(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20241108BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241108BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241108BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241108BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/42
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527839
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 CN2022132080
(87)【国際公開番号】W WO2023088267
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202111357951.0
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】羅家懋
(72)【発明者】
【氏名】戚祖強
(72)【発明者】
【氏名】李▲シン▼磊
(72)【発明者】
【氏名】何煥杰
(72)【発明者】
【氏名】喩宗平
(72)【発明者】
【氏名】欧耀東
(72)【発明者】
【氏名】雷宝霊
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC34
4B162AD06
(57)【要約】
エアロゾル基質(11)の上流に位置し、エアロゾル基質(11)に流れる気流を加熱するための気流ヒータ(2)と、エアロゾル基質(11)の上流セグメントからずらして設けられ、エアロゾル基質(11)を加熱するための補償ヒータ(3)と、少なくともエアロゾル基質(11)の上流セグメントを収容するための連結管(4)と、を含むハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置である。補償ヒータ(3)は、エアロゾル基質(11)の上流セグメントの後ろに位置し、補償ヒータ(3)によって発生した熱は、対応するセグメントのエアロゾル基質の温度を高めることができ、これにより、気流ヒータ(2)によって加熱された気流の温度低下を防止し、気流ヒータ(2)によって加熱された気流が上流セグメント以外のエアロゾル基質(11)をベーキングし続けて十分な揮発性物質を発生させることを確保することができる。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル基質の少なくとも一部を収容するための縦長形のキャビティと、
前記キャビティの上流に位置し、前記キャビティに流れる気流を加熱するための気流ヒータと、
前記キャビティ内に位置決めされ又は前記キャビティに隣接して設けられ、前記エアロゾル基質の部分的なセグメントを加熱するための補償ヒータと、を含み、
前記補償ヒータは、前記エアロゾル基質が前記キャビティ内に収容された時に該エアロゾル基質の一部を前記補償ヒータと気流ヒータの間に位置決めできるように、前記キャビティの縦長方向に前記気流ヒータから間隔を置いて設けられるように構成されることを特徴とする、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記補償ヒータは、キャビティの周方向に沿って前記エアロゾル基質を外側から内側へ加熱するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記補償ヒータは、前記キャビティの一部を取り囲む熱伝導管と、前記熱伝導管に設けられる発熱部材とを含むことを特徴とする、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記補償ヒータは、前記キャビティの一部を取り囲み、交番磁場で発熱できる誘導発熱管を含むことを特徴とする、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
連結管をさらに含み、前記補償ヒータは前記連結管を介して前記気流ヒータに接続されることを特徴とする、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記補償ヒータは、前記エアロゾル基質の中流セグメント又は下流セグメントを加熱できるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記補償ヒータは少なくとも1つの加熱体を含み、前記加熱体は、前記キャビティと同軸に設けられ、前記キャビティ内に位置する前記エアロゾル基質の中流セグメント又は下流セグメントを加熱することを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記気流ヒータは気流が通過できるサセプタを含み、前記サセプタは、前記サセプタを流れる気流を加熱するために交番磁場で発熱できるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記サセプタは多孔質ハニカム構造であることを特徴とする、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記サセプタは複数の磁気誘導体を含み、それぞれの前記磁気誘導体は、いずれも気流が通過するための複数の貫通孔を有し、複数の前記磁気誘導体は互いに積層され、隣接する磁気誘導体における貫通孔は気流通過のために少なくとも部分的に連通していることを特徴とする、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記サセプタは連続した孔隙を有する発泡構造の材料を含み、前記材料は気流が通過できることを特徴とする、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記気流ヒータは、発熱体と、複数の気孔を有する温度等化器とを含み、前記温度等化器は、前記発熱体に熱伝導的に接続され、前記発熱体の熱を吸収し各前記気孔内に熱を放出することにより各前記気孔内の気流を加熱することを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記発熱体は、前記温度等化器の少なくとも一部の表面を取り囲むように構成されることを特徴とする、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記発熱体は、面熱源として構成され、前記温度等化器の少なくとも一部の表面に接触することを特徴とする、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記発熱体は、薄膜ヒータ、メッシュヒータ、発熱コーティング、シートヒータ又は交番磁場で誘導発熱可能なサセプタを含むことを特徴とする、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記温度等化器はハニカムセラミックであり、前記ハニカムセラミックには気流を通過させる複数の気孔があることを特徴とする、請求項12から15のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記キャビティは、前記エアロゾル基質を受け入れるための開口端を有し、前記補償ヒータは、前記気流ヒータから離れて前記開口端に近接するように位置決めされることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
前記補償ヒータは、前記気流ヒータよりも低い動作温度を有するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項19】
前記補償ヒータと前記気流ヒータは同時に起動しないように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項20】
エアロゾル基質を加熱してエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置用のハイブリッド加熱装置であって、
気流を加熱するための気流ヒータと、
前記気流ヒータから間隔を置いて設けられ、前記エアロゾル基質の部分的なセグメントを加熱するための補償ヒータと、
前記気流ヒータと補償ヒータの間に接続される連結管であって、前記エアロゾル基質の一部を収容し、前記気流ヒータによって加熱された気流を受け入れ、該気流がエアロゾル基質内に入ることができるようにするために用いられるように構成される連結管と、を含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置用のハイブリッド加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月16日に中国国家知識産権局に出願した出願番号202111357951.0、発明の名称「ハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置」の先願の優先権を主張し、上記先願の内容は引用によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施例は、エアロゾル発生の技術分野に関し、特にハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エアロゾル発生装置は、通常、ヒータと電源アセンブリとを含み、電源アセンブリは、ヒータに電力を供給するためのものであり、ヒータは、エアロゾル基質を加熱してエアロゾルを発生するためのものである。
【0004】
従来のヒータは、通常、中央加熱又は周方向加熱等の方式によりエアロゾル基質(例えばシガレット)を加熱する接触ヒータであり、このような加熱方式は主に直接な熱伝導によりエアロゾル基質を加熱するが、接触加熱方式では、発熱体に直接接触している部分の温度が高く、発熱体から遠い部分の温度が急激に低下するという加熱ムラの欠点がある。したがって、発熱体に近いエアロゾル基質のみは完全にベーキングすることができ、発熱体から遠い部分のエアロゾル基質は完全にベーキングすることができないため、エアロゾル基質の無駄が多くなるだけでなく、エアロゾルの量も不十分になる。ベーキング効率を上げるために発熱体の温度を上げると、発熱体付近に近いエアロゾル基質が焦げたり炭化したりしやすくなり、味に影響を与えるだけでなく、有害成分が大幅に増加することもある。
【0005】
従来技術では、エアロゾル発生装置に使用されている典型的な非接触ヒータは気流加熱方式を採用し、該方式は主にエアロゾル基質に流入する気流を加熱し、高温気流の流動性によりエアロゾル基質を加熱することにより、気流とエアロゾル基質との十分な熱交換を確保する。しかし、高温気流はエアロゾル基質と熱交換する過程で温度が徐々に低下するため、気流の下流部分に位置するエアロゾル基質は、高温気流により十分にベーキングされて十分な揮発性物質を発生することができず、よって、味に影響を与えるだけでなく、エアロゾル基質の大量の無駄にもつながる。
【発明の概要】
【0006】
本出願の実施例の目的は、気流加熱によりエアロゾル基質をベーキングし、気流加熱を加熱補償することでエアロゾル基質の十分な揮発を確保するハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置を提供することを含む。
【0007】
本出願の実施例で提供されるエアロゾル発生装置は、
エアロゾル基質の少なくとも一部を収容するための縦長形のキャビティと、
前記キャビティの上流に位置し、前記キャビティに流れる気流を加熱するための気流ヒータと、
前記キャビティ内に位置決めされ又は前記キャビティに隣接して設けられ、前記エアロゾル基質の部分的なセグメントを加熱するための補償ヒータと、を含み、
前記補償ヒータは、前記エアロゾル基質が前記キャビティ内に収容された時に該エアロゾル基質の一部を前記補償ヒータと気流ヒータの間に位置決めできるように、前記キャビティの縦長方向に前記気流ヒータから間隔を置いて設けられるように構成される。
【0008】
本出願の実施例で提供されるエアロゾル発生装置用のハイブリッド加熱装置は、エアロゾル基質を加熱してエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置用のハイブリッド加熱装置であって、
気流を加熱するための気流ヒータと、
前記気流ヒータから間隔を置いて設けられ、前記エアロゾル基質の部分的なセグメントを加熱するための補償ヒータと、
前記気流ヒータと補償ヒータの間に接続される連結管であって、前記エアロゾル基質の一部を収容し、前記気流ヒータによって加熱された気流を受け入れ、該気流がエアロゾル基質内に入ることができるようにするために用いられるように構成される連結管と、を含む。
【0009】
本出願の実施例で提供されるエアロゾル発生装置は、上記ハイブリッド加熱装置を含む。
【0010】
上記のハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置において、補償ヒータはエアロゾル基質の上流セグメントの後ろに位置し、補償ヒータによって発生した熱は、対応するセグメントのエアロゾル基質の温度を高めることができ、これにより、気流ヒータによって加熱された気流の温度低下を防止し、気流ヒータによって加熱された気流が上流セグメント以外のエアロゾル基質をベーキングし続けて十分な揮発性物質を発生させることを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
1つ又は複数の実施例についてはそれに対応する図面中の図によって例示的に説明するが、これらの例示的説明は実施例を限定するものではなく、図面において同じ参照用数字符号を付けた要素は、類似する要素を示し、特に断らない限り、図面中の図は縮尺を制限するものではない。
【
図1】本出願の一実施例における気流ヒータの分解模式図である。
【
図2】本出願の一実施例で提供される気流ヒータの組合せ模式図である。
【
図3】本出願の一実施例で提供される気流ヒータの断面図である。
【
図4】本出願の一実施例で提供される気流ヒータにおける上部接続スリーブの模式図である。
【
図5】本出願の一実施例で提供される気流ヒータにおける下部接続スリーブの模式図である。
【
図6】本出願の一実施例におけるサセプタの模式図である。
【
図7】本出願の一実施例におけるサセプタの断面図である。
【
図8】本出願の一実施例における別のサセプタの断面図である。
【
図9】本出願の一実施例における磁気誘導体の模式図である。
【
図10】本出願の一実施例における発泡構造サセプタの部分模式図である。
【
図11】本出願の一実施例で提供されるエアロゾル発生装置の模式図である。
【
図12】本出願の別の実施例で提供される気流ヒータの断面図である。
【
図13】本出願のまた別の実施例で提供される気流ヒータの上面図である。
【
図14】本出願のさらに別の実施例で提供される気流ヒータの上面図である。
【
図15】本出願のさらに別の実施例で提供される気流ヒータの上面図である。
【
図16】本出願のさらに別の実施例におけるハイブリッド加熱装置の断面図である。
【
図17】本出願のさらに別の実施例におけるハイブリッド加熱装置の模式図である。
【
図18】本出願の別の実施例における抵抗発熱体が展開された場合の模式図である。
【
図19】本出願の一実施例で提供されるハイブリッド加熱装置の組合せ模式図である。
【
図20】本出願の一実施例で提供されるハイブリッド加熱装置の断面図である。
【
図21】軸方向長さが20mmのエアロゾル基質を例とした温度分布検出の検出結果曲線の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本出願の実施例における図面を参照しながら、本出願の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本出願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0013】
本出願における「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明するためのものに過ぎず、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりすると理解してはならない。本出願の実施例における全ての方向性指示(例えば、上、下、左、右、前、後......)は、ある特定の姿勢(図面に示す)での各部材間の相対的な位置関係、運動状況などを説明するためのものに過ぎず、該特定の姿勢が変化すると、該方向性指示もそれに応じて変化する。また、「含む」、「有する」という用語及びそれらのいかなる変形も、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、挙げられたステップ又はユニットに限定されるものではなく、選択的に、挙げられないステップ又はユニットをさらに含み、又は、選択的に、これらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットをさらに含む。
【0014】
本明細書で言及した「実施例」は、実施例を関連付けて説明された特定の特徴、構造又は特性が、本出願の少なくとも1つの実施例に含むことができることを意味する。明細書の各箇所で出現する該用語は必ず同じ実施例を指すというわけでなく、他の実施例と排他的に独立した実施例又は代替的な実施例であるというわけでもない。当業者は、本明細書に記載された実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明示的及び暗黙的に理解している。
【0015】
説明すべきことは、素子が別の素子に「固定」されていると称する場合、それは別の素子に直接位置してもよく、又は介在素子が存在してもよい点である。1つの素子が別の素子に「接続」されているとみなす場合、それは別の素子に直接接続されてもよく、又はその間に1つ又は複数の介在素子が同時に存在する可能性がある。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似の記述は、説明を目的とするものに過ぎず、唯一の実施形態であることを意味するものではない。
【0016】
本出願の一実施例は、エアロゾル基質11が揮発性物質を発生するようにエアロゾル基質11を加熱するために用いられ、縦長形のキャビティ、気流ヒータ2、補償ヒータ3及び連結管4を含む、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生装置用のハイブリッド加熱装置を提供する。
【0017】
縦長形のキャビティは、エアロゾル基質11の少なくとも一部を収容するために用いられる。
【0018】
気流ヒータ2は、気流を加熱することでエアロゾル基質11を熱により揮発させることができる高温気流を発生させ、また、高温気流をエアロゾル基質内に進入させ、気流の流動性を利用してエアロゾル基質11を加熱することにより、エアロゾル基質11を均一に加熱し、高温気流のベーキングでエアロゾル基質11が揮発して形成されたエアロゾルの量を増加させることができるだけでなく、エアロゾル基質11の無駄を減らし、エアロゾル基質11中の有害物質を減少させることもできる。
【0019】
図1を参照すると、気流ヒータ2はサセプタ21を含む。
【0020】
サセプタ21は磁性体であってもよく、磁性体に交番磁場が印加されると、磁性体内で渦電流損(eddy current loss)とヒステリシス損(hysteresis loss)によるエネルギー損失が発生し、発生したエネルギーは熱エネルギーとして磁性体から放出される。磁性体に印加される交番磁場の振幅又は周波数が大きいほど、磁性体からより多くの熱エネルギーを放出することができる。
【0021】
いくつかの実施例において、サセプタ21は金属又は炭素を含んでもよい。サセプタは、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stain less steel)及びアルミニウム(Al)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。また、サセプタは、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、炭化ケイ素(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(niekel alloy)、金属膜(metal film)、二酸化ジルコニウム(zirconia)等のセラミック、ニッケル(Ni)又はコバルト(Go)等の遷移金属、及びホウ素(B)又はリン(P)のような準金属のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施例において、
図1~
図10を参照すると、サセプタ21は、気流が通過することができる。
【0023】
図3、
図6及び
図8を参照すると、サセプタ21上には気流が通過するための気流経路を有してもよく、これらの気流経路は規則正しい規則的な気流経路であってもよく、気流は、気流経路に沿ってサセプタ21に流入及びそこから流出することができる。
図10を参照すると、サセプタ21の材料内部には細孔構造の連続した孔隙を有し、気流はこれらの孔隙を通過して、サセプタ21の一方側から流入し、サセプタ21の他方側から流出することができる。他の実施例において、サセプタは、規則正しい気流経路と乱れた孔隙を同時に含んでもよく、気流は、これらの気流経路及び孔隙を通過し、サセプタの一方側から流入してから、サセプタの他方側から流出することができる。サセプタが交番磁場中で発熱すると、気流はサセプタ中を流れる過程でサセプタによって加熱される。
【0024】
サセプタで気流を加熱することで、エアロゾル基質11を熱により揮発させることができる高温気流を発生し、したがって、サセプタを流れる気流がサセプタによってより完全、均一に加熱されるほど、エアロゾル基質11が揮発して高品質のエアロゾルを発生するのに役立つ。
【0025】
図1~
図3及び
図6~
図8を参照し、いくつかの実施例において、サセプタ21は複数の孔を有するハニカム構造として設定され、気流は複数に仕切られて、ハニカム構造における複数の気流経路をそれぞれ流れ、且つ気流経路内でサセプタ21と熱交換し、これにより加熱されて予め設定された温度範囲内の高温気流となる。
図3及び
図8を参照し、ハニカム構造のサセプタは大量の気孔211を有し、それぞれの気孔211は、いずれも気流が通過するための気流経路を有し、気孔211の断面は、円形、多角形又は楕円形等としてもよく、これによりサセプタ21における大量の気孔211により気流を複数の小さな気流に分割して、気流全体の熱交換面積を増やすことができ、これにより気流全体が迅速且つ十分に加熱されることを確保することができ、且つ気流全体が均一に加熱される。
【0026】
ハニカム構造のサセプタ21は自発的に発熱することができ、且つセラミックやガラスよりも小さい熱容量とより大きい熱伝達速度を有することにより、サセプタ21内の孔でない部位のエネルギー分布は比較的均一であり、サセプタ21の各部分に明らかな温度勾配がなく、これによりサセプタ21内の各気流経路を通過する複数の小さな気流をほぼ同じ温度に加熱することができ、気流全体が均一に加熱される。各所の熱が均一な気流を利用して熱いエアロゾル基質担体に入ってエアロゾル基質に接触する時、エアロゾル基質もより均一に加熱可能であり、これにより高品質のエアロゾルを発生する。
【0027】
いくつかの実施例において、サセプタ21は、機械穿孔、粉末冶金又はMIN射出成型等の方式により製造されたハニカム構造であり、その気孔211は直線状の気孔(
図3、
図8に示す)であってもよく、ここで、
図3に示すサセプタ21の気孔211は、各所で幅が一致する方形孔であり、
図8に示すサセプタ21の気孔211は、各所で幅が一致しないテーパ孔である。具体的には、
図6を参照すると、気孔211は、各所で幅が一致する円形孔であってもよく、円形孔の孔径は0.1~2mmとしてもよく、例えば、0.6mm、1mm、1.5mm等であってもよく、隣接する2つの気孔211の間の距離は0.1~0.5mmとしてもよく、例えば0.2mm、0.4mm等であってもよく、サセプタ21の高さは3~7mmとしてもよく、例えば3mm、5mm、7mm等であってもよく、サセプタ21の全体形状は円筒形であってもよく、その円形表面の直径は5~9mmとしてもよく、例えば5mm、7mm、9mm等であってもよい。別の実施例において、サセプタ21の全体形状は、多角体、楕円体等であってもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、サセプタ21内の少なくとも一部の気流経路は、サセプタ21の中心軸に対して傾斜した気流経路であってもよく、又は少なくとも一部の気流経路は湾曲した気流経路であってもよく、傾斜した気流経路と湾曲した気流経路はいずれも気流経路の長さを増加させることができ、これにより気流がサセプタ21内に留まる時間を延ばし、気流が十分に加熱されることを確保する。
【0029】
いくつかの実施例において、
図7及び
図8を参照し、サセプタ21内の少なくとも一部の気流経路は異形の気流経路であり、各異形の気流経路は少なくとも2つの幅の異なる部分を有し、即ち広部と狭部を有し、広部の断面積は狭部の断面積より大きく、気流経路内の狭部により気流の流量又は流速に影響を与え、さらには一部の気流を跳ね返すことで、気流を少なくとも一時的に滞留させ、サセプタ21における気流の加熱時間を延ばし、気流を十分に加熱する。
図8を参照し、異形の気流経路はテーパ状の気流経路であってもよく、該テーパ状の気流経路の上流領域は、その下流領域よりも大きな幅又は断面積を有することができ、これにより、該テーパ状の気流経路内の気流経路は狭くなるため、気流が該気流経路から出る時間を延ばし、気流がサセプタ21内に留まる時間を延ばすことができ、気流が十分且つ迅速に加熱され、且つ気流全体が均一に加熱される。
【0030】
いくつかの実施例において、
図10を参照し、サセプタ21は、連続した孔隙を有する発泡構造であり、発泡構造内の孔隙はサイズが異なっていてもよく、発泡構造内の孔隙はサセプタ21の内部や外部に縦横に交錯して分布してもよく、発泡構造内の孔隙は粗い表面を有してもよく、該粗い表面は、凹凸不整又は複数の細孔を有することとして表現し得、これらの細孔は他の孔隙と連通することができる。多孔性材料内部の複数の連続した孔隙は互いに連通していることにより、気流はサセプタ21の片側から他方側に流れる。気流は発泡構造を有するサセプタ21を通る時、サセプタ21と十分に接触することができ、且つ非常に大きな熱交換面積を有するため、サセプタ21によって十分且つ迅速に加熱され得、且つ気流全体が均一に加熱される。いくつかの実施において、多孔性材料を製造する過程で平均孔径の大きさ又は孔隙率を調整することで、サセプタ21を流れる気流の速度を調整することができる。
【0031】
具体的には、
図10を参照し、サセプタ21は、磁性体を含む粉末を成形した後に焼結法により製造されたハニカム構造又は発泡管構造であってもよく、磁性体の粉末はFe-Niの粉末等であってもよく、ここでは限定しない。
【0032】
いくつかの実施例において、
図7を参照し、気流経路の形状制御を容易にするために、サセプタ21は複数の磁気誘導体213を含んでもよく、それぞれの磁気誘導体213は、いずれも気流が通過するための複数の貫通孔212を有し、複数の磁気誘導体213は互いに積層され、各磁気誘導体213における対応する貫通孔212は互いに連通して、サセプタ21における複数の気流経路を形成する。例えば、サセプタ21内の各磁気誘導体213における貫通孔212が互いに同軸で連通している場合は、直線状の気流経路を構成することができ、サセプタ21内の一部の磁気誘導体213における貫通孔212が互いにずれて連通している場合は、湾曲した気流経路を構成することができ、サセプタ21内の各磁気誘導体213が同一方向に沿ってずれて連通している場合は、傾斜した気流経路を構成することができる。これにより、各磁気誘導体213を積層した時のずれによって気流経路の形状を制御することができる。
【0033】
いくつかの実施例において、
図9を参照し、磁気誘導体213は、複数の貫通孔212を有するシート状構造であり、シート状構造における貫通孔212はエッチングによって形成することができ、磁気誘導体213の1枚あたりの厚さは0.1~0.4mmとしてもよく、例えば0.1mm、0.25mm、0.4mm等であり、サセプタ21は、磁気誘導体213を20~40枚積層して溶接することにより形成することができる。又は、
図7を参照し、磁気誘導体213はブロック状構造であり、各磁気誘導体213の厚さは0.5~1.5mmとしてもよく、例えば0.5mm、1mm、1.5mm等であり、サセプタ21は、磁気誘導体213を2~10個積層して溶接することにより形成することができ、別の実施例において、各ブロック状構造の磁気誘導体213は、シート状構造の磁気誘導体213を複数枚積層してなることができる。
【0034】
さらに、
図7を参照し、互いに積層された磁気誘導体213では、同一気流経路における全ての貫通孔212は同軸で且つ同じ孔型と孔径を有し、これにより、形成された気流経路の各位置の孔径はほぼ一致し、明らかな広部及び狭部がなく、且つ形成された気流経路は湾曲のない直線状の気流経路である。
【0035】
さらに、互いに積層された磁気誘導体213内の同一気流経路は、少なくとも2つの互いに同軸の貫通孔を有してもよいが、該2つの貫通孔は、異なる孔型又は孔径により異なる断面積を有し得、これにより同一の気流経路は断面積が異なる広部と狭部を有し、よって、気流が該気流経路に沿って流れる時、狭部は、気流の進行を妨げ、気流を少なくとも一時的に滞留させることで、気流がサセプタ内に留まる時間を延ばし、これにより気流が十分且つ迅速に加熱され、且つ気流全体が均一に加熱される。
【0036】
さらに、
図7を参照し、互いに積層された磁気誘導体213内の同一気流経路における貫通孔212は、異なる孔型又は孔径を有してもよいし、同じ孔型又は孔径を有してもよいが、互いに積層された磁気誘導体213内の同一気流経路における少なくとも2つの貫通孔212はずれて連通しており、貫通孔がずれて連通していると、部分的な気流経路は収縮して狭部となる。
図7を参照し、隣接する2つの磁気誘導体213内の貫通孔212は一対一に対応して互いに部分的にずれており、これにより各気流経路はずれた箇所に貫通孔212の断面積よりも小さい断面積を有することができ、即ちここで狭部が形成され、よって、気流が上流の貫通孔212から下流の貫通孔212に入る時、気流経路が狭くなるため、気流を少なくとも一時的に滞留させ、これにより気流がサセプタ内に留まる時間を延ばし、気流が十分に加熱され、且つ気流全体が均一に加熱される。
【0037】
さらに、
図7を参照し、互いに積層された磁気誘導体213は少なくとも2つの磁気誘導体213を有し、且つ気流の上流に位置する磁気誘導体213内の少なくとも1つの貫通孔212が、下流の磁気誘導体213内の少なくとも2つの貫通孔212に同時に連通できることを満たし、これにより上流の該貫通孔212内の気流は少なくとも2つに分かれて下流の前記磁気誘導体213内に流入し、つまり、上流の磁気誘導体213内の貫通孔212の分布密度は下流の磁気誘導体213内の貫通孔212の分布密度より小さく、又は下流の磁気誘導体213内の隣接する2つの貫通孔212の間の間隔は下流の磁気誘導体213内の貫通孔212の孔径より小さく、又は上流の磁気誘導体213内の貫通孔212の孔径は上流の磁気誘導体213内の貫通孔212の孔径の数倍であり、これにより、上流の磁気誘導体213内の1つの貫通孔212は、下流の磁気誘導体213内の複数の貫通孔212に同時に連通することができる。よって、気流が上流の貫通孔212から下流の貫通孔212に入る時、気流経路は分岐し、気流は再び少なくとも2つに分かれ、狭部は気流経路の分岐に位置し、これにより気流を少なくとも一時的に滞留させることができ、これにより気流がサセプタ内に留まる時間を延ばし、気流が十分且つ迅速に加熱され、且つ気流全体が均一に加熱される。
【0038】
さらに、互いに積層された磁気誘導体213内の同一気流経路では、少なくとも1つの貫通孔212は広部と狭部を有し、これにより該気流経路は広部と狭部を有する。
図8に示す例は、サセプタ21内の1つの磁気誘導体213の断面図であり得、該磁気誘導体213内の貫通孔212は、上流区間の孔径が下流区間の孔径よりも大きいテーパ状の孔であってもよく、これにより該貫通孔における気流の気流経路は狭くなり、気流を少なくとも一時的に滞留させることができ、これにより気流がサセプタ内に留まる時間を延ばし、気流が十分且つ迅速に加熱され、且つ気流全体が均一に加熱される。
【0039】
エアロゾル基質を加熱する気流の温度をより均一にするために、いくつかの実施例において、
図1~
図4を参照し、ハイブリッド加熱装置は気流混合チャンバ225をさらに含み、気流混合チャンバ225は、サセプタ21とエアロゾル基質11又はエアロゾル基質担体との間に位置し、サセプタ21内の各気流経路から流出した気流を混合することで、各気流経路から流出した気流の熱を均等化し、エアロゾル基質11を加熱する気流の温度をより均一にする。
【0040】
さらに、
図1~
図4を参照し、ハイブリッド加熱装置は、気流が通過し得る上部接続スリーブ22をさらに含み、上部接続スリーブ22は管状構造であり、その一端はサセプタ21に接続され、他端はサセプタ21から離れる方向に延びてサセプタ21から離れる自由端であり、該自由端は、エアロゾル基質11又はエアロゾル基質担体を支持するために用いられ、気流混合チャンバ225は、該自由端、サセプタ21及び上部接続スリーブ22によって囲まれた区間内に位置してもよく、サセプタ21から流出した気流はまず気流混合チャンバ225内に入り、且つ気流混合チャンバ225内で熱の均等化を行われる。気流がエアロゾル基質11と熱交換する時に温度が徐々に低下するため、気流の温度は、気流がエアロゾル基質中を流れるにつれて徐々に低下し、よってサセプタ21から出た直後の気流の温度は最も高い。気流混合チャンバ225は、エアロゾル基質11又はエアロゾル基質担体とサセプタ21との間に位置するため、エアロゾル基質11又はエアロゾル基質担体とサセプタ21とを互いに離間させることもでき、これにより、高温発熱状態のサセプタ21及びサセプタ21から出た直後の高温気流との直接接触によるエアロゾル基質11(例えばシガレット1)の焦げ付きを回避することができる。
【0041】
さらに、
図4を参照し、上部接続スリーブ22は第1部分221及び第2部分222を含み、第1部分221と第2部分222は同軸であってもよく、気流混合チャンバ225は第1部分221内に位置し、第2部分222はサセプタ21の側表面に外嵌され、第1部分221の内径は第2部分222の内径よりも小さいことにより、上部接続スリーブ22の内壁は第1階段構造223を有し、サセプタ21の上端は第1階段構造223に当接することができる。第1部分221の外径と第2部分222の外径は等しくてもよく、第1部分221の壁厚さは第2部分222の壁厚さよりも大きいことにより、上部接続スリーブ22内の自由端は大きい円環面積(支持面積)を有し、これによりエアロゾル基質又はエアロゾル基質担体をより良好に支持することができる。
【0042】
選択的に、上部接続スリーブ22は、ジルコニアセラミック、PBI等の耐高温プラスチックのような熱伝導率の低い絶縁材料(本出願に記載の低熱伝導率とは、金属の熱伝導率よりも小さい熱伝導率をいう)を用いて製造することができ、これにより気流混合チャンバ225における温度損失速度を遅くする。さらに、外部への熱伝達を減少させるために、上部接続スリーブ22の外部又は内部の少なくとも局所的な領域に保温層を設けてもよい。
【0043】
一実施例において、
図3に示すように、エアロゾル発生装置はバリアメッシュ7をさらに含み、バリアメッシュ7は、気流の流動方向に沿って、エアロゾル基質11とサセプタ21との間に位置し、バリアメッシュ7には、気流が通過するための孔が大量あり、サセプタ21によって加熱された空気は通過して、気流方向にバリアメッシュ7の下流に位置するエアロゾル基質11内に流入することができる。ベーキングされたエアロゾル基質11は通常、脆く壊れやすくなることがあり、エアロゾル基質11を収容器6から取り出す過程で、エアロゾル基質11は破砕又は断裂等によりかす、砕屑又は残渣等の落下物が発生すると、落下物はバリアメッシュ7上に落下し、つまり、バリアメッシュ7は、エアロゾル基質11のかす、砕屑又は残渣等の落下物がサセプタ21に落下することによるサセプタ21の目詰まりを防止することができる。
【0044】
選択可能な一実施例において、バリアメッシュ7は、上部接続スリーブ22から間隔をおいて上部接続スリーブ22の下流に設けてもよく、これによりエアロゾル基質11のかす、砕屑又は残渣等の落下物は上部接続スリーブ22の内部に落下することがない。別の選択可能な実施例において、バリアメッシュ7は、上部接続スリーブ22の自由端に接触しつつ上部接続スリーブ22に設けられてもよく、これによりエアロゾル基質11のかす、砕屑又は残渣等の落下物は上部接続スリーブ22の内部に落下することがない。さらに別の選択可能な実施例において、バリアメッシュ7は上部接続スリーブ22の内部に設けられてもよい。他の選択可能な実施例において、バリアメッシュ7は、収容器6と分離可能に接続されるように収容器6内に設けられてもよく、これによりバリアメッシュ7を取り外して、そのかす、砕屑又は残渣等の落下物を清掃し、バリアメッシュ7の目詰まりを防止することができる。
【0045】
選択可能な一実施例において、バリアメッシュ7は、上部接続スリーブ22の代わりにエアロゾル基質11又はエアロゾル基質担体を支持することができ、つまり、上部接続スリーブ22をバリアメッシュ7に置き換える。したがって、本実施例において、バリアメッシュ7は、エアロゾル基質11又はエアロゾル基質担体を支持し、サセプタ21とエアロゾル基質を離隔し、又はサセプタ21とエアロゾル基質との間に空気間隔を持たせることができるとともに、エアロゾル基質11からのかす、砕屑又は残渣等の落下物を受けて、落下物によるサセプタ21の目詰まりを防止することもできる。
【0046】
バリアメッシュ7がエアロゾル基質11のかす、砕屑又は残渣等の落下物を良好に阻止できるように、バリアメッシュ7におけるメッシュは小さい孔径を有し、いくつかの実施例において、バリアメッシュ7における孔の孔径は、サセプタ21内の気流経路の孔径より小さくてもよい。いくつかの実施例において、バリアメッシュ7は網目状構造として構成され、大量の均一に分布しているメッシュを有する。
【0047】
さらに、
図1~
図3及び
図5を参照し、ハイブリッド加熱装置は、気流が通過可能な下部接続スリーブ23をさらに含み、下部接続スリーブ23は管状構造であり、その一端はサセプタ21に接続され、他端はサセプタ21から離れる方向に延びてサセプタ21から離れる自由端であり、該自由端は、サセプタ21を衝撃から保護するための衝撃防止端である。
【0048】
選択的に、下部接続スリーブ23は、ジルコニアセラミック、PBI等の耐高温プラスチックのような熱伝導率の低い絶縁材料を用いて製造することができ、これによりサセプタ21の熱の外部への伝達を減少させ、エネルギーの無駄を回避し、エネルギーの利用率を高める。通常、下部接続スリーブ23の熱伝導率は空気の熱伝導率より高いため、下部接続スリーブ23の寸法は、できるだけ小さくなるように設計することができ、好ましくは下部接続スリーブ23と上部接続スリーブ22との間は、互いに接触することなく間隔を有する。
【0049】
選択的に、
図5を参照し、下部接続スリーブ23は第3部分231及び第4部分232を含み、第3部分231と第4部分232は同軸であってもよく、第3部分231はサセプタ21の一部の側表面に外嵌され、第4部分232はサセプタ21の外に位置し、第3部分231の内径は第4部分232の内径よりも大きいことにより、下部接続スリーブ23の内壁内に第2階段構造233を有し、サセプタ21の下端は第2階段構造233により支持され得る。第3部分231の外径と第4部分232の外径は等しくてもよく、第4部分232の壁厚さは第3部分231の壁厚さよりも大きいことにより、サセプタ21を衝撃からより良好に保護することができる。
【0050】
図2を参照し、サセプタ21は、上部接続スリーブ22及び下部接続スリーブ23によって連結管4に固定されて、エアロゾル発生装置の一部となってもよい。
【0051】
いくつかの実施例において、
図1~
図3を参照し、ハイブリッド加熱装置は温度感知アセンブリ24をさらに含み、温度感知アセンブリ24はサセプタ21に接続され、サセプタ21の温度を検出し、又はサセプタ21とともにサセプタ21の温度をチェックするために用いられる。
【0052】
いくつかの実施例において、温度感知アセンブリ24は、高温端及び低温端を含む熱電対極であってもよく、高温端は、被測定物に接続されて被測定物の温度を感知するための温度検出端であり、低温端は一般的に温度が既知の対照端である。熱電対極は温度差により熱起電力を発生し、温度差が大きいほど発生する熱起電力が大きくなるため、熱電対極の熱起電力をチェックすることで熱電対の温度差信号を取得することができ、さらに被測定物の温度を熱電対極により検出することができる。
【0053】
サセプタの製造材料はサセプタが導電体であることを決定し、本出願のいくつかの実施例において、熱電対極とサセプタが互いに電気的に接続される時、熱電対極とサセプタは1つの熱電対を形成し、サセプタは該熱電対の温度検出端を構成する。
【0054】
具体的には、
図1~
図3を参照すると、熱電対極は、第1熱電対極241及び第2熱電対極242を含み、第1熱電対電極31と第2熱電対電極32は異なる金属又は合金で作られ、例えば、第1熱電対電極31はニッケルクロム合金で作られ、第2熱電対電極32はニッケルシリコン合金で作られ、又は、第1熱電対電極31は銅で作られ、第2熱電対電極32は銅ニッケルで作られ、又は、第1熱電対電極31は鉄で作られ、第2熱電対電極32は銅ニッケルで作られ、又は、第1熱電対電極31及び第2熱電対電極32はS、B、E、K、R、J又はT型の熱電対ワイヤである。第1熱電対電極31の第1端及び第2熱電対電極32の第1端はいずれもサセプタ21に電気的に接続されることにより、第1熱電対電極31の第1端と第2熱電対電極32はサセプタ21を介して電気的に接続することができ、第1熱電対電極31の第2端及び第2熱電対電極32の第2端はいずれも検出モジュールに電気的に接続されることにより、検出モジュールは電源アセンブリに電気的に接続され、電源アセンブリは熱電対に間接的に電力を供給して、温度検出回路を形成することができ、サセプタ1は、発熱体として機能するとともに、該熱電対における温度検出端を構成し、これによりその発熱温度をより正確に検出することができる。且つ、サセプタ1の発熱エネルギーは交番磁場からのものであり、サセプタ1は、第1熱電対電極31、第2熱電対電極32に電気的に接続されるが、発熱のために第1熱電対電極31及び第2熱電対電極32から電気を取ることはない。サセプタ1は交番磁場で渦電流を発生するが、渦電流が温度検出に影響を与えないように、サセプタ1に渦電流が発生した場合、電源アセンブリは第1熱電対電極31、第2熱電対電極32に電力を供給せず、サセプタ1の渦電流がなくなった時、電源アセンブリは第1熱電対電極31、第2熱電対電極32に電力を供給して、サセプタ1の温度を検出する。
【0055】
図1~
図4を参照し、第1熱電対極241と第2熱電対極242は並列に設けられ、サセプタ21の側面には、第1熱電対極241及び第2熱電対極242の端部を収容するための溝214を有し、溝214によって第1熱電対極241と第2熱電対極242の上記端部、並びに第1熱電対極241及び第2熱電対極242とサセプタ21との接続箇所を保護し、サセプタ21が他の素子と組み立てられる際に第1熱電対極241と第2熱電対極242を摩耗し、及び上記接続箇所とサセプタ21との間の接触安定性に影響を与えることを防止する。該溝214はサセプタ21の上下表面を連通することができ、気流が溝214を通過することを防止するために、上部接続スリーブ22の溝214に対応する位置に突起224が設けられ、該突起224は溝214内に嵌合して、気流を遮断することができる。
図4を参照し、該突起224は上部接続スリーブ22の第2部分222の内壁内に設けられ、該突起224の厚さは第1部分221の壁厚さより小さくてもよく、上部接続スリーブ22内の第1階段構造223の幅は突起224の厚さより大きくてもよい。
【0056】
図1~
図3及び
図5を参照し、下部接続スリーブ23における第4部分232は切欠き234を有し、該切欠き234は、第1熱電対極241及び第2熱電対極242に対応して設けられ、第1熱電対極241及び第2熱電対極242は切欠き234を貫通した後、検出モジュールに電気的に接続される。
【0057】
図11に示す実施例のように、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生装置用のハイブリッド加熱装置は、電源アセンブリ26、交番磁場を発生するための磁場発生器25及び前記ハイブリッド加熱装置をさらに含む。
【0058】
磁場発生器25は、サセプタ21の側表面の外側を取り囲む円筒形のコイルであってもよい。別の実施例において、発生器25は、サセプタの片側、例えば上、下、前、後、左又は右側等に位置する扁平形構造であってもよい。電源アセンブリは、磁場発生器25に電気的に接続され、磁場発生器25が交番磁場を発生するための電力を供給する。
【0059】
電源アセンブリ26は熱電対極に電気的に接続され、サセプタ21の温度を検出するための電力を供給し、具体的には、
図11を参照すると、電源アセンブリ26は第1熱電対極241及び第2熱電対極242に電気的に接続され、電源アセンブリ26、第1熱電対極241、第2熱電対極242及びサセプタ21は給電回路を構成することができ、電源アセンブリ26は電気制御板261を含み、電源アセンブリ26は電気制御板261を介して磁場発生器25、第1熱電対極241及び第2熱電対極242に電気的に接続され、電源アセンブリ26は、電気制御板261の制御により、第1熱電対極241、第2熱電対極242及び磁場発生器25が交互に動作するように、第1熱電対極241、第2熱電対極242及び磁場発生器25に交互に電力を供給する。
【0060】
図12を参照すると、本出願の一実施例における前記気流ヒータ2は、誘導器271、温度等化器28及び少なくとも2つの気孔211を含む。
【0061】
いくつかの実施例において、温度等化器はセラミックであってもよく、さらに、該セラミックはハニカムセラミックであってもよく、ハニカムセラミックは多孔質構造を有し、つまり大量の気孔が分布しており、これにより、より大きな熱交換表面積をもたらすことができ、気流ヒータが高い空気加熱効率を有するようになるとともに、多孔質構造のハニカムセラミックはより中実構造に近く、同じ体積のセラミック管よりもより高い熱容量を有する。また、アルミナ材料の熱伝導率は30W/MKよりも大きいことにより、熱をより迅速且つより均一に伝導することができ、熱伝導率が高く、これにより、多孔質構造のハニカムセラミックを用いることで、空気を予め設定された温度に素早く加熱するニーズを満たすことができる。
【0062】
いくつかの実施例において、温度等化器は、アルミナセラミック、窒化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、酸化ベリリウムセラミック又はジルコニアセラミック等で作られてもよい。ハニカムセラミックにおける気孔は、円形孔、楕円形孔及び多角形孔であってもよく、多角形孔は、三角形孔、方形孔、六角形孔等を含む。
【0063】
図12~
図15を参照すると、温度等化器28は誘導器271に接続され、これにより温度等化器28は誘導器271と熱交換を行うことができる。
【0064】
誘導器は磁性体であってもよく、磁性体に交番磁場を印加すると、磁性体で渦電流損(eddy current loss)とヒステリシス損(hysteresis loss)によるエネルギー損失が発生し、損失したエネルギーは熱エネルギーとして磁性体から放出される。磁性体に印加される交番磁場の振幅又は周波数が大きいほど、磁性体からより多くの熱エネルギーを放出することができる。
【0065】
いくつかの実施例において、
図12、
図13を参照すると、誘導器271は、1つの筒体2711を有する筒状構造又は環状構造であってもよく、筒体2711は中空であり且つ上下両端が開いている。交番磁場で、筒体2711の筒壁は渦電流を発生してヒステリシスを有するため、筒体2711は発熱する。筒体内に温度等化器がないと、筒体の筒壁から筒中心の間に温度勾配が形成され、その結果、誘導器内の熱分布が不均一になり、誘導器によって加熱された気流の加熱が不均一になりやすい。
【0066】
上記問題を克服するために、
図12、
図13を参照すると、誘導器271には温度等化器28を有し、温度等化器28は誘導器271の内部に位置し、且つサセプタ21の内壁に接触することができ、これにより誘導器271との熱交換がより効率的になる。温度等化器28は空気よりも大きい熱伝導率を有し、誘導器271の熱を迅速に吸収することができ、且つ熱は温度等化器28上で迅速に等化され得、これにより、筒体2711の筒壁から筒中心に向かう温度勾配を低下させ、誘導器271内の熱分布を均一にし、各気孔211内の温度を均一にする。
【0067】
いくつかの実施例において、
図14、
図15を参照すると、誘導器は、少なくとも2つの筒体2711を有する筒状構造又は環状構造であり、隣接する2つの筒体2711の間には共通の共通壁2712があり、交番磁場で、共通壁2712も発熱することができる。共通壁2712は、誘導器271の内部空間を少なくとも2つに分割し、これにより、サセプタ21内に少なくとも2つの筒体2711を形成することができ、且つ共通壁2712により、サセプタ21の内部も発熱することができ、これにより誘導器271の外側壁から中心に向かう温度勾配を低下させることができ、サセプタ21は、各共通壁2712により複数の体積の小さい筒体2711に分割されたため、各筒体2711の筒壁から該筒体中心までの距離を減らし、さらに各筒体2711の筒壁から該筒体中心に向かう温度勾配を低下させることができる。
【0068】
筒体2711は、気体の流動方向に沿って延びてもよく、筒体2711は直線状の構造であってもよく、湾曲した構造であってもよく、傾斜した構造であってもよい。
【0069】
いくつかの実施例において、
図12~
図15を参照すると、温度等化器28とサセプタ21の総熱交換面積を高め、さらに熱交換効率と熱均一化の効率を高めるために、誘導器271における筒体2711のいずれにも温度等化器28を設けてもよい。この場合、少なくとも一部の気孔211は、温度等化器28に位置してもよく、例えば、温度等化器28をハニカムセラミックとする。少なくとも一部の気孔211は、誘導器271と温度等化器28との間の隙間に位置してもよく、例えば、温度等化器28は、対応する筒体2711に面接触又は線接触又は点接触し、温度等化器28の外側壁又は筒体2711の内側壁は、波形面、ねじ面又は交錯している格子面等に設定することができる。
【0070】
いくつかの実施例において、
図15を参照すると、誘導器271は、複数の筒体2711を有するハニカム構造として設定される。一部の筒体に温度等化器を設けて、一部の筒体に温度等化器を設けないようにしてもよく、これにより温度等化器が設けられていない筒体は、気流を通過させる気孔に該当し得る。選択的に、各温度等化器には少なくとも1つの気孔を有し、温度等化器の気孔の孔径は、気孔とする筒体の筒径と同じであってもよく、温度等化器は、サセプタ内部の各箇所の温度をできるだけ平衡させるために、サセプタ内に均一に分布している。
【0071】
いくつかの実施例において、
図12を参照すると、温度等化器28は対応する筒体2711と面接触し、且つ温度等化器28の外側壁は対応する筒体2711の内壁に貼り合わせられて、熱交換面積を増大させる。
【0072】
いくつかの実施例において、温度等化器の熱容量は誘導器の熱容量より大きいため、1吸引あたりの気流、例えば50mlの空気が非接触ヒータを通った後、温度等化器の熱容量により、非接触ヒータの温度低下は小さく、温度低下はわずか20~30℃又はそれ以下である。
【0073】
いくつかの実施例において、図示されていないが、複数の発熱体があり、各発熱体は、シート状又は板状の面熱源を構成し、各温度等化器は、2つの発熱体の間に位置決めされてサンドイッチ構造を構成する。複数の発熱体及び温度等化器の延在方向は、空気の進行方向に一致してもよく、即ち、複数の発熱体と温度等化器は横方向に積層して1つ又は複数のサンドイッチ構造を形成し、気孔は、発熱体内又は温度等化器内に設けられるか、又は発熱体と温度等化器との間に画定されてもよい。別の実施例において、図示されていないが、複数の発熱体と温度等化器の延在方向は、空気の進行方向に垂直であってもよく、即ち、複数の発熱体と温度等化器は縦方向に積層されて1つ又は複数のサンドイッチ構造を形成し、発熱体と温度等化器の両方にも孔路が設けられ、且つ発熱体と温度等化器における孔路は、正対して連通するか又はずれて連通して空気が通過するための気孔を形成し、発熱体と温度等化器における孔路は孔径が同じでも異なっていてもよく、孔形が同じでも異なっていてもよく、孔路の分布密度が同じでも異なっていてもよく、空気が通過する時、加熱昇温されて予め設定された要件を満たす熱気を形成するように、発熱体と温度等化器を1つ1つ通過する必要がある。
【0074】
いくつかの実施例において、サセプタと温度等化器は棒状又はシート状であり、サセプタと温度等化器は交錯して設けられ、気孔は発熱体と温度等化器の間、又は温度等化器上、又はサセプタ上に分布している。
【0075】
図16を参照すると、本出願の一実施例に記載の気流ヒータ2は、抵抗発熱体273、温度等化器及び少なくとも2つの気孔を含む。
【0076】
いくつかの実施例において、
図16~
図18を参照すると、抵抗発熱体273は、抵抗フィルム、メッシュネット、抵抗線又は抵抗片であり、これに応じて、温度等化器28はハニカムセラミックであってもよく、抵抗発熱体273は温度等化器28の外側壁を覆って温度等化器28の外側壁に貼り合わせられて、熱伝達過程の熱抵抗を低減する。
【0077】
抵抗発熱体273は、厚膜印刷プロセス、物理蒸着プロセス、化学蒸着プロセス又は吹付けプロセス等によって、少なくとも温度等化器28の外側壁に設けることができる。
【0078】
さらに、
図16~
図18を参照すると、気流ヒータ2は電極272をさらに含み、電極272は抵抗発熱体273に電気的に接続され、電極272は、厚膜印刷プロセス、物理蒸着プロセス、化学蒸着プロセス又は吹付けプロセス等によって温度等化器28の外側壁に設けることができ、その後、さらに厚膜印刷プロセス、物理蒸着プロセス、化学蒸着プロセス又は吹付けプロセス等によって抵抗発熱体273を製造することができ、抵抗発熱体273は少なくとも温度等化器28の外側壁に設けられ、一部の電極272は抵抗発熱体273と重なり、一部の電極272は抵抗発熱体273から露出し、電極272のピン2721を構成して、他の導体に電気的に接続される。電極272は2つあり、それぞれ正電極と負電極であり、正電極と負電極のピン2721は、
図17に示すように、抵抗発熱体273の同一側に位置してもよく、
図18に示すように、抵抗発熱体273の対向する両側に位置してもよい。
【0079】
選択的に、抵抗発熱体は、蚊取り線香状抵抗又は網目状抵抗であってもよく、これにより気流は抵抗発熱体を通ることができ、温度等化器には、気流を通過させる複数の気孔があり、抵抗発熱体と温度等化器は、気流がエアロゾル基質を加熱する前、抵抗発熱体と温度等化器を層ごとに通過しなければならないように、気流の進行方向に沿って積層して交錯することができる。抵抗発熱体と温度等化器は気流の進行方向に沿って積層して交錯することができ、これにより抵抗発熱体は、温度等化器の上方又は下方から、又は上下から同時に温度等化器を加熱し、その後温度等化器の熱吸収、蓄熱、放熱等によって温度等化器内の気孔温度を等化させる。
【0080】
エアロゾル基質の軸方向長さが大きい場合、エアロゾル基質の上流セグメントがより気流ヒータに近いため、エアロゾル基質の底部は、基本的に高温気流によって十分に加熱でき、一方、エアロゾル基質の下流セグメントがより気流ヒータから遠ざかるため、高温気流がエアロゾル基質の下流セグメントまで流れた時、温度低下によりエアロゾル基質の下流セグメントを十分にベーキングすることができず、結果として、エアロゾル基質から発生するエアロゾル量が少なく、エアロゾル基質が大量に無駄になる。気流ヒータの加熱電力を上げることで気流の温度を高めると、エアロゾル基質の上流セグメントが焦げ付き、味に影響が出る。
【0081】
エアロゾル基質の上流セグメントと下流セグメントの気流加熱における加熱ムラの問題を解決するために、本出願の一実施例において、気流ヒータによる加熱気流の不足を補償するための補償ヒータ3を増設する。
【0082】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、補償ヒータ3は少なくとも1つの加熱体を含み、該加熱体はエアロゾル基質11と同軸に設けられ、且つエアロゾル基質11の上流セグメント以外のセグメントの外周に設けられ、該セグメントのエアロゾル基質11を加熱する。エアロゾル基質11の上流セグメントは、気流ヒータ2により加熱された気流によってベーキングされて十分な揮発性物質を発生することができるエアロゾル基質11におけるセグメントである。
【0083】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、補償ヒータ3は周方向ヒータであり、そこから放出される熱は、エアロゾル基質11の表面からエアロゾル基質11の中心に向かって伝達されるため、エアロゾル基質11を外から内に向かって加熱することができる。これに応じて、加熱体は環状体を含んでもよく、該環状体は、閉環構造であっても開環構造であってもよく、単一の加熱片を丸めて形成してもよいし、複数の加熱片が環状に囲んでなってもよく、複数の加熱片は互いに接続されてもよいし、互いに離間してもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、加熱体は1つだけあり、エアロゾル基質11の上流セグメント以外のセグメントの外周に設けられ、気流ヒータ2により加熱された気流によってベーキングされていない又はベーキングが不十分なエアロゾル基質11を加熱する。
【0085】
選択的に、補償ヒータの加熱電力は調整可能であり、喫煙動作があると、補償ヒータは気流ヒータよりも先に、又は気流ヒータと同時に発熱することができるが、この時、エアロゾル基質の少なくとも下流セグメントが喫煙用のエアロゾル揮発性物質を迅速に発生でき、煙が素早く出るというニーズを満たすように、補償ヒータは大きな加熱電力を有してもよい。その後、補償ヒータは加熱電力を適度に下げて、対応するセグメントのエアロゾル基質を加熱することができ、しかし発生する熱はエアロゾル基質を揮発させるのに十分ではなく、その目的は、対応するセグメントのエアロゾル基質の温度を予め設定された温度範囲内に維持し、気流ヒータにより加熱された高温気流が上流セグメントから下流セグメントへ流れる際に、温度が急速に低下することを防止すること、又は、気流ヒータにより加熱された高温気流の温度の低下速度を下げ、エアロゾル基質の全体において、気流ヒータにより加熱された高温気流が、エアロゾル基質から十分なエアロゾル基質を発生するようにベーキングできる十分な温度を有することを確保することであり、これによりエアロゾル揮発性物質は主に、高温気流で接触するエアロゾル基質をベーキングすることで発生し、気流の流動性を利用してエアロゾル基質の各箇所の加熱が均一であることを確保し、エアロゾル基質の無駄を低減し、味を改善する。
【0086】
選択的に、補償ヒータの加熱電力は固定され、その動作が安定した後の加熱電力によって発生される熱は、常に対応するセグメントのエアロゾル基質からエアロゾル揮発性物質を発生させることができ、気流ヒータが気流を介して間接的に加熱することができないエアロゾル基質の無駄を回避するとともに、単位時間あたりに発生されるエアロゾル量を増加させ、味を改善する。
【0087】
選択的に、補償ヒータの加熱電力は固定され、その動作が安定した後の加熱電力によって発生される熱は、常に対応するセグメントのエアロゾル基質からエアロゾル揮発性物質を発生させないことができ、発生される熱は主に、対応するセグメントのエアロゾル基質を予熱し、又は対応するセグメントのエアロゾル基質の温度を予め設定された温度範囲内に維持するために用いられ、これにより、気流ヒータによって加熱された気流の温度が上流セグメント以外のエアロゾル基質において低下して、エアロゾル基質から十分なエアロゾル揮発性物質を揮発させる能力が失われることを妨げ、エアロゾル揮発性物質は主に、高温気流で接触するエアロゾル基質をベーキングすることで発生する。
【0088】
別の実施例において、加熱体は2つ又は3つ又はそれ以上であり、エアロゾル基質の上流セグメント以外のセグメントの外周に設けられ、気流ヒータにより加熱された気流によってベーキングすることができないエアロゾル基質を分別加熱する。
【0089】
選択的に、一部の加熱体はエアロゾル基質の下流セグメントに対応して設けられ、下流セグメントのエアロゾル基質を加熱し、一部の加熱体はエアロゾル基質の中流セグメントに対応して設けられ、中流セグメントのエアロゾル基質を加熱する。異なる加熱体は異なる加熱電力を有してもよく、又はエアロゾル基質の異なるセグメントに対応して設けられた加熱体は異なる加熱電力を有してもよく、これにより各加熱体はいずれも個別に制御され得、又はエアロゾル基質の同じセグメントに対応して設けられた少なくとも一部の加熱体は同期して制御することができる。
【0090】
具体的には、エアロゾル基質の下流セグメントに対応して設けられた発熱体の加熱電力は、エアロゾル基質の中流セグメントに対応して設けられた発熱体の加熱電力より大きくてもよく、エアロゾル基質の下流セグメントに対応して設けられた発熱体は、煙が素早く出るように、喫煙の初期段階でのみ動作してもよい。エアロゾル基質の中流セグメントに対応して設けられた発熱体は、喫煙過程全体で動作してもよく、主に対応するセグメントのエアロゾル基質を予熱し、及び対応するセグメントのエアロゾル基質の温度を予め設定された範囲内に維持するために用いられる。エアロゾル基質の中流セグメントに対応して設けられた発熱体の作用により、該中流セグメントを流れる気流ヒータによって加熱された気流の熱損失が少なく、エアロゾル基質の下流セグメントが十分に短いという前提で、気流は下流セグメントに入った時点でも依然として高い温度を有し、エアロゾル基質の下流セグメントのエアロゾル揮発性物質をベーキングして発生することができ、これにより省エネルギーと気流の熱の十分な利用を実現する。
【0091】
選択的に、エアロゾル基質の中流セグメントに対応して設けられた発熱体の加熱電力は、エアロゾル基質の下流セグメントに対応して設けられた発熱体の加熱電力以上であってもよく、エアロゾル基質の中流セグメントに対応して設けられた発熱体は、対応するセグメントのエアロゾル基質の温度を予め設定された範囲内に維持するように、断続的に動作してもよい。
【0092】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、補償ヒータ3は熱伝導管及び発熱部材を含み、熱伝導管は、エアロゾル基質11の外周に設けられた環状体であり、発熱部材は熱伝導管に設けられ、熱伝導管は、セラミック、石英、又は絶縁層を有する金属等の良好な熱伝導性と均熱性を有する材料で作られてもよい。発熱部材は、熱伝導管に付けられた抵抗フィルム、メッシュネット、抵抗線又は抵抗片であってもよく、発熱部材は通電すると発熱することができ、熱伝導管は、発熱部材から発生した熱を吸収して伝達することができる。
【0093】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、補償ヒータ3は、交番磁場で発熱できる誘導発熱管を含み、誘導発熱管はエアロゾル基質11の外周に設けられる。
【0094】
補償ヒータは、交番磁場を発生させるコイルをさらに含み、該コイルは誘導発熱管の外周に位置し、誘導発熱管は、該コイルを誘導して渦電流損(eddy current loss)とヒステリシス損(hysteresis loss)を発生し、さらに発熱して対応するエアロゾル基質を加熱する。
【0095】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、連結管4は管状体であり、気流ヒータ2は連結管4内に位置し、サセプタ21は、上部接続スリーブ22及び下部接続スリーブ23を介して連結管4の内壁に接触し、サセプタ21の側表面と連結管4の内壁の間に間隔がある。
【0096】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、連結管4は、少なくともエアロゾル基質11の上流セグメントを収容することができ、連結管4内で、エアロゾル基質11と気流ヒータ2の間にかなりの間隔を有してもよい。スペースを節約し、体積を減らすために、連結管4内で、エアロゾル基質11は上部接続スリーブ22によって支持されてもよく、これによりエアロゾル基質11とサセプタ21の間に間隔を有するようになり、サセプタ21及びサセプタ21から出た直後の気流によりエアロゾル基質11が焦げ付くことを防止する。
【0097】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、補償ヒータ3は連結管4に接続され、一部のエアロゾル基質11は連結管4内に位置し、残りのエアロゾル基質11は補償ヒータ3内に位置する。
【0098】
選択的に、
図19、
図20を参照すると、補償ヒータ3の一部は連結管4内に延び、補償ヒータ3の残りの部分は連結管4の外に位置し、補償ヒータ3の厚さは連結管4の厚さより小さく、これにより連結管4と補償ヒータ3の内径の差を小さくする。
【0099】
選択的に、
図19、
図20を参照すると、気流ヒータ2は大きい加熱効果を有し、これにより補償ヒータ3内に位置するエアロゾル基質11の軸方向長さは、補償ヒータ3に収容されず且つ補償ヒータ3と気流ヒータ2の間に位置するエアロゾル基質11の軸方向長さより小さい。
【0100】
いくつかの実施例において、
図19、
図20を参照すると、シガレット1は、ノズル12、冷却セクション及びエアロゾル基質11を含み、冷却セクションはノズル12とエアロゾル基質11の間に位置し、エアロゾル基質11から発生したエアロゾルは冷却セクションに入って冷却された後、喫煙用にノズル12に入る。
【0101】
本出願の一実施例は、上記ハイブリッド加熱装置を含むハイブリッド加熱装置を提供する。ハイブリッド加熱装置は、ハイブリッド加熱装置を利用してエアロゾル基質を加熱して、煙を出す。
【0102】
上記したハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置において、気流ヒータにより加熱された気流は、エアロゾル基質をベーキングし、エアロゾル揮発性物質を発生させる主力であり、補償ヒータは、エアロゾル基質の長さが長い場合に気流温度が大きく低下して、エアロゾル基質の下流セグメントをベーキングすることができない又は十分にベーキングすることができないという不足を補うために用いられ、気流ヒータと補償ヒータの連携により、エアロゾル基質の十分な利用に有利であり、エアロゾル基質の無駄を防止するとともに、十分なエアロゾルを発生し、味を改善する。
【0103】
上記したハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置において、補償ヒータはエアロゾル基質の上流セグメントの後ろに位置し、補償ヒータによって発生した熱は、対応するセグメントのエアロゾル基質の温度を高めることができ、これにより、気流ヒータによって加熱された気流の温度低下を防止し、気流ヒータによって加熱された気流が上流セグメント以外のエアロゾル基質をベーキングし続けて十分な揮発性物質を発生させることを確保することができる。
【0104】
上記したハイブリッド加熱装置及びエアロゾル発生装置において、気流は流動性を有し、気流を利用してエアロゾル基質を加熱することにより、エアロゾル基質の加熱面積を増大させることができ、且つエアロゾル基質の各箇所が均一に加熱されることを確保することができ、これにより高品質のエアロゾルを発生させる。
【0105】
図21を参照し、
図21は軸方向長さが20mmのエアロゾル基質を例とした温度分布検出の検出結果曲線の模式図であり、図において、下の曲線は、気流ヒータのみでエアロゾル基質を加熱する場合の温度分布曲線であり、上の曲線は、気流ヒータと補償ヒータの両方を利用してエアロゾル基質を加熱する場合の温度分布曲線である。エアロゾル基質の底部(又は上流セグメントの開始点)を原点とし、図から分かるように、気流ヒータのみでエアロゾル基質を加熱する場合、エアロゾル基質の底部から10mm上方のセグメントの温度は250℃以下に低下し、エアロゾル基質の底部から20mm上方の温度は200℃以下に低下したため、エアロゾル基質全体の利用率は好ましくない。気流ヒータと補償ヒータの両方を利用してエアロゾル基質を加熱する場合、エアロゾル基質の底部から10~20mm上方のセグメントの温度は250℃以上であったため、シガレットの利用率を効果的に高め、使用体験を改善することができる。
【0106】
説明すべきことは、本出願の明細書及び図面には本出願の好ましい実施例が示されたが、本出願は本明細書に説明した実施例に限定されず、さらに、当業者であれば、上記説明に基づいて改良や変換を加えることができ、これらの改良や変換は全て本出願の添付する特許請求の範囲の保護範囲に属するものとする点である。
【符号の説明】
【0107】
1 シガレット、11 エアロゾル基質、12 ノズル
2 気流ヒータ
21 サセプタ、211 気孔、212 貫通孔、213 磁気誘導体、214 溝
22 上部接続スリーブ、221 第1部分、222 第2部分、223 第1階段構造、224 突起、225 気流混合チャンバ
23 下部接続スリーブ、231 第3部分、232 第4部分、233 第2階段構造、234 切欠き
24 温度感知アセンブリ、241 第1熱電対極、242 第2熱電対極、25 発生器、26 電源アセンブリ、261 電気制御板
271 誘導器、2711 筒体、2712 共通壁、272 電極、2721 ピン、273 抵抗発熱体
28 温度等化器
3 補償ヒータ
4 連結管
【国際調査報告】