(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ストッカシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20241108BHJP
B65D 85/30 20060101ALI20241108BHJP
G03F 1/66 20120101ALI20241108BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/68 V
B65D85/30
G03F1/66
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024526699
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2022058019
(87)【国際公開番号】W WO2023078589
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300045134
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション (ジャーマニー) ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】BROOKS Automation (Germany) GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レブストック、ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェツ、マイケル アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
2H195
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
2H195BA10
2H195BE12
3E096AA06
3E096BA30
3E096BB05
3E096CA02
3E096CB03
3E096DA18
3E096EA02X
3E096FA10
3E096GA04
5F131AA12
5F131BA11
5F131CA12
5F131CA31
5F131DA05
5F131DA09
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5F131GA76
5F131GA77
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5F131GA87
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5F131HA04
5F131HA29
5F131JA04
5F131JA24
5F131JA35
(57)【要約】
複数のレチクル、特にEUVレチクルを格納するためのストッカシステムであって、各々が前記レチクルの1つをその内部に保持するように構成され、かつ一方を他方の上方に垂直に積み重ねてスタック(80)を設けるようにした複数の格納ポッド(110)を備え、前記格納ポッド(110)の各々は、入口(210)、出口(220)及び第1の開口(230)を有する通路(211)を備え、隣接する通路(211)の入口及び出口は、スタック(80)を通って延びるダクト(90)が設けられ、パージガスを吹き飛ばすことができ、前記ダクト(90)を通って吹き飛ばされたパージガスは、それぞれの第1の開口(230)を通って各格納ポッド(110)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレチクル、特にEUVレチクルを格納するためのストッカシステムであって、各々が前記レチクルの1つを内部に保持するように構成され、一方を他方の上方に垂直に積み重ねてスタック(80)を提供する複数の格納ポッド(110)を備え、前記格納ポッド(110)の各々は、入口(210)と出口(220)と第1の開口(230)とを有する通路(211)を備え、隣接する通路(211)の入口及び出口は、前記スタック(80)を通って延びるダクト(90)が提供されるように配置され、前記ダクト(90)を通してパージガスを移送することができ、前記ダクト(90)を通して移送された前記パージガスは、各々の前記第1の開口(230)を通して各々の前記格納ポッド(110)の内部(110a)へ入り込むことができる、システム。
【請求項2】
前記通路(211)の前記第1の開口(230)は、粒子フィルタ(235)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各々の前記格納ポッド(110)には第2の開口(250)が設けられ、前記第2の開口(250)を通してパージガスが前記格納ポッドの内部(110a)を出ることができ、好ましくは、前記第2の開口には粒子フィルタ(255)が設けられる、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
各々の前記格納ポッド(110)には少なくとも1つのハンドリング部材(120)が設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
各々の前記格納ポッドは、ベースプレート(112)とカバー(114)とを備え、前記スタックの隣接する格納ポッドを機械的に整列させるように構成および適合される整列機構が設けられ、特に、前記ベースプレートには溝(130)またはピンが設けられ、前記カバーにはピン(132)または溝が設けられ、溝およびピンは、隣接する格納ポッド(110)に設けられた対応するピンまたは溝と相互作用するために設けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
各々の前記格納ポッド(110)は、ベースプレート(112)およびカバー(114)を互いに固定するためのラッチ機構(116)を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のストッカシステムと、前記ストッカシステムを格納するように構成された格納体(660)とを含む、格納ストッカ。
【請求項8】
個々の格納ポッドを互いに、及び/又は、前記格納体(660)に物理的に、固定するように構成された固定機構を備える、請求項7に記載の格納ストッカ。
【請求項9】
レチクル、特にEUVレチクルをハンドリングする方法であって、ステップ前記レチクルを使用場所と格納場所との間、またはその逆に、移送ポッドで移送するステップと、前記レチクルを前記移送ポッドから格納ポッドへ、またはその逆に、移送するステップと、前記レチクルを前記格納ポッドの格納場所に格納するステップと、を備える方法。
【請求項10】
前記移送ポッドは、少なくとも内ポッドEIPを備え、前記格納ポッドは、内部に1つのレチクルを保持/格納し、スタックを提供するために、他の格納ポッドと共に、一方が垂直に他方の上方に積み重ねられるように構成され、各々の前記格納ポッドは、入口と、出口と、第1の開口でパージガスを吹き出すことができる通路と、を備え、前記通路を通して吹き出された前記パージガスは、前記第1の開口を通して前記格納ポッドの内部に入ることが可能である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
レチクルポッド(100)のスタックから第1のレチクルポッド(110a)を取り出すための装置であって、前記第1のレチクルポッド(110a)をハンドリングするための第1のハンドリング要素(742)と、第2のレチクルポッド(110b)をハンドリングするように構成された第2のハンドリング要素(744)と、を備え、前記第2のレチクルポッド(110b)が、前記レチクルポッド(100)のスタックで前記第1のレチクルポッド(110a)に隣接して垂直に上方に配置されており、前記第2のレチクルポッド(110b)が前記第1のレチクルポッド(110a)から持ち上げられることを可能とし、前記第1のレチクルポッド(110a)が第3のレチクルポッド(110c)から持ち上げられることを可能とするように、前記第1のハンドリング要素(742)と前記第2のハンドリング要素(744)とが、個々に水平方向に変位可能であり個々に垂直方向に変位可能であるように構成され、第3のレチクルポッド(110c)が、前記レチクルポッド(100)の前記スタックで前記第1のレチクルポッド(110a)に隣接して垂直に下方に配置され、前記第1のレチクルポッド(110a)は前記レチクルポッド(110)の前記スタックから取り出されることができ、前記第2のレチクルポッド(110b)は前記第3のレチクルポッド(110c)に配置することができる、装置。
【請求項12】
前記第1のハンドリング要素及び前記第2のハンドリング要素は、前記第2のレチクルポッドが前記第1のレチクルポッドに積み重ねられたときに、前記第1のレチクルポッド及び第2のレチクルポッドに設けられた各々のハンドリング部材の第2の垂直距離よりも大きい第1の垂直距離を有するように構成され、前記第1のハンドリング要素及び前記第2のハンドリング要素は、前記第1のレチクルポッドから前記第2のレチクルポッドを持ち上げ、前記第3のレチクルポッドから前記第1のレチクルポッドを持ち上げるために相互作用する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の垂直距離は固定された垂直距離である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のハンドリング要素および前記第2のハンドリング要素は、各々、前記第1のレチクルポッドおよび前記第2のレチクルポッドの両側に設けられたハンドリング部材と相互作用するように適合され水平方向に延在する2つのアームを備えるように設けられる、請求項11~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のハンドリング機構及び前記第2のハンドリング機構を個々に水平方向に変位させ、前記第1のハンドリング機構及び前記第2のハンドリング機構を併せて垂直方向に変位させるように構成された駆動装置を含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
請求項11~15のいずれか1項に記載の装置を用いて、前記レチクルポッドの前記スタック(100)から第1のレチクルポッド(110a)を取り出すための方法。
【請求項17】
前記第1のレチクルポッド(110a)のハンドリング部材(120)の下方に前記第1のハンドリング要素を位置決めし、第2のレチクルポッド(110b)のハンドリング部材(120)の下方に第2のハンドリング要素(744)を位置決めするために、前記第1のハンドリング要素(742)及び前記第2のハンドリング要素(744)は、水平方向に併せて変位し、前記第1のハンドリング要素(742)及び前記第2のハンドリング要素(744)は、前記第1のレチクルポッド(110a)から前記第2のレチクルポッド(110b)を持ち上げ、第3のレチクルポッド(110c)から前記第1のレチクルポッドを持ち上げるために、垂直方向に変位し、前記第3のレチクルポッド(110c)は、前記レチクルポッドの前記スタックで前記第1のレチクルポッドに隣接して垂直に下方に配置され、前記第1のハンドリング要素(742)は、前記レチクルポッドの前記スタックから前記第1のレチクルポッドを取り出すために個々に水平方向に変位し、前記第2のハンドリング要素(744)は、前記第3のレチクルポッドに前記第2のレチクルポッドを配置するために垂直方向に変位し、前記第2のハンドリング要素は、前記第2のレチクルポッドから分離するために水平方向に変位する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
レチクルをストッカに格納するように構成および適合される格納ポッドであって、ベースプレート(112)とカバー(114)とを備え、ラッチ機構(116)が、前記ベースプレート(112)と前記カバー(114)とを互いに解放可能な態様で保持するために設けられ、前記格納ポッドは、前記格納ポッドの積み重ねられた構成において隣接する格納ポッドとの機械的な整列を可能にするように構成および適合される整列機構を備える、格納ポッド。
【請求項19】
入口(210)と、出口(220)と、第1の開口(230)とを有する通路(211)を備え、前記入口および前記出口は、積み重ねられた構成で隣接する格納ポッドの隣接する通路(211)の入口および出口が、積み重ねられた構成を通って延びるダクト(90)を提供するように配置され、パージガスを移送することができ、第1の開口は、ダクト(90)を通って移送されるパージガスが前記第1の開口(230)を通って前記格納ポッドの内部(110a)に入ることができるように構成され適応される、請求項18に記載の格納ポッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチクル、特にEUVレチクルを格納するためのストッカシステム、対応する格納ストッカおよびレチクルを取り出すための装置に関する。本発明はさらに、レチクルをハンドリングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィプロセスは、集積回路(IC)および他の半導体関連装置および/または構造の製造におけるキーステップの1つとして広く使用されている。しかしながら、そのようなプロセスによって生成されるフィーチャの寸法が減少するにつれて、小型ICまたは他のデバイスおよび/または構造の生産のためのフォトリソグラフィの重要性が高まる。
【0003】
フォトリソグラフィでは、幾何学的パターンが、光、感光層、および後続のエッチングステップの使用によって、フォトマスク(通常、レチクルと呼ばれる)から基板、例えば半導体ウェハに移送される。基板の所望のフィーチャサイズに応じて、レチクルのフィーチャサイズは、レイリー基準を考慮して、パターン移送に使用される光の波長と同様に適合させる必要がある。
【0004】
達成可能な最小の特徴サイズを低減するために、極端紫外線(EUV)放射を使用することが提案されている。EUV放射は、5~20nmの範囲、例えば5~10nmの範囲の波長を有する電磁放射である。
【0005】
レチクルのあらゆる汚染は、フォトリソグラフィプロセスの結像性能を低下させる可能性があり、さらに深刻な場合には、レチクルの交換を必要とする可能性がある。レチクルは、典型的に高価であり、したがって、それを交換しなければならない頻度の任意の減少が有利である。さらに、レチクルの交換は、時間のかかるプロセスであり、その間、フォトリソグラフィプロセスは一時停止しなければならず、それによってその効率を低下させることがあり、望ましくない。
【0006】
EUVの用途では、粒径10nm未満の粒子汚染だけでなく、例えば揮発性有機化合物の吸着による化学汚染も関係する。
【0007】
したがって、このようなEUV用途に使用されるレチクルは、通常、以下では単にストッカと称する、またはより一般的には格納場所と称する、格納ストッカに格納され、リソグラフィ露光装置に関連して必要な場合に取り出される。それらが使用されるとき、レチクルは、通常、一般にファブと呼ばれる半導体製造プラントで、そのようなストッカからプロセスツールまで、移送される。通常、レチクルは、ストッカでの格納と同様に、移送中のいわゆるEUV外ポッド(EOP)およびEUV内ポッド(EIP)を備える二重シェル容器(二重ポッド)に格納される。
【0008】
このような二重ポッドは、例えば、US 2019/0214287 A1にさらに詳細に記載されている。
【0009】
粒子汚染の許容レベルは極めて低いので、容器に対するレチクルの摩擦(摩耗、ひいては粒子の発生につながる)、ならびに互いに対する容器の構成要素の摩擦を避ける必要がある。したがって、典型的なEIPは、1つのレチクルを、その中で移動するための非常に限定された可能性のみを有するような方法で収容するように設計される。それらはまた、EIP内部にレチクルを固定するように構成され適応された追加のレチクルリテーナを装備する。汚染を防止するために、EIPは、保護ガスまたは真空がレチクルに印加されることを可能にするように設計される。そのために、典型的には、フィルタ材料を備えたオリフィスが、保護ガスがEOPからそれぞれのEIPに含まれるレチクルの周囲に入るために設けられる。
【0010】
EOPは、EIPのレチクル固定手段を保持位置に付勢するように適合されたアクチュエータを備え、それにより、EOPがEIPに取り付けられたときに、EIP内部のレチクルを固定する。また、EOPは、摩擦によって引き起こされる摩耗を防止するために、通常、ベースプレート及びカバーと呼ばれるEIPの典型的な2つの構成要素を互いに固定するように機能する。
【0011】
EIP構成要素は、それらが外部から固定されていない限り、相互に対して移動可能であることを理解されたい。このような移動によって引き起こされる摩擦誘発磨耗を回避するために、EOPは、従来、EIPのためにこのような固定機能を提供する一方で、周囲雰囲気に対する保護も提供し、この保護は、例えば、動作のためにレチクルを必要とする格納位置とプロセスツールとの間の移送中に必要とされる。
【0012】
EOPはかなりかさばり、高い空間要件またはEUVレチクルを格納するストッカのための「フットプリント」につながる。さらに、それらは、同様に揮発性有機化合物の摩耗およびガス放出を起こしやすい重合体材料で作られている。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、それぞれの独立請求項に係る、ストッカシステム、格納ストッカ、レチクルのハンドリング方法、レチクルポッドのスタック及び格納ポッドからレチクルポッドを取り出す装置及び方法を提供することにより、これらの問題に対処する。
【0014】
有利な実施形態および追加の特徴は従属請求項において提供され、以下の説明においてさらに論じられる。
【0015】
本発明は、複数または複数のレチクル、特にEUVレチクルを格納するストッカシステムであって、各々が前記レチクルのうちの1つをその内部に保持するように構成され、互いに垂直に積み重ねられてスタックを提供するように構成された複数の格納ポッドを備え、前記格納ポッドの各々は、入口、出口および第1の開口を備え、隣接する通路の入口および出口、または換言すれば、隣接する格納ポッドの通路は、前記スタックを通って延在するダクトが提供され、それを通ってパージガスが移送され、前記ダクトを通って移送されたパージガスは、そのそれぞれの第1の開口を通って各格納ポッドの内部に入ることができるように配置されるストッカシステムを提供する。
【0016】
本発明は、複数の格納ポッドを互いに直接積み重ねることができ、それらの間に格納構造物がないので、非常にコンパクトで信頼性の高い格納システムを提供する。同時に、この直接積み重ねによって、各格納ポッドにパージガスを個別に供給するために、積み重ねられた全ての格納ポッドを通って延びるダクトを形成することができる。格納ポッドの内部の効果的なパージとして、本発明によれば、格納ポッドを流れるパージガスによってガス放出効果を効果的に打ち消すことができるので、格納ポッドを適当なプラスチック材料で作ることができる。格納ポッドは、金属材料で作ることもできる。
【0017】
有利には、各通路の第1の開口には、パージガスのみが第1の開口を通って各格納ポッドの内部に入ることができるように、粒子フィルタが設けられる。ここでは、スタックの異なる格納ポッド間の交差汚染を効果的に回避することができるように、各格納ポッドに対して個々の環境を設けることができる。
【0018】
各格納ポッドには第2の開口が設けられ、そこを通ってパージガスが格納ポッドの内部を出ることができ、第2の開口にはまた、好ましくは、粒子フィルタが設けられる。これらの第2の開口に粒子フィルタを設けることは、交差汚染のリスクをさらに最小化する。
【0019】
有利には、各格納ポッドには、ハンドリングフランジまたはハンドルのような少なくとも1つのハンドリング部材が設けられる。好ましくは、ハンドリング部材を格納ポッドの4つの側面全てに設けることができ、これにより、ハンドリングロボットが、格納ポッドの回転を必要とすることなく、ハンドリング部材で格納ポッドを把持することができる。これによりハンドリング時間が大幅に短縮される。このようなハンドリングロボットには、ハンドリング、すなわち運搬、格納ポッドのために、エンドエフェクタとしても知られる少なくとも1つのハンドリング要素が設けられることが好ましい。
【0020】
好ましい実施形態によれば、各格納ポッドは、ベースプレートとカバーとを備え、格納ポッドは、積み重ねられた形態で隣接する格納ポッドを機械的に整列させるように構成され適応された整列機構が設けられ、特にベースプレートには溝またはピンが設けられ、カバーにはピンまたは溝が設けられ、溝およびピンは、隣接する格納ポッドに設けられた対応するピンまたは溝と相互作用するように設けられる。そのような嵌合溝およびピンは、スタックの格納ポッドの正確かつ正確な位置合わせおよび位置決めを保証する。例えば、互いに重ねられた隣接する格納ポッドには、技術分野でしばしば運動ピンと呼ばれる相互作用ピン、好ましくはドーム形状のピン、及びそれに対応する形状の凹部をそれぞれ設けることができる。これにより、格納ポッドの位置合わせおよび位置決めを行うことができ、同時に、隣接する格納ポッドの水平方向の移動に対する安全措置を行うことができる。これは、ハンドリングロボットによる効果的なハンドリングを確保するために有利である。
【0021】
有利には、各格納ポッドには、ベースプレートおよびカバーを互いに固定するためのラッチ機構が設けられている。このようなラッチ機構は、多数のラッチを備えることができ、ベースプレートとカバーとの間のガス密接続部を確実にするものであり、これらの構成要素は、通常、金属材料で作られている。特に、このようなラッチ機構は、ベースプレートとカバーがロック状態で互いに相対的に動くのを防ぎ、それによって摩耗を防ぐようになっている。また、ラッチ機構は、格納ポッドに対してレチクルを格納ポッドに固定するように構成することができ、これにより、磨耗および汚染の影響も最小限に抑えることができる。
【0022】
本発明はまた、そのようなストッカシステムと、ストッカシステムを格納するように適合された格納体とを備える格納ストッカを提供する。このような格納ストッカは、一般に、少なくとも1つのロードポートを含む機器フロントエンドモジュール(EFEM)と、ストッカシステムが配置される格納領域とを含む。格納ストッカは半導体ファブの一部である。
【0023】
格納ストッカは、個々の格納ポッドを互いにおよび/またはスタックが格納されている格納体に物理的に固定するために、固定機構、例えばクランプ機構またはばね機構を備えていることが有利である。これにより、地震による個々の格納ポッドまたは内部に格納されたレチクルの損傷に対する効率的な安全対策が提供される。例えば、少なくとも1つのスプリングを含むスプリング機構を設けて、スタックの頂部に作用する下向きの力を連続的に提供することができる。例えば、ばねは、最上段の格納ポッドの上方に配置されたプレートで押し下げるように構成することができる。このプレートには、例えば、格納ポッドに設けることができるハンドリング部材と同様の方法で成形された取手を設けることができ、これにより取手及びプレートを持ち上げて頂部格納ポッドにアクセスすることができる。プレートには、最上段の格納ポッドの穴及び/又はピンのような対応する位置合わせ形状構成に係合するために、格納ポッドに面するその下側に位置する位置合わせ形状構成(例えば、ピン及び/又は穴)を設けることができる。また、このようなプレートの代わりに、上部位置にある恒久的に空の格納ポッドを使用することもできる。ロボットは、スタックを持ち上げると、スプリング機構に対して動作する。少なくとも1つのバネを備えるバネ機構を、例えば、格納ポッドのスタックの下の底板に対して作用するスタックの下側に設けることもできる。このようなばね機構の代わりに、またはそれに加えて、カムまたは他のタイプのクランプ機構が、頂部プレート、最上部の格納ポッド、底部プレートまたは最下部の格納ポッドに力を及ぼすことができる。そのようなカムまたはクランプは、アクセスが所望されるときに、能動的に解放される。
【0024】
このような固定機構は、重力効果に加えて利用することができ、これはまた、積み重ねられた格納ポッドを互いに固定することを助ける。
【0025】
また、本発明は、レチクル、特にEUVレチクルをハンドリングする方法を提供し、以下のステップを含む。すなわち、レチクルを使用場所、典型的には半導体プロセスツールと、本発明に記載のレチクルストッカシステムを含む、またはその逆を含む格納または格納場所との間を、移送ポッドで移送するステップと、レチクルを移送ポッドから格納ポッドに移送するステップと、レチクルを格納ポッドの格納場所に格納するステップと、を含む。移送および格納のために異なるポッドを使用することによって、レチクルに対する汚染効果を最小限にすることができ、これは、EUVレチクルに関連して特に重要である。
【0026】
好ましくは、移送ポッドは少なくとも内ポッドEIPを備え、格納ポッドは、一方のレチクルをその内部に保持し、他方の格納ポッドと共に垂直に一方が他方の格納ポッドと共に積み重ねてスタックを提供するように構成され、各格納ポッドは、入口、出口及び第1開口を備えたパージガスを移送することができる通路を備え、通路を通って移送されたパージガスは、第1開口を通って格納ポッドの内部に入ることができる。
【0027】
有利には、移送ポッドは、内ポッドEIP及び外ポッドEOPを備える。レチクルが取り出され、格納ポッドに移送されたEIPおよび/またはEOPは、それ自体、例えばEFEMハンドリングロボットの上方または近傍に設けることができる移送ポッドバッファに格納することができる。
【0028】
本発明は、従来のシステムによって提供されるものよりも低いレベルの汚染および改善された損傷保護を確実にしながら、レチクルを格納するための必要なスペースを減少することを可能にする。これは、一部には、本発明で使用されるような格納ポッドが、以前はストッカのレチクルの格納のために使用されていたEIP、並びにストッカ外のレチクルの移送のために使用されていたEIPとは対照的に、ストッカシステムを離れないという事実による。更に、ガス放出EOPからの格納中の化学汚染も防止され、機械的損傷保護が二重ポッドにレチクルを格納するよりも改善される。言及したように、従来技術のEIPは、ガス放出を防止するために、典型的には金属材料で作られているが、本発明にしたがって使用されるような格納ポッドは、プラスチック材料で作ることができるが、金属材料を使用することも有利である。
【0029】
また、本発明は、第1のレチクルポードをハンドリングするための第1のハンドリング要素と、第1のレチクルポードをハンドリングするための第2のハンドリング要素とを備え、第2のレチクルポードは、レチクルポードのスタックで隣接して垂直に配置されており、第1のレチクル要素と第2のレチクルポードは、第1のレチクルポードから持ち上げることができるように、水平方向に個別に変位可能であり、第1のレチクルポードは、第3のレチクルポードから持ち上げられるように、第2のレチクルポードは、スタックの第1のレチクルポードの下に垂直に配置されるように形成されている、レチクルポードを検索するための装置を提供する。レチクルポッド、第1レチクルポッド、および第2レチクルポッドの積層体を検索することができる 第3のレチクルポッドに配置する。
【0030】
有利には、第1のハンドリング要素及び第2のハンドリング要素は、第1のレチクルポッドから第2のレチクルポッドを持ち上げて第3のレチクルポッドから外すために、ハンドリング要素が相互作用する第1及び第2のレチクルポッドに設けられたそれぞれのハンドリング部材の垂直距離よりも大きい互いに垂直距離を有するようになっている。
【0031】
便宜的には、ハンドリング部材間には垂直方向の距離が固定されるように設けられる。これにより、ハンドリング部材の駆動部を垂直方向に構成することが簡素化され、信頼性の向上につながる。
【0032】
第1のハンドリング要素及び第2のハンドリング要素は、各々、第1のレチクルポッド及び第2のレチクルポッドの両側に設けられたハンドリング部材と相互作用するようになっている2つの水平方向に延在するアームを備えるように設けられることが好ましい。
【0033】
有利には、本装置は、水平方向に第1のハンドリング機構及び第2のハンドリング機構を個別に変位させ、垂直方向に第1のハンドリング機構及び第2のハンドリング機構を共同で変位させるように構成された駆動装置を含む。
【0034】
また、本発明は、上述のような装置を用いて、レチクルポッドのスタックから第1のレチクルポッドを取り出す方法を提供する。
【0035】
第1のハンドリング要素と第2のハンドリング要素とを、第2のレチクルポッドの第1のハンドリング要素の下に水平方向に配置するために、第1のハンドリング要素と第2のハンドリング要素とを共同で垂直方向に変位させ、第2のレチクルポッドから第2のレチクルポッドを持ち上げるために、第3のレチクルポッドを、レチクルポッドのスタックの第1のレチクルポッドに隣接してかつ垂直方向に配置し、第1のハンドリング要素と第2のハンドリング要素とを共同で垂直方向に、すなわち、上方へ変位させる。第3のレチクルポッド、および第2のハンドリング要素は、これを第2のレチクルポッドから分離するように水平方向に変位させる。ここでは、ハンドリング要素の変位を最小限に抑えてn個の格納ポッドを収容するスタックから個々の格納ポッドを容易に取り出すことができ、従って、個々にさらにハンドリングすることができる格納ポッド及びn-1個の格納ポッドを含むスタックを提供することができる。
【0036】
このような改良された格納コンセプトを開発する際に考慮する必要がある側面は、レチクルがフォトリソグラフィプロセス装置に提供される方法を変更することが非常に望ましくないことを含み、これは、通常、半導体生産設備の最も複雑でコストのかかる部分である。
【0037】
ここで議論される全ての方法ステップは、有利には、自動化された方法で、例えば、1以上のロボット構成要素によって実行され得ることに留意されたい。
【0038】
本発明はまた、ベースプレートとカバーとを備える、ストッカにレチクルを格納するように構成および適合された格納ポッドを提供し、ベースプレートとカバーとを一緒に解放可能な方法で保持するためのラッチ機構が提供され、格納ポッドは、積み重ねられた構成の場合に、隣接する格納パッドとの機械的整列を可能にするように構成および適合された整列機構を備えている。好ましくは、積み重ねられた構成においてこのように整列された隣接する格納ポッドは、互いに本質的に同一であるように提供される。
【0039】
有利には、格納ポッドは、入口、出口、および第1の開口を有する通路を備え、入口および出口は、積み重ねられた構成の隣接する格納ポッドの隣接する通路の入口および出口が配置され、それによって、積み重ねられた構成を通って延びるダクトが提供され、それを通ってパージガスを移送することができるように構成され、第1の開口は、ダクトを通って移送されたパージガスが、その第1の開口を通って格納ポッドの内部に入ることができるように構成され適応される。
【0040】
したがって、本発明は、ポッドを互いに積み重ねることができ、ハンドリングの自動化を容易にするように、その上面および底面に相補的な整列機構(例えば、ピンおよび穴)を有する2つの部分の格納ポッドを提供する。
【0041】
整列機構を有する格納ポッドの有利な提供はまた、上述したように、パージガスの移送のための入口、出口および開口のない格納ポッドのために提供することができる。
【0042】
本発明の利点およびさらなる態様を、添付図面を参照してさらに議論する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるストッカシステムに使用するための2つの同一の格納ポッドの好ましい実施形態の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、レチクルとともに、
図1に示されるような格納ポッドのうちの1つのベースプレートの斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の好ましい実施形態によるストッカシステムの模式的側面図を示す。
【
図4】
図4は、
図2に示すようなベースプレートの平面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の好ましい実施形態による格納ポッドの概略側面断面図をします。
【
図6】
図6は、本発明によるストッカシステムを用いることができる、本発明による格納ストッカの好ましい実施形態の概略平面図を示す。
【
図7a】
図7aは、格納ポッドのスタックから格納ポッドを取り出す方法の好ましい実施形態の概略図を示す。
【
図7b】
図7bは、格納ポッドのスタックから格納ポッドを取り出す方法の好ましい実施形態の概略図を示す。
【
図7c】
図7cは、格納ポッドのスタックから格納ポッドを取り出す方法の好ましい実施形態の概略図を示す。
【
図7d】
図7dは、格納ポッドのスタックから格納ポッドを取り出す方法の好ましい実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
非常に厳しい清浄度の要件のために、EUVレチクルは、通常、プロセスツールなどの使用場所と、いわゆるEUV外ポッド(EOP)およびEUV内ポッド(EIP)を備える二重シェル容器(二重ポッド)にあるレチクルストッカまたは格納ストッカと通称される格納場所との間で移送される。これらのEOPは、標準ファブ移送システム、例えば、天井ホイスト移送(OHT)、天井シャトル(OHS)、無人移送車(AGV)、無人移送車(PGV)およびレール誘導車(RGV)での安全で確実なハンドリングを確実にするために、寸法、すなわちSEMI 152規格と互換性のある寸法および形状を有する。
【0045】
以前は、レチクルも格納ストッカのこれらの二重ポッドに格納されていた。このような格納の大きな体積要件のために、最近の示唆は、ストッカのレチクルをEIPのみに格納することを含んでいる。EIPのこの格納は、EIPのレチクルを固定し、またEIP構成要素を互いに固定する追加的手段を必要とする。
【0046】
本発明は、格納ストッカに格納するためのレチクルを、上述のように移送のために使用される二重ポッドのEIPから専用の格納ポッドに移すというアイデアを利用する。この専用の格納ポッドは、EIPと同様の全体寸法を有するが、ストッカでは一方を他方の真上に積み重ねることができ、それによってストッカの総所要格納容積をさらに減少させる。
【0047】
ここで、格納ストッカの主要構成要素を示す
図6を参照して、この一般的な概念をさらに説明する。
【0048】
図6に示される格納ストッカは、一般に600に示される。これは、2つのロードポート610(そのうちの1つは、EUV二重ポッド611を保持するように示され、そのうちの他方は、説明のために空として示される)を備える装置フロントエンドモジュール(EFEM)620と、EFEMハンドリングロボット622と、EIPオープナステーション624とを備える。格納ストッカ600は、格納ポッドオープナステーション642、格納ロボット644、及び格納棚660を含む格納領域640を更に含み、これらはレチクル、特に本発明によるストッカシステムを含む格納ポッドのスタックを保持するようになっている。説明の目的で、格納ポッド661を、格納棚660と関連して示す。
【0049】
EFEMハンドリングロボット622及び格納ロボット644は、典型的には、2つのエンドエフェクタ622a、622b及び1つのエンドエフェクタ644aをそれぞれ備えている。エンドエフェクタは、把持機構またはハンドリング機構として提供される。EFEMハンドリングロボット622の第1のエンドエフェクタ622aは、EIPをハンドリングし、移動させるように構成されており、EFEMハンドリングロボット622の第2のエンドエフェクタ622bは、裸のレチクルをハンドリングし、移動させるように構成されている。格納ロボット644には、格納ポッドおよびレチクルをそれぞれハンドリングし、移動させるように構成された2つのエンドエフェクタを設けることもできるが、例えば、
図6に示すように、格納ポッドのみをハンドリングするように、1つのエンドエフェクタのみを設けることもできる。
【0050】
通常、格納領域640の格納スタックに格納されるレチクルを含む、外ポッドEOPおよび内ポッドEIPを備える二重ポッド(EUVポッド)611は、EFEM 620のロードポート610のうちの1つに送出される。ロードポート610では、外ポッドEOPが開かれ、その結果、格納されるレチクルを依然として含む内ポッドEIPは、外ポッドEOPから取り外され、その第1のエンドエフェクタを用いて、EFEMロボット622によってEIPオープナステーション624に移送され得る。ここではさらに説明しない代替の実施形態では、ロードポート610で内ポッドを開放し、裸のレチクルを格納ポッドオープナステーション642に設けられた開放された格納ポッドに直接移送することも可能である。この代替実施形態では、ロードポート610に加えて、EIPオープナステーション624のような指定されたEIPオープナステーションを設ける必要はない。
【0051】
EIPオープナステーション624では、内ポッドEIPは、EIPに含まれる裸のレチクルがアクセス可能になるように開かれる。同時に、格納ロボット644は格納ポッド661を、その第1のエンドエフェクタ644aを利用して、格納棚660の格納スタックから格納ポッドオープナステーション642に移送する。格納ポッドオープナステーション642において、格納ポッド661は開放される。EFEMハンドリングロボット622は、次に、EIPオープナステーション624で開かれたEIPから、その第2のエンドエフェクタ622bを利用して、格納ポッドオープナステーション642の開かれた格納ポッドへと、裸のレチクルを移送する。
【0052】
次いで、格納ポッドオープナステーション642の格納ポッド661が閉じられ、レチクルを内部に有する格納ポッド661が、格納ロボット644によって格納棚660の格納スタックに戻される。
【0053】
格納棚660の格納スタックの格納ポッド661に格納されたレチクルをロードポート610に移送するために、上記のステップは逆の順序で実行することができる。
【0054】
格納ポッドオープナステーション642は、格納領域640とEFEMとの間のロックとして有利に提供されることに留意されたい。ここでは、格納ストッカの異なるセクションまたはその間で、明確な清浄度のレベル差を維持することができる。有利には、格納ポッドオープナステーション642は、2つのドア(
図6には図示せず)を備え、そのうちの第1のドアは、EFEM 620に向かって開閉可能であり、第2のドアは、格納領域640に対して開閉可能である。レチクルが、第1のドアを介して格納ポッドオープナステーション642の格納ポッドに移送された後、第2のドアが閉じられ、次いで、第1のドアも閉じられる。この状態において、格納ポッドオープナステーション642は、(明示的に示されていない)パージガスシステムによってパージすることができ、例えば、EFEM 620における環境のものより高い清浄度レベルを達成することができる。このパージは、格納ポッドの前および/または後に行うことができ、その内部にレチクルがある状態で、閉じられる。
【0055】
これが達成されると、格納庫への第2ドアが開き、格納ポッドが格納棚660の格納スタックに移送される。
【0056】
本発明で使用されるような格納ポッドは、通常の使用中、すなわち、レチクルを格納するために、半導体ファブのレチクルの移送のために使用されないので、ストッカの内部に残る。しかし、清掃手順などの特定の目的のために、ストッカから空の格納ポッドを取り外すことが可能である。ストッカからの空の格納ポッドのこの除去は、有利には、レチクルがとるのと同じ経路、すなわちEFEMハンドリングロボットを介して行うことができる。したがって、格納ポッドの汚染、特にファブ環境からの汚染は、以前の解決法と比較して最小限に抑えることができる。
【0057】
EFEMハンドリングロボット622はまた、空の格納ポッドを外ロードポート610の1つに移送し、ここで専用の外ポッドに配置することができ、この専用の外ポッドで洗浄装置に移送することができる。有利には、EFEMハンドリングロボット622は、その第1のエンドエフェクタ622aをここで使用する。
【0058】
EFEMは、有利には、クラス1ミニ環境のためのAMCフィルタされたFFUを備え、EFEMとファブ環境との間、ならびにEFEMと格納ポッドのための格納領域640との間に分離が提供される。
【0059】
EFEMは、通常、装置の異なるアイテム間のファブの移送に使用される標準的なSEMI E152に従った標準的なEUVポッドのために、上述のようなロードポート610のような複数のロードポートを備えている。これらのロードポートは、上述したように、EUVポッド、特にEOPを開くように適合される。また、負荷ポートは、EIPを開くように適合されてもよく、この変形は、図に明示的に示されていないが、内部の裸のレチクルへのアクセスを得るためである。
【0060】
図1において、レチクルストッカにレチクルを格納するようにそれぞれ適合された2つの格納ポッドが、110と示されている。各格納ポッド110は、ベースプレート112およびカバー114を備える。
図1は、それらが通常レチクルを収容する、その閉鎖状態の格納ポッド110を示す。
【0061】
ベースプレート112およびカバー114は、ラッチ機構116によってともに保持され、そのうち、格納ポッド110の前側に設けられた2つのラッチ117は、
図1において見える。格納ポッド110の後側には、
図1においては見えていない、さらに2つのラッチが設けられている。典型的には、ラッチ機構は、3つの状態、すなわち、ベースプレート112およびカバー114がしっかりと閉じ、その間に保護された内部を提供するロック状態、ベースプレート112およびカバー114が、例えば、レチクルを装填または取外すために互いに分離され得るロック解除状態、および、ラッチ117が、例えば、洗浄のための他のツールでの使用のために使用不能にされるアイドル状態を規定するために提供され得る。典型的には、ラッチ117は、能動的にロック状態またはロック解除状態に戻るまで、アイドル位置に留まる。
【0062】
ラッチ機構116は、レチクルストッカに格納中、およびレチクルが二重ポッドのEIPから格納ポッド110に、またはその逆に移送される移送ステーション(例えば、格納ポッドオープナステーション624)との間で運搬中に、ベースプレート112およびカバー114を一緒に保持する役割を果たす。ラッチ機構は、格納ポッドの内側に分離した雰囲気を提供するために、気密の方法でベースプレートとカバーを一緒に保持することができ、かくして、外部からの汚染を最小限に抑えることができることに留意されたい。また、例えば、レチクルポッドの内側の正のガス圧の場合、クランプ機構は、格納ポッドの内側の汚染を最小限にするために、ベースプレートとカバーを密閉状態で一緒に保持する必要はない。この種の移送ステーションは、典型的には、レチクルストッカに統合される。有利には、ロック位置では、ラッチ機構は、互いに対するベースプレート112およびカバー114のあらゆる動きを阻止するように働き、それによって、許容できない汚染につながる可能性があるレチクルの格納中のあらゆる磨耗効果を最小限に抑えるか、または回避する。
【0063】
上述のEFEMは、格納ポッド開放機構を備えるように設けられ、格納ポッド開放機構は、ラッチ機構116を起動及び停止させることができる。
【0064】
格納ポッド110は、格納ポッドが閉鎖位置にある場合に、格納ポッドの内側にレチクルを固定するための機構を備える。この機構は、格納ポッドのレチクルの移動によって引き起こされる磨耗効果による潜在的な汚染をさらに最小化する。有利には、ラッチ機構116は、上述のように、ベースプレートとカバーとを互いに固定し、レチクルを格納ポッドに対して固定するように構成される。
【0065】
格納ポッド110の両側には、ハンドリングフランジやハンドルなどのハンドリング部材120が設けられている。各側面にハンドリング部材を設けることにより、ハンドリングロボットが、格納ポッドを回転させる必要なしに、格納ポッド110をどの側面からも把持することが可能となる。図示の実施例では、側面ハンドリング部材は、カバー114に設けられている。これらを、ベースプレート112に、または、例えば、ベースプレートの2つの反対側に、および、カバーの2つの異なる反対側に設けることも考えられ、それにより、ハンドリングロボットによるベースプレートまたはカバーの個々のハンドリングが可能になるか、または少なくとも簡素化される。
【0066】
ベースプレートおよびカバーは、有利には、相補的な整列機構を備えて提供され、積層構成における格納ポッドの物理的または機械的な整列を可能にするか、または容易にする。
図1に示す実施形態では、例えば、各ベースプレート112は、その下側に形成された複数の溝130を備えている。各カバーには、その上側に対応する複数のピン(「運動ピン」)132が設けられている。あるいは、各ベースプレートに複数のピンを設け、各カバーに複数の対応する溝を設けてもよい。溝130およびピン132は、格納ポッドの正確な位置合わせが、それらが互いに積み重ねられたときに提供されるように、互いに嵌合するように形成され位置決めされる。このような正確なアラインメントはハンドリングロボットによる効果的なロボットハンドリングの前提条件である。有利には、溝13は、細長い穴またはスロットとして提供される。
図1から分かるように、カバー114の左側の2つのピン132は、関連する溝130の左端と相互作用するのに対して、カバーの右側のピン132は、関連する溝130の右端と相互作用する。ここでは、ベースプレートとカバーとの相対的な動きは効果的に回避され、一方、溝130の残りの部分、すなわちそれぞれのピンと相互作用しない部分は、ハンドリング目的のような他の目的のために利用することができる。
【0067】
格納ポッドのスタックから標的とされた格納ポッドを取り出すために、ハンドリングロボットは、標的とされた格納ポッドの上方に配置された全ての格納ポッドを含む部分的なスタックを、この部分的なスタックにおける最下段の格納ポッドのフランジ150を把持することによって、持ち上げ、その結果、標的とされた格納ポッド110に容易にアクセスできるようにする。個々の格納ポッドは、スタックに固定位置または専用位置を有することができ、あるいはランダムに配置することもできる。有利には、あらゆる格納ポッドに、例えばRFIDの形態の識別コードが設けられる。
【0068】
格納ポッド110の寸法、すなわちそのサイズおよび形状は、好ましくは、既存の全自動EUVポッド洗浄装置と完全に適合する。
【0069】
図2では、格納ポッド110のベースプレート112がカバーなしで示されている。ベースプレートには、レチクル300が配置されている。格納ポッド110の通常の使用中、すなわち、レチクルをストッカに格納するために、図示のように、ベースプレート112とともにカバー(
図2に図示せず)は、レチクル300のための保護された内部を提供する。したがって、レチクル300は、格納ポッド110の内部に収容される。この内部は、
図3、
図4、及び
図5において110aと示され、以下に更に説明する。
【0070】
ストッカシステムは、また、それぞれの格納ポッドのためのパージガス流を提供した。このパージガス流は、以下において、特に
図2から
図5を参照してさらに説明する。
【0071】
特に
図3及び
図5を参照すると、各格納ポッドのベースプレート112には入口210が設けられており、一方の手では、(ベースプレート及び対応するカバーに設けられた)通路211を通って、対応するカバーに設けられた出口220(
図5において矢印211aによって記された)へ流れ、他方では、フィルタ235、好ましくはPTFEフィルタが設けられた開口230を介して格納ポッドの内部へ流れ、したがって、
図2、
図3及び
図5において矢印310によって示されたように、レチクル300のためのパージ流れを提供する。パージガスは同じくフィルタ255、好ましくはPTFEフィルタを備えたパージガスの開口250を通ってベースプレートの反対側で格納ポッド110の内部111aを出ることができる。
【0072】
ストッカシステムを通るこのパージガス流の一般的な原理は
図3に示されているが、好ましい実施態様は
図4および
図5に示されており、また
図2にも示されている。
【0073】
図3と同様に、これは、スタック80を設けるために一方を他方の上方に積み重ねた3つの格納ポッド110を概略的に示す。格納ポッド110のベースプレートおよびカバーは、
図3においては明示的に参照されていない。各格納ポッド110は、レチクル300を収容する。
【0074】
スタック80は、格納体の格納棚660の一部である棚プレート670に、
図6に関連して上述されたように配置され、スタック80の上部には、カバープレート75が設けられる。有利には、スタック80を安定させるために、特に、例えば地震によって引き起こされた不注意な攪拌によって引き起こされる損傷を防止するために、スタック80の格納ポッド110を互いに固定し、また、スタック80を全体として格納体、例えば、それが配置されている上述のような格納棚660に固定するために、ばね機構またはクランプ機構のような固定機構を設けることができる。いくつかの実施形態では、格納棚660および/またはカバープレート75は、スタック80の底部および/または頂部の格納ポッド位置に位置する格納ポッドの整列機構と相補的な整列機構(例えばピンおよび/または溝)を含む。
【0075】
図3に示すような実施形態では、カバープレート75と格納棚662の下側との間に配置された多数のばね要素68からなるばね機構65を概略的に示すことにより、連続した下向きの力がカバープレート75に対して作用し、従ってスタック80に作用するようになっている。容易に理解されるように、最下部の格納ポッドの下にこのようなばね機構を設けて、下からスタック80に作用する上方向の力を与えることもできる。
【0076】
上述したように、各格納ポッド110には、入口210(
図3で明示的に指定されないベースプレートに設けられる)および出口220(カバーに設けられ、
図3で明示的に指定されない)が形成される。格納ポッドの入口および出口は、各格納ポッド110を通って延びる通路211を介して互いに連通している。各出口220は、隣接する格納ポッド110の入口210に直ぐ隣接する。従って、全体のスタック80を貫通して略垂直方向に延びるダクト90が形成される。
【0077】
また、各通路211には、それぞれの格納ポッド110の内部110aに第1の開口230が設けられている。各第1の開口にはフィルタ235が設けられることが有利であり、これにより、ダクト90を通って移送されたり吹き飛ばされたりして、各格納ポッドの内部110aに入るパージガスが可能となるが、以下でさらに説明するように、ダクト90のパージガスに存在する粒子による汚染が防止される。この場合もやはり、各格納ポッド110への、またそこを通るこのパージガスの流れは、矢印310によって符号付けされている。
【0078】
全てにおいて、パージガス供給源(図示せず)からのパージガスは、棚プレート70の開口を通って、積み重ねられた格納ポッド110の通路211(
図3の矢印270によって示される)によって形成されるダクト90に垂直に移送される。ダクト90の上端はカバープレート75によって規定され、これがパージガスの流れを遮断する。ダクト90及びそれぞれの格納ポッド110を通るパージガスのこの流れは、例えば、加圧パージガス及び/又は換気システム(共に図示せず)を用いることによって、対応する圧力差を提供することによってもたらされる。
【0079】
言及したように、このパージガスの一部は、第1の開口230を通って格納ポッド110のそれぞれの内部110aに入り、したがって、各格納ポッド110のレチクル300の周囲に本質的に水平なパージガスの流れを提供する。通路211に対向する格納ポッドの側部において、パージガスは、同じく粒子フィルタ255が設けられたそれぞれの第2の開口250を通って格納ポッド110から出る。
【0080】
ダクト90を介して共通のパージガス供給源(圧力プレナム)を設けることによって、また同時に第1の開口230及び第2の開口250にフィルタを設けることによって、スタック80の各格納ポッド110を介して効果の高いパージガス流を個々に設けることができる。格納ポッド110は、したがって、それぞれのレチクルに対する個々の格納環境として作用し、異なる格納ポッド110間の交差汚染は、効果的に回避され得る。各格納ポッド110には、いつでも新鮮な汚染されていないパージガスが供給される。
【0081】
ここで
図4および
図5を参照し、さらに
図2を参照すると、個々の格納ポッド110およびスタック80を通るパージガス流を提供するように適合された開口および通路の好ましい実施形態が説明される。ベースプレート112およびカバー114の輪郭は、
図5に破線で描かれていることに留意されたい。
【0082】
図2及び
図4において112aで示されるベースプレート112の第1の側壁の下側には、開口210が形成され、これを通ってパージガスが通路211に入る。カバー114には、
図5に見られるように、対応する通路211が設けられている。ベースプレート112およびカバーに形成された通路211を通って、パージガスを個々の格納ポッド110を通して移送することができる。複数の格納ポッド110が互いに積み重ねられている場合には、このパージガス流を、最も下にあるものからスタックの最も上にあるものまで、全ての前記格納ポッド114を通って供給することができる。通路211を通って、したがって、
図3を参照して説明されたようにダクト90を通って流れるパージガスの一部は、それぞれの格納ポッドの内部に入ることはない。
【0083】
同時に、各格納ポッド110で、パージガス流の別の一部が開口230を通って内部110aに入り、フィルタ235を備える。パージガスのこの部分は、格納ポッドに格納されたレチクルに対する効果的なパージを提供し、
図3を参照して同様に上述したように、同じくフィルタ255が設けられた開口250を介して格納ポッドから出る。
【0084】
図3に示すような実施形態によると、パージガスは、垂直に延在するフィルタ235を通って格納ポッドの内部110aに入る。すなわち、
図2、4および5の実施形態によると、内部の初期パージガス流は、本質的に水平であるが、フィルタ235は、格納ポッドの内部110aへの初期流れが垂直であるように、本質的に水平に延在するように配置されるか、または
図2の矢印310または
図5の矢印310によって示されるように、少なくとも垂直成分を有することに留意されたい。
【0085】
図7a~
図7dは、格納ポッドのスタックから格納ポッドを取り出す方法の好ましい実施例を示している。図示の例では、スタックは6個の格納ポッド110を備えている。参照を容易にするために、第1の格納ポッドは、110aと示され、第1の格納ポッドに垂直に隣接し、かつ上方にある第2の格納ポッドは、110bと示され、第1の格納ポッドに垂直に隣接し、かつ下方にある第3の格納ポッドは、110cと示されている。明瞭化の目的のために、本明細書で使用されるように、垂直、上下の用語は重力の方向を指し、上の意味はさらに遠く、地球の中心に近いところの下または下を意味し、水平の用語は重力の方向に対して直角に延びる方向を指している。
【0086】
各格納ポッド110には、例えばハンドリングフランジ又はハンドル等の2つの水平方向に延在するハンドリング部材120が両側に設けられており、そのうちの1つのみが
図7a~
図7cの各格納ポッドに対して見えるようになっている。
【0087】
格納ポッドのスタックから個々の格納ポッドを取り出すための装置は、740と指定されている。効率的には、装置740は、
図6に示されるように、格納ロボット644の一部である。装置740には、2つのハンドリング要素742及び744が設けられており、これらは各々、格納ポッド110の両側の各ハンドリング部材120と係合するための2つの水平方向に延在するアーム又はグリッパを備えている。
図7a~7dでは、ハンドリングエレメントにつき1つのアームのみが見える。
【0088】
ハンドリング要素は、
図7a~
図7dには示されていない駆動機構によって変位可能である。駆動機構はまた、
図6に示すように、格納ロボット644の好都合な部分であり、駆動機構は、ハンドリング要素742及び744を垂直方向並びに水平方向に変位させるようになっている。以下に示すように、駆動機構は、水平方向に、そして垂直方向に、同時に、または個々に、ハンドリング要素を動かすように設計される。これは、ハンドリング要素742及び744の別個の水平移動に対しては、2つの別個のドライブが設けられ、ハンドリング要素742及び744の垂直移動に対しては、1つのドライブのみが必要であることを意味する。
【0089】
第1のステップでは、
図7aの格納ポッド110のストックの右側に配置されたハンドリング要素742及び744(
図7a~7dの視点で)は、左側に変位され、その結果、ハンドリング要素742は、第1の格納ポッド110aのハンドリング部材120の下に、ハンドリング要素744は第2の格納ポッド110bのハンドリング部材の下に。
図7aから7dに見られるように、ハンドリング要素742と744との間の垂直距離は、第1及び第2の格納ポッド110a及び110bのハンドリング部材のそれよりも僅かに大きく、その結果、
図7bに示される位置において、ハンドリング要素742と第1の格納ポッド110aのハンドリング部材との間の垂直距離は、ハンドリング要素744と第2の格納ポッド110bのハンドリング部材との間のそれよりも僅かに大きい。
【0090】
これは、ハンドリング要素742及び744が共同で垂直上方に移動する場合、最初は第2の格納ポッド110bは第1の格納ポッド110aから持ち上げられ、その後は第1の格納ポッド110aが第3の格納ポッド110cから持ち上げられることを意味する。その結果、隣接する格納ポッド110b、110cと接触しなくなった第1の格納ポッド110aは、(
図7cの視点で右側への)ハンドリング要素742の水平方向の移動によってスタックから容易に取り出すことができる。ハンドリング要素742及び744の後続のジョイント垂直下方移動によって、第2の格納ポッド110を第3の格納ポッド110cに配置することができ、この結果として得られる状況は
図7dに示されている。次いで、例えば、
図7aに示す位置に戻るために、ハンドリング要素744を右に移動させることもできる。
【0091】
上述したように、ハンドリング要素742,744の垂直変位は、単一の駆動装置によって有利に提供することができるが、1つの駆動装置と、それらが互いに垂直方向に離れて動くことができるように2つのハンドリング要素を接続する伝達機構とを使用して、又は2つのハンドリング要素の各々に個別に制御可能な垂直駆動装置を提供することによって、この垂直変位を提供することも可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレチクル、特にEUVレチクルを格納するためのストッカシステムであって、各々が前記レチクルの1つを内部に保持するように構成され、一方を他方の上方に垂直に積み重ねてスタック(80)を提供する複数の格納ポッド(110)を備え、前記格納ポッド(110)の各々は、入口(210)と出口(220)と第1の開口(230)とを有する通路(211)を備え、隣接する通路(211)の入口及び出口は、前記スタック(80)を通って延びるダクト(90)が提供されるように配置され、前記ダクト(90)を通してパージガスを移送することができ、前記ダクト(90)を通して移送された前記パージガスは、各々の前記第1の開口(230)を通して各々の前記格納ポッド(110)の内部(110a)へ入り込むことができ
、前記通路(211)の前記第1の開口(230)は、粒子フィルタ(235)を備える、システム。
【請求項2】
各々の前記収納ポッドは、ベースプレート(112)とカバー(114)とを備え、前記入口(201)は前記ベースプレート(112)に設けられ、前記出口(220)は前記カバー(114)に設けられる、請求項1に記載のシステム
。
【請求項3】
各々の前記格納ポッド(110)には第2の開口(250)が設けられ、前記第2の開口(250)を通してパージガスが前記格納ポッドの内部(110a)を出ることができ、好ましくは、前記第2の開口には粒子フィルタ(255)が設けられる、請求項
1又は2に記載のシステム
。
【請求項4】
各々の前記格納ポッド(110)には少なくとも1つのハンドリング部材(120)が設けられている、請求項1~
3のいずれか1項に記載のシステム
。
【請求項5】
前記スタックの隣接する格納ポッドを機械的に整列させるように構成および適合される整列機構が設けられ、特に、前記ベースプレートには溝(130)またはピンが設けられ、前記カバーにはピン(132)または溝が設けられ、溝およびピンは、隣接する格納ポッド(110)に設けられた対応するピンまたは溝と相互作用するために設けられる、請求項1~
4のいずれか1項に記載のシステム
。
【請求項6】
各々の前記格納ポッド(110)は、ベースプレート(112)およびカバー(114)を互いに固定するためのラッチ機構(116)を備える、請求項2~
5のいずれか1項に記載のシステム
。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1項に記載のストッカシステムと、前記ストッカシステムを格納するように構成された格納体(660)とを含む、格納ストッカ
。
【請求項8】
個々の格納ポッドを互いに、及び/又は、前記格納体(660)に物理的に、固定するように構成された固定機構を備える、請求項
7に記載の格納ストッカ
。
【請求項9】
レチクル、特にEUVレチクルをハンドリングする方法であって、ステップ前記レチクルを使用場所と格納場所との間、またはその逆に、移送ポッドで移送するステップと、前記レチクルを前記移送ポッドから格納ポッドへ、またはその逆に、移送するステップと、前記レチクルを前記格納ポッドの格納場所に格納するステップと、を備える方法
。
【請求項10】
前記移送ポッドは、少なくとも内ポッドEIPを備え、前記格納ポッドは、内部に1つのレチクルを保持/格納し、スタックを提供するために、他の格納ポッドと共に、一方が垂直に他方の上方に積み重ねられるように構成され、各々の前記格納ポッドは、入口と、出口と、第1の開口でパージガスを吹き出すことができる通路と、を備え、前記通路を通して吹き出された前記パージガスは、前記第1の開口を通して前記格納ポッドの内部に入ることが可能である、請求項
9に記載の方法
。
【請求項11】
レチクルポッド(100)のスタックから第1のレチクルポッド(110a)を取り出すための装置であって、前記第1のレチクルポッド(110a)をハンドリングするための第1のハンドリング要素(742)と、第2のレチクルポッド(110b)をハンドリングするように構成された第2のハンドリング要素(744)と、を備え、前記第2のレチクルポッド(110b)が、前記レチクルポッド(100)のスタックで前記第1のレチクルポッド(110a)に隣接して垂直に上方に配置されており、前記第2のレチクルポッド(110b)が前記第1のレチクルポッド(110a)から持ち上げられることを可能とし、前記第1のレチクルポッド(110a)が第3のレチクルポッド(110c)から持ち上げられることを可能とするように、前記第1のハンドリング要素(742)と前記第2のハンドリング要素(744)とが、個々に水平方向に変位可能であり個々に垂直方向に変位可能であるように構成され、第3のレチクルポッド(110c)が、前記レチクルポッド(100)の前記スタックで前記第1のレチクルポッド(110a)に隣接して垂直に下方に配置され、前記第1のレチクルポッド(110a)は前記レチクルポッド(110)の前記スタックから取り出されることができ、前記第2のレチクルポッド(110b)は前記第3のレチクルポッド(110c)に配置することができる、装置
。
【請求項12】
前記第1のハンドリング要素及び前記第2のハンドリング要素は、前記第2のレチクルポッドが前記第1のレチクルポッドに積み重ねられたときに、前記第1のレチクルポッド及び第2のレチクルポッドに設けられた各々のハンドリング部材の第2の垂直距離よりも大きい第1の垂直距離を有するように構成され、前記第1のハンドリング要素及び前記第2のハンドリング要素は、前記第1のレチクルポッドから前記第2のレチクルポッドを持ち上げ、前記第3のレチクルポッドから前記第1のレチクルポッドを持ち上げるために相互作用する、請求項
11に記載の装置
。
【請求項13】
前記第1の垂直距離は固定された垂直距離である、請求項
12に記載の装置
。
【請求項14】
前記第1のハンドリング要素および前記第2のハンドリング要素は、各々、前記第1のレチクルポッドおよび前記第2のレチクルポッドの両側に設けられたハンドリング部材と相互作用するように適合され水平方向に延在する2つのアームを備えるように設けられる、請求項
11~13のいずれか1項に記載の装置
。
【請求項15】
前記第1のハンドリング機構及び前記第2のハンドリング機構を個々に水平方向に変位させ、前記第1のハンドリング機構及び前記第2のハンドリング機構を併せて垂直方向に変位させるように構成された駆動装置を含む、請求項
11~14のいずれか1項に記載の装置
。
【請求項16】
請求項
11~15のいずれか1項に記載の装置を用いて、前記レチクルポッドの前記スタック(100)から第1のレチクルポッド(110a)を取り出すための方法
。
【請求項17】
前記第1のレチクルポッド(110a)のハンドリング部材(120)の下方に前記第1のハンドリング要素を位置決めし、第2のレチクルポッド(110b)のハンドリング部材(120)の下方に第2のハンドリング要素(744)を位置決めするために、前記第1のハンドリング要素(742)及び前記第2のハンドリング要素(744)は、水平方向に併せて変位し、前記第1のハンドリング要素(742)及び前記第2のハンドリング要素(744)は、前記第1のレチクルポッド(110a)から前記第2のレチクルポッド(110b)を持ち上げ、第3のレチクルポッド(110c)から前記第1のレチクルポッドを持ち上げるために、垂直方向に変位し、前記第3のレチクルポッド(110c)は、前記レチクルポッドの前記スタックで前記第1のレチクルポッドに隣接して垂直に下方に配置され、前記第1のハンドリング要素(742)は、前記レチクルポッドの前記スタックから前記第1のレチクルポッドを取り出すために個々に水平方向に変位し、前記第2のハンドリング要素(744)は、前記第3のレチクルポッドに前記第2のレチクルポッドを配置するために垂直方向に変位し、前記第2のハンドリング要素は、前記第2のレチクルポッドから分離するために水平方向に変位する、請求項
16に記載の方法
。
【請求項18】
レチクルをストッカに格納するように構成および適合される格納ポッドであって、ベースプレート(112)とカバー(114)とを備え、ラッチ機構(116)が、前記ベースプレート(112)と前記カバー(114)とを互いに解放可能な態様で保持するために設けられ、前記格納ポッドは、前記格納ポッドの積み重ねられた構成において隣接する格納ポッドとの機械的な整列を可能にするように構成および適合される整列機構を備え、
さらに、入口(210)と、出口(220)と、第1の開口(230)とを有する通路(211)を備え、前記入口および前記出口は、積み重ねられた構成で隣接する格納ポッドの隣接する通路(211)の入口および出口が、積み重ねられた構成を通って延びるダクト(90)を提供するように配置され、パージガスを移送することができ、第1の開口は、ダクト(90)を通って移送されるパージガスが前記第1の開口(230)を通って前記格納ポッドの内部(110a)に入ることができるように構成され適応され
、前記通路(211)の前記第1の開口(230)は、粒子フィルタ(235)を備える、格納ポッド。
【国際調査報告】