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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-14
(54)【発明の名称】危険環境で使用する衣服及び複合布
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/00 20060101AFI20241107BHJP
   A41D 31/08 20190101ALI20241107BHJP
   A41D 31/06 20190101ALI20241107BHJP
   D06M 15/564 20060101ALI20241107BHJP
【FI】
A41D13/00 102
A41D31/08
A41D31/06
D06M15/564
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546365
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 GB2022052185
(87)【国際公開番号】W WO2023062331
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】2114797.0
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524145276
【氏名又は名称】オックスフォード セーフティ サプライズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OXFORD SAFETY SUPPLIES LIMITED
【住所又は居所原語表記】Olympic House, Southmead Park, Collett, Didcot OX11 7WB United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン バリィ
【テーマコード(参考)】
3B211
4L033
【Fターム(参考)】
3B211AB01
3B211AC14
3B211AC15
3B211AC26
4L033AB04
4L033AC11
4L033CA50
(57)【要約】
煙の多い環境などの危険環境で使用する基層であって、基層(1)は、複数の細孔を有する通気性膜層(101)と、複数の開口部を有する通気性難燃性布層(102、103)とを含む複合布(100)を備え、通気性膜層は、接着剤(104、105)で通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙の多い環境などの危険環境で使用する基層であって、
複数の細孔を有する通気性膜層と、複数の開口部を有する通気性難燃性布層とを含む複合布を備え、
前記通気性膜層は接着剤で前記通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される、基層。
【請求項2】
前記接着剤はホットメルトポリウレタンである、請求項1に記載の基層。
【請求項3】
前記接着剤は湿気硬化型ホットメルトポリウレタンである、請求項1に記載の基層。
【請求項4】
前記通気性膜は親水性である、請求項1から3のいずれかに記載の基層。
【請求項5】
前記通気性膜は、煙に見られる粒子の進入を抑制するような大きさにされた細孔を含む、請求項1から4のいずれかに記載の基層。
【請求項6】
前記通気性膜は、汗及び水分の排出を可能にする細孔を含む、請求項1から5のいずれかに記載の基層。
【請求項7】
前記通気性膜は難燃性である、請求項1から6のいずれかに記載の基層。
【請求項8】
前記通気性膜はポリマーから作られている、請求項1から7のいずれかに記載の基層。
【請求項9】
前記通気性難燃性布層は、前記通気性膜における前記細孔よりも有意に大きい開口部を含む、請求項1から8のいずれかに記載の基層。
【請求項10】
前記開口部は織糸間に形成される、請求項9に記載の基層。
【請求項11】
前記糸はポリエステルフィラメントから作られる、請求項1から10のいずれかに記載の基層。
【請求項12】
前記ポリエステルフィラメントは不連続である、請求項11に記載の基層。
【請求項13】
前記糸は、東レ(商標)難燃剤、耐火性エポキシ、又はポリオレフィン樹脂組成物のうちの1つを含む難燃剤である、請求項10に記載の基層。
【請求項14】
前記複合布は、前記通気性膜層の反対側に接着剤で積層された通気性布層を含む、請求項1から13のいずれかに記載の基層。
【請求項15】
通気性布層は難燃性である、請求項14に記載の基層。
【請求項16】
前記通気性膜層及び前記通気性難燃性布層は各々、弾性を有し、各々の前記弾性は実質的に等しい、請求項1から15のいずれかに記載の基層。
【請求項17】
前記基層は基層上部及び基層レギンスを備え、
前記基層上部は、胴体及び袖を覆う部分を備え、前記袖は手の一部と設けられている親指開口部とを覆うために過度な長さであり、
前記基層レギンスは、弾性のあるウエスト帯が設けられているウエスト部分と伸縮性のある足首部分とを含み、
任意選択で、前記基層は難燃性のある細糸で縫う縫い目を備える、請求項1から16のいずれかに記載の基層。
【請求項18】
衣服として使用するための複合布を製造する方法であって、
通気性難燃性布のロールから通気性難燃性布を広げるステップと、
前記難燃性布に、ある量の接着剤を刻印ローラで塗布するステップと、
通気性膜のロールから通気性膜を広げるステップと、
上部に接着剤を付した前記難燃性布及び前記通気性膜を2つのローラ間のニップに通すことで前記難燃性布及び前記通気性膜を積層して複合布を形成するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
煙の多い環境で使用する外衣であって、
複数の細孔を有する通気性膜層と、複数の開口部を有する通気性難燃性布層とを含む複合布を備え、
前記通気性膜層は、接着剤で前記通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される、外衣。
【請求項20】
煙の多い環境で使用する目出し帽又は防火フードであって、
複数の細孔を有する通気性膜層と、複数の開口部を有する通気性難燃性布層とを含む複合布を備え、
前記通気性膜層は、接着剤で前記通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される、目出し帽又は防火フード。
【請求項21】
複数の細孔を有する通気性膜層と、
複数の開口部を有する通気性難燃性布層とを備え、
前記通気性膜層は、接着剤で前記通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される、複合布。
【請求項22】
複数の微細孔を有する通気性膜層(101)であって、前記通気性膜は内面及び外面を有する、前記通気性膜層と、
前記通気性膜の前記内面に積層された内布層(102)と、
前記通気性膜の前記外面に積層された外布層(103)と
を備える、複合布。
【請求項23】
前記内布材料は、ポリエステルフィラメントを含む織糸を含み、
任意選択で、前記ポリエステルフィラメントは、不連続であり、短いポリエステル繊維であってもよく、
任意選択で、前記糸又はフィラメントは、難燃性被膜で被覆される、請求項22に記載の複合布。
【請求項24】
前記外層は、ポリエステルフィラメントを含む織糸を含み、
任意選択で、前記ポリエステルフィラメントは不連続であり、短いポリエステル繊維であってもよく、
任意選択で、前記糸又はフィラメントは難燃性被膜で被覆される、請求項22又は23に記載の複合布。
【請求項25】
前記通気性膜層は、内部に前記微細孔が形成されたシート材料である、請求項22、23又は24に記載の複合布。
【請求項26】
前記通気性膜層はポリマーを含む、請求項25に記載の複合材料。
【請求項27】
前記通気性膜層は、10μと50μとの間(0.01~0.05mm)であり、20μと30μとの間(0.02~0.03mm)であってもよく、25μ(0.025mm)であってもよい、請求項25又は26に記載の複合材料。
【請求項28】
前記通気性膜層は、100(g/m/24時間)と1000(g/m/24時間)との間の水蒸気透過性を有し、400(g/m/24時間)と800(g/m/24時間)との間の水蒸気透過性であってもよく、500(g/m/24時間)と650(g/m/24時間)との間の水蒸気透過性であってもよい、請求項25、26又は27に記載の複合材料。
【請求項29】
前記通気性膜層は、0.3N/cmと1N/cmとの間、任意選択で0.5N/cmと0.8N/cmとの間、任意選択で0.6N/cmから0.7N/cmをうけたとき、25%の伸びを有する、請求項25から28のいずれかに記載の複合材料。
【請求項30】
前記通気性膜層は、2(N/cm)と6(N/cm)との間、任意選択で3(N/cm)から5(N/cm)、及び任意選択で3.5(N/cm)から4(N/cm)の引張強度を有する、請求項25から29のいずれかに記載の複合材料。
【請求項31】
請求項22から30のいずれかに記載の複合布を備える、基層。
【請求項32】
請求項22から30のいずれかに記載の複合布から実質的に全体的に作られる基層であって、耐火細糸でのステッチをさらに備える、基層。
【請求項33】
任意選択でウエスト部分のまわり、任意選択で足首部分のまわり、及び任意選択で首部分のまわりに伸縮性のある部分をさらに備える、請求項32に記載の基層。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙の多い環境などの危険環境で使用する衣服及び複合布に関し、特に、限定されないが、煙の多い環境で使用する基層に関する。また、本発明は、複合布及び衣服の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火山、原子炉、炉などの近くで作業する消防士、林業作業者、石油掘削作業者、商人、エンジニア、科学者及び地質学者などといった多くの作業者は、その作業環境で火災及びそこから発する煙にさらされている。
【0003】
消防士には、火災から発する熱及び作業衣を通して拡がる炎から皮膚を保護することを意図する外衣が提供される。これは、発火を抑制するために高い発火温度を有する少なくとも1つの層と、熱を通さず炎の拡がりを抑制する反射層とを含む外衣を有することによって達成できる。外衣は、作業者の皮膚を熱から遮断する空気を閉じ込めるために身体から間隔をあける。このような空気は、ウールなどの繊維層内に閉じ込められ得、また、さらに断熱し、とりわけ、汗が皮膚から流れることを可能にするために、消防士の皮膚に近い空気の限られた循環を可能にするように、ゆるく着用され得る。
【0004】
外衣は、上着、ズボン、及び防熱フードを含み得る。防熱フードは、別個の内側の目出し帽及び外側のフードを含み得る。このような外衣の下には、通常の衣服及び下着が着用され得る。
【0005】
消防士は、他の一般的な職業の作業者よりもがんを発症するリスクが高い可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、消防士が、消火活動を行う際に環境に対して露出した皮膚の領域及び消防士の皮膚と衣服との間を循環する煙の多い空気に対して露出した皮膚の領域を有することを観察した。本発明者らは、このように露出した皮膚が、皮膚に付着する煙内の空中浮遊粒子によって黒くなりやすいことを観察した。発明者らは、消防士の皮膚が、消火活動中又は火災の近傍にいるときに煙に対して露出した後に臭気を発し、臭気を目立たないレベルまで低減するために石鹸を使用して2回又は3回のシャワーを浴びることが多いことを観察した。本発明者らは、臭気は、潜在的に発がん性物質であり得る粒子が、皮膚の細孔上に存在するか、又は皮膚の細孔内に定着していることを示していることに留意した。
【0007】
体温が上昇すると、皮膚内の細孔が開き、発がん性物質が身体内に吸収される傾向がある。皮膚の各細孔の開口部は、熱の増加によりストレスを受けると大きくなることがある。さらに、発がん性物質が皮膚内へ吸収される可能性が高くなる。本発明者らは、煙の粒子が熱ストレスをうける皮膚の細孔に留まりやすいことを観察した。本発明者らは、このように、熱ストレスが生じる可能性を低減することが重要であることを観察した。
【0008】
また、本発明者らは、消防士の身体が、体温が急激に上昇且つ下降するときに生じる状態である熱ストレスを受ける可能性があることにも留意した。消防士は、シフト中に短い勤務時間で働く傾向がある。各勤務時間で消火活動区域に出入りするときに急激な温度変化が生じる。消火活動区域に入ると、消防士は突然の温度上昇にさらされ、突然大量の汗をかき、衣服を濡らす傾向がある。消防士が消火活動区域を出るとき、消防士は周囲温度の突然の低下にさらされ、身体の熱が皮膚から濡れた衣類内へ急速に伝わることによって悪化する。本発明者は、消防士が熱ストレスにさらされると、発がん性物質が皮膚内へ吸収される可能性が高まることを観察した。本発明者は、各勤務時間を通して一貫した体温を維持することが重要であることを観察した。
【0009】
また、救急隊員及び他の作業者は、火災などに起因する粉塵及び灰などの危険物質にさらされていることも観察された。本発明の基層は、このような作業者の皮膚に到達するこのような有害物質を減少させるのに適している。
【0010】
本発明によれば、煙の多い環境などの危険環境で使用する基層であって、微細孔であってもよい複数の細孔を有する通気性膜層と、複数の開口部を有する通気性難燃性布層とを含む複合布を備え、通気性膜層は、接着剤で通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される、基層が提供される。
【0011】
本発明の第二の態様によれば、煙の多い環境などの危険環境で使用する外衣であって、複数の細孔を有する通気性膜層と、複数の開口部を有する通気性難燃性布層とを含む複合布を備え、通気性膜層は、接着剤で通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される、外衣が提供される。外衣は、煙が複合布に通過し且つ濾過されることなく、使用者の皮膚に到達するのを抑制するために、本発明の複合布で、好ましくは、上着とズボンとの間に本発明の連続的複合布を設けるように、それらの間の繋がり又は重なりで、裏打ちされた既知の防火上着及び防火ズボンを含んでもよい。任意選択で、基層は、上部と封止された入り口ハッチとを備えたレギンスを組み込んだオールインワンであってもよい。任意選択で、防火服は、本発明の複合布で裏打ちされてもよい。任意選択で、防火服の上着は、本発明の複合布で裏打ちされる。任意選択で、サロペットが、本発明の複合布で裏打ちされる。任意選択で、防熱フードが、本発明の複合布で裏打ちされる。
【0012】
任意選択で、膜は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。任意選択で、膜は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む。任意選択で、膜は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリアミドポリエステル、又はそれらの配合物のうちの少なくとも1つを含む。膜には、水分が膜を通過できるように、細孔又は微細孔が組み込まれている。膜は被覆されてもよい。本発明の複合材料は、軽量で可撓性があり、身体の動きに大きな影響を与えない。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、煙の多い環境などの危険環境で使用する目出し帽又は防火フードであって、複数の細孔を有する通気性膜層と、複数の開口部を有する通気性難燃性布層とを含む複合布を備え、通気性膜層は、接着剤で通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される、目出し帽又は防火フードが提供される。
【0014】
基層は、下衣として着用される衣服と一般的にみなされ、下衣の大部分が外衣で覆われているため、基層の大部分は要素に対して開口していない。基層の小さな部分は、特に首、手首、及び足首のまわりなどの要素に対して露出されてもよい。
【0015】
また、本発明は、複数の細孔を有する通気性膜層と、複数の開口部を有する通気性難燃性布層とを備え、通気性膜層は、接着剤で通気性難燃性布層に少なくとも一方の側で積層される、複合布も提供される。
【0016】
任意選択で、接着剤はホットメルトポリウレタンである。任意選択で、接着剤は湿気硬化型ホットメルトポリウレタンである。
【0017】
任意選択で、通気性膜層は親水性である。任意選択で、通気性布材料は非親水性である。任意選択で、通気性膜は、煙に見られる粒子の大部分の侵入を抑制するような大きさにされた細孔を含む。煙の粒子の大きさの範囲及び細孔の大きさ。任意選択で、通気性膜は、煙に見られる粒子の少なくとも99%の侵入を抑制するような大きさにされた細孔を含む。任意選択で、通気性膜は、汗及び水分の排出を可能にするような大きさにされた細孔を含み、このような細孔は、微細孔であってもよい。汗及び水分の細孔の大きさの範囲(問題:達成すべき結果)。任意選択で、通気性膜は難燃性である〔方法-材料の例;十分に通気性がある材料の例〕。任意選択で、通気性膜はポリマーから作られる。任意選択で、通気性膜はポリマーフィルムである。
【0018】
任意選択で、通気性難燃性布層は、通気性膜内の細孔よりも有意に大きい開口部を含む。任意選択で、開口部は、細孔の開口部の大きさの少なくとも10倍、任意選択で10倍から100倍の間、且つ任意選択で2倍から10倍の間の大きさである開口部を有する。任意選択で、開口部は、織糸間に形成され、織糸は任意選択で経糸及び緯糸を含む。任意選択で、糸はポリエステルフィラメントから作られる。任意選択で、ポリエステルフィラメントは不連続であり、短いポリエステル繊維であってもよい。任意選択で、糸又はフィラメントは難燃性被膜に被覆される。任意選択で、難燃性被膜は、東レ(商標)難燃剤、耐火性エポキシ、又はポリオレフィン樹脂組成物のうちの1つである。
【0019】
任意選択で、通気性難燃性布層は、通気性膜層の外側にある。任意選択で、熱にさらされる側にある。任意選択で、基層は消防士の上着及びサロペットの下に着用される。
【0020】
任意選択で、複合布は、通気性膜層の反対側に接着剤で積層された通気性布層を含む。任意選択で、通気性布層は難燃性である。
【0021】
任意選択で、通気性膜層及び通気性難燃性布層は各々、弾性を有し、各々の弾性は実質的に等しい。任意選択で、同じ弾性の25%以内、且つ任意選択で、同じ弾性の10%以内である。任意選択で、通気性布層は、通気性膜層及び通気性難燃性布層の弾性と実質的に等しい弾性を有する。任意選択で、通気性膜層の弾性は、通気性難燃層の弾性の10%以内である。
【0022】
任意選択で、基層は、基層上部及び基層レギンスを含む。任意選択で、基層上部は、胴体及び袖を覆う部分を備え、任意選択で、袖は、手の一部と設けられた親指の開口部とを覆ために過度に長い。任意選択で、基層レギンスは、弾性のあるウエスト帯が設けられているウエスト部分、及び伸縮性のある足首部分を含む。任意選択で、基層は難燃性のある細糸で縫う縫い目を含む。任意選択で、上部は、レギンスの伸縮性のあるウエスト帯又はベルト部分に押し込まれて着用される。任意選択で、伸縮性のあるウエスト帯はウエスト内へ縫い付ける。任意選択で、伸縮性のあるベルト部分の内面は、上部がレギンスから滑り出るのを抑制するために粘着性がある。内面は、ゴム引きされてもよく、粘着性のある表面がそれに適用されてもよい。
【0023】
任意選択で、複合布は、基層が皮膚に対してぴったりと合うように伸縮性があり、空気が循環する空間が最小限であり、又はまったく設けられていない。
【0024】
本発明はまた、衣服として使用するための複合布を製造する方法を提供し、本方法は、通気性難燃性布のロールから通気性難燃性布を広げるステップと、ある量の接着剤を難燃性布に刻印ローラで塗布するステップと、通気性膜のロールから通気性膜を広げるステップと、上部に接着剤を付した難燃性布及び通気性膜を2つのローラ間のニップに通すことで難燃性布及び通気性膜を積層して複合布を形成するステップとを含む。任意選択で、層は張力がかけられて平面にされ、結果として得られる複合布に折り目がないか、又は最小限である。
【0025】
また、本発明は、複数の微細孔を有する通気性膜層であって、通気性膜は、内面及び外面を有する、通気性膜層と、上記通気性膜の上記内面に積層された内布層と、上記通気性膜の上記外面に積層された外布層とを含む複合布を提供する。
【0026】
任意選択で、内布材料は、ポリエステルフィラメントを含む織糸を含み、任意選択で、ポリエステルフィラメントは、不連続であり、短いポリエステル繊維であってもよく、また、任意選択で、糸又はフィラメントは、難燃性被膜で被覆される。任意選択で、外層は、ポリエステルフィラメントを含む織糸を含み、任意選択で、ポリエステルフィラメントは不連続であり、短いポリエステル繊維であってもよく、任意選択で、糸又はフィラメントは難燃性被膜で被覆される。
【0027】
任意選択で、通気性膜層は、上記微細孔が内部に形成されたシート材料である。任意選択で、通気性膜層はポリマーを含む。任意選択で、通気性膜層は、10μと50μとの間(0.01~0.05mm)であり、20μと30μとの間(0.02~0.03mm)であってもよく、25μ(0.025mm)であってもよい。任意選択で、通気性膜層は、100(g/m/24時間)と1000(g/m/24時間)との間の水蒸気透過性を有し、400(g/m/24時間)と800(g/m/24時間)との間の水蒸気透過性であってもよく、500(g/m/24時間)と650(g/m/24時間)との間の水蒸気透過性であってもよい。任意選択で、通気性膜層は、0.3N/cmと1N/cmとの間、任意選択で0.5N/cmと0.8N/cmとの間、任意選択で0.6N/cmと0.7N/cmとの間をうけたとき、25%の伸びを有する。任意選択で、通気性膜層は、2(N/cm)と6(N/cm)との間、任意選択で3(N/cm)から5(N/cm)、及び任意選択で3.5(N/cm)から4(N/cm)の引張強度を有する。
【0028】
また、本発明は、本発明の複合布を含む基層を提供する。任意選択で、基層は、本発明の複合布から実質的に全体的に作られ、耐火性細糸でのステッチ(stitching)をさらに含む。任意選択で、基層は、任意選択でウエスト部分のまわり、任意選択で足首部分のまわり及び任意選択で首部分のまわりに、弾力性のある部分をさらに含む。
【0029】
本発明者は、本発明による基層を着用している消防士は、煙の多い環境に対して露出した皮膚の領域が減少し、基層の下の皮膚は変色せず、皮膚はもはや煙の臭いがせず、煙の臭いを発しないと考えている。本発明者は、本発明の基層を着用している消防士は、熱ストレスの期間が短くなるか、又は熱ストレスを受ける可能性が低くなると考えている。本発明者は、本発明の基層を着用している消防士は、より一貫した皮膚温度を有しやすく、皮膚温度を正常レベルで維持すると考えている。
【0030】
本発明をよりよく理解するために、ここでは、例としてのみ、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】消防士が着用する基層であって、本発明による複合布から作られた本発明による基層であって、基層レギンス及び基層上部を含む基層を示す。
図1A図1に示すレギンスの拡大斜視図である。
図1B図1に示す基層上部を正面右から視た拡大図である。
図1C図1に示す基層上部を後方右から視た拡大図である。
図2図1に示す基層に使用される本発明の複合布の拡大スクラップ概略端部図である。
図3A図2に示す複合布の外層に使用される布片の斜視図である。
図3B図3Aに示した布片を、5mm、1mm及び0.5mmで分割した1cmの目盛りとともに示す拡大図である。
図3C図1に示す基層に使用される複合布の斜視図である。
図3D図2に示す内層に使用される布片を、5mm、1mm及び0.5mmで分割した1cmの目盛りとともに示す拡大図である。
図3E】本発明の複合布の断面図である。
図4】複合布に使用される膜の上面図である。
図4A図2に示す複合布の使用時の図であり、不連続繊維の端部を示す概略図である。
図5A】第1段階の動作において複合布を製造する方法に使用される装置の概略図である。
図5B】第2段階の動作における図5Aに示す装置の概略図である。
図6図5A及び図5Bの装置の刻印ローラの表面を示す。
図7A】いくつかの隠れた部分が示されている、複合布の製造方法に使用される装置の側面図である。
図7B図7Aに示す装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1を参照すると、本発明による基層が示され、全般に亘って参照番号1で識別される。基層1は、消防士4の胴体、腕及び手の一部分を覆う基層上部2と、消防士4の胴体の底部及び脚を覆う基層レギンス3とを含む。基層1は、消防士4の身体の大部分を覆う。
【0033】
基層レギンス3は、各脚部分7及び8の下端に環状の伸縮性のある部分5及び6を有する。環状の伸縮性のある部分は、足首の周りにぴったりと合い、煙が皮膚と基層レギンスとの間を上昇し且つ通過するのを抑制できる。なお、伸縮性のある部分5及び6の上方には、基層底部と皮膚との間に小さな環状間隙があるか、又は基層底部と皮膚との間に間隙がないかのいずれかである。小さな環状間隙により、断熱性を高め、皮膚の上の空気の循環を改善し、熱ストレスの可能性を低減できる。小さな間隙は、脚の外周のまわりで25mm未満、及び任意選択で15mm未満の連続した環とみなしてもよい。基層レギンス3には、伸縮性のあるウエスト帯9を備え、一対の間隔を空けた環状ネオプレン封止帯9’及び9’’を備えた高いウエストが設けられている。使用時には、基層上部2は、胴体と基層レギンス3の伸縮性のあるウエスト帯9との間に押し込まれる。二重ネオプレンシールは、とりわけ、煙が皮膚と基層との間を通過するために入ることを抑制し、基層と皮膚との間の煙の流れを促進する流路のような連続煙突の作成を抑制するために、基層上部に対して封止する。ステッチ(stitching)10’の線は、脚部分7及び8の内側に沿って設けられ、股で交わる。ステッチ10’は、消防士の脚と複合布との間に一貫した環状の間隙を設けることを容易にする。ステッチ9’は、レギンス3の形状を容易にするために、梯子パターン、一連のH形状を形成してもよい。
【0034】
基層上部2は、襟11と肩部分12及び13と、胸部分14と、過度な長さの袖15及び16とを有する。基層上部2は肩及び胸の上に掛かり、ウエスト及び腕のまわりにゆったりと合う。肩及び胸の上に、基層上部2と皮膚との間の間隙は設けられていない。小さな環状の間隙により、過剰な周囲の熱からさらに断熱して、胴体17のウエスト部位のまわり及び腕のまわりの皮膚の上の空気の循環を改善し、熱ストレスの可能性を低減することができる。小さな間隙は、ウエスト及び腕の外周のまわりで25mm、任意選択で15mm未満の連続した環状よりも小さいとみなしてもよい。ステッチ11’の線が、襟11と実質的に同心円状に設けられている。ステッチ10’により、消防士4の首線との平坦な接触領域を設けることを容易にすることができる。ステッチ10’は、首のまわりの領域において複合布の剛性を高めることができる。ステッチ14’及び14’’の線は、基層上部2の各前側を下方に延びることで、消防士4の肩や上部胸領域14B及び胃領域の上の緩く合う領域14Aとの接触嵌合を容易にすることができる。緩く合う領域により、胃領域のまわりに一貫した間隙を設け、下部背中領域のまわりに一貫した間隙を設け、消防士の下部胴体のまわりに一貫した環状間隙を設けることができる。ステッチ11’、14’及び14’’は、レギンス3の形状を容易にするために、梯子パターン、一連のH形状を形成してもよい。
【0035】
ステッチ15’及び16’の線は、それぞれの袖15及び16の実質的な一部分に実質的に沿って設けられている。ステッチ15’及び16’の線により、消防士4の肩のまわりに平坦な接触領域を設けることを容易にすることができる。ステッチ15’及び16’の線は、首のまわりの領域において複合布の剛性を高めることができる。袖15及び16の過度な長さの部分19及び20は、手の平及び甲の上を保護するために親指穴18を含む。また、過度な長さの部分19及び20により、煙に汚染されたいかなる空気も手と基層上部2の袖15及び16との間を通るための蛇行状経路を設けることができる。各基層は、個々の消防士4ごとに調整できる。
【0036】
基層1は、図2に示す複合布100から作られる。複合布100は、3つの層を含み、内布層102と外布層103との間に挟まれた通気性膜層101を含む。内布層102は、ポリウレタン104で通気性膜層101の第一の側に積層される。外布層103は、ポリウレタン105で通気性膜層101の反対側に積層される。複合布100は、消防士の皮膚に対して、ぴったり合うようにしながら、小さな間隙を設けながら、又はぴったりさせながら、消防士が機敏に動くことを可能にする弾性を有してもよい。或いは、基層は、一貫した通気性を維持するために、非常に限られた弾性を有する。後者の場合、各基層を各消防士に合わせて調整することが好ましい。
【0037】
製造時に、複合布100は、パターンに合わせて、ハサミ又はパンチなどの従来の技術を使って裁断し、耐火細糸10を使って継ぎ目に沿ってミシンで縫い合わせる。
【0038】
内布層102及び外布層103は、同じ布であってもよく、また、通気性膜101と同様の弾性を有することが好ましい。したがって、内層及び外層の弾性は同一であり、これは、通気性膜101との結合を維持するのを助けることができる。内布層102及び外布層103に使用してもよい一片の布106が図3Aに示されている。
【0039】
布106は、難燃性糸107から織られてもよい。任意選択で、糸107は、ポリエステルフィラメントを含む(任意選択で、フィラメントの75%から100%がポリエステルである)。任意選択で、フィラメントは、任意選択で従来の綿紡糸技術を使って糸に紡がれる不連続布である。これにより、より自然な綿のような感触が得られる。不連続布は、20mmから1000mmの間などのランダムな長さである。ポリエステルフィラメント又は糸は、東レ難燃剤、耐火性エポキシ又はポリオレフィン樹脂組成物又は他の適切な難燃剤などの難燃性液体に被覆、注入、含浸又は浸漬してもよい。
【0040】
図3Aに示すように、糸107は、布106に織り込まれ、内布層102及び外布層103に使用される。織布106は、経糸108及び緯糸109を含み、開口部110を画定する。経糸及び緯糸は互いに直角であってもよいが、互いに最大45度であってもよい。布は、好ましくは50gsm(1平方メートル当たりのグラム)から200gsmの間であり、任意選択で75から125gsmの間であり、任意選択で30の糸番Ne(英式番手)を有するゲージ28上のJersey100gsmである。或いは、布は、糸番Ne40を有する90gsmであってもよく、又はNe30からNe40の間の糸番を有してもよい。
【0041】
図3B及び図3Dに示すように、10mm当たりに約30本の経糸108及び10mm当たりに約30本の緯糸109がある。しかしながら、10mm当たり10本から100本の間のどこかの、経糸108及び緯糸109で十分であり、10mm当たり約15から50本の間の、経糸108及び緯糸109で十分であり、10mm当たり30から40本の間の、経糸108及び緯糸109でも十分であることが想定される。
【0042】
図3Eに示すように、布106は、膜101よりもかなり厚い。外布層103は、内布層102よりも厚くてもよく、例えば、2倍から5倍の間、より厚くてもよく、2倍から3倍の間、より厚くてもよい。これにより、基層1からの水分放出性が改善できる。或いは、内布層102は、外布層103よりも厚くてもよく、例えば、2倍から5倍の間、より厚く、2倍から3倍の間、より厚くてもよい。これにより、消防士の皮膚から基層1への水分捕集が改善できる。外布層103は、約1.5mm厚であってもよく、内布層102は、約0.5mm厚であってもよい。或いは、内布層102は、約1.5mm厚であってもよく、外布層103は、約0.5mm厚であってもよい。膜101は、0.1mm厚の程度であってもよい。
【0043】
糸106は、以下の特性を有してもよい。
難燃性繊維の試験データ
1.56DTEX/38MM YGN443
【表1】
【0044】
図4は通気性膜101を示し、これは、煙に一般に見られる粒子が通過するのを抑制する小さな細孔101’を有する可撓性膜であるが、汗の通過を可能にする。これは、微多孔性であり、親水性であってもよく、ポリマーから作られてもよい通気性膜101によって達成できる。これにより、煙に見られる粒子が膜101を横切って通過することができない小さな細孔を利用しながら、水分が膜を通過することを容易にすることができる。したがって、膜は、消防士の皮膚からの水分の排出を可能にしながら、煙に見られる粒子の侵入を抑制するためにフィルターとして作用できる。
【0045】
【表2】
【0046】
図3Bは、通気性膜101の第一の側に積層された外布層103を示す斜視図である。内布層102は、通気性膜101の反対側に任意選択で積層されるが、これはこの図には示されていない。
【0047】
使用時には、皮膚からの水分が内布層102内の開口部110を通過し、皮膚から水分を速やかに除去する。通気性膜101により、水分が親水性膜101内の微細孔を通過し、外布層103内の開口部110内へ出ることができる。基層1と外衣との間を循環する空気は、開口部110の上を流れ、そこから水分を吸引する。内布層102及び外布層103内の開口部110は、通気性膜101内の微細孔よりもかなり大きい。
【0048】
図4Aを参照すると、内布層102は、短不連続ポリエステル繊維140を含んでもよい。短不連続ポリマー繊維140又はこれらの繊維からなる糸107は、芯として作用できるので、布が内布層102として使用されるとき、細孔143からの汗が皮膚141及び皮膚上の毛髪142から、短ポリエステル繊維140に沿って、且つそれらの間から引き出される。この吸い上げ効果は、(毛細管現象に類似し、汗を皮膚から引き離すために表面張力を利用してもよい)汗を皮膚から遠ざけ、内布層102内の開口部110を通して通気性膜101に移動させる。通気性膜101内の細孔は非常に小さいが、親水性通気性膜101は、膜を通して水を引き出すのを助ける。汗内のいかなる粒子も、通気性膜101を通して引き出してもよく、引き出さなくてもよい。着用者の動きは、汗の移動を促進することができ、経糸108及び緯糸109における隣接する繊維と隣接する糸107との間の差動運動による圧送作用をもたらす。次に、汗は、外布層103における同じ吸い上げ作用によって通気性膜101から遠ざけられ、短不連続ポリエステル繊維145に沿って通気性膜101から汗を引き離す。短不連続ポリエステル繊維145上の汗の液滴は、基層1と外衣147との間の空隙又は環状部146内の暖かい空気が間隙内を循環することによって引き離される。外布層103の外面。間隙146内の暖かい空気は、皮膚141内よりも暖かくてもよいので、皮膚から離れて、通気性膜101を横切る汗の移動を促進する圧力差を作ることができる。
【0049】
通気性膜101は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の単層であってもよい。任意選択で、通気性膜101は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の単層であり、マトリックスを形成してもよい。マトリックスは、空気及び/又は水分が膜を横切って通ることを可能にするのに適した開口部を形成できる。任意選択で、通気性膜101は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリアミドポリエステル、又はそれらの配合物のうちの少なくとも1つを含む。膜は、水分が膜を通過することができるように細孔又は微細孔を組み込み、これはマトリックスによって形成されてもよい。
【0050】
通気性膜101及び/又は織布層102、103は被覆してもよい。被膜はポリマー被膜であってもよい。被膜は、15~20%、任意選択で16.4%のポリビニルアルコール(例えば、Airvol103の1/3とAirvol125の2/3との混合物)、1から10%、任意選択で5%のポリ酢酸ビニル(Airflex410)、10から20%、任意選択で16.4%のポリエチレンイミン(BASFからのLupasol F WF)、約1%の架橋剤CX-100、約0.9~1%の界面活性剤及び消泡剤Surfynol104H、並びに50から70%、任意選択で60.3%の水を含んでもよい。
【0051】
本発明の複合材料は、軽量で可撓性があり、身体の動きに大きな影響を与えない。通気性膜101は、Stedair,Inc.によるSTEDAIR PREVENT、STEDAIR GOLD又はSTEDAIR3000の商標で販売されている水分障壁の1つの膜要素であってもよい。
【0052】
図5Aを参照すると、複合布100の製造に使用される装置が示されており、この装置は全般に亘って参照番号200で識別される。装置200は、布106のロール201を含む。張力調整装置又は駆動ローラ202は、皺を抑制し得る布106におけるロールから広げる速度及び/又は張力を制御するために使用してもよい。布106は、ガイドローラ203の上、且つ刻印ローラ205の下に通過させてもよい。刻印ローラ205は、ホットメルトポリウレタン206で被覆される。ホットメルトポリウレタンは200リットルドラム207に貯蔵される。ホットメルトポリウレタンは室温で高粘度である。ホットメルトポリウレタンは加熱され、ドラム207から、隣接するローラ208と209との間のニップに形成された水溜内へ流れる。ローラ208は時計回り方向に回転し、ローラ209は反時計回り方向に回転する。ローラ208は、水溜からポリウレタンの薄層を拾い上げ、通し、反時計回りに回転している刻印ローラ205を被覆する。ローラ208、209及び刻印ローラ205のいずれか又はすべては、モータMによって駆動してもよい。
【0053】
刻印ローラは、図6に示すパターン210のように、その上に刻印された適切なレリーフパターンであればいかなるパターンを有してもよい。このパターンは、互いに平行に延び、且つ装置を通る布106の進行方向に延びる連続線であるホットメルトポリウレタン206を塗布するように径方向に配置されてもよい一連の隆起部211及び谷部212を含む。或いは、一連の平行な隆起部211及び谷部212は、布106に不連続な線のホットメルトポリウレタンを塗布するために、装置を通る布106の進行方向に対して斜めに配置されてもよい。隆起部211は、幅l~2mm幅で横切る谷部212を設けるために、1から2mmの間隔を空けてもよい。各隆起の上部の幅は、約1mmであってもよい。
【0054】
ローラ208、209及び刻印ローラ205のいずれか又はすべては、摂氏100度から180度の間、好ましくは摂氏110度から130度の間であってもよい所望の塗布温度にポリウレタンを維持するために加熱してもよい。
【0055】
ホットメルトポリウレタン206は、摂氏-30度から130度の間の耐熱性及び摂氏120度の塗布温度を有する湿気硬化型ホットメルトポリウレタン接着剤であってもよい。ホットメルトポリウレタン106は、1平方メートル当たり6から30グラムの間、任意選択で1平方メートル当たり10グラムの割合で塗布してもよい。初期硬化時間は、30分程度であってもよい。
【0056】
刻印ローラ205は、ホットメルトポリウレタン206を布106に細い線状に塗布する。布は、さらなるローラ215の上、且つローラ216と217との間のニップ内へ通過させてもよい。ローラ216、217のいずれか又は両方は、それぞれのモータMによって駆動され又は張力がかけられてもよい。通気性膜101のロール220は、ローラ216と217との間のニップ内へ布106に塗布されたホットメルトポリウレタンの上を通過し、通気性膜101を布106に積層する。積層布120は、ロール221上へ巻き取る。ロール221は、モータMによって駆動され又は張力がかけられてもよい。
【0057】
コンピュータコントローラ225は、装置200のロール及びローラ201、221、208、209、205、216、217における速度及び張力を制御するために使用される。
【0058】
所望の際、装置200は停止され、ロール220は除去され、ホットメルトポリウレタンを硬化させるために1時間から数日の間、例えば、48時間であってもよいが、放置する。ロール221は、図5Bに示すように、除去し、ロール220がローラ216と217の間のニップに広げられた場所に置かれる。装置200は、布106に塗布されたホットメルト糊を積層布120に塗布するために延びるように設定し、図5Aを参照して上述したように、本発明の複合布100を作製し、ロール222上へ巻き取る。正確な機械設定により、通気性のために最大70%の開放領域が可能であるため、複合布100はその通気性のほとんどを維持する。技術的中継が、接触する場所の接着剤を除去するために、布の幾何学的形状に使用してもよい。
【0059】
図7A及び図7Bは、複合布100の製造に使用されるさらなる代替装置を示し、この装置は全般に亘って参照番号300で識別される。装置300は、概して、装置200に類似して、ローラの同様の配置を利用するが、直立した装置内である。また、この装置は、刻印ローラを使用して塗布した後、布106が通気性膜101に塗布するためにニップに入る前に、ホットメルトポリウレタンを広げることを容易にするドクターブレードを含んでもよい。装置300は、密接なカップル3ローラ構成の鋼-鋼-鋼、張力制御付き巻き戻し、ラップロール、刻印ローラ付き張力検知巻取機を含み、三重螺旋3開始マルチ螺旋深さ約100ミクロン及び28メッシュを形成することができる。設計重量は10~20gamである。

図1
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図4A
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】