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特表2024-542321車両間ネゴシエーションによる電気作業車の充電管理
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  • 特表-車両間ネゴシエーションによる電気作業車の充電管理 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-14
(54)【発明の名称】車両間ネゴシエーションによる電気作業車の充電管理
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241107BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20241107BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20241107BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20241107BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/02 F
B60L53/66
B60L53/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024532773
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 US2022080306
(87)【国際公開番号】W WO2023102335
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】2117525.2
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エル.トゥイガー
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA06
5G503GD04
5H125AA20
5H125AC12
5H125AC23
5H125BC21
5H125BE02
5H125CC06
5H125DD03
5H125EE23
5H125EE25
5H125EE27
5H125EE29
(57)【要約】
電気作業車のための充電器管理の方法は、充電モジュールから第1のコントローラに充電器プロパティを通信することと、電気作業車から第2のコントローラに車両プロパティを通信することとを含む。充電決定は、充電器プロパティおよび車両プロパティに基づいて行われ、充電決定は、第3のコントローラによって行われる。充電決定が車両を充電するとの決定を含む場合、オペレータに充電決定が通知され、充電スケジュールが充電モジュールおよび少なくとも1つの他の電気作業車とネゴシエーションされ、充電モジュールが予約される。充電器プロパティは、充電モジュールの位置および充電モジュールの可用性を含む。車両プロパティは、電気作業車のバッテリの現在の充電状態およびバッテリの容量を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気作業車のための充電管理の方法であって、
充電モジュールから第1のコントローラに充電器プロパティを通信すること、
前記電気作業車から第2のコントローラに車両プロパティを通信すること、
前記充電器プロパティおよび前記車両プロパティに基づいて充電決定を行うことであって、前記充電決定は第3のコントローラによって行われる、前記充電決定を行うこと、
前記充電決定が前記車両を充電するとの決定を含む場合、
前記充電決定をオペレータに通知すること、
前記充電モジュールおよび少なくとも1つの他の電気作業車と充電スケジュールをネゴシエーションすること、および、
前記充電モジュールを予約することを備え、
前記充電器プロパティは、
前記充電モジュールの位置と、
前記充電モジュールの可用性と、を含み、かつ、
前記車両プロパティは、
前記電気作業車のバッテリの現在の充電状態と、
前記バッテリの容量と、を含む、方法。
【請求項2】
前記電気作業車は、前記第1のコントローラを含み、および/または、前記充電モジュールは、前記第2のコントローラを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充電スケジュールをネゴシエーションすることは、前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、前記第3のコントローラ、および、第4のコントローラのうちの1つによって実行される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記充電スケジュールは、オペレータに通知され、かつ、前記オペレータは、前記充電スケジュールに基づいて前記充電モジュールを予約するステップを実行する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記充電モジュールを予約することは、前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、前記第3のコントローラ、および、第4のコントローラのうちの1つによって実行される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
充電スケジュールをネゴシエーションすること、および、前記充電モジュールを予約することのうちの少なくとも1つの結果を、前記オペレータに通知することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記充電スケジュールをネゴシエーションすることは、オペレータによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、および、前記第3のコントローラのうちの少なくとも1つは、前記電気作業車と別個である、請求項1から7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
メインコントローラが、前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、および、前記第3のコントローラのうちの少なくとも2つを含む、請求項1から8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記充電スケジュールをネゴシエーションすることは、
個々の電気作業車に割り当てられた優先順位と、
個々の電気作業車に必要な充電時間と、
前記充電モジュールへの個々の電気作業車の近接性と、
前記充電モジュールの利用可能な充電量と、のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
個々の電気作業車に割り当てられた前記優先順位は、
個々の電気作業車の作業復帰時間と、
個々の電気作業車のバッテリの充電状態と、のうちの少なくとも1つに基づく、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記充電器プロパティは、
前記充電器の健全性の状態と、
前記充電器の充電容量と、
充電速度と、
充電器接続タイプと、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記充電モジュールの前記可用性は、
前記充電器が使用中であるかどうかの表示と、
前記充電器の予約ステータスと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記車両プロパティは、
充電が必要とされる前の予測時間と、
充電のための利用可能な期間と、
前記バッテリの目標充電状態と、
バッテリ電圧と、
前記バッテリの最大充電速度と、
前記バッテリの健全性の状態と、
前記バッテリの温度と、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
電気作業車のための充電管理装置であって、前記充電管理装置は、
充電モジュールから第1のコントローラに充電器プロパティを通信すること、
前記電気作業車から第2のコントローラに車両プロパティを通信すること、
前記充電器プロパティおよび前記車両プロパティに基づいて充電決定を行うことであって、前記充電決定は、第3のコントローラによって行われ、前記充電管理装置は、前記第3のコントローラを含む、前記充電決定を行うこと、
前記充電決定が前記車両を充電するとの決定を含む場合、
前記充電決定をオペレータに通知すること、
前記充電モジュールおよび少なくとも1つの他の電気作業車と充電スケジュールをネゴシエーションすること、および、
前記充電モジュールを予約することを行うように構成され、
前記充電器プロパティは、
前記充電モジュールの位置と、
前記充電モジュールの可用性と、を含み、かつ、
前記車両プロパティは、
前記電気作業車のバッテリの現在の充電状態と、
前記バッテリの容量と、を含む、充電管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気作業車の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模な作業現場は、典型的に、1つよりも多くの電気作業車用充電ポイントを有する。充電ポイントは、同じ場所に存在してもよいし、または、異なる場所に存在してもよい。
【0003】
電気作業車のオペレータは、特に充電ポイントの位置が作業現場間において変化する場合、または、充電ポイントが移動式である場合、充電ポイントの位置を知らないことがある。オペレータは、充電ポイントを探すために時間および充電走行を無駄にし得る。
【0004】
電気作業車のオペレータは、充電ポイントのあらゆるプロパティについての知識をもたずに充電のために充電ポイントへ移動し得るため、充電できないリスクがある。例えば、充電ポイントが、別の車両によって使用されている、電力または充電が少ない、故障している、充電ポイントのタイプが間違っている、または、その他の使用できないことがあり得る。電気作業車が充電ポイントで充電できない場合、電気作業車は待機するか、または、別の充電ポイントに移動する必要があり得る。電気作業車の充電には時間がかかるため、電気作業車が充電器を使用している場合、他の電気作業車は、かなりの時間使用できなくなり得る。他の電気作業車が充電器を占有しているため、緊急作業の電気作業車が充電できない課題が生じ得る。
【発明の概要】
【0005】
電気作業車の充電管理方法が提供される。方法は、充電モジュールから第1のコントローラに充電器プロパティを通信することを含む。方法は、電気作業車から第2のコントローラに車両プロパティを通信することをさらに含む。方法は、充電器プロパティおよび車両プロパティに基づいて充電決定を行うことをさらに含み、充電決定は、第3のコントローラによって行われる。充電決定が車両を充電するとの決定を含む場合、方法は、充電決定をオペレータに通知すること、充電モジュールおよび少なくとも1つの他の電気作業車と充電スケジュールをネゴシエーションすること、および、充電モジュールを予約することをさらに含む。充電器プロパティは、充電モジュールの位置および充電モジュールの可用性を含む。車両プロパティは、電気作業車のバッテリの現在の充電状態と、バッテリの容量とを含む。
【0006】
電気作業車用の充電管理装置が提供される。充電管理装置は、充電モジュールから第1のコントローラに充電器プロパティを通信するように構成される。充電管理装置は、電気作業車から第2のコントローラに車両プロパティを通信するようにさらに構成される。充電管理装置は、充電器プロパティおよび車両プロパティに基づいて充電決定を行うようにさらに構成され、充電決定は第3のコントローラによって行われ、充電管理装置は、第3のコントローラを含む。充電決定が車両を充電するとの決定を含む場合、充電管理装置は、充電決定をオペレータに通知し、充電モジュールおよび少なくとも1つの他の電気作業車と充電スケジュールをネゴシエーションし、かつ、充電モジュールを予約するようにさらに構成される。充電器プロパティは、充電モジュールの位置および充電モジュールの可用性を含む。車両プロパティは、電気作業車のバッテリの現在の充電状態と、バッテリの容量とを含む。
【0007】
このようにして、充電スケジュールは、電気作業車が充電スケジュールにおいてそれらの位置の前に充電モジュールに移動する必要がないように、複数の電気作業車についてネゴシエーションされ得る。充電スケジュールは、電気自動車が充電の閾値状態を下回らないようにし得る。充電スケジュールは、充電モジュールにおける待機列を防止し得、かつ、電気作業車が使用中または問題のある充電モジュールに移動することを防止し得る。これは、充電器を探している、または待機している電気作業車の無駄な時間を最小限に抑え、かつ、電気作業車が充電するまで作業を続けるのに十分な充電状態を確保することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ここで、添付の図面を参照して、本開示の特定の実施例を単に一例として説明する。
図1図1は、本開示の一実施形態による、充電モジュールと電気作業車との間の通信、および、電気作業車と少なくとも1つの他の電気作業車との間のネゴシエーションを示す概略図である。
図2図2は、本開示の一実施形態による、中央コントローラを介した充電モジュールと電気作業車との間の通信、および、電気作業車と少なくとも1つの他の電気作業車との間のネゴシエーションを示す概略図である。
図3図3は、本開示の一実施形態による、充電モジュールと3台の電気作業車との間の通信、および、電気作業車間のネゴシエーションを示す概略図である。
図4図4は、本開示の一実施形態による、中央コントローラを介した充電モジュールと3台の電気作業車との間の通信、および、電気作業車間のネゴシエーションを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、電気作業車の充電管理方法は、充電モジュール110から第1のコントローラに充電器プロパティ111を通信し、かつ、電気作業車120から第2のコントローラに車両プロパティ121を通信することを含む。充電決定は、充電器プロパティ111および車両プロパティ121に基づいて、第3のコントローラによって行われる。電気作業車120は、第1のコントローラを含み得る。充電モジュール110は、第2のコントローラを含み得る。メインコントローラは、第1のコントローラ、第2のコントローラ、および、第3のコントローラのうちの少なくとも2つを含み得る。
【0010】
充電決定が車両を充電するとの決定を含む場合、車両のオペレータに充電決定が通知される。充電スケジュールは、充電モジュール110および少なくとも1つの他の電気作業車とネゴシエーションされる。充電スケジュールは、電気作業車それぞれの充電時間を含み得る。図1は、他の2台の電気作業車130および140について、湾曲した矢印によって示されるネゴシエーションの例を示す。1つの他の電気作業車、または、2つ以上の他の電気作業車が存在してよい。充電モジュール110は、充電スケジュールに従って予約される。
【0011】
電気作業車120を充電するとの決定は、電気作業車120を直ちに充電する必要があるとの決定を含み得る。電気作業車120を充電するとの決定は、バッテリの充電状態が閾値充電を下回ると予測される時間、したがって、電気作業車120が充電を開始する必要がある時間を決定することを含み得る。
【0012】
充電スケジュールのネゴシエーションは、電気作業車が充電される順序を決定することを含み得る。ネゴシエーションは、電気作業車それぞれの現在の充電状態に基づき得、充電スケジュールの結果は、電気作業車が充電時間の前に充電が枯渇する可能性を低くするようなものである。ネゴシエーションは、充電モジュールまでの電気作業車それぞれの距離にさらに基づいてもよい。ネゴシエーションは、電気作業車それぞれが充電の閾値状態を下回るまでの予想時間にさらに基づいてもよい。予想時間は、電気作業車の現在の充電状態、放電速度に関する履歴データ、および、電気作業車が実行している作業のタイプのうちの1つまたは複数に基づいてもよい。ネゴシエーションは、電気作業車それぞれが必要とすると予想される充電の長さにさらに基づいてもよい。充電スケジュールは、電気作業車の充電時間を、現在の充電状態の昇順(または、個々の電気作業車が充電状態の閾値を下回るまでの予想時間)に順序付けされ得る。充電スケジュールは、充電時間を異なる順序にすることができる。例えば、電気作業車が充電モジュールに近い場合、または、電気作業車の充電時間の長さが短い場合、充電時間が前方にもたらされ得る。
【0013】
他の電気作業車はまた、車両プロパティを充電モジュールに通信し、かつ、充電モジュールから充電器プロパティを受信し得る。
【0014】
複数の充電モジュールからの充電器プロパティは、電気作業車に通信され得る。充電スケジュールは、電気作業車がその充電時間に移動すべき充電モジュールの位置をさらに含み得る。
【0015】
充電器プロパティ111は、充電モジュール110の位置および充電モジュール110の可用性を含む。車両プロパティは、電気作業車120のバッテリの現在の充電状態およびバッテリの容量を含む。
【0016】
充電器プロパティ111を電気作業車120に通信し、車両プロパティ121を充電モジュール110に通信することは、同時に、または、何れかの順序において逐次的に発生し得る。充電器プロパティ111および車両プロパティ121は、連続的に、または規則的な間隔で通信され得る。充電器プロパティ111および車両プロパティ121は、代替的に、例えば、オペレータによる要求に応答して、オンデマンドで、例えば、オペレータによる要求に応答して通信されてもよい。充電器プロパティ111および車両プロパティ121は、充電モジュール110と電気作業車120との間において直接通信され得る。図2を参照すると、充電器プロパティ111および車両プロパティ121は、中央コントローラ200(メインコントローラとも称される)を介して充電モジュール110と電気作業車120との間において通信され得る。図2は、中央コントローラ200から電気作業車120に通信される充電器プロパティ111と、中央コントローラ200から充電モジュール110に通信される車両プロパティとを示す。
【0017】
別の実施形態において、中央コントローラ200は、充電器プロパティ111は中央コントローラ200に通信され得るが、電気作業車120には通信されなくてもよいように、第1のコントローラおよび第2のコントローラを含んでもよい。車両プロパティ121は、中央コントローラ200に通信され得るが、充電モジュール110には通信されなくてもよい。そして、充電スケジュールは、電気作業車120および充電モジュール110のうちの少なくとも1つに通信され得る。
【0018】
図3および図4を参照すると、充電器プロパティ111は、図3に示されるように直接に、または、図4に示されるように中央コントローラ200を介して、充電モジュール110から少なくとも1つの他の電気作業車(図3および図4は、2つの他の電気作業車130および140についての例を示す)にさらに通信され得る。少なくとも1つの他の電気作業車(130および140として示される)の車両プロパティ(131および141として示される)は、少なくとも1つの他の電気作業車130、140から充電モジュール110に直接または中央コントローラ200を介して通信され得る。
【0019】
上述のように、充電決定は、第3のコントローラによって行われる。第3のコントローラは、電気作業車120の車載であってもよいし、または、中央コントローラ200または別のコントローラであってもよい。一実施形態において、充電スケジュールをネゴシエーションすることは、第1のコントローラ、第2のコントローラ、第3のコントローラ、または別のコントローラのうちの1つによって実行され得る。別の実施形態において、充電スケジュールをネゴシエーションすることは、オペレータによって実行され得る。
【0020】
一実施形態において、充電スケジュールは、オペレータに通信され得、オペレータは、そして、充電スケジュールに基づいて充電モジュールを予約するステップを実行し得る。別の実施形態において、充電モジュールを予約するステップは、第1のコントローラ、第2のコントローラ、第3のコントローラ、または、別のコントローラのうちの1つによって実行され得る。第3のコントローラは、電気作業車120の車載であってもよいし、中央コントローラであってもよいし、または、別のコントローラであってもよい。
【0021】
一実施形態において、オペレータは、充電スケジュールをネゴシエーションすること、および、充電モジュールを予約することのうちの少なくとも1つの結果を通知され得る。
【0022】
充電スケジュールは、電気作業車のそれぞれに割り当てられた優先順位に基づき得る。電気作業に割り当てられた優先度は、個々の電気作業車の作業復帰時間、個々の電気作業車のバッテリの充電状態、または、充電の緊急性に関連付けられた他の要因のうちの1つまたは複数に基づき得る。例えば、優先度は、バッテリの現在の充電状態に依存し得、したがって、電気作業車の残りの走行時間に依存し得る。優先度はまた、目標充電状態と現在の充電状態との間の差分に依存し得る。例えば、短時間の充電を必要とする電気作業車は、長時間の充電を必要とする電気作業車の前にスケジュールされ得る。この状況の例は、シフトを終了するために短い充電を必要とする電気作業車であり、シフトを終了した長時間の充電を必要とする電気作業車よりも高い優先順位が与えられる可能性がある。別の例において、特定の電気作業車の作業は、他のものよりも重要であると考えられ得る。
【0023】
充電スケジュールは、電気作業車のそれぞれに必要な充電持続時間、電気作業車それぞれの充電モジュールへの近接度、および、充電モジュールの利用可能な充電量のうちの1つまたは複数に基づき得る。
【0024】
充電モジュール110および電気作業車120は、それぞれ、テレマティクスモジュールを含み得る。テレマティクスモジュールは、充電器プロパティ111および車両プロパティ121を送受信するように構成され得る。
【0025】
充電モジュール110は、主電源を備えていてもよく、または、主電源に接続されていなくてもよい。充電モジュール110は、パワーパックを含み得る。充電モジュール110は、発電機を含み得る。
【0026】
充電器プロパティ111は、充電モジュール110の健全性の状態をさらに含み得る。例えば、充電モジュール110が動作しているかどうか、および、充電モジュール110に何らかの損傷があるかどうか、または、充電モジュール110の能力が制限されているかどうかである。充電器プロパティ111は、充電モジュール110の充電容量をさらに含み得る。例えば、充電モジュール110が主電源に接続されていない場合、それは利用可能な限られた量の充電を有し得る。充電容量は、パワーパックの充電状態を含み得る。一実施形態において、充電容量は、充電モジュール110がバッテリを完全に充電するのに十分な充電を有することの表示、または、充電モジュール110を完全に電力を排出した後のバッテリの予測される充電状態の表示の何れかを含み得る。充電器プロパティ111は、充電モジュール110の充電レート、および、充電器接続タイプ(DC、AC、三相など)をさらに含み得る。
【0027】
充電器プロパティ111は、充電モジュールの可用性を含む。充電モジュール110の可用性は、充電モジュール110が使用中であるかどうかの表示と、充電モジュール110の予約ステータスとを含み得る。例えば、充電モジュール110は、現在使用中であってもよいし、現在空きであってもよいし、別の車両によって特定の時間に使用するために予約されていてもよいし、または、予約されていなくてもよい。充電モジュール110が使用中である場合、充電モジュールの可用性は、充電モジュール110が利用可能になる予測された充電終了時間をさらに含み得る。同様に、充電モジュール110が予約されている場合、充電モジュールの可用性は、予約前に充電モジュール110が空いている期間および/または予約の予測終了時間をさらに含み得る。
【0028】
予測される充電終了時間は、充電モジュール110から電気作業車120に通信され得る。予測される充電終了時間は、充電されているバッテリの現在の充電状態、充電されているバッテリの目標充電状態、および、充電モジュール110の充電速度に基づいて、電気作業車120または中央コントローラによって計算され得る。充電モジュール110が主電源に接続されていない場合、充電器プロパティ111は、予測された充電終了時間における充電モジュール110の予測された充電状態をさらに含み得る。
【0029】
一実施形態において、充電モジュール110は、DC充電器を含み得、充電器プロパティ111は、充電モジュール110のDC電圧をさらに含み得る。
【0030】
車両プロパティ121は、充電が必要になる前の予測時間をさらに含み得る。予測時間は、現在の充電状態、放電速度、および、充電モジュール110からの距離のうちの少なくとも1つに基づき得る。放電速度は、現在の放電速度に基づき得る。放電速度は、バッテリの以前の放電からのデータ、例えば、異なる充電状態での放電速度、または、オペレータによる放電速度、または、車両によって様々なタスクを実行するための放電速度を含むデータに基づき得る。充電モジュール110からの距離は、充電モジュール110へ走行するために必要な充電状態、したがって、充電モジュール110へ移動する必要がある前に車両が到達可能な最小充電状態を計算するために使用され得る。
【0031】
車両プロパティ121は、充電のための利用可能な期間をさらに含み得る。利用可能な期間は、車両の作業復帰時間に基づき得る。例えば、車両は、オペレータのシフトの終わりに充電され得、復帰時間は、車両についての次のシフトの開始を含み得る(同じまたは異なるオペレータについて)。それ以外の場合、利用可能な期間は、オペレータの昼休み、週末、作業現場の閉鎖期間、または、他の期間を含み得る。
【0032】
車両プロパティ121は、充電のための目標充電状態をさらに含み得る。例えば、目標充電状態は、バッテリを100%の充電状態に完全に充電することであり得る。目標充電状態は、良好なバッテリの健全性を維持するために適切であると決定された充電状態を含み得る。目標充電状態は、次のタスクまたは次のシフトを完了するために必要な充電状態であり得る。
【0033】
車両プロパティ121は、バッテリ電圧、バッテリの最大充電速度、バッテリの健全性の状態、および、バッテリの温度のうちの少なくとも1つをさらに含み得る。
【0034】
充電モジュールは、地理フェンス(geofence)を含み得る。地理フェンスは、例えば、充電モジュールからの半径に基づいて、充電モジュールの周囲の境界を画定し得る。地理フェンス内において、電気作業車120の速度は、閾値速度未満に制限され得、および/または、電気作業車120は、それが実行可能なタスクに制限され得る。一度に地理フェンス内に入ることが許可される電気作業車の数といった、他の制限があり得る。充電器プロパティ111は、地理フェンスおよび地理フェンス内において発生する電気作業車120についてのあらゆる制限をさらに含み得る。
【0035】
一実施形態において、オペレータに提供される充電情報は、オペレータが情報に基づいた充電決定を行うことを可能にする情報を含み得る。例えば、充電情報は、充電が必要とされる前の予測時間および利用可能な充電モジュールまでの距離を含み得る。別の実施形態において、オペレータに提供される充電情報は、コントローラ(中央コントローラまたは電気作業車120のコントローラの何れか)によって行われた充電決定の結果を含み得る。例えば、コントローラは、電気作業車120がどの充電モジュールへ移動すべきか、および、電気作業車120がいつ充電モジュールへ移動すべきか、または、充電モジュールに到着すべきかを決定し得る。
【0036】
方法は、充電モジュールの予約を行うことをさらに含み得る。予約は、充電情報に基づいてオペレータによって行われ得る。予約は、コントローラによって行われた充電決定に基づいてコントローラによってオペレータに提案され得、オペレータは、予約を確認または拒否し得る。予約は、オペレータからの入力なしに、コントローラによって行われた充電決定に基づいてコントローラによって行われてもよい。
【0037】
充電管理の方法は、充電器プロパティ111を複数の充電モジュールから電気作業車120に通信することを含み得る。充電情報は、(オペレータまたはコントローラによって行われる)充電決定が、電気作業車120を充電するかどうか、またはいつ充電するか、および、どの充電モジュールを使用するかの決定を含むように、複数の充電モジュールの充電器プロパティ111に基づき得る。
【0038】
電気作業車120は、例えば、充電器が近い将来に使用されることを車両に警告するために、その充電スケジュールを他の電気作業車に通信し得る。電気作業車は、それが充電中であることを近くの車両に通信することによって、(上述したような)地理フェンスを構築し得る。充電モジュールへ移動中の電気作業車は、充電モジュールにおいて現在充電中の電気作業車に警告し得、充電モジュールに到着する推定時刻を提供し得る。
【0039】
一実施形態によれば、電気作業車用の充電管理装置が存在する。充電管理装置は、充電モジュール110から第1のコントローラに充電器プロパティ111を通信し、かつ、電気作業車120から第2のコントローラに車両プロパティ121を通信するように構成される。充電決定は、充電器プロパティ111および車両プロパティ121に基づいて、第3のコントローラによって行われる。電気作業車120は、第1のコントローラを含み得る。充電モジュール110は、第2のコントローラを含み得る。メインコントローラは、第1のコントローラ、第2のコントローラ、および、第3のコントローラのうちの少なくとも2つを含み得る。
【0040】
充電決定が車両を充電するとの決定を含む場合、車両のオペレータに充電決定が通知される。充電スケジュールは、充電モジュール110および少なくとも1つの他の電気作業車とネゴシエーションされる。充電スケジュールは、個々の電気作業車の充電時間を含み得る。図1は、他の2台の電気作業車130および140について、湾曲した矢印によって示されるネゴシエーションの例を示す。1つの他の電気作業車、または2つよりも多い他の電気作業車が存在し得る。充電モジュール110は、充電スケジュールに従って予約される。
【0041】
充電管理装置は、上述した方法の何れかを実行するように構成され得る。充電管理装置は、コントローラ(中央コントローラまたは電気作業車120上のコントローラの何れか)を含み得る。充電管理装置は、充電モジュール上のテレマティクスデバイス、および、電気作業車120上のテレマティクスデバイスを含み得る。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気作業車のための充電管理の方法であって、
充電モジュールから第1のコントローラに充電器プロパティを通信すること、
前記電気作業車から第2のコントローラに車両プロパティを通信すること、
前記充電器プロパティおよび前記車両プロパティに基づいて充電決定を行うことであって、前記充電決定は第3のコントローラによって行われる、前記充電決定を行うこと、
前記充電決定が前記電気作業車を充電するとの決定を含む場合、
前記充電決定をオペレータに通知すること、を備え、
前記充電決定が前記電気作業車を充電するとの決定を含む場合に前記方法は、
前記充電モジュールおよび少なくとも1つの他の電気作業車と充電スケジュールをネゴシエーションすることであって、前記充電スケジュールは、個々の電気作業車に割り当てられた優先順位に基づき、電気作業車に割り当てられた前記優先順位は、前記電気作業車の作業復帰時間および前記電気作業車のバッテリの充電状態に基づく、前記ネゴシエーションすること、および、
前記充電モジュールを予約することをさらに備えることを特徴とし
前記充電器プロパティは、
前記充電モジュールの位置と、
前記充電モジュールの可用性と、を含み、かつ、
前記車両プロパティは、
前記電気作業車のバッテリの現在の充電状態と、
前記バッテリの容量と、を含む、方法。
【請求項2】
前記電気作業車は、前記第1のコントローラを含み、および/または、前記充電モジュールは、前記第2のコントローラを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充電スケジュールをネゴシエーションすることは、前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、前記第3のコントローラ、および、第4のコントローラのうちの1つによって実行される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記充電モジュールを予約することは、前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、前記第3のコントローラ、および、第4のコントローラのうちの1つによって実行される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
充電スケジュールをネゴシエーションすること、および、前記充電モジュールを予約することのうちの少なくとも1つの結果を、前記オペレータに通知することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、および、前記第3のコントローラのうちの少なくとも1つは、前記電気作業車と別個である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
メインコントローラが、前記第1のコントローラ、前記第2のコントローラ、および、前記第3のコントローラのうちの少なくとも2つを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記充電スケジュールをネゴシエーションすることは、
個々の電気作業車に割り当てられた優先順位と、
個々の電気作業車に必要な充電時間と、
前記充電モジュールへの個々の電気作業車の近接性と、
前記充電モジュールの利用可能な充電量と、のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記充電器プロパティは、
前記充電モジュールの健全性の状態と、
前記充電モジュールの充電容量と、
充電速度と、
充電モジュール接続タイプと、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記充電モジュールの前記可用性は、
前記充電モジュールが使用中であるかどうかの表示と、
前記充電モジュールの予約ステータスと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記車両プロパティは、
充電が必要とされる前の予測時間と、
充電のための利用可能な期間と、
前記バッテリの目標充電状態と、
バッテリ電圧と、
前記バッテリの最大充電速度と、
前記バッテリの健全性の状態と、
前記バッテリの温度と、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
電気作業車のための充電管理装置であって、前記充電管理装置は、
充電モジュールから第1のコントローラに充電器プロパティを通信すること、
前記電気作業車から第2のコントローラに車両プロパティを通信すること、
前記充電器プロパティおよび前記車両プロパティに基づいて充電決定を行うことであって、前記充電決定は、第3のコントローラによって行われ、前記充電管理装置は、前記第3のコントローラを含む、前記充電決定を行うこと、
前記充電決定が前記電気作業車を充電するとの決定を含む場合、
前記充電決定をオペレータに通知すること、を行うように構成され、
前記充電決定が前記電気作業車を充電するとの決定を含む場合に前記充電管理装置は、
前記充電モジュールおよび少なくとも1つの他の電気作業車と充電スケジュールをネゴシエーションすることであって、前記充電スケジュールは、個々の電気作業車に割り当てられた優先順位に基づき、電気作業車に割り当てられた前記優先順位は、前記電気作業車の作業復帰時間および前記電気作業車のバッテリの充電状態に基づく、前記ネゴシエーションすること、および、
前記充電モジュールを予約することをさらに行うように構成されることを特徴とし
前記充電器プロパティは、
前記充電モジュールの位置と、
前記充電モジュールの可用性と、を含み、かつ、
前記車両プロパティは、
前記電気作業車のバッテリの現在の充電状態と、
前記バッテリの容量と、を含む、充電管理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
充電スケジュールは、電気作業車のそれぞれに割り当てられた優先順位に基づき得る。電気作業に割り当てられた優先度は、個々の電気作業車の作業復帰時間、個々の電気作業車のバッテリの充電状態、または、充電の緊急性に関連付けられた他の要因のうちの1つまたは複数に基づき得る。例えば、優先度は、バッテリの現在の充電状態に依存し得、したがって、電気作業車の残りの走行時間に依存し得る。優先度はまた、目標充電状態と現在の充電状態との間の差分に依存し得る。例えば、短時間の充電を必要とする電気作業車は、長時間の充電を必要とする電気作業車の前にスケジュールされ得る。この状況の例は、シフトを終了するために短い充電を必要とする電気作業車であり、シフトを終了した長時間の充電を必要とする電気作業車よりも高い優先順位が与えられる可能性がある。別の例において、特定の電気作業車の作業は、他のものよりも重要であると考えられ得る。

【国際調査報告】