IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

特表2024-542355ハイブリッドCMOSマイクロLEDディスプレイレイアウト
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ハイブリッドCMOSマイクロLEDディスプレイレイアウト
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20241108BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20241108BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241108BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/33
G09F9/30 338
H01L33/62
G09F9/00 346Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519045
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022044327
(87)【国際公開番号】W WO2023055636
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/249,783
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/947,322
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,トニー
(72)【発明者】
【氏名】モネスティエ,フローレント
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA04
5C094AA21
5C094AA31
5C094BA03
5C094BA23
5C094CA19
5C094DB01
5C094EA07
5C094EA10
5C094EB05
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB16
5C094HA10
5C094JA08
5F142CB11
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD32
5F142CD49
5F142DA02
5F142DA73
5F142GA02
5F142GA21
5G435AA01
5G435AA16
5G435BB04
5G435CC09
5G435EE34
5G435EE41
5G435LL07
(57)【要約】
μLEDディスプレイ領域の少なくとも2つの長辺に、交互配置されたコンタクト領域である交互のVledコンタクト領域及びVcatコンタクト領域を含むCMOSパワープレーンが記載される。斯くして、μLEDディスプレイパネルの4つの辺に沿ってVled及びカソード電流が均一に注入される。Vled及びVcat回路上の大きなカソード電流分配リングを用いて、パネルの4つの辺に沿って電流を分配する。電流分配リングはピクセルダイ領域を取り囲む。複数のμバンプのうちの1つに隣接してカソード電流再分配リング上に絶縁領域が含められ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側部分及び外側部分を持つカソード再分配リングであって、前記内側部分がダイピクセル領域の周囲を取り囲み、前記外側部分が、カソード電流分配領域と交互配置された共通供給電圧Vledを有する、カソード再分配リングと、
前記ダイピクセル領域の前記周囲に沿って前記カソード再分配リングの前記内側部分に接触する複数のカソードμバンプと、
を有するCMOSパワープレーン。
【請求項2】
前記ダイピクセル領域の2つの側で前記共通供給電圧Vledと前記カソード電流分配領域とが交互配置される、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項3】
前記ダイピクセル領域の4つの側で前記共通供給電圧Vledと前記カソード電流分配領域とが交互配置される、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項4】
少なくとも3つの共通供給電圧Vledが少なくとも3つのカソード電流分配領域と交互配置されている、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項5】
前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード再分配リング上の絶縁領域、を更に有する請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項6】
前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、請求項5に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項7】
前記絶縁領域は誘電体材料を有する、請求項5に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項8】
前記ダイピクセル領域に接続された複数のPMOSトランジスタ、を更に有する請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項9】
前記複数のカソードμバンプは、共通カソードグリッドに電気的に接続される、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項10】
前記ダイピクセル領域は、複数のピクセルを有する、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項11】
前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、請求項5に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項12】
基板上のパワープレーンであり、前記パワープレーンの少なくとも2つの辺に沿って均一に分散された複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域を持つパワープレーンと、
前記パワープレーンの4つの辺に沿って延在するカソード電流再分配リングと、
前記複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域の各々を、複数のピクセルの対応するpコンタクトに接続する複数のカソードμバンプと、
前記複数のピクセルと前記複数のカソードμバンプとを電気的に接続する共通カソードグリッドと、
を有するCMOSレイアウト。
【請求項13】
2つの辺で前記Vledコンタクト領域と前記カソードコンタクト領域とが交互配置される、請求項12に記載のCMOSレイアウト。
【請求項14】
4つの辺で前記Vledコンタクト領域と前記カソードコンタクト領域とが交互配置される、請求項12に記載のCMOSレイアウト。
【請求項15】
少なくとも3つのVledコンタクト領域が少なくとも3つのカソードコンタクト領域と交互になっている、請求項12に記載のCMOSレイアウト。
【請求項16】
前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード電流再分配リング上の絶縁領域、を更に有する請求項12に記載のCMOSレイアウト。
【請求項17】
前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、請求項16に記載のCMOSレイアウト。
【請求項18】
前記絶縁領域は誘電体材料を有する、請求項17に記載のCMOSレイアウト。
【請求項19】
前記複数のピクセルのうちの少なくとも1つに並列に接続された複数のPMOSトランジスタ、を更に有する請求項12に記載のCMOSレイアウト。
【請求項20】
前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、請求項16に記載のCMOSレイアウト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、発光ダイオード(LED)デバイスに関する。より具体的には、実施形態は、マイクロLEDのピクセル輝度の個別制御のためのCMOSドライバ電子回路向けのレイアウト構造に向けられる。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、それを電流が流れるときに可視光を発する半導体光源である。LEDは、P型半導体をN型半導体と組み合わせる。LEDは一般的に、III族化合物半導体を使用する。III族化合物半導体は、安定した動作を、他の半導体を用いるデバイスよりも高い温度で提供する。III族化合物は典型的に、サファイア又は炭化ケイ素(SiC)で形成された基板上に形成される。
【0003】
LEDは、数多くの用途のための魅力的な光源として浮上している。道路標識及び交通信号から、LEDは現在、一般照明、自動車、モバイルエレクトロニクス、カメラフラッシュ、ディスプレイバックライト照明、園芸、及び消毒用途において支配的になってきている。競合する光源と比較したLEDの典型的な利点は、効率向上、寿命延長、及び多種多様なフォームファクタへの適合性である。
【0004】
例えば、先進的な自動車前方照明向けのマイクロLEDのアレイといった、高度にコンパクトなピクセル化された発光ダイオード(LED)デバイスは、ピクセル輝度の個別制御のためのCMOSドライバエレクトロニクスとハイブリッド化された、モノリシックの大面積の高出力LEDダイを有し得る。特に、大きなピクセルアレイ構成では、そのような制御エレクトロニクスのための最も実用的なソリューションの中にリニア駆動方式がある。
【0005】
このシステムに関連する難しさは、全てのピクセルコンタクトの電源及び集積回路ドライバへの相互接続のためのCMOSルーティングに関する。コスト効率の良いソリューションは、パワープレーンのための金属層の数を最小限にしなければならない。しかしながら、パワープレーンのための金属層の数を最小化することは、電流を均一に分配するレイアウトの性能を損ね得るものであり、過度の電流密度レベルを有する望ましくない電流集中効果につながり、コンタクト界面におけるエレクトロマイグレーションに関連する信頼性及び熱損失に悪影響を及ぼし得る。
【0006】
従って、ハイブリッド化LEDダイ/CMOSモノリシックアーキテクチャにおいて電流分布を最適化するレイアウトアーキテクチャが望まれる。
【発明の概要】
【0007】
本開示の技術及び実施形態はCMOSパワープレーンに関する。1つ以上の実施形態において、CMOSパワープレーンは、内側部分及び外側部分を持つカソード再分配リングであり、前記内側部分がダイピクセル領域の周囲を取り囲み、前記外側部分が、カソード電流分配領域と交互配置(インターリーブ)された共通供給電圧Vledを有する、カソード再分配リングと、前記ダイピクセル領域の前記周囲に沿って前記カソード再分配リングの前記内側部分に接触する複数のカソードμバンプと、を有する。
【0008】
本開示の他の実施形態はCMOSレイアウトに関する。1つ以上の実施形態において、CMOSレイアウトは、基板上のパワープレーンであり、前記パワープレーンの少なくとも2つの辺に沿って均一に分散された複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域を持つパワープレーンと、前記パワープレーンの4つの辺に沿って延在するカソード電流再分配リングと、前記複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域の各々を、複数のピクセルの対応するpコンタクトに接続する複数のカソードμバンプと、前記複数のピクセルと前記複数のカソードμバンプとを電気的に接続する共通カソードグリッドと、を有する。
【0009】
更なる実施形態はCMOSパワープレーンに関する。1つ以上の実施形態において、CMOSパワープレーンは、内側部分及び外側部分を持つカソード再分配リングであり、前記内側部分がダイピクセル領域の周囲を取り囲み、前記外側部分が、当該CMOSパワープレーンの第1の辺、第2の辺、第3の辺、及び第4の辺に沿ってカソード電流分配領域と交互配置された共通供給電圧Vledを有する、カソード再分配リングと、前記ダイピクセル領域の前記周囲に沿って前記カソード再分配リングの前記内側部分に接触する複数のカソードμバンプと、を有する。
【0010】
加えての実施形態はCMOSレイアウトに関する。1つ以上の実施形態において、CMOSレイアウトは、基板上のパワープレーンであり、前記パワープレーンの第1の辺、第2の辺、第3の辺、及び第4の辺に沿って分散された複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域を持つパワープレーンと、前記パワープレーンの前記第1の辺、前記第2の辺、前記第3の辺、及び前記第4の辺に沿って延在するカソード電流再分配リングと、前記複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域の各々を、複数のピクセルの対応するpコンタクトに接続する複数のカソードμバンプと、前記複数のピクセルと前記複数のカソードμバンプとを電気的に接続する共通カソードグリッドと、を有する。
【0011】
他の実施形態はCMOSパワープレーンに関する。1つ以上の実施形態において、CMOSパワープレーンは、内側部分及び外側部分を持つカソード再分配リングであり、前記内側部分がダイピクセル領域の周囲を取り囲み、前記外側部分が、カソード電流分配領域と交互配置された共通供給電圧Vledを有する、カソード再分配リングと、前記ダイピクセル領域の前記周囲に沿って前記カソード再分配リングの前記内側部分に接触する複数のカソードμバンプと、前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード再分配リング上の絶縁領域と、を有する。
【0012】
加えての実施形態はCMOSレイアウトに関する。1つ以上の実施形態において、CMOSレイアウトは、基板上のパワープレーンであり、前記パワープレーンの少なくとも2つの辺に沿って均一に分散された複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域を持つパワープレーンと、前記パワープレーンの4つの辺に沿って延在するカソード電流再分配リングと、前記複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域の各々を、複数のピクセルの対応するpコンタクトに接続する複数のカソードμバンプと、前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード電流再分配リング上の絶縁領域と、前記複数のピクセルと前記複数のカソードμバンプとを電気的に接続する共通カソードグリッドと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上で簡単に要約した本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照して行われ、実施形態の一部が添付の図面に示される。しかしながら、言及しておくことには、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態のみを示しており、それ故に、その範囲を限定するものとみなされるべきでなく、本開示は、等しく有効な他の実施形態を認め得るものである。ここに記載される実施形態は、同様の要素を似通った参照符号で指し示す添付図面の図に、限定ではなく例として示される。
【0014】
この特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図を含む。カラーの図を含むこの特許又は特許出願公開のコピーは、請求及び必要な料金の支払いを受けて庁によって提供される。
図1A】1つ以上の実施形態に従ったCMOSパワープレーンのCMOS最上層の上面図を示している。
図1B】1つ以上の実施形態に従った図1Aの線Aに沿ってとられた断面図である。
図1C】1つ以上の実施形態に従った図1Aの線Bに沿ってとられた断面図である。
図1D】1つ以上の実施形態に従った図1AのCMOSパワープレーンのCMOS第2電流分配層の上面図を示している。
図1E】1つ以上の実施形態に従った図1AのCMOSパワープレーンの共通カソードの上面図を示している。
図2A】1つ以上の実施形態に従ったCMOSパワープレーンのCMOS最上層の上面図を示している。
図2B】1つ以上の実施形態に従った図2AのCMOSパワープレーンのCMOS第2電流分配層の上面図を示している。
図2C】1つ以上の実施形態に従った図2AのCMOSパワープレーンの共通カソードの上面図を示している。
図3A】1つ以上の実施形態に従ったCMOSパワープレーンの、絶縁領域を持つCMOS最上層の上面図を示している。
図3B】1つ以上の実施形態に従った図3AのCMOSパワープレーンの領域370の拡大図である。
図4A】1つ以上の実施形態に従ったCMOSパワープレーンの電流密度プロットである。
図4B】1つ以上の実施形態に従ったCMOSパワープレーンの電流密度プロットである。
図5A】1つ以上の実施形態に従ったμバンプの電流密度プロットである。
図5B】1つ以上の実施形態に従ったμバンプの電流密度プロットである。
図6】1つ以上の実施形態のμLEDアレイを使用する可視化システムの一例のブロック図を示している。
【0015】
理解を容易にするために、これらの図に共通する同じ要素を指定するために、可能な場合には、同じ参照符号を用いている。これらの図は一定の縮尺で描かれていない。例えば、メサの高さと幅は一定の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、理解されるべきことには、本開示は、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されるものではない。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実施されたり実行されたりすることができる。
【0017】
1つ以上の実施形態に従ってここで使用される用語“基板”は、プロセスが作用する表面又は表面部分を持つった、中間構造又は最終構造を指す。さらに、一部の実施形態における基板への言及は、文脈が明確に別のことを示さない限り、基板の一部のみも指す。また、一部の実施形態に従った基板上に堆積することへの言及は、ベア基板上に堆積すること、又は1つ以上の層、膜、フィーチャ若しくは材料が上に堆積若しくは形成された基板上に堆積することを含む。
【0018】
1つ以上の実施形態において、“基板”は、製造プロセス中に膜処理が行われる任意の基板又は基板上に形成された材料表面を意味する。例示的な実施形態において、処理が行われる基板表面は、用途に応じて、例えばシリコン、酸化シリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、歪みシリコン、アモルファスシリコン、ドープトシリコン、炭素ドープト酸化シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガラス、サファイアなどの材料、及び例えば金属、金属窒化物、III族窒化物(例えば、GaN、AlN、InN、及び他の合金)、金属合金、及び他の導電性材料などの、任意の他の好適材料を含む。基板は、限定することなく、発光ダイオード(LED)デバイスを含む。一部の実施形態における基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UVキュア、電子ビームキュア、及び/又はベークするための前処理プロセスに曝される。基板自体の表面上での直接的な膜処理に加えて、一部の実施形態において、開示される膜処理工程のいずれかはまた、基板上に形成された下地層上も実行され、用語“基板表面”は、文脈が示すような下地層を含むことを意図している。従って、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積される場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。
【0019】
用語“ウエハ”及び“基板”は、本開示において、相互に交換可能に使用される。従って、ここで使用されるとき、ウエハは、ここに記載されるLEDデバイスの形成のための基板として機能する。
【0020】
高密度ディスプレイ用途又は大面積の中密度用途にLEDを展開するためには、LEDユニットが100マイクロメートル以下の特性寸法を持つことが望まれ、典型的な値は8-25マイクロメートルの範囲である。このクラスのLEDは、一般にマイクロLED(μLED)と称される。マイクロLEDに基づくマイクロディスプレイ技術は、まだ商業的展開の初期段階にあるが、特定の用途では、例えば液晶・オン・シリコン(LCDoS)又は有機発光ダイオード・オン・シリコン(OLEDoS)などの既存のディスプレイ技術を徐々に置き換えることが期待されている。マイクロLEDディスプレイを商品化するための最大のハードルの1つは、ピクセル化されたLEDをバックプレーンに取り付ける転写技術である。
【0021】
ここに記載される実施形態は、マイクロLEDのピクセル輝度の個別制御のためのCMOSドライバエレクトロニクスを記述する。1つ以上の実施形態のCMOSパワープレーンレイアウトは、マイクロLEDディスプレイ領域の少なくとも2つの長辺に、Vledコンタクト領域及びVcatコンタクト領域を交互にした、小さい交互配置コンタクト領域を使用する。1つ以上の実施形態のCMOSパワープランレイアウトでは、有利なことに、パネルの四辺に沿ってVled及びカソード電流が均一に注入される。さらに、Vled及びVcat回路上の大きなリングを用いて、パネルの四辺に沿って電流を分配する。
【0022】
相補型対称(complementary-symmetry)金属酸化膜半導体(COS-MOS)としても知られる相補型金属酸化膜半導体(CMOS)は、ロジック機能のために相補的で対称なp型及びn型MOSFETのペアを使用する金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)製造プロセスの一種である。CMOS技術は、集積回路(IC)チップを構築するために使用される。CMOSは、特定の様式のデジタル回路設計と、集積回路(チップ)上にその回路を実装するのに使用されるプロセスのファミリーとの両方を指す。CMOS回路は、抵抗負荷を有するロジックファミリーよりも少ない電力を消散する。
【0023】
CMOS電力回路レイアウトは、各CMOSドライバセルに正のVLED電位を印加することと、ピクセル共通カソードにグランド電位を印加することとの2つの機能を持つ。これらの目的のために、(1)CMOSグランドコンタクトをLEDピクセルの共通カソードグリッドに電気的に接続するためのVcat回路と、(2)正の電位(VLED)を各CMOSドライバセルに印加するためのVLED電位回路との、2つの異なる回路が必要とされる。
【0024】
CMOSレイアウトは、典型的に、デジタル回路、小信号アナログ回路、及びパワートレインに指定された複数の層に分割され得る。後者は、電流分配及び例えばLEDダイといった外部コンポーネントへの相互接続を容易にするために、1つ又は2つの層、特に、最上層又は最下層に優先的に削減される。後者に関しては、通常、ダイの周りの周辺リングを用いてピクセル共通カソードグリッドをVcat回路に接続する。1つ以上の実施形態において、リング接続は、抵抗損(オーミック損失)を低減させるためにダイ領域に可能な限り近い。共通カソードとグランド回路との間の相互接続はダイ領域内に位置することができない。何故なら、2つの層を相互接続するのに必要な最小の面積でも、ピクセル間の現在の限られた空間に収まることができないからである。パワープレーンとの共通カソードグリッドの相互接続は、ピクセルサイズ(~40×40μm)と同様のサイズを持つμバンプで行われる。デバイス全体を流れる電流は非常に高く、且つ第1のμバンプ行(row)の長さが限られるので、μバンプにおける電流密度が非常に高くなり、メタル相互接続の信頼性不良のリスクを増大させる。従って、μバンプにおける電流密度を制限することが重要な設計要件である。
【0025】
また、CMOSパワープレーン層の厚さは、プロセス制約によって制限される。例えば、スパッタリング又はめっきを用いると、CMOSパワーラインのプロセス厚さは数マイクロメートルに制限される。結果として、拡散(spreading)層のシート抵抗が制限され、拡散層における電気損失が有意になる。この問題を解決するために、貫通ビアによって並列に接続された追加の電流分配層が一般に用いられている。
【0026】
伝統的に、CMOSパワープレーンレイアウトは、Vled電位のためにCMOSバックプレーンの一部を使用し、Vcat電位のためにバックプレーンの別の部分を使用する。伝統的なCMOSパワープレーンレイアウトでは、(電位Vcatを有する)U字形のカソード電気回路がμバンプと接触してVled電気回路を取り囲む。U字形カソード電気回路は、カソード回路の電流分配領域として機能する。この構成に伴う問題は、カソード電流がパネルの3つの辺で注入されることである。第2の電流分配層中の電流は、横方向のエッジに流れることを強いられる。それは十分な幅ではないので、抵抗が高い。これは、共通カソードμバンプにおける不均一な電流分布につながる主な問題である。この種のCMOSレイアウトでは、ダイ領域の4つの辺に沿って電流が均一に注入されない。結果として、LEDピクセル領域の4つの辺にカソード電流を均一に分配し、μバンプ電流密度を低減させるために、並列に接続された1つ以上の電流分配層が必要とされている。
【0027】
従って、ダイ領域の残りの辺に沿って電流を再分配するために、並列に接続された追加の層が必要とされる。故に、追加の層は主に、抵抗損を低減させるためというより、電流を分配するために使用されている。VLEDに関しては、パネルの一辺でのみ電流が注入され、ダイ領域の上側と下側との間に有意な電圧降下を引き起こす。結果として、ダイ領域における電流分布は均一でなく、μバンプにおける電流密度が非常に高い。
【0028】
従って、図1A図1Cを参照するに、1つ以上の実施形態は、ダイ領域の四辺周りでの電流分配のために、Vcat及びVledコンタクト領域102、104を交互にした小さい交互配置カソード分配領域と、大きいカソード再分配リング112とが使用されるCMOSパワープレーンレイアウト100を提供する。このレイアウトでは、ダイ領域の四辺にわたって電流が均一に分配され、並列に接続された追加の電流分配層は主に抵抗損を低減させるために使用されることができる。結果として、μバンプにおける電流密度及び抵抗電力損失が大幅に低減される。さらに、1つのタイプのカソードマイクロバンプ(uバンプ又はμバンプ)106のみが必要とされ、CMOSパネル製造プロセスを単純化する。
【0029】
当業者が理解することには、説明を容易にするために、複数のμバンプ106は一定の縮尺で描かれておらず、図示されたμバンプ106はそれらがそうであるよりも大きく表されている。さらに、当業者が理解することには、CMOS(図面には示さず)との共通カソード相互接続には、複数行のμバンプ106が使用されてもよい。実施に際し、μバンプの最小サイズはプロセスの制約によって制限される。1つ以上の実施形態のハイブリッドCMOS μLEDディスプレイにおいて、アノードμバンプの半径はピクセルサイズよりも小さく、カソードμバンプ106は、アノードμバンプ114と同じ又は同等のサイズを持つ。
【0030】
本発明に従った交互配置領域102、104及びカソード再分配リング112を有するCMOSパワープレーン100の概要を図1A図1Eに示す。図1B及び図1Cは、それぞれ、図1Aに示されるμLEDディスプレイ領域100の線A及び線Bに沿った断面図100A、100Bである。図1Aは、CMOS最上層の上面図100である。図1Dは、CMOS第2電流分配層の図150である。図1Eは、共通カソードの図155である。
【0031】
図1A図1Cを参照するに、1つ以上の実施形態において、CMOSパワープレーン120は、μLEDディスプレイ領域100の少なくとも2つの長辺108で、Vled104コンタクト領域及びVcat102コンタクト領域を交互にした小さな交互配置コンタクト領域を使用する。ここで使用されるとき、“交互配置”は、Vled104コンタクト領域が2つのカソード102コンタクト領域に隣接するように、Vled104コンタクト領域とカソード102コンタクト領域とを散在させて交互にすることを指す。斯くして、Vled104及びカソード102の電流がパネルの四辺108、110に沿って均一に注入される。
【0032】
1つ以上の実施形態において、Vcat回路上の大きなカソード再分配リング112及びVLED回路上の共通供給電圧Vled154を用いて、パネルの四辺108、110に沿って電流を分配する。なお、1つ以上の実施形態のカソード再分配リング112は、完全なリングであり、U字形リングではない。図示のように、ディスプレイ100の上側及び下側のみが電流注入のために使用される。1つ以上の実施形態において、カソード再分配リング112は、ピクセルダイ領域、共通カソードグリッド130を取り囲む。なお、図示を容易にするために、図1Aにおける共通カソードグリッド130は、カソードμバンプ106を見てとることができるよう、カソードμバンプ106を覆うグリッドがないように描かれている。当業者が理解することには、共通カソードグリッド130が、図1B及び図1Cに示すように、カソードμバンプ106の上まで延在し得る。
【0033】
ピクセルダイ領域、共通カソードグリッド130は、図1B及び図1Cに示すように、複数のピクセル116を有する。2つのピクセル116のみが図示されているが、当業者が理解することには、ピクセル116のサイズ及びダイのサイズに応じて、如何なる数のピクセルが存在してもよい。一部の実施形態において、86個のピクセルが存在し得る。他の実施形態において、170ピクセル又はそれより多くが存在し得る。ピクセル116は、当業者に知られる任意の好適なサイズを持ち得る。一部の実施形態において、ピクセル116は、40μmピクセル、又は30μmピクセル、又は20μmピクセルとし得る。
【0034】
1つ以上の実施形態において、交互配置領域は、Vcat102コンタクト領域とVled104コンタクト領域とを交互にした少なくとも3つのコンタクト領域からなる。図1Aに示す実施形態において、交互配置領域は、CMOSパネル100の2つの長辺108に沿って周期的に分布された10個のカソードコンタクト102及び8個のVledコンタクト104領域からなっている。1つ以上の実施形態において、交互のVled104及びカソード102コンタクト領域の数が多いほど、電流分布が良好になる。従って、1つ以上の実施形態において、3つより多くの、又は5つより多くのコンタクト領域が使用される。一部の実施形態において、少なくとも10個のカソード102コンタクト領域と、少なくとも8個のVled104コンタクト領域とが存在する。
【0035】
1つ以上の実施形態において、交互のVled104及びカソード102コンタクト領域は、CMOSパネル100の2つの長辺108に位置するが、パネル100の2つの短辺110には位置しない。
【0036】
図1B及び図1Cを参照するに、共通カソードグリッド130と、各ピクセル116のpすなわちアノードコンタクト124にバンプ接続(μバンプ114)されるCMOSパネル120とを有するアーキテクチャが使用される。この構成の1つの利点は、CMOSレイアウトが対称であり、ダイ領域とカソードコンタクトとの間の経路長が同じであり、良好な電流注入均一性を提供することである。1つ以上の実施形態において、ドライバ回路140を用いて、各ピクセルに個別に提供される電流を制御する。
【0037】
1つ以上の実施形態において、交互配置領域の長さは、数百マイクロメートルと数ミリメートルとの間で様々とし得る。1つ以上の実施形態において、交互配置領域は対称であることができる。他の実施形態において、交互配置領域は非対称であってもよい。異なる極性を有する各交互配置領域は、幅が数ミクロンの領域によって電気的に絶縁される。1つ以上の実施形態において、Vcat経路のために頂部のCMOS電流分配層が使用され、何故なら、共通カソードコンタクトとの相互接続を単純化するからである。一部の実施形態において、第2の電流分配層(又はより多くの電流分配層)がVled経路に使用される。Vled電流は、コンタクト領域上に位置する電気ビアを通って、各ドライバセルのpコンタクト124に接続された第2の電流分配層に達する。1つ以上の実施形態において、ダイ領域の四辺を取り囲む大きなカソード再分配リング112を用いて、ダイの周りに均一に電流を分配する。
【0038】
図1Dを参照するに、CMOS第2電流分配層150の上面図が示されている。1つ以上の実施形態において、共通供給電圧Vled154が、Vledグリッド136の周りを取り囲み、Vled104コンタクト領域を含む。共通供給電圧Vled154は、交互配置したカソード電流分配領域102を持つ。1つ以上の実施形態において、カソード電流は、カソード電流分配領域102を通って移動しない。従って、一部の図示しない実施形態において、カソード電流分配領域102は存在しなくてもよく、それ故に共通供給電圧Vled154が拡大される。
【0039】
図1Eは、1つ以上の実施形態に従った共通カソード155を示している。カソード再分配リング112の外側領域がカソードμバンプ106と重なる。カソード再分配リング112は共通カソードグリッド130を取り囲む。共通カソードグリッド130は、ピクセル側で各ピクセル116と接触する。
【0040】
1つ以上の図示しない実施形態では、代替として、(共通カソードの代わりに)共通アノードと、各ピクセルのnコンタクトにバンプされるCMOSパネルとを有する反転構造も使用され得る。この場合、ドライバ140内でPMOSトランジスタの代わりにNMOSトランジスタが使用される。
【0041】
図2A図2Cは、CMOSパワープレーンレイアウト200が、交互配置した小さなカソード分配領域202、204と、交互にしたVcat及びVledコンタクト領域202、204と、ダイ領域の四辺の周りでの電流分配のための大きなカソード再分配リング212とを有する一代替実施形態を示している。このレイアウトでは、ダイ領域の四辺にわたって電流が均一に分配され、並列に接続された追加の電流分配層は主に抵抗損を低減させるために使用されることができる。結果として、μバンプにおける電流密度及び抵抗電力損失が大幅に低減される。さらに、1つのタイプのカソードマイクロバンプ(uバンプ又はμバンプ)206のみが必要とされ、CMOSパネル製造プロセスを単純化する。
【0042】
図2Aは、CMOS最上層の図200である。図2Bは、CMOS第2電流分配層の図250である。図2Cは、共通カソードの図255である。
【0043】
図2Aを参照するに、パネル200の四辺全てを用いて、交互配置コンタクト領域を配置することができる。1つ以上の実施形態において、パネルの短辺210の空いた空間が、アドレッシング回路、ドライバコンポーネント、及びセンスなどを配置するために使用される。交互配置したVledコンタクト領域204及びカソード202コンタクト領域は、パネル200の四辺208、210の周りに配置される。
【0044】
1つ以上の実施形態において、Vled及びVcat回路上の大きなカソード再分配リング112を用いて、パネルの四辺208、210に沿って電流を分配する。なお、1つ以上の実施形態のカソード再分配リング212は、完全なリングであり、U字形リングではない。図示のように、ディスプレイ200の上側及び下側のみが電流注入のために使用される。1つ以上の実施形態において、カソード再分配リング212は、ピクセルダイ領域、共通カソードグリッド230を取り囲む。ピクセルダイ領域230は、複数のピクセル(図示せず)を有する。
【0045】
1つ以上の実施形態において、交互配置領域は、Vcat202コンタクト領域とVled204コンタクト領域とを交互にした少なくとも3つのコンタクト領域からなる。図2Aに示す実施形態において、交互配置領域は、CMOSパネル200の四辺208、210に沿って周期的に分布された10個のカソードコンタクト202及び8個のVledコンタクト204領域からなっている。1つ以上の実施形態において、交互のVled204及びカソード202コンタクト領域の数が多いほど、電流分布が良好になる。従って、1つ以上の実施形態において、3つより多くの、又は5つより多くのコンタクト領域が使用される。一部の実施形態において、少なくとも10個のカソード202コンタクト領域と、少なくとも8個のVled204コンタクト領域とが存在する。
【0046】
1つ以上の実施形態において、交互のVled204及びカソード202コンタクト領域は、CMOSパネル200の長辺108に位置するとともに、パネル200の2つの短辺210に沿って位置する。
【0047】
1つ以上の実施形態において、交互配置領域の長さは、数百マイクロメートルと数ミリメートルとの間で様々とし得る。1つ以上の実施形態において、交互配置領域は対称であることができる。他の実施形態において、交互配置領域は非対称であってもよい。異なる極性を有する各交互配置領域は、幅が数ミクロンの領域によって電気的に絶縁される。1つ以上の実施形態において、Vcat経路のために頂部のCMOS電流分配層が使用され、何故なら、共通カソードコンタクトとの相互接続を単純化するからである。一部の実施形態において、第2の電流分配層(又はより多くの電流分配層)がVled経路に使用される。Vled電流は、コンタクト領域上に位置する電気ビアを通って、各ドライバセルのpコンタクトに接続された第2の電流分配層に達する。1つ以上の実施形態において、ダイ領域の四辺を取り囲む大きなカソード再分配リング212を用いて、ダイの周りに均一に電流を分配する。
【0048】
図2Bを参照するに、CMOS第2電流分配層250が示されている。1つ以上の実施形態において、共通供給電圧Vled254が、ダイ領域230の周りを取り囲み、Vled204コンタクト領域を含む。共通供給電圧Vled254は、交互配置したカソード電流分配領域202を持つ。1つ以上の実施形態において、カソード電流は、カソード電流分配領域202を通って移動しない。従って、一部の図示しない実施形態において、カソード電流分配領域202は存在しなくてもよく、それ故に共通供給電圧Vled254が拡大される。
【0049】
図2Cは、1つ以上の実施形態に従った共通カソード255を示している。カソード再分配リング212の外側領域がカソードμバンプ206と重なる。カソード再分配リング212は共通カソードグリッド230を取り囲む。共通カソードグリッド230は、ピクセル側で各ピクセルと接触する。
【0050】
伝統的に、CMOSパワープレーンVcatレイアウトは、最も外側のカソードμバンプにおいて非常に高い電流密度を持つ。これは、電流を主に最も外側の隅のカソードμバンプに供給する外側コンタクトパッドによって引き起こされ得る。高い電流密度及び温度が、時間をかけて、金属間接続の不良メカニズムを加速させ得る。1つのカソードμバンプにクラック又は剥離が発生すると、電流はそのμバンプを流れず、そして、隣接するμバンプの最大電流密度も増加する。
【0051】
図3A及び図3Bを参照するに、1つ以上の実施形態において、μバンプ306における電流密度を低減させるためのソリューションは、共通カソードグリッド330における外側Vcatパッドと最も外側のμバンプ306xとの間に絶縁領域360を含めることである。図3Bは、図3Aの領域370の拡大図である。
【0052】
1つ以上の実施形態において、すると、共通カソードグリッド330における外側Vcatパッドと最も外側の隅のμバンプ306xとの間の直流電流を低減させることができ、それに従ってカソードμバンプ306における電流密度が減少され得る。1つ以上の実施形態において、絶縁領域360は、高い電流密度に起因した最も外側の隅のμバンプ306xの不良のリスクの低減を可能にする。絶縁領域360は、最も外側の隅のμバンプ306xに電流が到達するのを完全に阻むわけではない。この目的のために、絶縁領域360と最も外側の隅のカソードμバンプ306xとの間に少なくとも10μmの間隙345が存在する。少なくとも2つのμバンプ306上での電流注入を抑制するために、絶縁領域360の長さは少なくとも80μmである。1つ以上の実施形態において、絶縁領域360は、両側からの電流注入を抑制するために、2つの垂直なエッチングされたラインを含む。
【0053】
一部の実施形態において、絶縁領域360は、エッチングされた開口を有する。他の実施形態において、絶縁領域360は誘電体材料を有する。好適な誘電体材料は、以下に限られないが、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)、窒化アルミニウム(AlN)、及びこれらの組み合わせを含む。当業者が認識することには、酸化ケイ素を表すためのSiOなどの式の使用は、元素間の特定の化学量論的関係を意味するものではない。式は膜の主要な元素を特定するに過ぎない。
【0054】
例えば仮想現実システム及び拡張現実システムなどの可視化システムが、例えば娯楽、教育、医学、及びビジネスなどの分野においてますます一般的になりつつある。
【0055】
仮想現実システムでは、ディスプレイがユーザに、例えば3次元シーンなどのシーンのビューを提示することができる。ユーザは、例えばユーザの頭部の位置を変えたり歩いたりすることなどによって、シーン内で動くことができる。仮想現実システムは、ユーザの動きを検出し、その動きに合わせるようにシーンのビューを変更することができる。例えば、ユーザがユーザの頭部を回転させると、システムは、ユーザの凝視に一致するように眺め方向が変化するシーンのビューを提示することができる。斯くして、仮想現実システムは、3次元シーン内にユーザが存在することをシミュレートすることができる。また、仮想現実システムは、例えばウェアラブル位置センサなどから、触覚入力を受信することができ、オプションで、ユーザに触覚フィードバックを提供することができる。
【0056】
拡張現実システムでは、ディスプレイは、ユーザの周囲からの要素をシーンのビューに組み込むことができる。例えば、拡張現実システムは、ユーザの周囲のビューにテキストキャプション及び/又は視覚的要素を追加することができる。例えば、小売業者が拡張現実システムを使用して、ユーザの周囲のキャプチャ画像の上に家具の可視化を組み込むことによって、ユーザの家の部屋の中で家具がどのように見えるかをユーザに示すことができる。ユーザがユーザの部屋を動き回ると、可視化がユーザの動きを考慮に入れて、動きと一致するように家具の可視化を変更する。例えば、拡張現実システムは、仮想の椅子を部屋内に位置付けることができる。ユーザは、部屋内で、仮想の椅子の位置の正面側に立って、椅子の正面側を見ることができる。ユーザは、部屋内で、仮想の椅子の位置の背後の領域に移動して、椅子の背面側を見ることができる。斯くして、拡張現実システムは、ユーザの周囲の動的ビューに要素を追加することができる。
【0057】
図6は、1つ以上の実施形態のμLEDアレイを利用する可視化システム10の一例のブロック図を示している。可視化システム10は、例えばヘッドセット又はゴーグルなどのウェアラブルハウジング12を含むことができる。ハウジング12は、以下に詳述する要素を機械的に支持し収容することができる。一部の例において、以下に詳述する要素のうちの1つ以上は、ウェアラブルハウジング12とは別個であって、ウェアラブルハウジング12に無線で及び/又は有線接続を介して結合可能とすることができる1つ以上の追加のハウジングに含められることができる。例えば、別個のハウジングは、例えば、バッテリ、無線機、及び他の要素を含むことなどによって、ウェアラブルゴーグルの重量を低減させることができる。ハウジング12は、以下に詳述する要素のいずれか又は全てに電力供給することができるものである1つ以上のバッテリ14を含むことができる。ハウジング12は、バッテリ14を再充電するために、例えば壁コンセントなどの外部電源に電気的に結合することが可能な回路を含むことができる。ハウジング12は、例えばWiFiなどの好適なプロトコルを介してサーバ又はネットワークと無線通信するための1つ以上の無線機16を含むことができる。
【0058】
可視化システム10は、例えば光センサ、音声センサ、触覚センサ、熱センサ、ジャイロセンサ、飛行時間センサ、三角測量ベースのセンサ、及びその他などの、1つ以上のセンサ18を含むことができる。一部の例において、センサのうちの1つ以上は、ユーザの場所、位置、及び/又は向きをセンシングすることができる。一部の例において、センサ18のうちの1つ以上は、センシングされた場所、位置、及び/又は向きに応答してセンサ信号を生成することができる。センサ信号は、センシングされた場所、位置、及び/又は向きに対応するセンサデータを含むことができる。例えば、センサデータは、周囲の深度マップを含むことができる。例えば拡張現実システム向けなどの一部の例において、センサ18のうちの1つ以上は、ユーザに近接する周囲のリアルタイムビデオ画像をキャプチャすることができる。
【0059】
可視化システム10は、1つ以上の映像生成プロセッサ20を含むことができる。1つ以上の映像生成プロセッサ20は、サーバ及び/又は記憶媒体から、例えばシーン内の物体についての位置座標のセット又はシーンの深度マップなど、3次元シーンを表すシーンデータを受信することができる。1つ以上の映像生成プロセッサ20は、上記1つ以上のセンサ18から1つ以上のセンサ信号を受信することができる。周囲を表すものであるシーンデータと、周囲に対するユーザの場所及び/又は向きを表すものである少なくとも1つのセンサ信号とに応答して、1つ以上の映像生成プロセッサ20は、シーンのビューに対応する少なくとも1つの映像信号を生成することができる。一部の例において、1つ以上の映像生成プロセッサ20は、それぞれユーザの左眼及び右眼の視点からのシーンのビューを表す、ユーザの各眼に対して1つずつの2つの映像信号を生成することができる。一部の例において、1つ以上の映像生成プロセッサ20は、3つ以上の映像信号を生成し、それらの映像信号を組み合わせて、両眼についての1つの映像信号、両眼についての2つの映像信号、又は他の組み合わせを提供することができる。
【0060】
可視化システム10は、可視化システム10のディスプレイに光を提供することができる1つ以上の光源22を含むことができる。好適な光源22は、発光ダイオード、モノリシック発光ダイオード、複数の発光ダイオード、発光ダイオードのアレイ、共通基板上に配置された発光ダイオードのアレイ、単一基板上に配置され、個別にアドレッシング可能で制御可能な(且つ/或いはグループ及び/又はサブセットで制御可能な)発光ダイオード素子を持つセグメント化発光ダイオード、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)のアレイ、及びその他を含み得る。
【0061】
発光ダイオードは白色光の発光ダイオードとし得る。例えば、白色光の発光ダイオードは、例えば青色光又は紫色光などの励起光を発することができる。白色光の発光ダイオードは、励起光の一部又は全てを吸収し、それに応答して、励起光の波長よりも長い波長を持つ例えば黄色光などの蛍光体光を発することができる1つ以上の蛍光体を含むことができる。
【0062】
1つ以上の光源22は、異なる色又は波長を持つ光生成要素を含むことができる。例えば、光源は、赤色光を発することができる赤色発光ダイオード、緑色光を発することができる緑色発光ダイオード、及び青色光を発することができる青色発光ダイオードを含むことができる。赤色、緑色、及び青色の光が特定の比率で組み合わさって、電磁スペクトルの可視部分内の視覚的に知覚可能な好適な色を生成する。
【0063】
可視化システム10は、1つ以上の変調器24を含むことができる。変調器24は、少なくとも2つの構成のうちの1つで実装され得る。
【0064】
第1の構成において、変調器24は、光源22を直接変調することができる回路を含むことができる。例えば、光源22は発光ダイオードのアレイを含むことができ、変調器24は、アレイ内の各発光ダイオードに向けられる電力、電圧、及び/又は電流を直接変調して、変調された光を形成することができる。変調はアナログ方式及び/又はデジタル方式で実行されることができる。一部の例において、光源22は、赤色発光ダイオードのアレイ、緑色発光ダイオードのアレイ、及び青色発光ダイオードのアレイを含むことができ、変調器24は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードを直接変調して、指定された画像を生成するための変調された光を形成することができる。
【0065】
第2の構成において、変調器24は、例えば液晶パネルなどの変調パネルを含むことができる。光源22は、均一な照明又はほぼ均一な照明を生成して変調パネルを照らすことができる。変調パネルはピクセルを含むことができる。各ピクセルは、電気変調信号に応答して、変調パネル領域のうちのそれぞれの部分を選択的に減衰させることで、変調光を形成することができる。一部の例において、変調器24は、異なる色の光を変調することができる複数の変調パネルを含むことができる。例えば、変調器24は、例えば赤色発光ダイオードなどの赤色光源からの赤色光を減衰させることができる赤色変調パネルと、例えば緑色発光ダイオードなどの緑色光源からの緑色光を減衰させることができる緑色変調パネルと、例えば青色発光ダイオードなどの青色光源からの青色光を減衰させることができる青色変調パネルとを含むことができる。
【0066】
第2の構成の一部の例において、変調器24は、白色光の発光ダイオードなどの白色光源から均一な白色光又はほぼ均一な白色光を受けることができる。変調パネルは、当該変調パネルの各ピクセル上に波長選択フィルタを含むことができる。パネルピクセルは、グループ(例えば3つ又は4つのグループなど)に配置されることができ、各グループがカラー画像のピクセルを形成することができる。例えば、各グループは、赤色カラーフィルタを有するパネルピクセルと、緑色カラーフィルタを有するパネルピクセルと、青色カラーフィルタを有するパネルピクセルとを含むことができる。他の好適構成も使用されることができる。
【0067】
可視化システム10は、例えば1つ以上の映像生成プロセッサ20などから映像信号を受信することができ、それに応答して、電気変調信号を生成することができるものである1つ以上の変調プロセッサ26を含むことができる。変調器24が光源22を直接変調する構成では、電気変調信号は光源22を駆動することができる。変調器24が変調パネルを含む構成では、電気変調信号は変調パネルを駆動することができる。
【0068】
可視化システム10は、異なる色の光ビームを組み合わせて単一のマルチカラービームを形成することができるものである1つ以上のビームコンバイナ28(ビームスプリッタ28としても知られる)を含むことができる。光源22が異なる色の複数の発光ダイオードを含むことができる構成では、可視化システム10は、異なる色の光を組み合わせて単一のマルチカラービームを形成することができる1つ以上の波長センシティブ(例えば、ダイクロイック)ビームスプリッタ28を含むことができる。
【0069】
可視化システム10は、少なくとも2つの構成のうちの1つにて、変調された光を見る者の眼に向けることができる。第1の構成において、可視化システム10はプロジェクタとして機能することができ、変調された光を1つ以上のスクリーン32上に投影することが可能な好適な投影光学系30を含むことができる。スクリーン32は、ユーザの眼から好適な距離に置かれることができる。可視化システム10は、オプションで、例えば、500mm、750mm、又は別の好適距離などの近焦点距離など、眼から好適な距離にスクリーン32の仮想画像を配置することが可能な1つ以上のレンズ34を含むことができる。一部の例において、可視化システム10は、単一のスクリーン32を含み、変調された光がユーザの両眼に向けられるようにすることができる。一部の例において、可視化システム10は、2つのスクリーン32を含み、各スクリーン32からの変調された光がユーザのそれぞれの眼に向けられるようにすることができる。一部の例において、可視化システム10は、3つ以上のスクリーン32を含むことができる。第2の構成において、可視化システム10は、変調された光を見る者の片眼又は両眼に直接向けることができる。例えば、投影光学系30は、ユーザの眼の網膜上に像を形成することができ、あるいは、ユーザの両眼の網膜各々上に像を形成することができる。
【0070】
拡張現実システムの一部の構成では、可視化システム10は、ユーザがディスプレイを通してユーザの周囲を見ることができるように、少なくとも部分的に透明なディスプレイを含むことができる。そのような構成では、拡張現実システムは、周囲自体ではなく、周囲の拡張に対応する変調された光を生成することができる。例えば、小売業者が椅子を見せる例において、拡張現実システムは、椅子に対応するが部屋の残りの部分には対応しない変調された光を、スクリーンに向けて又はユーザの眼に向けて方向付けることができる。
【0071】
次に、以下の例を参照して本開示を説明する。本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、理解されるべきことには、本開示は、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されるものではない。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実施されたり実行されたりすることができる。
【0072】

比較例1
2つの電流分配層を持つCMOSレイアウトを形成した。該CMOSレイアウトは、U字形のカソードリングを持つ。該CMOSレイアウトの電流密度を計算した。図4Aに示すように、電流密度は均一でない。
【0073】
例2
8つの交互配置した電流分配領域を持つCMOSレイアウトを形成した。8つの交互配置した電流分配領域を持つ該CMOSレイアウトの電流密度を計算した。図4Bに示すように、電流密度は均一であった。
【0074】
表1は、2つの電流分配層を有する比較例1のCMOSレイアウトと、上及び下のパネルの辺に交互配置領域を有するとともに連続した電流分配リングを有する例2のCMOSレイアウトとの間での、電力損失の比較を示している。1つ以上の実施形態のパワープレーンレイアウトでは、40%より多く抵抗損が低減されている。カソードμバンプを通る平均電流密度も遥かに低い。
【表1】
【0075】
例3
8つの交互配置した電流分配領域を持つCMOSレイアウトを形成した。該レイアウトは、外側のVcatパッドと最も外側のμバンプビアとの間に絶縁領域を持たないものとした。電流密度を測定し、それを図5Aに示す。
【0076】
例4
8つの交互配置した電流分配領域を持つCMOSレイアウトを形成した。該レイアウトは、外側のVcatパッドと最も外側のμバンプビアとの間に絶縁領域を持つものとした。電流密度を測定した。図5A及び図5Bは、外側のVcatコンタクト領域と最も外側の隅のμバンプとの間に絶縁領域を有するレイアウト(例4)と有しないレイアウト(例3)との間で、カソードμバンプにおける電流密度を比較するものである。絶縁領域を有するレイアウトの最も外側の隅のカソードμバンプにおける電流密度が30%を超えて減少されている。
【0077】
実施形態
様々な実施形態を以下に列挙する。理解されることには、以下に列挙される実施形態は、本発明の範囲に従って、全ての態様及び他の実施形態と組み合わされ得る。
【0078】
実施形態(a). 内側部分及び外側部分を持つカソード再分配リングであり、前記内側部分がダイピクセル領域の周囲を取り囲み、前記外側部分が、カソード電流分配領域と交互配置された共通供給電圧Vledを有する、カソード再分配リングと、前記ダイピクセル領域の前記周囲に沿って前記カソード再分配リングの前記内側部分に接触する複数のカソードμバンプと、を有するCMOSパワープレーン。
【0079】
実施形態(b). 前記ダイピクセル領域の2つの側で前記共通供給電圧Vledと前記カソード電流分配領域とが交互配置される、実施形態(a)のCMOSパワープレーン。
【0080】
実施形態(c). 前記ダイピクセル領域の4つの側で前記共通供給電圧Vledと前記カソード電流分配領域とが交互配置される、実施形態(a)乃至(b)のCMOSパワープレーン。
【0081】
実施形態(d). 少なくとも3つの共通供給電圧Vledが少なくとも3つのカソード電流分配領域と交互配置されている、実施形態(a)乃至(c)のCMOSパワープレーン。
【0082】
実施形態(e). 前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード再分配リング上の絶縁領域、を更に有する実施形態(a)乃至(b)のCMOSパワープレーン。
【0083】
実施形態(f). 前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、実施形態(a)乃至(e)のCMOSパワープレーン。
【0084】
実施形態(g). 前記絶縁領域は誘電体材料を有する、実施形態(a)乃至(f)のCMOSパワープレーン。
【0085】
実施形態(h). 前記ダイピクセル領域に接続された複数のPMOSトランジスタ、を更に有する実施形態(a)乃至(g)のCMOSパワープレーン。
【0086】
実施形態(i). 前記複数のカソードμバンプは、共通カソードグリッドに電気的に接続される、実施形態(a)乃至(h)のCMOSパワープレーン。
【0087】
実施形態(j). 前記ダイピクセル領域は、複数のピクセルを有する、実施形態(a)乃至(i)のCMOSパワープレーン。
【0088】
実施形態(k). 前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、実施形態(a)乃至(j)のCMOSパワープレーン。
【0089】
実施形態(l). 基板上のパワープレーンであり、前記パワープレーンの少なくとも2つの辺に沿って均一に分散された複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域を持つパワープレーンと、前記パワープレーンの4つの辺に沿って延在するカソード電流再分配リングと、前記複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域の各々を、複数のピクセルの対応するpコンタクトに接続する複数のカソードμバンプと、前記複数のピクセルと前記複数のカソードμバンプとを電気的に接続する共通カソードグリッドと、を有するCMOSレイアウト。
【0090】
実施形態(m). 2つの辺で前記Vledコンタクト領域と前記カソードコンタクト領域とが交互配置される、実施形態(l)のCMOSレイアウト。
【0091】
実施形態(n). 4つの辺で前記Vledコンタクト領域と前記カソードコンタクト領域とが交互配置される、実施形態(l)乃至(m)のCMOSレイアウト。
【0092】
実施形態(o). 少なくとも3つのVledコンタクト領域が少なくとも3つのカソードコンタクト領域と交互になっている、実施形態(l)乃至(n)のCMOSレイアウト。
【0093】
実施形態(p). 前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード電流再分配リング上の絶縁領域、を更に有する実施形態(l)乃至(o)のCMOSレイアウト。
【0094】
実施形態(q). 前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、実施形態(l)乃至(p)のCMOSレイアウト。
【0095】
実施形態(r). 前記絶縁領域は誘電体材料を有する、実施形態(l)乃至(q)のCMOSレイアウト。
【0096】
実施形態(s). 前記複数のピクセルのうちの少なくとも1つに並列に接続された複数のPMOSトランジスタ、を更に有する実施形態(l)乃至(r)のCMOSレイアウト。
【0097】
実施形態(t). 前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、実施形態(l)乃至(s)のCMOSレイアウト。
【0098】
実施形態(u). CMOSパワープレーンであって、内側部分及び外側部分を持つカソード再分配リングであり、前記内側部分がダイピクセル領域の周囲を取り囲み、前記外側部分が、当該CMOSパワープレーンの第1の辺、第2の辺、第3の辺、及び第4の辺に沿ってカソード電流分配領域と交互配置された共通供給電圧Vledを有する、カソード再分配リングと、前記ダイピクセル領域の前記周囲に沿って前記カソード再分配リングの前記内側部分に接触する複数のカソードμバンプと、を有するCMOSパワープレーン。
【0099】
実施形態(v). 少なくとも3つの共通供給電圧Vled領域が少なくとも3つのカソード電流分配領域と交互配置されている、実施形態(u)のCMOSパワープレーン。
【0100】
実施形態(w). 前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード再分配リング上の絶縁領域、を更に有する実施形態(u)乃至(v)のCMOSパワープレーン。
【0101】
実施形態(x). 前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、実施形態(u)乃至(w)のCMOSパワープレーン。
【0102】
実施形態(y). 前記絶縁領域は誘電体材料を有する、実施形態(u)乃至(x)のCMOSパワープレーン。
【0103】
実施形態(z). 前記ダイピクセル領域に接続された複数のPMOSトランジスタ、を更に有する実施形態(u)乃至(y)のCMOSパワープレーン。
【0104】
実施形態(aa). 前記複数のカソードμバンプは、共通カソードグリッドに電気的に接続される、実施形態(u)乃至(z)のCMOSパワープレーン。
【0105】
実施形態(bb). 前記ダイピクセル領域は、複数のピクセルを有する、実施形態(u)乃至(aa)のCMOSパワープレーン。
【0106】
実施形態(cc). 前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、実施形態(u)乃至(bb)のCMOSパワープレーン。
【0107】
実施形態(dd). 前記絶縁領域は、前記複数のカソードμバンプのうちの1つから少なくとも10μm離れている、実施形態(u)乃至(cc)のCMOSパワープレーン。
【0108】
実施形態(ee). 基板上のパワープレーンであり、前記パワープレーンの第1の辺、第2の辺、第3の辺、及び第4の辺に沿って分散された複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域を持つパワープレーンと、前記パワープレーンの前記第1の辺、前記第2の辺、前記第3の辺、及び前記第4の辺に沿って延在するカソード電流再分配リングと、前記複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域の各々を、複数のピクセルの対応するpコンタクトに接続する複数のカソードμバンプと、前記複数のピクセルと前記複数のカソードμバンプとを電気的に接続する共通カソードグリッドと、を有するCMOSレイアウト。
【0109】
実施形態(ff). 少なくとも3つのVledコンタクト領域が少なくとも3つのカソードコンタクト領域と交互になっている、実施形態(ee)のCMOSレイアウト。
【0110】
実施形態(gg). 前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード電流再分配リング上の絶縁領域、を更に有する実施形態(ee)乃至(ff)のCMOSレイアウト。
【0111】
実施形態(hh). 前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、実施形態(ee)乃至(gg)のCMOSレイアウト。
【0112】
実施形態(ii). 前記複数のピクセルのうちの少なくとも1つに並列に接続された複数のPMOSトランジスタ、を更に有する実施形態(ee)乃至(hh)のCMOSレイアウト。
【0113】
実施形態(jj). 前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、実施形態(ee)乃至(ii)のCMOSレイアウト。
【0114】
実施形態(kk). 前記絶縁領域は、前記複数のカソードμバンプのうちの1つから少なくとも10μm離れている、実施形態(ee)乃至(jj)のCMOSレイアウト。
【0115】
実施形態(ll). 前記絶縁領域は誘電体材料を有する、実施形態(ee)乃至(kk)のCMOSレイアウト。
【0116】
実施形態(mm). 前記交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域が、前記パワープレーンの前記第1の辺、前記第2の辺、前記第3の辺、及び前記第4の辺に沿って均一に分散されている、実施形態(ee)乃至(ll)のCMOSレイアウト。
【0117】
実施形態(nn). 内側部分及び外側部分を持つカソード再分配リングであり、前記内側部分がダイピクセル領域の周囲を取り囲み、前記外側部分が、カソード電流分配領域と交互配置された共通供給電圧Vledを有する、カソード再分配リングと、前記ダイピクセル領域の前記周囲に沿って前記カソード再分配リングの前記内側部分に接触する複数のカソードμバンプと、前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード再分配リング上の絶縁領域と、を有するCMOSパワープレーン。
【0118】
実施形態(oo). 前記ダイピクセル領域の2つの側で前記共通供給電圧Vledと前記カソード電流分配領域とが交互配置される、実施形態(nn)のCMOSパワープレーン。
【0119】
実施形態(pp). 前記ダイピクセル領域の4つの側で前記共通供給電圧Vledと前記カソード電流分配領域とが交互配置される、実施形態(nn)乃至(oo)のCMOSパワープレーン。
【0120】
実施形態(qq). 少なくとも3つの共通供給電圧Vledが少なくとも3つのカソード電流分配領域と交互配置されている、実施形態(nn)乃至(pp)のCMOSパワープレーン。
【0121】
実施形態(rr). 前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、実施形態(nn)乃至(qq)のCMOSパワープレーン。
【0122】
実施形態(ss). 前記絶縁領域は誘電体材料を有する、実施形態(nn)乃至(rr)のCMOSパワープレーン。
【0123】
実施形態(tt). 前記複数のカソードμバンプは、共通カソードグリッドに電気的に接続される、実施形態(nn)乃至(ss)のCMOSパワープレーン。
【0124】
実施形態(uu). 前記ダイピクセル領域は、複数のピクセルを有する、実施形態(nn)乃至(tt)のCMOSパワープレーン。
【0125】
実施形態(vv). 前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、実施形態(nn)乃至(uu)のCMOSパワープレーン。
【0126】
実施形態(ww). 前記絶縁領域は、前記複数のカソードμバンプのうちの1つから少なくとも10μm離れている、実施形態(nn)乃至(vv)のCMOSパワープレーン。
【0127】
実施形態(xx). 8個の共通供給電圧Vledが10個のカソード電流分配領域と交互配置されている、実施形態(nn)乃至(ww)のCMOSパワープレーン。
【0128】
実施形態(yy). 基板上のパワープレーンであり、前記パワープレーンの少なくとも2つの辺に沿って均一に分散された複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域を持つパワープレーンと、前記パワープレーンの4つの辺に沿って延在するカソード電流再分配リングと、前記複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域の各々を、複数のピクセルの対応するpコンタクトに接続する複数のカソードμバンプと、前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード電流再分配リング上の絶縁領域と、前記複数のピクセルと前記複数のカソードμバンプとを電気的に接続する共通カソードグリッドと、を有するCMOSレイアウト。
【0129】
実施形態(zz). 2つの辺で前記Vledコンタクト領域と前記カソードコンタクト領域とが交互配置される、実施形態(yy)のCMOSレイアウト。
【0130】
実施形態(aaa). 4つの辺で前記Vledコンタクト領域と前記カソードコンタクト領域とが交互配置される、実施形態(yy)乃至(zz)のCMOSレイアウト。
【0131】
実施形態(bbb). 少なくとも3つのVledコンタクト領域が少なくとも3つのカソードコンタクト領域と交互になっている、実施形態(yy)乃至(aaa)のCMOSレイアウト。
【0132】
実施形態(ccc). 前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、実施形態(yy)乃至(bbb)のCMOSレイアウト。
【0133】
実施形態(ddd). 前記絶縁領域は誘電体材料を有する、実施形態(yy)乃至(ccc)のCMOSレイアウト。
【0134】
実施形態(eee). 複数のピクセルのうちの少なくとも1つに並列に接続された複数のPMOSトランジスタ、を更に有する実施形態(yy)乃至(ddd)のCMOSレイアウト。
【0135】
実施形態(fff). 前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、実施形態(yy)乃至(eee)のCMOSレイアウト。
【0136】
実施形態(ggg). 前記絶縁領域は、前記複数のカソードμバンプのうちの1つから少なくとも10μm離れている、実施形態(yy)乃至(fff)のCMOSレイアウト。
【0137】
ここで説明される材料及び方法を記述する文脈(特に、以下の請求項の文脈)における用語“a”、“an”及び“the”並びに類似の指し示しの使用は、ここで別段の断りがあったり文脈によって明らかに否定されたりしない限り、単数及び複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。ここでの値の範囲の記載は、ここで別段の断りがない限り、その範囲内に入る各々別個の値を個々に言及することの速記法としての役割を果たすことを意図しているに過ぎず、各々別個の値が、あたかもここで個別に記載されたかのように本明細書に組み込まれる。ここに記載された方法は全て、ここで別段の断りがあったり文脈によって明らかに否定されたりしない限り、任意の好適な順序で実行されることができる。ここで提供された任意の及び全ての例、又は例示的言語(例えば、“例えば~など”)の使用は、材料及び方法をいっそう明らかにすることを意図しているに過ぎず、別段の主張がない限り、範囲に対して限定を課すものではない。明細書中のいかなる文言も、請求項にない要素を、開示された材料及び方法の実施に不可欠であると示すものとして解釈されるべきでない。
【0138】
ここでは、様々な要素を説明するために、この明細書を通して第1、第2、第3などの用語への言及は用いられることがあるが、それらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用され得る。
【0139】
この明細書を通して、他の要素“上に”ある又は他の要素“上に”延びるとして、層、領域、又は基板に言及することは、それが他の要素上に直にあったり他の要素上に直に延びたりし得ること、あるいは介在要素も存在してよいことを意味する。ある要素が他の要素“上に直接”ある又は他の要素“上に直接”延びるとして言及されるとき、介在要素は存在しないとし得る。また、ある要素が他の要素に“接続される”又は“結合される”として言及されるとき、それは、他の要素に直接接続又は結合され及び/又は1つ以上の介在要素を介して他の要素に接続又は結合され得る。ある要素が他の要素に“直接接続される”又は“直接結合される”として言及されるとき、その要素と他の要素との間に介在要素は存在しない。理解されることには、これらの用語は、図に示される向きに加えて、異なる向きでのその要素を包含することを意図している。
【0140】
例えば“の下”、“の上”、“上側の”、“下側の”、“水平”、又は“垂直”などの相対的な用語は、ここでは、図に示されるような、1つの要素、区画、又は領域の、他の要素、区画、又は領域に対する関係を記述するために使用され得る。理解されることには、これらの用語は、図に示される向きに加えて、異なる向きでのそのデバイスを包含することを意図している。
【0141】
この明細書を通して、“一実施形態”、“特定の実施形態”、“1つ以上の実施形態”、又は“ある実施形態”への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の機構、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、例えば“1つ以上の実施形態において”、“特定の実施形態において”、“一実施形態において”、又は“ある実施形態において”などの言い回しがこの明細書中の様々な箇所に現れることは、必ずしも本開示の同じ実施形態に言及しているわけではない。1つ以上の実施形態において、特定の機構、構造、材料、又は特性は、任意の好適なやり方で組み合わされる。
【0142】
ここでの開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、理解されるべきことには、これらの実施形態は単に本開示の原理及び用途を例示するものに過ぎない。当業者に明らかになることには、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な変更及び変形を加えることができる。従って、本開示は添付の請求項の範囲及びそれらの均等範囲の中での変更及び変形を含むことが意図される。

図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側部分及び外側部分を持つカソード再分配リングであって、前記内側部分がダイピクセル領域の周囲を取り囲み、前記外側部分が、カソード電流分配領域と交互配置された共通供給電圧Vledを有する、カソード再分配リングと、
前記ダイピクセル領域の前記周囲に沿って前記カソード再分配リングの前記内側部分に接触する複数のカソードμバンプと、
を有するCMOSパワープレーン。
【請求項2】
前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード再分配リング上の絶縁領域、を更に有する請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項3】
前記ダイピクセル領域の2つの側で前記共通供給電圧Vledと前記カソード電流分配領域とが交互配置される、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項4】
前記ダイピクセル領域の4つの側で前記共通供給電圧Vledと前記カソード電流分配領域とが交互配置される、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項5】
少なくとも3つの共通供給電圧Vledが少なくとも3つのカソード電流分配領域と交互配置されている、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項6】
前記カソード電流分配領域は、当該CMOSパワープレーンの第1の辺、第2の辺、第3の辺、及び第4の辺に沿っている、請求項1に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項7】
前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード再分配リング上の絶縁領域、を更に有する請求項に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項8】
前記絶縁領域は、エッチングされたラインを有する、請求項に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項9】
前記絶縁領域は誘電体材料を有する、請求項に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項10】
前記ダイピクセル領域に接続された複数のPMOSトランジスタ、を更に有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項11】
前記複数のカソードμバンプは、共通カソードグリッドに電気的に接続される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項12】
前記絶縁領域は、80μmよりも大きいサイズを持つ、請求項に記載のCMOSパワープレーン。
【請求項13】
基板上のパワープレーンであり、前記パワープレーンの少なくとも2つの辺に沿って均一に分散された複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域を持つパワープレーンと、
前記パワープレーンの4つの辺に沿って延在するカソード電流再分配リングと、
前記複数の交互のVledコンタクト領域及びカソードコンタクト領域の各々を、複数のピクセルの対応するpコンタクトに接続する複数のカソードμバンプと、
前記複数のピクセルと前記複数のカソードμバンプとを電気的に接続する共通カソードグリッドと、
を有するCMOSレイアウト。
【請求項14】
前記複数のカソードμバンプのうちの1つに隣接した前記カソード電流再分配リング上の絶縁領域、を更に有する請求項13に記載のCMOSレイアウト。
【請求項15】
前記カソードコンタクト領域は、前記パワープレーンの第1の辺、第2の辺、第3の辺、及び第4の辺に沿っている、請求項13に記載のCMOSレイアウト。
【国際調査報告】