(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】合体媒体
(51)【国際特許分類】
B01D 39/16 20060101AFI20241108BHJP
D21H 27/08 20060101ALI20241108BHJP
D21H 13/08 20060101ALI20241108BHJP
D21H 13/24 20060101ALI20241108BHJP
D21H 15/02 20060101ALI20241108BHJP
D21H 27/30 20060101ALI20241108BHJP
D04H 1/54 20120101ALI20241108BHJP
D04H 1/549 20120101ALI20241108BHJP
D04H 1/55 20120101ALI20241108BHJP
D04H 3/153 20120101ALI20241108BHJP
D04H 3/147 20120101ALI20241108BHJP
【FI】
B01D39/16 A
B01D39/16 E
D21H27/08
D21H13/08
D21H13/24
D21H15/02
D21H27/30 A
D04H1/54
D04H1/549
D04H1/55
D04H3/153
D04H3/147
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524701
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022048162
(87)【国際公開番号】W WO2023076555
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,デレク オー.
(72)【発明者】
【氏名】ハウサー,ブラッドリー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】カプール,ヴィジャイ ケー.
【テーマコード(参考)】
4D019
4L047
4L055
【Fターム(参考)】
4D019AA02
4D019AA04
4D019BA02
4D019BA03
4D019BA04
4D019BA05
4D019BA12
4D019BA13
4D019BA16
4D019BB02
4D019BB03
4D019BB04
4D019BB05
4D019BB10
4D019BD01
4D019BD02
4D019BD10
4D019CA02
4D019DA03
4D019DA06
4L047AA21
4L047AA23
4L047BB06
4L047BB07
4L047CA16
4L047CC08
4L055AF09
4L055AF33
4L055AF46
4L055AJ01
4L055EA04
4L055EA12
4L055EA15
4L055EA25
4L055FA11
4L055FA14
4L055GA31
(57)【要約】
ある実施形態は、連続相中の分散相を合体させるためのフィルタ材料に関する。フィルタ材料には、バインダ繊維及びバインダ繊維の間に分布された不規則なレーヨン繊維がある。フィルタ材料には非繊維状樹脂は含まれない。ある実施形態は、フィルタアセンブリに関する。フィルタアセンブリには、粒子濾過層、粒子濾過層の下流の合体層及び合体層の下流の成長媒体がある。当該合体層は粒子濾過層に結合される。当該成長媒体には、不規則なレーヨン繊維及び不規則なレーヨン繊維の間に分布されるバインダ繊維がある。当該成長媒体には非繊維状樹脂は含まれない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダ繊維、及び
前記バインダ繊維の間に分布した不規則なレーヨン繊維、
を含むが、非繊維状樹脂を含まない、フィルタ材料。
【請求項2】
空気透過率が、125 Paで100~500 ft
3/分・ft
2である、請求項1に記載のフィルタ材料。
【請求項3】
さらに、フィブリル化レーヨン繊維を含む、請求項1に記載のフィルタ材料。
【請求項4】
最大で70質量%のポリエステル繊維である、請求項1に記載のフィルタ材料。
【請求項5】
30質量%~75質量%のレーヨン繊維である、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルタ材料。
【請求項6】
支持層がない、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルタ材料。
【請求項7】
ガラスが含まれない、請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルタ材料。
【請求項8】
天然セルロース繊維を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルタ材料。
【請求項9】
不規則なレーヨン繊維が多葉レーヨン繊維である、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルタ材料。
【請求項10】
不規則レーヨン繊維の線質量密度が、1den~7denである、請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルタ材料。
【請求項11】
前記フィルタ材料を通る複数の低抵抗流路がある、請求項1~10のいずれか一項に記載のフィルタ材料。
【請求項12】
粒子濾過層、
前記粒子濾過層の下流にあり、前記粒子濾過層に結合された合体層、
前記合体層の下流の成長媒体であって、以下の:
不規則なレーヨン繊維、及び
前記不規則なレーヨン繊維の間に分布したバインダ繊維、
を含むが、非繊維状樹脂は含まれない、成長媒体
を含む、フィルタアセンブリ。
【請求項13】
前記粒子濾過層、前記合体層及び前記成長媒体は、プリーツ状であり、かつ、集合的に管状構造を画定する、請求項12に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項14】
前記粒子濾過層及び前記合体層はプリーツ状であり、並びに、中央開口部がある管状構造を集合的に画定し、かつ、前記成長媒体は、前記中央開口部内に非プリーツ状の管を形成する、請求項12又は13に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項15】
前記粒子濾過層及び前記合体層はプリーツ状であり、並びに、中央開口部がある管状構造を集合的に画定し、かつ、前記成長媒体はプリーツ状であり、並びに、前記管状構造を画定し、かつ、ここで、半径方向間隙が前記成長媒体と前記合体層との間に画定される、請求項12~14のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項16】
前記成長媒体が、さらに、フィブリル化レーヨン繊維を含む、請求項12~15のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項17】
前記成長媒体が、40質量%~75質量%のレーヨン繊維である、請求項12~16のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項18】
前記成長媒体が天然セルロース繊維を含む、請求項12~17のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項19】
前記不規則なレーヨン繊維が、多葉レーヨン繊維である、請求項12~18のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項20】
前記不規則なレーヨン繊維の線質量密度が、1 den~7 denである、請求項12~19のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]優先権の主張
本出願は、2021年10月29日に出願された米国仮特許出願第63/273,639号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
[0002]発明の属する技術分野
本明細書に開示される技術は、概して、媒体を合体させることに関する。より具体的には、本明細書に開示される技術は、液体炭化水素流のための合体媒体に関する。
【発明の概要】
【0002】
[0003]本明細書に開示される技術は、概して、合体フィルタ材料に関する。ある実施形態は、他のタイプの合体媒体と比較して、液体炭化水素流中での合体性能が改善されている。フィルタ材料のある実施形態は、比較的強く、フィルタアセンブリに形成するための自動化された製造プロセスをより容易にかつ有利に受けることができる。ある実施形態では、本技術の合体フィルタ材料は、有利には、フィルタ材料中のレーヨン繊維の露出表面積が高く、非レーヨン成分の露出表面積を低下させて、合体性能を改善することができる。ある実施形態では、合体フィルタ材料は、湿式レーヨンフィルタ材料である。
【0003】
[0004]本明細書に開示される技術のある実施形態は、フィルタ材料に関する。フィルタ材料には、バインダ繊維及びバインダ繊維の間に分布された不規則なレーヨン繊維がある。フィルタ材料には非繊維状樹脂は含まれない。
[0005]ある実施形態では、フィルタ材料は、空気透過率が、125 Paで100~500 ft3/分・ft2である。さらに又はあるいは、フィルタ材料には、さらに、フィブリル化レーヨン繊維がある。さらに又はあるいは、フィルタ材料の厚さは少なくとも0.25mmである。さらに又はあるいは、フィルタ材料は、最高で70質量%のポリエステル繊維である。さらに又はあるいは、フィルタ材料は、30質量%~75質量%のレーヨン繊維である。さらに又はあるいは、フィルタ材料には支持層がない。さらに又はあるいは、フィルタ材料にはガラスが含まれない。さらに又はあるいは、フィルタ材料には天然セルロース繊維がある。さらに又はあるいは、不規則なレーヨン繊維が多葉レーヨン繊維である。さらに又はあるいは、不規則レーヨン繊維の線質量密度が、1den~7denである。さらに又はあるいは、フィルタ材料には、前記フィルタ材料を通る複数の低抵抗流路がある。
【0004】
[0006]ある実施形態は、フィルタアセンブリに関する。フィルタアセンブリには、粒子濾過層及び前記粒子濾過層の下流にある合体層がある。前記合体層は粒子濾過層に結合される。成長媒体は合体層の下流にある。前記成長媒体には、不規則なレーヨン繊維、及び、前記不規則なレーヨン繊維の間に分布したバインダ繊維がある。成長媒体には非繊維状樹脂は含まれない。
[0007]ある実施形態では、前記粒子濾過層、前記合体層及び前記成長媒体は、プリーツ状であり、かつ、集合的に管状構造を画定する。さらに又はあるいは、前記粒子濾過層及び前記合体層はプリーツ状であり、並びに、中央開口部がある管状構造を集合的に画定し、かつ、前記成長媒体は、前記中央開口部内に非プリーツ状の管を形成する。さらに又はあるいは、前記粒子濾過層及び前記合体層はプリーツ状であり、並びに、中央開口部がある管状構造を集合的に画定し、かつ、前記成長媒体はプリーツ状であり、並びに、管状構造を画定し、かつ、ここで、半径方向間隙が前記成長媒体と前記合体層との間に画定される。さらに又はあるいは、多孔質バリアが成長媒体の下流にある。さらに又はあるいは、前記多孔質バリアは管状構造を形成する。さらに又はあるいは、前記成長媒体の空気透過率は、125Paで100~500ft3/分・ft2である。さらに又はあるいは、成長媒体には、フィブリル化レーヨン繊維がある。さらに又はあるいは、成長媒体の厚さは、少なくとも0.4mmである。
[0008]さらに又はあるいは、前記成長媒体は、最高で70質量%のポリエステル繊維である。さらに又はあるいは、前記成長媒体は、40質量%~75質量%のレーヨン繊維である。さらに又はあるいは、前記成長媒体には支持層がない。さらに又はあるいは、前記成長媒体にはガラスが含まれない。さらに又はあるいは、成長媒体は天然セルロース繊維を含む。さらに又はあるいは、不規則なレーヨン繊維が多葉レーヨン繊維である。さらに又はあるいは、不規則レーヨン繊維の線質量密度が、1den~7denである。さらに又はあるいは、成長媒体は、成長媒体を通る複数の低抵抗流路を画定する。
【0005】
[0009]上記の概要は、各実施形態又はすべての実施を説明することを意図していない。むしろ、例示的な実施形態のより完全な理解は、添付の図面の図を考慮して、以下の例示的な実施形態の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって明らかになり、認識されるであろう。
[0010]本技術は、添付の図面と関連して様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することで、より完全に理解され、認識され得る。
【0006】
[0019]図は、主に明確にするために描かれており、その結果、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。さらに、限定はしないが、ファスナ、電気部品(配線、ケーブルなど)などを含む様々な構造/部品は、図示された実施形態の態様をより良く示すために、又はそのような構造/部品を含めることが本明細書で説明される様々な例示的な実施形態の理解に必要でない場合、概略的に示されるか、又は図の一部若しくはすべてから除去される場合がある。しかしながら、特定の図におけるそのような構造/構成要素の図示/説明の欠如は、いかなる形でも様々な実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0011]本明細書に開示される技術と一致する濾過媒体の繊維を描写するSEM(走査型電子顕微鏡)画像である。
【
図2】[0012]
図2Aは、ある実施形態に一致する第一の例示的なフィルタアセンブリの第一の断面図である。[0013]
図2Bは、第一の例示的なフィルタアセンブリと一致する第二の断面図である。
【
図3】[0014]
図3Aは、ある実施形態に一致する第二の例示的なフィルタアセンブリの第一の断面図である。[0015]
図3Bは第二の例示的なフィルタアセンブリに一致する第二の断面図である。
【
図4】[0016]
図4Aは、ある実施形態に一致する第三の例示的なフィルタアセンブリの第一の断面図である。[0017]
図4Bは、第三の例示的なフィルタアセンブリに一致する第二の断面図である。
【
図5】[0018]
図5は、試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0020]本明細書に開示されるフィルタ材料は、連続相(液体炭化水素など)から分散相(混入空気又は水など)を合体させるように構成される。本明細書に開示されるフィルタ材料は、概して、液体炭化水素濾過システム用に構成される。ある実施形態では、フィルタ材料は、燃料流等の液体炭化水素流から水を合体させるように構成される。ある実施形態では、フィルタ材料は、油流等の液体炭化水素流中で脱気するように構成される。本明細書に開示されるフィルタ材料は、成長媒体であり、フィルタ材料が分散相の液滴又はポケットを成長させるように構成されることを意味する。当該成長により、連続相から分散相を容易に除去することができる。
[0021]様々な実施形態では、フィルタ材料は、液体炭化水素フィルタアセンブリの下流に配置されるように構成され、液体炭化水素フィルタアセンブリは、液体炭化水素から汚染物質を除去するように構成される。汚染物質は、粒子、混入水、及び混入空気を含むことができる。様々な実施形態では、フィルタ材料は、合体媒体を含む液体炭化水素フィルタアセンブリの下流に配置されるように構成される。
【0009】
定義
[0022]本明細書で用いられる場合、特に指示がない限り、細孔径(例えば、P10及びP90)及び細孔径の比(例えば、P90/P10)は、毛管流ポロメトリーを用いて決定される。キャピラリーフローポロメトリーは、連続圧力スキャンモードを用いて実施され得る。表面張力が20.1ダイン/cm及び湿潤接触角が0であるシリコーンオイルを湿潤液として用いることが有用であってよい。試料を、最初に低圧から高圧まで変化させて乾燥試験した後、再び低圧から高圧まで変化させて湿潤試験をしてよい。試験は周囲温度条件(例えば、20℃~25℃)で実施される。256個のデータ点が、乾燥曲線及び湿潤曲線の両方について、圧力の走査の範囲にわたって収集され得る。通常、屈曲係数及び/又は形状係数は用いられない(すなわち、調整係数を用いる他の試験方法との比較のために、1に等しい係数が用いられ得る)。
【0010】
[0023]本明細書で用いられる場合、値P(x%)は、本明細書に記載される方法論を用いて決定されるように、湿潤曲線が乾燥曲線の(100-x)%に等しいときの計算された細孔径である。計算値ではあるが、これは、層を通る全体の流れのx%がそのサイズ以下の孔を通過する点を表すものとして理解することができる。例えば、P10は、流体の10%がその直径以下の細孔を通って流れる細孔の直径を表し、P95は、流体の95%がその直径以下の細孔を通って流れる細孔の直径を表す。
【0011】
[0024]本明細書で用いられる「バインダ繊維」は、フィルタ材料中の繊維を結合するように構成された少なくとも1つの熱可塑性バインダポリマー成分があるフィラメント又はスレッドとして構造化された材料をいう。
[0025]「フィブリル化」繊維は、本明細書では、より小さいフィブリルの分岐構造を形成するように加工された繊維として定義される。
[0026]本明細書で繊維を特徴付けるために用いられる「不規則」は、繊維の長さに沿った繊維各々の断面(繊維の長さに垂直)が、凹状である繊維外周の部分を有することを意味するために用いられる。
[0027]「ローブ状」繊維は、本明細書では、繊維の長さに対して垂直な断面において、繊維に、繊維の他の部分から外側に延在する突出部(又はローブ)があることを意味するために用いられる。
[0028]「機械方向引張強度」は、TAPPI規格T494os-13に従って引張試験機で測定された試料材料のピーク強度である。25.4mm×152.4mmのフィルタ材料の試料を、機械方向が試料の細長い方向に延びるように切断する。引張試験機は、1分当たり50.8mm移動するように設定される。引張強度は、単位幅当たりの力の単位であるN/cmで開示される。
[0029]試料材料の「破裂強度」は、デラウェア州ニューキャッスルのテスティングマシーンズ社(Testing Machines, Inc.)のTMI 13-60-00 EC 35破裂試験機を用いて、TAPPI T403(2015)及びASTM D774(2007)に従って測定される。
[0030]「ガーレー剛性」は、材料のシートを曲げるのに必要な力を測定する。ガーレー剛性は、業界標準TAPPI#T543 OM-16(2016)及びASTM D6125-97(2007)に適合するガーレー剛性試験機を用いて計算される。
【0012】
[0031]本明細書の「天然セルロース繊維」は、採取の時点からそれらの元の構造を維持するセルロース繊維を示すのに用いられる。天然セルロース繊維は非再生繊維であり、「再生繊維」は、化学的及び/又は物理的に処理されて元の繊維構造を分解し、次いで再構成されて新しい繊維構造を備える繊維である。再生セルロース繊維の例としては、レーヨン及びビスコースが挙げられる。
[0032]「空気透過率」は、125 Pa(約0.5インチの水)の圧力降下でフィルタ媒体を通って流れる空気の量(ft3/分・ft2(-分-1-ft-2))をいう。一般に、当該用語が用いられる場合、透過性は、Frazier Precision Instrument Co.Inc.(Gaithersburg,Maryland)から入手可能なFrazier Permeability Tester、又はAdvanced Testing Instruments Corp(ATI)(Spartanburg,So.Carolina 29301)から入手可能なTexTest 3300若しくはTexTest 3310を用いて、ASTM D737に従ってFrazier Permeability Testによって評価される。
【0013】
フィルタ材料の構成
[0033]本明細書に開示されるフィルタ材料は、一般に、混合され結合された繊維のシートである。様々な実施形態では、フィルタ材料には、バインダ繊維及びレーヨン繊維がある。ある実施形態では、フィルタ材料は、バインダ繊維及びレーヨン繊維に限定され、他の成分を含まない。ある実施形態では、フィルタ材料は、バインダ繊維、レーヨン繊維及び天然セルロース繊維に限定され、他の成分を含まない。実施例では、バインダ繊維は二成分繊維である。当該二成分繊維は、ポリエステル二成分繊維であってよい。実施例では、当該レーヨン繊維としては、不規則なレーヨン繊維があげられる。実施例では、当該レーヨン繊維としては、フィブリル化レーヨン繊維があげられる。フィルタ材料中の繊維は、以下でより詳細に説明する。
[0034]様々な実施形態では、フィルタ材料はガラス繊維を含まないが、それは当該ガラス繊維がフィルタ材料の3質量%未満、1質量%未満、0.5質量%未満、又は0質量%であることを意味する。そのような構成は、フィルタ材料が濾過システム内の最下流フィルタ媒体であり、ガラス繊維が下流のシステム構成要素と否定的に相互作用し得る実施形態にて望ましい場合がある。ある実施形態では、フィルタ材料は材料の単一層である。しかしながら、フィルタ材料のある実施形態では、フィルタアセンブリ内にフィルタ材料の複数の層を積層することが望ましい場合がある。
【0014】
[0035]ある実施形態では、フィルタ材料には、一般に、スクリム層等の支持層がない。本明細書の「支持層」は、フィルタ材料に結合されるように構成された材料の個々の層として定義され、支持層の主な機能は、濾過(合体を含む)機能ではなく、フィルタ材料に構造的完全性を与えることである。支持層は、一般に、合体層に対する空気透過性が高いことを特徴とする。支持層の空気透過率は、一般に、200ft3/分・ft2以上である。様々な実施例では、支持層の空気透過率は、400ft3/分・ft2以上である。ある支持層の空気透過率は、1000ft3/分・ft2以下である。
【0015】
[0036]様々な実施形態では、フィルタ材料のシートは、シートの表面積にわたってシートを通る流れ抵抗が変化する。当該シートは、シートを通る複数の別個の比較的低抵抗の流路を画定することができ、流路内の繊維密度は、シートを通る隣接する位置よりも低い。比較的低抵抗の流路には各々、一般に、媒体の厚さを通って延びる長さと、長さに対して垂直な断面寸法(直径又は対角線の測定値など)がある。当該低抵抗流路は、少なくとも部分的には、以下でより詳細に説明する特定のタイプの繊維を用いて、フィルタ材料シート自体の形成中に形成することができる。低抵抗流路は、例えば、大きな細孔径分布が媒体を横切る流れ抵抗の比較的高い変動を表す場合に、細孔径分布に関して定量化することができる。細孔径分布は、以下でより詳細に説明される。
[0037]フィルタ材料のシートを通る比較的抵抗が低い流路の存在は、ある実施形態では、分散相(水又は空気など)の合体及び成長を有利に促進することができる。流路は、ある実施例では、フィルタ材料のシートの少なくとも部分を横切るパターンで形成されてよい。ある実施形態では、流路は、一般に裸眼では見えない。
[0038]ある実施形態では、抵抗が低い流路は、少なくとも部分的に、媒体を通して針を突き刺すこと等により、媒体を通して狭い穿刺又は切断を通して形成される穿孔によって画定される。穿刺の場所で1つ以上の繊維を切断又は断裂して穿刺を形成することができる。したがって、1つ以上のファイバ端部は、穿刺位置又はそれに隣接して位置付けられてよい。抵抗が低い流路(低抵抗流路)を形成するフィルタ材料の領域は一般に不規則で不均一である。ある実施形態では、抵抗が低い流路を形成するフィルタ材料の領域は、流路がレーザアブレーション等の溶融/燃焼操作によって形成された場合は、滑らかでない。繊維端部と穿刺位置を画定する繊維とは、繊維と流体との間の相互作用を有利に増大させ、凝集分散相のための流路を画定することができるものをいう。
【0016】
フィルタ材料特性
[0039]本明細書に開示されるフィルタ材料は、一般に40g/m2~150g/m2の範囲、ある実施形態では100g/m2~150g/m2の範囲の坪量を有することができる。フィルタ材料の坪量は、特定のフィルタ要素に実装されるときの材料の特定の構成に依存し得る。例えば、フィルタ材料がコアの周りにコイル状の構成で巻き付けられてコアの周りに複数の層を形成するように構成される場合、フィルタ材料の単一層の坪量は、40g/m2~70g/m2に近くてよく、一方、コアの周りに配置されたフィルタ材料の層の組み合わせは、100g/m2~150g/m2の範囲の合計坪量であってよい。フィルタ材料が他の媒体層と共にプリーツ加工されるような実施形態では、フィルタ材料の坪量が40g/m2~70g/m2の比較的低い範囲であることが望ましい場合がある。坪量が比較的低いと、フィルタ材料の可撓性を高めることができるが、これは、例として、共プリーツ加工又はラッピングを含む様々なフィルタアセンブリ製造プロセスに有利であってよい。
[0040]様々な実施形態では、フィルタ材料の空気透過率は、100ft3/分・ft2~500ft3/分・ft2の範囲であり、空気透過率は、フレーザー透過率である。ある実施形態では、透気度は、130ft3/分・ft2~300ft3/分・ft2又は130ft3/分・ft2~200ft3/分・ft2の範囲である。
【0017】
[0041]フィルタ材料の厚さは、0.2mm~2.0mm又は0.5mm~1.8mmの範囲であってよく、厚さは、1.5psi(10.3kPa)で測定される。ある実施形態では、フィルタ材料の厚さは、少なくとも0.25mmである。ある実施形態では、フィルタ材料の厚さは少なくとも0.4mmである。
【0018】
[0042]フィルタ材料のさらなる特徴は堅牢性が比較的低くてよいことである。本明細書で用いられる用語「堅牢性」は、所定のフィルタ材料の総体積で割った固体繊維体積であり、通常はパーセンテージで表される。典型的な実施形態では、粒子フィルタ層の堅牢性は、15%未満、より通常12%未満、より頻繁には10%未満である。様々な実施形態では、フィルタ材料の堅牢性は、5%~9%の範囲である。
【0019】
[0043]フィルタ材料のP10値は、5.0μm~20.0μmの範囲であってよく、P10値は、流体の10%がその直径以下の細孔を通って流れる細孔の直径を反映する。フィルタ材料のP95値は、75.0μm~200.0μm範囲であってよい。P95値は流体の95%がその直径以下の細孔を通って流れる細孔の直径を反映する。P95/P10比は、5~10の範囲であってよく、P95/P10の比が大きいほど、一般に、比較的大きい細孔が存在するより大きい範囲の細孔径を反映する。ある実施形態では、孔径が比較的大きな範囲であるフィルタ材料の合体性能は、改善されうる。
【0020】
[0044]ある実施形態では、本明細書に開示される技術と一致するフィルタ材料は、比較的強靭である。このような構成により、媒体の製造を有利に簡略化することができる。当該構成により、フィルタ材料の性能を否定的に妨害しうる支持層を有利に省略することができる。例えば、ある実施形態では、フィルタ材料の機械方向引張強度は10.0N/cm~40.0N/cmの範囲である。ある実施例では、機械方向の引張強度は、15N/cm~30N/cmの範囲である。他の例として、ある実施形態では、フィルタ材料の破裂強度は、150kPa~600kPaの範囲である。いくつかの特定の例では、破裂強度は400kPa~600kPaの範囲である。別の例として、ある実施形態では、フィルタ材料の範囲の機械方向のガーレー剛性は、一般に、600mg~2500mgである。ガーレー剛性は、ある実施形態では、1000mg~2500mg又は1400mg~2300mgの範囲であってよい。
【0021】
バインダ繊維
[0045]バインダ繊維は、一般に、フィルタ材料中の他の繊維のための支持を提供するように構成され、また、フィルタ材料に強度、及び圧縮抵抗を付加して処理能力を改善できる。ある実施形態では、バインダ繊維の、完成紙料の配合、シート又は層の形成、並びに厚さの調整、乾燥、切断及びフィルタ要素の形成を含む下流の処理の間の処理能力も改善される。フィルタ材料は部分的に、熱可塑性バインダポリマーが少なくとも部分的に溶融し、繊維混合物中の当接する繊維に結合する加熱プロセスによって形成することができる。ある実施形態では、バインダ繊維は熱硬化性ポリマーを含んでよい。
[0046]本明細書で用いられるバインダ繊維は、一般に、得られるフィルタ材料の意図される動作環境よりも最低融点が高い。ある実施形態では、形成されたフィルタ材料中のバインダ繊維の全ての融点は、少なくとも80℃、少なくとも90℃、又は少なくとも100℃である。
【0022】
[0047]本明細書に開示されるバインダ繊維を用いると、有利には、フィルタ材料中のバインダとしての非繊維状樹脂を省略しうる。非繊維状樹脂は、現在の技術のいくつかの実施に関連するいくつかの欠点がありうる。例えば、非繊維状樹脂は、繊維の性能を妨げ、フィルタ材料内の繊維の機能的表面積を低下させうる減少させるフィルムを繊維表面上に不都合に形成しうる。非繊維状樹脂は、フィルタ材料の孔を部分的に又は完全に充填することができ、これは、例えば、フィルタ材料の透過性を低下させることによってフィルタ材料の性能を妨げうる。さらに、非繊維状樹脂は、樹脂が媒体層の特定の位置へ移動するため、フィルタ材料の均一性が損なわれ得る。ある実施形態では、本明細書に開示される技術に一致するフィルタ材料には非繊維状樹脂が含まれないが、これは、本明細書において、フィルタ媒体がフィルタ材料の3質量%未満、1質量%未満、0.5質量%未満、又は0質量%であることを意味するために用いられる。
[0048]バインダ繊維を用いると、有利には、本開示と一致するフィルタ材料のスクリム層等の支持層を省略しうる。特に、バインダ繊維をフィルタ材料に十分な強度及び剛性を付与するように構成すると支持層が不要になる。支持層がないフィルタ材料は、有利には、支持層があるフィルタ材料と比較して合体が改善しうる。後者の場合、支持層は、分散相の成長を低減して、又はフィルタ材料からの分散相のきれいな放出を妨げて、合体に悪影響を及ぼすことがある。さらに、フィルタ材料に支持層を追加すると、少なくとも支持層のフィルタ材料の他の層への結合に関連する製造ステップが追加される。つまり、支持層を省略すると、フィルタアセンブリの製造を有利に簡略化しうる。
【0023】
[0049]バインダ繊維は、一般に、フィルタ材料の質量の70%未満であってよい。ある実施形態では、フィルタ材料には0質量%を超えるバインダ繊維がある。ある実施形態では、フィルタ材料には、15%~45%、20%~50%、又は25%~45%の結合繊維がある。ある実施形態では、バインダ繊維は、ナイロン又はポリエステル繊維等の単一成分バインダ繊維を含んでよい。ある他の実施形態では、バインダ繊維は、次に説明する二成分繊維を含んでよい。
【0024】
二成分繊維
[0050]ある実施形態では、バインダ繊維は、1つ以上の種類の二成分繊維を組み込んでよい。複合繊維は、いかなる好適な複合繊維又は複合繊維の組み合わせを含んでよい。用語「二成分繊維」は、融点がある少なくとも1つの熱可塑性バインダポリマー部分、及び、バインダポリマー部分とは異なるが、バインダポリマー部分よりも融点が高い第二の熱可塑性構造ポリマー部分がある繊維を意味する。これらの繊維の物理的構成は、通常「並列」又は「シース-コア」構造である。並列構造では、2つの熱可塑性ポリマー樹脂は、通常、並列構造で接続された形態で押出される。他の繊維形態としては、繊維の先端が繊維の残りの部分よりも融点が低いポリマーから形成されるローブがあるローブ状二成分繊維が挙げられる。低融点ポリマーはバインダとして作用し、高融点ポリマーは構造材料として作用する。シース-コア構造では、コアは構造繊維融点がより高く、シースは結合層融点がより低い。ある実施形態では、二成分繊維には、好ましくは、シース-コア構造がある。
【0025】
[0051]ある実施形態では、本明細書に開示される技術と一致するフィルタ材料には、最大で70質量%の複合繊維があってよい。ある実施形態では、フィルタ材料には0%を超える複合繊維がある。ある実施形態では、フィルタ材料には、15%~45%、20%~50%、又は25%~45%の複合繊維がある。
[0052]二成分繊維の低融点ポリマーの融点は、熱成形プロセス中に、低融点ポリマーが繊維を溶融して結合して無傷のウェブにすることができるような温度まで繊維が加熱されるような融点であってよい。通常、二成分繊維のうち、融点がより高いポリマーにより、ウェブに構造的一体性がもたらされ、熱結合温度又は使用温度のいずれにおいても溶融しない。したがって、繊維ウェブは、低融点ポリマーの融点又はガラス転移温度より高く、高融点ポリマーの融点又はガラス転移温度より低い温度に加熱される。実施形態では、溶融融合は、溶融又は軟化した繊維成分が、他の二成分繊維、並びに形成されたフィルタ材料内のいかなる他の繊維及び添加剤と接触すると達成される。
[0053]例えば、一実施形態では、二成分繊維は、融点が少なくとも100℃、少なくとも120℃、又は少なくとも140℃である低融点ポリマーを含んでよい。ある実施形態では、より低い融点のポリマーの融点は、140℃~160℃の範囲である。二成分繊維は、融点が少なくとも235℃又は少なくとも240℃のであるより高い融点のポリマーをさらに含んでよい。ある実施形態では、より高い融点のポリマー融点は240℃~260℃の範囲である。
[0054]理論に束縛されないが、複合繊維の融点が比較的低い質量のポリマーは、シート、媒体、又はフィルタ形成条件下で溶融して、複合繊維、及び媒体中に存在する他の繊維を結合してシート、媒体、又はフィルタを機械的に安定にするが、複合繊維の融点がより高いポリマーは溶融しないため、ウェブ中の他の繊維を離して保持し、熱成形プロセス中に媒体の低堅牢性構造の維持に有利であろう。
【0026】
[0055]ある実施形態では、媒体は、第一の複合繊維及び第二の複合繊維を含んでよい。第一の複合繊維とは異なる特徴がある第二の複合繊維を含むと、繊維をシート、層、及び/又は濾材に容易に形成するように改善することができる。
[0056]例えば、第一の二成分繊維は、融点が少なくとも100℃、少なくとも120℃、又は少なくとも140℃である低融点ポリマーを含んでよい。ある実施形態では、より低い融点のポリマーの融点は140℃~160℃の範囲である。第一の二成分繊維の融点は少なくとも235℃又は少なくとも240℃であるより高い融点のポリマーをさらに含んでよい。ある実施形態では、より低い融点のポリマーの融点は235℃~260℃の範囲である。第一の複合繊維は、フィルタ材料の0質量%~30質量%の範囲であってよい。ある実施形態では、第一の複合繊維は、質量でフィルタ材料の10%~20%の範囲であってよい。
[0057]そのような例では、第二の二成分繊維は、融点が少なくとも80℃、少なくとも90℃、又は少なくとも100℃である低融点ポリマーを含み得る。ある実施形態では、より低い融点のポリマーの融点は、90℃~120℃又は105℃~115℃の範囲である。第二の二成分繊維は、融点が少なくとも200℃、少なくとも220℃、又は少なくとも240℃であるより高い融点のポリマーをさらに含んでよい。ある実施形態では、より高い融点のポリマーの融点は、235℃~260℃の範囲である。第二の複合繊維は、フィルタ材料の0質量%~40質量%の範囲であってよい。ある実施形態では、第二の複合繊維は、質量でフィルタ材料の10%~20%の範囲であってよい。さらに別の例では、第二の複合繊維は、フィルタ材料の30質量%~45質量%の範囲であってよい。
[0058]二成分繊維の繊維直径は、通常、5μm~50μmの範囲、多くの場合、10μm~20μmの範囲である。二成分繊維の長さは、通常、0.1ミリメートル(mm)~20mmの範囲であり、多くの場合、約0.2mm~約15mmである。二成分繊維の線密度は、約1dtex~5dtex又は2dtex~4dtexの範囲であってよい。
[0059]二成分繊維は、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、PET、ポリブチレンテレフタレート、PBTなど)、ナイロン(ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,12など)を含む様々な熱可塑性材料を含むいかなる好適な材料から作製することができる。適当な融点があってよいいかなる熱可塑性物質を二成分繊維に用いてよい一方で、より融点が高いポリマーを繊維のより高い融点部分に用いることができる。二成分繊維には、例えば、PET/PET、又はPET/融点が異なる成分があるナイロン6/ナイロン6,6構造、又はナイロンがあってよい。
[0060]例示的な二成分繊維としては、ポリオレフィン/ポリエステル(シース/コア)二成分繊維を挙げることができ、それにより、ポリオレフィン、例えばポリエチレンシースは、コアよりも低い温度で溶融し、例えば、ポリエステル又はポリエステル/ポリエステル又はナイロン/ナイロン材料である。通常の熱可塑性ポリマーとしては、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、及びそれらのコポリマー;ポリテトラフルオロエチレン;ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート;酢酸ビニル、例えばポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルアセテート;ポリビニルブチラール;アクリル樹脂、例えばポリアクリレート、及びポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート;ポリアミド、例えばナイロン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリビニルアルコール;ポリウレタン;セルロース樹脂、例えば硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、エチルセルロースなど;上記材料のいずれかのコポリマー、例えばエチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、クラトン(Kraton)ゴム等があげられる。
【0027】
不規則レーヨン繊維
[0061]様々な実施形態では、本明細書に開示される技術と一致するフィルタ材料には、バインダ繊維の間に分布された不規則なレーヨン繊維がある。レーヨンの表面特性により、液体炭化水素濾過における合体を有利に改善できる。さらに、レーヨン繊維の不規則な形状により、媒体の堅牢性を相対的に低下させることができ、フィルタ材料の平均細孔径を相対的な高めることができ、そのため、フィルタ材料の合体能を有利に改善することができる。さらに、レーヨン繊維の不規則な形状により、繊維の表面が相対的な粗くなり、そのため、有利には、繊維の合体特性を向上させることができる。
[0062]フィルタ材料は、一般に、不規則レーヨン繊維の少なくとも35質量%、40質量%、又は50質量%であってよい。フィルタ材料には、一般に、不規則レーヨン繊維が65質量%又は60質量%以下ある。ある実施形態では、フィルタ材料には、50質量%~60質量%の不規則レーヨン繊維がある。不規則なレーヨン繊維の線質量密度は1den(デニール)~7den又は2den~5denであり、不規則なレーヨン繊維の長さの長さは、ある実施形態では、1mm~10mm、3mm~8mm、又は5mm~7mmの範囲でありうる。
[0063]不規則レーヨン繊維は、一般にフィブリル化されておらず、フィブリル化繊維と比較すると断面が比較的大きくてよい。ある実施形態では、不規則なレーヨン繊維はローブ状レーヨン繊維である。不規則なレーヨン繊維は、二葉、三葉、四葉、四葉、六葉、及び八葉レーヨン繊維等の多葉レーヨン繊維であってよい。一例では、不規則なレーヨン繊維は三葉レーヨン繊維である。しかしながら、深い溝のある繊維のような他の不規則な繊維断面形状も確かに考えられる。
【0028】
フィブリル化レーヨン繊維
[0064]様々な実施形態では、フィルタ材料は、フィブリル化レーヨン繊維を含む。上記のように、レーヨンの表面特性により、媒体内の分散相の成長及び媒体からの分散相の放出を促進する等から、液体炭化水素濾過における合体を有利に改善できる。フィブリル化レーヨン繊維の表面積は比較的高く、一般に、燃料又は油等の液体炭化水素流内の水又は空気等の分散相のコアレッサーとして機能することができる。フィブリル化レーヨン繊維を不規則なレーヨン繊維と組み合わせると、有利には、フィルタ材料中に比較的広い細孔径分布を有する細孔を形成することができるため、分散相の合体を改善できる。さらに、製造プロセス中に、フィブリル化繊維が絡み合う場合は、フィルタ材料の強度を有利に高めることができる。
【0029】
[0065]ある実施形態では、フィブリル化レーヨン繊維は、バインダ繊維の外側表面に対して親和性があるため、バインダ繊維の露出表面を覆うことができる。このような構成により、バインダ繊維の表面と濾過される液体との間の接触を制限することができるため、有利には、バインダ繊維がレーヨンの合体阻害能を制限することができる。
図1は、ポリエステル外面があるバインダ繊維10がフィブリル化レーヨン繊維12(リオセル)に熱接着されている一例を示すSEM画像である。フィブリル化レーヨン繊維12は、バインダ繊維10の周りを包み込み、燃料16中の水滴14がバインダ繊維10との接触を制限するか、又は接触しないように絡み合う。この例では、バインダ繊維は、ポリエステルの内側コアとポリエステルの外側シースがあるシース-コア構造がある二成分バインダ繊維である。
[0066]フィブリル化レーヨン繊維はフィルタ材料の質量の5%~15%であってよい。ある実施形態では、フィブリル化レーヨン繊維はフィルタ材料の質量の5%~10%であってよい。ある実施形態では、フィブリル化レーヨン繊維の繊維直径は、50~1000ナノメートル又は50~500ナノメートルの範囲である。フィブリル化レーヨン繊維の線形質量密度は、0.0001den~0.0007denであってよい。一実施例では、フィブリル化レーヨン繊維は、Shelton, ConnecticutのEngineered Fibers Technology, LLC社製のフィブリル化リヨセル繊維である。
【0030】
天然セルロース繊維
[0067]ある実施形態では、フィルタ材料には、比較的少ない量の天然セルロース繊維がある。天然セルロース繊維は、フィルタ材料の湿式製造プロセス工程用の湿潤繊維スラリーの強度を有利に改善できる。一般に、フィルタ材料は10質量%未満の天然セルロース繊維である。ある実施形態では、フィルタ材料は6質量%以下の天然セルロース繊維である。しかしながら、ある実施形態では、フィルタ材料には天然セルロース繊維がなく、フィルタ材料が3質量%未満、1質量%未満、0.5質量%未満、又は0質量%の天然セルロース繊維であることを意味する。ある実施形態では、天然セルロース繊維がフィルタ材料の性能を妨害しうる。ある実施態様では、フィルタ材料に天然セルロース繊維が0%であることが望ましい。
【0031】
製造プロセス
[0068]フィルタ材料を作製する際、特定の実施形態では、繊維マットは、湿式処理を用いて形成される。マットを加熱してバインダ繊維を溶融し、繊維を内部で接着して媒体を形成する。バインダ繊維は、互いに結合し、繊維マット中の繊維の残りと結合して、機械的に安定な媒体に融合する。
[0069]フィルタ材料は、通常、製紙プロセスを用いて作製される。しかしながら、ある他の実施形態では、媒体は、エアレイド処理に適合された同様の構成要素を用いるエアレイドプロセスによって作製され得る。湿式シート製造に用いられる機械には、手積みシート装置、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜抄紙機、コンビネーション抄紙機、及び適当に混合された紙を取り、完成紙料成分の層を形成し、流体水性成分を除去して湿潤シートを形成することができる他の機械が含まれる。
[0070]湿式処理の例では、媒体は、水性媒体中の繊維材料の分散液を含む水性完成紙料から作製される。分散液の水性液体は、一般に水であるが、pH調整材料、界面活性剤、消泡剤、難燃剤、粘度調整剤、媒体処理剤、着色剤等の様々な他の材料を含んでよい。水性液体は、通常、固体の分散が保持されたスクリーン又は他の穿孔された支持体上に分散液を配置し、液体を排出して湿った紙組成物を得て、分散液から排出される。湿潤組成物が支持体上に形成されると、通常、真空又は他の圧力によってさらに脱水され、残りの液体を蒸発させてさらに乾燥される。液体が除去された後、通常、バインダ繊維、樹脂のある部分、又は形成された材料の他の部分を溶融することで、熱結合が起こる。溶融材料は、部品を層に結合する。
[0071]材料含有繊維スラリーは、通常、比較的均一な繊維スラリーを形成するように混合される。繊維スラリーは、次いで湿式抄紙プロセスにかけられる。スラリーが湿式シートに形成されると、湿式シートは、乾燥、硬化、又は他の方法で処理されて、乾燥した透過性であるが本物のシート、媒体、又はフィルタを形成することができる。商業規模のプロセスでは、二成分マットは、一般に、商業的に入手可能な長網抄紙機、ワイヤシリンダ、スティーブンスフォーマ、ロトフォーマ、インバーフォーマ、ベンチフォーマ、及び傾斜デルタフォーマ機等の製紙タイプの機械を用いて加工される。
[0072]ある実施形態では、傾斜デルタフォーマ機が利用される。二成分マットは、例えば、パルプ及びガラス繊維スラリーを形成し、混合タンク内でスラリーを組み合わせて調製することができる。この方法で用いられる水の量は、用いられる装置のサイズより変化してよい。完成紙料は、従来のヘッドボックスに通され、そこで脱水され、移動ワイヤスクリーン上に堆積され、そこで吸引又は真空によって脱水されて、不織二成分ウェブを形成することができる。その後、ウェブにより、マットが乾燥し、いかなる添加剤が硬化し、バインダ繊維を加熱してフィルタ材料を熱結合させる乾燥セクションを通過することができる。得られたマットは、将来の処理用に、他の媒体層に積層するために、又はフィルタ要素に形成するために、大ロールに収集されてよい。
【0032】
試験結果
燃料-水分離効率試験
[0073]試料フィルタ材料を燃料-水分離効率について試験した。フィルタ材料の各試料(180mm×150mm)を、穿孔アルミニウムシリンダ(直径59mm×高さ150mm)の周囲に巻き付けて、フィルタを形成した。当該アルミニウムシリンダを、フィルタ材料に構造的完全性を与える剛性コアとして用いた。二液型エポキシ接着剤を用いて、フィルタ材料の端部をコア及び縁部継ぎ目に封止した。次に、ラップとコアを二液型エポキシ接着剤でプラスチック製フィルタエンドキャップに取り付けて密封した。両方のエンドキャップには、流体が流れる中央穴がある。底部エンドキャップにより、より高密度の合体した水相が重力によって排水可能な収集ボウル内に沈降しうる。上部エンドキャップにより、燃料流がフィルタから出ることができる。
[0074]燃料水分離効率を測定するために、プロトタイプフィルタを、ISO 16332:2018の仕様に合わせて構築されたベンチ上で試験した。標準試験手順からの偏差を本明細書に列挙する。試験フィルタを通る流れは、4.0リットル/分(L/min)に設定した。ニードル弁が調節可能なオリフィスプレートを用いて、チャレンジ液滴サイズを所望の平均エマルション直径(90μm、75μm、及び45μm)に調整した。上流自由水の液滴サイズ分布は、市販のMalvern Instruments(Malvern,英国)Insitec SX液滴サイズ分析器を、ウェットフローセルを取り付けて用いて決定した。フィルタの上流及び下流の自由水含有量は、市販のLitronic-FMS/RMH12センサ(Liebherr-Mischtechnik GmbH、ドイツ)を用いて測定した。水は、調節可能な蠕動ポンプを用いて注入した。水注入流量は、1500百万分率(ppm)の遊離水を目標とするように調整した。ラップ試料を、90μmのチャレンジ直径から開始して、75μm、次いで45μmの目標平均液滴直径各々で30分間試験した。報告された水分離効率は、各チャレンジ直径で試験を30分間行った場合の平均効率[(上流自由水-下流自由水)/上流自由水]である。
[0075]Chevron Phillips Chemical(The Woodlands,TX)からの超低硫黄ディーゼルをベース燃料として用いた。10%(体積)の大豆バイオディーゼル(Renewable Energy Group(REG),Inc.,Mason City,IA)をベース燃料に添加して燃料混合物を形成した。ペンダントドロップ法によって測定した燃料混合物の界面張力は、21.0±0.2ダイン/cmであった。全ての試験で同じバッチの燃料混合物を用いた。
[0076]各フィルタ材料試料の、各平均液滴サイズにおける燃料水分離効率を試験した結果を以下の表1に示す。各試料は、非繊維状樹脂を含まない熱接着湿式媒体であった。試験したフィルタ材料の試料は各々、様々な質量%の三葉レーヨン繊維(「TLレーヨン」)、円形断面の0.8 denレーヨン繊維(「0.8d Reg.レーヨン」)、フィブリル化レーヨン繊維(「Fil.」)、ポリエステル(「PET」)、及び天然セルロース(「Nat.」)であった。試験したフィルタ材料の各試料の坪量(「坪量」)及び透過率(「透過」)は様々であった。
【0033】
【表1】
[0077]表1で参照される各試料の各平均液滴サイズの燃料水分離効率を
図5のグラフに示す。レーヨン繊維がより多いフィルタ材料は、レーヨンがより少ないフィルタ材料よりも燃料水分離効率が高いことが一般に予想されたが、レーヨン繊維の種類の組み合わせが燃料水分離効率に影響を及ぼすように思われたことは意外であった。例えば、試料5と試料6とを比較すると、試料5は、試料6よりもレーヨン繊維が1.4%少なく、かつ、ポリエステル繊維が1.4%多いが、試料5の燃料水分離効率は著しく低かった。試料5の非不規則性及び非フィブリル化レーヨン繊維を試料6の三葉(不規則性)及びフィブリル化レーヨン繊維で置換して得られる試料5と比較すると、試料6の透過性が著しく高まったことから、有利には、水分離効率が高まりうると考えられる。他の試料と比較すると、試料6でレーヨン繊維の表面積が増加すると(フィブリル化繊維及び三葉形繊維の割合が比較的高く、その組み合わせを介して)、有利には、フィルタ材料の水分離効率が改善されうると考えられる。
[0078]試料の燃料水分離効率もまた
図5で、市販のフィルタ材料製品(製品1)と比較した。製品1は、30質量%のポリエステル繊維と70質量%の不規則でない非フィブリル化レーヨン繊維とから構成されたエアレイド媒体である。製品1は非繊維質樹脂バインダを含まない。さらに、製品1のポリエステル繊維はバインダ繊維でなく、製品1はバインダ繊維を含まず、特にバインダ繊維は0質量%である。むしろ、ポリエステル繊維とレーヨン繊維は、構成繊維を絡み合わせるニードルパンチプロセスで結合される。製品1は、坪量102±10g/m
2、厚さ1.4±0.14mm、及び縦方向引張強度が0.72N/cm~7.2N/cmである。機械方向の引張強度は、材料の相対的な脆弱性を考慮して試験手順をうまく実行できるように、機械横方向の試料の幅を約50.8mm(上記手順の2倍)にしたこと以外は、上記「定義」で記載した手順で測定した。製品1の破裂強度及びガーレー剛性はともに、本明細書に開示される試験手順で測定するには低すぎる。
[0079]媒体中の繊維間の開口部は分散相の成長を促進することができるので、製品1は堅牢性が比較的低く、圧力降下が低いため、合体性能に望ましいと考えられる。しかしながら、理論に束縛されないが、製品1が比較的脆弱であるため、流体の流れが高まるに伴って媒体が崩壊し、堅牢性が高まり、孔径が減少し、及び使用中の圧力制限が高まり、本明細書に開示される技術と同様のフィルタ材料と比較して、合体性能が制限されうると考えられる。さらに、製品1の材料の強度が比較的低いため、多くの自動製造プロセスで望ましくない場合があり、この場合、圧縮性が脆弱である媒体は、媒体をフィルタ要素に形成することが困難になりうる。
【0034】
負荷下でのフィルタ材料性能
[0080]一連のプロトタイプフィルタアセンブリを構成し、クラス8の長距離ディーゼルエンジントラックに取り付けた。フィルタアセンブリのフィルタは同一であったが、比較のためにフィルタの下流に異なる合体成長ラップが配置された。比較ラップは、上記製品1から構成されたのと同一のラップである。実施例のラップは、本明細書に開示される技術と同一の湿式レーヨン/バインダ繊維フィルタ材料である。実施例のラップは、38%のPET繊維、7%のフィブリル化リヨセル繊維、及び55%の三葉レーヨン繊維であった。比較ラップ及び実施例ラップを、構造が同じフィルタアセンブリに取り付け、同タイプのトラックで用いた。しかしながら、トラックの動作環境は異なり、したがって、フィルタアセンブリの条件はは異なった。
[0081]フィルタアセンブリを設置したトラックを3,000マイルから65,000マイルの間で走行させた。フィルタアセンブリを異なる走行距離間隔でトラックから取り外し、燃料水分離効率を試験した。試験プロトコルはISO16332:2018により、150μmに設定された平均チャレンジ液滴直径を用いる。試験前に、各フィルタアセンブリの差圧を測定した。フィルタアセンブリ上の汚染物質負荷が比較的高いため差圧がより高くなる。汚染物質が負荷されているが依然としてその有効寿命内にあるフィルタアセンブリと相関する5kPa~15kPaの差圧を測定したフィルタアセンブリの中で、比較ラップがあるフィルタアセンブリの平均燃料水除去効率は80.8%である一方、実施例ラップがあるフィルタアセンブリの平均燃料水除去効率は91.2%であった。
[0082]燃料水除去効率試験用にCorrigan Oil(ミシガン州ブライトン)社製高伝導性超低硫黄ディーゼルをベース燃料として用いた。Corrigan Oil(ミシガン州ブライトン)社製10%(体積)の大豆バイオディーゼルをベース燃料に添加して、燃料混合物を形成した。ペンダントドロップ法によって測定した燃料混合物の界面張力は、14.0±0.5ダイン/cmであった。全ての試験で同じバッチの燃料混合物を用いた。
【0035】
フィルタアセンブリ
[0083]本明細書に開示される技術と同一のフィルタアセンブリは、概して、本明細書に記載されるフィルタ材料を組み込む。フィルタ材料は、一般に、フィルタアセンブリ内の他の媒体の下流に配置されるように構成する。ある実施形態では、フィルタアセンブリは、上記フィルタ材料を組み込んだ単一のフィルタ要素であってよい。このような例では、フィルタ材料は、フィルタアセンブリ内の他の媒体に対して最も下流の位置に配置される。ある他の実施形態では、フィルタアセンブリは、複数のフィルタ要素であってよく、本開示に一致するフィルタ材料は、第一のフィルタ要素の下流に位置するように構成される第二のフィルタ要素に組み込まれる。このような例では、第一のフィルタ要素には、粒子濾過層及び合体層があってよい。
[0084]本明細書に開示される技術と同様のフィルタアセンブリには、概して、フィルタ材料、フィルタ材料の下流の合体層及び合体層の下流の成長媒体がある。成長媒体は上記フィルタ材料と同様である。
【0036】
フィルタアセンブリ構成
[0085]
図2A及び
図2Bは、ある実施形態の例示的なフィルタアセンブリ100を示す。フィルタアセンブリ100には、一般に粒子濾過層110、合体層120及び成長媒体130がある。当該例では、フィルタアセンブリ100はフィルタ要素で、濾過システムに設置するように構成される。
[0086]粒子濾過層110は、一般に、燃料及び油等の例を含む液体炭化水素流等の液体流から粒子を濾過するように構成される。様々な実施形態では、粒子濾過層110は、合体層120の上流に配置される。様々な実施形態では、粒子濾過層110は、成長媒体の上流に位置される。粒子濾過層110の特定の例示的な繊維及び他の材料、並びに粒子濾過層110の特定の特性を以下でより詳細に説明する。
[0087]合体層120は、フィルタアセンブリ100を通る流体の流れに対して粒子濾過層110の下流に配置される。合体層120には、一般に液体炭化水素流中の分散相を合体させるように構成された合体媒体の1つ以上の層があってよい。ある実施形態では、合体媒体は燃料流中の水を合体させるように構成される。ある実施形態では、合体媒体は油圧オイル流内の空気を合体させるように構成される。ある実施形態では、合体層120は粒子濾過層110に結合する。合体層120の特定の特性と同様、合体層120の特定の例示的な繊維及び他の材料を以下でより詳細に記載する。
[0088]成長媒体130は合体層120の下流に配置される層である。ある実施形態では、成長媒体130は合体層120に直接結合する。図示された他の実施形態では、成長媒体130は合体層120に直接結合した支持層122に直接結合する。例示的な支持層を構成するために用いられる材料を含む例示的な支持層を以下でより詳細に説明する。ある他の実施形態では、さらなる支持層を粒子濾過層110に結合できる。支持層は、粒子濾過層110の上流側又は粒子濾過層110の下流側に結合でき、合体層120の下流側に結合された支持層122に加えて、又はその代替であってよい。
[0089]この例では、この図の説明のために「フィルタ媒体アセンブリ」104と総称する粒子濾過層110、合体層120、及び成長媒体130は、流体流路102を横切って直列に積層される。フィルタ媒体アセンブリ104の層を共にプリーツ加工し、第一の組のプリーツ折り目142と第二の組のプリーツ折り目144との間に延在する複数のプリーツ140を集合的に画定する。第一の組のプリーツ折り目142を第一の面(要素番号142)を画定し、第二の組のプリーツ折り目144を第二の面(要素番号144)を画定する。第一の面142及び第二の面144はフィルタ要素の流れ面であり、流体の流れが濾過の目的でフィルタ要素を通って導かれることを意味する。ある他の実施形態では、フィルタ媒体アセンブリは、長手方向軸xの周りに螺旋状構成で巻き付けられた媒体のシートである。
[0090]粒子濾過層110、合体層120及び成長媒体130は、集合的に管状構造を画定する。特に、第一の組のプリーツ折り目142はフィルタ媒体アセンブリ104の外周限界111aを累積的に画定し、第二の組のプリーツ折り目144はフィルタ媒体アセンブリ104の内周限界111bを累積的に画定する。この例では、フィルタ媒体アセンブリ104の内周限界111bは、フィルタ媒体アセンブリ104の内側半径方向境界119(第二のプリーツ折り目のセット144)である。外周限界111aは、外側半径方向境界117(第一のプリーツ折り目セット142)である。
【0037】
[0091]様々な例では、フィルタアセンブリ100には、中央通路106と、フィルタ媒体アセンブリ104の第一の媒体端部112に結合する第一のエンドキャップ150と、フィルタ媒体アセンブリ104の第二の媒体端部114に結合する第二のエンドキャップ152がある。フィルタアセンブリ100は流体流路102を画定し、流体流路102はフィルタ媒体アセンブリ104を通って延在する。フィルタ媒体アセンブリ104及び中央通路106は、中心軸xを共有し、中心軸xは、長手方向(
図2Aに見える)に延在する。
[0092]ある実施形態では、構造支持体154(第一の構造支持体154等)は、その内周限界104bに沿ってフィルタ媒体アセンブリ111に当接できる。実際に、ある実施形態では、構造支持体156(第二の構造支持体156等)が、フィルタ媒体アセンブリ111の外周限界104aを囲む。構造支持体154、156は、一般に、例えば、フィルタ媒体アセンブリ104は機械的に支持を提供されるように構成されて、液体が通過する場合に印加された力を受ける場合にフィルタ媒体アセンブリ104がつぶれるのを防止する。構造支持体154、156は、一般に、粒子濾過効率を示さず、フィルタ媒体アセンブリ104よりも透過性が高い。構造支持体154、156は、フィルタ媒体アセンブリ111の内側及び/又は外側円周境界111b/104aに当接する管状金属又はプラスチック支持スクリーンであってよい。ある実施形態では、構造支持体154、156の一方又は両方を省略することができる。
[0093]
図2Aに示すように、フィルタ媒体アセンブリ104の第一の媒体端部112は第一のエンドキャップ150に結合され、フィルタ媒体アセンブリ104の第二の媒体端部114は第二のエンドキャップ152に結合される。フィルタ媒体アセンブリ104は第一の媒体端部112から第二の媒体端部114まで延在する中央通路106を画定する。この例では、中央通路106は流体流路102の一部を画定する。この例では、流体流路102は第二のエンドキャップ152を貫通し、フィルタ媒体アセンブリ104の第二の媒体端部114を貫通して延びる。
[0094]第一のエンドキャップ150は、一般に、フィルタ媒体アセンブリ104の第一の媒体端部112を保持し、フィルタ媒体アセンブリ104を通る流体流路102の一部を画定するように構成される。第一のエンドキャップ150は第一の媒体端部112に結合する。第一のエンドキャップ150には、フィルタ媒体アセンブリ104の第一の媒体端部112を受け入れるように構成された第一の媒体ポッティング構造体123がある。ある実施形態では、第一のエンドキャップ150の第一の媒体ポッティング構造体123はまた、いかなる構造支持体154、156を受容するように構成される。第一の媒体ポッティング構造体123は、フィルタ媒体アセンブリ104の第一の媒体端部112に当接する環状面124、内側管状フランジ125、及び外側管状フランジ126によって画定される。内側管状フランジ125は、環状面124から中央通路106内へ長手方向に延在する。内側管状フランジ125は、フィルタ媒体アセンブリ104の第一の構造支持体154に当接する。外側管状フランジ126は、第二の構造支持体156に当接する環状面124から長手方向に延在する。様々な実施形態では、第一の媒体ポッティング構造体123及びフィルタ媒体アセンブリ104の第一の媒体端部112は、第一の媒体ポッティング構造体123内に配置された接着剤/シーラントで接合される。
[0095]第一のエンドキャップ150には、濾過システム構成要素とシールを形成するように構成された、長手方向軸xを中心とする外周シール面128があり、以下でより詳細に説明する。外周シール面128は、フィルタ媒体アセンブリ104及び中央通路106の中心軸xを共有する。外周シール面128はOリング127等の弾性部品を受け入れるように構成された円周空洞であってよい。ある実施形態では、円周方向空洞は不連続であるが、他の実施形態では、円周方向空洞は連続する。
[0096]第二のエンドキャップ152は、一般に、フィルタ媒体アセンブリ104の第二の媒体端部114を保持し、フィルタ媒体アセンブリ104を通る流体流路102の一部を画定するように構成される。この例では、第二のエンドキャップ152は流体流路102のフィルタ要素出口151を画定する。第二のエンドキャップ152には、フィルタ媒体アセンブリ104の第二の媒体端部114を封止して受容できるように構成された第二の媒体ポッティング構造体134がある。第二の媒体ポッティング構造体134は、フィルタ媒体アセンブリ104の第二の媒体端部114に当接する環状面132と外側管状フランジ133とで画定される。外側管状フランジ133は、環状面132からフィルタ媒体アセンブリ104の第二の媒体端部114の外側半径方向境界117を越えて長手方向に延在する。様々な実施形態では、第二の媒体ポッティング構造体134及びフィルタ媒体アセンブリ104の第二の媒体端部114は、第二の媒体ポッティング構造体134内に配置された接着剤/シーラントで接合される。
[0097]本明細書に開示される技術は、フィルタアセンブリのエンドキャップの特定の構成によって限定されないことに留意されたい。さらに、様々な他のフィルタアセンブリ構成も用いられ得る。例えば、本明細書に開示される円筒形フィルタ要素は、流れ方向が外側から内側へとして示され、説明されるが、他の例では、フィルタアセンブリの流れ方向は内側から外側のように構成されてよい。
[0098]
図3Aは、例示的な実施形態に係るフィルタアセンブリ200の他の例示的な構成の第一の断面図であり、
図3Bは、
図3Aのフィルタアセンブリ200に係る第二の断面図である。フィルタアセンブリ200は現在の説明又は対応する図に矛盾する場合を除いて、
図2A~
図2Bを参照して上記フィルタアセンブリに関する上記の説明と概ね一致するフィルタ要素である。この例では、粒子濾過層210及び合体層220は直列に積層され、共にひだが付けられる。粒子濾過層210及び合体層220は、上記例と同様の中央開口部206がある管状構造を集合的に画定する。しかしながら、成長媒体230は中央開口部206内にプリーツのない管を形成する。成長媒体230は、ある例では、内部構造支持体254の周りに巻き付けるか、又はコイル状にすることができる。この例では、成長媒体230、粒子濾過層210、及び合体層220は、第一のエンドキャップ250及び第二のエンドキャップ252(
図3A)に集合的に含められてフィルタアセンブリを形成するが、他の実施態様では、成長媒体230は、エンドキャップから分離されてよい。
[0099]
図4Aは、例示的な実施形態に関するフィルタアセンブリ300のさらに他の例示的な構成の第一の断面図である。
図4Bは
図4Aと一致する例示的なフィルタアセンブリ300の第二の断面図である。フィルタアセンブリ300には、一般に、粒子濾過層310、合体層320及び成長媒体330がある。フィルタアセンブリ300は、濾過システムに設置するように構成されたフィルタ要素であってよい。
[0100]粒子濾過層310及び合体層320の構成は、本説明又は対応する図と矛盾する場合以外は、
図2A~
図3Bの説明に記載したのと同様である。特に、合体層320は粒子濾過層310の下流に配置される。合体層320及び粒子濾過層310にはひだがつき、中央開口部306がある管状構造を集合的に画定する。ある実施形態では、支持層332は合体層320又は粒子濾過層310のうちの1つ、又は合体層320及び粒子濾過層310の両方に結合されてよい。当該実施形態では、支持層332は、粒子濾過層310及び合体層320と共にプリーツ加工されてよい。粒子濾過層310、合体層320及びいかなる支持層332もフィルタアセンブリのフィルタ媒体アセンブリを画定できる。この例では、支持層332は合体層320に結合され、合体層320の下流に配置される。
[0101]ある実施形態では、内部構造支持体354は、フィルタ媒体アセンブリ304の第一の流れ面を画定する内側円周境界319に当接するように位置決めされてよい。しかしながら、内部構造支持体354は省略されうる。ある実施形態では、外側構造支持体(図示せず)は、フィルタ媒体アセンブリ304の第二の流れ面を画定する外側円周境界317に当接するように位置付けされうる。
[0102]上記例と同様、成長媒体330は合体層320の下流に配置される。ある実施形態では、成長媒体330は、特に、濾過材アセンブリ304によって画定される中央開口部306内に、内部構造支持体354内に位置付けられる。しかしながら、上記実施形態とは異なり、本例では、半径方向の間隙305が、合体層320と成長媒体330との間の中央開口部306内に画定される。
[0103]フィルタアセンブリ300には、中央開口部306内に配置された内側コア360があってよい。内側コア360は中心軸xの周りに画定され得る。内側コア360はエンドキャップ350、352の一方又は両方に固定された透過性の構造的特徴であってよい。内側コア360は流体流路302の部分を画定する。内側コア360は、特に、フィルタ媒体の層(例えば、粒子濾過層310、合体層320及び成長媒体330)を通過した流体を受容するように構成されてよい。したがって、内側コア360は、粒子濾過層310、合体層320及び成長媒体330の下流に配置される。
[0104]本例では、成長媒体330は、内側コア360の周りに螺旋状の構成で巻き付けられたフィルタ材料のシートであり、流体流路302を横切って直列に配置された成長媒体330の複数の層を形成する。したがって、成長媒体330は管状構造である。成長媒体330は成長媒体330の端部に沿って内側コア360の長さに結合され、その後、内側コア360の周りにコイル状に巻かれるなどのように、内側コア360に結合されてよい。
[0105]様々な例では、フィルタアセンブリ300には、中央開口部306と、フィルタ媒体アセンブリ304の第一の媒体端部312に結合された第一のエンドキャップ350と、フィルタ媒体アセンブリ304の第二の媒体端部314に結合された第二のエンドキャップ352がある(
図4A)。フィルタアセンブリ300は、流体流路302を画定し、流体流路302は、フィルタ媒体アセンブリ304を通って延在する。フィルタ媒体アセンブリ304及び中央開口部306は、中心軸xを共有し、中心軸xは、長手方向に延在する。
[0106]ある実施形態では、フィルタアセンブリ300は、濾過後に合体した分散相と液体炭化水素との間の分離が維持されるように構成される。当該実施形態では、フィルタアセンブリ300は、成長媒体330の下流の流体流路302の2つの分岐、すなわち、合体経路302a及び分離炭化水素経路302bを画定する。この例では、多孔質バリア370が、フィルタアセンブリ300内に、成長媒体330の下流の流体流路302を横切って配置される。多孔質バリア370により、一般に、連続相(液体炭化水素等)を通過できるが、最小サイズの合体した分散相(水滴又はエアポケットなど)は通過できないように構成される。合体経路302aは、多孔質バリア370の上流、かつ成長媒体330の下流の間隙領域362からフィルタアセンブリ300の外に延在する。分離された炭化水素経路302bは、フィルタアセンブリ300から多孔質バリア370の下流に延在する。
[0107]この例では、多孔質バリア370は、第一のエンドキャップ350に結合された第一の端部と第二のエンドキャップ352に結合された第二の端部がある管状スクリーン構造である。ある実施形態では、多孔質バリア370にはプリーツ状の管状構造がある。多孔質バリア370の例示的な構造及び多孔質バリア370の具体的な特性は以下でより詳細に説明する。
[0108]本明細書に示され、説明される例示的なフィルタアセンブリは円筒形のフィルタ要素であるが、本明細書で説明される成長媒体は、様々な異なる構成であるフィルタアセンブリに組み込むことができることが理解されるであろう。例えば、本明細書に開示される技術と同様のフィルタアセンブリにはパネルフィルタが含まれてよい。複数のパネルフィルタを当該フィルタアセンブリに組み込むことができ、各パネルフィルタは隣接するパネルフィルタと直列に配置される。他の例では、単一のパネルフィルタを当該フィルタアセンブリに用いることができ、粒子濾過層、合体層、及び成長媒体は、パネルフィルタによって画定された流体流路を横切って層状に連続して配置される。
【0038】
粒子濾過層
[0109]粒子濾過層は、当該技術分野において既知の様々な材料及び材料の組み合わせで構築することができる。粒子濾過層は、単層又は多層の濾過媒体であってよい。
[0110]粒子濾過層は、一般に、媒体繊維及びバインダから構成され得る。本明細書の「媒体繊維」は、層に機能的濾過特性を提供する繊維として定義される。媒体繊維は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ポリエステル又は天然セルロースであってよい。粒子濾過層の例示的な実施態様では、かなりの割合のガラス繊維を用いることができる。ある実施態様では、媒体繊維に適した代替繊維は、ガラス繊維並びに、炭素繊維、天然セルロース繊維、及び/又はポリエステル繊維を含む。ある実施形態では、媒体繊維はステープル繊維である。一般に、適当な炭素繊維の平均直径は、25ミクロン未満、より望ましくは15ミクロン未満、好ましくは10ミクロン未満であるべきである。適当な炭素材料の商業的供給源には、以下のユニチカ、カイノール、その他が含まれる。
[0111]実施形態では、粒子濾過層は、粒子濾過層中の全固形分の約10質量%~90質量%、又は粒子濾過層中の全固形分の約20質量%~80質量%、又は粒子濾過層中の全固形分の約25質量%~75質量%、又は粒子濾過層中の全固形分の約50質量%に相当する量のガラス繊維を含有する。ある実施形態では、2つ以上のガラス繊維源のブレンドが用いられ、2つ以上のガラス繊維源のブレンドを用いて粒子濾過層中のガラス繊維の全質量比率を形成する。そのような実施形態では、ガラス繊維源のブレンドを選択して粒子濾過層の透過性を制御する。例えば、ある実施形態では、平均繊維直径が約0.3~0.5マイクロメートルであるガラス繊維、平均繊維直径が約1~2マイクロメートルであるガラス繊維、平均繊維直径が約3~6マイクロメートルであるガラス繊維、平均繊維直径が約6~10マイクロメートルであるガラス繊維、及び平均繊維直径が約10~100マイクロメートルであるガラス繊維の2つ以上の供給源からのガラス繊維の2つ以上のブレンドを含む様々な比率で組み合わせると粒子濾過層の透過性が高まる。当該実施形態では、ガラス繊維ブレンドを選択することで、粒子濾過層の細孔径が制御され、所望の透過性がもたらされる。
[0112]粒子濾過層にはまた、一般にバインダがある。ある実施形態では、バインダは非繊維状樹脂であってよい。通常、バインダは、フィルタ材料に関して上記した二成分繊維のようなバインダ繊維である。当該実施形態では、粒子濾過層には非繊維状樹脂がなくてもよい。
[0113]粒子濾過層の性能特性は、粒子濾過層の繊維サイズ、細孔構造、堅牢性、及び圧縮性に関する属性を制御することで影響を受ける。一般に、堅牢性が比較的低く、かつ、圧縮性が低い一方で、平均流量細孔径が比較的小さいが、最大流量細孔径も比較的大きい媒体を用いると、早期の目詰まりが起きずに微粒子を除去できる例示的な媒体構造が得られる。ある実施形態では、粒子濾過層は、空気中で親水性であり、これは、First Ten Angstroms接触角計測器等の標準的な接触角測定装置を用いて測定した場合、空気中の水滴と濾過層の表面との接触角が90度未満であることを意味する。粒子濾過層110の親水性は空気中で疎水性である傾向がある、燃料中の粒子濾過に用いることができる従来のメルトブローン材料とは区別できる。「空気中で疎水性」とは、一般に、空気中の水滴と媒体の表面との接触角が90度より大きいことを意味する。
[0114]ある実施形態では、粒子濾過層の堅牢性レベルは比較的低い。通常の実施では、粒子フィルタ層の堅牢性は、15%未満、より通常12%未満、より頻繁には10%未満である。特定の実施形態では、堅牢性は、9%未満、8%未満、又は7%未満である。粒子濾過層の空気透過率は、一般に、約45ft3/分・ft2~約200ft3/分・ft2の範囲である。
[0115]ある実施形態では、非繊維状バインダ樹脂を用いて、媒体繊維、及び場合によっては、バインダ繊維を機械的に安定な粒子濾過層に結合するのを促進しうる。このような熱可塑性バインダ樹脂材料は、乾燥粉末又は溶媒系として用いることができるが、通常ビニル熱可塑性樹脂の水性分散液である。非繊維状樹脂を用いることができるが、粒子濾過層の強度を十分にするには必要ない。
【0039】
合体層
[0116]合体層は、一般に、成長媒体の上流に配置され、粒子濾過層の下流に配置される。合体層は、当業界で公知の合体層と合体させて構成することができる。合体層は、媒体繊維及びバインダを組み込むことができる。ある実施形態では、合体層には複合繊維が含まれない。
[0117]合体層の平均繊維直径は、約0.3μm~約10μm、又は約0.69μm~約7.5μmの範囲であってよい。当該合体層の厚さは、一般に、8psi(55.1kPa)で測定したときに約0.3mm~約1.0mmの範囲であってよい。ある実施形態では、合体層の厚さは、8psi(55.1kPa)で測定したときに約0.4mm~約0.7mmの範囲であってよい。合体層の坪量は、一般に、約50g/m2~約150g/m2、又は約80g/m2~約115g/m2の範囲であるように構成される。ある実施形態では、合体層の坪量は、粒子濾過層の坪量よりも高くてよい。合体層の空気透過性は粒子濾過層の空気透過性よりも低くてよい。ある実施形態では、合体層の空気透過率は、約3ft3/分・ft2~約70ft3/分・ft2の範囲である。ある実施形態では、合体層の空気透過率は、10ft3/分・ft2~40ft3/分・ft2の範囲である。
[0118]様々な実施形態では、合体層は湿式媒体である。合体層は、繊維、表面処理剤及びバインダ材料から実質的に構成されてよく、これは、合体層の少なくとも95質量%、98質量%、又は100質量%が繊維、表面処理剤、及びバインダ材料であることを意味する。ある実施形態では、合体層は表面処理でコーティングされた不織繊維マットであり、当該繊維はバインダ材料で結合される。表面処理により一般に、繊維の表面エネルギーが変更され、バインダ材料は、一般に、合体層の繊維を結合するように構成される。
[0119]合体層の繊維は、様々な繊維及び繊維の組み合わせであってよく、一般に不織布である。合体層の繊維は、ガラス繊維、天然繊維、合成繊維、ポリマー繊維、セラミック繊維、金属繊維、炭素繊維、及びこれらの組み合わせであってよい。もちろん他のタイプの繊維であってよい。ある実施形態では、合体層にはガラス繊維及びポリエステル繊維がある。繊維は、合体層の50質量%~95質量%であってよい。ある実施形態では、合体層は少なくとも70質量%のガラス繊維である。ある実施形態では、合体層は少なくとも85質量%のガラス繊維である。
[0120]表面処理により、一般に、合体層内の繊維の表面特性が変化する。表面処理は、様々な構成及び組成であってよく、ある実施形態では、表面処理はフッ素含有化合物である。合体層の繊維に用いることができる表面処理の一例は、ポリテトラフルオロエチレン分散液である。他の例示的な表面処理は、フルオロアルキルアクリレートポリマー、ペルフルオロアルキルメチルアクリレートコポリマー、フッ素化炭化水素、フルオロアクリレートポリマー、フルオロアルキルメタクリレートポリマー、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)である。表面処理は合体層の0.01質量%~25質量%の範囲であってよい。ある実施形態では、表面処理は合体層の5質量%~20質量%又は10質量%~15質量%である。
【0040】
[0121]バインダ材料により、一般に、合体層中の繊維が結合される。バインダ材料は、例えば、アクリル樹脂又はエポキシであってよい。ある例では、バインダ材料はアクリルラテックスバインダである。ある例では、バインダ材料はスチレン/アクリロニトリルコポリマー樹脂である。バインダ材料は、エマルジョンポリマー、樹脂、エポキシ、溶液ポリマー、スチレン-アクリレート、スチレン-ブタジエン、アクリル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ウレタン、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、酸性化アクリレート、ポリビニルアルコール及びそれらの組み合わせであってよい。一実施形態では、バインダ材料には、1つ以上の官能基を含むように修飾されたポリマーがあってよい。例えば、ポリマーを官能化してさらなるカルボキシレートを含有してよい。合体層は、3質量%~約40質量%のバインダ材料、あるいは約5質量%~約25質量%のバインダ材料、又は約10質量%~約20質量%のバインダ材料であってよい。
【0041】
支持層
[0122]本明細書に開示されるフィルタ要素のある実施形態には支持層がある。支持層は、粒子濾過層、合体層の一方、又は両方に結合され得る。ある実施形態では、支持層は、粒子濾過層の上流に位置付けられて粒子濾過層に結合する。ある実施形態では、支持層は、合体層の下流に位置し、合体層に結合する。さらに他の実施形態では、支持層は、粒子濾過層と合体層との間に位置決めされ、粒子濾過層及び合体層の両方に結合する。支持層は、様々な材料及び材料を組み合わせて構成することができるが、一般に、粒子濾過層及び合体層を構造的に支持するように構成される。支持層が合体層の下流に配置される実施形態では、支持層により、合体した分散相が比較的無傷でフィルタ材料から放出されるため、合体層からの合体した分散相が乳化するのが防止されうる。
[0123]ある実施形態では、支持層は二成分繊維である。ある実施形態では、二成分繊維は、Bonar Inc.(Asheville,North Carolina)社製Colback(登録商標)等のナイロンシースがある実質的に連続したポリエステル繊維である。他の実施形態では、支持層はセルロース系材料である。ある実施形態では、支持層は不織ポリエステルスクリム等のスクリムである。ある実施形態では、ポリエステルスクリムは、Polymer Group,Inc.(Charlotte,North Carolina)社製Reemayである。支持層は天然セルロース及びポリエステル等の材料の組み合わせであってよい。ある実施形態では、支持層はワイヤメッシュである。支持層にはもちろん他の材料であってよい。
[0124]支持層にはまた、1つ以上の結合材料があってよい。例えば、ある実施形態では、支持層は、フェノール樹脂又はいかなる他の種類のバインダで飽和される。支持層はまた、1つ以上の組成物で処理して、当該支持層の特性を調整することがでえきる。ある実施形態では、支持層の坪量は、約17g/m2~約200g/m2の範囲である。支持層の空気透過率は、一般に、200ft3/分・ft2~約1000ft3/分・ft2の範囲である。
[0125]支持層の平均直径は粒子濾過層の媒体繊維の平均直径よりも大きいか、又は他の平均最大断面寸法(対角線など)がある繊維を含むことができることが理解されるであろう。
【0042】
多孔質バリア
[0126]上記のように、多孔質バリアにより、連続相(液体炭化水素など)を通過させつつ、最小サイズの合体した分散相(水滴又はエアポケットなど)の通過が妨げられる。多孔質バリアは、例えば、織られ、成形され、及び/又は湿式堆積され得る材料の1つ以上の層によって形成され得る。ある実施形態では、多孔質バリアは、多孔質バリアが塞ぐように構成された最小サイズの合体分散相(水滴又はエアポケット)よりも寸法が小さい開口部を画定するスクリーン材料である。スクリーンの表面は、例えば、多孔質バリアが凝集水を遮断するために用いられる実施形態では、疎水性であってよい。
[0127]開口部のサイズは均一でよく、又は不均一で様々なサイズの開口部を含んでよい。多孔質バリアの孔はスクリーン開口部ともいい、バリア内の穴(例えば貫通穴)を意味すると理解される。細孔径は、ASTM E11又は光学イメージングで決定してよい。多孔質バリアは、サイズが5μm以上、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上の開口部を含んでよい。多孔質バリアは、サイズが1mm以下、750μm以下、500μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下の開口部を含んでよい。一例では、多孔質バリアは、サイズが10μm~250μm、15μm~200μm、又は20μm~150μmの開口部を含む。一例では、多孔質バリアは、直径が100μmより大きい合体した水滴を遮るように構成された100μmスクリーンである。ある実施形態では、多孔質バリアの開口部のサイズは均一である(例えば、狭い細孔径分布である)。例えば、ある実施形態では、多孔質バリアの少なくともいくつかの開口部、開口部の大部分、開口部の少なくとも90%、開口部の少なくとも95%、又は開口部の少なくとも99%は、本明細書で特定されるサイズ範囲内で、それは多孔質バリアの総開口部面積によって決定される。本明細書に記載された値は、光学イメージングで決定される。一実施形態では、多孔質バリアの開口部の実質的に全てが本明細書で特定されるサイズ範囲内にある。
[0128]多孔質バリアの開口部の形状はいかなる適当な形状でよい。例えば、開口部は、長方形、正方形、円形、楕円形、又はいかなる他の好適な形状であってよい。形状は、多孔質バリアの平面に垂直な方向から多孔質バリアを見ることで決定されてよい。ある実施形態では、多孔質バリアの開口部の形状は均一である。例えば、ある実施形態では、多孔質バリアの少なくともいくつかの開口部、開口部の大部分、開口部の少なくとも90%、開口部の少なくとも95%、又は開口部の少なくとも99%は、同じ形状(例えば、長方形、正方形、円形、楕円形など)である。
[0129]多孔質バリアは、織布又は不織布材料から作製され得る。例えば、多孔質バリアは、織られたメッシュから作製され得る。織られたメッシュの繊維又はワイヤ直径(又は非円形繊維若しくはワイヤの最大断面寸法)は、0.01mm以上、0.05mm以上、又は0.1mm以上でよい。織られたメッシュのワイヤ直径(又は最大断面寸法)は、10mm以下、2mm以下、1mm以下、又は0.5mm以下でよい。例えば、織られたメッシュのワイヤ直径(又は最大断面寸法)は、0.05mm~2mmのワイヤ直径でよい。一実施形態では、多孔質バリアは、プリーツ状の織メッシュ等のプリーツ状材料を含む。
[0130]多孔質バリアは、いかなる適当な材料で構成されてよい。例えば、多孔質バリアが適当な親油性/疎油性である材料から構築されると、空気空洞のさらなる成長を促進し、空気空洞がバリアを通過することができる。ある実施形態では、多孔質バリア又は多孔質バリアの部分は疎油性である。ある実施形態では、多孔質バリアの少なくとも一側面は親油性である。ある実施形態では、多孔質バリアは、バリアの上流側が下流側よりも疎油性である疎油性勾配を示す。材料の疎油性は、AATCC法118に従って測定される疎油性等級として表すことができる。多孔質バリアの疎油性等級は、1以上、1.5以上、又は2以上であってよい。多孔質バリアのオイル等級は、8以下又は6以下であってよい。多孔質バリアは複合材料で構成されてよい。多孔質バリアは、親油性成分と疎油性成分との複合材料であってよい。疎油性成分の疎油性等級は1以上である。
[0131]多孔質バリアは、ステンレス鋼等の金属で構成されてよい。多孔質バリアは、天然セルロース、再生セルロース(例えば、レーヨン)、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)等の合成材料、ガラス、セラミック、又は炭素繊維のうちの1つ又は複数から作製された織布又は不織布媒体から構築され得る。実施形態では、多孔質バリアは、ステンレス鋼メッシュ等の織られた金属メッシュを含む。ある実施形態では、繊維(例えば金属繊維)は被覆されている。樹脂等のポリマー又は非ポリマーコーティングを用いてよい。
[0132]多孔質バリアは、成長媒体の下流に円筒形で配置され得る。ある実施形態では、多孔質バリアは、成長媒体を少なくとも部分的に取り囲む(例えば、成長媒体と入れ子にされる)。ある実施形態では、成長媒体は、多孔質バリアを少なくとも部分的に取り囲む。ある実施形態では、多孔質バリアは、平面若しくは実質的に平面のシート又はプリーツ状シート等の他の幾何学的構成であるか、又は2つ以上の平面シート若しくはプリーツ状シートから構築される。シート又はプリーツ付きシートはパネルとして構成されてよい。当該パネル構成は、例えばタンクの内側に配置されてよい。
[0133]多孔質バリアは、マイクロテクスチャ及びマクロテクスチャを呈してよい。本明細書でマイクロテクスチャとは、バリアを構成する個々の繊維又はワイヤのレベルでのバリアの表面テクスチャに用いられる(例えば、サイズが1mmより小さい変動をいう)。マイクロテクスチャは、表面粗さともいう。本明細書でマクロテクスチャとは、バリア全体の表面テクスチャに用いられる(例えば、サイズが1mmより大きい変動をいう)。多孔質バリアは、表面粗さを示し得る。例えば、多孔質バリアの表面粗さは、1nm以上、10nm以上、25nm以上、50nm以上、又は100nm以上であってよい。多孔質バリアの表面粗さは、1000nm以下、500nm以下、又は200nm以下であってよい。例えば、前記多孔質バリアの表面粗さは10nm~500nmであってよい。ある実施形態では、多孔質バリアには、マクロテクスチャがほとんど又は全くない、すなわち、多孔質バリアは、多孔質バリアがプリーツ状であってよいことを除いて、「平滑」である。
[0134]多孔質バリア表面のさらなる特徴付けとしては、歪度、尖度、及び曲率半径が挙げられる。繊維の歪度は、少なくとも-10以上、-8以上、又は-6以上であってよい。繊維の歪度は、6以下、8以下、又は10以下であってよい。多孔質バリアの繊維の尖度は、-10以上、-8以上、又は6以上であってよい。多孔質バリアの繊維の尖度は、6以下、8以下、又は10以下であってよい。特定の表面粗さ、歪度、及び尖度を組み合わせると好ましい捕捉特性が得られる。例えば、粗さ及び尖度高いと捕捉に有益でありうる。多孔質バリアの繊維の曲率半径は、2nmまで、5nmまで、10nmまで、50nmまで、100nmまで、又は500nmまでであってよい。
[0135]多孔質バリアの初期清浄差圧は、好適な面速度、例えば0.5cm/秒でのISO 16889の実行に従って、0.01psi(68.9Pa)以下、1psi(6.89kPa)以下、又は100psi(689.5kPa)以下であってよい。
【0043】
例示的な実施形態
[0136]実施形態1。バインダ繊維、及び前記バインダ繊維の間に分布した不規則なレーヨン繊維、
を含むが、非繊維状樹脂を含まない、フィルタ材料。
[0137]実施形態2。空気透過率が、125 Paで100~500 ft3/分・ft2である、実施形態1及び3~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0138]実施形態3。さらに、フィブリル化レーヨン繊維を含む、実施形態1~2及び4~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0139]実施形態4。厚さが少なくとも0.25mmである、実施形態1~3及び5~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0140]実施形態5。実施形態13:最大で70質量%のポリエステル繊維である、実施形態1~4及び6~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0141]実施形態6。30質量%~75質量%のレーヨン繊維である、実施形態1~5及び7~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0142]実施形態7。支持層がない、実施形態1~6及び8~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0143]実施形態8。ガラスが含まれない、実施形態1~7及び9~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0144]実施形態9。天然セルロース繊維を含む、実施形態1~8及び10~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0145]実施形態10。不規則なレーヨン繊維が多葉レーヨン繊維である、実施形態1~9及び11~12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0146]実施形態11。不規則レーヨン繊維の線質量密度が、1den~7denである、実施形態1~10及び12のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0147]実施形態12。前記フィルタ材料を通る複数の低抵抗流路がある、実施形態1~11のいずれか1つに記載のフィルタ材料。
[0148]実施形態13。 粒子濾過層、前記粒子濾過層の下流にあり、前記粒子濾過層に結合された合体層、前記合体層の下流の成長媒体であって、以下の:不規則なレーヨン繊維及び前記不規則なレーヨン繊維の間に分布したバインダ繊維、を含むが、非繊維状樹脂は含まれない、成長媒体、を含む、フィルタアセンブリ
[0149]実施形態14。前記粒子濾過層、前記合体層及び前記成長媒体は、プリーツ状であり、かつ、集合的に管状構造を画定する、実施形態13及び15~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0150]実施形態15。前記粒子濾過層及び前記合体層はプリーツ状であり、並びに、中央開口部がある管状構造を集合的に画定し、かつ、前記成長媒体は、前記中央開口部内に非プリーツ状の管を形成する、実施形態13~14及び16~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0151]実施形態16。前記粒子濾過層及び前記合体層はプリーツ状であり、並びに、中央開口部がある管状構造を集合的に画定し、かつ、前記成長媒体はプリーツ状であり、並びに、管状構造を画定し、かつ、ここで、半径方向間隙が前記成長媒体と前記合体層との間に画定される、実施形態13~15及び17~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0152]実施形態17。さらに、成長媒体の下流に多孔質バリアを備える、実施形態13~16及び18~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0153]実施形態18。多孔質バリアが管状構造を形成する、実施形態17に記載のフィルタアセンブリ。
[0154]実施形態19。空気透過率が、125 Paで100~500 ft3/分・ft2である、実施形態13~18及び20~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0155]実施形態20。前記成長媒体が、さらに、フィブリル化レーヨン繊維を含む、実施形態13~19及び21~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0156]実施形態21。前記成長媒体の厚さは、少なくとも0.4mmである、実施形態13~20及び22~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0157]実施形態22。前記成長媒体は、最大で70質量%のポリエステル繊維である、実施形態13~21及び23~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0158]実施形態23。前記成長媒体が、40質量%~75質量%のレーヨン繊維である、実施形態13~22及び24~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0159]実施形態24。前記成長媒体には、支持層がない、実施形態13~23及び25~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0160]実施形態25。前記成長媒体には、ガラスが含まれない、実施形態13~24及び26~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0161]実施形態26。前記成長媒体が、天然セルロース繊維を含む、実施形態13~25及び27~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0162]実施形態27。不規則なレーヨン繊維が多葉レーヨン繊維である、実施形態13~26及び28~29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0163]実施形態28。不規則繊維の線質量密度が、1den~7denである、実施形態13~27及び29のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
[0164]実施形態29。成長媒体は、成長媒体を通る複数の低抵抗流路を画定する実施形態13~28のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリ。
【0044】
[0165]本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる用語「構成された」は、特定のタスクを実行するか、又は特定の構成を採用するように構築されたシステム、装置、又は他の構造を説明することにも留意されたい。用語「構成された」は、「配置された」、「構築された」、「製造された」等の類似の用語と交換可能に用いることができる。
[0166]本明細書における全ての刊行物及び特許出願は、本技術が属する技術分野における通常の技術のレベルを示す。全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が具体的かつ個別に参照により示されているのと同程度に、参照により本明細書に援用される。本出願の開示と、参照により本明細書に組み込まれるいかなる文書の開示との間に何らかの不一致が存在する場合、本出願の開示が優先する。
[0167]本出願は、本主題の適応又は変形を包含することを意図している。上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図され、特許請求の範囲は、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されないことを理解されたい。
【国際調査報告】