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特表2024-542472可撓性ハブを有するコンベヤ構成要素及びコンベヤアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】可撓性ハブを有するコンベヤ構成要素及びコンベヤアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/071 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
B65G39/071
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529522
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 US2022050091
(87)【国際公開番号】W WO2023101816
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/285,112
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヴルペッティ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル,ライアン
【テーマコード(参考)】
3F033
【Fターム(参考)】
3F033GA02
3F033GA03
3F033GA04
3F033GB01
3F033GB02
3F033GE02
(57)【要約】
コンベヤに使用するためのコンベヤ構成要素は、シャフトを取り付けるための可撓性ハブと、コンベヤベルトに接触するために可撓性ハブに接続された連続リムと、を含む。可撓性ハブは、可撓性ハブによって形成されたシャフト受容開口部を拡大するために拡張ツールを使用して広げることができる周縁間隙を含む。コンベヤ構成要素が弛緩状態にあるとき、可撓性ハブの半径方向内表面上の位置決めタブは、シャフト上の溝と係合するように移動し、周縁間隙が拡張され、可撓性ハブが屈曲されるとき、周縁間隙は、収縮し、溝と係合しなくなる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤのための構成要素であって、
シャフトを受け入れるための軸方向に延在する拡張可能シャフト開口部を形成する半径方向内表面、半径方向外表面、及び前記シャフト開口部が選択的に拡張することを可能にするための前記半径方向内表面と前記半径方向外表面との間の周縁間隙を有する可撓性ハブと、
前記可撓性ハブに接続され、コンベヤベルトに接触するための連続的な周縁を有するリムと、を備える、構成要素。
【請求項2】
前記周縁間隙が、凹状端面を対向させることによって形成される、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
前記凹状端面が、対向する凹状端面の間に、軸方向に延在する円筒形状空間を形成する、請求項2に記載の構成要素。
【請求項4】
対向する凹状端面が、半径方向外側先端及び半径方向内側先端を含む、請求項2に記載の構成要素。
【請求項5】
前記可撓性ハブが、前記構成要素を取り付ける前記シャフト上の周縁溝に受け入れられるように構成された半径方向内向きに延在するタブを形成する、請求項1に記載の構成要素。
【請求項6】
前記可撓性ハブの前記半径方向内表面から前記周縁間隙の反対側に延在するキーを更に備え、前記キーが、前記シャフトのキー溝に受け入れられるように構成されている、請求項1に記載の構成要素。
【請求項7】
前記可撓性ハブが、前記シャフト上の平坦な表面に当接するための、前記周縁間隙の反対側の平坦な半径方向内向きの表面を更に備える、請求項1に記載の構成要素。
【請求項8】
前記可撓性ハブを前記リムに接続するために、前記周縁ハブの反対側の前記可撓性ハブの前記半径方向外表面から半径方向に延在する第1のスポークを更に備える、請求項1に記載の構成要素。
【請求項9】
前記第1のスポークと前記周縁間隙との間で前記可撓性ハブの前記外表面から延在する第2のスポークと、前記第1のスポークと前記周縁間隙との間で、かつ前記第1のスポーク及び第3のスポークから90°を超えて分離されて前記可撓性ハブの前記外表面から延在している、第3のスポークと、を更に備える、請求項8に記載の構成要素。
【請求項10】
前記可撓性ハブが、前記周縁間隙を形成するために第1の半径方向に開口している第1のクランプ部分と、第2の周縁間隙を形成するために前記第1の半径方向と反対の第2の半径方向に開口している第2のクランプ部分と、を備える、請求項1に記載の構成要素。
【請求項11】
前記可撓性ハブが、斜方シャフト取り付け開口部を画定する前記半径方向内表面上の軸受表面を含む、請求項10に記載の構成要素。
【請求項12】
コンベヤのためのアセンブリであって、
軸方向に延在するシャフトと、
前記シャフト上に取り付けられた構成要素であって、前記軸方向に延在するシャフトを受け入れるための軸方向に延在する半径方向拡張可能シャフト開口部を形成する可撓性ハブと、前記可撓性ハブに接続され、コンベヤベルトに接触するための連続的な周縁を有するリムと、を有する、構成要素と、を備える、アセンブリ。
【請求項13】
前記可撓性ハブが、凹状端面を対向させることによって形成された周縁間隙を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記シャフトが、周縁溝を含み、前記可撓性ハブが、前記周縁溝内に受け入れられるように構成された半径方向内向きに延在するタブを形成する、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記可撓性ハブの前記半径方向内表面から延在するキーと、前記キーを受け入れて、前記シャフトに対して前記構成要素を回転に関してロックするための、前記シャフト上のキー溝と、を更に備える、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記可撓性ハブが、平坦な半径方向内向きの表面を更に備え、前記シャフトが、前記可撓性ハブの前記平坦な半径方向内向きの表面に当接するための平坦な表面を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記シャフトが、前記アセンブリの回転を容易にするための、各端部上のジャーナルを含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記構成要素が、取り付け領域内で前記シャフトに取り付けられた可撓性ハブを有する一連のローラのうちの1つである、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項19】
アセンブリであって、
シャフトを受け入れるための軸方向に延在する拡張可能シャフト開口部を形成する半径方向内表面、半径方向外表面、及び前記シャフト開口部が選択的に拡張することを可能にするための前記半径方向内表面と前記半径方向外表面との間の周縁間隙を有する可撓性ハブと、前記可撓性ハブに接続され、コンベヤベルトに接触するための連続的な周縁を有するリムと、を有するコンベヤ構成要素と、
前記シャフト開口部を拡張するために、前記周縁間隙を選択的に拡大するように構成された拡張ツールと、を備える、アセンブリ。
【請求項20】
前記拡張ツールが、シャフトの上部分を収容するための凹部を含むハンドルと、前記周縁間隙に挿入されるように構成されたロッドと、を備える、請求項19に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、2021年12月2日に出願された、「Conveyor Roller and Conveyor Roller Assembly」と題する米国仮特許出願第63/285,112号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、動力駆動コンベヤに関する。より詳細には、本発明は、リターンウェイ、インフィード又は別のロケーションにおいてコンベヤベルトを支持及び/又は駆動するために使用されるローラ及びスプロケットなどのコンベヤ構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
コンベヤベルトは、製品を第1のロケーションから第2のロケーションに搬送するために多くの産業で使用されている。コンベヤベルトは、一般に、搬送経路の両端にある駆動及びアイドラースプロケット又はローラの周りに引き回されるエンドレスベルトループを形成する。物品は、コンベヤベルトの上部で搬送され、上側搬送路に沿って支持される。コンベヤベルトは、下側リターンウェイに沿って戻る。リターンウェイのコンベヤベルトの最大弛みを最小限に抑えるために、リターンシューズ又はローラが使用されることが多い。リターンローラは、典型的には、リターンウェイに沿った選択された位置においてコンベヤベルトの幅にわたって延在する。ローラはまた、エンドレスコンベヤベルト回路のインフィード端及び又は別のロケーションにおいてコンベヤベルトを支持するために使用することもできる。コンベヤ内のシャフトにローラ、スプロケット、及び他の構成要素を取り付けることは、困難で煩雑である場合がある。更に、構成要素をシャフトに沿った固定軸方向位置に固定するために、別個のロック構成要素がしばしば必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
コンベヤに使用するためのコンベヤ構成要素は、シャフトを受け入れるための拡張可能シャフト開口部を形成する可撓性ハブと、コンベヤベルトに接触するために可撓性ハブに接続された連続リムと、を含む。可撓性ハブは、シャフト開口部の拡張を可能にして、シャフトへの据え付け及びシャフトからの取り外しを容易にするための周縁間隙を含む。軸方向タブが、シャフトの周面上の溝と連動して、コンベヤ構成要素を弛緩動作位置においてシャフト上に固定することができる。
【0005】
一態様によれば、コンベヤのための構成要素は、シャフトを受け入れるための軸方向に延在する拡張可能シャフト開口部を形成する半径方向内表面、半径方向外表面、及びシャフト開口部が選択的に拡張することを可能にするための半径方向内表面と半径方向外表面との間の周縁間隙を有する可撓性ハブと、可撓性ハブに接続されたリムと、を備える。リムは、コンベヤベルトに接触するための連続的な周縁を有する。
【0006】
別の態様によれば、コンベヤのためのアセンブリは、軸方向に延在するシャフトと、シャフトに取り付けられた構成要素と、を備える。この構成要素は、軸方向に延在するシャフトを受け入れるための軸方向に延在する半径方向拡張可能シャフト開口部を形成する可撓性ハブと、可撓性ハブに接続されたリムと、を有する。リムは、コンベヤベルトに接触するための連続的な周縁を有する。
【0007】
別の態様によれば、アセンブリは、可撓性ハブを有するコンベヤ構成要素と、拡張ツールと、を備える。可撓性ハブは、シャフトを受け入れるための軸方向に延在する拡張可能シャフト開口部を形成する半径方向内表面、半径方向外表面、及びシャフト開口部が選択的に拡張することを可能にするための半径方向内表面と半径方向外表面との間の周縁間隙を有する。リムは、可撓性ハブに接続されており、コンベヤベルトに接触するための連続的な周縁を有する。拡張ツールは、シャフト開口部を拡張するために、周縁間隙を選択的に拡大するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、コンベヤのためのローラアセンブリの等角図である。
図2図2は、いくつかのローラが取り外されている、図1のローラアセンブリの等角図である。
図3図3は、可撓性ハブがシャフトに取り付けられている、ローラの等角図である。
図4図4は、図3のローラの正面図である。
図5図5は、図3のシャフトの等角図である。
図6図6は、図4のローラの可撓性ハブの詳細図である。
図7図7は、拡張ツールを使用したシャフトの取り外し中の図3のローラ及びシャフトを示す。
図8図8は、シャフトの取り外し後の図7のローラ及びシャフトを示す。
図9図9は、別の実施形態による可撓性ハブを有する拡張ツール及びローラを示す。
図10図10は、拡張ツールが係合位置にある、図9の拡張ツール及びローラを示す。
図11図11は、可撓性ハブを有するコンベヤ構成要素と共に使用するのに適した拡張ツールの別の実施形態を示す。
図12図12は、別の実施形態による、可撓性ハブを有するローラを取り付けるのに適したシャフトの取り付け部分の等角詳細図である。
図13図13は、別の実施形態による、可撓性ハブを有するローラのためのシャフトの正面図である。
図14図14は、図13のシャフトを取り付けるのに適したローラの正面図である。
図15図15は、図13のシャフトに取り付けられた図14のローラを備えるアセンブリの正面図である。
図16図16は、別の実施形態による、スプロケットを形成する可撓性ハブを有するローラの等角図である。
図17図17は、図16に示されるスプロケットを含むスプロケットアセンブリの等角図である。
図18図18は、図17のスプロケットアセンブリに使用されるシャフトの等角図である。
図19図19は、別の実施形態による、停止突出部を含む可撓性ハブを有するスプロケットの正面図である。
図20図20は、別の実施形態による、可撓性ハブを有するローラを含むローラアセンブリの等角図である。
図21図21は、図20のローラアセンブリに使用するのに適したシャフトの等角図である。
図22図22は、図21のシャフトの断面図である。
図23図23は、一実施形態による、可撓性ハブを含むローラの上部正面図である。
図24図24は、図23のローラの等角図である。
図25図25は、図23のローラの正面図である。
図26図26は、斜方シャフト取り付け開口部を示す、図23のローラの等角図である。
図27図27は、図23のローラの可撓性ハブの詳細等角図である。
図28図28は、図27の可撓性ハブの別の詳細図である。
図29図29は、図27の可撓性ハブの上部等角図である。
図30図30は、図27の可撓性ハブの別の詳細図である。
図31図31は、シャフトの挿入中の図23のローラの断面図である。
図32図32は、ローラがシャフト上に取り付けられた後の図23のローラの断面図である。
図33図33は、図32のローラ及びシャフトの正面図である。
図34図34は、図32のローラ及びシャフトの側面図である。
図35図35は、図32のローラ及びシャフトの背面図である。
図36図36は、別の実施形態による、磁石を有する可撓性ハブを有するローラの正面図である。
図37図37は、図36のローラの線A-Aを通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
コンベヤ構成要素は、リムに接続されている可撓性ハブを含む。コンベヤ構成要素は、ローラ、スプロケット又は任意の適切なシャフト取り付けコンベヤ構成要素であり得る。本発明は、特定の例示的な実施形態に関して下記に説明されるが、当業者は、本発明が説明された実施形態に限定されないことを認識するであろう。
【0010】
図1~2を参照すると、コンベヤローラアセンブリ10は、コンベヤ内の取り付けシャフト12に取り付けられた一連のコンベヤローラ100を備える。例示的な一連のコンベヤローラ100は、取り付けシャフトの軸方向の長さに沿って等間隔に離間されているが、本発明はそのように限定されず、任意の数のコンベヤローラ100を任意の適切なロケーション及び/又はパターンに取り付けることができる。一実施形態では、コンベヤローラは、コンベヤベルトがアウトフィード送出端からコンベヤのインフィードに戻るときに、コンベヤベルトを誘導及び/又は支持するために、コンベヤのリターンウェイに取り付けられたリターンウェイローラである。コンベヤベルトがコンベヤローラ100の外側リム160上を移動すると、それは、コンベヤローラアセンブリ100を回転させることができる。例示的なローラ100は、動作中の取り付けシャフト12に固定的に取り付けられ、軸受又はサドルに端部ジャーナル14が挿入されて、アセンブリ100全体を一斉に回転させることを可能にする。当業者は、例示的なコンベヤローラアセンブリが、インフィード又はコンベヤベルトの支持が有用である他の好適なロケーションなどの、コンベヤ内の任意の好適なロケーションに実装されてもよいことを認識するであろう。
【0011】
ローラ100は、それぞれのローラの取り付けシャフト12に対する取り付け及び取り外しを容易にするために、可撓性ハブを備えることができる。下記に記載されるように、取り付け領域内の取り付けシャフト12の周面の溝16は、ローラのロックタブと係合して、取り付けシャフト12の軸方向長さに沿ったローラの移動を防止又は制限する。
【0012】
溝16は、ローラを固定するように、又は取り付けシャフト12に沿ってローラを浮かせることを可能にするようにサイズ設定され得る。
【0013】
図3~6を参照すると、例示的なコンベヤローラ100は、取り付けシャフトを受け入れるための拡張可能シャフト開口部130を形成する可撓性ハブ120を備える。可撓性ハブ120は、拡張可能シャフト開口部130を形成する半径方向内表面122と、半径方向外表面124と、を含む。スポーク150が、ハブ120の半径方向外表面124から半径方向に延在し、ハブ120を外側リム160に接続し、外側リム160の外表面161は、コンベヤベルトに接触し、コンベヤベルトを支持する。外側リム160は、連続しており、閉じた周縁を形成する。外側リム160の外側表面161は、コンベヤベルトに接触する。一実施形態では、ローラ100は、コンベヤベルトを駆動するために、外側リム160上に周辺歯を有するスプロケットであり得る。
【0014】
例示的な拡張可能シャフト開口部130は、断面が円形であるが、本発明は、そのように限定されない。例えば、拡張可能シャフト開口部は、正方形シャフトを収容するために正方形であり得、又は任意の適切なサイズ、形状、及び構成のシャフトを収容するために任意の適切なサイズ、形状、及び構成を有することができる。
【0015】
可撓性ハブ120は、拡張可能開口部130の選択的な拡張を可能にするための周縁間隙140を含む。弛緩動作状態では、可撓性ハブ120は、シャフト12上にスナップし、半径方向内表面122上の軸受表面が、シャフト外表面に当接する。半径方向内表面122は、軸受表面がシャフトの周縁の一部分にのみ接触するように、クリーニング凹部を含むことができる。周縁間隙140が広がると、シャフト開口部130が拡大して、軸受表面の少なくとも一部をシャフト12から引き離して、ローラに対するシャフト12の軸方向スライドを可能にする。
【0016】
例示的な可撓性ハブ120は、シャフト12上の周縁溝16と係合して、ローラ100の軸方向位置をシャフト上で固定する半径方向内向きに延在する位置決めタブ152、154を含む。例示的な位置決めタブ152、154は、周縁間隙140の半径方向内端に隣接して形成されるが、本発明はそのように限定されない。可撓性ハブが弛緩状態にあるとき、位置決めタブ152、154は係合し、溝16に挿入される。可撓性ハブが屈曲した拡張状態にあるとき、位置決めタブ152、154は、周縁溝16から係合解除して、取り付け、取り外し、及び位置決めし直しのためのシャフト13に対するローラ100の軸方向スライドを可能にする。
【0017】
可撓性ハブ120内の例示的な周縁間隙140は、端面142、144を対向させることによって形成される。例示的な端面142、144は、実質的に円筒形の間隙140を形成するための凹形状を有するが、本発明はそのように限定されない。成形された端面142、144は、ハブ外表面124と交差する半径方向外側先端と、位置決めタブ152、154に遷移する半径方向内側先端とを有する。周縁間隙140のサイズ、形状、及び構成は、シャフト開口部130からのシャフト12の移動を防止しながら、端面142、144を分離することによって周縁間隙140を広げることを可能にする。完全に屈曲した開放状態であっても、間隙140は、シャフト開口部130に対するシャフト12のスライドを可能にしながら、シャフト開口部130内にシャフト12を収容するために、シャフト12よりも著しく小さい。
【0018】
例示的な可撓性ハブ120は、拡張可能シャフト開口部130内のシャフト12の着座を容易にするために、(図5に示されるように)シャフト12上のキー溝18に受容されるように構成された、周縁間隙140の反対側のキー160を更に含む。キー160は、シャフト12が、シャフト12に対するローラ100の半径方向位置を固定しながら、拡張可能開口部130を通じて選択的にスライドすることを可能にする。
【0019】
可撓性ハブ120は、シャフト12から係合解除するために一定量の力を加えると、周縁間隙140を形成する脚部を分離することによってシャフト開口部130を拡大することを可能にする弾性材料から形成される。力が除去されると、可撓性ハブ120は、位置決めタブ152、154が周縁溝16に挿入された状態で、シャフト12に係合するより小さいシャフト開口部130によって弛緩状態に跳ね戻る。しかしながら、完全に屈曲した場合であっても、広がった周縁間隙140は、シャフト開口部130からのシャフト12の半径方向の移動を防止する。
【0020】
例示的なコンベヤローラ100は、3つのスポーク150を含むが、本発明はそのように限定されない。例えば、より少ない又はより多いスポークを使用して、可撓性ハブ120をリム160に接続することができる。代替的に、ウェビング若しくは別の適切なコネクタが、ハブ110をリム160に接続してもよく、又は可撓性ハブの部分若しくは全てがリム110と一体であってもよい。例示的な第1のスポーク150aが、可撓性ハブの外表面124から、周縁間隙140に対向してリム160に向かって延在する。第2のスポーク150bが、第1のスポーク150aと周縁間隙140との間で可撓性ハブの外表面124から延在する。第3のスポーク150cが、第1のスポークと周縁間隙との間で、かつ第1のスポーク及び第3のスポークから90°を超えて分離されて、可撓性ハブの外表面124から延在する。第2のスポーク150bと第3のスポーク150cとの間の半径方向距離は、第1のスポーク150aと第2のスポーク150bとの間の半径方向距離及び第1のスポーク150aと第3のスポーク150cとの間の半径方向距離よりも大きい。
【0021】
図7及び8に示されるように、拡張ツール170を使用して、周縁間隙140及びシャフト開口部130を選択的に拡大して、ローラ100へのシャフト12の挿入、ローラ100からのシャフト12の取り外し、及びローラ100に対するシャフト12のスライドを可能にすることができる。例示的な拡張ツール170は、展開可能な先端171を有するスナップリングプライヤを含む。展開可能な先端171は、図7に示されるように、ロックされたローラ100の周縁間隙140に挿入することができる。次いで、ユーザは、先端171を展開して、周縁間隙140を広げ、シャフト開口部130を拡大し、位置決めタブ152、154を周縁溝16から引き出す。シャフト開口部が拡大すること130によって、ユーザは、軸方向においてローラ100からシャフト12を引くことができる。拡張ツール170が取り外されると、可撓性ハブ120は、弛緩位置に跳ね戻り、シャフト開口部130及び周縁間隙140を収縮させる。ローラ100をシャフトに取り付けるために、拡張ツールは、周縁間隙140に挿入することができ、シャフト開口部130を拡大するために作動させることができる。拡張位置において、シャフト12は、可撓性ハブ120内にスライドすることができる。位置決めタブ152、154が周縁溝16の上方にあるとき、拡張ツール170を取り外すことができ、可撓性ハブ120がシャフト12上の係合されたロック位置にスナップする。
【0022】
図9及び10は、ローラ100の可撓性ハブ120を選択的に拡張するのに適した拡張ツール180の別の実施形態を示す。拡張ツール180は、シャフト12の上部を収容するための底縁の凹部184を有するハンドル182を含む。拡張ロッド186が、ハンドル182から延在し、周縁間隙140に挿入されて、間隙を広げ、シャフト開口部130を拡張して、シャフト12がそこを通ってスライドすることを可能にするように構成されている。
【0023】
周縁間隙140を広げることによってシャフト開口部130を選択的に拡大するための任意の適切な手段を使用することができる。例えば、図11は、ローラ、スプロケット又は他のコンベヤ構成要素の可撓性ハブを選択的に拡張するのに適した拡張ツール190の実施形態に靴を履かせる。拡張ツール190は、凹部194を含み得るハンドル192と、コンベヤ構成要素の可撓性ハブを拡大するために間隙140を拡張するためにハンドルに垂直に延在する長方形シャフト196と、を含む。長方形シャフト196は、間隙140に挿入され、次いで、回転されて、間隙140を拡張することができる。
【0024】
図12に示される別の実施形態では、ローラ100を収容するためのシャフト12上の周縁溝16は、各々、位置決めタブ152、154を受け入れ、拘束するように構成された2つのノッチ16a、16bを備える。
【0025】
一実施形態では、周縁溝16又はノッチ16a、16bは、位置決めタブ152、154よりも長くして、ローラ100がシャフト12の選択された取り付け領域に沿って浮くことを可能にすることができる。
【0026】
図13~15を参照すると、別の実施形態では、可撓性ハブ220を有するローラ200は、拡張可能周縁間隙240に対向する平坦な半径方向内向きの表面224を含む。関連する取り付けシャフト212は、可撓性ハブ220の平坦な表面224に当接する平坦な底部表面214を有する。インターフェースする平坦な表面214、224は、ローラ200が係合位置にあるときにローラ200及びシャフト212の相対的な半径方向位置を互いにロックしながら、可撓性ハブ220が拡張位置にあるときにシャフト212及び可撓性ハブ220を互いに対して軸方向にスライドさせることを可能にする。
【0027】
図16に示される別の実施形態では、スプロケット300は、半径方向内向きに延在するタブ352、354を含む、対向する可撓性脚部342、343によって形成される周縁間隙340を含む、正方形のシャフト開口部330を形成する可撓性ハブを含む。スプロケット300の周縁360は、コンベヤベルトを駆動するための駆動歯325を含む。スプロケット300の本体は、周縁から半径方向内向きに延在して、シャフト開口部330を形成する。湾曲したスロット350が、脚部342、343から周縁360を分離して、ツールが挿入されて周縁間隙340が拡大されたときに開口部330を広げることを可能にするための柔軟性を脚部342、343に付与する。上述したように、周縁間隙340を拡大すると、シャフト開口部330が広がって、シャフトの取り付け部分がタブ352、354と位置整合するまで、シャフトがそこを通って移動することを可能にする。次いで、ツールを取り外して、タブ352、354がシャフト上の周縁溝に挿入されるように、スプロケット300をシャフト上にスナップすることができる。
【0028】
図17は、正方形の断面を有するシャフト312に取り付けられた複数のスプロケット300を含むスプロケットアセンブリ310を示す。各スプロケットは、シャフト312の取り付け領域に取り付けられる。図18に示されるように、例示的なシャフト312は、各取り付け領域内に溝316を含む。例示的な溝316は、深さ及び軸方向長さが均一であり、ラッチ面317の幅にわたって延在するが、シャフト312は、可撓性ハブを有するスプロケットを取り付けるための任意の適切な構成を有することができる。例えば、いくつかの溝316は、スプロケットの軸方向の動きを防止するようにサイズ設定されてもよく、一方、他の溝は、シャフト312に沿って関連するスプロケットがある程度浮くことを可能にするようにサイズ設定されてもよい。
【0029】
別の実施形態では、可撓性ハブを有するスプロケット300’などの構成要素は、図19に示されるように、破損を防止又は減少させるために脚部342’、343’の屈曲を制限するために、湾曲したスロット350’内の停止突出部370を含んでもよい。
【0030】
図20は、コンベヤ内の取り付けシャフト412に取り付けられた一連のコンベヤローラ400を含むローラアセンブリ410の別の実施形態を示す。ローラ400は、それぞれのローラの取り付けシャフト412に対する取り付け及び取り外しを容易にするために、可撓性ハブを備えることができる。図21及び22に示されるように、例示的な取り付けシャフト412は、円形断面を有する主要部分を有する。各取り付け領域において、シャフト412は、取り付けシャフト412の周面内のオフセット及び対向する溝416、417を含む。各溝416、417は、下記に記載されるように、取り付けシャフト412の軸方向長さに沿ったローラの移動を防止又は制限するために、関連するローラ400上の平坦な半径方向内面を着座させる平坦な底部表面418、419を含む。
【0031】
図23~26に示されるように、例示的なコンベヤローラ400は、シャフト412を取り付けるための可撓性ハブ420を備える。ローラ400は、連続的かつ閉じた周縁を有するリム460を含む。スポーク、ウェビング、又は別の接続手段が、可撓性ハブ420をリム460に接続する。代替的に、可撓性ハブ420とリム460との間のボディは中実であってもよく、又は他の様態で構成されてもよい。例示的な実施形態では、ローラ400は、可撓性ハブ420をリム460に接続する4つの等間隔に離間されたスポーク471、472、473、474を含むが、本発明はそのように限定されない。
【0032】
可撓性ハブ420は、シャフト412を動作位置に取り付けるための軸方向に延在するシャフト開口部430を形成する半径方向内面を含む。軸方向に延在するシャフト開口部430は、関連するシャフト412を特定の位置及び向きに着座させるための不均一な非円形断面を有する。軸方向に延在するシャフト開口部430は、シャフトの可撓性ハブへの挿入を可能にするための2つの拡張可能周縁間隙を含む。軸方向に延在するシャフト開口部は、シャフトが動作位置においてローラ400に対して軸方向に延在するときに、シャフトがそこを通過することを可能にしない。可撓性ハブ420は、図26に示されるように、円形断面を有し、シャフト412を最初に可撓性ハブ420に挿入するためにシャフトの長手方向軸に対して斜めである軸に沿って延在する斜方取り付け開口部440を形成する半径方向内面を含む。斜方取り付け開口部440に一致するように角度を付けられたとき、シャフトは、可撓性ハブ420を通過することができる。
【0033】
図27~30を参照すると、例示的な可撓性ハブ420は、第1の半径方向に開口している可撓性ハブ420の第1の軸方向端部上の第1のクランプ部分450を備える。第1のクランプ部分450は、動作位置にあるときにシャフト412上の平坦な底部表面418に当接するように構成された平坦な端壁451を備える。テーパ形状脚部452、453は、湾曲した接続壁454、455を介して平坦な端壁451に接続する。例示的なテーパ形状脚部452、453は、わずかに凹状に湾曲し、湾曲した接続壁454、455との交差点においてわずかな隆起を形成する内面を有する。テーパ形状脚部452、453は、シャフトの挿入を可能にするために、それらの間の開口部(周縁間隙)を選択的に広げるように可撓性であり得る。
【0034】
テーパ形状脚部452、453の先端は、斜方取り付け開口部440の縁部を画定する軸方向外側直線縁部456及び湾曲した軸方向内縁457を含む。湾曲形状表面458が、湾曲した軸方向内面457から接線方向に延在して、斜方取り付け開口部440のための軸受表面を形成する。
【0035】
平坦な端壁451の軸方向内縁は、斜方取り付け開口部440の境界も画定する二次元に延在する湾曲した凹部459を含む。例示的な第1のクランプ部分450の軸方向外縁は、1つの平面内に延在するが、本発明は、そのように限定されない。
【0036】
可撓性ハブ420は、第1の半径方向と反対の第2の半径方向に開口する可撓性ハブ420の第2の軸方向端部上の第2のクランプ部分480を更に含む。第1のクランプ部分450及び第2のクランプ部分480の軸方向内端は、当接し、互いに一体である。第2のクランプ部分480は、可撓性ハブ420が、可撓性ハブ420を二分する対称軸S(図25に示される)を中心に軸方向に対称であるように180°回転されていることを除いて、第1のクランプ部分460と構成が同一である。第2のクランプ部分480は、第1のクランプ部分450と協働して、不均一なシャフト開口部430及び斜方取り付け開口部440を画定する。
【0037】
図24に最もよく示されるように、リム460から延在し、平坦な端壁451の外表面と交差する第1のスポーク471は、斜方取り付け開口部440のための別の軸受表面を形成する斜方内表面475を含む。第1のスポーク471の例示的な軸方向外表面476は、第1のスポーク471がリム460から可撓性ハブ420までテーパ状になるように半径方向に延在するが、本発明はそのように限定されない。
【0038】
第2のスポーク472が、第2のクランプ部分の平坦な端壁451の外表面から延在し、斜方内表面471に平行な斜方内表面を含み、協働して、斜方取り付け開口部440を更に画定する。
【0039】
第3のスポーク473及び第4のスポーク474が、可撓性ハブ420をリム460に更に接続するために、クランプ部分450、480の外壁から半径方向に延在するが、本発明はそのように限定されない。
【0040】
ローラ400を対応するシャフト412に取り付けるために、ローラ400は、最初に、斜方取り付け開口部440をシャフト412と位置整合させるように角度を付けられる。次に、図31に示すように、シャフト412は、シャフト溝416、417が可撓性ハブ420の平坦な端壁451の下になるまで、斜方開口部440を通ってスライドする。次いで、図32に示すように、ローラが、シャフトを中心として回転され(又はシャフトがローラに対して回転され)、シャフト412を、可撓性ハブを形成するクランプ部分450、480の底部と接触させる。シャフトの更なる回転は、クランプ部分を開かせ、テーパ形状脚部452、454を分離し、シャフト412を軸方向に延在するシャフト開口部430に押し込む。シャフトは、溝416、417の平坦な表面418がクランプ部分450、480の平坦な端壁451に当接するように、クランプ部分350、380内の所定の位置にスナップし、テーパ形状脚部がシャフトの本体に着座する。
【0041】
図33~35は、シャフト412の取り付け領域に取り付けられ、かつクランプ部分350、380と溝416、417との間の相互作用によって拘束された、ローラ400を示す。
【0042】
図36~37に示される別の実施形態では、可撓性ハブを有するローラ400’は、磁気的に魅力的な材料から形成されているシャフト412をロック位置にラッチするための磁石470を含む。
【0043】
本発明は、例示的なコンベヤローラ、スプロケット、及び/又は取り付けシャフトに限定されず、これらの実施形態の変形及び変更を包含する。例えば、例示的な可撓性ハブは、ローラ及びスプロケットに限定されない、任意のシャフト取り付けコンベヤ構成要素内に実装されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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【国際調査報告】