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  • 特表-負極活物質の適合性評価方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】負極活物質の適合性評価方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/587 20100101AFI20241108BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20241108BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20241108BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20241108BHJP
   H01M 4/133 20100101ALI20241108BHJP
【FI】
H01M4/587
H01M4/48
H01M4/38 Z
H01M4/36 E
H01M4/133
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531136
(86)(22)【出願日】2023-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2023014434
(87)【国際公開番号】W WO2024090806
(87)【国際公開日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0137191
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヒョン・カン
(72)【発明者】
【氏名】キュン・イル・ラ
(72)【発明者】
【氏名】セ・ミ・パク
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA05
5H050AA07
5H050AA10
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB02
5H050CB08
5H050CB09
5H050CB11
5H050CB29
5H050FA16
5H050GA28
5H050HA01
5H050HA02
(57)【要約】
本発明は、リチウム二次電池用負極活物質の評価方法およびそれに応じて適合判定を受けた負極活物質を含むリチウム二次電池用負極に関するものであって、上記評価方法は、非破壊的方式で活性化後に発生し得る負極活性層の副反応の程度を定量化して高い信頼度で二次電池内部に含まれた負極活物質の素材適合性を高い信頼度で判断し得、このように判断された負極活物質は負極適用時の高温安定性に優れ、寿命特性に優れるという利点がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電され貯蔵された電池セルのX線回折を測定する段階と、
測定されたX線回折から、負極の負極活性層に含有された炭素層間化合物およびその分解物に対するX線回折ピークをそれぞれ抽出し、抽出された回折ピークの強度積分値を算出する段階と、
算出された強度積分値から炭素層間化合物に対する反応速度定数kまたは炭素層間化合物の分解物に対する反応速度定数k-1を算出する段階と、
算出された反応速度定数に基づいて負極活性層に含有された負極活物質の素材適合性を評価する段階と、を含む、二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項2】
反応速度定数kおよび反応速度定数k-1は、下記の反応式1で表される反応に依存する、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【化1】
前記反応式1において、xは2~10の整数である。
【請求項3】
炭素層間化合物に対する反応速度定数kは、炭素層間化合物に対する回折ピークの強度積分値を下記式1にフィッティングして算出する、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【数1】
式1において、
(0)は、炭素層間化合物の初期濃度を表し、
(t)は、時間tにおける炭素層間化合物の濃度を表し、
aおよびbは、時間に対する定数を表し、
tは、貯蔵経過時間を表し、
kは、有効反応速度定数を表す。
【請求項4】
炭素層間化合物の分解物に対する反応速度定数k-1は、前記分解物に対する回折ピークの強度積分値を下記式2にフィッティングして算出する、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【数2】
式2において、
12(0)は、分解物の初期濃度を表し、
12(t)は、時間tにおける分解物の濃度を表し、
aおよびbは、時間に対する定数を表し、
tは、貯蔵経過時間を表し、
kは、有効反応速度定数を表す。
【請求項5】
式1および式2のaおよびbは、それぞれ0~1および0~10である、請求項3または4に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項6】
負極活物質の素材適合性を評価する段階は、
算出された反応速度定数kまたはk-1をそれぞれの基準値と比較して基準値を満たす場合に、負極活性層の負極活物質を適合素材と一次判断する段階と、
算出された反応速度定数kまたはk-1から平衡定数Kを算出する段階と、
算出された平衡定数Kを平衡定数基準値と比較して基準値を満たす場合に、負極活性層の負極活物質を適合素材と二次判断する段階と、を含む、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項7】
反応速度定数kの基準値および反応速度定数k-1の基準値は、それぞれ0.1hour-1以下である、請求項6に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項8】
平衡定数Kの基準値は10以下である、請求項6に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項9】
炭素層間化合物は、リチウム原子1モルに対して炭素原子5~7モルの分率で結合された化合物である、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項10】
炭素層間化合物は、LiC、Li12、Li18、Li24、Li30およびLi36からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項11】
貯蔵は150℃以下で行われる、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項12】
負極は、
黒鉛、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックおよび炭素繊維のうち1種以上の炭素系活物質と、
Si、SiCおよびSiO(ただし、0.8≦x≦2.5)のうち1種以上のケイ素系活物質と、を含む、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項13】
負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を50重量%以下で含む場合に、
反応速度定数k基準値は0.1hour-1以下であり、および
平衡定数K基準値は10以下である、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項14】
負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を20重量%以下で含む場合に、
反応速度定数k基準値は0.05hour-1以下であり、および
平衡定数K基準値は5以下である、請求項1に記載の二次電池用負極活物質の評価方法。
【請求項15】
負極活物質として、炭素系活物質とケイ素系活物質とを含み、
請求項1に記載の評価方法を通じて適合判定を受けた負極活物質を含む、二次電池用負極。
【請求項16】
負極活物質は、全体の重量を基準としてケイ素系活物質を50重量%以下で含む場合に、0.1hour-1以下の反応速度定数kと10以下の平衡定数Kを有する、請求項15に記載の二次電池用負極。
【請求項17】
負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を20重量%以下で含む場合に、
反応速度定数k基準値は0.05hour-1以下であり、および
平衡定数K基準値は5以下である、請求項15に記載の二次電池用負極。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年10月24日付の韓国特許出願第10-2022-0137191号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、二次電池用負極活物質の適合性を評価し得る評価方法およびそれを用いて適合判定を受けた負極に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、リチウムイオン二次電池の負極活物質としてリチウム金属を用いていたが、リチウム金属を用いる場合にデンドライト(dendrite)の形成による電池短絡が発生し爆発の危険性があるため、リチウム金属の代わりに充放電サイクルの寿命やコスト面で有利な炭素物質が負極活物質として多く使用されている。
【0004】
このような炭素物質としては黒鉛などがあるが、充電状態の黒鉛は層状構造内にリチウムイオンが挿入された構造を有することになり、放電状態の黒鉛は層状構造に挿入されたリチウムイオンが脱離する構造を有することになる。ここで、初期活性化工程後の安定した状態の電池セルは、充電状態の黒鉛内のリチウムイオンの濃度が一定に維持される。しかしながら、初期活性化工程時に電池セルのSEI(solid electrolyte interphase)層が完全に形成されないか、または電極内炭素物質以外の活物質および/または添加剤などが含有された場合に、黒鉛内のリチウムイオンの濃度を低減させる副反応が発生し得る。特に、近年では、エネルギー密度向上のために炭素物質と共にケイ素(Si)を含むケイ素物質を黒鉛と好適な混合比で混合して負極活物質として使用する場合がある。このとき、炭素物質と混合されるケイ素物質の混合割合、粒子形態などによって黒鉛内のリチウムイオンの濃度を低減させる副反応の程度が変わり、これはすなわち電池の退化傾向に影響を及ぼすことになる。
【0005】
したがって、高温安定性、寿命特性などの性能に優れた電池を開発するためには、負極活物質で発生する副反応の程度を定量化し、定量化された副反応の程度を満たす負極活物質を開発する方向に研究を進めなければならない。しかしながら、このためには、電池内の負極活物質の副反応の程度を定量化して開発された負極活物質の性能を判断し得る技術が存在しなければならないが、まだこのような技術が開発されていないため、負極活物質の副反応の程度が反映された負極活物質の開発が難しいという限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6264299号公報
【特許文献2】特開第2013-098089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、二次電池内の負極、具体的には、負極活性層で発生する副反応の程度を定量化して二次電池内部に含まれた負極活物質の素材適合性を非破壊的方式で評価し得る評価方法および上記評価方法により適合判定を受けた二次電池用負極を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述された問題を解決するために、
本発明は一実施形態において、
充電され貯蔵された電池セルのX線回折を測定する段階と、
測定されたX線回折から、負極の負極活性層に含有された炭素層間化合物およびその分解物に対するX線回折ピークをそれぞれ抽出し、抽出された回折ピークの強度積分値を算出する段階と、
算出された強度積分値から炭素層間化合物に対する反応速度定数kまたはその分解物に対する反応速度定数k-1を算出する段階と、
算出された反応速度定数に基づいて負極活性層に含有された負極活物質の素材適合性を評価する段階と、を含む二次電池用負極活物質の評価方法を提供する。
【0009】
このとき、上記反応速度定数kおよび反応速度定数k-1は、下記反応式1で表される反応に依存し得る。
【0010】
【化1】
【0011】
上記反応式1において、xは2~10の整数である。
【0012】
また、上記炭素層間化合物に対する反応速度定数kは、炭素層間化合物に対する回折ピークの強度積分値を下記式1にフィッティングして算出し得る。
【0013】
【数1】
【0014】
式1において、
(0)は、炭素層間化合物の初期濃度を表し、
(t)は、時間tにおける炭素層間化合物の濃度を表し、
aおよびbは、時間に対する定数を表し、
tは、貯蔵経過時間を表し、
kは、有効反応速度定数を表す。
【0015】
また、上記炭素層間化合物の分解物に対する反応速度定数k-1は、上記分解物に対する回折ピークの強度積分値を下記式2にフィッティングして算出し得る。
【0016】
【数2】
【0017】
式2において、
12(0)は、分解物の初期濃度を表し、
12(t)は、時間tにおける分解物の濃度を表し、
aおよびbは、時間に対する定数を表し、
tは、貯蔵経過時間を表し、
kは、有効反応速度定数を表す。
【0018】
このとき、式1および式2のaおよびbは、それぞれ0~1および0~10であり得る。
【0019】
また、上記負極活物質の素材適合性を評価する段階は、
算出された反応速度定数kまたはk-1をそれぞれの基準値と比較して基準値を満たす場合に、負極活性層の負極活物質を適合素材と一次判断する段階と、
算出された反応速度定数kまたはk-1から平衡定数Kを算出する段階と、
算出された平衡定数Kを平衡定数基準値と比較して基準値を満たす場合に、負極活性層の負極活物質を適合素材と二次判断する段階と、を含む得る。
【0020】
このとき、上記反応速度定数kの基準値および反応速度定数k-1の基準値は、それぞれ0.1hour-1以下であり得る。
【0021】
また、上記平衡定数Kの基準値は10以下であり得る。
【0022】
一方、上記炭素層間化合物は、リチウム原子1モルに対して炭素原子5~7モルの分率で結合された化合物であり得る。
【0023】
一つの例として、上記炭素層間化合物は、LiC、Li12、Li18、Li24、Li30およびLi36からなる群から選択される1種以上であり得る。
【0024】
また、上記負極は、黒鉛、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックおよび炭素繊維のうち1種以上の炭素系活物質と、Si、SiCおよびSiO(ただし、0.8≦x≦2.5)のうち1種以上のケイ素系活物質と、を含み得る。
【0025】
また、上記電池セルの貯蔵は150℃以下で行われ得る。
【0026】
また、上記負極活物質は、ケイ素系活物質の含有量に応じて、反応速度定数k基準値および平衡定数K基準値が特定の範囲を有し得る。
【0027】
一つの例として、上記負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を50重量%以下で含む場合に、反応速度定数k基準値は0.1hour-1以下であり、平衡定数K基準値は10以下であり得る。
【0028】
他の一つの例として、上記負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を20重量%以下で含む場合に、反応速度定数k基準値は0.05hour-1以下であり、平衡定数K基準値は5以下であり得る。
【0029】
さらに、本発明は一実施形態において、
負極活物質として、炭素系活物質とケイ素系活物質とを含み、上述された本発明に係る評価方法を通じて適合判定を受けた負極活物質を含む二次電池用負極を提供する。
【0030】
このとき、上記負極に備えられた負極活物質は、特定範囲の反応速度定数k-1と平衡定数Kを有することにより、上述された本発明の評価方法において適合判定を受けることができる。
【0031】
具体的には、上記負極活物質は、全体の重量を基準としてケイ素系活物質を50重量%以下で含む場合に、0.1hour-1以下の反応速度定数kと10以下の平衡定数Kを有し得る。
【0032】
より具体的には、上記負極活物質は、全体の重量を基準としてケイ素系活物質を20重量%以下で含む場合に、0.05hour-1以下の反応速度定数kと5以下の平衡定数Kを有し得る。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る負極活物質の評価方法は、非破壊的方式で活性化後に発生し得る負極活性層の副反応の程度を定量化し、高い信頼度で二次電池内部に含まれた負極活物質の素材適合性を高い信頼度で判断し得、このように判断された負極活物質は、負極適用時の高温安定性に優れ、寿命特性に優れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明により行われた実施例1および比較例1における炭素層間化合物の時間tに応じた濃度割合(c(t)/c(0))の変化をフィッティングしたグラフである。
図2】本発明により行われた実施例1および比較例1における炭素層間化合物の時間tに応じた濃度割合(c(t)/c(0))の変化をフィッティングしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有し得るので、特定の実施形態を詳細な説明で詳細に説明する。
【0036】
しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものとして理解され得る。
【0037】
本発明において、「含む」や「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解され得る。
【0038】
また、本発明において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あると記載された場合に、これは他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あると記載された場合に、それは他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。また、本出願において「上に」配置されるということは、上部のみならず下部に配置される場合も含むものであり得る。
【0039】
また、本発明において、「主成分として含む」とは、スラリーなどの組成物または特定成分全体の重量に対して、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上または97.5重量%以上であることを意味し得、場合によっては組成物または特定の成分全体を構成する場合、すなわち100重量%を意味することもできる。
【0040】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0041】
<二次電池用負極活物質の評価方法>
本発明は一実施形態において、
充電され貯蔵された電池セルのX線回折を測定する段階と、
測定されたX線回折から、負極の負極活性層に含有された炭素層間化合物およびその分解物に対するX線回折ピークをそれぞれ抽出し、抽出された回折ピークの強度積分値を算出する段階と、
算出された強度積分値から炭素層間化合物およびその分解物に対する反応速度定数kおよびk-1をそれぞれ算出する段階と、
算出された反応速度定数に基づいて負極活性層に含有された負極活物質の素材適合性を評価する段階と、を含む二次電池用負極活物質の評価方法を提供する。
【0042】
本発明に係る二次電池用負極活物質の評価方法は、二次電池に適用される負極活物質の適合性を評価する方法であって、負極で電気化学的活性を有する「負極活物質」および/またはそれを主成分として含む「負極活性層」を評価対象とし得る。また、上記「負極活物質」は、負極活性層で電気化学反応を行って電気的活性を誘導する1つ以上の単一物質および/またはそのような物質を含む組成物の形態を有し得る。
【0043】
また、上記評価方法は、評価対象となる負極活物質を用いて負極活性層を含む負極を製造し、製造された負極を完全充電して高温貯蔵した後に、副反応が発生した程度を定量化したことを特徴とする。具体的には、上記評価方法は、充電された電池セルの貯蔵時に負極の活性層に含有された炭素層間化合物の時間に応じた濃度変化を通じて炭素層間化合物およびその分解物に対する反応速度定数(k、k-1など)、平衡定数(K)などの形態で負極活性層における副反応の程度を定量化し、これらを通じて負極活物質を評価し得る。したがって、上記評価方法は、非破壊方式で電池セルの負極に含有された負極活物質の素材適合性を高い信頼度で評価し得るという利点がある。
【0044】
本発明に係る二次電池用負極活物質の評価方法は、充電され貯蔵された電池セルのX線回折を測定する段階を含む。電池セルのX線回折を測定する段階は、完全充電された電池セル内部に備えられた負極の負極活性層を非破壊的方式で分析する段階であって、貯蔵された電池セルのX線回折を一定時間間隔で、例えば0.5~24時間間隔、より具体的には5~7時間間隔で測定することによって行われ得る。このとき、電池セルのX線回折は、結晶性を有さない電極組立体の分離膜や電解液などに関する情報を含まず、結晶性を有する正極および/または負極の活物質などに関する情報を含み得る。
【0045】
また、上記電池セルが貯蔵される温度は150℃以下であり得、具体的には5℃~150℃、10℃~150℃、20℃~150℃、20℃~120℃、25℃~100℃、25℃~80℃、50℃~100℃、50℃~80℃、50℃~70℃、55℃~65℃、または58℃~62℃であり得る。
【0046】
また、上記貯蔵は1日~10日間行われ得、より具体的には1日~9日、1日~7日、2日~6日、4日~8日、6日~8日、1日~5日、または2日~4日間行われ得る。本発明は、上述された期間の間に電池セルを貯蔵することにより、電池セルに含有された炭素層間化合物とその分解物の平衡を誘導し得る。
【0047】
また、本発明に係る二次電池用負極活物質の評価方法は、測定されたX線回折から負極活性層に含有された炭素層間化合物およびその分解物に対するX線回折ピークをそれぞれ抽出し、抽出された回折ピークの強度積分値を計算する段階を含む。
【0048】
上記段階は、測定されたX線回折結果からリチウムが挿入された炭素層間化合物のX線回折ピークと炭素層間化合物からリチウムが脱離した分解物に対する各X線回折ピークをそれぞれ抽出し、時間別に変化する回折ピーク強度を確認し、確認された各ピークの強度の積分値を求めて時間に応じて示すことにより行われ得る。
【0049】
ここで、上記X線回折ピークの強度は、負極活性層に含有される炭素層間化合物およびその分解物の相対的濃度に対応し得、上記回折ピークの強度を時間に応じて示した値は、このような相対的濃度の変化を示すことができる。
【0050】
また、本発明に係る二次電池用負極活物質の評価方法は、算出された強度積分値から炭素層間化合物およびその分解物に対する反応速度定数kおよびk-1をそれぞれ算出する段階を含む。
【0051】
ここで、上記反応速度定数kおよびk-1は、先に算出された強度積分値をそれぞれ下記式1および式2とフィッティングすることにより得ることができる。
【0052】
【数3】
【0053】
【数4】
【0054】
式1および式2において、
(0)は、炭素層間化合物の初期濃度を表し、
(t)は、時間tにおける炭素層間化合物の濃度を表し、
12(0)は、分解物の初期濃度を表し、
12(t)は、時間tにおける分解物の濃度を表し、
aおよびbは、時間に対する定数を表し、
tは、貯蔵経過時間を表し、
kは、有効反応速度定数を表す。
【0055】
上記式1および式2は、それぞれ充電された電池セルの活性化工程時に負極活性層で発生し得る副反応の程度を炭素層間化合物およびその分解物に対する反応速度で定量化したものであり得る。
【0056】
具体的には、二次電池の負極活物質として用いられる炭素系活物質は、層状構造を有する黒鉛などを含むが、上記炭素系活物質は、電池の充電時に層状構造内にリチウムイオンが挿入されて炭素層間化合物形態を有し、電池の放電時に挿入されたリチウムイオンが脱離する構造の炭素化合物形態を有する。
【0057】
このとき、初期活性化工程後に安定した状態の電池セルは、充電状態で黒鉛内のリチウムイオンの濃度が一定に維持される。しかしながら、電極内に炭素系活物質以外の活物質としてケイ素系活物質が含有される場合に、電池セルは、初期活性化工程時に黒鉛内のリチウムイオンおよび/またはリチウムの濃度を低減させる副反応が発生し得る。より具体的には、初期活性化工程後に充電状態の電池セルでリチウムイオンが挿入された炭素層間化合物(Li6x)は、下記反応式1のように、リチウムが層状構造から脱離した分解物(Lix-16x)と平衡状態をなし得る。ここで、炭素層間化合物は充電状態の条件で時間が経つにつれてリチウムが脱離するが、このように脱離したリチウムのうち一部は副反応に参与することになり、副反応のうち相当量は炭素層間化合物の濃度を低減させて負極活物質の退化をもたらす非可逆反応に転換されることになる。上記炭素層間化合物の濃度は、負極活物質の組成、例えば、炭素系活物質と共に含有されるケイ素系活物質の種類および/または含有量割合などによって異なり得る。本発明は、負極活物質の組成別炭素層間化合物の濃度変化を通じて負極活性層で誘導される副反応を定量化し得、定量化された形態は、上記炭素層間化合物とリチウムが層状構造から脱離した分解物に対する反応速度定数であり得る。
【0058】
【化2】
【0059】
上記反応式1において、xは2~10の整数である。
【0060】
より具体的には、本発明は、上記反応式1で表されるように、初期活性化後に完全充電された電池セルの使用および/または貯蔵時に負極活性層で進められる炭素層間化合物の分解反応、言い換えれば、炭素層間化合物からリチウム脱離した分解物の生成量から炭素層間化合物の時間に応じた濃度変化を算出し得、これを数式で表すと下記の式3の通りである。
【0061】
【数5】
【0062】
上記式3において、
dc/dtは、炭素層間化合物濃度の時間tに対する微分値を表し、
は、炭素層間化合物からリチウムイオンが脱離した炭素層間化合物の分解物とリチウムイオンを生成する正反応の速度定数であり、
-1は、炭素層間化合物の分解物とリチウムイオンから炭素層間化合物を生成する逆反応の速度定数であり、
12は、炭素層間化合物においてリチウムイオンが分解されて生成される分解物の濃度を表し、
Liは、炭素層間化合物から分解されたリチウムイオンの濃度を表し、
は、炭素層間化合物の濃度を表す。
【0063】
その後、上記反応式1の反応を炭素層間化合物とその分解物の濃度変化で定量化した上記式3から使用および/または貯蔵時の負極における副反応量を算出するために、式3に対する積分および演算を行うことにより、活性化後に完全充電された電池セルの貯蔵時に、負極活性層に含有された炭素層間化合物の反応速度に応じた濃度変化量を予測し得る式1を導出し得る。導出された式1は、充電された電池セルに備えられた負極の活性層が初期活性化工程後の使用および/または保管時に発生し得る副反応の程度を炭素層間化合物に対する反応速度として表す。このとき、リチウム脱離反応速度であるkは、炭素層間化合物に対する有効反応速度定数kから導出され、このように導出されたkは負極活性層で発生する副反応を定量化した指標として使用され得る。
【0064】
【数6】
【0065】
式1において、
(0)は、炭素層間化合物の初期濃度を表し、
(t)は、時間tにおける炭素層間化合物の濃度を表し、
aおよびbは、時間に対する定数を表し、
tは、貯蔵経過時間を表し、
kは、有効反応速度定数を表す。
【0066】
本発明は、上述されたように、X線回折から炭素層間化合物およびその分解物に対するピーク(またはスペクトル)を抽出した後に、抽出されたピークの強度積分値を算出し、算出された強度積分値を式1とフィッティングして反応速度定数を求める構成を有することにより、従来X線回折から炭素層間化合物の回折ピークを抽出して抽出されたピークの強度に対する積分値を算出し、算出された積分値から時間tのピーク積分値(ILiC6(t))に対する初期ピーク積分値(ILiC6(0))の割合から反応速度定数を求める場合と比較して、反応速度定数の正確度が著しく高いという利点がある。
【0067】
これと同じ方式で、反応式1を用いて炭素層間化合物からリチウムが脱離した分解物の時間に応じた濃度変化を算出し得、算出された式に対する積分および演算を行うことにより、活性化後に完全充電された電池セルの貯蔵時の負極活性層に含有された上記分解物の反応速度に応じた濃度変化量を予測し得る式2を導出し得る。
【0068】
【数7】
【0069】
式2において、
12(0)は、分解物の初期濃度を表し、
12(t)は、時間tにおける分解物の濃度を表し、
aおよびbは、時間に対する定数を表し、
tは、貯蔵経過時間を表し、
kは、有効反応速度定数を表す。
【0070】
上記式1および式2において、aおよびbは時間に対する定数であって、aは0~1であり、bは0~10であり得る。具体的には、上記aは0~1であり得、bは0~10であり得、より具体的にはaは0~0.9、0.1~0.8、または0.1~0.6であり得、bは1~9、2~8、または4~6であり得る。
【0071】
一つの例として、本発明に係る電池セルに備えられる負極活性層は、負極活物質として炭素系活物質とケイ素系活物質とを負極活物質全体の重量に対して50~99重量%、1~50重量%で含有し得、この場合、aおよびbは、それぞれ0.05~1.0および1~10であり得る。具体的には、上記式1のaは0.1~0.6であり得、より具体的には0.1~0.5、0.1~0.4、0.2~0.6、0.2~0.5、0.25~0.4、0.25~0.45、0.3~0.42、0.28~0.42、または0.31~0.39であり得る。また、上記式1のbは2~9であり得、より具体的には3~9、3~7、4~8、5~10、3~8、1~6、4.5~6.0、または5.0~5.5であり得る。
【0072】
上記aおよびbは、リチウムの副反応が行われる負極活性層の成分、含有量、組成、安定化状態によって異なり得るが、上述された範囲にaおよびbを制御することにより負極活性層の成分、含有量、組成、安定化状態別に非可逆反応が行われたリチウムの濃度、すなわち、負極活性層の副反応の程度をより高い信頼度で定量化し得る。
【0073】
また、本発明に係る二次電池用負極活物質の評価方法は、算出された反応速度定数に基づいて負極活物質の素材適合性を評価する段階を含む。
【0074】
上記段階は、活性化工程後に負極活性層で副反応を少なく誘導する負極活物質を素材適合性が高い素材と判断する段階であって、上記判断は、先に算出された反応速度定数に基づいて素材適合性を評価することにより行われ得る。
【0075】
より具体的には、上記段階は、算出された反応速度定数kまたはk-1をそれぞれの基準値と比較して基準値を満たす場合に、負極活性層の負極活物質を適合素材と一次判断する段階と、算出された反応速度定数kまたはk-1から平衡定数Kを算出する段階と、算出された平衡定数Kを平衡定数基準値と比較して基準値を満たす場合に、負極活性層の負極活物質を適合素材と二次判断する段階と、を含み得る。
【0076】
先に算出された式1の炭素層間化合物に対する有効反応速度定数kと式2の炭素層間化合物の分解物に対する有効反応速度定数k-1は、負極活性層に含有された炭素層間化合物の安定化の程度と、負極活性層に含有された成分、特に負極活物質として、炭素系活物質以外の成分、例えば、ケイ素系負極活物質の種類および/または含有量割合などによって変化し得る。すなわち、上記kおよびk-1は、リチウムの非可逆反応が行われる負極活性層の成分、含有量、組成、安定化状態によって異なり得る。したがって、負極活物質の組成(具体的には、成分と含有量割合)別に反応速度定数kおよび/またはk-1をそれぞれ調査し、調査された値のうち負極の安定化状態が高いとき、言い換えれば、副反応が少ないときの反応速度定数kおよび/またはk-1を当該負極活物質組成の基準値kおよび/またはk-1に設定することになる。その後、先に完全充電され貯蔵された電池セルのX線回折結果から算出された反応速度定数kおよびk-1が基準値kおよび/またはk-1を満たす場合に、X線回折測定された電池セル内部の負極活物質は、負極素材として適合することを一次的に判別し得る。
【0077】
このとき、上記炭素層間化合物に対する反応速度定数基準値(すなわち、基準値k)は、負極活物質として炭素系活物質とケイ素系活物質とを負極活物質全体の重量に対して50~100重量%、0~50重量%で含有する場合に、0.1hour-1以下であり得る。より具体的には、上記炭素層間化合物に対する反応速度定数基準値は、炭素系活物質とケイ素系活物質とを負極活物質全体の重量に対して50~100重量%、0~50重量%で含有する場合に、0.0001~0.005hour-1、0.0001~0.001hour-1、0.0005~0.002hour-1、0.005~0.1hour-1、0.005~0.07hour-1、0.005~0.05hour-1、0.005~0.03hour-1、0.005~0.02hour-1、0.005~0.015hour-1、0.005~0.009hour-1、0.01~0.015hour-1、0.025~0.04hour-1、または0.030~0.035hour-1であり得る。
【0078】
また、炭素層間化合物の分解物に対する反応速度定数基準値(すなわち、基準値k-1)は、負極活物質として炭素系活物質とケイ素系活物質とを負極活物質全体の重量に対して50~100重量%、0~50重量%で含有する場合に、0.1hour-1以下であり得る。より具体的には0.0001~0.005hour-1、0.0001~0.001hour-1、0.0005~0.002hour-1、0.001~0.05hour-1、0.001~0.02hour-1、または0.002~0.01hour-1、0.005~0.1hour-1、0.005~0.07hour-1、0.005~0.05hour-1、0.005~0.03hour-1、0.005~0.02hour-1、0.005~0.015hour-1、0.005~0.009hour-1、0.01~0.015hour-1、0.025~0.04hour-1、または0.030~0.035hour-1であり得る。
【0079】
また、上記基準値kおよびk-1は、負極の安定化が高く、副反応が最小に発生したときの値をシミュレーションなどを通じて予測するか、または実際に負極活物質の組成別に予め測定して設けられたものであり得るが、これに制限されるものではない。
【0080】
さらに、上記素材適合性を評価する段階は、場合によって反応速度定数kおよび/またはk-1から平衡定数Kを算出して算出された平衡定数Kを適用して二次判断し得、上記二次判断は一次判断を検証する段階として理解され得る。また、平衡定数Kは、反応速度定数kとk-1の割合(k/k-1)から得ることができ、上記平衡定数Kの基準値は、反応速度定数kおよびk-1の基準値割合から得ることができる。
【0081】
このとき、上記平衡定数基準値(すなわち、基準値K)は、負極活物質として炭素系活物質とケイ素系活物質とを負極活物質全体の重量に対して50~100重量%、0~50重量%で含有する場合に、10以下であり得、より具体的には0.1~10、0.1~5、0.1~3、0.5~2、1~4.5、5~10、5.5~9、または6~9であり得る。
【0082】
一つの例として、負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を0重量%超過10重量%以下で含む場合に、反応速度定数k基準値は0.005hour-1以下、または0.001hour-1以下であり、平衡定数K基準値は1以下、または0.1以下であり得る。より具体的には反応速度定数k基準値は0.0001~0.001hour-1であり、平衡定数Kの基準値は0.001~0.1であり得る。
【0083】
他の一つの例として、負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を10重量%超過20重量%以下で含む場合に、反応速度定数k基準値は0.005超過0.05hour-1以下、0.005超過0.03hour-1以下、または0.001hour-1超過0.03hour-1以下であり、平衡定数K基準値は0.1超過6以下、0.1超過3以下、1超過5以下、1超過6以下、1超過3以下、または0.1超過5以下であり得、より具体的には反応速度定数k基準値は0.005~0.01hour-1であり、平衡定数K基準値は0.1~3であり得る。
【0084】
別の一つの例として、負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を20重量%超過50重量%以下で含む場合に、反応速度定数k基準値は0.05超過0.1hour-1以下、0.03超過0.1hour-1以下であり、平衡定数K基準値は3超過10以下、または5超過10以下であり得、より具体的には反応速度定数k基準値は0.05~0.09hour-1であり、平衡定数K基準値は6~9であり得る。
【0085】
別の一つの例として、負極活物質全体の重量を基準としてケイ素系活物質を0重量%超過20重量%以下で含む場合に、反応速度定数k基準値は0.05hour-1以下、0.00001~0.05hour-1、または0.00001~0.03hour-1であり、平衡定数K基準値は5以下、0.5~5、または0.5~3であり得る。
【0086】
一方、本発明に係る二次電池用負極は、負極活物質として炭素原子を主成分とする炭素系活物質を含む。上記炭素系活物質は、上述したように、電池セルの充電時に可逆的に反応する正極の金属イオン、例えば、Li、Na、Mg、Ca、K、Rb、CsおよびAlのうち1種以上の正極金属イオンが負極に挿入されてなり得る。すなわち、上記炭素層間化合物は、二次電池の場合に、炭素系活物質とリチウムイオン(Li)が結合された物質を意味し得、ナトリウム二次電池やアルミニウム二次電池の場合に、炭素系活物質にナトリウムイオン(Na)またはアルミニウムイオン(Al3+)が結合された物質を意味し得る。
【0087】
上記炭素系活物質は、当業界で負極の活物質として通常的に用いられるものであれば特に制限されずに適用され得るが、具体的には黒鉛、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックおよび炭素繊維のうち1種以上の炭素系活物質を含み得る。
【0088】
また、上記炭素層間化合物は、電池セルの充電時に炭素系活物質の層間構造に正極に含有されたLi、Na、Mg、CaおよびAlのうち1種以上の金属イオンが一定のモル分率で挿入され得る。具体的には、二次電池の場合に、電池セルの充電時に上記炭素系活物質の層間構造にリチウムが挿入された炭素層間化合物は、リチウム原子1モルに対して炭素原子5~7モル分率で結合され得、具体的には、リチウム原子1モルに対して炭素原子5.5~6.5モル分率で結合され得る。
【0089】
一つの例として、上記炭素層間化合物は、LiC、Li12、Li18、Li24、Li30およびLi36からなる群から選択される1種以上を含み得、上記物質はLi2x12x(ただし、2≦x≦10)で表されることもできる。
【0090】
また、ナトリウム二次電池の場合に、上記炭素層間化合物はナトリウム原子1モルに対して炭素原子5~7モル分率で結合され得、具体的には、ナトリウム原子1モルに対して炭素原子5.5~6.5モル分率で結合され得る。
【0091】
一つの例として、上記炭素層間化合物は、NaC、Na12、Na18、Na24、Na30およびNa36からなる群から選択される1種以上を含み得、上記物質はNa2x12x(ただし、2≦x≦10)で表されることもできる。
【0092】
また、上記負極の活性層は、負極活物質としてケイ素系活物質をさらに含み得る。このようなケイ素系活物質としては、Si、SiCおよびSiO(ただし、0.8≦x≦2.5)のうちいずれか1つ以上のケイ素物質が挙げられる。このとき、上記ケイ素物質は、Li、Na、MgおよびCaのうち1種以上の金属をケイ素物質に含有されたケイ素(Si)100モル部に対して0~50モル部で含有し得る。また、上記ケイ素系活物質は、上記ケイ素物質が炭素でコーティングされるか、または複合化された複合体形態を有し得る。
【0093】
一つの例として、上記ケイ素系活物質は、SiおよびSiOが均一に混合された物質であり得る。
【0094】
他の一つの例として、上記ケイ素系活物質は、SiO(ただし、0.8≦x≦2.5)にLiが、SiOに含有されたケイ素(Si)100モル部に対して10モル部以下にドーピングされた物質であり得る。
【0095】
別の一つの例として、上記ケイ素系活物質は、SiO(ただし、0.8≦x≦2.5)にAlが、SiOに含有されたケイ素(Si)100モル部に対して20~40モル部で含有された合金化合物であり得る。
【0096】
別の一つの例として、上記ケイ素系活物質は、Siが炭素でコーティングされた複合体(すなわち、Si/C複合体)であり得る。
【0097】
また、上記ケイ素系活物質は、負極活物質の主成分である炭素系活物質と一定の含有量割合を有し得る。具体的には、上記ケイ素系活物質は、負極活物質全体の重量に対して0~50重量%で含まれ得、残部は炭素系活物質が含まれ得る。具体的には、ケイ素系活物質は、負極活物質全体の重量に対して0~10重量%、5~10重量%、10~20重量%、10~15重量%、15~20重量%、20~50重量%、20~40重量%、20~30重量%、または30~50重量%で含まれ得る。
【0098】
<二次電池用負極活物質評価システム>
また、本発明は一実施形態において、
上述された二次電池用負極活物質の評価方法が適用された負極活物質評価システムを提供する。
【0099】
本発明に係る負極活物質評価システムは、上述された負極活物質の評価方法が適用され、非破壊方式で電池セルの負極に含有された負極活物質の素材適合性を高い信頼度で評価し得る。
【0100】
このために、上記評価システムは、完全充電された電池セルが挿入されるチャンバーと、チャンバーの外側に設けられ、チャンバー内に挿入された電池セルに含まれた負極活物質の種類および含有量割合を入力する入力部と、上記チャンバー内に装着されて電池セルにX線を照射し、電池セルから回折されたX線を感知するX線回折検出部と、上記X線回折検出部と電気的に連結され、X線回折検出部により電池セルから伝達されたX線回折スペクトルから炭素層間化合物および/またはその分解物に対するX線回折ピークを抽出し、抽出された回折ピークの強度積分値を算出し、算出された強度積分値から炭素層間化合物に対する反応速度定数kおよび/またはその分解物に対する反応速度定数k-1を算出する制御部と、を含み得る。
【0101】
このとき、上記制御部は、負極活物質の種類および含有量割合別の炭素層間化合物に対する反応速度定数基準値およびその分解物に対する反応速度定数基準値を保存するデータベースを含み、入力部で入力された負極活物質の種類および含有量割合に応じた反応速度定数基準値とX線回折検出部で測定された値から算出された反応速度定数を比較して、電池セルに含まれた負極活物質の素材適合性を判別し得る。
【0102】
また、上記制御部は、算出された炭素層間化合物に対する反応速度定数kおよび/またはその分解物に対する反応速度定数k-1から平衡定数Kを追加的に算出し得、算出された平衡定数Kは反応速度定数基準値から得られた平衡定数基準値と比較して、反応速度定数を用いて評価された素材適合性結果を追加検証し得る。
【0103】
本発明に係る二次電池用負極活物質評価システムは、上述された構成を有することにより、電池セル内部に含まれた負極活物質の素材適合性を非破壊的方式で高い正確度で評価し得る。
【0104】
<リチウム二次電池用負極>
さらに、本発明は一実施形態において、
上述された二次電池用負極活物質の評価方法を通じて適合判定を受けた負極活物質を含むリチウム二次電池用負極を提供する。
【0105】
本発明に係る負極は、負極集電体上に負極活性層が位置する構造を有し、上記負極合材層は、負極合材層に対するX線回折時の炭素層間化合物およびその分解物に対するX線回折ピークの強度積分値をフィッティングして算出された炭素層間化合物に対する反応速度定数kと平衡定数Kがそれぞれ0.1hour-1以下および10以下の値を有し得、これにより上述された本発明の評価方法で適合判定を受けることができる。上記反応速度定数kと平衡定数Kは、X線回折スペクトルを得た後に、本発明に係る負極活物質の評価方法と同一の手続きにより算出され得る。
【0106】
ここで、上記負極活性層に含有された負極活物質は、炭素系活物質とケイ素系活物質とを含み、ケイ素系活物質の含有量および/または含有量割合に応じてX線回折分析により算出される炭素層間化合物に対する反応速度定数kと平衡定数Kが異なり得る。
【0107】
具体的には、上記負極活性層は、負極活物質の組成(例えば、成分および含有量)、負極活物質の形態、負極活物質以外の成分の組み合わせ、負極活性層の形成条件などによってX線回折分析結果が異なり得、これにより、負極活性層に存在する炭素層間化合物およびその分解物に該当するピークが変わり得る。本発明は、負極活性層に炭素系活物質とケイ素系活物質とを含む場合に、ケイ素系活物質の含有量および/または含有量割合に応じて特定範囲の炭素層間化合物に対する反応速度定数kと平衡定数Kを有することを特徴とする。
【0108】
その例として、本発明に係る負極活性層に含有された負極活物質は、負極活物質全体の重量に対してケイ素系活物質を0~50重量%で含む場合に、炭素層間化合物に対する反応速度定数kが0.1hour-1以下であり得、より具体的には0.0001~0.005hour-1、0.0001~0.001hour-1、0.0005~0.002hour-1、0.001~0.05hour-1、0.001~0.02hour-1、0.002~0.01hour-1、0.005~0.1hour-1、0.005~0.07hour-1、0.005~0.05hour-1、0.005~0.03hour-1、0.005~0.02hour-1、0.005~0.015hour-1、0.005~0.009hour-1、0.01~0.015hour-1、0.025~0.04hour-1、または0.030~0.035hour-1であり得る。
【0109】
また、本発明に係る負極活性層に含有された負極活物質は、負極活物質全体の重量に対してケイ素系活物質を0~50重量%で含む場合に、平衡定数Kが10以下であり得、より具体的には0.1~10、0.1~5、0.1~3、0.5~2、1~4.5、5~10、5.5~9、または6~9であり得る。
【0110】
一つの例として、上記負極活物質は、全体の重量を基準としてケイ素系活物質を10重量%以下で含む場合に、0.005hour-1以下、または0.001hour-1以下の反応速度定数kと、1以下、または0.1以下の平衡定数Kを有し得る。
【0111】
他の一つの例として、上記負極活物質は、全体の重量を基準としてケイ素系活物質を10重量%超過20重量%以下で含む場合に、0.005超過0.05hour-1以下、0.005超過0.03hour-1以下、または0.001超過0.03hour-1以下の反応速度定数kと、0.1超過6以下、0.1超過3以下、1超過5以下、1超過6以下、1超過3以下、または0.1超過5以下の平衡定数Kを有し得る。
【0112】
別の一つの例として、上記負極活物質は、全体の重量を基準としてケイ素系活物質を20重量%超過50重量%以下で含む場合に、0.05超過0.1hour-1以下、または0.03超過0.1hour-1以下の反応速度定数kと、3超過10以下または5超過10以下の平衡定数Kを有し得る。
【0113】
別の一つの例として、上記負極活物質は、ケイ素系活物質を0重量%超過20重量%以下で含む場合に、0.05hour-1以下、0.00001~0.05hour-1、または0.00001~0.03hour-1の反応速度定数kと、5以下、0.5~5、または0.5~3の平衡定数Kを有し得る。
【0114】
一方、上記負極活性層は、負極活物質と上記負極活物質の結合を助けるバインダーなどを含む負極スラリーを負極集電体上に塗布、乾燥およびプレッシングして製造し得る。
【0115】
このとき、上記負極活物質は、本発明の評価方法で適合判定を受けた負極活物質を含むので、それを備えた負極は、完全充電状態での高温貯蔵時に負極活性層での副反応が著しく低いので、高温安定性に優れるという利点がある。
【0116】
上記負極活物質は、炭素原子を主成分とする炭素系活物質を含み、上記炭素系活物質は、当業界で負極の活物質として通常的に用いられるものであれば特に制限されずに適用され得るが、具体的には黒鉛、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックおよび炭素繊維のうち1種以上の炭素系活物質を含み得る。
【0117】
また、上記負極活物質は、炭素系活物質と共にケイ素系活物質をさらに含み得る。上記ケイ素系活物質としては、Si、SiCおよびSiO(ただし、0.8≦x≦2.5)のうちいずれか1つ以上のケイ素物質が挙げられる。このとき、上記ケイ素物質は、Li、Na、MgおよびCaのうち1種以上の金属をケイ素物質に含有されたケイ素(Si)100モル部に対して0~50モル部で含有し得る。また、上記ケイ素系活物質は、上記ケイ素物質が炭素でコーティングされるか、または複合化された複合体形態を有し得る。
【0118】
一つの例として、上記ケイ素系活物質は、SiおよびSiOが均一に混合された物質であり得る。
【0119】
他の一つの例として、上記ケイ素系活物質は、SiO(ただし、0.8≦x≦2.5)にLiが、SiOに含有されたケイ素(Si)100モル部に対して10モル部以下にドーピングされた物質であり得る。
【0120】
別の一つの例として、上記ケイ素系活物質は、SiO(ただし、0.8≦x≦2.5)にAlが、SiOに含有されたケイ素(Si)100モル部に対して20~40モル部で含有された合金化合物であり得る。
【0121】
別の一つの例として、上記ケイ素系活物質は、Siが炭素でコーティングされた複合体(すなわち、Si/C複合体)であり得る。
【0122】
また、上記ケイ素系活物質は、負極活物質の主成分である炭素系活物質と一定の含有量割合を有し得る。具体的には、上記ケイ素系活物質は、負極活物質全体の重量に対して0~50重量%で含まれ得、残部は炭素系活物質が含まれ得る。具体的には、ケイ素系活物質は、負極活物質全体の重量に対して0~10重量%、5~10重量%、10~20重量%、10~15重量%、15~20重量%、20~50重量%、20~40重量%、20~30重量%、または30~50重量%で含まれ得る。
【0123】
本発明に係る二次電池用負極は、上述された構成を有することにより寿命特性に優れるのみならず、高温貯蔵時の負極活性層での副反応が著しく低いので、高温安定性に優れるという利点がある。
【0124】
以下、本発明を実施例および実験例によってより詳細に説明する。
【0125】
ただし、下記実施例および実験例は本発明を例示するものであり、本発明の内容が下記実施例および実験例に限定されるものではない。
【0126】
<実施例1~2および比較例1.電池セルに組み立てられた負極活物質の素材適合性評価>
【0127】
<電池セルの製造>
炭素系活物質である天然黒鉛とケイ素系活物質であるシリコン粒子(SiO、純度:>99.8%)を混合して負極活物質を準備し、このとき、負極活物質内のシリコン粒子(すなわち、ケイ素系活物質)の含有量は、負極活物質全体の重量を基準として表1に示すように調節された。
【0128】
その後、上記負極活物質100重量部に対してバインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(styrene-butadiene rubber、SBR)3重量部および添加剤0.5重量部を混合して負極スラリーを製造した。このとき、実施例の添加剤と比較例の添加剤としてそれぞれ添加剤Aおよび添加剤Bを用いた。製造された負極スラリーを10cm×20cmサイズの銅集電体一面にコーティングおよび乾燥させて負極合材層(平均厚さ:120μm)を形成した。このとき、循環される空気の温度は80℃であった。次いで、圧延(roll press)し、130℃の真空オーブンで12時間乾燥して負極を製造した。
【0129】
これとは別に、ホモミキサー(homo mixer)にN-メチルピロリドン溶媒を注入し、正極活物質であるLiNi0.8Co0.1Mn0.1100重量部に対して導電材であるカーボンブラック2重量部およびバインダーであるPVDF2重量部を秤量して投入し、3,000rpmで60分間混合して正極スラリーを準備した。準備された正極スラリーを10cm×20cmサイズのアルミニウム集電体一面にコーティングおよび乾燥させて正極合材層(平均厚さ:150μm)を形成した。このとき、循環される空気の温度は80℃であった。次いで、圧延(roll press)し、130℃の真空オーブンで12時間乾燥して正極を製造した。
【0130】
その後、製造された正極と先に準備された各負極との間に多孔質ポリエチレン(PE)フィルムからなる分離膜(厚さ:約16μm)を介在し、電解液としてE2DVCを注入してフルセル(full cell)形態のパウチセルを製作した。
【0131】
ここで、「E2DVC」とはカーボネート系電解液の一種であって、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)=1:1:1(体積比)の混合物に、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF、1.0M)およびビニレンカーボネート(VC、2重量%)を混合した溶液を意味する。
【0132】
準備された電池セルを25℃の温度で0.3Cの電流で4.25Vの電圧まで定電流(CC)充電し、その後0.05Cの電流で定電圧(CV)充電した後に、0.3Cの電流で2.5Vまで定電流(CC)放電を行った。上記過程を合計3回行った。その後、放電された電池セルを4.25VでSOC100%に完全充電した。
【0133】
<負極活物質の適合性一次判断>
その後、充電された各電池セルをパウチセル透過X線回折用高温チャンバー内部治具に固定させ、X線回折ステージで2θスキャンを通じて集電体ピークの位置にX線回折を整列(alignment)させた。集電体である銅およびアルミニウムに対する回折ピークをデータベース上の位置と一致するようにサンプルの基準を調整し、調整された状態でオーブンの温度を60℃に設定して高温環境を誘導した。オーブン内部温度が60℃に到達したときにパウチセルのX線回折を測定し、その後6時間間隔でパウチセルのX線回折を測定した。
【0134】
測定されたX線回折から炭素層間化合物(具体的には、LiC)の回折ピークを抽出し、抽出されたピークの強度に対する積分値を算出し、算出値を時間に応じて示した後に、式1により時間tにおける炭素層間化合物の濃度(c(t))に対する炭素層間化合物の初期濃度(c(0))の割合(c(t)/c(0))でフィッティングした。このとき、式1のaは0.36±0.06であり、bは5.3±2.0に調節した。また、フィッティングされた結果から炭素層間化合物の反応速度定数kを算出し、その結果を図1および図2と表1に示した。図1において、X線回折結果から算出された濃度割合(c(t)/c(0))は時間経過に伴って点で表され、式1によるグラフは線で表されている。
【0135】
【数8】
【0136】
式1において、
(0)は、炭素層間化合物の初期濃度を表し、
(t)は、時間tにおける炭素層間化合物の濃度を表し、
aおよびbは、時間に対する定数を表し、
tは、貯蔵経過時間を表し、
kは、有効反応速度定数である。
【0137】
【表1】
【0138】
算出された反応速度定数kを反応速度定数基準値と比較して負極活物質の適合性を一次的に判断した。このとき、上記基準値は、ケイ素系活物質である一酸化ケイ素(SiO)の含有量に応じて、下記表2に示すように適用された。
【0139】
【表2】
【0140】
負極活物質に対する一次判断の結果、実施例1~3と比較例1の負極活物質は、炭素層間化合物に対する反応速度定数値が基準値を満たすことが確認された。
【0141】
<負極活物質の二次適合性判断>
実施例および比較例でそれぞれ算出された反応速度定数kを用いて平衡定数Kを下記表3に示すように算出し、求めた平衡定数Kを平衡定数基準値と比較して負極活物質の適合性を二次的に判断した。
【0142】
【表3】
【0143】
このとき、上記基準値Kは、ケイ素系活物質である一酸化ケイ素(SiO)の含有量に応じて、下記表4に示すように適用された。
【0144】
【表4】
【0145】
負極活物質に対する二次判断の結果、実施例1~3の電池セルに適用された負極活物質は、平衡定数Kが基準値を満たして、リチウム二次電池用負極素材として「適合」と評価した。一方、比較例1の電池セルに適用された負極活物質は、平衡定数値が基準値を満たさなかった。比較例1の負極活物質のように基準値を満たさないことは、活性化後の充放電過程で黒鉛内のリチウムイオンの濃度が低減される副反応が発生し得、これにより電池の退化傾向が強く現れることができることを意味する。したがって、比較例1の電池セルに適用された負極活物質は、リチウム二次電池用負極素材として「不適合」と評価した。
【0146】
<実験例>
【0147】
実施例および比較例で判断された結果を検証するために、ケイ素系活物質の含有量が同じである実施例2および比較例1で用いられた電池セルを対象に、45℃でそれぞれ0.3C条件で100回充放電を繰り返しながら充放電時の容量を測定し、100回充放電を行った後に充放電容量維持率を算出した。その結果を下記表5に示した。
【0148】
【表5】
【0149】
上記表5を見ると、本発明によりリチウム二次電池用負極素材として適合判断を受けた実施例の電池セルの場合に、100回充放電を行った後も約92%以上の高い容量維持率を示すが、負極素材として不適合判断を受けた比較例の電池セルの場合には、100回充放電を行った後に、約87%未満の低い容量維持率を示すことが確認された。
【0150】
これらの結果から、本発明に係るリチウム二次電池用負極活物質の判断方法は、活性化後に発生し得る負極活性層の副反応の程度を定量化して、高い信頼度で負極活物質の退化傾向を判断し得、上記判断方法を通じて適合判定を受けた負極は、寿命特性および高温安定性に優れることが分かる。
【0151】
以上では、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者または当該技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明の思想および技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更させ得ることを理解し得る。
【0152】
したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の発明の概要に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められる。
図1
図2
【国際調査報告】