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特表2024-542565内側および外側空気通路を有する空気チャネリング要素を有するエアロゾル発生物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】内側および外側空気通路を有する空気チャネリング要素を有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241108BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20241108BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20241108BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20241108BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241108BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/04
A24B15/16
A24B15/30
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024531245
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2022084304
(87)【国際公開番号】W WO2023099776
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21212109.9
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ダ コスタ ロイク
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB21
4B043BC03
4B043BC20
4B045AA50
4B045AB08
4B045AB16
4B045BA08
4B045BC16
4B045BC23
4B045BC36
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品が提供されている。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備える。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドに当接する空気チャネリング要素を備える。空気チャネリング要素は、コア部分および周辺部分を備える本体を備える。コア部分は、一つ以上の内側空気通路を備え、周辺部分は、一つ以上の外側空気通路を備える。一つ以上の外側空気通路の総断面積は、一つ以上の内側空気通路の総断面積よりも大きい。エアロゾル発生物品は、通気ゾーンをさらに備え、通気ゾーンは、物品の外部から外側空気通路への流体の侵入を可能にする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生物品が、
エアロゾル発生基体のロッドと、
前記エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する下流セクションであって、前記下流セクションが、前記エアロゾル発生基体のロッドの下流端に当接する下流空気チャネリング要素を備え、前記下流空気チャネリング要素が、コア部分および周辺部分を備える本体を備え、前記コア部分が一つ以上の内側空気通路を備え、前記周辺部分が一つ以上の外側空気通路を備え、前記一つ以上の外側空気通路の総断面積が、前記一つ以上の内側空気通路の総断面積よりも大きい、下流セクションと、
前記下流空気チャネリング要素に沿って位置する通気ゾーンであって、前記一つ以上の外側空気通路との流体連通を確立する、通気ゾーンと、を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションをさらに備え、前記上流セクションが、前記エアロゾル発生基体のロッドの上流端に当接する上流空気チャネリング要素を備え、前記上流空気チャネリング要素が、コア部分および周辺部分を備える本体を備え、前記コア部分が一つ以上の内側空気通路を備え、前記周辺部分が一つ以上の外側空気通路を備え、前記一つ以上の外側空気通路の総断面積が、前記一つ以上の内側空気通路の総断面積よりも大きい、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記下流セクションが、マウスピース要素をさらに備え、前記下流空気チャネリング要素が、前記エアロゾル発生基体のロッドと前記マウスピース要素との間に位置する、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記下流セクションが、中空の管状要素をさらに備え、前記下流空気チャネリング要素が、前記エアロゾル発生基体のロッドと前記中空の管状要素との間に位置する、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
各外側空気通路が、前記空気チャネリング要素の外表面上に提供された溝によって画成される、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
溝の深さが、少なくとも0.5mmである、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
溝の深さが2mm以下である、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
各外側空気通路が、前記空気チャネリング要素に沿って延びる内部空洞によって画成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記一つ以上の外側空気通路の前記総断面積と前記一つ以上の内側空気通路の前記総断面積との比が、少なくとも2である、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記一つ以上の外側空気通路の前記総断面積と前記一つ以上の内側空気通路の前記総断面積との比が、10以下である、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記一つ以上の外側空気通路が、少なくとも四つの外側空気通路を含む、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記一つ以上の外側空気通路の前記総断面積と前記空気チャネリング要素の前記総断面積との比が、少なくとも約30パーセントである、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で、少なくとも5パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で、少なくとも10パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品と、加熱チャンバーを備えるエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生物品が、前記加熱チャンバー内に受容されるように構成され、前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生基体のロッドを外部から加熱するように構成された外部ヒーターを備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体を備え、かつ加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するように適合された、エアロゾル発生物品に関する。本開示はまた、エアロゾル発生物品などを備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当技術分野で公知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源と接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷却されるにつれて凝縮して、エアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書では、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置が開示される。このような装置としては、例えば、エアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。例えば、エアロゾル発生基体に挿入されるように適合される内部ヒーターブレードを備える、電気加熱式のエアロゾル発生装置が提案されている。外部加熱システムと組み合わせたエアロゾル発生物品の使用も、知られている。例えば、国際公開第2020/115151号は、エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されるとき、エアロゾル発生物品の周辺の周りに配置された、一つ以上の発熱体の提供を記述する。代替として、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体内に配設されたサセプタとを備える誘導加熱可能なエアロゾル発生物品が、国際公開第2015/176898号によって提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たばこ含有基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、従来の喫煙物品では見受けられなかった数多くの課題を呈する。第一に、たばこ含有基体は、典型的には、従来のたばこの燃焼前部が到達する温度と比較して、著しく低い温度まで加熱される。これは、たばこ含有基体からのニコチン放出および消費者へのニコチン送達に影響を及ぼす可能性がある。同時に、ニコチン送達を促進する試みで加熱温度が上昇する場合、生成されるエアロゾルは、典型的には、消費者に到達する前に、より広範囲かつより迅速に冷却される必要がある。しかしながら、タバコの口側端部に高濾過効率セグメントを提供するなど、従来の喫煙物品において主流煙を冷却するために一般的に使用された技術的解決策は、タバコ含有基体がニコチン送達を減少させ得るため、燃焼されるよりもむしろ加熱されるエアロゾル発生物品において望ましくない効果を有し得る。その結果、消費者へ迅速にかつ満足のいくエアロゾル送達を一貫して確実に行うことができる新規のエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。
【0005】
第二に、使用が簡単で実用性が改善されたエアロゾル発生物品に対する必要性が一般的に感じられる。例えば、エアロゾル発生装置の加熱空洞の中に簡単に挿入されることができ、かつ同時に使用中に滑って出ることがないように、加熱空洞内にしっかりと保持されることができるエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。
【0006】
したがって、上述の望ましい結果のうちの少なくとも一つを達成するように適合された、新しい改善されたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。更に、効率的かつ高速で製造されることができ、好ましくは満足のいくRTDを有し、かつ物品間のRTD変動が小さい、一つのこうしたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1a】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面斜視分解図を示す。
図1b図1aに示す組み立てられたエアロゾル発生物品の概略側面斜視図を示す。
図2】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面斜視図を示す。
図3】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面斜視図を示す。
図4】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面斜視図を示す。
図5a】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の空気チャネリング要素の断面図を示す。
図5b】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の空気チャネリング要素の断面図を示す。
図6a】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面斜視分解図を示す。
図6b】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面斜視分解図を示す。
図6c】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面斜視分解図を示す。
図7】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の空気チャネリング要素の断面図を示す。
図8a】本開示によるエアロゾル発生システムの側面断面図を示す。
図8b図8aに示す線A-Aに沿ったエアロゾル発生物品の空気チャネリング要素の部分断面図を示す。
図8c図8aに示す線A-Aに沿ったエアロゾル発生物品の空気チャネリング要素の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、エアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備え得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの上流または下流の空気チャネリング要素を備え得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドに当接する空気チャネリング要素を備え得る。空気チャネリング要素は、コア部分および周辺部分を備える本体を備えてもよい。コア部分は、一つ以上の内側空気通路を含んでもよく、周辺部分は、一つ以上の外側空気通路を含んでもよい。一つ以上の外側空気通路の総断面積は、一つ以上の内側空気通路の総断面積よりも大きくてもよい。
【0009】
本開示は、エアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備え得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流に延在する下流セクションを備えてもよい。下流セクションは、空気チャネリング要素を備えてもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドに当接し得る。下流空気チャネリング要素は、コア部分および周辺部分を備える本体を備えてもよい。コア部分は、一つ以上の内側空気通路を含んでもよく、周辺部分は、一つ以上の外側空気通路を含んでもよい。一つ以上の外側空気通路の総断面積は、一つ以上の内側空気通路の総断面積よりも大きくてもよい。
【0010】
本開示は、エアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備え得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの上流に延在する上流セクションを備え得る。上流セクションは、空気チャネリング要素を備え得る。上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドに当接してもよい。上流空気チャネリング要素は、コア部分および周辺部分を備える本体を備えてもよい。コア部分は、一つ以上の内側空気通路を含んでもよく、周辺部分は、一つ以上の外側空気通路を含んでもよい。一つ以上の外側空気通路の総断面積は、一つ以上の内側空気通路の総断面積よりも大きくてもよい。
【0011】
一つ以上の空気通路の総断面積は、空気通路の各々の横断断面積の総和を指し得る。コア部分は、本体の中央部分であってもよい。一つ以上の内側空気通路は、一つ以上の中央空気通路であってもよい。一つ以上の外側空気通路は、一つ以上の周辺空気通路を指し得る。
【0012】
本発明はエアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備える。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドに当接する空気チャネリング要素を備える。空気チャネリング要素は、コア部分および周辺部分を備える本体を備える。コア部分は、一つ以上の内側空気通路を備え、周辺部分は、一つ以上の外側空気通路を備える。一つ以上の外側空気通路の総断面積は、一つ以上の内側空気通路の総断面積よりも大きい。
【0013】
一つ以上の空気通路の総断面積は、空気通路の各々の横断断面積の総和を指し得る。コア部分は、本体の中央部分であってもよい。一つ以上の内側空気通路は、一つ以上の中央空気通路であってもよい。
【0014】
更に、本開示は、上記に説明されたエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムに関し、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受容するための加熱チャンバーと、加熱チャンバーにおいて、またはその周辺の周りに配置された加熱部材と、を備える。加熱部材は、外部ヒーターであってもよい。
【0015】
本開示によるエアロゾル発生物品は、特にエアロゾル発生物品が外部から加熱された時に、エアロゾル発生の速度および効率の促進に直接的な影響を有する改善された構成を提供する。エアロゾル発生の速度は、エアロゾルがどのくらい速く発生され得るかを指す。これは、エアロゾル発生基体の上流または下流に一つ以上の外側空気通路を有する空気チャネリング要素を提供することに起因する。空気チャネリング要素の一つ以上の外側空気通路は、エアロゾル発生基体の周辺部分を通る気流を促進し得る。外部加熱に伴い、基体の外周層は最初に加熱されてもよく、したがって、物品の加熱サイクルの初期段階中のエアロゾル発生源となる基体の第一の部分であってもよい。一つ以上の外側空気通路および結果として生じる外部空気流を基体のこうした周辺部分と整列させることによって、エアロゾル発生基体に向かって、またはエアロゾル発生基体から引き出される空気は、基体のこうした外周層に向かって方向付けられてもよく、または基体のこうした外周層から引き出されてもよい。
【0016】
エアロゾル発生基体の上流に位置する上流空気チャネリング要素は、上述のように、空気取り込みを基体の周辺部分へ有利に集中させる一方で、消費および輸送中にエアロゾル発生物品の上流端を介して基体材料の破片が不注意に排出することに対するバリアも提供する。
【0017】
エアロゾル発生基体の下流に位置する下流空気チャネリング要素は、空気取り込みが基体の周辺部分を通って流れることを有利に促進する。下流空気チャネリング要素は、一つ以上の外側空気通路がエアロゾル発生物品の外部または周辺へ近接していることにより、冷却をさらに強化し、それによって空気チャネリング要素自体の材料に加えて、エアロゾル発生物品の外部との熱伝達を可能にする。したがって、本発明は、特に外部から加熱される物品の消費の初期段階において、ユーザーへの迅速なエアロゾル核形成およびエアロゾル送達を促進する。
【0018】
さらに、外側空気通路を有する空気チャネリング要素を提供することは、空気チャネリング要素内に提供される内側通路よりも大きい断面積を全体的に有し、空気チャネリング要素のコア部分を介して補助的な気流を提供する一方で、エアロゾル発生基体への、またはエアロゾル発生基体からのエアロゾルの方向付けを確実にする。コア部分が好ましくは空気チャネリング要素の中央部分である場合、内側空気通路は、エアロゾル発生基体のより中央領域に、またはエアロゾル発生基体のより中央領域から気流を追加的に提供し得る。
【0019】
特に、エアロゾル発生基体が外部から加熱される時、基体の中央部分は加熱するのに比較的長い時間がかかる場合がある。したがって、エアロゾルは、物品の消費の後の段階に向かってこうした中央部分から派生し得る。結果として、外側空気通路と内側空気通路の組み合わせは有利なことに、基体の周辺領域および中央領域との間で空気を提供し、それによって基体の加熱サイクルの異なる段階を有益に包含し、かつ消費者に強化された一貫したエアロゾル送達を提供する。外側空気通路の断面積が大きいほど、物品が外部加熱チャンバーの中に定置されている時に基体の周辺部分が加熱される加熱サイクルの初期段階中に、エアロゾルが一貫してかつ迅速に発生されることを確実にする。
【0020】
上流空気チャネリング要素の外側空気通路は、基体の周辺部分に空気取り込みを集中させ、一方で下流空気チャネリング要素の外側空気通路は、エアロゾルが周辺部分を通して、および周辺部分から引き出されることを促進する。
【0021】
さらに、上流または下流のいずれかの空気チャネリング要素はまた、エアロゾル発生基体から粒子または破片が不注意に排出され、エアロゾル発生物品の他の構成要素から出る、または移動することを防止するバリアを提供し得る。外側空気通路および内側空気通路は、こうしたエアロゾル発生基体の粒子が、通過することが困難であるようなサイズおよび形状であってもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、構成要素、装置、または物品の長軸方向の、構成要素の最上流または遠位点から、構成要素の最下流または近位点までの寸法を意味する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「長軸方向」という用語は、構成要素、装置、または物品の対向する上流端と下流端の間に延在する、構成要素、装置、または物品の主長軸方向軸に対応する方向を指す。「横断方向」という用語は、長軸方向に対して垂直な方向を記述するために使用される。本明細書で使用される場合、「断面」という用語(言い換えれば「横断断面」)は、長軸方向に垂直な構成要素、装置、または物品の断面を記述するために使用されてもよい。
【0024】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、空気が、使用中に構成要素、装置、または物品を通って引き出され得る方向に対する、構成要素、装置、物品の要素または要素の部分の相対的な位置を説明する。使用または消費中、空気は長軸方向でエアロゾル発生物品を通して引き出され得る。
【0025】
上述のように、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備える。更に、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の下流に設置される一つ以上の要素を備える。エアロゾル発生物品のロッドの下流の一つ以上の要素は、エアロゾル発生基体の下流セクションを形成する。更に、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の上流に設置される要素を備える。エアロゾル発生基体のロッドの上流の要素は、エアロゾル発生物品の上流セクションを画成する。
【0026】
エアロゾル発生基体のロッドは、プラグラップなどのラッパーによって囲まれることが好ましい。
【0027】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約8ミリメートルの長さを有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約9ミリメートルの長さを有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約10ミリメートルの長さを有することがより好ましい。
【0028】
例えば、エアロゾル発生基体のロッドは、約8ミリメートル~約16ミリメートルの長さ、又は約9ミリメートル~約15ミリメートル、又は約10ミリメートル~約14ミリメートルの長さを有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0029】
エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、好ましくは少なくとも約0.15であり、より好ましくは少なくとも約0.2であり、最も好ましくは少なくとも約0.22である。
【0030】
エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、好ましくは0.35以下であり、より好ましくは約0.33以下であり、より好ましくは約0.3以下である。
【0031】
エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、およそ0.25であることが好ましい。
【0032】
エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0033】
「エアロゾル発生基体のロッドの外径」は、エアロゾル発生基体のロッドの長さに沿って異なる場所で取られたエアロゾル発生基体のロッドの直径の複数の測定値の平均として計算されてもよい。
【0034】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約6ミリメートルの外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約7ミリメートルの外径を有することがなおより好ましい。
【0035】
エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約8ミリメートル以下の外径を有することがなおより好ましい。
【0036】
一般に、エアロゾル発生基体のロッドの直径が小さいほど、望ましい量のエアロゾルを形成するために十分な量の気化可能な種がエアロゾル発生基体から放出されるように、エアロゾル発生基体のロッドのコア温度を上げるために必要とされる温度が低いことが観察されている。同時に、理論に束縛されることを望むものではないが、エアロゾル発生基体のロッドの直径が小さいほど、エアロゾル発生物品に供給される熱が、エアロゾル発生基体の全容量により速く浸透することが可能になることは理解される。それにもかかわらず、エアロゾル発生基体のロッドの直径が小さすぎる場合、エアロゾル発生基体の容量対表面積比は、利用可能なエアロゾル発生基体の量が減少するにつれて、好ましくなくなる。
【0037】
本明細書に記載の範囲内に収まるエアロゾル発生基体のロッドの直径は、エネルギー消費とエアロゾル送達の間のバランスの観点から特に有利である。この利点は、本明細書に記載の直径を有するエアロゾル発生基体のロッドを備えるエアロゾル発生物品が、エアロゾル発生物品の周辺の周りに配置される外部ヒーターと組み合わせて使用される場合に特に実感される。このような動作条件下で、エアロゾル発生基体のロッドのコアで、また概して、物品のコアで、十分に高い温度を達成するために必要な熱エネルギーが少ないことが観察された。それ故に、より低い温度で動作する時に、エアロゾル発生基体のコアでの望ましい目標温度は、望ましく低減された時間枠内、及びより少ないエネルギー消費によって達成されてもよい。
【0038】
エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有してもよい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの外径を有してもよい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約8ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有する。
【0039】
エアロゾル発生基体のロッドは、約7.5ミリメートル未満の外径を有することが好ましい。例として、エアロゾル発生基体のロッドは、約7.2ミリメートルの外径であってもよい。
【0040】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形の断面を有することが特に好ましい。
【0041】
本発明によるエアロゾル発生物品において、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、約0.60以下であってもよい。好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.50以下であってもよい。より好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.40以下であってもよい。なおより好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、約0.30以下であってもよい。
【0042】
本発明によるエアロゾル発生物品において、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.10であってもよい。好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.15であってもよい。より好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.20であり得る。好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、少なくとも約0.25であってもよい。
【0043】
エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、約0.10~約0.60、好ましくは約0.15~約0.60、より好ましくは約0.20~約0.60、なおより好ましくは約0.25~約0.60であってもよい。エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.10~約0.50、好ましくは約0.15~約0.50、より好ましくは約0.20~約0.50、なおより好ましくは約0.25~約0.50であってもよい。エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との比は、約0.10~約0.40、好ましくは約0.15~約0.40、より好ましくは約0.20~約0.40、なおより好ましくは約0.25~約0.40であってもよい。例として、エアロゾル発生基体のロッドの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、約0.25~約0.30であってもよく、約0.27であることが好ましい。
【0044】
エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約150mg毎立方センチメートルであることが好ましい。より好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、一立方センチメートル当たり少なくとも約175mgである。より好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、一立方センチメートル当たり少なくとも約200mgである。エアロゾル発生基体の密度は、少なくとも約250mg毎立方センチメートルであることがなおより好ましい。
【0045】
好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、約500mg毎立方センチメートル以下である。より好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、一立方センチメートル当たり約450mg以下である。より好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、一立方センチメートル当たり約400mg以下である。なおより好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、約350mg毎立方センチメートル以下である。
【0046】
例えば、エアロゾル発生基体の密度は、好ましくは約150mg毎立方センチメートル~約500mg毎立方センチメートル、好ましくは約175mg毎立方センチメートル~約450mg毎立方センチメートル、より好ましくは約200mg毎立方センチメートル~約400mg毎立方センチメートル、なおより好ましくは約250mg毎立方センチメートル~約350mg毎立方センチメートルである。エアロゾル発生基体の密度は、好ましくは、約300mg毎立方センチメートルである。
【0047】
エアロゾル発生基体のロッドは、好ましくは、刻みたばこ材料(例えば、たばこカットフィラー)を含み、約150mg毎立方センチメートル~約500mg毎立方センチメートル、好ましくは約175mg毎立方センチメートル~約450mg毎立方センチメートル、より好ましくは約200mg毎立方センチメートル~約400mg毎立方センチメートル、より好ましくは約250mg毎立方センチメートル~約350mg毎立方センチメートル、最も好ましくは約300mg毎立方センチメートルの密度を有する。
【0048】
エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、約10ミリメートルH2O以下であることが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、約9ミリメートルH2O以下であることがより好ましい。エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、約8ミリメートルH2O以下であることがなおより好ましい。
【0049】
エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、少なくとも約4ミリメートルH2Oであることが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、少なくとも約5ミリメートルH2Oであることがより好ましい。エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、少なくとも約6ミリメートルH2Oであることがなおより好ましい。
【0050】
エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、約4ミリメートルH2O~約10ミリメートルH2O、好ましくは約5ミリメートルH2O~約10ミリメートルH2O、好ましくは約6ミリメートルH2O~約25ミリメートルH2Oであってもよい。エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、約4ミリメートルH2O~約20ミリメートルH2O、好ましくは約5ミリメートルH2O~約18ミリメートルH2O、好ましくは約6ミリメートルH2O~約16ミリメートルH2Oであってもよい。エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、約4ミリメートルH2O~約15ミリメートルH2O、好ましくは約5ミリメートルH2O~約14ミリメートルH2O、より好ましくは約6ミリメートルH2O~約12ミリメートルH2Oであってもよい。
【0051】
エアロゾル発生基体は固体のエアロゾル発生基体であってもよい。エアロゾル発生基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。エアロゾル形成体は、使用時に密度の高い安定したエアロゾルの形成を促進する、任意の好適な既知の化合物又は化合物の混合物とすることができる。エアロゾル形成体は、エアロゾル発生物品の使用中に典型的に適用される温度において、エアロゾルが熱分解に対して実質的に耐性であることを促進し得る。適切なエアロゾル形成体は例えば、多価アルコール(例えば、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(例えば、グリセロールモノ-、ジ-、又はトリアセテートなど)、モノ-、ジ-、又はポリカルボン酸の脂肪族エステル(例えば、ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)、及びそれらの組み合わせである。
【0052】
エアロゾル形成体は、グリセリン及びプロピレングリコールのうちの一つ以上を含むことが好ましい。エアロゾル形成体は、グリセリン、又はプロピレングリコール、又はグリセリンとプロピレングリコールの組み合わせからなってもよい。
【0053】
好ましくは、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で少なくとも5重量パーセントのエアロゾル形成体体を含む。言い換えれば、エアロゾル発生基体は、乾燥重量基準で少なくとも5パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で、少なくとも7重量パーセントのエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で、少なくとも10重量パーセントのエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で、少なくとも12重量パーセントのエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で、少なくとも13重量パーセントのエアロゾル形成体を含み得る。
【0054】
エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で、22重量パーセント以下のエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で、19重量パーセント以下のエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で、16重量パーセント以下のエアロゾル形成体を含み得る。
【0055】
エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で10重量パーセント~22重量パーセント、より好ましくはエアロゾル発生基体の乾燥重量基準で12重量パーセント~19重量パーセントのエアロゾル形成体の量、最も例として、エアロゾル発生基体の乾燥重量基準で13重量パーセント~16重量パーセントのエアロゾル形成体の量を含み得る。
【0056】
エアロゾル発生基体は、刻みたばこ材料を含み得る。例えば、刻みたばこ材料は、カットフィラーの形態であってもよい。刻みたばこ材料は、均質化したたばこ材料の刻まれたシートの形態であってもよい。
【0057】
本明細書の文脈において、「カットフィラー」という用語は、具体的に葉の葉身、加工された茎及び葉脈、均質化した植物材料のうちの一つ以上を含む、たばこ植物材料などの細かく切られた植物材料のブレンドを記述するために使用される。
【0058】
好ましくは、エアロゾル形成体の量は、カットフィラーの乾燥重量基準で少なくとも5重量パーセント、好ましくはカットフィラーの乾燥重量基準で10重量パーセント~22重量パーセントであり、より好ましくはエアロゾル形成体の量は、カットフィラーの乾燥重量基準で12重量パーセント~19重量パーセントであり、例えば、エアロゾル形成体の量は、カットフィラーの乾燥重量基準で13重量パーセント~16重量パーセントである。エアロゾル形成体が上述の量でカットフィラーに添加される場合、カットフィラーは、比較的粘着性となり得る。これは有利なことに、カットフィラーの粒子が、周囲のカットフィラー粒子だけでなく、周囲の表面(例えば、カットフィラーを囲むラッパーの内部表面)にも付着する傾向を呈するため、物品内の所定の場所にカットフィラーを保持するのに役立つ。
【0059】
エアロゾル形成体の量は、カットフィラーの乾燥重量基準で約13重量パーセントまたは18重量パーセントの目標値を有してもよい。エアロゾル形成体の最も効率的な量は、カットフィラーにも依存し、カットフィラーが植物ラミナを含むか又は均質化された植物材料を含むかどうかにも依存する。例えば、他の要因の中でも特に、カットフィラーのタイプは、エアロゾル形成体がカットフィラーからの物質の放出を容易にすることができる程度を決定する。
【0060】
これらの理由から、上述の通りのカットフィラーを備えるエアロゾル発生基体のロッドは、比較的に低い温度で十分な量のエアロゾルを効率的に発生する能力を有する。加熱チャンバー内の摂氏150度~摂氏200度の温度は、一つのこうしたカットフィラーが十分な量のエアロゾルを発生するのに十分である場合があり、その一方でたばこキャストリーフシートを使用するエアロゾル発生装置において典型的に、摂氏約250度の温度が採用される。
【0061】
より低い温度で動作することに関連する更なる利点は、エアロゾルを冷却する必要性が低減されることである。概して低温が使用されるため、より単純な冷却機能で十分であり得る。これは結果として、エアロゾル発生物品のより簡素でより単純な構造の使用を可能にする。
【0062】
エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料、好ましくは、均質化したたばこ材料を含んでもよい。
【0063】
本明細書で使用される「均質化された植物材料」という用語は、植物の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。例えば、本発明のエアロゾル発生基体のための均質化されたたばこ材料のシート又はウェブは、植物材料及び任意選択的に、タバコ葉ラミナ及びタバコ葉茎のうちの一つ以上をすり潰す、粉砕する、又は細分することによって取得されたたばこ材料の粒子を凝集することによって形成され得る。均質化した植物材料は、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、又は当業界で知られている他の任意の適切なプロセスによって生成されてもよい。
【0064】
均質化した植物材料は、任意の好適な形態で提供することができる。
【0065】
例えば、均質化した植物材料は、一つ以上のシートの形態であってもよい。本発明に関連して本明細書で使用される場合、「シート」という用語は、その厚さを実質的に超える幅及び長さを有する薄層状の要素について説明する。
【0066】
均質化した植物材料は、複数のペレット又は顆粒の形態であってもよい。
【0067】
均質化した植物材料は、複数のストランド、細片、または断片の形態であってもよい。本明細書で使用される場合、「ストランド」という用語は、その幅および厚さより実質的に大きな長さを有する材料の細長い要素を説明する。「ストランド」という用語は、細片、断片、および類似の形態を有する任意のその他の均質化した植物材料を包含するものとみなされるべきである。均質化された植物材料のストランドは、例えば、切断もしくは細断によって、または他の方法、例えば、押出成形方法によって、均質化された植物材料のシートから形成されてもよい。
【0068】
ストランドは、エアロゾル発生基体の形成中の均質化された植物材料のシートの分割またはひびの結果として、例えば、捲縮の結果として、エアロゾル発生基体内で原位置で形成され得る。エアロゾル発生基体内の均質化された植物材料のストランドは、相互から分離されてもよい。エアロゾル発生基体内の均質化した植物材料の各ストランドは、ストランドの長さに沿った隣接したストランドまたは複数のストランドに少なくとも部分的に接続されてもよい。例えば、隣接したストランドは、一つ以上の繊維によって接続されてもよい。これは例えば、上述の通り、エアロゾル発生基体の製造中の均質化した植物材料のシートの分割に起因してストランドが形成されている場合に生じる場合がある。
【0069】
均質化した植物材料は、タバコ粒子を含む均質化したタバコ材料であってもよい。均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセント、より好ましくは、乾燥重量基準で少なくとも約50重量パーセント、より好ましくは、乾燥重量基準で少なくとも約70重量パーセント、最も好ましくは、乾燥重量基準で少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有してもよい。
【0070】
本発明に関して、用語「たばこ粒子」は、Nicotiana種の任意の植物部材の粒子を指す。「たばこ粒子」という用語は、たばこの処理、取り扱い、および発送中に形成された粉砕または粉末たばこ葉ラミナ、粉砕または粉末たばこ葉茎、たばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物を包含する。好ましくは、たばこ粒子は実質的にすべてがたばこ葉ラミナに由来する。これに反して、分離されたニコチン及びニコチン塩は、たばこに由来する化合物であるが、本発明の目的のためのたばこ粒子と見なされず、粒子状植物材料の割合に含まれない。
【0071】
均質化した植物材料は、一つ以上のエアロゾル形成体を更に含んでもよい。揮発に伴い、エアロゾル形成体は、エアロゾル中のニコチン及び風味剤などの、加熱時にエアロゾル発生基体から放出される他の気化した化合物を搬送することができる。均質化された植物材料に含めるのに好適なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール及びグリセロールなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-又はトリアセテート)、及びモノ-、ジ-又はポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸及びテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0072】
均質化した植物材料は、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセント(乾燥重量基準で約10重量パーセント~約25重量パーセント、又は乾燥重量基準で約15重量パーセント~約20重量パーセントなど)のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。エアロゾル形成体は、均質化した植物材料中で湿潤剤として働いてもよい。
【0073】
上記に提示の通り、エアロゾル発生基体のロッドは、ラッパーによって囲まれてもよい。エアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーは、紙ラッパー又は非紙ラッパーであり得る。本発明で使用するための適切な紙ラッパーは当業界で既知であり、紙巻たばこペーパーおよびフィルタープラグラップを含むが、これに限定されない。本発明で使用するための適切な紙以外のラッパーは当業界で既知であり、均質化されたたばこ材料のシートを含むがこれに限定されない。
【0074】
紙ラッパーは、少なくとも15gsm、好ましくは少なくとも20gsmの坪量を有してもよい。紙ラッパーは、35gsm以下、好ましくは30gsm以下の坪量を有してもよい。紙ラッパーは、15gsm~35gsm、好ましくは20gsm~30gsmの坪量を有してもよい。紙ラッパーは、25gsmの坪量を有してもよい。紙ラッパーは、少なくとも25マイクロメートル、好ましくは少なくとも30マイクロメートル、より好ましくは少なくとも35マイクロメートルの厚さを有してもよい。紙ラッパーは、約55マイクロメートル以下、好ましくは、約50マイクロメートル以下、より好ましくは、約45マイクロメートル以下の厚さを有し得る。紙ラッパーは、25マイクロメートル~55マイクロメートル、好ましくは30マイクロメートル~50マイクロメートル、より好ましくは35マイクロメートル~45マイクロメートルの厚さを有してもよい。紙ラッパーは40ミクロンの厚さを有してもよい。
【0075】
ラッパーは、複数の層を含む積層材料から形成されてもよい。ラッパーは、アルミニウム共積層シートから形成されることが好ましい。アルミニウムを含む共積層シートの使用は有利なことに、エアロゾル発生基体が意図される様態で、加熱されるのではなく、点火されるべき場合に、エアロゾル発生基体の燃焼を防止する。
【0076】
共積層シートの紙層は、少なくとも35gsm、好ましくは少なくとも40gsmの坪量を有してもよい。共積層シートの紙層は、55gsm以下、好ましくは50gsm以下の坪量を有してもよい。共積層シートの紙層は、35gsm~55gsm、好ましくは40gsm~50gsmの坪量を有してもよい。共積層シートの紙層は、45gsmの坪量を有してもよい。
【0077】
共積層シートの紙層は、少なくとも50マイクロメートル、好ましくは少なくとも55マイクロメートル、より好ましくは少なくとも60マイクロメートルの厚さを有してもよい。共積層シートの紙層は、80マイクロメートル以下、好ましくは75マイクロメートル以下、より好ましくは70マイクロメートル以下の厚さを有してもよい。
【0078】
共積層シートの紙層は、約50マイクロメートル~約80マイクロメートル、好ましくは約55マイクロメートル~約75マイクロメートル、より好ましくは約60マイクロメートル~約70マイクロメートルの厚さを有してもよい。共積層シートの紙層は、65ミクロンの厚さを有してもよい。
【0079】
共積層シートの金属層は、少なくとも12gsm、好ましくは少なくとも15gsmの坪量を有してもよい。共積層シートの金属層は、25gsm以下、好ましくは20gsm以下の坪量を有してもよい。共積層シートの金属層は、12gsm~25gsm、好ましくは15gsm~20gsmの坪量を有してもよい。共積層シートの金属層は、17gsmの坪量を有してもよい。
【0080】
共積層シートの金属層は、少なくとも2マイクロメートル、好ましくは少なくとも3マイクロメートル、より好ましくは少なくとも5マイクロメートルの厚さを有してもよい。共積層シートの金属層は、15マイクロメートル以下、好ましくは12マイクロメートル以下、より好ましくは10マイクロメートル以下の厚さを有してもよい。
【0081】
共積層シートの金属層は、約2マイクロメートル~約15マイクロメートル、好ましくは約3マイクロメートル~約12マイクロメートル、より好ましくは約5マイクロメートル~約10マイクロメートルの厚さを有してもよい。共積層シートの金属層は、6ミクロンの厚さを有してもよい。
【0082】
エアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーは、PVOH(ポリビニルアルコール)又はケイ素を含む紙ラッパーであってもよい。PVOH(ポリビニルアルコール)又はケイ素の添加は、ラッパーのグリースバリア特性を改善する場合がある。
【0083】
PVOH又はケイ素は、エアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーの紙層の外部表面の上に配置されるなど、表面コーティングとして紙層に適用される。PVOH又はケイ素は、ラッパーの紙層の外部表面上に配設されてもよく、かつ層を形成してもよい。PVOH又はケイ素は、ラッパーの紙層の内部表面上に配設されてもよい。PVOH又はケイ素は、エアロゾル発生物品の紙層の内部表面上に配設されてもよく、かつ層を形成してもよい。PVOH又はケイ素は、ラッパーの紙層の内部表面上及び外部表面上に配設されてもよい。PVOH又はケイ素は、ラッパーの紙層の内部表面上及び外部表面上に配置されてもよく、層を形成してもよい。
【0084】
PVOH又はケイ素を含む紙ラッパーは、少なくとも20gsm、好ましくは少なくとも25gsm、より好ましくは少なくとも30gsmの坪量を有してもよい。PVOH又はケイ素を含む紙ラッパーは、50gsm以下、45gsm以下、より好ましくは40gsm以下の坪量を有してもよい。PVOH又はケイ素を含む紙ラッパーは、20gsm~50gsm、好ましくは25gsm~45gsm、より好ましくは30gsm~40gsmの坪量を有してもよい。PVOHまたはケイ素を含む紙ラッパーは、約35gsmの坪量を有してもよい。
【0085】
PVOH又はケイ素を含む紙ラッパーは、少なくとも25マイクロメートル、好ましくは少なくとも30マイクロメートル、より好ましくは少なくとも35マイクロメートルの厚さを有してもよい。PVOH又はケイ素を含む紙ラッパーは、50マイクロメートル以下、好ましくは45マイクロメートル以下、より好ましくは40マイクロメートル以下の厚さを有してもよい。PVOH又はケイ素を含む紙ラッパーは、25マイクロメートル~50マイクロメートル、好ましくは30マイクロメートル~45マイクロメートル、より好ましくは35マイクロメートル~40マイクロメートルの厚さを有してもよい。PVOHまたはケイ素を含む紙ラッパーは、37マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0086】
本開示で言及した通り、本発明は少なくとも一つの空気チャネリング要素またはセグメントを備えることが好ましい。エアロゾル発生物品の下流セクションは、空気チャネリング要素を備えてもよい。こうした空気チャネリング要素は、下流空気チャネリング要素、エアロゾル冷却要素、または支持要素と呼ばれる場合がある。
【0087】
エアロゾル発生物品の上流セクションは、空気チャネリング要素を備えてもよい。こうした空気チャネリング要素は、上流空気チャネリング要素、上流要素、または前部プラグと呼ばれる場合がある。
【0088】
エアロゾル発生物品の上流セクションおよび下流セクションの両方は各々、空気チャネリング要素を備えてもよい。空気チャネリング要素に関連して本開示に記載される特徴は、それぞれ、下流空気チャネリング要素(すなわち、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する空気チャネリング要素)および上流空気チャネリング要素(すなわち、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する空気チャネリング要素)に適用され得る。
【0089】
上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドに当接してもよい。上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドの上流端に当接してもよい。上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置してもよい。上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生物品の上流端に位置してもよい。
【0090】
下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドに当接し得る。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドの下流端に当接してもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置してもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドと、中空の管状要素またはマウスピース要素などの下流セクションの任意の他の構成要素または要素との間に位置してもよい。下流空気チャネリング要素は、マウスピース要素に当接してもよい。下流空気チャネリング要素は、マウスピース要素の上流端に当接してもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生物品の下流端の上流に位置してもよい。
【0091】
本開示の空気チャネリング要素は、本体を備えてもよい。空気チャネリング要素の本体は、コア部分および周辺部分を備えてもよい。コア部分および周辺部分は、長軸方向に延びてもよい。周辺部分は、コア部分を囲んでもよく、またはコア部分に外接してもよい。本体は、実質的に円形断面を有する円筒状の本体であることが好ましい。
【0092】
コア部分は、空気チャネリング要素の本体の中心を備えてもよい。本体のコア部分は、本体の断面の中心に位置する円形コア部分を指すことが好ましい。
【0093】
本体のコア部分は、本体の半径の少なくとも25パーセントである半径を有してもよい。本体のコア部分は、本体の半径の少なくとも30パーセントである半径を有してもよい。本体のコア部分は、本体の半径の少なくとも50パーセントである半径を有してもよい。本体のコア部分は、本体の半径の80パーセント以下の半径を有してもよい。本体のコア部分は、本体の半径の75パーセント以下の半径を有してもよい。
【0094】
空気チャネリング要素の周辺部分は、コア部分を囲む本体の環状部分を備えてもよい。言い換えれば、周辺部分は、空気チャネリング要素の本体の断面の残りの部分を占めてもよい。周辺部分は、空気チャネリング要素の外周または外周とコア部分との間に延びてもよい。
【0095】
空気チャネリング要素は、外側空気通路を備えてもよい。外側空気通路は、外部空気通路であってもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素の本体の外表面上に画成されてもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素の中心軸から離れて位置する空気通路を指し得る。外側空気通路は、空気チャネリング要素の材料もしくは本体内に位置する内部空気通路、または空気チャネリング要素の外表面上に提供される外部空気通路であってもよい。外側空気通路は、周辺空気通路と呼んでもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素の一方の端から空気チャネリング要素の他方の端に延びてもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端に延びてもよい。
【0096】
外側空気通路は、内部空気通路であってもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素の本体内に画成されてもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素の本体の周辺部分内またはその中に画成されてもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素に沿って延びる内部通路またはチャネルであってもよい。
【0097】
空気チャネリング要素は、一つ以上の外側空気通路を備えてもよい。空気チャネリング要素は、少なくとも二つの外側空気通路、好ましくは少なくとも三つの外側空気通路、より好ましくは少なくとも四つの外側空気通路を備えてもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素内に均等に、または均一に分布されてもよい。外側空気通路は、空気チャネリング要素のコア部分の周りに均等に、または均一に分布されてもよい。内部空洞または空気通路または外部空気通路の形態の外側空気通路は、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端まで延びることが好ましい。内部空洞または空気通路または外部空気通路の形態の外側空気通路は、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端に連続的に延びることが好ましい。
【0098】
外側空気通路は、空気チャネリング要素の外表面上に画成された溝を備えてもよい。空気チャネリング要素は、少なくとも一つの溝を備えてもよい。空気チャネリング要素は、少なくとも二つの溝、好ましくは少なくとも三つの溝、より好ましくは少なくとも四つの溝、さらにより好ましくは少なくとも五つの溝を備えてもよい。溝は、空気チャネリング要素のコア部分の周りに均等に、または均一に分布されてもよい。溝は、空気チャネリング要素の本体の周りに均等に、または均一に分布されてもよい。
【0099】
空気チャネリング要素の任意の外側空気通路、内部空気通路、または溝は、空気チャネリング要素の一方の端から空気チャネリング要素の他方の端に延びてもよい。空気チャネリング要素の任意の外側空気通路、内部空気通路、または溝は、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端に延びてもよい。空気チャネリング要素の任意の外側空気通路、内部空気通路、または溝は、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端へと連続的に延びてもよい。空気チャネリング要素の任意の外側空気通路、内部空気通路、または溝は、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端まで遮られずに延びてもよく、その結果、空気またはエアロゾルは、空気チャネリング要素の端から端へと流れることができる。
【0100】
溝または内部チャネルなどの複数の外側空気通路を提供することで、空気チャネリング要素の周辺部分を通る、かつエアロゾル発生基体の周辺部分を通る可能性が高い空気またはエアロゾルの流れの量を増加させ、それによって熱交換を増加させ、エアロゾル核形成を改善する。特に下流空気チャネリング要素の場合、好ましくは溝の形態の外部空気通路を提供することは、エアロゾル発生物品の外部へのエアロゾルの近接に起因して、外側空気通路を通って流れるエアロゾルの熱交換を改善し得る。
【0101】
各外側空気通路は、実質的に真っ直ぐな経路をたどる、またはたどってもよい。各外側空気通路は、相互に実質的に平行であってもよい。各外側空気通路は、らせん状の経路をたどってもよい。各溝は、空気チャネリング要素の周りまたはその外表面上のらせん状の経路をたどってもよい。らせん状の経路をたどるまたはたどることによって、外側空気通路は、空気チャネリング要素の上流端から下流端へのより長い経路を効果的にたどり、それによってエアロゾルが冷却されるのにより長い時間を提供し得る。各溝は、正弦経路または任意の他の波形経路をたどってもよい。波形は、方形波、三角形波、または鋸歯波を含み得る。
【0102】
各外側空気通路は、空気チャネリング要素に沿って延びる内部空洞によって画成されてもよい。空気チャネリング要素の本体内に延びる外側空気通路は、実質的に円形断面を有してもよい。こうした内部通路の半径は、少なくとも約0.25mm、好ましくは少なくとも約0.5mm、より好ましくは少なくとも約1mmであってもよい。こうした内部通路の半径は、約2mm以下であってもよい。
【0103】
外側空気通路または周辺空気通路が空気チャネリング要素の材料内に内部的に画成される場合、外側空気通路は、空気チャネリング要素の周辺から離れた距離に位置してもよい。外側空気通路または周辺空気通路が空気チャネリング要素の材料内に内部的に画成される場合、外側空気通路のそれぞれまたは外側空気通路は、空気チャネリング要素の周辺から離れた距離に位置してもよい。こうした距離は、約2mm以下、好ましくは約1.5mm以下、より好ましくは約1mm以下、さらにより好ましくは約0.75mm以下であってもよい。こうした距離は、外側空気通路の外縁から空気チャネリング要素の最も外側の縁または周辺まで測定される距離を指すことが好ましい。
【0104】
溝によって画成される外側空気通路の深さは、少なくとも約0.5mmであってもよい。溝によって画成される外側空気通路の深さは、少なくとも約0.7mmであってもよい。溝によって画成される外側空気通路の深さは、少なくとも約1mmであってもよい。溝によって画成される外側空気通路の深さは、約1.5mm以下であってもよい。溝によって画成される外側空気通路の深さは、約2mm以下であってもよい。
【0105】
外側空気通路の総断面積(言い換えれば、すべての外側空気通路の総和)の、空気チャネリング要素の総断面積に対する比は、少なくとも約2.5パーセントであってもよい。こうした比は、少なくとも約5パーセント、好ましくは少なくとも約10パーセント、より好ましくは少なくとも約15パーセント、さらにより好ましくは少なくとも約25パーセントであってもよい。外側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、少なくとも約30パーセントであってもよい。空気チャネリング要素の総断面積は、空気チャネリング要素の位置におけるエアロゾル発生物品の内部断面積を指し得る。
【0106】
外側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、約60パーセント以下であってもよい。外側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、約50パーセント以下であってもよい。外側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、約40パーセント以下であってもよい。空気チャネリング要素の総断面積は、空気チャネリング要素が完全に固体であった場合の空気チャネリング要素の断面積を指し得る。言い換えれば、空気チャネリング要素の総断面積は、空気チャネリング要素の最大外径に基づいてもよい。上述の通り、外側空気通路は、空気チャネリング要素の外表面上に画成された溝を備えてもよい。
【0107】
上流または下流のいずれかの空気チャネリング要素は、ラッパーによって巻かれてもよい。こうしたラッパーは、本開示に記載される任意のラッパーによる特徴を有してもよい。空気チャネリング要素を囲むラッパーは、実質的に不通気性であってもよい。空気チャネリング要素の外表面上に一つ以上の溝を含む実施形態では、空気チャネリング要素を囲むラッパーは、一つ以上の溝によって画成され得る、一つ以上の外側空気通路の境界を画成し得る。言い換えれば、空気チャネリング要素の一つ以上の外側空気通路は、ラッパーおよび一つ以上の溝によって画成されてもよい。
【0108】
外側空気通路が空気チャネリング要素の周辺の周りの一つ以上の溝によって画成される実施形態では、溝によって画成される空気チャネリング要素の外表面は、湿潤表面を画成してもよく、溝によって画成されない空気チャネリング要素の外表面は、非湿潤表面を画成してもよい。「湿潤表面」という用語は、溝を通って移動する空気またはエアロゾルと接触するように構成された空気チャネリング要素の表面を指す。「非湿潤表面」は、空気チャネリング要素を囲むラッパーと接触してもよい。本開示では、空気チャネリング要素の「外表面」という用語は、空気チャネリング要素またはエアロゾル発生物品の長軸方向に平行に延びる、空気チャネリング要素の外部長軸方向表面を指すことが好ましい。
【0109】
空気チャネリング要素の湿潤表面積と空気チャネリング要素の非湿潤表面積との比は、少なくとも約25パーセントであってもよい。空気チャネリング要素の湿潤表面積と空気チャネリング要素の非湿潤表面積との比は、少なくとも約50パーセントであってもよい。空気チャネリング要素の湿潤表面積と空気チャネリング要素の非湿潤表面積との比は、少なくとも約1であってもよい。
【0110】
空気チャネリング要素の湿潤表面積と空気チャネリング要素の非湿潤表面積との比は、約3以下であってもよい。空気チャネリング要素の湿潤表面積と空気チャネリング要素の非湿潤表面積との比は、約2.5以下であってもよい。空気チャネリング要素の湿潤表面積と空気チャネリング要素の非湿潤表面積との比は、約2以下であってもよい。
【0111】
空気チャネリング要素のコア部分は、実質的に固体であることが好ましい。これにより有利なことに、エアロゾル発生基体材料の不注意による排出または移動を防止し、空気またはエアロゾルが空気チャネリング要素の周辺部分に存在する任意の空気通路を通って流れることを促進し得る。言い換えれば、空気チャネリング要素のコア部分は、空気チャネリング要素に沿って延びる中央の内部空洞を備えなくてもよく、または画成しなくてもよい。したがって、空気チャネリング要素の外側空気通路または溝は、空気またはエアロゾルがエアロゾル発生基体に向かって、またはエアロゾル発生物品の下流端に向かって空気チャネリング要素を通って移動するための主要な経路または唯一の経路であってもよい。
【0112】
空気チャネリング要素は、一つ以上の内側空気通路を備えてもよい。空気チャネリング要素は、少なくとも二つの内側空気通路を備えてもよい。空気チャネリング要素のコア部分は、一つ以上の内側空気通路を画成し得る。一つ以上の内側空気通路は、一つ以上の外側空気通路によって囲まれてもよい。各内側空気通路は、空気チャネリング要素に沿って延びる長軸方向の空気チャネルまたは空洞として画成されてもよい。各内側空気通路は、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端に延びてもよい。各内側空気通路は、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端へと連続的に延びてもよい。
【0113】
空気チャネリング要素の材料は多孔性であってもよい。しかしながら、空気チャネリング要素の材料に固有の空孔または空隙は、空気チャネリング要素の一つ以上の内側空気通路または一つ以上の外部空気通路を画成するとは考えられない場合がある。言い換えれば、任意の空気通路は、製造工程を通して空気チャネリング要素の材料または本体内に形成されることが好ましい。
【0114】
任意の内側空気通路の総断面積対空気チャネリング要素の総断面積の比は、少なくとも約1パーセント(または0.01)であってもよい。任意の内側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、少なくとも約5パーセント(または0.05)であってもよい。任意の内側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、少なくとも約7.5パーセント(または0.075)であってもよい。
【0115】
任意の内側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、約20パーセント(または0.2)以下であってもよい。任意の内側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、約15パーセント以下であってもよい。任意の内側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比は、約10パーセント以下であってもよい。
【0116】
外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、少なくとも約0.5であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、少なくとも約1であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、少なくとも約1.5であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、少なくとも約2であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、少なくとも約3であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、少なくとも約4であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、少なくとも約5であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、少なくとも約6であってもよい。
【0117】
外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、約10以下であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、約7.5以下であってもよい。外側空気通路の総断面積と任意の内側空気通路の総断面積との比は、約5以下であってもよい。
【0118】
空気チャネリング要素の長さは、少なくとも約4mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、少なくとも約5mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、少なくとも約6mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、少なくとも約7mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、少なくとも約10mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、少なくとも約12mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、少なくとも約17mmであってもよい。
【0119】
空気チャネリング要素の長さは、約50mm以下であってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約25mm以下であってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約23mm以下であってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約20mm以下であってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約15mm以下であってもよい。
【0120】
空気チャネリング要素の長さは、約4mm~約50mm、好ましくは約4mm~約30mm、より好ましくは約4mm~約25mmあってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約4mm~約50mm、好ましくは約7mm~約30mm、より好ましくは約10mm~約25mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約12mm~約20mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約10mm~約15mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約17mm~約23mmであってもよい。
【0121】
空気チャネリング要素の長さは、約12mmであってもよいことが好ましい。空気チャネリング要素の長さは、約16mmであってもよい。空気チャネリング要素の長さは、約20mmであってもよい。
【0122】
下流空気チャネリング要素の長さは、約12mmであってもよいことが好ましい。下流空気チャネリング要素の長さは、約16mmであってもよい。下流空気チャネリング要素の長さは、約20mmであってもよい。
【0123】
上流空気チャネリング要素の長さは、約4mmであってもよいことが好ましい。上流空気チャネリング要素の長さは、約5mmであってもよい。上流空気チャネリング要素の長さは、約6mmであってもよい。
【0124】
上流空気チャネリング要素および下流空気チャネリング要素の両方が同じエアロゾル発生物品内に提供されている場合、下流空気チャネリング要素の長さは、上流空気チャネリング要素の長さよりも大きいことが好ましい。
【0125】
空気チャネリング要素は、好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの外径およびエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。これにより、空気チャネリング要素の任意の溝または外側または内側空気通路の端が、エアロゾル発生基体によって塞がれる。言い換えれば、空気チャネリング要素の任意の溝または空気通路の断面は、エアロゾル発生基体の断面と重なり得る。空気チャネリング要素の任意の溝または空気通路の断面は、エアロゾル発生基体の断面と完全に重なり得る。エアロゾル発生基体上に突出した時の空気チャネリング要素の任意の溝または空気通路の断面は、特に空気チャネリング要素およびエアロゾル発生基体がエアロゾル発生物品内に組み立てられ、整列した時のエアロゾル発生基体の断面内にあってもよい。
【0126】
空気チャネリング要素は、5ミリメートル~12ミリメートル、例えば5ミリメートル~10ミリメートル、または6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有してもよい。空気チャネリング要素は、7.2ミリメートルプラスまたはマイナス10パーセントの外径を有してもよい。
【0127】
空気チャネリング要素(またはその本体)は、熱成形によって形成されてもよい。空気チャネリング要素上に画成された溝は、熱成形によって形成されてもよい。熱成形は有利なことに、特に外部溝を備える時に、空気チャネリング要素のためのコスト効果が高く効率的な製造プロセスを提供し得る。空気チャネリング要素は、射出成形または押出成形によって作製されてもよい。
【0128】
空気チャネリング要素(またはその本体)は、高分子材料を含み得る(または高分子材料によって形成され得る)。空気チャネリング要素(またはその本体)は、プラスチック材料を含んでもよい(またはプラスチック材料によって形成されてもよい)。空気チャネリング要素(またはその本体)は、熱可塑性材料を含んでもよい(または熱可塑性材料によって形成されてもよい)。空気チャネリング要素(またはその本体)は、ポリエチレン(PE)を含んでもよい(またはポリエチレン(PE)によって形成されてもよい)。空気チャネリング要素(またはその本体)は、セルロースアセテートを含んでもよい(またはセルロースアセテートによって形成されてもよい)。
【0129】
空気チャネリング要素は、実質的に不透過性の材料を含んでもよく、または実質的に不透過性の材料によって形成されてもよい。空気チャネリング要素は、実質的に不通気性の材料を含んでもよく、または実質的に不通気性の材料によって形成されてもよい。空気チャネリング要素の材料は、実質的に不通気性であってもよい。実質的に不通気性の材料を使用すると、空気またはエアロゾルが、空気チャネリング要素の内側空気通路または外側空気通路のみを通って流れるように強制し得る。
【0130】
空気チャネリング要素は、紙を含んでもよい(または紙によって形成されてもよい)。空気チャネリング要素は厚紙を含んでもよい。空気チャネリング要素は、押出成形された紙から形成されてもよい。
【0131】
本開示によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションを備える。上流セクションは、好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ上流に位置する。上流セクションは、エアロゾル発生物品の上流端とエアロゾル発生基体のロッドとの間に延びることが好ましい。
【0132】
上流セクションは、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流要素を含む。好適な上流要素は、本開示内に説明されている。上流要素は、上流プラグ要素(または前部プラグ)であってもよい。上流要素は、上流中空管状要素であってもよい。上流要素は、上流空気チャネリング要素であってもよい。
【0133】
上流要素は、上流空気チャネリング要素であることが好ましい。上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドに当接してもよい。上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドの上流端に当接してもよい。上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置してもよい。上流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生物品の上流端に位置してもよい。
【0134】
したがって、上流要素または上流空気チャネリング要素は、本開示に記載されるように、空気チャネリング要素に関連付けられた特徴を含み得る。同様に、上流要素に関連して本明細書に記載の特徴はまた、上流空気チャネリング要素に存在してもよい。
【0135】
上流要素は有利なことに、本開示に記述される空気チャネリング要素に関連付けられた空気チャネリングの利点に加えて、エアロゾル発生基体の上流端との直接的な物理的接触を防止する。例えば、エアロゾル発生基体がサセプタ素子を備える場合、上流要素は、サセプタ素子の上流端との直接的な物理的接触を防止し得る。これは、エアロゾル発生物品の取り扱い又は輸送中のサセプタ素子の変位又は変形を防止するのに役立つ。これは結果として、サセプタ素子の形態及び位置を固定するのに役立つ。
【0136】
更に、上流要素の存在は、基体の何らかの損失を防止するのに役立ち、これは、例えば、基体が粒子状植物材料を含有する場合に有利である場合がある。
【0137】
エアロゾル発生基体が、たばこカットフィラーなどの刻みたばこを含む場合、上流セクション又はその要素は追加的に、物品の上流端からのたばこの緩んでいる粒子の損失を防止するのに役立つ場合がある。
【0138】
上流セクション又はその上流要素はまた、そうでなければ曝露される場合がある、エアロゾル発生基体の上流端を少なくともある程度カバーするため、貯蔵中にエアロゾル発生基体に対するある程度の保護を追加的に提供する場合がある。
【0139】
エアロゾル発生基体を空洞内で外部加熱することができるようにエアロゾル発生装置の中の空洞の中に挿入されることが意図されているエアロゾル発生物品の場合、上流セクション又はその上流要素は有利なことに、物品の上流端を空洞の中に挿入するのを容易にする場合がある。上流要素を含めることは、空洞の中への物品の挿入中にエアロゾル発生基体のロッドの端を追加的に保護する場合があり、これによって基体に対する損傷のリスクは最小化される。
【0140】
上流セクション又はその上流要素はまた、エアロゾル発生物品の上流端に対する改善された外観を提供する場合がある。更に、望ましい場合、上流セクション又はその上流要素は、物品がともに使用されることが意図されているエアロゾル発生装置のブランド、風味、内容物、又は詳細に関する情報などの、エアロゾル発生物品に関する情報を提供するために使用されてもよい。
【0141】
上流要素は、多孔性のプラグ要素であってもよい。上流要素は、エアロゾル発生物品の長手方向に少なくとも約50パーセントの空隙率を有することが好ましい。より好ましくは、上流要素は、長手方向に約50パーセント~約90パーセントの空隙率を有する。長軸方向における上流要素の空隙率は、上流要素を形成する材料の断面積と、上流要素の位置でのエアロゾル発生物品の内部断面積との比によって定義される。
【0142】
上流要素は、多孔性材料で作製されてもよいか、又は複数の開口部を備えてもよい。これは、例えば、レーザー穿孔により達成され得る。複数の開口部は、上流要素の断面にわたって均一に分散されていることが好ましい。
【0143】
上流要素の空隙率又は透過性は有利なことに、物品の他の部分によって提供された濾過に実質的に影響を与えることのない、特定の全体的な引き出し抵抗(RTD)を有するエアロゾル発生物品を提供するために設計されてもよい。
【0144】
上流要素は、空気に対して不透過性である材料から形成されてもよい。こうした実施形態において、エアロゾル発生物品は、ラッパー内に提供された適切な通気手段を通して、空気がエアロゾル発生基体のロッドの中に流れるように構成されてもよい。
【0145】
上流要素のRTDを最小限に抑えることが望ましい場合がある。例えば、これは、本明細書に説明されるように、エアロゾル発生基体が外部加熱されるように、エアロゾル発生装置の空洞に挿入されることが意図される物品に当てはまり得る。こうした物品の場合、消費者によるRTD体験の大部分が、物品ではなくエアロゾル発生装置によって提供されるように、可能な限り低いRTDを物品に提供することが望ましい。
【0146】
上流要素のRTDは、約10ミリメートルH2O以下であることが好ましい。より好ましくは、上流要素のRTDは、約5ミリメートルH2O以下である。更により好ましくは、上流要素のRTDは、約2.5ミリメートルH2O以下である。上流要素のRTDは、約2ミリメートルH2O以下であることがなおより好ましい。
【0147】
上流要素のRTDは、少なくとも0.1ミリメートルH2O、又は少なくとも約0.25ミリメートルH2O、又は少なくとも約0.5ミリメートルH2Oであってもよい。
【0148】
上流要素のRTDは、約0.1ミリメートルH2O~約10ミリメートルH2O、好ましくは約0.25ミリメートルH2O~約10ミリメートルH2O、好ましくは約0.5ミリメートルH2O~約10ミリメートルH2Oであってもよい。上流要素のRTDは、約0.1ミリメートルH2O~約5ミリメートルH2O、好ましくは約0.25ミリメートルH2O~約5ミリメートルH2O、好ましくは約0.5ミリメートルH2O~約5ミリメートルH2Oである。上流要素のRTDは、約0.1ミリメートルH2O~約2.5ミリメートルH2O、好ましくは約0.25ミリメートルH2O~約2.5ミリメートルH2O、より好ましくは約0.5ミリメートルH2O~約2.5ミリメートルH2Oであってもよい。上流要素のRTDは、約0.1ミリメートルH2O~約2ミリメートルH2O、好ましくは約0.25ミリメートルH2O~約2ミリメートルH2O、より好ましくは約0.5ミリメートルH2O~約2ミリメートルH2Oであり、上流要素のRTDは、約1ミリメートルH2Oであってもよい。
【0149】
上流要素は、1ミリメートルの長さ当たり約2ミリメートルH2O未満、より好ましくは1ミリメートルの長さ当たり約1.5ミリメートルH2O未満、より好ましくは1ミリメートルの長さ当たり約1ミリメートルH2O未満、より好ましくは1ミリメートルの長さ当たり約0.5ミリメートルH2O未満、より好ましくは1ミリメートルの長さ当たり約0.3ミリメートルH2O未満、より好ましくは1ミリメートルの長さ当たり約0.2ミリメートルH2O未満のRTDを有することが好ましい。
【0150】
上流セクション又はその上流要素は、エアロゾル発生物品の外径とほぼ等しい外径を有することが好ましい。好ましくは、上流セクション又はその上流要素の外径は、約6ミリメートル~約8ミリメートルであり、より好ましくは約7ミリメートル~約7.5ミリメートルである。好ましくは、上流セクション又は上流要素は、約7.1mmの外径を有する。
【0151】
好ましくは、上流セクション又は上流要素は、約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~約7ミリメートル、より好ましくは約4ミリメートル~約6ミリメートルの長さを有する。上流セクションまたは上流要素は、約5ミリメートルの長さを有してもよい。
【0152】
上流セクション又は上流要素の長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長を提供するために有利に変化し得る。例えば、エアロゾル発生物品のその他の構成要素のうちの一つの長さを減少させることが望ましい場合、上流セクション又は上流要素の長さは、物品の同じ全長を維持するために、増大されてもよい。
【0153】
外部加熱されることが意図されている物品の場合、上流セクションまたはその上流要素の長さを使用して、エアロゾル発生装置の空洞内のエアロゾル発生物品の位置を制御することができる。これは有利なことに、空洞内のエアロゾル発生基体の位置を加熱のために最適化することができ、また任意の通気の位置も最適化することができることを確実にすることができる。
【0154】
上流セクションは、プラグラップなどのラッパーによって周囲を囲まれていることが好ましい。上流セクションを囲むラッパーは、硬いプラグラップ、例えば、少なくとも約80グラム/平方メートル(gsm)、又は少なくとも約100gsm、又は少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップであることが好ましい。これは、上流セクションに構造的な剛直さを提供する。
【0155】
上流セクションは、好ましくは、外側ラッパーによって、エアロゾル発生基体のロッド、および任意選択で、下流セクションの少なくとも一部に接続される。
【0156】
上述の通り、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する下流セクションを備える。下流セクションは、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ下流に位置することが好ましい。エアロゾル発生物品の下流セクションは、好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドとエアロゾル発生物品の下流端との間に延在する。下流セクションは、一つ以上の要素を備えてもよく、その各々は本開示内でより詳細に記述される。
【0157】
下流セクションの長さは、少なくとも約15mmであってもよい。下流セクションの長さは、少なくとも約20ミリメートルであってもよい。下流セクションの長さは、少なくとも約24mmであってもよい。下流セクションの長さは、少なくとも約26mmであり得る。
【0158】
下流セクションの長さは、約36mm以下(言い換えれば、未満)であり得る。下流セクションの長さは、約32mm以下であり得る。下流セクションの長さは、約30mm以下であってもよい。
【0159】
下流セクションの長さは、約15mm~約36mmであってもよい。下流セクションの長さは、約20mm~約36mmであってもよい。下流セクションの長さは、約24mm~約32mmであってもよい。下流セクションの長さは、約26mm~約30mmであってもよい。
【0160】
下流セクションは、本開示による空気チャネリング要素を備えることが好ましい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置してもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドに隣接して位置してもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドの下流端に当接してもよい。
【0161】
下流セクションは、中空の管状要素を備えることが好ましい。好ましくは、下流セクションはマウスピース要素を含む。下流セクションは、中空の管状要素およびマウスピース要素を備えてもよく、またはそれらから成り、中空の管状要素は、エアロゾル発生基体のロッドとマウスピース要素の間に位置する。中空の管状要素は、エアロゾル発生基体のロッドおよびマウスピース要素に当接してもよい。
【0162】
下流セクションが下流空気チャネリング要素を備える場合、中空の管状要素は、下流空気チャネリング要素の下流に位置してもよい。中空の管状要素は、下流空気チャネリング要素に当接してもよい。中空の管状要素は、下流空気チャネリング要素とマウスピース要素との間に位置してもよい。
【0163】
比較的長い下流セクションを提供することで、物品がエアロゾル発生装置の中に受容される時に、エアロゾル発生物品の適切な長さがエアロゾル発生装置から突出することを確実にする。こうした適切な突出長さは、物品の挿入及び装置からの抜き出しの簡単さを促進し、これはまた、物品の上流部分が、特に挿入中の損傷のリスクを低減して、装置の中に適切に挿入されることを確実にする。
【0164】
本開示を通して使用される「中空の管状セグメント」または「中空の管状要素」という用語は概して、その長軸方向軸に沿った内腔または気流通路を画成する細長い要素を意味する。特に、「管状」という用語は以下において、実質的に円筒状の断面を有する、かつ管状要素の上流端と管状要素の下流端との間の途切れることのない流体連通を確立する少なくとも一つの気流導管を画成する、管状要素に関して使用される。しかし、当然のことながら、管状セグメントの代替の形状(例えば、代替の断面形状)が可能である場合がある。中空の管状セグメント又は要素は、定められた長さ及び厚さを有する、エアロゾル発生物品の個々の個別の要素であってもよい。本明細書において、「中空の管状セグメント」または「中空の管状要素」はまた、「中空管」または「中空管セグメント」と呼ばれてもよい。
【0165】
中空の管状要素によって画定される内部体積は、少なくとも約100立方ミリメートルであってもよい。言い換えれば、中空の管状要素によって画定される空洞又は内腔の体積は、少なくとも約100立方ミリメートルであってもよい。好ましくは、中空の管状要素によって画定される内部体積は、少なくとも約300立方ミリメートルであってもよい。中空の管状要素によって画定される内部体積は、少なくとも約700立方ミリメートルであってもよい。
【0166】
中空の管状要素によって画定される内部体積は、約1200立方ミリメートル以下であってもよい。好ましくは中空の管状要素によって画定される内部体積は、約1000立方ミリメートル以下であってもよい。中空の管状要素によって画定される内部体積は、約900立方ミリメートル以下であってもよい。
【0167】
中空の管状要素によって画定される内部体積は、約100~1200立方ミリメートルであってもよい。好ましくは、中空の管状要素によって画定される内部体積は、約300~約1000立方ミリメートルであってもよい。中空の管状要素によって画定される内部体積は、約700~900立方ミリメートルであってもよい。
【0168】
本発明の文脈において、中空の管状セグメントは、制限のない流れチャネルを提供する。これは、中空の管状セグメントが、無視できるレベルの引き出し抵抗(RTD)を提供することを意味する。「無視できるレベルのRTD」という用語は、10ミリメートルの長さの中空の管状セグメント又は中空の管状要素当たり1mmH2O未満、好ましくは10ミリメートルの長さの中空の管状セグメント又は中空の管状要素当たり0.4mmH2O未満、より好ましくは10ミリメートルの長さの中空の管状セグメント又は中空の管状要素当たり0.1mmH2O未満のRTDを記述するために使用される。
【0169】
中空の管状要素のRTDは、約10ミリメートルH2O以下であることが好ましい。中空の管状要素のRTDは、約5ミリメートルH2O以下であることがより好ましい。中空の管状要素のRTDは、約2.5ミリメートルH2O以下であることが更により好ましい。中空の管状要素のRTDは、約2ミリメートルH2O以下であることが更により好ましい。更により好ましくは、中空の管状要素のRTDは、約1ミリメートルH2O以下である。
【0170】
中空の管状要素のRTDは、少なくとも0ミリメートルH2O、又は少なくとも約0.25ミリメートルH2O、又は少なくとも約0.5ミリメートルH2O、又は少なくとも約1ミリメートルH2Oであり得る。
【0171】
中空の管状要素は、一つ以上の中空の管状セグメントを備えてもよい。中空の管状要素は、一つの(単一の)中空の管状セグメントからなることが好ましい。中空の管状要素は、連続的な中空の管状セグメントからなることが好ましい。中空の管状セグメントは、中空の管状要素に関連して本開示に記述された特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0172】
本開示内で記述される通り、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品に沿った位置に通気ゾーンを備えてもよい。通気ゾーンの文脈では、「位置」という用語は、別段の指定がない限り、長軸方向の位置を指すことが好ましい。エアロゾル発生物品は、下流セクションに沿った場所に通気ゾーンを備え得る。エアロゾル発生物品は、下流空気チャネリング要素に沿った位置に通気ゾーンを備え得る。言い換えれば、通気ゾーンは、下流空気チャネリング要素に沿った長軸方向の位置に提供されてもよい。通気ゾーンは、下流空気チャネリング要素の上にあってもよい。
【0173】
エアロゾル発生物品は、中空の管状要素に沿った位置に通気ゾーンを備えてもよい。こうした、または任意の通気ゾーンは、中空の管状要素の周辺壁を通って延在し得る。このように、流体連通は、中空の管状要素によって内部的に画成される流れチャネルと外部環境(言い換えれば、エアロゾル発生物品の外部)との間に確立される。通気ゾーンは、下流空気チャネリング要素に沿った位置に提供されてもよい。こうした通気ゾーンは、空気チャネリング要素を囲む任意のラッパーまたは複数のラッパーを通って延びてもよい。空気チャネリング要素に沿って提供されるこうした通気ゾーンは、エアロゾル発生物品の外部と一つ以上の外側空気通路(または溝)との間の流体連通を確立し得る。空気チャネリング要素に沿って提供されるこうした通気ゾーンは、エアロゾル発生物品の外部から一つ以上の外側空気通路(または溝)への流体連通を確立し得る。
【0174】
中空の管状要素の長さは、少なくとも約8mmであってもよい。中空の管状要素の長さは、少なくとも約10mmであってもよい。中空の管状要素の長さは、少なくとも約15mmであってもよい。中空の管状要素の長さは、少なくとも約19mmであってもよい。
【0175】
中空の管状要素の長さは、約30mm以下であってもよい。中空の管状要素の長さは、約25mm以下であってもよい。中空の管状要素の長さは、約23mm以下であってもよい。
【0176】
中空の管状要素の長さは、約8mm~30mmであってもよい。中空の管状要素の長さは、約10mm~約30mmであってもよい。中空の管状要素の長さは、約15mm~25mmであってもよい。中空の管状要素の長さは、約19mm~約23mmであってもよい。
【0177】
比較的に長い中空の管状要素は、エアロゾル発生物品内で、かつエアロゾル発生基体のロッドの下流に、比較的に長い内部空洞を提供し、画成する。本開示で考察するように、エアロゾル発生基体の下流(好ましくは、すぐ下流)に空の空洞を提供することは、基体によって生成されるエアロゾル粒子の核形成を強化する。比較的に長い空洞を提供することは、こうした核形成の利点を最大化し、それによってエアロゾル形成及び冷却を改善する。こうした中空の管状要素を下流空気チャネリング要素の下流に提供することで、空気チャネリング要素自体によって提供されるエアロゾル形成および冷却の利点をさらに強化する。
【0178】
中空の管状要素の周辺壁の厚さ(言い換えれば、壁厚)は、少なくとも約100マイクロメートルであってもよい。中空の管状要素の壁厚は、少なくとも約150マイクロメートルであってもよい。中空の管状要素の壁厚は、少なくとも約200マイクロメートル、好ましくは少なくとも約250マイクロメートル、またなおより好ましくは少なくとも約500マイクロメートル(又は0.5mm)であってもよい。
【0179】
中空の管状要素の壁厚は、約2ミリメートル以下、好ましくは約1.5ミリメートル以下、なおより好ましくは約1.25mm以下であってもよい。中空の管状要素の壁厚は、約1ミリメートル以下であってもよい。中空の管状要素の壁厚は、約500マイクロメートル以下であってもよい。
【0180】
中空の管状要素の壁厚は、約100マイクロメートル~約2ミリメートル、好ましくは、約150マイクロメートル~約1.5ミリメートル、更により好ましくは、約200マイクロメートル~約1.25ミリメートルであり得る。中空の管状要素の壁厚は、好ましくは、約250マイクロメートル(0.25mm)であり得る。
【0181】
同時に、中空の管状セグメントの周壁の厚さを比較的低く維持することにより、エアロゾル構成要素がエアロゾル発生基体のロッドを離れるとすぐにエアロゾルが核形成プロセスを開始するために利用可能となる、中空の管状セグメントの全体的な内部容積、及び中空の管状セグメントの断面積が、効果的に最大化されることが確実となる一方で同時に、中空の管状セグメントが、エアロゾル発生物品の崩壊を防止するとともに、エアロゾル発生基体のロッドに対してある程度の支持を提供するのに必要な構造的強度を有すること、及び中空の管状セグメントのRTDが最小化されることが確実になる。中空の管状セグメントの空洞の断面積のより大きな値は、エアロゾル発生物品に沿って移動するエアロゾル流の低減された速度に関連付けられるものと理解され、これは、核形成を促進するものと予想される。更に、比較的低い厚さを有する中空の管状セグメントを利用することによって、通気空気が、エアロゾル流と接触して混合される前に、通気空気の拡散を実質的に防止することが可能であり、更に、核生成現象に有利に働くものと理解される。実際には、揮発した種の流れのより制御可能に局所化された冷却を提供することにより、新しいエアロゾル粒子の形成に対する冷却効果を強化させることが可能である。
【0182】
中空の管状要素は、エアロゾル発生基体のロッドの外径と、エアロゾル発生物品の外径とにほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0183】
中空の管状要素は、5ミリメートル~12ミリメートル、例えば5ミリメートル~10ミリメートル、又は6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有してもよい。中空の管状要素は、好ましくは、7.2ミリメートルプラスまたはマイナス10パーセントの外径を有してもよい。
【0184】
中空の管状要素は内径を有してもよい。好ましくは、中空の管状要素は、中空の管状要素の長さに沿って一定の内径を有してもよい。しかしながら、中空の管状要素の内径は、中空の管状要素の長さに沿って変化してもよい。
【0185】
中空の管状要素は、少なくとも約2ミリメートルの内径を有してもよい。例えば、中空の管状要素は、少なくとも約4ミリメートル、少なくとも約5ミリメートル、又は少なくとも約7ミリメートルの内径を有してもよい。
【0186】
上記に提示した通りの内径を有する中空の管状要素の提供は有利なことに、中空の管状要素に十分な剛直さ及び強度を提供する場合がある。
【0187】
中空の管状要素は、約10ミリメートル以下の内径を有してもよい。例えば、中空の管状要素は、約9ミリメートル以下、約8ミリメートル以下、又は約7.5ミリメートル以下の内径を有してもよい。
【0188】
上記のような内径を有する中空の管状要素を提供することにより、中空の管状セグメントの引き出し抵抗を有利に低減させ得る。
【0189】
中空の管状要素は、約2ミリメートル~約10ミリメートル、約4ミリメートル~約9ミリメートル、約5ミリメートル~約8ミリメートル、又は6ミリメートル~約7.5ミリメートルの内径を有してもよい。
【0190】
中空の管状要素は、約7.1又は7.2mmの外径を有してもよい。中空の管状要素は、約6.7ミリメートルの内径を有してもよい。
【0191】
中空の管状セグメントは、紙ベースの材料を含み得る。中空の管状セグメントは、少なくとも一つの層の紙を含んでもよい。紙は、非常に硬質の紙であり得る。紙は、捲縮耐熱紙又は捲縮硫酸紙などの、捲縮した紙であってもよい。
【0192】
好ましくは、中空の管状要素は厚紙を含んでもよい。中空の管状要素は、厚紙の管であってもよい。中空の管状要素は厚紙から形成されてもよい。有利なことに厚紙は、エアロゾル発生装置の中への物品の挿入の容易さを提供するために変形可能であることと、装置の内部との物品の適切な係合を提供するために十分に堅いこととの間のバランスを提供する、コスト効果の高い材料である。したがって、厚紙の管は、使用中に、変形又は圧縮に対して好適な抵抗を提供し得る。
【0193】
中空の管状セグメントは、紙の管であり得る。中空の管状セグメントは、らせん状に巻かれた紙から形成される管であり得る。中空の管状セグメントは、複数の層の紙から形成され得る。紙は、少なくとも一平方メートル当たり約50グラム、少なくとも一平方メートル当たり約60グラム、少なくとも一平方メートル当たり約70グラム、又は少なくとも一平方メートル当たり約90グラムの坪量を有し得る。
【0194】
中空の管状セグメントは、高分子材料を含んでもよい。例えば、中空の管状セグメントは、高分子フィルムを含んでもよい。高分子フィルムは、セルロースフィルムを含んでもよい。中空の管状セグメントは、低密度ポリエチレン(LDPE)又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維を含み得る。中空管は、セルロースアセテートトウを含んでもよい。
【0195】
上述のように、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流に設置され、エアロゾル発生基体のロッドの下流端に当接する、中空の管状要素を備える下流セクションを備える。更に、本発明によるエアロゾル発生物品は、中空の管状要素に沿った位置に通気ゾーンを備える。本発明によるエアロゾル発生物品は、下流空気チャネリング要素に沿った位置にて通気ゾーンを備えてもよい。
【0196】
このように、通気された空洞は、空気チャネリング要素の通気溝もしくは外部空気通路の形態、または中空の管状要素の通気された内部空洞の形態のいずれかで、エアロゾル発生基体のロッドの下流に提供される。これは幾つかの潜在的な技術的利点を提供する。
【0197】
第一に、発明者らは、一つのこうした通気された中空の管状要素または空気チャネリング要素が、エアロゾルの特に効率的な冷却を提供することを見出した。それ故に、エアロゾルの満足のいく冷却は、比較的に短い下流セクションによってさえも達成されることができる。これは、エアロゾル発生基体(及び、特にたばこを含有するもの)が燃焼ではなく加熱され、満足のいくエアロゾル送達と、消費者にとって望ましい温度へのエアロゾルの効率的な冷却とを組み合わせる、エアロゾル発生物品の提供を可能にするため、特に望ましい。
【0198】
第二に、発明者らは驚くべきことに、エアロゾル発生基体の加熱に伴い放出される揮発性種のこうした急速冷却が、エアロゾル粒子の核形成を促進し強化することを見出した。この効果は、以下でより詳細に説明される通り、通気ゾーンが、エアロゾル発生基体のロッドの下流の正確に画成された位置に配置される時に特に感じられる。実際に、発明者らは、強化された核形成の好都合な効果が、通気空気の導入によって誘発された希釈の潜在的にあまり望ましくない効果に著しく対抗する能力を有することを見いだした。
【0199】
同様に、通気ゾーンは、下流空気チャネリング要素に沿って位置し、こうした位置に通気を提供することによって、同様の利益を提供し得る。
【0200】
通気ゾーンは典型的に、中空の管状要素の周辺壁を通る複数の穿孔を備えてもよい。通気ゾーンは典型的に、中空の管状要素の周辺壁を通って延びる複数の穿孔を備えてもよい。通気ゾーンは、空気チャネリング要素の材料を通って延びて、任意の外側空気通路(空気チャネリング要素の外表面上に提供された溝ではない場合がある)とエアロゾル発生物品の外部との間の流体連通を提供してもよい。このように、通気ゾーンは、任意の外側空気通路とエアロゾル発生物品の外部との間の流体連通を提供するために、空気チャネリング要素の材料を通って延びる複数の穿孔を備えてもよい。
【0201】
通気ゾーンは、空気チャネリング要素を囲むラッパーを通る複数の穿孔を備えてもよい。通気ゾーンは、空気チャネリング要素を囲むラッパーを通って延びる複数の穿孔を備えてもよい。通気ゾーンは、空気チャネリング要素の材料を通って延びて、一つ以上の外側空気通路との流体連通を提供する複数の穿孔を備えてもよい。中空の管状要素に沿って提供される通気ゾーンと同等の利益は、下流空気チャネリング要素に沿って提供された通気ゾーンによって達成されるが、エアロゾル発生物品の場合には、中空の管状要素を含まない場合がある。空気チャネリング要素に沿った通気ゾーンは、空気チャネリング要素の外側空気通路または溝との流体連通を提供してもよく、エアロゾルの流れは移動するように配置されてもよい。空気チャネリング要素に沿って提供されるこうした通気ゾーンは、エアロゾル発生物品の外部と一つ以上の外側空気通路との間の流体連通を確立し得る。空気チャネリング要素に沿って提供されるこうした通気ゾーンは、エアロゾル発生物品の外部から一つ以上の外側空気通路への流体連通を確立し得る。こうした通気ゾーンは、空気チャネリング要素の材料を通って延びて、任意の外側空気通路(空気チャネリング要素の外表面上に提供された溝ではない場合がある)とエアロゾル発生物品の外部との間に流体連通を提供してもよい。
【0202】
通気ゾーンは、穿孔の少なくとも一つの円周状の列を備えることが好ましい。通気ゾーンは、周辺の二列の穿孔を含んでもよい。例えば、穿孔は、エアロゾル発生物品の製造中にオンラインで形成され得る。穿孔の円周状の各列は、8~30個の穿孔を含むことが好ましい。
【0203】
本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも約2パーセントの通気レベルを有してもよい。
【0204】
「通気レベル」という用語は本明細書を通して、通気ゾーン(通気気流)を介してエアロゾル発生物品の中に入る気流と、エアロゾル気流および通気気流の合計との間の容積比を意味するために使用される。通気レベルが大きいほど、消費者に送達されるエアロゾル流の希釈が高くなる。エアロゾル発生物品は、好ましくは少なくとも5パーセント、より好ましくは少なくとも10パーセント、なおより好ましくは少なくとも12パーセントまたは少なくとも15パーセントの通気レベルを有する。
【0205】
本発明によるエアロゾル発生物品は、最高約90パーセントの通気レベルを有してもよい。好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品は、80パーセント以下、より好ましくは70パーセント以下、なおより好ましくは60パーセント以下、最も好ましくは50パーセント以下の通気レベルを有する。
【0206】
理論に束縛されることを望むものではないが、発明者らは、より冷たい外気を、通気ゾーンを介して中空の管状要素または下流空気チャネリング要素(特に、その外側空気通路また溝)の中に入れることによって生じる温度低下が、エアロゾル粒子の核形成および成長に有利な効果を及ぼす場合があることを見出した。
【0207】
様々な化学種を含有する気体状混合物からのエアロゾルの形成は、蒸気濃度、温度および速度場の変化を説明する、核形成と、蒸発と、凝縮と、さらには融合との間の繊細な相互作用に依存する。いわゆる古典的な核生成理論は、気相中の分子の一部が、十分な確率で(例えば、二分の一の確率など)長時間にわたりコヒーレントなままであるように十分に大きいという想定に基づいている。これらの分子は、一時的な分子凝集体の中のある種類の臨界の、閾値分子クラスターを表し、これは、より小さい分子クラスターが概して、やや迅速にガス相へと分解しやすく、一方でより大きいクラスターが概して、成長しやすいことを意味している。こうした臨界クラスターは、蒸気からの分子の凝縮に起因して液滴が成長することが期待される、主要な核生成コアとして特定される。核生成されたばかりの未処理の液滴は、ある特定の本来の直径を有して出現し、その後、数桁で成長する場合があると想定される。これは、凝縮を誘起する、周囲の蒸気の急速な冷却によって促進され、かつ強化される場合がある。この点について、蒸発および凝縮は、一つの同一のメカニズム、すなわち気液の物質移動の二つの側面であることを念頭に置くことが役立つ。蒸発は液滴から気相への正味の物質移動に関連し、凝縮は気相から液滴相への正味物質移動である。蒸発(または凝縮)によって、液滴が縮小(または成長)するが、液滴の数は変化しない。
【0208】
このシナリオにおいて(シナリオは融合現象によって更に複雑である場合)、冷却の温度および速度は、システムがどのように応答するかを決定する上で重要な役割を果たす場合がある。一般に、核生成プロセスが典型的に非線形であるため、異なる冷却速度は、液相(液滴)の形成に関して、著しく異なる温度挙動につながる場合がある。理論に束縛されることを望むものではないが、冷却は液滴の凝縮数の急速な増加を生じさせることができ、その後、この成長の短期間の強力な増加が続く(核生成バースト)と仮定される。この核生成バーストは、より低い温度にて、より著しいと思われる。更に、より速い冷却速度は、早期の核生成の開始に有利に働く場合があると思われる。対照的に、冷却速度の減少は、エアロゾル液滴が最終的に到達する最終的なサイズに有利な効果を及ぼすと思われる。
【0209】
したがって、通気ゾーンを介して中空の管状要素または下流空気チャネリング要素(特に、その外側空気通路また溝)の中に外気を入れることによって引き起こされる急速な冷却は、エアロゾル液滴の核形成および成長を促進するように有利に使用されることができる。しかしながら、同時に、中空の管状要素または下流空気チャネリング要素(特に、その外側空気通路また溝)の中に外気を入れることは、消費者に送達されるエアロゾルの流れを希釈するという直接の欠点を有する。
【0210】
発明者らは驚くべきことに、物品への通気空気の導入によって誘発される急速冷却によって促進される強化された核形成の好ましい効果が、希釈化の望ましくない効果に著しく対抗することができることを見出した。このように、エアロゾル送達の満足のいく値は、本発明によるエアロゾル発生物品を用いて一貫して達成される。
【0211】
発明者らはまた驚くべきことに、測定によって評価されることができるエアロゾルに対する希釈効果、具体的に、エアロゾル発生基体中に含まれたエアロゾル形成体(例えば、グリセロール)の送達に対する効果が、通気レベルが上述の範囲内にある時に、有利に最小化されることを見出した。
【0212】
具体的に、10パーセント~20パーセント、なおより好ましくは12~18パーセントの通気レベルが、グリセロール送達の特に満足のいく値につながることが見出された。
【0213】
これは、エアロゾル発生基体のロッドの長さが約40ミリメートル未満、好ましくは30ミリメートル未満、なおより好ましくは25ミリメートル未満、特に好ましくは20ミリメートル未満である「短い」エアロゾル発生物品、又はエアロゾル発生物品の全長が約70ミリメートル未満、好ましくは約60ミリメートル未満、なおより好ましくは50ミリメートル未満である「短い」エアロゾル発生物品など、「短い」エアロゾル発生物品で特に有利である。理解されるであろうように、こうしたエアロゾル発生物品において典型的に、エアロゾルを形成するための、及びエアロゾルの粒子相が消費者への送達のために利用可能になるための時間及び空間がほとんどなく、そのため上述の強化された核形成の利点は、特に著しい様式で感じられる。
【0214】
通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、少なくとも10ミリメートルであってもよい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、少なくとも12ミリメートルであることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、少なくとも15ミリメートルであることがより好ましい。
【0215】
通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、21ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、19ミリメートル以下であることがより好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、17ミリメートル以下であることがなおより好ましい。
【0216】
通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、10ミリメートル~21ミリメートル、好ましくは12ミリメートル~21ミリメートル、より好ましくは15ミリメートル~21ミリメートルであってもよい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、10ミリメートル~19ミリメートル、好ましくは12ミリメートル~19ミリメートル、より好ましくは15ミリメートル~19ミリメートルであってもよい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の下流端との間の距離は、10ミリメートル~17ミリメートル、好ましくは12ミリメートル~17ミリメートル、より好ましくは15ミリメートル~17ミリメートルであってもよい。
【0217】
通気ゾーンは、下流空気チャネリング要素に沿って位置してもよい。通気ゾーンと下流空気チャネリング要素の下流端との間の距離は、10ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンと下流空気チャネリング要素の下流端との間の距離は、7ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンと下流空気チャネリング要素の下流端との間の距離は、5ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンと下流空気チャネリング要素の下流端との間の距離は、3ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンは、下流空気チャネリング要素の下流半分に沿って位置することが好ましい。
【0218】
エアロゾル発生物品の下流端から上述の範囲内で少し離れて通気ゾーンを位置付けることは、使用中にエアロゾル発生物品が加熱装置の中に部分的に受容されている時に、加熱装置の外側に延びるエアロゾル発生物品の一部分が、消費者が自分の唇の間に物品を快適に保持するために十分に長いことを概して確実にする利点を有する。同時に、加熱装置の外側に延びるエアロゾル発生物品の部分の長さがより長く、エアロゾル発生物品を不注意で、かつ望ましくないやり方で曲げることが簡単になる場合があり、これがエアロゾル送達又は概してエアロゾル発生物品の意図される使用を損なう場合があることが証拠によって示唆される。
【0219】
本開示で考察する通り、下流セクションはマウスピース要素を備えてもよい。マウスピース要素は、下流セクションの下流端から延在してもよい。マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。マウスピース要素の下流端は、エアロゾル発生物品の下流端を画成してもよい。マウスピース要素は、空気チャネリング要素に当接してもよい。そのため、中空の管状要素が提供されない場合がある。
【0220】
マウスピース要素は、エアロゾル発生基体のロッドの下流に提供されてもよい。マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の口側端まで全面的に延在し得る。マウスピース要素は、繊維質の濾過材料から形成された少なくとも一つのマウスピースフィルタセグメントを備えてもよい。マウスピース要素は中空の管状要素の下流に位置してもよく、これは上述されている。マウスピース要素は、中空の管状要素とエアロゾル発生物品の下流端との間に延在し得る。
【0221】
マウスピース要素全体に関連して記述されたパラメータ又は特性は、マウスピース要素のマウスピースフィルタセグメントに等しく適用され得る。
【0222】
繊維質の濾過材料は、エアロゾル発生基体から発生したエアロゾルを濾過するためであってもよい。適切な繊維質の濾過材料は、当業者に周知であろう。特に好ましくは、少なくとも一つのマウスピースフィルタセグメントは、セルロースアセテートトウから形成されるセルロースアセテートフィルタセグメントを含む。
【0223】
マウスピース要素は、単一のマウスピースフィルタセグメントからなってもよい。マウスピース要素は、相互に端と端とを接する関係で当接して軸方向に整列した二つ以上のマウスピースフィルタセグメントを含んでもよい。
【0224】
下流セクションは、上述の通りのマウスピース要素の下流の下流端に口側端空洞を備え得る。口側端空洞は、マウスピースの下流端において提供される更なる中空の管状要素によって画成されてもよい。口側端空洞は、エアロゾル発生物品の外側ラッパーによって画成されてもよく、外側ラッパーは、マウスピース要素から(またはマウスピース要素を通り過ぎて)下流方向に延びる。
【0225】
マウスピース要素は、任意の好適な形態で提供され得る風味剤を任意選択的に含んでもよい。例えば、マウスピース要素は、風味剤の一つ以上のカプセル、ビーズ、若しくは顆粒、又は風味を装填した一つ以上のスレッド若しくはフィラメントを備えてもよい。
【0226】
マウスピース要素、又はそのマウスピースフィルタセグメントは、低い粒子濾過効率を有することが好ましい。
【0227】
マウスピース要素は、プラグラップによって囲まれていることが好ましい。マウスピース要素は、空気がマウスピース要素に沿ってエアロゾル発生物品に入らないように通気されないことが好ましい。
【0228】
マウスピース要素は、チッピングラッパーによって、エアロゾル発生物品の隣接する上流構成要素のうちの一つ以上に接続されていることが好ましい。
【0229】
マウスピース要素はエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。マウスピース要素(又はマウスピースフィルタセグメント)の直径は、中空の管状要素の外径と実質的に同じであってもよい。本開示で述べられている通り、中空の管状要素の外径は、約7.2mmプラス又はマイナス10パーセントであってもよい。
【0230】
マウスピース要素の直径は、約5mm~約10mmであってもよい。マウスピース要素の直径は、約6mm~約8mmであってもよい。マウスピース要素の直径は、約7mm~約8mmであってもよい。マウスピース要素の直径は、約7.2mmプラス又はマイナス10パーセントであってもよい。マウスピース要素の直径は、約7.25mmプラス又はマイナス10パーセントであってもよい。
【0231】
別途指定のない限り、構成要素又はエアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)は、ISO 6565-2015に従って測定される。RTDは、構成要素の全長を通して空気を強制するのに必要な圧力を指す。構成要素または物品の「圧力降下」または「引き出し抵抗(draw resistance)」という用語もまた、「引き出し抵抗(resistance to draw)」を指し得る。こうした用語は概して、ISO 6565-2015に従った測定が、摂氏約22度の温度、約101kPa(約760Torr)の圧力、及び約60%の相対湿度で、測定された構成要素の出力又は下流端にて約17.5ミリリットル毎秒の体積流量の試験下で正常に実行されることを指す。
【0232】
下流セクションの引き出し抵抗(RTD)は、少なくとも約0mmH2Oであってもよい。下流セクションのRTDは、少なくとも約3mmH2Oであってもよい。下流セクションのRTDは、少なくとも約6mmH2Oであってもよい。
【0233】
下流セクションのRTDは、約12mmH2O以下であってもよい。下流セクションのRTDは、約11mmH2Oより大きくなくてもよい。下流セクションのRTDは、約10mmH2O以下であってもよい。
【0234】
マウスピース要素の引き出し抵抗(RTD)は、少なくとも約0mmH2Oであってもよい。マウスピース要素のRTDは、少なくとも約3mmH2Oであってもよい。マウスピース要素のRTDは、少なくとも約6mmH2Oであってもよい。
【0235】
マウスピース要素のRTDは、約12mmH2O以下であってもよい。マウスピース要素のRTDは、約11mmH2O以下であってもよい。マウスピース要素のRTDは、約10mmH2O以下であってもよい。
【0236】
上述の通り、マウスピース要素又はマウスピースフィルタセグメントは、繊維質材料で形成されてもよい。マウスピース要素は、多孔性材料で形成されてもよい。マウスピース要素は、生分解性材料で形成されてもよい。マウスピース要素は、セルロースアセテートなどのセルロース材料で形成されてもよい。例えば、マウスピース要素は、約10~約15デニール/フィラメントを有するセルロースアセテート繊維の束から形成されてもよい。例えば、マウスピース要素は、約12デニール毎フィラメントの繊維を含むセルロースアセテートトウなどの比較的に低密度のセルロースアセテートトウから形成されている。
【0237】
マウスピース要素は、ポリ乳酸系材料で形成されてもよい。マウスピース要素は、バイオプラスチック材料、好ましくは、デンプン系バイオプラスチック材料で形成されてもよい。マウスピース要素は、射出成形又は押出成形によって作製されてもよい。バイオプラスチック系材料は、適切なRTD特性を提供する、マウスピース要素の材料を通って延びる複数の比較的に大きい気流チャネルを備えてもよい、特定の、かつ複雑な断面プロファイルを有して製造するために、単純かつ安価なマウスピース要素の構造を提供することができるので、有利である。
【0238】
マウスピース要素は、複数の長軸方向に延びるチャネルを画成する要素へと捲縮され、ひだを付けられ、集合され、織られ、又は折り畳まれた適切な材料のシートから形成されてもよい。好適な材料のこうしたシートは、紙、厚紙、ポリ乳酸などのポリマー、又は任意の他のセルロース系、紙系材料若しくはバイオプラスチック系材料で形成されてもよい。こうしたマウスピース要素の断面プロファイルは、ランダムに向けられたチャネルを示す場合がある。
【0239】
マウスピース要素は、任意の他の適切な様態で形成されてもよい。例えば、マウスピース要素は、長手方向に延びる管の束から形成されてもよい。長手方向に延びる管は、ポリ乳酸から形成されてもよい。マウスピース要素は、好適な材料の押出成形、型成形、積層、射出成形、又はシュレッディングによって形成されてもよい。それ故に、マウスピース要素の上流端からマウスピース要素の下流端に至っては圧力降下(又はRTD)が低いことが好ましい。
【0240】
マウスピース要素の長さは、少なくとも約3mmであってもよい。マウスピース要素の長さは、少なくとも約5mmであってもよい。マウスピース要素の長さは、約15mm以下であってもよい。マウスピース要素の長さは、約11mm以下であってもよい。マウスピース要素の長さは、約3mm~約15mmであってもよい。マウスピース要素の長さは、約5ミリメートル~約11ミリメートルであってもよい。
【0241】
好ましくは、マウスピース要素の長さは、約7mmであってもよい。好ましくは、マウスピース要素の長さは、約8mmであってもよい。好ましくは、マウスピース要素の長さは、約9mmであってもよい。
【0242】
エアロゾル発生物品は、約35ミリメートル~約100ミリメートルの全長を有してもよい。
【0243】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約35ミリメートルであることが好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約38ミリメートルである。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルであることがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約42ミリメートルであることが更により好ましい。
【0244】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、70ミリメートル以下であることが好ましい。より好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、60ミリメートル以下であることが好ましい。さらにより好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、50ミリメートル以下であることが好ましい。
【0245】
エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約70ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約70ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約70ミリメートルであることがさらにより好ましい。エアロゾル発生物品の全長は、好ましくは約38ミリメートル~約60ミリメートル、より好ましくは約40ミリメートル~約60ミリメートル、さらにより好ましくは約42ミリメートル~約60ミリメートルである。エアロゾル発生物品の全長は、好ましくは約38ミリメートル~約50ミリメートル、より好ましくは約40ミリメートル~約50ミリメートル、さらにより好ましくは約42ミリメートル~約50ミリメートルである。エアロゾル発生物品の全長は、約45ミリメートルであってもよい。
【0246】
エアロゾル発生物品は、少なくとも5ミリメートルの外径を有する。エアロゾル発生物品は、少なくとも6ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも7ミリメートルの外径を有することがより好ましい。
【0247】
エアロゾル発生物品は、約12ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約10ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、約8ミリメートル以下の外径を有することがさらにより好ましい。
【0248】
エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有してもよい。エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの外径を有してもよい。エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約8ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。
【0249】
エアロゾル発生物品の外径は、物品の全長にわたって実質的に一定であってもよい。代替として、エアロゾル発生物品の異なる部分は、異なる外径を有してもよい。
【0250】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する下流セクションとを備えてもよい。下流セクションは、下流空気チャネリング要素およびマウスピース要素を備えてもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドとマウスピース要素の間に位置してもよい。下流空気チャネリング要素は、本開示に記載される空気チャネリング要素に従ってもよい。すべての構成要素は、エアロゾル発生物品のラッパー内に軸方向に、連続的に、かつ当接する様式で組み立てられてもよい。エアロゾル発生物品は、下流空気チャネリング要素に沿った位置に提供された通気ゾーンを備え得る。
【0251】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する下流セクションとを備えてもよい。下流セクションは、下流空気チャネリング要素およびマウスピース要素を備えてもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドとマウスピース要素の間に位置してもよい。下流空気チャネリング要素は、本開示に記載される空気チャネリング要素に従ってもよい。すべての構成要素は、エアロゾル発生物品のラッパー内に軸方向に、連続的に、かつ当接する様式で組み立てられてもよい。下流セクションはまた、下流空気チャネリング要素とマウスピース要素との間に位置する中空の管状要素を備えてもよい。エアロゾル発生物品はまた、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションを備えてもよい。上流セクションは、上流要素を含む。上流要素は、本開示に記載されるように、プラグ要素または中空の管状要素を含み得る。エアロゾル発生物品は、中空の管状要素に沿った位置に提供された通気ゾーンまたは下流空気チャネリング要素を備えてもよい。
【0252】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する下流セクションと、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションとを備えてもよい。下流セクションは、中空の管状要素およびマウスピース要素を備えてもよい。上流セクションは、上流空気チャネリング要素を含んでもよい。中空の管状要素は、エアロゾル発生基体のロッドとマウスピース要素の間に位置してもよい。上流空気チャネリング要素は、本開示に記載の空気チャネリング要素に従ってもよい。すべての構成要素は、エアロゾル発生物品のラッパー内に軸方向に、連続的に、かつ当接する様式で組み立てられてもよい。下流セクションはまた、エアロゾル発生基体のロッドと中空の管状要素との間に位置する下流空気チャネリング要素を備えてもよい。エアロゾル発生物品は、中空の管状要素に沿った位置に提供された通気ゾーンまたは下流空気チャネリング要素を備えてもよい。
【0253】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する下流セクションと、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションとを備えてもよい。下流セクションは、下流空気チャネリング要素およびマウスピース要素を備えてもよい。上流セクションは、上流空気チャネリング要素を含んでもよい。下流空気チャネリング要素は、エアロゾル発生基体のロッドとマウスピース要素の間に位置してもよい。上流空気チャネリング要素および下流空気チャネリング要素は、本開示に記載される空気チャネリング要素に従ってもよい。すべての構成要素は、エアロゾル発生物品のラッパー内に軸方向に、連続的に、かつ当接する様式で組み立てられてもよい。下流セクションはまた、下流空気チャネリング要素とマウスピース要素との間に位置する中空の管状要素を備えてもよい。エアロゾル発生物品は、中空の管状要素に沿った位置に提供された通気ゾーンまたは下流空気チャネリング要素を備えてもよい。
【0254】
上記で考察した通り、本開示はまた、遠位端及び口側端を有するエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムに関する。エアロゾル発生装置は、本体を備えてもよい。エアロゾル発生装置の本体又はハウジングは、装置の口側端においてエアロゾル発生物品を取り外し可能に受容するための装置空洞を画成してもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されている時に、エアロゾル発生基体を加熱するための発熱体又はヒーターを備えてもよい。
【0255】
装置空洞は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーと呼ばれてもよい。装置空洞は、遠位端と口側(または近位)端との間に延びてもよい。装置空洞の遠位端は閉鎖端であってもよく、装置空洞の口側(または近位)端は開放端であってもよい。エアロゾル発生物品は、装置空洞の開放端を介して、装置空洞または加熱チャンバーの中に挿入されてもよい。装置空洞は、エアロゾル発生物品の同じ形状に適合するように、円筒形状であってもよい。
【0256】
「内に受容」という表現は、構成要素または要素が、別の構成要素または要素内に、完全にまたは部分的に受容されるという事実を指す場合がある。例えば、「エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されている」という表現は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生物品の装置空洞内に、完全にまたは部分的に受容されていることを指す。エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品は、装置空洞の遠位端に当接し得る。エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されたときに、エアロゾル発生物品は、装置空洞の遠位端に実質的に近接し得る。装置空洞の遠位端は、端壁によって画成され得る。
【0257】
装置空洞の長さは、約10mm~約50mmであってもよい。装置空洞の長さは、約20mm~約40mmであってもよい。装置空洞の長さは、約25mm~約30mmであってもよい。
【0258】
装置空洞(又は加熱チャンバー)の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さと同じであってもよく、又はそれよりも長くてもよい。装置空洞の長さは、上流セクション若しくは要素とエアロゾル発生基体のロッドとの組み合わせられた長さと同じであってもよく、又はそれより長くてもよい。装置空洞の長さは、エアロゾル発生物品が、装置空洞の中に受容されたときに、下流セクション又はその一部分が、装置空洞から突出するように構成されるようであってもよい。装置空洞の長さは、エアロゾル発生物品が、装置空洞の中に受容されたときに、下流セクションの一部分(中空の管状要素又はマウスピース要素など)が、装置空洞から突出するように構成されるようであってもよい。装置空洞の長さは、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容された時に、下流セクションの一部分(中空の管状要素又はマウスピース要素など)が、装置空洞内に受容されるように構成されているような長さであってもよい。
【0259】
下流セクションの長さの少なくとも25パーセントは、エアロゾル発生物品が装置内に受容されている時に、装置空洞内に挿入又は受容されてもよい。下流セクションの長さの少なくとも30パーセントは、エアロゾル発生物品が装置内に受容されている時に、装置空洞内に挿入又は受容されてもよい。
【0260】
エアロゾル発生装置の中に挿入されている物品の量又は長さを最適化することは、使用中に物品が不注意により外れることに対する抵抗を高める場合がある。特に、エアロゾル発生基体の加熱中に、基体は縮む場合があり、これによりその外径は低減する場合があり、それによって、装置の中へと挿入された物品の挿入部分が装置空洞と摩擦係合することができる程度を低減する。物品の挿入された部分、又は装置空洞内に受容されるように構成された物品の部分は、装置空洞と同じ長さであってもよい。
【0261】
装置空洞の長さは、約25mm~約29mmであることが好ましい。装置空洞の長さは、約26mm~約29mmであることがより好ましい。装置空洞の長さは、約27mm又は約28mmであることがなおより好ましい。
【0262】
上流セクション(または要素)と、下流セクションの挿入された部分との組み合わせられた長さは、エアロゾル発生物品の突出する部分の長さの約80パーセント~約120パーセントと同等であることが好ましい。下流セクション若しくは中空の管状要素又はエアロゾル発生物品の挿入された部分は、エアロゾル発生物品が、その中に受容されるときに、装置空洞の中に位置付けられるように構成される、下流セクション若しくは中空の管状要素又はエアロゾル発生物品の部分を指す。エアロゾル発生物品の突出部分は、エアロゾル発生物品がその中に受容されたときに、装置空洞の外側に位置付けられる、又は装置から突出するように構成される物品を指す。発明者らは、こうした関係が、使用中に、特に潜在的な使用中の物品の縮みの後に、物品が不注意に装置から抜け出るリスクを最小化することを見出した。装置の中に挿入されるように構成されたエアロゾル発生物品の部分は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に受容されている時に、装置から突出するように構成されたエアロゾル発生物品の部分よりも長いことが好ましい。
【0263】
装置空洞の直径は、約4mm~約10mmであってもよい。装置空洞の直径は、約5mm~約9mmであってもよい。装置空洞の直径は、約6mm~約8mmであってもよい。装置空洞の直径は、約7mm~約8mmであってもよい。装置空洞の直径は、約7mm~約7.5mmであってもよい。
【0264】
装置空洞の直径は、エアロゾル発生物品の直径と実質的に同じであってもよく、又はそれよりも大きくてもよい。装置空洞の直径は、エアロゾル発生物品との緊密な嵌合を確立するために、エアロゾル発生物品の直径と同じであってもよい。
【0265】
装置空洞は、装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品との緊密な嵌合を確立するように構成され得る。緊密な嵌合とは、スナッグまたは締まり嵌めを指し得る。エアロゾル発生装置は、周辺壁を備え得る。こうした周辺壁は、装置空洞、または加熱チャンバーを画成し得る。装置空洞を画成する周辺壁は、装置内に受容されたときに、装置空洞を画成する周辺壁とエアロゾル発生物品との間に実質的にギャップまたは空のスペースがないように、装置空洞内に受容されたエアロゾル発生物品と緊密な嵌合で係合するように構成され得る。
【0266】
こうした気密嵌合は、装置空洞と、その中に受容されたエアロゾル発生物品との間に気密嵌合または構成を確立し得る。
【0267】
こうした気密構成では、装置空洞を画成する周辺壁と、空気が通って流れるためのエアロゾル発生物品との間に、間隙または空のスペースが実質的にないことになる。
【0268】
エアロゾル発生物品との緊密な嵌合は、装置空洞の全長に沿って、または装置空洞の長さの一部分に沿って確立されてもよい。
【0269】
エアロゾル発生装置は、チャネル入口とチャネル出口の間に延びる気流チャネリングを備えてもよい。気流チャネルは、装置空洞の内部とエアロゾル発生装置の外部との間に流体連通を確立するように構成され得る。エアロゾル発生装置の気流チャネルは、エアロゾル発生装置のハウジング内に画成されて、装置空洞の内部とエアロゾル発生装置の外部との間の流体連通を可能にし得る。エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容される場合、気流チャネルは、発生されたエアロゾルを、物品の口側端から引き出すユーザーに送達するために、物品に流入する空気を提供するように構成され得る。
【0270】
エアロゾル発生装置の気流チャネルは、エアロゾル発生装置のハウジングの周辺壁内に、または周辺壁によって画成されてもよい。言い換えれば、エアロゾル発生装置の気流チャネルは、周辺壁の厚さ内に、または周辺壁の内表面によって、若しくは両方の組み合わせによって画成されてもよい。気流チャネルは、周辺壁の内表面によって部分的に画成されてもよく、周辺壁の厚さ内に部分的に画成されてもよい。周辺壁の内表面は、装置空洞の周縁を画成する。
【0271】
エアロゾル発生装置の気流チャネルは、エアロゾル発生装置の口側端または近位端に位置する入口から、装置の口側端から離れて位置する出口まで延び得る。気流チャネルは、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な方向に沿って延びてもよい。
【0272】
ヒーターは、任意の適切なタイプのヒーターであってもよい。本発明において、ヒーターは外部ヒーターであることが好ましい。
【0273】
好ましくは、ヒーターは、エアロゾル発生装置内に受容された時に、エアロゾル発生物品を外部加熱してもよい。こうした外部ヒーターは、エアロゾル発生装置内に挿入または受容された時に、エアロゾル発生物品を取り囲んでもよい。
【0274】
ヒーターは、エアロゾル発生基体の外表面を加熱するように配置され得る。ヒーターは、エアロゾル発生基体が空洞内に受容される時に、エアロゾル発生基体の中へ挿入するために配置され得る。ヒーターは、装置空洞又は加熱チャンバー内に位置付けられてもよい。
【0275】
ヒーターは、少なくとも一つの発熱体を備えてもよい。少なくとも一つの発熱体は、任意の適切なタイプの発熱体であり得る。装置は、一つの発熱体のみを備えてもよい。装置は、複数の発熱体を備えてもよい。ヒーターは、少なくとも一つの抵抗発熱体を含み得る。ヒーターは、複数の抵抗発熱体を含むことが好ましい。抵抗発熱体は、平行な配設で電気的に接続されていることが好ましい。有利なことに、平行な配設で電気的に接続された複数の抵抗発熱体を提供することは、望ましい電力を提供するために必要とされる電圧を減少させるか、または最小化しながら、ヒーターへの望ましい電力の送達を容易にし得る。有利なことに、ヒーターを動作させるために必要とされる電圧を減少させるか、または最小化することは、電源の物理的なサイズを減少させるか、または最小化することを容易にし得る。
【0276】
少なくとも一つの抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、並びにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープされた炭化ケイ素が含まれる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、並びにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、並びに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0277】
少なくとも一つの抵抗発熱体は、ステンレス鋼などの、電気抵抗性材料の一つ以上のスタンプ加工された部分を含み得る。少なくとも一つの抵抗発熱体は、加熱ワイヤーまたはフィラメント(例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステン、または合金のワイヤーを含んでもよい。
【0278】
少なくとも一つの発熱体は電気的に絶縁された基体を含んでもよく、少なくとも一つの抵抗発熱体が電気的に絶縁された基体上に提供されてもよい。
【0279】
電気的に絶縁された基体は、任意の適切な材料を含み得る。例えば、電気的に絶縁された基体は、紙、ガラス、セラミック、陽極酸化金属、被覆金属、およびポリイミドのうちの一つ以上を含み得る。セラミックは、マイカ、アルミナ(Al23)又はジルコニア(ZrO2)を含み得る。電気的に絶縁された基体は、約40ワット/メートルケルビン以下、好ましくは約20ワット/メートルケルビン以下、理想的には約2ワット/メートルケルビン以下の熱伝導率を有することが好ましい。
【0280】
ヒーターは、その表面上に配置された一つ以上の導電性トラック又はワイヤーを有する剛直な電気的に絶縁された基体を含む発熱体を備えてもよい。電気的に絶縁された基体のサイズ及び形状により、ヒーターをエアロゾル発生基体に直接挿入することを可能にし得る。電気的に絶縁された基体が十分に剛直でない場合、発熱体は、更なる補強手段を含んでもよい。電流は、発熱体及びエアロゾル発生基体を加熱するために、一つ以上の導電性トラックを通過してもよい。
【0281】
ヒーターは、誘導加熱配設を含み得る。誘導加熱配設は、インダクタコイルと、高周波振動電流をインダクタコイルに提供するように構成された電源とを備え得る。本明細書で使用される場合、高周波振動電流とは、約500kHz~約30MHzの周波数を有する振動電流を意味する。ヒーターは、有利なことに、DC電源によって供給されるDC電流を交流電流に変換するためのDC/ACインバータを備え得る。インダクタコイルは、電源から高周波振動電流を受信すると高周波振動電磁場を発生させるように配設され得る。インダクタコイルは、装置空洞内に高周波振動電磁場を発生させるように配設され得る。インダクタコイルは、実質的に装置空洞を囲んでもよい。インダクタコイルは、装置空洞の長さに沿って少なくとも部分的に延び得る。
【0282】
ヒーターは、誘導発熱体を含んでもよい。誘導発熱体は、サセプタ素子であってもよい。本明細書で使用される「サセプタ素子」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を含む要素を指す。サセプタ素子が交流電磁場内に位置しているときに、サセプタは加熱される。サセプタ素子の加熱は、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタ内で誘発されるヒステリシス損失および渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。
【0283】
サセプタ素子は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に受容されたときに、インダクタコイルによって発生した振動電磁場がサセプタ素子内に電流を誘発し、サセプタ素子を加熱するように配設され得る。エアロゾル発生装置は、1~5キロアンペア/メートル(kA/m)、好ましくは2~3kA/m、例えば約2.5kA/mの磁界強度(H場の強度)を有する変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。電気的に動作するエアロゾル発生装置は、周波数が1~30MHz、例えば1~10MHz、例えば5~7MHzである、変動電磁場を発生させる能力があることが好ましい。
【0284】
エアロゾル発生物品は、サセプタ素子を備えてもよい。サセプタ素子は、エアロゾル発生基体と接触して位置することが好ましい。
【0285】
サセプタ素子は、エアロゾル発生装置内に位置してもよい。サセプタ素子は、空洞内に位置してもよい。エアロゾル発生装置は、一つのサセプタ素子のみを含み得る。エアロゾル発生装置は、複数のサセプタ素子を備え得る。サセプタ素子は、エアロゾル発生基体の外表面を加熱するように配置されることが好ましい。
【0286】
サセプタ素子は、任意の好適な材料を含み得る。サセプタ素子は、エアロゾル発生基体から揮発性化合物を放出するのに十分な温度に誘導加熱され得る任意の材料から形成されてもよい。細長いサセプタ素子に好適な材料には、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、及び金属材料の複合体が含まれる。いくつかのサセプタ素子は、金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ素子は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含む、またはその強磁性材料からなり得る。適切なサセプタ素子はアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ素子は好ましくは、約5パーセント超、好ましくは約20パーセント超、より好ましくは約50パーセント超若しくは約90パーセント超の強磁性材料または常磁性材料を含む。いくつかの細長いサセプタ素子は、摂氏約250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0287】
サセプタ素子は、非金属コア上に配列された金属層を有する非金属コアを備え得る。例えば、サセプタ素子は、セラミックコアまたは基体の外表面上に形成された金属トラックを含み得る。
【0288】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの抵抗発熱体および少なくとも一つの誘導発熱体を備え得る。エアロゾル発生装置は、抵抗発熱体と誘導発熱体との組み合わせを備え得る。
【0289】
使用中、ヒーターは、最大動作温度未満の決められた動作温度範囲内で動作するように制御されることができる。加熱チャンバー(又は装置空洞)内の動作温度範囲は、摂氏約150度~摂氏約300度が好ましい。ヒーターの動作温度範囲は、摂氏約150度~摂氏約250度であってもよい。
【0290】
好ましくは、ヒーターの動作温度範囲は、摂氏約150度~摂氏約200度の間であってもよい。より好ましくは、ヒーターの動作温度範囲は、摂氏約180度~摂氏約200度であってもよい。具体的に、本開示に述べられている通り、比較的に低いRTDを有する(例えば、15mmH2O未満の下流セクションのRTDを有する)エアロゾル発生物品を用いて、摂氏約180度~摂氏約200度の動作温度範囲を有する、外部ヒーターを有するエアロゾル発生装置を使用する時に、最適かつ一貫したエアロゾル送達が達成される場合があることが見出された。
【0291】
エアロゾル発生物品が通気ゾーンを備える実施形態において、通気ゾーンは、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されている時に、露出されるように配置されてもよい。したがって、装置空洞又は加熱チャンバーの長さは、エアロゾル発生物品の上流端から下流セクションに沿って位置する通気ゾーンまでの距離より小さくてもよい。言い換えれば、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に受容されている時に、通気ゾーンと上流要素の上流端との間の距離は、加熱チャンバーの長さよりも大きくてもよい。
【0292】
物品が装置空洞内に受容されている時に、通気ゾーンは、装置空洞又は装置自体の口側端(又は口側端面)から少なくとも0.5mm離れて(物品の下流方向に)位置してもよい。物品が装置空洞内に受容されたとき、通気ゾーンは、装置空洞又は装置自体の口側端(又は口側端面)から少なくとも1mm離れて(物品の下流方向に)位置してもよい。物品が装置空洞内に受容されている時に、通気ゾーンは、装置空洞又は装置自体の口側端(又は口側端面)から少なくとも2mm離れて(物品の下流方向に)位置してもよい。
【0293】
通気ゾーンと上流要素の上流端との間の距離と、加熱チャンバーの長さとの間の比は、約1.03~約1.13であることが好ましい。
【0294】
通気ゾーンのこうした位置付けは、通気ゾーンが装置空洞自体内で閉塞されないことを確実にする一方で、通気ゾーンが、装置空洞内で閉塞されることなく合理的に可能であるように、物品の下流端から最も上流の位置に位置するため、ユーザーの唇又は手による閉塞のリスクも最小化する。
【0295】
エアロゾル発生装置は電源を備えてもよい。電源はDC電源であってもよい。電源は電池であってもよい。電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、又はリチウムベースの電池(例えば、リチウムコバルト、リン酸鉄リチウム、若しくはリチウムポリマー電池)であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を要するものとしてもよく、例えば、一回以上のエアロゾル発生の体験などの一回以上のユーザー操作のために十分なエネルギーの蓄積が許容される容量を有し得る。例えば、電源は、従来の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約六分間、又は六分間の倍数の時間にわたるエアロゾル発生基体の連続的な加熱を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、又はヒーターの不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0296】
[実施例]
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0297】
実施例1.
エアロゾル発生基体のロッド、およびエアロゾル発生基体のロッドの下流に提供された下流セクションを備える、エアロゾル発生物品。
実施例2.
下流セクションが、エアロゾル発生基体のロッドに当接する、好ましくはエアロゾル発生基体のロッドの下流端に当接する、空気チャネリング要素を備える、実施例1に記載のエアロゾル発生物品。
実施例3.
下流セクションの空気チャネリング要素が、下流空気チャネリング要素である、実施例2に記載のエアロゾル発生物品。
実施例4.
エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションをさらに備え、上流セクションが、少なくとも一つの上流要素を備える、実施例1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例5.
少なくとも一つの上流要素が、上流空気チャネリング要素を含む、実施例4に記載のエアロゾル発生物品。
実施例6.
上流要素の上流端が、エアロゾル発生物品の上流端を画成する、実施例4または実施例5に記載のエアロゾル発生物品。
実施例7.
エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションと、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する下流セクションと、をさらに備え、上流セクションが、エアロゾル発生基体のロッドの上流端に当接する上流空気チャネリング要素を備え、下流セクションが、エアロゾル発生基体のロッドの下流端に当接する下流空気チャネリング要素を備える、実施例1に記載のエアロゾル発生物品。
実施例8.
空気チャネリング要素が、少なくとも一つの外側空気通路を備え、少なくとも一つの外側空気通路が、内部空気通路または外部空気通路を画成し得る、実施例1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例9.
空気チャネリング要素が、空気チャネリング要素の本体の外表面上に画成された溝を備え、溝が、空気チャネリング要素の上流端から空気チャネリング要素の下流端に延びる外部空気通路を画成する、実施例1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例10.
空気チャネリング要素の本体が、コア部分および周辺部分を備え、少なくとも一つの溝が画成され、コア部分が実質的に固体である、実施例1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例11.
空気チャネリング要素が、内部空洞を画成しない、実施例1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例12.
空気チャネリング要素が、コア部分および周辺部分を備える本体を備え、コア部分が、一つ以上の内側空気通路を備え、周辺部分が、一つ以上の外側空気通路を備え、一つ以上の外側空気通路の総断面積が、一つ以上の内側空気通路の総断面積よりも大きい、実施例1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例13.
一つ以上の外側空気通路の総断面積と一つ以上の内側空気通路の総断面積との比が、少なくとも2である、実施例1~12のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例14.
一つ以上の外側空気通路の総断面積と一つ以上の内側空気通路の総断面積との比が、少なくとも3である、実施例1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例15.
一つ以上の内側空気通路の総断面積と一つ以上の外側空気通路の総断面積との比が、10以下である、実施例1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例16.
一つ以上の外側空気通路が、少なくとも四つの外側空気通路を含む、実施例1~15のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例17.
各外側空気通路が、空気チャネリング要素または各空気チャネリング要素の外表面上に提供された溝によって画成される、実施例1~16のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例18.
各外側空気通路が、空気チャネリング要素または各空気チャネリング要素に沿って延びる内部空洞または空気チャネリングによって画成される、実施例1~17のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例19.
一つ以上の外側空気通路の総断面積と空気チャネリング要素の総断面積との比が、少なくとも約30パーセントである、実施例1~18のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例20.
エアロゾル発生基体のロッドの下流に提供されたマウスピース要素をさらに備え、空気チャネリング要素が、エアロゾル発生基体のロッドの上流に、またはエアロゾル発生基体のロッドとマウスピース要素との間に位置する、実施例1~19のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例21.
エアロゾル発生基体のロッドの下流に提供されたマウスピース要素をさらに備え、上流空気チャネリング要素が、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置するか、または下流空気チャネリング要素が、エアロゾル発生基体のロッドとマウスピース要素との間に位置する、実施例1~20のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例22.
エアロゾル発生基体のロッドの下流に提供された中空の管状要素をさらに備え、空気チャネリング要素が、エアロゾル発生基体のロッドの上流に、またはエアロゾル発生基体のロッドと中空の管状要素との間に位置する、実施例1~21のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例23.
エアロゾル発生基体のロッドの下流に提供された中空の管状要素をさらに備え、上流空気チャネリング要素が、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置するか、または下流空気チャネリング要素が、エアロゾル発生基体のロッドと中空の管状要素との間に位置する、実施例1~22のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例24.
空気チャネリング要素または各空気チャネリング要素が実質的に不通気性である、実施例1~23のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例25.
空気チャネリング要素または各空気チャネリング要素が、熱成形によって形成される、実施例1~24のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例26.
溝の深さが、少なくとも0.5mmである、実施例1~25のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例27.
溝の深さが、2mm以下である、実施例1~26のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例28.
空気チャネリング要素または各空気チャネリング要素が、少なくとも四つの溝を含む、実施例1~27のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例29.
溝が、らせん状の経路または波形経路をたどる、実施例1~28のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例30.
空気チャネリング要素または各空気チャネリング要素を囲むラッパーをさらに備え、ラッパーが、ラッパーが外部空気通路の境界を画成するように、溝によって画成される外部空気通路の上にある、実施例1~29のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例31.
通気ゾーンを更に備える、実施例1~30のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例32.
通気ゾーンが、下流セクションの中空の管状要素に沿った位置に提供される、実施例31に記載のエアロゾル発生物品。
実施例33.
エアロゾル発生基体のロッドが、8ミリメートル~16ミリメートルの長さを有する、実施例1~32のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例34.
エアロゾル発生基体のロッドが、4mmH2O~10mmH2Oの引き出し抵抗(RTD)を有する、実施例1~33のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例35.
エアロゾル発生基体が、刻みたばこ材料を含む、実施例1~34のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例36.
刻みたばこ材料が、150ミリグラム毎立方センチメートル~500ミリグラム毎立方センチメートルの平均密度を有する、実施例35に記載のエアロゾル発生物品。
実施例37.
エアロゾル発生基体が、一つ以上のエアロゾル形成体を含み、エアロゾル発生基体中のエアロゾル形成体の含有量が、乾燥重量基準で10重量パーセント~20重量パーセントである、実施例1~36のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例38.
エアロゾル形成体が、グリセリンおよびプロピレングリコールのうちの一つ以上を含む、実施例37に記載のエアロゾル発生物品。
実施例39.
エアロゾル発生基体が、たばこカットフィラーを備える、実施例1~38のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例40.
物品の外径が、その長さに沿って実質的に均一である、実施例1~39のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例41.
実施例1~40のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品を受容するための加熱チャンバーおよび加熱チャンバーの周辺またはその周りに提供された少なくとも発熱体を備えるエアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
【0298】
以下において、添付図の図面を参照しながら本発明を更に記述する。
【0299】
図1aは、エアロゾル発生基体のロッド12と、エアロゾル発生基体のロッド12の下流の位置に下流セクションとを備える、エアロゾル発生物品10を示す。エアロゾル発生物品10は、上流または遠位端16から、下流セクションの下流端と一致する下流または口側端18まで延在する。図1aに示すように、下流セクションは、下流空気チャネリング要素11およびマウスピース要素8を備える。
【0300】
エアロゾル発生物品10は、約45ミリメートルの全長および約7.2mmの外径を有する。エアロゾル発生基体12の長さは約8mmである。
【0301】
エアロゾル発生基体のロッド12は、刻みたばこ材料を含む。エアロゾル発生基体のロッド12は、13重量パーセント~16重量パーセントのグリセリンを含む150ミリグラムの刻みたばこ材料を含む。エアロゾル発生基体の密度は、一立方センチメートル当たり約300mgである。エアロゾル発生基体のロッド12のRTDは、約6~8mmH2Oである。エアロゾル発生基体のロッド12は、プラグラップ(図示せず)によって個別に巻かれている。
【0302】
下流空気チャネリング要素11は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ下流に位置し、下流空気チャネリング要素11は、ロッド12と長軸方向に整列している。下流空気チャネリング要素11の上流端は、エアロゾル発生基体のロッド12の下流端に当接する。
【0303】
空気およびエアロゾルが通って移動するための外側空気通路は、空気チャネリング要素11の外表面の周りに提供された溝5の形態で存在する。空気チャネリング要素11は、空気チャネリング要素11の本体に沿って長軸方向に延びる六つの溝5を備える。
【0304】
空気チャネリング要素11はまた、空気チャネリング要素11の本体の中心に沿って、かつそれを通って延びる内側空気通路7を備える。
【0305】
下流空気チャネリング要素11の長さは約12mmである。
【0306】
マウスピース要素8は、空気チャネリング要素11の下流端から、エアロゾル発生物品10の下流端または口側端に延びる。マウスピース要素8は、約7mmの長さを有する。マウスピース要素8の外径は、約7.2mmである。マウスピース要素8は、低密度のセルロースアセテートフィルターセグメントを備える。マウスピース要素8のRTDは、約8mmH2Oである。マウスピース要素8は、プラグラップ(図示せず)によって個別に巻かれてもよい。
【0307】
図1bは、物品10の構成要素を囲むラッパー52内に組み立てられているエアロゾル発生物品10を図示する。外側空気通路は、溝5とラッパー52の内表面との間に画成される。
【0308】
図2は、エアロゾル発生物品10と類似するが、空気チャネリング要素11に沿った位置に提供された通気ゾーン13を有するエアロゾル発生物品10aを図示する。より詳細に、通気ゾーン13は、物品10の下流端18から約16ミリメートルに提供されている。通気ゾーン13は、空気チャネリング要素11を取り囲む、開口部または穿孔の円周状の列を備える。通気ゾーン13の穿孔は、物品10の外部から溝5の中への流体の侵入を可能にする。本明細書に記載の任意の他の実施形態はまた、物品10の外部と空気チャネリング要素内に画成される任意の外側空気通路(溝を含む)との間の流体連通を提供する通気ゾーンを有してもよい。
【0309】
図3は、エアロゾル発生物品10に類似しているが、下流空気チャネリング要素11の代わりに中空の管状要素14と、上流空気チャネリング要素15を含むエアロゾル発生基体のロッド12の上流の上流セクションとを備える、エアロゾル発生物品20を図示する。下流空気チャネリング要素11と同様に、上流空気チャネリング要素15(または上流プラグもしくは前部プラグ)は、空気が空気チャネリング要素15の外表面の周りに提供された溝5の形態で移動するための外側空気通路を備える。空気チャネリング要素15はまた、空気チャネリング要素15の本体に沿って長軸方向に延びる六つの溝5を備える。中空の管状要素14は、エアロゾル発生基体のロッド12とマウスピース要素8の間に提供されている。上流空気チャネリング要素15は、約5mmの長さを有する。中空の管状要素14は、約10mmの長さを有してもよい。
【0310】
図4は、エアロゾル発生物品10と類似しているが、上述の通り、上流空気チャネリング要素15を備えるエアロゾル発生基体のロッド12の上流の上流セクションをさらに備える、エアロゾル発生物品30を図示する。
【0311】
図5aおよび5bは、空気チャネリング要素11、15の実施形態の断面を示す。図5aおよび5bに示すように、空気チャネリング要素11、15は、空気チャネリング要素11、15の本体の周辺部分P上に画成される四つの溝5に加えて、空気チャネリング要素11、15の本体のコア部分Cを通って延びる内側空気通路7を備える。溝5は、約1.5mmの深さHを有する。空気チャネリング要素11、15の本体は、約7.2mmの外径Dを有する。内側空気通路7は円形断面を有し、約1mmの直径を有する。
【0312】
図6a、図6bおよび図6cはそれぞれ、図1a、図3および図4に示すものと類似した実施形態を図示する。図6a、図6bおよび図6cにそれぞれ示されるエアロゾル発生物品61、62および63は、下流または上流空気チャネリング要素11、15の外側空気通路が溝5によって画成されないが、空気チャネリング要素11、15の本体に沿って、かつそれを通って延びる内部の外側空気通路51によって画成されるという点で異なる。内部の外側空気通路51は、内側空気通路7の周りに画成される。図7に示すように、内側空気通路7は、空気チャネリング要素11、15の本体のコア部分Cに画成されるが、外側空気通路51は、空気チャネリング要素11、15の本体の周辺部分Pに画成される。図6a、図6bおよび図6cに示す空気チャネリング要素11、15は、溝5があるときの外表面上ではなく、空気チャネリング要素11、15の材料内に画成される四つの外側空気通路51を備える。したがって、外側空気通路51の総断面積は、内側空気通路7の総断面積よりも大きい。一例として、内側空気通路7および外側空気通路51の直径は約1.5mmである。
【0313】
図8aは、例示的なエアロゾル発生装置100(その一部分のみが参照しやすいように示されている)と、図1a、図1bおよび図6aに示す実施形態によるエアロゾル発生物品10とを備えるエアロゾル発生システム1を描写する。本開示によるエアロゾル発生物品の任意の実施形態は、システム1で使用されてもよい。
【0314】
図8aは、装置空洞または加熱チャンバーが画成されていて、かつエアロゾル発生物品10が受容されることができる、エアロゾル発生装置100の下流の口側端部分を図示する。エアロゾル発生装置1は、口側端と遠位端(図示せず)との間に延びるハウジング24を備える。ハウジング24は周辺壁26を備える。周辺壁26は、エアロゾル発生物品10を受容するための装置空洞を画成する。装置空洞は、閉鎖された遠位端および開放された口側端によって画成されている。装置空洞の口側端は、エアロゾル発生装置1の口側端に位置する。エアロゾル発生物品10は、装置空洞(あるいは加熱チャンバー)の口側端を通して受容されるように構成されていて、装置空洞の遠位の閉鎖端に当接するように構成されている。
【0315】
装置気流取り込み22は、装置空洞の遠位端に画成される。空気は、気流取り込み22を介してエアロゾル発生基体12に進入してもよく、装置1の外部とエアロゾル発生基体のロッド12との間の流体連通を確実にする。
【0316】
エアロゾル発生装置1は、外部ヒーター28、および電力をヒーター28に供給するための電源(図示せず)をさらに備える。ヒーター28へのこうした電力の供給を制御するために、コントローラ(図示せず)も提供されている。ヒーター28は、エアロゾル発生物品10が装置1内に受容されている時に、使用中にエアロゾル発生物品10を制御可能に加熱するように構成されている。ヒーター28は、ヒーター管の形態であり、エアロゾル発生基体12を外部から加熱するように配置される。
【0317】
図8bおよび図8cは、初期加熱段階中にエアロゾル発生基体のロッド12の周辺部分PSからエアロゾルがどのように引き出されるかを示す。図8bに示すように、エアロゾル発生基体12の加熱に伴い、エアロゾルは主に基体12の周辺部分PSから引き出される。長い破線の点線Bは、基体12の周辺部分PSと基体12のコア部分CSとの間の仮想境界を示し、これは加熱サイクルの開始後に加熱およびエアロゾルを発生させるのにより長い時間がかかる場合がある。下流空気チャネリング要素11は、有利なことに、基体12の周辺部分PSからのエアロゾルが溝5によって画成される外側空気通路を通して引き出されることを促進し、それによって消費可能なエアロゾルの発生およびさらに下流のユーザーへの提供を加速する。図8bおよび図8cに示すように、基体12のコア部分CSからのエアロゾルは、内側空気通路7を通して引き出され得る。
【0318】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、数量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±10%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を与えないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7
図8a
図8b
図8c
【国際調査報告】