(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】牽引装置
(51)【国際特許分類】
B62D 53/06 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B62D53/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024525724
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 DK2022000255
(87)【国際公開番号】W WO2023093955
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524155518
【氏名又は名称】ビーエス エンジニアリング エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セーレンセン、ブライアン プリンツ
(57)【要約】
第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置100が記載されている。前記牽引装置は、使用中に意図される向きにおいて、フレーム2を備え、前記フレームは、地面6に支持される1つ又は複数のセットの車輪4を備え、前記フレーム2は、その上部10に支持面8を備え、前記支持面8は、長手方向X及び前記長手方向Xに垂直な横方向Yに伸長部を有しており、前記支持面8は、長手方向前端部12と長手方向後端部14とを有し、前記支持面は、車両200の下方に配置されるように、且つ、移動される前記車両を支持するように構成され、前記牽引装置は、前記牽引装置を推進するための推進手段16を備え、前記牽引装置は、前記牽引装置の前記動作を制御するための制御システム18を備え、前記牽引装置は、前記地面6に対して前記支持面8を上昇及び下降させるためのリフト手段20を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置(100)であって、
前記牽引装置は、使用中に意図される向きにおいて、フレーム(2)を備え、前記フレームは、地面(6)に支持される1つ又は複数のセットの車輪(4)を備え、
前記フレーム(2)は、その上部(10)に支持面(8)を備え、前記支持面(8)は、長手方向(X)及び前記長手方向(X)に垂直な横方向(Y)に伸長部を有しており、
前記支持面(8)は、長手方向前端部(12)と長手方向後端部(14)とを有しており、前記支持面は、車両(200)の下方に配置されるように、且つ、移動される前記車両を支持するように構成されており、
前記牽引装置は、前記牽引装置を推進するための推進手段(16)を備え、
前記牽引装置は、前記牽引装置の前記動作を制御するための制御システム(18)を備え、
前記牽引装置は、前記地面(6)に対して前記支持面(8)を上昇及び下降させるためのリフト手段(20)を備える、牽引装置において、
前記牽引装置は、前記牽引装置の右側に配置された第1のセット(46a)の駆動輪又は駆動キャタピラと、前記牽引装置の左側に配置された第2のセット(46b)の駆動輪又は駆動キャタピラの形態の駆動手段(46、46a、46b)と、を備えることを特徴とする、牽引装置(100)。
【請求項2】
前記制御システム(18)は、操作者からの入力を受信するように構成されており、前記制御システムは、前記入力に基づいて、前記推進手段(16)及び前記リフト手段(20)にその制御のための制御命令を提供するように構成されている、請求項1に記載の牽引装置(100)。
【請求項3】
前記牽引装置は、制御命令(28)を表す電磁放射線を送信するための送信機24を備える遠隔制御装置(22)を備え、前記制御システム(18)は、前記制御命令(28)を表す電磁放射線(26)を受信するための受信機(30)を備える、請求項1又は2に記載の牽引装置(100)。
【請求項4】
前記牽引装置は、それぞれが画像(34)を撮影するように構成される1つ又は複数の画像撮影ユニット(32)を備え、前記牽引装置は、前記画像(34)を表す電磁放射線(26)を送信するための送信機(36)を備え、前記遠隔制御装置(22)は、前記画像(34)を表す前記電磁放射線(26)を受信するように構成された受信機(37)を備え、前記遠隔制御装置(22)は、前記電磁放射線(26)によって表される前記画像(34)のうちの1つ又は複数を表示するように構成されているディスプレイ(38)を備える、請求項3に記載の牽引装置100。
【請求項5】
前記推進手段(16)は、1つ又は複数の電気モータの形態であり、前記牽引装置は、前記1つ又は複数の電気モータに電力を供給するための1つ又は複数のバッテリなどの1つ又は複数の電気エネルギー貯蔵装置(17)を備える、請求項1から4までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項6】
前記リフト手段(20)は、前記制御システム(18)を介して、拡張構成と折り畳み構成との間で構成を変更することが可能であるように構成された、電気式、機械式又は油圧式アクチュエータなどの1つ又は複数のアクチュエータ(21、21a、21b)を備え、それによって、前記地面(6)に対する前記支持面(8)の上昇又は下降が生じる、請求項1から5までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項7】
前記牽引装置は、移動される前記車両(200)に取り付けてそれによって前記牽引装置(100)の前記支持面(8)の上部にその車両を固定するための、及び/又は、前記支持面(8)の上部にその車両(200)を持ってくるのを補助するためのワイヤ(42)を含む電動ウィンチなどのウィンチ(40)を備える、請求項1から6までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項8】
前記牽引装置の前記支持面(8)は、前記支持面(8)の残りの部分の傾斜と比較して、所定の距離だけ長手方向における下向きに傾斜している傾斜プラットフォーム(44)を長手方向前端部(12)に備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項9】
前記牽引車両の前記動作を制御するための前記制御システム(18)は、前記第1のセット(46a)の駆動輪又は駆動キャタピラを前記第2のセット(46b)の駆動輪又は駆動キャタピラに対してより高速又は低速回転させることによって、前記牽引装置を操縦するように構成される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項10】
前記推進手段(16)は、前記フレーム(2)と一体化されている、請求項1から9までのいずれか一項に記載の牽引装置100。
【請求項11】
前記推進手段(16)は、前記フレーム(2)から分離可能な推進カート(48)の形態である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項12】
前記推進カート(48)は、第1の結合手段(50)を備え、前記フレーム(2)は、第2の結合手段(52)を備え、前記第1の結合手段(50)及び前記第2の結合手段(52)は、互いに解除可能に係合することができるように構成されている、請求項11に記載の牽引装置(100)。
【請求項13】
前記第1の結合手段(50)は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒスの凸型部品を備え、前記第2の結合手段(52)は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒスの凹型部品を含む、請求項12に記載の牽引装置(100)。
【請求項14】
前記リフト手段(20)は、前記支持面(8)の前記長手方向前端部(12)を上昇/下降させるように構成された第1のセットのリフト手段(54)を備え、前記リフト手段(20)は、前記支持面(8)の前記長手方向後端部(14)を上昇/下降させるように構成された第2のセットのリフト手段(56)を備える、請求項1から13までのいずれか一項に記載の牽引装置100。
【請求項15】
前記第1のセットのリフト手段(54)は、前記フレーム(2)に枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置(64)を備え、1つ又は複数のアクチュエータ(21、21a)は、前記1つ又は複数のアクチュエータ(21、21a)の作動によって、前記車輪懸架装置(64)が、好ましくは前記支持面(8)の前記長手方向に対して垂直な枢動軸(65)の周りを枢動するように、前記車輪懸架装置(64)と前記フレーム(2)との間に取り付けられている、請求項14に記載の牽引装置(100)。
【請求項16】
前記第2のセットのリフト手段(56)は、平行四辺形の懸架装置(58)を備え、前記平行四辺形の懸架装置(58)の第1の端部(60)は、前記支持面(8)の前記長手方向後端部(14)に取り付けられており、前記平行四辺形の懸架装置(58)の第2の対向する端部(62)は、前記分離可能な推進カート(48)に取り付けられており、1つ又は複数のアクチュエータ(21、21b)は、前記1つ又は複数のアクチュエータ(21、21b)の作動が、前記支持面(8)の前記長手方向後端部(14)の上昇又は下降を生じさせるように、前記平行四辺形の懸架装置(58)に取り付けられている、請求項11及び14に記載の牽引装置100。
【請求項17】
前記車輪懸架装置(64)は、ローラ(66)の形態の1つ又は複数の車輪を備え、前記支持フレームをその長手方向前端部(12)で支持する、請求項16に記載の牽引装置(100)。
【請求項18】
前記支持面(8)は、その長手方向(X)に、200~550cm、例えば250~500cm、例えば300~450cm、例えば350~400cmなどの伸長部を有している、請求項1から17までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項19】
前記支持面(8)は、その横方向(Y)に、50~225cm、例えば75~200cm、例えば100~175cm、例えば125~150cmなどの伸長部を有している、請求項1から18までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項20】
前記支持面(8)は、その最下降位置では、7.5~80cm、例えば10~75cm、例えば15~70cm、例えば20~65cm、例えば25~60cm、例えば30~55cm、例えば35~50cm又は40~45cmなどの、地表面(6)上の最大高さレベルを有している、請求項1から19までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項21】
前記支持面(8)は、その最上昇位置では、40~85cm、例えば45~80cm、例えば50~75cm、例えば55~70cm又は60~65cmなどの地表面(6)上の高さレベルを有している、請求項1から20までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項22】
牽引される車両の4つの車輪を支持するのに十分な車輪支持体のアレイなどの、取り外し可能な車輪支持体(300、300a、300b)のアレイをさらに備え、各車輪支持体(300、300a、300b)が、第1の取付手段(302、302a、302b)を備え、前記牽引装置の前記フレーム(2)は、その対向する長手方向側面(304、306)に第2の取付手段(308、308a、308b)を備え、前記車輪支持体(300、300a、300b)の前記第1の取付手段(302、302a、302b)は、前記牽引装置の前記フレーム(2)の前記第2の取付手段(308、308a、308b)に取り外し可能に取り付けられるように構成される、請求項1から21までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項23】
前記第2の取付手段(308、308a)は、前記フレーム(2)の対向する長手方向側面(304、306)に配置された上向きに延在するレール(310)を備え、前記上向きに延在するレール(310)は、係止ボルトなどの係止要素(314)を受容するための長手方向に配置された穴(312)のアレイを任意選択的に備え、それにより、前記車輪支持体(300、300a)の第1の取付手段(302、302a)を前記フレーム(2)の前記第2の取付手段(308、308b)に係止することが可能になる、請求項22に記載の牽引装置(100)。
【請求項24】
前記車輪支持体(300、300a)は、第1の端部(318)及び対向する第2の端部(320)を有するロッド(316)を備え、前記第1の端部は、前記第1の係合手段(302、302a)を備える、請求項23に記載の牽引装置(100)。
【請求項25】
前記第1の係合手段(302、302a)は、凹部(324)を備えるブロック(322)を備え、一方では、前記フレーム(2)の前記上向きに延在するレール(310)の前記幾何形状及び寸法、他方では、前記ブロック(322)の前記凹部(324)の前記幾何形状及び寸法は、前記レール(310)の一部が前記ブロック(322)の前記凹部(324)に収容され得るように互いに適合される、請求項24に記載の牽引装置(100)。
【請求項26】
前記レール(310)は、長手方向に配置された穴(312)のアレイを備え、前記第1の係合手段(302、302a)の前記ブロック(322)は、穴(326)を備え、それにより、前記レール(310)内の前記穴(312)を介して、及び前記ブロック(322)内の前記穴(326)を介して、係止ボルト(314)を使用するなどして、前記車輪支持体(300、300a)の前記第1の係合手段(302、302a)を前記フレーム(2)の前記第2の係合手段(308、308a)に係止することが可能になる、請求項24又は25に記載の牽引装置(100)。
【請求項27】
前記牽引装置のフレーム(2)は、その両側面(304、306)に配置された長手方向に配置されたビーム(328、330)を備え、前記第2の取付手段(308、308b)は、その第1の長手方向端部(12)の各前記ビーム(328、330)内に中空内部(332)を備える、請求項22から26までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項28】
前記車輪支持体(300、300b)は、第1の端部(336)及び対向する第2の端部(338)を有するL字型要素(334)を備え、前記L字型要素(334)の前記第1の端部(336)は、前記L字型要素(334)の前記第1の端部(336)をその前記第1の長手方向端部(12)において前記フレーム(2)の前記長手方向に配置されたビーム(328、330)の前記中空内部(332)に収容することができる幾何形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段(302、302b)を形成している、請求項27に記載の牽引装置(100)。
【請求項29】
前記車輪支持体(300、300b)は、前記L字型要素(334)の前記第1の端部(336)を、係止ボルトの形態などで前記フレーム(2)の前記ビーム(328、330)の前記中空内部(332)に係止するための係止要素(314)を備える、請求項28に記載の牽引装置(100)。
【請求項30】
請求項24から27までのいずれか一項に記載の6つの支持要素(300、300a)と、請求項28から29までのいずれか一項に記載の2つの支持要素(300、300b)と、を備える、請求項22から29までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項31】
その右側及び/又はその左側にある長手方向に配置されたビーム(328、330)における前記フレーム(2)は、油圧式アクチュエータ又は電気式アクチュエータなどの第1の端部(402)及び第2の端部(404)を有する補助アクチュエータ(400)を備え、前記補助アクチュエータは、その作動によって、圧縮構成と拡張構成との間で、及び、逆もまた同様に、その構成を変更することができるように構成され、
その右側及び/又はその左側にある前記長手方向に配置されたビーム(328、330)における前記フレーム(2)は、枢動要素(406)を備え、前記枢動要素(406)は、枢動軸(407)の周りを枢動できるように前記フレーム(2)の前記長手方向に配置されたビーム(328、330)の内側に取り付けられており、前記枢動要素(406)は、押圧部(408)を備え、
前記補助アクチュエータ(400)の前記第1の端部(402)は、前記フレーム(2)に枢動可能に締結され、前記補助アクチュエータ(400)の前記第2の端部(404)は、前記長手方向前端部(12)がその下降した構成にある状況では、前記枢動要素(406)に枢動可能に締結され、次いで、その圧縮構成からその拡張構成への前記補助アクチュエータ(400)の構成の変化により、前記枢動要素の前記押圧部(408)が、直接的又は間接的のいずれかで前記車輪懸架装置(64)上に下方向に押すことが可能となり、それによって、地面(6)に対して前記支持面(8)を持ち上げる際の前記アクチュエータ(21、21a、21b)の初期移動が補助される、請求項15に記載の牽引装置(100)。
【請求項32】
前記枢動要素(406)の前記押圧部(408)は、前記車輪懸架装置(64)との接触を提供するためのローラ(410)を備える、請求項31に記載の牽引装置(100)。
【請求項33】
前記制御システム(18)は、操作者からの入力を受信するように構成されており、前記制御システムは、前記入力に基づいて、前記補助アクチュエータ(400)にその制御のための制御命令を提供するように構成されている、請求項31又は32に記載の、また、任意選択的に請求項2又は3に記載の牽引装置(100)。
【請求項34】
1つ又は複数の補助車輪アセンブリ(500)、例えば1つ又は2つの補助車輪アセンブリ(500)をさらに備え、前記車輪懸架装置(64)は、その下側に、前記補助車輪アセンブリ(500)を取り外し可能に取り付けるための1つ又は複数の受容器具(502)を備え、前記補助車輪アセンブリ(500)は、車輪フレーム(504)と、1つ又は複数の補助車輪(506)、例えば1つ又は2つの補助車輪(506)と、を備え、前記補助車輪アセンブリ(500)のうちの1つ又は複数に関して、前記補助車輪(506)は、前記車輪フレームに対して回転できるように、その関連する車輪フレーム(504)上に取り付けられ、前記車輪フレーム(504)は、車輪フレーム係合手段(508)を備え、前記車輪フレーム係合手段(508)は、前記車輪懸架装置(64)の前記受容器具(502)と取り外し可能に係合することができるように構成される、請求項15に記載の牽引装置(100)。
【請求項35】
前記補助車輪の直径は、150~500mm以上、例えば200~450mm、例えば250~400mm、例えば300~350mmの範囲から選択される、請求項34に記載の牽引装置(100)。
【請求項36】
前記車輪懸架装置(64)の前記受容器具(502)及び前記車輪フレーム(504)の前記車輪フレーム係合手段(508)は、Variobloc RO 100の形態などのクリックオン結合システムをともに形成する、請求項34又は35に記載の牽引装置(100)。
【請求項37】
ある位置から別の位置に車両を移動させるための請求項1から36までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)の使用。
【請求項38】
前記車両は、発火した車両である、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための方法であって、
i) 請求項1から36までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)を提供するステップと、
ii) 移動される前記車両の前記長手方向に沿って、その車両の前方又は後方のいずれかに前記牽引装置(100)を配置するステップと、
iii) 前記支持プラットフォーム(8)が下降した構成で配置されていることを確実にするステップと、
iv) 前記装置の前記支持面(8)又はその少なくとも一部を移動される前記車両の下方に配置するために、前記牽引装置の前記制御システム(18)を使用して、前記装置を推進及び操縦するステップと、
v) 前記制御システム(18)を介して、移動される前記車両の下方に配置されると、前記リフト手段(20)によって所定の距離だけ前記支持面(8)を上昇させるステップと、
vi) 前記第1の位置から前記第2の位置に前記車両を移動させるために、前記牽引装置(100)の前記制御システム(18)を使用して、前記牽引装置を推進及び操縦するステップと、
を含む、方法。
【請求項40】
前記牽引装置は、請求項22から30までのいずれか一項に記載の牽引装置であって、さらに、ステップiv)に続いて、
iva) 牽引される前記車両の各車輪に関して、各前記車輪支持体の前記第1の係合手段(302、302a、302b)を前記フレーム(2)の前記第2の係合手段(308、308a、308b)と係合することによって、車輪支持体(300、300a、300b)を前記車輪の前方に配置し、車輪支持体(300、300a、300b)を前記車輪の後方に配置するステップと、また、任意選択的に、前記車輪支持体(300、300a、300b)を前記フレーム(2)に係止するステップと、を含み、前記車輪支持体(300、300a、300b)は、請求項22から30までのいずれか一項に規定される通りである、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、牽引車両の分野に関する。第1の態様では、本発明は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置に関する。第2の態様では、本発明は、車両を移動させるための第1の態様による牽引装置の使用に関する。本発明の第3の態様では、本発明は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時々、駐車が許可されていない土地に駐車することによって車両が放置されている状況、又は、車両が他の施設への出入り口へのアクセスをふさぐ状況が発生する。そのような状況は、効率的な方法での交通の実施に支障をきたす可能性があり、効率的に実施される交通を回復するために、及び、車両が駐車を許可されていないスペースを空けておくために、土地の所有者又は当局は、そのような状況で、そのような車両を牽引撤去することによって移動させることができる。
【0003】
この目的のために、牽引トラックが使用される。牽引トラックは、牽引される車両と係合することができる牽引手段を備えたかなり大型の車両のタイプである。牽引手段は、車両の前輪の対又は後輪の対を下方から持ち上げることができるフレームを備えていてもよい。牽引手段の別の実例は、牽引される車両に取り付けることができるワイヤを有するワイヤ・ウィンチの形態である。
【0004】
そのような牽引トラックは、多くの状況で、車両を牽引撤去する問題を解決することができるが、それにもかかわらず、この技術に対する制限が存在する。
【0005】
これらの制限は、主に、牽引トラックに別の車両を牽引撤去させるために、牽引される車両の近くに牽引トラックが配置され得るように、牽引される車両の周りにかなり広い空きスペースが必要であるという事実に関している。
【0006】
牽引撤去される車両の周りのそのような限られたスペースには、特に、地下駐車場、又は、駐車場ビルで遭遇し、駐車場ビルでは、車両が典型的には駐車場の入口と出口とを連結する通路の2つの対向側面の非常に狭いスペースに駐車されている。
【0007】
そのような地下駐車場又は駐車場ビルの狭いスペースによって、先行技術の牽引トラックでは、そのような場所に駐車された車両を牽引撤去すること、又は、そのような駐車場の自由高さの制限により、牽引トラックをそのような場所に到着させることさえ、常にほぼ不可能であろう。
【0008】
先行技術である、SHUNDE POLYTECHNICのCN212201495Uは、乗用車を運ぶための全方向移動車を開示しており、全方向移動車は、全方向移動車体を備え、全方向移動車体はフレームを備え、フレームの底面の2つの側面は、複数の車輪と連結されている。電気制御ボックスは、フレームの一方の側に配置され、電気制御ボックスは、車輪の間に配置され、ジャッキ機構は、フレームの上部に配置され、トレイは、ジャッキ機構の上部に連結され、ジャッキ機構Aスライド・レールが設けられ、スライド・レールの上部は支持ロッドに連結され、支持ロッドの内側は、リード・スクリューを備え、支持ロッドの上部は、リフト・ロッドを備えている。この実用新案は、メカナム・ホイールに基づく全方向移動装置である。それは、車へのアクセス効率を向上させ、車庫スペースを節約するために、車庫内の乗用車の素早い出入りに適用される。それは、他の同様の機会に乗用車の効率的な移送にも使用でき、従来のガレージ・レール・タイプの移動を補うことができる。
【0009】
地下駐車場又は駐車場ビルの車両が発火すると、そのような駐車場に駐車されている車両に関連するはるかに深刻且つ危険な問題が生じる。燃えている車両の火がかなり早く消火されない場合、火が連鎖反応のように他の車に広がる重大な危険性がある。そのような火が広がると、地下駐車場又は駐車場ビルのすべての車両が燃え尽き、さらに悪いことに、そのような大規模な火災により、駐車場を収容する建物自体に構造的な損傷が生じる可能性がある。
【0010】
統計によると、電気自動車は、内燃機関によって推進される従来の車両と比べて、自着火及び発火する傾向が高く、電気自動車の人気がますます高まるにつれて、狭い駐車場で自動車が燃える危険性が高まっている。
【0011】
したがって、車両を牽引撤去するための改良された、より柔軟な技術のニーズが根強くある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、そのような技術を提供することである。
【0014】
この目的は、本発明のさまざまな態様に従って達成される。
【0015】
したがって、本発明は、第1の態様において、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置に関し、
前記牽引装置は、使用中に意図される向きにおいて、
フレームを備え、前記フレームは、地面に支持される1つ又は複数のセットの車輪を備え、
前記フレームは、その上部に支持面を備え、前記支持面は、長手方向X及び前記長手方向に垂直な横方向Yに伸長部を有しており、
前記支持面は、長手方向前端部と長手方向後端部とを有しており、前記支持面は、車両の下方に配置されるように、且つ、移動される前記車両を支持するように構成されており、
前記牽引装置は、前記牽引装置を推進するための推進手段を備え、
前記牽引装置は、前記牽引装置の動作を制御するための制御システムを備え、
前記牽引装置は、前記地面に対して前記支持面を上昇及び下降させるためのリフト手段を備え、
前記牽引装置は、牽引装置の右側に配置された第1のセットの駆動輪又は駆動キャタピラと、牽引装置の左側に配置された第2のセットの駆動輪又は駆動キャタピラと、を備える。
【0016】
第2の態様では、本発明は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための本発明の第1の態様による牽引装置の使用に関する。
【0017】
第3の態様では、本発明は、ある位置から別の位置に車両を移動させるための方法に関し、前記方法は、
i) 本発明の第1の態様による牽引装置を提供するステップと、
ii) 移動される車両の長手方向に沿って、その車両の前方又は後方のいずれかに牽引装置を配置するステップと、
iii) 支持面が下降した構成で配置されていることを確実にするステップと、
iv) 前記装置の前記支持面又はその少なくとも一部を、移動される前記車両の下方に配置するために、前記牽引装置の前記制御システムを使用して、前記装置を推進及び操縦するステップと、
v) 前記制御システムを介して、移動される前記車両の下方に配置されると、前記リフト手段によって所定の距離だけ前記支持面を上昇させるステップと、
vi) 第1の位置から第2の位置に前記車両を移動させるために、前記牽引装置の前記制御システムを使用して、前記牽引装置を推進及び操縦するステップと
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の態様による牽引装置を、その支持面が上昇した構成で示す側面図である。
【
図2】本発明の第1の態様による牽引装置を、その支持面が下降した構成で示す側面図である。
【
図3】本発明による牽引装置を制御する作業モードを示す概略図である。
【
図4】第1のセットのリフト手段の詳細を示す、
図1及び
図2の牽引装置の斜視図である。
【
図5】牽引装置が車輪支持体を備えた、本発明の第1の態様による牽引装置の斜視図である。
【
図7】牽引装置のフレームに取り付けられる第1の種類の車輪支持体の詳細を示す斜視図である。
【
図8】牽引装置のフレームに取り付けられる第2の種類の車輪支持体の詳細を示す斜視図である。
【
図9】牽引装置のフレームの車輪懸架装置の下部にある補助車輪アセンブリ用の2つの受容器具の存在及び位置を示す斜視図である。
【
図10】車輪懸架装置がその下部に2つの補助車輪アセンブリを備えた牽引装置を示す斜視図である。
【
図11】車輪懸架装置がその下部に2つの補助車輪アセンブリを備えた牽引装置を示す側面図である。
【
図12】牽引装置のフレームの車輪懸架装置上に取り付けられる補助車輪アセンブリを示す斜視図である。
【
図13】2つの補助アクチュエータの存在及び位置を示す斜視図であり、牽引装置のフレームの車輪懸架装置において、それらの関連するそれぞれの枢動要素は、拡張構成にある。
【
図14】2つの補助アクチュエータの存在及び位置を示す斜視図であり、牽引装置のフレームの車輪懸架装置において、それらの関連するそれぞれの枢動要素は、圧縮構成にある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の態様
本発明は、第1の態様において、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置に関し、
前記牽引装置は、使用中に意図される向きにおいて、
フレームを備え、前記フレームは、地面に支持される1つ又は複数のセットの車輪を備え、
前記フレームは、その上部に支持面を備え、前記支持面は、長手方向(X)及び前記長手方向に垂直な横方向(Y)に伸長部を有しており、
前記支持面は、長手方向前端部と長手方向後端部とを有しており、前記支持面は、車両の下方に配置されるように、且つ、移動される前記車両を支持するように構成されており、
前記牽引装置は、前記牽引装置を推進するための推進手段を備え、
前記牽引装置は、前記牽引装置の動作を制御するための制御システムを備え、
前記牽引装置は、前記地面に対して前記支持面を上昇及び下降させるためのリフト手段を備え、
前記牽引装置は、牽引装置の右側に配置された第1のセットの駆動輪又は駆動キャタピラと、牽引装置の左側に配置された第2のセットの駆動輪又は駆動キャタピラと、を備える。
【0020】
したがって、本発明の第1の態様では、牽引撤去される車両の下方に支持面を配置することを可能にする牽引装置が提供され、車両の下方に配置したときの支持面は、下降した構成であり、車両の車輪が地面から持ち上げられているように支持面を上昇させることを可能にする牽引装置が提供される。この上昇した構成では、牽引装置を移動させることが可能となり、それにより、牽引撤去される車両も移動させることが可能となる。関係のある駆動手段の種類によって、牽引装置を確実に地上であちこちに動かすことができる。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、「車両を牽引する」という用語は、車両自体の推進手段を使用せずに車両を地上で移動させることを意味するものと解釈されてもよい。
【0022】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、「牽引装置の長手方向前端部」という用語は、牽引装置の自由端を意味するものと解釈されてもよく、牽引装置の自由端へのアクセスは、牽引装置の推進手段などによって妨げられない。
【0023】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記制御システムは、操作者からの入力を受信するように構成されており、前記制御システムは、前記入力に基づいて、前記推進手段及び前記リフト手段にその制御のための制御命令を提供するように構成されている。
【0024】
これにより、牽引装置の地上での移動に関連するパラメータ、並びに、装置の支持面の上昇及び下降に関連するパラメータの適切な制御が確実になる。
【0025】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記牽引装置は、制御命令を表す電磁放射線を送信するための送信機を備える遠隔制御装置を備え、前記制御システムは、前記制御命令を表す電磁放射線を受信するための受信機を備える。
【0026】
これにより、牽引装置は、装置自体に対して安全な距離に位置する操作者によって制御されることができる。これは、牽引される車両が発火した場合に、非常に望ましい。
【0027】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記牽引装置は、それぞれが画像を撮影するように構成される1つ又は複数の画像撮影ユニットを備え、前記牽引装置は、前記画像を表す電磁放射線を送信するための送信機を備え、前記遠隔制御装置は、前記画像を表す前記電磁放射線を受信するように構成された受信機を備え、前記遠隔制御装置は、前記電磁放射線によって表される画像のうちの1つ又は複数を表示するように構成されているディスプレイを備える。
【0028】
そのような画像撮影ユニットは、不十分な照明条件の場合に操作者が牽引装置を操作するのを補助し、また、一般的に、牽引される車両に対する牽引装置の位置決めに関するより良好な視覚情報を操作者に提供することができる。
【0029】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記推進手段は、1つ又は複数の電気モータの形態であり、前記牽引装置は、前記1つ又は複数の電気モータに電力を供給するための1つ又は複数のバッテリなどの1つ又は複数の電気エネルギー貯蔵装置を備える。
【0030】
車両が配置されるフレームの支持面と、制御システム、推進手段、及びバッテリなどの牽引装置の電気部品及び/又は電子部品のうちの1つ又は複数との間にガルバニック絶縁を設けることが好ましい。そのようなガルバニック絶縁は、牽引装置上のゴムパッド又はゴム・ブッシングなどの電気絶縁パッド又はブッシング上に、そのような電気部品及び/又は電子部品を配置することによって提供され得る。
【0031】
このようにして、牽引されている車両内で放電が発生した場合、そのような放電は、牽引装置の動きに悪影響を及ぼすことはない。
【0032】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記リフト手段は、前記制御システムを介して、拡張構成と折り畳み構成との間で構成を変更することが可能であるように構成された、電気式、機械式又は油圧式アクチュエータなどの1つ又は複数のアクチュエータを備え、それによって、前記地面に対する前記支持面の上昇又は下降が生じる。
【0033】
そのようなアクチュエータは、牽引装置の支持面を上昇及び下降させるのに有益であることが証明されている。
【0034】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、牽引装置は、移動される車両に取り付けてそれによって牽引装置の支持面の上部にその車両を固定するための、及び/又は、前記支持面の上部にその車両を持ってくるのを補助するためのワイヤを含む電動ウィンチなどのウィンチを備える。
【0035】
ワイヤを有するウィンチは、いくつかの場合に、牽引撤去される車両を支持面上に配置するのを助けることができ、さらに、支持面の上部に車両を固定することができるという点で有益である。
【0036】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、牽引装置の支持面は、支持面の残りの部分の傾斜と比較して、所定の距離だけ長手方向における下向きに傾斜している傾斜プラットフォームを長手方向前端部に備える。
【0037】
そのような傾斜面により、支持面が車両の下に予め配置されていなくても、ウィンチ及びワイヤによって、牽引撤去される車両を支持面上に持ってくることが可能になる。
【0038】
一般的に、牽引装置のフレームの支持面、又は少なくともその一部は、支持プラットフォーム、例えば平坦な支持プラットフォームの形態であることに留意されたい。
【0039】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記牽引車両の動作を制御するための制御システムは、前記第1のセットの駆動輪又は駆動キャタピラを前記第2のセットの駆動輪又は駆動キャタピラに対してより高速又は低速回転させることによって、前記牽引装置を操縦するように構成される。
【0040】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、推進手段は、前記フレームと一体化されている。
【0041】
これにより、かなりコンパクトな牽引装置を実現することができる。
【0042】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、推進手段は、前記フレームから分離可能な推進カートの形態である。
【0043】
そのような別個の推進カートは、市販されており、本出願で規定されるような牽引装置のフレームの特徴を有するフレームに嵌合結合するように変更されることができる。
【0044】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、推進カートは、第1の結合手段を備え、前記フレームは、第2の結合手段を備え、前記第1の結合手段及び前記第2の結合手段は、互いに解除可能に係合することができるように構成されている。
【0045】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、第1の結合手段は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒス(hiss)の凸型部品を備え、前記第2の結合手段は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒスの凹型部品を含む。
【0046】
これらの2つの実施の形態によれば、牽引装置のフレームは、推進カートから分離されることができ、推進カートにより、その移送がより容易になる。
【0047】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、リフト手段は、前記支持面の長手方向前端部を上昇/下降させるように構成された第1のセットのリフト手段を備え、前記リフト手段は、前記支持面の長手方向後端部を上昇/下降させるように構成された第2のセットのリフト手段を備える。
【0048】
そのような2つの独立したリフト手段を有することにより、車両を支持フレーム上により正確に位置決めすることができ、また、車両が牽引される地面がかなり急傾斜である場合に、支持フレーム上に牽引される車両のバランスを改善することができる。
【0049】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、第1のセットのリフト手段は、前記フレームに枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置を備え、1つ又は複数のアクチュエータは、前記1つ又は複数のアクチュエータの作動によって、前記車輪懸架装置が、好ましくは前記支持面の長手方向に対して垂直な枢動軸の周りを枢動するように、前記車輪懸架装置と前記フレームとの間に取り付けられている。
【0050】
この方法で第1のセットのリフト手段を設計することにより、装置のフレームにおける、及び支持面の下におけるかなり狭いスペースに収容することができるコンパクトなリフト手段のセットが提供できる。
【0051】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、その右側及び/又はその左側にある長手方向に配置されたビームにおけるフレームは、油圧式アクチュエータ又は電気式アクチュエータなどの第1の端部及び第2の端部を有する補助アクチュエータを備え、前記補助アクチュエータは、その作動によって、圧縮構成と拡張構成との間で、及び、逆もまた同様に、その構成を変更することができるように構成され、
その右側及び/又はその左側にある前記長手方向に配置されたビームにおける前記フレームは、枢動要素を備え、前記枢動要素は、枢動軸の周りを枢動できるように前記フレームの前記長手方向に配置されたビームの内側に取り付けられており、前記枢動要素は、押圧部を備え、
前記補助アクチュエータの前記第1の端部は、前記フレームに枢動可能に締結され、前記補助アクチュエータの第2の端部は、長手方向前端部がその下降した構成にある状況では、前記枢動要素に枢動可能に締結され、次いで、その圧縮構成からその拡張構成への前記補助アクチュエータの構成の変化により、前記枢動要素の前記押圧部が、直接的又は間接的のいずれかで前記車輪懸架装置上へ下方向に押すことが可能となり、それによって、地面に対して前記支持面を持ち上げる際の前記アクチュエータの初期移動が補助される。
【0052】
そのような補助アクチュエータは、車輪懸架装置の最初の枢動をもたらすのを補助し、その結果、アクチュエータは、車輪懸架装置の残りの枢動をより容易にもたらす。
【0053】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記枢動要素の押圧部は、前記車輪懸架装置との接触を提供するためのローラを備える。
【0054】
枢動要素の押圧部にローラを設けることにより、車輪懸架装置上へのその押圧部の衝撃及び/又は押圧がより穏やかになる。
【0055】
この実施の形態の一実施の形態では、制御システムは、操作者からの入力を受信するように構成されており、前記制御システムは、前記入力に基づいて、前記補助アクチュエータにその制御のための制御命令を提供するように構成されている。
【0056】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、牽引装置は、1つ又は複数の補助車輪アセンブリ、例えば1つ又は2つの補助車輪アセンブリをさらに備え、前記車輪懸架装置は、その下側に、前記補助車輪アセンブリを取り外し可能に取り付けるための1つ又は複数の受容器具を備え、前記補助車輪アセンブリは、車輪フレームと、1つ又は複数の補助車輪、例えば1つ又は2つの補助車輪と、を備え、前記補助車輪アセンブリのうちの1つ又は複数に関して、前記補助車輪は、前記車輪フレームに対して回転できるように、その関連する車輪フレーム上に取り付けられ、前記車輪フレームは、車輪フレーム係合手段を備え、前記車輪フレーム係合手段は、前記車輪懸架装置の前記受容器具と取り外し可能に係合することができるように構成される。
【0057】
この実施の形態の一実施の形態では、前記補助車輪の直径は、150~500mm以上、例えば200~450mm、例えば250~400mm、例えば300~350mmの範囲から選択される。
【0058】
そのような補助車輪は、かなりでこぼこの地面の上であっても牽引装置の移動を可能にする。
【0059】
この実施の形態の一実施の形態では、車輪懸架装置の受容器具及び車輪フレームの車輪フレーム係合手段は、Variobloc RO 100の形態などの解除可能なクリックオン結合システムをともに形成する。
【0060】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、第2のセットのリフト手段は、平行四辺形の懸架装置を備え、前記平行四辺形の懸架装置の第1の端部は、前記支持面の長手方向後端部に取り付けられており、前記平行四辺形の懸架装置の第2の対向する端部は、前記分離可能な推進カートに取り付けられており、1つ又は複数のアクチュエータは、前記1つ又は複数のアクチュエータの作動が、地表面に対して前記支持面の前記長手方向後端部の上昇又は下降を生じさせるように、前記平行四辺形の懸架装置に取り付けられている。
【0061】
これにより、頑丈な第2のセットのリフト手段を設けることができる。
【0062】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、車輪懸架装置は、ローラの形態の1つ又は複数の車輪を備え、前記支持フレームをその長手方向前端部で支持する。
【0063】
これにより、牽引装置の長手方向前端部の地面上での適切な移動が保証される。
【0064】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、支持面は、その長手方向Xに、200~550cm、例えば250~500cm、例えば300~450cm、例えば350~400cmなどの伸長部を有している。
【0065】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、支持面は、その横方向Yに、50~225cm、例えば75~200cm、例えば100~175cm、例えば125~150cmなどの伸長部を有している。
【0066】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、支持面は、その最下降位置では、7.5~80cm、例えば10~75cm、例えば15~70cm、例えば20~65cm、例えば25~60cm、例えば30~55cm、例えば35~50cm又は40~45cmなどの、地表面6上の最大高さレベルを有している。
【0067】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、支持面は、その最上昇位置では、40~85cm、例えば45~80cm、例えば50~75cm、例えば55~70cm又は60~65cmなどの地表面6上の高さレベルを有している。
【0068】
これらの寸法は、車両を牽引するという本来の目的にとって有利であることが証明されている。
【0069】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、牽引装置は、牽引される車両の4つの車輪を支持するのに十分な車輪支持体のアレイなどの、取り外し可能な車輪支持体のアレイをさらに備え、各車輪支持体は、第1の取付手段を備え、前記牽引装置の前記フレームは、その対向する長手方向側面に第2の取付手段を備え、前記車輪支持体の前記第1の取付手段は、前記牽引装置の前記フレームの前記第2の取付手段に取り外し可能に取り付けられるように構成される。
【0070】
車輪支持体により、車両の車台に損傷を与えることなく、牽引撤去される車両を持ち上げることが可能になる。
【0071】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、第2の取付手段は、前記フレームの対向する長手方向側面に配置された上向きに延在するレールを備え、前記上向きに延在するレールは、係止ボルトなどの係止要素を受容するための長手方向に配置された穴のアレイを任意選択的に備え、それにより、前記車輪支持体の第1の取付手段を前記フレームの前記第2の取付手段に係止することが可能になる。
【0072】
この実施の形態の一実施の形態では、車輪支持体は、第1の端部及び対向する第2の端部を有するロッドを備え、前記第1の端部は、前記第1の係合手段を備える。
【0073】
この実施の形態の一実施の形態では、第1の係合手段は、凹部を備えるブロックを備え、一方では、前記フレームの前記上向きに延在するレールの幾何形状及び寸法、他方では、前記ブロックの前記凹部の幾何形状及び寸法は、前記レールの一部が前記ブロックの前記凹部に収容され得るように互いに適合される。
【0074】
この実施の形態の一実施の形態では、レールは、長手方向に配置された穴のアレイを備え、前記第1の係合手段の前記ブロックは、穴を備え、それにより、前記レール内の前記穴を介して、及び前記ブロック内の前記穴を介して、係止ボルトを使用するなどして、前記車輪支持体の前記第1の係合手段を前記フレームの前記第2の係合手段に係止することが可能になる。
【0075】
これらの4つの実施の形態は、車輪支持体を使用して車両を持ち上げるシンプルではあるが効率的な方法を提供する。
【0076】
車輪支持体の代替実施の形態では、前記牽引装置のフレームは、その両側面に配置された長手方向に配置されたビームを備え、前記第2の取付手段は、その第1の長手方向端部の各前記ビーム内に中空内部を備える。
【0077】
この実施の形態の一実施の形態では、車輪支持体は、第1の端部及び対向する第2の端部を有するL字型要素を備え、前記L字型要素の前記第1の端部は、前記L字型要素の前記第1の端部をその前記第1の長手方向端部において前記フレームの前記長手方向に配置されたビームの中空内部に収容することができる幾何形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段を形成している。
【0078】
この実施の形態の一実施の形態では、車輪支持体は、前記L字型要素の前記第1の端部を、係止ボルトの形態などで前記フレームの前記ビームの前記中空内部に係止するための係止要素を備える。
【0079】
代替実施の形態では、L字型要素の形状は、L字型ではなく、むしろ、第1の端部及び対向する第2の端部を備える直線形状であり、この直線形状要素の第1の端部は、前記直線形状要素の第1の端部をその前記第1の長手方向端部において前記フレームの前記長手方向に配置されたビームの中空内部に収容することができる形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段を形成している。
【0080】
この実施の形態の好ましい実施の形態では、直線形状要素は、前記フレームの長手方向に配置されたビーム内に挿入されていない直線要素の部分に2つの車輪支持体を取り外し可能に取り付けるための取付手段を備える。
【0081】
好ましい実施の形態では、そのような取付手段は、2つの車輪支持体に配置された第1の取付手段を備え、直線形状要素上に/直線形状要素に配置された第2の取付手段を備える。
【0082】
これらの3つの実施の形態も、車輪支持体を使用して車両を持ち上げるシンプルではあるが効率的な方法を提供する。
【0083】
第1のタイプの6つの支持要素と、第2のタイプの2つの支持体と、を使用することが好ましい。
【0084】
本発明の第2の態様
第2の態様では、本発明は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための本発明の第1の態様による牽引装置の使用に関する。
【0085】
本発明による牽引装置の使用の一実施の形態では、車両は、発火した車両である。
【0086】
本発明の第3の態様
第3の態様では、本発明は、ある位置から別の位置に車両を移動させるための方法に関し、前記方法は、
i) 本発明の第1の態様による牽引装置を提供するステップと、
ii) 移動される車両の長手方向に沿って、その車両の前方又は後方のいずれかに牽引装置を配置するステップと、
iii) 支持面が下降した構成で配置されていることを確実にするステップと、
iv) 前記装置の前記支持面又はその少なくとも一部を、移動される前記車両の下方に配置するために、前記牽引装置の前記制御システムを使用して、前記装置を推進及び操縦するステップと、
v) 前記制御システムを介して、移動される前記車両の下方に配置されると、前記リフト手段によって所定の距離だけ前記支持面を上昇させるステップと、
vi) 第1の位置から第2の位置に前記車両を移動させるために、前記牽引装置の前記制御システムを使用して、前記牽引装置を推進及び操縦するステップと
を含む。
【0087】
本発明の第3の態様による方法の一実施の形態では、その方法は、さらに、ステップiv)に続いて、
iva) 牽引される前記車両の各車輪に関して、各前記車輪支持体の前記第1の係合手段を前記フレームの前記第2の係合手段と係合することによって、車輪支持体を前記車輪の前方に配置し、車輪支持体を前記車輪の後方に配置するステップと、また、任意選択的に、前記車輪支持体を前記フレーム2に係止するステップと、を含み、前記車輪支持体は、上記のセクションで規定される通りである。
【0088】
ここで本発明をよりよく説明するために、図面を参照すると、
図1は、本発明の第1の態様による牽引装置を、その支持面が上昇した構成で示す側面図である。
【0089】
図1は、牽引装置100を示す。牽引装置100は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるためのものである。牽引装置100は、使用中に意図された向きでは、地面6上に支持される車輪4のセットを備えたフレーム2を備える。
【0090】
フレーム2は、その上部10に支持面8を備える。支持面8は、長手方向X及び前記長手方向に対して垂直な横方向Y(
図1には示さず)に伸長部を有している。
【0091】
支持面8は、長手方向前端部12と長手方向後端部14とを有している。
【0092】
牽引装置100はまた、装置を推進するための推進手段16を備える。推進手段16は、分離可能な推進カート48の形態であり、推進カート48は、第1の結合手段50を介して、フレーム2に機械的に連結される第2の結合手段52に取り外し可能に結合されている。結合手段50、52は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒスの形態である。
【0093】
図1に示す牽引装置の分離可能な推進カート48は、牽引装置の右側に配置された第1のセット46aの駆動キャタピラ、及び、牽引装置の左側に配置された第2のセット46bの駆動キャタピラ(
図1では見られず)の形態の駆動手段46、46a、46bと、を備える。
【0094】
牽引装置100は、前記地面6に対して前記支持面8を上昇及び下降させるためのリフト手段20を備える。
【0095】
リフト手段20は、前記支持面8の長手方向前端部12を上昇/下降させるように構成された第1のセットのリフト手段54と、前記支持面8の長手方向後端部14を上昇/下降させるように構成された第2のセットのリフト手段56と、を備える。
【0096】
第1のセットのリフト手段の54が、フレーム2に枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置64を備えることと、アクチュエータ21、21aの作動が、前記支持面8の長手方向に対して垂直な枢動軸65の周りで前記車輪懸架装置64の枢動をもたらすように、アクチュエータ21、21aが車輪懸架装置64と前記フレーム2との間に取り付けられていることとが、
図1から分かる。
【0097】
第2のリフト手段56が、平行四辺形の懸架装置58を備え、その平行四辺形の懸架装置58の第1の端部60が支持面8の長手方向後端部14に取り付けられていること、及び、平行四辺形の懸架装置58の第2の対向する端部62が分離可能な推進カート48に取り付けられていることも、
図1から分かる。アクチュエータ21、21bの作動が、地面に対して、支持面8の前記長手方向後端部14の上昇又は下降を生じさせるように、アクチュエータ21、21bが平行四辺形の懸架装置58に取り付けられていることも分かる。
【0098】
車輪懸架装置64は、ローラ66の形態の複数の車輪4を備え、支持フレーム2をその長手方向前端部12で支持する。
【0099】
したがって、第1のセットのリフト手段54及び第2のセットのリフト手段56は、共同で、地面6に対して支持面8を上昇及び下降させることができる。
【0100】
制御システム18は、前記牽引装置の動作を制御するため、すなわち、推進カート48の動きを制御するため、及び、第1のセットのリフト手段54と第2のセットのリフト手段56とを備えるリフト手段20を制御するために提供される。
【0101】
既に述べたように、
図1は、支持面8が上昇した構成の牽引装置を示す。
【0102】
その上昇位置において、支持面8の上面は、40~85cm、例えば45~80cm、例えば50~75cm、例えば55~70cm又は60~65cmなどの、地表面からの最大高さレベルを有していることが好ましい。
【0103】
牽引装置は、牽引される車両に取り付けるためのワイヤを含む電動ウィンチ40を備える。これにより、移動される車両は、牽引装置100の支持面8の上部に固定することができ、さらに、ウィンチ40は、その車両を支持面8の上部に持ってくるのを補助する。
【0104】
図1はまた、牽引装置100の支持面8が、長手方向前端部12に、傾斜したプラットフォーム部44を備え、傾斜したプラットフォーム部44は、支持面8の残りの部分の傾斜と比べて、所定の距離だけ前方長手方向における下向きに、傾斜している。
【0105】
図2は、本発明の第1の態様による牽引装置を、その支持面が下降した構成で示す側面図である。
【0106】
図2は、
図1の牽引装置100を示す。
図1の状況から
図2の状況に移行する際に、リフト手段の第1のセットのリフト手段54のアクチュエータ21、21a、及び、第2のセットのリフト手段56のアクチュエータ21、21bが、フレームの支持面8を下降させるように作動されていることが容易に理解される。
【0107】
その下降位置では、支持面8の上面は、7.5~80cm、例えば10~75cm、例えば15~70cm、例えば20~65cm、例えば25~60cm、例えば30~55cm、例えば35~50cm又は40~45cmなどの、地表面からの最大高さレベルを有していることが好ましい。
【0108】
地面6からの高さがこのように低いため、牽引装置100のフレーム2が、その移動前にほとんどの車両の下に配置され得ることが確実になる。
【0109】
図3は、本発明による牽引装置を制御する作業モードを示す概略図である。
【0110】
図3は、制御システムを備える牽引装置100を概略的に示している。バッテリの形態のエネルギー貯蔵装置17は、制御システム18に連結される。制御システム18は、制御命令が提供されると、駆動手段46、46aと46、46bとを備える推進手段16に電力を供給するように構成される。
【0111】
同様に、制御システム18は、制御命令が提供されると、アクチュエータ21、21aを備える第1のセットのリフト手段54を制御するように、且つ、アクチュエータ21、21bを備える第2のセットのリフト手段56を制御するように構成される。
【0112】
制御システム18に制御命令を提供するために、遠隔制御装置22が使用される。遠隔制御装置22は、人間の操作者によって命令を入力するための入力手段23を備える。
【0113】
遠隔制御装置22は、制御命令を表す電磁放射線26を送信するための送信機24を備える。制御命令は、
図3では、不鮮明な小塊(blurry blob)28によって示される。制御システム18は、制御命令28を表すその電磁放射線26を受信するための受信機30を備える。電磁放射線は、アンテナ15を介して送信される。
【0114】
また、
図3では、牽引装置100が、画像を撮影してこの画像に関する情報を制御システム18に伝達するように構成された画像撮影ユニット32を備えていることも分かる。
図3では、画像に関する情報は、不鮮明な小塊34によって表される。
【0115】
牽引装置100は、画像撮影ユニット32によって撮影される画像34を表す電磁放射線26を送信するための送信機36を備える。さらに、遠隔制御装置22は、画像34を表す電磁放射線26を受信するように構成された受信機37を備える。最後に、遠隔制御装置22は、前記電磁放射線26によって表されてその画像撮影ユニット32によって撮影された画像34を表示するためのディスプレイ38を備える。
【0116】
これにより、操作者は、不十分な光の条件下、及び/又は煙が充満した環境でさえも、牽引車両を操作することができる。
【0117】
図4は、第1のセットのリフト手段の詳細を示す、
図1及び
図2の牽引装置の斜視図である。
【0118】
第1のセットのリフト手段54が、フレーム2に枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置64を備えることと、アクチュエータ21、21aの作動が、枢動軸65の周りで車輪懸架装置64の枢動をもたらすように、2つのアクチュエータ21、21aが車輪懸架装置64と前記フレーム2との間に取り付けられていることとが、
図4から分かる。
【0119】
車輪懸架装置64は、ローラ66の形態の4つのセットの車輪4を備え、前記支持フレーム2をその長手方向前端部12で支持する。
【0120】
また、
図4では、推進カート48が、牽引装置の右側に配置された第1のセット46aの駆動キャタピラと、牽引装置の左側に配置された第2のセット46bの駆動キャタピラと、を備えていることが分かる。
【0121】
この設計では、牽引装置は、駆動キャタピラの第1のセット46aを駆動キャタピラの第2のセット46bに対してより高速又は低速回転させることによって操縦するように構成され、駆動キャタピラの2つのセット46a、46bの回転の大きさが同一であれば、牽引装置の前方又は後方への方向移動をもたらす。
【0122】
図1、
図2及び
図4に示す牽引装置の設計は、車両の車台を完全なまま保つことをあまり気にせず、車両を牽引するのに特によく適している。そのような状況は、車両が発火している場合に存在する。
【0123】
しかしながら、車両に破壊的な衝撃を与えずに車両を牽引撤去することができることは、有利であり得る。
【0124】
この目的のために、本発明の第1の態様は、さらなる手段を提供する。
【0125】
【0126】
図5は、牽引装置が車輪支持体を備えた、本発明の第1の態様による牽引装置の斜視図である。
【0127】
【0128】
図5及び
図6は、フレーム2に結合された推進カート48を備える牽引装置100を示す。フレーム2は、その対向する長手方向側面304、306に、8つの車輪支持体300、300a、300bを担持し、それらは、対で車両の単一の車輪を支持するように構成されている。
【0129】
ロッドの形状の6つの車輪支持体300、300aは、牽引装置のフレーム2の各長手方向側面304、306にレール310を取り外し可能に取り付けられていることが分かる。
【0130】
また、
図5及び
図6では、2つのL字型車輪支持体300、300bが、フレーム2の第1の長手方向端部12でフレーム2に取り付けられていることが分かる。
【0131】
各車輪支持体は、以下でさらに説明するように、フレーム2の第2の係合手段308、308a、308bと係合するように構成された第1の係合手段302、302a、302bを備える。
【0132】
8つの車輪支持体に関する詳細は、
図7及び
図8を参照して開示される。
【0133】
図7は、牽引装置のフレームに取り付けられる第1の種類の車輪支持体の詳細を示す斜視図である。
【0134】
図7は、第1の端部318及び対向する第2の端部320を有するロッド316を備える車輪支持体300、300aを示す。第1の端部は、第1の係合手段302、302aを備える。
【0135】
また、
図7では、フレーム2が第2の取付手段308、308aを担持していることが分かる。第2の取付手段308、308aは、フレーム2の長手方向側面306に配置されている上向きに延在するレール310を備える。
【0136】
図7は、第1の係合手段302、302aが、凹部324を備えるブロック322を備えていることを示す。一方では、フレーム2の上向きに延在するレール310の形状及び寸法、他方では、ブロック322の凹部324の形状及び寸法は、前記レール310の一部が、図示のように、前記ブロック322の前記凹部324に収容され得るように互いに適合されている。
【0137】
上向きに延在するレール310は、係止要素314を受容するための長手方向に配置された穴312のアレイを備える。
【0138】
第1の係合手段302、302aのブロック322が穴326を備えていることも分かる。
【0139】
これにより、車輪支持体300、300aの第1の係合手段302、302aは、例えば、ブロック322の穴326とフレーム2の穴312のうちの1つとを貫通する係止ボルト314を使用することによって、フレーム2の第2の係合手段308、308aに係止されることができる。
【0140】
図8は、牽引装置のフレームに取り付けられる第2の種類の車輪支持体の詳細を示す斜視図である。
【0141】
図8は、牽引装置のフレーム2が、その側面306に配置された長手方向に配置されたビーム330を備えていることを示す。第2の取付手段308、308bは、その第1の長手方向端部12において各前記ビーム330に中空内部332を備える。
【0142】
図8はまた、車輪支持体300、300bが、第1の端部336及び対向する第2の端部338を有するL字型要素334を備え、前記L字型要素334の前記第1の端部336は、L字型要素334の第1の端部336が、前記第1の長手方向端部12において前記フレーム2の前記長手方向に配置されたビーム328、330の中空内部332に収容されるのを可能にする形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段302、302bを形成していることを示す。
【0143】
代替実施の形態では、要素334は、L字型ではなく、むしろ、第1の端部336及び対向する第2の端部338を有する直線形状である。この直線形状の第1の端部336は、要素334の第1の端部336が、前記第1の長手方向端部12において前記フレーム2の前記長手方向に配置されたビーム328、330の中空内部332に収容されるのを可能にする形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段302、302bを形成している。この実施の形態は、図には示されていない。
【0144】
さらに、この実施の形態では、直線形状要素334は、前記フレーム2の長手方向に配置されたビーム328、330内に挿入されていない要素334の一部に2つの車輪支持体300、300aを取り外し可能に取り付けるための取付手段を備える。そのような取付手段は、2つの車輪支持体300、300aに第1の取付手段302、302aを設ける形態で、且つ、直線形状要素334に第2の取付手段308、308aを設けることによって、
図7を参照して上述したようなものであることが好ましい。
【0145】
したがって、そのような取付手段は、
図7に示す原理を模倣している。
【0146】
係止要素314(
図8に示さず)は、L字型要素334の第1の端部336を、例えば係止ボルトの形態で、前記フレーム2の前記ビーム328、330の前記中空内部332内に係止するために使用されることができる。
【0147】
4つの車輪を有する車両の場合、8つの車輪支持体300、300a、300bが必要であると思われる。
【0148】
図7に示すような設計を有する6つの支持要素300、300aと、
図8に示すような設計を有する2つの支持要素300、300bと、を使用することが好ましい。
【0149】
図5~
図8に示す実施の形態の使用中、以下の手順、すなわち、
i) 本発明の第1の態様による牽引装置100を提供するステップと、
ii) 移動される車両200の長手方向に沿って、その車両の前方又は後方のいずれかに牽引装置100を配置するステップと、
iii) 支持面8が下降した構成で配置されていることを確実にするステップと、
iv) 前記牽引装置の前記支持面又はその少なくとも一部を、移動される前記車両200の下方に配置するために、前記牽引装置の前記制御システム18を使用して、前記装置を推進及び操縦するステップと、
iva) 牽引される前記車両の各車輪に関して、各前記車輪支持体の前記第1の係合手段302、302a、302bを前記フレーム2の前記第2の係合手段308、308a、308bと係合させることによって、車輪支持体300、300a、300bを前記車輪の前方に配置し、車輪支持体300、300a、300bを前記車輪の後方に配置するステップと、また、任意選択的に、前記車輪支持体300、300a、300bを前記フレーム2に係止するステップであって、前記車輪支持体300、300a、300bは、上記で規定される通りであるステップと、
v) 前記制御システム18を介して、移動される前記車両200の下方に配置されると、前記リフト手段20によって所定の距離だけ前記支持面8を上昇させるステップと、
vi) 前記第1の位置から前記第2の位置に前記車両200を移動させるために、前記牽引装置100の前記制御システム18を使用して、前記牽引装置を推進及び操縦するステップと、
に従うことができる。
【0150】
図9は、牽引装置のフレームの車輪懸架装置の下部にある補助車輪アセンブリ用の2つの受容器具の存在及び位置を示す斜視図である。
【0151】
図9は、その支持面8を有するフレーム2を示す。支持面の高さから、車輪懸架装置64は下向きに延在する。ローラ車輪4、66は、地面上で車輪懸架装置64を支持するように設けられている。
【0152】
車輪懸架装置64の下面は、補助車輪アセンブリを取り付けるための2つの受容器具502を備える。
【0153】
【0154】
図10は、車輪懸架装置がその下部に2つの補助車輪アセンブリを備えた牽引装置を示す斜視図である。
【0155】
図10は、その車輪懸架装置64を有する牽引装置100を示しており、補助車輪アセンブリ506は、
図9で見られる2つの受容器官502のそれぞれに取り付けられている。
【0156】
これにより、地面が非常にでこぼこの場合でも、車両をかなり長い距離にわたって移動させることができる。
【0157】
これを行う際、
図10に見られるアクチュエータ21、21a、21bは、まず、ローラ車輪4、66を地面に接触させる代わりに、補助車輪506を地面に接触させる車輪懸架装置64を上昇させるように作動される。その後、牽引装置は、でこぼこの地面の上を移動することができる。
【0158】
図11は、車輪懸架装置64が、補助車輪506が地面に接触するように上昇されている状態における牽引装置100を側面図で示す。
【0159】
図12は、牽引装置のフレームの車輪懸架装置上に取り付けられる補助車輪アセンブリを示す斜視図である。
【0160】
図12は、車輪フレーム504と2つの補助車輪506とを備える補助車輪アセンブリ500を示す。補助車輪506は、これにトルクが加えられると前記車輪フレームに対して回転することができるように、車輪フレーム504上に取り付けられる。
【0161】
車輪フレーム504は、車輪フレーム係合手段508を備えることが分かる。
【0162】
車輪フレーム係合手段508は、
図10及び
図11に示す状況に達するように、
図9に示す車輪懸架装置64の受容器具502と取り外し可能に係合することができるように構成されている。
【0163】
車輪懸架装置64の受容器具502及び車輪フレーム504の車輪フレーム係合手段508は、ともにクリックオン結合システムを形成する。
【0164】
市販のシステムVariobloc RO 100は、車輪フレーム係合手段508及び車輪懸架装置64の受容器具502としてそれぞれ使用するのに申し分ないことが分かっている。
【0165】
図13は、2つの補助アクチュエータの存在及び位置を示す斜視図であり、牽引装置のフレームの車輪懸架装置において、それらの関連するそれぞれの枢動要素は、拡張構成にある。
【0166】
図13は、2つの長手方向に配置されたビーム328、330を有する牽引装置100のフレーム2の一部を示す。
【0167】
2つの長手方向に配置されたビーム328、330は、枢動軸407の周りを枢動することができるようにその内側に取り付けられた枢動要素406を備える。枢動要素406は、押圧部408を備える。
【0168】
第1の端部402と第2の端部404とを有する補助油圧式アクチュエータ400は、2つの長手方向に配置されたビーム328、330のそれぞれに配置されている。
【0169】
補助アクチュエータ400の第1の端部402は、フレーム2に枢動可能に締結されており、補助アクチュエータ400の第2の端部404は、前記枢動要素406に枢動可能に締結されている。
【0170】
補助アクチュエータのそれぞれは、その作動によって、圧縮構成と拡張構成との間でその構成を変更することができ、その逆もまた同様である。
【0171】
図13では、補助アクチュエータ400は、その拡張構成にある。補助アクチュエータ400が拡張構成へと作動すると、枢動要素406の押圧部408が車輪懸架装置64上に下方向に押される。
【0172】
このようにして、補助アクチュエータ400は、地面6に対してフレーム2の支持面8を持ち上げるとすぐに、アクチュエータ21、21a、21bの初期動作を補助する。
【0173】
この効果は、車輪懸架装置64が下方向に枢動されているように補助アクチュエータ400がそれらの拡張構成にあるとき、アクチュエータ21、21a、21bの2つの対向する端部の間の高さの差が大きくなり、この高さの差が大きくなることで、その拡張により車輪懸架装置64が下方向に枢動されるときに、補助アクチュエータ400がより効率的になるという事実によって生じる。
【0174】
図14は、2つの補助アクチュエータの存在及び位置を示す斜視図であり、牽引装置のフレームの車輪懸架装置において、それらの関連するそれぞれの枢動要素は、圧縮構成にある。
【0175】
図14は、この状況では、アクチュエータ21、21a、21bの2つの対向する端部の間の高さの差が、
図13に示す状況と比較してかなり小さいことを示し、したがって、補助アクチュエータ400がない場合には、車輪懸架装置64の下方向への枢動運動をもたらすことがより困難になる。
【0176】
本発明の一態様及び実施の形態に関連して上記及び添付の特許請求の範囲で論じられたすべての特徴及び成果は、本発明の他の態様及び実施の形態にも同様にうまく当てはまることを理解されたい。
【符号の説明】
【0177】
2 牽引装置のフレーム
4 牽引装置の車輪
6 地面
8 牽引装置の支持面
10 牽引装置のフレームの上部
12 牽引装置の支持面の長手方向前端部
14 牽引装置の支持面の長手方向後端部
15 アンテナ
16 牽引装置の推進手段
17 エネルギー貯蔵装置
18 牽引装置の制御システム
20 牽引装置のリフト手段
21、21a、21b アクチュエータ
22 前記牽引装置を制御するための遠隔制御装置
23 制御命令を入力するための遠隔制御装置の入力手段
24 電磁放射線を送信するための遠隔制御装置の送信機
26 電磁放射線
28 制御命令
30 電磁放射線を受信するための制御システムの受信機
32 画像撮影ユニット
34 画像
36 電磁放射線を送信するための制御システムの送信機
37 電磁放射線を受信するための遠隔制御装置の受信機
38 ディスプレイ
40 ウィンチ
42 ウィンチのワイヤ
44 長手方向前端部の傾斜したプラットフォーム部
46、46a、46b 駆動手段
48 推進カート
50 ヒスの第1のセットの結合手段
52 ヒスの第2のセットの結合手段
54 第1のセットのリフト手段
56 第2のセットのリフト手段
58 平行四辺形の懸架装置
60 平行四辺形の懸架装置の第1の端部
62 平行四辺形の懸架装置の第2の対向する端部
64 車輪懸架装置
65 枢動軸
66 ローラ車輪
100 本発明による牽引装置
300、300a、300b 取り外し可能な車輪支持体
302、302a、302b 第1の取付手段
304、306 牽引装置のフレームの対向する長手方向側面
308、308a、308b 第2の取付手段
310 上向きに延在するレール
312 レール内の穴
314 係止要素
316 車輪支持体のロッド
318 ロッドの第1の端部
320 ロッドの第2の端部
322 第1の係合手段のブロック
324 ブロックの凹部
326 第1の係合手段のブロック内の穴
328、330 フレームの長手方向に配置されたビーム
332 フレームの長手方向に配置されたビームの中空内部
334 車輪支持体のL字型要素
336 L字型要素の第1の端部
338 L字型要素の第2の端部
400 補助アクチュエータ
402 補助アクチュエータの第1の端部
404 補助アクチュエータの第2の端部
406 枢動要素
407 枢動要素の枢動点
408 枢動要素の押圧部
410 枢動要素の押圧部のローラ
500 補助車輪アセンブリ
502 補助車輪アセンブリのための受容器具
504 車輪アセンブリの車輪フレーム
506 補助車輪アセンブリの補助車輪
508 車輪フレーム係合手段
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、牽引車両の分野に関する。第1の態様では、本発明は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置に関する。第2の態様では、本発明は、車両を移動させるための第1の態様による牽引装置の使用に関する。本発明の第3の態様では、本発明は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時々、駐車が許可されていない土地に駐車することによって車両が放置されている状況、又は、車両が他の施設への出入り口へのアクセスをふさぐ状況が発生する。そのような状況は、効率的な方法での交通の実施に支障をきたす可能性があり、効率的に実施される交通を回復するために、及び、車両が駐車を許可されていないスペースを空けておくために、土地の所有者又は当局は、そのような状況で、そのような車両を牽引撤去することによって移動させることができる。
【0003】
この目的のために、牽引トラックが使用される。牽引トラックは、牽引される車両と係合することができる牽引手段を備えたかなり大型の車両のタイプである。牽引手段は、車両の前輪の対又は後輪の対を下方から持ち上げることができるフレームを備えていてもよい。牽引手段の別の実例は、牽引される車両に取り付けることができるワイヤを有するワイヤ・ウィンチの形態である。
【0004】
そのような牽引トラックは、多くの状況で、車両を牽引撤去する問題を解決することができるが、それにもかかわらず、この技術に対する制限が存在する。
【0005】
これらの制限は、主に、牽引トラックに別の車両を牽引撤去させるために、牽引される車両の近くに牽引トラックが配置され得るように、牽引される車両の周りにかなり広い空きスペースが必要であるという事実に関している。
【0006】
牽引撤去される車両の周りのそのような限られたスペースには、特に、地下駐車場、又は、駐車場ビルで遭遇し、駐車場ビルでは、車両が典型的には駐車場の入口と出口とを連結する通路の2つの対向側面の非常に狭いスペースに駐車されている。
【0007】
そのような地下駐車場又は駐車場ビルの狭いスペースによって、先行技術の牽引トラックでは、そのような場所に駐車された車両を牽引撤去すること、又は、そのような駐車場の自由高さの制限により、牽引トラックをそのような場所に到着させることさえ、常にほぼ不可能であろう。
【0008】
先行技術文書である、SHUNDE POLYTECHNICのCN212201495Uは、乗用車を運ぶための全方向移動車を開示しており、全方向移動車は、全方向移動車体を備え、全方向移動車体はフレームを備え、フレームの底面の2つの側面は、複数の車輪と連結されている。電気制御ボックスは、フレームの一方の側に配置され、電気制御ボックスは、車輪の間に配置され、ジャッキ機構は、フレームの上部に配置され、トレイは、ジャッキ機構の上部に連結され、ジャッキ機構Aスライド・レールが設けられ、スライド・レールの上部は支持ロッドに連結され、支持ロッドの内側は、リード・スクリューを備え、支持ロッドの上部は、リフト・ロッドを備えている。この実用新案は、メカナム・ホイールに基づく全方向移動装置である。それは、車へのアクセス効率を向上させ、車庫スペースを節約するために、車庫内の乗用車の素早い出入りに適用される。それは、他の同様の機会に乗用車の効率的な移送にも使用でき、従来のガレージ・レール・タイプの移動を補うことができる。
【0009】
CN111173338Aは、駐車車庫内などの限られたスペースを伴う駐車作業において、遠隔制御された車両の操縦を可能にする駐車及び運搬プラットフォームを開示している。駐車及び運搬プラットフォームは、上部プラットフォームと、下部プラットフォームと、下部プラットフォームに対して上部プラットフォームを上昇させる上昇アセンブリと、を備える。下部プラットフォームは、推進モータによって推進されている2つのセットの車輪を備える。プラットフォーム・モータにより、上部プラットフォーム及び下部プラットフォームを互いにさらに離れさせる又はより接近させるように、上昇アセンブリの構成を変えることができる。使用時に、運転者は、駐車された車両を出て、互いに十分に接近した2つのプラットフォームを用いて車両の下に駐車及び運搬プラットフォームを操舵するように遠隔制御を使用する。その後、プラットフォーム・モータは、上部プラットフォーム及び下部プラットフォームをさらに離れさせるように係合され、それによって車両全体またはその後部を上昇させる。そのように上昇された車両に対して、運転者は、限られた駐車ロット内に車両を操縦するよう遠隔制御を使用できる。最終的に、車両は、2つのプラットフォームを互いにより接近させることによって、再度下降されることができる。CN111173338Aは、上部プラットフォームの一端をそのプラットフォームの対向する端部に独立して上昇及び下降することができることを開示していない。
【0010】
WO2019/148237A1は、車両の輸送のためのトレーラを開示している。トレーラは、輸送される車両の車輪を支持するための支持面を備える。トレーラはまた、それぞれ個々の車輪懸架装置で懸架している2つのセットの車輪を備えている。各車輪懸架装置は、その中に懸架されたセットの車輪を上昇または下降することができる。トレーラの支持面は、大きすぎて、その車両を動かすこともなしには、トレーラの支持面が輸送される車両の車輪を支持するように、輸送される車両の下方の位置に配置されることができない。したがって、この文書は、車両の下方に配置される装置ではなく、頂部で車両を転がすことができるトレーラに関する。
【0011】
CN214246707Uは、駐車車庫において一階から上階に車両を上昇させることを可能にするための車両上昇装置を開示している。車両上昇装置は、4つの車輪と、車両を支持するための支持フレームと、モータと、を有するシャシーを備える。支持フレームを所定の高さまで上昇させることができる。CN214246707Uは、車両上昇装置が側方方向に装置を操舵することを可能にする操舵手段を備えることをはっきりとは開示していない。
【0012】
地下駐車場又は駐車場ビルの車両が発火すると、そのような駐車場に駐車されている車両に関連する別のはるかに深刻且つ危険な問題が生じる。燃えている車両の火がかなり早く消火されない場合、火が連鎖反応のように他の車に広がる重大な危険性がある。そのような火が広がると、地下駐車場又は駐車場ビルのすべての車両が燃え尽き、さらに悪いことに、そのような大規模な火災により、駐車場を収容する建物自体に構造的な損傷が生じる可能性がある。
【0013】
統計によると、電気自動車は、内燃機関によって推進される従来の車両と比べて、自着火及び発火する傾向が高く、電気自動車の人気がますます高まるにつれて、狭い駐車場で自動車が燃える危険性が高まっている。
【0014】
したがって、車両を牽引撤去するための改良された、より柔軟な技術のニーズが根強くある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【発明の概要】
【0016】
本発明の目的は、そのような技術を提供することである。
【0017】
この目的は、本発明のさまざまな態様に従って達成される。
【0018】
したがって、本発明は、第1の態様において、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置に関し、
前記牽引装置は、使用中に意図される向きにおいて、
フレームを備え、前記フレームは、地面に支持される1つ又は複数のセットの車輪を備え、
前記フレームは、その上部に支持面を備え、前記支持面は、長手方向X及び前記長手方向に垂直な横方向Yに伸長部を有しており、
前記支持面は、長手方向前端部と長手方向後端部とを有しており、前記支持面は、車両の下方に配置されるように、且つ、移動される前記車両を支持するように構成されており、
前記牽引装置は、前記牽引装置を推進するための推進手段を備え、
前記牽引装置は、前記牽引装置の動作を制御するための制御システムを備え、
前記牽引装置は、前記地面に対して前記支持面を上昇及び下降させるためのリフト手段を備え、
前記牽引装置は、牽引装置の右側に配置された第1のセットの駆動輪又は駆動キャタピラと、牽引装置の左側に配置された第2のセットの駆動輪又は駆動キャタピラと、を備え、
前記リフト手段は、前記支持面の前記長手方向前端部を上昇/下降させるように構成された第1のセットのリフト手段を備え、前記リフト手段は、前記支持面の前記長手方向後端部を上昇/下降させるように構成された第2のセットのリフト手段を備え、
前記第1のセットのリフト手段は、前記フレームに枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置を備え、1つ又は複数のアクチュエータは、前記1つ又は複数のアクチュエータの作動によって、前記車輪懸架装置が枢動軸の周りを枢動するように、前記車輪懸架装置と前記フレームとの間に取り付けられていることを特徴とする。
【0019】
第2の態様では、本発明は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための本発明の第1の態様による牽引装置の使用に関する。
【0020】
第3の態様では、本発明は、ある位置から別の位置に車両を移動させるための方法に関し、前記方法は、
i) 本発明の第1の態様による牽引装置を提供するステップと、
ii) 移動される車両の長手方向に沿って、その車両の前方又は後方のいずれかに牽引装置を配置するステップと、
iii) 支持面が下降した構成で配置されていることを確実にするステップと、
iv) 前記装置の前記支持面又はその少なくとも一部を、移動される前記車両の下方に配置するために、前記牽引装置の前記制御システムを使用して、前記装置を推進及び操縦するステップと、
v) 前記制御システムを介して、移動される前記車両の下方に配置されると、前記リフト手段によって所定の距離だけ前記支持面を上昇させるステップと、
vi) 第1の位置から第2の位置に前記車両を移動させるために、前記牽引装置の前記制御システムを使用して、前記牽引装置を推進及び操縦するステップと
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1の態様による牽引装置を、その支持面が上昇した構成で示す側面図である。
【
図2】本発明の第1の態様による牽引装置を、その支持面が下降した構成で示す側面図である。
【
図3】本発明による牽引装置を制御する作業モードを示す概略図である。
【
図4】第1のセットのリフト手段の詳細を示す、
図1及び
図2の牽引装置の斜視図である。
【
図5】牽引装置が車輪支持体を備えた、本発明の第1の態様による牽引装置の斜視図である。
【
図7】牽引装置のフレームに取り付けられる第1の種類の車輪支持体の詳細を示す斜視図である。
【
図8】牽引装置のフレームに取り付けられる第2の種類の車輪支持体の詳細を示す斜視図である。
【
図9】牽引装置のフレームの車輪懸架装置の下部にある補助車輪アセンブリ用の2つの受容器具の存在及び位置を示す斜視図である。
【
図10】車輪懸架装置がその下部に2つの補助車輪アセンブリを備えた牽引装置を示す斜視図である。
【
図11】車輪懸架装置がその下部に2つの補助車輪アセンブリを備えた牽引装置を示す側面図である。
【
図12】牽引装置のフレームの車輪懸架装置上に取り付けられる補助車輪アセンブリを示す斜視図である。
【
図13】2つの補助アクチュエータの存在及び位置を示す斜視図であり、牽引装置のフレームの車輪懸架装置において、それらの関連するそれぞれの枢動要素は、拡張構成にある。
【
図14】2つの補助アクチュエータの存在及び位置を示す斜視図であり、牽引装置のフレームの車輪懸架装置において、それらの関連するそれぞれの枢動要素は、圧縮構成にある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の第1の態様
本発明は、第1の態様において、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置に関し、
前記牽引装置は、使用中に意図される向きにおいて、
フレームを備え、前記フレームは、地面に支持される1つ又は複数のセットの車輪を備え、
前記フレームは、その上部に支持面を備え、前記支持面は、長手方向(X)及び前記長手方向に垂直な横方向(Y)に伸長部を有しており、
前記支持面は、長手方向前端部と長手方向後端部とを有しており、前記支持面は、車両の下方に配置されるように、且つ、移動される前記車両を支持するように構成されており、
前記牽引装置は、前記牽引装置を推進するための推進手段を備え、
前記牽引装置は、前記牽引装置の動作を制御するための制御システムを備え、
前記牽引装置は、前記地面に対して前記支持面を上昇及び下降させるためのリフト手段を備え、
前記牽引装置は、牽引装置の右側に配置された第1のセットの駆動輪又は駆動キャタピラと、牽引装置の左側に配置された第2のセットの駆動輪又は駆動キャタピラと、を備え、
前記リフト手段は、前記支持面の前記長手方向前端部を上昇/下降させるように構成された第1のセットのリフト手段を備え、前記リフト手段は、前記支持面の前記長手方向後端部を上昇/下降させるように構成された第2のセットのリフト手段を備え、
前記第1のセットのリフト手段は、前記フレームに枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置を備え、1つ又は複数のアクチュエータは、前記1つ又は複数のアクチュエータの作動によって、前記車輪懸架装置が枢動軸の周りを枢動するように、前記車輪懸架装置と前記フレームとの間に取り付けられていることを特徴とする。
【0023】
したがって、本発明の第1の態様では、牽引撤去される車両の下方に支持面を配置することを可能にする牽引装置が提供され、車両の下方に配置したときの支持面は、下降した構成であり、車両の車輪が地面から持ち上げられているように支持面を上昇させることを可能にする牽引装置が提供される。この上昇した構成では、牽引装置を移動させることが可能となり、それにより、牽引撤去される車両も移動させることが可能となる。関係のある駆動手段の種類によって、牽引装置を確実に地上であちこちに動かすことができる。
【0024】
その上、2つの独立したリフト手段は、支持フレーム上に車両をより正確に位置決めすることを可能にし、車両が牽引される地面がかなり急勾配な傾斜を有している場合に支持フレーム上に牽引される車両のバランスを改善することも可能にする。
【0025】
第1のセットのリフト手段を設計する方法は、装置のフレームにおける及び装置の支持体の下におけるかなり限られたスペースに収容することができるコンパクトなセットのリフト手段を提供する。
【0026】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、「車両を牽引する」という用語は、車両自体の推進手段を使用せずに車両を地上で移動させることを意味するものと解釈されてもよい。
【0027】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、「牽引装置の長手方向前端部」という用語は、牽引装置の自由端を意味するものと解釈されてもよく、牽引装置の自由端へのアクセスは、牽引装置の推進手段などによって妨げられない。
【0028】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記制御システムは、操作者からの入力を受信するように構成されており、前記制御システムは、前記入力に基づいて、前記推進手段及び前記リフト手段にその制御のための制御命令を提供するように構成されている。
【0029】
これにより、牽引装置の地上での移動に関連するパラメータ、並びに、装置の支持面の上昇及び下降に関連するパラメータの適切な制御が確実になる。
【0030】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記牽引装置は、制御命令を表す電磁放射線を送信するための送信機を備える遠隔制御装置を備え、前記制御システムは、前記制御命令を表す電磁放射線を受信するための受信機を備える。
【0031】
これにより、牽引装置は、装置自体に対して安全な距離に位置する操作者によって制御されることができる。これは、牽引される車両が発火した場合に、非常に望ましい。
【0032】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記牽引装置は、それぞれが画像を撮影するように構成される1つ又は複数の画像撮影ユニットを備え、前記牽引装置は、前記画像を表す電磁放射線を送信するための送信機を備え、前記遠隔制御装置は、前記画像を表す前記電磁放射線を受信するように構成された受信機を備え、前記遠隔制御装置は、前記電磁放射線によって表される画像のうちの1つ又は複数を表示するように構成されているディスプレイを備える。
【0033】
そのような画像撮影ユニットは、不十分な照明条件の場合に操作者が牽引装置を操作するのを補助し、また、一般的に、牽引される車両に対する牽引装置の位置決めに関するより良好な視覚情報を操作者に提供することができる。
【0034】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記推進手段は、1つ又は複数の電気モータの形態であり、前記牽引装置は、前記1つ又は複数の電気モータに電力を供給するための1つ又は複数のバッテリなどの1つ又は複数の電気エネルギー貯蔵装置を備える。
【0035】
車両が配置されるフレームの支持面と、制御システム、推進手段、及びバッテリなどの牽引装置の電気部品及び/又は電子部品のうちの1つ又は複数との間にガルバニック絶縁を設けることが好ましい。そのようなガルバニック絶縁は、牽引装置上のゴムパッド又はゴム・ブッシングなどの電気絶縁パッド又はブッシング上に、そのような電気部品及び/又は電子部品を配置することによって提供され得る。
【0036】
このようにして、牽引されている車両内で放電が発生した場合、そのような放電は、牽引装置の動きに悪影響を及ぼすことはない。
【0037】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記リフト手段は、前記制御システムを介して、拡張構成と折り畳み構成との間で構成を変更することが可能であるように構成された、電気式、機械式又は油圧式アクチュエータなどの1つ又は複数のアクチュエータを備え、それによって、前記地面に対する前記支持面の上昇又は下降が生じる。
【0038】
そのようなアクチュエータは、牽引装置の支持面を上昇及び下降させるのに有益であることが証明されている。
【0039】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、牽引装置は、移動される車両に取り付けてそれによって牽引装置の支持面の上部にその車両を固定するための、及び/又は、前記支持面の上部にその車両を持ってくるのを補助するためのワイヤを含む電動ウィンチなどのウィンチを備える。
【0040】
ワイヤを有するウィンチは、いくつかの場合に、牽引撤去される車両を支持面上に配置するのを助けることができ、さらに、支持面の上部に車両を固定することができるという点で有益である。
【0041】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、牽引装置の支持面は、支持面の残りの部分の傾斜と比較して、所定の距離だけ長手方向における下向きに傾斜している傾斜プラットフォームを長手方向前端部に備える。
【0042】
そのような傾斜面により、支持面が車両の下に予め配置されていなくても、ウィンチ及びワイヤによって、牽引撤去される車両を支持面上に持ってくることが可能になる。
【0043】
一般的に、牽引装置のフレームの支持面、又は少なくともその一部は、支持プラットフォーム、例えば平坦な支持プラットフォームの形態であることに留意されたい。
【0044】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記牽引車両の動作を制御するための制御システムは、前記第1のセットの駆動輪又は駆動キャタピラを前記第2のセットの駆動輪又は駆動キャタピラに対してより高速又は低速回転させることによって、前記牽引装置を操縦するように構成される。
【0045】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、推進手段は、前記フレームと一体化されている。
【0046】
これにより、かなりコンパクトな牽引装置を実現することができる。
【0047】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、推進手段は、前記フレームから分離可能な推進カートの形態である。
【0048】
そのような別個の推進カートは、市販されており、本出願で規定されるような牽引装置のフレームの特徴を有するフレームに嵌合結合するように変更されることができる。
【0049】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、推進カートは、第1の結合手段を備え、前記フレームは、第2の結合手段を備え、前記第1の結合手段及び前記第2の結合手段は、互いに解除可能に係合することができるように構成されている。
【0050】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、第1の結合手段は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒス(hiss)の凸型部品を備え、前記第2の結合手段は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒスの凹型部品を含む。
【0051】
これらの2つの実施の形態によれば、牽引装置のフレームは、推進カートから分離されることができ、推進カートにより、その移送がより容易になる。
【0052】
前記1つ又は複数のアクチュエータの作動によって、前記車輪懸架装置が、前記支持面の長手方向に対して垂直な枢動軸の周りを枢動するように、前記車輪懸架装置と前記フレームとの間に取り付けられている。
【0053】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、その右側及び/又はその左側にある長手方向に配置されたビームにおけるフレームは、油圧式アクチュエータ又は電気式アクチュエータなどの第1の端部及び第2の端部を有する補助アクチュエータを備え、前記補助アクチュエータは、その作動によって、圧縮構成と拡張構成との間で、及び、逆もまた同様に、その構成を変更することができるように構成され、
その右側及び/又はその左側にある前記長手方向に配置されたビームにおける前記フレームは、枢動要素を備え、前記枢動要素は、枢動軸の周りを枢動できるように前記フレームの前記長手方向に配置されたビームの内側に取り付けられており、前記枢動要素は、押圧部を備え、
前記補助アクチュエータの前記第1の端部は、前記フレームに枢動可能に締結され、前記補助アクチュエータの第2の端部は、長手方向前端部がその下降した構成にある状況では、前記枢動要素に枢動可能に締結され、次いで、その圧縮構成からその拡張構成への前記補助アクチュエータの構成の変化により、前記枢動要素の前記押圧部が、直接的又は間接的のいずれかで前記車輪懸架装置上へ下方向に押すことが可能となり、それによって、地面に対して前記支持面を持ち上げる際の前記アクチュエータの初期移動が補助される。
【0054】
そのような補助アクチュエータは、車輪懸架装置の最初の枢動をもたらすのを補助し、その結果、アクチュエータは、車輪懸架装置の残りの枢動をより容易にもたらす。
【0055】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、前記枢動要素の押圧部は、前記車輪懸架装置との接触を提供するためのローラを備える。
【0056】
枢動要素の押圧部にローラを設けることにより、車輪懸架装置上へのその押圧部の衝撃及び/又は押圧がより穏やかになる。
【0057】
この実施の形態の一実施の形態では、制御システムは、操作者からの入力を受信するように構成されており、前記制御システムは、前記入力に基づいて、前記補助アクチュエータにその制御のための制御命令を提供するように構成されている。
【0058】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、牽引装置は、1つ又は複数の補助車輪アセンブリ、例えば1つ又は2つの補助車輪アセンブリをさらに備え、前記車輪懸架装置は、その下側に、前記補助車輪アセンブリを取り外し可能に取り付けるための1つ又は複数の受容器具を備え、前記補助車輪アセンブリは、車輪フレームと、1つ又は複数の補助車輪、例えば1つ又は2つの補助車輪と、を備え、前記補助車輪アセンブリのうちの1つ又は複数に関して、前記補助車輪は、前記車輪フレームに対して回転できるように、その関連する車輪フレーム上に取り付けられ、前記車輪フレームは、車輪フレーム係合手段を備え、前記車輪フレーム係合手段は、前記車輪懸架装置の前記受容器具と取り外し可能に係合することができるように構成される。
【0059】
この実施の形態の一実施の形態では、前記補助車輪の直径は、150~500mm以上、例えば200~450mm、例えば250~400mm、例えば300~350mmの範囲から選択される。
【0060】
そのような補助車輪は、かなりでこぼこの地面の上であっても牽引装置の移動を可能にする。
【0061】
この実施の形態の一実施の形態では、車輪懸架装置の受容器具及び車輪フレームの車輪フレーム係合手段は、Variobloc RO 100の形態などの解除可能なクリックオン結合システムをともに形成する。
【0062】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、第2のセットのリフト手段は、平行四辺形の懸架装置を備え、前記平行四辺形の懸架装置の第1の端部は、前記支持面の長手方向後端部に取り付けられており、前記平行四辺形の懸架装置の第2の対向する端部は、前記分離可能な推進カートに取り付けられており、1つ又は複数のアクチュエータは、前記1つ又は複数のアクチュエータの作動が、地表面に対して前記支持面の前記長手方向後端部の上昇又は下降を生じさせるように、前記平行四辺形の懸架装置に取り付けられている。
【0063】
これにより、頑丈な第2のセットのリフト手段を設けることができる。
【0064】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、車輪懸架装置は、ローラの形態の1つ又は複数の車輪を備え、前記支持フレームをその長手方向前端部で支持する。
【0065】
これにより、牽引装置の長手方向前端部の地面上での適切な移動が保証される。
【0066】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、支持面は、その長手方向Xに、200~550cm、例えば250~500cm、例えば300~450cm、例えば350~400cmなどの伸長部を有している。
【0067】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、支持面は、その横方向Yに、50~225cm、例えば75~200cm、例えば100~175cm、例えば125~150cmなどの伸長部を有している。
【0068】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、支持面は、その最下降位置では、7.5~80cm、例えば10~75cm、例えば15~70cm、例えば20~65cm、例えば25~60cm、例えば30~55cm、例えば35~50cm又は40~45cmなどの、地表面6上の最大高さレベルを有している。
【0069】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、支持面は、その最上昇位置では、40~85cm、例えば45~80cm、例えば50~75cm、例えば55~70cm又は60~65cmなどの地表面6上の高さレベルを有している。
【0070】
これらの寸法は、車両を牽引するという本来の目的にとって有利であることが証明されている。
【0071】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、牽引装置は、牽引される車両の4つの車輪を支持するのに十分な車輪支持体のアレイなどの、取り外し可能な車輪支持体のアレイをさらに備え、各車輪支持体は、第1の取付手段を備え、前記牽引装置の前記フレームは、その対向する長手方向側面に第2の取付手段を備え、前記車輪支持体の前記第1の取付手段は、前記牽引装置の前記フレームの前記第2の取付手段に取り外し可能に取り付けられるように構成される。
【0072】
車輪支持体により、車両の車台に損傷を与えることなく、牽引撤去される車両を持ち上げることが可能になる。
【0073】
本発明による牽引装置の一実施の形態では、第2の取付手段は、前記フレームの対向する長手方向側面に配置された上向きに延在するレールを備え、前記上向きに延在するレールは、係止ボルトなどの係止要素を受容するための長手方向に配置された穴のアレイを任意選択的に備え、それにより、前記車輪支持体の第1の取付手段を前記フレームの前記第2の取付手段に係止することが可能になる。
【0074】
この実施の形態の一実施の形態では、車輪支持体は、第1の端部及び対向する第2の端部を有するロッドを備え、前記第1の端部は、前記第1の係合手段を備える。
【0075】
この実施の形態の一実施の形態では、第1の係合手段は、凹部を備えるブロックを備え、一方では、前記フレームの前記上向きに延在するレールの幾何形状及び寸法、他方では、前記ブロックの前記凹部の幾何形状及び寸法は、前記レールの一部が前記ブロックの前記凹部に収容され得るように互いに適合される。
【0076】
この実施の形態の一実施の形態では、レールは、長手方向に配置された穴のアレイを備え、前記第1の係合手段の前記ブロックは、穴を備え、それにより、前記レール内の前記穴を介して、及び前記ブロック内の前記穴を介して、係止ボルトを使用するなどして、前記車輪支持体の前記第1の係合手段を前記フレームの前記第2の係合手段に係止することが可能になる。
【0077】
これらの4つの実施の形態は、車輪支持体を使用して車両を持ち上げるシンプルではあるが効率的な方法を提供する。
【0078】
車輪支持体の代替実施の形態では、前記牽引装置のフレームは、その両側面に配置された長手方向に配置されたビームを備え、前記第2の取付手段は、その第1の長手方向端部の各前記ビーム内に中空内部を備える。
【0079】
この実施の形態の一実施の形態では、車輪支持体は、第1の端部及び対向する第2の端部を有するL字型要素を備え、前記L字型要素の前記第1の端部は、前記L字型要素の前記第1の端部をその前記第1の長手方向端部において前記フレームの前記長手方向に配置されたビームの中空内部に収容することができる幾何形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段を形成している。
【0080】
この実施の形態の一実施の形態では、車輪支持体は、前記L字型要素の前記第1の端部を、係止ボルトの形態などで前記フレームの前記ビームの前記中空内部に係止するための係止要素を備える。
【0081】
代替実施の形態では、L字型要素の形状は、L字型ではなく、むしろ、第1の端部及び対向する第2の端部を備える直線形状であり、この直線形状要素の第1の端部は、前記直線形状要素の第1の端部をその前記第1の長手方向端部において前記フレームの前記長手方向に配置されたビームの中空内部に収容することができる形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段を形成している。
【0082】
この実施の形態の好ましい実施の形態では、直線形状要素は、前記フレームの長手方向に配置されたビーム内に挿入されていない直線要素の部分に2つの車輪支持体を取り外し可能に取り付けるための取付手段を備える。
【0083】
好ましい実施の形態では、そのような取付手段は、2つの車輪支持体に配置された第1の取付手段を備え、直線形状要素上に/直線形状要素に配置された第2の取付手段を備える。
【0084】
これらの3つの実施の形態も、車輪支持体を使用して車両を持ち上げるシンプルではあるが効率的な方法を提供する。
【0085】
第1のタイプの6つの支持要素と、第2のタイプの2つの支持体と、を使用することが好ましい。
【0086】
本発明の第2の態様
第2の態様では、本発明は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための本発明の第1の態様による牽引装置の使用に関する。
【0087】
本発明による牽引装置の使用の一実施の形態では、車両は、発火した車両である。
【0088】
本発明の第3の態様
第3の態様では、本発明は、ある位置から別の位置に車両を移動させるための方法に関し、前記方法は、
i) 本発明の第1の態様による牽引装置を提供するステップと、
ii) 移動される車両の長手方向に沿って、その車両の前方又は後方のいずれかに牽引装置を配置するステップと、
iii) 支持面が下降した構成で配置されていることを確実にするステップと、
iv) 前記装置の前記支持面又はその少なくとも一部を、移動される前記車両の下方に配置するために、前記牽引装置の前記制御システムを使用して、前記装置を推進及び操縦するステップと、
v) 前記制御システムを介して、移動される前記車両の下方に配置されると、前記リフト手段によって所定の距離だけ前記支持面を上昇させるステップと、
vi) 第1の位置から第2の位置に前記車両を移動させるために、前記牽引装置の前記制御システムを使用して、前記牽引装置を推進及び操縦するステップと
を含む。
【0089】
本発明の第3の態様による方法の一実施の形態では、その方法は、さらに、ステップiv)に続いて、
iva) 牽引される前記車両の各車輪に関して、各前記車輪支持体の前記第1の係合手段を前記フレームの前記第2の係合手段と係合することによって、車輪支持体を前記車輪の前方に配置し、車輪支持体を前記車輪の後方に配置するステップと、また、任意選択的に、前記車輪支持体を前記フレーム2に係止するステップと、を含み、前記車輪支持体は、上記のセクションで規定される通りである。
【0090】
ここで本発明をよりよく説明するために、図面を参照すると、
図1は、本発明の第1の態様による牽引装置を、その支持面が上昇した構成で示す側面図である。
【0091】
図1は、牽引装置100を示す。牽引装置100は、第1の位置から第2の位置に車両を移動させるためのものである。牽引装置100は、使用中に意図された向きでは、地面6上に支持される車輪4のセットを備えたフレーム2を備える。
【0092】
フレーム2は、その上部10に支持面8を備える。支持面8は、長手方向X及び前記長手方向に対して垂直な横方向Y(
図1には示さず)に伸長部を有している。
【0093】
支持面8は、長手方向前端部12と長手方向後端部14とを有している。
【0094】
牽引装置100はまた、装置を推進するための推進手段16を備える。推進手段16は、分離可能な推進カート48の形態であり、推進カート48は、第1の結合手段50を介して、フレーム2に機械的に連結される第2の結合手段52に取り外し可能に結合されている。結合手段50、52は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒスの形態である。
【0095】
図1に示す牽引装置の分離可能な推進カート48は、牽引装置の右側に配置された第1のセット46aの駆動キャタピラ、及び、牽引装置の左側に配置された第2のセット46bの駆動キャタピラ(
図1では見られず)の形態の駆動手段46、46a、46bと、を備える。
【0096】
牽引装置100は、前記地面6に対して前記支持面8を上昇及び下降させるためのリフト手段20を備える。
【0097】
リフト手段20は、前記支持面8の長手方向前端部12を上昇/下降させるように構成された第1のセットのリフト手段54と、前記支持面8の長手方向後端部14を上昇/下降させるように構成された第2のセットのリフト手段56と、を備える。
【0098】
第1のセットのリフト手段の54が、フレーム2に枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置64を備えることと、アクチュエータ21、21aの作動が、前記支持面8の長手方向に対して垂直な枢動軸65の周りで前記車輪懸架装置64の枢動をもたらすように、アクチュエータ21、21aが車輪懸架装置64と前記フレーム2との間に取り付けられていることとが、
図1から分かる。
【0099】
第2のリフト手段56が、平行四辺形の懸架装置58を備え、その平行四辺形の懸架装置58の第1の端部60が支持面8の長手方向後端部14に取り付けられていること、及び、平行四辺形の懸架装置58の第2の対向する端部62が分離可能な推進カート48に取り付けられていることも、
図1から分かる。アクチュエータ21、21bの作動が、地面に対して、支持面8の前記長手方向後端部14の上昇又は下降を生じさせるように、アクチュエータ21、21bが平行四辺形の懸架装置58に取り付けられていることも分かる。
【0100】
車輪懸架装置64は、ローラ66の形態の複数の車輪4を備え、支持フレーム2をその長手方向前端部12で支持する。
【0101】
したがって、第1のセットのリフト手段54及び第2のセットのリフト手段56は、共同で、地面6に対して支持面8を上昇及び下降させることができる。
【0102】
制御システム18は、前記牽引装置の動作を制御するため、すなわち、推進カート48の動きを制御するため、及び、第1のセットのリフト手段54と第2のセットのリフト手段56とを備えるリフト手段20を制御するために提供される。
【0103】
既に述べたように、
図1は、支持面8が上昇した構成の牽引装置を示す。
【0104】
その上昇位置において、支持面8の上面は、40~85cm、例えば45~80cm、例えば50~75cm、例えば55~70cm又は60~65cmなどの、地表面からの最大高さレベルを有していることが好ましい。
【0105】
牽引装置は、牽引される車両に取り付けるためのワイヤを含む電動ウィンチ40を備える。これにより、移動される車両は、牽引装置100の支持面8の上部に固定することができ、さらに、ウィンチ40は、その車両を支持面8の上部に持ってくるのを補助する。
【0106】
図1はまた、牽引装置100の支持面8が、長手方向前端部12に、傾斜したプラットフォーム部44を備え、傾斜したプラットフォーム部44は、支持面8の残りの部分の傾斜と比べて、所定の距離だけ前方長手方向における下向きに、傾斜している。
【0107】
図2は、本発明の第1の態様による牽引装置を、その支持面が下降した構成で示す側面図である。
【0108】
図2は、
図1の牽引装置100を示す。
図1の状況から
図2の状況に移行する際に、リフト手段の第1のセットのリフト手段54のアクチュエータ21、21a、及び、第2のセットのリフト手段56のアクチュエータ21、21bが、フレームの支持面8を下降させるように作動されていることが容易に理解される。
【0109】
その下降位置では、支持面8の上面は、7.5~80cm、例えば10~75cm、例えば15~70cm、例えば20~65cm、例えば25~60cm、例えば30~55cm、例えば35~50cm又は40~45cmなどの、地表面からの最大高さレベルを有していることが好ましい。
【0110】
地面6からの高さがこのように低いため、牽引装置100のフレーム2が、その移動前にほとんどの車両の下に配置され得ることが確実になる。
【0111】
図3は、本発明による牽引装置を制御する作業モードを示す概略図である。
【0112】
図3は、制御システムを備える牽引装置100を概略的に示している。バッテリの形態のエネルギー貯蔵装置17は、制御システム18に連結される。制御システム18は、制御命令が提供されると、駆動手段46、46aと46、46bとを備える推進手段16に電力を供給するように構成される。
【0113】
同様に、制御システム18は、制御命令が提供されると、アクチュエータ21、21aを備える第1のセットのリフト手段54を制御するように、且つ、アクチュエータ21、21bを備える第2のセットのリフト手段56を制御するように構成される。
【0114】
制御システム18に制御命令を提供するために、遠隔制御装置22が使用される。遠隔制御装置22は、人間の操作者によって命令を入力するための入力手段23を備える。
【0115】
遠隔制御装置22は、制御命令を表す電磁放射線26を送信するための送信機24を備える。制御命令は、
図3では、不鮮明な小塊(blurry blob)28によって示される。制御システム18は、制御命令28を表すその電磁放射線26を受信するための受信機30を備える。電磁放射線は、アンテナ15を介して送信される。
【0116】
また、
図3では、牽引装置100が、画像を撮影してこの画像に関する情報を制御システム18に伝達するように構成された画像撮影ユニット32を備えていることも分かる。
図3では、画像に関する情報は、不鮮明な小塊34によって表される。
【0117】
牽引装置100は、画像撮影ユニット32によって撮影される画像34を表す電磁放射線26を送信するための送信機36を備える。さらに、遠隔制御装置22は、画像34を表す電磁放射線26を受信するように構成された受信機37を備える。最後に、遠隔制御装置22は、前記電磁放射線26によって表されてその画像撮影ユニット32によって撮影された画像34を表示するためのディスプレイ38を備える。
【0118】
これにより、操作者は、不十分な光の条件下、及び/又は煙が充満した環境でさえも、牽引車両を操作することができる。
【0119】
図4は、第1のセットのリフト手段の詳細を示す、
図1及び
図2の牽引装置の斜視図である。
【0120】
第1のセットのリフト手段54が、フレーム2に枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置64を備えることと、アクチュエータ21、21aの作動が、枢動軸65の周りで車輪懸架装置64の枢動をもたらすように、2つのアクチュエータ21、21aが車輪懸架装置64と前記フレーム2との間に取り付けられていることとが、
図4から分かる。
【0121】
車輪懸架装置64は、ローラ66の形態の4つのセットの車輪4を備え、前記支持フレーム2をその長手方向前端部12で支持する。
【0122】
また、
図4では、推進カート48が、牽引装置の右側に配置された第1のセット46aの駆動キャタピラと、牽引装置の左側に配置された第2のセット46bの駆動キャタピラと、を備えていることが分かる。
【0123】
この設計では、牽引装置は、駆動キャタピラの第1のセット46aを駆動キャタピラの第2のセット46bに対してより高速又は低速回転させることによって操縦するように構成され、駆動キャタピラの2つのセット46a、46bの回転の大きさが同一であれば、牽引装置の前方又は後方への方向移動をもたらす。
【0124】
図1、
図2及び
図4に示す牽引装置の設計は、車両の車台を完全なまま保つことをあまり気にせず、車両を牽引するのに特によく適している。そのような状況は、車両が発火している場合に存在する。
【0125】
しかしながら、車両に破壊的な衝撃を与えずに車両を牽引撤去することができることは、有利であり得る。
【0126】
この目的のために、本発明の第1の態様は、さらなる手段を提供する。
【0127】
【0128】
図5は、牽引装置が車輪支持体を備えた、本発明の第1の態様による牽引装置の斜視図である。
【0129】
【0130】
図5及び
図6は、フレーム2に結合された推進カート48を備える牽引装置100を示す。フレーム2は、その対向する長手方向側面304、306に、8つの車輪支持体300、300a、300bを担持し、それらは、対で車両の単一の車輪を支持するように構成されている。
【0131】
ロッドの形状の6つの車輪支持体300、300aは、牽引装置のフレーム2の各長手方向側面304、306にレール310を取り外し可能に取り付けられていることが分かる。
【0132】
また、
図5及び
図6では、2つのL字型車輪支持体300、300bが、フレーム2の第1の長手方向端部12でフレーム2に取り付けられていることが分かる。
【0133】
各車輪支持体は、以下でさらに説明するように、フレーム2の第2の係合手段308、308a、308bと係合するように構成された第1の係合手段302、302a、302bを備える。
【0134】
8つの車輪支持体に関する詳細は、
図7及び
図8を参照して開示される。
【0135】
図7は、牽引装置のフレームに取り付けられる第1の種類の車輪支持体の詳細を示す斜視図である。
【0136】
図7は、第1の端部318及び対向する第2の端部320を有するロッド316を備える車輪支持体300、300aを示す。第1の端部は、第1の係合手段302、302aを備える。
【0137】
また、
図7では、フレーム2が第2の取付手段308、308aを担持していることが分かる。第2の取付手段308、308aは、フレーム2の長手方向側面306に配置されている上向きに延在するレール310を備える。
【0138】
図7は、第1の係合手段302、302aが、凹部324を備えるブロック322を備えていることを示す。一方では、フレーム2の上向きに延在するレール310の形状及び寸法、他方では、ブロック322の凹部324の形状及び寸法は、前記レール310の一部が、図示のように、前記ブロック322の前記凹部324に収容され得るように互いに適合されている。
【0139】
上向きに延在するレール310は、係止要素314を受容するための長手方向に配置された穴312のアレイを備える。
【0140】
第1の係合手段302、302aのブロック322が穴326を備えていることも分かる。
【0141】
これにより、車輪支持体300、300aの第1の係合手段302、302aは、例えば、ブロック322の穴326とフレーム2の穴312のうちの1つとを貫通する係止ボルト314を使用することによって、フレーム2の第2の係合手段308、308aに係止されることができる。
【0142】
図8は、牽引装置のフレームに取り付けられる第2の種類の車輪支持体の詳細を示す斜視図である。
【0143】
図8は、牽引装置のフレーム2が、その側面306に配置された長手方向に配置されたビーム330を備えていることを示す。第2の取付手段308、308bは、その第1の長手方向端部12において各前記ビーム330に中空内部332を備える。
【0144】
図8はまた、車輪支持体300、300bが、第1の端部336及び対向する第2の端部338を有するL字型要素334を備え、前記L字型要素334の前記第1の端部336は、L字型要素334の第1の端部336が、前記第1の長手方向端部12において前記フレーム2の前記長手方向に配置されたビーム328、330の中空内部332に収容されるのを可能にする形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段302、302bを形成していることを示す。
【0145】
代替実施の形態では、要素334は、L字型ではなく、むしろ、第1の端部336及び対向する第2の端部338を有する直線形状である。この直線形状の第1の端部336は、要素334の第1の端部336が、前記第1の長手方向端部12において前記フレーム2の前記長手方向に配置されたビーム328、330の中空内部332に収容されるのを可能にする形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段302、302bを形成している。この実施の形態は、図には示されていない。
【0146】
さらに、この実施の形態では、直線形状要素334は、前記フレーム2の長手方向に配置されたビーム328、330内に挿入されていない要素334の一部に2つの車輪支持体300、300aを取り外し可能に取り付けるための取付手段を備える。そのような取付手段は、2つの車輪支持体300、300aに第1の取付手段302、302aを設ける形態で、且つ、直線形状要素334に第2の取付手段308、308aを設けることによって、
図7を参照して上述したようなものであることが好ましい。
【0147】
したがって、そのような取付手段は、
図7に示す原理を模倣している。
【0148】
係止要素314(
図8に示さず)は、L字型要素334の第1の端部336を、例えば係止ボルトの形態で、前記フレーム2の前記ビーム328、330の前記中空内部332内に係止するために使用されることができる。
【0149】
4つの車輪を有する車両の場合、8つの車輪支持体300、300a、300bが必要であると思われる。
【0150】
図7に示すような設計を有する6つの支持要素300、300aと、
図8に示すような設計を有する2つの支持要素300、300bと、を使用することが好ましい。
【0151】
図5~
図8に示す実施の形態の使用中、以下の手順、すなわち、
i) 本発明の第1の態様による牽引装置100を提供するステップと、
ii) 移動される車両200の長手方向に沿って、その車両の前方又は後方のいずれかに牽引装置100を配置するステップと、
iii) 支持面8が下降した構成で配置されていることを確実にするステップと、
iv) 前記牽引装置の前記支持面又はその少なくとも一部を、移動される前記車両200の下方に配置するために、前記牽引装置の前記制御システム18を使用して、前記装置を推進及び操縦するステップと、
iva) 牽引される前記車両の各車輪に関して、各前記車輪支持体の前記第1の係合手段302、302a、302bを前記フレーム2の前記第2の係合手段308、308a、308bと係合させることによって、車輪支持体300、300a、300bを前記車輪の前方に配置し、車輪支持体300、300a、300bを前記車輪の後方に配置するステップと、また、任意選択的に、前記車輪支持体300、300a、300bを前記フレーム2に係止するステップであって、前記車輪支持体300、300a、300bは、上記で規定される通りであるステップと、
v) 前記制御システム18を介して、移動される前記車両200の下方に配置されると、前記リフト手段20によって所定の距離だけ前記支持面8を上昇させるステップと、
vi) 前記第1の位置から前記第2の位置に前記車両200を移動させるために、前記牽引装置100の前記制御システム18を使用して、前記牽引装置を推進及び操縦するステップと、
に従うことができる。
【0152】
図9は、牽引装置のフレームの車輪懸架装置の下部にある補助車輪アセンブリ用の2つの受容器具の存在及び位置を示す斜視図である。
【0153】
図9は、その支持面8を有するフレーム2を示す。支持面の高さから、車輪懸架装置64は下向きに延在する。ローラ車輪4、66は、地面上で車輪懸架装置64を支持するように設けられている。
【0154】
車輪懸架装置64の下面は、補助車輪アセンブリを取り付けるための2つの受容器具502を備える。
【0155】
【0156】
図10は、車輪懸架装置がその下部に2つの補助車輪アセンブリを備えた牽引装置を示す斜視図である。
【0157】
図10は、その車輪懸架装置64を有する牽引装置100を示しており、補助車輪アセンブリ506は、
図9で見られる2つの受容器官502のそれぞれに取り付けられている。
【0158】
これにより、地面が非常にでこぼこの場合でも、車両をかなり長い距離にわたって移動させることができる。
【0159】
これを行う際、
図10に見られるアクチュエータ21、21a、21bは、まず、ローラ車輪4、66を地面に接触させる代わりに、補助車輪506を地面に接触させる車輪懸架装置64を上昇させるように作動される。その後、牽引装置は、でこぼこの地面の上を移動することができる。
【0160】
図11は、車輪懸架装置64が、補助車輪506が地面に接触するように上昇されている状態における牽引装置100を側面図で示す。
【0161】
図12は、牽引装置のフレームの車輪懸架装置上に取り付けられる補助車輪アセンブリを示す斜視図である。
【0162】
図12は、車輪フレーム504と2つの補助車輪506とを備える補助車輪アセンブリ500を示す。補助車輪506は、これにトルクが加えられると前記車輪フレームに対して回転することができるように、車輪フレーム504上に取り付けられる。
【0163】
車輪フレーム504は、車輪フレーム係合手段508を備えることが分かる。
【0164】
車輪フレーム係合手段508は、
図10及び
図11に示す状況に達するように、
図9に示す車輪懸架装置64の受容器具502と取り外し可能に係合することができるように構成されている。
【0165】
車輪懸架装置64の受容器具502及び車輪フレーム504の車輪フレーム係合手段508は、ともにクリックオン結合システムを形成する。
【0166】
市販のシステムVariobloc RO 100は、車輪フレーム係合手段508及び車輪懸架装置64の受容器具502としてそれぞれ使用するのに申し分ないことが分かっている。
【0167】
図13は、2つの補助アクチュエータの存在及び位置を示す斜視図であり、牽引装置のフレームの車輪懸架装置において、それらの関連するそれぞれの枢動要素は、拡張構成にある。
【0168】
図13は、2つの長手方向に配置されたビーム328、330を有する牽引装置100のフレーム2の一部を示す。
【0169】
2つの長手方向に配置されたビーム328、330は、枢動軸407の周りを枢動することができるようにその内側に取り付けられた枢動要素406を備える。枢動要素406は、押圧部408を備える。
【0170】
第1の端部402と第2の端部404とを有する補助油圧式アクチュエータ400は、2つの長手方向に配置されたビーム328、330のそれぞれに配置されている。
【0171】
補助アクチュエータ400の第1の端部402は、フレーム2に枢動可能に締結されており、補助アクチュエータ400の第2の端部404は、前記枢動要素406に枢動可能に締結されている。
【0172】
補助アクチュエータのそれぞれは、その作動によって、圧縮構成と拡張構成との間でその構成を変更することができ、その逆もまた同様である。
【0173】
図13では、補助アクチュエータ400は、その拡張構成にある。補助アクチュエータ400が拡張構成へと作動すると、枢動要素406の押圧部408が車輪懸架装置64上に下方向に押される。
【0174】
このようにして、補助アクチュエータ400は、地面6に対してフレーム2の支持面8を持ち上げるとすぐに、アクチュエータ21、21a、21bの初期動作を補助する。
【0175】
この効果は、車輪懸架装置64が下方向に枢動されているように補助アクチュエータ400がそれらの拡張構成にあるとき、アクチュエータ21、21a、21bの2つの対向する端部の間の高さの差が大きくなり、この高さの差が大きくなることで、その拡張により車輪懸架装置64が下方向に枢動されるときに、補助アクチュエータ400がより効率的になるという事実によって生じる。
【0176】
図14は、2つの補助アクチュエータの存在及び位置を示す斜視図であり、牽引装置のフレームの車輪懸架装置において、それらの関連するそれぞれの枢動要素は、圧縮構成にある。
【0177】
図14は、この状況では、アクチュエータ21、21a、21bの2つの対向する端部の間の高さの差が、
図13に示す状況と比較してかなり小さいことを示し、したがって、補助アクチュエータ400がない場合には、車輪懸架装置64の下方向への枢動運動をもたらすことがより困難になる。
【0178】
本発明の一態様及び実施の形態に関連して上記及び添付の特許請求の範囲で論じられたすべての特徴及び成果は、本発明の他の態様及び実施の形態にも同様にうまく当てはまることを理解されたい。
【符号の説明】
【0179】
2 牽引装置のフレーム
4 牽引装置の車輪
6 地面
8 牽引装置の支持面
10 牽引装置のフレームの上部
12 牽引装置の支持面の長手方向前端部
14 牽引装置の支持面の長手方向後端部
15 アンテナ
16 牽引装置の推進手段
17 エネルギー貯蔵装置
18 牽引装置の制御システム
20 牽引装置のリフト手段
21、21a、21b アクチュエータ
22 前記牽引装置を制御するための遠隔制御装置
23 制御命令を入力するための遠隔制御装置の入力手段
24 電磁放射線を送信するための遠隔制御装置の送信機
26 電磁放射線
28 制御命令
30 電磁放射線を受信するための制御システムの受信機
32 画像撮影ユニット
34 画像
36 電磁放射線を送信するための制御システムの送信機
37 電磁放射線を受信するための遠隔制御装置の受信機
38 ディスプレイ
40 ウィンチ
42 ウィンチのワイヤ
44 長手方向前端部の傾斜したプラットフォーム部
46、46a、46b 駆動手段
48 推進カート
50 ヒスの第1のセットの結合手段
52 ヒスの第2のセットの結合手段
54 第1のセットのリフト手段
56 第2のセットのリフト手段
58 平行四辺形の懸架装置
60 平行四辺形の懸架装置の第1の端部
62 平行四辺形の懸架装置の第2の対向する端部
64 車輪懸架装置
65 枢動軸
66 ローラ車輪
100 本発明による牽引装置
300、300a、300b 取り外し可能な車輪支持体
302、302a、302b 第1の取付手段
304、306 牽引装置のフレームの対向する長手方向側面
308、308a、308b 第2の取付手段
310 上向きに延在するレール
312 レール内の穴
314 係止要素
316 車輪支持体のロッド
318 ロッドの第1の端部
320 ロッドの第2の端部
322 第1の係合手段のブロック
324 ブロックの凹部
326 第1の係合手段のブロック内の穴
328、330 フレームの長手方向に配置されたビーム
332 フレームの長手方向に配置されたビームの中空内部
334 車輪支持体のL字型要素
336 L字型要素の第1の端部
338 L字型要素の第2の端部
400 補助アクチュエータ
402 補助アクチュエータの第1の端部
404 補助アクチュエータの第2の端部
406 枢動要素
407 枢動要素の枢動点
408 枢動要素の押圧部
410 枢動要素の押圧部のローラ
500 補助車輪アセンブリ
502 補助車輪アセンブリのための受容器具
504 車輪アセンブリの車輪フレーム
506 補助車輪アセンブリの補助車輪
508 車輪フレーム係合手段
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための牽引装置(100)であって、
前記牽引装置は、使用中に意図される向きにおいて、フレーム(2)を備え、前記フレームは、地面(6)に支持される1つ又は複数のセットの車輪(4)を備え、
前記フレーム(2)は、その上部(10)に支持面(8)を備え、前記支持面(8)は、長手方向(X)及び前記長手方向(X)に垂直な横方向(Y)に伸長部を有しており、
前記支持面(8)は、長手方向前端部(12)と長手方向後端部(14)とを有しており、前記支持面は、車両(200)の下方に配置されるように、且つ、移動される前記車両を支持するように構成されており、
前記牽引装置は、前記牽引装置を推進するための推進手段(16)を備え、
前記牽引装置は、前記牽引装置の前記動作を制御するための制御システム(18)を備え、
前記牽引装置は、前記地面(6)に対して前記支持面(8)を上昇及び下降させるためのリフト手段(20)を備える、牽引装置において、
前記牽引装置は、前記牽引装置の右側に配置された第1のセット(46a)の駆動輪又は駆動キャタピラと、前記牽引装置の左側に配置された第2のセット(46b)の駆動輪又は駆動キャタピラの形態の駆動手段(46、46a、46b)と、を備えることを特徴と
し、
前記リフト手段(20)は、前記支持面(8)の前記長手方向前端部(12)を上昇/下降させるように構成された第1のセットのリフト手段(54)を備え、前記リフト手段(20)は、前記支持面(8)の前記長手方向後端部(14)を上昇/下降させるように構成された第2のセットのリフト手段(56)を備え、
前記第1のセットのリフト手段(54)は、前記フレーム(2)に枢動可能に取り付けられている車輪懸架装置(64)を備え、1つ又は複数のアクチュエータ(21、21a)は、前記1つ又は複数のアクチュエータ(21、21a)の作動によって、前記車輪懸架装置(64)が枢動軸(65)の周りを枢動するように、前記車輪懸架装置(64)と前記フレーム(2)との間に取り付けられていることを特徴とする、牽引装置(100)。
【請求項2】
前記制御システム(18)は、操作者からの入力を受信するように構成されており、前記制御システムは、前記入力に基づいて、前記推進手段(16)及び前記リフト手段(20)にその制御のための制御命令を提供するように構成されている、請求項1に記載の牽引装置(100)。
【請求項3】
前記牽引装置は、制御命令(28)を表す電磁放射線を送信するための送信機24を備える遠隔制御装置(22)を備え、前記制御システム(18)は、前記制御命令(28)を表す電磁放射線(26)を受信するための受信機(30)を備える、請求項1又は2に記載の牽引装置(100)。
【請求項4】
前記牽引装置は、それぞれが画像(34)を撮影するように構成される1つ又は複数の画像撮影ユニット(32)を備え、前記牽引装置は、前記画像(34)を表す電磁放射線(26)を送信するための送信機(36)を備え、前記遠隔制御装置(22)は、前記画像(34)を表す前記電磁放射線(26)を受信するように構成された受信機(37)を備え、前記遠隔制御装置(22)は、前記電磁放射線(26)によって表される前記画像(34)のうちの1つ又は複数を表示するように構成されているディスプレイ(38)を備える、請求項3に記載の牽引装置100。
【請求項5】
前記推進手段(16)は、1つ又は複数の電気モータの形態であり、前記牽引装置は、前記1つ又は複数の電気モータに電力を供給するための1つ又は複数のバッテリなどの1つ又は複数の電気エネルギー貯蔵装置(17)を備える、請求項1から4までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項6】
前記リフト手段(20)は、前記制御システム(18)を介して、拡張構成と折り畳み構成との間で構成を変更することが可能であるように構成された、電気式、機械式又は油圧式アクチュエータなどの1つ又は複数のアクチュエータ(21、21a、21b)を備え、それによって、前記地面(6)に対する前記支持面(8)の上昇又は下降が生じる、請求項1から5までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項7】
前記牽引装置は、移動される前記車両(200)に取り付けてそれによって前記牽引装置(100)の前記支持面(8)の上部にその車両を固定するための、及び/又は、前記支持面(8)の上部にその車両(200)を持ってくるのを補助するためのワイヤ(42)を含む電動ウィンチなどのウィンチ(40)を備える、請求項1から6までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項8】
前記牽引装置の前記支持面(8)は、前記支持面(8)の残りの部分の傾斜と比較して、所定の距離だけ長手方向における下向きに傾斜している傾斜プラットフォーム(44)を長手方向前端部(12)に備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項9】
前記牽引車両の前記動作を制御するための前記制御システム(18)は、前記第1のセット(46a)の駆動輪又は駆動キャタピラを前記第2のセット(46b)の駆動輪又は駆動キャタピラに対してより高速又は低速回転させることによって、前記牽引装置を操縦するように構成される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項10】
前記推進手段(16)は、前記フレーム(2)と一体化されている、請求項1から9までのいずれか一項に記載の牽引装置100。
【請求項11】
前記推進手段(16)は、前記フレーム(2)から分離可能な推進カート(48)の形態である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項12】
前記推進カート(48)は、第1の結合手段(50)を備え、前記フレーム(2)は、第2の結合手段(52)を備え、前記第1の結合手段(50)及び前記第2の結合手段(52)は、互いに解除可能に係合することができるように構成されている、請求項11に記載の牽引装置(100)。
【請求項13】
前記第1の結合手段(50)は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒスの凸型部品を備え、前記第2の結合手段(52)は、トレーラを乗用車に取り付けるための標準的な結合手段又はヒスの凹型部品を含む、請求項12に記載の牽引装置(100)。
【請求項14】
前記車輪懸架装置(64)
の前記枢動軸(65)が
、前記支持面(8)の前記長手方向に対して垂直
である、請求項
1から13までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項15】
前記第2のセットのリフト手段(56)は、平行四辺形の懸架装置(58)を備え、前記平行四辺形の懸架装置(58)の第1の端部(60)は、前記支持面(8)の前記長手方向後端部(14)に取り付けられており、前記平行四辺形の懸架装置(58)の第2の対向する端部(62)は、前記分離可能な推進カート(48)に取り付けられており、1つ又は複数のアクチュエータ(21、21b)は、前記1つ又は複数のアクチュエータ(21、21b)の作動が、前記支持面(8)の前記長手方向後端部(14)の上昇又は下降を生じさせるように、前記平行四辺形の懸架装置(58)に取り付けられている、請求項
11に記載の牽引装置100。
【請求項16】
前記車輪懸架装置(64)は、ローラ(66)の形態の1つ又は複数の車輪を備え、前記支持フレームをその長手方向前端部(12)で支持する、請求項
15に記載の牽引装置(100)。
【請求項17】
前記支持面(8)は、その長手方向(X)に、200~550cm、例えば250~500cm、例えば300~450cm、例えば350~400cmなどの伸長部を有している、請求項1から
16までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項18】
前記支持面(8)は、その横方向(Y)に、50~225cm、例えば75~200cm、例えば100~175cm、例えば125~150cmなどの伸長部を有している、請求項1から
17までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項19】
前記支持面(8)は、その最下降位置では、7.5~80cm、例えば10~75cm、例えば15~70cm、例えば20~65cm、例えば25~60cm、例えば30~55cm、例えば35~50cm又は40~45cmなどの、地表面(6)上の最大高さレベルを有している、請求項1から
18までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項20】
前記支持面(8)は、その最上昇位置では、40~85cm、例えば45~80cm、例えば50~75cm、例えば55~70cm又は60~65cmなどの地表面(6)上の高さレベルを有している、請求項1から
19までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項21】
牽引される車両の4つの車輪を支持するのに十分な車輪支持体のアレイなどの、取り外し可能な車輪支持体(300、300a、300b)のアレイをさらに備え、各車輪支持体(300、300a、300b)が、第1の取付手段(302、302a、302b)を備え、前記牽引装置の前記フレーム(2)は、その対向する長手方向側面(304、306)に第2の取付手段(308、308a、308b)を備え、前記車輪支持体(300、300a、300b)の前記第1の取付手段(302、302a、302b)は、前記牽引装置の前記フレーム(2)の前記第2の取付手段(308、308a、308b)に取り外し可能に取り付けられるように構成される、請求項1から
20までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項22】
前記第2の取付手段(308、308a)は、前記フレーム(2)の対向する長手方向側面(304、306)に配置された上向きに延在するレール(310)を備え、前記上向きに延在するレール(310)は、係止ボルトなどの係止要素(314)を受容するための長手方向に配置された穴(312)のアレイを任意選択的に備え、それにより、前記車輪支持体(300、300a)の第1の取付手段(302、302a)を前記フレーム(2)の前記第2の取付手段(308、308b)に係止することが可能になる、請求項
21に記載の牽引装置(100)。
【請求項23】
前記車輪支持体(300、300a)は、第1の端部(318)及び対向する第2の端部(320)を有するロッド(316)を備え、前記第1の端部は、前記第1の係合手段(302、302a)を備える、請求項
22に記載の牽引装置(100)。
【請求項24】
前記第1の係合手段(302、302a)は、凹部(324)を備えるブロック(322)を備え、一方では、前記フレーム(2)の前記上向きに延在するレール(310)の前記幾何形状及び寸法、他方では、前記ブロック(322)の前記凹部(324)の前記幾何形状及び寸法は、前記レール(310)の一部が前記ブロック(322)の前記凹部(324)に収容され得るように互いに適合される、請求項
23に記載の牽引装置(100)。
【請求項25】
前記レール(310)は、長手方向に配置された穴(312)のアレイを備え、前記第1の係合手段(302、302a)の前記ブロック(322)は、穴(326)を備え、それにより、前記レール(310)内の前記穴(312)を介して、及び前記ブロック(322)内の前記穴(326)を介して、係止ボルト(314)を使用するなどして、前記車輪支持体(300、300a)の前記第1の係合手段(302、302a)を前記フレーム(2)の前記第2の係合手段(308、308a)に係止することが可能になる、請求項
23又は
24に記載の牽引装置(100)。
【請求項26】
前記牽引装置のフレーム(2)は、その両側面(304、306)に配置された長手方向に配置されたビーム(328、330)を備え、前記第2の取付手段(308、308b)は、その第1の長手方向端部(12)の各前記ビーム(328、330)内に中空内部(332)を備える、請求項
21から
25までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項27】
前記車輪支持体(300、300b)は、第1の端部(336)及び対向する第2の端部(338)を有するL字型要素(334)を備え、前記L字型要素(334)の前記第1の端部(336)は、前記L字型要素(334)の前記第1の端部(336)をその前記第1の長手方向端部(12)において前記フレーム(2)の前記長手方向に配置されたビーム(328、330)の前記中空内部(332)に収容することができる幾何形状及び寸法を有することによって、前記第1の係合手段(302、302b)を形成している、請求項
26に記載の牽引装置(100)。
【請求項28】
前記車輪支持体(300、300b)は、前記L字型要素(334)の前記第1の端部(336)を、係止ボルトの形態などで前記フレーム(2)の前記ビーム(328、330)の前記中空内部(332)に係止するための係止要素(314)を備える、請求項
27に記載の牽引装置(100)。
【請求項29】
請求項
23から
26までのいずれか一項に記載の6つの支持要素(300、300a)と、請求項
27から
28までのいずれか一項に記載の2つの支持要素(300、300b)と、を備える、請求項
21から
28までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項30】
その右側及び/又はその左側にある長手方向に配置されたビーム(328、330)における前記フレーム(2)は、油圧式アクチュエータ又は電気式アクチュエータなどの第1の端部(402)及び第2の端部(404)を有する補助アクチュエータ(400)を備え、前記補助アクチュエータは、その作動によって、圧縮構成と拡張構成との間で、及び、逆もまた同様に、その構成を変更することができるように構成され、
その右側及び/又はその左側にある前記長手方向に配置されたビーム(328、330)における前記フレーム(2)は、枢動要素(406)を備え、前記枢動要素(406)は、枢動軸(407)の周りを枢動できるように前記フレーム(2)の前記長手方向に配置されたビーム(328、330)の内側に取り付けられており、前記枢動要素(406)は、押圧部(408)を備え、
前記補助アクチュエータ(400)の前記第1の端部(402)は、前記フレーム(2)に枢動可能に締結され、前記補助アクチュエータ(400)の前記第2の端部(404)は、前記長手方向前端部(12)がその下降した構成にある状況では、前記枢動要素(406)に枢動可能に締結され、次いで、その圧縮構成からその拡張構成への前記補助アクチュエータ(400)の構成の変化により、前記枢動要素の前記押圧部(408)が、直接的又は間接的のいずれかで前記車輪懸架装置(64)上に下方向に押すことが可能となり、それによって、地面(6)に対して前記支持面(8)を持ち上げる際の前記アクチュエータ(21、21a、21b)の初期移動が補助される、請求項
1から29までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項31】
前記枢動要素(406)の前記押圧部(408)は、前記車輪懸架装置(64)との接触を提供するためのローラ(410)を備える、請求項
30に記載の牽引装置(100)。
【請求項32】
前記制御システム(18)は、操作者からの入力を受信するように構成されており、前記制御システムは、前記入力に基づいて、前記補助アクチュエータ(400)にその制御のための制御命令を提供するように構成されている、請求項
30又は
31に記載の、また、任意選択的に請求項2又は3に記載の牽引装置(100)。
【請求項33】
1つ又は複数の補助車輪アセンブリ(500)、例えば1つ又は2つの補助車輪アセンブリ(500)をさらに備え、前記車輪懸架装置(64)は、その下側に、前記補助車輪アセンブリ(500)を取り外し可能に取り付けるための1つ又は複数の受容器具(502)を備え、前記補助車輪アセンブリ(500)は、車輪フレーム(504)と、1つ又は複数の補助車輪(506)、例えば1つ又は2つの補助車輪(506)と、を備え、前記補助車輪アセンブリ(500)のうちの1つ又は複数に関して、前記補助車輪(506)は、前記車輪フレームに対して回転できるように、その関連する車輪フレーム(504)上に取り付けられ、前記車輪フレーム(504)は、車輪フレーム係合手段(508)を備え、前記車輪フレーム係合手段(508)は、前記車輪懸架装置(64)の前記受容器具(502)と取り外し可能に係合することができるように構成される、請求項
1から32までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)。
【請求項34】
前記補助車輪の直径は、150~500mm以上、例えば200~450mm、例えば250~400mm、例えば300~350mmの範囲から選択される、請求項
33に記載の牽引装置(100)。
【請求項35】
前記車輪懸架装置(64)の前記受容器具(502)及び前記車輪フレーム(504)の前記車輪フレーム係合手段(508)は、Variobloc RO 100の形態などのクリックオン結合システムをともに形成する、請求項
33又は
34に記載の牽引装置(100)。
【請求項36】
ある位置から別の位置に車両を移動させるための請求項1から
35までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)の使用。
【請求項37】
前記車両は、発火した車両である、請求項
36に記載の使用。
【請求項38】
第1の位置から第2の位置に車両を移動させるための方法であって、
i) 請求項1から
35までのいずれか一項に記載の牽引装置(100)を提供するステップと、
ii) 移動される前記車両の前記長手方向に沿って、その車両の前方又は後方のいずれかに前記牽引装置(100)を配置するステップと、
iii) 前記支持プラットフォーム(8)が下降した構成で配置されていることを確実にするステップと、
iv) 前記装置の前記支持面(8)又はその少なくとも一部を移動される前記車両の下方に配置するために、前記牽引装置の前記制御システム(18)を使用して、前記装置を推進及び操縦するステップと、
v) 前記制御システム(18)を介して、移動される前記車両の下方に配置されると、前記リフト手段(20)によって所定の距離だけ前記支持面(8)を上昇させるステップと、
vi) 前記第1の位置から前記第2の位置に前記車両を移動させるために、前記牽引装置(100)の前記制御システム(18)を使用して、前記牽引装置を推進及び操縦するステップと、
を含む、方法。
【請求項39】
前記牽引装置は、請求項
21から
29までのいずれか一項に記載の牽引装置であって、さらに、ステップiv)に続いて、
iva) 牽引される前記車両の各車輪に関して、各前記車輪支持体の前記第1の係合手段(302、302a、302b)を前記フレーム(2)の前記第2の係合手段(308、308a、308b)と係合することによって、車輪支持体(300、300a、300b)を前記車輪の前方に配置し、車輪支持体(300、300a、300b)を前記車輪の後方に配置するステップと、また、任意選択的に、前記車輪支持体(300、300a、300b)を前記フレーム(2)に係止するステップと、を含み、前記車輪支持体(300、300a、300b)は、請求項
21から
29までのいずれか一項に規定される通りである、請求項
38に記載の方法。
【国際調査報告】