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特表2024-542388ボイラーアクセスポイントの保護装置
<図1>
  • 特表-ボイラーアクセスポイントの保護装置 図1
  • 特表-ボイラーアクセスポイントの保護装置 図2
  • 特表-ボイラーアクセスポイントの保護装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ボイラーアクセスポイントの保護装置
(51)【国際特許分類】
   F23J 3/02 20060101AFI20241108BHJP
   F04D 27/00 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
F23J3/02 Z
F04D27/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525793
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2022080465
(87)【国際公開番号】W WO2023078877
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】21206023.0
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520374818
【氏名又は名称】エクスプロ エンジニアリング アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】520375697
【氏名又は名称】マーティン ゲーエムベーハー フュア ウンベルト-ウント エネギーテクニーク
(71)【出願人】
【識別番号】520374830
【氏名又は名称】ヒタチ ゾウセン イノヴァ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンガートナー,マルク ペーター
(72)【発明者】
【氏名】リマッチャー-レナー,ダニエラ
【テーマコード(参考)】
3H021
3K261
【Fターム(参考)】
3H021AA01
3H021BA05
3H021CA01
3H021EA10
3K261HA02
(57)【要約】
ボイラーアクセスポイントの保護装置は、ファン(10)、圧力センサ(20)、及び逆止弁(30)を備え、ファン(10)は、周囲の空気を吸引する吸引口(5)を介して周囲環境に接続され、、圧力センサ(20)は、気密接続部(6)を介してファンの下流に接続され、逆止弁(30)は、追加の気密接続部(7)を介して圧力センサの下流に接続される。圧力センサー(20)に接続された制御ユニットには、圧力値に対する少なくとも低い第1の閾値及び高い第2の閾値が記憶されるデータメモリが設けられている。圧力センサー(20)によって測定され、制御ユニットに転送された圧力センサ信号が第1の閾値を下回るか、又は第2の閾値を超える場合、制御ユニットによって異常の存在を検出することができる。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン(10)と逆止弁(30)とを備え、
前記ファン(10)は、周囲の空気を吸引する吸引口(5)を介して周囲環境に接続され、
前記逆止弁(30)は、気密接続部(6、7)を介して前記ファン(10)の下流に接続され、
前記逆止弁(30)は、圧力ホース(8)を介してボイラー壁を貫通するボイラーアクセスポイントに接続され、
前記逆止弁(30)は、前記圧力ホース(8)の流体圧力が前記ファン(10)の流体圧力よりも大きいときに閉鎖し、
前記気密接続部(6、7)は、周囲出口(16)を有し、
圧力センサ(20)に接続された制御ユニットには、少なくとも低い第1の圧力閾値(103)及び高い第2の圧力閾値(104)が記憶されるデータメモリが設けられ、
前記圧力センサ(20)によって測定され、前記制御ユニットに転送された圧力センサ信号が前記第1の圧力閾値(103)を下回る場合、前記制御ユニットによって異常レンジ(130、140)に異常の存在が検出され、
前記圧力センサ(20)によって測定され、前記制御ユニットに転送された圧力センサ信号が前記第2の圧力閾値(104)を超える場合、前記制御ユニットによって過圧レンジ(110)に異常の存在が検出される、
ボイラーアクセスポイントの保護装置。
【請求項2】
前記過圧レンジ(110)は、前記制御ユニットによって前記逆止弁(30)の閉鎖に割り当てられており、前記制御ユニットには時間間隔が記憶され、
前記過圧レンジ(110)の圧力センサ信号が所定の時間間隔を超えた場合にのみ、異常信号が発せられる、
請求項1に記載のボイラーアクセスポイントの保護装置。
【請求項3】
前記第1の圧力閾値(103)よりも低い第3の圧力閾値(102)が前記制御ユニットに記憶され、前記制御ユニットは、前記圧力センサ(20)によって測定され、前記制御ユニットに転送された圧力センサ信号が前記第3の圧力閾値(102)を下回る場合に、漏れ、センサの故障、又はファンの故障を区別して、異常レンジ(130、140)における異常の存在を示す、
請求項1又は2に記載のボイラーアクセスポイントの保護装置。
【請求項4】
前記周囲出口(16)は、前記気密接続部(6、7)の壁に設けられた穴である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のボイラーアクセスポイントの保護装置。
【請求項5】
この装置は、さらに、前記気密接続部(6、7)内に配設された圧力センサ(20)を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載のボイラーアクセスポイントの保護装置。
【請求項6】
前記周囲出口(16)は、前記ファン(10)と前記圧力センサ(20)との間の前記気密接続部(6)に配設される、
請求項1~5のいずれか一項に記載のボイラーアクセスポイントの保護装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラーアクセスポイントの保護装置であって、当該装置を介して、高振幅の圧力波を導入するボイラー洗浄装置などの外部装置が、ボイラー壁を貫いてボイラーに接続されるボイラーアクセスポイントの保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、ボイラーを洗浄するために、高振幅の圧力波を発生させる装置及び方法が、特許文献1から知られている。当該装置は、燃焼チャンバー内で発生させたガス圧をダイレクトに放出する開口部を備えている。この開口部(ドレン開口部)の末端は、通常、中空シリンダーとされ、ボイラー壁のボイラーアクセスポイントを通って清掃対象のボイラー内に至る。ボイラー、特に、運転中のボイラーを洗浄するために、前述した高振幅の圧力波を装置内で発生させて、それをボイラー容積内に導入する。
【0003】
ここでの欠点は、アグレッシブなガスが、ボイラー壁のボイラーアクセスポイントを通って、ボイラーから中空シリンダーに流れ込み、そこを通ってドレン開口部、ひいてはピストンバルブシートに至る可能性があることである。これらのガスは、バルブシートの品質を低下させて、ボイラーの洗浄に有利な急激な圧力上昇が損なわれるほどに、気密性を損ねる可能性がある。
【0004】
特許文献2は、請求項1のプレアンブルの特徴を備えたボイラーアクセスポイントの保護装置を開示する。同様の保護装置が、特許文献3から知られている。
【0005】
特許文献4には、逆止弁を備えた超高圧油圧式安全弁が開示されており、パイプアクセス開口部がバルブシートに形成されている。バルブハウジングの上部に、キャビティの側壁にドレン孔を備える圧力リリーフキャビティが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2019/175736号
【特許文献2】独国特許出願公開第2832076号明細書
【特許文献3】中国実用新案第212004409号明細書
【特許文献4】中国実用新案第210950060号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明は、この従来技術に基づいて、特に、中空シリンダーを備える高振幅圧力波発生装置において、そのようなアグレッシブなガスが、ボイラーからボイラーアクセスポイントを通って、ドレン開口部、ひいてはピストンバルブシートに流れ込むのを防ぎ、簡単な制御ユニットによって正常に機能しているかを監視できるボイラーアクセスポイントの保護装置を提供することを目的とする。
【0008】
この目的は、ファンと逆止弁とを備え、ファンは、周囲の空気を吸引する吸引口を介して周囲環境に接続され、逆止弁は、気密接続部を介してファンの下流に接続され、そして、圧力ホースを介してボイラー壁を貫通するボイラーアクセスポイントに接続され、逆止弁は、圧力ホースの流体圧力がファンの流体圧力よりも大きいときに閉鎖するように取り付けられており、気密接続部には周囲出口が設けられており、データメモリを備えた制御ユニットが圧力センサに接続されており、その制御ユニットには、少なくとも低い第1の圧力閾値及び高い第2の圧力閾値が記憶されていることを特徴とするボイラーアクセスポイントの保護装置によって達成される。制御ユニットは、圧力センサによって測定された圧力センサ信号を受信し、それらを記憶されている圧力閾値と比較する。圧力センサ信号が第1の圧力閾値を下回る場合、異常レンジに異常の存在が検出される。
【0009】
圧力センサによって測定され、制御ユニットに転送された圧力センサ信号が、第2の圧力閾値を超える場合、過圧レンジに異常の存在が検出される。過圧レンジでの異常は、逆止弁の閉鎖又は圧力ホースの詰まりに対応する。過圧レンジが、制御ユニットによって逆止弁の閉鎖に割り当てられている場合、制御ユニットには時間間隔が記憶されているのが好ましく、過圧レンジの圧力センサ信号が所定の時間間隔を超えた場合にのみ、異常信号が発せられる。ここで説明する装置を、ボイラーアクセスポイントを通して圧力波を導入するボイラー洗浄装置に使用した場合に、この圧力上昇により、爆発衝撃に対応する時間間隔で、正常な動作機能に対応して逆止弁が閉じられて、その結果、この状態が対応する所定の時間間隔後に終了し、逆止弁が再び開くのであれば、異常はない。
【0010】
当該異常レンジは、通常、好ましくは制御ユニットに記憶された第1の圧力閾値よりも低い、第3の圧力閾値を以て、2つの異なる異常レンジに分けることができる。そして、制御ユニットは、圧力センサ信号が圧力センサによって測定され、制御ユニットに転送されると、前述した異常レンジを2つのサブレンジに分割する。圧力値が第3の圧力閾値を下回る場合には、異常レンジの下位のレンジにおける異常の存在は、ファンの故障又はセンサの故障として検出され、それ以外の場合には、漏れ又はフィルタの問題が推測される。圧力測定と体積流量を関連付けた図では、異常レンジの下位のレンジの異常についてはファンの故障のみが示されている。これは、センサの故障でも同じ測定値が示されるものの、これは依然として存在する空気の流れにおける実際の体積流量とは相関しないためである。
【0011】
この気密接続部に圧力センサを配設することで、ファンと逆止弁の機能を簡単に監視できる。
【0012】
ファンという用語は、軸流ファンやブロワーなど、吸気側と排気側とを備え、吸気側から入ってきた空気が圧縮されて排気されるすべての形式のファンをいうものとする。
【0013】
これにより、外部のガス供給源にアクセスすることなく、ボイラーアクセスポイントを周囲の空気から簡単に保護することができ、このアクセスポイントからの流体が、ボイラー洗浄装置などの保護対象の外部システムに到達しないようにすることができる。
【0014】
周囲出口は、例えば、気密接続の壁の穴であってもよい。さらなる実施形態は、従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の好ましい実施形態が図面を参照して以下に説明されるが、図面は説明のためにのみに参照され、限定的に解釈されるべきものではない。
【0016】
図1図1は、本発明の実施形態に係る装置の概略を示すブロック図である。
図2図2は、図1の装置の動作に関するファン特性曲線を示す図である。
図3図3は、図1の装置の動作のための制御ユニットのセンサ値レンジを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る装置の概略を示すブロック図である。吸気管5にはファン10が接続されており、ファン10は、吸気管5から吸引したボイラー洗浄装置の周囲の空気を圧縮して、接続部6に送るように設置されている。ファン10は、これに連続する接続部6内に、80~200ミリバールの過圧を発生できるように設計することができる。
【0018】
連続する接続部6は、空気の流れに及ぼす影響が少ない中空の円筒状部材として設計されている。その側面には出口16が設けられており、ファン10によって発生した空気の流れが分配される。一部は出口16を通って周囲環境に放出され、残りはこの接続部6を経由して圧力センサ20に送られる。
【0019】
圧力センサ20は、特に、0~1バールの圧力差を検出することができる。下限値は必須であり、上限値としては、ファン10によって達成できない値を選択するのが好ましい。
【0020】
圧力センサ20の下流では、周囲の空気が加圧下に逆止弁30と圧力ホース8とを経由して、前述した装置のバルブシートとボイラー壁との間の領域にある前述した中空シリンダーの内部に供給される。換言すれば、例えば、圧力ホース8などを経由する供給は、ボイラーアクセスポイントの外側で行われるため、加圧下に導入された周囲の空気が、このアクセスポイントとボイラー壁とを通って、ボイラー内のガスに向かって流れ込む。
【0021】
唯一の条件は、このようにして周囲の空気をボイラー内に吹き込むために、ファン10が十分に強力であり、ファン10によって生成される過圧は、ボイラー内の圧力よりも高くなければならない、ということである。
【0022】
逆止弁30は、洗浄爆発が発生したときに、ボイラー内のドレン開口部において、洗浄爆発による反応ガスが、図1に示す当該装置内に入り込んでしまうのを防止する。急激な圧力の上昇により、圧力ホース8の供給ライン内の逆止弁30の手前にも気柱が残る。
【0023】
図2は、図1の装置の動作に関するファン特性曲線を示している。x軸は、単位時間当たりの体積流量50を示しており、ここでは、0~1,000リットル/分(0~3m/分)である。一方、y軸は、圧力センサ20によって測定された過圧60を示しており、ここでは、0~140ミリバールである。体積流量60と過圧50は、いずれも例示的な実施形態として示している。他の用途では、より高速の送風速度を有するファン10を使用することによって、最大10m/分又は最大100m/分の体積流量60を生成することもできる。この体積流量60が、ボイラー、すなわち、ボイラー通路に及ぼす過圧は、接続部の形状や開口部16の形状に依存する。この圧力は最大1バールとすることが可能であるが、通常、200又は500ミリバールまでの過圧で十分である。
【0024】
符号51は、フリーで駆動するファン10のファン特性曲線、すなわち、単位時間当たりに送風される空気量によって生成される過圧を示す。図1の装置にファン10を取り付けることによって、種々の動作モードが実現される。
【0025】
符号61は、逆止弁30が開いているときのファンの特性点を示しており、したがって、領域6の開始点では、ファンから毎分470リットルの体積流量60のダイレクトな送風が可能となり、それによって、ファン10のすぐ後ろにある圧力センサによって、約80ミリバールの加圧が測定される。しかしながら、逆止弁30の上流の領域には、より少ない約220リットル/分の体積流量60が到達するに過ぎず、その余の空気は開口部16を通って接続部から流出する。圧力センサは同じ気柱を測定するため、逆止弁30が開いているときの圧力は、同様に約80ミリバールである。
【0026】
洗浄装置の動作中に圧力波が引き起こされると、この圧力波は、洗浄装置からボイラーに向かう途中で圧力ホース8に戻り、逆止弁30を閉じる。
【0027】
逆止弁30が閉じられると、搬送される周囲の空気のすべてが開口部16を通って外部の環境に戻されつつ、圧力センサ20によって測定される圧力がより高くなり、ファン10を通る毎分320単位の流量に相当する特性点62になる。これにより、圧力が約110ミリバールまで上昇する。
【0028】
ただし、これは、逆止弁30が閉じられた時点での体積流量が、点71に対応する約220リットル/分から、逆止弁30が閉じている状態の0リットル/分の体積流量72に減少することにダイレクトに対応している。
【0029】
換言すれば、圧力ホース8内に実際に存在する体積流量の減少は、矢印75に対応する点71の値から点72に変化する。これは、圧力センサ20における、矢印65に対応する点61と点62との間の体積流量の減少によって相殺され、圧力が、80ミリバールから100ミリバールを少し超える程度に増加する。ここでも、逆止弁30における実際の圧力は、この測定された圧力に等しい。
【0030】
周囲出口としての開口部16は、例えば、3mm~7.5mmの直径とすることができる。しかしながら、開口部16の直径は、流出する流量や、閉じられた逆止弁30の上流での圧力増加に応じて、1mm~2cmとすることもできる。開口部の直径や、環境への接続部のタイプと長さの選択は、望ましい過圧と体積流量にも依存する。制御ユニットを使用する場合、以下に説明するように、図3に示すような測定ポイントの基本的な配置が評価に不可欠である。
【0031】
図2では、10ミリバール、65ミリバール、及び95ミリバールの3つの圧力閾値112,113,114が、例として概略的に示されている。これらは、動作レンジと異常レンジに応じて、制御ユニットの機能を説明するときに使用される圧力値を示している。
【0032】
図1の装置は、ファン10の性能を制御することができ、圧力センサ20のセンサ値をダイレクトに監視値に変換することができる制御ユニットを備えているのが好ましく、これにより、結果としてデバイスの機能がダイレクトに示される。
【0033】
図3は、圧力センサ20のセンサ値のレンジを示しており、これらのレンジは、指標として、又は、例えば、洗浄装置又はボイラーの機能を停止するために、図1に示す装置の動作に関する圧力閾値を介して制御ユニット内で分析される。センサ値のレンジは、矢印100に応じて、0~、例えば、1バールに至る。本発明者らは、圧力センサ20の測定値をダイレクトに監視値に変換できることを見い出した。0バールの圧力値101から圧力値102まで、例えば、図2に示す第1の圧力閾値112としての20ミリバールまでにあっては、圧力センサ又はファンが故障したと推測することができ、装置は自己診断を実行して、それに応じて異常レンジ140を示す。
【0034】
オプションのフィルタがいずれかの接続部6,7に取り付けられている場合、異常レンジ140の上限値102と、次の上限値103、例えば、90ミリバールとの間では、フィルタに問題があり得る。この値のレンジ130は、フィルタの問題、又は接続部6,7の漏れのいずれかと見做される。上限値103は、図2に圧力閾値113として示されている。圧力閾値112,113を区別することは、故障の検出に役に立ち、機能を監視するには2つの圧力閾値のうち高い方の値で十分である。
【0035】
圧力値103と圧力値104との間のレンジの圧力では、システムの正常値に対応する動作レンジ120が存在する。動作レンジは、ボイラーの動作と解され、清掃が必要な場合のボイラー機能の休止期間ではない。この上限値104を超えると、システムの閉塞に対応する過圧レンジ110に到達する。そのため、図1に示す接続部5,6,7、8を通ってガスは流れなくなり、すなわち、通常は、逆止弁30の応答によって引き起こされる、本装置による保護機能が働かなくなる。これは、冒頭で述べたタイプのボイラー洗浄装置内で爆発衝撃が引き起こされ、当然に、ボイラー壁の上流の圧力ホース8にも入り得る場合に、本装置が短時間の間に正常に機能していることに相当し得る。
【0036】
したがって、差圧センサ20を用いた簡単な圧力測定によって、監視レンジ110,120、及び監視レンジ130,140を付帯的に又は個別に選択することにより、前述した圧力閾値103,104と必要に応じて圧力閾値102を介して、換気システムの作動状態を監視することができる。
【0037】
周囲の空気を供給源として利用することにより、対応する工業用ガスの加圧ガス容器からの保護ガスの供給を大幅に省略できる。
【符号の説明】
【0038】
5 吸気管
6 接続部
7 接続部
8 圧力ホース
10 ファン
16 出口/開口部
20 圧力センサ
30 逆止弁
50 体積流量
51 フリー駆動のファン特性
60 過圧
61 ファンの特性点/逆弁を開く動作点
62 ファンの特性点/逆弁を閉じる動作点
63 ファン故障の特性点
64 漏れ又はフィルタ問題の特性点
65 ファンの測定値変化
71 逆止弁の特性点(開)
72 逆止弁の特性点(閉)
75 逆止弁の測定値変化
100 圧力範囲(上昇値)
101 圧力値0bar
102 第3の圧力閾値
103 第1の圧力閾値
104 第2の圧力閾値
110 過圧レンジ
112 第3の圧力レベル閾値
113 第1の圧力レベル閾値
114 第2の圧力レベル閾値
120 動作レンジ
130 異常レンジ-フィルタの問題又は漏れ
140 異常レンジ-センサの故障又はファンの故障
図1
図2
図3
【国際調査報告】