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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】表示装置およびその補正方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20241108BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20241108BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20241108BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20241108BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B45/325
H05B45/10
H05B47/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529241
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2021130863
(87)【国際公開番号】W WO2023087134
(87)【国際公開日】2023-05-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515353475
【氏名又は名称】ラディアント オプト‐エレクトロニクス (スーチョウ) カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】517413731
【氏名又は名称】ラディアント オプト-エレクトロニクス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Radiant Opto-Electronics Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウ、ペン シャン
(72)【発明者】
【氏名】ウ、フン パオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、チュン イ
(72)【発明者】
【氏名】リン、ジョン ホン
(72)【発明者】
【氏名】リ、リャン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ボ ル
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA30
3K273RA02
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA37
3K273TA45
3K273TA62
3K273TA78
3K273UA17
3K273UA22
(57)【要約】
【要約】
表示装置(120)は、表示パネル(150)、バックライトモジュール(140)および回路(130)を含む。表示パネル(150)は、複数の領域(151~153)を含む。バックライトモジュール(140)は、複数の発光ユニット(141~142)を含み、各領域は、少なくとも一つの発光ユニット(141~142)に対応する。回路(130)は、少なくとも一つの補正ルックアップテーブルを含み、補正ルックアップテーブルは、第1発光ユニットに対応し、補正ルックアップテーブルは、パラメーターおよび複数のデューティサイクルを記録する。回路(130)は、補正ルックアップテーブルをアクセスし、また、デューティサイクルに従って出力デューティサイクルを決定する。回路(130)は、出力デューティサイクルおよびパラメーターに従って、第1発光ユニットの電流値を決定して、第1発光ユニットを駆動する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域を含む表示パネルと、
複数の発光ユニットを含み、ここで、前記複数の領域のそれぞれが前記複数の発光ユニットのうちの少なくとも一つに対応するバックライトモジュールと、
少なくとも一つの補正ルックアップテーブルを含み、当該少なくとも一つの補正ルックアップテーブルが前記複数の発光ユニットのうちの第1発光ユニットに対応し、当該少なくとも一つの補正ルックアップテーブルがパラメーターおよび複数のデューティサイクルを記録する回路と、を含み、
当該回路は、当該補正ルックアップテーブルにアクセスして、前記複数のデューティサイクルのうちの一つを取得し、且つ、出力デューティサイクルを決定し、
当該回路は、当該出力デューティサイクルおよび当該パラメーターに従って、当該第1発光ユニットの電流値を決定して、当該第1発光ユニットを駆動することを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
当該回路は、前記複数のデューティサイクルおよび当該パラメーターに従って当該第1発光ユニットを駆動して、対応する複数の輝度を生成し、前記複数のデューティサイクルおよび前記複数の輝度は、輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、当該輝度-デューティサイクル応答曲線は、複数の一次関数で構成される区分的一次関数(piecewise linear function)であることを特徴とする
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の一次関数のそれぞれは、傾きおよび対応するグループデューティサイクルを有し、前記複数の一次関数に対応する前記複数のデューティサイクルは、第1グループデューティサイクルデューティサイクルおよび第2グループデューティサイクルを含み、当該第1グループデューティサイクルの最小値は、当該第2グループデューティサイクルの最大値に等しく、当該第1グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きは、当該第2グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きより大きいことを特徴とする
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の一次関数のそれぞれは、傾きおよび対応するグループデューティサイクルを有し、前記複数の一次関数に対応する前記複数のデューティサイクルは、第1グループデューティサイクルおよび第2グループデューティサイクルを含み、当該第1グループデューティサイクルの最小値は、当該第2グループデューティサイクルの最大値に等しく、当該第1グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きは、当該第2グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きより小さいことを特徴とする
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
当該回路は、設定値を取得し、当該区分的一次関数には、少なくとも一つの転換点が存在し、当該少なくとも一つの転換点は、前記複数のデューティサイクルのうちの一つおよび対応する転換点輝度を含み、
当該回路は、当該設定値および前記複数のデューティサイクルに従って当該出力デューティサイクルを補間するために使用されることを特徴とする
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
当該回路は、次の数式に基づいて当該出力デューティサイクルを計算し、
ここで、
は、当該出力デューティサイクルを表わし、
は、当該設定値が代表する輝度を表わし、iは、前記複数の転換点のうちのi番目の転換点を表わし、当該i番目の転換点は、転換点輝度
およびデューティサイクル
を含み、i+1番目の転換点は、転換点輝度
およびデューティサイクル
を含み、当該輝度
は、当該転換点輝度
より大きく且つ当該転換点輝度
より小さいことを特徴とする
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
当該回路は、前記複数のデューティサイクルのうちの一つおよび当該パラメーターに従って当該第1発光ユニットを駆動して対応する輝度を生成し、当該デューティサイクルおよび当該輝度は、輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、当該輝度-デューティサイクル応答曲線は、一次関数であることを特徴とする
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
当該回路は、設定値を取得し、当該回路は、当該一次関数および当該設定値に従って当該出力デューティサイクルを補間するために使用されることを特徴とする
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
当該回路は、次の数式に基づいて当該出力デューティサイクルを計算し、
ここで、
は、当該出力デューティサイクルを表わし、mは、最大調光レベルを表わし、nは、最小調光レベルを表わし、kは、当該設定値に対応する調光レベルを表わし、
は、当該最大調光レベルに対応するデューティサイクルを表わし、
は、最小調光レベルに対応するデューティサイクルを表わすことを特徴とする
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
当該回路は、次の数式に基づいて当該出力デューティサイクルを計算し、
ここで、
は、当該出力デューティサイクルを表わし、mは、最大輝度を表わし、nは、最小輝度を表わし、kは、当該設定値に対応する輝度を表わし、
は、当該最大輝度に対応するデューティサイクルを表わし、
は、最小輝度に対応するデューティサイクルを表わすことを特徴とする
請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
当該回路は、ローカルディミングアルコリズムを実行して、当該第1発光ユニットに対応する設定値を計算することを特徴とする
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
表示装置に適した補正方法であって、
当該表示装置は、表示パネル、バックライトモジュールおよび回路を含み、当該表示パネルは、複数の領域を含み、当該バックライトモジュールは、複数の発光ユニットを含み、前記複数の領域のそれぞれは、前記複数の発光ユニットのうちの少なくとも一つに対応し、当該補正方法は、次のようなステップを含み、
パラメーターおよび第1デューティサイクルに従って前記複数の発光ユニットのうちの第1発光ユニットを駆動して電流を生成し、且つ、当該第1発光ユニットを測定して、当該第1発光ユニットの第1輝度を取得し、
当該第1発光ユニットの当該第1輝度が予め設定された輝度未満であるかどうかを判断し、当該第1輝度が当該予め設定された輝度未満である場合、当該第1発光ユニットの当該第1輝度が予め設定された輝度を満たすように当該パラメーターを調整し、且つ調整された当該パラメーターを当該第1発光ユニットに対応する第1補正ルックアップテーブルに記録し、且つ当該予め設定された輝度、調整された当該パラメーターおよび当該第1デューティサイクルを使用して、輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、
当該第1発光ユニットの当該輝度-デューティサイクル応答曲線が線形または非線形であるかどうかを判断し、当該輝度-デューティサイクル応答曲線が線形である場合、当該回路は、当該輝度-デューティサイクル応答曲線上の輝度に従って対応する調整されたデューティサイクルを取得し、当該輝度-デューティサイクル応答曲線が非線形である場合、当該輝度-デューティサイクル応答曲線には、少なくとも一つの転換点が存在し、当該少なくとも一つの転換点は、転換点輝度および転換点デューティサイクルを含み、当該回路は、当該転換点輝度および当該転換点デューティサイクルに従って対応する調整されたデューティサイクルを補間することを特徴とする、前記補正方法。
【請求項13】
当該第1発光ユニットの当該輝度-デューティサイクル応答曲線が線形または非線形であるかどうかを判断するステップは、次のようなステップを含み、
複数の候補デューティサイクルを設定し、前記複数の候補デューティサイクルに従って当該第1発光ユニットを駆動し、且つ対応する複数の候補輝度を取得し、
前記複数の候補デューティサイクルおよび前記複数の候補輝度に従って当該輝度-デューティサイクル応答曲線の複数の傾きを計算し、ならびに
前記複数の傾きのうちの最大傾きと最小傾きとの間の差が閾値より大きい場合、当該輝度-デューティサイクル応答曲線が非線形であると判断することを特徴とする
請求項12に記載の補正方法。
【請求項14】
前記複数の候補デューティサイクルは、初期デューティサイクルを含み、当該補正方法は、次のようなステップをさらに含み、
前記複数の候補デューティサイクルから候補デューティサイクルのうちの一つを昇順に選択し、選択された当該候補デューティサイクルおよび当該初期デューティサイクルに従って対応する当該傾きを計算して、当該最大傾きおよび当該最小傾きを更新し、ならびに
当該最大傾きと当該最小傾きとの間の差が当該閾値より大きい場合、現在選択された当該候補デューティサイクルおよび対応する当該候補輝度を新しい転換点として設定することを特徴とする
請求項13に記載の補正方法。
【請求項15】
当該第1発光ユニットを測定して得られた当該第1輝度が当該予め設定された輝度以上である場合、当該パラメーターを調整する的ステップを実行せず、当該パラメーターを当該第1発光ユニットに対応する当該第1補正ルックアップテーブルに直接記録し、且つ当該予め設定された輝度、当該パラメーターおよび当該第1デューティサイクルを使用して輝度-デューティサイクル応答曲線を定義するステップをさらに含むことを特徴とする
請求項12に記載の補正方法。
【請求項16】
当該回路は、複数の候補デューティサイクルおよび当該パラメーターに従って当該第1発光ユニットを駆動して対応する複数の候補輝度を生成し、前記複数の候補デューティサイクルおよび前記複数の候補輝度は、当該輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、当該輝度-デューティサイクル応答曲線は、複数の一次関数で構成される一つの区分的一次関数(piecewise linear function)であることを特徴とする
請求項12に記載の補正方法。
【請求項17】
前記複数の一次関数のそれぞれは、傾きおよび対応するグループデューティサイクルを有し、前記複数の一次関数は、少なくとも第1グループデューティサイクルおよび第2グループデューティサイクルに対応し、当該第1グループデューティサイクルの最小値は、当該第2グループデューティサイクルの最大値に等しく、当該第1グループデューティサイクルに対応する当該一次関数の傾きは、当該第2グループデューティサイクルに対応する当該一次関数の傾きより大きいことを特徴とする
請求項16に記載の補正方法。
【請求項18】
前記複数の一次関数のそれぞれは、傾きおよび対応するグループデューティサイクルを有し、前記複数の一次関数に対応する前記複数のデューティサイクルは、第1グループデューティサイクルおよび第2グループデューティサイクルを含み、当該第1グループデューティサイクルの最小値は、当該第2グループデューティサイクルの最大値に等しく、当該第1グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きは、当該第2グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きより小さいことを特徴とする
請求項16に記載の補正方法。
【請求項19】
当該回路は、候補デューティサイクルおよび当該パラメーターに従って当該第1発光ユニットを駆動して対応する候補輝度を生成し、当該候補デューティサイクルおよび当該候補輝度は、当該輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、当該輝度-デューティサイクル応答曲線は、一次関数であることを特徴とする
請求項12に記載の補正方法。
【請求項20】
前記複数の発光ユニットは、第2発光ユニットをさらに含み、当該補正方法は、次のようなステップをさらに含み、
当該パラメーターに従って当該第2発光ユニットを駆動し、且つ、当該第2発光ユニットの第2輝度を測定し、
当該パラメーターを調整して、当該第2発光ユニットの当該第2輝度が当該予め設定された輝度と一致するようにし、且つ調整された当該パラメーターを当該第2発光ユニットに対応する第2補正ルックアップテーブルに記録し、ならびに
当該第1補正ルックアップテーブルが当該少なくとも一つの転換点を有する場合、当該少なくとも一つの転換点を当該第2補正ルックアップテーブルに加えることを特徴とする
請求項12に記載の補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置のバックライトモジュールの発光ユニットの補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶表示パネルおよびバックライトモジュールを含み、一般に、バックライトモジュールは、光源を提供する複数の発光ダイオードを含む。発光ダイオードの輝度は、発光ダイオードに流れる電流に基づいて決定され、いくつかの従来技術の中には、最初に一つの最大電流を設定し、次にデューティサイクル(duty cycle)を調整する方法で電流の大きさを等価的に調整し、輝度を調整する。しかしながら、プロセス変動等の要因により、同じ電流の大きさを使用して、異なる発光ダイオードを駆動し、これらの発光ダイオードも、異なる輝度を生成することができる。従って、発光ダイオードが期待される輝度を提供するようにどのように校正を実行するかは、当業者にとって関心される議題である。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施例は、表示パネル、バックライトモジュールおよび回路を含む表示装置を提案する。表示パネルは、複数の領域を含む。バックライトモジュール複数の発光ユニットを含み、各領域は、少なくとも一つの発光ユニットに対応する。回路は、少なくとも一つの補正ルックアップテーブルを含み、此補正ルックアップテーブルは、第1発光ユニットに対応し、補正ルックアップテーブルは、パラメーターおよび複数のデューティサイクルを記録する。回路は、補正ルックアップテーブルにアクセスしてデューティサイクルを取得し、また、デューティサイクルに従って出力デューティサイクルを決定する。回路は、出力デューティサイクルおよびパラメーターに従って、第1発光ユニットの電流値を決定して、第1発光ユニットを駆動する。
【0004】
いくつかの実施例において、回路は、デューティサイクルおよびパラメーターに従って第1発光ユニットを駆動して、対応する複数の輝度を生成し、デューティサイクルおよび輝度は、輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、この輝度-デューティサイクル応答曲線は、複数の一次関数で構成される区分的一次関数(piecewise linear function)である。
【0005】
いくつかの実施例において、各一次関数は、傾きおよび対応するグループデューティサイクルを有する。一次関数に対応するデューティサイクルは、第1グループデューティサイクルおよび第2グループデューティサイクルを含み、第1グループデューティサイクルの最小値は、第2グループデューティサイクルの最大値に等しい。第1グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きは、第2グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きより大きい。
【0006】
いくつかの実施例において、各一次関数は、傾きおよび対応するグループデューティサイクルを有する。一次関数に対応するデューティサイクルは、第1グループデューティサイクルおよび第2グループデューティサイクルを含み、第1グループデューティサイクルの最小値は、第2グループデューティサイクルの最大値に等しい。第1グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きは、第2グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きより小さい。
【0007】
いくつかの実施例において、回路は、設定値を取得し、区分的一次関数には、少なくとも一つの転換点が存在し、転換点は、デューティサイクルおよび対応する転換点輝度を含む。回路は、設定値およびデューティサイクルに従って出力デューティサイクルを補間する。
【0008】
いくつかの実施例において、回路は、次の数式に従って出力デューティサイクルを計算する。
【0009】
は、出力デューティサイクルを表わし、
は、設定値が代表する輝度を表わし、iは、転換点のうちのi番目の転換点を表わし、i番目の転換点は、転換点輝度
およびデューティサイクル
を含み、i+1番目の転換点は、転換点輝度
およびデューティサイクル
を表わし、輝度
は、転換点輝度
より大きく、転換点輝度
より小さい。
【0010】
いくつかの実施例において、回路は、デューティサイクルおよびパラメーターに従って第1発光ユニットを駆動して、対応する輝度を生成し。デューティサイクルおよび輝度は、輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、この輝度-デューティサイクル応答曲線は、一次関数である。
【0011】
いくつかの実施例において、回路は、設定値を取得し、回路は、一次関数および設定値に従って出力デューティサイクルを補間する。
【0012】
いくつかの実施例において、回路は、次の数式に従って出力デューティサイクルを計算する。
【0013】
は、出力デューティサイクルを表わし、mは、最大調光レベルを表わし、nは、最小調光レベルを表わし、kは、設定値に対応する調光レベルを表わし、
は、最大調光レベルに対応するデューティサイクルを表わし、
は、最小調光レベルに対応するデューティサイクルを表わす。
【0014】
いくつかの実施例において、回路は、次の数式に従って出力デューティサイクルを計算する。
【0015】
は、出力デューティサイクルを表わし、mは、最大輝度を表わし、nは、最小輝度を表わし、kは、設定値に対応する輝度を表わし、
は、最大輝度に対応するデューティサイクルを表わし、
は、最小輝度に対応するデューティサイクルを表わす。
【0016】
いくつかの実施例において、回路は、ローカルディミングアルコリズムを実行して、第1発光ユニットに対応する設定値を計算する。
【0017】
別の観点から見ると、本開示の実施例は、表示装置に適した補正方法を提案する。この表示装置は、表示パネル、バックライトモジュールおよび回路を含む。表示パネルは、複数の領域を含み、バックライトモジュールは、複数の発光ユニットを含み、各領域は、少なくとも一つの発光ユニットに対応する。補正方法は、次のようなステップを含み、パラメーターおよび第1デューティサイクルに従って第1発光ユニットを駆動して電流を生成し、また、第1発光ユニットを測定して、第1発光ユニットの第1輝度を取得し、第1発光ユニットの第1輝度が予め設定された輝度未満であるかどうかを判断し、第1輝度が予め設定された輝度未満である場合、第1発光ユニットの第1輝度が予め設定された輝度を満たすようにパラメーターを調整し、且つ調整されたパラメーターを第1発光ユニットに対応する第1補正ルックアップテーブルに記録し、且つ予め設定された輝度、調整されたパラメーターおよび第1デューティサイクルを使用して輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、ならびに第1発光ユニットの輝度-デューティサイクル応答曲線が線形または非線形であるかどうかを判断し、輝度-デューティサイクル応答曲線が線形である場合、回路は、輝度-デューティサイクル応答曲線上の輝度に従って対応する調整されたデューティサイクルを取得し、輝度-デューティサイクル応答曲線が非線形である場合、輝度-デューティサイクル応答曲線には、少なくとも一つの転換点が存在し、転換点は、転換点輝度および転換点デューティサイクルを含み、回路は、転換点輝度および転換点デューティサイクルに従って対応する調整されたデューティサイクルを補間する。
【0018】
いくつかの実施例において、第1発光ユニットの輝度-デューティサイクル応答曲線が線形または非線形であるかどうかを判断するステップは、次のようなステップを含み、複数の候補デューティサイクルを設定し、候補デューティサイクルは、第1発光ユニットを駆動し、且つ対応する複数の候補輝度を取得し、候補デューティサイクルおよび候補輝度に従って輝度-デューティサイクル応答曲線の複数の傾きを計算し、ならびにこれらの傾きのうちの最大傾きと最小傾きとの間の差が閾値より大きい場合、輝度-デューティサイクル応答曲線が非線形であると判断される。
【0019】
いくつかの実施例において、上記候補デューティサイクルは、初期デューティサイクルを含み、補正方法は、候補デューティサイクルのうちの一つを昇順に選択し、選択された候補デューティサイクルおよび初期デューティサイクルに従って対応する傾きを計算して、最大傾きおよび最小傾きを更新し、ならびに最大傾きと最小傾きとの間の差が閾値より大きい場合、現在選択された候補デューティサイクルおよび対応する候補輝度を新しい転換点として設定するステップをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例において、補正方法は、第1発光ユニットを測定することによって得られた第1輝度が予め設定された輝度以上である場合、パラメーターを調整するステップを実行せず、パラメーターを第1発光ユニットに対応する第1補正ルックアップテーブルに直接記録し、且つ予め設定された輝度、パラメーターおよび第1デューティサイクルを使用して輝度-デューティサイクル応答曲線を定義するステップをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施例において、回路は、複数の候補デューティサイクルおよびパラメーターに従って第1発光ユニットを駆動して対応する複数の候補輝度を生成し、候補デューティサイクルおよび候補輝度は、輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、輝度-デューティサイクル応答曲線は、複数の一次関数で構成される一つの区分的一次関数(piecewise linear function)である。
【0022】
いくつかの実施例において、各一次関数は、傾きおよび対応するグループデューティサイクルを有する。一次関数は、少なくとも第1グループデューティサイクルおよび第2グループデューティサイクルに対応し、第1グループデューティサイクルの最小値は、第2グループデューティサイクルの最大値に等しい。第1グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きは、第2グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きより大きい。
【0023】
いくつかの実施例において、各一次関数は、傾きおよび対応するグループデューティサイクルを有する。一次関数に対応するデューティサイクルは、第1グループデューティサイクルおよび第2グループデューティサイクルを含み、第1グループデューティサイクルの最小値は、第2グループデューティサイクルの最大値に等しい。第1グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きは、第2グループデューティサイクルに対応する一次関数の傾きより小さい。
【0024】
いくつかの実施例において、回路は、候補デューティサイクルおよびパラメーターに従って第1発光ユニットを駆動して対応する候補輝度を生成し、候補デューティサイクルおよび候補輝度は、輝度-デューティサイクル応答曲線を定義し、輝度-デューティサイクル応答曲線は、一次関数である。
【0025】
いくつかの実施例において、補正方法は、次のようなステップをさらに含み、パラメーターに従って第2発光ユニットを駆動し、また、第2発光ユニットの第2輝度を測定し、パラメーターを調整して、第2発光ユニットの第2輝度が予め設定された輝度を満たすようにし、且つ調整されたパラメーターを第2発光ユニットに対応する第2補正ルックアップテーブルに記録し、ならびに第1補正ルックアップテーブルに転換点が存在する場合、転換点を第2補正ルックアップテーブルに加える。
【0026】
本発明の上記特徴および利点をより明確かつ理解しやすくするために、以下に実施例を列挙し、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施例による電流補正システムを示す模式図である。
図2】実施例による表示パネル上の複数の領域および対応する発光ユニットを示す模式図である。
図3】実施例による発光ユニットを示す輝度-デューティサイクル応答曲線である。
図4】実施例による輝度-デューティサイクル応答曲線上の転換点を見つけることを示す模式図である。
図5】実施例による発光ユニットを示す輝度-デューティサイクル応答曲線である。
図6】実施例による発光ユニットを示す輝度-デューティサイクル応答曲線である。
図7】実施例による補間出力デューティサイクルを示す模式図である。
図8】実施例による表示装置の補正方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書で使用される「第1」、「第2」等の用語は、特に順番や順位を目指すものではなく、同じ技術用語で説明されるコンポーネントまたは操作を区別するためにのみ使用される。
【0029】
図1は、実施例による電流補正システムを示す模式図である。図1を参照すると、電流補正システム100は、電子端末110および表示装置120を含む。電子端末110は、パーソナルコンピューター、サーバーまたは計算能力を有する様々な電子装置であり得る。表示装置120は、回路130、バックライトモジュール140および表示パネル150を含む。回路130は、タイミングコントローラー131およびマイクロコントローラー132を含み、マイクロコントローラー132は、プログラマブルゲートアレイ(FPGA)に変更することができるため、本実施例で開示されたマイクロコントローラー132に限定されるべきではない。バックライトモジュール140は、複数の発光ユニットを含み、これらの発光ユニットは、例えば、発光ダイオードであり、これらの発光ダイオードは、バックライトモジュール140の電流によって駆動され、バックライト光源を提供する。表示パネル150は、例えば、液晶表示パネルである。図2は、実施例による表示パネル上の複数の領域および対応する発光ユニットを示す模式図である。図1および図2を参照すると、図2の実施例において、表示パネル150は、15個の領域(例えば、領域151~153)を含み、各領域は、複数の発光ユニット(例えば、発光ユニット141~142)に対応する。ここで、ここで、異なる大きさの電流を供給することで各発光ユニットの輝度(brightness)を制御して画像のコントラストを増加させることができ、例えば、ある領域に示される画像が暗い場合、対応する発光ユニットの輝度を低下させることができ、逆に、ある領域に示される画像が明るい場合、対応する発光ユニットの輝度を高めることができる。画像を示す場合、タイミングコントローラー131は、表示パネル150上の各領域の設定値を計算し、この設定値は、どれだけのバックライト光源の輝度が必要であるかを表わす。いくつかの実施例において、各発光ユニットは、スイッチ(図示せず)によって制御され、このスイッチがオンになると、電流は、発光ユニットを通過し、スイッチがオフになると、電流は、発光ユニットを通過せず、このスイッチのデューティサイクルを制御することで、発光ユニットに流れる電流の大きさを等価的に決定することができる。さらに、図2は、一例に過ぎず、本開示は、表示パネル150に含まれる領域の数、各領域が発光ユニットに対応する数を限定するものではない。
【0030】
図1を参照すると、マイクロコントローラー132は、複数の補正ルックアップテーブルを含み、各補正ルックアップテーブルは、一つの発光ユニットに対応し、各補正ルックアップテーブルは、少なくとも一つのパラメーターおよび複数のデューティサイクル(Duty Cycle、またはワークサイクルと呼ばれる)を記録し、このパラメーターは、例えば、電流値であるか、または振幅変調(Amplitude)等の電流値を制御するために使用できる他のパラメーターであり、例えば、このパラメーターおよびデューティサイクルに従って発光ユニットに流れる電流の大きさを決定することができ、従って発光ユニットの輝度を決定することができる。本実施例を例として、振幅変調(mA)×デューティサイクル(%)であり、発光ユニットの電流値(mA)を得る。以下に、このパラメーターおよびデューティサイクルを決定する方法を説明する。
【0031】
図3は、実施例による発光ユニットを示す輝度-デューティサイクル応答曲線であり、図3を参照すると、直線310は、輝度とデューティサイクルとの間の環系が線形であることを表わし、最大デューティサイクルDは、輝度Bに対応し、この最大デューティサイクルDは、例えば100%であり、輝度Bは、デフォルト(例えば、製品仕様に従って設定される)。曲線320は、発光ユニットの実際の応答曲線を表わし、パラメーター(電流値を表わす)Aおよび最大デューティサイクルDを使用して発光ユニットを駆動する場合、この発光ユニットは、輝度Bのみを提供し、ここで、輝度Bは、予め設定された輝度Bより小さい。従って、まず、最大デューティサイクルに対応する輝度を補正する必要がある。
【0032】
具体的には、パラメーターAおよびデューティサイクルDに従って発光ユニットを駆動する場合、電子端末110は、輝度計または他の適切な測定要素を通じて発光ユニット上の輝度Bを測定し、また、輝度Bが予め設定された輝度Bより小さいかどうかを判断する。輝度Bが予め設定された輝度Bより小さい場合、パラメーターAを調整し、調整されたパラメーターAに従って発光ユニットを駆動する場合、発光ユニットの輝度がデフォルトの輝度B(予め設定された誤差範囲内にある)に適合するようにする。調整されたパラメーターは、An_calとして表され、このパラメーターAn_calは、補正ルックアップテーブルに記録される。いくつかの実施例において、下記数式1に示されるように、パラメーターAおよび輝度Bに従って、補正后的パラメーターAn_calを計算する。
【0033】
[数式1]
【0034】
次に、予め設定された輝度B、調整されたパラメーターAn_calおよびデューティサイクルDに従って輝度-デューティサイクル応答曲線330を定義することができ、輝度-デューティサイクル応答曲線330は、複数のデューティサイクル(候補デューティサイクルとも呼ばれる)下での輝度(候補輝度とも呼ばれる)を測定することによって描かれることができ、測定された輝度が多いほど、描かれた輝度-デューティサイクル応答曲線330が正確になる。図4は、実施例による輝度-デューティサイクル応答曲線上の転換点を見つけることを示す模式図である。図4を参照すると、まず、複数の候補デューティサイクルD~Dを設定することができ、これらの候補デューティサイクルD~Dに従って発光ユニットを駆動することにより、対応する複数の候補輝度B~B7をそれぞれ取得することができ、各候補デューティサイクルおよび(D、B)等の対応する候補輝度から構成される座標は、すべて、輝度-デューティサイクル応答曲線330上の点である。これらの座標点に従って、輝度-デューティサイクル応答曲線330が線形であるか、または非線形であるかを判断することができる。具体的には、候補デューティサイクルD~Dおよび候補輝度B~B7に従って、複数のセグメント401~408を定義することができ、例えば、座標点(D、B)および座標点(D、B)は、セグメント402を定義することができ、このように推定する。次に各セグメント401~408の傾きを計算することができ、例えば、セグメント402の傾きは、次の数式2で示され、他のセグメントの傾きは、このように推定することもできる。
【0035】
[数式2]
【0036】
これらのセグメント401~408の傾きのうちの最大傾きと最小傾きとの間の差が閾値より大きい場合、輝度-デューティサイクル応答曲線330が非線形であると判断することができ、そうでない場合は、線形であると判断することができる。
【0037】
いくつかの実施例において、転換点を計算することもできる。具体的には、ここで、初期デューティサイクルを0に設定し、対応する輝度も0であり、座標点(0、0)は、輝度-デューティサイクル応答曲線330の終点である。次に、最大傾きおよび最小傾きを初期化し、例えば、最大傾きを0に設定し、最小傾きを非常に大きな値に設定し、次に候補デューティサイクルD~Dを昇順に選択し、選択された候補デューティサイクルおよび初期デューティサイクルに従って、対応する傾きを計算し且つ最大傾きおよび最小傾きを更新する。例えば、最初の選択は、デューティサイクルDであり、対応する傾きは、B/Dであり、この傾きが最小傾きより小さい場合、最小傾きをB/Dに設定し、この傾きが最大傾きより大きい場合、最大傾きをB/Dに設定する。次に、候補デューティサイクルDを選択し、対応する傾きは、B/Dであり、この傾きが最小傾きにより小さい場合、最小傾きをB/Dに設定し、この傾きが最大傾きより大きい場合、最大傾きをB/Dに設定する。次に、最大傾きと最小傾きとの間の差が上記閾値より大きいかどうかを判断し、大きい場合、現在選択された候補デューティサイクルDおよび対応する候補輝度Bを新しい転換点に設定し、つまり、座標点(D、B)である。新しい転換点を見つけた後、最大デューティサイクルおよび最小デューティサイクルをリセットすることができ、次に、新しい転換点(D、B)を新しい初期終点に設定し、候補デューティサイクルDを選択し、対応する傾き(B-B)/(D-D)を計算し且つ最大デューティサイクルおよび最小デューティサイクルを更新し、このように推定する。すべての候補デューティサイクルを処理する。
【0038】
転換点を見つけない場合、輝度-デューティサイクル応答曲線330が一次関数であることを表わす。転換点がある場合、一つの転換点が生成する度に、輝度-デューティサイクル応答曲線330が新しい線形セグメント(一次関数)が切り取られることを表わし、つまり、輝度-デューティサイクル応答曲線330は、複数の一次関数から構成される(または近似される)区分的一次関数(piecewise linear function)であり、この区分的一次関数は、候補デューティサイクルおよび候補輝度によって定義される。別の観点から見ると、各一次関数は、すべて、傾きおよび対応するデューティサイクルのセットを有し、例えば、セグメント402の一次関数は、対応する傾きおよびデューティサイクルのセットD、Dを有する。任意のデューティサイクルの二つのグループの一次関数の傾きは、異なる。例えば、デューティサイクルD、Dは、第1グループデューティサイクルと呼ばれ、デューティサイクルD、Dは、第2グループデューティサイクルと呼ばれ、第1グループデューティサイクル中の最小値Dは、第2グループデューティサイクルの最大値Dより大きく、第1グループデューティサイクルに対応する一次関数(セグメント406)の傾きは、第2グループデューティサイクルに対応する一次関数(セグメント404)の傾きより大きい。又例えば、デューティサイクルD、Dは、第1グループデューティサイクルと呼ばれ、デューティサイクルD、Dは、第2グループデューティサイクルと呼ばれ、第1グループデューティサイクル中の最小値Dは、第2グループデューティサイクルの最大値Dと等しく、第1グループデューティサイクルに対応する一次関数(セグメント406)の傾きは、第2グループデューティサイクルに対応する一次関数(セグメント405)の傾きより大きい。図4の実施例において、一次関数の傾きは、徐々に増加する。つまり、一次関数の傾きは、入力される輝度が増加するにつれて増加し、この方法は、輝度が低い場合にバックライトモジュール140に対応するデューティサイクルを、より多くのスケール(D-Dに対応する輝度B-B5は、50%最大輝度より小さい)でより微妙に調整することができ、輝度が高い場合にバックライトモジュール140に対応するデューティサイクルを、より少ないスケール(D、Dに対応する輝度B、Bは、50%最大輝度より大きい)でより大幅に調整し、画像が暗い場合の輝度の微妙な調整に有利する。ただし、発光ユニットの特性によっては、一次関数の傾きも、徐々に小さくなることができる。例えば、図5を参照すると、輝度-デューティサイクル応答曲線510も、区分的一次関数であり、セグメント501~505に対応する一次関数から構成され(または近似される)、これらのセグメント501~505の傾きは、徐々に減少する。例えば、デューティサイクルD、Dは、第1グループデューティサイクルと呼ばれ、デューティサイクルD、Dは、第2グループデューティサイクルと呼ばれ、第1グループデューティサイクルの最小値Dは、第2グループデューティサイクルの最大値Dより大きく、第1グループデューティサイクルに対応する一次関数(セグメント504)のその傾きは、第2グループデューティサイクルに対応する一次関数(セグメント502)の傾きより小さい。例えば、デューティサイクルD、Dは、第1グループデューティサイクルと呼ばれ、デューティサイクルD、Dは、第2グループデューティサイクルと呼ばれ、第1グループデューティサイクルの最小値Dは、第2グループデューティサイクルの最大値Dと等しく、第1グループデューティサイクルに対応する一次関数(セグメント504)のその傾きは、第2グループデューティサイクルに対応する一次関数(セグメント503)の傾きより小さい。つまり、一次関数の傾きは、入力された輝度が増加するにつれて減少し、この方法は、輝度が高い場合にバックライトモジュール140に対応するデューティサイクルを、より多くのスケール(D、D、Dに対応する輝度B、B、Bは、50%最大輝度より大きい)でより微妙に調整し、輝度が小さい場合にバックライトモジュール140に対応するデューティサイクルを、より少ないスケール(Dに対応する輝度Bは、50%最大輝度より小さい)でより大幅に調整し、周囲の環境が明るい場合(例えば、太陽光または逆光下で画像の輝度が足りない場合)の輝度の微妙な調整に有利する。
【0039】
図3の実施例において、デューティサイクルDおよび予め設定されたパラメーターAに従って測定された輝度Bは、予め設定された輝度Bより小さいため、更新されたパラメーターを補正ルックアップテーブルに記録する必要がある。いくつかの実施例において、測定された輝度が予め設定された輝度以上である場合、パラメーターを調整する必要なく、デフォルトパラメーターを補正ルックアップテーブルに直接記録することができる。例えば、図6は、実施例による輝度-デューティサイクル応答曲線510を示す模式図である。図6の実施例において、予め設定されたパラメーターAおよびデューティサイクルDに従って発光ダイオードを駆動した後、測定された輝度は、Bであり、この輝度Bは、予め設定された輝度Bより大きいため、パラメーターAを調整する必要なく、パラメーターAを対応する補正ルックアップテーブルに記録することができる。次に、予め設定された輝度B、パラメーターAおよびデューティサイクルDに従って輝度-デューティサイクル応答曲線610を定義することができ、ここで、デューティサイクルDは、この発光ユニットがデフォルトの輝度Bを提供する場合のデューティサイクルを指す。予め設定された輝度Bを提供する場合、予め設定されたパラメーターAおよびデューティサイクルDを使用して発光ダイオードを駆動することができ、より低い輝度を提供する場合、デューティサイクルを減少するだけでよい。
【0040】
上記方法に従って、補正ルックアップテーブルに記録されたものは、調整済みまたは未調整のパラメーターおよび複数のデューティサイクルであり、補正ルックアップテーブルの例は、以下の表1に示されたとおりである。
【0041】
表1
【0042】
表1は、n番目の発光ユニットに対応し、最初の列は、調光レベルを記録し、いくつかの実施例において、輝度も記録することができ、2番目の列は、パラメーターを記録し、この例は、調整されたパラメーターAn_calを記録し、3番目の列は、対応するデューティサイクルを記録する。対応する輝度-デューティサイクル応答曲線が線形である場合、補正ルックアップテーブルには、少なくとも二つのデューティサイクルがあり、最小調光レベルに対応するデューティサイクル(例えば、0%)および予め設定された輝度が提供されるデューティサイクル(例えば、図3のDまたは図6のDである)を含む。対応する輝度-デューティサイクル応答曲線が非線形である場合、補正ルックアップテーブルには、少なくとも一つの転換点のデューティサイクルおよび対応する調光レベルも追加的に記録される。
【0043】
n番目の発光ユニットのデューティサイクルは、他の発光ユニットにも適用することができ、これは、同じ製造プロセス下では、異なる発光ユニットの輝度-デューティサイクル応答曲線が類似しているはずだからである。しかしながら、同じデューティサイクルが使用されても、輝度およびパラメーターを再度測定することができる。具体的には、デフォルトのパラメーターに従って別の発光ユニット(第2発光ユニットと呼ばれる)を駆動し、且つ第2発光ユニットの輝度を測定することができ、次にパラメーターを調整して、第2発光ユニットの輝度がデフォルト輝度と一致するようにし、調整されたパラメーターを第2発光ユニットに対応する補正ルックアップテーブル(第2補正ルックアップテーブルとも呼ばれる)に記録する。次に、表1ののうちの転換点(即ち、デューティサイクル)を第2補正ルックアップテーブルに加えて、且つこれらのデューティサイクルに対応する輝度を再度測定することができ、第2補正ルックアップテーブルには、測定された輝度または対応する調光レベルも記録することもできる。このようにして、第2発光ユニットの輝度-デューティサイクル応答曲線の転換点を再発見する必要はない。
【0044】
図1を参照すると、上記作成された補正ルックアップテーブルは、マイクロコントローラー132に保存され、画像を示す場合、タイミングコントローラー131は、設定値を計算し、この設定値は、調光レベルまたは輝度であり得、マイクロコントローラー132は、タイミングコントローラー131の信号を受信し、この設定値に従って対応する補正ルックアップテーブルにアクセスし、補正ルックアップテーブルのうちのデューティサイクルに従って出力デューティサイクルを決定することができる。次に、計算された出力デューティサイクルおよびパラメーターに従って発光ユニットの電流値を決定して、発光ユニットを駆動することができる。発光領域ごとに出力電流を補正するため、均一な輝度特性を得、発光領域の輝度のムラの発生を避ける。既存の領域調光技術と組み合わせることで、領域調光後の各発光領域が確実に希望のゾーン輝度を達成することができるようになる。以下に、実施例で出力デューティサイクルを決定する方法を説明する。
【0045】
まず、輝度-デューティサイクル応答曲線が線形である場合、回路130は、輝度-デューティサイクル応答曲線上の輝度に従って、対応する調整されたデューティサイクルを出力デューティサイクルとして取得し、つまり、回路130は、一次関数および表示しようとする調光レベル(または輝度である)に従って出力デューティサイクルを補間することができる。例えば、調整されたパラメーターAn_cal、最小調光レベルに対応するデューティサイクル(以下、Dと表わす)および最大調光レベルに対応するデューティサイクル(以下、Dと表わし、100%である必要はない)を補正ルックアップテーブルに記録する。提供しようとする輝度(または調光レベル)に従って、以下の数式3を計算することができる。
【0046】
[数式3]
【0047】
ここで、
は、出力デューティサイクルを表わし、mは、最大調光レベル(または最大輝度である)を表わし、nは、最小調光レベル(または最小輝度である)を表わし、kは、設定値が代表する調光レベル(または輝度)を表わし、
は、最大調光レベル(または最大輝度)に対応するデューティサイクルを表わし、
は、最小調光レベル(または最小輝度)に対応するデューティサイクルを表わす。マイクロコントローラー132は、タイミングコントローラー131の信号を受信し、提供しようとする輝度(または調光レベル)に従って対応する補正ルックアップテーブルをアクセスし、補正ルックアップテーブルのうちのデューティサイクルに従って、数式3によって出力デューティサイクル
を決定する。次に、計算された出力デューティサイクル
、および補正ルックアップテーブルに記録された調整されたパラメーターAn_calに従って、発光ユニットの電流値を決定して発光ユニットを駆動する。
【0048】
もう一方、輝度-デューティサイクル応答曲線が非線形である場合、輝度-デューティサイクル応答曲線には、少なくとも一つの転換点が存在し、各転換点は、転換点輝度(または転換点調光レベル)および転換点デューティサイクルを含み、これらの転換点輝度および転換点デューティサイクルは、補正ルックアップテーブルに記録される。回路130は、設定値、転換点輝度および転換点デューティサイクルに従って、対応する調整されたデューティサイクルを出力デューティサイクルとして補間する。例えば、図7は、実施例による補間出力デューティサイクルを示す模式図である。図7を参照すると、
は、設定値が代表する輝度を表わし、まず、補正ルックアップテーブルから輝度
に最も近い二つの隣接する転換点輝度

を見つけ、ここで、輝度
は、転換点輝度
より大きく且つ転換点輝度
より小さい。転換点輝度

に従って、補正ルックアップテーブルから対応する転換点デューティサイクル

を取得することができる。次に、以下の数式4に従って、出力デューティサイクル
を補間することができる。
【0049】
[数式4]
【0050】
マイクロコントローラー132は、タイミングコントローラー131の信号を受信し、提供しようとする輝度(または調光レベル)に従って、対応する補正ルックアップテーブルにアクセスし、補正ルックアップテーブルのうちのデューティサイクルに従って、数式4によって出力デューティサイクル
を決定する。輝度
が補正ルックアップテーブルのうちの転換点輝度
と同じである場合、転換点デューティサイクル
を直接出力することができ、転換点デューティサイクル
は、出力デューティサイクル
も表わすことに注意されたい。上記の状況のいずれかにおいて、出力デューティサイクル
が得られた後、出力デューティサイクル
および補正ルックアップテーブルのうちのパラメーターAn_calに従って、対応する発光ユニットを駆動ことにより、発光ユニットの電流値を決定して発光ユニットを駆動することができる。上記方法により、期待される輝度を得ることができる。
【0051】
図8は、実施例による表示装置の補正方法を示すフローチャートであり、この補正方法は、電子端末110および表示装置120が共同して実行する。図8を参照すると、ステップ801において、予め設定されたパラメーターおよび第1デューティサイクルに従って第1発光ユニットを駆動して電流を生成し、また、第1発光ユニットの第1輝度を測定する。ステップ802において、第1輝度が予め設定された輝度未満であるかどうかを判断する。ステップ802の結果がイエスの場合、ステップ803においてパラメーターを調整して、第1発光ユニットの第1輝度が予め設定された輝度を満たすようにし、且つ調整されたパラメーターを第1発光ユニットに対応する補正ルックアップテーブルに記録する。ステップ802の結果がノーである場合、パラメーターのステップを調整せず、ステップ804においてパラメーターを第1発光ユニットに対応する補正ルックアップテーブルに直接記録する。ステップ805において、輝度-デューティサイクル応答曲線を定義する。ステップ806において、輝度-デューティサイクル応答曲線が線形であるかどうかを判断する。ステップ806の結果がイエスである場合、ステップ807において、輝度-デューティサイクル応答曲線上の輝度に従って、対応する調整されたデューティサイクルを出力デューティサイクルとして取得する。ステップ806の結果がノーである場合(非線形)、輝度-デューティサイクル応答曲線には、少なくとも一つの転換点が存在し、ステップ808において、転換点輝度および転換点デューティサイクルに従って、対応する調整されたデューティサイクルを出力デューティサイクルとして補間する。ステップ809において、出力デューティサイクルおよび補正ルックアップテーブルのうちのパラメーターに従って、第1発光ユニットの電流値を決定して第1発光ユニットを駆動する。しかしながら、図8の各ステップは、上記で詳細に説明されているため、ここでは繰り返さない。図8の各ステップは、複数のプログラムコードまたは回路として実装することができ、本発明は、それらに限定されないことに注意された。さらに、図8の方法は、上記の実施例と組み合わせて使用するか、または単独で使用することができる。言い換えれば、図8の各ステップ間には、他のステップを追加することもできる。
【0052】
以上、実施例を通じて本発明を開示したが、これらは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、いくつかの修正および改変を行うことができるため、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【符号の説明】
【0053】
100:電流補正システム
110:電子端末
120:表示装置
130:回路
131:タイミングコントローラー
132:マイクロコントローラー
140:バックライトモジュール
141、142:発光ユニット
150:表示パネル
151~153:領域
310:直線
320:曲線
330:輝度-デューティサイクル応答曲線
、An_cal:電流値
、D~D、D、Di、Dk、Di+1:デューティサイクル
、B、B~B7、Bi、Bk、Bi+1:輝度
401~408、501~505:セグメント
510、610:輝度-デューティサイクル応答曲線
801~809:ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】