(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-14
(54)【発明の名称】リチウムイオン二次電池用複合材料及びその調製方法と応用
(51)【国際特許分類】
H01M 4/38 20060101AFI20241107BHJP
C01B 32/05 20170101ALI20241107BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
H01M4/38 Z
C01B32/05
H01M4/36 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532907
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2022100702
(87)【国際公開番号】W WO2023115860
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111582639.1
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520464393
【氏名又は名称】▲リー▼陽天目先導電池材料科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】TIANMULAKE EXCELLENT ANODE MATERIALS CO, LTD.
【住所又は居所原語表記】3/F,Office Building 15,No.87 ShangShang Road,Kunlun Street Liyang,Jiangsu 213330 China
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】吉 祥
(72)【発明者】
【氏名】邵 金
(72)【発明者】
【氏名】羅 飛
【テーマコード(参考)】
4G146
5H050
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AA15
4G146AA17
4G146AB01
4G146AC02A
4G146AC02B
4G146AC04A
4G146AC27A
4G146AD23
4G146AD25
4G146BA12
4G146BA13
4G146BA18
4G146BA48
4G146BB04
4G146BC03
4G146BC33B
4G146BC34B
5H050AA02
5H050AA07
5H050AA19
5H050BA16
5H050CA17
5H050CB11
5H050EA08
5H050GA02
5H050GA10
5H050GA27
5H050HA01
5H050HA05
5H050HA06
5H050HA14
(57)【要約】
【課題】リチウムイオン二次電池用複合材料及びその調製方法と応用を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池用複合材料は、内部に中空孔を有する球状の多孔質難黒鉛化性炭素材料であり、細孔の内部にシリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物とが分解して堆積した生成物(シリコンナノ粒子を含む)が堆積され、前記多孔質難黒鉛化性炭素材料は、ダブルエマルション法により難黒鉛化性炭素マトリックスを硬化させて調製した後、さらに炭化することによって得られる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン二次電池用複合材料であって、
前記複合材料は、内部に中空孔を有する球状の多孔質難黒鉛化性炭素材料であり、細孔の内部にシリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物とが分解して堆積した生成物(シリコンナノ粒子を含む)が堆積され、
ここで、前記多孔質難黒鉛化性炭素材料は、ダブルエマルション法により難黒鉛化性炭素マトリックスを硬化させて調製した後、さらに炭化することによって得られる、
ことを特徴とする複合材料。
【請求項2】
前記複合材料中のシリコン含有量は、1wt%~70wt%である、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記複合材料の粒径範囲は、1μm~100μmであり、平均細孔径は0.1nm~10nmであり、前記中空孔の径は0.5μm~80μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合材料。
【請求項4】
前記球状の多孔質難黒鉛化性炭素材料の難黒鉛化性炭素マトリックスは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フルフラール樹脂又はポリブタジエン樹脂のうちの1種又は複数種の組み合わせであり、
前記シリコン含有ガスは、シラン化合物であり、モノシラン、トリシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記C元素を含むガス状化合物は、アセチレン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパン及びガス状エタノールのうちの1種以上を含み、
前記N元素を含むガス状化合物は、窒素、アンモニア、尿素及びメラミンのうちの1種以上を含み、
前記B元素を含むガス状化合物は、ジボラン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリプロピル及び三臭化ホウ素のうちの1種以上を含み、
前記P元素を含むガス状化合物は、ホスフィン及び/又はオキシ塩化リンを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合材料。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法であって、
純粋な油類を第1液相として用い、樹脂を対応する溶媒に溶解し、非イオン性界面活性剤及び硬化剤を加えて第2液相を調製し、界面活性剤を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、0.5時間~1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら80℃~130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで1時間~24時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させるステップ1と、
乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を800℃~1300℃まで上げ、800℃~1300℃で0.5時間~15時間保温して高温炭化処理を施し、粒径が1μm~100μmの範囲の難黒鉛化性炭素マトリックスを得るステップ2と、
得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに600℃~1000℃で造孔ガス源を1時間~10時間導入し続け、前記難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、多孔質難黒鉛化性炭素マトリックス材料を得て、ここで、前記造孔ガス源は酸素、二酸化炭素及び水蒸気のうちの1種又は2種の組み合わせであり、前記造孔ガス源のガス流量は2L/min~20L/minであるステップ3と、
得られた多孔質難黒鉛化性炭素マトリックス材料上に気相堆積を行い、リチウムイオン二次電池用複合材料を得て、前記気相堆積用のガス源には、シリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物が含まれるステップ4と、
を含む、
ことを特徴とする調製方法。
【請求項6】
前記気相堆積用の保護ガスは、窒素ガス又はアルゴンガスのうちの1種又はこれらの組み合わせであり、流速は1~5L/minであり、前記ガス状化合物のガス流速は0.5~10L/minであり、前記シリコン含有ガスの流速は0.5~10L/minであり、堆積温度は500~1500℃であり、堆積時間は1~20時間である、
ことを特徴とする請求項5に記載の調製方法。
【請求項7】
前記樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フルフラール樹脂又はポリブタジエン樹脂のうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記溶媒は、エタノール、アセトン、トルエンのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記油類は、植物油、パラフィン油、鉱物油等のうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベートのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記硬化剤は、トリメチルヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、メタキシレンジアミンのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記界面活性剤は、ステアリン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、レシチンなどのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記シリコン含有ガスは、シラン化合物であり、モノシラン、トリシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記C元素を含むガス状化合物は、アセチレン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパン及びガス状エタノールのうちの1種以上を含み、
前記N元素を含むガス状化合物は、窒素、アンモニア、尿素及びメラミンのうちの1種以上を含み、
前記B元素を含むガス状化合物は、ジボラン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリプロピル及び三臭化ホウ素のうちの1種以上を含み、
前記P元素を含むガス状化合物は、ホスフィン及び/又はオキシ塩化リンを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の調製方法。
【請求項8】
質量分率で第1液相:第2液相:第3液相=(0、30%]:(0、30%]:(0、50%]となり、
前記第2液相では、質量分率で樹脂:溶媒:硬化剤:非イオン性界面活性剤=(0、80%]:(0、90%]:[0、30%]:(0、20%]となり、
前記第3液相では、質量分率で油類:界面活性剤=(0、90%]:(0、30%]となる、
ことを特徴とする請求項5に記載の調製方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用複合材料を含む、
ことを特徴とするリチウムイオン電池の負極材料。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用複合材料を含む、
ことを特徴とするリチウムイオン電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本出願は、2021年12月22日に中国特許庁に提出された出願番号が202111582639.1であり、発明の名称が「リチウムイオン二次電池用複合材料及びその調製方法と応用」である中国特許出願の優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、材料の技術分野に関し、特に、リチウムイオン二次電池用複合材料及びその調製方法と応用に関する。
【背景技術】
【0003】
シリコンが高容量リチウムイオン電池の理想的な負極材料として用いられる理由として、その理論比容量が4200mAh/gであり、従来の黒鉛負極の372mAh/gよりも一桁高い。しかしながら、リチウムイオン電池の高容量は、リチウムの挿入過程におけるシリコン負極の体膨張(300%)に伴い、電極の大量破壊と電池容量の減衰を招く。
【0004】
現在、シリコン-炭素複合材料の調製により、体膨張による影響を効果的に緩和できる。例えば、中国特許出願201510448316.1号では、シリコンと異なる炭素材料とを2回機械的に混合して噴霧乾燥し、次に気相堆積により最外層にカーボンシェルを被覆することで、シリコンの膨張問題をある程度緩和した。しかしながら、現在、主流方法として、機械的混合や単純な被覆によって複合を行い、ナノシリコン粒子を炭素材料中に均一に分散させることができず、シリコン-炭素複合材料の利点を十分に発揮することができない。同時に、このような方法は、シリコンの大きな体膨張による材料の破壊を効果的に解決することはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料及びその調製方法と応用を提供する。当該複合材料内のナノシリコンと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物とが気相堆積により球状の多孔質炭素の細孔内に均一に分散される。多孔質構造は、堆積後のナノシリコンのサイズと均一な分散を制限し、体膨張の影響を小さく抑えられ、シリコーンの微粉化による電気的接触が悪くなる問題を回避することができる一方で、中央に大きな孔を持つことで、シリコン材料の膨張により大きな緩衝空間を提供し、膨張による複合材料全体の構造への破壊が起こりにくくなり、したがって、シリコンに対してリチウム挿入・離脱反応を十分に行う場合、複合材料の構造をそのままにすることができ、さらに電池の電気化学的特性を向上させる。そして、多元素複合の場合、CとNは材料のサイクル特性を向上させるのに有益であり、BとPは材料のレート特性を向上させるのに有益である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本発明の実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料を提供する。前記複合材料は、内部に中空孔を有する球状の多孔質難黒鉛化性炭素材料であり、細孔の内部にシリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物とが分解して堆積した生成物(シリコンナノ粒子を含む)が堆積され、
ここで、前記多孔質難黒鉛化性炭素材料は、ダブルエマルション法により難黒鉛化性炭素マトリックスを硬化させて調製した後、さらに炭化することによって得られる。
【0007】
好ましくは、前記複合材料中のシリコン含有量は、1wt%~70wt%である。
【0008】
好ましくは、前記複合材料の粒径範囲は、1μm~100μmであり、平均細孔径は0.1nm~10nmであり、前記中空孔の径は0.5μm~80μmである。
【0009】
好ましくは、前記球状の多孔質難黒鉛化性炭素材料の難黒鉛化性炭素マトリックスは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フルフラール樹脂又はポリブタジエン樹脂のうちの1種又は複数種の組み合わせであり、
前記シリコン含有ガスは、シラン化合物であり、モノシラン、トリシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記C元素を含むガス状化合物は、アセチレン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパン及びガス状エタノールのうちの1種以上を含み、
前記N元素を含むガス状化合物は、窒素、アンモニア、尿素及びメラミンのうちの1種以上を含み、
前記B元素を含むガス状化合物は、ジボラン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリプロピル及び三臭化ホウ素のうちの1種以上を含み、
前記P元素を含むガス状化合物は、ホスフィン及び/又はオキシ塩化リンを含む。
【0010】
第2の態様において、本発明の実施例は、第1の態様に記載のリチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、前記調製方法は、
純粋な油類を第1液相として用い、樹脂を対応する溶媒に溶解し、非イオン性界面活性剤及び硬化剤を加えて第2液相を調製し、界面活性剤を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、0.5時間~1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら80℃~130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで1時間~24時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させるステップ1と、
乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を800℃~1300℃まで上げ、800℃~1300℃で0.5時間~15時間保温して高温炭化処理を施し、粒径が1μm~100μmの範囲の難黒鉛化性炭素マトリックスを得るステップ2と、
得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに600℃~1000℃で造孔ガス源を1時間~10時間導入し続け、前記難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、多孔質難黒鉛化性炭素マトリックス材料を得て、ここで、前記造孔ガス源は酸素、二酸化炭素及び水蒸気のうちの1種又は2種の組み合わせであり、前記造孔ガス源のガス流量は2L/min~20L/minであるステップ3と、
得られた多孔質難黒鉛化性炭素マトリックス材料上に気相堆積を行い、リチウムイオン二次電池用複合材料を得て、前記気相堆積用のガス源には、シリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物が含まれるステップ4と、
を含む。
【0011】
好ましくは、前記気相堆積用の保護ガスは、窒素ガス又はアルゴンガスのうちの1種又はこれらの組み合わせであり、流速は1~5L/minであり、前記ガス状化合物のガス流速は0.5~10L/minであり、前記シリコン含有ガスの流速は0.5~10L/minであり、堆積温度は500~1500℃であり、堆積時間は1~20時間である。
【0012】
好ましくは、前記樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フルフラール樹脂又はポリブタジエン樹脂のうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記溶媒は、エタノール、アセトン、トルエンのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記油類は、植物油、パラフィン油、鉱物油等のうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベートのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記硬化剤は、トリメチルヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、メタキシレンジアミンのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記界面活性剤は、ステアリン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、レシチンなどのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記シリコン含有ガスは、シラン化合物であり、モノシラン、トリシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記C元素を含むガス状化合物は、アセチレン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパン及びガス状エタノールのうちの1種以上を含み、
前記N元素を含むガス状化合物は、窒素、アンモニア、尿素及びメラミンのうちの1種以上を含み、
前記B元素を含むガス状化合物は、ジボラン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリプロピル及び三臭化ホウ素のうちの1種以上を含み、
前記P元素を含むガス状化合物は、ホスフィン及び/又はオキシ塩化リンを含む。
【0013】
好ましくは、質量分率で第1液相:第2液相:第3液相=(0、30%]:(0、30%]:(0、50%]となり、
前記第2液相では、質量分率で樹脂:溶媒:硬化剤:非イオン性界面活性剤=(0、80%]:(0、90%]:[0、30%]:(0、20%]となり、
前記第3液相では、質量分率で油類:界面活性剤=(0、90%]:(0、30%]となる。
【0014】
第3の態様において、本発明の実施例は、上記第1の態様に記載のリチウムイオン二次電池用複合材料を含むリチウム電池の負極材料を提供する。
【0015】
第4の態様において、本発明の実施例は、上記第1の態様に記載のリチウムイオン二次電池用複合材料を含むリチウムイオン電池を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例によるリチウムイオン二次電池用複合材料内のナノシリコンと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物とが気相堆積により球状の多孔質炭素の細孔内に均一に分散される。多孔質構造は、堆積後のナノシリコンのサイズと均一な分散を制限し、体膨張の影響を小さく抑えられ、シリコーンの微粉化による電気的接触が悪くなる問題を回避することができる一方で、中央に大きな孔を持つことで、シリコン材料の膨張により大きな緩衝空間を提供し、膨張による複合材料全体の構造への破壊が起こりにくくなり、したがって、シリコンに対してリチウム挿入・離脱反応を十分に行う場合、複合材料の構造をそのままにすることができ、さらに電池の電気化学的特性を向上させる。そして、多元素複合の場合、CとNは材料のサイクル特性を向上させるのに有益であり、BとPは材料のレート特性を向上させるのに有益である。本発明で提供されるリチウムイオン電池用複合材料は、液体、半固体、準固体、全固体電解質のリチウムイオン電池に用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、図面及び実施例を参照して本発明の実施例における技術案をより詳細に説明する。
【0018】
【
図1】本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例1で調製されたリチウムイオン二次電池用複合材料の断面の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明をより詳細に説明するためのものにすぎず、いかなる形で本発明を制限するためのものではないと理解すべきであり、すなわち、本発明の保護範囲を制限することを意図していない。
【0020】
本発明は、リチウムイオン二次電池用複合材料を提案したものであり、内部に中空孔を有する球状の多孔質難黒鉛化性炭素材料であり、細孔の内部にシリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物とが分解して堆積した生成物(シリコンナノ粒子を含む)が堆積され、
ここで、多孔質難黒鉛化性炭素材料は、ダブルエマルション法により難黒鉛化性炭素マトリックスを硬化させて調製した後、さらに炭化することによって得られる。
【0021】
上記複合材料中のシリコン含有量は、1wt%~70wt%である。
【0022】
複合材料の粒径範囲は、1μm~100μmであり、平均細孔径は0.1nm~10nmであり、内部の中空孔の径は0.5μm~80μmである。
【0023】
中空孔を有する上記リチウム電池用複合材料の製造方法の流れを
図1に示し、以下のステッを含み、
ステップ1では、純粋な油類を第1液相として用い、樹脂を対応する溶媒に溶解し、非イオン性界面活性剤及び硬化剤を加えて第2液相を調製し、界面活性剤を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、0.5時間~1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら80℃~130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで1時間~24時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させ、
樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フルフラール樹脂又はポリブタジエン樹脂のうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、溶媒は、エタノール、アセトン、トルエンのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
油類は、植物油、パラフィン油、鉱物油等のうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベートのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、硬化剤は、トリメチルヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、メタキシレンジアミンのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、界面活性剤は、ステアリン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、レシチンなどのうちの1種又は複数種の組み合わせを含む。
【0024】
質量分率で第1液相:第2液相:第3液相=(0、30%]:(0、30%]:(0、50%]となり、
第2液相では、質量分率で樹脂:溶媒:硬化剤:非イオン性界面活性剤=(0、80%]:(0、90%]:[0、30%]:(0、20%]となり、
第3液相では、質量分率で油類:界面活性剤=(0、90%]:(0、30%]となる。
【0025】
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を800℃~1300℃まで上げ、800℃~1300℃で0.5時間~15時間保温して高温炭化処理を施し、粒径が1μm~100μmの範囲の難黒鉛化性炭素マトリックスを得て、
ここで、反応装置として、具体的に、高温反応炉などの一般的な反応装置が選択される。
【0026】
ステップ3では、得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに600℃~1000℃で造孔ガス源を1時間~10時間導入し続け、難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、多孔質難黒鉛化性炭素マトリックス材料を得て、
ここで、造孔ガス源は、酸素、二酸化炭素及び水蒸気のうちの1種又は複数種の組み合わせであり、造孔ガス源のガス流量は2L/min~20L/minである。
【0027】
ステップ4では、得られた多孔質難黒鉛化性炭素マトリックス材料上に気相堆積を行い、リチウムイオン二次電池用複合材料を得て、
ここで、気相堆積用のガス源には、シリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物が含まれる。
【0028】
気相堆積用の保護ガスは、窒素ガス又はアルゴンガスのうちの1種又はこれらの組み合わせであり、流速は1~5L/minであり、ガス状化合物のガス流速は0.5~10L/minであり、シリコン含有ガスの流速は0.5~10L/minであり、堆積温度は500~1500℃であり、堆積時間は1~20時間である。
【0029】
シリコン含有ガスは、シラン化合物であり、モノシラン、トリシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
C元素を含むガス状化合物は、アセチレン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパン及びガス状エタノールのうちの1種以上を含み、
N元素を含むガス状化合物は、窒素、アンモニア、尿素及びメラミンのうちの1種以上を含み、
B元素を含むガス状化合物は、ジボラン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリプロピル及び三臭化ホウ素のうちの1種以上を含み、
P元素を含むガス状化合物は、ホスフィン及び/又はオキシ塩化リンを含む。
【0030】
本発明で調製されるリチウムイオン二次電池用複合材料は、リチウムイオン電池の負極材料として用いられることができる。
【0031】
本発明による技術案をより良く理解するために、以下、複数の具体的な例を挙げて本発明の上記実施例による方法を用いてリチウムイオン二次電池用複合材料を調製する具体的プロセス、及びそれをリチウムイオン二次電池に適用する方法及び電池特性をそれぞれ説明する。
【0032】
[実施例1]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
ステップ1では、植物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、アルキルグルコシド及びエチレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで1時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を800℃まで上げ、0.5時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径10.8μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は酸素であり、流速は2L/minであり、造孔温度は600℃であり、時間は10時間である。
ステップ4では、窒素ガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は1L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるモノシランをシリコン源とし、C元素を含む化合物であるメタンと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、モノシランのガス流速は0.5L/minであり、メタンのガス流速は0.5L/minである。堆積温度を500℃、堆積時間を20時間とし、リチウムイオン二次電池用複合材料を得る。
【0033】
図2は、本発明の実施例1で調製されたリチウムイオン二次電池用複合材料の断面のSEM画像である。断面のSEM画像から、材料内部の中央領域に大きな空洞があり、細孔を豊富にした上で、シリコンの膨張により大きな緩衝空間を提供することが分かる。
【0034】
得られた材料を負極材料とする。
【0035】
得られた負極材料、導電性添加剤であるカーボンブラック、接着剤(1:1のナトリウムセルロースとスチレンブタジエンゴム)を95:2:3の比率で秤量しておく。室温にてビーター内でスラリーを調製する。調製したスラリーを銅箔上に均一に塗布する。温度50℃で送風乾燥器において2時間乾燥させた後、8×8mmの極片に切断され、真空乾燥器において温度100℃で真空引きして10時間乾燥させた。電池組立のために、乾燥後の極片をすぐにグローブボックス内に移して用意しておく。
【0036】
模擬電池の組立は、高純度Ar雰囲気を含むグローブボックス内で行われ、リチウム金属を対電極とし、1mol/LのLiPF6を含有するエチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)の溶液を電解液とし、電池に組み立てた。充放電器を用いて定電流充放電モード試験を実施し、放電終止電圧は0.005Vであり、充電終止電圧は1.5Vであり、充放電試験はC/10電流密度にて行われた。結果を表1に示す。
【0037】
[実施例2]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含み、
ステップ1では、植物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、アルキルグルコシド及びエチレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら80℃に加熱し、樹脂が硬化するまで24時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を1300℃まで上げ、0.5時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径12.1μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は二酸化炭素と水蒸気の組み合わせであり、流速は20L/minであり、造孔温度は1000℃であり、時間は1時間である。
ステップ4では、アルゴンガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は1.5L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるトリシランをシリコン源とし、N元素を含む化合物であるアンモニアと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、トリシランのガス流速は0.8L/minであり、アンモニアを含むガスの流速は0.8L/minである。堆積温度は、600℃であり、堆積時間は12.5時間である。
【0038】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件で電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0039】
[実施例3]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
ステップ1では、鉱物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、アルキルグルコシド及びメタキシレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、3時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら100℃に加熱し、樹脂が硬化するまで4時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を800℃まで上げ、5時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径13.5μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は水蒸気であり、流速は2L/minであり、造孔温度は1000℃であり、時間は10時間である。
ステップ4では、窒素ガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は2L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるジクロロシランをシリコン源とし、B元素を含む化合物であるホウ酸トリプロピルと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、ジクロロシランのガス流速は1L/minであり、ホウ酸トリプロピルのガス流速は1L/minである。堆積温度は、700℃であり、堆積時間は10時間である。
【0040】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0041】
[実施例4]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
ステップ1では、植物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、アルキルグルコシド及びエチレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで5時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を1000℃まで上げ、6時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径9.2μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は二酸化炭素であり、流速は2L/minであり、造孔温度は950℃であり、時間は6時間である。
ステップ4では、アルゴンガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は2.5L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるトリクロロシランをシリコン源とし、P元素を含む化合物であるオキシ塩化リンと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、トリクロロシランのガス流速は1.25L/minであり、オキシ塩化リンガス状化合物のガス流速は1.25L/minである。堆積温度は、800℃であり、堆積時間は8時間である。
【0042】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0043】
[実施例5]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
ステップ1では、パラフィン油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、アルキルグルコシド及びエチレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで10時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥する。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を800℃まで上げ、2時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径15.1μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は二酸化炭素であり、流速は5L/minであり、造孔温度は800℃であり、時間は2時間である。
ステップ4では、窒素ガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は3L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるテトラクロロシランをシリコン源とし、C、N、B及びP元素を含むガス状化合物であるメタン、アンモニア、ホウ酸トリメチル及びオキシ塩化リンと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、テトラクロロシランのガス流速は2L/minであり、メタン、アンモニア、ホウ酸トリメチル及びオキシ塩化リンガス状化合物の流速はいずれも0.5L/minである。堆積温度は、900℃であり、堆積時間は5時間である。
【0044】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0045】
[実施例6]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
ステップ1では、植物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、アルキルグルコシド及びエチレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで14時間保温し、樹脂中空微小球を形成をした後、遠心分離し、洗浄して乾燥さる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を1300℃まで上げ、2時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径8.5μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は酸素であり、流速は2L/minであり、造孔温度は900℃であり、時間は2時間である。
ステップ4では、アルゴンガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は3.5L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるモノシラン及びトリシランをシリコン源とし、C、N、B及びP元素を含むガス状化合物であるプロピレン、尿素、ホウ酸トリプロピル及びホスフィンと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、モノシラン及びトリシランのガス流速は1.25L/minであり、プロピレン、尿素、ホウ酸トリプロピル及びホスフィンガス状化合物のガス流速はいずれも0.6L/minである。堆積温度は、1000℃であり、堆積時間は4時間である。
【0046】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0047】
[実施例7]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
ステップ1では、植物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、ポリソルベート及びメタキシレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで5時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を900℃まで上げ、2時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径13.8μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は酸素、二酸化炭素及び水蒸気のうちの1種又は2種の組み合わせであり、造孔温度は1000℃であり、時間は5時間である。
ステップ4では、窒素ガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は4L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるモノシラン、トリシラン及びジクロロシランをシリコン源とし、C、N、B及びP元素を含む化合物であるプロパン、ヒドラジン、ジボラン及びホスフィンと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、モノシラン、トリシラン及びジクロロシランのガス流速はいずれも1.3L/minであり、プロパン、ヒドラジン、ジボラン及びホスフィンのガス流速はいずれも0.5L/minである。堆積温度は、1100℃であり、堆積時間は2.5時間である。
【0048】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0049】
[実施例8]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
ステップ1では、植物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、脂肪酸グリセリド及びエチレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら80℃~130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで12時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を1200℃まで上げ、5時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径15.8μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は水蒸気であり、流速は5L/minであり、造孔温度は1000℃であり、時間は1.5時間である。
ステップ4では、アルゴンガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は4.5L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるモノシラン、トリシラン及びトリクロロシランをシリコン源とし、C、N、B及びP元素を含む化合物であるエタノール、窒素、ホウ酸トリメチル及びオキシ塩化リンと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、モノシラン、トリシラン及びトリクロロシランのガス流速はいずれも1.7L/minであり、エタノール、窒素、ホウ酸トリメチル及びオキシ塩化リンガス状化合物のガス流速は1.25L/minである。堆積温度は、1200℃であり、堆積時間は2時間である。
【0050】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0051】
[実施例9]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステッ
プを含む。
ステップ1では、植物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、アルキルグルコシド及びトリメチルヘキサメチレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら100℃に加熱し、樹脂が硬化するまで6時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を900℃まで上げ、6時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径14.5μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は二酸化炭素であり、流速は10L/minであり、造孔温度は1000℃であり、時間は1時間である。
ステップ4では、窒素ガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は5L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるトリシラン、ジクロロシラン及びトリクロロシランをシリコン源とし、C、N、B及びP元素を含む化合物であるエチレン、プロパン、尿素、メラミン、ホウ酸トリプロピル、三臭化ホウ素、ホスフィン及びオキシ塩化リンと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、トリシラン、ジクロロシラン及びトリクロロシランのガス流速はいずれも2.7L/minであり、エチレン、プロパン、尿素、メラミン、ホウ酸トリプロピル、三臭化ホウ素、ホスフィン及びオキシ塩化リンガス状化合物のガス流速はいずれも1L/minである。堆積温度は、1400℃であり、堆積時間は1.25時間である。
【0052】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0053】
[実施例10]
本実施例は、リチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
ステップ1では、植物油を第1液相として用い、フェノール樹脂をアルコールに溶解し、アルキルグルコシド及びエチレンジアミンを加えて第2液相を調製し、ステアリン酸を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで2時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させる。
ステップ2では、乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を900℃まで上げ、1000℃で6時間保温して、前記乾燥後の試料に高温炭化処理を施し、粒径16.2μmの難黒鉛化性炭素マトリックスを得る。
ステップ3では、ステップ2で得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、使用するガス源は酸素、二酸化炭素及び水蒸気のうちの1種又は2種の組み合わせであり、造孔温度は800℃であり、時間は5時間である。
ステップ4:アルゴンガスを保護ガス及び/又はキャリアガスとし、流速は5L/minであり、ステップ3で得られた多孔質炭素をマトリックスとし、シリコン含有ガスであるジクロロシラン、トリクロロシラン及びテトラクロロシランをシリコン源とし、C、N、B及びP元素を含む化合物であるアセチレン、プロパン、アンモニア、ヒドラジン、ホウ酸トリプロピル、三臭化ホウ素、ホスフィン及びオキシ塩化リンと一緒にガスの形で反応容器に導入して気相堆積を行い、ジクロロシラン、トリクロロシラン及びテトラクロロシランのガス流速はいずれも3.3L/minであり、アセチレン、プロパン、アンモニア、ヒドラジン、ホウ酸トリプロピル、三臭化ホウ素、ホスフィン及びオキシ塩化リンガス状化合物のガス流速はいずれも1.3L/minである。堆積温度は、1500℃であり、堆積時間は1時間である。
【0054】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0055】
より容易に比較するために、次のような方法に従って比較試料を調製した。
【0056】
[比較例1]
この比較例は、従来技術に基づくシリコン-炭素複合材料の調製方法を提供し、以下のステップを含む。
(1)エタノール系に、シリコン粒子、炭素源の前駆体であるポリビニルピロリドン、黒鉛、及び抗酸化剤であるクエン酸を加え、1:1:1:0.1の質量比ですりつぶして分散液を得る。
(2)当該分散液を噴霧乾燥してシリコン・炭素粉末を得る。
(3)さらに当該粉末に気相被覆を施して、最終的にシリコン-炭素複合材料を得る。
【0057】
上記実施例1の方法に従ってボタン電池を組み立て、同じ試験条件でその電気化学的特性を測定して評価し、結果を表1に示す。
【0058】
【0059】
比較例と実施例との比較から、本発明で提供されるシリコン含有多孔質中空難黒鉛化性炭素複合材料は、より高い比容量及び初回サイクルのクーロン効率を有することが分かった。同時に、本発明では、堆積の時間、温度及びガス流速を調整することにより、材料の初回サイクルのクーロン効率をさらに向上させることができる。本発明では、調製中のガス流速及び温度を科学的に設定し、ガス流速及び温度が高すぎることで、シランの分解が速すぎて炭素マトリックスの表面に直接に堆積して、電池の性能に影響を与えることを避ける。同時に、温度が低すぎることで、シランの分解が不完全になり、電池の容量に影響を与えることも避ける。
【0060】
本発明の実施例によるリチウムイオン二次電池用複合材料内のナノシリコンと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物とが気相堆積により球状の多孔質炭素の細孔内に均一に分散される。多孔質構造は、堆積後のナノシリコンのサイズと均一な分散を制限し、体膨張の影響を小さく抑えられ、シリコーンの微粉化による電気的接触が悪くなる問題を回避することができる一方で、中央に大きな孔を持つことで、シリコン材料の膨張により大きな緩衝空間を提供し、膨張による複合材料全体の構造への破壊が起こりにくくなり、したがって、シリコンに対してリチウム挿入・離脱反応を十分に行う場合、複合材料の構造をそのままにすることができ、さらに電池の電気化学的特性を向上させる。そして、多元素複合の場合、CとNは材料のサイクル特性を向上させるのに有益であり、BとPは材料のレート特性を向上させるのに有益である。本発明で提供されるリチウムイオン電池用複合材料は、液体、半固体、準固体、全固体電解質のリチウムイオン電池に用いられることができる。また、多元素複合により比容量及び初回サイクルのクーロン効率をさらに向上させる。
【0061】
上述の具体的な実施形態では、本発明の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳細に説明し、以上は本発明の具体的な実施形態にすぎず、本発明の保護範囲を制限するためのものではなく、本発明の精神及び原則内でなされたいかなる修正、均等な置換、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0062】
(付記)
(付記1)
リチウムイオン二次電池用複合材料であって、
前記複合材料は、内部に中空孔を有する球状の多孔質難黒鉛化性炭素材料であり、細孔の内部にシリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物とが分解して堆積した生成物(シリコンナノ粒子を含む)が堆積され、
ここで、前記多孔質難黒鉛化性炭素材料は、ダブルエマルション法により難黒鉛化性炭素マトリックスを硬化させて調製した後、さらに炭化することによって得られる、
ことを特徴とする複合材料。
【0063】
(付記2)
前記複合材料中のシリコン含有量は、1wt%~70wt%である、
ことを特徴とする付記1に記載の複合材料。
【0064】
(付記3)
前記複合材料の粒径範囲は、1μm~100μmであり、平均細孔径は0.1nm~10nmであり、前記中空孔の径は0.5μm~80μmである、
ことを特徴とする付記1に記載の複合材料。
【0065】
(付記4)
前記球状の多孔質難黒鉛化性炭素材料の難黒鉛化性炭素マトリックスは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フルフラール樹脂又はポリブタジエン樹脂のうちの1種又は複数種の組み合わせであり、
前記シリコン含有ガスは、シラン化合物であり、モノシラン、トリシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記C元素を含むガス状化合物は、アセチレン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパン及びガス状エタノールのうちの1種以上を含み、
前記N元素を含むガス状化合物は、窒素、アンモニア、尿素及びメラミンのうちの1種以上を含み、
前記B元素を含むガス状化合物は、ジボラン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリプロピル及び三臭化ホウ素のうちの1種以上を含み、
前記P元素を含むガス状化合物は、ホスフィン及び/又はオキシ塩化リンを含む、
ことを特徴とする付記1に記載の複合材料。
【0066】
(付記5)
付記1~4のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池用複合材料の調製方法であって、
純粋な油類を第1液相として用い、樹脂を対応する溶媒に溶解し、非イオン性界面活性剤及び硬化剤を加えて第2液相を調製し、界面活性剤を含む油類を第3液相とし、第1液相を第2液相にゆっくりと加え、0.5時間~1時間撹拌した後、撹拌された混合液を第3液相に加え、撹拌して所望のエマルションを得て、攪拌を続けながら80℃~130℃に加熱し、樹脂が硬化するまで1時間~24時間保温し、樹脂中空微小球を形成した後、遠心分離し、洗浄して乾燥させるステップ1と、
乾燥後の試料を反応装置に入れ、温度を800℃~1300℃まで上げ、800℃~1300℃で0.5時間~15時間保温して高温炭化処理を施し、粒径が1μm~100μmの範囲の難黒鉛化性炭素マトリックスを得るステップ2と、
得られた難黒鉛化性炭素マトリックスに600℃~1000℃で造孔ガス源を1時間~10時間導入し続け、前記難黒鉛化性炭素マトリックスに造孔処理を施し、多孔質難黒鉛化性炭素マトリックス材料を得て、ここで、前記造孔ガス源は酸素、二酸化炭素及び水蒸気のうちの1種又は2種の組み合わせであり、前記造孔ガス源のガス流量は2L/min~20L/minであるステップ3と、
得られた多孔質難黒鉛化性炭素マトリックス材料上に気相堆積を行い、リチウムイオン二次電池用複合材料を得て、前記気相堆積用のガス源には、シリコン含有ガスと、C、N、B、P元素のいずれかを含む1種以上のガス状化合物が含まれるステップ4と、
を含む、
ことを特徴とする調製方法。
【0067】
(付記6)
前記気相堆積用の保護ガスは、窒素ガス又はアルゴンガスのうちの1種又はこれらの組み合わせであり、流速は1~5L/minであり、前記ガス状化合物のガス流速は0.5~10L/minであり、前記シリコン含有ガスの流速は0.5~10L/minであり、堆積温度は500~1500℃であり、堆積時間は1~20時間である、
ことを特徴とする付記5に記載の調製方法。
【0068】
(付記7)
前記樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フルフラール樹脂又はポリブタジエン樹脂のうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記溶媒は、エタノール、アセトン、トルエンのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記油類は、植物油、パラフィン油、鉱物油等のうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベートのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記硬化剤は、トリメチルヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、メタキシレンジアミンのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記界面活性剤は、ステアリン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、レシチンなどのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記シリコン含有ガスは、シラン化合物であり、モノシラン、トリシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランのうちの1種又は複数種の組み合わせを含み、
前記C元素を含むガス状化合物は、アセチレン、メタン、プロピレン、エチレン、プロパン及びガス状エタノールのうちの1種以上を含み、
前記N元素を含むガス状化合物は、窒素、アンモニア、尿素及びメラミンのうちの1種以上を含み、
前記B元素を含むガス状化合物は、ジボラン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリプロピル及び三臭化ホウ素のうちの1種以上を含み、
前記P元素を含むガス状化合物は、ホスフィン及び/又はオキシ塩化リンを含む、
ことを特徴とする付記5に記載の調製方法。
【0069】
(付記8)
質量分率で第1液相:第2液相:第3液相=(0、30%]:(0、30%]:(0、50%]となり、
前記第2液相では、質量分率で樹脂:溶媒:硬化剤:非イオン性界面活性剤=(0、80%]:(0、90%]:[0、30%]:(0、20%]となり、
前記第3液相では、質量分率で油類:界面活性剤=(0、90%]:(0、30%]となる、
ことを特徴とする付記5に記載の調製方法。
【0070】
(付記9)
付記1~4のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池用複合材料を含む、
ことを特徴とするリチウムイオン電池の負極材料。
【0071】
(付記10)
付記1~4のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池用複合材料を含む、
ことを特徴とするリチウムイオン電池。
【国際調査報告】