(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】モバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法および装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241108BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 S
H02H7/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560872
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-02
(86)【国際出願番号】 CN2023074139
(87)【国際公開番号】W WO2024093035
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211351174.3
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522001345
【氏名又は名称】パイロン テクノロジーズ カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】5th Floor, No. 71-72, Lane 887, Zu Chongzhi Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone Shanghai 201203 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】張 作舟
(72)【発明者】
【氏名】李 番軍
(72)【発明者】
【氏名】施 ▲ル▼
(72)【発明者】
【氏名】尹 志▲ビン▼
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
5G053AA08
5G053BA04
5G053CA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503DA02
5G503EA05
5G503FA16
5G503GD04
(57)【要約】
本開示は、モバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法および装置を提供する。該モバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法は、接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定するステップと、前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きい場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するステップと、前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通するステップと、前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリマスター装置に対して放電するように制御するステップと、を含む。これによって、並列給電の安全性を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定するステップと、
前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きい場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するステップと、
前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通するステップと、
前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するステップと、を含む
ことを特徴とするモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項2】
前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップは、
前記外部電源装置に所定のコマンドを送信し、前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項3】
前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップは、
前記コマンドに対する応答がなくまたは前記応答が既定の応答に合致しない場合、前記電源状態を外部電源接続状態に切り替えるステップと、
前記応答が所定の応答に合致する場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するステップと、を含み、
前記バッテリマスター装置および前記バッテリスレーブ装置に通信用のプロトコルが設定されている
ことを特徴とする請求項2に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項4】
前記マスター装置電圧が前記電圧以上である場合、所定の電圧読み取り周期に従って、前記マスター装置電圧が前記電圧よりも小さくなるまで前記マスター装置電圧およびバッテリスレーブ装置の電圧を読み取るステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項5】
前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するステップは、
前記放電電流が前記第1電流閾値以下である場合、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するステップと、
前記放電電流が前記第1電流閾値よりも大きくかつ前記第2電流閾値よりも小さい場合、前記放電回路を介して前記バッテリスレーブ装置から放電し、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第1電流閾値以下になると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するステップと、
前記放電電流が前記第2電流閾値以上である場合、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第2電流閾値よりも小さくなると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項6】
前記電圧差が前記電圧差閾値以上である場合、前記バッテリスレーブ装置を放電させ、所定の電圧差読み取り周期に従って、前記電圧差が前記電圧差閾値よりも小さくなるまで前記バッテリスレーブ装置の電圧を読み取るステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項7】
前記電圧が所定の電圧閾値範囲内のものではない場合、バッテリマスター装置の電源状態を電源異常状態に切り替え、前記電圧が前記電圧閾値範囲の電圧上限閾値を上回ったとき、予め設置された過電圧保護回路をトリガーするステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項8】
接続電圧検出モジュールと、電圧判断モジュールと、バッテリスレーブ装置検出モジュールと、電圧差取得モジュールと、放電制御モジュールとを備え、
前記接続電圧検出モジュールは、接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定するように構成され、
前記電圧判断モジュールは、前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きいことを確定した場合、バッテリスレーブ装置検出モジュールに通知するように構成され、
前記バッテリスレーブ装置検出モジュールは、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するように構成され、
前記電圧差取得モジュールは、前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通するように構成され、
前記放電制御モジュールは、前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するように構成される
ことを特徴とするモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張装置。
【請求項9】
コンピュータデバイスであって、
プロセッサと、メモリと、バスとを備え、
前記メモリに前記プロセッサにより実行可能なマシン読み取り可能なコマンドが記憶されており、コンピュータデバイスが作動するとき、前記プロセッサと前記メモリとがバスを介して通信し、前記マシン読み取り可能なコマンドが前記プロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載のモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法のステップが実行される
ことを特徴とするコンピュータデバイス。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載のモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法のステップが実行される
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、動的容量拡張の技術分野に属し、具体的に、モバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法および装置に関する。
【0002】
関係出願の相互参照
本出願は、2022年10月31日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202211351174.3であり、名称が「モバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法および装置」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本出願に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
インドアの予備電力、アウトドアの活動、自動車でのロードトリップ、緊急救援などのオフグリッドまたは停電の場合の電力需要が増加し、単一の携帯可能なモバイルバッテリの容量が電力需要を満たすことが困難である。現在、一解決案として、同じ型番の携帯可能なモバイルバッテリを2つ用意し、そのうちの1つの携帯可能なモバイルバッテリをバッテリマスター装置とし、他の携帯可能なモバイルバッテリをバッテリスレーブ装置とし、バッテリマスター装置とバッテリスレーブ装置とを並列接続する協働容量拡張方式により、バッテリ容量を向上させることができる。しかしながら、このようなバッテリ容量の向上の方法では、並列接続されるバッテリマスター装置とバッテリスレーブ装置とは、並列給電の過程において、短絡または過電圧または過放電などが発生しやすく、並列給電の安全性が比較的低く、給電効率が高くない。
【発明の概要】
【0004】
上記に鑑みて、本開示は、並列給電の安全性および給電効率を向上させるモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法および装置を提供することを目的とする。
【0005】
第1局面において、本開示の実施例は、モバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法を提供する。前記マスタースレーブ協働容量拡張方法は、接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定するステップと、前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きい場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するステップと、前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通するステップと、前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するステップと、を含む。
【0006】
第1局面において、本開示の実施例は、第1局面の第1種の実施可能な実施形態を提供する。前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップは、前記外部電源装置に所定のコマンドを送信し、前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップを含む。
【0007】
第1局面の第1種の実施可能な実施形態において、本開示の実施例は、第1局面の第2種の実施可能な実施形態を提供する。前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップは、前記コマンドに対する応答がなくまたは前記応答が既定の応答に合致しない場合、前記電源状態を外部電源接続状態に切り替えるステップと、前記応答が所定の応答に合致する場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するステップと、を含み、前記バッテリマスター装置および前記バッテリスレーブ装置に通信用のプロトコルが設定されている。
【0008】
第1局面において、本開示の実施例は、第1局面の第3種の実施可能な実施形態を提供する。前記マスタースレーブ協働容量拡張方法は、前記マスター装置電圧が前記電圧以上である場合、所定の電圧読み取り周期に従って、前記マスター装置電圧が前記電圧よりも小さくなるまで前記マスター装置電圧およびバッテリスレーブ装置の電圧を読み取るステップをさらに含む。
【0009】
第1局面において、本開示の実施例は、第1局面の第4種の実施可能な実施形態を提供する。前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するステップは、前記放電電流が前記第1電流閾値以下である場合、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するステップと、前記放電電流が前記第1電流閾値よりも大きくかつ前記第2電流閾値よりも小さい場合、前記放電回路を介して前記バッテリスレーブ装置から放電し、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第1電流閾値以下になると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するステップと、前記放電電流が前記第2電流閾値以上である場合、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第2電流閾値よりも小さくなると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通するステップと、を含む。
【0010】
第1局面、第1局面の第1種の実施可能な実施形態から第4種の実施可能な実施形態のいずれか1種において、本開示の実施例は、第1局面の第5種の実施可能な実施形態を提供し、前記マスタースレーブ協働容量拡張方法は、前記電圧差が前記電圧差閾値以上である場合、前記バッテリスレーブ装置を放電させ、所定の電圧差読み取り周期に従って、前記電圧差が前記電圧差閾値よりも小さくなるまで前記バッテリスレーブ装置の電圧を読み取るステップをさらに含む。
【0011】
第1局面、第1局面の第1種の実施可能な実施形態から第4種の実施可能な実施形態のいずれか1種において、本開示の実施例は、第1局面の第6種の実施可能な実施形態を提供する。前記マスタースレーブ協働容量拡張方法は、前記電圧が所定の電圧閾値範囲内のものではない場合、バッテリマスター装置の電源状態を電源異常状態に切り替え、前記電圧が前記電圧閾値範囲の電圧上限閾値を上回ったとき、予め設置された過電圧保護回路をトリガーするステップをさらに含む。
【0012】
第2局面において、本開示の実施例は、モバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張装置をさらに提供する。前記マスタースレーブ協働容量拡張装置は、接続電圧検出モジュールと、電圧判断モジュールと、バッテリスレーブ装置検出モジュールと、電圧差取得モジュールと、放電制御モジュールとを備え、接続電圧検出モジュールは、接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定するように構成され、電圧判断モジュールは、前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きいことを確定するように構成され、バッテリスレーブ装置検出モジュールは、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するように構成され、電圧差取得モジュールは、前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通するように構成され、放電制御モジュールは、前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するように構成される。
【0013】
第3局面において、本出願の実施例は、コンピュータデバイスを提供する。該コンピュータデバイスは、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されているとともに前記プロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記プロセッサにより前記コンピュータプログラムを実行すると、上記の方法のステップが実行される。
【0014】
第4局面において、本出願の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記の方法のステップが実行される。
【0015】
本開示の実施例によるモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法および装置は、接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定し、前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きい場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定し、前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通し、前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御する。このようにすれば、接続された外部電源装置がバッテリスレーブ装置であるか放電器であるかを正確に識別することができ、電圧検出、電流検出により、バッテリスレーブ装置の導通および遮断を実現し、並列給電の過程において短絡または過電圧または過放電などを防止し、並列給電の安全性および給電効率を効果的に向上させることができる。
【0016】
本開示の上記の目的、特徴および利点をより明瞭にするため、以下、好ましい実施例を挙げ、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0017】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するため、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。なお、説明する図面は、本開示のいくつかの実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の実施例によるモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法の模式的フローチャートである。
【
図2】本開示の実施例によるモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張装置の模式的構成図である。
【
図3】本出願の実施例によるコンピュータデバイス300の模式的構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施例の目的、技術案および利点をより明瞭にするため、以下、本開示の実施例に用いられる図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案を明瞭かつ完全に説明する。説明する実施例が本開示の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。ここで図面を用いて示した本開示の実施例における部品は、さまざまな配置方法で配置、設計することが可能である。このため、図面に示された本開示の実施例に対する以下の詳細な説明は、本開示の選択された実施例にすぎず、保護しようとする本開示の範囲を限定するものではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が発明能力を用いることなく得たすべての他の実施例も、本開示の保護範囲に属する。
【0020】
本開示の実施例において、バッテリスレーブ装置にバッテリ管理システム(BMS、Battery Management System)が内蔵され、バッテリ管理システムが過熱、過放電、過電流、短絡などに対する保護機能を有するため、バッテリスレーブ装置がバッテリマスター装置に対して容量の拡張を提供するとともに、バッテリスレーブ装置の内蔵のBMSによりバッテリマスター装置と通信することができ、バッテリマスター装置が、接続された電源のタイプを取得することができ、これによって接続された電源がバッテリスレーブ装置であると確認できたあと、バッテリマスター装置によりバッテリスレーブ装置の導通のタイミングおよび遮断のタイミングを制御して、バッテリマスター装置の電気的安全を保障し、並列給電の安全性および給電効率を向上させることができる。
【0021】
本開示の実施例において、接続された外部電源装置に対してバッテリスレーブ装置の識別を行うことにより、バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置との使用安全性を向上させるだけでなく、バッテリ容量拡張の信頼性を向上させ、さらに、並列給電の安全性を効果的に向上させ、バッテリマスター装置の使用寿命を効果的に延ばすことができる。
【0022】
本開示の実施例は、モバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法および装置を提供する。以下、実施例を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本開示の実施例によるモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法の模式的フローチャートである。
図1に示すように、該マスタースレーブ協働容量拡張方法は、バッテリマスター装置に適用され、下記のステップを含む。
【0024】
ステップ101:接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定する。
【0025】
本開示の実施例において、外部電源装置、例えば、外部電源(放電器、標準アダプター以外のアダプター)またはバッテリスレーブ装置が、バッテリマスター装置に接続される場合、バッテリマスター装置の動作安全性を保証するため、バッテリマスター装置により、接続された外部電源装置による電圧範囲が耐電圧範囲内にあるか否かを判断する。したがって、外部電源装置の接続を検出したとき、容量拡張を行うか否かを確定するため、接続された外部電源装置の電圧を取得し、接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあるか否かを判断する。
【0026】
本開示の実施例において、選択可能な一実施例として、電圧閾値範囲が9V~18Vである。接続された外部電源装置の電圧が9V~18V内にある場合、接続された外部電源装置の電圧範囲が要件を満たすと確定し、これによって、バッテリマスター装置を効果的に保護することができる。
【0027】
本開示の実施例において、選択可能な一実施例として、前記電圧が所定の電圧閾値範囲内にあると確定したあと、さらに外部電源装置がバッテリスレーブ装置であるか非バッテリスレーブ装置であるかを判断する必要があり、バッテリスレーブ装置である場合のみ、本開示の実施例による方法を採用する。したがって、該方法は、バッテリマスター装置の電源状態を外部電源装置未確定状態に切り替えるステップをさらに含む。
【0028】
本開示の実施例において、選択可能な一実施例として、電源状態は、マスタースレーブ状態、アイドル状態、外部電源接続状態、外部電源装置未確定状態、電源異常状態を含むが、これらに限定されない。
【0029】
本開示の実施例において、選択可能な他の一実施例として、該方法は、前記電圧が所定の電圧閾値範囲内のものではない場合、バッテリマスター装置の電源状態を電源異常状態に切り替え、前記電圧が前記電圧閾値範囲の電圧上限閾値を上回ったとき、予め設置された過電圧保護回路をトリガーするステップをさらに含む。
【0030】
本開示の実施例において、電圧が所定の電圧閾値範囲内のものではない場合、電源異常状態になる。電圧が電圧閾値範囲の電圧上限閾値を上回った場合、バッテリマスター装置を効果的に保護するように、過電圧保護をトリガーする。電圧が電圧閾値範囲の電圧下限閾値よりも低く、例えば9V未満であった場合、バッテリマスター装置の電源状態を電源異常状態に切り替えたあと、如何なる動作も実行しなく、すなわち保護も放電の提示も行わない。
【0031】
ステップ102:前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きい場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定する。
【0032】
本開示の実施例において、バッテリマスター装置のマスター装置電圧を取得し、バッテリマスター装置のマスター装置電圧がバッテリスレーブ装置の電圧以上である場合、バッテリスレーブ装置がバッテリマスター装置に対して放電を行うことができない。選択可能な一実施例として、前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きいことを確定するステップは、前記マスター装置電圧が前記電圧以上である場合、所定の電圧読み取り周期に従って、前記マスター装置電圧が前記電圧より小さくなるまで前記マスター装置電圧およびバッテリスレーブ装置の電圧を読み取るステップを含む。
【0033】
本開示の実施例において、バッテリマスター装置の電圧が比較的高い場合、外部へ給電する過程において、電圧が漸次低下し、そのため、電圧読み取り周期に従って電圧の検出を行う。選択可能な一実施例として、電圧読み取り周期(時間間隔)は、実際のニーズに応じて設定することができ、例えば、3分間、5分間などである。
【0034】
本開示の実施例において、選択可能な一実施例として、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップは、前記外部電源装置に所定のコマンドを送信し、前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップを含む。
【0035】
本開示の実施例において、接続された外部電源装置の電圧が要件を満たすと確定したあと、接続された外部電源装置がバッテリスレーブ装置であるか否かを確定する必要がある。外部電源装置がバッテリスレーブ装置である場合、本開示の実施例による方法を採用し、外部電源装置がバッテリスレーブ装置ではない場合、例えば放電器である場合、本開示の実施例で説明する内容に該当しない。選択可能な一実施例として、バッテリマスター装置は、インターフェースがrs485通信可能であるピンによりコマンドを送信する。
【0036】
本開示の実施例において、選択可能な一実施例として、前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップは、バッテリマスター装置が前記外部電源装置にコマンドを送信するステップと、前記コマンドに対する応答がなくまたは前記応答が既定の応答に合致しない場合、前記電源状態を外部電源接続状態に切り替えるステップと、前記応答が所定の応答に合致する場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するステップと、を含み、前記バッテリマスター装置および前記バッテリスレーブ装置に通信用のプロトコルが設定されている。
【0037】
本開示の実施例において、バッテリにおいて、バッテリ同士の互いの通信のためのプロトコルおよび通信メカニズムが予め設定されている。このようにすれば、バッテリマスター装置に接続された外部電源装置がバッテリスレーブ装置である場合、該バッテリスレーブ装置が、受信したコマンドに対して正確に応答することができる。
【0038】
本開示の実施例において、接続された外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定できたあと、電源状態を外部電源装置未確定状態からマスタースレーブ状態に切り替える。
【0039】
ステップ103:前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通する。
【0040】
本開示の実施例において、電圧差が電圧差閾値よりも小さい場合、バッテリマスター装置の、バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通する。
【0041】
本開示の実施例において、選択可能な一実施例として、該方法は、前記電圧差が前記電圧差閾値以上である場合、前記バッテリスレーブ装置を放電させ、所定の電圧差読み取り周期に従って、前記電圧差が前記電圧差閾値よりも小さくなるまで前記バッテリスレーブ装置の電圧を読み取るステップをさらに含む。
【0042】
本開示の実施例において、電圧差が電圧差閾値以上である場合、バッテリマスター装置の、バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路が遮断状態である。
【0043】
ステップ104:前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御する。
【0044】
本開示の実施例において、前記放電回路の放電電流を取得する。選択可能な一実施例として、前記放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するステップは、
【0045】
前記放電電流が前記第1電流閾値以下である場合、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するステップと、
【0046】
前記放電電流が前記第1電流閾値よりも大きくかつ前記第2電流閾値よりも小さい場合、前記放電回路を介して前記バッテリスレーブ装置から放電し、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第1電流閾値以下になると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するステップと、
【0047】
前記放電電流が前記第2電流閾値以上である場合、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第2電流閾値よりも小さくなると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通するステップと、を含む。
【0048】
本開示の実施例において、バッテリマスター装置の、バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通したあと、放電電流の検出を行い、放電電流が第2電流閾値以上である場合、バッテリマスター装置の、バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断し、所定の電流読み取り周期を経ったあと、バッテリマスター装置の、バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通し、さらに放電電流を読み取り、このように繰り返し、放電電流が第2電流閾値よりも小さくなると、バッテリスレーブ装置の正常な放電を実現する。または、バッテリマスター装置の、バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通する回数が所定の回数になり、例えば、5回になったとき、放電電流が依然として第2電流閾値以上であると、バッテリマスター装置の、バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断したあと、マスター装置の電源状態を電源異常状態に切り替える。
【0049】
本開示の実施例において、選択可能な一実施例として、電圧差閾値が0.3ボルトであり、電圧差読み取り周期が30秒であり、電流読み取り周期が30秒であり、第1電流閾値が0.5アンペアであり、第2電流閾値が50アンペアである。
【0050】
本開示の実施例において、バッテリマスター装置とバッテリスレーブ装置とがカスケードラインにより接続され、バッテリマスター装置がバッテリスレーブ装置に位置し、カスケード接続されたあと、バッテリマスター装置の電源状態がマスタースレーブ状態になる。
【0051】
以下、具体的な一実施例を挙げて説明する。
【0052】
本開示の実施例において、バッテリマスター装置の電圧が、接続されたバッテリスレーブ装置の電圧よりも大きい場合、バッテリマスター装置は、インターフェースがrs485通信可能であるピンによりコマンドを送信し、それに対する応答がなくまたは応答が間違った場合、外部電源接続状態になる。応答が正確である場合、マスタースレーブ状態になり、マスター装置電圧がバッテリスレーブ装置電圧よりも小さくなるまでバッテリマスター装置が30秒ごとにバッテリスレーブ装置電圧を読み取る。
【0053】
バッテリマスター装置電圧が、接続された電源の電圧よりも小さい場合、バッテリマスター装置はインターフェースがrs485通信可能であるピンによりコマンドを送信し、それに対する応答がなくまたは応答が間違った場合、外部電源接続状態になる。応答が正確である場合、マスタースレーブ状態になり、バッテリマスター装置とバッテリスレーブ装置との電圧差を判断し、バッテリスレーブ装置電圧がバッテリマスター装置電圧よりも大きくかつ電圧差が0.3V超である場合、バッテリマスター装置がフロントエンドmosをオンにし、バッテリスレーブ装置を放電させ、充電mosをオフにし、電圧差が0.3V未満になるまで30秒ごとにバッテリスレーブ装置電圧を読み取る。
【0054】
バッテリスレーブ装置電圧がマスター装置電圧よりも大きくかつ電圧差が0.3V未満である場合、バッテリマスター装置が充電mosおよび放電mosをオンにし、このとき、バッテリマスター装置が放電電流を判断する。放電電流が0.5A以下である場合、バッテリスレーブ装置が電力補充機能を発揮することができなく、フロントエンドmosを遮断するようにバッテリマスター装置によりバッテリスレーブ装置を制御する。充電電流が0.5A超かつ電流が50A未満である場合、充電mosをオンにし、電流が0.5A未満になるまで30秒ごとに電流を確認する。電流が50A超である場合、バッテリマスター装置がタイマーをオンにし、15s後、電流が50A未満であると、バッテリマスター装置が充電mosをオンにし、電流が50A超であると、バッテリマスター装置の電源状態を電源異常状態に切り替える。
【0055】
本開示の実施例において、外部電源装置を接続するたびに、バッテリマスター装置のピンにおける通信インターフェースによりコマンドを送信することにより、接続された外部電源装置がバッテリスレーブ装置であるか充電器であるかを正確に識別することができ、電圧検出、電流検出により、バッテリスレーブ装置の導通および遮断を実現し、カスケード接続の安全性を保証し、並列給電の過程において短絡または過電圧または過放電などを防止し、並列給電の安全性を効果的に向上させ、給電効率を確保することができる。さらに、本開示の実施例において、バッテリスレーブ装置は、単独に使用することができ、警報および保護のシステムを備えるため、安全性がより高く、バッテリスレーブ装置の適用範囲がより広くなる。
【0056】
図2は、本開示の実施例によるモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張装置の模式的構成図である。
図2に示すように、該装置は、接続電圧検出モジュール201と、電圧判断モジュール202と、バッテリスレーブ装置検出モジュール203と、電圧差取得モジュール204と、放電制御モジュール205とを備える。
【0057】
接続電圧検出モジュール201は、接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定するように構成される。
【0058】
本開示の実施例において、接続電圧検出モジュール201は、外部電源装置の接続を検出したとき、接続された外部電源装置の電圧を取得する。選択可能な一実施例として、接続電圧検出モジュール201は、さらに、前記電圧が所定の電圧閾値範囲内のものではない場合、バッテリマスター装置の電源状態を電源異常状態に切り替え、前記電圧が前記電圧閾値範囲の電圧上限閾値を上回ったとき、予め設置された過電圧保護回路をトリガーするように構成される。
【0059】
電圧判断モジュール202は、前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きいことを確定した場合、バッテリスレーブ装置検出モジュール203に通知するように構成される。
【0060】
本開示の実施例において、電圧判断モジュール202は、バッテリマスター装置のマスター装置電圧を取得し、前記電圧が前記マスター装置電圧よりも大きいことを確定するように構成される。選択可能な一実施例として、電圧判断モジュール202は、具体的に、前記マスター装置電圧が前記電圧以上である場合、所定の電圧読み取り周期に従って、前記マスター装置電圧が前記電圧よりも小さくなるまで前記マスター装置電圧およびバッテリスレーブ装置の電圧を読み取るように構成される。
【0061】
バッテリスレーブ装置検出モジュール203は、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するように構成される。
【0062】
本開示の実施例において、バッテリスレーブ装置検出モジュール203は、外部電源装置に所定のコマンドを送信し、前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するように構成される。
【0063】
選択可能な一実施例として、バッテリスレーブ装置検出モジュール203は、バッテリマスター装置が前記外部電源装置にコマンドを送信するように構成されるコマンド送信ユニット(図示しない)と、前記コマンドに対する応答がなくまたは前記応答が既定の応答に合致しない場合、前記電源状態を外部電源接続状態に切り替えるように構成される第1マッチングユニットと、前記応答が所定の応答に合致する場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するように構成される第2マッチングユニットと、を備え、前記バッテリマスター装置および前記バッテリスレーブ装置に通信用のプロトコルが設定されている。
【0064】
電圧差取得モジュール204は、前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通するように構成される。
【0065】
本開示の実施例において、電圧差取得モジュール204は、前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差を算出する。選択可能な一実施例として、電圧差取得モジュール204は、さらに、前記電圧差が前記電圧差閾値以上である場合、前記バッテリスレーブ装置を放電させ、所定の電圧差読み取り周期に従って、前記電圧差が前記電圧差閾値よりも小さくなるまで前記バッテリスレーブ装置の電圧を読み取るように構成される。
【0066】
放電制御モジュール205は、前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するように構成される。
【0067】
本開示の実施例において、放電制御モジュール205は、前記放電回路の放電電流を取得し、放電電流、第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、放電回路を、バッテリスレーブ装置から放電するように制御する。選択可能な一実施例として、電圧差閾値が0.3ボルトであり、電圧差読み取り周期が30秒であり、電流読み取り周期が30秒であり、第1電流閾値が0.5アンペアであり、第2電流閾値が50アンペアである。
【0068】
本開示の実施例において、選択可能な一実施例として、放電制御モジュール205は、
【0069】
前記放電電流が前記第1電流閾値以下である場合、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するように構成される第1閾値判断ユニット(図示しない)と、
【0070】
前記放電電流が前記第1電流閾値よりも大きくかつ前記第2電流閾値よりも小さい場合、前記放電回路を介して前記バッテリスレーブ装置から放電し、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第1電流閾値以下になると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するように構成される第2閾値判断ユニットと、
【0071】
前記放電電流が前記第2電流閾値以上である場合、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第2電流閾値よりも小さくなると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通するように構成される第3閾値判断ユニットと、を備える。
【0072】
図3に示すように、本出願の一実施例は、
図1に示すモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法を実行するためのコンピュータデバイス300を提供する。該デバイスは、メモリ301と、バスを介してメモリ301と接続されるプロセッサ302と、該メモリ301に記憶されているとともに該プロセッサ302により実行可能なコンピュータプログラムとを備える。上記のプロセッサ302により上記のコンピュータプログラムを実行すると、上記のモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法のステップが実行される。
【0073】
具体的に、上記のメモリ301およびプロセッサ302は、汎用のメモリおよびプロセッサであり得、ここで具体的に限定されない。プロセッサ302によりメモリ301に記憶されたコンピュータプログラムを実行すると、上記のモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法が実行される。
【0074】
図1に示すモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法に対応し、本出願の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記のモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法のステップが実行される。
【0075】
具体的に、該記憶媒体は、携帯型磁気ディスク、ハードディスクなどの汎用の記憶媒体であり得る。該記憶媒体におけるコンピュータプログラムが実行されると、上記のモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法が実行される。
【0076】
本出願に係る実施例において、記載されたシステムおよび方法は、他の方式により実現することが可能である。上記説明されたシステムの実施例は、例示的なものにすぎない。例えば、前記ユニットの区分は、単に論理的な機能的区分であり、実際の実現では別の区分方式を用いてもてもよい。また、複数のユニットまたはコンポーネントを組み合わせ、または別のシステムに統合してもよく、あるいは一部の特徴を省略または不実行にしてもよい。また、示したまたは論じた相互結合または直接結合または通信接続は、通信インターフェース、システムまたはユニットを介する間接結合または通信接続であってもよく、電気的接続、機械的接続または他の形式の接続であってもよい。
【0077】
分離の部品として説明されたユニットは、物理的な分離であってもなくてもよい。ユニットとして示した部材は、物理的なユニットであってもなくてもよく、つまり、同一の位置に配置してもよく、複数のユニットに分散してもよい。実際の要求に応じて一部または全部のユニットを選択して本実施例の案の目的を実現することが可能である。
【0078】
また、本出願の実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合してもよく、独立した物理的な存在として機能してもよく、2つ以上のユニットを1つのユニットに統合してもよい。
【0079】
前記機能がソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されることが可能である。このような理解から、本出願の技術案のそのもの、あるいは従来技術に寄与できる部分、あるいは該技術案の一部は、ソフトウェア製品の形式で実現できる。該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パソコン、サーバ、あるいはネットワーク装置など)により本出願の各実施例における上記方法の全部または一部のステップを実行するための複数のコマンドを含む。上記の記憶媒体は、USBディスク、携帯型ハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスクまたは光ディスクなどの各種の、プログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0080】
同様な符号は、図面において同様なものを示すので、1つの図面で定義された場合、他の図面でさらに定義、解釈することが不要になる。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、区別して説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示または暗示するものではない。
【0081】
上記の実施例は、本出願の技術案を説明するための具体的な実施形態にすぎず、本出願を限定するものではないので、本出願の保護範囲がこれに限定されない。上記の実施例を用いて本出願を詳しく説明したが、当業者は、本出願による技術的範囲内において、上記の実施例に記載された技術案に対して改良または変更を行うことができ、またはその中の技術的特徴の一部に対して均等置換を行うこともできる。これらの改良、変更または置換は、該当技術案の本質を本出願の実施例の技術案の主旨や範囲から逸脱させなく、いずれも本出願の保護範囲に属するものである。このため、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずる。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定するステップと、
前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きい場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するステップと、
前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通するステップと、
前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するステップと、を含む
ことを特徴とするモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項2】
前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップは、
前記外部電源装置に所定のコマンドを送信し、前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項3】
前記コマンドに対する前記外部電源装置の応答に基づいて、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するステップは、
前記コマンドに対する応答がなくまたは前記応答が既定の応答に合致しない場合、前記電源状態を外部電源接続状態に切り替えるステップと、
前記応答が所定の応答に合致する場合、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であると確定するステップと、を含み、
前記バッテリマスター装置および前記バッテリスレーブ装置に通信用のプロトコルが設定されている
ことを特徴とする請求項2に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項4】
前記マスター装置電圧が前記電圧以上である場合、所定の電圧読み取り周期に従って、前記マスター装置電圧が前記電圧よりも小さくなるまで前記マスター装置電圧およびバッテリスレーブ装置の電圧を読み取るステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項5】
前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するステップは、
前記放電電流が前記第1電流閾値以下である場合、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するステップと、
前記放電電流が前記第1電流閾値よりも大きくかつ前記第2電流閾値よりも小さい場合、前記放電回路を介して前記バッテリスレーブ装置から放電し、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第1電流閾値以下になると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を遮断するステップと、
前記放電電流が前記第2電流閾値以上である場合、所定の電流読み取り周期に従って放電電流を読み取り、放電電流が前記第2電流閾値よりも小さくなると、前記バッテリマスター装置の、前記バッテリスレーブ装置から放電するための放電回路を導通するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項6】
前記電圧差が前記電圧差閾値以上である場合、前記バッテリスレーブ装置を放電させ、所定の電圧差読み取り周期に従って、前記電圧差が前記電圧差閾値よりも小さくなるまで前記バッテリスレーブ装置の電圧を読み取るステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項7】
前記電圧が所定の電圧閾値範囲内のものではない場合、バッテリマスター装置の電源状態を電源異常状態に切り替え、前記電圧が前記電圧閾値範囲の電圧上限閾値を上回ったとき、予め設置された過電圧保護回路をトリガーするステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のマスタースレーブ協働容量拡張方法。
【請求項8】
接続電圧検出モジュールと、電圧判断モジュールと、バッテリスレーブ装置検出モジュールと、電圧差取得モジュールと、放電制御モジュールとを備え、
前記接続電圧検出モジュールは、接続された外部電源装置の電圧が所定の電圧閾値範囲内にあることを確定するように構成され、
前記電圧判断モジュールは、前記電圧がバッテリマスター装置のマスター装置電圧よりも大きいことを確定した場合、バッテリスレーブ装置検出モジュールに通知するように構成され、
前記バッテリスレーブ装置検出モジュールは、前記外部電源装置がバッテリスレーブ装置であることを確定するように構成され、
前記電圧差取得モジュールは、前記電圧と前記マスター装置電圧との電圧差が所定の電圧差閾値よりも小さい場合、前記バッテリスレーブ装置とバッテリマスター装置の放電回路を導通するように構成され、
前記放電制御モジュールは、前記放電回路の放電電流、所定の第1電流閾値および第2電流閾値に基づいて、前記放電回路を、前記バッテリスレーブ装置から放電するように制御するように構成される
ことを特徴とするモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張装置。
【請求項9】
コンピュータデバイスであって、
プロセッサと、メモリと、バスとを備え、
前記メモリに前記プロセッサにより実行可能なマシン読み取り可能なコマンドが記憶されており、コンピュータデバイスが作動するとき、前記プロセッサと前記メモリとがバスを介して通信し、前記マシン読み取り可能なコマンドが前記プロセッサにより実行されると、請求項1~
5のいずれか1項に記載のモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法のステップが実行される
ことを特徴とするコンピュータデバイス。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~
5のいずれか1項に記載のモバイルバッテリのマスタースレーブ協働容量拡張方法のステップが実行される
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【国際調査報告】