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特表2024-542527低誘電ポリアミック酸およびポリイミドフィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】低誘電ポリアミック酸およびポリイミドフィルム
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/10 20060101AFI20241108BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20241108BHJP
   B32B 15/088 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
C08G73/10
B32B27/32 D
B32B15/088
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530578
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 KR2022018614
(87)【国際公開番号】W WO2023096344
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0164186
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520160738
【氏名又は名称】ピーアイ・アドバンスド・マテリアルズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ミン サン
(72)【発明者】
【氏名】イ,キル ナム
(72)【発明者】
【氏名】パク,スン ユル
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ソ キョン
【テーマコード(参考)】
4F100
4J043
【Fターム(参考)】
4F100AB01
4F100AB01C
4F100AB33
4F100AB33C
4F100AK01
4F100AK01B
4F100AK49
4F100AK49A
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100EJ42
4F100GB43
4F100JA05
4F100JA05B
4F100JG05
4F100JG05B
4F100JK06
4J043PA04
4J043PA08
4J043QB15
4J043QB26
4J043RA35
4J043SA06
4J043SA47
4J043SB01
4J043SB03
4J043TA22
4J043TA71
4J043TB03
4J043UA121
4J043UA122
4J043UA131
4J043UA132
4J043UA142
4J043UB121
4J043UB162
4J043UB402
4J043VA012
4J043VA041
4J043VA051
4J043VA061
4J043XA03
4J043XA16
4J043XB27
4J043YA14
4J043ZA02
4J043ZA12
4J043ZA42
4J043ZB47
4J043ZB50
(57)【要約】
本発明は、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate anhydride)、TAHQ)からなるグループより選択された2種以上を含む二無水物酸成分と、オキシジアニリン(ODA)、m-トリジン(m-tolidine)およびパラフェニレンジアミン(PPD)からなるグループより選択された1種以上を含むジアミンからなるグループより選択された1種以上を含むジアミン成分とを含んで共重合して得られた低誘電ポリアミック酸およびポリイミドフィルムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate anhydride)、TAHQ)からなるグループより選択された2種以上を含む二無水物酸成分と、
オキシジアニリン(ODA)、m-トリジン(m-tolidine)およびパラフェニレンジアミン(PPD)からなるグループより選択された1種以上を含むジアミン成分とを含んで共重合された、
ポリアミック酸。
(ただし、前記ポリアミック酸は、前記ジアミン成分としてm-トリジンを必ず含む。)
【請求項2】
前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が30モル%以上75モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が60モル%以下であり、前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)の含有量が30モル%以上70モル%以下である、
請求項1に記載のポリアミック酸。
【請求項3】
前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記m-トリジンの含有量が40モル%以上100モル%以下であり、
前記パラフェニレンジアミンの含有量が60モル%以下であり、
前記オキシジアニリンの含有量が60モル%以下である、
請求項1に記載のポリアミック酸。
【請求項4】
m-トリジンのモル%とp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比(m-トリジンのモル%/p-フェニレンビス(トリメリテート無水物))が1.1以上3.5以下である、
請求項1に記載のポリアミック酸。
【請求項5】
ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate anhydride)、TAHQ)からなるグループより選択された2種以上を含む二無水物酸成分と、
オキシジアニリン(ODA)、m-トリジン(m-tolidine)およびパラフェニレンジアミン(PPD)からなるグループより選択された1種以上を含むジアミン成分とを含むポリアミック酸溶液をイミド化反応させて得られる、
ポリイミドフィルム。
(ただし、前記ポリイミドフィルムは、前記ジアミン成分としてm-トリジンを必ず含む。)
【請求項6】
前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が30モル%以上75モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が60モル%以下であり、前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)の含有量が30モル%以上70モル%以下である、
請求項5に記載のポリイミドフィルム。
【請求項7】
前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記m-トリジンの含有量が40モル%以上100モル%以下であり、
前記パラフェニレンジアミンの含有量が60モル%以下であり、
前記オキシジアニリンの含有量が60モル%以下である、
請求項5に記載のポリイミドフィルム。
【請求項8】
誘電損失率(Df)が0.0025以下であり、
接着力が0.8gf/cm以上である、
請求項5に記載のポリイミドフィルム。
【請求項9】
m-トリジンのモル%とp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比(m-トリジンのモル%/p-フェニレンビス(トリメリテート無水物))が1.1以上3.5以下である、
請求項5に記載のポリイミドフィルム。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムと、熱可塑性樹脂層とを含む、
多層フィルム。
【請求項11】
請求項5~9のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムと、電気伝導性の金属箔とを含む、
フレキシブル金属箔積層板。
【請求項12】
請求項11に記載のフレキシブル金属箔積層板を含む、
電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた低誘電、接着性および耐熱性を兼ね備えたポリアミック酸およびポリイミドフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミド(polyimide、PI)は、剛直な芳香族主鎖とともに化学的安定性が非常に優れたイミド環をベースとして、有機材料の中でも最高水準の耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐化学性、耐候性を有する高分子材料である。
特に、優れた絶縁特性、すなわち低い誘電率のような優れた電気的特性により、電気、電子、光学分野などに至るまで高機能性高分子材料として注目されている。
【0003】
最近、電子製品の軽量化、小型化に伴い、集積度が高くて柔軟な薄型回路基板が活発に開発されている。
このような薄型回路基板は、優れた耐熱性、耐低温性および絶縁特性を有しながらも、屈曲が容易なポリイミドフィルム上に金属箔を含む回路が形成されている構造が多く活用される傾向にある。
このような薄型回路基板としてはフレキシブル金属箔積層板が主に用いられており、一例として、金属箔に薄い銅板を用いるフレキシブル銅箔積層板(Flexible Copper Clad Laminate、FCCL)が含まれる。その他にも、ポリイミドを薄型回路基板の保護フィルム、絶縁フィルムなどとして活用したりする。
【0004】
一方、最近、電子機器に多様な機能が内在するにつれ、前記電子機器に速い演算速度と通信速度が要求されており、これを満たすために、高周波で高速通信が可能な薄型回路基板が開発されている。
高周波高速通信の実現のために、高周波でも電気絶縁性を維持できる高いインピーダンス(impedance)を有する絶縁体が必要である。インピーダンスは、絶縁体に形成される周波数および誘電定数(dielectric constant;Dk)と反比例の関係が成立するので、高周波でも絶縁性を維持するためには誘電定数ができるだけ低くなければならない。
しかし、通常のポリイミドの場合、誘電特性が高周波通信で十分な絶縁性を維持できる程度に優れた水準ではないのが現状である。
【0005】
また、絶縁体が低誘電特性を有するほど、薄型回路基板で不望の浮遊容量(stray
capacitance)とノイズの発生を減少させることが可能で、通信遅延の原因を相当部分解消できることが知られている。
【0006】
したがって、低誘電特性のポリイミドが薄型回路基板の性能に何より重要な要因として認識されているのが現状である。
特に、高周波通信の場合、必然的にポリイミドによる誘電損失(dielectric
dissipation)が発生するが、誘電損失率(dielectric dissipation factor;Df)は、薄型回路基板の電気エネルギーの浪費程度を意味し、通信速度を決定する信号伝達遅延と密接に関係していて、ポリイミドの誘電損失率をできるだけ低く維持することも、薄型回路基板の性能に重要な要因として認識されている。
【0007】
また、ポリイミドフィルムに湿気が多く含まれるほど、誘電定数が大きくなり、誘電損失率が増加する。ポリイミドフィルムの場合、優れた固有の特性によって薄型回路基板
の素材として適するのに対し、極性を呈するイミド基によって湿気に相対的に脆弱であり、これによって絶縁特性が低下することがある。
したがって、ポリイミド特有の機械的特性、熱的特性および高接着の表面特性を一定の水準に維持しながらも、誘電特性、特に、低誘電損失率のポリイミドフィルムの開発が必要なのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2021-0055230号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、上記の問題を解決すべく、優れた低誘電、高接着および耐熱特性を兼ね備えたポリアミック酸およびポリイミドフィルムを提供することを目的とする。
このため、本発明は、その具体的な実施例を提供することを実質的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための、本発明の一実施形態は、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate anhydride)、TAHQ)からなるグループより選択された2種以上を含む二無水物酸成分と、
オキシジアニリン(ODA)、m-トリジン(m-tolidine)およびパラフェニレンジアミン(PPD)からなるグループより選択された1種以上を含むジアミン成分とを含んで共重合された、
ポリアミック酸を提供する。
(ただし、前記ポリアミック酸は、前記ジアミン成分としてm-トリジンを必ず含む。)
【0011】
本発明の他の実施形態は、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate
anhydride)、TAHQ)からなるグループより選択された2種以上を含む二無水物酸成分と、
オキシジアニリン(ODA)、m-トリジン(m-tolidine)およびパラフェニレンジアミン(PPD)からなるグループより選択された1種以上を含むジアミン成分とを含むポリアミック酸溶液をイミド化反応させて得られる、
ポリイミドフィルムを提供する。
(ただし、前記ポリイミドフィルムは、前記ジアミン成分としてm-トリジンを必ず含む。)
本発明のさらに他の実施形態は、前記ポリイミドフィルムと、熱可塑性樹脂層とを含む、
多層フィルムを提供する。
【0012】
本発明のさらに他の実施形態は、前記ポリイミドフィルムと、電気伝導性の金属箔とを含む、
フレキシブル金属箔積層板を提供する。
本発明のさらに他の実施形態は、前記フレキシブル金属箔積層板を含む、
電子部品を提供する。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明は、特定の成分および特定の組成比からなるポリアミック酸およびポリイミドフィルムは、低誘電特性、高接着特性および高耐熱特性を提供することにより、このような特性が要求される多様な分野、特に、フレキシブル金属箔積層板などの電子部品などに有用に適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
これに先立ち、本明細書および特許請求の範囲に使用された用語や単語は通常または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自らの発明を最も最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則り、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
したがって、本明細書に記載された実施例の構成は本発明の最も好ましい一つの実施例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替可能な多様な均等物と変形例が存在できることを理解しなければならない。
【0015】
本明細書において、単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0016】
本明細書において、量、濃度、または他の値またはパラメータが範囲、好ましい範囲または好ましい上限値および好ましい下限値の列挙として与えられる場合、範囲が別途に開示されるかに関係なく、任意の一対の任意の上方範囲の限界値または好ましい値、および任意の下方範囲の限界値または好ましい値で形成されたすべての範囲を具体的に開示すると理解されなければならない。
数値の範囲が本明細書で言及される場合、他に記述されなければ、その範囲はその終点およびその範囲内のすべての整数と分数を含むことが意図される。本発明の範疇は、範囲を定義する時に言及される特定の値に限定されないことが意図される。
【0017】
本明細書において、「二無水物酸」は、その前駆体または誘導体を含むことが意図されるが、これらは技術的には二無水物酸でないかも知れないが、それにもかかわらず、ジアミンと反応してポリアミック酸を形成するはずであり、このポリアミック酸は再度ポリイミドに変換される。
【0018】
本明細書において、「ジアミン」は、その前駆体または誘導体を含むことが意図されるが、これらは技術的にはジアミンでないかも知れないが、それにもかかわらず、ジアンハイドライドと反応してポリアミック酸を形成するはずであり、このポリアミック酸は再度ポリイミドに変換される。
【0019】
本発明によるポリアミック酸は、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate anhydride)、TAHQ)からなるグループより選択された2種以上を含む二無水物酸成分と、オキシジアニリン(ODA)、m-トリジン(m-tolidine)およびパラフェニレンジアミン(PPD)からなるグループより選択された1種以上を含むジアミン成分とを含んで共重合される。
ただし、前記ポリアミック酸は、前記ジアミン成分としてm-トリジンを必ず含むこと
ができる。
【0020】
好ましくは、前記二無水物酸成分は、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)を含むことができる。
例えば、前記二無水物酸成分は、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)単独、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)とビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドとの組み合わせ、またはp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)とピロメリティックジアンハイドライドとの組み合わせであってもよい。
【0021】
また、前記ジアミン成分は、m-トリジン単独、m-トリジンとパラフェニレンジアミンとの組み合わせ、またはm-トリジンとオキシジアニリンとの組み合わせであってもよい。
【0022】
一実施形態において、前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が30モル%以上75モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が60モル%以下であり、前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)の含有量が30モル%以上70モル%以下であってもよい。
【0023】
一実施形態において、前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記m-トリジンの含有量が40モル%以上100モル%以下であり、前記パラフェニレンジアミンの含有量が60モル%以下であり、前記オキシジアニリンの含有量が60モル%以下であってもよい、
【0024】
一実施形態において、前記m-トリジンのモル%と前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比(m-トリジンのモル%/p-フェニレンビス(トリメリテート無水物))が1.1以上3.5以下であってもよい。
好ましくは、前記m-トリジンのモル%と前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比(m-トリジンのモル%/p-フェニレンビス(トリメリテート無水物))が1.5以上2.9以下であってもよい。
【0025】
本発明によるポリイミドフィルムは、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate anhydride)、TAHQ)からなるグループより選択された2種以上を含む二無水物酸成分と、オキシジアニリン(ODA)、m-トリジン(m-tolidine)およびパラフェニレンジアミン(PPD)からなるグループより選択された1種以上を含むジアミン成分とを含むポリアミック酸溶液をイミド化反応させて得られる。
【0026】
前記ポリイミドフィルムは、前記ジアミン成分としてm-トリジンを必ず含むことができる。
好ましくは、前記二無水物酸成分は、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)を含むことができる。
例えば、前記二無水物酸成分は、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)単独、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)とビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドとの組み合わせ、またはp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)とピロメリティックジアンハイドライドとの組み合わせであってもよい。
【0027】
また、前記ジアミン成分は、m-トリジン単独、m-トリジンとパラフェニレンジアミンとの組み合わせ、またはm-トリジンとオキシジアニリンとの組み合わせであってもよ
い。
【0028】
一実施形態において、前記二無水物酸成分の総含有量100モル%を基準として、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が30モル%以上75モル%以下であり、前記ピロメリティックジアンハイドライドの含有量が60モル%以下であり、前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)の含有量が30モル%以上70モル%以下であってもよい。
【0029】
前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)の含有量が70モル%超過であれば、前記ポリイミドフィルムの耐熱性が低下してフィルム化が難しいことがある。
【0030】
また、前記ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライドの含有量が75モル%超過であれば、ポリイミドフィルムの誘電損失率が高くなって低誘電特性が低下することがある。
【0031】
一実施形態において、前記ジアミン成分の総含有量100モル%を基準として、前記m-トリジンの含有量が40モル%以上100モル%以下であり、前記パラフェニレンジアミンの含有量が60モル%以下であり、前記オキシジアニリンの含有量が60モル%以下であってもよい、
【0032】
一実施形態において、前記m-トリジンのモル%と前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比(m-トリジンのモル%/p-フェニレンビス(トリメリテート無水物))が1.1以上3.5以下であってもよい。
好ましくは、前記m-トリジンのモル%と前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比は、1.5以上2.9以下であってもよい。
前記m-トリジンのモル%と前記p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比(m-トリジンのモル%/p-フェニレンビス(トリメリテート無水物))が1.1未満であるか、3.5超過の場合、ポリイミドフィルムの誘電損失率が高くなって低誘電特性が低下することがある。
【0033】
一実施形態において、前記ポリイミドフィルムの誘電損失率(Df)が0.0025以下であり、接着力が0.8gf/cm以上であってもよい。
好ましくは、前記ポリイミドフィルムの誘電損失率は、0.0026以下であってもよい。
【0034】
また、前記ポリイミドフィルムのガラス転移温度が270℃以下であってもよい。好ましくは、前記ポリイミドフィルムのガラス転移温度は、205℃以上であってもよい。
【0035】
一方、前記ポリイミドフィルムは、400℃以上の膜製造工程の工程温度でも製膜が可能である。
【0036】
以上説明したように、本発明によるポリイミドフィルムは、上記の条件をすべて満足することにより、フレキシブル金属箔積層板用絶縁フィルムとして活用可能な上に、高周波でも絶縁安定性が確保され、信号伝達遅延も最小化することができる。
【0037】
本発明は、上述したポリイミドフィルムと、熱可塑性樹脂層とを含む多層フィルム、および上述したポリイミドフィルムと、電気伝導性の金属箔とを含むフレキシブル金属箔積層板を提供する。
【0038】
前記熱可塑性樹脂層としては、例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂層などが適用可能であ
る。
【0039】
使用する金属箔としては特に限定されるものではないが、電子機器または電気機器の用途に本発明のフレキシブル金属箔積層板を用いる場合には、例えば、銅または銅合金、ステンレス鋼またはその合金、ニッケルまたはニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む金属箔であってもよい。
【0040】
一般的なフレキシブル金属箔積層板では、圧延銅箔、電解銅箔という銅箔が多く使用され、本発明においても好ましく使用可能である。また、これら金属箔の表面には防錆層、耐熱層または接着層が塗布されていてもよい。
【0041】
本発明において、前記金属箔の厚さについては特に限定されるものではなく、その用途によって十分な機能を発揮できる厚さであれば良い。
【0042】
本発明によるフレキシブル金属箔積層板は、前記ポリイミドフィルムの一面に金属箔がラミネートされているか、前記ポリイミドフィルムの一面に熱可塑性ポリイミドを含む接着層が付加されており、前記金属箔が接着層に付着した状態でラミネートされている構造であってもよい。
【0043】
本発明はさらに、前記フレキシブル金属箔積層板を電気的信号伝送回路として含む電子部品を提供する。前記電気的信号伝送回路は、少なくとも2GHzの高周波、詳しくは、少なくとも5GHzの高周波、さらに詳しくは、少なくとも10GHzの高周波で信号を伝送する電子部品であってもよい。
【0044】
前記電子部品は、例えば、携帯端末用通信回路、コンピュータ用通信回路、または宇宙航空用通信回路であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0045】
本発明において、ポリアミック酸の製造は、例えば、
(1)ジアミン成分の全量を溶媒中に入れて、その後、二無水物酸成分をジアミン成分と実質的に等モルとなるように添加して重合する方法;
(2)二無水物酸成分の全量を溶媒中に入れて、その後、ジアミン成分を二無水物酸成分と実質的に等モルとなるように添加して重合する方法;
(3)ジアミン成分中の一部の成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対して二無水物酸成分中の一部の成分を約95~105モル%の比率で混合した後、残りのジアミン成分を添加し、これに連続して残りの二無水物酸成分を添加して、ジアミン成分および二無水物酸成分が実質的に等モルとなるようにして重合する方法;
(4)二無水物酸成分を溶媒中に入れた後、反応成分に対してジアミン化合物中の一部の成分を95~105モル%の比率で混合した後、他の二無水物酸成分を添加し、続いて残りのジアミン成分を添加して、ジアミン成分および二無水物酸成分が実質的に等モルとなるようにして重合する方法;
(5)溶媒中において一部のジアミン成分と一部の二無水物酸成分とをいずれか1つが過剰となるように反応させて、第1組成物を形成し、他の溶媒中において一部のジアミン成分と一部の二無水物酸成分とをいずれか1つが過剰となるように反応させて、第2組成物を形成した後、第1、第2組成物を混合し、重合を完了する方法であって、この時、第1組成物を形成する時、ジアミン成分が過剰の場合、第2組成物では二無水物酸成分を過剰にし、第1組成物で二無水物酸成分が過剰の場合、第2組成物ではジアミン成分を過剰にして、第1、第2組成物を混合し、これらの反応に使用される全体のジアミン成分と二無水物酸成分とが実質的に等モルとなるようにして重合する方法、などが挙げられる。
ただし、前記重合方法が以上の例のみに限定されるものではなく、ポリアミック酸の製造は公知のいかなる方法も使用できることはもちろんである。
【0046】
一つの具体例において、本発明によるポリイミドフィルムの製造方法は、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)およびp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate anhydride)、TAHQ)からなるグループより選択された2種以上を含む二無水物酸成分と、m-トリジン(m-tolidine)およびパラフェニレンジアミン(PPD)からなるグループより選択された1種以上を含むジアミン成分とを重合してポリアミック酸を製造するステップと、
前記ポリアミック酸を含む前駆体組成物を支持体上に製膜した後、イミド化するステップとを含むことができる。
【0047】
本発明では、前記のようなポリアミック酸の重合方法をランダム(random)重合方式と定義することができ、前記のような過程で製造された本発明のポリアミック酸から製造されたポリイミドフィルムは、誘電損失率(Df)および水分の吸収率と透気性を低下させる本発明の効果を極大化させるという面で好ましく適用可能である。
ただし、前記重合方法は、先に説明した高分子鎖内の繰り返し単位の長さが相対的に短く製造されるので、二無水物酸成分に由来するポリイミド鎖が有するそれぞれの優れた特性を発揮するには限界がありうる。したがって、本発明において特に好ましく利用可能なポリアミック酸の重合方法は、ブロック重合方式である。
【0048】
一方、ポリアミック酸を合成するための溶媒は特に限定されるものではなく、ポリアミック酸を溶解させる溶媒であればいかなる溶媒も使用可能であるが、アミド系溶媒であることが好ましい。
具体的には、前記溶媒は、有機極性溶媒であってもよく、詳しくは、非プロトン性極性溶媒(aprotic polar solvent)であってもよいし、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-ピロリドン(NMP)、ガンマブチロラクトン(GBL)、ジグリム(Diglyme)からなる群より選択された1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、単独でまたは2種以上組み合わせて使用可能である。
一つの例において、前記溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミドおよびN,N-ジメチルアセトアミドが特に好ましく使用できる。
【0049】
また、ポリアミック酸の製造工程では、摺動性、熱伝導性、コロナ耐性、ループ硬さなどのフィルムの様々な特性を改善する目的で、充填材を添加してもよい。添加される充填材は特に限定されるものではないが、好ましい例としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
【0050】
充填材の粒径は特に限定されるものではなく、改質すべきフィルム特性と添加する充填材の種類によって決定すれば良い。一般的には、平均粒径が0.05~100μm、好ましくは0.1~75μm、さらに好ましくは0.1~50μm、特に好ましくは0.1~25μmである。
粒径がこの範囲を下回ると、改質効果が現れにくくなり、この範囲を上回ると、表面性を大きく損傷させたり、機械的特性が大きく低下する場合がある。
【0051】
また、充填材の添加量に対しても特に限定されるものではなく、改質すべきフィルム特性や充填材の粒径などによって決定すれば良い。一般的に、充填材の添加量は、ポリイミド100重量部に対して、0.01~100重量部、好ましくは0.01~90重量部、さらに好ましくは0.02~80重量部である。
充填材の添加量がこの範囲を下回ると、充填材による改質効果が現れにくく、この範囲
を上回ると、フィルムの機械的特性が大きく損傷する可能性がある。充填材の添加方法は特に限定されるものではなく、公知のいかなる方法を用いてもよい。
【0052】
本発明の製造方法において、ポリイミドフィルムは、熱イミド化法および化学的イミド化法により製造される。
また、熱イミド化法および化学的イミド化法が並行される複合イミド化法により製造されてもよい。
【0053】
前記熱イミド化法とは、化学的触媒を排除し、熱風や赤外線乾燥機などの熱源でイミド化反応を誘導する方法である。
前記熱イミド化法は、前記ゲルフィルムを100~600℃の範囲の可変的な温度で熱処理してゲルフィルムに存在するアミック酸基をイミド化することができ、詳しくは、200~500℃、さらに詳しくは、300~500℃で熱処理してゲルフィルムに存在するアミック酸基をイミド化することができる。
ただし、ゲルフィルムを形成する過程でもアミック酸中の一部(約0.1モル%~10モル%)がイミド化され、このために、50℃~200℃の範囲の可変的な温度でポリアミック酸組成物を乾燥することができ、これも前記熱イミド化法の範疇に含まれる。
【0054】
化学的イミド化法の場合、当業界における公知の方法により、脱水剤およびイミド化剤を用いて、ポリイミドフィルムを製造することができる。
複合イミド化法の一例としては、ポリアミック酸溶液に脱水剤およびイミド化剤を投入した後、80~200℃、好ましくは100~180℃で加熱して、部分的に硬化および乾燥した後に、200~400℃で5~400秒間加熱することにより、ポリイミドフィルムを製造することができる。
【実施例
【0055】
以下、発明の具体的な実施例を通じて、発明の作用および効果をより詳述する。ただし、このような実施例は発明の例として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるのではない。
【0056】
製造例:ポリイミドフィルムの製造
本発明のポリイミドフィルムは、次のような当業界公知の通常の方法で製造できる。まず、有機溶媒に前述した二無水物酸とジアミン成分とを反応させてポリアミック酸溶液を得る。
この時、溶媒は、一般的に、アミド系溶媒として非プロトン性極性溶媒(Aprotic solvent)、例えば、N,N’-ジメチルホルムアミド、N,N’-ジメチルアセトアミド、N-メチル-ピロリドン、またはこれらの組み合わせを使用することができる。
前記二無水物酸とジアミン成分の投入形態は、粉末、塊および溶液形態で投入することができ、反応初期には粉末形態で投入して反応を進行させた後、以後には、重合粘度調整のために溶液形態で投入することが好ましい。
得られたポリアミック酸溶液は、イミド化触媒および脱水剤と混合されて支持体に塗布される。
使用される触媒の例としては、3級アミン類(例えば、イソキノリン、β-ピコリン、ピリジンなど)があり、脱水剤の例としては、無水酸があるが、これに限定されない。また、前記使用される支持体としては、ガラス板、アルミニウム箔、循環ステンレスベルトまたはステンレスドラムなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0057】
前記支持体上に塗布されたフィルムは、乾燥空気および熱処理によって支持体上でゲル化される。
前記ゲル化されたフィルムは、支持体から分離されて熱処理して乾燥およびイミド化が完了する。
前記熱処理を終えたフィルムは、一定の張力下で熱処理されて、製膜過程で発生したフィルム内部の残留応力が除去できる。
【0058】
具体的には、撹拌機および窒素注入・排出管を備えた反応器に窒素を注入させながらDMFを500ml投入し、反応器の温度を30℃に設定した後、ビフェニルテトラカルボキシリックジアンハイドライド(BPDA)、ピロメリティックジアンハイドライド(PMDA)、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)(p-phenylenebis(trimellitate anhydride)、TAHQ)、m-トリジン(m-tolidine、MTD)、パラフェニレンジアミン(PPD)およびオキシジアニリン(ODA)を調整された組成比および定められた順に投入して完全に溶解させる。以後、窒素雰囲気下で40℃に反応器の温度を上げて加熱しながら120分間撹拌し続けて、一次反応粘度が1,500cPのポリアミック酸を製造した。
このように製造したポリアミック酸を最終粘度100,000~120,000cPとなるように撹拌させた。
準備された最終ポリアミック酸に触媒および脱水剤の含有量を調整して添加させた後、アプリケータを用いてポリイミドフィルムを製造した。
【0059】
実施例および比較例
下記表1に示しているように、実施例1~6および比較例1~3における二無水物酸成分および前記ジアミン成分の含有量を調整して、製造例によりポリイミドフィルムを製造した。
【0060】
実施例1~6のポリイミドフィルムは、m-トリジンのモル%とp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比(m-トリジンのモル%/p-フェニレンビス(トリメリテート無水物))が1.1以上3.5以下に調整された。
【0061】
【表1】
【0062】
製造されたポリイミドフィルムの誘電損失率(Df)、接着力およびガラス転移温度(Tg)を測定し、400℃の工程温度での製膜性を観察して、下記表2に示した。
【0063】
【表2】
【0064】
前記表2の製膜性の「O」は400℃の工程温度で製膜されたとの表示であり、「X」は400℃の工程温度で製膜されなかったとの表示である。
【0065】
製造されたポリイミドフィルムの誘電損失率(Df)、接着力およびガラス転移温度の測定方法は下記の通りである。
【0066】
(1)誘電損失率の測定
誘電損失率(Df)は、Keysight社のENA(Vector Network
Analyzer)を用いて空洞共振法(SPDR)で24時間23℃/50%RHの環境で放置されたフィルムを測定した。
【0067】
(2)接着力の測定
接着力は、ポリイミドフィルムの両面にBonding sheet(1mil、Epoxy type)を置き、1/2oz銅箔を両面に位置させ、保護用PIを置き、160℃に昇温した後に、30分間5MPaの圧力で熱圧着した。フィルムを10mmの幅に切断して裁断した後に、180゜剥離試験(Peel test)を実施した。
【0068】
(3)ガラス転移温度の測定
ガラス転移温度(Tg)は、DMAを用いて各フィルムの損失弾性率と貯蔵弾性率を求め、これらのタンジェントグラフにおける変曲点をガラス転移温度として測定した。
【0069】
前記表2に示しているように、本発明の実施例により製造されたポリイミドフィルムは、誘電損失率が0.0025以下と低い誘電損失率を示すだけでなく、接着力の0.8gf/cm以上であることを確認することができた。
また、ガラス転移温度が270℃以下に相当し、400℃の工程温度でも製膜に問題が発生しなかった。
【0070】
これに対し、実施例1と二無水物酸の成分および組成比が同一であるが、ジアミン成分としてオキシジアニリンのみを使用した比較例1は、耐熱性が大きく低下して膜が形成されなかった。
また、実施例1~3と比較して、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)の含有量を増加させて70モル%超過のp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)を含む比較例3も、耐熱性が大きく低下して膜が形成されなかった。
【0071】
一方、実施例1~3と比較して、m-トリジンのモル%とp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比を調整して、m-トリジンのモル%とp-フェニレンビス(トリメリテート無水物)のモル%との比(m-トリジンのモル%/p-フェニレンビス(トリメリテート無水物))が3.5超過の比較例2は、製膜には問題がなかったが、誘電損失率が0.0025超過であり、ガラス転移温度も270℃超過であった。
したがって、本願のポリイミドフィルムの低誘電特性および耐熱性などは、本願において特定された成分および組成比によって達成されるものであることが分かる。
【0072】
これに対し、実施例と異なる成分および組成比が適用された比較例1~3の場合、実施例に比べて高い誘電損失率を有したり、低い耐熱性によって製膜性に問題が発生した。したがって、比較例は、ギガ単位の高周波で信号伝送が行われる電子部品への使用が難しいことを予想することができる。
【0073】
以上、本発明の実施例を参照して説明したが、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、上記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形を行うことが可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、特定の成分および特定の組成比からなるポリアミック酸およびポリイミドフィルムは、低誘電特性、高接着特性および高耐熱特性を提供することにより、このような特性が要求される多様な分野、特に、フレキシブル金属箔積層板などの電子部品などに有用に適用可能である。
【国際調査報告】