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特表2024-542398600℃超の温度に曝露されるアモルファスシリコン含有コーティングを有する方法、構成要素およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】600℃超の温度に曝露されるアモルファスシリコン含有コーティングを有する方法、構成要素およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B32B 9/00 20060101AFI20241108BHJP
   C23C 28/04 20060101ALI20241108BHJP
   C23C 16/24 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B32B9/00 A
C23C28/04
C23C16/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526730
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 US2022047086
(87)【国際公開番号】W WO2023081013
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/275,128
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315002287
【氏名又は名称】シルコテック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(74)【代理人】
【識別番号】100112634
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】バーレット,アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ビショフ,ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,ジェフリー・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】パターソン,ルーカス・ディー
(72)【発明者】
【氏名】バローネ,ゲーリー・エイ
【テーマコード(参考)】
4F100
4K030
4K044
【Fターム(参考)】
4F100AA16
4F100AA16C
4F100AB02
4F100AB02A
4F100AB04
4F100AB04A
4F100AB11
4F100AB11B
4F100AB31
4F100AB31A
4F100AD00
4F100AD00A
4F100AT00A
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100EH46
4F100EH46B
4F100EJ42
4F100EJ42B
4F100JA12
4F100JA12B
4K030AA06
4K030AA11
4K030AA13
4K030AA16
4K030AA18
4K030BA30
4K030CA02
4K030CA05
4K030CA06
4K030JA01
4K030JA10
4K044AA02
4K044AA03
4K044AA06
4K044AA13
4K044BA12
4K044BA18
4K044BA19
4K044BB03
4K044BB04
4K044BB17
4K044BC02
4K044CA14
4K044CA62
(57)【要約】
方法、構成要素、およびそのような構成要素を含むシステムが開示される。該方法は、基材とアモルファスシリコン含有コーティングとを有する構成要素を提供するこよ、およびアモルファスシリコン含有コーティングを600℃超の温度に曝露するこよを含む。アモルファスシリコン含有コーティングは結晶化しない。該構成要素は、基材とアモルファスシリコン含有コーティングとを含み、コーティングは600℃超の温度に曝露されたものであり、かつアモルファスシリコン含有コーティングは結晶化していない。該システムは該構成要素を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材およびアモルファスシリコン含有コーティングを有する構成要素を提供すること、および
アモルファスシリコン含有コーティングを600℃超の温度に曝露すること
を含む方法であって、
アモルファスシリコン含有コーティングが、結晶化しない、
方法。
【請求項2】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が650℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が700℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が720℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が750℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が790℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が600℃~800℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が700℃~800℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が750℃~800℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
炭素-ケイ素含有コーティングが、アモルファスシリコン含有コーティングと基材との間に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
酸化物層が、炭素-ケイ素含有コーティングとアモルファスシリコン含有層との間に配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
基材が鉄基合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
基材が非鉄基合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
基材がニッケル基合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
基材がマルテンサイト系ステンレス鋼である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
基材がオーステナイト系ステンレス鋼である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
基材がセラミックである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
アモルファスシリコン含有コーティングを600℃超の温度に曝露する間、曝露の後、または曝露する間および曝露の後の両方において、構成要素が、
NOx、SOx、NH3、H2S、メルカプタン、炭化水素、HCl、揮発性有機化合物、水銀、多環芳香族炭化水素、ナフサ、石油ナフサ、シクロアルカン、燃料油、天然ガス、水素、重質軽油、エタノールアミン、減圧軽油、バンカー重油、石油蒸留物、重質原油、蒸留残油、ジェット燃料、ディーゼル燃料、ガソリン、灯油、飽和炭化水素、直鎖アルカン、アルケン、イソブタン、エチレン、プロピレン、エタン、蒸気としてのHO、HF、HSO、またはそれらの組合せ、および
触媒コンバータシステム、定置型発電システム、高温精製システム、高温石油化学システム、水蒸気改質器、HFプロセス、スチームクラッカー、パイロットプラント、燃焼エンジン、燃焼室、またはそれらの組合せ
の一方または両方を含む方法で使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
基材と、
アモルファスシリコン含有コーティングと
を含む、構成要素であって、
アモルファスシリコン含有コーティングが600℃超の温度に曝露されたものであり、かつアモルファスシリコン含有コーティングが結晶化していない、
構成要素。
【請求項20】
構成要素を含むシステムであって、構成要素が、
基材と、
アモルファスシリコン含有コーティングと
を含み、
アモルファスシリコン含有コーティングが600℃超の温度に曝露されたものであり、かつアモルファスシリコン含有コーティングが結晶化していない、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、方法、構成要素、およびシステムを対象とする。より詳細には、本発明は、600℃超の温度でシリコンの結晶化が起こるこのような方法および部品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]水素化アモルファスシリコンは、曝露時間、圧力条件、および他の条件に応じて、約700℃で結晶化することが知られている。アモルファスシリコンコーティングは、例えば、「METHOD OF PASSIVATING A GAS VESSEL OR COMPONENT OF A GAS TRANSFER SYSTEM USING A SILICON OVERLAY COATING」と題された米国特許第6,511,760号に従ってコーティングされた場合、ステンレス鋼上では550℃~600℃で結晶化する。このようなアモルファスシリコンコーティングは、アルミニウム上で450℃未満で結晶化することも知られている。
【0003】
[0003]先行技術と比較して1つまたは複数の改良を示すこのような構成要素を含む方法、構成要素、およびシステムは、当技術分野において望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]一実施形態では、方法は、基材およびアモルファスシリコン含有コーティングを有する構成要素を提供すること、およびアモルファスシリコン含有コーティングを600℃超の温度に曝露することを含む。アモルファスシリコン含有コーティングは結晶化していない。
【0005】
[0005]別の実施形態では、構成要素は、基材とアモルファスシリコン含有コーティングとを含む。アモルファスシリコン含有コーティングは、600℃超の温度に曝露されたものであり、かつアモルファスシリコン含有コーティングは結晶化していない。
【0006】
[0006]別の実施形態では、システムは構成要素を含む。この構成要素は、基材とアモルファスシリコン含有コーティングとを含む。アモルファスシリコン含有コーティングは、600℃超の温度に曝露されたものであり、アモルファスシリコン含有コーティングは結晶化していない。
【0007】
[0007]本発明の他の特徴および利点は、例として本発明の原理を例示する添付の図面と併せて、以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]本開示の一実施形態による、コーティングされた物品の図式的な透視図である。
図2】[0009]本開示による、比較例の熱重量分析を示す図である。
図3】[0010]本開示による、比較例の熱重量分析を示す図である。
図4】[0011]本開示による、比較例の熱重量分析を示す図である。
図5】[0012]本開示による、比較例の熱重量分析を示す図である。
図6】[0013]本開示による、比較例の熱重量分析を示す図である。
図7】[0014]本開示による、比較例の熱重量分析を示す図である。
図8】[0015]本開示による、比較例の熱重量分析を示す図である。
図9】[0016]本開示による、比較例の走査型電子顕微鏡写真である。
図10】[0017]本開示による、比較例の画像である。
図11】[0018]本開示による、比較例の走査型電子顕微鏡写真である。
図12】[0019]本開示による、比較例の画像である。
図13】[0020]本開示による、比較例の走査型電子顕微鏡写真である。
図14】[0021]本開示による、比較例の画像である。
図15】[0022]本開示の一実施形態による、実施例の走査型電子顕微鏡写真である。
図16】[0023]本開示の一実施形態による、実施例の画像である。
図17】[0024]本開示の一実施形態による、実施例の走査型電子顕微鏡写真である。
図18】[0025]本開示の一実施形態による、実施例の画像である。
図19】[0026]本開示の一実施形態による、実施例の走査型電子顕微鏡写真である。
図20】[0027]本開示の一実施形態による実施例の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0028]可能な限り、同じ部品を表すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。
【0010】
[0029]シリコン結晶化温度の上昇から利益を得る方法、構成要素、およびシステムが、提供される。本開示の実施形態は、例えば、本明細書に開示される特徴の1つまたは複数を含まない概念と比較して、高温で効果的に瞬時にシリコン結晶化が起こることを可能にし、酸化バリアを提供し、熱膨張係数の不一致を防止し(したがって、熱衝撃/クエンチによる剥離または他の材料の破損を低減または排除する)、金属基材への触媒攻撃および/または酸化拡散を低減または排除し(例えば、結晶シリコンによって遮断されない露出した金属への経路を遮断することによって)、金属基材からのクロムの浸出を低減または排除し、質量損失を低減し(例えば、7日間の曝露期間にわたる5体積%NaClを基準として、高温下で年間10ミル未満の損失、年間1ミル未満の損失、年間0.5ミル未満の損失、またはそれらの組合せが生じる)、またはそれらの組合せを許容する。
【0011】
[0030]図1を参照すると、一実施形態によれば、参照によりその全体が組み込まれる、2019年11月27日に出願された、「FLUID CONTACT PROCESS, COATED ARTICLE, AND COATING PROCESS」と題する特許協力条約特許出願PCT/US2019/063513の開示と一致する方法に従って、構成要素101がコーティングされる。構成要素101は、基材103およびコーティング121を有する。
【0012】
[0031]コーティング121は、すべての露出表面上に生成される。本明細書で使用される場合、「露出した表面」に関する用語「露出した」は、方法中にガスと接触するいずれかの表面を指し、この用語は、密閉容器を有しないフロースルー化学気相成長方法で見られるような視線上の表面または視線方向に近接した表面に限定されない。当業者には理解されるように、コーティングされた物品101は、より大きな構成要素またはシステム(図示せず)に組み込むことが可能である。
【0013】
[0032]コーティング121は製造され、例えば、それにより、密閉容器を使用する静的方法である本開示によるコーティング方法を通じて製造されることに特有の特徴および特性を提供し、チャンバへの前駆体の同時流入およびチャンバからの前駆体の同時流出を有する流動性化学気相成長とは対照的である。本明細書で使用される場合、「熱化学気相成長」という語句は、例えば、飢餓反応器構成における、1つまたは複数の気体の反応および/または分解を指し、プラズマ支援化学気相成長、ラジカル開始化学気相成長、触媒支援化学気相成長、スパッタリング、原子層堆積(これは、1層超の分子堆積が可能であるのとは対照的に、1サイクル当たりの単層分子堆積に制限される)、および/またはエピタキシャル成長(例えば、700℃超での成長)とは区別される。一実施形態では、コーティング121は、視線技術によってコーティングすることができない領域の構成要素101上にある。
【0014】
[0033]コーティング121は、例えば、酸化および不活性ガスパージの前、最中、後、または非存在下で、連続的に、同時に、または単独で分解される、以下の流体:シラン、シランおよびエチレン、シランおよび酸化剤、ジメチルシラン、ジメチルシランおよび酸化剤、トリメチルシラン、トリメチルシランおよび酸化剤、ジアルキルシリルジヒドリド、アルキルシリルトリヒドリド、非自然発火性種(例えば、ジアルキルシリルジヒドリドおよび/またはアルキルシリルトリヒドリド)、熱反応物質(例えば、カルボシランおよび/またはカルボキシシラン、例えば、アモルファスカルボシランおよび/またはアモルファスカルボキシシラン)、カルボシリル(ジシリルまたはトリシリルフラグメント)の再結合が可能な種、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、アンモニア、ヒドラジン、トリシリルアミン、ビス(tert-ブチルアミノ)シラン、1,2-ビス(ジメチルアミノ)テトラメチルジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン)、オルガノフルオロトリアルコキシシラン、オルガノフルオロシリルヒドリド、オルガノフルオロシリル、フッ素化アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、フルオロシラン、トリデカフルオロ1,1,2,2-テトラヒドロオクチルシラン、(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、トリエトキシ(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-オクチル)シラン、(パーフルオロヘキシルエチル)トリエトキシシラン、シラン(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシル)トリメトキシ-、またはそれらの組合せ、のうちの1つまたは複数によって形成される。
【0015】
[0034]コーティング121の適切な厚さとしては、50ナノメートル~10,000ナノメートル、50ナノメートル~1,000ナノメートル、100ナノメートル~800ナノメートル、200ナノメートル~600ナノメートル、200ナノメートル~10,000ナノメートル、500ナノメートル~3,000ナノメートル、500ナノメートル~2,000ナノメートル、500ナノメートル~1,000ナノメートル、1,000ナノメートル~2,000ナノメートル、1,000ナノメートル~1,500ナノメートル、1,500ナノメートル~2,000ナノメートル、800ナノメートル、1,200ナノメートル、1,600ナノメートル、1,900ナノメートル、またはそれらのいずれかの適切な組合せ、副次的組合せ、範囲、もしくは副次的範囲が挙げられるが、これらに限定されない。より詳細には、一実施形態では、コーティング121の厚さは、50nm~900nm、100m~800nm、200nm~400nm、300nm~600nm、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、またはそれらのいずれかの適切な組合せ、副次的組合せ、範囲、もしくは副次的範囲である。
【0016】
[0035]本出願の実施形態には、高温で構成要素101を使用する方法、高温で構成要素101を組み込むシステム、および普通ならアモルファスシリコンを結晶化させる高温への曝露中および曝露後の構成要素101が含まれる。例えば、実施形態は、高温が、600℃超、650℃超、700℃超、720℃超、750℃超、790℃超、600℃~800℃、600℃~700℃、750℃~800℃、700℃~800℃、750℃~800℃、またはそれらの任意の適切な組合せ、副次的組合せ、範囲、もしくは副次的範囲であることを含む。別の実施形態では、高温は、酸化的環境(例えば、空気、酸素、または水を介する)または不活性環境(例えば、アルゴン、ヘリウム、または窒素を介する)にある。
【0017】
[0036]一実施形態では、構成要素101を使用する方法は、高温への曝露中または曝露後に、コーティング121を化学種に曝露することを含む。化学種は、一般に、流体、例えば、気体および液体である。一部の実施形態では、化学種は、微粒子(例えば、すす、炭素系材料、コークスなど)をさらに含む。一実施形態では、化学種は、NOx、SOx、NH3、H2S、メルカプタン、炭化水素、HCl、NaCl(例えば、7日間で5体積%)、揮発性有機化合物、水銀(酸化または元素を問わず)、多環芳香族炭化水素、その他様々な種、ナフサ、石油ナフサ、ナフテン(シクロアルカン)、燃料油、天然ガス、水素、高沸点炭化水素、高分子量炭化水素、重質軽油、エタノールアミン(硫黄除去材)、減圧軽油、バンカー重油、石油蒸留物(例えば、分解または蒸留されたもの)、重質原油、蒸留残油、ジェット燃料、ディーゼル燃料、ガソリン、灯油、飽和炭化水素、直鎖アルカン(例えば、パラフィン)、オレフィン/アルケン(例えば、直鎖および/または分岐)、イソブタン、エチレン、プロピレン、エタン、水分(例えば、蒸気としてのHOまたは炭化水素流中の低濃度汚染物)、HF、HSO、またはそれらの組合せからなる群から選択される。
【0018】
[0037]一実施形態では、構成要素101は、触媒粒子、床および構造の反応部位に付着する汚損や微粒子によって従来から性能の損失が引き起こされている触媒コンバータシステム内で使用される。構成要素101は、例えば、コーティング121が、材料が付着せずに流れることを可能にする低接着性を有するバリアコーティングとして機能することによって、燃料内の炭化水素によって引き起こされる炭素汚損を低減または除去する。
【0019】
[0038]一実施形態では、構成要素101は、定置型発電システム内で腐食および/または燃料のコークス化/汚損を制御するために使用され、それによって使用可能寿命が延長され、燃費が向上し、メンテナンスサイクルの延長が可能になり、耐久性が向上する。構成要素101は、燃料移送機器(例えば、パイプ、インジェクタ、および/またはバーナ)の高温領域内に配置され、例えば、コーティング121が、材料が付着せずに流れることを可能にする低接着性を有するバリアコーティングとして機能することによって、エンジンの近くまたは燃料が循環していない浸漬状態の間の高温燃料移送ラインの従来の汚損および/または閉塞を低減または排除する。
【0020】
[0039]一実施形態では、構成要素101は、高温精製および/または石油化学システム内で使用され、それにより、使用可能寿命が延長され、メンテナンスサイクルの延長が可能になり、耐久性が向上する。構成要素101は、蒸留トレイの汚損(それにより効率が低下する)および/または蒸留トレイの腐食(それにより使用可能寿命が低下する)を普通なら生じやすい蒸留システム内に配置される。コーティング121は、炭化水素および他の有機物の汚損蓄積に抵抗し、および/または使用可能な寿命を延ばす耐食性バリアを提供する。
【0021】
[0040]追加として、または代替として、一実施形態では、構成要素101は、通常750℃超の温度で動作する改質管において、触媒被毒(例えば、硫黄含有化合物による)および/または汚損(例えば、炭素による)を普通なら生じやすい水蒸気改質器内に配置される。コーティング121は、炭素の付着を低減または除去するバリアコーティングとして機能することにより、吸着損失を低減または除去し、および/または汚損物質(例えば炭素)の蓄積を低減するために、分析装置およびプロセス分析装置における触媒被毒(例えば、硫黄)の適切な試験を保証する。
【0022】
[0041]追加として、または代替として、一実施形態では、構成要素101は、HF攻撃による使用可能寿命の低下、および/または腐食による種(例えば、硫黄)の原料レベルの監視における分析システムの不十分な性能が普通なら生じやすいHFプロセス(例えば、フィリップスアルキル化方法)内で使用される。コーティング121は、腐食を低減または除去することにより、HFと接触する機器の使用可能寿命を延長し、および/または分析システムの性能を向上させる。
【0023】
[0042]追加として、または代替として、一実施形態では、構成要素101は、750℃を超えて動作する炉管の汚損が普通なら生じやすいスチームクラッカー内で使用される。コーティング121は、バリアコーティングとして機能し、炉管の汚損を防止する。
【0024】
[0043]追加として、または代替として、一実施形態では、構成要素101は、金属接触による反応に寄与することによって壁効果の影響を普通なら受けやすいパイロットプラント運転内で使用される。コーティング121は、反応器壁との反応を抑制するバリアコーティングとして機能する。
【0025】
[0044]一実施形態では、構成要素101は、燃焼機関および/または燃焼室(例えば、火花または圧縮)内で使用され、それによって耐腐食性を強化し、燃料のコークス化/汚損を低減または除去し、それによって使用可能寿命を延長し、燃費を向上させ、より長いメンテナンスサイクルを可能にし、および/または耐久性を向上させる。構成要素101は、例えば、比較的小さな穴および高圧(例えば、インジェクタで)、圧縮の損失またはスコアリング(例えば、ピストンで)、蓄積(例えば、ピストン面上で)、性能低下(例えば、エンジン近接によって加熱されるジェットエンジンの燃料移送ライン、浸漬した燃料移送ライン、吸気バルブ、排気バルブ、ターボチャージャハウジング、および/またはより一般的にはセンサ、バルブ、通路上の微粒子蓄積による)、またはそれらの組合せによる、汚損、目詰まり、および流れの減少を普通なら生じやすい領域に配置される。コーティング121は、炭化水素および他の有機材料の汚損の蓄積に抵抗し、および/または使用可能な寿命を増加させる耐腐食性バリアを提供する。
【0026】
[0045]構成要素101の他の適切な用途には、ポンプ、ポンプの一部(ポンプベーンなど)、管状要素および/または配管要素、オフショア石油およびガスシステム(塩水への曝露の有無にかかわらず)、坑井パッド、掘削構成要素、圧縮天然ガス抽出、上流および/または下流流路、石油化学精製所、炭化水素処理、プロセス分析装置、溶存ガス分析装置、ガルバニック腐食環境、水銀腐食環境、ガス貯蔵容器、フィッティング、圧縮フィッティング、チューブ、バルブ、クイックコネクト、サンプルシリンダー、レギュレーターおよび/またはフローコントローラー、注入ポート、インラインフィルタ、フリット、レール、ラック、ドライブトレイン、ロッド、クランプ、ボルト、ガイドレール、ホイールウェル、格子、フィルタ、ガス貯蔵容器、積載プラットフォーム、またはそれらの組合せ内またはそれらとしての高温への曝露が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
[0046]構成要素101から利益を得ることができる特定の産業に特有の方法には、石油およびガス、半導体製造、半導体装置(例えば、ガスライン、ベローズ、熱シールド、溶接物、フランジ、メッシュ、フィルタ、リング、ハウジング、チャンバ、および/またはキャニスタ)、分析機器、ライフサイエンスおよび医薬品製造、精製、化学処理、オフショア技術、航空宇宙技術、非地球環境(例えば、金星、火星、衛星、その他の天体)、深海、火山および/または熱水環境、研磨および洗浄産業、成形、素粒子物理学、鉱業、金属製造、水素処理抽出、原子力製造(核分裂および核融合)、ガラスおよびセラミックの製造、輸送(特に過酷な環境下)、農業(特に高温処理が必要な場合)、コーティング製造(例えば、放射線硬化コーティング、ポリマーコーティングの塗布および製造、オリゴマーコーティングの塗布および製造、および/またはオーブン、ランプ、UVランプ、電子ビームチャンバなどの硬化環境など)、特殊ガス製造、クリーンエアおよび炭素回収技術、分析機器、武器/防衛(特に、ミサイル、ドローン、爆弾、発射体など)、反応器、ボイラー、触媒製造、潜水艇、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
[0047]基材103は、動作上の有用性を犠牲にすることなく、および/または層間破壊を引き起こすことなく、少なくとも600度の温度、および一部の実施形態では、上昇した曝露温度と一致するより高い温度に耐えることができるいずれかの適切な材料(複数可)を含む。適切な材料としては、鉄基合金、非鉄基合金、ニッケル基合金、マルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、セラミック、ガラス、セラミックマトリックス複合材料、アルミニウム合金(例えば、少なくとも50重量%のアルミニウムを有する)、チタン合金(例えば、少なくとも50重量%のチタンを有する)、酸化攻撃を受ける合金または純材料、またはそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態では、基材103は、焼戻しまたは非焼戻しであり、等軸、方向性凝固、および/または単結晶である結晶粒構造を有し、アモルファスまたは結晶構造を有し、箔、繊維、クラッド、および/またはフィルムである金属材料である。
【0029】
[0048]一実施形態では、金属材料は第1の鉄濃度と第1のクロム濃度を有し、第1の鉄濃度は第1のクロム濃度よりも大きい。例えば、第1の鉄濃度の適切な値としては、重量比で、50%超、60%超、66%超、70%超、66%~74%、70%~74%、またはそれらのいずれかの適切な組合せ、副次的組合せ、範囲、もしくは副次的範囲が挙げられるが、これらに限定されない。第1のクロム濃度の適切な値としては、重量比で、10.5%超、14%超、16%超、18%超、20%超、14%~17%、16%~18%、18%~20%、20%~24%、またはそれらのいずれかの適切な組合せ、副次的組合せ、範囲、もしくは副次的範囲が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
[0049]一実施形態では、金属材料は、重量比で、最大0.08%の炭素、18%~20%のクロム、最大2%のマンガン、8%~10.5%のニッケル、最大0.045%のリン、最大0.03%の硫黄、最大1%のケイ素、残りは鉄(例えば、66%~74%の鉄)の組成であるか、または組成を含む。
【0031】
[0050]一実施形態では、金属材料は、重量比で、最大0.08%の炭素、最大2%のマンガン、最大0.045%のリン、最大0.03%の硫黄、最大0.75%のケイ素、16%~18%のクロム、10%~14%のニッケル、2%~3%のモリブデン、最大0.1%の窒素、残りは鉄の組成であるか、または組成を含む。
【0032】
[0051]一実施形態では、金属材料は、重量比で、最大0.03%の炭素、最大2%のマンガン、最大0.045%のリン、最大0.03%の硫黄、最大0.75%のケイ素、16%~18%のクロム、10%~14%のニッケル、2%~3%のモリブデン、最大0.1%の窒素、残りは鉄の組成であるか、または組成を含む。
【0033】
[0052]一実施形態では、金属材料は、重量比で、14%~17%のクロム、6%~10%の鉄、0.5%~1.5%のマンガン、0.1%~1%の銅、0.1%~1%のケイ素、0.01%~0.2%の炭素、0.001%~0.2%の硫黄、残りはニッケル(例えば、72%)の組成であるか、または組成を含む。
【0034】
[0053]一実施形態では、金属材料は、重量比で、20%~24%のクロム、1%~5%の鉄、8%~10%のモリブデン、10%~15%のコバルト、0.1%~1%のマンガン、0.1%~1%の銅、0.8%~1.5%のアルミニウム、0.1%~1%のチタン、0.1%~1%のケイ素、0.01%~0.2%の炭素、0.001%~0.2%の硫黄、0.001%~0.2%のリン、0.001%~0.2%のホウ素、残りはニッケル(例えば、44.2%~56%)の組成であるか、または組成を含む。
【0035】
[0054]一実施形態では、金属材料は、重量比で、20%~23%のクロム、4%~6%の鉄、8%~10%のモリブデン、3%~4.5%のニオブ、0.5%~1.5%のコバルト、0.1%~1%のマンガン、0.1%~1%のアルミニウム、0.1%~1%のチタン、0.1%~1%のケイ素、0.01%~0.5%の炭素、0.001%~0.02%の硫黄、0.001%~0.02%のリン、残りはニッケル(例えば、58%)の組成であるか、または組成を含む。
【0036】
[0055]一実施形態では、金属材料は、重量比で、25%~35%のクロム、8%~10%の鉄、0.2%~0.5%のマンガン、0.005%~0.02%の銅、0.01%~0.03%のアルミニウム、0.3%~0.4%のケイ素、0.005%~0.03%の炭素、0.001%~0.005%の硫黄、残りはニッケル(例えば、59.5%)の組成であるか、または組成を含む。
【0037】
[0056]一実施形態では、金属材料は、重量比で、17%~21%のクロム、2.8%~3.3%の鉄、4.75%~5.5%のニオブ、0.5%~1.5%のコバルト、0.1%~0.5%のマンガン、0.2%~0.8%の銅、0.65%~1.15%のアルミニウム、0.2%~0.4%のチタン、0.3%~0.4%のケイ素、0.01%~1%の炭素、0.001%~0.02%の硫黄、0.001%~0.02%のリン、0.001%~0.02%のホウ素、残りはニッケル(例えば、50%~55%)の組成であるか、または組成を含む。
【0038】
[0057]一実施形態では、金属材料は、重量比で、2%~3%のコバルト、15%~17%のクロム、5%~17%のモリブデン、3%~5%のタングステン、4%~6%の鉄、0.5%~1%のケイ素、0.5%~1.5%のマンガン、0.005%~0.02%の炭素、0.3%~0.4%のバナジウム、残りはニッケルの組成であるか、または組成を含む。
【0039】
[0058]一実施形態では、金属材料は、重量比で、最大0.15%の炭素、3.5%~5.5%のタングステン、4.5%~7%の鉄、15.5%~17.5%のクロム、16%~18%のモリブデン、0.2%~0.4%のバナジウム、最大1%のマンガン、最大1%の硫黄、最大1%のケイ素、最大0.04%のリン、最大0.03%の硫黄、残りはニッケルの組成であるか、または組成を含む。
【0040】
[0059]一実施形態では、金属材料は、重量比で、最大2.5%のコバルト、最大22%のクロム、最大13%のモリブデン、最大3%のタングステン、最大3%の鉄、最大0.08%のケイ素、最大0.5%のマンガン、最大0.01%の炭素、最大0.35%のバナジウム、残りはニッケル(例えば、56%)の組成であるか、または組成を含む。
【0041】
[0060]一実施形態では、金属材料は、重量比で、1%~2%のコバルト、20%~22%のクロム、8%~10%のモリブデン、0.1%~1%のタングステン、17%~20%の鉄、0.1%~1%のケイ素、0.1%~1%のマンガン、0.05%~0.2%の炭素、残りはニッケルの組成であるか、または組成を含む。
【0042】
[0061]一実施形態では、金属材料は、重量比で、0.01%~0.05%のホウ素、0.01%~0.1%のクロム、0.003%~0.35%の銅、0.005%~0.03%のガリウム、0.006%~0.8%の鉄、0.006%~0.3%のマグネシウム、0.02%~1%のケイ素+鉄、0.006%~0.35%のケイ素、0.002%~0.2%のチタン、0.01%~0.03%のバナジウム+チタン、0.005%~0.05%のバナジウム、0.006%~0.1%の亜鉛、残りはアルミニウム(例えば、99%超)の組成であるか、または組成を含む。
【0043】
[0062]一実施形態では、金属材料は、重量比で、0.05%~0.4%のクロム、0.03%~0.9%の銅、0.05%~1%の鉄、0.05%~1.5%のマグネシウム、0.5%~1.8%のマンガン、0.5%~0.1%のニッケル、0.03%~0.35%のチタン、最大0.5%のバナジウム、0.04%~1.3%の亜鉛、残りはアルミニウム(例えば、94.3%~99.8%)の組成であるか、または組成を含む。
【0044】
[0063]一実施形態では、金属材料は、重量比で、0.0003%~0.07%のベリリウム、0.02%~2%のビスマス、0.01%~0.25%のクロム、0.03%~5%の銅、0.09%~5.4%の鉄、0.01%~2%のマグネシウム、0.03%~1.5%のマンガン、0.15%~2.2%のニッケル、0.6%~21.5%のケイ素、0.005%~0.2%のチタン、0.05%~10.7%の亜鉛、残りはアルミニウム(例えば、70.7%~98.7%)の組成であるか、または組成を含む。
【0045】
[0064]一実施形態では、金属材料は、重量比で、0.15%~1.5%のビスマス、0.003%~0.06%のホウ素、0.03%~0.4%のクロム、0.01%~1.2%の銅、0.12%~0.5%のクロム+マンガン、0.04%~1%の鉄、0.003%~2%の鉛、0.2%~3%のマグネシウム、0.02%~1.4%のマンガン、0.05%~0.2%のニッケル、0.5%~0.5%の酸素、0.2%~1.8%のケイ素、最大0.05%のストロンチウム、0.05%~2%のスズ、0.01%~0.25%のチタン、0.05%~0.3%のバナジウム、0.03%~2.4%の亜鉛、0.05%~0.2%のジルコニウム、0.150%~0.2%のジルコニウム+チタン、残りはアルミニウム(例えば、91.7%~99.6%)の組成であるか、または組成を含む。
【0046】
[0065]一実施形態では、金属材料は、重量比で、0.4%~0.8%のケイ素、最大0.7%の鉄、0.15%~0.4%の銅、最大0.15%のマンガン、0.8%~1.2%のマグネシウム、0.04%~0.35%のクロム、最大0.25%の亜鉛、最大0.15%のチタン、任意で不可避不純物(例えば、それぞれ0.05%未満、合計0.15%未満)、残りはアルミニウム(例えば、95%~98.6%)の組成であるか、または組成を含む。
【0047】
[0066]一実施形態では、金属材料は、重量比で、11%~13%のケイ素、最大0.6%の不純物/残留物、残りはアルミニウムの組成であるか、または組成を含む。
【0048】
[0067]一実施形態では、金属材料は、重量比で、0.7%~1.1%のマグネシウム、0.6%~0.9%のケイ素、0.2%~0.7%の鉄、0.1%~0.4%の銅、0.05%~0.2%のマンガン、0.02%~0.1%の亜鉛、0.02%~0.1%のチタン、残りはアルミニウムの組成であるか、または組成を含む。さらなる実施形態では、金属材料は合金6061である。
【実施例
【0049】
[0068]第1の比較例では、0.02mm厚の箔ステンレス鋼基材は約0.5cmの表面積でコーティングされる。コーティングは約500nmの厚さを有し、密度は2.25g/cmである。コーティングは、コーティングされた基材の質量の約0.1%を占める。コーティングされた基材は800℃までの温度に曝露されるが、コーティングと基材との間の相対的な質量差により、検出可能な質量損失は得られない。
【0050】
[0069]第2の比較例では、シリカ粒子がコーティングされる。コーティングの厚さは約100nmを有し、密度は2.25g/cmである。シリカ粒子の体積は0.113μmであり、シリカ粒子上のコーティングの体積は0.155μmである。コーティングはコーティングされたシリカ粒子の質量の約57.8%を占める。コーティングはフッ素、ケイ素、酸素、炭素、および水素を含む。図2に示すように、コーティングされたシリカ粒子を熱重量分析にかける。熱重量分析は、約400℃までにコーティングからの成分の放出およびコーティングの破壊を示す。
【0051】
[0070]第3の比較例では、シリカ粒子がコーティングされる。コーティングは約100nmの厚さを有し、密度は2.25g/cmである。シリカ粒子の体積は0.113μmであり、シリカ粒子上のコーティングの体積は0.155μmである。コーティングはコーティングされたシリカ粒子の質量の約57.8%を占める。コーティングはケイ素、酸素、炭素、および水素を含む。図3に示すように、コーティングされたシリカ粒子を熱重量分析にかける。熱重量分析は、約400℃までにコーティングからの成分の放出およびコーティングの破壊を示す。
【0052】
[0071]第4の比較例では、シリカ粒子がコーティングされる。コーティングは約100nmの厚さを有し、密度は2.25g/cmである。シリカ粒子の体積は0.113μmであり、シリカ粒子上のコーティングの体積は0.155μmである。コーティングはコーティングされたシリカ粒子の質量の約57.8%を占める。コーティングはケイ素、酸素、炭素、および水素を含む。コーティングされたシリカ粒子を、図4に示すような不活性環境および図5に示すような酸素環境で熱重量分析にかける。熱重量分析は、不活性環境では約500℃までに、酸素環境では約450℃までにコーティングの放出および破壊を示す。
【0053】
[0072]第5の比較例では、シリカ粒子がコーティングされる。コーティングは約100nmの厚さを有し、密度は2.25g/cmである。シリカ粒子の体積は0.113μmであり、シリカ粒子上のコーティングの体積は0.155μmである。コーティングはコーティングされたシリカ粒子の質量の約57.8%を占める。コーティングはケイ素、炭素、および水素を含む。コーティングされたシリカ粒子を、図6に示すような不活性環境および図7に示すような酸素環境で熱重量分析にかける。熱重量分析は、不活性環境では約430℃までに、酸素環境では約400℃までにコーティングの放出および破壊を示す。
【0054】
[0073]第6の比較例では、シリカ粒子がアモルファスシリコン含有コーティングでコーティングされる。コーティングは約100nmの厚さを有し、密度は2.25g/cmである。シリカ粒子の体積は0.113μmであり、シリカ粒子上のコーティングの体積は0.155μmである。コーティングはコーティングされたシリカ粒子の質量の約57.8%を占める。コーティングはケイ素および水素を含む。図8に示すように、コーティングされたシリカ粒子を熱重量分析にかける。熱重量分析によると、コーティングの結晶化は約700℃で始まり、720℃で終了する。ステンレス鋼基材上の同じコーティングを、図9~10に示すように600℃の温度で、図11~12に示すように700℃の温度で、および図13~14に示すように800℃の温度で空気曝露した後、目視および走査型電子顕微鏡でも分析した。コーティングは、600℃ではアモルファスで一般に透明/半透明であり、より高い温度、具体的には700℃および800℃では結晶質で黒っぽいまたは黒色である。
【0055】
[0074]第7の例では、本開示の実施形態に従って、コーティングは、炭素、ケイ素、および水素を含む。図15~16に示すように600℃の温度で、図17~18に示すように700℃の温度で、および図19~20に示すように800℃の温度で空気曝露した後、ステンレス鋼基材上のコーティングを目視および走査型電子顕微鏡で分析する。コーティングは、600℃、700℃および800℃でアモルファスであり、一般に透明/半透明である。
【0056】
[0075]本発明を1つまたは複数の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、等価物をその要素に代えることができることは、当業者には理解されるであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために考慮される最良の様式として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲に属するすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、詳細な説明において特定されるすべての数値は、正確な値および近似値の両方が明示的に特定されているかのように解釈されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材およびアモルファスシリコン含有コーティングを有する構成要素を提供すること、ここで炭素-ケイ素含有コーティングが、アモルファスシリコン含有コーティングと基材との間に配置されている、および
アモルファスシリコン含有コーティングを600℃超の温度に曝露すること
を含む方法であって、
アモルファスシリコン含有コーティングが、結晶化しない、
方法。
【請求項2】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が650℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が700℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が720℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が750℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が790℃超である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が600℃~800℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が700℃~800℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が750℃~800℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
酸化物層が、炭素-ケイ素含有コーティングとアモルファスシリコン含有層との間に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
基材が鉄基合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
基材が非鉄基合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
基材がニッケル基合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
基材がマルテンサイト系ステンレス鋼である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
基材がオーステナイト系ステンレス鋼である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
基材がセラミックである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
アモルファスシリコン含有コーティングを600℃超の温度に曝露する間、曝露の後、または曝露する間および曝露の後の両方において、構成要素が、
NOx、SOx、NH3、H2S、メルカプタン、炭化水素、HCl、揮発性有機化合物、水銀、多環芳香族炭化水素、ナフサ、石油ナフサ、シクロアルカン、燃料油、天然ガス、水素、重質軽油、エタノールアミン、減圧軽油、バンカー重油、石油蒸留物、重質原油、蒸留残油、ジェット燃料、ディーゼル燃料、ガソリン、灯油、飽和炭化水素、直鎖アルカン、アルケン、イソブタン、エチレン、プロピレン、エタン、蒸気としてのHO、HF、HSO、またはそれらの組合せ、および
触媒コンバータシステム、定置型発電システム、高温精製システム、高温石油化学システム、水蒸気改質器、HFプロセス、スチームクラッカー、パイロットプラント、燃焼エンジン、燃焼室、またはそれらの組合せ
の一方または両方を含む方法で使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
基材と、
アモルファスシリコン含有コーティングと
を含む、構成要素であって、ここで、炭素-ケイ素含有コーティングが、アモルファスシリコン含有コーティングと基材との間に配置されており、
アモルファスシリコン含有コーティングが600℃超の温度に曝露されたものであり、かつアモルファスシリコン含有コーティングが結晶化していない、
構成要素。
【請求項19】
構成要素を含むシステムであって、構成要素が、
基材と、
アモルファスシリコン含有コーティングと
を含み、ここで炭素-ケイ素含有コーティングが、アモルファスシリコン含有コーティングと基材との間に配置されており、
アモルファスシリコン含有コーティングが600℃超の温度に曝露されたものであり、かつアモルファスシリコン含有コーティングが結晶化していない、
システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
[0075]本発明を1つまたは複数の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、等価物をその要素に代えることができることは、当業者には理解されるであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために考慮される最良の様式として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲に属するすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、詳細な説明において特定されるすべての数値は、正確な値および近似値の両方が明示的に特定されているかのように解釈されるものとする。
[発明の態様]
[1]
基材およびアモルファスシリコン含有コーティングを有する構成要素を提供すること、および
アモルファスシリコン含有コーティングを600℃超の温度に曝露すること
を含む方法であって、
アモルファスシリコン含有コーティングが、結晶化しない、
方法。
[2]
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が650℃超である、1に記載の方法。
[3]
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が700℃超である、1に記載の方法。
[4]
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が720℃超である、1に記載の方法。
[5]
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が750℃超である、1に記載の方法。
[6]
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が790℃超である、1に記載の方法。
[7]
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が600℃~800℃である、1に記載の方法。
[8]
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が700℃~800℃である、1に記載の方法。
[9]
アモルファスシリコン含有コーティングを曝露する温度が750℃~800℃である、1に記載の方法。
[10]
炭素-ケイ素含有コーティングが、アモルファスシリコン含有コーティングと基材との間に配置される、1に記載の方法。
[11]
酸化物層が、炭素-ケイ素含有コーティングとアモルファスシリコン含有層との間に配置される、10に記載の方法。
[12]
基材が鉄基合金である、1に記載の方法。
[13]
基材が非鉄基合金である、1に記載の方法。
[14]
基材がニッケル基合金である、1に記載の方法。
[15]
基材がマルテンサイト系ステンレス鋼である、1に記載の方法。
[16]
基材がオーステナイト系ステンレス鋼である、1に記載の方法。
[17]
基材がセラミックである、1に記載の方法。
[18]
アモルファスシリコン含有コーティングを600℃超の温度に曝露する間、曝露の後、または曝露する間および曝露の後の両方において、構成要素が、
NOx、SOx、NH3、H2S、メルカプタン、炭化水素、HCl、揮発性有機化合物、水銀、多環芳香族炭化水素、ナフサ、石油ナフサ、シクロアルカン、燃料油、天然ガス、水素、重質軽油、エタノールアミン、減圧軽油、バンカー重油、石油蒸留物、重質原油、蒸留残油、ジェット燃料、ディーゼル燃料、ガソリン、灯油、飽和炭化水素、直鎖アルカン、アルケン、イソブタン、エチレン、プロピレン、エタン、蒸気としてのHO、HF、HSO、またはそれらの組合せ、および
触媒コンバータシステム、定置型発電システム、高温精製システム、高温石油化学システム、水蒸気改質器、HFプロセス、スチームクラッカー、パイロットプラント、燃焼エンジン、燃焼室、またはそれらの組合せ
の一方または両方を含む方法で使用される、1に記載の方法。
[19]
基材と、
アモルファスシリコン含有コーティングと
を含む、構成要素であって、
アモルファスシリコン含有コーティングが600℃超の温度に曝露されたものであり、かつアモルファスシリコン含有コーティングが結晶化していない、
構成要素。
[20]
構成要素を含むシステムであって、構成要素が、
基材と、
アモルファスシリコン含有コーティングと
を含み、
アモルファスシリコン含有コーティングが600℃超の温度に曝露されたものであり、かつアモルファスシリコン含有コーティングが結晶化していない、
システム。
【国際調査報告】