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特表2024-542455インビトロで活性化されたエフェクター細胞での組織再生
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】インビトロで活性化されたエフェクター細胞での組織再生
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/28 20150101AFI20241108BHJP
   A61K 35/15 20150101ALI20241108BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241108BHJP
   C12N 5/078 20100101ALI20241108BHJP
   C12N 5/0775 20100101ALI20241108BHJP
   C12N 5/071 20100101ALI20241108BHJP
【FI】
A61K35/28
A61K35/15
A61P19/02
A61P43/00 107
A61P43/00 121
C12N5/078
C12N5/0775
C12N5/071
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529222
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 US2022079864
(87)【国際公開番号】W WO2023087015
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/279,316
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507189574
【氏名又は名称】ウェイク・フォレスト・ユニヴァーシティ・ヘルス・サイエンシズ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】ボランダー,ヨハンナ
(72)【発明者】
【氏名】モヴィグリア,グスタヴォ
(72)【発明者】
【氏名】アタラ,アンソニー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AC20
4B065BC46
4B065BC50
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB64
4C087CA04
4C087MA02
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA96
4C087ZB22
4C087ZC75
(57)【要約】
a)活性化末梢血単核球(PBMC)、およびb)幹細胞または前駆細胞の共培養物を含む組成物が、提供される。当該組成物は、組織の再生を必要とする対象における組織の再生、およびインビトロでの組織の形成に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)活性化末梢血単核球(PBMC)、および
b)幹細胞または前駆細胞
の共培養物を含む組成物であって、
前記活性化PBMCと前記幹細胞または前駆細胞とが、6:1、5:1、4.5:1または4:1~3:1、2.5:1または2:1の、活性化PBMC:幹細胞または前駆細胞の比で前記組成物中に存在する、組成物。
【請求項2】
前記幹細胞または前駆細胞が胎盤由来前駆細胞である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記幹細胞または前駆細胞が間葉系幹細胞である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記活性化PBMCが、前記幹細胞または前駆細胞と異なる対象由来である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記活性化PBMCと前記幹細胞または前駆細胞とが、ともに同じ対象由来である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記活性化PBMCが、軟骨、骨、筋肉、神経および脳組織からなる群から選択される組織由来の抗原で活性化されたものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記活性化PBMCが、軟骨および骨組織からなる群から選択される組織由来の抗原で活性化されたものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗原が、前記組織の酵素加水分解物である、請求項6または請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、損傷組織または患部組織への注射または注入のために製剤化されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記活性化PBMCと前記幹細胞または前駆細胞とが、使用前に96、72、または48時間未満(例えば、約24時間)共培養される、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
ハイドロゲル担体および/またはヒアルロン酸をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物を処置有効量で対象に投与するステップを含む、組織の再生を必要とする対象において組織を再生する方法。
【請求項13】
前記活性化PBMCが、前記対象またはドナーの全血、アフェレーシスもしくはバフィーコートからの抽出によって得られる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記PBMCが、前記組織の再生を必要とする対象に関して自己由来であり、前記幹細胞または前駆細胞が、前記組織の再生を必要とする対象に関して同種異系である、請求項12または請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、前記組織の再生を必要とする対象の創傷または疾患の部位に局所投与される、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記創傷または疾患の部位が、前記対象の膝である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が全身投与され、前記PBMCおよび/または幹細胞もしくは前駆細胞が、前記組織の再生を必要とする対象の前記創傷または疾患の部位に移動する、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記創傷または疾患の部位が、前記対象の膝である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
インビトロで組織を形成する方法であって、
組織スキャフォールドを提供するステップと、
幹細胞または前駆細胞と活性化PBMCとを前記スキャフォールドに播種するステップとを含み、その結果、前記幹細胞または前駆細胞がインビトロで組織に分化する、方法。
【請求項20】
前記活性化PBMCが、軟骨、骨、筋肉、神経および脳組織からなる群から選択される組織由来の抗原により活性化される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記幹細胞または前駆細胞および活性化PBMCが、共培養物としてともに前記組織スキャフォールドに播種される、請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記幹細胞または前駆細胞および活性化PBMCが、別々に前記組織スキャフォールドに播種される、請求項19または請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、参照によって内容が本明細書の一部をなす、2021年11月15日に出願された米国仮特許出願第63/279,316号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
膝外傷は、主に若い集団で生じ、15歳から44歳の間の個体で50%を超える。外傷後骨関節炎(PTOA)は、比較的症状がない場合でも、早期に始まる。PTOAのアウトカム研究から、5年後の12~20%の患者において変形性膝関節症(KOA)のX線撮影の証拠が示された。KOAの処置は、運動、生活習慣の改変、副腎皮質ステロイド注射、鎮痛剤、および重症な場合には人口膝関節置換術の組合せを生涯伴う。Sharma、”Osteoarthritis of the Knee,”The New England Journal of Medicine,January 7,2021を参照のこと。非外科的処置は疼痛緩和を提供することしかできず、KOAの進行は遅延しない。
【0003】
脂肪組織由来間質細胞等の間葉系幹細胞の投与での細胞治療は、骨関節炎処置のために研究されており、抗炎症性を有し得る。しかしながら、一部の研究は当該処置による利益を示したが、一部は示さなかった。例えば、van den Bosch,“Review:Osteoarthritis year in review 2020:biology,”Osteoarthritis and Cartilage 29(2021)143-150;Zhang et al.,“Review:Progress in the use of mesenchymal stromal cells for osteoarthritis treatment,”Cytotherapy 23(2021)459-470;Soltani et al.,“Safety and efficacy of allogenic placental mesenchymal stem cells for treating knee osteoarthritis:a pilot study,”Cytotherapy 21(2019)54-63を参照のこと。この処置もまた、主に疼痛の減少を通して短期間の効果しか提供しない。構造の再生がほとんど達成されないか、またはまったくないため、後になって疾患が進行する。
【0004】
Jaewoo Pakの米国特許出願公開第2012/0171169号は、脂肪組織由来幹細胞、多血小板血漿、塩化カルシウムおよびヒアルロン酸を含み、一部の実施形態では軟骨疾患の処置のためのデキサメタゾンをさらに含む、骨疾患の処置のための組成物に関する。しかしながら、この幹細胞処置が、当該分野で公知の幹細胞投与の他の方法よりも骨または軟骨細胞回復の改善をもたらすことを示す比較例はない。
【0005】
PTOA等のための、組織再生のためのより良い治療の選択肢が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書における一部の実施形態によれば、a)活性化末梢血単核球(PBMC)、およびb)幹細胞または前駆細胞の共培養物を含む組成物であって、当該活性化PBMCおよび当該幹細胞または前駆細胞が、当該組成物中に6:1、5:1、4.5:1または4:1から、3:1、2.5:1または2:1の、活性化PBMC:幹細胞または前駆細胞の比で存在する、組成物が提供される。一部の実施形態では、当該活性化PBMCおよび当該幹細胞または前駆細胞は、当該組成物中に、4.5:1または4:1から、2.5:1または2:1の活性化PBMC:幹細胞または前駆細胞の比で存在する。
【0007】
一部の実施形態では、前記幹細胞または前駆細胞は胎盤由来前駆細胞である。一部の実施形態では、前記幹細胞または前駆細胞は間葉系幹細胞である。
【0008】
一部の実施形態では、前記活性化PBMCは、前記幹細胞または前駆細胞と異なる対象由来である。一部の実施形態では、前記活性化PBMCと前記幹細胞または前駆細胞とは、ともに同じ対象由来である。
【0009】
一部の実施形態では、前記活性化PBMCは、軟骨、骨、筋肉、神経および脳組織からなる群から選択される組織由来の抗原で活性化される。
【0010】
一部の実施形態では、前記活性化PBMCは、軟骨および骨組織からなる群から選択される組織由来の抗原で活性化される。
【0011】
一部の実施形態では、前記抗原は、前記組織の酵素加水分解物である。
【0012】
一部の実施形態では、前記組成物は、損傷組織または患部組織への注射または注入のために製剤化される。
【0013】
一部の実施形態では、前記活性化PBMCおよび前記幹細胞または前駆細胞は、使用前に96、72、または48時間未満(例えば、約24時間)共培養される。
【0014】
一部の実施形態では、前記組成物は、ハイドロゲル担体および/またはヒアルロン酸をさらに含む。
【0015】
また、組織の再生を必要とする対象において組織を再生する方法であって、処置有効量で、本明細書で教示される組成物を当該対象に投与する工程を含む方法、または組織の再生を必要とする対象において組織を再生するための、本明細書で教示される組成物の使用も提供される。
【0016】
一部の実施形態では、前記投与は、組織傷害の約6日~約10日後等の、組織傷害の約4または5日~約11または12日後に行われる。一部の実施形態では、前記投与は、組織傷害の約1、2、3または4週間後に行われる。
【0017】
一部の実施形態では、前記活性化PBMCは、前記対象またはドナーの全血、アフェレーシスもしくはバフィーコートからの抽出によって得られる。
【0018】
一部の実施形態では、前記PBMCは、前記組織の再生を必要とする対象に関して自己由来であり、前記幹細胞または前駆細胞は、前記組織の再生を必要とする対象に関して同種異系である。
【0019】
一部の実施形態では、前記組成物は、前記組織の再生を必要とする対象の創傷または疾患の部位に局所投与される。一部の実施形態では、前記創傷または疾患の部位は、前記対象の膝である。
【0020】
一部の実施形態では、前記組成物は全身投与され、前記PBMCおよび/または幹細胞もしくは前駆細胞は、前記組織の再生を必要とする対象の前記創傷または疾患の部位に移動する。一部の実施形態では、前記創傷または疾患の部位は、前記対象の膝である。
【0021】
さらに、組織スキャフォールドを提供するステップと、幹細胞または前駆細胞および活性化PBMCを当該スキャフォールドに播種するステップとを含む、インビトロで組織を形成する方法であって、それによって当該幹細胞または前駆細胞がインビトロで組織に分化する方法が提供される。
【0022】
一部の実施形態では、前記活性化PBMCは、軟骨、骨、筋肉、神経および脳組織からなる群から選択される組織由来の抗原で活性化される。
【0023】
一部の実施形態では、前記幹細胞または前駆細胞および活性化PBMCは、共培養物としてともに前記組織スキャフォールドに播種される。
【0024】
一部の実施形態では、前記幹細胞または前駆細胞および活性化PBMCは、別々に前記組織スキャフォールドに播種される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】軟骨活性化(cartilage-activated)エフェクター細胞(EC)のインビトロでのメカニズム評価において、初代末梢血単核球集団(MNC)と比較したCD68、CD69およびCD25の増大によって示されるように、マクロファージおよびリンパ球の刺激が確認されたことを示す図である。
図2】軟骨活性化ECの遺伝子発現の測定から、初代MNC集団と比較して、再生誘発(pro-regenerative)マーカーであるTNFアルファおよびIL10の発現の増大が、軟骨分化を誘導する因子であるCOMPおよびBMP2の増大とともに示されたことを示す図である。
図3】ECの、胎盤由来前駆細胞(PLC)との24時間の共培養の際に、転写因子、軟骨基質タンパク質および滑膜の潤滑剤であるPrg4の一時的なアップレギュレーションによって軟骨分化の開始が確認されたことを示す図である。
図4】細胞集団を機能障害治癒の3つのモデルに注射し、その後、傷害作成の12週間後に病理学的評価をした場合に、共培養された細胞治療は機能的再生を誘導したが、細胞集団単独のそれぞれによる他の細胞治療は誘導しなかったことを示す図である。これは、(1)軟骨下骨と関節ユニットとの間の最高到達点、(2)グリコサミノグリカンに富んだ軟骨下関節軟骨、および(3)機能的関節軟骨の定性的マーカーであるルブリシンを分泌する関節軟骨細胞層の回復によって確認された。
図5】胎盤細胞単体の投与により抗炎症性効果および部分的再生が生じたが、共培養された組成物のような迅速な組織修復および機能的再生を誘導しなかったことを示す図である。
図6】人道的使用に関する治験に参加した患者における処置の180日後に、疼痛、機能性および生活の質の有意な改善が報告されたことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、ここで、本発明の実施形態が示される添付の図面を参照しながら、以下でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得るものであり、本明細書に示される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全になるように、ならびに当業者に本発明の範囲が完全に伝わるように、提供される。
【0027】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためであり、本発明を限定するよう意図されない。本明細書で使用される場合、単数形の「a(1つの)」、「an(1つの)」および「the(前記または当該)」は、文脈によって明らかに他に示されない限りは、複数形も含むよう意図される。「含む(comprises)」または「含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、工程、操作、要素、成分および/もしくは群またはそれらの組合せの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、工程、操作、要素、成分および/もしくは群またはそれらの組合せの存在または付加を排除しないことが、さらに理解されよう。
【0028】
他に定義されない限りは、本明細書で使用される全ての用語(専門用語および科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に使用される辞書で定義されるもの等の用語が、本明細書および特許請求の範囲の文脈でそれらの意味と矛盾しない意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明白に定義されない限りは理想化された意味または過度に形式的な意味で解釈されるべきではないと、さらに理解されよう。周知の機能または構成は、簡潔さおよび/または明瞭さのために、詳細に説明されない場合がある。
【0029】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、それらが本明細書に示される開示と矛盾しない範囲で、参照によって本明細書の一部をなすものとする。用語が矛盾する場合は、本明細書が制御する。
【0030】
本明細書で使用される場合、「および/または」は、関連する列挙された項目の1つまたは複数のありとあらゆる可能な組合せ、および代わりに解釈される場合は(「または」)、組合せのないことをいい、それらを包含する。
【0031】
文脈によって他に示されない限りは、本明細書に記載される本発明の種々の特徴は、あらゆる組合せで使用され得ることが特に意図される。さらに、本発明はまた、本発明の一部の実施形態では、本明細書に示されるあらゆる特徴または特徴の組合せが排除または省略され得ることを意図する。例えば、本明細書が、ある組成物が成分A、BおよびCを含むと述べる場合、A、BもしくはCのいずれかまたはそれらの組合せは、省略および否定され得ることが、特に意図される。
【0032】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、量または濃度等の測定可能な値を参照する場合、特定された値の±10%、±5%、±1%、±0.5%、またはさらには±0.1%の変動、および特定された値を、包含するよう意図される。例えば、「約X」は、Xが測定可能な値である場合、X、およびXの±10%、±5%、±1%、±0.5%、またはさらには±0.1%を含むよう意図される。さらに、測定可能な値について本明細書で提供される範囲は、あらゆる他の範囲および/またはその中の個々の値を含み得る。
【0033】
本発明で使用される「細胞」は、一般に、動物細胞、特に哺乳動物および霊長動物細胞であり、例としては、限定されないが、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、チンパンジー、ウシ、ブタ、またはヤギが挙げられる。細胞は、幹細胞もしくは前駆細胞であってもよく、または少なくとも部分的に、軟骨、骨、筋肉(平滑筋、骨格筋、心筋)、神経(中枢神経、末梢神経)、脳組織等の特定の細胞もしくは組織タイプに分化してもよい。細胞は、当該分野で公知のように、株化培養物、ドナー、生検、またはそれらの組合せから得ることができる。
【0034】
一部の実施形態では、細胞は、使用前に増殖された培養物であってもよい。「増殖(Expanding)」は、本明細書で使用される場合、生細胞の数の増加をいい、例えば、細胞の少なくとも一部が分裂してさらなる細胞を生じる1つまたは複数の細胞周期を通して細胞を生育させることによって、達成され得る。
【0035】
「対象」は、本明細書で使用される場合、一般に、ヒト対象であるが、本発明の態様は、研究または獣医学的目的で、他の動物対象、特に哺乳動物対象(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ヒツジ)で実施してもよい。対象は、乳児、若年期、青年期、成年期、および老年期を含むあらゆる年齢の雄または雌であり得る。
【0036】
「処置(治療)する」は、本明細書で使用される場合、対象に利益を与えるあらゆるタイプの処置(治療)をいい、骨関節炎等の組織傷害または疾患と関連する少なくとも1つの症状の発生の遅延または重症度の低下、組織または関節機能の改善等を含むが、これらに限定されない。同様に、「処置(治療)有効」量は、処置(治療)およびかかる利益の提供に十分な量である。
【0037】
本明細書における「培地」は、本発明の実行において使用される、細胞を維持するあらゆる天然または人工の増殖培地(典型的には水性液体)であり得る。例としては、限定されないが、基本培地もしくは最小必須培地(MEM)、またはイーグル最小必須培地(EMEM)およびダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)等のそれらの変形物が挙げられる。一部の実施形態では、増殖培地は、pH変色指示薬(例えば、フェノールレッド)を含む。
【0038】
当該分野で公知のように、幹細胞および前駆細胞は、1つまたは複数の特定のタイプの組織細胞へと分化することができる細胞である。幹細胞は、一般に、前駆細胞よりも多くの種々のタイプの細胞に分化することができ、無限に増殖され得る。軟骨、骨、筋肉、神経または脳組織等の目的の組織の細胞に分化することができるものである限り、どちらも本発明で使用することができる。本発明で有用な幹細胞または前駆細胞としては、限定されないが、胎盤由来前駆細胞、間葉系幹細胞、骨膜幹細胞、滑膜由来前駆細胞、半月板由来前駆細胞等が挙げられる。
【0039】
「間葉系細胞」または「間葉系幹細胞」(「MSC」)は、骨芽細胞、軟骨細胞、筋細胞、および脂肪細胞等の様々な細胞型に分化することができる幹細胞である。一部の実施形態では、MSCは骨髄由来である。一部の実施形態では、MCSは脂肪組織由来である。
【0040】
「胎盤由来前駆細胞」または「PLC」は、出産後の胎盤に由来する前駆細胞であり、当該分野で公知の方法で収集し得る。例えば、参照によって本明細書の一部をなす、Haririに対するUS2008/0131410およびUS2014/0349391、ならびにEthicon Incorporatedに対するWO2005/038012A3を参照のこと。一部の実施形態では、胎盤由来前駆細胞の使用は、免疫系の許容性、入手可能性、および拡張能力の好ましい特性のために、好ましい。本明細書に開示されているように、胎盤由来前駆細胞は、以前の研究の報告ではこれらの細胞は骨髄由来MSC等のより明白な細胞供給源と比較して軟骨分化の限定された可能性を示していたにもかかわらず、本発明において有効であることが示されている。例えば、Jeon et al.,“Comparative Analysis of Human Mesenchymal Stem Cells Derived From Bone Marrow,Placenta,and Adipose Tissue as Sourced of Cell Therapy,”J.Cell Biol.117(5):1112-1125(2016)を参照のこと。
【0041】
「末梢血単核球」(「PBMC」または「PBMNC」)は、丸い核を有する白血球であり、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)、樹状細胞および単核球等の免疫細胞の混合物を含む。PBMCは、全血もしくは血液アフェレーシス、またはバフィーコート(白血球濃縮物)の密度勾配遠心法等による当該分野で公知の方法によって得ることができる。
【0042】
PBMCは、組織特異抗原とのインキュベーションによって「活性化」されて、その組織に対して免疫細胞を活性化し得る。一部の実施形態では、PBMCは、組織抗原を含む活性化培地中でPBMCを約1、2、3または4日間インキュベートすることによって活性化され得る。一部の実施形態では、組織抗原は、所望の組織(例えば、骨、軟骨、筋肉、脳、または神経組織)の酵素加水分解物である。一部の実施形態では、活性化培地は、例えば、グルコース等の糖、2型ヒスタミン受容体遮断薬(H2RAまたはHアンタゴニスト、例えばファモチジン)、COX1/2阻害剤(例えばインドメタシン)、抗生物質等の、1つまたは複数の添加物をさらに含む。
【0043】
活性化PBMC(本明細書で活性化MC、またはエフェクター細胞(EC)とも呼ばれる)は、例えばマーカーCD68およびCD25、ならびに一部の実施形態ではCD69の発現の増大、ならびに/または再生誘発マーカーおよび/もしくは目的の組織への分化を誘導する関連する因子(例えば、軟骨分化についてはCOMPおよびBMP2)の発現の増大の検出による、マクロファージおよびリンパ球の刺激の検出によって確認され得る。
【0044】
<細胞組成物および使用の方法>
共培養物中に活性化PBMCおよび幹/前駆細胞を含む組成物が提供される。PBMCは、再生される組織(「目的の組織」)に対応する抗原で活性化され、活性化PBMCおよび幹/前駆細胞のインビトロ共培養の間に、幹/前駆細胞は影響を受けて、特定の組織への分化の経路を開始する。この共培養の間の影響は、組織への共培養物の投与の際に、機能回復、ならびに一部の実施形態では迅速な(例えば、1週間未満)組織再生および機能回復を伴う、組織再生の予期しない優れた結果をもたらす。
【0045】
細胞の適切なクロストークを提供するために、活性化PBMCおよび胎盤由来前駆細胞等の幹/前駆細胞は、当該組成物中に6:1、5:1、4.5:1または4:1、から、3:1、2.5:1または2:1の、PBMC:幹/前駆細胞の比で提供される。一部の実施形態では、比は4.5:1~2:1である。一部の実施形態では、比は約4:1である。一部の実施形態では、比は約3:1である。活性化PBMCを有することは、細胞のクロストークにおける相乗効果を提供するのに有益であるが、活性化PBMCの比が高すぎると有意なアポトーシスを生じ得る。
【0046】
細胞の投与は、例えば点滴の注射による、組織への直接投与によってもよく、または全身投与であってもよく、ここで細胞(PBMCおよび/もしくは幹細胞もしくは前駆細胞)は、傷害または疾患の部位に移動する。例えば、軟骨再生の場合は、細胞共培養物は骨関節炎の膝等の傷害の部位に注射または注入し得、それによって投与(例えば、関節内注射)は、一部の実施形態では1週間未満、2週間未満、1か月未満、2か月未満、または3か月未満の時間内に、膝の関節軟骨の機能的再生をもたらす。
【0047】
一部の実施形態では、共培養組成物はまた、ハイドロゲル担体(例えば、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、それらの組合せ等を含む)および/またはヒアルロン酸を含む。
【0048】
共培養物はまた、細胞を、操作される目的の組織に対して活性化された共培養物とともに、三次元マトリックスまたはハイドロゲル等の組織スキャフォールドに播種すること等によって、組織工学的アプローチに使用し得る。一部の実施形態では、活性化PBMCおよび幹/前駆細胞は共培養の後にともにスキャフォールドに播種され得るが、他の実施形態では、幹/前駆細胞がまず播種され、その後活性化PBMCが播種され得る。
【0049】
細胞が播種されて増殖し、培養組織を生じ得る「スキャフォールド」としては、あらゆる適切な支持体および/または三次元マトリックスが挙げられる。例えば、米国特許第6,998,418号、第6,485,723号、第6,206,931号、第6,051,750号および第5,573,784号を参照のこと。好ましくは、スキャフォールドは、その上での細胞の付着、増殖および/または分化を支持するよう構成される。スキャフォールドは、合成または天然高分子、他の生体高分子、ならびにそれらの組合せを含むがこれらに限定されない、あらゆる適切な材料から形成され得る。一部の実施形態では、スキャフォールドは、コラーゲン支持体または無細胞化組織支持体を含む。一部の実施形態では、スキャフォールドは、静電紡糸マトリックスを含み得る。一部の実施形態では、スキャフォールドは、高分子マトリックス(例えば、コラーゲン、ハイドロゲル等)を含む。一部の実施形態では、スキャフォールドは、フィブリンまたはフィブリノーゲンを含む。
【0050】
本発明は、以下の非限定的な実施例において、より詳細に説明される。
【実施例
【0051】
[実施例1:激しく損傷した骨軟骨ユニットの機能的再生]
本発明者らは、PTOA開始の初期または疾患進行の間に関節内(IA)注射し得る免疫調節細胞処置を開発し、PTOAの小動物モデルにおいて、治療としての有意な見込みを示した。本発明者らの画期的な処置は、実験的に損傷を受けたラットにIAで与えた場合に効能を示した細胞生成物の組合せに基づく。
【0052】
膝の傷害は、炎症誘発性の好中球の即時の活性化をもたらし、これにより当該部位が除染されてきれいになり、単核球の浸潤が導かれる。創傷部位で分泌されたサイトカインは、単核球のマクロファージへの分化を進め、これはアポトーシス細胞を除去し、損傷組織に特異的な抗原提示細胞として機能する。このステップによって、さらなる白血球流入が防がれ、損傷環境が再生誘発プロセスに進められる。機能的再生において、炎症誘発期の完了は、再生誘発性免疫細胞の補充をもたらし、次に前駆細胞の補充をもたらし、機能的治癒のための重大なステップが起こる。ヘルパーT(Th)1、Th2およびTh17細胞ならびに調節性T(Treg)細胞、マクロファージおよびマスト細胞を含む補充された免疫細胞の均衡、極性化およびその後の作用を進めるシグナル伝達カスケードは、機能の転換に重要である。したがって、本発明者らは、軟骨の再生の失敗が、長期の炎症および線維症をもたらす炎症誘発性細胞および再生誘発性細胞の間の不均衡によって引き起こされ得ると仮説を立てた。
【0053】
PTOAにおける介入を研究し発見する努力において、本発明者らは、骨軟骨欠損(OCD)およびその後の治癒の4つのラットモデルを開発した。これらの4つの別々のモデルは、異なるレベルの損傷および再生を表す。このために、10週齢の野生型(WT)雌ラットおよび成熟したT細胞欠損(T細胞-)雌ラットの膝蓋大腿骨溝に、小径(SD)および大径(LD)の全層のOCDを作成し、12週間追跡した。欠損作成の96時間、ならびに1、4および12週間後の組織治癒、前駆細胞活性化および細胞外マトリックス(ECM)生成を評価した。SD-WT動物で機能的治癒を確認したが、程度の異なる機能障害治癒および線維症がWT-LD、T細胞-SDおよび-LD関節で観察された。これらの実験から、各モデルの治癒状態のうちで、傷害の1週間後に炎症反応と前駆細胞活性化との間で直接相関が示された。
【0054】
これらの知見に基づいて、再生誘発プロセスを容易にする目的で、細胞ベースの処置を開発した。比較のために、3つの特定の細胞集団:(1)軟骨抗原で単離および活性化され、軟骨活性化エフェクター細胞(EC)集団へと誘導される、ラット単核球、(2)インビトロで増殖したラット胎盤由来前駆細胞(PLC)、ならびに(3)24時間共培養された、4:1の比でのECとPLCとの組合せを開発した。
【0055】
ECは、患者またはドナーの全血もしくはアフェレーシスから抽出された末梢血単核球(PBMNC、またはMNC)から得ることができる。PBMNCは、フィコール-ハイパークの勾配を通して精製され、得られる。10%加水分解抗原(軟骨)、10μl/mlファモチジンおよび4.5μl/mlインドメタシンとともに4500.0mg/mlグルコースおよびGlutaMAxを含むDMEM中で、72時間の期間にわたり、PBMNCを活性化した。PLCは、ウェイクフォレスト再生医療研究所の臨床製造センターから入手し、増殖培地中で増殖培養した。血清中および無抗原培地中、4:1比でのECとPLCの24時間のコインキュベーションを通して、共培養細胞生成物を得る。
【0056】
初代PBMNC集団と比較したCD68、CD69およびCD25の増大(図1)によって示されるような、マクロファージおよびリンパ球の刺激が、軟骨活性化ECのインビトロでのメカニズム評価により確認された。これらの知見は、遺伝子発現によってさらに支持され、ここで、再生誘発マーカーTNFアルファおよびIL10の発現の増大が、軟骨分化を誘導する因子、COMPおよびBMP2の増大とともに観察された(図2)。
【0057】
ECとPLCとの24時間の共培養の際に、転写因子、軟骨基質タンパク質および滑膜の潤滑剤であるPrg4の一時的なアップレギュレーションにより、軟骨分化の開始が確認された(図3)。これらの細胞集団を機能障害治癒の3つのモデルに注射し、その後、傷害作成の12週間後に病理学的評価をした場合に、共培養された細胞治療は機能的再生を誘導したが、細胞集団単独のそれぞれでの他の細胞治療では誘導しなかった(図4)。これは、(1)軟骨下骨と関節ユニットとの間の最高到達点、(2)グリコサミノグリカンに富んだ軟骨下関節軟骨、および(3)機能的関節軟骨の定性的マーカーであるルブリシンを分泌する関節軟骨細胞層の回復によって確認された。胎盤細胞単体の投与により、抗炎症性効果および部分的再生が生じたが、共培養された組成物のような迅速な組織修復および機能的再生を誘導しなかった(図5)。
【0058】
これらの結果は、注射可能な免疫調節細胞ベースの処置により、40年にわたって分野全体の目標であった、激しく損傷した骨軟骨ユニットの機能的再生が達成され得ることを初めて示すものである。
【0059】
[実施例2:細胞ベースの処置の反復注射]
ラット滑膜関節に対して:(A)共培養軟骨活性化単核球(EC)および胎盤由来前駆細胞(PLC)の反復注射(第1週および第3週)の後、(B)OCD作成の2週間後の遅延注射とともに、および(C)OCD作成の4週間後の遅延処置とともに、CTスキャンを行った。その結果、反復処置によって軟骨下骨または骨棘の増殖が誘導されなかったが、2週間での遅延処置は石化組織の満足な再生を示し、4週間の注射ではいくらかの欠損が残ったことが示された。
【0060】
これらのデータから、傷害のおよそ1週間後が投与に最も好ましい時期であり得るが、より後の時点でも治癒に有意な改善を示すことが示唆される。
【0061】
[実施例3:6つのドナー集団のナノストリング解析]
6人の異なる患者由来の単核球を活性化して軟骨活性化エフェクター細胞とし、特定のT細胞集団への活性化を評価するためにナノストリング解析を行った。得られたヒートマップから、異なるドナー由来のMNCが非常に似かよった反応をすることが確認され、共培養におけるドナーのばらつきは限定的であると予想されることが確認された。ナノストリング解析から、6つのドナー集団の活性化が、炎症誘発性サイトカインIL17A、IL17CおよびIL17Fの発現の減少につながったことが、さらに確認された。
【0062】
また、ナノストリング解析から、6つのドナー集団の活性化およびその後の軟骨分化の誘導が、SMAD2およびSMAD3発現の上昇によって示される活性化BMPシグナル伝達に関連することがさらに確認された。SQSTMは、組織リモデリングに関する遺伝子である。具体的には、それは、GATA4と相互作用してそれを分解のために標的化することによって、それと結合する他のタンパク質を選択的オートファジーのために標的化するオートファゴソームカーゴタンパク質であり、これはGATA-4関連老化および細胞老化関連分泌表現型を阻害し得、老朽化した細胞部分および不要なタンパク質の再生利用、細胞の自滅(アポトーシス)、ならびに体の免疫応答および炎症反応にも関与する。理論に拘束されることを望むものではないが、このアップレギュレーションに基づけば、これがECに見られる潜在的な再生誘発効果の根底にある重要な因子であり得る。
【0063】
[実施例4:ヒト患者における人道的使用に関する治験]
9人の患者(6人の男性、3人の女性)が、人道的使用に関する治験に登録され、幹/前駆細胞として自己の脂肪由来の細胞を用いた細胞ベースの処置の注射を受けた。処置の申し出をされた患者は、少なくとも18歳であり、診療所で膝骨関節炎(KOA)の診察を受け、体重は45Kgより重く、血液パラメータは、ヘマトクリット≧35%、MCV≧70%、MCH≧31%、白血球≧4000/mm、血小板:150000~400000/mmで、正常な心機能、肝機能、呼吸機能、および腎機能を有していた。組み入れ基準:臨床症状およびX線での膝異常によって支持され、膝のMRIによって確認される、KOA確定診断(流出物ならびに滑膜の肥厚/滑膜炎、軟骨下骨髄浮腫および/または嚢胞、軟骨質の欠損(部分的または全層)滑液包炎、腸脛靱帯症候群)。MRIの特徴と関連する疼痛は、KOOSスケールによれば、80%より高かった。除外基準:活発な新生物、処置の開始時のウイルス、細菌もしくは真菌(内部)の活発な全身感染、HIV、B型肝炎もしくはC型肝炎陽性、黄疸もしくは肝不全の患者、妊娠している患者、またはアルコールもしくは薬物依存症の個体。
【0064】
全ての対象患者は、重いKOAを患っていた。OAの進行により標準的な緩和療法では処置応答が得られなかったため、人工膝関節置換術が適応となった。人道的使用に関する治験に基づいて処置を行った。少なくとも1週間に1回患者安全および臨床追跡調査をモニタリングして、処置の安全性、効能、および有効性を観察した。60、90、および180日目に追従制御を行い、180日目のデータをこの研究に使用した。米国国立癌研究所に従って、安全性を評価した。有害事象共通用語基準(バージョン5.0)、KOOSインデックスを3か月目に評価した。処置の終了の6か月後に、処置された領域のMRIを行った。MedCalc Inc.のMedCalcソフトウエアで、臨床データの統計解析を行った。
【0065】
図6に示されるように、処置の180日後に、患者によって報告された、疼痛、機能性および生活の質の有意な改善があった。
【0066】
上述のものは本発明の実例であり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本発明は、以下の特許請求の範囲と、そこに含まれる特許請求の範囲の同等物によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】