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特表2024-542362使い捨てカートリッジを備える皮膚スプレー装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】使い捨てカートリッジを備える皮膚スプレー装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/24 20060101AFI20241108BHJP
   A61M 35/00 20060101ALI20241108BHJP
   A61M 11/02 20060101ALI20241108BHJP
   A45D 34/02 20060101ALI20241108BHJP
   B05B 7/08 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B05B7/24
A61M35/00 Z
A61M11/02 Z
A45D34/02 510C
B05B7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521250
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022046510
(87)【国際公開番号】W WO2023064432
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】17/501,831
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524130227
【氏名又は名称】クォンタム スキン エスピー ズーオー
(71)【出願人】
【識別番号】524130238
【氏名又は名称】グッチーナ,ヨアンナ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】グッチーナ,ヨアンナ
(72)【発明者】
【氏名】ギャラール,エンリケ
【テーマコード(参考)】
4C267
4F033
【Fターム(参考)】
4C267AA67
4C267CC01
4F033QA10
4F033QB02X
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB17
4F033QD19
4F033QD25
4F033QF04X
(57)【要約】
皮膚に噴霧するためのシステム及び方法は、皮膚製剤を皮膚に噴霧する1つ又は複数の使い捨てカートリッジを備えた携帯型の手持ち式皮膚適用デバイスを含み、使い捨てカートリッジは、カートリッジをスプレーデバイス内に配置することによって起動され得るノズルを有する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴霧するためのカートリッジであって:
ノズルアセンブリと、液体リザーバと、前記液体リザーバに取り付けられたキャップであって、前記ノズルアセンブリに係合するように適合されているキャップと;を備え、
前記ノズルアセンブリは、内側本体及び外側本体を備え、前記内側本体及び外側本体は、それらの間に第1の流体通路を形成し、前記第1の流体通路は圧縮空気を送達するように適合され、前記内側本体は、その内部に第2の流体通路を備え、前記第2の流体通路は前記液体リザーバから液体を送達するように適合され;
前記ノズルアセンブリは前記キャップに対して制御された方向に移動可能であり;前記ノズルアセンブリの前記内側本体は、前記ノズルアセンブリが前記液体リザーバの方向に移動されると前記液体リザーバを突き刺して、前記液体リザーバからの液体が前記第2の流体通路に流入することを可能にするように適合される、
カートリッジ。
【請求項2】
前記ノズルアセンブリが、前記ノズルアセンブリを前記液体リザーバに係合させるための、横方向の動きを垂直方向の動きに変換するように適合されたガイドを備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記液体リザーバがパウチを備え、前記キャップが前記パウチを密封する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記キャップが、前記リザーバの液体中の気泡を捕捉するための凹部を含む、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記ノズルアセンブリが、前記液体リザーバに対する前記ノズルアセンブリの前進後退方向の移動をガイドするように適合された少なくとも1つのガイドフランジをさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記ガイドフランジが、前記液体リザーバに対する前進後退方向に加えて、前記液体リザーバに対する回転方向の前記ノズルアセンブリの移動をガイドするように設計される、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記ノズルの本体が円錐形の形状を有する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記ノズルの本体が矩形の形状を有する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記ノズルの本体が矩形の形状を有し、前記第1の流体経路及び第2の流体経路が、水平に対して約45度の角度で前記ノズルの本体から出る、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記ノズルの本体が、第1のガイド部材と第2のガイド部材とを備え、前記第1のガイド部材と第2のガイド部材は、前記ノズルアセンブリが前記キャップに対して制御された方向に移動することを可能にする態様で前記キャップと係合するように適合される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項11】
カートリッジから液体を分配するための皮膚スプレーデバイスであって、
ハウジングと;
圧縮空気の供給源と;
カートリッジレシーバであって、液体容器及びスプレーノズルの両方を含むカートリッジを受け入れるように適合されているカートリッジレシーバとを備え、
前記皮膚スプレーデバイスは、前記圧縮空気を前記カートリッジの前記スプレーノズルに供給することによって前記カートリッジから皮膚スプレーを分配し、前記スプレーノズルは、前記液体容器から液体を引き込んで前記圧縮空気と混合する、
皮膚スプレーデバイス。
【請求項12】
前記皮膚スプレーデバイス内に前記カートリッジを位置決めするように適合されたスライド式カバーをさらに備え、そのように位置決めされた前記カートリッジは、前記スプレーノズルを介して液体を分配することができる、請求項11に記載の皮膚スプレーデバイス。
【請求項13】
前記スライド式カバーは、前記スライド式カバーが係合位置に移動されると、前記カートリッジの前記スプレーノズルと係合し、前記スプレーノズルを起動するように適合される、請求項12に記載の皮膚スプレーデバイス。
【請求項14】
前記皮膚スプレーデバイスのバッテリの充電を可能にする誘導充電要素を有する基部をさらに備える、請求項11に記載の皮膚スプレーデバイス。
【請求項15】
前記スプレーノズルに圧縮空気を供給するためのコンプレッサをさらに備える、請求項11に記載の皮膚スプレーデバイス。
【請求項16】
前記カートリッジレシーバが、前記コンプレッサと流体連通する流体導管を備え、前記流体導管は前記カートリッジと係合するように適合される、請求項15に記載の皮膚スプレーデバイス。
【請求項17】
請求項11に記載の皮膚スプレーデバイスを使用して使用者の皮膚に液体を噴霧する方法であって、
液体容器及びスプレーノズルの両方を含む前記カートリッジを前記皮膚スプレーデバイスに挿入すること;及び
前記液体容器からの前記液体のスプレーを前記スプレーノズルを通して前記使用者の皮膚に方向付けること、
を含む方法。
【請求項18】
前記皮膚スプレーデバイス内に前記カートリッジを位置決めするように適合されたカバーを閉じることをさらに含み、そのように位置決めされた前記カートリッジは前記スプレーノズルを介して液体を分配することができる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記カバーを閉じることにより、前記スプレーノズルを前記カートリッジの前記液体容器に向かって移動させることによって前記スプレーノズルは係合され、液体が前記スプレーノズルに流入することを可能にする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
カートリッジから液体を分配するための皮膚スプレーデバイスであって、
ハウジングと;
圧縮空気の供給源と;
カートリッジレシーバであって、カートリッジを受け入れるように適合されたカートリッジレシーバと;を備え、
前記皮膚スプレーデバイスは、前記圧縮空気を前記カートリッジのノズルに供給することによって前記カートリッジから液体を分配し、前記ノズルは、前記液体容器から液体を引き込んで前記圧縮空気と混合し、
前記カートリッジは、
ノズルアセンブリと、液体リザーバと、前記液体リザーバに取り付けられたキャップとを備え、前記キャップは前記ノズルアセンブリに係合するように適合され;
前記ノズルアセンブリは、内側本体及び外側本体を備え、前記内側本体及び外側本体は、それらの間に第1の流体通路を形成し、前記第1の流体通路は、圧縮空気を送達するように適合され、前記内側本体はその内部に第2の流体通路を備え、前記第2の流体通路は、前記液体リザーバから液体を送達するように適合され、
前記ノズルアセンブリは、前記キャップに対して制御された方向に移動可能であり;
前記ノズルアセンブリの前記内側本体は、前記ノズルアセンブリが前記液体リザーバの方向に移動されると前記液体リザーバを突き刺し、前記液体リザーバからの液体が前記第2の流体通路に流入することを可能にするように適合される、
皮膚スプレーデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、使い捨てカートリッジを利用する皮膚スプレーデバイスに関し、使い捨てカートリッジは、スプレーデバイスによって分配される流体を含有する。
【背景技術】
【0002】
スキンケアは非常に重要である。多くの人が植物ベースの自然療法に目を向けている。特定の植物由来成分は、有害作用、発癌物質、及び様々な化学的相互作用から皮膚を保護することができる。この概念は、多くの科学的裏付けがある。
【0003】
人間の皮膚には、表皮、真皮、皮下がある。表皮は角質層とその下の色素層を含む。角質層は、身体を保護する皮膚の外側の層である。それは主に、リン脂質のマトリックスに囲まれた、死滅して平らになったケラチノサイトの層で構成されている。これはレンガとモルタルの壁のような働きをし、微生物寄生虫や環境毒素に対するバリアを提供するように機能する。角質層はまた、経皮薬剤、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品、化粧品の送達に対する重要なバリアを提供する。
【0004】
主要な2つの経皮経路がある。一方は細胞間経路であり、これは細胞を取り囲むリン脂質マトリックスを介した角質層の細胞の周りの局所適用された製品の移動を含む。これは曲がりくねった経路であるため、皮膚改善物質の送達速度と効能の最適化には課題がある。
【0005】
他方の経路は経細胞経路であり、これは皮膚改善物質が角質層の死滅したケラチノサイトの細胞質及び細胞を取り囲むリン脂質マトリックスを直接通過することを含む。これはより直接的な経路であるが、まだ多くの課題がある。
【0006】
いずれの場合も、制御された圧力、スプレーパターン、及び流量の方法で製剤化された流体を噴霧することにより、角質層への浸透を高めることができ、それにより製剤化された流体中の有益な物質が真皮に浸透して栄養を与え、場合によっては皮膚から直接血管系に入ることができる。
【0007】
化粧品や医療用スキンケア製品の場合、スプレーパターン、流量、及び他の送達態様を調整して、皮膚の所望の領域への送達を最適化することができる。例えば、特定の化粧品は、角質層の上に均一なコーティングを提供するように送達することができ、特定の色素沈着製品は、角質層の下の色素層に到達するように設計することができる。
【0008】
Gouchtchina及びGallarに付与された米国特許第10,252,283号は、皮膚噴霧のためのシステム及び方法が、皮膚に製剤を噴霧する使い捨て製剤カプセルを有する携帯可能な手持ち式スキンケアデバイスを含むことを可能にする皮膚スプレー装置を含む。このデバイスは、吸収を最大化し、プロフェッショナルで均一な塗布品質を提供するように設定されている。このデバイスは、製剤カプセルとその内容物を受け取り、クランプし、識別する。制御回路が製剤の送達を統制する。これにより、自己洗浄サイクル動作やシングルボタン制御ロジックを含む、化粧品製剤の塗布の量、割合、速度、及びタイミングが保証される。カプセルは、家庭での使い捨てカプセルの使用による利便性と無菌性を可能にする。好ましくは、カプセルは化粧品製剤を含有する。
【0009】
皮膚スプレーデバイス及びシステムで使用するためのカートリッジシステムを改善する必要性が残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様において、本発明は、液体を分配するためのカートリッジであって:ノズルアセンブリと、液体リザーバと、液体リザーバに取り付けられたキャップであって、ノズルアセンブリに係合するように適合されているキャップと;を備え、ノズルアセンブリは、内側本体及び外側本体を備え、内側本体及び外側本体は、それらの間に第1の流体通路を形成し、第1の流体通路は圧縮空気を送達するように適合され、内側本体は、その内部に第2の流体通路を備え、第2の流体通路は液体リザーバから液体を送達するように適合され;ノズルアセンブリはキャップに対して制御された方向に移動可能であり;ノズルアセンブリの内側本体は、ノズルアセンブリが液体リザーバの方向に移動されると液体リザーバを突き刺して、液体リザーバからの液体が第2の流体通路に流入することを可能にするように適合される、カートリッジを含む。
【0011】
カートリッジのノズルアセンブリは、ノズルアセンブリを液体リザーバに係合させるための、横方向の動きを垂直方向の動きに変換するように適合されたガイドを備え得る。カートリッジの液体リザーバはパウチであってもよく、キャップはパウチを密封する。キャップは、リザーバの液体中の気泡を捕捉するための凹部を含み得る。ノズルアセンブリは、液体リザーバに対するノズルアセンブリの前進後退方向の移動をガイドするように適合された少なくとも1つのガイドフランジをさらに備え得る。ガイドフランジは、使用される場合、液体リザーバに対する前進後退方向に加えて、液体リザーバに対する回転方向のノズルアセンブリの移動をガイドするように設計される。ノズルアセンブリは、とりわけ、円錐形又は矩形の形状を有し得る。一態様において、ノズルアセンブリは矩形形状を有し、第1の流体経路及び第2の流体経路は、水平に対して約45度の角度でノズルアセンブリから出る。別の態様において、ノズルアセンブリは、第1のガイド部材と第2のガイド部材とを備え、第1のガイド部材と第2のガイド部材は、ノズルアセンブリがキャップに対して制御された方向に移動することを可能にする態様でキャップと係合するように適合される。
【0012】
別の態様において、本発明は、カートリッジから液体を分配するための皮膚スプレーデバイスであって、ハウジングと;圧縮空気の供給源と;カートリッジレシーバとを備え、カートリッジレシーバは、液体容器及びスプレーノズルの両方を含むカートリッジを受け入れるように適合され、皮膚スプレーデバイスは、圧縮空気をカートリッジのノズルに供給することによってカートリッジから液体を分配し、ノズルアセンブリは、液体容器から液体を引き込んで圧縮空気と混合する、皮膚スプレーデバイスに関する。カートリッジに関する上記の特徴の1つ又は複数が、この皮膚スプレーデバイスと協働するカートリッジに存在してもよい。
【0013】
デバイスは、皮膚スプレーデバイス内にカートリッジを位置決めするように適合されたスライド式カバーをさらに備えてもよく、そのように位置決めされたカートリッジは、スプレーノズルを介して液体を分配することができる。スライド式カバーは、使用される場合、スライド式カバーが係合位置に移動されると、カートリッジのスプレーノズルと係合し、スプレーノズルを起動するように適合される。皮膚スプレーデバイスは、皮膚スプレーデバイスのバッテリの充電を可能にする誘導充電要素を有する基部を含み得る。デバイスは、スプレーノズルに圧縮空気を供給するためのコンプレッサをさらに備え得る。カートリッジレシーバは、コンプレッサと流体連通する流体導管を備えてもよく、流体導管は、カートリッジと係合するように適合される。
【0014】
別の態様において、本発明は、皮膚スプレーデバイスを使用して使用者の皮膚に液体を噴霧する方法であって、液体容器及びスプレーノズルの両方を含むカートリッジを皮膚スプレーデバイスに挿入すること;及び液体容器からの液体のスプレーをスプレーノズルを通して使用者の皮膚に方向付けることを含む方法に関する。方法はまた、皮膚スプレーデバイス内にカートリッジを位置決めするように適合されたカバーを閉じるステップを含んでもよく、そのように位置決めされたカートリッジはスプレーノズルを介して液体を分配することができる。一態様において、カバーを閉じることにより、スプレーノズルをカートリッジの液体容器に向かって移動させることによってスプレーノズルは係合され、液体がスプレーノズルに流入することを可能にし得る。
【0015】
別の態様において、本発明は、カートリッジから液体を分配するための皮膚スプレーデバイスであって、ハウジングと;圧縮空気の供給源と;カートリッジレシーバであって、カートリッジを受け入れるように適合されたカートリッジレシーバと;を備え、皮膚スプレーデバイスは、圧縮空気をカートリッジのノズルに供給することによってカートリッジから液体を分配し、ノズルは、液体容器から液体を引き込んで圧縮空気と混合し、カートリッジは、ノズルアセンブリと、液体リザーバと、液体リザーバに取り付けられたキャップであって、ノズルアセンブリに係合するように適合されているキャップとを備え;ノズルアセンブリは、内側本体及び外側本体を備え、内側本体及び外側本体は、それらの間に第1の流体通路を形成し、第1の流体通路は、圧縮空気を送達するように適合され、内側本体はその内部に第2の流体通路を備え、第2の流体通路は、液体リザーバから液体を送達するように適合され、ノズルアセンブリは、キャップに対して制御された方向に移動可能であり;ノズルアセンブリの内側本体は、ノズルアセンブリが液体リザーバの方向に移動されると液体リザーバを突き刺し、液体リザーバからの液体が第2の流体通路に流入することを可能にするように適合される、皮膚スプレーデバイスを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】皮膚スプレー装置を示す。
図2A】本発明の実施形態による皮膚スプレーカートリッジを示す。
図2B】本発明の実施形態によるカートリッジの一部を形成するパウチ型リザーバの第1の側面図を示す。
図2C】本発明の実施形態によるカートリッジの一部を形成するパウチ型リザーバの第2の側面図を示す。
図2D】本発明の実施形態によるカートリッジの一部を形成するパウチ型リザーバの底面図を示す。
図2E】本発明の実施形態によるカートリッジの一部を形成するパウチ型リザーバの上面図を示す。
図2F】本発明の態様によるノズルアセンブリの側面図を示す。
図2G】本発明の態様によるノズルアセンブリの斜視図を示す。
図3】本発明の態様によるカートリッジと共に使用されるパウチ型リザーバを製造するための例示的なプロセスの図を示す。
図4A】本発明の一態様による45度の屈曲部を有するノズルを示す。
図4B】本発明の実施態様による図4Aのノズルを有する皮膚スプレーカートリッジを示す。
図4C図4Aのノズルを組み込んだ例示的な皮膚スプレーデバイスの斜視図を示す。
図4D図4Aのノズルを組み込んだ例示的な皮膚スプレーデバイスの斜視図を示す。
図4E】カートリッジドアが開いた位置にある、図4Aのノズルを組み込んだ例示的な皮膚スプレーデバイスの側面図を示す。
図4F】カートリッジドアが開いた位置にある、図4Aのノズルを組み込んだ例示的な皮膚スプレーデバイスの斜視図を示す。
図5A】本発明の実施形態による45度の出口角度を有するノズルを有する皮膚スプレーカートリッジを示す。
図5B】カートリッジがデバイス内で閉じられている、図5Aのノズルを組み込んだ例示的な皮膚スプレーデバイスの側面図を示す。
図5C図5Aの皮膚スプレーカートリッジのノズル本体の近接図を示す。
図5D図5Aの皮膚スプレーデバイスの断面図を示す。
図6A】本発明の態様による皮膚スプレーデバイスの概略図を示す。
図6B図6Aに概略的に示す皮膚スプレーデバイスの斜視図を示す。
図7A】本発明の態様による皮膚スプレーデバイスの概略図を示す。
図7B図7Aに概略的に示す皮膚スプレーデバイスの斜視図を示す。
図8A】本発明の態様による皮膚スプレーデバイスの概略図を示す。
図8B図8Aに概略的に示す皮膚スプレーデバイスの斜視図を示す。
図9A】本発明の態様による皮膚スプレーデバイスの概略図を示す。
図9B図9Aに概略的に示す皮膚スプレー装置の斜視図を示す。
図10A】本発明の態様による皮膚スプレーデバイスの概略図を示す。
図10B図10Aに概略的に示す皮膚スプレーデバイスの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、皮膚及び局所適用に独自の利点を提供する皮膚スプレーシステムの改良を含む。
【0018】
図1は、2021年4月7日に提出された「DERMAL SPRAY DEVICE AND METHOD」と題する米国特許出願第17/224,824号に記載された皮膚スプレーデバイス32を示す。隠された線は、デバイス32の内部構成要素を明らかにするために使用される。デバイスは、ノズル38を含むスプレーヘッド36と、本体34とを含む。本体34は、使用者が本体34に取り付けられたボタン40を押すと容器60内に供給される皮膚組成物を推進させるために使用することができる空気圧縮機などの圧力源52を含む。
【0019】
デバイス32は、バッテリ50、制御回路54、データ記憶ユニット76、スマートフォンなどのモバイルデバイス78との間でデバイスデータ79のデータ伝送を可能にするように構成されたデータ伝送ユニット77を含む。モバイルデバイス78は、安全なインターネット接続82を使用してサーバ81と通信し、サーバとモバイルデバイスの間でユーザデバイスデータを通信することができる。モバイルデバイス78は、(a)デバイスデータと安全なユーザデータとをユーザデバイスデータに結合し、(b)ユーザデバイスデータをユーザに表示するように構成される。モバイルデバイスは、匿名化されたユーザデバイスデータをサーバに送信することができ、この匿名化されたユーザデバイスデータは、美容液の選択を支援するいくつかの機械学習プロセスで利用できるデータベースを構築するために使用することができる。このデバイスには、加速度計80と符号化識別ユニット86も含まれる。
【0020】
カプセル60は、皮膚スプレーデバイス32のコンパートメント46に挿入される。コンパートメント60は、ドア44と、カプセルを所定の位置に保持するためのカプセル受容部58とを含む。針62がカプセル60を貫通し、カプセルの内容物がノズル38に向かって引かれる。圧力チャンバ64からの空気は、加圧導管56を通ってノズルに送られる。皮膚スプレーデバイス及びその使用に関するさらなる詳細は、上に組み込まれた米国特許出願第17/224,824号に記載されている。本発明者らは、いくつかの点でスプレーデバイス32を改良する必要性を認識した。
【0021】
本発明者らは、以下の特徴の1つ又は複数を有する皮膚スプレーデバイス用のカートリッジシステムを提供する必要性を認識した。一態様において、カートリッジは、保管可能であり、使用時に容易に突き刺すことができる。別の態様において、カートリッジは、スプレーデバイス内に容易に挿入することができ、スプレーデバイス内に位置決めされた後に起動させることができる。別の態様において、カートリッジは、皮膚スプレーデバイスの洗浄の必要性を排除又は低減する使い捨てノズルを有する。別の態様において、カートリッジは、内容物の一貫した分配を妨げるエアポケットなしに充填及び分配が可能である。
【0022】
皮膚スプレーデバイスから液体を分配するためのカートリッジが提供され、カートリッジは、ノズルアセンブリと、流体リザーバと、ノズルアセンブリに係合するように適合された流体リザーバに取り付けられたキャップとを含む。カートリッジは、カートリッジに取り付けられた使い捨てノズルアセンブリを含む。カートリッジがデバイスに挿入されると、ノズルアセンブリは、内部本体、例えば、針がリザーバを突き刺し、液体がノズルアセンブリに入ることを可能にする位置に移動する。
【0023】
本発明の一態様によるカートリッジ200を図2A~Gに示す。カートリッジ200は、リザーバ本体202、リザーバキャップ201を含み、それに対してノズルアセンブリが取り付けられている。ノズルアセンブリは、外側ノズル本体208と内側ノズル本体220とを含む。内側ノズル本体220は、外側ノズル本体208に固く取り付けられている。内側ノズル本体220は好ましくはテーパ状の外面221を有し、外側ノズル本体208はテーパ状の内面225を有する。内側ノズル本体220の外面221と外側ノズル本体208の内面225との間の空間は、圧縮空気を送達するためのノズルアセンブリの流体通路を形成する。圧縮空気は、流体取付点224を通して通路内に提供される。内側ノズル本体220は、第1の端部226及び第2の端部223を有し、第2の端部は、リザーバ本体202のシールを突き刺し、リザーバ本体(例えば、液体含有パウチ)からスプレーノズルに液体材料を供給するように適合される。
【0024】
図2B~Eは、カートリッジ200のリザーバ本体202の側面を示す。これは、リザーバキャップ201及び平坦な縁部205を含む。また、図2Aに示されるノズルアセンブリを受けるように適合されたガイドポスト203も提供される。リザーバキャップ201は、図2Fに示すように、リザーバキャップ凹部207を含む。図2C及び2Eに示すように、ガイドポスト203は、リザーバ本体202に対して開口部206を通る内側ノズル本体220の制御された摺動運動を規定するように適合されたガイドスロット204を含む。この運動は、内側ノズル220の第2の端部223がリザーバ本体202を突き刺すことを可能にするために使用される。所望ならば、ガイドスロットは、ノズルアセンブリが係合している間に例えば90度回転するように湾曲を含んでもよい。
【0025】
図2Fは、ノズルアセンブリがリザーバ本体に対して係合位置にスライドされたときのノズルアセンブリの詳細を示す。流体取付点224は、外側ノズル本体208と内側ノズル本体220との間の凹部に連通する通路227を含む。ガイドポスト203の一部がガイドフランジ222の上方に突出して示されている。内側ノズル本体220及び外側ノズル本体208は、硬質プラスチック材料の射出成形によって作ることができる。材料は、流体通路の正確な公差を維持し、流体リザーバ201に対する内側ノズル本体220及び外側ノズル本体208の移動を可能にするのに十分な強度を有することが重要である。
【0026】
図2Gはノズルアセンブリの斜視図を示す。ガイドフランジ222が、ノズル本体凹部228への挿入によって外側ノズル本体208に着座され得ることに留意すべきである。シール229は、図2Gにおいてリザーバキャップ201に示されている。シール229は、内側ノズル本体220の第2の端部223が容易に突き刺すことができる材料で作られてもよい。フランジ222とガイドスロット204は、ノズルアセンブリの前進後退運動に適合された形態で描かれているが、他の構成も可能である。例えば、ガイドフランジは円筒形の形態で設けられ、切欠きは前進後退運動とねじり運動の両方を可能にするように設計されてもよい。一例では、ノズルアセンブリは、45度又は90度などの所望の量だけ回転するように構成されてもよく、その結果、その動きの終わりに内側ノズル本体がシール229を突き刺し、流体リザーバの液体内容物が内側ノズル本体内の流体通路に移動することを可能にする。
【0027】
一態様において、流体リザーバは、図3に示すようなプロセスを用いて製造することができる。底部フィルム320と上部フィルム321が、それぞれの供給スピンドル310から一連のローラ312を通って熱溶接用金型313に供給される。金型313は、下部金型土台314と、金型を開閉するアクチュエータ311とを含み得る。底部切断要素315及び上部切断要素316を含むカッターを断続的に係合させて、各流体リザーバの完成したパウチ322を切り離すことができる。この方法は、より多数のリザーバを迅速に製造するのに有利であるが、流体リザーバを製造するために他の技術を用いることもできる。さらに、異なるタイプ又はリザーバを本発明のカートリッジとともに使用することが可能である。
【0028】
一態様において、リザーバを製造するために使用される底部フィルム320と上部フィルム321の一方又は両方は、リザーバから流体が引き出されるときにリザーバが潰れることを可能にする可撓性プラスチックフィルムである。例えば、フィルムは40~50ミクロンの厚さを有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであり得る。一態様において、フィルムは、互いに接着された2層以上のフィルムを含み得る。この場合、リザーバを構成する多層フィルムの別々の層の間に、無線自動識別(RFID)タグやその他の情報を含むデバイスを位置決めすることができる。RFIDタグは、カートリッジ内に含有される皮膚血清又は材料に関する情報を含み、これはカートリッジを皮膚スプレーデバイスに挿入すると皮膚スプレーデバイスによって読み取られる可能性がある。別の態様において、カートリッジは、皮膚スプレーデバイスによって読み取られるバーコード、NFC、QRコード(登録商標)又は他の情報を含む機構を含み得る。
【0029】
図4A~Fは、本発明の別の態様によるカートリッジ及びシステムを示し、ノズルアセンブリは45度の屈曲部を有する。屈曲部の角度は、0度から90度の範囲であってよく、皮膚スプレーデバイスの形状に依存し得る。カートリッジ400は、リザーバキャップ401、リザーバ本体402、及びノズル本体408を含む。リザーバキャップ401は、リザーバ本体402に対するノズルアセンブリの上下運動を可能にするガイドスロット404を両側に含むガイドポスト403を有する。リザーバ本体はその周縁に平坦な縁部405を有し得る。
【0030】
ノズルアセンブリは、テーパ状の外面421とガイドフランジ422とを有する内側ノズル本体420を含む。内側ノズル本体420は、第1の端部426及び第2の端部423を有する。外側ノズル本体408はテーパ状内面425を含み、内側ノズル本体420はテーパ状外面421を有する。これらの表面は、流体通路430を通るノズルへの空気通路を形成する。流体は、リザーバから流体通路427を通り、内側ノズル本体420を通って移動する。流体通路は屈曲部431を含む。屈曲部431は角度を有するように示されているが、滑らかであってもよい。図4Bは、図4Aに示したノズルを含むカートリッジを示す。このカートリッジは、ノズル本体408を含み、このノズル本体は、リザーバキャップ401に設けられたガイドスロット404を有するガイドポスト403を介して、平坦なサイド部分405を有する流体リザーバ402に取り付けられている。
【0031】
図4C~Fは、ノズル本体408が皮膚スプレーデバイスにどのように組み付けられるかを示す。皮膚スプレーデバイスは、ハンドル本体440とハンドル基部442を有する。このデバイスは、カートリッジを挿入するためのドア443を含む。スプレーデバイスは、カートリッジがスプレーデバイスに挿入されたときにノズル本体408のクリアランスを提供する凹部446を含む。スプレーデバイスは、スプレー器具を起動させるためのボタン444を含み得る。
【0032】
図5Aは、流体リザーバ502に対して45度の角度5を有するノズル出口526を含むノズル本体508を有するカートリッジを示す。流体リザーバは、上述したように、平坦な縁部505を含み得る。ノズル本体508は、ノズル本体の両側に傾斜ガイド591を含む。図5Bに示されるように、デバイスキャップ543が横方向に所定の位置にスライドされると、デバイスキャップ543の下側のカム又は翼(図示せず)が傾斜ガイド591と係合し、外側ノズル本体508及びノズルアセンブリに下向きの圧力を及ぼす。ノズルアセンブリの下向きの力により、内側ノズル本体の第2の端部がリザーバ本体502のシールを突き刺し、リザーバ本体からの液体が内側ノズル本体内の流体通路に引き込まれることを可能にする。ノズル本体は、ノズルアセンブリの上下運動を可能にするために、両側にガイドフランジ504を含むガイドポスト503を含み得る。
【0033】
リザーバ502及びノズル本体508を含むカートリッジは、皮膚スプレーデバイスのハンドル本体540のスロット562に挿入される。デバイスを起動するためのボタン544が設けられている。接続部590により、加圧ガス(例えば、圧縮空気)が、内側ノズル本体と外側ノズル本体との間のテーパ状の隙間に向けられたノズル本体508の底部の流体通路に流入することが可能になる。流体は、典型的には、ノズル出口526又はその近傍で流体リザーバ502からの流体と混合する加圧空気である。
【0034】
図5Dは、上述した要素の多くを含む断面図を示す。これらの要素に加えて、バッテリ561がハンドルアセンブリ内に示され、誘導コイル566がハンドル本体の基部付近に示される。誘導コイルは、基部542を通して伝送される電力と協働して、デバイスを便利に充電する。エアコンプレッサ564が、導管571を通してノズル本体508に圧縮空気を供給するために設けられている。PCB563が、皮膚スプレーデバイスに制御及び他の機能を提供するためにハンドル内に設けられる。
【0035】
図6A~Bは、カートリッジが挿入され、垂直にスライドするドア643によって所定の位置に位置決めされる皮膚スプレーデバイスを示す。このデバイスは、リザーバ601に接続されたノズル本体608と、コンプレッサ664と、コンプレッサ664をノズル本体608に接続する流体導管671とを含む。デバイスは、スプレーを起動するためのボタン644と、プリント回路基板663と、バッテリ661とを含む。皮膚スプレーデバイスのハンドル本体640内にカートリッジを封入するドア643の動きを示す皮膚スプレーデバイスの斜視図を図6Bに示す。
【0036】
図7A~Bは、カートリッジが挿入され、垂直方向にスライドするドア743によって所定の位置に位置決めされる別の皮膚スプレーデバイスを示す。このデバイスは、リザーバ701に接続されたノズル本体708と、コンプレッサ764と、コンプレッサ764をノズル本体708に接続する流体導管771とを含む。デバイスは、プリント回路基板763とバッテリ761とを含む。皮膚スプレーデバイスのハンドル本体740内にカートリッジを封入するドア743の動きを示す皮膚スプレーデバイスの斜視図を図7Bに示す。
【0037】
図8A~Bは、カートリッジが挿入され、レシーバ内に押し上げられることにより位置決めされ、次いでカートリッジトレイ862で封入される皮膚スプレーデバイスを示す。このデバイスは、リザーバ801に接続されたノズル本体808と、コンプレッサ864とを含む。デバイスは、プリント回路基板863とバッテリ861とを含む。皮膚スプレーデバイスのハンドル本体840内にカートリッジを封入するカートリッジトレイ862の動きを示す皮膚スプレーデバイスの側面図を図8Bに示す。
【0038】
図9A~Bは、カートリッジが挿入され、デバイス内に横方向に位置決めされ、ドア943によって閉じられる皮膚スプレーデバイスを示す。デバイスは、リザーバ901に接続されたノズル本体908と、コンプレッサ964と、コンプレッサ964をノズル本体908に接続する流体導管971とを含む。デバイスは、プリント回路基板963とバッテリ961とを含む。皮膚スプレーデバイスのハンドル本体940内にカートリッジを封入するドア943の動きを示す皮膚スプレーデバイスの斜視図を図9Bに示す。ドア943は、ノズルからのスプレーを通過させるスプレー開口部979を含む。
【0039】
図10A~Bは、カートリッジが挿入され、デバイス内に横方向に位置決めされ、垂直方向にスライドするドア1043によって閉じられる皮膚スプレーデバイスを示す。デバイスは、リザーバ1001に接続されたノズル本体1008と、コンプレッサ1064と、コンプレッサ1064をノズル本体1008に接続する流体導管とを含む。デバイスは、プリント回路基板1063とバッテリ1061とを含む。皮膚スプレーデバイスのハンドル本体1040内にカートリッジを封入するドア1043の動きを示す皮膚スプレーデバイスの側面図を図10Bに示す。ドア1043は、ノズルからのスプレーを通過させるスプレー開口部1079を含む。
【0040】
本発明の他の実施形態及び用途は、本明細書に開示された本発明の明細書及び実施態様を考慮することから当業者には明らかであろう。すべての米国及び外国の特許及び特許出願を含む、本明細書で引用されるすべての参考文献は、参照により具体的かつ完全に本明細書に組み込まれる。本明細書及び例は例示的なものとみなされ、本発明の真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
【国際調査報告】