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特表2024-542532自動位置較正付きのプリント装置および自動位置較正を含む積層造形方法
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  • 特表-自動位置較正付きのプリント装置および自動位置較正を含む積層造形方法 図1
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  • 特表-自動位置較正付きのプリント装置および自動位置較正を含む積層造形方法 図3A
  • 特表-自動位置較正付きのプリント装置および自動位置較正を含む積層造形方法 図3B
  • 特表-自動位置較正付きのプリント装置および自動位置較正を含む積層造形方法 図4A
  • 特表-自動位置較正付きのプリント装置および自動位置較正を含む積層造形方法 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】自動位置較正付きのプリント装置および自動位置較正を含む積層造形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/393 20170101AFI20241108BHJP
   B29C 64/245 20170101ALI20241108BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20241108BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20241108BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20241108BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20241108BHJP
   B29C 64/112 20170101ALI20241108BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/245
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/106
B33Y10/00
B29C64/112
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531034
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 EP2022083212
(87)【国際公開番号】W WO2023094565
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202021003596.6
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521524335
【氏名又は名称】ディヘシス デジタル ヘルス システムズ ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】Marie-Curie-Strasse 19, 73529 Schwaebisch-Gmuend, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダハトラー、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】フーバー、ゲラルト
(72)【発明者】
【氏名】リヒター、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】フーバー、ベンヤミン
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AP05
4F213AP06
4F213AP13
4F213AP18
4F213AQ01
4F213AQ03
4F213AR07
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL73
4F213WL74
4F213WL85
(57)【要約】
本発明は、各々がプリントノズルを備え、オプションとして垂直方向に移動可能である、一つ以上のプリントヘッド(1、2)と、水平方向に、およびオプションとして垂直方向に移動可能なプリントテーブルであってプリント面(3)を構成するプリントベッドと、を備える積層造形加工用のプリント装置に関し、当該プリントテーブルは、一つ以上のプリントノズルの少なくとも下方からの光学的なコピーの撮像を行なうように構成された光学装置(4)を含む。本発明の追加の目的は、本発明に係るプリント装置を使用して、目的物、好ましくは医薬品剤形を積層造形するために一つ以上のプリントノズルの自動位置校正を行なう方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形加工用のプリント装置であって、
・ 各々がプリントノズルを備え、オプションとして垂直方向に移動可能である、一つ以上のプリントヘッドと、
・ 水平方向に、およびオプションとして垂直方向に移動可能なプリントテーブルであってプリント面を構成するプリントベッドと、を備え、
前記プリントテーブルは、一つ以上の前記プリントノズルの少なくとも下方からの光学的なコピーの撮像を行なうように構成された光学装置を含む
ことを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルを下方から直接に撮像する
ことを特徴とする、請求項1に記載のプリント装置。
【請求項3】
前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルの間接的な撮像を行なうように構成された少なくとも一つのミラーを備える
ことを特徴とする、請求項1に記載のプリント装置。
【請求項4】
前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうようにさらに構成される
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項5】
前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルの撮像を二つの側方、好ましくは反対側から行なうように構成される
ことを特徴とする、請求項4に記載のプリント装置。
【請求項6】
前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうように構成されたミラーを備える
ことを特徴とする、請求項4に記載のプリント装置。
【請求項7】
前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルの撮像を二つの側方、好ましくは反対側から行なうように構成された二つのミラーを備える
ことを特徴とする、請求項5に記載のプリント装置。
【請求項8】
一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうための一つ以上の前記ミラーは、一つ以上の前記プリント ヘッドそれぞれの下方からの撮像の一部で、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの少なくとも一つの撮像ができるように構成される
ことを特徴とする、請求項6または7に記載のプリント装置。
【請求項9】
前記光学装置は、前記プリント面から離れた撮像装置に配置される
ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項10】
前記光学装置は一つ以上のCCDカメラを含む
ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項11】
一つ以上の近接センサ、好ましくは前記プリントヘッド/前記プリントノズルごとに一つの近接センサを備え、前記近接センサは、関係付けされた前記プリントノズルがそれに対応する前記近接センサから所定距離に至ると、自らに関係付けられた前記プリントノズルを検出するように、前記プリント装置内に配置され構成される
ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項12】
一つ以上の前記近接センサは、誘導性近接センサおよび容量性近接センサ、好ましくは容量性近接センサから選択される
ことを特徴とする、請求項11に記載のプリント装置。
【請求項13】
前記プリントテーブル、および/または少なくとも一つ以上の前記プリントヘッドの前記プリントノズルそれぞれの位置を移動および検出するように構成されたコンピュータ制御装置を備える
ことを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項14】
前記光学装置によって生成される、一つ以上の前記プリントノズルの画像データを表示し加工するように構成されたコンピュータ画像加工装置を備える
ことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項15】
前記プリント装置は、前記コンピュータ画像加工装置の画像データと前記コンピュータ制御装置の位置データとを相互に関連付けるように構成されたコンピュータ装置を備える
ことを特徴とする、請求項13および14に記載のプリント装置。
【請求項16】
前記プリント面に積層された材料を分光測定するための装置を備える
ことを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項17】
一つ以上の前記プリントヘッドは、前記プリントヘッドに流入する、および/または前記プリントヘッドを通過する材料の流量を測定するための装置を備える
ことを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項18】
一つ以上の前記プリントヘッドは、一つ以上の前記プリントノズルから出てくる小滴の数、好ましくは単位時間当たりに出てくる小滴の数を測定するための装置を備える
ことを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項19】
一つ以上の前記プリントノズルから出てくる材料および/または前記プリント表面に積層された材料の熱画像の撮像を行なうための装置を備える
ことを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項20】
一つ以上の前記プリントヘッドは磁気誘導質量撮像素子を備える
ことを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項21】
前記プリントテーブルは計量装置を備える
ことを特徴とする、請求項1乃至20のいずれか一つに記載のプリント装置。
【請求項22】
請求項1乃至21のいずれか一つに記載の装置を使用する、目的物、好ましくは医薬剤形の積層造形方法は、
(a)プリントノズルの予想される理論上の位置のx?y位置がプリントテーブルの基準点のx?y位置に一致し、光学装置による前記プリントノズルの撮像を少なくとも下方から行なうことができるように、前記プリントテーブルのx?y位置を位置決めするステップと、
(b)前記プリントノズルの撮像を行なうステップと、
(c)前記撮像を用いて前記プリントノズルの実際のx?y位置を決定するステップと、
(d)前記プリントテーブルの基準点が、当該基準点の上方での前記プリントノズルの実際のx?y位置になるように、前記プリントテーブルのx?y平面内の位置決めをするステップと、
(e)前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの実際のx?y位置の、前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの予想されるx?y位置からの差異を測定するステップと、
(f)前記差異を記録する、好ましくは保存するステップと、
(g)前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの実際のx?y位置を制御するために、前記光学装置によって前記プリントノズルの追加撮像を行なうステップと、
(h)前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの実際のx?y位置の、前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの予想されるx?y位置からの記録された前記差異を考慮して目的物をプリントするステップと、を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項23】
ステップ(b)でさらに、前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうように構成された前記光学装置は、前記プリントノズルの側方からの撮像を行なう
ことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(c)でさらに、前記プリントノズルの側方からの画像に基づいて、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置が決定される
ことを特徴とする、請求項23に記載の方法
【請求項25】
ステップ(e)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置の、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの予想されるz位置からの差異が測定される
ことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(f)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置と予想されるz位置との差異が記録され、好ましくは保存される
ことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(g)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置を制御するために、光学装置によって前記プリントノズルの側方からの撮像を行なう
ことを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ステップ(h)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置の、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの予想されるz位置からの差異を考慮することによって、目的物がプリントされる
ことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記プリント装置は、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置を決定するように構成された近接センサを備え、ステップ(c)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置が前記近接センサによって測定される
ことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
ステップ(e)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置の、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの予想されるz位置との差異が測定される
ことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ステップ(f)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置と予想されるz位置との間の差異が記録され、好ましくは保存される
ことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ステップ(g)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置を制御するために、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルのz位置の追加測定が実行される
ことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(h)でさらに、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置の、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの予想されるz位置からの記録された差異を考慮することによって、前記目的物がプリントされる
ことを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層造形加工用のプリント装置に関し、このプリント装置はその一つ以上のプリントノズルの光学的なコピーの撮像を行なう光学装置を備えて一つ以上の当該プリントノズルの自動位置較正ができる。本発明の追加の目的は、本発明に係る装置を使用して、目的物、好ましくは医薬品剤形を積層造形するために一つ以上の当該プリントノズルの自動位置較正を含む方法である。
【背景技術】
【0002】
一般的に、プリント装置のプリントテーブルにあるプリント材料のコンピュータ制御による位置決めを伴う、2Dプリントや3Dプリントなどの積層造形加工では、一般に、プリントヘッド、より正確にはその一部としてプリント材料を出力しプリントテーブルに積層する出力素子、通常はプリントノズルの位置が、少なくともx-y方向(すなわち水平面内)において、コンピュータ装置に記憶されたプリントテーブルの位置からずれてしまう、すなわち プリントシステムによって「想像される」プリントノズルの位置と実際の位置(コンピュータ装置に記憶されたこれらの位置、具体的にはx-y位置だけでなく、z位置(すなわち、プリントテーブルの上方の位置)も、以下では「予想される」位置または「理論上の」位置、すなわち、それぞれx-y位置、z位置として参照される)との間に位置ずれがある、という問題がある。この位置ずれを補正するために、プリント加工の開始前にプリントノズルの位置較正を実施する必要があり、これによってシステムは、任意の初期値について、プリント面に対するプリントノズルの、少なくともx-y位置合わせに関する、実際の位置を知らされる。いくつかのプリントヘッドがある場合、位置較正はもちろん各々のプリントノズルに対して個別に行なう必要がある。また、いくつかのプリントヘッドを有するプリント装置では、各プリントヘッド同士も互いに位置ずれしていることが多いという追加の問題もある。理想的には、各プリントヘッドのプリントノズルは、互いに所定の、好ましくは同一の間隔(CADによれば8cmの間隔)を有するべきであるが、製造公差により偏差が生じ、その結果、プリント加工中に位置ずれが生じる(例えば、実際の間隔が8.00cmではなく8.05cmになる)。そのため、ノズル開口部(以下、「ツール」とも呼ぶ)ごとの位置ずれをプリント面に対して確定する必要がある。したがって、この位置ずれは、ツールを変更したときに異なるプリントヘッドのプリントノズルまたはノズル開口部がそれぞれ常に同じ位置になるように、プリント加工中にプリント装置側で継続的に補正することになる。従来は、位置決めや位置ずれなどの上記パラメータは、手動で較正されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底にある技術的課題は、これらの較正を自動化できるシステムを提供することによって、2Dプリント加工および3Dプリント加工を簡素化することである。
【0004】
上記の技術的課題は、特許請求の範囲、本明細書および添付図面に開示された本発明の主題によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
具体的には、本発明は、積層造形加工用のプリント装置であって、
・ 各々がプリントノズルを備え、オプションとしてそれぞれ垂直方向に移動可能である、一つ以上のプリントヘッドと、
・ 水平方向に、およびオプションとして垂直方向に移動可能なプリントテーブルであってプリント面を構成するプリントベッドと、を備え、
前記プリントテーブルは、一つ以上の前記プリントノズルそれぞれの少なくとも下方からの光学的なコピーの撮像を行なうように構成された光学装置を含むプリント装置を提供する。
【0006】
好ましい実施形態では、前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルそれぞれの光学的なコピーの撮像を下方から直接に行なうように構成される。
【0007】
本発明の別の好ましい実施形態では、前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルの間接的な撮像を行なうように構成された少なくとも一つのミラーを備える。
【0008】
追加の実施形態では、前記光学装置は、さらに、一つ以上の前記プリントノズルそれぞれの側方からの光学的なコピーの撮像を行なうように構成される。この実施形態では、前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうように構成されたミラーを備えるのが好ましい。この実施形態の追加の発展型として、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうための前記ミラーは、一つ以上の前記プリントノズルの下方からの撮像の一部で一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を生成できるように構成される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、前記光学装置は、一つ以上の前記プリントノズルの下方からおよび/または側方から、例えば後者の場合には二つの側方から、好ましくは二つの対向する側方からの好ましくは互いに独立した二つ以上の、より好ましくは二つの光学的なコピーの撮像を行なうように構成される。一つ以上の前記プリントノズルの下方からの追加の、好ましくは二番目の光学的なコピーの撮像は、追加のミラーを介して、好ましくは最初のコピーの撮像を行なうための配置とは独立に、直接的または間接的に実施することができる。一つ以上の前記プリントノズルの側方からの二つの光学的なコピーの撮像を独立に行なうためには追加のミラーが設けられるのが好ましく、このミラーは、一つ以上の前記プリントノズルの光学的なコピーが、一つ以上の前記プリントノズルの撮像を行なうように構成されたミラーによる(最初の)側方からの光学的なコピーとは反対側の側方から行われるように構成されるのが好ましい。前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうためのミラーを有するプリント装置の対応する追加の発展型では、(好ましくは、一つ以上の前記プリントノズルの反対側にそれぞれ配置される)二つのミラーの場合、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうための前記ミラーは、一つ以上の前記プリントヘッドそれぞれの下方からの撮像の一部で一つ以上の前記プリントノズルの側方からの少なくとも一回の撮像、好ましくは二回の撮像が生成できるように構成され得る。
【0010】
本発明によれば、前記光学装置は、前記プリント面から離れた撮像装置に配置されることも好ましい。
【0011】
前記光学装置は、CCDカメラを備えるか、またはCCDカメラで構成されるのが好ましい。前記光学装置は、CCDカメラと、一つ以上の前記プリントノズルの間接的な撮像を行なうように構成されたミラーと、を備えるのが好ましい。追加の好ましい実施形態では、前記光学装置は、CCDカメラと、さらに、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうように構成されたミラーと、を備え、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうための前記ミラーは、一つ以上の前記プリントノズルの下方からの撮像の一部で一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像が生成できるように構成されていることがさらに好ましい。本発明の追加の実施形態において、一つ以上の前記プリントノズルの撮像を行なうためのミラーは、一つ以上の前記CCDカメラ内に配置することができて、すなわちその中に一体化することができて、一つ以上の前記プリントノズルの下方からおよび/または側方からの二つ以上の、好ましくは二つのコピーの撮像を行なうための上述の実施形態において、本発明の装置は、一つ以上の追加のCCDカメラを備えるが、オプションとして、このCCDカメラは、一つ以上の前記プリントノズルの下方からの追加のコピーの撮像を行なうための一つの(追加の)ミラー、および/または一つ以上の前記プリントノズルの側方からの一つの(追加の)光学的なコピーの撮像を行なうための一つの追加のミラーを有するように構成されており、前記追加のミラーは、前記追加のCCDカメラで一つ以上の前記プリントノズルの、側方からの最初のコピーとは反対側の側方からのコピーが取得できるように構成されるのが好ましい。前記追加のCCDカメラ(または複数の前記追加のCCDカメラ)は、必ずしも、一つ以上の前記プリントノズルの下方からの撮像を行なうように構成される必要はないことを明確に留意されたい。本発明の特定の実施形態では、第二の(または複数の追加のCCDカメラのうち少なくとも一つの)CCDカメラは、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの一つ以上の追加のコピーの撮像を単に行なうだけの役割を果たすのが好ましい。
【0012】
本発明の追加の実施形態では、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの撮像を行なうための第二の光学装置が設けられ、この第二の装置は、必ずしもプリントテーブルに配置される必要はなく、別の方法でプリント装置に組み込むこともあり得る。したがって、第二の光学装置は、プリントヘッドに、または少なくともその高さに、好ましくは、一つ以上の前記プリントノズルの側方からの一つ以上の追加の光学的なコピーが撮像されるように配置することができ、この追加の側方は、上述の第一の側方の反対側にあるのが好ましい。第二の光学装置は、(追加の)CCDカメラを備えるか、または(追加の)CCDカメラで構成されるのが好ましい。
【0013】
本発明の別の実施形態では、前記プリント装置は、一つ以上の近接センサ、好ましくは前記プリントヘッド/前記プリントノズルごとに一つの近接センサを備え、こ(れら)の近接センサは、(関係付けされた)プリントノズルが、それに関係付けられた近接センサから当該プリントノズルまで所定距離に至ると、(それぞれの)近接センサが(自らに関係付けられた)プリントノズルを検出するように、すなわち認識するように、前記プリント装置内に配置され構成される。一つ以上の近接センサは、容量性近接センサおよび誘導性近接センサから選択されるのが好ましい。容量性近接センサが特に好ましい。プリントノズルが検出されると、前記近接センサは、制御装置に電気信号を送るのが好ましい。一つ以上の前記近接センサは、一つ以上のプリントノズルがそれぞれ、(それぞれの)プリントノズルの(関係付けられた)近接センサからの予め選択された距離で検出されるように、前記プリント装置の前記プリントベッドに、または好ましくは前記プリントテーブルに配置されるのが好ましい。一つ以上の前記近接センサが前記プリント装置のプリントベッドに配置されている場合、前記プリント装置の一つ以上のプリントノズルは、少なくとも前記プリントベッドの上方の(本発明に係るz方向の)高さにおいて移動可能であり、したがって、前記プリントテーブルの(z方向の)高さにおいても移動可能である。別の実施形態では、一つ以上の前記近接センサが前記プリントテーブルに配置される代わりに、または配置されたとしても、前記プリントテーブルは、通常、z方向に移動可能である。近接センサが前記プリントノズルを検出する、それぞれの前記プリントノズルの近接センサーからの前記予め選択された距離は、典型的には0.5mmから5.0mm、好ましくは1.0mmから3.0mm、より好ましくは0.5mmまたは1.0mmまたは1.5mmまたは2.0mmまたは2.5mmまたは3.0mmである。
【0014】
追加の態様によれば、本発明は、積層造形加工用の追加のプリント装置を開示しており、当該プリント装置は、
・ 各々がプリントノズルを備え、オプションとしてそれぞれ垂直方向に移動可能である、一つ以上のプリントヘッドと、
・ 水平方向に、およびオプションとして垂直方向に移動可能なプリントテーブルであってプリント面を構成するプリントベッドと、
・ 前記プリントノズルに関係付けられて、それぞれの前記プリントノズルから所定の距離で前記プリントノズルを検出するように構成された一つ以上の近接センサと、を備える。
【0015】
一つ以上の前記近接センサそれぞれの配置および構成に関する上記の好ましい実施形態は、上記で規定された本発明の追加の前記プリント装置にも適用される。
【0016】
本明細書に開示されるプリント装置はいずれも、前記プリントテーブルを、および/または少なくとも一つ以上の前記プリントヘッドのプリントノズルそれぞれを、移動すると同時にその位置を検出するように構成されたコンピュータ制御装置を備えるのが好ましい。
【0017】
さらに、本明細書に開示されるプリント装置はいずれも、前記光学装置によって生成される一つ以上の前記プリントノズルの画像データを表示し加工するように構成された、コンピュータ画像加工装置を備えるのが好ましい。
【0018】
また、本明細書に開示された前記プリント装置はいずれも、前記コンピュータ画像加工装置の画像データと前記コンピュータ制御装置の位置データとを相互に関連付けるように構成されたコンピュータ装置を備えることが好ましい。具体的には、前記コンピュータ装置は、少なくともx-y方向(つまり水平方向の位置データ)において、好ましくはz方向(つまり垂直方向の位置データ)においても、位置データの差異を測定し、保存するように構成されている。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、本明細書に開示される前記プリント装置はいずれも、前記プリント装置を用いて、具体的には2Dプリントおよび/または3Dプリントで、実施される積層造形加工と、および/または前記プリント装置の助けを借りて製造された目的物と、を分析するための少なくとも一つの装置を備える。
【0020】
本明細書に開示される前記プリント装置は、各々、少なくとも一つの、前記プリント面に積層された材料の分光測定用の装置を有するのが好ましい。特に好ましい実施形態では、この装置は赤外分光測定用の装置であり、より好ましくはNIR(近赤外)装置である。他の実施形態では、ラマン分光装置が使用され、これによって、ラマン分光と赤外分光(より好ましくはNIR分光)の両方を同時にまたは逐次的に使用することもでき、すなわち、本発明による装置は、ラマン分光用装置と、赤外分光用装置、より好ましくはNIR分光用装置と、の両方を備えることができる。
【0021】
一般論として積層造形加工用の追加のプリント装置もまた、本発明に従って開示され、このプリント装置は、
・ 各々がプリントノズルを備え、オプションとしてそれぞれ垂直方向に移動可能である、一つ以上のプリントヘッドと、
・ 水平方向に、およびオプションとして垂直方向に移動可能なプリントテーブルであってプリント面を構成するプリントベッドと、
・ 少なくとも一つの、前記プリント面に積層された材料の分光測定用の装置と、を備える。
【0022】
前記分光測定装置の好ましい実施形態は、上記で既に概説した通りである。
【0023】
本発明の追加の実施形態では、一つ以上の前記プリントヘッドは、各々、前記プリントヘッドに流入する、および/または前記プリントヘッドを通過する、というよりはむしろ前記プリントノズルを通過する材料の流量を測定するための装置を備える。好ましい実施形態では、前記流量は、磁気誘導式流量測定装置によって測定される。本発明によれば、流量測定用の装置は、具体的には2Dプリント用に、または少なくとも2Dプリント用にも構成された本発明のプリント装置において使用されるのが好ましい。
【0024】
さらに、本発明の好ましい実施形態において、一つ以上の前記プリントヘッドは、各々、一つ以上の前記プリントノズルから出てくる小滴の数、具体的には、単位時間当たりに出てくる小滴の数を測定するための装置を備えることができる。本発明によれば、小滴計数装置は、具体的には2Dプリント用に設計された、または少なくとも2Dプリント用にも構成された本発明のプリント装置において使用されるのが好ましい。
【0025】
本発明によれば、流量および/または一つ以上の前記プリントノズルから出てくる小滴の数は、上述した光学装置、好ましくは一つ以上の前記CCDカメラと、一つ以上の前記プリントノズルの光学的なコピーの側方から、好ましくは対向する複数の側方からの撮像を行なうための一つ以上の前記ミラーと、を用いて測定することができる。二つの光学装置というよりはむしろ二つのCCDカメラを使用する場合、一つ以上の前記プリントノズルおよび/またはそれ(ら)から出てくる、具体的には滴または小滴の形態で出てくる材料の三次元のコピーも生成された画像から得ることができるのも好ましい。
【0026】
追加の実施形態において、本明細書に開示される前記プリント装置はいずれも、一つ以上の前記プリントノズルから出てくる材料および/または前記プリント面に積層された材料の熱画像の撮像を行なうための装置、好ましくは赤外線カメラを備える。
【0027】
また、本明細書に開示される前記プリント装置はいずれも、一つ以上の前記プリントヘッドが磁気誘導質量撮像(induktiven Massenaufnahme)素子を備えるように構成し得る。
【0028】
追加の好ましい実施形態では、前記プリントテーブルは、計量装置を備える。
【0029】
本明細書に開示される前記プリント装置はいずれも、上記の加工分析装置を用いて収集された加工データを記録し処理し監視するために好ましいコンピュータ支援装置を備えるのが好ましい。好ましいコンピュータ加工監視装置として本明細書で前述した前記装置は、データ交換手段および/またはデータ送信手段および/またはデータ受信手段を介して、前述したコンピュータ支援制御装置、画像加工装置および計算機支援装置に接続されていて、一つ以上の加工監視装置を介して得られた複数の加工パラメータを統合できることが、より好ましい。
【0030】
本発明の追加の態様は、本発明による装置を使用する、目的物、好ましくは医薬剤形の積層造形方法であって、前記積層造形方法は、
(a)プリントノズルの理論上の(すなわち予想される)位置のx-y位置がプリントテーブルの基準点のx-y位置に一致し、光学装置による前記プリントノズルの撮像を少なくとも下方から行なうことができるように、前記プリントテーブルのx-y位置を位置決めするステップと、
(b)前記プリントノズルの撮像を行なうステップと、
(c)前記撮像を用いて前記プリントノズルの実際のx-y位置を決定するステップと、
(d)前記プリントテーブルの基準点が、前記基準点の上方での前記プリントノズルの実際のx-y位置になるように、前記プリントテーブルのx-y平面内の位置決めをするステップと、
(e)前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの実際のx-y位置の、前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの理論上の、というよりはむしろ予想されるx-y位置からの差異を測定するステップと、
(f)前記差異を記録する、好ましくは保存するステップと、
(g)前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際の位置を位置制御するために、さらに前記光学装置によって前記プリントノズルの追加撮像を行なうステップと、
(h)前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの実際のx-y位置の、前記プリントテーブルの基準点の上方での前記プリントノズルの予想されるx-y位置からの測定された、というよりはむしろ記録された差異を考慮して、前記目的物をプリントするステップと、を含む。
【0031】
本発明による前記方法の追加の発展型では、ステップ(b)において、本発明による前記光学装置は、好ましくは本発明に係る前記プリント装置に関して上述したミラー光学を使用することによって、さらに前記プリントノズルの側方からの撮像を行なう。ステップ(c)において、側方から撮像された画像によって、前記プリントノズルの側方からの撮像に基づいて、前記プリントシステムによって予想される高さ(理論上のz値)と比べて、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際の高さ(図1による軸系におけるzの実際の値)を決定することができる。これに対応して、次のステップ(ステップ(e))において、前記プリントテーブル上方での前記プリントノズルの実際の高さ(実際のz値)と理論上の高さ(理論上のz値)との間の差異が測定され、すなわち決定される。次に、上記方法のステップ(f)において、実際の高さ(実際のz値)と、予想される高さ、典型的には前記システムによって予想される(理論上の)高さ(理論上の/予想されるz値)との間の差異が保存される。前記光学装置を用いて前記プリントノズルの側方からの追加撮像を行なうことによって、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの高さ(z値)に関する位置制御も、上述した前記プリント方法の追加の発展型におけるステップ(g)で行われる。最後に、ステップ(h)において、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置の、前記プリントテーブルの上方でのプリントノズルの理論上のz位置からの(測定された、というよりはむしろ記録された)差異をさらに考慮して、前記目的物がプリントされる。
【0032】
上述して規定した較正方法の別の実施形態では、前記プリントテーブルの上方での一つ以上の前記プリントノズルの高さ(z位置)に関する位置較正は、上述して説明した一つ以上の前記近接センサ、好ましくはプリントノズル/プリントヘッドごとに一つの近接センサを使用して実行される。前記プリントテーブルの上方での一つ以上の前記プリントノズルの高さ(つまり、z方向、図1を参照)は、上述して規定した一つ以上の前記近接センサー、好ましくはプリントノズルというよりはむしろプリントヘッドごとに一つの近接センサーを使用してこの高さを検出することによって決定される。一実施形態では、一つ以上の前記プリントヘッドは垂直方向に移動可能であり、前記近接センサは、選択された検出距離まで一つ以上の前記プリントヘッドを動かす必要がないように前記プリントベッドに配置されることが好ましい。別の実施形態では、一つ以上の前記プリントヘッドの代わりに(またはそれに加えて)、一つ以上の前記近接センサを前記プリントベッドに配置して、それ(それら)を対応する一つ以上の前記プリントノズルの検出距離まで移動させるために、少なくともz方向、すなわち垂直方向に移動可能に配置することができる。いずれの場合でも、前記プリントベッド(より正確にはその表面)の上方での一つ以上の前記近接センサーの高さは既知であって、制御システム、好ましくはコンピュータ装置の対応する記憶媒体に保存されるのが好ましい。
【0033】
この実施形態では、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際の高さ (図 1 による軸系の実際のz 値) は、予想される、典型的には前記プリントシステムによって予想される高さ(理論上のz値)と比べて、それぞれの前記プリントヘッド、および/または前記プリントノズル/前記プリントヘッドに関係付けられた前記近接センサーをその検出距離だけ移動させることによって決定される。したがって、次のステップ、好ましくはステップ(e)において、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際の高さ(実際のz値)と理論上の高さ(理論上のz値)との間の差異が測定される、すなわち決定される。次に、次のステップ、好ましくは上記の方法のステップ (f) で、実際の高さ (実際のz値) と前記システムによって予想される (理論上の) 高さ (理論上のz値/予想されるz値)との間の差異が記録、好ましくは保存される。それぞれの前記プリントヘッド、および/または前記プリントノズル/前記プリントヘッドに関係付けられた前記近接センサーをその検出距離にさらに移動させることによって、前記プリントテーブルの上方での高さ (z値) に関する前記プリントノズルの位置制御も、上述した前記プリント方法の追加の発展型のステップ(g)で行われる。最後に、ステップ(h)において、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際のz位置と、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの理論上のz位置との間の差異をさらに考慮して、前記目的物がプリントされる。
【0034】
追加の態様では、本発明は、上記で規定した追加のプリント装置を使用して、目的物、好ましくは医薬剤形を積層造形するための追加の方法を提供し、前記方法は、
(A)一つ以上の近接センサ、オプションとして各々が一つのプリントノズルに関係付けられている一つ以上の近接センサを使用して、プリントテーブルの上方での一つ以上の前記プリントノズルの実際のz位置を決定するステップと、
(B)前記プリントテーブルの上方での一つ以上の前記プリントノズルの実際のz位置の、前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの理論上の(すなわち予想される)z位置からの差異を測定するステップと、
(C)前記差異を記録し、好ましくは保存するステップと、
(D)前記プリントテーブルの上方での前記プリントノズルの実際の位置を位置制御するために、一つ以上の前記近接センサ、オプションとして各々が一つのプリントノズルに関係付けられている一つ以上の前記近接センサを使用して、前記プリントテーブルの上方での一つ以上の前記プリントノズルの実際のz位置を再び決定するステップと、
(E)前記プリントテーブルの上方での一つ以上の前記プリントノズルの実際のz位置の、前記プリントテーブルの上方での一つ以上の前記プリントノズルの理論上の、というよりはむしろ予想されるz位置からの測定された差異を考慮して目的物をプリントするステップと、を含む。
【0035】
この追加の積層造形加工の特定の実施形態では、ステップ(D)をオプションのステップとして提供し得る。
【0036】
前記プリントテーブルの上方での一つ以上の前記プリントノズルの実際のz位置は、第一の積層造形加工に関して上述したように決定し得る。
【0037】
本発明に係る積層造形加工の一実施形態では、前記プリントテーブルに配置された三つ以上の近接センサ、好ましくは三つまたは四つまたは五つの近接センサを使用し、それに対応して三つ以上のプリントヘッド/プリントノズル、好ましくは三つまたは四つまたは五つのプリントヘッド/プリントノズルを使用し、前記プリントノズルのそれぞれのz位置を決定することによって、前記プリントテーブルが、前記プリントヘッド/前記プリントノズルに対して、水平方向に高さが揃った面、具体的には水平な面を形成しているかどうかを決定することも可能である。これは、例えば、FFMというよりはむしろFDMプリント加工の場合に、作成すべき目的物の水平方向に規則正しいプリント、具体的にはプリントされる材料の高さが揃った層構造を保証するために使用されることが好ましい。
【0038】
一般的にもそうだが、本発明に従えば、本発明に係る前記方法は、計算機支援というよりはむしろコンピュータ支援で実施されるのが好ましく、特に、すでに上述したコンピュータ支援制御装置および/または画像加工装置および/または計算機支援装置を使用して実施されるのが好ましい。
【0039】
また、本発明に係る方法は、それぞれの製造加工を分析するために上述の各装置のうち一つ以上を使用して実行されるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明は、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。
図1】プリント装置の一般的な構造の概略図を示している。このプリント装置は、図の例では二つのプリントヘッド(ツール)1および2と、プリント面3および領域4を有するプリントテーブルと、を備え、領域4には、本発明によれば、プリントヘッドの撮像を(個別に、または他の実施形態では一緒に)行なうための光学装置が収容される(本明細書ではサービスベイと呼ぶ)。 また、空間軸である x軸、y軸、z軸5 を有する配位構造の絶対原点も示してある。プリントテーブルは、対応する電気機械装置を用いて少なくともx軸およびy軸(すなわち水平方向)に移動可能であるが、オプションとして特定の実施形態ではプリントベッドと一緒に垂直方向(すなわちz軸)にも移動可能であり得る。他の実施形態では、一つ以上のプリントヘッドは垂直に移動可能であり得る。
図2】本発明で使用する光学装置の概略図を示している。この光学装置は、カメラ6好ましくはCCDカメラと、第一のミラーXY(ミラー7)と、第二のミラーZ(ミラー8)と、を備え、当該のカメラは、ミラーXY越しにXY平面すなわち通常は水平方向における、本発明に係るプリント装置のプリントヘッドの位置というよりはむしろプリントヘッドのプリントノズルの位置を検出することができ、ミラーZ越しにZ方向すなわち通常は垂直方向における、本発明に係るプリント装置のプリントヘッドの位置というよりはむしろプリントヘッドのプリントノズルの位置を検出することができて、第一のミラーおよび第二のミラーは、プリントヘッドというよりはむしろプリントノズルの垂直方向の位置が、プリントヘッドというよりはむしろプリントノズルの水平面内の位置の画像の抽出として提供されるように配置される。
図3A】光学装置を有する、本発明に係るプリント装置のプリントノズルの典型的な写真画像を示す図である。この図は、水平面(X?Y平面)におけるプリントノズルの校正前の位置を示しており、プリントノズルはまだ正確に位置合わせされていない(プリントノズルの開口部は、ここでは説明の目的でのみ使用される十字線の交点の周りに同心円状に配置されていない)。
図3B】光学装置を有する、本発明に係るプリント装置のプリントノズルの典型的な写真画像を示す図である。この図は、水平面(X?Y平面)におけるプリントノズルの校正後の位置を示しており、プリントノズルは正確に位置合わせされている(プリントノズルの開口部は、ここでは説明の目的でのみ使用される十字線の交点の周りに同心円状に配置されている)。
図4】本発明に係るプリント装置のプリントノズルの画像の典型的な画像であり、図1に概略的に示した本発明の光学装置から得られる。プリントノズルのX?Y方向の画像は(ミラーXYを介して)図4Aで見ることができ、プリントノズルのZ方向の(ミラーZを介した)画像は図4Bで見ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
具体的には、本発明は以下の実施形態を提供する。
【0042】
<実施形態1>
積層造形加工用のプリント装置は、
・ 各々がプリントノズルを備え、オプションとしてそれぞれ垂直方向に移動可能である、一つ以上のプリントヘッドと、
・ 水平方向に、およびオプションとして垂直方向に移動可能なプリントテーブルであってプリント面を構成するプリントベッドと、を備え、
プリントテーブルは、一つ以上のプリントノズルそれぞれの少なくとも下方からの光学的なコピーの撮像を行なうように構成された光学装置を含む。
【0043】
<実施形態2>
実施形態1に記載のプリント装置において、 光学装置は、一つ以上のプリントノズルを下方から直接に撮像する。
【0044】
<実施形態3>
実施形態1に記載のプリント装置において、光学装置は、一つ以上のプリントノズルの間接的な撮像を行なうように構成された少なくとも一つのミラーを備える。
【0045】
<実施形態4>
実施形態1乃至3のいずれか一つに記載のプリント装置において、光学装置は、一つ以上のプリントノズルそれぞれの側方からの撮像を行なうようにさらに構成される。
【0046】
<実施形態5>
実施形態4に記載のプリント装置において、光学装置は、一つ以上のプリントノズルそれぞれの撮像を二つの側方、好ましくは反対側から行なうように構成される。
【0047】
<実施形態6>
実施形態4に記載のプリント装置において、光学装置は、一つ以上のプリントノズルの側方からの撮像を行なうように構成されたミラーを備える。
【0048】
<第7実施形態>
実施形態5に記載のプリント装置において、光学装置は、一つ以上のプリントノズルの撮像を二つの側方、好ましくは反対側から行なうように構成された二つのミラーを備える。
【0049】
<第8実施形態>
実施形態6または7に記載のプリント装置において、一つ以上のプリントノズルの側方からの撮像を行なうための一つ以上のミラーは、一つ以上のプリント ヘッドそれぞれの下方からの撮像の一部で、一つ以上のプリントノズルの側方からの少なくとも一つの、好ましくは二つの撮像ができるように構成される。
【0050】
<第9実施形態>
実施形態1乃至8のいずれか一つに記載のプリント装置において、光学装置は、プリント面から離れた撮像装置に配置される。
【0051】
<第10実施形態>
実施形態1乃至9のいずれか一つに記載のプリント装置において、光学装置は一つ以上のCCDカメラを含む。
【0052】
<第11実施形態>
実施形態1乃至10のいずれか一つに記載のプリント装置は、一つ以上の近接センサ、好ましくはプリントヘッド/プリントノズルごとに一つの近接センサを備え、こ(れら)の近接センサは、関係付けされたプリントノズルがそれに対応する近接センサから所定距離に至ると、自らに関係付けられたプリントノズルを検出するように、プリント装置内に配置され構成される。
【0053】
<第12実施形態>
実施形態11に記載のプリント装置において、一つ以上の近接センサは、誘導性近接センサおよび容量性近接センサ、好ましくは容量性近接センサから選択される。
【0054】
<第13実施形態>
実施形態1乃至12のいずれか一つに記載のプリント装置は、プリントテーブル、および/または少なくとも一つ以上のプリントヘッドのプリントノズルそれぞれの位置を移動および検出するように構成されたコンピュータ制御装置を備える。
【0055】
<第14実施形態>
実施形態1乃至13のいずれか一つに記載のプリント装置は、光学装置によって生成される、一つ以上のプリントノズルの画像データを表示し加工するように構成されたコンピュータ画像加工装置を備える。
【0056】
<第15実施形態>
実施形態13および14に記載のプリント装置において、プリント装置は、当該コンピュータ画像加工装置の画像データと当該コンピュータ制御装置の位置データとを相互に関連付けるように構成されたコンピュータ装置を備える。
【0057】
<第16実施形態>
実施形態1乃至15のいずれか一つに記載のプリント装置は、プリント面に積層された材料を分光測定するための装置を備える。
【0058】
<第17実施形態>
実施形態1乃至16のいずれか一つに記載のプリント装置において、一つ以上のプリントヘッドは、プリントヘッドに流入する、および/またはプリントヘッドを通過する材料の流量を測定するための装置を備える。
【0059】
<第18実施形態>
実施形態1乃至17のいずれか一つに記載のプリント装置において、一つ以上のプリントヘッドは、一つ以上のプリントノズルから出てくる小滴の数、好ましくは単位時間当たりに出てくる小滴の数を測定するための装置を備える。
【0060】
<第19実施形態>
実施形態1乃至18のいずれか一つに記載のプリント装置は、一つ以上のプリントノズルから出てくる材料および/またはプリント表面に積層された材料の熱画像の撮像を行なうための装置を備える。
【0061】
<第20実施形態>
実施形態1乃至19のいずれか一つに記載のプリント装置において、一つ以上のプリントヘッドは磁気誘導質量撮像素子を備える。
【0062】
<第21実施形態>
実施形態1乃至20のいずれか一つに記載のプリント装置において、プリントテーブルは計量装置を備える。
【0063】
<第22実施形態>
実施形態1乃至21のいずれか一つに記載の装置を使用する、目的物、好ましくは医薬剤形の積層造形方法は、
(a)プリントノズルの予想される理論上の位置のx?y位置がプリントテーブルの基準点のx?y位置に一致し、光学装置によるプリントノズルの撮像を少なくとも下方から行なうことができるように、プリントテーブルのx?y位置を位置決めするステップと、
(b)プリントノズルの撮像を行なうステップと、
(c)撮像を用いてプリントノズルの実際のx?y位置を決定するステップと、
(d)プリントテーブルの基準点が、当該基準点の上方でのプリントノズルの実際のx?y位置になるように、プリントテーブルのx?y平面内の位置決めをするステップと、
(e)プリントテーブルの基準点の上方でのプリントノズルの実際のx?y位置の、プリントテーブルの基準点の上方でのプリントノズルの予想されるx?y位置からの差異を測定するステップと、
(f)当該差異を記録する、好ましくは保存するステップと、
(g)プリントテーブルの基準点の上方でのプリントノズルの実際のx?y位置を制御するために、光学装置によってプリントノズルの追加撮像を行なうステップと、
(h)プリントテーブルの基準点の上方でのプリントノズルの実際のx?y位置の、プリントテーブルの基準点の上方でのプリントノズルの予想されるx?y位置からの記録された差異を考慮して目的物をプリントするステップと、を含む。
【0064】
<第23実施形態>
実施形態22に記載の方法において、ステップ(b)でさらに、プリントノズルの側方からの撮像を行なうように構成された光学装置は、プリントノズルの側方からの撮像を行なう。
【0065】
<第24実施形態>
実施形態23に記載の方法において、ステップ(c)でさらに、プリントノズルの側方からの画像に基づいて、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置が決定される。
【0066】
<第25実施形態>
実施形態24に記載の方法において、ステップ(e)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置の、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの予想されるz位置からの差異が測定される。
【0067】
<第26実施形態>
実施形態25に記載の方法において、ステップ(f)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置と予想されるz位置との差異が記録され、好ましくは保存される。
【0068】
<第27実施形態>
実施形態26に記載の方法において、ステップ(g)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置を制御するために、光学装置によってプリントノズルの側方からの追加撮像を行なう。
【0069】
<第28実施形態>
実施形態27に記載の方法において、ステップ(h)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置の、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの予想されるz位置からの記録された差異を考慮することによって、目的物がプリントされる。
【0070】
<第29実施形態>
実施形態22に記載の方法において、プリント装置は、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置を決定するように構成された近接センサを備え、ステップ(c)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置が近接センサによって測定される。
【0071】
<第30実施形態>
実施形態29に記載の方法において、ステップ(e)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置の、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの予想されるz位置との差異が測定される。
【0072】
<第31実施形態>
実施形態30に記載の方法において、ステップ(f)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置と予想されるz位置との間の差異が記録され、好ましくは保存される。
【0073】
<第32実施形態>
実施形態31に記載の方法において、ステップ(g)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置を制御するために、プリントテーブルの上方でのプリントノズルのz位置の追加測定が実行される。
【0074】
<第33実施形態>
実施形態32に記載の方法において、ステップ(h)でさらに、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの実際のz位置の、プリントテーブルの上方でのプリントノズルの予想されるz位置からの記録された差異を考慮することによって、目的物がプリントされる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
【国際調査報告】