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特表2024-542369物流ネットワークを介して輸送中の荷物を監視するためのシステム、装置、及びコンピュータで実装される方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】物流ネットワークを介して輸送中の荷物を監視するためのシステム、装置、及びコンピュータで実装される方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241108BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20241108BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G06Q10/083
G08G1/00 D
B65G61/00 520
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524463
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022051234
(87)【国際公開番号】W WO2023101953
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/284,615
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513210390
【氏名又は名称】フェデックス コーポレイト サービシズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】バイドヤナサン、 バラ
(72)【発明者】
【氏名】メサパタラ、 チナタット
(72)【発明者】
【氏名】ボクマン、 クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ナラシムハン、 ゴペル
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン、 ジョージ
【テーマコード(参考)】
5H181
5L010
【Fターム(参考)】
5H181AA07
5H181AA15
5H181BB04
5H181BB15
5H181BB20
5H181CC04
5H181FF01
5H181FF13
5L010AA16
(57)【要約】
ネットワーク内で輸送中の荷物を監視して、どの荷物が規定のコミット時間後に配送されるリスクがあるかを決定するための方法、装置、及びシステムが記載されている。一般に、輸送中の荷物に対して発生すると見込まれるイベントを定義し、かつそれらのイベントの閾値を定義する荷物フィンガープリントが、輸送中の荷物についての物流ネットワークで発生するイベントの履歴データから生成される。これらの閾値は、イベントの閾値の後に発生するイベントを有する任意の荷物のリスクレベルを決定するために、輸送中に荷物についてのイベントが発生しているときにリアルタイムで荷物に適用されてもよい。十分なリスクレベルにある荷物に注意を払うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流ネットワーク内の荷物の輸送を監視するためのコンピュータシステムにおいて、
少なくとも1つの物流ネットワークデータソースへのインターフェースと、
前記インターフェースに結合される履歴ネットワークデータを含む第1のデータ記憶モジュールであって、前記物流ネットワークデータソースからのデータフィードから前記履歴ネットワークデータを構築する第1のデータ記憶モジュールと、
荷物輸送モデルデータを含む第2のデータ記憶モジュールと、
データ記憶装置にアクセスし、かつ前記履歴ネットワークデータに機械学習を適用して、前記荷物輸送モデルデータを訓練する第1の処理システムであって、
履歴イベントの見込み場所、履歴イベントの見込みタイプ、及び履歴イベントの見込み時間を含むデータ駆動型パターンを捕捉すること、及び
前記データ駆動型パターンから、前記物流ネットワークを介して第1の場所から最後の場所に輸送される仮想荷物に関する一連の予測イベントを作成し、規定の時間までに前記仮想荷物が前記最後の場所に到着するように、前記予測イベントのそれぞれに対する閾値を決定することであって、各閾値は、前記仮想荷物について発生する予測イベントの前記見込み時間に関連し、前記予測イベントは、見込み場所及び見込みタイプに関連すること
を行う第1の処理システムと、
前記物流ネットワークから輸送中の実荷物に関するデータを含むライブデータを受信するために前記インターフェースに結合される第2の処理システムであって、前記第2の処理システムは、前記第2のデータ記憶モジュールから前記輸送モデルデータにアクセスして、前記実荷物に関して前記予測イベントに前記閾値を適用し、かつ、前記閾値の適用に基づいて、前記実荷物が、各予測イベントに関して前記規定の時間までに前記最後の場所に予定通りに配送されるかどうかを評価する第2の処理システムと
を備える、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記第1の処理システムは、前記規定の時間までに前記仮想荷物が前記最後の場所に到達するための前記予測イベントのいずれかにおける前記閾値を超える遅延量に関連するリスク量のテーブルをさらに計算する、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記第2の処理システムは、前記第2の処理システムによって検出された現在のイベントについての前記閾値を超える遅延量に関連する前記リスク量を求めるために前記リスク量のテーブルにアクセスすることによって、前記規定の時間までに前記実荷物が前記最後の場所に配送されないリスクのレベルを決定する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記第2の処理システムは、前記第2の処理システムによってまだ検出されていない次の予測イベントについての前記閾値を超える前記遅延量に関連する前記リスク量を求めるために前記リスク量のテーブルにアクセスすることによって、前記規定の時間までに前記実荷物が前記最後の場所に配送されないリスクのレベルをさらに決定する、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記実荷物に関連する前記リスクのレベルを受信し、かつ、要求を受信すると、前記実荷物についての前記リスクのレベルを示す表示を生成する第3の処理システムをさらに備える、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記実荷物に関連する前記リスクのレベルを受信する第4の処理モジュールをさらに備え、
前記実荷物が前記規定の時間までに前記最後の場所に配送されない前記リスクのレベルが再ルーティング閾値に達すると、前記第4の処理モジュールは、前記リスクのレベルを低減することが期待される前記実荷物についての前記最後の場所への輸送中に計画された次のイベントとは異なる次のイベントを決定する、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記第2の処理システムは、外部要因情報をさらに受信し、前記第2の処理システムは、輸送中に前記実荷物について発生すると見込まれる前記予測イベントに関連する前記外部要因情報に基づいて、前記実荷物が前記規定の時間までに前記場所に到達することに対する将来のリスクを決定する、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記外部要因情報は、前記予測イベントに関連する気象及び交通情報を含む、請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記現在のイベントは、前記実荷物が前記物流ネットワーク内の指定された位置でスキャンされることを含む、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記現在のイベントは、前記物流ネットワーク内の前記指定された位置での到着スキャンをさらに含む、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記現在のイベントは、前記物流ネットワーク内の前記指定された位置からの出発スキャンをさらに含む、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記第1の処理システムは、現在の予測イベントである各予測イベントについて、荷物の所望のパーセンタイルが履歴的に時間通りに到着する時間を決定することによって、各予測イベントについての前記閾値を決定し、
前記閾値は、前記実荷物についての前記現在の予測イベントの事後型監視のために、その時間に基づいて設定される、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記現在の予測イベントに対して履歴的に時間通りに到着する荷物の前記所望のパーセンタイルは、99パーセンタイルである、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記第1の処理システムは、一連の潜在的な次のイベントの場所から最新の閾値を有する前記次の予測イベントの場所を選択することにより、前記現在の予測イベントごとに、前記現在の予測イベントに続くと見込まれる次の予測イベントを決定することにより、各予測イベントについての前記閾値をさらに決定し、前記最新の閾値を求めるための各潜在的な次のイベントの場所についての前記閾値は、各潜在的な次のイベントについて、前記現在のイベントの場所から前記潜在的な次のイベントの場所に移動する荷物の所望のパーセンタイルが履歴的に時間通りに到着する時間を決定することにより決定され、最新である前記閾値は、前記実荷物の前記次の予測イベントを事前に監視する目的で、前記次の予測イベントの場所及びタイプを識別する、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記物流ネットワーク内で輸送されている複数の荷物を有する第1の荷送人アカウントについて、前記複数の荷物の少なくとも一部が第1の荷送人場所及び荷物固有の最後の場所を有しており、各荷物が物流ネットワーク内で輸送されている間に、第2の処理システムは、各荷物固有の現在のイベントにおいて各荷物についてのイベントデータを捕捉し、各荷物について対応する現在の予測イベントからの前記閾値を、前記荷物固有の現在のイベントの発生時間と事後的に比較して、前記荷物固有の規定の時間までに前記最後の場所に配送されないリスクのレベルをリスクのテーブルから求め、各荷物について対応する次の予測イベントからの前記閾値を、現在の時間と事前に比較し、
前記コンピュータシステムは、前記第2の処理システムの出力を受信する第3の処理システムをさらに備え、前記第3の処理システムは、前記第1の荷送人アカウントに対して、第1の表示時間の時点で、前記荷物固有の規定の時間までに前記荷物固有の最後の場所に到達しない少なくとも特定のリスクのレベルにある前記複数の荷物の中の荷物の総数を含む表示用の情報を前記第1の表示時間において提供する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
各荷物が前記物流ネットワーク内で輸送されている間に、前記第2の処理システムは、継続的に、各荷物固有の現在のイベントにおいて各荷物についてのイベントデータを捕捉し、各荷物について対応する現在の予測イベントからの前記閾値を、前記荷物固有の現在のイベントの発生時間と事後的に比較して、前記荷物固有の規定の時間までに前記最後の場所に配送されない前記リスクのレベルを前記リスクのテーブルから求め、各荷物について対応する次の予測イベントからの前記閾値を、現在の時間と事前に比較し、
前記コンピュータシステムは、前記第1の荷送人アカウントに対して、前記第3の処理システムは、前記第1の表示時間に続く第2の表示時間の時点で、前記荷物固有の規定の時間までに前記荷物固有の最後の場所に到達しない少なくとも前記リスクのレベルにある前記複数の荷物の中の荷物の総数を含む表示用の情報を前記第2の表示時間において提供する、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記第1の荷送人アカウントについて、前記第3の処理システムは、前記荷物固有の規定の時間までに前記荷物固有の最後の場所に到達しない少なくとも前記特定のリスクのレベルにある荷物に関する情報を含む表示用の情報を提供し、
前記第3の処理システムは、表示されている前記荷物のうちの1つの選択を受信し、選択された荷物に固有の表示用の情報を提供する、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記第2の処理システムの出力を受信する第3の処理システムをさらに備え、前記第3の処理システムは、荷物固有の最後の場所に到達しない少なくとも特定のリスクのレベルにある荷物に関する集約情報を含む表示用の情報を第1の表示時間において提供する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記物流ネットワークは、複数の施設を含み、前記第3の処理システムは、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、特定の施設の選択を提供する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
前記第3の処理システムは、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、特定のイベントタイプの選択を提供する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項21】
各施設は特定のタイプを有し、
前記第3の処理システムは、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、特定の施設タイプの選択を提供する、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項22】
前記第3の処理システムは、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、荷物の出発地の選択を提供する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項23】
前記第3の処理システムは、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、荷物の最後の場所の選択を提供する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項24】
前記第3の処理システムは、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、荷物の配送の前記規定の時間の選択を提供する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項25】
前記第3の処理システムは、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、荷物の最後の場所の選択を提供する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項26】
前記第3の処理システムは、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、荷物の荷送人の選択を提供する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項27】
前記第3の処理システムは、前記実荷物についての前記特定のリスクのレベルの基礎である予測イベント閾値が発生した各曜日によってグループ化された少なくとも前記特定のリスクのレベルにある実荷物の数を含む表示用の情報を提供する、請求項18に記載のコンピュータシステム。
【請求項28】
物流ネットワーク内の荷物の輸送を監視するためのコンピュータによって実装される方法において、
前記物流ネットワークについての履歴ネットワークデータに機械学習を適用して、荷物輸送モデルデータを訓練するステップであって、
履歴イベントの見込み場所、履歴イベントの見込みタイプ、及び履歴イベントの見込み時間を含むデータ駆動型パターンを捕捉すること、及び
前記データ駆動型パターンから、前記物流ネットワークを介して第1の場所から最後の場所に輸送される仮想荷物に関する一連の予測イベントを作成し、規定の時間までに前記仮想荷物が前記最後の場所に到着するために、前記予測イベントのそれぞれに対する閾値を決定することであって、各閾値は、前記仮想荷物について発生する予測イベントの前記見込み時間に関連し、前記予測イベントは、見込み場所及び見込みタイプに関連すること
を行うステップと、
実荷物についての前記予測イベントに前記閾値を適用するステップと、
前記閾値の適用に基づいて、各予測イベントに関して、前記実荷物が前記規定の時間までに前記最後の場所に予定通りに到達するかどうかを評価するステップと、
前記規定の時間までに前記仮想荷物が前記最後の場所に到達するための前記予測イベントのいずれかにおける前記閾値を超える遅延量に関連するリスク量のテーブルをさらに計算するステップと、
前記リスク量のテーブルにアクセスすることによって、前記規定の時間までに前記実荷物が前記最後の場所に配送されないリスクのレベルを決定して、検出された現在のイベントについての前記閾値を超える遅延量に関連する前記リスク量を求めるステップと、
前記リスク量のテーブルにアクセスすることによって、前記規定の時間までに前記実荷物が前記最後の場所に配送されないリスクのレベルを決定して、まだ検出されていない次の予測イベントについての前記閾値を超える前記遅延量に関連する前記リスク量を求めるステップと
を含む、コンピュータによって実装される方法。
【請求項29】
前記物流ネットワーク内で輸送されている複数の荷物を有する第1の荷送人アカウントについて、前記複数の荷物の少なくとも一部が第1の荷送人場所及び荷物固有の最後の場所を有しており、各荷物が前記物流ネットワーク内で輸送されている間に、各荷物固有の現在のイベントにおいて各荷物についてのイベントデータを捕捉し、各荷物について対応する現在の予測イベントからの前記閾値を、前記荷物固有の現在のイベントの発生時間と事後的に比較して、前記荷物固有の規定の時間までに前記最後の場所に配送されない前記リスクのレベルを前記リスク量のテーブルから求め、各荷物について対応する次の予測イベントからの前記閾値を、現在の時間と事前に比較して、前記リスクのテーブルから前記荷物固有の規定の時間までに前記最後の場所に配送されないリスクのレベルをさらに求め、
前記コンピュータによって実装される方法は、
第1の表示時間の時点で、前記荷物固有の規定の時間までに前記荷物固有の最後の場所に到達しない少なくとも特定のリスクのレベルにある前記複数の荷物の中の荷物の総数を含む表示用の情報を前記第1の表示時間において提供するステップ
をさらに含む、請求項28に記載のコンピュータによって実装される方法。
【請求項30】
前記第1の荷送人アカウントについて、前記荷物固有の規定の時間までに前記荷物固有の最後の場所に到達しない少なくとも前記特定のリスクのレベルにある荷物に関する情報を含む表示用の情報を提供し、表示されている前記荷物のうちの1つの選択を受信し、選択された荷物に固有の表示用の情報を提供する、請求項29に記載のコンピュータによって実装される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、出荷管理及び物流の分野におけるシステム、装置、コンピュータ可読媒体、及び方法に関し、より詳細には、規定のコミット時間より遅れて配送されるリスクのある荷物を決定するための様々な強化及び改善された物流監視能力のためのシステム、装置、コンピュータ可読媒体、及び方法に関する様々な態様に関する。
【0002】
(関連出願)
本出願は、2021年11月30日に出願された、「SYSTEMS,APPARATUS,AND COMPUTER-IMPLEMENTED METHODS FOR MONITORING PACKAGES IN TRANSIT THROUGH A LOGISTICS NETWORK」と題する米国仮出願第63/284,615号への優先権を主張するものであり、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
物流ネットワークにより、出発地から目的地まで荷物が輸送される。大規模な物流ネットワークは、膨大な規模で運用される場合があり、そこでは、何百万もの荷物が世界中で国から国へと毎日輸送されている。このような大規模な物流ネットワークには、数百機の飛行機、数万台のトラック/バン、及び数十万人のチームメンバーが含まれる場合がある。さらに、これらの物流ネットワークは、日が特定されている荷物、時間が特定されている荷物、異なる輸送日数、数百のサービスタイプ、及び道路、航空、鉄道等の輸送の様々なモードを介して移動される等、運用が非常に複雑になる場合がある。ネットワーク運用は、経時的に、曜日によって異なる場合がある。追加的に、ネットワークは、ピーク時のボリュームが非ピーク時のボリュームの約1.5倍から2倍になる季節性によって影響される場合がある。さらに、新しい施設並びに新しい輸送区間及びモードが継続的に追加され得るため、ネットワーク計画は、変化するボリューム及びネットワーク構成に適応するために継続的に進化する必要がある。
【0004】
物流ネットワークによって輸送される所与の荷物について、購入されたサービスタイプは、出発地から目的地への荷物の配送のコミット時間を規定する場合がある。したがって、顧客は特定の荷物に必要なサービスレベルを購入し得る。しかしながら、物流ネットワーク内を輸送されている荷物は、様々な理由により、通常の輸送スケジュールに対して遅延又はその他の例外が発生する可能性がある。天候、交通、機器の故障、内部ネットワークの動作エラー等が荷物の輸送に影響を与える。したがって、一部の荷物は規定のコミット時間より後に配送される可能性がある。
【0005】
予想より遅い配送は、状況によっては無害であり得るが、他の状況では予想より遅い配送はより重大な結果をもたらし得る。したがって、遅れて配送される荷物の認知が利用可能であることが特に重要である。しかし、物流ネットワークの従来のコンピュータシステムは、物流ネットワークオペレータの要員又は顧客にそのような荷物レベルの洞察を提供する能力を欠いている。したがって、そのような決定は、任意の大規模顧客に関して任意の時点で、潜在的に数百又は数千の輸送中の荷物の手動調査を必要とし得る。どの荷物が目的地に遅れている可能性があるかを決定するために輸送中の荷物を監視することは、相当なかつ高価な要員及び時間の尽力を必要とする巨大で負担の大きいタスクとなるが、これは関心のある全ての荷物の特定には至らない場合がある。
【0006】
これらの問題の1つ以上に対処するために、ネットワークの履歴的な動作から学習し、予想より遅れて配送されるリスクのあるそれらの荷物を特定するために、物流ネットワーク内の荷物の輸送を監視するときにそれらの学習を適用するためのより有能でインテリジェントな施設構成が必要である。
【発明の概要】
【0007】
以下の説明では、所定の態様及び実施形態は、履歴物流ネットワークデータの分析に基づいて、出発地と目的地との間で輸送中に荷物が遭遇すると見込まれるイベントについての閾値を指定するネットワーク運用のモデルを訓練する能力を処理システムに提供することを含む、物流運用のための技術的ソリューションに一般的に向けられていることが明らかになろう。さらに、所定の態様及び実施形態は、指定された閾値に関連する荷物についてのイベントを監視して、どの荷物が規定のコミット時間よりも遅れて配送されるリスクがあるかを判断し、それによりリスクがある荷物が要員及び/又は顧客に対して識別され得るようにすることに一般的に向けられていることが明らかになろう。態様及び実施形態は、これらの最も広範な意味で、これらの態様及び実施形態の1つ以上の特徴を有さずに実施し得ることを理解するべきである。これらの態様及び実施形態は、単なる例示であることを理解するべきである。
【0008】
本開示の一態様では、物流ネットワーク内で荷物の輸送を監視するためのコンピュータシステムが記載される。コンピュータシステムは、少なくとも1つの物流ネットワークデータソースへのインターフェースを含む。コンピュータシステムは、前記インターフェースに結合される履歴ネットワークデータを含む第1のデータ記憶モジュールであって、前記物流ネットワークデータソースからのデータフィードから前記履歴ネットワークデータを構築する第1のデータ記憶モジュールを含む。コンピュータシステムは、荷物輸送モデルデータを含む第2のデータ記憶モジュールを含む。コンピュータシステムは、前記データ記憶装置にアクセスし、前記履歴ネットワークデータに機械学習を適用して、前記荷物輸送モデルデータを訓練する第1の処理システムを含む。第1の処理システムは、履歴イベントの見込み場所、履歴イベントの見込まれるタイプ、及び履歴イベントの見込み時間を含むデータ駆動型パターンを捕捉する。前記データ駆動型パターンから、第1の処理システムは、前記物流ネットワークを介して第1の場所から最後の場所に輸送される仮想荷物に関する一連の予測イベントを作成し、規定の時間までに前記仮想荷物が前記最後の場所に到着するために、前記予測イベントのそれぞれに対する閾値を決定し、各閾値は、前記仮想荷物について発生する予測イベントの前記見込み時間に関連し、前記予測イベントは、見込み場所及び見込みタイプに関連する。コンピュータシステムは、前記物流ネットワークから輸送中の実荷物に関するデータを含むライブデータを受信するために前記インターフェースに結合される第2の処理システムであって、前記第2の処理システムは、前記第2のデータ記憶装置から前記輸送モデルデータにアクセスして、前記輸送中の実荷物に関して前記予測イベントに前記閾値を適用し、かつ、前記閾値の適用に基づいて、前記輸送中の実荷物が、各予測イベントに関して前記最後の場所に予定通りに配送されるかどうかを評価する第2の処理システムとを含む。
【0009】
本開示の別の態様では、規定の時間後に荷物が最後の場所に配送されるリスクのレベルを求めるためのコンピュータシステムが記載される。コンピュータシステムは、第1の場所と最後の場所との間における荷物についての各予測イベントについて閾値を決定する第1の処理システムを含む。コンピュータシステムは、荷物の輸送中に、各予測イベントについて、各予測イベントに対応する閾値によってイベントが発生するかどうかを決定する第2の処理システムを含む。荷物の輸送中のある時点で、第2の処理システムは、直近の予測イベントの閾値を超える遅延量に基づいて、規定の時間後に荷物が配送されるリスクのレベルを決定する。
【0010】
本開示の別の態様は、規定の時間後に最後の場所に配送される荷物のリスクのレベルを求めるためのコンピュータによって実装される方法に焦点を当てている。この方法は、第1の場所と最後の場所との間における荷物についての各予測イベントについて閾値を決定することを含む。この方法は、荷物の輸送中に、各予測イベントについて、各予測イベントに対応する閾値によってイベントが発生するかどうかを決定することを含む。追加的に、この方法は、荷物の輸送中のある時点で、直近の予測イベントの閾値を超える遅延量に基づいて、規定の時間後に荷物が配送されるリスクのレベルを決定することを含む。
【0011】
本開示の別の態様は、物流ネットワーク内の荷物の輸送を監視するためのコンピュータによって実装される方法に焦点を当てている。この方法は、前記物流ネットワークについての履歴ネットワークデータに機械学習を適用して、荷物輸送モデルデータを訓練するステップを含む。機械学習は、履歴イベントの見込み場所、履歴イベントの見込みタイプ、及び履歴イベントの見込み時間を含むデータ駆動型パターンを捕捉することによって、荷物輸送モデルデータを訓練する。機械学習は、前記データ駆動型パターンから、前記物流ネットワークを介して第1の場所から最後の場所に輸送される仮想荷物に関する一連の予測イベントを作成すること、及び規定の時間までに前記仮想荷物が前記最後の場所に到着するために、前記予測イベントのそれぞれに対する閾値を決定することであって、各閾値は、前記仮想荷物について発生する予測イベントの前記見込み時間に関連し、前記予測イベントは、見込み場所及び見込みタイプに関連することによって荷物輸送モデルデータを訓練する。
【0012】
これらの態様のそれぞれは、規定のコミット時間後に配送されるリスクのある荷物を発見するために物流ネットワークを通過中の荷物のイベントを監視することを含む物流業務の技術の改善をもたらす。開示される実施形態及び例示のこの態様及び他の態様のさらなる利点は、以下の説明において部分的に記載され、一部は説明から明らかであり、又は本発明の実施によって知ることができる。上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示及び説明のためのものであり、本発明を制限するものではないことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の1つ以上の原理によるいくつかの実施形態を示し、この記載と共に、本発明の1つ以上の原理を説明するのに役立つ。以下に図面を説明する。
【0014】
図1】例示的な物流ネットワークの図であり、本発明の実施形態に従って、物流ネットワーク運用のモデルを訓練し、物流ネットワーク内の荷物が規定の時間後に配送されるリスクを決定するために、モデルをライブ荷物データに適用することによってリアルタイムで荷物を監視する目的のために使用され得る荷物データ収集を含む。
【0015】
図2】ネットワーク運用のモデルを訓練するための1つ以上のモジュールを実装し、かつリスクを決定するためにモデルを適用することによって荷物をリアルタイムで監視するための1つ以上のモジュールを実装する1つ以上の処理システムを含み得る例示的なコンピュータシステムの図である。
【0016】
図3】モデル訓練、モデルスコアリング、及び構成可能な出力を含む、規定の時間後に配送されるリスクのある荷物を検出するための荷物監視の3つの例示的な態様を示す図である。
【0017】
図4】予測イベント、予測イベントに関連する閾値、及びイベントのリアルタイム遅延発生に関連するリスクを含む、物流ネットワーク運用のモデルを訓練する例示的な方法を示すフロー図である。
【0018】
図5】物流ネットワーク運用のモデルを訓練するために図2に示すような処理システムによって実行され得る例示的なモジュールの図である。
【0019】
図6図4及び図5に示すようなイベントの余裕時間の分布を示し、イベントの余裕時間の分布からモデルに含めるべきイベントの閾値の決定を示す例示的なヒストグラムである。
【0020】
図7】物流ネットワーク内で輸送されている荷物について発生すると見込まれる現在の予測イベントのイベント閾値を決定する例示的な方法を示すフロー図である。
【0021】
図8A】対応する現在のイベントの発生後に物流ネットワーク内で輸送されている荷物について発生すると見込まれる次の予測イベントの場所及びタイプを決定する例示的な方法を示すフロー図である。
図8B】対応する現在のイベントの発生後に物流ネットワーク内で輸送されている荷物について発生すると見込まれる次の予測イベントの場所及びタイプを決定する例示的な方法を示すフロー図である。
【0022】
図9A】各予測イベントの遅延量に関連するリスクを提供するリスクテーブルの値を決定する例示的な方法を示すフロー図である。
図9B】各予測イベントの遅延量に関連するリスクを提供するリスクテーブルの値を決定する例示的な方法を示すフロー図である。
【0023】
図10】予測イベントに関連して荷物のリスクをスコアリングするモデルを使用する例示的な方法を示すフロー図であり、これには、予測イベントに対するリスクの事後型スコアリング及び事前型スコアリングの両方が含まれる。
【0024】
図11】現在の予測イベントの発生に関連して荷物のリスクの事後型スコアリングを提供するモデルを使用する例示的な方法を示すフロー図である。
【0025】
図12】現在のイベントの発生に続く次の予測イベントの非発生に関連して荷物のリスクの事前型スコアリングを提供するモデルを使用する例示的な方法を示すフロー図である。
【0026】
図13】予測イベントが発生すると現在のイベントとなる次の予測イベントであるという観点から予測イベントのリスクのレベルを確立するためのモデルのリスクアグリゲータの態様の例示的な方法を示すフロー図である。
【0027】
図14】モデルによって決定されたリスクのレベルに応じて荷物を再ルーティングする例示的な方法を示すフロー図である。
【0028】
図15】リスクのレベルによって再ルーティングされる荷物のイベントの例示的なタイムラインを示す図である。
【0029】
図16】モデルによって提供される予測輸送経路に関連して、出荷前の過酷条件勧告から荷物に対するリスクを求める例示的な方法を示すフロー図である。
【0030】
図17】規定の時間よりも遅れて配送されるリスクがあるものを含む、物流ネットワーク内で輸送中の荷物に関する情報を提示するための例示的なユーザインターフェースを示すスクリーンキャプチャである。
【0031】
図18】規定の時間よりも遅れて配送される異なるリスクのレベルを含む、物流ネットワーク内で輸送中の荷物に関する情報を提示するための例示的なユーザインターフェースを示すスクリーンキャプチャである。
【0032】
図19】表示される情報の性質を制御するためのフィルタを含む、荷物が規定の時間よりも遅れて配送されるリスクがあることを示すイベントが発生している場所を含む、物流ネットワーク内で輸送中の荷物に関する情報を提示するための例示的なユーザインターフェースを示すスクリーンキャプチャである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、様々な例示的な実施形態を詳細に参照する。可能な限り、同じ又は類似の部分を参照するために、図面及び説明で同じ参照番号が使用されている。しかしながら、当業者であれば、異なる実施形態が、それぞれの実施形態の意図された展開及び動作環境の必要性に応じて、異なるやり方で特定の部分を実装し得ることを理解するであろう。
【0034】
一般に、以下では、物流ネットワーク内で輸送中に荷物が遭遇するイベントのタイミング及び場所の観点から、物流ネットワーク運用のモデルを作成するシステム、装置、コンピュータ可読媒体、及び方法の様々な実施形態について説明する。荷物に発生すると見込まれるイベントに対して閾値が決定され、これらの閾値は、輸送中に荷物が遭遇すると見込まれる各イベントに関して、受取人が満たすことを期待するコミット時間等の規定の時間よりも後に荷物が配送されるリスクがあるかどうかを決定するやり方を提供する。
【0035】
また、当業者であれば、本明細書に記載された各実施形態が、荷物出荷、物流動作、及び関連インフラストラクチャを監視するシステム等の特定の技術の改善をもたらすことを理解するであろう。各実施形態は、物流ネットワークイベントのモデルを作成し、このモデルを使用して、規定のコミット時間後に配送されるリスクがある荷物を識別するために物流ネットワークを介して輸送中の荷物を監視する特定の実施形態を活用及び適用する特定の技術的応用について説明する。リスクがある荷物を識別するための監視により、物流ネットワーク内だけでなく、顧客レベルでも、関連するアクションを取ることが可能になり、以下の開示で説明及び裏付けられるように、特定の技術的応用がそのような技術分野を改善又はその他のやり方で強化する。
【0036】
図1は、出発地と目的地とも呼ばれる最後の場所との間で荷物を輸送するために使用される例示的な物流ネットワーク100の一部を示す。この例の物流ネットワーク100は、任意の数の施設を含んでもよい。ハブ102,104は、荷物が到着し、別のハブに向けて輸送されるか、又はハブに関連するステーション106,108,110,112,114又は116に輸送されるように仕分けされる施設の一例である。荷物は、ハブ102,104から関連ステーションに輸送され、そこで荷物は目的地にルーティングされてもよい。
【0037】
荷物が物流ネットワーク100を介して輸送されると、荷物は、荷物に関する情報が物流ネットワーク100によって収集される様々なイベントに遭遇する。次いで、このデータは、荷物及びイベント情報の1つ以上のデータベースを維持する1つ以上のサーバコンピュータ等のコンピュータシステム118で収集される。これらのイベントは、バーコード、QRコード(登録商標)、又はラベルからの若しくは荷物上に配置された無線周波数識別回路(RFID)タグ等の電子回路からの同様の読み取り可能なコードがスキャンされる場合等のスキャンイベントであってもよい。これらのイベントには、荷物情報を受信装置に送信するアクティブRFIDタグ、近距離送信機、又はBluetooth(登録商標)装置等の荷物上の送信機によって開始される通信も含まれてもよい。
【0038】
これらのイベントは、輸送中の荷物の各マイルストーンで発生してもよい。例えば、荷物が離れた場所で集荷されるときにイベントが発生してもよい。荷物がステーションに到着したときに別のイベントが発生してもよい。荷物がステーション内の仕分け又は積載ステージを通過するときに別のイベントが発生してもよい。荷物がステーションからハブに向けて出発するときに別のイベントが発生してもよい。荷物がハブに到着したときに別のイベントが発生してもよい。荷物がハブで仕分けされるとき等に別のイベントが発生してもよい。各イベントがイベントの時間及び場所と共に荷物を識別するため、物流ネットワーク100内の任意の時点における荷物の場所が知られる。
【0039】
物流ネットワークを通過する輸送中に荷物が従う特定の経路及びタイミングは、計画によって定義される。1つ以上のサーバコンピュータ等の荷物輸送計画システム120は、各荷物について適切な輸送計画を決定してもよく、そのデータは、各イベントで識別された荷物が計画に記載された経路に従うように仕分け及び積載されることができるように、ハブ及びステーションを含む様々な施設に提供される。また、計画は、経路が選択され得る最終目的地に荷物が配送されるべき規定の時間を指定してもよい。しかしながら、荷物は、様々な要因により、遅延及び初期計画からの他の逸脱を経験し得る。
【0040】
図2は、荷物データ収集システム118で収集された履歴データに基づいて物流ネットワークをモデル化するために使用され得る例示的なコンピュータシステム200を示す。 次に、例示的なコンピュータシステム200は、モデルを物流ネットワーク100からのリアルタイムデータストリーミングに適用して、規定の時間より遅れて配送される荷物のリスクのレベルを決定してもよい。コンピュータシステム200は、データ収集118を含む物流ネットワーク100のデータソースへのインターフェース202を含んでもよい。荷物データインターフェース202を介した物流ネットワーク100からコンピュータシステム200へのデータストリーミングは、典型的なデータクレンジング技術を使用して作成及びクレンジングされてもよい。例えば、データインターフェースは、モデルの訓練又はスコアリングアクティビティに関連しない可能性のあるイベントをフィルタリングで取り除いてもよい。
【0041】
荷物データストレージモジュール204は、モデルの訓練及びスコアリングアクティビティの両方の後続のプロセスで使用するために、準備された履歴ネットワークイベントデータを収集する。モデル訓練のために、荷物データ記憶装置204は、物流ネットワーク100の履歴イベントデータを第1の処理システム210に提供してもよい。モデルスコアリングのために、荷物データ記憶装置204は、物流ネットワーク100から第2の処理システム218にストリーミングされているライブデータを提供してもよい。第1の処理システム210及び第2の処理システム218は、図2において別々の項目として示されているが、これらの処理システムは、モデル訓練及びスコアリングのために別々の機能モジュールを実装する単一のコンピュータ又はコンピュータの単一の集合によって提供され得ることが理解されよう。さらに、本明細書においてコンピュータ、サーバコンピュータ、コンピュータシステム、及び処理システムに言及するとき、これらは、1つ以上の汎用プログラム可能プロセッサ、1つ以上のアプリケーション固有プロセッサ、有線デジタル論理、及び/又はそのような装置の様々な組み合わせを含むことが理解されよう。
【0042】
第1の処理システム210は、所定の期間にわたり物流ネットワーク100から捕捉された履歴イベントデータから、物流ネットワーク100内で発生するイベントを表すモデルを訓練する動作を実行してもよい。さらに、第1の処理システム210は、経時的に発生し得る物流ネットワーク100の新しい態様を考慮するために、モデル訓練を繰り返し実行してもよい。例えば、新しいイベントが既存の施設の集合内に導入されてもよく、これらの新しいイベントは、第1の処理システム210が新しいイベントを組み込むためにモデルを訓練し続け得るように、荷物データ記憶装置204内に保持される履歴データ内に捕捉される。さらに、新しい施設の追加は、新しい施設に対応する新しいイベントを組み込むために、第1の処理システム210がモデルを訓練し続け得るように、荷物データ記憶装置内に保持される履歴データに新しいイベントを導入してもよい。このようにして、コンピュータシステム200は、モデルが物流ネットワーク100に対応することを可能にし、それによって、スコアリングのためのモデルのリアルタイムアプリケーションが進化するネットワーク100を考慮するように、最新であるネットワーク100のモデルを維持する。
【0043】
さらに、コンピュータシステム200は、単一の物流ネットワーク100又は物流ネットワーク100のオペレータに限定されない。コンピュータシステム、特に第1の処理システム210は、オペレータに関係なく、これらの追加のネットワークからの履歴イベントデータが利用可能である限り、モデルを訓練するときに異なるネットワークを組み込んでもよい。追加的に、コンピュータシステム200、特に第2の処理システム218は、異なるネットワークからのライブイベントデータのストリーミングが利用可能である限り、異なるネットワーク内の荷物に対してモデルをスコアリングしてもよい。
【0044】
第1の処理システム210に焦点を当てると、この例示的なコンピュータシステム200には、モデルを訓練するための機械学習を提供する2つのサブシステムが含まれる。第1のサブシステム212は、モデルを定義する荷物フィンガープリントを作成するための荷物フィンガープリント計算を行うために、捕捉された履歴イベントデータから機械学習を実装する。荷物フィンガープリントは、荷物の出発場所等の特定の第1の場所から荷物の目的地である特定の最後の場所まで輸送中に荷物が遭遇すると見込まれるイベントを記述する。履歴データを構成するネットワークから捕捉されたイベント及び荷物フィンガープリントに固有のイベントは、いくつかの特性を有するものとして識別される。例えば、イベントは、以下の3つの特性を有するものとして識別され得る。すなわち、イベントが発生する場所、発生するイベントのタイプ、及びイベントが発生する時間である。
【0045】
イベントについて指定されたモデルの荷物フィンガープリントに含まれる時間は、規定の時間までに最後の場所に予定通りに配送される仮想荷物についてイベントが発生すべき最も遅い時間である。したがって、モデルにおけるイベントのこの時間は、荷物閾値と呼ばれる。この荷物閾値は、履歴データからの機械学習によって決定され、履歴データ内に表される所定の場所及び所定のタイプのイベントは、通常、規定の時間の範囲にわたって発生する。閾値を生成する第1のサブシステム212の機械学習動作の例は、図4から図8Bを参照して以下により詳細に説明される。
【0046】
第1の処理システム210は、履歴データからの機械学習及び荷物輸送モデルデータとしてのモデル形成によって決定された全ての既知の荷物イベントに対する荷物フィンガープリントを、データベースであり得る荷物フィンガープリント記憶モジュール216に記憶する。次に、荷物フィンガープリントデータは、荷物リスクテーブル計算のための第2のサブシステム214を含む第1の処理システム210の他のサブシステムに対して、荷物フィンガープリント記憶装置216から利用可能にすることができる。荷物フィンガープリントデータは、第2のサブシステム214によって使用され、仮想荷物に対する荷物フィンガープリントにおける各予測イベントについて、荷物閾値を超える異なる遅延量に対して、仮想荷物の特定の最後の場所に配送されるリスクのレベルを求める。第2のサブシステム214におけるリスクテーブルへのエントリの決定は、図9A及び図9Bに関連して以下により詳細に説明される。
【0047】
第2のサブシステム214のリスクテーブル及び第1のサブシステム212及び記憶装置216からの荷物フィンガープリントは、リアルタイムの荷物データに対するモデルスコアリングの目的で第2の処理システム218に利用可能にされる。第2の処理システム218は、物流ネットワーク100からストリーミングされているライブデータも受信することによって、実荷物についての荷物閾値を超える予測イベントの遅延量をリアルタイムで決定するためにモデルスコアリングを使用するときに、荷物閾値を適用する。特定の予測イベントで実荷物に発生した遅延量があれば、それを決定すると、第2の処理システム218は、規定の時間後に最後の場所に配送される荷物の対応するリスクレベルを求め得る。輸送中の実荷物についてのリスクレベルの決定は、図10から図13に関連して以下により詳細に説明される。
【0048】
第2のサブシステム214からのリスクテーブルに基づくリスク決定に加えて、第2の処理システム218は、荷物を輸送するための過酷条件をもたらす外部要因に関するリスク情報も受信してもよい。そのような外部要因に関連するデータの外部ソース206は、データをコンピュータシステム200に、より具体的には、外部要因/リスク記憶装置208及び第2の処理システム218にストリーミングしてもよい。例えば、外部要因は、天候、交通、停電等を含んでもよく、これらは、ある場所から別の場所に荷物が輸送される前に、イベントに対する荷物閾値に関連してのみ決定されるのではなく、予測可能な遅延をもたらし得る。第2の処理システム218は、荷物のフィンガープリントからの予測された経路を有することによって遅延リスクのこのような事前予測を行い、次に、荷物が行うと見込まれる道程の各区間について予測された遅延リスクを評価する。外部ソースからのリスクの決定は、図16に関連して以下により詳細に説明される。
【0049】
物流ネットワーク100内で輸送中の実荷物についてリスクのレベルが評価されると、その実荷物及びリスクのレベルに関する情報は、下流の消費者に利用可能になる。イベントを逃した荷物又は重大なリスクのレベルを有する荷物に関する特定の状況に注意を喚起するために、第2の処理システム218から直ちに警告を生成してもよい。さらに、荷物及びリスクのレベルに関する情報は、物流ネットワーク100内で現在輸送中の実荷物ごとに最新のリスク評価を維持する別の記憶装置220に提供されてもよい。追加的に、1つ以上の第3の処理システム222,224が情報にアクセスして、ユーザアプリケーションを介して1つ以上のエンティティに情報を提供してもよい。例えば、1つのシステム222がウェブサーバとして機能し、専用アプリケーションへのデータフィード又は顧客がインターネットを介してアクセスするウェブサイトへのデータフィードを介して荷物を受け取ることを期待している顧客に情報を提供してもよい。別のシステム224は、物流ネットワーク100を運用する出荷エンティティの要員に情報を提供してもよい。
【0050】
装置上の表示としてシステム222又は224から提供される情報を見ている人は、どの荷物が規定の時間後に配送されるリスクがあるかを迅速に見ることが可能であってもよい。したがって、規定の時間後に配送されるリスクがある荷物のみに注意が必要であるため、時間通りの配送状況を監視したい全ての荷物の情報を選別する必要はない。さらに、人は、規定の時間後に配送されるリスクがある荷物に関する荷物固有の情報を見ることを含むさらなるオプションを与えられてもよい。出荷エンティティの要員は、物流ネットワーク100内の任意の荷物に関する情報を顧客別等によりフィルタリングし、ネットワーク内の潜在的な障害点をさらに識別するために、荷物がリスクになる物流ネットワーク100内の特定の施設、曜日等を識別する能力を含む追加的な特徴を与えられてもよい。このようなユーザインターフェースの例のスクリーンキャプチャは、図17図19を参照して以下により詳細に説明される。
【0051】
配送のための既定の時間後に配送されるリスクがある荷物に関する情報を表示することに加えて、リスクがある荷物に関する情報は、物流ネットワークのための荷物輸送計画を実行する第4の処理システム226と共有されてもよい。第4の処理システム226は、荷物輸送計画システム120のサブシステムであってもよく、これは、荷物が最後の場所に配送されるためにたどる物流ネットワーク100を通る実際の経路を決定する。したがって、荷物のために意図された経路に沿った任意の所与の施設において、第4の処理システム226は、荷物が規定の時間までに配送される可能性を高めるために、より良いルートが利用可能であると決定してもよい。荷物が新しいルートを通ると、第2の処理システム218は、新しいルートに沿って発生するイベントを使用してリスクのレベルを決定してもよく、その結果、荷物輸送計画のための第4の処理システム226とモデルスコアリングを介したリスク決定のための第2の処理システム218との間に閉ループシステムが提供される。
【0052】
例えば、荷物の出荷前段階では、荷物が施設に到着又は施設から出発すると見込まれる時点での施設における悪天候の天気予報等の外部要因が、異なる施設を介して荷物をルーティングする新しい計画を作成するために第4の処理システム226をトリガする荷物のリスクを示してもよい。同様に、輸送中に荷物閾値に違反した結果として決定されたリスクのレベルは、荷物が遭遇する後続のイベントに関連する遅延の量を減らすために、異なる施設を介して荷物をルーティングする新しい計画を作成するために第4の処理システム226をトリガしてもよい。いずれの場合も、第2の処理システム218は、荷物が最後の場所に配送されるリスクを評価し、そのリスク情報は第4の処理システム226にフィードバックとして提供される。
【0053】
図3は、コンピュータシステム200の機能の概要300を示す図である。ここで、物流ネットワーク100から捕捉されたイベントの履歴データからのモデル訓練が概要ステップ302で行われることが分かる。これは第1の処理システム210の動作に関連しており、予測イベントを含む荷物フィンガープリント及びイベントごとの対応する荷物閾値が、荷物閾値に対する異なる遅延量に対する関連するリスクレベルと共に決定される。次に、モデルスコアリングが概要ステップ304で行われる。これは、荷物フィンガープリントの荷物閾値と現在のイベントとをそれらが発生した後に事後的に比較すること、及び荷物閾値と次の予測イベントとをそれらが発生するのを待っている間に事前的に比較することの第2の処理システム218の動作に関連する。次に、決定されたリスクのレベル、及び逃したイベント例外は全体で、概要ステップ306において、表示されたユーザインターフェース上の構成可能な出力を介して下流の消費者に提供され得る。
【0054】
図4は、モデル訓練のために実行され、第1の処理システム210によって実行され得る機械学習ステップ400のフロー図である。最初に、第1の処理システム210は、ステップ402において、特定の時間枠にわたって配送された荷物のイベントタイプ、イベント時間、及びイベント場所を含む履歴データを抽出する。イベントタイプは、イベントが集荷、到着、出発、配送等であるかどうかを特定してもよい。イベント時間は、時間及び曜日を特定してもよい。イベント場所は、物流ネットワーク100内の任意の施設又はイベントが発生する任意の他の場所を含む、イベントが発生する場所を特定してもよい。次に、第1の処理システム210によって実装されている第1のモジュール(モジュール1)は、ステップ404において、全てのイベントについて余裕時間を計算し、余裕時間を余裕時間ビンに分類する。余裕時間は、イベントの時間と、配送が時間通りと見なされるために行われるべき最も遅い時間である規定の時間との間の時間量である。イベントの余裕時間を余裕時間ビンに分類することにより、ヒストグラムが効果的に構築され、一例を図5及び図6を参照して以下により詳細に説明する。
【0055】
履歴データからの全てのイベントの余裕時間が分類されると、ステップ406において、第2のモジュールの第1の部分(モジュール2.1)が、仮想荷物の各現在の予測イベントに対する閾値を求める。各現在の予測イベントの閾値は、現在の予測イベントの場所に対する予定通りの荷物に固有の全ての余裕時間の所望のパーセンタイルを計算することによって求められる。仮想荷物のこの現在の予測イベントについて、仮想荷物は、最終目的地を有し、特定の製品タイプと共に出荷され、特定の曜日に配送するための規定のコミット時間を有する。製品タイプは、地上サービス、翌日サービス、国際サービス等、仮想荷物を輸送するために提供されているサービスのレベルに関連する。したがって、ステップ406で決定される各閾値は、これらのいくつかの特性を有する仮想荷物の現在の予測イベントに関連付けられ、これにより、仮想荷物と同じ特性を有する実荷物の荷物フィンガープリントの包含に関する現在の予測イベントの適切な選択が可能になる。ステップ406のように閾値を決定するために取られるサブステップの流れの例は、図7を参照して以下により詳細に説明される。
【0056】
ネットワーク内で可能な全ての現在の予測イベントについて荷物閾値が決定されると、第2のモジュールの第2の部分(モジュール2.2)が、ステップ408において、特定の現在のイベントに続く次の予測イベントの場所及びタイプを求める。特定の現在のイベントに続く次の予測イベントの場所及びタイプを求めるために、特定の現在のイベントに続く全ての可能性のある次の予測イベントの閾値は、特定の現在のイベントに続く可能性のある次の予測イベントの余裕時間のヒストグラムを使用して求められ、再び所望のパーセンタイルを使用して、潜在的な次のイベントの閾値を決定する。最も遅い閾値を有する潜在的な次のイベントは、荷物フィンガープリントに対する次の予測イベントの場所及びタイプとして選択される。ステップ408における次の予測イベントの場所及びタイプを決定するため行われるサブステップの流れの例を、図8A及び図8Bを参照して以下により詳細に説明する。
【0057】
全ての次の予測イベントが決定されると、第2のモジュールの第3の部分(モジュール2.3)は、ステップ410においてモジュール2.1及び2.2の出力を組み合わせる。したがって、決定された閾値を有する所与の仮想荷物の所与の現在の予測イベントについて、モジュール2.3は、適切な次の予測イベントの場所及びタイプ、並びにモジュール2.1において決定された次の予測イベントの閾値を結合する。モジュール2.2によって選択された次の予測イベントと共に使用される閾値は、モジュール2.2によって求められた閾値ではなく、その次の予測イベントの場所及びタイプがモジュール2.1において現在の予測イベントと見なされる場合に、その次の予測イベントの場所及びタイプについて計算される閾値である。これは、各次の予測イベントの閾値としてモジュール2.1の出力を使用することによって、その次の予測イベントの閾値を求める際に、次の予測イベントに先行する現在の予測イベントへの依存性を取り除く。これは、現在のイベントの事後型スコアリング及び次のイベントの事前型スコアリングに関連しており、図10-13に関連して以下で検討される。モジュール2.1の現在の予測イベントとモジュール2.2の次の予測イベントとを組み合わせるモジュール2.3の出力の例を、すぐ下のテーブル1に示す。
テーブル1:
【表1】
【0058】
仮想荷物のこの荷物フィンガープリントは、予測された各現在のイベントが、モジュール2.1のステップ406で決定された閾値T_1(コミット時間までの分単位で指定されている)を有することを示している。現在の予測イベントに続く各次の予測イベントは、閾値T_2(コミット時間までの分単位で指定されている)を有する。しかしながら、各次の予測イベントの後には、同じイベントが続いているが、今度は現在の予測イベントとしてであることがさらに分かる。言い換えれば、次の予測イベントが実際に発生すると、それは現在の予測イベントになる。したがって、1つの現在の予測イベントに続く次の予測イベントのT_2は、次の現在の予測イベントのT_1に等しくなる。
【0059】
上記の表1に示されている荷物フィンガープリントの具体例として、運送業者エンティティFXの場合、第1の現在の予測イベントは、タイプPU(すなわち集荷イベント)の施設ABEAで発生し、ここで荷物はCHIA施設に関連付けられている配送先住所を目的地としている。サービス記述コードDは国内配送サービスを示し、サービスコード3は2日間の配送を示し、曜日(dow)は水曜日の配送日を示している。第1の現在の予測イベントの閾値T_1は2835であり、これは、購入されたサービスタイプの指定された配送時間の2835分前に集荷が行われると見込まれることを意味する。現在の予測イベントの後に続くと見込まれる次のイベントは、予測されたABEA PUの現在のイベントの後に続く可能性のある次のイベントを全て検索するモジュール2.2によって決定される到着(AR)として施設EWRHBで発生する。この次の予測イベントの閾値T_2は、指定された配送時間の1890分前であり、このT_2値によってモジュール2.2によって見つからなかった。次の予測イベントに続く現在の予測イベントはEWRHB到着であり、その閾値T_1は1890であり、先行する次の予測イベントのT_2値とまったく同じである。モジュール2.1によって、EWRHB到着イベントを現在のイベントとして評価するときに、閾値T_1が1890であることが求められた。モジュール2.3は、EWRHBの現在の予測イベントの閾値のT_1値である1890をEWRHBの次の予測イベントの閾値のT_2値として使用して、T_2 EWRHB閾値の前のABEA PUイベントへの依存関係を排除した。
【0060】
追加のモジュール部分2.4をモジュール2.3の出力と組み合わせて使用して、表1に示されているように、目的地タイムゾーン名を付加してもよい。これにより、各予測イベントの場所に適用されるタイムゾーンに基づいて、協定世界時(UTC)等の共通の基準フレームに時間を後で調整することができる。これにより、イベントがあるタイムゾーンから次のタイムゾーンにまたがることがあるため、閾値の適用が単純化される。
【0061】
物流ネットワーク100内で発生し得る全ての予測イベントについて荷物フィンガープリント情報が完成すると、ステップ412において、全ての予測イベントについてリスクディメンション表が作成される。これは、イベントの閾値を超えてイベントが発生し得る時間範囲ごとに、配送遅延のリスクを計算することによって行われる。例えば、リスクレベルが荷物のフィンガープリントからの閾値の後にイベントが発生する各時間について計算されるように、範囲は1時間であってもよい。リスクは、イベント場所、イベントタイプ、製品又はサービスタイプ、コミット時間までの日数、コミット時間の曜日等を含む、予測イベント及び仮想荷物の特性に固有である。
【0062】
図5は、現在の予測イベント、次の予測イベント、及びイベントの場所、イベントタイプ、製品又はサービスタイプ、コミット時間までの日数、コミット時間の曜日等のそれぞれの閾値を求めるために図4のフローで使用されるコンポーネントのセットを示す。図4のステップ404について上述したモジュール1は、イベントタイプ、国内対国際サービスタイプ、荷物が輸送されている国の国コード、任意の特定の荷物の運送業者を識別する運送業者コード、及びビンに分類される余裕時間が所定の特性を有する特定の仮想荷物の正しい余裕時間となるように余裕時間を決定するための配送日範囲を含む入力502を利用する。モジュール1の動作504は、履歴荷物イベントデータ506にアクセスして、物流ネットワーク100内で可能な各イベントの余裕時間分布を計算する。モジュール1の出力508は、図6に示すようにヒストグラム形式600で表され得る余裕時間分布を確立するように、ビンにおける余裕時間を含む。図6の例では、ヒストグラム600が15分間隔のビンに分類された余裕時間を含むことが分かる。他の間隔を選択してもよいが、15分間隔が有効閾値を決定するのに十分な分解能を提供することが分かっている。
【0063】
次に、モジュール1のこの出力は、パーセンタイル数、最小フローボリュームパーセント、及び配送のための既定の時間のコミット日付範囲を含むモジュール2の入力512と共にモジュール2に提供される。モジュール2の動作は、図4のステップ406,408及び410で説明されたように、現在の予測イベント及び次の予測イベントを含む、荷物フィンガープリントイベント、及び各イベントの閾値を決定する。モジュール2の出力は、記憶装置510に配置され、所定の仮想荷物について表1に示されるものと同様に、全ての予測イベント及び対応する閾値を含む荷物フィンガープリントコンポーネントを含む。
【0064】
図6に戻ると、ヒストグラム600は、モジュール2.1がどのように所与の現在のイベントの閾値を求めるかをさらに示している。この例では、イベントは、特定の最後の場所を目的地とする荷物のハブからのアウトバウンドスキャンである。次に、余裕時間の所望のパーセンタイルを使用して、閾値が求められる。この例では、符号606で示される所望のパーセンタイルは、荷物遅延のリスクを決定するための有効な閾値を提供することが示されている99パーセンタイルである。この例では、観測された時間通りのスキャンの99パーセンタイルは、配送のコミット日の12:15AMである。したがって、コミット日の12:15AM以降にこの特定のハブを出発し、この特定の最後の場所に向かう荷物は、コミット日後に配送されるリスクのレベルにあると推定される。このようにして、領域602のビンに余裕時間を有する荷物は、リスクのレベルなしで時間通りであると推定される一方で、領域604のビンに余裕時間を有する荷物は、配送遅延のリスクがあると推定される。
【0065】
図7は、荷物フィンガープリントの現在の予測イベント閾値を求めるためにモジュール2.1の機能を実行するときに従い得るステップの例700を示すフロー図である。モジュール2.1は、ステップ702で始まり、モジュール2.1は、イベントのフィンガープリント閾値が選択されるパーセンタイル数として入力パラメータを読み取る。図6に示す例について上述したように、パーセンタイルは99であった。ヒストグラムに提供される現在の予測イベントの余裕時間分布は、ステップ704において、ヒストグラムを記憶するデータベース、例えば、Apache Hiveが使用されているときのHiveテーブルから入力として読み取られる。ステップ706において、ビンコード列は、イベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、出荷コミット曜日、及びイベント余裕時間のビン数に抽出される。ステップ708において、ビン時間コードが負の場合、フラグが作成される。次に、ステップ710において、イベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、出荷コミット曜日、及びビン時間コードが負でない場合のイベント余裕時間のビン数の各合計頻度が計算される。
【0066】
この時点で、イベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、及び出荷曜日の一意の組み合わせごとに、一連のステップ712が実行される。一連のステップ712の第1のステップ714において、イベントがビン時間終了によって昇順にソートされる。一連のステップ712のステップ716において、累積頻度(CF)が計算され、セット712のステップ718において、合計頻度(TF)が計算される。次に、一連のステップ712のステップ720において、累積パーセンテージ(CP)がCP=CF/TFとして計算される。一連のステップ712のステップ722において、関連するCPが少なくとも1-パーセンタイル数(例えば、99)/100である行が選択される。次に、ステップ724において、ビン時間終了の昇順で行番号が割り当てられ、行番号が1に等しい行が現在の予測イベントのフィンガープリント閾値として選択される。ここで、現在の予測イベントは、イベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、及び出荷コミット曜日の一意の組み合わせとして定義される。次に、ステップ726において、それぞれについて選択されたフィンガープリント閾値に関連する現在の予測イベントが閾値データフレームに書き込まれ、モジュール2.1を終了する。
【0067】
図8A図8Bは、モジュール2.1で決定された所与の現在の予測イベントの荷物フィンガープリントの次の予測イベント場所及びタイプを求めるために、モジュール2.2の機能を実行するときに従い得るステップの一例800を示すフロー図である。最初に、ステップ802において、入力パラメータが、観察されたオン時間スキャンの所望のパーセンタイル数として読み取られる。これは、モジュール2.1で使用されたものと同じパーセンタイル(99等)であってもよく、この閾値は、所与の現在のイベントの後の最新の次の予測イベントで次のイベントを求めるためのテストとして使用されるが、荷物フィンガープリントにおける次の予測イベントの閾値としては使用されないため、異なっていてもよい。次に、ステップ804において、全ての履歴の次のイベントに対する次の予測イベントが有効な次の予測イベントとなるために必要な所望の最小パーセンテージとして、別の入力パラメータが読み取られる。この最小パーセンテージは、発生量が非常に少ない次の予測イベントを、所与の現在のイベントに対する潜在的な次のイベントのプールからフィルタリングできるようにするための、潜在的な予測イベントに対する最小フローボリュームを表す。このようなフィルタリングのための有効な最小パーセンテージは10%であることが分かっているが、他の最小パーセンテージも適用可能である。
【0068】
入力パラメータが読み取られると、ステップ806において、所与の現在の予測イベントに対する潜在的な次のイベントのそれぞれに対する余裕ヒストグラムのデータが、ヒストグラムを記憶するデータベース、例えば、Apache Hiveが使用されている場合にHiveテーブルから入力として読み取られる。これにより、ステップ808において、ビンコード列をイベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、出荷コミット曜日、次のイベント場所、次のイベントタイプ、及び次のビン時間コードに抽出することができる。ステップ810において、ビン時間コードが負の場合にはフラグが作成され、そうでない場合には、次のビン時間コード内の数字からビン時間終了が作成される。次に、ステップ812において、イベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、出荷コミット曜日、次のイベント場所、次のイベントタイプ、及びビン時間コードが負でない場合の次のビン時間コードのそれぞれの合計頻度が計算される。
【0069】
この時点で、イベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、出荷コミット曜日、次のイベント場所、及び次のイベントタイプの一意の組み合わせごとに、一連のステップ814が実行される。一連のステップ814の最初のステップ816において、イベントがビン時間終了によって昇順にソートされる。一連のステップ814のステップ818において、累積頻度(CF)が計算され、セット814のステップ820において、第1の合計頻度(TF1)が計算される。次に、一連のステップ814のステップ822において、累積パーセンテージ(CP)がCP=CF/TF1として計算される。一連のステップト814のステップ824において、関連するCPが少なくとも1-パーセンタイル数(例えば、99)/100である行が選択される。次に、ステップ826において、ビン時間終了の昇順で行番号が割り当てられ、行番号が1に等しい行が選択される。
【0070】
各一意の組み合わせに対して1に等しい行が選択されると、イベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、及び出荷コミット曜日の一意の組み合わせごとに、一連のステップ828が実行される。一連のステップ828の最初のステップ830において、第2の合計頻度(TF2)が計算される。次に、イベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、出荷コミット曜日、次のイベント場所、及び次のイベントタイプの一意の組み合わせごとに、一連のステップ828内でネストされた一連のステップ832が実行される。ステップ834において、分布パーセンテージ(DP)がDP=TF1/TF2として計算される。セット832のステップ836において、関連するDPが少なくとも最小パーセンテージ(例えば、10)/100である行が選択され、それによって、この最小フローボリュームを満たす潜在的な次のイベントのみを保持する。次に、ステップ838において、ビン時間終了の昇順で行番号が割り当てられ、行番号が1に等しい行が次の予測イベントタイプ及び場所として選択される。ここで、各現在の予測イベントに対する次の予測イベントは、関連する前の現在の予測イベントに対応するイベント場所、出荷先場所、イベントタイプ、出荷サービスタイプ、及び出荷コミット曜日の一意の組み合わせとして定義される。ステップ840において、この次の予測イベントタイプ及び場所は、出力として次のイベントデータフレームに書き込まれる。前述したように、次の予測イベントの荷物フィンガープリントで使用される荷物閾値は、モジュール2.1によって別々に決定され、ここでは、次の予測イベントは現在の予測イベントと見なされ、モジュール2.3は、モジュール2.1及び2.2の出力を結合して、表1に示したもののような荷物フィンガープリントを生成する。ここで、次の予測イベントの閾値T_2は、それぞれ、次の予測イベント(T_2)が事前型スコアリング中に監視され、かつ次の現在のイベント(T_1)が事後型スコアリング中に監視される同じ予測イベントであるため、次の予測イベントの閾値T_2は、予測イベントに続く現在の予測イベントについてのT_1と同じである。
【0071】
モジュール2.2がどのように次の予測イベントの場所及びタイプを求めるかを示す具体的な例は、次の通りである。出発タイプのDENRイベントの場所で発生した履歴の現在のイベントには、履歴データに3つの潜在的な次の場所及びイベントタイプがある。3つの潜在的な次の場所及びイベントタイプのそれぞれについて、99パーセンタイル閾値時間及びサンプルサイズが決定される。例えば、ORDRイベントの場所での到着イベントタイプは5%の時間で発生し、このペアの99パーセンタイル閾値は10/1/19 5:30であるINDHイベントの場所での到着イベントタイプ及びMEMHイベントの場所での到着イベントタイプは、それぞれ45%及び50%の時間で発生し、99パーセンタイル閾値はそれぞれ10/1/19 1:45及び10/1/19 00:00である。この情報が与えられると、INDHイベント場所における到着イベントタイプは、DENRからの出発の現在のイベントのための次の予測イベントタイプ及び場所として選択される。なぜなら、その次の予測イベント場所及びタイプは、10%より大きいサンプルサイズを有し、その99パーセンタイル閾値は、サンプルサイズが10%より大きいものの中で最新であるからである。
【0072】
図9A及び9Bは、第1の処理システム210の荷物リスクテーブル計算サブシステム214の機能を実行するときに従い得るステップの例900を示すフロー図である。第1のステップ902において、入力パラメータが、履歴データの荷物の出荷開始日及び出荷終了日として読み取られる。次に、ステップ904において、出荷開始日及び出荷終了日内の出荷日を有する荷物についての履歴イベントデータが、さらなる入力として読み取られる。ステップ906において、各荷物の履歴データから、サービスタイプ、コミット曜日、及びサービス結果(時間通りに提供された、又は特定の時間の長さだけ遅れた)が抽出される。ステップ908において、抽出された情報についてイベントアレイが展開される。次に、ステップ910において、データがフィルタリングされ、フィンガープリント適格イベントのみが保持される。例えば、荷物フィンガープリントで使用される物流ネットワーク100の予測イベントと無関係なイベントは全て除去される。
【0073】
履歴イベントデータがフィルタリングされると、荷物フィンガープリントの各予測イベントの閾値を超える遅延の長さに基づいて、規定の時間後に配送される荷物のリスクレベルを決定するために適用される準備ができる。ステップ912において、履歴データからの各荷物の各イベントについて、イベントタイプ、イベント場所、イベント時間からコミット日までの日数が決定されるが、最大値は各サービスタイプに固有である。例えば、エクスプレスサービスタイプは最大3日であり、地上サービスタイプは最大7日である。ステップ914において、各履歴荷物の各イベントについて、対応する荷物フィンガープリント閾値が取得される。次に、ステップ916において、いずれかの荷物の履歴イベントが荷物フィンガープリント閾値に違反するかどうかが決定される。
【0074】
この時点で、ステップ916で求められた各荷物の各履歴イベントの遅延量は、ステップ918において、実際のイベント時間とフィンガープリント閾値との間の差を所望の最大値まで求めることによって計算され得る。例えば、最大遅延は、荷物が遅延するリスクレベルが既に非常に高いと見込まれる10時間等のレベルで制限されてもよい。この例では、遅延量は時間で計算されるが、所望の粒度のレベルに応じて、他の時間単位も決定の基礎となり得ることが理解されよう。ステップ920では、フィンガープリント閾値違反を有する各履歴イベントについて、閾値違反を有するイベントが属する一連の一致イベントに割り当てられたフィンガープリント違反カウンタが1つ増分する。したがって、ステップ920の結果は、特定の一連の一致イベントごとの閾値の違反の集計である。
【0075】
ステップ922において、フィンガープリント閾値違反を有し、かつコミット時間等の規定の時間後に発生したために遅延した配送を有する履歴イベントごとに、閾値違反及び遅延配送を有するイベントが属する一連の一致イベントに割り当てられた遅延配送カウンタが1つ増分する。したがって、ステップ922の結果は、特定の一連の一致イベントごとの遅延配送の集計である。これらの一連の一致イベントのそれぞれについて、リスクのレベルは、遅延カウンタの値を違反カウンタの値で除算して計算されてもよい。したがって、ステップ924の出力は、リスクのレベルを設定するための0から1の間の値である。出力をパーセンテージで表したい場合は、この値に100を乗算してもよい。次に、ステップ926において、出力がリスクテーブルに書き込まれる。
【0076】
イベント場所MEMHにおける到着(AR)イベントタイプについて、リスクテーブルの例を以下のテーブル2に示す。これは、履歴イベントデータに示されていない遅延量が存在し得ることを示している。例えば、1、2、3、及び6時間の遅延は、履歴データには表されない。しかしながら、これらの遅延量は、将来発生し得る。したがって、このような逃した遅延量に対するリスク量を求めるために補間することが適切であり得る。このような補間を含むリスクテーブルを以下のテーブル3に示す。履歴データが捕捉され続けるにつれて、リスクテーブルを作成するプロセスが第1の処理システム210によって継続的に実行され得るため、補間による遅延量は、最終的に履歴データで発生する遅延量に置き換えられ得る。
テーブル2(補間なし):
【表2】
テーブル3(補間後):
【表3】
【0077】
荷物フィンガープリント及び関連するリスクテーブルによって定義されるモデルを作成するための第1の処理システム210の動作は、上記で説明されており、第2の処理システム218は、事後型及び事前型の両方で、各予測イベントに対するリスクのレベルを求めるために、物流ネットワーク100内を輸送中の実荷物のリアルタイムデータに対してモデルをスコアリングしてもよい。図10は、輸送中の実荷物のリアルタイムイベントデータに対してモデルをスコアリングする例示的な方法1000のフロー図である。ステップ1002では、輸送中の実ライブ荷物に対するリアルタイムのライブイベントデータのストリーミングが、第2の処理システム218に受信される。この時点で、荷物フィンガープリントからの次の予測イベントに対する事前型スコアリングは、ステップ1002で受信されたばかりのイベントデータに対応する現在の予測イベントの発生によりキャンセルされる。ステップ1006において、実荷物に対して発生したばかりの新しい現在のイベントに対して、実荷物に対して実際に発生した現在のイベントと一致する現在の予測イベントの閾値を比較して、閾値を超えるイベントの発生に対する遅延量(ある場合)を求めることによって、新しい現在のイベントがモデルに対してスコアリングされる。次に、この遅延量は、リスクテーブル内で指定された対応するリスクのレベルを明らかにするために、現在のイベントと一致するリスクテーブル内の予測イベントに対して求められてもよい。次に、このリスクのレベルは、下流プロセスに利用可能にされ得る。
【0078】
実荷物に対する現在のイベントのリスクのレベルが求められると、ステップ1008において、荷物フィンガープリント内の現在のイベントに対して定義された次の予測イベントに対して事前型スコアリングがスケジュールされてもよい。しかしながら、現在のイベントが配送タイプである場合、配送が発生したため、プロセスは終了し得る。現在のイベントが配送タイプでない場合、つまり、荷物がまだ輸送中である場合、事前型スコアリングがスケジュールされ、ステップ1008においてスケジュールによって指定された期間に発生を開始する。例えば、事前型スコアリングは15分ごとに実行するようにスケジュールされてもよい。スケジュールは15分ごとでなくてもよく、この場合、物流ネットワーク100の潜在的に大規模であること、及びモデルに対してスコアリングされる任意の所与の時間に輸送中の実荷物の膨大な数を考慮して、事前型スコアの解像度と第2の処理システム218に必要な処理量とのバランスの問題として、時間量を選択し得ることが理解されよう。スコアリングされる次の予測イベントの閾値を過ぎると、リスクのレベルが割り当てられる。次に、スケジュールされた事前型スコアリングは、閾値を超える遅延の増加に基づいてリスクレベルを周期的に更新し続けてもよい。荷物に対するイベントの新たな発生が起こると、例示的な方法1000のフローはステップ1002に戻る。
【0079】
事前型スコアリングは、次の予測イベントがまだ発生していない荷物を探しているため、そのイベントを現在のイベントとしてスコアリングすることはまだ不可能である。これにより、ステップ1008の事前型スコアリングは、ステップ1006の事後型スコアリングを介してイベントが発生した後にのみリスクを求めるのではなく、次の予測イベントがネットワーク100で実際に発生する前に、次の予測イベントに対するリスクを決定することを可能にする。事前型リスク評価がスケジュールされた時間に実行されると、最新の事前型スコア及び現在の事前型スコアに関連して図13に示すようにリスク集約を使用して、最新の事前型スコアからのリスク又は既存の事前型スコアからのリスクが、その時点での荷物のリスクレベルとして使用されるかどうかを決定してもよい。しかしながら、次の予測イベントが実際に発生し、事前型にスコアされている現在のイベントになると、その事前型スコアからのリスクが荷物のリスクレベルになる。事後型スコアリングのステップの具体例を図11に関連して以下に説明し、事前型スコアリングのステップの具体例を図12に関連して以下に説明する。
【0080】
図11は、第2の処理システム218の事後型スコアリング機能を実行するときに従い得るステップの例1100を示すフロー図である。ステップ1102において、フローは、第2の処理システム218に向けられた物流ネットワーク100内のイベント場所からストリーミングされたイベントを読み取ることによって開始する。ストリーミングされたイベントは、荷物、出発地、最後の場所、サービスコミットとして知られる配送のための既定の時間、製品/サービスタイプ、及び配送曜日を識別してもよい。ステップ1104において、イベントは、必要とされる特定のデータ処理フォーマットに体系化され、スコアリングに関係のないイベント又はその他の範囲外のイベントをフィルタリングするようにクレンジングされる。ステップ1106において、事後型スコアリング可能なイベントが発生したため、スケジュールされていたこの荷物に対する任意の事前型スコアリングアクティビティが非アクティブ化される。
【0081】
ステップ1108において、イベントの時間が既にサービスコミットを過ぎているかどうかに関する決定が行われる。yesの場合、荷物は既に遅れており、したがって荷物が遅れるリスクは1又は100%であり、事後型スコアリングは終了する。現在のイベントの時間がまだサービスコミットを過ぎていない場合、ステップ1112において、物流ネットワーク100からストリーミングされる実際の現在のイベントに対応する現在の予測イベントのフィンガープリント閾値が取得され、イベントの時間に適用される。閾値によって示される現在の予測イベントのカットオフ時間に対する実際のイベントの遅延量が決定され、ステップ1114において、閾値カットオフ時間に対する遅延が存在するかどうかに関する決定が行われる。
【0082】
閾値を超える遅延がない場合、荷物はサービスコミットによる配送に向けて順調である。したがって、ステップ116でリスクに0のスコアが割り当てられる。荷物フィンガープリントからの一致する現在の予測イベントの閾値に対して実際の現在のイベントの発生の間に遅延量がある場合、ステップ1118において、リスクのレベルがリスクテーブルから取り出され、このリスクのレベルが荷物のリスクスコアとして割り当てられる。ステップ1116又は1118のいずれかでリスクスコアリングが完了した後、ステップ1120において、荷物フィンガープリントの次の予測イベントに対してアクティブ化するための事前型スコアリングがスケジュールされる。次に、この現在のイベントに対する事後型スコアリングプロセスが完了し、次のイベントが物流ネットワーク100内の場所からストリーミングされるまで、事後型スコアリングはアイドル状態になる。
【0083】
事後型スコアリング時に発生し得るシナリオの1つは、物流ネットワーク100で発生した実際の現在のイベントが、荷物フィンガープリントから現在の予測イベントと一致しない可能性があることである。言い換えると、輸送計画は、荷物フィンガープリントによって予測されたものとは異なる施設に荷物を送った可能性がある。これは、物流ネットワークのルートに沿った負荷分散等の通常の業務運用、及び/又は物流ネットワークを通る予期しないルートが選択されることを引き起こした出荷前のリスク分析の適用による結果であり得る。しかしながら、ネットワーク内で現在のイベントが発生すると、事後型スコアリングは、物流ネットワーク100に対して利用可能な荷物フィンガープリント情報から実際の現在のイベントに関連付けられた閾値を取得し、次に、事後型及び事前型スコアリングが、次の予測イベント及び実際の現在のイベントからの現在の予測イベントに基づいて、最終目的地に到達するまで続行できるように、その現在のイベントから続行する。次の予測イベントは、実際の現在の場所に基づいて、現在の予測イベントの場所に基づいていた次の予測イベントとは後で異なり得るため、フィンガープリントは、荷物フィンガープリントによって最初に予測されたものとは異なり得るが、プロセスは、新しい荷物フィンガープリントの予測イベント及び閾値に基づいて事後型及び事前型スコアリングを続行する。
【0084】
図12は、図11の事後型スコアリング方法の間にスケジュールされた第2の処理システム218の事前型スコアリング機能を実行するときに従い得るステップの例1200を示すフロー図である。方法は、スケジュールに従って定期的に開始し、荷物フィンガープリントの次の予測イベントが評価されるステップ1202において開始する。この評価は、現在の時間を、サービスコミット時間及びこの次の予測イベントについて荷物フィンガープリントによって指定された閾値と比較し、若しあれば、閾値を超える遅延の量を決定する。判定ステップ1204は、現在の時間がサービスコミット時間を過ぎているかどうかを判定する。yesの場合、荷物はすでに遅れているため、荷物が遅れるリスクは1又は100%として割り当てられ、次の予測イベントに対する事前型スコアリングのこのインスタンスは終了する。現在のイベントの時間がまだサービスコミット時間を過ぎていない場合、以前に決定された閾値によって示される次の予測イベントのカットオフ時間に対する実際のイベントの遅延量が考慮され、ステップ1208において、閾値カットオフ時間に対する遅延が存在するかどうかが判定される。
【0085】
遅延が存在しない場合、この荷物は、現在のところ、最新の事後型スコアリングが実行されたときよりも、この時点ではリスクが高くない。したがって、リスクスコアは変更されず、次の予測イベントに対する事前型スコアリングのこのインスタンスは終了する。閾値に対する遅延が実際に存在する場合、この例では、ステップ1210において、新しい事前型スケジュールが代わりに作成されるため、スケジュールされた事前型イベントはでこの荷物に対してクリアされる。次に、ステップ1212において、閾値を超えるこの遅延量におけるこの次の予測イベントのリスクレベルがリスクテーブルで検出され、荷物に割り当てられる。次に、次の予測イベントに対する新しい事前型スコアリングアクションが、将来の新しい時間に開始するようにスケジュールされてもよい。例えば、荷物に対する事前型スコアリングの新しいスケジュールは、一時間後に開始するようにスケジュールされてもよく、これはリスクテーブルにおける遅延量の増分、例えば、一時間増分に対応する。次の事前型スコアリングが開始されるまでの時間量は、事前型スコアリングの更新のための特定の粒度レベルの値に対して事前型スケジューリングに必要な処理能力の量のバランスである。次に、この事前型スコアリングのインスタンスは終了する。
【0086】
図13は、第2の処理システム218のリスク集約機能を実行するときに従い得るステップの例1300を示すフロー図である。いくつかの実施形態では、荷物が規定の時間後に配送されるリスクが最も新しい事後型スコアリングからのリスクよりも悪いかどうかを決定する目的のためにのみ事前型スコアリングを使用し、荷物についてその悪いリスクを記録することが望ましい場合がある。したがって、次の予測イベントの事前型スコアリングが、最も多い事後型スコアリングによって割り当てられたよりも低いリスクスコアをもたらす場合、最も多い事後型スコアリングの中のより高いリスクが荷物のリスクレベルとして維持される。したがって、そのような実施形態では、荷物に割り当てられたリスクレベルを低下させ得るのは、事後型スコアリングされるネットワーク内のイベントの実際の発生のみである。例1300は、この実装を示している。
【0087】
例1300は、荷物フィンガープリントの次の予測イベントの事前型スコアリングが、事前型スコアリングされたリスクレベルを求めるために行われるステップ1302から始まる。この事前型スコアリングされたリスクのレベル、すなわち新しいリスクは、荷物に対する最も新しい事後型スコアリングされたリスクのレベル、すなわち古いリスクと比較され、新しいリスクが古いリスクより大きいかどうかについて決定がなされる。新しいリスクが古いリスクより大きくない場合、最も新しい事後型スコアリングから見つかった古いリスクは、ステップ1308で荷物に対するリスクのレベルとして維持される。新しいリスクが古いリスクより大きい場合、最も新しい事後型スコアリングから見つかった新しいリスクは、ステップ1306で荷物に対するリスクのレベルとして維持される。次に、リスクアグリゲータの例1300は、荷物に対する次の事前型スコアリングが発生するまで終了する。
【0088】
図14は、第2の処理システム218によって決定されたリスクのレベルに応じて物流ネットワーク100によって実装されている輸送計画への変更を介して荷物を再ルーティングするために第4の処理システム226が従い得るステップの例1400を示すフロー図である。第2の処理システム218は、ステップ1402において第4の処理システム226に向けられ、かつ第4の処理システムによって受信されるストリームとして、輸送中のライブ荷物のリスクデータを出力してもよい。次に、第4の処理システム226は、ステップ1404において、現在のリスクレベルよりも低いと推定されるリスクで、荷物の現在の場所から最終目的地までの代替輸送計画を求めてもよい。例えば、このステップは、ステップ1406において、フィンガープリント閾値の次の予測イベント場所とは異なる非典型的な次のイベント場所に荷物が向けられる代替輸送計画を実装することを含んでもよくその後、以前のものとは異なる可能性が高い荷物のリスクの新たな評価を引き起こす。これは、選択された非典型的な次の場所への天候又は交通が、より典型的な次の場所への天候又は交通によって引き起こされるリスクよりも低いリスクであると予測されるかどうか等の、外部要因リスク分析からの出荷前のリスク決定と組み合わせて使用される場合に、さらに効果的であり得る。輸送計画及び外部リスク要因分析については、図15及び図16に関連して以下に説明する。
【0089】
図15は、実荷物イベント1502と、荷物の輸送中に発生する規定の時間後に荷物が配送されることの関連するリスクレベル1504との例1500を示している。荷物が場所INDHに到着し、リスクスコア0が発生する。しかしながら、INDHの場所のステーション内では、天候リスクのために例外が発生し、それにより規定のコミット時間後に荷物が配送される可能性が73%になる。しかしながら、高レベルのリスクにより、荷物の輸送計画が変更され、荷物が再ルーティングされる結果、新しいルートでは天候リスクが発生しないため、リスク予測が0に更新される。さらに、INDHの場所から出発し、所与のコミット時間及びサービスレベルでMICA最終目的地に向かう荷物に適用される荷物フィンガープリント閾値は、INDHからの出発イベントの時点では違反されていない。
【0090】
ルートに沿って、MEMHの場所からの出発イベントは、このイベントのフィンガープリント閾値より9分遅くなり(5:09AM対5:00AM)、それによりリスクテーブルに基づいて事後型リスクスコアが34%になる。しかしながら、荷物が規定のコミット時間である10:30AMまでに最後の場所に到達する可能性がそうでない場合よりも高いため、リスクスコア34%は低リスクと見なされる。その後、荷物はこのイベントのフィンガープリント閾値より56分遅れて次のイベント場所MSPAに到着するが(7:41AM対6:45AM)、リスクテーブルはリスクスコア7%と示しているに過ぎず、荷物が規定のコミット時間10:30AMまでに最終目的地に到達する可能性が非常に高いため、リスクなしカテゴリに分類される。これにより、リスクは変動し続けるが、低リスクカテゴリを超えることはなく、規定のコミット時間10:30AMまでに配送される。
【0091】
図16は、外部要因及び関連するリスクを使用して出荷前分析を考慮するように第4の処理システム226が従い得るステップの一例1600を示すフロー図である。ステップ1602において、荷物の開始場所又は出発地、開始時間、最終目的地、及び製品/サービスタイプが取得される。次に、ステップ1604において、期待される経路に沿ってネットワーク100を移動する製品の期待される経路及びタイミングが、そのような荷物を最後の場所に移動させるための荷物フィンガープリント内の予測イベントを使用して計算される。ステップ1606において、荷物フィンガープリントから計算された予測場所及び時間に基づいて、荷物が天候又は交通等の過酷条件を通過するかどうかを識別することができように、外部要因及び関連するリスク情報1608が取得され、次いで、この情報を周辺リスクスコアに変換する。
【0092】
次いで、このリスクスコアは、輸送計画及び異なる計画がより低いリスクを有するかどうかについての出荷前の決定を行うために、輸送計画システム226によって使用され得る。図15に関連して一例が上述されており、天候によって73%のリスクレベルが引き起こされた。同様に、リスクの出荷前の決定のこの例1600は、実荷物がルートに沿って訪れる各場所においてリアルタイムで第2の処理システム218によって適用され、輸送計画システム226が訪れた場所から荷物を再ルーティングすることを決定する際に考慮し得る周辺リスクを決定してもよい。
【0093】
物流ネットワーク100内で輸送中の各荷物について決定されているリスク情報は、物流ネットワーク100を運用するエンティティ及び出荷を受け取ることを期待しているエンティティの両方にとって非常に有用であり得る。これは、所定のワクチン及び他の医療関連荷物のような温度制御のような特別な取り扱い要件を有する荷物及び/又は所定のワクチン又は医療関連荷物のような極端な時間感度を有する荷物に特に当てはまる。したがって、リスク情報は、関心のある荷物を監視することを可能にするために、様々な関係者に表示形式で提供されてもよい。さらに、これにより、出荷エンティティの要員は、規定の時間までに荷物を配送する能力に影響を与える遅延を引き起こすネットワーク内の障害点を監視することが可能になる。
【0094】
図17は、図2のアプリケーション222,224によって提供されたそのようなユーザ表示のスクリーンキャプチャの一例1700を示す。例1700により、ユーザは、表示される情報を制御するために様々なフィルタ、例えば、支払人対荷送人のためのフィルタ1702、フィルタ1702で選択された支払人又は荷送人のアカウントを選択するためのフィルタ1704、及び地上サービス又はエクスプレスサービス等の荷物のサービスタイプ等を適用することができる。選択されたフィルタに応じて、例1700は、フィールド1708で輸送中の荷物の総数、フィールド1710で関心のある十分なレベルのリスクがある荷物の総数、及びフィールド1712で天候又は他の非典型的な要因によってイベントを逃す等の例外を経験した荷物の数をさらに表示する。例1700はさらに、米国の各州内等の所定の地理的領域内の場所に、規定の時間後に配送されるリスクのある荷物の数を示すマップ1714を含む。
【0095】
例1700でこの情報を提供することにより、荷物の監視に関心のある人が、注意を必要とする十分なレベルのリスク、例えば50%を超えるリスクのある荷物に焦点を当てることが可能になる。したがって、この人は、輸送中の446個の荷物全てを監視するのではなく、十分なリスクレベルがある283個に焦点を当てることを選択し得る。これらの荷物は、ユーザがフィールド1710を選択して283個全てを見るか、又は地図1714から地理的領域を選択して、その選択された領域についてリスクがある荷物に焦点を当てることによって識別することができる。さらに、ユーザは、より多くの情報を見ることを選択することによって、リスクがある任意の荷物に焦点を当てることができ、ユーザの選択を受け取ることに応答して、第3の処理システムは、次に、リスクがある荷物のリストを表示し、ユーザが関心のある荷物をリストから選択することができる。第3の処理システムがリストから特定の荷物の選択を受け取ると、第3の処理システムは、荷物固有の情報を表示してもよい。
【0096】
荷送人又は受取人等の所与の顧客に対する荷物は、荷送人がアカウントを有することが理解されよう。その荷送人アカウントの荷物に関連するリスク情報のみを表示するための情報を第3の処理システムが荷送人アカウントに提供するように、各荷物はそのアカウントに結びつけられてもよい。さらに、所与の荷送人アカウントの荷物は、異なる荷物固有の最後の場所を有してもよく、輸送中に荷物に対して発生するイベントは、荷物固有のイベントであってもよい。したがって、図17の例では、荷送人アカウントの446個の荷物は、数百の異なる最後の場所に向けられてもよい。さらに、これらの荷物は個別に移動していてもよく、そのため同じ輸送経路をたどる同じ出発地及び最終目的地を有する2つの荷物であっても、それらは輸送経路に沿った異なるポイントにあり、したがって、遅延及びリスクの別個の決定をもたらす別個の荷物固有のイベントに遭遇する可能性がある。例1700は、第1の表示時間に取得されたスクリーンキャプチャを示している。ユーザは、その後の第2の表示時間に表示を見ることを選択してもよく、これらの荷物に対して追加のスコアリングが発生したため、数値が変更されていてもよい。例えば、リスクにさらされている荷物の数は、図17に示されている第1の表示時間にリスクにさらされている283個よりも大きくても又は小さくてもよい。
【0097】
図18は、図2のアプリケーション222,224によって提供されるユーザ表示のスクリーンキャプチャの別の例1800を示している。この例1800は、特定の顧客又は特定の場所等の所定の基準に対する荷物/出荷の総数、遅延のリスクがある荷物の数、コミット日なしの数、予定通りの数、コミット日近くの数、及びコミット日を過ぎた数を含む情報1802を提供する。これにより、出荷エンティティの要員は、所定の顧客のスナップショットを素早く見ることが可能になる。
【0098】
また、例1800内の棒グラフは、遅延している荷物1806の数を含むチャート1804内の出荷状態のスナップショットを素早く見ることも可能にする。遅延状態チャート1808は、コミット時間を過ぎて配送されるリスクの各分類における荷物の数を示し、遅延の可能性ありと考えられる少なくとも80%等の十分なレベルのリスクの荷物の数1810、40%未満等の低リスクの荷物の数1812、及び40%から80%の間等の中程度のリスクであると考えられる荷物の数1814を含む。荷物の最後の既知の場所を示すチャート1816等の他の情報も示される。したがって、出荷エンティティの要員は、ネットワークの動作及び所与の顧客に対する出荷の状態に関する洞察を提供する情報のスナップショットを収集することができる。
【0099】
図19は、図2のアプリケーション222,224によって提供されるユーザ表示のスクリーンキャプチャの別の例1900を示している。この例1900は、規定のコミット時間後に荷物が配送されるリスクをもたらす遅延を引き起こす物流ネットワーク100の障害点を見つけようとする出荷エンティティの要員に特に適している。例1900は、事後型及び事前型スコアリング中に発見された違反したフィンガープリント閾値の数に基づいて遅延が発生している物流ネットワーク100内の場所を表すヒートマップ1902を含む。遅延は、チャート1904のように曜日内に分散して示されてもよい。
【0100】
また、フィルタの集合1906は、ユーザが必要に応じて情報をフィルタリングし、顧客、出発地、現在地、最終地点、サービスタイプ、規定のコミット時間等を含む荷物の他の全てのパラメータと関連してリスクデータが記憶されていることを考慮して、ユーザが様々なやり方でデータを掘り下げることができるようにするための選択に利用可能であってもよい。フィルタは、個別に適用することも、組み合わせて適用することもできる。第1のフィールド1908は、提供された表示用の情報をフィルタリングするために、顧客名(すなわち、荷送人)の選択を提供する。第2のフィールド1910は、提供された表示用の情報をフィルタリングするためのEANコードの選択を提供する。第3のフィールド1912は、提供された表示用の情報をフィルタリングするための施設名の選択を提供する。第4のフィールド1916は、提供された表示用の情報をフィルタリングするための施設名の選択を提供する。第5のフィールド1918は、提供された表示用の情報をフィルタリングするための配送日の選択を提供する。第6のフィールド1920は、提供された表示用の情報をフィルタリングするためのサービス遅延日の数の選択を提供する。第7のフィールド1922は、提供された表示用の情報をフィルタリングするためのイベントデータをもたらしたスキャンタイプ、又は上述のイベントタイプの選択を提供する。第8のフィールド1924は、提供された表示用の情報をフィルタリングするための施設タイプの選択を提供する。第9のフィールド1926は、提供された表示用の情報をフィルタリングするための出発地の場所の選択を提供し、第十のフィールド1928は、提供された表示用の情報をフィルタリングするための目的地の場所の選択を提供し、フィールド1926及び1928の両方を使用することにより、ユーザは出発地/目的地の組み合わせを指定することが可能になる。
【0101】
ユーザに特定の詳細を提供するために、ヒートマップ1902及びチャート1904に加えて、情報のテーブル1930が表示される。例えば、テーブル1930に現れるフィルタの適用から得られる荷物は、列1932にイベントタイプ、列1934にイベントタイムスタンプ、列1936に対応するフィンガープリント閾値タイムスタンプを示す。このように、遅延のリスクを生成する生データを見ることが可能であり、施設、顧客等によって必要に応じてそれらをフィルタリングすることができる。スキャンタイプ、施設タイプ、及び出発地/目的地ペア等によって、遅延に対する相対的な寄与をさらに示すために、ドーナツチャート1938、1940及び1942等の他のチャートが教示されてもよい。施設別、施設タイプ別、スキャンタイプ別、顧客別、出発地/目的地ペア等によって障害のポイントを学習することにより、ユーザは、物流ネットワーク100の動作を改善するための是正措置を検討することが可能になる。
【0102】
輸送中の荷物に対する遅延配送リスク及び例外を決定する能力を提供し、リスクにさらされているそのような荷物の監視並びに遅延配送リスク及び例外の発生を監視することを可能にするための荷物フィンガープリントの形態でネットワークモデルを作成及び適用するために、様々な例及び実施形態が上述されている。物流ネットワークに関連するコンピュータシステムの改善は、履歴データからこれらの閾値を作成し、次にこれらの閾値をリアルタイムで適用して、遅延配送リスクのリアルタイム監視を可能にする能力を含む。
【0103】
要約すれば、当業者には理解されるように、本明細書の実施形態に記載された方法及び方法の変形のいずれかを実行する動作のシーケンスは、単に例示的なものであり、正当に、かつ本発明の原理にしたがって、様々な動作のシーケンスが追従され得ることが強調される。
【0104】
上に概説した例示的な実施形態の少なくともいくつかの部分は、配送遅延のリスクがある荷物の物流業務及び関連する監視を強化及び改善するために、他の例示的な実施形態の部分と関連して使用されてもよい。例えば、事後型及び事前型スコアリングに基づくリスクは、出荷前のリスク分析と共に使用されてもよい。同様に、これらのリスク評価のいずれか又は両方は、監視及び情報要員に対してのみ使用されてもよく、又は荷物輸送計画による閉ループを作成するために使用されてもよい。さらに、本明細書で開示される例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかは、互いに独立に、及び/又は互いに組み合わせて用いることができ、本明細書に開示されていない装置及び方法に応用が可能である。しかしながら、当業者であれば、上記の例示的なモデル訓練、モデルスコアリング、及び関連する出力が、物流及び出荷管理で使用される技術の強化及び改善を提供することを理解するであろう。
【0105】
当業者であれば、実施形態が1つ以上の利点を提供してもよく、かつ、必ずしも全ての実施形態が本明細書に記載された全ての又は2つ以上の特定の利点を提供するわけではないことを理解するであろう。さらに、本明細書に記載された構造及び方法に対して様々な修正及び変形が可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、本明細書で述べた内容に限定されるものではないことを理解されたい。そうではなく、以下の請求項に記載されるように、本発明は修正及び変形を包含するものである。
図1
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図8A
図8B
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図9B
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【国際調査報告】