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特表2024-542315高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)及びその生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-14
(54)【発明の名称】高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)及びその生成方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 21/18 20060101AFI20241107BHJP
   C07C 17/25 20060101ALI20241107BHJP
   C07C 17/383 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
C07C21/18
C07C17/25
C07C17/383
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529560
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 US2022080738
(87)【国際公開番号】W WO2023102470
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/285,541
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/071,610
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ハイユー
(72)【発明者】
【氏名】チェッリ、グスタボ
(72)【発明者】
【氏名】コーン、ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ベクテセビッチ、セルマ
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AC13
4H006AD11
4H006BD10
4H006BD60
4H006EA03
(57)【要約】
本開示は、高純度E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を提供する。より具体的には、本開示は、3ppm未満の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含有する、少なくとも99.99%の純度のE-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-234ze)を提供する。本開示は更に、高純度E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を製造する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む組成物であって、前記HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.99%の純度であり、5ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、組成物。
【請求項2】
前記HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.999%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.9995%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を製造する方法であって、
(a)流れ1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を精製することと、
(b)1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の精製された前記流れを脱フッ化水素化し、それによって、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、及びフッ化水素を含む結果物を生成することと、
(c)前記HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)の少なくとも一部をHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)に異性化することと、
(d)前記HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を少なくとも1つの塔に通すことと、
(e)精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を回収することと、を含む、方法。
【請求項5】
工程(a)が、流れ1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の流れを1つ以上の蒸留塔に通して、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の精製された流れを生成することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)が、1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)を約50ppm以下の量で含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)が、2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235da)を約50ppm以下の量で含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)が、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)を約50ppm以下の量で含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)が、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)を50ppm以下の量で含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.99%の純度であり、5ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.999%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.9995%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年11月29日に出願された米国特許出願第18/071,610号に対する優先権、及び2021年12月3日に出願された米国特許仮出願第63/285,541号に対する優先権を主張するものであり、これらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、及びそれを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
トリクロロフルオロメタン及びジクロロジフルオロメタンなどのクロロフルオロカーボン(chlorofluorocarbon、CFC)は、冷媒、発泡剤、及びガス滅菌用希釈剤として使用されてきた。近年、特定のクロロフルオロカーボンは、地球オゾン層に有害であり得ることが広く懸念されている。それゆえ、塩素置換基が少ない又は全く含有しないハロカーボンを使用する努力が世界的になされている。したがって、ハイドロフルオロカーボン、又は炭素、水素、及びフッ素のみを含有する化合物の生成は、溶媒、発泡剤、冷媒、洗浄剤、エアロゾル噴射剤、伝熱媒体、誘電体、消火組成物、及び動力サイクル作動流体として使用するための環境に望ましい生成物を提供するためにますます関心の対象となっている。これに関して、E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランスHFO-1234ze)は、0オゾン層破壊係数(Ozone Depletion Potential、ODP)及び低地球温暖化係数(Global Warming Potential、GWP)冷媒、発泡剤、エアロゾル噴射剤、溶媒などとして、並びにフッ素化モノマーとしても使用される可能性を有する化合物である。
【0004】
HFO-1234ze(すなわち、ヒドロフルオロオレフィン-1234ze)を生成することは、当該技術分野において公知である。例えば、米国特許第5,710,352号は、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240fa)をフッ素化して、HCFC-1233zd及び少量のHFO-1234zeを形成することを教示している。米国特許第5,895,825号は、HCFC-1233zdをフッ素化してHFO-1234zeを形成することを教示している。米国特許第6,472,573号もまた、HCFC-1233zdをフッ素化してHFO-1234zeを形成することを教示している。米国特許第7,485,760号は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の脱フッ化水素化によるHFO-1234zeの生成を教示している。米国特許第6,124,510号は、強塩基又はクロム系触媒のいずれかを使用して、酸素含有ガスの存在下でHFC-245faの脱フッ化水素化によってHFO-1234zeのシス及びトランス異性体の形成を教示している。欧州特許第0939071号には、HCFC-1233zdとHFO-1234zeとの共沸混合物である中間反応生成物を介したHCC-240faのフッ素化によるHFC-245faの形成が記載されている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、高純度及び超高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を提供し、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、少なくとも99.99%の純度であり、5ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む。
【0006】
本開示はまた、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を製造する方法であって、(a)流れ1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を精製することと、(b)1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の精製された流れを脱フッ化水素化し、それによって、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、及びフッ化水素を含む結果物を生成することと、(c)任意選択で、工程(b)の結果物からフッ化水素を回収することと、(d)HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)の少なくとも一部をHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)に異性化することと、(e)HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を少なくとも1つの塔に通すことと、(f)精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を回収することと、を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)の形成及び精製のためのプロセス図を示す。
図2】実施例1に記載されるような、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の脱フッ化水素化のための実験室規模の実験装置を示す。
図3】実施例5に記載されるような、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)の精製のモニタリングからのGCトレースを示す。
図4】実施例5に記載されるような、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)の精製のモニタリングからのGCトレースを示す。
図5】実施例5に記載されるような、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)の精製のモニタリングからのGCトレースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、高純度及び超高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を提供する。より具体的には、本開示は、少なくとも99.99%の純度を有するHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を提供する。
【0009】
例えば、定量噴霧式吸入器(Metered Dose Inhaler、MDI)などの医療用途において、高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を生成することが望ましい。しかしながら、例えば、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、例えば、とりわけ、1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)などの少量の不純物を含むことが見出される場合。そのような不純物は、存在する場合、本明細書で提供される方法を使用して軽減され得る。
【0010】
しかしながら、蒸留などの方法は、所望のE-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)と上述の不純物のうちの1つ以上との間の沸点の類似性に起因して、困難であることが判明する場合がある。更に、不純物が存在し得る量が少ないため、それらの除去が困難である場合があり、所望の生成物の損失をもたらし得る。したがって、E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)の生成において不純物の形成を防止し、それによって困難な精製工程の必要性を低減又は排除することが望ましい。本開示は、部分的に、反応出発物質の精製された流れを提供することによって、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)中に見出される不純物の量を低減する方法を提供する。
【0011】
本開示は、高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)の生成のためのプロセスであって、
(a)流れ1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を精製することと、
(b)1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の精製された流れを脱フッ化水素化し、それによって、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、及びフッ化水素を含む結果物を生成することと、
(c)任意選択で、工程(b)の結果物からフッ化水素を回収することと、
(d)HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)の少なくとも一部をHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)に異性化することと、
(e)E HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を少なくとも1つの塔に通すことと、
(f)高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を回収することと、を含む、方法を提供する。
【0012】
プロセスは、統合プロセス又はバッチプロセスとして実施され得る。
【0013】
プロセスの一例を図1に示す。そこに示すように、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の流れを蒸留塔10に通して、高沸点不純物14を除去することができる。次いで、精製されたHFC-245fa 12を反応器16に通して、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、フッ化水素(HF)と、を含む、生成物流18を生成することができる。次いで、生成物流18を水スクラバー20に通して、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、水と、より少ない量のHFと、を含む、流れ22を生成することができる。次いで、流れ22を苛性スクラバー24に通して残留HFを除去し、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、水と、を含む、流れ26を提供することができる。次いで、流れ26を硫酸乾燥器28に通して残留水を除去し、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、HFなどの残留酸と、を含む、流れ30を生成することができる。次いで、流れ30を混合アルミナ/モレキュラーシーブ床32に通して残留酸及び水分を除去し、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、を含む、流れ34を生成することができる。次いで、流れ34を蒸留塔36に通して、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFC-245faと、を含む、流れ38を提供することができる。流れ38は、異性化及び更なる反応のために反応器16に再循環して戻され得る。次いで、低沸点不純物と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、を含む、流れ40を第2の蒸留塔42に通して、パージすることができる不純物を含む塔頂流44、及び第3の蒸留塔46に通すことができるHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む流れ45を提供することができる。高沸点不純物を含む流れ48をパージしてもよく、精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む塔頂流44を貯蔵のために送ってもよい。
【0014】
HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む流れは、42及び46の両方を通過してもよい。代替的に、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む流れは、塔42のみを通ってもよい。更なる代替として、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む流れを、塔42、46、及び図1に示されていない追加の塔を通過させてもよい。
【0015】
1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の精製は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を1つ以上の蒸留塔に通して、低沸点不純物及び/又は高沸点不純物を除去することによって達成され得る。
【0016】
理論に束縛されるものではないが、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、例えば1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)などに見られる不純物は、生成物HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、例えば、とりわけ、1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFC-1225zc)、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)などの望ましくない不純物の形成を引き起こし得ることが観察されている。
【0017】
1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)から除去される不純物としては、例えば、1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)、2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235da)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、及び1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)などが挙げられ得る。
【0018】
蒸留塔を使用して、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)を含む1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)から低沸点不純物を除去することができる。蒸留塔は、約0psig以上、約10psig以上、約20psig以上、約50psig以上、約70psig以下、約100psig以下、約120psig以下、約150psig以下、約170psig以下、約200psig以下、又はこれらの端点によって包含される任意の値若しくは範囲の圧力で、連続モードで操作され得る。
【0019】
蒸留塔は、約0.5以上の還流/供給物比を使用することができる。蒸留速度は、供給物中の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)を効果的に除去して、塔からの底部1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)生成物中でそれが所望のレベルまで低減するように選択され得る。
【0020】
蒸留塔を使用して、1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)及び2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235da)を含む1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)から高沸点不純物を除去することができる。蒸留塔は、約30psig以上、約50psig以上、約70psig以上、約100psig以下、約120psig以下、約150psig以下、約170psig以下、約200psig以下、又はこれらの端点によって包含される任意の値若しくは範囲の圧力で操作され得る。
【0021】
蒸留塔は、約2以上の還流/供給物比で操作され得る。底部生成物速度は、供給物中の1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)及び2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235da)を効果的に除去するように選択されてよく、したがって、それらは、塔からの留出物1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)生成物中で所望のレベルまで低減される。
【0022】
精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)は、1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)を、約250ppm以下、約200ppm以下、約150ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約40ppm以上、約30ppm以上、約20ppm以上、約10ppm以上、約5ppm以上、約1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0023】
精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)は、2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235da)を、約250ppm以下、約200ppm以下、約150ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約40ppm以上、約30ppm以上、約20ppm以上、約10ppm以上、約5ppm以上、約1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0024】
精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)は、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)を、約250ppm以下、約200ppm以下、約150ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約40ppm以上、約30ppm以上、約20ppm以上、約10ppm以上、約5ppm以上、約1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0025】
精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)は、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)を、約250ppm以下、約200ppm以下、約150ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約40ppm以上、約30ppm以上、約20ppm以上、約10ppm以上、約5ppm以上、約1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0026】
本プロセスの第2の工程は、HFC-245faを脱フッ化水素化して、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、及びフッ化水素の組み合わせを含む結果物を生成することによる、HFC-245faの触媒変換を含む。脱フッ化水素化反応は、当該技術分野において周知である。好ましくは、HFC-245faの脱フッ化水素化は気相中で行われ、より好ましくは気相中の固定床反応器中で行われる。脱フッ化水素化反応は、任意の好適な反応容器又は反応器中で実施することができるが、好ましくは、フッ化水素の腐食作用に耐性のある材料、例えばニッケル及びその合金(ハステロイ、インコネル、インコロイ、及びモネルを含む)、又はフルオロポリマーで裏打ちされた容器から構築されるべきである。これらは、バルク形態の又は担持されたフッ素化金属酸化物、バルク形態の又は担持された金属ハロゲン化物、並びに炭素担持遷移金属、金属酸化物及びハロゲン化物のうちの1つ以上であってもよい脱フッ化水素化触媒が充填された単一パイプ又は複数の管であってもよい。
【0027】
好適な触媒としては、非排他的に、フッ素化クロミア(フッ素化Cr)、フッ素化アルミナ(フッ素化Al)、金属フッ化物(例えば、CrF、AlF)、及びFe/C、Co/C、Ni/C、Pd/Cなどの炭素担持遷移金属(0酸化状態)が挙げられる。
【0028】
有用な反応温度は、約100℃~約600℃の範囲であり得る。好ましい温度は、約150℃~約450℃の範囲であり得、より好ましい温度は、約200℃~約350℃の範囲であり得る。
【0029】
反応は、大気圧、過圧、又は真空下で実施することができる。真空圧は、約5トル~約760トルであり得る。
【0030】
HFC-245faと触媒との接触時間は、約0.5秒~約120秒の範囲であり得るが、より長い又はより短い時間を使用することができる。
【0031】
一実施形態では、プロセス流は、触媒床を通って下方向又は上方向である。触媒を反応器内に配置したまま長期間使用した後、触媒を定期的に再生することも有益である。触媒の再生は、当技術分野で公知の任意の手段によって、例えば、空気又は窒素で希釈した空気を、約100℃~約400℃、好ましくは約200℃~約375℃の温度で、約0.5時間~約3日間、触媒上に通すことによって達成することができる。これに続いて、フッ素化金属酸化物触媒及び金属フッ化物触媒については約25℃~約400℃、好ましくは約200℃~約350℃の温度でのHF処理、又は炭素担持遷移金属触媒については約100℃~約400℃、好ましくは約200℃~約350℃の温度でのH処理のいずれかを行う。
【0032】
本発明の代替の実施形態では、HFC-245faの脱フッ化水素化は、KOH、NaOH、Ca(OH)、及びCaOを含むが、これらに限定されない強苛性溶液と高温で反応させることによっても達成することができる。この場合、苛性溶液の苛性強度は、約2重量%~約100重量%、より好ましくは約5重量%~約90重量%、及び最も好ましくは約10重量%~約80重量%のものである。
【0033】
反応は、約20℃~約100℃、より好ましくは約30℃~約90℃、及び最も好ましくは約40℃~約80℃の温度で実施することができる。
【0034】
上記のように、反応は、大気圧、過圧、又は真空下で実施することができる。真空圧は、約5トル~約760トルであり得る。加えて、有機化合物を苛性溶液に溶解させるのを助けるために、溶媒を任意選択で使用し得る。この任意選択の工程は、当該目的のために当技術分野で周知の溶媒を使用して実施することができる。
【0035】
HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む流れが、水スクラバー、苛性スクラバー、及び硫酸乾燥器を通過すると、流れを蒸留によって更に精製し得る。具体的には、1つ以上の蒸留塔をバッチ又は連続プロセスとして運転してHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)の不純物レベルを低減することができる。
【0036】
。精製プロセスは、高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む生成物流をもたらすことができる。
【0037】
具体的には、高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、約99.99%以上、約99.999%以上、又は約99.9995%以上の純度を有し得る。
【0038】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、微量の不純物を含み得る。例えば、高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(gas chromatography/mass spectrometry、GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得、GC/MS装置は、既知量の不純物を有する標準サンプルで較正した。
【0039】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0040】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0041】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、3,3,3-トリフルオロプロピンを、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0042】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0043】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、1,1,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234zc)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0044】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、E-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zdE)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0045】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFC-245fa)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0046】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0047】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、Z-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFO-1225ye(Z))を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0048】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、E-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFO-1225ye(E))を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0049】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、1,2-ジクロロテトラフルオロエタン(CFC-114)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0050】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、2-クロロ-1,1,1-2-テトラフルオロエタン(HCFC-124)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0051】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、5ppm以下、約4ppm以下、約3ppm以下、約2ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0052】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、水を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約20ppm以下、約15ppm以下、約10ppm以下、約5ppm以上、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0053】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、塩酸(HCl)を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約1ppm以下、約0.5ppm以下、約0.1ppm以上、約0.01ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0054】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、不揮発性残留物を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約50ppm以下、約40ppm以下、約30ppm以下、約20ppm以下、約15ppm以下、約10ppm以下、約5ppm以上、約1ppm以上、約0.5ppm以上、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0055】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、不飽和不純物の総量を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以下、約0.1ppm以下、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【0056】
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、飽和不純物の総量を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって測定して、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以上、約0.5ppm以下、約0.1ppm以上、又は端点として前述の値のいずれか2つによって包含される任意の値若しくは範囲の量で含み得る。
【実施例
【0057】
実施例1
高純度HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)の生成
1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の流れを蒸留塔に通し、次いで反応器に通して、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、フッ化水素(HF)と、を含む、生成物流を生成する。次いで、生成物流を水スクラバーに通して、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、水と、より少ない量のHFと、を含む、流れを生成する。次いで、この流れを苛性スクラバーに通して残留HFを除去し、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、水と、を含む、流れを得る。次いで、この流れを硫酸乾燥機に通して残留水を除去し、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、HFなどの残留酸と、を含む、流れを生成する。次いで、この流れを混合アルミナ/モレキュラーシーブ床に通して残留酸及び水を除去し、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)と、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)と、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)と、を含む、流れを生成する。次いで、この流れを蒸留塔に通して、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)及びHFC-245faを含む塔底部生成物と、低沸点不純物及びHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む塔頂生成物と、を提供し、次いで、これを第2の蒸留塔に通して、精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む精製された生成物流を提供する。
【0058】
精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)は、99.99%超の純度を有し、以下の表1に示す量の少量の不純物を含む。
【0059】
【表1】
【0060】
実施例2
供給物流中のHCFC-235faの有無でのHFC-245faの脱フッ化水素化
HFC-245fa供給物流中のHCFC-235faなどの不純物の存在が、脱フッ化水素化中にHFO-1225zcの形成をもたらすかどうかを試験するために、2つの別個の供給物流を調製した。1つの流れはHCFC-235faを含まないHFC-245faを含み、第2の流れはHCFC-235faを添加したHFC-245faを含んだ。
【0061】
図2に示されるように、反応システムは、供給物送達システム50、供給物予熱器(気化器)52、反応器56、圧力制御システム60、苛性溶液カーボイ64、並びにサンプリングポート66及び68からなる。供給システム50の一部は、窒素である。Nは、反応器の加熱及び冷却中に使用される。供給システム50の他の部分は、有機供給物(245fa)である。供給システムの後に気化器52及び反応器56が続く。反応器圧力は、RCVによって制御される。RCV後、反応器流出物をKOH溶液カーボイ64に通して、反応中に形成された酸を中和する。10%KOH溶液を使用した。
【0062】
商業プラントで使用される条件からスケールダウンされた条件下で、シングルパスユニットで反応を行った。3/4インチのInconel600管を反応器として利用した。充填した触媒(クロミア触媒)の量は、およそ50ml(触媒床高さ約10インチ)であった。反応器を窒素雰囲気下で300℃に加熱し、反応を8psigの圧力で、20グラム/時間の供給速度を使用して実施した。
【0063】
反応器が所望の温度に達したら、供給を開始した。定常状態が確立された後、KOHスクラバー出口ライン上に位置するサンプリングポートから反応器流出物サンプルを採取し、存在するHFO-1225zc不純物の量を測定するために分析した。
【0064】
表2は、300℃でのHFC-245fa脱フッ化水素化反応中に採取された供給物サンプル及び反応器流出物サンプルの分析結果を示す。以下に示すように、HCFC-235faを含まないHFC-245fa供給物を使用して300℃で行った反応では、反応器流出物サンプル中にHFO-1225zcは検出されなかった。逆に、HCFC-235faを含むHFC-245fa供給物を同じ反応条件下で使用した場合、HFO-1225zcが検出された。
【0065】
【表2】
【0066】
表3は、HFO-1225zc形成に対する反応温度の影響を示す。上記のように、反応は、50mLのクロミア触媒を使用して、8psigの圧力で、20グラム/時間の供給速度で行った。以下に示すように、HFC-245fa供給物流がHCFC-235faを含んでいた場合、HFO-1225zcの量は、反応温度が300℃から316℃に上昇するにつれて、2.7ppmから6.6ppmに増加した。これらの結果は、HFC-245fa供給物中のHCFC-235faの存在が、反応中のHFO-1225zcの形成を、最終的にはHFO-1234zeE生成物中のその存在において、もたらし得ることを示している。
【0067】
【表3】
【0068】
実施例3
供給物流中に1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)、2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235da)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、及び1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)の有無でのHFC-245faの脱フッ化水素化
HFC-245fa供給物流中の1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)、2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235da)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、及び1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)などの不純物の存在が、脱フッ化水素化中にHFO-1225zcの形成をもたらすかどうかを試験するために、以下の表4に示すように5つの別個の供給物流を調製する。
【0069】
【表4】
【0070】
実験は、実施例2で上述したように同じ方法で実施される。実施例2で観察された結果と同様に、HFO-1225zcは、運転1と比較して運転2~5の反応器流出物中に高レベルで検出される。
【0071】
実施例4
HFC-245faの精製
98.0重量%のHFC-245faと、1.47重量%のHCFC-235faと、0.28重量%のHFC-236faと、その他と、を含む、粗生成物流を蒸留によって精製して、HFC-236fa生成物中のHFC-245fa及びHCFC-235faの量を低減させる。粗生成物流を第1の蒸留塔に通して、HFC-236faを含む塔頂流を生成する。第1の底部流れを第2の蒸留塔に供給して、HCFC-235faを含む第2の底部流れを生成する。第2の塔から回収された液体留出物は、HFC-236fa及びHCFC-235faの量が低減したHFC-245faを含み、これは、HFO-1234zeを合成するための供給物流として使用される。
【0072】
第1の塔は25psigで約450の還流比で操作し、第2の塔は35psigで3.4の還流比で操作する。上記の流れの成分を以下の表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】
実施例5
HFO-1234zeの精製
リボイラー及び単一の全凝縮器を備えた単一の塔を用いるバッチ蒸留を、分離のためにおよそ30~120の理論段を含有するステンレス鋼塔を使用して、50psigで実施した。99.98%未満のHFO-1234zeEを含有するリボイラーに粗HFO-1234zeEを入れた。次いで、還流が達成されたら、21.1℃の初期温度で塔の塔頂を用いて、リボイラーを22.0℃の初期温度に加熱した。低沸点成分の最初の分離は、還流比45:1~90:1で行った。留出物を副生成物として使用するためにタンクに収集した。除去された軽質物は、HFC-245cbと、HFO-1234yfと、HFO-1225zcと、トリフルオロプロピンと、HFO-1243zfと、を含んでいた。以下の表6に示すように、各不純物について標準(例えば、5ppm)を使用して追跡された不純物を測定するために、蒸留の前、間、及び後にGCによって蒸留をモニタリングした。GCトレースを図3に提供する。
【0075】
【表6】
【0076】
塔還流の分析が、主要な軽質物成分(例えば、HFO-245cb及びHFO-1225zc)レベルが、13ppmなどの予め設定された点未満であることを示したら、留出物を別個の生成物タンクに収集した。次いで、還流比を、生成物取り出しの間、約5:1~7:1で行った。表7は、軽質物カットの終了時及び生成物カットの前のGC分析の結果を示し、ここでNDは検出不能を意味する。図4は、対応するGCトレースを示す。
【0077】
【表7】
【0078】
生成物取り出しの間、重質物成分(CFC-114、HFO-245fa、HFO-1234zeZ、及びHFO-1233zdE)をGCによってモニタリングした。これらの重質物のいずれかのレベルが予め設定された閾値(例えば5ppm)を超えて増加したら、蒸留を停止した。この実施例では、生成物タンクに収集されたHFO-1234zeEの量が、バッチのための生成物の予め設定されたレベルに達したら、蒸留を停止した。
【0079】
蒸留を終了する前に塔還流の分析を実施した。最終的なGCクロマトグラムは図5に示され、結果は図8に示される。この実施例における軽質物のレベルは、検出不能(ND)であるほど十分に低かった。残りの液体を、副生成物としてリボイラーからの重質物成分とともに収集した。
【0080】
【表8】
【0081】
蒸留の終わりに、HFO-1234zeE及び有機不純物の濃度を測定するための分析のために、4つのサンプルを生成物タンクから採取した。結果は、i)生成物のHFO-1234zeE純度が99.9995重量%を超え、ii)総不飽和不純物及び総飽和不純物の両方が3ppm(w/w)未満であり、iii)個々の有機不純物が2ppm(w/w)を超えなかったことを示した。
【0082】
態様
態様1は、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む組成物であって、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.99%の純度であり、5ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、組成物である。
【0083】
態様2は、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.999%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、態様1に記載の組成物である。
【0084】
態様3は、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.9995%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、態様又は態様2のいずれかに記載の組成物である。
【0085】
態様4は、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を製造する方法であって、
(a)流れ1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を精製することと、
(b)1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の精製された流れを脱フッ化水素化し、それによって、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、及びフッ化水素を含む結果物を生成することと、
(c)HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)の少なくとも一部をHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)に異性化することと、
(d)HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を少なくとも1つの塔に通すことと、
(e)精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を回収することと、を含む、方法である。
【0086】
態様5は、工程(a)が、流れ1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の流れを1つ以上の蒸留塔に通して、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の精製された流れを生成することを更に含む、態様4に記載の方法である。
【0087】
態様6は、精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)が、1-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235fa)を約50ppm以下の量で含む、態様4又は態様5のいずれかに記載の方法である。
【0088】
態様7は、精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)が、2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-235da)を約50ppm以下の量で含む、態様4~6のいずれかに記載の方法である。
【0089】
態様8は、精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)が、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)を約50ppm以下の量で含む、態様4~7のいずれかに記載の方法である。
【0090】
態様9は、精製された1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)が、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)を50ppm以下の量で含む、態様4~8のいずれかに記載の方法である。
【0091】
態様10は、精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が少なくとも99.99%の純度であり、5ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、態様4~9のいずれかに記載の方法である。
【0092】
態様11は、精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.999%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、態様4~10のいずれかに記載の方法である。
【0093】
態様12は、精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.9995%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、態様4~11のいずれかに記載の方法である。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を含む組成物であって、前記HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.99%の純度であり、5ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、組成物。
【請求項2】
前記HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)が、少なくとも99.999%の純度であり、3ppm以下の1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を製造する方法であって、
(a)流れ1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)を精製することと、
(b)1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の精製された前記流れを脱フッ化水素化し、それによって、HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)、HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)、及びフッ化水素を含む結果物を生成することと、
(c)前記HFO-Z-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(シス-HFO-1234ze)の少なくとも一部をHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)に異性化することと、
(d)前記HFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を少なくとも1つの塔に通すことと、
(e)精製されたHFO-E-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランス-HFO-1234ze)を回収することと、を含む、方法。
【国際調査報告】