(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】人工心臓弁を移植するための送達装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20241108BHJP
A61F 2/966 20130101ALI20241108BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/966
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531125
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 US2022050710
(87)【国際公開番号】W WO2023096897
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エラザール・リーヴァイ・シュワルツ
(72)【発明者】
【氏名】オフィル・ヴィッツマン
(72)【発明者】
【氏名】エイタン・アティアス
(72)【発明者】
【氏名】ナタネル・シンハ・シロテ
(72)【発明者】
【氏名】ノーム・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】アビラン・ピトゥシ
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC05
4C097DD10
4C097SB03
4C097SB10
4C267AA05
4C267AA56
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB10
4C267BB19
4C267BB51
4C267BB62
4C267CC19
4C267EE03
4C267GG24
(57)【要約】
人工心臓弁のための送達装置は、ハンドルと、一つ以上のアクチュエータドライバと、ハンドル内に配置され、アクチュエータドライバをハンドルに対して回転させるように結合されたギアボックスと、を含む。ギアボックスは、二つの組のアクチュエータドライバを反対方向に回転させるように操作され得る逆回転ギア列を含み得る。アクチュエータドライバのうちの一つ以上は、アクチュエータドライバの過負荷を防止する、関連するトルクリミッタを有し得る。ギアボックスは、ハンドル内に旋回可能に装着され得る。ギアボックスは、ギアボックスの所定の方向への旋回を制限するために、ハンドル内の停止部材に係合するように構成され得る。ハンドルは、作動ドライバを回転させる間に、人工心臓弁に加えられるトルクを測定するように位置決めされるセンサを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工心臓弁のための送達装置であって、
長手方向軸および前記長手方向軸に沿って延在する空洞を有する、ハンドルと、
第一のアクチュエータドライバおよび第二のアクチュエータドライバを備える一組のアクチュエータドライバであって、前記第一のアクチュエータドライバおよび前記第二のアクチュエータドライバが各々、前記空洞内に配置された近位端部分、および前記空洞から外に延在する遠位端部分を有する、一組のアクチュエータドライバと、
前記第一の作動ドライバおよび前記第二のアクチュエータドライバの前記近位端部分に結合され、前記第一の作動ドライバおよび第二のアクチュエータドライバを反対方向に同時に回転させるように構成される、ギア列と、を備える、送達装置。
【請求項2】
前記ギア列は、入力ギアを備え、
前記空洞内に配置され、前記入力ギアに結合される、入力シャフトと、
前記ハンドルの近位端に配置され、前記入力シャフトに結合される、回転可能なノブと、をさらに備える、請求項1に記載の送達装置。
【請求項3】
前記ギア列は、
前記入力ギアと係合し、それによって駆動される、伝動ギアと、
前記伝動ギアに回転可能に結合される、第一の駆動ギアと、
前記第一の駆動ギアと係合し、それによって駆動される、第二の駆動ギアと、
前記第一の駆動ギアと係合し、それによって駆動される第一の出力ギアであって、前記第一のアクチュエータドライバは、前記第一の出力ギアに結合される、第一の出力ギアと、
前記第二の駆動ギアと係合し、それによって駆動される第二の出力ギアであって、前記第二のアクチュエータドライバは、前記第二の出力ギアに結合される、第二の出力ギアと、をさらに備える、請求項2に記載の送達装置。
【請求項4】
前記第一のアクチュエータドライバは、複数の第一のアクチュエータドライバのうちの一つであり、前記第二のアクチュエータドライバは、複数の第二のアクチュエータドライバのうちの一つであり、前記ギア列は、前記複数の第一のアクチュエータドライバを、第一の方向に、前記複数の第二のアクチュエータドライバを、前記第一の方向と反対の第二の方向に同時に回転させるように構成される、請求項1~2のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項5】
前記ギア列は、前記複数の第一のアクチュエータドライバに結合され、前記複数の第一のアクチュエータドライバを、前記第一の方向に回転させるように構成される、第一の駆動ギアと、前記複数の第二のアクチュエータドライバに結合され、前記複数の第二のアクチュエータドライバを、前記第二の方向に回転させるように構成される、第二の駆動ギアと、を備える、請求項4に記載の送達装置。
【請求項6】
前記ギア列は、
前記第一の駆動ギアと係合する、複数の第一の出力ギアと、
前記第二の駆動ギアと係合する、複数の第二の出力ギアと、をさらに備え、
前記第一の出力ギアの各々は、前記第一のアクチュエータドライバのうちの一つの前記近位端部分に結合され、
前記第二の出力ギアの各々は、前記第二のアクチュエータドライバのうちの一つの前記近位端部分に結合される、請求項5に記載の送達装置。
【請求項7】
前記ハンドルに結合されたシャフト組立品をさらに備え、前記シャフト組立品が、第一の内腔を有する第一の送達シャフトと、複数の内腔を有する第二の送達シャフトと、を備え、前記第二の送達シャフトが、前記第一の内腔を通って延在し、前記第一および第二のアクチュエータドライバは、前記第二の送達シャフトの前記複数の内腔を通って延在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項8】
前記空洞内に装着され、前記長手方向軸の周りを旋回可能なギアボックスをさらに備え、前記ギアボックスは、前記ギア列の一つ以上の構成要素を収容する、請求項1~7のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項9】
前記ハンドルに結合され、前記ギアボックスが所定の方向に旋回される場合、前記長手方向軸の周りの前記ギアボックスの旋回を制限するように位置決めされた停止部材をさらに備える、請求項8に記載の送達装置。
【請求項10】
前記停止部材は、ロードセルを備え、前記ギアボックスは、前記ギアボックスが前記所定の方向に旋回される場合、負荷を前記ロードセルに加えるように構成される、突出部材を備える、請求項9に記載の送達装置。
【請求項11】
人工心臓弁のための送達装置であって、
第一の軸の周りを回転可能なドライバ部材と、
前記第一の軸の周りを回転可能な出力シャフトと、
前記出力シャフトに回転可能に結合され、ロック解除状態とロック状態との間で移動するように構成される、係合部材と、を備え、
前記ドライバ部材は、前記第一の軸の周りを回転する場合、前記係合部材にトルクを発生させるように構成され、前記係合部材の前記トルクは、前記係合部材の前記トルクが所定の閾値量を超える場合、前記係合部材を前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動させるように構成され、前記係合部材は、前記ロック状態にある場合、前記出力シャフトが前記第一の軸の周りを回転することを防止する、送達装置。
【請求項12】
前記係合部材は、前記第一の軸に沿って、前記トルクに応答して、前記ドライバ部材に対して軸方向に変位可能であり、前記係合部材は、第一の端部に一組の係合歯を備え、前記ドライバ部材は、前記一組の係合歯と対向関係にある一組のドライバ歯を備える、請求項11に記載の送達装置。
【請求項13】
前記一組の係合歯を、前記ロック解除状態の前記一組のドライバ歯に対して付勢する付勢力を、前記係合部材に加えるように配設された付勢部材をさらに備える、請求項12に記載の送達装置。
【請求項14】
前記一組の係合歯の各歯は、第一の歯尖で接合された第一の軸方向歯面および第一の傾斜歯面を備え、
前記一組のドライバ歯の各歯は、第二の歯尖で接合された第二の軸方向歯面および第二の傾斜歯面を備え、
前記一組の係合歯の前記第一の傾斜歯面は、前記係合部材の軸方向変位中に、前記一組の係合歯の前記第二の傾斜歯面に沿って摺動する、請求項13に記載の送達装置。
【請求項15】
前記一組の係合歯の各歯は、第一の歯尖で接合された第一の傾斜歯面および第二の傾斜歯面を備え、
前記一組のドライバ歯の各歯は、第二の歯尖で接合された第三の傾斜歯面および第四の傾斜歯面を備え、
前記第一および第二の傾斜歯面は、前記第一の軸に沿った前記係合部材の軸方向変位中に、前記第一の軸の周りの第一の回転方向または前記第一の軸の周りの第二の回転方向に、前記第三および第四の傾斜歯面の上を摺動する、請求項13に記載の送達装置。
【請求項16】
前記第一の軸に対して回転方向に固定された基部部材をさらに備え、前記係合部材は、前記係合部材の前記トルクが前記所定の閾値量を超える場合、前記基部部材に係合するために、前記第一の軸に沿って軸方向に変位可能である、請求項13~15のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項17】
前記係合部材は、前記第一の端部から離隔される第二の端部に第一の組の係止歯を備え、
前記基部部材は、前記第一の組の係止歯と対向関係にある第二の組の係止歯を備え、前記第二の組の係止歯が、前記ロック状態の前記第一の組の係止歯と係合するように構成される、請求項16に記載の送達装置。
【請求項18】
前記出力シャフトは、前記基部部材の中央開口部を通って延在し、前記付勢部材は、前記出力シャフトの周りに、前記係合部材と前記基部部材との間に配置されるばねを備える、請求項16~17のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項19】
方法であって、
人工心臓弁を、トルクを係合部材に発生させるように構成される、ドライバ部材に結合することであって、前記係合部材は、ギアボックスの出力シャフトに結合され、ロック状態およびロック解除状態を有する、結合すること、
前記人工心臓弁を作動直径に半径方向に拡張するために、前記出力シャフトを第一の方向に回転させること、
前記係合部材の、前記係合部材の前記ロック解除状態における前記ドライバ部材との係合により、前記出力シャフトの回転を、前記ドライバ部材に伝達すること、および
前記係合部材の前記トルクが所定の閾値量を超える場合、前記係合部材を前記ロック解除状態から前記ロック状態に移動させること、を含む、方法。
【請求項20】
前記出力シャフトを回転させることは、前記ギアボックスに結合されたノブを回転させることを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2022年10月28日出願の米国仮特許出願第63/420,166号、および2021年11月23日出願の第63/282,463号に対する優先権を主張するものであり、それらの両方は、参照により、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、人工心臓弁などの人工装置に関し、さらに、人工心臓弁を移植するための送達装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓は、様々な弁膜症に罹患する可能性がある。これらの心臓弁膜症は、心臓の深刻な機能不全を引き起こし得、最終的には、自然弁を修復し、または自然弁を人工弁に置換することが必要となり得る。複数の既知の修復装置(例えば、ステント)および人工弁、ならびにこれらの装置および弁をヒト内に移植するための複数の既知の方法が存在する。経皮的なおよび低侵襲的な外科的アプローチは、様々な処置で使用され得、人工医療機器を、手術では容易にアクセスできない、または手術なしでアクセスすることが望ましい体内の位置に送達する。
【0004】
一つの具体例では、人工心臓弁は、送達装置の遠位端部上に捲縮状態で装着され得、患者の血管系を通って(例えば、大腿動脈および大動脈を通って)前進させ得、人工心臓弁を心臓内の移植部位に到達させる。その後、人工心臓弁は、例えば、人工弁が上面上に装着されるバルーンを膨張させ、拡張力を人工心臓弁に対して印加する機械的アクチュエータを作動させることにより、または人工心臓弁がその機能的サイズへと自己拡張され得るように、人工心臓弁を送達装置のシースから展開することにより、その機能的サイズへ拡張される。
【0005】
拡張のために機械的アクチュエータに依存する人工心臓弁は、「機械的に拡張可能な」人工心臓弁と称され得る。機械的に拡張可能な人工心臓弁は、自己拡張可能なおよびバルーン拡張可能な人工心臓弁と比較して、一つ以上の利点を提供し得る。例えば、機械的に拡張可能な人工心臓弁は、様々な直径に拡張され得る。機械的に拡張可能な人工心臓弁はまた、初期拡張後に(例えば、再位置決めおよび/または回収のために)、圧縮され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人工心臓弁を移植するための送達装置および方法が、本明細書に記載される。開示された送達装置および方法は、例えば、人工心臓弁を移植する上での障害および/またはそのために必要な時間を低減し得る。開示された送達装置は、比較的単純かつ使用が簡単であり、人工心臓弁が安全かつしっかりと移植されることを確実にするのに役立ち得る、様々な保護手段を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
人工心臓弁のための送達装置は、ハンドルおよびハンドルに結合されたシャフト組立品を含み得る。送達装置は、人工心臓弁をシャフト組立品に取り外し可能に結合し、人工心臓弁を半径方向に拡張および/または圧縮するために使用され得る、一つ以上の作動組立品をさらに含み得る。
【0008】
一部の実施例では、人工心臓弁のための送達装置は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端まで延在する空洞を有するハンドルと、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在する遠位端部分を有する、第一のアクチュエータドライバと、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在する遠位端部分を有する、第二のアクチュエータドライバと、空洞内に配置され、第一および第二のアクチュエータドライバの近位端部分に結合され、第一および第二のアクチュエータドライバを反対方向に同時に回転させるように構成される、ギア列と、を含むものとして要約され得る。
【0009】
一部の実施例では、人工心臓弁のための送達装置は、長手方向軸および長手方向軸に沿って延在する空洞を有するハンドルと、一組の第一のアクチュエータドライバであって、各第一のアクチュエータドライバが、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在する遠位端部分を有する、一組の第一のアクチュエータドライバと、一組の第二のアクチュエータドライバであって、各第二のアクチュエータドライバが、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在する遠位端部分を有する、一組の第二のアクチュエータドライバと、第一の作動ドライバに結合され、第一のアクチュエータドライバを、第一の方向に回転させるように構成される、第一の駆動ギアと、第二のアクチュエータドライバに結合され、第二のアクチュエータドライバを、第一の方向と反対の第二の方向に回転させるように構成される、第二の駆動ギアと、を含むものとして要約され得る。
【0010】
一部の実施例では、人工心臓弁は、流入端、流出端、および流入端から流出端まで延在する長手方向軸を有し、半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で移動可能である、フレームと、第一の位置でフレームに結合された第一のアクチュエータと、フレームの周囲に沿って第一の位置から離隔される第二の位置でフレームに結合された第二のアクチュエータと、を含むものとして要約され得る。第一のアクチュエータを、第一の回転方向に回転させ、第二のアクチュエータを、第一の回転方向と反対の第二の回転方向に回転させると、フレームは、半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で移動する。
【0011】
一部の実施例では、送達組立品は、流入端、流出端、および流入端から流出端まで延在する長手方向軸を有し、半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で移動可能である、フレームと、第一の位置でフレームに結合された第一のアクチュエータと、フレームの周囲に沿って第一の位置から離隔される第二の位置でフレームに結合された第二のアクチュエータと、を備える人工心臓弁を含むものとして要約され得る。送達組立品は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端まで延在する空洞を有するハンドルと、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在し、第一のアクチュエータに取り外し可能に結合された遠位端部分を有する、第一のアクチュエータドライバと、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在し、第二のアクチュエータに取り外し可能に結合された遠位端部分を有する、第二のアクチュエータドライバと、空洞内に配置され、第一および第二のアクチュエータドライバの近位端部分に結合され、第一および第二のアクチュエータドライバを反対方向に同時に回転させるように構成される、ギア列と、を備える。
【0012】
一部の実施例では、人工心臓弁のための送達装置は、空洞を有するハンドルと、空洞内に配置され、少なくとも一つの出力シャフトおよびそれに結合されたギアを備える、ギアボックスと、所定のトルク制限範囲を有するアクチュエータドライバと、少なくとも一つの出力シャフトをアクチュエータドライバに結合する回転可能な組立品であって、少なくとも一つの出力シャフトおよびアクチュエータドライバが長手方向軸の周りを一緒に回転する、第一の回転状態、および少なくとも一つの出力シャフトおよびアクチュエータドライバが長手方向軸の周りを一緒に回転しない、第二の回転状態を有する、回転可能な組立品と、を含むものとして要約され得る。第一の回転位置は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲を下回る時期に対応し、第二の回転位置は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲内にある時期に対応する。
【0013】
一部の実施例では、人工心臓弁のための送達装置は、空洞を有するハンドルと、空洞内に配置され、複数の出力シャフトおよびそれに結合された複数の出力ギアを備える、ギアボックスと、複数のアクチュエータドライバであって、各アクチュエータドライバが、所定のトルク制限範囲を有する、複数のアクチュエータドライバと、複数の回転可能な組立品であって、各回転可能な組立品が、第一の端部で出力シャフトのうちの一つに結合され、第二の端部でアクチュエータドライバのうちの一つに結合される、複数の回転可能な組立品と、を含むものとして要約され得る。各回転可能な組立品は、第一の回転可能な本体と、第二の回転可能な本体と、第一の回転可能な本体を第二の回転可能な本体に結合する回転付勢部材と、を備える。回転付勢部材は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲を下回る場合、第一の回転可能な本体および第二の回転可能な本体を、第一の回転可能な本体および第二の回転可能な本体が長手方向軸の周りを一緒に回転する位置に付勢する。回転付勢部材は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲内にある場合、長手方向軸の周りの、第一の回転可能な本体と第二の回転可能な本体との間の相対的回転を可能にする。
【0014】
一部の実施例では、人工心臓弁のための送達装置は、長手方向軸を有するハンドル本体と、ハンドル本体内に装着され、長手方向軸の周りに旋回可能なギアボックスと、ハンドル本体に結合され、ギアボックスが所定の方向に旋回される場合、長手方向軸の周りのギアボックスの旋回を制限するように位置決めされる、停止部材と、を含むものとして要約され得る。
【0015】
一部の実施例では、人工心臓弁のための送達装置は、長手方向軸を有するハンドル本体と、ハンドル本体に結合され、長手方向軸を中心とする円形経路に対して接線方向に位置決めされる第一の軸方向軸を有する、ロードセルと、長手方向軸の周りに旋回可能に装着され、円形経路に対して接線方向に位置決めされる第一の軸方向軸を備えた突出部材を有する、ギアボックスと、を含むものとして要約され得、突出部材は、ギアボックスが、人工心臓弁を拡張するために、ギアボックスの動作に対応する所定の方向に旋回される際に、ロードセルに接触するように構成される。
【0016】
一部の実施例では、人工心臓弁のための送達装置は、アクチュエータドライバと、少なくとも一つの出力シャフトを備えるギアボックスと、少なくとも一つの出力シャフトに結合され、少なくとも一つの出力シャフトと長手方向軸の周りを回転可能で、長手方向軸に沿って離隔される第一の係合面および第一の係止面を有する、係合部材と、アクチュエータドライバに結合され、長手方向軸の周りを回転可能で、第一の係合面と対向関係にあり、第一の係合面と係合する、第二の係合面を有する、ドライバ部材と、長手方向軸に対して回転方向に固定され、第一の係止面と対向関係にある第二の係止面を有する、基部部材と、を含むように要約され得、係合部材は、アクチュエータドライバのトルクに応答して、長手方向軸に沿って、第一の係止面が第二の係止面から分離される第一の位置と、第一の係止面が第二の係止面と相互係止される第二の位置との間で、軸方向に変位可能であり、第二の位置は、アクチュエータドライバのトルクが閾値を超える状態に対応する。
【0017】
一部の実施例では、人工心臓弁のための送達装置は、空洞を有するハンドルと、空洞内に配置され、少なくとも一つの出力シャフトを備える、ギアボックスと、空洞に延在するアクチュエータドライバと、アクチュエータドライバを少なくとも一つの出力シャフトに結合するトルクリミッタであって、少なくとも一つの出力シャフトに結合され、少なくとも一つの出力シャフトの回転に応答して、長手方向軸の周りを回転可能で、第一の端部で一組の係合歯と、第一の端部から離隔される第二の端部で第一の組の係止歯と、を備える、係合部材と、長手方向軸の周りを回転可能であり、アクチュエータドライバに結合され、一組の係合歯と対向関係にあり、一組の係合歯と摺動可能に係合する、一組のドライバ歯を備える、ドライバ部材と、長手方向軸に対して回転方向に固定され、第一の組の係止歯と対向関係にある第二の組の係止歯を備える、基部部材と、を備える、トルクリミッタと、を含むものとして要約され得、係合部材は、アクチュエータドライバのトルクに応答して、長手方向軸に沿って軸方向に変位可能であり、係合部材は、アクチュエータドライバのトルクが閾値を超える場合、第一の組の係止歯を第二の組の係止歯と係合するように軸方向に変位可能である。
【0018】
一部の実施例では、方法は、人工心臓弁を、送達装置の少なくとも一つのアクチュエータドライバに結合することであって、係合部材は、少なくとも一つのアクチュエータドライバに移動可能に結合され、送達装置のギアボックスの出力シャフトに固定して結合され、係合部材は、少なくとも一つのアクチュエータドライバのトルクに応答して、長手方向軸に沿って、少なくとも一つのアクチュエータドライバと、長手方向軸に対して回転方向に固定される基部部材との間で、軸方向に変位可能である、結合すること、および人工心臓弁を作動直径に半径方向に拡張するため、少なくとも一つのアクチュエータドライバを第一の方向に回転させるために、ギアボックスの出力シャフトを回転させることであって、出力シャフトが回転すると、少なくとも一つのアクチュエータドライバのトルクが閾値を超える場合、係合部材の基部部材との係合によって、自動的に停止する、回転させること、を含むものとして要約され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2A】
図2Aは、弁構造が取り外された半径方向の拡張構成にある人工心臓弁の斜視図であり、フレームの流出端にあるアクチュエータヘッドを示す。
【
図2B】
図2Bは、半径方向の拡張構成にある人工心臓弁の斜視図であり、フレームの流入端にあるアクチュエータヘッドを示す。
【
図3】
図3は、人工心臓弁のアクチュエータの詳細図である。
【
図4B】
図4Bは、送達装置の遠位端部分の側面図であり、人工心臓弁が、それに結合された半径方向の拡張構成にある。
【
図5】
図5は、
図4Bの線5-5に沿って切り取られた送達装置のシャフト組立品の断面図である。
【
図6】
図6は、送達装置の作動組立品の一部分の斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、人工心臓弁のアクチュエータに整列した送達装置の作動組立品の斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、アクチュエータと係合する作動組立品の斜視図である。
【
図7C】
図7Cは、人工心臓弁のフレームと係合する作動組立品の外側スリーブの斜視図である。
【
図8】
図8は、
図4Aの線8-8に沿って切り取られた送達装置のハンドルの断面図である。
【
図9A】
図9Aは、ハンドルのノブに結合されたハンドル内のギアボックスを示す送達装置のハンドルの一部分である。
【
図9B】
図9Bは、ギアボックスハウジングが透明に表示される、ギアボックスの斜視図である。
【
図9C】
図9Cは、ギアボックスハウジング内部の区画を示す送達装置のハンドルの一部分の斜視図である。
【
図10B】
図10Bは、ハンドルの長手方向軸に平行な方向のギア列の平面図である。
【
図10C】
図10Cは、ハンドルの長手方向軸に垂直な方向のギア列の平面図である。
【
図11】
図11は、弁構造体を有さず、作動ロッドの二組への分割を示す、人工心臓弁の別の斜視図である。
【
図12】
図12は、半径方向の拡張構成にある人工心臓弁および送達装置を含む送達組立品の概略図である。
【
図13A】
図13Aは、アクチュエータドライバ用のトルクリミッタの斜視図である。
【
図15】
図15は、トルクリミッタの回転組立品の第一の回転本体の斜視図である。
【
図16】
図16は、トルクリミッタの回転組立品の第二の回転本体の斜視図である。
【
図18】
図18は、ハウジング内に配置されたトルクリミッタの断面図である。
【
図19】
図19は、
図18に示す線19-19に沿って切り取られたハウジング内のトルクリミッタの断面図である。
【
図21A】
図21Aは、ハンドルの本体に装着されたロードセルを示す、ハンドルの近位端部分の断面図である。
【
図21B】
図21Bは、ロードセルに接触するギアボックス上のプレート延長部を示すハンドルの一部分である。
【
図22K】
図22Kは、出力シャフト上に装着されたエンコーダを示すギアボックスの斜視図である。
【
図23】
図23は、ノブおよびギアボックスに結合されたプル本体を示すハンドルの一部分の斜視図である。
【
図24A】
図24Aは、ギアボックスに結合されたプル本体を示すハンドルの一部分の斜視図である。
【
図27A】
図27Aは、ロック状態の、一部の実施例に係る、アクチュエータドライバ用のトルクリミッタの断面図である。
【
図29A】
図29Aは、一部の実施例に係る、アクチュエータドライバ用のトルクリミッタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
一般的な考慮事項
【0021】
発明の主題は、実装形態および実施例により説明される。一部の事例では、当業者によって認識されるように、開示された実装形態および実施例は、開示された具体的な詳細のうちの一つ以上なしで実施され得、または本明細書に具体的に開示されていない他の方法、構造、および材料で実施され得る。本明細書に記述され、図面に示されるすべての実装形態および実施例は、提案された組み合わせが、互換性のないまたは相互に排他的な要素を含む場合など、文脈によって明確に別段の指示がない限り、任意の数の組み合わせを形成するために、いかなる制限もなしに組み合わせられ得る。本明細書に記載される任意のプロセスにおける作用の連続する順序は、一つの作用が入力として別の作用の結果を要求する場合など、文脈が別段明確に指示しない限り、再配列され得る。
【0022】
簡潔さのため、および説明の連続性のために、同一または類似の参照文字は、異なる図での同一または類似の要素に使用され得、一つの図中の要素の説明は、要素が同一または類似の参照文字により他の図に現れる場合、適用されるとみなされる。一部の事例では、用語「に対応する」は、異なる図の要素間の対応を記述するために使用され得る。例示的な使用において、第一の図中の要素が第二の図中の別の要素に対応するものとして記述される場合、第一の図の要素は、別段の記載がない限り、第二の図中の他の要素の特徴を有するとみなされ、その逆も同様である。
【0023】
語句「備える(comprise)」、ならびに「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などのその変形は、非限定で、包括的な意味で、すなわち「含むがこれに限定されない(including, but not limited to)」と解釈されるべきである。単数形「a」、「an」、「少なくとも一つ」、および「the」は、文脈上別段の指示がない限り、複数の指示物を含む。用語「および/または」は、列挙される要素のうちの最後の二つの要素間で使用される場合、列挙された要素のうちのいずれか一つ以上を意味する。用語「または」は、文脈が別段明確に指示しない限り、その最も広い意味で、すなわち、「および/または」を意味とするものして、一般的に用いられる。
【0024】
修飾語句を有しない用語「結合される」は、物理的に結合または連結されることを一般的に意味し、具体的に反対を意味する語句がない限り、結合された要素間の中間要素の存在を除外しない。ある要素と共に使用される場合の用語「複数(plurality)」または「複数の(plural)」は、要素のうちの二つ以上を意味する。方向および他の相対的参照(例えば、内側と外側、上側と下側、上方と下方、左と右、および近位と遠位)は、本明細書の図面および原理の検討を促進するために使用され得るが、限定的であることを意図しない。
【0025】
用語「近位の」および「遠位の」は、送達装置の使用位置に対して定義される。一般的に、送達装置の、装置のユーザに最近の端部は、近位端であり、送達装置の、ユーザから最遠の端部(例えば、患者の身体に挿入される端部)は、遠位端である。物体の二つの空間的に分離された位置または部分で使用する場合、用語「近位の」は、送達装置の近位端により近い、または送達装置の近位端に向かって配向されることを意味すると理解され得る。物体の二つの空間的に分離された位置または部分で使用する場合、用語「遠位の」は、送達装置の遠位端により近い、または送達装置の遠位端に向かって配向されることを意味すると理解され得る。
【0026】
開示される技術の概論
【0027】
人工心臓弁、送達装置および人工心臓弁を移植するための方法が、本明細書に記載される。人工心臓弁は、人工心臓弁を半径方向に拡張または半径方向に圧縮するように操作され得る二つ以上のアクチュエータを含み得る。送達装置は、アクチュエータを取り外し可能に係合および操作するために、アクチュエータドライバを含み得る。
【0028】
一部の実施例では、送達装置は、人工心臓弁に対する正味モーメント力が、アクチュエータを操作している間に、実質的にゼロとなるように、アクチュエータに動作可能に結合された逆回転機構を含み得る。アクチュエータを使用した人工心臓弁の拡張中に、アクチュエータの逆回転移動は、人工心臓弁を、自然解剖学的構造に対して回転的に固定された位置に維持するのに役立ち得る。
【0029】
一部の実施例では、逆回転機構は、送達装置のハンドル内に旋回可能に装着され、アクチュエータドライバに結合される、ギアボックスを含み得る。一部の実施例では、停止部材は、人工心臓弁の拡張中に、ギアボックスに係合し、その旋回を制限するために、ハンドル内に配設され得る。一部の実施例では、停止部材は、ギアボックスが停止部材と係合している間に、ギアボックスの負荷を測定するために、センサを含み得る。
【0030】
一部の実施例では、送達装置は、人工心臓弁の拡張中に、アクチュエータドライバに加えられるトルクを制限する機構を含み得る。トルクリミッタは、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定の最大トルクの許容範囲内に一旦含まれると、ギアボックスのギア列を停止するように構成され得る。
【0031】
開示される技術の実施例
【0032】
図1は、一部の実施例に係る、人工心臓弁100を示す。人工心臓弁100は、自然心臓弁(例えば、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、および/または三尖弁)を置換するように構成され得る。人工心臓弁100は、患者の身体内の移植場所に送達するために半径方向に圧縮され得、その後、移植場所で作動直径に半径方向に拡張され得る、機械的に拡張可能な人工心臓弁として示される。人工心臓弁100は、環状形状を有するフレーム104を含み得る。人工心臓弁100は、フレーム104の内部に支持され、それに結合された弁構造体108をさらに含み得る。
【0033】
実施例では、弁構造体108は、可撓性材料で作製され、血流を調節するために開閉するように構成される、一つ以上の弁尖112を含む。一部の実施例では、弁構造体108は、三つの弁尖112を備え得、これらは、三尖配置で折り畳まれるように配設され得る。弁尖112は、心膜組織(例えば、ウシ心膜組織)、生体適合性合成材料、または様々な他の好適な自然材料もしくは合成材料で、全体的または部分的に作製され得る。
【0034】
図2Aにより明瞭に示すように、フレーム104は、流入端116、流出端120、および流入端116から流出端120までの方向に延在する長手方向軸Lを有する。フレーム104は、長手方向軸Lに整列し、フレーム104の周囲に沿って離隔される複数の支持ポスト124、128を含み得る。一部の実施例では、支持ポスト124、128は、フレーム104の周囲に沿って交互に配設され得る。フレーム104は、隣接する支持ポスト124、128との間を円周方向に延在し、支持ポスト124、128を相互接続する、複数の支柱132をさらに含み得る。支柱132および支持ポスト124、128は、フレーム104のセル136を画定する。図示のように、支柱132は、湾曲形状を有し得る。
【0035】
図1および
図2Aに示すように、一つ以上の交連窓140は、支持ポスト124のうちの一つ以上に形成され得る。交連144は、弁尖112をフレーム104に結合するために、交連窓140に形成され得る。支持ポスト124のうちの一つ以上は、フレーム104の流入端116に延在する片持ち支柱148をさらに含み得る。一部の事例では、弁尖112の流入縁部152は、片持ち支柱148(例えば、縫合糸154によって)および/またはフレーム104の選択された支柱132(例えば、縫合糸156を使用して)に取り付けられ得る。
【0036】
一部の実施例では、フレーム104は、支柱132を偏向させることによって、半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で調整され得る。一部の実施例では、フレーム104(例えば、ポストおよび支柱)は、フレーム104が半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で調整可能にされ得る、生体適合性の可塑的に拡張可能な材料で作製され得る。フレーム104の形成に使用され得る可塑的に拡張可能な材料の好適な実施例には、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、および/またはニッケルチタン合金(「NiTi」または「ニチノール」とも称され得る)が含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
図2Aを参照して、一部の実施例では、一つ以上のアクチュエータ168は、支持ポスト128に結合され得、フレーム104を半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で調整するために使用され得る。一部の実施例では、各支持ポスト128は、フレーム104の長手方向軸Lに整列し、隙間Gによって分離された対向端部を有する、上部ポスト部材160および下部ポスト部材164(用語「上部」および「下部」は、
図1のフレーム104の配向に対する)を含み得る。それぞれのアクチュエータ168は、ポスト部材160、164に結合され得、フレーム104を半径方向に圧縮または拡張するために、隙間Gを増加または減少させるように動作可能であり得る。
【0038】
一部の実施例では、アクチュエータ168は、取り付けられたアクチュエータヘッド176を備えたアクチュエータロッド172を含み得る。
図2Aおよび
図2Bに示す実施例では、アクチュエータロッド172は、ポスト部材160、164を通って、またはポスト部材160、164に、かつ隙間Gにわたって延在する。
図2Aに示す実施例では、アクチュエータロッド172は、流出端120から上部ポスト部材160に挿入され、アクチュエータヘッド176は、上部ポスト部材160の流出頂に配置または保持される。
図2Bに示す実施例では、アクチュエータロッド172は、流入端116から下部ポスト部材164に挿入され、アクチュエータヘッド176は、下部ポスト部材164の流入頂に配置または保持される。
【0039】
一部の実施例では、アクチュエータロッド172は、外部からねじ込まれる。
図2Aおよび
図2Bに示すように、下部ポスト部材164は、アクチュエータロッド172に螺合するために、雌ねじを備えたナット180を含み得る。この場合、アクチュエータロッド172は、アクチュエータロッド172をナット180に対して回転させることによって、長手方向に並進移動され得る。一部の実施例では、アクチュエータロッド172は、上部ポスト部材160に対して自由に摺動可能であり得る。他の実施例では、アクチュエータロッド172は、上部ポスト部材160に螺合し得る。
【0040】
図3に示すように、アクチュエータヘッド176は、スロット188を形成する一対の突出部184を含み得る。アクチュエータヘッド176は、一つ以上の肩部192をさらに含み得る。本明細書でさらに詳細に説明するように、送達装置の作動組立品は、スロット188および肩部192を介して、アクチュエータヘッド176に取り外し可能に係合し得る。
【0041】
図2Aおよび
図2Bを参照して、一つの状況では、アクチュエータロッド172は、第一の方向に回転され得、上部ポスト部材160を下部ポスト部材164に向かって移動させ、それによって、フレーム104を半径方向に拡張させる効果を有し得る、隙間Gのサイズを減少させる。別の状況では、下部ポスト部材164は、アクチュエータロッド172が第二の方向に回転され、上部ポスト部材160を下部ポスト部材164から離れるように移動させ、それによって、フレーム104を半径方向に圧縮する効果を有し得る、隙間Gのサイズを増加させる間に、安定に保持され得る。人工心臓弁を過度に捲縮することを避けるために、ストッパー185(例えば、ナット)は、アクチュエータロッド172に設置され得、アクチュエータロッド172を回転させて、フレーム104を半径方向に圧縮しながら、アクチュエータロッド172の移動を制限する。
【0042】
代替的な実装形態では、本明細書にさらに記載するように、アクチュエータロッド172の一部が、一方の方向に回転され得る一方、他方のアクチュエータロッド172は、フレームを半径方向に拡張するまたはフレームを半径方向に圧縮するかのいずれかのために、同時に反対方向に回転される。アクチュエータロッドのこの逆回転は、アクチュエータロッド172のそれぞれの軸の周りの回転中に(例えば、フレーム104を半径方向に拡張する場合)、フレーム104全体が長手方向軸Lの周りを回転する可能性を低減するのに役立つように使用され得る。
【0043】
機械的に拡張可能な弁の追加的な実施例は、参照により、本明細書に組み込まれる、国際特許出願第PCT/US2021/052745号および米国仮特許出願第63/209904号に見出すことができる。
【0044】
図4Aおよび
図4Bは、一部の実施例に係る、送達装置200を示す。送達装置200は、人工心臓弁100を患者の体内の移植場所に送達するために使用され得る。送達装置200は、ハンドル204およびハンドル204に結合されたシャフト組立品208を含む。送達装置200は、人工心臓弁100をシャフト組立品208の遠位端部分に取り外し可能に結合し、人工心臓弁100を半径方向に拡張および/または圧縮するために使用され得る、一つ以上の作動組立品220をさらに含み得る。
【0045】
人工心臓弁100は、
図4Bの拡張構成に示される。人工心臓弁100の移植場所への送達を容易にするために、送達装置200(および/または他の捲縮装置)は、人工心臓弁100を半径方向の拡張機能構成から半径方向の圧縮送達構成まで移動させるために使用され得る。作動組立品220の作動ドライバは、一旦移植位置になると、人工心臓弁100のアクチュエータ168を操作し得、人工心臓弁100を作動直径に半径方向に拡張する。
【0046】
一部の実施例では、ハンドル204は、一緒に結合された近位本体部分212および遠位本体部分216を含む。本体部分212、216は、ハンドル204の長手方向軸L1に沿って延在する空洞(
図8に205として示される)を画定する。送達装置200の様々な機構は、空洞205内に配置される。
【0047】
図4Bおよび
図5に示すように、シャフト組立品208は、シャフトの全長に沿って延在する内腔225を有する外側送達シャフト224を含み得る。シャフト組立品208は、内腔225を通って延在し、内腔234、242を有するマルチルーメン送達シャフト228を含み得る。シャフト組立品208は、内腔234を通って延在するノーズコーンシャフト232を含み得る。作動組立品220は、内腔242を通って延在し得る。内腔234は、マルチルーメン送達シャフト228内に中央に配置され得、内腔242は、マルチルーメン送達シャフト228の中心軸の周りに角度付きで離隔し(均一または不均一に)、内腔234の周りに配置され得る。
【0048】
一部の実施例では、ノーズコーンシャフト232の近位端部分は、近位本体部分212に画定されたハンドル204の空洞の部分に延在し(
図4Aに示す)、ノーズコーンシャフト232の遠位端部分は、マルチルーメン送達シャフト228の遠位端から遠位に延在する(
図4Bに示すように)。人工心臓弁100は、作動組立品220に取り外し可能に結合される場合、ノーズコーンシャフト232の遠位端部分の周りに配置され得る。
【0049】
ノーズコーンシャフト232は、ガイドワイヤを受容するためのガイドワイヤ内腔236を画定し得る。
図4Bに示すように、ノーズコーン240は、ノーズコーンシャフト232の遠位端に取り付けられ得る。ノーズコーン240は、ガイドワイヤ内腔236に整列および接続される中央開口部241を有し得る。移植手順の間、ガイドワイヤは、患者の血管系に最初に挿入され得る。ガイドワイヤの近位端は、ノーズコーン240の中央開口部241に挿入され得、送達装置200が患者の血管系を通ってガイドワイヤの上の移植位置に前進可能になる。
【0050】
図6は、作動組立品220の遠位端部分を示す。各作動組立品220は、外側スリーブ244および外側スリーブ244を通って延在するアクチュエータドライバ248を含み得る。実施例では、アクチュエータドライバ248は、中央突出部252および一つ以上の可撓性の細長い要素254を有する遠位ヘッドを含む。中央突出部252は、人工心臓弁のアクチュエータ168のアクチュエータヘッド176のスロット188(
図3に示す)に延在するように構成され得る。可撓性の細長い要素254は、アクチュエータヘッド176の肩部192(
図3に示す)に係合するように構成される、半径方向の突出部256を有し得る。
【0051】
図7A~7Cは、作動組立品220のそれぞれのアクチュエータ168との係合を示す。最初に、作動組立品220の遠位端部分は、
図7Aに示すように、アクチュエータ168のアクチュエータヘッド176に整列する。その後、アクチュエータドライバ248の遠位端部分は、アクチュエータドライバ248の中央突出部252がアクチュエータ168のアクチュエータヘッド176のスロット188内に配置されるように、前進される。中央突出部252がスロット188と係合する場合、可撓性の細長い要素254は、アクチュエータヘッド176の側面に配置され、可撓性の細長い要素254の半径方向突出部256は、
図7Bに示すように、アクチュエータヘッド176上の肩部192に遠位に位置決めされる。
【0052】
外側スリーブ244は、アクチュエータドライバ248の遠位端部分の上を前進され得、半径方向突出部256が肩部192に当接するまで、可撓性の細長い要素254をアクチュエータヘッド176に対して半径方向に圧縮し、それによって、アクチュエータドライバ248をアクチュエータ168に結合する。外側スリーブ244は、
図7Cに示すように、外側スリーブ244がフレーム104に係合するまで、さらに前進され得る。
【0053】
外側スリーブ244は、延長部260の間の隙間または切欠き262を画定する第一および第二の支持延長部260を有し得る。
図7Cに示すように、指示延長部260は、作動組立品220がそれぞれのアクチュエータ168に結合される場合、支持延長部260がそれぞれの支持ポスト128の上部ポスト部材160の近位端部分の上に部分的に延在するように、配向され得る。支持延長部260のフレーム104との係合は、フレーム104の拡張中に、アクチュエータロッド172によってフレーム104に加えられる回転力に対抗し得る。
【0054】
他の様々な結合機構は、人工心臓弁を送達装置の作動組立品に取り外し可能に結合するために使用され得る。例えば、追加のカップリング機構は、参照により、本明細書に組み込まれる、国際特許出願第PCT/US2022/031257号および米国特許出願第63/319,702号に記載されている。
【0055】
図4Aに示すように、ハンドル204は、人工心臓弁100を患者の体内の移植場所に送達するために、送達装置200の様々な機能を果たすように構成され得る、一つ以上のノブを含み得る。一部の実施例では、ハンドル204は、第一のノブ264、第二のノブ268、および第三のノブ272を含み得る。一部の実施例では、ノブ264、268、272は、ハンドル204の長手方向軸L1の周りで、ハンドルの本体部分212、216に対して回転可能なノブであり得る。ハンドル204は、安全ノブ276などの、回転可能または摺動可能であり得る他のノブを含み得る。
【0056】
実施例では、第一のノブ264は、ハンドル204の近位端に位置し、送達装置200の作動組立品220および人工心臓弁100のアクチュエータ168を操作するために使用され得る。
図8に示すように、第一のノブ264は、ハンドル204の空洞205の近位部分内に配置されたギアボックス300を操作するように構成され得る。作動組立品220のアクチュエータドライバ248は、ギアボックス300によって回転されるように、ギアボックス300に結合され得る。アクチュエータドライバ248の回転は、人工心臓弁100のアクチュエータ168の回転運動に変換され得る。
【0057】
実施例では、第二のノブ268は、ハンドル204の近位本体部分212および遠位本体部分216が一緒に結合される場所に位置する。第二のノブ268は、(例えば、人工心臓弁100を所望の移植場所に位置決めし、人工心臓弁100を作動直径まで拡張した後に)作動組立品220を人工心臓弁100から解放するように構成され得る。一部の実施例では、安全ノブ276は、作動組立品220の人工心臓弁からの意図しない解放を防止するように構成され得る。例えば、安全ノブ276は、第二のノブ268の凹部内に摺動し得、第二のノブ268の回転を防止する。安全ノブ276を凹部から収納させることにより、第二のノブ268が回転可能になり得る。
【0058】
実施例では、第三のノブ272は、ハンドル204の遠位端に位置する。第三のノブ272は、ノブのハンドル本体に対する回転により、外側送達シャフト224が、作動組立品220、人工心臓弁100、およびノーズコーンシャフト232に対して軸方向に移動するように、構成され得る。
【0059】
一部の実施例では、送達カプセル226(
図4Bに示す)は、外側送達シャフト224の遠位端に取り付けられ得る。外側送達シャフト224の、他のシャフトおよび人口弁に対する遠位方向の軸方向移動により、人工心臓弁100が送達カプセル内に封入されるように、送達カプセル226が作動組立品220および人工心臓弁100の遠位端部分の上に(すなわち、人工心臓弁100が半径方向の圧縮構成にある場合)移動し得る。外側送達シャフト224の、他のシャフトおよび人口弁に対する近位方向の軸方向移動により、送達カプセル226が人工心臓弁100から収納し得、例えば、移植場所での展開のために、人工心臓弁を曝露させる。一部の実施例では、第三のノブ272は、ハンドル204の空洞205の遠位部分内のキャリッジ280に動作可能に結合され得る。外側送達シャフト224は、第三のノブ272の回転によるキャリッジ280の移動により、外側送達シャフト224の軸方向変位が生じるように、キャリッジ280に結合され得る。
【0060】
人工心臓弁100の拡張中、アクチュエータ168の回転により、すなわち、フレーム104とアクチュエータ168のアクチュエータロッド172との間に作用する摩擦力に起因して、モーメント力がフレーム104に加えられ得る。これらのモーメント力により、一部の事例では、フレーム104が、拡張/収縮手順中に、フレームの長手方向軸Lの周りを回転または旋回し得る。フレーム全体のこのような回転を低減する一助とするために、アクチュエータ168は、二つの組に分割され得、二つの組は、一組のアクチュエータによるモーメント力が他の組のアクチュエータによるモーメント力によって相殺されるように、反対方向に回転され得る。これは、例えば、人工心臓弁の拡張中に、フレーム104が回転方向に固定されたまま、または少なくとも実質的に回転方向に固定されたままである一助となり得る。したがって、この構成により、例えば、人工心臓弁の位置決めおよび/または展開が、比較的容易および/または予測可能になり得る。
【0061】
図9A~9Cに示すように、ハンドル204のギアボックス300は、ギア列308の構成要素を保持するために、様々な区画306を備えたギアボックスハウジング304を含み得る。ギア列308の出力シャフトは、ギア列308の操作により、アクチュエータドライバ248が回転し、結果として、人工心臓弁100のアクチュエータ168が回転するように、アクチュエータドライバ248に結合され得る。一部の実施例では、ギアボックス300は、ギア列308が、二組のアクチュエータドライバを反対方向に回転させるように構成される、逆回転ギアボックスであり得る。
【0062】
図10A~10Cは、ギア列308の一つの実装形態を示す。実施例では、ギア列308は、入力シャフト324および入力シャフト324に結合された入力ギア320を含む。一部の実施例では、入力シャフト324は、ハンドル204の長手方向軸L1に整列する(
図8に示すように)。入力シャフト324は、第一のノブ264の回転により、入力シャフト324が回転するように、ハンドル204の第一のノブ264に結合され得る(
図8に示すように)。入力ギア320は、入力シャフト324とともに回転する。入力ギア320の回転方向R1は、第一のノブ264が回転される方向に応じて、時計回りまたは反時計回りとすることができる。
【0063】
ギア列308は、入力シャフト324に平行に配置され得る、伝動シャフト332に結合された伝動ギア328を含み得る。入力ギア320の歯は、入力ギア320の回転により、伝動ギア328が駆動されるように、伝動ギア328の歯と噛み合う。伝動シャフト332は、伝動ギア328とともに回転する。一部の実施例では、入力ギア320が第一の方向R1に回転すると、伝動ギア328が第一の方向と反対の第二の方向R2に駆動される(R2が時計回りまたは反時計回りであるかどうかは、第一のノブ264の回転によって決定される回転方向R1に依存する)。
【0064】
ギア列308は、伝動シャフト332に結合され、伝動ギア328の遠位に配置される第一の駆動ギア336を含み得る。この場合、入力ギア320によって伝動ギア328を駆動することに応答して、伝動シャフト332の回転は、第一の駆動ギア336の回転に変換される。第一の駆動ギア336は、伝動ギア328と同一方向R2に回転する。
【0065】
ギア列308は、伝動シャフト332に平行に配設される駆動シャフト342上に支持される第二の駆動ギア340を含み得る。第二の駆動ギア340の歯は、第一の駆動ギア336が回転すると、第二の駆動ギア340が駆動されるように、第一の駆動ギア336の歯と噛み合う。駆動シャフト342は、第二の駆動ギア340とともに回転する。第二の駆動ギア340は、第一の駆動ギア336が回転する方向R2と反対の方向R1に回転する。
【0066】
ギア列308は、第一の駆動ギア336の中心軸の周りに角度付きで離隔し、第一の駆動ギア336の歯と噛み合う歯を有する、一組の第一の出力ギア(「ピニオンギア」とも称され得る)を含み得る。実施例では、一組の第一の出力ギアは、出力ギア344a、344b、344cを含む。出力ギア344a、344b、344cは、第一の駆動ギア336が回転している方向R2と反対の方向R1に回転する。一部の実施例では、出力ギア344a、344b、334cは、それぞれ、出力シャフト346a、346b、346cに結合される。出力シャフト346a、346b、346cは、第一の組のアクチュエータドライバに結合され得る。
【0067】
ギア列308は、第二の駆動ギア340の中心軸の周りに角度付きで離隔し、第二の駆動ギア340の歯と噛み合う歯を有する、第二の組の出力ギア(「ピニオンギア」とも称され得る)を含み得る。実施例では、第二の組の出力ギアは、出力ギア344d、344e、344fを含む。出力ギア344d、344e、344fは、第二の駆動ギア340が回転している方向R3と反対の方向R2に回転する。したがって、第二の組の出力ギアの出力ギア344d、344e、344fは、第一の組の出力ギアの出力ギア344a、344b、344cが回転する方向と反対の方向に回転する。一部の実施例では、出力ギア344d、344e、344fは、それぞれ、出力シャフト346d、346e、346fに結合される。出力シャフト346d、346e、346fは、第二の組のアクチュエータドライバに結合され得る。
【0068】
例示の目的で、
図11は、それぞれ、支持ポスト128a、128b、128c、128d、128e、128fに結合されたアクチュエータ168a、168b、168c、168d、168e、168fを備えたフレーム104を示す。一部の実施例では、第一の組のアクチュエータは、アクチュエータ168a、168b、168cを含み得、第二の組のアクチュエータは、アクチュエータ168d、168e、168fを含み得る。第一の組のアクチュエータ168a、168b、168cは、
図12に示すように、第一の組のアクチュエータドライバ248a、248b、248cに結合され得、第二の組のアクチュエータ168d、168e、168fは、第二の組のアクチュエータドライバ248d、248e、248fに結合され得る(簡略化のために、送達装置のいくつかの詳細は
図12には示さず、例えば、ハンドル204の本体およびそれを通ってマルチルーメン送達シャフト228が延在する外側送達シャフト224は示されていない)。
【0069】
図11に戻ると、第一の組のアクチュエータにおけるアクチュエータ168a、168b、168cのアクチュエータロッド172a、172b、172cは、第一の構成を備えたねじ山(例えば、右ねじ)を有し得る。第二の組のアクチュエータにおけるアクチュエータ168d、168e、168fのアクチュエータロッド172d、172e、172fは、第一の構成と反対の第二の構成(例えば、左ねじ)を備えたねじ山を有し得る。例えば、アクチュエータロッド172a、172b、172cが右ねじを有する場合、アクチュエータロッド172d、172e、172fは、左ねじを有し得る(またはその逆も)。したがって、第一の組のアクチュエータ168a、168b、168cおよび第二の組のアクチュエータ168d、168e、168fが同時に反対方向に回転する場合、すべてのアクチュエータは、それぞれの隙間Gを増加させる、または隙間Gを減少させるかのいずれかのために、協働して作用する。
【0070】
アクチュエータを二つの組に分割する他の実施例も可能である。例えば、第一の組のアクチュエータは、アクチュエータ168a、168c、168eを含み得、第二の組のアクチュエータは、アクチュエータ168b、168d、168fを含み得る(すなわち、フレームの周囲の周りの交互アクチュエータは、組に含まれ得る)。この場合、第一の組のアクチュエータのアクチュエータロッド172a、172c、172eは、第一の構成を備えたねじ山(例えば、右ねじ)を有し得、第二の組のアクチュエータのアクチュエータロッド172b、172d、172fは、第一の構成と反対の第二の構成を備えたねじ山(例えば、左ねじ)を有し得る。
【0071】
実施例は、二つの組に分割された六つのアクチュエータを有する人工心臓弁100で提供されている。他の実施例では、人工心臓弁は、六つ超(例えば、7~15)または六つ未満(例えば、1~5)のアクチュエータを有し得る。他の事例では、人工心臓弁は、奇数のアクチュエータを有し得、その場合、一つの組のアクチュエータは、他の組のアクチュエータと比較して、より多くのアクチュエータを有し得る。送達装置の作動組立品/アクチュエータドライバの数は、人工心臓弁のアクチュエータの数と一般的に合致し得る。
【0072】
図12の簡略化された図では、第一の組のアクチュエータドライバのアクチュエータドライバ248a、248b、248cの各々は、マルチルーメン送達シャフト228を通って延在し、人工心臓弁100のそれぞれのアクチュエータ168a、168b、168cに接続される。同様に、第二の組のアクチュエータドライバのアクチュエータドライバ248d、248e、248fの各々は、マルチルーメン送達シャフト228を通って延在し、人工心臓弁100のそれぞれのアクチュエータ168d、168e、168fに接続される。アクチュエータドライバ248a、248b、248cは、ギアボックス300(
図10A~10Cの346a、346b、346c)の第一の組の出力シャフトに結合され、アクチュエータドライバ248d、248e、248fは、ギアボックス300(
図10A~10Cの346d、346e、346f)の第二の組の出力シャフトに結合される。ギアボックス300の入力シャフト324は、第一のノブ264に結合される。
【0073】
人工心臓弁100を、例えば、移植位置で半径方向に拡張するために、第一のノブ264は、第一の組のアクチュエータドライバ248a、248b、248cおよび第二の組のアクチュエータドライバ248d、248e、248fを反対方向に回転させるために使用され得る。二つの組のアクチュエータドライバの逆回転により、第一の組のアクチュエータ168a、168b、168cおよび第二の組のアクチュエータ168d、168e、168fが逆回転する。二つの組のアクチュエータのこの逆回転は、有利には、人工心臓弁の拡張中に、人工心臓弁が自然解剖学的構造に対して回転する可能性を低減するのに役立ち得る。
【0074】
一部の実装形態では、トルク制限は、各アクチュエータドライバ248に対して規定され得、一つ以上のトルクリミッタ(例えば、各アクチュエータドライバ248に対して一つ)が提供され得、アクチュエータドライバ248のトルクが所定の制限を超えるのを防止する。トルクリミッタは、例えば、人工心臓弁100の拡張中に、アクチュエータドライバ248の過負荷を防止し得る。一部の実施例では、トルクリミッタは、アクチュエータドライバ248のトルクが所定の制限に到達した場合、対応するアクチュエータドライバ248の回転を制限する。すべてのアクチュエータドライバ248がギア列308に結合されているため、ギア列308は、アクチュエータドライバ248のいずれかがトルクリミッタによって停止される場合に、効果的に停止する。
【0075】
図13Aおよび
図13Bは、一部の実施例に係る、トルクリミッタ400を示す。トルクリミッタ400は、アクチュエータドライバ248をギア列308の出力シャフト346に結合し得、アクチュエータドライバ248のトルクが所定のトルク制限範囲内にある場合に、アクチュエータドライバ248の回転を防止するように動作し得る。所定のトルク制限範囲の上限は、アクチュエータドライバ248の最大トルクであり得、所定のトルク制限範囲の下限は、最大トルクの公差内(例えば、最大トルクの15%以内)のトルクであり得る。一部の実施例では、アクチュエータドライバ248の最大トルクは、50N-mmとすることができる。トルクリミッタ400は、ギアボックスハウジング304の区画内に収容され得る。例示の目的で、
図9Bは、ギアボックスハウジング304の区画306のうちの一つ内のトルクリミッタ400を示す。一つのトルクリミッタ400のみが
図9Bおよび
図9Cに示されるが、一部の実施例では、送達装置200用のハンドル204は、複数(例えば、2~15)のトルクリミッタ400を備え得る。例えば、送達装置の各作動ドライバ248は、それぞれのトルクリミッタ400を有し得る。
【0076】
図13Aおよび
図13Bに戻ると、トルクリミッタ400は、長手方向軸L2を有する。トルクリミッタ400は、長手方向軸L2に整列し、その周りを回転可能である回転可能な組立品401を含む。回転可能な組立品401は、コネクタシャフト402を、ギアボックス300の出力シャフト346のうちの一つに結合する。出力ギア344は、前述のように、出力シャフト346に結合される。アクチュエータドライバ248のうちの一つは、コネクタシャフト402の結合セクション403で、コネクタシャフト402に結合され得る(例えば、一つ以上の止めねじ407を使用して)。一つのモードでは、回転可能な組立品401は、コネクタシャフト402が出力シャフト346とともに回転可能にする。別のモードでは、回転可能組立品401は、コネクタシャフト402および出力シャフト346の両方の回転を防止する。
【0077】
回転可能な組立品401は、第一の回転可能な本体404および第二の回転可能な本体408を含む。実施例では、第二の回転可能な本体408は、第一の回転可能な本体408の遠位に位置決めされ、第一および第二の回転可能な本体404、408の両方は、長手方向軸L2の周りを回転可能である。第一の回転可能な本体404は、第一の回転可能な本体404および出力シャフト346が長手方向軸L2の周りを一緒に回転できるように、出力シャフト346に固定して結合される。実施例では、第一の回転可能な本体404は、出力ギア344の遠位に位置決めされる。第二の回転可能な本体408は、第二の回転可能な本体408およびコネクタシャフト402が長手方向軸L2の周りを一緒に回転できるように、コネクタシャフト402に固定して結合される。
【0078】
一部の実施例では、第一の回転可能な本体404は、近位軸方向孔412および遠位軸方向孔416を含む。出力シャフト346の遠位端部分は、近位軸方向ボア412に挿入され、第一の回転可能な本体404が出力シャフト346とともに回転可能になる様式で、近位軸方向ボア412に係合する。一部の実施例では、近位軸方向ボア412は、入力シャフト346が回転すると、第一の回転可能な本体404が回転するように、入力シャフト346上の非円形断面プロファイル(長手方向軸L2に垂直な平面に取られる)と一致するように適合される非円形断面プロファイル(長手方向軸L2に垂直な平面に取られる)を有し得る。例えば、近位軸方向ボア412の非円形断面プロファイルは、同様にD字形状の(または「平坦な」)出力シャフト346に係合し得、第一の回転可能な本体404が出力シャフト346と同一方向に回転可能になり得る、「D字形状」(「平坦な」を有するとも称され得る)であり得る。あるいは、出力シャフト346は、(例えば、溶接、糊付けなどの固定結合のための他の手段によって)近位軸方向ボア412に取り付けられ得、第一の回転可能な本体404が出力シャフト346と共に回転可能になる。
【0079】
第二の回転可能な本体408は、第一の回転可能な本体404の遠位軸方向の孔416に整列する軸方向孔420を含み得る。コネクタシャフト402は、第一の回転可能な本体404の軸方向孔420を通って、第一の回転可能な本体404の遠位軸方向の孔416に延在する。コネクタシャフト402は、コネクタシャフト402が第二の回転可能な本体408とともに回転可能になる様式で、第二の回転可能な本体408に係合し得る。例えば、軸方向孔420は、コネクタシャフト部材402上の相補的な非円形プロファイルに係合するために、非円形プロファイルを有し得る。あるいは、コネクタシャフト402は、軸方向孔420に(例えば、溶接、接着などによって)取り付けられ得、第二の回転可能な本体408がコネクタシャフト402と回転可能になる。一部の実施例では、出力シャフト346の遠位端およびコネクタシャフト402の近位端は、軸方向に離隔し得る(例えば、第一の回転可能な本体404の壁または肩部によって分離される)。
【0080】
他の実施例では、コネクタシャフト402および出力シャフト346の対向端部は、軸方向に重なり合い得る。このような実施例では、シャフト402、346は、コネクタシャフト402の、長手方向軸L2に沿った出力シャフト346との整列を容易にする一方で、コネクタシャフト402と入力シャフト346との間の相対的回転移動も可能にする、一つ以上の特徴を含み得る。例えば、一部の事例では、コネクタシャフト402(またはその少なくとも一部分)は、コネクタシャフトが出力シャフト346に軸方向に(またはその逆に)延在し得るように、出力シャフト346の内部孔の直径よりも小さい外径を含み得る。
【0081】
いずれの場合でも、出力シャフト346およびコネクタシャフト402は、一緒に固定して結合されない。したがって、以下でさらに説明される一部の事例では、出力シャフト346(および第一の回転可能な本体404)およびコネクタシャフト402(および第二の回転可能な本体408)は、互いに対して回転し得る。
【0082】
実施例では、第一の回転可能な本体404および第二の回転可能な本体408は、回転付勢部材(例えば、ねじりばね424)によって一緒に結合される。
図14に示すように、ねじりばね424は、第一および第二の端(またはアーム)部分428、430の対向端部で終端するコイル部分426を含む、螺旋状のねじりばねであり得る。ねじりばね424の第一の端部分428および第二の端部分430は、ねじりばね424のコイル部分426を越えて半径方向外側に延在し得る。ねじりばね424は、第一の端部分428が第二の端部分430から回転方向にオフセットされるように、構成され得る。
【0083】
一部の実施例では、
図15に示すように、第二の回転可能な本体408の近位端部分は、凹部432および接続された横方向スロット436を含み得る。凹部432は、長手方向軸L2に中央に整列され得、軸方向孔420に接続され得る。
図16に示すように、第一の回転可能な本体404の遠位端部分は、凹部440および接続された横方向スロット442、444を含み得る。凹部440は、長手方向軸L2に中央に整列され得、遠位軸方向孔416に接続され得る。横方向スロット442、444は、長手方向軸L2の周りで互いから回転方向にオフセットされる。
図13Bに示すように、コネクタシャフト402は、軸方向孔420を通って遠位軸方向の孔416に通過しながら、凹部432、440を通って延在し得る。
【0084】
ねじりばね424のコイル部分426は、第一の端部分428が接続された横方向スロット436に延在し(
図17Aに示すように)、第二の端部分430が第一の回転可能な本体404の横方向スロット442、444のうちの一つに延在する(
図17Bに示すように)状態で、整列した凹部432、440によって形成されるチャンバ内に配設され得る。この位置では、コイル部分426は、凹部432、440を通って延在するコネクタシャフト402の一部分の周りに配置される(
図13Bに示す)。コイル部分426の中心軸は、回転可能な本体404、408の両方がコイル部分426の中心軸の周りを回転し得るように、トルクリミッタ400の長手方向軸L2に整列している。
【0085】
図17Aに示すように、ねじりばね424の端部分430、428は、回転可能な本体404、408内に形成されたそれぞれの受けスロット444、436の表面444a、436aに係合し得る。ねじりばね424は、回転可能な本体404、408を、回転可能な本体404、408が単一の本体として一緒に回転する初期位置に付勢し得る。ねじりばね424は、アクチュエータドライバ248のトルクが所定のトルク制限範囲内にある場合、端部分430、428が互いに接近する方向にねじるように構成される。一部の事例では、ねじりばね424は、前負荷がかけられ得、ねじりばね424は、アクチュエータドライバ248のトルクが、ねじりばね424の前負荷を超える場合、ねじれを開始し得る。ねじりばね424内の前負荷は、所定の範囲の下限として設定され得る。所定の範囲の上限は、アクチュエータドライバ248の所定のトルク限界であり得、所定の範囲の下限は、アクチュエータドライバ248の所定のトルク限界未満(例えば、所定のトルク限界の10~15%以内)であり得る。これは、ねじりばね424が、アクチュエータドライバ248が所定のトルク制限に到達またはそれを超えた後ではなく、アクチュエータドライバ248が所定のトルク制限に接近するにつれて、ねじり始めることを意味する。一部の事例では、所定のトルク制限は、50N-mmであり得る。
図17Aに示す初期角度間隔429は、回転可能な本体404、408の初期位置に対応する。角度間隔429は、端部分430、428がねじりばね424のねじれ中に互いに接近するにつれて、小さくなる。
【0086】
図15に示すように、テーパ状の凹部分448は、第二の回転可能な本体408の外面446上に形成され得る。実施例では、各テーパ状の凹部分448は、第一の半径方向肩部452と、第二の回転可能な本体408の円周方向に第一の半径方向肩部452から離隔される第二の半径方向肩部456と、第一の半径方向肩部452と第二の半径方向肩部456との間の外面446の部分446aと、を含む。外面部分446aは、一部の実施例では、曲面であり得る。
【0087】
第一の半径方向肩部452の半径方向突出部は、凹部分448が第一の半径方向肩部452から第二の半径方向肩部456まで半径方向に(すなわち、深いから浅いに)テーパ状になるように、第二の半径方向肩部456の半径方向突出部よりも大きい。各テーパ状の凹部分は、第二の回転可能な本体408の全長に沿って、または第二の回転可能な本体408の長さに部分的に沿って、軸方向に延在し得る。一部の実施例では、二つのテーパ状の凹部分448は、外面446上に形成される。テーパ状の凹部分448は、トルクリミッタの長手方向軸L2と同一であり得る、第二の回転可能な本体408の中心軸の周りに互いに角度的に離隔している。二つのテーパ状の凹部分448間の角度間隔は、二つのテーパ状の凹部分が第二の回転可能な本体408の中心軸の周りに直径方向に対向するようなものであり得る。
【0088】
図18にさらに示すように、トルクリミッタ400の回転可能な組立品401は、第二の回転可能な本体408の外面446がハウジング460の内面464によって囲まれるように、ハウジング460内に配置され得る。外面446および内面464のテーパ状の凹部分448は、
図19により明瞭に示すように、第二の回転可能な本体408の周辺に配置された円周方向にテーパ状のチャネル468を画定し得る。ハウジング460は、ギアボックスハウジング304の区画(例えば、
図22Gに示す区画374a~fのうちの一つ)であり得、またはギアボックスハウジング304に装着される別個のハウジングであり得る。
【0089】
図19により明瞭に示すように、各チャネル468は、くさび部材472を収容する。一部の実施例では、くさび部材472は、長手方向ロッド部材の形態であり得る。一部の実施例では、くさび部材472は、くさび部材472が第一の回転可能な本体404とともに回転するように、第一の回転可能な本体404に固定して結合される。一部の実施例では、くさび部材472の近位部分は、第一の回転可能な本体404の長手方向孔476に延在する(
図13A、16、17A、17B、19に示す)。くさび部材472は、任意の好適な方法(例えば、摩擦、溶接、接着などによる)を使用して、孔476内の定位置に保持され得る。
【0090】
図19、20A、および
図20Bは、トルクリミッタ400の動作を示す。ハンドル204の第一のノブ264は、回転され得、ギア列308を操作する。ギア列308が作動している間、ギア列308は、出力シャフト346を回転させる。第一の回転可能な本体404は、出力シャフト346とともに回転する。第一の回転可能な本体404の回転は、ねじりばね424を通って第二の回転可能な本体408の回転に変換される。第二の回転可能な本体408が回転するにつれて、アクチュエータドライバ248はまた、コネクタシャフト402を介して、第二の回転可能な本体408に結合され、回転する。
図19に示す状態では、ねじりばね424は、その静止している未偏向状態にあり、端部分428、430の間に初期角度差429を有する。この状態では、くさび部材472は、チャネル468の幅広い端に自由に収容され、第一および第二の回転可能な本体404、408は、一緒に回転する。
【0091】
アクチュエータドライバ248のトルクが、ねじりばね424のサイズおよび特性によって設定された所定のトルク制限範囲に到達する場合、ねじりばね424のコイル部分426は、ねじりばね424の端部分428、430を互いに向かって接近させる様式で、ねじれる。
図20Aは、端部分428、430が互いに接近すること(
図19に示す初期角度間隔429は、
図20Aに示す角度間隔429a、429bの合計である)に起因して、初期角度間隔429(
図19に示す)よりも小さい端部分428、430間の角度間隔429aを示す。ねじりばね424がねじれるにつれて、第一の回転可能な本体404は、
図20Aに示すように、第二の回転可能な本体408に対して回転する(ともに回転するのではない)。第一の回転可能な本体404が第二の回転可能な本体408に対して回転するにつれて、くさび部材472は、矢印475によって示すように、チャネルの幅広い端からチャネルの狭い端までの方向にテーパ状のチャネル468に沿って移動する。
【0092】
第一の回転可能な本体404は、
図20Bに示すように、テーパ状のチャネル468内のくさび部材472のさらなる回転移動が、ハウジング460、第二の回転可能な本体408およびくさび部材472の表面の間の干渉により、可能ではないように、くさび部材472がチャネル468の狭い端に対して押圧される場合に、回転を停止する。この状態では、第二の回転可能な本体408はまた、回転を停止する。ギア列308のすべてのギアが相互接続されているため、アクチュエータドライバ248が、アクチュエータドライバ248に関連付けられた第一および第二の回転可能な本体404、408および出力ギア344の回転を停止するトルク制限に一旦到達すると、ギア列308全体の移動は停止し、ギアボックス300に結合された他のすべてのアクチュエータドライバ248の回転移動を防止する。
【0093】
このようにして、トルクリミッタ400は、作動部材および/または人工心臓弁および/または送達装置の他の構成要素が所定のトルク制限内で操作されることを確実にするのに役立ち得る。これは、とりわけ、人工心臓弁が拡張/収縮中に損傷されることを低減または防止し、および/または人工心臓弁が自然弁輪(および/または他の自然組織)に対して過度に拡張されることを防止し得る。
【0094】
ギアボックスハウジング304は、
図22A~22Jに示すように、ギア列308およびトルクリミッタ400の構成要素を収容するために、様々な区画を含み得る。
【0095】
一部の実施例では、
図22A~22Dに示す通り、ギアボックスハウジング304は、ギアボックスハウジングの近位端部分を形成する第一のハウジングセクション310を有し得る。第一のハウジングセクション310は、入力ギア320(
図10A~10Cに示す)および伝動ギア328(
図10A~10C)を収容するために、区画312および314を含み得る。第一のハウジングセクション310は、入力シャフト324の近位端部分の通過のための(例えば、入力シャフト324の近位端部分を第一のノブ264に結合可能にするために(
図12に示す))孔316を含み得る。第一のハウジングセクション368は、出力シャフト346a~fの近位端部分の通過のための孔318a~fを含み得る(
図10A~10Cに示す)。第一のハウジングセクション310は、ボルトなどの締結具を受容し得る締結孔326(
図22Cに示す)をさらに含み得、これは、第一のハウジングセクション310をギアボックスハウジングの他のハウジングセクションに締結するために使用され得る。
【0096】
一部の事例では、第一のハウジングセクション310は、出力シャフト346a~fのうちの一つの近位端部分の周りにエンコーダを装着するための装着孔322を含み得る。例えば、装着孔322は、エンコーダを第一のハウジングセクション310に、それぞれの出力シャフトの周りに取り付けるために使用される、ねじなどの締結具を受容し得る。
図22Kは、出力シャフトのうちの一つに装着されたエンコーダ311を示す。一部の実施例では、エンコーダ311は、出力シャフトの回転数を検出できる感知部材を含み得る。一部の実施例では、エンコーダは、磁場を発生させるために、磁気センサおよびの磁気装置を含む磁気エンコーダであり得る。磁気センサは、出力シャフトが回転するにつれて、磁場の変化を検出し得る。光学エンコーダなどの他の種類のエンコーダを使用することができる。
【0097】
一部の実施例では、
図22A~22Eに示すように、ギアボックスハウジング304は、第一のハウジングセクション310に隣接して配置される第二のハウジングセクション330を有し得る。第二のハウジングセクション330は、中央開口部348と、中央開口部348の周辺上に形成された区画350a~fと、を含む。中央開口部348は、駆動ギア336、340を収容し得る(
図10A~10Cに示す)。区画350a~fは、出力ギア344a~fを収容し得る(
図10A~10Cに示す)。区画350a~fは、第一のハウジングセクション310の孔318a~fに長手方向に整列している。第二のハウジングセクション330は、締結具を受容するために、第一のハウジングセクション310の締結孔326に整列され得る締結孔354を含み得る。第二のハウジングセクション330は、第一のハウジングセクション310内の区画312に整列する開口部349を含み得る。開口部349は、入力ギア320が区画312内に装着される場合、入力シャフト324が第二のハウジングセクション330を通って延在可能になり得る。
【0098】
一部の実施例では、
図22A、22B、22E、および22Fに示すように、ギアボックスハウジング304は、第二のハウジングセクション330に隣接して配置され、第二のハウジングセクション330の中央開口部348および区画350a~fの端壁を形成する、第三のハウジングセクション358を有し得る。第三のハウジングセクション358は、出力ギア344a~f(
図10A~10Cに示す)が第二のハウジングセクション330の区画350a~f内に配置される場合、出力シャフト346a~f(
図10A~10Cに示す)を受容するために、孔362a~f(
図22Fに示す)を含み得る。第三のハウジングセクション358は、駆動ギア336、340が第二のハウジングセクション330の中央開口部348内に配置される場合、伝動シャフト332(
図10A~10Cに示す)および駆動シャフト342を受容するために、孔366aおよび366bを含み得る。第三のハウジングセクション358は、第二のハウジングセクション330の開口部349に整列する開口部369を含み得る。開口部369は、入力ギア320が第一のハウジングセクション310の区画312に装着される場合、入力シャフト324が第三のハウジングセクション358を通って延在可能になり得る。第三のハウジングセクション358は、締結具を受容するために、第二のハウジングセクション330の締結孔354および第一のハウジングセクション310の締結孔326に整列し得る締結孔370を含み得る。
【0099】
一部の実施例では、
図22A、22B、および
図22Gに示すように、ギアボックスハウジング304は、第三のハウジングセクション358に隣接して配置された第四のハウジングセクション372を有し得る。第四のハウジングセクション372は、第三のハウジングセクション358の孔362a~fおよび第二のハウジングセクション330の区画350a~fと同一パターンで配設される区画374a~fを含み得る。区画374a~fの各々は、トルクリミッタ400(
図18に示す)を収容し得、これは、それぞれの孔362a~fを通って延在するそれぞれの出力シャフト346a~fに結合され得る。第四のハウジングセクション372は、トルクリミッタ400の回転可能な組立品401(
図18に示す)が区画374a~f内に収容される場合、第四のハウジング372の外側のトルクリミッタ400のコネクタシャフト402の通過のために、区画374a~fの端壁に孔376a~fを含む。第四のハウジングセクション372は、ハウジングセクション358、330、310の締結孔370、354、326に整列し得る締結孔378を含み得る。区画374a~fは、チャネル375を画定するパターンで配設され得る。入力シャフト324は、チャネル375を通って延在し得る。
【0100】
一部の実施例では、
図22A、22B、22G、および
図22Hに示すように、ギアボックスハウジング304は、第四のハウジングセクション372に隣接して配置された第五のハウジングセクション380を有し得る。第五のハウジングセクション380は、ギアボックスハウジング304の遠位端部分を形成し得る。第五のハウジングセクション380は、チャネル375の端壁を形成する基部部材381を含み得る。孔382は、入力シャフト324が基部部材381を通過可能なために、基部部材381内に形成され得る。第五のハウジングセクション380は、トルクリミッタ400の回転可能な組立品401が第四のハウジングセクション372の区画374a~f内に配置される場合、トルクリミッタ400(
図18に示す)の端部分を受容するために、基部部材381内に形成されたレセプタクル384a~fをさらに含み得る。基部部材381は、回転可能な組立品401が第四のハウジングセクション372の区画374a~f内に配置される場合、トルクリミッタ400のコネクタシャフト402の結合セクション403が開口部386a~f内に装着され得る、または開口部386a~fを通ってアクセス可能であるように、レセプタクル384a~fに接続された開口部386a~fを含み得る。第五のハウジングセクション380は、締結具を受容するために、ハウジングセクション372、358、330、310の締結孔378、370、354、326に整列され得る締結孔388を含み得る。
【0101】
一部の実施例では、
図22A、22B、および
図22H~22Jに示すように、第五のハウジングセクション380は、基部部材381から突出するガイド部材389をさらに含み得る。ガイド部材389は、入力シャフト324の端部分を受容するために、プレート部材381の孔382に整列した孔390を含み得る。したがって、ギアボックス300が完全に組み立てられる場合、入力シャフト324は、すべてのハウジングセクション310、330、358、372、および380にわたって延在する(
図24Eに示すように)。入力シャフト324は、ギアボックスハウジングの長手方向軸を画定し、これはまた、ギアボックスハウジングが旋回できる軸である。ギアボックスハウジング304の長手方向軸は、ハンドル204の長手方向軸L1に整列する。一対のガイドスロット392は、ガイド部材389の対向表面(例えば、上面および底面)上に形成される。ガイドスロット392は、ギアボックスハウジングの長手方向軸に沿った方向に軸方向に延在する。各ガイドスロット392は、対向端壁393、394を有する。一対のガイドチャネル395は、ガイド部材389の対向側面上に形成される。ガイドチャネル395は、ギアボックスハウジングの長手方向軸に沿った方向に軸方向に延在する。本明細書にさらに説明されるように、ガイドスロット392およびガイドチャネル395は、ハンドルの長手方向軸L1に沿ってプル本体の並進移動を誘導し得る。
【0102】
ギアボックスハウジング304の様々なハウジングセクション310、330、358、372、および380は、一緒に締結される別個の部材として、またはギアボックスハウジング304の一体部分として提供され得る。一部の事例では、ハウジングセクション310、330、358、372、および380のうちの二つ以上は、ギアボックスハウジング304が一緒に締結するために、より少ない構成要素を有するように、一体的に形成され得る。一部の事例では、ギアボックスハウジング304は、一緒に締結され得る二つの半部分で提供され得る。他の事例では、ギアボックスハウジング304のハウジングセクションは、例えば、溶接、接着剤などによって、締結具以外の手段を使用して、一緒に取り付けられ得る。
【0103】
図23を参照すると、ハンドル204は、ギアボックス300の遠位に配置され、ギアボックスハウジング304の遠位端部分(または第五のハウジングセクション)380と係合するプル本体500をさらに含み得る。第二のノブ268は、ハンドル本体に対する第二のノブ268の回転により、ハンドルの長手方向軸L1に沿ったプル本体500の並進運動が生成するように、プル本体500に回転可能に係合し得る。プル本体500は、ハンドルの長手方向軸L1に沿ったプル本体500の並進運動により、ハンドルに対する外側スリーブ244の軸方向変位が生じるように、作動組立品220の外側スリーブ244に結合され得る。この軸方向変位は、例えば、外側スリーブ244を、対応するアクチュエータドライバ248に対して軸方向に変位させ、それによって、アクチュエータドライバ248を人工心臓弁から解放するために使用され得る。
【0104】
図24A~24Dを参照して、プル本体500は、ハンドルの長手方向軸L1に平行な軸方向軸L3を有する。プル本体500は、プル本体500の軸方向軸L3に軸方向に整列した複数の細長いソケット508を有する第一のプル本体部材504を含む。ソケット508の各々は、作動管512を受容し得る(作動管512を受容する二つのソケット508のみを、
図24A~24Cに示す)。ソケット508の数は、送達装置の作動組立品220の数と一致し得る。ソケット508は、ギアボックス300に面する第一のプル本体部材504の側面上に位置する。
【0105】
第一のプル本体部材504は、ハンドルの長手方向軸L1に平行な(およびプル本体の軸方向軸L3に平行な)方向に、ギアボックス300に向かって延在する一対のガイドアーム516を含み得る。ガイドアーム516は、ハンドルの長手方向軸L1に垂直な方向に離隔しており、対向関係にある。各ガイドアーム516は、フック付き端部522で終端する。
図24Aに示すように、ガイドアーム516は、ギアボックスハウジング304の第五のハウジングセクション/遠位端部分380のそれぞれのガイドスロット392に配置され得る。各ガイドアーム516は、ハンドルの長手方向軸L1に平行な方向に、それぞれのガイドスロット392内で移動し得る。ガイドアーム516のフック付き端部522は、ガイドアーム516の近位方向または遠位方向への移動を制限するために、それぞれのガイドスロット392内の肩部に係合するために、対向表面522a、522bを有する。
【0106】
第一のプル本体部材504は、ハンドルの長手方向軸L1に平行な(かつプル本体500の軸方向軸L3に平行な)方向に延在する一対のガイド部材520を含み得る。ガイド部材520は、ハンドルの長手方向軸L1に垂直な方向に離隔しており、対向関係にある。
図24Aに示すように、ガイド部材520は、ギアボックスハウジング304の第五のハウジングセクション/遠位端部分380のそれぞれのガイドチャネル395に配置され得る。各ガイド部材520は、ガイドアーム516がそれぞれのガイドスロット392内で長手方向に移動するにつれて、ハンドルの長手方向軸L1に平行な方向に、それぞれのガイドチャネル395内で移動し得る。
【0107】
プル本体500は、第一のプル本体部材504に隣接して配置された第二のプル本体部材524を含む。第二のプル本体部材524は、締結具、または溶接、接着剤などの他の好適な方法によって、第一のプル本体部材524に取り付けられ得る。第二のプル本体部材524は、プル本体500の軸方向軸L3に整列する軸方向軸を有する中央ハブ528を含む。第二のプル本体部材524は、中央ハブ528からプル本体500の周辺に延在する複数の半径方向アーム532を含む。半径方向アーム532は、プル本体500の軸方向軸L3の周りに角度付きで離隔している。各半径方向アーム532は、ピン536がプル本体500の周辺から突出するように、ピン536を搬送する。ピン536は、半径方向アーム532がプル本体500の軸方向軸L3の周りに角度付きで離隔することによって、プル本体500の軸方向軸L3の周りに角度付きで離隔している。
【0108】
第二のプル本体部材524は、第一のプル本体部材504の複数のソケット508の数および位置に対応する複数の開口部540を有する。それによって、作動管512は、開口部540を通ってソケット508に延在し得る。
図24Dに示すように、各作動管512は、ソケット508内に形成されたスロット544内に受容されるキー542(例えば、作動管の外径上の半径方向突出部)を有し得、ソケット508内の作動管512の回転を防止する(すなわち、作動管512は、プル本体500に対して回転方向に固定される)。
【0109】
図24Eに示すように、第一のプル本体部材504および第二のプル本体部材524は、ガイドロッド548を受容するために、整列した開口部546、547を有する。ガイドロッド548は、ギアボックスハウジング304の第五のハウジングセクション/遠位端部分380の開口部内に延在し、ガイドアーム516およびガイド部材520と共に、ガイドアーム516がギアボックスハウジング304の第五のハウジングセクション/遠位端部分380のそれぞれのスロット392内を移動する際に、プル本体500のギアボックス300との長手方向の整列を維持する。
【0110】
図24Dおよび
図24Fに示すように、各作動管512の内腔513は、作動組立品220の外側スリーブ244の近位端部分を受容する。外側スリーブ244は、(例えば、止めねじを使用して)作動管512に固定して取り付けられる。一部の事例では、作動管512は、ギアボックス300の遠位端に配置された結合セクション403(例えば、
図18に示すように、トルクリミッタ400の回転可能な組立品401を保持する区画374またはハウジング460に隣接して配置された結合セクション403)までは完全に延在し得ない。これらの場合、支持を、作動管512の近位端部分に提供するために、支持延長管552は、結合セクション403から作動管512の内腔513に延在し得る。支持延長管552は、結合セクション403に固定して取り付けられ得る。支持延長管552は、作動管512が、ガイドアーム516がギアボックス304の第五のハウジングセクション/遠位端部分380のスロット392に沿って移動する際に、結合セクション403に向かって、または結合セクション403から離れて支持延長管552の上で並進移動できるように、作動管512に固定されない。各作動ドライバ248は、それぞれの外側スリーブ244を通って、作動管512の内腔513を通って、支持延長管552を通って、コネクタシャフト402に延在し、コネクタシャフト402に固定される。
【0111】
図25Aおよび
図25Bを参照して、内側チャネル270は、第二のノブ268の内面に沿って形成される。内側チャネル270の数は、プル本体500のピン536の数と一致し得る。内側チャネル270の数は、第二のノブ268がプル本体500の周りに配置される場合(
図23に示すように)、各ピン536が対応する内側チャネル270に延在し得るように、第二のノブ268の中心軸L6の周りに角度付きで離隔され得る。各チャネル270は、
図25Bに示すように、Z形(またはS形)を有し得る。
【0112】
第二のノブ268が回転される場合、ピン536は、内側チャネル270に沿って摺動する。ピン536が内側チャネル270に沿って摺動する際に、プル本体500は、ハンドルの長手方向軸L1に沿って並進移動される。作動組立品220を人工心臓弁100から解放するために(例えば、人工心臓弁100を移植場所で半径方向に拡張した後に)、第二のノブ268は、プル本体500を近位に移動させる方向に(すなわち、ギアボックス300に向かって)回転させ得る。外側スリーブ244がプル本体500に取り付けられるため、外側スリーブ244は、ハンドルの長手方向軸L1に沿った方向に軸方向に変位される。外側スリーブ244の軸方向変位により、外側スリーブ244が、フレーム104から、および可撓性の細長い要素254から収納し得、アクチュエータドライバ248の可撓性の細長い要素254(
図7Aおよび
図7Bに示す)が、人工心臓弁100のアクチュエータヘッド176から解放され得る。
【0113】
人工心臓弁100の拡張中、ギアボックス300の動作によるアクチュエータドライバ248の回転移動により、人工心臓弁を、人工心臓弁の長手方向軸Lの周りで回転させる傾向があるトルクが、人工心臓弁100に加えられる。外側スリーブ244が、人工心臓弁100のフレーム104と係合するため、外側スリーブ244は、人工心臓弁100の長手方向軸Lの周りを回転する傾向がある。プル本体500が外側スリーブ244に結合されるため、プル本体500は、同様に外側スリーブ244と共に回転する傾向がある。
【0114】
ギアボックス300は、入力シャフト324の軸方向軸およびガイドロッド548の軸方向軸に整列する、ハンドルの長手方向軸L1の周りを旋回し得る。したがって、人工心臓弁100の拡張中にプル本体500が回転すると、ギアボックス300は、ハンドル204の長手方向軸L1の周りで旋回し得る。一部の実施例では、ハンドル204は、少なくとも人工心臓弁100の拡張中に、ギアボックス300の旋回を制限する機構を含む。一部の実施例では、機構は、ギアボックスハウジング304がハンドル204の本体に対して所定の回転位置にある場合、ギアボックスハウジング304に係合する停止部材を含み得る。
【0115】
図21A、21B、22C~22Eを参照して、ギアボックスハウジング304は、ギアボックスハウジング304の外面から突出する延長アーム356を有し得る。ギアボックスハウジング304がハンドル204の空洞205内に位置決めされる場合、延長アーム356は、ギアボックスハウジング304を囲む空洞205の一部分に延在する(
図21Aに示すように)。一部の実施例では、延長アーム356は、ハンドルの長手方向軸L1に垂直な平面内にある平坦な部材であり得る。突出部材360は、延長アーム356に取り付けられ得る、または延長アーム356と一体的に形成され得る。突出部材360は、ロッドまたはピンの形態とすることができる。突出部材360は、停止部材と接触するための丸みのある端部359を有し得る。突出部材360は、ハンドルの長手方向軸L1に垂直な方向に配向され得る。延長アーム356は、突出部材360の軸方向軸L4(
図22Eに示すように)が、ギアボックス300の旋回軸(またはハンドルの長手方向軸L1)を中心とする円形経路361に対して接線方向であるように、突出部材360を位置決めし得る。これはまた、突出部材360がギアボックス300の旋回軸の半径方向外側にあるものとして、説明され得る。したがって、突出部材360は、ギアボックス300が旋回するにつれて、円形経路361に沿って移動する。
【0116】
延長アーム356は、ギアボックスハウジング304のハウジングセクション330の一体部分として示される。しかしながら、延長アーム356は、他の実施例では、ギアボックスハウジングの他のハウジングセクションのいずれかの一体型の部分であり得る。また、延長アーム356は、ハウジングセクション330の上部に示される。しかしながら、延長アームは、ハウジングセクション330の該当場所に位置し得るが、ただし、それは、突出部材360を円形経路361に沿って位置決めすることを条件とする。あるいは、円形経路は、ハンドルの長手方向軸L1と同軸である限り、円形経路361よりも大きくても小さくてもよい。
【0117】
停止部材352は、ハンドル204の近位本体部分212の内面に装着され得(
図21Aに示すように)、その結果、突出部材360は、突出部材360が円形経路361に沿って移動する際に、停止部材352に接触し得る。停止部材352は、停止部材352の軸方向軸L5(
図22Eに示す)がまた、円形経路361に対して接線方向であるように、位置決めされ得る。したがって、突出部材360が円形経路361に沿って移動する際に、突出部材360は、停止部材352に遭遇する。一部の実施例では、停止部材352は、第一のノブ264(
図21Aに示す)が、人工心臓弁を拡張する方向に(例えば、ハンドルの近位端から見た場合、時計回りの方向に)回転される場合、停止部材352が、ギアボックス300の旋回を制限するように作用するように、位置決めされ得る。
【0118】
一部の実施例では、第一のノブ264は、人工心臓弁100を拡張する方向に回転され得る(例えば、ハンドルの近位端から見た場合、時計回りの方向に)。人工心臓弁100が拡張される際に、突出部材360が停止部材352とまだ接触していない場合、ギアボックス300全体は、停止部材352に向かう方向に、(
図21Aに示すように、入力シャフト324の軸方向軸と同一である)ハンドルの長手方向軸L1の周りを旋回し得る。ギアボックス300が旋回するにつれて、突出部材360は、突出部材360が停止部材352に遭遇するまで、円形経路361に沿って移動し、これは、その後、ギアボックス300の同一方向へのさらなる旋回を防止する。突出部材360が停止部材352と接触する間、ギア列308は、第一のノブ264および入力シャフト324の回転を通して、依然として操作され得る。
【0119】
一部の実施例では、停止部材352は、突出部材360が人工心臓弁の拡張中に停止部材352と接触する場合(
図21Bにより明瞭に示すように、停止部材352は、それが図示の簡略化のために結合されるハンドル本体なしで、
図21Bに示される)、突出部材360によって停止部材352に加えられる任意の負荷を測定することができるように、ロードセル(または力センサ)であり得る。この測定された負荷を使用し得、弁の拡張中に、人工心臓弁100に加えられるトルクを決定する。例えば、測定された負荷に、延長アーム356によって定義されるモーメントアームを乗じ得る。したがって、ロードセルで実装された停止部材352は、ギアボックス300の旋回を制限し、人工心臓弁100に加えられるトルクを測定する機能を果たし得る。ロードセルは、従来のトルクメータの寸法よりも相当に小さい寸法で提供され得、よりコンパクトなハンドル設計を可能にする。
【0120】
第一のノブ264が、人工心臓弁100を圧縮する方向に回転される(例えば、ハンドルの近位端から見た場合、反時計回りの方向に)際に、突出部材360は、停止部材352から離隔している。したがって、停止部材352は、ギアボックス300の旋回を制限するように作用せず、人工心臓弁100が圧縮されている場合、トルクを測定しない。一部の事例では、ハンドル本体は、人工心臓弁100の圧縮中に、ギアボックス300の旋回を制限するように作用し得る。例えば、
図26に示すように、ハンドル204の近位本体部分212は、ギアボックス300が人工心臓弁の圧縮に対応する方向R3(例えば、ハンドルの近位端から見た場合、反時計回りの方向、またはハンドルの遠位端から見た場合、時計回りの方向)に旋回する場合、ギアボックス300に係合する内側突出部213を含み得る。一部の事例では、ギアボックス300は、第二の延長アームおよび突出部材が備えられ得、第二のロードセル(または多方向性ロードセンサ)は、ハンドル本体上に装着され得る。第二の延長アーム上の突出部材は、人工心臓弁を圧縮しながら、人工心臓弁100に加えられるトルクを測定するために、第二のロードセルに接触するように配設され得る。
【0121】
図1~26を参照すると、人工心臓弁100は、半径方向の圧縮構成に設置され得、送達装置200の作動組立品220は、人工心臓弁100のアクチュエータ168に取り外し可能に結合され得る。送達装置200および人工心臓弁100は、患者の血管系を通ってガイドワイヤの上を、選択された移植部位(例えば、自然大動脈弁輪)まで前進させられ得る。例えば、人工心臓弁100を自然大動脈弁内に移植する場合、送達装置200および人工心臓弁100は、大腿動脈に、大腿動脈を通って、および大動脈を通って自然大動脈弁に挿入され得る。その後、人工心臓弁100は、移植場所で展開され得る。
【0122】
一部の実施例では、人工心臓弁100は、患者の血管系への挿入前に、送達カプセル226内に封入される。この場合、第三のノブ272は、送達カプセル226を収納し、人工心臓弁100を曝露するように操作され得る。人工心臓弁100を展開するために、医師は、第一のノブ264を回転させて、一組の第一のアクチュエータドライバ(例えば、248a、248b、248c)を第一の方向に、一組の第二のアクチュエータドライバ(例えば、248d、248e、248f)を第二の方向に回転させ得、これは、人工心臓弁100の第一および第二の組のアクチュエータの、人工心臓弁100を半径方向に拡張する方向への逆回転に対応する。
【0123】
弁拡張中、自然解剖学的構造に加えられるトルクは、ハンドル204内の停止部材/ロードセル352を介して、測定され得る。弁拡張中、トルクリミッタ400は、それぞれのアクチュエータドライバ248が過負荷になる場合、ギアボックス300を停止し得る。人工心臓弁100がアクチュエータの回転によって作動直径まで拡張された後に、作動組立品220は、人工心臓弁100から解放され得る。作動組立品220を解放するために、プル本体500は、外側スリーブ244を、人工心臓弁100のフレーム104およびアクチュエータドライバ248の可撓性の細長い要素254から収納させるように、ハンドル204の長手方向軸L1に沿って近位に並進移動され得る(例えば、第二のノブ268を回転させることによって)。解放された可撓性の細長い要素254は、人工心臓弁100のアクチュエータヘッド176から取り外され得、送達装置が本体から引き出され得る。
【0124】
図27Aおよび
図27Bは、一部の実施例に係る、トルクリミッタ600を示す。トルクリミッタ600は、アクチュエータドライバ248をギアボックス300の出力シャフト346に結合し得(例えば、
図9A~9Cに示す)、アクチュエータドライバ248のトルクが閾値を超える場合、アクチュエータドライバ248の回転を防止するように動作し得る。ロック解除状態では、
図27Aに示すように、トルクリミッタ600は、出力シャフト346の回転を、アクチュエータドライバ248に伝達する。ロック状態では、
図27Bに示すように、アクチュエータドライバ248の出力シャフト346を介した回転が防止される。トルクリミッタ600は、以下でさらに説明するように、アクチュエータドライバ248のトルクが閾値を超える場合、ロック解除状態からロック状態に移行する。閾値は、人工心臓弁を回転させるために、アクチュエータドライバ248を回転させる間、アクチュエータドライバ248で許容される最大トルク(またはアクチュエータドライバ248で許容される最大トルクの公差内)であり得る。最大トルクを超えるトルクでのアクチュエータドライバ248の継続的な回転により、アクチュエータドライバ248および/または人工心臓弁に損傷が生じ得る。アクチュエータドライバ248のトルクが閾値を超える場合、トルクリミッタ600をロック状態に移行させることで、最大トルクを超えるアクチュエータドライバ248の継続的な動作が防止される。
【0125】
トルクリミッタ600は、長手方向軸L7を有するハウジング620を含む。ハウジング620は、ギアボックス300に取り付けられ得る別個のハウジング、またはギアボックスハウジング304の一体型の区画となり得る(例えば、
図9A~Cに示す)。
【0126】
トルクリミッタ600は、ドライバ部材608、係合部材612、および基部部材616を含む。ドライバ部材608、係合部材612、および基部部材616は、一部の実施例では、ハウジング620のチャンバ622内に配置され、長手方向軸L7に沿って軸方向に整列され得る。係合部材612は、出力シャフト346に固定して安定され、ドライバ部材608と基部部材616との間に位置し、長手方向軸L7に沿って軸方向に移動可能である。ドライバ部材608は、アクチュエータドライバ248に固定して安定される。ドライバ部材608および係合部材612は、ハウジング620に対して、長手方向軸L7の周りを回転可能である。基部部材616は、長手方向軸L7に対して回転方向に固定される(例えば、ハウジング620を介して)。
【0127】
アクチュエータドライバ248は、ドライバ部材608に取り付けられ、ドライバ部材608とともに回転する。出力シャフト346は、係合部材612に取り付けられ、係合部材612とともに回転する。出力シャフト346は、係合部材612から、基部部材616の孔を通って、ギア344まで延在し得る。ギア344は、ギア列(例えば、
図10A~10Cに示すギア列308)の一部である。
【0128】
トルクリミッタ600のロック解除状態では(
図27Aに示すように)、係合部材612は、ドライバ部材608に係合し、基部部材616から分離される(例えば、隙間G1によって)。ロック解除状態では、トルクは、例えば、ハンドルから、ギアボックスを通って、出力シャフト346に、および係合部材612およびドライバ部材608を通って、アクチュエータドライバ248に伝達され得る。アクチュエータドライバ248によって発生されるトルク(例えば、ドライバ部材608の回転を介して、係合部材612上に)が閾値を超える場合、係合部材612は、係合部材612が基部部材616に係合するまで、基部部材616に向かって軸方向に変位され得る(
図27Bに示すように)。この時点で、トルクリミッタ600は、ロック状態にあり(またはロックされて)、係合部材612は、ドライバ部材608に対してもはや回転され得ない。出力シャフト346が係合部材612に接続されているため、トルクリミッタがロック状態にある場合、出力シャフト346の回転も防止される。
【0129】
一部の実施例では、ギアボックスのギア間の接続に起因して、トルクリミッタのうちの一つ以上がロックされる場合、すべてのアクチュエータドライバは、回転が防止される。ロックされたトルクリミッタはまた、作動ノブの回転を防止する。このようにして、一部の実施例では、送達装置用のハンドルは、送達装置が一つ以上のアクチュエータドライバを備えるかどうかにかかわらず、一つ以上のトルクリミッタを含み得る。一部の実施例では、送達装置用のハンドルは、複数のトルクリミッタ(例えば、各アクチュエータドライバに対して一つのトルクリミッタ)を備え得る。
【0130】
図28Aを参照して、トルクリミッタ600のドライバ部材608は、ドライバ本体628を含み得る。ドライバ本体628の近位端面630は、長手方向軸L7に垂直な軸に沿って配置された一組のドライバ歯636を含む。一組のドライバ歯636の各ドライバ歯636は、対向歯面636a、636bを有する。一部の実施例では、歯面636aは、長手方向軸L7によって画定される軸方向に(例えば、長手方向軸L7に平行に)延在する軸方向表面であり、歯面636bは、傾斜表面(例えば、歯面636aおよび軸方向に傾斜)である。一部の実施例では、歯面636aは、傾斜表面(例えば、長手方向軸L7に平行に延在しない)であり得る。歯面636a、636bは、角度α1を有する歯尖638で接合される。
【0131】
アクチュエータドライバ248は、ドライバ本体628の遠位端から遠位に延在する。アクチュエータドライバ248は、任意の好適な方法を使用して(アクチュエータドライバ248の端部分を、ドライバ本体628の孔に挿入し、接着剤、締結具、および/または他の結合手段を介して、端部分を孔に固定することによってなど)ドライバ本体628に結合され得る。一部の実施例では、アクチュエータドライバ248およびドライバ部材608は、単一の一体型構成要素として、一体的に形成され得る。
【0132】
図28Bを参照して、係合部材612は、係合部材本体640を含む。係合部材本体640の遠位端面642は、長手方向軸L7の周りに配設された一組の係合歯648を含む。一組の係合歯648の各係合歯648は、対向歯面648a、648bを有する。一部の実施例では、歯面648aは、長手方向軸L7によって画定される軸方向に延在する軸方向表面であり(例えば、長手方向軸L7に平行)、歯面648bは、傾斜表面である(例えば、歯面648aおよび軸方向に傾斜している)。一部の実施例では、歯面648aは、傾斜表面(例えば、長手方向軸L7に平行に延在しない)であり得る。歯面648a、648bは、角度α2を有する歯尖649で接合される。一部の実施例では、角度α2は、角度α1と同一であり得る(
図28Aに示す)。他の実施例では、角度 α2は、角度α1と異なり得る。傾斜歯面636b、648bは、係合部材612がドライバ部材608に対して軸方向に変位するにつれて、互いに対して摺動し得る。
【0133】
出力シャフト346は、係合部材本体640の近位端から近位に延在する。出力シャフト346は、任意の好適な方法を使用して(例えば、出力シャフト346の端部分を係合部材本体640の孔に挿入し、接着剤、締結具、および/または他の結合手段を介して、端部分を孔に固定することによって)、係合部材本体640に結合され得る。一部の実施例では、出力シャフト346および係合部材612は、単一の一体型構成要素として、一体的に形成され得る。
【0134】
図27Aおよび
図27Bに示すように、トルクリミッタ600において、係合部材612は、ドライバ部材608に軸方向に整列し、一組の係合歯648が一組のドライバ歯636と対向関係にあるように、配向される。一部の実施例では、一組の係合歯648は、
図27Aおよび
図27Bに示すように、一組の係合歯648が一組のドライバ歯636と係合し得る点で、一組のドライバ歯636に相補的であり得る。一部の実施例では、係合歯648の歯プロファイルは、ドライバ歯636の歯プロファイルと同一であり得る(例えば、角度α1およびα2は、同一であり、係合歯648およびドライバ歯636の歯面の傾斜は、同一である)。一部の実施例では、係合歯648の歯プロファイルは、ドライバ歯636の歯プロファイルとは異なり得る(例えば、角度α1およびα2は、異なっていてもよく、または角度α1およびα2は、同一であってもよいが、係合歯648およびドライバ歯636の歯面の傾斜は、異なっていてもよい)。
【0135】
一部の実施例では、トルクリミッタ600は、
図27Aおよび
図27Bのばね624として示される付勢部材を含み得るが、異なる種類の付勢部材(例えば、弾性変形可能部材、油圧ピストン、空気圧ピストンなど)であり得る。ばね624(または付勢部材)は、係合部材612を基部部材616から離して、ドライバ部材608に対して付勢するように構成される。トルクリミッタ600のロック解除状態では、ばね624(または付勢部材)は、一組の係合歯648が一組のドライバ歯636に完全に係合するように、係合部材612をドライバ部材608に対して付勢し得る(例えば、
図27Aを参照)。アクチュエータドライバ248のトルクが閾値を超える場合、係合部材612は、ドライバ部材608から軸方向に離れて移動され、ばね624(または付勢部材)は、圧縮される(例えば、
図27Bを参照)。
【0136】
図28Cは、対向するドライバ歯636と係合歯648との間のインターフェースでの力成分を示す。力成分F
xは、長手方向軸L7に平行な方向(または軸方向)に作用し、力成分F
θは、長手方向軸L7に垂直な方向に作用する。歯636、648間の対応する軸方向および接線方向の力は、以下のように表現され得る。
F
θ=M/R (1)
F
x=KΔY (2)
F
τ(α)=F
x/F
θ (3)
【0137】
式(1)~(3)において、F
xは、長手方向軸L7に平行な方向(または軸方向)に歯に作用する力成分であり、F
θは、長手方向軸L7に垂直な方向に歯に作用する力成分であり、Mは、アクチュエータドライバによって歯に加えられるモーメントであり、Rはモーメントアーム(例えば、長手方向軸L7からの歯の半径方向距離)であり、F
Tは、歯に加えられる接線方向の力であり、αは、歯面間の角度であり、kは、ばね624のばね定数(または付勢部材の付勢定数)であり、ΔYは、係合部材612(または一組の係合歯648)がドライバ部材608から(または一組のドライバ歯636から)変位される距離である。組の歯636、648が完全に係合する場合(
図27Aに示すように)、ΔYは、ゼロである。
【0138】
図27Aおよび
図27Bに戻ると、係合部材612の近位端面650は、一組の係止歯652を含む。基部部材616は、基部本体660を含む。基部本体660の遠位端面662は、係合部材612の一組の係止歯652と対向関係にあるように位置決めされた一組の係止歯664を含み、一組の係止歯664と連動し得る。トルクリミッタ600のロック解除状態では、係合部材612の一組の係止歯652は、隙間G1(
図27Aに示す)によって、基部部材616の一組の係止歯664から分離する。この分離は、係合部材612をドライバ部材608に向かって付勢するばね624によって維持され得る。係止歯664、652が分離される間、係合部材612は、出力シャフト346によって長手方向軸L7の周りを回転され得る。
【0139】
基部本体660は、基部部材616をハウジング620に取り付けるために使用され得る近位フランジ668を含み得、これは、ハウジング620に対する、長手方向軸L7の周りの基部部材616の回転を防止するであろう。出力シャフト346は、係合部材612から、基部本体660の中央開口部または孔661を通って、近位に延在し得る。ばね624は、係合部材612と基部部材616との間の出力シャフト346の一部分の周りに配置される。ばね624の一方の端が、係合部材612に取り付けられ得る一方、ばね624の他方の端は、基部部材616の表面666に当接する(またはその逆)。
【0140】
トルクリミッタ600のロック解除状態では、ばね624は、自由状態であり、係合部材612をドライバ部材608に向かって付勢する。ロック解除状態では、係合部材612の一組の係止歯652は、係合部材612(および出力シャフト346)が基部部材616に対して自由に回転可能になる隙間G1によって、基部部材616の一組の係止歯664から分離される。ばね624の付勢力は、アクチュエータドライバ248のトルクが閾値を超える場合、解消され得る。これが起こる場合、係合部材612は、係合部材612の一組の係止歯652が、
図27Bに示すように、基部部材616の一組の係止歯664と係合し、連動するまで、基部部材616に向かって軸方向に変位され得る。基部部材616は回転方向に固定されるため、係合部材612の一組の係止歯652がドライバ部材616の一組の係止歯664と連動される場合、係合部材612の回転は防止される。結果として、ドライバ部材608およびアクチュエータドライバ248、ならびに出力シャフト346は、基部部材616に対する回転が防止される。これは、例えば、人工心臓弁の作動シャフトが損傷される可能性を低減し得る。
【0141】
一部の実施例では、ドライバ歯636および係合歯648の歯面の間の角度α(
図28Aおよび
図28Bのα1およびα2に対応する)およびばね624のばね定数kは、トルクMが閾値を超える場合、係合部材612の変位ΔYが、係合部材612の一組の係止歯652を、基部部材616の一組の係止歯664と連動させるのに十分であるように、アクチュエータドライバ248のトルクMに応答して、係合部材612の変位ΔYを許容するために選択され得、これは、係合部材612のさらなる回転を停止することになろう。閾値は、アクチュエータドライバ248にあり得る最大トルクの公差内にあり得る(例えば、最大トルクの15%以内)。一部の実施例では、アクチュエータドライバ248の最大トルクは、50N-mmとすることができる。
【0142】
係合部材612が組の歯652、664の連動に起因して、回転を停止する場合、出力シャフト346および出力シャフト346に係合されたギア344は、回転を停止する。ギアボックス300内のすべてのギアが相互接続されているため(例えば、
図10Aに示すように)、ギアボックス全体も停止し、これは、ギアボックス300に結合された他のすべてのアクチュエータドライバの回転移動を防止し得る。ギアボックス300に結合されたアクチュエータドライバの各々は、アクチュエータドライバのうちのいずれか一つのトルクが閾値を一旦超えると、ギアボックス300が停止され得るように、トルクリミッタ600が提供され得る。
【0143】
一部の実施例では、
図27Aに示すように、一組の係合歯648および一組のドライバ歯636の軸方向長さH1、H2(
図27Aに示す)は、トルクリミッタ600のロック解除状態での一組の係止歯652と一組の係止歯664との間の隙間G1(
図27Aに示す)よりも長くなり得る。したがって、隙間G1が、
図27Bに示すように、トルクリミッタ600のロック状態の組の係止歯652、664の連動中に閉じられる場合、一組の係合歯648の傾斜歯面648bは、一組のドライバ歯636の傾斜歯面636bと係合したままであり得る。組の係合歯648およびドライバ歯636が互いに係合し、組の係止歯652、664が互いに連動されている間、アクチュエータドライバ248の回転が防止される。
【0144】
図29Aは、一部の実施例に係る、トルクリミッタ700を示す。本明細書に記載されるトルクリミッタ600と同様に、トルクリミッタ700は、ドライバ部材708、係合部材712、および長手方向軸L8を有するハウジング720の空洞722内に配置された基部部材716を含む。部材708、712、716は、長手方向軸L8に沿って軸方向に整列される。係合部材712は、ドライバ部材708と基部部材716との間に位置する。ドライバ部材708および係合部材712は、ハウジング720に対して、長手方向軸L8の周りを回転可能である。基部部材716は、ハウジング720に対して、長手方向軸L8の周りに回転方向に固定される。
【0145】
ドライバ部材708は、ドライバ本体728を含む。ドライバ本体728の近位端面730は、一組のドライバ歯736を含む。ドライバ歯736は、隣接する歯736の根が近位端面730で互いに接続された状態で、長手方向軸L8の周りに配置される。各ドライバ歯736は、対向歯面736a、736bを有する。一部の実施例では、歯面736a、736bは、長手方向軸L8に対して傾斜している。歯面736a、736bは、互いに向かって傾斜し、鋭角α3を有する歯尖で接合される。歯面736a、736bの傾斜角β1およびβ2は、異なってもよい。
【0146】
アクチュエータドライバ248は、ドライバ本体728の遠位端から遠位に延在する。アクチュエータドライバ248は、任意の好適な方法を使用して(アクチュエータドライバ248の端部分をドライバ本体728の孔に挿入し、端部分を孔に固定することによってなど)、ドライバ本体728に結合され得る。
【0147】
係合部材712は、係合本体740を含む。係合体740の遠位端面は、長手方向軸L8の周りに配設された一組の係合歯748を含む。
図29Bに示すように、係合歯748は、対向歯面748a、748bを有する。一部の実施例では、歯面748a、748bは、長手方向軸L8に対して、互いに向かって傾斜している。歯面748a、748bは、ドライバ歯面736a、736b間の角度α3と同一であっても異なっていてもよい角度α4を有する歯尖750を形成する。歯面748a、748bの傾斜角β3およびβ4は、ドライバ歯面736a、736bの傾斜角β1およびβ2と同一であってもよく、または異なってもよい。
【0148】
図29Aに戻ると、出力シャフト346は、係合部材740の近位端から近位に延在する。出力シャフト346は、任意の好適な方法を使用して(例えば、出力シャフト346の端部分を係合部材本体740の孔に挿入し、端部分を孔内に固定することによって)、係合部材本体740に係合され得る。
【0149】
係合部材712は、ドライバ部材708と軸方向に整列し、一組の係合歯748が一組の係合歯732と対向関係にあるように、配向される。組の歯732、744は、歯732、744がトルクリミッタのロック状態およびロック解除状態の両方で互いに係合し得るという点で、相補的である。一部の実施例では、歯732、744は、相補的であり得、同一の歯プロファイルを有し得る。他の実施例では、歯732、744は、相補的であり得、異なる歯プロファイルを有し得る。歯736、748の各々の二つの傾斜面は、組の歯732、744が、いずれかの方向へのアクチュエータドライバ248の回転移動中に、互いの上を摺動可能になる。
【0150】
係合部材712の近位端部分710は、長手方向軸L8の周りに配置された一組の係止歯756を含む。一組の係止歯756の係止歯756は、スロット754によって長手方向軸L8の周りに角度付きで離隔している。各係止歯756は、長手方向軸L8に対して半径方向に配向された対向歯面756a、756bを有する。対向歯面756a、756bは、歯先758に接続される。歯面756a、756bと歯頂部758との間の縁は、面取りされ得る。隣接する歯756上の歯面756a、756bは、くさび形状のスロット754(
図29Cに示す)を歯の間に形成するように角度付けられ得る。
【0151】
基部部材716は、係合部材712の近位端と対向関係にある遠位端を有する基部本体760を含む。基部本体760の遠位端部分は、一組の係止歯768を含み、これは、係止歯768が係止歯756と係合する(例えば、噛み合う)ことができるという点で、一組の係止歯756と相補的である。一組の係止歯768の係止歯768は、スロット766によって離隔している。各係止歯768は、長手方向軸L8に対して半径方向に配向された対向歯面768a、768bを有する。対向歯面768a、768bは、歯先770に接続される。歯面768a、768bと歯頂部770との間の縁は、面取りされ得る。隣接する歯768上の歯面768a、768bは、くさび形状のスロット754(
図29C)を歯の間に形成するように角度付けられ得る。
【0152】
組の歯756、768間にインターロックを形成するために、係合部材712は、歯頂部758、770が互いに近接するまで、基部部材716に向かって変位され得る。係合部材712は、係合部材712の係止歯756が基部部材716の係止歯768間のスロット766に整列する(および係止歯768が係止歯756間のスロット754に整列する)場合、係合部材712の係止歯756が基部部材716の係止歯768間のスロット766に摺動し得るように、同時に回転され得る。係合部材712の基部部材716に向かうさらなる変位により、係止歯756が、歯先758がスロット766の底部に接触するまで、さらにスロット766に押し込まれ得る。一部の実施例では、スロット766、754は、確実なインターロックを組の歯756、768の間に形成するために、くさび形状のスロットであり得る(くさび形状のスロット754は、
図29Cに示され、くさび形状のスロット766は、くさび形状のスロット754に類似であり得る)。
【0153】
基部部材716は、基部部材716を、ハウジング720に対して、長手方向軸L8の周りに回転方向に固定するために、ハウジング720に取り付けられ得る近位フランジ762を含み得る。出力シャフト324は、係合部材712から、近位フランジ762および基部本体760内に形成された中央開口部を通って、近位に延在し得る。ギア列のギア344(例えば、
図10A~10Cに示すギア列308)は、出力シャフト346に結合される。出力シャフト324は、長手方向軸L8に軸方向に整列され得る。ばね724は、出力シャフト324の周りに、係合部材712と基部部材716との間に配置され得る。ばね724は、自由状態では、係合部材712をドライバ部材708に向かって付勢する力を、係合部材712に加えることができる。
【0154】
図30Aは、アクチュエータのトルクが閾値を下回るトルクリミッタ700の初期状態を示す。この初期状態では、ばね724は、自由状態であり、係合部材712は、ドライバ部材708に対して付勢され、ドライバ歯732および係合歯748は、完全に係合される。この状態では、係合部材712の係止歯756は、基部部材716の係止歯768から隙間G2によって分離(軸方向に離隔)され、これにより、係合部材712が出力シャフト346によって回転可能になり得る(
図29Aに示す)。ドライバ歯732および係合歯748が係合しているため、係合部材712の回転は、アクチュエータドライバ248に伝達され得る。
【0155】
アクチュエータドライバ248のトルクが閾値に達する際に、係合部材712は、
図30B(係止歯756、768の間の隙間G3は、
図30Aに示す以前のG2よりも小さい)に示すように、近位方向(すなわち、基部部材716に向かう方向)に移動を開始する。係合歯748は、係合部材712の近位移動中に、ドライバ歯736の上を摺動し始め、係合部材712に、ばね724に対して作用させる。係合部材712が、基部部材716に向かって変位するが、係合部材712の一組の係止歯756が、基部部材716の一組の係止歯768に係合していない一方、アクチュエータドライバ248のいずれかの方向への回転は、係合歯748をドライバ歯736の上をいずれかの方向でも摺動させることによって、可能である。
【0156】
アクチュエータドライバ248のトルクが増加するにつれて、係合部材712の基部部材716に向かうさらなる移動により、
図30Cおよび
図30Dに示すように、係合部材712の係止歯756が基部部材716の係止歯768と連動する。係止歯756、768が一旦連動されると、係合部材712の回転は、もはや不可能になる。
図30Dに示すように、ドライバ部材708、係合部材712、および基部部材716の間の距離は、係止歯756、768が連動される場合でさえも、係合歯748がドライバ歯732と接触したままとなるように、設計され得、それ故に、ドライバ部材708およびアクチュエータドライバ248の回転移動を効果的に防止する。
【0157】
トルクリミッタ600および700は、トルクリミッタ400について記載したのと同一の様式で、送達装置のハンドル内に収容され得る。例えば、トルクリミッタ600および700のいずれかは、
図21Aのハンドル204内に示すトルクリミッタ400と置き換わり得る。ギアボックス300の出力シャフト324に結合されたアクチュエータドライバ248のうちの一つ以上は、対応するトルクリミッタ600または700を有し得る。一部の実施例では、アクチュエータドライバ248の各々は、アクチュエータドライバ248のいずれか一つのトルクが閾値を超える場合、トルクリミッタ600または700がギアボックス300を停止するように作用し得るように、対応するトルクリミッタ600または700を有し得る。ギアボックス300を停止することによって、自然解剖学的構造および/または人工心臓弁への損傷が防止され得る。
【0158】
一部の実施例では、ユーザが、ギアボックス300に結合されたノブ(例えば、
図8に示す第一のノブ264)を、人工心臓弁を拡張する方向に回転させている間、アクチュエータドライバ248のうちのいずれか一つのトルクは、閾値を超え得る。トルクが閾値を超える場合、アクチュエータドライバ248に結合されたトルクリミッタ(例えば、トルクリミッタ600または700)は、ギアボックス300を停止するように作用し得る。ギアボックス300が停止される場合、ユーザは、ノブを、人工心臓弁を拡張する方向に回転させることがもはやできなくなる。この時点で、人工心臓弁が所望の作動直径まで既に拡張されている場合、ユーザは、アクチュエータドライバ248を人工心臓弁から解放することができる。あるいは、人工心臓弁が所望の作動直径にない場合、ユーザは、ノブを拡張方向と反対の方向に回転させることによって、人工心臓弁を圧縮することができる。ユーザは、人工心臓弁を移植部位から取り外すことができる。
【0159】
本明細書のシステム、装置、装置などはいずれも、患者での使用に安全であることを確実にするために滅菌され得(例えば、熱、放射線、および/または化学物質などを用いて)、本明細書の方法はいずれも、方法の工程のうちの一つとして、関連するシステム、装置、装置などの滅菌を含むことができる。滅菌で使用するための放射線の例としては、ガンマ放射線および紫外線が挙げられるが、これらに限定されない。滅菌で使用するための化学物質の例としては、エチレンオキシドおよび過酸化水素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0160】
本明細書または本明細書に組み込まれる参考文献に記載または示唆される治療技術、方法、工程などは、生存している動物に対して、または死体、死体の心臓、シミュレータ(例えば、身体部分、組織などをシミュレーションして)などの、非生体シミュレーションに対して実行され得る。
【0161】
[実施例]
本明細書に記載される原理に基づく一部の実施例を以下に列挙する。対象の範囲内にある実施例は、例えば、一実施例の一つの特徴を単独で取ること、一実施例の複数の特徴を組み合わせて取ること、または一実施例の一つ以上の特徴を、一つ以上の他の実施例の一つ以上の特徴と組み合わせることによって、構成され得る。
【0162】
実施例1.
人工心臓弁のための送達装置は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端まで延在する空洞を有するハンドルと、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在する遠位端部分を有する、第一のアクチュエータドライバと、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在する遠位端部分を有する、第二のアクチュエータドライバと、空洞内に配置され、第一および第二のアクチュエータドライバの近位端部分に結合され、第一および第二のアクチュエータドライバを反対方向に同時に回転させるように構成される、ギア列と、を備える。
【0163】
実施例2.
ギア列は、入力ギアと、入力ギアと係合し、それによって駆動される伝動ギアと、伝動ギアに回転可能に結合された第一の駆動ギアと、第一の駆動ギアと係合し、それによって駆動される第二の駆動ギアと、第一の駆動ギアと係合し、それによって駆動される第一の出力ギアであって、第一のアクチュエータドライバは、第一の出力ギアに結合される、第一の出力ギアと、第二の駆動ギアと係合し、それによって駆動される第二の出力ギアであって、第二のアクチュエータドライバは、第二の出力ギアに結合される、第二の出力ギアと、を備える、実施例1に記載の送達装置。
【0164】
実施例3.
ハンドルは、入力ギアに結合された回転可能なノブをさらに備える、実施例2に記載の送達装置。
【0165】
実施例4.
回転可能なノブは、ハンドルの近位端に配置される、実施例3に記載の送達装置。
【0166】
実施例5.
入力ギアは、入力シャフトに結合され、回転可能なノブは、入力シャフトに結合される、実施例3~4のいずれか一つに記載の送達装置。
【0167】
実施例6.
伝動ギアおよび第一の駆動ギアは、入力シャフトに平行に配列された第一のシャフトに結合され、第二の駆動ギアは、第一のシャフトに平行に配列された第二のシャフトに結合される、実施例5に記載の送達装置。
【0168】
実施例7.
ハンドルは、近位端から遠位端まで延在する第一の長手方向軸を有し、入力シャフトは、第一の長手方向軸に整列した第二の長手方向軸を有する、実施例5~6のいずれか一つに記載の送達装置。
【0169】
実施例8.
人工心臓弁のための送達装置は、長手方向軸および長手方向軸に沿って延在する空洞を有するハンドルと、一組の第一のアクチュエータドライバであって、各第一のアクチュエータドライバが、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在する遠位端部分を有する、一組の第一のアクチュエータドライバと、一組の第二のアクチュエータドライバであって、各第二のアクチュエータドライバが、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在する遠位端部分を有する、一組の第二のアクチュエータドライバと、第一の作動ドライバに結合され、第一のアクチュエータドライバを第一の方向に回転させるように構成される、第一の駆動ギアと、第二のアクチュエータドライバに結合され、第二のアクチュエータドライバを、第一の方向と反対の第二の方向に回転させるように構成される、第二の駆動ギアと、を備える。
【0170】
実施例9.
実施例8に記載の送達装置は、長手方向軸に整列した入力シャフトと、入力シャフトに結合された入力ギアと、入力シャフトと平行に配設された第一のシャフトと、第一のシャフトに結合され、入力ギアと係合した伝動ギアと、をさらに備え、第一の駆動ギアは、第一のシャフトに結合され、第二の駆動ギアは、第一の駆動ギアと係合する。
【0171】
実施例10.
実施例9に記載の送達装置は、第一のシャフトと平行に配設された第二のシャフトをさらに備え、第二の駆動ギアは、第二のシャフトに結合される。
【0172】
実施例11.
実施例8~10のいずれか一つに記載の送達装置は、第一の駆動ギアと係合する一組の第一の出力ギアと、第二の駆動ギアと係合する一組の第二の出力ギアと、をさらに備え、第一の出力ギアの各々は、第一のアクチュエータドライバのうちの一つの近位端部分に結合され、第二の出力ギアの各々は、第二のアクチュエータドライバのうちの一つの近位端部分に結合される。
【0173】
実施例12.
ハンドルは、入力シャフトに結合された回転可能なノブを備える、実施例9~11のいずれか一つに記載の送達装置。
【0174】
実施例13.
実施例7~12のいずれか一つに記載の送達装置は、ハンドルに結合されたシャフト組立品をさらに備え、シャフト組立品が、第一の内腔を有する第一の送達シャフトと、複数の内腔を有する第二の送達シャフトと、を備え、第二の送達シャフトが、第一の内腔を通って延在し、第一および第二のアクチュエータドライバは、第二の送達シャフトの複数の内腔を通って延在する。
【0175】
実施例14.
一組の第一のアクチュエータドライバの一組は、三つの第一のアクチュエータドライバを備え、一組の第二のアクチュエータドライバは、三つの第二のアクチュエータドライバを備える、実施例7~13のいずれか一つに記載の送達装置。
【0176】
実施例15.
人工心臓弁は、流入端、流出端、および流入端から流出端まで延在する長手方向軸を有し、半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で移動可能である、フレームと、第一の位置でフレームに結合された第一のアクチュエータと、フレームの周囲に沿って第一の位置から離隔される第二の位置でフレームに結合された第二のアクチュエータと、を備え、第一のアクチュエータが第一の回転方向に回転し、第二のアクチュエータが第一の回転方向と反対の第二の回転方向に回転すると、フレームが半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で移動する。
【0177】
実施例16.
第一のアクチュエータは、第一の構成を有するねじ付き部分を備え、第二のアクチュエータは、第一の構成と反対の第二の構成を有するねじ付き部分を備える、実施例15に記載の人工心臓弁。
【0178】
実施例17.
フレームは、長手方向軸に整列した複数の支持ポストと、支持ポストを相互接続する複数の支柱と、を備え、第一のアクチュエータは、複数の支持ポストの第一の支持ポストに結合され、第二のアクチュエータは、複数の支持ポストの第二の支持ポストに結合される、実施例15~16のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0179】
実施例18.
第一の支持ポストおよび第二の支持ポストの各々は、隙間を備え、アクチュエータの各々は、それぞれの支持ポストの隙間にわたって延在するアクチュエータロッドを備え、作動ロッドの各々の回転により、それぞれの支持ポストの隙間のサイズが調整される、実施例17に記載の人工心臓弁。
【0180】
実施例19.
実施例15~18のいずれか一つに記載の人工心臓弁は、フレーム内に配置され、それに結合される弁構造体をさらに備える。
【0181】
実施例20.
送達組立品は、流入端、流出端、および流入端から流出端まで延在する長手方向軸を有し、半径方向の拡張構成と半径方向の圧縮構成との間で移動可能である、フレームと、第一の位置でフレームに結合された第一のアクチュエータと、フレームの周囲に沿って第一の位置から離隔される第二の位置でフレームに結合された第二のアクチュエータと、を備える、人工心臓弁を備える。送達組立品は、近位端、遠位端、および近位端から遠位端まで延在する空洞を有するハンドルと、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在し、第一のアクチュエータに取り外し可能に結合された遠位端部分を有する、第一のアクチュエータドライバと、空洞内に配置された近位端部分、および空洞から外に延在し、第二のアクチュエータに取り外し可能に結合される遠位端部分を有する、第二のアクチュエータドライバと、空洞内に配置され、第一および第二のアクチュエータドライバの近位端部分に結合され、第一および第二のアクチュエータドライバを反対方向に同時に回転させるように構成される、ギア列と、をさらに備える。
【0182】
実施例21.
人工心臓弁は、フレーム内に配置され、それに結合される弁構造体をさらに備える、実施例20に記載の送達組立品。
【0183】
実施例22.
人工心臓弁のための送達装置は、空洞を有するハンドルと、空洞内に配置され、少なくとも一つの出力シャフトおよびそれに結合されたギアを備える、ギアボックスと、所定のトルク制限範囲を有するアクチュエータドライバと、少なくとも一つの出力シャフトをアクチュエータドライバに結合する回転可能な組立品と、を備え、回転可能な組立品が、少なくとも一つの出力シャフトおよびアクチュエータドライバが長手方向軸の周りを一緒に回転する、第一の回転状態と、少なくとも一つの出力シャフトおよびアクチュエータドライバが、長手方向軸の周りを一緒に回転しない、第二の回転状態と、を有し、第一の回転状態は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲を下回る時期に対応し、第二の回転状態は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲内にある時期に対応する。
【0184】
実施例23.
回転可能な組立品は、少なくとも一つの出力シャフトに結合された第一の回転可能な本体と、アクチュエータドライバに結合された第二の回転可能な本体と、第一の回転可能な本体を第二の回転可能な本体に結合する回転付勢部材と、を備える、実施例22に記載の送達装置。
【0185】
実施例24.
回転付勢部材は、コイル部分、第一の回転可能な本体に結合された第一の端部分、および第二の回転可能な本体に結合された第二の端部分を有するねじりばねを備える、実施例23に記載の送達装置。
【0186】
実施例25.
ねじりばねは、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲内である場合、第一の端部分と第二の端部分との間の角度間隔を減少させる方向にねじれるように構成される、実施例24に記載の送達装置。
【0187】
実施例26.
ねじりばねは、前負荷を有し、回転可能な組立品は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが、ねじりばね内の前負荷を超える場合、第一の回転状態から第二の回転状態まで移行する、実施例24に記載の送達装置。
【0188】
実施例27.
第二の回転可能な本体を通って延在するコネクタシャフトをさらに備え、コイル部分は、コネクタシャフトの周りに配置される、実施例24~26のいずれか一つに記載の送達装置。
【0189】
実施例28.
コネクタシャフトの第一の端部分は、第一の回転可能な本体に延在し、コネクタシャフトの第二の端部分は、アクチュエータドライバに結合される、実施例27に記載の送達装置。
【0190】
実施例29.
回転可能な組立品は、テーパ状のチャネルと、テーパ状のチャネル内に移動可能に配置されたくさび部材と、をさらに備え、くさび部材は、くさび部材がテーパ状のチャネル内の所定の位置に位置決めされる場合、第一および第二の回転可能な本体の回転移動を防止する、実施例23~28のいずれか一つに記載の送達装置。
【0191】
実施例30.
くさび部材は、第一の回転可能な本体に結合された第一の端部分およびテーパ状のチャネル内に配置された第二の端部分を有する、実施例29に記載の送達装置。
【0192】
実施例31.
テーパ状のチャネルは、第二の回転可能な本体の周辺上に形成される、実施例29~30のいずれか一つに記載の送達装置。
【0193】
実施例32.
回転可能な組立品は、ハウジングをさらに備え、テーパ状のチャネルは、ハウジングの内面と第二の回転可能な本体の外面との間に形成され、くさび部材は、所定の位置で内面および外面の両方と干渉係合する、実施例31に記載の送達装置。
【0194】
実施例33.
第二の回転可能な本体の外面は、凹部分を備え、テーパ状のチャネルは、凹部分とハウジングの内面との間に形成される、実施例32に記載の送達装置。
【0195】
実施例34.
第二の回転可能な本体の外面は、第二の回転可能な本体の周りに円周方向に離隔される第一の半径方向肩部および第二の半径方向肩部を備え、凹部分は、第一の半径方向肩部と第二の半径方向肩部との間に形成される、実施例33に記載の送達装置。
【0196】
実施例35.
ハウジングは、ギアボックスハウジングの区画である、実施例32~34のいずれか一つに記載の送達装置。
【0197】
実施例36.
第二の回転可能な本体は、一対のテーパ状の凹部分を直径方向に対向する位置に備え、一対のテーパ状の凹部分が一対のテーパ状のチャネルを画定する、実施例25に記載の送達装置。
【0198】
実施例37.
一対のくさび部材をさらに備え、くさび部材の各々が、第一の回転可能な本体に結合された第一の端部分およびテーパ状のチャネルのうちの一つ内に配置された第二の端部分を有し、くさび部材の各々が、ねじりばねのねじれ中に、第一および第二の回転可能な本体間の相対的移動に応答して、それぞれのテーパ状のチャネルに沿って移動可能であって、各くさび部材の第二の端部分が、第一および第二の回転可能な本体のさらなる回転を防止するそれぞれのテーパ状のチャネル内の所定の位置にくさびを形成するように構成される、実施例36に記載の送達装置。
【0199】
実施例38.
テーパ状のチャネルの各々は、第二の回転可能な本体の周囲に沿った方向にテーパ状である、実施例36~37のいずれか一つに記載の送達装置。
【0200】
実施例39.
第一の回転可能な本体は、ねじりばねのコイル部分の第一の部分を受容する第一の凹部と、ねじりばねの第一の端部分を受容する第一のスロットと、を備え、第二の回転可能な本体は、コイル部分の第二の端部分を受容する第二の凹部と、第二の端部分を受容する第二のスロットと、を備える、実施例24~38のいずれか一つに記載の送達装置。
【0201】
実施例40.
アクチュエータドライバは、コイル部分ならびに第一および第二の凹部を通って延在する、実施例39に記載の送達装置。
【0202】
実施例41.
人工心臓弁のための送達装置は、空洞を有するハンドルと、空洞内に配置され、複数の出力シャフトおよびそれに結合された複数の出力ギアを備える、ギアボックスと、複数のアクチュエータドライバであって、各アクチュエータドライバが所定のトルク制限範囲を有する、複数のアクチュエータドライバと、複数の回転可能な組立品であって、回転可能な組立品の各々が、出力シャフトのうちの一つに第一の端部で、アクチュエータドライバのうちの一つに第二の端部で結合される、複数の回転可能な組立品と、を備える。各回転可能な組立品は、第一の回転可能な本体と、第二の回転可能な本体と、第一の回転可能な本体を第二の回転可能な本体に結合する回転付勢部材と、を備え、回転付勢部材は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲を下回る場合、第一の回転可能な本体および第二の回転可能な本体を、第一の回転可能な本体および第二の回転可能な本体が長手方向軸の周りを一緒に回転する位置に付勢し、回転付勢部材は、アクチュエータドライバに加えられるトルクが所定のトルク制限範囲内にある場合、長手方向軸の周りで第一の回転可能な本体と第二の回転可能な本体との間の相対的回転を可能にする。
【0203】
実施例42.
人工心臓弁のための送達装置は、長手方向軸を有するハンドル本体と、ハンドル本体内に、長手方向軸の周りに旋回可能に装着されたギアボックスと、を備える。
【0204】
実施例43.
ギアボックスは、ギアボックスハウジングと、ギアボックスハウジング内に配置されたギア列と、を備え、ギア列に結合された回転可能なノブをさらに備える、実施例42に記載の送達装置。
【0205】
実施例44.
人工心臓弁のための送達装置は、長手方向軸を有するハンドル本体と、ハンドル本体内で、長手方向軸の周りに旋回可能に装着されたギアボックスと、ハンドル本体に結合され、ギアボックスが所定の方向に旋回される場合、長手方向軸の周りのギアボックスの旋回を制限するように位置決めされた停止部材と、を備える。
【0206】
実施例45.
ギアボックスは、長手方向軸に整列した入力シャフトを有するギア列と、ギア列を囲むギアボックスハウジングであって、ギアボックスハウジングの外面から突出する延長アームと、延長アームに取り付けられた突出部材と、を有する、ギアボックスハウジングと、を備え、突出部材は、ギアボックスが所定の方向に回転する場合、停止部材に接触するように構成される、実施例44に記載の送達装置。
【0207】
実施例46.
突出部材は、長手方向軸に垂直な方向に配向される、実施例45に記載の送達装置。
【0208】
実施例47.
所定の方向は、人工心臓弁を拡張する方向である、実施例44~46のいずれか一つに記載の送達装置。
【0209】
実施例48.
停止部材は、ロードセルを備え、突出部材は、ギアボックスが所定の方向に旋回される場合、負荷をロードセルに加えるように構成される、実施例44~47のいずれか一つに記載の送達装置。
【0210】
実施例49.
人工心臓弁のための送達装置は、長手方向軸を有するハンドル本体と、ハンドル本体に結合され、長手方向軸を中心とする円形経路に対して接線方向に位置決めされた第一の軸方向軸を有する、ロードセルと、長手方向軸の周りに旋回可能に装着され、円形経路に対して接線方向に位置決めされた第一の軸方向軸を有する突出部材を有する、ギアボックスと、を備え、突出部材が、ギアボックスが、人工心臓弁を拡張するために、ギアボックスの動作に対応する所定の方向に旋回される際に、ロードセルに接触するように構成される。
【0211】
実施例50.
ギアボックスは、ギアボックスハウジングと、ギアボックスハウジング内に配置されたギア列と、を備え、ギア列に結合された回転可能なノブをさらに備える、実施例49に記載の送達装置。
【0212】
実施例51.
人工心臓弁のための送達装置は、アクチュエータドライバと、少なくとも一つの出力シャフトを備えるギアボックスと、少なくとも一つの出力シャフトに結合され、少なくとも一つの出力シャフトと長手方向軸の周りを回転可能で、長手方向軸に沿って離隔される第一の係合面および第一の係止面を有する、係合部材と、アクチュエータドライバに結合され、長手方向軸の周りを回転可能で、第一の係合面と対向関係にあり、第一の係合面と係合する、第二の係合面を有する、ドライバ部材と、長手方向軸に対して回転方向に固定され、第一の係止面と対向関係にある第二の係止面を有する、基部部材と、を備え、係合部材は、アクチュエータドライバのトルクに応答して、長手方向軸に沿って、第一の係止面が第二の係止面から分離される第一の位置と、第一の係止面が第二の係止面と連動される第二の位置との間で、軸方向に変位可能であり、第二の位置は、アクチュエータドライバのトルクが閾値を超える状態に対応する。
【0213】
実施例52.
少なくとも一つの出力シャフトは、基部部材の中央開口部を通って延在する、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例51に記載の送達装置。
【0214】
実施例53.
第一の係合面を、第一の位置の第二の係合面に対して付勢する力を係合部材に加えるように配設されたばねをさらに備える、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例51~52のいずれか一つに記載の送達装置。
【0215】
実施例54.
ばねは、少なくとも一つの出力シャフトの周りに、係合部材と基部部材との間に配置される、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例53に記載の送達装置。
【0216】
実施例55.
第一の係止面は、第一の組の係止歯を備え、第二の係止面は、第一の組の係止歯に相補的な第二の組の係止歯を備える、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例51~54のいずれか一つに記載の送達装置。
【0217】
実施例56.
第一の組の係止歯は、第一のスロットによって分離された複数の第一の歯を備え、第二の組の係止歯は、第二のスロットによって分離された複数の第二の歯を備え、複数の第一の歯は、第二のスロットに延在するように構成され、複数の第二の歯は、第一の組の係止歯を第二の組の係止歯と連動するために、第一のスロットに延在するように構成される、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例55に記載の送達装置。
【0218】
実施例57.
第一の係合面は、一組の係合歯を備え、第二の係合面は、一組の係合歯に相補的な一組のドライバ歯を備える、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例51~56のいずれか一つに記載の送達装置。
【0219】
実施例58.
一組の係合歯の各歯は、第一の歯尖で接合された第一の軸方向歯面および第一の傾斜歯面を備え、一組のドライバ歯の各歯は、第二の歯尖で接合された第二の軸方向歯面および第二の傾斜歯面を備え、一組の係合歯の第一の傾斜歯面は、係合部材の軸方向変位中に、一組の係合歯の第二の傾斜歯面に沿って摺動する、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例57に記載の送達装置。
【0220】
実施例59.
一組の係合歯の各歯は、第一の歯尖で接合された第一の傾斜歯面および第二の傾斜歯面を備え、一組のドライバ歯の各歯は、第二の歯尖端部で接合された第三の傾斜歯面および第四の傾斜歯面を備え、第一および第二の傾斜歯面は、係合部材の軸方向変位中に、長手方向軸の周りの第一の回転方向、または長手方向軸の周りの第二の回転方向に、第三および第四の傾斜歯面の上を摺動する、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例57に記載の送達装置。
【0221】
実施例60.
ハウジングをさらに備え、係合部材、ドライバ部材、および基部部材は、ハウジングの内側に配置される、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例51~59のいずれか一つに記載の送達装置。
【0222】
実施例61.
係合部材およびドライバ部材は、ハウジングに対して回転可能であり、基部部材は、ハウジングに固定して結合される、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例60に記載の送達装置。
【0223】
実施例62.
ハウジングは、ギアボックスに結合される、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例60~61のいずれか一つに記載の送達装置。
【0224】
実施例63.
ハンドルをさらに備え、ギアボックスは、ハンドル内の空洞に配置される、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例51~62のいずれか一つに記載の送達装置。
【0225】
実施例64.
人工心臓弁のための送達装置は、空洞を有するハンドルと、空洞内に配置され、少なくとも一つの出力シャフトを備える、ギアボックスと、空洞に延在するアクチュエータドライバと、アクチュエータドライバを少なくとも一つの出力シャフトに結合するトルクリミッタであって、少なくとも一つの出力シャフトに結合され、少なくとも一つの出力シャフトの回転に応答して、長手方向軸の周りを回転可能な係合部材であって、第一の端部に一組の係合歯と、第一の端部から離隔される第二の端部に第一の組の係止歯と、を備える、係合部材と、長手方向軸の周りを回転可能であり、アクチュエータドライバに結合される、ドライバ部材であって、一組の係合歯と対向関係にあり、一組の係合歯と摺動可能に係合する一組のドライバ歯を備える、ドライバ部材と、長手方向軸に対して回転方向に固定され、第一の組の係止歯と対向関係にある第二の組の係止歯を備える、基部部材と、を備える、トルクリミッタと、を備え、係合部材は、アクチュエータドライバのトルクに応答して、長手方向軸に沿って軸方向に変位可能であり、係合部材は、アクチュエータドライバのトルクが閾値を超える場合、第一の組の係止歯を第二の組の係止歯と係合するように軸方向に変位可能である。
【0226】
実施例65.
ギアボックスは、複数の出力シャフトを備え、複数のトルクリミッタは、複数の出力シャフトを対応する複数のアクチュエータドライバに結合する、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例64に記載の送達装置。
【0227】
実施例66.
人工心臓弁のための送達装置は、アクチュエータドライバと、少なくとも一つの出力シャフトを備えるギアボックスと、長手方向軸に対して回転方向に固定された基部部材と、アクチュエータドライバに移動可能に結合され、少なくとも一つの出力シャフトに固定して結合された係合部材と、を備え、係合部材が、アクチュエータドライバのトルクに応答して、長手方向軸に沿って、アクチュエータドライバおよび基部部材に対して、軸方向に変位可能であり、係合部材は、アクチュエータドライバのトルクが閾値を超える場合、基部部材に係合するように構成される。
【0228】
実施例67.
方法は、人工心臓弁を送達装置の少なくとも一つのアクチュエータドライバに結合することであって、係合部材は、少なくとも一つのアクチュエータドライバに移動可能に結合され、送達装置のギアボックスの出力シャフトに固定して結合され、係合部材は、少なくとも一つのアクチュエータドライバのトルクに応答して、長手方向軸に沿って、少なくとも一つのアクチュエータドライバと、長手方向軸に対して回転方向に固定される基部部材との間で、軸方向に変位可能である、結合すること、および人工心臓弁を作動直径に半径方向に拡張するため、少なくとも一つのアクチュエータドライバを第一の方向に回転させるために、ギアボックスの出力シャフトを回転させることであって、出力シャフトが回転すると、少なくとも一つのアクチュエータドライバのトルクが閾値を超える場合、係合部材の基部部材との係合によって、自動的に停止する、回転させること、を含む。
【0229】
実施例68.
本明細書のいずれかの実施例、特に実施例67に記載の方法は、人工心臓弁および送達装置の遠位端を、患者の血管系に挿入すること、および人工心臓弁を移植部位に位置決めするために、送達装置を患者の血管系を通って前進させること、をさらに含む。
【0230】
実施例69.
本明細書のいずれかの実施例、特に実施例67~68のいずれか一つに記載の方法は、人工心臓弁を半径方向に圧縮するために、出力シャフトを第二の方向に回転させることをさらに含む。
【0231】
実施例70.
本明細書のいずれかの実施例、特に実施例67~69のいずれか一つに記載の方法は、人工心臓弁を、少なくとも一つのアクチュエータドライバから解放することをさらに含む。
【0232】
実施例71.
出力シャフトを回転させることは、ギアボックスに結合されたノブを回転させることを含む、本明細書のいずれかの実施例、特に実施例67~70のいずれか一つに記載の方法。
【0233】
実施例72.
実施例1~14および20~66のいずれか一つに記載の送達装置のいずれか一つを滅菌することを含む、方法。
【0234】
実施例73.
実施例15~19のいずれか一つに記載の人工心臓弁のいずれか一つを滅菌することを含む、方法。
【0235】
実施例74.
請求項1~14および20~66のいずれか一項に記載の送達装置のいずれか一つを使用して、人工装置を移植することを含む、方法。
【0236】
実施例75.
実施例1~14および20~66のいずれか一つに記載の送達装置のいずれか一つを使用して、人工装置のための移植手順をシミュレートする方法。
【0237】
実施例76.
人工心臓弁のための送達装置は、第一の軸の周りを回転可能なドライバ部材と、第一の軸の周りを回転可能な出力シャフトと、出力シャフトに回転可能に結合され、ロック解除状態とロック状態との間で移動するように構成される、係合部材と、を備え、ドライバ部材は、第一の軸の周りを回転する場合、係合部材にトルクを発生させるように構成され、係合部材のトルクは、係合部材のトルクが所定の閾値量を超える場合、係合部材にロック解除状態からロック状態に移動させるように構成され、係合部材は、ロック状態にある場合、出力シャフトが第一の軸の周りを回転するのを防止する。
【0238】
発明の主題は、いくつかの実装形態および実施例とともに説明されるが、これらの好ましい実装形態および実施例は、主題の範囲内にある他の多くの実装形態および実施例が可能であるので、主題の範囲を限定するものとして取られるべきではない。特許請求される主題の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその均等物によって、規定される。
【国際調査報告】