(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-14
(54)【発明の名称】物体の寸法及び特徴を得るためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20241107BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
G01C15/00 102Z
G01C15/00 104Z
G01B11/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529491
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2022082322
(87)【国際公開番号】W WO2023089055
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524184390
【氏名又は名称】3ディー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロック,アラン
(72)【発明者】
【氏名】クリーグラー,エデュアルド
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA06
2F065BB05
2F065CC14
2F065FF11
2F065FF41
2F065GG04
2F065HH04
2F065MM16
2F065QQ42
(57)【要約】
部屋の1つ又は複数の壁の位置及び/又は向きを決定するため及び/又は部屋の壁のフィーチャ又は開口部を特定するための測定デバイス、処理デバイス、システム及び方法。測定デバイスは、測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、部屋の第1の壁に位置決めするためのデータムと、直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける測定デバイスの回転及び直線運動を測定するように構成された複数のモーションセンサであって、ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、データムによって定義される基準面に平行であり、ボディフレームz軸が、基準面に垂直である、複数のモーションセンサと、任意選択により、基準面に平行な又は基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を測定するように構成された測距モジュールとを含む。データプロセッサは、モーションセンサ及び/又は測距データを処理して、1つ又は複数の壁の位置及び/又は向きを決定するように及び/又は部屋の壁のフィーチャ又は開口部を特定するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の1つ又は複数の壁の位置及び/又は向きを決定するための測定デバイスであって、
前記測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、前記部屋の前記第1の壁に位置決めするためのデータムと、
直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける前記測定デバイスの回転及び直線運動を測定するように構成された複数のモーションセンサであって、前記ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、前記データムによって定義される基準面に平行であり、前記ボディフレームz軸が、前記基準面に垂直である、複数のモーションセンサと、
前記基準面に平行な又は前記基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を測定するように構成された測距モジュールと
を含む、測定デバイス。
【請求項2】
前記モーションセンサが、慣性センサを含む、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項3】
前記測距方向が、前記ボディフレームz軸に平行である、請求項1又は2に記載の測定デバイス。
【請求項4】
前記測距モジュールが、複数の角度的にオフセットされた測距方向において前記第2の壁までの複数の距離を測定するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項5】
前記データムが前記第1の壁に位置決めされているときに、前記第2の壁までの前記距離を測定するように前記測距モジュールを制御するように構成された測距コントローラをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項6】
前記測距コントローラが、前記モーションセンサから受信されたデータに基づいて、前記第2の壁までの前記距離を測定するように前記測距モジュールを制御するように構成される、請求項5に記載の測定デバイス。
【請求項7】
前記測距コントローラが、前記測定デバイスが静止していることを前記モーションセンサから受信された前記データが示す場合及び/又は前記データムが前記第1の壁に位置決めされている場合に、前記第2の壁までの前記距離を測定するように前記測距モジュールを制御するように構成される、請求項6に記載の測定デバイス。
【請求項8】
前記データムが前記壁に位置決めされていることを検出するように構成された近接センサをさらに含み、前記測距コントローラが、前記近接センサから受信されたデータに基づいて、前記第2の壁までの前記距離を測定するように前記測距モジュールを制御するように構成される、請求項5~7のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項9】
前記測距モジュールによって測定された前記距離の信頼度レベルをユーザが示すことができるように構成された信頼度インジケータをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項10】
前記信頼度インジケータが、前記ユーザの信頼度レベルを示すための押下可能なボタンを含む、請求項9に記載の測定デバイス。
【請求項11】
前記モーションセンサの1つ又は複数からモーションデータを受信することと、
前記モーションデータを処理して、前記第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、
前記測距モジュールから測距データを受信することと、
前記測距データを処理して、前記第1の壁に対する前記第2の壁の位置及び/又は向きを決定することと
を行うように構成されたデータプロセッサをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項12】
前記データプロセッサが、前記第1の壁の位置及び/又は向きが前回の第1のモーションデータ及び/又は前回の第1の測距データに基づいて以前に決定されているかどうかを判断するように構成され、
前記第1の壁の前記位置及び/又は向きが以前に決定されている場合は、前記モーションデータを処理して、前記第1の壁の前記位置及び/又は向きを決定するステップが、前記モーションデータを前記前回の第1のモーションデータ及び/又は前回の第1の測距データと組み合わせることを含む、請求項11に記載の測定デバイス。
【請求項13】
前記データプロセッサが、前記第2の壁の位置及び/又は向きが前回の第2のモーションデータ及び/又は前回の第2の測距データに基づいて以前に決定されているかどうかを判断するように構成され、
前記第2の壁の前記位置及び/又は向きが以前に決定されている場合は、前記測距データを処理して、前記第2の壁の前記位置及び/又は向きを決定するステップが、前記測距データを前記前回の第2のモーションデータ及び/又は前回の第2の測距データと組み合わせることを含む、請求項11又は12に記載の測定デバイス。
【請求項14】
前記データプロセッサが、前記部屋の複数の壁の前記位置及び/又は向きの最良適合を決定するために、複数のモーションデータ及び複数の測距データを組み合わせることによって、前記測距データの処理及び前記モーションデータの処理を行うように構成される、請求項11~13のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項15】
前記モーションデータ及び前記測距データを組み合わせることが、加重アルゴリズムに基づく、請求項12~14のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項16】
前記加重アルゴリズムが、最小2乗アルゴリズム又はカルマンフィルタを含む、請求項15に記載の測定デバイス。
【請求項17】
前記モーションデータの重み付け及び/又は前記測距データの重み付けが、前記モーションデータの誤差、前記測距データの誤差、前記モーションデータ及び/又は前記測距データに対する既定の重み付け値、信頼度インジケータの起動状態、並びに前記測距データに基づくデバイスの位置及び/又は向きと前記モーションデータに基づくデバイスの位置及び/又は向きとの差の1つ又は複数に基づく、請求項15又は16に記載の測定デバイス。
【請求項18】
前記データプロセッサが、前記モーションデータ及び/又は前記測距データに基づいて、前記部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、前記測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識するように構成される、請求項11~17のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項19】
前記シーケンスが、開口部を特定するためのものであり、前記開口部が、直交するx、y、z軸を含む参照フレームを定義し、前記参照フレームx軸が、前記開口部の幅と位置合わせされ、前記参照フレームy軸が、前記開口部の深さと位置合わせされ、前記参照フレームz軸が、前記開口部の垂直方向の高さと位置合わせされ、前記シーケンスが、
前記測定デバイスが垂直方向に方向付けられた第1の位置、
前記測定デバイスが水平方向に方向付けられ、前記第1の位置に対して前記参照フレームx軸方向において直線移動された第2の位置、及び
前記測定デバイスが垂直方向に方向付けられ、前記第2の位置に対して前記参照フレームx軸方向において直線移動され、前記第1の位置に対して前記参照フレームz軸又は前記参照フレームy軸の周りを実質的に180度回転移動された第3の位置
の少なくとも2つを含む、請求項18に記載の測定デバイス。
【請求項20】
前記シーケンスが、前記第1の位置及び前記第3の位置を含む、請求項19に記載の測定デバイス。
【請求項21】
前記シーケンスが、前記第2の位置をさらに含む、請求項20に記載の測定デバイス。
【請求項22】
前記シーケンスが、前記第1の位置及び前記第2の位置を含み、
前記データプロセッサが、前記測距データに少なくとも基づいて、前記開口部を特定するように構成される、請求項19に記載の測定デバイス。
【請求項23】
開口部のタイプが、前記第2の位置の垂直方向の高さに基づいて決定される、請求項21又は22に記載の測定デバイス。
【請求項24】
前記シーケンスが、前記測定デバイスが垂直方向に方向付けられ、前記第1及び/又は第3の位置に対して、前記参照フレームx軸方向において直線移動され、前記参照フレームz軸の周りを実質的に90度回転された参照位置をさらに含む、請求項19~23のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項25】
測定デバイスを使用して、部屋の1つ又は複数の壁の位置及び/又は向きを決定するための方法であって、
前記測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、前記部屋の前記第1の壁に前記測定デバイスのデータムを位置決めすることと、
複数のモーションセンサによって、直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける前記測定デバイスの回転及び直線運動を測定することであって、前記ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、前記データムによって定義される基準面に平行であり、前記ボディフレームz軸が、前記基準面に垂直である、測定することと、
測距モジュールによって、前記基準面に平行な又は前記基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を測定することと
を含む、方法。
【請求項26】
コンピュータプロセッサ上で実行されると、請求項25に記載の方法における、前記ボディフレームにおける前記測定デバイスの前記回転及び直線運動を測定するステップと、前記測距方向における前記第2の壁までの前記距離を測定するステップとを実行するように測定デバイスを制御するように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項27】
データプロセッサを含む、データを処理するための装置であって、前記データプロセッサが、
測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサからモーションデータを受信することであって、前記モーションデータが、前記測定デバイスのデータムが部屋の第1の壁に位置決めされているときに記録される、受信することと、
前記モーションデータを処理して、前記第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、
前記測定デバイスの測距モジュールから測距データを受信することであって、前記測距データが、前記データムによって定義される基準面に平行な又は基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を示す、受信することと、
前記測距データを処理して、前記第1の壁に対する前記第2の壁の位置及び/又は向きを決定することと
を行うように構成される、装置。
【請求項28】
データを処理するための方法であって、
測定デバイスから、前記測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサからモーションデータを受信することであって、前記モーションデータが、前記測定デバイスのデータムが部屋の第1の壁に位置決めされているときに記録される、受信することと、
データプロセッサによって、前記モーションデータを処理して、前記第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、
前記測定デバイスから、前記測定デバイスの測距モジュールから測距データを受信することであって、前記測距データが、前記データムによって定義される基準面に平行な又は基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を示す、受信することと、
前記データプロセッサによって、前記測距データを処理して、前記第1の壁に対する前記第2の壁の位置及び/又は向きを決定することと
を含む、方法。
【請求項29】
コンピュータプロセッサ上で実行されると、請求項28に記載の方法のステップを実行するようにデータプロセッサを制御するように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項30】
部屋の壁の1つ又は複数の開口部を特定するための測定デバイスであって、
前記測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、前記部屋の前記第1の壁に位置決めするためのデータムと、
直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける前記測定デバイスの回転及び直線運動を測定するように構成された複数のモーションセンサであって、前記ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、前記データムによって定義される基準面に平行であり、前記ボディフレームz軸が、前記基準面に垂直である、複数のモーションセンサと、
前記モーションセンサから受信されたモーションデータに基づいて、前記部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、前記測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識するように構成されたデータプロセッサと
を含む、測定デバイス。
【請求項31】
前記シーケンスが、開口部を特定するためのものであり、前記開口部が、直交するx、y、z軸を含む参照フレームを定義し、前記参照フレームx軸が、前記開口部の幅と位置合わせされ、前記参照フレームy軸が、前記開口部の深さと位置合わせされ、前記参照フレームz軸が、前記開口部の垂直方向の高さと位置合わせされ、前記シーケンスが、
前記測定デバイスが垂直方向に方向付けられた第1の位置、
前記測定デバイスが水平方向に方向付けられ、前記第1の位置に対して前記参照フレームx軸方向において直線移動された第2の位置、及び
前記測定デバイスが垂直方向に方向付けられ、前記第2の位置に対して前記参照フレームx軸方向において直線移動され、前記第1の位置に対して参照フレームz軸又は前記参照フレームy軸の周りを実質的に180度回転移動された第3の位置
の少なくとも2つを含む、請求項30に記載の測定デバイス。
【請求項32】
前記シーケンスが、前記第1の位置及び前記第3の位置を含む、請求項31に記載の測定デバイス。
【請求項33】
前記シーケンスが、前記第2の位置をさらに含む、請求項32に記載の測定デバイス。
【請求項34】
開口部のタイプが、前記第2の位置の垂直方向の高さに基づいて決定される、請求項33に記載の測定デバイス。
【請求項35】
前記シーケンスが、前記測定デバイスが垂直方向に方向付けられ、前記第1及び/又は第3の位置に対して、前記参照フレームx軸方向において直線移動され、前記参照フレームz軸の周りを実質的に90度回転された参照位置をさらに含む、請求項31~34のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項36】
測定デバイスを使用して、部屋の壁の1つ又は複数の開口部を特定するための方法であって、
前記測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、前記部屋の前記第1の壁に前記測定デバイスのデータムを位置決めすることと、
複数のモーションセンサによって、直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける前記測定デバイスの回転及び直線運動を測定することであって、前記ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、前記データムによって定義される基準面に平行であり、前記ボディフレームz軸が、前記基準面に垂直である、測定することと、
データプロセッサによって、前記モーションセンサから受信されたモーションデータに基づいて、前記部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、前記測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識することと
を含む、方法。
【請求項37】
コンピュータプロセッサ上で実行されると、請求項36に記載の方法における、前記ボディフレームにおける前記測定デバイスの前記回転及び直線運動を測定するステップと、前記シーケンスを認識するステップとを実行するように前記測定デバイスを制御するように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項38】
データプロセッサを含む、データを処理するための装置であって、前記データプロセッサが、
測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサからモーションデータを受信することであって、前記モーションデータが、前記測定デバイスのデータムが部屋の複数の壁に位置決めされているときに記録される、受信することと、
前記モーションデータを処理して、前記データムが前記複数の壁に位置決めされているときに前記測定デバイスの複数の位置及び/又は向きを決定することと、
前記測定デバイスの前記複数の位置及び/又は向きの中で、前記部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、前記測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識することと
を行うように構成される、装置。
【請求項39】
データを処理するための方法であって、
測定デバイスから、前記測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサからモーションデータを受信することであって、前記モーションデータが、前記測定デバイスのデータムが部屋の複数の壁に位置決めされているときに記録される、受信することと、
データプロセッサによって、前記モーションデータを処理して、前記データムが前記複数の壁に位置決めされているときに前記測定デバイスの複数の位置及び/又は向きを決定することと、
前記データプロセッサによって、前記測定デバイスの前記複数の位置及び/又は向きの中で、前記部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、前記測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識することと
を含む、方法。
【請求項40】
コンピュータプロセッサ上で実行されると、請求項39に記載の方法のステップを実行するようにデータプロセッサを制御するように構成されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、物理的物体の特徴の特定及び/又は寸法の測定に関する。具体的には、本発明は、建物の部屋など、少なくとも部分的に閉鎖された空間の寸法の測定に関するものであるが、これに限定される必要はない。特定の構成では、本発明は、ドアや窓など、建物の部屋の1つ又は複数のフィーチャの場所の決定に関するものであるが、これに限定される必要はない。
【背景技術】
【0002】
背景
多くの状況では、建物の部屋の1つ又は複数の壁の内寸及び向きを決定できることが望ましい。それに加えて、部屋の開口部(例えば、窓やドア)など、部屋の1つ又は複数のフィーチャの場所及び/又は寸法を決定することも望ましい。
【0003】
これらの寸法/特徴を決定するための伝統的な技法は、巻き尺又は他の直線距離測定デバイスの手作業での使用を伴う。部屋の壁やフィーチャはそれぞれ、部屋を図式的に表現できるように、手作業での測定、記録、及びスケッチ又は適切な技術製図ソフトウェアプラットフォームへの転送を行わなければならない。そのような技法を使用する上での誤差の発生はよくあることで、時には大きくなることもある。また、このプロセスには時間を要する。
【0004】
3つの直交軸におけるデバイスの回転速度及び加速度を表す慣性データを測定するように構成された慣性センサを含む測定デバイスが存在する。慣性データを処理することで、部屋の1つ又は複数の壁の寸法及び向きを決定することができる。例えば、測定デバイスは、複数の壁上の場所に設置することができ、そこでデバイスは一定の時間の間静止した状態で保持される。慣性データを処理することで、互いに対する壁の向き及び場所を決定することができる。そのようなデバイスは、上記で論じられる伝統的な方法よりも素早く使用することができ、精度も高い。
【0005】
誤解を避けるため、本明細書で使用される「壁」という用語は、部屋又は他の閉鎖空間のあらゆる内面を包含し、例えば、壁、床、天井、窓若しくはドア開口部の内側面、及び/又は階段の蹴上げ若しくは踏面などを包含し得る。
【0006】
部屋の開口部を特定する上での及び/又は建物の部屋の1つ又は複数の壁の内寸及び向きを測定する上での精度及び/又はスピードを向上させることが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
概要
本明細書で開示される方法及び装置は、本明細書で開示されるものを含めて、先行技術における1つ又は複数の問題を解決することを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、部屋の1つ又は複数の壁の位置及び/又は向きを決定するための測定デバイスであって、測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、部屋の第1の壁に位置決めするためのデータムと、直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける測定デバイスの回転及び直線運動を測定するように構成された複数のモーションセンサであって、ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、データムによって定義される基準面に平行であり、ボディフレームz軸が、基準面に垂直である、複数のモーションセンサと、基準面に平行な又は基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を測定するように構成された測距モジュールとを含む、測定デバイスが提供される。
【0009】
任意選択により、モーションセンサは、慣性センサを含む。
【0010】
任意選択により、測距方向は、ボディフレームz軸に平行である。
【0011】
任意選択により、測距モジュールは、複数の角度的にオフセットされた測距方向において第2の壁までの複数の距離を測定するように構成される。
【0012】
任意選択により、測定デバイスは、データムが第1の壁に位置決めされた際に、第2の壁までの距離を測定するように測距モジュールを制御するように構成された測距コントローラをさらに含む。
【0013】
任意選択により、測距コントローラは、モーションセンサから受信されたデータに基づいて、第2の壁までの距離を測定するように測距モジュールを制御するように構成される。
【0014】
任意選択により、測距コントローラは、測定デバイスが静止していることをモーションセンサから受信されたデータが示す場合及び/又はデータムが第1の壁に位置決めされている場合に、第2の壁までの距離を測定するように測距モジュールを制御するように構成される。
【0015】
任意選択により、測定デバイスは、データムが壁に位置決めされた際にそれを検出するように構成された近接センサをさらに含み、測距コントローラは、近接センサから受信されたデータに基づいて、第2の壁までの距離を測定するように測距モジュールを制御するように構成される。
【0016】
任意選択により、測定デバイスは、測距モジュールによって測定された距離の信頼度レベルをユーザが示すことができるように構成された信頼度インジケータをさらに含む。
【0017】
任意選択により、信頼度インジケータは、ユーザの信頼度レベルを示すための押下可能なボタンを含む。
【0018】
任意選択により、測定デバイスは、データプロセッサをさらに含み、データプロセッサは、モーションセンサの1つ又は複数からモーションデータを受信することと、モーションデータを処理して、第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、測距モジュールから測距データを受信することと、測距データを処理して、第1の壁に対する第2の壁の位置及び/又は向きを決定することとを行うように構成される。
【0019】
任意選択により、データプロセッサは、第1の壁の位置及び/又は向きが前回の第1のモーションデータ及び/又は前回の第1の測距データに基づいて以前に決定されているかどうかを判断するように構成され、第1の壁の位置及び/又は向きが以前に決定されている場合は、モーションデータを処理して、第1の壁の位置及び/又は向きを決定するステップは、モーションデータを前回の第1のモーションデータ及び/又は前回の第1の測距データと組み合わせることを含む。
【0020】
任意選択により、データプロセッサは、第2の壁の位置及び/又は向きが前回の第2のモーションデータ及び/又は前回の第2の測距データに基づいて以前に決定されているかどうかを判断するように構成され、第2の壁の位置及び/又は向きが以前に決定されている場合は、測距データを処理して、第2の壁の位置及び/又は向きを決定するステップは、測距データを前回の第2のモーションデータ及び/又は前回の第2の測距データと組み合わせることを含む。
【0021】
任意選択により、データプロセッサは、部屋の複数の壁の位置及び/又は向きの最良適合を決定するために、複数のモーションデータ及び複数の測距データを組み合わせることによって、測距データの処理及びモーションデータの処理を行うように構成される。
【0022】
任意選択により、モーションデータ及び測距データを組み合わせることは、加重アルゴリズムに基づく。
【0023】
任意選択により、加重アルゴリズムは、最小2乗アルゴリズム又はカルマンフィルタを含む。
【0024】
任意選択により、モーションデータの重み付け及び/又は測距データの重み付けは、モーションデータの誤差、測距データの誤差、モーションデータ及び/又は測距データに対する既定の重み付け値、信頼度インジケータの起動状態、並びに測距データに基づくデバイスの位置及び/又は向きとモーションデータに基づくデバイスの位置及び/又は向きとの差の1つ又は複数に基づく。
【0025】
任意選択により、データプロセッサは、モーションデータ及び/又は測距データに基づいて、部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識するように構成される。
【0026】
任意選択により、シーケンスは、開口部を特定するためのものであり、開口部は、直交するx、y、z軸を含む参照フレームを定義し、参照フレームx軸は、開口部の幅と位置合わせされ、参照フレームy軸は、開口部の深さと位置合わせされ、参照フレームz軸は、開口部の垂直方向の高さと位置合わせされ、シーケンスは、測定デバイスが垂直方向に方向付けられた第1の位置、測定デバイスが水平方向に方向付けられ、第1の位置に対して参照フレームx軸方向において直線移動された第2の位置、及び測定デバイスが垂直方向に方向付けられ、第2の位置に対して参照フレームx軸方向において直線移動され、第1の位置に対して参照フレームz軸又は参照フレームy軸の周りを実質的に180度回転移動された第3の位置の少なくとも2つを含む。
【0027】
任意選択により、シーケンスは、第1の位置及び第3の位置を含む。
【0028】
任意選択により、シーケンスは、第2の位置をさらに含む。
【0029】
任意選択により、シーケンスは、第1の位置及び第2の位置を含み、データプロセッサは、測距データに少なくとも基づいて、開口部を特定するように構成される。
【0030】
任意選択により、開口部のタイプは、第2の位置の垂直方向の高さに基づいて決定される。
【0031】
任意選択により、シーケンスは、測定デバイスが垂直方向に方向付けられ、第1及び/又は第3の位置に対して、参照フレームx軸方向において直線移動され、参照フレームz軸の周りを実質的に90度回転された参照位置をさらに含む。
【0032】
本発明のさらなる態様によれば、測定デバイスを使用して、部屋の1つ又は複数の壁の位置及び/又は向きを決定するための方法であって、測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、部屋の第1の壁に測定デバイスのデータムを位置決めすることと、複数のモーションセンサによって、直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける測定デバイスの回転及び直線運動を測定することであって、ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、データムによって定義される基準面に平行であり、ボディフレームz軸が、基準面に垂直である、測定することと、測距モジュールによって、基準面に平行な又は基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を測定することとを含む、方法が提供される。
【0033】
本発明のさらなる態様によれば、コンピュータプロセッサ上で実行されると、本明細書で開示される方法における、ボディフレームにおける測定デバイスの回転及び直線運動を測定するステップと、測距方向における第2の壁までの距離を測定するステップとを実行するように測定デバイスを制御するように構成されたコンピュータプログラムが提供される。
【0034】
本発明のさらなる態様によれば、データプロセッサを含む、データを処理するための装置であって、データプロセッサが、測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサからモーションデータを受信することであって、モーションデータが、測定デバイスのデータムが部屋の第1の壁に位置決めされた際に記録される、受信することと、モーションデータを処理して、第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、測定デバイスの測距モジュールから測距データを受信することであって、測距データが、データムによって定義される基準面に平行な又は基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を示す、受信することと、測距データを処理して、第1の壁に対する第2の壁の位置及び/又は向きを決定することとを行うように構成される、装置が提供される。
【0035】
本発明のさらなる態様によれば、データを処理するための方法であって、測定デバイスから、測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサからモーションデータを受信することであって、モーションデータが、測定デバイスのデータムが部屋の第1の壁に位置決めされた際に記録される、受信することと、データプロセッサによって、モーションデータを処理して、第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、測定デバイスから、測定デバイスの測距モジュールから測距データを受信することであって、測距データが、データムによって定義される基準面に平行な又は基準面を横断する測距方向における第2の壁までの距離を示す、受信することと、データプロセッサによって、測距データを処理して、第1の壁に対する第2の壁の位置及び/又は向きを決定することとを含む、方法が提供される。
【0036】
本発明のさらなる態様によれば、コンピュータプロセッサ上で実行されると、本明細書で開示される方法のステップを実行するようにデータプロセッサを制御するように構成されたコンピュータプログラムが提供される。
【0037】
本発明のさらなる態様によれば、部屋の壁の1つ又は複数の開口部を特定するための測定デバイスであって、測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、部屋の第1の壁に位置決めするためのデータムと、直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける測定デバイスの回転及び直線運動を測定するように構成された複数のモーションセンサであって、ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、データムによって定義される基準面に平行であり、ボディフレームz軸が、基準面に垂直である、複数のモーションセンサと、モーションセンサから受信されたモーションデータに基づいて、部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識するように構成されたデータプロセッサとを含む、測定デバイスが提供される。
【0038】
任意選択により、シーケンスは、開口部を特定するためのものであり、開口部は、直交するx、y、z軸を含む参照フレームを定義し、参照フレームx軸は、開口部の幅と位置合わせされ、参照フレームy軸は、開口部の深さと位置合わせされ、参照フレームz軸は、開口部の垂直方向の高さと位置合わせされ、シーケンスは、測定デバイスが垂直方向に方向付けられた第1の位置、測定デバイスが水平方向に方向付けられ、第1の位置に対して参照フレームx軸方向において直線移動された第2の位置、及び測定デバイスが垂直方向に方向付けられ、第2の位置に対して参照フレームx軸方向において直線移動され、第1の位置に対して参照フレームz軸又は参照フレームy軸の周りを実質的に180度回転移動された第3の位置の少なくとも2つを含む。
【0039】
任意選択により、シーケンスは、第1の位置及び第3の位置を含む。
【0040】
任意選択により、シーケンスは、第2の位置をさらに含む。
【0041】
任意選択により、シーケンスは、第1の位置及び第2の位置を含み、データプロセッサは、測距データに少なくとも基づいて、開口部を特定するように構成される。
【0042】
任意選択により、開口部のタイプは、第2の位置の垂直方向の高さに基づいて決定される。
【0043】
任意選択により、シーケンスは、測定デバイスが垂直方向に方向付けられ、第1及び/又は第3の位置に対して、参照フレームx軸方向において直線移動され、参照フレームz軸の周りを実質的に90度回転された参照位置をさらに含む。
【0044】
本発明のさらなる態様によれば、測定デバイスを使用して、部屋の壁の1つ又は複数の開口部を特定するための方法であって、測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、部屋の第1の壁に測定デバイスのデータムを位置決めすることと、複数のモーションセンサによって、直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける測定デバイスの回転及び直線運動を測定することであって、ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、データムによって定義される基準面に平行であり、ボディフレームz軸が、基準面に垂直である、測定することと、データプロセッサによって、モーションセンサから受信されたモーションデータに基づいて、部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識することとを含む、方法が提供される。
【0045】
本発明のさらなる態様によれば、コンピュータプロセッサ上で実行されると、本明細書で開示される方法における、ボディフレームにおける測定デバイスの回転及び直線運動を測定するステップと、シーケンスを認識するステップとを実行するように測定デバイスを制御するように構成されたコンピュータプログラムが提供される。
【0046】
本発明のさらなる態様によれば、データプロセッサを含む、データを処理するための装置であって、データプロセッサが、測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサからモーションデータを受信することであって、モーションデータが、測定デバイスのデータムが部屋の複数の壁に位置決めされた際に記録される、受信することと、モーションデータを処理して、データムが複数の壁に位置決めされた際に測定デバイスの複数の位置及び/又は向きを決定することと、測定デバイスの複数の位置及び/又は向きの中で、部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識することとを行うように構成される、装置が提供される。
【0047】
本発明のさらなる態様によれば、データを処理するための方法であって、測定デバイスから、測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサからモーションデータを受信することであって、モーションデータが、測定デバイスのデータムが部屋の複数の壁に位置決めされた際に記録される、受信することと、データプロセッサによって、モーションデータを処理して、データムが複数の壁に位置決めされた際に測定デバイスの複数の位置及び/又は向きを決定することと、データプロセッサによって、測定デバイスの複数の位置及び/又は向きの中で、部屋の壁のフィーチャ及び/又は開口部を特定するための、測定デバイスの相対的な位置及び/又は向きのシーケンスを認識することとを含む、方法が提供される。
【0048】
本発明のさらなる態様によれば、コンピュータプロセッサ上で実行されると、本明細書で開示される方法のステップを実行するようにデータプロセッサを制御するように構成されたコンピュータプログラムが提供される。
【0049】
図面の簡単な説明
以下では、添付の図面を参照して、開示される方法及び装置の実施形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】部屋の1つ又は複数のフィーチャの場所を決定するためのシステムの概略表現である。
【
図7】部屋の複数の壁の相対的な場所を決定する方法のためのフロー図である。
【
図8】部屋の複数の壁の相対的な場所を決定する方法のためのフロー図である。
【
図10】壁開口部の場所及び/又は寸法を決定する方法のためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
詳細な説明
一般に、本明細書では、建物の部屋など、少なくとも部分的に閉鎖された空間のフィーチャの場所を決定するための方法及び装置が開示される。フィーチャは、壁、床、天井又は壁開口部(ドア若しくは窓など)を含み得る。この詳細な説明の残りの部分では、「部屋」という用語が使用されているが、これは限定的である必要はなく、開示される方法及び装置を使用して、少なくとも部分的に閉鎖されたあらゆる空間を測定できることが理解されよう。開示される方法及び装置は、壁の場所及び向き、又は部屋の開口部の場所を決定することができる。これは、モーションセンサ(例えば、慣性センサ)データのみに基づいて、モーションセンサデータ及び測距データの重み付けされた組合せに基づいて、及び/又は測定デバイスの相対的な位置及び向きのシーケンスに基づいて行うことができる。
【0052】
図1は、部屋のフィーチャを測定するためのシステムの概略表現を示す。システムは、測定デバイス102及び処理デバイス104を含む。以下では、例示的な測定デバイス及び処理デバイスについて詳細に説明する。大まかに言えば、測定デバイス102は、複数のセンサを含み、複数のセンサは、部屋の1つ又は複数のフィーチャを測定し、それらの測定値を表すデータを処理デバイス104に送信するように配置される。処理デバイス104は、送信されたデータに基づいて、部屋の壁及び他のフィーチャの場所及び向きを決定するように配置されたプロセッサを含む。
【0053】
測定値を表すデータの処理の少なくとも一部は、処理デバイス104に送信する前に、測定デバイス102において実行できることが理解されよう。また、処理デバイス104は、測定デバイス102の一部を形成し、それらを単一のユニット内に収納できることも理解されよう。
【0054】
図1では、測定デバイス102から処理デバイス104へのデータの送信は、ワイヤレス送信106として示されている。ワイヤレス送信は、Bluetooth(RTM)、近距離無線通信、Wi-Fi、ネットワークベースの通信(例えば、インターネット)、モバイル通信プロトコルなど、公知のハードウェア及び通信プロトコルを使用する無線周波数送信であり得る。また、ワイヤレス送信106では、光伝送ハードウェア及びプロトコルを使用することもできる。当業者であれば、送信が少なくとも部分的に有線であり得ることが理解されよう。また、処理デバイス104が、同じ通信媒体/プロトコルを介して、測定デバイス102にデータを送信することも可能である。
【0055】
データの送信は、実質的にリアルタイムで行うことができる。例えば、測定値を記録し、その後、それらの測定値を表すデータを、例えば、オープン通信リンク上で、できる限り早く送信することができる。いくつかの構成では、データの送信は、断続的に及び/又は時折行うことができる。例えば、測定デバイスは、複数の測定値を記録し、複数の測定値を表すデータを格納し、後で送信することができる。そのような構成では、送信は、手動でトリガすることも、測定デバイス102が処理デバイス104へのオープン通信チャネル(直接的又は間接的)を検出することによってトリガすることもできる。
【0056】
図2は、測定デバイス102の概略表現を示し、それは
図1の測定デバイス102であり得る。測定デバイス102は、送信機202を含み、任意選択により、受信機204も含む。送信機202及び受信機204は、処理デバイス104或いは電気通信ネットワーク内のサーバ及び/又は機能などの他のエンティティとデータ通信することができ、データを相応に送受信するように構成される。
【0057】
測定デバイス102は、メモリ206及びプロセッサ208をさらに含む。メモリ206は、不揮発性メモリ及び/又は揮発性メモリを含み得る。メモリ206は、その中にコンピュータプログラム210を格納することができる。コンピュータプログラム210は、本明細書で開示される方法を実行するように構成することができる。コンピュータプログラム210は、非一時的なコンピュータ可読媒体212からメモリ206にロードすることができ、そこでコンピュータプログラムが格納される。プロセッサ208は、以下に記載されるように、測距コントローラ214及びデータプロセッサ216の機能の1つ又は複数を実行するように構成される。また、測定デバイスは、近接センサ218、慣性センサ220、測距モジュール222及び信頼度インジケータ224も含み得る。
【0058】
慣性センサ220は、加速度計及び/又はレートジャイロを含み得る。慣性センサ220は、3つの直交軸(典型的には、x軸、y軸及びz軸として特定される)における測定デバイス102の加速度及び回転速度を測定するように配置することができる。加速度及び回転速度は、ボディフレーム(すなわち、測定デバイス102に関連して固定され、x軸、y軸及びz軸によって定義されるフレーム)において記録し、周知の技法を使用して、他の任意の参照フレーム(例えば、部屋を基準としたローカル参照フレーム)に変換することができる。慣性センサ220は、慣性測定ユニット(IMU)の一部を形成することができる。慣性センサは、微小電気機械システム(MEMS)技術を組み込むことができる。
【0059】
この文書全体を通じて、慣性センサについて言及しているが、他のモーションセンサも採用できることを理解されたい。そのようなモーションセンサは、測定デバイスの回転及び/又は直線運動を検出することができるあらゆるセンサを含む。
【0060】
測距モジュール222は、測定デバイス102から部屋の壁などの遠隔物体までの距離範囲を測定するように構成される。測距モジュール222は、1つ又は複数の距離測定ツールを含み得る。いくつかの構成では、測距モジュールは、レーザ距離測定(LDM)ツールを含み得る。LDMは、測定デバイス102からレーザ光を送信し、遠隔物体から反射した反射レーザ光を受信し、公知の技法を使用して、測定デバイス102から遠隔物体までの距離を決定するように構成することができる。レーザ光は、可視又は非可視スペクトルであり得る。測距モジュールは、音響測距ツール又は3Dレーザスキャニングツール(LiDARなど)など、他のタイプの測距ツールを含み得る。
【0061】
図4を参照して以下で説明されるように、測距モジュール222は、1つ又は複数の方向における測定デバイス102から遠隔物体までの距離範囲を決定するように方向付けることができる。測定デバイスは、異なる方向に方向付けられた複数の測距モジュール222を含み得る。
【0062】
近接センサ218は、測定モジュール102の表面が壁又は他の平坦面に設置された際に表示を提供するように構成される。近接センサは、あらゆる形態を取ることができ、例示的な構成では、光センサを含み得る。測定デバイスが壁に設置されると、光センサが覆われ、それにより、光の侵入が阻止され、必要な表示を提供することができる。
【0063】
送信機202、受信機204、メモリ206、プロセッサ208、近接センサ218、慣性センサ220及び測距モジュール222の各々は、測定デバイス102の他のフィーチャとデータ通信する。測定デバイス102は、ハードウェアとソフトウェアの組合せとして実装することができる。具体的には、測距コントローラ214及びデータプロセッサ216は、プロセッサ208上で走らせるように構成されたソフトウェアとして実装することができる。メモリ206は、プロセッサ208によって実実装される様々なプログラム/実行可能ファイルを格納し、また、任意の必要なデータ用の記憶ユニットも提供する。メモリ206に格納され、プロセッサ208によって実装されるプログラム/実行可能ファイルは、測距コントローラ214及びデータプロセッサ216を含み得るが、そのように限定されない。
【0064】
図3は、処理デバイス104の概略表現を示し、それは
図1の処理デバイス104であり得る。処理デバイス104は、受信機304を含み、任意選択により、送信機302も含む。送信機302及び受信機304は、測定デバイス102或いは電気通信ネットワーク内のサーバ及び/又は機能などの他のエンティティとデータ通信することができ、データを相応に送受信するように構成される。
【0065】
処理デバイス104は、メモリ306及びプロセッサ308をさらに含む。メモリ306は、不揮発性メモリ及び/又は揮発性メモリを含み得る。メモリ306は、その中にコンピュータプログラム310を格納することができる。コンピュータプログラム310は、本明細書で開示される方法を実行するように構成することができる。コンピュータプログラム310は、非一時的なコンピュータ可読媒体312からメモリ306にロードすることができ、そこでコンピュータプログラムが格納される。プロセッサ308は、以下に記載されるように、データプロセッサ314の機能を実行するように構成される。また、任意選択により、処理デバイス104は、ディスプレイ320及びユーザインタフェース322も含む。
【0066】
送信機302、受信機304、メモリ306、プロセッサ308、ディスプレイ320及びユーザインタフェース322の各々は、処理デバイス104の他のフィーチャとデータ通信する。処理デバイス104は、ハードウェアとソフトウェアの組合せとして実装することができる。具体的には、データプロセッサ314は、プロセッサ308上で走らせるように構成されたソフトウェアとして実装することができる。メモリ306は、プロセッサ308によって実装される様々なプログラム/実行可能ファイルを格納し、また、任意の必要なデータ用の記憶ユニットも提供する。メモリ306に格納され、プロセッサ308によって実装されるプログラム/実行可能ファイルは、データプロセッサ314を含み得るが、そのように限定されない。
【0067】
図4は、例示的な測定デバイス102のハウジングの等角概略図を示す。
図4の例示的な測定デバイスは、概して平坦な長方形の形状を有するが、他の形状の測定デバイスも可能である。測定デバイス102のハウジングは、少なくとも1つのデータムを有し、それは、この事例では、部屋の壁と同一平面上に位置決めされるように構成された平坦面408である。したがって、測定デバイス102のボディフレームは、
図4の矢印410、412、414に基づいて定義することができ、410はx軸であり、412はy軸であり、414はz軸である。平坦面408は、壁に対する測定デバイス102の既知のアライメント及びオフセットを提供するデータムである。平坦面408の場合、測定デバイス102は、壁と位置合わせされ、オフセットは、実質的にゼロである。しかし、言わば、三脚形成の、例えば、複数の脚又はペグなど、他のデータムを使用することもできる。
【0068】
例示的な一構成では、測距モジュール222は、z軸414に平行な方向416における遠隔物体までの距離を測定するように構成される。すなわち、測距モジュール222は、表面408を横断する方向及び特定の構成では表面408に垂直な方向における遠隔物体までの距離を測定するように構成される。したがって、測定デバイス102の表面408が部屋の壁と同一平面上に保持されると、測距モジュール222は、反対側の壁までの距離を測定することができる。他の構成では、測距モジュール222は、x軸410若しくはy軸412に平行な方向における又はまさに他の任意の方向における遠隔物体までの距離を測定するように構成することができる。
【0069】
いくつかの構成では、測距モジュールは、角度的にオフセットされた遠隔物体までの複数の距離を測定するように構成することができる。複数の距離はすべて、方向416を通る測距平面内であっても、方向416から任意の角度をなすものであってもよい。複数の距離は、1つ又は複数の平面内において走査パターンで測定することができる。複数の距離は、扇形又は円錐形を形成し得る。複数の距離は、遠隔物体(例えば、測定デバイス102が設置されている壁の実質的に反対側の1つ又は複数の壁)に対する測定デバイス102の向きに関する情報を提供することができる。
【0070】
測定デバイスは、測定デバイス102のユーザが測距モジュールによって得られる距離測定値における信頼度を示すことができるように構成された信頼度インジケータ224を含み得る。
図4に示される例示的な測定デバイス102では、信頼度インジケータ224は、ユーザが測距モジュール222の距離測定値における信頼度を有する場合に押下することができるボタンを含む。例えば、測距モジュールが反対側の壁までの距離を測定しておらず、代わりに、窓、家具のアイテム又は同様のものまでの距離を測定していることにユーザが気付いた場合は、ユーザは、信頼度インジケータ224を起動させないこと(例えば、ボタンを押下しないこと)を選ぶことができる。測距モジュールが反対側の壁までの真の距離を測定していることにユーザが気付いた場合は、ユーザは、信頼度インジケータ224を起動すること(例えば、ボタンを押下すること)ができる。いくつかの構成では、信頼度インジケータ224は、音声起動などの別の手段で起動することができる。或いは、信頼度表示は、測距モジュール222によって測定が行われた後(データ処理の間又はデータ処理の後など)に、ユーザによって提供することができる。
【0071】
信頼度インジケータ224は、反対側の壁が、表面408が位置決めされている壁に実際に平行であることを確認するために使用することもできる。或いは、その目的のため、別個のインジケータや平行インジケータ(これもまた、押下可能なボタンでよい)を含めることができる。
【0072】
図5は、建物の例示的な部屋500の平面図を示す。部屋500は、4つの壁502a、502b、502c、502dを含む。ドア開口部504は、壁502bに位置し、窓開口部506は、壁502dに位置する。
【0073】
測距モジュール222を含まない測定デバイス102を使用して、測定デバイス102の表面408が各壁に順番に設置される。これは、測定デバイス102a、102b、102c、102dによって示されている。さらなる精度尺度として、測定デバイス102は、場所102dに設置した後、再び場所102a(又は壁502a上の別の場所)に設置することができる。これにより、各壁502a、502b、502c、502dへの測定デバイス102の設置に要した時間にわたる慣性センサ220のドリフトのレベルに関する情報を提供することができる。
【0074】
測定デバイス102のデータプロセッサ216又は処理デバイス104のデータプロセッサ314は、測定デバイス102が各場所102a、102b、102c、102dで静止している際にそれを検出するために、慣性センサ220からの慣性データを処理する。これは、慣性センサからの出力が所定の時間の間に1つ又は複数の閾値を下回るかどうかを判断することによって達成することができる。
【0075】
測定デバイス102が壁に静止していることをデータプロセッサ216、314が検出すると、プロセッサ216、314は、壁502aの場所が表面408と一致すると決定する。測定デバイス102が位置102aから102bに移動すると、データプロセッサ216、314は、測定デバイス102が再び静止していることを示す慣性データを受信する。したがって、データプロセッサ216、314は、第1の壁502aに対する隣接する壁502bの位置及び向きを決定する。2つの壁502a及び502bは、決定された相対的な向き及び位置に基づいて、互いに交差する平面として表すことができる。
【0076】
このプロセスは、壁502c及び502dに対して繰り返され、データプロセッサは、慣性データを受信して、部屋の壁の設計図を完成させる。
【0077】
以下では、
図6及び7を参照して、部屋の1つ又は複数のフィーチャの場所を決定するための方法について説明する。部屋のフィーチャは、壁、床、部屋の開口部(窓やドアなど)を含み得る。
図6の同様のフィーチャには
図5と同じ参照番号が与えられ、再び説明することはない。以下で説明される例は、測定デバイス102が、データを測定し、そのデータを処理デバイス104に送信し、処理デバイス104において、データが処理され、フィーチャの場所及び/又は寸法が決定されるものである。他の構成では、記録データの少なくとも一部、及びいくつかの事例では、記録データのすべてを、測定デバイス102で処理できることが理解されよう。処理済みのデータは、測定デバイス102によって、例えば、表示ユニットに送信すること又はネットワークサーバにアップロードすることができる。
【0078】
測定デバイス102は、壁502a上の場所102aに設置される(700)。測定デバイス102の表面408は、壁502aと同一平面上に設置される。
【0079】
測距コントローラ214は、壁502cまでの距離を測定する(702)ように測距モジュール222を制御する。これは、矢印600aによって表されている。測距コントローラ214は、表面408が壁502aと同一平面上に位置する際に距離を測定するように測距モジュール222を制御することができる。測定デバイス102のデータプロセッサ216は、測定デバイス102が壁502aに保持された際にそれを検出するように構成することができ、その検出に基づいて測距コントローラ214をトリガすることができる。いくつかの構成では、近接センサ218が、表面408が壁502aに位置決めされた際にそれを検出することができ、その検出に基づいて測距コントローラ214をトリガすることができる。その代替として又はそれに加えて、本明細書で説明されるように、データプロセッサ216、314は、測定デバイス102が静止していると決定することができる。
【0080】
例示的な構成では、測距コントローラ214は、反対側の壁502cまでの距離の複数の測定値を取り入れるように測距モジュール222を制御することができる。データプロセッサ216、314は、複数の測定値に基づいて、正しい距離測定値を決定することができる。例えば、複数の一貫した距離測定値(例えば、許容範囲内の)が達成された場合は、それらの測定値の平均が距離測定値であると考えることができる。
【0081】
例示的な構成では、慣性センサ220によって測定された慣性データは、処理デバイス104に送信される。データプロセッサ314は、壁502aの位置を決定するために慣性データを処理する(704)。壁502aの位置は、表面408の位置と一致すると決定することができる。壁502aの向きは、測定デバイス102(例えば、表面408)の向きと同じであると決定することができる。
【0082】
測距モジュール222によって測定された、壁502cまでの距離600aを示す測距データは、処理デバイス104に送信される。データプロセッサ314は、壁502cの位置を決定するために測距データを処理する(706)。壁502cの位置は、壁502aから距離600aだけオフセットされていると決定することができる。向きに関連するデータ(慣性又は測距データ)が利用可能でない場合は、壁502cの向きは、壁502aに平行であると決定することができる。
【0083】
図6に示される例では、距離600aは、反対側の壁502cまでの距離として測定されている。したがって、ユーザは、信頼度インジケータ224を使用して、距離範囲測定値600aにおける信頼度を有することを示すことができる。他の状況では、距離範囲測定値が、部屋のドア開口部504、窓開口部506又は何らかの家具に達した場合は、ユーザは、距離範囲測定値における信頼度が低いことを示すことができる。
【0084】
測定デバイス102が壁502bに設置される(708)。慣性センサ220は、回転が発生し、今は測定デバイス102が静止していることを検出する。上記で説明されるものと同様の方法では、測距コントローラ214は、壁502dまでの距離600bを測定する(710)ように測距モジュール222を制御する。
【0085】
説明される構成では、対応する慣性データは、処理デバイス104に送信され、データプロセッサ314は、壁502bの位置及び向きを決定するためにその慣性データを処理する(712)。壁502bの位置は、表面408の位置と一致すると決定することができる。壁502bの向きは、測定デバイス102(例えば、表面408)の向きと同じであると決定することができる。
【0086】
測距モジュール222によって測定された、壁502dまでの距離600bを示す測距データは、この例では、処理デバイス104に送信される。データプロセッサ314は、壁502dの位置を決定するために測距データを処理する(712)。壁502dの位置は、壁502bから距離600bだけオフセットされていると決定することができる。向きに関連するデータ(慣性又は測距データ)が利用可能でない場合は、壁502dの向きは、壁502bに平行であると決定することができる。
【0087】
いくつかの構成では、部屋500の4つの壁502a、502b、502c、502dのすべてを十分な精度で位置決めするのに、これで十分であり得る。他の構成では、壁が位置決めされる上での精度を向上させるために、追加の壁を測定することができる(714)。例えば、測定デバイス102を壁502cの位置102c及び壁502dの位置102dに設置することができる。上記で説明されるものと同様の方法で、測定デバイスは、壁502c及び502dの位置及び向きに関連する慣性データや、壁502a及び502bの位置に関連する測距データを記録することができる。これにより、壁502a、502b、502c、502dの各々の位置及び向きに関連する複数のデータが生成される。このデータはすべて、各壁502a、502b、502c、502dの位置及び向きの最良適合を決定するために、本明細書で開示される方法及び装置を使用して組み合わせることができる。
【0088】
いくつかの構成では、測距モジュール222は、壁までの複数の距離を測定するように構成することができる。複数の距離は、上記で説明されるように、互いに角度的にオフセットすることができる。それに従って、測距モジュールは、測定デバイス102が位置決めされている壁に対して反対側の壁の向きを示すデータを記録することができる。そのような構成では、反対側の壁の位置及び向きは、データプロセッサ216、314によって、測距データに基づいて決定することができる。
【0089】
図8は、壁の位置及び/又は向きを決定するために慣性データ及び/又は測距データを処理する方法のためのフロー図を示す。データプロセッサ216、314は、壁502a、502b、502c、502dに関連する慣性及び/又は測距データを受信し、壁の位置及び/又は向きが以前に決定されているかどうかを判断する(800)。
【0090】
壁の位置及び/又は向きが以前に決定されていない場合は、データプロセッサ216、314は、受信された慣性及び/又は測距データに基づいて、壁の位置及び/又は向きを決定する(802)。これについては上記で説明している。壁の位置及び/又は向きが以前に決定されている場合は、データプロセッサ314は、受信された慣性及び/又は測距データ(今回の慣性及び/又は測距データ)を、壁の前回の位置を決定するために使用された慣性及び/又は測距データ(前回の慣性及び/又は測距データ)と組み合わせる(804)。
【0091】
前回の慣性及び/又は測距データと今回の慣性及び/又は測距データを組み合わせることは、加重アルゴリズム(例えば、加重平均アルゴリズム)を使用して行うことができる。例示的な構成では、前回の慣性及び/又は測距データと今回の慣性及び/又は測距データを組み合わせることは、最小2乗アルゴリズム(例えば、加重最小2乗アルゴリズム)又はカルマンフィルタアルゴリズムに基づき得る。そのような例では、前回の慣性データ、前回の測距データ、今回の慣性データ及び/又は今回の測距データに与えられる相対的な重みは、そのデータの推定精度に基づいて決定することができる。
【0092】
例えば、慣性データ(前回の及び/又は今回の)の誤差が大きいと決定された場合は、慣性データに適用される重み付けは低くなる可能性があり、その逆も同様である。また、測距データ(前回の及び/又は今回の)の信頼度が低いと決定された場合は、測距データに適用される重み付けは低くなる可能性があり、その逆も同様である。測距データの信頼度は、ユーザが信頼度インジケータを起動させたかどうかに基づいて決定することができる。いくつかの構成では、測距データの信頼度は、測距データに基づいて決定された位置及び/又は向きとモーションデータに基づいて決定された位置及び/又は向きとの差に基づいて決定することができる。差が閾値を上回る場合は、その測距データは不正確と見なされ、低い重み付けが与えられるか又は完全に無視される。差が閾値以下である場合は、その測距データは真の距離範囲と見なされ、高い重み付けが与えられ、いくつかの事例では、慣性データは完全に無視される。いくつかの構成では、慣性及び/又は測距データ(前回の及び/又は今回の)の重み付けは、事前に決定し、メモリ306に格納しておくことができる。例えば、既定の重みは、慣性センサ及び/又は測距モジュールの既定の誤差範囲に基づき得る。これらは、製造業者から得ることも、テスト及び較正を通じて得ることもできる。また、重み付けは、温度、圧力などの環境条件にも基づき得る。
【0093】
前回の慣性及び/又は測距データと今回の慣性及び/又は測距データの組合せに基づいて、データプロセッサ216、314は、最良適合する壁の位置及び/又は向きを決定する(806)。
【0094】
図8に基づく方法を使用すると、壁502a、502b、502c、502dの位置及び向きの精度が上がる。
【0095】
例示的な構成では、慣性センサ220は、測距データに基づいて較正することができる。すなわち、測距データを使用して既に位置決めされている及び/又は方向付けられている壁に測定デバイス102を設置する際、その測距データを使用して、慣性センサ測定値における誤差を補正することができる。特定の例では、例えば、測定デバイス102が壁に位置決めされる際に、前回の測距データに基づいて決定された壁の前回の位置及び/又は向きが、今回の慣性データに基づいて決定された壁の位置及び/又は向きの閾値内である場合は、測距データは、真の距離範囲であると見なすことができる。その状況では、測距データは、壁の位置及び/又は向きのより正確な尺度である。したがって、測距データを使用して(例えば、上記で言及されるものなどの加重アルゴリズムにおいて)、慣性センサ測定値における誤差を補正することができる。そのような補正は、データプロセッサ216、314によって、測定デバイス102が部屋の至る所に位置決めされている際に「オンザフライ」で行うことができる。その代替として又はそれに加えて、補正は、データプロセッサ216、314によって、すべての測定値を取り入れた後、後処理アルゴリズムにおいて適用することができる。その代替として又はそれに加えて、慣性センサの較正は、測距データに基づいて改善することができ、その結果、測距データが利用できない際に慣性データのみを使用する場合の将来の測定値も改善される。
【0096】
図9及び10は、部屋のフィーチャ(この事例では、窓開口部)を特定する方法及び/又はフィーチャの位置を決定する方法を示す。以下で説明される方法は、上記で説明される方法に加えて使用することも、単独で使用することもできる。また、以下で明らかになるように、
図10の方法は、測距モジュール222を使用する必要はない。したがって、
図10の方法で使用される測定デバイス102は、
図2及び4の測定デバイス102を含むが、測距モジュール222及び信頼度インジケータ224は含まない。
【0097】
図9は、3つの直交軸を含む参照フレームを示す。y軸910は、窓506の深さに平行であり、x軸912は、窓506の幅に平行であり、z軸914は、窓506の垂直方向の高さに平行である。
【0098】
データプロセッサ216、314は、測定デバイス102の位置のシーケンスを認識し、部屋内部フィーチャなどのフィーチャ及び/又は壁502dの開口部506としてシーケンスを特定するように構成される。開口部506は、部屋のあらゆる表面の窓、ドア又は他の開口部であり得る。データプロセッサ216、314は、慣性データ及び/又は測距データに基づいて開口部506を特定するように構成することができる。
【0099】
データプロセッサによって認識されるシーケンスは、測定デバイス102が垂直方向に方向付けられた第1の位置(例えば、位置102f)、測定デバイス102が水平方向に方向付けられ、第1の位置に対して参照フレームx軸912方向において直線移動された第2の位置(例えば、位置102g)、及び測定デバイス102が垂直方向に方向付けられ、第2の位置に対して参照フレームx軸912方向において直線移動され(任意選択により、さらに直線移動され)、第1の位置に対して参照フレームz軸又は参照フレームy軸の周りを実質的に180度回転移動された第3の位置(例えば、位置102h)の2つ以上を含み得る。
【0100】
「垂直方向に方向付けられた」という用語は、垂直の壁又は部屋フィーチャに位置決めされた測定デバイス102を包含する。「水平方向に方向付けられた」という用語は、水平の壁又は部屋フィーチャに位置決めされた測定デバイス102を包含する。さらに、論じられる回転及び変位は、ある位置と別の位置との間の角度及び変位に関連し、上記で言及されるように、近接インジケータ218を使用して及び/又は測定デバイス102用の静止アルゴリズムを使用して決定することができる。それらの位置の間では、あらゆる方向におけるあらゆる回転量及び変位量が発生し得る。
【0101】
図10を参照すると、測定デバイス102が第1の壁と同一平面上に設置される(1000)。ここで再び、壁という用語は、壁の開口部の内側面や、そのような開口部の敷居又は上面を包含し得ることに留意されたい。上記の方法によれば、第1の壁の位置及び向きを決定することができる。これは、
図5を参照して説明されるように、慣性データのみを使用して行うことも、
図6及び7に関連して説明されるように、測距データを組み込むこともできる。
【0102】
測定デバイス102が第2の壁に設置される(1002)。上記の方法によれば、第2の壁の位置及び向きは、データプロセッサ216、314によって決定することができる。この場合もやはり、これは、
図5を参照して説明されるように、慣性データのみを使用して行うことも、
図6及び7に関連して説明されるように、測距データを組み込むこともできる。
【0103】
データプロセッサ216、314は、測定デバイスが認識できるシーケンス(例えば、メモリ206、306に格納されているもの)で設置されているかどうかを判断する(1004)。
【0104】
シーケンスが認識された場合は、データプロセッサ216、314によって、開口部506が特定され(1006)、記録された慣性及び/又は測距データに基づいて開口部の位置及び/又は寸法が決定される(1008)。一構成では、シーケンスは、第1の位置及び第3の位置を含み得る。すなわち、測定デバイス102は、位置102f及び102hに設置されている。これらの位置は、慣性データ及び/又は測距データに基づいて決定することができる。すなわち、これらの位置は、慣性データのみに基づいて決定することができる。別の構成では、シーケンスは、第1の位置及び第2の位置を含み得る。すなわち、測定デバイス102は、位置102f及び102gに設置されている。これらの位置は、慣性データ及び/又は測距データに基づいて決定することができる。測定デバイス102が位置102fに位置する際に記録された測距データ900fは、データプロセッサ216、314によって、開口部の反対側の壁の位置及び/又は向きを決定するために使用することができる。測定デバイス102が位置102gに位置する際に記録された測距データ900gは、データプロセッサ216、314によって、開口部の上壁の位置及び/又は向きを決定するために使用することができる。
【0105】
データプロセッサ216、314によってシーケンスが検出されない場合は、測定デバイス102の設置は、第3の壁へと続けることができる(1010)。
【0106】
この場合もやはり、データプロセッサ216、314は、測定デバイスが認識できるシーケンスで設置されているかどうかを判断する(1012)。
【0107】
シーケンスが認識された場合は、データプロセッサ216、314によって、開口部506が特定され(1014)、記録された慣性及び/又は測距データに基づいて開口部の位置及び/又は寸法が決定される(1016)。一構成では、シーケンスは、第1の位置、第2の位置及び第3の位置を含み得る。すなわち、測定デバイス102は、位置102f、102g、102hに設置されている。これらの位置は、慣性データ及び/又は測距データに基づいて決定することができる。すなわち、これらの位置は、慣性データのみに基づいて決定することができる。測定デバイス102は、第1の位置、第2の位置及び第3の位置にいかなる順序でも設置することができる。第2の位置は、いくつかの構成では、開口部506の上壁であり得る。測距モジュール222を組み込む構成では、測定デバイス102が位置102f、102g、102hに位置する際に記録された測距データ900f、900g、900hは、データプロセッサ216、314によって、慣性データと組み合わせて、開口部506の内壁の位置及び/又は向きを決定するために使用することができる。
【0108】
いくつかの構成では、シーケンスは、1つ又は複数の参照位置を含み得る。参照位置は、開口部が作成された壁面に測定デバイスを位置決めすることを含み得る。例えば、参照位置は、開口部506を含む壁502d上の位置102e及び102iの1つ又は複数を含み得る。参照位置102e及び102iは、参照フレームx軸方向において第1の位置102f及び/又は第3の位置102hから直線移動すること、及び/又は第1の位置102f及び第3の位置102hに対して参照フレームz軸914の周りを実質的に90度回転することができる。それに従って、シーケンスは、1つ又は複数の参照位置、並びに第1、第2及び第3の位置の2つ以上を含み得る。
【0109】
ステップ1012においてシーケンスが認識されなかった場合は、データプロセッサ216、314は、測定デバイス102を第4の壁に設置することを決定することができる(1018)。第4の壁が参照位置102e及び102iである場合は、ステップ1020において、シーケンスを認識することができる。上記で記載されるように、データプロセッサ216、314によって、開口部506が特定され(1022)、記録された慣性及び/又は測距データに基づいて開口部の位置及び/又は寸法が決定される(1024)。参照位置は、第1、第2及び第3の位置のいずれか2つ又はそれ以上と併せて使用できることに再び留意されたい。
【0110】
例示的な構成では、開口部は、部屋の床に対する第2の位置の高さに基づいて、窓又はドアとして特定することができる。それに従って、シーケンスは、測定デバイス102が床に設置される床位置(例えば、位置102j)を含み得る。床位置は、第2の位置を含むシーケンスで使用することができる。それに従って、床位置が第2の位置と実質的に同じ高さであると決定された場合は、データプロセッサ216、314は、開口部がドアであると決定することができる。床位置が第2の位置より閾値以上の距離だけ高いと決定された場合は、データプロセッサ216、314は、開口部が窓であると決定することができる。床から窓の敷居までの高さは、データプロセッサ216、314によってこのように決定することができる。
【0111】
第1の位置、第2の位置、第3の位置、参照位置及び床位置は、あらゆるシーケンスにおいてあらゆる順序で発生し得る。さらに、第1の位置、第2の位置、第3の位置、参照位置及び床位置において、測定の合間に他の測定値を取り入れることができる。
【0112】
上記で説明される処理デバイス104のデータプロセッサ314の機能の少なくとも一部及び任意選択によりすべては、測定デバイス102のデータプロセッサ216によって実行することができる。
【0113】
コンピュータプログラムは、上記で説明される方法のいずれかを提供するように構成することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体上で提供することができる。コンピュータプログラムは、コンピュータプログラム製品であり得る。製品は、非一時的なコンピュータ可用記憶媒体を含み得る。コンピュータプログラム製品は、方法を実行するように構成された媒体において具体化されるコンピュータ可読プログラムコードを有し得る。コンピュータプログラム製品は、方法のいくつか又はすべてを少なくとも1つのプロセッサに実行させるように構成することができる。
【0114】
本明細書では、コンピュータ実装方法、装置(システム及び/又はデバイス)及び/又はコンピュータプログラム製品のブロック図又はフローチャート図を参照して、様々な方法及び装置について説明する。ブロック図及び/又はフローチャート図のブロックや、ブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組合せは、1つ又は複数のコンピュータ回路によって実行されるコンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されている。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、専用コンピュータ回路及び/又は他のプログラマブルデータ処理回路のプロセッサ回路に提供することができ、コンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、トランジスタ、メモリ場所に格納された値及びそのような回路内の他のハードウェアコンポーネントの変換及び制御を行って、ブロック図及び/又は1つ若しくは複数のフローチャートブロックにおいて指定されている機能/行為を実装し、それにより、ブロック図及び/又はフローチャートブロックにおいて指定されている機能/行為を実装するための手段(機能性)及び/又は構造を作成するように、マシンを生成することができる。
【0115】
また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、ブロック図及び/又は1つ若しくは複数のフローチャートブロックにおいて指定されている機能/行為を実装する命令を含む製造品を生成するように、特定の方法で機能するようにコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置に指示することができるコンピュータ可読媒体に格納することもできる。
【0116】
有形の非一時的なコンピュータ可読媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的又は半導体のデータ記憶システム、装置又はデバイスを含み得る。コンピュータ可読媒体のより具体的な例は、ポータブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)回路、読み取り専用メモリ(ROM)回路、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)回路、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、ポータブルデジタルビデオディスク読み取り専用メモリ(DVD/ブルーレイ)を含む。
【0117】
また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、ブロック図及び/又は1つ若しくは複数のフローチャートブロックにおいて指定されている機能/行為を実装するためのステップを提供するようにコンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードし、コンピュータ及び/又は他のプログラマブル装置上で一連の動作ステップを実行させることもできる。
【0118】
それに従って、本発明は、ハードウェアにおいて及び/又はプロセッサ上で走らせるソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)において具体化することができ、それらは、「回路」、「モジュール」又はその変形例と総称され得る。
【0119】
また、いくつかの代替の実装形態では、ブロックに記載される機能/行為は、フローチャートに記載される順序とは異なる順序で起こり得ることにも留意されたい。例えば、関与する機能/行為に応じて、連続して示されている2つのブロックを実際に実質的に同時に実行することも、場合によりブロックを逆の順序で実行することもできる。その上、フローチャート及び/又はブロック図の所定のブロックの機能性を複数のブロックに分離すること、及び/又はフローチャート及び/又はブロック図の2つ以上のブロックの機能性を少なくとも部分的に統合することができる。最後に、示されるブロックの間に他のブロックを追加/挿入することができる。
【0120】
当業者であれば、開示されるシステム及び方法に対して様々な変更及び変形が可能であることが明らかであろう。他の実施形態は、開示されるシステム及び方法の仕様及び慣例を考慮することによって、当業者に明らかになるであろう。仕様及び実施例は、単なる例示と見なされ、真の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって示されていることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の1つ又は複数の壁の位置及び/又は向きを決定するための測定デバイスであって、
前記測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、前記部屋の前記第1の壁に位置決めするためのデータムと、
直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける前記測定デバイスの回転及び直線運動を測定するように構成された複数のモーションセンサであって、前記ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、前記データムによって定義される基準面に平行であり、前記ボディフレームz軸が、前記基準面に垂直である、複数のモーションセンサと、
前記基準面に平行な又は前記基準面を横断する測距方向における前記第1の壁から第2の壁までの距離を測定するように構成された測距モジュールと、
データプロセッサであって、
前記データムが前記第1の壁に位置決めされているときに、前記モーションセンサの1つ又は複数から第1のモーションデータを受信することと、
前記第1のモーションデータを処理して、前記第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、
前記測距モジュールから、前記第1の壁から前記第2の壁までの前記距離を示す測距データを受信することと、
前記測距データを処理して、前記第2の壁の位置及び/又は向きを決定することと
を行うように構成されたデータプロセッサと
を含む、測定デバイス。
【請求項2】
前記モーションセンサが、慣性センサを含み、及び/又は前記測距方向が、前記ボディフレームz軸に平行である、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項3】
前記測距モジュールが、複数の角度的にオフセットされた測距方向において前記第2の壁までの複数の距離を測定するように構成される、請求項1又は2に記載の測定デバイス。
【請求項4】
前記データムが前記第1の壁に位置決めされているときに、前記第2の壁までの前記距離を測定するように前記測距モジュールを制御するように構成された測距コントローラをさらに含み、及び任意選択的に前記測距コントローラが、前記モーションセンサから受信されたデータに基づいて、前記第2の壁までの前記距離を測定するように前記測距モジュールを制御するように構成され、及び任意選択的に前記測距コントローラが、前記測定デバイスが静止していることを前記モーションセンサから受信された前記データが示す場合及び/又は前記データムが前記第1の壁に位置決めされている場合に、前記第2の壁までの前記距離を測定するように前記測距モジュールを制御するように構成される、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項5】
前記データムが前記壁に位置決めされていることを検出するように構成された近接センサをさらに含み、前記測距コントローラが、前記近接センサから受信されたデータに基づいて、前記第2の壁までの前記距離を測定するように前記測距モジュールを制御するように構成される、請求項4に記載の測定デバイス。
【請求項6】
前記データプロセッサが、前記第1の壁の位置及び/又は向きが前回の第1のモーションデータ及び/又は前回の第1の測距データに基づいて以前に決定されているかどうかを判断するように構成され、
前記第1の壁の前記位置及び/又は向きが以前に決定されている場合は、前記第1のモーションデータを処理して、前記第1の壁の前記位置及び/又は向きを決定するステップが、前記第1のモーションデータを前記前回の第1のモーションデータ及び/又は前回の第1の測距データと組み合わせることを含む、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項7】
前記データプロセッサが、前記第2の壁の位置及び/又は向きが前回の第2のモーションデータ及び/又は前回の第2の測距データに基づいて以前に決定されているかどうかを判断するように構成され、
前記第2の壁の前記位置及び/又は向きが以前に決定されている場合は、前記測距データを処理して、前記第2の壁の前記位置及び/又は向きを決定するステップが、前記測距データを前記前回の第2のモーションデータ及び/又は前回の第2の測距データと組み合わせることを含む、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項8】
前記データプロセッサが、前記部屋の複数の壁の前記位置及び/又は向きの最良適合を決定するために、複数のモーションデータ及び複数の測距データを組み合わせることによって、前記測距データの処理及び前記モーションデータの処理を行うように構成される、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項9】
前記モーションデータ及び前記測距データを組み合わせることが、加重アルゴリズムに基づき、及び任意選択的に前記加重アルゴリズムが、最小2乗アルゴリズム又はカルマンフィルタを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項10】
前記モーションデータの重み付け及び/又は前記測距データの重み付けが、前記モーションデータの誤差、前記測距データの誤差、前記モーションデータ及び/又は前記測距データに対する既定の重み付け値、信頼度インジケータの起動状態、並びに前記測距データに基づくデバイスの位置及び/又は向きと前記モーションデータに基づくデバイスの位置及び/又は向きとの差の1つ又は複数に基づく、請求項9に記載の測定デバイス。
【請求項11】
測定デバイスを使用して、部屋の1つ又は複数の壁の位置及び/又は向きを決定するための方法であって、
前記測定デバイスが第1の壁に対して既知のアライメント及びオフセットを有するように、前記部屋の前記第1の壁に前記測定デバイスのデータムを位置決めすることと、
複数のモーションセンサによって、直交するx、y、z軸を含むボディフレームにおける前記測定デバイスの回転及び直線運動を測定することであって、前記ボディフレームx軸及びボディフレームy軸が、前記データムによって定義される基準面に平行であり、前記ボディフレームz軸が、前記基準面に垂直である、測定することと、
測距モジュールによって、前記基準面に平行な又は前記基準面を横断する測距方向における前記第1の壁から第2の壁までの距離を測定することと、
データプロセッサにおいて、前記データムが前記第1の壁に位置決めされているときに、前記モーションセンサの1つ又は複数から第1のモーションデータを受信することと、
前記データプロセッサにおいて、前記第1のモーションデータを処理して、前記第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、
前記データプロセッサにおいて、前記測距モジュールから、前記第1の壁から前記第2の壁までの前記距離を示す測距データを受信することと、
前記データプロセッサにおいて、前記測距データを処理して、前記第2の壁の位置及び/又は向きを決定することと
を含む、方法。
【請求項12】
コンピュータプロセッサ上で実行されると、請求項11に記載のステップを実行するように前記コンピュータプロセッサを制御するように構成された、コンピュータプログラム。
【請求項13】
データプロセッサを含む、データを処理するための装置であって、前記データプロセッサが、
測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサから第1のモーションデータを受信することであって、前記第1のモーションデータが、前記測定デバイスのデータムが第1の壁に位置決めされているときに記録される、受信することと、
前記第1のモーションデータを処理して、前記第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、
前記測定デバイスの測距モジュールから測距データを受信することであって、前記測距データが、前記データムによって定義される基準面を横断する測距方向における前記第1の壁から第2の壁までの距離を示す、受信することと、
前記測距データを処理して、前記第2の壁の位置及び/又は向きを決定することと
を行うように構成される、装置。
【請求項14】
データを処理するための方法であって、
測定デバイスから、前記測定デバイスの1つ又は複数のモーションセンサから第1のモーションデータを受信することであって、前記第1のモーションデータが、前記測定デバイスのデータムが第1の壁に位置決めされているときに記録される、受信することと、
データプロセッサによって、前記第1のモーションデータを処理して、前記第1の壁の位置及び/又は向きを決定することと、
前記測定デバイスから、前記測定デバイスの測距モジュールから測距データを受信することであって、前記測距データが、前記データムによって定義される基準面を横断する測距方向における前記第1の壁から第2の壁までの距離を示す、受信することと、
前記データプロセッサによって、前記測距データを処理して、前記第2の壁の位置及び/又は向きを決定することと
を含む、方法。
【請求項15】
コンピュータプロセッサ上で実行されると、請求項14に記載の方法のステップに着手するように前記コンピュータプロセッサを制御するように構成されたコンピュータプログラム。
【国際調査報告】