延在しており、端子72a及び72bを部分的に取り囲んで、端子対の少なくとも3つの側面上に接地面を提示し、3つの方向における結合を提供する。
【0033】
接地シールド74の後端は、ケーブル信号ワイヤ対49a及び49bの自由端部をその中に受容するワイヤネスト75を含む。ネスト75は、接地シールド側壁74b及び74cの部分と、接地シールド74の一部からプレス加工(スタンピング)された内側肩部76とを含む。この内側肩部76は、ワイヤ対49a及び49bの外側導電性ラップ52と接触し、それを接地シールド74の対向する側壁74cと接触するように付勢することが好ましい。
図27に示すように、ワイヤ対49a及び49bの底部に沿ってワイヤ外側ラップ52と接地シールド74との間に第2の接触点を提供する第2の下側肩部76aを提供することができる。内側肩部の上面74bは、ワイヤ対ドレインワイヤ51が接続され得る表面を提供する。
【0034】
複数の信号対要素70をそれらの接地シールドによって相互接続するために、共通部材78が提供されている。共通部材78は、接地シールド74を横切って横方向に延在しており、かつ相補的な形状のシールドタブ77及び共通部材スロット79によって接地シールド側壁74b及び74cに係合している。共通部材78は、信号対要素70に対して横方向に延在しており、図示されるように、ドレインワイヤ51とケーブル対外側ラップ53との間の高さの差に適応する隆起バンプ又は戻り止め80を含んでもよい。共通部材78は、単一の部材であってもよく、すなわち、単一の信号対接地シールドのみにわたって延在し得、又は、更に横方向に延在して、線形アレイのように、関連付けられた接地シールドによって複数の信号対要素を共通に接続し得る。このように、この実施形態70の共通部材78は、先の実施形態のワイヤネスト接地クランプ60と同様の目的を果たす。
【0035】
絶縁材料82が、端子テール部分、ワイヤ対自由端部、接地シールド74、及び共通部材78の上に成形されて、個々の信号対要素70を所望の配列で保持する線形アレイ71内で信号対要素70を一緒に相互接続する構造を形成する。完全に線形アレイとして示されているが、そのようなアレイの信号対要素は、それらが山及び谷の交互配置で相互接続されているかのように、又はそれらが垂直方向に相互接続されているかのように、面外であってもよいことが理解されるであろう。単一信号対要素をコネクタハウジングの単一の開口部に単一挿入することを可能にするそのような要素の一体化構造は、複数の要素を相互接続又は連結して、要素のアレイを形成することを可能にする。そのようなアレイは、コネクタハウジングの単一の開口部への単一の信号対要素の挿入を可能にする信号対要素の一体化された構造を依然として維持しながら、単一要素の挿入に必要な時間を短縮する。
【0036】
図1及び
図2に示されるように、本開示は、複数の個々の電力コネクタ110を提供し、これらは、その導電性要素が、対向するハイブリッド嵌合コネクタ(図示せず)と位置合わせされてコネクタハウジング104、22を通って突出するように、一次コネクタハウジング104又は二次コネクタハウジング22内に挿入可能である。一次バックプレーンコネクタ102は、一次電力コネクタ110aを含み、二次バックプレーンコネクタ20は、二次電力コネクタ110bを含む。一次及び二次電力コネクタ110a及び110bは各々、少なくとも1つの電力コネクタ110を含む。一対の一次電力ケーブル116、117は、一次電力コネクタ110aを電源ユニットに接続し、一方で、一対の二次電力ケーブル98、99は、二次電力コネクタ110bを電源ユニットに接続する。コネクタ110は、コネクタハウジング104、22内に位置し、かつ一対の高電流相互接続112a及び112bを含む。高電流相互接続112a及び112bは、電流負荷を運ぶことができる。現在の設計は、30℃未満の温度上昇を維持しながら、最大75Aに耐えることができる、3.4mmのCSTピン製品を利用することができる。好ましい範囲は、各特定の用途に基づくが、必要に応じて、より大きな6.0mm又は8.0mmのCST製品、及びより大きなAWGケーブルを利用することができる。一実施形態では、各高電流相互接続112a及び112bは、Molex,Inc.(Lisle,Illinois)によって製造されるCoeur High-Current Interconnect Systemの一部である。高電流相互接続112a及び112bの対は、200Aまでの電流を送達することが可能であり、PCB、バスバー、及びケーブルと接続する広範囲の構成を提供することが好ましい。2つの剛性PCB、バスバー、又は相互接続を嵌合するときに、完全なピン対ソケット整合を有することは困難であるため、ある程度の浮動が、存在し得る任意の不整合に適応するために、これらの状況において必要とされる。この多様性は、嵌合の容易さを確実にし、相互接続112a及び112bのソケット接触への潜在的な損傷を防止するのにも役立つ。
【0037】
図7を参照すると、高電流相互接続112a及び112bを有する電力コネクタ110の拡大斜視図が示されている。高電流相互接続112a及び112bは各々、雌プラグ型コネクタ126を含み、その各々は、それぞれハウジング22に形成されたシャフト113a、113bに嵌合される。各シャフト113a、113bは、対向するハイブリッドコネクタ(図示せず)に接続された雄ピンのための浮動を提供し、各それぞれの高電流相互接続112a及び112bに向かってその雄ピンを案内する、前方外面122を形成する。各雌コネクタ126は、対向するハイブリッドコネクタ(図示せず)に接続された雄ピンに浮動を提供し、かつその雄ピンと嵌合するシャフトを形成した前方外面128を有する。各雌コネクタ126のシャフト内には、複数の同心ガイドアーム125が形成されており、これらは全て、対向するハイブリッドコネクタ(図示せず)の雄ピンと嵌合してこれを把持するために、シャフトの中心に向かって内側に曲げられている。前方外面122及び128は、雄ピンを雌コネクタ126内に案内することを助け、対向するハイブリッドコネクタを一次ハイブリッドコネクタ102又は二次ハイブリッドコネクタ20のいずれかと予備的に大まかに位置合わせするための前縁部及び浮動を提供する。
【0038】
一次及び二次ハイブリッドコネクタ102、20のハウジング104、22は、嵌合リッジ130を形成して、対向するハイブリッドコネクタを一次又は二次ハイブリッドコネクタ102、20のいずれかと精密に位置合わせするための二次浮動を提供することが好ましい。具体的には、好ましくは信号対要素30の周りでハウジング104、22内に形成されたリッジ130は、信号対要素30を対向するハイブリッドコネクタ内の対向する信号対要素と位置合わせすることを助けるために、より精密な位置合わせを提供する。一実施形態では、リッジ130は、信号対要素30aを取り囲む側壁25a及び25b並びに上壁27a及び底壁27bに沿って形成される。対向するコネクタは、コネクタハウジング104、22のリッジ130と嵌合する対向するリッジを有し、嵌合を容易にすることを確実にし、かつ信号対要素30の接触部分38に対する潜在的な損傷を防止する。
【0039】
高電流相互接続112a及び112bのうちの1つは、電力を供給するために使用され、高電流相互接続112a及び112bのうちの第2のものは、接地を提供する。
図1及び
図2を参照すると、一実施形態では、高電流相互接続112a及び112bの両方が、信号対要素30の下方又は上方のいずれかに配置されている。
図3及び
図4を参照すると、第1の高電流相互接続112aは、信号対要素30の上方に配置されており、第2の高電流相互接続112bは、信号対要素30の下方に配置されている。この構成は、二次ハイブリッドコネクタ20に関してのみ
図3及び
図4に示されているが、一次ハイブリッドコネクタ102に関しても同様に存在し得る。
【0040】
電力コネクタ110及び信号対要素の両方を単一のハウジング104、22内に装着することによって、ケーブルハーネス100が装着されるケース(図示せず)内の空気流を、従来技術のコネクタと比較して実質的に改善することができる。
【0041】
図3~
図6を参照すると、一次信号ケーブル114は、一次ハイブリッドコネクタ102の一次信号対要素30aを二次ハイブリッドコネクタ102の二次信号対要素30bに接続する。更に、一対の一次電力ケーブル116、117は、一次電力コネクタ110aを電源ユニット(図示せず)に接続し、一対の二次電力ケーブル98、99は、二次電力コネクタ110bを電源ユニット(図示せず)に接続する。
【0042】
図3及び
図4を参照すると、一実施形態において、ケーブルハーネス100は、一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102の第1の代替信号対要素30cを、内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ136の第2の代替信号対要素30dと接続する、二次又は代替信号ケーブル115を含む。代替電力ケーブル118は、一次電力コネクタ110を内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ136の代替電力コネクタ119と接続することが好ましい。内部ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ136は、ケース(図示せず)内のファンユニットと接続され、そのファンユニットと通信し、かつそのファンユニットに電力を供給し、一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102は、管理コンピュータ(図示せず)に接続されることが好ましい。管理コンピュータは、ケーブルハーネス100を介して、より具体的には、代替信号ケーブル115を介して接続された代替信号対要素30c及び30dを介して、ケース内のファンユニットの動作を制御することが好ましい。
【0043】
図1を参照すると、一実施形態では、一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102は、複数の二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ20a~20hを介して複数の計算ユニット(図示せず)とデータを通信し、かつ複数の計算ユニットに電力を供給する。各二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ20a~20hは、計算ユニットのうちの1つと接続されて、計算ユニットとデータを通信し、かつ計算ユニットに電力を供給することが好ましい。
【0044】
図1を参照すると、一実施形態では、一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102は、管理コンピュータ(図示せず)と接続されて、管理コンピュータとデータを通信し、かつ管理コンピュータに電力を供給する。管理コンピュータは、一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102並びに二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ20a~20hを介して、各計算ユニットからデータを受信し、かつ各計算ユニットに命令を送信することが好ましい。
【0045】
図28を参照すると、一実施形態では、一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102は、信号対要素30の上方の1つの高電流相互接続112aと、信号対要素30の下方に位置する1つの高電流相互接続112bとを含む。この実施形態では、二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ20はまた、信号対要素30の上方の1つの高電流相互接続112aと、信号対要素30の下方に位置する1つの高電流相互接続112bとを含む。
図29を参照すると、一実施形態では、一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102は、信号対要素30の下方に高電流相互接続112a、高電流相互接続112bの両方を含む。この実施形態では、二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ20はまた、信号対要素30の下方に高電流相互接続112a、高電流相互接続112bの両方を含む。一実施形態では、二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ20は、二次信号対要素30の上方又は下方のいずれかに高電流相互接続112a、高電流相互接続112bの両方を含む。
【0046】
図30を参照すると、一実施形態では、各一次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ102並びに各二次ハイブリッド信号及び電力バックプレーンコネクタ20から出ている電力ケーブル98、99は、コネクタ102、20の背後に戻るように経路をとり、圧着コネクタ144を使用して、対向する端部上の2つの穴圧着ラグ140で終端される。各ラグ140は、ラグ140を別の部材に取り付けて固定するためにねじなどの取り付け部材が通される一対の穴142、143を形成する。一実施形態では、2つの穴圧着ラグ140は、プレス嵌めねじ付きスタッドを用いて平坦なバスバー(図示せず)に装着され、かつコスト低減及び電力損失低減のためにねじ付きスタッドにねじ込まれるボルトで固定される。
【0047】
図31及び
図32を参照すると、一実施形態では、負電力ケーブル99の対は、圧着コネクタ144を使用して、一緒に圧着され、正電力ケーブル98の対は、別の圧着コネクタ144を使用して一緒に圧着され、各圧着コネクタは、ラグ140に接続される。このように、正及び負電力ケーブル99、99を対にし、それらを1つのラグ140に一緒に圧着することによって、ラグ140の数を減らすことができ、バスバー(図示せず)上へのラグ140の設置が簡略化される。電力ケーブル98、99は、圧着コネクタ144に圧着、はんだ付け、又は溶接され得、圧着コネクタ144は、ラグ140に取り付けられ、ラグ140は、次いで、バスバーに取り外し可能に接続される。電力ケーブル98、99は、圧着コネクタ144に超音波溶接されることが好ましい。このような構成は、前述した構成よりも電力損失を低減する。
【0048】
図32を参照すると、一実施形態では、一次バックプレーンコネクタ102は、各々が信号対要素30のアレイを収容する複数のコネクタハウジング102a及び102bを含む。
【0049】
図33を参照すると、一実施形態では、コネクタハウジング22は、プッシュピン部材160と、コネクタハウジング22の各側部に沿った一対のスナップ嵌め部材162とを含み、これにより、コネクタハウジング22をエンクロージャ200内にスナップ嵌めすることができる。スナップ嵌め部材162は、
図33に示すように、プッシュピン部材160とともにコネクタハウジング22の側部をエンクロージャ200に保持する。コネクタハウジング22をエンクロージャ200から取り外すためには、プッシュピン部材160を押し下げて、コネクタハウジング22をエンクロージャ200から押し出す必要がある。プッシュピン部材160は、圧入ばねプランジャであり、非対称設計を有することが好ましい。
【0050】
コネクタハウジング22は、コネクタハウジング22の1つの側部又は複数の側部に沿って少なくとも1つ、好ましくは一連のフランジ182を形成することが好ましい。コネクタハウジング22をバックプレート180に固定するために、フランジ182は、開口部184を通して押され、次いで、プッシュピン160が延出してコネクタハウジング22をバックプレート180に係止するまで、バックプレート180に沿って摺動される。バックプレート180からコネクタハウジング22を取り外すために、プッシュピン160が押し下げられる。プッシュピン部材160を押し下げると、次に、コネクタハウジング22が、フランジ182が開口部184と位置合わせされ、開口部184を通って押し出され、バックプレート180から解放されるまで摺動される。このようにして、コネクタハウジング22は、比較的容易かつ正確にバックプレート180と接続され、又はバックプレート180から取り外され得る。
【0051】
前述の明細書において、特定の実施形態が説明された。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解する。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきであり、全てのそのような修正は、本教示の範囲内に含まれることが意図される。
【0052】
利益、利点、問題に対する解決策、及びいくつかの利益、利点、又は解決策が発生する、又はより顕著になる可能性があり得る要素は、任意の又は全ての特許請求項の重要な、必要な、又は本質的な特徴又は要素として解釈されるべきではない。本発明は、本出願の係属中になされた任意の補正を含む添付の特許請求の範囲、及び発行された特許請求の範囲の全ての均等物によってのみ定義される。
【0053】
更に、この文書では、第1及び第2、上部及び底部などの関係用語は、1つのエンティティ又はアクションを別のエンティティ又はアクションから区別するためにのみ使用されるのであり、その際、そのようなエンティティ又はアクション間の実際の関係、又は順序を必ずしも必要とする又は暗示することはない。「含む(comprises )」、「含んでいる(comprising)」、「有する(has )」、「有している(having)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including )」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、要素のリストを含む、有する、含む、含む、プロセス、方法、物品、若しくは装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーすることが意図される。「...を含む(comprises )、a」、「...を有する(has )、a」、「...を含む(includes)、a」、「...を含有する(contains)、a」により続く要素は、更なる制約なしに、その要素を含む、有する、含む、含有する、プロセス、方法、物品、又は装置における追加の同一要素の存在を排除しない。「1つの(a )」及び「1つの(an)」という用語は、本明細書において明示的に別段の定めがない限り、1つ以上として定義される。「実質的に(substantially )」、「本質的に(essentially )」、「およそ(approximately )」、「約(about )」という用語又はそれらの任意の他の変形は、当業者によって理解されるように近いものとして定義され、1つの非限定的な実施形態では、この用語は、10%以内、別の実施形態では、5%以内、別の実施形態では、1%以内、別の実施形態では、0.5%以内であると定義される。本明細書で使用するとき、「結合された」という用語は、必ずしも直接的ではなく、必ずしも機械的ではないが、接続されたものとして定義される。ある方法で「構成される」デバイス又は構造は、少なくともその方法で構成されるが、列挙されない方法で構成されてもよい。
【0054】
一部の実施形態は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、カスタマイズされたプロセッサ、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array 、FPGA)などの1つ以上の汎用又は専用プロセッサ(又は「処理デバイス」)と、1つ以上のプロセッサを制御して、特定の非プロセッサ回路とともに、本明細書に記載の方法及び/又は装置の機能の一部、大部分、又は全てを実装する固有の記憶されたプログラム命令(ソフトウェア及びファームウェアの両方を含む)と、から構成され得ることが理解されよう。代替的に、いくつか又は全ての機能は、記憶されたプログラム命令を有しない状態機械によって、又は1つ以上の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit 、ASIC)内で実装され得、各機能又は機能のうちの特定のいくつかの組み合わせは、カスタム論理として実装される。もちろん、2つのアプローチの組み合わせを使用することもできる。
【0055】
更に、一実施形態は、本明細書で説明され、特許請求される方法を実行するようにコンピュータ(例えば、プロセッサを備える)をプログラムするためのコンピュータ可読コードを記憶したコンピュータ可読記憶媒体として実装することができる。このようなコンピュータ可読記憶媒体の例は、ハードディスク、CD-ROM、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及びフラッシュメモリを含むが、これらに限定されない。更に、当業者であれば、例えば、利用可能な時間、現在の技術、及び経済的考慮によって動機付けられる可能性のある多大な努力及び多くの設計選択にもかかわらず、本明細書で開示される概念及び原理によって導かれるときに、最小限の実験でそのようなソフトウェア命令及びプログラム及びICを容易に生成することができることが予想される。
【0056】
本開示の要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。要約書は、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないという理解の下で提出される。加えて、前述の発明を実施するための形態では、本開示を簡素化する目的で、様々な特徴が様々な実施形態において一緒にグループ化されることが分かる。本開示の方法は、特許請求される実施形態が各請求項に明示的に記載されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴にあるわけではない。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書によって発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、別個に特許請求される主題として独立している。
【国際調査報告】