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特表2024-542470事前に試験領域上に付着されシミュレートされる化学的及び/又は微生物学的汚染の洗浄プロセスの結果を検証する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】事前に試験領域上に付着されシミュレートされる化学的及び/又は微生物学的汚染の洗浄プロセスの結果を検証する方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/02 20060101AFI20241108BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20241108BHJP
   C12M 1/34 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
C12Q1/02
G01N1/10 Z
C12M1/34 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529511
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 CH2022000009
(87)【国際公開番号】W WO2023087120
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】21405006.4
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512049513
【氏名又は名称】スカン・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Skan AG
【住所又は居所原語表記】Kreuzstrasse 5,4123 Allschwil,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ホメス・グレーゴル
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァジオ・ダヴィデ
【テーマコード(参考)】
2G052
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G052AA36
2G052AD26
2G052BA19
2G052JA08
4B029BB02
4B029BB07
4B029BB13
4B029BB15
4B029BB20
4B029CC02
4B029FA15
4B063QA20
4B063QQ02
4B063QQ06
4B063QQ07
4B063QQ08
4B063QQ10
4B063QS39
(57)【要約】
本発明の対象は、特に自動化された洗い設備機能についての検証のための、事前に試験領域上に付着されシミュレートされる化学的及び/又は微生物学的汚染の洗浄プロセスの結果を検証する方法に関する。方法は、以下の、充填されたカートリッジを有する被覆機器を用意する、カートリッジは、化学的及び/又は微生物学的汚染をシミュレートするための試験液を収容する、試験液は、所定の種類及び濃度の化学的及び/又は微生物学的汚染物質を含む、所定の試験領域を選択する及び試験領域に所定量の試験液を付着させる、試験液が付与された試験領域の標準化された洗浄プロセスを実行する、最終的に実行された洗浄プロセスの結果を検証する及び記録する、ステップを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事前に試験領域上に付着されシミュレートされる化学的及び/又は微生物学的汚染の洗浄プロセスの結果を検証する方法において、以下の、
a)充填されたカートリッジを有する被覆機器を用意し、カートリッジは、化学的及び/又は微生物学的汚染をシミュレートするための試験液を収容し、試験液は、所定の種類及び濃度の化学的及び/又は微生物学的汚染物質を含む、
b)所定の試験領域を選択する及び被覆機器を用いて試験領域に所定量の試験液を付着させる、
c)試験液が付与された試験領域の標準化された洗浄プロセスを実行する、
d)実行された洗浄プロセスの結果を検証する及び記録する、
ステップを有する、方法。
【請求項2】
所定量の試験液を試験領域に付着させた後で、試験液が付与された試験領域の標準化された洗浄プロセスを実行する前に、試験領域上に存在する汚染の強さ及び場合によっては種類も求める及び記録することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の形態では、
a)設備、例えば医薬品又は生物工学製品の生産又は研究目的のための又は医療技術におけるコンテインメントの、又は
b)設備内で使用可能な機能部分の
表面上で試験領域を決定する、
ことを特徴とする、請求項1及び2の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項4】
代替的な第2の形態では、試験領域として、インジケータプレートの形態の別個の材料片が用いられ、材料片は、材料特徴が設備構造における材料又は機能部分に対して用いられる材料と同一であって、どのような場合でも基準材料として許容されることを特徴とする、請求項1及び2の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項5】
被覆機器は、インクジェットプリンタのタイプのものであることを特徴とする、請求項1から4の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項6】
被覆機器は、様々な被覆量及び被覆パターンに合わせて調整可能であることを特徴とする、請求項1から5の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項7】
被覆機器は、様々に寸法設定された試験領域に合わせて調整可能であることを特徴とする、請求項1から6の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項8】
被覆機器は、手持ち式機器として構成されていることを特徴とする、請求項1から7の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項9】
試験液に添加されるべき汚染物質が、粒子及び/又は溶媒和物であることを特徴とする、請求項1から8の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項10】
試験液は、
a)中性溶媒と、
b)試験領域上の汚染をシミュレートするための、所定の濃度の、溶媒中に含まれる化学的及び/又は微生物学的物質、例えばウイルス、真菌、胞子、細菌、タンパク質又は細胞断片と、
からなることを特徴とする、請求項1から9の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項11】
試験液は、
a)中性溶媒と、
b)試験領域上の汚染をシミュレートするための、所定の濃度の、溶媒に含まれる化学物質及び/又はウイルス、真菌、胞子、細菌、タンパク質及び細胞断片のグループの微生物学的物質の二成分又は多成分混合物と、
からなることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
実行された洗浄プロセスの結果の検証が、以下の
a)事前に汚染され、次いで洗浄された第1の形態の試験領域の表面を中性の払拭要素で拭う、
b)払拭要素によって拭い取る際に試験領域の表面から付けられた痕跡を溶媒によって引き離す、
c)分析器において痕跡が付けられた溶媒を検査する、
その際、
d)分析結果は、洗浄プロセスが正常であった、又は汚染物を含む試験液の残留物が許容範囲を超えて試験領域上に留まるので、許容される清浄度を得るのに洗浄プロセスを繰り返す又は当初から強化しなければならないことを示す、
ステップを有することを特徴とする、請求項1から3及び5から11の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項13】
実行された洗浄プロセスの結果を検証するために、以下の
a)容器内で、事前に汚染され、次いで洗浄された第2の形態の試験領域の表面を、溶媒で処理する、
b)分析器において痕跡が付けられた溶媒を検査する、
その際、
c)分析結果は、洗浄プロセスが正常であった、又は汚染物を含む試験液の残留物が許容範囲を超えて試験領域に留まっているので、許容される清浄度を得るのに洗浄プロセスを繰り返す又は当初から強化しなければならないことを示す、
ステップを有することを特徴とする、請求項1、2及び4から11の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項14】
被覆機器を用いて、試験領域として選択されたインジケータプレート上に試験液を付着させる前に、被覆機器のプリントヘッドの下方でインジケータプレートを正確に位置合わせするために位置決め装置が用いられることを特徴とする、請求項1、2、4から11及び13のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事前に試験領域上に付着されシミュレートされる化学的及び/又は微生物学的汚染の洗浄プロセスの結果を検証する方法に関する。本発明は、特に“Cleaning in Place”(CIP)及び“Washing in Place”(WIP)のタイプの自動化された洗い設備機能についての検証プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第3841973号明細書から、表面から自動化された微生物学的サンプリングを行う機械式拭い装置が公知である。モータ駆動されるアームが、スワブを支持し、スワブは、所定の運動パターン及び所定の押圧力で、検査されるべき表面上を移動し、その際、これによって汚染されたスワブが、これに続いて分析される。検査されるべき表面の自動化された洗浄バリデーションのための同様の装置が、国際公開第2014/089320号に記載されている。洗浄プロセス後にまだなお表面上に留まる汚染残留物は、表面上を移動するスワブによって取り上げられ、分析によって定量化される。
【0003】
米国特許第6789965号明細書は、分析目的、例えばDNA分析のために、キャピラリーチューブを通って、高分解能で所定の方式で、微生物学的又は化学的物質を付着させる装置及び方法を対象とする。
【0004】
フラウンホーファーIPA(生産技術、オートメーション)研究所のフライヤー“Cleanability of Surfaces - CSM Riboflavin Test”[https://www.ipa.fraunhofer.de/content/dam/ipa/en/documents/Expertises/Reinst-und-Mikroproduktion/Flyer_Cleanability_of_Surfaces.pdf](fraunhofer.de)参照、もまたこの主題を取り扱う。水溶性で極めて光に敏感なB2(ビタミンリボフラビン)を含有する試験液を用いて、表面の完全な洗浄/洗いサイクルの有効性を検査する試験方法が記載されている。
【0005】
試験のために、まず該当する機器の洗浄されるべき表面に、水リボフラビン溶液が噴霧される。これに続いて、これらの表面に、時間制御モードでバースト洗浄法に従って洗浄溶液が噴霧され、これに時間制御式の重力排液が好ましくは3回続く。洗浄段階の完了後、リボフラビン溶液が完全に除去されたか確認するために、特に極端に扱いにくい表面領域が黒色光及び伸縮鏡を用いて視覚的に検査される。可視蛍光は、完全で適正な洗浄を確定するものではない。しかも、黒色光の基に残留物が認められると、技術者は、不十分に洗浄された表面領域を認識し、噴霧装置の強さ及び/又は目標方向を適合させなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3841973号明細書
【特許文献2】国際公開第2014/089320号
【特許文献3】米国特許第6789965号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】“Cleanability of Surfaces - CSM Riboflavin Test”[https://www.ipa.fraunhofer.de/content/dam/ipa/en/documents/Expertises/Reinst-und-Mikroproduktion/Flyer_Cleanability_of_Surfaces.pdf](fraunhofer.de)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
リボフラビンテストは、実行された洗浄の入念性のある程度質的な検査をもたらすが、衛生リスク又は交差汚染リスクを回避するために、洗浄プロセスで処理された表面が、実際に、強い影響を及ぼす又は敏感な物質を全く含まないかどうか、又は極めて少量の、要するに依然として許容可能な残留物による汚染にしかさらされていないかどうかについて量的な検証を提供しない。量的な検証は、適格な検証にとって不可欠である。
【0009】
洗い装置による、特に医薬品工業において処理されるべき機器表面及び使用される機能部分の、規定通りの洗浄(性能適格性評価PQ)を検証する責任は、やはり最終的には使用者にあるが、洗い装置の使用者は、製造業者に、要求の高い洗浄度を証明するための検証方法を提供することも期待する。したがって、本発明の基礎をなす課題は、該当する用途においてその使用が効率的で信頼性が高くそして感度の高い検証方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による方法は、事前に試験領域上に付着されシミュレートされる化学的及び/又は微生物学的汚染の洗浄プロセスの結果を検証するように構成されていて、以下の、
・はじめに、充填されたカートリッジを有する被覆機器を用意し、カートリッジは、化学的及び/又は微生物学的汚染をシミュレートするための試験液を収容し、試験液は、所定の種類及び濃度の化学的及び/又は微生物学的汚染物質を含む、
・これに続いて、所定の試験領域を選択する及び試験領域に所定量の試験液を付着させる、
・さらに、試験液が付与された試験領域の標準化された洗浄プロセスを実行する、
・最終的に、実行された洗浄プロセスの結果を検証する及び記録する、
ステップを有する。
【0011】
以下、本発明の特殊な実施形態を規定する:
所定量の試験液を試験領域に付着させた後で、試験液が付与された試験領域の標準化された洗浄プロセスを実行する前に、試験領域上に存在する汚染の強さ及び場合によっては種類も求める及び記録する。
【0012】
試験領域は、設備の表面上で、例えば医薬品又は生物工学的製品の生産又は研究目的のために又は医療技術においてコンテインメント上で決定される。試験領域は、設備内で使用可能な機能部分の表面上で決定されてもよい。
【0013】
代替的に、試験領域として、インジケータプレートの形態の別個の材料片が用いられ、材料片は、材料特徴が設備構造における材料又は機能部分に対して用いられる材料と同一であり、どのような場合でも基準材料として許容されていて、例えばフィルムとして提供されてもよい。
【0014】
化学的及び/又は微生物学的汚染をシミュレートするために試験液が充填されたカートリッジのために用意されるべき被覆装置は、インクジェットプリンタのタイプのものである。完全に構成されると、被覆機器は、様々な被覆量及び被覆パターンに合わせて、及び/又は様々に寸法設定された試験領域に合わせて調整可能であり、好ましくは手持ち式機器の形態を有する。
【0015】
試験液に添加されるべき汚染物質は、粒子及び/又は溶媒和物である。試験液は、主に、中性溶媒と、試験領域上の汚染をシミュレートするための、所定の濃度の、中性溶媒に添加された化学的及び/又は微生物学的物質、例えばウイルス、真菌、胞子、細菌、タンパク質又は細胞断片とからなる。
【0016】
代替的に、試験液は、ここでは主に、中性溶媒と、試験領域上の汚染をシミュレートするための、所定の濃度の、中性溶媒に含まれる化学物質及び/又はウイルス、真菌、胞子、細菌、タンパク質及び細胞断片のグループの微生物学的物質の二成分又は多成分混合物とからなる。
【0017】
第1の形態の試験領域を用いた、実行された洗浄プロセスの結果の検証が、以下の
・事前に汚染され、次いで洗浄された試験領域の表面を中性の払拭要素で拭う、
・払拭要素によって拭い取る際に試験領域の表面から付けられた痕跡を溶媒によって引き離す、
・分析器において痕跡が付けられた溶媒を検査し、その際、
・分析結果は、洗浄プロセスが正常であった又は汚染物を含む試験液の残留物が許容範囲を超えて試験領域上に留まっているので、許容される清浄度を得るのに洗浄プロセスを繰り返す又は当初から強化しなければならないことを示す、
ステップを有する。
【0018】
第2の形態の試験領域を用いた、実行された洗浄プロセスの結果の検証は、以下の
・容器内で、第2の形態の試験領域の、事前に汚染され、次いで洗浄された表面を、溶媒で処理する、
・分析器において痕跡が付けられた溶媒を検査し、その際、
・分析結果は、洗浄プロセスが正常であった又は汚染物を含む試験液の残留物が許容範囲を超えて試験領域に留まっているので、許容される清浄度を得るのに洗浄プロセスを繰り返す又は当初から強化しなければならないことを示す、
ステップを有する。
【0019】
被覆機器を用いて、試験領域として選択されたインジケータプレート上に試験液を付着させる前に、被覆機器のプリントヘッドの下方でインジケータプレートを正確に位置合わせするために位置決め装置が用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特に洗い装置によって実行される、事前に試験領域に付着されシミュレートされる化学的及び/又は微生物学的汚染の洗浄プロセスの結果を検証するために提供される方法は、一連の以下のステップを有する。
【0021】
ステップ1
充填されたカートリッジを有する被覆機器を用意する。カートリッジは、化学的及び/又は微生物学的汚染をシミュレートするための試験液を収容し、この場合、試験液は、所定の種類及び濃度の化学的及び/又は微生物学的汚染物質を含む。試験液に添加されるべき汚染物質は、粒子及び/又は溶媒和物である。試験液は、主に、中性溶媒と、試験領域上の汚染をシミュレートするための、所定の濃度の、中性溶媒に添加された化学的及び/又は微生物学的物質、例えばウイルス、真菌、胞子、細菌、タンパク質又は細胞断片とからなる。代替的に、試験液は、ここでは主に、中性溶媒と、試験領域上の汚染をシミュレートするための、所定の濃度の、溶媒に含まれる化学物質及び/又はウイルス、真菌、胞子、細菌、タンパク質及び細胞断片のグループの微生物的物質の二成分又は多成分混合物とからなる。
【0022】
化学的及び/又は微生物学的汚染をシミュレートするために試験液が充填されたカートリッジのために用意されるべき被覆機器は、インクジェットプリンタのタイプのものである。完全に構成されると、被覆機器は、様々な被覆量及び被覆パターンに合わせて、及び/又は様々に寸法設定された試験領域に合わせて調整可能であり、好ましくは手持ち式機器の形態を有する。
【0023】
ステップ2
所定の試験領域を選択する及び試験領域に所定量の試験液を付着させる。試験領域は、設備の表面上で、例えば医薬品又は生物工学製品の生産又は研究目的のための又は医療技術におけるコンテインメント上で決定される。試験領域は、設備に使用可能な機能部分の表面上で決定されてもよい。代替的に、試験領域として、別個の材料片が用いられる。この材料片は、その材料特性が、設備構造において用いられる材料又は機能部分に対して用いられる材料と同一であって、どのような場合でも基準材料として許容される。したがって、試験領域は、異なる2つの形態で決定されてよい。第1の形態は、設備の又は設備の中で使用可能な機能部分の実際の表面部分である。これに対して、第2の形態は、実際の表面部分と同一の単一の材料片又は適切な基準材料からなる小型のインジケータプレートである。第1又は第2の形態による試験領域に所定量の試験液を付着させた後で、試験液が付与された試験領域の標準化された洗浄プロセスを実行する前に、試験領域上に存在する汚染の強さ及び場合によっては種類も求められ、記録される。試験領域への試験液の付着は、好ましくは噴霧、特にプリントによって行われる。
【0024】
ステップ3
試験液が付与された第1又は第2の形態による試験領域の標準化された洗浄プロセスを実行する。そのような洗浄プロセスは、好ましくは時間及び強さ制御モードで、必要に応じて複数のサイクルで洗浄溶液を噴霧することによって行われる。洗浄溶液の排出は、適切な形で重力排出又は吸い出しによって行われる。
【0025】
ステップ4
先行するステップの後で、実行された洗浄プロセスの結果の検証及び記録を行う。そこで、方法経過の全体を以下のようにまとめることができる。その際、試験領域の第1の形態が選択されるか又は第2の形態で選択されるかに従って区別される。要するに、ステップ2によれば、設備の又は設備内で使用可能な機能部分の実際の表面部分が、第1の形態の試験領域として決定される、又はインジケータプレートが、第2の形態の試験領域として決定される。
【0026】
第1の形態(実際の表面部分)の試験領域を用いる方法経過
ステップ1に従って、被覆機器によって、試験領域に、所定量の試験液が付着される。その次に、ステップ3に従って、試験液が付与された試験領域の標準化された洗浄プロセスの実行が行われる。
【0027】
最後に、ステップ4では、実行された洗浄プロセスの結果が規定通りのものとして許容可能であるか検査される。そのために、当初は汚染されていて、次いでステップ3で洗浄された試験領域の表面が、中性の払拭要素で拭い取られる。これに続いて、試験領域の表面を洗浄要素で拭う際に付けられた痕跡は、溶媒によって引き離され、分析器内で検査される。分析結果は、洗浄プロセスが正常であった、又は汚染物を含む試験液の残留物が許容範囲を超えて試験領域に残留するので、許容される清浄度を得るために洗浄プロセスを繰り返さなければならない又は最初から強化しなければならないことを示す。
【0028】
第2の形態(インジケータプレート)の試験領域を用いた方法経過
実証された実地に基づいて、試験領域として、前述の特徴に対応する、専門用語では「クーポン(Coupon)」と称されるインジケータプレートが用いられる。ステップ1に従って、被覆機器を用いてインジケータプレートに試験液を付着させる前に、インジケータプレートは、その正確な位置合わせのために、被覆機器のプリンタヘッドの下で、位置決め装置に挿入される。そこで、ここでも所定量の試験液が付着され、これに続いて、ステップ3に従って、試験液が付与されたインジケータプレートの標準化された洗浄プロセスが実行される。好ましくは、その際、インジケータプレートは、位置決め装置内に留まる。
【0029】
最終的に、ステップ4で、実行された洗浄プロセスが申し分のない結果をもたらしたか検査しなければならない。そのために、当所は意図的に汚染され、次いでステップ3で洗浄されたインジケータプレートが、容器内で溶媒によって処理される。これによって引き離された残留物が、分析器において検査される。分析結果から、洗浄プロセスが十分に有効であった、又は汚染物を含む試験液からインジケータプレート上に許容できない程度の残留物が残留し、したがって要求された清浄度を得るために洗浄を繰り返さなければならない又は最初から強化しなければならないとの認識が得られる。
【国際調査報告】