(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-14
(54)【発明の名称】電気作業車のための充電管理
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241107BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024532777
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 US2022050837
(87)【国際公開番号】W WO2023101874
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジョン ハレンシュタイン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス レスリー トゥイガー
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA07
5G503DA08
5G503FA03
5G503FA06
(57)【要約】
電動作業車に電力を供給するための移動式の電力供給ユニットは、バッテリを備える。電力供給ユニットは、輸送車に結合するように構成された電力供給カプラを備え、電力供給ユニットは、電力供給カプラが輸送車に結合される場合に輸送車によって輸送されるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを備えた電気作業車に電力を供給するための移動式の電源供給ユニットであって、前記電源供給ユニットは、輸送車に結合するように構成された電力供給カプラを含み、前記電力供給ユニットは、前記電力供給カプラが前記輸送車に結合される場合に前記輸送車によって輸送されるように構成された、移動式の電力供給ユニット。
【請求項2】
前記電力供給ユニットは、前記電気作業車を充電するための充電器を備える、請求項1に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項3】
前記電力供給ユニットは、前記電気作業車のための交換用バッテリを備える、請求項1に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項4】
前記電力供給カプラは、前記輸送車の車両カプラに結合するように構成された、請求項1から3の何れかに記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項5】
前記電力供給カプラおよび前記車両カプラのうちの少なくとも1つは、垂直ロックピンまたは垂直ロックくさびを備える、請求項4に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項6】
前記電力供給カプラおよび前記車両カプラのうちの少なくとも1つが、水平ロックピンまたは水平ロックくさびを備える、請求項4に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項7】
前記車両カプラは、ユニバーサルスキッドステアカプラを備える、請求項4から6の何れかに記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項8】
前記輸送車は、ホイールマテリアルハンドラ、追従マテリアルハンドラ、または、スキッドステアのうちの1つを備える、請求項1から7の何れかに記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項9】
前記電力供給ユニットは、前記輸送車と通信するように構成される、請求項1から8の何れかに記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項10】
前記輸送車は、自律型である、請求項1から9の何れかに記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項11】
コントローラが、
前記電力供給ユニットから電気作業車に電力供給プロパティを通信することと、
前記電気作業車から前記電力供給ユニットに車両プロパティを通信することと、
電力情報に基づいて電力決定を行うことであって、前記電力情報は、前記電力供給プロパティおよび前記車両プロパティに基づく、前記電力決定を行うことと、
を行うように構成され、
前記電力決定が前記車両に電力を供給するとの決定を含む場合に、前記電気作業車および前記電力供給ユニットを1つにし、
前記電力プロパティは、前記電力供給ユニットの位置を含み、かつ、
前記車両プロパティは、
前記電気作業車の前記バッテリの現在の充電状態と、
前記バッテリの容量と、を含む、請求項2に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項12】
前記電気作業車と前記電力供給ユニットとを1つにする前記ステップは、
前記電気作業車を前記電力供給ユニットに移動させることと、
前記輸送車を使用して、前記電力供給ユニットを前記電気作業車に移動させることと、をさらに含む、請求項11に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項13】
前記輸送車は、前記電気作業車および前記電力供給ユニットと通信するように構成される、請求項11または12に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項14】
前記電力供給ユニットは、充電器を含み、かつ、前記電力供給プロパティは、
前記電力供給ユニットの健全性の状態と、
前記電力供給ユニットの充電容量と、
充電速度と、
充電器接続タイプと、
前記電力供給ユニットが使用中であるかどうかの表示、および、前記電力供給ユニットの予約ステータスを含む、前記電力供給ユニットの可用性と、
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項11から13の何れかに記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項15】
前記車両プロパティは、
電力が必要とされる前の予測時間と、
充電のための利用可能な期間と、
充電のための目標充電状態と、
バッテリ電圧と、
前記バッテリの最大充電速度と、
前記バッテリの健全性の状態と、
前記バッテリの温度と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項11から14の何れかに記載の移動式の電力供給ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気作業車の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模な作業現場は、電気作業車の充電を効率的に管理するための課題を提起する可能性がある。電気作業車は、充電ユニットから長距離において動作し得、電気作業車のバッテリの充電状態が充電ユニットに到達するのに十分でない場合、立ち往生するリスクがある。
【0003】
この問題は、例えば異なる場所に電気作業車のための複数の充電ポイントを有する大規模な作業現場において悪化し得る。電気作業車のオペレータは、特に充電ポイントの位置が作業現場間で異なる場合、または、充電ポイントが移動式である場合、充電ポイントの位置を知らないことがある。オペレータは、充電ポイントを探すために走行する場合に時間および充電を無駄にし得る。
【0004】
電気作業車のオペレータは、充電ポイントのあらゆるプロパティについての知識をもたずに充電のために充電ポイントへ走行し得るため、充電できないリスクがある。例えば、充電ポイントが、別の車両によって使用されている、電力または充電が少ない、故障している、充電ポイントのタイプが間違っている、または、その他の使用できないことがあり得る。電気作業車が充電ポイントで充電できない場合、電気作業車は待機するか、または、別の充電ポイントに移動する必要があり得る。
【発明の概要】
【0005】
バッテリを備えた電気作業車を充電するための移動式電力供給ユニットが提供される。電力供給ユニットは、輸送車両に結合するように構成された電力供給カプラを備え、電力供給ユニットは、電力供給カプラが輸送車両に結合された場合に輸送車両によって輸送されるように構成される。
【0006】
このようにして、電力供給ユニットは、電気作業車に電力を提供するために、作業現場の異なる場所に輸送され得る。電力供給ユニットは、電気作業車が、電力供給ユニットによって充電されることが可能であるように、または、交換用バッテリを受け取ることが可能であるように、充電器または交換用バッテリを含み得る。例えば、電力供給ユニットは、電気作業車によって容易にアクセス可能な場所に輸送され得る。電力供給ユニットは、電力供給ユニットの以前の場所よりも電力を必要とする可能性が高い電気作業車に近い場所、または、電気作業車に対してより中央に近い場所に輸送され得る。電気作業車は1日中移動し得るため、電力供給ユニットは、電力供給ユニットが移動することによって電気作業車に電力を供給するために利便である場所に維持され得る。電力供給ユニットはまた、充電または交換用バッテリを必要とする電気作業車へ直接に輸送され得る。これは、電気作業車の作業時間ロスを最小限に抑制し得る。また、充電ポイントへ移動するのに充電が不十分な電気作業車に充電することを可能にし得る。これは、電気自動車が偶然にまたは予期せずに低充電状態に達した場合に有益であり得る。さらに、充電ポイントへ移動するために充電を節約する必要がない場合、電気作業車は、より長く使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
ここで、添付の図面を参照して、本開示の特定の実施例を単に一例として説明する。
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による、輸送ユニットに結合された移動式電力供給ユニットを示す概略ブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態による、電力供給ユニットと通信する電気作業車を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態による、電力供給カプラおよび車両カプラを示す概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態による、電力供給カプラおよび車両カプラを示す概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態による、輸送車および電力供給カプラを示す概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態による、中央コントローラを介して電力供給ユニットと通信する電気作業車を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、移動式電力供給ユニット110が提供され、移動式電力供給ユニット110は、統合されたカプラ機能を有する。電力供給ユニット110は、車両カプラ140を介して輸送車130に結合するように構成された電力供給カプラ120を備える。
【0009】
電力供給ユニット110は、電気作業車に電力を供給するように構成される。電力供給ユニット110は、電気作業車のバッテリを充電するように構成された充電器を含み得る。電力供給ユニット110は、電気作業車のための交換用バッテリを含み得る。
【0010】
輸送車130は、作業現場の周囲において電力供給ユニット110を移動させるように構成される。
【0011】
図2を参照すると、電力供給ユニット110は、電力供給ユニット110から電気作業車210に電力供給プロパティ111を供給し、電気作業車210から車両プロパティ211を受信するように構成され得る。電力情報に基づいて電力決定が行われ、電力情報は、電力供給プロパティ111および車両プロパティ211に基づく。
【0012】
電力決定が、電気作業車210が電力を必要とするとの決定を含む場合、電気作業車210と電力供給ユニット110とが1つになる。電力供給プロパティは、電力供給ユニット110の位置を含み得る。車両プロパティ211は、電気作業車210のバッテリの現在の充電状態および電気作業車210のバッテリの容量を含む。
【0013】
一実施形態において、電力供給ユニット110は、充電器を含む。電力供給プロパティ111は、充電器プロパティを含み得る。電力決定は、電力情報に基づいて充電決定が行われることを含み得る。
【0014】
電力決定が電気作業車210を充電するとの決定を含む場合、電気作業車210と電力供給ユニット110とが1つになる。電力供給プロパティ111は、電力供給ユニット110の位置および電力供給ユニット110の可用性を含み得る。車両プロパティ211は、電気作業車210のバッテリの現在の充電状態および電気作業車210のバッテリの容量を含む。
【0015】
別の実施形態において、電力供給ユニット110は、交換用バッテリを含む。電力決定が電気作業車の車両バッテリを交換するとの決定を含む場合、電気作業車210と電力供給ユニット110とが1つになる。電気作業車の車両バッテリは、交換用バッテリと交換されてもよく、電力供給ユニット110は、電気作業車から取り外された車両バッテリを受け入れるように構成されてもよい。電力供給プロパティ111は、電力供給ユニット110の位置および電力供給ユニット110の可用性を含み得る。車両プロパティ211は、電気作業車210のバッテリの現在の充電状態および電気作業車210のバッテリの容量を含む。
【0016】
電力供給プロパティは、交換用バッテリの電圧および交換用バッテリのバッテリタイプのうちの少なくとも1つをさらに含み得る。
【0017】
電気作業車210と電力供給ユニット110とを1つにすることは、電気作業車210を電力供給ユニット110に移動させることと、電力供給ユニット110を電気作業車210に移動させることとの間の決定をさらに含み得る。例えば、この決定は、電気作業車210のバッテリの充電状態に基づき得る。決定は、電力を必要とする、または直ぐに電力を必要とし得る他の電気作業車からの電力供給ユニット110の距離に基づいてもよい。決定は、電気作業車210によって現在実行されている作業の緊急性に基づいてもよい。
【0018】
電力供給ユニット110は、輸送車130によって移動されるように構成される。輸送車130は、電力供給ユニット110の充電カプラ120に取り付けられ、かつ、それから取り外されるように構成された車両カプラ140を備える。一実施形態において、輸送車130は、スキッドステア、コンパクトホイールローダ、ホイールマテリアルハンドラ、トラックマテリアルハンドラ、または、あらゆる他の適切なマシンを含み得る。
【0019】
一実施形態において、電力供給カプラ120および車両カプラ140のうちの1つは、垂直ロックピンを備えたカプラ(ユニバーサルスキッドステアカプラのような)を含み得る。別の実施形態において、電力供給カプラ120および車両カプラ140のうちの1つは、水平ロックピンを備えたカプラ(コンパクトローダ用の「フックオン」カプラのような)を含み得る。電力供給カプラ120および車両カプラ140は、垂直ロックくさび、または、結合機構を有するような、他のタイプのカプラを含み得る。電力供給カプラ120または車両カプラ140は、クイックカプラブラケットを含み得る。電力供給カプラ120は、電力供給ユニット110の側面、上部または底部に存在し得、電力供給カプラ120は、車両カプラ140に結合するように構成される。
【0020】
図3を参照すると、カプラ310および320のペアの例が示される。カプラ320は、垂直ロックピンを備える。電力供給カプラ120および車両カプラ140の一方は、カプラ310を含み得、電力供給カプラ120および車両カプラ140の他方は、カプラ320を含み得る。
図4を参照すると、カプラ410(
図4A)および420(
図4B)の別のペアの例が示される。カプラ420は、水平ロックピン421を備える。電力供給カプラ120および車両カプラ140の一方は、カプラ410を含み得、電力供給カプラ120および車両カプラ140の他方は、カプラ420を含み得る。
図5は、輸送車130の例としてのスキッドステア車両(
図5A)、および、電力供給カプラ120または車両カプラ140の例としてのスキッドステアカプラ(
図5B)を示す。
【0021】
輸送車は、作業車および電力供給ユニット110と通信するように構成され得る。輸送車は、テレマティクスモジュールを含み得る。
【0022】
一実施形態において、輸送車130は、自律型であってもよい。別の実施形態において、輸送車130は、オペレータによって操作されてもよい。一実施形態において、電気作業車210は、オペレータによって操作されてもよい。別の実施形態において、電気作業車210は、自律型であってもよい。
【0023】
電力供給プロパティ111を電気作業車210に通信し、かつ、車両プロパティ211を電力供給ユニット110に通信することは、同時に、または、何れかの順序で逐次的に発生し得る。電力供給プロパティ111および車両プロパティ211は、連続的にまたは規則的な間隔で通信され得る。電力供給プロパティ111および車両プロパティ211は、代替的に、オンデマンドで、例えば、オペレータによる要求に応答して通信され得る。電力供給プロパティ111および車両プロパティ211は、電力供給ユニット110と電気作業車210との間において直接通信され得る。
図6を参照すると、電力供給プロパティ111および車両プロパティ211は、中央コントローラ300を介して電力供給ユニット110と電気作業車10との間において通信され得る。
【0024】
電力供給ユニット110および電気作業車210は、それぞれ、テレマティクスモジュールを含み得る。テレマティクスモジュールは、充電器プロパティ111および車両プロパティ211を送受信するように構成され得る。
【0025】
電力供給ユニット110が充電器を含む実施形態において、電力供給ユニット110は、主電源に接続されないことがある。電力供給ユニット110は、パワーパックを含み得る。電力供給ユニット110は、発電機を含み得る。
【0026】
電力供給ユニット110が充電器を含む実施形態において、電力供給プロパティ111は、電力供給ユニット110の健全性の状態をさらに含み得る。例えば、電力供給ユニット110が動作しているかどうか、および、電力供給ユニット110に何らかの損傷があるかどうか、または、電力供給ユニット110の能力が制限されているかどうかである。電力供給プロパティ111は、電力供給ユニット110の充電容量をさらに含み得る。充電容量は、パワーパックの充電状態を含み得る。一実施形態において、充電容量は、電力供給ユニット110がバッテリを完全に充電するのに十分な充電を有するとの表示、または、電力供給ユニット110が電力を完全に排出した後のバッテリの充電の予測状態の表示の何れかを含み得る。電力供給プロパティ111は、電力供給ユニット110の充電速度、および、充電器接続タイプ(DC、AC、三相など)をさらに含み得る。
【0027】
電力供給ユニット110が充電器を含む実施形態において、電力供給プロパティ111は、電力供給ユニット110の可用性を含み得る。電力供給ユニット110の可用性は、電力供給ユニット110が使用中であるかどうかの表示と、電力供給ユニット110の予約ステータスとを含み得る。例えば、電力供給ユニット110は、現在使用中であってもよいし、現在空いていてもよいし、別の車両によって特定の時間に使用するために予約されていてもよいし、または、予約されていなくてもよい。電力供給ユニット110が使用中である場合、電力供給ユニット110の可用性は、電力供給ユニット110が利用可能になると予測された充電終了時間をさらに含み得る。同様に、電力供給ユニット110が予約されている場合、電力供給ユニット110の可用性は、電力供給ユニット110が予約前に空いている期間、および/または、予約の予測終了時間をさらに含み得る。
【0028】
予測される充電終了時間は、電力供給ユニット110から電気作業車210に通信され得る。予測される充電終了時間は、充電されているバッテリの現在の充電状態、充電されているバッテリの目標充電状態、および、電力供給ユニット110の充電速度に基づいて、電気作業車210または中央コントローラ300によって計算され得る。電力供給ユニット110が主電源に接続されていない場合、充電器プロパティ111は、予測された充電終了時間における電力供給ユニット110の予測された充電状態をさらに含み得る。
【0029】
一実施形態において、電力供給ユニット110は、DC充電器を含み得、充電器プロパティ111は、充電器のDC電圧をさらに含み得る。
【0030】
電力供給ユニット110が交換用バッテリを含む実施形態において、電力供給プロパティは、交換用バッテリの可用性を含み得る。例えば、交換用バッテリが別の電気作業車へ輸送中であるかどうか、または、交換用バッテリが利用可能であるかどうかである。
【0031】
車両プロパティ211は、(充電または交換用バッテリの何れかを介して)電力が必要とされる前の予測時間をさらに含み得る。予測時間は、現在の充電状態、放電速度、および、電力供給ユニット110からの距離のうちの少なくとも1つに基づき得る。放電速度は、現在の放電速度に基づき得る。放電速度は、バッテリの以前の放電からのデータ、例えば、異なる充電状態での放電速度、または、オペレータによる放電速度、または、電気作業車210によって様々なタスクを実行するための放電速度を含むデータに基づき得る。電力供給ユニット110からの電気作業車210の距離は、電力供給ユニット110へ移動するために必要な充電状態を計算するために使用され得、したがって、電気作業車210が電力供給ユニット110に移動する必要がある前に到達可能な最小充電状態を計算し得る。これは、電気作業車210を電力供給ユニット110に移動させるか、または、電力供給ユニット110を電気作業車210に移動させるかについての決定要因であり得る。
【0032】
電力決定は、電気作業車210を充電するか、または、電気作業車210のバッテリを交換するかについての決定をさらに含み得る。これは、電気作業車210の現在の充電状態、充電器を含む電力供給ユニット110の位置、交換用バッテリを含む電力供給ユニット110の位置、電気作業車210の位置、および、電気作業車210のバッテリの健全性のうちの1つまたは複数に基づき得る。
【0033】
車両プロパティは、充電のための利用可能な期間をさらに含み得る。利用可能な期間は、電気作業車210の作業復帰時間に基づき得る。例えば、電気作業車210は、オペレータのシフトの終わりに充電され得、復帰時間は、電気作業車210についての次のシフトの開始を含み得る(同じまたは異なるオペレータについて)。それ以外の場合、利用可能な期間は、オペレータの昼休み、週末、作業現場の閉鎖期間、または、他の期間を含み得る。
【0034】
車両プロパティ211は、充電の目標充電状態をさらに含み得る。例えば、目標充電状態は、バッテリを100%の充電状態に完全に充電することであり得る。目標充電状態は、良好なバッテリの健全性を維持するために適切であると決定された充電状態を含み得る。目標充電状態は、次のタスクまたは次のシフトを完了するために必要な充電状態であり得る。
【0035】
車両プロパティ211は、バッテリ電圧、バッテリの最大充電速度、バッテリの健全性の状態、および、バッテリの温度のうちの少なくとも1つをさらに含み得る。
【0036】
電力供給ユニット110は、地理フェンス(geofence)を含み得る。地理フェンスは、例えば、電力供給ユニット110からの半径に基づいて、電力供給ユニット110の周囲の境界を画定し得る。地理フェンス内において、電気作業車120の速度は、閾値速度未満に制限され得、および/または、電気作業車120は、それが実行可能なタスクに制限され得る。一度に地理フェンス内に入ることが許可される電気作業車の数といった、他の制限があり得る。電力供給プロパティ111は、地理フェンスおよび地理フェンス内において発生する電気作業車210についてのあらゆる制限をさらに含み得る。地理フェンスはまた、輸送車130が地理フェンス領域に進入することを防止し得、または、輸送車130上の電力供給ユニット110が地理フェンス領域内において電気作業車を充電することを防止し得る。
【0037】
一実施形態において、電気作業車210のオペレータに提供される電力情報は、オペレータが情報に基づいた電力決定を行うことを可能にする情報を含み得る。例えば、電力情報は、電力が必要とされる前の予測時間および利用可能な電力供給ユニット110までの距離を含み得る。別の実施形態において、オペレータに提供される電力情報は、コントローラ(例えば、中央コントローラ300または作業車のコントローラの何れか)によって行われた電力決定の結果を含み得る。例えば、コントローラは、電気作業車210が電力供給ユニット110に移動すべきか(その場合、電気作業車210がどの電力供給ユニット110に移動すべきか、電気作業車210がいつ電力供給ユニット110に移動すべきか)、または、電力供給ユニット110が電気作業車210へ移動することを電気作業車210が待つべきかを決定し得る。
【0038】
方法は、電力供給ユニット110の予約を行うことをさらに含み得る。予約は、電力情報に基づいてオペレータによって行われ得る。予約は、コントローラによって行われた電力決定に基づいてコントローラによってオペレータに提案され得、オペレータは、予約を確認または拒否し得る。予約は、オペレータからの入力なしに、コントローラによって行われた電力決定に基づいてコントローラによって行われてもよい。
【0039】
複数の電力供給ユニット110は、電力供給プロパティ111を電気作業車210に通信するように構成され得る。電力情報は、(オペレータまたはコントローラによって行われる)電力決定が、電気作業車210を充電するか、または、電気作業車210のバッテリを交換するか、または、いつ充電するか、および、どの電力供給ユニット110を使用するかについての決定を含むように、複数の電力供給ユニット110の電力供給プロパティ111に基づき得る。
【0040】
電力供給ユニット110は、複数の電気作業車210から車両プロパティ211を受信するように構成され得る。
【0041】
電力情報は、車室内のディスプレイを介して、スマートフォンを介して、または、他の手段によってオペレータに提供され得る。
【0042】
一実施形態によれば、電気作業車のための電力供給管理の方法が提供される。電力供給プロパティ111は、電力供給ユニット110から電気作業車210に通信される。車両プロパティ211は、電気作業車210から電力供給ユニット110に通信される。電力情報に基づいて電力決定が行われ、電力情報は、電力供給プロパティ111および車両プロパティ211に基づく。
【0043】
電力供給ユニット110は、統合されたカプラ機能を有する移動式電力供給ユニット110を備える。電力供給ユニット110は、車両カプラ140を介して輸送車130に結合するように構成された電力供給カプラ120を備える。電力供給ユニット110は、電気作業車に電力を供給するように構成される。輸送車130は、作業現場の周囲において電力供給ユニット110を移動させるように構成される。
【0044】
電力決定が電気作業車210に電力を供給するとの決定を含む場合、電気作業車210と電力供給ユニット110とが1つになる。電力供給プロパティ111は、電力供給ユニット110の位置を含む。車両プロパティ211は、電気作業車210のバッテリの現在の充電状態および電気作業車210のバッテリの容量を含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを備えた電気作業車に電力を供給するための移動式の電力供給ユニットであって、前記電力供給ユニットは、輸送車に結合するように構成された電力供給カプラを含み、
前記電力供給ユニットは、前記電力供給カプラが前記輸送車に結合される場合に前記輸送車によって輸送されるように構成さ
れ、
前記電力供給ユニットは、前記電力供給ユニットから前記電気作業車へ電力供給プロパティを供給し、かつ、前記電気作業車から車両プロパティを受信するように構成され、
電力情報に基づいて電力決定が行われ、前記電力情報は、前記電力供給プロパティおよび前記車両プロパティに基づき、前記電力供給プロパティは、前記電力供給ユニットの充電容量を含み、前記車両プロパティは、充電のための利用可能な期間を含む、移動式の電力供給ユニット。
【請求項2】
前記電力供給ユニットは、前記電気作業車を充電するための充電器を備える、請求項1に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項3】
前記電力供給ユニットは、前記電気作業車のための交換用バッテリを備える、請求項1に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項4】
前記電力供給カプラは、前記輸送車の車両カプラに結合するように構成された、請求項1から3の何れか
1項に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項5】
前記電力供給カプラおよび前記車両カプラのうちの少なくとも1つは、垂直ロックピンまたは垂直ロックくさびを備える、請求項4に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項6】
前記電力供給カプラおよび前記車両カプラのうちの少なくとも1つが、水平ロックピンまたは水平ロックくさびを備える、請求項4に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項7】
前記車両カプラは、ユニバーサルスキッドステアカプラを備える、請求項
4に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項8】
前記輸送車は、ホイールマテリアルハンドラ、追従マテリアルハンドラ、または、スキッドステアのうちの1つを備える、請求項1から
3の何れか
1項に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項9】
前記電力供給ユニットは、前記輸送車と通信するように構成される、請求項1から
3の何れか
1項に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項10】
前記輸送車は、自律型である、請求項1から
3の何れか1項に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項11】
コントローラが、
前記電力供給ユニットから電気作業車に電力供給プロパティを通信することと、
前記電気作業車から前記電力供給ユニットに車両プロパティを通信することと、
電力情報に基づいて電力決定を行うことであって、前記電力情報は、前記電力供給プロパティおよび前記車両プロパティに基づく、前記電力決定を行うことと、
を行うように構成され、
前記電力決定が前記
電気作業車に電力を供給するとの決定を含む場合に、前記電気作業車および前記電力供給ユニットを1つにし、
前記電力
供給プロパティは、前記電力供給ユニットの位置を含み、かつ、
前記車両プロパティは、
前記電気作業車の前記バッテリの現在の充電状態と、
前記バッテリの容量と、を含む、請求項2に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項12】
前記電気作業車と前記電力供給ユニットとを1つにする
ことは、
前記電気作業車を前記電力供給ユニットに移動させることと、
前記輸送車を使用して、前記電力供給ユニットを前記電気作業車に移動させることと、の間における決定をさらに含む、請求項11に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項13】
前記輸送車は、前記電気作業車および前記電力供給ユニットと通信するように構成される、請求項11または12に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項14】
前記電力供給ユニットは、充電器を含み、かつ、前記電力供給プロパティは、
前記電力供給ユニットの健全性の状態と、
前記電力供給ユニットの充電容量と、
充電速度と、
充電器接続タイプと、
前記電力供給ユニットが使用中であるかどうかの表示、および、前記電力供給ユニットの予約ステータスを含む、前記電力供給ユニットの可用性と、
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項11
または12に記載の移動式の電力供給ユニット。
【請求項15】
前記車両プロパティは、
電力が必要とされる前の予測時間と
、
充電のための目標充電状態と、
バッテリ電圧と、
前記バッテリの最大充電速度と、
前記バッテリの健全性の状態と、
前記バッテリの温度と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項11
または12に記載の移動式の電力供給ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
電力供給プロパティ111を電気作業車210に通信し、かつ、車両プロパティ211を電力供給ユニット110に通信することは、同時に、または、何れかの順序で逐次的に発生し得る。電力供給プロパティ111および車両プロパティ211は、連続的にまたは規則的な間隔で通信され得る。電力供給プロパティ111および車両プロパティ211は、代替的に、オンデマンドで、例えば、オペレータによる要求に応答して通信され得る。電力供給プロパティ111および車両プロパティ211は、電力供給ユニット110と電気作業車210との間において直接通信され得る。
図6を参照すると、電力供給プロパティ111および車両プロパティ211は、中央コントローラ300を介して電力供給ユニット110と電気作業車
210との間において通信され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
電力供給ユニット110および電気作業車210は、それぞれ、テレマティクスモジュールを含み得る。テレマティクスモジュールは、電力供給プロパティ111および車両プロパティ211を送受信するように構成され得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
予測される充電終了時間は、電力供給ユニット110から電気作業車210に通信され得る。予測される充電終了時間は、充電されているバッテリの現在の充電状態、充電されているバッテリの目標充電状態、および、電力供給ユニット110の充電速度に基づいて、電気作業車210または中央コントローラ300によって計算され得る。電力供給ユニット110が主電源に接続されていない場合、電力供給プロパティ111は、予測された充電終了時間における電力供給ユニット110の予測された充電状態をさらに含み得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
一実施形態において、電力供給ユニット110は、DC充電器を含み得、電力供給プロパティ111は、充電器のDC電圧をさらに含み得る。
【国際調査報告】