(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】充電式電子機器用の無線トランシーバ
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241108BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20241108BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20241108BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J7/34 D
H02J50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525887
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 US2022080839
(87)【国際公開番号】W WO2023102540
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515213630
【氏名又は名称】オシア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼイン,ハテム イブラヒム
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA07
5G503DA18
5G503GB09
(57)【要約】
既存の充電式電子機器または新設計の充電式電子機器の動作および/またはバッテリの充電に無線電力信号を使用することを可能にするための無線トランシーバ、ならびに関連の方法およびコンピュータ可読媒体。本技術による無線トランシーバを利用する方法は、回路によって、回路による無線電力信号の受信に応答して誘起される電圧に関連した出力電力が、回路に結合した別の回路の電力要件を満たすか否かを判定するステップを含むことができる。出力電力が電力要件を満たす場合、第1の電流を回路から別の回路および回路に結合したバッテリに伝送することができる。あるいは、出力電力が電力要件を満たさない場合、第2の電流を回路から別の回路に伝送することができ、第3の電流をバッテリから別の回路に伝送することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回路によって、該第1の回路による無線電力信号の受信に応答して誘起される電圧に関連した出力電力が、該第1の回路に結合した第2の回路の電力要件以上であるか否かを判定すること
を含む方法。
【請求項2】
前記出力電力が前記電力要件以上であるとの判定において、前記第1の回路から前記第2の回路および前記第1の回路に結合したエネルギー貯蔵装置に第1の電流を伝送すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出力電力が前記電力要件未満であるとの判定において、
前記第1の回路から前記第2の回路に第2の電流を伝送すること、および
前記エネルギー貯蔵装置から前記第2の回路に第3の電流を伝送すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の回路によって、前記第2の回路が外部電源から第4の電流を受け取っていると判定すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の回路によって、前記第2の回路から前記第4の電流を受け取ること、および
前記第1の回路によって、前記第4の電流を前記エネルギー貯蔵装置に伝送すること
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の回路の1つ以上の構成設定に従い、前記第4の電流、ならびに前記第1、第2、および第3の電流のうちの少なくとも1つを、前記第2の回路および前記エネルギー貯蔵装置への伝送のために分配すること
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の回路によって、前記無線電力信号の受信に応答して前記電圧を誘起するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記誘起するステップは、第1の電圧を誘起することを含み、
本方法は、前記第1の電圧を誘起後に第2の電圧に変換することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記無線電力信号の受信に応答して視覚インジケータを作動させること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の回路によって、無線電力トランスミッタ(WPT)から前記無線電力信号を受信するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の回路によって、前記WPTに高周波(RF)信号を送信すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記受信するステップは、前記WPTへの前記RF信号の送信に応答して前記無線電力信号を受信することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の回路によって、前記第2の回路に対して前記エネルギー貯蔵装置をエミュレートすること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の回路を、前記第2の回路および前記エネルギー貯蔵装置へと両者の間に結合させること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の回路にアンテナを結合させること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の回路を、前記第2の回路の少なくとも一部分を収容するハウジングの内部に配置すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
無線電力信号を受信し、
前記無線電力信号の受信に応答して電圧を誘起する
ように構成された回路と、
前記回路に結合し、
前記誘起された電圧に関連した出力電力が、前記回路に結合する別の回路の電力要件以上であるか否かを判定する
ように構成されたコントローラと
を備える装置。
【請求項18】
前記コントローラは、前記出力電力が前記電力要件以上であると判定される場合に、前記回路から前記別の回路および前記回路に結合するエネルギー貯蔵装置へと第1の電流を伝送させるようにさらに構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラは、前記出力電力が前記電力要件未満であると判定される場合に、
前記回路から前記別の回路へと第2の電流を伝送させ、
前記エネルギー貯蔵装置から前記別の回路へと第3の電流を伝送させる
ようにさらに構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記コントローラは、前記別の第2の回路が外部電源から第4の電流を受け取っていると判定するようにさらに構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記コントローラは、前記エネルギー貯蔵装置へと前記第4の電流を伝送させるようにさらに構成されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記コントローラは、前記回路の1つ以上の構成設定に従い、前記第4の電流、ならびに前記第1、第2、および第3の電流のうちの少なくとも1つを、前記別の回路および前記エネルギー貯蔵装置への伝送のために分配させるようにさらに構成されている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記回路は、前記無線電力信号の受信に応答して前記電圧を誘起するための手段をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記誘起するための手段は、第1の電圧を誘起するように構成され、
本装置は、前記第1の電圧を第2の電圧に変換するための手段をさらに備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記回路による前記無線電力信号の受信に応答して作動するように構成された視覚インジケータをさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項26】
前記回路に結合し、無線電力トランスミッタ(WPT)から前記無線電力信号を受信するように構成されたアンテナ
をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項27】
前記WPTに高周波(RF)信号を送信するための手段をさらに備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記コントローラは、前記アンテナに、前記WPTへの前記RF信号の送信に応答して前記無線電力信号を受信させるようにさらに構成されている、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記回路は、前記アンテナを受信モードと送信モードとの間で切り替えるための前記コントローラに結合した手段をさらに備える、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記別の回路の少なくとも一部分とのインターフェースのための前記コントローラに結合した1つ以上の入力/出力ポートをさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項31】
前記別の回路に対して前記エネルギー貯蔵装置をエミュレートするための手段をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項32】
前記回路の少なくとも一部分は、可撓プリント回路基板として形成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項33】
前記回路を前記第2の回路および前記エネルギー貯蔵装置に結合させるための手段をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項34】
プログラム命令を格納した1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記プログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
第1の回路による無線電力信号の受信に応答して誘起される電圧に関連した出力電力が、前記第1の回路に結合した第2の回路の電力要件以上であるか否かを判定すること
を機械に実行させる、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記出力電力が前記電力要件以上であると判定される場合に、前記第1の回路に、前記第2の回路および前記第1の回路に結合したエネルギー貯蔵装置に第1の電流を伝送させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項34に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項36】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記出力電力が前記電力要件以上であると判定される場合に、前記第1の回路に、
前記第2の回路に第2の電流を伝送させること、および
前記エネルギー貯蔵装置から前記第2の回路に第3の電流を伝送させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項34に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記第2の回路が外部電源から第4の電流を受け取っていると判定すること
を前記機械にさらに実行させる、請求項34に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記第4の電流を前記第2の回路から前記エネルギー貯蔵装置へと伝送させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項37に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項39】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記第1の回路の1つ以上の構成設定に従い、前記第4の電流、ならびに前記第1、第2、および第3の電流のうちの少なくとも1つを、前記別の回路および前記エネルギー貯蔵装置への伝送のために分配すること
を前記機械にさらに実行させる、請求項38に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記回路に、該回路による前記無線電力信号の受信に応答して前記電圧を誘起させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項38に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記回路に電圧を誘起させるために前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、前記プログラム命令は、
前記回路に第1の電圧を誘起させること、および
前記回路に前記第1の電圧を第2の電圧に変換させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項40に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記回路による前記無線電力信号の受信に応答して視覚インジケータを作動させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項34に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記回路に、無線電力トランスミッタ(WPT)からの前記無線電力信号を受信させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項34に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記回路に、前記WPTへと高周波(RF)信号を送信させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項34に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記回路に、前記WPTへの前記RF信号の送信に応答して前記無線電力信号を受信させること
を前記機械にさらに実行させる、請求項44に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
前記回路に、前記第2の回路に対して前記エネルギー貯蔵装置をエミュレートさせること
を前記機械にさらに実行させる、請求項34に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月9日に出願された米国仮特許出願第63/308,100号および2021年12月2日に出願された米国仮特許出願第63/285,095号の利益を主張し、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
現時点において、多種多様な充電式電子機器が、産業界および消費者によって使用されている。ユーザは、これらの機器のバッテリの充電に関して、壁または車両の電源コンセントの利用可能性に大きく依存している。無線電力ベースの充電システムが、多数の特殊な使用事例および毎日の使用事例において充電式電子機器に関する信頼性およびユーザ体験の両方を向上させることができる。
【0003】
無線電力レシーバの試験および充電式電子機器の既存の設計および新たな設計への統合は、困難である可能性があり、したがって、工業製品および消費者製品の両方の市場への無線充電の適応を遅らせる可能性がある。ラップトップコンピュータにおけるWi-Fiインターネット接続に関しても、同様のロードマップおよびタイムラインに直面した。当初は、Wi-Fiトランシーバを内蔵したラップトップは存在せず、無線インターネットは、PCMCIAカードおよび適切なドライバソフトウェアによってのみ提供可能であった。後に、無線インターネット機能をオプションの機能としてラップトップに持たせることができるようになり、これにより、Wi-Fi PCMCIAカードと同様のコンポーネントが、ユーザによってスロットに挿入されるのではなく、機器の本体に組み込まれることとなった。現時点においては、ほとんどのすべてのラップトップコンピュータに、Wi-Fi無線インターネットのために必要なすべてのハードウェアおよびソフトウェアがすでに組み込まれており、実際に、今日の多くのラップトップは、そのようなやり方でなければインターネットに接続することができず、有線接続(例えば、イーサネットケーブル)は、何らかの追加のハードウェア機能でのユーザによる適応を除き、利用できないかもしれない。
【0004】
したがって、上述の問題を克服するとともに、さらなる利点も提供する技術が、必要とされている。いくつかの先行または関連の機器、システム、および方法、ならびにそれらに関連する制限について本明細書で提供される例は、例示であって、排他的ではないように意図される。既存のシステムまたは先行のシステムの他の制限は、以下の詳細な説明を検討することで、当業者にとって明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0005】
本技術による無線トランシーバ、ならびに関連の方法、プロセス、およびコンピュータ可読媒体は、既存の充電式電子機器または新設計の充電式電子機器の動作および/またはバッテリの充電に、無線電力信号を使用することを可能にする。開示される装置、システム、プロセス、方法、ならびにソフトウェアまたはファームウェアの実施形態は、広範囲の充電式電子機器の無線電力信号に基づく動作の好都合な適応を加速させることができる。
【0006】
特定の実施形態においては、装置が、無線電力信号を受信し、無線電力信号の受信に応答して電圧を誘起するように構成された回路を含むことができる。装置は、回路に結合したコントローラをさらに含むことができる。コントローラは、誘起された電圧に関連した出力電力が、回路に結合する別の回路の電力要件以上であるか否かを判定するように構成されてよい。コントローラによって出力電力が電力要件以上であると判定される場合に、コントローラは、回路から別の回路および回路に結合するエネルギー貯蔵装置へと第1の電流を伝送させるようにさらに構成されてよい。あるいは、コントローラによって出力電力が電力要件未満であると判定される場合に、コントローラは、回路から別の回路へと第2の電流を伝送させ、エネルギー貯蔵装置から別の回路へと第3の電流を伝送させるようにさらに構成されてよい。
【0007】
特定の実施形態においては、方法が、第1の回路によって、第1の回路による無線電力信号の受信に応答して誘起される電圧に関連した出力電力が、第1の回路に結合した第2の回路の電力要件以上であるか否かを判定するステップを含むことができる。出力電力が電力要件以上であると判定される場合、本方法は、第1の回路から第2の回路および第1の回路に結合したエネルギー貯蔵装置に第1の電流を伝送するステップを含むことができる。あるいは、出力電力が電力要件未満であると判定される場合、本方法は、第1の回路から第2の回路に第2の電流を伝送するステップ、およびエネルギー貯蔵装置から第2の回路に第3の電流を伝送するステップを含むことができる。
【0008】
特定の実施形態においては、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体が、命令を格納することができ、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、第1の回路による無線電力信号の受信に応答して誘起される電圧に関連した出力電力が、第1の回路に結合した第2の回路の電力要件以上であるか否かを判定することを、機械に実行させる。機械が出力電力が電力要件以上であると判定する場合、プログラム命令は、第1の回路に、第2の回路および第1の回路に結合したエネルギー貯蔵装置に第1の電流を伝送させることを、機械にさらに実行させる。あるいは、機械が出力電力が電力要件未満であると判定する場合、プログラム命令は、第2の回路に第2の電流を伝送すること、およびエネルギー貯蔵装置から第2の回路に第3の電流を伝送することを、機械にさらに実行させる。
【0009】
本明細書において図示され、説明され、特許請求される本技術の実施形態は、少なくとも以下の好都合な技術的効果を提供する回路およびその制御方式を提供する。(a)高周波(RF)無線電力信号を用いた動作および電池の充電を可能にするために、無線トランシーバを既存の充電式電子機器に後付けすることができ、あるいは新たな設計に初めから統合することができるという技術的効果。(b)無線トランシーバが、充電式電子機器の動作およびその1つ以上の電池の充電に使用するために、無線電力信号から由来する電源を含む複数の異なるDC電源からの電流を受信、中継、および分配することができる回路を含むという技術的効果。(c)無線トランシーバが、充電式電子機器が使用する既存の電源によって動作することができ、これに加え、あるいは代えて、無線電力信号によっても動作することができるという技術的効果。(d)無線トランシーバが、既存の充電式電子機器のハウジングへの挿入を容易にできるサイズを有し、少なくとも部分的に可撓プリント回路基板(PCB)として形成されてよいという技術的効果。(e)充電式電子機器の回路およびその少なくとも1つの電池へと両者の間に結合した無線トランシーバが、機器の既存の回路および電池ならびに機器の既存のソフトウェアまたはファームウェアのいずれの変更も必要とせずに、少なくとも1つの電池をエミュレートするように制御される回路を、無線トランシーバが有するという技術的効果。(f)本開示を検討することで当業者であれば容易に理解および認識できるようなその他の技術的効果。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の特定の実施形態による無線給電環境のブロック図である。
【
図2】本開示の特定の実施形態による無線送電システムのブロック図である。
【
図3】先行技術において知られた実施形態による充電式電子機器の回路図である。
【
図4】本開示の特定の実施形態による無線トランシーバの回路図である。
【
図5A】本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバと共に使用することができるジャンクション回路およびその動作状態の回路図である。
【
図5B】本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバと共に使用することができるジャンクション回路およびその動作状態の回路図である。
【
図5C】本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバと共に使用することができるジャンクション回路およびその動作状態の回路図である。
【
図5D】本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバと共に使用することができるジャンクション回路およびその動作状態の回路図である。
【
図5E】本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバと共に使用することができるジャンクション回路およびその動作状態の回路図である。
【
図5F】本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバと共に使用することができるジャンクション回路およびその動作状態の回路図である。
【
図5G】本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバと共に使用することができるジャンクション回路およびその動作状態の回路図である。
【
図5H】本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバと共に使用することができるジャンクション回路およびその動作状態の回路図である。
【
図6】本開示の特定の実施形態による無線送電システムと無線トランシーバとの間の例示的な動作を示すシーケンス図である。
【
図7】本開示の特定の実施形態による無線トランシーバを動作させるためのプロセスの状態図である。
【
図8】本開示の特定の実施形態による無線トランシーバを動作させる方法のフローチャートである。
【
図9】本開示の特定の実施形態による無線電力レシーバを有するコンピュータ機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
特定の実施形態の以下の詳細な説明において、本明細書の一部を形成し、例示的な実施形態を図示によって示している添付の図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書の実施形態および実施例の特徴を組み合わせ、交換し、あるいは取り除くことができ、他の実施形態を利用または生成することができ、構造的変更を行うことができることも、理解されたい。
【0012】
種々の実施形態によれば、本明細書に記載の方法および機能を、コンピュータプロセッサまたはコントローラ上で実行される1つ以上のソフトウェアプログラムとして実装することができる。これらに限られるわけではないが、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、システムオンチップ(SoC)、回路ロジック、および他のハードウェアデバイスを含む専用ハードウェア実装も同様に、本明細書に記載の回路、機能、プロセス、および方法を実装するように構築することができる。方法および機能は、モジュールまたはエンジンによって実行されてもよく、それらの両方とも、特定のタスクまたはジョブを実行するように構成されたコンピュータ機器の1つ以上の物理的なコンポーネント(例えば、ロジック、回路、プロセッサ、コントローラ、など)を含むことができ、あるいは実行時にプロセッサに特定のタスクまたはジョブを実行させることができる命令を含むことができ、あるいはこれらの任意の組み合わせであってよい。さらに、本明細書に記載の方法は、実行時に本方法をプロセッサに実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体またはメモリデバイスとして実装されてもよい。
【0013】
図1を参照すると、無線給電環境のブロック図が示されており、全体として100で指し示されている。環境100は、1つ以上の無線送電システム(WPTS)101a~n(「無線給電システム」、「アンテナアレイシステム」、および「無線充電器」とも呼ばれる)から、1つ以上の無線電力伝送回路103a、103b、または103c(本明細書において、「クライアント」、「無線電力レシーバ」、およびそれらの複数形としても呼ばれる)を有する無線給電環境100内の機器102a、102b、または102cなどのさまざまな充電式電子機器へと、無線での給電を提供することができる。無線電力レシーバは、1つ以上の無線送電システム101a~101nから無線電力を受信および処理するように構成される。
【0014】
図1の例に示されるように、充電式電子機器102a~102nは、携帯電話機、テレビリモコン、または無線ゲームコントローラなどの機器を含むことができる。さらに、充電式電子機器102a~102cは、無線電力レシーバ(例えば、103a、103b、または103c)を介して電力を受け取ることができる任意の機器またはシステムであってよい。
【0015】
各々の無線送電システム101は、無線機器102a~102cに無線電力を届けることができる複数のアンテナ104a~n(例えば、数百または数千のアンテナを含むアンテナアレイ)を含むことができる。いくつかの実施形態において、アンテナは、アダプティブフェーズドRFアンテナである。無線送電システム101は、コヒーレントな送電信号を無線電力レシーバ103a~103cへと届けるための適切な位相を決定することができる。アレイは、お互いに対する特定の位相で複数のアンテナから信号(例えば、連続波またはパルス送電信号)を放射するように構成される。「アレイ」という用語の使用は、必ずしもアンテナアレイを特定のアレイ構造に限定するものではないと理解される。すなわち、アンテナアレイは、特定の「アレイ」形態または幾何学的形状で構成される必要はない。さらに、本明細書において使用されるとき、「アレイ」または「アレイシステム」という用語は、無線機、デジタル論理、およびモデムなど、信号の生成、受信、および送信のための関連回路および周辺回路を含み得る。いくつかの実施形態において、WPTS 101は、1つ以上のアンテナまたはトランシーバを介したデータ通信のための内蔵Wi-Fiハブを有することができる。
【0016】
図1の例に示されるように、WPTS 101a~101nの各々は、WPTS 101aの給電アンテナ104a~104nなど、複数の給電アンテナを有することができる。給電アンテナ104aを、無線給電環境100において無線高周波(RF)電力の供給をもたらすように構成することができる。これに代え、あるいは加えて、いくつかの実施形態においては、給電アンテナ104a~104nのうちの1つ以上が、無線給電に加え、あるいは代えて、データ通信のために構成されてもよい。1つ以上のデータ通信アンテナを、無線電力レシーバ103a~103c、充電式電子機器102a~102c、またはこれらの組み合わせとデータ通信を送信および受信するように構成することができる。そのようなデータ通信は、任意の無線データ通信技術を介して実施されてよい。
【0017】
各々の無線電力レシーバ103a~103cは、無線送電システム101a~101nから信号を受信するための1つ以上のアンテナ(図示せず)を含むことができる。同様に、各々の無線送電システム101a~101nは、お互いに対する特定の位相で連続波または離散(パルス)信号を放射することができる1つ以上のアンテナまたはアンテナ組を有するアンテナアレイを含む。無線送電システム101a~101nの各々は、コヒーレントな信号を無線電力レシーバ103a~103cへと届けるための適切な位相を決定することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、コヒーレントな信号を、コヒーレントな信号がビーコン(または、較正)信号を送信した特定の無線電力レシーバに電力を届けるように位相調整されるように、アレイの各々のアンテナで受信したビーコン(または、較正)信号の複素共役を計算することによって決定することができる。
【0018】
図示されていないが、例えば充電式電子機器、無線送電システム、などの環境の各々のコンポーネントは、例えばデータ通信同期モジュールなどの制御および同期機構を含むことができる。WPTS 101a~101nを、例えば、無線送電システムを建物内の標準的なAC電源または一次AC電源に接続する電源コンセントまたは供給源などの電源に接続することができる。これに代え、あるいは加えて、WPTS 101a~101nのうちの1つ以上が、バッテリによって動作しても、例えば太陽電池などの他の機構を介して動作してもよい。
【0019】
無線電力レシーバ103a~103cおよび無線送電システム101a~101nを、マルチパス無線給電環境100で動作するように構成することができる。すなわち、無線電力レシーバ103a~103cおよびWPTS 101a~101nを、無線給電環境100内でビーコン(または、較正)信号を送信し、無線電力を受信し、あるいはデータを受信するために、例えば範囲内の壁または他のRF反射障害物などの反射物体106を利用するように構成することができる。反射物体106を、何らかの物体がWPTS 101と無線電力レシーバ103との間の見通し線を遮っているかどうかにかかわらず、多方向信号通信に利用することができる。
【0020】
本明細書において説明されるとおり、各々の充電式電子機器102a~102cは、環境100内の別の機器、サーバ、または他のシステムとの接続を確立させることができる任意のシステム、機器、またはそれらの任意の組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、充電式電子機器102a~102cは、ユーザにデータを提示するためのディスプレイまたは他の出力機能を含むことができ、ユーザからデータを受信するための入力機能を含むことができ、あるいは両方を含むことができる。例として、充電式電子機器102は、これらに限られるわけではないが、ビデオゲームコントローラ、サーバ、デスクトップコンピュータ、コンピュータクラスタ、ノートブック、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話機、スマートフォンなどのモバイルコンピュータ機器、ワイヤレスマウスまたはワイヤレスキーボードなどのコンピュータ周辺機器、器具、アラーム、時計、ビデオドアベル、玩具、監視またはセキュリティシステムコンポーネント、などであってよい。限定ではなく例として、充電式電子デバイス102は、時計、ネックレス、リング、あるいは顧客が装着し、もしくは顧客に埋め込まれる他の電子機器などの任意のウェアラブル電子機器であってもよい。充電式電子機器102の他の例として、これらに限られるわけではないが、安全センサ(例えば、火災または一酸化炭素)、電動歯ブラシ、電気シェーバーまたはバリカン、電子ドアロックおよびハンドル、電灯スイッチコントローラ、電気シェーバー、などが挙げられる。
【0021】
WPTS 101および無線電力レシーバ103a~103cの各々は、データチャネルを介した通信のためのデータ通信モジュールを含むことができる。これに代え、あるいは加えて、無線電力レシーバ103a~103cは、それぞれのデータ通信モジュールを介して無線送電システムと通信するように充電式電子機器102a~102cに指示することができる。
【0022】
無線電力レシーバ103a~103cは、第1の帯域を専用の逆指向性の無線電力伝送(WPT)チャネルとして使用することができる一方で、第2の帯域を通信チャネルとして使用することができるデュアルバンド技術を実装することができる。例えば、通信チャネル(ノード)は、Bluetooth Low Energy(BLE)などの低エネルギー互換通信方式を実装することができる。
【0023】
図2が、本開示の特定の実施形態による無線送電システム200のブロック図を示している。無線送電システム200は、本明細書において、無線給電システムまたは無線電力トランスミッタ(WPT)とも呼ばれる。無線給電システム200は、マスタバスコントローラ(MBC)ボード201と、アンテナアレイボード250を含む複数のメザニンボード203とを含むことができるプリント回路基板(PCB)などの1つ以上の回路基板を含むことができる。MBC基板201は、制御回路210、外部データインターフェース(I/F)215、外部電力インターフェース(I/F)220、通信ブロック230、およびプロキシ240を含むことができる。メザニンボード203(または、アンテナアレイボード250)は、各々が複数の送電アンテナ260A~260Nを含むことができる。いくつかの実施形態において、MBCボード201またはメザニンボード203のコンポーネントの一部または全部は、数量が異なっていても、省略されてもよく、さらには、追加のコンポーネントが加えられてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、通信ブロック230およびプロキシ240の一方のみが含まれてもよい。
【0024】
制御回路210(あるいは、より簡潔には「コントローラ」210)を、ハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、ソフトウェア、コンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの任意の組み合わせ)によって実装することができ、MBC基板201のコンポーネントならびにメザニンボード203に制御およびインテリジェンスを提供するように構成することができる。制御回路210は、1つ以上のプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、メモリユニット、インターフェース回路、などを含むことができ、無線給電システム200の種々のデータおよび電力通信能力を指揮および制御することができる。通信ブロック230は、クロック同期のためのベースクロック信号などのデータキャリア周波数におけるデータ通信を指揮することができる。同様に、プロキシブロック240は、本明細書で説明されるように、データ通信を介してクライアントと通信することができる。特定の実施形態において、本明細書のデータ通信のいずれも、Bluetooth(商標)、Wi-Fi(商標)、ZigBee(商標)、などの任意の短距離無線技術(これらの組み合わせまたは変種を含む)によって実装することができる。さらなる実施形態においては、データ通信を、低電力通信プロトコル、低帯域幅通信プロトコル、または低電力と低帯域幅の両方を提供するプロトコルを介して実装することができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、制御回路210は、モノのインターネット(IoT)機器などの機器に関するデータ集約を容易にし、あるいは他の方法で可能にすることもできる。いくつかの実施形態において、無線電力レシーバ(例えば、103)は、無線電力レシーバが組み込まれた機器に関するIoT情報についてアクセス、追跡、または別の方法で取得することができ、そのIoT情報をデータ接続を介して無線送電システム300に提供することができる。このIoT情報を、ローカルであってよく、イントラネット(例えば、プライベートネットワーク)またはエクストラネット(例えば、インターネットクラウドベースの)上のサーバに基づいてもよいデータ収集システム(図示せず)へと外部データインターフェース215を介して提供することができ、データを集約し、処理し、あるいは他の方法で利用することができる。例えば、データ収集システムは、受信したデータを処理して、地理、無線送電システム、環境、機器、などのさまざまな要因にわたる傾向を識別することができる。いくつかの実施形態においては、集約データまたは集約データから決定された傾向データを使用して、リモート更新または他の更新を介して機器の動作を改善することができる。これに代え、あるいは加えて、いくつかの実施形態においては、集約データを、第三者データ消費者に提供することができる。特定の例において、無線送電システムは、IoTデバイスのためのゲートウェイまたはイネーブラとして機能することができ、IoT情報は、無線電力レシーバが組み込まれた機器の能力に関する情報、機器の使用情報、機器の電力レベル、機器または無線電力レシーバ自体によって取得された情報(例えば、センサなどを介して)、あるいはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0026】
外部電力インターフェース220を、外部電力を受け取り、無線給電システム200のさまざまなコンポーネントに電力を供給するように構成することができる。いくつかの実施形態において、外部電力インターフェース220は、外部直流(DC)電源を受け取るように構成されてよい。他の実施形態において、外部電力インターフェース220は、交流(AC)電力を受け取り、内蔵のAC/DCコンバータ回路を介してDC電力に変換することができる。無線給電システム200の電力要件に基づいて、他の構成も可能である。
【0027】
動作中、MBC基板201は、電源から電力を受け取って動作するときの無線送電システム200を制御することができる。次いで、MBC基板201は、送電アンテナ素子260A~260Nのうちの1つ以上を作動させることができ、作動した送電アンテナ素子260A~260Nは、デフォルトの発見モードに入り、無線送電システム200の範囲内の利用可能な無線電力レシーバ(例えば、103a、103b、または103c)を識別することができる。無線電力レシーバ103が発見されると、作動したアンテナ素子260A~260Nは、電源を入れ、列挙し、(随意により)較正することができる。制御回路210、MBC基板201内の別の回路、またはこれらの組み合わせは、充電式電子機器102のトランスミッタまたはトランシーバからの高周波(RF)信号(例えば、ビーコン信号)の検出を判定することができる。例えば、MBC基板201の検出回路またはモジュールが、所定の時間および/または周波数において、充電式電子機器102に組み込まれ、あるいは他の様態で関連付けられた無線電力レシーバ103から送信されたビーコン信号を検出することができる。そのようなビーコン信号は、例えば後述のように、充電式電子機器102のエネルギー貯蔵装置(例えば、Li-ionまたはNiMH電池)の充電を促進すべく無線電力レシーバ103への無線電力信号の送信をもたらすプロセスを開始するように、無線給電システム200を促すことができる。
【0028】
MBCボード201は、アンテナアレイボード250を介してディスカバリ信号を生成することができる。ディスカバリ信号を、アクティベーション信号またはインタロゲーション信号と呼ぶこともできる。いくつかの実施形態において、ディスカバリ信号は、パルス列変調信号または低レベルインタロゲーション信号であってよい。一般に、ディスカバリ信号は、無線電力レシーバ103に関して空間を捜索(あるいは、インタロゲート)、空間内のレシーバ103が、例えばビーコン信号によって返答(または、応答)することができる。
【0029】
WPTシステム200は、無線電力レシーバ103からのビーコン信号を検出するために、アンテナ260A~260Nまたは専用アンテナなどの1つ以上のアンテナを監視することができる。そのようなRF信号が無線電力レシーバ103から受信されると、制御回路210は、受信信号がデータ通信コンポーネントを含むか、ビーコンコンポーネントを含むか、あるいは両方を含むかを判定することができる。データ通信コンポーネントが存在する場合、制御回路210は、信号の通信部分を復号し、データを処理することができる。いくつかの例において、信号の通信部分によって提供されるデータは、システムレベル監視データ(例えば、エネルギー貯蔵レベルなど)であってよく、あるいは無線電力レシーバ103を有し、もしくは無線電力レシーバ103に他の態様で関連付けられた充電式電子機器102の目的または機能に関連するデータ(例えば、センサデータまたはIoTデバイスに関するデータ)であってよい。
【0030】
制御回路210は、例えばビーコンコンポーネントからの位相データ抽出を実行することによって、クライアント機器の範囲および位置を決定することができる。例えば、WPT 200は、例えば米国特許第10,396,602号または米国特許第10,447,092号に記載されているような位相に基づく判定システムを実装することができ、これらの米国特許は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。クライアントの範囲および位置に基づいて、制御回路210は、アンテナ260A~260Nのうちの1つ以上を使用し、専用の逆指向性リンクチャネルを介して、無線電力レシーバ103への無線給電を確立させることができる。いくつかの実施形態においては、プロキシアンテナ素子240が、特定の範囲内の無線電力レシーバ103にディスカバリ信号をブロードキャストすることができる。本明細書で説明されるように、ディスカバリ信号は、無線給電が利用可能であることを無線電力レシーバ103に示すことができる。
【0031】
図3が、先行技術において知られた実施形態による充電式電子機器300の回路図を示している。種々の電気的および機械的コンポーネントが、ハウジング301によって定められた内部キャビティの内側に少なくとも部分的に配置されてよい。充電式電子機器300の回路302および/または他の電子コンポーネントは、機器300のユーザの利益のための機能を提供し、あるいは他の態様で提供を容易にすることができる。例えば、これに限られるわけではないが、充電式電子機器300が電動歯ブラシとして具現化される場合、回路302は、少なくとも1つのスイッチおよびモータコントローラを含むことができ、回路302は、DCモータなどのコンポーネント312に動作可能に結合して、電動歯ブラシのブラシヘッドを動かすためのトルクをもたらすことができる。別の例として、充電式電子機器300が無線オーディオスピーカとして具現化される場合、回路302は、少なくとも1つのスイッチおよびスピーカドライバを含むことができ、回路302は、スピーカなどのコンポーネント312に動作可能に結合して、電磁力によってスピーカの機械的部分に動きを導き、音楽などの可聴音を生成することができる。機器300にそのような機能を提供するために、回路302は、WPT 200のコントローラ210に関して
図2を参照して上述したような1つ以上の種類のコンポーネントとして具現化されてよいコントローラ314を含むことができ、あるいは他の態様でそのようなコントローラに動作可能に結合することができる。
【0032】
充電式電子機器300は、ハウジング301の内側に少なくとも部分的に配置されたエネルギー貯蔵装置304を含むことができる。エネルギー貯蔵装置304は、例えば、これらに限られるわけではないがLiイオンまたはNiMH電池セルを含む充電式電池として具体化されてよい。エネルギー貯蔵装置304は、ポート306または同様の接続手段によって充電回路310に電気的に結合でき、あるいは結合可能であってよい。そのように接続されると、電圧(Vbat)がポート306aとポート306bとの間に誘導される。充電回路310は、ハウジング301の外部空間からアクセス可能な入力ポート308に動作可能に結合できる。入力ポート308を使用して、充電回路310を、60Hz(または、50Hz)でAC電力を供給する壁コンセントなどの外部電源316に電気的に結合させることができる。一実施形態において、入力ポート308は、USB、USB-C、またはマイクロUSBの設計であってよい。別の実施形態において、入力ポート308は、標準的な筒状の雄/雌の設計であってよい。いずれの場合も、機器300のユーザは、例えば、電源コードの一端の適切なコネクタをポート308に挿入し、電源コードの他端を変圧器付きプラグへと壁コンセントに挿入することができる。変圧器は、最終的に、AC電力を整流し、あるいは他の態様でDC電力に変換して、所定の電圧(例えば、5V)の電流を外部電源316から充電回路310に伝送することができる。充電回路310は、エネルギー貯蔵装置304を充電するための別の電流の伝送に使用するために、DC電力を別の電圧(例えば、Liイオン電池セルの場合の3.7~4.2VのVbat)にさらに変換および/または調整することができる。さらに、充電回路310は、外部電源316および/またはエネルギー貯蔵装置304からのDC電力を、回路302および回路302に結合したコンポーネント312を動作させるためのさらに別の電流の伝送に使用するためのさらに別の電圧(例えば、3.3VのVdev)に変換および/または調整することができる。いくつかの実施形態において、回路302は充電回路310を含む。
【0033】
図4が、本開示の特定の実施形態による無線トランシーバ400の回路図である。無線トランシーバ400は、第1の回路401を含む。第1の回路401は、
図1および
図2に関して図示および上述した無線電力レシーバ103の例示的な実装形態であってよい。第1の回路401は、充電式電子機器300のエネルギー貯蔵装置304および回路302(本明細書において、「第2の回路」とも呼ばれる)へと、両者の間に結合し、あるいは結合可能である。この目的のために、第1の回路401を第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304に結合させるための任意の適切な手段が使用されてよい。例えば、限定はされないが、第1の回路401を第2の回路302に電気的に結合させるために第1のポート402aが使用されてよく、第1の回路401をエネルギー貯蔵装置304に電気的に結合させるために第2のポート402bが使用されてよい。
【0034】
一実施形態においては、無線トランシーバ400を第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304に交互に結合させたり、切り離したりする手段を、第1および第2のポート402aおよび402bに電気的に結合させることができる。例えば、限定はされないが、スイッチ(図示せず)を、第1および第2のポート402aおよび402bへと両者の間に結合させることができ、機器300のユーザがハウジング301の外側からスイッチにアクセスすることが可能であってよい。したがって、この例において、機器300のユーザは、WPT 200が利用できないとき(例えば、無線トランシーバ400を有する無線スピーカをWPT 200が存在しない辺鄙なキャンプ場で使用する場合)など、無線トランシーバ400の機能を選択的に無効にすることができる。
【0035】
このように第1の回路401を第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304へと両者の間に接続することは、迅速に、充電式電子機器302の既存の回路にほとんどまたは全く変更を必要とせずに達成可能である。さらに、例えば充電式電子機器300のハウジング301へと適合および組み込みを可能にし、あるいは他の形態で容易にするように、第1の回路401の少なくとも一部分を可撓プリント回路基板(PCB)として形成することができる。さらに、第1の回路401は、後述のように、無線トランシーバ400の機能のためのアンテナ410を含んでも、含まなくてもよい。アンテナ410は、第1の回路401に統合されても、第1の回路401に結合し、もしくは結合可能な別個のコンポーネントであってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態においては、充電式電子機器300の既存のアンテナが、本技術による無線トランシーバ400の機能の少なくとも一部のために利用されてもよい。しかしながら、いくつかの充電式電子機器300は、動作のために自身の既存のアンテナを使用するかもしれない。機器300の機能とのRF干渉の可能性を排除し、あるいは少なくとも最小化するために、無線トランシーバ400のアンテナ410は、第1の回路401から充分に離して「基板外」に配置されてもよい。さらに、無線トランシーバ400は、充電式電子機器300の動作RF周波数とは充分に異なるRF周波数でWPT 200によって送信されて第1の回路401によって受信される無線電力信号を利用することができる。無線電力信号の周波数を機器300の動作周波数とは別個の周波数にすることに代え、あるいは加えて、RF干渉を、第1の回路401がWPT 200からの無線電力信号を受信していない時間の間にのみ機器300が必要な無線信号を送信または受信する時間方式によって、排除または最小化してもよい。別の例において、第1の回路401は、充電式電子機器300がオフであるときにのみ無線電力信号を使用してエネルギー貯蔵装置304が充電されるように制御されてもよい。
【0037】
したがって、無線トランシーバ400は、既存の充電式電子機器300への後付け、または新たな設計への組み込みのいずれにも好適である。したがって、本技術は、ほとんどあらゆる充電式電子機器300が無線充電を好都合に利用することを可能にできる。本技術の発明者は、本明細書で開示される無線トランシーバ400および関連技術が、多種多様な技術分野および産業分野ならびに消費者用途において、充電式電子機器300の既存の設計および新規の設計の両方への無線充電の適応を加速させると確信する。
【0038】
第1の回路401は、少なくとも1つのアンテナ410を含んでも、少なくとも1つのアンテナ410に結合しても、少なくとも1つのアンテナ410に結合可能であってもよい。アンテナ410は、デュアルバンドアンテナであってよく、あるいは複数のアンテナを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の回路401は、データ送信機能ならびに電力およびデータ受信機能を提供する単一のアンテナ410(例えば、デュアルバンドアンテナ)を含んでもよい。
【0039】
アンテナ410は、スイッチ412に結合し、あるいは結合可能である。スイッチは、
図4に示されるように、2つのラインを介してコントローラ404に結合する。スイッチ412の状態を、コントローラ404によって、制御線416上を伝送される制御信号によって制御することができる。コントローラ404は、WPT 200のコントローラ210に関して
図2を参照して上述したような1つ以上の種類のコンポーネントとして具現化されてよい。コントローラ404がコンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、などであり、あるいはこれらを含む実施形態において、コントローラ404は、メモリ記憶装置428(本明細書において、メモリ428とも呼ばれる)を含んでも、メモリ記憶装置428に結合しても、メモリ記憶装置428に結合可能であってもよい。メモリ428は、本技術に従って本明細書に記載のプロセスおよび方法を実施し、あるいは他の様態で可能化または容易化するためのコントローラ404によって実行可能なプログラム命令を例えばファームウェアまたはソフトウェアとして格納するための1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、ROM、EEPROM、および/またはフラッシュ型)を含むことができる。
【0040】
第1の状態にあるスイッチ412は、コントローラ404に結合した電力増幅器408にアンテナ410を結合させる。コントローラ404は、通信モジュール406を含み、あるいは通信モジュール406に関連付けられるか、あるいは通信モジュール406に結合する。通信モジュール406は、WPT 200を含むであろう無線給電環境430へとアンテナ410を使用して送信されるRF信号(例えば、ビーコン)を生成するためのコントローラ404の制御下の回路を含む。電力増幅器408は、このRF信号を増幅して、環境430への送信を容易にし、したがってWPT 200による受信も容易にすることができる。第2の状態のスイッチ412は、アンテナ410を、受信中の無線電力信号に応答して電圧を誘起する手段414(例えば、RF整流器/エネルギーハーベスタ414)に結合させる。スイッチ412が第2の状態にある状態で、第1の回路401は、アンテナ410を利用して、WPT 200が環境430へと送信した無線電力信号を受信する。無線電力信号は、アンテナ410から、受信中の無線電力信号に応答して電圧(Vrec)を誘起するRF整流器/エネルギーハーベスタ414に渡される。
【0041】
いくつかの実施形態において、コントローラ404および/または通信モジュール406は、トランシーバ400が組み込まれ、あるいは他の様態で関連付けられた充電式電子機器300と通信し、あるいは他の様態でそのような充電式電子機器300から機器情報(例えば、IoT情報、クライアントID、または電力緊急度インジケータ)を導出することができる。図示されていないが、いくつかの実施形態において、無線電力レシーバ300は、無線トランシーバ400による機器情報の取得を可能にする機器300との(有線または無線の)1つ以上のデータ接続を有することができる。そのような接続は、コントローラ404ならびにコントローラ314および/または第2の回路302の少なくとも一部分へと両者の間に結合した1つ以上のポート424を含むことができる。これに代え、あるいは加えて、機器300の情報を、例えば1つ以上のセンサ(
図4には示されていない)を介して、コントローラ404、第1の回路401、および/またはトランシーバ400の他のコンポーネントによって決定または推測することができる。機器情報として、限定はされないが、無線トランシーバ400が関連付けられた機器300の能力に関する情報、機器300の使用情報、機器300のエネルギー貯蔵装置304の電力レベル、機器300によって取得または推測された情報、あるいはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0042】
いくつかの実施形態においては、クライアント識別(ID)モジュール(図示せず)が、無線給電環境430内の無線トランシーバ400を一意に識別することができるクライアントIDを記憶することができる。例えば、クライアントIDを、通信が確立された際に、1つ以上の無線送電システム200に送信することができる。いくつかの実施形態において、無線トランシーバ400は、無線給電環境430内の1つ以上の他の無線トランシーバ400をそれぞれのクライアントIDに基づいて受信および識別することが可能であってよい。クライアントIDを表すデータを、コントローラ404および/または通信モジュール406による使用のためにメモリ428に記憶することができる。
【0043】
第1の回路401は、電力変換器418(例えば、降圧/昇圧)およびジャンクション回路420を含んでよい。ジャンクション回路420は、RF整流器/エネルギーハーベスタ414および電力変換器418に結合し、第2のポート402bによってエネルギー貯蔵装置304に結合する。電力変換器418は、コントローラ404に結合し、第1のポート402aによって第2の回路302に結合する。無線電力信号がアンテナ410を介して第1の回路401のRF整流器/エネルギーハーベスタ414によって受信されているとき、DC電流432がジャンクション回路420へと伝送される。ジャンクション回路420は、DC電流432を例えばエネルギー貯蔵装置304を充電するためのVbatのDC電流434に変換および/または調整するための回路を含むことができる。
【0044】
ジャンクション回路420からエネルギー貯蔵装置304へのDC電流424の伝送に加え、あるいは代えて、ジャンクション回路420は、V
bat(または、別の電圧)のDC電流436を電力変換器418に中継することができる。電力変換器418は、
図3を参照して上述したように、DC電流436を、例えば第2の回路302による使用のためにV
out(または、別の電圧)のDC電流438に変換および/または調整するための回路を含むことができる。図示の実施形態において、コントローラ404は電力変換器418に結合している。したがって、コントローラ404は、V
outを検知および測定し、それに応じて、V
outを所定の電圧または所定の電圧範囲内に維持するように、電力変換器418のパラメータ(例えば、スイッチング周波数)を調整することができる。同様に、第1のポート402aおよびコントローラ404に結合した電力コンバータ418において、コントローラ404は、第2の回路302が入力ポート308を介して電流440を受け取っていると判定することもできる。
【0045】
他の実施形態では、ジャンクション回路420は、電力変換器418のコンポーネントおよび機能の少なくとも一部を含むことができ、代わりに、コントローラ404は、ジャンクション回路420に動作可能に結合してもよい。そのような例において、コントローラ404は、Voutおよび/またはVbatを検知および測定し、それに応じて、Voutおよび/またはVbatをそれぞれの所定の電圧またはそれぞれの所定の電圧範囲内に維持するように、ジャンクション回路420のパラメータ(例えば、スイッチ周波数)を調整することができる。同様に、ジャンクション回路420が第1のポート402aおよびコントローラ404に結合した例において、コントローラ404は、第2の回路302が入力ポート308を介して電流440を受け取っていると判定することができる。
【0046】
さらに、無線トランシーバ400は、無線電力信号が第1の回路401によって受信されていることを充電式電子機器300のユーザに示すためのコントローラ402に結合した手段422を含んでもよい。手段422は、装置300のハウジング301の外部からユーザが見て取ることができるLEDライト422を含むことができ、あるいはそのようなLEDライト422として具現化されてよい。手段422は、第1の回路401に含まれてよく、あるいは手段422は、第1の回路401に結合しても、結合可能であってもよい。一実施形態において、LEDライト422は、無線電力信号が第1の回路401によって受信されているときに通電(例えば、点灯)されてよく、LEDライト422は、無線電力信号が第1の回路401によって受信されていないときに非通電に(例えば、消灯)されてよい。別の実施形態において、LEDライト422は、無線電力信号が第1の回路401によって受信されているときに第1の色(例えば、緑色)に通電および点灯されてよく、LEDライト422は、無線電力信号が第1の回路401によって受信されていないときに第2の色(例えば、オレンジ色)に通電および点灯されてよい。
【0047】
無線トランシーバ400は、無線トランシーバ400の少なくとも一部分(例えば、コントローラ404および/または第1の回路401のコンポーネント)を別の回路の少なくとも一部分(例えば、コントローラ314および/または第2の回路302のコンポーネント)とインターフェースさせるためのコントローラ402に結合した手段424をさらに含んでよい。手段424は、1つ以上の汎用入力/出力(GPIO)ポート424を含むことができ、あるいはそのようなポートとして具現化されてよい。手段424は、第1の回路401に含まれてよく、あるいは手段424は、第1の回路401に結合しても、結合可能であってもよい。一実施形態においては、機器300のコンポーネント312が、上述したように、インジケータ422と同様の機能を含むことができる。そのような実施形態において、インジケータ422の使用に代え、あるいは加えて、コンポーネント312が、無線電力信号が第1の回路401によって受信されているか否かをユーザに示す少なくとも1つのLEDライトを含んでもよい。別の実施形態において、充電回路310は、コントローラ314に動作可能に結合し、コントローラ314の制御下にある。この実施形態において、コントローラ404を、GPIOポート424の少なくとも1つによってコントローラ314に結合させることができる。コントローラ404は、コントローラ314に制御信号を送信して、充電回路310の機能の少なくとも一部を交互に有効化および無効化するようにコントローラ314に指示することができる。
【0048】
図5A~
図5Hが、本開示の特定の実施形態による
図4に示した無線トランシーバ(例えば、第1の回路401)と共に使用することができるジャンクション回路(例えば、回路420)およびその動作状態の回路図である。ジャンクション回路420は、複数の切り替え可能ノード480を含むことができ、そのようなノードの切り替え状態は、コントローラ404によって回路420に送信される制御信号によって制御可能である。さらに、ジャンクション回路420は、1つ以上のデジタルおよび/またはアナログ電圧計(482、484、および/または486)を含んでもよく、そのうちの1つ以上を、V
rec、V
bat、およびV
outのうちの1つ以上を表すデータを符号化する信号を受信するためにコントローラ404に動作可能に結合させることができる。第1の回路401のより大きな文脈において、ジャンクション回路420は、異なる電圧を有してよい電力の流れのラインの交差部にある。例えば、限定ではないが、
図5A~
図5Hに線488、490、492、および494として示されている種々のラインの電圧は、少なくとも部分的に、ジャンクション回路420の種々の切り替え可能ノード480の切り替え状態のコントローラ404による制御の基礎を形成することができる。他の実施形態において、ノード480の制御は、コントローラ420からの制御信号に依存しなくてもよく、代わりに、あるいは加えて、電圧計482、484、および/または486から直接のフィードバックレシーバに従って自動化されてもよい。
図5A~
図5Hにおいては、ラインを流れる電流が存在しないことが「X」で示されている。
【0049】
図5Aを参照すると、ジャンクション回路420の第1の動作状態が存在でき、
図4を参照して上述したように、RF整流器/エネルギーハーベスタ414は、無線電力の受信の結果として、ライン488上でV
recの電流(I
rec)を送信する。第1の動作状態において、装置302は、エネルギー貯蔵装置304(例えば、機器の電池)の充電に使用するためのライン494上の追加の電流(I
in)を提供しない。したがって、電池304に流れる電流(I
charge)はI
recに等しい。V
batの電流I
outを、機器の電子装置(例えば、第2の回路302)に動作のためにライン490で供給することができる。
【0050】
図5Bを参照すると、ジャンクション回路420の第2の動作状態が存在でき、RF整流器/エネルギーハーベスタ414は、無線電力が受信されていないため、ライン488上でのV
recのI
recの送信を行わない。第2の動作状態において、第2の回路302は、電池304の充電に使用するために入力ポート308を介して電力を受け取ってよい。この場合、電流I
inが、電池402の充電に使用するためにライン494上を流れることができる。したがって、電池304に流れる電流I
chargeはI
inに等しい。V
batの電流I
outを、機器の電子装置の動作のために第2の回路302へとライン490で供給することができる。
【0051】
図5Cを参照すると、ジャンクション回路420の第3の動作状態が存在でき、RF整流器/エネルギーハーベスタ414および第2の回路302の両方が、エネルギー貯蔵装置304の充電に使用するための電流(それぞれ、ライン494上のI
inおよびライン488上のI
rec)を提供する。したがって、電池304に流れる電流I
chargeは、I
in+I
recに等しい。V
batの電流I
outを、機器の電子装置の動作のために第2の回路302へとライン490で供給することができる。
【0052】
図5Dを参照すると、ジャンクション回路420の第4の動作状態が存在でき、RF整流器/エネルギーハーベスタ414および第2の回路302のどちらも、エネルギー貯蔵装置304の充電に使用するための電流
inおよびI
recを提供しない。したがって、ジャンクション回路420の第4の動作状態において、電流I
chargeが電池304に流れることがない。V
batの電流I
outを、機器の電子装置の動作のために第2の回路302へとライン490で供給することができ、したがって、電流I
inおよびI
recがジャンクション回路420に流れていないそのような時間の間に、エネルギー貯蔵装置304の充電状態が枯渇する。
【0053】
図5Eを参照すると、ジャンクション回路420の第5の動作状態が存在でき、RF整流器/エネルギーハーベスタ414は、無線電力の受信の結果として、ライン488上でV
recの電流I
recを送信するが、エネルギー貯蔵装置304を充電するための追加の電流を提供するための第2の回路302からのライン494上の電流I
inは流れていない。第5の動作状態において、第2の回路302を有する電子機器は、電源オフであってよく、あるいは電源オン状態にある場合と比較して電力消費を少ししか必要としない状態(例えば、スリープモード)であってよい。したがって、電池304に流れる電流I
chargeはI
recに等しく、電流I
outはゼロであるか、あるいは第2の回路302がライン490からV
batで必要なアンペア数を引き出す場合と比較して無視できる量である。
【0054】
図5Fを参照すると、ジャンクション回路420の第6の動作状態が存在でき、RF整流器/エネルギーハーベスタ414は、ライン488上でのV
recの電流I
recの送信を行わないが、エネルギー貯蔵装置304を充電するための追加の電流を提供するために第2の回路302からライン494上を電流I
inが流れる。第6の動作状態において、第2の回路302を有する電子機器は、電源オフであってよく、あるいは電源オンの場合と比較して電力消費を少ししか必要としない状態(例えば、スリープモード)であってよい。したがって、電池304に流れる電流I
chargeはI
inに等しく、電流I
outはゼロであるか、あるいは第2の回路302がライン490からV
batで必要な電流を引き出す場合と比較して無視できる量である。
【0055】
図5Gを参照すると、ジャンクション回路420の第7の動作状態が存在でき、RF整流器/エネルギーハーベスタ414および第2の回路302の両方が、エネルギー貯蔵装置304の充電を促進するためにそれぞれライン488上およびライン494上の電流I
recおよびI
inを送信する。第7の動作状態において、第2の回路302を有する電子機器は、電源オフであってよく、あるいは電源オンの場合と比較して電力消費を少ししか必要としない状態(例えば、スリープモード)であってよい。したがって、電池304に流れる電流I
chargeはI
rec+I
inに等しく、電流I
outはゼロであるか、あるいは第2の回路302がライン490からV
batで必要な電流を引き出す場合と比較して無視できる量である。
【0056】
図5Hを参照すると、ジャンクション回路420の第8の動作状態が存在でき、RF整流器/エネルギーハーベスタ414および第2の回路302のどちらも、エネルギー貯蔵装置304の充電を促進するためのライン488上およびライン494上のそれぞれの電流I
recおよびI
inを送信しない。第8の動作状態において、第2の回路302を有する電子機器は、電源オフであってよく、あるいは電源オンの場合と比較して電力消費を少ししか必要としない状態(例えば、スリープモード)であってよい。したがって、電流I
out、I
charge、およびI
inはすべて0である。
【0057】
図5A~
図5Hに示される実施形態においては、I
outが最初にジャンクション回路420から電力変換器418に送信され、したがって、V
batを、後の第2の回路302への送信のために必要なとおりに、ライン492上のV
outに変更することができる。例えばV
batと第2の回路302が必要とするV
outとが等しいか、あるいは互いに所定の許容誤差の範囲内である他の実施形態においては、第1の回路401は電力変換器418を含まなくてもよい。
【0058】
図6が、本開示の特定の実施形態による無線送電システム(例えば、WPT 200)と無線トランシーバ(例えば、無線トランシーバ400)との間の例示的な動作を示すシーケンス図である。最初に、WPT 510と無線トランシーバ520との間でディスカバリ信号530を介して通信を確立させることができる。ディスカバリ信号530は、無線トランシーバ520に電力を供給することができるパルス間隔変調信号であってよい。次いで、535において、WPT 510は、無線トランシーバ520からの応答に耳を傾けることができ、これは、ビーコン信号などのRF信号を監視することを含むことができる。
【0059】
無線トランシーバ520がディスカバリ信号を受信すると、無線トランシーバ520は、エネルギー貯蔵装置304の充電レベルまたは他の動作状態に応じて、(540における)RF(例えば、ビーコン)信号、(550における)データ通信信号、または両方を送り返すことができる。WPT 510は、無線トランシーバ520からの送信信号を受信し、それに応答して、(560において)無線電力信号を無線トランシーバ520へと送信することができる。いくつかの実施形態において、データ通信信号550は、
図6に示されるように、無線電力信号が無線トランシーバ520へと送信された後にWPT 510へと送信されてもよい。無線電力信号560は、第1の帯域における逆指向性リンクを介して提供されてよく、データ通信信号は、第2の帯域において提供されてよく、両者はデュアルバンドアンテナ(例えば、アンテナ410)を介して送信または受信されてよい。無線電力信号560は、WPT 510によってビーコン信号540から決定された範囲および位置に基づくことができる。
【0060】
WPT 510は、無線トランシーバ520からビーコン信号540を受信し、複数のアンテナ410における信号の受信の位相(または、方向)を検出または他の態様で測定することができる。いくつかの実施形態において、WPT 510は、ビーコン信号540について測定された位相の複素共役を決定することができ、複素共役を使用して送信位相を決定し、無線電力信号の送信を無線トランシーバ520へと届け、あるいは他の態様で向けるようにアンテナ410を構成することができる。
【0061】
図7が、本開示の特定の実施形態による無線トランシーバ(例えば、無線トランシーバ400)を動作させるためのプロセス600の状態図である。プロセス600を、本技術に従って、本明細書で説明されるように、トランシーバ400およびそのさまざまなコンポーネントによって実施することができる。プロセス600は、開始状態602で開始することができ、開始状態602によって、エネルギー貯蔵装置304および第2の回路302へと両者の間に無線トランシーバ400を結合させた充電式電子機器300が、最初にオンにされる。いくつかの実施形態においては、これに代え、あるいは加えて、プロセス600を、装置300がオフにされているような時間中であっても開始させることができる。
【0062】
開始状態602から、プロセス600は、論理分岐604に進むことができ、論理分岐604において、コントローラ404は、無線電力信号がRF整流器/エネルギーハーベスタ414によって受信されているか否かを判定する。論理分岐604の目的に関して、無線電力信号がRF整流器/エネルギーハーベスタ414によって受信されていない場合、プロセス600は、論理分岐606に進むことができる。論理分岐606において、コントローラ404は、DC電力が充電式電子機器300の入力ポート308を介して受信されているか否かを判定することができる。論理分岐606の目的に関して、DC電力が入力ポート308において受信されていない場合、プロセス600は、動作610に進むことができる。動作610において、コントローラ610は、第1の回路401に、利用可能な電池電力をエネルギー貯蔵装置304から第1および第2のポート402aおよび402bを介して第2の回路302に伝送させることができる。動作610から、プロセス600は、論理分岐612に進むことができ、論理分岐612において、コントローラ404は、充電式電子機器300がオンであるか否かを判定することができる。一実施形態において、論理分岐612の目的に関して、コントローラ404が機器300がオンであると判定した場合、プロセス600は、開始状態602に戻ることができ、そうでない場合、プロセス600は終了状態614に進むことができる。別の実施形態において、プロセス600は、論理分岐612および終了状態612を含まなくてもよく、代わりに、プロセス600は、充電式電子機器300がオンであるか否かにかかわらず、動作610から開始状態602に戻ることができる。
【0063】
論理分岐606の目的に関して、DC電力が入力ポート308において受信されている場合、プロセス600は、動作608に進むことができる。動作608において、コントローラ610は、第1の回路401に、入力ポート308からの電力を第1および第2のポート402aおよび402bを介してエネルギー貯蔵装置304へと伝送させることができる。動作608から、プロセス600は、開始状態602に戻ることができる。
【0064】
論理分岐604の目的に関して、無線電力信号がRF整流器/エネルギーハーベスタ414によって受信されている場合、プロセス600は、論理分岐616に進むことができる。論理分岐616において、コントローラ404は、DC電力が充電式電子機器300の入力ポート308を介して受信されているか否かを判定することができる。論理分岐616の目的に関して、DC電力が入力ポート308において受信されている場合、プロセス600は、動作618に進むことができる。動作618において、コントローラ610は、第1の回路401に、DC電力をRF整流器/エネルギーハーベスタ414および入力ポート608の少なくとも一方からエネルギー貯蔵装置304へと伝送させることができる。
【0065】
一実施形態においては、動作618の目的に関して、DC電力がRF整流器/エネルギーハーベスタ414および入力ポート608の一方または両方から伝送されるかどうかが、コントローラ404による使用のためにメモリ428に格納されてよい少なくとも1つのユーザ構成設定によって決定される。一例において、構成設定は、無線トランシーバ400を充電式電子機器300の第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304へと両者の間に設置する前に、コントローラ404による使用のためにメモリ428に格納されてよい。別の例において、構成設定は、無線トランシーバ400を充電式電子機器300の第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304へと両者の間に設置した後に、コントローラ404による使用のためにメモリ428に格納されてよい。そのような例において、構成設定は、ハウジング301の外部からメモリ428に格納されるようにデータを送信するための手段(図示せず)によって適当なときに変更可能であってよい。動作618から、プロセス600は、開始状態602に戻ることができる。
【0066】
論理分岐616の目的に関して、DC電力が入力ポート308において受信されていない場合、プロセス600は、論理分岐620に進むことができる。論理分岐620において、コントローラ404は、RF整流器/エネルギーハーベスタ414のDC出力電力(例えば、VrecのPout)が、充電式電子機器300の第2の回路302が必要とするDC電力以上であるか否か(あるいは、それより大きいか否か)を判定することができる。論理分岐620の目的に関して、RF整流器/エネルギーハーベスタ414のDC出力電力が、機器300の第2の回路302が必要とするDC電力以上である(あるいは、それよりも大きい)場合、プロセス600は動作624に進むことができる。動作624において、コントローラ610は、第1の回路401に、RF整流器/エネルギーハーベスタ414からのDC電力を第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304の両方に伝送させることができる。動作624から、プロセス600は、開始状態602に戻ることができる。
【0067】
論理分岐620の目的に関して、RF整流器/エネルギーハーベスタ414のDC出力電力が、機器300の第2の回路302が必要とするDC電力未満(あるいは、以下)である場合、プロセス600は動作622に進むことができる。動作622において、コントローラ610は、第1の回路401に、RF整流器/エネルギーハーベスタ414およびエネルギー貯蔵装置304の両方からのDC電力を第2の回路302に伝送させることができる。動作624から、プロセス600は、開始状態602に戻ることができる。
【0068】
図8が、本開示の特定の実施形態による無線トランシーバ(例えば、無線トランシーバ400)を動作させる方法700のフローチャートである。方法700を、本技術に従って、本明細書で説明されるように、トランシーバ400およびそのさまざまなコンポーネントによって実施することができる。方法700は、無線電力信号を受信する第1の回路401に応答して誘起される電圧(例えば、V
rec)に関連する出力電力が、第1の回路401に結合した機器300(例えば、その第2の回路302)の電力要件以上であるか否かを(例えば、コントローラ404および/または第1の回路401によって)判定するステップ702を含んでよい。
【0069】
判定ステップ702において例えばコントローラ404によって判定された結果403に応じて、方法700は、2つの選択肢としてのステップに進むことができる。前述の出力電力が機器300の電力要件以上である(例えば、電力要件を満たす)との判定702において、方法700は、第1の回路401から第1の回路401に結合した第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304へと第1の電流を伝送するステップ704を含むことができる。あるいは、前述の出力電力が機器300の電力要件未満である(例えば、電力要件を満たさない)との判定702において、方法700は、第1の回路401から第2の回路302へと第2の電流を伝送するステップ706、およびエネルギー貯蔵装置304から第2の回路302へと第3の電流を伝送するステップ708を含むことができる。いくつかの実施形態においては、方法700において、2つの伝送ステップ706および708を順次に実行することができる。他の実施形態においては、方法700において、2つの伝送ステップ706および708を同時に実行することができる。
【0070】
方法700は、上述のとおりのステップ702、704、および706を容易にする目的のための種々の追加のステップを含むことができる。方法700は、(例えば、送信モードにおいてアンテナ410を介して第1の回路401によって)RF(例えば、ビーコン)信号をWPT 200に送信するステップ708を含むことができる。さらに、方法700は、(例えば、受信モードにおいてアンテナ410を介して第1の回路401によって)WPT 200から無線電力信号を受信するステップ710を含むことができる。方法700のいくつかの実施形態において、無線電力信号は、無線トランシーバ400によってWPT 200に送信(708)されるRF信号に応答して、WPT 200から無線トランシーバ400によって受信(710)されてよい。一例において、方法700は、無線電力信号の受信(710)に応答して視覚インジケータ(例えば、LEDライト422)を作動させるステップ711をさらに含むことができる。
【0071】
方法700は、(例えば、アンテナ410を介する)無線電力信号の受信(710)に応答して(例えば、第1の回路401のRF整流器/エネルギーハーベスタ414によって)電圧を誘起するステップ712をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、方法700の誘起するステップ712は、第1の電圧の誘起(714)を含むことができる。一例において、方法700は、誘起するステップ714の後に、(例えば、第1の回路401の電力変換器418によって)第1の電圧を第2の電圧に変換するステップ716をさらに含んでもよい。
【0072】
一実施形態において、方法700は、第2の回路302が(例えば、入力ポート308を介して)外部電源から第4の電流を受け取っていると(例えば、コントローラ404および/または第1の回路401によって)判定するステップ718をさらに含んでもよい。実施形態において、第4の電流が第2の回路302によって受け取られる場合、方法700は、第2の回路302から第4の電流を(例えば、第1の回路401によって)受け取るステップ720を含んでもよい。方法700において、第4の電流の第1の回路401による受け取り(720)の後に、第4の電流は、第1の回路401によってエネルギー貯蔵装置304に伝送(722)されてもよい。
【0073】
方法700は、第2の回路302、エネルギー貯蔵装置304、および第1の回路401のRF整流器/エネルギーハーベスタ414についてDC電流を分配するステップ724をさらに含んでよい。一実施形態において、方法700の分配ステップ724は、第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304への伝送ならびに/あるいは第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304からの受信のために、前述の第4の電流、ならびに前述の第1、第2、および第3の電流のうちの少なくとも一つを分配することを含んでよい。方法700において、分配ステップ724は、メモリ428に記憶されてよい第1の回路401の前述の構成設定に従って(例えば、少なくとも部分的にコントローラ404によって)実施されてよい。種々の分配(724)されたDC電流のうちの1つ以上は、1つ以上の他の分配(724)されたDC電流の電圧とは異なる電圧に関連付けられてよい。
【0074】
再び
図4および
図7を参照すると、いくつかの実施形態においては、第1の回路401のジャンクション回路420の回路が、方法700の分配ステップ724に必要な機能を少なくとも部分的に実装してもよい。
図4に示されるように、ジャンクション回路420は、第1の回路401内の電力の流れのラインの交差部に位置する。充電式電子機器300の第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304へと両者の間に結合した第1の回路401において、ジャンクション回路420は、電力の3つの供給源、すなわち入力ポート308、エネルギー貯蔵装置304、および第1の回路401のRF整流器/エネルギーハーベスタ414から、電流を受け取り、中継することができる。したがって、ジャンクション回路420は、コントローラ404および/または電力変換器418によって提供される機能と共に、エネルギー貯蔵装置304の充電、第2の回路302の動作、およびコントローラ404などの第1の回路401のコンポーネントへの必要な電力の供給に使用するために、種々のDC電流を分配(724)することができる。
【0075】
分配ステップ724に関連する上述の構造および機能は、方法700におけるエミュレートステップ726をさらに可能にする。第1の回路401を第2の回路302およびエネルギー貯蔵装置304へと両者の間に結合させた無線トランシーバ400において、第1の回路401は、第2の回路302に対してエネルギー貯蔵装置304をエミュレート(726)する。例えば、限定はされないが、コントローラ404は、電力変換器418およびジャンクション回路420などの第1の回路401のさまざまな他のコンポーネントと共に、第1の回路のVoutを、充電式電子機器300が元々動作するように設計されたVbatの所定の許容誤差の範囲内に維持することができる。とくには、本技術のこの特徴は、とりわけ、無線トランシーバ400をほとんどあらゆる充電式電子機器300に後付けすることを可能にすることで、機器300の既存の回路またはソフトウェア/ファームウェアの変更を必要とせずに、1つ以上のWPT 200からの無線電力信号を使用する無線充電能力を効果的に提供する。同一または同様の理由で、本技術の無線トランシーバ400は、無線電力信号を用いた動作および充電を可能にするために、ほとんどあらゆる充電式電子機器300の新たな設計に初めから効果的かつ効率的に統合することが可能である。
【0076】
したがって、充電式電子機器300に関して利用可能な電力レベルが、エネルギー貯蔵装置304および/または入力ポート308からのDC電力の利用可能性によってのみ決定付けられるのではなく、本技術ならびに関連の装置、プロセス、および方法は、少なくとも(例えば、RF整流器/エネルギーハーベスタ414からの)第3のDC電力源が、機器300の動作および/またはエネルギー貯蔵装置304の充電に利用可能であることを可能にする。
【0077】
図9が、本開示の特定の実施形態による無線電力レシーバ810を有するコンピュータ機器800のブロック図を示している。コンピュータ機器800は、携帯電話機(または、スマートフォン)、タブレットコンピュータデバイス、デスクトップコンピュータデバイス、ラップトップコンピューティングデバイス、ウェアラブルコンピューティングデバイス、または本明細書の種々の実施形態による無線充電が適用可能な任意の他のコンピューティングデバイスなど、無線電力レシーバ810を有する任意の形態のコンピュータを含む。無線電力レシーバ810は、無線トランシーバ400、第1の回路400、コントローラ404、またはこれらの任意の組み合わせとして実装されてよい。さらに、無線電力レシーバ810は、本技術に従って、無線トランシーバ400およびその種々のコンポーネントに関して本明細書で説明される方法および機能のいずれかを実行および実施することができる。
【0078】
さまざまなインターフェースおよびモジュールがコンピュータ機器800に示され、あるいはコンピュータ機器800に結合しているが、コンピュータ機器800は、本明細書に記載の機能を実行するために、そのようなモジュールまたは機能のすべてを必要とするわけではない。多くの実施形態において、さまざまなコンポーネントは、それぞれのコンピュータ機器の動作に含まれず、あるいは必要ではないと理解される。例えば、全地球測位システム(GPS)無線機、セルラ無線機、SIMカード、カメラ、および加速度計などのコンポーネント、ならびに他のコンポーネントは、コンピュータ機器のいくつかの実装形態に含まれなくてもよい。さらに、示されているコンポーネントまたはモジュールのうちの1つ以上が、組み合わせられても、取り除かれてもよい。
【0079】
例えば、無線電力レシーバ810が実装される場合、電池、電力管理モジュール、またはその両方は、例えばコンピュータ機器800のすべての電力管理機能が無線電力レシーバ810に組み込まれている場合など、いくつかの実施形態においては冗長であり得る。さらに、無線電力レシーバ810を介して一定の電力を受け取る実施形態において、電池は不要かもしれない。
【0080】
本明細書において図示され、説明され、特許請求される本技術の実施形態は、少なくとも以下の好都合な技術的効果を提供する回路およびその制御方式を提供する。(a)高周波(RF)無線電力信号を用いた動作および電池の充電を可能にするために、無線トランシーバを既存の充電式電子機器に後付けすることができ、あるいは新たな設計に初めから統合することができるという技術的効果。(b)無線トランシーバが、充電式電子機器の動作およびその1つ以上の電池の充電に使用するために、無線電力信号から由来する電源を含む複数の異なるDC電源からの電流を受信、中継、および分配することができる回路を含むという技術的効果。(c)無線トランシーバが、充電式電子機器が使用する既存の電源によって動作することができ、これに加え、あるいは代えて、無線電力信号によっても動作することができるという技術的効果。(d)無線トランシーバが、既存の充電式電子機器のハウジングへの挿入を容易にできるサイズを有し、少なくとも部分的に可撓プリント回路基板(PCB)として形成されてよいという技術的効果。(e)充電式電子機器の回路およびその少なくとも1つの電池へと両者の間に結合した無線トランシーバが、機器の既存の回路および電池ならびに機器の既存のソフトウェアまたはファームウェアのいずれの変更も必要とせずに、少なくとも1つの電池をエミュレートするように制御される回路を、無線トランシーバが有するという技術的効果。(f)本開示を検討することで当業者であれば容易に理解および認識できるようなその他の技術的効果。
【0081】
本明細書に記載の実施形態の例示は、種々の実施形態の構造の全体的な理解を提供することを意図している。例示は、本明細書に記載の構造または方法を利用する装置およびシステムの要素および特徴のすべての完全な説明として役立つことを意図するものではない。多くの他の実施形態が、本開示を検討することで当業者にとって明らかであろう。他の実施形態が、本開示から利用および導出可能であり、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことが可能である。さらに、特定の実施形態を本明細書において図示および説明したが、同一または同様の目的を達成するように設計された任意の後続の構成が、示された特定の実施形態の代わりに使用されてもよいことを理解されたい。
【0082】
本開示は、種々の実施形態のありとあらゆる後の適合または変形を網羅することを意図している。上記の実施形態の組み合わせを行うことができ、本明細書に具体的には記載されていない他の実施形態が、説明を検討することで当業者にとって明らかであろう。さらに、図は単なる表現であり、縮尺どおりに描かれていない場合がある。図中の特定の比率は、誇張されている場合があり、他の比率は低減されている場合がある。したがって、本開示および図面は、例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【国際調査報告】