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特表2024-542352反応性染料及びこれを使用した感光性組成物
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  • 特表-反応性染料及びこれを使用した感光性組成物 図1
  • 特表-反応性染料及びこれを使用した感光性組成物 図2
  • 特表-反応性染料及びこれを使用した感光性組成物 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】反応性染料及びこれを使用した感光性組成物
(51)【国際特許分類】
   C09B 67/22 20060101AFI20241108BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20241108BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20241108BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20241108BHJP
   H10K 59/40 20230101ALI20241108BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20241108BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20241108BHJP
   H10K 85/10 20230101ALI20241108BHJP
   H10K 71/20 20230101ALI20241108BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20241108BHJP
   C09B 69/10 20060101ALI20241108BHJP
   C09B 57/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
C09B67/22 Z CSP
G03F7/004 505
H10K59/10
H10K50/844
H10K59/40
H10K59/38
H10K59/124
H10K85/10
H10K71/20
C09B67/20 F
C09B69/10 Z
C09B57/00 X
C09B57/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517099
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 KR2022014135
(87)【国際公開番号】W WO2023080442
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0152579
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515127979
【氏名又は名称】ドク サン ネオルクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ハンウック
(72)【発明者】
【氏名】イ,チャンミン
(72)【発明者】
【氏名】コ,ユン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジェヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒョンサン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ダ ホン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ソン ユン
【テーマコード(参考)】
2H225
3K107
【Fターム(参考)】
2H225AC31
2H225AC42
2H225AC74
2H225AD06
2H225AM22P
2H225AM23P
2H225AM32P
2H225AM62P
2H225AM64P
2H225AN39P
2H225AN91P
2H225AN98P
2H225BA16P
2H225BA17P
2H225BA35P
2H225CA14
2H225CA16
2H225CA24
2H225CB02
2H225CC01
2H225CC13
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC07
3K107CC23
3K107CC45
3K107DD90
3K107DD97
3K107EE23
3K107EE49
3K107EE66
3K107FF06
3K107FF13
3K107FF14
3K107FF15
3K107FF18
3K107HH05
(57)【要約】
本発明の一実施形態によれば、外部太陽光により変形されない優れた耐光性を有し、低い温度で成形されても、工程中、他の溶媒により色が変形されない優れた耐化学性を有した染料、このような染料を適用した感光性樹脂組成物、及びこれを適用したディスプレイ装置を提供するためのものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(1)で表される構造を含む発色団と、
化学式(2)で表される構造を含み、前記発色団を囲む保護基と、
を備える反応性染料。
【化1】

前記化学式(1)において、
1)L~Lは、互いに独立的に単一結合;フルオレニレン基;C~C30のアルキレン;C~C30のシクロアルキレン基;C~C30のアルコキシレン基;C~C30のポリエチレンオキシ基;C~C30のアリーレン基;C~C30のヘテロ環;またはこれらの組み合わせであり、
2)X~Xは、互いに独立的に水素;重水素;フルオレニル基;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルオキシ基;C~C30のシクロアルキル基;または化学式(A)であり、
3)X~Xのうち、少なくとも1つ以上は、化学式(A)であり、
【化2】

3-1)*は、L~LまたはNと結合される部分であり、
3-2)pは0~1の整数であり、
3-3)化学式(A)がNと直接結合する場合、pは0であり、
3-4)R13及びR14は、互いに独立的に水素またはメチル基であり、
4)X~X12は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;フルオレニル基;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルオキシ基;C~C30のシクロアルキル基;またはC~C30のアルキルアミン基であり、
5)X~X12は、互いに結合して環を形成でき、
【化3】

前記化学式(2)において、
6)Z及びZは、互いに独立的に炭素原子または窒素原子であり、
7)Y~Y14は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;フルオレニル基;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルオキシ基;C~C30のシクロアルキル基;またはC~C30のアルキルアミン基であり、
8)Y~Y14は、互いに結合して環を形成でき、
9)前記X~X14、Y~X14、及びL~Lは、各々重水素;ハロゲン;C~C30のアルキル基またはC~C30のアリール基に置換または非置換されたシラン基;シロキサン基;ホウ素基;ゲルマニウム基;シアノ基;アミノ基;ニトロ基;C~C30のアルキルチオ基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルアルコキシ基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアリール基;重水素に置換されたC~C30のアリール基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPからなる群より選ばれた少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環基;C~C30のアリルアルキル基;C~C30のアリルアルケニル基と、これらの組み合わせからなる群より選ばれた1つ以上の置換基にさらに置換されることができ、隣接した置換基同士に環を形成できる。
【請求項2】
前記X及びXのうち、少なくとも1つは、化学式(A)であり、前記X及びXのうち、少なくとも1つは、化学式(A)であることを特徴とする請求項1に記載の反応性染料。
【請求項3】
前記X~Xのうち、化学式(A)が置換されなかった残りは、互いに独立的にC~C30のアリール基;C~C30のアルキル基;またはC~C30のシクロアルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の反応性染料。
【請求項4】
前記X~Xのうち、化学式(A)が置換されなかった残りは、C~C30のアリール基であり、前記C~C30のアリール基に互いに独立的にC~C30のアルキル基が追加置換されたことを特徴とする請求項2に記載の反応性染料。
【請求項5】
前記化学式(1)で表される構造を含む発色団は、520nm~680nmの波長で最大吸収ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の反応性染料。
【請求項6】
前記化学式(2)で表される構造を含む保護基のケージ幅は、6.5Å~7.5Åであり、前記保護基の体積は、10Å~16Åであることを特徴とする請求項1に記載の反応性染料。
【請求項7】
前記化学式(1)で表される構造を含む発色団及び前記化学式(2)で表される構造を含む保護基を1:1のモル比で含むことを特徴とする請求項1に記載の反応性染料。
【請求項8】
アルカリ可溶性樹脂と、反応性不飽和化合物と、光開始剤と、前記請求項1の反応性染料と、溶媒とを含む感光性組成物。
【請求項9】
前記染料は、溶媒を除いた固形分基準0.1重量%~50重量%を含むことを特徴とする請求項8に記載の感光性組成物。
【請求項10】
前記成分に着色剤をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の感光性組成物。
【請求項11】
前記着色剤が調色染料及び顔料のうち、少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする請求項10に記載の感光性組成物。
【請求項12】
前記反応性染料及び前記着色剤を1:9~9:1の重量比で含むことを特徴とする請求項10に記載の感光性組成物。
【請求項13】
前記反応性染料と着色剤とを合わせて溶媒を除いた固形分基準0.1重量%~50重量%を含むことを特徴とする請求項10に記載の感光性組成物。
【請求項14】
前記成分に量子点をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の感光性組成物。
【請求項15】
前記反応性染料及び量子点を1:9~9:1の重量比で含むことを特徴とする請求項14に記載の感光性組成物。
【請求項16】
前記アルカリ可溶性樹脂は、化学式(3)の繰り返し単位を含む樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の感光性組成物。
【化4】

前記化学式(3)において、
1)*は、繰り返し単位で結合が連結される部分を表し、
2)nは、2~200,000の繰り返し単位であり、
3)R21及びR22は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基;カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
4)R21及びR22は、それぞれ隣接した基と環形成が可能であり、
5)i及びjは、互いに独立的に0~4の整数であり、
6)B11は、単一結合、O、CO、SO、CR’R’’、SiR’R’’、化学式(D)または化学式(E)であり、
6-1)R’~R’’は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基、C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
6-2)R’~R’’は、それぞれ隣接した基と環形成が可能であり、
【化5】

前記化学式(D)及び化学式(E)において、
6-3)*は、結合位置を表し、
6-4)B23は、O,S,SOまたはNR’であり、
6-5)R’は、水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロを含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基、C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
6-6)R23及びR26は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
6-7)R23及びR26は、それぞれ隣接した基と環形成が可能であり、
6-8)k~nは、互いに独立的に0~4の整数であり、
7)B21は、フルオレニル基;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルオキシ基;またはこれらの組み合わせであり、
8)A21及びA22は、互いに独立的に化学式(F)または化学式(G)であり、
【化6】

前記化学式(F)及び化学式(G)において、
8-1)*は、結合位置を表し、
8-2)R27~R30は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
8-3)C21及びC22は、互いに独立的に化学式(H)であり、
【化7】

8-3-1)*は、結合位置を表し、
8-3-2)R31は、水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
8-3-3)L21は、単一結合;フルオレニレン基;C~C30のアルキレン;C~C30のアリーレン;C~C30のヘテロ環;またはC~C30のアルコキシレンであり、
8-4)化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂内で化学式(F)と化学式(G)との割合は、1:9~9:1であり、
9)前記R21、R31、R’、R’’、B21、L21及び隣接した基同士に互いに結合して形成した環は、それぞれ重水素;ハロゲン;C~C30のアルキル基又はC~C30のアリール基に置換又は非置換されたシラン基;シロキサン基;ホウ素基;ゲルマニウム基;シアノ基;アミノ基;ニトロ基;C~C30のアルキルチオ基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールアルコキシ基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアリール基;重水素に置換されたC~C30のアリール基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPからなる群より選ばれた少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環基;C~C30のアリールアルキル基;C~C30のアリールアルケニル基;及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれた1つ以上の置換基にさらに置換されることができ、隣接した置換基同士に環を形成することができる。
【請求項17】
前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、1,000~100,000g/molである請求項16に記載の感光性組成物。
【請求項18】
前記化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂は、前記感光性組成物総量に対して1~50重量%で含まれることを特徴とする請求項16に記載の感光性組成物。
【請求項19】
前記反応性不飽和化合物は、前記感光性樹脂組成物総量に対して1~50重量%で含まれることを特徴とする請求項8に記載の感光性組成物。
【請求項20】
前記開始剤は、前記感光性樹脂組成物総量に対して0.01~10重量%で含まれることを特徴とする請求項8に記載の感光性組成物。
【請求項21】
請求項8に記載の感光性組成物で形成されたパターンまたはフィルム。
【請求項22】
プロピレングリコールメチルエーテルアセテートに50℃及び5分間浸漬させた前後の450~620nmでの透過度差が0.01~2.5%であることを特徴とする請求項21に記載のパターンまたはフィルム。
【請求項23】
請求項21に記載のパターンまたはフィルムを含む有機発光表示装置。
【請求項24】
平坦層、有機発光素子層、封止層、タッチパネル、カラーフィルタのうち1つ以上が前記パターンまたはフィルムを含むことを特徴とする請求項23に記載の有機発光表示装置。
【請求項25】
請求項23の表示装置及び前記表示装置を駆動する制御部を備える電子装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、反応性基がある新規構造の保護基と発色団で構成された染料、これを含む感光性組成物、及び前記感光性組成物を適用した有機発光表示装置に関する。
【0002】
〔背景技術〕
Flexible OLED displayは、変形される曲率を下げるために様々な構造が提案されており、そのうち1つが無偏光板OLED displayである。偏光板は、LCDでは必須的な技術であるが、OLEDでは、外部から入射された光がパネル内で反射されて出ることを防止することにより視認性を高めるために使用される。
【0003】
偏光板は、種々の層からなる複合フィルムであって、厚みが厚く、flexible OLED displayで曲率を低くするのに問題になる。また、偏光板は、OLED内部で発光される光の50~60%を吸収して高い電力消費を引き起こし、発光層にさらに高い輝度の光を出すために高い電流が印加されるので寿命にも影響を及ぼす。
【0004】
このような短所を補完するために、偏光板を除いた無偏光板OLED displayが注目を浴びている。偏光板を除去するために、様々な技術が提案されているが、そのうち、最も関心を受ける技術は、カラーフィルタをOLED発光層上部に導入して内部で反射された光の色相をフィルタリングするものである。
【0005】
しかし、偏光板を除去する場合、カラーフィルタに使用される着色剤が外部の太陽光に影響を受けて、初期と異なる光特性を見せることが問題になっており、カラーフィルタ形成工程で下部に蒸着されたOLED発光層に影響を与えないようにするために、低い温度でパターンを形成しなければならないという問題がある。
【0006】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術の問題点を解決しようとして、本発明の一実施形態は、外部太陽光により変形されない優れた耐光性を有し、低い温度で成形されても、工程中、他の溶媒により色が変形されない優れた耐化学性を有した染料、このような染料を適用した感光性樹脂組成物、及びこれを適用したディスプレイ装置を提供するためのものである。
【0007】
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、下記の化学式(1)で表される構造を含む発色団と、化学式(2)で表される構造を含み、前記発色団を囲む保護基とを備える反応性染料を提供する。
【0008】
【化1】
【0009】
さらに他の具体例として、本発明は、アルカリ可溶性樹脂と、反応性不飽和化合物と、光開始剤と、第1項の反応性染料と、溶媒とを含む感光性組成物を提供する。
【0010】
前記アルカリ可溶性樹脂は、化学式(3)の繰り返し単位を含む樹脂を含むことが好ましい。
【0011】
【化2】
【0012】
さらに他の具体例として、本発明は、前記感光性樹脂組成物で形成されたパターンまたはフィルムを提供する。
【0013】
さらに他の具体例として、本発明は、前記パターンまたはフィルムを含む有機発光表示装置を提供する。
【0014】
さらに他の具体例として、本発明は、前記表示装置及び前記表示装置を駆動する制御部を備える電子装置を提供する。
【0015】
〔発明の効果〕
本発明は、外部太陽光により変形されない優れた耐光性を有し、低い温度で成形されても、工程中、他の溶媒により色が変形されない優れた耐化学性を有した染料、このような染料を適用した感光性樹脂組成物、及びこれを適用したディスプレイ装置を提供するためのものである。
【0016】
〔図面の簡単な説明〕
図1〕本発明を実現するための表示装置を概念的に示したものである。
【0017】
図2〕及び〔図3〕本発明に係る化学式(1)及び化学式(2)を代表的に示したものである。
【0018】
〔発明の実施のための最善の形態〕
本発明は、下記の化学式(1)で表される構造を含む発色団と、化学式(2)で表される構造を含み、前記発色団を囲む保護基とを備える反応性染料を提供する。
【0019】
【化3】
【0020】
〔発明の実施のための形態〕
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加する時、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示されていてもできる限り同一の符号を有する。
【0021】
本発明に関する説明において、関連した公知構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明は省略してもよい。本明細書において言及された「含む」、「有する」、「成る」などが使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が追加されてもよい。構成要素を単数で表現した場合に特別な明示的な記載事項がない限り、複数を含む。
【0022】
また、本発明の構成要素に関する説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質、順番、順序又は個数などが限定されない。
【0023】
構成要素の位置関係の説明において、2つ以上の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されると記載されている場合、2つ以上の構成要素が直接的に「連結」、「結合」または「接続」されることもあるが、2つ以上の構成要素と他の構成要素がさらに「介在」されて「連結」、「結合」、または「接続」されることもあると理解しなければならない。ここで、他の構成要素は互いに「連結」、「結合」または「接続」される2つ以上の構成要素の1つ以上に含まれてもよい。
【0024】
また、層、膜、領域、板などの構成要素が他の構成要素「の上に」または「上に」あるとする場合、これは他の構成要素の「真上に」ある場合だけでなく、その中間に別の構成要素がある場合も含むと理解されるべきである。逆に、ある構成要素が他の部分の「真上に」あるという場合には、中間にまた別の部分がないことを意味すると理解されるべきである。
【0025】
構成要素や、動作方法や製作方法などに関連した時間的な流れ関係の説明において、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などと時間的な前後関係または流れ的な前後関係が説明される場合、「直ちに」または「直接」が使用されない限り連続的でない場合も含まれる。
【0026】
一方、構成要素に対する数値又はその対応情報が言及された場合、別途の明示的記載がなくても、数値又はその対応情報は各種要因(例:工程上の要因、内部又は外部衝撃、ノイズなど)により発生しうる誤差範囲を含むものと解釈できる。
【0027】
本明細書及び添付の請求の範囲において使用された用語は、本発明の思想を逸脱しない範囲内で、他に言及しない限り下記の通りである。
【0028】
本出願において使用された用語「ハロ」または「ハロゲン」は、別の説明がない限りフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、及びヨウ素(I)を含む。
【0029】
本出願において使用された用語「アルキル」または「アルキル基」は、別の説明がない限り単一結合で連結された1~60の炭素を有し、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環族)基、アルキル-置換されたシクロアルキル基、シクロアルキル-置換されたアルキル基をはじめとする飽和脂肪族作用基のラジカルを意味する。
【0030】
本出願において使用された用語「ハロアルキル基」または「ハロゲンアルキル基」は、別の説明がない限りハロゲンが置換されたアルキル基を意味する。
【0031】
本出願において使用された用語「アルケニル」または「アルキニル」は、別の説明がない限りそれぞれ二重結合または三重結合を有し、直鎖型または側鎖型鎖基を含み、2~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0032】
本出願において使用された用語「シクロアルキル」は別の説明がない限り3~60の炭素数を有する環を形成するアルキルを意味し、これに限定されるものではない。
【0033】
本出願において使用された用語「アルコキシ基」または「アルキルオキシ基」は酸素ラジカルが結合されたアルキル基を意味し、別の説明がない限り1~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0034】
本出願において使用された用語「アルケンオキシル基」、「アルケンオキシ基」、「アルケニルオキシル基」、または「アルケニルオキシ基」は酸素ラジカルが付着したアルケニル基を意味し、別の説明がない限り2~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。
【0035】
本出願において使用された用語「アリール基」及び「アリーレン基」は、別の説明がない限りそれぞれ6~60の炭素数を有するが、これに限定されるものではない。本出願においてアリール基またはアリーレン基は単一環形、環集合体、接合された複数の環系化合物などを含む。例えば、前記アリール基はフェニル基、ビフェニルの1価作用基、ナフタレンの1価作用基、フルオレニル基、置換されたフルオレニル基を含み、アリーレン基はフルオレニレン基、置換されたフルオレニレン基を含む。
【0036】
本出願において使用された用語「環集合体(ring assemblies)」は、2つ又はそれ以上の環系(単一環または接合された環系)が単一結合または二重結合により互いに直接連結されており、このような環間の直接連結の数がその化合物に入っている環系の総数より1つ少ないことを意味する。環集合体は同一または異なる環系が単一結合や二重結合により互いに直接連結されることができる。
【0037】
本出願においてアリール基は環集合体を含むので、アリール基は単一芳香族環であるベンゼン環が単一結合により連結されたビフェニル、ターフェニルを含む。また、アリール基は芳香族単一環と接合された芳香族環系が単一結合により連結された化合物も含むので、例えば、芳香族単一環であるベンゼン環と接合された芳香族環系であるフルオレンが単一結合により連結された化合物も含む。
【0038】
本出願において使用された用語「接合された複数の環系」は、少なくとも2つの原子を共有する接合された(fused)環形態を意味し、2つ以上の炭化水素類の環系が接合された形態及び少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環系が少なくとも1つ接合された形態などを含む。このような接合された複数の環系は、芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環またはこれらの環の組み合わせであってもよい。例えば、アリール基の場合、ナフタレニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基などになるが、これに限定されるものではない。
【0039】
本出願において使用された用語「スピロ化合物」は「スピロ連結(spiro union)」を有し、スピロ連結は2つの環が1つの原子のみを共有することにより成る連結を意味する。このとき、2つの環に共有された原子を「スピロ原子」といい、1つの化合物に入っているスピロ原子の数に応じてこれらをそれぞれ「モノスピロ-」、「ダイスピロ-」、「トライスピロ-」化合物という。
【0040】
本出願において使用された用語「フルオレニル基」、「フルオレニレン基」、「フルオレントリイル基」は、別の説明がない限り、それぞれ下記の構造においてR、R’、R’’及びR’’’が全て水素である1価、2価または3価の作用基を意味し、「置換されたフルオレニル基」、「置換されたフルオレニレン基」または「置換されたフルオレントリイル基」は置換基R、R’、R’’及びR’’’のうち少なくとも1つが水素以外の置換基であることを意味し、RとR’が互いに結合されてこれらが結合された炭素とともにスピロ化合物を形成した場合を含む。本明細書においては、1価、2価、3価などの価数と関係なく、フルオレニル基、フルオレニレン基、フルオレントリイル基を全てフルオレン基と命名することもできる。
【0041】
【化4】
【0042】
また、前記R、R’、R’’及びR’’’はそれぞれ独立的に、1~20の炭素数を有するアルキル基、1~20の炭素数を有するアルケニル基、6~30の炭素数を有するアリール基、2~30の炭素数を有するヘテロ環基であり、例えば、前記アリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン又はフェナントレンであり、前記ヘテロ環基は、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール,イミダゾール、トリアゾール、ピリジン,ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、インドール、ベンゾフランキナゾリン、キノキサリンでありうる。例えば、前記置換されたフルオレニル基及びフルオレニレン基は、それぞれ9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン及び9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]の1価作用基または2価作用基でありうる。
【0043】
本出願において使用された用語「ヘテロ環基」は「ヘテロアリール基」または「ヘテロアリーレン基」のような芳香族環だけでなく非芳香族環も含み、別の説明がない限りそれぞれ1つ以上のヘテロ原子を含む炭素数2~60の環を意味するが、これに限定されるものではない。本出願において使用された用語「ヘテロ原子」は別の説明がない限りN、O、S、PまたはSiを示し、ヘテロ環基はヘテロ原子を含む単一環形、環集合体、接合された複数の環系、スピロ化合物などを意味する。
【0044】
例えば、「ヘテロ環基」は環を形成する炭素の代わりに、下記の化合物のようにSO、P=Oなどのヘテロ原子団を含む化合物も含んでもよい。
【0045】
【化5】
【0046】
本出願において使用された用語「環」は単一環及び多環を含み、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含み、芳香族及び非芳香族環を含む。
【0047】
本出願において使用された用語「多環」はビフェニル、ターフェニルなどの環集合体(ring assemblies)、接合された(fused)複数の環系及びスピロ化合物を含み、芳香族だけでなく非芳香族も含み、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含む。
【0048】
本出願において使用された用語「脂肪族環基」は芳香族炭化水素を除いた環状炭化水素を意味し、単一環形、環集合体、接合された複数の環系、スピロ化合物などを含み、別の説明がない限り炭素数3~60の環を意味するが、これに限定されるものではない。例えば、芳香族環であるベンゼンと非芳香族環であるシクロヘキサンが融合した場合にも脂肪族環に該当する。
【0049】
また、接頭辞が連続して命名される場合、記載された順に置換基が羅列されることを意味する。例えば、アリールアルコキシ基の場合、アリール基に置換されたアルコキシ基を意味し、アルコキシカルボニル基の場合、アルコキシ基に置換されたカルボニル基を意味し、また、アリールカルボニルアルケニル基の場合、アリールカルボニル基に置換されたアルケニル基を意味し、ここで、アリールカルボニル基はアリール基に置換されたカルボニル基である。
【0050】
また、明示的な説明がない限り、本出願において使用された用語「置換または非置換された」において「置換」は重水素、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、C~C30のアルキル基、C~C30のアルコキシ基、C~C30のアルキルアミン基、C~C30のアルキルチオフェン基、C~C30のアリールチオフェン基、C~C30のアルケニル基、C~C30のアルキニル基 、C~C30のシクロアルキル基、C~C30のアリール基、重水素に置換されたC~C30のアリール基、C~C30のアリールアルケニル基、シラン基、ホウ素基、ゲルマニウム基、及びO、N、S、Si及びPからなる群より選ばれた少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基からなる群より選ばれた1つ以上の置換基に置換されることを意味し、これらの置換基に限定されるものではない。
【0051】
本出願において各記号及びその置換基の例として例示されるアリール基、アリーレン基、ヘテロ環基などに該当する「作用基名称」は、「価数を反映した作用基の名称」を記載することもできるが、「母体化合物名称」として記載することもできる。例えば、アリール基の一種である「フェナントレン」の場合、1価の「基」は「フェナントリル(基)」、2価の基は「フェナントリレン(基)」などのように価数を区分して基の名前を記載することもできるが、価数と関係なく母体化合物名称である「フェナントレン」と記載することもできる。
【0052】
同様に、ピリミジンの場合も、価数に関係なく「ピリミジン」と記載するか、1価の場合はピリミジニル(基)と、2価の場合にはピリミジニレン(基)などのように当該価数の「基の名前」として記載することもできる。従って、本出願において置換基の種類を母体化合物名称に記載する場合、母体化合物の炭素原子及び/又はヘテロ原子と結合している水素原子が脱離されて形成されるn価の「基」を意味し得る。
【0053】
また、本明細書においては化合物名称や置換基名称を記載するにおいて、位置を表示する数字やアルファベットなどは省略する場合もある。例えば、ピリド[4,3-d]ピリミジンをピリドピリミジンに、ベンゾフロ[2,3-d]ピリミジンをベンゾフロピリミジンに、9,9-ジメチル-9H-フルオレンをジメチルフルオレンなどのように記載することもできる。従って、ベンゾ[g]キノキサリンやベンゾ[f]キノキサリンを両方ともベンゾキノキサリンと記載することができる。
【0054】
また、明示的な説明がない限り、本出願において使用される化学式は下記の化学式の指数定義による置換基定義と同様に適用される。
【0055】
【化6】
【0056】
ここで、aが0の整数である場合、置換基Rは存在しないことを意味するが、すなわち、aが0である場合はベンゼン環を形成する炭素に全て水素が結合されたことを意味し、このとき、炭素に結合された水素の表示を省略し、化学式や化合物を記載してもよい。また、aが1の整数である場合、1つの置換基Rはベンゼン環を形成する炭素のうちいずれか1つの炭素に結合し、aが2または3の整数である場合、例えば、以下のように結合でき、aが4~6の整数である場合も、これと類似した方式でベンゼン環の炭素に結合し、aが2以上の整数である場合、Rは互いに同一であるか異なることもある。
【0057】
【化7】
【0058】
本出願において別の説明がない限り、環を形成するということは、隣接する基が互いに結合して単一環または接合された複数の環を形成することを意味し、単一環及び形成された接合された複数の環は、炭化水素環はもちろん少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環を含み、芳香族及び非芳香族環を含む。
【0059】
また、本明細書において別の説明がない限り、縮合環を表示する時、「数字-縮合環」において数字は縮合される環の個数を示す。例えば、アントラセン、フェナントレン、ベンゾキナゾリンなどのように3つの環が互いに縮合した形態は3-縮合環と表記できる。
【0060】
一方、本出願において使用された用語「架橋環化合物(bridged bicyclic compound)」は別の説明がない限り、2つの環が3つ以上の原子を共有して環を形成した化合物をいう。このとき、共有する原子は炭素またはヘテロ原子を含む。
【0061】
本出願において有機電気素子は、正極と負極の間の構成物(ら)を意味するか、正極と負極、そしてその間に位置する構成物(ら)を含む有機発光ダイオードを意味することもできる。
【0062】
また、場合によっては、本出願においての表示装置は、有機電気素子、有機発光ダイオードとこれを含むパネルを意味するか、パネルと回路を含む電子装置を意味し得る。ここで、例えば、電子装置は、照明装置、太陽電池、携帯またはモバイル端末(例:スマートフォン、タブレット、PDA、電子辞書、PMPなど)、ナビゲーション端末、ゲーム機、各種TV、各種コンピュータモニターなどを全て含んでもよく、これに制限されることなく、前記構成物(ら)を含みさえすればいかなる形態の装置であってもよい。
【0063】
以下、本発明の実現例を詳しく説明する。ただし、これは例として提示されるもので、これにより本発明が制限されることではなく、本発明は後述する請求の範囲の範疇により定義されるだけである。
【0064】
本発明の一実現例による感光性樹脂組成物は、反応性染料、アルカリ可溶性樹脂、反応性不飽和化合物、光開始剤、溶媒を含み、前記構成要素の他に、着色剤をさらに含むことができる。
【0065】
以下において、各構成要素について具体的に説明する。
【0066】
<(1)反応性染料>
本発明の一実現例による反応性染料は、発色団-保護基染料であって、下記の化学式(1)で表される構造を含む発色団及び前記発色団を囲み、下記の化学式(2)で表される構造を含む保護基を備える。
【0067】
化学式(1)で表される構造を含む発色団と、
化学式(2)で表される構造を含み、前記発色団を囲む保護基と、
を含む反応性染料:
【0068】
【化8】
【0069】
前記化学式(1)において、
1)L~Lは、互いに独立的に単一結合;フルオレニレン基;C~C30のアルキレン;C~C30のシクロアルキレン基;C~C30のアルコキシレン基;C~C30のポリエチレンオキシ基;C~C30のアリーレン基;C~C30のヘテロ環;またはこれらの組み合わせであり、
2)X~Xは、互いに独立的に水素;重水素;フルオレニル基;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルオキシ基;C~C30のシクロアルキル基;または化学式(A)であり、
3)X~Xのうち、少なくとも1つ以上は、化学式(A)であり、
【0070】
【化9】
【0071】
3-1)*は、L1~L4またはNと結合される部分であり、
3-2)pは0~1の整数であり、
3-3)化学式(A)がNと直接結合する場合、pは0であり、
3-4)R13及びR14は、互いに独立的に水素またはメチル基であり、
4)X~X12は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;フルオレニル基;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルオキシ基;C~C30のシクロアルキル基;またはC~C30のアルキルアミン基であり、
5)X~X12は、互いに結合して環を形成でき、
【0072】
【化10】
【0073】
前記化学式(2)において、
6)Z及びZは、互いに独立的に炭素原子または窒素原子であり、
7)Y~Y14は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;フルオレニル基;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルオキシ基;C~C30のシクロアルキル基;またはC~C30のアルキルアミン基であり、
8)Y~Y14は、互いに結合して環を形成でき、
9)前記X~X14、Y~X14、及びL~Lは、各々重水素;ハロゲン;C~C30のアルキル基またはC~C30のアリール基に置換または非置換されたシラン基;シロキサン基;ホウ素基;ゲルマニウム基;シアノ基;アミノ基;ニトロ基;C~C30のアルキルチオ基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルアルコキシ基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアリール基;重水素に置換されたC~C30のアリール基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPからなる群より選ばれた少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環基;C~C30のアリルアルキル基;C~C30のアリルアルケニル基;及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれた1つ以上の置換基にさらに置換されることができ、隣接した置換基同士に環を形成できる。
【0074】
前記化学式(1)で表される構造においてL~Lがポリエチレンオキシ基である場合、前記ポリエチレンオキシ基は、モノエチレンオキシ基、ジエチレンオキシ基、トリエチレンオキシ基、テトラエチレンオキシ基、ペンタエチレンオキシ基、ヘキサエチレンオキシ基、ヘプタエチレンオキシ基、オクタエチレンオキシ基、ノナエチレンオキシ基、デカエチレンオキシ基、ウンデカエチレンオキシ基、ドデカエチレンオキシ基、トリデカエチレンオキシ基、テトラデカエチレンオキシ基、及びペンタデカエチレンオキシ基からなる群より選ばれるいずれの基であることが好ましい。
【0075】
前記化学式(1)で表される構造において前記X及びXのうち、少なくとも1つは、化学式(A)であり、前記X及びXのうち、少なくとも1つは、化学式(A)であることが好ましい。より詳細には、前記X~Xのうち、化学式(A)が置換されなかった残りは、互いに独立的にアリール基、アルキル基、シクロアルキル基からなる群より選ばれる1つであることが好ましく、アリール基であることがさらに好ましい。最も好ましくは、前記アリール基にアルキル基が置換されたことが好ましい。上記のような構造で表される本発明の発色団-保護基染料は、優れた耐光性を確保することができる。
【0076】
一実現例に係る発色団-保護基染料は、スクアレン染料の両末端に2官能のアクリレート基を導入することにより、前記発色団-保護基を含む感光性組成物の耐化学性を確保することができ、好ましい。より詳細には、前記感光性組成物の他の成分、すなわち、後述するアルカリ可溶性樹脂、反応性不飽和化合物との相溶性及び着色力を確保することができ、前記発色団-保護基染料の析出が防止され得る。すなわち、本発明の発色団-保護基染料の場合、優れた耐光性及び耐化学性を有し、カラーフィルタの赤色または緑色染料に適した特性を表す。
【0077】
前記発色団-保護基染料において前記化学式(1)で表される構造を含む発色団は、下記の図式1で見るように、3つの共鳴構造を有するが、本明細書では、都合上、1つの共鳴構造でのみ前記発色団構造を表明しただけである。すなわち、前記化学式(1)で表される構造を含む発色団は、下記の3つの共鳴構造のうち、いずれか1つで表されることができる。
【0078】
【化11】
【0079】
前記化学式(1)で表される構造を含む発色団は、520nm~680nmの波長で最大吸収ピークを有することができる。前記分光特性を有する発色団を備える前記発色団-保護基染料を緑色または赤色染料として使用することにより、高輝度及び優れた耐光性を有するカラーフィルタ用感光性組成物を得ることができる。
【0080】
本発明の一実現例に係る発色団-保護基染料は、発色団及び前記発色団を囲む保護基からなる構造を有する。前記保護基は、化学式(2)で表される構造を含む。具体的に、前記保護基は、巨大環型化合物であることができ、前記保護基が化学式(1)で表される構造を含む発色団を囲みながらコーティング層を形成できる。
【0081】
一実現例では、巨大環型化合物に該当する前記保護基が前記化学式(1)で表される構造を含む発色団を囲む構造により、すなわち、前記巨大環内部に前記化学式(1)で表される化合物が存在する構造を有することにより、発色団-保護基染料の耐久性を向上させることができ、これにより、耐光性及び耐化学性に優れたカラーフィルタを実現できる。
【0082】
前記化学式(2)で表される構造を含む保護基のケージ幅(cage width)は、6.5Å~7.5Åであることができ、前記保護基の体積は、10Å~16Åであることができる。本明細書においてケージ幅(cage width)とは、保護基内部の長さであり、下記の図式2において1番フェニレン基と2番フェニレン基との間の距離を意味する(図式2参照)。前記保護基が前記範囲内のケージ幅を有する場合、前記化学式(1)で表される構造を含む発色団を囲む構造の発色団-保護基染料を得ることができ、これにより、前記発色団-保護基染料を感光性組成物に添加する場合、耐久性に優れ、高輝度を有するカラーフィルタを実現できる。
【0083】
【化12】
【0084】
前記発色団-保護基染料は、前記化学式(1)で表される構造を含む発色団及び前記化学式(2)で表される構造を含む保護基を1:1のモル比で含むことができる。前記発色団及び保護基が前記モル比で存在する場合、前記発色団を囲むコーティング層(保護基)がよく形成され得る。前記化学式(2)で表される構造を含む保護基が前記化学式(1)で表される構造を含む発色団を囲んでいる形態は、下記の図式3のとおりであり、棒形態の発色団が環形態の保護基を貫通している形態である。
【0085】
【化13】
【0086】
前記発色団-保護基染料は、赤色または緑色染料として単独で使用することができ、調色染料、量子点、または顔料と混合して使用することもできる。
【0087】
前記調色染料では、トリアリルメタン系染料、アントラキノン系染料、ベンジリデン系染料、シアニン系染料、フタロシアニン系染料、アザポルフィン系染料、インディゴ系染料、キサンテン系染料、ピリドンアゾ系染料などを挙げることができる。
【0088】
前記感光性組成物は、前記発色団-保護基染料を溶媒を除いた固形分基準0.1重量%~50重量%含むことができる。例えば、0.1重量%~40重量%で含まれることができ、0.5重量%~30重量%であることが好ましい。前記発色団-保護基染料を前記範囲内で使用する場合、望みの色座標で高い輝度及び明暗比を発現できる。
【0089】
<(2)量子点>
また、前記発色団-保護基染料は、量子点と混合して使用することができる。
【0090】
量子点は、コア及び前記コアを囲むシェルを含む多層構造からなるコア/シェル(Core/shell)構造であることができる。また、量子点は、2個以上のシェルを有するコア/多重シェル構造を有することができる。例えば、コアと二重のシェルとを有するコア/シェル/シェル構造であることができる。
【0091】
前記量子点のコア及びシェルは、II-VI族化合物、II-V族化合物、III-V族化合物、III-IV族化合物、III-VI族化合物、IV-VI族化合物、またはこれらの混合物からなることができ、量子点のコアまたはシェルにドーパントがドーピングまたは合金化され得るし、前記コアを構成する化合物及び前記シェルを構成する化合物が互いに相違することができる。
【0092】
前記コアは、InZnN、InZnP、InZnAs、InZnSb、InZnBi、GaZnN、GaZnP、GaZnAs、GaZnSb、GaZnBi、AlZnN、AlZnP、AlZnAs、AlZnSb、及びAlZnTiから選ばれる1つ以上の三元素化合物を含むことができる。
【0093】
また、前記コアは、InGaZnN、InGaZnP、InGaZnAs、InGaZnSb、InGaZnBi、InAlZnN、InAlZnP、InAlZnAs、InAlZnSb、InAlZnBi、GaAlZnN、GaAlZnP、GaAlZnAs、GaAlZnSb、GaAlZnBiから選ばれる1つ以上の四元素化合物を含むことができる。
【0094】
前記シェルは、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnSeS、PbS、PbSe、PbSeS、PbTe、GaAs、GaP、InP、InGaP、InZnP、InAs、CuS、InN、GaN、InGaN、AlP、AlAs、InAs、GaAs、GaSb、InSb、AlSb、HgS、HgTe、HgCdTe、ZnCdS、ZnCdSe、CdSeTe、CuInSe、CuInS、AgInS、及びSnTeから選ばれる1つ以上であることができる。
【0095】
前記コア/シェルまたはコア/多重シェルは、シード(seed)としてクラスタ分子(cluster molecule)をさらに含むことができる。前記クラスタ分子は、前記コア/シェルまたはコア/多重シェルを製造する工程中でシード役割をする化合物であって、前記コア/シェルまたはコア/多重シェルを構成する化合物の前駆体が前記クラスタ分子上で成長することで、前記コア/シェルまたはコア/多重シェルが形成され得る。
【0096】
前記量子点は、多層の構造(コア/シェル構造)でない単一層であることができ、一例として、II-VI族化合物だけでなされることができる。
【0097】
量子点の粒径は、1nm~30nmであることが好ましく、5nm~15nmであることが最も好ましい。
【0098】
また、前記量子点は、リガンドをさらに含むことができる。例えば、炭素数1~30のアルキル基, 炭素数2~30のアルケニル基、 炭素数2~30の(ポリ)エチレンオキシ基、 炭素数6~30のアリール基を有するアミン系化合物、チオール化合物やカルボン酸化合物などをリガンドとして含むことができる。アルキル基を有するアミン系化合物の例として、ヘキサデシルアミン(hexadecylamine)またはオクチルアミン(octylamine)などを挙げることができる。
【0099】
前記リガンドのさらに他の例としては、トリオクチルホスフィン(trioctylphosphine)、トリフェノールホスフィン(triphenolphosphine)、t-ブチルホスフィン(t-butylphosphine)などを含むホスフィン化合物(phosphine compound);トリオクチルホスフィン酸化物(trioctylphosphine oxide)などのホスフィン酸化物(phosphine oxide);ピリジン(pyridine)またはチオペン(thiophene)などを挙げることができる。
【0100】
前記リガンドの種類は、上記で例示したものに限定されない。
【0101】
コア-シェル-リガンド複合体のリガンドは、互いに隣接したコア/シェルまたはコア/多重シェルが互いに凝集されて消光(quenching)されることを防止できる。前記リガンドは、前記コア/シェルまたはコア/多重シェルと結合し、疏水性(hydrophobic)性質を有することができる。
【0102】
前記発色団-保護基染料及び量子点を混合して使用する場合、1:9~9:1の重量比、具体的には、3:7~7:3の重量比で混合して使用することができる。前記重量比範囲で混合する場合、色特性を維持しながら、高い輝度及び明暗比を有することができる。
【0103】
<(3)着色剤(Coloerant)>
また、前記発色団-保護基染料は、顔料と混合して使用することもできる。
【0104】
前記顔料は、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、黒色顔料などがある。
【0105】
前記赤色顔料の例では、C.I.赤色顔料254、C.I.赤色顔料255、C.I.赤色顔料264、C.I.赤色顔料270、C.I.赤色顔料272、C.I.赤色顔料177、C.I.赤色顔料89などを挙げることができる。
【0106】
前記緑色顔料の例では、C.I.緑色顔料7、C.I.緑色顔料36、C.I.緑色顔料58、C.I.緑色顔料59などを挙げることができる。
【0107】
前記青色顔料の例では、C.I.青色顔料15:6、C.I.青色顔料15、C.I.青色顔料15:1、C.I.青色顔料15:2、C.I.青色顔料15:3、C.I.青色顔料15:4、C.I.青色顔料15:5、C.I.青色顔料16などのような銅フタロシアニン顔料を挙げることができる。
【0108】
前記黄色顔料の例では、C.I.黄色顔料139などのようながイソインドリン系顔料、C.I.黄色顔料138などのようなキノフタロン系顔料、C.I.黄色顔料150などのようなニッケルコンプレックス顔料などを挙げることができる。
【0109】
前記黒色顔料の例では、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタニウムブラック、カーボンブラックなどを挙げることができる。
【0110】
前記顔料は、これらを単独でまたは2つ以上混合して使用することができ、これらの例に限定されるものではない。
【0111】
前記顔料は、分散液形態で感光性組成物に含まれることができる。このような顔料分散液は、前記顔料、分散溶媒、分散剤、及び分散樹脂などで構成されることができる。
【0112】
前記分散溶媒では、エチレングリコールアセテート、エチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチルラクテート、ポリエチレングリコール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルなどを使用することができ、これらの中で好ましくは、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートを使用することができる。
【0113】
前記分散剤は、前記顔料が分散液内に均一に分散されるように助け、非イオン性、陰イオン性、または陽イオン性の分散剤を共に使用することができる。具体的には、ポリアルキレングリコールまたはこれのエステル、ポリオキシアルキレン、多価アルコールエステルアルキレンオキシド付加物、アルコールアルキレンオキシド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、アルキルアミドアルキレンオキシド付加物、アルキルアミンなどを使用することができ、これらは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0114】
前記分散樹脂は、カルボキシ基を含むアクリル系樹脂を使用することができ、これは、顔料分散液の安定性を向上させ得るだけでなく、カラーフィルタ形成工程の際、パターンの解像度を改善させることができる。
【0115】
前記発色団-保護基染料及び前記顔料を混合して使用する場合、1:9~9:1の重量比、具体的には、3:7~7:3の重量比で混合して使用することができる。また、前記発色団-保護基染料及び調色染料を混合して使用する場合、1:9~9:1の重量比、具体的には、3:7~7:3の重量比で混合して使用することができ、前記重量比範囲で混合する場合、色特性を維持しながら高い輝度及び明暗比を有することができる。
【0116】
前記感光性組成物は、前記発色団-保護基染料と着色剤とを合わせて溶媒を除いた固形分基準0.1重量%~50重量%含むことができる。例えば、0.1重量%~40重量%で含まれることができ、0.5重量%~30重量%であることが好ましい。前記発色団-保護基染料と着色剤とを前記範囲内で使用する場合、望みの色座標で高い輝度及び明暗比を発現できる。
【0117】
<(4)アルカリ可溶性樹脂>
本発明の一実施形態に係る感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂として下記の化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂を含む。
【0118】
【化14】
【0119】
前記化学式3において、
1)*は、繰り返し単位で結合が連結される部分を表し、
2)nは、2~200,000の繰り返し単位であり、
3)R21及びR22は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基;カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
4)R21及びR22は、それぞれ隣接した基と環形成が可能であり、
5)i及びjは、互いに独立的に0~4の整数であり、
6)B11は、単一結合、O、CO、SO、CR’R’’、SiR’R’’、化学式(D)または化学式(E)であり、
6-1)R’~R’’は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基、C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
6-2)R’~R’’は、それぞれ隣接した基と環形成が可能であり、
R’またはR’’が結合して環を形成する例示は、次のとおりである。
【0120】
【化15】
【0121】
前記化学式(D)及び化学式(E)は、具体的に下記のとおりである。
【0122】
【化16】
【0123】
前記化学式(D)及び化学式(E)において、
6-3)*は、結合位置を表し、
6-4)B23は、O,S,SOまたはNR’であり、
6-5)R’は、水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロを含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基、C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
6-6)R23及びR26は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
6-7)R23及びR26は、それぞれ隣接した基と環形成が可能であり、
6-8)k~nは、互いに独立的に0~4の整数であり、
7)B21は、フルオレニル基;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリルオキシ基;またはこれらの組み合わせであり、
8)A21及びA22は、互いに独立的に化学式(F)または化学式(G)であり、
【0124】
【化17】
【0125】
前記化学式(F)及び化学式(G)において、
8-1)*は、結合位置を表し、
8-2)R27~R30は、互いに独立的に水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
8-3)C21及びC22は、互いに独立的に化学式(H)であり、
【0126】
【化18】
【0127】
8-3-1)*は、結合位置を表し、
8-3-2)R31は、水素;重水素;ハロゲン;C~C30のアリール基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環と芳香族環との融合環基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールオキシ基;フルオレニル基:カルボニル基;エーテル基;又はC~C30のアルコキシカルボニル基であり、
8-3-3)L21は、単一結合;フルオレニレン基;C~C30のアルキレン;C~C30のアリーレン;C~C30のヘテロ環;またはC~C30のアルコキシレンであり、
8-4)化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂内で化学式(F)と化学式(G)との割合は、1:9~9:1であり、
9)前記R21、R31、R’、R’’、B21、L21及び隣接した基同士に互いに結合して形成した環は、それぞれ重水素;ハロゲン;C~C30のアルキル基又はC~C30のアリール基に置換又は非置換されたシラン基;シロキサン基;ホウ素基;ゲルマニウム基;シアノ基;アミノ基;ニトロ基;C~C30のアルキルチオ基;C~C30のアルコキシ基;C~C30のアリールアルコキシ基;C~C30のアルキル基;C~C30のアルケニル基;C~C30のアルキニル基;C~C30のアリール基;重水素に置換されたC~C30のアリール基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPからなる群より選ばれた少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C30のヘテロ環基;C~C30の脂肪族環基;C~C30のアリールアルキル基;C~C30のアリールアルケニル基と、これらの組み合わせからなる群より選ばれた1つ以上の置換基にさらに置換されることができ、隣接した置換基同士に環を形成することができる。
【0128】
前記R21~R31、R’、R’’がアリール基である場合、好ましくは、C~C30のアリール基、より好ましくは、C~C18のアリール基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ターフェニルなとであることができる。
【0129】
前記R21~R31、R’、R’’、B21、L21がヘテロ環基である場合、好ましくは、C~C30のヘテロ環基、より好ましくは、C~C18のヘテロ環基、例えば、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ナフトベンゾチオフェン、ナプトベンゾフランなどであることができる。
【0130】
前記R21~R31、R’、R’’がフルオレニル基である場合、好ましくは、9,9-ジメチル-9H-フルオレン、9,9-ジフェニル-9H-フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレンなどであることができる。
【0131】
前記 B21及びL21がアリーレン基である場合、好ましくは、C~C30のアリーレン基、より好ましくは、C~C18のアリーレン基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ターフェニルなどであることができる。
【0132】
前記R21~R31、R’及びR’’がアルキル基である場合、好ましくは、C~C10のアルキル基であることができ、例えば、メチル、t-ブチルなどであることができる。
【0133】
前記R21~R31、R’及びR’’がアルコキシ基である場合、好ましくは、C~C20のアルコキシ基、より好ましくは、C~C10のアルコキシ基、例えば、メトキシ、t-ブトキシなどであることができる。
【0134】
前記R21~R31、R’、R’’、B21、L21の隣接した基同士に互いに結合して形成された環は、C~C60の芳香族環基;フルオレニル基;O、N、S、Si及びPのうち、少なくとも1つのヘテロ原子を含むC~C60のヘテロ環基;またはC~C60の脂肪族環基であることができ、例えば、隣接した基同士に互いに結合して芳香族環を形成する場合、好ましくは、C~C20の芳香族環、より好ましくは、C~C14の芳香族環、例えば、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレンなどを形成することができる。
【0135】
前記化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂の高分子鎖内に化学式(F)で表される構造と化学式(G)で表される構造との割合は、1:9~9:1であることが好ましく、最も好ましくは、8:2~2:8の割合である。前記化学式(F)で表される構造と前記化学式(G)で表される構造とが高分子鎖内に上記のような割合で混ざっている樹脂の場合、感光性組成物内の他の構成要素等との相溶性が向上し、パターン形成の際、前記化学式(F)で表される構造のみ含む樹脂または前記化学式(G)で表される構造のみ含む樹脂を使用するより残渣の発生が少なく、解像度に優れている。
【0136】
前記化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂の重量平均分子量は、1,000~100,000g/molであり、好ましくは、1,000~50,000g/mol、より好ましくは、1,000~30,000g/molであることができる。前記樹脂の重量平均分子量が前記範囲内である場合、パターン層製造の際に残渣なしにパターン形成がうまく行われ、現像時に膜厚の損失がなく、良好なパターンを得ることができる。
【0137】
前記化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂は、前記感光性樹脂組成物総量に対して1~50重量%、より好ましくは5~45重量%で含まれることができる。前記樹脂が前記範囲内に含まれる場合、優れた感度、現像性、及び付着性(密着性)を得ることができる。
【0138】
前記感光性組成物は、前記化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂の他に、アクリル系樹脂をさらに含むことができる。前記アクリル系樹脂は、第1エチレン性不飽和単量体及びこれと共重合可能な第2エチレン性不飽和単量体の共重合体であって、1つ以上のアクリル系繰り返し単位を含む樹脂である。前記アクリル系樹脂は、2~10種類のアクリレート類、メタクリレート類、スチレン、マレイミド、マレー酸、無数マレー酸などを含むエチレン性不飽和単量体等の共重合体であることができ、重量平均分子量は、5,000~30,000g/molであることができる。
【0139】
前記化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂とアクリル系樹脂との合計は、前記感光性組成物総量に対して1~50重量%、より好ましくは、5~45重量%で含まれることができる。前記化学式(3)で表される繰り返し単位を含む樹脂とアクリル系樹脂との合計が前記範囲内に含まれる場合、優れた感度、現象性、及び付着性(密着性)を得ることができる。
【0140】
<(5)反応性不飽和化合物>
本発明の一実現例に係る感光性樹脂組成物は、露光ステップでラジカルにより架橋され得る反応性不飽和化合物を含む。
【0141】
前記反応性不飽和化合物は、エチレン性不飽和二重結合を有することにより、パターン形成工程において露光時に十分な重合を起こして耐熱性、耐光性、及び耐化学性に優れたパターンを形成することができる。
【0142】
前記反応性不飽和化合物の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレートなどが挙げられる。
【0143】
市販中の前記反応性不飽和化合物の製品の例は、次のようである。
【0144】
前記(メタ)アクリル酸の2官能エステルの例としては、東亞合成化学工業(株)のアロニックスM-210、M-240、M-6200などと;日本化薬(株)のKAYARAD HDDA、HX-220、R-604などと;大阪有機化学工業(株)のV-260、V-312、V-335HPなどが挙げられる。
【0145】
前記(メタ)アクリル酸の3官能エステルの例としては、東亞合成化学工業(株)のアロニックスM-309、M-400、M-405、M-450、M-7100、M-8030、M-8060などと;日本化薬(株)のKAYARAD TMPTA、DPCA-20、DPCA-60、DPCA-120などと;大阪有機化学工業(株)のV-295、V-300、V-360などが挙げられる。
【0146】
前記製品を単独使用または2種以上をともに使用することができる。
【0147】
前記反応性不飽和化合物は、より優れた現像性を付与するために酸無水物で処理して使用することもできる。前記反応性不飽和化合物は、前記感光性樹脂組成物総量に対して1~50重量%、例えば、5~30重量%で含まれてもよい。前記反応性不飽和化合物が前記範囲内で含まれる場合、パターン形成工程において露光時に硬化が十分に起きて信頼性に優れ、パターンの耐熱性、耐光性及び耐化学性に優れ、解像度及び密着性にも優れている。
【0148】
<(6)光開始剤>
本発明の一実現例に係る感光性組成物は、下記の光開始剤を含むことができ、光開始剤としてオキシムエステル系化合物を単独使用するか、2種以上混用して使用することができる。
【0149】
前記オキシムエステル系化合物と混用して使用することができる光開始剤は、
感光性組成物に使用される開始剤であって、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾイン系化合物、トリアジン系化合物などを使用することができる。
【0150】
前記オキシムエステル系化合物の例では、2-(o-ベンゾイルオキシム)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン、1-(o-アセチルオキシム)-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノーン、O-エトキシカルボニル-α-オキシアミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1,2-ジオン2-オキシム-O-ベンゾエート、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1,2-ジオン2-オキシム-O-ベンゾエート、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1-オンオキシム-O-アセテート、及び1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1-オンオキシム-O-アセテート、1-(4-メチルスルファニル-フェニル)-ブタン-1-オンオキシム-O-アセテート、ヒドロキシイミノ-(4-メチルスルファニル-フェニル)-酢酸エチルエステル-O-アセテート、ヒドロキシイミノ-(4-メチルスルファニル-フェニル)-酢酸エチルエステル-O-ベンゾエートなどを挙げることができる。
【0151】
前記アセトフェノン系の化合物の例では、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2,2’-ジブトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-t-ブチルジクロロアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、2,2’-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-(モルホリノフェニル)-プタン-1-オンなどが挙げられる。
【0152】
前記ベンゾフェノン系化合物の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-2-メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0153】
前記チオキサントン系化合物の例としては、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオクサントンなどが挙げられる。
【0154】
前記ベンゾイン系化合物の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0155】
前記トリアジン系化合物の例としては、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル4,6ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3’、4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4’-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ビフェニル4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフト1-イル)4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-4-トリクロロメチル(ピぺロニル)-6-トリアジン、2-4-トリクロロメチル(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジンなどが挙げられる。
【0156】
前記光開始剤は、前記化合物以外にもカルバゾール系化合物、ジケトン類化合物、スルホニウムボレート系化合物、ジアゾ系化合物、イミダゾール系化合物、非イミダゾール系化合物などを使用することができる。
【0157】
前記光開始剤は、ラジカル重合開始剤であって、過酸化物系化合物、アゾビス系化合物などを使用することができる。
【0158】
前記過酸化物系化合物の例では、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類;イソブチリルパーオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキシド、o-メチルベンゾイルパーオキシド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類;2,4,4-トリメチルペンチル-2-ハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシド類;ジクミルパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルオキシイソプロピル)ベンゼン、t-ブチルパーオキシ吉草酸n-ブチルエステルなどのジアルキルパーオキシド類;2,4,4-トリメチルペンチルパーオキシフェノキシアセテート、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーエステル類;ジ-3-メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス-4-t-ブチルシクロへキシルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、t-ブチルパーオキシアリルカーボネートなどのパーカーボネート類などが挙げられる。
【0159】
前記アゾビス系化合物の例としては、1,1’-アゾビスシクロヘキサン-1-カルボニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(メチルイソブチレート)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、α、α’-アゾビス(イソブチルニトリル)及び4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)などが挙げられる。
【0160】
前記開始剤は、光を吸収して励起状態になった後にそのエネルギーを伝達することにより化学反応を起こす光増減剤と共に使用されてもよい。前記光増感剤の例としては、テトラエチレングリコールビス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネートなどが挙げられる。
【0161】
前記開始剤は、前記感光性樹脂組成物総量に対して0.01~10重量%、例えば、0.1~5重量%で含まれてもよい。前記開始剤が前記範囲内で含まれる場合、パターン形成工程において露光時に硬化が十分に起きて優れた信頼性を得ることができ、パターンの耐熱性、耐光性及び耐化学性に優れ、解像度及び密着性にも優れ、未反応開始剤による透過率の低下を防ぐことができる。
【0162】
<(7)溶媒>
前記溶媒は、前記アルカリ可溶性樹脂、前記反応性不飽和化合物、前記反応性染料、前記着色剤、及び前記開始剤との相溶性を有するものの、反応しない物質が使用され得る。
【0163】
前記溶媒の例としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジクロロエチルエーテル、n-ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート類;メチルエチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ジエチルレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、2-ヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステル類;オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチルなどのオキシ酢酸アルキルエステル類;メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチルなどのアルコキシ酢酸アルキルエステル類;3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチルなどの3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチルなどの3-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピルなどの2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸メチルなどの2-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エステル類;2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-アルコキシ-2-メチルプロピオン酸アルキル類のモノオキシモノカルボン酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチルなどのエステル類;ピルビン酸エチルなどのケトン酸エステル類などがある。
【0164】
また、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジへキシルエーテル、アセチルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、オキサル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶媒も使用されることができる。
【0165】
前記溶媒のうち相溶性及び反応性を考慮して、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類を使用することができる。
【0166】
前記溶媒は、前記感光性樹脂組成物総量に対して残部量として含まれることができ、具体的には、50~90重量%で含まれることができる。前記溶媒が前記範囲内に含まれる場合、前記感光性樹脂組成物が適切な粘度を有することによりパターン層の製造時の工程性に優れている。
【0167】
<(8)その他の添加剤>
前記感光性組成物は、塗布時にシミや斑点を防止し、レベリング性能を改善するために、また未現像による残渣の生成を防止するために、マロン酸;3-アミノ-1,2-プロパンジオール;ビニル基または(メタ)アクリルオキシ基を含むシラン系カップリング剤;レベリング剤;フッ素系界面活性剤;ラジカル重合開始剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
【0168】
また、前記感光性樹脂組成物は、基板との密着性などを改善するために、エポキシ化合物などの添加剤をさらに含んでもよい。
【0169】
前記エポキシ化合物の例では、フェノールノボラックエポキシ化合物、テトラメチルビフェニルエポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0170】
前記添加剤の含量は、望みの物性によって容易に調整されることができる。
【0171】
本発明のさらに他の一実現例は、前述した感光性組成物を用いて製造されたカラーフィルタを提供できる。前記カラーフィルタの製造方法は、下記のとおりである。
【0172】
<カラーフィルタ形成工程>
何にも塗布されていないガラス基板上に、または保護膜であるSiNxが500Å~1500Åの厚みで塗布されているガラス基板上に、前述した感光性樹脂組成物をスピン塗布、スリット塗布などの適当な方法を使用して、3.1μm~3.4μmの厚みで各々塗布する。塗布後には、カラーフィルタに必要なパターンを形成するように光を照射する。光を照射した後、塗布層をアルカリ現像液で処理すれば、塗布層の未照射部分が溶解され、カラーフィルタに必要なパターンが形成される。このような過程を必要なR、G、B色の数によって繰り返し行うことにより、望みのパターンを有するカラーフィルタを得ることができる。前記過程で現象により得られた画像パターンを再度加熱するか、または活性線照射などにより硬化させることにより、耐クラック性、耐溶剤性などをさらに向上させることができる。
【0173】
本発明のさらに他の一実現例は、有機発光表示装置を提供できる。
【0174】
以下、図1を参照して有機発光表示装置を説明すれば、本発明の実現例に係る有機発光表示装置は、基板1、基板上のTFT層2、前記TFT層上の平坦層3、前記平坦層上の有機発光素子層、前記有機発光素子層上に配置される封止層8、封止層上に配置されるタッチパネル9、及び前記タッチパネル上に配置されるカラーフィルタを備え、前記カラーフィルタに本発明の感光性樹脂組成物で形成されたパターンまたはフィルムを含むことを特徴とする有機発光表示装置である。
【0175】
前記パターンまたはフィルムは、前記化学式(1)で表される構造を含む発色団と前記化学式(2)で表される構造を含む保護基とを備える前記発色団-保護基染料を必須成分とする感光性組成物で形成される。
【0176】
前記基板1は、可撓性基板であることができる。基板は、ポリイミド(PI;polyimide)、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphtalate)、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)、ポリアリレート(PAR;polyarylate)、ポリエーテルイミド(PEI;polyetherimide)、及びポリエーテルスルホン(PES;polyethersulphone)などのように、耐熱性及び耐久性に優れたプラスチックを素材として作られることができる。しかし、本発明はこれに限定されず、金属フォイルや薄膜ガラス(thin glass)のような可撓性のある様々な素材が使用され得る。一方、基板は、リジッド基板であることができ、このとき、基板は、SiOを主成分とするガラス材質からなることもできる。
【0177】
画像が基板方向に実現される背面発光型(bottom emissiontype)である場合、基板は透明な材質で形成しなければならない。しかし、画像が基板の反対方向に実現される前面発光型(top emission type)である場合、基板は必ず透明な材質で形成する必要はない。この場合、金属で基板を形成できる。金属で基板を形成する場合、基板は、炭素、鉄、クロム、マンガン、ニッケル、チタニウム、モリブデン、及びステンレススチール(SUS)からなる群より選ばれた1つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0178】
前記基板上には、TFT層2が配置され得る。本明細書において言及されるTFT層という用語は、有機発光素子を駆動するための薄膜トランジスタ(TFT)アレイを通称するものであって、画像を表示するための駆動部分を意味するものである。図1には、有機発光素子と、有機発光素子を駆動する駆動薄膜トランジスタとのみ示されているが、これは、説明の便宜のためのものであり、本発明は、図示されたところに限定されず、複数の薄膜トランジスタ、ストレージキャパシタ、及び各種配線がさらに含まれ得るということは、本技術分野の当業者達に自明である。
【0179】
前記TFT層は、平坦層3で覆われて保護されることができる。前記平坦層は、無機絶縁膜及び/又は有機絶縁膜を含むことができる。前記平坦層に使用されることができる無機絶縁膜の例は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、アルミニウム酸化物(Al)、チタニウム酸化物(TiO)、タンタル酸化物(Ta)、ハフニウム酸化物(HfO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、BST(Barium Strontium Titanate)、PZT(Lead Zirconate-Titanate)などを含むことができる。
【0180】
また、平坦層に使用されることができる有機絶縁膜の例は、一般汎用高分子(PMMA、PS)、フェノール系グループを有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリルエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びこれらのブレンドなどを含むことができる。
【0181】
一方、平坦層は、無機絶縁膜と有機絶縁膜との複合積層構造を有することもできる。
【0182】
前記平坦層の上部には、有機発光素子層が形成され得る。前記有機発光素子層は、平坦層上に形成された画素電極4、これに対向して配置される対向電極7、及びこれらの間に介在される有機物層6を備えることができる。画素電極と対向電極との間に電圧が印加されれば、有機物層は、光を放出することができる。有機物層は、赤色光、緑色光、青色光、または白色光などを放出できる。有機物層が白色光を放出する場合、カラーイメージを表現するために、または有機物層が赤色光、緑色光、青色光を放出する場合、色純度と光効率を高めるために、有機発光表示装置は、青色、緑色、及び赤色カラーフィルタをさらに含むことができる。
【0183】
有機発光表示装置は、発光方向によって背面発光タイプ(bottom emission type)、前面発光タイプ(top emission type)、及び両面発光タイプ(dual emission type)などに区別されることができる。背面発光タイプの有機発光表示装置では、画素電極が光透過電極として備えられ、対向電極は、反射電極として備えられる。前面発光タイプの有機発光表示装置では、画素電極が反射電極として備えられ、対向電極が半透過電極として備えられる。本発明では、有機発光素子が封止層の方向に発光する前面発光タイプを基準に説明する。
【0184】
画素電極は、反射電極であることができる。画素電極は、反射層と仕事関数が高い透明または半透明電極層の積層構造を含むことができる。反射層は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、またはこれらの合金を含むことができる。透明または半透明電極層は、インジウム錫酸化物(ITO;indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO;indium zinc oxide)、亜鉛酸化物(ZnO;zinc oxide)、インジウム酸化物(In;indium oxide)、インジウムガリウム酸化物(IGO;indium gallium oxide)、及びアルミニウム亜鉛酸化物(AZO;aluminum zinc oxide)などのような透明導電性酸化物物質のうち選択された少なくとも1つの物質を含むことができる。画素電極は、各画素に対応するアイランド形態でパターニングされて形成されることができる。また、画素電極は、アノード(anode)電極として機能することができる。
【0185】
一方、画素電極上には、画素電極の縁を覆い、画素電極の中央部を露出する所定の開口部を備える画素画定膜5が配置され得る。前記開口部により限定される領域上には、光を発光する有機発光層を備える有機物層が配置され得る。有機物層が配置された領域は、発光領域と定義されることができる。
【0186】
一方、画素画定膜の前記開口部内に発光領域を形成する場合、発光領域の間には画素画定膜により突出された領域が配置され、この突出された領域には、有機発光層が形成されないので、非発光領域と定義されることができる。
【0187】
対向電極は、透過型電極で形成されることができる。対向電極は、仕事関数が小さいLi、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg、Agなどのような金属を薄く形成した半透過膜であることができる。薄い金属半透過膜の高抵抗問題を補完するために、金属半透過膜上に透明導電性酸化物からなる透明導電膜が積層され得る。対向電極は、共通電極の形態で基板前面にわたって形成されることができる。また、このような対向電極は、カソード(cathode)電極として機能することができる。
【0188】
上記のような画素電極と対向電極とは、その極性が互いに反対になることもできる。
【0189】
有機物層は、光を発光する有機発光層を備え、有機発光層は、低分子有機物または高分子有機物を使用できる。有機発光層が低分子有機物で形成された低分子有機層である場合には、有機発光層を中心に画素電極の方向に正孔輸送層(hole transport layer:HTL)及び正孔注入層(hole injection layer:HIL)などが配置され、対向電極の方向に電子輸送層(electron transport layer:ETL)及び電子注入層(electron injection layer:EIL)などが配置され得る。もちろん、これらの正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層以外に、他の機能層が積層されることもできる。
【0190】
前記有機発光素子層を覆うように有機発光素子層上には封止層8が配置され得る。有機発光素子層に含まれた有機発光素子は、有機物で構成されて外部の水分や酸素により容易に劣化されることができる。したがって、このような有機発光素子を保護するために、有機発光素子層を封止しなければならない。封止層は、有機発光素子層を封止する手段であって、複数の無機膜及び複数の有機膜を交互に積層した構造を有することができる。
【0191】
本実現例の有機発光表示装置は、封止基板でない複数の無機膜及び複数の有機膜を交互に積層した薄膜で封止層を形成することが好ましく、封止手段として薄膜を用いることで、有機発光表示装置のフレキシブル化及び薄型化を容易に実現することができる。
【0192】
封止層は、複数の無機膜、及び複数の有機膜を含むことができる。無機膜と有機膜とは、互いに交互に積層されることができる。
【0193】
前記無機膜は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、またはこれらの組み合わせからなることができる。例えば、無機膜は、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、またはシリコン窒化物からなることができる。他の例によれば、無機膜は、複数の無機絶縁層の積層構造を含むことができる。無機膜は、外部の水分及び/又は酸素などが有機発光素子層に浸透することを抑制する機能を果たすことができる。
【0194】
前記有機膜は、高分子有機化合物であることができる。例えば、有機膜は、エポキシ、アクリレート、またはウレタンアクリレートのうち、いずれか1つを含むことができる。有機膜は、無機膜の内部ストレスを緩和するか、無機膜の欠陥を補完し、平坦化する機能を果たすことができる。
【0195】
前記封止層を構成する無機膜と有機膜との積層順序は限定されておらず、有機発光素子層上に有機膜または無機膜が積層され得るし、封止層の最上位層も有機膜または無機膜であることができる。
【0196】
前記封止層上には、タッチパネル9が形成され得る。前記タッチパネルは、前記封止層上に形成された第1のタッチ電極、これに対向して配置される第2のタッチ電極、及びこれらの間に介在される絶縁層を備えることができる。
【0197】
前記第1のタッチ電極及び第2のタッチ電極は、格子模様または特定パターン形態で形成されることができる。第1のタッチ電極は、前記封止層上部に接して形成されることができ、前記封止層と前記第1のタッチ電極との間に無機層がさらに備えられることができる。
【0198】
前記第1のタッチ電極及び第2のタッチ電極は、ITOまたはメタルメッシュ(metal mesh)で形成されることができ、メタルメッシュで形成されることが好ましい。
【0199】
メタルメッシュは、不透明な金属(銅、銀、金、アルミニウム等)を1~7μm厚みの格子形態で印刷して製造した電極であって、伝導性が高い金属を使用するので、抵抗値が非常に低くて、タッチ応答速度が速く、大画面実現に容易であり、ITOフィルムに比べて原価が安いという長所を有している。また、メタルメッシュ電極は、ITO電極に比べて繰り返し的な曲げに対する耐久性に優れ、フォルダブルディスプレイ用タッチパネル電極として使用するのに適している。
【0200】
前記タッチパネルは、ユーザがタッチをするとき、人の体にある静電容量を用いて電流の量が変更された部分を認識し、大きさを計算して位置を検出する静電容量方式のタッチパネルであることが好ましい。
【0201】
本発明の有機発光表示装置は、図示されたことに限定されず、タッチパネルから伝達されたアナログ信号をデジタル信号に切り換え、タッチ領域の座標を判断するのに必要な座標値等を制御するControl IC、光透明接着剤(Optical ceal adhesve)、伝導及び信号線パターンが形成されて、各種信号を電子部品等に伝達する軟性回路基板(FPCB)、その他、各種電子部品及び各種配線がさらに含まれ得るということは、本技術分野の当業者達に自明である。
【0202】
前記タッチパネル上には、カラーフィルタが形成され得る。前記カラーフィルタは、予め製造されて、有機発光表示装置内に備えられるか、タッチパネル上に直接カラーフィルタを形成する工程が進まれ得る。
【0203】
前記カラーフィルタは、前記タッチパネル上部に位置し、前記有機発光素子層の発光領域と垂直方向に整列されたカラー部10と、前記非発光領域と垂直に整列されて、前記カラー部を分離するカラー分離部11とを備えることができる。
【0204】
本発明の感光性組成物は、前記カラー部に含まれて、前記発光領域から放出される光の波長範囲を狭めて有機発光表示装置の色純度を向上させることができる。
【0205】
また、本発明の感光性組成物は、カラー分離部に含まれて、有機発光表示装置に入射される外部光を吸収及び遮断させて野外視認性を向上させることができる。
【0206】
本発明の感光性組成物は、前記発色団-保護基染料を単独で含むか、前記発色団-保護基染料と赤色顔料または赤色染料とを共に含んで、赤色発光領域と垂直方向に整列された赤色カラー部を形成できる。
【0207】
本発明の感光性組成物は、前記発色団-保護基染料を単独で含むか、前記発色団-保護基染料と緑色顔料または緑色染料を共に含んで、緑色発光領域と垂直方向に整列された緑色カラー部を形成できる。
【0208】
本発明の感光性組成物は、前記発色団-保護基染料を単独で含むか、前記発色団-保護基染料と青色顔料または青色染料を共に含んで、青色発光領域と垂直方向に整列された青色カラー部を形成できる。
【0209】
本発明の感光性組成物は、前記発色団-保護基染料を単独で含むか、前記発色団-保護基染料と黒色顔料または黒色染料を共に含んで、前記画素画定膜と垂直方向に整列されたカラー分離部を形成でき、前記黒色顔料では、カーボンブラックが好ましい。
【0210】
本発明の感光性組成物を使用してカラーフィルタのカラー部、特に、赤色カラー部または緑色カラー部を形成する場合、色純度に優れ、太陽光に対する耐光性も向上し、極めて好ましい。また、本発明の感光性組成物を使用してカラーフィルタのカラー分離部を形成する場合、太陽光に対する耐光性を確保できるだけでなく、溶液工程に必須な耐化学性を確保でき、極めて好ましい。
【0211】
また、本発明の感光性組成物は、光パターニング工程中、露光工程で光硬化が十分に進まれて、後熱処理工程が100℃以下で進まれるので、有機発光素子層の有機物層に熱による損傷を与えないながら、カラーフィルタ形成工程が進まれ得る。
【0212】
前述した有機発光表示装置の構造のうち、各層の位置は限定されておらず、各層間に特定目的と機能を有した種々の機能層がさらに配置され得るということは、本技術分野の当業者達に自明であり、本発明の有機発光表示装置は、前述した構造及び図面に限定されない。
【0213】
以下、本発明に係る合成例及び実施例を具体的に記載するが、本発明の合成例及び実施例がこれに限定されるものではない。
【0214】
<[発色団-保護基染料(Squarylium dye)の合成]>
<合成例1(Squarylium dye 1の合成)>
<合成例1-1>
環流器が装着された1000ml反応器に2,4,6-Trimethyl-N-phenylaniline 100g(473.3mmol、Alchem社)、6-Bromo-1-hexanol 86g(475mmol、TCI社)、Sodium hydride 11.5g(479.2mmol、Sigma Aldrich社)、及びN,N-Dimethyl formamide 500gを入れて、80℃で昇温させた後、18時間攪拌した。反応後、Diethyl ether(Sigma Aldrich社)500mlと水1000mlとを用いて抽出した後、減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで分離して、下記の化合物D-1のような中間体を130g得た。
【0215】
【化19】
【0216】
<合成例1-2>
環流基及びディーン-スターク装置が装着された2000ml反応器に化合物D-1 125g(401.3mmol)、3,4-Dihydroxy-3-cyclobutene-1,2-dione 23g(201.6mmol、Sigma aldrich社)、及びChlorobenzene(Sigma aldrich社)800gを入れて、120℃で昇温させた後、18時間攪拌した。反応完了後、溶媒を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで分離して、下記の化合物D-2のような中間体を90g得た。
【0217】
【化20】
【0218】
<合成例1-3>
環流器が装着された1000ml反応器に化合物D-2 70g(99.9mmol)、Karenz BEI 48g(200.7mmol、Showa denko社)、及びChloroform(Sigma aldrich社)400gを入れて、40℃で昇温させた後、18時間攪拌して、化合物D-3のような中間体を得た。次いで、常温で冷却させた後、Isophthaloyl chloride 61g(300.5mmol、Sigma aldrich社)とp-xylylenediamine(301.1mmol、Sigma aldrich社)41gを3時間の間滴下し、18時間の間攪拌する。反応完了後、溶媒を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで分離して、下記のsquarylium dye 1を80g得た。
【0219】
【化21】
【0220】
<合成例2(Squarylium dye 2の合成)>
<合成例2-1>
合成例1-1において6-Bromo-1-hexanol 86g(475mmol、TCI社)の代わりに、(4-(Bromomethyl)cyclohexyl)methanol 98g(473.2mmol、Chemenu社)を入れたことを除き、残りの工程は、同一に進行した。これを通じて、化合物E-1のような中間体を135g得た。
【0221】
【化22】
【0222】
<合成例2-2>
合成例1-2において化合物D-1 125g(401.3mmol)の代わりに、化合物E-1 135g(400mmol)を使用したことを除き、合成例1-2と同じ工程で合成した。これを通じて、化合物E-2のような中間体を120g得ることができた。
【0223】
【化23】
【0224】
<合成例2-3>
合成例1-3において化合物D-2 70g(99.9mmol)の代わりに、化合物E-2 75g(99.6mmol)を使用したことを除き、合成例1-3と同じ工程で合成した。これを通じて、Squarylium dye 2を100g得ることができた。
【0225】
【化24】
【0226】
<合成例3(Squarylium dye 3の合成)>
<合成例3-1>
合成例1-1において6-Bromo-1-hexanol 86g(475mmol、TCI社)の代わりに、4-(Bromomethyl)benzyl alcohol 95g(472.5mmol、Apollo scientific社)を入れたことを除き、残りの工程は、同一に進行した。これを通じて、化合物F-1のような中間体を140g得ることができた。
【0227】
【化25】
【0228】
<合成例3-2>
合成例1-2において化合物D-1 125g(401.3mmol)の代わりに、化合物F-1 133g(401.3mmol)を使用したことを除き、合成例1-2と同じ工程で合成した。これを通じて、化合物F-2のような中間体を125g得ることができた。
【0229】
【化26】
【0230】
<合成例3-3>
合成例1-3において化合物D-2 70g(99.9mmol)の代わりに、化合物F-2 74g(99.9mmol)使用したことを除き、合成例1-3と同じ工程で合成した。これを通じて、Squarylium dye 3を105g得ることができた。
【0231】
【化27】
【0232】
<合成例4(Squarylium dye 4の合成)>
合成例1-3においてIsophthaloyl chloride 61g(300.5mmol、Sigma aldrich社)の代わりに。2,6-pyridinedicarbonyl dichloride 61g(299mmol、Sigma aldrich社)を使用したことを除き、合成例1-3と同じ工程で合成した。これを通じて、Squarylium dye 4を110g得ることができた。
【0233】
【化28】
【0234】
<合成例5(Squarylium dye 5の合成)>
<合成例5-1>
合成例1-1において6-Bromo-1-hexanol 86g(475mmol、TCI社)の代わりに、Karenz BEI 114g(476.5mmol、Showa denko社)を入れたことを除き、残りの工程は、同一に進行した。これを通じて、化合物H-1のような中間体を190g得ることができた。
【0235】
【化29】
【0236】
<合成例5-2>
合成例1-2において化合物D-1 125g(401.3mmol)の代わりに、合成例5-1の化合物H-1 180g(399.5mmol)を入れたことを除き、残りの工程は、同一に進行した。これを通じて、化合物H-2のような中間体を170g得ることができた。
【0237】
【化30】
【0238】
<合成例5-3>
環流器が装着された1000ml反応器に化合物H-2 97g(99.1mmol)とChloroform(Sigma aldrich社)300gを入れて、常温でIsophthaloyl chloride 61g(300.5mmol、Sigma aldrich社)とp-xylylenediamine(301.1mmol、Sigma aldrich社)41gを3時間の間滴下し、18時間の間攪拌した。反応完了後、溶媒を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで分離して、下記のSquarylium dye 5を75g得ることができた。
【0239】
【化31】
【0240】
<合成例6(Squarylium dye 6、7の合成)>
<合成例6-1>
合成例1-1において6-Bromo-1-hexanol 86g(475mmol、TCI社)の代わりに、1-Bromo-2-ethylhexane 92g(476.4mmol、Sigma aldrich社)を入れたことを除き、残りの工程は、同一に進行した。これを通じて、化合物I-1のような中間体を130g得ることができた。
【0241】
【化32】
【0242】
<合成例6-2>
合成例1-2において化合物D-1 125g(401.3mmol)の代わりに、化合物I-1 129g(398.7mmol)使用したことを除き、合成例1-2と同じ工程で合成した。これを通じて、squarylium dye 6を128g得ることができた。
【0243】
【化33】
【0244】
<合成例6-3>
合成例6-2のsquarylium dye 6 73g(100.7mmol)を常温でChloroform(Sigma aldrich社)300gに溶解させた後、Isophthaloyl chloride 61g(300.5mmol、Sigma aldrich社)とp-xylylenediamine(301.1mmol、Sigma aldrich社)41gを3時間の間滴下し、18時間の間攪拌した。反応完了後、溶媒を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで分離して、下記のsquarylium dye 7を110g得ることができた。
【0245】
【化34】
【0246】
<合成例7(Squarylium dye 8の合成)>
<合成例7-1>
合成例1-3においてKarenz BEI 48g(200.7mmol、Showa denko社)の代わりに、2-Isocyanatoethyl acrylate 28g(198.4mmol、TCI社)を使用したことを除き、合成例1-3と同じ工程で合成した。これを通じて、Squarylium dye 8を80g得ることができた。
【0247】
【化35】
【0248】
<[アルカリ可溶性樹脂(Binder)の合成]>
<合成例8(Binder1-1~Binder1-7の合成)>
<合成例8-1>
<(化合物1-1の製造)>
9,9’-ビスフェノールフルオレン80g(0.228mol、Sigma aldrich社)、グリシジルクロリド42.67g(0.461mol、Sigma aldrich社)、及び無水炭酸カリウム191g(1.38mol)をジメチルホルムアミド600mlとともに蒸留管が設けられた1500ml3-ネック丸底フラスコに入れて、80℃で昇温して4時間の間反応させた後、温度を25℃に下げて反応液をろ過した後、ろ液を1000ml水に攪拌して滴下した後、析出した粉末をろ過した後、水で洗浄し、40℃で減圧乾燥して化合物1-1を100g(216mmol)得ることができた。得た粉末は、HPLCで純度分析結果、98%の純度を見せた。
【0249】
【化36】
【0250】
<合成例8-2>
<(単量体1-1ないし単量体1-3の製造)>
合成例8-1で得た化合物1-1を25g(54mmol)、アクリル酸7.9g(0.11mol、DAEJUNG CHEMICALS & METALS社)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.03g(0.16mmol、DAEJUNG CHEMICALS & METALS社)、及びヒドロキノン0.01g(0.05mmol、DAEJUNG CHEMICALS & METALS社)をトルエン52g(Sigma aldrich社)とともに蒸留管が設けられた300ml3-ネック丸底フラスコに入れて、110℃で6時間の間攪拌した。反応が終了された後、トルエンを減圧蒸留で除去して生成物を得た。シリカゲル60(230~400mesh、Merck社)500gを直径220mmのガラスカラムに充填させた後、生成物20gをローディングし、ヘキサンとエチルアセテートとを4:1体積比で混合した溶媒10Lを用いて分離を進行して単量体1-1ないし単量体1-3を分離した。
【0251】
【化37】
【0252】
<合成例8-3ないし合成例8-9>
<(Binder1-1ないしBinder1-7の製造)>
合成例8-2で得た単量体1-1、単量体1-2、及び単量体1-3を表1のように合計が5g(8.2mmol)になるように下記に各々蒸留管が設けられた50ml3-ネック丸底フラスコに入れて、Benzyltriethyl ammonium chloride 0.005g(0.03mmol、DAEJUNG CHEMICALS & METALS社)、ヒドロキノン0.001g(0.01mmol、DAEJUNG CHEMICALS & METALS社)、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート14g(Sigma aldrich社)を蒸留管が設けられた3-ネック丸底フラスコに投入し、ビフェニルテトラカルボキシル酸二無水物1.21g(4mmol、Mitsubishi Gas社)及びテトラヒドロフタル酸0.38g(2mmol、Sigma aldrich社)を追加した後、110℃で6時間の間攪拌した。反応終了後、反応液を回収して単量体1-1、1-2、及び1-3構造の繰り返し単位が混ざっているBinder1-1ないしBinder1-7を固形分45%の溶液形態で得ることができた。合成された高分子は、ゲル透過クロマトグラフィー(Agilent社)を用いて分子量を分析した。
【0253】
【表1】
【0254】
<合成例9(Acryl Binderの合成)>
蒸留管が設けられた250ml3-ネック丸底フラスコにpropylene glycol methyether acetate 55g(416.2mmol、Sigma aldrich社)、benzyl methacrylate 31.5g(178.8mmol、Sigma aldrich社)、azobisisobutyronitrile 2.25g(0.01mol、Sigma aldrich社)、methyl methacrylate 6.75g(0.07mol、Sigma aldrich社)、及びmethacrylic acid 6.75g(0.08mol、Sigma aldrich社)を入れて、80℃で3時間の間攪拌すれば、重量平均分子量が10,000であるアクリルバインダー30wt%固形分のpropylene glycol methyether acetate溶液を得ることができる。
【0255】
<製造例1(緑色顔料分散液の製造)>
FASTOGEN(登録商標) GREEN A350(緑色顔料/DIC社)16g、Disperbyk 163 6g(BYK社)、及びSR-6100(エスエムエス社)3gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70gと直径0.5mmのジルコニアビード100g(Toray社)をペイントシェーカー(Asada社)を用いて10時間の間分散させて分散液を得ることができた。
【0256】
<製造例2(本発明のアルカリ可溶性樹脂を含む組成物の製造)>
本発明の発色団-保護基染料及び本発明のアルカリ可溶性樹脂を含む組成物1-1ないし組成物1-5と、本発明の発色団-保護基染料と相違した染料及び本発明のアルカリ可溶性樹脂を含む組成物1-6ないし1-9とを下記の表2のような組成(重量%)で製造した。
【0257】
下記のように感光性樹脂組成物を製造する前、合成例1ないし合成例7で得たsquarylium dye 1~8は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒に16重量%で溶解した。
【0258】
【表2】
【0259】
<製造例3(本発明のアルカリ可溶性樹脂を含まない組成物の製造)>
本発明のアルカリ可溶性樹脂と相違したアルカリ可溶性樹脂及び本発明の発色団-保護基染料を含む組成物2-1ないし組成物2-5と、本発明の発色団-保護基染料と相違した染料及び本発明のアルカリ可溶性樹脂と相違したアルカリ可溶性樹脂を含む組成物2-6~2-9とを下記の表3のような組成(重量%)で製造した。
【0260】
下記のように感光性樹脂組成物を製造する前、合成例1ないし合成例7で得たsquarylium dye 1~8は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒に16重量%で溶解した。
【0261】
【表3】
【0262】
上記において表2及び表3によって製造された組成液を用いたフィルムの製造方法は、次のとおりである(フォトリソグラフィステップ)。
【0263】
<(1)塗布及び塗膜形成ステップ>
上記表2及び表3の組成物の各々を、洗浄した10cm×10cm SiNx基板にスピンコッターを利用して2.5μm厚みで塗布した後、90℃の温度で1分間加熱して溶剤を除去することにより塗膜を形成する。
【0264】
<(2)露光ステップ>
前記得られた塗膜に必要なパターン形成のために、所定形態のオープンマスクを介在した後、190nm~500nmの活性線を照射した。露光器は、MA-6を使用し、露光量は、50mJ/cm2で照射した。
【0265】
<(3)現象ステップ>
前記露光ステップに続き、KOH 0.04重量%水溶液に25℃で1分間浸漬方法で現象した後、水を用いて水洗いした。
【0266】
<(4)後処理ステップ>
前記現象により得られたフィルムを90℃オーブンで60分間後熱処理を進行した後、前記表2及び表3の組成物で形成されたフィルムを得た。
【0267】
<実施例(フィルムの耐光性、耐化学性評価)>
前記フォトリソグラフィステップで製造された表2及び表3の組成物フィルムの耐光性及び耐化学性を下記のような方法にて評価した。
【0268】
<[実施例1]>
前記組成物1-1で形成されたフィルムの耐光性及び耐化学性を下記のような方法にて評価した後、その結果を下記の表4に記載した。
【0269】
<1.耐光性評価(△Eab*測定)>
前記フォトリソグラフィステップで製造された表2の組成物1-1のフィルムのQ-SUN XE-1(Q-LAB社)耐光性テスト器で100時間進行前後に各々MCPD(Otsuka社)でEab*を測定した後、変化量を下記の表4のように表した。
【0270】
<2.耐化学性評価(溶媒浸漬前後の透過度変化測定)>
前記フォトリソグラフィステップを介して得られた前記組成物1-1のフィルムの透過度をUV-2600(Shimadzu社)で測定し、50℃温度のプロピレングリコールメチルエーテルアセテートに5分間入れた後、フィルムの透過度を測定して、厚みの変化を観察して耐化学性を測定した。透過度測定波長及び測定結果は、下記の表6に記載されたとおりである。
【0271】
<[実施例2~実施例5]>
前記実施例1において組成物1-1の代わりに、組成物1-2ないし組成物1-5を使用して、実施例1と同じ方法にてフィルムを形成した。形成されたフィルムの耐光性及び耐化学性を実施例1と同じ方法にて評価した後、その結果を表4及び表6に記載した。
【0272】
<[比較例1~比較例4]>
前記実施例1において組成物1-1の代わりに、組成物1-6ないし組成物1-9を使用して、実施例1と同じ方法にてフィルムを形成した。形成されたフィルムの耐光性及び耐化学性を実施例1と同じ方法にて評価した後、その結果を表4及び表6に記載した。
【0273】
<[実施例6~実施例10]>
前記実施例1において組成物1-1の代わりに、組成物2-2ないし組成物2-5を使用して、実施例1と同じ方法にてフィルムを形成した。形成されたフィルムの耐光性及び耐化学性を実施例1と同じ方法にて評価した後、その結果を表5及び表6に記載した。
【0274】
<[比較例5~比較例8]>
前記実施例1において組成物1-1の代わりに、組成物2-6ないし組成物2-9を使用して、実施例1と同じ方法にてフィルムを形成した。形成されたフィルムの耐光性及び耐化学性を実施例1と同じ方法にて評価した後、その結果を表5及び表6に記載した。
【0275】
【表4】
【0276】
【表5】
【0277】
【表6】
【0278】
前記表4から本発明の発色団-保護基染料及び本発明のアルカリ可溶性樹脂を含む実施例1~実施例5の場合、本発明のアルカリ可溶性樹脂を含むが、本発明の発色団-保護基染料を含まない比較例1~比較例4の場合と比較して耐光性が向上したことを確認できる。
【0279】
また、前記表5から本発明の発色団-保護基染料を含む実施例6~実施例10の場合、本発明の発色団-保護基染料を含まない比較例5~比較例8の場合と比較して耐光性に優れたことを確認できる。
【0280】
前記表6から本発明の発色団-保護基染料を含む実施例1~実施例10の場合、本発明の発色団-保護基染料を含まない比較例5~比較例8の場合と比較して溶媒浸漬前後の透過度差が減少し、これにより、本発明の発色団-保護基染料を含む実施例1~実施例10の場合、本発明の発色団-保護基染料を含まない比較例5~比較例8の場合と比較して耐化学性が向上することを確認できる。
【0281】
本発明は、前記実施例等に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で製造されることができる。
【0282】
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものに過ぎず、本発明に属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な変形が可能であろう。
【0283】
したがって、本明細書に開示された実施形態等は、本発明を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にあるすべての技術は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【0284】
〔符号の説明〕
1 基板
2 TFT層
3 平坦層
4 画素電極
5 画素画定膜
6 有機物層
7 対向電極
8 封止層
9 タッチパネル
10 カラー部
11 カラー分離部
【図面の簡単な説明】
【0285】
図1】本発明を実現するための表示装置を概念的に示したものである。
図2】本発明に係る化学式(1)及び化学式(2)を代表的に示したものである。
図3】本発明に係る化学式(1)及び化学式(2)を代表的に示したものである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】