(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】非常時の走行ロボット管理方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/617 20240101AFI20241108BHJP
G05D 1/225 20240101ALI20241108BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20241108BHJP
G05D 1/246 20240101ALI20241108BHJP
G05D 1/248 20240101ALI20241108BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G05D1/617
G05D1/225
G05D1/43
G05D1/246
G05D1/248
G01C21/26 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530427
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 KR2022016733
(87)【国際公開番号】W WO2023090688
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0161734
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505205812
【氏名又は名称】ネイバー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NAVER Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】キム,カヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソクテ
【テーマコード(参考)】
2F129
5H301
【Fターム(参考)】
2F129AA01
2F129FF02
2F129FF15
2F129HH12
5H301AA02
5H301AA10
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG17
5H301KK02
5H301KK04
5H301KK08
5H301KK18
5H301KK19
(57)【要約】
本開示は、少なくとも1つのプロセッサによって実行される、非常時の走行ロボット管理方法に関するものである。非常時の走行ロボット管理方法は、非常時の停車不可領域が定義されている対象建物の地図を受信する段階と、走行ロボットから位置情報を受信する段階と、非常事態発生信号を受信する段階と、非常事態発生の際、走行ロボットが停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、走行ロボットが停車不可領域の外部に移動するよう制御する段階と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサによって実行される、非常時の走行ロボット管理方法であって、
非常時の停車不可領域が定義されている対象建物の地図を受信する段階と、
第1走行ロボットから位置情報を受信する段階と、
非常事態発生信号を受信する段階と、
非常事態発生の際、前記第1走行ロボットが前記停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、前記第1走行ロボットが前記停車不可領域の外部に移動するよう制御する段階と、を含む、
非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項2】
前記地図は、停車不可領域内の代替停車領域をさらに定義し、
当該非常時の走行ロボット管理方法は、
非常事態発生の際、前記第1走行ロボットが前記停車不可領域の外部に移動不可能と判定することに応じて、前記第1走行ロボットが前記代替停車領域に移動するよう制御する段階をさらに含む、
請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項3】
第2走行ロボットから位置情報を受信する段階と、
非常事態発生の際、前記第2走行ロボットが前記停車不可領域の外部に位置しており、前記第2走行ロボットから所定の距離内に壁があると判定することに応じて、前記第2走行ロボットが最寄りの壁に移動するよう制御する段階と、をさらに含む、
請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項4】
第2走行ロボットから位置情報を受信する段階と、
非常事態発生の際、前記第2走行ロボットが前記停車不可領域の外部に位置しており、前記第2走行ロボットから所定の距離内に壁がないと判定することに応じて、前記第2走行ロボットが現在位置に停車するよう制御する段階と、をさらに含む、
請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項5】
前記非常事態発生信号を受信する前に、
前記第1走行ロボットから、前記対象建物の実際空間と前記地図との間の不一致情報を受信する段階と、
前記不一致情報を外部装置に伝送する段階と、
前記外部装置から不一致解消済みの地図を受信する段階と、をさらに含む、
請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項6】
前記第1走行ロボットは、非常時でない場合は前記停車不可領域内を移動し得る、請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項7】
前記停車不可領域は、防火扉、防火シャッター、退避路、階段室入口、退避路周辺の廊下、ドアの前、または予め幅が指定された閾値以下である廊下のうち少なくとも1つに関連する領域を含む、請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項8】
前記停車不可領域の少なくとも一部は、前記地図内に含まれている施設物情報に基づいて自動設定される、請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項9】
前記非常事態発生信号は、前記第1走行ロボット、火災感知センサ、イメージセンサ、ユーザ端末、または前記対象建物を管理する建物管理システムのうち少なくとも1つから受信される、請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項10】
前記非常事態発生信号を受信することに応じて、前記第1走行ロボットがディスプレイ上に非常事態警告を表示するよう制御する段階をさらに含む、請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項11】
前記非常事態発生信号を受信することに応じて、前記第1走行ロボットがディスプレイ上に退避経路を表示するよう制御する段階をさらに含む、請求項1に記載の非常時の走行ロボット管理方法。
【請求項12】
請求項1による方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラム。
【請求項13】
通信モジュールと、
メモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに含まれているコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つのプログラムを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも1つのプログラムは、
非常時の停車不可領域が定義されている対象建物の地図を受信し、
走行ロボットから位置情報を受信し、
非常事態発生信号を受信し、
非常事態発生の際、前記走行ロボットが前記停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、前記走行ロボットが前記停車不可領域の外部に移動するよう制御するための命令語を含む、
ロボット制御システム。
【請求項14】
建物であって、
前記建物内を走行してサービスを提供する少なくとも1つの走行ロボットが配置され、
前記少なくとも1つの走行ロボットは、ロボット制御システムによって制御され、
前記ロボット制御システムは、
通信部と、
メモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに含まれているコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つのプログラムを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも1つのプログラムは、
非常時の停車不可領域が定義されている対象建物の地図を受信し、
第1走行ロボットから位置情報を受信し、
非常事態発生信号を受信し、
非常事態発生の際、前記第1走行ロボットが前記停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、前記第1走行ロボットが前記停車不可領域の外部に移動するよう制御するための命令語を含む、
建物。
【請求項15】
前記地図は、停車不可領域内の代替停車領域をさらに定義し、
前記少なくとも1つのプログラムは、
非常事態発生の際、前記第1走行ロボットが前記停車不可領域の外部に移動不可能と判定することに応じて、前記第1走行ロボットが前記代替停車領域に移動するよう制御するための命令語をさらに含む、
請求項14に記載の建物。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプログラムは、
第2走行ロボットから位置情報を受信し、
非常事態発生の際、前記第2走行ロボットが前記停車不可領域の外部に位置しており、前記第2走行ロボットから所定の距離内に壁があると判定することに応じて、前記第2走行ロボットが最寄りの壁に移動するよう制御するための命令語をさらに含む、
請求項14に記載の建物。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプログラムは、
第2走行ロボットから位置情報を受信し、
非常事態発生の際に、前記第2走行ロボットが前記停車不可領域の外部に位置しており、前記第2走行ロボットから所定の距離内に壁がないと判定することに応じて、前記第2走行ロボットが現在位置に停車するよう制御するための命令語をさらに含む、
請求項14に記載の建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非常時の走行ロボットを管理するための方法、システムおよび建物に関するもので、具体的には、非常時に建物内の人々の退避を容易にするために走行ロボットを管理する方法、システムおよび建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、建物内の出入りドア、ゲート、エレベーターなどのような施設の自動化が行われている。火災のような非常事態発生の際、建物内の施設は定められているシナリオ通りに動作する。例えば、火災発生の際、人々の円滑な退避のために出入りドアおよびゲートが全て開放され、火災による故障の恐れの大きいエレベーターは作動が中止される。
【0003】
一方、建物内に配置され自律走行する走行ロボットは、特定位置に固定されておらず移動しているため、不適切な位置にある場合、非常事態関連施設の作動の妨げになったり退避路を塞いたりして、人々の迅速な退避に妨げとなり得る。出入りドア、ゲートのような一般的な建物の施設は、定められた位置に固定されていて、非常時の対応方法が簡単であるが、走行ロボットの場合、非常事態発生の時点でロボットの位置、周辺施設との関係を確認した後、それに応じた適切な措置が必要であり、従来技術のような簡単なシナリオでは、走行ロボットを適切に制御できないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2019-0134554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、前記のような問題点を解決するための非常時の走行ロボット管理方法、コンピュータプログラム、装置(システム)および建物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、方法、装置(システム)、コンピュータプログラム、および建物を含む様々な方法により実現され得る。
【0007】
本開示の一実施例によると、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、非常時の走行ロボットの管理方法が提供される。非常時の走行ロボット管理方法は、非常時の停車不可領域が定義されている対象建物の地図を受信する段階と、第1走行ロボットから位置情報を受信する段階と、非常事態発生信号を受信する段階と、非常事態発生の際、第1走行ロボットが停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、第1走行ロボットが停車不可領域の外部に移動するよう制御する段階と、を含む。
【0008】
本開示の一実施例による非常時の走行ロボット管理方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラムが提供される。
【0009】
本開示の一実施例によるロボット制御システムは、通信モジュール、メモリ、およびメモリと接続され、メモリに含まれているコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つのプログラムを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。少なくとも1つのプログラムは、非常時の停車不可領域が定義されている対象建物の地図を受信し、走行ロボットから位置情報を受信し、非常事態発生信号を受信し、非常事態発生の際、走行ロボットが停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、走行ロボットが停車不可領域の外部に移動するよう制御するための命令語を含み得る。
【0010】
本開示の一実施例による建物は、建物内を走行してサービスを提供する少なくとも1つの走行ロボットが配置され、少なくとも1つの走行ロボットは、ロボット制御システムによって制御され得る。ロボット制御システムは、通信部、メモリ、およびメモリと接続され、メモリに含まれているコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つのプログラムを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。少なくとも1つのプログラムは、非常時の停車不可領域が定義されている対象建物の地図を受信し、走行ロボットから位置情報を受信し、非常事態発生信号を受信し、非常事態発生の際、走行ロボットが停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、走行ロボットが停車不可領域の外部に移動するよう制御するための命令語を含み得る。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一部実施例によると、非常事態発生の際、走行ロボットの移動を適切に制御することによって、関連施設の作動を円滑にすることができ、人々の迅速かつ容易な退避に役立ち得る。
【0012】
本開示の一部実施例によると、走行ロボットが停車不可領域の外部に移動不可能な場合にも、代替停車領域に移動するよう制御することにより、人々の迅速な退避に妨げとならないようにし得る。
【0013】
本開示の一部実施例によると、最新地図情報を維持することにより、非常事態発生の際、最新地図情報を用いて迅速かつ正確な対応ができる。
【0014】
本開示の一部実施例によると、非常事態発生の際、ロボットを非常事態モードに変更することにより、人々に非常事態に関する情報を迅速かつ容易に伝達し得る。
【0015】
本開示の効果は、以上に述べた効果に限定されるものではなく、言及されていない他の効果は、特許請求の範囲の記載から、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者(「通常の技術者」という)に明確に理解されることである。
【0016】
本開示の実施例は、以下に説明する添付の図面を参照して説明され、ここで類似する参照番号は類似の要素を示すが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の一実施例による建物内に配置されている走行ロボットの例を示す図面である。
【
図2】本開示の一実施例によるロボット制御システムが複数のロボットと通信可能に接続された構成を示す概要図である。
【
図3】本開示の一実施例によるロボットおよびロボット制御システムの内部構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の一実施例によるロボット制御システムが地図作成システムおよび建物管理システムと通信する例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施例によるロボット制御システムが地図作成システムと通信して相互作用する例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施例によるロボット制御システムが建物管理システムと通信して相互作用する例を示す図である。
【
図7】本開示の一実施例による、非常時の停車不可領域および代替停車領域が定義されている地図の例を示す図である。
【
図8】本開示の一実施例によるロボット制御システムの管理者端末に、停車不可領域が定義されている地図および走行ロボットの現在位置が表示された例を示す図である。
【
図9】本開示の一実施例による走行ロボットが非常事態発生による移動シナリオ通りに移動した後、非常事態モードに変更された例を示す図である。
【
図10】本開示の一実施例による、非常時のロボット管理方法の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施のための具体的な内容を添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、本開示の要旨を不要に曖昧にする恐れがある場合、周知の機能や構成に関する具体的な説明は省略する。
【0019】
添付の図面において、同一または対応する構成要素には同じ参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記載することが省略され得る。しかしながら、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図するものではない。
【0020】
開示された実施例の利点および特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面とともに後述の実施例を参照すると明確になることである。しかし、本開示は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で実現することができ、本実施例は単に、本開示が完全たるものとなるようにし、本開示が通常の技術者に発明の範囲をきちんと知らせるために提供されるのみのものである。
【0021】
本明細書で使用される用語について簡単に説明し、開示された実施例について具体的に説明する。本明細書で使用される用語は、本開示における機能を考慮しながら、なるべく現在広く使用されている一般的な用語を選択しているが、これは、関連分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによって変わり得る。また、特定の場合は、出願人々が任意に選定した用語もあり、その場合、該当する発明の説明において詳細にその意味を記載する。したがって、本開示で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本開示全般にわたる内容に基づいて定義されるべきである。
【0022】
本明細書における単数の表現は、文脈上明らかに単数のものと特定しない限り、複数の表現を含む。また、複数の表現は、文脈上明らかに複数のものと特定しない限り、単数の表現を含む。明細書全体においてある部分がある構成要素を含むと言う場合、それは、特に反する記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0023】
さらに、本明細書で使用される「モジュール」または「部」という用語は、ソフトウェアまたはハードウェア構成要素を意味し、「モジュール」または「部」は何らかの役割を果たす。されど、「モジュール」または「部」は、ソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「モジュール」または「部」は、アドレッシング可能な記憶媒体にあるように構成されてもよく、1つまたはそれ以上のプロセッサを再生するようにも構成され得る。したがって、一例として、「モジュール」または「部」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、または変数のうちの少なくとも1つを含み得る。構成要素と「モジュール」または「部」は、中で提供される機能はより小さい数の構成要素および「モジュール」または「部」で結合されるか、または追加の構成要素と「モジュール」または「部」にさらに分離され得る。
【0024】
本開示の一実施例によると、「モジュール」または「部」は、プロセッサおよびメモリで実現され得る。「プロセッサ」は、汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシンなどを含むよう広く解釈されるべきである。いくつかの環境において、「プロセッサ」は、カスタム半導体(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを指すこともあり得る。「プロセッサ」は、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと結合した1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、または他の任意のそのような構成の組み合わせのような処理デバイスの組み合わせを指すこともあり得る。また、「メモリ」は、電子情報を保存可能な任意の電子コンポネントを含むよう広く解釈されるべきである。「メモリ」は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光データ記憶装置、レジスタなどのようなプロセッサ読み取り可能媒体の様々な類型を指すこともあり得る。プロセッサがメモリから情報の読み取りおよび/またはメモリに情報の書き込みができるならば、メモリはプロセッサと電子通信状態にあると称される。プロセッサに集積されたメモリは、プロセッサと電子通信状態にある。
【0025】
本開示において、「システム」は、サーバー装置とクラウド装置とのうち少なくとも1つの装置を含み得るが、これに限定されるものではない。例えば、システムは、1つ以上のサーバー装置で構成され得る。他の例として、システムは、1つ以上のクラウド装置で構成され得る。また他の例として、システムは、サーバー装置とクラウド装置とがともに構成され動作され得る。
【0026】
本開示において、「ディスプレイ」は、コンピューティング装置と関連する任意のディスプレイ装置を指し得るが、例えば、コンピューティング装置によって制御されるか、またはコンピューティング装置から提供された任意の情報/データを表示し得る任意のディスプレイ装置を指し得る。
【0027】
本開示において、「複数のAのそれぞれ」または「複数のAそれぞれ」は、複数のAに含まれている全ての構成要素のそれぞれを指すか、または複数のAに含まれている一部の構成要素のそれぞれを指し得る。
【0028】
図1は、本開示の一実施例による建物100内に配置されている走行ロボット110、120、130の例を示す図である。一実施例によると、少なくとも1つの走行ロボット110、120、130は、建物内で自律的に走行してサービスを提供し得る。例えば、走行ロボット110、120、130は、建物100内の食堂に配置され料理をサービングしたり、弁当を注文した人の所に弁当を配達したり、目的地なく1つ以上の層を走行しながら道の案内、掃除作業を行うなどのサービスを提供し得る。
【0029】
一実施例において、走行ロボット110、120、130は、建物100の地図を用いて自律走行することができ、走行ロボット110、120、130と通信するロボット制御システム(図示せず)は、走行ロボット110、120、130の位置や状態をリアルタイムで確認することができ、走行ロボット110、120、130の移動を制御し得る。このようなロボット制御システムは、走行ロボット110、120、130が配置されている建物100内に位置するか、または建物100の外部に位置し得る。
【0030】
一方、火災、地震など、建物100内の人々が迅速に退避せねばならない非常事態が発生した場合、配置されている走行ロボット110、120、130が不適切な所に位置するか、または不適切に移動すると、人々の退避の妨げとなり得る。したがって、本開示の一実施例によると、非常事態発生の際、ロボット制御システムは、走行ロボット110、120、130の移動を制御することにより、人々の迅速かつ容易な退避に役立ち得る。例えば、ロボット制御システムは、非常時の停車不可領域が定義されている建物の地図を用いて、非常事態発生の際、走行ロボット110、120、130の位置を確認し、走行ロボット110、120、130が停車不可領域に位置する場合は、走行ロボット110、120、130が停車不可領域の外部に移動するよう制御するか、または停車不可領域内の代替停車領域に移動するよう制御し得る。他の例として、非常事態発生の際、走行ロボット110、120、130が停車不可領域の外部に位置する場合、人々の退避路確保のために、走行ロボット110、120、130が近くの壁に密着するよう移動を制御し、近くに壁がない場合には現在位置に停車するよう制御し得る
【0031】
図2は、本開示の一実施例によるロボット制御システム230が、複数のロボット212_1、212_2、212_3と通信可能に接続された構成を示す概要図である。図に示すように、ロボット制御システム230は、ネットワーク220を介して複数のロボット212_1、212_2、212_3の移動および/または動作を制御するように構成され得る。一実施例において、ロボット制御システム230は、複数のロボット212_1、212_2、212_3の位置を確認し、ロボット212の移動を制御するためのコンピュータ実行可能なプログラム(例えば、ダウンロード可能なアプリケーション)およびデータを保存、提供および実行し得る1つ以上のサーバー装置および/またはデータベース、またはクラウドコンピューティングサービスに基づく1つ以上の分散コンピューティング装置および/または分散データベースを含み得る。ロボット制御システム230は、ロボット212が位置している建物100の内部または建物100の外部に位置し得る
【0032】
複数のロボット212_1、212_2、212_3は、建物210の内部を走行することができ、ネットワーク220を介してロボット制御システム230と通信し得る。ネットワーク220は、複数のロボット212_1、212_2、212_3とロボット制御システム230との間で通信可能に構成され得る。ネットワーク220は、設置環境に応じて、例えば、イーサネット(Ethernet、登録商標)、有線ホームネットワーク(Power Line Communication)、電話線通信装置およびRSシリアル通信などの有線ネットワーク、移動体通信ネットワーク、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)およびZigBee(登録商標)などのような無線ネットワーク、またはその組み合わせで構成され得る。通信方法は制限されず、ネットワーク220が含み得る通信網(一例として、移動体通信ネットワーク、有線インターネット、無線インターネット、放送通信網、衛星通信網など)を活用する通信方式だけでなく、ロボット212_1、212_2、212_3間の近距離無線通信もまた含まれる得る。例えば、ネットワーク220は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワーク220のうち1つ以上の任意のネットワークを含み得る。また、ネットワーク220は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリーまたは階層的(hierarchical)ネットワークなどを含むネットワークトポロジーのうちの任意の1つ以上を含み得るが、これに制限されない。
【0033】
図2において、物品/料理配送ロボット212_1、案内ロボット212_2および飲料配送ロボット212_3がロボットの例として示されているが、これに限定されず、複数のロボット212_1、212_2、212_3は、無線通信が可能で、自律走行が可能な任意のロボットであり得る。また、
図2には、3台のロボット212_1、212_2、212_3がネットワーク220を介してロボット制御システム230と通信するものと図示されているが、これに限定されず、異なる数のロボット212_1、212_2、212_3がネットワーク220を介してロボット制御システム230と通信するようにも構成され得る。
【0034】
一実施例によると、ロボット制御システム230は、少なくとも1つのロボット212_1、212_2、212_3から位置情報を受信し得る。その後、ロボット制御システム230は、非常事態発生の際、ロボット212_1、212_2、212_3が停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、ロボット212_1、212_2、212_3が停車不可領域の外部に移動するよう制御し得る。加えてまたは選択的に、ロボット制御システム230は、非常事態発生の際、走行ロボット212_1、212_2、212_3が停車不可領域の外部に移動不可能と判定することに応じて、ロボット212_1、212_2、212_3を代替停車領域に移動するよう制御し得る。
【0035】
図3は、本開示の一実施例によるロボット212およびロボット制御システム230の内部構成を示すブロック図である。ロボット212_1、212_2、212_3は、有線および/または無線通信が可能であり、コンピュータプログラム(例えば、アプリケーションなど)などが設置され実行され得る任意のコンピューティング装置であり得る。図に示すように、ロボット212は、メモリ312、プロセッサ314、通信モジュール316、および入出力インタフェイス318を含み得る。同様に、ロボット制御システム230は、メモリ332、プロセッサ334、通信モジュール336、および入出力インタフェイス338を含み得る。
図3に示すように、ロボット212およびロボット制御システム230は、それぞれの通信モジュール316、336を利用し、ネットワーク220を介して情報および/またはデータを通信できるように構成され得る。また、入出力装置320は、入出力インタフェイス318を介してロボット212に情報および/またはデータを入力するか、またはロボット212から生成された情報および/またはデータを出力するように構成され得る。
【0036】
メモリ312、332は、非一時的な任意のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含み得る。一実施例によると、メモリ312、332は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ(flash memory)などのような不揮発性大容量記憶装置(permanent mass storage device)を含み得る。他の例として、ROM、SSD、フラッシュメモリ、ディスクドライブなどのような不揮発性大容量記憶装置は、メモリとは区分される別途の永久記憶装置としてロボット212またはロボット制御システム230に含まれ得る。また、メモリ312、332には、オペレーティングシステムと少なくとも1つのプログラムコード(例えば、ロボット212に設置され駆動される自律走行/サービス提供/移動/停車などのためのコード)とが保存され得る。
【0037】
このようなソフトウェア構成要素は、メモリ312、332とは別のコンピュータで読み取り可能な記録媒体からロードされ得る。このような別のコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、このようなロボット212およびロボット制御システム230に直接接続可能な記録媒体を含み得るが、例えば、フロッピードライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含み得る。他の例として、ソフトウェア構成要素は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体ではなく、通信モジュールを介してメモリ312、332にロードされてもよい。例えば、少なくとも1つのプログラムは、開発者またはアプリケーションの設置ファイルを配布するファイル配布システムが、ネットワーク220を介して提供するファイルによって設置されるコンピュータプログラムに基づいてメモリ312、332にロードされ得る。
【0038】
プロセッサ314、334は、基本的な算術、論理および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成され得る。命令は、メモリ312、332または通信モジュール316、336によってプロセッサ314、334に提供され得る。例えば、プロセッサ314、334は、メモリ312、332のような記録装置に保存されているプログラムコードによって受信される命令を実行するように構成され得る。
【0039】
通信モジュール316、336は、ネットワーク220を介してロボット212とロボット制御システム230とが互いに通信するための構成または機能を提供し、ロボット212および/またはロボット制御システム230が、他のロボット、ユーザ端末、または他のシステム(例えば、別途のクラウドシステムなど)と通信するための構成または機能を提供し得る。例えば、ロボット212のプロセッサ314が、メモリ312などのような記録装置に保存されたプログラムコードによって生成した要求またはデータ(例えば、位置情報に関するデータ、建物内の実際空間と地図との不一致情報に関するデータ、火災信号など)は、通信モジュール316の制御により、ネットワーク220を介してロボット制御システム230に伝達され得る。逆に、ロボット制御システム230のプロセッサ334の制御によって提供される制御信号や命令が、通信モジュール336とネットワーク220とを経て、ロボット212の通信モジュール316を介してロボット212に受信され得る。例えば、ロボット212は、ロボット制御システム230から、最新の地図、移動命令、移動目的地、または移動経路、停車命令などを受信し得る。
【0040】
入出力インタフェイス318は、入出力装置320とのインタフェイスのための手段であり得る。一例として、入力装置は、オーディオセンサおよび/またはイメージセンサを含むカメラ、キーボード、マイクロフォン、マウスなどの装置を含み、出力デバイスは、ディスプレイ、スピーカ、ハプティックフィードバックデバイス(haptic feedback device)などのような装置を含み得る。他の例として、入出力インタフェイス318は、タッチスクリーンなどのように、入力と出力を行うための構成または機能が1つに統合された装置とのインタフェイスのための手段であり得る。例えば、ロボット212のプロセッサ314が、メモリ312にロードされたコンピュータプログラムの命令を処理することにおいて、ロボット制御システム230などが提供する情報および/またはデータを用いて構成されるサービス画面などが、入出力インタフェイス318を介してディスプレイに表示され得る。
図3では、入出力装置320が、ロボット212に含まれないように示されているが、これに限定されず、ロボット212と1つの装置で構成され得る。また、ロボット制御システム230の入出力インタフェイス338は、ロボット制御システム230と接続されるか、ロボット制御システム230が含み得る入力または出力のための装置(図示せず)とのインタフェイスのための手段であり得る。
図3では、入出力インタフェイス318、338が、プロセッサ314、334とは別途構成された要素として示されているが、これに限定されず、入出力インタフェイス318、338が、プロセッサ314、334に含まれるようにも構成され得る。
【0041】
ロボット212およびロボット制御システム230は、
図3の構成要素よりもさらに多くの構成要素を含み得る。しかしながら、大部分の従来技術的構成要素を明確に図示する必要はない。一実施例によると、ロボット212は、前術の入出力装置320のうち少なくとも一部を含むように実現され得る。また、ロボット212は、トランシーバ(transceiver)、GPS(Global Positioning system)モジュール、カメラ、各種センサ、データベースなどのような他の構成要素をさらに含み得る。例えば、ロボット212が配送専用ロボットである場合、一般的に配送のためのロボットが含んでいる構成要素を含み、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、カメラモジュール、各種物理的なボタン、タッチパネルを利用したボタン、入出力ポート、振動のためのバイブレータなどの様々な構成要素が、ロボット212にさらに含まれるように実現され得る。
【0042】
一実施例によると、ロボット212のプロセッサ314は、ロボット制御システム230の制御により、自律走行するように構成され得る。この際、それに関連するプログラムコードが、ロボット212のメモリ312にロードされ得る。ロボット212が走行している間、ロボット212のプロセッサ314は、入出力装置320から提供された情報および/またはデータを、入出力インタフェイス318を介して受信したり、通信モジュール316を介してロボット制御システム230から情報および/またはデータを受信したりし、受信した情報および/またはデータを処理してメモリ312に保存し得る。また、このような情報および/またはデータは、通信モジュール316を介してロボット制御システム230に提供し得る。
【0043】
ロボットが走行している間、プロセッサ314は、入出力インタフェイス318と接続されているタッチスクリーン、キーボード、オーディオセンサおよび/またはイメージセンサを含むカメラ、マイクロフォンなどの入力装置を介して入力または選択されたテキスト、イメージ、映像、音声などを受信することができ、受信したテキスト、イメージ、映像、および/または音声などをメモリ312に保存したり、通信モジュール316およびネットワーク220を介してロボット制御システム230に提供したりし得る。例えば、プロセッサ314は、イメージセンサを含むカメラを介して入力された火災イメージを受信して、通信モジュール316およびネットワーク220を介してロボット制御システム230に提供し得る。
【0044】
ロボット212のプロセッサ314は、入力装置320、他のロボット、ロボット制御システム230、および/または複数の外部システムから受信した情報および/またはデータを、管理、処理および/または保存するように構成され得る。プロセッサ314によって処理された情報および/またはデータは、通信モジュール316およびネットワーク220を介してロボット制御システム230に提供され得る。ロボット212のプロセッサ314は、入出力インタフェイス318を介して、入出力装置320に情報および/またはデータを伝送し、出力し得る。例えば、プロセッサ314は、受信した情報および/またはデータをロボット212のディスプレイ上に表示し得る。
【0045】
ロボット制御システム230のプロセッサ334は、複数のロボット212および/または複数の外部システムから受信した情報および/またはデータを管理、処理および/または保存するように構成され得る。プロセッサ334によって処理された情報および/またはデータは、通信モジュール336およびネットワーク220を介してロボット212に提供し得る。
図3では、ロボット制御システム230が単一システムとして示されたが、これに限定されず、複数のシステム/サーバーで構成され得る。
【0046】
ロボット制御システム230のプロセッサ334は、ロボット212のディスプレイ出力可能装置(例えば、タッチスクリーン、ディスプレイなど)、音声出力可能装置(例えば、スピーカ)などの出力装置320を介して、処理された情報および/またはデータを出力するように構成され得る。例えば、ロボット制御システム230のプロセッサ334は、非常事態発生信号を受信することに応じて、火災モードへの変更命令に関連するデータをロボット212に伝送し、非常事態警告をロボット212のディスプレイ出力可能装置などにより出力するように構成され得る。他の例として、非常事態発生信号を受信することに応じて、火災モードへの変更命令に関連するデータをロボット212に伝送し、退避経路または方向などをロボット212のディスプレイ出力可能装置などを介して出力するように構成され得る。
【0047】
図4は、本開示の一実施例によるロボット制御システム410が、地図作成システム430および建物管理システム420と通信する例を示す図である。走行ロボット412は、建物内で自律的に走行してサービスを提供し得る。ロボット制御システム410は、走行ロボット412と通信し、走行ロボット412の位置を確認して、走行ロボット412の移動を制御し得る。また、ロボット制御システム410は、建物管理システム420および地図作成システム430と通信して相互作用し得る。
【0048】
一実施例によると、マッピングロボット432には、ロボット周辺イメージ撮影のためのカメラまたは物体感知センサなどが搭載され、マッピングロボット432は、建物内を自律的に走行したり、マッピングロボット432と通信する地図作成システム430の制御によって建物内を移動およびスキャンしたりし得る。マッピングロボット432は、走行/移動およびスキャンしながら地図作成のための情報を収集することができ、マッピングロボット432によって収集された情報を用いて、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技法により建物の地図が作成され得る。マッピングロボット432によって収集された情報(または作成された地図)は、地図作成システム430に伝送され得る。
【0049】
一実施例によると、ロボット制御システム410は、地図作成システム430から地図を受信し得る。例えば、ロボット制御システム410は、地図の更新があるたびに、または定期的に、地図作成システム430から最新の地図を受信し得る。一実施例において、ロボット制御システム410は、逆に、地図作成システム430に最新の地図を要求し得る。例えば、走行ロボット412は、建物内を走行しながらサービスを提供する途中、建物内の実際空間と地図との間に不一致の空間(例えば、地図には走行可能な通路として表示された部分に障害物があるか、または工事のため当該部分への走行が不可能な場合など)を感知し得る。この場合、走行ロボット412は、ロボット制御システム410に、発見した不一致情報(例えば、建物内の実際空間と地図とが不一致の位置に関する情報)を伝送し得る。ロボット制御システム410は、受信した不一致情報を含む地図要求を地図作成システム430に伝送し得る。地図作成システム430は、不一致情報が一時的なものであるか否かを判断した後、一時的なものではない場合、不一致を解消するために地図を更新し得る。地図作成システム430は、不一致が解消された地図(更新済みの地図)を最新の地図としてロボット制御システム410に提供し得る。前術のように、地図作成システム430は、最新の地図を維持することにより、非常事態発生の際に最新情報を利用して正確な対応が可能である。
【0050】
一実施例によると、地図には、非常時の停車不可領域、停車不可領域内の代替停車領域などが定義され得る。停車不可領域は、非常時に人々の迅速かつ容易な退避および非常事態関連施設の正常な作動のために定義されている、走行ロボット412が非常時に停車できない領域であり得る。また、代替停車領域は、非常時に走行ロボット412が所定の理由から、停車不可領域の外部に移動することが不可能な場合(例えば、防火扉または防火シャッターが閉まって、停車不可領域の外部への移動が不可能な場合)、走行ロボット412が停車不可領域内に代替的に停車するために定義されている領域であり得る。
【0051】
一実施例によると、前術の領域(停車不可領域、代替停車領域)は、地図内に含まれている施設物情報に基づいて、自動設定され得る。加えてまたは選択的に、前術の領域は、ロボット制御システム410の管理者によって編集されるか、または手動で設定され得る。例えば、地図(例えば、マッピングロボットが自動作成した地図)内に防火扉、防火シャッターに関する情報が含まれている場合、防火扉、防火シャッターが含まれている所定の領域は、停車不可領域として自動設定され得る。なお、施設物情報は、ロボット制御システム410および/または地図作成システム430の管理者によって手動で設定されるか、または建物管理システム420から受信され得る。加えてまたは選択的に、施設物情報は、マッピングロボット432が収集した情報に基づいて、オブジェクト認識を実行して得られた情報であり得る。
【0052】
一実施例によると、ロボット制御システム410は、非常事態を感知した走行ロボット412および/または非常事態信号を受信した建物管理システム420から、火災信号などの非常事態信号を受信し得る。走行ロボット412から火災信号などの非常事態信号を受信したロボット制御システム410は、逆に、建物管理システム420に火災信号などの非常事態信号を伝送し得る。例えば、走行ロボット412は、走行ロボット412に搭載されている、イメージセンサが含まれているカメラ、熱センサまたは煙センサなどにより、火災イメージ、熱または煙などを感知して、ロボット制御システム410に火災信号を伝送し得る。
【0053】
一実施例において、ロボット制御システム410が非常事態信号を受信すると、走行ロボット412の位置を確認し、停車不可領域内に位置している走行ロボット412の移動を制御し得る。例えば、停車不可領域内に位置している走行ロボット412が、停車不可領域の外部に移動するよう制御し得る。他の例として、停車不可領域内に位置している走行ロボット412が、停車不可領域の外部に移動不可能と判定されると、当該走行ロボット412を停車不可領域内の代替停車領域に移動するよう制御し得る。
【0054】
加えてまたは選択的に、ロボット制御システム410が非常事態信号を受信すると、走行ロボット412の位置を確認し、停車不可領域の外部に位置している走行ロボット412の移動を制御し得る。例えば、停車不可領域の外部に位置している走行ロボット412から、予め指定された距離(例えば、2m)以内に壁があると判定されると、最寄りの壁に密着するよう移動を制御し得る。他の例として、停車不可領域の外部に位置している走行ロボット412から、予め指定された距離以内に壁がないと判定されると、走行ロボット412が現在位置に停車するようにし得る。前術のように、地図作成システム430は、非常事態発生の際に走行ロボット412の移動を制御することにより、非常事態関連施設物の作動が、走行ロボット412によって妨げとなることがなく、建物内の人々は迅速かつ容易に退避し得る。
【0055】
図4において、ロボット制御システム410、建物管理システム420および地図作成システム430は、それぞれ別個のシステムのものとして示されているが、これに限定されず、前記システムのうち少なくとも2つのシステムが1つのシステムで実現され得る。また、
図4において、走行ロボット412は、マッピングロボット432と別個のロボットであるものと示されているが、これに限定されず、他の実施例では異なって実現され得る。例えば、少なくとも1つのロボットが、走行ロボット412とマッピングロボット432との役割をいずれも果たし得る。この場合、走行ロボット412およびマッピングロボット432の役割をいずれも実行するロボットは、建物内を走行/移動およびスキャンしながら、SLAM技法を利用して建物の地図を作成することができ、建物内で所定のサービスをも提供し得る。
【0056】
図5は、本開示の一実施例によるロボット制御システム410が、地図作成システム430と通信して相互作用する例を示す図である。図に示すように、ロボット制御システム410は、管理者端末510と通信し得る。同様に、地図作成システム430は、管理者端末520と通信し得る。
【0057】
一実施例によると、地図作成システム430は管理者端末520に、マッピングロボットによって作成された地図を伝送することができ、地図作成システム430の管理者は、管理者端末520を介して、作成された地図を確認し検収して、地図を生成/更新し得る。地図作成システム430の管理者によって生成された最新の地図は、ロボット制御システム410に伝送され、ロボットの移動を制御するために使用され得る。
【0058】
一実施例によると、地図作成システム430は、ロボット制御システム410から建物の実際空間と地図との不一致情報を受信し得る。地図作成システム430の管理者は、管理者端末520を介して不一致情報を確認し、受信した不一致が一時的なものか否かを確認し得る。例えば、走行通路に一時的な障害物(歩行者)によって不一致が発生した場合、受信された不一致は一時的なものと判断し得る。他の例として、新しい施設物(例えば、造形物など)が配置され不一致が発生した場合、受信した不一致は一時的なものではないと判断し得る。地図作成システム430の管理者は、受信された不一致が一時的なものではないと判断されると、変更された情報を反映して、不一致が解消された最新の地図を生成し得る。その後、地図作成システム430は、不一致が解消された最新地図をロボット制御システム410に提供し得る。一実施例において、地図作成システム430は、受信された不一致が一時的なものか否かを自動的に判定し得る。
【0059】
一実施例によると、ロボット制御システム410は、管理者端末510に少なくとも1つの走行ロボットの位置および状態情報を伝送することができ、ロボット制御システム410の管理者は、管理者端末510を介して当該情報を確認し得る。管理者端末510に伝送された走行ロボットの位置および状態情報は、走行ロボットの詳細な位置、走行ロボットが停車不可領域に位置するか否か、走行ロボットが移動中なのか停車中なのか、または走行ロボットがサービス提供中か否かなどを含み得る。
【0060】
一実施例によると、ロボット制御システム410の管理者は、管理者端末510により、地図内に非常時の停車不可領域、代替停車領域を手動で設定することができ、非常時の走行ロボットの移動シナリオを設定し得る。例えば、非常事態の際、第1領域に位置している走行ロボットを第2領域に移動するように移動シナリオを設定し得る。他の例として、非常事態の際、停車不可領域の外部に位置している走行ロボットは、走行ロボットから最寄りの壁までの距離に応じて、壁に密着するようにするか、またはその場に停車するよう制御することができ、管理者は、そのような決定の基準となる最寄りの壁までの距離を設定し得る。一実施例において、非常時の走行ロボットの移動シナリオは、非常事態が発生する前に予め設定され、ロボット制御システム410に保存され得る。加えてまたは選択的に、非常事態発生の際、管理者は、管理者端末510を介して走行ロボットの位置および/または状態をリアルタイムで確認し、走行ロボットの移動を手動で制御し得る。
【0061】
図6は、本開示の一実施例によるロボット制御システム410が、建物管理システム420と通信して相互作用する例を示す図である。図に示すように、建物管理システム420は、センサ610、映像管制システム(CCTV)620、施設物630、ロボット制御システム410と通信し得る。施設物630は、ゲート、ドア、エレベーターなどを含み得る。
【0062】
一実施例によると、建物管理システム420は、センサ610、映像管制システム620、施設物630またはロボット制御システム410のうち少なくとも1つから火災信号などの非常事態信号を受信し得る。例えば、建物管理システム420は、煙感知センサ、熱感知センサなどの火災感知センサから火災信号を受信したり、映像管制システム620に含まれているイメージセンサから感知された火災信号を、映像管制システム620を介して受信したりし得る。他の例として、建物管理システム420は、施設物630(または施設物630に搭載されたセンサなど)から火災信号を受信し得る。また他の例として、建物管理システム420は、ロボット制御システム410と通信する走行ロボットによって感知された火災信号を、ロボット制御システム410を介して受信し得る。建物管理システム420は、非常事態信号を受信すると、非常事態に対応するために施設物630を制御し得る。例えば、建物管理システム420は、火災信号を受信すると、防火扉、防火シャッターを閉めたり、エレベーターの作動を中断させたりし得る。
【0063】
一実施例において、建物管理システム420が、ロボット制御システム410ではない装置610、620、630から非常事態信号を受信すると、建物管理システム420は、火災信号のような非常事態信号をロボット制御システム410に伝送し得る。この場合、ロボット制御システム410は、施設物630の正常な作動および人々の迅速かつ容易な退避のために、ロボットの移動を制御し得る。前術のように、ロボット制御システム410は、非常事態発生の際、迅速に非常事態信号を受信または伝送することにより、非常事態への対応に関連する施設物630の作動または人々の迅速な退避が円滑に行われ得る。
【0064】
図7は、本開示の一実施例による非常時の停車不可領域および代替停車領域が定義されている地
図700の例を示す図である。一実施例によると、地
図700には、非常時の停車不可領域、停車不可領域内の代替停車領域(
図7において、「抜け出せなかったロボットの停車可能位置」)などが定義され得る。停車不可領域は、非常事態の際、人々の迅速かつ容易な退避および非常事態関連施設の正常な作動のために定義されている、走行ロボットが非常時に停車できない領域であり得る。また、代替停車領域は、非常時に走行ロボットが所定の理由で停車不可領域の外部に移動不可能な場合(例えば、防火扉710または防火シャッターが閉まって、停車不可領域の外部に移動不可能な場合)、走行ロボットが停車するために定義された領域であり得る。
【0065】
一実施例によると、停車不可領域は、防火扉710、防火シャッターなどが位置する領域を含み得る。防火扉710または防火シャッターは、火災発生時に自動的に閉まることができ、防火扉710または防火シャッターが位置する領域に走行ロボットが位置する場合、防火扉710または防火シャッターが正常に閉まらなくなり得る。したがって、防火扉710および/または防火シャッターが位置する領域、そして、防火扉710が閉まる回転半径領域は、停車不可領域として定義され得る。
【0066】
一実施例によると、停車不可領域は、退避路が位置する領域を含み得る。非常事態発生の際、建物内の人々は退避路を介して退避せねばならず、この領域に走行ロボットが位置すると、人々の迅速かつ容易な退避に妨げとなり得る。したがって、退避路領域は、停車不可領域として定義され得る。例えば、退避路は、階段室の前、階段室連結の主退避路、ドア/ゲート(防火扉710を含む)の前、退避路周辺の廊下を含み得る。
【0067】
一実施例によると、停車不可領域は、狭い廊下を含み得る。狭い廊下は、例えば、幅が予め指定された閾値(例えば、1.5m)以内の廊下を含み得る。狭い廊下に走行ロボットが位置すると、人々の退避に著しく妨げとなり得るため、停車不可領域として定義され得る。
【0068】
ロボット制御システムは、前術の停車不可領域(および代替停車領域)が定義されている地
図700を利用して、走行ロボットが停車不可領域に位置するか否かをリアルタイムで確認し得る。また、ロボット制御システムは、非常事態発生の際、停車不可領域に位置している走行ロボットを停車不可領域の外部に移動するよう制御したり、停車不可領域内の代替停車領域に移動するよう制御したりし得る。
【0069】
一実施例において、地図は、非常事態発生の際に人々が退避するための退避路の動線(
図7において、「退避路の動線方向」を含み得る。ロボット制御システムは、この情報と各走行ロボットの位置情報、ポーズなどの情報を用いて、各走行ロボットのディスプレイ上に退避経路が表示されるように制御し得る。
【0070】
図8は、本開示の一実施例によるロボット制御システムの管理者端末800に、停車不可領域が定義されている地図および走行ロボット810、820、830の現在位置が表示された例を示す図である。一実施例によると、ロボット制御システムの管理者は、管理者端末800により停車不可領域を設定し得る。例えば、
図8には、停車不可領域が四角い網掛けで表示された地図が示されている。管理者は、このような領域を新たに設定したり、予め設定されている停車不可領域を編集したりし得る。
【0071】
一実施例によると、ロボット制御システムの管理者は、管理者端末800を介して、停車不可領域が定義されている地図および走行ロボット810、820、830の現在位置を確認することができ、これにより走行ロボット810、820、830が停車不可領域に位置するか否かを容易に確認し得る。
【0072】
一実施例によると、ロボット制御システムの管理者は、管理者端末800により、非常時の走行ロボット810、820、830の移動シナリオを設定し得る。例えば、非常事態の際、第1領域に位置している走行ロボット810はその場に停車するように、移動シナリオを設定し得る。他の例として、非常事態の際、停車不可領域の外部に位置している走行ロボット820、830は、走行ロボット820、830から最寄りの壁までの距離に応じて、壁に密着するようにするか、その場に停車するよう制御し得る。管理者は、このような決定の基準となる最寄りの壁までの距離を設定し得る。一実施例において、非常時の走行ロボット810、820、830の移動シナリオは、非常事態発生の前に管理者によって予め設定され、ロボット制御システムに保存され得る。加えてまたは選択的に、非常事態発生の際、管理者は管理者端末800を介して、走行ロボット810、820、830の位置および/または状態をリアルタイムで確認し、走行ロボット810、820、830の移動を手動で制御し得る。
【0073】
図9は、本開示の一実施例による走行ロボット910,920が、非常事態発生に応じる移動シナリオ通りに移動した後、非常事態モードに変更された例を示す図である。一実施例によると、非常事態信号を受信したロボット制御システムは、走行ロボット910、920を移動シナリオ通りに移動するよう制御し得る。例えば、ロボット制御システムは、非常事態発生の際、停車不可領域に位置している第1走行ロボット910を停車不可領域の外部に移動するよう制御し得る。
【0074】
一実施例において、停車不可領域に位置している走行ロボットのうち、停車不可領域の外部に移動不可能な走行ロボット920が存在し得る。例えば、火災発生により、防火扉、防火シャッターが自動的に閉まることができ、この場合、
図9に示された第2走行ロボット920は、停車不可領域の外部に出るための経路がすべて防火扉、防火シャッターによって閉鎖され、停車不可領域の外部に出ることが不可能であり得る。停車不可領域に位置している走行ロボット910,920が、停車不可領域の外部に移動不可能であるか否かは、ロボット制御システムによって施設物情報などを考慮して判断されるか、または走行ロボット910,920によって直接判断され、ロボット制御システムに伝送され得る。例えば、走行ロボットは、ロボット制御システムからの移動命令に従って停車不可領域への移動途中、障害物によって、命令された目的地への移動ができない場合、移動できない旨の信号をロボット制御システムに伝送し得る。第2走行ロボット920が停車不可領域の外部に移動できないことを判断した/伝送されたロボット制御システムは、第2走行ロボット920を停車不可領域内の代替停車領域に移動するよう制御し得る。なお、代替停車領域は、停車不可領域のうち、非常事態関連施設物の作動や人々の退避を妨げることを最小化し得る領域として、管理者によって設定され得る。
【0075】
一実施例によると、ロボット制御システムの移動制御により、移動および停車を完了した走行ロボット912,922は、非常事態モードに変更され得る。例えば、停車不可領域の外部に移動して停車を完了した第1走行ロボットのディスプレイ914に示されるように、非常事態であることを知らせる警告、退避経路などが表示され得る。加えてまたは選択的に、非常事態であることを知らせる警告知らせなどが走行ロボット912,922のスピーカを介して出力され得る。
図9では、移動および停車完了後、走行ロボット912,922が非常事態モードに変更されるものとして図示および説明しているが、これに限定されず、非常事態信号を受信して直ちに走行ロボット910、920が非常事態モードに変更され得る。建物内の人々は、非常事態モードに変更された走行ロボットのディスプレイ914に表示されている警告または経路などを確認して、非常事態であることを認知し、退避路を容易に確認して、迅速に退避し得る。
【0076】
図10は、本開示の一実施例による非常時のロボット管理方法1000の一例を示すフローチャートである。方法1000は、プロセッサ(例えば、ロボット制御システムの少なくとも1つのプロセッサ)が、非常時の停車不可領域が定義されている対象建物の地図を受信することによって開始され得る(S1010)。一実施例によると、対象建物の地図は、外部装置(例えば、地図作成システム)から受信され、プロセッサは、地図に対する更新があるたびに、当該外部装置から更新通知を受信して更新を実行し得る。これにより、地図の最新性が維持され、非常事態発生の際に正確な対応が可能となる。
【0077】
停車不可領域は、非常事態発生の際、該当領域に走行ロボットが位置する場合、人々の退避に妨げとなり得る領域を含み得る。例えば、停車不可領域は、防火扉、防火シャッター、退避路、階段室の入口、退避路周辺の廊下、ドアの前、または幅が予め指定された閾値(例えば、2m)以下の廊下のうち少なくとも1つに関連する領域を含み得る。一実施例によると、地図は、停車不可領域だけでなく、停車不可領域内の代替停車領域をさらに定義し得る。代替停車領域は、停車不可領域内の走行ロボットが停車不可領域の外部に移動できない場合、ロボットが停車するための領域を含み得る。
【0078】
一実施例によると、前術の停車不可領域、停車不可領域内の代替停車領域のうちの少なくとも一部は、管理者(例えば、ロボット制御システムの管理者)によって手動で設定され、管理者は、ユーザ端末(例えば、ロボット制御システムと通信する管理者の端末)により、停車不可領域および/または代替停車領域などを設定または編集し得る。一実施例によると、停車不可領域、代替停車領域のうちの少なくとも一部は、地図内に含まれている施設物情報に基づいて自動設定され得る。例えば、地図内に防火扉、防火シャッター、階段室入口などの位置および範囲に関する情報が含まれていると、防火扉、防火シャッター、階段室入口などがある領域は、停車不可領域として自動設定され得る。一実施例によると、施設物情報も、停車不可領域などと同様、管理者によって直接設定され、対象建物を管理する建物管理システムからも受信され得る。
【0079】
対象建物内に配置されている走行ロボットは、非常時ではない普段は、停車不可領域を含む建物内の空間を自律的に走行し得る。また、走行ロボットは、走行中に対象建物の実際空間と地図との間に不一致を発見すると、それをロボット制御システムに知らせ得る。一実施例によると、ロボット制御システムのプロセッサは、走行ロボットから対象建物の実際空間と地図との不一致情報を受信して、不一致情報を地図作成に関連する外部装置(例えば、地図作成システム)に伝送し得る。この場合、外部装置は、不一致情報を確認し、これを反映して地図を更新して、ロボット制御システムに不一致が解消された地図を伝送し、ロボット制御システムのプロセッサは、外部装置から不一致解消済みの地図を受信し得る。
【0080】
プロセッサは、対象建物内に配置されている少なくとも1つの走行ロボットから位置情報を受信し得る(S1020)。例えば、プロセッサは、リアルタイムまたは周期的に、対象建物内に配置されている第1走行ロボットおよび/または第2走行ロボットから位置情報を受信して、第1走行ロボットおよび/または第2走行ロボットの位置を確認し、第1走行ロボットおよび/または第2走行ロボットの移動などを制御し得る。
【0081】
一実施例によると、プロセッサは、非常事態発生信号を受信し得る(S1030)。非常事態発生信号は、火災信号、地震信号など、建物内の人々の迅速な退避が求められる信号を含み得る。一実施例によると、非常事態発生信号は、走行ロボット、火災感知センサ、イメージセンサ、ユーザ端末(例えば、ロボット制御システムの管理者端末)、または対象建物を管理する建物管理システムのうちの少なくとも1つから受信され得る。例えば、ロボット制御システムの管理者は、火災発生を感知して、管理者端末によりロボット制御システムを非常事態モードに変更し得る。
【0082】
プロセッサは、非常事態発生の際、人々の迅速かつ容易な退避のために、対象建物内に位置している走行ロボットを適切に移動または停車させ得る。例えば、プロセッサは、非常事態発生の際、第1走行ロボットが停車不可領域内に位置していると判定することに応じて、第1走行ロボットが停車不可領域の外部に移動するよう制御し得る(S1040)。一実施例において、プロセッサが、非常事態発生の際に、停車不可領域に位置している第1走行ロボットが停車不可領域の外部に移動不可能と判定すると、これに応じて、第1走行ロボットが代替停車領域に移動するよう制御し得る。
【0083】
一実施例によると、プロセッサは、非常事態発生の際、第2走行ロボットが停車不可領域の外部に位置しており、第2走行ロボットから所定の距離(例えば、2m)以内に壁があると判定することに応じて、第2走行ロボットが最寄りの壁に移動するよう制御し得る。一実施例において、プロセッサが、非常事態発生の際、停車不可領域の外部に位置している第2走行ロボットから所定の距離内に壁がないと判定すると、これに応じて、第2走行ロボットが現在位置に停車するよう制御し得る。
【0084】
一実施例によると、プロセッサは、非常事態発生の際、建物内の走行ロボットを非常事態モードに変更し得る。例えば、プロセッサは、非常事態発生信号を受信することに応じて、走行ロボットがディスプレイ上に非常事態の警告を表示するよう制御し得る。他の例として、プロセッサは、非常事態発生信号の受信に応じて、走行ロボットがディスプレイ上に退避経路または方向などを表示するよう制御し得る。さらに、プロセッサは、非常事態発生の際、走行ロボットに搭載されているスピーカを介して、非常警告音、非常案内放送、退避案内放送などを出力するよう制御し得る。
【0085】
前術の方法は、コンピュータで実行するためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存されているコンピュータプログラムとして提供され得る。媒体は、コンピュータで実行可能なプログラムを保存し続けるか、実行またはダウンロードのために一時的に保存するものでもあり得る。また、媒体は、単一または複数のハードウェアが結合された形態の様々な記録手段または保存手段であり得るが、任意のコンピュータシステムに直接接続される媒体に限定されず、ネットワーク上に分散して存在するものでもあり得る。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体(magneto optical
medium)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどを含んで、プログラム命令語が保存されるように構成されたものがあり得る。また、他の媒体の例として、アプリケーションを流通するアプリストアや他の様々なソフトウェアを供給ないし流通するサイト、サーバーなどで管理する記録媒体ないし記憶媒体も挙げられる。
【0086】
本開示の方法、動作、または技法は、様々な手段によっても実現され得る。例えば、そのような技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせによって実現され得る。本願の開示に連係して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム段階は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組み合わせによっても実現され得ることを通常の技術者は理解することによりある。ハードウェアおよびソフトウェアのこのような相互代替を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、および段階がそれらの機能的観点から一般的に前記において説明されている。そのような機能がハードウェアとして実現されるか、またはソフトウェアとして実現されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課される設計要件によって変わる。通常の技術者は、それぞれの特定アプリケーションのために様々な方法で説明された機能を実現し得るが、そのような実現は本開示の範囲から逸脱するものと解釈されるべきではない。
【0087】
ハードウェア実現において、技法を実行するめに用いられるプロセスユニットは、1つ以上のASIC、DSP、デジタル信号処理装置(digital signal processing devices、DSPD)、プログラマブル論理装置(programmable logic devices、PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate arrays、FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本開示に説明の機能を実行するように設計された他の電子ユニット、コンピュータ、またはそれらの組み合わせ内において実現され得る。
【0088】
したがって、本開示に連係して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートやトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポネンツ、または本願に説明されている機能を実行するように設計されたものの任意の組み合わせによって実現または実行されることもあり得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサでもあり得るが、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンでもあり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他の構成の組み合わせとしても実現され得る。
【0089】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアの実現において、技法は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、不揮発性RAM(nonvolatile random access memory;NVRAM)、PROM(programmable read-only memory)、EPROM(erasable programmable read-only memory)、EEPROM(electrically erasable PROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(compact disc、CD)、磁気または光学データストレージデバイスなどのようなコンピュータ読み取り可能媒体上に保存されている命令として実現され得る。命令は、1つ以上のプロセッサによって実行可能でもあり、本開示に説明された機能の特定の態様をプロセッサに実行させることもできる。
【0090】
ソフトウェアで実現される場合、前記技法は、1つ以上の命令またはコードとしてコンピュータ読み取り可能な媒体上に保存されるか、またはコンピュータ読み取り可能な媒体を介して転送され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ある場所から他の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含んで、コンピュータ記憶媒体および通信媒体のいずれも含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体でもあり得る。非制限的な例として、このようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気ストレージデバイス、もしくは、所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形態で移送または保存するために使用されてよく、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。さらに、任意の接続が、コンピュータ読み取り可能媒体と適切に称される。
【0091】
例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚線、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波のような無線技術を用いて、ウェブサイト、サーバー、または他のリモートソースから転送されると、同軸ケーブル
、光ファイバケーブル、撚線、デジタル加入者回線、または赤外線、無線、およびマイクロ波のような無線技術は、媒体の定義内に含まれる。本願で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザーディスク、光ディスク、DVD(digital versatile disc)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスクを含み、ここで、ディスク(disks)は通常磁気的にデータを再生する反面、ディスク(discs)はレーザーを用いて光学的にデータを再生する。前記の組み合わせも、コンピュータ読み取り可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0092】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または公知の任意の他の形態の記憶媒体内に常駐してもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取るか、または記憶媒体に情報の書き込みができるよう、プロセッサに接続され得る。あるいは、記憶媒体はプロセッサに統合され得る。プロセッサと記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。ASICは、ユーザ端末内に存在してもよい。または、プロセッサと記憶媒体とは、ユーザ端末において個別の構成要素として存在してもよい。
【0093】
以上で説明した実施例は、1つ以上の独立型コンピュータシステムにおいて、現在開示されている主題の態様を活用するものとして記述されているが、本開示はこれに限定されず、ネットワークや分散コンピューティング環境のような任意のコンピューティング環境と連携して実現され得る。さらには、本開示において主題の態様は、複数のプロセスチップや装置にて実現されてもよく、ストレージは複数の装置にわたって類似の影響を受けることともなり得る。このような装置は、PC、ネットワークサーバー、およびポータブル装置をも含み得る。
【0094】
本明細書においては、本開示が一部の実施例に関連して説明されたが、本開示の発明が属する技術分野の通常の技術者が理解し得る本開示の範囲から逸脱しない範囲で様々な変形および変更が行われ得る。また、そのような変形および変更は、本明細書に添付の特許請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。
【国際調査報告】