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特表2024-542590移植拒絶反応またはそのリスクを特定するための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】移植拒絶反応またはそのリスクを特定するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20241108BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20241108BHJP
   C40B 40/06 20060101ALI20241108BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20241108BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20241108BHJP
   C12Q 1/6837 20180101ALI20241108BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20241108BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241108BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241108BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20241108BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20241108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241108BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20241108BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALN20241108BHJP
   C12N 15/10 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
C12N15/09 200
C12M1/34 Z
C40B40/06
C12Q1/686 Z
C12Q1/6869 Z
C12Q1/6837 Z
C12Q1/6813 Z
A61K45/00
A61P9/10
A61P37/06
A61K31/7105
A61P43/00 121
G01N33/53 M
C12Q1/6876 Z
C12N15/10 100Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531421
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 US2022044426
(87)【国際公開番号】W WO2023096699
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/283,053
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524197530
【氏名又は名称】イノヴァ ヘルス ケア サービシズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】シャー パラク
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB20
4B029FA12
4B063QA01
4B063QA13
4B063QA19
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZB082
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZB08
4C086ZC75
(57)【要約】
急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象の特定に有用な、マイクロ流体アレイ及びmiRパネルが、本明細書により提供される。さらに、急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を含む、急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法が提供される。さらに、移植片拒絶反応を検出するためのシステム、機器、装置、方法、並びに/若しくは、コンピュータプログラム製品の態様、及び/又はそれらの組み合わせ及びサブコンビネーションが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイであって、前記RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つが、miR-223-3p、miR-361-3p、miR-3615、miR-24-3p、miR-182-5p、miR-374a-5p、miR-23a-3p、miR-30e-5p、miR-582-3p、miR-130b-3p、miR-326 92、miR-1299、miR-23a-3p、miR-145-5p、miR-1249-3p、miR-27a-3p、miR-215-5p、miR-145-3p、miR-10b-5p、miR-582-3p、let-7b-3p、miR-142-3p、miR-450b-5p、miR-140-5p、miR-374a-5p、miR-17-5p、miR-143-3p、miR-130b-3p、miR-1-3p、miR-542-3p、miR-484、miR-345-5p、miR-125a-5p、miR-338-5p、miR-769-5p、miR-193a-5p、miR-454-3p、miR-223-5p、及び、let-7d-3pからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする、マイクロ流体アレイ。
【請求項2】
1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイであって、前記RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つが、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする、マイクロ流体アレイ。
【請求項3】
miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、請求項1又は2に記載のマイクロ流体アレイ。
【請求項4】
1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイであって、前記RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つが、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする、マイクロ流体アレイ。
【請求項5】
miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、請求項4に記載のマイクロ流体アレイ。
【請求項6】
1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む流体チップであって、前記RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つが、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする、流体チップ。
【請求項7】
miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、請求項6に記載の流体チップ。
【請求項8】
1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む流体チップであって、前記RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つが、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする、流体チップ。
【請求項9】
miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、請求項8に記載の流体チップ。
【請求項10】
前記流体チップがマイクロ流体チップである、請求項6から9のいずれか一項に記載の流体チップ。
【請求項11】
心臓移植後に急性心臓移植片拒絶反応に罹患している、又は発症のリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するための、miR-223-3p、miR-361-3p、miR-3615、miR-24-3p、miR-182-5p、miR-374a-5p、miR-23a-3p、miR-30e-5p、miR-582-3p、miR-130b-3p、miR-326 92、miR-1299、miR-23a-3p、miR-145-5p、miR-1249-3p、miR-27a-3p、miR-215-5p、miR-145-3p、miR-10b-5p、miR-582-3p、let-7b-3p、miR-142-3p、miR-450b-5p、miR-140-5p、miR-374a-5p、miR-17-5p、miR-143-3p、miR-130b-3p、miR-1-3p、miR-542-3p、miR-484、miR-345-5p、miR-125a-5p、miR-338-5p、miR-769-5p、miR-193a-5p、miR-454-3p、miR-223-5p、let-7d-3p、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される1つ以上のmiRにハイブリダイズする、RNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項12】
前記急性心臓移植片拒絶反応がACR、AMR、又はこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載のRNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項13】
心臓移植後にACRに罹患している、又は発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するための、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される1つ以上のmiRにハイブリダイズする、RNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項14】
miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、又は少なくとも11個のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、請求項13に記載のRNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項15】
miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、請求項13又は14に記載のRNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項16】
miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブからなる、請求項13に記載のRNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項17】
心臓移植後にAMRに罹患している、又は発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するための、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される1つ以上のmiRにハイブリダイズする、RNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項18】
miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、又は少なくとも11個のmRNAを含む、請求項17に記載のRNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項19】
miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、請求項17又は18に記載のRNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項20】
miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブからなる、請求項19に記載のRNAハイブリダイゼーションプローブパネル。
【請求項21】
心臓移植後に急性細胞性拒絶反応(ACR)を含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、以下を含む方法:
(i)ヒトである対象から生体試料を取得すること、ここで、前記生体試料はRNAを含む、
(ii)前記RNAを含む生体試料を、請求項2又は3に記載のマイクロ流体アレイ、請求項6又は7に記載のチップ、又は、請求項13から16のいずれか一項に記載のパネルと接触させること;及び、
(iii)以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること:
ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326];
ここで:
(a)=23および33からの任意の数;
(b)=0.14および0.24からの任意の数;
(c)=2.5および7.5からの任意の数;
(d)=2および6からの任意の数;
(e)=4および9からの任意の数;
(f)=2および6からの任意の数;
(g)=0.5および5からの任意の数;
(h)=22および32からの任意の数;
(i)=1および5からの任意の数;
(j)=3および10からの任意の数;
(k)=4および11からの任意の数;及び、
(l)=6および14からの任意の数;であり、
ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、及び、「ln」は自然対数を表し;
ここで、ヒトである対象は、前記ACRシグネチャースコアが約65以上である場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【請求項22】
心臓移植後に急性細胞性拒絶反応(ACR)を含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、以下を含む方法:
(i)ヒトである対象から生体試料を取得すること、ここで、前記生体試料はRNAを含む;
(ii)前記生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む;及び、
(iii)以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること:
ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326];
ここで:
(a)=23および33からの任意の数;
(b)=0.14および0.24からの任意の数;
(c)=2.5および7.5からの任意の数;
(d)=2および6からの任意の数;
(e)=4および9からの任意の数;
(f)=2および6からの任意の数;
(g)=0.5および5からの任意の数;
(h)=22および32からの任意の数;
(i)=1および5からの任意の数;
(j)=3および10からの任意の数;
(k)=4および11からの任意の数;及び、
(l)=6および14からの任意の数;であり、
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」の量を指し、及び、「ln」は自然対数を表し;
ここで、ヒトである対象は、前記ACRシグネチャースコアが約65以上である場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【請求項23】
ヒトである対象において、心臓移植後のACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を診断する方法であって、以下を含む方法:
(i)ヒトである対象から生体試料を取得すること、ここで、前記生体試料はRNAを含む;
(ii)前記生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む;及び、
(iii)以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること:
ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326];
ここで:
(a)=23および33からの任意の数;
(b)=0.14および0.24からの任意の数;
(c)=2.5および7.5からの任意の数;
(d)=2および6からの任意の数;
(e)=4および9からの任意の数;
(f)=2および6からの任意の数;
(g)=0.5および5からの任意の数;
(h)=22および32からの任意の数;
(i)=1および5からの任意の数;
(j)=3および10からの任意の数;
(k)=4および11からの任意の数;及び、
(l)=6および14からの任意の数;であり、
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」の量を指し、及び、「ln」は自然対数を表し;
ここで、ヒトである対象は、前記ACRシグネチャースコアが約65以上である場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【請求項24】
前記生体試料からRNAを単離することをさらに含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記RNAが1つ以上のmiRを含む、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
心臓移植後にACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む;及び、
以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法:
ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326];
ここで:
(a)=23および33からの任意の数;
(b)=0.14および0.24からの任意の数;
(c)=2.5および7.5からの任意の数;
(d)=2および6からの任意の数;
(e)=4および9からの任意の数;
(f)=2および6からの任意の数;
(g)=0.5および5からの任意の数;
(h)=22および32からの任意の数;
(i)=1および5からの任意の数;
(j)=3および10からの任意の数;
(k)=4および11からの任意の数;及び、
(l)=6および14からの任意の数;であり、
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」の量を指し、及び、「ln」は自然対数を表し;
ここで、ヒトである対象は、前記ACRシグネチャースコアが約65以上である場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【請求項27】
ヒトである対象において、心臓移植後のACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を診断する方法であって、ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む;及び、
以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法:
ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326];
ここで:
(a)=23および33からの任意の数;
(b)=0.14および0.24からの任意の数;
(c)=2.5および7.5からの任意の数;
(d)=2および6からの任意の数;
(e)=4および9からの任意の数;
(f)=2および6からの任意の数;
(g)=0.5および5からの任意の数;
(h)=22および32からの任意の数;
(i)=1および5からの任意の数;
(j)=3および10からの任意の数;
(k)=4および11からの任意の数;及び、
(l)=6および14からの任意の数;であり、
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」の量を指し、及び、「ln」は自然対数を表し;
ここで、前記ACRシグネチャースコアが約65より高い場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応が診断される。
【請求項28】
ヒトであって、処置を必要とする対象において、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を処置する方法であって、以下を含む方法:
(i)ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む;
(ii)以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること:
ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326];
ここで:
(a)=23および33からの任意の数;
(b)=0.14および0.24からの任意の数;
(c)=2.5および7.5からの任意の数;
(d)=2および6からの任意の数;
(e)=4および9からの任意の数;
(f)=2および6からの任意の数;
(g)=0.5および5からの任意の数;
(h)=22および32からの任意の数;
(i)=1および5からの任意の数;
(j)=3および10からの任意の数;
(k)=4および11からの任意の数;及び、
(l)=6および14からの任意の数;及び、
(iii)前記ACRシグネチャースコアが約65以上であると特定された、ヒトである対象に対して、免疫抑制療法を実施すること;
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」の量を指し、及び、「ln」は自然対数を表す。
【請求項29】
(a)=26から31までの任意の数;
(b)=0.16から0.21までの任意の数;
(c)=4から6までの任意の数;
(d)=3から5までの任意の数;
(e)=6から7.5までの任意の数;
(f)=3から5までの任意の数;
(g)=1から3までの任意の数;
(h)=25から28までの任意の数;
(i)=2から4までの任意の数;
(j)=5から7までの任意の数;
(k)=7から9までの任意の数;及び、
(l)=10から12までの任意の数である、
請求項22から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
(a)=約28.90;
(b)=約0.19;
(c)=約5.46;
(d)=約4.77;
(e)=約6.41;
(f)=約4.41;
(g)=約2.20;
(h)=約27.69;
(i)=約3.05;
(j)=約6.17;
(k)=約7.71;及び、
(l)=約10.63である、
請求項22から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記miRパネルがさらに1つ以上の追加のmiRを含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
ヒトである対象に免疫抑制療法を実施することをさらに含む、請求項22から27及び29から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記免疫抑制療法が、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される療法を実施することを含む、請求項28又は32に記載の方法。
【請求項34】
心臓移植後に抗体媒介性拒絶反応(AMR)を含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、以下を含む方法:
(i)ヒトである対象から生体試料を取得すること、ここで、前記生体試料はRNAを含む;
(ii)前記RNAを含む生体試料を、請求項4又は5に記載のマイクロ流体アレイ、請求項8又は9に記載のチップ、又は、請求項17から20のいずれか一項に記載のパネルと接触させること;及び、
(iii)以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること:
AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];
ここで:
(a)=23から28までの任意の数;
(b)=7から11までの任意の数;
(c)=1から6までの任意の数;
(d)=3から8までの任意の数;
(e)=6から11までの任意の数;
(f)=5から11までの任意の数;
(g)=1から5までの任意の数;
(h)=0.5から4までの任意の数;
(i)=5から11までの任意の数;
(j)=6から13までの任意の数;
(k)=3から8までの任意の数;
(l)=0.1から2までの任意の数;
(m)=1から4までの任意の数;
(n)=1から5までの任意の数;
(o)=0.5から4までの任意の数;
(p)=0.1から3までの任意の数;及び、
(q)=0.1から4までの任意の数であり;
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」の量を指し、及び、lnは自然対数を表し;
ここで、ヒトである対象は、前記AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【請求項35】
心臓移植後にAMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、以下を含む方法:
(i)ヒトである対象から生体試料を取得すること、ここで、前記生体試料はRNAを含む;
(ii)前記生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む;及び、
(iii)以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること:
AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];
ここで:
(a)=23から28までの任意の数;
(b)=7から11までの任意の数;
(c)=1から6までの任意の数;
(d)=3から8までの任意の数;
(e)=6から11までの任意の数;
(f)=5から11までの任意の数;
(g)=1から5までの任意の数;
(h)=0.5から4までの任意の数;
(i)=5から11までの任意の数;
(j)=6から13までの任意の数;
(k)=3から8までの任意の数;
(l)=0.1から2までの任意の数;
(m)=1から4までの任意の数;
(n)=1から5までの任意の数;
(o)=0.5から4までの任意の数;
(p)=0.1から3までの任意の数;及び、
(q)=0.1から4までの任意の数であり;
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」の量を指し、及び、「ln」は自然対数を表し;及び、
ここで、ヒトである対象は、前記AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【請求項36】
ヒトである対象において、心臓移植後のAMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を診断する方法であって、以下を含む方法:
(i)ヒトである対象から生体試料を取得すること、ここで、前記生体試料はRNAを含む;
(ii)前記生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む;及び、
(iii)以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること:
AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];
ここで:
(a)=23から28までの任意の数;
(b)=7から11までの任意の数;
(c)=1から6までの任意の数;
(d)=3から8までの任意の数;
(e)=6から11までの任意の数;
(f)=5から11までの任意の数;
(g)=1から5までの任意の数;
(h)=0.5から4までの任意の数;
(i)=5から11までの任意の数;
(j)=6から13までの任意の数;
(k)=3から8までの任意の数;
(l)=0.1から2までの任意の数;
(m)=1から4までの任意の数;
(n)=1から5までの任意の数;
(o)=0.5から4までの任意の数;
(p)=0.1から3までの任意の数;及び、
(q)=0.1から4までの任意の数であり;
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」の量を指し、及び、「ln」は自然対数を表し;及び
ここで、ヒトである対象は、前記AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【請求項37】
前記生体試料からRNAを単離することをさらに含む、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記RNAが1つ以上のmiRを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
心臓移植後にAMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む;及び、
以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法:
AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];
ここで:
(a)=23から28までの任意の数;
(b)=7から11までの任意の数;
(c)=1から6までの任意の数;
(d)=3から8までの任意の数;
(e)=6から11までの任意の数;
(f)=5から11までの任意の数;
(g)=1から5までの任意の数;
(h)=0.5から4までの任意の数;
(i)=5から11までの任意の数;
(j)=6から13までの任意の数;
(k)=3から8までの任意の数;
(l)=0.1から2までの任意の数;
(m)=1から4までの任意の数;
(n)=1から5までの任意の数;
(o)=0.5から4までの任意の数;
(p)=0.1から3までの任意の数;及び、
(q)=0.1から4までの任意の数であり;
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」のレベルを指し、及び、「ln」は自然対数を表し;及び、
ここで、ヒトである対象は、前記AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【請求項40】
ヒトである対象において、心臓移植後のAMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を診断する方法であって、ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む;及び、
以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法:
AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];
ここで:
(a)=23から28までの任意の数;
(b)=7から11までの任意の数;
(c)=1から6までの任意の数;
(d)=3から8までの任意の数;
(e)=6から11までの任意の数;
(f)=5から11までの任意の数;
(g)=1から5までの任意の数;
(h)=0.5から4までの任意の数;
(i)=5から11までの任意の数;
(j)=6から13までの任意の数;
(k)=3から8までの任意の数;
(l)=0.1から2までの任意の数;
(m)=1から4までの任意の数;
(n)=1から5までの任意の数;
(o)=0.5から4までの任意の数;
(p)=0.1から3までの任意の数;及び、
(q)=0.1から4までの任意の数であり;
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」のレベルを指し、及び、「ln」は自然対数を表し;及び
ここで、前記AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応が診断される。
【請求項41】
ヒトであって、処置を必要とする対象において、急性心臓移植片拒絶反応を処置する方法であって、以下を含む方法:
(i)ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること、ここで、前記miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む;
(ii)以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること:
AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];
ここで:
(a)=23から28までの任意の数;
(b)=7から11までの任意の数;
(c)=1から6までの任意の数;
(d)=3から8までの任意の数;
(e)=6から11までの任意の数;
(f)=5から11までの任意の数;
(g)=1から5までの任意の数;
(h)=0.5から4までの任意の数;
(i)=5から11までの任意の数;
(j)=6から13までの任意の数;
(k)=3から8までの任意の数;
(l)=0.1から2までの任意の数;
(m)=1から4までの任意の数;
(n)=1から5までの任意の数;
(o)=0.5から4までの任意の数;
(p)=0.1から3までの任意の数;及び、
(q)=0.1から4までの任意の数;及び、
(iii)前記AMRシグネチャースコアが約65以上であると特定された、ヒトである対象に対し、免疫抑制療法を実施すること;
ここで、「[X]」は前記生体試料中の「X」のレベルを指す。
【請求項42】
(a)=24から27までの任意の数;
(b)=8.5から10.5までの任意の数;
(c)=2から4までの任意の数;
(d)=4.5から6.5までの任意の数;
(e)=7.5から9.5までの任意の数;
(f)=7から9までの任意の数;
(g)=2から4までの任意の数;
(h)=1.0から1.75までの任意の数;
(i)=7から9までの任意の数;
(j)=9から11までの任意の数;
(k)=5から7までの任意の数;
(l)=1から2までの任意の数;
(m)=1.5から2.5までの任意の数;
(n)=1.5から2.5までの任意の数;
(o)=0.7から1.7までの任意の数;
(p)=0.5から1.5までの任意の数;及び、
(q)=1.4から2.4までの任意の数である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
(a)=約25.44;
(b)=約9.33;
(c)=約3.39;
(d)=約5.82;
(e)=約8.24;
(f)=約8.62;
(g)=約2.75;
(h)=約1.43;
(i)=約7.95;
(j)=約9.69;
(k)=約5.47;
(l)=約.60;
(m)=約2.05;
(n)=約2.24;
(o)=約1.40;
(p)=約.87;及び、
(q)=約1.69である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記miRパネルがさらに1つ以上の追加のmiRを含む、請求項34から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
ヒトである対象に免疫抑制療法を実施することをさらに含む、請求項34から40及び42から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記免疫抑制療法が、免疫グロブリン静注、血漿交換、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、リツキシマブ、エクリズマブ、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される療法を実施することを含む、請求項41又は45に記載の方法。
【請求項47】
前記生体試料が、全血、血清、血漿、又は、これらの任意の組み合わせを含む、血液由来試料である、請求項22から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記miRパネルのレベルが、small RNA/microRNA/RNAシーケンス、アレイカード、マイクロアレイハイブリダイゼーション、プローブアッセイ、ノーザンブロット、等温核酸増幅(iNAAT)、クリスパー(CRISPR)、定量的逆転写酵素PCR(qRT-PCR)、又は、リアルタイムPCR(RT-PCR)、又は、これらの任意の組み合わせを用いて測定される、請求項22から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記miRパネルのレベルが、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、マイクロ流体アレイを用いて測定される、請求項23から33及び35から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
(i)1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブであって、前記RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つが、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする、RNAハイブリダイゼーションプローブ;及び、
(ii)請求項23から33及び47から49のいずれか一項に記載の方法に従い、miRパネルのレベルを測定するための説明書、
を含むキット。
【請求項51】
(i)1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブであって、前記RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする、RNAハイブリダイゼーションプローブ;及び、
(ii)請求項35から49のいずれか一項に記載の方法に従い、miRパネルのレベルを測定するための説明書、
を含むキット。
【請求項52】
(i)miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ;及び、
(ii)請求項23から33及び47から49のいずれか一項に記載の方法に従い、miRパネルのレベルを測定するための説明書、
を含むキット。
【請求項53】
(i)miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ;及び、
(ii)請求項35から49のいずれか一項に記載の方法に従い、miRパネルのレベルを測定するための説明書、
を含むキット。
【請求項54】
移植拒絶反応を検出するためのmicroRNAパネルを作成するための方法であって、以下を含む方法:
プロセッサによって、1つ以上の対象から得られた、1つ以上の試料について、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;
前記プロセッサによって、所定の基準に基づいて、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードから1つ以上のmicroRNAのシーケンスリードを取り除くことにより、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードをフィルタリングすること;
前記プロセッサによって、フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリードから標的核酸を特定すること;
前記プロセッサによって、前記標的核酸に基づき、前記フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリード中のmicroRNAのセットを特定すること;
前記プロセッサによって、急性細胞性拒絶反応(ACR)または抗体媒介性拒絶反応(AMR)において、差次的に発現したmicroRNAを、前記miRのセットから特定すること;
前記プロセッサによって、前記差次的に発現したmicroRNAを使用して、第1のロジスティック回帰モデルを作成すること;及び、
前記プロセッサによって、前記第1のロジスティック回帰モデルに基づいて、前記差次的に発現したmicroRNAから1つ以上のmicroRNAを特定すること、ここで、前記差次的に発現したmicroRNAがACRに対応する場合は、前記1つ以上のmicroRNAはACRの診断に用いられ、又は、前記差次的に発現したmicroRNAがAMRに対応する場合は、前記1つ以上のmicroRNAはAMRの診断に用いられる。
【請求項55】
以下をさらに含む、請求項54に記載の方法:
前記プロセッサによって、前記1つ以上のmicroRNAに対応する、前記1以上の試料のそれぞれのmicroRNA発現データを用いて、第2のロジスティック回帰モデルを作成すること;及び、
前記プロセッサによって、前記第2のロジスティック回帰モデルに基づいて、ACRの可能性を示す第1の閾値スコア、又は、AMRの可能性を示す第2の閾値スコアを特定すること。
【請求項56】
以下をさらに含む、請求項55に記載の方法:
前記プロセッサによって、患者の試料を用いて、前記患者がACR又はAMRと診断されるかどうかを決定する要求を受信すること、ここで前記患者は心臓移植レシピエントである;
前記プロセッサによって、前記患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;
前記プロセッサによって、前記1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから、患者のmicroRNA発現データを特定すること;及び、
前記プロセッサによって、前記患者のmicroRNA発現データを前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;
前記プロセッサによって、前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした、前記患者のmicroRNA発現データに基づいて、前記患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること;
前記プロセッサによって、前記ACRスコアが前記第1の閾値スコア以上である場合、前記患者がACRと診断され、又は、前記AMRスコアが前記第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されることを決定すること;及び、
前記プロセッサによって、前記患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、前記患者の心臓移植片拒絶反応を特定すること。
【請求項57】
前記患者がACR又はAMRと診断される決定に基づいて、前記プロセッサによって、前記患者への処置を特定することをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記標的核酸がACRまたはAMRに関与する、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
1つ以上の試料をシーケンスすることにより、前記複数のシーケンスリードが得られる、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記所定の基準が、複数のシーケンスリードから、3'アダプターバーコード配列、ランダムバーコード配列、UniVec混入物、又は、<15塩基対のシーケンスリードである1つ以上のシーケンスリードを取り除くことを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ以上のシーケンスリードを取り除いた後、前記プロセッサによって、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードについて、主成分分析を実行することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項62】
前記差次的に発現したmicroRNAを特定することが、
前記プロセッサによって、前記差次的に発現したmicroRNAを、臨床的共変量に対して、調整すること、
を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記臨床的共変量が、年齢、性別、人種、又は体格指数を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項64】
前記第1のロジスティック回帰モデルを、LASSOペナルティと適合させた、請求項54に記載の方法。
【請求項65】
前記LASSOペナルティのチューニングパラメーターが、モデル逸脱度を最小化するために、10-fold交差検証によって選択される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1のロジスティック回帰モデルを作成するために使用される、前記差次的に発現したmicroRNAが、0.10未満の未調整確率値を有する、請求項54に記載の方法。
【請求項67】
前記第1のロジスティック回帰モデルを作成することが、以下を含む、請求項54に記載の方法:
前記プロセッサによって、前記差次的に発現したmicroRNAのカウントを正規化すること;
前記プロセッサによって、前記正規化されたカウントを対数変換して対数カウントを作成すること;及び、
前記プロセッサによって、平均値が0、分散が1になるように、それぞれの差次的に発現したmicroRNAの対数カウントを標準化すること。
【請求項68】
移植拒絶反応を検出するためのmicroRNAパネルを作成するためのシステムであって、以下を含むシステム:
メモリ;及び、
前記メモリに結合したプロセッサであって、以下のように設定されるプロセッサ:
1つ以上の対象から得られた、1つ以上の試料について、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得し;
所定の基準に基づいて、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードから1つ以上のmicroRNAのシーケンスリードを取り除くことにより、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードをフィルタリングし;
フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリードから標的核酸を特定し;
前記標的核酸に基づき、前記フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリード中のmicroRNAのセットを特定し;
急性細胞性拒絶反応(ACR)または抗体媒介性拒絶反応(AMR)において、差次的に発現したmicroRNAを、前記miRのセットから特定し;
前記差次的に発現したmicroRNAを使用して、第1のロジスティック回帰モデルを作成し;及び、
前記第1のロジスティック回帰モデルに基づいて、前記差次的に発現したmicroRNAから1つ以上のmicroRNAを特定する、ここで、前記差次的に発現したmicroRNAがACRに対応する場合は、前記1つ以上のmicroRNAはACRの診断に用いられ、又は、前記差次的に発現したmicroRNAがAMRに対応する場合は、前記1つ以上のmicroRNAはAMRの診断に用いられる。
【請求項69】
前記プロセッサが、さらに以下のように設定される、請求項68に記載のシステム:
前記1つ以上のmicroRNAに対応する、前記1つ以上の試料のそれぞれのmicroRNA発現データを用いて、第2のロジスティック回帰モデルを作成し;及び、
前記第2のロジスティック回帰モデルに基づいて、ACRの可能性を示す第1の閾値スコア、又は、AMRの可能性を示す第2の閾値スコアを特定する。
【請求項70】
前記プロセッサが、さらに以下のように設定される、請求項69に記載のシステム:
患者の試料を用いて、患者がACR又はAMRと診断されるかどうかを決定する要求を受信し、ここで前記患者は心臓移植レシピエントである;
患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得し;
前記1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから、患者のmicroRNA発現データを特定し;及び、
前記患者のmicroRNA発現データを前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットし;
前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした、前記患者のmicroRNA発現データに基づいて、前記患者のACRスコア又はAMRスコアを作成し;
前記ACRスコアが前記第1の閾値スコア以上である場合、前記患者がACRと診断され、又は、前記AMRスコアが前記第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されることを決定し;及び、
前記患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、前記患者の心臓移植片拒絶反応を特定する。
【請求項71】
前記患者がACR又はAMRと診断される決定に基づいて、前記患者への処置を特定するように、前記プロセッサがさらに設定される、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記標的核酸がACRまたはAMRに関与する、請求項68に記載のシステム。
【請求項73】
前記1つ以上の試料をシーケンスすることにより、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得する、請求項68に記載のシステム。
【請求項74】
前記所定の基準が、前記複数のシーケンスリードから、3'アダプターバーコード配列、ランダムバーコード配列、UniVec混入物、又は<15塩基対のシーケンスリードである1つ以上のシーケンスリードを取り除くことを含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項75】
前記1つ以上のシーケンスリードを取り除いた後、前記プロセッサが、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードについて、主成分分析を実行するように、さらに設定される、請求項68に記載のシステム。
【請求項76】
前記差次的に発現したmicroRNAを特定する際、
前記差次的に発現したmicroRNAを臨床的共変量に対して調整するように、
前記プロセッサがさらに設定される、請求項68に記載のシステム。
【請求項77】
前記臨床的共変量が、年齢、性別、人種、又は体格指数を含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項78】
前記第1のロジスティック回帰モデルを、LASSOペナルティと適合させた、請求項68に記載のシステム。
【請求項79】
前記LASSOペナルティのチューニングパラメーターが、モデル逸脱度を最小化するために、10-fold交差検証によって選択される、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記第1のロジスティック回帰モデルを作成するために使用される、前記差次的に発現したmicroRNAが、0.10未満の未調整確率値を有する、請求項68に記載のシステム。
【請求項81】
前記第1のロジスティック回帰モデルを作成する際に、前記プロセッサが、さらに以下のように設定される、請求項68に記載のシステム:
前記差次的に発現したmicroRNAのカウントを正規化し;
前記正規化されたカウントを対数変換して対数カウントを作成し;及び、
平均値が0、分散が1になるように、それぞれの差次的に発現したmicroRNAの対数カウントを標準化する。
【請求項82】
非一過性のコンピュータ読取可能媒体であって、その上に保存された命令を有していて、装置の1つ以上のプロセッサが前記命令を実行することにより、前記1つ以上のプロセッサに以下を含む作業を実行させる、非一過性のコンピュータ読取可能媒体:
1つ以上の対象から得られた、1つ以上の試料について、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;
所定の基準に基づいて、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードから、1つ以上のmicroRNAのシーケンスリードを取り除くことにより、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードをフィルタリングすること;
フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリードから標的核酸を特定すること;
前記標的核酸に基づき、前記フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリード中のmicroRNAのセットを特定すること;
急性細胞性拒絶反応(ACR)または抗体媒介性拒絶反応(AMR)において、差次的に発現したmicroRNAを、前記miRのセットから特定すること;
前記差次的に発現したmicroRNAを使用して、第1のロジスティック回帰モデルを作成すること;及び、
前記第1のロジスティック回帰モデルに基づいて、前記差次的に発現したmicroRNAから、1つ以上のmicroRNAを特定すること、ここで、前記差次的に発現したmicroRNAがACRに対応する場合は、前記1つ以上のmicroRNAはACRの診断に用いられ、又は、前記差次的に発現したmicroRNAがAMRに対応する場合は、前記1つ以上のmicroRNAはAMRの診断に用いられる。
【請求項83】
前記作業が、さらに以下を含む、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体:
前記1つ以上のmicroRNAに対応する、前記1以上の試料のそれぞれのmicroRNA発現データを用いて、第2のロジスティック回帰モデルを作成すること;及び
前記第2のロジスティック回帰モデルに基づいて、ACRの可能性を示す第1の閾値スコア、又は、AMRの可能性を示す第2の閾値スコアを特定すること。
【請求項84】
前記作業が、さらに以下を含む、請求項83に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体:
患者の試料を用いて、患者がACR又はAMRと診断されるかどうかを決定する要求を受信すること、ここで前記患者は心臓移植レシピエントである;
前記患者の試料として、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;
前記1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定すること;及び、
前記患者のmicroRNA発現データを、前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;
前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした前記患者のmicroRNA発現データに基づいて、前記患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること;
前記ACRスコアが前記第1の閾値スコア以上である場合、前記患者がACRと診断され、又は、前記AMRスコアが前記第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されることを決定すること;及び
前記患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、前記患者の心臓移植片拒絶反応を特定すること。
【請求項85】
前記患者がACR又はAMRと診断される決定に基づいて、前記患者への処置を特定することを、前記作業がさらに含む、請求項84に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項86】
前記標的核酸がACRまたはAMRに関与する、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項87】
前記1つ以上の試料をシーケンスすることにより、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得する、請求項82に記載の非一過性コンピュータ読取可能媒体。
【請求項88】
前記所定の基準が、除去する3'アダプターバーコード配列、ランダムバーコード配列、UniVec混入物、又は<15塩基対のシーケンスリードに基づき、前記複数のシーケンスリードから、1つ以上のシーケンスリードを取り除くことを含む、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項89】
前記1つ以上のシーケンスリードを取り除いた後、前記作業が、前記複数のmicroRNAのシーケンスリードについて、主成分分析を実行することをさらに含む、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項90】
前記差次的に発現したmicroRNAを特定する際、前記作業が、
前記差次的に発現したmicroRNAを、臨床的共変量に対して、調整すること、
をさらに含む、請求項82記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項91】
前記臨床的共変量が、年齢、性別、人種、または体格指数を含む、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項92】
前記第1のロジスティック回帰モデルを、LASSOペナルティと適合させた、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項93】
前記LASSOペナルティのチューニングパラメーターが、モデル逸脱度を最小化するために、10-fold交差検証によって選択される、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項94】
前記第1のロジスティック回帰モデルを作成するために使用される、前記差次的に発現したmicroRNAが、0.10未満の未調整確率値を有する、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項95】
前記第1のロジスティック回帰モデルを作成する際に、前記作業が、さらに以下を含む、請求項82に記載の非一過性のコンピュータ読取可能媒体:
前記差次的に発現したmicroRNAのカウントを正規化すること;
前記正規化されたカウントを対数変換して対数カウントを作成すること;及び、
平均値が0、分散が1になるように、それぞれの差次的に発現したmicroRNAの対数カウントを標準化すること。
【請求項96】
心臓移植をした患者において、移植片拒絶反応を特定するための方法であって、以下を含む方法:
プロセッサによって、患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信すること、ここで、前記患者の試料は心臓移植患者由来である;
前記プロセッサによって、前記患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;
前記プロセッサによって、1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから、患者のmicroRNA発現データを特定すること、ここで、前記1つ以上のmicroRNAはACR又はAMRの検出に用いられる;及び、
前記プロセッサによって、前記患者のmicroRNA発現データを、第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;
前記プロセッサによって、前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした、前記患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定すること;
前記プロセッサによって、前記1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、前記係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成すること;及び、
前記プロセッサによって、数値範囲に基づいて前記加重ACRスコア又は前記加重AMRスコアをスケーリングすること:により、
前記プロセッサによって、前記患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること;
前記プロセッサによって、前記ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、前記患者がACRと診断され、又は、前記AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されることを決定すること;及び、
前記プロセッサによって、前記患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、前記患者の移植片拒絶反応を特定すること。
【請求項97】
患者における移植片拒絶反応を特定するためのシステムであって、以下を含むシステム:
メモリ;及び、
前記メモリに結合したプロセッサであって、以下のように設定されるプロセッサ:
患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信し、ここで前記患者の試料は心臓移植患者由来である;
前記患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得し;
1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから、患者のmicroRNA発現データを特定し、ここで前記1つ以上のmicroRNAはACR又はAMRの検出に用いられる;及び、
前記患者のmicroRNA発現データを、第2のロジスティック回帰モデル上にプロットし;
前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定し;
前記1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、前記係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成し;及び、
数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること:により、
前記患者のACRスコア又はAMRスコアを作成し;
前記ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、前記患者がACRと診断され、又は、AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されることを決定し;
前記患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、前記患者の移植片拒絶反応を特定する。
【請求項98】
非一過性のコンピュータ読取可能媒体であって、その上に保存された命令を有していて、装置の1つ以上のプロセッサが前記命令を実行することにより、前記1つ以上のプロセッサに以下を含む作業を実行させる、非一過性のコンピュータ読取可能媒体:
患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信すること、ここで、前記患者の試料は心臓移植患者由来である;
前記患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;
1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから、患者のmicroRNA発現データを特定すること、ここで前記1つ以上のmicroRNAはACR及びAMRの検出に用いられる;及び、
患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;
前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定すること;
前記1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、前記係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成すること;及び、
数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること:により、
前記患者のACRスコア及びAMRスコアを作成すること;
前記ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、前記患者がACRと診断され、又は、前記AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されることを決定すること;及び
前記患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、前記患者の移植片拒絶反応を特定すること。
【請求項99】
心臓移植をした患者において、移植片拒絶反応のリスクがあることを決定するための方法であって、以下を含む方法:
プロセッサによって、患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信すること、ここで、前記患者の試料は心臓移植患者由来である;
前記プロセッサによって、前記患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;
前記プロセッサによって、1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから、患者のmicroRNA発現データを特定すること、ここで、前記1つ以上のmicroRNAはACR又はAMRの検出に用いられる;及び
前記プロセッサによって、前記患者のmicroRNA発現データを、第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;
前記プロセッサによって、前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした、患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定すること;
前記プロセッサによって、1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、前記係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成すること;及び、
前記プロセッサによって、数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること:により、
前記プロセッサによって、前記患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること;及び、
前記プロセッサによって、前記ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、前記患者がACRと診断されるリスクがあること、又は、前記AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されるリスクがあることを決定すること。
【請求項100】
患者における移植片拒絶反応を特定するためのシステムであって、以下を含むシステム:
メモリ;及び、
前記メモリに結合したプロセッサであって、以下のように設定されるプロセッサ:
患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信し、ここで前記患者試料は心臓移植患者由来である;
前記患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得し;
1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから、患者のmicroRNA発現データを特定し、ここで、前記1つ以上のmicroRNAはACR又はAMRの検出に用いられる;及び、
前記患者のmicroRNA発現データを、第2のロジスティック回帰モデル上にプロットし;
前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定し;
前記1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、前記係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成し;及び、
数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること:により、
患者のACRスコア又はAMRスコアを作成し;及び、
前記ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、前記患者がACRと診断されるリスクがあること、又は、前記AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されるリスクがあることを決定する。
【請求項101】
非一過性のコンピュータ読取可能媒体であって、その上に保存された命令を有していて、装置の1つ以上のプロセッサが前記命令を実行することにより、前記1つ以上のプロセッサに以下を含む作業を実行させる、非一過性のコンピュータ読取可能媒体:
患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信すること、前記患者の試料は心臓移植患者由来である;
前記患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;
1つ以上のmicroRNAに対応する、前記患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから、患者のmicroRNA発現データを特定すること、ここで前記1つ以上のmicroRNAはACR及びAMRの検出に用いられる;及び
前記患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;
前記第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定し;
前記1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、前記係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成し;及び、
数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること:により、
前記患者のACRスコア及びAMRスコアを作成すること;及び、
前記プロセッサによって、前記ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、前記患者がACRと診断されるリスクがあること、又は、前記AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、前記患者がAMRと診断されるリスクがあることを決定すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援
本発明は、米国国立衛生研究所(the National Institutes of Health, NIH)より授与された1K23HL143179の政府支援を受けてなされたものである。政府は本発明について一定の権利を有する。
【0002】
開示分野
本開示の態様は、心臓移植後に急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、または起こすリスクがある対象を特定するための装置およびそれを使用する方法に関する。本開示のいくつかの態様は、移植拒絶反応またはそのリスクと相関するバイオマーカーを特定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
心臓移植は、依然として、重症心不全(HF)と医学的に難治性症状を抱える患者にとって、最終的な治療法である。心臓移植後の生存期間中央値は12.5年であり、過去20年にわたって、生存期間の改善はわずかである。
【0004】
急性および慢性の移植片拒絶反応は、心臓移植後の罹患率の主な原因であり、移植片の機能不全や死亡につながる。拒絶反応の発生率は移植後最初の1年間で10~20%であるが、最初は無症状であることが多く、心内膜心筋生検(endomyocardial biopsies, EMB)による定期的なサーベイランスが必要である。移植片拒絶反応をスクリーニングするための標準的な治療法は、多くの施設で、依然としてEMBであり、移植後最初の1年間で、平均的な心臓移植レシピエントは~10~17回の生検を受けている。さらに、米国では年間~4,000件の心臓移植が行われている(世界では~6,000件である)。他の臓器移植を含めると、この数は激増する。
【0005】
しかし、移植片拒絶反応の証拠を示すEMBはわずか5%である。さらに、EMBから得られた組織切片における拒絶反応の等級付け(grading)には、病理医間で~30%のばらつきがある。さらに、拒絶反応の2つの主要なサブタイプ(急性細胞性拒絶反応(acute cellular rejection, ACR)と抗体媒介性拒絶反応(antibody-mediated rejection, AMR))の識別は、症例によっては困難な場合がある。また、AMRはACRと比較して、再発率が高く、長期予後が不良であり、管理上の意味合いが異なる。そのため、AMRの正確な診断は非常に重要である。
【0006】
さらに、生検の結果が出るまでに48~72時間かかることもある。これは治療の開始の遅れにつながり、患者は生検の結果を待つ間、非特異的治療を開始することになる。
【0007】
ACRやAMRを検出する他の従来の方法にも欠陥がある。例えば、現在のバイオマーカーには、遺伝子発現プロファイリング(GEP)、可溶性タンパク質バイオマーカー、ドナー由来無細胞DNA(dd-cfDNA)、T細胞免疫機能アッセイなどがある。市販されている遺伝子発現プロファイリング(GEP)では、免疫系機能に関与する11のmRNA転写産物を測定する。しかし、GEPで管理される患者には依然として心内膜心筋生検のサーベイランスが必要である。さらに、GEP検査は陽性適中率(PPV)の値が低く(~10%)、AMRを検出できないため、広く実施され、信頼されるには限界があった。最近では、循環無細胞DNAの一塩基多型(SNP)パネルのシーケンスにより、ドナーとレシピエントのDNAのSNPミスマッチを利用して、無細胞DNAのドナー由来部分(dd-cfDNA)を定量することができる。しかし、現在用いられているdd-cfDNAでは、ACRとAMRを正確に識別することができないという決定的な限界があり、依然としてEMBが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイに関するものであり、ここで、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、以下からなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする;miR-223-3p、miR-361-3p、miR-3615、miR-24-3p、miR-182-5p、miR-374a-5p、miR-23a-3p、miR-30e-5p、miR-582-3p、miR-130b-3p、miR-326 92、miR-1299、miR-23a-3p、miR-145-5p、miR-1249-3p、miR-27a-3p、miR-215-5p、miR-145-3p、miR-10b-5p、miR-582-3p、let-7b-3p、miR-142-3p、miR-450b-5p、miR-140-5p、miR-374a-5p、miR-17-5p、miR-143-3p、miR-130b-3p、miR-1-3p、miR-542-3p、miR-484、miR-345-5p、miR-125a-5p、miR-338-5p、miR-769-5p、miR-193a-5p、miR-454-3p、miR-223-5p、及び、let-7d-3p。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイに関するものであり、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、以下からなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする;miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、及び、これらの任意の組み合わせ。
【0010】
いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、以下を含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0011】
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイに関するものであり、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、以下からなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする;miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、及び、これらの任意の組み合わせ。
【0012】
いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、以下を含む;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0013】
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む流体チップに関するものであり、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、以下からなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする;miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、およびこれらの任意の組み合わせ。
【0014】
いくつかの態様において、流体チップは、以下を含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0015】
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む流体チップに関するものであり、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、以下からなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする;miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、およびこれらの任意の組み合わせ。
【0016】
いくつかの態様において、流体チップは、以下を含む;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0017】
いくつかの態様において、流体チップはマイクロ流体チップである。
【0018】
本開示のいくつかの態様は、miR-223-3p、miR-361-3p、miR-3615、miR-24-3p、miR-182-5p、miR-374a-5p、miR-23a-3p、miR-30e-5p、miR-582-3p、miR-130b-3p、miR-326 92、miR-1299、miR-23a-3p、miR-145-5p、miR-1249-3p、miR-27a-3p、miR-215-5p、miR-145-3p、miR-10b-5p、miR-582-3p、let-7b-3p、miR-142-3p、miR-450b-5p、miR-140-5p、miR-374a-5p、miR-17-5p、miR-143-3p、miR-130b-3p、miR-1-3p、miR-542-3p、miR-484、miR-345-5p、miR-125a-5p、miR-338-5p、miR-769-5p、miR-193a-5p、miR-454-3p、miR-223-5p、let-7d-3p、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される1つ以上のmiRにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブパネルであって、心臓移植後に急性心臓移植片拒絶反応に罹患している、又は発症のリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのRNAハイブリダイゼーションプローブパネルに関する。
【0019】
いくつかの態様において、急性心臓移植片拒絶反応は、ACR、AMR、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0020】
本開示のいくつかの態様は、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される1つ以上のmiRにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブパネルであって、心臓移植後にACRに罹患している、又は発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのRNAハイブリダイゼーションプローブパネルに関する。
【0021】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる群より選択される、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、又は少なくとも11個のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、これらの任意の組み合わせ。
【0022】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下を含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0023】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0024】
本開示のいくつかの態様は、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される1つ以上のmiRにハイブリダイズする、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルであって、心臓移植後にAMRに罹患している、又は発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのRNAハイブリダイゼーションプローブパネルに関する。
【0025】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる群より選択される、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、又は少なくとも11個のmRNAを含む;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、これらの任意の組み合わせ。
【0026】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下を含む;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0027】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0028】
本開示のいくつかの態様は、心臓移植後に急性細胞性拒絶反応(ACR)を含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、ヒトである対象から生体試料を取得すること(ここで生体試料はRNAを含む)、RNAを含む生体試料を本明細書で開示されるマイクロ流体アレイ、本明細書で開示されるチップ、又は、本明細書で開示されるパネルと接触させること;及び、以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326]ここで:(a)=23および33からの任意の数;(b)=0.14および0.24からの任意の数;(c)=2.5および7.5からの任意の数;(d)=2および6からの任意の数;(e)=4および9からの任意の数;(f)=2および6からの任意の数;(g)=0.5および5からの任意の数;(h)=22および32からの任意の数;(i)=1および5からの任意の数;(j)=3および10からの任意の数;(k)=4および11からの任意の数;及び(l)=6および14からの任意の数;であり、ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そして「ln」は自然対数を表し;ここで、ヒトである対象は、ACRシグネチャースコアが約65以上である場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【0029】
本開示のいくつかの態様は、心臓移植後に急性細胞性拒絶反応(ACR)を含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、:ヒトである対象から生体試料を取得すること(ここで生体試料はRNAを含む);生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む);ならびに以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326]ここで:(a)=23および33からの任意の数;(b)=0.14および0.24からの任意の数;(c)=2.5および7.5からの任意の数;(d)=2および6からの任意の数;(e)=4および9からの任意の数;(f)=2および6からの任意の数;(g)=0.5および5からの任意の数;(h)=22および32からの任意の数;(i)=1および5からの任意の数;(j)=3および10からの任意の数;(k)=4および11からの任意の数;及び(l)=6および14からの任意の数;であり、ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そして「ln」は自然対数を表し;ここで、ヒトである対象は、ACRシグネチャースコアが約65以上である場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【0030】
本開示のいくつかの態様は、ヒトである対象において、心臓移植後のACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を診断する方法であって、ヒトである対象から生体試料を取得すること(ここで生体試料はRNAを含む);生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む);ならびに以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326]ここで:(a)=23および33からの任意の数;(b)=0.14および0.24からの任意の数;(c)=2.5および7.5からの任意の数;(d)=2および6からの任意の数;(e)=4および9からの任意の数;(f)=2および6からの任意の数;(g)=0.5および5からの任意の数;(h)=22および32からの任意の数;(i)=1および5からの任意の数;(j)=3および10からの任意の数;(k)=4および11からの任意の数;及び(l)=6および14からの任意の数;であり、ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そして「ln」は自然対数を表し;ここで、ヒトである対象は、ACRシグネチャースコアが約65以上である場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【0031】
いくつかの態様において、本方法は、生体試料からRNAを単離することをさらに含む。いくつかの態様において、RNAは1つ以上のmiRを含む。
【0032】
本開示のいくつかの態様は、心臓移植後にACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、または起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって、ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む);ならびに以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326]ここで:(a)=23および33からの任意の数;(b)=0.14および0.24からの任意の数;(c)=2.5および7.5からの任意の数;(d)=2および6からの任意の数;(e)=4および9からの任意の数;(f)=2および6からの任意の数;(g)=0.5および5からの任意の数;(h)=22および32からの任意の数;(i)=1および5からの任意の数;(j)=3および10からの任意の数;(k)=4および11からの任意の数;及び(l)=6および14からの任意の数;であり、ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そして「ln」は自然対数を表し;ここで、ヒトである対象は、ACRシグネチャースコアが約65以上である場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【0033】
本開示のいくつかの態様は、ヒトである対象において、心臓移植後のACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を診断する方法であって、ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む);ならびに以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326] ここで:(a)=23および33からの任意の数;(b)=0.14および0.24からの任意の数;(c)=2.5および7.5からの任意の数;(d)=2および6からの任意の数;(e)=4および9からの任意の数;(f)=2および6からの任意の数;(g)=0.5および5からの任意の数;(h)=22および32からの任意の数;(i)=1および5からの任意の数;(j)=3および10からの任意の数;(k)=4および11からの任意の数;及び(l)=6および14からの任意の数;であり、ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そして「ln」は自然対数を表し;ここで、ACRシグネチャースコアが約65より高い場合、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応が診断される。
【0034】
本開示のいくつかの態様は、ヒトであって処置を必要とする対象において、ACRを含む急性心臓移植片拒絶反応を処置する方法であって、ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及びmiR-326を含む);以下の計算式に従いACRシグネチャースコアを決定すること:ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326] ここで:(a)=23および33からの任意の数;(b)=0.14および0.24からの任意の数;(c)=2.5および7.5からの任意の数;(d)=2および6からの任意の数;(e)=4および9からの任意の数;(f)=2および6からの任意の数;(g)=0.5および5からの任意の数;(h)=22および32からの任意の数;(i)=1および5からの任意の数;(j)=3および10からの任意の数;(k)=4および11からの任意の数;及び(l)=6および14からの任意の数;及び、ACRシグネチャースコアが約65以上であると特定された、ヒトである対象に対して免疫抑制療法を実施すること、ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そして「ln」は自然対数を表す、を含む方法に関するものである。
【0035】
いくつかの態様において、(a)=26から31までの任意の数;(b)=0.16から0.21までの任意の数;(c)=4から6までの任意の数;(d)=3から5までの任意の数;(e)=6から7.5までの任意の数;(f)=3から5までの任意の数;(g)=1から3までの任意の数;(h)=25から28までの任意の数;(i)=2から4までの任意の数;(j)=5から7までの任意の数;(k)=7から9までの任意の数;及び(l)=10から12までの任意の数である。
【0036】
いくつかの態様において、(a)=約28.90;(b)=約0.19;(c)=約5.46;(d)=約4.77;(e)=約6.41;(f)=約4.41;(g)=約2.20;(h)=約27.69;(i)=約3.05;(j)=約6.17;(k)=約7.71;及び(l)=約10.63である。
【0037】
いくつかの態様において、miRパネルはさらに1つ以上の追加のmiRを含む。
【0038】
いくつかの態様において、本方法は、ヒトである対象に免疫抑制療法を実施することをさらに含む。いくつかの態様において、免疫抑制療法は、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される療法を実施することを含む。
【0039】
本開示のいくつかの態様は、心臓移植後に抗体媒介性拒絶反応(AMR)を含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって:ヒトである対象から生体試料を取得すること(ここで生体試料はRNAを含む);RNAを含む生体試料を本明細書で開示されるマイクロ流体アレイ、本明細書で開示されるチップ、又は、本明細書で開示されるパネルと接触させること;および以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];ここで(a)=23から28までの任意の数;(b)=7から11までの任意の数;(c)=1から6までの任意の数;(d)=3から8までの任意の数;(e)=6から11までの任意の数;(f)=5から11までの任意の数;(g)=1から5までの任意の数;(h)=0.5から4までの任意の数;(i)=5から11までの任意の数;(j)=6から13までの任意の数;(k)=3から8までの任意の数;(l)=0.1から2までの任意の数;(m)=1から4までの任意の数;(n)=1から5までの任意の数;(o)=0.5から4までの任意の数;(p)=0.1から3までの任意の数;及び(q)=0.1から4までの任意の数であり;ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そしてlnは自然対数を表し;ここで、ヒトである対象は、AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【0040】
本開示のいくつかの態様は、心臓移植後にAMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって:ヒトである対象から生体試料を取得すること(ここで、生体試料はRNAを含む);生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む);および以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];ここで(a)=23から28までの任意の数;(b)=7から11までの任意の数;(c)=1から6までの任意の数;(d)=3から8までの任意の数;(e)=6から11までの任意の数;(f)=5から11までの任意の数;(g)=1から5までの任意の数;(h)=0.5から4までの任意の数;(i)=5から11までの任意の数;(j)=6から13までの任意の数;(k)=3から8までの任意の数;(l)=0.1から2までの任意の数;(m)=1から4までの任意の数;(n)=1から5までの任意の数;(o)=0.5から4までの任意の数;(p)=0.1から3までの任意の数;及び(q)=0.1から4までの任意の数であり;ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そして「ln」は自然対数を表し、;ここで、ヒトである対象は、AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【0041】
本開示のいくつかの態様は、ヒトである対象において、心臓移植後のAMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を診断する方法であって:ヒトである対象から生体試料を取得すること(ここで生体試料はRNAを含む);生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む);および以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];ここで(a)=23から28までの任意の数;(b)=7から11までの任意の数;(c)=1から6までの任意の数;(d)=3から8までの任意の数;(e)=6から11までの任意の数;(f)=5から11までの任意の数;(g)=1から5までの任意の数;(h)=0.5から4までの任意の数;(i)=5から11までの任意の数;(j)=6から13までの任意の数;(k)=3から8までの任意の数;(l)=0.1から2までの任意の数;(m)=1から4までの任意の数;(n)=1から5までの任意の数;(o)=0.5から4までの任意の数;(p)=0.1から3までの任意の数;及び(q)=0.1から4までの任意の数であり;ここで、「[X]」は生体試料中の「X」の量を指し、そして「ln」は自然対数を表し、;ここで、ヒトである対象は、AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【0042】
いくつかの態様において、本方法は、生体試料からRNAを単離することをさらに含む。いくつかの態様において、RNAは1つ以上のmiRを含む。
【0043】
本開示のいくつかの態様は、心臓移植後にAMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法であって:ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む);および以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];ここで(a)=23から28までの任意の数;(b)=7から11までの任意の数;(c)=1から6までの任意の数;(d)=3から8までの任意の数;(e)=6から11までの任意の数;(f)=5から11までの任意の数;(g)=1から5までの任意の数;(h)=0.5から4までの任意の数;(i)=5から11までの任意の数;(j)=6から13までの任意の数;(k)=3から8までの任意の数;(l)=0.1から2までの任意の数;(m)=1から4までの任意の数;(n)=1から5までの任意の数;(o)=0.5から4までの任意の数;(p)=0.1から3までの任意の数;及び(q)=0.1から4までの任意の数であり;ここで、「[X]」は生体試料中の「X」のレベルを指し、そして「ln」は自然対数を表し、;ここで、ヒトである対象は、AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を起こしている又は起こすリスクがあると特定される。
【0044】
本開示のいくつかの態様は、ヒトである対象において、心臓移植後のAMRを含む急性心臓移植片拒絶反応を診断する方法であって:ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む);および以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること、を含む方法に関するものである:AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];ここで(a)=23から28までの任意の数;(b)=7から11までの任意の数;(c)=1から6までの任意の数;(d)=3から8までの任意の数;(e)=6から11までの任意の数;(f)=5から11までの任意の数;(g)=1から5までの任意の数;(h)=0.5から4までの任意の数;(i)=5から11までの任意の数;(j)=6から13までの任意の数;(k)=3から8までの任意の数;(l)=0.1から2までの任意の数;(m)=1から4までの任意の数;(n)=1から5までの任意の数;(o)=0.5から4までの任意の数;(p)=0.1から3までの任意の数;及び(q)=0.1から4までの任意の数であり;ここで、「[X]」は生体試料中の「X」のレベルを指し、そして「ln」は自然対数を表し、;ここで、AMRシグネチャースコアが約65以上である場合、AMRを含む急性心臓移植片拒絶反応が診断される。
【0045】
本開示のいくつかの態様は、ヒトであって処置を必要とする対象において、急性心臓移植片拒絶反応を処置する方法であって:ヒトである対象から取得した生体試料中のmiRパネルのレベルを測定すること(ここで、miRパネルは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pを含む);以下の計算式に従いAMRシグネチャースコアを決定すること;ならびに、AMRシグネチャースコアが約65以上であると特定されたヒトである対象に対し、免疫抑制療法を実施すること、を含む方法に関するものである:AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p];ここで(a)=23から28までの任意の数;(b)=7から11までの任意の数;(c)=1から6までの任意の数;(d)=3から8までの任意の数;(e)=6から11までの任意の数;(f)=5から11までの任意の数;(g)=1から5までの任意の数;(h)=0.5から4までの任意の数;(i)=5から11までの任意の数;(j)=6から13までの任意の数;(k)=3から8までの任意の数;(l)=0.1から2までの任意の数;(m)=1から4までの任意の数;(n)=1から5までの任意の数;(o)=0.5から4までの任意の数;(p)=0.1から3までの任意の数;及び(q)=0.1から4までの任意の数であり;ここで、「[X]」は生体試料中の「X」のレベルを指す。
【0046】
いくつかの態様において、(a)=24から27までの任意の数;(b)=8.5から10.5までの任意の数;(c)=2から4までの任意の数;(d)=4.5から6.5までの任意の数;(e)=7.5から9.5までの任意の数;(f)=7から9までの任意の数;(g)=2から4までの任意の数;(h)=1.0から1.75までの任意の数;(i)=7から9までの任意の数;(j)=9から11までの任意の数;(k)=5から7までの任意の数;(l)=1から2までの任意の数;(m)=1.5から2.5までの任意の数;(n)=1.5から2.5までの任意の数;(o)=0.7から1.7までの任意の数;(p)=0.5から1.5までの任意の数;及び(q)=1.4から2.4までの任意の数である。
【0047】
いくつかの態様において、(a)=約25.44;(b)=約9.33;(c)=約3.39;(d)=約5.82;(e)=約8.24;(f)=約8.62;(g)=約2.75;(h)=約1.43;(i)=約7.95;(j)=約9.69;(k)=約5.47;(l)=約.60;(m)=約2.05;(n)=約2.24;(o)=約1.40;(p)=約.87;及び(q)=約1.69である。いくつかの態様において、miRパネルはさらに1つ以上の追加のmiRを含む。
【0048】
いくつかの態様において、本方法は、ヒトである対象に免疫抑制療法を実施することをさらに含む。いくつかの態様において、免疫抑制療法は、免疫グロブリン静注、血漿交換、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、リツキシマブ、エクリズマブ、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される療法を実施することを含む。
【0049】
いくつかの態様において、生体試料は、全血、血清、血漿、又はこれらの任意の組み合わせを含む血液由来試料である。いくつかの態様において、miRパネルのレベルは、small RNA/microRNA/RNAシーケンス、アレイカード、マイクロアレイハイブリダイゼーション、プローブアッセイ、ノーザンブロット、等温核酸増幅(iNAAT)、クリスパー(CRISPR)、定量的逆転写酵素PCR(qRT-PCR)若しくはリアルタイムPCR(RT-PCR)、又はこれらの任意の組み合わせを用いて測定される。いくつかの態様において、miRパネルのレベルは、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイを用いて測定される。
【0050】
本開示のいくつかの態様は、以下を含むキットに関するものである:1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブ(ここでRNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする);及び本明細書に開示される方法に従いmiRパネルのレベルを測定するための説明書。
【0051】
本開示のいくつかの態様は、以下を含むキットに関するものである:1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブ(ここでRNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする);及び本明細書に開示される方法に従いmiRパネルのレベルを測定するための説明書。
【0052】
本開示のいくつかの態様は、以下を含むキットに関するものである:miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ;及び本明細書に開示される方法に従いmiRパネルのレベルを測定するための説明書。
【0053】
本開示のいくつかの態様は、以下を含むキットに関するものである:miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ;及び本明細書に開示される方法に従いmiRパネルのレベルを測定するための説明書。
【0054】
本開示のいくつかの態様は、移植拒絶反応を検出するためのmicroRNAパネルを作成するための方法に関するものであり、以下を含む方法に関するものである:プロセッサにより、1つ以上の対象から得られた、1つ以上の試料について、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;プロセッサにより、所定の基準に基づいて複数のmicroRNAのシーケンスリードから1つ以上のmicroRNAのシーケンスリードを取り除くことにより、複数のmicroRNAのシーケンスリードをフィルタリングすること;プロセッサにより、フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリードから標的核酸を特定すること;プロセッサにより、標的核酸に基づき、フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリード中のmicroRNAのセットを特定すること;プロセッサにより、急性細胞性拒絶反応(ACR)または抗体媒介性拒絶反応(AMR)において、差次的に発現したmicroRNAを、miRのセットから特定すること;プロセッサにより、差次的に発現したmicroRNAを使用して、第1のロジスティック回帰モデルを作成すること;及びプロセッサにより、第1のロジスティック回帰モデルに基づいて、差次的に発現したmicroRNAから1つ以上のmicroRNAを特定すること(ここで、差次的に発現したmicroRNAがACRに対応する場合、その1つ以上のmicroRNAはACRの診断に用いられ、また、差次的に発現したmicroRNAがAMRに対応する場合、その1つ以上のmicroRNAはAMRの診断に用いられる)。
【0055】
いくつかの態様において、本方法はさらに、以下を含む:プロセッサによって、1つ以上のmicroRNAに対応する1つ以上の試料のそれぞれのmicroRNA発現データを用いて、第2のロジスティック回帰モデルを作成すること;及び、プロセッサによって、第2のロジスティック回帰モデルに基づいて、ACRの可能性を示す第1の閾値スコア、又は、AMRの可能性を示す第2の閾値スコアを特定すること。いくつかの態様において、本方法はさらに以下を含む:プロセッサによって、患者の試料を用いて、患者がACR又はAMRと診断されるかどうかを決定する要求を受信すること(患者は心臓移植レシピエントである);プロセッサによって、患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;プロセッサによって、1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定すること;及び、プロセッサによって、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;プロセッサにより、第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づいて、患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること;プロセッサにより、ACRスコアが第1の閾値スコア以上である場合、患者がACRと診断され、又はAMRスコアが第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されることを決定すること;及び、プロセッサにより、患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、患者の心臓移植片拒絶反応を特定すること。いくつかの態様において、本方法は、プロセッサによって、患者がACR又はAMRと診断される決定に基づいて、患者への処置を特定することをさらに含む。いくつかの態様において、標的核酸はACRまたはAMRに関与する。
【0056】
いくつかの態様において、1つ以上の試料をシーケンスすることにより、複数のシーケンスリードが得られる。いくつかの態様において、所定の基準には、複数のシーケンスリードから、3'アダプターバーコード配列、ランダムバーコード配列、UniVec混入物、又は<15塩基対のシーケンスリードである1つ以上のシーケンスリードを取り除くことが含まれる。いくつかの態様において、本方法は、プロセッサにより、1つ以上のシーケンスリードを取り除いた後、複数のmicroRNAのシーケンスリードについて、主成分分析を実行することをさらに含む。
【0057】
いくつかの態様において、差次的に発現したmicroRNAを特定することには、プロセッサにより、差次的に発現したmicroRNAを、臨床的共変量に対して、調整することを含む。いくつかの態様において、臨床的共変量は、年齢、性別、人種、又は体格指数を含む。
【0058】
いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを、LASSOペナルティと適合させる。いくつかの態様では、LASSOペナルティのチューニングパラメーターは、モデル逸脱度(deviance)を最小化するために、10-fold交差検証によって選択される。
【0059】
いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを作成するために使用された、差次的に発現したmicroRNAは、0.10未満の未調整確率値を有する。いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを作成することには、プロセッサにより、差次的に発現したmicroRNAのカウントを正規化すること;プロセッサにより、正規化されたカウントを対数変換して対数カウントを作成すること;及び、プロセッサにより、平均値が0、分散が1になるように、それぞれの差次的に発現したmicroRNAの対数カウントを標準化することを含む。
【0060】
本開示のいくつかの態様は、移植拒絶反応を検出するためのmicroRNAパネルを作成するためのシステムに関するものであり、このシステムには:メモリ;及び、メモリに結合したプロセッサが含まれ、このプロセッサは以下のように設定される:1つ以上の対象から得られた、1つ以上の試料について、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得する;所定の基準に基づいて複数のmicroRNAのシーケンスリードから1つ以上のmicroRNAのシーケンスリードを取り除くことにより、複数のmicroRNAのシーケンスリードをフィルタリングする;フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリードから標的核酸を特定する;標的核酸に基づき、フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリード中のmicroRNAのセットを特定する;急性細胞性拒絶反応(ACR)または抗体媒介性拒絶反応(AMR)において、差次的に発現したmicroRNAを、miRのセットから特定する;差次的に発現したmicroRNAを使用して、第1のロジスティック回帰モデルを作成する;及び、第1のロジスティック回帰モデルに基づいて、差次的に発現したmicroRNAから1つ以上のmicroRNAを特定する(ここで、差次的に発現したmicroRNAがACRに対応する場合、その1つ以上のmicroRNAはACRの診断に用いられ、また、差次的に発現したmicroRNAがAMRに対応する場合、その1つ以上のmicroRNAはAMRの診断に用いられる)。
【0061】
いくつかの態様において、プロセッサは以下のようにさらに設定される:1つ以上のmicroRNAに対応する、1つ以上の試料のそれぞれのmicroRNA発現データを用いて、第2のロジスティック回帰モデルを作成し;そして、第2のロジスティック回帰モデルに基づいて、ACRの可能性を示す第1の閾値スコア、又は、AMRの可能性を示す第2の閾値スコアを特定する。いくつかの態様において、プロセッサはさらに以下のように設定される:、患者の試料を用いて、患者がACR又はAMRと診断されるかどうかを決定する要求を受信し(患者は心臓移植レシピエントである);患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得し;、1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定し;そして、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットし;第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づいて、患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること;ACRスコアが第1の閾値スコア以上である場合、患者がACRと診断され、又はAMRスコアが第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されることを決定し;及び、患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、患者の心臓移植片拒絶反応を特定する。いくつかの態様において、プロセッサは、患者がACR又はAMRと診断される決定に基づいて、患者への処置を特定するようにさらに設定される。いくつかの態様において、標的核酸はACRまたはAMRに関与する。
【0062】
いくつかの態様において、1つ以上の試料をシーケンスすることにより、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること。いくつかの態様において、所定の基準には、複数のシーケンスリードから、3'アダプターバーコード配列、ランダムバーコード配列、UniVec混入物、又は<15塩基対のシーケンスリードである1つ以上のシーケンスリードを取り除くことが含まれる。いくつかの態様において、プロセッサは、1つ以上のシーケンスリードを取り除いた後、複数のmicroRNAのシーケンスリードについて、主成分分析を実行するようにさらに設定される。
【0063】
いくつかの態様において、差次的に発現したmicroRNAを特定する際、プロセッサはさらに、差次的に発現したmicroRNAを臨床的共変量に対して調整するように設定される。いくつかの態様において、臨床的共変量には、年齢、性別、人種、又は体格指数が含まれる。
【0064】
いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを、LASSOペナルティと適合させる。いくつかの態様において、LASSOペナルティのチューニングパラメーターは、モデル逸脱度(deviance)を最小化するために、10-fold交差検証によって選択される。
【0065】
いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを作成するために使用された、差次的に発現したmicroRNAは、0.10未満の未調整確率値を有する。いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを作成する際に、プロセッサは、差次的に発現したmicroRNAのカウントを正規化し;正規化されたカウントを対数変換して対数カウントを作成し;そして、平均値が0、分散が1になるように、それぞれの差次的に発現したmicroRNAの対数カウントを標準化するように、さらに設定される。
【0066】
本開示のいくつかの態様は、保存された命令を有している、非一過性のコンピュータ読取可能媒体に関するものであり、装置の1つ以上のプロセッサがその命令を実行することにより、1つ以上のプロセッサに以下を含む作業を実行させる:1つ以上の対象から得られた、1つ以上の試料について、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;所定の基準に基づいて複数のmicroRNAのシーケンスリードから1つ以上のmicroRNAのシーケンスリードを取り除くことにより、複数のmicroRNAのシーケンスリードをフィルタリングすること;フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリードから標的核酸を特定すること;標的核酸に基づき、フィルタリングした複数のmicroRNAのシーケンスリード中のmicroRNAのセットを特定すること;急性細胞性拒絶反応(ACR)または抗体媒介性拒絶反応(AMR)において、差次的に発現したmicroRNAを、miRのセットから特定すること;差次的に発現したmicroRNAを使用して、第1のロジスティック回帰モデルを作成すること;及び、第1のロジスティック回帰モデルに基づいて、差次的に発現したmicroRNAから1つ以上のmicroRNAを特定すること(ここで、差次的に発現したmicroRNAがACRに対応する場合、その1つ以上のmicroRNAはACRの診断に用いられ、または、差次的に発現したmicroRNAがAMRに対応する場合、その1つ以上のmicroRNAはAMRの診断に用いられる)。
【0067】
いくつかの態様において、作業はさらに、1つ以上のmicroRNAに対応する1以上の試料のそれぞれのmicroRNA発現データを用いて、第2のロジスティック回帰モデルを作成すること;そして、第2のロジスティック回帰モデルに基づいて、ACRの可能性を示す第1の閾値スコア、又は、AMRの可能性を示す第2の閾値スコアを特定することを含む。いくつかの態様において、作業はさらに以下を含む:患者の試料を用いて、患者がACR又はAMRと診断されるかどうかを決定する要求を受信すること(患者は心臓移植レシピエントである);患者の試料として、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定すること;そして、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づいて、患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること;ACRスコアが第1の閾値スコア以上である場合、患者がACRと診断され、又はAMRスコアが第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されることを決定すること;及び、患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、患者の心臓移植片拒絶反応を特定すること。いくつかの態様において、作業は、患者がACR又はAMRと診断される決定に基づいて、患者への処置を特定することをさらに含む。いくつかの態様において、標的核酸はACRまたはAMRに関与する。
【0068】
いくつかの態様において、1つ以上の試料をシーケンスすることにより、複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること。いくつかの態様において、所定の基準には、除去する3'アダプターバーコード配列、ランダムバーコード配列、UniVec混入物、又は<15塩基対のシーケンスリードに基づき、複数のシーケンスリードから、1つ以上のシーケンスリードを取り除くことが含まれる。いくつかの態様において、作業には、1つ以上のシーケンスリードを取り除いた後、複数のmicroRNAのシーケンスリードについて、主成分分析を実行することがさらに含まれる。
【0069】
いくつかの態様において、差次的に発現したmicroRNAを特定する際、作業にはさらに、差次的に発現したmicroRNAを臨床的共変量について調整することが含まれる。いくつかの態様において、臨床的共変量には、年齢、性別、人種、又は体格指数が含まれる。
【0070】
いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを、LASSOペナルティと適合させる。いくつかの態様において、LASSOペナルティのチューニングパラメーターは、モデル逸脱度(deviance)を最小化するために、10-fold交差検証によって選択される。
【0071】
いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを作成するために使用された、差次的に発現したmicroRNAは、0.10未満の未調整確率値を有する。いくつかの態様において、第1のロジスティック回帰モデルを作成する際に、作業は、差次的に発現したmicroRNAのカウントを正規化すること;正規化されたカウントを対数変換して対数カウントを作成すること;及び、平均値が0、分散が1になるように、それぞれの差次的に発現したmicroRNAの対数カウントを標準化することを、さらに含む。
【0072】
本開示のいくつかの態様は、心臓移植をした患者において、移植片拒絶反応を特定するための方法に関するものであり、この方法には以下が含まれる:プロセッサによって、患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信すること(患者の試料は心臓移植患者由来である);プロセッサによって、患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;プロセッサによって、1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定すること(ここで1つ以上のmicroRNAはACR又はAMRの検出に用いられる);及び、プロセッサによって、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;プロセッサによって、以下により、患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること:プロセッサにより、第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定すること;プロセッサにより、1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成すること;及び、プロセッサにより、数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること;プロセッサにより、ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、患者がACRと診断され、又は、AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されることを決定すること;及び、プロセッサにより、患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、患者の移植片拒絶反応を特定すること。
【0073】
本開示のいくつかの態様は、患者における移植片拒絶反応を特定するためのシステムに関するものであり、このシステムには:メモリ;及び、メモリに結合したプロセッサが含まれ、このプロセッサは以下のように設定される:患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信し(患者の試料は心臓移植患者由来である);患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得し;1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定し(ここで1つ以上のmicroRNAはACR又はAMRの検出に用いられる);及び、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットし;以下により、患者のACRスコア又はAMRスコアを作成し:第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定し;1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成し;及び、数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること;第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定することによって、患者のACRスコア又はAMRスコアを作成し、;1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成し;及び、数値範囲に基づいて加重ACRスコアまたは加重AMRスコアをスケーリングし、;ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、患者がACRと診断され、又は、AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されることを決定し;患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、患者の移植片拒絶反応を特定する。
【0074】
本開示のいくつかの態様は、保存された命令を有している、非一過性のコンピュータ読取可能媒体に関するものであり、装置の1つ以上のプロセッサがその命令を実行することにより、1つ以上のプロセッサに以下を含む作業を実行させる:患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信すること(患者の試料は心臓移植患者由来である);患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定すること(ここで1つ以上のmicroRNAはACR及びAMRの検出に用いられる);及び、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;以下により、患者のACRスコア及びAMRスコアを作成すること:第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定し;1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成し;及び、数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること;ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、患者がACRと診断され、又は、AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されることを決定すること;患者がACR又はAMRと診断されたことに基づいて、患者の移植片拒絶反応を特定すること。
【0075】
本開示のいくつかの態様は、心臓移植をした患者において、移植片拒絶反応のリスクがあることを決定するための方法に関するものであり、この方法には以下が含まれる:プロセッサによって、患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信すること(患者の試料は心臓移植患者由来である);プロセッサによって、患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;プロセッサによって、1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定すること(ここで1つ以上のmicroRNAはACR又はAMRの検出に用いられる);及び、プロセッサによって、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;プロセッサによって、以下により、患者のACRスコア又はAMRスコアを作成すること:プロセッサにより、第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定すること;プロセッサにより、1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成すること;及び、プロセッサにより、数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること;及び、プロセッサにより、ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、患者がACRと診断されるリスクがあること、又は、AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されるリスクがあることを決定すること。
【0076】
本開示のいくつかの態様は、患者における移植片拒絶反応を特定するためのシステムに関するものであり、このシステムには:メモリ;及び、メモリに結合したプロセッサが含まれ、このプロセッサは以下のように設定される:患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信し(患者試料は心臓移植患者由来である);患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得し;1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定し(ここで1つ以上のmicroRNAはACR又はAMRの検出に用いられる);及び、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットし;以下により、患者のACRスコア又はAMRスコアを作成し:第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定し;1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成し;及び、数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること;及び、ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、患者がACRと診断されるリスクがあること、又は、AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されるリスクがあること、を決定する。
【0077】
本開示のいくつかの態様は、保存された命令を有している、非一過性のコンピュータ読取可能媒体に関するものであり、装置の1つ以上のプロセッサがその命令を実行することにより、1つ以上のプロセッサに以下を含む作業を実行させる:患者の試料の急性細胞性拒絶反応(ACR)又は抗体媒介性拒絶反応(AMR)を検出する要求を受信すること(患者の試料は心臓移植患者由来である);患者の試料として、患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードを取得すること;1つ以上のmicroRNAに対応する患者の複数のmicroRNAのシーケンスリードから患者のmicroRNA発現データを特定すること(ここで1つ以上のmicroRNAはACR及びAMRの検出に用いられる);及び、患者のmicroRNA発現データを第2のロジスティック回帰モデル上にプロットすること;以下により、患者のACRスコア及びAMRスコアを作成すること:第2のロジスティック回帰モデル上にプロットした患者のmicroRNA発現データに基づき、係数を特定し;1つ以上のmicroRNAの、それぞれの自然対数変換microRNAに、係数を掛けることにより、加重ACRスコア又は加重AMRスコアを作成し;及び、数値範囲に基づいて加重ACRスコア又は加重AMRスコアをスケーリングすること;及び、プロセッサにより、ACRスコアが、ACRスコアに対応する第1の閾値以上である場合、患者がACRと診断されるリスクがあること、又は、AMRスコアが、AMRに対応する第2の閾値スコア以上である場合、患者がAMRと診断されるリスクがあることを決定すること。
【0078】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示を説明するものであり、本明細書と共に、本開示の原理を説明し、関連技術における当業者が本開示を製造し、使用することを可能にするという、さらなる役割をも果たす。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1A図1Aは、本開示のある態様に従った、試験の全体像の一例を示す概略図である。移植患者において、予定された又は臨床的に指示された心内膜心筋生検の直前に、血液試料が採取された。生検試料は、ACRおよびAMRの存在/重症度を等級付けするために、施設の病理医によって検討された。血漿は全血から分離した。次いで、small RNAトランスクリプトームを抽出、単離し、次世代シーケンサーでショットガンシーケンス法を用いてシーケンスを行った。シーケンスデータはヒトゲノムとmiRBaseにアラインメントさせて、各試料についてmicroRNA(miR)トランスクリプトームが決定された。その後、生物統計学的ツールを用いて、ACRとAMRのmiRシグネチャーを識別した。
【0080】
図1B-1C】図1B-1Cは、ACR(図1B)およびAMR(図1C)試料における、様々なmiRの差次的発現を示すボルケーノプロットである。X軸線はlog fold +/- 0.5を表す。Y軸線は、未調整のp=0.05を表す。log-fold changeが≧±0.5であるが、p値が<0.05であるmiRは、IVとVIで示される領域に存在する。p値が>0.05であるが、log-fold changeが<± 0.5であるmiRは、IIで示される領域に存在する;それぞれ、log-fold changeが≧±0.5であり、p値<0.05で、差次的に発現したmiRは、IとIIIで示された領域に存在する(図1B-1C)。
【0081】
図1D-1K】図1D-1Kは、ACR(図1D-1G)およびAMR(図1H-1K)に対して、差次的な発現をした4つのmiRについて、miR レベル(100万当たりのmicroRNAの対数変換リード数)を示すボックスプロットであり、コントロールと、3つの時点(拒絶反応前、拒絶反応中、および拒絶反応後)の患者とで比較した。拒絶反応前と拒絶反応後は、拒絶反応エピソードの3ヵ月以内であった。
【0082】
図2A-2D】図2Aおよび図2Cは、ACRおよびAMRを診断するmiRパネルの受信者動作特性曲線の曲線下面積(AUC)を図示したものであり、それぞれ図2Bおよび図2Dにさらに要約されている。LASSO回帰を用いて診断性能が最大になるようにmiRを選択した。移植後8日から2.6年までに採取された血液試料について、検査性能特性を報告した。
【0083】
図3図3は、いくつかの態様による、miRに基づく移植片拒絶反応の検出システムのブロック図である。
【0084】
図4図4は、いくつかの態様による、miRパネルを作成するプロセスを例示すフローチャートである。
【0085】
図5図5は、いくつかの態様による、患者の心臓移植片拒絶反応を特定するためのプロセスを例示するフローチャートである。
【0086】
図6図6は、ACRとAMRのmiRスコアの臨床応用を例示する。
【0087】
図7図7は、ある態様による、装置の例示的な構成要素を示すブロック図である。
【0088】
ある要素が最初に登場する図面は、通常、対応する参照番号の左端の数字で示される。図面において、同様の参照番号は、同一または機能的に類似した要素を示す場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む、マイクロ流体アレイ、チップ(例えば、マイクロ流体チップ)、及びパネルに関するものであり、ここで、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つが、miR-223-3p、miR-361-3p、miR-3615、miR-24-3p、miR-182-5p、miR-374a-5p、miR-23a-3p、miR-30e-5p、miR-582-3p、miR-130b-3p、miR-326 92、miR-1299、miR-23a-3p、miR-145-5p、miR-1249-3p、miR-27a-3p、miR-215-5p、miR-145-3p、miR-10b-5p、miR-582-3p、let-7b-3p、miR-142-3p、miR-450b-5p、miR-140-5p、miR-374a-5p、miR-17-5p、miR-143-3p、miR-130b-3p、miR-1-3p、miR-542-3p、miR-484、miR-345-5p、miR-125a-5p、miR-338-5p、miR-769-5p、miR-193a-5p、miR-454-3p、miR-223-5p、及びlet-7d-3p、からなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする。本開示のいくつかの態様は、チップ(例えば、マイクロ流体チップ)に関するものである。いくつかの態様において、マイクロ流体アレイ、チップ(例えば、マイクロ流体チップ)、及びパネルは、急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある対象を特定する方法において使用される。いくつかの態様において、急性移植片拒絶反応はACRを含む。いくつかの態様において、急性移植片拒絶反応はAMRを含む。
【0090】
本開示の他の態様は、対象から得られた生体試料中のmiRパネルの発現を測定することによって、急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、または起こすリスクがある、ヒトである対象を特定する方法に関するものである。
【0091】
本開示の他の態様は、臓器拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある患者において差次的に発現したmiRを特定する方法に関するものである。本明細書により、miRに基づいて移植片拒絶反応を検出するためのシステム、機器、装置、方法、並びに/若しくはコンピュータプログラム製品の態様、及び/又はそれらの組み合わせ及びサブコンビネーションが提供される。種々の態様に従い、移植片拒絶反応の指標となるmiRパネルを開発するためのモデルが作成される。そして、このモデルを患者の試料に適用して、患者の移植片拒絶反応の状態又は可能性を示す。
【0092】
I. 用語
本明細書をより容易に理解できるように、まず特定の用語について定義する。追加の定義は、詳細な説明の随所に記載する。
【0093】
「a」または「an」という用語と実在物(entity)は、1つ以上(one or more)のその実在物(entity)を指すことに留意されたい;例えば、「a nucleotide sequence」は、1つ以上のヌクレオチドシーケンスを表すものと理解される。このように、「a」(または「an」)、「1つ以上(one or more)」、および「少なくとも1つ(at least one)」という用語は、本明細書において互換的に使用され得る。
【0094】
さらに、本明細書で使用される「及び/又は(and/or)」は、2つの指定された特徴または構成要素の各々について、単独に、または他方との組み合わせで、具体的に開示されているものと受け取られる。従って、本明細書において「A及び/又はB(A and/or B)」のようなフレーズにおいて使用される「及び/又は(and/or)」という用語は、「A及びB」、「A又はB」、「A(単独)」、および「B(単独)」を含むことを意図している。同様に、「A、B、及び/又はC(A, B, and/or C)」のようなフレーズにおいて使用される「及び/又は(and/or)」という用語は、以下の各態様を包含することを意図している:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
【0095】
本明細書において「~を含む(comprising)」という表現で、態様が記載される場合、「~からなる(consisting of)」及び/又は「~から本質的になる(consisting essentially of)」という表現で記載される他の類似の態様もまた提供されるものと理解される。本明細書で使用される場合、「~を含む(comprise)」および「~を含む(include)」という用語、ならびにその変形(例えば、「comprises」、「comprising」、「includes」、および「including」)は、記載された構成要素、特徴、要素、もしくはステップ、又は構成要素、特徴、要素、もしくはステップのグループを含むが、他の任意の構成要素、特徴、要素、もしくはステップ又は構成要素、特徴、要素、もしくはステップのグループを排除するものではないことを示すものであると理解される。「~を含む(comprising)」、「~から本質的になる(consisting essentially of)」および「~からなる(consisting of)」という用語はいずれも、通常の意味を保持したまま、他の2つの用語のいずれかに置き換えることができる。
【0096】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が関連する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press; The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press; 及びthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, Revised, 2000, Oxford University Pressは、本開示で使用される多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。
【0097】
単位、接頭辞、記号は、国際単位系(Systeme International de Unites, SI)で認められている形式で表記する。数値範囲は、その範囲を定義する数値を含む。特に断りのない限り、ヌクレオチドシーケンスは、5'から3'の方向で左から右に記載される。アミノ酸配列は、アミノからカルボキシの方向で左から右に記載される。ここで提供される項目は、本開示の様々な態様を限定するものではなく、本明細書全体を参照することによって把握され得る。従って、すぐ以下で定義される用語は、本明細書全体を参照することにより、より完全に定義される。
【0098】
本明細書において、「約」という用語は、およそ(approximately)、おおよそ(roughly)、その周辺(around)、またはその範囲内(in the regions of)という意味で使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用される場合、その記載された数値の上下に、10%のばらつきで、境界を拡張することにより、その範囲を上下に(より高く又はより低く)修正する。
【0099】
本明細書で使用される場合、「急性心臓移植片拒絶反応(acute heart allograft rejection)」という用語は、心臓移植患者に生じる、移植された心臓が患者によって拒絶される状態を指す。本明細書で使用される場合、「急性細胞性拒絶反応(acute cellular rejection)」または「ACR」とは、移植を受けたレシピエントの免疫系、例えばT細胞が、ドナーの心臓を標的化して攻撃する、細胞性の急性心臓移植片拒絶反応を指す。ACRは、リンパ球優位の、心筋組織に浸潤する単核の炎症反応として現れる。従来の免疫組織学的評価法では、インターロイキン2レセプターに高い親和性を持つCD-4およびCD-8陽性Tリンパ球の存在を確認することができる。また、心筋細胞上にMHC-IIを高発現する細胞間接着分子の増加も観察される。本明細書で使用される場合、「抗体媒介性拒絶反応(antibody-mediated rejection)」または「急性液性/抗体拒絶反応(acute humoral/antibody rejection)」または「AMR」とは、移植心臓上に存在するドナー抗原にレシピエントの抗体が反応し、心筋毛細血管床内に免疫グロブリンと補体の沈着を引き起こす、液性の急性心臓移植片拒絶反応を指す。AMRは、間質性浮腫、出血、毛細血管内およびその周辺への好中球浸潤を伴って、血管内マクロファージの蓄積を引き起こす。
【0100】
本明細書において、特定の疾患または状態と共に使用される場合、「に罹患している(afflicted with)」という用語は、特定の疾患または状態に現在罹患している、または現在発症している対象を指す。例えば、ACRに罹患している対象とは、現在ACRの徴候または症状を起こしている対象であり、例えば、そのような対象は、現在ドナー心臓に対する免疫応答を起こしている。逆に、「発症のリスクがある(at risk of developing)」という用語は、特定の疾患の症状及び/又は影響をまだ起こし始めていないが、近い将来(例えば、今後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週間またはそれ以上の週の間)にその疾患の症状及び/又は影響を発症する素因又は可能性がある対象を指す。ある疾患を発症する「リスクのある」対象者は、その疾患の徴候、例えば、AMRにおいては免疫グロブリンの蓄積の増加などを起こしていることもあるが、まだいずれかの症状を、例えば、AMRについては、間質性浮腫、出血、毛細血管内及びその周辺への好中球浸潤を、起こしても呈してもいない。
【0101】
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法及び/又はアレイは、臓器移植(例えば、心臓移植)後の対象の「サーベイランス(surveillance)」に使用される。「サーベイランス」とは、本明細書で使用される場合、臓器移植後の患者が拒絶反応(例えば、AMR又はACR)を発症したかどうかを確認するための継続的なモニタリングのことを指す。サーベイランス中の患者は、拒絶反応の徴候や症状を有している必要はない。
【0102】
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法及び/又はアレイは、対象における臓器移植拒絶反応(例えば、AMRまたはACR)の「診断(diagnosis)」に使用される。本明細書で使用される場合、「診断」とは、臓器移植拒絶反応(例えば、AMRまたはACR)を起こしている患者を特定することを指し、患者は、診断前又は診断と同時に拒絶反応の1つ以上の徴候または症状を起こしている。
【0103】
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法及び/又はアレイは、臓器移植拒絶反応(例えば、AMRまたはACR)の「予測(prediction)」に使用される。本明細書で使用される場合、「予測」とは、患者は拒絶反応の徴候または症状を何ら起こしていないが、拒絶反応(例えば、AMRまたはACR)を発症するリスクがある患者を特定することを指す。
【0104】
本明細書で使用される場合、「アレイ」(「マイクロアレイ」と呼ばれることもある)は、アドレス可能な領域の2次元または3次元配置を指し、その領域に関連する特定の化学的部分または部位(「プローブ」または「プローブ分子」と呼ばれる)(例えば、RNAハイブリダイゼーションプローブなど)を有する。アレイは、異なる部分(例えば、RNAハイブリダイゼーションプローブ)の複数の領域を有し、アレイ上のある特定の所定の位置(「アドレス(address)」)にある領域(「アレイの特徴(array feature)」またはアレイの「スポット(spot)」)が特定の標的又は標的のクラスを検出する、という点で、「アドレス可能(addressable)」である(ただし、アレイの特徴は、そのアレイの特徴が標的としないものを偶発的に検出することもある)。アレイの場合、「標的」は移動相(通常は流体)中の成分として参照され、様々な領域で基板に結合しているプローブ(「標的プローブ」と呼ばれることもある)によって検出される。プローブは、例えば共有結合及び/又は静電相互作用を含む相互作用によって、基板に結合することができる。アレイに関連して、移動相は、生体試料を含み、又は、生体試料から調製され、標的、すなわちmiRを含む。アレイを 「問い合わせる(Interrogating)」 とは、アレイから情報、特にアレイに結合する標的に関する情報を得ることを指す。ある態様では、アレイは流体チップを含む。いくつかの態様において、アレイは、1つ以上の可動ピンと1つ以上のチャンバーを含む空気圧システムを含む。いくつかの態様において、アレイは、毛管力がアレイを通して流体を移動させる、キャピラリーシステムを含む。
【0105】
本明細書で使用される場合、「生体試料(biological sample)」という用語は、対象から得られた試料を指す。いくつかの態様において、試料は「血液由来試料(blood-based sample)」であり、対象から得られた、血液または血液成分を含む、試料を指す。血液由来試料は、全血を含み得る。いくつかの態様において、生体試料は、血漿を含むか、または本質的に血漿からなる。いくつかの態様において、生体試料は、対象から得られた組織生検を含む。いくつかの態様において、組織生検は臓器移植組織から得られる。本明細書に開示された、臓器拒絶反応の指標となり得るmiRを特定する方法は、あらゆる臓器移植に適用することができる。そのため、生体試料は移植された臓器によって変わり得る。いくつかの態様において、生体試料は尿を含む(例えば、腎臓移植の場合である)。ある態様では、生体試料は気管支肺胞洗浄液を含む(例えば、肺移植の場合である)。
【0106】
本明細書で使用される場合、「マイクロ流体(microfluidic)」という用語は、マイクロ流体の特徴、例えば、チャネル及び/又はチャンバー、を有する構成要素又はシステムを指し、一般にミクロン又はサブミクロンスケールで作製される。いくつかの態様において、チャネルまたはチャンバーは、約0.1ミクロン~約1500ミクロンの範囲、より一般的には約0.2ミクロン~約1000ミクロンの範囲、さらにより一般的には約0.4ミクロン~約500ミクロンの範囲の、少なくとも1つの断面寸法を有する。個々のマイクロ流体の特徴は、一般的には、非常に少量の流体を保持し、例えば、約10ナノリットル~約5ミリリットル、約100ナノリットル~約2ミリリットル、約200ナノリットル~約500マイクロリットル、または約500ナノリットル~約200マイクロリットルである。集積型マイクロ流体アレイ装置は、マイクロ流体の構成部分に接合されたアレイの構成部分を含み、マイクロ流体の構成部分とアレイの構成部分は互いに共同して作動でき、アレイの構成部分のアレイ基板が、マイクロ流体の構成部分のマイクロ流体の特徴と流体連通している。マイクロ流体の構成部分は、マイクロ流体の特徴を含み、アレイの構成部分と共同して作動できるように適合された構成部分である。アレイの構成部分は、アレイ基板を含み、マイクロ流体の構成部分と共同して作動できるように適合された構成部分である。
【0107】
RNA(リボ核酸)は、複数の生物学的役割を有するポリマー分子である。本明細書で使用される場合、「microRNA」、「miRNA」、または「miR」という用語は互換的に使用され、小さな一本鎖の非コードRNA分子を指す。いくつかの態様において、miRは、長さが約15~約30ヌクレオチド(例えば、長さが約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、又は約30ヌクレオチド長)である。miRは、RNAサイレンシングおよび遺伝子発現の転写後調節を含む、様々な天然の機能を有し得る。構造的には、miRは一本鎖分子であり、それ自体が折り返して1つ以上のヘアピンループ構造を形成している。
【0108】
本明細書で使用される場合、「RNAハイブリダイゼーションプローブ」とは、標的RNA分子を検出するためのRNA分子を指し、RNAハイブリダイゼーションプローブは、標的分子の全部または一部と相補的な特異的配列を有する。RNAハイブリダイゼーションプローブは、蛍光標識や放射性標識などの、検出可能な要素を、さらに含んでいる。いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブは安定性を高めるためにさらに修飾される。
【0109】
「対象(subject)」および「患者(patient)」という用語は、本明細書において互換的に使用され、それぞれヒトを指す。
【0110】
本明細書で説明する様々な態様を、以下の小節でさらに詳細に記載する。
【0111】
II. 本開示のアレイ
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む装置に関するものであり、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブは、本明細書に開示されるmiRにハイブリダイズする。いくつかの態様において、装置はマイクロ流体アレイである。いくつかの態様において、装置はチップ(例えば、マイクロ流体チップ)である。本開示に記載されるアレイは、ACR又はAMRを起こしている、又は起こすリスクがある対象において差次的に発現したことが本明細書で特定された、特定のmiRにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブを含む。このように、本明細書で開示されるアレイは、急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある対象を特定するだけでなく、臨床医がACRとAMRを容易に区別することを可能にする新規なツールである。
【0112】
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイに関するものであり、ここで、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、miR-223-3p、miR-361-3p、miR-3615、miR-24-3p、miR-182-5p、miR-374a-5p、miR-23a-3p、miR-30e-5p、miR-582-3p、miR-130b-3p、miR-326 92、miR-1299、miR-23a-3p、miR-145-5p、miR-1249-3p、miR-27a-3p、miR-215-5p、miR-145-3p、miR-10b-5p、miR-582-3p、let-7b-3p、miR-142-3p、miR-450b-5p、miR-140-5p、miR-374a-5p、miR-17-5p、miR-143-3p、miR-130b-3p、miR-1-3p、miR-542-3p、miR-484、miR-345-5p、miR-125a-5p、miR-338-5p、miR-769-5p、miR-193a-5p、miR-454-3p、miR-223-5p、及びlet-7d-3p、からなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする。
【0113】
いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含み、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする。
【0114】
いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、miR-326からなる群より選択される、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個の、RNAハイブリダイゼーションプローブを含む。いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、以下を含む複数のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、以下からなる複数のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0115】
本開示のいくつかの態様は、ACRを起こしている、又は発症するリスクがある対象を特定するためのマイクロ流体アレイに関するものであり、このマイクロ流体アレイは、以下を含む複数のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、以下からなる複数のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0116】
本開示のいくつかの態様は、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイに関するものであり、ここで、RNAハイブリダイゼーションプローブの少なくとも1つは、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、miR-589-5p、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるmiRにハイブリダイズする。いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、以下からなる群より選択される、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個の、RNAハイブリダイゼーションプローブを含む:miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0117】
いくつかの態様において、マイクロ流体アレイは、以下を含む、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブは、以下からなる:miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0118】
本開示のいくつかの態様は、AMRを起こしている、又は発症するリスクがある対象を特定するためのマイクロ流体アレイに関するものであり、このマイクロ流体アレイは、以下を含む複数のRNAハイブリダイゼーションプローブを含む;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブは、以下からなる:miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0119】
III. RNAハイブリダイゼーションプローブパネル
本開示のいくつかの態様は、急性心臓移植片拒絶反応、例えば、ACR又はAMRを起こしている、または起こすリスクがある対象を特定するために問い合わせることができる、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルに関するものである。いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる群より選択される1つ以上のmiRにハイブリダイズする:miR-223-3p、miR-361-3p、miR-3615、miR-24-3p、miR-182-5p、miR-374a-5p、miR-23a-3p、miR-30e-5p、miR-582-3p、miR-130b-3p、miR-326 92、miR-1299、miR-23a-3p、miR-145-5p、miR-1249-3p、miR-27a-3p、miR-215-5p、miR-145-3p、miR-10b-5p、miR-582-3p、let-7b-3p、miR-142-3p、miR-450b-5p、miR-140-5p、miR-374a-5p、miR-17-5p、miR-143-3p、miR-130b-3p、miR-1-3p、miR-542-3p、miR-484、miR-345-5p、miR-125a-5p、miR-338-5p、miR-769-5p、miR-193a-5p、miR-454-3p、miR-223-5p、let-7d-3p、及び、これらの任意の組み合わせ。ここで、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、心臓移植後に急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのものである。
【0120】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる群より選択される、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個の、RNAハイブリダイゼーションプローブを含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、これらの任意の組み合わせ。ここで、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、ACRを起こしている、又は発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのものである。
【0121】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下を含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、およびmiR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、ACRを起こしている、又はACRを発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのものである。
【0122】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、ACRを起こしている、又はACRを発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのものである。
【0123】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる群より選択される、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個の、RNAハイブリダイゼーションプローブを含む:miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0124】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下を含む;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、AMRを起こしている、又はAMRを発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのものである。
【0125】
いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、以下からなる;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ,miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、RNAハイブリダイゼーションプローブパネルは、AMRを起こしている、又はAMRを発症するリスクがある、ヒトである対象を特定することに使用するためのものである。
【0126】
IV. 本開示の方法
本明細書では、心臓移植後にACRまたはAMRを起こしている、又は起こすリスクがあるヒトである対象において、差次的に発現したmiRの例が記載される。このように、本開示のいくつかの態様は、本明細書で開示される1つ又はmiRの発現を測定することによって、急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがあるヒトである対象を特定する方法に関するものである。
【0127】
さらに、本明細書に開示されるmiRパネルを作成するために使用される方法は、他のタイプの臓器移植拒絶反応に関連して差次的に発現するmiRを特定することにも、容易に適応可能である。このように、本開示のいくつかの態様は、臓器移植拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある対象において、差次的に発現するmiRを特定する方法に関するものである。
【0128】
IV.A. 特定の方法
本開示のいくつかの態様は、対象から得られた生体試料中の、本明細書に開示される1つ以上のmiRの発現を測定することによって、対象が急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがあると特定または診断する方法に関するものである。いくつかの態様において、急性心臓移植片拒絶反応にはACRが含まれる。いくつかの態様において、急性心臓移植片拒絶反応にはAMRが含まれる。
【0129】
いくつかの態様において、本方法は、対象から生体試料を得ることを含む。いくつかの態様において、生体試料は血液由来試料である。いくつかの態様において、血液由来試料は全血を含む。いくつかの態様において、生体試料は全血試料である。いくつかの態様において、血液由来試料は血清を含む。いくつかの態様において、生体試料は血清試料である。いくつかの態様において、血液由来試料は血漿を含む。いくつかの態様において、生体試料は血漿試料である。いくつかの態様において、生体試料は、臓器移植組織から得られた組織生検を含む。本明細書に開示される方法に適した試料は、miRを含む。いくつかの態様において、RNAが生体試料から単離される。いくつかの態様において、全RNAが生体試料から単離される。いくつかの態様において、small RNA、例えば、非コードRNAが生体試料から単離される。いくつかの態様において、miRが生体試料から単離される。
【0130】
本開示のいくつかの態様において、本方法には、本明細書に開示されるマイクロ流体アレイに生体試料を接触させることによって、生体試料中のmiRパネルのレベルを測定することが含まれる。いくつかの態様において、全血試料がマイクロ流体アレイにアプライされる。いくつかの態様において、血漿試料がマイクロ流体アレイにアプライされる。いくつかの態様において、血清試料がマイクロ流体アレイにアプライされる。いくつかの態様において、血液由来生体試料から単離された全RNAがマイクロ流体アレイにアプライされる。いくつかの態様において、血液由来生体試料から単離されたsmall RNAがマイクロ流体アレイにアプライされる。いくつかの態様において、血液由来生体試料から単離されたmiRがマイクロ流体アレイにアプライされる。
【0131】
いくつかの態様において、特定のmiRのレベルが分析されて、試料中のmiRの相対量が決定される。
【0132】
IV.A.1. ACR
いくつかの態様において、本方法には、対象がACRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定または診断することが含まれ、ここで本方法には、対象から得られた生体試料中のmiRパネルのレベルを測定することが含まれ、ここで、miRパネルには、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-223-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-376c-3p、及び、miR-326が含まれる。生体試料中のmiRのレベルの測定は、任意の方法を用いて行うことができる。いくつかの態様において、miRパネルのレベルは、small RNA/microRNA/RNAシーケンス、マイクロアレイハイブリダイゼーション、ノーザンブロット、等温核酸増幅、定量的逆転写酵素PCR(qRT-PCR)、若しくはリアルタイムPCR(RT-PCR)、又はこれらの任意の組み合わせを用いて測定される。このように、いくつかの態様において、本明細書で開示されるRNAハイブリダイゼーションプローブは、特定のRNAハイブリダイゼーションプローブと同じmiR(または同じmiRから作成されたcDNA)を検出することができる、PCRプライマーのペアに置き換えることができる。
【0133】
いくつかの態様において、miRパネルのレベルは、生体試料(又は生体試料から単離したmiRを含む試料)を、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブと接触させることによって測定される。いくつかの態様において、miRパネルのレベルは、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイ(例えば、本明細書に開示されるマイクロ流体アレイ)を用いて測定される。いくつかの態様において、試料中の特定のmiRのレベルは、RNAハイブリダイゼーションプローブ上の検出可能なマーカーのレベルを測定することによって決定される。
【0134】
いくつかの態様において、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブは、以下を含む;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、およびmiR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブは、以下からなる;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、およびmiR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブは、以下から本質的になる;miR-30e-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、let-7g-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-223-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-3615にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-182-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-345-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-361-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-1299にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-376c-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、およびmiR-326にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0135】
いくつかの態様において、本方法は、ACRシグネチャースコアを決定することをさらに含む。いくつかの態様において、ACRシグネチャースコアは以下の計算式に従い決定される:
式 I
ACRシグネチャースコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326]
0でない値を扱うために、各カウントに+10を加えた100万データあたりのリード数を使用する。lnは自然対数を表す。
ここで:(a)=23および33からの任意の数;(b)=0.14および0.24からの任意の数;(c)=2.5および7.5からの任意の数;(d)=2および6からの任意の数;(e)=4および9からの任意の数;(f)=2および6からの任意の数;(g)=0.5および5からの任意の数;(h)=22および32からの任意の数;(i)=1および5からの任意の数;(j)=3および10からの任意の数;(k)=4および11からの任意の数;及び(l)=6および14からの任意の数;であり、ここで、「[X]」は生体試料中の「X」のレベルを指し、例えば、シーケンサーによる試料あたり(100万データあたり)のリード数によって表される。
【0136】
いくつかの態様において、(a)=26から31までの任意の数;(b)=0.16から0.21までの任意の数;(c)=4から6までの任意の数;(d)=3から5までの任意の数;(e)=6から7.5までの任意の数;(f)=3から5までの任意の数;(g)=1から3までの任意の数;(h)=25から28までの任意の数;(i)=2から4までの任意の数;(j)=5から7までの任意の数;(k)=7から9までの任意の数;及び(l)=10から12までの任意の数である。
【0137】
いくつかの態様において、(a)=約28.90;(b)=約0.19;(c)=約5.46;(d)=約4.77;(e)=約6.41;(f)=約4.41;(g)=約2.20;(h)=約27.69;(i)=約3.05;(j)=約6.17;(k)=約7.71;及び(l)=約10.63である。
【0138】
いくつかの態様において、パネルは1つ以上の追加のACR miRを含む。いくつかの態様において、miRパネルは、miR-23a-3p、miR-30e-5p、let-7g-5p、miR-24-3p、miR-27a-3p、miR-223-3p、miR-197-3p、miR-3615、miR-374a-5p、miR-182-5p、miR-345-5p、miR-361-3p、miR-130b-3p、miR-1299、miR-323b-3p、miR-582-3p、miR-432-5p、miR-329-3p、miR-376c-3p、及びmiR-326を含み;ここで、ACRスコアは、以下の計算式に従い計算される:
式 II
ACRスコア=326 + (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-30e-5p] + (c) * ln [let-7g-5p] - (d) * [miR-24-3p] + (e) * ln [miR-27a-3p] - (f) * ln [miR-223-3p] + (g) * ln [miR-197-3p] - (h) * ln [miR-3615] + (i) * ln [miR-374a-5p] + (j) * ln [miR-182-5p] - (k) * ln [miR-345-5p] + (l) * ln [miR-361-3p] - (m) * ln [miR-130b-3p] - (n) * ln [miR-1299] + (o) * ln [miR-323b-3p] + (p) * ln [miR-582-3p] + (q) * ln [miR-432-5p] + (r) * ln [miR-329-3p] - (s) * ln [miR-376c-3p] - (t) * ln [miR-326]
0でない値を扱うために、各カウントに+10を加えた100万データあたりのリード数を使用する。lnは自然対数を表す。
ここで:(a)=1から7までの任意の数;(b)=26から36までの任意の数;(c)=1から5までの任意の数;(d)=8から18までの任意の数;(e)=1から7までの任意の数;(f)=4から14までの任意の数;(g)=3から13までの任意の数;(h)=0.1から1までの任意の数;(i)=2から12までの任意の数;(j)=1から7までの任意の数;(k)=1から7までの任意の数;(l)=18から28までの任意の数;(m)=2から8までの任意の数;(n)=3から9までの任意の数;(o)=0.1から1までの任意の数;(p)=2から8までの任意の数;(q)=1から7までの任意の数;(r)=0.5から3.5までの任意の数;(s)=5から15までの任意の数;及び(t)=6から16までの任意の数;であり;ここで、「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し、例えば、例えば、シーケンサーによる試料あたり(100万データあたり)のリード数によって表される。
【0139】
いくつかの態様において、(a)=2から5までの任意の数;(b)=30から33までの任意の数;(c)=1.5から3までの任意の数;(d)=11から15までの任意の数;(e)=2から5までの任意の数;(f)=7から11までの任意の数;(g)=6から10までの任意の数;(h)=0.18から.38までの任意の数;(i)=5から9までの任意の数;(j)=2から5までの任意の数;(k)=2から5までの任意の数;(l)=20から25までの任意の数;(m)=3から6までの任意の数;(n)=4.5から6.5までの任意の数;(o)=0.5から1までの任意の数;(p)=3から6までの任意の数;(q)=2から5までの任意の数;(r)=1から3までの任意の数;(s)=8から12までの任意の数;及び(t)=9から14までの任意の数である。
【0140】
いくつかの態様において、(a)=約3.64;(b)=約31.79;(c)=約2.10;(d)=約13.49;(e)=約3.75;(f)=約9.30;(g)=約8.18;(h)=約0.28;(i)=約7.51;(j)=約3.88;(k)=約3.59;(l)=約23.57;(m)=約4.58;(n)=約5.73;(o)=約0.71;(p)=約4.69;(q)=約3.32;(r)=約1.90;(s)=約10.12;及び(t)=約11.78である。
【0141】
いくつかの態様において、ACRスコアが約65以上である場合、対象はACRを起こしていると特定される。
【0142】
いくつかの態様において、ACRスコアが約45以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約50以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約50から約60である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約50から約55である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約51以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約52以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約53以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約54以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約55以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約56以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約57以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約58以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約59以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約60以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。
【0143】
いくつかの態様において、ACRスコアが約65以上である対象には、免疫抑制療法が実施される。いくつかの態様において、対象が約65以上のスコアを有すると特定された後に、免疫抑制療法が対象に実施される。いくつかの態様において、免疫抑制療法は、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される療法を実施することを含む。いくつかの態様において、ACRスコアが約65以上である対象は心内膜心筋生検の対象となる。いくつかの態様において、心内膜心筋生検は、対象が約65以上のACRスコアを有すると特定された後に実行される。いくつかの態様において、ACRスコアが65未満の対象は心内膜心筋生検の対象とならない。
【0144】
IV.A.2. AMR
いくつかの態様において、本方法には、対象がAMRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定することが含まれ、ここで本方法には、対象から得られた生体試料中のmiRパネルのレベルを測定することが含まれ、ここで、miRパネルには、miR-23a-3p、miR-484、miR-340-5p、miR-193a-5p、miR-215-5p、miR-142-3p、miR-374a-5p、miR-1307、miR-185-3p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5pが含まれる。生体試料中のmiRのレベルの測定は、任意の方法を用いて行うことができる。いくつかの態様において、miRパネルのレベルは、small RNA/microRNA/RNAシーケンス、マイクロアレイハイブリダイゼーション、ノーザンブロット、等温核酸増幅、定量的逆転写酵素PCR(qRT-PCR)、若しくはリアルタイムPCR(RT-PCR)、又はこれらの任意の組み合わせを用いて測定される。
【0145】
いくつかの態様において、miRパネルのレベルは、生体試料(又は生体試料から単離したmiRを含む試料)を、1つ以上のRNAハイブリダイゼーションプローブと接触させることによって測定される。いくつかの態様において、miRパネルのレベルは、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブを含むマイクロ流体アレイ(例えば、本明細書に開示されるマイクロ流体アレイ)を用いて測定される。
【0146】
いくつかの態様において、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブは、以下を含む;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブは、以下からなる;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。いくつかの態様において、複数のRNAハイブリダイゼーションプローブは、以下から本質的になる;miR-23a-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-484にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-340-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-193a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-215-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-142-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-374a-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-1307にハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-185-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-4433b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-130b-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-331-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-140-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブmiR-223-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-582-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、miR-122-3pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ、及び、miR-589-5pにハイブリダイズするRNAハイブリダイゼーションプローブ。
【0147】
いくつかの態様において、本方法は、AMRシグネチャースコアを決定することをさらに含む。いくつかの態様において、AMRシグネチャースコアは以下の計算式に従い決定される:
式 III
AMRシグネチャースコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p]
0でない値を扱うために、各カウントに+10を加えた100万データあたりのリード数を使用する。lnは自然対数を表す。
ここで:(a)=23から28までの任意の数;(b)=7から11までの任意の数;(c)=1から6までの任意の数;(d)=3から8までの任意の数;(e)=6から11までの任意の数;(f)=5から11までの任意の数;(g)=1から5までの任意の数;(h)=0.5から4までの任意の数;(i)=5から11までの任意の数;(j)=6から13までの任意の数;(k)=3から8までの任意の数;(l)=0.1から2までの任意の数;(m)=1から4までの任意の数;(n)=1から5までの任意の数;(o)=0.5から4までの任意の数;(p)=0.1から3までの任意の数;及び(q)=0.1から4までの任意の数であり;AMRシグネチャースコアが約65以上であると特定された、ヒトである対象に免疫抑制療法を実施すること;ここで、「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し;そしてここで、「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し、例えば、シーケンサーによる試料あたり(100万データあたり)のリード数によって表される。
【0148】
いくつかの態様において、(a)=24から27までの任意の数;(b)=8.5から10.5までの任意の数;(c)=2から4までの任意の数;(d)=4.5から6.5までの任意の数;(e)=7.5から9.5までの任意の数;(f)=7から9までの任意の数;(g)=2から4までの任意の数;(h)=1.0から1.75までの任意の数;(i)=7から9までの任意の数;(j)=9から11までの任意の数;(k)=5から7までの任意の数;(l)=1から2までの任意の数;(m)=1.5から2.5までの任意の数;(n)=1.5から2.5までの任意の数;(o)=0.7から1.7までの任意の数;(p)=0.5から1.5までの任意の数;及び(q)=1.4から2.4までの任意の数である。
【0149】
いくつかの態様では、(a)=約25.44;(b)=約9.33;(c)=約3.39;(d)=約5.82;(e)=約8.24;(f)=約8.62;(g)=約2.75;(h)=約1.43;(i)=約7.95;(j)=約9.69;(k)=約5.47;(l)=約0.60;(m)=約2.05;(n)=約2.24;(o)=約1.40;(p)=約0.87;及び(q)=約1.69である。
【0150】
いくつかの態様において、パネルは1つ以上の追加的なAMR miRを含む。いくつかの態様において、miRパネルは、以下を含む;miR-143-3p、let-7b-5p、miR-10b-5p、miR-23a-3p、miR-24-3p、miR-10a-5p、miR-27a-3p、miR-125a-5p、miR-93-5p、let-7d-3p、miR-191-5p、miR-484、miR-99b-5p、miR-340-5p、miR-1-3p、miR-193a-5p、miR-145-3p、miR-197-3p、let-7b-3p、miR-454-3p、miR-450b-5p、miR-215-5p、miR-4433b-5p、miR-1249-3p、miR-142-3p、miR-145-5p、miR-374a-5p、miR-542-3p、miR-1307-3p、miR-17-5p、miR-345-5p、miR-185-3p、miR-338-5p、miR-769-5p、miR-4433b-3p、miR-130b-3p、miR-331-5p、miR-140-5p、miR-223-5p、miR-582-3p、miR-122-3p、及びmiR-589-5p;ここで、AMRスコアは、以下の計算式に従い計算される:
式 IV
AMRスコア=107.1 + (a) ln (miR-143-3p) + (b) ln (let-7b-5p) - (c) ln (miR-10b-5p) - (d) ln (miR-23a-3p) - (e) ln (miR-24-3p) + (f) ln (miR-10a-5p) + (g) ln (miR-27a-3p) + (h) ln (miR-125a-5p) - (i) ln (miR-93-5p) + (j) ln (let-7d-3p) + (k) ln (miR-191-5p) - (l) ln (miR-484) + (m) ln (miR-99b-5p) + (n) ln (miR-340-5p) - (o) ln (miR-1-3p) + (p) ln (miR-193a-5p) + (q) ln (miR-145-3p) - (r) ln (miR-197-3p) - (s) ln (let-7b-3p) - (t) ln (miR-454-3p) + (u) ln (miR-450b-5p) - (v) ln (miR-215-5p) - (w) ln (miR-4433b-5p) + (x) ln (miR-1249-3p) + (y) ln (miR-142-3p) - (z) ln (miR-145-5p) + (aa) ln (miR-374a-5p) - (bb) ln (miR-542-3p) + (cc) ln (miR-1307-3p) + (dd) ln (miR-17-5p) + (ee) ln (miR-345-5p) + (ff) ln (miR-185-3p) + (gg) ln (miR-338-5p) - (hh) ln (miR-769-5p) + (ii) ln (miR-4433b-3p) + (jj) ln (miR-130b-3p) - (kk) ln (miR-331-5p) + (ll) ln (miR-140-5p) - (mm) ln (miR-223-5p) + (nn) ln (miR-582-3p) + (oo) ln (miR-122-3p) - (pp) ln (miR-589-5p)
ここで:(a)=0.1から4までの任意の数;(b)=1から6までの任意の数;(c)=13から25までの任意の数;(d)=26から36までの任意の数;(e)=3から12までの任意の数;(f)=6から16までの任意の数;(g)=9から20までの任意の数;(h)=1から7までの任意の数;(i)=0.1から4までの任意の数;(j)=25から35までの任意の数;(k)=0.25から2.25までの任意の数;(l)=11から22までの任意の数;(m)=3から10までの任意の数;(n)=0.5から5までの任意の数;(o)=1から6までの任意の数;(p)=1から8までの任意の数;(q)=1から8までの任意の数;(r)=4から13までの任意の数;(s)=1から7までの任意の数;(t)=5から15までの任意の数;(u)=1から10までの任意の数;(v)=1から5までの任意の数;(w)=1から6までの任意の数;(x)=1から6までの任意の数;(y)=8から18までの任意の数;(z)=8から18までの任意の数;(aa)=1から6までの任意の数;(bb)=4から13までの任意の数;(cc)=0.25から2.25までの任意の数;(dd)=1から8までの任意の数;(ee)=1から7までの任意の数;(ff)=3から10までの任意の数;(gg)=3から10までの任意の数;(hh)=1から7までの任意の数;(ii)=5から15までの任意の数;(jj)=0.25から2までの任意の数;(kk)=1から7までの任意の数;(ll)=1から5までの任意の数;(mm)=1から7までの任意の数;(nn)=0.1から3までの任意の数;(oo)=1から6までの任意の数;及び(pp)=1から6までの任意の数であり;ここで、「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し、例えば、シーケンサーによる試料あたり(100万データあたり)のリード数で表される。
【0151】
いくつかの態様において、(a)=1から2までの任意の数;(b)=3から4までの任意の数;(c)=19から22までの任意の数;(d)=31から34までの任意の数;(e)=6から9までの任意の数;(f)=10から13までの任意の数;(g)=11から16までの任意の数;(h)=3から5までの任意の数;(i)=1から2までの任意の数;(j)=28から32までの任意の数;(k)=.5から1.5までの任意の数;(l)=15から18までの任意の数;(m)=5から7までの任意の数;(n)=1.5から2.5までの任意の数;(o)=2.5から3.5までの任意の数;(p)=4から5までの任意の数;(q)=4から5までの任意の数;(r)=7から10までの任意の数;(s)=3から5までの任意の数;(t)=7から11までの任意の数;(u)=4.5から7までの任意の数;(v)=2から4までの任意の数;(w)=2.5から4.5までの任意の数;(x)=2から5までの任意の数;(y)=11から14までの任意の数;(z)=11から14までの任意の数;(aa)=2.25から4.25までの任意の数;(bb)=7から10までの任意の数;(cc)=0.75から2までの任意の数;(dd)=3から5.5までの任意の数;(ee)=2から5までの任意の数;(ff)=5から9までの任意の数;(gg)=5から9までの任意の数;(hh)=2から5までの任意の数;(ii)=7から12までの任意の数;(jj)=0.25から1.5までの任意の数;(kk)=2から5までの任意の数;(ll)=2から4までの任意の数;(mm)=3から5までの任意の数;(nn)=0.5から1.75までの任意の数;(oo)=2から4までの任意の数;及び(pp)=2から4までの任意の数である。
【0152】
いくつかの態様において、(a)=約1.59;(b)=約3.4;(c)=約20.35;(d)=約32.4;(e)=約7.89;(f)=約11.93;(g)=約14.41;(h)=約3.93;(i)=約1.39;(j)=約30.11;(k)=約1.15;(l)=約16.25;(m)=約6.21;(n)=約2.03;(o)=約3.07;(p)=約4.92;(q)=約4.49;(r)=約8.65;(s)=約4.08;(t)=約9.15;(u)=約5.62;(v)=約2.96;(w)=約3.48;(x)=約3.21;(y)=約12.86;(z)=約13.0;(aa)=約3.22;(bb)=約8.56;(cc)=約1.37;(dd)=約4.39;(ee)=約3.18;(ff)=約6.47;(gg)=約6.05;(hh)=約3.74;(ii)=約9.45;(jj)=約0.69;(kk)=約3.61;(ll)=約2.84;(mm)=約4.07;(nn)=約1.11;(oo)=約2.98;及び(pp)=約3.11である。
【0153】
いくつかの態様において、AMRスコアが約65以上である場合、対象はAMRを起こしていると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約65以上である場合、対象はAMRと診断される。
【0154】
いくつかの態様において、AMRスコアが約45以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約50以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約50から約60である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約55から約60である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約51以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約52以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約53以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約54以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約55以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約56以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約57以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約58以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約59以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約60以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。
【0155】
いくつかの態様において、AMRスコアが約65以上である対象には、免疫抑制療法が実施される。いくつかの態様において、免疫抑制療法は、免疫グロブリン静注、血漿交換、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、リツキシマブ、エクリズマブ、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及びこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される療法を実施することを含む。いくつかの態様において、AMRスコアが約65以上である対象は心内膜心筋生検の対象となる。いくつかの態様において、AMRスコアが65未満の対象は心内膜心筋生検の対象とならない。
【0156】
IV.B. 処置方法
本開示のいくつかの態様は、処置を必要とする対象における、急性心臓移植片拒絶反応を処置する方法であって:(i)ACRおよびAMRから選択される急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は起こすリスクがある対象を特定すること、及び(ii)そのた対象に免疫抑制療法を実施すること、を含む方法に関するものである。いくつかの態様において、急性心臓移植片拒絶反応はACRを含み、対象は、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される療法を実施することを含む免疫抑制療法を実施される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定され、対象はコルチコステロイドを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象は抗胸腺細胞グロブリンを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象はタクロリムスを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象はシクロスポリンを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象はシロリムスを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象はエベロリムスを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象はミコフェノール酸モフェチルを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象はアザチオプリンを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象はトシリズマブを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象はベラタセプトを投与される。いくつかの態様において、対象はACRを起こしている、またはACRを起こすリスクがあると特定され、対象は心臓移植の再手術により処置される。
【0157】
いくつかの態様において、急性心臓移植片拒絶反応はAMRを含み、対象は、免疫グロブリン静注、血漿交換、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、リツキシマブ、エクリズマブ、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及び、これらの任意の組み合わせからなる群より選択される療法を実施することを含む免疫抑制療法を実施される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定され、対象は免疫グロブリン静注を実施される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定され、対象は血漿交換を実施される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定され、対象はボルテゾミブを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定され、対象はカルフィルゾミブを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定され、対象はリツキシマブを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定され、対象はエクリズマブを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、又は起こすリスクがあると特定され、対象はコルチコステロイドを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象は抗胸腺細胞グロブリンを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象はタクロリムスを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象はシクロスポリンを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象はシロリムスを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象はエベロリムスを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象はミコフェノール酸モフェチルを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象はアザチオプリンを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象はトシリズマブを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象はベラタセプトを投与される。いくつかの態様において、対象はAMRを起こしている、またはAMRを起こすリスクがあると特定され、対象は心臓移植の再手術により処置される。
【0158】
IV.C. 移植片拒絶反応の検出システム
本開示のいくつかの態様は、急性心臓移植片拒絶反応を起こしている、又は発症するリスクがある対象を特定する方法を提供する。しかし、これらの方法で用いられる様々なmiRを特定するために使用される技術は、他のタイプの臓器拒絶反応の指標となり得るmiRを特定することに適用することができる。このように、本開示のいくつかの態様は、心臓移植レシピエントのmiRトランスクリプトームを決定すること、ACRおよびAMRの状況下におけるmiR発現を識別すること、及びACRおよびAMRを非侵襲的に診断するために使用され得る、それぞれ異なるmiRパネルを開発することに関するものである。さらに、本明細書に記載された態様は、ゲノムバイオマーカー検査を用いることを可能にし、拒絶反応のサブタイプに基づき、患者が特定の治療経路を開始することを可能にする。さらに、本明細書に記載された態様は、個々人のACR及びAMR miR遺伝子発現スコアを作成し、臨床的解釈と急性拒絶反応の非侵襲的診断を可能にする。このスコアはACRまたはAMRに特有のものであるため、もし上昇すれば、他の診断検査の結果を待つ間に標的治療を行うことができる。
【0159】
この点に関して、本明細書に記載された態様は、血液検査だけを用いて(「液体生検(liquid biopsy)」)、心臓移植拒絶反応を診断することを提供する。
【0160】
図3は、いくつかの態様に従い、miRに基づいて移植片拒絶反応を検出するためのシステムのブロック図である。このシステムは、サーバー300、データベース310、及びクライアントデバイス320を含み得る。システムの各装置はネットワークを介して接続されていてもよい。例えば、システムの各装置は、有線接続、無線接続、又は有線接続と無線接続の組み合わせを介して接続されていてもよい。例示的な態様において、ネットワークの1つ以上の部分は、アドホックネットワーク、イントラネット、エクストラネット、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(PSTN)の一部、携帯電話ネットワーク、無線ネットワーク、WiFiネットワーク、WiMaxネットワーク、任意の他の種類のネットワーク、又は、このようなネットワークの2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0161】
いくつかの態様において、サーバー300とデータベース310は、クラウドコンピューティング環境に存在してもよい。他の態様において、サーバー300はクラウドコンピューティング環境に存在し、データベース310はクラウドコンピューティング環境の外部に存在してもよい。さらに、他の態様において、サーバー300はクラウドコンピューティング環境の外部に存在し、データベース310はクラウドコンピューティング環境に存在してもよい。
【0162】
サーバー300は、miRに基づいて移植片拒絶反応の可能性を特定するための1つ以上のアプリケーションを実行するように設定され得る。データベース310は、構造化データ及び非構造化データを保存するように設定され得る。サーバー300は、miRに基づく移植片拒絶反応の可能性を特定するために、データを保存し、データベース310からデータを検索し得る。
【0163】
クライアントデバイス320は、サーバー300と通信することができる。クライアントデバイス320は、アプリケーション325を実行して、サーバー300と通信するように設定され得る。アプリケーション325は、1人以上の患者について、miRに基づく移植片拒絶反応の可能性を特定する要求を、サーバー300に送信するために使用され得る。アプリケーション325はユーザーインターフェイスを含み得る。ユーザーインターフェイスは、サーバー300に要求を送信するために使用され得る。さらに、ユーザーインターフェイスは、サーバー300から受信した応答をレンダリングすることもできる。クライアントデバイス320は、患者、医療従事者、保険会社などを含むが、これらに限定されないユーザによって動作され得る。
【0164】
ある態様において、クライアントデバイス320とサーバー300は同じ装置に統合され、その結果、本明細書に記載される、サーバーによって実行される作業は、クライアントデバイス上で直接実行され、クライアントデバイスそれ自体がデータベース310と通信する。
【0165】
IV.C.1. miRパネルの作成
図4は、いくつかの態様に従い、miRパネルの開発プロセスを例示するフローチャートである。本明細書では、急性心臓移植片拒絶反応に関連するmiRパネルに適用されるが、本明細書に記載の方法は、広く、他の臓器拒絶反応のためのmiRパネルを開発するために適用することができる。方法400は、処理ロジックによって実行されることができ、処理ロジックは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブル論理、マイクロコードなど)、ソフトウェア(例えば、処理装置上で実行される命令)、又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。本明細書で提供される開示内容を実行するために、全てのステップが必要であるとは限らないことを理解されたい。さらに、いくつかのステップは、同時に、または図4に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、そのことは当業者に理解されるだろう。
【0166】
方法400は、図3を参照して、記載される。しかしながら、方法400は、その例示的な態様に限定されない。
【0167】
402では、複数の対象のシーケンスデータが得られる。いくつかの態様において、サーバー300は、対象から得られた試料からRNAをシーケンスして、シーケンスリードを作成することができる。対象には、患者および/またはコントロールである対象が含まれ得る。臓器移植拒絶反応を特定するためのmiRパネルの開発に関連するいくつかの態様において、試料は、血液、尿、脳脊髄液、精液、唾液、喀痰、便、及び組織であり得る。シーケンスデータは、任意の適切な内部データソース又は外部データソース(例えば、データベース310)から取得される。非限定的な例として、シーケンスデータは以下に関連するデータソースから取得し得る;Genomic Research Alliance for Transplantation(GRAfT)、Cedars-Sinai Medical Center、University of Utah、Stanford University Heart Transplant Biobank、Outcomes AlloMap Registry(OAR)Donor-Derived Cell-Free DNA-Outcomes Allomap Registry (D-OAR)、Surveillance HeartCare Outcomes Registry (SHORE)、Donor-Derived Cell-free DNA to DETect REjection in Cardiac Transplantation (DETECT)、PROTECT Registry、INTERHEART Study、DNA-Based Transplant Rejection Test (DTRT) study、Clinical Trials in Organ Transplantation など。さらに、血液試料は、サーベイランス中又は臨床的に指示された検査中の対象又は患者から採取することができる。miRは血液由来のものであってもよい。EMBを受ける患者ついては、血液試料は処置前に採取することができる。静脈血は、例えば、Streck Cell-Free DNAチューブなどの容器に採取され、処理して、血漿を分離する。血漿は、-80℃などの適切な温度で保存することができる。RNAは、MagMAX mirVana isolation kit (Thermo Fisher Scientific, Gaithersburg MD)などの既知の抽出技術を用いて血漿から抽出することができる。溶出後、NEXTFLEX Small RNA-Seq Kit v3(PerkinElmer Inc, Shelton CT)などのライブラリー調製ツールを用いてライブラリー調製を行うことができる。次いで、調製されたRNAは、NEXTSEQ 500(Illumina Inc., San Diego CA)などのシーケンスマシーンを使い、例えば50塩基対(bp)のシングルエンドリードを用いて、シーケンスすることができる。ある態様において、サーバー300は、RNAをシーケンスするためにシーケンスマシーンを実装することができる。シーケンスをすることにより、例えば、試料あたり~1100万のシーケンスリードが作成され得る。
【0168】
いくつかの態様において、他のシーケンス方法を使用してもよい。例えば、サーバー300は、相補的DNAシーケンス、small RNA/非コードRNAシーケンス、Direct RNAシーケンス、一分子リアルタイムRNAシーケンス、シングルセルRNAシーケンス(scRNA-Seq)などを使用して、試料中のRNAをシーケンスしてもよい。いくつかの態様において、シーケンスは、以前に取り込まれたデータベースから取得することもでき、サーバー300は実際のシーケンスを実施せず、むしろそのデータベースからシーケンスデータを取得する。
【0169】
いくつかの態様において、PCR、アレイ、プローブアッセイ、iNAAT、CRISPR、または他の分子検査法を用いて、シーケンスリードをアノテーションし、それに基づいて、シーケンスリードを特定することができる。
【0170】
404において、サーバー300は、作成されたシーケンスリードから、1つ以上のシーケンスリードを取り除くことにより、シーケンスリードをフィルタリングする。例えば、シーケンスリードに対応するシーケンスのFASTQファイルを処理して、3'アダプターバーコード配列、ランダムバーコード配列、UniVec混入物、及び<15塩基対(bp)のリードを取り除くことができる。さらに、シーケンスリードから高精度でフィルタリングされたシーケンスは、miRbase v22、ヒトゲノム38の参照用にGENCODE v24、及び、gtRNAdb v16を用いて、内因的にアラインメントを行うことができる。良質なmiRリードが不十分な試料(試料あたり<1,000,000リード)は分析から除外することができる。複数のシーケンスリード中のsmall RNAシーケンスデータは、Extracellular RNA Communication Consortium (ERCC) RNA pipeline (extracellular RNA processing tool, exceRpt)を用いて分析することができる。
【0171】
small RNAシーケンスラン間におけるバッチ効果を排除又は軽減するために、サーバー300は、シーケンスリード(1つ以上の取り除かれたシーケンスリードを除く)に対して主成分分析(PCA)を実行することができる。このPCAは、例えば、線虫試料のスパイクイン、及び、無関係のヒトドナーからのプール血漿コントロールを用いることができる。バッチ効果は、実験における非生物学的要因が、実験により生み出されるデータに変化をもたらす場合に発生する。サーバー300は、異常値試料を更なる分析から除外することができる。
【0172】
406において、サーバー300は、フィルタリングされたmiRのシーケンスリード中の標的遺伝子を特定する。標的遺伝子は、ACRまたはAMRに関与するものとして特定される。例えば、サーバー300は、miRTarBase v8.0を用いて、ACRまたはAMRに関与するmiRの標的遺伝子を特定することができる。サーバー300は、例えば、miRの過剰発現またはノックダウンと共に行うレポーターアッセイ、ウェスタンブロット、またはマイクロアレイ実験によって、検証された標的mRNAを分析に含めることができる。サーバー300は、例えば、MIENTURNETのような双方向ウェブツールを使用して、ネットワーク分析およびデータの可視化を実行することができる。サーバー300は、Reactome databaseなどの一般に利用可能なデータベースを検索することによって、差次的に発現したmiRによって制御される可能性のある生物学的経路を識別することができる。いくつかの態様において、一般に利用可能なデータベースはデータベース310の一部であり得る。
【0173】
408において、サーバー300は、特定された標的遺伝子に基づいて、試料中のmiRを特定する。非限定的な例として、サーバー300は、血漿中の~1,900個の発現miRを特定することができる。サーバー300は、低発現miR(例えば、全試料にわたって、マップされたリードの平均が100未満のmiR)をフィルタリングすることができる。さらに、サーバー300は、赤血球由来のmiRであるmiR 486-5pおよびmiR-451aを除去する。サーバー300は、残りのmiR(例えば、~350 miR)を分析に含める。
【0174】
410において、サーバー300は、miR(例えば、残りの~350個のmiR)をスクリーニングして、DESeq2などの差次的遺伝子発現分析ツールを用いて、臨床的共変量(例えば、年齢、性別、人種、体格指数)を調整しながら、差次的に発現したmiRを特定する。態様によれば、差次的に発現したmiRは、ACRまたはAMRとの対応に基づいてスクリーニングすることができる。そうすることにより、サーバー300は、miRトランスクリプトームから特定され得る特定の転帰に関連する、差次的に発現したmiRを特定する。サーバー300は、miRプロファイルの変化がわずかである患者のサブセットにおいて、血液型を調整してもよい。あるいは、サーバー300は、サンプルサイズを最大化するために、年齢、性別、人種、および体格指数についてデータを調整してもよい。
【0175】
全タンパク質コード遺伝子の約50%がmiRの制御下にあり、一つのmRNAが複数のmiRによって制御されることもある。ほとんどの場合、miRは遺伝子発現の下流を負に制御する。ACRおよびAMRにおける遺伝子発現シグネチャーは、移植片の損傷に対する免疫系反応から生じるか、あるいは損傷した心臓移植片のアポトーシス心筋細胞や内皮細胞から直接生じる可能性がある。この点で、差次的に発現したmiRは、ACRやAMRに関与する特定の重要な経路(mTORシグナル伝達、T細胞分化、インターロイキンシグナル伝達、DNA損傷認識、転写調節、TGF-βシグナル伝達、腫瘍壊死因子(TNF)シグナル伝達、toll様受容体カスケード、T細胞受容体シグナル伝達、リンパ球増殖、細胞死/アポトーシス)において、調節異常を起こしている可能性がある。
【0176】
心臓移植片の検出のためのある態様によると、低発現のmiRをフィルタリング後、サーバー300は、~350のmiRが、すべての心臓移植患者にわたって、一貫して発現していることを決定した(ACRでは12の、AMRでは27の差次的に発現するmiR)。臨床的共変量をコントロールしながら、厳密な統計的アプローチを用いて、ACRでは12の、AMRでは17のmiRが選択された。さらに、これらのmiRは互いに最小限の相関しか示さなかったことから(データは提示せず)、これらのmiRは個々に拒絶反応の情報源となることが示唆された。
【0177】
412において、サーバー300は、未調整p値、例えば<0.10、を有する特定されたmiRを用いて、特定の転帰(例えば、AMRまたはACR)に対応する第1のロジスティック回帰モデルを作成する。いくつかの態様において、サーバー300は、特定されたmiRを用いて、第1のロジスティック回帰モデルを、LASSOペナルティと適合させる。LASSO分析内で、サーバー300は、正規化されたmiRカウントを正規近似のために対数変換してもよい。各miRの対数カウントは、例えば平均が0、分散が1になるように、標準化されてもよい。LASSOペナルティのチューニングパラメーターは、モデル逸脱度(deviance)を最小化するために、例えば、10-fold交差検証に基づいて、サーバー300によって選択されてもよい。
【0178】
414において、サーバー300は、ロジスティック-LASSO回帰を用いて、特定されたmiRから1つ以上のmiRを特定する。1つ以上のmiRは、AMRまたはACRを診断するために使用されるmiRパネルを構成する。例えば、サーバー300は、AMRに対応して差次的に発現したmiRに基づいて、AMRを診断するためのmiRパネルを作成する。別の例では、サーバー300は、ACRに対応して差次的に発現したmiRに基づいて、ACRを診断するための異なるmiRパネルを作成する。サーバー300は、受信者動作特性(Receiver Operating Characteristic, ROC)曲線を作成し、曲線下面積(area under the curves, AUC)を算出して、特定されたmiRセットの性能を評価することもできる。モデルはまた、ACR及びAMRについて独立して検証され得る。
【0179】
以上のことから、AMRまたはACRを診断するために、特定された1つ以上のmiR(ACR又はAMRに対応する)を用いることは、演算効率を向上させ、移植拒絶反応の診断に要する時間が短縮される。特に、与えられた試料中の全てのmiRを分析しなければならないというよりも、むしろ試料中で特定のmiRが標的となり得る。これにより、処理すべきデータ量が大幅に減少する。その結果、これにより移植拒絶反応の可能性を診断する際の演算効率が向上する。
【0180】
さらに、試料中の特定のmiRを標的とすることができれば、より少ないデータで移植拒絶反応の診断精度を高めることができる。例えば、特定のmiRを用いずに、与えられた試料から移植拒絶反応の可能性を診断しようとすると、移植拒絶反応の可能性の誤った指示を与えたり、移植拒絶反応の可能性を完全に見逃してしまったりする可能性がある。このように、特定された1つ以上のmiRをAMRまたはACRの診断に用いることで、移植拒絶反応の診断の精度を高めることができる。
【0181】
IV.C.2. モデルとスコアの作成
サーバー300は、ロジスティック-LASSO回帰(例えば、miRパネル)によって選択された1つ以上のmiRについて、100万データあたりのリードカウント(0でない値にするために各リードカウントについて10を加算)を使用して、ACRおよびAMRについての第2のロジスティック回帰モデルを作成し、第1のロジスティック回帰モデルについて特定された対象に対して適用される。100万データあたりのリードカウントは、各対象について特定されたmiRパネルに基づいてもよい。通常のロジスティック回帰の推定値は、サンプルサイズが小さいこと、および患者とコントロールでいくつかのmiRの発現において観察された大きな差異(これは、尤度関数が最大値付近で平坦になる原因となる)によりバイアスを受けやすく、特にAMRで受けやすい。このシナリオでは、サーバー300は、最終的なロジスティック回帰モデルのパラメーターに、バイアスを低減した最尤推定量を使用することができる。
【0182】
miRの予測能力を評価するために、例えば、10-fold交差検証を用いてROC曲線とAUC統計量を作成することができる。ユーデン指数を用いて、検査性能を最大化するための閾値を特定することができる。検証における検査性能特性には、感度、特異性、陰性的中率(NPV)、陽性的中率(PPV)が含まれ得る。
【0183】
サーバー300は、第2のロジスティック回帰モデルによって示される集団区分に基づいて、ACR及びAMRのそれぞれ異なる拒絶反応スコア閾値を特定することができる。サーバー300は、第2のロジスティック回帰モデル上にプロットされた、各対象のmiRパネルの100万データあたりのカウントに基づいて、スコア閾値を特定することができる。これらのACR及びAMRのそれぞれ異なる拒絶反応スコア閾値は、各患者試料のmiR発現データに基づいている。これらのスコア閾値は、血液中のmiR発現データの解釈を容易にするために使用することができ、ACR又はAMRの可能性に関する臨床的意思決定をサポートすることができる。
【0184】
IV.C.3. 患者のACR又はAMRを計算するアルゴリズムの開発
図5は、いくつかの態様に従い、患者の心臓移植片拒絶反応を特定するためのプロセスを例示するフローチャートである。方法500は、処理ロジックによって実行されることができ、処理ロジックは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブル論理、マイクロコードなど)、ソフトウェア(例えば、処理装置上で実行される命令)、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。本明細書で提供される開示内容を実行するために、全てのステップが必要であるとは限らないことを理解されたい。さらに、いくつかのステップは、同時に、または図5に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、そのことは当業者に理解されるだろう。
【0185】
方法500は、図1を参照して、記載される。しかしながら、方法500はその例示的な態様に限定されない。
【0186】
502では、サーバー300は、患者から得られた試料をシーケンスし、シーケンスリードを作成する。患者は心臓移植レシピエントである。試料は、方法400(402)に関して上述したように、シーケンスされる。
【0187】
504では、サーバー300は、方法400で特定されたmiRパネルに基づいて、シーケンスリードから患者固有のmiR発現データを特定する。miRパネルは、ACRまたはAMRを診断するためのものであり得る。この点に関して、サーバー300は、患者のシーケンスリードから、miRパネル内の各mIRについての百万データあたりの患者のカウントを特定する。
【0188】
506では、サーバー300は、患者固有のmiR発現データを、第2のロジスティック回帰モデル(すなわち、選択されたmIRパネル内の1つ以上のmiRについての100万データ当たりのリードカウントに基づくロジスティック回帰モデル)に対してプロットする。
【0189】
508では、サーバー300は、患者固有のACRスコア又はAMRスコアを作成する。具体的には、504でサーバー300が、ACRを診断するためのmiRパネルを使用する場合、サーバー300はACRスコアを作成する。あるいは、504でサーバー300が、AMRを診断するためのmiRパネルを使用する場合、サーバー300はAMRスコアを生成する。スコアは、各患者試料のmiR発現データに基づいて作成することができる。このスコアは、血液中のmiR発現データの解釈を容易にし、ACR又はAMRの可能性に関する臨床的意思決定を支援することができ、また、拒絶反応のサブタイプに基づいて考慮されるべき治療経路の選択を容易にすることができる。スコアを作成することにより、サーバー300は、miRパネル及びロジスティック回帰モデルを用いて、ACRまたはAMRを非侵襲的に診断することができる。
【0190】
ACR又はAMRのそれぞれ異なる拒絶反応スコアを計算するために、第2のロジスティック回帰モデルに対してプロットされた患者固有のmiR発現データに基づいて、係数が特定される。この係数は自然対数変換された各miRに掛けられる。100万データあたりのシーケンスリードに公称値、例えば10の値など、を加えて、ゼロ値があった場合の演算エラーやバイアスを減らす。これにより、ACR又はAMRの予測における、各microRNAの相対的重要度に基づく加重スコアが作成される。ACR又はAMRスコアは、0-100の間でスケーリングされ得る。各血液由来試料について、個々のmiR ACR及びAMRスコアが計算され得る。
【0191】
閾値以上のスコアを有する患者は、ACR又はAMRの拒絶反応に罹患している、又は発症するリスクがあるとみなされ、一方、閾値未満のスコアを有する患者は、ACR又はAMRの拒絶反応を罹患している、又は発症するリスクの可能性は低いとみなされるように、閾値を特定することができる。具体的なスコア閾値を特定するために、ROC曲線を作成し、ユーデン指数を使用して、AUC及び検査性能特性を最大化するスコアの閾値を特定することができる。本開示のある態様に従った実施例において、感度と特異性を最大化するAMRとACRの閾値スコアは65と計算された。
【0192】
実施例では、ACRスコア閾値を65とした場合、AUCは0.85(95%CI:0.78~0.92)、関連する検査特性は感度86%、特異性76%、NPV98%、PPV30%であった。AMRについては、AUCは0.83(95%CI:0.77 - 0.89)であった。AMRスコア閾値を65とすると、感度89%、特異性63%、NPV97%、PPV29%となった。いくつかの態様において、スコアの閾値は増減させることができ、検査感度と特異性を最大化することができる。
【0193】
非限定的な例として、ACRスコアは以下のように計算される:
ACRスコア=251.89 - (a) * ln [miR-30e-5p] - (b) * ln [let-7g-5p] - (c) * ln [miR-223-3p] + (d) * ln [miR-3615] + (e) * ln [miR-374a-5p] + (f) * ln [miR-182-5p] - (g) * ln [miR-345-5p] + (h) * ln [miR-361-3p] - (i) * ln [miR-130b-3p] - (j) * ln [miR-1299] - (k) * ln [miR-376c-3p] - (l) * ln [miR-326]
【0194】
ここで(a)=23および33からの任意の数;(b)=0.14および0.24からの任意の数;(c)=2.5および7.5からの任意の数;(d)=2および6からの任意の数;(e)=4および9からの任意の数;(f)=2および6からの任意の数;(g)=0.5および5からの任意の数;(h)=22および32からの任意の数;(i)=1および5からの任意の数;(j)=3および10からの任意の数;(k)=4および11からの任意の数;及び(l)=6および14からの任意の数であり、ここで、「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し、例えば、シーケンサーによる試料あたり(100万データあたり)のリード数によって表される。
【0195】
いくつかの態様において、(a)=26から31までの任意の数;(b)=0.16から0.21までの任意の数;(c)=4から6までの任意の数;(d)=3から5までの任意の数;(e)=6から7.5までの任意の数;(f)=3から5までの任意の数;(g)=1から3までの任意の数;(h)=25から28までの任意の数;(i)=2から4までの任意の数;(j)=5から7までの任意の数;(k)=7から9までの任意の数;及び(l)=10から12までの任意の数である。
【0196】
いくつかの態様において、(a)=約28.90;(b)=約0.19;(c)=約5.46;(d)=約4.77;(e)=約6.41;(f)=約4.41;(g)=約2.20;(h)=約27.69;(i)=約3.05;(j)=約6.17;(k)=約7.71;及び(l)=約10.63である。
【0197】
別の非限定的な例として、ACRスコアは以下のように計算することができる:
ACRスコア=326 + (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-30e-5p] + (c) * ln [let-7g-5p] - (d) * [miR-24-3p] + (e) * ln [miR-27a-3p] - (f) * ln [miR-223-3p] + (g) * ln [miR-197-3p] - (h) * ln [miR-3615] + (i) * ln [miR-374a-5p] + (j) * ln [miR-182-5p] - (k) * ln [miR-345-5p] + (l) * ln [miR-361-3p] - (m) * ln [miR-130b-3p] - (n) * ln [miR-1299] + (o) * ln [miR-323b-3p] + (p) * ln [miR-582-3p] + (q) * ln [miR-432-5p] + (r) * ln [miR-329-3p] - (s) * ln [miR-376c-3p] - (t) * ln [miR-326]
【0198】
ここで(a)=1から7までの任意の数;(b)=26から36までの任意の数;(c)=1から5までの任意の数;(d)=8から18までの任意の数;(e)=1から7までの任意の数;(f)=4から14までの任意の数;(g)=3から13までの任意の数;(h)=0.1から1までの任意の数;(i)=2から12までの任意の数;(j)=1から7までの任意の数;(k)=1から7までの任意の数;(l)=18から28までの任意の数;(m)=2から8までの任意の数;(n)=3から9までの任意の数;(o)=0.1から1までの任意の数;(p)=2から8までの任意の数;(q)=1から7までの任意の数;(r)=0.5から3.5までの任意の数;(s)=5から15までの任意の数;及び(t)=6から16までの任意の数;であり、ここで「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し、例えば、試料あたり(100万データあたり)のリード数によって表される。
【0199】
いくつかの態様において、(a)=2から5までの任意の数;(b)=30から33までの任意の数;(c)=1.5から3までの任意の数;(d)=11から15までの任意の数;(e)=2から5までの任意の数;(f)=7から11までの任意の数;(g)=6から10までの任意の数;(h)=0.18から.38までの任意の数;(i)=5から9までの任意の数;(j)=2から5までの任意の数;(k)=2から5までの任意の数;(l)=20から25までの任意の数;(m)=3から6までの任意の数;(n)=4.5から6.5までの任意の数;(o)=0.5から1までの任意の数;(p)=3から6までの任意の数;(q)=2から5までの任意の数;(r)=1から3までの任意の数;(s)=8から12までの任意の数;及び(t)=9から14までの任意の数である。
【0200】
いくつかの態様において、(a)=約3.64;(b)=約31.79;(c)=約2.10;(d)=約13.49;(e)=約3.75;(f)=約9.30;(g)=約8.18;(h)=約0.28;(i)=約7.51;(j)=約3.88;(k)=約3.59;(l)=約23.57;(m)=約4.58;(n)=約5.73;(o)=約0.71;(p)=約4.69;(q)=約3.32;(r)=約1.90;(s)=約10.12;及び(t)=約11.78である。
【0201】
別の非限定的な例として、AMRスコアは以下のように計算することができる:
AMRスコア=222.41 - (a) * ln [miR-23a-3p] - (b) * ln [miR-484] - (c) * ln [miR-340-5p] + (d) * ln [miR-193a-5p] - (e) * ln [miR-215-5p] + (f) * ln [miR-142-3p] - (g) * ln [miR-374a-5p] + (h) * ln [miR-1307] + (i) * ln [miR-185-3p] + (j) * ln [miR-4433b-3p] + (k) * ln [miR-130b-3p] + (l) * ln [miR-331-5p] + (m) * ln [miR-140-5p] + (n) * ln [miR-223-5p] + (o) * ln [miR-582-3p] + (p) * ln [miR-122-3p] + (q) * ln [miR-589-5p]
【0202】
ここで:(a)=23から28までの任意の数;(b)=7から11までの任意の数;(c)=1から6までの任意の数;(d)=3から8までの任意の数;(e)=6から11までの任意の数;(f)=5から11までの任意の数;(g)=1から5までの任意の数;(h)=0.5から4までの任意の数;(i)=5から11までの任意の数;(j)=6から13までの任意の数;(k)=3から8までの任意の数;(l)=0.1から2までの任意の数;(m)=1から4までの任意の数;(n)=1から5までの任意の数;(o)=0.5から4までの任意の数;(p)=0.1から3までの任意の数;及び(q)=0.1から4までの任意の数であり;AMRシグネチャースコアが約65以上と特定された、ヒトである対象に免疫抑制療法を実施する;ここで、「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し;及び、ここで「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し、例えば、シーケンサーによる試料あたり(100万データあたり)のリード数によって表される。
【0203】
いくつかの態様において、(a)=24から27までの任意の数;(b)=8.5から10.5までの任意の数;(c)=2から4までの任意の数;(d)=4.5から6.5までの任意の数;(e)=7.5から9.5までの任意の数;(f)=7から9までの任意の数;(g)=2から4までの任意の数;(h)=1.0から1.75までの任意の数;(i)=7から9までの任意の数;(j)=9から11までの任意の数;(k)=5から7までの任意の数;(l)=1から2までの任意の数;(m)=1.5から2.5までの任意の数;(n)=1.5から2.5までの任意の数;(o)=0.7から1.7までの任意の数;(p)=0.5から1.5までの任意の数;及び(q)=1.4から2.4までの任意の数である。
【0204】
いくつかの態様において、(a)=約25.44;(b)=約9.33;(c)=約3.39;(d)=約5.82;(e)=約8.24;(f)=約8.62;(g)=約2.75;(h)=約1.43;(i)=約7.95;(j)=約9.69;(k)=約5.47;(l)=約.60;(m)=約2.05;(n)=約2.24;(o)=約1.40;(p)=約.87;及び(q)=約1.69である。
【0205】
別の非限定的な例として、AMRスコアは以下のように計算することができる:
式 IV
AMRスコア=107.1 + (a) ln (miR-143-3p) + (b) ln (let-7b-5p) - (c) ln (miR-10b-5p) - (d) ln (miR-23a-3p) - (e) ln (miR-24-3p) + (f) ln (miR-10a-5p) + (g) ln (miR-27a-3p) + (h) ln (miR-125a-5p) - (i) ln (miR-93-5p) + (j) ln (let-7d-3p) + (k) ln (miR-191-5p) - (l) ln (miR-484) + (m) ln (miR-99b-5p) + (n) ln (miR-340-5p) - (o) ln (miR-1-3p) + (p) ln (miR-193a-5p) + (q) ln (miR-145-3p) - (r) ln (miR-197-3p) - (s) ln (let-7b-3p) - (t) ln (miR-454-3p) + (u) ln (miR-450b-5p) - (v) ln (miR-215-5p) - (w) ln (miR-4433b-5p) + (x) ln (miR-1249-3p) + (y) ln (miR-142-3p) - (z) ln (miR-145-5p) + (aa) ln (miR-374a-5p) - (bb) ln (miR-542-3p) + (cc) ln (miR-1307-3p) + (dd) ln (miR-17-5p) + (ee) ln (miR-345-5p) + (ff) ln (miR-185-3p) + (gg) ln (miR-338-5p) - (hh) ln (miR-769-5p) + (ii) ln (miR-4433b-3p) + (jj) ln (miR-130b-3p) - (kk) ln (miR-331-5p) + (ll) ln (miR-140-5p) - (mm) ln (miR-223-5p) + (nn) ln (miR-582-3p) + (oo) ln (miR-122-3p) - (pp) ln (miR-589-5p)
ここで:(a)=0.1から4までの任意の数;(b)=1から6までの任意の数;(c)=13から25までの任意の数;(d)=26から36までの任意の数;(e)=3から12までの任意の数;(f)=6から16までの任意の数;(g)=9から20までの任意の数;(h)=1から7までの任意の数;(i)=0.1から4までの任意の数;(j)=25から35までの任意の数;(k)=0.25から2.25までの任意の数;(l)=11から22までの任意の数;(m)=3から10までの任意の数;(n)=0.5から5までの任意の数;(o)=1から6までの任意の数;(p)=1から8までの任意の数;(q)=1から8までの任意の数;(r)=4から13までの任意の数;(s)=1から7までの任意の数;(t)=5から15までの任意の数;(u)=1から10までの任意の数;(v)=1から5までの任意の数;(w)=1から6までの任意の数;(x)=1から6までの任意の数;(y)=8から18までの任意の数;(z)=8から18までの任意の数;(aa)=1から6までの任意の数;(bb)=4から13までの任意の数;(cc)=0.25から2.25までの任意の数;(dd)=1から8までの任意の数;(ee)=1から7までの任意の数;(ff)=3から10までの任意の数;(gg)=3から10までの任意の数;(hh)=1から7までの任意の数;(ii)=5から15までの任意の数;(jj)=0.25から2までの任意の数;(kk)=1から7までの任意の数;(ll)=1から5までの任意の数;(mm)=1から7までの任意の数;(nn)=0.1から3までの任意の数;(oo)=1から6までの任意の数;及び(pp)=1から6までの任意の数であり;及び、ここで「[X]」は、生体試料中の「X」のレベルを指し、例えば、シーケンサーによる試料あたり(100万データあたり)のリード数によって表される。
【0206】
いくつかの態様において、(a)=1から2までの任意の数;(b)=3から4までの任意の数;(c)=19から22までの任意の数;(d)=31から34までの任意の数;(e)=6から9までの任意の数;(f)=10から13までの任意の数;(g)=11から16までの任意の数;(h)=3から5までの任意の数;(i)=1から2までの任意の数;(j)=28から32までの任意の数;(k)=.5から1.5までの任意の数;(l)=15から18までの任意の数;(m)=5から7までの任意の数;(n)=1.5から2.5までの任意の数;(o)=2.5から3.5までの任意の数;(p)=4から5までの任意の数;(q)=4から5までの任意の数;(r)=7から10までの任意の数;(s)=3から5までの任意の数;(t)=7から11までの任意の数;(u)=4.5から7までの任意の数;(v)=2から4までの任意の数;(w)=2.5から4.5までの任意の数;(x)=2から5までの任意の数;(y)=11から14までの任意の数;(z)=11から14までの任意の数;(aa)=2.25から4.25までの任意の数;(bb)=7から10までの任意の数;(cc)=0.75から2までの任意の数;(dd)=3から5.5までの任意の数;(ee)=2から5までの任意の数;(ff)=5から9までの任意の数;(gg)=5から9までの任意の数;(hh)=2から5までの任意の数;(ii)=7から12までの任意の数;(jj)=0.25から1.5までの任意の数;(kk)=2から5までの任意の数;(ll)=2から4までの任意の数;(mm)=3から5までの任意の数;(nn)=0.5から1.75までの任意の数;(oo)=2から4までの任意の数;及び(pp)=2から4までの任意の数である。
【0207】
いくつかの態様において、(a)=約1.59;(b)=約3.4;(c)=約20.35;(d)=約32.4;(e)=約7.89;(f)=約11.93;(g)=約14.41;(h)=約3.93;(i)=約1.39;(j)=約30.11;(k)=約1.15;(l)=約16.25;(m)=約6.21;(n)=約2.03;(o)=約3.07;(p)=約4.92;(q)=約4.49;(r)=約8.65;(s)=約4.08;(t)=約9.15;(u)=約5.62;(v)=約2.96;(w)=約3.48;(x)=約3.21;(y)=約12.86;(z)=約13.0;(aa)=約3.22;(bb)=約8.56;(cc)=約1.37;(dd)=約4.39;(ee)=約3.18;(ff)=約6.47;(gg)=約6.05;(hh)=約3.74;(ii)=約9.45;(jj)=約0.69;(kk)=約3.61;(ll)=約2.84;(mm)=約4.07;(nn)=約1.11;(oo)=約2.98;及び(pp)=約3.11である。
【0208】
AMR及びACRスコアを計算するための計算式は、0でない値を扱うために、各カウントに+10を加えた100万データあたりのシーケンスリードを使用する。lnは自然対数を表す。
【0209】
510では、サーバー300は、ACR又はAMRスコアに基づいて患者に関連する属性を決定する。例えば、属性は、臓器移植(例えば、心臓移植)後の患者のサーベイランスに関連する情報であり得、患者がACR又はAMRと診断されるかどうか、又は患者がACR又はAMRと診断されるリスクがあるかどうかの予測であり得る。
【0210】
診断に関して、サーバー300は、患者固有のスコアを、第2の回帰モデルによって特定されたACR又はAMRのそれぞれ異なる拒絶反応スコア閾値と比較することができる。ACR又はAMRのそれぞれ異なる拒絶反応スコア閾値は、患者がACR又はAMRと診断されるか否かを決定するための閾値であり得る。いくつかの態様において、例えば、ACRまたはAMRスコアが、対応するACR又はAMRのそれぞれ異なる拒絶反応スコア閾値以上である場合、患者はACR又はAMRと診断され得る。
【0211】
いくつかの態様において、ACRスコアが約50以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約51以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約52以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約53以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約54以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、ACRスコアが約55以上である場合、対象はACRを起こすリスクがあると特定される。
【0212】
いくつかの態様において、AMRスコアが約55以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約56以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約57以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約58以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約59以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。いくつかの態様において、AMRスコアが約60以上である場合、対象はAMRを起こすリスクがあると特定される。
【0213】
いくつかの態様において、サーバー300は、ACRスコア又はAMRスコアは正常であり、継続的なサーベイランスが必要であると決定することができる。あるいは、サーバー300は、ACRスコアが上昇していると決定することもできる。これは、臨床的重症度に基づいて、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及びこれらの任意の組み合わせなどの、適切な処置を、患者が開始すべきであることを示す。あるいは、サーバー300は、AMRスコアが上昇していると決定することもできる。これは、患者が、免疫グロブリン静注、血漿交換、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、リツキシマブ、エクリズマブ、コルチコステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、トシリズマブ、ベラタセプト、及びこれらの任意の組み合わせなどの、AMRに対する適切な処置を開始すべきであることを示す場合がある。ACRおよびAMRスコアを作成することにより、拒絶反応を診断し、拒絶反応のサブタイプを識別するための侵襲的処置(例えば、生検)に代わる方法が提供され、検査結果に基づいた正確な療法が可能になる。
【0214】
512では、サーバー300は、ACR又はAMRの診断に基づいて、患者の心臓移植片拒絶反応を特定する。言い換えれば、サーバー300は、ACR又はAMRの診断に基づいて、患者が心臓移植を拒絶していると決定する。
【0215】
上記の(例えば、図3~5に示すような)システム及び方法により、患者から得られた血液試料に基づいて、患者をACR又はAMRと診断することができる。例えば、図6は、ACR及びAMRのmiRスコアの臨床応用を示す。
【0216】
図6に示すように、また図5の方法500に記載されたプロセスを使用して、血液由来試料(例えば、全血、血清、および血漿)は、定期的なサーベイランスの間、又は臨床的に移植片損傷が疑われる時に、移植患者において採取される。全血から血漿が分離され、small RNAが抽出される。small RNAシーケンスを行い、small RNA分子を特定する。シーケンスデータはヒトゲノムにアライメントされ、miRBaseを用いてmicroRNAがアノテーションされる。各患者試料におけるACR及びAMRの個々のmicroRNAの発現データが決定され、ACRおよびAMRスコアの算出が可能となり、拒絶反応のサブタイプが決定され、特異的な処置の開始が可能となる。
【0217】
IV.C.4. コンピューティングシステム
様々な態様は、例えば、図7に示すコンピュータシステム700のような、1つ以上のコンピュータシステムを用いて実施することができる。コンピュータシステム700は、例えば、図4の方法400および図5の方法500を実施するために使用することができる。さらに、コンピュータシステム700は、図3に示されるサーバー300、クライアントデバイス320、データベース310の、少なくとも一部であり得る。例えば、コンピュータシステム700は、様々なアプリケーションへの通信をルーティングする。コンピュータシステム700は、本明細書で記載する機能を実行できる、あらゆるコンピュータであり得る。
【0218】
コンピュータシステム700は、本明細書で記載する機能を実行できる、あらゆる周知のコンピュータであり得る。
【0219】
コンピュータシステム700は、プロセッサ704などの、1つ以上のプロセッサ(中央処理装置、またはCPUとも呼ばれる)を含む。プロセッサ704は、通信インフラストラクチャ又はバス706に接続されている。
【0220】
1つ以上のプロセッサ704は、それぞれ画像処理装置(GPU)であり得る。ある態様において、GPUは、数学的に負荷の高いアプリケーションを処理するように設計された特殊な電子回路であるプロセッサである。GPUは、コンピュータグラフィックスアプリケーション、画像、動画などに共通する、数学的に負荷の高いデータなどの、大きなデータブロックの並列処理に効率的な並列構造を有することができる。
【0221】
また、コンピュータシステム700は、ユーザ入出力インターフェイス702を介して通信インフラストラクチャ706と通信する、モニター、キーボード、ポインティングデバイスなどの、ユーザ入出力デバイス703を含む。
【0222】
また、コンピュータシステム700は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの、メインメモリ又は一次メモリ708も含む。メインメモリ708は、1つ以上のレベルのキャッシュを含むことができる。メインメモリ708には、制御ロジック(すなわち、コンピュータソフトウェア)及び/又はデータが保存されている。
【0223】
また、コンピュータシステム700は、1つ以上の二次記憶装置または二次メモリ710を含むことができる。二次メモリ710は、例えば、ハードディスクドライブ712及び/又はリムーバブルストレージデバイス又はドライブ714を含むことができる。リムーバブルストレージドライブ714は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光学記憶装置、テープバックアップ装置、及び/又は任意の他のストレージデバイス/ドライブであり得る。
【0224】
リムーバブルストレージドライブ714は、リムーバブルストレージユニット718と相互作用することができる。リムーバブルストレージユニット718は、コンピュータソフトウェア(制御ロジック)及び/又はデータをその上に保存した、コンピュータ使用可能または読取可能な記憶装置を含む。リムーバブルストレージユニット718は、フロッピーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光記憶ディスク、及び/又は任意の他のコンピュータデータ記憶装置であり得る。リムーバブルストレージドライブ714は、周知の方法で、リムーバブルストレージユニット718から読み出し、及び/又はリムーバブルストレージユニット718に書き込む。
【0225】
例示的な態様によれば、二次メモリ710は他の手段、媒介、または他のアプローチを含むことができ、コンピュータプログラム及び/又は他の命令及び/又はデータを、コンピュータシステム700によってアクセスできるようにする。そのような手段、媒介、または他のアプローチは、例えば、リムーバブルストレージユニット722及びインターフェイス720を含み得る。リムーバブルストレージユニット722とインターフェイス720の例としては、プログラムカートリッジとカートリッジインターフェイス(ビデオゲーム装置に見られるものなど)、リムーバルメモリチップ(EPROMまたはPROMなど)と関連ソケット、メモリスティックとUSBポート、メモリカードと関連メモリカードスロット、および/または任意の他の取り外し可能な記憶装置及び関連インターフェイスを含み得る。
【0226】
コンピュータシステム700は、通信インターフェイスまたはネットワークインターフェイス724をさらに含むことができる。通信インターフェイス724は、コンピュータシステム700が、リモートデバイス、リモートネットワーク、リモートエンティティなど(個々に、および総称して、参照番号728によって示される)の任意の組み合わせと通信し、相互作用することを可能にする。例えば、通信インターフェイス724は、コンピュータシステム700が、通信路726を介して、リモートデバイス728と通信することを可能にすることができ、通信路726は有線及び/又は無線であってもよく、LAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含むことができる。制御ロジック及び/又はデータは、通信路726を介して、コンピュータシステム700との間で伝送され得る。
【0227】
ある態様において、その上に保存された制御ロジック(ソフトウェア)を有する、有形で非一過性の装置又は有形で非一過性のコンピュータ使用可能又は読取可能媒体を含む製造物品は、本明細書ではコンピュータプログラム製品またはプログラム記憶装置とも呼ばれる。これには、コンピュータシステム700、メインメモリ708、二次メモリ710、およびリムーバブルストレージユニット718および722、ならびに前述の任意の組み合わせを具体化する有形の製造物品が含まれるが、これらに限定されない。このような制御ロジックは、1つ以上のデータ処理デバイス(コンピュータシステム700など)によって実行されると、このようなデータ処理デバイスは、本明細書で記載するように動作する。
【実施例
【0228】
実施例1:ACR及びAMRのmiRパネルの作成
以下の実施例は、GRAfTと呼ばれる多施設共同コホートの結果を報告する。厳密に実施された多施設共同前向きコホート試験を用いて、心臓移植患者の循環血漿のsmall RNAシーケンスが行い、ペア臨床データとともに分析した。miRシグネチャーを検証するために、GRAfTおよび外部共同研究者とから、それぞれ異なる患者コホートとを含めた。この分析の目的は以下の通りである:1)心臓移植レシピエントのmiRトランスクリプトームを決定すること;2)ACRとAMRの状態下におけるmiR発現を識別すること;3)ACRとAMRの非侵襲的スクリーニングと診断に使用できる、それぞれ異なるmiRパネルを開発すること;及び4)急性拒絶反応の臨床的解釈と非侵襲的診断を可能にする、個別のACRとAMRのmiR遺伝子発現スコアを作成することである。
【0229】
方法
【0230】
試験デザインと多施設共同発見コホート
【0231】
GRAfT試験(NCT#02423070)は、移植前に心臓移植レシピエントを登録し、移植後も連続的に追跡する前向き多施設臨床試験である。18歳以上の対象を募集して、心臓移植待機中に同意を得て、移植後に連続的にモニターした。心臓移植歴のある患者、現在妊娠中の患者は除外した。GRAfT患者は2015年から2020年まで登録された。
【0232】
移植後の定期的な臨床治療には、サーベイランスと臨床的に指示されたモニタリングが含まれた。事前に指定された移植後の時点におけるサーベイランスモニタリングには、病理組織検査のためのEMB、右心カテーテル検査(right heart catheterization, RHC)血行動態、末端器官の機能を評価するための検査データ、ドナー特異的抗体(donor specific antibodies, DSA)、サイトメガロウイルス(CMV)検査、及び免疫抑制剤レベルのモニタリングが含まれた。臨床的に支持されたモニタリングには、EMB(生検のため)、RHC、DSA、心エコー検査、及び患者が原因不明の移植片機能不全の徴候や症状を呈した場合に実施されるその他の検査が含まれた。この試験では、縦断的に臨床データを追跡し、サーベイランスと臨床的に指示されたモニタリングの両方と同時に血液試料を採取した。
【0233】
ACR、AMR、又は混合拒絶反応を示した全てのGRAfT患者が、試験期間中に特定された。ACRとAMRの両方の既往歴を持つ患者では、ACRとAMRの試料を別々に分析した。混合拒絶反応を示す患者は、混合拒絶反応のシグネチャーはAMRに最も類似していることを示唆する先行文献に従って、AMRコホートと一緒に検討された。コントロールは、臨床経過観察期間全体にわたって、臨床的拒絶反応や病理組織学的拒絶反応がないことを基準に選択した。ACRとAMRの処置に関する施設のプロトコールを示す。
【0234】
拒絶反応の病理組織学的定義
【0235】
本試験の目的において、病理組織学的拒絶反応は、ACR grade≧2R、AMR grade≧1(組織学的所見又は免疫学的所見)、又は混合拒絶反応により特徴づけられる。個々の施設の病理医による生検解釈に基づき、標準的な臨床診療と一致するように、拒絶反応を定義した。
【0236】
病理学コアラボラトリー
【0237】
拒絶反応の等級付け(grading)は、病理医間で不一致となることが多いことが、以前に報告されていることを考慮して、2人の心臓病理専門家(GBとCM)のいる盲検コアラボが、GRAfT内の全病理組織学的スライドのサブセットを検討した。コアラボでの解釈を施設での解釈と比較して、分析を繰り返して、盲検コアラボでの解釈に対するmiRの性能を評価した。
【0238】
独立した検証コホート
【0239】
GRAfTからのそれぞれ異なる患者の試料を用いて、ACR及びAMR miRシグネチャーの独立した検証が行われた。外部検証を許可することに加えて、2011年から2018年にかけてスタンフォード大学で実施された同様の前向き単一施設試験(NCT# 01985412)も用いられた。スタンフォード大学の患者は、同様の除外基準で心臓移植直後に募集され、血液はGRAfTと同様の方法でバンクされた。本明細書で用いた方法では、ACRの症例と移植後に拒絶反応の既往歴がないコントロールとを特定することができた。ACRのmiRシグネチャーは、スタンフォードコホートで、性能を検証した。スタンフォードコホートにおけるAMRの有病率は低かった。したがって、この検証ではACRのみに焦点を当てた。
【0240】
試料採取、microRNA抽出、およびシーケンス
【0241】
血液試料は、サーベイランス中または臨床的に指示された検査中に採取された。EMBを受ける患者については、血液試料は処置前に採取された。静脈血は、Streck Cell-Free DNAチューブに採取し、処理して血漿を分離し、-80℃で保存した。MagMAX mirVana isolation kit(Thermo Fisher Scientific, Gaithersburg MD)を用いて全RNAを抽出し、溶出後、NEXTFLEX Small RNA-Seq Kit v3(PerkinElmer Inc, Shelton CT)を用いてライブラリー調製を行った。シーケンスは、50bpのシングルエンドリードを用いて、NextSeq 500(Illumina Inc., San Diego CA)で行い、1試料あたり~1100万のリードを作成した。
【0242】
シーケンスデータのバイオインフォマティクス分析
【0243】
small RNAシーケンスデータは、the Extracellular RNA Communication Consortium (ERCC) RNA pipeline (extracellular RNA processing tool, 抜粋)を用いて分析した。簡単に説明すると、シーケンスのFASTQファイルを処理して、3'アダプターバーコード配列、ランダムバーコード配列、UniVec混入物、及び<15bpのリードを取り除いた。高精度でフィルタリングされたシーケンスは、その後、miRbase v22、ヒトゲノム38の参照用にGENCODE v24、及び、gtRNAdb v16を用いて、内因的にアラインメントを行った。良質なmiRリードが不十分な試料(試料あたり<1,000,000リード)は分析から除外した。small RNAシーケンスラン間におけるバッチ効果がないことを確認するため、線虫試料のスパイクイン、及び、無関係のヒトのドナーからのプール血漿コントロールを用いて主成分分析を行った(データは提示せず)。異常値試料は、その後のバイオインフォマティクス/生物統計学的解析から除外された。検査技師とバイオインフォマティクスチームは、生検結果について盲検化した。
【0244】
ACR及びAMRに関与するmiRの標的遺伝子は、miRTarBase v8.0を用いて特定した。miRの過剰発現やノックダウンと共に行う、レポーターアッセイ、ウェスタンブロット、又はマイクロアレイ実験によって、実験的に検証された標的mRNAのみが分析に含まれた。ネットワーク分析とデータの可視化はMIENTURNETを用いて行った。差次的に発現したmiRによって制御される可能性のある生物学的経路を識別するために、Reactomeデータベースを検索した。
【0245】
生物統計学的分析
【0246】
small RNAシーケンスにより、血漿中の発現miRが~1,900個特定された。全試料の平均発現量は475±124miRであった。全試料にわたって、マップされたリードの平均が100未満の低発現miRは除外した。さらに、赤血球由来のmiRであるmiR 486-5pとmiR-451aは、分析から除外された。残りの286個のmiRを分析に含んだ。症例(ACRまたはAMR)をコントロールから識別する上で重要なmiRを特定するために、2段階分析を行った。第一段階の分析において、DESeq2を用いて臨床的共変量(年齢、性別、人種、体格指数)を調整しながら、286個のmiRをスクリーニングし、ACRとAMRで差次的に発現したmiRを特定した。血液型はmiRプロファイルの変化がわずかである患者のサブセットで調整されたが、他の症例ではデータが欠落していたため、サンプルサイズを最大化するために、提示されたデータは年齢、性別、人種、体格指数で調整されている。
【0247】
第二段階の分析では、ロジスティック回帰モデルをLASSOペナルティと適合させ、差次的遺伝子発現分析から特定された、未調整p値<0.10のmiRを用いた。LASSO分析では、正規化されたmiRのカウントは正規近似のために対数変換され、各miRの対数カウントは平均が0、分散が1になるように標準化された。LASSOペナルティのチューニングパラメーターは、モデル逸脱度(deviance)を最小化するために、10-fold交差検証によって選択された。
【0248】
受信者動作特性(Receiver Operating Characteristic, ROC)曲線を作成し、曲線下面積(area under the curves, AUC)を算出して、GRAfTからのACRとAMRについての、またスタンフォード大学からのACRについての、独立検証コホートにおいて、LASSOで選択されたmiRの性能を評価した。miRの予測能力を評価するために、10-fold交差検証でAUC統計を作成した。
【0249】
最後に、ロジスティック-LASSO回帰で選択されたmiRのデータ100万個当たりのカウントを用いて、ACRとAMRについてロジスティック回帰モデルを当てはめた。通常のロジスティック回帰の推定値は、サンプル数が少ないことと、症例とコントロールでいくつかのmiRの発現において大きな差が観察されること(これにより尤度関数が最大値付近で平坦になる)から、バイアスがかかりやすく、特にAMRについてかかりやすい。最終的なロジスティック回帰モデルのパラメーターには、バイアスを減少させた最尤推定量を用いた。ROC曲線は、GRAfTコホートからのシーケンス試料を用いて作成した。検査性能を最大化するための閾値を特定するためにユーデン指数を使用した。感度、特異性、陰性的中率(NPV)、陽性的中率(PPV)を含む検査性能特性が示された。これらのACR及びAMRのそれぞれ異なる拒絶反応スコアは、各患者の試料のmiR発現データに基づいている。
【0250】
結果
【0251】
患者の特性
試験期間中、GRAfTの心臓移植患者計116人が、1年間の臨床追跡を完了し、血漿試料を試験に含めることができた。患者の年齢中央値は52歳(IQR:42~59)、患者の35%が女性、そして、45%が黒人であった。HFの最も一般的な原因は非虚血性心筋症(63%)であり、患者の67%は恒久性左心室補助装置(left ventricular assist device, LVAD、表1)の移植に移行した。移植後の追跡期間中央値は3.73患者・年(IQR:3.23~4.15)であった。
【0252】
【表1】
【0253】
ARの発生率は15.8%であることがGRAfT内で以前に報告されている(Agbor-Enoh & Shah et al., Circulation 143:1184(2021))。本分析では、miRシーケンスを併用したEMBのみを対象とした。患者は発見コホートと検証コホートに分けられた(図1A)。発見miR分析では、ACRは20エピソード(すべてgrade 2Rであり、3Rのエピソードはなし)、AMRは14エピソード(AMR≧2、n=6;AMR 1、n=8)、及びACR/AMR混合は2エピソードが含まれた。異なるEMBでACRとAMRが別々に発生した患者が3例あり、拒絶反応のそれぞれのエピソードは、別々に分析された。ACRまでの期間中央値は146日(50~496)、AMRは55日(21~171)であった。
【0254】
ACRまたはAMR患者の年齢中央値は49.5歳で、拒絶反応のないコントロール群の53.0歳より若かった(表1)。黒人患者は白人患者(14.3%、p=0.05)と比較してAMRの発生率が高く(85.7%)、LVADの移植への移行は、移行しなかった患者と比較して、AMRの発生率が高いことと関連していた(91.7% 対 8.3%、p=0.06)。
【0255】
microRNAシーケンス
GRAfTとスタンフォード大学との間で、合計405の血漿試料についてsmall RNAシーケンスを行った。試料1つにつき合計1,090±310万のsmall RNAリードが作成された。ここには、miR、piwi RNA、small nucleolar RNA、transfer RNA、unmapped RNA種が含まれる。miRではないリードをフィルタリングした後、各試料は約560万±270万のmiRリードを作成した(表2)。試料1つあたり平均475 ± 124個のmiRが発現し、試料1つあたり286 ± 45個のmiRが100リード以上の深度で検出された。上位20のmiRが心臓移植患者のmiRトランスクリプトーム全体の75%を占めた。miR-451aとmiR-486-5pが最も多かったが、赤血球由来が多いため分析から除外された。
【0256】
【表2】
【0257】
拒絶反応における差次的miR分析と調節異常miRの標的経路
GRAfT発見コホートを用いて差次的遺伝子発現分析を行い、コントロール患者(拒絶反応なし)とACR患者のmiRプロファイルを比較した。これらの患者集団を比較したところ、12個のmiRがp値<0.05で特定された(図1B;表3)。標的予測分析は、miRTarBaseを用いて、差次的に発現したACR miRで行った。以前に公表され、実験的に検証されたmiRとmRNAの標的相互作用のみを含ませることで、生物学的関連性を高い水準に確保することとした。合計294の遺伝子がACR miRの標的となり、これらの遺伝子の多くは、mTORシグナル伝達、T細胞分化、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)シグナル伝達、T細胞受容体(TCR)シグナル伝達に関与している。
【0258】
【表3】
【0259】
同様に、GRAfTのAMR患者と拒絶反応のないコントロール患者を比較したところ、27個の差次的に発現したmiRが特定され、そのp値は0.05未満であった(図1C、表3)。合計478の遺伝子がAMR miRの標的となり、これらの遺伝子の多くは、インターロイキンシグナル伝達、下流T細胞受容体シグナル伝達、腫瘍壊死因子(TNF)シグナル伝達、toll様受容体(TLR)カスケードに影響を与える経路に関与している。
【0260】
LASSO回帰と内部交差検証を用いて、ACRをコントロールから正確に識別する11個のmiR パネルが特定された。同様に、AMRをコントロールから正確に識別する15個のmiRが特定された。これらのACRとAMRのmiR間の内部相関は低かった(データは示していない)。ACRとAMRの両パネルに共通するmiRは2つだけであった(miR-130b-3pとmiR-374a-5p)。
【0261】
拒絶反応前後のACRとAMRのmiR発現
【0262】
miRが将来の拒絶反応のバイオマーカーとして役立ち得るかどうか、及び/又は、あるいは治療に対する反応を予測できるかどうか、を理解するために、拒絶反応エピソード前、エピソード中、エピソード後におけるmiR発現パターンを調べた。LASSO回帰によって特定されたmiRパネルを用いると、ACRで差次的に発現したmiRの大部分は、移植片拒絶反応時に発現が上昇し、拒絶反応エピソードが処置されるとコントロールレベルに戻る(miR374a-5p、図1D;miR-345-5p、図1F)。しかし、コントロールと比較してACR発症前に発現が変化するmiRもあった(miR-182-5p、図1E;miR-130b-3p、図1G)。
【0263】
AMRでは、拒絶反応の臨床診断に先立ち、多くのmiRが調節異常を起こしている(miR-23a-3p、図1H;miR-340-5p、図1J)。AMR拒絶反応の処置後、ある種のmiRは正常レベルに戻るが(miR-142-3p、図1I;miR-185-3p、図1K)、他のmiRは引き続きに調節異常のままである(miR-23a-3p、図1H;miR-340-5p、図1J)。
【0264】
検証コホートにおける拒絶反応の診断のためのmiRの性能
【0265】
ACR及びAMRを非侵襲的に診断するために選択したmiRパネルの性能を識別するために、GRAfT患者試料の独立したコホートで検証を行い、AUC統計量を算出した。ACRとAMRの性能特性は、ACRのAUCが0.92(95%CI:0.86-0.98)、AMRのAUCが0.82(95%CI:0.74-0.90、図2A-2B)であった。これにより、感度は92~100%、特異性は63~79%となる。
【0266】
さらに外部検証を行うために、スタンフォード大学の移植コホート(n=41)のmiRトランスクリプトームをシーケンスした。スタンフォード大学の患者はGRAfTよりも高齢で(51.5歳に対して57.5歳)、女性(35.3%に対して19.5%)、黒人(44.8%に対して12.2%)、LVADの移行(67.3%に対して43.9%)の患者割合が低かった。スタンフォードのコホートでは移植前の腎機能障害が多かった。その他の患者特性は両コホート間で類似していた。スタンフォードのコホートにおけるACR miRパネルのAUCは0.91(95%CI:0.82-0.99、図2A-2B)であり、陰性的中率は81%、陽性的中率は100%であった。
【0267】
病理学コアラボ分析
盲検化された2人の心臓病理医(GPとCM)が、ACRとAMRの存在を確認するために、GRAfT患者のEMB病理組織学的スライドのサブセットを検討した。分析の対象となった263の生検のうち、95(36%)が盲検コアラボによって検討された。病理医間のEMBの病理組織学的解釈の一致率は全体で63%であったが、施設の解釈による拒絶反応のない生検の一致率は79%であり、拒絶反応試料の一致率はわずか28%であった。全体で最も一致率が低かったのはAMRであった(表4)。
【0268】
【表4】
【0269】
ACRとAMRのmiRパネルを用いて、盲検化されたコアラボの解釈に基づく急性拒絶反応の検出性能を評価した。選択されたACR miRパネルのAUCは0.85(95%CI:0.75-0.95)であった。AMR miRパネルのAUCは0.96(95%CI:0.87-1.00)であった。
【0270】
ACR及びAMRのための循環血中microRNA臨床拒絶反応スコアの開発
【0271】
ロジスティック回帰を用いて、ACRとAMRのそれぞれ異なる臨床的拒絶反応スコアを開発し、0~100の範囲で評価を行う。GRAfT患者コホート全体において、個々のmiR ACR及びAMRスコアが各生検時点について計算された:
【0272】
式 I
ACRスコア=251.89 - 28.9 *ln (miR-30e-5p) - 0.19 *ln (let-7g-5p) - 5.46 *ln (miR-223-3p) + 4.77 *ln (miR-3615) + 6.41 *ln (miR-374a-5p) + 4.41 *ln (miR-182-5p) - 2.2 *ln (miR-345-5p) + 27.69 *ln (miR-361-3p) - 3.05 *ln (miR-130b-3p) - 6.17 *ln (miR-1299) - 7.71 *ln (miR-376c-3p) - 10.63 *ln (miR-326)
【0273】
式 III
AMRスコア=222.41 - 25.44 * ln (miR-23a-3p) - 9.33 * ln (miR-484) - 3.39 * ln (miR-340-5p) + 5.82 * ln (miR-193a-5p) - 8.24 * ln (miR-215-5p) + 8.62 * ln (miR-142-3p) -2.75 * ln (miR-374a-5p) + 1.43 * ln (miR-1307) + 7.95 * ln (miR-185-3p) + 9.69 * ln (miR-4433b-3p) + 5.47 * ln (miR-130b-3p) + 0.60 * ln (miR-331-5p) + 2.05 * ln (miR-140-5p) +2.24 * ln (miR-223-5p) + 1.40 * ln (miR-582-3p) + 0.87 * ln (miR-122-3p) + 1.69 * ln(miR-589-5p)
【0274】
0でない値を扱うために、各カウントに+10を加えた100万データあたりのリード数を使用する。lnは自然対数を表す。
【0275】
ROC曲線を作成し、ユーデン指数が用いて、AUCと検査性能特性を最大化するスコアの閾値を特定した(図2C-2D)。感度と特異性を最大化する点は、65であった。ACRスコアの閾値を65にすると、AUCは0.85(95%CI:0.78~0.92)となり、関連する検査特性は感度86%、特異性76%、NPV98%、PPV30%であった。AMRのAUCは0.83(95%CI:0.77 - 0.89)であった。AMRスコアの閾値を65とすると、感度は89%、特異性は63%、NPVは97%、PPVは29%となった。スコア閾値は、図2C-2Dに示されるように、検査感度及び特異性を最大にするために増減することができる。
【0276】
結論
【0277】
本明細書に記載された態様に従って分析することにより、末梢血試料からACR及びAMRを非侵襲的に診断するために用いることができる、優れた検査性能特性を有するmiRの明確な組み合わせが特定された。これらのmiRパネルは、GRAfT及び外部の検証コホートからの追加の患者の試料で検証された。ACRとAMRにはそれぞれ異なるスコアがあるため、非侵襲的な血液検査で、拒絶反応のスクリーニングだけでなく、拒絶反応のサブタイプを診断することができる。ACRとAMRと拒絶反応なしとを区別するこの種の検査は、追加の診断検査を待つ間に標的治療を開始することを可能にする。
【0278】
移植のコミュニティーでは、過去30年間の大部分において、急性移植片拒絶反応を検出するための信頼性の高い非侵襲的バイオマーカーが探し求められていた。現在のバイオマーカーには、遺伝子発現プロファイリング(GEP)、可溶性タンパク質バイオマーカー、ドナー由来無細胞DNA(dd-cfDNA)、T細胞免疫機能アッセイなどがある。市販されている遺伝子発現プロファイリング(GEP)には、免疫系機能に関与する11のmRNA転写産物の測定が含まれる。しかし、GEP検査はPPVが低く(~10%)、AMRを検出できないため、広く実施され、信頼されるには限界があった。最近では、循環無細胞DNAの情報量の多い一塩基多型(SNPs)パネルのシーケンスにより、ドナーとレシピエントのDNAのSNPミスマッチを利用して、無細胞DNAのドナー由来部分(dd-cfDNA)を定量することができる。血漿中のdd-cfDNAの割合は、移植片拒絶反応の有無や重症度と相関することが示されており、移植片傷害のバイオマーカーである。先行研究により、dd-cfDNAはACR及びAMRの高感度非侵襲性バイオマーカーであることが検証されている。しかし、現在用いられているdd-cfDNAでは、ACRとAMRを正確に識別することができないという決定的な限界があり、依然としてEMBが必要である。
【0279】
本明細書に記載された態様に従った前述の検査において、優れたNPV(~98%)で拒絶反応のない患者からACR及びAMRの存在を識別する、特有のmiRサブセットが特定された。これらのACR及びAMR miRスコアは、移植後の非侵襲的サーベイランス戦略の一部として用いることができる。miRスコアはACR又はAMRに特有であるため、上昇した場合、臨床医は他の診断検査(DSA、心エコー、EMB、及び/又はdd-cfDNA)の結果を待ちながら、標的治療(例えば、ACRの場合はステロイド及び/又はサイモグロブリン、AMRの場合は血漿交換と免疫グロブリン静注)を開始することができる。
【0280】
本開示に含まれる教示に基づき、図11に示されるもの以外のデータ処理装置、コンピュータシステム、及び/又はコンピュータアーキテクチャを使用しつつ、本開示の態様を作成し、使用する方法は、関連技術の当業者には明らかであろう。特に、態様は、本明細書に記載されたもの以外のソフトウェア、ハードウェア、及び/又はオペレーティングシステムの実装で動作し得る。
【0281】
詳細な説明のセクションは、他のセクションではなく、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。他のセクションは、本発明者によって意図された1つ以上の、しかし全てではない、例示的な態様を記載し得るので、本開示又は添付の特許請求の範囲を限定することを何ら意図するものではない。
【0282】
本開示は、例示的な分野及び用途のための、例示的な態様を記載するが、本開示がこれらに限定されないことを理解されたい。他の態様及びこれらに対する改変が可能であり、それらは本開示の範囲及び趣旨の範囲内である。例えば、本項の一般性を制限することなく、態様は、図に例示され、及び/又は、本明細書に記載されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はエンティティに限定されない。さらに、態様は(本明細書に明示的に記載されているか否かにかかわらず)、本明細書に記載された実施例を超える分野および用途に対して重要な有用性を有する。
【0283】
本明細書では、指定された機能及びそれの関係の実施を例示する機能的なビルディングブロックの助けを借りて、態様を記載してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、本明細書では説明の便宜のために任意に定義されている。指定された機能および関係(またはその等価物)が適切に実行される限り、代替的な境界を定義することができる。また、代替的な態様は、本明細書で説明する順序とは異なる順序を用いて、機能的ブロック、ステップ、作業、方法などを実行することができる。
【0284】
本明細書において、「1つの態様」、「ある態様」、「例示的な態様」、または同様の表現への言及は、記載される態様が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、全ての態様が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含み得るわけではない。さらに、このような表現は、必ずしも同じ態様を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性がある態様に関して記載されている場合、本明細書において明示的に言及又は記載されているか否かにかかわらず、そのような特徴、構造、又は特性を、他の態様に組み込むことは、関連技術の当業者の知識の範囲内であろう。さらに、いくつかの態様は、その派生語とともに「結合した(coupled)」及び「接続した(connected)」という表現を用いて記載され得る。これらの用語は、必ずしも互いの同義語として意図されているわけではない。例えば、いくつかの態様は、2つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すために、「接続した(connected)」及び/又は「結合した(coupled)」という用語を用いて説明することができる。しかし、「結合した(coupled)」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでもなお互いに共同または相互作用していることを意味することもできる。
【0285】
本開示の広さおよび範囲は、上述の例示的態様のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びその等価物に従ってのみ定義されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D-1G】
図1H-1K】
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】