(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】メッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B64U 20/87 20230101AFI20241108BHJP
B64U 80/40 20230101ALI20241108BHJP
B64U 70/50 20230101ALI20241108BHJP
B64U 70/97 20230101ALI20241108BHJP
B64U 80/25 20230101ALI20241108BHJP
G05D 1/46 20240101ALI20241108BHJP
G05D 1/24 20240101ALI20241108BHJP
G05D 1/648 20240101ALI20241108BHJP
G01C 21/30 20060101ALI20241108BHJP
B64U 101/31 20230101ALN20241108BHJP
【FI】
B64U20/87
B64U80/40
B64U70/50
B64U70/97
B64U80/25
G05D1/46
G05D1/24
G05D1/648
G01C21/30
B64U101:31
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531210
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 CN2022114397
(87)【国際公開番号】W WO2023098164
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111470681.4
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524194469
【氏名又は名称】国网智能科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉越
(72)【発明者】
【氏名】劉▲りょう▼
(72)【発明者】
【氏名】孫暁斌
(72)【発明者】
【氏名】李春飛
(72)【発明者】
【氏名】張飛
(72)【発明者】
【氏名】黄振寧
(72)【発明者】
【氏名】劉天立
(72)【発明者】
【氏名】李敏
(72)【発明者】
【氏名】趙金龍
(72)【発明者】
【氏名】張海龍
(72)【発明者】
【氏名】高紹楠
(72)【発明者】
【氏名】孫磊
(72)【発明者】
【氏名】王涛
(72)【発明者】
【氏名】周長明
【テーマコード(参考)】
2F129
5H301
【Fターム(参考)】
2F129AA11
2F129BB03
2F129BB23
2F129BB24
2F129BB25
2F129BB48
2F129BB49
2F129CC18
2F129EE02
2F129EE66
2F129EE81
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF65
2F129FF74
2F129GG13
2F129GG17
5H301AA06
5H301BB10
5H301BB20
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD15
5H301GG09
5H301HH01
5H301QQ04
(57)【要約】
メッシュ化に配置され、各々が少なくとも1台のドローン(33)を収容するために使用される複数のドック(3、34)を含むメッシュ化ドック(3、34)のドローン(33)の巡回点検システム及び方法であり、ドック(3、34)は、制御端末と通信するドックコントローラを含み、ドックコントローラはドローンリモコンと通信し、ドローンリモコンはドローン(33)と通信し、制御端末は、ドローン(33)の現在の航続里程及び巡回点検目標から各ドック(3、34)までの距離に基づき、巡回点検時間が最短となることを最適化目標とし、ドローン(33)の最適な巡回点検経路を生成してドックコントローラに送信するために使用され、有益な効果は、メッシュ化に布置されたドローンドック(3、34)に基づく効率よいドローン(33)の協同巡回点検を実現し、人件費を低減し、複数の異なる分野にまたがっている複数の巡回点検目標に対する常態化又は応急的な巡回点検ニーズを満たすことである。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ化に配置され、各々が少なくとも1台のドローンを収容するために使用される複数のドックを含み、
前記ドックは、制御端末と通信するドックコントローラを含み、ドックコントローラはドローンリモコンと通信し、ドローンリモコンはドローンと通信し、
制御端末は、ドローンの現在の航続里程及び巡回点検目標から各ドックまでの距離に基づき、巡回点検時間が最短となることを最適化目標とし、各ドックに対応する巡回点検目標を得て、確定した巡回点検目標に基づいて各ドローンの最適な巡回点検経路を生成してドックコントローラに送信するために使用される、
ことを特徴とするメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項2】
前記ドックは、
ドック本体と、ドック本体内に設けられた載置機構、縦方向固定機構及び横方向固定機構とを含み、前記載置機構は、伸縮可能な着陸プラットフォーム及び第1モータを含み、前記着陸プラットフォームは第1モータによって駆動され、
前記縦方向固定機構は、一端が回動軸を介してドック本体の側壁に設けられてギヤが設けられた第1センタリングロッドを含み、着陸プラットフォームには、ギヤと噛み合うラックが設けられ、ギヤとラックとの噛み合いにより、第1センタリングロッドを回動軸周りに回動するように駆動し、
前記横方向固定機構は、両端がドック本体の側壁に設けられる回動ロッドと、回動ロッドに設けられる第2センタリングロッドと、第2モータとを含み、回動ロッドは、第2モータによって駆動され、ドック本体に対して着陸プラットフォームの移動方向の反対方向に沿って回動し、第2センタリングロッドを着陸プラットフォームの移動方向の垂直方向に沿って移動するように駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項3】
ギヤとラックとの噛み合いで、両側壁に設けられた第1センタリングロッドが軸周りに回動することにより、2つの第1センタリングロッドの他端をいずれも中間位置に移動させるか、又は両側方向に広げる、
ことを特徴とする請求項2に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項4】
回動ロッドの両端には、1つの第2センタリングロッドがそれぞれ設けられ、着陸プラットフォームが駆動されてリセットされている場合、回動ロッドは正方向に回動し、両端の第2センタリングロッドは回動ロッドに沿って中間位置に移動し、ドローンを横方向に拘束し、
ラックとギヤとの噛み合いにより、両側壁の第1センタリングロッドを中間位置に移動してドローンを縦方向に拘束するように動かせる、
ことを特徴とする請求項3に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項5】
回動ロッドの両端には、1つの第2センタリングロッドがそれぞれ設けられ、着陸プラットフォームがドック本体から押し出されている場合、回動ロッドは逆方向に回動し、両端の第2センタリングロッドは回動ロッドに沿って両側へ移動し、ドローンに対する横方向の拘束を解除し、
ラックとギヤとの噛み合いにより、両側壁の第1センタリングロッドを両側へ広がってドローンに対する縦方向の拘束を解除するように動かせる、
ことを特徴とする請求項3に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項6】
前記ドックは、内部にドローン駐機スペース、充電モジュール及びエネルギー貯蔵モジュールが含まれるドック本体を含み、
ドック本体には、スクリュー式自動ロック構造でドック本体を固定する取付モジュールが設けられ、ドローン駐機スペースには、水平及び鉛直方向に自律的に制振するドローン固定装置が設けられ、ドックコントローラは充電モジュール及び取付モジュールとそれぞれ通信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項7】
前記スクリュー式自動ロック構造は、スリーブ及び第2スリーブの中心位置に固定された両出力軸型モータを含み、前記両出力軸型モータのロータの両端にスクリューがそれぞれ接続され、前記スクリューの他端はバネスライダの一端とネジ穴を介して接続され、前記バネスライダはスクリューの回転に伴って直線的に運動し、前記バネスライダの他端に固定して接続された伸縮ロッドを伸縮するように動かせる、
ことを特徴とする請求項6に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項8】
前記ドローンには、三軸雲台、RTK測位モジュール及びフロントエンドAI処理モジュールが搭載され、
三軸雲台にはカメラ及びビデオカメラが取り付けられ、前記カメラは単眼でズーミング可能なカメラであり、前記ビデオカメラは塔・柱のビデオ情報を取得するために使用され、カメラ及びビデオカメラは1つのレンズに集積され、
RTK測位モジュールは、ドローンの三次元座標情報を測位するために使用され、
フロントエンドAI処理モジュールは、ドローンの飛行制御データ、RTK測位モジュールのデータ及びズームカメラによって採取された画像をフィッティングし、飛行制御命令を下してドローンの飛行を制御し、雲台を制御してカメラの角度及びズーミングを調整し、巡回点検目標をロックオンして写真を撮り、巡回点検目標がカメラ画像の中央位置に位置していない場合、視覚移動追跡に基づく方式を採用して雲台の回動を制御し、巡回点検目標の画像における位置により雲台の回動方向を確定するために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項9】
巡回点検目標から各ドックまでの距離を取得することと、
巡回点検目標に最も近いドックを最適なドックとして選択することと、
各巡回点検目標の判断を順次行い、各ドックに対応する巡回点検目標を得ることと、を含み、
各ドックは巡回点検タスクの計画タスクを実行し、前記タスクは、
ドック範囲内の巡回点検目標からドックまでの距離に基づいて巡回点検目標の番号付けを行い、番号付けのルールは、巡回点検目標からドックまでの距離が遠いほど、番号が大きくなることと、
ドック範囲内の各巡回点検目標に対して、ドローンの総航続時間と巡回点検目標の単独で1回巡回点検する時間との差の値がドック範囲内の他の巡回点検目標の単独で1回巡回点検する時間の最小値よりも小さいか否かを判断し、YESであれば、この巡回点検目標を単一塔タスクとすることと、
NOであれば、この巡回点検目標を現在の巡回点検目標とし、ドックから現在の巡回点検目標までの時間と、現在の巡回点検目標の巡回点検時間と、現在の巡回点検目標から番号が現在の巡回点検目標よりも小さい最も近いセカンダリ巡回点検目標までの巡回点検時間と、現在の巡回点検目標からセカンダリ巡回点検目標までの時間と、セカンダリ巡回点検目標からドックまでの時間との和が、ドローンの総航続時間よりも大きいか否かを判断し、YESであれば、現在の巡回点検目標を単一塔タスクとし、NOであれば、2つの塔・柱の航路タスクを実行し、現在の巡回点検目標及びセカンダリ巡回点検目標の巡回点検を順次行うことと、を含む、
ことを特徴とするメッシュ化ドックのドローンの巡回点検方法。
【請求項10】
次段ノードの総合的な巡回点検時間の判断を行い、総合的な巡回点検時間がドローンの総航続時間よりも大きい場合、現在の巡回点検タスクのみを実行し、そうでない場合、次段ノードの総合的な巡回点検時間の判断を実行し続けることを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検方法。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか1項に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムに応用され、
ドック内環境情報及び感知範囲内のドック外環境情報を取得することと、
ドローン位置に基づいて目標ドックを選定し、飛行指令に基づいて対応する飛行影響要因を確定し、選定した目標ドックの外環境情報から対応する飛行環境データを取り寄せ、飛行環境データが飛行条件を満たさなければ、ドローンを帰航するように制御することと、
帰航指令に基づいて対応する着陸影響要因を確定し、前記着陸影響要因に基づいて目標ドックのドック外環境情報及びドック内環境情報から対応する着陸環境データ及び復帰環境データを取り寄せ、ドローンが目標ドック内に戻るまで、着陸環境データに基づいてドローンの着陸方式を制御し、復帰環境データに基づいて目標ドックの内環境を調整することと、を含み、
ドローン位置に基づいて目標ドックを選定することは、具体的に、ドローン位置に基づいてドローンが所在するドックの感知範囲を確定し、感知範囲に入っているドックを目標ドックとすることと、2つ又はそれ以上のドックがいずれも感知範囲に入れば、ドローンに最も近いドックを目標ドックと確定することと、を含む、
ことを特徴とするドローンのタスク実行環境の判断方法。
【請求項12】
ドック内環境情報は、ドック内温度、ドック内湿度及びドック内煙霧濃度を含み、
ドック外環境情報は、風速、風向、ドック外温度、ドック外湿度、雨量、気圧、日射強度及び視程を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のドローンのタスク実行環境の判断方法。
【請求項13】
飛行指令に基づいて対応する飛行影響要因を確定する過程において、前記飛行指令は、ドローンの巡回点検、ドックの開閉動作及びドローンの飛行タスクを含み、
ドローンの巡回点検に対応する飛行影響要因は、風速、風向、ドック外温度、雨量、気圧、日射強度及び視程を含み、
ドックの開閉動作に対応する飛行影響要因は、雨量及びドック内煙霧濃度を含み、
ドローンの飛行タスクに対応する飛行影響要因は、風速、風向、気圧及び視程を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のドローンのタスク実行環境の判断方法。
【請求項14】
帰航指令に基づいて対応する着陸影響要因を確定する過程において、前記帰航指令から影響を受ける指令は、ドローンの格納、ドローンの充電、ドックのセルフチェック、ドローンの精密着陸及びドローンの代替着陸を含み、
ドローンの格納、ドローンの充電及びドックのセルフチェックに対応する着陸影響要因は、ドック内温度、ドック内湿度及びドック内煙霧濃度を含み、
ドローンの精密着陸に対応する着陸影響要因は、風速、風向、日射強度及び視程を含み、
ドローンの代替着陸に対応する着陸影響要因は、風速及び風向を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のドローンのタスク実行環境の判断方法。
【請求項15】
現在の飛行指令がドローンの巡回点検指令であり、且つ現在の飛行環境データが飛行条件を満たせば、ドックのセルフチェックを行うことと、ドックのセルフチェックに合格すれば、ドローンを離陸して巡回点検タスクを実行するように制御することと、ドローンの巡回点検タスクを実行する過程において、飛行環境データが飛行条件を満たすか否かを持続的に検出することと、を更に含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のドローンのタスク実行環境の判断方法。
【請求項16】
現在の着陸環境データが精密着陸条件を満たすか否かを判断することと、精密着陸条件を満たせば、ドローンの精密着陸を実行し、ドックがドローンの格納及び充電を満たすか否かを判断することと、ドックの内環境が異常であれば、ドックの内環境を調整することと、精密着陸条件を満たさなければ、ドローンを代替着陸するように制御することと、ドローンの代替着陸ができなければ、ドローンを強引に着陸するように制御することと、を更に含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のドローンのタスク実行環境の判断方法。
【請求項17】
請求項1から8のいずれか1項に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムに応用され、
ドローンの測位データを取得することと、
取得した測位データに基づき、ドローンがプリセット着陸範囲内に位置するか否かを判断し、ドローンがプリセット着陸範囲内に位置していない場合、位置要求を満たすまで、ドローンを移動するように制御することと、
ドローンがプリセット着陸範囲内に位置することが確定された後、ドローンが着陸点から第1プリセット距離離れている位置に位置する場合、ドローンの下方の画像データ又はビデオデータを取得し、取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸範囲コードが識別できない場合、精密着陸範囲コードが識別されるまで、着陸点から第3プリセット距離離れている位置に下降して再び精密着陸範囲コードの識別を行うようにドローンを制御することと、
取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸範囲コードが識別された場合、着陸点から第2プリセット距離離れている位置に下降して再びドローンの下方の画像データ又はビデオデータを取得するようにドローンを制御し、再び取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸位置コードが識別された場合、ドローンを着陸点から第4プリセット距離離れている位置に下降するように制御し、ドローンを着陸するように制御することと、を含む、
ことを特徴とするドローンの精密着陸の制御方法。
【請求項18】
請求項8に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムに応用され、
巡回点検要求に応じ、ドローンが等速で検出点に入る前に、雲台における画像採取モジュールを採用して巡回点検目標のリアルタイム広角画像を取得するS1と、
巡回点検目標が撮影して取得されたリアルタイム画像の中に位置するか否かを判断し、YESであれば、ステップS3に進み、NOであれば、リアルタイム画像における巡回点検目標が探索されるまで雲台の運動を制御して姿勢を変えるS2と、
処理モジュールは、リアルタイム画像における巡回点検目標位置、ドローンの撮影位置、雲台姿勢の情報に基づき、カルマンフィルタアルゴリズムを採用してドローンの撮影位置及び雲台姿勢位置をフィッティングして出し、画像採取モジュールの焦点距離モードを確定するS3と、
ドローンを等速でフィッティングして得られた撮影位置に飛行するように制御し、飛行過程において、処理モジュールは、画像採取モジュールのリアルタイム画像の設定領域に巡回点検目標がロックオンされることを達成するように、ドローンが等速で飛行する三次元方向に従い、雲台の姿勢をリアルタイムに逆に調整し、且つ画像採取モジュールの焦点距離モードを調整するS4と、
ドローンは、撮影位置に到達し、巡回点検目標位置が画像採取モジュールのリアルタイム画像の設定領域にあることを確認し、検視点をロックオンして画像を採取するS5と、
処理モジュールは、採取したピクチャを処理し、全ての検出点の画像採取タスクを完成するまで、ドローンを次の検出点のタスクを実行するように制御し、S1を再実行するS6と、を含む、
ことを特徴とする視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法。
【請求項19】
S2において、
巡回点検目標が撮影して取得されたリアルタイム画像の中に位置するか否かを判断する具体的な的な過程は、Faster-RCNNアルゴリズムを採用してピクチャをCNNに入力し、特徴抽出を行い、その後、ピクチャに巡回点検目標が存在するか否かを判断すること、を含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法。
【請求項20】
S3は、具体的に、
画像における検視点の目標物体の位置に基づき、塔・柱を画像の中心にオフセットさせる方向である雲台の回動方向を決定し、先に雲台を最小単位だけ回動させ、現在の位置における塔・柱画像を取得し、その特徴を抽出するS3.1と、
前後2枚の塔・柱画像の特徴をマッチングし、画像におけるマッチング点の画素点でのオフセット量を計算するS3.2と、
特徴オフセット量と雲台の回動量との間の線形マッピング関係に基づき、雲台の回動量を得るS3.3と、
回動量に従って雲台姿勢を調整するS3.4と、を含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法。
【請求項21】
S4においては、
S4.1において、ドローンの位置情報及び加速度情報に基づいて現在のドローン位置及び運動しようとする三次元ベクトル方向Pを算出し、
S4.2において、ドローンの運動ベクトルの大きさと等しく、方向と逆になるように雲台の画像採取モジュールの運行ベクトルを調整し、
S4.3において、現在の時刻の画像採取モジュールの中央目標物の画素でのオフセット量を計算し、オフセット量がなければ、雲台の画像採取モジュールの巡回点検目標物体に対する移動追跡が相対的に静止している状態であると確定し、オフセット量があれば、ステップS4.4に進み、
S4.4において、画像の中央の画素の特徴オフセット量と雲台の回動量との間の線形マッピング関係に基づき、雲台の回動量を得て、その後、雲台の画像採取モジュールの位置を微調整して、雲台の画像採取モジュールの中央に対して検視点の目標物体を再ロックオンさせる、
ことを特徴とする請求項18に記載の視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力巡回点検の技術分野に関し、特に、メッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本部分の記述は、本発明に関連する背景技術を提供するだけであり、必ずしも従来技術を構成するとは限らない。
【0003】
ドローンドックは、ドローンの保障中継ステーションとして、その作用は言うまでもなく、ドローンドックの配置位置はドローンにとって極めて重要であり、直接、ドローンの飛行巡回点検の半径、作業効率及び成果につながる。
【0004】
発明者は、既存の電力巡回点検に以下のような問題があることを発見した。
【0005】
(1)ドローンドックの位置の設定が自由であり、又は疎らに数個のドローンドックのみを配置しており、往々にして、巡回点検待ち目標のフルカバーが実現できず、更に、巡回点検過程において、往々にして、順次、各巡回点検待ち目標に対して単一回の飛行巡回点検を行っており、周辺の近距離のウェイポイントのカバーには関しておらず、巡回点検における航程と電力が無駄となる状況を作っている。
【0006】
(2)既存のドローンドックは、ロボットアームを大量に採用してドローンのセンタリング制御及びバッテリ交換制御を行っているため、ドローンのバッテリ交換が煩雑となり、更に、多自由度のロボットアーム又はバッテリ交換機構とドローンとの連携も、ロボットアーム又はドローンの故障を招きやすく、これにより、設備の破損を引き起こし、システム全体の安定性を低減する。
【0007】
(3)ドローン知能ドックは、バックグラウンド監視センターとの相互通信を実現可能であり、現場で飛行環境を監視した後、バックグラウンド監視センターの操作者が現場の飛行条件を主観的に判断することが多く、知能化程度が低く、主観性が強く、且つ一定の誤判断の可能性があり、又は、飛行条件に対する判断は、簡単に寄せ集めているだけであり、マルチソースデータの総合的な判断が欠け、飛行タスクに一定の安全上の懸念をもたらす。
【0008】
(4)ドローンは、着陸待ち位置の座標を識別する時、高精密なリアルタイム測位が必要となり、測位部品のコストが高いだけでなく、ドローンの飛行場の予め設定された点の位置の座標データをリアルタイムに取得する必要もあり、着陸制御は煩雑であり、従来技術において、着陸点の特定画像を識別することにより着陸を実現する態様があるが、単一のデータソースの識別のみを行っていることが多く、着陸精度は保障できない。
【0009】
(5)従来技術において、両眼視を利用し、ホバリングして測位、測距をすることを実現する態様が開示されているが、依然として、順番に巡回点検目標に到達して制動をかけてホバリングし、所定の点で写真を撮ってから加速して次の巡回点検目標に行くようにドローンを制御しており、ドローンの制動、ホバリング及び加速は、バッテリの電力量への消費が大きく、ホバリングせずに自律的に巡回点検することは実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術の不足を解決するために、本発明は、メッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム及び方法を提供し、メッシュ化に布置されたドローンドックに基づく効率よいドローンの協同巡回点検を実現し、人件費を低減し、複数の異なる分野にまたがっている複数の巡回点検目標に対する常態化又は応急的な巡回点検ニーズを満たす。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術態様を採用する。
【0012】
本発明の第1側面は、
メッシュ化に配置され、各々が少なくとも1台のドローンを収容するために使用される複数のドックを含み、
前記ドックは、制御端末と通信するドックコントローラを含み、ドックコントローラはドローンリモコンと通信し、ドローンリモコンはドローンと通信し、
制御端末は、ドローンの現在の航続里程及び巡回点検目標から各ドックまでの距離に基づき、巡回点検時間が最短となることを最適化目標とし、各ドックに対応する巡回点検目標を得て、確定した巡回点検目標に基づいて各ドローンの最適な巡回点検経路を生成してドックコントローラに送信するために使用される、
メッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを提供する。
【0013】
更に、前記ドックは、
ドック本体と、ドック本体内に設けられた載置機構、縦方向固定機構及び横方向固定機構とを含み、前記載置機構は、伸縮可能な着陸プラットフォーム及び第1モータを含み、前記着陸プラットフォームは第1モータによって駆動され、
前記縦方向固定機構は、一端が回動軸を介してドック本体の側壁に設けられてギヤが設けられた第1センタリングロッドを含み、着陸プラットフォームには、ギヤと噛み合うラックが設けられ、ギヤとラックとの噛み合いにより、第1センタリングロッドを回動軸周りに回動するように駆動し、
前記横方向固定機構は、両端がドック本体の側壁に設けられる回動ロッドと、回動ロッドに設けられる第2センタリングロッドと、第2モータとを含み、回動ロッドは、第2モータによって駆動され、ドック本体に対して着陸プラットフォームの移動方向の反対方向に沿って回動し、第2センタリングロッドを着陸プラットフォームの移動方向の垂直方向に沿って移動するように駆動する。
【0014】
更に、ギヤとラックとの噛み合いで、両側壁に設けられた第1センタリングロッドが軸周りに回動することにより、2つの第1センタリングロッドの他端をいずれも中間位置に移動させるか、又は両側方向に広げる。
【0015】
更に、回動ロッドの両端には、1つの第2センタリングロッドがそれぞれ設けられ、着陸プラットフォームが駆動されてリセットされている場合、回動ロッドは正方向に回動し、両端の第2センタリングロッドは回動ロッドに沿って中間位置に移動し、ドローンを横方向に拘束し、
ラックとギヤとの噛み合いにより、両側壁の第1センタリングロッドを中間位置に移動してドローンを縦方向に拘束するように動かせる。
【0016】
更に、回動ロッドの両端には、1つの第2センタリングロッドがそれぞれ設けられ、着陸プラットフォームがドック本体から押し出されている場合、回動ロッドは逆方向に回動し、両端の第2センタリングロッドは回動ロッドに沿って両側へ移動し、ドローンに対する横方向の拘束を解除し、
ラックとギヤとの噛み合いにより、両側壁の第1センタリングロッドを両側へ広がってドローンに対する縦方向の拘束を解除するように動かせる。
【0017】
更に、前記ドックは、
内部にドローン駐機スペース、充電モジュール及びエネルギー貯蔵モジュールが含まれるドック本体を含み、
ドック本体には、スクリュー式自動ロック構造でドック本体を固定する取付モジュールが設けられ、ドローン駐機スペースには、水平及び鉛直方向に自律的に制振するドローン固定装置が設けられ、ドックコントローラは充電モジュール及び取付モジュールとそれぞれ通信する。
【0018】
更に、前記ドローンには、三軸雲台、RTK測位モジュール及びフロントエンドAI処理モジュールが搭載され、
三軸雲台にはカメラ及びビデオカメラが取り付けられ、前記カメラは単眼でズーミング可能なカメラであり、前記ビデオカメラは塔・柱のビデオ情報を取得するために使用され、そのうち、カメラ及びビデオカメラは1つのレンズに集積される。
【0019】
RTK測位モジュールは、ドローンの三次元座標情報を測位するために使用され、
フロントエンドAI処理モジュールは、
ドローンの飛行制御データ、RTK測位モジュールのデータ及びズームカメラによって採取された画像をフィッティングし、飛行制御命令を下してドローンの飛行を制御し、雲台を制御してカメラの角度及びズーミングを調整し、巡回点検目標をロックオンして写真を撮り、
視覚ズーム広角カメラを利用してホバリング点に接近する飛行過程で写真を撮り、写真を撮った座標値(GPS値)及び雲台の姿勢を計算し、カメラ結像原理により写真における巡回点検目標を識別し、
現在のドローンのGPS位置及び三次元速度、並びに雲台の姿勢のロール角、ピッチ角及びヨー角に従い、カルマンフィルタアルゴリズムによりドローンの雲台の位置を調整し、ズーミングによりズームカメラに塔・柱の目標検視点をロックオンさせ、
写真を撮って塔・柱の目標検視点に対する情報採取を完成することで、巡回点検目標の情報採取の正確性及び採取された画像の品質を向上させる、ように構成される。
【0020】
本発明の第2側面は、
巡回点検目標から各ドックまでの距離を取得することと、
巡回点検目標に最も近いドックを最適なドックとして選択することと、
各巡回点検目標の判断を順次行い、各ドックに対応する巡回点検目標を得ることと、を含み、
そのうち、各ドックは巡回点検タスクの計画タスクを実行し、タスクは、
ドック範囲内の巡回点検目標からドックまでの距離に基づいて巡回点検目標の番号付けを行い、距離が遠いほど、番号が大きくなることと、
ドック範囲内の各巡回点検目標に対して、ドローンの総航続時間と巡回点検目標の単独で1回巡回点検する時間との差の値がドック範囲内の他の巡回点検目標の単独で1回巡回点検する時間の最小値よりも小さいか否かを判断し、YESであれば、この巡回点検目標を単一塔タスクとすることと、
NOであれば、この巡回点検目標を現在の巡回点検目標とし、ドックから現在の巡回点検目標までの時間と、現在の巡回点検目標の巡回点検時間と、現在の巡回点検目標から番号が現在の巡回点検目標よりも小さい最も近いセカンダリ巡回点検目標までの巡回点検時間と、現在の巡回点検目標からセカンダリ巡回点検目標までの時間と、セカンダリ巡回点検目標からドックまでの時間との和が、ドローンの総航続時間よりも大きいか否かを判断し、YESであれば、現在の巡回点検目標を単一塔タスクとし、NOであれば、2つの塔・柱の航路タスクを実行し、現在の巡回点検目標及びセカンダリ巡回点検目標の巡回点検を順次行うことと、を含む、
メッシュ化ドックのドローンの巡回点検方法を提供する。
【0021】
本発明の第3側面は、
上記のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを利用し、
ドック内環境情報及び感知範囲内のドック外環境情報を取得することと、
ドローン位置に基づいて目標ドックを選定し、飛行指令に基づいて対応する飛行影響要因を確定し、選定した目標ドックの外環境情報から対応する飛行環境データを取り寄せ、飛行環境データが飛行条件を満たさなければ、ドローンを帰航するように制御することと、
帰航指令に基づいて対応する着陸影響要因を確定し、前記着陸影響要因に基づいて目標ドックのドック外環境情報及びドック内環境情報から対応する着陸環境データ及び復帰環境データを取り寄せ、ドローンが目標ドック内に戻るまで、着陸環境データに基づいてドローンの着陸方式を制御し、復帰環境データに基づいて目標ドックの内環境を調整することと、を含む、
ドローンのタスク実行環境の判断方法を提供する。
【0022】
ドローン位置に基づいて目標ドックを選定することの選定は、具体的に、ドローン位置に基づいてドローンが所在するドックの感知範囲を確定し、感知範囲に入っているドックを目標ドックとすることと、2つ又はそれ以上のドックがいずれも感知範囲に入れば、ドローンに最も近いドックを目標ドックと確定することと、を含む。
【0023】
本発明の第4側面は、
上記のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを利用し、
ドローンの測位データを取得することと、
取得した測位データに基づき、ドローンがプリセット着陸範囲内に位置するか否かを判断し、ドローンがプリセット着陸範囲内に位置していない場合、位置要求を満たすまで、ドローンを移動するように制御することと、
ドローンがプリセット着陸範囲内に位置することが確定された後、ドローンが着陸点から第1プリセット距離離れている位置に位置する場合、ドローンの下方の画像データ又はビデオデータを取得し、取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸範囲コードが識別できない場合、精密着陸範囲コードが識別されるまで、着陸点から第3プリセット距離離れている位置に下降して再び精密着陸範囲コードの識別を行うようにドローンを制御することと、
取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸範囲コードが識別された場合、着陸点から第2プリセット距離離れている位置に下降して再びドローンの下方の画像データ又はビデオデータを取得するようにドローンを制御し、再び取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸位置コードが識別された場合、ドローンを着陸点から第4プリセット距離離れている位置に下降するように制御し、ドローンを着陸するように制御することと、を含む、
ドローンの精密着陸の制御方法を提供する。
【0024】
本発明の第5側面は、
上記のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを利用し、
巡回点検要求に応じ、ドローンが等速で検出点に入る前に、雲台における画像採取モジュールを採用して巡回点検目標のリアルタイム広角画像を取得するS1と、
巡回点検目標が撮影して取得されたリアルタイム画像の中に位置するか否かを判断し、YESであれば、ステップS3に進み、NOであれば、リアルタイム画像における巡回点検目標が探索されるまで雲台の運動を制御して姿勢を変えるS2と、
処理モジュールは、リアルタイム画像における巡回点検目標位置、ドローンの撮影位置、雲台姿勢の情報に基づき、カルマンフィルタアルゴリズムを採用してドローンの撮影位置及び雲台姿勢位置をフィッティングして出し、画像採取モジュールの焦点距離モードを確定するS3と、
ドローンを等速でフィッティングして得られた撮影位置に飛行するように制御し、飛行過程において、処理モジュールは、画像採取モジュールのリアルタイム画像の設定領域に巡回点検目標がロックオンされることを達成するように、ドローンが等速で飛行する三次元方向に従い、雲台の姿勢をリアルタイムに逆に調整し、且つ画像採取モジュールの焦点距離モードを調整するS4と、
ドローンは、撮影位置に到達し、巡回点検目標位置が画像採取モジュールのリアルタイム画像の設定領域にあることを確認し、検視点をロックオンして画像を採取するS5と、
処理モジュールは、採取したピクチャを処理し、全ての検出点の画像採取タスクを完成するまで、ドローンを次の検出点のタスクを実行するように制御し、S1を再実行するS6と、を含む、
視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法を提供する。
【発明の効果】
【0025】
従来技術と比べ、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0026】
1、本発明は、メッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを革新的に設計し、メッシュ化ドックのドローンの巡回点検方法を提出し、ドローンの現在の航続里程及び巡回点検目標から各ドックまでの距離に基づき、巡回点検時間が最短となることを最適化目標とし、各ドックに対応する複数種の巡回点検目標を得て、確定した巡回点検目標に基づいて各ドローンの最適な巡回点検経路を生成し、単一塔タスクと複数塔タスクの協同巡回点検の最適化問題を解決し、最も少ない巡回点検時間を目標とする巡回点検経路の最適化を実現し、各分野の巡回点検目標に対するメッシュ化されたドローンドックに基づく効率よいドローンの協同巡回点検を実現し、人件費を低減し、各分野の複数の巡回点検目標に対する常態化又は応急的な巡回点検ニーズを満たす。
【0027】
2、本発明は、ドローンドックを革新的に提出し、ドローンに対する横方向の拘束及び縦方向の拘束という二重拘束技術を設計し、センタリングロッドセット固定機構とギヤラック機構とを組み合わせる方法を提出してドローンのセンタリングを行い、ドローンドックの単一シーンの限界及びドローンの駐機の安定性の問題を解決し、異なる巡回点検環境でのドローンの着陸の安定性を向上させ、且つ、ドローンドックは汎用型のドックとして、遠隔制御による作業をサポートし、巡回点検作業効率を著しく向上させ、応用シーンの多様化を実現し、ドローンのより大きな範囲内でのカバーを実現する。
【0028】
3、本発明は、ドローンのタスク実行環境の判断方法を革新的に提出し、異なる飛行タスク又は帰航タスクに対して、異なるタスク環境条件と結び付け、タスクの実行に適するか否かをそれぞれ判断し、ドックの飛行条件の判断ロジックのニーズを満たし、複雑な飛行状況で、ドック自己判断の方式により判断結論の冗長を実現し、判断の正確率を高め、既存の飛行環境監視技術の判断条件が単一で、主観的に干渉し、且つ知能化程度が低いという限界を解決し、手動介入が必要とされず、異なるタスクでの飛行条件の自律的な予断を実現し、ドローンの巡回点検効率及びドックシステムの安全性を著しく向上させる。
【0029】
4、本発明は、ドローンの精密着陸の制御方法を革新的に提出し、ドローンの測位データに基づいてドローンと着陸待ち位置の初歩的な標定を実現し、リアルタイムディファレンシャル測位データ、精密着陸範囲コード及び精密着陸位置コードを融合し、絶えない画像識別及び距離の接近により、ドローンの精密着陸を制御しにくいという問題を解決し、ドローンの着陸の精密で段階的な制御を実現し、ドローンの着陸の制御精度を高める。
【0030】
5、本発明は、視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法を革新的に提出し、ドローンの巡回点検目標に入ってから巡回点検目標から離れるまでの間の飛行過程において、ドローンは、常に設定航跡に従って飛行し、カルマンフィルタアルゴリズムにより現在の位置及び速度データをフィッティングして雲台姿勢及びカメラのズーミングをリアルタイムに調整し、巡回点検目標に対するカメラの移動追跡及びロックオン撮影を実現し、ドローンがホバリングせずに巡回点検している過程において巡回点検目標の画像を自動的に採取することを実現し、巡回点検作業員の労働強度を大きく低減し、更に、本発明は、逆移動追跡方法を採用し、ドローン及び雲台のカメラの姿勢を動的に調整することにより、巡回点検目標物との相対的な静止を実現し、ドローンの電力量及び1回の飛行の作業量を大きく節約し、本発明の巡回点検目標物の取得は、単眼カメラに基づいて完成され、構造が簡単で、コストが低い。
【0031】
本発明の追加的な側面の利点は、一部が以下の説明に示され、一部が以下の説明から明らかになり、又は本発明の実践により理解される。
【0032】
本発明の一部を構成する明細書の添付図面は、本発明に対する更なる理解を提供するためのものであり、本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施例1に係るメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムの模式図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るドローンドックの模式図である。
【
図3】本発明の実施例1に係るドローンドック本体の模式図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る第1センタリングロッドの底部のギヤの駆動の模式図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る第1センタリングロッド及び第2センタリングロッドのリセットの模式図である。
【
図6(a)】本発明の実施例1に係るドローンがセンタリングする模式図である。
【
図6(b)】本発明の実施例1に係るドローンがセンタリングする模式図である。
【
図7(a)】本発明の実施例1に係るドローンが着陸する模式図である。
【
図7(b)】本発明の実施例1に係るドローンが着陸する模式図である。
【
図8】本発明の実施例1に係るドローンドックの取付模式図である。
【
図9(a)】本発明の実施例2に係る移動ドローンドックの内部の構造模式図である。
【
図9(b)】本発明の実施例2に係る移動ドローンドックのドアの構造模式図である。
【
図10】本発明の実施例2に係る充電モジュールの構造模式図である。
【
図11】本発明の実施例2に係るドローン駐機スペースの固定装置の構造模式図である。
【
図12】本発明の実施例2に係るドローン駐機スペースの固定装置の局所構造模式図である。
【
図13(a)】本発明の実施例2に係る取付モジュールの構造模式図である。
【
図13(b)】本発明の実施例2に係る取付モジュールの局所構造模式図である。
【
図13(c)】本発明の実施例2に係る取付モジュールの局所構造模式図である。
【
図14】本発明の実施例2に係るドローンシステムのワークフローチャートである。
【
図15】本発明の実施例3に係る航路計画のフローの模式図である。
【
図16】本発明の実施例3に係るタスク計画の模式
図1である。
【
図17】本発明の実施例3に係るタスク計画の模式
図2である。
【
図18】本発明の実施例4に係るタスク指令及び対応する環境要因の区分模式図である。
【
図19】本発明の実施例4に係るドローンの格納タスクの実行環境の判断模式図である。
【
図20】本発明の実施例5に係るドローンの精密着陸の制御方法のフローの模式図である。
【
図21】本発明の実施例6に係るドローンの自律巡回点検方法のフローの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明について更に説明する。
【0035】
以下の詳細な説明はいずれも例示的なものであり、本発明のために更なる説明を提供するためのものであることを指摘すべきである。別途明示されない限り、本稿に使用される全ての技術及び科学用語は、当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。
【0036】
なお、ここで使用される用語は、具体的な実施形態を記述するためのものに過ぎず、本発明による例示的な実施形態を制限することを意図するものではない。ここで使用されるように、文脈で明確に指摘されない限り、単数形式も複数形式を含むことを意図し、また、本明細書で用語「包含」及び/又は「含む」が使用される時、特徴、ステップ、操作、デバイス、部品及び/又はそれらの組み合わせが存在することを表すことが更に理解されるべきである。
【0037】
衝突しない限り、本発明における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0038】
実施例1
本発明の実施例1は、
図1に示すように、メッシュ化に配置され、各々が少なくとも1台のドローン33を収容するために使用される複数のドック34を含み、
前記ドックは、制御端末と通信するドックコントローラを含み、ドックコントローラはドローンリモコンと通信し、ドローンリモコンはドローンと通信し、
制御端末は、ドローンの現在の航続里程及び巡回点検目標から各ドックまでの距離に基づき、巡回点検時間が最短となることを最適化目標とし、各ドックに対応する巡回点検目標を得て、確定した巡回点検目標に基づいて各ドローンの最適な巡回点検経路を生成してドックコントローラに送信するために使用されるメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを提供する。
【0039】
本実施例において、変電所をドローンドックの主な配置点として選出し、ドローンは、まず、近くで変電所の設備を巡回点検することができ、変電所の周辺は、電力線路の主な合流箇所であり、重点的に巡視する必要がある領域でもあり、ドローンは変電所の周辺で巡回点検することで、電力線路を最大限に巡回点検することができ、ドローンドックは変電所内に配置され、変電所の点検修理の一部とされてもよく、運用保守しやすい。
【0040】
他のいくつかの実施形態において、ドローンドックは、5G基地局又は山頂の太陽光発電所等の地に適切に配置されてもよく、他の分野、例えば通信分野、消防分野等々の目標を巡回点検目標としてもよく、電気さえあれば、ドローンドックを配置することができることを理解できる。
【0041】
図2及び
図3に示すように、本実施例に記載のドローンドックは、ドック本体と、ドック本体内に設けられた載置機構、縦方向固定機構及び横方向固定機構とを含む小型化ドローンドックであり、前記載置機構は、伸縮可能な着陸プラットフォーム及び第1モータを含み、前記着陸プラットフォームは第1モータによって駆動され、
前記縦方向固定機構は、一端が回動軸を介してドック本体の側壁に設けられてギヤが設けられた第1センタリングロッドを含み、着陸プラットフォームには、ギヤと噛み合うラックが設けられ、ギヤとラックとの噛み合いにより、第1センタリングロッドを回動軸周りに回動するように駆動し、
前記横方向固定機構は、両端がドック本体の側壁に設けられる回動ロッドと、回動ロッドに設けられる第2センタリングロッドと、第2モータとを含み、回動ロッドは、第2モータによって駆動され、ドック本体に対して着陸プラットフォームの移動方向の反対方向に沿って回動し、第2センタリングロッドを着陸プラットフォームの移動方向の垂直方向に沿って移動するように駆動する。
【0042】
本実施例において、前記ドック本体6は矩形フレーム構造であり、前記ドック本体6の頂端に頂蓋5が設けられ、前記頂蓋5に太陽光発電パネルが設けられ、太陽光発電パネルにより光エネルギーを吸収し、光エネルギーを電気エネルギーに転化して貯蔵し、ドックの電力のサポートとする。
【0043】
好ましくは、前記頂蓋5は、ドックの頂部に水が溜まることを防止するために、スロープ式の設計となる。
【0044】
本実施例において、前記ドック本体6内に伸縮可能な着陸プラットフォーム4が設けられ、ドローンの着陸時、着陸プラットフォーム4はドローンを載置するために、ドック本体6の内部から押し出されて、ドローンの着陸後、着陸プラットフォーム4はドック本体6内に回収され、ドローンが巡回点検タスクを実行する時、着陸プラットフォーム4はドック本体6の内部から押し出され、ドローンは離陸し、その後、着陸プラットフォーム4はドック本体6内に回収される。
【0045】
本実施例において、前記ドック本体6の3つの面は閉鎖され、前向き面及び着陸プラットフォーム4は閉鎖面を形成し、ドック全体の防護性能を保証する。
【0046】
本実施例において、前記第1モータ9は、ロッドを介して着陸プラットフォーム4に接続され、着陸プラットフォーム4をドック本体6外に押し出され、又はドック本体6内に回収されるように駆動する。
【0047】
好ましくは、第1モータ9は2つ設けられる。
【0048】
本実施例において、
図3に示すように、前記ドック本体6の両端にスライドレールが設けられ、前記回動ロッド7は両端が転がりプーリによりドック本体6のスライドレールに設けられ、回動が第2モータ8により制御され、前記回動ロッド7の回動方向は着陸プラットフォーム4の移動方向と逆である。
【0049】
前記第2センタリングロッド10の端部にスライド溝が設けられ、回動ロッド7の両端に1つの第2センタリングロッド10がそれぞれ設けられ、前記第2センタリングロッド10は、スライド溝を介して回動ロッド7に設けられ、回動ロッド7の回動に伴って回動ロッド7の方向に沿って一方向運動をし、即ち、回動ロッド7の回動方向の垂直方向に沿って横方向運動をする。
【0050】
前記回動ロッド7にネジ山が設けられ、第2センタリングロッド10は、スライド溝を介して回動ロッド7の回動に伴ってネジ山に沿って一方向に移動する。
【0051】
好ましくは、前記回動ロッド7はスクリューを採用する。
【0052】
前記回動ロッド7は、第2モータ8の駆動でスライドレール上を回動し、回動ロッド7の回動方向に基づいて第2センタリングロッド10の運動方向を制御し、
好ましくは、回動ロッド7が正方向に回動する場合、両側の第2センタリングロッド10はセンタリング運動をし、即ち、中間位置に移動し、回動ロッド7が逆方向に回動する場合、両側の第2センタリングロッド10は反対方向に移動し、即ち、両側へ広がり、回動ロッド7のスライドレールでの回動と、第2センタリングロッド10のスライド溝による移動との連携により、第2センタリングロッド10の回動ロッド7に伴って往復運動を行う作用力を平衡させ、第2センタリングロッド10が一方向の自由度で変位していることを保証する。
【0053】
好ましくは、着陸プラットフォーム4を押し出す場合、回動ロッド7が逆方向に回動すると、両側の第2センタリングロッド10は反対方向に移動し、即ち、両側へ広がり、この場合も、第2センタリングロッド10が広がった後に着陸プラットフォーム4でのドローンが飛び出すことができるために使用され、
着陸プラットフォームを回収してリセットさせる場合、回動ロッド7が正方向に回動すると、両側の第2センタリングロッド10はセンタリング運動をし、即ち、中間位置に移動し、この場合も、ドローンを着陸プラットフォームで横方向にリセットさせ、ドローンを横方向に拘束して固定するために使用される。
【0054】
本実施例において、ドック本体6の対向する2つの側壁にいずれも第1センタリングロッド13が設けられ、ギヤとラックとの噛み合いで、両側の第1センタリングロッド13が軸周りに回動することにより、第1センタリングロッド13の他端をいずれも中間位置に移動させるか、又は両側方向に広げる。
【0055】
本実施例において、
図4に示すように、前記第1センタリングロッド13にギヤが設けられ、着陸プラットフォーム4にネジを介してラック14が接続され、ラック14はギヤと噛み合い、着陸プラットフォームの押し出し及び戻し時、ギヤは回動し、ギヤとラックとの噛み合いにより、第1センタリングロッド13を軸周りに回動するように動かせ、第1センタリングロッド13が軸周りに回動する時、ギヤとラックとの伝動により移動動力が回動動力モーメントに変換される。
【0056】
好ましくは、第1センタリングロッド13は、ドローンに対する縦方向のリセットに使用され、第1センタリングロッド13は、回動軸を介して軸心周りの円周回動をし、回動により他端が軸心周りに中間位置に回動し、ドローンを固定する。
【0057】
本実施例において、第2センタリングロッド10と第1センタリングロッド13との共同の押動により、ドローンに対するリセットを完成し、
図5に示すように、ドローンのリセットは2つの部分に分けられ、一部が第2センタリングロッド10の押動により横方向にリセットさせ、もう一部が第1センタリングロッド13の回動により縦方向のリセットを完成する。
【0058】
好ましくは、ドローンが離陸する前に、第1モータ9は着陸プラットフォーム4を押動し、ドック本体6の前側を開き、開く過程において、第2センタリングロッド10を広げ、回動ロッド7の逆方向の回動により、両側の第2センタリングロッド10は反対方向に移動し、即ち、両側へ広がり、ドローンに対する横方向の固定を解除し、同時に、着陸プラットフォーム4に接続されたラックは着陸プラットフォーム4と同期して前に押され、着陸プラットフォーム4におけるラック14と第1センタリングロッド13におけるギヤとの噛み合いにより、第1センタリングロッド13を回動するように動かせ、両側の第1センタリングロッド13は軸周りに回動することにより両側へも広がり、ドローンに対する縦方向の固定を解除し、これにより、ドローンは計画された航路に基づいて自律的に離陸し、巡回点検作業を行う。
【0059】
ドローンは、巡回点検タスクを完成した後、視覚補助により着陸プラットフォーム4に精密に着陸し、その後、第1モータ9は、着陸プラットフォーム4を動かせてキャビン閉鎖動作を行い、キャビンドアを閉める過程において、回動ロッド7の正方向の回動により、両側の第2センタリングロッド10はセンタリング運動をし、即ち、中間位置に移動し、ドローンに対する横方向のリセットを完成し、同時に、ラック14とギヤとの噛み合いにより、第1センタリングロッド13を回動するように動かせ、両側の第1センタリングロッド13は軸周りに回動することにより、中間に移動してドローンを固定し、ドローンの縦方向のリセットを完成する。
図6(a)~6(b)及び
図7(a)~7(b)に示すようなものは、ドローンのセンタリング及び着陸の模式図である。
【0060】
本実施例において、ドック本体6の両端に充電ロッド11が更に設けられ、前記充電ロッドにいくつかの充電ポート12が設けられ、ドローンがリセットされた後、ドローンは底部の充電接触板が充電ポート12に接触し、ドックの制御指令により充電が行われる。
【0061】
ドローンは、巡回点検タスクを実行する場合、まず、バッテリの残留電力量を検出し、電力量が不足する時、充電ポート12によりドローンの動力バッテリに充電し、ドローンの電力量が十分である時、着陸プラットフォーム4を押し出してドローンを離陸させる。
【0062】
より多くの実施例において、上記ドローンドックは汎用型のドローンドックとして、塔・柱に応用可能であり、その取付過程は
図8に示すように、ドック3がドック底部支持部2により塔・柱1に取り付けられ、ドック3がネジによりドック底部支持部に接続され、ドック底部支持部2がボルトにより塔・柱1に固定して取り付けられる。異なる地形では、いずれも塔・柱に頼って設置可能であり、シーンの多様化を実現可能である。
【0063】
より多くの実施例において、上記ドローンドックは車載ドローンと組んで使用可能であり、ドローンドックをドック底部支持部によりルーフに取り付ける。
【0064】
実施例2
本発明の実施例2は、メッシュ化に配置され、各々が少なくとも1台のドローンを収容するために使用される複数のドックを含み、
前記ドックは、制御端末と通信するドックコントローラを含み、ドックコントローラはドローンリモコンと通信し、ドローンリモコンはドローンと通信し、
制御端末は、ドローンの現在の航続里程及び巡回点検目標から各ドックまでの距離に基づき、巡回点検時間が最短となることを最適化目標とし、各ドックに対応する巡回点検目標を得て、確定した巡回点検目標に基づいて各ドローンの最適な巡回点検経路を生成してドックコントローラに送信するために使用されるメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを提供する。
【0065】
図9(a)及び
図9(b)に示すように、本実施例に記載のドックは、マスコン及びドック本体を含む移動ドローンドックであり、前記ドック本体の内部には、充電モジュール16、ドローン駐機スペース17、エネルギー貯蔵モジュール18及び表示モジュール19が含まれ、そのうち、前記ドック本体に取付モジュールが設けられ、前記取付モジュールは、スクリュー式自動ロック構造でドック本体を固定し、前記ドローン駐機スペースには、水平及び鉛直方向に自律的に制振するドローン固定装置が設けられ、前記マスコンは、前記充電モジュール及び取付モジュールにそれぞれ接続される。
【0066】
具体的には、
図10に示すように、前記充電モジュールは、いくつかの充電口20、BMS(BATTERY MANAGEMENT SYSTEM)制御基板21、充電放熱ファン22、通信インタフェース23及び充電表示灯24を含み、
前記ドック本体のドローン駐機スペースには、市販されている主流となるRTK(Real-time kinematic)ドローンが置かれることが可能であり、本発明の応用シーンが、異なる地形の環境で車と伴って移動することによく臨んでいる移動ドローンドックに対応するため、前記ドローン駐機スペースには、ドローンを固定するための固定装置が設けられる。そのうち、
図11に示すように、前記固定装置は、第1挟持材25及び第2挟持材28を含み、前記第1挟持材及び第2挟持材は弾性材27により接続され、挟持構造(クリップ構造に類似する)を形成する。
【0067】
そのうち、前記第1挟持材25はドローン駐機スペースの表面に固定され、
図12に示すように、前記第2挟持材は、ハンドル27-1、第1スリーブ27-2、第1バネ27-5、スリーブの両端に位置する2つの伸縮ロッド27-3、及び固定端を含み、前記第1バネは、スリーブの中部に位置し、前記第1バネの両端はそれぞれ2つの伸縮ロッドの一端に固定して接続され、前記第1バネにより2つの伸縮ロッドにスリーブの中心の方向への引張力を加え、前記固定端によりドローンに対する水平方向の固定を実現し、同時に、前記固定端は、前記固定装置に形成された挟持構造に基づいてドローンに対して鉛直方向の固定を実現する。固定装置の水平方向におけるバネ及び鉛直方向における弾性材に基づき、前記固定装置は、良好に固定できる一方、揺れ等の状況を受けた後、前記バネ及び弾性材はダンパとしてドローンの水平方向及び鉛直方向の力を吸収し、制振保護を実現し、ドローンの安全を更に保証する。
【0068】
前記ドック本体には、前記ドローンドックを取り付けるための取付モジュールが設けられ、そのうち、前記取付モジュールは前記ドック本体を貫通し、前記ドック本体に固定して接続され、
図13(a)~
図13(c)に示すように、前記取付モジュールは、スクリュー式自動ロック構造でドック本体を固定し、前記スクリュー式自動ロック構造は、第2スリーブ28及びスリーブの中心位置に固定された両出力軸型モータ29を含み、前記両出力軸型モータのロータの両端はそれぞれスクリュー32の一部に固定して接続され、前記スクリュー32の他端はバネスライダ31の一端とネジ穴を介して接続され、前記バネスライダ31はスクリューの回転に伴って水平で直線的に運動し、前記バネスライダの他端に固定して接続された第2伸縮ロッド30を伸縮するように動かせる。そのうち、前記バネスライダ31は、第1スライダ31-1及び第2スライダ31-3を含み、前記第1スライダ31-1と第2スライダ31-3とは、第2バネ31-2により接続される。前記バネスライダ31の第1スライダ31-1には、前記スクリュー32にマッチングするネジ穴が設けられ、前記第2スライダ31-3の前記第1スライダ31-1に対応する位置には、円孔が設けられ、前記円孔の孔径はスクリューの外径よりも大きく、同時に、前記第2スライダに固定して接続された固定ロッドの一端にも長さが予め設定されたホールが開設され、そのホールの孔径の大きさもスクリューの外径よりも大きい。
【0069】
これは、前記バネスライダ31及び第2伸縮ロッド30が容易に前記スリーブ中で水平方向に伸縮可能であることを目的としている。
【0070】
取付過程の自動化を保証するために、前記第1スライダ31-1に圧力センサが設けられ、前記圧力センサは前記マスコンに接続され、同時に、前記マスコンは前記両出力軸型モータに接続され、取得した圧力センサの圧力値と予め設定された閾値との比較結果に基づいて両出力軸型モータの運行を制御する。
【0071】
具体的には、前記取付モジュールの作動メカニズムは、以下のとおりである。
前記両出力軸型モータは、動力コアとしてスクリューを回動するように動かせ、スクリューの回動により動力ブロックを水平方向に沿って変位させ、動力ブロックが、バネを介してスラスト力を伝導して固定端を荷箱(本実施例ではピックアップトラックの車室を指す)に徐々に接触させ、動力ブロックに圧力センサが取り付けられ、センサが、車室からの反力が予定値に達することを受信した後、フィードバックを形成し、両出力軸型モータの回動を停止して自動的にロックする。車両が揺れる時、バネはダンパとして振動を吸収し、移動ドックの自己安定状態を維持する。
【0072】
ドローンは、巡回点検タスクに応じて作業を行い、ドック内にドローンの自律巡回点検ソフトウェアが配備され、事前にできた航跡計画案に基づいて精細化した巡回点検作業を行い、作業員は、ドックのスクリーンの指示状態に基づいてドローンの現在の状態及び具体的な作業モードを確定し、ドローンの作業が完成した後、作業員は手動でドローンのバッテリの交換を行い、作業員の主観的能動性を十分に発揮する。
【0073】
前記マスコンには、充電モジュールの充電口内のバッテリの状態を表示し、命令を下すための表示モジュールが更に接続される。そのうち、前記した、命令を下すことは、取付命令(即ち、ドローンドックを車両内に取り付ける)を下すこと、及びドローンに作業タスクを下すことを含む。
【0074】
前記エネルギー貯蔵モジュール18は、ドックの移動作業エネルギー供給モジュールとして、それに充電する専用の充電ガンを配備し、前記移動ドローンドックが車両に伴って現場に行って巡回点検作業を行う過程において、エネルギー貯蔵モジュールは、充電モジュール、表示モジュール及びマスタモジュール等を含むドック内のそれぞれの給電をサポートする。
【0075】
図14に示すように、ピックアップトラック内に本発明に記載の移動ドローンドックを組み込んだ後、作業員は、表示モジュールにより取付モジュールを操作し、それを自動的にピックアップトラックとロックさせ、ドローンが巡回点検作業を行う時、車両は移動ドックを携帯して作業現場の近くに到達し、ドックを開いた後、作業員はドローン固定装置をオンにしてドローンを取り出し、充電モジュールの推奨のバッテリを選出して取り付け、ドック内の自律飛行ソフトウェアにより適切な巡回点検経路を選出し、ドローンは巡回点検作業を自律的に完成し、タスクの完成後に作業員はバッテリを交換し、ドローンをドック内に戻す。
【0076】
実施例3
図15に示すように、本発明の実施例3は、具体的に以下を含むメッシュ化ドックのドローンの巡回点検方法を提供する。
ドローンの飛行速度がVで、ドックの位置が三次元座標(0,0,0)であると仮定し、本実施例は、塔・柱を巡回点検目標として例を挙げる。
【0077】
いくつかの塔・柱の位置座標は順次、(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、…、(Xn,Yn,Zn)であり、ドックの位置を球体又は平面の中心とし、3つの方向X、Y、Z軸へ延ばし、塔・柱Nの座標を(Xn,Yn,Zn)と仮定し、2点間で直線が最短となるため、ドローンがドックから塔・柱Nへ飛行する直線距離は、
である。
【0078】
単一の塔・柱の巡視複雑度は、塔・柱のタイプ(耐張型鉄塔、直線鉄塔、角度鉄塔等)によって確定され、塔・柱の三次元点群モデルに基づき、その巡回点検複雑度を確定することができ、ここで、時間Tnで塔・柱Nの複雑度を表し、その物理的意義は、ドローンが該電力塔・柱を巡回点検するために費やす時間である。
【0079】
例を挙げて以下のように説明し、単独の1つの電力塔・柱Nは、1回の巡回点検を完成するために必要な時間はT=Sn/V+Tn+Sn/Vであり、ここには、ドローンがドックから塔・柱Nに行くためにかかる時間Sn/V、塔・柱Nという目標対象を巡回点検するためにかかる時間Tn、及び巡回点検が完成されてドローンがドックに戻るためにかかる時間Sn/Vという3つの部分が含まれる。
【0080】
ここで考慮する必要があるのは、塔・柱Nを巡回点検した後にドローンの航続時間が依然として十分であれば、1回の飛行タスクで2つ、更にそれ以上の塔・柱を巡回点検することが考えられ、このようにするのは、ドローンがドックに戻る回数を減少し、つまり、ドローンがドックのカバー範囲内で巡回点検する回数を減少し、最適な経路及び最短時間の目標を達成することを目的としている。
【0081】
本実施例において、塔・柱1、2、3、…、nの複雑度T及びそれらの三次元座標(Xn,Yn,Zn)が知られており、ドック原点に近い塔・柱から遠い塔・柱までを1、2、3、…、nと番号付けし、後続の計画方法に根拠を提供し、ドローンの巡航能力がTで、ドローンの巡回点検速度がVで、ドック位置の座標が(0,0,0)である。
【0082】
航路を自律的に計画する方法及びステップは、以下のとおりである。航路計画の基本的な原則は、先にドック原点から遠い塔・柱を計画し、即ち、
が最大となるものから開始し、順次減少して判断することである。
【0083】
まず、1つの塔しか巡回点検できないタスクを計画して確認し、このタスクの満足条件は、ドックのカバー範囲内の、ドック原点から遠く、且つ自身の塔・柱の複雑度が高い塔・柱をスクリーニングし、単一塔タスクとして実行することであり、数式では、
に表され、
そのうち、
であり、ここで、塔・柱Nの複雑度がTnと記され、単位が秒であり、塔・柱Nの三次元座標が(Xn,Yn,Zn)と記され、単位がメートルであり、また、ドローンの巡航能力がTと記され、単位が秒であり、ドローンの巡回点検速度がVで、単位がメートル毎秒であり、更に、ドックの位置が(0,0,0)で、単位がメートルである。
【0084】
上記数式の判定原則は、以下のとおりである。ドローンは、単独のある塔・柱の巡視が済んだ後、残りの航続能力がドックのカバー範囲内の全ての他の塔・柱の複雑度Tよりも小さくなり、即ち、この塔・柱は、1回の巡回点検タスクだけで完成でき、これらの塔・柱は、ドックのカバー範囲の最も遠い航路タスクと考えられる。
【0085】
次に、いくつかの塔・柱のタスクは
であるが、その周辺の塔・柱T
n-1に対して、塔・柱Tnを巡回点検した後の残りの航続能力を利用して1回の巡回点検を完成するには不十分であり、数式では、
、且つ、
に表され、
そのうち、T
n-1は、Tnとの直線距離が近い周辺の塔・柱であり、その番号がn-1であるため、ドック原点に更に近づき、ここに至ると、全ての単一塔タスクの航路の計画は既に完了されている。
【0086】
次は2つの塔・柱を含む航路タスクであり、判定原則は、以下のとおりである。ドローンは、単独のある塔・柱の巡視が済んだ後、残りの航続能力が該塔・柱の近くの1つの塔・柱しか巡回点検し続けることができない場合、近くの該塔・柱に直線的に飛行して巡視し続け、その後、直線的にドックに戻り、その航路経路が1つの三角形を構成する。
【0087】
なお、航路計画の順序は、遠くから近くへの順であり、即ち、番号が大きいものから小さいものへの順であり、ある1つの塔・柱の巡回点検が完了された後、依然として航続能力があれば、近くの塔・柱を検索する時、現在の塔・柱の番号よりも小さい塔・柱の番号のみを検索でき、方法の明瞭性が保証される。
【0088】
【0089】
次は3つの塔・柱を含む航路タスクである。該航路タスクは四角形を構成し、この時、近くの塔・柱の一方向性を検索する必要があり、例えば、
図16の左側の塔・柱3-2-1は時計回り検索方式であり、このようにすることで、航路の重複を回避し、航路経路を最適化することができ、塔・柱3のドック原点までの距離が塔・柱1よりも遠いため、航路計画は塔・柱3から計算し始め、実際には、航路タスクが確定された後、逆順で巡回点検することができ、例えば、塔・柱3-2-1又は1-2-3の巡回点検順序はいずれも可能であり、これは巡回点検経路の距離が等長となるからであり、ここで計画された航路が3-2-1である原因は、塔・柱の遠くから近くへの計画原則に従っているためであり、該原則は、逆の近くから遠くへの計画方式と比べ、算出した経路がより短い。
【0090】
順次類推すると、4つ又は5つの塔・柱等を含む航路タスクを逐次計画して出すことができる。例えば、4つの塔・柱の航路に対して計画して出すのは不規則な五角形であり、5本の辺の長さを加算したものは航路の全長となる。航路計画が多くなるにつれ、ドック原点から遠い塔・柱が既に航路に計画されたことを意味し、ドック原点に近い塔・柱であるほど、その、近くの塔・柱を検索する範囲が大きくなり、その原因は、ドック原点に近い塔・柱であるほど、その残りの航続能力が大きくなるためである。
【0091】
図16に示すように、2つの図の違いは、塔・柱6、1、2、3の航路計画であり、左図の塔・柱6は先に計画され、航続能力に基づいて近くの範囲の塔・柱を探索し、探索範囲に塔・柱1が含まれていなければ、左図に示すように、塔・柱6は単一塔・柱航路タスクにしか計画できず、一方、右図に示すように、塔・柱6の計画範囲内に塔・柱1が含まれ、また、計算することで塔・柱6と塔・柱1とドック原点とで構成される三角形航路がドローンの航続能力を満たせば、塔・柱6と塔・柱1を両塔・柱航路に計画する。
【0092】
本実施例において、
図17に示すように、メッシュ化は、電力塔・柱が満遍なく分布している領域内に、変電所に基づいて複数台のドックを配置し、メッシュのように該領域内に交錯して配置することに具現化され、2つのドックのカバー範囲において、該領域内に巡回点検する必要がある電力塔・柱があれば、その最適な経路の生成方法は、以下のとおりであり、
まず、該電力塔・柱がどのドローンドックに近いかを判断し、これは近いものの巡回点検経路がより短いためであり、1つの塔・柱は、1台のドローンドックの巡回点検タスクに1回含まれていれば良く、
次に、上記の単一ドックの航路計画方法に従い、先に該ドックのカバー範囲内の電力塔・柱に対して、距離が近いものから遠いものまでを小さい順に番号付けし、航路計画の開始塔・柱は、番号が最も大きいもの、即ち、ドローンドックから最も遠い塔・柱から開始し、該塔・柱が単一塔・柱航路タスクであるか複数塔・柱航路タスクであるかを遠くから近くまで判断する。
【0093】
1つの電力塔・柱が2つのドローンドック又は複数のドローンドックに含まれてカバーされることに会えば、該塔・柱がどのドローンドックの航路タスクに属しているかを判断すれば良い。
【0094】
変電所に配置されたドックは、1台に限らず、例えば、巡回点検効率を向上させるために、1つの変電所に、それぞれ異なる方向又は異なる電圧レベル等の異なる要求の線路の巡回点検を完成する複数のドックが配置可能であり、このような変電所内のメッシュ化配置が、ドックのメッシュ化の意義及び実施可能性を更に高めることを理解できる。
【0095】
全てのドローンドックとそれらに対応する塔・柱とがバインディングされ、且つ、航路タスクの計画が完成した後、各塔・柱が、ある1つのドローンドックのある1つの航路タスクのみに存在し、重複した巡回点検経路がないことを保証し、バックグラウンド制御端末は、ドローンドックのSN番号に基づき、該ドックのみが有する航路を下し、各航路とドローンドックとの1対1対応関係を保証する。
【0096】
実施例4
本発明の実施例4は、実施例1又は実施例2に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを利用するドローンのタスク実行環境の判断方法を提供し、前記方法は、
ドック内環境情報及び感知範囲内のドック外環境情報を取得することと、
ドローン位置に基づいて目標ドックを選定し、飛行指令に基づいて対応する飛行影響要因を確定し、選定した目標ドックの外環境情報から対応する飛行環境データを取り寄せ、飛行環境データに基づいて飛行条件を判断し、飛行環境データが飛行条件を満たさなければ、ドローンを帰航するように制御することと、
帰航指令に基づいて対応する着陸影響要因を確定し、前記着陸影響要因に基づいて目標ドックのドック外環境情報及びドック内環境情報から対応する着陸環境データ及び復帰環境データを取り寄せ、ドローンが目標ドック内に戻るまで、着陸環境データに基づいてドローンの着陸方式を制御し、復帰環境データに基づいてドックの内環境を調整することと、を含む。
【0097】
本実施例において、前記ドック内環境情報は、ドック内温度、ドック内湿度及びドック内煙霧濃度を含み、
前記ドック内環境情報は、温度センサ、湿度センサ及び煙霧センサで採取され、
そのうち、温度センサはドックの内環境の温度を採取するために使用され、温度が設定温度範囲の下限よりも低い場合、エアコンの加熱機能を制御することによりドックの室内の温度を正常作動範囲に到達させ、温度が設定温度範囲の上限よりも高い場合、エアコンの降温機能をオンにし、ドックの内部環境の温度を正常作動範囲に到達させ、湿度センサはドックの内環境の湿度を検出するために使用され、ドック内の湿度が設定閾値よりも高い場合、エアコンの吸湿機能をオンにし、煙霧センサはドック内煙霧濃度を検出するために使用される。
【0098】
本実施例において、前記ドック外環境情報は、風速、風向、ドック外温度、ドック外湿度、雨量、気圧、日射強度及び視程を含み、
前記ドック外環境情報は、風速センサ、風向センサ、温度センサ、湿度センサ、雨量計、気圧計、光センサ及び視程センサで採取され、
そのうち、風速センサはドックの所在位置の風速を測定するために使用され、風向センサは風向を測定するために使用され、温度センサは環境温度を測定するために使用され、湿度センサは環境湿度を測定するために使用され、雨量計は降雨時に雨量を測定するために使用され、小雨、中雨、大雨等を区別するために使用可能であり、気圧計はローカル気圧を測定するために使用され、光センサは現在の日射強度を測定するために使用され、視程センサは大気の視程を連続的に出力することができる。
【0099】
本実施例において、上記いくつかのセンサは、採取したデータを無線通信で伝送する。
【0100】
選択可能な実施形態として、無線通信は、UWB無線通信技術を採用することができ、低い消費電力で、データの伝送速さが高く、耐干渉能力が強く、透過能力が強い等の特徴を備える。
【0101】
UWB無線通信を採用することは、本実施例に示された1つの実現可能な実施形態に過ぎないが、このような無線通信方式に限定されず、より多くの実施例において、現場の実際の状況に応じて他の無線通信方式、例えば4G、5G等を採用してもよいことを理解できる。
【0102】
本実施例は、現場でよく使用されるデータのタイプ及びセンサのタイプを列挙してまとめたものに過ぎず、より多くの実施例において、実際の状況に応じてセンサのタイプを追加したり削除したりしてもよいことを理解できる。
【0103】
本実施例において、様々なセンサによりドック内、外環境データを採取し、採取したセンサデータを前処理し、前記前処理は、移動平均ローパスフィルタによりセンサデータを前処理し、ホッピング又は異常な環境情報をフィルタリングして除去し、前処理後の比較的穏やかな環境情報を取得することを含み、
選択可能な実施形態として、前記移動平均ローパスフィルタのモデルは、N点の移動平均フィルタの出力をとっており、
である。
【0104】
本実施例において、タスク指令によって影響要因を区分し、異なるタスク指令に対して、必要な影響要因と結び付けて飛行条件の判断を行い、
図18に示すように、具体的には、タスク指令は、ドローンの格納、ドローンの充電、ドローンの巡回点検、ドックのセルフチェック、ドックの開閉動作、ドックの開放状態、ドローンの飛行タスク、ドローンの精密着陸、ドローンの代替着陸等を含み、
具体的には、ドローンの格納、ドローンの充電及びドックのセルフチェックの主な影響要因は、ドック内温度、ドック内湿度及びドック内煙霧濃度を含むドック内環境情報であり、
ドローンの巡回点検の主な影響要因は、風速、風向、ドック外温度、雨量、気圧計、日射強度、視程を含み、
ドックの開閉動作の主な影響要因は、雨量状況、ドック内煙霧濃度であり、
ドローンの飛行タスクでの主な影響要因は、風速、風向、気圧計、視程であり、
ドローンの精密着陸の主な影響要因は、風速、風向、日射強度、視程であり、
ドローンの代替着陸の主な影響要因は、風速、風向である。
【0105】
選択可能な実施形態として、ドローンの格納タスクを例にとると、該タスクの条件での環境影響要因と結び付け、閾値判断法によりタスクに適する条件の判断を行い、
図19に示すように、
ドック内温度、ドック内湿度及びドック内煙霧濃度を取得し、
温度閾値、湿度閾値及び煙霧閾値を予め設定し、
ドック内温度が温度閾値条件を満たすか否かを判断し、ドック内温度が温度閾値条件を満たさなければ、ドック内温度は異常であり、
ドック内温度が温度閾値条件を満たせば、ドック内湿度が湿度閾値条件を満たすか否かを判断し、ドック内湿度が湿度閾値条件を満たさなければ、ドック内湿度は異常であり、
ドック内湿度が湿度閾値条件を満たせば、煙霧閾値によりドック内に煙霧がある否かを判断し、ドック内に煙霧があれば、ドック内の煙霧は異常であり、ドック内に煙霧がなければ、ドックの内部環境は正常で、ドローンは正常に復帰できる。
【0106】
選択可能な実施形態として、現在の判断結果と異常要因とをメッセージ情報にパッキングしてプッシュし、対応するタスクの出力は、U8タイプのデータで現在の判断結果及び異常要因を表し、そのうち、01はタスクの番号であり、後の8ビットのデータは判断結果を表すために使用され、判断結論は総合的な環境判断結果であり、0が異常で、1が適宜であり、それ以降は順次、センサの判断結論であり、0が、現在の環境項目が異常で、そうでなければ、環境が適切であり、環境判断結果が1である場合、センサの判断結果はいずれも1であり、そうでなければ、センサの所在位置のレジスタのデータにより、現在のどの環境が現在のタスクのニーズを満たさないかを判読し、順次類推すると、異なるタスクでのメッセージ情報が形成され、現在のタスクの状態に基づいて判断結果を直接呼び出し、タスクを実行するか否かという決定を行うことができる。
【0107】
選択可能な実施形態として、メッセージ情報は、設定速さ以上で外に向かって送信される。
【0108】
選択可能な実施形態として、上記方法は、単一ドック及び単一ドックの感知範囲で飛行タスクを実行するドローンに応用可能であり、具体的に、
単一ドックの内環境情報及び単一ドックの感知範囲内のドック外環境情報を取得することと、
飛行指令に基づいて対応する飛行影響要因を確定し、単一ドックの外環境情報から対応する飛行環境データを取り寄せ、飛行環境データに基づいて飛行条件を判断し、飛行環境データが飛行条件を満たさなければ、ドローンを帰航するように制御することと、
帰航指令に基づいて対応する着陸影響要因を確定し、単一ドックの外環境情報及び内環境情報から対応する着陸環境データ及び復帰環境データを取り寄せ、ドローンがドック内に戻るまで、着陸環境データに基づいてドローンの着陸方式を制御し、復帰環境データに基づいてドックの内環境を調整することと、を含む。
【0109】
該実施形態において、1ドック1ドローンの方式を採用し、ドローンの飛行タスクがいずれもドックの感知範囲内にあるため、ドックは、ドローンの飛行タスク中及び帰航の環境情報をリアルタイムに採取し、条件判断を行うことができる。
【0110】
選択可能な実施形態として、ドローンがドックの感知範囲から飛び出せば、メッシュ化に配置された複数のドック及びドックの感知範囲で飛行タスクを実行するドローンの方法を採用し、具体的な方法は、
ドック内環境情報及び感知範囲内のドック外環境情報を取得することと、
ドローン位置に基づいて目標ドックを選定し、飛行指令に基づいて対応する飛行影響要因を確定し、そのドック外環境情報から対応する飛行環境データを取り寄せ、飛行環境データに基づいて飛行条件を判断し、飛行環境データが飛行条件を満たさなければ、ドローンを帰航するように制御することと、
帰航指令に基づいて対応する着陸影響要因を確定し、目標ドックのドック外環境情報及びドック内環境情報から対応する着陸環境データ及び復帰環境データを取り寄せ、ドローンが目標ドック内に戻るまで、着陸環境データに基づいてドローンの着陸方式を制御し、復帰環境データに基づいてドックの内環境を調整することと、を含む。
【0111】
該実施例において、ドック間の距離はその感知距離を超えず、即ち、ドローンがそのうちの1つのドックの感知範囲から飛び出せば、他の1つのドックの感知範囲内に入るため、ドローン位置に基づいてドローンがドックの感知範囲内に入っているか否かを判断し、感知範囲に入っているドックを目標ドックとし、目標ドックにより、ドローンの飛行タスク中及び帰航の環境情報を採取し、
2つのドックの感知範囲が重なれば、ドローンとドックとの距離に基づき、距離が最も近いドックを目標ドックとする。
【0112】
本実施例において、上記方法のドローンの飛行条件の判断フローは、具体的に、
センサ情報及びタスク指令を受信することと、
タスク指令に応じ、タスクの類別を判断し、タスクの分解を行うことと、
巡回点検指令であれば、現在のドックの外環境が巡回点検タスクに適するか否かを判断し、許容されなければ、タスクを終了し、タスク終了原因をアップロードすることと、
タスクの実行に適すれば、ドックのセルフチェックを行うことと、
ドックのセルフチェックに合格した後、ドローンは離陸し、巡回点検タスクを実行することと、
巡回点検タスクの実行過程において、外環境に巡回点検に不利な条件が現れたか否かを判断することと、
外環境が飛行に適しないか又は帰航指令がドローンで受信されれば、ドローンは帰航し、現在の環境が精密着陸条件を満たすか否かを判断することと、
精密着陸を満たせば、ドローンの精密着陸を実行するとともに、ドックがドローンの格納及び充電を満たすか否かを判断し、ドックの内環境が異常であれば、ドローンが充電及び格納を実現できるまでドックの内環境を調整することと、
精密着陸を満たさなければ、ドローンの代替着陸を実行することと、
ドローンの代替着陸を満たさなければ、ドローンは強引に着陸し、強制着陸状態及び不利要因がアップロードされることと、を含む。
【0113】
本実施例において、ドックの内環境を調整する過程は、
ドック内温度が設定温度範囲の下限よりも低ければ、エアコンの加熱機能を制御することによりドック内温度を正常作動範囲に到達させることと、
ドック内温度が設定温度範囲の上限よりも高ければ、エアコンの降温機能をオンにし、ドックの内部環境の温度を正常作動範囲に到達させることと、
ドック内湿度が設定閾値よりも高ければ、エアコンの吸湿機能をオンにすることと、
ドック内煙霧が異常であれば、ドローンの代替着陸を実行することと、を含む。
【0114】
実施例5
図20に示すように、本発明の実施例5は、実施例1又は実施例2に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを利用し、
ドローンの測位データを取得することと、
取得した測位データに基づき、ドローンがプリセット着陸範囲内に位置するか否かを判断し、ドローンがプリセット着陸範囲内に位置していない場合、位置要求を満たすまで、ドローンを移動するように制御することと、
ドローンがプリセット着陸範囲内に位置することが確定された後、ドローンが着陸点から第1プリセット距離離れている位置に位置する場合、ドローンの下方の画像データ又はビデオデータを取得し、取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸範囲コードが識別できない場合、精密着陸範囲コードが識別されるまで、着陸点から第3プリセット距離離れている位置に下降して再び精密着陸範囲コードの識別を行うようにドローンを制御することと、
取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸範囲コードが識別された場合、着陸点から第2プリセット距離離れている位置に下降して再びドローンの下方の画像データ又はビデオデータを取得するようにドローンを制御し、再び取得した画像データ又はビデオデータに基づいて精密着陸位置コードが識別された場合、ドローンを着陸点から第4プリセット距離離れている位置に下降するように制御し、ドローンを着陸するように制御することと、を含むドローンの精密着陸の制御方法を提供する。
【0115】
本実施例において、精密着陸範囲コード及び精密着陸位置コードは、隣り合う1つの大きなもの及び1つの小さなものであり、大きなものは精密着陸範囲コードと呼ばれ、高空の場合に使用され、主にドローンの着陸する大まかな位置を確定し、絶えずに着陸し、位置姿勢を調整するために使用される。小さなものは精密着陸位置コードと呼ばれ、低空の場合、ドローンは識別し始め、絶えずに位置姿勢を調整し、最後にこの小さなドローンの精密着陸位置コードに着陸する。
【0116】
本実施例に記載の方法は、まず、ドローンのRTK技術を利用することにより、ドローンはタスクを実行し終わってから着陸点の上方に迅速で正確に戻ることができ、RTK技術は、ドローンが飛行する誤差をセンチメートル級にすることができ、このようにすると、ドローンは、座標を複数回更新する必要がなく、着陸点に迅速に戻ることができ、着陸範囲に到達して撮像を始めて着陸範囲コードを検索し、画像の受信を完成してから0.7s内に識別を完成させ、ドローンの姿の調整に戻り、20cmの高さに降下して計器着陸を実現し、ドローンの巡回点検タスクの完全な自動化を実現する。
【0117】
実施例6
本発明の実施例6は、実施例1又は実施例2に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムを利用する、視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法を提供し、そのうち、
ドローンには、三軸雲台、RTK測位モジュール及びフロントエンドAI処理モジュールが搭載され、三軸雲台にはカメラ及びビデオカメラが取り付けられ、前記カメラは単眼でズーミング可能なカメラであり、前記ビデオカメラは塔・柱のビデオ情報を取得するために使用され、そのうち、カメラ及びビデオカメラは1つのレンズに集積される。
【0118】
RTK測位モジュールは、ドローンの三次元座標情報を測位するために使用され、
フロントエンドAI処理モジュールは、ドローンの飛行制御データ、RTK測位モジュールのデータ及びズームカメラによって採取された画像をフィッティングし、飛行制御命令を下してドローンの飛行を制御し、雲台を制御してカメラの角度及びズーミングを調整し、巡回点検目標をロックオンして写真を撮り、視覚ズーム広角カメラを利用してホバリング点に接近する飛行過程で写真を撮り、写真を撮った座標値(GPS値)及び雲台の姿勢を計算し、カメラ結像原理により写真における巡回点検目標を識別し、現在のドローンのGPS位置及び三次元速度、並びに雲台の姿勢のロール角、ピッチ角及びヨー角に従い、カルマンフィルタアルゴリズムによりドローンの雲台の位置を調整し、ズーミングによりズームカメラに塔・柱の目標検視点をロックオンさせ、最後に、写真を撮って塔・柱の目標検視点に対する情報採取を完成することで、巡回点検目標の情報採取の正確性及び採取された画像の品質を向上させるために使用される。
【0119】
ドローンの巡回点検目標に入ってから巡回点検目標から離れるまでの間の飛行過程において、ドローンは、常に設定航跡に従って飛行し、カルマンフィルタアルゴリズムにより現在の位置及び速度データをフィッティングして雲台姿勢及びカメラのズーミングをリアルタイムに調整し、巡回点検目標に対するカメラの移動追跡及びロックオン撮影を実現する。
【0120】
視覚移動追跡に基づく方式を採用して雲台の回動を制御する場合、雲台はm個の自由度を有し、雲台が回動する角速度は
であり、末端の線速度は
であり、両者は、以下の関係を持ち、
そのうち、
である。
【0121】
測地座標系からカメラ座標系に変換される回転行列
を計算し、
そのうち、添字cwは、測地座標系からカメラ座標系に変換される略称を表し、
は、カメラ座標系から測地座標系に至るためにx、y、z軸周りに回転する必要がある行列を表し、
はそれぞれ、カメラの雲台姿勢のロール角、ピッチ角及びヨー角であり、カメラの初期向きに基づき、左から1つの初期回転
に乗算する必要があり、この時、
となり、
式中、
である。
【0122】
図21に示すように、具体的なステップは以下を含む。
【0123】
S1において、巡回点検要求に応じ、ドローンが等速でホバリング点に入る前に、雲台における単眼ズーム(望遠モード)カメラを採用して巡回点検目標のリアルタイム広角画像を取得し、次のステップに進む。
【0124】
S2において、巡回点検目標が撮影して取得されたリアルタイム画像の中に位置するか否かを判断し、YESであれば、S4に進み、NOであれば、「O」形で雲台姿勢を制御してリアルタイム画像における巡回点検目標を探索し、巡回点検目標が探索された後、次のステップに進む。
【0125】
S3において、フロントエンドAI処理モジュールは、リアルタイム画像における巡回点検目標位置、ドローンの撮影位置、三軸雲台姿勢等の情報に基づき、カルマンフィルタアルゴリズムを採用して、調整する必要があるドローン位置、雲台姿勢位置及びカメラの焦点距離モードをフィッティングして出し、S2の実行に転入する。
【0126】
S4において、ドローンが等速でホバリング点に到達する前の過程において、雲台における単眼ズーム(近焦点距離モード)カメラを調整し、フロントエンドAI処理モジュールは、単眼ズームカメラのリアルタイム画像の中央位置に巡回点検目標がロックオンされることを達成するように、ドローンが等速で飛行する三次元方向に従い、三軸雲台の姿勢をリアルタイムに逆に調整し、次のステップに進む。
【0127】
S5において、ドローンは、ホバリング点の位置に到達し、即ち、巡回点検目標の直前方の正面方向に到達し、単眼ズームカメラのリアルタイム画像の中央位置に検視点がロックオンされることを確認して写真を撮り、次のステップに進む。
【0128】
S6において、カメラの撮影が完成し、フロントエンドAI処理モジュールは写真を処理し、全てのホバリング点の撮影を完成して安全に帰航するまで、ドローンを次のホバリング点のタスクを実行するように制御し、S1を再実行する。
【0129】
更に、前記S2の具体的な過程は、以下のとおりである。
Faster-RCNNアルゴリズムを採用してピクチャをCNNに入力し、特徴抽出を行い、その後、ピクチャに巡回点検目標が存在するか否かを判断する。
【0130】
更に、前記S3の具体的な過程は、以下のとおりであり、
該ステップは、S2により画像に巡回点検目標物体が存在することが既に識別されたと仮定し、
S3.1において、画像における検視点の目標物体の位置に基づき、塔・柱を画像の中心にオフセットさせる方向である雲台の回動方向を決定し、先に雲台を最小単位だけ回動させ、現在の位置における塔・柱画像を取得し、その特徴を抽出し、
S3.2において、前後2枚のピクチャの特徴をマッチングし、画素点でのそのマッチング点のオフセット量を計算し、
S3.3において、特徴オフセット量と雲台の回動量との間の線形マッピング関係に基づき、雲台の回動量を得て、
S3.4において、回動量に従って雲台姿勢を調整し、S2を再実行し、
【0131】
更に、前記S4の具体的な過程は、以下のとおりであり、
初期状態がステップ3に記載されたように、既に巡回点検目標をカメラ画像の中央位置に位置させると仮定し、
S4.1において、ドローンにおけるRTK及び加速度計により現在のドローン位置及び運動しようとする三次元ベクトル方向Pを算出し、
S4.2において、ちょうど、ドローンの運動ベクトルの大きさと等しく、方向と逆になるように雲台のカメラの運行ベクトルを調整し、
S4.3において、S4.2に記載の方法に従い、現在の時刻のカメラの中央目標物の画素でのオフセット量を計算し、オフセット量がなければ、雲台のカメラの巡回点検目標物体に対する移動追跡が相対的に静止している状態であると考えられ、そうでなければ、次のステップに進み、
S4.4において、画像の中央の画素の特徴オフセット量と雲台の回動量との間の線形マッピング関係に基づき、雲台の回動量を得て、その後、雲台のカメラを微調整して、雲台のカメラの中央に対して検視点の目標物体を再ロックオンさせる。
【0132】
上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではなく、当業者にとって、本発明には様々な変更及び変化が可能である。本発明の精神及び原則内で行われる任意の修正、均等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれているべきである。
【符号の説明】
【0133】
1・・・塔・柱、2・・・ドック底部支持部、3・・・ドック、4・・・着陸プラットフォーム、5・・・頂蓋、6・・・ドック本体、7・・・回動ロッド、8・・・第2モータ、9・・・第1モータ、10・・・第2センタリングロッド、11・・・充電ロッド、12・・・充電ポート、13・・・第1センタリングロッド、14・・・ラック、15・・・固定座、16・・・充電モジュール、17・・・ドローン駐機スペース、18・・・エネルギー貯蔵モジュール、19・・・表示モジュール、20・・・充電口、21・・・BMS制御基板、22・・・放熱ファン、23・・・通信インタフェース、24・・・充電表示灯、25・・・第1挟持材、26・・・弾性材、27・・・第2挟持材、27-1・・・ハンドル、27-2・・・第1スリーブ、27-3・・・第1伸縮ロッド、27-4・・・固定端、27-5・・・第1バネ、28・・・第2スリーブ、29・・・両出力軸型モータ、30・・・第2伸縮ロッド、31・・・バネスライダ、31-1・・・第1スライダ、31-2・・・第2バネ、31-3・・・第2スライダ、32・・・スクリュー、33・・・ドローン、34・・・ドック。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ化に配置され、各々が少なくとも1台のドローンを収容するために使用される複数のドックを含み、
前記ドックは、制御端末と通信するドックコントローラを含み、ドックコントローラはドローンリモコンと通信し、ドローンリモコンはドローンと通信し、
制御端末は、ドローンの現在の航続里程及び巡回点検目標から各ドックまでの距離に基づき、巡回点検時間が最短となることを最適化目標とし、各ドックに対応する巡回点検目標を得て、確定した巡回点検目標に基づいて各ドローンの最適な巡回点検経路を生成してドックコントローラに送信するために使用される、
ことを特徴とするメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項2】
前記ドックは、
ドック本体と、ドック本体内に設けられた載置機構、縦方向固定機構及び横方向固定機構とを含み、前記載置機構は、伸縮可能な着陸プラットフォーム及び第1モータを含み、前記着陸プラットフォームは第1モータによって駆動され、
前記縦方向固定機構は、一端が回動軸を介してドック本体の側壁に設けられてギヤが設けられた第1センタリングロッドを含み、着陸プラットフォームには、ギヤと噛み合うラックが設けられ、ギヤとラックとの噛み合いにより、第1センタリングロッドを回動軸周りに回動するように駆動し、
前記横方向固定機構は、両端がドック本体の側壁に設けられる回動ロッドと、回動ロッドに設けられる第2センタリングロッドと、第2モータとを含み、回動ロッドは、第2モータによって駆動され、ドック本体に対して着陸プラットフォームの移動方向の反対方向に沿って回動し、第2センタリングロッドを着陸プラットフォームの移動方向の垂直方向に沿って移動するように駆動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項3】
ギヤとラックとの噛み合いで、両側壁に設けられた第1センタリングロッドが軸周りに回動することにより、2つの第1センタリングロッドの他端をいずれも中間位置に移動させるか、又は両側方向に広げる、
ことを特徴とする請求項2に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項4】
回動ロッドの両端には、1つの第2センタリングロッドがそれぞれ設けられ、着陸プラットフォームが駆動されてリセットされている場合、回動ロッドは正方向に回動し、両端の第2センタリングロッドは回動ロッドに沿って中間位置に移動し、ドローンを横方向に拘束し、
ラックとギヤとの噛み合いにより、両側壁の第1センタリングロッドを中間位置に移動してドローンを縦方向に拘束するように動か
せ、
及び/又は、
回動ロッドの両端には、1つの第2センタリングロッドがそれぞれ設けられ、着陸プラットフォームがドック本体から押し出されている場合、回動ロッドは逆方向に回動し、両端の第2センタリングロッドは回動ロッドに沿って両側へ移動し、ドローンに対する横方向の拘束を解除し、
ラックとギヤとの噛み合いにより、両側壁の第1センタリングロッドを両側へ広がってドローンに対する縦方向の拘束を解除するように動かせる、
ことを特徴とする請求項3に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項5】
前記ドックは、内部にドローン駐機スペース、充電モジュール及びエネルギー貯蔵モジュールが含まれるドック本体を含み、
ドック本体には、スクリュー式自動ロック構造でドック本体を固定する取付モジュールが設けられ、ドローン駐機スペースには、水平及び鉛直方向に自律的に制振するドローン固定装置が設けられ、ドックコントローラは充電モジュール及び取付モジュールとそれぞれ通信
し、
前記スクリュー式自動ロック構造は、スリーブ及び第2スリーブの中心位置に固定された両出力軸型モータを含み、前記両出力軸型モータのロータの両端にスクリューがそれぞれ接続され、前記スクリューの他端はバネスライダの一端とネジ穴を介して接続され、前記バネスライダはスクリューの回転に伴って直線的に運動し、前記バネスライダの他端に固定して接続された伸縮ロッドを伸縮するように動かせる、
ことを特徴とする請求項1に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項6】
前記ドローンには、三軸雲台、RTK測位モジュール及びフロントエンドAI処理モジュールが搭載され、
三軸雲台にはカメラ及びビデオカメラが取り付けられ、前記カメラは単眼でズーミング可能なカメラであり、前記ビデオカメラは塔・柱のビデオ情報を取得するために使用され、カメラ及びビデオカメラは1つのレンズに集積され、
RTK測位モジュールは、ドローンの三次元座標情報を測位するために使用され、
フロントエンドAI処理モジュールは、ドローンの飛行制御データ、RTK測位モジュールのデータ及びズームカメラによって採取された画像をフィッティングし、飛行制御命令を下してドローンの飛行を制御し、雲台を制御してカメラの角度及びズーミングを調整し、巡回点検目標をロックオンして写真を撮り、巡回点検目標がカメラ画像の中央位置に位置していない場合、視覚移動追跡に基づく方式を採用して雲台の回動を制御し、巡回点検目標の画像における位置により雲台の回動方向を確定するために使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムに応用され、
巡回点検目標から各ドックまでの距離を取得することと、
巡回点検目標に最も近いドックを最適なドックとして選択することと、
各巡回点検目標の判断を順次行い、各ドックに対応する巡回点検目標を得ることと、を含み、
各ドックは巡回点検タスクの計画タスクを実行し、前記タスクは、
ドック範囲内の巡回点検目標からドックまでの距離に基づいて巡回点検目標の番号付けを行い、番号付けのルールは、巡回点検目標からドックまでの距離が遠いほど、番号が大きくなることと、
ドック範囲内の各巡回点検目標に対して、ドローンの総航続時間と巡回点検目標の単独で1回巡回点検する時間との差の値がドック範囲内の他の巡回点検目標の単独で1回巡回点検する時間の最小値よりも小さいか否かを判断し、YESであれば、この巡回点検目標を単一塔タスクとすることと、
NOであれば、この巡回点検目標を現在の巡回点検目標とし、ドックから現在の巡回点検目標までの時間と、現在の巡回点検目標の巡回点検時間と、現在の巡回点検目標から番号が現在の巡回点検目標よりも小さい最も近いセカンダリ巡回点検目標までの巡回点検時間と、現在の巡回点検目標からセカンダリ巡回点検目標までの時間と、セカンダリ巡回点検目標からドックまでの時間との和が、ドローンの総航続時間よりも大きいか否かを判断し、YESであれば、現在の巡回点検目標を単一塔タスクとし、NOであれば、2つの塔・柱の航路タスクを実行し、現在の巡回点検目標及びセカンダリ巡回点検目標の巡回点検を順次行うことと、を含む、
ことを特徴とするメッシュ化ドックのドローンの巡回点検方法。
【請求項8】
次段ノードの総合的な巡回点検時間の判断を行い、総合的な巡回点検時間がドローンの総航続時間よりも大きい場合、現在の巡回点検タスクのみを実行し、そうでない場合、次段ノードの総合的な巡回点検時間の判断を実行し続けることを含む、
ことを特徴とする請求項
7に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検方法
。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1項に記載のメッシュ化ドックのドローンの巡回点検システムに応用され、
巡回点検要求に応じ、ドローンが等速で検出点に入る前に、雲台における画像採取モジュールを採用して巡回点検目標のリアルタイム広角画像を取得するS1と、
巡回点検目標が撮影して取得されたリアルタイム画像の中に位置するか否かを判断し、YESであれば、ステップS3に進み、NOであれば、リアルタイム画像における巡回点検目標が探索されるまで雲台の運動を制御して姿勢を変えるS2と、
処理モジュールは、リアルタイム画像における巡回点検目標位置、ドローンの撮影位置、雲台姿勢の情報に基づき、カルマンフィルタアルゴリズムを採用してドローンの撮影位置及び雲台姿勢位置をフィッティングして出し、画像採取モジュールの焦点距離モードを確定するS3と、
ドローンを等速でフィッティングして得られた撮影位置に飛行するように制御し、飛行過程において、処理モジュールは、画像採取モジュールのリアルタイム画像の設定領域に巡回点検目標がロックオンされることを達成するように、ドローンが等速で飛行する三次元方向に従い、雲台の姿勢をリアルタイムに逆に調整し、且つ画像採取モジュールの焦点距離モードを調整するS4と、
ドローンは、撮影位置に到達し、巡回点検目標位置が画像採取モジュールのリアルタイム画像の設定領域にあることを確認し、検視点をロックオンして画像を採取するS5と、
処理モジュールは、採取したピクチャを処理し、全ての検出点の画像採取タスクを完成するまで、ドローンを次の検出点のタスクを実行するように制御し、S1を再実行するS6と、を含む、
ことを特徴とする視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法。
【請求項10】
S2において、
巡回点検目標が撮影して取得されたリアルタイム画像の中に位置するか否かを判断する具体的な的な過程は、Faster-RCNNアルゴリズムを採用してピクチャをCNNに入力し、特徴抽出を行い、その後、ピクチャに巡回点検目標が存在するか否かを判断すること、を含
み、
S3は、具体的に、
画像における検視点の目標物体の位置に基づき、塔・柱を画像の中心にオフセットさせる方向である雲台の回動方向を決定し、先に雲台を最小単位だけ回動させ、現在の位置における塔・柱画像を取得し、その特徴を抽出するS3.1と、
前後2枚の塔・柱画像の特徴をマッチングし、画像におけるマッチング点の画素点でのオフセット量を計算するS3.2と、
特徴オフセット量と雲台の回動量との間の線形マッピング関係に基づき、雲台の回動量を得るS3.3と、
回動量に従って雲台姿勢を調整するS3.4と、を含み、
S4は、具体的に、
ドローンの位置情報及び加速度情報に基づいて現在のドローン位置及び運動しようとする三次元ベクトル方向Pを算出するS4.1と、
ドローンの運動ベクトルの大きさと等しく、方向と逆になるように雲台の画像採取モジュールの運行ベクトルを調整するS4.2と、
現在の時刻の画像採取モジュールの中央目標物の画素でのオフセット量を計算し、オフセット量がなければ、雲台の画像採取モジュールの巡回点検目標物体に対する移動追跡が相対的に静止している状態であると確定し、オフセット量があれば、ステップS4.4に進むS4.3と、
画像の中央の画素の特徴オフセット量と雲台の回動量との間の線形マッピング関係に基づき、雲台の回動量を得て、その後、雲台の画像採取モジュールの位置を微調整して、雲台の画像採取モジュールの中央に対して検視点の目標物体を再ロックオンさせるS4.4と、を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の視覚移動追跡に基づくドローンの巡回点検方法。
【国際調査報告】