IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カール ツアイス メディテック アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2024-542449X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、X線治療システム及びX線治療システムを動作させる方法
<>
  • 特表-X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、X線治療システム及びX線治療システムを動作させる方法 図1
  • 特表-X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、X線治療システム及びX線治療システムを動作させる方法 図2
  • 特表-X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、X線治療システム及びX線治療システムを動作させる方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、X線治療システム及びX線治療システムを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/98 20160101AFI20241108BHJP
   A61N 5/10 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
A61B90/98
A61N5/10 Z
A61N5/10 U
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024528614
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2022081833
(87)【国際公開番号】W WO2023084091
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021212808.4
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502303382
【氏名又は名称】カール ツアイス メディテック アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100230514
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 卓也
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヴァイガンド
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AC02
(57)【要約】
本発明は、X線治療コンポーネント(2)のためのコンポーネント構成(1)であって、第一のRFIDトランスポンダ(3)を有するX線治療コンポーネント(2)と、コンポーネント(2)が無菌包装される一次包装(4)と、二次包装(5)であって、その中及び/又はその上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)を有し、一次包装(4)内に包装されたコンポーネント(2)がその中に配置される、二次包装(5)とを含むコンポーネント構成(1)に関する。本発明は、X線治療システム及びX線治療システム(10)を動作させる方法にも関し、ここで、少なくとも1つのコンポーネント(2)の各々についてX線治療システム(10)をセットアップするために、コンポーネント(2)の二次包装(5)内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)のデータは、X線治療システム(10)の制御機器(13)の第二のRFIDリーダ(16)によって読み取られ、及び/又はデータは、第二のRFIDトランスポンダ(6)に書き込まれ、一次包装(4)内に無菌包装されたコンポーネント(2)は、一次包装(4)から取り出され、及びコンポーネント(2)の第一のRFIDトランスポンダ(3)のデータは、X線治療システム(10)のX線治療機器(11)の第一のRFIDリーダ(14)によって読み取られ、及び/又はデータは、第一のRFIDトランスポンダ(3)に書き込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線治療コンポーネント(2)のためのコンポーネント構成(1)であって、
第一のRFIDトランスポンダ(3)を有するX線治療コンポーネント(2)と、
前記コンポーネント(2)が無菌包装される一次包装(4)と、
二次包装(5)であって、その中及び/又はその上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)を有し、さらに当該二次包装(5)の中に前記一次包装(4)内に包装された前記コンポーネント(2)が配置される、二次包装(5)と
を含むコンポーネント構成(1)。
【請求項2】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)及び/又は前記第二のRFIDトランスポンダ(6)は、固有のコンポーネント識別データ(25)を提供することを特徴とする、請求項1に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項3】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、生体適合性であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項4】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、滅菌方法によって滅菌可能であることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項5】
前記コンポーネント(2)は、X線治療のためのアプリケータ(20)であることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項6】
X線治療システム(10)であって、
少なくとも1つのコンポーネント(2)を患者内及び/又は上に保持及び/又は位置決めするように構成された保持機器(12)を有するX線治療機器(11)と、
前記X線治療機器(11)を制御するように構成された操作機器(13)と
を含み、
前記X線治療機器(11)は、前記少なくとも1つのコンポーネント(2)上又は内に配置された第一のRFIDトランスポンダ(3)からデータを読み出し、且つ/又は前記第一のRFIDトランスポンダ(3)にデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第一のRFIDリーダ(14)を含み、
前記操作機器(13)は、請求項1~5の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)の二次包装(5)内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)からデータを読み出し、且つ/又は前記第二のRFIDトランスポンダ(6)にデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第二のRFIDリーダ(16)を含む、X線治療システム(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第一のRFIDリーダ(3)は、前記少なくとも1つのコンポーネント(2)が、使用に際して、前記保持機器(12)上に配置されるか又は配置され得る接続領域(17)において、前記保持機器(12)の上に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のX線治療システム(10)。
【請求項8】
X線治療システム(10)を動作させるための方法であって、請求項1~5の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)内に存在する少なくとも1つのコンポーネント(2)の各々について、前記X線治療システム(10)を構成することは、
前記X線治療システム(10)の操作機器(13)の第二のRFIDリーダ(16)が、前記コンポーネント(2)の二次包装(5)内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)からデータを読み取るために使用されること、及び/又はデータが前記第二のRFIDトランスポンダ(6)に書き込まれることと、
一次包装(4)内に無菌包装された前記コンポーネント(2)が前記一次包装(4)から取り出されることと、
前記X線治療システム(10)のX線治療機器(11)の第一のRFIDリーダ(14)が、前記コンポーネント(2)の第一のRFIDトランスポンダ(3)からデータを読み取るために使用されること、及び/又はデータが前記第一のRFIDトランスポンダ(3)に書き込まれることと
を含む、方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の前記第一のRFIDトランスポンダ(3)からの前記データが少なくとも1つの指定された情報を含む場合、前記X線治療に許可が与えられることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の使用後に、前記第一のRFIDトランスポンダ(3)内に情報を記憶することを特徴とし、前記情報は前記少なくとも1つのコンポーネント(2)を使用済みとして記録するものである、且つ/又は前記情報は前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の使用回数を含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、使用後及び/又は所定の使用回数に達すると、使用不能にされることを特徴とする、請求項8~10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)は、1回の使用後に滅菌されることを特徴とする、請求項8~11の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、X線治療システム及びX線治療システムを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線治療の分野で使用されるコンポーネントに関して、これらが既に使用されているか否かを知ることが重要であり、これは、異なるシステム及び/又は異なる場所で複数回使用されることが患者にとってのリスクとなり得るためである。一般に、プラスチック製のコンポーネントは、電離放射線に関して限定的な耐性のみを有し、すなわち、これらは、照射線量が過剰になると、保証された特性を失い得る。さらに、ある特性を有するコンポーネントが治療計画及び治療準備段階中に提供されなければならない。医療用コンポーネントを、無線識別(RFID)トランスポンダ(RFIDタグ)を用いてマーキングして、これらを一意に識別することを可能にすることが知られている。
【0003】
国際公開第2009/052048A号パンフレットは、患者に放射線治療を提供するためのシステム及び方法を開示している。このシステムは、RFIDタグが設けられた少なくとも1つのコンポーネント、例えば患者が放射線治療を受けることになったときに使用される患者位置決め装置を含む。この少なくとも1つのコンポーネントは、特に患者に使用するために選択される。RFIDタグは、患者関連情報を含む。RFIDタグは、リーダによって問い合わせされて、信号が生成され、これは、治療が実行される予定の室内での患者及びコンポーネントの位置及び存在を確認するために、関連するコンピュータシステムによって使用される。このシステム及び方法により、各患者、選択された施設スタッフ及び特定の患者の治療のための全てのコンポーネントの位置を特定することができる。さらに、このシステム及び方法により、患者、及び/又はスタッフ、及び/又はコンポーネントが特定の治療のためにある場所に存在していた時間を特定することができる。
【0004】
国際公開第2014/071337A1号パンフレットは、無線識別(RFID)タグを使用して手術器具をマーキングし、追跡するためのシステム及び方法を開示している。一般に、このシステム及び方法により、手術器具を、その販売及び滅菌プロセス全体を通して追跡し得る。一例では、このシステムは、複数の手術器具を受けるように構成された器械トレイを含み、これは、その上に取り付けられている、トレイ及びその上に載せられた各手術器具に関する情報を含み、且つ/又は情報へのアクセスを可能にする上位RFIDタグを有する。器械トレイ上にある個々の手術器具には、その手術器具に関する情報を含み、且つ/又は情報へのアクセスを可能にする下位RFIDタグを取り付けることができる。
【0005】
X線治療分野では、無菌コンポーネント(例えば、アプリケータ)を治療計画及び治療準備段階における非無菌領域で取り扱う問題に対する不満足な解決策のみが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、治療計画及び治療準備のためのX線治療用無菌コンポーネントの取り扱いを改善するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する、X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、請求項6の特徴を有するX線治療システム及び請求項8の特徴を有する、X線治療システムを動作させる方法によって達成される。本発明の有利な構成は、従属請求項から明らかになる。
【0008】
本発明の基本的な着想の1つは、無菌コンポーネント上又は内に配置された(第一の)RFIDトランスポンダ(RFIDタグとも呼ばれ得る)に加えて、(第二の)RFIDトランスポンダを非無菌の二次包装内又は上に配置するというものである。無菌コンポーネントは、一次包装内にある。この場合、一次包装及び無菌コンポーネントは、治療計画及び準備の段階で二次包装とは独立して移動させ、取り扱うことができる。特に、製造者によって供給される状態では、無菌コンポーネントは、一次包装内に配置され、一次包装は、非無菌の二次包装内に配置されるようになされる。治療計画では、二次包装上の(第二の)RFIDトランスポンダを(第二の)RFIDリーダによって読み取ることができる。これは、特に手術室の非無菌領域内にあるX線治療システムの操作機器で実行される。コンポーネントは、一次包装内に無菌包装されたままに保たれるため、滅菌に関する問題が生じない。治療計画は、操作機器において、例えば医師又は他の何れかの専門家によって実行される。一次包装は、その後、二次包装から取り出され得、無菌コンポーネントは、手術室の無菌領域に移される。そこで、そのコンポーネント上又は内に配置された(第一の)RFIDトランスポンダは、X線治療システムのX線治療機器上に配置された(第一の)RFIDリーダによって読み取られて、例えばX線源若しくはX線放射の開始が促され、且つ/又はX線源若しくはX線放射のブロック状態が解除される。
【0009】
特に、X線治療コンポーネントのコンポーネント構成が開発され、これは、第一のRFIDトランスポンダを有するX線治療コンポーネントと、そのコンポーネントが無菌包装される一次包装と、二次包装であって、その中及び/又はその上に配置された第二のRFIDトランスポンダを有し、一次包装内に包装されたコンポーネントがその中に配置される、二次包装とを含む。
【0010】
さらに、特にX線治療システムが開発され、これは、少なくとも1つのコンポーネントを患者内及び/又は上に保持及び/又は位置決めするように構成された保持機器を有するX線治療機器と、X線治療機器を制御するように構成された操作機器とを含み、X線治療機器は、少なくとも1つのコンポーネント上又は内に配置された第一のRFIDトランスポンダからデータを読み出し、且つ/又は前記第一のRFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第一のRFIDリーダを含み、操作機器は、二次包装内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダからデータを読み出し、且つ/又は前記第二のRFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第二のRFIDリーダを含む。
【0011】
さらに、特にX線治療システムを動作させる方法が提供され、少なくとも1つのコンポーネントの各々についてX線治療システムを構成することは、X線治療システムの操作機器の第二のRFIDリーダが、コンポーネントの二次包装内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダからデータを読み取るために使用され、及び/又はデータが第二のRFIDトランスポンダに書き込まれることと、一次包装内に無菌包装されたコンポーネントが一次包装から取り出されることと、X線治療システムのX線治療機器の第一のRFIDリーダが、コンポーネントの第一のRFIDトランスポンダからデータを読み取るために使用され、及び/又はデータが第一のRFIDトランスポンダに書き込まれることとを含む。
【0012】
コンポーネント構成、X線治療システム及び方法により、治療計画及び治療準備段階中のX線治療コンポーネントの改善された取り扱いが可能になる。特に、二次包装上又は内及びコンポーネント上又は内の2つのRFIDトランスポンダの使用により、コンポーネントが包装状態であるとき、コンポーネント上又は内に配置されたRFIDトランスポンダを読み出すことが、RFIDトランスポンダとRFIDリーダとの間の距離がある状況では大きすぎるために一般的に不可能であるという問題も解決される。さらに、二次包装は、一次包装及び無菌コンポーネントから空間的に分離可能であり、それにより、治療計画及び/又は治療準備は、無菌コンポーネントがX線治療システムの(非無菌)操作機器上にない状態で実行され得る。
【0013】
特に、コンポーネントは、X線治療コンポーネントである。例えば、コンポーネントは、治療中にX線源上に配置され、標的とされる投与及びX線放射のシールドのために使用されるアプリケータであり得る。
【0014】
特に、操作機器自体は、X線治療機器とは別に形成される。しかしながら、操作機器とX線治療機器とは、相互に信号で接続される。特に、操作機器は、X線治療機器を用いた患者の治療を制御するための制御機器を含む。第二のRFIDトランスポンダから読み出されるデータは、特に動作機器において、特に制御機器によって治療計画のために評価される。特に、ここで、スタート地点としてのX線治療機器の構成パラメータは、読み出されたデータを使用して作成され得る。
【0015】
RFIDトランスポンダから読み取られ、且つ/又はそれに書き込まれるデータは、例えば、以下のデータを含む:使用状態(例えば、使用済み/未使用/無菌)、使用回数、手術実施日時、Gy/分を単位とする照射線量、病院名、医師の氏名、医学物理士の氏名等。
【0016】
操作機器及び/又はX線治療機器、特に1つ又は複数の制御機器の部品は、個別に又はまとめて、ハードウェアとソフトウェアとの組合せとして、例えばマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサによって実行されるプログラムコードとして設計され得る。しかしながら、部品は、個別に又はまとめて、特定用途集積回路(ASIC)及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として設計されるようにもなされ得る。
【0017】
X線治療機器は、例えば、スタンドとして形成される保持機器を含むか又はスタンドを含む。しかしながら、原則として、保持機器は、異なる実施形態を有し得、例えば保持アームとして形成されるか又は保持アームを含む。例えば、このような保持アームは、患者のベッドに配置され得る。さらに、X線治療機器は、特にX線源を含み、これは、保持機器上において、特にスタンド又は保持アームの(遠位)端に配置される。(X線)アプリケータは、コンポーネントとしてX線源上に配置され得る。X線源からのX線放射による治療が行われる前に、特に治療用として想定されるコンポーネント、例えばX線源上に配置されたアプリケータの第一のRFIDトランスポンダが第一のRFIDリーダによって登録されるか否かが確認される。基本的に、別のあるコンポーネント、例えば保持プレート等の存在をモニタ及び/又は確認し得る。例えば、クリアランス信号を使用して、X線源を作動開始可能状態にするか又はブロック信号を解除することによって与えられる治療の許可は、コンポーネントの存在が検出された場合にのみ与えられる。それと共に、第一のRFIDトランスポンダ及び第一のRFIDリーダは、特にインタロックを形成し、これは、X線源の動作をモニタし、確実にするために使用される。
【0018】
特に、一次包装は、無菌バリア(例えば、Tyvek(登録商標)シール)でシールされた溶着スリーブ(ピールパウチ)又はブリスタパックであり、そのパウチ又はブリスタパック内に無菌コンポーネントが配置される。
【0019】
特に、二次包装は、厚紙及び/又は板紙で製作された非無菌包装である。特に、二次包装は、箱又は折り畳み可能な箱の形態である。例えば、第二のRFIDトランスポンダは、二次包装の内面又は外面上にラベルの形態で配置され、例えばそれに接着剤で結合される。特に、二次包装の内側に配置された一次包装には、1つのコンポーネントのみが収容される。異なる表現をすれば、各コンポーネントは、特に一次包装及び二次包装に割り当てられる。
【0020】
ある実施形態は、第一のRFIDトランスポンダ及び/又は第二のRFIDトランスポンダが固有のコンポーネント識別データを提供するようにする。特に、これは、固有のシリアル番号、特にUID(固有識別子)である。コンポーネントは、その結果、明確に識別され得る。固有のコンポーネント識別データは、特にそれぞれのRFIDトランスポンダのメモリ内に記憶され、そこからRFIDリーダによって取り出され得る。例えば、少なくとも1つのコンポーネントに関する他の情報は、固有のコンポーネント識別データによってデータベースから取り出され得る。
【0021】
ある実施形態は、第一のRFIDトランスポンダが生体適合性であるようにする。その結果、第一のRFIDトランスポンダは、患者の組織と接触しても、それが障害を生じさせないようにし得る。このために、第一のRFIDトランスポンダは、例えば、ガラス又は適当なプラスチックに埋め込まれる。
【0022】
ある実施形態は、第一のRFIDトランスポンダが滅菌方法によって滅菌可能になるようにする。その結果、第一のRFIDトランスポンダを有するコンポーネントは、1回使用したら再滅菌し、その結果、再使用することができる。例えば、滅菌方法は、蒸気滅菌及び/又はガンマ照射を含み得る。
【0023】
使用され得るRFIDトランスポンダを以下の表に例として挙げる。
【0024】
【表1】
【0025】
ある実施形態は、コンポーネントがX線治療のためのアプリケータであるようにする。アプリケータは、X線治療システムのX線源において又はその上で使用するように配置される。特に、アプリケータは、照射対象の組織をX線放射の初期地点から(すなわち標的から)ある距離に配置し、照射対象ではない組織を保護する役割を果たす。
【0026】
ある実施形態は、少なくとも1つの第一のRFIDリーダが、保持機器、例えばスタンド上において、使用目的のために少なくとも1つのコンポーネントが保持機器上に配置されるか又は配置され得る接続領域内に配置されるようにする。これにより、第一のRFIDトランスポンダとの通信リンクを、特に第一のRFIDリーダの伝送パワーが限定的である場合でも確立することができる。第一のRFIDリーダの配置及び第一のRFIDリーダの伝送パワーの制約により、特にコンポーネントは、それが接続領域内に配置されていなければ登録されないようにすることを確実にし得る。特に、これにより、指定されたコンポーネント(又は指定された複数のコンポーネント)が接続領域内に配置された場合にのみ、X線源及びX線放射が作動開始可能にされるインタロックの提供が可能になる。例えば、X線源は、アプリケータがX線源上に配置されたときにのみ、動作可能な状態にされるようにし得る。その場合、接続領域及び第一のRFIDリーダの伝送パワーは、第一のRFIDトランスポンダと第一のRFIDリーダとの間の距離が、アプリケータが接続領域のその領域内のX線源上に配置されたときにのみ、それらの間の通信リンクを確立することができ、第一のRFIDトランスポンダからデータを読み出すことが可能になるのに十分な近さであるように選択される。
【0027】
ある実施形態は、少なくとも1つのコンポーネントの第一のRFIDトランスポンダからのデータが少なくとも1つの指定された情報を含む場合、X線治療のための許可が与えられるようにする。これにより、少なくとも1つのコンポーネントが、指定された特性(例えば、使用状態、使用回数、指定されたタイプ)を有することを確実にし得る。その結果、誤操作及び/又は不正確な使用を回避し得る。例えば、第一のRFIDトランスポンダの読み取り後、少なくとも1つの情報が存在しないことが確認された場合、X線治療機器の使用が阻止されるようにし得る。例えば、少なくとも1つの情報は、シリアル番号及び/又は型式番号、特にUID(固有識別子)を含み得る。例えば、コンポーネントの使用前に、対応する情報を読み出し、確認することにより、そのコンポーネントが既に使用されているか否か(使用状態)を確認することが可能になる。したがって、コンポーネントが既に使用されている(又は未使用である)とする情報を、使用後に毎回、第一のRFIDトランスのメモリに記憶し得る(後述の実施形態を参照されたい)。さらに、例えば、最大使用回数に既に達したか否か(使用回数)を確認することが可能になる。このために、例えば、読み出し後、第一のRFIDトランスポンダのメモリに記憶された使用回数を最大値と比較し得る。比較結果を考慮して、X線源及び/又は治療のためのクリアランス信号が生成されるか又はされない。ある実施形態は、少なくとも1つのコンポーネントが使用された後、第一のRFIDトランスポンダ内に情報が記憶されるようにし、この情報は、少なくとも1つのコンポーネントが使用されたことをマークし、且つ/又は少なくとも1つのコンポーネントの使用回数を含む。このように、少なくとも1つのコンポーネントに使用されたことを直接表示し得る。したがって、あるコンポーネントの使用前に、対応する情報を読み出し、確認することより、そのコンポーネントが既に使用されているか否かを確認することが可能になる。さらに、例えば、最大使用回数に既に達したか否かを確認することが可能になる。このために、例えば、読み出し後、使用回数を最大値と比較し得る。比較結果を考慮して、X線源及び/又は治療のためのクリアランス信号が生成されるか又はされない。
【0028】
ある実施形態は、使用後及び/又は所与の使用回数に達すると、第一のRFIDトランスポンダが使用不能になるようにする。第一のRFIDトランスポンダは、このように不可逆的にマークされ得る。これは、コンポーネントの総使用回数を制限し得る。例えば、これは、コンポーネントの材料、例えばプラスチックが電離放射の最大許容総線量に達すると必要となる。例えば、適当な閾値を超えるあるパワーの伝送パルスを生成することにより、不可逆的な破壊を引き起こすことができ、前記伝送パルスは、全体の結合エネルギ量によって第一のRFIDトランスポンダ内の導体トラックの熱破壊(切断及び/又は短絡)につながる。その結果、第一のRFIDトランスポンダは、もはや作動せず、読み出すことができなくなる。
【0029】
ある実施形態は、少なくとも1つのコンポーネントが1回使用されるたびに滅菌されるようにする。このようにして、少なくとも1つのコンポーネントを再使用することができる。この場合、第一のRFIDトランスポンダは、滅菌可能な実施形態を有し、コンポーネントと共に滅菌を受ける。例えば、コンポーネント及び第一のRFIDトランスポンダは、滅菌トレイ(又は器械トレイ)内又はピールパウチ内に配置され得、その後、それに対して滅菌方法(例えば、蒸気滅菌又はガンマ線滅菌)が行われる。滅菌トレイ又はピールパウチに配置する前に、コンポーネントは、第一のRFIDトランスポンダに適切に書き込むことにより、例えばこのために提供されたビットを変更することにより、「未使用」状態にリセットされる。二次包装は、トレイ又はピールパウチの外にあるままであり、その結果、第二のRFIDトランスポンダは、依然として準備及び/又は計画目的のために操作機器において読み取り及び/又は書き込みが可能である。1回使用し、その後、クリーニングした後にコンポーネントを二次包装内に非無菌状態で保管し、再び必要となったときにのみ滅菌するようにし得る。しかしながら、基本的に、この場合の手順は、上述の通りである。特に、コンポーネントは、それがトレイ又はピールパウチ内に配置される直前にのみ「未使用」とマークされる。
【0030】
本発明を、好ましい例示的実施形態に基づいて図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成のある実施形態の概略図を示す。
図2】X線治療システムのある実施形態の概略図を示す。
図3】X線治療システムを動作させる方法のある実施形態の概略フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、X線治療コンポーネント2のためのコンポーネント構成1のある実施形態の概略図を示す。
【0033】
コンポーネント構成1は、第一のRFIDトランスポンダ3を有するX線治療コンポーネント2を含む。第一のRFIDトランスポンダ3は、コンポーネント2内又は上に配置される。特に、コンポーネント2は、アプリケータ20として設計され、これは、接続領域21でX線源に接続され得る(図2を参照されたい)。特に、第一のRFIDトランスポンダ3は、接続領域21内又はその付近に配置され、それにより、第一のRFIDトランスポンダ3からの読み出し及び/又はそれへの書き込みを、X線源上に配置されたRFIDリーダによって行うことができる。
【0034】
コンポーネント構成1は、一次包装4も含み、その中にコンポーネント2が無菌包装される。例えば、一次包装4は、無菌バリア(例えば、Tyvek(登録商標)フィルム)によってシールされるピールパウチ又はブリスタパックであり得る。
【0035】
さらに、コンポーネント構成1は、その中及び/又はその上に配置された第二のRFIDトランスポンダ6を有する二次包装5を含む。一次包装4及びその中に無菌包装されるコンポーネントが二次包装5内に配置される。例えば、二次包装は、板紙又は厚紙で製作される箱又は折り畳み可能な箱の形態である。二次包装5は、非無菌状態であり、一次包装4内の無菌コンポーネント2を取り扱い、輸送時に保護し、保管する役割を果たす。
【0036】
第一のRFIDトランスポンダ3及び/又は第二のRFIDトランスポンダ6が固有のコンポーネント識別データ25を提供するようにし得る。固有のコンポーネント識別データ25は、特に固有のシリアル番号(例えば、固有の識別子、UID)を含む。この場合、固有のコンポーネント識別データ25は、RFIDトランスポンダ3、6のメモリに記憶され、必要に応じてそこから取り出し、利用可能にすることができる。
【0037】
第一のRFIDトランスポンダ3が生体適合性であるようにし得る。これにより、第一のRFIDトランスポンダ3と生体組織との接触が可能になる。このために、RFIDトランスポンダ3は、例えば、(バイオ)ガラス又は適当なプラスチック内に封入され得る。
【0038】
第一のRFIDトランスポンダ3が滅菌方法によって滅菌可能になるようにし得る。このために適当なRFIDトランスポンダ3については、既に示した。
【0039】
図2は、X線治療システム10のある実施形態の概略図を示す。X線治療システム10は、患者内及び/又は上に少なくとも1つのコンポーネント2を保持及び/又は位置決めするように構成された保持機器12を有するX線治療機器11を含む。例えば、保持機器12は、スタンドの形態であるか又はスタンドを含む。X線治療システム10は、X線治療機器11を制御するように構成された操作機器13も含む。
【0040】
保持機器12の少なくとも1つの部分、特に少なくとも1つのコンポーネント2が配置され得る部分は、手術室の無菌領域30内にある。X線治療システム10の残りの部分、特に操作機器13は、無菌領域30の外部の非無菌領域内にあり、したがってより容易に操作され得る。
【0041】
X線治療機器11は、少なくとも1つのコンポーネント2上又は内に配置された第一のRFIDトランスポンダ3からデータを読み出し、且つ/又は前記第一のRFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成された第一のRFIDリーダ14を含む。特に、少なくとも1つの第一のRFIDリーダ14が、保持機器12上において、使用目的のために少なくとも1つのコンポーネント2が保持機器12上に配置されるか又は配置され得る接続領域17内に配置されるようにする。特に、RFIDトランスポンダ3は、コンポーネント2、特にアプリケータ20が、保持機器12上に配置されたX線源15上に配置されるか又は配置され得る接続領域17に配置される。
【0042】
操作機器13は、二次包装5内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ6からデータを読み出し、且つ/又は前記第二のRFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成された第二のRFIDリーダ16を含む。
【0043】
X線治療機器11及び操作機器13は、何れもそれぞれの制御機器(図示せず)を含み、各々がコンピューティングデバイス及びメモリを有する。例えば、コンピューティングデバイスは、それぞれマイクロプロセッサを含み、メモリ内に記憶されたプログラムコードを実行するように構成される。特に、制御機器は、それぞれのRFIDリーダ14、16とRFIDトランスポンダ3、6との間の通信を制御し、それぞれのRFIDトランスポンダ3、6からデータ、特に固有のコンポーネント識別データ25を読み出し、評価し、且つ/又は前記RFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成される。特に、X線治療機器11の制御機器は、このようにインタロックの機能性を提供し、その結果、少なくとも1つの指定されたコンポーネント2が正しく配置され、未使用(無菌)である場合にのみ、X線治療機器11を動作させ得るか又は治療が開始される。特に、これにより、(未使用/無菌)アプリケータ20が、X線源15が作動される前に確実にX線源15上に配置されるようにし得る。さらに、X線治療機器11の他のコンポーネント、例えばX線源15及びアプリケータ20を保持するための保持機器12の機能性も、アプリケータ20がX線源15上にあるか否かに応じてブロック又はブロック解除されるようにし得る。これにより、使用済み/非無菌状態のアプリケータ20が患者上又は内に配置されることが防止される。
【0044】
図3は、X線治療システム10を動作させる方法のある実施形態の概略フローチャートを示す。図3に加えて、以下では図2も参照する。
【0045】
X線治療システム10をセットアップするために、少なくとも1つのコンポーネント2の各々について以下の手段が実行される。しかしながら、この手段は、本明細書では、1つのコンポーネント2についてのみ説明される。しかしながら、基本的に、この方法は、他のコンポーネント2についても同様に実行され得る。特に、コンポーネント2は、アプリケータ20であり、これは、X線治療中にX線治療機器11のX線源15上に配置される。
【0046】
手段100では、X線治療システム10の操作機器13の第二のRFIDリーダ16は、コンポーネント2の二次包装5内及び又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ6からデータを読み取るために使用され、及び/又はデータが第二のRFIDトランスポンダ6に書き込まれる。
【0047】
特に、このプロセスでは、固有のコンポーネント識別データ25(例えば、固有識別子UID)が第二のRFIDトランスポンダから読み取られるようにされる。治療は、操作機器13上において、読み出されたデータを利用して準備され得る。例えば、治療計画のためのアプリケータ20の種類及び特性をX線治療システム10に記憶し得る。基本的に、異なる種類の複数の同様のコンポーネント2(例えば、異なる形状のアプリケータ)も記憶され得、使用されたコンポーネント2は、特定の治療の直前にそこから選択される(例えば、アプリケータ20の形状は、手術の過程に応じて選択される)。
【0048】
手段101では、一次包装内に無菌包装されたコンポーネント2、特にアプリケータ20が一次包装から取り出される。一次包装が二次包装5内に配置される場合、一次包装は、その中に配置されたコンポーネント2と共に二次包装5から取り出される。この場合、無菌包装されたコンポーネント2は、コンポーネント2の無菌状態がその過程で損なわれないように一次包装から取り出される。
【0049】
手段102では、X線治療システム10のX線治療機器11の第一のRFIDリーダ14は、コンポーネント2、特にアプリケータ20の第一のRFIDトランスポンダ3からデータを読み取るために使用され、及び/又はデータは、第一のRFIDトランスポンダ3に書き込まれる。特に、その過程で固有のコンポーネント識別データ25(例えば、固有識別子、UID)が第一のRFIDトランスポンダ3から読み取られるようにされる。さらに、その過程でデータが読み出されるようにし得、前記データは、コンポーネント2が既に使用されているか否かに関する情報を含む。
【0050】
手段103では、コンポーネント2、特にアプリケータ20の第一のRFIDトランスポンダ3のデータが少なくとも1つの指定された情報を含む場合、X線治療が開始されるようにし得る。特に、固有のコンポーネント識別データ25(例えば、固有識別子、UID)がこの過程で確認されようにされる。代替的又は追加的に、データが少なくとも1つの指定された情報を含んでいなければ、ブロック信号が生成され得る。例えば、少なくとも1つの指定された情報は、コンポーネント2が未使用でなければならないことを指定する使用状態を含み得る。例えば、このために留保されているビットをチェックし得る。ビットが指定された情報を含んでいれば(未使用)、治療が開始され、そうでなければ開始されない。
【0051】
手段104は、コンポーネント2、特にアプリケータ20の使用後、第一のRFIDトランスポンダ3に情報を記憶することが続くようにし得、この情報は、コンポーネント2を使用済みとしてマークし、且つ/又はコンポーネント2の使用回数を含む。このために、対応するデータが第一のRFIDトランスポンダ3のメモリに書き込まれる。
【0052】
手段105は、使用後及び/又は所与の使用回数に達すると、第一のRFIDトランスポンダ3が使用不能にされるようにし得る。例えば、これは、第一のRFIDトランスポンダ3の導体トラックを熱エネルギの流入によって不可逆的に破壊し、且つ/又は短絡させる高い伝送パワー(適当な閾値を上回る)を結合することによって行われる。
【0053】
手段106は、コンポーネント2、特にアプリケータ20が1回の使用後に滅菌されるようにし得る。このために、コンポーネント2は、例えば、滅菌トレイ又はピールパウチ内に配置される。この場合、滅菌トレイ又はピールパウチは、特に滅菌後に一次包装を形成する。この場合、特に第一のRFIDトランスポンダ3に滅菌直前にデータが書き込まれるようにされ、前記データは、コンポーネント2を未使用及び/又は無菌としてマークする情報を含む。例えば、過去に(すなわち使用後に)変更されたビットは、再びリセットされ得る。その後、滅菌されたコンポーネント2について上述の手段を再び実行し得る。
【0054】
本開示に記載されている方法は、放射線治療におけるコンポーネントの取り扱いを改善する。特に、これは、非無菌領域及び無菌領域の両方における準備及び作業を容易にし得る。これは、治療計画及び治療準備を改善し、特に容易にし得る。特に、これにより、非無菌領域及び手術室の無菌領域の何れでも、少なくとも1つのコンポーネントに関するデータを相互に独立して迅速且つ単純に登録し、且つ/又は書き込むことが可能になるため、ワークフローが改善される。
【符号の説明】
【0055】
1 コンポーネント構成
2 コンポーネント
3 第一のRFIDトランスポンダ
4 一次包装
5 二次包装
6 第二のRFIDトランスポンダ
10 X線治療システム
11 X線治療機器
12 保持機器
13 操作機器
14 第一のRFIDリーダ
15 X線源
16 第二のRFIDリーダ
17 接続領域
20 アプリケータ
21 接続領域
25 コンポーネント識別データ
30 無菌領域
100~106 方法の手段
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、X線治療システム及びX線治療システムを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線治療の分野で使用されるコンポーネントに関して、これらが既に使用されているか否かを知ることが重要であり、これは、異なるシステム及び/又は異なる場所で複数回使用されることが患者にとってのリスクとなり得るためである。一般に、プラスチック製のコンポーネントは、電離放射線に関して限定的な耐性のみを有し、すなわち、これらは、照射線量が過剰になると、保証された特性を失い得る。さらに、ある特性を有するコンポーネントが治療計画及び治療準備段階中に提供されなければならない。医療用コンポーネントを、無線識別(RFID)トランスポンダ(RFIDタグ)を用いてマーキングして、これらを一意に識別することを可能にすることが知られている。
【0003】
国際公開第2009/052048A号パンフレットは、患者に放射線治療を提供するためのシステム及び方法を開示している。このシステムは、RFIDタグが設けられた少なくとも1つのコンポーネント、例えば患者が放射線治療を受けることになったときに使用される患者位置決め装置を含む。この少なくとも1つのコンポーネントは、特に患者に使用するために選択される。RFIDタグは、患者関連情報を含む。RFIDタグは、リーダによって問い合わせされて、信号が生成され、これは、治療が実行される予定の室内での患者及びコンポーネントの位置及び存在を確認するために、関連するコンピュータシステムによって使用される。このシステム及び方法により、各患者、選択された施設スタッフ及び特定の患者の治療のための全てのコンポーネントの位置を特定することができる。さらに、このシステム及び方法により、患者、及び/又はスタッフ、及び/又はコンポーネントが特定の治療のためにある場所に存在していた時間を特定することができる。
【0004】
国際公開第2014/071337A1号パンフレットは、無線識別(RFID)タグを使用して手術器具をマーキングし、追跡するためのシステム及び方法を開示している。一般に、このシステム及び方法により、手術器具を、その販売及び滅菌プロセス全体を通して追跡し得る。一例では、このシステムは、複数の手術器具を受けるように構成された器械トレイを含み、これは、その上に取り付けられている、トレイ及びその上に載せられた各手術器具に関する情報を含み、且つ/又は情報へのアクセスを可能にする上位RFIDタグを有する。器械トレイ上にある個々の手術器具には、その手術器具に関する情報を含み、且つ/又は情報へのアクセスを可能にする下位RFIDタグを取り付けることができる。
【0005】
独国特許第102020104628B3号は、術中放射線療法のためのアプリータを開示している。このアプリケータは、照射プローブを収容する受容部と、照射プローブを受容部に挿入するための挿入口とを含む。挿入口は、シールによって密閉される。さらに、第一の機械可読情報記憶ユニットがあり、これは、シールを除去又は破壊すると、情報記憶ユニットの可読性がなくなるような方法で少なくとも部分的にシール部分に配置される。
【0006】
X線治療分野では、無菌コンポーネント(例えば、アプリケータ)を治療計画及び治療準備段階における非無菌領域で取り扱う問題に対する不満足な解決策のみが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、治療計画及び治療準備のためのX線治療用無菌コンポーネントの取り扱いを改善するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する、X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成、請求項6の特徴を有するX線治療システム及び請求項8の特徴を有する、X線治療システムを動作させる方法によって達成される。本発明の有利な構成は、従属請求項から明らかになる。
【0009】
本発明の基本的な着想の1つは、無菌コンポーネント上又は内に配置された(第一の)RFIDトランスポンダ(RFIDタグとも呼ばれ得る)に加えて、(第二の)RFIDトランスポンダを非無菌の二次包装内又は上に配置するというものである。無菌コンポーネントは、一次包装内にある。この場合、一次包装及び無菌コンポーネントは、治療計画及び準備の段階で二次包装とは独立して移動させ、取り扱うことができる。特に、製造者によって供給される状態では、無菌コンポーネントは、一次包装内に配置され、一次包装は、非無菌の二次包装内に配置されるようになされる。治療計画では、二次包装上の(第二の)RFIDトランスポンダを(第二の)RFIDリーダによって読み取ることができる。これは、特に手術室の非無菌領域内にあるX線治療システムの操作機器で実行される。コンポーネントは、一次包装内に無菌包装されたままに保たれるため、滅菌に関する問題が生じない。治療計画は、操作機器において、例えば医師又は他の何れかの専門家によって実行される。一次包装は、その後、二次包装から取り出され得、無菌コンポーネントは、手術室の無菌領域に移される。そこで、そのコンポーネント上又は内に配置された(第一の)RFIDトランスポンダは、X線治療システムのX線治療機器上に配置された(第一の)RFIDリーダによって読み取られて、例えばX線源若しくはX線放射の開始が促され、且つ/又はX線源若しくはX線放射のブロック状態が解除される。
【0010】
特に、X線治療コンポーネントのコンポーネント構成が開発され、これは、第一のRFIDトランスポンダを有するX線治療コンポーネントと、そのコンポーネントが無菌包装される一次包装と、二次包装であって、その中及び/又はその上に配置された第二のRFIDトランスポンダを有し、一次包装内に包装されたコンポーネントがその中に配置される、二次包装とを含む。
【0011】
さらに、特にX線治療システムが開発され、これは、少なくとも1つのコンポーネントを患者内及び/又は上に保持及び/又は位置決めするように構成された保持機器を有するX線治療機器と、X線治療機器を制御するように構成された操作機器とを含み、X線治療機器は、少なくとも1つのコンポーネント上又は内に配置された第一のRFIDトランスポンダからデータを読み出し、且つ/又は前記第一のRFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第一のRFIDリーダを含み、操作機器は、二次包装内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダからデータを読み出し、且つ/又は前記第二のRFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第二のRFIDリーダを含む。
【0012】
さらに、特にX線治療システムを動作させる方法が提供され、少なくとも1つのコンポーネントの各々についてX線治療システムを構成することは、X線治療システムの操作機器の第二のRFIDリーダが、コンポーネントの二次包装内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダからデータを読み取るために使用され、及び/又はデータが第二のRFIDトランスポンダに書き込まれることと、一次包装内に無菌包装されたコンポーネントが一次包装から取り出されることと、X線治療システムのX線治療機器の第一のRFIDリーダが、コンポーネントの第一のRFIDトランスポンダからデータを読み取るために使用され、及び/又はデータが第一のRFIDトランスポンダに書き込まれることとを含む。
【0013】
コンポーネント構成、X線治療システム及び方法により、治療計画及び治療準備段階中のX線治療コンポーネントの改善された取り扱いが可能になる。特に、二次包装上又は内及びコンポーネント上又は内の2つのRFIDトランスポンダの使用により、コンポーネントが包装状態であるとき、コンポーネント上又は内に配置されたRFIDトランスポンダを読み出すことが、RFIDトランスポンダとRFIDリーダとの間の距離がある状況では大きすぎるために一般的に不可能であるという問題も解決される。さらに、二次包装は、一次包装及び無菌コンポーネントから空間的に分離可能であり、それにより、治療計画及び/又は治療準備は、無菌コンポーネントがX線治療システムの(非無菌)操作機器上にない状態で実行され得る。
【0014】
特に、コンポーネントは、X線治療コンポーネントである。例えば、コンポーネントは、治療中にX線源上に配置され、標的とされる投与及びX線放射のシールドのために使用されるアプリケータであり得る。
【0015】
特に、操作機器自体は、X線治療機器とは別に形成される。しかしながら、操作機器とX線治療機器とは、相互に信号で接続される。特に、操作機器は、X線治療機器を用いた患者の治療を制御するための制御機器を含む。第二のRFIDトランスポンダから読み出されるデータは、特に動作機器において、特に制御機器によって治療計画のために評価される。特に、ここで、スタート地点としてのX線治療機器の構成パラメータは、読み出されたデータを使用して作成され得る。
【0016】
RFIDトランスポンダから読み取られ、且つ/又はそれに書き込まれるデータは、例えば、以下のデータを含む:使用状態(例えば、使用済み/未使用/無菌)、使用回数、手術実施日時、Gy/分を単位とする照射線量、病院名、医師の氏名、医学物理士の氏名等。
【0017】
操作機器及び/又はX線治療機器、特に1つ又は複数の制御機器の部品は、個別に又はまとめて、ハードウェアとソフトウェアとの組合せとして、例えばマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサによって実行されるプログラムコードとして設計され得る。しかしながら、部品は、個別に又はまとめて、特定用途集積回路(ASIC)及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として設計されるようにもなされ得る。
【0018】
X線治療機器は、例えば、スタンドとして形成される保持機器を含むか又はスタンドを含む。しかしながら、原則として、保持機器は、異なる実施形態を有し得、例えば保持アームとして形成されるか又は保持アームを含む。例えば、このような保持アームは、患者のベッドに配置され得る。さらに、X線治療機器は、特にX線源を含み、これは、保持機器上において、特にスタンド又は保持アームの(遠位)端に配置される。(X線)アプリケータは、コンポーネントとしてX線源上に配置され得る。X線源からのX線放射による治療が行われる前に、特に治療用として想定されるコンポーネント、例えばX線源上に配置されたアプリケータの第一のRFIDトランスポンダが第一のRFIDリーダによって登録されるか否かが確認される。基本的に、別のあるコンポーネント、例えば保持プレート等の存在をモニタ及び/又は確認し得る。例えば、クリアランス信号を使用して、X線源を作動開始可能状態にするか又はブロック信号を解除することによって与えられる治療の許可は、コンポーネントの存在が検出された場合にのみ与えられる。それと共に、第一のRFIDトランスポンダ及び第一のRFIDリーダは、特にインタロックを形成し、これは、X線源の動作をモニタし、確実にするために使用される。
【0019】
特に、一次包装は、無菌バリア(例えば、Tyvek(登録商標)シール)でシールされた溶着スリーブ(ピールパウチ)又はブリスタパックであり、そのパウチ又はブリスタパック内に無菌コンポーネントが配置される。
【0020】
特に、二次包装は、厚紙及び/又は板紙で製作された非無菌包装である。特に、二次包装は、箱又は折り畳み可能な箱の形態である。例えば、第二のRFIDトランスポンダは、二次包装の内面又は外面上にラベルの形態で配置され、例えばそれに接着剤で結合される。特に、二次包装の内側に配置された一次包装には、1つのコンポーネントのみが収容される。異なる表現をすれば、各コンポーネントは、特に一次包装及び二次包装に割り当てられる。
【0021】
ある実施形態は、第一のRFIDトランスポンダ及び/又は第二のRFIDトランスポンダが固有のコンポーネント識別データを提供するようにする。特に、これは、固有のシリアル番号、特にUID(固有識別子)である。コンポーネントは、その結果、明確に識別され得る。固有のコンポーネント識別データは、特にそれぞれのRFIDトランスポンダのメモリ内に記憶され、そこからRFIDリーダによって取り出され得る。例えば、少なくとも1つのコンポーネントに関する他の情報は、固有のコンポーネント識別データによってデータベースから取り出され得る。
【0022】
ある実施形態は、第一のRFIDトランスポンダが生体適合性であるようにする。その結果、第一のRFIDトランスポンダは、患者の組織と接触しても、それが障害を生じさせないようにし得る。このために、第一のRFIDトランスポンダは、例えば、ガラス又は適当なプラスチックに埋め込まれる。
【0023】
ある実施形態は、第一のRFIDトランスポンダが滅菌方法によって滅菌可能になるようにする。その結果、第一のRFIDトランスポンダを有するコンポーネントは、1回使用したら再滅菌し、その結果、再使用することができる。例えば、滅菌方法は、蒸気滅菌及び/又はガンマ照射を含み得る。
【0024】
使用され得るRFIDトランスポンダを以下の表に例として挙げる。
【0025】
【表1】
【0026】
ある実施形態は、コンポーネントがX線治療のためのアプリケータであるようにする。アプリケータは、X線治療システムのX線源において又はその上で使用するように配置される。特に、アプリケータは、照射対象の組織をX線放射の初期地点から(すなわち標的から)ある距離に配置し、照射対象ではない組織を保護する役割を果たす。
【0027】
ある実施形態は、少なくとも1つの第一のRFIDリーダが、保持機器、例えばスタンド上において、使用目的のために少なくとも1つのコンポーネントが保持機器上に配置されるか又は配置され得る接続領域内に配置されるようにする。これにより、第一のRFIDトランスポンダとの通信リンクを、特に第一のRFIDリーダの伝送パワーが限定的である場合でも確立することができる。第一のRFIDリーダの配置及び第一のRFIDリーダの伝送パワーの制約により、特にコンポーネントは、それが接続領域内に配置されていなければ登録されないようにすることを確実にし得る。特に、これにより、指定されたコンポーネント(又は指定された複数のコンポーネント)が接続領域内に配置された場合にのみ、X線源及びX線放射が作動開始可能にされるインタロックの提供が可能になる。例えば、X線源は、アプリケータがX線源上に配置されたときにのみ、動作可能な状態にされるようにし得る。その場合、接続領域及び第一のRFIDリーダの伝送パワーは、第一のRFIDトランスポンダと第一のRFIDリーダとの間の距離が、アプリケータが接続領域のその領域内のX線源上に配置されたときにのみ、それらの間の通信リンクを確立することができ、第一のRFIDトランスポンダからデータを読み出すことが可能になるのに十分な近さであるように選択される。
【0028】
ある実施形態は、少なくとも1つのコンポーネントの第一のRFIDトランスポンダからのデータが少なくとも1つの指定された情報を含む場合、X線治療のための許可が与えられるようにする。これにより、少なくとも1つのコンポーネントが、指定された特性(例えば、使用状態、使用回数、指定されたタイプ)を有することを確実にし得る。その結果、誤操作及び/又は不正確な使用を回避し得る。例えば、第一のRFIDトランスポンダの読み取り後、少なくとも1つの情報が存在しないことが確認された場合、X線治療機器の使用が阻止されるようにし得る。例えば、少なくとも1つの情報は、シリアル番号及び/又は型式番号、特にUID(固有識別子)を含み得る。例えば、コンポーネントの使用前に、対応する情報を読み出し、確認することにより、そのコンポーネントが既に使用されているか否か(使用状態)を確認することが可能になる。したがって、コンポーネントが既に使用されている(又は未使用である)とする情報を、使用後に毎回、第一のRFIDトランスのメモリに記憶し得る(後述の実施形態を参照されたい)。さらに、例えば、最大使用回数に既に達したか否か(使用回数)を確認することが可能になる。このために、例えば、読み出し後、第一のRFIDトランスポンダのメモリに記憶された使用回数を最大値と比較し得る。比較結果を考慮して、X線源及び/又は治療のためのクリアランス信号が生成されるか又はされない。ある実施形態は、少なくとも1つのコンポーネントが使用された後、第一のRFIDトランスポンダ内に情報が記憶されるようにし、この情報は、少なくとも1つのコンポーネントが使用されたことをマークし、且つ/又は少なくとも1つのコンポーネントの使用回数を含む。このように、少なくとも1つのコンポーネントに使用されたことを直接表示し得る。したがって、あるコンポーネントの使用前に、対応する情報を読み出し、確認することより、そのコンポーネントが既に使用されているか否かを確認することが可能になる。さらに、例えば、最大使用回数に既に達したか否かを確認することが可能になる。このために、例えば、読み出し後、使用回数を最大値と比較し得る。比較結果を考慮して、X線源及び/又は治療のためのクリアランス信号が生成されるか又はされない。
【0029】
ある実施形態は、使用後及び/又は所与の使用回数に達すると、第一のRFIDトランスポンダが使用不能になるようにする。第一のRFIDトランスポンダは、このように不可逆的にマークされ得る。これは、コンポーネントの総使用回数を制限し得る。例えば、これは、コンポーネントの材料、例えばプラスチックが電離放射の最大許容総線量に達すると必要となる。例えば、適当な閾値を超えるあるパワーの伝送パルスを生成することにより、不可逆的な破壊を引き起こすことができ、前記伝送パルスは、全体の結合エネルギ量によって第一のRFIDトランスポンダ内の導体トラックの熱破壊(切断及び/又は短絡)につながる。その結果、第一のRFIDトランスポンダは、もはや作動せず、読み出すことができなくなる。
【0030】
ある実施形態は、少なくとも1つのコンポーネントが1回使用されるたびに滅菌されるようにする。このようにして、少なくとも1つのコンポーネントを再使用することができる。この場合、第一のRFIDトランスポンダは、滅菌可能な実施形態を有し、コンポーネントと共に滅菌を受ける。例えば、コンポーネント及び第一のRFIDトランスポンダは、滅菌トレイ(又は器械トレイ)内又はピールパウチ内に配置され得、その後、それに対して滅菌方法(例えば、蒸気滅菌又はガンマ線滅菌)が行われる。滅菌トレイ又はピールパウチに配置する前に、コンポーネントは、第一のRFIDトランスポンダに適切に書き込むことにより、例えばこのために提供されたビットを変更することにより、「未使用」状態にリセットされる。二次包装は、トレイ又はピールパウチの外にあるままであり、その結果、第二のRFIDトランスポンダは、依然として準備及び/又は計画目的のために操作機器において読み取り及び/又は書き込みが可能である。1回使用し、その後、クリーニングした後にコンポーネントを二次包装内に非無菌状態で保管し、再び必要となったときにのみ滅菌するようにし得る。しかしながら、基本的に、この場合の手順は、上述の通りである。特に、コンポーネントは、それがトレイ又はピールパウチ内に配置される直前にのみ「未使用」とマークされる。
【0031】
本発明を、好ましい例示的実施形態に基づいて図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】X線治療コンポーネントのためのコンポーネント構成のある実施形態の概略図を示す。
図2】X線治療システムのある実施形態の概略図を示す。
図3】X線治療システムを動作させる方法のある実施形態の概略フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、X線治療コンポーネント2のためのコンポーネント構成1のある実施形態の概略図を示す。
【0034】
コンポーネント構成1は、第一のRFIDトランスポンダ3を有するX線治療コンポーネント2を含む。第一のRFIDトランスポンダ3は、コンポーネント2内又は上に配置される。特に、コンポーネント2は、アプリケータ20として設計され、これは、接続領域21でX線源に接続され得る(図2を参照されたい)。特に、第一のRFIDトランスポンダ3は、接続領域21内又はその付近に配置され、それにより、第一のRFIDトランスポンダ3からの読み出し及び/又はそれへの書き込みを、X線源上に配置されたRFIDリーダによって行うことができる。
【0035】
コンポーネント構成1は、一次包装4も含み、その中にコンポーネント2が無菌包装される。例えば、一次包装4は、無菌バリア(例えば、Tyvek(登録商標)フィルム)によってシールされるピールパウチ又はブリスタパックであり得る。
【0036】
さらに、コンポーネント構成1は、その中及び/又はその上に配置された第二のRFIDトランスポンダ6を有する二次包装5を含む。一次包装4及びその中に無菌包装されるコンポーネントが二次包装5内に配置される。例えば、二次包装は、板紙又は厚紙で製作される箱又は折り畳み可能な箱の形態である。二次包装5は、非無菌状態であり、一次包装4内の無菌コンポーネント2を取り扱い、輸送時に保護し、保管する役割を果たす。
【0037】
第一のRFIDトランスポンダ3及び/又は第二のRFIDトランスポンダ6が固有のコンポーネント識別データ25を提供するようにし得る。固有のコンポーネント識別データ25は、特に固有のシリアル番号(例えば、固有の識別子、UID)を含む。この場合、固有のコンポーネント識別データ25は、RFIDトランスポンダ3、6のメモリに記憶され、必要に応じてそこから取り出し、利用可能にすることができる。
【0038】
第一のRFIDトランスポンダ3が生体適合性であるようにし得る。これにより、第一のRFIDトランスポンダ3と生体組織との接触が可能になる。このために、RFIDトランスポンダ3は、例えば、(バイオ)ガラス又は適当なプラスチック内に封入され得る。
【0039】
第一のRFIDトランスポンダ3が滅菌方法によって滅菌可能になるようにし得る。このために適当なRFIDトランスポンダ3については、既に示した。
【0040】
図2は、X線治療システム10のある実施形態の概略図を示す。X線治療システム10は、患者内及び/又は上に少なくとも1つのコンポーネント2を保持及び/又は位置決めするように構成された保持機器12を有するX線治療機器11を含む。例えば、保持機器12は、スタンドの形態であるか又はスタンドを含む。X線治療システム10は、X線治療機器11を制御するように構成された操作機器13も含む。
【0041】
保持機器12の少なくとも1つの部分、特に少なくとも1つのコンポーネント2が配置され得る部分は、手術室の無菌領域30内にある。X線治療システム10の残りの部分、特に操作機器13は、無菌領域30の外部の非無菌領域内にあり、したがってより容易に操作され得る。
【0042】
X線治療機器11は、少なくとも1つのコンポーネント2上又は内に配置された第一のRFIDトランスポンダ3からデータを読み出し、且つ/又は前記第一のRFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成された第一のRFIDリーダ14を含む。特に、少なくとも1つの第一のRFIDリーダ14が、保持機器12上において、使用目的のために少なくとも1つのコンポーネント2が保持機器12上に配置されるか又は配置され得る接続領域17内に配置されるようにする。特に、RFIDトランスポンダ3は、コンポーネント2、特にアプリケータ20が、保持機器12上に配置されたX線源15上に配置されるか又は配置され得る接続領域17に配置される。
【0043】
操作機器13は、二次包装5内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ6からデータを読み出し、且つ/又は前記第二のRFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成された第二のRFIDリーダ16を含む。
【0044】
X線治療機器11及び操作機器13は、何れもそれぞれの制御機器(図示せず)を含み、各々がコンピューティングデバイス及びメモリを有する。例えば、コンピューティングデバイスは、それぞれマイクロプロセッサを含み、メモリ内に記憶されたプログラムコードを実行するように構成される。特に、制御機器は、それぞれのRFIDリーダ14、16とRFIDトランスポンダ3、6との間の通信を制御し、それぞれのRFIDトランスポンダ3、6からデータ、特に固有のコンポーネント識別データ25を読み出し、評価し、且つ/又は前記RFIDトランスポンダにデータを書き込むように構成される。特に、X線治療機器11の制御機器は、このようにインタロックの機能性を提供し、その結果、少なくとも1つの指定されたコンポーネント2が正しく配置され、未使用(無菌)である場合にのみ、X線治療機器11を動作させ得るか又は治療が開始される。特に、これにより、(未使用/無菌)アプリケータ20が、X線源15が作動される前に確実にX線源15上に配置されるようにし得る。さらに、X線治療機器11の他のコンポーネント、例えばX線源15及びアプリケータ20を保持するための保持機器12の機能性も、アプリケータ20がX線源15上にあるか否かに応じてブロック又はブロック解除されるようにし得る。これにより、使用済み/非無菌状態のアプリケータ20が患者上又は内に配置されることが防止される。
【0045】
図3は、X線治療システム10を動作させる方法のある実施形態の概略フローチャートを示す。図3に加えて、以下では図2も参照する。
【0046】
X線治療システム10をセットアップするために、少なくとも1つのコンポーネント2の各々について以下の手段が実行される。しかしながら、この手段は、本明細書では、1つのコンポーネント2についてのみ説明される。しかしながら、基本的に、この方法は、他のコンポーネント2についても同様に実行され得る。特に、コンポーネント2は、アプリケータ20であり、これは、X線治療中にX線治療機器11のX線源15上に配置される。
【0047】
手段100では、X線治療システム10の操作機器13の第二のRFIDリーダ16は、コンポーネント2の二次包装5内及び又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ6からデータを読み取るために使用され、及び/又はデータが第二のRFIDトランスポンダ6に書き込まれる。
【0048】
特に、このプロセスでは、固有のコンポーネント識別データ25(例えば、固有識別子UID)が第二のRFIDトランスポンダから読み取られるようにされる。治療は、操作機器13上において、読み出されたデータを利用して準備され得る。例えば、治療計画のためのアプリケータ20の種類及び特性をX線治療システム10に記憶し得る。基本的に、異なる種類の複数の同様のコンポーネント2(例えば、異なる形状のアプリケータ)も記憶され得、使用されたコンポーネント2は、特定の治療の直前にそこから選択される(例えば、アプリケータ20の形状は、手術の過程に応じて選択される)。
【0049】
手段101では、一次包装内に無菌包装されたコンポーネント2、特にアプリケータ20が一次包装から取り出される。一次包装が二次包装5内に配置される場合、一次包装は、その中に配置されたコンポーネント2と共に二次包装5から取り出される。この場合、無菌包装されたコンポーネント2は、コンポーネント2の無菌状態がその過程で損なわれないように一次包装から取り出される。
【0050】
手段102では、X線治療システム10のX線治療機器11の第一のRFIDリーダ14は、コンポーネント2、特にアプリケータ20の第一のRFIDトランスポンダ3からデータを読み取るために使用され、及び/又はデータは、第一のRFIDトランスポンダ3に書き込まれる。特に、その過程で固有のコンポーネント識別データ25(例えば、固有識別子、UID)が第一のRFIDトランスポンダ3から読み取られるようにされる。さらに、その過程でデータが読み出されるようにし得、前記データは、コンポーネント2が既に使用されているか否かに関する情報を含む。
【0051】
手段103では、コンポーネント2、特にアプリケータ20の第一のRFIDトランスポンダ3のデータが少なくとも1つの指定された情報を含む場合、X線治療が開始されるようにし得る。特に、固有のコンポーネント識別データ25(例えば、固有識別子、UID)がこの過程で確認されようにされる。代替的又は追加的に、データが少なくとも1つの指定された情報を含んでいなければ、ブロック信号が生成され得る。例えば、少なくとも1つの指定された情報は、コンポーネント2が未使用でなければならないことを指定する使用状態を含み得る。例えば、このために留保されているビットをチェックし得る。ビットが指定された情報を含んでいれば(未使用)、治療が開始され、そうでなければ開始されない。
【0052】
手段104は、コンポーネント2、特にアプリケータ20の使用後、第一のRFIDトランスポンダ3に情報を記憶することが続くようにし得、この情報は、コンポーネント2を使用済みとしてマークし、且つ/又はコンポーネント2の使用回数を含む。このために、対応するデータが第一のRFIDトランスポンダ3のメモリに書き込まれる。
【0053】
手段105は、使用後及び/又は所与の使用回数に達すると、第一のRFIDトランスポンダ3が使用不能にされるようにし得る。例えば、これは、第一のRFIDトランスポンダ3の導体トラックを熱エネルギの流入によって不可逆的に破壊し、且つ/又は短絡させる高い伝送パワー(適当な閾値を上回る)を結合することによって行われる。
【0054】
手段106は、コンポーネント2、特にアプリケータ20が1回の使用後に滅菌されるようにし得る。このために、コンポーネント2は、例えば、滅菌トレイ又はピールパウチ内に配置される。この場合、滅菌トレイ又はピールパウチは、特に滅菌後に一次包装を形成する。この場合、特に第一のRFIDトランスポンダ3に滅菌直前にデータが書き込まれるようにされ、前記データは、コンポーネント2を未使用及び/又は無菌としてマークする情報を含む。例えば、過去に(すなわち使用後に)変更されたビットは、再びリセットされ得る。その後、滅菌されたコンポーネント2について上述の手段を再び実行し得る。
【0055】
本開示に記載されている方法は、放射線治療におけるコンポーネントの取り扱いを改善する。特に、これは、非無菌領域及び無菌領域の両方における準備及び作業を容易にし得る。これは、治療計画及び治療準備を改善し、特に容易にし得る。特に、これにより、非無菌領域及び手術室の無菌領域の何れでも、少なくとも1つのコンポーネントに関するデータを相互に独立して迅速且つ単純に登録し、且つ/又は書き込むことが可能になるため、ワークフローが改善される。
【符号の説明】
【0056】
1 コンポーネント構成
2 コンポーネント
3 第一のRFIDトランスポンダ
4 一次包装
5 二次包装
6 第二のRFIDトランスポンダ
10 X線治療システム
11 X線治療機器
12 保持機器
13 操作機器
14 第一のRFIDリーダ
15 X線源
16 第二のRFIDリーダ
17 接続領域
20 アプリケータ
21 接続領域
25 コンポーネント識別データ
30 無菌領域
100~106 方法の手段
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線治療コンポーネント(2)のためのコンポーネント構成(1)であって、
第一のRFIDトランスポンダ(3)を有するX線治療コンポーネント(2)と、
前記コンポーネント(2)が無菌包装される一次包装(4)と、
二次包装(5)であって、その中及び/又はその上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)を有し、さらに当該二次包装(5)の中に前記一次包装(4)内に包装された前記コンポーネント(2)が配置される、二次包装(5)と
を含むコンポーネント構成(1)。
【請求項2】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)及び/又は前記第二のRFIDトランスポンダ(6)は、固有のコンポーネント識別データ(25)を提供することを特徴とする、請求項1に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項3】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、生体適合性であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項4】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、滅菌方法によって滅菌可能であることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項5】
前記コンポーネント(2)は、X線治療のためのアプリケータ(20)であることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項6】
X線治療システム(10)であって、
請求項1~5の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)の少なくとも1つのコンポーネント(2)を患者内及び/又は上に保持及び/又は位置決めするように構成された保持機器(12)を有するX線治療機器(11)と、
前記X線治療機器(11)を制御するように構成された操作機器(13)と
を含み、
前記X線治療機器(11)は、前記コンポーネント構成(1)の前記少なくとも1つのコンポーネント(2)上又は内に配置された第一のRFIDトランスポンダ(3)からデータを読み出し、且つ/又は前記第一のRFIDトランスポンダ(3)にデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第一のRFIDリーダ(14)を含み、
前記操作機器(13)は、請求項1~5の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)の二次包装(5)内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)からデータを読み出し、且つ/又は前記第二のRFIDトランスポンダ(6)にデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第二のRFIDリーダ(16)を含
前記X線治療システム(10)は、請求項8~12の何れか一項に記載の方法に従って構成されるように構成される、X線治療システム(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第一のRFIDリーダ(3)は、前記少なくとも1つのコンポーネント(2)が、使用に際して、前記保持機器(12)上に配置されるか又は配置され得る接続領域(17)において、前記保持機器(12)の上に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のX線治療システム(10)。
【請求項8】
X線治療システム(10)を動作させるための方法であって、請求項1~5の何れか一項に記載のコンポーネント構成(1)内に存在する少なくとも1つのコンポーネント(2)の各々について、前記X線治療システム(10)を構成することは、
前記X線治療システム(10)の操作機器(13)の第二のRFIDリーダ(16)が、前記コンポーネント(2)の二次包装(5)内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)からデータを読み取るために使用されること、及び/又はデータが前記第二のRFIDトランスポンダ(6)に書き込まれることと、
一次包装(4)内に無菌包装された前記コンポーネント(2)が前記一次包装(4)から取り出されることと、
前記X線治療システム(10)のX線治療機器(11)の第一のRFIDリーダ(14)が、前記コンポーネント(2)の第一のRFIDトランスポンダ(3)からデータを読み取るために使用されること、及び/又はデータが前記第一のRFIDトランスポンダ(3)に書き込まれることと
を含む、方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の前記第一のRFIDトランスポンダ(3)からの前記データが少なくとも1つの指定された情報を含む場合、前記X線治療に許可が与えられることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の使用後に、前記第一のRFIDトランスポンダ(3)内に情報を記憶することを特徴とし、前記情報は前記少なくとも1つのコンポーネント(2)を使用済みとして記録するものである、且つ/又は前記情報は前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の使用回数を含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、使用後及び/又は所定の使用回数に達すると、使用不能にされることを特徴とする、請求項8~10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)は、1回の使用後に滅菌されることを特徴とする、請求項8~11の何れか一項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線治療コンポーネント(2)のためのコンポーネント構成(1)であって、
第一のRFIDトランスポンダ(3)を有するX線治療コンポーネント(2)と、
前記コンポーネント(2)が無菌包装される一次包装(4)と、
二次包装(5)であって、その中及び/又はその上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)を有し、さらに当該二次包装(5)の中に前記一次包装(4)内に包装された前記コンポーネント(2)が配置される、二次包装(5)と
を含むコンポーネント構成(1)。
【請求項2】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)及び/又は前記第二のRFIDトランスポンダ(6)は、固有のコンポーネント識別データ(25)を提供することを特徴とする、請求項1に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項3】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、生体適合性であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項4】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、滅菌方法によって滅菌可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項5】
前記コンポーネント(2)は、X線治療のためのアプリケータ(20)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンポーネント構成(1)。
【請求項6】
X線治療システム(10)を動作させるための方法であって、請求項1に記載のコンポーネント構成(1)内に存在する少なくとも1つのコンポーネント(2)の各々について、前記X線治療システム(10)を構成することは、
前記X線治療システム(10)の操作機器(13)の第二のRFIDリーダ(16)が、前記コンポーネント(2)の二次包装(5)内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)からデータを読み取るために使用されること、及び/又はデータが前記第二のRFIDトランスポンダ(6)に書き込まれることと、
一次包装(4)内に無菌包装された前記コンポーネント(2)が前記一次包装(4)から取り出されることと、
前記X線治療システム(10)のX線治療機器(11)の第一のRFIDリーダ(14)が、前記コンポーネント(2)の第一のRFIDトランスポンダ(3)からデータを読み取るために使用されること、及び/又はデータが前記第一のRFIDトランスポンダ(3)に書き込まれることと
を含む、方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の前記第一のRFIDトランスポンダ(3)からの前記データが少なくとも1つの指定された情報を含む場合、前記X線治療に許可が与えられることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の使用後に、前記第一のRFIDトランスポンダ(3)内に情報を記憶することを特徴とし、前記情報は前記少なくとも1つのコンポーネント(2)を使用済みとして記録するものである、且つ/又は前記情報は前記少なくとも1つのコンポーネント(2)の使用回数を含む、請求項又はに記載の方法。
【請求項9】
前記第一のRFIDトランスポンダ(3)は、使用後及び/又は所定の使用回数に達すると、使用不能にされることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコンポーネント(2)は、1回の使用後に滅菌されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項11】
X線治療システム(10)であって、
請求項1又は2に記載のコンポーネント構成(1)の少なくとも1つのコンポーネント(2)を患者内及び/又は上に保持及び/又は位置決めするように構成された保持機器(12)を有するX線治療機器(11)と、
前記X線治療機器(11)を制御するように構成された操作機器(13)と
を含み、
前記X線治療機器(11)は、前記コンポーネント構成(1)の前記少なくとも1つのコンポーネント(2)上又は内に配置された第一のRFIDトランスポンダ(3)からデータを読み出し、且つ/又は前記第一のRFIDトランスポンダ(3)にデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第一のRFIDリーダ(14)を含み、
前記操作機器(13)は、請求項1又は2に記載のコンポーネント構成(1)の二次包装(5)内及び/又は上に配置された第二のRFIDトランスポンダ(6)からデータを読み出し、且つ/又は前記第二のRFIDトランスポンダ(6)にデータを書き込むように構成された少なくとも1つの第二のRFIDリーダ(16)を含み、
前記X線治療システム(10)は、請求項6又は7に記載の方法に従って構成されるように構成される、X線治療システム(10)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第一のRFIDリーダ(3)は、前記少なくとも1つのコンポーネント(2)が、使用に際して、前記保持機器(12)上に配置されるか又は配置され得る接続領域(17)において、前記保持機器(12)の上に配置されることを特徴とする、請求項11に記載のX線治療システム(10)。
【国際調査報告】