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特表2024-542603方向性砕石術カテーテルのための電極設計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】方向性砕石術カテーテルのための電極設計
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
A61B17/22 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531497
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 US2022080596
(87)【国際公開番号】W WO2023102391
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/284,582
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/349,994
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515000292
【氏名又は名称】ショックウェーブ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ホア
(72)【発明者】
【氏名】ケルロ, アンナ-エロディー
(72)【発明者】
【氏名】ロン, チー
(72)【発明者】
【氏名】チャン, へスター
(72)【発明者】
【氏名】ファン, フイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴエル, リーラ
(72)【発明者】
【氏名】グエン, トミー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE08
4C160EE21
4C160MM36
(57)【要約】
本開示は、脈管の中の石灰化病変および閉塞等の身体管腔の中の病変を治療するためのカテーテルを提供する。カテーテルは、その周囲に円周に配置された第1の伝導性シースと、第2の伝導性シースとを有する二重層電極アセンブリを含むことができる。いくつかの実装では、第1の伝導性シースは、平坦なコイルであり得る。電圧が伝導性シースを横断して印加されると、電流が、アーク放電領域を横断して、例えば、第1のシースの遠位側端から第2のシースの遠位側端に流動し、衝撃波および/またはキャビテーション気泡を生じさせる。治療が継続するにつれて、シースは、電流がシース間で流動するアーク放電領域においてゆっくり浸食される。電極アセンブリの寿命を増加させるために、シースの遠位側端は、所定のパターンまたは半制御されたパターンにおいてシースの浸食を促進するように成形され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体管腔の中の閉塞を治療するためのカテーテルであって、前記カテーテルは、
細長い管と、
前記細長い管内に搭載された円筒形内側伝導性シースであって、前記内側伝導性シースは、遠位側端を有する、円筒形内側伝導性シースと、
前記細長い管内で前記内側伝導性シースの周囲に円周に搭載された円筒形外側伝導性シースであって、前記外側伝導性シースは、前記内側伝導性シースの遠位側端の近位に遠位側端を有する、円筒形外側伝導性シースと、
前記外側伝導性シースと前記内側伝導性シースとの間で前記細長い管内に搭載された絶縁シースと
を備え、
電圧パルスが前記内側伝導性シースおよび前記外側伝導性シースを横断して印加されると、電流が、前記内側伝導性シースと前記外側伝導性シースとの間のアーク放電領域を横断して流動し、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させる、カテーテル。
【請求項2】
前記細長い管は、前記カテーテルに沿って、前記カテーテルの遠位端における流体流出ポートを通して伝導性流体を流動させるための流体管腔を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記外側伝導性シース、前記絶縁シース、および前記内側伝導性シースは、前記流体管腔を通して流動する流体が前記内側伝導性シースを通して流動するように、前記流体管腔内に搭載されている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記細長い管は、前記身体管腔から破片を除去するための吸引管腔を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記細長い管は、ガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されたガイドワイヤ管腔を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記アーク放電領域は、前記外側伝導性シースの前記遠位側端が前記内側伝導性シースの前記遠位側端に最も近い場所に位置している、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、前記内側伝導性シースの前記遠位側端が前記アーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、前記内側伝導性シースの前記浸食は、電流が前記内側伝導性シースの前記遠位側端と前記外側伝導性シースの前記遠位側端との間の二次アーク放電領域を横断して流動することを引き起こす、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、前記外側伝導性シースの前記遠位側端が前記アーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、前記外側伝導性シースの前記浸食は、電流が前記外側伝導性シースの前記遠位側端と前記内側伝導性シースの前記遠位側端との間の二次アーク放電領域を横断して流動することを引き起こす、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記電圧パルスが印加されると、正圧スパイクが、発生させられ、その後、負圧スパイクが、発生させられる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
身体管腔の中の閉塞を治療するためのカテーテルであって、前記カテーテルは、
細長い管と、
前記細長い管内に搭載された円筒形伝導性シースであって、前記伝導性シースは、遠位側端を有する、円筒形伝導性シースと、
前記伝導性シース内で円周に搭載された絶縁シースであって、前記絶縁シースは、前記伝導性シースの遠位側端の近位に遠位側端を有する、絶縁シースと、
前記絶縁シースの内側表面上に配置された平坦なコイルであって、前記平坦なコイルは、前記伝導性シースの前記遠位側端および前記絶縁シースの前記遠位側端の近位に遠位端を有する平坦なコイルと
を備え、
電圧パルスが前記平坦なコイルおよび前記伝導性シースを横断して印加されると、電流が、前記平坦なコイルと前記伝導性シースとの間のアーク放電領域を横断して流動し、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させる、カテーテル。
【請求項11】
前記平坦なコイルは、前記絶縁シースの内側表面と反対の側に平面状の内側表面を伴う長方形断面を有する、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記細長い管は、前記カテーテルに沿って、前記カテーテルの遠位端における流体流出ポートを通して伝導性流体を流動させるための流体管腔を備え、前記伝導性シース、前記絶縁シース、および前記平坦なコイルは、前記流体管腔を通して流動する流体が前記平坦なコイルを通して流動するように、前記流体管腔内に搭載されている、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記アーク放電領域は、前記伝導性シースの前記遠位側端が前記平坦なコイルの前記遠位端に最も近い場所に位置している、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項14】
キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、前記絶縁シースが前記アーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、前記絶縁シースの前記浸食は、前記平坦なコイルの外側表面を露出し、電流が前記平坦なコイルの前記外側表面と前記伝導性シースの前記遠位側端との間の二次アーク放電領域を横断して流動することを引き起こす、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項15】
キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、前記伝導性シースの前記遠位側端が前記アーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、前記伝導性シースの前記浸食は、前記絶縁シースの前記浸食が始まる前に始まる、請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記細長い管は、前記身体管腔から破片を除去するための吸引管腔を備えている、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記細長い管は、ガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されたガイドワイヤ管腔を備えている、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記平坦なコイルの前記遠位端は、前記円筒形伝導性シースの円周内で最初に中心に置かれるように曲げられている、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記絶縁シースの内側表面上で前記平坦なコイルのコイル間のエリア内に配置された接着剤を備え、前記接着剤は、前記コイル間の前記エリアを充填し、前記平坦なコイルを前記絶縁シースに固定する、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記電圧パルスが印加されると、正圧スパイクが、発生させられ、その後、負圧スパイクが、発生させられる、請求項10に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる2021年11月30日に出願され、「DUAL-LAYER ELECTRODE DESIGN FOR LITHOTRIPSY CATHETERS」と題された米国仮特許出願第63/284,582号、および2022年6月7日に出願され、「HELICAL ELECTRODE DESIGN FOR LITHOTRIPSY CATHETERS」と題された米国仮特許出願第63/349,994号の優先権を主張する。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、概して、医療デバイスおよび方法の分野に関し、より具体的に、身体管腔の中の病変(脈管の中の石灰化病変および閉塞、および泌尿器系おける腎臓結石等)を治療するために使用されるカテーテルデバイスにおける包含のための電極アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
身体管腔の中の石灰化病変は、患者の健康に悪影響を及ぼし得る。例えば、カルシウムが、冠動脈の壁において蓄積すると、動脈の石灰化は、心筋への血流を制限し得、それは、最終的に、心臓発作につながり得る。カテーテルデバイスは、動脈等の身体管腔の中の石灰化病変を治療するために使用され得る1つのタイプのデバイスである。カテーテルデバイスを用いて病変を治療するとき、可能な限り多くの病変を依然として粉砕しながら、周辺軟質組織への損傷を最小化することが、重要である。
【0004】
多種多様なカテーテルが、動脈疾患に関連付けられる脈管の中の石灰化病変およびプラーク等の病変を治療するために開発されている。例えば、経皮的冠動脈血管形成術または末梢血管形成術のための治療システムは、石灰化病変を広げ、血管内の正常な血流を回復させるために、血管形成術バルーンを使用する。これらのタイプの手技では、バルーンを運ぶカテーテルは、バルーンが石灰化プラークと整列させられるまで、ガイドワイヤに沿って脈管の中に前進させられる。次いで、バルーンは、加圧され、それは、バルーンが血管の中で拡張し、血管壁の中に戻るように石灰化プラークを押し、脈管の閉塞された領域を広げるようにことを引き起こす。冠動脈脈管または異なるタイプの末梢脈管(例えば、膝上、膝下、腕動脈疾患等)に適切な異なる直径および長さを有するバルーンが、異なる解剖学的構造にアクセスするために使用されることができる。
【0005】
より最近では、血管形成術バルーンの内側に衝撃波を発生させるための1つ以上の電極対を含むカテーテルが、開発されている。そのような衝撃波デバイスは、衝撃波からの音響圧力が、周辺組織に害を及ぼすことなく、血管形成術バルーンの近傍の病変を砕き、崩壊させることができるので、石灰化病変を治療するために特に効果的であり得る。この療法は、血管内砕石術(IVL)として知られるようになっているが、衝撃波デバイスを使用する原理は、バルーンを含むシステムに限定されない。これらのデバイスでは、カテーテルは、それが身体管腔の中の病変の近位に位置付けられるまで、患者の脈管を通してガイドワイヤの上を前進させられる。バルーンは、次いで、伝導性流体で膨張させられ、それによって、バルーンが、拡張し、病変に接触する。衝撃波エミッタが、次いで、血管形成術バルーンの壁を通して、病変の中に伝搬する音響衝撃波(電気的エネルギーから機械的エネルギーへの変換)を生じさせるように作動させられることができる。病変が音響衝撃波によって砕かれると、バルーンは、管腔の断面積を増加させ、血管を通した血流を改善するように、さらに拡張させられることができる。
【0006】
脈管の中の石灰化病変の治療のための方向づけられたキャビテーション気泡を発生させるための電極対を含むカテーテルも、開発されている。これらのデバイスでは、開放端カテーテルが、それが病変の近位にあるまで、ガイドワイヤを使用して患者の脈管の中に前進させられる。比較的により低い電圧が、比較的により高い繰り返し率において電極対を横断して印加され、ガスキャビテーション気泡が電極の表面上に生じることを引き起こす。キャビテーション気泡は、カテーテルの開放遠位先端を通した流体流動が身体管腔の中の標的病変の中にキャビテーション気泡を流動させるまで、電極上に蓄積し始める。病変がキャビテーション気泡によって十分に減らされると、破片が、治療部位から吸引されることができ、カテーテルは、血管から除去されることができる。そのような開放端カテーテルの実装は、ある程度の方向の制御を可能にし、キャビテーション気泡がどこで形成され、それらがカテーテルから外向きにどのように進行し、展開するかを誘導する。
【0007】
取り組みが、衝撃波および方向づけられたキャビテーションカテーテル内に含まれる電極アセンブリの設計を改良するために、なされている。例えば、薄型外形電極アセンブリが、開発されており、薄型外形電極アセンブリは、カテーテルの横断外形を減らし、カテーテルが石灰化血管をより容易にナビゲートし、脈管のよりひどく塞がれた領域において衝撃波を送達することを可能にする。薄型外形電極設計の例は、米国特許第8,888,788号(特許文献1)および第10,709,462号(その両方は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。他のカテーテル設計は、例えば、特定の電極構造物および構成によって、衝撃波の送達を改良しており、それによって、脈管の中のより堅く、横断することがより困難な閉塞を粉砕するために、衝撃波を前方方向に方向づける。前方発射カテーテル設計の例は、米国特許第10,966,737号(特許文献2)および米国公開第2019/0388110号および第2021/085348号(その全ては、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。
【0008】
電極アセンブリ設計におけるこれらの進歩にもかかわらず、衝撃波またはキャビテーションカテーテルを用いた治療の持続時間は、カテーテルに含まれる電極対の寿命によって限定され、電極対は、衝撃波および/またはキャビテーション気泡が電極を横断して発生させられるにつれて、ゆっくりと浸食され、劣化する。多くの現在利用可能なカテーテル設計は、伝導性ワイヤまたは他の細い伝導性材料から形成された電極を含み、それらは、比較的に小さい伝導性表面積を有し、手技中、急速に劣化する。他の電極アセンブリは、電極の寿命を減らすランダムまたは不都合なパターンにおいて劣化する。故に、多くのカテーテルは、電極が治療を継続するためにあまりにも浸食されてしまう前、1時間を上回って使用されることができない。結果として、多くの現在利用可能な設計は、より長い衝撃波手技(抵抗性病変を除去し、脈管のより慢性的に閉塞された領域を治療するための手技等)のために必要な寿命を欠いている。従って、衝撃波およびキャビテーションカテーテル設計に関する満たされていない必要性に対処するための電極構造および設計の変形例が、本明細書において提供され、変形例は、増加させられた寿命およびより好都合な劣化パターンを伴う電極アセンブリを組み込む。特に、本明細書の電極構造および設計は、電極アセンブリから放出される衝撃波およびキャビテーション気泡の形成のためのかなりの程度の方向の制御も提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8,888,788号明細書
【特許文献2】米国特許第10,966,737号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させるように構成された電極対を有するカテーテルが、周辺軟質組織を損傷させることなく、身体管腔(脈管等)内の石灰化病変を治療するために有用であり得る。病変を治療するために使用されるとき、電圧が、電極を横断して印加されることができ、それは、衝撃波および/またはキャビテーション気泡を形成させる。その後、衝撃波および/またはキャビテーション気泡は、開放端カテーテルの遠位端から治療場所へ等、外向きに流動させられることができる。病変が十分に減らされると、破片が、治療部位から吸引されることができる。
【0011】
石灰化病変を治療および除去するためにそのようなカテーテルデバイスを使用すると、電極対の電極は、浸食され得る。電極の浸食(劣化とも称される)は、次いで、浸食が進行しすぎると、電極が、もはや病変を治療することが可能である衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させないであろうから、治療の持続時間を限定し得る。従って、電極の寿命を延ばすことが、石灰化閉塞(例えば、病変)へのカテーテルにおいて使用される電極アセンブリのために主要な関心事である。さらに、浸食が比較的に制御された方法において進行することを確実にすることも、大部分が非対称な浸食が電極の使用可能な持続時間を大幅に短縮し得るので、主要な関心事である。
【0012】
一実施形態において、上記目標は、絶縁層によって分離される同心伝導性金属シースから形成される電極アセンブリを含むカテーテルにおいて実現される。衝撃波および/またはキャビテーション気泡が、電極対の電極としての機能を果たす伝導性シースの遠位側端を横断して形成され、遠位側端を経時的にゆっくり劣化させる。伝導性シースの遠位側端は、劣化が、半制御された方法において進行し、伝導性シースの円周の周囲により均等に分散されるように成形される。これは、電極アセンブリの最長寿命を増加させ、カテーテルを用いたより長い持続時間の治療を可能にする。
【0013】
例示的実施形態は、身体管腔の中の閉塞を治療するためのカテーテルを提供する。カテーテルは、細長い管と、細長い管内に搭載された円筒形内側伝導性シースとを含む。内側伝導性シースは、遠位側端を有する。円筒形外側伝導性シースが、細長い管内の内側伝導性シースの周囲に円周に搭載される。外側伝導性シースは、内側伝導性シースの遠位側端の近位に遠位側端を有する。絶縁シースが、外側伝導性シースと内側伝導性シースとの間で細長い管内に搭載される。電圧パルスが内側伝導性シースおよび外側伝導性シースを横断して印加されると、電流が、内側伝導性シースと外側伝導性シースとの間のアーク放電領域を横断して流動し、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させ、それは、身体管腔の中の閉塞を治療するために使用されることができる。
【0014】
さらなる実施形態において、カテーテル内に搭載された伝導性シースと、伝導性シース内で円周に搭載された絶縁シースと、絶縁シースの内側表面上に配置された平坦なコイルとを含む、電極アセンブリを備えているカテーテルシステムが、本明細書において提供される。1つ以上の例では、伝導性シースおよび平坦なコイルは、電圧が電極アセンブリに印加されると、電流が、平坦なコイルと伝導性シースとの間で進行するように、電極対の電極を形成することができる。電流が進行するにつれて、アーク放電領域が、平坦なコイルと伝導性シースとの間の最短距離に現れることができる。アーク放電領域において、衝撃波および/またはキャビテーション気泡が、生成されることができる。従って、1つ以上の例では、電圧パルスが電極アセンブリの平坦なコイルおよび伝導性シースを横断して印加されると、キャビテーション気泡および/または衝撃波が、発生させられることができ、それは、身体管腔の中の閉塞を治療するために使用されることができる。
【0015】
本開示の一実施形態は、身体管腔の中の閉塞を治療するためのカテーテルを有することができ、そのカテーテルは、細長い管と、細長い管内に搭載された円筒形内側伝導性シースであって、内側伝導性シースは、遠位側端を有する、内側伝導性シースと、細長い管内で内側伝導性シースの周囲に円周に搭載された円筒形外側伝導性シースであって、外側伝導性シースは、内側伝導性シースの遠位側端の近位に遠位側端を有する、外側伝導性シースと、外側伝導性シースと内側伝導性シースとの間で細長い管内に搭載された絶縁シースとを含み、電圧パルスが内側伝導性シースおよび外側伝導性シースを横断して印加されると、電流が、内側伝導性シースと外側伝導性シースとの間のアーク放電領域を横断して流動し、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させる。いくつかの側面では、細長い管は、カテーテルに沿って、カテーテルの遠位端における流体流出ポートを通して伝導性流体を流動させるための流体管腔を含む。そのような側面では、外側伝導性シース、絶縁シース、および内側伝導性シースは、流体管腔を通して流動する流体が、内側伝導性シースを通して流動するように、流体管腔内に搭載される。他の側面では、細長い管は、身体管腔から破片を除去するための吸引管腔を含み、随意の側面では、ガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されたガイドワイヤ管腔も含む。さらなる側面では、アーク放電領域は、外側伝導性シースの遠位側端が内側伝導性シースの遠位側端に最も近い場所に位置する。そのような側面では、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、内側伝導性シースの遠位側端がアーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、内側伝導性シースの浸食は、電流が内側伝導性シースの遠位側端と外側伝導性シースの遠位側端との間の二次アーク放電領域を横断して流動することを引き起こす。類似する側面では、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、外側伝導性シースの遠位側端がアーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、外側伝導性シースの浸食は、電流が外側伝導性シースの遠位側端と内側伝導性シースの遠位側端との間の二次アーク放電領域を横断して流動することを引き起こす。いくつかの側面では、電圧パルスが印加されると、正圧スパイクが、発生させられ、その後、負圧スパイクが、発生させられる。
【0016】
本開示の別の実施形態は、身体管腔の中の閉塞を治療するためのカテーテルを有することができ、カテーテルは、細長い管と、細長い管内に搭載された円筒形伝導性シースであって、伝導性シースは、遠位側端を有する、伝導性シースと、伝導性シース内で円周に搭載された絶縁シースであって、絶縁シースは、伝導性シースの遠位側端の近位に遠位側端を有する、絶縁シースと、絶縁シースの内側表面上に配置された平坦なコイルであって、平坦なコイルは、伝導性シースの遠位側端および絶縁シースの遠位側端の近位に遠位端を有する、平坦なコイルとを含み、電圧パルスが平坦なコイルおよび伝導性シースを横断して印加されると、電流が、平坦なコイルと伝導性シースとの間のアーク放電領域を横断して流動し、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させる。いくつかの側面では、平坦なコイルは、絶縁シースの内側表面と反対の側に平面状の内側表面を伴う長方形断面を有する。他の側面では、細長い管は、カテーテルに沿って、カテーテルの遠位端における流体流出ポートを通して伝導性流体を流動させるための流体管腔を備え、伝導性シース、絶縁シース、および平坦なコイルの全ては、流体管腔を通して流動する流体が平坦なコイルを通して流動するように、流体管腔内に搭載されることができる。さらなる側面では、アーク放電領域は、伝導性シースの遠位側端が平坦なコイルの遠位端に最も近い場所に位置する。そのような側面では、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、絶縁シースがアーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、絶縁シースの浸食は、平坦なコイルの外側表面を露出し、電流が平坦なコイルの外側表面と伝導性シースの遠位側端との間の二次アーク放電領域を横断して流動することを引き起こす。同様に、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、伝導性シースの遠位側端がアーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、伝導性シースの浸食は、絶縁シースの浸食が始まる前に始まる。いくつかの側面では、細長い管は、身体管腔から破片を除去するための吸引管腔を含み、随意の側面では、細長い管は、ガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されたガイドワイヤ管腔を含む。代替側面では、平坦なコイルは、平坦なコイルの各コイル間で平坦なコイルの長さに沿って延びている1つ以上の横つなぎを伴って構築される。他の側面では、接着剤が、絶縁シースの内側表面上で平坦なコイルのコイル間のエリア内に配置され、接着剤は、コイル間のエリアを充填し、平坦なコイルを絶縁シースに固定する。さらなる側面では、電圧パルスが印加されると、正圧スパイクが、発生させられ、その後、負圧スパイクが、発生させられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の例証的側面が、以下の図面の図を参照して、下記に詳細に説明される。本明細書に開示される実施形態および図が、制限的ではなく、例証的と見なされるものであることを意図している。
【0018】
図1図1A-1Gは、本開示の側面による電極アセンブリを使用して前方発射キャビテーション気泡を発生させるための作用モードを図示する。
【0019】
図2図2は、円筒形電極の劣化に関する例示的浸食パターンを図示する。
【0020】
図3図3は、本開示の側面によるカテーテルの例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0021】
図4A図4Aは、本開示の側面による図3の電極アセンブリ等の電極アセンブリの例示的内側伝導性シースの側面図を図示する。
【0022】
図4B図4Bは、本開示の側面による図3の電極アセンブリ等の電極アセンブリの例示的内側伝導性シースの斜視図を図示する。
【0023】
図5A図5Aは、本開示の側面によるカテーテルの例示的電極アセンブリの左側面断面図を図示する。
【0024】
図5B図5Bは、本開示の側面による図4Aの例示的電極アセンブリの正面図を図示する。
【0025】
図6図6は、本開示の側面による内側伝導性シースが一連の衝撃波またはキャビテーション気泡の発生によって劣化した後の図3の例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0026】
図7A図7Aは、本開示の側面による図6の電極アセンブリ等の電極アセンブリの例示的内側伝導性シースの正面側面図を図示する。
【0027】
図7B図7Bは、本開示の側面による図6の電極アセンブリ等の電極アセンブリの例示的内側伝導性シースの斜視図を図示する。
【0028】
図8A図8Aは、本開示の側面による図6の電極アセンブリ等のカテーテルの例示的電極アセンブリの左側面断面図を図示する。
【0029】
図8B図8Bは、本開示の側面による図6の電極アセンブリ等のカテーテルの例示的電極アセンブリの正面図を図示する。
【0030】
図8C図8Cは、本開示の側面による図8Aの例示的電極アセンブリの劣化した遠位側端の拡大されたより詳細な断面図を図示する。
【0031】
図9A図9Aは、本開示の側面によるカテーテルの例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0032】
図9B図9Bは、本開示の側面による図9Aに示されるカテーテルの例示的電極アセンブリの左側面断面図を図示する。
【0033】
図10図10は、本開示の側面による外側伝導性シースが一連の衝撃波またはキャビテーション気泡の発生によって劣化した後の図9Aの例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0034】
図11A図11Aは、本開示の側面による図10に示されるカテーテルの例示的電極アセンブリの左側面断面図を図示する。
【0035】
図11B図11Bは、本開示の側面による図10に示されるカテーテルの例示的電極アセンブリの正面図を図示する。
【0036】
図11C図11Cは、本開示の側面による図11Aの例示的電極アセンブリの劣化した遠位側端の拡大されたより詳細な断面図を図示する。
【0037】
図12図12は、本開示の側面による例示的カテーテルの遠位端の斜視図を図示する。
【0038】
図13A図13Aは、本開示の側面による図12に示される例示的カテーテルの遠位端の上面側面断面図を図示する。
【0039】
図13B図13Bは、本開示の側面による図12に示される例示的カテーテルの遠位端の左側面図を図示する。
【0040】
図13C図13Cは、本開示の側面による図12に示される例示的カテーテルの遠位端の正面図を図示する。
【0041】
図14A図14Aは、本開示の側面によるガイドワイヤ管腔を有する例示的カテーテルの遠位端の斜視図を図示する。
【0042】
図14B図14Bは、本開示の側面によるガイドワイヤ管腔を有する例示的カテーテルの遠位端の斜視図を図示する。
【0043】
図15A図15Aは、本開示の側面による図14Bに示される例示的カテーテルの遠位端の上面側面断面図を図示する。
【0044】
図15B図15Bは、本開示の側面による図14Bに示される例示的カテーテルの遠位端の左側面図を図示する。
【0045】
図15C図15Cは、本開示の側面による図14Bに示される例示的カテーテルの遠位端の正面図を図示する。
【0046】
図16図16は、図3-5に従って製作されるデバイスによって発生させられる圧力の測定値を示すグラフである。
【0047】
図17図17は、本開示の側面によるカテーテルの例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0048】
図18図18は、本開示の側面による電極アセンブリの例示的平坦なコイルの斜視図を図示する。
【0049】
図19図19は、本開示の側面による電極アセンブリの横つなぎを伴う例示的平坦なコイルの斜視図を図示する。
【0050】
図20図20は、本開示の側面によるカソードの例示的電極アセンブリの斜視断面図を図示する。
【0051】
図21A図21Aは、本開示の側面によるカテーテルの例示的電極アセンブリの左側面断面図を図示する。
【0052】
図21B図21Bは、本開示の側面による図21Aの例示的電極アセンブリの正面図を図示する。
【0053】
図22図22は、図17に従って製作されるデバイスによって発生させられる圧力の測定値を示すグラフである。
【0054】
図23図23は、本開示の側面による任意の浸食の前の図17の例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0055】
図24A図24Aは、本開示の側面による図17の例示的電極アセンブリの浸食された遠位側端の拡大された詳細図を図示する。
【0056】
図24B図24Bは、本開示の側面による浸食が拡張するときの図17の例示的電極アセンブリの浸食された遠位側端の拡大された詳細図を図示する。
【0057】
図25A図25Aは、本開示の側面による一連の衝撃波および/またはキャビテーション気泡の発生によって引き起こされる初期浸食後の図17の例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0058】
図25B図25Bは、本開示の側面による一連の衝撃波および/またはキャビテーション気泡の発生によって引き起こされる広範な浸食後の図17の例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0059】
図26図26は、本開示の側面による例示的カテーテルの遠位端の斜視図を図示する。
【0060】
図27A図27Aは、本開示の側面による例示的カテーテルの遠位端の左側面断面図を図示する。
【0061】
図27B図27Bは、本開示の側面による例示的カテーテルの遠位端の正面図を図示する。
【0062】
図28図28Aおよび28Bは、本開示の側面による湾曲した遠位先端を伴う内部コイル状電極を有する例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0063】
図29図29は、本開示の側面による外部コイル状電極と、固体管内部電極とを有する例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0064】
図30図30は、本開示の側面による外部時計回りコイル状電極と、内部反時計回りコイル状電極とを有する例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0065】
図31-1】図31Aは、本開示の側面による切り抜きパターン化を有する外部電極を有する例示的電極アセンブリの斜視図を図示する。
【0066】
図31-2】図31B-31Eは、本開示の側面による図31Aに示されるような切り抜きパターン化を有する電極に関する電極劣化の例示的進行を図示する。
【0067】
図32-1】図32A-32Hは、本開示の側面による前方方向性蒸気気泡を発生させる、例示的電極アセンブリを示す高速ビデオからの捕捉された画像である。
図32-2】図32A-32Hは、本開示の側面による前方方向性蒸気気泡を発生させる、例示的電極アセンブリを示す高速ビデオからの捕捉された画像である。
図32-3】図32A-32Hは、本開示の側面による前方方向性蒸気気泡を発生させる、例示的電極アセンブリを示す高速ビデオからの捕捉された画像である。
図32-4】図32A-32Hは、本開示の側面による前方方向性蒸気気泡を発生させる、例示的電極アセンブリを示す高速ビデオからの捕捉された画像である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下の説明は、当業者が本明細書に開示される種々の実施形態を作製および使用することを可能にするために提示される。具体的デバイス、アセンブリ、技法、および用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に説明される例の種々の修正が、当業者に容易に明白となり、本明細書に説明される一般的原理は、種々の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、他の例および用途に適用され得る。従って、種々の実施形態は、本明細書に説明され、示される例に限定されることを意図しておらず、むしろ、請求項と一貫する範囲を与えられるものである。
【0069】
電極アセンブリの寿命を改良する設計要素を組み込み、より長い持続時間の衝撃波およびキャビテーション治療を可能にするカテーテルが、本明細書において説明される。衝撃波および/またはキャビテーション気泡が電極対を横断して発生させられるにつれて、電極表面は、電流が電極間で流動する場所において(すなわち、対の電極間の「アーク放電領域」において)ゆっくり浸食される。初期アーク放電領域が浸食され、初期アーク放電領域における電極間の距離が増加すると、電流は、望ましくない二次アーク放電領域から流動し始め得るか、または、完全に流動しなくなり得、従って、衝撃波および/またはキャビテーション気泡は、もはや発生させられない。治療の過程にわたって、電極は、不均一な方法において浸食され、劣化し得、それは、電極アセンブリの使用可能な寿命を限定する。例えば、電極が、絶縁ワイヤまたは比較的に小さい伝導性表面積を伴う他の細い伝導性材料から形成されるとき、電極の浸食は、急速に進行し、衝撃波手技の早期の終了をもたらし得る。他のカテーテル設計は、電極の表面を横断して均一な距離だけ離れた電極を含み得、それによって、劣化が確率的方法において進行することを引き起こし、それは、電極表面にわたって制御されていない不均等な劣化をもたらす。別の電極設計は、カテーテル内に同心円状に搭載された2つの円筒形伝導性金属シースから形成されることができ、それは、絶縁ワイヤ電極設計より長い寿命を実証することができる。しかしながら、電極設計の寿命は、治療持続時間に直接影響を及ぼすので、電極の寿命を増加させることが、望ましい。
【0070】
電極アセンブリの寿命を増加させるために、本明細書に説明される実装のうちのいくつかでは、電極アセンブリは、劣化が電極の表面積にわたって予測可能または半制御された方法において進行するように成形されている。特に、アセンブリの電極対は、電極表面のある部分が、距離においてより近く、他の部分が、より遠いように成形される。故に、電圧が電極対を横断して印加されると、電流が、最初、電極が距離において最も近い初期アーク放電領域を横断して流動する。電極表面が初期アーク放電領域において浸食されると、電流が電極間の新しい最小抵抗(すなわち、最も近い距離)経路を提供する二次アーク放電領域を横断して流動し始める。治療が継続するにつれて、連続的により遠い距離の部分が、アーク放電領域が電極の残りの表面積にわたって移動するにつれて、劣化し始めるであろう。
【0071】
電極アセンブリの寿命を増加させるために、本明細書に説明される他の実装では、アセンブリは、平坦な非絶縁螺旋電極を組み込むことができる。平坦な螺旋電極は、丸形ワイヤに対してより大きい断面積を有することができ、それは、平坦な螺旋電極が、より低い抵抗を有し、従って、より高い電流流動をアーク放電領域に供給することを確実にすることができる。2つの同心伝導性シースを伴う電極対に対して、平坦な螺旋電極は、より長い持続時間にわたって使用可能なキャビテーションを発生させ、それによって、より長い衝撃波およびキャビテーション治療を可能にすることができる。さらに、平坦な螺旋電極の使用は、電極アセンブリの製造性を改良することができる。
【0072】
電極の形状に応じて、初期およびさらなるアーク放電領域の場所は、比較的に予測可能であること、または事前決定されるように構成されることができる。例えば、電極の表面に沿って漸進的な傾斜を提供すること、または電極表面に沿って一連の切り欠き、波、または他の形状を提供することによって、電極表面のある部分は、対のうちの対応する電極から所定の距離に設置されることができる。手技の過程を通して、電極の表面は、電極表面の最も近い距離の部分(すなわち、初期アーク放電領域)から始まり、電極表面の連続的により遠い部分に進んで、対の電極間の相対的距離に従って半制御された方法において劣化する。これは、電極表面にわたるより均等な浸食および電極アセンブリの増加させられた最長寿命をもたらし、より長い持続時間の衝撃波および/またはキャビテーション治療を可能にする。
【0073】
本明細書に説明されるカテーテル設計は、それらが、カテーテルの遠位先端に近接する治療部位に音響衝撃波および/またはキャビテーション気泡を送達するカテーテルの作業長内の少なくとも1つの電極対を含む点において、現在の衝撃波カテーテルに類似し得る。例えば、米国特許第10,709,462号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、カテーテルの第1の電極が、カテーテル内に搭載される伝導性金属シースの側端から形成されることができる。電極対は、所与の電流および電圧に関して電極を横断する再現可能なアークを可能にするために、伝導性シースから制御された距離(すなわち、間隙)だけ離れて第2の伝導性材料を位置付けることによって形成されることができる。いくつかの例では、上記参考文献に説明されるように、電極対の第2の電極が、カテーテルの長さに沿って延びているワイヤの導電性部分(例えば、絶縁体除去部分)から形成されることができる。加えて、または代替として、本明細書に説明されるように、例示的電極対が、カテーテル内に同心円状に搭載された2つの円筒形伝導性金属シースから形成されることができる。そのような電極アセンブリは、例えば、直径において0.8mm~1.2mmの横断外形を伴う、既存の電極アセンブリ設計と比較して比較的により小さい横断外形を有し得る。そのような電極アセンブリ設計は、電極アセンブリを構築するためのプロセスを簡略化することによって、カテーテルの製造も促進し得る。
【0074】
本明細書に提供されるように、厚さ、長さ、重量、時間、周波数、温度、電圧、電流、角度等の寸法または測定値を説明する数値範囲の任意の開示が、所与の寸法または測定値に対して記載される範囲内の任意の数値増分または勾配を含むことを理解されたい。
【0075】
図1A-1Gは、電極アセンブリを使用して前方発射キャビテーション気泡を発生させるための作用モードを図示する。外側電極12と、内側電極14とを有する例示的電極アセンブリ10が、図1Aの斜視図に図示され、伝導性流体内に浸されるように理解される。他の実装および変形例では、電極アセンブリの電極が、互いに対して異なる向き、異なる形状において構成されること、また異なる外形を提供し得ることを理解されたい。図1Bは、電極アセンブリ10を正面図において図示し、図1Cは、電極アセンブリを断面側面外形図において図示する。図1Bおよび1Cの両方は、電気スパーク16の場所をさらに図示し、電気スパーク16は、エネルギーが電極アセンブリ10の対にされた電極を横断して印加されると、外側電極12と内側電極14との間の間隙において発生させられ得る。電源の極性に応じて、電極アセンブリ10に駆動される電流は、内側電極14から横断して外側電極12に進行することができ、逆も然り。電極アセンブリによって形成された電気スパーク16は、蒸気気泡18が伝導性流体内に生じることを引き起こす。
【0076】
図1D-1Gは、電気スパーク16によって発生させられた蒸気気泡18の拡張および崩壊を図示する。図1Dでは、電気スパーク16の発生から約250~280μ秒後、蒸気気泡18が、生じ、電気スパーク16の場所を起点として拡張する。少なくとも部分的に互いに対する内側電極12および外側電極14の配置に起因して、蒸気気泡18の拡張は、電極アセンブリ10の開放端から遠位に方向づけられる。特に、この例に示されるように、電極アセンブリ10の円筒形壁および外側電極14は、蒸気気泡18の初期拡張空間を制限し、蒸気気泡18を電極アセンブリ10から離れるように外向きかつ遠位方向(比較的に前方)に方向づける。さらに、電極アセンブリ10の構造内の内側電極12の位置は、蒸気気泡18の拡張のための原点を中心に集め、電極アセンブリ10の縦方向中心線から離れるようないかなるバイアスも減らす。言い換えると、蒸気気泡18は、電極アセンブリ円筒の中央において拡張し始め、電極アセンブリの端部から比較的に外向きかつ遠位(前方)の方向に適宜に拡張し続ける。
【0077】
蒸気気泡18の拡張および崩壊である蒸気気泡18の形状の変化の進行は、本開示の実装のための作用モードをさらに示す。図1Dでは、蒸気気泡18は、蒸気気泡18の原点(すなわち、電気スパーク16が生じた場所)から外向きに拡張している。図1Eでは、蒸気気泡18は、比較的により球形の形状を有し、その原点から離れるように前方に移動している。図1Fでは、蒸気気泡18は、さらに前方に移動しており、崩壊し始めており、比較的に楕円形である形状を有し、蒸気気泡18は、その後縁において内向きに侵入し、その前縁において焦点まで延びている。図1Gでは、蒸気気泡18は、その原点から離れるようになおさらに前方に移動しており、その後縁においてさらなる侵入を伴って崩壊しており、ウィッシュボーン形状を有する。この時点で、蒸気気泡18の前縁は、電極アセンブリの遠位端の約1ミリメートル(1mm)前にある。図1Gに示されるような蒸気気泡18の前縁は、顕著に前方に延びている焦点を有し、この理論に拘束されるわけではないが、最大力(約0.5~1.0N)が蒸気気泡18によって及ぼされるのは、この延長された焦点においてである。故に、最大力が蒸気気泡18によって及ぼされる距離に位置付けられる表面は、蒸気気泡18のその力によってアブレーションされることができる。本開示によって考慮される臨床用途に関して、そのような表面は、線維組織、石灰化組織、病変、または患者身体内の他の組織であり得る。
【0078】
電気スパークおよび後続蒸気気泡を発生させるために電極を横断してエネルギーを流すサイクルは、約30秒(30秒)であり得る。故に、いくつかの実施形態において、10分の合計実行時間にわたる20回のサイクルが、標的組織を繰り返しかつ迅速にアブレーションするように実行されることができ、アブレーションは、「削り取り」作用モードとして特徴付けられることができる。他の実施形態において、電気スパーク発生の周波数は、約100~200Hz(例えば、125Hz、150Hz、175Hz、および本範囲内の周波数の他の増分)の範囲内で比較的により大きくあり得、アブレーションは、「キツツキ」作用モードとして特徴付けられることができる。サイクルおよび合計実行時間の他の例示的数が、類似するアブレーション効果を達成するために使用され得ることを理解されたい。
【0079】
図2は、円筒形電極20の劣化に関する例示的浸食パターンを図示する。図示されるように、円筒形電極20は、円筒形形状に丸められた伝導性シート22(例えば、金属または合金)から形成される。そのような構造物では、多くの場合、伝導性シート22の縁が出会い、円筒形管を形成する継目24(図2に破線で示される)が、存在するであろう。概して、電流が、鋭い縁または角がある電極上の場所においてアーク放電する傾向があるであろうことが観察され、円筒形電極20の文脈では、継目24は、従って、比較的に鋭い縁を提供し、電流は、その鋭い縁に向かって優先的にアーク放電し、従って、伝導性シート22をその鋭い縁において主として損なうであろう。浸食領域26は、例示的浸食パターンを図示し、例示的浸食パターンは、円筒形電極20の長さに沿って縦方向において継目24に沿って伸び、徐々に広がり、円筒形電極20の遠位端を劣化させるが、最終的に、不均等かつ不規則な形状の電極縁を生成する。緩和策なしでは、そのような不規則な形状の電極は、電極の誤発射につながり、衝撃波発生デバイスの文脈では、衝撃波およびキャビテーション気泡を発生させることの失敗につながり得る。
【0080】
これまでに実装されたIVL用途および本開示の両方の作用モードに関して、従来的な砕石術と比較して、いくつかの差異ある。従来的な組織破砕と対照的に、IVLは、体外治療ではなく、血管内環境において衝撃波を送達するための実質的に異なる決定につながる。さらに、組織破砕は、500~800kHzの周波数で30~50MPaの範囲内のエネルギーを伴う高強度短パルスを送達し得る集中させられた超音波を使用する。さらに、組織破砕は、典型的に、軟質組織を標的化し、軟質組織は、IVL用途に関する典型的な標的組織ではない。
【0081】
これまでに実装されたIVL用途と対照的に、本開示は、バルーンまたは他のシールされた容積内で衝撃波を発生させない。故に、使用される圧力および治療され得る組織のタイプに対して、大きい柔軟性がある。これまでに実装されたIVL用途とさらに対照的に、本開示の構造は、異なる音響特性を有する。本開示の実施形態は、より高い周波数(従来的なIVLに関して1~2Hzに対して本開示では100~200Hz)において、より低いピーク正圧、類似するピーク負圧を発生させる。加えて、本開示は、原位置に残留する病変を破壊するIVLと比較して、病変を細かく砕き、破片を吸引することを目標とする。さらに、従来的なIVLは、初期衝撃波に依拠し、初期衝撃波は、石灰化病変を破壊するための高いピーク正値を伴い、軟質組織損傷を防止することに役立つより低いピーク負値を有する。本開示から理解されるように、方向性砕石術は、軟質組織損傷を依然として回避しながら、石灰化病変を破壊するために発生させられる初期および後続衝撃波を利用することができる。
【0082】
図3は、カテーテルの例示的電極アセンブリ100を図示する。アセンブリ100は、内側伝導性シース120として構成された第1の円筒形伝導性シースと、外側伝導性シース122として構成された第2の円筒形伝導性シースとを含む。外側伝導性シース122は、内側伝導性シース120の周囲にそれと同心で円周に搭載され、それによって、内側および外側伝導性シースは、電極対のそれぞれの内側および外側電極を形成する。伝導性シース120、122は、延長された管状または円筒形形状に成形された伝導性金属または合金等の伝導性材料から形成される。いくつかの例では、内側伝導性シース120および/または外側伝導性シース122は、ステンレス鋼、白金、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、または銅管類等の耐浸食性金属管類から形成される。内側伝導性シース120は、任意の所望の厚さ、例えば、0.002~0.003インチの厚さであり得る。外側伝導性シース122は、内側伝導性シースより比較的に厚くあり得る。例えば、外側伝導性シース122は、約0.004~0.006インチの厚さであり得る。しかしながら、他の例では、内側伝導性シース120は、外側伝導性シース122より厚い。例えば、内側伝導性シース122は、0.004~0.006インチの厚さであり得、外側伝導性シース122は、比較的により薄い、例えば、0.002~0.003インチの厚さであり得る。
【0083】
内側伝導性シース120および外側伝導性シース122は、それぞれ、それぞれの遠位側端121、123を含む。内側伝導性シース120の遠位側端121は、外側伝導性シース122の遠位側端123に近接して位置付けられ、シース間のアーク放電領域を提供し、電流は、アーク放電領域を横断して流動し、カテーテルの内側に衝撃波を発生させ得る。一緒に、内側伝導性シース120の遠位側端121と外側伝導性シース122の遠位側端123とは、電極アセンブリの電極対を形成する。下記により詳細に説明されるであろうように、内側伝導性シース120の遠位側端121は、遠位側端121の特定の部分(例えば、部分125)が、遠位側端の残りの部分より外側伝導性シース122に近いように(すなわち、伝導性シース間に所定の初期アーク放電領域を提供するために)成形され得る。
【0084】
図3に見られるように、内側伝導性シース120と外側伝導性シース122とは、伝導性シース120、122間に、それらと同心で搭載された円筒形絶縁層140によって、例えば、絶縁シースによって分離される。絶縁層140は、外側伝導性シース122の内側表面と内側伝導性シース120の外側表面との間の意図せぬ電流流動を防止する非伝導性絶縁材料から形成される。いくつかの例では、絶縁層140は、延長された管状または円筒形形状に成形されたポリマー材料、例えば、ポリイミドから形成される。いくつかの例では、絶縁層140は、約0.002~0.004インチの厚さである。図3に見られるように、絶縁層140は、それぞれの内側および外側伝導性シース120、122の遠位側端121、123に近接する(例えば、それと同一平面である)遠位側端141を有する。絶縁層140の近位側端は、内側伝導性シース120および/または外側伝導性シース122のうちの少なくとも1つの近位側端を越えて延び、伝導性シース120、122の近位側端間の意図せぬ電流流動を防止する。絶縁層140の形状および位置は、内側伝導性シース120と外側伝導性シース122との間の初期アーク放電領域(すなわち、通常はシース間の最も近い距離の場所である電流流動に関して最少抵抗の経路)が、それぞれの遠位側端121、123の間、より具体的に、内側伝導性シース120の同一平面部分125にあることを確実にする。
【0085】
図4A-4Bは、図3の電極アセンブリ100等の電極アセンブリの例示的円筒形内側伝導性シース120を図示する。図4Aは、例示的内側伝導性シース120の側面図を示し、図4Bは、例示的内側伝導性シース120の斜視図を示す。いくつかの例では、内側伝導性シース120の遠位側端121は、外側伝導性シース122の対にされた遠位側端123により近いかまたはそれからより遠い種々の領域を有するように成形され、それは、それによって、所定の方法または半制御された方法において劣化を促進することができる。例えば、内側伝導性シース120の遠位側端121は、伝導性シース120、122間の電流流動のための所定の初期アーク放電領域を提供するために、遠位側端121の部分125が外側伝導性シース122の遠位側端123に最も近いように成形され得る。第2およびさらなるアーク放電領域が、遠位側端123に2番目に最も近いように遠位側端121の追加の部分を成形することによって提供され得、以下同様である。
【0086】
図5A-5Bは、図3に示される電極アセンブリ100のより詳細な図を提供する。図5Aは、電極アセンブリ100の左側面断面図を図示する。図5Bは、図5Aの断面図を発生させるために使用される切断平面を示す例示的電極アセンブリ100の正面図を図示する。図5Aに見られるように、内側伝導性シース120の遠位側端121の少なくとも一部は、外側伝導性シース122の遠位側端123に対して角度付けられる。遠位側端121の少なくともさらなる部分(すなわち、部分125)は、外側伝導性シース122の遠位側端123および絶縁層140の遠位側端141と実質的に同一平面であり、外側伝導性シース122の遠位側端123から比較的に短い距離だけ離れた初期アーク放電領域を提供する。遠位側端121の角度付けられた部分は、角度付けられた部分が、同一平面部分125より外側伝導性シース122の遠位側端123から遠くに離れるように、外側伝導性シース122の遠位側端123に対して近位方向に角度付けられる。いくつかの例では、角度付けられた部分は、比較的に少ない量、例えば、2度~4度または2度未満で角度付けられる。しかしながら、他の例では、遠位側端121の角度付けられた部分は、比較的により多い量、例えば、外側伝導性シース122の遠位側端123に対して4~10度、10~20度、20~45度、または45度を上回って角度付けられる。遠位縁121の角度付けられた部分が、上で記載される範囲内の度の任意の増分また勾配にあり得ることを理解されたい。
【0087】
図3に再び目を向けると、電極アセンブリ100は、カテーテルの長さに沿って延びている2つの絶縁ワイヤ130、132も含む。より具体的に、第1の絶縁ワイヤ130が、内側伝導性シース120と電気的に接続され、第2の絶縁ワイヤ132が、外側伝導性シース122と電気的に接続される。絶縁ワイヤ130、132は、伝導性シース120、122と外部電圧源、例えば、高電圧パルス発生器(描写せず)との間の電気接続を提供する。いくつかの例では、内側伝導性シース120は、電圧源の正端子に接続され、外側伝導性シース122は、電圧源の負端子または接地に接続される。しかしながら、逆の接続も、考えられる(すなわち、外側伝導性シース122は、正端子に接続され、内側伝導性シースは、負端子または接地に接続される)。いくつかの例では、ワイヤ130、132の伝導性部分は、直接電気接続を提供するために、伝導性シース120、122に熱シールされるか、または、そうでなければ固定される。絶縁ワイヤ130、132は、カテーテルの流体管腔内に延び、例えば、管腔の側壁に固定される得るか、または、管腔に沿って延びている溝内に配置され得る。他の例では、ワイヤ130、132は、カテーテルの別個の管腔、例えば、ワイヤ管腔を通して延びている。
【0088】
一連の高電圧パルスが、電極アセンブリ100において一連の衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させるために、外部電圧源、例えば、パルス化高電圧源によってワイヤ130、132を横断して送達されることができる。外部電圧源の負および正端子は、第1の絶縁ワイヤ132および第2の絶縁ワイヤ132の近位端に接続され、高電圧パルスがワイヤ130、132を横断して送達されると、内側伝導性シース120および外側伝導性シース122(すなわち、電極アセンブリの電極対)を横断して電位差を生成する。電位差は、電極対を通って電流に流動させ、衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させる。電流流動の方向は、電極の極性に依存し、電流は、より正に帯電した電極(すなわち、電圧源の正端子に接続される電極)からより負に帯電した電極(すなわち、電圧源の負端子に接続される電極)に流動する。電圧パルスの持続時間および大きさは、電極の表面上の(すなわち、伝導性シース120、122の遠位側端121、123上の)ガス気泡および/または衝撃波を発生させるために十分である。
【0089】
キャビテーション気泡および/または衝撃波の大きさおよび他の特性は、印加電圧パルスの大きさおよび持続時間を調節することによって制御されることができる。例えば、より高い繰り返し率において比較的により低い電圧(例えば、約800V~2,000Vの電圧および約20Hz~200Hzの繰り返し率)を送達することは、概して、電極上にキャビテーション気泡を生じさせる。一連の比較的により低い電圧およびより高い繰り返し率の電圧パルスが、ワイヤ130、132を横断して印加されると、複数のガスキャビテーション気泡が、電極の表面上に蓄積する。キャビテーション気泡は、石灰化病変を粉砕するために、カテーテルの開放先端を通して、治療部位の中に流動させられることができる。より低い繰り返し率においてより高い電圧パルス(例えば、約2,500V~6,000Vの電圧および約1Hz~4Hzの繰り返し率)を印加することは、カテーテル内により高振幅の音響衝撃波を生じさせる。一連の比較的により高い電圧パルスが、ワイヤ130、132を横断して印加されると、電流のプラズマアークが、最終的に、内側伝導性シース120と外側伝導性シース122との間のアーク放電領域125における気泡を横断して生じる。電流は、気泡を横断し、急速に拡張および崩壊する気泡を生成し、急速に拡張および崩壊する気泡は、標的病変に向かって伝搬する音響衝撃波を生じさせる。キャビテーション気泡および/または衝撃波の特性は、電極アセンブリの側面を調節することによって、例えば、電極対の電極間の距離、電極の表面積、および電極の形状を調節することによって制御されることもできる。
【0090】
図16は、図3-5に従って製作されるデバイスによって発生させられる圧力の測定値を示すグラフである。測定は、エミッタ場所から約10ミリメートル(10mm)に位置するハイドロフォンによって行われ、本開示の文脈では、エミッタは、電流が電極対を横断して進行し、衝撃波を発生させ、結果として生じる気泡を伝搬する電極アセンブリの領域を広く指す。図16の測定値は、メガパスカル(MPa)単位であり、一般的推定として、エミッタの1ミリメートル(1mm)前(すなわち、キャビテーション気泡および後続衝撃波形成の距離)におけるエミッタに近い圧力は、10mm遠方のハイドロフォンにおいて測定された圧力を約1桁上回る。図16に見られ得るように、約1.32MPaの衝撃波パルスの開始時における大きい正のスパイクが、存在する。ハイドロフォンにおける測定値に基づいて、エミッタに近い(1mm)推定圧力は、約13.2MPaであろう。より小さいが、依然としてかなりの負のスパイクが、初期の正のスパイクから約9マイクロ秒(9μ秒)後、パルスの終了付近で記録される。負圧スパイクは、蒸気気泡の崩壊によって引き起こされる。エミッタから10ミリメートル(10mm)の距離において、ハイドロフォンは、0.19MPaを測定しており、それは、約1.9MPaのエミッタに近い推定負圧に対応する。故に、エミッタから1ミリメートル(1mm)における圧力のピーク間差は、約15MPaであろう。本明細書に記述されるように、このタイプの圧力振幅は、治療部位からの病変の一掃を向上させることができる。
【0091】
電圧パルスの大きさおよび周波数は、電極対における衝撃波またはキャビテーション気泡の発生からもたらされる音響圧力波の特性を改良するためにも制御されることができる。例えば、50マイクロ秒を下回る(<50μ秒)、例えば、比較的に短いパルス幅を伴う電圧パルスを送達することは、比較的に高い振幅の負圧を有する音響圧力波を生じさせることができる。増加させられた負圧は、治療部位からの病変および破片の一掃を促進する負の吸引のような力を提供することによって、衝撃波またはキャビテーションカテーテルの作用の機構を改良することができる。いくつかの例では、電圧パルスが、比較的に低い周波数、例えば、30~40Hz、40~50Hz、または50Hzを上回る周波数および比較的に短いパルス幅、例えば、約10マイクロ秒(10μ秒)または10マイクロ秒未満のパルス幅において電極対を横断して送達され、高い負圧を有する音響圧力波を生じさせることができる。ある例では、カテーテルの電極対は、約10MPaのピーク間圧力を伴う約3MPaのピーク負圧を有する音響圧力波を生じさせることができる。しかしながら、他の例では、電極対は、なおもより大きいピーク圧力、例えば、10MPa~20MPa、20MPa~40MPa、または最大50MPaのピーク圧力を有する音響圧力波を生じさせ得る。
【0092】
電圧パルスが、衝撃波および/またはキャビテーショ治療中に印加されると、電流は、電極対の電極間の最も低い抵抗の経路を横断して流動し、最も低い抵抗の経路は、概して、電極が距離において最も近い場所である。従って、初期アーク放電領域は、内側伝導性シース120の遠位側端121が、外側伝導性シース122の遠位側端123に最も近い場所に位置する。キャビテーション気泡および/または衝撃波の繰り返される発生は、電極が初期アーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こすであろう。例えば、図3に示される例では、キャビテーション気泡および/または衝撃波を発生させることは、内側伝導性シース120の遠位側端121が、外側伝導性シース122の遠位側端123と同一平面であり、それに最も近い遠位側端121の部分125に近接して、浸食されることを引き起こすであろう。治療の過程全体を通して、内側伝導性シース120の遠位側端121は、初期アーク放電領域に近接して浸食され続けるであろう。初期アーク放電領域が、それがもはや内側伝導性シース120と外側伝導性シース122との間の最短距離でなくなるほど十分に離れるように浸食されると、電流は、二次アーク放電領域を横断して流動し始め、二次アーク放電領域は、外側伝導性シース122の遠位側端123と、内側伝導性シース120の部分的に劣化した遠位側端121との間の最短距離の経路を提供する。衝撃波治療が継続するにつれて、内側伝導性シース120の角度付けられた形状は、内側伝導性シースの遠位側端121の周囲に半制御されたパターンにおいて劣化を促進し、内側伝導性シースの遠位側端121は、同一平面部分125において始まり、外側伝導性シース122から連続的により遠い遠位側端121の部分に沿って進行する。言い換えると、構成電極の構造は、電気アークの場所を誘導し、それによって、電極アセンブリの使用全体を通して電極浸食のパターンを部分的に制御する。
【0093】
図6は、内側伝導性シース120が一連の衝撃波および/またはキャビテーション気泡の発生によって少なくとも部分的に浸食された後の図3および5A-5Bに示されるアセンブリ100等の部分的に浸食された例示的電極アセンブリ100を図示する。図7Aは、例示的な浸食された内側伝導性シース120の側面図を示し、図7Bは、例示的な浸食された内側伝導性シース120の斜視図を示す。図8A-8Bは、図6に示される部分的に浸食された電極アセンブリ100のより詳細な図を提供する。図8Aは、例示的な浸食された電極アセンブリ100の左側面断面図を図示する。図8Bは、図8Aの断面図を発生させるために使用される切断平面を示す例示的電極アセンブリ100の正面図を図示する。図8Cは、図8Aに示される例示的電極アセンブリ100の拡大された左側面断面図を示し、内側伝導性シース100の劣化した遠位側端のより詳細な図を提供する。
【0094】
図6、7A-7B、および8A-8Cに見られるように、衝撃波およびキャビテーション気泡の繰り返される発生は、内側伝導性シース120の遠位側端121が初期アーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、遠位側端121内に1つ以上の窪みを生成している。初期アーク放電領域における電極表面の劣化は、部分125と外側伝導性シース122の遠位側端123との間の距離を増加させ、電極表面の異なる部分126が距離において遠位側端123により近くなることを引き起こす(故に、部分125は、もはや図4B、5A、および5Bに示されるように同一平面ではない)。追加の電圧パルスが、シース120、122を横断して印加されるにつれて、初期アーク放電領域における内側伝導性シース120の浸食は、電流に内側伝導性シース120の遠位側端121と外側伝導性シース122の遠位側端123との間の二次アーク放電領域(例えば、新しい距離において最も近い部分126に近接する領域)を横断して流動させるであろう。
【0095】
図6および8A-8Cに示される特定の実施形態において、二次アーク放電領域は、遠位側端121の円周の周囲で初期アーク放電領域に近接している。遠位側端121の徐々に傾斜する角度は、初期アーク放電領域(例えば、部分125に近接する領域)から、外側伝導性シース122の遠位側端123から次第により遠くなる遠位側端121の部分に(例えば、部分126、次いで、遠位側端121の後続の距離においてより遠い部分に)外向きに劣化が進行することを引き起こす。最終的に、遠位側端121の全周が、外側伝導性シース122の遠位側端123からほぼ等しい距離まで浸食されると、劣化は、電流がシース120、122間の比較的に最小抵抗(すなわち、最も近い距離)の経路を横断して流動するにつれて、確率的方法において進行し得る。
【0096】
図6、7A-7B、および8A-8Cに示される実施形態において、浸食は、主として内側伝導性シース120の遠位側端121に影響を及ぼすものとして示される。これは、特に、内側伝導性シース120が電圧源の正端子に接続されるときに観察されるパターンである。外側伝導性シース122の遠位側端123も、特に、シースに対する電力供給源の極性が、外側伝導性シース122が電圧源の正端子に接続されるように、逆転される場合、類似する方式において浸食され得ることに留意されたい。電極アセンブリの極性が逆転されると、電流は、シース120、122間のアーク放電領域を横断して反対方向に流動し、主として外側伝導性シース122の遠位側端123に影響を及ぼす浸食を引き起こす。浸食が主として外側伝導性シース122上で生じる電極アセンブリ設計は、外側伝導性シースの遠位側端123の比較的により大きい円周およびより大きい電極表面積に起因して、浸食が主として内側伝導性シース120において生じるアセンブリと比較して、増加させられた電極寿命を提供し得る。
【0097】
これらの例示的実施形態において、外側伝導性シース122の遠位側端123は、所定の方法または半制御された方法において劣化を促進するように成形され、例えば、図6、7A-7B、および8A-8Cに示される内側伝導性シース120の遠位側端121と同様に成形され得る。内側伝導性シース120に関連して前に説明されるように、外側伝導性シース122は、遠位側端123の種々の領域が内側伝導性シース120の対にされた遠位側端121により近いように、またはそれからより遠いように成形されることができる。例えば、外側伝導性シース122の遠位側端123は、遠位側端121の部分125が、内側伝導性シース120の遠位側端121に最も近く、所定の初期アーク放電領域を提供するように成形され得る。第2およびさらなるアーク放電領域が、遠位側端121に2番目に最も近いように遠位側端123の追加の部分を成形することによって提供され得、以下同様である。
【0098】
図9Aおよび9Bは、一例示的電極アセンブリを図示し、外側伝導性シース122の遠位側端123が、内側伝導性シース120の遠位側端121に対して角度付けられている。遠位側端123の少なくとも一部、ここでは部分127は、内側伝導性シース120の遠位側端121および絶縁層140の遠位側端と実質的に同一平面であり、内側伝導性シース120の遠位側端121から比較的に短い距離だけ離れている初期アーク放電領域を提供する。図9A-9Bに見られるように、遠位側端123の表面は、遠位側端121に対して近位方向において内側伝導性シース120の遠位側端121から離れるように徐々に傾斜する。いくつかの例では、遠位側端123は、比較的に少ない量、例えば、2度~4度または2度未満で角度付けられる。しかしながら、他の例では、遠位側端123は、比較的により多い量、例えば、内側伝導性シース120の遠位側端121に対して4~10度、10~20度、20~45度、または45度を上回って角度付けられる。遠位縁123の角度付けられた部分が、上で記載される範囲内の度の任意の増分また勾配にあり得ることを理解されたい。
【0099】
図10は、外側伝導性シース122が一連の衝撃波および/またはキャビテーション気泡の発生によって少なくとも部分的に浸食された後の図9A-9Bの電極アセンブリを図示する。図11A-11Cは、図10に示される部分的に浸食された電極アセンブリ100のより詳細な図を提供する。図11Aは、部分的に浸食された電極アセンブリ100の左側面断面図を図示する。図11Bは、図11Aの断面図を発生させるために使用される切断平面を示す部分的な電極アセンブリ100の正面図を図示する。図11Cは、図11Aに示される例示的電極アセンブリ100の拡大された左側面断面図を示し、内側伝導性シース100の劣化した遠位側端のより詳細な図を提供する。図10および11A-11Cに見られるように、衝撃波および/またはキャビテーション気泡の繰り返される発生は、外側伝導性シース122の遠位側端123が初期アーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし、部分127と内側伝導性シース120の遠位側端121との間の距離を増加させている。最終的に、初期アーク放電領域における外側伝導性シース122の浸食は、遠位側端123の異なる部分128が距離において内側伝導性シース120の遠位側端121により近くなるようにする。追加の電圧パルスが、シース120、122を横断して印加されるにつれて、電流が、シース間の新しい距離において最も近い経路を提供する、外側伝導性シース122の遠位側端123と内側伝導性シース120の遠位側端121との間の二次アーク放電領域を横断して流動し始めるであろう。図10および11A-11Cに示される特定の実施形態において、遠位側端123の徐々に傾斜する角度は、初期アーク放電領域(例えば、部分127に近接する領域)から、内側伝導性シース120の遠位側端121から次第により遠くなる遠位側端123の部分に(例えば、部分128、次いで、遠位側端123の後続の距離においてより遠い部分に)外向きに劣化が進行することを引き起こす。
【0100】
図3、5A-5B、6、8A-8C、9A-9B、10、および11A-11Cは、角度付けられた遠位側端121、123を伴って成形される同心伝導性シース120、122から形成される例示的電極アセンブリを図示するが、他の電極構成も、好都合な劣化パターンをもたらし得る。例えば、いくつかの例では、遠位側端121、123のうちの1つ以上は、他の伝導性シースからの異なる所定の距離に縁の種々の部分を設置する異なるパターンを伴って成形され、例えば、起伏のある波、切り欠き、異なって角度付けられた部分、またはある他の表面構成を伴って成形される。さらに、先述の例示的電極アセンブリは、1つのみの成形された伝導性シースを含むが、いくつかの例では、内側伝導性シース120および外側伝導性シース122の両方が、成形された遠位側端121、123を含む。加えて、または代替として、絶縁層140は、伝導性シース120、122を横断して所望のパターンにおいて浸食を促進するように成形され得る。例えば、絶縁層140は、成形された(例えば、角度付けられた)遠位側端、または内側伝導性シース120と外側伝導性シース122との間の種々のアーク放電領域を画定する絶縁層を通した1つ以上の開口を有し得る。
【0101】
カテーテル内に含まれる電極アセンブリの使用可能な寿命をなおもさらに増加させるために、電極アセンブリの極性は、衝撃波またはキャビテーション手技中、1回以上の回数切り替えられることができる。例えば、米国特許第10,226,265号(参照することによって本明細書に組み込まれる)は、手技中に、電流流動の方向を変化させるために、電極対を横断して印加される電圧パルスの極性を切り替えることを説明している。前に説明されるように、電圧源の正端子に接続される電極は、概して、負端子または接地に接続される電極と比較して、増加させられた浸食を経験する。故に、手技中に電極アセンブリの極性を切り替えることは、ユーザが電極対の各電極の表面における相対的劣化を制御することを可能にすることができる。衝撃波またはキャビテーション手技の過程にわたって、極性切り替えは、電極対の両方の電極を横断して劣化をより均等に分散させるために使用され、電極アセンブリの使用可能な寿命を増加させることができる。電極極性切り替えが、限定ではないが、本開示全体を通して示されるアセンブリを含む任意の電極アセンブリ設計において実装され得ることに留意されたい。
【0102】
極性切り替えは、外部電圧源および電極アセンブリと電気接続するコントローラ、例えば、極性切り替え回路および/または多重化装置を使用して実行されることができる。前に説明されるように、外部電圧源は、電極アセンブリのワイヤ130、132を横断して一連の高電圧パルスを選択的に送達し、アセンブリの電極対において衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させるように構成される。電極対を横断する電流流動の方向は、電極の極性、すなわち、電極の相対的負および正電荷によって決定される。極性は、第1および第2の絶縁ワイヤ130、132を横断して電圧源の正および負端子を選択的に接続し、電流が電極対の電極を横断して特定の方向に(すなわち、正電極から負電極に)流動することを引き起こすことによって修正されることができる。故に、コントローラは、電極アセンブリを横断して所望の極性を伴う高電圧パルスを選択的に送達することによって、電極対を通した電流流動の方向を制御するように構成される。
【0103】
一連の電圧パルスが電極アセンブリを横断して送達されるとき、極性は、連続したある数のパルスが、電流が第1の方向に流動するようにし、連続した残りの数のパルスが電流が第1の方向と反対の第2の方向に流動するようにするように、コントローラによって制御されることができる。特定の例では、アセンブリの極性は、手技中の周期的間隔において、例えば、全ての電圧パルス後、または、ある数の電圧パルス後に極性切り替えを引き起こすコントローラを用いて切り替えられることができる(例えば、連続した2つ、3つ、4つ、またはそれを上回るパルス毎に極性を切り替える)。別の例では、コントローラは、ある割合の電圧パルスが、電流が第1の方向に流動するようにし、残りの割合の電圧パルスが、電流が第1の方向と反対の第2の方向に流動するようにするように、極性を制御するように構成されることができる。例えば、アセンブリの極性は、電流が、連続した電圧パルスの2分の1、3分の1、または4分の1に関して第1の方向に流動し、連続した残りのパルスに関して反対方向に流動するように制御され得る。
【0104】
外側伝導性シース122の浸食を選択的に促進するために、コントローラは、外側伝導性シースが電圧源の正端子に接続された状態で、比較的により多い数の一連の電圧パルスが送達されるようにし得る。例えば、コントローラは、一連の電圧パルスの5分の1(1/5)、4分の1(1/4)、3分の1(1/3)、5分の2(2/5)、2分の1(1/2)、5分の3(3/5)、3分の2(2/3)、4分の3(3/4)、5分の4(4/5)、またはある他の割合または比率に関して電流が内側伝導性シース120から外側伝導性シース122に流動するようにし得る。しかしながら、コントローラは、電流が一連の電圧パルスの任意の所望の割合に関してアセンブリを横断して特定の方向に流動するように、電極アセンブリの極性を切り替えるように構成されることができる。
【0105】
さらに、コントローラは、所与の方向における(例えば、内側伝導性シース120から外側伝導性シースへの)パルスの数が、使用の過程にわたって増加または減少し得るように、進行する一連の電圧パルス化で構成されることができる。減少する例に関して、300個のパルスを伴う所与の治療手技では、電圧パルス化の一連の前半(150個のパルス)は、電流が内側から外側方向に進む120個のパルスと、電流が外側から内側方向に進む30個のパルスとを伴う、5分の4(4/5)の比率を有し得、電圧パルス化の一連の後半(残りの150個のパルス)は、各方向における電流に関して75個のパルスを伴う2分の1(1/2)の比率を有し得る。パルス連続制御のさらなる変形例が、この例から外挿され得ることを理解されたい。
【0106】
いくつかの例では、コントローラは、コントローラと電気接続するセンサにおける読み取り値に基づいて、極性切り替えを自動的に開始する。例えば、センサは、アセンブリを通した電流流動、電圧パルス幅、電圧パルスの送達から電極対を横断する衝撃波の開始までの時間、電極のうちの1つ以上の温度、またはある他のパラメータ等の電極アセンブリの動作パラメータを測定するように構成され得る。パラメータが、事前定義された極性切り替え閾値を上回る場合、またはそれより低い場合、コントローラは、電圧パルスの極性を修正することによって、電極対を横断する電流流動の方向を変更する。いくつかの例では、センサは、コントローラが、対の電極間の浸食の平衡を保つために極性切り替えを自動的に開始し得るように、電極対の電極の相対的浸食と互いに関係があるパラメータを測定するように構成される。特定の例では、センサは、電極対を横断する電流の流動を測定し、コントローラは、電流が事前定義された極性切り替え閾値(例えば、電流流動が電極劣化によって悪影響を受けていることを示す閾値)を下回ると、極性切り替えを自動的に開始する。別の例では、センサは、電圧パルス幅または電圧パルスの送達と電極対における衝撃波またはキャビテーション気泡の開始との間の時間の持続時間を測定する。センサによって測定された電圧パルス幅または時間の持続時間が事前定義された極性切り替え閾値(例えば、衝撃波/キャビテーション気泡の形成が電極劣化によって悪影響を受けていることを示す閾値)を超える場合、コントローラは、極性切り替えを自動的に開始し、電極対を通した電流流動の方向を変更する。
【0107】
いくつかの例では、コントローラは、センサによって測定されたパラメータが終了閾値を上回るとき、またはそれより低いとき(例えば、センサによって検出されたエラーモードまたは望ましくない動作条件に応答して衝撃波またはキャビテーション手技を終了するために)、電圧パルスの送達を終了するように構成される。そのような例では、極性切り替えに関する閾値は、終了閾値の関数であり得る。例えば、極性切り替えは、測定されたパラメータが終了閾値の約70%を上回るとき、またはそれより低いとき、実行され得る。特定の例では、終了閾値は、電圧パルスの送達と電極対における衝撃波またはキャビテーション気泡の開始との間の100ミリ秒(100ミリ秒)であり、極性切り替え閾値は、パルスの送達と衝撃波またはキャビテーション気泡の発生との間の約70ミリ秒(70ミリ秒)である。他の例では、極性切り替えは、測定されたパラメータが、終了閾値の50~70%、70~90%、または90~100%であるときに開始され得る。
【0108】
図12は、本開示全体を通して示され、説明される例示的電極アセンブリ100のうちのいずれか等の二重層電極アセンブリを含む例示的カテーテル101の遠位端の斜視図を図示する。図13A-13Cは、特に、流体管腔152および吸引管腔154を図示する、図12に示される例示的カテーテル101の遠位端の追加の図を提供する。図13Aは、カテーテル本体を通した流体の流動を描写する例示的カテーテル101の上面側面断面図を提供する。図13Bは、図13Aの断面図を発生させるために使用される切断平面を示す例示的カテーテル101の左側面図を提供する。図13Cは、流体管腔152および吸引管腔154を描写する例示的カテーテル101の正面図を提供する。
【0109】
図14A-14Bは、ガイドワイヤ管腔156をさらに特徴とするカテーテル101の代替実施形態の斜視図を図示する。図14Aは、成形された内側伝導性シース120を有する電極アセンブリ(例えば、本開示全体を通した例示的電極アセンブリのうちの1つ)を含む例を提供する。図14Bは、成形された外側伝導性シース122を有する電極アセンブリを含む類似するカテーテル設計の例を提供する。図15A-15Cは、図15Aの上面側面断面図と、図15Aの断面図を発生させるために使用される切断平面を示す図15Bの左側面図と、流体管腔152、吸引管腔154、およびガイドワイヤ管腔156を描写する図15Cの正面図とを含む図14Bに示される例示的カテーテル101の遠位端の追加の図を提供する。
【0110】
図12および14A-14Bに見られるように、例示的カテーテル101は、遠位端(すなわち、身体管腔の中に導入される図12および14A-14Bに示されるカテーテル101の端部)において終端する環状カテーテル本体、すなわち、細長い管160を含む。細長い管160は、成形されたポリマー材料等の硬質または半硬質材料から形成される。細長い管160は、いくつかの管腔、例えば、流体管腔152と、吸引管腔154と、随意に、ガイドワイヤ管腔156とを含む。流体管腔152は、カテーテル本体の長さに沿って、細長い管160の遠位端における流体流出ポート162を通して、流体、例えば、生理食塩水等の伝導性流体を流動させるために構成される。吸引管腔154は、流体流入ポート164を通して治療部位から破片を受け取り、管腔154を通して、カテーテル101の近位部分に破片を流動させるように構成される。いくつかの例では、カテーテル101は、破片が側壁を通して吸引管腔154の中に吸い込みされ得るように、細長い管160の側壁を通して延びている1つ以上の吸引ポート166含む。いくつかの例では、図14A-14Bに見られるように、カテーテル101は、ガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されたガイドワイヤ管腔156を含む。身体管腔とのカテーテル101の位置付けを促進するために、ガイドワイヤが、ガイドワイヤ管腔を通して挿入されることができ、カテーテルは、管腔を通してガイドワイヤの上を病変に近接する治療部位まで操縦されることができる。
【0111】
図12、13A、14A-14B、および15Aに見られるように、電極アセンブリが、衝撃波がカテーテル本体内に発生させられ得るように、カテーテル101の遠位先端に近接する細長い管160内に搭載される。いくつかの例では、電極アセンブリは、管腔を通して流動する流体が電極アセンブリを横断して流動するように、流体管腔152内に搭載される。外側伝導性シース122は、外側伝導性シース122の外側表面が流体管腔152の内側表面に接触するように、流体管腔152の壁に隣接して流体管腔152の内側に搭載される。絶縁シース140は、絶縁シース140の外側表面が外側伝導性シース122の内側表面に接触するように、流体管腔152内に、外側伝導性シース122と同心に搭載される。内側伝導性シース120も、流体管腔152内に、外側伝導性シース122および絶縁シース140の内側かつそれらと同心に搭載され、内側伝導性シース120の外側表面は、絶縁シース140の内側表面に接触する。言い換えると、外側伝導性シース122は、内側伝導性シース120の周囲で円周に流体管腔152内に搭載され、絶縁層140は、それらの間に位置付けられる。
【0112】
図13Aおよび15Aの両方は、例示的カテーテル101の遠位端を通した流体、例えば、伝導性流体の流動を描写する。図13A-13Cおよび図15A-15Cに見られるように、電極アセンブリは、流体管腔152を通して流動する流体が流体流出ポート162から退出する前、内側伝導性シース120を通して流動するように、カテーテル101の流体管腔152内に搭載される(例えば、流体管腔152を通した流体の流動を表す図13Aおよび15Aの上側水平矢印F1参照)。カテーテル101内の伝導性流体は、電流が内側伝導性シース120と外側伝導性シース122との間で流動するための経路を提供し、すなわち、治療中のキャビテーション気泡および/または衝撃波の発生を可能にする。内側伝導性シース120を通した流体流動は、電極アセンブリによって生じさせられたキャビテーション気泡がカテーテル101の遠位端から外に、病変の中に流動し、病変を砕き、崩壊させることを支援することを引き起こすこともできる。加えて、内側伝導性シース120を通した流体の流動は、電極の表面からの破片(例えば、内側伝導性シース120および/または外側伝導性シース122の表面の浸食から生じさせられた破片)を一掃し、(例えば、電極アセンブリを冷却することによって)電極アセンブリの温度を調整するために使用されることができる。流体は、吸引管腔154の遠位端に位置する流体流入ポート164を通してカテーテル101の中に受け取られることができる。いくつかの例では、流体は、細長い管160の外側表面を貫通している吸引ポート166も介して受け取られ得る。吸引管腔154を通した内向き吸い込みは、カテーテル101が、治療部位を通して流体を循環させ、部位を吸引し、治療中に生じさせられたいかなる気泡および破片も除去することを可能にする(例えば、吸引管腔154の中への流体の流動を表す図13Aおよび15Aの下側水平矢印F2および3つの垂直矢印F3参照)。
【0113】
図17は、カテーテルの例示的電極アセンブリ200の斜視図を図示する。1つ以上の例では、電極アセンブリ200は、衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させ、周辺組織に害を及ぼすことなく、音響圧力を使用して患者の脈管の中の石灰化病変を治療するために使用されることができる。図17に示されるように、電極アセンブリ200は、絶縁シース240によって分離された平坦なコイル220として構成された平坦な螺旋ワイヤと、伝導性シース222として構成された円筒形伝導性シースとを含む。絶縁シース240は、平坦なコイル220および伝導性シース222が、電極対のそれぞれの電極を形成するように、伝導性シース222内に円周に搭載され、平坦なコイル220は、絶縁シース222の内側表面上に配置される。
【0114】
伝導性シース222および平坦なコイル220は、伝導性金属または合金等の伝導性材料から形成されることができる。1つ以上の例では、伝導性シース222は、延長された管状または円筒形形状に成形されたステンレス鋼、白金、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、または銅管類等の耐浸食性金属管類から形成されることができる。平坦なコイル220は、平坦な螺旋コイルに成形されたステンレス鋼、白金、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、または銅等の耐浸食性金属材料から同様に形成されることができる。平坦なコイル220は、任意の所望の厚さ、例えば、0.002~0.003インチの厚さであり得る。1つ以上の例では、伝導性シース222は、平坦なコイル220より比較的に厚くあり得る。例えば、伝導性シース222は、約0.004~0.006インチの厚さであり得る。代替として、平坦なコイル220は、伝導性シース222より厚くあり得る。例えば、平坦なコイル220は、0.004~0.006インチであり得る一方、伝導性シース222は、比較的により薄い、例えば、0.002~0.003インチの厚さであり得る。
【0115】
1つ以上の例では、平坦なコイル220および伝導性シース222は、カテーテルのための電極アセンブリの電極対を形成する。図17に示されるように、平坦なコイル220は、遠位端221を有し、伝導性シースは、遠位側端223を有する。平坦なコイル220の遠位端221は、(比較的に外側)伝導性シース222の遠位側端223に近接して位置付けられ、アーク放電領域を生成し、電流は、平坦なコイル220と伝導性シース222との間でアーク放電領域を横断して流動し得る。1つ以上の例では、アーク放電領域を横断して流動する電流は、カテーテルの内側に衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させることができる。
【0116】
図17に見られるように、平坦なコイル220および伝導性シース222は、絶縁体シース240によって分離される。絶縁シース240は、平坦なコイル220のある領域と伝導性シース222との間の意図せぬ電流流動を防止する非伝導性絶縁材料から形成されることができる。1つ以上の例では、絶縁体シース240は、絶縁体シース240の長さに沿った平坦なコイル220と伝導性シース222との間の電流のいかなる流動も遮断することができる。電流は、絶縁体シース240の長さに沿って、平坦なコイル220と伝導性シース222との間で流動することを防止されるので、電流は、伝導性シース222の遠位端223と平坦なコイル220の遠位端221との間のアーク放電領域のみを横断して流動することができる。1つ以上の例では、絶縁体シース240は、延長された管状または円筒形形状に成形されたポリマー材料、例えば、ポリイミドから形成されることができる。1つ以上の例では、絶縁体シース240は、約0.002~0.004インチの厚さであり得る。
【0117】
図17に示されるように、絶縁体シース240は、遠位側端241を有する。1つ以上の例では、絶縁体シース240の遠位側端241は、伝導性シース222および/または平坦なコイル220の遠位側端に近接し得る(例えば、それと同一平面である)。絶縁体シース240の近位側端は、伝導性シース222および平坦なコイル220のうちの少なくとも1つの近位側端を越えて延び、伝導性シース222および平坦なコイル220の近位側端間の意図せぬ電流流動を防止することができる。絶縁シース240の形状および位置は、平坦なコイル220と伝導性シース222との間のアーク放電領域(例えば、通常は平坦なコイルとシースとの間の最も近い距離である電流流動に関して最少抵抗の経路)が、平坦なコイル220の遠位端221と伝導性シース222の遠位側端223との間にあることを確実にすることができる。1つ以上の例では、アーク放電領域は、最初に、より具体的に、コイルの最も端に位置する平坦なコイル220の遠位端221において始まるであろう。
【0118】
図18は、図17の電極アセンブリ200等の電極アセンブリの例示的平坦なコイル220の斜視図を図示する。図18に示されるように、平坦なコイル220は、一連のコイルにおける中心軸の周囲でループ状になる長方形断面を伴う平坦なワイヤとして成形される。1つ以上の例では、下記に議論されるであろうように、平坦なコイル220は、電極アセンブリ200の絶縁シース240の内側表面上に配置されることができる。そのような構成では、平坦なコイル220は、平坦なコイル220の遠位端221の近傍の平坦な平面状の内側表面を含むことができ、平坦な平面状の内側表面は、絶縁シース240の内側表面と反対の側にある。1つ以上の例では、平坦なコイル220は、ステンレス鋼、白金、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、または銅管類等の耐浸食性金属管類から平坦なコイル220の形状をレーザ切断することを介して製造されることができる。
【0119】
図19は、電極アセンブリの横つなぎを伴う例示的平坦なコイル320の斜視図を図示し、それは、図17の電極アセンブリ200等のデバイスにおいても使用され得る。示されるように、平坦なコイル320は、一連のコイルにおける中心軸の周囲でループ状になる長方形断面を伴う図18の平坦なコイル220と同様に成形される。しかしながら、図18の平坦なコイル220と異なり、平坦なコイル320は、平坦なコイル320の連続する巻きの間に延びているいくつかの横つなぎ323を有する。すなわち、横つなぎ323は、コイルの各巻きの間の間隙に橋を架ける。図18の平坦なコイル220と同様、平坦なコイル320は、平坦なコイル320が、絶縁シース240の内側表面と反対の側にある平坦なコイル320の遠位端321の近傍の平坦な平面状の内側表面を含むように、絶縁シース240等の絶縁シースの内側表面上に配置されることができる。1つ以上の例では、横つなぎ323は、平坦なコイル320のための改良された構造的安定性を提供することができる。1つ以上の例では、平坦なコイル320は、ステンレス鋼、白金、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、または銅管類等の耐浸食性金属管類から平坦なコイル320の形状をレーザ切断することを介して製造されることができる。
【0120】
図20は、カソードの例示的電極アセンブリ200の斜視断面図を図示する。図20に示されるように、平坦なコイル220は、各々が絶縁シース240の内側表面243上に配置されたいくつかの個々のコイル225(すなわち、平坦なコイル220の「巻き」)を有する。1つ以上の例では、平坦なコイル220は、接着剤によって絶縁シース240に接合されることができる。接着剤(図示せず)は、平坦なコイル220のコイル225間に適用され、絶縁シース240の内側表面243の周囲に浸透することを可能にされることができ、それによって、接着剤は、各隣接するコイル225間のエリアを充填し、平坦なコイル220を絶縁シース240に固定する。
【0121】
図21Aは、カテーテルの例示的電極アセンブリ200の左側面断面図を図示し、図21Bは、図21Aの断面図を発生させるために使用される切断平面を示す図21Aの例示的電極アセンブリ200の正面図を図示する。上で議論されるように、電極アセンブリ200の平坦なコイル220は、長方形断面を有し、絶縁シース240の内側表面と反対の側にある平坦な平面状の内側表面を含むことができる。これは、平坦なコイル220が絶縁シース240の内側表面上に配置される長方形断面を有することを図示する、図21Aにより明確に示される。平坦なコイル220の遠位端221の近傍で見えているように、平坦なコイルは、絶縁シース240の内側表面と反対の側にある平面状の内側表面を有する。
【0122】
ここで図17に再び目を向けると、電極アセンブリ200は、カテーテルの長さに沿って延びている2つの絶縁ワイヤ230、232も含むことができる。特に、第1の絶縁ワイヤ230が、平坦なコイル220に電気的に接続されることができ、第2の絶縁ワイヤ232が、伝導性シース222に電気的に接続されることができる。1つ以上の例では、絶縁ワイヤ230、232は、平坦なコイル220と、伝導性シース222と、外部電圧源、例えば、高電圧パルス発生器(描写せず)との間の電気接続を提供することができる。1つ以上の例では、平坦なコイル220は、電圧源の正端子に接続され、伝導性シース222は、電圧源の負端子または接地に接続されることができる。代替として、平坦なコイル220は、電圧源の負端子または接地に接続されることができる一方、伝導性シースは、電圧源の正端子に接続される。ワイヤ230、232の伝導性部分は、直接電気接続を提供するために、伝導性シース222および平坦なコイル220に熱シールまたは別様に固定されることができる。1つ以上の例では、絶縁ワイヤ230、232は、カテーテルの流体管腔内に延び、例えば、管腔の側壁に固定されること、または管腔に沿って延びている溝内に配置されることができる。ワイヤ230、232は、カテーテルの別個の管腔、例えば、ワイヤ管腔を通して延びていることもできる。1つ以上の例では、ワイヤ230、232は、絶縁銅ワイヤであり得る。
【0123】
1つ以上の例では、一連の高電圧パルスが、電極アセンブリ200において一連の衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させるために、外部電圧源、例えば、パルス化高電圧源によってワイヤ230、232を横断して伝送されることができる。外部電圧源の負および正端子は、第1の絶縁ワイヤ230および第2の絶縁ワイヤ232の近位端に接続され、それによって、高電圧パルスがワイヤ230、232を横断して送達されると、平坦なコイル220および伝導性シース222(すなわち、電極アセンブリの電極対)を横断して電位差を生成することができる。電位差は、電流が電極対間に流動し、衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させることを引き起こすことができる。1つ以上の例では、電流流動の方向は、電極の極性に依存し、電流は、より正に帯電した電極(すなわち、ワイヤ230、232のうちの一方を介して電圧源の正端子に接続される電極)からより負に帯電した電極(すなわち、ワイヤ230、232のうちの一方を介して電圧源の負端子に接続される電極)に流動することができる。電圧パルスの各々の持続時間および大きさは、電極の表面上に(すなわち、平坦なコイル220の遠位端221および伝導性シース222の遠位側端223上に)ガス気泡(例えば、キャビテーション気泡)を発生させるために十分であり得る。
【0124】
1つ以上の例では、発生させられる衝撃波および/またはキャビテーション気泡の大きさおよび他の特性は、印加電圧パルスの大きさおよび持続時間を調節することによって制御されることができる。例えば、高い繰り返し率において比較的により低い電圧(例えば、約800V~2,000Vの電圧および約20Hz~200Hzの繰り返し率)を送達することは、概して、電極上にキャビテーション気泡を生じさせることができる。より低い繰り返し率において比較的により高い電圧パルス(例えば、約2,500V~6,000Vの電圧および約1Hz~4Hzの繰り返し率)を送達することは、概して、キャビテーション気泡に対してより高い大きさを伴う音響衝撃波を生じさせることができる。本明細書で考慮されるような方向性砕石術電極アセンブリおよびエミッタに関して、高い繰り返し率においてより低い電圧を使用する実装は、所望のアブレーション作用モードを達成するために有利であることが見出されている。故に、本開示の実施形態は、約200V~約10,000Vの電圧を使用して、より具体的に、約1,500V~2,000Vおよびこれらの範囲内の電圧の増分および勾配(例えば、1.60kV、1.70kV、1.80kV、1.90kV)の電圧を使用して実行されることができる。同様に、本明細書で考慮されるような電極アセンブリおよびエミッタは、約50Hz~500Hz、約100Hz~200Hz、約125Hz~175Hz、およびその範囲内の周波数の増分および勾配におけるもの等の周波数を使用して実行されることができる。1つ以上の例では、衝撃波および/またはキャビテーション気泡の特性は、電極アセンブリの構造的側面、例えば、電極対の電極間の距離、電極の表面積、電極の形状等を調節することによっても制御されることができる。
【0125】
高い繰り返し率における一連の比較的により低い電圧がワイヤ230、232を横断して伝送されると、複数のガスキャビテーション気泡が、電極アセンブリ200の電極の表面上に(例えば、平坦なコイル220の遠位端221および伝導性シート222の遠位側端223において)蓄積することができる。1つ以上の例では、電極の表面上に形成されたキャビテーション気泡は、カテーテルの開放先端を通して外に、治療部位の中に流動し、石灰化病変を粉砕することができる。低い繰り返し率における一連の比較的により高い電圧がワイヤ230、232を横断して伝送されると、電流のプラズマアークが、電極間のアーク放電領域において(すなわち、平坦なコイル220の遠位端221と伝導性シース222の遠位側端223との間の最も近い距離において)発生させられた気泡を横断して形成されることができる。電流は、気泡を横断し、それによって、急速に拡張および崩壊する気泡を生成することができ、急速に拡張および崩壊する気泡は、音響衝撃波を生じさせ、音響衝撃波は、カテーテルから治療部位に向かって外向きに伝搬し、石灰化病変を粉砕する。
【0126】
電極として使用される中実円筒形伝導性要素と対照的に、平坦なコイル220は、制御された浸食のためのガイドを提供する。単純な円筒(電極対の一部として)が、電流が電極対を横断して進行するにつれて、若干ランダムなパターンにおいて劣化するであろう一方、平坦なコイル220は、電極対の一方の電極から横断して他方の電極まで最短経路を横断する電流の傾向を利用する。故に、平坦なコイルの遠位端221は、概して、最小抵抗の経路に沿ってあり、言い換えると、平坦なコイル22と伝導性シース222との間の最短距離にあるであろう。平坦なコイル220の浸食は、遠位端221において生じる傾向があり、平坦なコイル220が短くなる(これは、図17の例では、時計回り方向であろう)ように、遠位端221を一貫して後退させるであろう。遠位端221の場所は、浸食が進むにつれて移動するであろうが、遠位端221におけるスパーク間隙の場所の一貫性は、比較的に、中実円筒の縁に沿って観察されるであろうものほどランダムではない。従って、平坦なコイル220は、治療レジメンの過程にわたってより一貫した原点およびより少ない干渉に関する潜在性を伴う一連の衝撃波およびキャビテーション気泡を提供することができる。
【0127】
図22は、図17に従って製作されるデバイスによって発生させられる圧力の推定測定値を示すグラフであり、キャビテーション気泡が形成される前のスパーク発生の初期間に焦点を当てる。図22に描写される推定測定値は、メガパスカル(MPa)単位で描写され、エミッタ場所から約10mmに位置するハイドロフォンによる測定に基づいた。示されるように、約4.2MPaの大きい正のスパイクが、存在し、-2.03MPaの大きさまでの負のスパイクが続き、6.23MPaのピーク間大きさをもたらす。6.23MPaのピーク間大きさは、治療部位における病変の粉砕を向上させることができる。
【0128】
1つ以上の例では、立ち上がり時間は、図17の電極アセンブリ200等の電極設計を組み込むカテーテルの効能と互いに関係付けられることができる。すなわち、速い立ち上がり時間は、石灰化病変を通して穿孔することを試みるとき、カテーテルの性能を向上させることができる。図22に示されるように、正のピークは、低下する前に細い頂点を伴う比較的に速い立ち上がり時間を有し、従って、図17に従って製作されるデバイスは、より遅い立ち上がり時間および/またはより幅広のピーク(これは、よりゆっくりとした圧力差を示し得る)を伴う他のデバイスより良好に機能することができる。ここで示されるように、圧力において正および負のスパイクは、スパーク発生自体によって引き起こされる。その後、電極アセンブリを点火するサイクルでは、正のスパイクが、蒸気気泡の初期破裂によって引き起こされ、負のスパイクが、その気泡の崩壊によって引き起こされることができる。
【0129】
1つ以上の例では、電圧パルスからもたらされる圧力の大きさおよび周波数は、音響圧力波の特性を改良するように制御されることができる。例えば、50マイクロ秒を下回る、例えば、比較的に短いパルス幅を伴う電圧パルスを送達することは、比較的に高い振幅の負圧を伴う音響圧力波を生じさせることができる。増加させられた負圧は、治療部位からの病変および破片の一掃を促進し得る負の吸い込み力のような力を提供することができる。1つ以上の例では、電圧パルスは、比較的に低い周波数、例えば、30~40Hz、40~50Hz、または50Hzを上回る周波数において電極対を横断して送達されることができる。同様に、1つ以上の例では、電圧パルスは、比較的に短いパルス幅、例えば、2~20マイクロ秒のパルス幅、約5マイクロ秒のパルス幅、約10マイクロ秒のパルス幅、または2マイクロ秒未満を有し、高い負圧を有する音響圧力波を生じさせることができる。
【0130】
上で議論されるように、衝撃波および/またはキャビテーション気泡が、電極対を横断して伝送される電圧パルスによって発生させられるにつれて、電極表面は、電極間のアーク放電領域においてゆっくり浸食され得る。図23は、任意の浸食の前の図17の例示的電極アセンブリ200の斜視図を図示する。上で言及されるように、初期アーク放電領域は、概して、電極対の電極間の最小抵抗の経路に位置することができる。図23を参照すると、平坦なコイル220と伝導性シース222と(すなわち、電極)の間の最小抵抗の経路は、平坦なコイル220と伝導性シース222との間の間隙が最短であり、絶縁シース240によって妨げられない場所であろう。図23に示されるように、初期アーク放電領域は、従って、平坦なコイル220の遠位端221と伝導性シース222の遠位側端223との間に位置することができる。
【0131】
電極アセンブリ200に電圧を印加することによる衝撃波および/またはキャビテーション気泡の繰り返される発生は、次いで、電極が初期アーク放電領域に近接して浸食されることを引き起こし得る。これは、図17の電極アセンブリ200の電極の浸食プロセスの拡大された詳細図を図示する、図24Aおよび図24Bにより明確に示される。図24Aに示されるように、伝導性シース222の遠位側端223は、伝導性シース222の遠位側端223が平坦なコイル220の遠位端221に最も近いアーク放電領域において浸食され始めている。1つ以上の例では、浸食は、平坦なコイル220上で始まる前、伝導性シース222上で始まるであろう。例えば、図24Aに示されるように、伝導性シース222の遠位縁223が浸食され始めているが、平坦なコイル220の遠位端221は、浸食され始めていない。しかしながら、図24Aに示されるように、平坦なコイル220の遠位端221は、浸食され始めている。従って、伝導性シース222の遠位側端223の浸食は、浸食が、平坦なコイル220上で始まる前、伝導性シース222上で始まったので、(図24Bに可視であるように)平坦なコイル220の遠位端221の浸食に対してより広くあり得る。
【0132】
1つ以上の例では、絶縁シース240も、電極アセンブリ200への電圧の印加に基づいて浸食されるであろう。図24Aに示されるように、絶縁シース240の遠位縁241は、伝導性シース222の遠位側端223の浸食後に始まった。しかしながら、絶縁シース240が、伝導性シース222が浸食され始める前に浸食され始め得ることが想定される。伝導性シース222および絶縁シース240が浸食されるにつれて、浸食は、遠位端221の一部として図24Aに示されるように、平坦なコイル220の外側表面227を露出することができる。1つ以上の例では、絶縁シース240の浸食は、平坦なコイル220の浸食が始まることを可能にすることができる。平坦なコイル220の外側表面227の露出は、アーク放電領域がシフトすることを可能にすることができ、平坦なコイルの遠位端221の間で進行するのではなく、アーク放電領域は、平坦なコイル220の外側表面227と伝導性シース222の遠位側端223との間で進行し得る。しかしながら、1つ以上の例では、シフトするのではなく、アーク放電領域は、拡張し得る。すなわち、アーク放電領域は、平坦なコイルの露出された領域全体(遠位端221と露出された外側表面227との両方を含む)と、伝導性シース222の遠位側端223との間で進行し得る。
【0133】
浸食が、平坦なコイル220の遠位端221を摩滅させ始めるにつれて、アーク放電領域は、平坦なコイル220のコイルを辿るように進行することができる。すなわち、1つ以上の例では、アーク放電領域は、コイルが浸食されるにつれて、平坦なコイル220の端部を辿ることができる。図24Bに見られるように、平坦なコイル220の進行性浸食は、露出された外側表面227の領域が完全に浸食され、従って、もはや存在しなくなることにつながり得る;当然、劣化が継続するにつれて、露出された外側表面227のさらなる領域が、周期的に露出され、次いで、浸食され得る。従って、電極アセンブリ200の電極のうちの一方としての平坦なコイル220の包含は、電極の浸食が、平坦なコイル220を辿る半制御された予測可能な方法において進行することを可能にすることができる。この浸食進行は、図25Aおよび25Bに示され、図25Aは、初期浸食が始まった後の電極アセンブリ200を図示し、図25Bは、広範な浸食が生じた後の電極アセンブリを図示する。さらに、平坦なコイル220の材料の存在によって制御される浸食は、伝導性シース222の円周の周囲で進行する比較的により均等または均一な浸食パターンを提供することができる。
【0134】
図25Aに示されるように、伝導性シース222および絶縁シース240の浸食は、平坦なコイル220の端部の近傍の初期アーク放電領域において始まっているが、平坦なコイル220の浸食は、まだ始まっていない。対照的に、図25Bは、遠位側端223における伝導性シース222と遠位側端241における絶縁シース240との両方の変形させられた形状によって図示される広範な浸食を描写する。図25Aに対して、図25Bに示される平坦なコイル220は、平坦なコイル220の巻き全体を除去するように浸食されている(その端部は、それがコイルの巻きに沿って浸食されいるので、もはや見えない)。
【0135】
上で議論されるように、回路では、電流が、概して、正に帯電した源から負に帯電した源に流動することができる。さらに、電圧源の正および負端子は、ワイヤ230および232を介して平坦なコイル220および伝導性シース222に接続されることができる。1つ以上の例では、平坦なコイル220が負端子に接続され、伝導性シース222が正端子に接続される場合、浸食は、最初に、伝導性シース222上で始まることができる。代替として、平坦なコイル220が正端子に接続され、伝導性シース222が負端子に接続される例では、浸食は、最初に、平坦なコイル222上で始まり得る。故に、(例えば、「極性切り替え」とも称される、正または負端子に接続される電極を取り替えることによって)電極アセンブリの極性を逆転させることは、電流がアーク放電領域を横断して反対方向に流動することを引き起こすことができる。電流流動の方向を改変することは、電極アセンブリ200のどの電極が大部分の浸食を経験するかに影響を及ぼすことができる。
【0136】
1つ以上の例では、電極間の表面積の差異は、デバイスの最長寿命に影響を及ぼすことができる。第2の電極に対してより大きい表面積を伴う第1の電極は、より小さい第2の電極より多くの浸食に耐えることが可能であり得る。図17に明白であるように、伝導性シース222は、平坦なコイル220を上回る表面積を有する。従って、1つ以上の例では、浸食が主として伝導性シース222上で生じるように電極アセンブリ200を設計することは、浸食が主として平坦なコイル220上で生じた場合より長い治療を実施することが可能な電極アセンブリ200を可能にし得る。
【0137】
1つ以上の例では、電極アセンブリ200等の電極アセンブリの使用可能な寿命は、治療手技中に電極の極性を1回以上切り替えることによって延長されることができる。例えば、米国特許第10,226,265号は、手技中に電流流動の方向を切り替えるために、電極対を横断して印加される電圧パルスの極性を切り替えることを説明している。前に説明されるように、電圧源の正端子に接続される電極は、概して、負端子または接地に接続される電極と比較して、増加させられた浸食を経験し得る。故に、手技中に電極アセンブリの極性を切り替えることは、ユーザが電極対の各電極の表面における相対的浸食を制御することを可能にすることができる。治療手技の過程にわたって、極性切り替えは、電極対の両方の電極を横断して浸食をより均等に分散させるために使用され、電極アセンブリの使用可能な寿命を増加させることができる。
【0138】
1つ以上の例では、電極アセンブリ200は、上記極性切り替え技法を実装するカテーテルにおいて使用されることができる。極性切り替えは、外部電圧源および電極アセンブリと電気接続するコントローラ、例えば、極性切り替え回路および/または多重化装置を使用して実行されることができる。上で議論されるように、電極アセンブリ200に接続される外部電圧源は、ワイヤ230および232を横断して一連の高電圧パルスを選択的に送達し、電極を横断する特定の方向に(すなわち、正電極から負電極に)電流を流動させるように構成されることができる。従って、1つ以上の例では、コントローラが、電極の極性を改変することによって、電極アセンブリ200の電極(例えば、伝導性シース222および平坦なコイル220)を横断する電流流動の方向を制御するように構成されることができる。1つ以上の例では、コントローラは、規定された持続時間後、またはある数のパルス後、極性を切り替えるように構成されることができる。例えば、電極アセンブリの極性は、規定された分数後、規定された秒数後、毎電圧パルス後、規定された数のパルス後等に切り替えられることができる。
【0139】
1つ以上の例では、コントローラは、コントローラと電気接続するセンサからの読み取り値に基づいて、極性を改変するように構成され得る。例えば、センサは、電流流動、電圧パルス幅、電圧パルスと衝撃波またはキャビテーション気泡の開始との間の時間、電極のうちの1つ以上の温度、および機能的カテーテルの他のそのような測定可能なパラメータおよび特性等の動作パラメータを測定するように構成され得る。コントローラは、所与のパラメータが所定の閾値を超えることに基づいて、極性を改変するように構成され得る。1つ以上の例では、センサは、電極を横断する電流流動を測定することができ、コントローラは、電流が事前定義された閾値(例えば、電極浸食のため、電流流動が減少していることを示す閾値)を下回ると、電極アセンブリの極性を自動的に切り替えることができる。1つ以上の例では、センサは、電極に近接して温度を測定することができ、コントローラは、電流が事前定義された閾値(例えば、電極の温度が標的動作ステータスを上回ることを示す閾値)を超えると、電極アセンブリへの電流流動を自動的に一時停止または終了することができる。コントローラは、測定されたパラメータが、終了閾値を上回るとき、またはそれより低いとき、電圧パルスの送達を終了するように構成されることもできる。1つ以上の例では、終了閾値は、エラーモードまたは望ましくない動作条件を示すことができる。
【0140】
1つ以上の例では、電極アセンブリ200は、動脈疾患に関連付けられる脈管の中の石灰化病変等の身体管腔の中の閉塞(例えば、病変)を治療するために、カテーテルと共に使用されることができる。上で説明されるように、電極アセンブリ200は、電極アセンブリ200の電極(例えば、伝導性シース222および平坦なコイル220)を横断する電圧の印加に応答して、1つ以上の衝撃波および/またはキャビテーション気泡を発生させるように構成されることができる。カテーテル内に設置されると、電極アセンブリ200によって生成された衝撃波および/またはキャビテーション気泡は、治療面積内の閉塞に向かって方向づけられることができ、上で説明されるように閉塞を分解し始めることができる。
【0141】
図26は、1つ以上の実施形態による、例示的カテーテル201の遠位端の斜視図を図示する。カテーテル201は、細長い管260等の環状カテーテル本体を含むことができる。細長い管260は、成形されたポリマー材料等の硬質または半硬質材料から形成されることができる。図26に示されるように、カテーテル201は、細長い管260内でカテーテル201の遠位端に搭載された電極アセンブリ200を含む。1つ以上の例では、電極アセンブリ200は、上で説明されるようなものであり得、細長い管260内に搭載された伝導性シースと、伝導性シース内で円周に搭載された絶縁シースと、絶縁シースの内側表面上に配置された平坦なコイルとを含むことができる。(電極アセンブリの代替実装は、例えば、図示されるような平坦なコイル電極の代わりに、円筒形内側電極を使用して、本明細書に説明されるような他の構造を有することができる。)従って、1つ以上の例では、カテーテル201は、電圧パルスが電極アセンブリ100の平坦なコイルおよび伝導性シースを横断して印加され、上で説明されるようなアーク放電領域を生成すると、1つ以上の衝撃波および/またはキャビテーション気泡を治療部位に送達するように構成されることができる。
【0142】
図26に示されるように、カテーテル201は、いくつかの吸引ポート266と、流体管腔252、吸引管腔254、および随意に、ガイドワイヤ管腔256とも含む。ガイドワイヤ管腔256は、身体空洞または管腔内にカテーテル201を位置付けるために使用され得るガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されることができる。カテーテル201を位置付けるために、ガイドワイヤが、ガイドワイヤ管腔256を通して挿入され、治療部位に近接してカテーテル201の細長い管260を配置するために使用されることができる。1つ以上の例では、カテーテル201は、(例えば、カテーテルアセンブリの迅速交換実装のために)ガイドワイヤ管腔256なしで構成されることができる。
【0143】
カテーテル201の管腔は、図27Aにより明確に示され、図27Aは、図27Bに示される切断平面を横断して切断されたカテーテル201等の例示的カテーテルの遠位端の左側面断面図を図示し、図27Bは、カテーテルの遠位端の正面図を図示する。
【0144】
1つ以上の例では、流体管腔252は、カテーテル本体の長さに沿って、カテーテル201の遠位端における流体流出ポート262を通して流体を流動させるために構成されることができる。吸引管腔254は、カテーテル201の遠位端における流体流入ポート264を通して、および/または図26に示される吸引ポート266を通して、治療部位から破片を受け取るように構成されることができる。1つ以上の例では、カテーテル201は、内向き吸い込みを提供することができ、内向き吸い込みは、流体が吸引管腔254の中に引き込まれることを引き起こし、かつ、カテーテル201が流体管腔252を介して流体を供給し、吸引管腔254を介して流体を除去することによって治療部位を通して流体を循環させることをさらに可能にする。例えば、図27Aに示されるように、矢印は、流体流出ポート262を通してカテーテル201から退出し(矢印F1)、その後、流体流入ポート264(矢印F2)および吸引ポート266(矢印F3)のうちの1つ以上においてカテーテルに進入し、最終的に、カテーテル201の近位端に至るまで戻る流体流動を図示する。
【0145】
図27Aに示されるように、電極アセンブリ200は、カテーテル201の流体管腔252内に搭載される。1つ以上の例では、流体管腔252を通して運搬される流体は、伝導性流体であり得る。従って、1つ以上の例では、流体管腔252を通して流動する伝導性流体は、カテーテル201から退出する前、電極アセンブリを通して流動する。伝導性流体は、電流が平坦なコイル220と伝導性シース222との間で流動するための経路を提供し、それによって、治療中の衝撃波および/またはキャビテーション気泡の発生を可能にすることができる。1つ以上の例では、生成された衝撃波および/またはキャビテーション気泡は、カテーテル201の流体流出ポート262から外に、治療場所に向かって流動することができる。
【0146】
図28Aおよび28Bは、湾曲した遠位先端421を伴う内部コイル状電極420を有する例示的電極アセンブリ400および450の斜視図を図示する。図25Aおよび25Bに示される実施形態と同様、内部コイル電極420(ここでは平坦なコイルとして示される)は、絶縁層440と共に円筒形外側電極422(代替として、伝導性シースと称される)内に位置付けられ、絶縁層440は、円筒形外側電極422と内部コイル電極420との間にある。第1の絶縁ワイヤ430が、内部コイル電極420と電気的に接続され、第2の絶縁ワイヤ432が、円筒形外側電極422と電気的に接続される。図25Aおよび25Bに示される実施形態と対照的に、湾曲した遠位先端421は、同心円筒形外側電極422および絶縁層440の円周内で最初に中心に置かれるように曲げられている。気泡浸食が、スパークが電極を横断して進行する場所で生じるので、図25Aおよび25Bの実施形態において、その浸食は、平坦なコイルの遠位端および縁が位置する外側電極の縁において開始するであろう。故に、コイルの遠位端が円筒の縁に位置する状態で、浸食は、中心から外れた位置において開始するであろう。図28Aおよび28Bでは、内部コイル状電極420の湾曲した遠位先端421は、初期スパーク間隙場所を円筒形電極アセンブリの中心に移動させ、それは、円筒形外側電極422の比較的に均等な浸食を導くことをさらに支援することができる。さらに、電極アセンブリ400の中心に対してスパークおよび発生させられた衝撃波を開始することは、電極アセンブリによって形成されたキャビテーション気泡を整列させ、それらを中心に置くことができる。気泡形成の中心に置かれた場所がカテーテル全体の中心線または縦方向軸と整列させられることは、衝撃波治療を送達することにおけるさらなる精度を提供することができる。
【0147】
図28Aの電極アセンブリ400と図28Bの電極アセンブリ450との間の差異は、内部コイル電極420がどのように位置付けられているかの差異である。電極アセンブリ400を伴う図28Aでは、内部コイル電極420は、円筒形外側電極422の遠位縁と同一平面(またはほぼ同一平面)である。電極アセンブリ450を伴う図28Bでは、内部コイル電極420は、絶縁層440内で、円筒形外側電極422の遠位縁から離れてある距離奥まった所に置かれている。内部コイル電極420が奥まった所に置かれている深さは、内部コイル電極420の1つ、2つ、3つ、または3つ以上の巻きの幅に等しくあり得る。図28Bの実施形態において、スパーク間隙および後続衝撃波の奥まった場所は、絶縁層440および円筒形外側電極422によって画定されるような電極アセンブリ450の管腔のバレル内に少なくとも部分的にある気泡形成につながることができる。故に、その管腔内に形成されたキャビテーション気泡の拡張は、主として、電極アセンブリ450の遠位端の外に方向づけられ、気泡および衝撃波治療に対応する方向性を授ける。
【0148】
内部コイル電極420の浸食は、最終的に、円筒壁に向かって進行するであろうが、初期スパークおよび気泡形成の中心に置かれた場所は、衝撃波発生および治療のサイクル全体を通して継続する効果を有し得る。言い換えると、残留電位、事前の気泡形成に追従する流体力学等の物理的因子に起因して、湾曲した遠位先端421が、完全に浸食され、内部コイル電極420の浸食される遠位端が絶縁層440の内壁と並ぶであろうにもかかわらず、後続気泡も、カテーテル全体の中心線と整列させられた中心に置かれた場所において形成され得る。
【0149】
図29は、外部コイル状電極522と、固体管内部電極520とを有し、それらの間に絶縁層540を伴う例示的電極アセンブリ500の斜視図を図示する。本実施形態において、第1の絶縁ワイヤ530が、外部コイル状電極522に電気的に接続され、第2の絶縁ワイヤ532が、固体管内部電極520に電気的に接続される。本明細書に記述されるように、極性切り替えを実装するとき、固体円筒形要素が主として電圧源の正端子に接続される電極であることが、デバイス全体の最長寿命のために有利であり得る。ここで示されるように、固体管内部電極520の円筒形伝導性要素が、相補的電極として外部コイル状電極522の平坦なコイルと対にされたとき、固体管内部電極520が正端子としての機能を果たす電流を受け取る頻度の比率は、その固体円筒形要素が外部コイル状電極522より熱くなることにつながることができる。故に、電圧源の正端子に接続するワイヤ(この実装では、第2の絶縁ワイヤ532である)は、固体管内部電極520と電気連通するように移動され、それによって、デバイスの熱を局所化および制御する。外部コイル状電極522および固体管内部電極520の浸食および対応する衝撃波および気泡形成は、図17等における本明細書に説明される実施形態を反映することができる。
【0150】
図30は、外部時計回りコイル状電極622と、内部反時計回りコイル状電極620とを有する例示的電極アセンブリ600の斜視図を図示する。本実施形態において、絶縁層640が、2つのコイル状電極間に位置付けられ、第1の絶縁ワイヤ630が、内部反時計回りコイル状電極620に接続され、第2の絶縁ワイヤ632が、外部時計回りコイル状電極622に接続される。反対方向に捻じられた2つのコイルの使用は、スパーク位置および衝撃波形成の場所における一貫性を維持するようにさらに働く。この実装では、電流は、内部コイル遠位先端621と外部コイル遠位先端623との間の距離の間を横断して進行し、浸食は、主として、これらの場所において生じるであろう。外部時計回りコイル状電極622および内部反時計回りコイル状電極620の各々が劣化させられるにつれて、それぞれの外部コイル遠位先端623および内部コイル遠位先端621は、浸食され、それらの間の絶縁層640の円周の周囲で移動するであろう。外部コイル遠位先端623と内部コイル遠位先端621との間の距離は、各要素の浸食が進行するにつれて変動するであろうが、その距離は、絶縁層640の直径を上回らないであろう。故に、平均して、浸食が進行すると、内部コイル遠位先端621と外部コイル遠位先端623との間のスパーク間隙距離は、所望の範囲内に維持されるであろう。さらに、各電極がそれらのそれぞれの遠位先端が劣化させられるコイルであるので、この実装は、電極の片側または片面で発達する恒久的浸食バイアスのリスクを回避することができる。代替実装では、外部コイル電極が反時計回り方向に巻かれ得、内部コイル電極が時計回り方向に巻かれ得ることが容易に理解されるであろう。
【0151】
図31Aは、浸食制御間隙729が外側電極722の表面の周囲にあるパターンにおいて配置された外側電極722を有する例示的電極アセンブリ700の斜視図を図示する。この実装では、内側電極は、最初に中心に置かれるように曲げられた湾曲した遠位先端721を有する平坦なコイル720であり、絶縁層740が、平坦なコイル720と外側電極722との間で層にされる。第1の絶縁ワイヤ730が、外側電極722に電気的に接続され、第2の絶縁ワイヤが、平坦なコイル720に電気的に接続される。図2に記述されるように、丸められたハイポチューブとして製造される円筒形電極は、多くの場合、鋭い縁または角が存在する場所においてアーク放電する傾向がある電流を有し、従って、浸食は、丸められたハイポチューブ材料の継目に沿って追跡する傾向があるであろう。鋭い縁に向かってアーク放電する電流の傾向を利用して、図31Aに示されるような電極アセンブリ700の実装は、外側電極722が浸食されるにつれて、外側電極遠位縁723の全周の周囲に電流のアークを引き込むために、浸食制御間隙729を使用する。具体的に、外側電極722の浸食が、電極アセンブリ700の遠位端から近位端に進行するにつれて、外側電極遠位縁723が電極アセンブリ700の長さに沿って近位方向に戻るように浸食されることに対応して、外側電極722における最前方の浸食制御間隙729は、電流がそれに向かってアーク放電し、スパークを発生させるための点としてさらされるようになるであろう。故に、外側電極722の浸食の場所は、浸食制御間隙729の最遠位のさらされた鋭い縁に制限されることができる。
【0152】
外側電極遠位縁723の浸食が継続するにつれて、かつ最前方の浸食制御間隙729が劣化させられるにつれて、異なる(比較的に近接する)浸食制御間隙729が、さらされるようになり、スパーク間隙および電流アーク放電のためのより短い距離を提示するであろう。従って、スパーキングおよび浸食の場所は、その後にさらされる浸食制御間隙729の鋭い縁に向かう傾向があるであろう。その後に浸食制御間隙729の周囲の材料が劣化させられるにつれて、電流アーク放電のための最短距離は、以前の浸食制御間隙729または外側電極における異なるさらなに後の浸食制御間隙729に戻ることができる。浸食制御間隙729の構造の使用によって外側電極遠位縁723の異なるエリアにスパーク間隙の場所を誘導することによって、外側電極722の全体的劣化パターンは、比較的に均等なものとして維持され、それによって、外側電極722の不均等な浸食からもたらされる方向的バイアスまたは他の物理的故障リスクを回避することができる。
【0153】
浸食制御間隙729は、それぞれ、長楕円形形状を有するものとして図示されるが、他の側面では、浸食制御間隙729は、円形形状、長方形形状、三角形形状、菱形形状、湾曲した円弧、他の幾何学的形状、またはそれらの組み合わせを有することができる。いくつかの側面では、浸食制御間隙729は、外側電極722の完全な厚さを通過する。他の側面では、浸食制御間隙729は、外側電極722の厚さを途中までしか通過しない。浸食制御間隙729のパターンは、図31Aに示されるような交互する列において互いに対して角度付けられることができる。代替実施形態において、浸食制御間隙729は、互いに平行な角度においてパターン化されること、グリュイエールパターンにおいて配置されること、外側電極722の長さに沿って視認されると、回転的にオフセットされたリングとしてパターン化されること、または、別様に規則的パターンにおいて配置されることができる。浸食制御間隙729は、当技術分野で公知であるようなレーザ切断プロセス等によって、外側電極722において形成されることができる。本明細書に説明される内側に位置する電極のうちのいずれかが外側電極722と組み合わせて使用され得ることが、容易に理解されるはずである。
【0154】
図31B-31Eは、図31Aに示されるような切り抜きパターン化における浸食制御間隙729を有する外側電極722に関する電極劣化の例示的進行を図示する。浸食領域713の進行は、外側電極722を劣化させており、最前方の浸食制御間隙729の大部分を消費し、外側電極722の長さに沿って後続浸食制御間隙729’に到達しているものとして図31Bに示される。図31Cでは、浸食領域713は、次の後続浸食制御間隙729’近くで外側電極の円周の周囲で比較的に横方向に(図では右向きに)広がっている。図31Dでは、浸食領域713は、浸食制御間隙729’の周囲で同様に浸食され続けながら、次の後続浸食制御間隙729’’近くで外側電極の円周の周囲で比較的に横方向に(図では左向きに)広がり続けている。最後、図31Dでは、浸食制御領域713は、略均等な方法において外側電極722を劣化させ続け、浸食制御間隙729’および729’’の周囲で電極材料を比較的に等しく浸食している。故に、外側電極722における浸食制御間隙729は、スパーキングおよびキャビテーション気泡形成に起因する劣化の通常の過程にわたって不均等かつ不規則な形状の電極縁の発達を防止する。
【0155】
上で説明される種々の外側に位置する電極の代替実施形態において、継目のないハイポチューブが、それぞれの電極の不均等な浸食をもたらし得る電流アーク放電を最小化するために使用されることができる。さらに、上で記載される実施形態において、内部または外部場所内に位置付けられる種々の円筒形またはコイル状電極のために使用される金属または合金が、ステンレス鋼、白金、パラジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、銅、またはそれらの組み合わせ等の耐浸食性材料から作製され得ることを理解されたい。
【0156】
(実験例)
【0157】
図32A-32Hは、特に、図17を参照して本明細書に説明されるような電極アセンブリの作用を捕捉する画像またはグラフの対にされた組である。具体的に、図32A-32Hの各々は、前方方向性蒸気気泡を発生させる例示的電極アセンブリを示す高速ビデオからの捕捉された画像を示す。そのような前方方向性蒸気気泡を発生させる電極アセンブリに関する経時的な(μ秒)平均圧力測定値(MPa単位)を表示するグラフが、各画像と対にされている。圧力測定は、エミッタ場所から約10mmに位置するハイドロフォンによって行われた。上記に記述されるように、エミッタに近い(約1mm)圧力は、エミッタの端部から10mm遠方のハイドロフォンにおいて測定された圧力を約1桁上回る。各グラフ内に示される黒丸は、関連付けられる画像における測定および画像捕捉の時間に対応する。
【0158】
図32Aは、電極アセンブリの遠位端における初期スパークを示し、この開始点(ゼロマイクロ秒付近)において測定された圧力は、約0.25MPaである。図32Bは、図32Aのスパーク発生の直後の瞬間を示し、圧力は、約0.0MPaの直ぐ下まで低下する。図32Cは、スパーク発生後の100μ秒を超えた時点の初期気泡の形成を示し、この時点で測定された圧力は、約0.0MPa付近に留まる。図32Dは、約300μ秒における気泡破壊および崩壊の始まりを示し、この時点で測定された圧力は、約0.8MPaの直ぐ上でピークになる。図32Eは、約325μ秒における気泡崩壊の継続を示し、この時点で測定された圧力は、約-0.1MPaまで低下する。図32Fは、約440μ秒における初期気泡の放散を示し、この時点で測定された圧力は、再び約0.0MPaである。図32Gは、約480μ秒において生じる、初期気泡の拡張および崩壊の流体力学的力によって駆動された二次気泡の形成を示し、この時点で測定された圧力は、約0.3MPaの二次ピークにある。図32Hは、スパーク発生後の約550μ秒における二次気泡の放散を示し、この時点で測定された圧力は、再び約0.0MPaである。
【0159】
図32A-32Hから理解されるように、本明細書に説明されるような例示的電極アセンブリは、前方方向性を有する衝撃波およびキャビテーション気泡を発生させることが完全に可能である。電圧パルスが印加された後、正圧スパイクが、(例えば、図32Dにおけるように)発生させられ、その後、負圧スパイクが、(例えば、図32Eにおけるように)発生させられる。さらに、これらの衝撃波および気泡によって発生させられる強度および圧力は、IVL療法を実装するために十分であり、アブレーション生体内プロセスにおけるさらなる用途を有し得る。例示的電極アセンブリの観察された結果は、IVLの従来の理解に沿っており、初期および二次気泡の両方が、それらのそれぞれの圧力で発生させられる。前方発射方向性用途では、初期および二次気泡の両方は、組織または他の生体内構造に療法を送達するために両が機能的であるピーク圧力を生じさせるように最適化されることができる。
【0160】
本明細書に説明される電極アセンブリおよびカテーテルデバイスは、主として、脈管の中の病変等の冠動脈適応症の文脈において議論されているが、本明細書の電極アセンブリおよびカテーテルは、様々な適応症のために使用されることができる。例えば、類似する設計は、癌および腫瘍(すなわち、非熱アブレーション方法)、血餅、子宮筋腫、包嚢、器官、瘢痕および線維性組織除去、または他の組織破壊および除去等の軟質組織を治療するために使用され得る。電極アセンブリおよびカテーテル設計は、神経刺激治療、標的化薬物送達、身体管腔の中の腫瘍(例えば、血管、食道、腸、胃、または膣内の腫瘍)の治療、創傷治療、組織の非外科的除去および破壊のためにも使用され得るか、または静脈不全および卵管結紮(すなわち、恒久的な女性の避妊のため)のための熱治療または焼灼の代わりにも使用され得る。さらに、本明細書に説明される電極アセンブリおよびカテーテルは、組織工学方法のためにも、例えば、新しい細胞(例えば、外因性または内因性細胞)が古い細胞に取って代わり得る生体活性足場を生成するための機械的組織脱細胞化のためにも使用され、部位に多孔性を導入し、細胞保持、細胞浸潤/遊走、および栄養素およびシグナル伝達分子の拡散を改善し、細胞置換療法と同様に血管新生、細胞増殖、および組織再生を促進し得る。そのような組織工学方法は、虚血性心疾患、線維性肝臓、線維性腸、および外傷性脊髄傷害(SCI)を治療するために有用であり得る。例えば、脊髄傷害の治療に関して、本明細書に説明されるデバイスおよびアセンブリは、再生するように脊髄ニューロンを遺伝子工学的に操作するために、レンチウイルスを装填された抗炎症性ヒドルゲルの注入の前、ニューロン再接続に関する障壁のように作用する瘢痕化した脊髄組織の除去を促進し得る。
【0161】
本明細書および図面全体を通して例証される例示的カテーテルの要素および特徴が、本発明から逸脱することなく、再配置され、再び組み合わせられ、修正され得ることに留意されたい。例えば、本明細書および図面は、いくつかの例示的電極アセンブリを説明および例証するが、本開示は、様々な電極構成を有するカテーテルを含むことを意図している。さらに、電極対およびアセンブリの数、設置、および間隔は、本主題の発明から逸脱することなく、修正されることができる。
【0162】
前述が、本発明の原理の例証にすぎず、種々の修正、改変、および組み合わせが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって行われ得ることを理解されたい。本明細書に開示される種々のカテーテルの変形例のうちのいずれかは、任意の他のカテーテルまたは本明細書のカテーテルの組み合わせによって説明される特徴を含むことができる。さらに、方法のうちのいずれかは、開示されるカテーテルのうちのいずれかと共に使用されることができる。故に、本発明が、添付される請求項によるものを除いて、限定されることを意図していない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
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図19
図20
図21A
図21B
図22
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図24A
図24B
図25A
図25B
図26
図27A
図27B
図28A
図28B
図29
図30
図31A
図31B
図31C
図31D
図31E
図32-1】
図32-2】
図32-3】
図32-4】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図25A
図25B
図26
図27A
図27B
図28
図29
図30
図31-1】
図31-2】
図32-1】
図32-2】
図32-3】
図32-4】
【国際調査報告】