(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ドライバのための制御回路、スイッチングユニット及びシステム、電源並びにプラズマシステム
(51)【国際特許分類】
H03K 17/687 20060101AFI20241108BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
H03K17/687 A
H05H1/46 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525294
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2022079262
(87)【国際公開番号】W WO2023072733
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202021105937.0
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505169226
【氏名又は名称】トゥルンプフ ヒュッティンガー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Huettinger GmbH + Co. KG
【住所又は居所原語表記】Boetzinger Strasse 80,D-79111 Freiburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルツィン ビエンチク
(72)【発明者】
【氏名】アダム グラボウスキ
(72)【発明者】
【氏名】ピョートル ラッハ
(72)【発明者】
【氏名】クシシュトフ ゲドロイチ
(72)【発明者】
【氏名】ミハル ヴィソツキ
【テーマコード(参考)】
2G084
5J055
【Fターム(参考)】
2G084EE24
5J055AX15
5J055AX65
5J055BX16
5J055CX01
5J055CX07
5J055DX12
5J055EY21
5J055EZ00
(57)【要約】
少なくとも2つのドライバ(10、11)であって、それぞれが、互いに電気的に接続された電気駆動スイッチング素子(12、13)をオンとオフとに切り替えるように構成されたドライバのための制御回路(1)が、-第1の並列入力ポート(4)と、第1のドライバ(10)に接続可能な第1の直列出力ポート(6)と、を含む第1の並列-直列変換器(2)と、-第2の並列入力ポート(5)と、第2のドライバ(11)に接続可能な第2の直列出力ポート(7)と、を含む第2の並列-直列変換器(3)と、-プロセッサユニット(8)であって、-第1のデータパッケージストリーム(21)を第1の並列入力ポート(4)に送信するように構成され、-第2のデータパッケージストリーム(22)を第2の並列入力ポート(5)に送信するように構成されたプロセッサユニット(8)と、を含み、-パッケージストリームの両方が、出力ポート(6、7)において直列のデータストリーム(23、24)に変換されるように構成され、-直列のデータストリーム(23、24)が、ドライバ(10、11)を制御するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのドライバ(10、11)であって、それぞれが、互いに電気的に接続された電気駆動スイッチング素子(12、13)をオンとオフとに切り替えるように構成された前記ドライバのための制御回路(1)において、
第1の並列入力ポート(4)と、第1のドライバ(10)に接続可能な第1の直列出力ポート(6)と、を含む第1の並列-直列変換器(2)と、
第2の並列入力ポート(5)と、第2のドライバ(11)に接続可能な第2の直列出力ポート(7)と、を含む第2の並列-直列変換器(3)と、
プロセッサユニット(8)であって、
第1のデータパッケージストリーム(21)を前記第1の並列入力ポート(4)に送信するように構成され、
第2のデータパッケージストリーム(22)を前記第2の並列入力ポート(5)に送信するように構成されたプロセッサユニット(8)と、
を含み、
前記パッケージストリームの両方が、前記出力ポート(6、7)において直列のデータストリーム(23、24)に変換されるように構成され、
前記直列のデータストリーム(23、24)が、前記ドライバ(10、11)を制御するように構成された制御回路(1)。
【請求項2】
前記制御回路(1)がロジカルプログラマブルユニット、特に、FPGAである、請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
コンピュータ可読プログラムであって、前記プロセッサユニット(8)によって実行可能な前記プログラムであるとともに、前記プロセッサユニット(8)に、前記第1のデータパッケージストリームと前記第2のデータパッケージストリーム(21、22)とを強制的に発生させるために構成されたコンピュータ可読プログラムを有する不揮発性メモリ(15)を含む、請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項4】
システムクロック(29)を発生させるように構成されたシステムクロック発生器(9)を含み、前記出力ポート(6、7)における前記直列のデータストリーム(23、24)の周波数は、前記システムクロック(29)の周波数よりも高くなり得る、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項5】
前記電気駆動スイッチング素子(12、13)の位相、パルス幅、周波数及びデッドタイムなどの時間パラメータを調節するように構成された、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項6】
内蔵トランシーバを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項7】
好ましくは前記トランシーバに組み込まれる内蔵シリアライザ-デシリアライザユニットを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項8】
複数のトランシーバ及び/又は複数のシリアライザ-デシリアライザを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項9】
前記複数のトランシーバ及び/又は前記複数のシリアライザ-デシリアライザは、同一の前記システムクロック(29)によってクロック制御される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項10】
前記第1のデータパッケージストリーム及び前記第2のデータパッケージストリーム(21、22)は、前記電気駆動スイッチング素子(12、13)がそれらの出力において同期されているように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項11】
前記制御回路(1)は、外部のデータ処理デバイス(31)からデータを得るように構成されたデータインタフェース(14)を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の制御回路。
【請求項12】
スイッチングユニット(100)であって、
少なくとも2つの電気駆動スイッチング素子(12、13)と、
少なくとも2つのドライバ(10,11)であって、それぞれが、互いに電気的に接続された前記電気駆動スイッチング素子(12、13)をオンとオフとに切り替えるように構成されたドライバと、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の制御回路(1)と、
を含む、スイッチングユニット(100)。
【請求項13】
特に、同一のシステムクロック(29)によって駆動可能であり又は駆動される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の、少なくとも2つの、制御回路(1)を含む、請求項12に記載のスイッチングユニット。
【請求項14】
スイッチングシステム(101)であって、請求項12又は13に記載のスイッチングユニット(100’、100’’)と、
-外部のデータ処理デバイス(31)と、
を含むスイッチングシステム(101)。
【請求項15】
請求項14に記載のスイッチングユニット(100’、100’’)を含み、外部のクロック発生器(39)をさらに含むスイッチングシステム(101)。
【請求項16】
請求項14若しくは15に記載のスイッチングシステム(101)、又は、請求項12若しくは13に記載のスイッチングユニット(100)を含む電源システム(501)。
【請求項17】
請求項16に記載の電源システム(501)と、プラズマ処理ユニット(503)と、を含むプラズマシステム(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのドライバのための制御回路を対象とし、ドライバはそれぞれ、互いに電気的に接続された電気駆動スイッチング素子をオンとオフとに切り替えるように構成されている。
【0002】
本発明はまた、スイッチングユニット、及び、このような制御回路を含むスイッチングシステムも対象とする。
【0003】
本発明はまた、電源システム、及び、スイッチングユニット又はスイッチングシステムを含むプラズマシステムも対象とする。
【背景技術】
【0004】
スイッチング素子が互いに接続されているとき、それらを同時にオンとオフとに切り替えることが非常に重要である場合が多い。スイッチング素子がオン-オフ抵抗を同時に変化させるように、それらを個々に正確に駆動することは、難易度の高い課題である。高電圧スイッチングの場合、直列接続されたスイッチング素子が使用される場合が非常に多い。これらのスイッチング素子は、同時にオンとオフとに切り替える必要がある。1つのスイッチング素子がオンに切り替わるのが遅くなると、その素子は最大限の高電圧を伝送する必要があるが、多くの場合、そのようには設計されていない。さらなる課題は、スイッチング素子の、信号がオンに切り替わってから実際に出力がオンに切り替わるまでの遅延時間が、常に同等であるとは限らない点である。そのため、スイッチング素子は、異なる遅延時間の差を補償する個別の駆動信号で駆動する必要がある。
【0005】
これは、高電圧でのRF出力を有する電源の課題でもある。このような電源は、スイッチング素子を用いて動作する場合が多い。例えば、スイッチドプッシュプル増幅器又はスイッチドブリッジ増幅器においては、一緒に接続されているパワートランジスタを極めて同期された方法により切り替える必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電気駆動スイッチング素子を正確に、安定して、繰り返し可能にオンとオフとに切り替えるためのパルスを発生させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の制御回路によって、及び/又は、請求項11に記載のスイッチングユニット、請求項15に記載のスイッチングシステム、請求項16に記載の電源システム、及び/又は、請求項17に記載のプラズマシステムによって解決される。本発明のさらなる好適な態様が従属請求項及び明細書の範囲に含まれている。
【0008】
本発明の一態様においては、少なくとも2つのドライバであって、それぞれが、互いに電気的に接続された電気駆動スイッチング素子をオンとオフとに切り替えるように構成されたドライバのための制御回路において、
- 第1の並列入力ポートと、第1のドライバに接続可能な第1の直列出力ポートと、を含む第1の並列-直列変換器と、
- 第2の並列入力ポートと、第2のドライバに接続可能な第2の直列出力ポートと、を含む第2の、特に、同一の、並列-直列変換器と、
- プロセッサユニットであって、
- 第1のデータパッケージストリームを第1の並列入力ポートに送信するように構成され、
- 第2のデータパッケージストリームを第2の並列入力ポートに送信するように構成されたプロセッサユニットと、
を含み、
- パッケージストリームの両方が、特に、並列-直列変換器によって、出力ポートにおいて直列のデータストリームに変換されるように構成され、
- 直列のデータストリームが、ドライバを制御するように構成された制御回路が開示されている。
【0009】
本発明のさらなる一態様においては、制御回路は、ロジカルプログラマブルユニット、特に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含み得るものであり、又は、ロジカルプログラマブルユニット、特に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構築されている。ロジカルプログラマブルユニット、特に、FPGAは、プロセッサユニットを含み得る。ロジカルプログラマブルユニット、特に、FPGAは、第1の並列-直列変換器及び第2の並列-直列変換器を含み得る。
【0010】
本発明は、もともと高速通信用に設計された、内蔵並列-直列変換器がFPGAシステムに組み込まれたギガバイトトランシーバの使用に基づいている。これらのトランシーバ及びそれらの並列-直列変換器は、それらの出力において1乃至数GHzの程度の超短波で動作する。このような高速の信号を処理するとなると、標準的な集積回路では非常に困難である。FPGAに組み込まれたトランシーバは、専用のシリアライザブロックを含む。直列化係数が高いため、データを処理しなければならない周波数は、大幅に低減される。適当なFPGAソフトウェアにより、所望の制御波形の生成が可能になる。
【0011】
本発明のさらなる一態様においては、制御回路は不揮発性メモリを含み得るものであり、このメモリ内に、コンピュータ可読プログラムであって、プロセッサユニットによって実行可能なプログラムであるとともに、プロセッサユニットに、第1のデータパッケージストリームと第2のデータパッケージストリームとを強制的に発生させるように構成されたプログラムを有する。
【0012】
本発明のさらなる一態様においては、制御回路は、システムクロックを発生させるように構成されたシステムクロック発生器を含み得るものであり、出力ポートにおける直列のデータストリームの周波数は、システムクロックの周波数よりも高くなり得る。
【0013】
本発明のさらなる一態様においては、制御回路は、電気駆動スイッチング素子の位相、パルス幅、周波数及びデッドタイムなどの時間パラメータを調節するように構成することができる。
【0014】
位相、パルス幅、周波数及びデッドタイムなどの時間パラメータは、システムクロックの時間間隔よりも短い時間間隔、特に、2分の1又は2分の1よりも短い時間間隔、特に、4分の1又は4分の1よりも短い時間間隔、特に、8分の1又は8分の1よりも短い時間間隔、特に、16分の1又は16分の1よりも短い時間間隔、特に、32分の1又は32分の1よりも短い時間間隔、特に、64分の1又は64分の1よりも短い時間間隔内で、駆動することができる。
【0015】
本発明のさらなる一態様においては、制御回路は内蔵トランシーバを含み得る。この内蔵トランシーバは、並列-直列変換器のうちの1つを含み得る。
【0016】
本発明のさらなる一態様においては、制御回路は、好ましくはトランシーバに組み込まれる内蔵シリアライザ-デシリアライザユニットを含み得る。この内蔵シリアライザ-デシリアライザユニットは、並列-直列変換器のうちの1つを含み得る。
【0017】
本発明のさらなる一態様においては、制御回路は、複数のトランシーバ及び/又は複数のシリアライザ-デシリアライザを含み得る。
【0018】
本発明のさらなる一態様においては、複数のトランシーバ及び/又は複数のシリアライザ-デシリアライザは、同一のシステムクロックによってクロック制御することができる。
【0019】
本発明のさらなる一態様においては、第1のデータパッケージストリーム及び第2のデータパッケージストリームは、電気駆動スイッチング素子がそれらの出力において同期されているように構成されることができる。
【0020】
本発明のさらなる一態様においては、制御回路は、外部のデータ処理デバイスからデータを得るように構成されたデータインタフェースを含み得る。
【0021】
本発明のさらなる一態様においては、スイッチングユニットは、
少なくとも2つの電気駆動スイッチング素子と、
- 少なくとも2つのドライバであって、それぞれが、互いに電気的に接続された電気駆動スイッチング素子をオンとオフとに切り替えるように構成されたドライバと、
- 本開示に記載されているような制御回路と、
を含み得る。
【0022】
本発明のさらなる一態様においては、スイッチングユニットは、本開示に記載されているような、特に、同一のシステムクロックによって駆動可能であり又は駆動される少なくとも2つの制御回路を含み得る。
【0023】
本発明のさらなる一態様においては、スイッチングシステムは、本開示に記載されているようなスイッチングユニットと、外部のデータ処理デバイスと、を含み得る。
【0024】
本発明のさらなる一態様においては、スイッチングシステムは、本開示に記載されているようなスイッチングユニットと、外部のクロック発生器と、を含み得る。
【0025】
図面には、本発明のいくつかの例が概略的に示されており、以下の説明においては、より詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る制御回路を有するスイッチングユニットを示す。
【
図2】データパッケージストリームを含む時図表を示す。
【
図3】本発明に係る、2つの制御回路を有するスイッチングシステムを示す。
【
図4】スイッチングシステムのより詳細な図を示す。
【
図5】スイッチングシステムを含む電源システムを有するプラズマシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1においては、少なくとも2つの電気駆動スイッチング素子12、13と、少なくとも2つのドライバ10、11であって、それぞれが、接続17を用いて互いに電気的に接続された電気駆動スイッチング素子12、13をオンとオフとに切り替えるように構成されたドライバと、を含むスイッチングユニット100が示されている。
【0028】
スイッチング素子は、トランジスタ、特に、MOSFETとすることができる。それらはVMOS又はLDMOSトランジスタとして構築することができる。高電力且つ高電圧を切り替えることができるように、それらをSi系トランジスタ若しくはSiC系トランジスタ又はGaN系トランジスタとして構築することができる。
【0029】
スイッチングユニット100は、制御回路1をさらに含む。制御回路1は、第1の並列-直列変換器2と、第2の並列-直列変換器3と、を含む。第1の並列-直列変換器2は、第1の並列入力ポート4と、第1のドライバ10に接続可能な第1の直列出力ポート6と、を含む。第2の並列-直列変換器3は、第2の並列入力ポート5と、第2のドライバ11に接続可能な第2の直列出力ポート7と、を含む。
【0030】
制御回路1は、プロセッサユニット8をさらに含む。プロセッサユニット8は、第1のデータパッケージストリーム21(例が
図2に示されている)を第1の並列入力ポート4に送信し、第2のデータパッケージストリーム22を第2の並列入力ポート5に送信するように構成することができる。
【0031】
パッケージストリーム21、22の両方は、並列-直列変換器2、3の両方によって、出力ポート6、7において直列のデータストリーム23、24に変換されるように構成されている。直列のデータストリーム23、24は、ドライバ10、11を制御するように構成されている。
【0032】
制御回路1は、不揮発性メモリ15を含む。このメモリ15は、コンピュータ可読プログラムを含み得る。プログラムは、プロセッサユニット8によって実行可能とすることができる。プログラムは、プロセッサユニット8に、第1のデータパッケージストリーム21及び第2のデータパッケージストリーム22を強制的に発生させるように構成されている。
【0033】
制御回路は、システムクロック発生器9をさらに含む。このシステムクロック発生器9は、システムクロック29を発生させるように構成することができる。出力ポート6、7における直列のデータストリーム23、24の周波数は、システムクロック29の周波数よりも高くなり得る。特に、出力ポート6、7における直列のデータストリーム23、24のタイムシフトは、システムクロック29の周波数よりも短い時間間隔、特に、2分の1又は2分の1よりも短い時間間隔、特に、4分の1又は4分の1よりも短い時間間隔、特に、8分の1又は8分の1よりも短い時間間隔、特に、16分の1又は16分の1よりも短い時間間隔、特に、32分の1又は32分の1よりも短い時間間隔、特に、64分の1又は64分の1よりも短い時間間隔とすることができる。
【0034】
制御装置1は、(
図3及び
図4に示されている)外部のデータ処理デバイス31からデータを得るように構成されたデータインタフェース14を含む。
【0035】
制御波形を発生させるために、超短波でのデータの送受信を可能にする内蔵ギガバイトトランシーバが装備されたFPGAシステムを使用した。このようなトランシーバは、そのアーキテクチャに、並列-直列変換器2、3とも呼ばれるシリアライザと、データパッケージの長さが調節可能なデシリアライザと、を有する。デシリアライザは、この構成では使用されない場合がある。現在市販されているほとんどのシステムの最大直列化係数は、64である。正しく動作させるためには、ある特定の周波数で動作するシリアライザは、直列化係数の分だけ低減された周波数で入力データを提供することが必要であり、例えば、
シリアライザの動作周波数が5GHzであり、直列化係数が64である場合には、システムクロックは、5000MHz/64=78.125MHzだけで済む。これにより、出力信号が生成されるよりもはるかに低い周波数でデータを処理することが可能になる。同一のシステムクロック29から複数のトランシーバをクロック制御し、直列化プロセスを同時に開始することによって、複数の出力間が確実に同期される。シリアライザで適当なデータを提供することによって、出力において所望の信号を得ることができる。データソースは、ソフトウェアデータジェネレータ、又は、同一のクロックで動作するデシリアライザ入力のうちの1つとすることができる。受信器の信号ソースは、FPGAシステムの内部でサンプルが生成されるデジタル-アナログ変換器からの信号、又は、別の独立したデバイスからの信号とすることができる。外部からの基準信号が多数のFPGAに適用されることにより、多数のFPGAによって生成される信号間の同期を容易にすることが可能になる。基準データソースの選択は、いつでも行うことができる。フィリング(filling)、位相シフト及びデッドタイムなど、出力信号の設定パラメータを得るためには、シリアライザに送給する前にデータを適当に処理する必要がある。処理プロセスは、パターンのソースからのデータの後続のデータパッケージ内で値を「1」から「0」に、又は、「0」から「1」に変更することを伴う。データパッケージはまた、適当な数のレジスタによって所望の値に書き換えることも可能である。このようにして、時間内に信号をシフトし、各出力信号のパルス持続時間を個別に延長又は短縮することができる。
【0036】
図2においては、これが一例で示されている。第1番目の時図表では、システムクロック29が示されている。システムクロックの各立ち上がり縁部で、データパッケージストリーム21が並列-直列変換器2に書き込まれている。ここでは、2つの異なるデータパッケージストリーム21a及び21b、すなわち、
00111111を有するデータパッケージストリーム21a、
11111000を有するデータパッケージストリーム21b、が示されている。
【0037】
これらのデータパッケージストリーム21a、21bの両方が、並列-直列変換器2によって直列化されて変換後の直列のデータストリーム23となり、これが
図2の第2番目の図に示されている。
【0038】
第3番目の時図表では、再び同一のシステムクロック29が示されている。システムクロックの各立ち上がり縁部で、データパッケージストリーム22が並列-直列変換器3に書き込まれている。ここでは、2つの異なるデータパッケージストリーム22a及び22b、すなわち、
00011111を有するデータパッケージストリーム22a、
11111110を有するデータパッケージストリーム22b、が示されている。
【0039】
これらのデータパッケージストリーム22a、22bの両方が、並列-直列変換器3によって直列化されて変換後の直列のデータストリーム24となり、これが
図2の第4番目の図に示されている。
【0040】
データパッケージストリーム22aは、データパッケージストリーム21aとは異なっている。
データパッケージストリーム22bは、データパッケージストリーム21bとは異なっている。
したがって、変換後の直列のデータストリーム24は、変換後の直列のデータストリーム23とは異なっており、それは、第2番目の図から第4番目の図までの点線でわかる。
【0041】
そのため、この例においては、直列のデータストリーム24の立ち上がり縁部は、時間間隔1つ分だけ遅延しており、直列のデータストリーム24の立ち下り縁部は、時間間隔2つ分だけ遅延している。これらの時間間隔は、システムクロック29よりもはるかに短い。非常に正確なドライバ信号をこのようにして生成することができる。
【0042】
図3においては、2つの制御回路1’及び1’’を有するスイッチングシステム101が示されている。
図1の参照番号がすべて、ここではアポストロフィを追加して使用されており、それぞれ同様の意味を有している。
【0043】
スイッチングシステム101は、本明細書に記載されているように、2つのスイッチングユニット100’、100’’と、外部のデータ処理デバイス31と、を含む。外部のデータ処理デバイス31は、データインタフェース14’、14’’を介してデータをやり取りすることができる。
【0044】
システムクロック発生器9’、9’’は、ここでは、外部のクロック発生器39によって外部からトリガされる。
【0045】
図4においては、制御回路1を有するスイッチングシステム101のより詳細な図が示されているが、この制御回路はFPGAとすることができる。
図1の参照番号がすべて、ここでは使用されており、それぞれ同様の意味を有している。プロセッサユニット8は、ここでは、演算ユニット8a及び処理ユニット8bを有する2つの部分で示されている。この例の制御ユニット1は、数個の追加の並列-直列変換器2a、2b、2cによって示されている並列-直列変換器2、3のうちの3つ以上を含む。
【0046】
この例の制御ユニット1は、パラメータコントローラ41をさらに含む。このようなパラメータコントローラ41を用いると、CPUからパラメータ値を受け取り、それらを適当な処理関数に割り当てることが可能である。
【0047】
この例の制御ユニット1は、正弦データジェネレータ42をさらに含む。このようなデータジェネレータ42を用いると、選択された周波数で基準信号サンプルを生成することが可能である。
【0048】
この例のスイッチングシステム101は、正弦データジェネレータ42に接続されたデジタル-アナログ変換器(DAC)43をさらに含む。このようなDAC43を用いると、デジタル信号をアナログ信号に変換することが可能である。生成されたアナログ信号は、特に、アナログ信号の不要なスペクトル高調波をフィルタリングした後に、基準ソースとして使用することができる。
【0049】
この例のスイッチングシステム101は、信号の不要な高調波を抑えて正確な正弦信号を形成するために、デジタル-アナログ変換器43の出力に接続されたフィルタ44をさらに含む。この正弦信号は、矩形のデジタル信号を生成するコンパレータ45につながっている。この信号は、制御回路1内のデシリアライザ47につながっている。
【0050】
この例の制御ユニット1は、別のデバイス46から来る信号のための第2のデシリアライザ48をさらに含む。このようなデバイス46を用いると、アナログ基準信号の代わりにさらなるデバイスに同期を追加することが可能である。
【0051】
本発明は、最大17GHzの周波数で動作することが可能な内蔵トランシーバを有するFPGAを使用して実装することができる。出力パラメータ調節の所望の分解能により、並列-直列変換器は10GHzでクロック制御することができ、これにより、100ピコ秒の分解能が得られる。直列化係数64の場合、データを処理し、シリアライザに送達する周波数は、約156.25MHzであってもよく、これはシステムクロック29の周波数であってもよい。FPGAを外部のデータ処理デバイス31(コンピュータ)に接続して、コンピュータのソフトウェアからパラメータを容易に設定し得るようにしてもよい。FPGA内の処理アルゴリズムは、CPUからパラメータ設定を得て、次に、各出力の入力基準データを個別に修正する。基準データソースは、ソフトウェアのデータジェネレータと、2つのデシリアライザ47、48からの信号との間で選択され、そこでは受信器が外部接合点(他のデバイス用)に接続され、デジタル-アナログ変換器43と比較される。デジタル-アナログ変換器43のソースデータは、FPGAソフトウェア内にあるものとしてもよい。
【0052】
図5においては、電源システム501と、プラズマ処理ユニット503と、を含むプラズマシステム500が示されている。電源システム501は、プラズマ処理ユニット503に1kWを超える電力、及び、1MHzを超える周波数を供給するRF出力信号を有する電源システムとすることができる。プラズマ処理ユニット503は、半導体製造、又は、ガラスコーティング若しくはディスプレイ製造のようなプロセスにおける原子層の堆積、エッチング又は化学薬品処理に使用することができる。電源システム501の出力インピーダンスをプラズマ処理ユニット503の入力インピーダンスに整合させるために、電源システム501とプラズマ処理ユニット503との間に、省略可能なインピーダンス整合ユニット502を配置し、接続させることができる。電源システム501は、前述のスイッチングユニット100及び/又はスイッチングシステム101を含む。このようなスイッチングユニット100及び/又はスイッチングシステム101は、このようなプラズマシステム500において非常に有利に使用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1、1’、1’’ 制御回路
2、2’、2’’ 並列-直列変換器
2a、2b、2c 並列-直列変換器
3、3’、3’’ 並列-直列変換器
4、4’、4’’ 第1の並列入力ポート
5、5’、5’’ 第2の並列入力ポート
6、6’、6’’ 第1の直列出力ポート
7、7’、7’’ 第2の直列出力ポート
8、8’、8’’ プロセッサユニット
8a 演算ユニット
8b 処理ユニット
9、9’、9’’ システムクロック発生器
10、10’、10’’ 第1のドライバ
11、11’、11’’ 第2のドライバ
12、12’、12’’ スイッチング素子
13、13’、13’’ スイッチング素子
14、14’、14’’ データインタフェース
15、15’、15’’ 不揮発性メモリ
17、17’、17’’ 接続
21 第1のデータパッケージストリーム
21a、21b データパッケージストリーム
22 第2のデータパッケージストリーム
22a、22b データパッケージストリーム
23 直列のデータストリーム
24 直列のデータストリーム
29 システムクロック
31 外部のデータ処理デバイス
39 外部のクロック発生器
41 パラメータコントローラ
42 正弦データジェネレータ
43 デジタル-アナログ変換器
44 フィルタ
45 コンパレータ
46 別のデバイス
47 デシリアライザ
48 第2のデシリアライザ
100、100’、100’’ スイッチングユニット
101 スイッチングシステム
500 プラズマシステム
501 電源システム
502 インピーダンス整合ユニット
503 プラズマ処理ユニット
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのドライバ(10、11)であって、それぞれが、互いに電気的に接続された電気駆動スイッチング素子(12、13)をオンとオフとに切り替えるように構成された前記ドライバのための制御回路(1)において、
第1の並列入力ポート(4)と、第1のドライバ(10)に接続可能な第1の直列出力ポート(6)と、を含む第1の並列-直列変換器(2)と、
第2の並列入力ポート(5)と、第2のドライバ(11)に接続可能な第2の直列出力ポート(7)と、を含む第2の並列-直列変換器(3)と、
プロセッサユニット(8)であって、
第1のデータパッケージストリーム(21)を前記第1の並列入力ポート(4)に送信するように構成され、
第2のデータパッケージストリーム(22)を前記第2の並列入力ポート(5)に送信するように構成されたプロセッサユニット(8)と、
を含み、
前記パッケージストリームの両方が、前記出力ポート(6、7)において直列のデータストリーム(23、24)に変換されるように構成され、
前記直列のデータストリーム(23、24)が、前記ドライバ(10、11)を制御するように構成された制御回路(1)。
【請求項2】
前記制御回路(1)がロジカルプログラマブルユニット、特に、FPGAである、請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
コンピュータ可読プログラムであって、前記プロセッサユニット(8)によって実行可能な前記プログラムであるとともに、前記プロセッサユニット(8)に、前記第1のデータパッケージストリームと前記第2のデータパッケージストリーム(21、22)とを強制的に発生させるために構成されたコンピュータ可読プログラムを有する不揮発性メモリ(15)を含む、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項4】
システムクロック(29)を発生させるように構成されたシステムクロック発生器(9)を含み、前記出力ポート(6、7)における前記直列のデータストリーム(23、24)の周波数は、前記システムクロック(29)の周波数よりも高くなり得る、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項5】
前記電気駆動スイッチング素子(12、13)の位相、パルス幅、周波数及びデッドタイムなどの時間パラメータを調節するように構成された、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項6】
内蔵トランシーバを含む、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項7】
好ましくは前記トランシーバに組み込まれる内蔵シリアライザ-デシリアライザユニットを含む、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項8】
複数のトランシーバ及び/又は複数のシリアライザ-デシリアライザを含む、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項9】
前記複数のトランシーバ及び/又は前記複数のシリアライザ-デシリアライザは、同一の前記システムクロック(29)によってクロック制御される、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項10】
前記第1のデータパッケージストリーム及び前記第2のデータパッケージストリーム(21、22)は、前記電気駆動スイッチング素子(12、13)がそれらの出力において同期されているように構成される、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項11】
前記制御回路(1)は、外部のデータ処理デバイス(31)からデータを得るように構成されたデータインタフェース(14)を含む、請求項
1に記載の制御回路。
【請求項12】
スイッチングユニット(100)であって、
少なくとも2つの電気駆動スイッチング素子(12、13)と、
少なくとも2つのドライバ(10,11)であって、それぞれが、互いに電気的に接続された前記電気駆動スイッチング素子(12、13)をオンとオフとに切り替えるように構成されたドライバと、
請求項
1に記載の制御回路(1)と、
を含む、スイッチングユニット(100)。
【請求項13】
特に、同一のシステムクロック(29)によって駆動可能であり又は駆動される、請求項
1に記載の、少なくとも2つの、制御回路(1)を含む、請求項12に記載のスイッチングユニット。
【請求項14】
スイッチングシステム(101)であって、請求項
12に記載のスイッチングユニット(100’、100’’)と、
-外部のデータ処理デバイス(31)と、
を含むスイッチングシステム(101)。
【請求項15】
請求項14に記載のスイッチングユニット(100’、100’’)を含み、外部のクロック発生器(39)をさらに含むスイッチングシステム(101)。
【請求項16】
請求項
14に記載のスイッチングシステム(101)、又は、請求項
12に記載のスイッチングユニット(100)を含む電源システム(501)。
【請求項17】
請求項16に記載の電源システム(501)と、プラズマ処理ユニット(503)と、を含むプラズマシステム(500)。
【国際調査報告】