(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置とその制御方法、制御装置及び読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20241108BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20241108BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20241108BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531523
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-27
(86)【国際出願番号】 CN2022129155
(87)【国際公開番号】W WO2023103654
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111498340.8
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】尹坤任
(72)【発明者】
【氏名】梁峰
(72)【発明者】
【氏名】杜靖
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC01
4B162AC21
4B162AC27
4B162AC33
4B162AC34
4B162AD08
4B162AD12
4B162AD22
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(100)とその制御方法、制御装置及び読み取り可能な記憶媒体において、エアロゾル発生装置(100)は、霧化室(122)を含むハウジング(120)と、ハウジング(120)に接続されて、霧化室(122)内にマイクロ波を供給するために用いられるマイクロ波モジュール(140)と、霧化室(122)に設けられて、霧化室(122)のフィードバック電圧値を収集するために用いられる電圧収集モジュール(160)と、電圧収集モジュール(160)に接続されて、フィードバック電圧値に基づきマイクロ波モジュール(140)の目標動作周波数を決定するために用いられるコントローラ(180)、を含む。これにより、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となる。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
霧化室を含むハウジングと、
前記ハウジングに接続されて、前記霧化室内にマイクロ波を供給するために用いられるマイクロ波モジュールと、
前記霧化室に設けられて、前記霧化室のフィードバック電圧値を収集するために用いられる電圧収集モジュールと、
前記電圧収集モジュールに接続されて、前記フィードバック電圧値に基づき前記マイクロ波モジュールの目標動作周波数を決定するために用いられるコントローラ、を含む装置。
【請求項2】
前記電圧収集モジュールは、
前記ハウジングの内壁に設けられる給電点と、
第1端子が給電点に接続され、第2端子が前記コントローラに接続されるフィルタモジュール、を含む請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記フィルタモジュールは、
第1端子が前記給電点に接続され、第2端子がグランドに接続されるダイオードと、
第1端子が前記ダイオードの第1端子に接続され、第2端子が前記ダイオードの第2端子に接続されるものであって、前記コントローラに接続されるフィルタ回路、を含み、
前記ダイオードの第2端子から第1端子まで導通する請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記フィルタモジュールは、
第1端子が前記給電点に接続されるダイオードと、
第1端子が前記ダイオードの第2端子に接続され、第2端子がグランドに接続されるものであって、前記コントローラに接続されるフィルタ回路、を含み、
前記ダイオードの第1端子から第2端子まで導通する請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記フィルタ回路は、コンデンサフィルタ回路、抵抗-コンデンサフィルタ回路、インダクタ-コンデンサフィルタ回路のうちのいずれか又は組み合わせを含む請求項3又は4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記給電点は、
前記霧化室の底壁に設けられる貫通孔であって、孔壁に前記フィルタモジュールが接続される貫通孔、又は、
前記霧化室の内壁に設けられる導電リングであって、前記霧化室の底壁に近接しており、前記フィルタモジュールが接続される導電リング、又は
第1端子が前記霧化室の底壁に接続され、第2端子が前記フィルタモジュールに接続されるリード線、を含む請求項2~4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
エアロゾル発生装置の制御方法であって、
前記エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含み、前記エアロゾル発生装置の制御方法は、
設定周波数範囲内で掃引動作を行うよう前記マイクロ波モジュールを制御すること、
前記マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、前記電圧収集モジュールにより前記霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集すること、
前記複数のフィードバック電圧値に基づき前記設定周波数範囲内の目標周波数を決定すること、
前記目標周波数に従って動作するよう前記マイクロ波モジュールを制御すること、を含む方法。
【請求項8】
上記の前記フィードバック電圧値に基づき前記設定周波数範囲内の目標周波数を決定することは、更に、
前記複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値を取得すること、
前記最大電圧値に基づいて、前記最大電圧値に対応する前記設定周波数範囲内の前記目標周波数を決定すること、を含む請求項7に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項9】
上記の設定周波数範囲内で掃引動作を行うよう前記マイクロ波モジュールを制御することは、
設定周波数範囲内の第1周波数で動作を開始するよう前記マイクロ波モジュールを制御すること、
前記動作周波数が前記設定周波数範囲内の第2周波数に達するまで、第1設定時間長ごとに、設定調整値で前記マイクロ波モジュールの動作周波数を調整すること、を含む請求項7に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項10】
前記マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、前記電圧収集モジュールにより前記霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集することは、
マイクロ波モジュールが動作している状態で、前記第1設定時間長ごとに前記霧化室の前記フィードバック電圧値を収集することを含む請求項9に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項11】
上記の前記目標周波数に従って動作するよう前記マイクロ波モジュールを制御したあと、更に、
マイクロ波モジュールが前記目標周波数に従って第2設定時間長に達するまで動作した場合、設定周波数範囲内で掃引動作を行うよう前記マイクロ波モジュールを制御するステップに戻り、動作停止命令を受信するまで実行することを含む請求項7~10のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御方法。
【請求項12】
エアロゾル発生装置の制御装置であって、
前記エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含み、前記エアロゾル発生装置の制御装置は、
設定周波数範囲内で掃引動作を行うよう前記マイクロ波モジュールを制御するための制御モジュールと、
前記マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、前記電圧収集モジュールにより前記霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集するための収集モジュールと、
前記複数のフィードバック電圧値に基づき前記設定周波数範囲内の目標周波数を決定するための決定モジュール、を含み、
前記制御モジュールは、更に、前記目標周波数に従って動作するよう前記マイクロ波モジュールを制御するために用いられる装置。
【請求項13】
エアロゾル発生装置の制御装置であって、
プログラム又は命令が記憶されているメモリと、
前記メモリに記憶されているプログラム又は命令を実行することで請求項7~11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ、を含む装置。
【請求項14】
読み取り可能な記憶媒体であって、
プログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される際に、上記請求項7~11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置の制御方法のステップが実現される読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
エアロゾル発生装置であって、
請求項12又は13に記載のエアロゾル発生装置の制御装置、及び/又は、
請求項14に記載の読み取り可能な記憶媒体、を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月9日に中国国家知識産権局に提出された出願番号「202111498340.8」、出願の名称「エアロゾル発生装置とその制御方法、制御装置及び読み取り可能な記憶媒体」の中国特許出願の優先権を請求するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電子タバコの技術分野に属し、具体的には、エアロゾル発生装置とその制御方法、制御装置及び読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
非燃焼・加熱(Heat Not Burning,HNB)装置は、加熱装置にエアロゾル発生基質(処理済みの植物の葉系製品)を組み合わせた複合デバイスである。外部の加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生し得るが燃焼には至らない温度まで高温加熱することで、非燃焼を前提に、ユーザが所望するエアロゾルをエアロゾル発生基質により発生可能とする。
【0004】
現在、市販されている非燃焼・加熱器具は、主に抵抗加熱方式を採用している。即ち、中心発熱チップ又は発熱ピン等をエアロゾル発生基質の中心からエアロゾル発生基質の内部に挿入することで加熱する。このような器具は、使用前に予熱等が必要なため待機時間が長く、吸入と停止を自在に行うことができない。且つ、エアロゾル発生基質が不均一に炭化し、エアロゾル発生基質のベーキングが不十分となるため、利用率が低い。また、HNB器具の発熱チップは、エアロゾル発生基質の取り出し装置や発熱チップベースに汚れを生じさせやすく、クリーニングが難しい。且つ、発熱体と接触する部分のエアロゾル発生基質の温度が上昇しすぎ、部分的に分解が発生することで、人体に有害な物質が放出される。そのため、抵抗加熱方式に代わって、マイクロ波加熱技術が徐々に新たな加熱方式となっている。マイクロ波加熱技術は、効率的、迅速、選択的及び加熱に遅延がないとの特性を有し、特定の誘電特性を持つ物質についてのみ加熱効果を有する。マイクロ波加熱による霧化を採用する際の応用上の利点としては、以下が挙げられる。
【0005】
a.マイクロ波加熱は放射加熱であり、熱伝達ではないため、即時吸入、即時停止を実現可能である。
【0006】
b.加熱チップを有さないため、チップ折れや、発熱チップのクリーニングの問題が存在しない。
【0007】
c.エアロゾル発生基質の利用率が高く、吸い心地の一致性が高くなり、吸い心地が一段とタバコに近似する。
【0008】
従来技術において、エアロゾル発生装置は、いずれもサーキュレータで定在波比を検出する方式でマイクロ波モジュールの最適な周波数点を特定している。しかし、サーキュレータは体積が大きいため、エアロゾル発生装置の小型化設計を達成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本願の第1の局面ではエアロゾル発生装置を提供する。
【0011】
本願の第2の局面では、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。
【0012】
本願の第3の局面では、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。
【0013】
本願の第4の局面では、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。
【0014】
本願の第5の局面では、読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0015】
本願の第6の局面では、エアロゾル発生装置を提供する。
【0016】
上記に鑑みて、本願の第1の局面に基づき、霧化室を含むハウジングと、ハウジングに接続されて、霧化室内にマイクロ波を供給するために用いられるマイクロ波モジュールと、霧化室に設けられて、霧化室のフィードバック電圧値を収集するために用いられる電圧収集モジュールと、電圧収集モジュールに接続されて、フィードバック電圧値に基づきマイクロ波モジュールの目標動作周波数を決定するために用いられるコントローラ、を含むエアロゾル発生装置を提供する。
【0017】
本願が提供するエアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。霧化室の室壁構造における電流のフィードバック電圧値は、電圧収集モジュールにより収集可能である。電圧収集モジュールはフィードバック電圧値をコントローラに伝送する。コントローラは、フィードバック電圧値の大きさに基づき、霧化室の室壁におけるエネルギーの大きさを判断可能である。
【0018】
具体的には、マイクロ波モジュールが掃引動作を行う際に、電圧収集モジュールは、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラは、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュールの掃引動作が完了すると、コントローラは複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうち最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数が霧化室の共振周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュールを制御すれば、マイクロ波モジュールを最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0019】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波発生モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュールが周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュールを制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0020】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0021】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づき霧化モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0022】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0023】
可能な設計において、電圧収集モジュールは、ハウジングの内壁に設けられる給電点と、第1端子が給電点に接続され、第2端子がコントローラに接続されるフィルタモジュール、を含む。
【0024】
当該設計において、電圧収集モジュールは給電点及びフィルタモジュールを含む。また、ハウジングの内壁に給電点が設けられる。即ち、霧化室の内部空間に給電点が設けられる。霧化室の内側壁における電圧信号は給電点により収集される。電圧信号は、フィルタモジュールにより濾波されてコントローラに伝送される。これにより、コントローラは、給電点を通じて霧化室のフィードバック電圧値を収集可能となる。
【0025】
マイクロ波が霧化室内に供給された場合には、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流が発生する。本願では、霧化室内に給電点を設けることで、霧化室の室壁におけるフィードバック電圧値の収集を実現する。
【0026】
可能な設計において、フィルタモジュールは、第1端子がダイオードの第1端子に接続され、第2端子がダイオードの第2端子に接続されるものであって、コントローラに接続されるフィルタ回路、を含む。また、ダイオードの第2端子から第1端子まで導通する。
【0027】
当該設計において、フィルタモジュールはダイオード及びフィルタ回路を含む。ダイオードは整流ダイオードであり、霧化室の内壁の電流は直流信号に整流される。また、フィルタ回路により直流信号を濾波し、濾波された直流信号がコントローラに送信される。コントローラは、濾波された直流信号を受信することで、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を特定可能である。
【0028】
具体的に、ダイオードはフィルタ回路と並列である。ダイオードの第1端子はダイオードの負極である。ダイオードの負極は給電点に接続され、ダイオードの正極はグランドに接続される。また、コントローラは整流回路に接続される。霧化室の室壁における負の電流のフィードバック電圧値は、ダイオードの負極により収集可能である。
【0029】
本願では、ダイオードとフィルタ回路を並列に設け、ダイオードの負極を給電点に接続することで、フィルタモジュールが給電点を通じて霧化室の室壁における負の電流のフィードバック電圧値を収集できるようにしている。
【0030】
可能な設計において、フィルタモジュールは、第1端子が給電点に接続されるダイオードと、第1端子がダイオードの第2端子に接続され、第2端子がグランドに接続されるものであって、コントローラに接続されるフィルタ回路、を含む。また、ダイオードの第1端子から第2端子まで導通する。
【0031】
当該設計において、フィルタモジュールはダイオード及びフィルタ回路を含む。ダイオードは整流ダイオードであり、霧化室の内壁の電流は直流信号に整流される。また、フィルタ回路により直流信号を濾波し、濾波された直流信号がコントローラに送信される。コントローラは、濾波された直流信号を受信することで、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を特定可能である。
【0032】
具体的に、ダイオードはフィルタ回路と直列である。ダイオードの第1端子はダイオードの正極である。ダイオードの正極は給電点に接続され、ダイオードの負極は整流回路を介してコントローラに接続される。霧化室の室壁における正の電流のフィードバック電圧値は、ダイオードの正極により収集可能である。
【0033】
本願では、ダイオードとフィルタ回路を直列に設け、ダイオードの正極を給電点に接続することで、フィルタモジュールが給電点を通じて霧化室の室壁における正の電流のフィードバック電圧値を収集できるようにしている。
【0034】
可能な設計において、フィルタ回路は、コンデンサフィルタ回路、抵抗-コンデンサフィルタ回路、インダクタ-コンデンサフィルタ回路のうちのいずれか又は組み合わせを含む。
【0035】
当該設計では、フィルタ回路としてDCフィルタ回路を選択し、具体的には、コンデンサフィルタ回路、抵抗-コンデンサフィルタ回路(RC)、インダクタ-コンデンサフィルタ回路(LC)うちの1つ又は組み合わせを選択可能である。
【0036】
いくつかの実施例では、フィルタ回路としてインダクタ-コンデンサフィルタ回路を選択し、ダイオードとインダクタ-コンデンサフィルタ回路を直列とする。
【0037】
これらの実施例において、ダイオードの第1端子は給電点に接続され、ダイオードの第2端子は直列のインダクタ及びコンデンサに接続される。また、コンデンサはコントローラに接続され、コンデンサ及びコントローラの共通端子はグランドに接続される。ダイオードは、第1端子から第2端子まで導通する。霧化室の室壁における電流は、ダイオードにより整流されたあと直流電流信号となる。直流電流信号は、インダクタ-コンデンサフィルタ回路により濾波されたあとコントローラに伝送される。コントローラは、直流電流信号を処理することでフィードバック電圧値を取得可能である。
【0038】
可能な設計において、給電点は、霧化室の底壁に設けられる貫通孔であって、孔壁にフィルタモジュールが接続される貫通孔、又は、霧化室の内壁に設けられる導電リングであって、霧化室の底壁に近接しており、フィルタモジュールが接続される導電リング、又は、第1端子が霧化室の底壁に接続され、第2端子がフィルタモジュールに接続されるリード線、を含む。
【0039】
当該設計において、給電点は選択可能に複数の形式とされる。当該形式には、貫通孔、導電リング及びリード線が含まれるが、これらに限らない。
【0040】
いくつかの実施例では、給電点を貫通孔とし、霧化室の底壁位置に貫通孔を開設する。フィルタモジュールのサンプリング端子は貫通孔の孔壁に接続されて、霧化室の底壁における貫通孔の孔壁位置のフィードバック電圧値を収集する。
【0041】
別のいくつかの実施例では、給電点を導電リングとする。具体的には、導電リングとして銅リングを選択してもよい。導電リングは霧化室の内側壁に設けられる。且つ、導電リングは、霧化室の底壁に近接する位置に設けられる。フィルタモジュールのサンプリング端子は導電リングに接続される。導電リングは霧化室の室壁位置に設けられる。導電リングは、室壁の電流をフィルタモジュールに流すことができる。これにより、導電リングを通じて霧化室の室壁のフィードバック電圧値が収集される。
【0042】
本願の第2の局面に基づき、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含む。エアロゾル発生装置の制御方法は、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御すること、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集すること、複数のフィードバック電圧値に基づき設定周波数範囲内の目標周波数を決定すること、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御すること、を含む。
【0043】
本願で提供するエアロゾル発生装置の制御方法は、エアロゾル発生装置を制御する。エアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。
【0044】
エアロゾル発生基質が霧化室内に位置している状況で、設定周波数範囲内で掃引動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。マイクロ波モジュールが掃引動作を行う過程では、電圧収集モジュールにより霧化室の室壁における複数のフィードバック電圧値を収集し続ける。理解し得るように、複数のフィードバック電圧値は、マイクロ波モジュールの掃引動作過程における複数の動作周波数に対応している。よって、複数のフィードバック電圧値を分析処理することで、設定周波数範囲内の目標周波数を取得可能である。そして、目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を加熱により霧化する。
【0045】
理解し得るように、掃引過程でフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。目標周波数は、無線周波数範囲内でキャビティの共振周波数に最も近い動作周波数である。即ち、マイクロ波モジュールの動作過程における最適な周波数点である。目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようエアロゾル発生装置を制御することで、霧化室内でのエアロゾル発生基質の霧化効率を向上させられる。
【0046】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0047】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づき霧化モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0048】
本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置の制御方法は、更に、以下の技術的特徴を有してもよい。
【0049】
可能な設計において、フィードバック電圧値に基づき設定周波数範囲内の目標周波数を決定することは、更に、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値を取得すること、最大電圧値に基づいて、最大電圧値に対応する設定周波数範囲内の目標周波数を決定すること、を含む。
【0050】
当該設計では、マイクロ波モジュールが掃引動作を行う際に、電圧収集モジュールは、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラは、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュールの掃引動作が完了すると、コントローラは複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。
【0051】
理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数が無線周波数範囲内の目標周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュールを制御すれば、マイクロ波モジュールを最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0052】
可能な設計において、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御することは、設定周波数範囲内の第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御すること、動作周波数が設定周波数範囲内の第2周波数に達するまで、第1設定時間長ごとに、設定調整値でマイクロ波モジュールの動作周波数を調整すること、を含む。
【0053】
当該設計では、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、設定周波数範囲内の比較的低い第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、設定周波数範囲内の第2周波数に調整されるまで、第1設定時間長が経過するごとに、動作周波数を設定調整値に調整して動作するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0054】
理解し得るように、第1周波数は第2周波数よりも大きい。或いは、第1周波数は第2周波数よりも小さい。即ち、マイクロ波モジュールは、掃引動作過程において、設定周波数範囲内で低周波数から高周波数へ上昇させつつ動作してもよいし、設定周波数範囲内で高周波数から低周波数へ低下させつつ動作してもよい。
【0055】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波発生モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュールが周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュールを制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0056】
本願では、第1設定時間長が経過するごとに、マイクロ波モジュールの動作周波数が設定調整値に調整されるよう制御することで、マイクロ波モジュールが、動作周波数ごとに、霧化室内にマイクロ波を供給するだけの十分な時間長を有するようにする。これにより、複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の複数の動作周波数との対応性が向上するため、目標周波数の取得精度が向上する。
【0057】
可能な設計において、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集することは、マイクロ波モジュールが動作している状態で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を収集することを含む。
【0058】
当該設計では、掃引動作の過程で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を1回収集する。そして、フィードバック電圧値を収集した時間と、マイクロ波モジュールの掃引動作過程で動作周波数を調整した時間とを対応付けることで、収集した複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の動作周波数を一対一で対応付け可能とする。このことは、その後、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に基づいて正確な目標周波数を検索するのに都合がよい。
【0059】
いくつかの実施例において、電圧収集モジュールは霧化室のフィードバック電圧値を検出し続け、第1設定時間長ごとにその時点のフィードバック電圧値を記録する。
【0060】
別のいくつかの実施例において、電圧収集モジュールは、第1設定時間長ごとに、その時点のフィードバック電圧値を検出して記録する。
【0061】
可能な設計において、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、更に、マイクロ波モジュールが目標周波数に従って第2設定時間長に達するまで動作した場合、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻り、動作停止命令を受信するまで実行することを含む。
【0062】
当該設計では、目標周波数を決定したあと、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御してから、再度、掃引動作を行って目標周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻って実行する。エアロゾル発生装置内のエアロゾル発生基質はマイクロ波モジュールの動作に伴い熱を受けて霧化されるため、霧化室のエアロゾル発生基質に変化が生じて、霧化室の共振周波数を変化させる。よって、本願では、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、目標周波数の検索に再び戻って実行することで、マイクロ波モジュールが動作する際の目標周波数の継続的な更新を実現する。これにより、エアロゾル発生装置内のマイクロ波モジュールが長時間にわたり最適な周波数点で動作し得るよう保証して、エアロゾル発生装置によるエアロゾル生成基質の霧化効果を向上させる。
【0063】
本願の第3の局面では、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含む。エアロゾル発生装置の制御装置は、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するための制御モジュールと、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集するための収集モジュールと、複数のフィードバック電圧値に基づき設定周波数範囲内の目標周波数を決定するための決定モジュール、を含む。決定モジュールは、更に、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御するために用いられる。
【0064】
本願で提供するエアロゾル発生装置の制御装置は、エアロゾル発生装置を制御する。エアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。
【0065】
エアロゾル発生基質が霧化室内に位置している状況で、設定周波数範囲内で掃引動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。マイクロ波モジュールが掃引動作を行う過程では、電圧収集モジュールにより霧化室の室壁における複数のフィードバック電圧値を収集し続ける。理解し得るように、複数のフィードバック電圧値は、マイクロ波モジュールの掃引動作過程における複数の動作周波数に対応している。よって、複数のフィードバック電圧値を分析処理することで、設定周波数範囲内の目標周波数を取得可能である。そして、目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を加熱により霧化する。
【0066】
理解し得るように、掃引過程でフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。目標周波数は、無線周波数範囲内でキャビティの共振周波数に最も近い動作周波数である。即ち、マイクロ波モジュールの動作過程における最適な周波数点である。目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようエアロゾル発生装置を制御することで、霧化室内でのエアロゾル発生基質の霧化効率を向上させられる。
【0067】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0068】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づき霧化モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0069】
本願の第4の局面では、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。当該制御装置は、プログラム又は命令が記憶されているメモリと、メモリに記憶されているプログラム又は命令を実行することで上記第2の局面におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ、を含む。従って、上記第2の局面におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない
【0070】
本願の第5の局面では、読み取り可能な記憶媒体を提供する。読み取り可能な記憶媒体にはプログラム又は命令が記憶されている。プログラム又は命令がプロセッサにより実行される際に、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップが実現される。従って、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0071】
本願の第6の局面では、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、上記第3の局面及び/又は第4の局面におけるエアロゾル発生装置の制御装置、及び/又は、上記第5の局面における読み取り可能な記憶媒体を含む。よって、上記のエアロゾル発生装置の制御装置及び/又は読み取り可能な記憶媒体の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【発明の効果】
【0072】
本願の付加的な局面及び利点については、以下に記載する部分で明らかとなるか、本願の実践を通じて理解される。
【0073】
本願の上記及び/又は付加的な局面及び利点については、下記の図面を組み合わせた実施例の記載から明らかとなり、且つ容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】
図1は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造図を示す。
【
図2】
図2は、本願の第1の実施例におけるフィルタモジュールの概略
図1を示す。
【
図3】
図3は、本願の第1の実施例におけるフィルタモジュールの概略
図2を示す。
【
図4】
図4は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート1を示す。
【
図5】
図5は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート2を示す。
【
図6】
図6は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート3を示す。
【
図7】
図7は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略図を示す。
【
図8】
図8は、本願の第3の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置の概略ブロック図を示す。
【
図9】
図9は、本願の第4の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置の概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本願における上記の目的、特徴及び利点がより明瞭に理解され得るよう、以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本願につき更に詳細に述べる。説明すべき点として、矛盾しない場合には、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0076】
以下の記載では、本願が十分に理解されるよう、多くの具体的詳細事項について詳述するが、本願は、ここで記載するものとは異なるその他の方式で実施してもよい。従って、本願の保護の範囲は以下で開示する具体的実施例に制限されない。
【0077】
以下に、
図1~
図9を参照して、本願のいくつかの実施例に基づくエアロゾル発生装置、エアロゾル発生装置の制御方法、エアロゾル発生装置の制御装置及び読み取り可能な記憶媒体について記載する。
【実施例1】
【0078】
図1に示すように、本願の第1の実施例では、ハウジング120、霧化室122、マイクロ波モジュール140、電圧収集モジュール160及びコントローラ180を含むエアロゾル発生装置100を提供する。
【0079】
ハウジング120内には霧化室122が設けられている。
【0080】
マイクロ波モジュール140は、ハウジング120に接続されて、霧化室122内にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0081】
電圧収集モジュール160は、霧化室122に設けられて、霧化室122のフィードバック電圧値を収集するために用いられる。
【0082】
コントローラ180は、電圧収集モジュール160に接続されて、フィードバック電圧値に基づきマイクロ波モジュール140の目標動作周波数を決定するために用いられる。
【0083】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置100は、ハウジング120、マイクロ波モジュール140、電圧収集モジュール160及びコントローラ180を含む。ハウジング120内には霧化室122が設けられており、霧化室122内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュール140はハウジング120に取り付けられる。マイクロ波モジュール140は霧化室122内にマイクロ波を供給可能である。霧化室122内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュール140から供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュール140が発生させるマイクロ波は、霧化室122の共振特性によって、霧化室122の室壁構造に電流を発生させる。霧化室122の室壁構造における電流のフィードバック電圧値は、電圧収集モジュール160により収集可能である。電圧収集モジュール160はフィードバック電圧値をコントローラ180に伝送する。コントローラ180は、フィードバック電圧値の大きさに基づき、霧化室122の室壁におけるエネルギーの大きさを判断可能である。
【0084】
具体的には、マイクロ波モジュール140が掃引動作を行う際に、電圧収集モジュール160は、霧化室122の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラ180は、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュール140の掃引動作が完了すると、コントローラ180は複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうち最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室122内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数が霧化室122の共振周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュール140を制御すれば、マイクロ波モジュール140を最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置100によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0085】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波発生モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュール140が周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュール140を制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室122内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュール140を制御する。
【0086】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0087】
本実施例では、霧化室122内に、霧化室122の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュール160を設けている。これにより、コントローラ180は、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室122内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュール140が動作する際の最適な周波数点である霧化室122の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づき霧化モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置100によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュール140の最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室122内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュール160は、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置100の動作効率が保証される。
【0088】
そのほか、本実施例に基づき提供する上記技術方案のエアロゾル発生装置100は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0089】
図1に示すように、上記いずれかの実施例において、電圧収集モジュール160は給電点162及びフィルタモジュール164を含む。
【0090】
給電点162はハウジング120の内壁に設けられる。
【0091】
フィルタモジュール164の第1端子は給電点162に接続され、フィルタモジュール164の第2端子はコントローラ180に接続される。
【0092】
本実施例において、電圧収集モジュール160は給電点162及びフィルタモジュール164を含む。また、ハウジング120の内壁に給電点162が設けられる。即ち、霧化室122の内部空間に給電点162が設けられる。霧化室122の内側壁における電圧信号は給電点162により収集される。電圧信号は、フィルタモジュール164により濾波されてコントローラ180に伝送される。これにより、コントローラ180は、給電点162を通じて霧化室122のフィードバック電圧値を収集可能となる。
【0093】
マイクロ波が霧化室122内に供給された場合には、霧化室122の共振特性によって、霧化室122の室壁構造に電流が発生する。本実施例では、霧化室122内に給電点162を設けることで、霧化室122の室壁におけるフィードバック電圧値の収集を実現する。
【0094】
図2に示すように、上記いずれかの実施例において、フィルタモジュール164はダイオード1642及びフィルタ回路1644を含む。
【0095】
ダイオード1642の第1端子は給電点162に接続され、ダイオード1642の第2端子はグランドに接続される。
【0096】
フィルタ回路1644の第1端子はダイオード1642の第1端子に接続され、フィルタ回路1644の第2端子はダイオード1642の第2端子に接続される。また、フィルタ回路1644はコントローラ180に接続される。
【0097】
この場合には、ダイオード1642の第2端子から第1端子まで導通する。
【0098】
本実施例において、フィルタモジュール164はダイオード1642及びフィルタ回路1644を含む。ダイオード1642は整流ダイオード1642であり、霧化室122の内壁の電流は直流信号に整流される。また、フィルタ回路1644により直流信号を濾波し、濾波された直流信号がコントローラ180に送信される。コントローラ180は、濾波された直流信号を受信することで、霧化室122の室壁のフィードバック電圧値を特定可能である。
【0099】
具体的に、ダイオード1642はフィルタ回路1644と並列である。ダイオード1642の第1端子はダイオード1642の負極である。ダイオード1642の負極は給電点162に接続され、ダイオード1642の正極はグランドに接続される。また、コントローラ180は整流回路に接続される。霧化室122の室壁における負の電流のフィードバック電圧値は、ダイオード1642の負極により収集可能である。
【0100】
本実施例では、ダイオード1642とフィルタ回路1644を並列に設け、ダイオード1642の負極を給電点162に接続することで、フィルタモジュール164が給電点162を通じて霧化室122の室壁における負の電流のフィードバック電圧値を収集できるようにしている。
【0101】
図3に示すように、上記いずれかの実施例において、フィルタモジュール164はダイオード1642及びフィルタ回路1644を含む。
【0102】
ダイオード1642の第1端子は給電点162に接続される。
【0103】
フィルタ回路1644の第1端子はダイオード1642の第2端子に接続され、フィルタ回路1644の第2端子はグランドに接続される。また、フィルタ回路1644はコントローラ180に接続される。
【0104】
この場合には、ダイオード1642の第1端子から第2端子まで導通する。
【0105】
本実施例において、フィルタモジュール164はダイオード1642及びフィルタ回路1644を含む。ダイオード1642は整流ダイオード1642であり、霧化室122の内壁の電流は直流信号に整流される。また、フィルタ回路1644により直流信号を濾波し、濾波された直流信号がコントローラ180に送信される。コントローラ180は、濾波された直流信号を受信することで、霧化室122の室壁のフィードバック電圧値を特定可能である。
【0106】
具体的に、ダイオード1642はフィルタ回路1644と直列である。ダイオード1642の第1端子はダイオード1642の正極である。ダイオード1642の正極は給電点162に接続され、ダイオード1642の負極は整流回路を介してコントローラ180に接続される。霧化室122の室壁における正の電流のフィードバック電圧値は、ダイオード1642の正極により収集可能である。
【0107】
本実施例では、ダイオード1642とフィルタ回路1644を直列に設け、ダイオード1642の正極を給電点162に接続することで、フィルタモジュール164が給電点162を通じて霧化室122の室壁における正の電流のフィードバック電圧値を収集できるようにしている。
【0108】
上記いずれかの実施例において、フィルタ回路1644は、コンデンサフィルタ回路1644、抵抗-コンデンサフィルタ回路1644、インダクタ-コンデンサフィルタ回路1644のうちのいずれか又は組み合わせを含む。
【0109】
本実施例では、フィルタ回路1644としてDCフィルタ回路1644を選択し、具体的には、コンデンサフィルタ回路1644、抵抗-コンデンサフィルタ回路1644(RC)、インダクタ-コンデンサフィルタ回路1644(LC)うちの1つ又は組み合わせを選択可能である。
【0110】
いくつかの実施例では、フィルタ回路1644としてインダクタ-コンデンサフィルタ回路1644を選択し、ダイオード1642とインダクタ-コンデンサフィルタ回路1644を直列とする。
【0111】
これらの実施例において、ダイオード1642の第1端子は給電点162に接続され、ダイオード1642の第2端子は直列のインダクタ及びコンデンサに接続される。また、コンデンサはコントローラ180に接続され、コンデンサ及びコントローラ180の共通端子はグランドに接続される。ダイオード1642は、第1端子から第2端子まで導通する。霧化室122の室壁における電流は、ダイオード1642により整流されたあと直流電流信号となる。直流電流信号は、インダクタ-コンデンサフィルタ回路1644により濾波されたあとコントローラ180に伝送される。コントローラ180は、直流電流信号を処理することでフィードバック電圧値を取得可能である。
【0112】
上記いずれかの実施例において、給電点162は、霧化室122の底壁に設けられる貫通孔を含む。フィルタモジュール164は貫通孔の孔壁に接続される。
【0113】
或いは、給電点162は、霧化室122の内壁に設けられる導電リングを含む。導電リングは霧化室122の底壁に近接しており、フィルタモジュール164は導電リングに接続される。
【0114】
或いは、給電点162は、リード線を含む。リード線の第1端子は霧化室122の底壁に接続され、リード線の第2端子はフィルタモジュール164に接続される。
【0115】
本実施例において、給電点162は選択可能に複数の形式とされる。当該形式には、貫通孔、導電リング及びリード線が含まれるが、これらに限らない。
【0116】
いくつかの実施例では、給電点162を貫通孔とし、霧化室122の底壁位置に貫通孔を開設する。フィルタモジュール164のサンプリング端子は貫通孔の孔壁に接続されて、霧化室122の底壁における貫通孔の孔壁位置のフィードバック電圧値を収集する。
【0117】
別のいくつかの実施例では、給電点162を導電リングとする。具体的には、導電リングとして銅リングを選択してもよい。導電リングは霧化室122の内側壁に設けられる。且つ、導電リングは、霧化室122の底壁に近接する位置に設けられる。フィルタモジュール164のサンプリング端子は導電リングに接続される。導電リングは霧化室122の室壁位置に設けられる。導電リングは、室壁の電流をフィルタモジュール164に流すことができる。これにより、導電リングを通じて霧化室122の室壁のフィードバック電圧値が収集される。
【実施例2】
【0118】
図4に示すように、本願の第2の実施例では、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。
【0119】
エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含む。
【0120】
エアロゾル発生装置の制御方法は、以下を含む。
【0121】
ステップ402:設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。
【0122】
ステップ404:マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集する。
【0123】
ステップ406:複数のフィードバック電圧値に基づき、設定周波数範囲内の目標周波数を決定する。
【0124】
ステップ408:目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0125】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置の制御方法は、エアロゾル発生装置を制御する。エアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。
【0126】
エアロゾル発生基質が霧化室内に位置している状況で、設定周波数範囲内で掃引動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。マイクロ波モジュールが掃引動作を行う過程では、電圧収集モジュールにより霧化室の室壁における複数のフィードバック電圧値を収集し続ける。理解し得るように、複数のフィードバック電圧値は、マイクロ波モジュールの掃引動作過程における複数の動作周波数に対応している。よって、複数のフィードバック電圧値を分析処理することで、設定周波数範囲内の目標周波数を取得可能である。そして、目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を加熱により霧化する。
【0127】
理解し得るように、掃引過程でフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。目標周波数は、無線周波数範囲内でキャビティの共振周波数に最も近い動作周波数である。即ち、マイクロ波モジュールの動作過程における最適な周波数点である。目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようエアロゾル発生装置を制御することで、霧化室内でのエアロゾル発生基質の霧化効率を向上させられる。
【0128】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0129】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づき霧化モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0130】
図5に示すように、上記いずれかの実施例において、フィードバック電圧値に基づき設定周波数範囲内の目標周波数を決定することは、更に、以下を含む。
【0131】
ステップ502:複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値を取得する。
【0132】
ステップ504:最大電圧値に基づいて、最大電圧値に対応する設定周波数範囲内の目標周波数を決定する。
【0133】
本実施例では、マイクロ波モジュールが掃引動作を行う際に、電圧収集モジュールは、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラは、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュールの掃引動作が完了すると、コントローラは複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。
【0134】
理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数が無線周波数範囲内の目標周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュールを制御すれば、マイクロ波モジュールを最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0135】
図6に示すように、上記いずれかの実施例において、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御することは、以下を含む。
【0136】
ステップ602:設定周波数範囲内の第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0137】
ステップ604:動作周波数が設定周波数範囲内の第2周波数に達するまで、第1設定時間長ごとに、設定調整値でマイクロ波モジュールの動作周波数を調整する。
【0138】
本実施例では、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、設定周波数範囲内の比較的低い第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、設定周波数範囲内の第2周波数に調整されるまで、第1設定時間長が経過するごとに、動作周波数を設定調整値に調整して動作するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0139】
理解し得るように、第1周波数は第2周波数よりも大きい。或いは、第1周波数は第2周波数よりも小さい。即ち、マイクロ波モジュールは、掃引動作過程において、設定周波数範囲内で低周波数から高周波数へ上昇させつつ動作してもよいし、設定周波数範囲内で高周波数から低周波数へ低下させつつ動作してもよい。
【0140】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波発生モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュールが周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュールを制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0141】
本願では、第1設定時間長が経過するごとに、マイクロ波モジュールの動作周波数が設定調整値に調整されるよう制御することで、マイクロ波モジュールが、動作周波数ごとに、霧化室内にマイクロ波を供給するだけの十分な時間長を有するようにする。これにより、複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の複数の動作周波数との対応性が向上するため、目標周波数の取得精度が向上する。
【0142】
上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集することは、マイクロ波モジュールが動作している状態で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を収集することを含む。
【0143】
本実施例では、掃引動作の過程で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を1回収集する。そして、フィードバック電圧値を収集した時間と、マイクロ波モジュールの掃引動作過程で動作周波数を調整した時間とを対応付けることで、収集した複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の動作周波数を一対一で対応付け可能とする。このことは、その後、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に基づいて正確な目標周波数を検索するのに都合がよい。
【0144】
いくつかの実施例において、電圧収集モジュールは霧化室のフィードバック電圧値を検出し続け、第1設定時間長ごとにその時点のフィードバック電圧値を記録する。
【0145】
別のいくつかの実施例において、電圧収集モジュールは、第1設定時間長ごとに、その時点のフィードバック電圧値を検出して記録する。
【0146】
上記いずれかの実施例では、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、更に、マイクロ波モジュールが目標周波数に従って第2設定時間長に達するまで動作した場合、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻り、動作停止命令を受信するまで実行することを含む。
【0147】
本実施例では、目標周波数を決定したあと、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御してから、再度、掃引動作を行って目標周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻って実行する。エアロゾル発生装置内のエアロゾル発生基質はマイクロ波モジュールの動作に伴い熱を受けて霧化されるため、霧化室のエアロゾル発生基質に変化が生じて、霧化室の共振周波数を変化させる。よって、本願では、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、目標周波数の検索に再び戻って実行することで、マイクロ波モジュールが動作する際の目標周波数の継続的な更新を実現する。これにより、エアロゾル発生装置内のマイクロ波モジュールが長時間にわたり最適な周波数点で動作し得るよう保証して、エアロゾル発生装置によるエアロゾル生成基質の霧化効果を向上させる。
【0148】
図7に示すように、マイクロ波モジュールの制御過程では、フィードバック電圧値の閉ループ制御によりマイクロ波モジュールの動作を制御する。
【0149】
コントローラは、キャビティのフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。そして、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波がマイクロ波増幅器及びカプラを通過したあと霧化室内に供給される。
【実施例3】
【0150】
図8に示すように、本願の第3の実施例では、エアロゾル発生装置の制御装置800を提供する。エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含む。
【0151】
エアロゾル発生装置の制御装置は、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するための制御モジュール802と、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集するための収集モジュール804と、複数のフィードバック電圧値に基づき、設定周波数範囲内の目標周波数を決定するための決定モジュール806、を含む。制御モジュール802は、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御するために用いられる。
【0152】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置の制御装置は、エアロゾル発生装置を制御する。エアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。
【0153】
エアロゾル発生基質が霧化室内に位置している状況で、設定周波数範囲内で掃引動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。マイクロ波モジュールが掃引動作を行う過程では、電圧収集モジュールにより霧化室の室壁における複数のフィードバック電圧値を収集し続ける。理解し得るように、複数のフィードバック電圧値は、マイクロ波モジュールの掃引動作過程における複数の動作周波数に対応している。よって、複数のフィードバック電圧値を分析処理することで、設定周波数範囲内の目標周波数を取得可能である。そして、目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を加熱により霧化する。
【0154】
理解し得るように、掃引過程でフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。目標周波数は、無線周波数範囲内でキャビティの共振周波数に最も近い動作周波数である。即ち、マイクロ波モジュールの動作過程における最適な周波数点である。目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようエアロゾル発生装置を制御することで、霧化室内でのエアロゾル発生基質の霧化効率を向上させられる。
【0155】
関連技術では、定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0156】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づき霧化モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0157】
上記いずれかの実施例において、エアロゾル発生装置の制御装置は、更に、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値を取得するための取得モジュールを含む。
【0158】
決定モジュール806は、更に、最大電圧値に基づいて、最大電圧値に対応する設定周波数範囲内の目標周波数を決定するために用いられる。
【0159】
本実施例では、マイクロ波モジュールが掃引動作を行う際に、電圧収集モジュールは、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラは、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュールの掃引動作が完了すると、コントローラは複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。
【0160】
理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数が無線周波数範囲内の目標周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュールを制御すれば、マイクロ波モジュールを最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0161】
上記いずれかの実施例において、制御モジュール802は、更に、設定周波数範囲内の第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御するために用いられる。
【0162】
制御モジュール802は、更に、動作周波数が設定周波数範囲内の第2周波数に達するまで、第1設定時間長ごとに、設定調整値でマイクロ波モジュールの動作周波数を調整するために用いられる。
【0163】
本実施例では、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、設定周波数範囲内の比較的低い第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、設定周波数範囲内の第2周波数に調整されるまで、第1設定時間長が経過するごとに、動作周波数を設定調整値に調整して動作するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0164】
理解し得るように、第1周波数は第2周波数よりも大きい。或いは、第1周波数は第2周波数よりも小さい。即ち、マイクロ波モジュールは、掃引動作過程において、設定周波数範囲内で低周波数から高周波数へ上昇させつつ動作してもよいし、設定周波数範囲内で高周波数から低周波数へ低下させつつ動作してもよい。
【0165】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波発生モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュールが周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュールを制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0166】
本願では、第1設定時間長が経過するごとに、マイクロ波モジュールの動作周波数が設定調整値に調整されるよう制御することで、マイクロ波モジュールが、動作周波数ごとに、霧化室内にマイクロ波を供給するだけの十分な時間長を有するようにする。これにより、複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の複数の動作周波数との対応性が向上するため、目標周波数の取得精度が向上する。
【0167】
上記いずれかの実施例において、収集モジュール804は、更に、マイクロ波モジュールが動作している状態で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を収集するために用いられる。
【0168】
本実施例では、掃引動作の過程で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を1回収集する。そして、フィードバック電圧値を収集した時間と、マイクロ波モジュールの掃引動作過程で動作周波数を調整した時間とを対応付けることで、収集した複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の動作周波数を一対一で対応付け可能とする。このことは、その後、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に基づいて正確な目標周波数を検索するのに都合がよい。
【0169】
上記いずれかの実施例において、制御モジュール802は、更に、マイクロ波モジュールが目標周波数に従って第2設定時間長に達するまで動作した場合、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻り、動作停止命令を受信するまで実行するために用いられる。
【0170】
本実施例では、目標周波数を決定したあと、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御してから、再度、掃引動作を行って目標周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻って実行する。エアロゾル発生装置内のエアロゾル発生基質はマイクロ波モジュールの動作に伴い熱を受けて霧化されるため、霧化室のエアロゾル発生基質に変化が生じて、霧化室の共振周波数を変化させる。よって、本願では、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、目標周波数の検索に再び戻って実行することで、マイクロ波モジュールが動作する際の目標周波数の継続的な更新を実現する。これにより、エアロゾル発生装置内のマイクロ波モジュールが長時間にわたり最適な周波数点で動作し得るよう保証して、エアロゾル発生装置によるエアロゾル生成基質の霧化効果を向上させる。
【実施例4】
【0171】
図9に示すように、本願の第4の実施例では、エアロゾル発生装置の制御装置900を提供する。当該制御装置900は、プログラム又は命令が記憶されているメモリ902と、メモリ902に記憶されているプログラム又は命令を実行することで、上記実施例のうちのいずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ904、を含む。従って、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【実施例5】
【0172】
本願の第5の実施例では、読み取り可能な記憶媒体を提供する。読み取り可能な記憶媒体にはプログラムが記憶されており、プログラムがプロセッサにより実行される際に上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法が実現される。よって、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有する。
【0173】
読み取り可能な記憶媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等である。
【実施例6】
【0174】
本願の第6の実施例では、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、上記実施例3及び/又は実施例4におけるエアロゾル発生装置の制御装置、及び/又は、上記実施例5における読み取り可能な記憶媒体を含む。よって、上記のエアロゾル発生装置の制御装置及び/又は読み取り可能な記憶媒体の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0175】
エアロゾル発生装置は、更に、霧化室、マイクロ波発生装置、コントローラ及び電圧収集装置を含む。コントローラは、キャビティのフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。そして、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波がマイクロ波増幅器及びカプラを通過したあと霧化室内に供給される。
【0176】
明確にすべき点として、本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「複数の」との用語は、2つ又は2つ以上を意味する。また、別途明確に限定している場合を除き、「上」、「下」等の用語が示す方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本願をより記載しやすくし、且つ記載過程を更に簡便にするためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が、記載した特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するためのものではない。よって、これらの記載は、本願を制約するものと解釈すべきではない。また、「接続する」、「取り付ける」、「固定する」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、複数の対象間の固定的な接続であってもよいし、複数の対象間の取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよい。且つ、複数の対象間の直接的な連なりであってもよいし、複数の対象間の中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、上記用語の具体的状況に基づき、本願における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0177】
本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的実施例」等の用語による記載は、その実施例又は例示を組み合わせて記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、上記用語についての概略的記載は、必ずしも同一の実施例又は事例を示すとは限らない。且つ、記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせ可能である。
【0178】
以上は本願の好ましい実施例にすぎず、本願を制限するものではない。当業者にとって、本願には各種の変更及び変形が存在し得る。本願の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本願の保護の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0179】
100 エアロゾル発生装置
120 ハウジング
122 霧化室
140 マイクロ波モジュール
160 電圧収集モジュール
162 給電点
164 フィルタモジュール
1642 ダイオード
1644 フィルタ回路
180 コントローラ
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月9日に中国国家知識産権局に提出された出願番号「202111498340.8」、出願の名称「エアロゾル発生装置とその制御方法、制御装置及び読み取り可能な記憶媒体」の中国特許出願の優先権を請求するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電子タバコの技術分野に属し、具体的には、エアロゾル発生装置とその制御方法、制御装置及び読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
非燃焼・加熱(Heat Not Burning,HNB)装置は、加熱装置にエアロゾル発生基質(処理済みの植物の葉系製品)を組み合わせた複合デバイスである。外部の加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生し得るが燃焼には至らない温度まで高温加熱することで、非燃焼を前提に、ユーザが所望するエアロゾルをエアロゾル発生基質により発生可能とする。
【0004】
現在、市販されている非燃焼・加熱器具は、主に抵抗加熱方式を採用している。即ち、中心発熱チップ又は発熱ピン等をエアロゾル発生基質の中心からエアロゾル発生基質の内部に挿入することで加熱する。このような器具は、使用前に予熱等が必要なため待機時間が長く、吸入と停止を自在に行うことができない。且つ、エアロゾル発生基質が不均一に炭化し、エアロゾル発生基質のベーキングが不十分となるため、利用率が低い。また、HNB器具の発熱チップは、エアロゾル発生基質の取り出し装置や発熱チップベースに汚れを生じさせやすく、クリーニングが難しい。且つ、発熱体と接触する部分のエアロゾル発生基質の温度が上昇しすぎ、部分的に分解が発生することで、人体に有害な物質が放出される。そのため、抵抗加熱方式に代わって、マイクロ波加熱技術が徐々に新たな加熱方式となっている。マイクロ波加熱技術は、効率的、迅速、選択的及び加熱に遅延がないとの特性を有し、特定の誘電特性を持つ物質についてのみ加熱効果を有する。マイクロ波加熱による霧化を採用する際の応用上の利点としては、以下が挙げられる。
【0005】
a.マイクロ波加熱は放射加熱であり、熱伝達ではないため、即時吸入、即時停止を実現可能である。
【0006】
b.発熱チップを有さないため、チップ折れや、発熱チップのクリーニングの問題が存在しない。
【0007】
c.エアロゾル発生基質の利用率が高く、吸い心地の一致性が高くなり、吸い心地が一段とタバコに近似する。
【0008】
従来技術において、エアロゾル発生装置は、いずれもサーキュレータで定在波比を検出する方式でマイクロ波モジュールの最適な周波数点を特定している。しかし、サーキュレータは体積が大きいため、エアロゾル発生装置の小型化設計を達成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本願の第1の局面ではエアロゾル発生装置を提供する。
【0011】
本願の第2の局面では、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。
【0012】
本願の第3の局面では、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。
【0013】
本願の第4の局面では、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。
【0014】
本願の第5の局面では、読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0015】
本願の第6の局面では、エアロゾル発生装置を提供する。
【0016】
上記に鑑みて、本願の第1の局面に基づき、霧化室を含むハウジングと、ハウジングに接続されて、霧化室内にマイクロ波を供給するために用いられるマイクロ波モジュールと、霧化室に設けられて、霧化室のフィードバック電圧値を収集するために用いられる電圧収集モジュールと、電圧収集モジュールに接続されて、フィードバック電圧値に基づきマイクロ波モジュールの目標動作周波数を決定するために用いられるコントローラ、を含むエアロゾル発生装置を提供する。
【0017】
本願が提供するエアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。霧化室の室壁構造における電流のフィードバック電圧値は、電圧収集モジュールにより収集可能である。電圧収集モジュールはフィードバック電圧値をコントローラに伝送する。コントローラは、フィードバック電圧値の大きさに基づき、霧化室の室壁におけるエネルギーの大きさを判断可能である。
【0018】
具体的には、マイクロ波モジュールが掃引動作を行う際に、電圧収集モジュールは、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラは、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュールの掃引動作が完了すると、コントローラは複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうち最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数が霧化室の共振周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュールを制御すれば、マイクロ波モジュールを最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0019】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュールが周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュールを制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0020】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0021】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づきマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0022】
また、本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0023】
可能な設計において、電圧収集モジュールは、ハウジングの内壁に設けられる給電点と、第1端子が給電点に接続され、第2端子がコントローラに接続されるフィルタモジュール、を含む。
【0024】
当該設計において、電圧収集モジュールは給電点及びフィルタモジュールを含む。また、ハウジングの内壁に給電点が設けられる。即ち、霧化室の内部空間に給電点が設けられる。霧化室の内側壁における電圧信号は給電点により収集される。電圧信号は、フィルタモジュールにより濾波されてコントローラに伝送される。これにより、コントローラは、給電点を通じて霧化室のフィードバック電圧値を収集可能となる。
【0025】
マイクロ波が霧化室内に供給された場合には、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流が発生する。本願では、霧化室内に給電点を設けることで、霧化室の室壁におけるフィードバック電圧値の収集を実現する。
【0026】
可能な設計において、フィルタモジュールは、第1端子がダイオードの第1端子に接続され、第2端子がダイオードの第2端子に接続されるものであって、コントローラに接続されるフィルタ回路、を含む。また、ダイオードの第2端子から第1端子まで導通する。
【0027】
当該設計において、フィルタモジュールはダイオード及びフィルタ回路を含む。ダイオードは整流ダイオードであり、霧化室の内壁の電流は直流信号に整流される。また、フィルタ回路により直流信号を濾波し、濾波された直流信号がコントローラに送信される。コントローラは、濾波された直流信号を受信することで、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を特定可能である。
【0028】
具体的に、ダイオードはフィルタ回路と並列である。ダイオードの第1端子はダイオードの負極である。ダイオードの負極は給電点に接続され、ダイオードの正極はグランドに接続される。また、コントローラは整流回路に接続される。霧化室の室壁における負の電流のフィードバック電圧値は、ダイオードの負極により収集可能である。
【0029】
本願では、ダイオードとフィルタ回路を並列に設け、ダイオードの負極を給電点に接続することで、フィルタモジュールが給電点を通じて霧化室の室壁における負の電流のフィードバック電圧値を収集できるようにしている。
【0030】
可能な設計において、フィルタモジュールは、第1端子が給電点に接続されるダイオードと、第1端子がダイオードの第2端子に接続され、第2端子がグランドに接続されるものであって、コントローラに接続されるフィルタ回路、を含む。また、ダイオードの第1端子から第2端子まで導通する。
【0031】
当該設計において、フィルタモジュールはダイオード及びフィルタ回路を含む。ダイオードは整流ダイオードであり、霧化室の内壁の電流は直流信号に整流される。また、フィルタ回路により直流信号を濾波し、濾波された直流信号がコントローラに送信される。コントローラは、濾波された直流信号を受信することで、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を特定可能である。
【0032】
具体的に、ダイオードはフィルタ回路と直列である。ダイオードの第1端子はダイオードの正極である。ダイオードの正極は給電点に接続され、ダイオードの負極は整流回路を介してコントローラに接続される。霧化室の室壁における正の電流のフィードバック電圧値は、ダイオードの正極により収集可能である。
【0033】
本願では、ダイオードとフィルタ回路を直列に設け、ダイオードの正極を給電点に接続することで、フィルタモジュールが給電点を通じて霧化室の室壁における正の電流のフィードバック電圧値を収集できるようにしている。
【0034】
可能な設計において、フィルタ回路は、コンデンサフィルタ回路、抵抗-コンデンサフィルタ回路、インダクタ-コンデンサフィルタ回路のうちのいずれか又は組み合わせを含む。
【0035】
当該設計では、フィルタ回路としてDCフィルタ回路を選択し、具体的には、コンデンサフィルタ回路、抵抗-コンデンサフィルタ回路(RC)、インダクタ-コンデンサフィルタ回路(LC)うちの1つ又は組み合わせを選択可能である。
【0036】
いくつかの実施例では、フィルタ回路としてインダクタ-コンデンサフィルタ回路を選択し、ダイオードとインダクタ-コンデンサフィルタ回路を直列とする。
【0037】
これらの実施例において、ダイオードの第1端子は給電点に接続され、ダイオードの第2端子は直列のインダクタ及びコンデンサに接続される。また、コンデンサはコントローラに接続され、コンデンサ及びコントローラの共通端子はグランドに接続される。ダイオードは、第1端子から第2端子まで導通する。霧化室の室壁における電流は、ダイオードにより整流されたあと直流電流信号となる。直流電流信号は、インダクタ-コンデンサフィルタ回路により濾波されたあとコントローラに伝送される。コントローラは、直流電流信号を処理することでフィードバック電圧値を取得可能である。
【0038】
可能な設計において、給電点は、霧化室の底壁に設けられる貫通孔であって、孔壁にフィルタモジュールが接続される貫通孔、又は、霧化室の内壁に設けられる導電リングであって、霧化室の底壁に近接しており、フィルタモジュールが接続される導電リング、又は、第1端子が霧化室の底壁に接続され、第2端子がフィルタモジュールに接続されるリード線、を含む。
【0039】
当該設計において、給電点は選択可能に複数の形式とされる。当該形式には、貫通孔、導電リング及びリード線が含まれるが、これらに限らない。
【0040】
いくつかの実施例では、給電点を貫通孔とし、霧化室の底壁位置に貫通孔を開設する。フィルタモジュールのサンプリング端子は貫通孔の孔壁に接続されて、霧化室の底壁における貫通孔の孔壁位置のフィードバック電圧値を収集する。
【0041】
別のいくつかの実施例では、給電点を導電リングとする。具体的には、導電リングとして銅リングを選択してもよい。導電リングは霧化室の内側壁に設けられる。且つ、導電リングは、霧化室の底壁に近接する位置に設けられる。フィルタモジュールのサンプリング端子は導電リングに接続される。導電リングは霧化室の室壁位置に設けられる。導電リングは、室壁の電流をフィルタモジュールに流すことができる。これにより、導電リングを通じて霧化室の室壁のフィードバック電圧値が収集される。
【0042】
本願の第2の局面に基づき、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含む。エアロゾル発生装置の制御方法は、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御すること、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集すること、複数のフィードバック電圧値に基づき設定周波数範囲内の目標周波数を決定すること、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御すること、を含む。
【0043】
本願で提供するエアロゾル発生装置の制御方法は、エアロゾル発生装置を制御する。エアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。
【0044】
エアロゾル発生基質が霧化室内に位置している状況で、設定周波数範囲内で掃引動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。マイクロ波モジュールが掃引動作を行う過程では、電圧収集モジュールにより霧化室の室壁における複数のフィードバック電圧値を収集し続ける。理解し得るように、複数のフィードバック電圧値は、マイクロ波モジュールの掃引動作過程における複数の動作周波数に対応している。よって、複数のフィードバック電圧値を分析処理することで、設定周波数範囲内の目標周波数を取得可能である。そして、目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を加熱により霧化する。
【0045】
理解し得るように、掃引過程でフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。目標周波数は、設定周波数範囲内で霧化室の共振周波数に最も近い動作周波数である。即ち、マイクロ波モジュールの動作過程における最適な周波数点である。目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようエアロゾル発生装置を制御することで、霧化室内でのエアロゾル発生基質の霧化効率を向上させられる。
【0046】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0047】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づきマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0048】
本願に基づき提供する上記技術方案におけるエアロゾル発生装置の制御方法は、更に、以下の技術的特徴を有してもよい。
【0049】
可能な設計において、フィードバック電圧値に基づき設定周波数範囲内の目標周波数を決定することは、更に、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値を取得すること、最大電圧値に基づいて、最大電圧値に対応する設定周波数範囲内の目標周波数を決定すること、を含む。
【0050】
当該設計では、マイクロ波モジュールが掃引動作を行う際に、電圧収集モジュールは、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラは、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュールの掃引動作が完了すると、コントローラは複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。
【0051】
理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数が設定周波数範囲内の目標周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュールを制御すれば、マイクロ波モジュールを最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0052】
可能な設計において、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御することは、設定周波数範囲内の第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御すること、動作周波数が設定周波数範囲内の第2周波数に達するまで、第1設定時間長ごとに、設定調整値でマイクロ波モジュールの動作周波数を調整すること、を含む。
【0053】
当該設計では、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、設定周波数範囲内の比較的低い第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、設定周波数範囲内の第2周波数に調整されるまで、第1設定時間長が経過するごとに、動作周波数を設定調整値に調整して動作するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0054】
理解し得るように、第1周波数は第2周波数よりも大きい。或いは、第1周波数は第2周波数よりも小さい。即ち、マイクロ波モジュールは、掃引動作過程において、設定周波数範囲内で低周波数から高周波数へ上昇させつつ動作してもよいし、設定周波数範囲内で高周波数から低周波数へ低下させつつ動作してもよい。
【0055】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュールが周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュールを制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0056】
本願では、第1設定時間長が経過するごとに、マイクロ波モジュールの動作周波数が設定調整値に調整されるよう制御することで、マイクロ波モジュールが、動作周波数ごとに、霧化室内にマイクロ波を供給するだけの十分な時間長を有するようにする。これにより、複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の複数の動作周波数との対応性が向上するため、目標周波数の取得精度が向上する。
【0057】
可能な設計において、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集することは、マイクロ波モジュールが動作している状態で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を収集することを含む。
【0058】
当該設計では、掃引動作の過程で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を1回収集する。そして、フィードバック電圧値を収集した時間と、マイクロ波モジュールの掃引動作過程で動作周波数を調整した時間とを対応付けることで、収集した複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の動作周波数を一対一で対応付け可能とする。このことは、その後、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に基づいて正確な目標周波数を検索するのに都合がよい。
【0059】
いくつかの実施例において、電圧収集モジュールは霧化室のフィードバック電圧値を検出し続け、第1設定時間長ごとにその時点のフィードバック電圧値を記録する。
【0060】
別のいくつかの実施例において、電圧収集モジュールは、第1設定時間長ごとに、その時点のフィードバック電圧値を検出して記録する。
【0061】
可能な設計において、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、更に、マイクロ波モジュールが目標周波数に従って第2設定時間長に達するまで動作した場合、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻り、動作停止命令を受信するまで実行することを含む。
【0062】
当該設計では、目標周波数を決定したあと、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御してから、再度、掃引動作を行って目標周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻って実行する。エアロゾル発生装置内のエアロゾル発生基質はマイクロ波モジュールの動作に伴い熱を受けて霧化されるため、霧化室のエアロゾル発生基質に変化が生じて、霧化室の共振周波数を変化させる。よって、本願では、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、目標周波数の検索に再び戻って実行することで、マイクロ波モジュールが動作する際の目標周波数の継続的な更新を実現する。これにより、エアロゾル発生装置内のマイクロ波モジュールが長時間にわたり最適な周波数点で動作し得るよう保証して、エアロゾル発生装置によるエアロゾル生成基質の霧化効果を向上させる。
【0063】
本願の第3の局面では、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含む。エアロゾル発生装置の制御装置は、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するための制御モジュールと、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集するための収集モジュールと、複数のフィードバック電圧値に基づき設定周波数範囲内の目標周波数を決定するための決定モジュール、を含む。制御モジュールは、更に、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御するために用いられる。
【0064】
本願で提供するエアロゾル発生装置の制御装置は、エアロゾル発生装置を制御する。エアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。
【0065】
エアロゾル発生基質が霧化室内に位置している状況で、設定周波数範囲内で掃引動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。マイクロ波モジュールが掃引動作を行う過程では、電圧収集モジュールにより霧化室の室壁における複数のフィードバック電圧値を収集し続ける。理解し得るように、複数のフィードバック電圧値は、マイクロ波モジュールの掃引動作過程における複数の動作周波数に対応している。よって、複数のフィードバック電圧値を分析処理することで、設定周波数範囲内の目標周波数を取得可能である。そして、目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を加熱により霧化する。
【0066】
理解し得るように、掃引過程でフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。目標周波数は、設定周波数範囲内で霧化室の共振周波数に最も近い動作周波数である。即ち、マイクロ波モジュールの動作過程における最適な周波数点である。目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようエアロゾル発生装置を制御することで、霧化室内でのエアロゾル発生基質の霧化効率を向上させられる。
【0067】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0068】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づきマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0069】
本願の第4の局面では、エアロゾル発生装置の制御装置を提供する。当該制御装置は、プログラム又は命令が記憶されているメモリと、メモリに記憶されているプログラム又は命令を実行することで上記第2の局面におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ、を含む。従って、上記第2の局面におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない
【0070】
本願の第5の局面では、読み取り可能な記憶媒体を提供する。読み取り可能な記憶媒体にはプログラム又は命令が記憶されている。プログラム又は命令がプロセッサにより実行される際に、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップが実現される。従って、上記いずれかの可能な設計におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0071】
本願の第6の局面では、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、上記第3の局面及び/又は第4の局面におけるエアロゾル発生装置の制御装置、及び/又は、上記第5の局面における読み取り可能な記憶媒体を含む。よって、上記のエアロゾル発生装置の制御装置及び/又は読み取り可能な記憶媒体の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【発明の効果】
【0072】
本願の付加的な局面及び利点については、以下に記載する部分で明らかとなるか、本願の実践を通じて理解される。
【0073】
本願の上記及び/又は付加的な局面及び利点については、下記の図面を組み合わせた実施例の記載から明らかとなり、且つ容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】
図1は、本願の第1の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略構造図を示す。
【
図2】
図2は、本願の第1の実施例におけるフィルタモジュールの概略
図1を示す。
【
図3】
図3は、本願の第1の実施例におけるフィルタモジュールの概略
図2を示す。
【
図4】
図4は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート1を示す。
【
図5】
図5は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート2を示す。
【
図6】
図6は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の概略フローチャート3を示す。
【
図7】
図7は、本願の第2の実施例におけるエアロゾル発生装置の概略図を示す。
【
図8】
図8は、本願の第3の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置の概略ブロック図を示す。
【
図9】
図9は、本願の第4の実施例におけるエアロゾル発生装置の制御装置の概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本願における上記の目的、特徴及び利点がより明瞭に理解され得るよう、以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本願につき更に詳細に述べる。説明すべき点として、矛盾しない場合には、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0076】
以下の記載では、本願が十分に理解されるよう、多くの具体的詳細事項について詳述するが、本願は、ここで記載するものとは異なるその他の方式で実施してもよい。従って、本願の保護の範囲は以下で開示する具体的実施例に制限されない。
【0077】
以下に、
図1~
図9を参照して、本願のいくつかの実施例に基づくエアロゾル発生装置、エアロゾル発生装置の制御方法、エアロゾル発生装置の制御装置及び読み取り可能な記憶媒体について記載する。
【実施例1】
【0078】
図1に示すように、本願の第1の実施例では、ハウジング120、霧化室122、マイクロ波モジュール140、電圧収集モジュール160及びコントローラ180を含むエアロゾル発生装置100を提供する。
【0079】
ハウジング120内には霧化室122が設けられている。
【0080】
マイクロ波モジュール140は、ハウジング120に接続されて、霧化室122内にマイクロ波を供給するために用いられる。
【0081】
電圧収集モジュール160は、霧化室122に設けられて、霧化室122のフィードバック電圧値を収集するために用いられる。
【0082】
コントローラ180は、電圧収集モジュール160に接続されて、フィードバック電圧値に基づきマイクロ波モジュール140の目標動作周波数を決定するために用いられる。
【0083】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置100は、ハウジング120、マイクロ波モジュール140、電圧収集モジュール160及びコントローラ180を含む。ハウジング120内には霧化室122が設けられており、霧化室122内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュール140はハウジング120に取り付けられる。マイクロ波モジュール140は霧化室122内にマイクロ波を供給可能である。霧化室122内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュール140から供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュール140が発生させるマイクロ波は、霧化室122の共振特性によって、霧化室122の室壁構造に電流を発生させる。霧化室122の室壁構造における電流のフィードバック電圧値は、電圧収集モジュール160により収集可能である。電圧収集モジュール160はフィードバック電圧値をコントローラ180に伝送する。コントローラ180は、フィードバック電圧値の大きさに基づき、霧化室122の室壁におけるエネルギーの大きさを判断可能である。
【0084】
具体的には、マイクロ波モジュール140が掃引動作を行う際に、電圧収集モジュール160は、霧化室122の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラ180は、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュール140の掃引動作が完了すると、コントローラ180は複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうち最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室122内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数が霧化室122の共振周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュール140を制御すれば、マイクロ波モジュール140を最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置100によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0085】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュール140が周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュール140を制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室122内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュール140を制御する。
【0086】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0087】
本実施例では、霧化室122内に、霧化室122の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュール160を設けている。これにより、コントローラ180は、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室122内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュール140が動作する際の最適な周波数点である霧化室122の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づきマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置100によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュール140の最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室122内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュール160は、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置100の動作効率が保証される。
【0088】
そのほか、本実施例に基づき提供する上記技術方案のエアロゾル発生装置100は、更に、以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0089】
図1に示すように、上記いずれかの実施例において、電圧収集モジュール160は給電点162及びフィルタモジュール164を含む。
【0090】
給電点162はハウジング120の内壁に設けられる。
【0091】
フィルタモジュール164の第1端子は給電点162に接続され、フィルタモジュール164の第2端子はコントローラ180に接続される。
【0092】
本実施例において、電圧収集モジュール160は給電点162及びフィルタモジュール164を含む。また、ハウジング120の内壁に給電点162が設けられる。即ち、霧化室122の内部空間に給電点162が設けられる。霧化室122の内側壁における電圧信号は給電点162により収集される。電圧信号は、フィルタモジュール164により濾波されてコントローラ180に伝送される。これにより、コントローラ180は、給電点162を通じて霧化室122のフィードバック電圧値を収集可能となる。
【0093】
マイクロ波が霧化室122内に供給された場合には、霧化室122の共振特性によって、霧化室122の室壁構造に電流が発生する。本実施例では、霧化室122内に給電点162を設けることで、霧化室122の室壁におけるフィードバック電圧値の収集を実現する。
【0094】
図2に示すように、上記いずれかの実施例において、フィルタモジュール164はダイオード1642及びフィルタ回路1644を含む。
【0095】
ダイオード1642の第1端子は給電点162に接続され、ダイオード1642の第2端子はグランドに接続される。
【0096】
フィルタ回路1644の第1端子はダイオード1642の第1端子に接続され、フィルタ回路1644の第2端子はダイオード1642の第2端子に接続される。また、フィルタ回路1644はコントローラ180に接続される。
【0097】
この場合には、ダイオード1642の第2端子から第1端子まで導通する。
【0098】
本実施例において、フィルタモジュール164はダイオード1642及びフィルタ回路1644を含む。ダイオード1642は整流ダイオード1642であり、霧化室122の内壁の電流は直流信号に整流される。また、フィルタ回路1644により直流信号を濾波し、濾波された直流信号がコントローラ180に送信される。コントローラ180は、濾波された直流信号を受信することで、霧化室122の室壁のフィードバック電圧値を特定可能である。
【0099】
具体的に、ダイオード1642はフィルタ回路1644と並列である。ダイオード1642の第1端子はダイオード1642の負極である。ダイオード1642の負極は給電点162に接続され、ダイオード1642の正極はグランドに接続される。また、コントローラ180は整流回路に接続される。霧化室122の室壁における負の電流のフィードバック電圧値は、ダイオード1642の負極により収集可能である。
【0100】
本実施例では、ダイオード1642とフィルタ回路1644を並列に設け、ダイオード1642の負極を給電点162に接続することで、フィルタモジュール164が給電点162を通じて霧化室122の室壁における負の電流のフィードバック電圧値を収集できるようにしている。
【0101】
図3に示すように、上記いずれかの実施例において、フィルタモジュール164はダイオード1642及びフィルタ回路1644を含む。
【0102】
ダイオード1642の第1端子は給電点162に接続される。
【0103】
フィルタ回路1644の第1端子はダイオード1642の第2端子に接続され、フィルタ回路1644の第2端子はグランドに接続される。また、フィルタ回路1644はコントローラ180に接続される。
【0104】
この場合には、ダイオード1642の第1端子から第2端子まで導通する。
【0105】
本実施例において、フィルタモジュール164はダイオード1642及びフィルタ回路1644を含む。ダイオード1642は整流ダイオード1642であり、霧化室122の内壁の電流は直流信号に整流される。また、フィルタ回路1644により直流信号を濾波し、濾波された直流信号がコントローラ180に送信される。コントローラ180は、濾波された直流信号を受信することで、霧化室122の室壁のフィードバック電圧値を特定可能である。
【0106】
具体的に、ダイオード1642はフィルタ回路1644と直列である。ダイオード1642の第1端子はダイオード1642の正極である。ダイオード1642の正極は給電点162に接続され、ダイオード1642の負極は整流回路を介してコントローラ180に接続される。霧化室122の室壁における正の電流のフィードバック電圧値は、ダイオード1642の正極により収集可能である。
【0107】
本実施例では、ダイオード1642とフィルタ回路1644を直列に設け、ダイオード1642の正極を給電点162に接続することで、フィルタモジュール164が給電点162を通じて霧化室122の室壁における正の電流のフィードバック電圧値を収集できるようにしている。
【0108】
上記いずれかの実施例において、フィルタ回路1644は、コンデンサフィルタ回路1644、抵抗-コンデンサフィルタ回路1644、インダクタ-コンデンサフィルタ回路1644のうちのいずれか又は組み合わせを含む。
【0109】
本実施例では、フィルタ回路1644としてDCフィルタ回路1644を選択し、具体的には、コンデンサフィルタ回路1644、抵抗-コンデンサフィルタ回路1644(RC)、インダクタ-コンデンサフィルタ回路1644(LC)うちの1つ又は組み合わせを選択可能である。
【0110】
いくつかの実施例では、フィルタ回路1644としてインダクタ-コンデンサフィルタ回路1644を選択し、ダイオード1642とインダクタ-コンデンサフィルタ回路1644を直列とする。
【0111】
これらの実施例において、ダイオード1642の第1端子は給電点162に接続され、ダイオード1642の第2端子は直列のインダクタ及びコンデンサに接続される。また、コンデンサはコントローラ180に接続され、コンデンサ及びコントローラ180の共通端子はグランドに接続される。ダイオード1642は、第1端子から第2端子まで導通する。霧化室122の室壁における電流は、ダイオード1642により整流されたあと直流電流信号となる。直流電流信号は、インダクタ-コンデンサフィルタ回路1644により濾波されたあとコントローラ180に伝送される。コントローラ180は、直流電流信号を処理することでフィードバック電圧値を取得可能である。
【0112】
上記いずれかの実施例において、給電点162は、霧化室122の底壁に設けられる貫通孔を含む。フィルタモジュール164は貫通孔の孔壁に接続される。
【0113】
或いは、給電点162は、霧化室122の内壁に設けられる導電リングを含む。導電リングは霧化室122の底壁に近接しており、フィルタモジュール164は導電リングに接続される。
【0114】
或いは、給電点162は、リード線を含む。リード線の第1端子は霧化室122の底壁に接続され、リード線の第2端子はフィルタモジュール164に接続される。
【0115】
本実施例において、給電点162は選択可能に複数の形式とされる。当該形式には、貫通孔、導電リング及びリード線が含まれるが、これらに限らない。
【0116】
いくつかの実施例では、給電点162を貫通孔とし、霧化室122の底壁位置に貫通孔を開設する。フィルタモジュール164のサンプリング端子は貫通孔の孔壁に接続されて、霧化室122の底壁における貫通孔の孔壁位置のフィードバック電圧値を収集する。
【0117】
別のいくつかの実施例では、給電点162を導電リングとする。具体的には、導電リングとして銅リングを選択してもよい。導電リングは霧化室122の内側壁に設けられる。且つ、導電リングは、霧化室122の底壁に近接する位置に設けられる。フィルタモジュール164のサンプリング端子は導電リングに接続される。導電リングは霧化室122の室壁位置に設けられる。導電リングは、室壁の電流をフィルタモジュール164に流すことができる。これにより、導電リングを通じて霧化室122の室壁のフィードバック電圧値が収集される。
【実施例2】
【0118】
図4に示すように、本願の第2の実施例では、エアロゾル発生装置の制御方法を提供する。
【0119】
エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含む。
【0120】
エアロゾル発生装置の制御方法は、以下を含む。
【0121】
ステップ402:設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。
【0122】
ステップ404:マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集する。
【0123】
ステップ406:複数のフィードバック電圧値に基づき、設定周波数範囲内の目標周波数を決定する。
【0124】
ステップ408:目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0125】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置の制御方法は、エアロゾル発生装置を制御する。エアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。
【0126】
エアロゾル発生基質が霧化室内に位置している状況で、設定周波数範囲内で掃引動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。マイクロ波モジュールが掃引動作を行う過程では、電圧収集モジュールにより霧化室の室壁における複数のフィードバック電圧値を収集し続ける。理解し得るように、複数のフィードバック電圧値は、マイクロ波モジュールの掃引動作過程における複数の動作周波数に対応している。よって、複数のフィードバック電圧値を分析処理することで、設定周波数範囲内の目標周波数を取得可能である。そして、目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を加熱により霧化する。
【0127】
理解し得るように、掃引過程でフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。目標周波数は、設定周波数範囲内で霧化室の共振周波数に最も近い動作周波数である。即ち、マイクロ波モジュールの動作過程における最適な周波数点である。目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようエアロゾル発生装置を制御することで、霧化室内でのエアロゾル発生基質の霧化効率を向上させられる。
【0128】
関連技術では、いずれも定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0129】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づきマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0130】
図5に示すように、上記いずれかの実施例において、フィードバック電圧値に基づき設定周波数範囲内の目標周波数を決定することは、更に、以下を含む。
【0131】
ステップ502:複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値を取得する。
【0132】
ステップ504:最大電圧値に基づいて、最大電圧値に対応する設定周波数範囲内の目標周波数を決定する。
【0133】
本実施例では、マイクロ波モジュールが掃引動作を行う際に、電圧収集モジュールは、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラは、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュールの掃引動作が完了すると、コントローラは複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。
【0134】
理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数が設定周波数範囲内の目標周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュールを制御すれば、マイクロ波モジュールを最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0135】
図6に示すように、上記いずれかの実施例において、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御することは、以下を含む。
【0136】
ステップ602:設定周波数範囲内の第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0137】
ステップ604:動作周波数が設定周波数範囲内の第2周波数に達するまで、第1設定時間長ごとに、設定調整値でマイクロ波モジュールの動作周波数を調整する。
【0138】
本実施例では、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、設定周波数範囲内の比較的低い第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、設定周波数範囲内の第2周波数に調整されるまで、第1設定時間長が経過するごとに、動作周波数を設定調整値に調整して動作するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0139】
理解し得るように、第1周波数は第2周波数よりも大きい。或いは、第1周波数は第2周波数よりも小さい。即ち、マイクロ波モジュールは、掃引動作過程において、設定周波数範囲内で低周波数から高周波数へ上昇させつつ動作してもよいし、設定周波数範囲内で高周波数から低周波数へ低下させつつ動作してもよい。
【0140】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュールが周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュールを制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0141】
本願では、第1設定時間長が経過するごとに、マイクロ波モジュールの動作周波数が設定調整値に調整されるよう制御することで、マイクロ波モジュールが、動作周波数ごとに、霧化室内にマイクロ波を供給するだけの十分な時間長を有するようにする。これにより、複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の複数の動作周波数との対応性が向上するため、目標周波数の取得精度が向上する。
【0142】
上記いずれかの実施例において、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集することは、マイクロ波モジュールが動作している状態で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を収集することを含む。
【0143】
本実施例では、掃引動作の過程で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を1回収集する。そして、フィードバック電圧値を収集した時間と、マイクロ波モジュールの掃引動作過程で動作周波数を調整した時間とを対応付けることで、収集した複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の動作周波数を一対一で対応付け可能とする。このことは、その後、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に基づいて正確な目標周波数を検索するのに都合がよい。
【0144】
いくつかの実施例において、電圧収集モジュールは霧化室のフィードバック電圧値を検出し続け、第1設定時間長ごとにその時点のフィードバック電圧値を記録する。
【0145】
別のいくつかの実施例において、電圧収集モジュールは、第1設定時間長ごとに、その時点のフィードバック電圧値を検出して記録する。
【0146】
上記いずれかの実施例では、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、更に、マイクロ波モジュールが目標周波数に従って第2設定時間長に達するまで動作した場合、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻り、動作停止命令を受信するまで実行することを含む。
【0147】
本実施例では、目標周波数を決定したあと、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御してから、再度、掃引動作を行って目標周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻って実行する。エアロゾル発生装置内のエアロゾル発生基質はマイクロ波モジュールの動作に伴い熱を受けて霧化されるため、霧化室のエアロゾル発生基質に変化が生じて、霧化室の共振周波数を変化させる。よって、本願では、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、目標周波数の検索に再び戻って実行することで、マイクロ波モジュールが動作する際の目標周波数の継続的な更新を実現する。これにより、エアロゾル発生装置内のマイクロ波モジュールが長時間にわたり最適な周波数点で動作し得るよう保証して、エアロゾル発生装置によるエアロゾル生成基質の霧化効果を向上させる。
【0148】
図7に示すように、マイクロ波モジュールの制御過程では、フィードバック電圧値の閉ループ制御によりマイクロ波モジュールの動作を制御する。
【0149】
コントローラは、霧化室のフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。そして、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波がマイクロ波増幅器及びカプラを通過したあと霧化室内に供給される。
【実施例3】
【0150】
図8に示すように、本願の第3の実施例では、エアロゾル発生装置の制御装置800を提供する。エアロゾル発生装置は、マイクロ波モジュール、霧化室及び電圧収集モジュールを含む。
【0151】
エアロゾル発生装置の制御装置は、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するための制御モジュール802と、マイクロ波モジュールが掃引動作を行っている状態で、電圧収集モジュールにより霧化室の複数のフィードバック電圧値を収集するための収集モジュール804と、複数のフィードバック電圧値に基づき、設定周波数範囲内の目標周波数を決定するための決定モジュール806、を含む。制御モジュール802は、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御するために用いられる。
【0152】
本実施例で提供するエアロゾル発生装置の制御装置は、エアロゾル発生装置を制御する。エアロゾル発生装置は、ハウジング、マイクロ波モジュール、電圧収集モジュール及びコントローラを含む。ハウジング内には霧化室が設けられており、霧化室内にはエアロゾル発生基質を収容可能である。マイクロ波モジュールはハウジングに取り付けられる。マイクロ波モジュールは霧化室内にマイクロ波を供給可能である。霧化室内に収容されるエアロゾル発生基質は、マイクロ波モジュールから供給されるマイクロ波の作用により熱を受けて霧化され得る。マイクロ波モジュールが発生させるマイクロ波は、霧化室の共振特性によって、霧化室の室壁構造に電流を発生させる。
【0153】
エアロゾル発生基質が霧化室内に位置している状況で、設定周波数範囲内で掃引動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。マイクロ波モジュールが掃引動作を行う過程では、電圧収集モジュールにより霧化室の室壁における複数のフィードバック電圧値を収集し続ける。理解し得るように、複数のフィードバック電圧値は、マイクロ波モジュールの掃引動作過程における複数の動作周波数に対応している。よって、複数のフィードバック電圧値を分析処理することで、設定周波数範囲内の目標周波数を取得可能である。そして、目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御することで、霧化室内のエアロゾル発生基質を加熱により霧化する。
【0154】
理解し得るように、掃引過程でフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。目標周波数は、設定周波数範囲内で霧化室の共振周波数に最も近い動作周波数である。即ち、マイクロ波モジュールの動作過程における最適な周波数点である。目標周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようエアロゾル発生装置を制御することで、霧化室内でのエアロゾル発生基質の霧化効率を向上させられる。
【0155】
関連技術では、定在波比を検出するためのサーキュレータがエアロゾル発生装置に設けられ、エアロゾル発生装置内で大きなスペースを占有している。且つ、サーキュレータは動作過程で発熱するため、システム全体の効率が低下する。
【0156】
本願では、霧化室内に、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集可能な電圧収集モジュールを設けている。これにより、コントローラは、フィードバック電圧値に基づきその時点の霧化室内におけるエネルギーの供給状況を特定して、マイクロ波モジュールが動作する際の最適な周波数点である霧化室の共振周波数を決定することが可能となる。そして、最適な周波数点に基づきマイクロ波モジュールを制御することで、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率を向上可能とする。こうすることで、マイクロ波モジュールの最適な周波数点の検出精度及び検出効率が保証されるとともに、霧化室内に体積の大きなサーキュレータを別途設ける必要もなくなるため、製品の小型化に有利となり、生産コストが低下する。且つ、電圧収集モジュールは、動作過程で大量の熱を発生させることがないため、エアロゾル発生装置の動作効率が保証される。
【0157】
上記いずれかの実施例において、エアロゾル発生装置の制御装置は、更に、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値を取得するための取得モジュールを含む。
【0158】
決定モジュール806は、更に、最大電圧値に基づいて、最大電圧値に対応する設定周波数範囲内の目標周波数を決定するために用いられる。
【0159】
本実施例では、マイクロ波モジュールが掃引動作を行う際に、電圧収集モジュールは、霧化室の室壁のフィードバック電圧値を収集し続ける。また、コントローラは、収集した複数のフィードバック電圧値を記録する。そして、マイクロ波モジュールの掃引動作が完了すると、コントローラは複数のフィードバック電圧値の大きさを比較して、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数を目標動作周波数とする。
【0160】
理解し得るように、フィードバック電圧値が大きい場合には、その時点の周波数のマイクロ波が霧化室内に供給するエネルギーが多いことを意味するため、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に対応する動作周波数が設定周波数範囲内の目標周波数となる。よって、最大のフィードバック電圧値に対応する動作周波数で動作するようマイクロ波モジュールを制御すれば、マイクロ波モジュールを最適な周波数点で動作させることができ、エアロゾル発生装置によるエアロゾル発生基質の加熱・霧化効率が向上する。
【0161】
上記いずれかの実施例において、制御モジュール802は、更に、設定周波数範囲内の第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御するために用いられる。
【0162】
制御モジュール802は、更に、動作周波数が設定周波数範囲内の第2周波数に達するまで、第1設定時間長ごとに、設定調整値でマイクロ波モジュールの動作周波数を調整するために用いられる。
【0163】
本実施例では、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。具体的には、設定周波数範囲内の比較的低い第1周波数で動作を開始するようマイクロ波モジュールを制御する。そして、設定周波数範囲内の第2周波数に調整されるまで、第1設定時間長が経過するごとに、動作周波数を設定調整値に調整して動作するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0164】
理解し得るように、第1周波数は第2周波数よりも大きい。或いは、第1周波数は第2周波数よりも小さい。即ち、マイクロ波モジュールは、掃引動作過程において、設定周波数範囲内で低周波数から高周波数へ上昇させつつ動作してもよいし、設定周波数範囲内で高周波数から低周波数へ低下させつつ動作してもよい。
【0165】
例示的に、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御する。設定周波数範囲の周波数の最小値は2.2Gであり、周波数の最大値は2.57Gである。掃引動作の過程では、マイクロ波モジュールが周波数の最小値から動作を開始する。そして、周波数の最大値に達するまで、2ミリ秒ごとに10MHzずつ増加させるようマイクロ波モジュールを制御する。また、動作周波数を切り替えるたびに、フィードバック電圧値を1つ記録する。掃引の完了後は、フィードバック電圧値のうちの最大値に対応する動作周波数を目標動作周波数とし、目標動作周波数に従って霧化室内にマイクロ波を供給するようマイクロ波モジュールを制御する。
【0166】
本願では、第1設定時間長が経過するごとに、マイクロ波モジュールの動作周波数が設定調整値に調整されるよう制御することで、マイクロ波モジュールが、動作周波数ごとに、霧化室内にマイクロ波を供給するだけの十分な時間長を有するようにする。これにより、複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の複数の動作周波数との対応性が向上するため、目標周波数の取得精度が向上する。
【0167】
上記いずれかの実施例において、収集モジュール804は、更に、マイクロ波モジュールが動作している状態で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を収集するために用いられる。
【0168】
本実施例では、掃引動作の過程で、第1設定時間長ごとに霧化室のフィードバック電圧値を1回収集する。そして、フィードバック電圧値を収集した時間と、マイクロ波モジュールの掃引動作過程で動作周波数を調整した時間とを対応付けることで、収集した複数のフィードバック電圧値と設定周波数範囲内の動作周波数を一対一で対応付け可能とする。このことは、その後、複数のフィードバック電圧値のうちの最大電圧値に基づいて正確な目標周波数を検索するのに都合がよい。
【0169】
上記いずれかの実施例において、制御モジュール802は、更に、マイクロ波モジュールが目標周波数に従って第2設定時間長に達するまで動作した場合、設定周波数範囲内で掃引動作を行うようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻り、動作停止命令を受信するまで実行するために用いられる。
【0170】
本実施例では、目標周波数を決定したあと、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御してから、再度、掃引動作を行って目標周波数を検索するようマイクロ波モジュールを制御するステップに戻って実行する。エアロゾル発生装置内のエアロゾル発生基質はマイクロ波モジュールの動作に伴い熱を受けて霧化されるため、霧化室のエアロゾル発生基質に変化が生じて、霧化室の共振周波数を変化させる。よって、本願では、目標周波数に従って第2設定時間長だけ動作するようマイクロ波モジュールを制御したあと、目標周波数の検索に再び戻って実行することで、マイクロ波モジュールが動作する際の目標周波数の継続的な更新を実現する。これにより、エアロゾル発生装置内のマイクロ波モジュールが長時間にわたり最適な周波数点で動作し得るよう保証して、エアロゾル発生装置によるエアロゾル生成基質の霧化効果を向上させる。
【実施例4】
【0171】
図9に示すように、本願の第4の実施例では、エアロゾル発生装置の制御装置900を提供する。当該制御装置900は、プログラム又は命令が記憶されているメモリ902と、メモリ902に記憶されているプログラム又は命令を実行することで、上記実施例のうちのいずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法のステップを実現するプロセッサ904、を含む。従って、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【実施例5】
【0172】
本願の第5の実施例では、読み取り可能な記憶媒体を提供する。読み取り可能な記憶媒体にはプログラムが記憶されており、プログラムがプロセッサにより実行される際に上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法が実現される。よって、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル発生装置の制御方法の全ての有益な技術的効果を有する。
【0173】
読み取り可能な記憶媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等である。
【実施例6】
【0174】
本願の第6の実施例では、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、上記実施例3及び/又は実施例4におけるエアロゾル発生装置の制御装置、及び/又は、上記実施例5における読み取り可能な記憶媒体を含む。よって、上記のエアロゾル発生装置の制御装置及び/又は読み取り可能な記憶媒体の全ての有益な技術的効果を有するが、ここではこれ以上詳述しない。
【0175】
エアロゾル発生装置は、更に、霧化室、マイクロ波モジュール、コントローラ及び電圧収集モジュールを含む。コントローラは、霧化室のフィードバック電圧値を収集し、フィードバック電圧値に基づき目標周波数を決定する。そして、目標周波数に従って動作するようマイクロ波モジュールを制御することで、マイクロ波がマイクロ波増幅器及びカプラを通過したあと霧化室内に供給される。
【0176】
明確にすべき点として、本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「複数の」との用語は、2つ又は2つ以上を意味する。また、別途明確に限定している場合を除き、「上」、「下」等の用語が示す方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本願をより記載しやすくし、且つ記載過程を更に簡便にするためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が、記載した特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するためのものではない。よって、これらの記載は、本願を制約するものと解釈すべきではない。また、「接続する」、「取り付ける」、「固定する」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、複数の対象間の固定的な接続であってもよいし、複数の対象間の取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよい。且つ、複数の対象間の直接的な連なりであってもよいし、複数の対象間の中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、上記用語の具体的状況に基づき、本願における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0177】
本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的実施例」等の用語による記載は、その実施例又は例示を組み合わせて記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本願の特許請求の範囲、明細書及び図面において、上記用語についての概略的記載は、必ずしも同一の実施例又は事例を示すとは限らない。且つ、記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせ可能である。
【0178】
以上は本願の好ましい実施例にすぎず、本願を制限するものではない。当業者にとって、本願には各種の変更及び変形が存在し得る。本願の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本願の保護の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0179】
100 エアロゾル発生装置
120 ハウジング
122 霧化室
140 マイクロ波モジュール
160 電圧収集モジュール
162 給電点
164 フィルタモジュール
1642 ダイオード
1644 フィルタ回路
180 コントローラ
【国際調査報告】