(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】VRデバイスの結束ベルト調整方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532160
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2022143325
(87)【国際公開番号】W WO2024093003
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211363759.7
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522235216
【氏名又は名称】エーエーシー アコースティック テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】ユアン・ジュンハオ
(57)【要約】
【課題】本発明は、VRデバイスの結束ベルト調整方法を提供する。
【解決手段】結束ベルト調整方法は、結束ベルト締め付け調整方法を含み、結束ベルト締め付け調整方法は、締め付けトリガが締め付けトリガ信号を取得することと、回路板は締め付けトリガ信号に基づいて駆動器が伝動アセンブリを駆動することで第1結束ベルトと第2結束ベルトとを同期して締め付けさせるように制御することと、圧力センサが所定部位の圧力値を取得することと、圧力センサにより取得された圧力値が第1所定圧力値に達すると、回路板は圧力センサの第1所定圧力値信号に基づいて駆動器が伝動アセンブリの駆動を停止することで第1結束ベルトと第2結束ベルトが適切な位置に同期して締め付けられるように制御することとを含む。本発明によれば、結束ベルトの締緩を自動的に調整することを実現できるとともに、全てのユーザの頭型に適当なテンションで適応することを確保できる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
VRデバイスの結束ベルト調整方法であって、
前記VRデバイスは、VR本体及びVR結束ベルト調整機構を含み、前記VR結束ベルト調整機構は、それぞれ前記VR本体に接続された第1結束ベルト及び第2結束ベルトと、伝動アセンブリと、駆動器と、締め付けトリガと、圧力センサと、前記駆動器、前記締め付けトリガ及び前記圧力センサにそれぞれ電気接続された回路板とを含み、前記駆動器は、前記伝動アセンブリを介して前記第1結束ベルト及び前記第2結束ベルトを駆動し、
前記結束ベルト調整方法は、結束ベルト締め付け調整方法を含み、前記結束ベルト締め付け調整方法は、
前記締め付けトリガは、締め付けトリガ信号を取得することと、
前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して締め付けさせるように制御することと、
前記圧力センサは、所定部位の圧力値を取得することと、
前記圧力センサにより取得された圧力値が第1所定圧力値に達すると、前記回路板は、前記圧力センサにより取得された第1所定圧力値信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリの駆動を停止することで前記第1結束ベルト及び前記第2結束ベルトが適切な位置に同期して締め付けられるように制御することと、を含むことを特徴とするVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項2】
前記伝動アセンブリは、ウォーム及び伝動歯車を含み、前記駆動器は、前記ウォームを駆動し、前記伝動歯車は、前記ウォーム、前記第1結束ベルト及び前記第2結束ベルトにそれぞれ噛み合い、
前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して締め付けさせるように制御することは、
前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて前記駆動器の回転を制御するステップと、
前記駆動器は、前記ウォームを回転駆動するステップと、
前記ウォームは、前記伝動歯車によって前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられるように、前記伝動歯車を回転駆動するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項3】
前記伝動歯車は、同軸に設けられた第1歯部及び第2歯部を含み、前記第1歯部は、前記ウォームと噛み合い、前記第1結束ベルトには、前記第2歯部と噛み合う第1噛合部が設けられ、前記第2結束ベルトには、前記第2歯部と噛み合う第2噛合部が設けられ、かつ前記第1噛合部は、前記第2噛合部と対向して設けられ、
前記ウォームは、前記伝動歯車によって前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられるように、前記伝動歯車を回転駆動することは、
前記ウォームは、前記第1歯部を回転駆動することと、
前記第1歯部によって、前記第2歯部が回転駆動されることと、
前記第2歯部によって、前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられることと、を含むことを特徴とする請求項2に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項4】
前記ウォームの軸線は、前記伝動歯車の軸線に垂直であることを特徴とする請求項3に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項5】
前記第1歯部の車歯と前記第1歯部の軸線との間には、ねじれ角を有し、及び/又は、前記第2歯部の車歯と前記第2歯部の軸線とは、平行であることを特徴とする請求項3に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項6】
前記第1噛合部は、前記第1結束ベルトに形成された車歯であり、及び/又は、前記第2噛合部は、前記第2結束ベルトに形成された車歯であることを特徴とする請求項3に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項7】
前記第1結束ベルトには、第1溝が開設され、前記第1噛合部が前記第1溝の溝壁に設けられ、前記第2結束ベルトには、第2溝が開設され、前記第2噛合部が前記第2溝の溝壁に設けられ、かつ前記第2歯部は、前記第1溝と前記第2溝とを通過することを特徴とする請求項3又は6に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項8】
前記VR結束ベルト調整機構は、前記回路板に電気接続された緩めトリガをさらに含み、
前記結束ベルト調整方法は、結束ベルト緩め調整方法をさらに含み、前記結束ベルト緩め調整方法は、
前記緩めトリガは、緩めトリガ信号を取得することと、
前記回路板は、前記緩めトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを逆方向に駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して緩めさせるように制御することと、を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項9】
前記結束ベルト緩め調整方法は、さらに、
前記圧力センサは、所定部位の圧力値を取得することと、
前記圧力センサにより取得された圧力値が第2所定圧力値に達すると、前記回路板は、前記圧力センサにより取得された第2所定圧力値信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリの逆方向駆動を停止することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとの緩めを停止させるように制御することと、を含むことを特徴とする請求項8に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【請求項10】
前記第2所定圧力値は、ゼロであることを特徴とする請求項9に記載のVRデバイスの結束ベルト調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VR技術分野に関し、特にVRデバイスの結束ベルト調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴い、VR(Virtual Reality、仮想現実)技術は、ますますユーザの注目を集めている。VRは、仮想世界を作成し体験することができるコンピュータシミュレーションシステムであり、それはコンピュータを利用してシミュレーション環境を生成することができ、マルチソース情報融合の、対話型の三次元動的ビデオ及びエンティティ挙動のシステムシミュレーションにより、ユーザを仮想環境に没入させ、臨場感を体験することができる。
【0003】
現在、VR機能の実現は、主に例えば、頭部装着型表示装置(VRヘッドマウントディスプレイ)などのVRデバイスをキャリアとする。VRヘッドマウントディスプレイとは、頭部装着型ディスプレイを利用してユーザの外界に対する視覚、聴覚を閉鎖し、ユーザに仮想環境での感覚を知覚させることをガイドする。頭部装着型ディスプレイの表示原理は、左右のスクリーンがそれぞれ左側及び右側の画像を表示し、ユーザの両眼がこのような差異を有する情報を取得した後に脳海において組み合わせて立体感を生成することである。実際の応用において、VRヘッドマウントディスプレイは、さらに具体的にVRボックス、VRヘルメット等の様々デバイス形態を含むことができる。VRボックス又はVRヘルメットであっても、ユーザは、実際に使用する時に該VRデバイスをヘッドに装着する必要があり、かつ結束ベルトを収縮することによりVRデバイスをユーザの頭型と密着させてから、後続の操作を開始することが可能となる。しかしながら、関連技術におけるVRデバイスは、ユーザが装着した後、手動で結束ベルトを調整することによりVRデバイスを締め付けることしかできない。このようなVRデバイスは、ユーザが迅速に装着することに不利であるだけでなく、ユーザ体験に影響をもたらし、また、各VRデバイスの結束ベルトは、いずれもカスタム部材であり、項目の開発人力、物資、コストを比較的に占有して、標準化に不利である。
【0004】
したがって、関連技術におけるVRデバイスを改善して上記技術課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、結束ベルトの締緩を自動的に調整することを実現でき、ユーザの操作過程を減少させて、ユーザがVRデバイスを装着する時により便利かつより迅速にすることができるとともに、全てのユーザの頭型に適当なテンションで適応することを確保することができるVRデバイスの結束ベルト調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、VRデバイスの結束ベルト調整方法を提供し、前記VRデバイスは、VR本体及びVR結束ベルト調整機構を含み、前記VR結束ベルト調整機構は、それぞれ前記VR本体に接続された第1結束ベルト及び第2結束ベルトと、伝動アセンブリと、駆動器と、締め付けトリガと、圧力センサと、前記駆動器、前記締め付けトリガ及び前記圧力センサにそれぞれ電気接続された回路板とを含み、前記駆動器は、前記伝動アセンブリを介して前記第1結束ベルト及び前記第2結束ベルトを駆動し、前記結束ベルト調整方法は、結束ベルト締め付け調整方法を含み、前記結束ベルト締め付け調整方法は、
前記締め付けトリガは、締め付けトリガ信号を取得することと、
前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して締め付けさせるように制御することと、
前記圧力センサは、所定部位の圧力値を取得することと、
前記圧力センサにより取得された圧力値が第1所定圧力値に達すると、前記回路板は、前記圧力センサにより取得された第1所定圧力値信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリの駆動を停止することで前記第1結束ベルト及び前記第2結束ベルトが適切な位置に同期して締め付けられるように制御することと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記伝動アセンブリは、ウォーム及び伝動歯車を含み、前記駆動器は、前記ウォームを駆動し、前記伝動歯車は、前記ウォーム、前記第1結束ベルト及び前記第2結束ベルトにそれぞれ噛み合い、前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して締め付けさせるように制御することは、
前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて前記駆動器の回転を制御するステップと、
前記駆動器は、前記ウォームを回転駆動するステップと、
前記ウォームは、前記伝動歯車によって前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられるように、前記伝動歯車を回転駆動するステップと、を含む。
【0008】
好ましくは、前記伝動歯車は、同軸に設けられた第1歯部及び第2歯部を含み、前記第1歯部は、前記ウォームと噛み合い、前記第1結束ベルトには、前記第2歯部と噛み合う第1噛合部が設けられ、前記第2結束ベルトには、前記第2歯部と噛み合う第2噛合部が設けられ、かつ前記第1噛合部は、前記第2噛合部と対向して設けられ、前記ウォームは、前記伝動歯車によって前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられるように、前記伝動歯車を回転駆動することは、
前記ウォームは、前記第1歯部を回転駆動することと、
前記第1歯部によって、前記第2歯部が回転駆動されることと、
前記第2歯部によって、前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられることとを含む。
【0009】
好ましくは、前記ウォームの軸線は、前記伝動歯車の軸線に垂直である。
【0010】
好ましくは、前記第1歯部の車歯と前記第1歯部の軸線との間には、ねじれ角を有し、及び/又は、前記第2歯部の車歯と前記第2歯部の軸線とは、平行である。
【0011】
好ましくは、前記第1噛合部は、前記第1結束ベルトに形成された車歯であり、及び/又は、前記第2噛合部は、前記第2結束ベルトに形成された車歯である。
【0012】
好ましくは、前記第1結束ベルトには、第1溝が開設され、前記第1噛合部が前記第1溝の溝壁に設けられ、前記第2結束ベルトには、第2溝が開設され、前記第2噛合部が前記第2溝の溝壁に設けられ、かつ前記第2歯部は、前記第1溝と前記第2溝とを通過する。
【0013】
好ましくは、前記VR結束ベルト調整機構は、前記回路板に電気接続された緩めトリガをさらに含み、前記結束ベルト調整方法は、結束ベルト緩め調整方法をさらに含み、前記結束ベルト緩め調整方法は、
前記緩めトリガは、緩めトリガ信号を取得することと、
前記回路板は、前記緩めトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを逆方向に駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して緩めさせるように制御することと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記結束ベルト緩め調整方法は、
前記圧力センサは、所定部位の圧力値を取得することと、
前記圧力センサにより取得された圧力値が第2所定圧力値に達すると、前記回路板は、前記圧力センサにより取得された第2所定圧力値信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブの逆方向駆動を停止することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとの緩めを停止させるように制御することと、をさらに含む。
【0015】
好ましくは、前記第2所定圧力値は、ゼロである。
【発明の効果】
【0016】
関連技術に比べて、本発明のVRデバイスの結束ベルト調整方法は、まず締め付けトリガによってトリガ信号を取得し、さらに回路板によって、トリガ信号に基づいて、駆動器が伝動アセンブリを駆動することで第1結束ベルトと第2結束ベルトとを同期して締め付けさせるように制御し、締め付け過程において圧力センサにより所定部位の圧力値を取得し、かつ圧力センサにより取得された圧力値が所定値に達すると、回路板は、圧力センサの検出信号に基づいて、駆動器が伝動アセンブリの駆動を停止することで第1結束ベルト及び第2結束ベルトが適切な位置に同期して締め付けられるように制御する。このようにして、結束ベルトの締緩を自動的に調整することを実現でき、ユーザの操作過程を減少させて、ユーザがVRデバイスを装着する時により便利かつより迅速にすることができるとともに、この調整方法は、全てのユーザの頭型に適当なテンションで適応することを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下に実施形態の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は単に本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図2】本発明に係るVRデバイスにおけるVR結束ベルト調整機構の部分構成を示す模式図である。
【
図3】
図2に示すVR結束ベルト調整機構が分解された後の構成を示す模式図である。
【
図4】
図1に示すVRデバイスにおける伝動歯車の構成を示す模式図である。
【
図5】本発明に係る結束ベルト締め付け調整方法のフローチャートである。
【
図6】本発明に係る結束ベルト緩め調整方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下は本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明確で、完全に説明し、明らかなように、記述される実施例は、本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得ることができる全ての別の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0019】
図1~4を同時に参照し、本発明に係るVRデバイスは、結束ベルトを収縮することによりVRデバイスをユーザの頭型と密着させることにより、VRデバイスをヘッドに装着することを実現する。VRデバイスは、VRボックス、VRヘルメット等の様々なデバイス形態であってもよい。
【0020】
具体的には、VRデバイスは、VR本体10及びVR結束ベルト調整機構30を含む。VR本体10は、ユーザに仮想環境での感覚を知覚させることをガイドするために用いられ、VR結束ベルト調整機構30は、VR本体10に接続され、結束ベルトを収縮してVRデバイスをユーザの頭型に密着させるために用いられる。
【0021】
VR結束ベルト調整機構30は、第1結束ベルト1、第2結束ベルト2、伝動アセンブリ3及び駆動器4を含み、第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2は、それぞれVR本体10に接続され、駆動器4は、伝動アセンブリ3を介して第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2が同期して締め付け・緩められるように駆動する。
【0022】
伝動アセンブリ3は、ウォーム31及び伝動歯車33を含む。駆動器4は、ウォーム31を駆動するために用いられ、伝動歯車33は、同軸に設けられた第1歯部35及び第2歯部37を含み、第1歯部35は、ウォーム31と噛み合い、第1結束ベルト1には、第2歯部37と噛み合う第1噛合部11が設けられ、第2結束ベルト2には、第2歯部37と噛み合う第2噛合部21が設けられ、かつ第1噛合部11は、第2噛合部21と対向して設けられ、ウォーム31の軸線は、伝動歯車33の軸線に垂直である。結束ベルトを締め付ける必要がある場合、駆動器4によってウォーム31が回動駆動され、ウォーム31の回動に連動して伝動歯車33が同期して回動され、伝動歯車33が回動するときに第2歯部37と第1噛合部11と第2噛合部21との間の作用力を介して第1結束ベルト1と第2結束ベルト2とが同期して締め付けられるように駆動することになり、結束ベルトを緩める必要がある場合、駆動器4によってウォーム31が逆方向に回動駆動され、ウォーム31の回動に連動して伝動歯車33が同期して逆方向に回動駆動され、伝動歯車33が回動する時に第2歯部37と第1噛合部11と第2噛合部21との間の作用力を介して第1結束ベルト1と第2結束ベルト2とが同期して緩められるように駆動することになる。
【0023】
本実施例では、第1歯部35の車歯と第1歯部35の軸線との間には、ねじれ角を有する。すなわち、第1歯部35とウォーム31との間は、斜歯歯車噛み合い伝動であり、換言すれば、第1歯部35は、斜歯車に相当し、かつ第1歯部35のねじれ角は、ウォーム31のねじれ角と一致する。
【0024】
図2及び
図3に示すように、第1噛合部11は、第1結束ベルト1に形成された車歯であり、第2噛合部21は、第2結束ベルト2に形成された車歯である。理解されるように、他の実施例において、第1噛合部11は、第1結束ベルト1に設けられたラックであってもよく、及び/又は、第2噛合部21は、第2結束ベルト2に設けられたラックであってもよい。
【0025】
図2及び
図3に示すように、第1結束ベルト1には、第1溝1Aが開設され、第1噛合部11が第1溝1Aの溝壁に設けられ、第2結束ベルト2には、第2溝2Aが開設され、第2噛合部21が第2溝2Aの溝壁に設けられ、かつ第2歯部37が第1溝1A及び第2溝2Aを通過する。
【0026】
本実施例では、第2歯部37の車歯は、第2歯部37の軸線に平行である。すなわち、第1噛合部11と第2歯部37との間、及び第2噛合部21と第2歯部37との間は、いずれも平歯歯車噛み合い伝動であり、換言すれば、第2歯部37は、平歯車に相当する。
【0027】
VR結束ベルト調整機構30は、回路板5をさらに含み、駆動器4は、回路板5を介して電源に電気接続されている。回路板5は、VR本体10内に設けられた主回路板であってもよく、この場合、駆動器4は、線材/FPC等により回路板5に接続され、回路板5は、VR本体10内に設けられた主回路板と独立して設けられた回路板であってもよく、この場合、駆動器4は、面実装技術により回路板5に組み立てられる。電源は、外部電源であってもよく、VR本体10内に設けられた電池電源であってもよい。
【0028】
VR結束ベルト調整機構は、締め付けトリガ6及び圧力センサ7をさらに含む。締め付けトリガ6は、締め付けトリガ信号を取得するために用いられ、回路板5は、締め付けトリガ6に電気接続され、締め付けトリガ6により取得された締め付けトリガ信号に基づいて、駆動器4が伝動アセンブリ3を駆動することで第1結束ベルト1と第2結束ベルト2とを同期して締め付けさせるように制御するために用いられる。
【0029】
圧力センサ7は、所定部位の圧力値を取得するために用いられ、回路板5は、圧力センサ7に電気接続され、圧力センサ7により取得された第1所定圧力値信号に基づいて、駆動器4が伝動アセンブリ3の駆動を停止することで第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2が適切な位置に同期して締め付けられるように制御するために用いられる。
【0030】
なお、所定部位とは、第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2の締め付け過程においてユーザの頭型が圧力センサ7に接触する位置であり、適切な位置に同期して締め付けられることは、第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2がユーザに対して適切なクランプ力を保持する位置まで締め付けられ、第1所定圧力値が当該クランプ力の大きさを決定するものであることを意味し、適切なクランプ力とは、第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2は、ユーザに過大な圧力を加えることによってユーザに不快を感じさせることではなく、またVRデバイスをユーザの頭に安定的に装着させることができるものを意味する。このようにして、異なるユーザグループに対しても、全てのユーザの頭型に適当なテンションで適合することを確保することができ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0031】
締め付けトリガ6は、VR本体10、第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2のうちの一方に取り付けられてもよく、圧力センサ7は、VR本体10、第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2のうちの一方に取り付けられてもよく、締め付けトリガ6及び圧力センサ7は、線材/FPC等によって回路板5に接続されてもよい。
【0032】
本実施例において、締め付けトリガ6は、ユーザの頭型の寸法を検出するための頭型センサである。理解できるように、他の実施形態において、締め付けトリガ6は、制御スイッチであってもよい。
【0033】
VR結束ベルト調整機構は、緩めトリガ8をさらに含む。緩めトリガ8は、緩めトリガ信号を取得するために用いられ、回路板5は、緩めトリガ8に電気接続され、緩めトリガ8により取得された緩めトリガ信号に基づいて、駆動器4が伝動アセンブリ3を駆動することで第1結束ベルト1と第2結束ベルト2とを同期して緩めさせるように制御するために用いられる。このようにして、回路板5によって、締め付けトリガ6、圧力センサ7及び緩めトリガ8に基づいて、駆動器4が伝動アセンブリ3を駆動することで第1結束ベルト1と第2結束ベルト2とを同期して締め付け・緩めさせるように制御することにより、結束ベルト調整の自動化制御を実現することができる。
【0034】
ここで、緩めトリガ8は、VR本体10、第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2のうちの一方に取り付けられてもよく、緩めトリガ8は、制御スイッチであってもよく、センサであってもよく、緩めトリガ8は、線材/FPC等によって回路板5に接続されてもよい。
【0035】
本実施例において、圧力センサ7は、さらに第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2の同期緩め過程における圧力値を取得するために用いられ、かつ圧力センサ7により取得された圧力値が第2所定圧力値に達するとき、回路板5は、さらに第2所定圧力値信号に基づいて、駆動器4が伝動アセンブリ3の逆方向駆動を停止することで第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2の緩めを停止させるように制御するために用いられる。
【0036】
なお、第2所定圧力値の設定は、第1結束ベルト1及び第2結束ベルト2の位置で、VRデバイスをユーザの頭型から気楽に取り外せるという条件を満たす。
【0037】
本実施例において、第2所定圧力値は、ゼロに等しいことが好ましい。
【0038】
VR結束ベルト調整機構は、取付ボックス9をさらに含み、駆動器4、伝動アセンブリ3、回路板5、第1噛合部11及び第2噛合部21は、いずれも取付ボックス9内に設けられている。
【0039】
図1に示すように、取付ボックス9は、第1ハウジング91と、第1ハウジング91と組み立てられて収容空間を取り囲む第2ハウジング93とを含む。
【0040】
本発明は、VRデバイスの結束ベルト調整方法をさらに提供し、VRデバイスの結束ベルト調整方法は、結束ベルト締め付けの調整方法及び結束ベルト緩めの調整方法を含む。
【0041】
図5に示すように、結束ベルト締め付けの調整方法は、以下のステップS11及びステップS12を含む。
【0042】
ステップS11では、前記締め付けトリガは、締め付けトリガ信号を取得する。例えば、締め付けトリガ6が頭型センサである場合、締め付けトリガ信号は、頭型センサで検出されたユーザの頭型の寸法信号である。
【0043】
ステップS12では、前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して締め付けさせるように制御する。
【0044】
前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して締め付けさせるように制御することは、
前記回路板は、前記締め付けトリガ信号に基づいて前記駆動器の回転を制御するステップと、
前記駆動器は、前記ウォームを回転駆動するステップと、
前記ウォームは、前記伝動歯車によって前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられるように、前記伝動歯車を回転駆動するステップと、を含む。
【0045】
前記ウォームは、前記伝動歯車によって前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられるように、前記伝動歯車を回転駆動することは、
前記ウォームは、前記第1歯部を回転駆動することと、
前記第1歯部によって、前記第2歯部が回転駆動されることと、
前記第2歯部によって、前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して締め付けられることと、を含む。
【0046】
ステップS13では、前記圧力センサは、所定部位の圧力値を取得する。
【0047】
ステップS14では、前記圧力センサにより取得された圧力値が第1所定圧力値に達するとき、前記回路板は、前記圧力センサにより取得された第1所定圧力値信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリの駆動を停止することで前記第1結束ベルト及び前記第2結束ベルトが適切な位置に同期して締め付けられるように制御する。
【0048】
図6に示すように、結束ベルト緩めの調整方法は、以下のステップS21及びステップS22を含む。
【0049】
ステップS21では、前記緩めトリガは、緩めトリガ信号を取得する。
【0050】
ステップS22では、前記回路板は、前記緩めトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを逆方向に駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して緩めさせるように制御する。
【0051】
前記回路板は、前記緩めトリガ信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリを逆方向に駆動することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとを同期して緩めさせるように制御することは、
前記回路板は、前記緩めトリガ信号に基づいて前記駆動器を逆方向に回転制御することと、
前記駆動器は、前記ウォームを逆方向に回転駆動することと、
前記ウォームは、前記伝動歯車によって前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して緩められるように、前記伝動歯車を逆方向に回転駆動することとを含む。
【0052】
前記ウォームは、前記伝動歯車によって前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して緩められるように、前記伝動歯車を逆方向に回転駆動することは、
前記ウォームは、前記第1歯部を逆方向に回転駆動することと、
前記第1歯部によって、前記第2歯部が逆方向に回転駆動されることと、
前記第2歯部によって、前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとが同期して緩められることとを含む。
【0053】
ステップS23では、前記圧力センサは、所定部位の圧力値を取得する。
【0054】
ステップS24では、前記圧力センサにより取得された圧力値が第2所定圧力値に達するとき、前記回路板は、前記第2所定圧力値信号に基づいて、前記駆動器が前記伝動アセンブリの逆方向駆動を停止することで前記第1結束ベルトと前記第2結束ベルトとの緩めを停止させるように制御する。
【0055】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に属すると指摘すべきだ。
【国際調査報告】