(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】多孔質流量制限器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C04B 38/00 20060101AFI20241108BHJP
B01D 39/14 20060101ALI20241108BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20241108BHJP
B01D 61/00 20060101ALI20241108BHJP
B01D 71/02 20060101ALI20241108BHJP
C04B 38/06 20060101ALI20241108BHJP
C04B 35/111 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
C04B38/00 303Z
B01D39/14 L
B01D53/22
B01D61/00
B01D71/02
C04B38/06 D
C04B35/111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526728
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022050554
(87)【国際公開番号】W WO2023091744
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500013898
【氏名又は名称】モット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ヒル アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ボーヌ アレン エル.
(72)【発明者】
【氏名】モハンラム アラヴィンド
【テーマコード(参考)】
4D006
4D019
4G019
【Fターム(参考)】
4D006GA02
4D006GA41
4D006KA16
4D006KE03Q
4D006MA04
4D006MA08
4D006MA21
4D006MA23
4D006MB03
4D006MB04
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4D006MC03X
4D006NA13
4D006NA39
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4D006PA01
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4D019BB10
4D019BD01
4D019CA05
4D019CB06
4G019FA11
(57)【要約】
本明細書では、二重密度ディスクであって、92%超の純度を有する金属酸化物を含む高密度外側管と、高密度外側管の密度よりも低い密度の金属酸化物を含む多孔質コアであって、多孔質コアが、99%超の金属酸化物純度を有し、高密度外側管が、内側テーパ付き表面を有する、多孔質コアと、を備える、二重密度ディスクが開示される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重密度ディスクであって、
92%超の純度を有する金属酸化物を含む高密度外側管と、
前記高密度外側管の密度よりも低い密度の金属酸化物を含む多孔質コアであって、前記多孔質コアが、99%超の金属酸化物純度を有し、前記高密度外側管が、内側テーパ付き表面を有する、多孔質コアと、を備える、二重密度ディスク。
【請求項2】
前記多孔質コアが、1.00~3.0g/ccのかさ密度を有し、破砕強度が、前記高密度外側管内に存在するとき、2000ポンド/平方インチ超である、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項3】
前記多孔質コアが、その内面で前記高密度外側管に接触し、前記高密度外側管が、前記多孔質コアの全周に沿って前記多孔質コアと連続的に接触している、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項4】
多孔質体の側部から漏れず、長手方向のみの流れを可能にする、半径方向エルミート性を有する、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項5】
前記高密度外側管が、1~75ミリメートルの外径及び0.8~70ミリメートルの内径を有する、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項6】
前記高密度外側管が、1~120ミリメートルの初期長さを有する、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項7】
前記多孔質コアが、92%超の初期純度を有する金属酸化物粉末から製造される、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項8】
前記多孔質コアが、99%超の初期純度を有する金属酸化物粉末から製造される、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項9】
前記多孔質コアが、99.5%超の初期純度を有する金属酸化物粉末から製造される、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項10】
前記高密度外側管で使用される前記金属酸化物が、アルミナである、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項11】
前記多孔質コアで使用される前記金属酸化物が、アルミナである、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項12】
内側ねじ山付き表面が、前記管の入口、出口、又は前記管の前記入口及び前記出口の両方に位置する、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項13】
前記二重密度ディスクの入口、出口、又は入口及び出口の両方が、前記テーパ付き表面にねじ山を有する、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項14】
前記二重密度ディスクの入口、出口、又は入口及び出口の両方が、前記多孔質コアの直径よりも大きい直径を有する、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項15】
前記二重密度ディスクの入口、出口、又は入口及び出口の両方が、前記多孔質コアの直径よりも小さい直径を有する、請求項1に記載の二重密度ディスク。
【請求項16】
方法であって、
高密度外側管内に、
金属酸化物粉末及び細孔形成剤を含むスラリーを配置することと、
前記スラリーが内部に配置された前記高密度外側管を300~600℃の温度に加熱して、前記細孔形成剤を活性化することと、
前記高密度外側管内に多孔質コアを作成することと、
1つ以上のステップで800~2000℃の温度で前記多孔質コアを有する前記高密度外側管を焼結することと、
前記高密度外側管の内面上でねじ山を機械加工することであって、前記ねじ山が、前記管の長手方向軸に平行であるか、又は前記管の前記長手方向軸に対して傾斜している、機械加工することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記焼結操作が、空気、窒素、天然ガス、アルゴン、水素、又はそれらの組み合わせで実施される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記細孔形成剤が、有機細孔形成剤である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記スラリーが、溶媒を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記焼結は、前記温度が1200~1600℃である第1の焼結ステップによって先行される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記細孔形成剤が、アゾビスイソブチロニトリルである、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記細孔形成剤が、前記金属酸化物スラリーに可溶性であるガスである、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記細孔形成剤が、液体である、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記細孔形成剤が、有機ポリマーである、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記有機ポリマーが、ポリアセタール、ポリアクリル酸、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアルキド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、エポキシ、フェノール類、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリチミド、ポリギノキサリン、ポリベンズイミダゾール、ポリオキシンドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリカーボラン、ポリオキサビシクロノナン、ポリジベンゾフラン、ポリフタライド、ポリアセタール、ポリ無水物、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、又はそれらの組み合わせである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
方法であって、
高密度外側管内にアルミナ粉末を配置することであって、前記アルミナ粉末が、細孔形成剤を含有しない、配置することと、
前記アルミナ粉末が内部に配置された前記高密度外側管を800~2000℃の温度に焼結させることと、
前記高密度外側管内に多孔質コアを作成することであって、前記多孔質コアが、99%超の純度を有する、作成することと、
前記高密度外側管の内面上でねじ山を機械加工することであって、前記ねじ山が、前記管の長手方向軸に平行であるか、又は前記管の前記長手方向軸に対して傾斜している、機械加工することと、を含む、方法。
【請求項27】
前記アルミナ粉末が内部に配置された前記高密度外側管を1200~1600℃の温度に加熱することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
二重密度ディスクであって、
92%超の純度を有する第1のセラミックを含む高密度外側管と、
前記高密度外側管の密度よりも低い密度の第2のセラミックを含む多孔質コアであって、前記多孔質コアが、99%超の純度を有する、多孔質コアと、を備え、
前記高密度外側管が、前記高密度外側管の内面上にねじ山を備え、前記ねじ山が、前記管の長手方向軸に平行であるか、又は前記管の前記長手方向軸に対して傾斜している、二重密度ディスク。
【請求項29】
前記第1のセラミックが、前記第2のセラミックと同じである、請求項28に記載の二重密度ディスク。
【請求項30】
前記第1のセラミックが、前記第2のセラミックとは異なる、請求項28に記載の二重密度ディスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月22日に出願された米国特許出願第63/282,011号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、多孔質流量制限器及びその製造方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、二重密度ディスクであって、90%超の純度を有する金属酸化物を含む高密度外側管と、高密度外側管の密度よりも低い密度の金属酸化物を含む多孔質コアであって、多孔質コアが、90%超の金属酸化物純度を有し、高密度外側管が、内側ねじ山付き表面を有する、多孔質コアと、を備える、二重密度ディスクが開示される。
【0004】
本明細書では、方法であって、高密度外側管内に、金属酸化物粉末及び細孔形成剤を含むスラリーを配置することと、スラリーが内部に配置された高密度外側管を300~600℃の温度に加熱して、細孔形成剤を活性化することと、高密度外側管内に多孔質コアを作成することと、1つ以上のステップで800~2000℃の温度で多孔質コアを有する高密度外側管を焼結することと、高密度外側管の内面上でねじ山を機械加工することであって、ねじ山が、管の長手方向軸に平行であるか、又は管の長手方向軸に対して傾斜している、機械加工することと、を含む、方法が開示される。
【0005】
本明細書では、方法であって、高密度外側管内にアルミナ粉末を配置することであって、アルミナ粉末が、細孔形成剤を含有しない、配置することと、アルミナ粉末が内部に配置された高密度外側管を800~2000℃の温度に焼結させることと、高密度外側管内に多孔質コアを作成することであって、多孔質コアが、99%超の純度を有する、作成することと、高密度外側管の内面上でねじ山を機械加工することであって、ねじ山が、管の長手方向軸に平行であるか、又は管の長手方向軸に対して傾斜している、機械加工することと、を含む、方法も開示される。
【0006】
本明細書では、二重密度ディスクであって、96%超の純度を有する第1のセラミックを含む高密度外側管と、高密度外側管の密度よりも低い密度の第2のセラミックを含む多孔質コアであって、多孔質コアが、99%超の純度を有する、多孔質コアと、を備え、高密度外側管が、高密度外側管の内面上にねじ山を備え、ねじ山が、管の長手方向軸に平行であるか、又は管の長手方向軸に対して傾斜している、二重密度ディスクも開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】多孔質金属酸化物内部を有する高密度外側管の一実施形態の例示的な概略図である。
【
図1B】多孔質金属酸化物内部を有する高密度外側管の別の実施形態の例示的な概略図である。
【
図1C】多孔質金属酸化物内部を有する高密度外側管の別の実施形態の例示的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書では、多孔質内部を有するセラミックプラグを含む多孔質流量制限器が開示される。多孔質内部は、十分な電気絶縁及び誘電強度を維持しながら流体の流れを調節し、制限器の長さにわたって高い電位に曝露されたときに、上述の流体のイオン化を防止する。一実施形態では、多孔質内部は、多孔質内部と固体シェルとの間の界面に沿った溝又はねじ山を含有する。別の実施形態では、内部多孔質は、添付図面に図示されるようにテーパを備える。テーパは、その表面にねじ山を含有する。セラミックプラグは、二重密度ディスクであって、90%超、好ましくは92%超、好ましくは96%超の純度を有する金属酸化物を含む高密度外側管と、高密度外側管の密度よりも低い密度の金属酸化物を含む多孔質コアであって、多孔質コアが、90%超、好ましくは92%超、より好ましくは99%超の金属酸化物純度を有する、多孔質コアと、を備える、二重密度ディスクである。一実施形態では、金属酸化物は、アルミナである。アルミナ高密度外側管は、92%超、好ましくは96%超の純度を有するが、多孔質アルミナコアは、99%超の純度を有する。
【0009】
本明細書では、方法であって、高密度外側管内に、金属酸化物、粉末及び細孔形成剤を含むスラリーを配置することと、スラリーが内部に配置された高密度外側管を100~600℃の温度に加熱して、細孔形成剤を活性化することと、高密度外側管内に多孔質コアを作成することと、1つ以上のステージで800~2000℃の温度で多孔質コアを有する高密度外側管を焼結することと、を含む、方法も開示される。ねじ山は、高密度外側管内への粉末の配置前又は後に、高密度外側管内で機械加工され得る。好ましい実施形態では、ねじ山は、高密度外側シェルが製造された後、かつ高密度外側シェル内に粉末を配置する前に機械加工される。
【0010】
一実施形態では、金属酸化物ディスクを製造するための方法は、高密度外側管内に金属酸化物粉末を配置することを含む。粉末には、細孔形成剤及び/又は溶媒が使用されない。1つ以上のステップで800~2000℃の温度に、金属酸化物粉末が内部に配置された高密度外側管。これは、99%超の純度を有する高密度外側管内に多孔質コアを作成する。多孔質コア及び高密度外側管の両方は、99%超の純度を有する。
【0011】
本明細書では、二重密度ディスクであって、96%超の純度を有する第1のセラミックを含む高密度外側管と、高密度外側管の密度よりも低い密度の第2のセラミックを含む多孔質コアであって、多孔質コアが、99%超の金属酸化物純度を有する、多孔質コアと、を備える、二重密度ディスクが開示される。一実施形態では、第1のセラミックは、第2のセラミックと同じであり得る。別の実施形態では、第1のセラミックは、第2のセラミックとは異なり得る。
【0012】
図1A、
図1B、及び
図1Cは、高密度外側管102と、高密度外側管102によって包囲される多孔質中央領域104と、を含む、セラミックプラグ100を図示する。多孔質中央領域102の外面は、その周囲103で高密度外側管102の内面に接触する。ねじ山106は、高密度外側管102の内面上に配置される。ねじ山は、管の長手方向軸AA’に平行であってもよく、又は管の長手方向軸に対して傾斜していてもよい。ねじ山は、管の入口、出口、又は入口及び出口の両方に位置する。
【0013】
図1Aは、高密度外側管102及び多孔質中央領域104を有するセラミックプラグ100を図示し、多孔質中央領域104は、高密度外側管102の内面106に接触する。内面106(高密度外側管102の)は、その上に機械加工されたねじ山を有する。ねじ山は、
図1Aに示されるように長さLの内面全体で機械加工されてもよく、又は代替的に、長さL
1の内面のみで機械加工されてもよい。長さL
1は、スリーブ110の長さを表す。スリーブ110は、セラミックプラグ100の残りの部分と一体であり、より良好なアライメント、ギャップの低減、及び全体的な性能の改善を提案する。見られるように、セラミックプラグ100は、プラグの反対側の端に2つの対向するスリーブ110を備える。
【0014】
図1Bは、セラミックプラグ100の反対側に配置されるテーパ付きスリーブ112を図示する。テーパ付きスリーブ112は、高密度外側管102の内面106上で機械加工されたテーパ付きねじ山を含有していてもよく、又は含有していなくてもよい。この場合の高密度外側管102はまた、多孔質中央領域104を含有する。
【0015】
多孔質中央領域は、セラミックプラグ100の全長Lに沿って延在し得るか、又は代替的に、スリーブ114の第1の端からスリーブ116の第2の端まで、L-2L1の全長にわたって延在し得る。入口直径又は出口直径は、セラミックプラグ100の中央領域の直径よりも大きい。
【0016】
図1Cは、セラミックプラグの中央部分の直径よりも細い直径を有する、入口ポート及び出口ポートを有するセラミックプラグ100を図示する。
図1A及び
図1Bと同様に、高密度外側管102は、多孔質中央領域104を含有し、多孔質中央領域104は、高密度外側管102の内面106に接触する。高密度外側管102は、セラミックプラグ100の入口又は出口における直径d2よりも大きい内径d1を有する。一実施形態では、入口直径とセラミックプラグ100の中央領域との間の直径に段差が存在する。別の実施形態では、出口直径とセラミックプラグ100の中央領域との間の直径に段差が存在する。セラミックプラグの入口及び出口は、それらのそれぞれの内面に任意選択で配置されたねじ山106を有する。
【0017】
高密度外側管は、高密度セラミックシェル(以下、高密度シェル)によって提供される高強度を有する。高密度シェルは、製造操作(半導体ウェハを作製するための操作など)中に均一なガス流を可能にする、大部分の多孔質セラミックコア(以下、多孔質コア)を取り囲む。高密度セラミックシェルは、96%超の高純度を有し、これは、セラミックディスクを展開する製造操作中の半導体部品の汚染を防止する。多孔質コアは、その内面で高密度セラミックシェルに接触し、外側管は、多孔質コアの全周に沿って多孔質コアと連続的に接触している。一実施形態では、多孔質コアは、コアが多孔質であるが、一方で、シェルが高密度であることを除いて、高密度シェルと同じ化学組成を含有する。シェルの密度は、多孔質コアの密度よりも大きい。
【0018】
別の実施形態では、多孔質コアは、高密度シェルの化学組成とは異なる化学組成を有するセラミックを含有する。本明細書では、二重密度ディスクであって、96%超の純度を有する第1のセラミックを含む高密度外側管と、高密度外側管の密度よりも低い密度の第2のセラミックを含む多孔質コアであって、多孔質コアが、99%超の金属酸化物純度を有する、多孔質コアと、を備える、二重密度ディスクが開示される。一実施形態では、第1のセラミックは、第2のセラミックと同じであり得る。別の実施形態では、第1のセラミックは、第2のセラミックとは異なり得る。
【0019】
ディスクに使用されるセラミックは、金属の酸化物、炭化物、酸炭化物、窒化物、酸窒化物、ホウ化物、ホウ炭化物、ホウ窒化物、ケイ化物、ヨウ化物、臭化物、硫化物、セレン化物、テルル化物、フッ化物、又はホウケイ化物を含む。好適な金属は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、セリウムなど、又はそれらの組み合わせである。
【0020】
一実施形態では、セラミックは、好ましくは金属酸化物である。好ましい金属酸化物は、チタニア、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリアなど、又はそれらの組み合わせである。ディスクで使用するための好ましい金属酸化物は、アルミナである。以下に詳述される物品及び製造方法は、アルミナディスクを対象とするが、上に列挙したセラミックのいずれにも等しく適用することができる。下記のアルミナディスクを製造するために列挙した温度及び雰囲気は、上に列挙したセラミックのいずれにも等しく良好に機能するため、アニーリング温度、焼結温度、又はセラミックディスクを製造するために使用される雰囲気及び圧力の繰り返しの記載はない。
【0021】
本明細書では、高密度シェルと、半導体製造操作のために均一なガス流を提供するために使用される多孔質コア(シェルよりも低密度)と、を備える、二重密度を有するアルミナディスク又はロッド(以下、「ディスク」と称される)も開示される。ロッドは、ディスクと呼ばれるいくつかのより小さいスライスにスライスされ得る。ディスクは、高密度シェルによって提供される高強度を有する。高密度シェルは、製造操作(半導体を作製するための)中に均一なガス流を可能にする大部分の多孔質コアを取り囲む。加えて、ディスクは、96%超の高純度を有するアルミナを含有し、これは、アルミナディスクを展開する製造操作中の半導体部品の汚染を防止する。多孔質コアは、その内面で高密度外側管(シェル)に接触し、外側管は、多孔質コアの全周に沿って多孔質コアと連続的に接触している。このコアシェル二重密度構造は、半径方向エルミート性を提供し(すなわち、多孔質体の側部からの漏れを防止する)、長手方向のみを通る流れを可能にする。外側シェルは、本明細書では「アルミナシェル」、「アルミナ管」、「高密度シェル」、及び「高密度外側管」と称されることに留意されたい。各ディスクは、その対向する端で機械加工されたねじ山(上記に説明されるように)を有する。
【0022】
本明細書では、アルミナディスク又はロッドを製造するための方法も開示される。方法は、高密度アルミナ管にアルミナスラリーを充填することを含む。アルミナスラリーは、アルミナ粉末(高純度の)及び細孔形成剤を含有する。次いで、スラリーが内部に収容されている管が焼成されて、高密度アルミナ管内に多孔質コアを生成する。次いで、多孔質コアを有するアルミナ管は、スライス、ラッピング、研削などの仕上げ操作を受けて、アルミナディスクを生成し得る。アルミナスラリーは、乾燥形態(溶媒などの液体の存在なし)であってもよく、又は湿潤形態であってもよい。
【0023】
多孔質コアは、アルミナチューブの中空中央部分を金属酸化物スラリー又は粉末(例えば、アルミナスラリー又は粉末)で充填し、次いで、スラリー又は粉末が内部に収容されている管を加熱して、金属酸化物(例えば、アルミナ)ディスクを形成することによって製造される。スラリーは、高純度を有する金属酸化物粉末(例えば、アルミナ粉末)、任意選択の溶媒、及び細孔形成剤を含む。これらは、以下に詳述される。
【0024】
多孔質コアはまた、細孔形成剤及び溶媒の使用なしで形成され得る。粒径の分布は、焼結が形成されるときに多孔質コアを生成し得る。粒子の隣接部分は、それらが互いに結合して多孔質コアを形成する際にネッキングを受ける。
【0025】
狭い粒径分布又は広い粒径分布のいずれかを有する金属酸化物(例えば、アルミナ)粉末は、溶媒及び細孔形成剤を有するスラリーに形成される。アルミナ粉末は、10ナノメートル~500マイクロメートル、好ましくは100ナノメートル~150マイクロメートル、より好ましくは150ナノメートル~100マイクロメートルの粒子サイズを有し得る。アルミナ粉末は、粒径の単峰型分布を有し得るか、又は代替的に、粒径の二峰性又はより大きい分布を有し得る。
【0026】
金属酸化物(例えば、アルミナ)粉末はまた、99%超、好ましくは99.3%超の純度を有する。金属酸化物(例えば、アルミナ)粉末は、スラリーの総重量に基づいて、10~90重量%、好ましくは20~60重量%の量で、スラリー中に存在し得る。
【0027】
溶媒は、任意選択である。スラリーを形成するために使用される溶媒は、極性又は非極性溶媒を含み得る。溶媒は、プロトン性又は非プロトン性であり得る。プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチロラクトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなどの液体非プロトン性極性溶媒、又はそれらの組み合わせは、概して、望ましい。限定されるものではないが、水、メタノール、アセトニトリル、ニトロメタン、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなど、又はそれらの組み合わせなどの極性プロトン性溶媒が使用され得る。ベンゼン、トルエン、四塩化炭素、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど、又はそれらの組み合わせなどの他の非極性溶媒もまた、使用され得る。好適な溶媒は、水、アルコール、又はそれらの組み合わせである。
【0028】
存在するとき、溶媒は、スラリーの総重量に基づいて、5~80重量%、好ましくは15~60重量%の量で使用され得る。
【0029】
細孔形成剤は、任意選択である。細孔形成剤は、金属酸化物(例えば、アルミナ)管内の多孔質コアの形成を容易にするために、スラリー内に混合されてもよい(又は混合されなくてもよい)。上記のように、粒径の分布が、コアに存在する多孔性を生じさせ得る(溶媒又は細孔形成剤がスラリーに使用されていないとき)。細孔形成剤は、気体、液体、又は固体であり得る。一実施形態では、細孔形成剤は、有機物であり、高温に加熱されたときに分解してガスを放出し得る。そのような細孔形成剤の例としては、式[(CH3)2C(CN)]2N2を有する有機化合物であるAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)などの固体が挙げられる。それは、白色粉末であり、アルコール及び一般的な有機溶剤に可溶性である。
【0030】
別の実施形態では、細孔形成剤は、有機ポリマーであり得る。ポリマーは、概して、粉末形態であり、金属酸化物(例えば、アルミナ)粉末と混合されて、混合物(又は溶媒も使用される場合、スラリー)を形成し、次いで、金属酸化物(例えば、アルミナ)管内に配置される。金属酸化物(例えば、アルミナ)管を300~600℃の温度に加熱すると、ポリマーは、分解し、金属酸化物(例えば、アルミナ)粉末中の細孔の形成を容易にする。
【0031】
間隔を有する特徴及び/又は表面で使用される有機ポリマーは、多種多様な熱可塑性ポリマー、熱可塑性ポリマーのブレンド、熱硬化性ポリマー、又は熱硬化性ポリマーとの熱可塑性ポリマーのブレンドから選択され得る。有機ポリマーはまた、ポリマー、コポリマー、ターポリマー、又は上述の有機ポリマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせのブレンドであってもよい。有機ポリマーはまた、オリゴマー、ホモポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、交互ブロックコポリマー、ランダムポリマー、ランダムコポリマー、ランダムブロックコポリマー、グラフトコポリマー、スターブロックコポリマー、デンドリマー、ポリ電解質(電解質を含有する一部の反復基を有するポリマー)、ポリアンホライト(カチオン性及び陰イオン性反復基の両方を有するポリ電解質)、イオノマーなど、又は上述の有機ポリマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせであってもよい。有機ポリマーは、1モル当たり10,000グラム超、好ましくは20,000g/モル超、より好ましくは50,000g/モル超の数平均分子量を有する。
【0032】
例示的な有機ポリマーとしては、ポリアセタール、ポリアクリル酸、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアルキド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、エポキシ、フェノール類、シリコーン、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリチミド、ポリキノキサリン、ポリベンズイミダゾール、ポリオキシンドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリカルボラン、ポリオキサビシクロノナン、ポリジベンゾフラン、ポリフタリド、ポリアセタール、ポリ無水物、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサンなど、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
別の実施形態では、細孔形成剤は、金属酸化物(例えば、アルミナ)粉末に、又はスラリーに使用される溶媒に可溶性であるガスであってもよい。次いで、ガスは、スラリーから相分離して(圧力及び/又は温度の変化に応じて)(バイノード分解に起因する)、スラリー中に多孔質相(細孔である)を形成し得る。そのようなガスの例としては、二酸化炭素、アルゴン、水素、窒素、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
また別の実施形態では、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、及び/又はハイドロフルオロカーボン(HFC)などの発泡剤が、細孔を形成するために使用され得る。クロロフルオロカーボン(CFC)は、メタン及びエタンに由来し、これらの化合物は、式CClmF4-m及びC2ClmF6-mを有し、式中、mは、ゼロではない。ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)もまた、メタン及びエタンに由来し、これらの化合物は、式CClmFnH4-m-n及びC2ClxFyH6-x-yを有し、式中、m、n、x、及びyは、ゼロではない。ハイドロフルオロカーボン(HFC)はまた、メタン、エタン、プロパン、及びブタンに由来し得、これらの化合物は、それぞれ、式CFmH4-m、C2FmH6-m、C3FmH8-m、及びC4FmH10-mを有し、式中、mは、ゼロではない。
【0035】
細孔形成剤はまた、スラリーの総重量に基づいて、5~50重量%、好ましくは10~25重量%の量で使用され得る。上述の細孔形成剤の組み合わせもまた、使用され得る。
【0036】
スラリーは、金属酸化物粉末(例えば、アルミナ粉末)、任意選択の溶媒、及び細孔形成剤を混合することによって調製される。次いで、スラリーが金属酸化物管の中空中心に導入される。スラリーは、圧縮されていてもよく、又は圧縮されていなくてもよい。
【0037】
スラリーが内部に収容されている金属酸化物(例えば、アルミナ)管は、金属酸化物管のコア内に細孔を形成するために、10分から12時間の期間にわたって、300及び600℃の温度に供される。このステップは、細孔形成剤の活性化を容易にする。高温は、細孔形成剤を分解させ、金属酸化物(例えば、アルミナ)管のコア内の細孔形成を容易にするガスを放出させる。
【0038】
次いで、多孔質金属酸化物が内部に収容されている金属酸化物(例えば、アルミナ)管が、1つ以上の焼結ステップに供される。一実施形態では、第1の焼結ステップは、800~1600℃の温度で、空気中又は制御された雰囲気中で実施される。この第1の焼結ステップは、任意選択であり、取り扱いの容易さを増強するために実施される(すなわち、多孔質コアが高密度金属酸化物シェル内で無傷のままであることを確保する)。第1の焼結ステップは、真空、空気、酸素、アルゴン、窒素、天然ガス、水素、二酸化炭素、又はそれらの組み合わせのいずれかで、真空、大気圧、及び/又は圧力が大気圧よりも大きい制御された圧力環境で実施される。
【0039】
次いで、多孔質コアを有する金属酸化物管が、真空、空気、酸素、アルゴン、窒素、天然ガス、水素、二酸化炭素、又はそれらの組み合わせのいずれかで1500℃及び2000℃の温度で実施される第2の焼結ステップに供されて、多孔質中心を有する金属酸化物ディスクを生成する。多孔質中心は、ガスが金属酸化物ディスクを通って一端から別の端に流れることを可能にする開口セル細孔を含む。
【0040】
一実施形態では、金属酸化物ディスクを製造するための方法は、高密度外側管内に金属酸化物粉末を配置することを含む。粉末には、細孔形成剤及び/又は溶媒が使用されない。金属酸化物粉末が内部に配置された高密度外側管が、1つ以上のステップで800~2000℃の温度に焼結される。上記に詳述された2ステップ焼結プロセスもまた、ここで使用され得る。これは、高密度外側管内に多孔質コアを作成する。これは、99%超の純度を有する高密度外側管内に多孔質コアを作成する。多孔質コア及び高密度外側管の両方は、99%超の多孔度を有する。
【0041】
上記に開示される焼結方法の両方において、多孔質コアは、高密度外側管よりも高い純度を有する。これは、全てのセラミックディスクに適用される。
【0042】
ここで、焼結金属酸化物ディスクは、第1のより高密度のシェル及び第2のより低密度のコアを有する二重密度部品である。次いで、部品は、更なる仕上げ操作に供されてもよく、又は供されなくてもよい。金属酸化物シェルの密度は、多孔質金属酸化物コアの密度よりも大きい。一実施形態では、仕上げ操作は、ディスクを数個のより小さいディスクにスライスすることを伴い得る。別の実施形態では、金属酸化物ディスクは、多孔質(内部)の形成の前に、又は細孔の形成の後に、シェル内に機械加工され得る、縁、段差、又は面取り(若しくは複数の面取り)などの特徴を有し得る。外側金属酸化物シェル内の多孔質部分は、フライス加工を含む機械加工によってシェル壁と同じ高さにされ得る。外径は、望ましい寸法を満たすように研削され得る。機械加工は、機械加工後のいかなる残留不純物も洗い流し、部品の高純度を確保するために、水溶性クーラントを使用することによって実施され得る。
【0043】
二重密度金属酸化物ディスクは、流体が一方側から他方側に流れることを可能にし、様々な細孔径分布に作製された流量制御器及びフィルタとして使用され得る。高密度金属酸化物シェルによる高い破砕強度とシェル内の多孔質(圧縮せずに形成される)による高流量は、二重密度部品の重要な特徴である。細孔径は、0.5マイクロメートル超であり、流量制御及び濾過用途のために制御され得る。多孔質金属酸化物と金属酸化物管(シェル)との間の強い結合(共有結合及び/又はイオン結合を介した)が、焼結プロセス中に作成される。
【0044】
二重密度金属酸化物ディスクは、半導体業界によって定められた清浄度基準に準拠している。これは、脱イオン水中の超音波処理への曝露下における少ない粒子脱落によって証明される。以下に詳述されるように試験したときに、二重密度金属酸化物ディスクの破砕強度は、20,000ポンド/平方インチ超であり、多孔質部分の破砕強度は、2000ポンド/平方インチ超であり得る。細孔内のガスの破砕強度及び流れは、使用される金属酸化物粉末の初期粒径分布、ブレンド中の細孔形成剤の量(すなわち、重量パーセント)、及び焼結条件に依存する。加えて、流れは、内径の増加及び金属酸化物ディスクの長さの減少とともに増加する。異なるブレンド組成物を使用して得られた二重密度ディスクの流量、破砕強度(高密度シェル内の多孔質領域の)、及び密度データが以下の表1に示される。表1は、試験された試料からの例示的なデータを含有する。流量は、30ポンド/平方インチのゲージ圧で決定した。
【表1】
【0045】
表1は、焼結後の多孔質中心の物質の組成を示した。金属酸化物ディスクを通る流量は、用途に応じて広範囲にわたって変動し得る。金属酸化物ディスクを通る窒素流量は、5,000~30,000標準立方センチメートル/分、好ましくは10,000~22,000標準立方センチメートル/分、変動することが分かる。金属酸化物ディスク内で、多孔質コアのかさ密度は、1.00~2.50g/cc、好ましくは1.05~1.30g/cc、好ましくは1.08~1.27g/ccであり、破砕強度は、1800~2500ポンド/平方インチである。一実施形態では、多孔質コアは、1.00~1.30g/ccのかさ密度を有し、破砕強度は、高密度外側管内に存在するとき、2000ポンド/平方インチ超である。
【0046】
多孔質コアは、コアの総体積に基づいて、30体積パーセント超、好ましくは50体積パーセント超、好ましくは70体積パーセント超、好ましくは80体積パーセント超、より好ましくは90体積パーセント超の多孔度を有する。セラミックディスクはまた、半径方向エルミート性を示し、すなわち、流体が多孔質体を通って輸送されるときに多孔質体の側部から漏れない。したがって、長手方向(長さL方向(
図1(A)を参照))のみの流れを可能にする。
【0047】
多孔質コアの生成後(及び仕上げ操作の前又は後のいずれか)、ねじ山は、ディスクの対向する端(例えば、スリーブ)で機械加工され得る。
【0048】
次いで、その内面に配置されたねじ山を有するディスクが適切な機器において使用され得る。
【0049】
試験方法
多孔質破砕強度試験
多孔質コアの破砕強度にアクセスするために、多孔質コア及び高密度シェルの両方に力を加えるのではなく、多孔質コアに単独で力を独立して加える方法を開発した。この方法は、多孔質コアの直径に等しい直径を有するゲージピンが多孔質コアの表面に垂直に静止することを可能にする装置内に部品を固定することを伴う。ゲージピンを収容するこの固定具の開口部は、摩擦力を最小限に抑えるために、ゲージピンの直径よりも0.005インチ広くなるように作製されている。部品は、シェルが装置内の表面にピン留めされ、変位することができないように、この装置内に固定されるが、それに対して、多孔質は、十分な負荷を与えられると変位することができる。
【0050】
破砕強度を試験するために、部品が装置内に配置され、MTS又はInstron圧縮強度試験機に装填される。固定具は、平坦な固定された底部プレート上に配置される。ゲージピンは、固定具の上部に装填される。次いで、平坦な上部プレートが、0.001インチ/秒の速度で下向きに変位させ、ゲージピンに負荷を加え、次いで、部品に負荷を加えるように設定される。部品故障は、機械によって記録され、2つの故障方法によって手動/視覚的に特徴付けられる。第1の故障方法は、多孔質がシェルから押し出されることを伴う。第2の故障モードは、多孔質材料を破砕することを伴う。どのような故障モードが最初に発生しても、この故障モードにおける負荷は、圧縮強度に変換される。
【0051】
密度決定試験
シェル:シェルの外径及び長さは、ドロップゲージの使用を介して寸法決めされる。内径は、撮像及び分析を介して測定される。質量は、化学天秤の使用を介して記録される。密度は、測定された質量を計算された体積で除算したものとして記録される。
【0052】
多孔質コア:多孔質を処理する前後の質量が測定される。シェルのみの測定された質量と完成部品の測定された質量(シェル及び多孔質コアを有する)との間の差は、多孔質コアの質量に変換される。多孔質コアの寸法が測定される。ドロップゲージは、多孔質コアの長さを測定し、光学撮像は、直径を得る。密度は、差分質量を計算された体積で除算したものとして得られる。
【0053】
シェル+多孔質:完成部品が、ドロップゲージによって寸法決めされる。質量は、化学天秤を介して記録される。バルク部品の密度は、測定された質量/計算された体積として計算される。
【0054】
本開示を一部の実施形態に関して説明したが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得、同等物がその要素の代わりに置換され得ることを理解するであろう。加えて、特定の状況又は材料を本開示の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図される最良の態様として開示される特定の実施形態に限定されず、本開示は、添付の特許請求の範囲内の全ての実施形態を含むことが意図される。
【0055】
特定の実施形態が説明されているが、代替、修正、変形、改善、及び現在予見できないか、又は予見できない可能性がある実質的な等価物が、出願人又は当業者に生じ得る。したがって、出願され、補正され得る添付の特許請求の範囲は、全てのそのような代替、修正の変形、改善、及び実質的な等価物を包含することが意図される。
【0056】
本明細書に開示される全ての範囲は、端点を含み、端点は、互いに独立して組み合わせ可能である(例えば、「最大25重量%、より具体的には、5重量%~20重量%」の範囲は、端点及び「5重量%~25重量%」の範囲の全ての中間値などを含む)。「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含む。「第1の」、「第2の」などの用語は、任意の順序、量、又は重要性を示すものではなく、むしろ、ある要素を別の要素から区別するために使用される。「a」、「an」、及び「the」という用語は、量の制限を示すものではなく、別様に本明細書に示唆されるか、又は文脈によって明確に矛盾する場合を除き、単数形及び複数形の両方を網羅するように解釈されるべきである。「又は」とは、別段の明確な記載がない限り、「及び/又は」を意味する。本明細書全体を通して「いくつかの実施形態」、「一実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して説明される特定の要素が、本明細書に説明される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態に存在してもよく、又は存在しなくてもよいことを意味する。加えて、説明された要素は、様々な実施形態で任意の好適な様式で組み合わせられ得ることを理解されたい。「それらの組み合わせ」は、開放型であり、列挙した構成要素又は特性のうちの少なくとも1つを、任意選択で、列挙されていない同様の又は等価の構成要素又は特性と一緒に含む任意の組み合わせを含む。
【0057】
特に定義しない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本出願が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。全ての引用された特許、特許出願、及び他の参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願の用語が組み込まれた参考文献の用語と矛盾するか、又は対立する場合、本出願の用語が、組み込まれた参考文献の対立する用語よりも優先される。
【0058】
本明細書に別段の指定がない限り、全ての試験規格は、本出願の出願日、又は優先権が主張される場合、試験規格が表示される最も早い優先権出願の出願日現在有効な最新の規格である。
【0059】
本開示のディスク、アセンブリ、及び方法は、その例示的な実施形態を参照して説明されているが、本開示は、そのような例示的な実施形態及び/又は実施態様に限定されない。むしろ、本開示のディスク、アセンブリ、及び方法は、本明細書の開示から当業者に容易に明らかとなるように、多くの実施態様及び用途を受け入れる。本開示は、開示された実施形態のそのような修正、増強、及び/又は変形を明示的に包含する。上記の構造に多くの変更を加えることができ、その範囲から逸脱することなく、本開示の多くの広く異なる実施形態がなされ得るため、図面及び明細書に含有される全ての事項は、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではない。追加の修正、変更、及び置換が、上述の開示において意図されている。したがって、添付の特許請求の範囲は、広く、本開示の範囲と一致する様式で解釈されることが適切である。
【国際調査報告】