(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】飲料又は食品容器及び調製システム
(51)【国際特許分類】
B65D 85/804 20060101AFI20241108BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
B65D85/804 100
A47J31/06 323
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529852
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2022083410
(87)【国際公開番号】W WO2023099374
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ガーバー, ジル
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, オードリー ヴィルジニー
(72)【発明者】
【氏名】パヴァン, キアラ
(72)【発明者】
【氏名】フェーンイェ, サンダー クラース
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA20
4B104BA41
4B104BA60
(57)【要約】
飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するためのマシンと共に使用するための容器であって、前駆体材料を収容するための貯蔵部と、貯蔵部を閉鎖するための閉鎖部材と、木材パルプ系材料で作製された環状力リングを備える環状フランジ状リムと、を含み、環状力リングが、横断面で見たときに本質的にS字形である、容器。異なる容器のセット、並びに容器システム、及び容器と飲料調製マシンとを備えるシステムも提案される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器であって、前記容器に液体を導入し、前記容器に貯蔵された前駆体材料に前記液体を通過させることにより、前記前駆体材料から飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するための調製マシンに挿入され、前記調製マシンと共に使用されるように設計されており、前記容器が、
底端部及び開放端部を備え、前記前駆体材料を収容するための貯蔵部を形成する容器本体と、
前記容器本体の前記開放端部において前記貯蔵部を閉鎖する閉鎖部材と、
少なくとも部分的にセルロースパルプ系材料で作製され、前記容器本体から外方に延び、前記貯蔵部と前記閉鎖部材とを接続する環状フランジ状リムであって、少なくとも平坦セグメントを有し、前記リムが、前記調製マシンの包囲部材によって係合されるように設計された環状力リングを備える、環状フランジ状リムと、を備え、
前記環状力リングが、セルロースパルプ系材料で作製され、横断面で見たときに本質的にS字形であり、少なくとも
前記リムの前記平坦セグメントに連結され、前記平坦セグメントと20度~85度の角度を形成する第1の部分と、
前記リムの前記平坦セグメントとは反対側で前記第1の部分から延びる第2の部分であって、少なくとも平坦な及び/又は湾曲した延長部を備える、第2の部分と、を含む、容器。
【請求項2】
前記環状力リングが、前記フランジ状リムの前記平坦セグメントと前記力リングの前記第1の部分との間に延びる第3の部分を含み、前記第3の部分が、前記容器が前記調製マシン内に配置されるときに前記容器のためのセンタリング手段を形成する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記環状力リングの前記第1の部分、前記第2の部分、及び前記第3の部分が、前記フランジ状リムのセクションである、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記環状力リングを含む前記フランジ状リムの前記セルロースパルプ系材料の密度が、200~500gsmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記容器の外径(OD)が50~70mm、好ましくは52~61mmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記力リングを含む前記フランジ状リムが、150~600μmの厚さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記力リングの前記第1の部分及び前記第2の部分が、前記容器本体とは反対の方向に、前記フランジ状リムの前記平坦セグメントを含む平面(P)を越えて、前記平面(P)から上方延長距離(ha)だけ延びている、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記延長距離(ha)が、0.5~2mm、好ましくは1~1.8mmである、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記力リングの前記第3の部分が、前記容器本体の方向に、前記フランジ状リムの前記平坦セグメントを含む前記平面(P)の下方へ、前記平面(P)から下方延長距離(hb)だけ延びている、請求項2~8のいずれか一項に記載の容器。
【請求項10】
前記平面(P)の下方の前記下方延長距離(hb)は、前記平面(P)の上方の前記上方延長距離(ha)よりも短い、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記力リングを含む前記フランジ状リムが、2~5mmの幅まで延びている、請求項1~9のいずれか一項に記載の容器。
【請求項12】
前記フランジ状リムが、コードゾーンを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の容器。
【請求項13】
前記コードゾーンが、前記フランジ状リムの前記平坦セグメントに、任意選択で前記容器本体に面する側に、配置される、請求項11に記載の容器。
【請求項14】
調製マシンにおいて前駆体材料から飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するための異なる容器(6a、6b...)のセットであって、容器システムが、請求項1~13のいずれか一項に記載の、異なる容器(6a、6b...)のセットを備え、
前記容器が、前記セットのうちの少なくとも2つの容器、好ましくは前記セットのうちの少なくとも3つの容器について、異なる総深さ(Da、Db)を有する容器本体を備える、異なる容器のセット。
【請求項15】
前記容器が、前記容器本体とは反対の方向に、前記リムの前記平坦セグメントを含む平面(P)を越えて、前記平面(P)から延長距離(ha1、ha2、ha3)だけ延びている環状力リングを更に備え、前記延長距離が、前記セットのうちの少なくとも2つの容器、好ましくは前記セットのうちの少なくとも3つの容器について、異なる、請求項14に記載の異なる容器(6a、6b...)のセット。
【請求項16】
調製マシン(4)において前駆体材料から飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するための容器システムであって、請求項1~13のいずれか一項に記載の容器、又は請求項14若しくは15に記載の容器のセットのうちの1つ以上の容器を備え、
前記容器が、単独で、又は前記調製マシンの包囲部材との組み合わせで、前記容器から出る前記飲料及び/若しくは食品及び/又は前駆体の制限部又は制限弁を形成するように設計されている、容器システム。
【請求項17】
請求項1~13のいずれか一項に記載の容器、又は請求項14若しくは15に記載の容器のセットのうちの1つ以上の容器と、飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するためのマシンと、を備えるシステムであって、前記マシンが、
少なくとも前記フランジ状リムにおいてカプセルを保持するための容器ホルダと、
前記容器内に液体を供給するための液体注入手段と、
前記カプセルが前記マシンに挿入されているときに前記容器の前記力リングに係合するためのばね付勢弁部材と、
前記容器の前記前駆体材料を処理するための処理ユニットであって、突き刺し部を備える、処理ユニットと、
前記処理ユニットを制御する電気回路と、を備える、システム。
【請求項18】
遠心式飲料マシンにおける、請求項1~13のいずれか一項に記載の容器、又は請求項14若しくは15に記載の容器のセットのうちの1つ以上の容器の使用であって、前記容器が前記マシン内で遠心作用を受け、前記環状力リングが前記飲料マシンの前記包囲部材によって係合され、前記力リングが、前記容器から出る遠心作用を受けた前記液体の流れを選択的に遮断及び/又は制限するための弁手段の一部を形成する、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飲料又は食品前駆体を収容する予め小分けされた容器と、当該予め小分けされた容器から飲料又は食品が調製される電気的に動作する飲料又は食品調製システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を調製するためのシステムは、飲料調製マシン及びカプセルを備える。カプセルは、1杯分の飲料形成前駆体材料、例えば挽いたコーヒー又は茶を含む。飲料調製マシンは、典型的には加圧され加熱された水を当該前駆体材料にさらすことによって、カプセルに対して飲料調製プロセスを実行するように構成されている。この調製プロセスの一部として、カプセルは、マシンの様々な機構及び主にカプセルのフランジ部によって、カプセルを装填し、処理し、排出するための一連の複雑な相互作用によってマシンを通じて案内される。このようにしてカプセルを処理することにより、前駆体材料がカプセルから飲料として少なくとも部分的に抽出される。
【0003】
飲料調製マシンのこの構成は、従来の飲料調製マシンと比較して(例えば、手動で操作されるモカポット/直火式エスプレッソメーカーと比較して)ユーザの利便性が向上しているため、人気が高まっている。
【0004】
マシンを通るカプセルの複雑な移動と、加圧され加熱された水にさらされることに起因して、今日までアルミニウム系のカプセルのみが高い信頼性で実装されてきた。実際に、他の材料(紙系又はパルプ系など)は、マシン内に付着する傾向、又は他の材料に関連するエラーを引き起こす傾向があることが分かっている。その結果、アルミニウムカプセル設計(寸法及び幾何学的設計)は、アルミニウムとは異なる材料で作製されたカプセル、例えばセルロース系材料で作製されたカプセルに直接適用することができない。
【0005】
一例として、製造プロセスに関連する技術的な理由のために、特定のカプセルのリムの湾曲のようなアルミニウムカプセルに利用可能な特定の設計は、セルロース系カプセルに対して達成することができない。
【0006】
よって、例えばセルロース系材料で作製され、現在利用可能なプロセスに従って製造され得るカプセルのために機能するカプセル設計を開発することが望ましいであろう。
【0007】
したがって、アルミニウム又はプラスチック以外の材料で作製されるカプセルの開発にかねてより投資されている努力にもかかわらず、更なる改良が望まれている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するためのマシンと共に使用するための容器であって、前駆体材料を収容するための、基部を有するキャビティを備える貯蔵部と、貯蔵部を閉鎖する閉鎖部材と、請求項1の特徴を有するフランジ部と、を含む、容器を提供する。
【0009】
より詳細には、容器は、容器に液体を容器に導入し、容器に貯蔵された前駆体材料に液体を通過させることにより、前駆体材料から飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するための調製マシンに挿入され、調製マシンと共に使用されるように設計されている。容器は、
少なくとも部分的にセルロースパルプ系材料から作製され、底端部及び開放端部を備え、前駆体材料を収容するための貯蔵部を形成する容器本体と、
容器本体の開放端部において貯蔵部を閉鎖する閉鎖部材と、
少なくとも部分的にセルロースパルプ系材料で作製され、容器本体から外方に延び、貯蔵部と閉鎖部材とを接続する環状フランジ状リムであって、少なくとも平坦セグメントを有し、リムが、調製マシンの包囲部材によって係合されるように設計された環状力リングを備える、環状フランジ状リムと、を含む。
【0010】
本発明によれば、環状力リングは、セルロースパルプ系材料で作製され、横断面で見たときに本質的にS字形であり、少なくとも
リムの平坦セグメントに連結され、当該平坦セグメントと20度~85度の角度を形成する第1の部分と、
リムの平坦セグメントとは反対側で第1の部分から延びる第2の部分であって、少なくとも平坦な及び/又は湾曲した延長部を備える、第2の部分と、を備える。
【0011】
特定の提案された設計は、正確かつ安全な方法で既存の飲料調製マシンにおいて使用され得るセルロース系容器の製造を可能にする。
【0012】
フランジ状リムの寸法に関しては、力リングを含むフランジ状リムは、2~5mmの幅に延び、150~600μmの厚さを有する。
【0013】
環状力リングは、フランジ状リムの平坦セグメントと力リングの第1の部分との間に延びる第3の部分を更に備える。容器のためのセンタリング手段を形成するこの第3の部分は、容器が調製マシン内に正確に配置されることを確実にする。
【0014】
開示されているように、環状力リングの第1の部分、第2の部分、及び第3の部分は、フランジ状リムのセクションである。
【0015】
環状力リングを有するフランジ状リムを含む容器は、200~500gsmの材料密度を有するセルロースパルプ系材料で形成されている。
【0016】
容器は、50~70mm、好ましくは52~61mmの外径(OD)を有する。外径は、飲料調製マシンの抽出チャンバの容器ホルダに嵌合するための固定値を有する。
【0017】
提案された力リング設計では、力リングの第1の部分及び第2の部分は、容器本体とは反対の方向に、フランジ状リムの平坦セグメントを含む平面(P)を越えて、当該平面(P)から上方延長距離(ha)だけ延びている。上方延長距離(ha)は、0.5~2mm、好ましくは1~1.8mmである。提案された設計は、有利には、セルロース系材料、例えば木材パルプ系材料で考案されると考えられる。
【0018】
力リングの第3の部分は、容器本体の方向に、フランジ状リムの平坦セグメントを含む平面(P)の下方で、当該平面(P)から下方延長距離(hb)だけ延びている。平面(P)の下方延長距離(hb)は、平面(P)の上方延長距離(ha)よりも短い。
【0019】
第3の部分は、その設計において、飲料調製マシンと相互作用するように意図されている。有利には、第3の部分は、カプセルが調製マシンの容器保持部内に配置されるときに、容器のためのセンタリング手段を形成する。
【0020】
提案された実施形態では、フランジ状リムはコードゾーンを含む。コードゾーンは、フランジ状リムの平坦セグメントに、任意選択で、飲料装置の構造に従って容器本体に面する側に、配置されてもよい。
【0021】
容器に関することに加えて、本発明はまた、前駆体材料から飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製マシンにおいて調製するための異なる容器のセットであって、セットのうちの少なくとも2つの容器、好ましくはセットのうちの少なくとも3つの容器について、異なる総深さを有する容器本体を備える、セットを提案する。これにより、消費者の要求又は習慣に関連して異なるサイズの飲料を提案することが可能になる。
【0022】
異なる容器のセットにおいて、容器は、セットのうちの少なくとも2つの容器、好ましくはセットのうちの少なくとも3つの容器について、異なる、当該平面(P)からの上方延長距離を有する環状力リングを更に備える。したがって、抽出チャンバと相互作用する環状力リングによって形成される弁手段は、セットのうちの少なくとも2つの容器について、異なる。この特徴は、規定されたレシピに従って適切なクレマ量を有する飲料を抽出することを可能にする。
【0023】
本発明はまた、包囲部材を備える調製マシンにおいて、飲料及び/若しくは食品又は前駆体を調製するための容器システムであって、容器が、単独で、又は調製マシンの包囲部材との組み合わせで、容器から出る飲料及び/若しくは食品並びに/又は前駆体の制限部又は制限弁を形成するように設計される、容器システムを提案する。このおかげで、容器の抽出パラメータを調整し、抽出中に生成されるクレマの量を調節することが可能である。
【0024】
提案された発明は更に、容器又は容器のセットのうちの1つ以上の容器と、飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するためのマシンと、を備えるシステムであって、マシンが、少なくともフランジ状リムにおいてカプセルを保持するための容器ホルダと、容器内に液体を供給するための液体注入手段と、カプセルがマシンに挿入されているときに容器の力リングに係合するためのばね付勢弁部材と、容器の前駆体材料を処理するための処理ユニットであって、突き刺し部を備える、処理ユニットと、処理ユニットを制御する電気回路と、を含む、システムに関する。
【0025】
本発明はまた、遠心式飲料装置における容器又は容器のセットのうちの1つ以上の容器の使用に関する。提案された使用において、容器はマシン内で遠心作用を受け、環状力リングは飲料マシンの包囲部材によって係合される。このような力リングは、容器から出る遠心作用を受けた液体の流れを選択的に遮断及び/又は制限するための弁手段の一部を形成する。
【0026】
前述の概要は、本明細書に記載される主題の態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの実施形態を要約する目的で提供される。したがって、上記の特徴は単なる例にすぎず、本明細書に記載される主題の範囲又は趣旨を限定するものと決して解釈されるべきではない。更に、上記及び/又は先行する実施形態は、更なる実施形態を提供するために、任意の適切な組み合わせで組み合わせてもよい。本明細書に記載された主題の他の特徴、態様、及び利点は、以下の実施形態詳細な説明、図面の簡単な説明、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示の実施形態の態様、特徴、及び利点は、同じ番号が同じ要素を示す添付の図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかになるであろう。
【
図1】飲料若しくは食品又はその前駆体の調製のためのシステムの実施形態を示すブロックシステム図である。
【
図2】
図1のシステムのマシンの実施形態を示すブロックシステム図である。
【
図3】
図2のマシンの流体調整システムの実施形態を示す説明図である。
【
図4A】
図2のマシンの容器処理システムの概略的な実施形態を示す説明図である。
【
図4B】
図2のマシンの容器処理システムの概略的な実施形態を示す説明図である。
【
図5】
図2のマシンの制御電気回路の実施形態を示すブロック図である。
【
図6】
図1のシステムの容器の概略的な実施形態を示す説明図である。
【
図7】
図1のシステムによって実行される調製プロセスの実施形態を示すフロー図である。
【
図8】
図6の容器の貯蔵部の実施形態を示す側面図である。
【
図9】断面線A-Aに沿った
図8の貯蔵部を示す側断面図である。
【
図10A】それぞれ
図8Bの貯蔵部を示す下面斜視図及び上面斜視図である。
【
図10B】それぞれ
図8Bの貯蔵部を示す下面斜視図及び上面斜視図である。
【
図11】
図8の貯蔵部のフランジ状リムを示す詳細図である。
【
図12】
図9の貯蔵部の断面と、
図1のシステムの容器保持部の断面とを示す側断面図である。
【
図13】対応する容器と積み重ねられた
図9の貯蔵部の一部を示す側断面図である。
【
図14A】異なるサイズを有し、容器のセットを形成する、本発明による2つの容器の側断面図である。
【
図14B】異なるサイズを有し、容器のセットを形成する、本発明による2つの容器の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
システムのいくつかの実施形態を説明する前に、システムは、以下の説明に記載される構成又は方法工程の詳細に限定されないことを理解すべきである。本開示の利益を受ける当業者には、システムは他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行されることが可能であることが明らかであろう。
【0029】
本開示は、以下の説明を考慮してより良く理解され得る。
【0030】
本明細書で使用するとき、「マシン」という用語は、前駆体材料から飲料及び/若しくは食品を調製することができるか、又はプレ前駆体材料から、後に飲料及び/若しくは食品に調製することができる前駆体材料を調製することができる、電気的に動作するデバイスを指し得る。マシンは、以下のプロセス:希釈;加熱;加圧;冷却;混合;泡立て;溶解;浸漬;浸し;抽出;調整;煎じ;破砕、及び他の同様のプロセスのうちの1つ以上によって、上記調製を実施し得る。マシンは、調理台上で使用するように寸法設定されてよく、例えば、この調製マシンは、長さ、幅、及び高さが、70cm未満である。本明細書で使用される場合、飲料及び/又は食品に関する「調製」という用語は、飲料及び/又は食品の少なくとも一部の調製を指し得る(例えば、飲料は、当該マシンによってその全体又は一部が調製され、エンドユーザが、消費前にミルク及び/又は水を含む追加の流体を手動で追加し得る)。
【0031】
本明細書で使用される場合、「容器」という用語は、前駆体材料を例えば1杯分の予め小分けされた量として収容するための任意の構成を指し得る。容器は、1杯分の前駆体材料のみを収容できるような最大容量を有してもよい。容器は、単回使用であってもよく、例えば、調製プロセス後に物理的に変更され、前駆体材料に流体を供給するための穿孔;容器から飲料/食品を供給するための穿孔;前駆体材料を抽出するためのユーザによる開封、のうちの1つ以上を含むことができる。容器は、マシンの容器処理ユニットと共に動作するように構成されてもよく、例えば、当該ユニットを通じて又は当該ユニット上に配置して容器を位置合わせし方向付けるためのフランジを含んでもよい。容器は、特定の圧力を受けたときに破裂して飲料/食品を送出するように構成された破裂部を含み得る。容器は、容器を閉鎖するための膜を有し得る。容器は、円錐;円筒;ディスク;半球状;及び他の同様の形状のうちの1つ以上を含む様々な形態を有し得る。容器は、金属、プラスチック、木材パルプ系、又はこれらの組み合わせなど、様々な材料から形成され得る。材料は、食品に安全であり;調製プロセスの圧力及び/又は温度に耐えることができるように選択され得る。容器はカプセルとして画定されてもよく、カプセルは20~100mLの内部容積を有してもよい。カプセルは、コーヒーカプセル、例えば、Nespresso(登録商標)カプセル(Classic、Professional、Vertuo、Dolce Gusto、又は他のカプセルを含む)を含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、「外部デバイス」又は「外部電子デバイス」又は「周辺デバイス」という用語は、マシンの外部の電子構成要素、例えば、マシンと同じ場所に配置された電子構成要素又はマシンから離れた電子構成要素であって、コンピュータネットワークを介してマシンと通信する電子構成要素を含み得る。外部デバイスは、マシン及び/又はサーバシステムと通信するための通信インターフェースを備え得る。外部デバイスは、スマートフォン;PDA;ビデオゲームコントローラ;タブレット;ラップトップ;又は他の同様の装置、を含むデバイスを含み得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、「サーバシステム」という用語は、マシンの外部の電子構成要素、例えば、マシンから遠隔位置に配置され、コンピュータネットワークを介してマシンと通信する、電子構成要素を指し得る。サーバシステムは、マシン及び/又は外部デバイスと通信するための通信インターフェースを備え得る。サーバシステムは、ネットワークベースのコンピュータ(例えば、リモートサーバ);クラウドベースのコンピュータ;任意の他のサーバシステム、を含むことができる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「システム」又は「飲料又は食品調製システム」という用語は、飲料又は食品調製マシン;容器;サーバシステム、及び周辺デバイス、のうちの2つ以上の組み合わせを指し得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、「飲料」という用語は、冷蔵又は高温であり得る飲用可能な物質に処理することができる任意の物質を指し得る。飲料は、固体;液体;ゲル;ペースト、のうちの1つ以上であり得る。飲料は、茶;コーヒー;ホットチョコレート;ミルク;ジュース;ビタミン組成物;ハーブティー/煎じ液;浸出/風味付けされた水;及び他の物質のうちの1つ又は組み合わせであり得る。本明細書で使用される場合、「食品」という用語は、冷蔵又は高温であり得る、食べるための栄養素に処理することができる任意の物質を指し得る。食品は、固体;液体;ゲル;ペースト、のうちの1つ以上であり得る。食品は、ヨーグルト;ムース;パフェ;スープ;アイスクリーム;シャーベット;カスタード;スムージー;他の物質、を含み得る。飲料と食品の定義の間にはある程度の重複があり、例えば、飲料は食品でもあってよく、したがって、飲料又は食品を調製すると言われるマシンは、両方の調製を排除しないことが理解されよう。
【0036】
本明細書で使用される場合、「前駆体材料」という用語は、飲料又は食品の一部又は全部を形成するように処理することができる任意の材料を指し得る。前駆体材料は、粉末;結晶;液体;ゲル;固体などのうちの1つ以上であり得る。飲料形成前駆体材料の例としては、挽いたコーヒー;乳粉末;茶葉;カカオ粉末;ビタミン組成物;例えば、ハーブティー/煎じ茶を形成するためのハーブ;香味料;及び他の同様の材料が挙げられる。食品形成前駆体材料の例としては、無水スープ粉末としての乾燥野菜又はストック;粉末ミルク;カスタードを含む小麦粉ベースの粉末;粉末ヨーグルト又はアイスクリーム;及び他の同様の材料が挙げられる。前駆体材料はまた、上記で定義されるような前駆体材料に処理することができる任意のプレ前駆体材料、すなわち、後に飲料及び/又は食品に処理することができる任意の前駆体材料を指し得る。一例では、プレ前駆体材料は、粉砕及び/又は加熱(例えば、焙煎)して前駆体材料にすることができるコーヒー豆を含む。
【0037】
本明細書で使用される場合、「流体」という用語は、(流体調整システムによって供給される流体に関して)水;ミルク;その他、のうちの1つ以上を含み得る。本明細書で使用される場合、流体に関する「調整」という用語は、その物理的特性を変化させることを指してもよく、以下の、加熱又は冷却;撹拌(泡を導入するために泡立て(whipping)によって泡立て(frothing)ること、及び乱流を導入するために混合することを含む);1杯分の容器と共に使用するのに適した1杯分の量への小分け;例えば、淹出圧力までの加圧;炭酸化;濾過/精製、及び他の調整プロセスのうちの1つ以上を含むことができる。
【0038】
本明細書で使用される場合、「処理ユニット」という用語は、前駆体材料を飲料又は食品に処理することができる構成を指し得る。これは、プレ前駆体材料を前駆体材料に処理することができる構成を指す場合がある。
【0039】
本明細書で使用される場合、「容器処理ユニット」という用語は、前駆体材料から関連する飲料又は食品を得るために容器を処理することができる構成を指し得る。容器処理ユニットは、以下:希釈;加熱;冷却;混合;泡立て;溶解;浸漬;浸し;抽出;調整;加圧;煎じ;及び他の処理工程のうちの1つによって前駆体材料を処理するように構成され得る。したがって、容器処理ユニットは、処理工程に応じて、様々なユニットを実装してもよく、それらのユニットは、抽出ユニット(加圧及び/又は熱、例えば、加熱又は冷却、淹出プロセスを実行し得る);混合ユニット(エンドユーザが消費するために入れ物内の飲料又は食品を混合する);分配及び溶解ユニット(前駆体材料の一部を抽出し、溶解によって処理し、それを入れ物に分配する);及び他の同様のユニット、を含み得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、「調製プロセス」という用語は、前駆体材料から飲料又は食品を調製するためのプロセス、又は前駆体材料からプレ前駆体材料を調製するためのプロセスを指し得る。調製プロセスは、容器処理ユニットを制御して当該前駆体又はプレ前駆体材料を処理するために電気回路が実行するプロセスを指し得る。
【0041】
本明細書で使用される場合、「電気回路」又は「回路」又は「制御電気回路」という用語は、1つ以上のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を指してもよく、その例としては、特定用途向け集積回路(ASIC);電子/電気部品(トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタなどの組み合わせを含み得る);1つ以上のプロセッサ;1つ以上のソフトウェア又はファームウェアプログラムを記憶し得る非一時的メモリ(例えば、1つ以上のメモリデバイスによって実装される);組み合わせ論理回路;上記の相互接続、が挙げられる。電気回路は、全体がマシンに配置されてもよく、又はマシン;外部デバイス;サーバシステム、のうちの1つ以上の間に分散されてもよい。
【0042】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ」又は「処理リソース」という用語は、処理のための1つ以上のユニットを指し得、その例としては、ASIC、マイクロコントローラ、FPGA、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、状態マシン、又は他の適切な構成要素が挙げられる。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行するように構成されてもよく、例えば、非一時的メモリ及び/又はプログラマブル論理に記憶され得る機械可読命令の形態をとり得る。プロセッサは、回路について説明した構成に対応する様々な構成を有してもよく、例えば、マシンに実装されてもよく、システムの一部として分散されていてもよい。本明細書で使用される場合、任意のマシン実行可能命令又はコンピュータ可読媒体は、例えば、本明細書で開示されるようなマシン又はシステムによって、開示される方法を実行させるように構成されてもよく、したがって、方法という用語と同義的に使用され得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、「コード」という用語は、調製情報を符号化する記憶媒体を指し得る。コードは、光学的に読取可能なコード、例えばバーコードであり得る。コードは、要素又はマーカと称することができる複数のユニットから形成され得る。
【0044】
本明細書で使用される場合、「調製情報」という用語は、調製プロセスに関連する情報を指し得る。処理ユニットの実装に依存して、当該情報は変化し得る。流体処理システムを備える容器処理ユニットに関連付けられ得るパラメータは、流体圧力;流体温度;質量流量/体積流量;流体体積;流体の濾過/精製パラメータ;及び流体の炭酸化パラメータのうちの1つ以上を含むことができる。より一般的なパラメータは、容器の幾何学的パラメータ、例えば形状又は容積、及び前駆体のタイプのうちの1つ以上を含むことができる。
【0045】
本明細書で使用される場合、「セルロースパルプ」という用語は、80重量%~100重量%のパーセンテージでセルロース繊維を含むパルプを指す。「セルロース繊維」という用語は、硬質木材セルロース繊維、軟質木材セルロース繊維、小麦繊維、トウモロコシ繊維、バガス繊維、竹繊維、ヘンプ繊維、他の類似の野菜若しくは植物繊維又はそれらの組み合わせである。線維の長さは、好ましくは1~1000μm、より好ましくは15~250μmである。
【0046】
「セルロースパルプ系材料」、「セルロース系層」などという用語は、少なくとも80重量%のセルロースパルプから作製された材料、層などを指し、好ましくは少なくとも90重量%のセルロースパルプから作製される。
【0047】
本明細書で使用される場合、「木材パルプ系」という用語は、容器を形成する材料の一部を指してもよく、容器は、多孔質である;繊維状である;セルロース系である;セルロース系材料から形成されている;天然セルロースパルプ系材料から形成されている;再構成又は再生セルロース系材料から形成されている;不織である;木材パルプの組成物から完全に構成されるか、又は木材パルプの組成物である;及び湿式成形されている、のうちの1つ以上である。木材系材料の厚さは、0.1mm~0.75mm又は約0.5mmであってもよい。木材系材料の密度は、200~500gsmであってもよい。
【0048】
本明細書で使用される場合、「不織」という用語は、織られても編まれてもいない布様材料を指し得る。不織材料は、互いに結合された繊維から作製され得る。本明細書で使用するとき、「多孔質」という用語は、水(又は他の液体)を透過させるための隙間を有するように構成された材料を指し得る。本明細書で使用される場合、「繊維状」という用語は、材料構成要素のうちの1つ以上に存在し得る繊維から構成される材料を指し得る。本明細書で使用される場合、「セルロース系」又は「セルロース系材料」という用語は、従来の木質材料及び/又は非木質材料、例えば、マニラ麻、サイザル麻、ジュート、漂白及び未漂白の軟質木材及び硬質木材種を指し得る。セルロース系材料は、再生又は再構成されたセルロースを含み得る。本明細書で使用される場合、「天然セルロース系材料」という用語は、再生されていない従来の木材材料を指し得る。本明細書で使用される場合、「再構成又は再生セルロース系材料」という用語は、再構成又は再生を含む加工が施される天然セルロース系材料を指してもよく、例としては、レーヨン及びリヨセルが挙げられる。本明細書で使用される場合、「木材パルプ」という用語は、木材、繊維作物、紙、又は布きれのうちの1つ以上からセルロース繊維を機械的又は化学的に分離することによって調製され得る、リグノセルロース繊維材料を指し得る。本明細書で使用される場合、「湿式成形」という用語は、繊維の水溶液から形成するプロセスを指し得る。繊維の水溶液を加熱し、型内でプレスして、材料を硬化させ、そこから水を除去し得る。
【0049】
[システムの概説]
図1を参照すると、システム2は、マシン4、容器6、サーバシステム8、及び周辺デバイス10を備える。サーバシステム8は、コンピュータネットワーク12を介してマシン4と通信する。周辺デバイス10は、コンピュータネットワーク12を介してマシン4と通信する。
【0050】
図示されていない変形実施形態では、周辺デバイス及び/又はサーバシステムは省略される。
【0051】
コンピュータネットワーク12は、マシン4、サーバシステム8、及び周辺デバイス10の間で同じものとして示されているが、他の構成も可能であり、それには、各装置間の相互通信のための異なるコンピュータネットワーク、すなわち、サーバシステムが直接ではなく周辺デバイスを介してマシンと通信することが含まれる。特定の例では、周辺デバイスは、通信インターフェースを介して、例えばBluetooth(登録商標)プロトコルを用いてマシンと通信し、サーバシステムは、無線インターフェースを介して、例えばIEE802.11規格を用いて、またインターネットを介して、マシンと通信する。
【0052】
[マシン]
図2を参照すると、マシン4は、前駆体材料を処理するための処理ユニット14;電気回路16:及びコード読取システム18を備える。
【0053】
電気回路16は、コード読取システム18を制御して、容器6からコード(
図2には示さず)を読み取り、そこから調製情報を判定する。電気回路16は、調製情報を使用して処理ユニット14を制御して調製プロセスを実行し、調製プロセスでは、前駆体材料が飲料若しくは食品又はその前駆体に処理される。
【0054】
図示されていない変形実施形態では、コード及びコード読取システムは省略され、マシンは、電気回路の電子メモリに記憶された1つ以上の調製プロセスを実行する。
【0055】
[処理ユニットの第1の例]
図3及び
図4を参照すると、処理ユニット14の第1の例において、当該ユニットは、容器処理ユニット20と、流体調整システム22とを備える。
【0056】
容器処理ユニット20は、容器6を処理して、その中の前駆体材料(図示せず)から飲料又は食品を得るように構成されている。流体調整システム22は、容器処理ユニット20に供給される流体を調整する。電気回路16は、容器6から読み取られた調製情報を使用して、容器処理ユニット20及び流体調整システム22を制御し、調製プロセスを実行する。
【0057】
[流体調整システム」
図3を参照すると、流体調整システム22は、リザーバ24;ポンプ26;熱交換器28;調整された流体のための出口30を含む。リザーバ24は、典型的には、複数の調製プロセスに十分な流体を収容する。ポンプ26は、流体をリザーバ24から、熱交換器26を通して、(容器処理ユニット20に接続されている)出口30へと移動させる。ポンプ26は、以下を含む流体を駆動するための任意の好適なデバイス:往復ポンプ;回転ポンプ;及び他の適切な構成を含むことができる。熱交換器28は、流体を加熱するように実装され、インラインサーモブロック型ヒータ;リザーバ内の流体を直接加熱するための加熱要素;及び他の適切な構成を含むことができる。
【0058】
図示されていない変形実施形態では、ポンプが省略され、例えば、流体が重力によって容器処理ユニットに供給されるか、又は主給水によって加圧され;リザーバが省略され、例えば、水が主給水によって供給され;熱交換器は、流体を冷却するように構成され、例えば、冷凍型サイクルヒートポンプを含み得;熱交換器が省略され、例えば、主給水が所望の温度で水を供給し;流体調整システムは、濾過/精製システム、例えば、流体に適用される程度が制御可能であるUV光システムと;流体が炭酸化される程度を制御する炭酸化システムとを含む。
【0059】
[容器処理ユニット]
容器処理ユニット20は、以下の実施例1~4に示すように、様々な構成で実装することができる。
【0060】
図4A及び
図4Bを参照すると、容器処理ユニット20の第1の例は、飲料を調製するためにカプセル6(カプセルの適切な例が
図6に示されており、これについては後述する)として構成された容器を処理するためのものである。容器処理ユニット20は、カプセル6から飲料を抽出するための抽出ユニット32として構成されている。抽出ユニット32は、容器/カプセル保持部34と閉鎖部材36とを含む。抽出ユニット32は、カプセル保持部34及び閉鎖部材36がカプセル6を受容するように構成されるカプセル受容位置(
図4A)に移動可能である。抽出ユニット32は、カプセル保持部34及び閉鎖部材36がカプセル6の周りにチャンバを形成し、飲料をカプセル6から抽出することができるカプセル抽出位置(
図4B)に移動可能である。抽出ユニット32は、アクチュエータ駆動式であってもよく、又は当該位置間を手動で移動可能であってもよい。
【0061】
抽出ユニット32は、
図2に関連して開示されるコード読取システム18の一部である画像取込ユニット46をカプセル保持部34内に統合する。したがって、抽出ユニット32がカプセル抽出ユニット内にあるときには(
図4B)、調製情報をコード化し、カプセル6上に配置されたコード(図示せず)が読み取られる。
【0062】
流体調整システム22の出口30(
図3)は、容器を突き抜いて、カプセル抽出位置において調整された流体をカプセル6内に注入するための1つ以上の入口を形成する、注入ヘッド及び/又は突き刺し部38として構成されている。飲料出口40は、抽出された飲料を捕捉し、それを抽出ユニット32から消費者のカップ(図示されていない)に搬送するように構成されている。
【0063】
この場合、抽出ユニット32は、突き刺し部38によって形成された入口のおかげで、調整された流体(一般に水)を低圧(8バール未満)でカプセル6内の前駆体材料に加えることによって飲料を調製するように構成されている。カプセルを所与の回転速度で回転させ(とりわけ、カプセル内の材料前駆体及び/又は得られる飲料の所望の感覚プロファイルに応じて)、遠心作用によって飲料をカプセル6から抽出する。適切なアルミニウムカプセルの一例は、現在市販されているNespresso(登録商標)Vertuoカプセルである。適切なカプセルの例は欧州特許第2594171(A1)号に提示されており、適切な抽出プロセスは欧州特許第2155019(A1)号に提示されており、いずれの参考文献も参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
図示されない変形実施形態では、抽出ユニットは、(例えば10~20バールで)加圧され、(例えば50~98℃で)加熱された流体をカプセル6内の前駆体材料に適用することによって飲料を調製するように構成されている。圧力は、カプセルの閉鎖部材である破裂部の圧力を超えるまで、所定の時間にわたって増大され、それにより、当該部材の破裂が引き起こされ、飲料が飲料出口に分配される。
【0065】
図示されない第2の実施形態では、注入ヘッド及び飲料出口は、それぞれ保持部及び閉鎖部材上に配置されるものとして示されているが、注入ヘッド及び飲料出口は、代替的に、注入ヘッド及び飲料出口がそれぞれ閉鎖部材及び保持部上に配置されること、又は両方が同じ部分上にあることを含めて、配置され得る。更に、抽出ユニットは、例えば、Nespresso(登録商標)Professionalカプセルを含む、フランジに対して対称であるカプセルのためのカプセル保持部として配置された両方の部分を含み得る。
【0066】
第3の例(図示せず)では、カプセル処理ユニットは、高圧高温流体下で溶解するように選択された飲料前駆体の溶解によって動作する。この構成は、第1の例及び第2の例の抽出ユニットと同様であるが、圧力がより低いため、封止された抽出ユニットが必要とされない。特に、流体をカプセルの蓋に注入することができ、破断部分はカプセルの貯蔵部の基部に配置される。適切なカプセルの一例は、Nespresso(登録商標)Dolce Gustoカプセルである。好適な抽出ユニットの例は、欧州特許第1472156(A1)及び欧州特許第1784344(A1)号に開示され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
第4の例(図示せず)では、容器処理ユニットは、エンドユーザがそこから消費するための入れ物である容器内に保存されている飲料又は食品前駆体を調製するための混合ユニットとして構成されている。混合ユニットは、混合するための撹拌器(例えば、遊星型ミキサー又はスパイラルミキサー又は垂直カットミキサー)と、容器内の飲料又は食品前駆体を加熱/冷却するための熱交換器と、を備える。流体供給システムはまた、入れ物に流体を供給し得る。このような構成の例は、国際公開第2014067987(A1)号に開示され、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
[制御電気回路]
図5を参照すると、電気回路16は、処理ユニット14を制御して調製プロセスを実行するための制御電気回路48として実装されている。
図5の実施形態では、例示を目的として、容器処理ユニット20及び流体供給ユニット22を備える処理ユニット14が、第1の例として示されている。
【0069】
電気回路16、48は、(例えば、ハードウェアと組み合わせて)マシン4が調製プロセスを実行することを確定する入力をユーザから受け取るための入力ユニット50、入力ユニット50から入力を受信し、処理ユニット14に制御出力を提供するプロセッサ52、及び調製プロセス中に処理ユニット54からのフィードバックを提供し、調製プロセスを制御するために使用され得るフィードバックシステム54を少なくとも部分的に実装する。
【0070】
入力ユニット50は、ユーザインターフェースとして実装され:ジョイスティックボタン又は押しボタンなどのボタン;ジョイスティック;LED;グラフィックLDC又はキャラクタLDC;タッチ感知ボタン及び/又はスクリーンエッジボタンを備えるグラフィカルスクリーン;他の同様の装置;及び容器がユーザによってマシンに供給されたかどうかを判定するためのセンサ、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0071】
フィードバックシステム54は、以下を実装することができる:
流体供給システム22の出口30(
図3に示す)への流体の流量/体積を判定するための流量センサであって、容器6への流体の正確な量を計量し、それによってポンプ26への電力を調節するために使用され得る、流量センサ;
流体供給ユニット22の出口30への流体の温度を判定するための温度センサであって、容器6への流体の温度が正確であることを確実にし、それによって熱交換器28への電力を調節するために使用され得る、温度センサ;
リザーバ24内の流体のレベルが調製プロセスに十分であることを判定するためのレベルセンサ;及び
抽出ユニット32の位置(例えば、カプセル抽出位置又はカプセル受容位置)を判定するための位置センサ。
【0072】
電気回路16、48は、処理ユニット14の他の例、例えば、フィードバックシステムがカプセルの回転速度を制御するために使用され得る容器処理システムの第2の例に適切に適合されると理解されたい。
【0073】
[容器]
図6を参照すると、処理ユニット14の第1の例と共に使用するための容器6は、カプセル6として構成された容器を含む。
【0074】
カプセルは、好ましくは単回使用又は再充填可能なカプセルである。カプセルは、コーヒー飲料の調製のために、ある用量の前駆体材料、例えばコーヒーを収容する。
【0075】
カプセル6は、閉鎖部材56、貯蔵部58として設計された容器本体、及びカプセル6を取り囲む環状フランジ状リム60を含む。フランジ状リム60の詳細は
図6には示されておらず、
図8及び以下に関連して詳述される。
【0076】
局所容器座標軸線は、深さ方向100、長手方向102、及び横方向104を含む。回転軸線106は、深さ方向100に延びており、長手方向102及び横方向104によって画定された平面内にある半径方向108を画定している。
【0077】
カプセル6は、長手方向102及び横方向104によって画定される平面で見たときに円形断面を有し、好ましくは中心軸106を中心として回転対称であるように設計される。
【0078】
閉鎖部材56は、長手方向102及び横方向104によって画定された平面内に配置されている。閉鎖部材56は、貯蔵部の開放端で貯蔵部58を閉鎖し、可撓性膜で構成されている。閉鎖部材56は、貯蔵部58から離れる方に面する外面62と、貯蔵部58に面する内面64と、を有する。
【0079】
閉鎖膜56は、食品グレードの材料で作製され、ガスバリア層を形成する。閉鎖膜は、アルミニウムアロイ、プラスチック(PP、EVOHなど)、プラスチックとアルミニウムアロイとの積層体、又は酸素バリア特性を有する紙系材料、あるいは好ましくは堆肥化可能及び/又は生分解性である任意の適切な材料から作製されてもよい。閉鎖膜は、通常、10~250μmの厚さである。
【0080】
フランジ状リム60は、貯蔵部58と閉鎖部材56とを相互接続して、前駆体材料を気密封止するように構成されている。フランジ状リム60は、内縁部66から外縁部67まで半径方向108に延びる環状リングとして構成されている。フランジ状リム60は、長手方向102及び横方向100によって画定された平面P内に配置されている平坦セグメント61を含む。フランジ状リム60は、閉鎖部材56の内面64の周囲に接着剤(又は任意の封止手段)によって接続される上面70を有する。フランジ状リムの下面72は、貯蔵部58に面している。
【0081】
本開示では、フランジ状リム60は、少なくとも部分的にセルロースパルプ系材料、例えば木材パルプ系材料から作製される。
【0082】
貯蔵部58は、基部78を形成する閉鎖された底端部と、前駆体材料(図示せず)の貯蔵のためのキャビティ74を画定する開口とを含む。キャビティ74は、開放端と基部78とを接続する側壁76を含む。側壁76は主に深さ方向100に基部78からフランジ状リム60に接続された近位縁部82まで延びており、近位及び遠位は基部78に対して定義されている。側壁76は、基部78から近位縁部82まで凸状部の形態である。上述したように、側壁76の遠位縁部82は、フランジ状リム60の内側縁部66に隣接する。貯蔵部58とフランジ状リム60とは一体に形成されている。
【0083】
カプセル6は、2~8cmの直径と2~8cmの軸長を有する。容器及び/又は閉鎖部材の構造、製造、及び/又は(飲料)抽出の詳細は、例えば、欧州特許第2155021号、欧州特許第2316310号、欧州特許第2152608号、欧州特許第2378932号、欧州特許第2470053号、欧州特許第2509473号、欧州特許第2667757号、及び欧州特許第2528485号に開示されている。
【0084】
図示されていない変形実施形態では、カプセルは、正方形、他の多角形、又は楕円形を含む他の断面形状を有してもよく;閉鎖部材は、剛性構造又は他の非膜構造であってもよく;フランジは、代替的に、例えばクリンピングによって、閉鎖部材の上面に接続されており;側壁は、代替的に、逆テーパ状、深さ方向の位置合わせ、又は湾曲を含めて構成されており;基部は、代替的に、平坦又は湾曲を含めて構成されており;フランジ部は、貯蔵部に一体的に形成されるのではなく、貯蔵部に接続されており;閉鎖部材は、貯蔵部として構成されており、例えば、キャビティを備え;及びフランジ部が省略され、例えば、閉鎖部材が貯蔵部に直接接続している。
【0085】
図4A及び
図4Bを参照すると、貯蔵部58を閉鎖する閉鎖部材56は、突き刺し部38によって穿孔されて、後述するように、調整された流体をキャビティ74内に注入するための複数の入口を形成する。突き刺し部38は、別個のブレードとして、又はインジェクタと一体化するブレードとして構成され得る。
【0086】
図4A及び
図4Bを更に参照すると、フランジ状リム60は、貯蔵部58に面する側にコードゾーンを備える。
【0087】
開示された実施形態は、閉鎖部材56は、調製された飲料がカプセル6から出るための出口開口部40を形成するために、1つ以上の針41によって更に穿孔される。
【0088】
[調製プロセス]
図7を参照すると、前駆体材料から飲料/食品を調製するためのプロセスの実行が示されている。
【0089】
ブロック70:ユーザが、容器6をマシン4に供給する。
【0090】
ブロック72:電気回路16(例えば、その入力ユニット50)は、前駆体から飲料/食品を調製するためのユーザ命令を受信し、電気回路16(例えば、プロセッサ52)は、プロセスを開始する。
【0091】
ブロック74:電気回路16は、容器を処理するように処理ユニット14を制御する(例えば、容器処理ユニット20の第1の例では、抽出ユニット32は、カプセル受容位置(
図4A)からカプセル抽出位置(
図4B)に移動される)。
【0092】
ブロック76:電気回路16は、容器上のコードから読み取られたか、又はメモリ上に記憶されているか、のいずれかである調製情報に基づいて、処理ユニット14を制御することによって調製プロセスを実行する。処理ユニットの第1の例では、この調製プロセスは、調製情報で指定された温度、圧力、及び持続時間で流体を容器処理ユニット20に供給するように流体調整システム22を制御することを含む。
【0093】
続いて、電気回路16は、カプセル抽出位置からカプセル排出位置を通って移動して、容器6を排出し、カプセル受容位置に戻るように容器処理ユニット20を制御する。
【0094】
図示されていない変形実施形態では、上記のブロックは、異なる順序で、例えば、ブロック70の前にブロック72を実行することができ、いくつかのブロックは省略することができ、例えば、マシンがカプセルのマガジンを格納する場合、ブロック70を省略することができる。
【0095】
調製プロセスの一部として、電気回路16は、マシンの通信インターフェース(図示せず)を使用して、サーバシステム8及び/又は周辺デバイス10からコンピュータネットワーク12を介して追加の調製情報を取得することができる。
【0096】
[容器フランジ状リム]
図8~
図12を参照すると、
図6の実施形態に関連付けられたカプセル6として構成された容器は、(上記に定義したように)セルロース系材料、より具体的には、木材パルプ系材料で形成された環状フランジ状リム60を含む。
【0097】
提案される実施形態では、貯蔵部58(容器本体を形成する)はまた、木材パルプ系材料から形成され、環状フランジ状リム60と一体化されている。したがって、カプセル6全体が木材パルプ系材料で作製される。
【0098】
開示されるように、フランジ状リム60は、貯蔵部58を形成する容器本体から外向きに延び、貯蔵部と閉鎖部材とを接続する。フランジ状リム60は、2~5mmの幅Wまで水平方向に外方に延びている。
【0099】
フランジ状リム60は、平坦セグメント61を有し、環状力リング62を備える。
【0100】
図4A及び
図4Bを参照すると、コードゾーン(図示せず)は、フランジ状リム60の平坦セグメント61に配置される。画像取込ユニット46(抽出ユニット32のコード読取システム18の一部として)の位置のため、コードゾーンは、フランジ状リム60の下面72に対応する、貯蔵部58に面する側に配置される。
【0101】
環状力リング62は、フランジ状リム60からカプセルの外部に突出する。したがって、カプセル6は、カプセル6の外部に突出する環状力リング62によって円周方向に取り囲まれる。
【0102】
外向きに突出する力リング62を備えるカプセル6は、好ましくは50~70mmである外径ODを備える。好ましい実施例では、外径ODは52~61mmである。
【0103】
環状力リング62は更に、フランジ状リム60から上方に延び、調製マシン4と係合するように設計されている。
【0104】
より詳細には、環状力リング62は、カプセルが容器保持部34内に配置されたときに、調製マシン4の抽出ユニット32によって、より正確には抽出ユニットの閉鎖部材36の専用プレス面(図示せず)によって係合されるように設計された係合部材を構成する。
【0105】
環状力リング62は、貯蔵部58と共に、フランジ状リム60の一部として、セルロースパルプ系材料で作製されている。
【0106】
図示されているように、環状力リング62は、
図9のように横断面で見た場合、本質的にS字形である。力リングは主に、貯蔵部とは反対の方向に、リムの平坦セグメント61を含む平面Pを越えて延びる。
【0107】
力リング62は、第1の部分63と、第2の部分64と、第3の部分65とを備える。
【0108】
第1の部分63は、フランジ状リムの平坦セグメント61から外向きに延び、(
図11に示されるように)当該平坦セグメント61と、20度~85度の角度αを形成する。角度αの値は、木材パルプ系のフランジ状リム60の製造中に適用される製造制約に限定されてもよい。
【0109】
第2の部分64は、第1の部分63から平坦セグメント61とは反対側に延びている。角度αの値に対するいくつかの制限は、木材パルプ系のフランジ状リム60の製造プロセスに起因して適用され得る。
【0110】
現在提案されている実施形態では、力リング62の第2の部分64は、平坦な延長部を備えるが、湾曲した延長部も想定され得る。
【0111】
力リングの第1の部分63及び第2の部分64は、貯蔵部58とは反対の方向に、フランジ状リム60の平坦セグメント61を含む平面Pを越えて、当該平面Pから上方への延長距離haだけ延びる。
【0112】
上方への延長距離haは、0.5~2mmである。提案された実施形態では、好ましくは1mm~1.8mmである。
【0113】
力リング62はまた、フランジ状リム60の平坦セグメント61と力リング62の第1の部分63との間に延びる第3の部分65を備える。
【0114】
ここで、力リング62の第3の部分65は、フランジ状リム60の平坦セグメント61を含む平面Pの下方で容器本体の方向に、当該平面Pから下方延長距離hbだけ延びている。平面Pの下方に延びる下方延長距離hbは、平面Pの上方に延びる上方延長距離haよりも短い。
【0115】
第3の部分65は、調製マシン4と相互作用するように意図されている。詳細には、第3の部分は、カプセル6が調製マシン4の容器保持部34内に配置されるときに、容器のためのセンタリング手段を形成する。第3の部分65はまた、抽出プロセス中にフランジ状リム60(力リング62を含む)の起こり得る曲げ及び/又は変形及び/又は破損を回避する。
【0116】
図9及び
図12に示されるように、第3の部分65は、隆起部68の形態であり、容器6が容器保持部分34内の定位置にあるときに、隆起部68の位置で容器保持部分34と相互作用する。
【0117】
前述したように、力リング62の第1の部分63、第2の部分64、及び第3の部分65は、フランジ状リムのセクションであり、フランジ状リム60と一体である。
【0118】
カプセル6において、環状力リングを含むフランジ状リム60の木材系材料の密度は、200~500gsmである。しかしながら、材料の密度は、製造プロセスに応じてフランジ状リム60の異なる要素に対して変化してもよい。
【0119】
図11の木材系パルプで作製されたカプセル6に関連して、平坦セグメント61並びに環状力リング62の第1の部分63、第2の部分64、及び第3の部分65を含むフランジ状リム60の様々な要素は、実質的に同じ厚さを有する。厚さは、40~600μmである。
【0120】
図9のカプセルにおいて、フランジ状リム60の平坦セグメント61は、局所的圧縮を受けており(本開示の次のセクションでより詳細に説明する)、平坦セグメントは、150~400μmの厚さを有し、フランジ状リム60の他の部分、例えば、力リング62は、400~600μmの厚さを有する。
【0121】
図示されていない変形実施形態では、環状力リングは、貯蔵部の方向に、フランジ状リムの平坦セグメントを含む平面Pを越えて、当該平面Pからの延長距離hc(図示せず)だけ延びる。
【0122】
図示されていない変形実施形態では、フランジ状リムが平面Pの下方にいかなる下方延長部も有していないと想定することができる。
【0123】
図示されていない変形実施形態では、(容器本体を形成する)貯蔵部58の一部のみ、例えば、本明細書で定義される基部又は基部領域のみが、木材パルプ系材料から形成されてもよい。
【0124】
フランジ状リム及び/又は貯蔵部を形成する方法は、フランジ状リム及び貯蔵部の一方又は両方を湿式形成することと、例えば同じ金型/プレスを介してプレスすることとを含むことができる。
【0125】
ブロック74において、
図7に示すように、前述の調製プロセスは、マシン4の処理ユニット14の容器保持部34内に容器6を配置することによって実施することができる。容器6は、入口を形成するために突き刺し部38(
図4A及び
図4Bに示される)によって突き抜かれることができる。突き刺し部38は、1つ以上、例えば3つの穿孔要素を含む。次に、容器6は抽出ユニット32によって処理される。
【0126】
[容器フランジ状リム機能]
図6、
図8~
図12に関連して開示されるように、カプセル6は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第2155019(A1)号に開示されるような遠心抽出プロセスを使用して抽出されると考えられてもよい。Nespresso(登録商標)Vertuoラインで使用されるそのような抽出プロセスでは、カプセル6のフランジ状リム60、より具体的にはその外側延長部(環状力リング62)は、調製マシンと相互作用しており、流量制限部又は流量制限弁機能を果たし得る。これは、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第2667757(A1)号に開示されている。
【0127】
詳細には、フランジ状リム60の平坦セグメント61から上方に延びる力リング62は、抽出プロセス中にカプセル6から出る遠心作用を受けた液体の流れを選択的に遮断及び/又は制限するための弁手段の一部を形成するように設計されている。
【0128】
より具体的には、力リング62は、好ましくは、本カプセルと併せて使用される飲料製造装置の専用のプレス面によって加えられる背圧を適合させるために、平坦セグメント61を含む平面Pから0.5~2.5mmの高さha(上方延長距離として定義される)まで上方に延びる。それによって、高さhaの測定値(上方延長距離)が大きいほど、プレス面によってカプセルの力リング62に加えられる背圧が高くなることを理解されたい。したがって、遠心作用を受けたされた液体の克服圧力が高ければ高いほど、弁を開放し、開放した状態を維持しなければならない。
【0129】
好ましい実施形態では、カプセル6の力リング62の高さhaは、カプセル6に高い背圧をかけるために、好ましくは1~1.8mmの高さであり、これで、高いクレマ品質及び量だけでなく、適切な流量に収まることになる。
【0130】
考案された環状力リング62は、調製マシン4の抽出ユニット32の閉鎖部材36の専用のプレス面(図示せず)によって係合されるときに剛性係合部を提供し、それによって安定した弁手段を形成する。
【0131】
したがって、開示されるように、フランジ状リム部分60は、いくつかの機能:弁、センタリング機能、変形防止機能、及びコードを保持するとき、認識手段支持機能を有する。
【0132】
[フランジ状リムの圧縮]
図8~
図12を参照すると、
図6の実施形態に関連付けられたカプセル6として構成された容器は、(上記に定義したように)セルロース系材料、より具体的には、木材パルプ系材料で形成された環状フランジ状リム60を含む。
【0133】
フランジ状リム60の全部又は少なくとも一部、より具体的にはフランジ状リム60の平坦セグメント61は、調製マシンとのより良好な相互作用のために圧縮されてもよい。
【0134】
更に、平坦セグメント61の位置でフランジ状リム60の下面72にコード(図示せず)を担持するための改善された表面を提供する。
【0135】
特に、木材パルプ系材料で形成される場合、既存のマシンとの適合性を確実にするために、平坦セグメント61が従来の材料(例えば、アルミニウム)で形成された容器の厚さに匹敵する厚さを有するように加熱を伴う又は伴わないプレスプロセスを適用して、フランジ状リム60の厚さを低減し得る。(任意の加熱プロセスを伴う)プレスプロセスはまた、コードのための基板として機能する、より均一な表面を提供することができ、これは、コード読み取りの信頼性を改善し得る。そのような例では、調製プロセスは、コードを読み取り、そこから調製情報を読み出す工程を含むことができる。コードを読み取る工程は、例えば、回転軸線106を中心に容器を回転させることによって、コードリーダに対してコードを回転させることを含むことができる。Nespresso(登録商標)Vertuo(登録商標)容器は、そのようなフランジ状リム部を実装してもよい。
【0136】
プレスプロセスは、木材パルプ系材料を圧縮するために、フランジ状リムの平坦セグメントに1×105~1×107Paの圧力を印加する。プレスプロセスは、任意選択で、50~300℃の温度を使用する加熱プロセスで完了することができる。任意の適切な圧力及び温度の組み合わせが選択され得ることが理解される。プレス圧力は、5~60秒間加えることができる。
【0137】
提案されたプレスプロセス中に、彫刻によってコードを加えることができる。
【0138】
変形実施形態では、コーティングを塗布すること、及び材料断面を減少させるために刻み目を付けることを含む代替処理が実施される。本明細書で使用される場合、「コーティングを塗布する」という用語は、繊維間の孔/隙間を閉じるために、及び/又はバリアとして作用するように、木材パルプ系材料にコーティングを塗布することを指し得る。これにより、水の吸収を低減させることができ、上述の理由で有利であり得る。
【0139】
[容器肩部]
図8、
図9、
図11、
図12、及び
図13を参照すると、カプセル6は、フランジ状リム60に隣接するように構成された肩部120を備える側壁76を有する。肩部120は、フランジ状リム60の下面72からリム122まで深さ方向100に延びている。肩部120は、フランジ状リム60とリム122との間に直線状の外面124を画定している。外面124は、フランジ部60から縁部122まで半径方向範囲が減少するとともにテーパ状になっている。このようにテーパ状にすることで、容器保持部34内への容器6のより便利な配置を容易にし得る。縁部122は湾曲している。
【0140】
図示されていない変形実施形態では、肩部は、隙間によってフランジ状リムから隔てられており;外面は、代替的に、湾曲又は深さ方向の位置合わせを含めて輪郭形成されており、リムは、代替的に、段状又は直線状の傾斜部を含めて輪郭形成されている。
【0141】
外面124は、側壁76の空隙画定領域126よりも大きい半径方向範囲を有する。側壁76の空隙画定領域126は、肩部120から基部78まで側壁76の残りの部分にわたって延びている。
【0142】
図示されていない変形実施形態では、側壁の下部は、側壁の空隙画定領域が側壁の残りの部分にわたって延びないように、容器保持部と係合する第2の肩部を含む。
【0143】
図12を参照すると、肩部120は、マシン4の処理ユニット14の容器保持部34の上部領域を、容器保持部34から半径方向108に離隔して配置された空隙画定領域126と係合させて、容器保持部と空隙画定領域との間に空隙128を画定するように構成されている。
【0144】
肩部120は、容器保持部34の上部領域に形状が対応するように構成されており、その結果、外面124全体が係合されて、調製マシンの容器保持部に容器6を配置する際の精度が向上する。抽出プロセスの最後に、空隙領域128を維持したまま、容器6を容器保持部34から容易に排出することができる。
【0145】
図示されていない変形実施形態では、外面は、付着を低減するために容器保持部に係合しない溝又は他の表面不連続部を含む。
【0146】
肩部120は、フランジ状リム60の下面72と、リム122と外面124との交点との間の深さ距離Sを有し、(上述したように)この深さ距離は、貯蔵部58の総深さDの約15%未満である。
【0147】
図示されていない変形実施形態では、Sは、代替的に、Dの40%又は30%未満を含むように寸法設定されており、Sの最小距離は、Dの5%又は10%よりも大きくてもよい。
【0148】
図13を参照すると、容器6は、第2の対応する形状の容器6’内に部分的に積み重ねられるように構成されている。容器6の肩部120のリム122は、第2の容器6’の(貯蔵部の近位部分を含む)フランジ状リム60’に係合する。第2の容器6’の肩部120’に隣接する、容器6の側壁76の空隙画定領域126の一部は、空隙130を画定するように当該肩部120’の遠位にある。容器6の側壁76の空隙画定領域126の残りはまた、空隙130を画定してもよい。そのような構成では、充填前の容器は、付着が低減され、積み重ねることができる。
【0149】
ブロック74において、
図7に示すように、前述の調製プロセスは、マシン4の処理ユニット14の容器保持部34内に容器6を配置し、容器6の側壁76の肩部120を容器保持部34と係合させて、側壁76の空隙画定領域126を容器保持部34から離して配置し、空隙領域128を画定することによって実施することができる。
【0150】
容器6を前駆体材料(図示せず)で充填する方法は、容器6の貯蔵部58を、充填機(同じく図示せず)の容器保持部(図示しないが、マシン4の容器保持部34と同様であると想定することができる)に配置することを含む。したがって、この工程は、容器保持部34について説明したように実施することができる。貯蔵部58は、前述の構成で積み重ねられた2つ以上の容器と共に充填機に供給され得る。充填後、貯蔵部58を閉鎖部材56で閉鎖することができる。
【0151】
貯蔵部を形成する方法は、例えば、同じ型/プレスにより、貯蔵部及び肩部を同時に湿式成形することを含むことができる。代替的に、肩部は、貯蔵部に後で押し込まれてもよい。
【0152】
[異なるサイズの容器のセット]
図14A及び
図14Bを参照すると、カプセル6a、6bのセットが示されている。セットの各カプセル6a、6bは、前の図に関連して開示されたカプセル6と同様であり、先に開示されたように、閉鎖部材56、貯蔵部58として設計された容器本体、及び環状フランジ状リム60を含む。
【0153】
閉鎖部材56は、フランジ状リム部分60に接続されて、貯蔵部58の封止を形成する。
【0154】
それぞれのカプセル6a、6bの容器本体は、図に見られるように、それぞれ可変深さDa、Dbの単一の凸状貯蔵部を有する。
【0155】
セットのカプセル6a、6bのフランジ状リム60は、先に開示されたマシン4の容器保持部34にぴったりとはまるように、セットの全てのカプセルについて同じ寸法を有する。フランジ状リム60は、セットの各カプセル6a、6bに対して、
図6及び
図8~
図13に関連して開示されたものと同じ構成を有し、調製マシン4の抽出ユニット32(容器保持部分34及び閉鎖部材36)によって同様に係合され、(本明細書において先に開示されたものと)同じ弁機能を提供する。
【0156】
セットのカプセル6a、6bは、同じ挿入直径IDを有する異なる容積を有する。挿入直径IDは、フランジ状リムの下面72と遠位縁部82の位置における貯蔵部58との間の交線において決定される。
【0157】
図14Aのカプセルは大容量カプセルであり、
図14Bのカプセルは小容量カプセルを示す。小カプセルと大カプセルとの容積差は、セット内のカプセルの貯蔵部58(容器本体)の深さDa、Dbを変えることによって得られる。具体的には、大カプセル6aの貯蔵部58の深さ(
図14A)は、小カプセル6bの貯蔵部の深さ(
図14B)よりも大きい。
【0158】
加えて、容器のセットのうちの異なる容器は、当該平面(P)からの異なる上向きの延長距離(ha1、ha2、ha3)を有する環状力リングを更に備えてもよく、それは、予想される抽出のタイプに従って異なる容器について異なる。
【0159】
カプセル6bのような少量の前駆体材料を収容する小カプセルは、大カプセル6aに収容される前駆体材料の量よりも少ない量の前駆体材料を収容する。前駆体材料がコーヒーである例を挙げると、小カプセル6bは、一般に、4~8グラムの量の挽いたコーヒーを含む10mL~60mLのショートコーヒーの送出を意図している。
【0160】
大カプセル6aは、8~30グラムのコーヒー量を有する200~500mLのロングサイズコーヒーの送出を意図している。
【0161】
中間サイズのカプセル(図示せず)は、コーヒーの量が6~15グラムである60~120mLの中間サイズコーヒーを送出するように規定されてもよい。追加の中間サイズのカプセルが更に定義されてもよい。適切なカプセルセットの例は、国際公開第2011/069830(A1)号に開示されている。
【0162】
本開示では、2つのカプセルのセットが詳述されているが、カプセルのセットは、異なるサイズの2つより多いカプセルから形成されてもよい。
【0163】
開示された方法のいずれか(又は対応する装置、プログラム、データキャリアなど)は、特定の実装に応じて、ホスト又はクライアントのいずれかによって実行してもよい(すなわち、開示された方法/装置は通信(複数可)の形態であり、そのため、いずれの「視点」からも、すなわち互いに対応して、実行され得る)ことが理解されよう。更に、「受信すること」及び「送信すること」という用語は、「入力すること」及び「出力すること」を包含し、無線波を送受信するRFコンテキストに限定されないことが理解されよう。したがって、例えば、実施形態を実現するためのチップ、他の装置又は構成要素は、別のチップ、装置又は構成要素への出力用データを生成することができ、あるいは別のチップ、装置、又は構成要素からの入力データとして有することができ、そのような出力又は入力は、動名詞、すなわち、「送信すること」及び「受信すること」、並びにRFコンテキスト内での「送信すること」及び「受信すること」を含む「送信」及び「受信」として指すことができる。
【0164】
本明細書で使用する場合、文体「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」で用いられる任意の表現、並びに「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」の表現は、選言的に「又は」と選言的に「及び」を使用し、その結果、これらの表現は、A、B、Cの任意若しくは全ての結合といくつかの置き換え、すなわち、Aのみ、Bのみ、Cのみ、任意の順序でA及びB、任意の順序でA及びC、任意の順序でB及びC、任意の順序でA、B、Cを含む。このような表現で使用される3つより多いか又は少ない特徴が存在し得る。
【0165】
特許請求の範囲において、括弧間に配置されている任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。「備える(comprising)」という語は、特許請求の範囲に列挙されているもの以外の要素又は工程の存在を排除するものではない。更に、本明細書で使用する場合、「a」又は「an」という用語は、1つ又は2つ以上として定義される。また、請求項における「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」などの導入句の使用は、同じ請求項が導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合でも、不定冠詞「a」又は「an」による別の請求項要素の導入が、そのような導入された請求項要素を含む特定の請求項をそのような要素を1つのみ含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではない。定冠詞の使用についても同じことが言える。別途記載のない限り、「第1」及び「第2」などの用語は、そのような用語が説明する要素間を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、必ずしもそのような要素の時間的又は他の優先順位を示すことを意図するものではない。相互に異なる請求項に特定の処置が列挙されるという単なる事実はこれら処置の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0166】
互換性がないと明示的に述べられていない限り、あるいは実施形態、実施例、又は請求項の物理的性質又はその他がそのような組み合わせを妨げていない限り、前述の実施形態、実施例及び添付の請求項の特徴は、任意の適切な構成、特にそうすることにおいて有益な効果があるものにおいて、一緒に統合することができる。これは、任意の特定の利益のみに限定されるものではなく、代わりに、「事後」利益から生じてもよい。このことは、特徴の組み合わせは、記載された形態、特に、実施例(複数可)の形態、実施形態(複数可)、又は請求項(複数可)の従属性によって限定されないということである。更に、これはまた、「1つの実施形態では」、「一実施形態により」などの語句にも適用され、これは単に文言の様式であり、同じ又は類似の文言の他の全ての例に対する別個の実施形態に、以下の特徴を限定するものとして解釈されるべきではない。これは、「一(an)」、「1つの(one)」又は「いくつかの」実施形態(複数可)への言及は、開示された1つ以上の、及び/又は全ての実施形態、又はそれらの組み合わせ(複数可)への言及であり得る、ということである。また、同様に、「その」実施形態への言及は、直前の実施形態に限定されない場合がある。
【0167】
本明細書で使用される場合、任意のマシン実行可能命令、又はコンピュータ可読媒体は、開示された方法を実行することができ、したがって、方法という用語と同義に、又は互いに使用されることができる。
【0168】
1つ以上の実装の前述の説明は、例示及び説明を提供するが、網羅的であること、又は本発明の範囲を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。修正及び変形は、上記の教示に照らして可能であり、又は本開示の様々な実装の経験から獲得されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器であって、前記容器に液体を導入し、前記容器に貯蔵された前駆体材料に前記液体を通過させることにより、前記前駆体材料から飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するための調製マシンに挿入され、前記調製マシンと共に使用されるように設計されており、前記容器が、
底端部及び開放端部を備え、前記前駆体材料を収容するための貯蔵部を形成する容器本体と、
前記容器本体の前記開放端部において前記貯蔵部を閉鎖する閉鎖部材と、
少なくとも部分的にセルロースパルプ系材料で作製され、前記容器本体から外方に延び、前記貯蔵部と前記閉鎖部材とを接続する環状フランジ状リムであって、少なくとも平坦セグメントを有し、前記リムが、前記調製マシンの包囲部材によって係合されるように設計された環状力リングを備える、環状フランジ状リムと、を備え、
前記環状力リングが、セルロースパルプ系材料で作製され、横断面で見たときに本質的にS字形であり、少なくとも
前記リムの前記平坦セグメントに連結され、前記平坦セグメントと20度~85度の角度を形成する第1の部分と、
前記リムの前記平坦セグメントとは反対側で前記第1の部分から延びる第2の部分であって、少なくとも平坦な及び/又は湾曲した延長部を備える、第2の部分と、を含む、容器。
【請求項2】
前記環状力リングが、前記フランジ状リムの前記平坦セグメントと前記力リングの前記第1の部分との間に延びる第3の部分を含み、前記第3の部分が、前記容器が前記調製マシン内に配置されるときに前記容器のためのセンタリング手段を形成する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記環状力リングの前記第1の部分、前記第2の部分、及び前記第3の部分が、前記フランジ状リムのセクションである、請求
項2に記載の容器。
【請求項4】
前記環状力リングを含む前記フランジ状リムの前記セルロースパルプ系材料の密度が、200~500gsmである、請求項
1に記載の容器。
【請求項5】
前記容器の外径(OD)が50~70mm、好ましくは52~61mmである、請求項
1に記載の容器。
【請求項6】
前記力リングを含む前記フランジ状リムが、150~600μmの厚さを有する、請求項
1に記載の容器。
【請求項7】
前記力リングの前記第1の部分及び前記第2の部分が、前記容器本体とは反対の方向に、前記フランジ状リムの前記平坦セグメントを含む平面(P)を越えて、前記平面(P)から上方延長距離(ha)だけ延びている、請求項
1に記載の容器。
【請求項8】
前記延長距離(ha)が、0.5~2mm、好ましくは1~1.8mmである、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記力リングの前記第3の部分が、前記容器本体の方向に、前記フランジ状リムの前記平坦セグメントを含む前記平面(P)の下方へ、前記平面(P)から下方延長距離(hb)だけ延びている、請求項
2に記載の容器。
【請求項10】
前記平面(P)の下方の前記下方延長距離(hb)は、前記平面(P)の上方の前記上方延長距離(ha)よりも短い、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記力リングを含む前記フランジ状リムが、2~5mmの幅まで延びている、請求項
1に記載の容器。
【請求項12】
前記フランジ状リムが、コードゾーンを含む、請求項
1に記載の容器。
【請求項13】
前記コードゾーンが、前記フランジ状リムの前記平坦セグメントに、任意選択で前記容器本体に面する側に、配置される、請求項
12に記載の容器。
【請求項14】
調製マシンにおいて前駆体材料から飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するための異なる容器(6a、6b...)のセットであって、容器システムが、請求項
1に記載の、異なる容器(6a、6b...)のセットを備え、
前記容器が、前記セットのうちの少なくとも2つの容器、好ましくは前記セットのうちの少なくとも3つの容器について、異なる総深さ(Da、Db)を有する容器本体を備える、異なる容器のセット。
【請求項15】
前記容器が、前記容器本体とは反対の方向に、前記リムの前記平坦セグメントを含む平面(P)を越えて、前記平面(P)から延長距離(ha1、ha2、ha3)だけ延びている環状力リングを更に備え、前記延長距離が、前記セットのうちの少なくとも2つの容器、好ましくは前記セットのうちの少なくとも3つの容器について、異なる、請求項14に記載の異なる容器(6a、6b...)のセット。
【請求項16】
調製マシン(4)において前駆体材料から飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するための容器システムであって、請求項1~13のいずれか一項に記載の容器、又は請求項14若しくは15に記載の容器のセットのうちの1つ以上の容器を備え、
前記容器が、単独で、又は前記調製マシンの包囲部材との組み合わせで、前記容器から出る前記飲料及び/若しくは食品及び/又は前駆体の制限部又は制限弁を形成するように設計されている、容器システム。
【請求項17】
請求項1~13のいずれか一項に記載の容器、又は請求項14若しくは15に記載の容器のセットのうちの1つ以上の容器と、飲料及び/若しくは食品又はその前駆体を調製するためのマシンと、を備えるシステムであって、前記マシンが、
少なくとも前記フランジ状リムにおいてカプセルを保持するための容器ホルダと、
前記容器内に液体を供給するための液体注入手段と、
前記カプセルが前記マシンに挿入されているときに前記容器の前記力リングに係合するためのばね付勢弁部材と、
前記容器の前記前駆体材料を処理するための処理ユニットであって、突き刺し部を備える、処理ユニットと、
前記処理ユニットを制御する電気回路と、を備える、システム。
【請求項18】
遠心式飲料マシンにおける、請求項1~13のいずれか一項に記載の容器、又は請求項14若しくは15に記載の容器のセットのうちの1つ以上の容器の使用であって、前記容器が前記マシン内で遠心作用を受け、前記環状力リングが前記飲料マシンの前記包囲部材によって係合され、前記力リングが、前記容器から出る遠心作用を受けた前記液体の流れを選択的に遮断及び/又は制限するための弁手段の一部を形成する、使用。
【国際調査報告】