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特表2024-542481ラミネーション装置及びその制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ラミネーション装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20241108BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20241108BHJP
   B65H 43/00 20060101ALI20241108BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20241108BHJP
【FI】
B65H37/04 Z
H01M10/0585
B65H43/00
H01M10/052
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529637
(86)(22)【出願日】2023-02-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 KR2023002167
(87)【国際公開番号】W WO2023219235
(87)【国際公開日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】10-2022-0057756
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ、クウォーマン
【テーマコード(参考)】
3F048
3F108
5H029
【Fターム(参考)】
3F048CA06
3F048CB12
3F048DC11
3F048EB37
3F108GA10
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA03
3F108HA04
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL04
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029CJ00
5H029CJ30
5H029HJ12
(57)【要約】
本発明のラミネーション装置の制御方法は、ラミネーション装置及びその制御方法を開示する。本発明の上部グリッパに配置される複数のカリブレーションマーク;前記複数のカリブレーションマークを撮影するビジョンカメラ;下部グリッパと上部グリッパの高さを補正するように、下部グリッパと上部グリッパに連結される補正駆動部;及び複数のカリブレーションマークを読み取って、上部グリッパの実際位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出し、位置偏差を補正するように、下部グリッパと上部グリッパを移動させる制御部;を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位セルが供給される下部グリッパ;
前記下部グリッパの上側に、上下方向に沿って昇降可能に設置される上部グリッパ;
前記上部グリッパが前記単位セルを押すように、前記上部グリッパを昇降させるグリッパ駆動部;
前記上部グリッパに配置される複数のカリブレーションマーク;
前記複数のカリブレーションマークを撮影するビジョンカメラ;
前記下部グリッパと前記上部グリッパの高さを補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパに連結される補正駆動部;及び
前記複数のカリブレーションマークを読み取って、前記上部グリッパの実際位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出して、前記位置偏差を補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパを移動させる制御部;を含む、
ラミネーション装置。
【請求項2】
前記制御部には、前記複数のカリブレーションマークに関する許容イメージ範囲が予め設定され、
前記制御部は、前記許容イメージ範囲と、前記ビジョンカメラで撮影された実際イメージの大きさとを比較して、前記上部グリッパの位置偏差を算出する、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項3】
一部のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第1距離に並んで配置され、
その他のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第2距離に並んで配置される、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項4】
前記上部グリッパは、前記ビジョンカメラの光が透過する透明窓を含む、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項5】
前記透明窓のまわりにはアノダイジング層が塗布される、
請求項4に記載のラミネーション装置。
【請求項6】
前記アノダイジング層は、黒色であり、
前記複数のカリブレーションマークは、白色である、
請求項5に記載のラミネーション装置。
【請求項7】
前記複数のカリブレーションマークは、円形に形成される、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項8】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの下降が完了した時、前記複数のカリブレーションマークを撮影する、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項9】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの上側に配置される、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項10】
前記上部グリッパが位置補正された後、前記ビジョンカメラは、前記複数のカリブレーションマークを再度撮影して、前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲に属するかを前記制御部が再度確認する、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項11】
前記下部グリッパは、リニアガイドに固定されて、
前記上部グリッパは、前記リニアガイドに昇降可能に設置される、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項12】
前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲を外れると、前記上部グリッパの取り替えを知らせるアラーム発生部をさらに含む、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項13】
下部グリッパに単位セルが供給されるステップ;
上部グリッパが下降して、前記単位セルを押すステップ;
ビジョンカメラが、前記上部グリッパに形成された複数のカリブレーションマークを撮影して、制御部に伝送するステップ;
前記制御部は、前記複数のカリブレーションマークを読み取って、前記上部グリッパの実際位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出するステップ;及び
前記位置偏差が前記許容位置範囲を外れると、前記位置偏差を補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパを移動させるステップ;を含む、
ラミネーション装置の制御方法。
【請求項14】
一部のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第1距離に並んで配置され、
その他のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第2距離に並んで配置される、
請求項13に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項15】
前記上部グリッパの透明窓のまわりにはアノダイジング層が塗布される、
請求項13に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項16】
前記アノダイジング層は、黒色であり、
前記複数のカリブレーションマークは、白色である、
請求項15に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項17】
前記複数のカリブレーションマークは、円形に形成される、
請求項15に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項18】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの下降が完了した時、前記複数のカリブレーションマークを撮影する、
請求項13に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項19】
前記上部グリッパが位置補正された後、前記ビジョンカメラは、前記複数のカリブレーションマークを再度撮影して、前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲に属するかを、前記制御部が再度確認するステップをさらに含む、
請求項13に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項20】
前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲を外れると、アラーム発生部が、アラーム信号を出力するステップをさらに含む、
請求項19に記載のラミネーション装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年5月11日付韓国特許出願第10-2022-0057756号に基づく優先権の利益を主張し、同韓国特許出願の文献で開示のすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、下部グリッパと上部グリッパとの位置偏差を解消することができる、ラミネーション装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、二次電池は、正極、負極、分離膜、及び電解質を含み、化学反応を利用して電気エネルギーを発生させる。二次電池は、充放電可能であるという長所により、徐々に使用が増えつつある。これら二次電池の中でも、リチウム二次電池は、単位重量当たりエネルギー密度が高いため、電子通信機器の電源として使用されるか、高出力のハイブリッド自動車、電気自動車などの駆動源として広く使用されている。
【0004】
これら二次電池の形状面からは、薄厚であり、携帯電話などのような製品に適用することができる、角型二次電池とパウチ型二次電池に対する需要が増加している。二次電池の材料面からは、高いエネルギー密度、放電電圧、出力が安定的なリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が増加している。
【0005】
電極シートは、ノッチングモジュールに供給され、ノッチングモジュールは、電極シートの幅方向一側に電極タブを同一間隙で形成する。電極タブが形成された電極シートは、リワインドで再度巻き取られる。
【0006】
韓国登録特許第2328527号公報では、ラミネーション装置を開示している。前記ラミネーション装置では、2個の電極ロールに巻き取られた電極シートと、2個の分離膜ロールに巻き取られた分離膜シートが供給される。このとき、第1カッター部は、第1電極シートを切断して第1電極を形成した後、一対の分離膜シートの間に積層し、第2カッター部は、第2電極シートを切断して第2電極を形成した後、上層の分離膜シートに積層する。このとき、第2電極は、上層の分離膜シートにおける第1電極に1対1に対応して積層される。
【0007】
切断した第1電極と第2電極が分離膜シートに積層された状態の電極積層体は、ラミネートのヒータ部とラミローラに供給される。ヒータ部は、電極積層体を加熱し、ラミローラは、電極積層体を加圧して合致させる。次いで、ラミローラの下流側に設置された第3カッター部は、隣合う一対の電極間の分離膜シート部分を切断して、モノセルを形成する。ラミネーターの下流側には、モノセルを検査するためビジョン装置が設置される。
【0008】
ビジョン装置に供給されるモノセルは、ヒータ部で加熱された状態で、高速で移送される場合や、ラミネーション部で圧力が過度である場合に、曲がるかねじれることがある。また、モノセルの周部に突出した形態の電極タブは、上側や下側に曲がり得る。これらモノセルの形状変形を補正するために、ビジョン装置には、モノセルを押すグリッパ部が設置される。グリッパ部がモノセルを押した状態で、ビジョン部は、モノセルを読み取る。
【0009】
しかし、前記グリッパ部が高速で昇降することによって、グリッパ部の組立部位でボルトやナットが微細に外れるか、グリッパ部が曲がり得る。この場合、ビジョン部とモノセルとの間の間隔が変更されるため、ビジョン部は、モノセルの不良の有無を正確に読み取りにくいことがある。
【0010】
また、ビジョン部とモノセルとの間隔が許容値以上に変更された状態で、ビジョン部がモノセルを読み取ると、モノセルの継続した誤測定が発生して、モノセルの不良率は、顕著に増加し得る。また、許容値範囲に属するモノセルが不良と判定されることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、下部グリッパと上部グリッパとの位置偏差を解消することができる、ラミネーション装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、ビジョン部と単位セルとの間隔が許容値を外れるように変更されることを防止することができる、ラミネーション装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、単位セルの継続した誤測定を防止して、単位セルの不良率を顕著に減少させることができる、ラミネーション装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、許容値範囲(良品範囲)に属する単位セルが不良と判定されることを防止することもできる、ラミネーション装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は、上部グリッパが単位セルの移送経路と平行な方向と垂直な方向に、高さが変更されるか傾いているかを判断することができる、ラミネーション装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0016】
本発明の技術的課題は、以上で言及した目的に限らず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決するために、本発明によるラミネーション装置は、単位セルが供給される下部グリッパ;前記下部グリッパの上側に、上下方向に沿って昇降可能に設置される上部グリッパ;及び前記上部グリッパが前記単位セルを押すように、前記上部グリッパを昇降させるグリッパ駆動部;を含む、ラミネーション装置を提供する。
【0018】
前記下部グリッパと上部グリッパは、単位セルと電極タブを扁平に伸ばす。
【0019】
前記ラミネーション装置は、前記上部グリッパに配置される複数のカリブレーションマーク;前記複数のカリブレーションマークを撮影するビジョンカメラ;前記下部グリッパと前記上部グリッパの高さを補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパに連結される補正駆動部;及び前記複数のカリブレーションマークを読み取って、前記上部グリッパの実際位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出し、前記位置偏差を補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパを移動させる制御部;を含む。
【0020】
前記制御部には、複数のカリブレーションマークに関する許容イメージ範囲が予め設定される。
【0021】
前記制御部は、前記許容イメージ範囲と、前記ビジョンカメラで撮影された実際イメージの大きさとを比較して、前記上部グリッパの位置偏差を算出する。
【0022】
一部のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第1距離に並んで配置されて、その他のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第2距離に並んで配置されていてもよい。
【0023】
前記上部グリッパは、前記ビジョンカメラの光が透過する透明窓を含む。
【0024】
前記透明窓のまわりには、アノダイジング層が塗布されていてもよい。
【0025】
前記アノダイジング層は、黒色であり、前記カリブレーションマークは、白色であってもよい。
【0026】
前記カリブレーションマークは、円形に形成することができる。
【0027】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの下降が完了した時、前記複数のカリブレーションマークを撮影する。これによって、ビジョンカメラは、カリブレーションマークと単位セルを同時に撮影することができる。
【0028】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの上側に配置されていてもよい。
【0029】
前記上部グリッパが位置補正された後、前記ビジョンカメラは、前記カリブレーションマークを再度撮影して、前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲に属するかを前記制御部は、再度確認することができる。
【0030】
前記下部グリッパは、リニアガイドに固定されて、前記上部グリッパは、前記リニアガイドに昇降可能に設置されていてもよい。
【0031】
前記ラミネーション装置は、前記上部グリッパの補正位置が、前記許容位置範囲を外れると、前記上部グリッパの取り替えを知らせるアラーム発生部をさらに含むことができる。
【0032】
本発明のラミネーション装置の制御方法は、下部グリッパに単位セルが供給されるステップと、前記上部グリッパが下降して、前記単位セルを押すステップとを含む。
【0033】
これによって、前記下部グリッパと上部グリッパは、単位セルと電極タブを扁平に伸ばす。
【0034】
本発明のラミネーション装置の制御方法は、ビジョンカメラが、前記上部グリッパに形成された複数のカリブレーションマークを撮影して、制御部に伝送するステップ;制御部が、前記複数のカリブレーションマークを読み取って、前記上部グリッパの実際位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出するステップ;及び前記位置偏差が前記許容位置範囲を外れると、前記位置偏差を補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパを移動させるステップ;を含む。
【0035】
一部のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第1距離に並んで配置されて、その他のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第2距離に並んで配置される。
【0036】
前記上部グリッパの透明窓のまわりには、アノダイジング層が塗布される。
【0037】
前記アノダイジング層は、黒色であり、前記カリブレーションマークは、白色であってもよい。
【0038】
前記カリブレーションマークは、円形に形成することができる。
【0039】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの下降が完了した時、前記複数のカリブレーションマークを撮影することができる。
【0040】
前記ラミネーション装置の制御方法は、前記上部グリッパが位置補正された後、前記ビジョンカメラが、前記カリブレーションマークを再度撮影して、前記上部グリッパの補正位置が、前記許容位置範囲に属するかを、前記制御部が再度確認するステップ;をさらに含むことができる。
【0041】
前記ラミネーション装置の制御方法は、前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲を外れると、アラーム発生部が、アラーム信号を出力するステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、補正駆動部が、下部グリッパと上部グリッパの位置を補正するため、下部グリッパと上部グリッパの位置偏差を解消することができる。
【0043】
本発明によれば、補正駆動部が、下部グリッパと上部グリッパの位置を補正するため、ビジョン部と単位セルとの間隔が許容値を外れるように変更されることを防止することができる。
【0044】
本発明によれば、下部グリッパと上部グリッパとの位置偏差だけ移動して位置補正されるため、単位セルの継続した誤測定を防止して、単位セルの不良率を顕著に減少させることができる。
【0045】
本発明によれば、ビジョン部と単位セルとの間隔が許容値範囲に属するように補正されるため、良品に該当する単位セルが不良と判定されることを防止することもできる。
【0046】
本発明によれば、第1距離と第2距離に位置した複数のカリブレーションマークの実際の大きさを算出することで、上部グリッパが、単位セルの移送経路と平行な方向と垂直な方向に高さが変更されているか傾いているかを判断することができる。
【0047】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明によるラミネーション装置を概略的に示した図面である。
図2図1のラミネーション装置で製造された単位セルを概略的に示した図面である。
図3図1のラミネーション装置におけるビジョン部を概略的に示した斜視図である。
図4図1のラミネーション装置におけるビジョン部を概略的に示した側面図である。
図5図4のビジョン部における上部グリッパの上面に、カリブレーションマークが形成された状態を概略的に示した平面図である。
図6図4のビジョン部における上部グリッパの上面に、カリブレーションマークとアノダイジング層が塗布された状態を概略的に示した断面図である。
図7図1のラミネーション装置における補正駆動部を概略的に示した斜視図である。
図8】本発明によるラミネーション装置を概略的に示したブロック図である。
図9】本発明によるカリブレーションマークの撮影イメージの一例を示した図面である。
図10】本発明による下部グリッパと上部グリッパの位置が、許容位置範囲に属する場合を示した図面である。
図11】本発明によるカリブレーションマークの撮影イメージの他の例を示した図面である。
図12】本発明による下部グリッパと上部グリッパの位置が、許容位置範囲を外れた場合を示した図面である。
図13】本発明によるカリブレーションマークの撮影イメージのさらに他の例を示した図面である。
図14】本発明による下部グリッパと上部グリッパが自体変形した場合を示した図面である。
図15】本発明によるラミネーション装置の制御方法を概略的に示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して詳説する。
【0050】
本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更を加えることができ、相異する様々な形態に具現することができる。但し、本実施形態は、本発明の開示を完全なものにして、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。よって、本発明は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、いずれかの実施形態の構成と、他の実施形態の構成とを互いに置換するか付加することはもちろん、本発明の技術思想の範囲に含まれるあらゆる変更、均等物または代替物を含むものと理解しなければならない。
【0051】
添付の図面は、本明細書で開示の実施形態を理解しやすくするためのものであり、添付の図面によって、本明細書で開示の技術思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物または代替物を含むものと理解しなければならない。図面における構成要素は、理解の便宜などを考慮して、大きさや厚さを誇張して大きく或いは小さく表現することができるものの、これにより、本発明の保護範囲が制限的に解釈されてはならない。
【0052】
本明細書で使った用語は、単に特定の具現例や実施形態を説明するために使われるものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。そして、単数の表現は、文脈上、明らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。明細書における~含む、~なる等の用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものである。すなわち、明細書における~含む、~なる等の用語は、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在或いは付加可能性を予め排除するものではないと理解しなければならない。
【0053】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使われてもよいものの、上記構成要素は、上記用語によって限定されない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にだけ使われる。
【0054】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及されている場合は、その他の構成要素に直接連結されているか或いは接続されていてもよいものの、その間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。他方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及されている場合は、その間に他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。
【0055】
ある構成要素が他の構成要素の「上部にある」か「下部にある」と言及されている場合は、その他の構成要素の真上に配されているだけでなく、その間に他の構成要素が存在し得ると理解しなければならない。
【0056】
他に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含み、ここで使われるあらゆる用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解するのと同様の意味を有する。一般に使われる、辞書に定義されているのと同様の用語は、関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有するものと解釈しなければならず、本出願において、明らかに定義しない限り、理想的或いは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0057】
以下、本発明の実施形態による装置について説明することとする。
【0058】
図1は、本発明によるラミネーション装置を概略的に示した図面であり、図2は、図1のラミネーション装置で製造された単位セルを概略的に示した図面である。
【0059】
図1及び図2を参照すると、本発明の実施形態によるラミネーション装置100は、ビジョン部(V)が、上部グリッパ173に位置した複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を撮影し、制御部191が、カリブレーションマーク(C1~C6)のイメージと、予め設定された許容位置範囲とを比較して、上部グリッパ173の位置偏差を算出する。そして、制御部は、下部グリッパ172と上部グリッパ173を移動させて、位置偏差を補正する。
【0060】
ラミネーション装置100は、単位セル10を製造する。単位セル10は、モノセル(mono-cell)、バイセル(bi-cell)、フルセル(full cell)のいずれかであってもよい。
【0061】
モノセルは、最外郭一面に分離膜13が配置されて、最外郭他面に電極(第2電極12)が配置される構造のセルを意味する。例えば、モノセルは、第1分離膜13a、第1電極11、第2分離膜13b、及び第2電極12が積層されてなっていてもよい。また、モノセルは、3個以上の電極と各電極との間に介在される3個以上の分離膜13からなっていてもよい。
【0062】
バイセルは、最外郭両面に同一極性の電極が配置される構造のセルを意味する。バイセルは、第1電極11、第1分離膜13a、第2電極12、第2分離膜13b、及び第1電極11が積層されてなっていてもよい。また、モノセルは、5個以上の奇数電極と、各電極の間に積層される3個以上の分離膜13とからなっていてもよい。
【0063】
フルセルは、最外郭両面に逆極性の電極が配置される構造のセルを意味する。フルセルは、第1電極11、第1分離膜13a、第2電極12が積層されてなっていてもよい。また、モノセルは、4個以上の偶数電極と、各電極の間に積層される3個以上の分離膜13とからなっていてもよい。
【0064】
本発明のラミネーション装置100は、モノセル、バイセル、及びフルセルのいずれかを製造することができる。また、前記単位セル10の種類によって、電極ロール(第1電極ロール110,第2電極ロール120)と分離膜ロール130の設置個数を変更することができる。図1及び図2では、モノセルを製造するラミネーション装置100の一例を示した。
【0065】
前記ラミネーション装置100は、第1電極シート111を巻き取った第1電極ロール110を含む。第1電極シート111は、第1電極ロール110から繰り出されて、ピンチローラ133側に供給される。第1電極シート111の一面又は両面には、活物質がコーティングされる。
【0066】
ラミネーション装置100は、第2電極シート121を巻き取った第2電極ロール120を含む。第2電極シート121は、第2電極ロール120から繰り出されて、ラミネーション部150側に供給される。第2電極シート121の一面又は両面には、活物質がコーティングされる。
【0067】
第1電極シート111は、負極活物質がコーティングされた負極電極シートであり、第2電極シート121は、正極活物質がコーティングされた正極電極シートであってもよい。また、第1電極シート111は、正極活物質がコーティングされた正極電極シートであり、第2電極シート121は、負極活物質がコーティングされた負極電極シートであってもよい。
【0068】
ラミネーション装置100は、分離膜シート131が巻き取られた複数の分離膜ロール130を含む。複数の分離膜ロール130は、第1分離膜シート131aが巻き取られた第1分離膜ロール130aと、第2分離膜シート131bが巻き取られた第2分離膜ロール130bとを含むことができる。
【0069】
第1分離膜ロール130aと第2分離膜ロール130bとの間には、第1分離膜シート131aと第2分離膜シート131bが重なるように、ピンチローラ133が設置される。第1電極ロール110とピンチローラ133との間には、第1カッター部141が設置される。第1カッター部141は、第1電極ロール110から繰り出される第1電極シート111を切断して、第1電極11を形成する。第1電極11は、第1分離膜シート131aと第2分離膜シート131bとの間に、一定間隔ごとに積層される。ピンチローラ133は、第1分離膜シート131aと第2分離膜シート131bが積層されるように、第1電極11側に加圧する。ピンチローラ133は、第1分離膜シート131aと第2分離膜シート131bを積層させるように加圧する限り、少なくとも2個以上を設置することができる。また、ピンチローラ133は、分離膜シート131の移送方向を変える構成であって、ピンチローラ133の個数は、分離膜ロール130の設置個数によって変更し得る。
【0070】
分離膜シート131は、一列に配列された第1電極11の両面に積層される。例えば、第1分離膜シート131aは、一列に配列された第1電極11の一面に積層されて、第2分離膜シート131bは、一列に配列された第1電極11の他面に積層される。
【0071】
ラミネーション部150の第2電極12の入口側には、第2カッター部143が配置される。第2カッター部143は、第2電極ロール120から繰り出される第2電極シート121を切断して、第2分離膜シート131bの上面に安着させる。これによって、電極積層体102は、第1分離膜シート131aと第2分離膜シート131bとの間に複数の第1電極11が配列されて、第2分離膜シート131bの上面に複数の第2電極12が配列される構造を有する。
【0072】
上記した電極積層体102には、図1のように、1個の第1電極シート111、1個の第2電極シート121、及び2個の分離膜シート131が積層されていてもよい。また、電極積層体102には、2個以上の第1電極シート111、2個以上の第2電極シート121、及び4個以上の分離膜シート131が積層されていてもよい。電極シート(第1電極シート111,第2電極シート121)と分離膜シート131の積層個数は、様々な変更が可能である。
【0073】
本発明において、第1電極シート111にコーティングされる正極活物質と、第2電極シート121にコーティングされる負極活物質は、当業界における公知の活物質であれば、限りなく用いることができる。
【0074】
前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物、又は1種以上の転移金属に置換された化合物;化学式Li1+xMn2x(ここで、xは、0~0.33である)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物(LiMnO);リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、LiFe、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-x(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B又はGaであり、x=0.01~0.3である)と表されるニッケルサイト型リチウムニッケル酸化物(lithiated nickel oxide);化学式LiMn2-x(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn又はTaであり、x=0.01~0.1である)、又はLiMnMO(ここで、M=Fe、Co、Ni、Cu又はZnである)と表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のリチウムの一部がアルカリ土金属イオンに置換されたLiMn;ジスルフィド化合物;Fe(MoO、又はこれらの組み合わせによって形成される複合酸化物などのように、リチウム吸着物質(lithium intercalation material)を主成分とすることができる。正極活物質では、上記のような種類があるものの、これらに限定されるものではない。
【0075】
前記正極集電体は、例えば、3~500μmの厚さを有する。これら正極集電体は、電池に化学変化を引き起こさない、かつ、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではない。例えば、正極集電体は、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、塑性炭素、又はアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどを用いることができる。正極集電体は、それの表面に微細な凹凸を形成して、正極活物質の接着力を高めることもできる。これら正極集電体は、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態が可能である。
【0076】
前記正極活物質粒子には、導電材をさらに混合することができる。これら導電材は、例えば、正極活物質を含む混合物の全体重量を基準に、1~50重量%添加される。これら導電材は、電池に化学変化を引き起こさない、かつ、高い導電性を有するものであれば、特に制限されるものではない。例えば、導電材は、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素纎維、金属纎維などの導電性纎維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などを用いることができる。
【0077】
また、負極シートは、負極集電体上に負極活物質粒子を塗布及び乾燥して製作され、必要に応じて、前述した導電材、バインダー、溶媒などのような成分をさらに含むことができる。
【0078】
前記負極集電体は、例えば、3~500μmの厚さを有する。これら負極集電体は、当該電池に化学変化を引き起こさない、かつ、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではない。例えば、負極集電体は、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、塑性炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などを用いることができる。また、正極集電体と同様、表面に微細な凹凸を形成して、負極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態に用いることができる。
【0079】
前記負極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、SnMe1-xMe'yO(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me':Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)の金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;スズ系合金;SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、Biなどの酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを用いることができる。
【0080】
前記電極シート(第1電極11,第2電極12)に使用可能なバインダー高分子は、電極活物質粒子と導電材などの結合と、電極集電体に対する結合を助ける成分であって、例えば、電極活物質を含む混合物の全体重量を基準に、1~50重量%添加される。これらバインダー高分子の例では、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene:PVdF)、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride-co-trichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene-co-vinyl acetate)、ポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide)、ポリアリレート(polyarylate)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、プルラン(pullulan)、及びカルボキシメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)からなる群から選択されたいずれかバインダー高分子、又はこれらのうち2種以上の混合物を用いることができるものの、これに制限されるものではない。
【0081】
前記電極の製造に用いられる溶媒の非制限的な例では、アセトン(acetone)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、メチレンクロライド(methylene chloride)、クロロホルム(chloroform)、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone,NMP)、シクロヘキサン(cyclohexane)、水、又はこれらの混合体などがある。これら溶媒は、電極集電体の表面に対して所望の水準にスラリー塗布層が作られるように、適正な水準の粘度を提供する。
【0082】
分離膜13は、多孔性高分子基材と、前記多孔性高分子基材の両面上に位置して、無機物粒子及びバインダー高分子を含む多孔性コーティング層を有する。
【0083】
前記多孔性高分子基材は、ポリオレフィン系多孔性基材であってもよい。
【0084】
前記ポリオレフィン多孔性基材は、フィルム(film)又は不織ウェッブ(non-woven web)型であってもよい。このように、多孔性構造を有することで、正極と負極との間の電解液移動を円滑に行えるようになる。多孔性構造は、基材自体の電解液含浸性も増加し、優れたイオン伝導性を確保することができ、電気化学素子の内部抵抗の増加を防止して、電気化学素子の性能低下を防止することができる。
【0085】
本発明で用いられるポリオレフィン多孔性基材は、通常に電気化学素子に用いられる平面状の多孔性基材であれば、いずれも使用可能であり、その材質や形態は、目的に応じて様々な選択が可能である。
【0086】
ポリオレフィン多孔性基材は、非制限的に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらのうち2種以上の混合物から形成されたフィルム(film)或いは不織ウェッブ(non-woven web)であってもよいものの、これに限定されるものではない。
【0087】
本発明の一具現例による分離膜13を用いる場合、多孔性高分子基材の両側に多孔性コーティング層を備えているため、電解液に対する含浸性の向上により、均一な固体電解質界面層を形成することができ、従来の断面無機物コーティング分離膜13に比べて、優れた通気度を確保することができる。例えば、120s/100cc以内であってもよい。また、両面に無機物多孔性コーティング層を備えても、従来の断面無機物コーティング分離膜の水準の厚さを具現することができる。
【0088】
また、本発明の一具現例による分離膜13を用いる場合、分離膜13の安定性が改善して、耐熱及び耐圧縮特性を確保することができる。具体的に、180℃基準、5%以内の熱収縮特性を有する耐熱特性を確保することができ、550gf以上の貫通強度(Puncture strength)物性を確保することができ、これら分離膜13を採用した二次電池のサイクルのうち、コア変形(core deformation)が発生するとき、段差部における分離膜13の損傷又は貫通を防止することができる。
【0089】
前記ラミネーション装置100は、ラミネーション部150、最終カッター160、及びビジョン部(V)を含む。
【0090】
前記ラミネーション部150は、ヒータ部151及びラミローラ部153を含む。
【0091】
ヒータ部151は、分離膜シート131と電極(第1電極11,第2電極12)を加熱する。ヒータ部151は、分離膜シート131と電極(第1電極11,第2電極12)を両側で加熱するように、分離膜シート131の両側に配置される。ヒータ部151は、第1電極シート111の両側に、分離膜シート131と離隔して設置される。ヒータ部151は、電極(第1電極11,第2電極12)と分離膜シート131を全体的に均一に加熱するように、分離膜シート131の幅よりも長く形成することができる。
【0092】
ラミローラ部153は、分離膜シート131と電極(第1電極11,第2電極12)を加圧する。ラミローラ部153は、分離膜シート131と電極(第1電極11,第2電極12)を両側で加圧するように、分離膜シート131の両側に配置される上部ラミローラ153aと下部ラミローラ153bを含む。
【0093】
最終カッター160は、ラミローラ部153の下流側に配置される。最終カッター160は、分離膜シート131と電極(第1電極11,第2電極12)を切断して、単位セル10を形成する。このとき、最終カッター160は、隣合う2個の電極(第1電極11,第2電極12)の間の分離膜シート131部分を切断する。
【0094】
ビジョン部(V)は、最終カッター160の下流側に配置されて、単位セル10のイメージを撮影する。これらビジョン部(V)は、最終カッター160で切断した単位セル10に光を照射して、単位セル10で反射した光を測定し、単位セル10のイメージを撮影する。
【0095】
図3は、図1のラミネーション装置におけるビジョン部を概略的に示した斜視図であり、図4は、図1のラミネーション装置におけるビジョン部を概略的に示した側面図であり、図5は、図4のビジョン部における上部グリッパの上面にカリブレーションマークが形成された状態を概略的に示した平面図であり、図6は、図4のビジョン部における上部グリッパの上面に、カリブレーションマークとアノダイジング層が塗布された状態を概略的に示した断面図であり、図7は、図1のラミネーション装置における補正駆動部を概略的に示した斜視図であり、図8は、本発明によるラミネーション装置を概略的に示したブロック図である。
【0096】
図3~8を参照すると、ラミネーション装置100のビジョン部(V)は、リニアガイド171、下部グリッパ172、上部グリッパ173、及びグリッパ駆動部176を含む。
【0097】
リニアガイド171は、ビジョンカメラ177の一側に配置される。リニアガイド171は、単位セル10の移送経路を回避するように、移送経路の幅方向一側に設置される。リニアガイド171は、上下方向に立てられた状態で設置することができる。リニアガイド171の高さを調節することによって、下部グリッパ172と上部グリッパ173の高さが同時に調節される。
【0098】
下部グリッパ172は、リニアガイド171に固定設置される。下部グリッパ172は、単位セル10の移送経路の下側に配置される。下部グリッパ172には、最終カッター160で切断した単位セル10が供給される。このとき、下部グリッパ172には、0.2~0.3秒当たり1個の単位セル10を供給することもできる。単位セル10は、その厚さが100~500μmであってもよく、300~500mm/sの速度で移送することができる。単位セル10は、下部グリッパ172に一回に少なくとも2個以上ずつ供給することができる。単位セル10の移送速度は、単位セル10の大きさ、厚さなどを考慮して、適宜変更することができる。
【0099】
上部グリッパ173は、下部グリッパ172の上側に上下方向(Z軸方向)に沿って昇降可能に設置される。上部グリッパ173は、単位セル10の移送経路の上側に配置される。上部グリッパ173が下降して、下部グリッパ172に供給された単位セル10を押す。これによって、単位セル10がベントされるか、ずれた場合、下部グリッパ172が単位セル10を押すことによって、単位セル10を扁平に伸ばす。また、単位セル10の電極タブ(不図示)が過度に浮き上がるか垂れ下がった場合、下部グリッパ172の加圧によって電極タブは、一定に伸ばし得る。
【0100】
下部グリッパ172に0.2~0.3秒間隔で、2個の単位セル10が供給される場合、上部グリッパ173は、略0.4~0.6秒ごとに、上下方向に往復運動を繰り返す。生産量が一日平均10個であることを考慮すると、下部グリッパ172は、一日に5万回ほど昇降運動することになる。これら上部グリッパ173の昇降速度は、単位セル10の供給速度によって様々な変更が可能である。
【0101】
グリッパ駆動部176は、上部グリッパ173が単位セル10を押すように、上部グリッパ173を昇降させる。グリッパ駆動部176では、サーボモータやシリンダ部を適用することができる。グリッパ駆動部176は、リニアガイド171に設置される。前記グリッパ駆動部176は、上部グリッパ173を高速で往復運動させるため、上部グリッパ173やその組立構造物が他の構成要素に比べて、位置変更されるか変形する可能性が高くなる。また、上部グリッパ173をリニアガイド171に組み立てるボルトとナットが外れることもある。
【0102】
前記ビジョン部(V)は、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)、ビジョンカメラ177、補正駆動部180、及び制御部191を含む。
【0103】
複数のカリブレーションマーク(C1~C6)は、上部グリッパ173に配置される。カリブレーションマーク(C1~C6)は、上部グリッパ173の上面に塗布することができる。複数のカリブレーションマーク(C1~C6)は、上部グリッパ173の上面に同一間隔で配置されていてもよい。カリブレーションマーク(C1~C6)の大きさは、上部グリッパ173とビジョンカメラ177との離隔距離、ビジョンカメラ177の全体広さ、ビジョンカメラ177の読み取り精密度などを考慮して、様々な変更が可能である。
【0104】
ビジョンカメラ177は、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を撮影するように、上部グリッパ173の上側に配置される。ビジョンカメラ177は、略0.4~0.6秒ごとに、カリブレーションマーク(C1~C6)を撮影することができる。これらビジョンカメラ177は、カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージを制御部191に伝送する。このとき、ビジョンカメラ177とカリブレーションマーク(C1~C6)との間隔(距離)が遠くなるほど、カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージの大きさは、小さくなり、ビジョンカメラ177とカリブレーションマーク(C1~C6)との間隔(距離)が近くなるほど、カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージの大きさは、大きくなる。
【0105】
補正駆動部180は、下部グリッパ172と上部グリッパ173の高さを補正するように、下部グリッパ172と上部グリッパ173に連結される。補正駆動部180は、リニアガイド171を上下方向に移動させることによって、下部グリッパ172と上部グリッパ173の高さを調節することができる。前記補正駆動部180は、1/100mm~1/200mm単位で高さを精密に調節することができる。
【0106】
制御部191は、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を読み取って、上部グリッパ173の実際位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出する。制御部191は、前記位置偏差が許容位置範囲を外れると、位置偏差を補正するように、下部グリッパ172と上部グリッパ173を移動させる。このとき、上部グリッパ173と下部グリッパ172は、カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージが、許容イメージ範囲の基準イメージと同じ大きさになるまで移動される。
【0107】
例えば、許容イメージ範囲がA±5%と設定された場合、実際イメージの大きさがA±5%を外れると、制御部191は、撮影イメージが許容位置範囲の中間イメージ(A)と同じ大きさになるまで、下部グリッパ172と上部グリッパ173の高さを調節することができる。
【0108】
これによって、上部グリッパ173と下部グリッパ172、並びにその組立構造物の組み立て状態、及びセッティング組立公差などのような位置偏差が発生する場合、前記補正駆動部180によって位置偏差を解消することができる。
【0109】
また、ビジョン部(V)と単位セル10との間隔が、許容値を外れるように変更されることを防止し、単位セル10の継続した誤測定を防止し、単位セル10の不良率を顕著に減少させることができる。また、許容値範囲(良品範囲)に属する単位セル10が不良と判定されることを防止することもできる。
【0110】
一部のカリブレーションマーク(C2,C4,C6)は、上部グリッパ173の一側端部における第1距離(L1)に並んで配置される。その他のカリブレーションマーク(C1,C3,C5)は、上部グリッパ173の一側端部における第2距離(L2)に並んで配置される。一部のカリブレーションマーク(C2,C4,C6)と、その他のカリブレーションマーク(C1,C3,C5)は、単位セル10の移送経路と並んで配置されていてもよい。これによって、制御部191が複数のカリブレーションマーク(C1~C6)の実際の大きさを算出することで、上部グリッパ173が移送経路と平行な方向と垂直な方向に高さが変更されたか傾いているかを判断することができる。
【0111】
前記上部グリッパ173には、ビジョンカメラ177の光が透過するように透明窓175が形成され、前記透明窓175のまわりのフレーム部174には、アノダイジング層(AD)が塗布される。ここで、アノダイジング(anodizing)は、フレーム部174を電解液で正極に通電すると、正極で発生する酸素によって、フレーム部174の表面が酸化して、正極酸化被膜が形成されることを意味する。フレーム部174表面の素材では、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ニオビウム(Nb)合金などを適用することができる。前記アノダイジング層(AD)は、多孔性のある被膜であって、様々な色相で色染め可能であり、表面が滑らかであり、ビジョンカメラ177が読み取ったイメージの識別が容易である。
【0112】
前記アノダイジング層(AD)は、黒色(black)であり、カリブレーションマーク(C1~C6)は、白色(white)であってもよい。ビジョンカメラ177に撮影されたイメージでは、アノダイジング層(AD)が背景画面となり、白いマークが被写体に該当する。撮影イメージの背景画面が黒色である場合、被写体とその境界が鮮明になり、被写体の寸法が明確に示される。一方、撮影イメージの背景画面が白色や有彩色である場合、被写体とその境界が薄暗くなり、被写体の寸法が不明確に示される。本発明では、黒色アノダイジング層(AD)に白いカリブレーションマーク(C1~C6)が適用されるため、カリブレーションマーク(C1~C6)の大きさをより正確に読み取ることができる。カリブレーションマーク(C1~C6)の大きさを正確に読み取ることで、前記上部グリッパ173の高さは、より正確に補正することができる。
【0113】
前記カリブレーションマーク(C1~C6)は、円形に形成することができる。カリブレーションマーク(C1~C6)の直径は、2~5mm程に形成される。円形カリブレーションマーク(C1~C6)は、あらゆる方向に直径が同様に形成されるため、前記カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージの大きさをより正確に読み取ることができる。仮にカリブレーションマーク(C1~C6)のまわりが不規則な形態である場合、カリブレーションマーク(C1~C6)の大きさを正確に読み取りにくくなる。
【0114】
前記ビジョンカメラ177は、上部グリッパ173の下降が完了時、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を撮影する。例えば、上部グリッパ173が略0.4~0.6秒間隔で下降する場合、ビジョンカメラ177は、略0.4~0.6秒ごとに、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を撮影する。これによって、ビジョンカメラ177が光を照射することによって、カリブレーションマーク(C1~C6)と単位セル10を同時に撮影することができる。また、上記したビジョンカメラ177の撮影方式は、カリブレーションマークと単位セル10を個別に撮影する方式に比べて、ビジョンカメラ177の撮影周期が半分に減少し得、ビジョンカメラ177の消費電力の増加を防止することができる。
【0115】
上記した上部グリッパ173は、高速で往復移動するため、上部グリッパ173の組み立て部位におけるボルトやナットが微細に外れるか、上部グリッパ173や下部グリッパ172が曲がる可能性が最も高い構成である。これら上部グリッパ173が単位セル10を押した状態で、カリブレーションマーク(C1~C6)と単位セル10を同時に撮影するため、上部グリッパ173の作動誤差(動作高さ誤差)も正確に測定することができる。
【0116】
上部グリッパ173が位置補正された後、ビジョンカメラ177がカリブレーションマーク(C1~C6)を再度撮影して、上部グリッパ173の補正位置が許容位置範囲に属するかを制御部191が再度確認する。これによって、上部グリッパ173の高さ補正が正確に行われたかを確認することができる。
【0117】
ラミネーション装置は、上部グリッパ173の補正位置が許容位置範囲を外れると、上部グリッパ173の取り替えを知らせるアラーム発生部193をさらに含む。アラーム発生部193は、制御部191と電気的に連結される。制御部191がアラーム発生部193にアラーム信号を送信すると、アラーム発生部193は、アラーム信号を出力する。アラーム部がアラーム信号を出力すると、制御部191は、ラミネーション装置100を停止させる。これによって、作業者は、アラーム信号を聞いて、上部グリッパ173や下部グリッパ172自体が変形したかを確認することができ、グリッパ(上部グリッパ172,下部グリッパ173)を速やかに取り替えることができる。また、単位セル10の不良が継続して発生することを中断させることができる。
【0118】
補正駆動部180は、ケース部181、補正モータ部182、ボールスクリュー183、及びスライダー185を含む。
【0119】
ケース部181は、周辺構造物(不図示)によって位置固定される。ケース部181の内部には、補正モータ部182が設置される。補正モータ部182では、1/100mm~1/200mm単位で精密に高さを調節できるステップモータが適用される。ボールスクリュー183は、補正モータ部182の回転軸に連結される。スライダー185は、ボールスクリュー183の回転時、ケース部181の長さ方向に沿って移動可能に設置される。スライダー185は、ボールスクリュー183にネジ結合されて、ボールスクリュー183と並ぶ回転防止ロード184に移動可能に結合される。スライダー185には、リニアガイド171が連結される。これによって、補正モータ部182が駆動されると、ボールスクリュー183が回転されるにつれて、スライダー185が移動される。スライダー185が移動されるにつれて、リニアガイド171の高さが補正される。リニアガイド171、下部グリッパ172、上部グリッパ173は、スライダー185と共に移動される。
【0120】
図9は、本発明によるカリブレーションマークの撮影イメージの一例を示した図面であり、図10は、本発明による下部グリッパと上部グリッパの位置が許容位置範囲に属する場合を示した図面であり、図11は、本発明によるカリブレーションマークの撮影イメージの他の例を示した図面であり、図12は、本発明による下部グリッパと上部グリッパの位置が許容位置範囲を外れた場合を示した図面であり、図13は、本発明によるカリブレーションマークの撮影イメージのさらに他の例を示した図面であり、図14は、本発明による下部グリッパと上部グリッパが自体変形した場合を示した図面である。
【0121】
図9図14を参照すると、前記上部グリッパ173の高さ補正について詳説する。前記カリブレーションマーク(C1~C6)の直径は、3mmであり、6個のカリブレーションマーク(C1~C6)が形成された場合を一例に挙げて説明する。
【0122】
前記ビジョンカメラ177が、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を撮影して、制御部191に伝送すると、制御部191は、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)の大きさを読み取る。
【0123】
読み取られたカリブレーションマーク(C1~C6)は、C1の大きさが2.99mm、C2の大きさが3.01mm、C3の大きさが3.00mm、C4の大きさが3.00mm、C5の大きさが3.00mm、C6の大きさが3.06mmと示し得る(図9参照)。このとき、下部グリッパ172は、制御部191に予め設定された基準線(L)と、同一直線上に配置される(図10参照)。この場合、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)は、許容位置範囲に属するため、前記下部グリッパ172と上部グリッパ173は、正常状態であるものと見なす。
【0124】
これと違って、C1の大きさが2.71mm、C2の大きさが2.72mm、C3の大きさが2.68mm、C4の大きさが2.66mm、C5の大きさが2.69mm、C6の大きさが2.70mmと示し得る(図11参照)。このとき、下部グリッパ172は、制御部191に予め設定された基準線(L)よりも下に配置される(図12参照)。この場合、あらゆるカリブレーションマーク(C1~C6)が許容位置範囲の下限値を外れるため、制御部191は、下部グリッパ172と上部グリッパ173が許容値よりも下がっていると判定する。次いで、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)が許容位置範囲のイメージの大きさと同一になるように、前記補正駆動部180を駆動して、リニアガイド171の高さを補正する。
【0125】
これと違って、C1の大きさが2.71mm、C2の大きさが3.00mm、C3の大きさが2.68mm、C4の大きさが3.01mm、C5の大きさが2.69mm、C6の大きさが3.00mmと示し得る(図13参照)。このとき、下部グリッパ172の先端部は、制御部191に予め設定された基準線(L)よりも下に配置される(図14参照)。この場合、リニアガイド171における第1距離(L1)(リニアガイド171に近い側にて配置された)に配置されたカリブレーションマーク(C2,C4,C6)の大きさは、許容位置範囲に属するようになり、リニアガイド171における第2距離(L2)(リニアガイド171から遠く配置された)に配置されたカリブレーションマーク(C1,C3,C5)が、許容位置範囲の下限値を外れるようになる。次いで、制御部191は、下部グリッパ172と上部グリッパ173自体が下側に曲がると判定し、前記アラーム発生部193にアラーム信号を出力する。
【0126】
上記のように構成される本発明によるラミネーション装置の制御方法について説明することとする。
【0127】
図15は、本発明によるラミネーション装置の制御方法を概略的に示したフローチャートである。
【0128】
図15を参照すると、最終カッター160が単位セル10を切断すると、下部グリッパ172に単位セル10が供給される(S11)。このとき、2個の単位セル10は、0.4秒~0.6秒ごとに、下部グリッパ172に供給される。
【0129】
グリッパ駆動部176が駆動されることによって、上部グリッパ173が下降して、単位セル10を押す(S12)。これによって、単位セル10がベントされるか、ずれた場合、下部グリッパ172が単位セル10を押すことによって、単位セル10が扁平に伸ばす。また、単位セル10の電極タブが過度に浮き上がるか垂れ下がった場合、下部グリッパ172の加圧によって電極タブを一定に伸ばし得る。
【0130】
ビジョンカメラ177は、上部グリッパ173に形成された複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を撮影して、制御部191に伝送する(S13)。ビジョンカメラ177は、略0.4~0.6秒ごとに、カリブレーションマーク(C1~C6)を撮影することができる。このとき、ビジョンカメラ177とカリブレーションマーク(C1~C6)との間隔が遠くなるほど、カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージの大きさは、小さくなり、ビジョンカメラ177とカリブレーションマーク(C1~C6)との間隔が近くなるほど、カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージの大きさは、大きくなる。
【0131】
このとき、一部のカリブレーションマーク(C2,C4,C6)は、前記上部グリッパ173の一側端部における第1距離(L1)に並んで配置されて、その他のカリブレーションマーク(C1,C3,C5)は、前記上部グリッパ173の一側端部における第2距離(L2)に並んで配置される。これによって、制御部191が、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)の実際の大きさを算出することで、上部グリッパ173が、移送経路と平行な方向と垂直な方向に高さが変更されたか傾いているかを判断することができる。
【0132】
上部グリッパ173の透明窓175まわりには、アノダイジング層(AD)が塗布される。このとき、アノダイジング層(AD)は、黒色であり、カリブレーションマーク(C1~C6)は、白色を適用する。ビジョンカメラ177に撮影されたイメージでは、アノダイジング層(AD)が背景画面となり、白色マークが被写体に該当する。撮影イメージの背景画面が黒色である場合、被写体とその境界が鮮明になり、被写体の寸法が明確に示される。これによって、カリブレーションマーク(C1~C6)の大きさをより正確に読み取ることができる。
【0133】
カリブレーションマーク(C1~C6)は、円形に形成される。円形カリブレーションマーク(C1~C6)は、あらゆる方向に直径が同様に形成されるため、前記カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージの大きさがより正確に読み取られる。
【0134】
ビジョンカメラ177は、上部グリッパ173の下降が完了した時、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を撮影する。上部グリッパ173が略0.4~0.6秒の間隔で下降する場合、ビジョンカメラ177は、略0.4~0.6秒ごとに、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を撮影する。これによって、ビジョンカメラ177が光を照射することによって、カリブレーションマーク(C1~C6)と単位セル10を同時に撮影することができる。これによって、ビジョンカメラ177の撮影周期が増加することを防止して、ビジョンカメラ177の消費電力の増加を防止することができる。
【0135】
制御部191は、複数のカリブレーションマーク(C1~C6)を読み取って、上部グリッパ173の実際の位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出する(S14)。
【0136】
制御部191では、位置偏差が許容位置範囲を外れたかを判断する(S15)。位置偏差が許容位置範囲に属すると判断すると、補正駆動部180は、動作されない。
【0137】
前記位置偏差が前記許容位置範囲を外れたと判断すると、位置偏差を補正するように、下部グリッパ172と上部グリッパ173を移動させる(S16)。これによって、上部グリッパ173と下部グリッパ172、並びにその組立構造物の組み立て状態及びセッティング組立公差などのような位置偏差が発生する場合、前記補正駆動部180によって位置偏差を解消することができる。すなわち、上部グリッパ173と下部グリッパ172は、カリブレーションマーク(C1~C6)の撮影イメージが、許容イメージ範囲の基準イメージと同じ大きさになるまで移動される。
【0138】
上部グリッパ173が位置補正された後、ビジョンカメラ177は、カリブレーションマーク(C1~C6)を再度撮影する(S17)。ビジョンカメラ177は、再度撮影されたイメージを制御部191に伝送する。
【0139】
制御部191では、上部グリッパ173の補正位置が許容位置範囲に属するかを再度判断する(S18)。これによって、上部グリッパ173の高さ補正が正確に行われたかを確認することができる。
【0140】
上部グリッパ173の補正位置が許容位置を外れたと判断すると、アラーム発生部193は、アラーム信号を出力する(S19)。アラーム部がアラーム信号を出力すると、制御部191は、ラミネーション装置を停止させる(S20)。これによって、作業者は、アラーム信号を聞いて、上部グリッパ173や下部グリッパ172自体が変形したかを確認することができ、グリッパ装置を速やかに取り替えることができる。また、単位セル10の不良が継続して発生することを中断させることができる。
【0141】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者にとって様々な変形を行えることは自明である。なお、本発明の実施形態を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0142】
10 単位セル
11 第1電極
12 第2電極
13 分離膜
13a 第1分離膜
13b 第2分離膜
100 ラミネーション装置
102 電極積層体
110 第1電極ロール
111 第1電極シート
120 第2電極ロール
121 第2電極シート
130 分離膜ロール
130a 第1分離膜ロール
131 分離膜シート
131a 第1分離膜シート
130b 第2分離膜ロール
131b 第2分離膜シート
133 ピンチローラ
141 第1カッター部
143 第2カッター部
150 ラミネーション部
151 ヒータ部
153 ラミローラ部
153a 上部ラミローラ
153b 下部ラミローラ
155 圧力調節部
160 最終カッター
V ビジョン部
171 リニアガイド
172 下部グリッパ
173 上部グリッパ
174 フレーム部
175 透明窓
176 グリッパ駆動部
177 ビジョンカメラ
180 補正駆動部
181 ケース部
182 補正モータ部
183 ボールスクリュー
184 回転防止ロード
185 スライダー
191 制御部
193 アラーム発生部
C1,C2,C3,C4,C5,C6 カリブレーションマーク
AD アノダイジング層
L 基準線
L1 第1距離
L2 第2距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11(a)】
図11(b)】
図12
図13(a)】
図13(b)】
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位セルが供給される下部グリッパ;
前記下部グリッパの上側に、上下方向に沿って昇降可能に設置される上部グリッパ;
前記上部グリッパが前記単位セルを押すように、前記上部グリッパを昇降させるグリッパ駆動部;
前記上部グリッパに配置される複数のカリブレーションマーク;
前記複数のカリブレーションマークを撮影するビジョンカメラ;
前記下部グリッパと前記上部グリッパの高さを補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパに連結される補正駆動部;及び
前記複数のカリブレーションマークを読み取って、前記上部グリッパの実際位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出して、前記位置偏差を補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパを移動させる制御部;を含む、
ラミネーション装置。
【請求項2】
前記制御部には、前記複数のカリブレーションマークに関する許容イメージ範囲が予め設定され、
前記制御部は、前記許容イメージ範囲と、前記ビジョンカメラで撮影された実際イメージの大きさとを比較して、前記上部グリッパの位置偏差を算出する、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項3】
一部のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第1距離に並んで配置され、
その他のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第2距離に並んで配置される、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項4】
前記上部グリッパは、前記ビジョンカメラの光が透過する透明窓を含む、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項5】
前記透明窓のまわりにはアノダイジング層が塗布される、
請求項4に記載のラミネーション装置。
【請求項6】
前記アノダイジング層は、黒色であり、
前記複数のカリブレーションマークは、白色である、
請求項5に記載のラミネーション装置。
【請求項7】
前記複数のカリブレーションマークは、円形に形成される、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項8】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの下降が完了した時、前記複数のカリブレーションマークを撮影する、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項9】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの上側に配置される、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項10】
前記上部グリッパが位置補正された後、前記ビジョンカメラは、前記複数のカリブレーションマークを再度撮影して、前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲に属するかを前記制御部が再度確認する、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項11】
前記下部グリッパは、リニアガイドに固定されて、
前記上部グリッパは、前記リニアガイドに昇降可能に設置される、
請求項1に記載のラミネーション装置。
【請求項12】
前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲を外れると、前記上部グリッパの取り替えを知らせるアラーム発生部をさらに含む、
請求項1から11のいずれか一項に記載のラミネーション装置。
【請求項13】
下部グリッパに単位セルが供給されるステップ;
上部グリッパが下降して、前記単位セルを押すステップ;
ビジョンカメラが、前記上部グリッパに形成された複数のカリブレーションマークを撮影して、制御部に伝送するステップ;
前記制御部は、前記複数のカリブレーションマークを読み取って、前記上部グリッパの実際位置と、予め設定された許容位置範囲との間の位置偏差を算出するステップ;及び
前記位置偏差が前記許容位置範囲を外れると、前記位置偏差を補正するように、前記下部グリッパと前記上部グリッパを移動させるステップ;を含む、
ラミネーション装置の制御方法。
【請求項14】
一部のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第1距離に並んで配置され、
その他のカリブレーションマークは、前記上部グリッパの一側端部における第2距離に並んで配置される、
請求項13に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項15】
前記上部グリッパの透明窓のまわりにはアノダイジング層が塗布される、
請求項13に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項16】
前記アノダイジング層は、黒色であり、
前記複数のカリブレーションマークは、白色である、
請求項15に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項17】
前記複数のカリブレーションマークは、円形に形成される、
請求項15に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項18】
前記ビジョンカメラは、前記上部グリッパの下降が完了した時、前記複数のカリブレーションマークを撮影する、
請求項13に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項19】
前記上部グリッパが位置補正された後、前記ビジョンカメラは、前記複数のカリブレーションマークを再度撮影して、前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲に属するかを、前記制御部が再度確認するステップをさらに含む、
請求項13から18のいずれか一項に記載のラミネーション装置の制御方法。
【請求項20】
前記上部グリッパの補正位置が前記許容位置範囲を外れると、アラーム発生部が、アラーム信号を出力するステップをさらに含む、
請求項19に記載のラミネーション装置の制御方法。
【国際調査報告】