(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】アルミニウム及びジルコニウムをベースとする混合酸化物
(51)【国際特許分類】
B01J 23/10 20060101AFI20241108BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20241108BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20241108BHJP
B01J 37/06 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B01J23/10 A
B01J37/08
B01J37/04 102
B01J37/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529777
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2022083184
(87)【国際公開番号】W WO2023099338
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508079739
【氏名又は名称】ローディア オペレーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大竹 直孝
(72)【発明者】
【氏名】西村 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】庄水 哲也
【テーマコード(参考)】
4G169
【Fターム(参考)】
4G169AA01
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC16A
4G169BC16B
4G169BC40A
4G169BC40B
4G169BC42A
4G169BC42B
4G169BC44A
4G169BC51A
4G169BC51B
4G169BC52A
4G169BC71A
4G169BC72A
4G169BC75A
4G169CA03
4G169CA13
4G169CA14
4G169CA15
4G169DA06
4G169EC07X
4G169EC08X
4G169EC08Y
4G169FC02
4G169FC08
(57)【要約】
本発明は、アルミニウムの、ジルコニウムの、セリウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属の混合酸化物であって、激しい老化の後に、良好な熱安定性及び良好な触媒活性を保持する触媒を修復することを可能にする混合酸化物に関する。本発明はまた、この混合酸化物の調製方法に、及びまたこの混合酸化物から調製された触媒を使用して内燃機関からの排気ガスを処理する方法に関する。本混合酸化物は、以下の3つの特性(i)、(ii)、(iii):
- (i)Δは82.0%未満である(Δは、次式:
Δ=(S950℃/3h-S1200℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (ii)Δ*は55.0%未満である(Δ*は、次式:
Δ*=(S950℃/3h-S1100℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (iii)S1200℃/5hは厳密に15.0m2/g超である(>15.0m2/g)
のうちの少なくとも1つを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムの、ジルコニウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属(REMと表される)の混合酸化物であって、これらの元素の重量割合が、次の通り:
・ 20.0重量%~45.0重量%のアルミニウム;
・ 1.0重量%~15.0重量%のランタン;
・ 0~10.0重量%のセリウム以外及びランタン以外の希土類金属(前記混合酸化物が、セリウム以外及びランタン以外の2種以上の希土類金属を含む場合、この割合が、これらの希土類金属のそれぞれに適用されるという条件で);
・ 50.0重量%~70.0重量%のジルコニウム
であり、
これらの割合が、前記混合酸化物の総重量に対する酸化物換算量として表されており、
空気中1100℃で5時間の焼成後に、前記混合酸化物の比表面積(BET)が少なくとも25.0m
2/gであること;
及び空気中950℃で3時間の焼成後に、N
2ポロシメトリーによって測定される前記混合酸化物の多孔性が、
・ 100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内に、前記混合酸化物のポログラムが、15~30nmの直径D
p,950℃/3hに位置するピークを示し;
・ 比V
<40nm,950℃/3h/V
total,950℃/3hが0.80以上であり;
・ V
total,950℃/3hが0.35ml/g以上である
ようなものであり;
V
<40nm,950℃/3h、V
total,950℃/3hは、それぞれ、40nm未満のサイズを有する細孔についての細孔容積及び空気中950℃で3時間の焼成後の前記混合酸化物の総細孔容積を表すこと
を特徴とし;
前記混合酸化物が、更に、以下の3つの特性(i)、(ii)、(iii):
- (i)Δは82.0%未満である(Δは、次式:
Δ=(S
950℃/3h-S
1200℃/5h)/S
950℃/3h×100によって計算される);
- (ii)Δ
*は55.0%未満である(Δ
*は、次式:
Δ
*=(S
950℃/3h-S
1100℃/5h)/S
950℃/3h×100によって計算される);
- (iii)S
1200℃/5hは厳密に15.0m
2/g超である
(ここで、S
950℃/3h、S
1100℃/5h及びS
1200℃/5hは、それぞれ、空気中それぞれ950℃で3時間、1100℃で5時間及び1200℃で5時間の焼成後の前記混合酸化物についてのBET比表面積を表す)
のうちの1つ以上で特徴付けられる、
混合酸化物。
【請求項2】
アルミニウムの、ジルコニウムの、ランタンの、任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属(REMと表される)の、並びに任意選択的にハフニウムの酸化物の組合せからなる混合酸化物であって、これらの元素の重量割合が、以下の通り:
・ 20.0重量%~45.0重量%のアルミニウム;
・ 1.0重量%~15.0重量%のランタン;
・ 0~10.0重量%のセリウム以外及びランタン以外の希土類金属(前記混合酸化物が、セリウム以外及びランタン以外の2種以上の希土類金属を含む場合、この割合が、これらの希土類金属のそれぞれに適用されるという条件で);
・ 50.0重量%~70.0重量%のジルコニウム
であり;
これらの割合が、前記混合酸化物の総重量に対する酸化物換算量として表されており、
空気中1100℃で5時間の焼成後に、前記混合酸化物の比表面積(BET)が少なくとも25.0m
2/gであること;
及び空気中950℃で3時間の焼成後に、N
2ポロシメトリーによって測定される前記混合酸化物の多孔性が、
・ 100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内に、前記混合酸化物のポログラムが、15~30nmの直径D
p,950℃/3hに位置するピークを示し;
・ 比V
<40nm,950℃/3h/V
total,950℃/3hが0.80以上であり;
・ V
total,950℃/3hが0.35ml/g以上である
ようなものであり;
V
<40nm,950℃/3h、V
total,950℃/3hは、それぞれ、40nm未満のサイズを有する細孔についての細孔容積及び空気中950℃で3時間の焼成後の前記混合酸化物の総細孔容積を表すこと
を特徴とし;
前記混合酸化物が、更に、以下の3つの特性(i)、(ii)、(iii):
- (i)Δは82.0%未満である(Δは、次式:
Δ=(S
950℃/3h-S
1200℃/5h)/S
950℃/3h×100
によって計算される);
- (ii)Δ
*は55.0%未満である(Δ
*は、次式:
Δ
*=(S
950℃/3h-S
1100℃/5h)/S
950℃/3h×100
によって計算される);
- (iii)S
1200℃/5hは厳密に15.0m
2/g超(>15.0m
2/g)である
(ここで、S
950℃/3h、S
1100℃/5h及びS
1200℃/5hは、それぞれ、空気中それぞれ950℃で3時間、1100℃で5時間及び1200℃で5時間の焼成後の前記混合酸化物についてのBET比表面積を表す)
のうちの1つ以上で特徴付けられる、
混合酸化物。
【請求項3】
空気中950℃で3時間の焼成後に、前記混合酸化物のポログラムが、100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内に、直径D
p,950℃/3hに位置する単一ピークを示すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の混合酸化物。
【請求項4】
ハフニウムを更に含む、請求項1又は3に記載の混合酸化物。
【請求項5】
ハフニウムの割合が2.0重量%以下であり、この割合が前記混合酸化物の総重量に対するHfO
2として表される、請求項4に記載の混合酸化物。
【請求項6】
前記元素Zr、La、もしあれば、REM、及びもしあれば、Hfが、前記混合酸化物中に酸化物として存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項7】
前記元素Zr、La、もしあれば、REM、及びもしあれば、Hfが、前記混合酸化物中に酸化物として、及びまた、部分的に水酸化物又はオキシ水酸化物の形態で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項8】
酸化ジルコニウムをベースとする結晶相の結晶子の平均サイズが、厳密に10nm超であり、このサイズが、前記混合酸化物の空気中950℃で3時間の焼成後に測定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項9】
酸化ジルコニウムをベースとする前記結晶相の前記結晶子の平均サイズが、25nm未満又は20nm未満であり、このサイズが、前記混合酸化物の空気中950℃で3時間の焼成後に測定される、請求項1~8のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項10】
空気中:
- 1100℃で5時間の焼成後に、酸化ジルコニウムをベースとする前記結晶相の前記結晶子の平均サイズが、最大でも30nm、好ましくは最大でも28nm、更により好ましくは最大でも25nmである;及び/又は
- 1200℃で5時間の焼成後に、酸化ジルコニウムをベースとする前記結晶相の前記結晶子の平均サイズが、最大でも45nm、好ましくは最大でも40nm、更により好ましくは最大でも38nmである、
請求項1~9のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項11】
前記平均結晶子サイズが、式(I):
t=kλ/((β-s)cosθ) (I)
(t:平均結晶子サイズ;
k:0.9に等しい形状係数;
λ(ラムダ):入射ビームの波長(λ=1.5406オングストローム);
β:最大強度の半分で測定される線の広がり;
s:機器ラインの広がり;
θ:ブラッグ角)
によって与えられる、請求項8~10のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項12】
前記結晶相が、29.0°~31.0°の2θ角に位置するピーク(線源:CuKα1、λ=1.5406オングストローム)で特徴付けられる、請求項8~11のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項13】
前記結晶相が、酸化ジルコニウムを含み、またランタン並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の希土類金属を含み得る、請求項8~12のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項14】
前記結晶相が正方晶構造を示す、請求項8~13のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項15】
アルミニウムの割合が25.0重量%~40.0重量%である、請求項1~14のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項16】
アルミニウムの前記割合が25.0重量%~35.0重量%である、請求項1~15のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項17】
ランタンの割合が、1.0重量%~10.0重量%、より特に1.0重量%~7.0重量%、更により特に2.0重量%~7.0重量%である、請求項1~16のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項18】
前記混合酸化物が2種以上のREMを含む場合にREMの又は各REMの割合が、
- 1.0重量%~10.0重量%;又は
- 1.0重量%~7.0重量%;又は
- 2.0重量%~7.0重量%
である、請求項1~17のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項19】
前記混合酸化物が2種以上のREMを含む場合のREMの及び各REMの前記割合が2.0重量%~7.0重量%である、請求項18に記載の混合酸化物。
【請求項20】
ジルコニウムの割合が55.0重量%~65.0重量%である、請求項1~19のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項21】
ジルコニウムの及びアルミニウムの合計割合が80.0重量%以上である、請求項1~20のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項22】
ジルコニウムの及びアルミニウムの前記合計割合が85.0重量%以上である、請求項21に記載の混合酸化物。
【請求項23】
前記混合酸化物が2種以上のREMを含有する場合、前記REMの合計割合が25.0重量%未満であることを特徴とする、請求項1~22のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項24】
前記混合酸化物が2種以上のREMを含有する場合、前記REMの合計割合が20.0重量%未満であることを特徴とする、請求項1~22のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項25】
以下の組成:
・ 25.0重量%~35.0重量%のアルミニウム;
・ 1.0重量%~7.0重量%のランタン;
・ 1.0重量%~7.0重量%の少なくとも1種のREM;
・ 55.0重量%~65.0重量%のジルコニウム
を有する、請求項1~24のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項26】
- ランタンの前記割合が、2.0重量%~7.0重量%、より特に3.0重量%~7.0重量%である;及び/又は
- 前記REMの前記割合が2.0重量%~7.0重量%である、
請求項25に記載の混合酸化物。
【請求項27】
前記REMの前記割合が3.0重量%~7.0重量%である、請求項25又は26に記載の混合酸化物。
【請求項28】
前記REMが、イットリウム、ネオジム、プラセオジム又はこれらの元素の組合せから選択される、請求項1~27のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項29】
前記REM又は前記REMのうちの1つがYである、請求項1~28のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項30】
セリウム又は酸化セリウムを含まないことを特徴とする、請求項1~29のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項31】
前記混合酸化物の総重量に対する酸化物CeO
2の重量で表されるセリウムの割合が、1.0重量%未満、更に0.5重量%未満、又は0.2重量%未満又は0.05重量%未満であることを特徴とする、請求項1~29のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項32】
前記混合酸化物の総重量に対する酸化物CeO
2の重量で表されるセリウムの前記割合が0.05重量%未満であることを特徴とする、請求項31に記載の混合酸化物。
【請求項33】
空気中1100℃で5時間の焼成後の比表面積(BET)が、少なくとも30.0m
2/g、より好ましくは少なくとも32.0m
2/g、より好ましくは少なくとも35.0m
2/g、更により好ましくは少なくとも40.0m
2/gである、請求項1~32のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項34】
空気中1100℃で5時間の焼成後の比表面積(BET)が、最大でも50.0m
2/g、より特に最大でも45.0m
2/gである、請求項1~33のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項35】
空気中950℃で3時間の焼成後の比表面積(BET)が、少なくとも40m
2/g、より好ましくは少なくとも50m
2/g、更により好ましくは少なくとも60m
2/gである、請求項1~34のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項36】
空気中950℃で3時間の焼成後の前記比表面積(BET)が、最大でも90m
2/g、より特に最大でも85m
2/g、又は最大でも80m
2/gである、請求項1~35のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項37】
空気中1200℃で5時間の焼成後の比表面積(BET)が16.0m
2/g超である、請求項1~36のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項38】
空気中1200℃で5時間の焼成後の比表面積(BET)が、15.0(排除値)~25.0m
2/g又は15.0(排除値)~20.0m
2/gである、請求項1~37のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項39】
比V
<40nm,950℃/3h/V
total,950℃/3hが0.85以上である、請求項1~38のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項40】
前記比V
<40nm,950℃/3h/V
total,950℃/3hが0.90以上である、請求項1~39のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項41】
V
total,950℃/3hが0.40ml/g以上である、請求項1~40のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項42】
V
total,950℃/3hが0.45ml/g以上である、請求項1~41のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項43】
V
total,950℃/3hが1.00ml/g未満である、請求項1~42のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項44】
V
total,950℃/3hが0.90ml/g未満である、請求項1~43のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項45】
V
total,950℃/3hが0.80ml/g未満である、請求項1~44のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項46】
直径D
p,950℃/3hに位置するピークが、厳密に10nm超である及び20nm未満である半値幅で特徴付けられる、請求項1~45のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項47】
直径D
p,950℃/3hが、15~30nm又は20~30nmである、請求項1~46のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項48】
特性(i)及び(ii);又は(i)及び(iii);又は(ii)及び(iii);又は(i)、(ii)及び(iii)を示す、請求項1~47のいずれか一項に記載の混合酸化物。
【請求項49】
請求項1~48のいずれか一項に記載の混合酸化物の調製方法であって、以下の工程:
(a0)その中にアルミニウム水和物が分散されている、硝酸と、ジルコニウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の希土類金属の酸化物の前駆体とを含む酸性水性分散液を調製し、得られた分散液が、厳密に5時間超である継続時間撹拌される工程;
(a1)前記酸性水性分散液が、塩基性水溶液を含有する撹拌槽へ導入される工程;
(a2)工程(a1)の終わりに得られた前記分散液が、少なくとも130℃である温度で加熱され、撹拌される工程;
(a3)工程(a2)の前記分散液の固体が固/液分離によって回収され、ケーキが水で洗浄される工程;
(a4)工程(a3)の終わりに得られた前記固体が空気中900℃~1050℃である温度で焼成される工程
を含む、方法。
【請求項50】
前記アルミニウム水和物が、任意選択的にランタンをまた含むベーマイトをベースとし、空気中900℃の温度で2時間の焼成後に、以下の多孔性:
・ VP20nm-N2が、
- 10%×VPT-N2以上、より特に15%×VPT-N2以上、又は更には20%×VPT-N2以上、又は更には30%×VPT-N2以上であり;
- 60%×VPT-N2以下である
ような、20nm以下のサイズを有する細孔のドメイン内の細孔容積(VP20nm-N2で表される);
・ VP40-100nm-N2が20%×VPT-N2以上、より特に25%×VPT-N2以上、又は更に30%×VPT-N2以上であるような、40~100nmのサイズを有する細孔のドメイン内の細孔容積(VP40-100nm-N2で表される)
を示し、
・ VPT-N2が、空気中900℃で2時間の焼成後の前記アルミニウム水和物の総細孔容積を表し;
・ 前記細孔容積が、窒素ポロシメトリー技法によって測定される、
請求項49に記載の方法。
【請求項51】
触媒コンバーターの製造のための請求項1~48のいずれか一項に記載の混合酸化物の使用。
【請求項52】
Pt、Rh又はPdからなる群の中で選択される少なくとも1種の貴金属用の担体としての請求項1~48のいずれか一項に記載の混合酸化物の使用。
【請求項53】
請求項1~48のいずれか一項に記載の混合酸化物のRh用の担体としての使用。
【請求項54】
請求項1~48のいずれか一項に記載の混合酸化物と、任意選択的に少なくとも1種の無機材料とを含む組成物。
【請求項55】
Pt、Rh又はPdからなる群の中で選択される少なくとも1種の貴金属をまた含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
請求項1~48のいずれか一項に記載の混合酸化物から調製され、固体担体上に堆積された触媒活性ウォッシュコートを含む触媒コンバーター。
【請求項57】
請求項1~48のいずれか一項に記載の混合酸化物の調製のためのアルミニウム水和物の使用であって、前記アルミニウム水和物が、ベーマイトをベースとしており、任意選択的にランタンをまた含み、以下の特性:
- 空気中900℃の温度で2時間焼成された後に、それは、
・ VP20nm-N2が、
- 10%×VPT-N2以上、より特に15%×VPT-N2以上、又は更には20%×VPT-N2以上、又は更には30%×VPT-N2以上であり;
- 60%×VPT-N2以下である
ような、20nm以下のサイズを有する細孔のドメイン内の細孔容積(VP20nm-N2で表される);
・ VP40-100nm-N2が20%×VPT-N2以上、より特に25%×VPT-N2以上、又は更には30%×VPT-N2以上であるような、40~100nmのサイズを有する細孔のドメイン内の細孔容積(VP40-100nm-N2で表される)
を示し;
・ VPT-N2が、空気中900℃で2時間の焼成後の前記アルミニウム水和物の総細孔容積を示し;
前記細孔容積が、窒素ポロシメトリー技法によって測定される、
ことを特徴とする使用。
【請求項58】
前記アルミニウム水和物が、60%以下、より特に50%以下である結晶相(ベーマイト)の%を有する、請求項57に記載の使用。
【請求項59】
前記アルミニウム水和物が、0.65~1.20ml/g、より特に0.70~1.15ml/g、又は0.70~1.10ml/gの総細孔容積(VPT-N2)を有する、請求項57又は58のいずれか一項に記載の使用。
【請求項60】
前記アルミニウム水和物が、少なくとも200m
2/gの、より特に少なくとも250m
2/gのBET比表面積を示す、請求項57~59のいずれか一項に記載の使用。
【請求項61】
前記アルミニウム水和物が、少なくとも200m
2/gの、より特に少なくとも250m
2/gのBET比表面積を示す、請求項57~60のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月1日出願の欧州特許出願第21306679.8号の優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、アルミニウムの、ジルコニウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属の混合酸化物であって、激しい老化後に、特定の多孔性、良好な熱安定性及び良好な触媒活性を保持する触媒を調製することを可能にする混合酸化物に関する。本発明はまた、この混合酸化物の調製方法に、及びまたこの混合酸化物から調製された触媒を使用する内燃機関からの排気ガスの処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
技術的課題
車両エンジンとマフラーとを互いに接続する排気ガス用の排気系に、排気ガスを浄化するための触媒コンバーターが一般的に提供される。エンジンは、CO、NOx又は未燃炭化水素などの環境に有害な物質を排出する。そのような有害な物質を環境上許容できる物質へ変換するために、排気ガスは、COがCO2へ変換され、NOxがN2及びO2へ変換され、未燃炭化水素が燃焼されるように触媒コンバーターを通して流される。触媒コンバーターにおいて、Rh、Pd又はPtなどの貴金属触媒が担体に担持された触媒層が、基材のセル壁面上に形成されている。貴金属触媒を担持するための担体の例としては、セリウム及びジルコニウムをベースとする混合酸化物が挙げられる。この担体はまた、共触媒と呼ばれ、CO、NOx及び未燃炭化水素などの排気ガス中の有害な成分を同時に除去する三元触媒の必須成分である。セリウムは、排気ガス中の酸素の分圧に応じてセリウムの酸化数が変化するので重要である。CeO2は、酸素を吸着する及び脱着する機能及び酸素を貯蔵する機能(いわゆるOSC能)を有する。
【0004】
Rhは、排気ガスからNOx含有量を低減するのに効率的な貴金属であることが知られている。Rh0は、それがより良好なDeNOx活性を提供するので、RhIIIのような高酸化状態でのRhよりも好ましい。セリウムジルコニウム系混合酸化物が助触媒及び貴金属用の担体として使用される伝統的な三元触媒において、CeO2からの脱着酸素でRh0がRhIIIへ酸化されるので、酸化セリウムの存在はDeNOx活性に有害であることが知られている。
【0005】
ジルコニアは、Rh0を安定化させ、分散させるのに役立つので、ロジウム用の良好な担体として知られているが、特に効果的なDeNOx活性を長い期間保つために、触媒のより良好な熱安定性が必要とされる。
【0006】
それ故に、触媒コンバーターで遭遇する過酷な条件(高温、並びにCO、O2及びNOxなどの攻撃的なガスの存在)下で熱的に安定したままであり、且つ効率的なDeNOx触媒活性、特に、長い期間ロジウムの効率的な触媒活性を可能にする、良好な物質移動のための特定の多孔性を有するロジウム用の担体が必要とされている。混合酸化物は、1100℃又は1200℃ほどに高い温度に耐えるものとする。
【0007】
特に、触媒活性の貴金属(とりわけRh)が焼結効果のために封入されることを防ぐために、混合酸化物の構造は、熱ストレスを乗り切るものとする。したがって、混合酸化物の多孔性の及び比表面積の変化は、制限される又は最小限にされるものとする。
【0008】
本発明の混合酸化物は、これらの課題を解決することを目的とする。
【0009】
説明の継続のために、別段の指示がない限り、「最大でも」及び「少なくとも」などの表現に関してなどで与えられる値の範囲には、境界値が含まれることが明記される。更に、重量%は、重量で表される%に対応する。別段の指示がない限り、焼成は空気中で行われることがまた明記される。
【0010】
欧州特許第3085667号明細書は、1000℃で12時間の熱処理後に0.03以上のP/W比(ここで、Pはピークの高さを表し、Wはピークの幅を表す)を示すジルコニア系物体を開示している。開示された製品のP/W比は、0.01~0.11であり、それは9~100の高いW/P比に相当する。
【0011】
欧州特許第3345870号明細書は、2.0%未満の含有量の酸化アルミニウムをまた含み得る、2~6モル%のイットリアを含むジルコニア粉末を開示している。
【0012】
米国特許第9,902,654B2号明細書は、ZrO2-Al2O3セラミックを開示している。80重量%(97モル%のZrO2-3モル%のY2O3)-20重量%のAl2O3の特定の組成のセラミックが示されており、それは75.6重量%のZrO2に相当する。
【0013】
国際公開第2019/122692号パンフレットは、本発明の混合酸化物とは異なる、セリウムを含有する混合酸化物の調製のために使用されるアルミニウム水和物Hを開示している。
【0014】
引用公文書のどれも、請求項1におけるような混合酸化物を開示していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の混合酸化物は、Al、Zr、La並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属(REMと表される)の混合酸化物である。
【0016】
本発明の混合酸化物は、請求項1~48に開示されている。したがって、それは、アルミニウムの、ジルコニウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属(REMと表される)の混合酸化物であって、これらの元素の重量割合が以下の通り:
・ 20.0重量%~45.0重量%のアルミニウム;
・ 1.0重量%~15.0重量%のランタン;
・ 0~10.0重量%のセリウム以外及びランタン以外の希土類金属(混合酸化物がセリウム以外及びランタン以外の2種以上の希土類金属を含む場合、この割合が、これらの希土類金属のそれぞれに適用されるという条件で);
・ 50.0重量%~70.0重量%のジルコニウム
であり、
これらの割合が、混合酸化物の総重量に対する酸化物換算量として表されており、
空気中1100℃で5時間の焼成後に、混合酸化物の比表面積(BET)が少なくとも25.0m2/gであること;
及び空気中950℃で3時間の焼成後に、N2ポロシメトリーによって測定される混合酸化物の多孔性が、
・ 100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内に、混合酸化物のポログラムが、15~35nm、より特に15~30nm、更により特に20~30nmの直径Dp,950℃/3hに位置するピークを示し;
・ 比V<40nm,950℃/3h/Vtotal,950℃/3hが0.80以上であり;
・ Vtotal,950℃/3hが0.35ml/g以上である
ようなものであり;
V<40nm,950℃/3h、Vtotal,950℃/3hが、それぞれ、40nm未満のサイズを有する細孔についての細孔容積及び空気中950℃で3時間の焼成後の混合酸化物の総細孔容積を表すこと
を特徴とし;
混合酸化物が、更に、以下の3つの特性(i)、(ii)、(iii):
- (i)Δは82.0%未満である(Δは、次式:
Δ=(S950℃/3h-S1200℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (ii)Δ*は55.0%未満である(Δ*は、次式:
Δ*=(S950℃/3h-S1100℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (iii)S1200℃/5hは厳密に15.0m2/g超(>15.0m2/g)である
(ここで、S950℃/3h、S1100℃/5h及びS1200℃/5hは、それぞれ、空気中それぞれ950℃で3時間、1100℃で5時間及び1200℃で5時間の焼成後の混合酸化物についてのBET比表面積を表す)
のうちの1つ以上で特徴付けられる、
混合酸化物である。
【0017】
本発明はまた、請求項49~51に記載の方法に、請求項52~53のいずれか一項に記載の混合酸化物の使用に、請求項54~55に記載の組成物に、及び請求項56に記載の触媒コンバーターに関する。それはまた、混合酸化物の調製のための、以下に及び請求項57~61に明確に規定されるようなアルミニウム水和物の使用に関する。すべてのこれらの主題は、これから以下に更に明確に規定される。
【0018】
参照により本明細書に援用される任意の特許、特許出願、及び刊行物の開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の混合酸化物の組成に関しては、後者は、アルミニウムの、ジルコニウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属(REMと表される)の混合酸化物であり、混合酸化物の総重量に対して、酸化物換算量として表される、これらの元素の重量割合は、次の通り:
・ 20.0重量%~45.0重量%のアルミニウム;
・ 1.0重量%~15.0重量%のランタン;
・ 0~10.0重量%のセリウム以外及びランタン以外の希土類金属(混合酸化物がセリウム以外及びランタン以外の希土類金属を2種以上含む場合、この割合が、これらの希土類金属のそれぞれに適用されるという条件で);
・ 50.0重量%~70.0重量%のジルコニウム
である。
【0020】
REMは、イットリウムの及び57~71(両端を含む)原子番号の周期表の元素の群の中の元素の中で選択されるCe以外及びLa以外の元素を意味すると理解される。
【0021】
混合酸化物において、上述した元素Al、La、REM(もしあれば)及びZrは、一般に酸化物の形態で存在する。それ故に、混合酸化物は、酸化物の混合物と定義され得る。しかしながら、これらの元素が少なくとも部分的に水酸化物の又はオキシ水酸化物の形態で存在できることは排除されない。これらの元素の割合は、実験室で慣習的な分析技法、特にプラズマトーチ及び蛍光X線を使用して測定され得る。混合酸化物の分野で通例であるように、これらの元素の割合は、混合酸化物の総重量に対する酸化物換算量の重量によって示される。
【0022】
混合酸化物は、示された割合で上述した元素を含むが、それはまた、例えば不純物などの、他の元素を含み得る。この関連で、混合酸化物はセリウム若しくは酸化セリウムを含まないか又はセリウムが検出可能である場合、それは不純物の形態にすぎないことに留意しなければならない。
【0023】
不純物は、一般に、使用される出発物質又は出発反応物に由来する。混合酸化物の総重量に対する重量で表される不純物の合計割合は、一般に2.0重量%未満、又は更には1.0重量%未満である。混合酸化物の総重量に対する酸化物CeO2の重量で表されるセリウムの割合は、一般に1.0重量%未満、更には0.5重量%未満、又は0.2重量%未満又は0.05重量%未満である。
【0024】
混合酸化物はまた、天然鉱石中のジルコニウムに関連して一般に存在する、ハフニウムを含み得る。ジルコニウムに対するハフニウムの割合は、それからジルコニウムが抽出される鉱石に依存する。したがって、一部の鉱石中のZr/Hf重量割合は約50/1のものであってもよい。したがって、例えば、バデレアイトは、2%の酸化ハフニウムに対しておおよそ98%の酸化ジルコニウムを含有する。ジルコニウムのように、ハフニウムは一般に酸化物の形態で存在する。しかしながら、それが少なくとも部分的に水酸化物又はオキシ水酸化物形態で存在できることは排除されない。混合酸化物の総重量に対する酸化物換算量として表される、混合酸化物中のハフニウムの重量割合は2.0%以下である。ハフニウムの割合は、0~2.0重量%であってもよい。不純物の及びハフニウムの割合は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を用いて測定され得る。
【0025】
構成元素Al、La、REM、Zr及び場合によりHfの割合は、酸化物の重量として示される。これらの割合の計算について、酸化ジルコニウムはZrO2の形態にあり、酸化ハフニウムはHfO2の形態にあり、アルミニウムはAl2O3の形態にあり、その割合が形態Pr6O11で表される、プラセオジムを除いて及びその割合が形態Tb4O7で表される、テルビウムを除いて、希土類金属の酸化物はREM2O3の形態にあると見なされる。例として、酸化物換算量として表される以下の割合30重量%のAl、60重量%のZr、5重量%のLa及び5重量%のYを有する、1種のみのREMを有する混合酸化物は、30重量%のAl2O3、60重量%のZrO2、5重量%のLa2O3及び5重量%のY2O3に対応する。
【0026】
本発明による混合酸化物において、上述した元素は均質混合されており、それは、本混合酸化物を固体形態の酸化物の単純な機械的混合物と区別する。均質混合は、混合酸化物の調製方法の沈澱工程によって得られる。
【0027】
アルミニウムの重量割合は、20.0重量%~45.0重量%、より特に25.0重量%~40.0重量%、更により特に25.0重量%~35.0重量%である。
【0028】
ランタンの重量割合は、1.0重量%~15.0重量%、より特に1.0重量%~10.0重量%、更により特に1.0重量%~7.0重量%、又は更に2.0重量%~7.0重量%である。
【0029】
混合酸化物はまた、1種以上のREMを含み得る。REMは、例えば、イットリウム、ネオジム、プラセオジム又はそれらの組合せからなる群の中で選択され得る。混合酸化物は、例えば、単一のREMのみを0~10.0重量%の割合で含有し得る。REMの割合は、1.0重量%~10.0重量%、更により特に1.0重量%~7.0重量%又は更に2.0重量%~7.0重量%であってもよい。
【0030】
混合酸化物はまた、2種以上のREMを含有し得、この場合、開示された割合がそのときそれぞれのREMに適用される。この場合にも、これらのREMの合計割合は、好ましくは25.0重量%未満、より特に20.0重量%未満のままである。
【0031】
より特に、REM又はREMのうちの1つはYである。
【0032】
混合酸化物はまた、ジルコニウムを含む。ジルコニウムの重量割合は、50.0重量%~70.0重量%、より特に55.0重量%~65.0重量%であってもよい。
【0033】
特定の混合酸化物Cは、次の組成:
・ 25.0重量%~35.0重量%のアルミニウム;
・ 1.0重量%~7.0重量%のランタン;
・ 1.0重量%~7.0重量%の少なくとも1種のREM;
・ 55.0重量%~65.0重量%のジルコニウム
を有する。
【0034】
ランタンの割合はまた、2.0重量%~7.0重量%、より特に3.0重量%~7.0重量%であってもよい。REMの割合はまた、2.0重量%~7.0重量%、より特に3.0重量%~7.0重量%であってもよい。
【0035】
本発明の混合酸化物、より具体的には混合酸化物Cについて、ジルコニウムの及びアルミニウムの合計割合は、好ましくは80.0重量%以上、より特に85.0重量%以上である。
【0036】
混合酸化物の特性評価
表面積及び特性(i)、(ii)、(iii)
本発明による混合酸化物は、大きい比表面積を示す。比表面積は、周知のブルナウアー-エメット-テラー(BET)法を用いる窒素吸着によって得られるBET比表面積を意味すると理解される。
【0037】
BET法は、特に、定期刊行物「The Journal of the American Chemical Society,60,309(1938)」に記載されている。標準ASTM D3663-03の推奨事項に準拠することが可能である。本明細書では以下、省略形ST(℃)/x(h)が、x時間の期間、℃単位で表される、温度Tでの組成物の焼成後に、BET法によって得られる、組成物の比表面積を表すために用いられる。例えば、S1100℃/5hは、1100℃で5時間の焼成後の組成物のBET比表面積を表す。
【0038】
窒素吸着による比表面積を測定するために、製造者のガイドラインに従って、次の装置、MicromeriticsのFlowsorb II 2300又はTristar 3000が使用され得る。それらはまた、製造者のガイドラインに従ってMountechのMacsorbアナライザー モデルI-1220を使って自動的に測定され得る。測定の前に、サンプルは、吸着されている揮発性化学種を除去するために真空下で及び最大でも300℃の温度で加熱することによって好ましくは脱気される。
【0039】
比表面積S1100℃/5hは、少なくとも25.0m2/gである。この比表面積は、好ましくは少なくとも30.0m2/g、より好ましくは少なくとも32.0m2/g、より好ましくは少なくとも35.0m2/g、更により好ましくは40.0m2/gであってもよい。この比表面積は、30.0~50.0m2/g、より特に32.0~50.0m2/g、より特に更に35.0~50.0m2/g、より特に40.0~50.0m2/gであり得る。この比表面積は、最大でも50.0m2/g、より特に最大でも45.0m2/gであってもよい。
【0040】
比表面積S950℃/3hは、少なくとも40m2/g、より好ましくは少なくとも50m2/g、更に好ましくは少なくとも60m2/gであってもよい。この比表面積は、最大でも90m2/g、より特に最大でも85m2/g、又は最大でも80m2/gであってもよい。この比表面積は、40~90m2/g又は50~85m2/g又は60~80m2/gであってもよい。
【0041】
混合酸化物はまた、以下の3つの特性:
- (i)Δは82.0%未満である(Δは、次式:
Δ=(S950℃/3h-S1200℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (ii)Δ*は55.0%未満である(Δ*は、次式:
Δ*=(S950℃/3h-S1100℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (iii)S1200℃/5hは、厳密に15.0m2/g超(>15.0m2/g)である
のうちの少なくとも1つを示すことを特徴とする。
【0042】
特性(i):950℃~1200℃で比表面積の低い変化
特性(i)の下で、比表面積の変化Δは82.0%未満である(Δは、次式;Δ=(S950℃/3h-S1200℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される)。Δは好ましくは80.0%未満である。Δは、通常、60.0%~82.0%又は60.0%~80.0%である。
【0043】
特性(ii):950℃~1100℃で比表面積の低い変化
同様に、特性(i)の下で、比表面積の変化Δ*は50.0%未満である(Δ*は、次式:Δ*=(S950℃/3h-S1100℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される)。Δ*は、通常、5.0%~50.0%である。
【0044】
特性(iii):1200℃で5時間の焼成後の高い比表面積
特性(iii)の下で、比表面積S1200℃/5hは厳密に15.0m2/g超(>15.0m2/g)である。この比表面積は16.0m2/gであってもよい。それは、一般に、15.0(排除される値)~25.0m2/g又は15.0(排除される値)~20.0m2/gである。
【0045】
混合酸化物は、特性(i)又は(ii)又は(iii)を示し得る。それはまた、特性(i)及び(ii);又は(i)及び(iii);又は(ii)及び(iii)の組合せを示し得る。それはまた、特性(i)、(ii)及び(iii)の組合せを示し得る。全ての3つの特性は、混合酸化物の非常に良好な耐熱性を実証している。
【0046】
窒素ポロシメトリー
混合酸化物はまた、良好な物質移動及び貴金属の良好な分散を可能にする特定の多孔性で特徴付けられる。本発明との関連で、特定の多孔性は、空気中950℃で3時間の焼成後の混合酸化物について示される。
【0047】
本出願に開示される多孔性に関するデータは、窒素ポロシメトリー技法によって得られた。この技法で、細孔容積(V)を細孔径(D)の関数として明確に規定することが可能である。より厳密には、窒素ポロシティデータから、log Dの関数としての関数Vの導関数(dV/dlogD)を表す曲線(C)を得ることが可能である。導関数曲線(C)は、Dpで表される直径にそれぞれ位置する1つ以上のピークを示し得る。これらのデータから、混合酸化物の多孔性に関する以下の特性:
・ 累積曲線上で読み取られるようなポロシメトリーデータから得られるml/g単位での総細孔容積(Vtotalで表される);
・ そのサイズが、累積曲線上で読み取られるようなポロシメトリーデータから得られる40nm以下である、細孔によって発現されるml/g単位での細孔容積(V<40nmで表される)
を得ることがまた可能である。
【0048】
混合酸化物を空気中950℃で3時間を焼成した後にこれらのパラメータが測定される場合、それらは、それぞれDp,950℃/3h、Vtotal,950℃/3h及びV<40nm,950℃/3hで表される。
【0049】
窒素ポロシメトリー技法は周知の技法であり、無機材料に非常に多くの場合適用される。多孔性は、Micromeritics製のTristar II 3000装置で得られ得る。多孔性を測定するための条件は、実施例に詳述されている通りであることができる。窒素ポロシメトリー技法は、ASTM D4641-17に従って行われ得る。
【0050】
100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内に、空気中950℃で3時間の焼成後の混合酸化物のポログラムは、15~35nmの直径Dp,950℃/3hに位置するピークを示す。Dp,950℃/3hは15~30nmであってもよい。Dp,950℃/3hはまた、20~30nmであってもよい。
【0051】
前記ポログラムは、100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内に2つ以上のピークを示し得るが、直径Dp,950℃/3hに位置するピークが最も高い。その上、空気中950℃で3時間の焼成後に、一般に、100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内にたった一つのピークがあり、前記ピークは、直径Dp,950℃/3hに位置している。したがって、本発明はまた、アルミニウムの、ジルコニウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属(REMと表される)の混合酸化物に関連し、これらの元素の重量割合は、以下の通り:
・ 20.0重量%~45.0重量%のアルミニウム;
・ 1.0重量%~15.0重量%のランタン;
・ 0~10.0重量%のセリウム以外及びランタン以外の希土類金属(混合酸化物がセリウム以外及びランタン以外の2種以上の希土類金属を含む場合、この割合が、これらの希土類金属のそれぞれに適用されるという条件で);
・ 50.0重量%~70.0重量%のジルコニウム
であり、
これらの割合が、混合酸化物の総重量に対する酸化物換算量として表されており、
空気中1100℃で5時間の焼成後に、混合酸化物の比表面積(BET)が少なくとも25.0m2/gであること;
及び空気中950℃で3時間の焼成後に、N2ポロシメトリーによって測定される混合酸化物の多孔性が、
・ 100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内に、混合酸化物のポログラムが、単一のピークを示し、このピークが、15~35nm、より特に15~30nm、更により特に20~30nmの直径Dp,950℃/3hに位置し;
・ 比V<40nm,950℃/3h/Vtotal,950℃/3hが0.80以上であり;
・ Vtotal,950℃/3hが0.35ml/g以上である
ようなものであり;
V<40nm,950℃/3h、Vtotal,950℃/3hは、それぞれ、40nm未満のサイズを有する細孔についての細孔容積及び空気中950℃で3時間の焼成後の混合酸化物の総細孔容積を表すこと
を特徴とし;
混合酸化物は、更に、以下の3つの特性:
- (i)Δは82.0%未満である(Δは、次式:
Δ=(S950℃/3h-S1200℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (ii)Δ*は55.0%未満である(Δ*は、次式:
Δ*=(S950℃/3h-S1100℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (iii)S1200℃/5hは厳密に15.0m2/g超(>15.0m2/g)である
(ここで、S950℃/3h、S1100℃/5h及びS1200℃/5hは、それぞれ、空気中それぞれ950℃で3時間、1100℃で5時間及び1200℃で5時間の焼成後の混合酸化物についてのBET比表面積を表す)
のうちの1つ以上で特徴付けられる。
【0052】
比V<40nm,950℃/3h/Vtotal,950℃/3hは0.80以上である。この比率は、好ましくは0.85以上又は更に0.90以上であってもよい。
【0053】
Vtotal,950℃/3hはまた、0.35ml/g以上である。Vtotal,950℃/3hは、好ましくは0.40ml/g以上、更により好ましくは0.45ml/g以上であってもよい。Vtotal,950℃/3hは、一般に1.00ml/g未満、より特に0.90ml/g未満、又は0.80ml/g未満である。
【0054】
加えて、直径Dp,950℃/3hに位置するピークの半ピークでの幅は、厳密に10nm超であり、20nm未満である。これは、本発明の方法が多孔性を微調整することを可能にすることを示している。
【0055】
混合酸化物は一般に粉末形態にある。
【0056】
結晶子サイズ
本発明の混合酸化物は、酸化ジルコニウムをベースとする結晶相を含む。前記結晶相は、酸化ジルコニウムを含み、ランタン並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の希土類金属をまた含有し得る。
【0057】
酸化ジルコニウムをベースとする結晶相の結晶子の平均サイズは、厳密に10nm超であり、このサイズは、混合酸化物の空気中950℃で3時間の焼成後に測定される。この平均サイズは、通常、25nm未満、又は更に20nm未満である。
【0058】
混合酸化物は、空気中:
- 1100℃で5時間の焼成後に、酸化ジルコニウムをベースとする結晶相の結晶子の平均サイズが、最大でも30nm、好ましくは最大でも28nm、更により好ましくは最大でも25nmである;及び/又は
- 1200℃で5時間の焼成後に、酸化ジルコニウムをベースとする結晶相の結晶子の平均サイズが、最大でも45nm、好ましくは最大でも40nm、更により好ましくは最大でも38nmである
という事実で特徴付けられる。
【0059】
1100℃で5時間の焼成後の平均サイズは最大でも28nmである。
1100℃で5時間の焼成後の平均サイズは最大でも25nmである。
1200℃で5時間の焼成後の平均サイズは最大でも40nmである。
1200℃で5時間の焼成後の平均サイズは最大でも38nmである。
【0060】
酸化ジルコニウムをベースとする結晶相は、一般に、29.0°~31.0°の2θ角に位置するピークで特徴付けられる(線源:CuKα1、λ=1.5406オングストローム)。
【0061】
前記結晶相は、一般に、正方晶構造を示す。正方晶構造は、X線回折法で又はラマン分光法で特徴付けられ得る。X線回折法が用いられる場合、正方晶構造は、好ましくは、混合酸化物を空気中950℃の温度で3時間焼成した後に同定される。
【0062】
結晶子の平均サイズは、X線回折法によって測定される。それは、機器線広がりを考慮する29.0°~31.0°の回折線2θの幅から及びScherrer方程式を使用して計算されるコヒーレントドメインのサイズに対応する。Scherrer方程式によれば、tは、式(I):
t=kλ/((β-s)cosθ) (I)
(t:平均結晶子サイズ;
k:0.9に等しい形状係数;
λ(ラムダ):入射ビームの波長(λ=1.5406オングストローム);
β:最大強度の半分で測定される線の広がり;
s:機器線の広がり;
θ:ブラッグ角)
で与えられ、
sは、使用される機器に及び2θ(シータ)角に依存する。それは、LaB6を基準物質として使用して測定され、混合酸化物のディフラクトグラムの測定についてと同じ実験条件に従って記録される。
【0063】
上で開示されているものは全て、アルミニウムの、ジルコニウムの、ランタンの、任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の少なくとも1種の希土類金属(REMと表される)の、並びに任意選択的にハフニウムの酸化物の組合せから本質的になる又は組合せからなる混合酸化物に適用可能なままであり、これらの元素の重量割合は、次の通り:
・ 20.0重量%~45.0重量%のアルミニウム;
・ 1.0重量%~15.0重量%のランタン;
・ 0~10.0重量%のセリウム以外及びランタン以外の希土類金属(混合酸化物がセリウム以外及びランタン以外の2種以上の希土類金属を含む場合、この割合が、これらの希土類金属のそれぞれに適用されるという条件で);
・ 2.0重量%以下の割合のハフニウム;
・ 50.0重量%~70.0重量%のジルコニウム
であり、
これらの割合は、混合酸化物の総重量に対する酸化物換算量として表されており、
空気中1100℃で5時間の焼成後に、混合酸化物の比表面積(BET)が少なくとも25m2/gであること;
及び空気中950℃で3時間の焼成後に、N2ポロシメトリーによって測定される混合酸化物の多孔性が、
・ 100nm未満のサイズを有する細孔のドメイン内に、混合酸化物のポログラムが、15~35nm、より特に15~30nm、更により特に20~30nmの直径Dp,950℃/3hに位置するピークを示す;
・ 比V<40nm,950℃/3h/Vtotal,950℃/3hが0.80以上である;
・ Vtotal,950℃/3hが0.35ml/g以上である
ようなものであり;
V<40nm,950℃/3h、Vtotal,950℃/3hは、それぞれ、40nm未満のサイズを有する細孔についての細孔容積及び空気中950℃で3時間の焼成後の混合酸化物の総細孔容積を表すこと
を特徴とし、
混合酸化物は、更に、以下の3つの特性(i)、(ii)、(iii):
- (i)Δは82.0%未満である(Δは、次式:
Δ=(S950℃/3h-S1200℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (ii)Δ*は55.0%未満である(Δ*は、次式:
Δ*=(S950℃/3h-S1100℃/5h)/S950℃/3h×100によって計算される);
- (iii)S1200℃/5hは厳密に15.0m2/g超(>15.0m2/g)である
(ここで、S950℃/3h、S1100℃/5h及びS1200℃/5hは、それぞれ、空気中それぞれ950℃で3時間、1100℃で5時間及び1200℃で5時間の焼成後の前記混合酸化物についてのBET比表面積を表す)
のうちの1つ以上で特徴付けられる。
【0064】
混合酸化物の調製方法
本発明による混合酸化物の調製に関しては、それは、以下の工程:
(a0)硝酸と、ジルコニウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の希土類金属の酸化物の前駆体とを含む酸性水性分散液であって、その中にアルミニウム水和物が分散している分散液を調製し、得られた分散液が、厳密に5時間超である継続時間撹拌される工程;
(a1)酸性水性分散液が、塩基性水溶液を含有する撹拌槽中へ導入される工程;
(a2)工程(a1)の終わりに得られた分散液が、少なくとも130℃である温度で加熱される及び撹拌される工程;
(a3)工程(a2)の分散液の固体が固/液分離によって回収され、ケーキが水で洗浄される工程;
(a4)工程(a3)の終わりに得られた固体が、空気中900℃~1050℃である温度で焼成される工程
を含む以下に開示される方法に従い得る。
【0065】
この方法は、ラウリン酸などのテクスチャリング剤が添加されるいかなる工程も含まない。
【0066】
工程(a0)
工程(a0)において、
- ジルコニウムの、ランタンの並びに任意選択的にセリウム以外及びランタン以外の1種以上の希土類金属の酸化物の前駆体;
- 硝酸;
- アルミニウム水和物、例えばアルミニウム一水和物
を含む水性酸性分散液が調製される。
水性酸性分散液は、酸化セリウムのいかなる前駆体も含まない。
【0067】
酸化ジルコニウムの前駆体は、硝酸ジルコニルであってもよい。例えば、硝酸ジルコニルは結晶性であってもよい。酸化ジルコニウムの前駆体はまた、塩基性炭酸ジルコニウム又はオキシ水酸化ジルコニウムを硝酸で溶解させることによって得られ得る。この酸攻撃は、好ましくは、1.4~2.3のNO3
-/Zrモル比で実施され得る。したがって、炭酸塩の攻撃によって生じる、使用できる硝酸ジルコニウム溶液は、250~350g/lの、ZrO2として表される、濃度を有し得る。例えば、炭酸塩の攻撃によって生じる実施例1で使用される硝酸ジルコニル溶液は、295g/lの濃度を有する。
【0068】
酸化ランタンの前駆体は、硝酸ランタンであってもよい。セリウム以外及びランタン以外の希土類金属の酸化物の前駆体は、硝酸塩又は塩化物であってもよい。例えば、それは、硝酸プラセオジム、硝酸ネオジム、塩化イットリウムYCl3又は硝酸イットリウムY(NO3)3であってもよい。
【0069】
一実施形態によれば、Zrの、Laの及びREMの酸化物の前駆体は、全て硝酸塩の形態にある。
【0070】
水性酸性分散液はまた、硝酸を含有する。水性酸性分散液中のH+の濃度は、有利には、0.04~3.0モル/l、より特に0.5~2.0モル/lである。H+の量は、アルミニウム水和物の粒子がその中に十分に分散している分散液を得るのに十分に高い必要がある。
【0071】
水性酸性分散液はまた、アルミニウム水和物、より特にベーマイトをベースとする及び任意選択的にランタンをまた含むものを含有する。任意選択的にLaを含むアルミニウム水和物は、より好ましくは、国際公開第2019/122692号パンフレットに記載されている及びアルミニウム水和物Hと本明細書では以下表される特定の多孔性を有するものである。この特定のアルミニウム水和物Hは、水性酸性媒体中によく分散できる。当然、アルミニウム水和物がランタンを含む場合、アルミニウム水和物中に存在するランタンの量は、ランタンの前駆体の量を計算するために考慮される。
【0072】
水性酸性分散液は、任意の順の導入で原料を混合することによって調製され得る。(実施例1に例示されるような)好ましい実施形態によれば、アルミニウム水和物は、他の前駆体を既に含有する水溶液中へ導入される。
【0073】
水性酸性分散液は、厳密に5時間超である継続時間撹拌下に放っておかれる。水性酸性分散液が撹拌下に放っておかれる温度は、通常、30℃未満又は更に25℃未満である。
【0074】
酸性水性分散液の調製に優先的に使用されるアルミニウム水和物Hについて
このアルミニウム水和物Hは、任意選択的にランタンをまた含むベーマイトをベースとしており、空気中900℃の温度で2時間焼成された後に、それは、
・ VP20nm-N2が、
- 10%×VPT-N2以上、より特に15%×VPT-N2以上、又は更には20%×VPT-N2以上、又は更には30%×VPT-N2以上であり;
- 60%×VPT-N2以下である
ような、20nm以下のサイズを有する細孔のドメイン内の細孔容積(VP20nm-N2で表される);
・ VP40-100nm-N2が20%×VPT-N2以上、より特に25%×VPT-N2以上、又は更には30%×VPT-N2以上であるような、40~100nmのサイズを有する細孔のドメイン内の細孔容積(VP40-100nm-N2で表される)
を示し;
・ VPT-N2は、空気中900℃で2時間の焼成後のアルミニウム水和物の総細孔容積を表し;
・ 細孔容積は窒素ポロシメトリー技法によって測定される
ことを特徴とする。
【0075】
欧州の命名法において、及び知られているように、「ベーマイト」という用語は、ガンマオキシヒドロキシド(γ-AlOOH)を意味する。本出願において、「ベーマイト」という用語は、当業者に公知である特定の結晶形態を有する様々なアルミニウム水和物を意味する。したがって、ベーマイトは、X線回折で特徴付けられ得る。「ベーマイト」という用語はまた、特定の著者によれば、ベーマイトの特定の1つの変種に似ているにすぎない及びベーマイトの特徴的なピークの広がりを単に有する「疑似ベーマイト」を包含する。ベーマイトは、その特徴的なピークによってX線回折により同定される。これらは、ファイルJCPDS00-021-1307(JCPDS=粉末回折標準に関する合同委員会(Joint Committee on Powder Diffraction Standards))に示されている。ピーク(020)の頂点は、特に:
- ベーマイトの結晶化度;
- ベーマイトの結晶子のサイズ
に応じて13.0°~15.0°にあってもよいことに留意されるであろう。
【0076】
Journal of Colloidal and Interface Science 2002,253,308-314に又はJ.Mater.Chem.1999,9,549-553に言及され得、それらの中で、特定の数のベーマイトについて、結晶内の層の数又は結晶子のサイズに応じてピークの位置が変化することが述べられている。この頂点は、より特に、13.5°~14.5°、又は13.5°~14.485°であってもよい。
【0077】
アルミニウム水和物がランタンを含有する場合、ランタンの割合は、1.0重量%~8.0重量%、より特に3.0重量%~8.0重量%又は4.0重量%~8.0重量%である。この割合は、Al2O3及びLa2O3の重量に対するLa2O3の重量(言い換えると、重量%単位でのLaの割合=La2O3の重量/La2O3+Al2O3の重量×100)で与えられる。言い換えるとまた、この割合は、アルミニウム水和物に含有される水和物の量を考慮しない。当然、最終混合酸化物中のLaの特定の量を目標とするために、アルミニウム水和物H中のLaの量が考慮される。ランタンは、一般に、アルミニウム水和物中に酸化ランタンの形態で存在する。
【0078】
アルミニウム水和物中のLaの割合を測定する便利な方法は、アルミニウム水和物を空気中で焼成すること、及び溶液にそれの元素を溶解させるために、焼成生成物を、例えば濃硝酸溶液で攻撃し、溶液を次いで例えばICPなどの、当業者に公知の技法によって分析することによってAl及びLaの割合を測定することにある。焼成は、水和物の強熱減量(LOI)を測定することをまた可能にする。アルミニウム水和物のLOIは、20.0~30.0%であってもよい。
【0079】
アルミニウム水和物に、より特にアルミニウム水和物Hに含有されるベーマイトは、最大でも6.0nmの、又は更には最大でも4.0nmの、より特に更に最大でも3.0nmの結晶子の平均サイズを有し得る。結晶子の平均サイズは、X線回折法によって測定され、ライン(020)の半値全幅から計算されたコヒーレントドメインのサイズに相当する。
【0080】
アルミニウム水和物Hは、X線回折法によって上述された通りに識別可能な、ベーマイトの、及びX線回折では見えない相、特にアモルファス相の混合物の形態であってもよい。アルミニウム水和物Hは、60%以下、より特に50%以下の結晶相(ベーマイト)の%を有し得る。この%は、40%~55%、又は45%~55%、又は45%~50%であってもよい。この%は、当業者に公知の方法で決定される。以下の式:%結晶化度=ピーク(120)の強度/標準のピーク(120)の強度×100(式中、アルミニウム水和物のピーク(120)の強度と標準のピーク(120)の強度とが比較される)を使用してこの%を決定することが可能である。本出願で使用される標準は、米国特許出願公開第2013/017947号明細書の実施例B1に対応する製品である。測定される強度は、ベースラインよりも上のピーク(120)の表面積に相当する。これらの強度は、5.0°~90.0°の2θ角範囲にわたって取得されたベースラインに対してディフラクトグラムで決定される。ベースラインは、ディフラクトグラムのデータを分析するためのソフトウェアを使用して自動的に決定される。
【0081】
アルミニウム水和物Hは特定の多孔性を有する。したがって、空気中900℃で2時間の焼成後に、それは、VP20nm-N2が、20%×VPT-N2以上、より特に25%×VPT-N2以上、又は更には30%×VPT-N2以上であるような、20nm以下のサイズを有する細孔のドメイン内の細孔容積(VP20nm-N2で表される)を有する。更に、VP20nm-N2は、60%×VPT-N2以下である。
【0082】
更に、空気中900℃で2時間の焼成後に、アルミニウム水和物Hは、VP40-100nm-N2が、15%×VPT-N2以上、より特に20%×VPT-N2以上、又は更には25%×VPT-N2以上、又は更には30%×VPT-N2以上であるような、40~100nmのサイズを有する細孔のドメイン内の細孔容積(VP40-100nm-N2で表される)を有する。更に、VP40-100nm-N2は、65%×VPT-N2以下であってもよい。
【0083】
空気中900℃で2時間の焼成後に、アルミニウム水和物Hは、0.65~1.20ml/g、より特に0.70~1.15ml/g、又は0.70~1.10ml/gの総細孔容積(VPT-N2)を有し得る。このようにして測定される細孔容積は、その直径が100nm以下である細孔によって主に発現されることに留意されるであろう。
【0084】
アルミニウム水和物Hは、少なくとも200m2/gの、より特に少なくとも250m2/gのBET比表面積を有し得る。この比表面積は、200~400m2/gであってもよい。更に、空気中900℃で2時間の焼成後に、アルミニウム水和物Hは、少なくとも130m2/gの、より特に少なくとも150m2/gのBET比表面積を有し得る。この比表面積は、130~220m2/gであってもよい。空気中940℃で2時間の焼成、続いて空気中1100℃で3時間の焼成後に、アルミニウム水和物Hは、少なくとも80m2/gの、より特に少なくとも100m2/gのBET比表面積を有し得る。この比表面積は、80~120m2/gであってもよい。
【0085】
アルミニウム水和物Hは、以下の工程:
(a)硝酸水溶液を含有する撹拌槽の中へ
・ 硫酸アルミニウム、硝酸ランタン及び硝酸を含む水溶液(A);
・ アルミン酸ナトリウム水溶液(B)
が導入される工程であって;工程(a)の間中ずっと水溶液(A)が連続的に導入され、反応混合物の平均pHが4.0~6.0、より特に4.5~5.5の目標値に等しいように溶液(B)の導入速度が調整される工程;
(b)全水溶液(A)が導入されてしまった時に、8.0~10.5、好ましくは9.0~10.0の目標pHに達するまで水溶液(B)が導入され続ける工程;
(c)次いで、反応混合物が濾過され、回収された固体が水で洗浄される工程;
(d)次いで、工程(c)から得られた固体が、アルミニウム水和物Hを得るために乾燥させられる工程
を含む方法によって得られ得る。
【0086】
アルミニウム水和物Hを得る方法についてのより詳細はまた、国際公開第2019/122692号パンフレットの実施例に提供されている。本特許出願の実施例1に開示されるアルミニウム水和物Hが使用され得る。
【0087】
工程(a1)
水性酸性分散液は、沈澱物を得るために、塩基性水溶液を含有する撹拌槽中へ導入される(いわゆる「逆」沈澱)。塩基性水溶液に溶解した塩基性化合物は、水酸化物、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物であってもよい。第二級、第三級又は第四級アミンが、並びにアンモニアが使用され得る。以下に記載される実施例におけるように、アンモニア水溶液が使用され得る。実施例におけるように、例えば3~5モル/lの濃度の、アンモニア水溶液が使用され得る。
【0088】
塩基の量は、水性酸性分散液中に存在するカチオンの量よりも過剰にある必要がある。この過剰は、カチオンの完全な沈澱を確実にする。1.2超、より特に1.4超のモル比塩基/Σ前駆体由来のカチオン×原子価+硝酸由来のH+が使用され得る。この比率は、前駆体由来のカチオンの原子価を考慮している(例えばZrについては2、Laについては3)。
【0089】
工程(a2)
工程(a1)の終わりに得られた分散液は、少なくとも130℃である温度で加熱され、撹拌される。温度は、130℃~200℃、より特に130℃~170℃であってもよい。工程(a2)の継続時間は、一般に10分~5時間、より特に1時間~3時間である。例えば、分散液は、150℃に加熱され、この温度で2時間維持され得る。
【0090】
上記の温度条件下で、工程(a2)は、密閉槽内で都合よく行われ得る。したがって、例として、密閉槽内の圧力は、1bar(105Pa)超~165bar(1.65×107Pa)、好ましくは5bar(5×105Pa)~165bar(1.65×107Pa)で変動し得ると規定され得る。
【0091】
工程(a3)
工程(a2)の分散液の固体は、固/液分離によって回収され、ケーキは水で洗浄される。ケーキを洗浄するために希釈アンモニア溶液を使用することが便利である。例えばヌッチェ型の、真空フィルター、遠心分離又はフィルタープレスが例えば使用され得る。
【0092】
当然、工程(a3)の終わりに回収されたケーキは、少しの残留水を依然として含有する可能性があるが、これは、混合酸化物の品質に実際に影響を及ぼさない。それにもかかわらず、ケーキは、少しの残留水を除去するために任意選択的に乾燥させられ得る。
【0093】
工程(a4)
工程(a3)の終わりに得られた固体は、空気中900℃~1050℃である温度で焼成される。焼成の温度は、固体を混合酸化物へ変換する及びその結晶性を発現させるのに十分に高い必要がある。温度は、高い比表面積を維持するために高すぎてはならない。焼成の継続時間は、30分~5時間、より特に1時間~4時間であってもよい。実施例1の条件(950℃;3時間)が適用され得る。
【0094】
本発明による混合酸化物の調製は、以下で示される実施例1の条件に基づき得る。本発明はまた、上記に記載されたばかりである方法によって得ることができる混合酸化物に関する。
【0095】
混合酸化物の使用について
本発明による混合酸化物の使用に関しては、これは、自動車汚染防止触媒反応の分野内に入る。本発明による混合酸化物は、その役割が自動車排気ガスを処理することである、触媒コンバーターの製造に使用され得る。
【0096】
触媒コンバーターは、混合酸化物から調製された及び固体担体上に堆積された触媒活性のウォッシュコートを含む。ウォッシュコートの役割は、化学反応によって、排気ガスのある種の汚染物質、特に一酸化炭素、未燃炭化水素及び窒素酸化物を、環境に対して害が少ない生成物へ変換することである。関与する化学反応は、次のもの:
2CO+O2→2CO2
2NO+2CO→N2+2CO2
4CxHy+(4x+y)O2→4×CO2+2yH2O
である可能性がある。
【0097】
固体担体は、金属モノリス、例えば、FeCr合金であってもよいし、又はセラミック製であってもよい。セラミックは、コーディエライト、炭化ケイ素、アルミナチタネート又はムライトであってもよい。一般に使用される固体担体は、多孔性壁を有する多数の小さい平行チャネルを含む、一般に円筒形の、モノリスからなる。このタイプの担体は、多くの場合、コーディエライトからできており、高い比表面積と限定された圧力降下との折衷を示す。
【0098】
ウォッシュコートは、固体担体の表面で堆積される。ウォッシュコートは、本発明による混合酸化物と任意選択的に少なくとも1つの無機材料とを含む組成物から形成される。無機材料は、アルミナ、ベーマイト若しくは疑似ベーマイト、酸化チタン、酸化ジルコニウム、シリカ、スピネル、ゼオライト、シリケート、結晶性リン酸ケイ素アルミニウム又は結晶性リン酸アルミニウムから選択され得る。アルミナは、一般に用いられる無機材料であり、このアルミナが、例えば、バリウムなどの、アルカリ土類金属で任意選択的にドープされることが可能である。一実施形態によれば、ウォッシュコートは、いかなる酸化セリウムも含有しない(「セリウムを含まないウォッシュコート」)。別の実施形態によれば、ウォッシュコートは、本発明の混合酸化物以外のいかなる無機材料も含有しない。
【0099】
組成物はまた、各考案者に特有である他の添加剤:H2S捕捉剤、コーティングを容易にする役割を有する有機又は無機改質剤、コロイド状アルミナ等を含み得る。したがって、ウォッシュコートは、そのような組成物を含む。ウォッシュコートはまた、少なくとも1種の分散された貴金属を含む。貴金属は、Pt、Rh又はPdからなる群の中で選択され得る。Rhは、NOxの処理のために使用されるウォッシュコート用に特に使用され得る。貴金属の量は、一般に、ft3単位で表される、モノリスの容積に対して1~400gである。貴金属は触媒活性である。
【0100】
貴金属を分散させるために、混合酸化物で若しくは無機材料(もしあれば)で又は混合酸化物から及び無機材料から形成された混合物でできた懸濁液に、貴金属の塩を添加することが可能である。塩は、例えば、貴金属の塩化物又は硝酸塩(例えば、RhIII硝酸塩)であってもよい。貴金属を固定するために、水が懸濁液から除去され、固体は乾燥され、それは、空気中一般に300~800℃の温度で焼成される。貴金属分散液の例は、米国特許第7,374,729号明細書の実施例1に見いだされ得る。
【0101】
ウォッシュコートは、固体担体への懸濁液の塗布によって得られる。したがって、ウォッシュコートは触媒活性を示し、汚染防止触媒として機能し得る。汚染防止触媒は、内燃エンジンからの排気ガスを処理するために使用され得る。本発明の触媒系及び混合酸化物は、最終的に、酸化環境中でさえも、NOxトラップとして、又はNOxの還元を促進するために使用され得る。
【0102】
この理由のため、本発明はまた、ウォッシュコートが記載されている通りある、ウォッシュコートを含む触媒コンバーターが使用されることを特徴とする内燃エンジンからの排気ガスの処理方法に関する。
【実施例】
【0103】
BET比表面積:
BET比表面積は、MountechのMacsorbアナライザーモデル I-1220で自動的に測定する。いずれの測定の前にも、サンプルを注意深く脱気して揮発性の吸着化学種を脱着させる。そうするために、サンプルを、装置のセル内で真空下に200℃で30分間加熱し得る。
【0104】
950℃、1100℃又は1200℃での焼成後の比表面積を、試験の温度でオーブン中に混合酸化物のサンプルを含有するるつぼを目標期間の間入れた後に測定した。
【0105】
窒素多孔性:
Micromeritics製のTristar II 3000装置を使用した。この装置は、物理吸着及び毛管凝縮の原理を使用して固体材料の表面積及び多孔性についての情報を得る。窒素細孔分布の測定は、圧力テーブルを使用して85点(吸着については0.01から0.995の間で42点、脱着においては0.995から0.05の間で43点)で実施する。0.01から0.995の間(両端を除く)の相対圧力についての平衡時間は5秒である。0.995以上の相対圧力についての平衡時間は600秒である。圧力に関する公差は、絶対圧力については5mmHg、相対圧力については5%である。p0値は、分析中(2時間)一定間隔で測定する。Harkins-Jura法則のBarrett,Joyner及びHalenda(BJH)法を、メソ多孔性を測定するために使用する。結果の分析は脱着曲線で実施する。
【0106】
X線回折:
X線回折は、銅線源(CuKα1、λ=1.5406オングストローム)を使って行う。X線の出力は40kV/40mAであった。株式会社リガク製のUltima IVを使用した。2θ角度 ステップ=0.010°及び1ステップ当たり2秒の記録時間を使用した。
【0107】
アルミニウム水和物H(93.6%のAl2O3-6.4%のLa2O3)
使用されるアルミニウム水和物Hは、国際公開第2019/122692号パンフレットの教示に従って調製した。アルミニウム水和物Hの特性評価:
- 組成:67.3%のAl2O3-4.6%のLa2O3-LOI 28.1%(強熱減量)、それは、93.6%のAl2O3-6.4%のLa2O3に相当する;
- この粉末は、344m2/gのBET表面積を有する。
- その他の特性:
【0108】
【0109】
実施例1:混合酸化物Al2O3(30重量%)-ZrO2(60重量%)-La2O3(5重量%)-Y2O3(5重量%)の調製
37.1kgの硝酸ジルコニル溶液([ZrO2]=295g/l;密度=1.461)、1.74kgの硝酸ランタン溶液([La2O3]=321.1g/l;密度=1.511)、4.02kgの硝酸イットリウム溶液([Y2O3]=219.7g/l;密度=1.414)及び16.9kgの60重量%硝酸溶液を撹拌槽へ導入することによって、Zr、La及びYの酸化物の前駆体を含有する溶液を調製した。容積を脱イオン水で85Lの総量に調整した。次に、換算量の67.3重量%のアルミナ(3.74kgのAl2O3)及び4.6重量%のLa2O3(0.26kg)を含有する上で開示された5.56kgのアルミニウム水和物Hを、得られた溶液に撹拌下に導入し、こうして得られた混合物の総量を、脱イオン水で125Lに調整した。そのようして調製された水性酸性分散液中のH+の濃度は1.3モル/lであった。水性酸性分散液を撹拌下に6時間保った。
【0110】
次いで、水性酸性分散液を、周囲温度で125Lの4.5モル/lアンモニア溶液を含有する、3枚の羽根付きスピンドルによって撹拌(225rpm)される反応器へ60分で導入した。分散液の添加の終わりに、混合物を150℃の温度に加熱し、この温度で2時間維持する。次いで、混合物を50℃未満の温度まで冷却する。
【0111】
約4barの圧力で媒体をプレスフィルターで濾過し、次いで、ケーキを20Lの脱イオン水で洗浄する。次いで、ケーキを19.5barの圧力で10分間圧縮する。次いで、得られたウェットケーキを電気炉中へ導入する。生成物を950℃で3時間焼成する。次いで、回収された混合酸化物を「Forplex」型のブレードミルで粉砕する。
【0112】
実施例1の混合酸化物の特性
比表面積
S950℃/3h=72m2/g;
S1100℃/5h=41.1m2/g;
S1200℃/5h=16.1m2/g;
=>Δ=77.6%;
=>Δ*=42.9%。
XRD
950℃/3hで焼成後の結晶子サイズ=11nm;
1100℃/5hで焼成後の結晶子サイズ=25nm;
1200℃/5hで焼成後の結晶子サイズ=38nm。
950℃で3時間焼成後の混合酸化物の多孔性
Dp,950℃/3h=26nm;
Dp950℃/3hでのピークの半ピークでの幅(nm)=15nm;
V<40nm,950℃/3h/Vtotal,950℃/3h=0.90;
Vtotal,950℃/3h=0.59ml/g。
【国際調査報告】