(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】高さ特有の線量を適用して歯科画像を生成するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/51 20240101AFI20241108BHJP
【FI】
A61B6/51 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531351
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2022083028
(87)【国際公開番号】W WO2023094474
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】モール、スザンヌ
(72)【発明者】
【氏名】アイヒナー、シュテファン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA07
4C093CA34
4C093DA05
4C093EA13
4C093EA14
4C093FA18
4C093FA56
4C093FA59
(57)【要約】
本発明は、歯科領域における患者の撮像のための口腔外歯科X線装置(2)に関し、本装置は、少なくとも所定の方向(z)に沿ってオフセットされている、各々がX線を放出するための少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)を有する放射器アレイ(3)と、個別放射器(3-1;3-2)によって放出されたX線を少なくとも部分的に検出するためのX線検出器(4)と、を備え、放射器アレイ(3)及びX線検出器(4)は、該所定の方向(z)に平行な軸(z’)を中心として回転可能に配置されており、本装置は、個別放射器(3-1;3-2)を別個に制御するための制御デバイスを更に備え、制御デバイスが、所定の方向(z)に沿って変化させることができる強度及び/又はスペクトル分布をもたらすために、少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)の放出されたX線が、X線の強度及び/又はスペクトル分布において異なるように構成され、制御デバイスが、強度及び/又はスペクトル分布を患者の解剖学的構造に適応的に適応させることができることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科領域における患者の撮像のための口腔外歯科X線装置(2)であって、
少なくとも所定の方向(z)に沿ってオフセットされている、各々がX線を放出するための少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)を有する放射器アレイ(3)と、
前記個別放射器(3-1;3-2)によって放出された前記X線を少なくとも部分的に検出するためのX線検出器(4)と、
を備え、前記放射器アレイ(3)及び前記X線検出器(4)が、前記所定の方向(z)に平行な軸(z’)を中心として回転可能に配置されている、口腔外歯科X線装置(2)において、
前記個別放射器(3-1;3-2)を別個に制御するための制御デバイスを更に備え、前記制御デバイスが、前記所定の方向(z)に沿って変化させることができる強度及び/又はスペクトル分布をもたらすために、前記少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)から放出されたX線ビームが、前記X線の前記強度及び/又はスペクトル分布において異なるように構成され、前記制御デバイスが、前記強度及び/又はスペクトル分布を適応的に前記患者の解剖学的構造に適応させることができることを特徴とする、口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項2】
前記制御デバイスが、前記個別放射器(3-1;3-2)が順次又は同時に作動されることができ、前記X線検出器(4)の検出信号が前記個別放射器(3-1;3-2)の作動と同期して読み出されるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項3】
前記個別放射器(3-1;3-2)の各々が、それら自体の絞りデバイスを有するか、又は前記放射器アレイ(3)が共通の絞りデバイスを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項4】
前記個別放射器(3-1;3-2)の各々が、それら自体のフィルタデバイスを有するか、又は前記放射器アレイ(3)が共通のフィルタデバイスを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項5】
前記口腔外歯科X線装置(2)の動作のモードが、PAN、CEPH、DVT撮像方法、前記X線の強度及び/又はスペクトル分布の目標値、絞りデバイスによるコリメーション、フィルタデバイスによるフィルタリング、前記患者の頭部(10)における撮像領域のサイズ及び/又は位置、前記放射器アレイ(3)及び前記X線検出器(4)の軌道などの構成変数のうちの少なくとも1つに関して、入力デバイスを用いてユーザによって構成されることができ、前記制御デバイスが、ユーザ構成に基づいて前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項6】
前記制御デバイス(2)が、前記X線の前記強度及び/又はスペクトル分布が前記患者の解剖学的構造に適応的に適応されるように、前記撮像のために前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成され、前記制御デバイスが、前記患者の解剖学的構造を、
(a)人体解剖学的構造についての一般的な仮定に基づく変数、
(b)前記患者をポジショニングするためのデバイス(6、7)の調整に基づく変数、
(c)前記患者の予め知られている解剖学的構造に基づく変数、
のうちの少なくとも1つにしたがって決定することができることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項7】
前記制御デバイスが、前記X線の前記強度及び/又は前記スペクトル分布が前記X線検出器(4)からの信号の関数として撮像中に再調整されるように、撮像のために前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項8】
前記制御デバイスが、前記個別放射器(3-1;3-2)のX線の前記強度及び/又はスペクトル分布が少なくとも50Hzの周波数を有する所定のシーケンスにしたがって変化されるように、撮像中に少なくとも1つの個別放射器を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項9】
使用される前記X線のそれぞれの前記強度及び/又はスペクトル分布についての前記X線検出器(4)の動作モードが、撮像の前又は撮像の間に完全に又は領域的に適応され、前記動作モードが、ダイナミックレンジ、読み出しレート、読み出し範囲、及び利得、のパラメータのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項10】
前記口腔外歯科X線装置(2)が、PAN、CEPH、及びDVT撮像方法のうちの1つ又は複数を備え、前記撮像方法はユーザによって選択可能であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)の前記X線検出器(4)の信号からPAN/CEPH用の共通の画像又はDVT用のボリュームを再構成するための方法であって、前記個別放射器(3-1;3-2)の制御の情報が前記方法において考慮される、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法によって提供される視覚化のためのデータセットの使用。
【請求項13】
コンピュータ化されたDVTシステム(1)によって実行されると、請求項11に記載の方法を行わせるコンピュータ可読コードを備える再構成ソフトウェア。
【請求項14】
請求項13に記載の再構成ソフトウェアを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)と、請求項13に記載の再構成ソフトウェアを実行するように構成されたコンピューティングユニット(8)とを備えるコンピュータ化されたDVTシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願EP21210851.8の内容全体が、PCTの規定に基づき、参照により本国際出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、歯科分野におけるPAN、CEPH、及び/又はDVTのためのX線装置に関する。
【背景技術】
【0003】
口腔外歯科X線システムは、通常、投影画像ごとに、また回転中にも、一定のビームパラメータを使用する。患者の解剖学的構造に起因して、これは、X線投影において高い信号成分及び低い信号成分を有する画像領域をもたらす。その結果、X線検出器は、好ましくない線量範囲で使用されるときがあり、X線検出器の高線量範囲で飽和効果を、低線量範囲で非線形性をもたらす。X線検出器は、通常、所与の強度ダイナミクスを適切に検出することができない。
【0004】
一般に、医師は、患者及び症状に依存して、経験にしたがって放射線パラメータを決める。ここでは、ALARA(合理的に達成可能な限り低く(As Low As Reasonably Achievable))の原理が適用されるべきである。口腔外歯科X線システムの中には、撮像領域を患者に適応させるためにスカウト画像を使用するものがある。スカウト画像は、初期線量推定及び調整のためにも使用することができる。しかしながら、スカウト画像は、撮像ワークフローにおける更なる労力を表す。口腔外歯科X線システムの中には、回転中に放射線パラメータを調整して脊椎領域に増加線量を適用するものがある。一般に、パノラマ撮像(PAN)のために脊椎領域にkVの増加が適用される場合が多い。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、現在のところ、患者の解剖学的構造に関する放射線パラメータの目標とされた適応的な高さに特有の調整を可能にする任意の技法を認識していない。また既知の技法は、回転中での解剖学的構造に特有の高さに特有の線量適用を可能にしない。解剖学的構造に特有の線量適用は、通常、先行技術では不可能である。したがって、患者の頭部の高さに特有の解剖学的構造に依存する吸収挙動が考慮されず、そして放射線パラメータの選択が、通常、強く吸収する解剖学的構造に基づいて決定されるので、過剰な線量が適用される場合が多い。
【0006】
DVT及びPAN撮像の場合、通常、スカウトスキャン又は放射線パラメータの再調整による患者に対する自動線量調整があるが、これらは高さに特有ではない。
【0007】
本発明の目的は、高さに特有の線量適用を用いて歯科撮像(DVT、PAN、及び/又はCEPH)を生成するための装置及び方法を提供することである。
【0008】
本目的は、請求項1に記載のX線装置、及び請求項11に記載の方法によって達成される。従属請求項の主題は、好ましい実施形態又は更なる展開形態に関する。
【0009】
本発明に係る口腔外歯科X線装置は、患者を撮像するためのものである。本装置は、少なくとも所定の方向に沿ってオフセットされている、各々がX線を放出するための少なくとも2つの個別放射器を有する放射器アレイと、個別放射器によって放出されたX線を少なくとも部分的に検出するためのX線検出器と、を備え、放射器アレイ及びX線検出器は、所定の方向に平行な軸を中心とした移動のために回転可能に配置されており、本装置は、個別放射器を別個に制御するための制御デバイスを更に備え、制御デバイスは、所定の方向に沿って変化させることができる強度及び/又はスペクトル分布をもたらすために、少なくとも2つの個別放射器の放出されたX線が、X線の強度及び/又はスペクトル分布において異なるように適応され、制御デバイスは、強度及び/又はスペクトル分布を適応的に患者の解剖学的構造に適応させることができる。
【0010】
本発明の利点は、X線検出器のダイナミックレンジのより好ましい使用から生じる、高線量範囲及び低線量範囲におけるコントラスト撮像の改善に起因する画質の改善である。更に、吸収の少ない解剖学的領域又は関連の低い画像領域における線量を最小限にすることができるので、撮像の全体的な線量を低減することができる。これは、スカウトスキャンなどの更なる撮像を必要とせず、これによりX線装置の操作が単純になり、時間が節約される。解剖学的構造に特有の線量調整は、変わる患者ポジショニング及び好ましくない構造的オーバーレイを補償することによって、信頼性の高い画質をもたらす。これにより、繰り返し撮像が少なくなり、したがって患者に対する線量適用が少なくなり、そしてユーザにとってのX線装置の操作が単純になる。
【0011】
解剖学的構造に特有の線量調整はまた、例えば、1つ又は複数の絞りデバイス及び/又はフィルタデバイスの更なる使用による、順次又は同時に制御される個別放射器を介して実現することもできる。更に、X線の強度及び/又はスペクトル分布を、好ましくは、X線検出器からの信号の関数として撮像中に能動的に再調整することができる。更に、X線検出器の動作モードを能動的に調整することができる。
【0012】
X線撮像パラメータは、例えば、ユーザによって予め定義されるか、又は選択的に構成可能である。撮像パラメータ(すなわち、構成変数)は、所望の撮像方法、X線の強度及び/又はスペクトル分布の目標値、絞りデバイスによるコリメーション、患者の頭部における撮像領域のサイズ及び/又は場所、放射器アレイ及びX線検出器の軌道等を含む。
【0013】
以下の説明では、本発明について、例示的な実施形態を参照し、図面を参照して詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態に係るコンピュータ化されたDVTシステムの概略図を示す。
【
図2】一実施形態に係る口腔外X線装置の詳細な概略部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面中に示される参照番号は、以下に挙げる要素を示し、これらは例示的な実施形態の下記の説明で参照される。
1…DVTシステム
2…口腔外X線装置
3…放射アレイ
3-1…X線個別放射器
3-2…X線個別放射器
4…X線検出器
5…制御ユニット
6…頭部固定具
7…咬合ブロック
8…コンピューティングユニット(コンピュータ)
9…ディスプレイ
10…測定対象又は患者頭部
11…顎弓
12…個別放射器のためのビームコーン
12’…個別放射器のためのビームコーン
s…重複エリア
z…所定の方向
z’…平行軸
【0016】
図1は、本発明に係るコンピュータ支援DVTシステム(1)の実施形態例を示す。DVTシステム(1)は、口腔外歯科X線装置(2)を有する。この点に関して、本発明は、コンピュータ可読コードを有するコンピュータプログラムも含む。コンピュータプログラムは、記憶媒体上に提供されていてよい。口腔外歯科X線装置(2)は、患者の撮像を行うために使用され、2DのX線画像又はサイノグラムを生成する。この目的のために、X線装置(2)は、X線放射アレイ(3)及びX線検出器(4)を有し、これらは、曝露中に一定又は可変の速度それぞれで患者の頭部の周りを回転する。放射器アレイ(3)は、いくつかの小型の高速切換え可能な個別放射器(3-1;3-2)からなり、それらは空間的に分布しており、個別に制御可能である。これにより、装置の移動なしに異なる投影角からのX線投影の発生が可能になる。放射器アレイ(3)の個別放射器(3-1;3-2)は、例えばカーボンナノチューブで作られた、例えば冷陰極管を備え得る。X線装置(2)は回転機構を有する。撮像中の放射アレイ(3)及びX線検出器(4)の軌道は、円形経路を描き得る。代替として、これから外れる形状をとってもよい。X線源アレイ(3)については、後で詳述する。
【0017】
X線装置(2)は更に、X線装置(2)を動作させる又は構成するための制御ユニット(5)を備える。
図1に示すように、患者は、咬合ブロック(7)及び頭部固定具(6)を用いてX線装置(2)内にポジショニングされ得る。DVTシステム(1)は更に、好ましくは、X線装置(2)に接続され得るコンピュータ(8)又はコンピューティングユニットと、好ましくは、とりわけ生成されたデータセットを視覚化するためのディスプレイ(9)とを備える。咬合ブロック(7)及び頭部固定具(6)は、患者をポジショニングするためのデバイス(6、7)としての働きをする。コンピュータ(8)は、ローカルネットワーク(図示せず)を介して、又は代替としてインターネットを介してX線装置(2)に接続され得る。コンピュータ(8)は、クラウドの一部であり得る。計算は、クラウドで行われ得る。代替として、コンピュータ(8)は、X線装置(2)内に一体化されていてもよい。コンピュータ(8)は、コンピュータプログラムを実行し、ディスプレイ(9)上での視覚化のためを含むデータセットを提供する。ディスプレイ(9)は、X線装置(2)から空間的に分離され得る。好ましくは、コンピュータ(8)は、X線装置(2)を制御することもできる。代替として、制御及び画像再構成のために別個のコンピュータを使用することができる。
【0018】
図2は、X線装置(2)の詳細な概略部分図を示す。
図2に示すように、放射アレイ(3)は、X線放射を各々が放出するための少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)を有し、これらは、少なくとも所定の方向(z)に沿って(例えば、垂直方向に)所定の距離だけオフセットされている。X線装置(2)は、患者が立ってポジショニングされた状態で直立にセットされ得る。代替として、X線装置(2)は、患者が横になって又は背もたれを用いて座ってポジショニングされた状態で、水平に、又は好ましくは調整可能な角度範囲にわたって斜めにセットアップされてもよい。所定の距離は固定であるが、好ましくは能動的に制御することもできる。X線検出器(4)は、個別放射器(3-1;3-2)によって放出されたX線放射を少なくとも部分的に検出するように設計されており、X線検出器(4)上の個別放射器のビームコーン(12;12’)は、重複エリア(1つ又は複数)を有し得る。PAN及びDVTの場合、放射アレイ(3)及びX線検出器(4)は、所定の方向(z)に平行な軸(z’)を中心として回転可能に配設される。ワンショットCEPHの場合、X線検出器(4)は、固定して取り付けられていてもよいし、又は回転しなくてもよい。線形CEPHの場合、X線検出器(4)は、更に変位可能に配設される。代替として、カンチレバーアーム上の更なるX線検出器(図示せず)がCEPHの場合に使用されてもよい。CEPHモダリティにおけるX線検出器の変位のための機械的構成は、PANモダリティ又はDVTモダリティには任意選択である。X線装置(2)は、PAN、DVT、及びCEPHのための組合せユニットであってもよいし、又は上記モダリティのうちの1つ又は2つのみをサポートしてもよい。X線装置(2)は、個別放射器(3-1;3-2)を別個に制御するための制御デバイス(図示せず)を備え、制御デバイスは、所定の方向(z)に沿って可変の強度及び/又はスペクトル分布を生じさせるために、少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)の放出されたX線ビームが、X線ビームの強度及び/又はスペクトル分布において異なるように構成される。制御は、それぞれの単一の放射器(3-1;3-2)への電流及び/又は電圧の別個の調節を備える。したがって、高さに特有の線量適用を能動的に可能にすることができる。
【0019】
1つの実施形態では、個別放射器のX線放射の強度及び/又はスペクトル分布は、装置の移動中に(例えば、電流及び/又は電圧を変化させることによって)変化される。これは、X線検出器の高線量範囲における飽和効果及び低線量範囲における非線形性を、投影角に依存して低減することができるという利点を有する。
【0020】
有利な実施形態では、制御デバイスは、個別放射器(3-1;3-2)が順次又は同時にアクティブ化されることができ、X線検出器(4)の検出された信号が個別放射器(3-1;3-2)のアクティブ化と同期して読み出されるように構成される。個別放射器の順次制御中、X線検出器の信号を、個別放射器ごとに別個に読み出すことができ、したがって、再構成において重複エリア(1つ又は複数)における曖昧さを回避することができる。個別エミッタの同時制御中、X線検出器の信号を、いくつかの個別エミッタについて同時に読み出すことができる。これによって、X線検出器のより低い読み出しレートを使用することができ、これにより、X線ビームのより長い積分時間が可能になり、低線量範囲における非線形性が低減する。
【0021】
有利な実施形態では、個別放射器(3-1;3-2)の各々は、X線放射をコリメートするためのそれら自体の絞りデバイスを有する。これは、個別放射器のビームコーン(12;12’)の互いの境界を良好に定めることができ、個別エミッタの重複エリア(1つ又は複数)を最小にしてより良好に画定することができるという利点を有する。代替的又は追加的に、放射器アレイ(3)は、共通の絞りデバイスを有する。絞りデバイスは、固定された絞り又は機械的に電動化された可変絞りによって実装され得る。絞りデバイスは、患者の放射線曝露を最小限にし、散乱放射線を低減し、X線検出器のアクティブな使用可能エリアが過剰に放射されないという利点を有する。
【0022】
更なる有利な実施形態では、個別放射器(3-1;3-2)の各々は、それら自体のフィルタデバイスを有する。このフィルタデバイスは、X線放射のプレフィルタリング又は減衰のため、及びX線スペクトルを変更するために使用される。フィルタデバイスは、永久的に設置されたフィルタ、又は異なるフィルタ材料を有するフィルタホイールなどの機械的に電動化された可変フィルタデバイスである。例えば、フィルタデバイスは、銅又はアルミニウムなどのフィルタ材料を含む。フィルタデバイスは、例えば、X線放射のハードニングを可能にし、これにより骨構造の表現が良好になる。更に、骨構造及び歯構造の視覚化にはほとんど寄与しないが患者への有害な放射線曝露を表す、X線スペクトルにおける軟X線放射の割合が低減される。例えば、各個別放射器(3-1;3-2)がそれ自体のフィルタデバイスを有する場合、フィルタデバイスは個別放射器のX線放射の強度及び/又はスペクトル分布に適応され得る。代替として、放射アレイ(3)は、個別放射器の適応された強度及びスペクトル分布とは無関係に、すべての個別放射器のX線放射を共にフィルタリングする共通のフィルタデバイスを有する。これによって、例えば、一般的なビームハードニングを実現することができる。
【0023】
更なる有利な実施形態では、X線装置(2)の動作のモードは、
- PAN、CEPH、又はDVTなどの撮像方法、
- 例えば最大値又は平均値の目標値として、変化中に考慮されるX線の強度及び/又はスペクトル分布の目標値、
- 例えば上顎又は下顎領域上への絞りデバイスによるコリメーション、
- 例えば、顎又は選択された解剖学的構造の左側又は右側に限定するための、患者の頭部における撮像エリアのサイズ及び/又は位置、
- 例えば画像アーチファクトを低減するための、放射アレイ(3)及びX線検出器(4)の軌道、
という構成変数のうちの少なくとも1つに関して、入力デバイス又は操作ユニット(5)を用いてユーザによって構成されることができ、
制御デバイスは、ユーザ構成に基づいて個別放射器を制御するように更に構成される。
【0024】
更なる有利な実施形態では、制御デバイスは、X線放射の強度及び/又はスペクトル分布が患者の解剖学的構造に適応的に適応されるように、撮像のために個別放射器を制御するように更に構成される。これは、X線検出器の高線量範囲における飽和効果及び低線量範囲における非線形性を低減するという利点を有する。更に、眼窩などの線量感度の高い解剖学的領域において、患者への線量負荷を低減することができる。更に、骨構造又は金属構造などの多く吸収する解剖学的構造では、吸収が高い画像領域におけるX線検出器の非線形性を回避するために、増加された強度及び/又は調整されたスペクトル分布を適用することができる。ここで、制御デバイスは、患者の解剖学的構造を、
(a)経験的な生体データなどの人体解剖学的構造についての一般的な仮定に基づいて、
(b)例えば、患者の身長又は患者の頭蓋骨の厚さが咬合ブロック又は頭部固定具の位置により推測され得るなど、患者をポジショニングするためのデバイスの設定に基づいて、
(c)例えば、同じ患者のスカウト画像、光学表面モデル、又は別の既存の画像データセット(PAN、CEPH、3D)を使用するなど、患者の予め知られている解剖学的構造に基づいて、
のうちの少なくとも1つにしたがって決定する。放射器アレイ及びX線検出器の位置又は高さは、好ましくは、調整可能であり、X線装置に知られている。特定の患者の予め知られている解剖学的構造の知識は、データベースに記憶されていてもよいし、又はデータベースから取り出されてもよい。
【0025】
更なる有利な実施形態では、制御デバイスは、X線ビームの強度及び/又はスペクトル分布がX線検出器からの信号の関数として撮像中に再調整されるように、撮像のために個別放射器を制御するように更に構成される。この目的は、X線検出器の高線量範囲における飽和効果及び低線量範囲における非線形性を低減するためにX線検出器における低すぎる信号及び高すぎる信号を回避し、X線検出器を可能な限り線形動作範囲で動作させることである。
【0026】
別の実施形態では、X線検出器(4)及び放射アレイ(3)の回転速度は、撮像中に変化される。強度及びスペクトル分布を一定に保ちながら、回転速度を減少させることによって総適用線量を増加させることができ、又はその逆も同様である。したがって、特定の局所構造に適用される線量を、前述の可能なことに加えて制御することができる。
【0027】
更なる有利な実施形態では、制御デバイスは、個別放射器のX線放射の強度及び/又はスペクトル分布が少なくとも50Hzの周波数を有する所定のシーケンスにしたがって変化されるように、撮像中に少なくとも1つの単一のエミッタを制御するように更に構成される。振幅は、患者の解剖学的構造又はX線検出器における測定された信号に依存し得る。再構成ソフトウェアは、構造が低線量範囲及び高線量範囲の両方において良好に撮像されるように、個別放射器の個別投影を計算する。これにより、特に、小さいダイナミックレンジ又は低いビット深度を有するX線検出器の場合に、高いコントラストを有する画像が可能になる。このプロセスは、デジタル写真におけるHDR撮像に類似している。
【0028】
更なる有利な実施形態では、使用されるX線ビームのそれぞれの強度及び/又はスペクトル分布についてのX線検出器の動作モードは、例えば、ダイナミックレンジ、読み出しレート、読み出し範囲、及び/又は利得に関する動作モードにおいて、撮像前又は撮像中に完全に又は領域的に適応される。
【0029】
更なる有利な実施形態では、口腔外X線装置(2)は、PAN、CEPH、DVT撮像方法のうちの1つ又は複数を備え、これらはユーザによって選択可能である。
【0030】
本発明の方法によれば、口腔外歯科X線装置(2)のX線検出器(4)の信号からPAN/CEPH用の共通の画像又はDVT用のボリュームが、それぞれの撮像方法において個別放射器(3-1;3-2)の制御の情報を考慮して算出される。
【0031】
本発明に係る方法は、コンピュータ化されたX線装置(2)によって実行され得るコンピュータ可読コードを有する再構成ソフトウェアによって実施される。
【0032】
再構成ソフトウェアは、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されている。
【0033】
コンピュータ化されたDVTシステム(1)は、口腔外歯科X線装置(2)と、再構成ソフトウェアを実行するように構成されたコンピューティングユニット(8)とを含む。
【0034】
本発明によれば、上記実施形態によって生成されたデータセットは、視覚化のために、特に診断目的で、好ましくはディスプレイ(9)又はプリントアウトによって医師に提示され得る。
【0035】
[較正]
放射アレイ(3)をX線検出器(4)と共に較正する較正ルーチンも提供される。較正ルーチンは、とりわけ、
- 印加された電流及び電圧、並びにビーム時間に基づいて、個別放射器の線量率を較正すること、
- X線検出器平面上の個別放射器の局所的な放射強度分布を較正すること、
- X線検出器平面上の個別放射器の重複エリアを較正すること、
- 個別放射器に特有のX線スペクトルを較正するために、1つ又は複数の材料を有する好適な試験用測定対象を(任意選択的に)使用すること、を行うステップを含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科領域における患者の撮像のための口腔外歯科X線装置(2)であって、
少なくとも所定の方向(z)に沿ってオフセットされている、各々がX線を放出するための少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)を有する放射器アレイ(3)と、
前記個別放射器(3-1;3-2)によって放出された前記X線を少なくとも部分的に検出するためのX線検出器(4)と、
を備え、前記放射器アレイ(3)及び前記X線検出器(4)が、前記所定の方向(z)に平行な軸(z’)を中心として回転可能に配置されている、口腔外歯科X線装置(2)において、
前記個別放射器(3-1;3-2)を別個に制御するための制御デバイスを更に備え、前記制御デバイスが、前記所定の方向(z)に沿って変化させることができる強度及び/又はスペクトル分布をもたらすために、前記少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)から放出されたX線ビームが、前記X線の前記強度及び/又はスペクトル分布において異なるように構成され、前記制御デバイスが、前記強度及び/又はスペクトル分布を適応的に前記患者の解剖学的構造に適応させることができることを特徴とする、口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項2】
前記制御デバイスが、前記個別放射器(3-1;3-2)が順次又は同時に作動されることができ、前記X線検出器(4)の検出信号が前記個別放射器(3-1;3-2)の作動と同期して読み出されるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項3】
前記個別放射器(3-1;3-2)の各々が、それら自体の絞りデバイスを有するか、又は前記放射器アレイ(3)が共通の絞りデバイスを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項4】
前記個別放射器(3-1;3-2)の各々が、それら自体のフィルタデバイスを有するか、又は前記放射器アレイ(3)が共通のフィルタデバイスを有することを特徴とする、請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項5】
前記口腔外歯科X線装置(2)の動作のモードが、PAN、CEPH、DVT撮像方法、前記X線の強度及び/又はスペクトル分布の目標値、絞りデバイスによるコリメーション、フィルタデバイスによるフィルタリング、前記患者の頭部(10)における撮像領域のサイズ及び/又は位置、前記放射器アレイ(3)及び前記X線検出器(4)の軌道などの構成変数のうちの少なくとも1つに関して、入力デバイスを用いてユーザによって構成されることができ、前記制御デバイスが、ユーザ構成に基づいて前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項6】
前記制御デバイス(2)が、前記X線の前記強度及び/又はスペクトル分布が前記患者の解剖学的構造に適応的に適応されるように、前記撮像のために前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成され、前記制御デバイスが、前記患者の解剖学的構造を、
(a)人体解剖学的構造についての一般的な仮定に基づく変数、
(b)前記患者をポジショニングするためのデバイス(6、7)の調整に基づく変数、
(c)前記患者の予め知られている解剖学的構造に基づく変数、
のうちの少なくとも1つにしたがって決定することができることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項7】
前記制御デバイスが、前記X線の前記強度及び/又は前記スペクトル分布が前記X線検出器(4)からの信号の関数として撮像中に再調整されるように、撮像のために前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項8】
前記制御デバイスが、前記個別放射器(3-1;3-2)のX線の前記強度及び/又はスペクトル分布が少なくとも50Hzの周波数を有する所定のシーケンスにしたがって変化されるように、撮像中に少なくとも1つの個別放射器を制御するように更に構成されていることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項9】
使用される前記X線のそれぞれの前記強度及び/又はスペクトル分布についての前記X線検出器(4)の動作モードが、撮像の前又は撮像の間に完全に又は領域的に適応され、前記動作モードが、ダイナミックレンジ、読み出しレート、読み出し範囲、及び利得、のパラメータのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項10】
前記口腔外歯科X線装置(2)が、PAN、CEPH、及びDVT撮像方法のうちの1つ又は複数を備え、前記撮像方法はユーザによって選択可能であることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
【請求項11】
請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)の前記X線検出器(4)の信号からPAN/CEPH用の共通の画像又はDVT用のボリュームを再構成するための方法であって、前記個別放射器(3-1;3-2)の制御の情報が前記方法において考慮される、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法によって提供される視覚化のためのデータセットの使用。
【請求項13】
コンピュータ化されたDVTシステム(1)によって実行されると、請求項11に記載の方法を行わせるコンピュータ可読コードを備える再構成ソフトウェア。
【請求項14】
請求項13に記載の再構成ソフトウェアを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
請求項1
又は2に記載の口腔外歯科X線装置(2)と、請求項13に記載の再構成ソフトウェアを実行するように構成されたコンピューティングユニット(8)とを備えるコンピュータ化されたDVTシステム(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
[較正]
放射アレイ(3)をX線検出器(4)と共に較正する較正ルーチンも提供される。較正ルーチンは、とりわけ、
- 印加された電流及び電圧、並びにビーム時間に基づいて、個別放射器の線量率を較正すること、
- X線検出器平面上の個別放射器の局所的な放射強度分布を較正すること、
- X線検出器平面上の個別放射器の重複エリアを較正すること、
- 個別放射器に特有のX線スペクトルを較正するために、1つ又は複数の材料を有する好適な試験用測定対象を(任意選択的に)使用すること、を行うステップを含む。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 歯科領域における患者の撮像のための口腔外歯科X線装置(2)であって、
少なくとも所定の方向(z)に沿ってオフセットされている、各々がX線を放出するための少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)を有する放射器アレイ(3)と、
前記個別放射器(3-1;3-2)によって放出された前記X線を少なくとも部分的に検出するためのX線検出器(4)と、
を備え、前記放射器アレイ(3)及び前記X線検出器(4)が、前記所定の方向(z)に平行な軸(z’)を中心として回転可能に配置されている、口腔外歯科X線装置(2)において、
前記個別放射器(3-1;3-2)を別個に制御するための制御デバイスを更に備え、前記制御デバイスが、前記所定の方向(z)に沿って変化させることができる強度及び/又はスペクトル分布をもたらすために、前記少なくとも2つの個別放射器(3-1;3-2)から放出されたX線ビームが、前記X線の前記強度及び/又はスペクトル分布において異なるように構成され、前記制御デバイスが、前記強度及び/又はスペクトル分布を適応的に前記患者の解剖学的構造に適応させることができることを特徴とする、口腔外歯科X線装置(2)。
[2] 前記制御デバイスが、前記個別放射器(3-1;3-2)が順次又は同時に作動されることができ、前記X線検出器(4)の検出信号が前記個別放射器(3-1;3-2)の作動と同期して読み出されるように構成されていることを特徴とする、[1]に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[3] 前記個別放射器(3-1;3-2)の各々が、それら自体の絞りデバイスを有するか、又は前記放射器アレイ(3)が共通の絞りデバイスを有することを特徴とする、[1]又は[2]に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[4] 前記個別放射器(3-1;3-2)の各々が、それら自体のフィルタデバイスを有するか、又は前記放射器アレイ(3)が共通のフィルタデバイスを有することを特徴とする、[1]~[3]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[5] 前記口腔外歯科X線装置(2)の動作のモードが、PAN、CEPH、DVT撮像方法、前記X線の強度及び/又はスペクトル分布の目標値、絞りデバイスによるコリメーション、フィルタデバイスによるフィルタリング、前記患者の頭部(10)における撮像領域のサイズ及び/又は位置、前記放射器アレイ(3)及び前記X線検出器(4)の軌道などの構成変数のうちの少なくとも1つに関して、入力デバイスを用いてユーザによって構成されることができ、前記制御デバイスが、ユーザ構成に基づいて前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成されていることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[6] 前記制御デバイス(2)が、前記X線の前記強度及び/又はスペクトル分布が前記患者の解剖学的構造に適応的に適応されるように、前記撮像のために前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成され、前記制御デバイスが、前記患者の解剖学的構造を、
(a)人体解剖学的構造についての一般的な仮定に基づく変数、
(b)前記患者をポジショニングするためのデバイス(6、7)の調整に基づく変数、
(c)前記患者の予め知られている解剖学的構造に基づく変数、
のうちの少なくとも1つにしたがって決定することができることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[7] 前記制御デバイスが、前記X線の前記強度及び/又は前記スペクトル分布が前記X線検出器(4)からの信号の関数として撮像中に再調整されるように、撮像のために前記個別放射器(3-1;3-2)を制御するように更に構成されていることを特徴とする、[1]~[6]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[8] 前記制御デバイスが、前記個別放射器(3-1;3-2)のX線の前記強度及び/又はスペクトル分布が少なくとも50Hzの周波数を有する所定のシーケンスにしたがって変化されるように、撮像中に少なくとも1つの個別放射器を制御するように更に構成されていることを特徴とする、[1]~[7]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[9] 使用される前記X線のそれぞれの前記強度及び/又はスペクトル分布についての前記X線検出器(4)の動作モードが、撮像の前又は撮像の間に完全に又は領域的に適応され、前記動作モードが、ダイナミックレンジ、読み出しレート、読み出し範囲、及び利得、のパラメータのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、[1]~[8]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[10] 前記口腔外歯科X線装置(2)が、PAN、CEPH、及びDVT撮像方法のうちの1つ又は複数を備え、前記撮像方法はユーザによって選択可能であることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)。
[11] [1]~[10]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)の前記X線検出器(4)の信号からPAN/CEPH用の共通の画像又はDVT用のボリュームを再構成するための方法であって、前記個別放射器(3-1;3-2)の制御の情報が前記方法において考慮される、方法。
[12] [11]に記載の方法によって提供される視覚化のためのデータセットの使用。
[13] コンピュータ化されたDVTシステム(1)によって実行されると、[11]に記載の方法を行わせるコンピュータ可読コードを備える再構成ソフトウェア。
[14] [13]に記載の再構成ソフトウェアを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
[15] [1]~[10]のいずれか一項に記載の口腔外歯科X線装置(2)と、[13]に記載の再構成ソフトウェアを実行するように構成されたコンピューティングユニット(8)とを備えるコンピュータ化されたDVTシステム(1)。
【国際調査報告】